的場梨沙「アイドル梨沙の誕生よ」 (34)

選挙のためのダイマ。
SS作るのも書き込むのも初めてなので
不備などあったら優しく教えてください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1396621884

――ピロリロ ピロリロ
無機質な着信音、これはパパのスマートフォンからだ。
メールが届いたんだろう。パパはスマホを確認する。
――ピロリロ ピロリロ
数分後、またもやメールが届く。
今度は素早く取り出して確認をすると、あからさまにダラしない表情を浮かべた
さすがのアタシも、気持ち悪いと引いてしまう。
「ねえ、パパ、何を見てるのよ。気持ち悪い顔して」
「あ……ああ、プロデューサー君に梨沙の写真を送ってもらったんだよ」
「はぁ!?」
パパからスマホを奪うように取って中身を確認する。
写っているのは、先日、ライブの衣装合わせをした時の写真だ。
「あの変態はいつの間にこんな写真を撮っていたっていうのよ!」
「いやいや、パパの方からプロデューサー君にお願いしたんだよ」
「パパはアイツのことなんて庇わなくてもいいの!」
他のページをみてみると、かなりの量の画像データ(私の写真)が保存されていた。
機械オンチのパパが最近やたらとスマートフォンをいじっていたのは、こういうことだったのね。
「とにかく、パパをビックリさせるために内緒にしてたのに、これじゃあ台無しじゃない!」
「でもな、梨沙……」
「でもじゃないの!いい?ライブはもう来週なんだから、パパはそれまで我慢してて!」

そう、来週の日曜日にはライブがある。
アイドルになってライブは何度か経験してるけど、今回は今までで一番大きなライブになる。
少し慣れてきたとはいえ、ライブ前のレッスンは相変わらずハードだ。
今日は振り付けを1人ずつ通しでやって、それをトレーナーが確認する。
「……ファイブ、シックス、セブン、エイト!」
アタシは最後のポーズを決める。
完璧だ。
「うむ、的場はいい感じに仕上げているな。ひとまず及第点といったところか」
「ハァハァ……って、及第点?」
振りは間違えてない、ズレたりもしてないはず。
完璧に踊ったはずなのに及第点と言われるのは納得がいかない。
「なによそれ、なんで今ので及第点なのよ!」
「おや、不満か?」
「それはこっちのセリフよ!完璧に踊ったんだもん、当たり前でしょ!どこに不満があるっていうのよ!」
アタシがそう言うと、トレーナーは考え込むようにうーんと唸る。
そして、逆にアタシに聞いてくる。
「まあ、確かに技術的な部分には特に文句はないが……そうだな、的場は今、何を考えながら踊っていた?」
「はぁ?何って、そんなの決まっているじゃない」

――そう、決まっている。
「カッコよくて綺麗で可愛いアタシのステージをパパに見てもらうことよ」
「まあ、そうだったな。聞くだけ野暮だった」
トレーナーは静かにうなずく。
そして、なぜかワザとらしく笑った。
「あっはっは、まあ、いいじゃないか。振り付け自体はけっこう難しいものだし、できていないアイドルだってまだまだいるからな。その中で及第点だ、結構なことじゃないか。だろう、前川ぁ?」
「えっ!?あっ、はいっ、そうですにゃ!!」
トレーナーはみくを名指ししながら、そちらにギロリと目をやる。
アタシの前に振りのミスをしてしまったからだ。
確かにみくが間違えた部分だってかなり難しいところだった。
「まあ、お前はまだ子供だしアイドルにもなったばかりだ。もう少し、大人になれば分かるかもしれないな」
そう言うと、トレーナーはみくのところに行ってしまった。
……どういうことよ。
意味わかんない。

どう読みづらいか言っていただければ、できるかぎり対応します。
個人的には改行挟んだ方がいいのかなとは悩んでたんですが

とりあえずこのまま続けます

休憩中、莉嘉と話していると、さっきの事の話になった。
「さっきの梨沙ちゃんのダンス、ちょー上手かったねー」
「莉嘉だって上手いじゃない。トレーナーもぜんっぜん心配してないし」
アタシは少しだけ皮肉を込めた。
もちろん莉嘉に、じゃなくてトレーナーに、だけど。
「えへへ、私は自分の歌だし、何度かやってもう慣れちゃってるからねー。どのタイミングでファンのみんなと盛り上がるかとか」
「いいわね、莉嘉は。アタシなんか完璧に踊ったのに及第点よ。まったく、『大人になれば分かるかもしれないな』ってどういうことなのよ!」
ちょっとトレーナーの真似をしてみたものの、あんまり似てなかったと思う。
「梨沙ちゃん、大人っぽくてかっこいいのにねー」
「でしょー?パパの隣に並んだら恋人同士に見られるかもしれないわね」
その後も莉嘉と「早く大人になりたいよねー」なんてことを話しているうちに休憩は終わった。
アタシたちはレッスンに戻ろうと立ち上がる。
「そのままのちっちゃい梨沙ちゃんのままでいいんだよ、フヒヒ★」
……背後でなにか聞こえた気がしたけど、気にしないでいよう。

そんな感じで日数も残り少ない中、レッスンをこなしていく。
そして、ライブまであと3日と迫った木曜日。
夕食もお風呂も済み、後は寝るだけというところになって、パパがいつになく真面目な顔でアタシの前に来た。
「梨沙、ちょっといいかな?大事な話があるんだ」
「……なに?どうしたの?」
パパの表情と、その言葉。
たぶん、いい話ではなさそう。
「実は、急に外せない仕事が入って、明日から北海道に出張に行かないといけなくなったんだ」
「……で、いつ帰ってくるの?」
「それが、その……日曜日なんだ」
日曜日。
ライブ当日。
「ライブには来れるんでしょ?ライブは夕方からだもの。大丈夫よね、パパ?」
「………………」
「パパ!」
来ることができるなら、こんなに重苦しい空気にはならないだろう。
パパだってこんなに申し訳なさそうにする必要はない。
でも、それでも、そんな考えは外れていてほしい。
沈黙するパパに対して、問い詰めるような強い口調になってしまう。
「ねえってば!!」
「……ごめんな、梨沙」
本当にすまない、と謝られてしまった。

ワガママを言ってもパパを困らせるだけ。
梨沙はパパを心配させるような子じゃないから。
梨沙はパパの自慢の娘だから。
だからアタシは笑って良い子に振る舞う。
この笑顔が壊れないように、精一杯装う。
「いいのか、梨沙?」
「外せないお仕事なんでしょ。その代わり、これは貸しだからね」
「…………ありがとう」
「それじゃあアタシはもう寝るわ」
おやすみなさいとあいさつをして、足早にリビングから出る。
最後まで笑っていられたかな。
いつも通りにしてられたかな。
声が震えてたりしてなかったかな。
パパは梨沙のことよく見てるから、気付かれてるかもしれない。
アタシが無理してたってこと。
リビングのドアを閉めると、視界が滲んできた。
「……パパのバカ」

「あれー、梨沙ちゃん、元気ない?」
次の日、レッスン前の準備運動の時に、莉嘉が話しかけてきた。
「……え、えっと、そう見える?」
「うん、なんかボーっとしてて、心ここにあらず、って感じ」
「あ、あははー、ちょっと寝不足で……」
とっさに出た言い訳だけれども、あながち嘘ではない。
「だめだよー、ちゃんと睡眠もとらなくちゃ。お肌にも良くないし、体調管理もアイドルの仕事なんだからねー」
莉嘉はお姉さんぶるように言う。
これは美嘉の真似なのだろうか?
いつも通りにしていたつもりだったけど……。
他の人からはそう見えているのね。
莉嘉や、みんなに心配させちゃいけない。
今日は全体でレッスンする最後の日だし、頑張らなくちゃ。
カラ元気かもしれないけど、ヨシッと気合を入れ、準備運動を再開した。

「ワン、ツー、スリー、フォー、ファイ……」
レッスンの途中、トレーナーはいきなり曲を止めた。
どうしたんだろう。
「的場、下がっていろ」
「……え、アタシ?」
「そうだお前だ。やる気がない奴は他の者の邪魔になる」
やる気がない?
アタシが?
いきなりの言いがかりに、ムカッとして強い口調になる。
「ちょっと、やる気がないってなによ!アタシはいつも通りやってるわよ!」
「そうか?私にはそうは見えなかったがな」
「振りだって、歌だって、いつも通りよ。ミスもなかったでしょ!」
いつも通り、ううん、いつも以上に気合を入れていた。
「今更ミスがあれば問答無用で叩き出しているところだ。やる気の問題だと言っているだろう」
「なによそれ!ちゃんと説明しなさいよっ!!」

トレーナーはゆっくりのアタシの方に近づく。
「以前も聞いたことだ。お前は、今、何を考えながら踊っていた?」
「だから決まってるでしょ!それはパパに……」
決まってる。
……ううん、決まってた?
アタシは何も言えなくなった。
どんなに可愛い衣装を着ても、
どんなに綺麗な歌を歌っても、
どんなにカッコよく踊っても、
パパに見てもらえないんだって。
……あれ?じゃあ、アタシはなんでライブに出るの?
なんでレッスンをしてるの?
「答えられないならそれでもいい。お前は邪魔にならないように後ろで見ていろ」
トレーナーに言われるまま部屋の隅の方に移動すると、それからは練習風景をボーっと眺めていた。
さっきまで自分もいたその場所がとても遠くに感じる。
――そして、ライブ前の最後のレッスンが終わった。

ライブ前日。
今日はレッスンの代わりに、最終確認の全体ミーティングがある。
昨日あんなことになったアタシにとっては良かったのか悪かったのか。
……いや、悪かったのかもしれない。
「昨日のことも含めて、事情はだいたい把握させてもらってるよ」
コイツに事務所に来いと呼び出されたからだ。
集合時間は午後からなのにまだ昼前。
しかも、今はちひろも外に出ていていないから二人だけ。
「なんでこんなに早く来なくちゃいけないのよ!二人だけになんかして何をする気なのよ、このロリコン!」
「俺はお前のプロデューサーとして、話をしようとだな」
「アタシはアンタみたいな変態と話すことなんてないの!」
「はぁ……、まぁ頼むから、話くらいさせてくれよ」

「……ふんっ」
こういう時のコイツはしつこいっていうのは分かってる。
適当に相手にした方がいい。
「梨沙のお父さん、ライブに来れなくなったんだってな」
「……よく知ってるわね。パパとのメールで聞いたのかしら?」
アタシは誰にも言ってないから、知るとしたらそれが一番ありそうだ。
やっぱり、そうだ、という肯定の返答。
普段ならそこに噛みつくところだけど、今はそんな状況じゃない。
「梨沙は、お父さんに見てもらうためにレッスンを頑張ってきた」
「ええ」
「だけど、お父さんがライブに来れない今、ステージに立つ理由がなくなってしまった」
「そうね」
「トレーナーさんにそれを指摘されて、何のために明日のライブに出るか分からなくなったと」
「その通りよ。よく分かってるわね」
「まあ、一通りの話は聞いているからな」
そう言って笑う。
担当のアイドルが困っているっていうのに、何をのんきに笑ってるのよ。
きっとコイツは、アタシが落ち込んでいる様を見て楽しんでるに違いない。

「さて、じゃあ明日のライブはどうしようか」
どうしようか、と言われても。
どうしようもないって自分でもよく分かっている。
パパの来ないライブなんて……。
その時、バタンと扉が閉まる音が聞こえた。
「あ、プロデューサー、おはよー★」
「Pくん、おっはよー☆」
この声は美嘉と莉嘉だ。
声の方に目をやると、その後ろには卯月と凛と未央もいた。
「よっ、みんな、おはよう」
「……お、おはようございます」
城ヶ崎姉妹とNGという豪華なメンバーになんとなく気圧され、語尾が濁ってしまう。
「おはようございます。梨沙ちゃん、大丈夫ですか?みんな、心配してるんですよ」
「トレちゃんは厳しいからなー、遠慮なくバンバンと言ってくるからさー」
「まあ、それも優しさの裏返しなんだけどね」
3人がアタシを心配してくれていた。
それに何て答えていいか困って、戸惑ってしまう。
そう悩んでる間に、なぜか5人がソファーに座り、7人で机を囲う形になっていた。
……いつの間にか、お茶まで煎れられてる。

「そうだ、みんなはライブの時に何を考えながらステージに立ってるんだ?」
えっ!?
いきなり何を言い出すのよコイツは。
これは昨日、アタシがトレーナーに聞かれて答えられなかった質問だ。
……そして今、アタシを悩ませていることだ。
「ちょ、ちょっと、何言って……」
「先輩の意見は何か参考になるかもしれないぞ?」
と、得意気な顔をしてこちらを向いている。
なんでコイツはこうもニヤニヤしてるのよ。
……でも、言う通りかもしれない。
彼女たちは年齢も、もちろんアイドル歴もアタシより上だ。
何か参考になることが聞けるかもしれない。

「ライブの時に何を考えてるか?そりゃあ、来てくれたファンのみんなに楽しんでもらうことでしょー。アイドルとしても、芸人としても、本田未央はいつでも全力投球なのだ」
「私も、歌を聞いてくれた人に少しでも何かが伝わるようにって。歌う時はいつもそう思ってるかな」
「ファンの皆さんに応援されると、私たちももっともっと頑張ろうって思っちゃいますよね」
「ステージに立っててさ、客席がこう、サイリウムの光で埋まってるのを見ると、チョーヤバイよねー」
「お姉ちゃんのライブ、すごくカッコいいもん。ファンの皆と一緒に盛り上がっててさー」
……
……
……
5人があまりに楽しそうに話すから。
話している姿がとても輝いているから。
アタシは置いていかれたような気分になってしまった。
この人たちの目には、今までアタシが見てなかった物が、見ようとしてこなかった物が映っていた。

「どうだ、なにか参考になったか?」
参考になるなんてものじゃない。
これは答えそのものなんだろう。
「……私はパパに見てもらうことだけで、ファンのことなんて考えてなかった」
みんなはファンのことを見ている。
彼女たちがライブに出る理由はファンのためだ。
アタシにはそれがなかった。
ファンのことなんて見ていなかった。
「うーん、それも少し違うかな」
「えっ!?」
そうやんわり否定したのは凛。
凛は優しい目で私を見ている。
そして、凛は卯月と未央と目を合わせると、3人が同時に頷く。
「梨沙ちゃんのお父さんだって、梨沙ちゃんを応援してくれているファンの一人なんですよ」
「そうだよ。リサパパはリサリサのファン第1号なんだから、リサリサはちゃんとファンのことも考えてたんだよ」
「………………」
そっか。
そうなんだ。
トレーナーが言ってた「及第点」の意味、やっと分かった気がする。
……でも、……だけど。

「けど、いきなりそんな……」
そんな、じゃあ明日から、なんてできる自信ない。
今までパパのためにしかやってこなかったのに。
いきなりファンのことを考えてライブなんてできないもん。
すると、いきなり莉嘉がアタシの腕に抱きついてきた。
「だいじょーぶだよ☆私は梨沙ちゃんのファン第2号だからねー☆」
「あっ、莉嘉ズルいー!じゃあ、アタシ3号ー★」
美嘉は負けじと逆の腕に飛びついてくる。
2号?
3号って何?
えっ、どういうこと?
「まあ、そういう事だ、梨沙。いきなり大勢のファンのためにはできなくても、仲のいいファンのためになら頑張れるだろ?ちなみに俺はファン第7号だ」

気付かなかった。
全然気にしてなかった。
パパ以外にも、アタシを応援してくれる人いるってこと。
こんなに近くで応援してくれているみんながいるってこと。
「……みんな、プロデューサー……ありがとう」
ありがとう。
お礼の言葉が、自然と口からこぼれる。
「「「………………」」」
すると、急に静かになった。
あれ、アタシ何か変な事言っちゃった?
「で……」
「で?」
「デレたー!リサリサがデレましたー!!萌えー!!!」
「梨沙ちゃん、アタシのこと『お姉ちゃん』って呼んでみて★」
「ちょっと、お姉ちゃん!どさくさに何言ってるの!」
……この騒ぎは、すぐ後にちひろが来て全員が叱られることで納まった。

「みんなー、今日は来てくれて本当にありがとー!!」
ライブはすごく盛り上がって終わった。
アタシのステージも、今まで聞いたこともないくらいの大きな歓声があがった。
拍手と歓声に包まれながら舞台袖まで戻る。
その瞬間はとても気持ちがよかった。
と、舞台袖ではトレーナーが待っていた。
その顔は、今まで見た中で一番優しそうにみえる。
「どうだ、ライブは楽しかったか?」
今日のステージからの景色は、今までとは全然違って見えた。
観客の、一人ひとりの顔がこんなによく見えるなんて知らなかった。
応援がこんなにはっきり聞こえるなんて知らなかった。
みんながアタシの掛け声に応えてくれた。
すごく、すごく、楽しかった。
「……うん、楽しかった」
「それならいい。私も楽しませてもらったよ」
「ふんっ、パパが見に来てくれた時、今度はもっと凄いステージを見せてあげるわ」
アタシはそう宣言した。
トレーナーは、楽しみだな、とつぶやいて他のアイドルのところに向かっていく。

私も控室へ戻ろうと歩き出したその時、私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「梨沙!」
「パパ!?」
アタシがこの声を聞き間違えるはずがない。
声のした方に目を向けると、そこには確かにパパがいた。
「パパ、どうして!?出張は?」
パパは出張でライブに来れないはずだった。
それとも、早く帰ってこれたのだろうか。
「ああ、それが、帰ろうと空港に向かう途中、緑色の事務服を着た人に呼び止められたと思ったら、いつの間にかここにいて、梨沙のステージが始まるところで……」
「……へ?」
変な声が出てしまった。
なにその不思議体験?
それに緑色の事務服?
それって……。
「あー、梨沙、あまり深く考えない方がいい」
隣にいたプロデューサーが引きつった笑いをして言う。
「え……あ、そ、それもそうね。それよりパパ、アタシのライブ、見てくれた?」
「ああ、とっても良かったぞ。可愛くてカッコ良かった」
「綺麗だった?」
「もちろんだ」
ギュッとハグしながら、アタシたちは二人して笑う。
少し充電した後、アタシは含みを込めてこう言った。
「ふふっ、今日のアイドル梨沙を見られるなんて、パパは幸せ者ね」
「ん?どういうことだ?」

アタシは一歩下がり、パパと向き合うようにして、佇まいを直す。
「パパに報告があります」
コホンと軽く咳払いをして、胸に手を置く。
ニッコリと笑って口を開く。
「私は……」
「今までの私は、パパのためだけに歌って、踊って……」
「他の人のことなんて見てなかった。どうでもいいと思ってた」
「でもね、今日までの色んなことや、今日のライブで気付かせてもらったの」
「パパだけじゃない、たくさんのファンが私を応援してくれてるんだって」
「私の歌を聞いて楽しんでくれる。私の踊りで盛り上がってくれるんだって」
「私もみんなの応援に元気をもらった。もっと頑張ろうって思ったの」
「これがアイドルなんだ、って思ったの」
「だから……だからね」
「パパだけを見ていた梨沙はもう卒業」
「今日、ファンのみんなを愛するアイドル梨沙が誕生しました」
そう言い終わった瞬間、私の目から涙が流れ落ちた。
なんでだろう。
うれしいのに。
幸せなのに。
どこか寂しいと感じてしまう。
それでも私は笑い続ける。
今度は作り物なんかじゃない。
「でもね……」


「でも、アタシの一番のファンはいつだってパパなんだから!これからもちゃんと応援してよね、パパ」

以上です。

中間発表に間に合ってよかった。

せっかくの処女作なので、感想的なのとか意見的なのとか解説的なのとか
何かありましたらぜひ聞きたいです
読んでくれてる人がいないような気がして、それが一番不安です

地の文と「会話文」、会話文どうしは一行空けると良いかも。

なんたらかんたら、
云々かんぬん…

「」

「」

どうからこうたら。

みたいな感じ(適当でごめん)。

内容は良かったと思うけど、ごちゃごちゃしてると読まれにくいのでもったいない。
とりあえず乙、次も期待してる

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