江ノ島「みんなが学園生活に前向きすぎる…」 (34)


学園生活初日

>体育館

モノクマ「…というわけだからオマエラは一生仲良くここで学園生活を送ってください。嫌ならクロになって卒業してね。あとこれ電子生徒手帳。あばよ!」ぼよよーん


桑田「うわ!モノホンのタブレットだ!」

大和田「すげぇ!タッチで操作できんぞ!!」

セレス「科学の力は素晴らしいですね…」

石丸「画面も見やすくシンプルな表示で、こういうのには疎い僕にも操作がしやすいぞ!」

ガッシャーーン

江ノ島(戦刃)「ちょっとなにしてんの!?」

霧切「どうやら耐久性にも問題がないようね」

大神「ぬぅ、それは安心だ。モノクマの我への心配りが心にしみいるぞ」

不二咲「このタブレット衝撃にも強いんだね!すごいや!」

朝日奈「防水機能もあって、水に沈めても大丈夫って言ってたよ!モノクマほんとサイコー!」


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江ノ島「えっと、…タブレットじゃなくて、電子手帳だからね!つーかあのモノクマってやつ、私達をこんなところに閉じ込めてなにを企んで…、」

十神「フン、そんなことはどうでもいいだろう…いま俺達はタブレットの話をしているんだ。邪魔をするんじゃない」

腐川「そうよ。空気読みなさいよ汚ギャル」

江ノ島「汚ギャルて…、」


山田「とりあえず僕達はこれから行動を共にして行くわけでありますから、これからみんなで学園を探検というのはいかがでしょうか!」

セレス「適応ですわね。実に魅力的な提案だと思いますわ」

葉隠「おっ!このタブレット、マップがついてるべ!」

不二咲「よーし、それじゃあ誰が一番情報を集められるか競争だよ!」

朝日奈「なにそれ楽しそう!賛成!」

石丸「それでは、みんな!二列縦隊だ!!」ピーーーッ

「「ザッザッザッ!」」

舞園「こんなの中学校の体育以来ですね、ワクワクしてきました」

腐川「うふふふふふ。あたしはこんな大勢と行動を共にすることなんで初めてよ」

桑田「久しぶりですらねぇんだ!でもいまはそんなこと気にしあいっこなしだぜ!」

セレス「そうですわ。いまこの状況を楽しむことといたしましょう?」

石丸「みんな実にいいとこを言うな!僕は嬉しい!ではさっそく歩みを同じくして、僕らの輝かしい未来溢れる校舎へと足を踏み入れることとしよう!誰一人として隊列を乱すんじゃないぞ!僕らは一心同体なのだからな!」

「「うんうん!!」」

ゾロゾロ…

江ノ島「ちょ、ちょっと待ちなって~!」

苗木「みんながコロシアイに積極的過ぎる」シリーズもよろしくね




ザッザッザッ…

石丸「ムムッ!窓が分厚い鉄板で覆われているぞ!」

大神「ハッ!」

どっしーーー~ーーん!!

大神「………びくともせぬな」

朝日奈「さくらちゃんがやってもびくともしないなんて!」

江ノ島「でしょ!?こんなのふつーじゃないって!!ねぇ!?」

不二咲「でもここまで仰々しく封鎖してるってことは、きっとなにか意味があるんだろうね」

セレス「この学園にいる限り不自由はさせないとモノクマは言ってましたわ。ですからこれはきっと外敵くら身を守る手段に他ならないでしょう」

霧切「つまり外はいま危険にさらされている状態ということね…」

江ノ島「ん、んなななわけないでじゃん!?そんなことありえないって!!」

桑田「つーかさ、ここにいる限り安全なんだからどーでもよくね?」

大和田「だな」

セレス「それもそうですわね」

霧切「確かに」

ぐううう……

朝日奈「えへへぇ、おなか空いてきちゃった!食堂いってなにか食べようよ!」

石丸「うむ!もうそんな時間か!ではみんな二列縦隊だ!!」

石丸「全体ー!前へ!」ピーッ

「「ザッザッザッ!」」

江ノ島「ちょ、ちょっと、他の教室もちゃんと見なって!!」


>食堂

江ノ島「ヤバイってヤバイって!みんなさ、マジでこの状況に疑問とかないわけ?」

セレス「これが希望が峰学園のスタイルなのでしょう?さっさと適応なさいな。わたくしたちはこれから長い付き合いとなりますのよ?」

不二咲「だからさ、江ノ島さんも一緒にお絵描き大会しようよぉ~!」

江ノ島「お、お絵描き大会ぃ…?」

朝日奈「えっへへ~霧切ちゃんが見つけてきてくれたプリントの裏を使ってるんだ~」

江ノ島「それって、希望が峰学園の案内図のプリント…」

霧切「拾ったけどタブレットにマップあるし、いらないかと思って…」

江ノ島「ちょっとッ!アンタら、ぶざけんじゃねーよ!寝ぼけてんの?私ら監禁されてんのよ?いつ殺されても、おかしくないのよッ!」

十神「騒ぐな」

腐川「そうよ汚ギャルは黙ってなさいよ」

江ノ島「…」


江ノ島「よく分かったわよ!じゃあアンタらの勝手にしちゃえば!?私は知らないからね!」

霧切「どこへ行くの?」

江ノ島「部屋に帰るに決まってんでしょ!?」

不二咲「そんなぁ!」

大神「江ノ島よ…」

江ノ島「私もう怒ったから!止めても無駄なんだからね!」

大神「あとで我の部屋で女子会をすることになった。気が向いたら江ノ島もくるがいい…」

江ノ島「ハァ!?んなの行くわけないでしょ!?アンタらで勝手にやってりゃいーじゃん!!」

大神「気が向いたらでいいのだ。我らはこれから長い付き合いとなる。みんなお前と仲良くしていきたい。分かるだろう?」

江ノ島「んぐっ…わ、分かったわよ!行けばいいんでしょう行けば!」

江ノ島「あー!もう調子狂うなぁ!部屋で顔洗ってくる!!」バタんッ!

江ノ島(あんまり騒いで目立ちすぎてもアレだしな…適当に合わせないと…)

ガチャン!



不二咲「きっといきなり大勢の見知らぬ人に囲まれて緊張してるんだろうなぁ…」

大神「イマイチ馴染むことができなくて戸惑っているのだろう…」

朝日奈「なんとかならないかな…」

舞園「ふふ、私に名案があります」

ヒソヒソ…


ピンポーン!

朝日奈「やっほー!江ノ島ちゃん!」

江ノ島「なによ…」

朝日奈「さっき言ってた女子会、来るでしょ?」

江ノ島「え、あ、その…」

朝日奈「よし、じゃあいくよっ!」グイグイ!

江ノ島「ちょ、ちょっと!?」




朝日奈「ほら入って入って!」

江ノ島「食堂?」

朝日奈「いいから入って!ほら!」グイグイ!

江ノ島「わ、わかったから!押すなって!」

ガチャ

不二咲「江ノ島さん!待ってたよぉ!」ぎゅうう!

江ノ島「え、なになに!なんなの!?」

大神「ふんっ!」ひょいっ!

江ノ島「きゃっ、お、お姫様だっこ!?」

桑田「いえーい!主賓の登場だー!道を開けろー!」

石丸「みんな盛大な拍手だ!!」

パチパチパチパチパチパチ!!!

パラパラパラ(紙吹雪

江ノ島「え?なに?マジでなんなの!?つかなんで男子いんの?意味わかんないんですけど?え?え?」

不二咲「江ノ島さんがいまいちみんなと馴染めてないみたいだから、仲良くなるためにみんなでパーティーすることにしたんだ!」

苗木「紙吹雪は部屋のメモ帳をちぎって作ったんだよ!」

山田「大量に作りすぎて、部屋のものを全部使い尽くしてしましましてなぁ…」

桑田「壁の飾り付けの輪っかも作ったんだぜ!」

江ノ島「アンタたちホントなにしてんの…」


朝日奈「江ノ島ちゃんの席はこっちこっち!」

江ノ島「う、うん。え、なにこのイス」

大和田「部屋の工具セットでちょっとばかし改造してみたんだ。このひじ掛け、なかなかイカすだろ」

江ノ島「あ、うん。アンタ、大工向いてんじゃない?」

大和田「そ、そうか?」照れ

舞園「座布団は部屋の裁縫セットを使って作ってみたんです。江ノ島さんの髪飾りとお揃いのウサちゃんのアップリケもつけてみたんだけど、どうですか?」

江ノ島「器用なんだね、ありがと…」

舞園「よかったです」えへへ

江ノ島(なにこれサイコーに意味わかんない)



大神「料理もたくさん作ってあるぞ。お腹が空いているだろう。好きなだけ食べるがいい…」

不二咲「江ノ島さんの好きなのとってくるね!なにがいい?」

江ノ島「いいって、気つかわなくて!」

不二咲「なんでも好きなのいってよ!」

江ノ島「じゃあ………」

江ノ島「………オムライス」

不二咲「わかった!すぐ取ってくるねぇ!」

江ノ島「うん……」


もぐもぐ……

朝日奈「どう?おいしい?」

江ノ島「おいしい…」

朝日奈「やったぁ!」

桑田「こっちも食べてみろよ!この麻婆豆腐なかなか美味いぜ!」

山田「チャーハンもいかがですか、江ノ島盾子殿!」

セレス「餃子もありましてよ」

江ノ島「ちょっと、そんな一気に持って来られても食べられないって!」

不二咲「ゆっくりでいいよ!パーティーはまだまだ長いんだからさ!」

山田「今夜は朝まで騒ぎますぞー!」

霧切「その場合、食堂は夜時間は閉まるみたいだから場所を移動したほうがいいわね」

葉隠「じゃあ二次会は江ノ島っちの部屋で決まりだべ!」

朝日奈「男子は山田の部屋ね」

江ノ島「つーか私の部屋もムリだから!」




くかー

江ノ島(でも結局押し切られて、私の部屋で朝までドンチャン騒ぎ…)

桑田「くかー」zzz

江ノ島(なんか男子まじってるし)

朝日奈「くかー」zzz

江ノ島(みんな仲良いな…)

不二咲「すー」zzz

江ノ島(昔からホントに……)


江ノ島(……………)



江ノ島(ダメダメ!盾子ちゃんから扇動役任されてんのに!こんなんじゃまた呆れられちゃう)パンパン

苗木「すーすー」zzz

江ノ島「………顔洗ってこよ」


江ノ島「ウィッグが蒸れてかゆい…みんながいるから脱げないし、触られても困るからうかうかみんなの前で寝れないし……それは慣れてるからいいんだけど」

江ノ島「はあ、メイクの仕方わかんない……」

セレス「教えて差し上げましょ?」

江ノ島「うわっ!?聞いてたの!?」

セレス「ええ、トイレを借りようと思いまして……盗み聞きするつもりはございませんでしたが、申し訳ありませんわ」

江ノ島「アンタ、今私が言ってたことは忘れるんだよ!いいわね!」

セレス「メイクのことでしょうか?」

江ノ島「ち、ちげーって!その、私の髪が…」

セレス「あら、もしかしてウィッグのことですか?そんなこと初日から気づいていましたわ」

江ノ島「えっ」

セレス「うふふ、かくいうわたくしのこれもウィッグですのよ?わたくしも長いですから、それがウィッグか地毛かくらい見ただけで分かりますわ」


江ノ島「へぇーすごいね…」

セレス「うふふふ、芸能界には詳しくないですが、ウィッグで仕事というのはモデル業もなかなか大変ですのね。メイクもメイクさんにやっていただいてるのでしょう?」

江ノ島「ま、まぁね」

セレス「うふふふ、さて。化粧水は持っておいでで?」

江ノ島「化粧水…?あ、えっと…たしかここに」

セレス「あら、いいのを使ってますのね。わたくしもこのブランド好きですのよ?」

セレス「では、このコットンにしっかり液を染み込ませて…」




セレス「…ほら、こうするとソバカスも自然に消えますわ」トントン

江ノ島「うわ、すごい……上手だね」

セレス「うふふ、光栄ですわ。さて、わたくしも化粧直しをしてきますわね。また後で、ごきげんよう」

ガチャ…

江ノ島「あ、うん……」

江ノ島「………」




ガチャ…

朝日奈「あ、江ノ島ちゃん!化粧変えた?」

江ノ島「あ、うん。セレスにやってもらった」

不二咲「うわぁ!すごく似合ってるよ!」

江ノ島「ありがと………」

江ノ島「………」


朝日奈「じゃあまたねー」

ガチャン

<くあー床で寝たから全身いてぇ…

<もう一度寝直すか…

江ノ島(やっと帰った)

モノクマ「おい」

江ノ島「ッ!」ビクッ

モノクマ「オマエ、やる気あんの?」

江ノ島「じゅ、盾子ちゃん…」

モノクマ「やる気あんのかって聞いてんだよ、残姉」

江ノ島「あ、あるよ!」

モノクマ「じゃあなんなのよこの状況はさ」

江ノ島「それは……」

モノクマ「こんな全身むず痒くなるような仲良しパーティー、はなからぶち壊してやればよかったのに。なにを呑気に楽しんじゃってさ。うっぷっぷ!」

江ノ島「楽しんでなんか、」

モノクマ「まさか今更情が出てきたとか言わないよね?ちょっとよくされたぐらいで勘違いしちゃってさ!」

モノクマ「絶望的にくだらない学園生活で絶望的に馴染めてなかったアンタが、こんな絶望的な仲良しごっこにほだされて、絶望的に日和っちゃってさ!呆れちゃうよね!」

江ノ島「そ、そんなんじゃ」

モノクマ「だったら結果だせって言ってんだよ!いちいち言わねぇとわかんねぇのかよ!だから残姉は残姉なんだよ!」バンッ

江ノ島「ごめんなさい…」

モノクマ「ちょっと話があるから上に上がってこい」

江ノ島「うん……」


>情報処理室

妹様「予定かえることにしたから」

戦刃「どういうこと?」

妹様「三日目に予定してた動機の提示、今日にズラす。意味分かるよな?」

戦刃「うん…」

妹様「家族が危険に晒されてるって分かったらアイツらもさすがに焦んだろ!まあもうとっくにお亡くなりなんですけど!」うっぷぷぷ!

戦刃「ねぇ、盾子ちゃん……」

妹様「……なに」

戦刃「やっぱりさ……」

妹様「やめないよ」

戦刃「………」

妹様「はあ。もういい。私一人でやるから。残姉は体調悪いとか適当に言って部屋にこもってて。邪魔だけはしないで。いいね?」

戦刃「………わかった。私、戻るね」

ガチャ……

妹様「………」

妹様「………はぁ。マジで絶望的」


江ノ島(戦刃)「嫌だよ、こんなの……帰りたい……」

江ノ島「このままじゃ盾子ちゃんに嫌われちゃうよ……」

江ノ島「でも………」

ピンポーン…ドンドン

<江ノ島さーん、大丈夫?

<体調悪いのー?

江ノ島「もうやめて、お願い、仲良くしないで、」

江ノ島「やめて……やめてよ……」


………
……

江ノ島「……いつの間にか寝ちゃってた。もう夜か……」

江ノ島「……全身がだるい……」

江ノ島「枕カバー変えなきゃ…服もハンガーにかけないとシワになっちゃう…」

江ノ島「シャワー浴びよ…」

シャー…

江ノ島「はぁ…」

江ノ島「盾子ちゃんの言うとおりだ。私、日和っちゃってる」

江ノ島「いまの状況をぶち壊したくないって心のどこかで思ってるんだ」

江ノ島「…………私、どうすればいいの?」

江ノ島「どうすればいいんだろう……」

ピンポーン…

<江ノ島さん!起きてますか?

江ノ島「………なんでこんなに私に優しくしてくれるんだろう。いまの私が盾子ちゃんだから?」

江ノ島「ははっ………」

江ノ島「盾子ちゃんはいつも明るくてノリが良くて誰とも壁を作らなくて……」

江ノ島「それに比べて私は…………」

江ノ島「…………」

ピンポーン!ドンドン!

<江ノ島さん!返事だけでもしてください!

江ノ島「やり直せないのかな……」


ガチャ……

舞園「あ、江ノ島さ……」

舞園「えっと…」

戦刃「私は戦刃むくろ。16人目のクラスメイト」

舞園「江ノ島さんは……」

戦刃「今までの江ノ島盾子は私の変装。ほら」ひょいっ

舞園「か、カツラ……?」

戦刃「話したいことがある。みんなを集めて欲しい」

舞園「わ、わかりました…」




桑田「な、なんだよお前……」

大和田「なんてったってそんな……」

不二咲「そんな、外の世界が破壊し尽くされてるなんて、…」

葉隠「信じろってんのかその話を……」

大神「しかし、窓の鉄板といい、説明がつくこともあるのは事実だ」

戦刃「信じようが信じまいがこれが真実なの。理解しなくていい。でも分かってほしい」

霧切「でもあなたは私達にこのことを話してどうするつもりなのかしら?あなたの話では外の世界は汚染されているはず。ただ脱出、すればいいという話ではないはずよ」

腐川「な、なら尚更ここで暮らしていた方が得策じゃない……!!」

十神「フン、この女も考えがあってのことだろう。最後まで聞こうじゃないか」

苗木「話してくれるかな、戦刃さん」

戦刃「”未来機関”っていうのがあるの」


戦刃「盾子ちゃんをはじめとする”超高校級の絶望”に対抗するために作られた世界の希望的機関。……詳しくないけど、そこに保護してもらえばきっと助かるはず」

戦刃「多分、みんなが危険にさらされていることを危惧して、この学園の近くまで助けは来ているはず。ただ、扉が厳重に閉ざされているから、あとはこちらから開けるだけ」

苗木「でもその機関はその……戦刃さんとは敵対関係の……」

戦刃「そう。だから私は一緒にはいけない。でもみんなを助ける手助けはする」

不二咲「そんなのだめだよ!戦刃さんも一緒に」

戦刃「ダメ。私は絶望側の人間。分かって。私にとってもこれは苦渋の選択なの」

戦刃「わかって」

苗木「そんなこと……」


モノクマ「させるかよ」


モノクマ「そんなこと、このボクがさせると思ってるの!?うっぷぷぷ!」

戦刃「……盾子ちゃん」

モノクマ「…あーあ。マジ絶望的。最悪。ホントどうしようもないよね、これで計画が全部パァ。ホントマジでサイコーに意味わかんない」

モノクマ「なんなのホント」

戦刃「ごめんなさい…」

大和田「テメェが黒幕か……」

大神「戦刃になにかするつもりなら我が相手になろう……」

モノクマ「………」



モノクマ「飽きちゃった。もう興ざめ」


モノクマ「もう勝手にすれば。ここを出てもどうせ汚染されてみんな死ぬ。万が一生き残れたところで絶望に侵食されて全滅なんだから」

モノクマ「こんな絶望的な世界でアンタらの仲良しごっこがどこまで続くのか。逆に興味深くなってきたわ」

モノクマ「うぷ、うぷ、うっぷぷぷ!もう後悔しても遅いんだからね!たったいまこの学園の空気清浄機はストップしました!」

モノクマ「ほらよ、入口のドアのスイッチ」ぽんっ

戦刃「盾子ちゃん…」

モノクマ「アンタとはもう絶交だから。バイバイ」

戦刃「………」

モノクマ「………はよいけよ」

戦刃「またね、盾子ちゃん。ありがとう…いこう、みんな」

石丸「あ、ああ…」

モノクマ「………」


>エントランス

舞園「そのスイッチを押せば外に出られるんですか?」

不二咲「こ、怖いよ…」

戦刃「大丈夫。私がみんなを守るから」

大和田「ああ、その時は俺も力になる」

大神「我もだ…」

朝日奈「みんなで協力すればきっと大丈夫だよ!少しの間だったけど、みんなとはこれからもずっと仲良くやっていけそう!」

セレス「うふふふ、ふふふ」

石丸「では、みんな用意はいいか?戦刃くん、頼むぞ」

苗木「緊張してきた…」すーはーすーはー

霧切「しっかりして」

桑田「膝かっくん!」

苗木「うわっ、」かっくん

舞園「なにしてるんですか…」


葉隠「俺は直感を信じることにするべ。あと模擬刀の先制攻撃だべ。………なんかこれは脱出前にいっといたほうがいいような気がするって」

山田「は、はぁ…」

腐川「実はあたしも殺人鬼の裏人格があるからよろしく…」

不二咲「えっと、実は僕も……」

十神「いまはそういう時間じゃない」

戦刃「…そろそろいいかな?」

石丸「す、すまない!みんな静粛にするんだ!戦刃くんはスイッチを押すぞ!」

シーン…

戦刃「逆にやりづらい…よし、じゃあ、いくよ」


ポチッとな



ピーピーピーピー

ゴゴゴゴゴゴ…………


こうして私たちはこの学園を脱出した。

外は本当に希望のカケラもない絶望的な世界だったけど、逃げ延びるうちに未来機関に見つけてもらい、だれ一人としてはぐれず保護してもらうことができた。

機関側は私の処遇には随分ともめたみたいだけど、みんなが必死になって説得してくれたおかげで、要様子見ではあるけど一緒に保護してもらえることになった。

ははっ、

みんな私のことを「戦刃」って名前で呼んでくれる。誰一人として私を責めたりなんかしなかった。

本当に、

バカみたい…


これからどうなっていくとか分からない。盾子ちゃんのことだから、こんなことしてタダでは逃がさないはず。

きっといまは泳がせているだけ。

肥えて太らせて平和ボケしたころに、根こそぎかっさらうんだ。

でも、

いまこの瞬間を、私は楽しみたい。

ごめんね、

ありがとう、

またね、盾子ちゃん。



<戦刃さん!みんなでトランプしよ!

戦刃「うん!」



おわり

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年03月27日 (日) 00:20:18   ID: yGq7KscV

後半いい話だな

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