晴絵「監督同士の飲み会行ってくる!」 (71)

※注意※

話の設定上、清澄高校は決勝進出

姫松高校は準決勝敗退としています

ご了承ください

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全国大会決勝前
居酒屋タカミ


ガラガラッ


晴絵「すいません、遅くなりました!」

トシ「そんな焦らなくたっていいよ」ニコッ

郁乃「赤土さんこんばんは〜」ニコニコ

雅枝「ほら晴絵ちゃん、こっちに座り!」

晴絵「赤阪さんに愛宕さんお久しぶりです」スッ

トシ「じゃあ皆揃った事だし、始めるとするかね?」


郁乃「熊倉会の開始や〜!」ニコニコ

トシ「熊倉会なんてよしとくれよ、恥ずかしい」

郁乃「何を仰いますか〜?」

雅枝「私たちは皆、トシ先生の弟子みたいなものですから…当然ですやん」

晴絵「トシさんには感謝してます」

トシ「褒めたって何も出ないよ? まあ、この飲み会くらいは私が持つけどね」

晴絵「そんな悪いですよ!」

雅枝「何だかんだ言って知らん内にいつも先生持ちやないですか? たまには私らが……」

トシ「良いんだよ、こんな年寄りに付き合ってもらってるんだから……いずれは奢ってもらうから覚悟しとくんだよ?」ニコッ

晴絵「……ありがとうございます」ニコッ

雅枝「そういう事なら!」ニカッ

郁乃「わーい! 先生ほんま大好き〜!」ニコニコ

トシ「とりあえず何か頼むとするかね?」

晴絵「そうですね」

雅枝「最初は皆ビールでええ?」

トシ「いいよ」

晴絵「はい」

郁乃「いいですよ〜」ニコニコ

雅枝「じゃあビールと何か適当に食べる物注文しますから……すいませーん!」

店員「はい」

雅枝「生中4つと、枝豆と、から揚げと、サラダと……」

晴絵(さすが大阪のオカン……テキパキしてるなぁ)

トシ「しかしこの4人が高校の監督として集まるとは思わなかったねぇ」

郁乃「特に赤土さんが監督なんてね〜」ニコニコ

雅枝(私としては赤阪が代行とはいえ監督しとるのが不思議なんやけど……)

晴絵「色々巡り合わせがありまして……でもこうして皆さんにも会えましたし、子供たちには本当に感謝しています」

雅枝「阿知賀の子らだって、晴絵ちゃんに感謝してると思うで?」

晴絵「感謝だなんて……ここまで来たのは全部あの子たちの力ですから」

郁乃「そんな事言うて〜」

トシ「あんたが監督だから、みんな頑張れたんだと思うよ? 監督として自信を持ちな!」ニコッ


晴絵「……はい!」ニコッ

店員「生中4つお待たせしましたー!」


晴絵「あっ、ありがとうございます」

トシ「お? きたね」

郁乃「わーい!」ニコニコ

晴絵「じゃあまずは乾杯しましょうか?」

トシ「乾杯の音頭は……郁乃、あんたがしてくれるかい?」

郁乃「わかりました〜」

雅枝「変な事言うなよ?」

郁乃「分かってますよ〜」ニコニコ

郁乃「まずは我らが師・熊倉先生の健康とご多幸を、そして麻雀界の益々の発展を願いまして……かんぱ〜い!」ニコニコ


トシ・晴絵・雅枝「乾杯!」


ゴクッゴクッゴキュッ


雅枝「かーっ! この為に生きてるわー!」プハー

トシ「そうと言っても過言じゃないねぇ」ニコッ

郁乃「ほんま美味しいわ〜」ニコニコ

晴絵(みんな一気でほとんど飲んでるよ……相変わらず強いなぁ)ゴクゴク

雅枝「ところで赤阪! ウチの娘たちはどうや? しっかりやっとるか?」

郁乃「もちのロンですよ〜」ニコニコ

郁乃「洋榎ちゃんは部長として皆を引っ張ってくれてますし〜」

郁乃「絹恵ちゃんもお姉ちゃんに頼りがちな所もあるけど、メキメキ力をつけてますしね〜」

郁乃「2人とも姫松には欠かせませんよ〜」ニコニコ

雅枝「そ、そうかそうか! まぁ私の娘ならそれくらいじゃなきゃアカンけどな!」アハハハ


晴絵(愛宕さんすっごい嬉しそう)

トシ(雅枝もしっかり母親してるんだねぇ)シミジミ

晴絵「でも今さらですけど、何で2人は愛宕さんのいる千里山に入らなかったんですか?」


雅枝「まぁ、理由は色々あってやな……」

雅枝「洋榎は監督が母親なんが煩わしかったんやないかな?」

雅枝「小さい時から私がプロいう事で色々言われてたみたいやし」

晴絵「色々って?」

雅枝「愛宕プロの娘やから強くて当然やぁとかな」

雅枝「後は昔からのライバルのセーラが千里山に入ったのも大きいんちゃうかな?」

雅枝「絹は凄いお姉ちゃん子やから、洋榎の後を追って姫松行ったみたいやし」

雅枝「とにかく私としても、姫松で部長やレギュラーなってくれて嬉しいわ」ゴクゴク

郁乃「でもほんまは千里山に来てくれなくて寂しいんやないですか〜?」ニコニコ

雅枝「ぜ、全然そんな事無いわ! 姪っ子の浩子が来てくれたし……それに他の子も今は実の娘の様に思ってるで!」

晴絵「私も阿知賀の皆の事は妹の様に思ってますね」

トシ「だったら私は孫の様にかねぇ? もうおばあちゃんだし」ゴクゴク

雅枝「先生はまだまだお若いですって」


郁乃(私も末原ちゃんの事は恋人の様に思ってるでぇ!)ニコニコ

雅枝「しかし今年の大会はダークホースの学校が多かったなー」

郁乃「せやね〜、清澄に、有珠山に、宮守に、10年振りの阿知賀……」

雅枝「清澄と阿知賀なんて決勝まで残るんやから、大したもんやで」

トシ「……宮守も決勝まで残るつもりだったんだけどねぇ」チラッ

郁乃「私見られても困りますよ〜、2回戦は宮永さんのさじ加減やったんですから」ゴクゴク

晴絵「あの子は凄いですよね……すれ違った時に小鍛治プロを思い出しましたよ」ガタガタ

雅枝「白糸台の宮永とは関係あるんかな? やっぱり」

トシ「あるだろうねぇ、顔も似てるし……何より麻雀を打つ時の雰囲気がソックリだよ」

トシ「一回卓を囲んでみたいねぇ」ニヤッ


郁乃(先生、昔の血が騒ぐって顔しとる……ほんま若いんやから)ニコニコ

雅枝「そういえば晴絵ちゃん、プロになるんやろ? 話聞いてるでー!」

郁乃「ほんまなん〜?」

晴絵「小鍛治さんの前では、阿知賀が優勝したらなんて大見得を切りましたけど……なるつもりです」

トシ(やっと決心がついたんだね)

雅枝「そうなるとプロの世界もまた荒れるやろうなぁ」ゴクゴク

郁乃「どうせなら熊倉先生もプロに復帰されたらどうです〜?」ニコニコ

雅枝(いらん事言うな! 私が若い頃、この人にどれだけボコられたと思っとんねん!)

トシ「アハハハ、もう体力が持ちやしないよ!」

トシ「これからは晴絵! あんたがプロの世界で中心になるんだよ!」

晴絵「精一杯頑張ります!」

トシ「……しかし私たちもあと何回こうして集まれるかねぇ?」

晴絵「先生が声をかけて下されば、すぐに皆集まりますよ!」

雅枝「そうですよ、最低でも1年に1回はこうして皆で集まってお酒でも飲みましょうよ!」

郁乃「うんうん〜! 私らは熊倉ファミリーなんやから〜!」ニコニコ

トシ「……そうだね宮守の子供たちが孫なら、あんたたちは娘……家族同然だからね?」

晴絵「先生……」ジーン

雅枝「今日はいっぱい飲んで楽しみましょう! ほら先生も!」

トシ「そうだねぇ」


ゴクッゴクッゴキュッ
わー いい飲みっぷりー!





雅枝「ゴクッゴクッ! プハーッ! もうビール空やん! じゃんじゃん持ってこんかい!」

晴絵(もう何十杯目だろう……ペース早いよこの人たち)ゴクゴク

トシ「ゴクッゴクッ……すぐ空になっちまうよ、ジョッキが普通より小さいんじゃないかい?」

晴絵(2杯目から大ジョッキですよ)

郁乃「もう1人ずつピッチャーで飲みましょうよ〜?」

雅枝「お! それええな! 店員さーん! ピッチャー4つお願いしますー!」

晴絵「いや、私はそろそろウーロン茶で……」アセアセ


雅枝「何一番若いハルちゃんが遠慮しとんねん! ババァが奢ってくれる言うんやから、吐くまで飲まんかい!」


晴絵「ちょ!?(ババァって!)」

トシ「ちょっとちょっとー! 誰がババァなのさー! 私はまだまだ若いよ! アハハハ!」

雅枝「ゴメーン! トシちゃん! ちょっとした冗談やーん! アハハハ!」

郁乃「雅枝ちゃんはオモロイな〜! アハハ〜!」ニコニコ


晴絵(3人ともかなり酔ってきてる……私もだけど)フラフラ

雅枝「アハハハ!……ちょっとトイレしてくるわ」ヨッコイショ

郁乃「なあなあ! 大っきい方なーん! 大なーん!?」ケタケタ

雅枝「おう! ダイの大冒険してくるでー! アハハハ!」

郁乃「アハハハ! アバンストラーッシュ! アハハハ!」ケタケタ


晴絵(子供かあんたらは!)

トシ「そういやビールばっかりで全然食べてないじゃないか?」

郁乃「あ! そうでしたねー!」ケタケタ

トシ「先に食べておかないと、空きっ腹にビールはすぐ酔っちゃうからね?」

晴絵(もう遅いよ!)

トシ「雅枝はから揚げ好きだよねぇ、私も大好きだよから揚げは」スッ


レモンブシャア!


晴絵(あっ……)

トシ「うーん、レモンの酸味がアクセントになって美味しいねぇ!」モグモグ

雅枝「ただいまーっと……お? トシちゃんから揚げ食べとるやん! ええなー!」ジュルリ

トシ「いっぱいあるから雅枝も食べな? 美味しいよ」モグモグ

雅枝「お腹のもん出してきたからなー! 食うでー! めっちゃ食うでー!」

雅枝「から揚げちゃんいただきます!」パクッ

雅枝「……」モグモグ

トシ「ここのから揚げなかなか美味しいだろぉ? アハハハ」モグモグ


雅枝「……」

雅枝「……レモンかかっとるやん」


晴絵(やっぱり……)

雅枝「レモンかけたの誰や? 赤土、お前か?」

晴絵「い、いえ!(怖えー!)」

雅枝「赤阪……貴様か?」

郁乃「私ちゃうよ〜、エヘヘへ」ニコニコ

トシ「私だけど雅枝……何かまずかったかい? レモンかけた方が脂っこさが減って沢山食べられるだろ?」

雅枝「別にレモンかけて食べるのは問題無いけどな……何勝手に大皿のから揚げ全部にかけとんねん」

雅枝「人それぞれ食べ方ってものがあるやろ? 」

雅枝「私はまず何もつけないでから揚げを食べるのが好きなんや!」

雅枝「終盤口の中がから揚げの脂でくどくなってきた所に、レモンをサッとかけたから揚げを食べる!」

雅枝「それが愛宕流のから揚げの食べ方なんや!」


郁乃(リアルアラフォーのオバハンがから揚げの食べ方について熱く語っとるわ)ニコニコ

晴絵「せ、先生も悪気があった訳じゃなくて……」アセアセ

雅枝「ウチと何年の付き合いやねん! とうとうボケたんちゃうかババァ!?」


トシ「……」プツッ


晴絵「愛宕さん、ちょっと抑えて!」

トシ「……すまなかったねぇ? レモンをかけた方が太らない食べ方だって聞いたものだから」

トシ「あんたも年をとってきたのか、腹回りとかダルンダルンで酷いだろ? だから余計なお節介しちまったよ」

トシ「本当に悪い事したねぇ、おデブちゃん」


雅枝「……」プツッ


晴絵「せ、先生も何言ってるんですか!?」

雅枝「胸にしぼんだ風船つけてるようなババァに身体の事言われたくないわ」

トシ「おやそうかい、あんたは将来パンパンに膨らんだ風船みたいな身体になるんだろうけどねぇ?」

雅枝「あ?」

トシ「お?」

雅枝「……」ゴッゴッ

トシ「……」ゴッゴッ


ゴッゴッゴッゴッ


晴絵(睨み合って、おでこぶつけ合ってる!?)

郁乃(闘牛みたいやな〜)ニコニコ

晴絵「先生も愛宕さんも落ち着いて下さい! 新しいから揚げ頼みますから! ね? 愛宕さん」

雅枝「……まあそれならええわ」

晴絵「仲直りするために握手しましょう! ね? ね?」アセアセ

トシ「……こんな脂ぎった手触りたくないよ」ボソ

雅枝「……あぁ?」ギロッ

晴絵「い、いいから水に流して握手! はい仲直りしました!」サッ

雅枝「……」ギューッ

トシ「……」グググッ


郁乃(お互い相手の手を握り潰す勢いで握ってるわ〜)ニコニコ

晴絵「サ、サラダ食べましょう! サラダはそのまま食べられますから! ね?」

郁乃「じゃあいくのんが華麗にサラダを取り分けるで〜!」サッサッ

晴絵「お、お願いしまーす! あ、あははは」アセアセ

トシ「……ちょっと待ちな、郁乃」

郁乃「はい?」

トシ「今使ってる箸……それ自分の箸だろ?」

郁乃「そうですけど、それが?」ニコニコ

トシ「他人のサラダ取り分けるのに自分の箸使うのはマナー違反だろ?」

トシ「箸を逆にして使うか、トングで分けなさいよ」

郁乃「……」

雅枝「大皿のから揚げにレモンかける人がマナーどうこう言ってるで〜って笑いたい所やけど……それはあかんで赤阪?」

トシ「家族同士ならともかくねぇ……」


晴絵(さっきは家族同然って言ってくれたのに……)


雅枝「しっかし自分の箸使うかー!? 普通」ハァ

トシ「全く常識ってものが無いのかい? あんたには」ヤレヤレ


郁乃「……」プツッ


郁乃「……ババァやアラフォーがねちっこくねぶった箸やないんやからええやないか」ボソッ

晴絵「!?」

雅枝「……今なんて言ったんや赤阪?」

郁乃「聞こえなかったんですか? 耳まで衰えてきて雅枝さんもババァの仲間入りですか?」ニコニコ

郁乃「ババァとアラフォーがねぶった箸やないんやから、使っても問題ないやろって言ったんです〜」ニコニコ


雅枝「……」プツッ

トシ「……」プツッ


雅枝「私をババァだのアラフォーだの言うてるけど、私がプロになった年には既にお前もプロやったやないか!」

晴絵(赤阪さんって何歳なの!?)

トシ「多少若作りはしてるけど……よく見るとあんたの目尻シワが凄いよ? 信濃川の支流かい? それ」

郁乃「顔面梅干しババァに言われたくないですわ〜」

トシ「……」ビキビキ

郁乃「……」ビキビキ

雅枝「……」ビキビキ

雅枝「ウチの子らが赤阪さん加齢臭して困るわーって言ってたわ」

郁乃「愛宕姉妹はいっつもから揚げ食ってんのかってくらい揚げ物臭いですけどね〜?」

トシ「子供は悪くないさ、この豚枝がから揚げばっかり作るのがいけないんだから」

雅枝「あんたはもう死臭漂ってきてるけどな?」

郁乃「今日は白装束じゃないんですね〜?」

トシ「先にあんたたちを地獄に送ってやろうか?」

雅枝「やれるもんならやってみろや、死に損ないがぁ」

郁乃「ババァもアラフォーも年考えて下さいよ〜?」

晴絵「」

んだこら? やんのかこら?
しばくぞ やってみろや
ゴッゴッゴッゴッ


晴絵(い、いつリアルファイトになってもおかしくない!?)

晴絵(わ、私が止めないと!)ビクビク

晴絵「ひ、久しぶりにこうして集まったのにケンカなんてやめましょうよ!」

トシ「……」

晴絵「私今日すっごく楽しみにしてたんですよ!? 皆さんに会えるから!」

郁乃「……」

晴絵「これからもずっと仲良くしていきたいから……だから!」


雅枝「……ちょっとうるさいで? レジェンド(笑)」

晴絵「……え?」


トシ「高校生の小鍛治にボコられた程度でトラウマ発動する豆腐メンタルにあれこれ言われたくないねぇ」

雅枝「醤油かけて食ったろか? お? レジェンゴw」ニヤニヤ

晴絵「……」

郁乃「阿知賀のレジェンドらしく奈良の子猿たちに麻雀教えていたらどうです〜?」ケタケタ


晴絵「……」ブチィッ


晴絵「……その私が育てた子猿に負けた、雑魚チームの監督共が何吠えてんだよ?」ボソッ

雅枝「あ? もっぺん言ってみろや?」

晴絵「あ、間違えました! チームが雑魚なんじゃなくて監督がボンクラなんでした!」エヘヘヘ

トシ「ちょっとマグレで決勝進出したからって、大きく出るじゃないか? 晴絵」

晴絵「阿知賀の決勝進出がマグレにしか思えないなんて、さすが実業団の監督まで経験した人は違うなぁ!」アハハハ


トシ「……」ブチィッ


晴絵「全国2位(笑)の千里山でしたっけ? 白糸台に勝つために何か対策立てたんですかぁ?」

雅枝「……それは」

晴絵「まさか選手を信じてるとか言って、無策で送り出したんですかぁ!?」ヒエー

雅枝「……」

晴絵「次鋒の子可哀想だったなぁ! 私だったら勝てないまでも、あそこまでボロボロにさせないのに!」

晴絵「まさに千里山の名将! 動かざること山の如し! それとも体が重くて動けないのかなぁ!?」ニヤニヤ


雅枝「……」ブチィッ

晴絵「ところで赤阪さん!」

郁乃「……?」

晴絵「私Bブロックの2回戦の結果が不思議だったから、清澄の宮永さんに聞いてみたんですよぉ!」

※聞いていません


晴絵「何で姫松を残す様な形になったのか?って」ニヤニヤ

郁乃「……」

晴絵「そしたら宮永さん!『財布があった方が準決勝も楽だから』って!」ブフー

※もちろん咲さんはそんな事言ってません


郁乃「……」プルプル

晴絵「しかし姫松高校の皆も可哀想だなぁ! 大会直前で善野監督が倒れたんだから!」

晴絵「優しくて芯が通ってる誠実な善野監督」

晴絵「いつもニヤニヤして何考えてるか分からない赤阪代行」

郁乃「……」

晴絵「どちらがいいか一目瞭然ですね! 赤阪代行!」


郁乃「……」ブチィッ

トシ「……」


雅枝「……」


晴絵「……」


郁乃「……」



トシ「……久しぶりに」


トシ「……久しぶりにキレちまったよ」


トシ「裏の公園に行こうか?」クイッ

郁乃「さっさと行きましょか? 酔いが覚めて今更謝られても白けるだけなんで」


晴絵「ただ年をくっているだけで、私より上だと思ってるその幻想をぶっ壊してついでにぶっ殺してやりますよ」


雅枝「お前らまとめて全殺しや……半殺しやない……全殺しや」



トシ「……あっ店員のお兄さん、支払いはカードで」

店員「ありがとうございましたー! またお越し下さいませー!」

公園


トシ「……今日は綺麗な満月だ」

トシ「風も心地いい」

トシ「人を殺すには絶好の日だよ」


雅絵「赤土、お前をボコボコにして少しはその豆腐メンタルを鍛えたるわ」


晴絵「私の拳をそのたるんだ腹に叩き込んで、少しはスリムにしてあげますよ」


郁乃「先生の垂れ下がったオッパイ引き千切って、雅枝の醜い脂肪オッパイ移植してあげますよ、少しは見栄え良くなるでしょ?」


トシ「あんたの糸みたいな目こじ開けて、私のお気に入りのルビーとサファイアの宝石押し込んであげるよ、嬉しいだ
ろ?」

晴絵「行くぞぉおおおおおおおうおおおおおおおおおおおおっ!」ダッ


雅枝「まとめてかかってこいやああぁあああおらあああああぁ!」ダッ


郁乃「さっさとくたばりやがれえええええええええええええぇ!」ダッ


トシ「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラアアアアァ!」ダッ


ボディーがガラ空きだー!
足元がお留守だよー!
残像だ!
13kmや!

ワーワー ギャーギャー







晴絵「……」ウゥ


「……ちゃん」


晴絵「……んんんっ」ウゥ


「……ルちゃん」


晴絵「……んんっ、顔ばっかり殴らないでぇ……」ウゥ


灼「ハルちゃん! 起きて!」


晴絵「!?」ハッ

晴絵「うわー! あ、灼!? ここどこ?」キョロキョロ

灼「どこって阿知賀の皆で宿泊してるホテルだよ」

晴絵「私いつの間にホテルに帰ってきたんだろ?……いててて! 身体中痛い!」

灼「昨日の夜中ハルちゃん傷だらけで帰ってきて、すぐに死んだようにベッドで眠り始めたんだよ」

灼「私とっても心配したんだから!」

晴絵「そ、それはすまん……」

灼「一体昨日何があったの?」

晴絵「……昨日はトシさんたちと楽しくお酒を飲んでそれから……そこから記憶が全く無いわ」フム

晴絵「きっと楽しく飲んですぐに解散したんだよ」

灼「じゃあ何でそんなに傷だらけなの?」

晴絵「……きっと酔っ払って転んだんじゃないかな? アハハハ!」


灼(顔が殴られたみたいにボコボコなんだけど……)


モウイッポフミダセルー ワタシマッテタヨー♪


晴絵「あ、トシさんから電話だ!……もしもし!」ピッ

トシ『晴絵かい? いきなりだけど、昨日はいつの間に皆解散したんだろうねぇ? あんた覚えてるかい?』

晴絵「いえ、全然……居酒屋で楽しく飲んでたのは覚えてるんですけど」

トシ『私もそこまでしか覚えてないし、さっき雅枝と郁乃に電話しても全く同じ答えだったよ』

晴絵「あと何故か身体中ボロボロなんです」

トシ『奇遇だねぇ、私も何故かボロボロだよ……2人もそう言ってたし』


晴絵「不思議ですねぇ? 昨日そんなに飲みましたかね?」

トシ『ところで団体決勝が終わったら、あんた時間出来るだろ?』

晴絵「ええ、うちの子たちは個人戦には出ないので時間はあります」

トシ『そしたらまた4人集まって飲み会をしないかい!? 当然雅枝と郁乃もノリノリだよ!』

晴絵「それはいいですね! じゃあ決勝戦の翌日の夜に、またあの居酒屋で! はい! 分かりました!」ピッ


晴絵「いやー! 楽しみだなぁ! 飲み会!」ニコニコ


灼「……飲み過ぎもほどほどにね? ハルちゃん」



おしまい

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