エレン「プリズナーゲーム」(662)

とあるゲームの中ででてくるプリズナーゲームをエレン達がやると…という話です

ヤンデレ、ハーレムなどの要素を含みます故、そこらへんの嫌いな方はそこだけ読み飛ばしてください

まあその恋愛が成就するとは限りませんが

アルミン「う、受かったよ!エレン!」

エレン「本当か!?良かった!」

アルミン「奇跡に近いけど…」

ミカサ「それでも受かったなら良かった。おめでとう、アルミン」

アルミン「ありがとう…ミカサ」

エレン「これで3人とも卒業模擬戦闘試験合格だな!」

アルミン「他の皆はどうなのかな?」

エレン「ライナーとかベルトルトとか余裕だろうな。その他も上位10人に入るやつなら合格は余裕だろ」

アルミン「やっぱり凄いね…皆は」

ライナー「アルミン!どうだったんだ?」

アルミン「あ、ライナー!受かったよ!」

ライナー「お、良かった。俺も聞いた限りじゃアニ、ベルトルトやジャンとマルコも受かってるぜ」

ベルトルト「サシャもコニーも受かったらしいよ、ライナー」

エレン「あ、ベルトルト」

ベルトルト「おめでとう、アルミン」

アルミン「ありがとうベルトルト」

マルコ「アルミン!受かったんだって?」

アルミン「マルコも。ありがとう、無事受かったよ」

マルコ「よかったー…ユミルやクリスタ達も受かったらしいし、僕の周りの知人は全員合格したみたいだ」

エレン「こんなとこでへばってらんねえからな。巨人を倒すまで!」

ミカサ「今聞いてきた。合格した人達で解散式前のパーティをやるって」

ライナー「お、マジか。パーティっていったら解散式の後なのにな」

マルコ「二回やるんじゃない?」

ベルトルト「金あるね…」

ミカサ「行こう、エレン、アルミン」

エレン「わかってる。アルミン」

アルミン「ん」

スタスタ

ユミル「よお、アルミン。『奇跡的に』受かったらしいな」

クリスタ「ユミル!アルミンだって頑張ったんだから!おめでとう、アルミン!」

アルミン「あはは…ありがとう、2人とも」

ユミル「あん?私はお前褒めた覚えないぞ?」

アルミン「こうしてわざわざ言いに来てくれたんだから祝辞の言葉をかけに来たんじゃ?」

ユミル「ちげーよ!」

エレン「お前も受かったんだなー」

コニー「おーう、受かったぜー」

サシャ「受かったのでパンくださーい」

エレン「そんなこと言ったら俺も受かってるからくれよー」

サシャ「図々しいですよーエレン」

コニー「お前が言うな」

ベルトルト「平和な光景だね…」

ライナー「エレンとか気が抜けてんじゃないか」

ジャン「…」 じー

アニ「…さっきから気になってたんだけど、こいつなにしてんの?」

マルコ「ミカサの観察だって。どうせ最後なんだからアタックしちゃえばいいのにねぇ」

ジャン「するとしても今はダメだ」

ライナー「なんでだ?」

ジャン「今、ミカサはアルミンとエレンを取られて不機嫌だ。近寄るなオーラ醸し出してる」

ベルトルト「確かに不機嫌そうだけども」

ジャン「3年間ミカサを見続けた俺ならまあわかる。今はダメだと」

アニ「ようするにアタックする勇気がないだけでしょ」

ジャン「…」

パーティ解散後

エレン「解散式はいつなんだ?」

アルミン「今日から3日後だっけ?それまでは休暇のはずだよ」

ベルトルト「じゃあ皆と過ごせるのもあとそれまでだね」

ジャン「長いようで短かったったな」

アニ「…ねえ、さっきから霧が凄くない?」

サシャ「本当ですねぇ…なんでこんな場所に霧が発生するんでしょうか」

ライナー「だんだん前が見えなく…」

ミカサ「!人がいる!」

エレン「訓練生の奴らだろ?」

エレン「…いや違う?なんだ?全身雨合羽でも着てんのか?」

コニー「霧の色と混じってよく見えねえ…」

エレン「なんか…薄気味悪りいな」

アルミン「だよね。こんな雨も降ってない今、どうして雨合羽着て歩いてるんだろうね」

エレン「…ちょっと寮まで急ごうぜ!」

マルコ「どうしたの?なんの状況もわからないんだけど!」

エレン「霧が深くなってきたから早く帰ろうぜってことだ!」

スタスタ

エレン.(……なぜ)

エレン(なぜ、霧の中から足音が近づいてくるんだ?)

エレン(どうなってんだ?) くるっ

後ろを振り返るとーーーーー

エレン(!?雨合羽なんかじゃねぇ…なんかの防護服みたいなもんか?)

エレン(しかも手になんか持ってやがる…)

エレン(長い得物みたいなもんか…?)

そんな変なもの着て変なもの持ってる連中がーーーーーーー

俺たち目がけて走ってきた!

アルミン「エレン!」

エレン「!?前にも同じ奴らが!」

エレン(2方向から俺たち向かって走ってきてる!間違いなく俺らにだ!)

エレン「お前ら!変な連中がいる!もっと早く走れ!」

ユミル「…はあ?なにいってんだよエレン。てかわざわざ疲れてる時に走ることないだろ」

エレン(皆模擬戦闘試験で疲れてるのか…こうなりゃ!)

エレン(!枯れ枝が落ちてる…1メートルくらいあるな…これなら簡単に折れはしないだろ…よし!)

エレン「止まれそこの俺たちを追ってるてめえらぁ!」

ぴたっ

エレン(お前らが止まってどうするんだよ!俺が言ったのは俺たちを追いかけてくる奴らにだ!)

アルミン「ボク達は止まっちゃダメだ!走れ!」

エレン(さすがアルミン…助かる!)

エレン(…もう距離が近い…やるなら今だ!)

エレン「喰らえぇっ!」 どがっ!

枯れ枝で1人押し倒したーー!

エレン(いや、まだいる!後ろに!)

エレン(!増えてる!5~6人くらいいるか!?)

エレン「おらぁっ!」 バキィッ

枯れ枝で相手の側頭部を思いっきり殴った…

エレン(くそ、枯れ枝が折れちまった!)

だが、相手にも相応のダメージがあったらしい。無言でその場に倒れた。

そして他の奴らが驚いたように俺に目を向けた

エレン(俺に脅威を感じてくれてんのか…?ずっと長い得物を俺に向けている)

エレン(50cmくらいになっちまった枯れ枝でどこまで抗えるーーー!?)

じりじり

アルミン達が後退してきた!?

エレン「何やってんだよ!」

アルミン「前にも回り込まれたんだ!」

エレン(なんだと…!この連中まだ増えるのか!)

俺とアルミンの肩がぶつかるほど追い詰められた。

エレン「…マジかよ」

アルミン「残念ながら…ね」

前、後ろと共に、横側からも奴らは来た。3方向から囲まれてるな…

ジャン「…だいぶ状況確認ができた。ここにいる奴らは上位10名って噂されてる奴らばっかだろ!お前らならこいつらを退けることくらい出来るだろ!」

ライナー「みくびんなよ…やれるぞ」

ベルトルト「僕もいける」

コニー「俺もだ!やられっぱなしじゃカッコわりいしよ!」

アルミン「まあ…投石程度なら」

ジャン「よし、アルミン以外殆どいけるな!」

クリスタ「う、うん…」

ユミル「クリスタをいかせるんじゃねえ!てか男共!お前ら全員やれよ!」

エレン「偉そうに言うな!女は真ん中に固まってろ!男は女を囲むように!」

ジャンのおかげで皆の目が覚めたみたいだな…

マルコ「…僕達は一般の訓練兵であなたたちに襲われる理由なんてないと思いますが!」

エレン(返事の変わりに防護服の奴が1人前に出て来た)

エレン(それを皮切りに他の奴らも前進してきたーーー)

ジャン「…行くぞ!」

エレン(だがジャンに奴らがいきなり襲いかかった)

ジャン「ぐっ…!離せっ!」

エレン(するとさっきから構えてた長い得物みたいなもんをジャンに当てて…)

ジャン「ぐっぁっ!」

エレン(…!?気絶させられた!?その前にあの得物みたいなもんからバチバチとなんかがーーーー!)

エレン「くそっ!」 くるっ

エレン(なんで俺はその時後ろを向いたかわからないが…予感かなんか感じてたんだろうな)

エレン(俺が最後に見たのはジャンを気絶させた武器を俺にあてがう防護服の奴だったーーーーーーーーーーーーーーーー)

エレン(真っ先に失神させられた俺は他の奴らの怒号や悲鳴をどこか遠くで聞いてた気がした)

…目覚めは最悪だった。

まず目覚めて少したつと体の上下感覚だけが戻ってきて、地面に寝転がされてることに気付く。

次に寝転がされてる地面が固いコンクリートのようなもんだと気付く。

そのあと体の他の感覚が徐々に戻ってきて…

俺は目覚めた。

…身を起こしたが、体がさっきから謎の痺れに襲われている…

連中が持ってた武器のせいか…

そして状況を知った。

エレン(…俺と一緒にいた他の皆も倒れている)

さっきまでの俺と同じ状態で寝転んでた。

アルミン。
ミカサ。
アニ。
ライナー。
ベルトルト。
ジャン。
クリスタ。
ユミル。
サシャ。

エレン(…皆まだ起きねえのか)

だが、どうして俺らは襲われたんだ?何かしたかなんて覚えてねえぞ…

とりあえずこの場所を確認してみる。

…広い室内だ。ただ、天井や床が汚れてるおかげで遠くの壁とかが確認できない。汚れで薄暗くもある。

アニ「…」

エレン「…コンクリートのこんな壁際にこいつは寝転がされてたんだな」

アニも皆と同様、気絶してる。

すると途端俺は誰かに足を掴まれたーーーーーー!

エレン(!?!!!!?)

ミカサ「…エレン」

ミカサだった。

エレン「お、おま、お前!驚かすんじゃねえよ!」

ミカサ「…いつまでたっても気付いてくれなかったから」

エレン「…悪い。状況確認で気にしてなれなかった」

ミカサ「なら仕方ない」

エレン「…ん?お前も気絶させられたのか?」

ミカサ「ええ。不覚なことに…背後からいきなりバチバチしたものを当てられて…」

エレン(首席は間違いないだろうと噂のミカサがやられるなんて…)

てかあの武器はなんなんだ…?

導入部。

離席するけどまた後で来る

いや…その他に気になることはある

…マルコとコニーはどこだ?

もう一度見回してもここにいるのは9人。俺含めて10人だ。

ミカサ「…どうしたの?」

エレン「…マルコとコニーがいない」

ミカサ「え…」

…ふざけてる場合じゃないな

とりあえずコンクリートのとこで寝てるアニを起こそうかと思う

1番痛そうな場所に寝てるしなぁ

エレン「起きろ、アニ」

アニ「あ、…うう…か、らだ痛いぃ」

起きたな…すげえ痛そうだけど

エレン「起きたか」

アニ「あ、うん…?エレン?」

エレン「ああ、エレンだ」

アニ「…エレンに起こされるなんて…これ夢?」

エレン「なにいってんだ?」 ごそっ

背後で物音。

エレン「お、ベルトルトも起きたか」

ベルトルト「…うん、体がどこか痺れてるけど」

エレン「あの連中の武器のおかげで痺れたんだな」

ベルトルト「なんだろうね…」

ベルトルトの目が怖い気がするのは気のせい。連中にやられてイラついてんのか?

そのあと皆がちゃくちゃくと目を覚ました。クリスタが少しダメージが大きそうだった。

全員が目を覚ますまで少しだった気もするし、長い気もした。

アルミン「…連中無茶苦茶してくるね。ショック死してもおかしくないほどのダメージをくらってるよ」

アルミンの言葉を信じるなら、全員が目を覚ましたことは不幸中の幸いだっただろう。

クリスタ以外は皆、大きなダメージは受けずに起きることができた。

逆に不幸中の不幸も容易に想像できる。

マルコとコニー。

俺が1番最初にやられたあと、皆も気絶させられたみたいだが…

どういうわけかマルコとコニーだけいないみたいだ…

…全員が目を覚ます過程で、ここの場所の様子も少しわかってきた。

なんて言えばいいだろう…俺たちが飲食をしていた食堂2個分の大きさはあるかな?

建材は木材と…セメント?かなり古い建物だ。

床はアニの様子を見ればわかるが、固い。

基本的には四角い部屋だが、奥の方に廊下が、長い廊下が見える。

で、廊下や壁の各所にドアが見える。そっちはまだ調べてないけど。

空間の真ん中には大きいテーブルとご丁寧にイスが10脚あった。俺らは今、そこに座っている。

エレン「…状況をまとめよう、皆」

エレン「俺らは気絶させられた後、ここに連れて来られた。そしてなぜかマルコとコニーがいない。他には
?」

…答えはない。

ミカサ達女は不安げに視線を落としている。アルミンだけ難しい顔で思案中みたいだけど。

ややあって答えたのは…

サシャ「…ポケットに隠してたパンが…なくなっていますぅ…」

ジャン「なんで隠してたんだよ!」

サシャ「部屋で食べたかったんですよ!なのに消えてます!」

ライナー「…俺もたしか紙をポケットに入れてたが、消えてるな」

エレン「…身の回りの小物は盗られたみたいだな。パン除いて」

サシャ「なんでパン除くんですか!?」

とりあえず皆ごそごそと体を漁り出した。

ジャン「ないな、なにも」

ベルトルト「元々なにも入れてなかったけど」

ユミル「右に同じく」

クリスタ「私も…」

ジャン「俺もだな」

エレン「…身の回りの小物を奪う理由がわかんねえな」

アルミン「例えば誰かがここの施設壊せる物を持ってたら大変だからとか?」

エレン「そんなやついねえだろ…」

ただ一つ気になること。

エレン「…俺たちはここに誘拐されて、監禁されたのか?確かにこの施設壊せるようなもの持ってる奴いないし」

ユミル「なんでその誘拐対象が私たちなんだよ?この中で誘拐する価値あるのクリスタだけだろ」

クリスタ「ふぇ?」

ユミル「可愛いクリスタを誘拐して好き放題しようって輩がいてもおかしくはねえだろ?」

クリスタ「え…え…」

ライナー「…クリスタが怖がってるぞ」

ユミル「おっと、すまん」

アルミン「一理あるかもしれないね。だけどクリスタが狙いならボク達は今頃あの世にいるよ」

アルミン「例えば目撃者がいたらまずいならとうの昔に死んでるよ、ボク達」

エレン「なるほどな。それだったら俺たちをここに運ぶ意味ないし」

ミカサ「…つまりあいつらは私たち全員を狙っていた?」

アルミン「そうだろうね。それにここにいるのはボクを除いて上位入りは確実とされてる人たちばかりだ。明らかに狙っていたと思うよ」

エレン「ふうん…だけど誘拐してそれっきりかよ?俺らは全員目覚めたわけだけど、連中は何もしてこないしよ」

アルミン「いやいや、既に一つやられてるよ」

そう言ってアルミンがシャツの裾をめくるとーーー

血まみれだった。

ユミル「おいいい!大丈夫かよ!アルミン!」

ミカサ「ケガ!?痛みは!」

アルミン「落ち着いてよミカサ、ユミル。てか血はもう止まってるし。それに多分皆こうなってるよ」

それを聞いてまた皆体を身改めることになった。

確かに何人かはシャツが血まみれだった。

俺はなんかでかいガーゼがつけてあり、そこに薄く血が滲んでいた。

クリスタ「いや…なにこれ…」

アルミン「さっき目が覚めた時、異様に気分が悪かったんだ。たぶん気を失ってたのは、ビリビリした得物じゃなくて、なんかの薬物を打たれたせいだと思う」

アルミン「あれだけのショックでは気絶する時間もたかが知れるし。薬で長時間眠らされてたんだと」

薬物を、打たれた。

エレン「さすが…アルミンだな。相変わらず頭冴え冴えだな」

アルミン「やめてよ、ボクなんかなんの取り柄もない人を持ち上げるのは」

エレン「だからお前はネガティブすぎんよ!」

アニ「アルミン、あんたにも取り柄あるよ」

アルミン「…こんなクズに?」

アニ「ネガティブ」

エレン「取り柄じゃねええええ!」

ライナー「エレン大声だすなぁぁぁぁ!」

ユミル「お前も出すな!」

ライナー「あ、すまん。だけどわかってんのか?今は非常事態だぞ?いつもと同じくアルミン弄るなよ?」

エレン「俺に言わせりゃライナーもいつも通りだと思うが。極めて冷静だし」

サシャ「まったく、皆誘拐されてもマイペースですねぇ…私はパンが無くて死にそうですのに…」

ジャン「お前がその最たるマイペースな人だけどな」

場に苦笑が満ちる。

苦笑でも笑いは笑いだ。

苦境を乗り越えるのには笑いが必要だ。

辛い訓練なんかも笑う暇ないくらい辛かったが、それでも笑って、励ましあった。

ライナー「…で?どうするんだ?」

全員がひとしきり笑ったところで、ライナーが切り出した。

アルミン「うーん…相手の意図がわからないことには、動きようがないなぁ…」

俺はというものの、さっき気付いた廊下のドアをしきりに気にしていた。

コンクリートの壁に挟まりこんだ錆びついたドア。

気になって仕方ない。

エレン「あれ調べようぜ」

アルミン「んー、いいけど、その前にこの部屋を調べよう。さすがに下手に動くのは怖いよ」

…気になるのに

ミカサ「その前に、あれを調べるべきだと思う」

ミカサが指指したのはテーブルの真ん中においてある、黒い板状のもの。

ミカサ「イスは10脚、私たちは10人。明らかに私たちのために用意されている。普通に考えると、次に私たちの興味をそそるのは、あれだと思う」

ユミル「…罠じゃね?」

ミカサ「罠ではないと思う…なにかのゲームではないから」

エレン「いや…ゲームだったらどうする?」

ミカサ「…エレン?これは現実」

エレン「あー…そーゆーことじゃないんだが…」

アルミン「エレンは少し言葉足らずなんだよね。でもボクも似たようなことは考えていたよ」

ミカサ「アルミンまでなにをーーー」

アルミンがわりかし真剣な顔つきになって言った。

アルミン「これがもしボクらの注意深さや、サバイバル能力を試す遊戯で、あっちこっちに罠があり、それに引っかかって死ぬボクらを誰かが笑って見てる」

そこまでアルミンが言うと…

狙い澄ましたように、机の上の黒い板状のものが振動した。

ユミル「な、なんだ!?」

ジャン「な、なんだよこれ…一人でに振動するものなんて俺は見たこともねえぞ…」

アニ「ずっと振動しまくってるよ…なんか怖い…」

だけどそれはこっちの事情なんて関係ないみたいにバイブレーションを続ける。

どうやら裏返しになってるようで、少し光ってるのが見える。

エレン「アルミンよ。もしこれがさっき言ってた罠で、俺がこれに触れた時点で死んだとしたら、このゲームを作った奴に文句言ってやれ」

アルミン「文句じゃ済まさない程言ってあげる」

エレン「よし」

ライナー「…2人ともなにいってんだ…?」

俺は身を乗り出して黒い板状のものを手で掴んだ。

ミカサ「!」

アニ「エレン!?」

ユミル「おい!」

罠だ爆発だの煽ってたからか皆ビビって飛び退く。

…案の定、謎の黒板は俺の手の中で振動を続けるだけだった。

ライナー「なっ…軽率だぞ!エレン!」

エレン「…結果オーライだ」

…まあ何も考えてなかったわけじゃないが、適当に返事しておいた。

アルミン「エレン。さっき光ってたけど、その光源を見てくれない?」

エレン「おし、待ってろ」

そこにはこう書いてあったーーーー












監獄へようこそーーーーー

進撃の世界ってセメントはあってもコンクリートは無いんじゃない?

また後で来るYO!

と思ってたらレス来てた

>>34コンクリート無いっけ?知識不足はこれだからねぇ

すみません、脳内補完でコンクリートある設定にしてください

エレン「…だとよ」

皆怪訝な顔をしてる。

アルミン「…貸して、エレン。触ってみよう」

アルミンに手渡した。意外と軽いことに今更気づく。

アルミン「どうせなら全員で見よう。集まって」

クリスタ「怖い予感しかしないよ…」

アルミンが黒板を持ち、それをみんなで囲って見る形になった。

アルミン「全員見えるね?」

頷く。

アルミンが黒板に触れると、その黒板はそれに反応したように、表示を変化させた。

アニ「が、画面が動いた!?」

ベルトルト「こ、これ…凄いね」

そしてそこにはこう表示された。

「ゲーム概要」

エレン「…アルミン」

アルミン「わかってる」

さっき自分たちで言ったとはいえ、本当にゲームという言葉がでてきた。

客観的に考えても出来過ぎだ。

アルミン「…次行こう」

アルミンがまあ画面に触れるとまた表示は変わった。

…次に表示されたのは結構長文だった。

↑訂正

アルミンが画面に触れると、また表示は変わった

『1.“プリズナーゲーム”は、閉鎖された監獄内におけるーーーーー』

『ーー“看守”と“囚人”の関係性と心理を再現する対話型ゲームである』

…は?

俺の頭に浮かんだ疑問符を気にせず、アルミンは周りのみんながこれを読んだのを確認すると、画面に触った。

表示されたものはーーーー

『*整列せよ*』

たったこれだけの文章だった。

疑念を抱く間も無く、凄い音が辺りに鳴り響いた!

甲高く吠えるサイレン。同時に向こう側の壁にある真っ赤なランプが点灯して、薄暗い部屋は血で覆われたみたいな真っ赤な部屋に変貌した。

エレン「今度はなんだよ!」

ジャン「おい、落ち着け。皆」

ベルトルト「あ、あれ!」

ベルトルトが指差す方にはーー

壁がせり上がる!?

いや、赤いランプが点灯した壁は、シャッターのようだ。

俺たちは呆気にとられてるか、突然の出来事に身動きできないかの行動しかとれなかった。

シャッターの向こうから現れたのは。

例の防護服共だった。

シャッターが上がり切ると、サイレンは止んだ。

代わりに押し殺した悲鳴が聞こえた。霧の時、襲われた恐怖を思い出してるのだろう。

防護服共は例の武器を構えてこちらに向けている。

また俺たちを拘束する気か?

ユミル「う、おっ!なにすんだ!」

防護服共はまたあの武器から発するバチバチしたものをこちらに振ってくる。

ーーだが攻撃する姿勢はないみたいだ。時折威嚇を含めてこっちに武器を構えてるだけだ。

エレン「…並べってことか」

返事代わりに「さっさとやれ」とでも言いたげな態度で武器を突き出してきた。

ここはーーーーー

エレン「…今は言う通りにしようぜ」

アルミン「いいの?」

エレン「『今は』」

アルミン「…ん、良いよ」

アルミンが俺の横に立つ。

エレン「…ライナー」

ライナー「…ああ、今は抵抗しないことに賛成だ」

アルミン「ユミルー?」

ユミル「…わかってるよ、そんくらい」

ジャン「ミカサ、アニ、大丈夫かよ」

ミカサ「大丈夫」

アニ「私も。ベルトルト、クリスタ」

ベルトルト「…大丈夫だ」

クリスタ「……」

ジャン「おいサシャ」

サシャ「パンを…」

ジャン「めんどくさいな、こいつ」

ようやく全員横一列に並び終えた。

エレン「…で」

何をする気だと問う前に、防護服側に動きがあった。

奥から何も持ってない防護服野郎が現れた。

…その代わり灰色の箱を持ってるが。

その箱の上面には穴が空いていて、まるでくじ引きの箱だった。

…いや、本当にくじ引きだった。

箱持ち野郎は1番端にいた俺の前に立つと、おもむろに手を突っ込んでーー

中から取り出したものを俺に押し付けた。

同時に周りの武器をもっている防護服共が、威嚇してきた。

…妙なことするなってことか。

そして押し付けられたものは、黒い包装紙に包まれていた。

アルミン以下、同じようにして次々と黒い包装紙を受け取っていく。

やがて10人全員が受け取ると、箱持ち野郎は元来た道を戻っていった。

そのあとを追って武器持ちも撤収していく。

…なんだこの袋?

その時、またもタイミング良く、黒い板が震度した。

アルミン「どうやらどこからから見られてるみたいだね」

そうしてアルミンはその黒板を手に取る。周りの奴らもさっきと同じ位置に行き、アルミンが持ってる黒板を覗く。

『各自配布されたキーを確実に管理くること。必要な時に使用できなかった場合、ゲームに敗北する恐れがある』

『また、看守の権限及び、各罪種の能力は全て、本日22:00をもって有効となる』

…看守?罪種…?

ミカサ「…これは鍵なの?」

ライナー「だと思うが…迂闊に触らん方がいいだろう…って、おいエレン!」

その時にはすでに袋を破いていた俺。

エレン「…普通の鍵だな」

ライナー「おいおい…これがもしも罠だったらどうすんだ?」

エレン「いいじゃないか。ゲームが進むよう俺は行動してるだけなんだから」

てか向こうが「ゲーム」をやる気なら、ここで罠を仕掛けるような汚い真似はしてこないだろう。

…さっき開けた袋から出て来た鍵を見てみる。

プラスチックの赤いキーホルダーが付いているな。

キーホルダーには黒字でこう書かれている。

「看守」

ジャン「お前も看守かよ。俺もらしいな」

アルミン「やれやれ。ボクは囚人だって。そんな悪いことしてないのに」

アルミンの手元には青いキーホルダーが付いていた。

そして、それを皮切りに皆袋を破き始めた。

結果。

看守
エレン
ジャン
サシャ
ユミル
クリスタの5人。

支援

>>48支援サンクス

囚人
アルミン
アニ
ベルトルト
ライナー
そしてミカサの5人。

ちょうど5対5に振り分けられたことになる。

ミカサ「…囚人」

アニ「…」

ライナー「失礼極まりない扱いだな。俺らが何をやったっていうんだ」

ベルトルト「…ライナー」

アルミン「多分そういうのじゃないよ。あくまでゲームをやる上での分担、即ち役割ってことでしょ」

クリスタ「…アルミンずいぶん落ち着いてるね…ねえ、何か知ってるの?」

急にクリスタがそんなことを言い出した。

アルミン「おや?ボクは何も知らないよ?黒幕でも、ない」

クリスタ「…」

アルミン「とにかく、今分かってるのは、プリズナーゲームには、囚人と看守がいるってことだけだ」

アルミン「またこの黒板を触って、表示を変えようと思うけどいいかい?」

…異論は出なかった。

さっきの会話からすると、クリスタはアルミンを疑ってるかもしれねえな。

十中八九そうだろうけど。アルミンはあえて冷静につとめてるだけだ。

『2.看守には、囚人を統制・尋問・鎮圧する権限と装備が与えられる』

『また、1日1名、看守全員の同意により、選んだ囚人の1名をーーー』















『《処刑》または《釈放》する権限を有する』

アルミン「……」

アルミンだけじゃない。

この場の全員が言葉を失っている。

アルミン「…まあこれだけじゃ、分からない。先に進むよ」

……

…………

………………

……………………

…………………………

ややあって、黒板の画面には『以上。』と、表示され、どうやらルール説明は終わったようだった。

アルミン「全員理解…できた?」

小首をかしげるやつが少数。

要するに、わかってない。

青い顔をしてる奴が少数。

要するに、理解している。

アルミン「…エレン、君が理解した限りで、いいから…内容を噛み砕く形で皆に教えてあげてくれない?」

ミカサ「エレンは…わかったの?」

エレン「んー、理解は…したと思うが」

…自分の理解度確認のためにも説明するか。

と、その前にさっきの画面に書いてあった、プリズナーゲームのルールを全て載せようと思う。話はそれからだ。

ゲームの概要

1.“プリズナーゲーム”は、閉鎖された監獄内における“看守”と“囚人”の関係性と心理を再現する対話型ゲームである。

2.看守には、囚人を統制・尋問・鎮圧する権限と装備が与えられる。また、1日1名、看守全員の同意により、選んだ囚人の1名を《処刑》または《釈放》する権限を有する。

3.囚人は、その“罪種”に由来する“能力”を有する。自らの罪種は囚人本人のみが知る。他人に明かしてはならない。

4.“殺人鬼”という罪種を有する囚人が1名存在する。殺人鬼は毎晩1人の看守を殺害する能力を有する。

5.各自、自分が死亡する前に、“勝利条件”を満たし、監獄から脱出するのが目的である。最も重要な勝利条件は、“殺人鬼を敗北させること”であり、これを達成することで、他の看守・囚人全員の勝利となる。

三大原則

1.“プリズナーゲーム”における、以下の全ての勝利条件・規律は、総合監視システムにより、自動的かつ公平に保持・判定・執行される。

2.“プリズナーゲーム”は、この“監獄内”のみ有効である。監獄外に出た時点で、ゲームが与えるあらゆる罰則、権限は消失する。

3.“プリズナーゲーム”において、“敗北”と“死”は同義である。また、“勝利”と監獄外への脱出”は同義である。

勝敗条件

1.“殺人鬼”が敗北した瞬間、他の参加者全員の勝利が確定する。

2.“看守”が全員敗北した瞬間、全ての囚人の勝利が確定する。

3.“釈放”された囚人は、勝利が確定する。

4.殺人鬼が釈放された場合、殺人鬼の勝利が確定し、他の全員の敗北が確定する。

5.“10日目の22時の時点で勝敗の確定してない参加者は、全員敗北する。

看守部屋、囚人部屋について

部屋は1枚の壁を隔てて、別れる。

※個室での発言は機会変換され、隣接する相手の個室にて再生される。このため会話は可能だが、自分の正体は相手に秘匿される。

規律/全体(看守、囚人双方)

1.各自、配られた自分の“鍵”を管理しなければならない。鍵は監獄内のドアの通行に必須であり、特に夜間、個室に入るために必要となる。紛失した場合、再発行は認められない。

2.各自の鍵には“キーホルダー”が付いており、キーホルダー内にプレートが折り込まれている。プレートには文言が書かれているが他人に見せたり、見られたり、見えかねないという状況を作ってはならない。※1
監視システムが該当事項を検知した場合、その鍵を最初に与えられた参加者が“処刑”される。

3.夜間(22時~7時)は各自、個室にて過ごさなければならない。まず21時54分から1分間だけ開放される、囚人・看守別のドアを通り、次の“振り分け部屋”に移動する。振り分け部屋の五つのドアは順番に1分間隔で解錠される。1つのドアに入れるのは1人のみで、1人が通過した後に施錠される。1分以内に、通路を道なりに進み、突き当たりのドアを自分の鍵で解錠し、個室に入ること。朝7時から9時の間に個室をでること。この際、通路を他の参加者が通過中の場合、通過完了まではドアが解錠されない。また、これらに反した者は“処刑”される。

少し読みにくいと思うから

3.夜間(22時~7時)は各自、個室にて過ごさなければならない。
まず21時54分から1分間だけ開放される、囚人・看守別のドアを通り、次の“振り分け部屋”に移動する。
振り分け部屋の五つのドアは順番に1分間隔で解錠される。
1つのドアに入れるのは1人のみで、1人が通過した後に施錠される。
1分以内に、通路を道なりに進み、突き当たりのドアを自分の鍵で解錠し、個室に入ること。
朝7時から9時の間に個室をでること。
この際、通路を他の参加者が通過中の場合、通過完了まではドアが解錠されない。
また、これらに反した者は“処刑”される。

…ごめん、読みにくくなるのは仕方ないってことで。スマソ

4.ゲームの円滑な進行・ルールの履行に携わる“執行人”の指示に反したり、抵抗したりする場合、執行人による鎮圧・制裁を受ける場合がある。※2

5.監獄内の設備を故意に破壊したり、故意に監視システムを阻害するような行動※3をとったものは処刑される。

制限に接触する可能性のある行為については、事前に警告が発せられる。

なお、会場内の飲食物や、ゲームに直接関係ないものの消費・損耗・破壊等には、これらの制限は課せられない。

過失により同上の行動をとったものには“執行人”による制裁が与えられる場合がある。

これ以降の説明は明日以降。

結構説明多い

期待

>>62ありがと

6.監獄内の設備は、特に指定の無い限り誰でも自由に使うことができる。

7.“キーホルダー”内プレートの文言が何らかの説明・規律・勝敗条件と矛盾する場合、プレートの文言が優先される。

8.ゲーム中“監獄長”と名乗る人物からの指示があった場合、それに従わなければならない。何らかの説明・規律・勝敗条件と矛盾する場合、“監獄長”からの指示は全てに優先される。

やっぱり説明後回しにする

…ここら辺がゲームの真髄のルールだな。

さて、みんなに説明する。

まず、このゲームの目的は『監獄』と呼ばれる場所から抜け出すことだ。

そのためには囚人の『殺人鬼』を見つけなければならない。

『殺人鬼』を含め、各囚人には『罪種』が指定されている。

自分の罪種はさっき配られたキーホルダーに折り込まれたプレートに記述されてるらしい。

このプレートは自分しか見てはならない。他の人に見られた場合、待ってるのは死だ。

更に、囚人は常に『自分は無実だ』と証言しなければならない。これも証言しなかった場合、やはり死ぬ。

つまり、囚人は自分の正体=罪種を簡単に人に表明できないってことだ。

ただ、このルールには例外がある。

毎晩、看守と囚人は1人ずつ、壁を隔てた隣室で夜を過ごす。この時、壁越しの会話には一切制限がかからないらしい。

ここで問題は壁越しの相手、隣室の相手がわからないってことだ。

…というわけで、夜の間、看守は囚人を尋問する。お前は誰だ、罪種はなんだ、みたいに。

この時、看守は囚人部屋に騒音を流せるらしい。それで自供を促すとか。ただのイヤがらせだろ…

ところが、この夜の間、『殺人鬼』は同室の看守を1人、敗北させることができる。

…つまり、看守は毎日1人ずつ減ってく可能性があるわけだ。

では、看守はやられっぱなしか?もちろんそうじゃない。

看守は毎日1人、囚人を釈放するか処刑するか選べるのだ。

ちなみに処刑は看守全員同意の上である。

…これで囚人も1人ずつ減ってく可能性があるわけだ。

『壁越しの会話』を通して看守側に情報が集まり、看守側が正しく『殺人鬼』を負かせることができれば。

それでゲーム終了。残った参加者勝利。

殺人鬼を負かせることは他の参加者全員の勝利に繋がるわけだ。

エレン「…キモは『壁越しの会話』の情報提供のとこだと思う」

エレン「この時は壁越しで声が変換されちまうらしいし」

エレン「困難な状況で正確に情報を伝えることができれば勝てる。会話能力を問われるゲームってことだな」

ミカサ「…なるほど、少しわかってきた」

ジャン「…それで終わりかよエレン」

ジャンの顔はいつにもなく蒼白だ。珍しい。

ジャン「エレン。お前は大事なとこは端折って説明しただろ。致命的なまでに重要な情報を、だ」

エレン「…順番に説明したかっただけだ」

ジャン「…本当かよ。なら早くその重要な情報を出して俺らは現実を見るべきだ」

アルミン「まあまあ。あとはボクが続けるよ。ありがとエレン」

エレン「はいよ」

アルミン「さっきエレンが話したことは一面の事実ではあるけど、このゲームの全体像ではない」

アルミン「ゲームの核心は次の四つだ」

1つ。看守は殺人鬼を探し、1日1名、囚人を処刑する。これにより、殺人鬼以外の全員の勝利が決まる。

アルミン「エレンが説明した勝利条件はここまでだ。だけど、このゲームには他にも勝利条件が存在する」

2つ。殺人鬼は看守を全員殺害する。これにより、自分含めた囚人全員の勝利となる。

アニ「…看守と殺人鬼の勝利条件は相反している。看守と囚人の勝利条件は一部勝利条件が違うってことであってるかい?」

エレン「そうだな」

アルミン「続けるよ」

3つ。殺人鬼以外の囚人は、自力でゲームに勝利することはできない。看守が殺人鬼を負かすか殺人鬼が看守全員を負かすかに頼むだけ。

ジャン「正確に言えば自分の勝利方法を選べる立場にいるわけだな」

ライナー「そういうこと…だな」

アルミン「核心の4つめ」

アルミン「この説明によれば処刑や殺害といった表現はゲーム上の言葉じゃない」

アルミン「本当にその参加者の命がなくなるってことだ」

アルミン「さっきエレンが言ってた敗北は死と同義の言葉だ」

アルミンはそこで口を閉ざした。

ユミル「…冗談がキツイな」

ユミル「青い鍵を持った人を皆で吊るし上げてコロスってか?」

ユミル「そんでもって青い鍵を持ってる人の中で殺人鬼がいて、そいつは赤い鍵を持った人コロスって?」

ユミル「…ありえない…だろ」

ユミル「どうせアルミンとかの悪ふざけだろ!もういいからさっさとネタバラししてくれよ!」

アルミン「事実がそうならボクはとっくにしてるよ。残念だけどこれを仕掛けた人はまだ粘るみたいだよ?」

アニ「ドッキリの可能性は」

アルミン「じゃあ例えばドッキリだったとして、仕掛人として怪しくなるのは?」

ジャン「…怪しいのはここにいない2人だろ」

ジャン「つまり、コニーとマルコだ」

アルミン「ごめいとう」

…そういう見方もあるのか。

ミカサ「…だけど私が見た限りでは、コニーもマルコも防護服のあいつらに抗っていた」

アルミン「ボクもそれを否定する気はないよ。あくまで可能性の1つだ」

アルミン「どっちかっていうと悪い方を想定して動くべきだと思う」

ミカサ「つまり…?」

エレン「これがドッキリじゃなくて、ガチで命を使ったゲームをしなきゃなんねーことだろ」

アルミン「そういうことになる」

…最悪だ。

アルミン「もしこのゲームが命を使ったゲーム…即ち殺し合いを目的としてるなら、酷くタチが悪いゲームだよ」

サシャ「悪いんですかぁ」

アルミン「悪いよ。てか最悪だよ」

ジャン「…ルールに書いてあるとおりだと、ゲームを終わらせるためには、最低1人は死ぬことになる」

ジャン「てか自分が助かるためには、最低1人は殺さないといけねえ」

ジャン「つまり、全員で殺人鬼を探し出して、殺すってことだ」

ジャン「でもそれが間違ってると?」

ジャン「誰だって死にたくねえだろ。無論、殺人鬼もだ。だけどルール上、お前は殺人鬼かって聞いても無実と答えるしかない」

ジャン「殺人鬼以外の囚人を殺してしまうことだってある」

サシャ「むう」

ジャン「…殺人鬼になった奴が1番酷い。処刑を避けながら、看守全員を殺す必要がある」

ジャン「こんなもんだろ。このゲームの惨さ」

アルミン「うん、ルール上はね」

サシャ「…わけわかんなくなってきました…ただ、まあ座学1位のアルミンが言うならそうなんでしょうね…」

ベルトルト「…じゃあこのキーホルダーの中に殺人鬼とか色々書いてあるのか…」

ベルトルト「…開けてみようか」

アニ「ちょ、ダメ!ベルトルト!あんたこれ見られたら死ぬんだよ!?」

ベルトルト「…そうだね」

…重苦しい雰囲気が漂う。

そんな時アルミンがまだ手に持ってた黒板が再び振動を始めた。

エレン「…今度はなんなんだ」

アルミン「なんだろうね」

みたび、アルミンを中心に画面を覗き込む形になる。

…最初は画面が勝手に変わって文字を移すとか信じられなかったけど、慣れたもんだな…

アルミンが画面に触れると急に画面が切り替わった。

今までの文字を表示してたのとは明らかに違う。

クリスタ「画像が、う、動いてる!?」

アルミン「動く画像か…それに生中継とか変な文字も入ってるね」

エレン「今回は今までとは違うってことか」

画面はどこかの部屋を映し出している。

周りには殆どなにも置いてない。

そんな殺風景な部屋の真ん中に椅子があった。

…誰かが座ってる?

…男が座ってる。その近くには投げ出されたように男が転がっていた。

…寝転がってる男はよく見慣れた坊主でーーーー

座ってる男はよく見慣れたそばかすが顔にあってーーー

ユミル「…あれコニーとマルコじゃねえか?」

それを聞いた瞬間、全員の画像を見る目が変わった。

表情がよく見えない。

だが、2人の特徴からコニーとマルコだとわかる。

そしてマルコはただ座ってるわけではない。

拘束されているーーーー!コニーも同じように!

何かのベルトできつく縛られている。

アルミン「…あれは…マズイ」

ふと視線を押し殺した声が聞こえた方に向けた。

さっきまでの表情とは打って変わり、焦りや恐慌が見える。

エレン「どうした」

そんな間抜けな声で尋ねた。

アルミン「あれは防護服が持ってた武器から発するバチバチしたものを発する椅子だ。さっきからあの椅子の地面からバチバチしまくってる」

アルミン「あれを喰らうだけで気絶する威力を一点に集中して放出するとなるとーーーーー」

アルミン「間違いなく死に至る」

なんーーだってーー

思考の鈍さを状況は待ってくれない。

画像に映し出されたマルコが突然顔をあげる。

マルコ「は、はなせえええええええええええええええええ!」

普段は絶対聞くことのなかろうマルコの荒々しい声にギョッとするが、やはり座ってるのはマルコだった。

マルコ「嫌だッ!出せ!離せ!離せぇぇぇぇえええええええッ!」

画面から聞こえてくる声は妙に鮮明で。

マルコ「嫌だっ、離せ!出せ!ここから出せえええええっ!」

血の滲むような声と。

マルコ「…出せ…よ!」

画像の向こうで怒りが絶望へ変わる表情が現実感を凄い帯びていて。

ーーー俺は無意識に駆け出していた。

アルミン「エレン!」

エレン「どっかにいるんだろうがぁぁあ!」

壁に埋まったドアを力任せに思い切り蹴る。

ドアはビクともしない。押しても引いてもだめだ!

アルミン「鍵は!」

エレン「やってみる!」

自分の鍵をドア穴にねじ込んだ。

ーー回らない!

エレン「くそぉぉおぉおおっ!」

ライナー「こっちもあかん!」

クリスタ「このドア鍵穴がない!」

アルミン「待って!反応がある!エレン!もっと叩け!」

俺はもとより、他の皆もドアを力任せに叩いた。

アルミン「見て!」

不意に黒板が目の前に出された。

マルコ「だ、誰かいるの…?さっきいた皆…?」

また鮮明に聞こえるマルコの声。

俺はドアに耳を押し付けた。

残忍なほど冷たいドアは音を一切漏らさない。

マルコ「皆…ドアの向こうにいるのかな…?声が、少し聞こえる…」

ドアに拳を突き付けた。

何度も何度も叩いた。

マルコ「…僕、もうダメらしい」

ひょっとしたら何か叫んでたかもしれない。

マルコ「だから…皆に言いたいことがあるーーー」

気付けば他のみんなもドアを叩いてた。でも叫んで叩くことしかできない。

マルコ「例え…困難なことがあっても君たちなら絶対出来る…3年間一緒に過ごしてわかった。君たちは出来るんだ…」

マルコ「…そして、ジャン。君は指揮官に…なれる逸材だと…僕は思う。君自身じゃ…わからないだろうけど、3年間一緒にいた僕なら…わかる…」

ジャン「なに言ってんだマルコ!早くそこから!」

コニー「…う、が…こ、ここは…」

マルコ「…起きたか…コニー。本当は起きないでほしかったな」

コニー「お、おいマルコ…なんだよそれ…そ、それにこれは…」

マルコ「…皆…きみたちなら

その時照明が落ちた。

アルミン「ーーーーーっ!!」

アルミンの声にならない叫びを聞いた気がした。

そしてその2.3秒後。

照明が戻った。

画面からは耳を劈く悲鳴が鳴り響いた。

皆ドアを叩くてをやめている。

コニーが何かを大声で叫んでいる。

絶叫に心が折れそうになる。

アルミンが黒板を抱きしめ、可能な限り聞こえる悲鳴を静めようとしている。

それでも。漏れ出るマルコの最期の声とコニーの絶叫は遮断できない。

やがて。

やがて。

やがて。

悲鳴は止んだ。

マルコは椅子から投げ出されたらしい。

コニーが椅子に座らされる音が聞こえる気がする。

コニー「マ、マルコ…」

コニーの声には絶望しかない。いつもの彼の明るい声はなにも聞こえない。

コニー「そ、うか…俺も…か」

コニー「お れはまだ…家族に」

コニー「かあちゃ

そして。

俺らの耳をもう聞きたくない絶叫が通り抜ける。

皆の顔からはなにも読み取れない。

絶叫は続く。

アルミンも抱きしめてた黒板を放心しながら落としていた。

最期の声は突然終わる。

何も聞こえなくなった。

やがて。

やがて。

やがて。

落ちている黒板からぶうん、と唸る振動がした。

氷じみた無表情のアルミンが機械的な動きで落ちた黒板を自分の手に寄せる。

そして画面をみんなに見せる。

画面にはこう書かれてた。









『公開処刑完了。
ゲーム開始。』

看守5人
囚人5人

生き残り10人

ここまで

絶望感半端ねぇ

>>83絶望感与えるSSを目指してるんで

これから地の文が減ります

むしろ絶望しかない

ベルトルト「ねえ…マルコとコニーは死んだの?」

誰も答えない。いや、答えたくない。

答えたらそれを認めることになりそうで。

だから

エレン「…まだわかんねーよ」

あまりに現実をみない発言が自分の口から出た。

アルミン「…確認、しよう」

エレン「どうやって」

アルミン「黒板でゲームルールの説明を読んだ」

アルミン「このドアは処刑室のドアらしい。ゲーム開始が宣言された今なら多分鍵を使えば入れる」

アルミン「もちろん、囚人の鍵ではあかない。看守の誰かに頼むことになる」

エレン「…わかった」

アルミン「エレン、ボクを殴っていいよ」

エレン「なぜ」

アルミン「空気を読まないにも程がある言動だからね。力いっぱい殴ってもらわないと不釣り合いだと」

>>85それでいいのサ

エレン「…なに言ってんだか」

アルミン「でも」

エレン「素直に泣いたりしろよ。我慢してんだろ」

アルミン「…」

エレン「難儀な奴だな。昔はあんな泣き虫だったのによ」

アルミン「…じゃあ少しばかり昔に戻らせてもらうよ。あまりにも辛い」

エレン「泣いてこい」

…皆からもすすり泣く音が聞こえる。

エレン「…行ってくる。皆はここにいろ」

ジャン「待て…俺も行く」

エレン「…今よりもっと辛くなるぞ」

ジャン「お前も同じだろ」

エレン「…だな」

ガチャッ

エレン「…」

ジャン「…」

エレン「…何か言いたいことあるか」

ジャン「…マルコだったものがここに…いるんだな」

エレン「…」

ジャン「…改めて思い返すと…俺散々迷惑かけてばっかりだったよ…こいつに…」

ジャン「俺は…俺は…っ!」

エレン「…ジャン。そこのドアに『死体置き場』ってかいてある。あそこに2人を移動させよう」

ジャン「…わかった。待ってろ、マルコ、コニー。拘束具を外す…」

エレン「…」

正直…俺も泣きたい。やり切れない気持ちで溢れかえってる。

コニー…マルコ。

お前らの仇はとる。何が何でも。安らかに眠れ。

カチャカチャ

ジャン「…?キーホルダー…?」

エレン「俺らと同じのか?どこから」

ジャン「2人が持ってた。…青いキーホルダーだ。こいつらは囚人だったのか?」

エレン「…罪種は」

ジャン「見てみる」

プレートにはこう書かれてた。

『死刑囚』

『この囚人の敗北は不可避である。処刑の例示のため、ゲーム開始時の刑執行にて処刑される』

エレン「…本当吐き気を催すゲームだ」

ジャン「気をしっかり持て。お前が崩れると他のものも崩れる」

エレン「…注意するよ」

死体置き場。

通称死体安置室。

この部屋には壁一面に引き出し式のロッカーがあった。

それも10枚。

…それと別に2枚、死刑囚用と書かれたドアがあった。

そのドアを開けると少しばかり広い空洞になってた。

その空洞の隅には人1人余裕で入りそうな大きい袋があった。

エレン「…ロッカーが10個あるってことは」

ジャン「…俺ら全員が命落としてもおかしくないゲームだってことだ」

2人の無残な遺体を袋にそれぞれいれて、ロッカーにしまい、ドアを閉じた。

もう思い出したくも見たくもない。

俺はあの2人の笑顔を今まで思い出すことができた。

だけど今は?

眼球が弾けて流れ出た最低の苦痛の顔しか思い出せない。


水道があったので、ジャンと共に周りにまとわりついた肉の焦げた匂いを洗い流そうとしたが、消えない。



そして俺の記憶からもあいつらの苦痛の顔は消えることはないだろう。

ちょっと中断

後で来る

ジャン「…死んだ。マルコとコニーは」

そう、報告された。

人の死は重い。

ましてやそれが数年に渡って過ごした友となると。

エレン「…2人は囚人だった」

サシャ「え…2人とも囚人だったの…ですか」

エレン「ああ」

ユミル「…野暮ったい質問かもしれねえが…罪種は?」

エレン「死刑囚だ。あの2人はゲームが始まると共に敗北する罪種だった」

ライナー「なんだよ…それ…!」

エレン「…監獄長は」


エレン「本気で俺らが死んでもどうなっても構わないみたいだな」

クリスタ「人の命を…何だと思ってるの…」

ミカサ「…監獄長を私は許せない。こんな状況を仕組んでその上姿を現さないで…!」

エレン「皆、感情的に行動しちゃダメだ」

ミカサ「え…?」

エレン「俺らは今までの、普段通りいこうぜ」

アルミン「…いいこというね、エレン」

アルミン「コニーとマルコが処刑された目的は明白だ」

アルミン「ボク達に、このゲームはマジだと伝える意図をもって処刑したんだろう」

アルミン「そして、あえて残酷な方法で殺すことで、不安感を煽り、自己防衛を正当化させて友人を手にかけやすくしてるんだろう」

アルミン「連中に一矢報いたいなら、まずはエレンの言うとおり普段通りを取り戻してから、対策を練ろう」


アルミン「…ってことでいいのかい?」

エレン「さすがだアルミン」

アニ「そうだね」

アニ「これでわけわかんなくなって皆で殺しあうなんてバカすぎる」

ベルトルト「だね。普段通り、平常心を保って過ごそう」

ジャン「賛成だ。それに何かあったらエレン、お前が頼む」

エレン「…はあ?なんで俺?」

ジャン「こんな状況じゃリーダーが必要不可欠だろ。適材適所だ」

ミカサ「ええ、私はエレンだったら従う」

アニ「…私もね」

ミカサ「…」

アニ「なんだい?」

ジャン「…」

エレン「…絶対向いてないだろ」

サシャ「大丈夫ですよ。それにエレンは班長だったじゃないですか。だから大丈夫です!」

ユミル「まあ私も今はあんたに従うよ。クリスタもいいか?」

クリスタ「…うん。頑張って、エレン」

ライナー「俺らもだ。ベルトルト」

ベルトルト「うん。こんな時だけど…お願いするよ」

アルミン「エレン」

エレン「アルミン…」

アルミン「エレンがキツくなったらジャンに頼んでもいいんだよ」

ジャン「はぁ?」

アルミン「…聞いたでしょ?マルコは君に指揮官の素質があるって」

ジャン「…そうだったな。エレン、俺も補佐する。気に食わねえけどよ…脱出するぞ、この監獄から」

エレン「…ああ、そうだな」

エレン「よし、お前らは俺に従え!」

おおーーーーーーーー!!

俺らは普段通りやればいいだけだ。

そう、普段通り。

そしてこれ以上仲間を…傷つけさせるもんか。

アルミン「ある程度の方針が決まったところでちょっといい?」

ライナー「どうした?」

アルミン「うん、この黒板…にはルールの他に、看守が『処刑』か『釈放』する相手を選ぶ機能がついてる」

エレン「…」

アルミン「…処刑の逆だね。1人を選んで、強制的に勝利させる」

ユミル「そんなんあったのか」

アルミン「ルールは自分でも後で確認してね。まあルール上、使えたもんじゃないけど」

アルミン「もし殺人鬼を釈放させてしまったら」

クリスタ「他の人が…全員死んじゃう」

ユミル「…囚人も無実としか言えないから選べないってことか」

アルミン「そういうこと。さて、話を移すよ。この黒板には他にも時計機能がついてる」

エレン「ほう」

アルミン「…今は21:51分。そろそろ個室移動しなきゃならない時間だ」

ミカサ「…先程言ってた、囚人と看守が隣り合う部屋のこと?」

アルミン「そうそう」

アルミン「ルールによれば個室に移動したあと、看守は囚人を拷問できたり、殺人鬼は看守を殺せたり」

アルミン「穏やかじゃない時間だ。とはいえ、何もわかってない状況だ。軽挙妄動は慎み、慎重に行動しよう」

エレン「…そうだな。アルミンの言うとおり、隣室の奴とは仲良くする。いいな?」

全員が頷く。

エレンなのにここまで冷静なところが怪しすぎるんですが…

>>100確かに冷静すぎるかも

そこでまた赤いランプが点灯する。

だが今度は防護服が入ってくるのではなく、普通に俺から見て左側のドアが内向きに開いた。

さっきクリスタが言ってた鍵穴のないドアがあいた。

アルミン「手前のが囚人用で、奥が看守用だってさ」

クリスタ「…入らなかったら?」

アルミン「死ぬよ」

エレン「間違えて入ったら?」

アルミン「そのことについては書いてないけど、時間切れでドアが閉まった時に、不適切な場所にいたら死ぬんじゃない?」

ライナー「だったら急ぐぞ。あと5分しかない」

アルミン「そうだね。この黒板はテーブルの上に置いてくる」

エレン「…看守はあっちだな。行くぞ」

ジャン「ああ」

サシャ「はい」

ユミル「あいよ」

クリスタ「ん…」

ライナー「囚人はこっちだな。アルミンも急いでくれ」

アルミン「わかった」

ベルトルト「行こう、アニ」

アニ「そうだね」

ミカサ「…エレン」

名前を呼ばれ、振り返る。

エレン「どうした?」

ミカサ「…また、明日会おう」

エレン(ミカサも不安なんだな…)

エレン「ああ」

そう短く残して、看守側のドアに入った。


……。

ドアの中は奥行きが短い横長の小部屋になっていた。

…5つのドアが並んでる。

エレン「どれに入ればいいんだ?」

サシャ「左から順に1分間隔で解錠されるそうです。一つのドアに入れるのは1人で、人が入ったらドアは旋錠される」

サシャ「1分以内に道なりに進み、突き当たりのドアを自分の鍵で解錠して、入る」

サシャ「ってあの黒板に書いてありました」

エレン「…お前記憶力良かったのか」

サシャ「狩猟民族舐めないでくださいよ?」

ユミル「狩猟民族関係ねえだろ」

その時、説明通り1番左側のドアが開いた。

クリスタ「誰から入る?」

ユミル「お前が行け、クリスタ」

クリスタ「いいの?」

ジャン「いいから早く行け行け。1分以内に辿り着けよ」

クリスタ「わかった。ありがと」

そしてクリスタ退場。

ユミル「あいつも精神不安定だろうによく泣くの耐えたもんだ」

ジャン「今はさすがに泣かないだろ」

サシャ「ジャンはその…吹っ切れたんですか?大切な…親友が」

ジャン「その親友を殺した奴を殺すことを決めた」

エレン「賛同してやる」

ジャン「お前に賛同されても嬉しくねえな」

エレン「素直に俺の気持ち受け取れよ」

ユミル「相変わらず不仲だなお前ら」

エレン「さて、次だ。誰が入る?」

ユミル「芋女でいいだろ」

ジャン「そうだな」

サシャ「もうあれから3年たってます!いい加減芋女の名前を改めてくださいよ!」

そして2番目のドアが開く。

ユミル「ほら行け」

サシャ「もーーーー!」

サシャ退場。

ジャン「ふう…次俺いいか?ユミル」

ユミル「構わん」

ジャン「お先に失礼するぞユミル、エレン」

エレン「ああ」

ジャン「…何もないといいな」

エレン「…だな」

そしてジャンも退場。

ユミル「はぁ…」

エレン「お前も次入れよ」

ユミル「いいのか?」

エレン「ここまできたら順番関係ねえよ」

そして開く。

ユミル「じゃあ去るぜ。ミカサじゃねえがまた明日」

エレン「ああ、明日また会おうな」

ユミルも退場。

そして1人に。

何も考えない1分間。

…脳内にあいつらしか浮かばねえな…こう静かだと

…どうせ今日はお前らの顔が浮かんで寝れないだから今くらい落ち着いてくれよ…

そして最後のドアが開く。

俺が行くべきドアだ。


……。

ドアの向こうは部屋じゃなかった。

ただ長い廊下だった。

暗いな…

そして突き当たりのドアに着く。

この1分間以内ってのがなかなか怖いな。

入らなかったらどうなるんだ?床が空いて…とかか?

…ありそうで笑えないな。

部屋に入った。

これはまた…小ぎれいな部屋だな。

狭いが、机の上やベッドとかも綺麗に整理されてる。

…すると後ろからガチャリと音がした。

案の定ドアが閉まった音だった。

そうだ…7時まで出れないだっけな。

諦めて部屋の探索を始める。

机の上になんかあったが…「プリズナーゲーム」と書かれてる冊子だ。見ると、あの黒板と同じルールが書かれていた。

…目立ったもんはそれくらいだけだ。

探索終了。特に見るもんないし…

ベッドに身を投げる。

体の節々が痛いな…どんくらい硬い床の上で寝かされてたんだ?


かといって目はさめてるわけで。

…脳裏に焼き付いて離れないこのシーンから逃れるのに骨が折れそうだな…

どうせ眠れないなら考えようか。

このゲームのことを。




このゲームは俺たちになにをさせたいんだ?

単に殺し合いさせたいだけならナイフでも持たせてサバイバルでもさせればいいだろ。

なんでモチーフが看守と囚人なんだ?

…なにも分からねえ…

…そういや囚人といえば、拷問ができるだっけ?

机に付けられてるマイクがそれを思い出させた。

…看守は囚人を尋問できる。

看守は囚人を処刑できる。

他にもなんかあったが、看守は囚人よりとても優位な立場にいる。

しかしながら、看守は殺人鬼に殺される恐怖もある。

だから早く殺人鬼を処刑したい。

一方で殺人鬼は看守を5人殺さないとならない。

いつ自分が処刑されるかわからない状況下でだ。

…他の囚人は。看守に殺人鬼かと尋問されるがロクな反証もできないまま処刑される恐怖に怯えつつ、実質何もできない。

誰かが言ってたな。「囚人は勝利条件を自分で選べる」ってな。

看守に味方し、情報を集めて殺人鬼を吊るすか。

それとも殺人鬼をかばい、殺人鬼が看守を皆殺しするのを期待するか。

どちらにしても囚人は勝利できる。

……待てよ?

この状況下で看守は囚人の証言を信用できんのか?

…何も信用できねえぞ。

どうすれば信用できる?

……苦痛と共に引き出された情報なら信用できるかってか?

だから看守は囚人を尋問する?…いや、拷問する?

そして囚人は看守を憎む?

……そして看守は恐怖から囚人を次々に処刑し、殺人鬼は恐怖から看守を次々に殺す?

………そして処刑への恐怖から囚人はなにを始める?

俺は机の上のルールブックに飛び付いた。

ない。

ない。ない。
ない。ない。

ない。 ない。

処刑と殺人以外の傷害や殺人を禁じる項目はルールのどこにも書かれてない!


…つまり。

1日一回しか行われない処刑と殺人にしびれを切らした誰かが実際に凶器を手にとって誰かに襲いかかる可能性は、

ーー1日で敵対チームを皆殺しにすれば自分のチームは助かる…と考える奴が現れる可能性は、

ゼロじゃない。

……が、想像もできない。

巨人を駆逐するために訓練兵団に志望し、3年間訓練を行ってきた仲間と殺し合いなんて。

…いや今の考えは甘い。

このゲームは誰か最低1人の血を要求してるんだから。

放っとけば血は流れる。その血は新しい血を呼ぶ。そう考えるべきだ。

…なるほど、プリズナーゲーム。よく考えられた最悪のゲームだ。

巨人を駆逐するために俺は。

なのに仲間で殺し合え。そんなゲームが今始まっている。

…じゃあそのゲームに勝つには?

本当の意味で勝つには?

…。

いや。

俺はもう答えを知っている。

やれやれ。

これしか手が無くても皆納得しないだろうな。

……ムダな考えだったな。






…ダメだ。沈黙に耐えられない。

目の前のマイクすげえ気になる。

少しくらい話しても問題ねえよな?

マイクに口を開く。

エレン「…なあ、聞こえるか?」

…返事がない。

すげえ寂しい。

エレン「あー…俺はエレンだ。そっちは?」

エレン「…あ、別に言いたくなければ言わなくてもいい」

本当に反応ないな。壊れてんじゃねえか?

エレン「…な、なあ。なんでもいいから返事くれねーか?気が滅入り過ぎておかしくなっちまう」

それでも何も返ってこない。

本当に壊れてるのか?

マイクを軽く叩いたり、爪でこすったりしてみた。

**「ヤメテ」

エレン「うわっ!?」

存外大きい音でマイクが鳴り響いた。

それも機械じみた音声で。

壊れてはないみたいだな。

エレン「…すまん、うるさかったか」

**「…」

それっきり返事はなかった。

…傷つくな…俺心あんま強くねえよ。

本格的に独りで暇を潰すしかないな。

……こうして黙ってるとあいつらの顔が散らつく。

もういっそ寝てしまおうか。

そうするか。

決めたら直後、俺は机の椅子から立ち上がってーーーーー



……あ?

………どう、したんだ?

……体が、動かない。

いや、違う。

全く、感覚が無いんだ。

足が変に硬直して
バランスを崩し
俺は倒れた

酷い、音がしたのに。

痛みを感じねえ。

なんだ、これは

触覚とかはあるのに…感覚が一切ない

神経が、切れた、のだ、ろうか?

薬を、打たれた副作用か?

ーーいや、違うみたいだ。

なぜなら、俺には見えた。

俺の視界の隅で、壁がせり上がって、いく、のが

部屋というか、間仕切りが。

…ずいぶんと、大掛かりな仕掛けじゃ、ないか

殺人鬼が、手を、下すのに

獲物を、麻痺させる、ってわけか。

ああ。

ああ、

あ あ

ダメ だ

俺は ダメ だ






ーー最悪の 想像が できて いない

そうか

お前が 貧乏くじを ひいたの か

いや 引いたのは 俺か

そして 誰だって

殺人鬼になったら
それだけで
殺す理由になるんだと

ああ

どうせ やるなら

そんな 悲しそうな かお するなよ

どうせ やるなら

ひとおもいに


やって く れ よ

どうしたんだ よ

そん なに 手に 持った ほうちょう を みつめて よ

は やく ひと おもい に

な あ

さ つ じん き にえらばれ た









みかさ ・ あっ かーま ん

ここまで

ミカサとエレンの双方にとって最悪な展開だわな

ミカサが殺人鬼とか無理ゲーじゃね?

ユミルが殺されたらクリスタが容赦のない拷問しそうで怖い…

>>122最悪な展開はこれだけじゃすまない

>>123よく考えたら無理ゲーだわ

>>124拷問する前に殺しちゃうかも





ミカサ「…なんで」

み か さ?

ミカサ「なんでこれがここにあるの。これは私とエレンが…」

なに を いって る んだ よ

ミカサ「『私の両親を殺したあいつら』を殺した時に使ったーーー」










は ?

ミカサ「私は忘れてない…なぜこれが」

み かさ が こち ら を みおろ す

ミカサ「…」

…あ ?

…なぜ

なぜ、ころさないんだよ

…なぜ

な ぜ

さる みかさの ひょうじょう を うかがえない まま

やがて
かべは ふたたび おりていった

……

おれは どうやら このまま ねむって しまう らしい

……

わかったこと

殺人鬼はミカサ・アッカーマン

そして それを 俺に知られた

そして、

目撃者を残す
でかすぎるリスクを背負っても、

俺を殺すのを やめた ということ



















…ああ…意識が遠のく

全身の痛みと共に目を覚ます。

…てか痛みを感じることに安堵する。

そして、時間が経つにつれ、昨日のマヒしてた感覚も戻ってることに気づく。

……

なぜ

なぜ、おれは、生きている

立ち上がり、椅子に座り直した。

……冷静に考えろ。

殺人鬼はミカサ。

俺の残り1人の家族。

ミカサが殺人鬼なのは間違いない。

そして、俺は殺人鬼の能力を多分、理解した。

「同室の看守を殺す」という能力には、実際は巧妙で複雑な手順が含まれている。

まず、時間になるかなんらかのボタンを押すことで、「殺人タイム」が始動する。

その瞬間看守は「麻痺」させられる。

その麻痺の原因がわからないが…ガスとか注入でもされたか?

とにかく、それで動けなくなったと同時に囚人部屋と看守部屋の間仕切りが取り払われる。

ーー看守と殺人鬼が対面する。

…いや、待てよ?殺人鬼はその前になんらかの手段で「凶器」を手にする。

…あんな鋭利な包丁どこから手に入れたんだ。

…思い出した。

あいつーミカサーは到底理解できないような言葉を言ってたな…

ミカサ「『私の両親を殺したあいつら』を殺した時に使ったーーー」

すまみせん

今日はここまでで終わり

事情があってだな…

見てくれようとしてた人がいたら誠に申し訳ない

乙 面白いな

夜頃登場
>>131サンクス

エレン「ミカサの両親は強盗に襲われ死亡している…」

その頃小さかったミカサは為す術もなく、捕まったのだが。

俺はそこに突っ込み、強盗の内2人を殺してミカサを助け出したんだ。

だが、もう1人強盗がいることに気づかなかった俺はまんまと殺されそうになる。

そこでミカサに「戦わなければ勝てない」現実の残酷さを教えた。

だから巨人と戦おうとしない腰抜け共は勝てないんだ。

ミカサは残りの1人を刺殺し、俺たちはその後、家族となったわけだが…

俺とミカサが強盗を殺す時に使った包丁。

おかしい。あんな昔のが残ってるわけでもあるまいし。

なによりもおかしいのはその包丁を俺たちが刺殺に使った包丁だと見切るミカサだけど…

だけどもしそれが本当だったら、

一つ確信できることがある。

…誘拐犯達は俺らを目的と見ていたとして間違いないだろう。

そんな俺とミカサにしかわからないようなものがあるのだから。

俺はわかんなかったけど。

確かに錆びた血は付いてた気もするが…

話を戻そう。

あのミカサの持ってた包丁が殺人鬼が受ける恩恵の一つだろう。殺人する手段も与えられるってことだ。

考えると。

広間で鍵を受け取るまでは誰も殺人鬼ではないのだから、あの包丁は広間から個室に移動する間か個室で手に入れたのだろう。

まあ余裕のない1分間より個室の方が受け取る方がいいだろう。

どうやって受け取ったんだろうか。

あの壁が無くなって向こうの部屋が少し見えたのを覚えてる。

こっち側の看守の部屋と比べてなんとも粗末な部屋だった。

そんな部屋に似合わない大型のロッカーがあったはずだ。

…めし

柄が握り潰されてるっていう分かりやすい特徴があったはず

最後誤爆…

…もしあのロッカーが殺人鬼の鍵で開くとして。

その中に凶器があってもおかしくはないよな。

そうすれば五つある囚人部屋のどれにでも殺人鬼が入ってても凶器を手に入れることは可能だ。

…まあそれならそれでいい。

さっきから思考が逸れてばっかのような気がするな…今度こそ戻そう

>>136そういえばミカサが握り潰してたっけ?

顔が見られたらそれは仕方ない。証拠隠滅の為に殺人鬼はマヒした看守を殺す。

…殺されたあと看守はどうなるんだ?

ゲームが終わるまで放置か?

…いや、それはないか。次の日にも部屋の振り分けは行われるだろうから、それまでに死体を片付けて…

死体安置室にでも運ぶのだろう。

なにせあの部屋には人1人余裕で入りそうな大きさのロッカーが10つあるからな。

別で処刑囚にも。

で、翌日殺人鬼は何食わぬ顔で朝を迎え、出てくる。

看守が1人いないことに気づき、死体置き場で無残な姿になりはててるのを確認。

看守は誰が殺したんだと囚人を問い詰めるが、囚人は全員無実の主張。犯人はわからずじまい。

…なるほどな

だけど気にかかる部分が。

例えば殺人鬼以外が…アニ、ベルトルト、ライナー、それにアルミンが尋問の時に名前を教えてたとする。

もし昨晩に俺が殺されてたとして。

翌朝俺を除いた9人が集まり、誰がエレンを殺したかとなったら…

疑われるのはアリバイのないミカサだ。

各看守が自分の相部屋の相手を示せば自ずとミカサしか犯人はいなくなるだろう。

これで、殺人鬼がバレる。

…?俺間違えてないよな?

だとしたらこれはそんなに難しくないゲームだぞ。

どちんしろ1人死んでるからろくでもないゲームには決まってるけども。

というか話はこれよりもっと簡単だ。

なぜか?

俺が殺人鬼と遭遇したにもかかわらず、生きているからだ。

各看守が自分の相部屋の相手を言えば、自ずとミカサしか犯人はいなくなるだろう。

これで殺人鬼はバレるだろう。

…?俺間違えてないよな?

思ったよりも簡単なゲームだぞ。

どちんしろ、人1人死んでるからろくでもないゲームには決まってるけども。

というか話はこれよりもっと簡単だ。

なぜか?

俺が生きてるからだ。

>>140>>141内容似てるけど>>140の方が正しい方としてみてくれちょ

ちなみに俺がこれから広間にでて殺人鬼を密告すればゲームは終わりだ。

…いや違うな。あの黒板に看守の鍵を全員さして、処刑の認証をしないと。

そしてミカサが処刑されて、俺らは監獄から脱出できる。



……

………できるわけねえだろ。

ミカサを殺すだ?

あいつは俺の家族だぞ?

…なんでこんな状況に。

だから俺はこんな残酷な現実は嫌いなんだよな…。

弱音じゃいかん…巨人駆逐できなくなる…

ミカサはきっと俺を殺せなかったんだ。

俺が調査兵団行くといいだしたら一緒に調査兵団に行くとかいいだすアホだからな、あいつは。

俺の一方通行の思いじゃなきゃいいけど、家族だから殺せなかったという理由が多分1番だと思う。

ミカサは自分が助かるから俺を殺すことを強いられた。

だけど俺を殺さなかった。

そんな事したら自分が死ぬかもしれないのに、だ。

心の隅で思った。

もし殺人鬼が自首すれば。

殺人鬼が処刑されて俺ら以外全員勝てる。

ミカサ「私が殺人鬼」

…言わせたくないセリフだ。

そして2日目の朝へ…

ここまで

エレン「…待てよ?今何時だ?」

ふと思い部屋を探し回ると壁時計を確認。

7時45分。

エレン「確か7時から9時までの間に部屋から出ればいいわけだから…」

ヤバイ時間帯だったらどうしようと焦ってたとこだ…危ない。

そろそろ出よう。

っと、忘れずに鍵を。

…いつみてもバカでかいキーホルダーだな。

囚人の場合はこのキーホルダーに罪種が書かれているわけか。

そういや看守は罪種はないし…なんか書かれていんのか?

「看守」

「看守は秩序と真実の番人である。囚人を統制し、殺人鬼を断罪するための権限と能力を有する。殺人鬼の敗北を持って勝利する」

…だとさ。新しい情報は得られなかったな。

よし、いい加減出よう。




そして広間に到着。

まずミカサを探さないと。

と、思ったが。

ミカサどころか誰もいねえな…皆能天気すぎだろ…

あ、いや、広間以外にも部屋はあるんだっけ?そこにいんのか?

そこで処刑室に移動。

昨日の無残な光景は欠片もなく、清涼な光景がそこにあった。

…マルコとコニーが頭から離れない。

隣の安置室も覗いてみたが、やはり無人だった。

…わかってる。

無人じゃない。マルコとコニーがこの部屋にはいる。

ふと気づき他のロッカーを見て回ったが、この部屋にはマルコとコニー以外の人は増えてなかった。

当然だろう。本来だったら俺がこのロッカーに詰められてるはずなんだから。

とはいえつまらん違反やミスで死人が出なかったのはまあいいだろう。

このゲームはルールに厳しく、少しでも破ると即死刑だからな。

他にも雑居房という場所も覗いてみた。

絵に書いたようなわかりやすい鉄格子の柵で覆われてる部屋だ。何の目的であるのかわからんけど。

鉄格子越しで無人も確認できた。

次は看守用シェルター。

看守の鍵でないと入れない部屋だ。

ロクになにも置いてない殺風景な部屋だ。

無人だしここも素通りかな。

次、倉庫。

先ほどの看守用シェルターと違ってごみごみした部屋だ。

でかい箱がいっぱい積んである。中から衣類とかも見えるな。

ざっと見て見たけど、この箱の中に誰かが入ってることもなく、無人なので退散。

念のためトイレも。

トイレはまさかの看守の鍵でしかあかないので囚人は看守と一緒に行くことになる。

しかも男女別のないトイレなので全員が使うことになりそうだな…

…興奮してねえぞ?

とりあえずトイレも無人、と。




どうやら俺は起床者第一号みたいだなー。

とりあえず最後の部屋もこれまで通り確認。

鍵を回してガチャっと。すんなりドアはあく。

エレン「こう何回もやってると慣れるもんだな」

サシャ「なるほど、何回もシャワーを覗いてるので慣れてるわけですね。さすがエレンです」

ここはシャワー室。

一旦すとっぷ

あとでくる

エレン「…」

サシャ「やっぱりエレンも男なんですねぇ…」

おっす、全裸のサシャ・ブラウス。

生きてきた中でドアを閉める行動なんて何回もあったが今回は今までのを凌ぐ早さでドアを閉めた。

はあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあ…

サシャ「どうしたんですかいきなり。朝這いですか?」

エレン「そんな言葉はない!あと申し訳ございませんでしたぁぁ!」

サシャ「気にしてませんよ?」

エレン「じゃあ言及させろ!なんでシャワー室で大の字で、しかも全裸で寝ていた!」

サシャ「朝はパンから始まる私の人生」

エレン「知るかぁぁぁぁぁぁぁ!」

その後ドキドキしながらサシャにちゃんと服を着るように言い聞かせ、シャワー室を後にした。

………興奮してねえってば…

で、時間をかけて着衣をしてようやく出て来た。

サシャ「そろそろ…食べないと…」

エレン「よくそんな腹減った状態で風呂に入ろうと思ったな…」

サシャ「朝はいつも浴びてますよ…私綺麗好きなんで…」

お前がパン一つ食うのに周りがどれだけ汚くなるのかしってのかサシャてめえ…

エレン「お前が一番に起きたのか?」

サシャ「多分そうじゃないですか…?7時に出ましたもん…」

エレン「よく起きれたな」

サシャ「昨日はロクに寝れなかったもんで…」

…。

まあそうだろうな。

サシャ「コニーとマルコ苦しそうでしたね…」

サシャは特に男ではコニーと仲が良かった。

バカ同士気があったのか知らんが、結構有名な2人組だった。

…やりきれないだろうな。

エレン「…やりやがった奴ら後悔させてやろうぜ」

…これは口からでまかせだ。

本心はこんなこと思っちゃいない。

サシャ「…できるなら、ですがね」

サシャも何か察してるみたいだが…

サシャ「だいぶ意識がハッキリしてきました」

エレン「今までハッキリしてなかったのかよ」

そういえば俺は部屋を見て回ってたんだよな。

だが、残る部屋は囚人の鍵でしかあかない囚人シェルターだ。

ここにミカサとかいたらもうお手上げなんだがな…

とりあえず皆が出てくるの待つか。





ここまで
2日目の朝終了。
昼に移行

おもしろい

>>156サンクス
見てくれてありがと

あと昼に入る前にまだやるべきとこあったのでまだ朝の設定で

次に起きてきたのはまたもや看守。

ジャン「…早いな、お前ら」

エレン「早いな、じゃねえよ…なにのんびりしてんだ。こんな状況で」

ジャン「そういうわけじゃねーよ」

エレン「は?」

ジャン「隣室の奴が出てくるのを待ってる」

エレン「…なぜ?」

ジャン「お前は昨日囚人を尋問したか?」

本当のことを言えばミカサが危なくなる。

かといって嘘を言えば最終的に自分の首を絞めることになるだろう。

エレン「いや、昨日のことはグチャグチャしててよく覚えてない」

嘘、というか中身のない返答。

ジャン「…まあ仕方ねえのかな」

信じてくれてんだろうか?

エレン「で、尋問がなんだってんだよ」

ジャン「ああ、俺の隣室の人は自分のことを『模範囚』って言ってたんだよ」

模範囚…?

ジャン「なんでも看守の質問には必ず正直に答えなければならないっていう罪種らしいが」

エレン「…なんだそれ」

ジャン「…なんだけどよ、絶対答えるという割りには名前を教えてくれなかったんだよ」

ジャン「言うほど単純な事情じゃねえのかもな…」

そういえば殺人鬼に目をとられて忘れてた…

囚人には罪種がある。殺人鬼も罪種の一種だ。

その罪種はやはりゲームに関わる罪種のはずだ。

そのことも考えねえとな…

ジャン「おい、聞いてんのかよエレン」

エレン「聞いてるぞ」

ジャン「朝も粘ってみたんだが、やっぱりダメだった」

エレン「なんだ、お前も結構早く起きてたんだな」

ジャン「色々考えててな」

エレン「相手から何の情報も得られなかったのか?」

ジャン「どうでもいいかもしれんが相手に好きな人がいることはわかった」

エレン「本当にどうでもいいな…」

ジャン「なにいってんだ。これで相手がミカサだったら大問題だぞ」

…。

ミカサがお前の隣室ではないことは俺が知ってる。

考えてなかったけどミカサと会ったらどうすりゃいいんだ…?

エレン「そうだ…いらんこと聞くがお前はゲームをどうしたい?」

ジャン「まだ未定だな。どちんしろ情報は必要だろうから集めるつもりだが」

エレン「…地雷踏まないようにな」

ジャン「そんなのお互い様だろ」

ジャンはどうやら独自の考えでゲームを進めようとしてるみたいだな。

それに気になるのが殺人鬼以外の罪種だ。

殺人鬼じゃなくとも命を奪える罪種だってあるかもしれないし…

結構重要だな。

ジャン「おう、サシャも起きてたのか。大丈夫だったか?」

サシャ「全くもって大丈夫ではなかったんですが、朝エレンに色々してもらってですね…」

ジャン「なにしたんだ」

エレン「別に大したことしてねーだろ」

サシャ「私のあんな姿見ておいて猛々しいですねぇ」

ジャン「本当になにがあったんだよ」

エレン「なにもなかった!」

そんなことしてると囚人側のドアが開く。

ベルトルト「おはよう…」

アニ「どーも…」

ライナー「すまん…遅くなった」

3人の顔は憔悴しきっていて、お世辞にもよく眠れたとは言えない顔つきだった。

エレン「てかなんで3人で来たんだ?」

ライナー「たまたまだ。アニとベルトルトが出てきたと同時に俺も部屋を出ただけだ」

ジャン「まあ無事で何よりだ」

…この3人の中に模範囚と名乗るジャンの隣室だった人物がいるのだろうか?

ジャンもそれを考えながら3人を眺めてるような気がする。

そこでもう1人看守側追加。

クリスタ「…」

…クリスタって看守じゃなかったっけ?

なんで疲れきった顔してんだ?

クリスタ「昨日私の隣室だった人誰?耳がまだ鳴ってる…」

確か囚人は罪種を他人に明かしちゃいけないんだよね?
だから本来ならその模範囚(仮)は処刑されるわけだけど基本的なルールよりプレートに書かれてある事の方が優先されるんだよね?
つまり誰も処刑されていなければ模範囚(仮)は無実の主張を免除される事柄がプレートに書いてあるってこと?
それとも正体のわからない囚人部屋なら看守に罪種を教えてもいいの?

寝落ちスマソ

>>162模範囚は少し特殊で、『囚人部屋では、看守の尋問に正直に答えねばならない』という“制限のかかった模範囚”を名乗らなければならない…って感じです。

もちろん囚人部屋以外では模範囚と名乗るのではなく、無実の罪だと名乗らなければなりません。

だから囚人部屋では無実の罪の主張を免除されるというよりは、『無実の罪の主張をしてはいけない』ということになります。

わかりにくくて申し訳ありません…

また他の罪種についても、模範囚についても後々触れるのでその時もっと明確に書こうと思います。

模範囚は先述の通り特殊なのでやや複雑なんですよ…

レスありがとうございます。

クリスタ「…ベルトルト?」

ベルトルト「…?違うと思うよ?てか僕の隣は…」

サシャ「私でしたねーベルトルト」

…部屋が一つ繋がった。

ジャン「…嫌な予感すんだが」

サシャ「情緒不安定でして、かつ眠れない状況だったもんで…愚痴やら文句やらをベルトルトに垂れ流してました」

ジャン「だと思った」

ベルトルト「ずっとぶつぶつ怖かったからね!?」

…騒がしいな。

クリスタ「じゃあ…ライナーなの?」

ライナー「俺でもないぞ」

クリスタ「じゃあアルミンかな…なんか意外」

アニ「?私には聞かなくていいのかい?」

クリスタ「喋り方が男そのものだったから…」

ライナー「アルミンとも考えられないが…そんな男そのものの話し方なんかしないだろう、あいつは」

ジャン「何があったんだ?」

クリスタ「マイクで延々と何か言ってたの!おかげで少ししか寝れなかった!」

ジャン「何か言ってた?」

クリスタ「そう…凄い苦しそうな声で…機会変換されてるのに苦しそうな声ってわかっちゃうくらいの…」

…誰だ?

エレン「その何か言ってた奴は男だったのか?」

クリスタ「そうだよ」

エレン「…」

囚人の男の中でそんなクリスタを寝させない程なんか言ってる奇行種いないだろ…

壁一枚隔てただけでこんなにもわからないもんなんだな。

俺がそんな感じで思考を巡らせてると。

ドアが開いた。

ミカサ「…みんな早い」

ーー動揺するな…

エレン「お前が遅いだけだろ」

軽口を叩いたが…これは失敗だな…

ミカサ「…そんなことはない。私はいつも通り起きた」

クリスタ「そうだ、ミカサ。あなたは私の隣室だった?」

…ん?

ミカサ「…ごめんなさい、クリスタ。昨日はこんな状況は初めてだったので色々ぐちゃぐちゃになってしまい、昨日の夜を覚えていない」

クリスタ「…ん、じゃあきっとミカサだったのかな。ずいぶん野太い声だったから男だと思ってた」

ジャン「変換された声が男に聞こえたんだな。どうやって変換してるかとかは難しすぎてわかんねえけど」

1日あけてすんません

ミカサ「…だったらそうなのかも。変換でクリスタが気づかなかっただけで」

ジャン「決着したか?」

決着するわけがない。

何度も言ってるかもしれないが、ミカサの隣は俺だった。

いや、それより気になること。

クリスタはさっきアニには聞かなかったのになぜミカサには聞いたんだ?

その変換された声で男かどうかわかんない説が上がったからミカサに聞いたのか?

まあそんな深い意味はないか。

クリスタがそんな裏をかいてくるような人とは思えない…んだけどな。

クリスタ自身に裏がありそうな気がしなくもないが。

まあこの話題を蒸し返すことにメリットもなにもないし話題を移すか。

エレン「まあ、そういうことにしとこうぜ。それよかまだ来てない奴がーーー」

言うと看守側のドアが開いて最後の看守登場。

ユミル「わり…少し遅れたかもしれん」

クリスタ「大丈夫だよ、ユミル」

ユミル「おお、女神様おはよう…あん?アルミンは?」

エレン「お前の隣室はアルミンだったのか?」

ユミル「すげえ理論的なことを話す頭のいい奴はアルミン以外考えられねえと思うだがな。たまに『外の世界はーー!』とか力説したり眠らせないつもりかっての」

うん。アルミンだな。

…てかまた部屋が繋がったぞ。

ライナー「そのアルミンが最後の1人だぞ」

アニ「なかなか出て来ないね」

アルミン「ね。困った人だねえ」

アニ「まあね」

……。

アニ「うわっ!?なんで後ろに!?」

どこから出て来たんだよお前…

アルミン「どこから出て来たんだよお前…とか思ってるでしょ?エレン」

エレン「心を読むんじゃない」

アルミン「ボクはずっとシェルターにいたよ」

エレン「いたのかよ!」

ジャン「囚人専用シェルターってやつか?」

アルミン「そうそう。大した情報は得られなかったけど。ボクの鍵で入れる場所は個室とシェルターだけだし」

アルミン「…知ってる?シェルターのドアの内側に凄い機械があったんだよ。もにたーっていうのがあって、シェルターからの外の様子を見れるんだ」

サシャ「ここの設備ハイテクすぎませんか…?」

アルミン「ね。少しおかしい技術力だよね」

シェルターに篭ってても監獄内の状況は確認できるってわけか。

アルミン「で、そのもにたーでシャワー室に入ったと思ったら凄い息を切らせて興奮してたエレンが見えたんだけど…」

サシャ「エレンが大興奮した事件ですね。主に被害者は私で」

アニ「…なに、それ?」

ミカサ「…エレン?サシャとなにがあったの?」

エレン「頼むからそんな目で見ないでください。アニ、ミカサ」

ミカサ「な に が あ っ た の ?」

無表情が怖すぎる。

アニ「…なにしたの?サシャ」

サシャ「エレンが私に欲情したんですよ」

エレン「サシャてめえええええ!」

ミカサ「削ぐ!」

エレン「俺を!?サシャを!?」

アルミン「いつまでやってんねーーーーーーん!」

アルミン「確かにその話題振ったのはボクだけど引きずりすぎでしょ!あっさり行こう!」

ライナー「無茶振りすぎだろ…」

閑話休題。

その後、俺たちはマルコとコニーの冥福を祈り、黙祷を捧げた。

俺はマルコとコニーを殺った奴への復讐を誓った。

そうして全員2人の死を受け入れた。




…。

……。

ぐぅ~

ユミル「…すまん、場違いで申し訳ないが、腹が減った」

サシャ「あれ?机の上に食料あったじゃないですか」

ユミル「げ…まさかあんな得体の知れないもの食べたの?」

サシャ「非常事態だったので仕方ないです」

アルミン「まあ飲食は大事だからね…てか看守側には食料あったんだね」

エレン「囚人には無かったのか」

俺は知っていたけど。

ミカサ「ロッカーならあった」

…ミカサは話を合わせてくれてるのか。

ライナー「俺は開かなかったな、そのロッカー。多分対応するキーでないと開かないんだろう」

アニ「私も開かなかったけど」

ミカサ「一緒」

ベルトルト「試してない」

アルミン「開かなかった」

ーーこれはこれでよくないな。なんかベルトルトが怪しい感じになってしまう。

アルミン「一旦この話は終了。ユミルのお腹も鳴ってたわけだしご飯食べない?」

ユミル「恥ずかしいから言うな…」

クリスタ「作れるの?」

アルミン「調理器具は一通りあったよ」

サシャ「よし、作りましょう」

今度こそ朝終了。

ここまで

そして昼。

この監獄内からでは昼か夜か朝かもわからないが、例の黒板に示されていた時刻から昼だと推測。

アルミン「全員の腹が膨れたところで、今後の方針決めしちゃおう」

…皆やれやれっていった顔してるな。

アルミン「エレン喋る?」

エレン「考えなんかない」

アルミン「…やれやれ、じゃあボクから」

お前もやれやれっていった顔すんじゃねえ

アルミン「方向性を三つ提示しよう」

1.本気でゲームをやる。
2.とっととケリをつける。
3.死ぬ気で抵抗してみる。

アルミン「どれがお好みで?」

エレン「ちょっと待て」

アルミン「いきなり話の腰を折るねえ」

エレン「話が早すぎる!どれも究極の選択肢みたいなもんだしよ!」

アルミン「まあ順を追って説明するよ」

アルミンのこの後の話は少し長くなるので端折って説明する。

まず、アルミンが語り始めたのはこのゲームの「目的」。

アルミンはこれは何かの実験じゃないかと推測してるらしい。

アルミン「このゲームでは、いくつかの点で意図的に葛藤や不信を引き起こそうっていう要素が含まれている」

もう一つは純然たる「エンターテイメント」ではないかと推測。

アルミン「『罪種が伏せられている』という点が結構重要だと思う」

アルミン「これがガチの心理ゲーム、または推理ゲームだとしたら、罪種の内容を明かして配役を伏せるべきだ」

アルミン「ボクらは互いの言動から誰がどの罪種に当たったかを推理し、それで行う論理ゲームが成立するだろう」

アルミン「だけどこれは違う。ボクらは罪種すら知らされてない状態で、どんな命に関わるかもしれない罪種があるかハラハラドキドキしながら監獄内で過ごしてる」

アルミン「このハラハラドキドキこそが監獄長の狙いかもしれない」

アルミン「それとも純粋にゲームを楽しんでるかもしれないけど」

そりゃあないだろ。

アルミン「まあボクはこのゲームの終わりの時がいつかが重要だと思う」

アルミン「ボク達が監獄長の予想に反した行動をとったりしたら、監獄長が見たいものが見れなくてゲーム終了とか」

アルミン「まあ理由はいくらでもあるんだけど。ボクらはこのゲームが終われば拘束される意味がなくなるんだ」

アルミン「が、この監獄長がボクらを死ぬほど憎んでて、何が何でもガチの殺し合いをさせたい場合」

アルミン「ゲームがあっさり終わっても多少ルールを曲げて、ゲーム継続したがるかもしれない」

アルミン「例えば殺人鬼が自首した場合とかね」

そう言うと、アルミンはちらっと俺らの中の誰かを見た気がした。

それがミカサに向けられた視線かはわからないがーーー妙に冷ややかな汗が背中を蔦る。

アルミン「それに四六時中、ボクらは監視されてるんだよね。さっきいったもにたーが監内に散りばめられてる」

アルミン「もし違反行為を行った場合、処刑イスに座らされるんだろう」

アルミン「それに見てわかる通り、ボクらには到底理解できないような代物がここにはたくさんある」

アルミン「触れると動く画面や、画面越しに映像を見ることができたり。この世界の技術でこんなのをつくるなんて余程の科学者が作ったのかな?」

アルミン「ということで、とても金がかけられてるんだ、このゲームには」

アルミン「さて、結論」

いきなりだな…

アルミン「監獄長は大金を使ってゲームを開催する意志があって」

アルミン「更にそのために、ボクたち訓練兵団を平気で拉致できるような奴なんだ」

アルミン「それに相手は複数かな?1人じゃこんな施設すら作れない」

アルミン「…無論、反乱防止も完璧だと思う。すぐに防護服の奴に押さえつけられて処刑だ」

アルミン「で、そこまで大金かけてこんな凝ったゲームをさせるってことは、何かしらの利益を期待してるるに違いない」

アルミン「その場合、殺人鬼が自首しても簡単にゲームを終わらせてくれるかはわからないね」

アルミン「これらのことから、1番まともに思われる選択肢は」

1.本気でゲームをやる。

アルミン「次にリスクは否定できないけど、殺人鬼に人柱になってもらう」

2.とっととケリをつける。

アルミン「最後に、まず成功しないだろうけど

3.死ぬ気で抵抗してみる。

アルミン「事実上これ以外に道はないけど、どうしたい?」

たっぷり論理による殴打と、この上なく重い事実の圧迫で、全員絶息したように無言だった。

アルミンはこんな時でも涼しい顔をしている。

だが、こいつはそんなに強くない。昨日の泣いた時で判断できる。友達思いのいい奴だ。

ユミル「アルミン…要するに本気でゲームって、殺し合いするってことかよ」

アルミン「そうなるね」

ユミル「なんでそんな涼しい顔してられんだよ!意味わかんねえよ!」

アルミン「…まあボクも殺したいわけでも殺されたいわけでもないよ」

アルミン「これが1番被害も、心理的負担も少なくて済むだろうなって思っただけだよ」

アルミン「一応言っておくけど、ボクはこの中の誰に殺されても誰が生き残っても文句や恨みはないよ」

アルミン「全員その同意ができるならそれなりにゲームを楽しんでとっととクリアすればいいと思うな」

再び沈黙。

その沈黙をアニが破る。

アニ「私は…殺し合いなんて嫌なんだけど」

アニ「アルミンみたいに断言できない…自分を傷つける人間を恨まず、憎まずいれる自信がない…」

ジャン「俺もさすがにゲームをやろうって気にはなんねえな…」

ジャン「てかよ、アルミンはゲームを楽しもうってか?」

エレン「そうじゃねえよ」

少し強めの口調で割って入る。

エレン「アルミンの言いたいことは分かった。そこで、俺から提案だ」

エレン「今日の夜を思い出してみろよ。誰1人として死んでない。つまり殺人鬼はゲームに参加する気がないんだ」

俺は一つのことに気付いていた。

エレン「殺人鬼は立場が1番弱い割り当てだろ。恐怖心からゲームに加担してもおかしくはない。なのに耐えた」

ーー他の連中は看守と囚人の間仕切りが取り払われることを知らねえんだ。

エレン「この状況で無理にゲームを駆り立てる必要はねえ、と俺は思う。

つまり殺人鬼は誰も殺さず、正体不明のままという状況は成立しえる。

つまり。
「殺人鬼を知ってる奴が誰か1人はいるはずだ」という状況にはならねえ。

エレン「焦らなくていい。様子見をしよう。方向性は3狙いでな」

ライナー「ゲームに加担せずにここから脱出するってことか?」

首肯する。

ライナー「…わかった。ならエレンの意見に賛成する」

アニ「私も…」

サシャ「私も出来ればそうしたいです」

ベルトルト「…」

アニ「…しっかりしな、ベルトルト」

ベルトルト「…う、うん」

ユミル「…私もアルミン案よりかはマシだからエレンに一票」

ジャン「アルミンの言いたいことは分からんでもないが、さすがに無理だろ」

アルミン「まあ、自覚してるよ」

ジャン「ミカサとクリスタはどうなんだ」

ミカサ「…よくわからないけど、私も様子見はしたい。なので、エレンに賛成」

クリスタ「ここまで来ちゃったら選択権ないのと等しいね…もちろん、エレンに賛成だけど」

クリスタ「うん、エレンに賛成」

アニ「何で2回言ったのさ」

クリスタ「エレンに賛成ってところが重要だから!」

ミカサ「…クリスタ、ちょっとこっちへ。話したいことが」

アニ「奇遇だね。3人で話そうよ」

ライナー「なに不穏なオーラ出してんだ…」

やれやれだ。

まあ悪くない方向性で決まったみたいだな。

ユミル「疲れたな…ちょっと寝ていいか?」

ミカサ「あ、床はやめた方がいい。固いので」

エレン「確か倉庫に柔らかい絨毯あったぞ」

ジャン「俺が運ぼう」

エレン「俺もーーー」

アルミン「エレン、ちょっと便所行こう」

エレン「ぶっ」

アルミン「なにさいきなり」

エレン「いきなり便所とか言うから…」

アルミン「…。とりあえず行こう。囚人は看守無しじゃトイレにも行けない」

そうだった。

ライナー「あ、順番待ちな」

ベルトルト「あ、じゃあ僕も」

ふむ。なかなか不便だな。

エレン「ジャン任せるぞ」

ジャン「はよ行け」





トイレ

アルミン「どういうつもり?」

トイレに入るなり、こちらを振り向いてそんな言葉を投げかけてきた。

エレン「こっちのセリフだ」

アルミン「…綺麗事言ってる場合じゃないと思う。脱出方法なんてわからないだろう?」

アルミン「ボクが監獄長ならゲーム続行が不可能と判断した時点で、何かしらの手を使って全員殺すけどね」

エレン「やってみなきゃわからんだろーが」

アルミン「やったらお終いなんだよ。ボクが好き好んで殺し合いをしたいなんて言うわけないだろう」

エレン「そうなのか?」

アルミンが黙る。

エレン「勝利になっても生きて帰れるかは怪しいんだぞ?お前はあえてそれを皆の前で言わなかっただろ」

エレン「ゲームすべきだって流れに持ってったのはなんでだよ?意図が見える」

アルミン「やっぱりエレンにバレちゃったかあ」

エレン「付き合い長いからな」

軽く笑い合った。

アルミン「まあ殺人ゲームに参加する機会なんて滅多にないわけだしね」

アルミン「このゲーム自体も割と興味深いんだ。折角だから楽しみたい。普段できることではないんだから」

アルミンは楽しいことが大好きだ。

特に考えられないが、座学も楽しいと言いのけて、やってしまう。

朝に、サシャに結構な信頼を置かれてたのも、アルミンが座学で毎回トップの成績をとってたからだ。

ここまで。物語が動くのは3日目から。

事情で2日~3日書き込めません
すみません

これからどういう風に疑心暗鬼になるのか楽しみ

ゲスミンに正解を導いてもらおう

>>190あざす
>>191ゲスミン役立ちますかねぇ

エレン「…さすがに仲間を殺すのはどうなんだよ」

アルミン「ボクなら、どうせ死ぬならあの防護服どもよか、仲間の手にかかって死にたいもんだよ」

アルミン「皆に殺られるなら、恨む気はないしね」

アルミン「みんなはそう思わないのかな」

エレン「思わねえよ。まずお前が死ぬことを許さん。皆もそうだが、お前も死ぬなよ」

アルミン「…」

エレン「壁外行く約束したろ?こんな変なゲームで死ぬ訳にはいかないぞ。死ぬなら巨人を駆逐し終えてからだ」

アルミン「こんな状況でも巨人を気にかけるなんてさすがエレンだね…まあそれなら奮戦玉砕すべく頑張りますか」

エレン「玉砕するなんて決めるなよ」

アルミン「うん、そうだね。それにしてもエレンもずいぶんとマトモ面してたね」

…。

エレン「分かってたのかよ」

アルミン「付き合い長いからね」

アルミン「いつものエレンなら感情に任せて行動すると思うんだよね。それなのにマトモ面。この状況にもかかわらず、リーダーも務めてるしね」

アルミン「大方、ゲームで殺される前に心中でもしようとか考えてたんじゃないの?」

エレン「…遠からず」

アルミン「やれやれ。さっき巨人を駆逐するまで死ぬなって言っておいてそれかい?」

エレン「…悪い」

アルミン「それともボクに止めて欲しかったの?心中しようと考えてしまう心を」

エレン「…さあな」

俺はアルミンほど割り切れない。

アルミンなら俺らの友情だとかそんなもんを守りながら、同時にゲームが出来るだろう。

俺はこの殺人ゲームに毒されて友情だの壊れるのが怖い。

だから確約が欲しかった。

全員、誰も殺さないでおこう。

そして時間切れで全員で死のうぜ、と。

…。

俺はアルミンよりはこいつらを見えてると思う。だから、言わない。

アルミン「ボクもエレンも理解できるのはお互いだけみたいだな」

エレン「全く悲しいな」

アルミン「ま、頑張りますか。できるだけ手伝うつもりでいるから」

エレン「頼むぜ」

そして、アルミンはトイレに入ったものの、用を足さずに出て行った。

で、俺も外出たら。

ベルトルト「いつまで入ってるんだ!」

ライナー「漏らすぞ!」

アルミン「やめて!ライナーが漏らすと洒落にならない!」

ライナー「どういう意味だ!」

ベルトルト「あ、エレン出て来た!お先に、ライナー!」

ライナー「あ、てめ、ベルトルト!」

アルミン「早く出してベルトルト!ライナーは…ライナーはダメだ!」

ライナー「俺お前に何したよ!?」

…忘れてた。

んで。

その後の方針。

とりあえず参ってる奴は、しっかり寝て休む。

寝ない奴は、滅入らないように、手を動かす。

料理できる奴は料理。
力ある奴は倉庫の整理。
どっちもできなければ、広間の掃除。

そんな感じで動いて。

倉庫から俺は出て来た。

で、気付いたこと。

この部屋はランプで照らされている。

これが切れると、真っ暗になり、なにも見えなくなるはずだ。

もう切れそうな感じがしないでもない…たまに暗くなったりするから。

そんなわけで、たまに電源を切ったりして、節約をしている。

まあ皆が動いている時は電源を消してはいけないから、ランプはつけたままだが。

これが原因で少し生活しづらくなったような…

おっと、余談が過ぎた。

問題は水飲み場でクリスタが、あのクリスタがでかいほうきを持って掃除をサボってたことだ。

エレン「よう」

クリスタ「!?…どうしたの?エレン。掃除終わったよ?」

飲み終わったコップを手にもって言われても…

それに俺の足元にゴミ散らばってるし。

とりあえず俺も水を貰うことにした。

ここは設備だけはかなりいい。

エレン「疲れたか?」

クリスタ「まあ…というかこの現状に疲れちゃった…かな」

無理もないか。

中断挟みます

無理せずにね
楽しみに待ってる

>>200あざす

エレン「バテない程度にな」

クリスタ「うん…エレンはこのゲームどう思う?」

エレン「巨人の存在と同じくらい忌々しいゲームだと思ってる」

クリスタ「こんな時でも巨人…さすがだね」

当たり前だろ。何のために兵士になったのか。

クリスタ「…うん、私もこのゲーム嫌。特に私たちの関係が壊れるのが1番嫌なの」

エレン「同感だ。この仲のいい友達のままこのゲームを終えたいと思ってる」

クリスタ「…ダメだよ。エレン、一つ教えてあげる」

エレン「…どうした?」

クリスタ『嘘ついてる人いるよ』

ーーは?

クリスタ「エレンや私は誰も傷つけあいたくないと思ってるけど、そう思ってない人もいるってことだよ」

エレン「…それはどういうーー」

クリスタ「さて、と!掃除掃除!」

そばにあったほうきをもって、再び掃除を再開しだした。

…終わったんじゃないのかよ。

謎のクリスタの言葉を受けてとりあえず水飲み場を離れることにした。

で、倉庫に戻る。

ミカサ「お疲れ、エレン」

エレン「…あれ?ライナーとジャンは?」

ミカサ「ライナーがトイレに行きたいというのでジャンが付き添いで行った」

ライナートイレ行きすぎじゃね?

エレン「そうか」

ミカサと2人きりか。

…話さねえとなんないな。

エレン「ミカサ、昨日の夜のことだ」

ミカサ「…」

ミカサの表情が曇る。

ミカサ「私もびっくりした。まさか『無実の罪』にあんな能力があるとは」

…?無実の罪……ああ、そうか。

日中、囚人は必ず『無実の罪』だと証言しなければならない。

遠回しに自分が殺人鬼だと仄めかすことも、命が危なくなる。

…厄介だが、気をつけねーと。

エレン「…とりあえず俺はなにも言わないが」

エレン「お前が自分からどうこうするだのそんなのは必要ないと思う」

ミカサ「…」

ミカサ「いいのだろうか、それで」

ミカサ「…殺人鬼が死ぬとゲームが終わるのでは」

エレン「そこらへんでやめとけ。結構危ないセリフになってる」

ミカサ「…言えば、皆は」

エレン「言うなって言ってるやん!」

ミカサ「…実は」

エレン「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」

ミカサ「…殺人鬼は」

エレン「気絶させてでもその口を閉ざしてやるぜ!行くぞ!」

行ったけどひっくり返されて終わった。あれ?俺弱くね?

ミカサ「…ごめんなさい、少し気を紛らわせたくて。ついからかってしまった」

エレン「…ならいいけどよ」

ミカサ「ん」

そして、作業に戻ることにした。

俺より重い荷物を軽々と運んでやがる。

こいつといると男としてのプライドなんてあってないもんだ。

…あ、忘れてた。

エレン「ミカサ」

ミカサ「?」

エレン「できるかわからねえけど…もし可能なら今日も隣室になろう」

ミカサ「…それって」

エレン「間仕切りは絶対に開くんだろ?事情を知ってる奴は1人で十分だ」

…ミカサの目は爛々と輝いていた。

ミカサ「…お誘いありがとう、エレン」

エレン「え?そんな大それたお誘いなんかしてねえぞ?俺はただーー」

ミカサ「いいお誘いだと思う。できれば間仕切りが取り払われたあとも話をしたいくらいなのだけど…ん…」

エレン「あん?どっか行くのか?」

ミカサ「…お手洗いに。エレンにデリカシーがないのはご愛嬌」

エレン「早く行け!」

そして飯の時間。

サシャ「今日の料理人は私とアルミンでした!」

アルミン「ここは食材は色々とあるからね。奮発させてもらいました」

サシャ「そして出来たのがこれです!」

ずどんっと鈍い音がして、寸胴が机に出された。

アルミン「中を見るとこんな感じです」

中を見るとめちゃくちゃな感じだった。

ユミル「…見た目悪過ぎやしないか」

サシャ「はぁ…これだからにわかは困りますよ」

ユミル「今日のサシャムカつくな」

アルミン「ではサシャ。この寸胴の中の料理の名前を」

サシャ「ずばり!『色々とあった食材を無理やり突っ込んだ鍋』です!」

アニ「帰れ」

サシャ「酷すぎる!?」

ユミル「お前の方がにわかだろ!」

サシャ「いや、この食材の豊富さが様々な味のバリエーションを生み出すのですよ!」

エレン「実際のお味は?」

アルミン「見た目は最悪。食べればまあまあといったところです」

ジャン「ようするに食えるってことか?」

サシャ「ご安心してお食べください!」

ライナー「ご安心できない」

ベルトルト「全くです」

サシャ「いいから食わんかい!」

ライナー「うおうぁ!あちぃっ!」

クリスタ「一回落ち着いて!サシャ!」

ミカサ「峰打ち」 とんっ

サシャ「あうっ」

ミカサ「さあ食べよう」

エレン「サシャはどうすんだ?」

ミカサ「そこらへんに…ポイっと」

ジャン「サシャァァァァァァァァ!」

アルミン「ではいただきます」

ジャン「慈悲も涙もないなお前ら!」

うん、やっぱ楽しいな。

よし、一回ここで中断。

午後来まする

ジャン「起きろサシャ!」

サシャ「…起きてますよ?」

ジャン「うおっ!起きてたのかよ!」

サシャ「峰打ちなんかで気絶するのは物語の中だけですよ~」

アルミン「いや、物語の中だよ?ここ」

サシャ「え」

アニ「…ジャン、あんたさ、何かとサシャを気にかけてるでしょ」

ジャン「…そうか?」

ベルトルト「あ、それは僕も思った。ジャンはいつもはツンケンとしてるけど、サシャやコニー、マルコとか話す時は柔らかい物腰になるんだよね」

ジャン「…そうだったかもな」

ベルトルト「あ…ごめん」

ジャン「気にすんな。まあなんかほっとけなくてな…」

アニ「…そうかい」

ジャン「で、サシャは本当に大丈夫なんだな?」

サシャ「心配ご無用です」

そして、アルミンを中心に話を進めることにした。

アルミン「振り分け部屋にはドアが五つあったよね?」

エレン「あったな」

アルミン「それを左から12345と名付けたとして」

アルミン「看守部屋の1と囚人部屋の1は繋がってるのだろうか?」

エレン「…そりゃないんじゃないか?そんな簡単だったらすぐに相手がバレるだろ」

ライナー「俺もないと思う。あの変な通路で壁とか動いてるんだと思うぞ」

ライナー「1人通したら部屋を組換えてるとかかな。だから1人しか通路を通れないのかもしれん」

…なるほどな、妙に斜めった通路だなと思った理由はそれか。

ライナー「毎日ランダムに経路が変更されてるのかもしれないしな」

アルミン「それが正解っぽいけど、そうとも限らない可能性もある。単に部屋の組み合わせを分かりにくくするためにその仕掛けがあるのかも」

アルミンの考えはこうだ。

看守部屋1と囚人部屋1が…なんて単純な対応じゃないかもしれんが、ドアの対応自体はあってもおかしくはないのではないか。

例えば看守部屋1と囚人部屋3が、5と2が、3と1が、4と4が…みたいな変な繋がりをつくるためにあの通路はあるのかも。

ユミル「どういう意味があるんだ?」

アルミン「逆に聞くけど、部屋の繋がりが勝手に毎日ランダムに入れ替わるなら、ボクらが自ら部屋を選ぶ必要はなくなるわけだよ」

アルミン「入り口は一つでよくて、ボクらは順番に入り口を通って、ランダムな経路を辿る。これで振り分けは完了だよね」

ユミル「ああ…確かにそうかもな」

アルミン「で、ボクはこれはプリズナーゲームに設定された攻略要素の一つだと思ってる」

アルミン「つまり、部屋の繋がりを抑えることで、ゲームが攻略しやすくなるってこと」

アルミン「もちろん、そのためには情報の照らし合わせが必要だけど、ボクらは既にヒントを得ている」

昨日の夜隣にいるのが誰だったかはっきりしてる組だ。

アルミンとユミル。
ベルトルトとサシャ。

アルミンによれば、囚人達はドアを左から、ベルトルト、アニ、ライナー、ミカサ、アルミンの順で入ったらしい。

看守側でも、情報をすり合わせ、クリスタ、サシャ、ジャン、ユミル、そして俺の順で入ったことを確認した。

看守ドアを左から12345として、
囚人ドアを右から678910とすると。

2(サシャ)と6(ベルトルト)が、

4(ユミル)と10(アルミン)が。

…繋がってる可能性がある。

ジャン「そうだ、ミカサとクリスタは?」

アルミン「…確定したわけじゃないからねぇ。1と9は保留で」

アルミンはやっぱり頭切れるな。

実際は1(クリスタ)と9(ミカサ)ではなく

5(俺「エレン」)と6(ミカサ)だったわけだ。その慎重さは正解だ、アルミン。

…俺的には部屋割りが全て解明されてしまうと困る。

今は「誰が誰と話したかハッキリしない」という状況が殺人鬼の追及を難しくしてるんだ。

だが、部屋割りが明らかになると、殺人鬼を探すのが楽になる。

それだけは避けたいが、この部屋割り解明を止める理由が俺にはない。

だが。

アルミン「さて、二つ確定したわけだけど、今日はどうする?」

エレン「いや、まだ確定してない」

…口から出まかせではない。ただのツッコミとでも思ってくれれば。

エレン「部屋が確かに繋がってるのはあくまでも仮説だろ?」

エレン「とりあえず今日は昨日と同じ部屋に入って、それで確信をしようぜ」

アルミン「珍しい…エレンが頭良さそうなことを言っている」

ミカサ「思うのだけれども、エレンはそんな座学の成績は悪くはないのでは」

ジャン「俺には負けてるけどな」

エレン「そんなことねえよ!てかそんな記憶ねえよ!」

ジャン「負けを認めないのか?」

エレン「うるせええええ!」

エレン「ふう。落ち着いた。…じゃあ、昨日と同じ部屋に入ることに反論はねえか?」

サシャ「あ、そういう話だったんですね」

ベルトルト「わかってなかったんだ…」

ミカサと目が合う。

…分かったと頷いてくれたみたいだな。

反論する奴はいなかった。






そして、21時55分までにシャワーを浴びることになった。

女達は倉庫にあったシャンプーだの持ってって使用するらしい。

俺も最後に浴びて、下着を替えたら、心なしかさっぱりした気分になった。

そして広間に戻ると、他の連中が机やらに寝そべって暇そうにしてた。

そういややることねえな…

訓練くらいさせろってんだ。体がなまっちまう。

だが…腹が減った…

さっきの料理、食えないことはなかったんだが、それでも少し遠慮してしまって…

…あ、倉庫にあれがあったはずだ。

包丁とまな板。

この12人の中に料理が得意な奴いるんだよな。

包丁とまな板持って行ってなにかつくってもらおうか。

アルミンが食材は豊富にあるとかいってたし。

で。

サシャ「なるほど、いいですよ!包丁もまな板もあるみたいですし!」

料理が得意な奴。サシャだ。

さっきの料理では絶望したが、本来、こいつは自分でつくって食ったりしてる場合が多い。

こいつが食欲旺盛なのは周囲の事実だな。

基本料理を譲ってくれることはないんだが、たまに、ごく稀につくったものをくれることがある。それが美味かった。

さっきの料理では包丁が無いという理由で、洗って火を通しただけの鍋だっただけだ。

だから本来、こいつは料理上手い。

サシャ「褒めちぎってくれますねえエレン。どうせなら夜食にしますか!」

エレン「任せた」

そして30分ほどして。

サシャ「皆さん皆さん。夜食をおつくりしたんですが、食べますでしょうか?」

ミカサ「サシャが…料理を振舞ってくれるの?」

サシャ「なんですかその心底珍しそうな目!今までも振舞ったことあるじゃないですか!」

ユミル「数えれる程だけどな。つかどうせなら夕食の時にちゃんとやってくれよ」

サシャ「包丁が無かったんですよ…まあ、これ食べて夕食はなかったことにしてください」

ライナー「お、シチューか」

サシャ「しかも肉付きです!凄い高価なシチューですよ!味わってくださいね!」

クリスタ「サシャはいいの?」

サシャ「これの半分既にたいらげてますので」

アルミン「恐ろしい胃だねぇ全く」

アニ「じゃあ貰うよ」

サシャ「どうぞどうぞ!」

皆でシチューを食べた。

最近食ったなかで一番の美味さだったと思う。サシャに感謝だ。

そして、楽しい時間は終わり。

ブザーが鳴り響き、部屋が赤く染まる。

エレン「じゃあ昨日と同じ順で」

アルミン「だね」

…これでいいはずだ。

昨日と同じ組み合わせなら、俺はまたミカサと隣室になれる。

「殺人鬼」の正体を知る奴はなく、それ以上のリスクもでない。

…それでいいはずだ。

言葉少なく看守と囚人はそれぞれのドアへ入った。



振り分け部屋だ。

エレン「確認するが、クリスタ、サシャ、ジャン、ユミル、最後が俺の順番でいいな?」

問いに全員頷く。

ならばその通りに行動するだけた。

そしてややあってドアが開いた。

ーー2番目のドアが。

エレン「は…?」

声が出たのは俺だけだったが、状況についていけてないのは皆も同じだった。

ユミル「…おい、どういうことだよ」

エレン「知らねえ…なんだこれ」

ジャン「なにか該当するルールはあったか?」

サシャ「ないですよ」

…ないのだろう。

クリスタ「わ、私は…どこに?」

1番目に入る予定だったクリスタが不安な声で言ってくる。

…そうだ。このドアは規定通り1分で閉じる。

ならばーーー

エレン「行けクリスタ!」

咄嗟にそう叫んだ。

クリスタ「で、でも…」

エレン「行け!走れ!時間がない!」

大声にあてられてかクリスタは走り出した。

あの通路は転びさえしなければ10秒とかからない。大丈夫だ…

…この時点で昨日と同じ振り分けは出来なくなっていた。

いや、迷ってる場合じゃい。次を決めないと…

エレン「…次サシャ!」

ジャン「…順番が変わるが、いいのか?」

エレン「考えてる時間はない!」

ジャン「…確かに…厄介だな」

そして開く。3番目のドアが。

サシャ「お腹空いてきましたぁ…」

エレン「部屋行けばまたなにかあるだろ!行け!」

フラフラした状態でサシャも退場する。

そして順当に4番目のドアが開く。どうするーーー?

ジャン「次はユミル、お前行け」

ユミル「わ、私が行くのかよ!」

次のドアが開く。

ジャン「早く!」

ユミル「わ、わーったよ!ジャン、エレン!また明日な!」

ユミルも退場。

残るは野郎2人。

ジャン「さて、次はお前行け」

エレン「行かねえよ。残る」

このまま1番目のドアが開かないと、5番目の奴は入る部屋がなく、時間が経てば処刑の対象になる。

相談してる時間がない。

エレン「お前が死んだらサシャの世話を誰がすんだよ。あれは俺には負えないぞ」

ジャン「お前が死んだら俺たちの攻略は不可能になる」

エレン「なんだそれ」

ジャン「本人は気づかないってよく言うよ」

ジャン「いいか、お前は自分で思ってるよりも重要人物なんだよ。俺なんかとは違ってな」

ジャン「サシャの面倒見てんのも誰だってできる。お前が出来ないなら他のやつができる」

ジャン「必要とされてるのもお前。生き残るのもお前だ。ドアをくぐれエレン」

なにがなんだかわからないが。

ここまで俺に言うジャンは初めてだった。

俺とジャンは何かと仲が悪かった。

主観の違いからそうなったのかもしれないが覚えてはない。

その仲が悪かったジャンが俺に生き残るべきだと言っている。

やがてドアは開く。

…どうする?

一瞬の冷静さが重要なことを俺に思い出させる。

このドアは俺が昨日くぐったドア。つまりミカサの部屋と相部屋である部屋だ。

他の奴がミカサの相部屋になると、それだけでミカサの身に危険が生じることになる。

…悪い、ジャン。俺1人だったら残れたのにな。

ジャンとミカサを天秤にかけ、ミカサを選んだ俺は。

なんて最低なんだろうか。

だから俺はこの残酷な現実が嫌いなんだ。

エレン「…悪い」

ジャン「気にすんな。まだドアが開く可能性もある」

希望的観測でしかなかった。

やりきれない思いを抱えて、ドアをくぐった。





部屋は一見すると、昨日と同じ。

よく似た別の部屋という可能性もあるが、アルミンの仮説だと昨日と同じ部屋のはずだ。

つまり、ミカサが壁の向こうにいるはずだ。

真っ先にデスクのマイクに声をかけた。

エレン「ミカサか!?」

ヘタクソにも程があった。

**「ーーナゼソウオモウノ?」

声で判別はできない。

判別はできないが判断できる。

こいつはミカサじゃない!

とりあえず冷静を努める。余計な事を喋らないように。

**「ナゼソウオモッタンダ?イェーガー」

俺だと…バレてやがる。

というか口調がいきなり変わったぞ…何を考えているんだ?

ーー待て、さっきの俺のセリフは昨夜、ミカサと会ったことを証明してるようなもんだ。

となると、俺とミカサは互いに認識してたにも拘らず、黙ってたことが露見する。

ーーー最悪だ!

どうする!!!!!

…落ち着け、今更発言の撤回はできない…なら、

証明のしようのない嘘をつくしかないーーー

エレン「…なんだよ、ミカサじゃねえのかよ」

エレン「三分の一くらいの可能性にかけたんだがな…」

**「ドウイウコトダ?」

エレン「…野暮なこと聞くんじゃねえよ」

**「マエマエカラアヤシイトハオモッテイタガナ。ヤッパリソウダッタンダ」

…。

納得はしたみたいだな…

ていうかよ。

エレン「お前誰だよ」

こんな男じみた話し方をする奴を俺は知らない。これに似た話し方をする奴ならいるかもしれんが、この話し方は初めてだ。

それに俺をイェーガーと呼ぶ奴はいない。

**「ダレデモイイデショ?イェーガーニキガイヲクワエルキハナイ」

本当に誰だ…!話し方からは特定できない!本当に俺の仲間の中の1人なんだよな?こいつは!

わざとこんな喋り方にしてんのか…?

エレン「可能性として…アニか?」

**「サア、ドウデショウ?」

エレン「…やっぱりミカサか?」

**「ダッタライイネ。愛ノ言葉ヲカケテクダサイ」

エレン「もしアルミンだったら軽く殺す」

**「不公平キワマリナイ」

…笑ってる、のか。

エレン「ベルトルトかライナーか?」

**「無駄ダヨ。答エル気ハナイ」

エレン「なんでだよ。お前もこのゲームをクリアしたいだろ」

向こうの奴は少し黙って。

**「コノママオマエ、アンタ、イェーガート話シテタイカラカナ」

意味不明だし、俺に対する言葉が3種類もある。

オマエ、アンタ、イェーガー。

…だめだ、特定できない。

エレン「…」

エレン「…マルコ?」

なぜかそいつの名が口をついた。

なぜそう思ったかわからない。なのに気づいたら声になって出ていた。

**「悪クナイ」

エレン「は?」

**「ソウイウ考エ方、悪クナイ。アラユル可能性、未来ヲ疑エバ、生キ残ル可能性ハ挙がる」

**「例エバワタシ、オレ、ボクガ6人目ノ囚人デアル可能性トカ」

エレン「なにいってんだ!ルール上囚人は5人まででーー!」

**「ソノアタマガカタイナ。キリツニ書イテアッタロウ?罪種プレートノ指示ハ全テノ規律ニ優先シテ適用サレルコトガ」

エレン「そんなーーどうやって」

**「ショウガナイナ、ヒトツ教エテアゲヨウ」









**「オレ、ワタシノ罪種ハ


密告者」

謎がある隣室。

ここまでです。

寝落ちしないでよーできたもんだぜ

ミカサが包丁を持っていて、壁が開いたから、殺人鬼だと断定しただけだ。

ーーつまり考えられるのは。

こいつが嘘をついているか。

ミカサの包丁や、壁が開く能力が殺人鬼によるものではないかだ。

ーーーまて。

もし看守の中に殺人鬼がいるなら、殺人鬼をどうやって殺す?

看守はあくまで囚人を処刑する能力があるだけだ。

…看守を殺せるのはミカサだけだ。

…なんだそれ。もう完璧に別のゲームになってるだろ。

**「ソンナコトヨリ、今ハイェーガート話ガシタイ」

エレン「今は…そういう気分じゃない」

**「ツレナイネ」

そう言って笑う壁の向こうの奴。

…腹が立つな。余裕そうで。

こちとらゲームの対抗手段に迷い考えているのによ。

ふと、視界の中にボタンが見えていたことに気付く。

囚人の部屋に騒音を流すボタン。

押した。

**「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

スピーカーから凄まじい絶叫が聞こえた。

思わずボタンから手を離す。

**「ワカッタ…モウ黙ル」

それきり、壁の向こうの奴は静かになった。

ーー俺はそれから1人で考えたが、考えはまとまらなかった。

気がかりなあったからだ。

ーー囚人側も昨日と同じ順に部屋に入ることができなかった。

ミカサはどの部屋に入った。

誰に顔を見られた?

殺してないだろうな?

考えているうちに意識が遠のいていった。

…。

母さんを守れなかった時に痛感した。

ハンネスさんが言ってた無力という言葉。

そう、俺は無力だ。

ジャンが言うような重要な人物じゃない。

ああ、このまま眠りにつきたい。眠って起きれなきゃいいのに。

そして俺は意識を手離した。

…。

起きるのはめんどかったが、まあ仕方がない。

時計を見ると、まだドアが開く前だった。

…。

便所だ洗顔だのは済ませたが、まだ時間がある。

…暇だ。

筋トレでもしようか。

俺もいつかライナーみたいな筋肉を手に入れるんだ!

うおおおおおおおおおおおおお!

ーーーーーーーーーーーーーーーー

すごい疲労と共に広間へ入ったが、さすがに一番乗りだった。

…しまった、ここでもやることはない。

いや、今はジャンが気になる。

あいつはあの後、ちゃんと別の部屋に入れたのだろうか。


…死体安置室に変化はない。

つまり、ジャンが死んで搬入されたことはないってことだな。

まあだからといって、ジャンの安否が確認できたかというと、それも違う。


より確実なのは、昨日もミカサは誰にも手をかけなかったこと。

しかし、それは同時に、ミカサの正体を知るものが1人増えたことでもある。

ーーどうすんだ。

頭を悩ませながら待つ。

…だが、誰もでてこない。

ふむ。

軽く飯の下ごしらえをやっておいた。

今日の飯当番はサシャとライナーだっけな。

2人に感謝される1日になりそうだな。

で、広間に戻ると。

サシャ「うべべべべべべ」

エレン「うわあああああああ!」

地面を這いずるサシャと遭遇。

こいつ人間?

エレン「お前は人前では人のフリをしろ!人のフリを!」

サシャ「エレンのうそつきぃ…クッキー10枚しかなかったじゃないですかぁ…」

エレン「そんだけあれば十分だろ!」

サシャ「私の食欲舐めないでくださいよ」

エレン「やっぱり俺にはこいつ手に負えねえ!ジャンだ!ジャンじゃないと無理だ!」

ジャン「俺がどうかしたかよ」

エレン「うあああああああ!」

後ろから不意にジャン登場。

看守ドアから現れたジャンは俺とサシャのやり取りをみて嘲笑してるようだった。

ジャン「なんだよエレン。死に顔でも見たような顔してよ」

エレン「ジャンお前…生きてたのか!」

ジャン「ああ。あの後、ドアは開いた」

…良かった。

二つの心配のうち片方は消えたが、まだ一つ残っている。

誰がミカサとあたったか、だ。




その後、各々ぽつぽつと部屋から出てきて、8時前には全員集合していた。

誰も危害を受けてない証拠だ。だが。

それはミカサは同室の奴を殺さなかったということた。

俺以外の誰かがミカサの正体が殺人鬼だと知っていて、尚且つそれを黙っている。まるで昨日の俺のように。

ーー周りの連中を見ながら、そこはかとなくイラついていた。

理由は明らかだ。

ここまで。

3日目に動くとか言ったが、3日目は伏線をはっていく日でしたわ

乙、物語が動くのか動かないのかドキドキしながら見守っている

>>246ありがとう

続きから

どいつもこいつも上っ面と本音が分離しているから?

もちろん、それもある。

だが、もっと重要なのは。

俺はもはやミカサにとって「秘密を知る唯一の人物」ではなくなった。

…俺は普段、俺より遥かに強くて、自分の身も自分で守れてしまうようなミカサを守れた気がして、心のどこかで喜んでた。

最低だな。

それに昨日の謎の隣室の相手も気になる。

気分は優れてるとは言えず、俺はさぞかしダルそうな表情をしてるだろう。

…いや、他にも浮かない顔をしてる奴はいる。

アニだ。

浮かないっていうか真っ青だな…大丈夫なのか?

エレン「おいアニ…大丈夫か?」

他の連中に気付かれないようこっそり話しかけた。

アニ「…エレン」

声も暗い。

アニ「…ちょっといいかい?」

口元を覆う仕草。内緒話なんかによく使うあのジェスチャーだ。

もしかして…

昨日の謎の隣室はアニだったのか?考えもつかないけど…

怪訝に思いながら耳を近づける。

アニはためらいがちに言った。






ーー鍵を部屋に忘れた。

…。

鍵の管理は各プレイヤーに任せられている。では鍵を失くした時に何が起こるか?

ーー夜の間個室に入れなくなる。

正確に言うと、個室のドアを開けなくなる。

それはその時点での死が確定することを言うーーー

エレン「…本当か?」

アニには珍しい泣き顔で、アニは頷いた。

アニ「…私もうダメなのかね」

エレン「…決まったわけじゃねえ」

エレン「ちょっと待ってろ」

俺はそう言い残すと、他の連中にことわって、トイレへ向かった。




…個室の中で宙に向かって言った。

エレン「観察目的で俺らを攫ったんだったら、俺らを監視してない方がおかしいよな…おい、聞いてるんだろ?アニが鍵を部屋に忘れたんだと」

エレン「…忘れただけだ。紛失したわけじゃない。それにこんなくだらない理由でプレイヤーが減るのもそっちにとって不本意だろ?」

エレン「…今回は大目に見て、鍵を持ってきてくれよ」

…反応はない。

さすがに虫が良すぎたか…?

穏便に済ませたかったが、ここは全員に相談するしかないか…

そうとなれば。

個室から出た。

広間に戻ると、様子がおかしかった。

全員がテーブルを囲むようにして集まっている。

いや、正確には、あの黒板を持つアルミンの周りに集まっている。

アルミン「…エレン」

エレン「どうした?」

アルミンが無言で黒板の画面をこちらに向けてきた。

そこにはこう書いてあった。

『監獄長より通達
囚人、アニ・レオンハートが鍵を自室に放置していたことを確認したかっこ

すまん、途中送信した

『監獄長より通達
囚人、アニ・レオンハートが鍵を自室に放置していたことを確認した』

『検討の結果、今回は鍵を返却することに決定した。今後同様のケースがあった場合、鍵は返却されず、回収されるので、注意をせよ』

『返却を受けるためには、以下の条件を満たすこと』

『ペナルティとして、看守、エレン・イェーガーはアニ・レオンハートに対し、尋問の際行うことのできる雑音流しを1分間流すこととする』

『場所は囚人用シェルターで行う。この黒板に雑音流しのボタンが設置されておるので、それを押して流すようにすること』




ー。

ミカサ「なぜエレンなの!?」

ライナー「今、この場においてのリーダー格がエレンだとみなしてだからか…?」

…違う。

俺が鍵返却の案を監獄長に持ち出したからだ。

アルミン「…まあ、このくらいの罰ですんで良かったと考えるべきかな」

アルミン「アニ、大丈夫?」

アニ「…あ、…ああ…」

先ほどにまして、蒼白なアニ。

アルミン「…エレン、囚人用シェルターに移動しよう」

エレン「…ああ」

アルミン「こんなことさっさと済ませよう」

アルミンの言葉に頷き、アニは一歩前に足を踏み出す。

ベルトルト「ア…アニ!」

アニ「大丈夫だよ、ベルトルト…1分間なんてすぐだ」

アニ「ひと思いにやってくれてかまわないよ…」

皆は囚人用シェルターに早々と移動した。

俺はというと、看守用シェルターにいる。

エレン「くそっ…どういうつもりだ!」

監獄長へ当たってる。

なぜこんな罰を。

エレン「くそっ!」

壁を蹴るがもちろん相手に届くはずもない。

だが、壁を蹴った反動で、シェルター内にあったロッカーが開いてしまった。

そういやここには何があるんだ…?

見ると、鉄製の棒があった。

どことなく、あの防護服共が使っていたやつに似ている。

数は…4本。

は…?看守は5人だから5本あるんじゃねえのか?

…まあ今はどうでもいい。早くアニへの罰を終わらせる。

一旦ここまで

乙!今回も良かった!!
にしても殺人鬼の予想がちらほら出来るようになってきたか?

>>257ある程度予想できるのではないでしょうか

エレン「…待たせたな」

アルミン「早く済ませよう」

アニ「…エレン」

アニが顔を近づけてきた。

アニ「なにか…してくれたのかい?」

俺だけに聞こえるようにささやく。

エレン「…すまん、こんなつもりじゃなかった」

アニ「大丈夫だよ…あの『処刑用』の椅子より全然いい」

アニ「あ、あんたにやられるなら…我慢できるはずだ」

ーーその言葉の意図は今考えるべきではない。

エレン「…すぐ済ませる。シェルターに」

アニ「頼むよ…」

アニがシェルターに入る。準備完了…だ。他の奴らも遠くから見ている。

すまん…1レスだけで寝落ちしてしまった

黒板を確認すると、「この場所を押せ」とご丁寧に指示されている。

押すと音がシェルターに響くらしい。

エレン「いくぞ…」

押した。

すると。

アニ「ーーーーーーーーーーーーーーー!」

絶叫が
俺を
ひるませる。

アルミン「エレン!途中でやめたら!」

エレン「だ、だけどよ!」

アニが耳を押さえて倒れる。

小刻みに首も振っている…相当なダメージがあるのだろう、あの音には。

また寝オチかな。
ゆっくり休んでくれ

>>260だ、大丈夫だ問題ない

ベルトルト「ア、アニッ!」

ベルトルトの肩を押さえたのはライナーだった。

ライナー「よせ!これをやらなければアニが死ぬ!」

ベルトルト「ぐっ…」

アニ「わ、私なら大丈夫だよ…こんなの」

アニ「聞きなれれば案外…いい音かもね」

…悪いがそんなそんな軽口じゃ気は乗らない。

俺は黒板を持ってシェルターに入った。

罪悪感から逃れるには、自分も傷つけばいい。

俺はシェルター内で画面を押した。

アルミン「バカ、エレン!」

1分間だ。1分間耐えればいい。

アニを支えながらずっと1分間が過ぎるのを待っていた。

エレン「ーーーーーーーーー!」

アニ「ーーーーーーーーー!」

絶叫も声にならない。

とんでもない音が耳を劈く。

もういい、よせと誰かの声と、床に倒れこむ衝撃をどこか遠くで感じた。

………。

…どうやら、ミカサに頬を叩かれて起きたらしい。

ミカサ「なんて無茶なことをするのエレン!頼むから…無茶をしないで…ほしい」

エレン「…すまんミカサ…だけど俺よりアニだろ…あいつは?」

アルミン「エレンよりだいぶ前に目を覚ましてるよ」

身を起こすと、毛布にくるまっているアニがいた。

ベルトルトからなにかカップ入りの飲み物をもらっている…大丈夫そうだな。…手首に青い鍵もついてる。

エレン「鍵も戻ったんだな」

アルミン「あの後、防護服が置いていった。ボクが2度と忘れないように、と手首に巻きつけといた」

エレン「助かる」

アルミン「…朝っぱらからとんでもない騒ぎだったね…耳は聞こえるみたいだし」

エレン「おかげさまでな。特に問題ない」

アルミン「アニも大丈夫みたいだし…ご飯食べよっか」

食事は昨日のシチューの他に、パンなどを食べることにした。

さすがに俺とアニはあまり食えなかったが…

そのあと、ゲーム攻略について話し合った。

…結論を先に言うと、なにもわからなかった。

まず、囚人側も昨日の個室へのドアの開き方は変則的だったらしい。

どうやら、最初はちゃんと開いていったが、3番目と4番目のドアの開き方が逆になっていたらしい。

その時に、やはり囚人側でもドタバタがあり、ミカサがライナーの前に入ったことで順番がバラバラになった。

昨日決めた番号だと、3番目と4番目の部屋は8と9だ。

…8も9も接続先がわかってないドアだ。クリスタから9と1が繋がっているのではないかと予測もあったが、これは間違いだと俺が知っている。

一応、結果的に4を通ったユミルと10を通ったアルミンが再び隣室同士だったので、部屋と部屋が繋がってる説は有効だ。

が…他がどうもおかしい。

クリスタが入った部屋は、前日にサシャがベルトルトと隣室だった部屋で、説が正しければ、本来クリスタはベルトルトと隣室になるはずだった。

しかし、証明はとれなかった。

クリスタ「ずっと何を言っても相手は黙ったままで…もしかしたら殺人鬼かもって疑ってた…」

ベルトルト「僕の相手もそうだったかな。だからクリスタが隣だったわけじゃないんだね」

それどころか、

サシャ「私と話してたのミカサじゃありませんでしたか?」

ミカサ「…?私の相手も黙ってたから…こっちから話しかけるのも気が引けて、私も黙ってた」

サシャ「あれぇ…?」

アルミン「エレンは?」

エレン「喋ったは喋ったけど、ここの誰とも喋り方が一致しなかったぞ」

アルミン「アニは?」

アニ「私も相手が黙り通しでこっちから喋りかけれなかったけど」

ジャン「俺の相手もだんまりだった」

ライナー「同じく」

…なんだこれは。

また午後にー

寝落ちはしない!

待機してる

>>268さんきゅ

アルミン「看守の証言によれば、囚人はボクが1名、ミカサ風の人が1名、正体不明の人が1名、黙ってた人が2名」

アルミン「囚人の証言によれば、ユミルが1名、黙ってた人4名」

アルミン「…『黙ってたと証言した看守』はジャンのみ。一方で、『黙ってたと証言した囚人』は3人」

アルミン「…数が合わないよ。誰か事実と違うことを言ってる人がいる」

アルミン「というかね、『話しかけられなかったからこっちも話さなかった』って本当?普通話しかけるんじゃない?」

重ぐるしい沈黙が流れた。

エレン「…本当のことを言えない事情があるんじゃないのか?」

アルミン「どういうこと?」

エレン「罪種の縛りだよ。正体がバレると死ぬとか、本当のことを言ったら死ぬとかいろいろあるかもしれない」

エレン「…でないとあえて非協力的になる理由がないと俺は思う」

アルミン「なるほどね…じゃあ部屋の繋がりを調べるなんて不可能だね。ごめんね、皆。無駄足だったみたい」

ーー無駄足なんかじゃないぞアルミン。

少なくとも、沈黙してる何人かは、相手の情報を掴んでるから黙ってるはずだ。

…つまり、今の状況は自分の情報を他人に公開することができず個人間の情報量に差があるって感じだな。

エレン「一応確認するぞ、俺はここを皆で脱出するという意思は同じだと思ってる。だよな?」

全員が頷く。

そこに疑いは必要ないはずだ。

だが。

俺は昨日の隣人の声を思い出していた。

あいつは違う。

…あいつは俺たちの目的とは根本的に違う何かを目指しているように感じた。

…あいつは誰なんだ。

本当に6人目の囚人なんだろうか。

それとも5人の誰かなんだろうか。

…すっきりしないまま、正午をまわってしまった。

まあ、なんだかんだで昨日の隣人との会話内容を喋らずにすんだ。

アルミン「というわけで、不本意だけど殺人兵器の開発に着手するよ」

エレン「どういうことだよおい」

幼なじみが本当に頭おかしくなったのかと思い、強烈なパンチを頭に食らわせた。

アルミン「い、痛い!暴力反対だ、エレン!」

エレン「殺人兵器は暴力じゃないのかよ!」

アルミン「道具に罪なんかないよ。それに不本意だって言ったじゃないか」

ライナー「おいおい…で、悪だくみの内容は?」

アルミン「うん、まあどうにも手がなくなった場合に、正面突破でこの施設を脱出する方法を考えようと思ってね」

アルミン「とりあえず壁やドアを破壊するための爆発物。そして、あの防護服を倒す武器。これらは絶対必須だ」

…いや、簡単に言うけどよ。

エレン「ここにあるもので、だろ?」

アルミン「もちろん」

エレン「どうやってだよ。特に爆発物」

アルミン「それは良い子が真似したらダメだから秘密だよ」

エレン頼りになるなぁ

>>273主人公だからサ

今日ここまてですね

疑問
殺人鬼が看守を殺す
そして死体の安置所に持っていく
だが、その間に他人に持っていくところを発見される可能性がある
だとすれば、殺人鬼は死体の安置所に死体を容易には持ってはいけないが、どうするんだ?

>>275疑問にお答えします。

殺人鬼が看守を殺したあとは、例の防護服共が死体を安置室に運ぶことになります。

殺人鬼はまず看守を殺したあとは、普通に部屋で過ごすことになり、その間に防護服がその殺された看守の死体を安置室へ持って行き、という感じです。

防護服は常にどこにでも出れるようになっているんで。

そして運ぶ最中に見つからないかという点ですが、時間的に見つかりません。

殺人鬼が看守を殺していい時間帯は、他のプレイヤーは個室から出てはダメだからです。他のプレイヤーは7時にならないと個室から出れません。

お答えできたでしょうか…他にも疑問等あったらお答えします。

あと、皆さん地震大丈夫でしたか?

防護服っていうとどうしてもこのAA思い出してしまう
港区だけど地震大丈夫でしたありがとう

                   ⊂二二⊃
     ⊂二二⊃          _ _ _ _
      _ _ _ _ _          ,r ´     ` 、
     r ´_ _ _ _ _ ` 、      ,'  _ _ _ _ _   ゙.、 みんな~

   ,.'   i´・ω・`l   ヽ、  ,'  l´・ω・` i_ _ _ヽ

  ,'    `゙ ゙ ゙ ゙゙´     ` 、,' , `゙ ゙ ゙ ゙ ゙(_ _ _ _ )
  !  i_ __作業員    ト、 ヽ ,'i  作業員   i
  ` 、_ _ _ _)       i ヽ_) i          i 
    i   _ _ ,、__    ,イ     ゙、   .,、   i     
    ヽ_ _ _ _,),'   , '       `、  ,' ヽ  ,'     
         (_ r ´          ゝr'   `´

>>277そんなAAあったんだwww
東京が震源の地震だったみたいですね。無事で何よりです。

ミカサ「え…アルミン、本当にできるの…?」

アニ「あんたそういうの作るの得意そうだしね」

アルミン「どうもどうも。さて、作るにあたって、君たちの協力が必要なんだよね」

言いながら、アルミンはかなり大きいバケツを取り出した。

エレン「なんだそれ」

アルミン「座学でやったでしょ?爆発物の合成には窒素化合物が必要なんだ。要するにアンモニアだね」

エレン「…そんなのやったっけな?」

アルミン「…君はちゃんと座学聞いてたのかい?これ発見した人は凄いと思うよ?」

エレン「あー、うん、それで?」

アルミン「うん。君らが日々生産しているアンモニアの原料物質をこのバケツにあつめてねーーーー」

このあと、俺にはわからんが、アニとミカサ(と俺)にアルミンは袋叩きにされてた。

アルミン「か、軽い冗談だよ!」

エレン「冗談なのかよ」

進撃の世界にアンモニアは発見されてないだろうけど、目をつむってくれ!

アルミン「まず第一なんでミカサとアニがボクを殴ってたか知らないでエレンも加担してたでしょ!」

エレン「雰囲気的に便乗すべきかと」

ミカサ「ア、アルミンが変態に…」

ユミル「ぎゃははははは!わ、笑いとまんねえ!」

ライナー「第一そんなことやる奴いないだろ!」

サシャ「今アルミンが言わんとしていることをアニに聞きました!ですが小だけなんて生ぬるいですよ!」

ライナー「お前黙ってろ!」

アルミン「そこまでとは…いやまあ、時間があるならアリなんだけどね。一週間の期限じゃ少し厳しいかな」

エレン「やれやれ」

アルミン「しょうがない、ドアの破壊は後回しにして、先に武器の方に着手しようか」

ジャン「武器ねえ…看守のあの鉄製の棒じゃ役に立たんだろ」

ーーその言葉に俺は勝手に緊張した。

アルミン「反乱に使えそうな武器をゲームプレイヤーに渡すとは思えないもんね」

アルミン「むろん、この中にも簡単に武器になりそうなものはないだろうけど…」

アルミン「そこはそれ。ボクの創意工夫が監獄長の想像を上回るか挑戦してみるよ」

というわけで、アルミンの進撃開始。

エレン「その間に看守集合だ」

俺には確かめたいことがある。

…看守用シェルターに入って、ドアを閉める。

…なるほどな、前にアルミンが言ってたもにたーってのはこれか。

その画面には不気味な笑みを浮かべながら作業してるアルミンと、作業を手伝う他の囚人が見える。

エレン「で、用だけどよ」

集まった看守の面々。
ジャン、サシャ、クリスタ、ユミル。

全員表情が固い。

緊張してんのか…やりにくいけどしょうがない。

エレン「鉄製の棒(以下、鉄棒と表する)を持ってんの誰だ」

俺は偶然ロッカーを覗いたら、鉄棒は4本だったわけで。

要するに既に一本取り出されてるってわけだ。

4人が顔を見合わせる。

ややあって、

ユミル「ああ、それ私だ」

エレン「ユミル?」

朝はここまで。

乙!ヒントになりそうなもの多いなぁ

>>284ヒント散りばめてます

エレン「おいおい…必要ないだろ」

ユミル「あー…必要、ね。無ければいいんだがな」

エレン「…どういう意味たよ」

ユミル「そりゃお前は腕っ節が強いかいいけどよ…私は女だぜ?襲われたらひとたまりもねえっての」

襲われるって…誰に襲われるんだよ。

ジャン「…ユミルの言葉に一理あるかもしれないな」

エレン「お前までそんなこと言うのかよ」

ジャン「お前の気持ちもわからないわけじゃないがなエレン。考えてみろよ」

ジャン「俺たちが囚人に対して有利な点はなんだよ?1日1人、選んで処刑することはできる。だがそれ以外に何がある?」

ジャン「…この鉄棒だよ。これがなきゃ、処刑に怒った囚人にリンチされかねねえ」

エレン「…そもそも処刑しないだろ」

ジャン「同意見だ。だが、囚人側がどう思ってるかは俺らにはわからない」

エレン「囚人側とかわけるなよ。俺らは巨人を駆逐すべく集められた訓練兵士の仲間だろ?」

ジャン「…気持ちは、わかる」

ーー現実を見ろよ、って顔してやがる。

知ってるよそんなの…だから俺は第4の選択肢を望んでたんだがな。

ユミル「私も考えたくねえけどよ、囚人は基本なにもできないだろ?」

ユミル「だから手早く殺人鬼と手を組んで、終わらせるって言って私らを殺しかねない」

…知ってるよ。

クリスタ「私も…そう思う」

クリスタ「皆仲良いけど…このままここに居続けたら、いつどうなるかわからないよ…」

…クリスタにまで諭されてしまったな。

サシャに目を向けるが、こいつは目を閉じて、知らぬ存ぜぬだ。孤立無援か。

ジャン「エレンはユミルに鉄棒戻せって言いてえのか?」

エレン「言いてえよ」

ジャン「ユミル、鉄棒貸せ」

ユミル「…今?」

ジャン「ああ」

ユミル「…仕方ねえな」

すると、どこからか鉄棒が出てきた。

…どこから出した?早業で見えなかったぞ…

ジャン「ありがとな…さて」

ジャン「ーー今から全員、鉄棒を所持しはじめろ」

…。

ジャンは俺に向かって鉄棒を構えていた。

場の緊張が爆発寸前までに膨れ上がる。

クリスタ「!?」

ユミル「お、おいジャン!」










エレン「…マジか?」

ジャン「…もちろん、冗談だ。だがよ、今みたいな状況になったら素手のお前はなすすべなしだろ」

ジャン「俺は看守間の発言力を最後まで保つためにも鉄棒を常備携行した方がいいと思う。これは俺からの頼みだ」

エレン「…」

すると突然今まで発言しなかったサシャが突然口を開いた。

サシャ「ジャン、エレンに謝ってください」

ジャン「…俺は正論言ったつもりだが」

サシャ「いや、そっちにはついていけなかったのでさっぱりなんですが」

サシャ「仲間に武器を向けるとは何事ですか。謝ってください」

ジャン「…」

ジャン「まあ少し度が過ぎた頼み方だったうえに失礼だったな。すまねえ」

俺に向けて構えてた鉄棒をジャンは下ろす。

だが話の流れが変わるわけではない。

クリスタ「…エレン」

エレン「どうした」

クリスタ「私もこういうの嫌いだけど…エレンは鉄棒持ってた方がいいよ。つまらないことで死んじゃう」

…ここまでくると笑うしかないな。

エレン「サシャはどう思うよ」

サシャ「私はどーでも大丈夫ですよ。狩猟の時ならともかく、人と対戦するんなら、ブレードと立体機動装置持ってても誰にでも負けますって」

…こいつは人とか殴らないもんな。

その後、鉄棒は全員が持つことに決定した。

極力、囚人を刺激しないよう、隠して携行すること。あと、看守間の発言力を保つためと、防護服に抵抗するためだと説明すること。

この2点を互いに約束した。

エレン「ところで、囚人側の証言、どう思う?」

ジャン「…皆誤魔化してるな。基本的に、俺以外は皆囚人に話しかけてるわけだしな」

ジャン「黙ってた看守が4人もいるわけがない。3人が嘘ついてるな」

ユミル「なーんか気分悪いよな…嘘ついてるってことはよ、私らを騙そうって魂胆があるからだろ?不安になるわそんなの」

…それだ。

嘘をつかせるシステム。

嘘がある以上、疑念が生じる。

プレイヤーを看守と囚人と2分化するというルール。

これにより、他人に対する疑念が、相手チームへの疑念に変わる。

「もしかしたら、相手チームが裏切るんじゃないか」という「不安」ができたら、始まるのは疑心暗鬼、腹の探り合いだ。

相手の動きに敏感になり、尋問や密談を行い始める。

今の俺たちのように。

そして、些細なすれ違いや誤解が争いの引き金を引く。

これがこのゲームの罠だ。一致団結してゲームをクリアすることを阻害し、仲間割れを呼ぶカラクリ。

…疑念が生じるのは仕方がない。

だから引き金が引かれるのは阻止しないとならない。

「仲良く」 だ。

クリスタ「エレン」

シェルターから出ようとしたところを呼び止められた。

エレン「なんだよ」

クリスタ「むう…忠告してあげたのに態度がそっけない…」

ジャン「話ぐらい聞いてやれバカ」

エレン「俺よりバカのお前がバカだ」

ジャンが去って、シェルター内には、クリスタと俺が残された。

エレン「で、なんだよ」

クリスタ「…エレンに教えてあげようかなって」

またかよ。

クリスタ「嘘ついてる人」

エレン「…ん?」

クリスタ「…やっぱいいかな」

エレン「待て待て…悪い」

クリスタ「ん…」

エレン「で、誰なんだ?嘘ついてるのって」





















クリスタ「ライナーだよ」

エレン「ライナー…?なんでそう思ったんだ?」

クリスタ「最初の日、私はライナーと隣室だったのにライナーはそのこと黙ってたんだよ」

クリスタ「だから、昨日の夜も何か話しかけられたのに、何もなかったって嘘ついてる」

ーー待て、

エレン「最初の日一緒だった?なぜわかる?」

クリスタ「じょうきょうしょうこ」

エレン「ハッキリ教えてくれよ」

クリスタ「詳しくは秘密!だけど」

クリスタ「あの夜、私は自分のことをクリスタだって言ったんだから、同室の人が私だってわかってるはずだよ」

クリスタ「その人は私のことを自分と同室だった人だって思いながら見てくるはずだから」

クリスタ「私、変なこと言って見んなの様子みてたの」

変なこと?

エレン「事実と違うことってことか?」

クリスタ「そう。それで、相手の人が自分の持つ情報と違うこと言ってるって顔するのを、見てた」

…こいつはクリスタか?

俺が知ってるクリスタならこんな行動にでないはずだ。

だが、俺の目の前にいるクリスタは、他人を引っかけることに何の躊躇も感じてない。

…まあいい。

エレン「それでライナーが引っかかったのか」

クリスタ「そう。ライナーは嘘つき。嘘つきの私が言うから、間違いはないよ」

…。

エレン「詳しいことは教えてくれないのか?」

クリスタ「秘密」

エレン「…どうしてもか?」

クリスタ「…じゃあ私の味方になってくれたら」

エレン「…ああ、なるよ。約束する」

クリスタ「…約束は信じない」

ーーなぜ。

クリスタ「態度で見せてほしいな。それじゃっ」

小走りで駆けていく。

…ここに来てキャラが変わってないか?

まあそんなことはいい。

とにかく。

昨日ライナーとクリスタが同室だったらどうなる?

…。

何か重大なことに気づいたような気がしたが、とりあえずトイレ行くことにした。

アニ「あ、エレン」

アルミン「おお、奇遇だねエレン。ちょっと手伝ってくれない?」

エレン「悪いが俺は今急いでて…って、何してんだお前ら」

アルミン「ちょいとね。で、倉庫からペンキをとってきてはくれないかな?」

エレン「…ペンキ?」

何に使うんだよ…。

エレン「まあ急ぎじゃないならな」

アルミン「む、なにか用があるのかい?」

エレン「小便」

アルミン「よしきた。このバケツに」

アニ「ちょ、ちょ、こ、ここで採るのかい!?」

エレン「採るわけないだろ」

アニ「う、ううん…」

反応が微妙だなおい。

とりあえずトイレへ向かった。

トイレ前にはクリスタがいた。

クリスタ「エレンもお手洗?」

エレン「そうだ…使用中か?」

言うと同時にトイレのドアが開いた。

ベルトルト「ふう…ありがとねクリスタ」

クリスタ「大丈夫大丈夫」

ベルトルト「あ、エレンも使いに来たんだよね。なら空いたよ」

エレン「なら?個室はどうなんだ?」

ベルトルト「使用中みたい」

クリスタ「エレンは鍵あるから大丈夫だよね」

エレン「ああ、任せろ」

…やれやれ、参ったもんだ。

部屋の繋がりを調べるという目標が消えた今、明らかに手持ち無沙汰だ。

巨人は知らんが、人間は暇だとロクなことしない。

いっそのことアルミンの兵器開発が白熱して、みんな夢中になってくれたら壁もドアも破壊できて万々歳なんだがな。

…。

どうにもダメだ。

勝利と脱出を同じくして見れない。それを両方成し遂げることができないと思ってしまう。

まとも奴なら誰だって、人殺しよりも監獄から脱出する方を選ぶだろう。

そこを叩き潰して絶望させ、ゲームのルールに服従させ、改めて殺人遊戯を再開する。

…アルミンの言う通りだ。死ぬ気で逆らって、待ってるのは死だ。

エレン「…」

エレン「…このままなにもしないのが1番だって」

ーーそれが、プリズナーゲームをしかけてきた奴にとって1番不愉快な展開のはずだ。

…なんか今日の俺湿っぽいな。

トイレ終了。出る。







出たら、ライナーとすれ違った。

ライナー「おう」

エレン「おー」

倉庫ではユミルが1匹、ダンボール箱を漁ってた。

エレン「よう」

ユミル「きゃっ!」

ユミル「…あー、あ?エレンか」

エレン「おいなんだ今の声」

ユミル「き、きにすんな」

エレン「なんだ…あれ?髪留めどうした?もしかして髪留め探してんのか?」

ユミル「お、よくわかったな。女は大変なんだよ」

エレン「そうか」

俺は目当てのものを探す…あった。

緑…青…赤…お絵かきでもしろってか?

ユミル「あ、なあエレン」

エレン「なんだ?」

ユミル「私たちよ…生きて出れるんだよな?」

そりゃ不安だわな。

だが、俺はあまり嘘をつきたくない。

エレン「正直厳しい」

ユミル「…ふーん」

エレン「お前だってわかってるだろ?」

ユミル「…」

ユミル「エレンよ、お前欲しい時に欲しい言葉かけてくれないのな」

エレン「言いたいぞ、本当は」

ユミル「…やっぱいい」

エレン「なんだよ」

ユミル「はー…そういやお前いい加減ケリつけろよな」

エレン「…なんの話だよ」

ユミル「四角関係の頂点がなにいってんだ。うちのクリスタまで持ってきやがって」

エレン「ワケ分からん」

ユミル「…は?鈍感にも程があるだろ。なんなら今全員呼んで、客観的事実叩きつけてやろっか?」

…めんどくせー奴だ。

エレン「仮に何言われてもそれは気のせいだって返すしかねえよ」

エレン「それに俺は調査兵団に入るんだよ。わざわざ死に近ずく男を好きだなんて言う奴いないだろ」

ユミル「…」

すげえ不愉快そうな顔だな。

ユミル「それは言い訳じゃないのか?」

エレン「言い訳じゃねえよ。調査兵団に入るのは決定事項だ」

ユミル「…まあせいぜい頑張れ」

エレン「言われなくても…俺はアルミン待たせてるからいくぞ」

エレン「…アルミンは頭いい。あいつなら越えれない壁も超えてくれるかもしれない」

ユミル「だから希望はあるってか?…60点てとこだな」

エレン「うるせ…もう行くぞ」

…ところで四角関係?

自意識過剰じゃなけれは三角関係のはずなんだが…

いや、自惚れだな。

アルミン「遅いよ、死に急ぎ野郎」

エレン「…」

エレン「アルミンに言われると傷つくな。とりあえず殴ろう。返す言葉がない」

アルミン「待って、暴力反対」

暴力は如何なる場合でも最強だな。

あ、巨人には敵わないか。ははっ。

アニ「…なんかもう打てば響くだね。あんたらの掛け合い」

エレン「うるさーい。で、どうすんだこのペンキ」

アルミン「助手に渡してほしい」

エレン「…アニ?」

アニ「らしいね」

アルミン「色ごとにこの量を渡してくれない?紙に必要な量書いたから」

アニ「はいはい」

…なんか珍しい光景だな。

アニ「私がアルミンに従ってるのが珍しいって?」

エレン「俺なんも口に出してないよな?」

アルミン「アニ、白色準備できた?」

アニ「ああ、できたよ」

アルミン「持ってきてくれないかな?」

アニ「はいよ…あっ!?」

あ、こけた。

こけてペンキの入ったバケツが俺めがけてぶっ飛んできた。

そして。

俺の視界は真っ白に染まった。

アニ「ちょ、ご、ご、めん!大丈夫かい、エレン!」

アルミン「軽く冗談にならないね…大丈夫?エレン」

…幸いなことに俺のまぶたはペンキがかかる数秒前に閉ざされていて、眼球にはかからなかった。訓練の成果だ。

エレン「…とりあえず俺は真っ白になったんだな?」

アルミン「状況確認する前に風呂場いってきなよ。今のエレンは巨人より酷い見た目だ」

マジかよ。あれより酷いのか。

アニ「ごめん、アルミン!私が連れてく!」

固辞しようかと思ったが、前も見えない状況なので、頼むことにした。

ミカサ「ふぅ…!?エレン!?」

アニ「あ、ミカサ!ツッコミは後回しでエレンを後ろから押して!」

ミカサと遭遇したらしい。

俺は2人につられてシャワー室と思われし部屋へ入った。

アニとベルトルトが姉弟とか萌えるwww

>>314だよねww

上着を脱いで椅子に座る。

アニ「えっと…少し頭前に出して…あ、うんおっけー。流すよ」

生ぬるい水が頭を顔を流れる感覚がする。

アニ「で、なんかペンキ落とせそうなやつ持ってきたから、それ使う」

エレン「ご自由に」

ふむ、用意周到だな。

アニ「んしょ…」

エレン「顔が泡立って前が見えん」

アニ「あとで流すから我慢して…ん、落ちてきた」

エレン「なに使ってんだ?」

アニ「倉庫にあったやつ。なんかペンキの汚れをよく落とすって書いてあるし、実際効果でてるし」

エレン「ここの倉庫にはなんでもあるのな…」

アニ「流すよ…前見える?」

エレン「おう、見える…それ使ったのか?」

アニ「ああ、効果抜群だね。ちゃんと落ちてよかった」

…目を凝らして、それを見る。

俺の目にはベンキの汚れをよく落とすって書いてあるように見えるが。

エレン「おい、ベンキの汚れをよく落とすやつを俺の顔に塗りたくった奴」

アニ「…それ私かい?」

エレン「よく見てみろ」

固まるアニ。

アニ「ごごご、ごめん!」

エレン「悪意感じるぞ」

アニ「そんなつもりない!」

珍しく慌ただしいアニ。ここに来てからアニの意外な一面がよく見れるな。

これはもしや「あなたとスカトロプレイがしたい」という遠まわしなメッセージ!?(違う)

>>317そんな解釈聞いたことねえwwwwwww

とりあえず、今度は着ていた服を洗うことにした。

…真っ白のペンキは落ちる気配を見せない。

これ着るのか…やだな。

あ、そういやなんとなく聞きたいことがあるんだった。

エレン「お前ベルトルトとどういう関係なんだ?」

アニの表情が引きつった…気がした。

アニ「…なんでそんなこと聞くんだい?」

エレン「いや、なにかとベルトルトがお前を気にかけてる気がするんだよ」

アニ「…錯覚じゃない?目にペンキ入れたらその錯覚も直るよ」

エレン「失明させる気か」

アニ「…まあ特にどうという関係じゃないよ」

エレン「そうか…ならいいが」

とりあえず広間に戻った。

アニはシャワー室に置いてきた。

そして改めて見ると…

エレン「なんでペンキの被害が壁や床まで及んでいるんだ」

ペンキが床や壁に散乱していた。

アルミン「あ、ボクがちょっとね」

エレン「なにがちょっとねだ!被害が酷すぎるだろ!」

アルミン「しょうがないじゃないか!ボクだって人間だしミスくらいある!」

エレン「…てか何作る気だったんだ?ペンキなんか使って。ペンキを使った目潰し機か?」

アルミン「そんな生ぬるいもの作るわけないじゃないか」

エレン「じゃあなんだ?」

アルミン「炎を噴射する装置。通称、火炎放射装置」

エレン「…」

アルミン「有機溶媒を使用したペンキは可燃性・粘度と共に、火を噴射するのに向いてるんだよ。景気よく燃えてくれるはずだ」

アルミン「まあ…威力とかはないと思うけど、火を噴き出しての威嚇や、この装置から煙での目くらましが本当の目的なんだよね。本よりこの知識を得ました」

ミカサ「…煙の目くらましは私たちにも及ぶのでは?」

アルミン「…よし、明日はガスマスクを作ろうか」

…こんなんで大丈夫かよ?

進撃でする意味ある?

>>321自分が好きな作品だから?かな?

アルミン「それにしてもなんか酷い色合いになってるね、エレンの服。ちゃんと洗ったの?」

エレン「洗ったが、全然落ちない」

ユミル「あ、それなんだがな」

アルミン「ん?どうしたの?」

ユミル「いや、広間の騒ぎを聞いてよ、エレンの服を髪留めのついでに探してやったんだよ。そしたら…」

ユミルが持ってるのは、訓練生に支給される兵団服だった。

エレン「…なんでそれをユミルが持ってんだ?」

ユミル「私も不思議だよ。倉庫探したらそれがあったんだからよ」

>>322
あー悪い。俺の日本語が足りなかった
進撃のキャラに沿ったストーリーになるのか聞きたかった
原作と同じシーンがところどころあるから気になった

アルミン「だけどそれのおかげで一つのことが断定できたね」

ミカサ「何を断定できたの?」

アルミン「このゲームの主催者は、訓練生を狙って拉致してることだよ。なんでその訓練生の中のボクたちだけが攫われたのかはわからないけどね」

アルミン「ね。誰だろうね。ボク達を拉致した輩は」

…服一つで推理できんのか、アルミンは。

幼なじみとして誇らしいが、正直、ユミルとミカサが不安な表情になっていくのには気づいて欲しいところだ。

…着れる服が見つかって素直に喜べる状況じゃないのも残念だ。

>>324あ、その点について。
どちらかというと、原作に基づいて、進撃のキャラを使ってるんで…原作を知ってる方は面白味のないSSになるかと…すいません

で、とりあえずここまで。

原作と内容は変えるつもりでいます。

>>327
だったら、原作知っても楽しめるじゃんw

乙乙!今日も良かったよ!
俺の予想は当たっているのかいないのか

原作知らないから凄い楽しみ

>>328まあ所々既視感はあると思うけど…

>>329>>330ありがとうございます

こんな状況下でも、腹は減る。

人間の摂理だな。

で、飯の時間なのだが…

場所は看守シェルター。

なぜ広間じゃないのか。

エレン「まず謝罪があるみたいだ」

アルミン「ごめんね!アニのミスを上書きするミスをしちゃった!」

ライナー「反省する気微塵もないだろ!」

アルミン「ということで狭いかもしれないけど、食べれることには変わりないので、食べてください!今日の料理班はサシャとジャンでした!いただきます!」

ライナー「おい!」

というわけで、看守シェルターでの飯となったわけである。

食材はやはり豊富なようで、サシャとジャンがかなりのレベルの料理を振る舞ってくれている。

エレン「連日ありがとな、サシャ」

サシャ「いえいえ~自分が好きでやってるんで」

ベルトルト「それでも作るの大変でしょ?お疲れ様」

サシャ「まあ本当は作った料理が食べたいがために作ってるだけですけどね」








飯終了。

だが、個室が開くまで、まだかなりの時間があった。

これから風呂に入るにしても時間が余ってしまう。

アルミン「皆気が滅入ってるだろうから、ゲームをしようよ」

ミカサ「ゲーム…?」

アルミン「うん、絵を描いて、それを皆で当てるゲーム」

クリスタ「髪とペンはあるの?」

アルミン「抜かりなく。まあ娯楽として捉えてやってみてよ」

アニ「誰から?」

アルミン「意外な才能を持ってそうな…ジャン!」

ジャン「俺かよ…お題は?」

ユミル「なんでもいいんじゃね?」

ジャン「じゃあ描くからお前ら後ろ向いてろ」

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ジャン「ほらよ」

エレン「…ミカサ?」

ミカサ「ほんとだ、私」

ジャン「一発で当てんのか…」

ユミル「…ジャン…お前」

ジャン「別に何でもいいんだろ?描くのは」

アルミン「まあね。それにしてもこの描いてある…ミカサ…座ってる絵だね。髪が凄い綺麗に描かれてるし」

ミカサ「ありがとう、ジャン。私もこの絵は上手いと思う」

ジャン「お、おう…」

アルミン「よし、意外と時間も潰せるし、あと2人程かな?」

エレン「あ、俺描いていいか?」

ライナー「自らとは珍しいな」

エレン「そうか?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

…かれこれ30分経った今、ようやく描きおえた。

エレン「暇させちゃって悪かったな。描いたぞ」

ベルトルト「これは…皆?」

エレン「そうだ」

クリスタ「30分程度でよくこんなのがかけるね…凄いよ!」

ユミル「これが私か」

エレン「これをここから脱出した後、もう一回見ようぜ」

アルミン「なんで?」

エレン「これを良い思い出として終わらせれるかわからないが、少なくとも記憶には残るかもしれない。その時のためにお前らを描いておいて て、こんなこともあったなって笑い話にしたくてよ」

サシャ「いい心がけだと思いますが、エレン自身が入ってないですよ?」

エレン「あ」

ミカサ「あとで私が書き足しておく。広間に飾ろう」

アルミン「さて、気持ちを切り替えることができたところで、最後に描く人」

サシャ「私もかいてみたいです!」

結果としてはいい時間潰しになったと思う。

時間潰しというか潰されたというか…

サシャの絵は凄まじく、クリスタや珍しく、アニとユミルまで悲鳴を上げる程だった。

で、女達は固まって風呂へ行った。

男達は各々時間を潰して、女たちの入浴時間終了を待っている。

…尿意が。トイレ行くか。

…ん?あれは…ライナーとベルトルトか?

何か話してんのか?

…なんか周りを気にしながら話しているような気がする。

少し悪いが、興味がある。プリズナーゲームのことについてだったら協力できるかもしれないし。

そっと聞き耳を立てる。

「……でも……」「…戦士……」
「…君はさ…」「……だがな、……」
「……アニを……」「…本当に…」

…上手く聞こえねえな。

だが、随一他より聞こえた部分があった。

「超大型巨人は……」
「鎧の巨人でも……」
「アニのじゃ……」
「…それもそ……」

超大型だと?それに鎧の巨人?

なんでここであいつらがその話をしてんだ?巨人討伐の作戦か?

いや、考えられない。この状況下でする話じゃない。

それに所々アニの名前もあの2人から聞こえる。

…あいつらはーーー


何を隠している?




まだ思ってなかった。思うとしても先だと思ってたのだ。

俺たちの仲の決壊はもっと先だと思ってたのだーーーーー

ここまで

>>338最後だけミスってた

俺たちの仲の決壊はあるとしてももっと先だと思ってたがーーーーーーーーーーーー

些細なことをきっかけにその決壊は始まる。

うわぁ、巨人関係の問題も絡まるのか
どうなるか気になるぅ

>>341見てくれてありがとう

…そして男の入浴時間も終わり。

歩き回ってるとーーーーーー

アニ「いつっ…」

サシャ「ああ…もっとゆっくり、焦らないでください。焦りが料理において1番禁物ですよ」

アニ「わかってるんだけど…包丁持つとどうしても…」

サシャ「というか結構ざっくり切っちゃってますね…大丈夫ですか?血がかなりでてますよ」

アニ「こんなの唾つけときゃ治るよ。それよりやろう」

エレン「いや、せめてなにかしらの応急処置はしろよ」

アニ「!?」

あ…つい口挟んでしまった。

サシャ「おや、どうしたんですか?エレン」

エレン「世にも不思議な光景が俺の目に入ってきてな」

アニ「…それどういうことだい?」

エレン「ははは。で、いいから応急処置はしろって。布でまくとかよ」

アニ「…大丈夫、心配には及ばない。それより、今はここにいないでくれない?」

サシャ「アニが明日の朝のご飯のために、練習してるんですよ」

エレン「ほう」

サシャ「『私も役に立ちたいから教えろ』って…あのアニがですよ?泣けます!」

エレン「だなぁ…」

アニ「いいからエレンは出てって!サシャは教えて!」

エレン「うわお」

追い出された。

と、まあ俺は本当は違う目的で歩いてたら、たまたま遭遇しただけなのだ。

本当は…

ミカサ「あ…」

エレン「…よう」

こいつと、話をしにきたんだ。

ミカサ「…トイレ前に誰もいない?」

さっきライナー達がいたが…まあさすがにいないか、もう。

エレン「多分いないぞ」

ミカサ「…そこに移動しよう。聞かれたら困る会話の内容でしょう?」

エレン「…そうだな。」

中断します。

トイレ前。

ミカサ「…どうしたの?エレン。何か用?」

エレン「お前は俺に用はないのか?」

ミカサ「…」

エレン「…殺人鬼についてだ」

ミカサ「…ええ」

エレン「なあ、ミカサ。お前は昨日隣室のやつが誰だった?」

ミカサ「…」

エレン「誰だったかわからないは通用しないぞ。なにせ殺人鬼は『間仕切りが取り払われることによって、正体は絶対にバレる』からな」

ミカサ「…」

エレン「…言えないのか?」

ミカサが首肯さる。

エレン「…そうかよ」

…冷静にならないといけない。

ミカサが少しでも自分を殺人鬼と認める行動をとってしまうと、処刑されてしまうから。

エレン「…お前の正体を知る奴はこれで俺含めて2人だ」

ミカサ「…」

…俺は普段守れないミカサを守れた気がして浮かれてた。

朝のアニの鍵の件だってそうだ。

俺がアニを守るという明確な意思があって、俺は鍵のことを監獄長に持ちかけたのだ。

ーーそれがアニを守る行動に繋がると思って。

…そして、今はミカサの正体を知る奴が俺以外にもう1人いる。

なんでそいつもそいつで名乗り出ないんだよ…

ミカサ「エレン、部屋はどうするの?」

エレン「…できればお前と隣室がいい」

ミカサ「ならばエレンが4のドア、私が10のドアに入ればいいということ?」

エレン「ああ…確かその二つはアルミンとユミルが二日連続で隣室だったんだっけ」

ミカサ「そう。繋がってる可能性は高いと思う。だからそこにしよう」

エレン「…そうだな」

こうしてミカサと部屋で話す約束をし、別れた。

アルミン「あ、エレン」

エレン「アルミンか」

アルミン「…」

アルミンが周りを確認し始めた。

アルミン「…誰もいないね。ねえエレン。ライナーとベルトルトは何を隠してると思う?」

エレン「…気付いていたのか?」

アルミン「さっきエレンがライナー達の会話を盗み聞きしてたのを盗み見してた」

エレン「見てたのかよ…」

アルミン「気配くらい察知してもらわないとね。で、会話の内容は?」

…。

アルミンは信用できることだし、俺が盗み聞いた部分を言った。

アルミン「ふーん…」

相槌を打って応対してくれている。

アルミン「…なるほど、ありがとうエレン」

エレン「で、お前はどう思うんだ?今の会話の内容も踏まえて」

アルミン「ボクもこの状況下でする話じゃないと思う。もしかしたらあの2人は超大型巨人と鎧の巨人についてなにか知ってるのかもしれない」

エレン「!」

アルミン「あくまで予想だよ。実際のところはなにもわからない」

エレン「…」

アルミン「それにアニの名前が出てくるのも気になるよね。あの3人はなにかしらの関係があるに違いはないと思うんだけど」

アルミン「だけどエレン。少しでも疑ってる素振りを見せちゃダメだ」

エレン「…」

アルミン「…この状況下だ。疑心暗鬼から事件になることなんて簡単に起こるよ」

エレン「…そうだな。極力頑張る」

アルミン「お願いね。さて、そろそろいつもの赤いランプが鳴る頃かな」

エレン「ああ…もうそんな時間か」

アルミン「ちゃんと時間は確認してね」

ここまで。

午後来ます

案の定、赤いランプが鳴り響いた。

アルミン「行こっか」

エレン「ああ」





ユミル「おう、お前たちで全員だな」

アルミン「待たせてごめんね。入ろっか」

それを口火に、各々囚人と看守で別れる。

ふと、気づく。

エレン「あれ?アニ、包丁で切った跡は?結構深く切ってなかったか?」

アニ「…唾つけたから直ったよ」

…いや、いくらなんでも早すぎじゃ…

そうこうしているうちに、時間があぶなくなってきたので、廊下に出る。

出る際、ミカサにアイコンタクトをとってみた。

ーーーーー反応はしてくれた。ちゃんと10のドアに入ってくれるだろう。俺も狙ったドアに入らねば。

そして廊下に。

ここから俺の芝居が始まる。

ユミル「そういや今日はどう入るんだ?順番」

エレン「んー、順番はどうでもいいんじゃないか?」

クリスタ「テキトーでいいの?」

エレン「ああ。今までは確認しあって入ってたからな」

ジャン「…でもそれだと囚人が困惑するんじゃねえか?」

…この質問は来ると思ってた。

エレン「困惑させてなんぼだ」

ジャン「はあ?」

エレン「考えてみろ。今朝のことを思い出せ。囚人の中に嘘つきがいたらずだ」

ジャン「そうだが…」

エレン「そいつらは何かに気づいて、嘘をついたんだと思う。つまり、今は囚人の方が情報量的に有利なんだよ」

ユミル「言われてみれば…嘘つく理由もないしな」

エレン「ああ。特に何もないと思うが…あんまりこっちが誰だとかはわかるようにしないほうがいい」

ジャン「じゃあ尋問時もあまり自分が何者かは明かさない方がいいんだな」

エレン「それは状況によるが、相手が一方的に黙ってるんだったら、それは明かさない方がいいだろ」

ジャン「…なるほどな」

すると、ドアが開いた。

左から2番目のドアーーー2のドアだ。

ジャン「順番にドアを開ける気はもうねえのかな」

ジャン「わりいが、俺が入っていいか?」

エレン「いいと思うぞ」

特に異論は出なかった。

ジャン「お先にな」

ジャン退場。

ユミル「…」

エレン「どうした?」

ユミル「いや、なんで今日は1番に入ったんだろうなって」

エレン「別に普通じゃないか?」

ユミル「…普通だよな。悪い、気にしないでくれ」

エレン「…?」

次。真ん中のドア。3のドアだ。

ユミル「…次は私が入らせてもらうぞ」

これも特に異論は出ず。

ユミル「あばよ、また明日」

ユミル退場。

そしてーーーーー4のドアが開く。

ここが俺の芝居の見せどころだ。

エレン「…じゃあ次は俺が入るぞ。特に異論はないよ……な」

異論はあった。

ーークリスタ、だ。

エレン「…なんでドアの前に立つんだ?入れないぞ」

クリスタ「別に…私が入りたいなって」

エレン「テキトーだからどうでもいいじゃねえか」

クリスタ「…そうまでして会いたいのは誰?ミカサ?アニ?」

…芝居はばれていた。

エレン「…変な勘違いすんな。個室に入らないと処刑になるだろ」

クリスタ「そんなの後から開くドアに入ればいいじゃない!本当に皆が皆嘘つき!」

エレン「!?おいクリスタ!」

捨て台詞を残してーーーーー

4のドアにクリスタ退場。

まずいまずいまずいまずい!

クリスタがどう思ってるかは知らないが、結果としてはクリスタは殺人鬼との同室になるんだ!

俺はうまくあの夜を切り抜けられたとはいえ、殺人鬼との同室とはなにが起こるかわからない。

サシャ「エーレーンー」

エレン「なんだ!」

サシャ「本当に誰かに会うつもりだったんですか?」

エレン「…ああ、そうだよ!」

クリスタとミカサの仲はあまりわからないが、万が一のことがあったら…あったらーーーーー

サシャ「ふむ…エレン素直ですね。偉いですよ」

エレン「今はそれどころじゃーー」

不意に抱き締められた。

エレン「…!?」

サシャ「…エレンも嘘をついてたんですね。つきたくない嘘を」

サシャ「エレンはこんな難しい状況下でよく頑張ってくれてます。私は見てますよ」

サシャ「…もしどうあがいても無駄だったとしても」

サシャ「私はせめてもうちょっとだけ楽しみたいんですよね」

…。

サシャも俺に近い考え方の持ち主らしい。

そして…1のドアが開いた。

抱擁を解除される。

エレン「…精一杯、そうつとめてみるよ」

サシャ「ありがとうございます…さて、私入っていいですか?」

エレン「ああ。もうどこの部屋に入っても変わりない」

サシャ「…ではでは。おやすみなさいです」

エレン「ああ」

サシャ退場。

残るは俺1人…。そして5のドアが開く。このドアをくぐるのも3度目だ。

…?そ、そうか!

ふとかなりの重要なことに気づき、一目散にドアに駆け込む。

で、ここまでです。

明日また続きを。

乙乙
いつも楽しく読ませて貰っている

ジャンが怪しいな

>>359読んでもらって感謝してる

>>360…なんでそう思ったのか私気になります!

部屋に入った俺はまず、紙を探した。

…あった!ペンもある!

助かった…そして、書き始める。


4(ユミル)と10(アルミン)。
2(サシャ)と6(ベルトルト)。

そして俺とミカサが出会った5(俺)と9(ミカサ)。

さらにクリスタからの情報、1(クリスタ)と、8(ライナー)を付け足すと。

必然的に残るは3(ジャン)と7(アニ)だけだ。

4.10 2.6 5.9 1.8 3.7。

被りはない。

…部屋の繋がりが完成した。

だが、決まったわけじゃない。正直、これはクリスタが嘘を言ってなかったら成立する繋がりだ。

だからと言って、否定材料があるわけでもない。

2日目を思い出せ。

ジャンは相手は『模範囚と名乗った』と言っていた。

この部屋の繋がりがあっていれば、模範囚はアニということになる。

…他を合わせると

ユミル、アルミン。サシャとアニ。クリスタとベルトルト。

クリスタとベルトルトが一緒となると、この繋がりも信憑性を増す。

そしてサシャは相手がミカサだと言っていたが…アニだったようだ。

アニは相当慎重に自分を隠しているみたいだ…模範囚と名乗るが、自分の正体はあかせない。深い事情があるみたいだ。

で、問題の残り2部屋。

まず俺の同室。

…ライナーだ。

自称『密告者』はライナーということになる。

…。

あの話し方ライナーか…

…。

…。

…軽く女みたいな話し方も混じってたよな?

ライナー、オネエだったのか…

昨日ライナーがオネエだったというところで終わらせちまった…

…まあ真面目に考えるなら、あれが本当にライナーだったとして、あの言動も罪種による縛りのためだろう。オネエじゃないはずだ。…多分

正体を明かさず、看守の中に殺人鬼がいるとの情報を伝えたのがライナーだとしたら。

…詳しくはわからないが、自称『密告者』には注意した方がいいな。

要するに、ライナーに注意しろってことだ。

それに今日のライナーとベルトルトの会話も不自然過ぎる。

…あいつらは何を隠しているのだろう。

…いや、これよりも重要なのが。

ジャンと同室だったーーーミカサ。

ジャンは看守の中で、呼びかけられなかったので、呼びかけなかったと発言した唯一の奴だ。

使われまくってる嘘文句は本当に嘘だったというわけだ。

…そしてジャンは『ミカサが殺人鬼だと知りつつも、それを告発しなかった』。

…。

頭をよぎるユミルの言葉。

ユミル「いや、なんで今日は1番に入ったんだろうなって]

俺はその言葉に普通だろと返したが、もしそれが普通と見せかけた何かだったら?

…ジャンが明確な意志を持って2のドアに入ったとしたら。

…誰かに会うために。

もし俺がジャンだったら会いたいのは誰だ?

ーーー無論、ミカサだ。

理由は俺ときっと同じ…

…ミカサはちゃんと指定したドアに入ったのか?それともジャンの同室に入ったのか?

…ああ、くそ!

エレン「…わけがわかんねえ!」

思わず机に拳を叩きつける。

すると。

**「ワケガワカラナイノハコッチのセリフだよエレン」

エレン「…」

**「イヤァ、ナニカハナシカケテオコウトオモッテマイクにコエをカケヨウトシタラ、エレンのコエガシテビックリ」

エレン「…」

**「…ハンノウがナイとボクナクヨ?」

エレン「…」

**「(;_;)」

エレン「…なにやってんだお前」

**「…ハテ、オマエトはダレのコトカナ?」

エレン「…女みたいな俺の幼なじみのことだ」

**「キキズテナラナイヨ、エレン!ボクは女ノ子ミタイナ顔シテルカモシレナイケドーーーー」

間違いない。

こいつアルミンだな。

よし、この流れで。

エレン「よりによってアルミンか…で、お前罪種は?」

**「ン、ボクの罪種ハ『無実の罪』だよ」

エレン「…誤魔化しか?」

**「トコロガドッコイ、誤魔化シジャナインダヨネ、コレガ」

エレン「ほんとかよ」

**「ムウ…ナラプレートに書イテアルコトをヨンデアゲヨウか?」

エレン「読んでくれ」

『コノ囚人ノ無実ノ罪デアル。コノ囚人ニ特別ニ与エラレル制限ヤ能力ハ一切ナイ』

**「以上。ナニカシラ能力ガアレバ少シハ行動出来タノニ、コレジャ何モデキナインダヨネ」

…アルミンは基本変な嘘はつかない奴だ。俺が知っている。

だとすると、この無実の罪は本当にあるみたいだ。

**「デ、サッキエレンハ何ヲ喚イテタノ?」

…こいつに部屋の繋がりがわかったなんて言っていいだろうか?

ーーダメだ。信用できないわけじゃない。寧ろ信用しているが、アルミンはゲーム進行を望んでる奴だ。

部屋の繋がりをバラせば、間接的に、俺がミカサと同じ部屋だったことや、殺人鬼を知ってて黙ってたことも見破られるだろう。

ーーミカサの正体を知る奴は俺と…ジャンで十分だ。

エレン「特になんともない。強いて言えば、隣がアルミンだったことに喚いてたってことだな」

**「ボクガ声ヲカケルマデキミハ隣ガボクダト知ラナカッタデショ」

エレン「…」

すぐ言い負かされてしまう。

エレン「やっぱお前には言論で勝てる気しないな」

**「アハハ、当然デショ」

エレン「…ここに来てからアルミンを無性に殴りたくなってしまうのはなぜだ?今までこんなことなかったのに」

**「ボクノ頭脳ニ嫉妬シタトカ?」

エレン「明日お前の顔が腫れるのを楽しみにしてるぞ」

**「調子ノッテスイマセンデシタ」

付き合いが長いことも手伝って、アルミンとは1日目、2日目よりも楽しめた会話ができた。

…前の二つが殺伐としすぎたからな。

正直ずっとこのまま話してても構わないぐらいだが、さすがにいつまでも雑談することは願わない。

**「トコロデ、気付いテタ?他の皆結構参っテルヨ」

エレン「…だろうな」

薄々わかっていた。

皆疲弊の表情だ。

**「正直イツマデコノ均衡が続くカワカラナイヨ?明日にハ殺人鬼ガ行動シテルカモしれナイシ」

エレン「…そうかもな」

**「『ナゼカ看守は殺人鬼ヲ庇っテイル』ミタイダシ?」

…。

**「で、ドウスルノ?ココニある物質デハガスマスクナンテトテモ作るノ難シイケド」

エレン「…なにか使えるのはあるのか?」

**「今日作成シタ火炎放射装置デ防護服達ヲ威嚇シテ、アトハ基本素手デ」

エレン「…勝ち目はあんのか?」

**「一概ニハ言イエナイケド、勝率ガ無いワケでモナイヨ」

エレン「それだけで十分だ。俺は明日反乱を起こすことに賛成だが、周りにもよるよな」

**「周り多数ノ意見デ決メる?」

エレン「そうするつもりだ」

**「フムフム」

エレン「…さて、俺はもう寝る」

**「モウ?ハナシテタイノニ」

…昨日の密告者(ライナー)を思い出させるセリフだな。

エレン「寝る」

**「マア、無理強イテ話ソウトハ言ワなイヨ。オヤスミ」

エレン「ああ」

…こうして、睡眠についた。

そして反乱を起こす1日が始まる。

…反乱を起こしたい1日の幕開けだ。

周りも多分、ここから脱出したいって人で多いはずだ。

…みんなを信じよう。

ここでは疑心暗鬼は絶対の禁物だ。

時間を確認すると…8時15分。

寝坊だな、広間に行こう。

この時間なら人がいるはずだ。

だが、誰かいるかもしれないという期待は裏切られた。

まさかの広間には誰もいなかったのである。

…ペンキの匂いがまだするな。

そして確認したいことを確認した。

確認したいこと。

ーー死体安置室に死体が増えていないか。

案の定死体は増えていなかった。

よかった…クリスタに…いや、誰かしらを殺めたりすることをミカサは昨日もしなかったんだ。

確認を終えて広間の椅子に座っていると。

ユミル「…よお」

後ろから突然した声なので、飛び上がってしまった。

ユミル「…そこまでビックリするか」

エレン「急でビビっただけだ」

ユミル「情けねえなぁ…で、昨日はよく眠れなかったのか?」

エレン「…なんでそう思うんだ?」

ユミル「顔から疲れきった表情が滲み出てんだよ」

…ちゃんと寝れたはずなんだが。

実はよく眠れてなかったのか?

するとまたもや看守側から人追加。

ーーー不機嫌そうなクリスタだ。

クリスタ「…」

エレン「おはようクリスタ」

クリスタ「…おはよう。望み通りの人とは会えた?」

エレン「会えたと思うか?」

クリスタ「知らない!」

ユミル「おいおいエレンよ。天使を詰るなよ」

エレン「なぜそう見える」

ユミル「冗談は抜きでなんかあったのか?」

エレン「ほっとけ」

ユミル「まあいいけどよ。クリスタさえ無事なら。でよ、囚人遅くねえか?私でさえ8時起床だぞ」

エレン「さあな。ベッドの寝心地が悪いとかじゃないのか?」

ふむ、待ってる間が暇だ。

しょうがないから歩き回ろうかと思い立ち、起立した直後。

ランプの照明が消えた。

きたああああああああああああああああああ

>>379!?

ユミル「ん?ランプの照明が落ちたのか?」

クリスタ「かなぁ…」

これも、前に一回起こったことだ。

前は初めてのことで慌てまくってたが、2回目となった今では落ち着いてる。

エレン「とりあえずランプの照明つけにいくぞ」

ユミル「え?やだよお前1人で行けよ」

エレン「おいこら」

仕方ないから、机の下にあるはずの、常備灯を探す。

…あった。足元を薄く照らす程度の明かりならでるようだ。

エレン「じゃあ行ってくる」

クリスタ「ちょ、ユミル!私たちこの暗闇にいることになっちゃうよ!一緒にエレンと行こうよ!」

ユミル「ということで姫様がエレンについていくらしい。私も行くぞ」

…自由気ままだよな、ユミル。

倉庫にランプのスイッチがある。

普通ならランプについてそうだが、ここのランプは離れた場所にスイッチがある。

だけど確か前に照明が落ちた時に…

エレン「対策としてスイッチの近くに人をつけるんじゃなかったか?」

ユミル「そういやそんな対策あったな。1時間程で交代でって」

エレン「それだ。今はもう8時だし…当番の寝坊か?…いや、でもな…」

クリスタ「というか昨晩節電したんじゃないの?夜間の間は照明消しておこうって」

エレン「そう、それがあったはずだ。だから節電した分、ランプはつくはずだからこの朝の時間に切れるっておかしいんだよな」

ユミル「今はそんなこと考える必要ないぞエレン。はよつけてくれ」

…つけた。

それと同時にジャンが倉庫のドアに顔を出した。

ジャン「解決したかよ」

エレン「お前も来たのか」

ジャン「さすがに明かりがないとなにも見えないからな、ここは。お前らの足音に気づいて壁をつたってここに来た」

エレン「ご苦労なこって」

広間に戻った。

…ベルトルトが佇んでいた。

ユミル「び、ビックリさせんなよベルトルさんよ…」

ベルトルト「え、いやビックリさせたつもり微塵もないけど」

…急にでかい男が出てきたらビックリするのも無理はないな。

すると囚人側のドアから1人。

ミカサ「…おはよう…今日は人が少ない」

ジャン「看守はサシャ、囚人はアルミン、ライナー、アニが来てないな」

まさか寝坊ってことはないだろうな?

寝坊でも9時までに出てこなければ処刑の対象になる。

…待つと、すぐ出てきた。

ライナー「皆揃ってたか。遅れてすまん」

アルミン「おはよ」

これであとサシャとアニだけだ。

で、待ってると。

クリスタ「…あと13分ちょっとで9時になっちゃうよ」

念のため確認をとる。

エレン「アニと同室だった奴は?」

…無反応。

エレン「じゃあサシャと同室だった奴は?」

これも無反応。

…。

エレン「…どちんしろ俺らに出来ることは待つだけだ」

全員が頷いて待ちの体制にはいる。

…そして10分くらい経ったあと。

アニ「…ごめん遅れた」

…。

ベルトルト「なにやってたのアニ!処刑されたらどうするんだよ!」

アニ「…間に合ったんだから…まあいいんじゃない?」

アルミン「相変わらずだねぇ…まあ良かったよ。間に合ってくれて」

…アニはいいとしてサシャは?…そういや。

エレン「サシャ風呂かもしれない」

ジャン「なんでだよ」

エレン「確かあいつ毎朝風呂は浴びてから来るって言っててな」

ライナー「じゃあ風呂浴びながら腹減って倒れてるんじゃないのか?」

エレン「…とりあえず見てくる「止まれ!」

エレン「ぶべぁっ」

ビンタされた。痛いぞ。

ミカサ「エレンはサシャを風呂から出すつもり?裸のサシャを見に行くつもり?」

エレン「い、いや俺は善心が働いてそう口に出たというか」

クリスタ「とにかくエレンはダメ!」

アニ「その変わりに私がいくからあんたはここにいろ」

エレン「はい」

アニにビンタされたからか、妙に従ってしまう。

アルミン「でもアニだけじゃ浴室の鍵開けられないよ?」

クリスタ「私が行く!看守だもん!」

そうして2人で行ってきてもらった。

エレン「何もなきゃいいな」

アルミン「何か起きそうだったけどね」

ライナー「覗きか」

ジャン「変態が」

お前らが言えたことじゃねえだろ…

抗議しようとするとーーーー

悲鳴が聞こえた。アニとユミルの。

エレン「何だ!?」

一目散に駆けていく。

後ろから何か聞こえるが、今はそれを聞いている時間じゃない。

浴室につき、ドアを開けるとーーー








赤い血がまず目に飛び込んだ。

アニとユミルは顔面蒼白だ。今までこいつらのこんな顔見たことなかった。

そして俺も顔面蒼白だ。

なぜか?

ーーサシャ・ブラウスが風呂で死んでいたからだーー

アニとクリスタじゃないの?

喉を掻き切られていて、そこから夥しい血の量がお湯の色と同化していた。

口は開いたままで。

いつものサシャの笑顔は微塵も感じられなくて。

俺はーーー改めて。









この世界の残酷さを思い知った。

>>387本当だ!気づいてくれてありがとです

脳内変換よろしく

ここまでは原作との既視感があるかと思いますが、ここから変わってきます。

ここまで

サシャ死んじゃったか…誰かに殺されたんだよな?
普通なら犯人として考えられるのは一人しかいないけど罪種による能力ってのもあるかもしれないしわかんねえな

ついに事件が動いたか
更新を待ってる

>>390殺されたことは確定ですね
>>393ありがとう

この後全員が集まり、サシャの遺体を死体安置室に運んだ。

皆顔が涙でぐしゃぐしゃで、それでも、手を動かした。

俺らはもう受け入れたくなくて、サシャの死体をコニーとマルコの時同様ビニールにくるめて見えなくしてしまった。

その後俺らがやったことは浴室の掃除。

徹底的に洗った。

血を、血を特に徹底的に。

嗚咽が止むことはなかったが、洗う手も止まることはなかった。

そして全てが終わったのは昼の少し前。

俺らは広間の椅子に座り、沈黙を保っていた。

…誰も口を開こうとしない。

かくいう俺も涙を抑えるので必死だ。

昨日サシャはもう少し楽しみたいと言っていた。

俺はそれを叶えてやれなかったーーーーーーー

…。





いつまで続くかわからない沈黙が延々と続く。

それをアルミンが破った。

アルミン「…動かないと変わらないよ。知りたいことがあるんじゃないの?君たち」

不意にそんなことを言われた。

知りたいこと…。

ユミル「…私も知りたいことがある。動くべきだと思うが」

アルミン「…ボクもそう思うんだけどね。皆はそう簡単に行かないみたいだ」

耳を凝らすと、嗚咽が小さく聞こえる。

それほど同期の仲間の死はショックだった。

しかも3人。

マルコ、コニー、サシャ。

アルミン「ただ、ボクは君たちに動きがあるならボクも合わせる。ボクもサシャの無念を晴らしたい」

…。

アルミン「ユミルはもう大丈夫なの?」

ユミル「ここで動かないで黙ってる方がサシャに悪いだろ」

その言葉に何人かが顔を上げる。

ユミル「さっきから知りたいこととか言ってはぐらかしていたがよ、言うぞ?」

ユミル「ーー誰がサシャを殺したかだ」

ユミル「私は3年間過ごしてきた仲間を殺して平気でこの場にいる奴の神経がわからねえ」

…。

ベルトルト「…僕たちの中にサシャを殺した殺人者がいるんだね?」

ユミル「…ああ」

たちまち空気が張り詰める。

この中にサシャを殺した犯人が。

皆が皆、疑り合ってるのが見ないでもわかる。

アルミン「…いつもだったら口火を切るのも問題提起するのもエレンなのにどうしたの?」

エレン「…」

アルミン「…エレン…ジャンは?」

ジャン「俺も動くべきだと思う。あと」

ジャン「…俺はサシャを傷つけた奴を心底憎むぞ」

憎しみの効いた声だった。

アルミン「…ミカサは?」

ミカサ「私も同じ。暴こう。犯人を」

アルミン「…エレン。キミは」

エレン「…反対したい」

驚いてほとんどの奴がこっちを見てくる。

エレン「俺はこれ以上仲間を疑うくらいなら死んだ方がマシだ。巨人に食い殺されるよりも全然いい」

アニ「…あんた正気かい?」

エレン「俺はこの考えをここに来てから手離したことはない」

とうとう言った。

この考えが受け入れられないことくらいわかってた。

俺は3年間で随分甘くなったようだ。

シガンシナ区にいた頃は同年代の友達と言えばアルミン。家族はミカサくらいしかいなかった。

俺はあの頃、アルミンとミカサを疑った覚えは微塵もない。

それがたった3年間過ごしてきた仲間というだけで俺はこの関係を手離したくないのだ。

だから…。

だから…!

エレン「こんなことでお前らを色眼鏡で見ることがなかったのによ…!」

結局はこれだ。

俺はこいつらを疑いたくも憎みたくもないのだ。

だが。

俺は疑うべき奴を…知っている。

俺はサシャを殺した犯人を知っているかもしれない。

それが一番悩ましいことであり考えたくないことだ。

さっきも言ったとおり、俺はこいつらを疑いたくも憎みたくもない。

だが…

エレン「…俺から言うことはこれだけだ。アルミン」













エレン「始めろ。犯人探し」

ここからが本当の『プリズナーゲーム』開始だ。

看守4人
囚人5人

残り9人

ここまで

始まってしまったな
乙!!いろいろ考えつつ読んでるよ

プロローグ終わったか
次から本番やな

>>402>>403見てくれてあざす

アルミン「犯人探しはまず状況の整理から始めるよ」

アルミン「…サシャは首を掻き切られて殺されていた。まず、この点だけ見れば自殺にも見えると思う」

アルミン「だけど、致命傷がそこだっただけで、他にも切られている部分はあった」

アルミン「手もほとんど切られていた。体と繋がってたのが不思議なくらいに、切られていたよ」

アルミン「自殺するだけなら手を切る必要はないね。なにか他のことがあって手を切る必要があったのかもしれないけど、その線は薄い」

アルミン「その他にも、サシャがゲームのルールによって死んだ可能性もある」

アルミン「まあこれはボクが断定するけど、サシャはゲームで殺されたんじゃない」

アルミン「ゲームのルールにおいて死とは処刑のこと…すなわちマルコとコニーのような死が与えられる」

アルミン「だけどサシャは切られて死んでいるから、処刑でもない。これは他殺だ」

アルミン「で、凶器の話だけど、これは鋭利な刃物によってだ」

アルミン「その鋭利な刃物によってサシャは切られて死んでいる」

凶器の話に移ると、少し話し合いになった。

ライナー「ここに鋭利な刃物なんぞあったか?」

アニ「包丁ならあったけど…あれは人を切れるような鋭利さは持っていなかった」

意見を出して行くうちに、ここには鋭利な刃物が置いてないことがわかった。

あるとしても野菜を切るような包丁くらいだ。

それに。

ユミル「その凶器は今どこにあるんだよ」

アルミン「さっきの掃除の時に、一通り見て回ったんだけど、凶器らしきものは落ちてなかったよ」

アルミン「つまり凶器は、今もサシャを殺した犯人が持ってるってことだと思う」

朝は少ないっす

ここまで

じわじわ感がたまらない
続きを待つ

>>407あざーす

アルミン「それに包丁はもしかしたら殺人鬼の殺す道具なのかもしれない。まあここらへんはいくら推理しても多分でてこないと思う」

アルミン「ボクはどうやってサシャに近づいて殺して、何食わぬ顔で皆に合流できたかが1番重要だと思ってる」

そして朝のみんなの状況をまとめることになった。

エレン「俺は8時15分に出た」

ユミル「私はだいたい20分くらいだな。そこでエレンに後ろから声をかけた」

クリスタ「私はユミルがエレンを驚かすところぐらいのタイミングで出てきた」

その後照明が落ちた。原因は昨日の夜に明かりを付けっ放しにしていたため。このランプもそろそろ寿命だろう。

照明を付け直したところでジャンと遭遇。

ジャン「俺は8時30分に出たら真っ暗で、壁伝いにエレン達のところへむかった」

ベルトルト「僕は40分くらいに。皆を驚かせちゃったみたい」

ミカサ「私もだいたい40分だった」

ライナー「俺は45分くらいか」

アルミン「ボクもそんなもんだね」

アニ「…私は55分」

ここは予想だが、サシャが出た時間は7時~7時15分あたりだろう。

更に、シャワー時間は長くても1時間くらいだろう。そう考えると犯行時間は7時~8時15分あたりということになる。

これらの情報をまとめると、何人かは犯人候補から外れる。

アルミン「ボクとライナーとアニとミカサだ。この四人は自分がドアから出るのを見られている」

アルミン「囚人ドアも看守ドアも1度出たら夜まで戻れないからね。サシャが昨日の夜殺されたのでなければ、この四人は範囲外だ」

エレン「…ドアから出てくるのなら俺は音でユミル、目でクリスタを見てる」

ユミル「お前私に気づいてなかったろ」

アルミン「…それは単独犯だったら受け入れることができる証拠なんだ」

なるほどな。

俺とユミルが共犯なら、実際に見てなくても、ドアから出るのを見てたと言っても辻褄は合うはずだ。

エレン「だけどクリスタは俺とユミルの2人でドアから出るのを確認してるぞ」

ユミル「紛れもない事実だな」

やったのはクリスタと予想

>>410予想してくれてると嬉しいです

アルミン「…まあ複数人の確認なら除去も考えていいかな」

で、容疑者が浮き出た。

俺、ユミル、ジャン、ベルトルト。

全体的に、遅れてきたベルトルトはそこまでの疑惑はなかった。

俺も俺で疑惑がかかるのは不本意だが、サシャを殺せる可能性もないわけではないから、それは仕方ない。

…それとは関係なしに俺はやんわりとあることを聞いて見た。

エレン「なあ、殺人鬼が殺したって可能性はないんだろ?」

ミカサが少し動揺したのがわかった。ジャンは……してないな。

エレン「殺人鬼はルールによれば部屋内で殺すものだしな。わざわざ部屋の外で殺す利点がない」

アルミン「…私怨があって殺人鬼だろうとおかまいなしに殺した可能性もある。でもボクはサシャの人格的に恨まれるような人物じゃないと思う」

そこは同感だ。

あいつは恨まれるような奴ではなかった。

そして場所確認。

アルミン「シャワー室と広間を繋ぐ廊下は一本」

アルミン「シャワー室は倉庫の向かいだから、倉庫と広間を行き来するときと同じ廊下を使うことになる」

アルミン「さらに、この廊下は広間からは見え見えだ」

アルミン「つまり広間に人がいたら、廊下を通ってるとすぐバレちゃうんだ」

アルミン「またシャワー室のドアは開閉するときの音が大きいからね。倉庫か広間にいたら、音に気づくと思うんだよ」

アルミン「総合すると、サシャが殺された時間は広間にも、倉庫にも人がいなかった時間帯だ」

…だいぶ絞れてきた。

どんどん容疑者が浮かび上がってくる。

アルミン「…現時点じゃ1番怪しいのはエレンだよ」

エレン「俺が1番に起きたから目撃者もいないし、時間帯的にも殺せない時間ではないからな」

ーー容疑は俺にかかることになる。

現時点での疑いがもっとも強い人物は俺だ。

ミカサ「でもエレンは違うのでは…!」

アルミン「可能性の話だよ。それにエレンが犯人だったら、ユミルとクリスタが共犯でないといけない。なにしろこの2人はエレンのすぐ後に広間に出てきたから、エレンが単独犯だとしたらほんの少しの間でサシャを殺して広間に座って待ってることになる」

アルミン「問題はジャンとベルトルトなんだよ。目撃者がいない」

アルミン「それに、犯行時刻はこの2人が出る前よりも先だ。この2人が殺人者だとしたら」

アルミン「一回殺して、その後どこかに潜んで、そのあとみんなと合流する手順が必要になる」

アルミン「1番最適な潜伏場所はシェルターかな。あそこだったらもにたーで状況確認できるし」

そして

エレン(共犯者あり)
ジャン
ベルトルト

の容疑が濃くなった。

ゲームの進行を望んでの犯行だと考えるなら普通はベルトルトがやったとしか思えないけど
密告者に看守に殺人鬼が紛れてる事を聞いてる人間がエレン以外にいるかもしれないよな
密告者がほかの看守にも話したかどうかはわからないけど

普通に疑えばベルトルトだが、こういうのは大抵裏をかいてジャンが怪しい

>>414>>415予想してくださるのが嬉しいです。

クリスタ「あ、わたしから少しいい…?」

クリスタが恐る恐るといった感じで手を挙げる。

クリスタ「朝のランプの照明が落ちたことなんだけどね」

クリスタ「最初に照明が落ちた時に、対策として夜の間は照明を消すってルールを決めたよね」

クリスタ「だけど昨日の夜は付けっ放しだったの。それでランプがとうとうきれちゃって…今はついてるけどまたきれるのも時間の問題だと思う」

クリスタ「あ、わたしが言いたいのはこれじゃなくて…」

クリスタ「…昨日の夜、ランプを消す人は本来なら誰なの?」

…少しの間沈黙がおりる。

すると。

ベルトルト「…僕だね」

ベルトルトが手を挙げた。

>>414>>415予想してくださるのが嬉しいです。

クリスタ「あ、わたしから少しいい…?」

クリスタが恐る恐るといった感じで手を挙げる。

クリスタ「朝のランプの照明が落ちたことなんだけどね」

クリスタ「最初に照明が落ちた時に、対策として夜の間は照明を消すってルールを決めたよね」

クリスタ「だけど昨日の夜は付けっ放しだったの。それでランプがとうとうきれちゃって…今はついてるけどまたきれるのも時間の問題だと思う」

クリスタ「あ、わたしが言いたいのはこれじゃなくて…」

クリスタ「…昨日の夜、ランプを消す人は本来なら誰なの?」

…少しの間沈黙がおりる。

すると。

ベルトルト「…僕だね」

ベルトルトが手を挙げた。

2重ごめんなさい

ライナー「…そうなるとこれはエレンとベルトルトが怪しくなるな」

エレン「ベルトルトもか」

苦い顔でライナーが答える。

ライナー「…ああ。これは計画的犯行だ。要するに、照明が落ちてる時に、広間にいればいいんだろ。そうすれば怪しまれることはまずない」

ライナー「だから今日の照明が落ちたことは計画的犯行の1部だと考えられるが…ベルトルト、お前わざと照明を消すのを忘れたのか?」

ベルトルト「…わざとなわけないよ。本当に忘れてた」

アルミン「…わからなくなってきたね」

…。

ベルトルトは嘘をついている。

本当はアニだ。アニが照明を消す当番のはずだ。

もしかしたら…。

ベルトルトはアニを庇っているのか?

朝なんでここまで

サシャを殺ったのは、看守長(ゲームを見てる人)なんじゃない?そうすれば疑心暗鬼になってゲームが進みそうだし。


あとは、壁抜け(隠し通路を通って移動)出来る罪種があるとか?それで、そいつが殺したとか。

>>420ネタバレになるので言えませんが、壁抜けなどの突飛な罪種の能力はないと思います。

殺人鬼以外。

アルミン「うーん、ボクもまだ調べたいことがあるから、一回3人組で別れよっか」

ジャン「なんで3人組なんだよ」

アルミン「…ないとは思うど1人になると武器を隠しにいくとかね。さすがにそんな真似はしないと思うけど、念のため、ね」

そして3人組で別れることに。

俺、アルミン、ミカサ。

ユミル、クリスタ、ジャン。

アニ、ベルトルト、ライナー。

アルミン「じゃあ一回解散」

アルミン「で、エレン?」

エレン「…なんだ?」

アルミン「…まあキミが巨人以外を殺すわけないよね」

違う。俺は感情に任せて人を殺したことがある。

アルミンはそれを知らない。

というか誰にも言えない。特に今は。

人殺しの前科持ちというだけで疑われるには十分だ。

エレン「俺はサシャを殺してない」

アルミン「それは分かってるよ。でも」

ミカサ「だとしたら犯人がベルトルトかジャンになる」

ミカサ「私としてはどちらも人を殺すような人ではないと思う」

アルミン「意外とみんなを見てるんだね、ミカサ」

ミカサ「…それは失礼、アルミン。私だってエレン以外をたまに見る」

アルミン「ミカサは安定してるね」

まったくだ。俺を守ってくれるのはいいが、今は自分の身を心配してほしい。

エレン「で、アルミンはどう思うんだよ」

アルミン「…今は1番怪しいのはベルトルトだと思う」

ミカサ「なぜ?」

アルミン「ベルトルトが照明を落とす計画を立てて実行したなら、サシャを殺してどこかに潜んだ後、何食わぬ顔で広間に戻ることができるんだよ」

アルミン「なにしろ照明が落ちたなら倉庫に行かなければならないことは全員知ってるしね」

ここでこれを言ってみる。

エレン「なあ…本当の当番はアニだぞ」

ミカサ「?ベルトルトが手を挙げたのは?」

アルミン「…なるほど、ベルトルトは少しでもアニに疑惑がかかるのを嫌がってるんだね。たとえアニが出てくるところを全員目撃したから、サシャの殺害は不可能だとしても、照明を落とすのはアニにでも出来る」

エレン「…俺は昨日の夜の会話も含めて怪しんでいる」

アルミン「ああ…ベルトルトとライナーの会話か。確かにあの3人にはなにかしら関係がありそうだよね」

ミカサ「私はあの3人が話してるところを見たことがない」

エレン「俺もだが、あいつらは昨日、会話の中にアニの名前をしょっちゅう出していた」

アルミン「…なんだろうね。3年間過ごしてきた仲だからなにか打ち明けてくれたらいいのに」

エレン「…だな。俺もこれ以上は疑いたくない」

ミカサ「それはライナーとベルトルトを?」

エレン「いや、全員だ。俺はこの皆を疑いたくない」

ミカサ「…私も」

アルミン「…犯人探しって要するに仲間を疑うことでもあるもんね」

エレン「ああ」

ミカサ「では犯人探しはやめるの?」

エレン「それは…ダメだ。犯人をとっちめて動悸を聞く。なんで仲間を殺したんだと」

アルミン「エレン。その後は?」

エレン「…?その後?」

アルミン「そう、動悸を聞いた後。キミはサシャを殺した仲間を最終的にどうするつもりなんだい?」

考えたこともなかった。

そうだ、どうするつもりなんだ?俺は。

疑いたくないとか言っておいてこれだ。自分が馬鹿らしくなってくる。

そう考え込んでいるうちに、アルミンは周囲を調べ出した。

ちなみに俺らは囚人シェルターにいる。

ミカサ「…アルミン、こんな髪があった」

アルミン「ん?…うーん、短い…のかな?よくわからないなぁ」

そしてしばらく立つと。

アルミン「…ダメだ、ボクは探偵に向いてないみたいだ」

匙を投げやがった。

エレン「お前はどこか抜けてるからな」

アルミン「逆に抜けてなかったら人間じゃないよ」

アルミン「…ここはこんなもんでいいかな」

そして囚人シェルターから移動することになった。

ミカサ「お邪魔します」

ユミル「…おう」

倉庫に入ると、ジャン、ユミル、クリスタがいた。

…なぜかジャンだけ遠い位置にいるが。

クリスタは…握り飯を握ってるのか。

なんかクリスタが握り飯を握ってるのはあまり合わない気がする。なんか…クリスタがいいとこ育ちのお嬢様みたいだからか?

とりあえず労いの言葉をかけることにする。

エレン「炊き出しか。お疲れ」

クリスタ「あ、エレン…まあお腹が空いてたら何もできないからね」

まだクリスタの機嫌は直らないか…それにしても確かに腹は減った。

今日は何も食べてなかったからな。

エレン「悪い一つ貰うぞ」

握り飯一つに手を伸ばすと。

背中に鉄棒を押し付けられた。

なるべく冷静を努めて聞く。

エレン「…どういうつもりだよ」

ユミル「悪い…だが今は静かにしててくれ」

ミカサ「ユミル!」

ユミル「…今は容疑者の奴らが信用できねんだよ」

エレン「…ユミルも俺を疑ってんのか」

ユミル「…」

アルミン「ユミル、それを降ろして」

ユミル「…なんでお前らは平気でいられるんだよ。人1人殺しておいて平然としてる奴がここにいるんだぞ!」

…。

エレン「…なら提案がある。俺とベルトルトとジャン3人を雑居房に入れろ」

雑居房。処刑室の隣の柵がある部屋。

なんのためにあるのかわからなかったが、使用方法が今見つかった。

ユミル「…そこまでは私も…」

エレン「…俺がそうしてもらわねえと気が済まない。ジャン、いいか?」

ジャン「…構わねえよ。好きにしろ」

エレン「決まりだ。あとはベルトルトだ。握り飯の差し入れよろしく」

クリスタ「あ、う…うん」

ミカサ「エレン…」

アルミン「…なんでこうなるんだ」

…俺たちの関係に歪みが出てきた。

ここまでです

よしいい雰囲気だ(ゲスミンスマイル)

>>431その笑みこわひ

広間に戻ると。

ライナー「…」

アニ「…」

ベルトルト「…」

酷くギスギスした3人がいた。

何があったらこんなことになるかはわからなかったが、言うべきことを言おうと思い、ベルトルトに声をかける。

エレン「…ベルトルト」

ベルトルト「なに?エレン」

エレン「俺らは他の奴らにとって、脅威であるらしい。だからそこの雑居房に入るって案が出たんだがどうだ?」

俺はベルトルトがこれを断るわけないと思っていた。

だが、断りやがった。

ベルトルト「…ごめんね、遠慮する」

エレン「…は?」

ベルトルト「僕らが雑居房に入るってことは、外の人に鍵を預けることでしょ?」

それはそうだ。俺とジャンが鍵を持ってたら、中から簡単に雑居房は開く。

ベルトルト「僕はそれが嫌だ」

ベルトルト「…僕は今君たちを信用できないんだ。鍵を渡して、罪種を見られたら僕は一環の終わりだ」

…なぜこうなる。

皆が皆疑い合う。

俺が最も望まない展開。

エレン「…そうかよ…」

アルミン「なに折れてるのエレン」

後ろから刺々しい声が聞こえる。アルミンの声だが…怒声に聞こえる。

アルミン「キミは疑い合うのが嫌なんでしょ?ならベルトルトに言いくるめられてないで早く打開策を導きなよ」

アルミン「…確かにもう疑い合わねば、ゲームに勝てない状況までになっている。これが連鎖してまた殺人が起こるかもしれない」

アルミン「…だけどエレンはそれをなんとかするだけの力があるとボクは思う。エレン」

アルミン「キミの勝利条件は仲間割れを妨害し続けることだ」

アルミン「…そのためには、まずキミが仲間への疑いを捨てなきゃならないよ。ボクが言いたいことはわかる?」

…身に沁みてわかった。

アルミンは俺は疑い合うのが嫌だと言ってるくせに、疑ってる俺の矛盾を指摘してくれたんだ。

そうだ、まず皆のわだかまりをとってから。

俺はそう決めて、ベルトルト、ライナーに向きを変える。

俺が今疑ってること。それを解決しよう。そして、俺はようやく仲間割れの妨害という勝利条件への道を歩み出せる。

エレン「…ベルトルト、ライナー。俺の疑いを聞いてもらうぞ」

エレン「お前ら、鎧の巨人と超大型巨人の何を知っている?」

ライナー、ベルトルトの顔が一瞬で青ざめるのがわかる。

やはりだ、こいつらは何かを知っている。

ライナー「…なぜそう思うんだ」

エレン「お前たち、昨日2人で会話してただろ。他の人に聞かれちゃまずいような」

ベルトルトが途端苦い顔に変わった。

エレン「そこでお前らの会話から、鎧の巨人と超大型巨人の言葉が聞こえたんだよ」

エレン「なあ、この状況でなんで超大型とか鎧の話になるんだ?」

エレン「もう一度聞くが、お前たちは何を知っているんだ?」

…言いたいことは言った。

あとはこいつらの返答を待つだけ。

すると口を開いたのはベルトルトだった。

ベルトルト「…別に、なんともない会話だったよ」

エレン「本当か?」

ベルトルト「…本当だよ」

エレン「ならそれは後回しにする。次だ。ライナー、ベルトルト、アニの3人の関係性は?」

ベルトルトが慌てた様子で反論してくる。

ベルトルト「な、なんでアニが出てくるんだい?アニは僕たちと関係ないじゃないかーーー」

エレン「関係ないのに、お前らの他人に聞かれちゃまずいような会話にアニが度々出てくるのはなんでだ?」

エレン「諦めろよ、ベルトルト、ライナー。俺にお前らが会話を聞かれた時点でこうなることは決定してたんだよ」

エレン「それにこれだけでアニとお前らの関係を怪しんだわけじゃない」

エレン「昨日のランプ消しの当番、本当はアニだろ」

エレン「ベルトルト、お前は自分に疑いがもっとかかってもいいから、アニを守りたかったんだな?」

エレン「そうまでしてアニを庇う理由はなんだ?お前らはどんな関係なんだ?」

アニも絶句していた。

すると。

ベルトルト「…確かに僕はアニを庇ったけど、それがなに?僕はただ女の子を庇っただけだ」

エレン「本当かアニ。本当になんの関係もなしでベルトルトに庇ってもらったのか?」

アニ「…」

ベルトルト「なんでアニに聞くんだよ。僕が答えたじゃないか。特別な関係もなにもないって」

エレン「嘘くさいんだよ。本当に関係ないわけがないだろ」

ベルトルト「…なんで僕の言葉は信じないんだよ!」

エレン「今だけだ。お前らが何を隠してるのがわかったら俺はお前らの仲間割れの妨害をする。今だけ、お前らを疑ってるんだよ。お前らが何かを言ってくれなきゃ、な」

ベルトルト「…なんでこんなことになるんだよ」

ベルトルトの周りの空気が怪しくなる。

ベルトルト「本来なら準備が整って、壁を破壊して故郷に向かってたはずなのに、なんでだよ」

ライナー「!?ベルトルトッ!」

ベルトルト「僕はアニを守りたかっただけだ。なのにライナーからにも凄く言われるし」

ベルトルト「なにからなにまで悪循環の繰り返しだ」

ベルトルト「僕は確かに人類を大量殺害したかもしれない。でもそれは故郷に帰るためだ、仕方なかったんだ」

ベルトルト「3人で絶対帰ろうって、3人でって」

アニ「ベルトルト!」

ライナーとアニがベルトルトを抑えに入る。

俺はというと、途切れ途切れ聞こえる言葉から信じられない言葉を聞いた…。

エレン「お前…壁を破壊って言ったか?お前は…お前は何者なんだよ」

ベルトルト「…いっつもいっつも君が忌み嫌っていた巨人だよ!全ての元凶の超大型巨人だッ!」

ライナー「なっーーー!」

ベルトルトは明らかに激昂している。

俺からの質問攻めに、何かが吹っ切れたのだろう。

だからこそ思いが止まらなかった。

俺は後悔する。

そして知りたくなかった。

俺の最大の標的がーーー!

三年間過ごした、このベルトルトだということをーーーーー

ここまで

続きの想像が全くできない、気になる、乙

ベルトルト処刑まっしぐらじゃねーかw

こんなに凝ったSS久々によんだ

>>442>>443>>444レスありがとうございます

アルミン「…待ってベルトルト。キミが超大型巨人だって証拠なんかどこにもないよ。第一そんな、人が巨人になるなんて聞いたことない」

ベルトルト「証拠となる体質ならあるよ」

そう言って、ベルトルトは…ナイフをどこからともなく取り出した。

そして、自分の腕の肌を切る。

ジャン「…!」

しゅうううと奇妙な音がする。

その音はベルトルトの傷口からでていて。

その傷口は瞬く間に治っていた。

ベルトルト「これが、巨人になることができる人間が持つ体質。再生能力がある」

俺はそのベルトルトの説明を聞いて、そしてナイフを見て思うところがあった。

エレン「再生能力…おい、アニ」

エレン「お前昨日の傷跡はその再生能力で治したのかよ」

アニ「…!」

昨日、包丁で深く切った傷跡はアニの手から消えていた、

アニはその時応急処置をしなくていいって言った。

なぜか?巨人の再生能力があるから。

となると、アニも巨人ということになる。

そうか…アニとベルトルトとライナーの関係性は。

ーー3人とも巨人だということなんだ。

ジャン「…おい、ベルトルト。そのナイフはなんだよ。お前がそれでサシャを殺したのか?」

ベルトルト「だとしたら?」

ジャン「…てめぇ!」

ライナー「おいベルトルト!」

怒声があちらこちらから聞こえる。

俺はというと、母さんのことを呑気に思い出してた。

厳しかったが、俺は母さんが大好きだった。

その母さんを殺した全ての元凶が目の前にいて。

エレン「…殺す!」

アルミン「エレン!?」

看守には、囚人1人を、1日1回処刑するか解放するかを選べる。

それには生きている看守全員の鍵が必要。

エレン「ジャン、ユミル、クリスタ!鍵を寄越せ!」

クリスタ「な、なにするつもり!」

エレン「…こいつを殺す!」

アニ「!?」

もう頭には細かい考えなんかは何も浮かばない。

あるのは。

殺戮衝動だけだ。

ミカサ「エレン!やめなさい!」

クリスタとユミルの鍵をひったくるようにして、奪う。

ジャンのはーー落ちていた。

見ればジャンはベルトルトと組み争っていた。

ライナー「おいお前ら!やめろ!」

アルミン「エレン!鍵を置いて!キミは取り返しのつかないことをやろうとしているんだぞ!」

俺は黒板を操作し、囚人の処刑と書いてあるところを押した。

『誰を処刑、または解放しますか?』

処刑、でベルトルトだ。

俺はそれをーーーーー

押した。

するとけたたましく赤いランプが鳴り響き、例の防護服共が入ってきた。

黒板の画面には、『執行人が処刑を開始するまで、しばらくそのままお待ちください』と、書いてある。

執行人と呼ばれる奴らはベルトルトを羽交い締めにした。

ライナー「お、おい!ベルトルトをどうするつもりだ!」

そしてそのまま処刑室に運んで行った。

ライナー「ま…さか処刑か?誰だ?」

ライナーが俺を見る。

俺の手には処刑を下した黒板。

ライナー「…エレンッ、貴様ァ!」

ライナーがものすごい勢いで俺をぶん殴った。

悲鳴と怒声の中、俺は言葉も発することなく意識を失った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

たったこれだけですが、ここまで

ユミルが出て来た。

アルミンがボクが話すといい、ユミルに事情を話してくれた。

ユミルもさすがに驚いたようだ。

そしてミカサを待つ。

が、いつまでたっても現れなかった。

アウトの時間となる9時まであと2分とない。

俺も焦り始めた。

そして胸のざわつきが止まらなかった。

これはサシャの時と同じなのではないか。

だが、ミカサに限って寝坊なんて絶対に考えられなかった。

そして9時を過ぎた。




ーーーーミカサは来なかった。

俺たち4人でミカサを探すことにした。

俺がその提案を出した時、アルミンが、

アルミン「エレン…本気で言ってるの?」

エレン「…何がだよ」

アルミン「ミカサを探そうって、本気で言ってるの?」

アルミンの疑問の意味がわからなかった。

俺はただミカサを探そうとしか言っていない。

アルミン「エレン…現実を見て」

エレン「だから何がだよ」

ユミル「おい、エレン!おかしくなったのか?私は直接見たわけじゃねえが、アルミンから聞いてんぞ」

エレン「何を聞いたんだよ。ジャンのことか?」

アルミン「ーーーー!エレンっ!」

アルミンが怒声をあげた。

アルミン「ここに来てからエレンはどうしたんだ!らしくもない行動ばかりで、今度は現実すら直視しない!」

ユミル「お前さっきジャンの死体を安置室に運んだ時に、ロッカーに死体が増えていたのを見たかよ」

エレン「…見たよ」

ユミル「誰の死体をだ」

エレン「…俺が殺したベルトルトとライナーのだ」

アルミン「エレン、2人だけだった?」

エレン「…は?」

アルミン「あのロッカーには死体が三つ増えていたんだよ…」

アルミン「ライナー、ベルトルトが昨日あそこに入れられた。そしてボクとエレンでジャンを運んだね」

アルミン「その時三つ、死体が増えているのをキミも見たはずだ」

アルミン「ライナー、ベルトルト、ミカサの死体だ」

言葉が出ない。

アルミン「昨日、ミカサはボクと看守部屋に入る前に廊下で別れたのをボクは覚えている。だからミカサが死んだのは今日のことだーーー」

アルミンの言葉も耳に入らない。

どうやら俺は死を確認したのに逃げていたらしい。

ミカサが死んだことを俺は受け入れなかったらしい。

なんだよ。

どうなってるんだよ。

ジャンもミカサも死んだ。

ベルトルトもライナーもだ。

アニは行方不明。





プリズナーゲームが今、凄い加速力で進んでいる。

看守【1人】
囚人3人

ジャンと共にミカサの死も発見されたようです。

ここまで。

用事がひと段落したので、毎日更新しようと思います

アルミン「ミカサがなぜ殺されたか」

アルミン「ボクは殺人鬼の仕業だと思っている」

アルミン「ボクは7時ぴったりに部屋を出て、そこでジャンの死を確認。その後すぐ安置室にてミカサの死を確認」

アルミン「ミカサは7時より前に殺されて、安置室に入れられてたんだ」

アルミン「7時より前に死んでて、尚且つ安置室にも運ばれてた」

アルミン「…夜の間に殺人鬼がミカサを殺して、その遺体を防護服が安置室に運んだんだろう」

アルミン「今回の殺人鬼は殺る気まんまんみたいだね。前回の殺人鬼はなんだかんだ言って行動に移さなかった」

…看守と囚人の役割が入れ替わると、まず囚人には罪種があてがわれる。

俺は今回無実の罪だったが。

俺以外の囚人に殺人鬼がいる。

そいつが今回ミカサを殺した犯人らしい。

アルミン「そしてジャンだ。ジャンの死は謎過ぎる」

アルミン「誰かが殺したなら、ボクはその殺人者を目撃出来たはずだ」

アルミン「さっきも言ったとおり、ボクは7時ぴったりに部屋を出て、7時1分位には広間についていた」

アルミン「その短時間の間に部屋から出てジャンを殺して、ボクの目を避けてどこかに隠れるのはまずない」

アルミン「それにボクより後にクリスタ、エレン、ユミルが出て来てるから、この3人はジャンを殺した犯人じゃない」

アルミン「よって…ジャンは殺されたんじゃない」

アルミン「ジャンは自殺したんだ」

…勘弁してくれよ。

ミカサとジャンの死で、感覚が麻痺したのかもしれない。

俺は涙も出なかった。

ユミル「…マジかよ。自殺かよ」

アルミン「それ以外考えられないんじゃないかな」

ユミル「そしてミカサが殺人鬼に殺されただって?要するに私とクリスタとエレンのうち誰かがミカサを殺したって疑ってんだろ?」

アルミン「…」

沈黙で暫し静寂が訪れる。、

…ミカサ、ジャン。

なんで。

ジャンは自殺した?

なんで。

ミカサは殺人鬼に殺された?

俺の頭はその二つに支配されている。

アルミン「…どうする?このまま犯人探しをする?ボクとしては一回やめて朝ご飯を食べたい」

クリスタ「…うん、いいよ」

そう言ってクリスタが立ち上がった。

クリスタ「何か作って持ってくるね」

昨日書く前に寝落ちしてました
すんません

その後、クリスタは倉庫に食材を取りに、アルミンは何か変わったものはないか見て回ってくるといい、それぞれ離れた。

俺はと言えば、まだ広間に座っていた。

ユミル「てかこの椅子よ、昨日ライナーが散々に全て壊したのにもう取り替えられてんのな」

ユミルも広間に座っていた。

ユミル「で、エレン。何をそんな暗くなってるんだ?」

エレン「…暗くならない方がおかしくないか?仲間が何人死んだと…」

ユミル「まあな…ベルトルさんもライナーもコニーもマルコもジャンもミカサもサシャも死んだ。アニなんか行方不明だ」

…そんなに死人はいたのか。改めて聞くとかなり多い。

7人も死んでいる。アニは生死不明。

ユミル「だがよ…お前腐りすぎだろ」

エレン「…水なら毎日浴びてるよ」

ユミル「そういう意味じゃねえ。人の死をずるずる引きずって、行動も殆ど起こさなくなって」

…確かに行動をしなくなった。

ユミル「確かに辛いかもしれんが、お前はお前でやるべきことやるのが死んだ奴らの花向けだと思うんだがどうよ?」

エレン「…なんだ?励ましてくれてんのか?」

ユミル「そうだな。励ますというよりは喝を入れてる感じだが。いいか、エレン。このゲームに巻き込まれてから私たちは疑心暗鬼に陥って、ついには死人が出た」

ユミル「そんな奴らにしてやれることはなんだよ」

エレン「…俺らをこんな目に合わせた監獄長への復讐くらいしか思いつかねえよ」

ユミル「それで正解だ。ここで動かないよか全然いいだろう」

…こいつが人を励ますなんて初めて見た。

少し気分が晴れたかもしれない。

ユミル「よし、顔が明るくはなったか。じゃあ推理を始めるぞ」

エレン「いきなりかよ」

ユミル「もともとそれをするためにお前に話しかけたんだよ」

エレン「まあいいが…推理?」

ユミル「お前ミカサとジャンの死についてどう思う?」

エレン「不可解だ。なんであの2人が…」

ユミル「そこから話したらキリが無いだろ。私らで犯人を炙り出す推理をするんだよ」

エレン「…なるほど」

なんか立場逆転が起きてるような気がするんだが…。

推理を今までしてたのは俺だったはずだが。

ユミル「アルミンから2人の死がどんな死か聞いたろ。ジャンが自殺でミカサが殺人鬼に殺されただの」

エレン「…らしいな」

ユミル「そんな曇った顔すんな。こっちまで暗くなる。家族の死だから結構重いか?」

エレン「…重い。他の奴らも3年衣食住を共にしたから結構辛かったが、ミカサとはもっと長く共にしたからな。他のやつには悪いが、ミカサの死が1番辛い」

ユミル「だろうな。お前が目に涙浮かべるとか初めて見たぞ」

…は?

エレン「俺泣いてんのか?」

ユミル「自分で気づけ。色々溜まって辛かったんだろ。胸は…貸さない…が、壁に向かって泣いてこい。私の胸はクリスタ専用だ」

エレン「…こんな時くらい気にすんなよ」

ユミル「はよいけ。涙が垂れそうだ」

壁に向かって、俺は声を押し殺して泣いた。

確かに色々溜まって辛かったのかもしれない。

マルコとコニーの死から始まり、サシャが殺され、 ベルトルトを俺が殺して、ライナーがルール違反で処刑され、アニが行方不明になり、ジャンが自殺をし、ミカサが殺人鬼に殺された。

散々な有様だ。まんまとプリズナーゲームに染まっている。

…泣いて頭がスッキリした。

久しぶりに、仲間を疑うことなく会話できたのも大きなストレス解消になったのかもしれない。

というか屈託無く話せたのがとても久しぶりだ。

さて、頭がスッキリして思い浮かんだことが。

サシャは誰に殺されたんだ?

てっきりベルトルトが肌を切れる刃物を持ってたからサシャはベルトルトに殺されたのと思っていたが…。

本当にそうなんだろうか?

ベルトルトはそれについては明言をしていなかったはずだ。

考え過ぎかもしれないが…サシャの死は単純なものではないのかもしれない。

それ以外にも。

ジャンの死だ。

今まで何も考える気にならずにスルーしてたが、ジャンの死もおかしい。

なぜか、あいつの首にはあれが刺さっていたのだ。

忘れもしない、ミカサを助ける時に強盗犯を殺すのに使った包丁だ。

それは、この監獄内で殺人鬼専用のロッカーに入っていた。

それは丁度ミカサが殺人鬼になった時に手に入れた凶器であって。

…その包丁や、倉庫にあった兵団服から俺たちが狙われて攫われたこともわかった。

…まてよ、ミカサか俺が殺人鬼にならなければあの包丁は誰が持っても意味が無い物だったはずだ。

だがミカサが殺人鬼になって始めて持って、意味を成した。

…これは明確に俺かミカサが殺人鬼になるように仕組まれてたんじゃないのか?

要するに、俺らを攫った奴らは俺らの過去も洗い出しているわけか。

…そんなことが出来るやつは…。

ユミル「おい、泣き過ぎだバカ」

エレン「…」

考えが止まっちまったよバカ。

ユミル「そろそろ立ち直れ」

エレン「…あー、立ち直ったよ」

ユミル「よし、再開だ」

エレン「…おう」

ユミル「あのな、実はジャンの自殺もミカサの殺人鬼殺しもある1人の奴が関わったとなれば、そいつ1人で2人殺すことも可能なんだよ」

エレン「…?誰だよそいつ」

ユミル「アルミンだよ」

エレン「はい?」

ユミル「なんて素っ頓狂な声だしてんだ。考えてみろよ。アルミンは夜にミカサと廊下で2人になってんだ。そして朝は1番に出て来て、ジャンを目撃した。殺人する機会はアルミンにはあったんだ」

エレン「な、な…」

そんなバカな、アルミンがそんなことするはずないだろ…と声に出ない。

よく考えるとそうなのだ。

ミカサはアルミンが廊下で殺して、翌朝までに防護服が死体を回収して安置室に運んだのかもしれない。

ジャンは朝すぐにアルミンが喉にどこからか持ってきたあの包丁を指して自殺に見せかけたのかもしれない。

アルミンが1番…怪しい。

ユミル「そうは思わないか?」

エレン「そ、そうだがよ…」

ユミル「だろ?ただ、あいつは頭が良い。こんな私なんかが推理できるような簡単なボロをあいつが出してんだよ」

ユミル「それこそミカサと廊下で2人でいたなんて聞かなきゃ、そんなの考えにも入れてなかったしよ」

ユミル「私はあいつがわざと自分が怪しまれるようにしてんじゃないかって思ってんだ」

エレン「は…え?」

ユミル「私もあいつとはお前ほどじゃないが知ってる。だからあいつが人殺しをするような奴でもないことを知っている」

ユミル「…あいつは自分1人が疑われることを望んでいたんじゃないのか?」

エレン「…!」

>>500ミス

あの包丁を指して

あの包丁を刺して

ユミル「あいつは確かに頭良いが、こういうことはバカなんだよな…私らがあいつ1人を疑って誰が得するんだか」

…。

ユミル「私としてもあいつを疑いたくはないんだ」

エレン「それは…俺も同じだがよ」

ユミル「だろ。さて、そろそろクリスタ達が戻ってくるかもしれない。一回この話はやめにして…」

アルミン「た、大変だ!ジャンの遺書らしきものが…あ!」

エレン「…」

ユミル「いかにもしまった!って顔してるな…ジャン殺しとして疑われたかったんじゃないのか?」

アルミン「あ…えっと…」

めちゃくちゃ戸惑ってる。

様子からして本当に疑われたかったのかもしれない。

ただジャンの遺書が見つかった今はジャンの自殺は確定だろう。

…アルミンは頭が良いんだけどな。変に抜けてる。

今日はここまでです

そして。

アルミンはユミルの前に正座させられてた。

俺は椅子から高みの見物。

ユミル「あのなぁ、お前1人疑われることになったって何の得も発生しないぞ?」

アルミン「…でもね、ボク1人が疑われるならキミ達3人はお互い疑い合うことはなくなるんじゃない?」

ユミル「そらアルミンが怪しいってなったら、囚人同士で信用し合うしか道が無くなるけどよ」

アルミン「ボクはそれを狙ってたんだ。どうせ疑い合うならいっそボクだけが疑わればことが大きくならないんじゃないかなって」

エレン「まあ自滅で意味がなくなったけどな。馬鹿なことは考えるなよ?」

アルミン「反省してます…でもクリスタには言わないで」

エレン「なんでだ?」

アルミン「…クリスタにこのことが伝わるとユミルよりも説教されそうな気がする」

エレン「なんだそりゃ」

アルミン「いつだっけか、過去に似たような状況があったんだよ。そこでクリスタに叱られたような…気がする」

ユミル「あやふやな記憶だなおい。だけどクリスタならそこにいるぞ?」

ユミルが指差した方を見ると、クリスタが調理した食材を持っていた。

で、目に見えて怒ってるのが分かる。

クリスタ「アルミン…」

アルミン「ひぃ!」

クリスタ「ちょっとアルミン借りるね」

ユミル「どうぞ」

クリスタ「食べてて良いよ、ユミル、エレン」

エレン「お言葉に甘えまして」

アルミン「2人とも助けてよ!」

ユミル「叱られてろ。それで反省しろ」

俺とユミルが食べ終わる頃に2人は戻って来た。

クリスタ「怒って来た」

アルミン「怒られて来た」

それでアルミンとクリスタも食べ終わり、また四人で椅子に座った。

クリスタ「アルミンはもう2度とそんな行動とらないこと」

アルミン「はい」

ユミル「まあそれはそこまでで。で、犯人探しするのか?」

クリスタ「それね、アルミンと話したんだ。もしそんな殺人鬼がいるなら、自首して欲しいって」

アルミン「そう。自首して欲しいんだ。そこでその人に動機とか聞きたい。反省の色が見れるかもしれないし」

クリスタ「でも殺人鬼が自首をしちゃうと、その時点で処刑が決まっちゃうから、何も聞けないんだよね…」

エレン「ああ、それなら問題ない」

ユミル「何がだ?」

俺は天井に向かって声を出す。

エレン「聞こえてるんだろ?ルール変更の提案だ。殺人鬼が自首した後10分程の猶予をくれ。そこで全て聞き出して終わりにする」

それから3分程たつと、机の上の黒板が振動した。

黒板にはこう書かれている。

『ルール変更の通達
エレン・イェーガーの提案により、殺人鬼が自首した直後、しばらくの間猶予を与えるとする。その後執行人が処刑を行うこととする』

エレン「だとよ」

アルミン「こっちの提案は極力受け入れてくれるみたいだね」

クリスタ「これって前にもなかった?アニが個室に鍵を忘れた時…」

ユミル「そういやそうだな。その時もエレンが変更させたのか?」

エレン「結果として拷問を与えることになっちまったがな」

ユミル「お前色んなとこで暗躍してるんだな…」

その後。

アルミン「ミカサの死体は胸が滅多刺しにされた状態だった」

ミカサの死についての解析が行われた。

アルミン「ミカサは普段隙なんか見せない。そんなミカサが何度も刺されるなんて、殺人者は相当な手練れなのかもしれない」

クリスタ「でも…この四人の中でそんなこと出来る人はいないよ?」

アルミン「うん。というか全員が生き残ってても誰も出来ないと思う。だからミカサの死は殺人鬼だと断定するのもどうかと思うんだ」

…なるほど。

あのミカサを殺すのは相当な手練れだという予想が今飛び交っている。

が、違う。

俺も味わったことがある。身体が麻痺する感覚だ。

殺人鬼であったミカサに襲われそうになった1日目の夜。

あの時ミカサが来る直前、身体が硬直して動かなかった。

もしそれも殺人鬼の能力だとすると、どんな弱い力を持つものでも、ミカサを殺人することは可能だ。

だから俺はミカサの死は殺人鬼によるものだと思う。

ユミル「てかミカサよりも今はジャンの死の方が気になるんだがよ」

アルミン「ん?そうなの?」

…そういえばジャンで思い出したが、アルミンは確かジャンの遺書らしき物を見つけたんじゃなかったか?

エレン「アルミン、お前がさっき見つけて来たものってのは?」

アルミン「…あぁ、ジャンの遺書のことだね。まだボクも見てないから…皆で見ようか」

クリスタ「じゃあここに広げて、アルミン」

それは封筒に入っていた。

封筒の中には紙が1枚。

アルミン「開くよ」

ぱっと見て分かる、ジャンの字だった。

クリスタ「ジャンの…字だね」

エレン「…読んでいいか?」

アルミン「どうぞ」

『これは分かりやすくトイレに置いておくから多分誰かしらに見つかるはずだ』

エレン「トイレにあったのか?」

アルミン「うん」

『ここに俺がプリズナーゲーム中にした過ちを書く。俺は最低なことをした。

最低なこと。

これを読んでる奴が誰だかは知らねえが、サシャの死は知っているだろう。

あいつの死因は首を鋭利なナイフなんかで切り裂かれたことだ。

その鋭利なナイフは、殺人鬼に支給される包丁のことだ。

血がこびりついていたな。過去に殺人に使われた包丁なのかもしれん。

ここまで明確に殺人道具なんかわかってるんだから予想はつくだろう。

サシャは俺が殺した。』

一時中断です。

レスありがとうございます。

エレン「マ…ジかよ」

アルミン「…」

『本当最低だよな。同期を自分の手で殺すなんてよ。

動機はある。

俺はある奴を守りたかった。普段守れない奴だから余計そう思わせた。

だが「守る」ことはとても簡単なことじゃない。

優しさを捨て非情さを受け入れることが必要だ。

俺はその優しさを捨てることと非情さを受け入れることをサシャを殺すことに使った。

だが、どうだ。

俺は非情さを受け入れきれなかった。

ベルトルトがサシャを殺したと匂わせた発言をした時、殺したのは自分なのに激怒しちまった。

なんでだろうな。今でもわからん。

ただ、自分が最低だということはよく分かった。』

なんでだよ。

なんで自殺するとか淡々と吐かしてやがるんだよ。

クリスタ「…」

アルミン「残念だけど…もうジャンの願いは叶っていない。ミカサという死人が出たんだから」

…。

アルミン「…少し各々別れようか。変な気は起こさないように。1時間後にまたここに集合」

それを聞いて、ユミルとクリスタがそれぞれ別方向に歩いていく。

ここに来てから仲の良かったあの2人の会話を殆ど聞いてない気がする。

このゲームはここまで人の関係を崩してしまうものなのか。

…くそっ。

俺は特に何もする気になれず、1時間経つまで座って待った。

アルミンもどこかに移動していった。

現在までの死人は7人。

行方不明が1人。

生き残り4人。

5日目昼。




ここまでです

予想レス嬉しいです。ありがとうございます

1時間後。

俺は特に何もせずに椅子に座って時間が過ぎるのを待っていた。

そしてまた四人で座る。

アルミン「さて…やることがあまりなくなっちゃったかな?」

クリスタ「…ねぇ、皆の姿をもう一回見に行かない?」

ユミル「…皆ってのは死んだ奴のことか」

クリスタ「そう。お別れを言おう」

アルミン「そうだね…エレンもミカサに別れを告げると良いと思うよ」

エレン「…そうだな」

先ほどは受け入れたくなくてミカサの死体をまともに見れなかったが、今度こそちゃんと向き合おう。

エレン「じゃあ死体安置室に行こう」

皆各々の死体に向き合っている。

俺は順番にマルコから見て行った。

マルコの死体は…少し腐敗が進んでいた。

…罪種で死刑囚に選ばれただけで、見せつけのためだけに命を奪われたマルコ。

思い出すと吐き気がする。

必ず監獄長に復讐を果たす。

…ただ、少し気になる点が。

マルコ…にしてはそばかすが少ない気がする。

…いや、気の所為か。

マルコに別れを告げ、コニーと向き合う。

コニーの死体も同じく腐敗するが進んでいた。

コニーもマルコと同様に死刑囚に選ばれ、見せつけに殺された俺の同期であり、仲間だ。

…こいつがいただけでプリズナーゲームの進行も変わったかもしれないと思わせるようなムードメーカーだったコニー。

というか馬鹿だった。

…会話を2度と出来ないとなると本当に残念だ。

コニーにも監獄長への復讐を誓う。

…次に移る。

サシャだ。

>>526腐敗が進んでいたに変更。

俺たちの中で1番に同期に殺されたサシャ。

犯人はジャンだった。

…。

俺はサシャと最後に会話を交わしたことをまだ覚えている。

こいつはまだゲームを楽しんでいたいと言った。

それはまだ生きていたいとの意味としても捉えることができる。

俺はそれを守ることが出来なかった。

…こいつもコニーと同じくムードメーカーだったよな。

コニーの死に1番悲しんでたのもサシャだった。

同様に監獄長への復讐を誓う。

…次だ。

…ベルトルト。

こいつは俺が殺した。

ベルトルトの正体は超大型巨人だったらしい。あの人類の仇の。

俺はそれに激怒して殺した…。

我ながら馬鹿みたいだと思う。

ベルトルトが俺の前で超大型巨人になったか?

口からでまかせの可能性もあったはずだ。

今となっては何も聞けない。

…ベルトルトの死体を見てると罪悪感がとても湧く。

…すまなかった。

次のライナーに移る。

ライナーはベルトルトを処刑した俺に激怒し、その後ルール違反で殺された。

俺はライナーの死を見てない。

が、凄まじく恨まれてたのは分かる。

ライナーは鎧の巨人だったらしい。

ベルトルトと同じく真偽は不明だ。

…ライナーとベルトルトには罪悪感しかない。

俺はもう少し冷静だったならば、和解が出来たのではないか。

悔やみ、次に移る。

…ミカサだ。

唯一の家族だったミカサ。

そのミカサが今、目の前で死んでいて。

胸を滅多刺しにされ、血が服に染みている。

この監獄内にて、ミカサを守れる瞬間が出来た時、嬉しかった。

やっと、ミカサと対等になれる、と。

…だが、無残にも新しい殺人鬼に殺されてしまった。

…。

お前と今後過ごせない事に実感が持てない。

ふとした拍子に生き返るのではないかと思ってすらいる。

だが、叶わない。ミカサは死んだのだ。

誰よりも、殺人鬼、監獄長に復讐を誓い、最後に移る。

ジャン。

…ジャンの遺書にあった守りたい奴。普段守れない奴。

ミカサだろう。

現に俺の前にした推測が当たっていれば、ジャンは殺人鬼であったミカサと2回遭遇している。

俺と同じ気持ちになったのかもしれない。それでミカサを守ろうと決めたのかもしれない。

ジャンとは喧嘩ばかりの記憶しかないが、それ以外でも認めている部分が多々あった。

立体機動装置の扱いや、サシャの扱い。

…扱いばっかだな。

安らかに眠れ、ジャン。

ここの7人全員に改めて監獄長への復讐を誓う。

顔を上げると、皆もある程度別れを済ませたようだった。

エレン「…戻るか」

その後は特にめぼしいことは起きなかった。

そのまま、夜になる。

エレン「…夜だ。個室に入る時間だぞ」

アルミン「みたいだね。じゃあ、ここでお別れだね」

ユミル「そうだな。じゃあな、アルミン」

クリスタ「おやすみ」

そして3人で囚人用廊下に立つ。

ユミル「昨日のこの時間は大変だったな。気絶したエレンを私らで部屋まで運んでよ」

エレン「…あー、すまない」

クリスタ「大丈夫だよ…済んだことなんだから。今回は部屋の順番とか適当でいいんだよね?」

エレン「そうだな」

4番目のドアが開く。

結局1番目のドアが1番に開くことは1日目以来無かったな。

そして適当に5番目のドアへと入る。

エレン「じゃあな」

ユミル「あばよ」

クリスタ「おやすみー」

そして個室へと入る。

…相変わらず看守部屋と比べると鎮痙な部屋だ。

意味もなくマイクに触れてみる。

…相手の反応はない。

まあ当然だろう。看守はアルミンしかいない。たった1人の奴に五つの部屋から当たりを見つけるなんて難しいだろう。

本当に何もすることがなかったので、寝ることにする。

…。





そして、プリズナーゲームの最終日が始まる。

6日目。

朝、起きる。

…8時だ。

広間に向かう。



ユミル「おっす」

クリスタ「おはよう、エレン」

エレン「おう、おはよう」

…珍しいな、アルミンがまだ来てないだなんて。

エレン「アルミンは?」

ユミル「まだ部屋から出て来てないぞ。今日は私が1番だった」

…おい、まさか…。

クリスタ「そんなに心配しなくても大丈夫だよ、エレン。安置室には誰も増えてないから」

エレン「な、なんだ…そうだったのか。じゃあ、何で遅いんだ?」

ユミル「さあな。見当もつかんよ」

それからしばらく経って、アルミンはちゃんと出てきた。

アルミン「ごめんね、遅れた」

エレン「し、心配したぞ…」

クリスタ「どうして遅くなったの?」

アルミン「これだよ」

そう言って、紙を見せて来た。

アルミン「これからのことをまとめた紙。プリズナーゲームは10日間ある。今日は…」

ユミル「6日目だな」

アルミン「だね。あと4日だ。それで、あと4日で何するべきとか、改めて確認することとかをまとめてきたんだ」

エレン「はぁ…さすがアルミンだな」

クリスタ「結構綿密だね」

アルミン「殆ど寝ずにやったからね」

ユミル「寝なくていいのか?」

アルミン「これくらいなら大丈夫だよ。じゃあ、まずは朝ごはん食べよっか。ボクの話はそれからだ」

そしてまたクリスタが調理を始めてくれた。

簡単に朝食を済ませる。

アルミン「じゃあ…始めよっ…か」

ユミル「やっぱお前寝ろ」

クリスタ「うん…アルミンのあくびに釣られてこっちも眠くなっちゃう」

エレン「倉庫にマットがあるからそれ使えよ。昼まで寝てろ」

というわけで昼から始めることになった。

アルミン「じゃあ始めよっか!」

エレン「顔色良くなったな」

アルミン「お陰様で。まずは勝利条件を確認しようと思う…まずは10日間生き残ることだね」

ユミル「まったアルミン。その先は私から言わせてくれ」

アルミン「ん?どうぞ」

ユミル「…10日間生き残ることよりも簡単な脱出方法ならあるだろ」

ユミル「看守か囚人のどちらかが全滅することだ。今は看守はアルミンしかいないから、アルミンが死んだら私たちが生き残ることになる」

エレン「おい…ユミル?」

ユミル「んで、もうひとつ。『殺人鬼』である『私』が死ぬことだ」

アルミン「なっーーーーー!?ユミル!」

黒板が激しく振動する。

ユミル「どれどれ。何が書いてあるかね」

エレン「お…い」

ユミル「こうだそうだ」

ユミルが俺たちに向けて黒板を見せる。

『殺人鬼の自首を確認した。
ルールにより、これより10分の猶予を与える。その後、執行人が処刑を行うものとする』

ユミル「じゃあ折角猶予を貰った訳だし色々話すっかな」








ーーーユミルが殺人鬼だった。

ここまで。

明日と明後日で書き終えるかと思います

エレン「どういうことだユミル!」

ユミル「その黒板に書いてある通りだよ。殺人鬼の自首が確認されたってだけだ」

クリスタ「…」

アルミン「ユミル…ボクは」

ユミル「…確かにお前は守るって言ってくれたがよ、そうなると全員生存の可能性が減るんだよ。少ない犠牲で済むなら十分だろ?」

アルミン「…!」

エレン「…」

ユミル「アルミンとは昨日同室になってな。そこで守るだの会話したんだよ。…どうしたエレン。ミカサを殺した張本人がいるんだぞ?殺さなくて良いのか?」

エレン「…ベルトルトの時で学んだよ。それより…なんでミカサを殺したのかだけを俺は聞きたい」

ユミル「お前も冷静になったな。ミカサが私を殺せと言ったんだよ」

クリスタ「ミカサ…がそんなこと言ったの?」

ユミル「あいつ凄え自己嫌悪に囚われてたぞ。『ジャンがサシャを殺したのは私のせいだ。即ち私がサシャを殺したのに等しい』だってよ」

ユミル「私も驚いたさ。あのミカサがそんなこと言うなんてよ」

ユミル「エレンのことは良いのかって聞いたら、『エレンは私がいなくても大丈夫。それくらい強いと私が分かる』」

ミカサ…。



ミカサ『…ただ、もしこの先プリズナーゲームでなにかあるようだったら、エレンはクリスタとアルミン、そしてユミル、貴方に任せる。私はあとの四人には生き残って欲しい』

ユミル『…ジャンは?』

ミカサ『…今日死ぬと言っていた。私にはもう誰も救えない。殺人鬼というだけでエレンにもジャンにも迷惑をかけてしまった』

ユミル『…!お前が前の殺人鬼だったのか』

ミカサ『そう。そして今の殺人鬼はあなた。ユミルは私を殺す権限を持っている。ので、殺してくれて構わない』

ユミル『…私がそれを了承してお前を殺すと思うか?』

ミカサ『…信じてる』

ユミル『…そんなことで信じてるなんて言われたの始めてだよ』

ミカサ『…これ以上の会話は不毛。殺して欲しい』

ユミル『…いや、お前が抵抗する可能性もあるだろ。いくら寝っ転がってるとは言え、お前ならその状態で私を抑えることくらいできんだろ?』

ミカサ『いえ、出来ない。ユミルがこの部屋に入ってくる前に体が麻痺する感覚があった。今は手も動かせない』

ユミル『…なのになんでお前普通に話せるんだよ』

ミカサ『…さあ』

ユミル『さすが超人類…お前、本当にいいんだな?死んだ後に後悔なんて出来ねえんだぞ?』

ミカサ『重々承知している。…こんな汚れ役を被せてしまってすまない』

ユミル『…わかった。苦しいかもしれないがなるべく早く仕留めてやるよ』

ミカサ『ありがとうーーーー』






ユミル「ってわけだ」

なんだよ…それ。

その話が本当なら。

エレン「お前は…何も悪くないだろ」

ユミル「悪いだろ。人殺しだぞ」

アルミン「そんな…ミカサが…」

ユミル「今の会話は本当だからな」

クリスタ「ユミル…あなたはミカサに頼まれて殺したんでしょ?あなた自身は何も悪いことしてないじゃない!何で…何で先に言ってくれなかったの!?」

ユミル「だって言ったらお前達私の自殺を止めるだろ?何も悪くないお前が死ぬなんて許さないみたいな」

アルミン「…当然だよ」

ユミル「だからエレンにルール変更してもらった時に、猶予が出来たからその時にまとめて話そうかなと。そのあとは華々しく死んでやろうとな」

エレン「お前…これから死ぬんだぞ?なんで…」

ユミルの表情は。

エレン「笑ってられるんだよ…」

ユミル「私は既に死んだようなもんだったからな。それに死よりキツイ体験もしてるから。怖くねえんだよ」

黒板が振動する。

『10分の経過。執行人により、処刑を開始する。その場にて待機すること』

ユミル「時間のようだな」

アルミン「ユミル!」

ユミル「で、私はあの処刑具に殺されるのは勘弁なんだよ。だから私はジャンの喉に刺さってたこれを使うつもりだ」

そう言うと、血がまだこびりついてる包丁を出した。

ユミル「執行人が来る前に終わらせないとな」

ユミル「クリスタにはショックが強いかもしれないから向こう向いてろ」

クリスタ「ユミル!やめて!」

ユミル「どちんしろ命落とすことは決定してるから止めても無駄だぜ」

ユミル「じゃあな!」

どすんっと鈍い音がする。

そして口から血を噴き出すのが見える。

だが噴き出したのはユミルではない。








ーーーアルミンがユミルと包丁の間に割って入り、そのアルミンの喉には包丁が突き刺っていた。

ユミル「…は?」

アルミンが床に倒れる。

ーーーーーーーーーー。

クリスタ「アルミンっ!」

クリスタが叫ぶ。

ユミルが狼狽えている。

ユミル「…は?アルミン?なんで…いや…私が刺したのか…」

アルミンが俺たちを見て苦し紛れの声を出す。

声を出すというよりは、声を絞り出す、と表現した方が正しかったかもしれない。

アルミン「…ユ…ミル。ク……リス…タ…」

アルミン「エ……レ………」







次第に息がか細くなっていき、やがて途絶えた。

アルミンが床に倒れている。

その床に血が染み渡る。

アルミンはピクリとも動かない。

ユミルが震えている。

クリスタが泣いている。

俺は?




何も何も何も何も何も何も何も何も何も何も何も何も何も何も何も何も何も何も何も何も何も何も何も何も何も何も何も何も何も何も何も。

考えられない信じられない今目の前に広がる光景が現実のものと思えないありえないなぜなぜなぜ

俺の初めての友だち。

にして、誇れる2人の幼なじみのうちの1人。 が。

今を持ってその幼なじみ2人は帰らぬ人となっていた。



ーーーーー。

…。

気づくと俺は床に崩れていた。

執行人がやって来るが、アルミンの死体を見ても微塵も同様しない。

そのままユミルの方へ歩いて行き、肩を掴む。

が、ユミルがそれをやんわり払いのける。

ユミル「…処刑は受ける。だけどあと少し待て」

そう言って、アルミンの側に座り込む。

そしてアルミンの頭を抱え込む。

何かをアルミンに話してるみたいだ。

そして立ち上がる。

ユミル「…私は今を持って裁かれるべき人間になったな。2人も手にかけるなんて思いもしなかった」

ユミル「すまないエレン…お前の大事な奴らをな」

ユミル「…クリスタ。私もアルミンも死んじまう今ではお前とエレンしかいない。頼む…気をしっかり持ってくれ。私が言うのも…変だがな」

そして執行人に連れられ、処刑室に入る。

…見たくない。

のに目が離せない。

そしてマルコとコニーとベルトルト、ライナーが殺された処刑室にて、今度はユミルが処刑される。

黒板にその処刑の様子が表示される。

クリスタは。

何を見ているのだろう。

瞳に何も映ってないように見える。

途端黒板から凄まじい絶叫がこだまする。

とてもユミルの声とは思えない。

が、ユミルだ。

…。

俺が聞いたマルコよりもコニーよりも長い絶叫の末、声が途絶える。

俺はそれを聞き届けると、アルミンの死体と向き合った。

喉が裂けてる。

血が噴き出てる。

なのに顔は苦しそうではなかった。

そうだ。

最期、俺の名を呼んだアルミンは笑っていたんだ。

先程のユミルみたいに。

改めて問いたい。

お前らは死ぬのが怖くないのか?

怖くなかったのか?

クリスタ「…エレン」

クリスタの方を振り向く。

クリスタ「…ユミルとアルミンを運ぼうよ。私たちはそれをやる義務がある」

エレン「ああ…ああ。そうだな…」

その後2時間。

2人を安置室に運んだ。

クリスタと広間に2人で座る。

…。

俺とクリスタはプリズナーゲームの勝利が確定した。

残り1人の看守であったアルミンが死んだことと、殺人鬼であったユミルが死んだことによっての勝利だ。

ーーー喜べない。

最初はもっと楽観視してた。

コニーとマルコが死んでしまった後、全員で生きて出るのが当たり前だと思っていた。

あいつらの分まで生きようって。

結果。

残ったのはーーーー

『エレン・イェーガーとクリスタ・レンズの勝利が決定した』

クリスタ「…」

『だから、そこで待っていてね。すぐ行く』



黒板に今までなかった砕けた口調が表示されていた。

エレン「…どういうことだと思う?」

クリスタ「…おかしいね。今まで黒板にこんな砕けた口調で表示されたことなかったのに」

『そこに残った2人。安置室に移動してくれないかな?』

…。

エレン「だとさ」

クリスタ「今更何やっても変わらないよね。行こうか」

エレン「だな」

のろのろとした歩調で指定された安置室へ向かう。

が、黒板が振動した。

『この黒板を持って安置室に向かって欲しいな。説明に必要なんだ』

エレン「なんだ、動向とか全部見られてるんだな」

クリスタ「今までも…そうだったじゃない」

改めて、黒板を手に安置室へ向かった。

安置室に行くと。

マルコ「待ってたよ」

エレン「…」

クリスタ「マル…コ?」

死んだはずのマルコがいた。

マルコ「ちゃんと指示通り黒板持って来てくれたんだね。説明に使うから必要だっんだ」

マルコ「君たちは何が何だかわかってないでしょ?だから説明が必要かなと思って」

あれ、どうしたんだ。俺の頭。

思考停止が起きてるんじゃないかと錯覚するくらい何も考えつかない。

明日書き終えますね。

ではでは

マルコ「さて、生き残った者達が知ることができるプリズナーゲームの真相を明かす時間だ」

真相…?

マルコ「君たちは何で自分達がこんな理不尽なゲームに巻き込まれたかも何も分かってないでしょ?だからこれから説明するから、黙って聞いててね」

マルコが話し出す。

マルコ「君たちはこの施設についてどう思った?多分見たことのないものが多かったよね」

マルコ「例えがこの黒板。遠く離れた場所から文字をここに表示できるし、動くものも表示できる」

マルコ「これは王政が作った最新のものなんだ。これが壁内に広まれば、みんなビックリするだろうね」

マルコ「で、これを使って、君たちと連絡をとっていたんだ」

マルコ「一つづつ種明かしをしていこうか。次はこの監獄内の監視方法だ」

マルコ「アルミンが気づいてたみたいだけど、ここには『モニター』と呼ばれるものがたくさんあるんだ」

マルコ「そのモニターを通じて、僕達の元へ、君たちの監獄内での様子がわかるんだ」

マルコ「次に、なんでこのゲームが行われたかだ」

マルコ「まあそんな大した理由じゃないんだけれどね。ある人物が、長く過ごした仲間が殺し合いのゲームをすると、その関係はどうなるかを知りたいと言い出したんだ」

マルコ「ようするに人間の心理を試したいってことだ。そして、それを実行することになった」

マルコ「運良く選ばれたのは、君たち104期生だったわけだ」

マルコ「というか僕が推薦したんだけどね。だから初めから君たちが標的のゲームだったんだ」

マルコ「それにしても君たちは予想以上の結果を残してくれたよね!現に3人しか生き残りがいないわけだし!」

マルコ「主催者も大喜びだったよ。面白いものが見れたって」

マルコ「で、これはどうでもいいけど、僕がここにいる理由」

マルコ「僕は主催者の手助けをする役だったんだ。その役割はみんなを監獄内に閉じ込めること」

マルコ「わざと12人で歩いて、そこで防護服に捕まることが目的だった」

マルコ「で、1番始めに見せつけで殺されることによって、このゲームが本気だということを示すまでが僕の役割だった」

マルコ「処刑される時は、影武者を用意して、その影武者に僕の代わりに死んでもらったよ」

マルコ「コニーは本当についでに死んだんだけどね。抽選したら、死刑囚ってでたから同じように見せつけで殺した」

マルコ「んー、意外とあっさり説明終わっちゃったなぁ。まあ手短に済んだしいいか」

黙って聞いてた。

が、あまりにも意味不明すぎる。

このゲームがある人物の提案で行われて?

マルコがそいつの手助けで俺たちを攫って。

見せつけで影武者とコニーを殺して。

ーーーこんなことをする奴だっただろうか?マルコという人物は。

クリスタ「あなたは…その主催者に私たちを売ったということ?」

マルコ「まあそうだね。プリズナーゲームの実験に使わさせてもらった」

クリスタ「あなたは…なんとも思わないの?あなたも3年間過ごした仲間なんだよ?仲間が死んでいく姿を見て何も思わなかったの!?」

マルコ「うん。別に何とも思わなかった。僕は主催者に尽くせることが1番嬉しいからね。それ以外はこのプリズナーゲームに興味はなかった」

エレン「…お前洗脳されてんのか?」

マルコは王のもとで働くことを夢見て訓練をおこなってきた兵士だ。

そこを突かれて洗脳されたのかもしれない。

そう思ったのだが。

マルコ「洗脳?僕は自分の意思で従ってるだけだよ?」

ーーーわかった。

マルコは狂っていた。

マルコ「もう説明は済んだよね。じゃあここから出ようかり僕が入ってきた扉から出れるんだよ。案内するよ」

マルコがそう言って動き出すと同時にクリスタが動き出した。

そのままマルコの背後に回りーー刺した。

マルコ「が…はっ…」

マルコの身体から出る血が前にいた俺を染める。

マルコ「ク…リスタが…こ、こんな…ことする……な んてね…」

クリスタ「あ…なたは…あなたは…!みんなを…殺した…!みんなを返し…… て!」

なぜかクリスタも苦しそうにしている。

ーーー!

クリスタがマルコを刺したブレードはそのままクリスタをも貫いていた。

エレン「お、い…」

マルコ「い…やぁ、油断して…たな。ブレード…どこか…置いたま…まだったん…だっけ」

クリスタ「…エ…レン」

クリスタが笑顔で言う。

クリスタ「……好き…だ…っ、た、…よ」

そして1度ブレードを引き抜き、もう1度ブレードを自分ごと、マルコを貫いた。

さらに大量の血が降り注ぐ。

しばらくマルコとクリスタは痙攣していた。

俺はこの光景をアルミンの死と重ねていた。

アルミンもこんな風に最後動かなくなったのだ。

2人はもう死んでいた。







死んでいた死んでいた。

エレンが残った。

俺が1人生き残った。



なんで俺を1人にするんだよ。

皆帰って来てくれよ

1人佇む俺を嘲笑うかのように黒板が振動する

それを見る

『監獄長だ。予定外のマルコ君の死でこちらとしても動揺が隠せない。あれほど温厚そうだった彼女が人を殺すとは。やはり人とはわからないな』

『さて、生き残ったのはエレン・イェーガーただ1人だ。君にはこの後、自分で動いてもらうことになる』

『1番端のロッカーの壁を押すと、その奥に通路がある。そこから出られる』

『私はこの後、この実験の結果のまとめに入る。もうこの監獄は用済みだ。もうそこのモニターなども全て切る』

『これが最後の伝達になるだろう。この黒板も動かなくなる。ここから脱出したあとは自分でなんとかするといい』

『以上だ。生き残ったことを素直に褒めよう。おめでとう。そしてさよならだ』

読み終えると途端黒板が真っ黒の画面に変わった

触っても反応しない

俺は

俺は

俺は

俺は

俺は
こいつらと離れたくない

ふと気づく
そうだ ここか ら 出なけりゃおれは まだこいつらといれる じゃねえか

お れはまだ みんなとすごした いんだよ

あのころ が なつかしい
な そつぎょう もぎしけんをうかって そこから さらわれ て





ああ

ああぁぁぁぁぁ

まルコ おまえまだやりなおせるぜ

おれ がゆる
すから
またいっしょに きょじんを 駆逐
するため訓練しようぜ

なかま なんだからよ


なかま



















「ここか!」

「間違いないです。ここでした」

「片っ端から探せ!」

「うわっ…」

「食材が大量にある!」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁああっ!」

「なんだ!」

「血、血が!」

「こ、こいつ死んでる!」

「どけ!」

「この頭髪からして…スプリンガーか…?死んでる…のか。腐敗している」

「ミ、ミカサ!?」

「ジャ、ジャンも…ジャンも死んでいる!」

「おい!ライナー!起きろ、おい!」

「まさか…クリスタ!?クリスタ!」

「な…んだと…全員死んでいるのか…」

「…」

「教官!エレンが!」

「イェーガーも死んだのか…?」

「違います!エレンは生きています!」

「本当か!?イェーガー!」

エレン「!教官!」

教官「無事だったかイェーガー!」

エレン「教官!本日も訓練よろしくお願いします!」

教官「…は?」

「エレン…!凄い血の量が服に!」

エレン「どうしたんですか教官?今日は馬術からでしたっけ?おいアルミン!そうだろ?」

アルミン「…」

エレン「あ、すいません…立体機動でしたか」

教官「なにを…言っているんだ…イェーガー?」

エレン「マルコ!コニーの分まで持って来てやれ!」

「エレン…?マルコ…死んでいるぞ?」

「…エ…レン」

教官「…今すぐイェーガーを外に運び出せ!そうでない奴は他に生き残りがいないか調べろ!」

ーーーーーーーーーーーーーーー

2日後

「…どうでしたか?」

教官「お前の証言通りの施設だった」

「…エレン以外の生き残りは」

教官「…生存0だ。イェーガーも精神が…」

「私が…」

教官「お前はなにも悪くない。被害者だ」

「…はい」

教官「では私はここで退室するぞ」

「…わざわざありがとうございました」

教官「…ではな、レオンハート」

アニ「…はい」

エレン「…」

アニ「…」

エレン「どうしたんだ?そんな辛気臭い顔して」

アニ「…なんでもないよ」

エレン「おう、ならいいんだが。不調のお前に対人格闘で勝っても嬉しくないからな」

アニ「…そうだね」

エレン「それにしても皆どこ行ったんだ?俺確か皆といたはすだぞ」

アニ「…ちょっと長い旅に出たよ」

エレン「長い旅?まあ訓練に間に合えば俺はなにも言わねえがな」

アニ「ああ…そうだね」

エレン「てかここどこだ?」

アニ「…医務室だよ」

エレン「あれ?俺怪我なんかしてたっけな?」

アニ「あんたが気づかないうちに出来たんでしょ」

エレン「これで訓練休むとか不覚だな…次からは気をつけねえと」

アニ「…」

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

エレン「お、また来てくれたのか」

アニ「まあね」

エレン「毎日悪いな。俺はどこも悪くないのによ。ここから出してくれなくてな」

アニ「早く治るといいね」

エレン「だから俺はどこも悪くねえって!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーー




エレン「なあアニ…皆戻ってこなさすぎじゃないか?アニから長い旅に出たって聞いてからどれくらい経った?」

アニ「さあね」

エレン「素っ気ねえなぁ」

アニ「…」


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

それからさらに時が経った。

アニ「今日も来たよ」

エレン「おお、悪いな」

アニ「外の景色見るのは久しぶり?」

エレン「ああ、久しぶりだ。ずっと医務室に閉じ込められていたからな」

アニ「感想は」

エレン「…やっぱり壁が邪魔だよな。俺らは壁外に出るべきなんだよ。こんな監獄みたいに壁に閉じ込められた壁内じゃなくてよ…」

エレン「…?」

アニ「…どうしたんだい?」

エレン「…ああ。そうか」

アニ「?なにが」

エレン「なあアニ」






エレン「『プリズナーゲーム』って知ってるか?」

アニ「…!?」

エレン「そのゲームは残虐でよ、俺は仲間と一緒にそのゲームに参加することになったんだよな」

エレン「そこでたくさんの死とあった。正確に言うとほぼ仲間は全滅したんだ」

アニ「…なんだよ、前アニが言ってた長い旅に出たってこういうことかよ…なかなか上手い言い回しじゃねえか」

エレン「俺は…また逃げてたのか」

アニ「あんた…」

エレン「…俺以外全滅したわけじゃなかったんだな。どういうわけか、お前が俺の前に立っていてくれていることが何よりの証拠だ」

アニ「…そのことであんたに謝りたいことが…」

エレン「いや、いい。何があったかは知らないがお前が生きてるってわかっただけで十分だ」

アニ「…」

エレン「…マルコ、コニー、サシャ、ベルトルト、ライナー、ジャン、ミカサ、アルミン、ユミル、クリスタ。こいつの死から俺はずっと逃げてたわけだ」

エレン「…すまん、皆」

エレン「俺はーーーーーーーー」




アニ「エレン!」

エレン「ビックリした…アニがそんな大声あげるなんて珍しいな」

アニ「あ、ごめん…。エレン。私たちの次の代の上位10名が攫われた」

エレン「なに…?」

アニ「…どうみても過去の私たちと同じだよね。またプリズナーゲームが起こっているのかもしれない」

エレン「…また…」

アニ「それで、前に私たちがプリズナーゲームをやった場所に調べに行くらしい。攫われた奴らがいる可能性があるから」

エレン「いや、そこにはいない。監獄長がそこは用済みだって言ってた。今回の会場はそこじゃないんだろう」

アニ「…厄介なことしてくれるね。で、あんたはどうするの?」

エレン「決まってんだろ」

エレン「ーーーそいつら救って、今度こそ監獄長に復讐を果たしてやるよ」

ーーーーーーーーーーーーーーーー

アニ「で、外に出てきたけど、行く宛はあるのかい?」

エレン「いや、ない。が、見つけてやる」

アニ「…相変わらずの無計画作戦だね」

エレン「いいだろ、別に。行くぞ」

アニ「…行こうか」

エレン「攫われた10人の奴らには俺と同じ思いはしてほしくないからな。死に物狂いでゲームの会場を突き止めるぞ」

アニ「そうだね」

エレン「…よし、見てろよ皆。今度こそ絶対復讐果たしてやるからよ」






エレン「プリズナーゲームを俺の手で終わらせてやるからよ!」




ありきたりのオチですがこれで終わりです。

で、ここから原作と同じく「隠しモード」なるものをやろうかなと思います。

基本エレン視点で話が進みましたが、隠しモードで別の人物の視点から見ることができるようになるモードです。

やってみようかなと思います。

アニがなぜ生きているかや、アルミンがなんでユミルを庇うことになったのかもそこで書きたいと思います。

書くのは明日からです。

もう少しお付き合いください。

ではでは。

アルミン「ボボボボボボボボボ」

**「ウルせーヨ!お前アルみんだロ!」

アルミン「お、よくわかったね」

**「ミカさヤラいなー、ベルとるさン、アにはソンな地味な嫌がラセしねエカらな!」

アルミン「ご名答。正解した褒美にさらなる雑音をあなたのお部屋にお流しいたしましょう」

**「なんデだヨ!?」

それくらいしかすることがないから。

ボクはまんま『無実の罪』という罪種を与えられた。だから看守に逆らう意味も情報を隠す意味もない。

正直言って暇。

こんな希少な状況に巻き込まれたのにこんなつまらない役じゃ、楽しめない。

ちなみに相手はユミルだ。話し方でバレバレ。

**「なんデ黙ってんダ?」

ふむ。

アルミン「なんでもないよ。ちなみにもう一回言っておくけど、ボクの罪は無実の罪だ。さあ、あとの尋問時間は語り合おうよ」

**「

サーセン、途中送信

**「はァ?」

アルミン「そうだね、壁外について語ろう!あの素晴らしい景色を見てみたいんだ!」

**「あア?壁外?やめトケ、そんナいいモンでモネえよ」

アルミン「ん?」

**「だイタイお前壁外行きタイだなンテ」

アルミン「聞き捨てならないな!壁外はね?この狭い壁内の中では絶対見られない景色があるんだよ!」

**「うオ、アるミンに変な火をツケちまっタ!」

この後めちゃくちゃ壁外の素晴らしさをユミルに語った。

早くここから出て行きたいな!

アルミンの2日目朝

>>146あたりの時間帯

アルミン「うーん、こんなもんか」

ボクは囚人用シェルターを検分してた。

だけどロクなものがない。

いや、ロクなものすらなかった。

なんにも使えそうにないかも…

いや、囚人しか入れないという利点は結構使えるかも。看守が暴れ出した時はあそこに立てこもるとか。

それより気になる。

そこの変な画面。

ここになぜか監獄内の様子が映っているのだ。

それも絵でなく、現在進行形の形での様子が映っている。

正直感動した。

凄い技術力だ。

画面を見つめる。

…ん?エレンだ。

しかも歩き回っている。

なるほど、部屋を一つずつ見て回ってるのか。

いい心がけだと思うけど…

エレン全部の部屋見て回ってるんだよね?

ボクさっきシャンプー持ってシャワー室に入るサシャをこの画面で見たんだけど…

あ、これもにたーって言うんだ。書いてある。

…まあいい。エレンが地雷踏むのを温かい目で見てよう。

その後しっかりエレンは地雷を踏んでくれました(^q^)

うん、いい気味だ。

さて、ここにいても意味ないし一旦戻ろうかな。

どんどん人が出てきた。

アルミンの2日目夜

個室にて

>>228あたりの時間帯

**「またアルみんなノカ」

アルミン「人畜無害じゃんボク。いいじゃないか」

今日も相手はユミルだった。

となると、一つ考えが浮かぶ。

**「結局同じドあ通ったラ、同じ組み合ワセってこトでいいノカ」

ユミルも同じこと考えてたみたいだ。

アルミン「その可能性が高いよ」

**「なルホドな。ヨシ寝る」

アルミン「ねえねえ暇つぶしに何か話しようよ」

**「昨日みたいニ力説さレルと困るカラな?」

アルミン「じゃあそれはしない。それに2日連続で同じ部屋になったんだよ。運命感じてるんだから」

**「はハッ、運命なんテねえヨ」

…ふむ。

ユミルはボクにとって話しやすい内の1人だと思う。

というか気兼ねなく話せる。

ユミルの態度が柔らかく、ボクも何かと話しやすいということで結構話していた。

アルミン「じゃあまた壁外についてちょっとだけ話そう」

**「だかラ壁外はいいモンじゃねえッてば。私とシテはお前ニ壁外行って欲しクねえンダヨ」

アルミン「ん?そうなの?」

**「お前ジャ過酷な壁外でまズ間違いナク1番に命を落とス」

…なぜかユミルは壁外をさも体験したかのように語るのだ。

昨日もそうだったし。壁外について何か知ってるんだろうか?

**「まアいい、すまん今日ハ疲れタ寝る」

アルミン「うん。おやすみ」

**「じゃーナ」

…さて、部屋の組み合わせや明日のことなど考えることはいっぱいある。

折角なんだしゲームを楽しまなくちゃ。

3日目の夜、アルミンはエレンと出くわし、話しているので、隠しモードは無しです。

隠しモードはエレンが見てない部分を取り上げて見るようになってます。

時間帯にして>>445あたり

アルミン視点

…!

ジャン「おい、ライナー!エレンはもう気絶してんだ!それ以上やるんじゃねえ!」

ライナーがエレンを殴った。

物凄い勢いだった。エレンは即気絶。

ライナー「離せジャンッ!俺はこいつを!絶対許さねえ!ベルトルトをこいつは!こいつはぁぁぁぁあ!」

ライナーが激しく暴れる。

ユミル「おい、ミカサ、クリスタ、アルミン!私達もライナー止めんぞ!」

ユミルがライナーを止めに走る。

ミカサもクリスタも慌ててユミルの後をついていくが。

ボクは動けなかった。

側に倒れているエレンを見る。

エレンが。

…エレンがベルトルトを処刑した。

ーーー最悪だ。

間接的にとは言え、人殺しが全員の目の前で起こったんだ。

殺人者はエレン。

エレンが何を考えて処刑したのかはボクにはわからない。

ライナー「ベルトルト!…ベルトルト…」

ライナーが見る方向は黒板。

そこにはベルトルトの現在の様子が映っている。

ベルトルトの現在の様子は処刑中。

残酷な悲鳴がこだまする。

やがて。

黒板から悲鳴が止むと、ライナーの暴走も嘘みたいに止んだ。

ライナー「…は、はっ…なんだよ…ベルトルト死んじまったじゃないか…」

ライナーの目の色が変わっていく。

ライナー「…お前がいない世界で俺とアニにどうしろってんだよ。なあ、ベルトルト…」

ライナーがエレンに視線を落とす。

そしてこう言った。

「ベルトルトが死んだなら、俺も命をここで絶とう。どうせ俺も人類が巨人に進行される原因となった鎧の巨人なんだからな」

…。

ライナーが。

鎧の巨人だった。

ミカサ「よ…ろいの巨人?」

皆驚いている。

ボク達はここに来て凄まじい事実を叩きつけられている。

過ごして来た仲間が人類の仇で。

ベルトルトが超大型巨人で。

ライナーが鎧の巨人で。

アニも巨人らしい。

ーーーもうなにもわからない。

するとライナーが動き出す。

クリスタ「ど、…どこ行くの?」

ライナー「ベルトルトのとこだ」

アルミン「なにを…するつもり?」

ライナー「…ここの施設の物を破壊したらルール違反になるんだよな?」

ユミル「…ああ」

ライナー「ルール違反に与えられる罰は?」

ジャン「『死』だ」

ライナー「よし、それを聞けただけで十分だ」

ミカサ「ライナー!?」

ライナーが椅子を持ち上げーー

蹴る、殴るなどして椅子を破壊した。

ライナーの拳から蒸気が発生する。

ライナー「これが巨人の証拠だ。ベルトルトと同じだろ?」

ライナーはまだ椅子の破壊をやめない。

黒板が激しく振動する。

ライナー「アルミン、読んでくれ」

ライナーに黒板を投げ渡される。

読む。

アルミン「『ルール違反が確認された。違反したライナー・ブラウンの処刑が確定した。繰り返す。ルール違反が確認された。違反したライナー・ブラウンの処刑が確定した』」

ライナー「これだけのことで処刑になるんだな。お前らは気をつけろよ」

防護服がいつもよりたくさん出てくる。

椅子を破壊するライナーを抑えるための人手が必要だったのかもしれない。

が、ライナーは反抗しなかった。

ライナー「処刑は受ける。反抗なんぞするか」

…。

ライナーの処刑も決まった。

ライナー「…そうだな、ここの誰でもいい。誰かこの殺人者に伝えておけ」

ライナーがエレンを見る。

ライナー「ベルトルトを殺したという事実を心にとどめておけ。そして苦しんで生きろ、エレン・イェーガー」

ライナー「こいつに殺人がどれだけ重くのしかかるのか楽しみだな。じゃあな、お前ら」

ライナーが処刑室に運ばれて行く。

ジライナーの処刑の準備が着々と進む。

そして処刑が開始された。

ーーー瞬間!

クリスタが妙な呻き声を上げる。

見ると防護服がクリスタを気絶させていた。

ユミル「おい!クリスタ!てめえら何しやがんだ!」

ユミルの言葉を無視して、今度はミカサ、ジャンと続けて気絶させる。

ミカサとジャンは呆気にとられていたようで、反抗すらできなかった。

そしてユミルも、そしてボクも気絶させられる。

ああ、意識が遠のいて行く。

今日はここまで。

次はアルミンがエレンに手紙を書く時間帯の話。

アルミン達が気絶した場面

アニの場合

…。

皆気絶した。

だけど私はしていない。

私は倉庫に隠れていた。

そこでライナーが椅子を破壊するところも見ていた。

防護服達も全員消えた。

…ライナー、ベルトルト。

私にどうしろって言いたいんだい?

か弱い乙女1人残してどこ逝ったんだい?

…私の質問には誰も答えてくれない。

私は自分の鍵を見る。

これは囚人の鍵。

でも今は違う。

私の罪種は『脱獄囚』。

2日目の22時30分を過ぎると、私のこの鍵は、どこでも開くことができるマスターキーとなる。

ただ、マスターキーになるには条件がある。

個室での尋問時には、看守の質問には正直に答えなければならない、という制限のかかった『模範囚』だと名乗らなければならない。

個室外では、他の罪種と同じく無実の罪を名乗る。

また、『模範囚』の正体が明かされてはいけない。『模範囚』の正体を探るような質問などは沈黙か否定で答える。

上記を除き、たとえ個室の外でも看守の質問には正直に答えなければならない。

ここが重要。

これらのどれかを一つに反した行動、言動をすると、脱獄囚の権限は永久に失われる。

そして、上記の制限に反さなかった場合、22時30分にマスターキーとなる。

これは非接触でも開く鍵になったらしい。

脱獄囚の勝利条件。

それは監獄の外に出ること。

この時点で私の勝利は決まる。

私はこの監獄を出る。

ベルトルトとライナーが死んだ今、私になにか出来るとは到底思えない。

例え巨人化したとしても無駄だ。

私はあの2人がいないとなにもできないんだ。

ただ、監獄から出るだけでなにもしないわけではない。

助けを呼ぶ。ここの全員を助ける。

私にはそれしかできることが無い。

逃げだと思われるだろう。

でも私は逃げることしかできないんだ。

私が再び戻ってくる頃まで皆に生き残ってて欲しい。

その時、全てを話し、謝る。

許してくれるとは到底思えない。

だが謝るべきだ。

私はエレンを見下ろす。

…私はこいつのことが好きだった。

ミカサもクリスタもだ。

私は1人反則して、ここで気持ちを明かす。

アニ『あんたのこと、好きだった』

そして私は監獄の外に出るため歩き出す。

アニが脱出してしばらくした後。

その後。

皆目を覚ました。

まず状況確認を行った。

そして気づく。

アニが施設内のどこにもいないことに。

全員で探し回ったが見つけられなかった。この狭い監獄内に隠れる場所はない。

神隠しにあったかと疑ったくらいだ。

だがアニを探す内に夜時間になる。

ボクは急いでエレンに近況報告の手紙を書いた。

書くことがいっぱいあったが、時間がない。

急いでまとめ、気絶したままのエレンを看守部屋に運ぶ。

その時黒板が震えた。

見ると、ベルトルトの罪種で看守と囚人が入れ替わったことが書いてあった。

それをすぐさまエレンへの手紙に書く。

その後エレンをユミルとクリスタに任せ、ボクとミカサは看守の部屋に向かった。




ミカサ「エレンは大丈夫だろうか…」

アルミン「うん、そんな心配しなくてもすぐ目を覚ますよ。手紙も書いたから、戸惑うこともあまりないんじゃないかなって思う」

ミカサ「…だといい」

アルミン「そう信じようよ」

ミカサ「…アルミン。エレンは大丈夫だろうか」

…?同じ質問を2回も?

なにか深い意図があるかもしれないと思い、慎重に問い返す。

アルミン「…どういうこと?」

ミカサ「…」

ミカサ「いえ、なんでもない。変なことを聞いてすまなかった」

アルミン「…ならいいけど」

なにかミカサが怪しい様子だ。

そして看守のドアが開く。

ミカサ「アルミン、先にどうぞ」

アルミン「…うん、ありがとう。お休みミカサ。また明日」

ミカサ「お休み」




ミカサ「『また明日』」

あああああああああああああああ

複雑な事情によりこの続きが書けなくなりました

何もかも中途半端ですいません、ですがここで終わりです

ほんっとにすいません

頑張ってアニの脱獄理由は書けましたが、それ以外のを書けません

申し訳ございません

皆の心情は想像に任せますということで

もう一度、本当にすいません、これで終わりです

すいませんでした

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年04月13日 (日) 12:24:57   ID: Z7Q0zBdP

面白いっす

2 :  SS好きの774さん   2014年05月26日 (月) 19:46:59   ID: FqVGl0bL

続き早く!!

3 :  SS好きの774さん   2014年05月27日 (火) 05:55:27   ID: qVQU6l0f

期待早く書いてください!!

4 :  SS好きの774さん   2014年06月14日 (土) 22:49:33   ID: YZscGkji

最後まで書かないならor書けないなら書かないで欲しい

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