モバP「夢見る魔法をあなたと」 (57)




※この話は、

モバP「天体観測を2人と」
モバP「アニバーサリーパーティで2人と」

の続編となっております
前作の内容に関わる場面が多々ありますので、先に前作を見て頂ければ問題無いかと思われます

見なくとも大丈夫な方、既に見て下さった方は、よろしくお願いします





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1396860304



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3月上旬・草原


サァァァァァァァァ…


アーニャ「ンー……ヴェーチル……風が、気持ちいいです」

P「ああ、心地いいな……数時間前までの寒さが嘘みたいだ」




アーニャ「ワンダフルマジック……撮影で、海外に行くとは思って無かったです。びっくり、ですね?」

P「ちひろさん、近々アイドルとCD収録があるからってご機嫌だったからな……ノリノリで承諾してくれて驚いたよ」

アーニャ「ダー。самолёт……飛行機は乗ったことありますが、ロシア以外に行ったことなかったです。飛行機からの景色、新鮮でした」

P「そういえばアーニャ、空港から出て驚いてたよな。日本よりも暖かい、って」

アーニャ「ヤー、日本より暖かい場所、行ったことなかったので……ふふ、今回は、驚きばかりですね」

P「俺も海外はそこまで経験無いから、驚きの連続だよ。今でも、ここに居るのが嘘みたいだ」




アーニャ「日本はまだ寒かったですが、ここはこんなにも暖かくて、涼しい……Климат、気候が違うというのが、良く分かりますね」

P「日本より南に行っただけで、この暖かさだもんなぁ。地球って不思議な所だよ」

アーニャ「ダー、そうですね。プロデューサーも、小樽の時と比べて……とても軽装です」

P「あっ、そ、その話は置いといてくれ! あの時アーニャから寒いって言われたんだから、重装備になるのも無理ないだろ!?」

アーニャ「ふふ、あの時のプロデューサー、もこもこしていてмедведь……クマみたいでした。可愛かったですよ?」

P「それ、褒めてるの? それともちょっと笑ってるの? 笑ってるよね?」

アーニャ「それは……ふふっ、可愛かったので……」

P「だからどっちなのそれぇ!?」




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アーニャ「アー、プロデューサー。のあは今、何をしているんでしょう?」

P「のあさんか? 今なら時間的に考えて、新しい仕事の下準備をしているんじゃないかな。ほら、のあさんから聞いてるだろ?」

アーニャ「……それが、私にはヒミツだと言って、教えてくれませんでした」

P「およ、そうなのか?」

アーニャ「ダー。Работа……仕事はあると、聞いたのですが……」

P「……のあさんにしては珍しいな」

アーニャ「プロデューサー、教えてくれますか? のあの新しい仕事……私、気になります」

P「んー、教えてあげたいのは山々なんだが……ふむ、もしかして……」




アーニャ「……ダメ、ですか?」

P「ダメって訳じゃ無いが……多分だけどのあさん、きっとアーニャを驚かしたいんだと思うよ」

アーニャ「私を……?」

P「そうそう。のあさん、ああ見えて結構お茶目というか、ユーモアさがあるのは知ってるだろ?」

アーニャ「ダー。メイド服が気に入っていたり、冗談とかも言ってくれて……優しい人です」

P「そう。だからさ、今回ヒミツだって言うのも、アーニャに対する信頼の表れ……とかなんじゃないかな」

アーニャ「信頼……ですか?」




P「ほら、それこそ小樽の時の話だけど……アーニャがお土産にスノードームを買って、のあさんにサプライズとして渡しただろ?」

アーニャ「ダー。のあ、不思議そうに見つめてましたね」

P「のあさん、気に入ったみたいでさ。最近はあれを見るのが日課になってる、って言ってたよ」

アーニャ「プラーヴダ、本当ですか? それは、嬉しいです……ふふ、のあ……」

P「で、だ。だからのあさんもアーニャに、何かしらのサプライズでお返しをしたいんだと思うぞ?」




アーニャ「スノードームの、お礼に……?」

P「憶測だけども……それ故のヒミツ、とかなんじゃないかな。それに信頼されてないと、ヒミツだなんてのあさん言いそうにもないだろ?」

アーニャ「アー、言われてみれば……そんな気がしてきました。プロデューサー、のあのこと、良く理解していますね?」

P「まぁ、担当プロデューサーだからな……ああ、アーニャ。先に言っておくけど、『のあさんが羨ましい』とか言うのは無しだからな?」

アーニャ「シト!? ど、どうして、分かったんですか?」

P「俺はのあさんだけのプロデューサーじゃない。当然アーニャのプロデューサーでもあるから、アーニャの事も理解してる……つもりだ」

アーニャ「あ……」

P「つまりアーニャものあさんも、2人とも等しくプロデュースしているんだ。どちらかを蔑ろになんてしないから、そこは覚えておいてくれな?」




アーニャ「…………」

P「……アーニャ?」

アーニャ「あー……プロデューサーの、そういう所……私、大好きです。Oчень、とても、優しくて……ふふっ」

P「おう!? と、とてもストレートな感想をありがとう。て、照れるな……」

アーニャ「冬のパーティの時、伝えたい事をbсе……あー、全部、言いました。なので、私はもう恥ずかしくないですよ?」

P「……つまり、後は俺だけってこと?」

アーニャ「ダー。のあも、きっとそう言うと思います」コクコク




P「いやー、その、日本男児は思いを伝えるのが照れくさい傾向にあってな。そう簡単には……」

アーニャ「照れくさい……アー、『つんでれ』というものですね? 日本語はвыражение……表現が多くて、面白いです」

P「……誰から聞いたかは聞かないでおくけど、それとは違うからな?」

アーニャ「ンー? あ、では『衣纏いし守護女神(ヴィーナス)』でしょうか?」

P「それも違う! ……と思う! アーニャ、ちょっと蘭子ちゃんの言語はあんまり使わないようにな?」

アーニャ「シトー? どうしてですか?」

P「あれ理解出来るのって、仲が良い子たちと蘭子Pさんだけなんだよ……俺にはまだ到底理解が及ばないんだ」

アーニャ「プロデューサーも分からない、ですか。やはり、日本語は難しいですね」

P「日本語というか神崎語というか……」

アーニャ「?」

P「ま、いいか。とにかく、俺が照れるのは仕様ということにしてくれると嬉しいよ」




アーニャ「仕様……ということは、照れくさくても伝えてくれる。……合ってますか?」

P「もちろん、約束したからな。顔真っ赤になるかもしれないけれど、言いたいことはきちんと伝えるよ」

アーニャ「ふふ、良かったです。では……早速、伝えてくれると嬉しいです」

P「ん? ……何を?」

アーニャ「それはもちろん――」


\ソロソロサツエイハイリマース! ミナサンコチラニキテクダサーイ!/




アーニャ「あ……」

P「あ、撮影の時間か。すまんアーニャ、今の話は……」

アーニャ「ダー。お仕事の後で、ですね? 今からвеселье……あー、楽しみにしてます、プロデューサー」

P「そもそも何の話か分かってなかったんだが……先に内容だけ聞いていいか?」

アーニャ「アー、それは、ロマンティックじゃないのでダメです。プロデューサーなら、直ぐに答えられるものですから、安心して下さい」

P「ん、そうなのか? じゃ、どんな事聞かれても良いよう色々考えておくよ」




アーニャ「ふふ、ではプロデューサー、行って来ますね?」

P「おう、頑張ってな」

アーニャ「ダー♪」テテテテ…



蘭子「白き雪の女王よ! 時が汝を求めている!(アーニャちゃん! はやくはやくー!)」

アーニャ「ダー。蘭子、今日もクラスィーヴィ、アー、美しい日本語ですね?」

蘭子「フフ、汝が言霊も、我が魂を揺さぶりし甘美なる響きを纏っていてな……!(アーニャちゃんのロシア語も、カッコ良くていいなって思う!)」



P「……」

P「蘭子Pさんから、神崎語を習うべきかなぁ……」



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数時間後


\オツカレサマデース!/ \オッツオッツバッチシ☆/


アーニャ「――あっ、プロデューサー」テテテテ

P「お疲れ様、アーニャ。撮影、他の子たちと楽しそうだったな」

アーニャ「ダー。皆さん優しくて……とても、楽しかったです。プロデューサーも『闇に飲まれよ』、ですね」

P「うん、蘭子ちゃんから教わった言葉は、蘭子ちゃんに言ってあげてな? 俺はまだ理解出来てないからさ……」ナデナデ

アーニャ「あ……そうでした。ふふ、ではいっしょに、知っていきましょう?」

P「はは、マスター出来るのはいつになることやら……」




アーニャ「アー、プロデューサー。きらりの言葉は、知っていますか?」

P「きらりちゃんの? あー、あれか……」

アーニャ「にょわぁ~、ですね。ヤー、ちょっと恥ずかしいけど……明るくて、元気が出る言葉です」

P「……あの言語もまだ理解しきれてないな。蘭子ちゃんの言葉よりかは分かりやすいんだけども」

アーニャ「ダー。なら、それもいっしょに知っていきましょう? 1人よりも2人で覚えた方が、楽しくて、覚えやすいと思います」

P「あの2つの言語は難しいから、ほどほどにな? まずは日本語をしっかりと覚えないといけないぞー」




アーニャ「あ、それなら……プロデューサーが教えてくれると、嬉しいです」

P「俺が? 俺の日本語で勉強になるかどうか……」

アーニャ「ダー。プロデューサーの言葉、私の心にしっかりと残るので……きっと、難しい言葉も、覚えられます」

P「んなっ……そ、そうか。そう思ってくれるのは、凄く嬉しいよ。ありがとな、アーニャ」ナデナデ

アーニャ「ん……プロデューサーの手は、いつも優しくて……温かい」




P「そう言われると本当にむず痒いな……ア、アーニャの髪、いつもさらさらしていて綺麗だと思うぞ!」ナデナデ

アーニャ「そうですか? スパシーバ、プロデューサー」ニコ

P「ぬ……アーニャは全く照れる様子見せないんだよなぁ。一方的に赤くなってる自分が恥ずかしいぞ……」

アーニャ「大丈夫です、プロデューサー。дичиться……あ、照れてるプロデューサーはカワイイと、私と、のあからも評判ですよ?」

P「えっ、なにそれ初耳」

アーニャ「あっ、イズヴィニーチェ……これ、ヒミツでした。プロデューサー、聞かなかったことにして下さいね?」

P「ちょ、ちょい待ってアーニャ。何、のあさんそんなこと言ってたの!?」

アーニャ「アー、日本語、難しいので……ちょっと、分からないです」

P「ここぞとばかりに外国人ぶってるよ!? え、本当にどういうことなの、ちょっとぉ!?」




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P「あ、そうだアーニャ。仕事前に話していたあの話……今、聞いてもいいかな?」

アーニャ「アー、いいですが……その前にひとつ、したいことが……聞いて、くれますか?」

P「ん、何だ?」

アーニャ「ダー。ちょっとでいいので、この草原を少しпогулять……散歩、してみたいです」

P「ほほー、散歩か……」

アーニャ「この草原、地平線まで見えるほど広くて……プロデューサーといっしょに、歩いてみたいですね」




P「なるほどなるほど。ふむ……仕事も早く終わって、ホテルの時間まで結構あるし……うん、大丈夫かな」

アーニャ「ホントですか?」

P「ああ、ちょっとスタッフの人に席外す事を伝えてくるよ。多分、結構散歩出来ると思うぞ」

アーニャ「ハラショー、嬉しいです。それでは、お願いしますね?」

P「おう、1分も掛けないから、待っててくれー」タタタ…



アーニャ「…………どきどき、しますね。ふふ、радость……」


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サクサク テコテコ カサカサ


P「……うお、ちょっと歩いただけかと思ったが、もう日が傾いてきたか。地平線の空色が変わってきたかも?」

アーニャ「ほんの少し、赤くなってますね。ここは、空も綺麗……」

P「空も綺麗で、自然も綺麗で、空気も綺麗で……文句なしだな」

アーニャ「ダー。見渡す限りの大草原……世界は、とても広い、ですね」




P「そう思うと、日本って凄く狭く感じるよ。こんなに広い所には、大体人の手が入っちゃうし」

アーニャ「あるとしたら、北海道くらい……ですか?」

P「そうかもしれないな……ああ、でも一応、他の県とかにも草原はあるぞ。ただ、北海道やここと比べると、やっぱり規模が違ってな」

アーニャ「シトー? プロデューサー、草原、詳しいんですか?」

P「ああいや、草原とかの広い所って、星を観測するのに丁度良い場所でさ。ちっちゃい頃、家族とそういう旅行先で星を見たりしただけなんだ」

アーニャ「プロデューサー、子供の頃からズヴェズダ……星を見るの、好きだったんですね。私と、同じです」




P「アーニャも星見るの好きだもんな。趣味が合ってて良かったよ」

アーニャ「のあも、天体観測が趣味ですね。……本当に、私達がいっしょで、良かったです」

P「まさか担当アイドル2人と趣味が合うとか……偶然ってあるもんなんだなぁ」

アーニャ「ヤー、小樽の時も思いましたが……ソーン、夢のようで、奇跡のようだとも思います。運命ではなくて……私達が逢えたのは、奇跡だった」

P「奇跡か……そうだと嬉しいな。こうして2人に逢えたことに関しては、偶然の神様に大感謝だ」

アーニャ「この話、のあにも伝えて欲しいです。のあもきっと、私と同じです」

P「『奇跡も、起こりうる事象のひとつね』……とか言ってくれそうだな?」

アーニャ「ふふ、そうですね。のあは、私達を信じてくれていますから………………あっ」




P「んお、どうしたアーニャ?」

アーニャ「プロデューサー、あれを、見て下さい。ニェーバ……空にひとつ、星が……」

P「おっ、本当だ。まだ暮れきっていないのにあんなにくっきり……一番星、か」

アーニャ「ダー。光り輝いていて、とても綺麗……」

P「この時期だと、何の星が出るのか調べてなかったな。……でも、綺麗だっていうのは良く分かるよ」

アーニャ「名前も分からないけれど……見ているだけで、ワクワクします。やはり星は、素晴らしいものですね」

P「ああ、全くだ。こうしているだけなのに、気分が高揚するって凄いもんだよなぁ……」




アーニャ「アー……あのキラキラした星を見ていると、なんだか、昔を思い出します」

P「昔というと、アーニャがロシアにいた頃?」

アーニャ「ダー。私は子供の頃、ニェーバ……空に行きたいと思っていました」

P「空に……?」

アーニャ「ニェート、変な意味では無いです。ただ空の……星そのものに、なりたかった」

P「そのものかぁ……凄いこと考えるもんだ。アーニャ、ちっちゃい頃から本当に星が好きだったんだな」

アーニャ「ダー。その好きという思いは、今も変わっていません。だから、こうして星を見るの、とても好きです」

P「俺も、こうして星を見るのが大好きだよ。気付いたら時間があっという間に過ぎちゃったりしてさ」

アーニャ「いつの間に、朝が来たりしてましたね。……最近では、星を見るいると、前よりも時間があっという間に過ぎてしまいます」




P「あー……ここ最近は忙しいからな。時間の流れとか、早く感じちゃうんだと思うよ。……ごめんな?」

アーニャ「ニェート、それはプロデューサーのせいではないです。今はお仕事楽しいので、むしろプロデューサーには、プラガタールナ……感謝、しています」

P「……そうか? そりゃプロデューサー冥利に尽きるよ。ありがとな」

アーニャ「ダー♪ ……アー、でもある意味、プロデューサーのせいなのかもしれません」

P「ある意味?」

アーニャ「ヤー、最近、星を見る時は……プロデューサー、のあと、3人いっしょでした。とても時間が過ぎるの、早かったです」

アーニャ「それはきっと、2人といっしょにいるのが、とても好きだから。好きなことほど、時間が過ぎるの、早く感じますね?」

P「な、なるほど。ある意味ってそういう……」

アーニャ「……そしてそれは、今も同じです」キュッ

P「っと……アーニャ?」




アーニャ「今も、プロデューサーといっしょに散歩をしていたから、Немедленно……あっという間に、星が見える時間になってしまいました」

アーニャ「やはり私は、プロデューサーといっしょに居るのが、大好きみたいです。とても、とっても」

P「アーニャ……」

アーニャ「アー、プロデューサーはどうですか? ヤー、私といっしょで、楽しいですか? 私だけ……でしょうか?」




P「……」

アーニャ「……?」

P「…………」

アーニャ「プロデューサー……?」

P「……アーニャ」ポフッ

アーニャ「あっ」




P「ったく……今更なこと聞かないでくれって」ワシワシワシワシ

アーニャ「あ、アー、プロデューサー? ずっと頭を撫でられるのはнемного……ちょっと、くすぐったいです」

P「まぁそのまま聞いてくれ。俺、さっき日が暮れ始めた時に何て言ってた?」

アーニャ「シト? ええと……地平線の色が変わってきた……ですか?」

P「ああ、それの前それの前」

アーニャ「? 確か……もう日が傾いて来た、と…………あっ」

P「そう、『もう』日が傾いて来たと思ったんだ。アーニャと同じで、さ」




アーニャ「ということは……」

P「つまりその……なんだ。……ちょっと待って、呼吸整えるから」スーハー

アーニャ「?」

P「ふー……んと……俺も、アーニャと一緒に居ると、あっという間に時間が過ぎちゃうんだ」

アーニャ「……」コクコク

P「で、なんで時間がそんなに過ぎるのかっていうと……アーニャと居るこの時間が好きだから。アーニャと一緒に居るのが、大好きだからだ」

P「その……とっても、な?」




アーニャ「プラーヴダ……本当、ですか?」

P「……嘘だと思うか?」

アーニャ「ニェト、嘘だと、思いたくないです」

P「ああ、嘘じゃないぞ。本当に、そう思ってる」

アーニャ「……スパシーバ、プロデューサー」

P「……」

アーニャ「ニェート……イショーラス スパシーバ。言葉じゃ、足りないくらい……嬉しい気持ちが溢れてます。カーク ヤ ラート……本当に、ほんとうに、嬉しいです」

P「……っ」プルプル

アーニャ「プロデューサー?」

P「……ダメだ、めっちゃ恥ずかしいっ! アーニャごめんっ、ちょっと多分、今俺顔真っ赤だから、見ないでくれっ!」ササササ

アーニャ「アー、恥ずかしがること、ないですよ? プロデューサーの言葉……とても心に響きました。決して、忘れません」




P「お、追い打ちかけないで……! 前に約束した通り言いたいことは言うけども、こういうシチュエーション本当に照れくさいんだよ……!」ブンブン

アーニャ「……Поэтому, Я обожаю тебя. Ты моё счастье」

P「ほわっ!? ご、ごめんアーニャ、ロシア語はまだ勉強中でな……?」

アーニャ「ダー、知ってます。だから、ロシア語で伝えました……んん」

P「ん、アーニャ? 俺はともかく、なんでアーニャも照れてるんだ?」

アーニャ「……プロデューサー、そういうところは、前と変わりませんね? スパシーバ、助かりました」

P「お、褒められて…………ない? 今のって、褒められてないよな?」

アーニャ「ふふ、どうでしょうね?」




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アーニャ「アー、プロデューサー。もう少し、こうして星を見ていても、いいですか?」

P「ん、ああいいぞ。俺も、こうして星を見ていたいと思ってたところだからさ」

アーニャ「それは良かったです。あ、それなら……」ススス

P「ん?」

アーニャ「こうやって、見ましょう。ね、プロデューサー?」ギュッ

P「お、おう……腕に抱きつくとかじゃなくて、手だけでも良いと思うんだけど」

アーニャ「プラヴィーリナ……そうですね。手を絡めるの、忘れてました」キュッ

P「違うよ!? 手だけって言う意味でおわぉぅ……」ニギ

アーニャ「夏の時は、いっしょに寝ながらで……冬の時は、今と同じ方法で星を見てました。何もおかしく、ないですよ?」

P「あー……そうだったな。……おかしくないのか、おかしく……ないんだな多分、うん」

アーニャ「ダー。プロデューサーとは、これがобычно、普通です。さぁ、星を――」


PiPiPiPi!




アーニャ「っ!?」

P「おわっ……あ、電話か。ちょっとごめんな、アーニャ…………はい、Pです」ピッ

アーニャ「……びっくり、しました……ふぅ」

P「――ああ、ディレクターさん。どうかしたんで……え? いつまで散歩してるのかって?」

アーニャ「?」

P「いつまでって、さっき散歩始めたばかりで……ってうお!? もう1時間半も経ってる!?」

アーニャ「ニウジェーリ……もう、そんなに……」




P「すみません、こんなに経っているとは思っていなくて……ええ、急いでそちらに戻りますっ」

P「……急がなくてもいい? ああ、申し訳ないです……はい、そんなに離れた場所では無いので……ええ、それでは失礼します」


ピッ


アーニャ「……時間、だったようですね」

P「ああ。星が少し見え始めてはいたけど、まさかそんなに時間が経っていたなんてな……」

アーニャ「アー、やはり、プロデューサーといっしょに居たから、ですね。……あっという間でした」

P「……となると、俺もそうだな。アーニャと一緒に居るのが楽しかったから、お互い気づけなかった訳だ」

アーニャ「ダー。доказать……証明、してしまいましたね?」

P「はは……まさかこんな早くに実証することになるとは……」




アーニャ「ではそろそろ、元の場所へ戻りましょう、プロデューサー? みんなを、待たせてしまいました」

P「おう、そうだな……って、あれ? アーニャ、結局俺に伝えて欲しいこと聞いてないんだが……何だったんだ?」

アーニャ「……ふふ、それはもう、聞き終わりました。貴方の、真っ直ぐな心を……しっかりと」

P「いつの間に!? えっ、ど、どの話だったんだ? 気になるから教えて欲しいんだけど……」

アーニャ「それは、めっ、ですよ? пытливый……詮索はしちゃいけないと、楓が、楓のプロデューサーに言ってました」

P「ぐ、『めっ』とか可愛いな……くっ、どれだ、どの話だ……?」




アーニャ「プロデューサーには、きっと分からないです。思ってくれていることが、言葉になっただけだから……」

P「直ぐに答えられるってそういう事だったのか……。会話のどれかだったなんて本当に分かんないぞ……草原? 草原か……?」

アーニャ「もし合っていても、答えは教えてあげないです。心に大切にしまって、のあと共有したいと思います」

P「のあさんには伝えるの!? ぐぬぅ、アーニャいじわるだぞ……」

アーニャ「好きな人には、いじわるしたくなる……вид международного、万国共通、ですね?」


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サクサク テコテコ カサカサ



P「……お、ようやくウチの車が見えてきたなー」

アーニャ「ダー。結構な距離を、歩いていたみたいですね? 行きは、全く気付きませんでした」

P「そうだなぁ、アーニャと話していたからあっという間だったよ。時間は……良かった、指定されていた時刻までには間に合いそうだ」




アーニャ「アー……プロデューサー?」

P「ん、なんだ? 疲れたなら休憩するぞ?」

アーニャ「ニェト、大丈夫です。ただ……」

P「……あ、そういうことか。ホテルに戻ったら、一緒に星を見ような?」

アーニャ「あ……ダー♪ プロデューサー、私のこと、よく知ってます」

P「ふふ、担当プロデューサーだからな! ……まぁ、さっきのアーニャが聞いた内容のこと、さっぱり分かって無いんだけどさ」

アーニャ「それでも、嬉しいです。プロデューサーはいつもいつも、私に色々くれますね?」

P「そ、そうか? こっちは何かあげた覚えってあんまりないんだが……」




アーニャ「ニェート、プロデューサーは、私に沢山与えてくれました。一番最初に貰ったのはцели……目的、ですね」

P「……アイドル、ってことか?」

アーニャ「ダー。初めて会った時は、変な人だと思いました。私がアイドルなんてプリツタヴリャーチ……想像も、出来なかったから」

P「まぁ確かに、端から見れば女の子に声かける変人だったかも……」

アーニャ「ふふ、ですが今は……ひとりのアイドルです。プロデューサーの言葉を聞いて、私が決めて、いっしょにここまで来ました」

P「そう思うとアーニャ、よく俺の言葉を信じてくれたよな……ありがとな」




アーニャ「Возможно……たぶん、貴方の言葉じゃなかったら、決めていなかった。プロデューサーの言葉にはとても、アイドルへの想い、詰まっていました」

P「あの時、アーニャがそんなに日本語話せないと思っていたから、言葉だけじゃなくてすごい身振り手振り加えた覚えがあるよ。……懐かしい」

アーニャ「プロデューサー、とても真剣でした。『大変だけど、キラキラで、輝いていて……』今もあの言葉、覚えてます」

P「よ、良く覚えてるな……俺としては恥ずかしいんだけど」

アーニャ「あの言葉で、私はアイドルをやってみたい、そう思えましたから。キラキラ、輝く……不思議と、私の好きな言葉が多くて……」

P「あ、今思うと確かに……アーニャが良く言ってる言葉を使ってたかも? もしかすると、これも奇跡だったのかもしれないな」

アーニャ「ダー、そうだと、素敵ですね?」




アーニャ「アー、アイドルになってからは、プロデューサー、私に沢山くれました。綺麗な衣装、LIVEのユニット、番組、CD……あー、のあとの天体観測もそうです」

P「ん? いやいや待ってくれ。それはアーニャだから出来る事だったんだぞ?」

アーニャ「……そうですか?」

P「仕事自体は俺が持ってきてはいるけど……衣装も、CDも、ユニットも、のあさんとの天体観測も、アーニャじゃなかったら出来ない事だった」

P「俺はアーニャに何かをあげているんじゃなくて、ただ用意しているだけでさ。あとは全部、アーニャの頑張りの結果だよ」




アーニャ「……なんだかプロデューサー、ヴィエーディマ……あー、魔法使いみたいです。まるで、シンデレラに出てくる、魔法使いのよう……」

P「はは、魔法使いならどれだけ良かったことか。ステッキ一振りでアーニャをシンデレラに出来るなら、今すぐにでも魔法を使いたいぞ?」

アーニャ「私にとっては、プロデューサーのしてくれること、全て魔法みたいです。プロデューサーのおかげで、私はみんなのナジェージダ……希望になれます」

P「みんなの希望になれるのは、アーニャがここまで頑張ってきたからだよ。俺の用意出来る魔法じゃ、シンデレラにはなりきれないって」

アーニャ「……そんなこと、ないです」ギュッ

P「! ……ア、アーニャ?」




アーニャ「アー、上手に言葉には出来ませんが……貴方のおかげで、私はここにいます。1人のアイドルとして、1人の女の子として」

アーニャ「私は、貴方が居なかったら、何も出来ませんでした。貴方がプロデュースしてくれたから、今の私が存在しています。それは、とても素晴らしい事ですね?」

アーニャ「貴方に逢えたから、のあにも逢えた。3人で約束も出来た。……かけがえのない、ことです」

アーニャ「だから、私には、貴方が必要で、ドキドキして……ンー、その……心を、許していて……? アー、なんて言えばいいのか、分からないです」

P「……」




P「……そっか。そういうことまで考えてくれてたんだな、アーニャ」ポフッ

アーニャ「プロデューサー……」

P「俺も、アーニャとのあさんが居ないと、何も出来ないよ。きっと、プロデューサーとしてもいられなかったと思う」ナデナデ

P「だから今、俺は本当に楽しいんだ。アーニャとのあさんが居て、ようやく俺として、2人をプロデュースするプロデューサーであることができるから」

アーニャ「……ダー。3人で、いっしょ……ですね?」




P「ありゃ……俺、言ってることは前と同じか。あ、それなら、なんだったか……確か……」

アーニャ「? なんですか?」

P「いや、前に聞いたあの言葉を…………あっ、思い出した。えっと……アーニャ、『ヤー ニ マグ ジィーチ ビス ティビャー』っ」

アーニャ「っ!? プ、プロデューサー? 急に、なにを……!?」

P「ん、だって確かこれ、『貴方がいないと困る』みたいな意味なんだろ? アニバーサリーパーティの時も、のあさんとアーニャが言ってたよな?」

アーニャ「Ой? Oх……確かにそうですが……」




P「……あれ? もしかして俺、何か思いっきり間違えた?」

アーニャ「ええと、ошибку……あー、間違いでは、無いです。むしろ嬉しくて……と、とにかくその言葉は、私とのあ以外には決して、使わないようにしてください。……いいですか?」

P「お、おう、わかった。あ、これアーニャに意味を聞いちゃった時点で、わざわざロシア語にする必要も無かったな……ごめんごめん」

アーニャ「ニェト、プロデューサーの気持ちは、ちゃんと伝わってます。私に合わせて、言おうとしてくれたこと……それが私には、嬉しいです」

P「そ、そうか? なら良かったよ。まぁその、言ったとおりだからさ……照れくさいけど、よろしくな?」

アーニャ「カニェーシナ♪ こちらこそ、ですね」




アーニャ「アー……今日という日を、迎える事が出来て、良かったです。トップアイドルへのスタートライン、やっと辿り着けました」

P「……そうだな。明日は日本に戻って、LIVE衣装合わせて、LIVEのセトリ通りにリハーサルして……今まで以上に忙しくなりそうだ」

アーニャ「ダー。でも、プロデューサーと、のあといっしょです。辛くても2人が居れば、トップアイドルのメチタ……夢も、叶えられますね?」

P「ああ、2人をトップに連れて行く……それが俺の夢だからな。いつかきっと、夢を叶える魔法使いのようになってみせるよ」

アーニャ「ふふ、私にとってプロデューサーは、もう魔法使いですよ? それも、魔法使いなのに、私たちの手を取ってくれる。まるで……」

P「まるで……?」


きらり「――にょわっ、2人を見つけたにぃ☆ アーニャちゃーん、アーニャPちゃーん、にゃっほー☆」ブンブン

蘭子「白き雪の女王と星の遣いよ! 汝たちの安息の地はここぞ!(アーニャちゃん、アーニャPさん、こっちですよー!)」


P「へ? あ、あれって……」

アーニャ「シト? 蘭子ときらり……?」




卯月「アーニャちゃん、アーニャPさん、お疲れ様ですーっ!」

凛「長い散歩だったね……何をしてたんだろう?」

未央「しぶりん、それは聞かないお約束だよっ。2人には2人の時間ってものがだね……」

美嘉「2人っきりでーってことは……わわっ、そういうこと? もしかしてそういうこと?」

莉嘉「お姉ちゃん、そういうことってなになに?」

美穂「よかったぁ……お2人が迷子になってしまったのかと思って……」

杏「あー、早く帰りたーい……ささっと迎えに行こうよー……」

かな子(そう言いつつも来てくれてる杏ちゃん、優しいなぁ……)

楓(杏ちゃんが帰りを案ずる……ふふっ)


\ワイワイ ガヤガヤ/


アーニャ「Офигительно……みんな、迎えに来てくれた、みたいですね?」

P「あー……確かに近くに来てから、ずっとこうして突っ立ってたからな……なんだか申し訳ないことしちゃったなぁ」




アーニャ「ダー、嬉しいけど、プラーヴィリナ……そうですね。ではプロデューサー。私達も、みんなの所へ行きましょう?」キュッ

P「っ、また自然に手を……まぁ、パーティの時もそうだったか」

アーニャ「ヤー、もうみんなには、私とのあとプロデューサーの仲の良さ、知って貰ってます。だからいつでも、こうして平気ですよ?」

P「いつでもはダメだからな!? ……ってそうだアーニャ、さっきの話だけど、『まるで……』の後に何て言おうとしてたんだ?」

アーニャ「アー、それは……」


\アーニャ!/ \アーニャチャン!/ \ニョワー☆/




アーニャ「……ふふ、それは秘密です。アー、トップアイドルになれたら、きちんとお伝えしますね?」

P「と、トップアイドルになれたらって、また随分と先の話になりそうだな……」

アーニャ「ダー、確かに先は長くて、очень……大変です。ですが、3人いっしょならきっと、すぐに辿り着けますね? そう、貴方を……信じています」

P「……あー、もう、嬉しいなぁ。……ああ、俺も2人を信じてる。だから」ギュ

アーニャ「あ……」

P「トップアイドルまで、その先まで、俺にプロデュースをさせてくれると嬉しいよ。……いいかな?」

アーニャ「……ダー。スダヴォーリストゥヴエム……あー、喜んで、プロデューサー♪」




\ヒャー アツイ、アツイネ、オフタリサン!/ \フーン…アアイウノモアリナノカモネ/ \フタリトモ ラーブラブー ウキャー☆/


アーニャ「……あ、そうでした、みんなが待って…………シト? こっち、見てますね?」

P「うわ、めっちゃニヤニヤされてる!? あ、あの中へ戻るのか……?」

アーニャ「ヤー、私とプロデューサーの仲の良さ、また伝えられて良かったです。プロデューサーも、嬉しい?」

P「ま、まぁ嬉しくないわけじゃないけど……凄く、恥ずかしいぞ……」

アーニャ「大丈夫です。私が、プロデューサーと居ますから。さぁ、行きましょう?」クイッ

P「ぐぬぅ…………お、おう、分かった。冬の時と変わらないもんな……よし、行こう、すぐ行こう!」

アーニャ「ダー。この手は……離しません。ずっといっしょ、です」ギュ

P「俺も離す気はさらさら無いよ。恥ずかしいけど……絶対、離さないからな」ギュッ

アーニャ「ふふ、これから、もっともっと楽しくなりますね? スパシーバ、プロデューサー」

P「……ありがとうは、こっちもだ。……これからもよろしくな、アーニャ!」





アーニャ「ダー♪ パジャールスタ……よろしくお願いしますね、私の……принц(王子様)!」





お わ り




のあさんの新SRを待っていたらアーニャがSRで降臨したので、つい
アーニャの台詞は、今までに出たレアリティの台詞、アーニャの思い出エピソード、シンデレラガールズ劇場を参考にさせて頂いております

文中に出てくるロシア語は、全てが正しい意味ではない可能性があります。もしも間違っていたら笑って見逃してやってください
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。またこちらへ投稿する際には、よろしくお願い致します


第3回総選挙は是非とも、アーニャとのあさんに入れて頂けると嬉しいです


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意味の取り方によって多少変わってしまいますが、アーニャが言っていた

「……Поэтому, Я обожаю тебя. Ты моё счастье」 という言葉は

「だから、私は貴方が好きなんです。貴方は、私の幸せそのものなんです」

といった感じの意味になっております

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