モバP「比奈がストーカー被害にあってるですって!?」 (98)

千川ちひろ「どうもそうらしいんです」

モバP「くそっ! どこのどいつだ!?」

ちひろ「実際に姿を見た訳でもないらしいので、被害届を出せるかどうか……」

モバP「こうしちゃ居られねぇ!!」ダダッ

ちひろ「早苗さんにも相談してみないとですかねぇ」

ちひろ「とりあえず今日は文香ちゃんが心配して、比奈ちゃんのところに泊まりに行っていますけど……」

ちひろ「あれ? プロデューサーさーん……?」


ちひろ「居ない!?」

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―――

 比奈の部屋(アパート)

荒木比奈「わざわざ来てもらって、なんか申し訳ないっス」
http://i.imgur.com/smIXodN.jpg

鷺沢文香「いえ……比奈さんには日ごろ……お世話になっていますし……」
http://i.imgur.com/BJu1sU4.jpg

文香「私なんかでは、不安……かもしれません、けど」

比奈「いえいえそんな、正直、一人だと心細かったので、助かりまスよ」ニコッ

文香「……」

比奈「そうだ、何か飲み物を……文香ちゃん、何かリクエストありまスか?」

文香「……」

比奈「? 文香ちゃーん?」フリフリ

文香「ぁ……ごめんなさい、少し、考え事を……」

比奈「あはは、いいっスよ」

比奈「えーっと、コーヒーで良いっスかね? インスタントしか無いっスけど」

文香「はい、お願い、します……」

比奈「じゃ、ちょっと入れてくるっス」

文香「……」キョロキョロ

文香(本当に、漫画がいっぱい……)

文香(……他には……Tシャツがかかって……はたまけ?)

文香(……旗……巻け……?)クルクル

 ※はたまけ=働いたら負け

文香(漫画の方は……)スッ パラ

文香「」カァッ

文香(だ、男性と、女性の……裸が……)パタン

文香(こ、こっちの、黒い表紙のは、どうなんでしょう……)スッ パラ

文香「ぅ……」パタン

文香(なんか……人の死体がいっぱい描かれて……)


文香「……?」

比奈「……」ジー

文香「」

 フーフー ズズ

比奈「ふぅー」

文香「あ、あの……勝手に見てしまって……ごめんなさい……」

比奈「え? いや見る分には良いっスよ、全然。本は読むためにあるもんでスから」

文香「そう、ですね……」

比奈「ただ、文香ちゃんの表情が変わるのが面白可愛かったもんで、つい」

文香(……おもしろかわい?)

比奈「でも、少女漫画のベッドシーンで赤くなるなんて、文香ちゃんは純情っスねぇ」

文香「ああいったものは……見慣れていなくて……」

比奈「何か気に入った奴があったら貸すっスよ」

文香「良いんですか……?」

比奈「さっきも言ったっスけど、読まれてなんぼなんでスから」

文香「ありがとう、ございます」

文香「そう言えば……比奈さんは、ご自分で本を描かれているんですよね?」

比奈「そうっスねぇ。同人誌、俗に言う薄い本でスけど」

文香「同人誌……」

文香「本来……同人誌と言うのは、文学や短歌などの、同好の士が集まって作ったものだった、と、聞きました……」

比奈「あー……今はそんなに高尚な意味ではまず使われないっスねぇ」

比奈「いわゆるR-18な内容のものが多いでスし」

文香「18……その、さっき奴のような……?」

比奈「いやアレ、そんなのにも引っかからないっスよ?」

文香「……え」

比奈「あれくらいは良くありまスよ」

文香「えっと、この辺りが、その同人誌、ですか……?」

比奈「そうっスね」

文香「本当に、薄い……」スッ

比奈「――あ」

文香「……?」ペラ

文香「……綺麗な絵、ですね」

比奈「あ、そ、そうっスか?」

文香「これなら読めそう、かも……」

比奈「それは良かったっス……」

文香「著者名は……Chick……? 外国の方でしょうか……?」

比奈「あ、あはは……そうかも知れないっスねぇ」

比奈(あー、ピンポイントでそれを手に取るとは、文香ちゃん、恐ろしい子……!!)

比奈(R-18の奴、置いとかなくて良かったっス……)

 ※Chick=雛

文香「……そう言えば」パタ

文香「比奈さんのストーカー、誰か、心当たりとか……無いのでしょうか?」

比奈「んー……正直、今までそんなモテたことがないので、サッパリなんスよね」

文香「そう言われると……私もそう言ったことは……まったくでした」

文香「その、どんな感じなんですか?」

比奈「こう、1人で道を歩いてる時とか、こうやって部屋にいる時に、妙に視線を感じたり――」

文香「……」

比奈「あとは、同じような人影を視界の端に感じたり……」

比奈「まだ被害という被害はないので、アタシの気のせいかも知れないんスけどねぇ」

文香「ですが、そう何度もあるようなら……きっと何かあると、思います」

文香「二度あることは三度ある、なんて言いますけど……同じことが、何度も起こるのは……」

比奈「偶然じゃなくて、必然、ってことっスか?」

文香「はい……」

比奈「そう思うと……ホントに気持ち悪いっスね……」

文香「あ……ごめんなさい、私……わざわざ、不安になるようなことを……」

比奈「いやいや、もしホントにそうなら、気のせいで片付けたらまずいっスからねー」

比奈「それに、文香ちゃんにこうして一緒に居てもらえてよかったっス」

文香「私なんかが、お役に立てるなら……」

比奈「現在進行形でお役に立ってるから大丈夫っスよ」ギュッ

文香「ひゃ……」

比奈「えへへ、文香ちゃんが『ひゃ』って……可愛いっスねぇ」

文香「ぇ、いえ、そんな、私が可愛いなんて……」カァァ

比奈(あー、こう言うところ、似てるんスかねぇ)

比奈(……でも、文香ちゃんはどちらかと言うと綺麗系でスかねー)

比奈(綺麗系で可愛い、って……)

比奈「……なんかズルいっス」

文香「……はい?」

比奈「あ、何でも無いでス」

文香「そう、ですか……?」

香「そろそろ、お夕飯の準備、しちゃいましょうか……」

比奈「ありゃ、もうそんな時間っスか」

文香「まだ……少し、早いですけど……あとでゆっくり、出来るかな、と……」

比奈「なるほどー」

文香「比奈さんは……今のうちに、お風呂、入ってください」

比奈「え? アタシも手伝うっスよ。大したことは出来ないっスけど」

文香「これでも……叔父のお店では、食事の用意を、することもありました……ので」

文香「……お料理には、少しは自信ありますから」

文香「それに、今は……あまり暗くなってから、お風呂に入るのは……良くないかと」

比奈「んー、じゃあ、お言葉に甘えるっス」

比奈「なんか申し訳ないっスねぇ。お客さんなのに」

文香「……誰かのために、料理するのは……それはそれで、楽しいですから……」

文香「……」ショリ ショリ ショリ

文香「……ふふ♪」トン トン トン

 ドンドンドンドン

文香「」ビクッ

 ヒナー! ブジ カー!?

 ドンドンドンドンドンドンドンドンドン

文香「……今、のは……」

 ガチャッ

P「比奈!!」ガバッ

 ギューッ

文香「」

P「大丈夫だったか!? 変質者に何かされてないか!?」ギュギュー

文香「」

P「あれ? 比奈、髪、伸……びた……」

文香「」キュー

P「文香!?」

比奈「文香ちゃん、どうかしたっスか!?」ガチャッ

文香「」

P「ひっ!? 比奈、これはだ、な……」

比奈「プロデューサー!? 文香ちゃんになにしたっスか!?」

P「い、いや、コレは事故だから。コレもソレも事故なんだ!」フイッ

比奈「事故ってなんスか!? ……ソレ?」

P「ソレ」チョイチョイ

比奈「?」

文香「比奈さん……」

比奈「文香ちゃん、気が付いたんスね!?」

文香「服……着て来てください……」カァ

比奈「へ? ……あ、ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」ボッ

P「お、落ち着け比――」

 ガツンッ

P「ばがっ!?」

比奈「出てけ変態!!」

比奈「……」ツーン

P「大変申し訳ございませんでした……」

比奈「……土下座程度で許されるなんて思わないでほしいっス」

比奈「文香ちゃんを襲って、人の裸を見て……」

比奈「……もしかして、ストーカーってプロデューサーなんじゃないっスか?」

P「えっ!?」

文香「さすがに、それはないと、思い……たいです」

P「そこで希望的観測になっちゃうの!?」

文香「冗談……です」クス

P「」

文香「比奈さん……」

文香「プロデューサーさんは、すごく、比奈さんのことを……心配していました」

比奈「……」

文香「それは、もう……顔を、確認し忘れるくらい、必死に……」

比奈「ぅ……」

文香「とっても……情熱的な、抱擁……でした」ポッ

比奈「なにやってんスかあんたはぁぁぁぁ!!」ガッ

P「いやホント、気が動転してたんだって!!」

文香「でも、その抱擁……本来は……比奈さんに向けられたもの、ですよ……?」

比奈「っ!?」

比奈「……あわ、あわわ……」ボシュッ

P「比奈? 比ー奈ーー?」ハタハタ

比奈「あわわわわわわ……」プシュー

P「ダメだこりゃ」

P「文香、ストーカーがどんな奴か聞いてる?」

文香「あ……はい、一応……」

P「じゃあ、教えてくれ」

文香「えっと――」

P「ふむ、つまりほとんど解ってない、と……」

文香「そうみたい、です……すいません、お役に立てなくて……」

P「文香が悪い訳じゃないよ。もちろん比奈も」

P「そうなると、俺は外に隠れて、怪しい奴が来ないか見張ってるよ」

文香「大丈夫……なんですか?」

P「あぁ、任せておけ」

文香「比奈さん……比奈さん……」ユサユサ

比奈「にへへへへ……」ユラユラ

文香「……」ムー

文香「!……」ソー

比奈「にへへ……はっ!?」

比奈「文香ちゃん近い! 顔近いっスよ!?」

文香「あ……気付いちゃいました、ね……」

比奈「いやいやいやいや、え、えぇ!?」

文香「何度呼んでも……全然、気付いて貰えなかったので……」

比奈「あ、そ、そうっスか? 申し訳ないっス」

文香「それでは……夕飯に、しましょう?」

 モグモグ

比奈「おー、美味しいっスねぇ」

文香「ありがとう、ございます」

比奈「むしろこっちが言う方でスよ。ありがとうございまス」

 ガタンッ

比奈・文香「」ビクッ

文香「……い、今の、は……?」

比奈「ひぃっ!?」

文香「比奈さん……!?」

比奈「ま、ままま窓に、人影が!!」

文香「!」ガタッ

比奈「文香ちゃん、どこに!?」

文香「外に、プロデューサーさんが居ます。すぐに伝えないと」

文香「プロデューサーさん、どこ……?」


 マテェ!


比奈「通りの方っス! 文香ちゃん、行くっスよ!!」

文香「は、はい……!」

P「はぁ、はぁっ……大人しく、しろっ!!」

 「くそっ……なんでお前が……!」ジタバタ

比奈「プロデューサー!!」

P「比奈! 明かりを!」

比奈「はい!? え、えっと、スマフォの明かりで大丈夫っスかね……?」

 パッ

文香「え……?」

比奈「あれ……?」

P「なんだこれ……」


比奈「プロ、デューサーが……」



比奈「2人?」

P「お前、何なんだ!?」

P「なんで俺と同じ顔を!!」

 「チッ……お前がこんなに早く感づくなんて、計算外だったよ」

比奈「えっと、プロデューサーの双子の兄弟とかじゃ……」

P「残念ながら、俺は一人っ子だ!」

文香「えっと……そちらのプロデューサーさん、なんか、黒くないでしょうか……」

比奈「確かに、言われてみると……」

P「うちの社長みたいな……」


 「はは……そりゃそうさ。俺は、このPの影なんだからな」

P「……は?」

影P「俺は、お前の欲望から生まれた存在だ」

P「え、何そのファンタジー」

文香「プロデューサーさんの――」

比奈「欲望……?」

P「……仮にそうだとして、何故、比奈のストーカーになった?」

影P「はっ、分かってるんじゃないのか?」

P「――何のことだ」

影P「まぁ、白を切るつもりなら、それでも良いけどな」

P「言っておくが、俺の欲は、うちのアイドル達を輝かせ続けることだ」

比奈「プロデューサー……」ジーン

文香「……」ウルウル

影P「くっくっく……」

P「何が可笑しい」

影P「そんな物、言ってみれば表の欲望――表にさらけ出す用の欲望だろうが」

影P「俺を生んだ欲望は、人には言えない、裏の欲望だよ」

P「そんなもの、俺にはない!!」

影P「はぁ……やっぱりそうなのか……」

P「な、何が……」

影P「お前のその鉄の精神が、俺を、欲望を切り離しちまったってのに」

比奈「どういうことっスか?」

影P「あー、お前なら……理解しないまでも、柔軟に現実を受け入れそうだな」

P「比奈、聞く必要はないぞ」

比奈「変態は黙ってるっス」

P「」

文香「比奈さん……?」

影P「なんで俺が居ないのに変態扱いなんだ、お前は……」

P「うるせぇ……」シクシク

影P「あー……本来、欲望なんてものは、人間誰しも持ってるもんだろ?」

比奈「まぁ、そうっスね」

影P「そもそも、欲望があるからこそ、人間は人間なんだ」

比奈「……欲望があるからこそ、人は知恵を発達させ、文明を築いてきた……」

影P「はは、その通りだ」

比奈「で?」

影P「ところがこいつは、その欲望が自分の仕事に邪魔だからって、無理矢理抑え付けちまったのさ」

比奈「でも、今のご時世、そんな人だらけじゃないっスか?」

影P「それはそうなんだが……」

影P「普通の人間なら、適度に発散するなり、それが上手く出来ない奴は鬱になる程度で済んだんだが――」

比奈「程度って、鬱で苦しんでる人に失礼っスよ」

影P「おっと、そうだったか? こいつは失言だったな」

影P「ともかく、こいつは発散するでもなく、精神に変調をきたすでもなく、その欲望を抑え付け続け――」

影P「その結果、無自覚に俺を切り離したのさ」

比奈「人間辞めてっるっスね」

影P「こいつが何人プロデュースしてると思ってるんだ?」

比奈「……もう辞めてたっスね」

P「おい」

比奈「つまりー、あー、えーっと……あれっスか」

比奈「ドラゴンボールのピッコロ大魔王と神様みたいな関係、と」

影P「おお、なかなか良い例えが出てきたな、さすが比奈だ」

比奈「えへへ、照れるっス」

P「なんでそんな奴に褒められて照れるんだよぉ……」

比奈「あー……なんででスかねぇ?」

比奈(プロデューサーと同じ顔と声だから、なんて言えないっス……)

文香「ピッ……コロ?」

比奈「ありゃ、文香ちゃんには通じなかったっスか……あとで原作貸しまスよ」

P「そもそも、お前が俺の欲望から生まれたなんて信じられるわけがないだろ」

影P「へぇ、本当にそう思ってるのか」ニヤリ

P「な、なんだよ……」

影P「なら、ここでさらけ出してやるぜ?」

P「な……」

影P「俺は、俺のやりたいことは――」


比奈「……」ゴクリ

文香「……?」

影P「比奈と濃厚なベロチューがしたいんだよおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」

P「」

比奈「」

文香(のうこうなべろちゅー……?)

比奈「な、な、なに訳が分からないこと言ってるんスかぁぁ!?」

P「なぜお前がそれをおおぉぉぉぉぉ!?」

比奈「あってるんスか!!?」

文香(濃厚……なべ……鍋? ろちゅー……シチュー、みたいな……?)

影P「それもそんじょそこらの濃厚さじゃないぞ!!」

影P「比奈の舌、略して比奈タンをチューチュー吸ったりはみはみしたり――」

比奈「大して略されてないっスよ、それ!?」

文香(タン……ぁ)

文香「濃厚な、タンシチュー……?」

比奈「文香ちゃんが壊れた!?」

影P「さらに俺の舌で比奈の口の中をたっぷりねっとりねぶりまわしたいよおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

比奈「っ……!」プルプル

P「比奈……?」

比奈「こんな往来でそんなこと叫ぶな変態いぃぃ!!」バキッ

影P「おぶっ!?」

 比奈の部屋

比奈「さて――」

比奈「アタシが感じてた視線とか人影とか、あんたで良いんスね?」

影P「……」コクリ

比奈「何か言い残すことはあるっスか?」ゴゴゴゴゴ

影P「……」

P「な、なんで俺まで……」

比奈「そっちはそれが遺言でいいんスね」

P「良くないよ!?」

比奈「そもそも、気になってることがあるんスけど」

影P「なんだ?」

比奈「この先どうしたいんスか?」

影P「……」

P「この先って、なんだ?」

比奈「最終的な目的っスよ」

比奈「だって、1人の人間が2人に別れてるって言うのがそもそも異常っス」

比奈「見た目は確かにプロデューサーのまんまでス」

比奈「けど、プロデューサーが別にいる以上、その人そのものとして生きていく訳にもいかないと思うんスよね」

文香「もしかして……」

P「文香?」

文香「いわゆる、ドッペルゲンガーと……関係があるのかも……」

比奈「あー、あの、見ると死んじゃうって言う」

P「……えっ」

P「えっ、俺死ぬの!?」

比奈「いや分からないっスけどねー」

影P「ドッペルゲンガーってのと俺が同じかどうかは分からないが、それに似たようなことにはなるかもな」

P「マジでっ!?」

影P「欲望ってのは、生命エネルギーを生み出す要素の一つだからな」

影P「その要素が欠け落ちたお前は、他の要素で生み出す生命エネルギーが足りなくなった時に、ポックリ逝っちまうかもしれない」

P「oh……」

比奈「て事はっスよ――」

P「ん?」

比奈「1人に戻った方が良いんじゃないっスか?」

影P「そうだな。それが自然だ」

P「不自然な奴にそんなこと言われてもなー」

影P「俺の意志で切り離された訳じゃないんだから、しょうがないだろ」

文香「それで……戻る方法とかは……?」

影P「俺も色々考えたんだが……候補が2つ。いや、3つか」

比奈「言ってください」

影P「まず1つ目。俺が欲求を満たす」

P「ダメだ!!」

比奈「……ツッコミ早いっスね!」

比奈「2つ目は?」

影P「こいつが欲求を思い出す」

比奈「あれ、忘れてるんスか?」

P「いや……さっきのベロチューは覚えてる。って言うか思い出した、かな?」

P「けど、なんだろ……他にもあった気がするんだよなぁ」

影P「ああ、色々あるぞぉ」ニタァ

P「うわ、マジかー」

影P「で、3つ目」

影P「こいつが思い出した上で、その欲求を満たす」

比奈「……色々身の危険を感じるんで、大人しくくたばってもらって良いっスか、プロデューサー」

P「ひどい!?」

比奈「ま、それは流石に冗談として――」

P「ほっ」

比奈「とりあえずその欲求だか欲望だか、とっとと吐くっス」

影P「まぁ良いが……」

P「比奈……お前もしかして……」

比奈「な、なんスか……」

P「漫画のネタにしようとしてるな!?」

比奈「HAHAHA、なななな何言ってるんスかプロデューサー」プイッ

P「やっぱりか……」

比奈「良いじゃないっスかー。2人が元に戻るためって大義名分もありまスし」

影P「じゃあ行くぞ」

比奈「どうぞ」

P(なんだっけなー……忘れるって事はそんなに大したことじゃないと思うんだけど……)

文香「……」

影P「比奈とラブラブ子作りセックスしたいよおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」

 ゴシャッ

影P「ふげぁ!?」

比奈「いちいち叫ばなくて良いっス!!」

影P「いやほら、色々テンションとかリビドーとか溢れてな?」

比奈「……ちょっと待つっス」

影P「ん?」

比奈「その、プロデューサーの欲望って、性欲? で良いんスか?」

影P「ああ、そうだな」

影P「アイドルに対して劣情を抱くことが問題だ、と言う考えのもと、性欲そのものを抑えていたらしい」

比奈「問題は、まぁ間違えては居ないとおもうんスけどね……」

比奈「極端なところがプロデューサーらしいっス……はぁ」

文香「ら、ラブラブ……」プシュー

比奈(ラブラブ……は、この際置いておくっス)

比奈(子作り、つまり、中出し……?)ポヤポヤ

―――
――――――

P『比奈……俺の子供を産んでくれ……』

比奈『へ? ……あ……はい……』

P『よしっ、出すぞっ、比奈!!』

比奈『あっ……あ、あひぃぃぃぃ!!』

――――――
―――

比奈「はぅっ!?」ボッ

P「お、俺は……なんて事を……」ガクガク

影P「ラブラブなんだから良いじゃねーか」

P「良い訳あるか!!」

影P「この先のを聞いたら、マシだったって思うぜ」

比奈「あ、叫んじゃダメっスよ」

影P「っ……!!」ググッ

影P「はぁ……えーと、比奈の身体を縛りたい」

比奈・P「」

比奈「……ハイ?」

影P「胸にも上下に縄を掛けてだな、その程よい大きさの比奈っぱいを強調したい」

比奈「ひっ!?」ギュッ

比奈「あ、アタシなんか縛ったって、面白くも何ともないっスよ!?」

P「それは違うぞっ、比奈!!」

比奈「うえぇぇぇぇ!?」

P「縄を掛けた比奈はきっと――美しい」

文香「っ……!」コクコクコク

比奈「って、文香ちゃんはなんで凄い勢いで頷いてるんスか!?」

比奈「え、文香ちゃん、そう言う知識あるんスか?」

文香「はい……一応……」

比奈「そんな……少女漫画であんなに恥ずかしがってたのに……」

文香「絵とか……写真とか……そう言うのは、慣れてなくて……」

文香「活字なら、大丈夫なんですけど……」

文香「叔父秘蔵の……官能小説で、読みましたので……」

比奈「oh……」

比奈「文香ちゃんの叔父さん、そう言うのはちゃんと隠しておいてほしいっスよ……」

文香「花と蛇……名作ですよね……」

比奈「しかも鬼六!?」

文香「比奈さんは、すごく……縄が似合いそう、です……」

比奈「そ、そうっスか……」

比奈(あまり嬉しくないっスね……)

文香「ぁ……股縄とか、趣があって、良いかと……」

比奈「股縄の趣って何スか!?」

比奈「……って言うか!!」

比奈「文香ちゃんって百合なんスか!?」

文香「いえ……ちゃんと恋愛対象は、男性、ですよ……?」

比奈「そ、そうっスか……」

比奈(なんか釈然としないっス……)

影P「ふむ、股縄か……なかなか分かってるじゃないか、文香」←変態

比奈(……あれ?)

文香「そう、ですか……?」←何故かノリノリ

比奈(もしかして……)

P「縄で撮影って訳には……超ハイレグ……いや、いっそフンドシ……」ブツブツ ←元凶

比奈(味方が居ない!?)ガーン

影P「じゃあ次なー」

比奈「あ、はい」

影P「比奈に浣腸したい」

比奈「……あーもー、なんなんスか……なんなんスか……」

影P「あ、いわゆる注射器型みたいな本格的なのじゃなくて、イチジク浣腸な」

比奈「どっちだって良いっスよそんなの……」

影P「我慢する姿を眺めたいだけだし、ある程度ガマンしたらトイレは行かせてやるよ」

比奈「サイッテーっスね……」

P「……腹痛に身悶える比奈。額に光る珠の汗……」

文香「っ……なるほど……深いですね……」

比奈「イヤ深くないっスよ!?」

影P「で、中が綺麗になったところで――」

比奈「」ゾクッ

影P「アナルセックス、だよなぁ」ニヤリ

比奈「うわぁ、やっぱりっスか……」

影P「比奈の尻を下から突き上げたいなぁ」

比奈「うぅ……」

比奈(そう言うの……描いたことはあるんスけど……)

比奈(自分がやられる側になると思うと、やっぱり……)

P「比奈の……尻……」ハァ ハァ

比奈「ふぇ?」

P「比奈ぁ!!」ガバッ

比奈「落ち着くっス!!」バキッ

P「おごぉ!!」

比奈「……」

比奈「さっきからなんで、そんなプレイばっかりなんスか……」ジトー

P「」ビクッ

比奈「色々あって変態って言ってたっスけど――」

比奈「まさかここまで真性の変態だったとは思わなかったっス……」

影P「変態で何が悪い!!」

影P「人間誰しも、多少なり変態性を持ってるもんだろうが!」

P「……変態でも、良い、のか……?」

文香「……プロデューサーさん……良いんです……」ギュッ

P「文香……」


比奈「って、なんで『ちょっといい話』みたいになってるんスか!?」

比奈「あと文香ちゃんはいい加減こっち側に戻ってきた方が良いっス! 色んな意味で!」

文香「えー……」

比奈「えーって」

影P「しかし実際、こいつが比奈への劣情をガマンし続けたが為に、俺が出てきてるわけでな」

影P「とりあえずその欲求を、こいつ自身が受け入れないとダメだろ」

比奈「……そう言えばそう言う話だったっスね」

比奈「それで、思い出したんスか?」

P「まぁ、一通り……」

比奈「それじゃ目的達成って事で――」

影P「どこがだ。俺がまだ消えてないだろ」

比奈「イヤもうめんどくさいっス」

P「協力してくれるんじゃなかったのかよぉ!?」

比奈「そもそも元に戻る確証がないじゃないっスか!?」

比奈「……それなのに、処女まで賭けるなんて……」ボソボソ

比奈「……まぁ」チラ

P「ん?」

比奈「……その……」モジモジ

P「なんだ!? ヤらせてくれるのか!?」ガバッ

比奈「ひぃ!?」バシンッ

P「べらっ!!」

比奈「さ、最初の奴だけなら良いかな、とは……思ったっス……」

影P「最初って言うと……」

P「緊縛か!」

比奈「違うっスよね!?」

比奈「その……ベロチューくらいなら……」

P「えー……他のはー……?」

比奈「他は色々やばいっスよね!?」

比奈「一応アタシもまだアイドル続けたいんで、他のは……まぁ、いつか?」

P「っ!? いつかならヤって良いのか!?」

比奈「ちゃんと責任取ってくれるなら、っスけど……」

P「取る取る、取るに決まってるそんなの!!」

比奈「そ、そうっスか……あはは、なんか照れるっス……」

P「あー、来月が待ち遠しいなー」

比奈「ん? 来月?」

P「だって、5日ならヤらせてくれるんだろ?」

比奈「小学生か!! そんな訳ないっスよ!?」

P「うん知ってる。じゃあ早速するぞー、ベロチュー」

比奈「え!? 今っスか!?」

P「なんだよー、やせてくれるって言ったじゃん」

比奈「だって、今は……文香ちゃんも居るし……そいつも居るし……」

影P「俺のことは気にすんな」

文香「私のことも……居ないと思って、頂ければ……」

比奈「無理っス!!」

影P「まぁまぁ」ガシ

比奈「え」

文香「……遠慮しちゃ、ダメです……」ガシ

比奈「ちょ」

比奈「な、なんで2人して腕を押さえるんスか!?」

P「覚悟を決めろってことだ」スッ

比奈「あ、プ、プロデュ、近い、ちか――」

 チュッ

比奈「ん……んふ……」

比奈(あ、アタシの舌が……プロデューサーの舌に絡め取られるっス……)

P「ぢゅぢゅ……」

比奈(あ、アタシの唾液が……持ってかれ……)

P「んぶ……」

比奈(今度は……戻って……)

比奈(何度も……何度も……行ったり、来たり……)

比奈(もう……2人の唾液が混ざっちゃってるっス……これが、2人の、味……)

P「ちゅる……」

比奈「んっ……」

比奈(あ……舌が、吸われ……)

P「ちゅっちゅちゅっ」

比奈(あぁぁ、そんな強く吸っちゃ……)ビクビク

P「ちゅ……」カプッ

比奈「んいっ!?」ビクンッ

比奈(し、舌をっ!?)ビクンビクンッ

P「んぷはっ」

比奈「はっ……はぁ……はぁ……」

比奈「うぅ……まさか舌を噛まれるだけで、イカされるなんて……」

文香「比奈さん……」ギュッ

比奈「文香ちゃん……?」

文香「とっても……素敵でした……」トロン

比奈「そ、そうっスか?」

文香「……私も、こんな……べろちゅー? を……してみたい、です……」

比奈「出来ると良いっスね」

文香「さあ……比奈さん……」スッ

比奈「え゛」

比奈「や、ちょっと、文香ちゃん!?」

文香「大丈夫です……私、恋愛対象は……男性ですから……」

比奈「言動が合ってないっスよ!?」

影P「からかうのはそれくらいにしてやれ、文香」

比奈「……へ?」

文香「……ふふ、はい」

比奈「え?」

文香「比奈さん、途中から……プロデューサーさんに、夢中になってたので……」

影P「文香と一緒にこの悪戯を考えてた」

比奈「」

P「なんかコソコソやってると思ってたら……」

比奈「そ、そんな……夢中になんて……」ブツブツ

P「こっちはこっちで、訳分からんことにショック受けてるし……」

 数日後

比奈「なんでアレが事務所に居るんスか……」

P「俺の生き別れの双子の弟って事にして、プロデューサーやらせることにした」

比奈「大丈夫なんスか? アレって欲望の塊みたいなもんスよね?」

P「まぁ大丈夫だろ。その欲望の矛先はお前だし」

比奈「だからイヤなんスけど!?」

影P「アレ扱いは酷くね?」

影P「って言うか、俺にも比奈を担当させろよ」

P「させるわけねーだろ。例えお前が俺の欲望だとしても、比奈は俺のもんだ!」

比奈「なんスか、この訳の分からない三角関係……」

比奈「そう言えば結局元に戻らなくても大丈夫なんスか?」

影P「問題の欲望の欠落は解決したから、問題はないと思う」

影P「まぁ……前みたいに無理矢理抑え込んだら、どうなるか分からんが」

比奈「それは、たまに発散してあげることにしたんで大丈夫っス」

影P「……え?」

比奈「その……口でしてあげるんで……」

影P「……は?」

P「いやぁ~、とりあえず1回ヤってもらったんだけど、あれは素晴らしい!!」

影P「おい……比奈フェラとか、ずるいぞ、お前!?」

比奈「事務所で大声でそういうこと言うの止めるっス!!」ゴスッ

影P「ぐほっ!!」


 終わり

【ちょっと思い付いたのでおまけ】

文香「……あの」

P「んー? どうした、文香」

文香「最近……妙な視線を、感じて……」

P・影P・比奈「えっ」

比奈「……プロデューサー?」

P「い、いや、違う! 俺じゃない!!」

比奈「……じゃあ」チラッ

影P「俺でもないぞ!?」

文香「なので、また……比奈さんちに泊まっても、良いですか……?」

比奈「まぁ、それは良いっスけど……」

文香「プロデューサーさんも……」

P「ん? 俺も?」

文香「はい……また……アレを……」ボソボソ

影P「あー……また見たいのか、こいつらのベロチュー」

文香「っ……」コク

比奈「見せ物じゃないんスけど!?」


 ほんとに終わり

荒木先生の誕生日まで寝かせておこうかとも思ったんだけど、こんなSSを誕生日に投下しても荒木先生がカワイソウだなーと思って、今日投下しました

選挙? ステマ? ダイマ? 知らんよ
案の定、中間見ても荒木先生は圏外だったしなー
微課金ながらも荒木先生には全ぶっぱしてるけどな!

なんで>>1の本文のPをモバPと書いていたんだろう……
こんなミス初めてや

訂正

× モバP「くそっ! どこのどいつだ!?」
○ P「くそっ! どこのどいつだ!?」

× モバP「こうしちゃ居られねぇ!!」ダダッ
○ P「こうしちゃ居られねぇ!!」ダダッ

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