ミーナ「エレンと相思相愛」(50)

ミカサ「ヤンデレ?」の続きとなります。前のを読まないと展開がわけわからない不親切設計なので注意

ミカサ「調子に乗るなよ、ミーナ・カロライナ」ギリギリ

サシャ「限りなくモブに近いくせに」ギリギリ

クリスタ「一巻で退場するくせに」ギリギリ

ユミル「亀○のくせに」ギリギリ

アニ「豚小屋出身の家畜以下のくせに」ギリギリ

ミーナ「ねえ、エレン。今日は食堂に動物が多いね」

エレン「ど、動物?」

ミーナ「ま・け・い・ぬ♪」

ミカサシャクリユミアニ「「「「「」」」」」ガタタタッ

アルミン「いいかい? 食糧事情が苦しい今、スープの中の具が少ないのは仕方ないことなんだよ」

ライナー「帰って来いアルミン! お前だけが頼りなんだぞ!?」

ミーナ「キャーエレーン。こわーい女の人達がこっち睨んでるよー」(棒)

エレン「ひっ!? 女こわいこわいこわいこわいこわい」ガクガク

ミカサシャクリユミアニ「「「「「」」」」」グサッ

ベルトルト「エレンの一言で傷ついて、なんとかこの場は治まったね……」

ライナー「ああ。ったく、冷や冷やするぜ」

アルミン「芋と薄味のスープ。それだけしかないって言うのは簡単だけど、兵団以外の人は今日の食事にも困ってることだってある。だから僕たちは兵士としての責任として、贅沢を言っちゃいけないんだ!」

コニー「お、おう……」

ジャン「とりあえず、どうするよこれ」

ライナー「事態を収拾できそうなアルミンが現実逃避から戻ってこないしな」

マルコ「現状、ミーナが機転を利かせて生き残ってる状態だしね」

ベルトルト「……でもさ」

ミーナ「エレン。頬っぺたにパンがついてるよ?」ヒョイパク

エレン「ひぃ!?」ビクゥ

ミーナ「そんなに驚かなくてもいいでしょ? 彼女がパンを取ってあげてるだけじゃない」

エレン「う、ご、ごめん……」ビクビク

ミーナ「いい? エレン、私が貴方をあの女たちから守ってあげるから。大丈夫、私だけを信じて、ね?」テヲギュ

エレン「……ミーナ、最初は怖かったけど今はお前が頼りだ」ギュ

ミーナ「うん、任せて♪」

ベルトルト「助ける必要、あるのかな……」

ライナー「爆発しろ」

ジャン「うらやましね」

ミカサ「エレンエレンエレンエレンエレン……」ブツブツ
サシャ「エレンエレンエレンエレンエレン……」ブツブツ
クリスタ「エレンエレンエレンエレンエレン……」ブツブツ
ユミル「エレンエレンエレンエレンエレン……」ブツブツ
アニ「エレンエレンエレンエレンエレン……」ブツブツ

マルコ「……うらやましい、かな?」

コニー「んなわけねえだろ。俺だったら全力で開拓地に逃げてるよ」

ミカサ「……方法を変える。悔しいが、あの雌豚は機転が利く」

アニ「そうだね。エレンを盾に私たちからうまく逃げている」

クリスタ「ここは一時休戦して、エレンの奪取を目指すしかないね」

ユミル「ああ。だがあくまであの雌豚を消し去るまでだ。それ以降は……」

サシャ「ええ。獲物を獲るのに作法など必要ありません」

ミカサ「エレンは私が奪うけれど」

アニ「はぁ? 何を言ってるんだい。私に決まってるだろ」

クリスタ「凶暴なみんなをエレンが選ぶわけないでしょ? 私に決まってるよ」

ユミル「うるせー死にたがり。お前みたいなめんどくさい奴を選ぶわけないだろ」

サシャ「エレンを食べるのは私ですよ! 肉一片もみんなに渡しません!」

ミカサシャクリユミアニ「「「「「」」」」」ギリギリギリギリギリ

ミカサ「……はっ!? い、いけない。これではいつもの二の舞」

サシャ「そ、そうでした……」

クリスタ「お互いが足を引っ張り合ってエレンを取り逃がしたこともたくさんあるしね……」

ユミル「ちっ、しゃあねえな。とりあえず協定を組むぞ」

アニ「最優先事項はミーナを消すこと。そこは違えないようにしよう」

ミカサ「ええ。この際、しばらくはエレンのことは考え……ないことは無理だけれど、優先順位を下げるくらいはでき……るとも言いがたいけれど、何とかしよう」

サシャ(……ということは)

クリスタ(みんながミーナに集中してる間に)

ユミル(エレンを奪う。これが最善だな)

アニ(みんなチョロいね)

ミカサシャクリユミアニ(((((こっそりとエレンを奪うことを優先する!)))))

ミカサ「しかし、具体的にどのように行動するべき?」

サシャ「そうですねぇ。まずはミーナが一人になる時間を探しましょう」

クリスタ「最近常にエレンの側に居るからね」

ユミル「ああ。襲おうにも襲えないからな」

アニ「あの怯えた目が堪らないけど、エレンの口から拒絶の言葉が出た途端頭が真っ白になるからね」

ミカサ「……とても恐ろしい」ガクガク

サシャ「や、やめてくださいよ、アニ。思い出しちゃったじゃないですか」ガクガク

クリスタ「え、エレンが私を拒絶するはずがないよ……言わされてるだけだよ……」ガクガク

ユミル「そ、そうだ、あの雌豚に言わされてるだけで、決して本心じゃないはずだ」ガクガク

アニ「……ごめん、不用な発言だったよ」ガクガク

ミカサ「理想は訓練中に事故に見せかけて消すことだけれど」

サシャ「格闘訓練は無理ですね。あの雌豚、エレンから離れません」

クリスタ「馬術……は馬の暴走とかで何とかなりそうだけど、やっぱり二人が離れないから難しいかな」

ユミル「なら立体機動訓練か? 教官殿がペアを指定する時にうまいこと当たれば余裕だが、逆を言えばペアじゃないと中々難しいな」

アニ「山篭りや長距離の訓練も行けるだろうね。ただこの二つは不定期開催なのがネックだ」

ミカサ「……雌豚の装備に細工をするのはどうだろう」

サシャ「立体機動装置にですか?」

クリスタ「あれだけ点検項目があるし、少し難しいかも」

ユミル「そもそも不用意に装備は取り出せないぜ?」

アニ「中々難しいもんだね」

ミカサ「……ならば仕方ない。今のエレンと雌豚を見る限り、あまり悠長にしていられない」

ミカサ「この手は出来るならば使いたくなかった。禁じ手に近い。大切なものを失うかもしれない」

ミカサ「だけど、それでも今の私には、何を失ってでもエレンが欲しい!」

ミカサ「ので、アルミンを召喚した」

アルミン「デスヨネー」

サシャ「アルミン・アルレルト」

クリスタ「体力面において兵士の基準に達しないものの」

ユミル「座学の受け答えにおいて非凡な発想をみせると聞く」

アニ「本人が自分の方向性を獲得すれば、あるいは」

アルミン「やめてよ。僕の能力をこんなところで評価しないでよ」

ミカサ「大丈夫。自信を持って。アルミンは正解を導く力がある。私もエレンも以前はその力に命を救われた」

アルミン「嬉しいけど出来ればもっと深刻な場面に取っておいて欲しかったよ! なんでこんなとこで言っちゃうんだよ!」

サシャ「アルミンが居れば百人力ですね!」

クリスタ「うん! 絶対にエレンを奪還できるよ!」

ユミル「期待してるぜ、裏切るなよ?」

アルミン「やだよ! なんで僕を巻き込むんだよ!」

アニ「まったく、傷つくよ。一体いつからあんたは私をそんな目で見るようになったの?」

アルミン「君がヤンデレだってわかってからに決まってるだろ!」

ミカサ「さあ、アルミン。エレンを奪還する策を提示して」

アルミン「無茶ぶり過ぎだ、ミカサ」

サシャ「アルミンも兵士でしょう? なら義務は果たさないと!」

アルミン「何の義務? ねえ何の義務なのこれ」

クリスタ「え? だってアルミン、心臓を捧げるんでしょ?」

アルミン「それは王に対してだよ。決して君たちに捧げたわけじゃないよ」

ユミル「心臓を捧げよ(物理)」

アルミン「物理!?」

アニ「心臓を捧げよ」スチャ

アルミン「どこからそんなナイフを!?」

ミカサ「心臓を捧げよ」スチャ

サシャ「心臓を捧げよ」スチャ

クリスタ「心臓を捧げよ」スチャ

ユミル「心臓を捧げよ」スチャ

アルミン(これはアカン)

ミカサ「思い出して、アルミン」

アルミン「ななななにをだよ!」

サシャ「はじまりのことですよ」

アルミン「は、はじまり!?」

クリスタ「この争いのきっかけ」

アルミン「きっかけって、それは君たちが……」

ユミル「いいや、違うね。エレンが来なければこんなことにならなかった」

アルミン「だったらエレンが……あっ」

アニ「思い出したようだね。エレンは『誰に』言われて、私たちにヤンデレのことを聞いたんだい?」

アルミン「……僕、だ」

ミカサ「つまり、アルミン。貴方が余計なことを言わなければ、こんなことにはならなかった」

アルミン「僕はよかれと思って……」

サシャ「けれど失敗したじゃないですか」

アルミン「でも選択する前に結果はわからないじゃないか! 仕方なかったんだよ!」

クリスタ「選択する『前』はね。けど今現在、選択した『結果』あなたは失敗した」

アルミン「そ、そうだ、けど……」

ユミル「人を殺したとき、殺す気はなかったと言って許されるのか?」

アルミン「それは……」

アニ「そして人は過ちを犯してしまったとき、何をするべきなんだい?」

アルミン「うっ……」

ミカサ「償いなさい、アルミン。貴方にはその責任がある」

アルミン「うわああああああああああああああああああああ!」

エレン「はっ!? アルミン!?」

ミーナ「どうしたの? エレン」

エレン「い、いや……今、アルミンの絶叫が聞こえたような……」

ミーナ「そういえば、アルミン何処行ったのかしら? 一瞬だけ黒い風が吹いてから姿見ないけど」

エレン「最近、アルミンはおかしかったんだ。何を言っても上の空で、俺の眼を見てくれない」

ミーナ「そうなの? イッタイナニガアッタノカシラネ?」

エレン「なんかいきなり片言にならなかったか?」

ミーナ「キノセイヨ、ゼッタイキノセイ」

エレン「お、おう……」

ミーナ(アルミンはミカサに連れて行かれたんだろうけど……どう転ぶかな?)

ミーナ「まあ今いない人のことを考えても仕方ないわよ。そんなことより、今度の休日どこかに行かない?」

アルミン「僕が……選択を間違えたから……」ブツブツ

ミカサ「やりすぎてしまった」

サシャ「これは使い物になりませんね」

クリスタ「うん。もう解放してあげない?」

ユミル「そうだな、このまま置いといても毒にも薬にもなりゃしねえ」

アニ「さあ、行きなよ、アルミン。あんたはもう何も考えなくていいよ」シュルシュル

アルミン「エレンが……みんなが……」フラフラ

ミカサ「仕方ない。もう少し私たちだけで煮詰めよう」

サシャ「ええ。アルミンが居なくても策は練れますからね」

クリスタ「そうだね! 明日の訓練って何だったっけ」

ユミル「午前は馬術。午後は立体機動だったか?」

アニ「勝負は午後だね。内容が問題だけど……」

アルミン「僕は……僕が……」ガチャ バタン

アルミン「僕が……みんなを元に戻さないと!」

アルミン(確かに彼女たちの言うとおりだ。僕が選択を間違えて、失敗してしまったのなら、僕が償うしかない)

アルミン(いつまで逃げてても、誰かが何とかしないと状況は変わらないんだ)

アルミン(とても難しいかもしれない。けど、やる、やってみせる!)

アルミン(まずは現実逃避していた間の出来事をまとめる必要があるね)

アルミン「よし、ライナーたちに話を聞こう」

ライナー「アルミン!? 元に戻ったか!」

アルミン「うん。ごめんね、心配かけたよ」

ベルトルト「よかった。僕たちが胃痛で死にそうだったよ」

ジャン「まったくだぜ。こういうときしかお前は頼りにならねえのによ」

アルミン「あはは、こういうときだけってひどいな……」

マルコ「それで、最近のエレンの出来事、だったね」

ライナー「まずミーナが常にべったりだ。最近じゃあいつこっそり男子寮のエレンの布団で寝てやがる」

アルミン「それは覚えてるよ。それも僕の現実逃避に拍車をかけたし」

コニー「え!? 知らない間に女の子と同じ部屋で過ごしてたってのか!?」

ジャン「馬鹿は黙ってろ馬鹿」

マルコ「多分、男子寮で寝るのは自衛の為もあると思うよ」

アルミン「僕もそう思うよ。今、女子寮に戻るのは自殺行為だからね」

アルミン(けどミーナ、彼女の行動は少し不思議だ。やけに冷静過ぎるって言うか、あんなことを言った割りに、エレンに対する行動が積極的じゃないような……)

アルミン(もし僕の考えが当たっているなら、解決が簡単になるんだけど、どうだろうね)

ベルトルト「肝心のエレンだけど、彼は完璧に女性恐怖症に陥ってるね」

ライナー「ああ。見るのも気の毒になるくらいビクついてやがる」

ジャン「そのお陰でミーナも死に急ぎ野郎も助かってるがな」

アルミン「助かってるって?」

ライナー「あいつらが何かしようとしてきたとき、エレンがあいつらに怖いだとか言うと大人しくなるんだよ」

アルミン「……なるほどね」

ジャン「呆然としたミカサも美しかったぜ?」

アルミン「それは聞いてないよ」

マルコ「あと、最近エレンはミーナと普通に話せるようになってきてるね」

アルミン「え? そうなの?」

マルコ「うん。ミーナは常に側に居るし、エレンに危機を伝えたりして、エレンを守ってるからね」

ジャン「女に守られるとは情けねえがな」

ライナー「俺たちも手を貸してやりたいが……」

ライナー『おい、お前ら! あまりエレンを怖がらせるなよ!』

ミカサシャクリユミアニ『『『『『あ゛?』』』』』

理不尽だけれど理由はある暴力『チョリーッス』

ライナー『ぶふぉ!?』

ライナー「となってな……」

アルミン「ライナーはなんでそんなに死に急いだんだ……」

ライナー「し、仕方ないだろ!? それに、お前が使い物にならなかったのもあるんだぞ!」

アルミン「そうだよね……本当にごめんよ」

アルミン(大体現状は把握できたかな)

アルミン(あの五人はエレンを奪うべく行動はしているけど)

アルミン(他ならぬエレンの妨害で上手く行ってないみたいだ)

アルミン(そしてエレン自身に自衛を促しているのが)

アルミン(ミーナだ)

アルミン(ミーナは五人と直接争うことはせず、逃げに徹している)

アルミン(そして何より、ミーナはエレンに直接危害を加えたり、何かを無茶な要求したりする様子があまりみられない)

アルミン(なら一つ可能性が出てきた。そしてこれを軸に解決に持っていけるかもしれない)

アルミン「ミーナに話を聞きに行こう」

エレン「アルミン! どこ行ってたんだよ!」

アルミン「ちょっと書庫にね。やあ、ミーナ」

ミーナ「……アルミン、顔つき変わったね」

アルミン「お陰さまで。ちょっといいかい?」

ミーナ「エレンを一人には出来ないよ」

アルミン「大丈夫だよ、今あの五人が来ることはない」

ミーナ「……どっち?」

アルミン「君次第かな」

ミーナ「そっか。あはは、やっぱりアルミンはすごいね」

アルミン「そうでもないよ。一回は諦めちゃったしね」

ミーナ「じゃあエレン、ちょっと待っててね。いい? 襲われそうになったら嫌い怖い触るなって大声で叫んでね?」

エレン(……話の流れがまったく理解できないのは俺が馬鹿だからじゃないよな?)

アルミン「エレンを一人にしたらマズいのはわかるから、手短に話そう。失礼なことを言うかもしれないから、先に謝っておくよ」

ミーナ「うん、いいよ」

アルミン「まず確認なんだけどさ、ミーナは自分がヤンデレだと思うかい?」

ミーナ「ヤンデレだよ。あんなこと平気で言えちゃうから」

アルミン「じゃあさ、エレンを傷つける意思はあるかい?」

ミーナ「エレンが私を頼ってる間はないかな」

アルミン「……もしエレンが、心の底から君以外の女子を好きだといったら?」

ミーナ「うーん、そうだなー……」











ミーナ「幸せになってね、って諦める。泣いちゃうかもしれないけどね」

アルミン「……やっぱりあれは演技だったんだね」

ミーナ「エレンが聞いてきたから、興味があると思ったんだけど……あそこまで怯えちゃうとは思わなかったな」

アルミン「ははは、あの口上は凄く迫力があったからね」

ミーナ「……確かに、演技ではあったけど。限りなく本心に近かったよ、あれは」

アルミン「でも君は、相手を尊重する気持ちを持ってる。そこが他の五人とは違うよ」

アルミン「独りよがりの、一方通行の想いなんかじゃない。ちょっと独占欲が強いだけさ」

ミーナ「アルミン、すごく気障なこと言ってるよ」クスクス

アルミン「わ、わかってるよ/// でもね、僕は人を愛するって言うのはそういうことだと思うんだ」

アルミン「お互いに与えるものがないと、それはただの自己満足だ」

アルミン「ミーナ、君はエレンを助け、エレンをしっかりと想っている。そしてエレンもその気持ちに答えようとしている」

アルミン「まあ、最初の方法がちょっと強引だったけど、ね」

アルミン「だからさ、僕は君たち二人の味方だ。そしてエレンの親友として誓うよ、絶対にあの五人に危害を加えさせないって」

ミーナ「えっと、ありがとう、でいいのかな///」

アルミン「嬉しいけど、僕はその言葉に相応しくないよ。ここまでの事態を引き起こしたキッカケは僕だからね」

ミーナ「ううん、それでもありがとうって言わせて。そのキッカケで、私はエレンと近づけたんだから」

ミーナ「……まあ、ちょっと方法が強引だったけど、ね?」

アルミン「あはは、ありがとう……それからもうちょっと頼まれてくれてもいいかな?」

ミーナ「なに?」

アルミン「エレンと二人きりで話したいんだ。あと、ライナーに伝言をね」

アルミン(ミーナは僕を信じてくれた……絶対にやり遂げないとね。じゃあ時間制限もあるし、手早く話を進めようか)

エレン「おう、アルミン。なんか久しぶりだな」

アルミン「うん、そうだね。もうちょっと早く話すべきだったよ」

エレン「えっと大丈夫なのか? 最近お前、結構おかしかっただろ」

アルミン「まあね。大分マシになったけど、エレンに聞きたいことを聞いたら、もっとマシになるよ」

エレン「聞きたいこと?」

アルミン「女性が怖いって言ってたよね?」

エレン「い、今もまだこええよ! あの、お前からヤンデレの話を聞いた日からずっと!」

アルミン「……ごめん。僕のせいだ。僕の考えが浅はか過ぎた」

エレン「あ、いや……そういうことじゃないんだ。アルミンのせいだとかじゃなくて」

エレン「俺、女について知らなさ過ぎたんだなってさ」

エレン「ミカサが俺のこと拉致監禁しようとしてきたり」

エレン「サシャが俺を食おうとしてきたり…」

エレン「クリスタが俺の服を剥ぎ取ろうとしてきたり……」

エレン「ユミルが俺を組み伏せて嘗め回そうとしてきた…り…」

エレン「アニが俺を無言で蹴り続けて……きた…り……」

エレン「うあああああああああああああ!女こわいこわいこわいこわい!」

アルミン「え、エレン! 落ち着いて! 大丈夫、今ここには僕しか居ないから!」

エレン「本当か!? 女いないか!? 襲ってこないか!?」

アルミン「大丈夫だよ! 本当に! 見回してごらん!」

エレン「だ、誰も居ない……よかった……」グスッ

アルミン「こ、こんなに弱ってたんだね、本当にごめん」

アルミン(予想以上だった……エレン、大丈夫だよね?)

エレン「いいって。アルミンは悪くねえ、俺が弱いのが悪いんだ」

アルミン「それでさ、今、一人だけ名前挙げなかったよね?」

エレン「え? あ、ああ、ミーナか」

アルミン「エレンはさ、ミーナのことをどう思っているんだい?」

エレン「み、ミーナは……こわかった、な」

アルミン「過去形、だね?」

エレン「今も急に触られたりしたら、びっくりして逃げちゃいそうになるけどよ、あいつは、優しく手を握ってくれたりするんだ」

エレン「最初はそれすらも嫌だったけど、段々と、ああこいつは他の奴らとは違うんだな、って思ってきて」

エレン「そうしたら、ちょっとはマシになった……と思う。ミーナのお陰であいつら以外の女子とは、なんとか話せるくらいにはなってるし」

エレン「それに、あいつらから俺をかなり守ってくれてるしな」

エレン「男なのに情けない話だけどよ」

アルミン「ううん、そんなことないよ。それで、エレンは今ミーナのことはどう思ってるんだい?」

エレン「え? だからこわくはないって……」

アルミン「そういう問題じゃなくてね、ミーナは今、エレンの彼女なんだろ?」

エレン「か、彼女!?/// ああ、いや、そっか……確かにそうだけど……///」

アルミン「それについてはどう思う? 嫌かい? 別れたいかい?」

エレン「そ、そんなことねぇよ! あっ……///」

アルミン「そっか。よかった」

ギィィィィ

エレン「!?」

アルミン(良いタイミングだ……あとはエレン、君を信じてるよ)

ミカサ「エレン」

エレン「ミ、カサ?」

サシャ「冗談ですよね?」

エレン「う」

クリスタ「ミーナと別れたくないとか、嘘だよね?」

エレン「うあ」

ユミル「アルミンが相手だもんな、誘導されたって仕方ねえよな?」

エレン「うああ」

アニ「でも大丈夫だよ、迎えにきてあげたから」

エレン「うああああああああああああああ!」

アルミン「落ち着くんだ、エレン!」

エレン「落ち着けるか! だってここ、密室で逃げ場ねえよ!? 捕まっちまうだろ!?」

アルミン「落ち着けよ! 僕がいるだろ!? 君には指一本触れさせない!」

ミカサ「アルミン、面白い冗談」

サシャ「ユミル以外は成績10位以内なんですよ?」

クリスタ「それにユミルは力を抜いてるけど、結構強いんだよ?」

ユミル「そもそも5対1だぜ? 話にならないだろ」

アニ「どきなよ。さもないと床とキスする羽目になるよ」

アルミン「そんなことする必要ないよ。僕は話し合って解決できるならそうするべきだって思ってるからね」

ミカサ「今更、そんな余地は」

アルミン「あるよ、エレン」

エレン「な、なんだよ!?」

アルミン「今ここで選ぶんだ、君が一番好きな女性を」

ミカサ「なるほど、今ここでエレンが私を選んでハッピーエンドとなるのね」

サシャ「は? 何言うとるん? エレンが私以外選ぶはずないやん」

クリスタ「サシャこそお腹空き過ぎて頭おかしくなったんじゃない? 私以外いるはずないでしょ」

ユミル「黙ってろよクリスタ。エレンは私の嫁だっつってんだろ」

アニ「あんたもね。エレン、さっさと私の名を呼ぶんだ」

エレン「な、なにを……どうしろってんだよアルミン!」

アルミン「僕が指示を出すことじゃない。君が、君の心のままに選べばいいだけだよ」

アルミン「エレン、僕は君が心底羨ましかった。僕は君ほどの勇気を持っていない。周囲に逆らって歩けるほど、僕は強くないんだ」

アルミン「けどね、君はそれが出来る、出来るはずなんだ。だから勇気を振り絞れ。元の君を取り戻してくれ」

エレン「お、俺は……」

エレン「ミーナだ。ミーナが一番好きだ」

ミカサ「? ごめんなさい、エレン。聞こえなかった」

アルミン「ミーナって言ったんだよ、ミカサ」

ミカサ「ミーカサ?」

アルミン「ミーナ。ミーナ・カロライナ」

ミカサ「アルミン、何を言っているの? エレンが私以外選ぶはずがないでしょう?」

アルミン「君の目の前で選んだじゃないか。ミカサでもなく、サシャでもなく、クリスタでもなく、ユミルでもなく、アニでもなく、ミーナだって」

ミカサ「違うそれは違う全然違うアルミン貴方何を言ってるのだってエレンと私は家族マフラーだって貰ったあったかいだろって言ってくれた昔からずっとずっと家族でこれからもずっと家族で常に一緒に居なきゃ駄目なのだから私とエレンの側にミーナなんて不純物はいらないし必要ないしあってはならないだって私とエレンは家族だから家族なのエレンエレンうそでしょエレンわたしいがいなんてエレンああエレンなんでどうしてエレンそうか騙されてるのねあの豚に騙されてるのねわかったエレン助けてあげるその頭を削いで脳みそ取り出して私が洗ってあげる綺麗に私以外のこと全部忘れて私だけを見てエレンえれんエレンえれんえれんえれんえれんえれん」

サシャ「はははエレンどうしちゃったんですか私を食べるんでしょ食べてくれるって言ったじゃないですか今でもまだ毎日蜂蜜に浸かってるんですよエレンがいつでも私を食べれるようにこの周辺の蜂を殺しつくして奪いつくして私はとてもまろやかで美味しくなったのにおかしいやんなんでなんなんであんなミーナなんてあいつの何がいいんですか私ならエレンに毎日美味しいお肉を食べさせてあげれますよそしてエレンは私に美味しいお肉を食べさせてくれるんでしょうだってエレンは私のお肉を食べるんですから私もエレンのお肉を食べないとおかしいやんそうやんねだからエレン私は奪いますよ作法も礼儀もいらないんですからエレンいただいていいですか」

クリスタ「嘘だよねエレン私天使って言われてるんだよとても可愛いんだよあんなミーナなんて家畜以下の雌豚なんかとは比べ物にならないくらい可愛くてとてもエレンのことを愛してるのに愛しすぎてエレンの爪とか髪の毛とか服とかいっぱい集めて紅茶にしたり食べたりナカに入れたりしてエレンを感じてるんだよエレンなんでおかしいよ私以外選ぶ理由がないじゃないだって私が他に劣ってるところなんてないのになんでなんでなんでなんでエレン頂戴エレンの全部頂戴服も髪も爪も唾液も血液も心臓も内臓も全部ぜーんぶ頂戴だってエレンと私は愛し合ってるから当然だよね愛してる人のものならどれだけ取っても構わないよねエレンねえエレンねえねえねえ」

ユミル「はあふざけてんじゃねえぞ糞が何言ってるんだよお前は私の嫁なんだよ私以外の人間の名前を呼ぶことすら許されねえんだよだって嫁はエレンお前なんだから私以外に舐めさせるわけにはいかないんだよ私は生まれ変わったんだよ糞みてえな人生を捨てて第二の人生を得たんだよ私はこのままイカした人生を送るんだよだからエレン私はお前が必要なんだお前が居ないと私は駄目なんだ捨てないでくれよエレンもう私を捨てないでくれよ私に捨てさせないでくれよだから奪ってやる決められた運命なんてねえんだって証明してやるエレンお前を奪って私はお前を愛してエレン私はお前を舐めたい舐め回したいエレン全身舐めて舐めて舐め尽したいんだよエレン」

アニ「ごめんねよく聞こえなかったんだけどアニって言ったよね言ってたはずだよ言ってよエレンなんで私以外を選ぶんだよあんた私にしつこく迫ってきたじゃないか格闘術訓練のとき私に技術のことも父の事もいっぱい褒めてくれたじゃないかそれってもう親に挨拶したも同然だよねだから私とあんたはもう夫婦も同然なんだよだからエレンあんたが私以外の女の名前を呼ぶなんてありえないんだよねえそうでしょ違うってエレンそれは違うのごめんなさい何か私が悪かったの私何か間違えたあの日のことまだ怒ってるの蹴ったのは勘違いしただけなんだよ本当にごめんなさいエレン謝るから私の名前を呼んでよエレンごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

アルミン「」

アルミン(み、みんな一斉に高速で喋りだした!?)

ミカサ「エレンが」

サシャ「手に入らないなら」

クリスタ「いっそのこと」

ユミル「殺しちまうか?」

アニ「エレンを殺した初めての相手は私ってわけか。いいじゃないか」

エレン「…………」

アルミン(あと一押しが足りなかった、くそっ!)

アルミン「やらせないぞ!」バッ

ミカサ「どきなさいアルミン」

アルミン「約束したんだよ! 絶対にエレンには指一本も触れさせないって!」

エレン「……もういいよ、アルミン」

アルミン「エレン!?」

エレン「いいよもう。どうせこの状況じゃ、俺だけが死ぬか、俺とお前が死ぬかのどっちかだ」

アルミン「あ、諦めちゃ駄目だ! まだなんとかなるはずだ!」

エレン「……アルミン、お前が言っただろ? 俺の心のままにってな」

アルミン「そんな……駄目だ! まだ方法が……」

エレン「おい、お前ら。俺を殺したいなら殺せ。ただしアルミンに指一本でも触れてみろ、俺は今すぐ舌を噛み切って死ぬ」

アルミン「エレン!」

エレン「ただし、これだけは言っておく」

エレン「俺は例えお前らに襲われようが、食われようが、殺されようが、俺はミーナを想い続けるぞ」

アルミン「え……?」

エレン「お前らが何を俺に求めてるのか知らない」

エレン「殺して満足するなら殺せばいい」

エレン「けど、今の俺がお前たちを想う事は絶対にない」

エレン「お前らは俺を殺して、俺の全てが手に入ると思ってるんだろうが、それは間違いだ」

エレン「俺の心は、絶対に奪えない」

エレン「俺はミーナが好きだから、お前らなんか眼中にねえよ」

エレン「死ぬ最後の一瞬まで、ミーナの名前を叫び続けてやる」

アルミン(沈黙)

アルミン(ただひたすらに沈黙)

アルミン(エレンも、僕も、ミカサも、サシャも、クリスタも、ユミルも、アニも)

アルミン(どれだけの時間が経ったのかわからなくなるくらい、長い沈黙が流れた)

アルミン(そして、その沈黙を破ったのは)

ミカサ「エレン」

アルミン(ポツリと名前を呼んだミカサと、頬を伝う涙)

アルミン(五人は五者五様に涙を流し、嗚咽を漏らし、崩れ落ちた)

アルミン(エレンの気持ちが伝わったんだろう。そして絶対にエレンを手に入れることは出来ないという現実を受け入れたんだ)

エレン「おはよう、アルミン、ミーナ」

アルミン「おはよう、エレン」

ミーナ「おはよ…って、エレン! また寝癖ついたまま来てる!」

エレン「ああ、直す時間なかったんだよ」

ミーナ「だめだって言ったでしょ! 貴方がだらしないと、私も恥ずかしいんだから!」

エレン「じゃあ直してくれよ、ミーナ」

ミーナ「もう、仕方ないなぁー。ほら、座って?」

アルミン(今やエレンとミーナは馬鹿夫婦なんて言われる仲になってしまった)

ミカサ「……エレン、おはよう」

エレン「おはよう、ミカサ」

アルミン(あの後、エレンは五人のことを許した。自分にも非はあるだろうから、全てを水に流す……って言ったのは、いいんだけど)

エレン『ヤンデレとか怖いしさ、もうちょっと普通にしてくれよ』

ミカサ『……ということは、普通にしていればエレンは私たちを愛してくれる可能性があるということ?』

エレン『ん? そりゃ、まあ、そうかもな。ヤンデレは無理だけど、普通にならあるんじゃねえか?』

ミカサシャクリユミアニ『『『『『』』』』』ガタッ

アルミン(エレン、やっぱり君には非があるよ、絶対)

ミカサ「あの、同じテーブルについてもいい?」

エレン「おう、いいぞ」

ミーナ「むっ」グイッ

エレン「いでででで! な、なんで髪を引っ張るんだよ、ミーナ!?」

ミーナ「知らないっ」プイッ

アルミン「それは怒って当たり前だよ、エレン……」

アルミン(五人は未だにエレンを狙っている。今度はちゃんと正攻法で)

アルミン(まあ、そのせいで時々エレンとミーナがケンカしちゃうけど、概ね平和に、僕たちは日々の訓練をこなしている)












アルミン(…………ただし!)

ライナー「今回の一件で女が怖いってことがよくわかったな、ベルトルト」

ベルトルト「うん、やっぱり男同士が一番だね、ライナー」

コニー「昨日激しかったよな、お前ら。お陰で俺とマルコも燃え上がっちまったぜ」

マルコ「時代はホモだ。ジャンとアルミンもいい加減こっちにきたらどうだい?」

ジャン「ふざけんな! 女は怖いがミカサは別なんだよ!」

アルミン(どうしてこうなった!?)

おわり




エレミナを書こうと思ったら結局アルミン無双になってしまうあたり潜在的ホモなのかもしれない

このSSまとめへのコメント

1 :  城陽   2016年09月15日 (木) 19:46:03   ID: Kz5K9bn8

面白い!!お疲れさまです

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