提督「戦艦釣りに行ってくるわ」 陸奥「え?」 (44)

陸奥「耳がおかしくなったのかしら?何しに行くって?」

提督「だから戦艦釣りに行ってくる」

陸奥「私がいるのに?」

提督「陸奥しかいないし、このままだと頼ってばかりになってしまうからな……」

陸奥「もう、それくらい別にいいのに」

提督「しかしだな……」

陸奥「それに……て、提督に頼りにされるのは嫌じゃないし」

コンコン

不知火『不知火です。準備が出来たので呼びに来ました』

提督「おう、今行く」

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提督「いやー、準備なんてさせて悪かったな」

不知火「いえ」

提督「それじゃあ行ってくるから陸奥は休憩してていいぞ」

陸奥「ま、待って!私も行くわ」

不知火「釣り竿は二人分しか用意してませんが」ジロ

陸奥「見てるだけだから別にいいわよ」

不知火「……………そうですか」

陸奥「ええ」ニッコリ

提督(二人とも怖い……)

陸奥「で、どうやって戦艦を釣るの?」

提督「燃料が入ってた空き缶の中に重りを入れて、それを釣り糸に括りつけるだけ」

陸奥「…………」

不知火「何か問題が?」

陸奥「……あなたよくこんなことに付き合おうと思ったわね」

提督「こんなこととか言わないで……」

不知火「ご命令ですから」

提督「別に命令じゃなかったんだけどな、なんか悪いね」

不知火「い、いえ、命令じゃなくとも不知火は……その…司令官と一緒なら……」モジモジ

提督「お……おう」テレテレ

陸奥「ふーん」ジー

不知火「…………何でしょうか」

陸奥「別に」

提督(非常に気まずい)

~30分後~

提督「釣れないなぁ」

不知火「釣れないですね」

陸奥「本当に釣れちゃったら同じ戦艦として複雑な気分になりそうだわ」

提督「そっかぁ……」

不知火「もしかして餌がいけないのでは?」

提督「なるほど……弾薬とか鋼材の方が興味あるのかね?」

不知火「今度試してみましょうか」

陸奥「……餌の問題じゃないと思うのだけれど」


~海中~

??「………?」ジー

??「…………??」クイックイッ グィッ!

提督「ん?何か手応えが」

不知火「本当ですか!」

陸奥「よくある、長靴とかタイヤが絡まったんじゃない?」

提督「で、でもなんか凄い力で引っ張られてるんだけど!」グググ

不知火「支援します!」ガバッ

提督「助かる!」

陸奥「あ!ちょっと、ずるいわよ!」ガバッ

提督「おおっ、流石艦娘」

提督「もう少しで釣りあげられそうだ……っと!」ザバァ

??「……!」ビタッ ガシッ

提督「………っ!……!!」

陸奥「て、提督の顔に何か張り付いたわ!」

不知火「だ、大丈夫ですか司令官!」

提督「っ!……っ!」ガバッ

提督「い、いったい何が」

ル級「……ルル?」

提督「戦艦ル級…の……幼体?」

ル級「ルー?」

提督「やった!戦艦だ!」

今日はここまで
不定期に更新する予定です

投下します

提督「喜びのあまり執務室に連れ帰ってしまったが、いいんだろうか」

提督「どう思う?」

ル級「……?」

提督「まぁ、可愛いしいいか」

陸奥「ところでこの子って何を食べるのかしら?」

不知火「とりあえず資材を各100ずつ取りそろえてみました」

提督「いやいや、流石に深海棲艦でもそんなもん食わんだろう」

ル級「バリバリバリバリ」

不知火「凄い勢いで鋼材が消えていってますね」

提督「そ、そんなもん食べちゃダメだ!」

ル級「ル?」

ル級「ルー!」

提督「お、怒ってる……のか?」

陸奥「もしかして好物なのかしら」

提督「好物だからといって鋼材を大量に食われるのは……」

ル級「バリバリバリバリ」

提督「やめて―!」

ル級「ル!ルルー!」

提督「俺が抑えているうちに二人とも何か他の食べ物を!」

不知火「了解しました」

陸奥「急いで持ってくるわ」

提督「さぁ、ル級ちゃん」

ル級「ルー」

提督「今二人が鋼材より美味しいものを持ってきてくれるから待ってような」

ル級「ル!」

提督「よーしよし、分かってくれたか。偉いぞー」

ル級「ル!…………モグモグ」

提督「凄くいい返事してくれたけど、こっそり食べてるよね?」

ル級「ルル?!」

提督「とりあえず鋼材は手の届かないようなところに置いておこう」

ル級「ル、ルー!」

不知火「戻りました司令官」

陸奥「無難に間宮さんのアイスを持ってきたわ」

提督「よし、早速食べさせよう」

陸奥「ほら、あーん……」

ル級「ルー……モグモグ」

不知火「どうですか?」

ル級「ルー」

提督「これは……どうなんだ?」

不知火「鋼材の方を眺めてますね」

陸奥「ま、間宮さんのアイスが負けた!?」

提督「うーん、いろいろ試してみたが結局鋼材か……」

ル級「ルー!ムシャムシャムシャムシャ」

不知火「このままだと鋼材が尽きてしまいますね」

陸奥「そう言いながら減ってきた鋼材を補充するの止めなさい」

不知火「えっ」

提督「それにしてもどれだけ食べるんだろう……それで幾つ目?」

不知火「これを食べきれば2000ですね」

陸奥「うわぁ……」

提督「鋼材以外も食べれるようだし………よし!」

ル級「ムシャムシャ……ル?」

提督「ル級ちゃん、今日の鋼材はここまでだ」

ル級「ル!?」

提督「そして明日からは200だけ俺から支給しよう」

ル級「ルー……」

提督「だけど自分で取ってきた分は別だ」

ル級「……ル?」

提督「明日からル級ちゃんにも遠征に出てもらう」

提督「だから、遠征に出て自分で取ってきた鋼材はいくらでも食べていいぞ」

ル級「ルー!」

提督「よしよし、明日から頑張ろうな」

ル級「ル!」

不知火「………思ったのですが」

陸奥「なに?」

不知火「あの子、こちらの言葉通じるんですね」

陸奥「言われてみればそうね……」

不知火「元々知ってたんでしょうか」

陸奥「さぁ?」

陸奥「さてと、そろそろ多摩たちが遠征から帰ってくる時間だし迎えに行ってくるわ」

不知火「分かりました」

不知火「…………」

続きはまた今度

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