【咲-Saki-】久「運命?そんなものは後付よ」 (45)

久x咲です
擬声語が苦手なので上手く補完していただければ幸いです

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久「ところで咲、和に告白しないのかしら?」

咲「ふぁっ!? な、なんで部長がっ?」ガタッ

久「そんなの見てれば分かるわよ。まこや優希ですら知ってるわ。時々話題になるもの。そんなことより告白しちゃいなさいよ。早くしないと私がしちゃうわよ?」

咲「部長も和ちゃんのこと好きなんですか!?」

久「さぁ、どうかしら? それよりも貴女の事よ」

咲「でももしフラレちゃったら気まずくなっちゃって最悪友達ですら……それに和ちゃんモテるし私なんてこんなちんちくりんだし――」

久「でも好きなんでしょ?」

咲「はい、きっと初めて見た時に運命だって感じたんです。それに和ちゃんもその時のこと憶えててくれて。でももちろんそれだけじゃないんです。かわいいのに格好良くて、性格だって優しいのに力強く引っ張ってくれて~~」

久「本当に好きなのね……」ニガワライ

久「でも、運命……ね。和はそういう意味で言ったのかしら?」ボソ

咲「え?」

久「いえ、気にしないで」

咲「……」

久「あ~、そもそも和と優希は友達でしょう? ならそれ以前に見かけたことがあるんじゃないかしら、なんて思って……」

咲「……」コク

久(なんか正直すぎて心配になるわね――分かってたことだけど)

久「それに、私も貴女と初めて逢った時のことを憶えているわ。でもそれって特別な事かしら。運命って言うなら天江さんの方がそうなんじゃないかしら。麻雀を楽しむことを教えて、家族や友達との関係を進展させた」

久「つまり何が言いたいかというと、運命なんて結果から逆算したもの、後付、錯覚ということよ。貴女の好きな本だってそうでしょう? 結果が在るから、運命や過程がある。そう思わないかしら」ニコ

咲「確かに……でも私の気持ちは――」ブツブツ

久(これは……悪いわね、和。でもこれは、私にとって最後のチャンスかもしれないの)

久「それに運命なんかより、私達の努力で手に入れたものの方が良いと思わない?」

咲「それは――
久「私は、この夏の事はきっと一生忘れないわ。練習、合宿、大会、それに皆で遊んだことも。辛かったことも多かったけど、それ以上に、最高に楽しかったわ」

咲「はい、それは私もです」

久「だから……ね?」

久「私は貴女の事が好きよ、咲」

文末で会話の省略に使う記号は「――」で合ってますか?
「…」「~」?

咲「ふぁっ? そ、それってどういう……」

久「なんてね。じゃあ、考えておいてね? バイバイ」

咲「え、え? 結局どっちなんですか?」



久「もしもし鷺森さん? ちょっとウチの原村和のことで相談があって。そう――」

~数日後~

和「すみません。これから予定があるのでお先に失礼します」

久「あら、急ね」

和「ええ、穏乃や憧たちが遊びに来たいと、昨夜連絡があって。駅まで迎えに」

久「そう、また明日ね」

和「はい、さようなら」

咲「うん、じゃあね」

久「……気になる?」

咲「……」

久「着いて行ってみましょうか?」

咲「悪趣味です」

久「一度やってみたかったのよねー、尾行」

駅前

和「こんにちは。お久しぶりです、穏乃」

穏乃「和~」ダキ

和「キャ、穏乃。急にどうしたんですか。それに他の皆は?」

穏乃「え、皆? でも灼さんが――」

――

咲「っ!」

久「あら」

咲「……」

久「咲、気にする必要はないわ。の子達は和と遊ぶためだけに全国に来ちゃう様なハチャメチャな子達だもの。きっと特別な感情なんて無いわよ」

咲「そう、ですよね」

久「でも、他の阿知賀の子達はどうしたのかしら」

咲「え」

久「……」

咲「……私、帰ります」

久「待って、咲。もう少ししたら皆来るかもしれないわ」

咲「明日和ちゃんに聞きますから」

~翌日 部室~

咲「おはようどざいます」

久「あら早いわね……大丈夫? ちゃんと眠れた?」

咲「……」

久「部活が始まるまで少し寝てなさい?」

咲「いえ、大丈夫です。あの……」

久「あの後の事、気になる? ごめんなさい、私もあの後10分位で帰っちゃったから……和が来たら聞きなさい?」

咲「……はい」


ガチャ

和「お早うございます」

久「あら、おはよう」

咲「おはよう……和ちゃん大丈夫? すごく眠そうだけど」

和「ええ、昨日はしz――皆が寝かせてくれなくて……咲さんも大丈夫ですか?」

咲「うん大丈夫だよ。ありがとう」

和(ふぅ……咲さんに変な誤解を与えてしまうところでした。咲さんに嘘は吐きたくありませんが仕方ないですよね)

咲(皆って事は心配しなくても良いんだよね。でもさっきの部長の話しぶりからすると……)

久「阿知賀の皆が泊まったんじゃ大変だったんじゃない?」

和「いえ、穏乃と憧とだけでしたから」シレッ

咲「あ、私も和ちゃんが帰った後急いで駅行ったんだ。久しぶりに穏乃ちゃんに会いたくて」

和「? すみません、咲さんも呼べばよかったですね。二人とももう着いていて、直ぐに家に帰っちゃったんです。長旅で疲れているようでしたから」

咲「そう……なんだ」グスッ

和「ど、どうしたんですか? 咲さん」

咲「ううん? 何でもない。すみません部長、体調が優れないので今日は帰ってもいいですか?」

久「大丈夫? 送ったほうがいいかしら?」

咲「いえ、平気です」



咲(和ちゃん、嘘ついてた……やっぱり穏乃ちゃんと……)

久「咲ー!」

咲「部長?」

久「ごめんなさいね、やっぱり心配で来ちゃった」

咲「すみません、迷惑かけて」

久「いいのよ。私は貴女の先輩だもの」

咲「でもこんなことで」

久「それに前にも言ったでしょ? 私は貴女の事が好きよ。むしろこれはご褒美だわ!」

咲「部長……クスッ」

久「笑わないの。これでも本気なんだから」

咲「はい、ありがとうございます」

咲「……ありがとうございます」ポロポロ 

ギュ

久「大丈夫。大丈夫よ、咲。まだ決まったわけじゃないわ。麻雀と一緒で最後まで分からないんだから」

咲「……」コクン

久「元気、出そう?」

咲「……ハイ」

久「……」

咲「もう少しだけいいですか?」

久「まったく、今日の咲は甘えん坊ね」ナデナデ

咲(部長、あったかい……)ギュ

久「フフ……」ギュ

この後の展開は考えてませんが、たぶん続きます

~数日後 昼休み 教室~

和「ゆーき、咲さんは?」

優希「図書室に用事があるってさっき出てったじぇ」

和「丁度良かった、というのも変ですが、相談があります」

優希「いいけど、のどちゃんが相談なんて珍しいじぇ」

和「……咲さんに避けられている気がします」

優希「そうか? 特に変わらないと思うじぇ」

和「いえ、少し前まではもっと良い雰囲気でした。部活中によく視線が合いましたし、その度にはにかんでくれました。他にも勉強やパソコンの操作、何でも私に聞いてくれたんです」

和「でも最近、その頻度が下がってきた気がします。それに目が合った時も、はにかむというより何と言うか……『ニッコリ』なんです。まぁ、それはそれで凄く可愛らしいのですが」

優希(もうさっさと告白でもなんでもして欲しいじぇ……)

和「やっぱり先日の事を怒っているのでしょうか?」

優希「でも遊びに誘わなかったくらいで、あの咲ちゃんが怒るとは思えないじぇ」

和(まさか嘘がバレている? それともまさか咲さんは穏乃の事が……ありえませんね。だって咲さんは、あの時『運命』だって言っていましたから)

優希「ま、たぶんヤキモチだじぇ!」

和「そうですよね!」

―図書室―

久「お・つ・か・れ・さ――まっ!」ピト

咲「ひゃっ!? な、何するんですか!」

久「はい、お茶。手伝ってくれたお礼よ。ありがとね」

咲「もー、部長? いいですよ、私も読む本ですから。あ、部長もこの作家さん好きなんですか?」

久「ああそれ? 前に咲が好きだって言ってたでしょ? だから読んでみようと思って。貴女も部室にあれば嬉しいでしょ?」

咲「はい、とっても。……でも本当にいいんですか?」

久「いいのよ。どうせ廃棄されちゃうんだし、有効活用よ。っと、続きは明日にしましょう? 明日もいいかしら?」

咲「はい」

~~

久「なんだか皆で帰るのも久しぶりねー」

まこ「ほーじゃの~、誰かさんが忙しいから」


優希「きょうたろーつかれたじぇ~。下まで連れてけ~!」

京太郎「おい、自分で歩けよ! ったくしょうがねーなー」

ワイワイガヤガヤ


和「こうやって咲さんの隣を歩くのも久しぶりな気がします」

咲「ん? 今朝も一緒に登校したよね?」

和「ふふ……なんとなくです」

咲「? 変な和ちゃn――」ツルッ

咲「ふあっ!?」
和「咲さん!」
久「咲!」

トサッ

久「――っと、大丈夫?」

咲「は、はい」

久「ホントおっちょこちょいね。あまり心配かけないでよ?」アタマポンポン

咲「~~っ///」

久「さ、行きましょ?」ギュ

咲「あ、あの、手……」

久「ダメよ。離したらまた転ぶかもしれないでしょ?」

咲「///」コク

テクテクテクテク…


和「」

優希「のどちゃん」

まこ「和」

和「」

優希「こりゃダメだじぇ……」

まこ「さすが部長じゃ」

京太郎「俺、先帰ってますね」

まこ「おう、悪いの」

優希「のどちゃん、今日は付き合うじぇ」

まこ「よし、今日はウチ、貸し切り&奢りじゃ!」

優希「よっ、太っ腹!」

まこ「あんたは自腹じゃ」

和「……あ”りがどうございまず」ボロボロ

~卒業式後 部室~

久「皆、今までありがとう。最高の一年だったわ。まこ、麻雀部は任せたわよ」グス

まこ「あんた、引退して何ヶ月経ったと思っとるんじゃ。言われんでも分かっとる。だから心配せんで卒業しんしゃい」

一年生s「「「「ありがとうございました」」」」


久「さて、皆の前で言いたいことがあるの」

久「宮永咲さん!」

咲「は、はい!」

久「卒業前にこんな事言うのは卑怯かもしれない、けど、好きです。付き合って下さい!」

咲「はi 和「ってちょっと待って下さい! まだ付き合ってなかったんですか!? 私の身を引くという一世一代の決意は何だったんですか!?」
まこ「ヘタレ! 久あんたヘタレじゃ!」
和「咲さん待って下さい私も好きです愛してます!」
まこ「あんたも待たんか!」
優希「のどちゃん待つじぇ!」
和「いえ待ちませんここで阻止すれば来年一年チャンスが」
まこ「あるかい!」
優希「イヌ! のどちゃん止めるの手伝え!」

ワイワイガヤガヤ

久「何か変なことになっちゃったけど、貴女の事が好きよ。初めて逢った時から目が離せない子だと思ってたけど、貴女が初めて笑顔を見せてくれたとき、私は恋に落ちたわ」

久「それからずっと貴女を見てた。貴女が和を目で追ってるのを見て嫉妬したし、胸が痛かった。正直家でちょっと泣いたわ。でも諦められなかった。ずっとずっと好きだった。ずっとずっと一緒にいられたらと夢想してた。重いかもしれないけど、これが本心よ」

久「こんな私でよかったら、付き合って下さい」

咲「……はい。私も部長の事、大好きです」

久「本当に? 後悔しない? きっと私、貴女が思ってる以上に重いわよ?」

咲「部長こそいいんですか? 私の方が重い自信があります。なにせお姉ちゃんの事を追って全国にまで出た前科がありますから。きっと束縛しちゃいます。部長モテますから」

久「……今お姉さんに嫉妬したわ」グイッ

チュ

咲「ん……ふぁ」

久「束縛して、咲。私が愛してるのは、今も、これからも、貴女だけよ」



かん

まこ「そいやあ、あんた、咲にだけ部長呼び注意せんかったな」

久「だって『久さん』なんて呼ばれたら、どうかなっちゃいそうだったんだもの」

まこ「そうかい」

久「……逆に『元部長』なんて呼ばれるかもしれないと思ったら……ね」

まこ「相変わらずメンタル弱いのー」


補足 かん

ありがとうございました。またいつか咲x和、咲x小蒔or霞、咲x塞で書くかもしれません。

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