チノ「覚えていますよ…」 (52)

ここあ兄「あまり遠くに行くなよ」

ここあ姉「知らない人に付いて行っちゃダメよ」

ここあ「はーい」

ここあ「じゃあ、あの公園で遊んで来るね」


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ここあ「うわー、うさぎがいっぱい!」

ここあ「うさぎにさわりたい!うさぎと遊びたい!」


ガシッ


ここあ「!」

??「おじいちゃん…」

ここあ「おじいちゃん?」

??「おじいちゃんとパパがいない…」ウルッ

ここあ「(いないって、もしかして迷子?)」

??「」ゴシゴシ

ここあ「な、泣かないで…」

ここあ「(そうだ、確かポケットにポケット絵本が)」

ここあ「そうだ、絵本を読んでもいい?」

??「絵本?」

ここあ「とてもいいお話だよ」

??「…絵本見たい」

ここあ「じゃあ、お姉ちゃんと一緒に絵本を読もうね」

ここあ「じゃあ、お姉ちゃんが読むよー」

ここあ「あっ、言い忘れてたけど、わたしはここあ。ここあお姉ちゃんよ」

??「ここあお姉ちゃん」

ここあ「お名前は?」

??「…ちの…」

ここあ「ちのちゃんね」

ここあ「ちのちゃん、よろしくね」

ここあ「読むのは「ファニーバニー」という名前の絵本だよ」

ちの「楽しみ」

ここあ「じゃあ、読むよ」

むかし、むかし、あるところに王子様うさぎとお姫様うさぎがおりました。
二人はそれぞれの国の王様の目を盗んでこっそり付き合っていました。

ある日、王子様うさぎがお姫様うさぎを丘の上に呼び出しました。

「どうしてここに呼び出したの?」

お姫様うさぎが質問すると、王子様うさぎはこう答えました。

「ごめん…、貰ったビーズ、バラバラになっちゃった…」

続けて王子様うさぎはビーズがバラバラになった理由を話し始めました。

デートした事が王様うさぎにバレて、持っていたビーズをバラバラにされました。

「ひどい…」


お姫様うさぎは涙を流しながらバラバラになったビーズを見つめてました。

すると、王子様うさぎはそのバラバラになったビーズを夜空に向かって投げました。

「あっ」

投げたビーズは夜空の中でキラキラと輝いていました。

「綺麗…」

お姫様うさぎが言うと、

「まるで星座みたいだね」

と王子様うさぎが言いました

「もしかして、これを見せるために私を呼び出したの?」

お姫様うさぎが質問すると、

「そうだよ。ビーズが綺麗だったから、夜空にプレゼントしたらさらに綺麗になるかなと思って君を呼び出したんだ」



「僕の最愛の人に見せたくてね」

王子様うさぎが言うと、お姫様うさぎは泣きながら言いました。

「ありがとう… ありがとう…」

王子様うさぎはお姫様うさぎを抱きながら言いました。

「ここに来たからオーロラに触ってみないか?」

ふたりがいたのはオーロラに触れる丘の上でした。

だけど、まだオーロラは出ていません。

「ふたり揃って二本足で立ったらオーロラが出るかな?」

王子様うさぎが提案すると、「喜んで」とお姫様うさぎも一緒に二本足で立ち始めました。

すると、夜空からオーロラが現れ、ふたりの上で輝き始めました。

そしてそのオーロラの中でさっき投げたビーズがまた輝き始めました。

「凄い…」

この世の風景とは思えない綺麗な景色にお姫様うさぎは感動していました。

「さすがにオーロラには触れられないよね」

お姫様うさぎが言うと、王子様うさぎは言いました

「確かに僕たちの背じゃオーロラには直接触れられないけど、こうすればオーロラに触った感じになれるよ」

そう言うと、王子様うさぎは今いる所よりもさらに上の方へ走って行きました。

「見える?」

王子様うさぎがお姫様うさぎに呼びかけると、お姫様うさぎは

「見えるよ」

と返事をしました。

返事を確認した王子様うさぎは二本足で立つと、「あっ!」とお姫様うさぎは驚きました。

王子様うさぎの耳がオーロラに触れていたのです。


「わたしも、わたしも」

お姫様うさぎも王子様うさぎのいる所に向かい、耳をオーロラに触れました。

「そろそろ帰らないと王様にバレちゃうよね」

「そうだな。そろそろ帰らないとな」


ふたりは丘を降りて帰る事にしました。

別れる前、王子様うさぎはこう言いました。


「姫の夢が叶うのは誰かのおかげじゃないんだよ」

「姫の夢を叶えるために姫が協力してくれるから夢が叶うんだよ」

「叶えて欲しい夢があったら僕が手伝ってあげるよ」

「その時は姫も協力して」

お姫様うさぎも言いました


「わたしも王子様が叶えたい夢があったらわたしも協力するわ」

「もちろん、王子様も協力してね」

こう言った後、お姫様うさぎは


「好き」


と言って王子様うさぎにキスをしました。

王子様うさぎも甘い声で


「大好きだよ」


と言ってお姫様うさぎにキスをしました

ここあ「何かロマンチックだね」

ちの「うんっ」

ちの「ふたりはこの後、どうなるの?」

ここあ「続きを読む?」

ちの「うんっ」

王子様うさぎとお姫様うさぎは会えない日々が長く続いていました。


「今頃 どうしてるのかな?」


王子様うさぎは窓から外を見るたびにこう呟くようになりました。

それと同時にお姫様うさぎの照れた後ろ姿も思い出すようになりました。

お姫様うさぎも同じでした。


「今頃 どうしてるのかな?」


世界は今日も簡単そうに回ってる。

だけど、ふたりの世界はずっと止まったまま。

「会いたいな」


王子様うさぎが呟くと


「会いたいな」


お姫様うさぎも同じ時間に呟きました。

「会いたい…」


長い時間会っていないふたりはこの言葉を度々呟くようになりました。

「姫の夢が叶うのは誰かのおかげじゃないんだよ」

「姫の夢を叶えるために姫が協力してくれるから夢が叶うんだよ」

「叶えて欲しい夢があったら僕が手伝ってあげるよ」

「その時は姫も協力して」



ある日、お姫様うさぎは王子様うさぎの言葉を思い出しました。


「わたしも王子様が叶えたい夢があったらわたしも協力するわ」

「もちろん、王子様も協力してね」


同じ時、王子様うさぎもお姫様うさぎの言葉を思い出しました

「」グッ


「」グッ


ふたりの中で何かの決心がつきました。

ある風の強い日の夜、王子様うさぎは城を脱走して走って行きました。

着いた場所はオーロラが触れる丘でした。

そしてその場所にはお姫様うさぎもいました。

「長い時間会えなくてもわたしたちは繋がっていたんだね…」

「風の強い日だったからもしかしてと思って走って来たよ」

「そういえば、わたしたちが最初に出会った日も風の強い日だったね」

「初めてデートをした日も風の強い日だった」

「そして久々に会った今日も…」

「僕の決心を伝えに来た今日も…」

「決心って?」


お姫様うさぎが質問すると、王子様うさぎは言いました



「僕のそばにずっと一緒にいてくれないか?」


「!」

お姫様うさぎは驚きました。


「会えない日もずっと姫の事を想ってた」

「僕は姫が大好きなんだ!」

「僕のそばに姫がずっといて欲しい」

ダキッ

「!」

王子様うさぎが決心を話した後、お姫様うさぎは王子様うさぎを抱きました。

お姫様うさぎは言いました


「わたしも同じよ」

「わたしも会えない間、ずっと王子様の事を想っていたの」

「わたしも王子様の事が大好きなの」

「だから、わたしはずっとそばにいるわ」



「王子様の夢を叶えるためにずっとそばにいるわ」

こうして相思相愛になったふたりは城、そして国を飛び出して世界中を旅しました。


「色んな事があっても不安じゃない」

「どんな場所でも地面は続いているんだ」

「ふたりとなら好きな場所へ行ける」


この3つの合言葉を胸にしまい、ふたりはどんな場所でも最後まで愛し合っていました。


~fin~

ここあ「いいお話だったね」

ちの「うん、いいお話だった」

ここあ「少しは元気出た?」

ちの「うんっ!」

??「あっ、いたいた」

??「ちの!」

ちの「パパ!おじいちゃん!」

ちの父「ちのを見つけてくれてありがとう」

ちの祖父「ありがとう」

ここあ「ちのちゃんと一緒に絵本を読んで楽しかったよ」

ちの「ここあちゃん、ありがとう」

ちの父「じゃあ、ちの、お店に帰ろう」

ちの「ここあちゃん、ばいばい」

ここあ「ちのちゃん、ばいばい」

ここあ「また一緒に遊ぼうねー」

ちの「うん」

ここあ「約束だよー」

ちの祖父「…」

ちの祖父「苦労して建てた喫茶店の借金が返せない…」

ちの祖父「いっそ うさぎになれたらどんなに楽か…」

ここあ「おじいちゃん このもこもこしたのなーに?」


………
……

時は流れて


ココア「…」

ココア「ここが今日から私が下宿する街か」

ココア「久々に来たけど、どこも変わっていないなー」

ココア「えーと、香風さんちは…」

ココア「あっ…」

ココア「喫茶店… 「ラビットハウス」…」

ココア「…」

ココア「ちょっと休んでいこうかな」

カランカラン


ココア「うっさぎ~ うっさぎ~♪」

チノ「いらっしゃいませ」


………
……

その日の夜


ココア「…zzz」スー


スー


チノ「…」

チノ「ココアさん…」

チノ「ひょっとしたら忘れているかもしれませんが、私は覚えていますよ」



「ココアさんが私に絵本を読ませてくれたお姉ちゃんだという事を」

チノ「一目見てすぐに分かりました」

チノ「自分から約束を果たしに来てくれたのですね…」

チノ「…」

チノ「こんなに大きくなったのですね…」

チノ「ココアさん…」

チノ「いや、ココアお姉ちゃん…」

「一緒に住む事、そして働く事が出来て嬉しいです」


「今日からよろしくお願いします」チュッ



おしまい

絵本の元ネタ:Funny Bunny/the pillows
ttp://www.youtube.com/watch?v=f92VWkYl8CI

また、>>39-41は原作から取っています。


原作2巻のP109を見て、幼少期のココアとチノを絡めた作品を思いついて書いてみました。
絵本を読むシーンも思い浮かんだので、うさぎという事で「Funny Bunny」を元にした絵本を書いて見たいという事で
書いてみましたが、半分以上に及んでしまいました。

TOKYO MXでは今夜から放送開始ということで楽しみにしています。
ごちうさのSSもどんどん増えて行って欲しいです。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年07月23日 (木) 16:10:02   ID: OSKZbAwD

ほとんど訳わからん絵本SSじゃねーか

2 :  SS好きの774さん   2015年11月03日 (火) 21:56:32   ID: oo63o_0f

同意

3 :  SS好きの774さん   2015年12月21日 (月) 22:33:34   ID: 4pWbuIKs

ココアとチノの出会いと再開って分かればいいだろ

4 :  SS好きの774さん   2018年07月01日 (日) 19:04:21   ID: ei_o0fTx

いいゾ^〜これ

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