彼方「鈴子と相部屋?」 (20)

智恵理(凪沙が14代目あっちゃんを襲名して一ヶ月が経った)

智恵理(襲名メンバー用の部屋に移っていったから、この部屋に残ったのは)

鈴子「……」サラサラ

智恵理(私と鈴子の二人きりなわけで)

智恵理(今更だけど、正直いってあんまり話した事ないのね)

鈴子「……」サラサラ

智恵理(かといって、今だって黙々と何か書いてるし話しかけづらい…)

智恵理(凪沙戻ってこないかなぁ)

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智恵理(まぁ、確かに困る事はないんだけど)

智恵理(同じ部屋で寝泊まりしてるのに、お互い何も知らないなんてねぇ)

鈴子「ふぅ……」

智恵理(休憩? 今がチャンス!?)

智恵理「あのさ、鈴子…」

鈴子「はい?」

智恵理「ずいぶん熱心だったよね。何書いてたの?」

——翌朝——

智恵理(……ロクに寝られなかったわ)

楚方「リンダだ! おはよ~!」ムギュッ

智恵理「!」

楚方「智恵理もおはよう!」

智恵理「楚方、鈴子から離れて!」バッ

楚方「…どしたの?」

鈴子「昨夜、いろいろと…」

友歌「あんたら夜中に何してんのよ」

仏像「しかし鈴子たちは二人きりで寂しくないスか?」

鈴子「そんなことはありませんよ」

智恵理「物足りないこともあるけど、部屋にいる時くらい静かなのもいいものよ」

凪沙「今まで私がいたからね~」

智恵理「あっ…… おはよう、あっちゃんさん」

凪沙「まだ慣れないなぁ」

マリコ「最初はそうなっちゃいますわね」

凪沙「時間かかりそうですね」

凪沙「でも良かった、智恵理が寂しくないかなって、実はちょっと心配だったんだよね」

智恵理「平気よ。朝もちゃんと起きられてるもの」




智恵理(朝はいいとして)

鈴子「では昨日の続きからですね」

智恵理(夜のこれがね……)パラッ

智恵理(意地張らないで、凪沙に帰ってきてって頼んでみれば良かった……)

鈴子「気になることがあったら、何でも言ってくださいね」

智恵理「う、うん……」ペラッ

智恵理(でも、困ることでもないんだよね、これがまた……)

智恵理「とにかく、これで三人部屋になれますね」

彼方「そんなに嬉しいの? 鈴子と何か…」

スペード「私も入れて四人部屋だよね!」

彼方「いたの!?」

智恵理「あんたは来なくていいの」

スペード「私だってお姉ちゃんと相部屋になりたかったのに…」

彼方「智恵理、あんたも妹なんだから少しは仲良くしてあげなよ」

スペード「ありがとう彼方さん… でもそれ楚方ちゃんの前で言ってあげたらどうですか」

彼方「やっぱ三人部屋にしようか」

智恵理「そうですよね」

スペード「ちょっと待ったぁ! 冗談だから! 冗談だから私も入れて!」

間違えた。>>5>>6の間にこれ


——数日後——

彼方「相部屋? 私たちが?」

智恵理「はい。マリコさんがむこうに移ってしまって、今は彼方さん一人でしょう」

彼方「そうだね。こっちも四人部屋だから、二人で移ってくる分には構わないけど」

智恵理「なにか問題あるんでしょうか」

彼方「問題というか… 自分で言うのもなんだけど、私と相部屋だと智恵理たちが変に緊張しないかなって」

智恵理「それなら大丈夫です。76期の皆さんならともかく、彼方さんなら」

彼方「あんたら76期とあんまり仲良さそうじゃないよね」

智恵理「…毎晩、鈴子がノートに何か書いてるんですよ」

彼方「ああ、オリジナルの歌詞を写経してるって」

スペード「熱心だねぇ」

智恵理「そういうのじゃなくて、マンガを… しかも、いわゆる百合物っていうやつを」

彼方「なにそれ?」

スペード「鈴子さん、花好きなの?」

智恵理「彼方さんはともかくあんたが知らないとは意外だわ」

彼方「…なんか引っかかる言い方するね」

智恵理「ともかく、鈴子が書いてるお話が、恋愛もので… どう言ったらいいかな……」

彼方「それだったら普通に鈴子の考えそうなことじゃない」

智恵理「……女の子同士でやっちゃうんですよ」

彼方「えっ…」

智恵理「…毎晩、鈴子がノートに何か書いてるんですよ」

彼方「ああ、オリジナルの歌詞を写経してるって」

スペード「熱心だねぇ」

智恵理「そういうのじゃなくて、マンガを… しかも、いわゆる百合物っていうやつを」

彼方「なにそれ?」

スペード「鈴子さん、花好きなの?」

智恵理「彼方さんはともかくあんたが知らないとは意外だわ」

彼方「…なんか引っかかる言い方するね」

智恵理「ともかく、鈴子が書いてるお話が、恋愛もので… どう言ったらいいかな……」

彼方「それだったら普通に鈴子の考えそうなことじゃない」

智恵理「……女の子同士でやっちゃうんですよ」

彼方「えっ…」

彼方「す、鈴子もそういうの、興味ある方なのかな… そんな節はあったけど」

スペード(『も』…?)

智恵理「けっこうリアルに描写してるから、かなり上級者ですね」

スペード「それってえっちなやつ?」

智恵理「もうちょっと言い方考えなさいよ!」

彼方「……お、女の子同士でそんなことしちゃいけないんだぞ… いけないんだぞ……」ブツブツ

智恵理「ほら、彼方さんが伏し目がちになっちゃった」

彼方「冷静に考えてもそういうのはちょっと引くわ」

スペード「だから鈴子さんと二人っきりがキツいのね」

智恵理「でも決してそれがツラいとかじゃないの。一旦手をつけるとけっこう読みふけっちゃって…」

智恵理「ふと気がつくと、私もハマっちゃったらどうしようって、どこか不安になるのよ」

彼方「あ~……」

彼方「それで四人部屋に移れば鈴子も大っぴらに見せたりしないんじゃない? と」

智恵理「このままだと、私までおかしくなっちゃいそうで……」

彼方「鈴子が増えると思うと、正直厄介だね」

智恵理「そういうわけで、彼方さんも久々の三人部屋でしょうけど、よろしくお願いします」

スペード「四人ね」

彼方「楚方にバレたらうるさいから、さっさと荷物移しちゃおうよ」

智恵理「じゃあ鈴子に話してきますね」

——翌日の夜——

彼方「明日も早いし、そろそろ寝ようか」

友歌「智恵理たち、昼間引っ越ししてたよね?」

智恵理「そうなの。今日から彼方さんと相部屋だよ」

楚方「ずるい! そなたもおねぇと一緒に寝たかったのに~!」

彼方「本来四人部屋なんだから、これで四人ずつになってちょうどいいんだよ」

智恵理「たまに代わってあげようか?」

楚方「ホントに!?」

仏像「代わらなくても、彼方さんのベッドに二人で入ればいいじゃないスか」

楚方「天才あらわる」

彼方「…真琴、あんた今度の休みの日まで覚えてなよ」

——彼方の部屋——

彼方「じゃ電気消すよ~」

三人「は~い」

彼方(あれが智恵理の言ってた…)チラッ

鈴子「?」

彼方(いや何でもない、なんでもないぞ…)

鈴子「彼方さn」

 プチッ
彼方「もう寝るからね! おやすみ!」ゴロン

鈴子(…行ける)

彼方(鈴子が相部屋になって一週間)

彼方(言われなきゃ気付かなかったかもしれないけど、確かにマンガ描いてるみたい)

彼方(やっぱり中身も智恵理の言ってた通り……)チラッ

彼方(い、いや待て! 私はそんなの全然)

鈴子「全然興味ないんですよね」

彼方「うんそう! す、鈴子が何描いてても…」

鈴子「こんなのでも、ですか?」ペラリ

彼方「……///」

彼方「…智恵理、まだしばらく帰ってこないよね……?」

鈴子「当然です」




凪沙「こういう時、駅まで行って気付くよね」

仏像「私もよく学校に着いてから宿題忘れたって思い出してたな~」

智恵理「置き場所変わると、もうね。ちょっと待ってて。部屋にあるはずだから」

 カタッ
智恵理「あ、鈴子いたの… と、彼方さん」

彼方「」

智恵理「……」

凪沙「智恵理? 早く定期…」

智恵理「彼方さん!」

彼方「!?」ビクッ

智恵理「変な本読んじゃいけません!」バッ

凪沙「へ、変な本って? 彼方さんが!?」オロオロ

彼方「よ、読んでないよ! そんなの読んでないよ!」

鈴子「見入ってましたよね」

美森「彼方が大人の階段を昇り始めたと聞いて飛んできました」

彼方「昇ってないって!」

美森「今夜はお赤飯炊いてもらいましょう」

仏像「『あの』彼方さんがついに…… 」

凪沙「しかもこれ、両方とも女の子じゃないですか!」

彼方「だって、鈴子が…」

智恵理「読んでたのは彼方さんですよね?」

彼方「はい」

凪沙「いけませんよこれは… こんなの…///」パラパラ

彼方「そう言って読むな~!」

智恵理「私が引っ越したせいでこうなるなんて……」

凪沙「でもこれ、市販の本じゃないですよね?」

彼方「鈴子が描いたんだよ」

仏像「内容はともかく、そんなことできるなんてスゴイっすね」

凪沙「うん… すごいよこれは……」

彼方「だから読むなって!」

智恵理「彼方さんが手を出すからでしょ!」

 ガラッ
たかみな「あんたらいたの? ずいぶん盛り上がってるじゃない」

彼方「あ……」

たかみな「ん? 今何か隠さなかった?」

凪沙「かか隠してなんかいないですよ! ねぇ彼方さん?」

彼方「ええ全くもって!」

たかみな「ホントに?」ジーッ

凪沙(あ… たかみなさんいい匂いする…)クンカクンカ

彼方(かぐな!)

凪沙(そういえばさっき読んだの、ヒロインがたかみなさんに似てた…)クンクン

たかみな「…? 髪に何か付いてた?」

凪沙「い、いえ特に何ってわけじゃ…」

 ピラッ
三型「たかみなのマンガ読んでたからだと思う」

凪沙(バレた!?)

彼方(バレた……)

真琴(たかみなさんのマンガなんか描いてたんか……)

たかみな「あ~……」パラパラ

彼方「……」

たかみな「彼方もこういうの興味あったとはねぇ」

彼方「いや、決して興味とかじゃなくて…」

三型「他にも何冊か出てきた」

たかみな「やるねぇ」

彼方「違うんです!///」ブンブン

たかみな「まぁ、黙っておくけど、ゆうこに見つかるとうるさいから、気をつけなよ」

彼方「違うんですってば! 私のじゃないんですから!」

なぎちえ(確かにうるさそうだなぁ……)

——翌朝 食堂——

たかみな「おはよう!」

彼方「おはようございます!」

ゆうこ「あ、彼方だ。おはよう」

彼方「お、おはようございます…」

ゆうこ「平気だって、そんな緊張しなくていいよ。誰だって通る道なんだから」

彼方「たかみなさん!」

たかみな「…ゴメン、思い出し笑いしてたら… コイツ鋭くってさぁ」

ゆうこ「いやぁ、私も呼んでくれたらよかったのに、連れないよね~」

凪沙「あの、今度は私も…」

彼方「ゆうこさんはともかく、凪沙はあんなの読んでちゃいけないでしょ!」

恵「みんな朝から元気だね…」

スペード「元気っていいことじゃないですか」

  おわり

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