ヒストリア「ごめんね、今まで内緒にしてて…」

エレン「まあ、さすがに仕方ないと思うぜ」

ヒストリア「私は……運命は決まってないと思う」

エレン「ヒストリアもか…」

ヒストリア「うん、だって右の道、左の道のどちらに行くかだけでも運命って違ってくると思うし…左の道に行ったらお金を拾うけど、右だと強盗に襲われるかもしれない…」

ヒストリア「そう考えると、違ってくると思う。エレンの考えとは少し違うところだけど」

エレン「そっか…そうかもな」

ヒストリア「どうしたの？なにか考えてたの？」

エレン「そうだな…訓練兵のときから色々あったけど…どこかで別の行動してたらまた違った状況になってたかもって…」

ヒストリア「それは…あの３人のことを言ってるの？」

エレン「ん？ああ…それもあるんだな…いや、今はそのことじゃなくてさ」

エレン「ヒストリアとのこととか…」

ヒストリア「え…」ﾄﾞｷ

エレン「…と、ところでいつまでここに居るんだろうな…」

ヒストリア「あ、うんそうだね…あ、アルミンが本当にあぶなかったんだよね…」

エレン「ああ…あれな…もうすぐで…」

ヒストリア「………」

エレン「俺たちがやってるのはクーデターか…」

ヒストリア「うん」

エレン「あ、そういえば覚えてるか？」

ヒストリア「なにを？」

エレン「俺たちがさ、初めてしゃべった時のこと」

ヒストリア「えっと…あの資材置き場でのことが最初かな？」

エレン「ああ、おそらくな」

時は遡る…

アルミン「く…お、重い…」

エレン「大丈夫か、アルミン？」

アルミン「う、うん…平気だよ…」

エレン「ちょっとだけ手伝うよ」

アルミン「いいよ、これは僕の分なんだし」

エレン「いいって、気にするなよ。親友の手伝いをしない奴なんているかよ」

アルミン「あはは、ありがとう」

アルミン（ミカサにもそれくらい優しくしてあげたらいいのに…）

ユミル「ふあ…今日の訓練は午後から中止かよ。ま、ありがたいが」

クリスタ「教官が急に駆り出されたんだってね」

ユミル「どうだ？芋女のところに行って、なんか要求してくるか？」

クリスタ「ユミル！」

ユミル「冗談だよ、でもよとりあえず芋のところに行こうぜ」

クリスタ（どうしよう…サシャのところか…あ、そういえば今日は午後から休みだから、資材搬送を誰かがしてるはず…）

クリスタ（どっちに行こうかな…）

ユミル「クリスタ？どうした～？」

クリスタ「…」

ユミル「クリスタ～？」

クリスタ「えっと…サシャのところはやめておくね」

ユミル「どこか行くのか？」

クリスタ「別にそうじゃないけど…」

クリスタ「ほら、午後から休みなら、資材とかの搬入があるだろうし…」

ユミル「ああ、そういうことか。あんなもん男共にやらせとけよ」

クリスタ「駄目だよ、そういう考えは」

ユミル「クリスタの考えも、お人よしの考えだぞ～～～」ｸﾞﾘｸﾞﾘ

クリスタ「痛い痛い、ユミル～」

ゴト

エレン「おし、もう少しだな…あとはあのでかいのを…」

アルミン「じゃあ、僕が向こうを…あれは、クリスタ？」

エレン「ん？」

ユミル「おいおい、やっぱり先客がいるじゃねぇか」

クリスタ「あ…アルミンと…エレン？」


アルミン（く、クリスタだ…！どうしてこんなところに…）

エレン「あれ…お前ら、どうしたんだ？」

クリスタ「手伝いにきたの」

エレン「マジか、でもこういうのは男の仕事だろ？」

ユミル「ほら、あの死に急ぎ野郎もこう言ってんじゃねぇか」

エレン「誰が死に急ぎ野郎だ」

ユミル「お前のことに決まってるだろ」

エレン「てめぇ…ていうかお前、名前なんだっけ？」

ユミル「失礼な奴だな…教えるかよ」

クリスタ「ユミルだよ、この子は」

ユミル「あ、おい！クリスタ！」

エレン「サンキュー。えっと…クリスタ…だっけ？初めましてだよな？」

クリスタ「うん、初めまして、エレン」

今日はここまで、ではまた

>>1です　書いて行きますね。

クリスタ「私、向こう持つね」

アルミン「いや、いいよ。そっちは僕が…」

クリスタ「いいよ、私にも手伝わせて」

アルミン「はい」（かわいい～）


ユミル「私がやるから、クリスタは離れてろよ」

クリスタ「いいから、ユミルはアルミンを手伝ってあげて」

アルミン「あ、僕の名前…覚えててくれてるんだ」

クリスタ「うん、座学で目立ってたし…何度かお話しもしたし」

アルミン「ありがとう！」

ユミル「おい、てめぇ…」

アルミン「う…」ﾋﾞｸ

エレン「とにかく運んでしまおうぜ。クリスタ、そっち頼むな」

クリスタ「うん、わかった」


ユミル「ちっ、おいチビ、さっさと別のやつ運ぶぞ」

アルミン「アルミン・アルレルトだよ」

ユミル「知ってるっての。あれだろ？ミカサとエレンの後ろに引っ付いてる劣等生だろ？」

アルミン「…かもね…」

ユミル「なんか言い返せよ、てめぇ…」

アルミン「間違ってないからさ。でも…足手まといにだけはなるつもりはないよ」

クリスタ「ううう…」ｳﾝｼｮ　ｳﾝｼｮ

エレン「クリスタ、平気か？重そうなんだけど」

クリスタ「う、うん…まだ、大丈夫だよ」

エレン「そうか？なら、いいんだけど…」

ﾄﾞｽﾝ

クリスタ「きゃあ！」

エレン「お、おいクリスタ！…平気か！？」

クリスタ「うん…大丈夫…だと思う」

エレン「おいおい、足挟んでるじゃねぇか、とにかく医務室だな」

クリスタ「え、平気だよ、これくらい…早く運ぼうよ」

エレン「馬鹿、資材運びこそどうだっていいだろ。怪我ほっといて訓練に響いたらどうするんだ」

医務室

エレン「すいませ～ん…て誰もいないし」

クリスタ「え、エレン…ホントに大丈夫だから…」

エレン「もう、ここまで来たんだからよ。えっと湿布とかってこの辺かな…」

エレン「とにかく、ベッドに座ってくれよ」



クリスタ「う、うん…」

エレン「正直俺、こういうの全然駄目でさ…ミカサからの受売りなんだけど」

クリスタ「そっか、二人は幼馴染なんだっけ？」

エレン「ああ、アルミンと3人で幼馴染だな」

クリスタ「そっか、私ミカサと同じ部屋なんだけど…」

エレン「うん」

クリスタ「あなたのことは、たまに聞いてるよ」

エレン「どうせろくでもないことしか言ってないだろ？」

クリスタ「そうかな～？エレンは努力家って聞いたことはあるし、目標意識が強いとか…」

エレン「あいつにまだ、何一つ勝ってないからな…上から目線なんだよ、ミカサは」

クリスタ（そうかな？そんな感じじゃなかった気がするけど）

クリスタ「でも、エレンはジャンとのイザコザがあるとか、もう少し落ち着けばいいとかも聞いてるかな」

エレン「ったく…あいつは俺の母さんかよ…」

ｸﾙｸﾙ　ｸﾙｸﾙ

エレン「こんな感じかな？包帯の巻き方とか結構雑だけど…」

クリスタ「ううん、ありがとう、エレン」

エレン「いいって、気にするなよ。それより、痛みとかどうだ？」

クリスタ「うん…それ程強くないかな、大丈夫」

エレン「きつくなってきたら、医務室すぐ行けよ。脚壊したら、即開拓地に回されるだろうし…」

クリスタ「それは、困るね…」

エレン「？だろ…」

クリスタ「うん…痛くなったら、ミカサに言ってみようかな」

エレン「それいいかもな、あいつ俺よりうまいし…腹立つけど」

クリスタ「ふふ」ｸｽ

エレン「じゃ、俺は戻るけど、クリスタはしばらくここにいろよ。ユミルでも呼んでくるから…」

クリスタ「え…ホントにそんなに大した怪我じゃ…」

エレン「念のためだよ、じゃな」ﾀﾀﾀ

クリスタ「あ、行っちゃった」

クリスタ「あの人、どうしても目立つし、巨人駆逐してやるって言ってるから恐い人ってイメージがあったけど…どうなんだろう」


男子寮

アルミン「エレン」

エレン「ん？なんだ？」

アルミン「クリスタのことだけど…あれから、大丈夫だったの？」

エレン「ああ…医務室で処置してからは、ユミルに任せたからな…わかんねぇけど」

エレン「そんなに大した怪我でもないぜ」

アルミン「それはよかったね」

エレン「アルミン、クリスタのこと前から知ってたのか？」

アルミン「うん、そりゃあね」

ライナー「なんてったって、訓練兵女子の女神だからな」

エレン「なんだよ、ライナー。いきなりだな…」

ライナー「クリスタのことを語らしたら、俺の右に出る者はいないぜ」

アルミン「それ、ちょっとストーカーっぽいよ…」

エレン「好きなのか？クリスタのこと」

ライナー「もちろんだ！あ、でも内緒な」

エレン「恋愛…ねぇ」

アルミン「エレンはまだ興味ない感じかな」

エレン「別にそんなことねぇけど…まあどうでもいいな」

ジャン「ま、こいつは恋愛ができねぇ巨人ＬＯＶＥ野郎だからな」

エレン「は？」


ジャン「な、なんだよ…」

エレン「俺の母さんは巨人に殺されたんだが？」

ジャン「あ…」

エレン「今なんて言った？巨人ＬＯＶＥ野郎だと…！？」

アルミン「ジャン、君が悪いよ…エレンも落ち着いて」

ジャン「わ、悪かったよ…」

エレン「けっ…もう寝る！」


ライナー「……」

ベルトルト「………」

今日はここまでにしておきます。見てくれてる方、ありがとうございます。

>>1です。すいません、遅れました。書いて行きます。

エレン「あの時は悪いことしたな」

ヒストリア「気にしないで、私が申し出たことなんだから」

ヒストリア「手当もしてくれたじゃない」

ヒストリア「でも、あの時、資材運びに行ってなかったらって思うと、エレンと知り合うのはもっと後になってたかもしれないんだね」

エレン「確かに、そうかもな…そういう意味では運命ってわからないもんだな」

ヒストリア「うん…そうだね」

エレン（あの傷の手当がきったけかな？ヒストリアとの交流がその後も続いたんだよな…）


ヒストリア「あの手当がきっかけで、私達、交流が深くなったよね」

エレン「え…？」ﾄﾞｷ

ヒストリア「どうしたの？」

エレン（今、心の中読まれたかと思った…シンクロしたよな…）

エレン「なんでもねぇ…」

ヒストリア「そう…？」


エレン「そういや、あれから少ししてさ…街で偶然会ったよな」

ヒストリア「あ、そういえばそんなこともあったね」

遡り…休日、街

ミカサ「3人で出かけるのも、久し振り。今日は楽しもう」

アルミン「そうだね、どこへ行こうか？」

エレン「腹が減ってるから、どこかガッツリした物でも食べようぜ…て…」


クリスタ「あれ？エレン…？」

エレン「クリスタ？」

アルミン「あれ？どうして、クリスタがここに？」

ユミル「そりゃ、私と一緒にいるからに決まってるだろ」

ミカサ「クリスタ、ユミル、おはよう」


クリスタ「おはよう、もうお昼だけどね」

ユミル「おう」


アルミン「二人は何をしてたの？」

ユミル「イチャイチャしてたんだよ」

クリスタ「もう、ユミル～！…化粧道具とか見にきたんだ」

アルミン「あ、そうなんだ」（かわいいな～化粧道具なんて）


エレン「クリスタ、あれから怪我は平気か？」

クリスタ「大丈夫だよ、訓練とかにも差支えなかったし」

エレン「そう言ってる時期が一番危なかったりするからな」

ミカサ「エレン、それは自分にも言えること。エレンは自分の身体を蔑ろにし過ぎている」

エレン「な…うるせぇな、ミカサ…！俺は一刻も早く強くならないと駄目なんだよ。なんでもこなせるお前にはわかんねぇだろうけどな…！」

クリスタ「エレン、ミカサの言うとおりだよ？私を気にかけてくれるのはうれしいけど、エレンも自分を大切にしなきゃ」

エレン「うぐ…！」

アルミン「あはは、エレンの負けだね」

エレン「なんだよ、アルミンまで…！けっ！」

ユミル「つーかよ、何クリスタと仲良く話してんだ？てめぇは」

エレン「は？仲良く？なに言ってんだ？」

クリスタ「ユミル！」ｺﾞｽ

ユミル「いてっ」（頭突きするクリスタ、マジ天使）

ミカサ「…」

クリスタ「ところで、よかったら一緒に街をまわらない？みんなで」

エレン「お、いいな。そうしようぜ」

アルミン「うん、もちろんいいよ」

ミカサ「…賛成」

ユミル「しょうがねぇな…」



その夜　女子寮


クリスタ（エレン・イェーガー…死に急ぎ野郎って言われてるけど…）

クリスタ（確かにエレンは、訓練でも一生懸命だけど無茶するし、平気で調査兵団行きを志望するし…）

クリスタ（だから、ついたあだ名が死に急ぎ野郎…）

クリスタ（私は妾の子として生まれた…貴族の娘…必要のない人間として生まれた…）

クリスタ（でも、せめて誰かの役に立って死にたい…綺麗なクリスタで死んでいきたい…誰もが私が死んだ後に、クリスタはがんばったって認めてもらいたい…）

クリスタ（もしかして、エレンとは似たもの同士かな…？）


ユミル「クリスタ、どうした～」

クリスタ「ううん、なんでもないよ」

クリスタ（今日はもう寝よっかな…）

それから、しばらく経過

エレン「今日は、俺たちが掃除かよ。面倒臭いな…」

アルミン「エレン、掃除嫌いなんだね」

エレン「だって、鍛えられないだろ？こんなことなら、自主練したい」

アルミン「我慢するって精神が鍛えられるよ」


クリスタ「あれ？二人共、掃除当番？」

アルミン「あ、く、クリスタ…クリスタも掃除当番だっけ？」

エレン「どうした、アルミン？しどろもどろだぜ？」

クリスタ「？」

アルミン「な、なんでもないよ」

クリスタ「私も掃除当番なんだ」

エレン「そうなのか、よろしくな」

クリスタ「うん、よろしくね」

アルミン（き、緊張するな～うれしいけど…）

アルミン（会話とか途切れないようにしなきゃ…）

別の日

馬術訓練

クリスタ「今日もユミルと組みたいけど…しょうがないか」

エレン「あれ、クリスタ、相手いないのか？」

クリスタ「あ、エレン。うん…ユミルと組む約束だったんだけど…」

エレン「あいつどうかしたの？」

クリスタ「朝から体調悪いんだってさ…」

エレン「へー、あのユミルがね…あんまり想像できないけど…」

エレン「じゃあさ、俺と組んでくれない？」

クリスタ「いいけど…ミカサはいいの？」

エレン「あいつはおせっかいが過ぎるから、あんまり組みたくないんだよ」


クリスタ「あはは、そうなんだ」

エレン「寮でも相変わらずだろ？」

クリスタ「そうかも、エレンの話をよくしてるかな」

エレン「ったく…俺の保護者かよ、あいつは」

クリスタ「えっと、じゃあよろしくお願いします」

エレン「ああ、こちらこそ」

エレン「馬の扱い方はこんな感じであってるよな…？」

クリスタ「うん、そんな感じ。あとあんまり力んじゃ駄目だよ。馬がビックリしちゃうから…」

エレン「了解」

クリスタ「…」

エレン「…」

クリスタ（思ったよりもずっと素直だよね、エレン……）

クリスタ（ミカサは注意しても聞いてくれないって言ってたけど…）

クリスタ（どういうことだろう）

クリスタ「ねえ、エレン」

エレン「ん、なんだよ？」


クリスタ「エレンって、ミカサをどう思ってる？」

エレン「どうって…」

クリスタ「彼女の強さとか…」

エレン「ああ、そういうことか…なんていうか…涼しい顔でなんでもできるよなあいつは」

エレン「昔から、俺よりも強かったし、いまでもまだまだ追いつけてないぜ…」

エレン「そのくせ、ずっと俺の後ろをつけてまわってるんだよな…いい加減にしてほしいぜ」

エレン「いつまで、そんなことするつもりだって感じだろ…」

クリスタ「でも、大切な家族なんでしょ？」

エレン「そりゃあな、大切な家族だけど…そういう意味では一番大事だけどさ…」

クリスタ（…エレンは、ミカサにコンプレックス持ってるのかな…？）

クリスタ（それから、小さい頃からずっといるから、近すぎるんだ…）

クリスタ（だから、反発してるのかな…）

エレン「今日はいい天気だよな～」

ヒストリア「だね、気持ちいい」

エレン「日向ぼっこもいいもんだな」

ヒストリア「最近、ゆっくりできなかったもんね」


エレン「…」

ヒストリア「…」

エレン「これから、ヒストリアはもっと忙しくなりそうだな…」

ヒストリア「それはエレンもでしょ」

エレン「ははは、そうだけどさ…俺は調査兵団だし、みんなもいるし…」

ヒストリア「……」


ヒストリア「ねえ、あれ覚えてる？」

エレン「あれって？」

ヒストリア「ほら、合同演習で私達の班とエレン達の班が一緒になった時のこと…」

エレン「あの、山でも演習だな…ランニング途中で獣に襲われて…」

ヒストリア「うん、立体起動装置も外してたから、無我夢中で逃げたんだよね…」

エレン「で、みんなとはぐれたんだよな…」