【安価】「村を焼かれた復讐ついでに世界を巡る」 (100)

・村を焼かれて死んだ主人公が魔物として蘇って、復讐を企てる話。

・グロ、あまりにも脈絡のない場合は最安価、もしくは安価下。

・エロは流れにそっていたらやるかもしれない。

・投下スピードはあまり早くありません、申し訳ない。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1396600516

 暗さを不思議に思い、体を起こして気づいた。
 今、土の中にいる。

 どうやら埋葬されていたらしい。
 死んだ時のことは鮮明に覚えて…、…?
 覚えていない。

 村ごと燃やされたことは覚えているが、死んだ瞬間は既に気を失っていたようだ。
 意識が途絶える間際まで、村を焼く炎を眺めていた。

 とても熱かった。そして、とても綺麗だった。

「…誰も、いない」

 周りには花が咲き乱れ、等間隔に墓標が立っている。
 村の皆のものだ。
 他には誰にも生き返ったりしていないようだ。

 …そもそも、この体は生きているのだろうか、死んでいるのだろうか。
 そして、一体どういう種族に属すのだろう。

>>4 名前
>>5 種族

たかし

ピースメーカー

>>5 調べたら銃と映画が出てきました…
   再安価でお願いします。>>9

>>4 性別忘れてましたが、名前たかしなので男でよろしいでしょうか?

大男の首の上から小男の上半身が生えてる人

通称 ピグマン族

>>9 想像し難いっす、参照画像とかありませんかね?

ググったところオリジナルみたいだし安価↓か再安価でいいんじゃね?
最初の安価くらいパパッとやらんとぐだるよ。

>>12 申し訳ないです。

じゃあ再安価

>>18 名前、性別
>>19 種族 固有名詞はなしで、人型でお願いします

安価↓5くらいまで で案だしてもらって
そっから 1が勝手にチョイスすればええやんけ

安価なら上

ゲボパー 男

>>18 そうさせていただきます…
安価↓5までで案お願いします

時間かかってしまってごめんなさい。

んじゃあ
何度もすまんが
名前ルーフェン ♂
種族狼男

>>29でやらせていただきます。
何度もありがとうございました。


 違和感を感じて頭に触れると、何か柔らかいものに触れた。

「ん…?」

 これはなんだろう。
 というか、何となく触ったことがある気がする。
 …獣の耳っぽい…?

 そうは言っても、はっきりとは分からない。
 俺はあまり魔物に詳しくないからな。

 …どうしようか、こんなのが生えていちゃ街に出ることもできないし。
 何にせよ、ここにいたらいつ誰が来るかわからない。
 森の中で休憩して、行き先を決めよう。

「…よっと。あ、尻尾も生えてんのか…」

 墓を抜け森に入ると、静かで何となく居心地がいい。

 ガサッ

「…、誰かいるのか?」


>>42
①少女
②盗賊
③魔物

3

魔物「グルゥゥゥ…」

ルーフェン「…言葉は通じてねぇな、こりゃ」

 声をかけて出てきたのは、ゴリラのような魔物だった。
 目が真っ赤で、とても理性とかがあるようには見えない。
 戦うしかないのか…?

魔物「グルァっ」

ルーフェン「うぉっ?!」

 考える間もなく、魔物は腕を振り下ろしてきた。
 話し合いとかできなさそうだ。

ルーフェン「やるしかないか…。といっても武器も何にもないし」

 周りを見回して、武器になりそうなものを探す。

魔物「ガァッ」

 俺の努力を笑うように、魔物は俺を攻撃してくる。
 …魔物だからってずるいだろ、その腕力…!
 間一髪避けた俺の代わりに砕けた岩を一瞥して、その魔物を見据える。

魔物「グォォッ」

ルーフェン「…っ、いって!」

 荒く振り抜かれた腕が脇腹を掠った。
 武器もないのに、勝てる気がしない。
 かといって、逃げられるかと言われるも微妙だ。

ルーフェン「石でも食ってろ、このゴリラ!」

 ヤケっぱちで、石をぶん投げてみる。

魔物「グギャッ」

ルーフェン「お…っ!?」

魔物「ギギャァッ」

ルーフェン「石ぶつけたくらいでキレてんじゃねぇ…!」

 投げた石は頭にぶつかり、思いのほか痛かったらしい。
 何も考えず腕を振り出した魔物の頭からは血が流れていた。

 ドゴォォン…

 木が倒れ、大量の枝とともに太い幹が倒れてくる。
 葉が視界を遮り、ロクに前が見えない。

 舞う木の葉が、不規則に揺れた。

魔物「ガァァァァッ!」

 咆哮と共に繰り出された拳に、どうしようもなく俺は迎撃した。

ルーフェン「うらぁっ!」

 ゴキっ、と鈍い音がして魔物の腕が逆側に弾き飛んで、その勢いで魔物も一緒にぶっ飛んでいった。

ルーフェン「いてっ…」

 殴った拍子に脇腹が痛んだ。

ルーフェン「まさか力で勝てると思わなかったな。…これが魔物の力か…」

 もっと早くやり返しとくんだった。
 それにしても、本当に死ぬ前とは比べられないほど強くなっている。
 鍛えたらもっと強くなれるかもしれない。
 それこそ、あいつらを殺すことも夢じゃないかも…。

ルーフェン「移動するか」

 また襲われたらたまったもんじゃない。

 これからの予定は歩きながら考えよう。

>>46
①獣人の村
②世界樹
③近くの村

3

ルーフェン「獣人の村、遠いしな…。とりあえず人がいるところに行くか」

 さっきの魔物が死んでいることを確認し、俺は村がある方向に歩き出した。
 なんとなくではあるが、このあたりは見覚えがあるので、まあ普通につくことができるだろう。

 何となく確認して、怪我が軽いことも確認したし、出発しよう。
 …追い出されたりしたらどうしようか。
 こういうことはあんまり考えたくないな。

 金もどうにかしないといけないし、問題は山積みだ。

ルーフェン「…もう少しだったかな」

 朝から出て昼にはつける距離だったと思うから、着く頃だろう。

ルーフェン「お、井戸」

 太陽が西に傾き始めている。
 この井戸が見つかったということは、もうすぐそこだ。

??「あれ、どなたですか」

ルーフェン「! …俺はルーフェン。お前は?」

??「私はそこの村のレイナと言います。水を汲みにきたのですが…。どうなされました?」

ルーフェン「そこの森で魔物に襲われてな。村に案内してもらうことはできるか」

レイナ「はい、構いませんよ。こっちです」

レイナ「ところで、貴方は何の獣人なんですか?」

ルーフェン「いや、それがわからなくてな…。近いうちに確認に行こうと思っている」

レイナ「あぁ、世界樹ですか。大変ですね」

ルーフェン「それほどでもない」

 どうやら俺を恐れたりはしないらしい。
 助かった。

 木桶にいっぱいの水を持ち俺を先導するレイナ、という村娘は見た目の割にはしっかりしているように見える。

ルーフェン「それ、持とうか」

レイナ「え、いいんですか。じゃあちょっと待ってください」

 手を差し出せば、レイナは俺に桶を手渡し井戸のほうへ向かった。
 そして、備え付けの桶を取り、もう二杯水を組んで戻ってきた。

レイナ「よし、行きましょう」

 重さ軽減より、水をいかに効率的に運ぶかのほうが大事なようだ。

レイナ「はい、つきましたよ」

ルーフェン「あぁ、恩に着る」

レイナ「いえ、それほどでも」

 レイナは小さく頭を下げて歩いて行った。
 俺も入ろう。

 村の敷地内に足を踏み入れれば、肌がちりっと痛んだ。
 そういえば、この村は何か結界を張っていたような気がする。
 痛みだけで問題なく入れたので足を動かす。

 さて、来たはいいがどうしようか。


>>51
①宿屋へ
②村長の家を尋ねる
③ブラブラする

ルーフェン「とりあえず村長の家に行くか。えっと、確か…」

 一番奥の家が村長の家だったよな。
 そこへ向かおう。


ルーフェン「…ここか」

 村長、という立場の割に質素な作りの家の前に立ち、俺は息を吐いた。
 木の扉をノックする。

??「はいはい、何の用だい」

 がちゃ、と扉が開いて壮年の男性が出てくる。

ルーフェン「ルーフェンというものです。この村に少しの間滞在させていただきたいのですが」

村長「ほう、君は獣人か。構わないよ、ゆっくりしていってくれ」

ルーフェン「ありがとうございます」

村長「いやいや。…ルーフェン?もしかすると、君は隣の村の…?」

ルーフェン「え?俺のこと、知って…」

村長「あぁ。隣村に行ったとき、会ったことがあるはずだが…」

ルーフェン「…あ、そういえば。あんな少し話しただけなのに、よく覚えていましたね」

村長「ははは。物覚えは良いほうでね」

 村長はにっこりと笑った。
 そういえば、村に遊びにきていた時、あったことがある。

 道を教えるのに少し話しただけなのに、すごいものだ。

村長「それにしても、村のことは残念だった」

ルーフェン「…いえ。今更悔やんでも遅いので。他の人の分まで生きていきます」

村長「そうかい…。頑張ってくれ。応援しているよ」

 言われなくても頑張るつもりだ。

村長「あと、今この村に君と同じ生き残った子がいる」

ルーフェン「本当ですか!どこにいるんです?」

村長「宿屋で働いているよ。自分のタイミングでいいから、会いにいってやってくれ」

ルーフェン「はい、教えてくれてありがとうございます」

 礼を言い、俺は村長の家を出た。
 次は何をしようか。

>>56
①生き残った子に会いに宿屋へ
②ブラブラする(場所指定可)

1

ルーフェン「生き残りに会いにいくか」

 本当は死んでるのかもしれんが。
 宿屋って言ってたな。

 あ、すぐそこにある。

 宿屋なのでノックもいらないだろう、と扉を開いて中に入った。

女将「いらっしゃいませ」

ルーフェン「隣村から来たルーフェンと言うものですが」

女将「…隣村?ということは、アインを探してここへ?」

ルーフェン「…あぁ。合わせてもらえますか」

女将「えぇ、もちろん!アイン、アイン!」

アイン「…はい」

女将「こちらのルーフェンさん、貴方に会いにいらしたらしいわよ」

アイン「…ルーフェンお兄ちゃん?」

ルーフェン「…おう、久しぶり…、か?」

アイン「20日くらい、だよ」

ルーフェン「そうか…。お前、助かったんだな。良かったよ」

 上の階から降りてきたアインは、変わり果てた姿をしていた。
 目は赤いし、顔の右半分は布で隠されている。
 顔色悪すぎだし、やっぱりこいつも一回死んだらしい。

アイン「お兄ちゃんも、助かって良かった…」

ルーフェン「あぁ。…元気でやってるのか?」

アイン「…多分」

 アインは一貫して無表情のまま俺と会話している。
 まあ、こいつはもともとこういうやつだった。
 そのせいで、あまり同年代の友人がいなかったような気がするが。

 年上には好かれていた。

アイン「あの、少し外に行って来ていいですか」

女将「えぇ、いってらっしゃい」

アイン「はい」

 アインは女将に声をかけてから、俺と一緒に外に出た。

アイン「こっちきて」

 俺を引っ張りアインが来たのは、何やら村と森の境目ぐらいにあるところだった。
 こんなところで何かと思ったら、なんと足元に扉がある。

 アインはポケットから鍵を取り出し、その扉を開けた。

アイン「ここ、私の家。入って」

 そう言って先に降りていくアインを追って下に行くと、思いのほか広い空間がそこにある。
 タンスやベッド、机などの家具はもちろん、花なんて飾ってあって可愛らしい。

ルーフェン「…広いな」

アイン「うん。魔法で掘った」

ルーフェン「…魔法?お前、魔法なんて使えたか?」

アイン「死んでから使えるようになった…お兄ちゃん、は」

ルーフェン「魔法はどうなんだろうな…」

アイン「狼、かな。火の魔法とか使えるんじゃないの」

ルーフェン「お前生き返って何になったんだ?」

アイン「お兄ちゃんみたいに変身してない。普通に生き返っただけ」

ルーフェン「へぇ」

アイン「でも、心臓は止まってる。ゾンビってやつかな」

 アインは何でもないと言ったように呟いた。
 表情は全く変わらない。

 でも、心臓が止まってるって、それは生き返ったのか…?
 生きてないんなら生き返ってないんじゃ。

アイン「お兄ちゃんはどうしてここに来たの」

ルーフェン「とりあえず墓を出たら、森で襲われちまって」

アイン「…良かったね、大怪我しなくて。泊まるところは決めたの?」

ルーフェン「金がなくてな。そのへんで野宿でもしようと思ってる」

アイン「危ないよ。…ここに泊まったら?」

 年頃の女の子が男を泊めようなんて、いくらなんでも無用心すぎる。
 こんなとこ、絶対外に声届かないぞ。

ルーフェン「お前、もっと警戒したほうがいいぞ」

アイン「何に?」

ルーフェン「男は簡単に信じちゃいけない」

アイン「…お兄ちゃんは狼だから、私は対象外でしょ」

 俺、もともと人間だから対象は人間だと思うんだけどな…。
 いや、さすがにアインを襲おうとは思わないが。

ルーフェン「じゃあ、世話になる」

アイン「うん。…どれくらいここにいるの」

ルーフェン「そうだなぁ…。まあ適当にいようと思ってる」

アイン「ここを出たら何をするつもりでいる?」

ルーフェン「鍛えて、そうだな。気ままに世界を巡ろうか」

アイン「…そう」

 アインは、少し考え込むように俯いた。
 …出来れば復讐に行こうと思ってることなんて、言わないほうがいいよな。
 恨みは何も生まないっていうし、こいつはまだ子供だし。

 この村でのんびり、傷を癒すほうがいいに決まってる。
 あぁ、でもバレちゃう可能性もあるか。
 受け入れてもらえるのかどうか。俺にはわからない。

アイン「今日はもう寝なよ。私、女将さんに終わりの挨拶してくるから」

ルーフェン「…そうだな。ついていこうか?」

アイン「うぅん。近いし、大丈夫だよ」

 そうか、と頷いて、俺はベッドに寝転がった。

アイン「お休み、お兄ちゃん」

―朝

 …何か乗っている。

ルーフェン「…っ、何だ…?」

 頭を起こして確認してみると、体の上にアインが乗っかっていた。
 俺の腹の上で眠っているアインは、息をしていなかった。

ルーフェン「…っアイン?」

アイン「う…んぅ」

 揺すると反応が返って来る。
 どうやら生きているらしい。はあ、良かった。
 青白い肌、薄い体。本当に死んでいるように眠っている。

アイン「…ん。あ、おはよう」

ルーフェン「おはよう。お前、朝飯とか食うの?」

アイン「食べないよ。お兄ちゃんは?」

ルーフェン「ちょっと小腹がへったな」

アイン「じゃあ、そこにパンがあるから。食べていいよ」

ルーフェン「悪いな。もう仕事か?」

アイン「うん。行ってきます。鍵、渡しておくから」

 ちゃりん、と鈴のついた鍵を渡し、アインは階段をのぼって出て行った。
 さて、俺はどうするか。

>>65
①宿屋
②自由安価(村の中で)

2 レイナ探す

 そういえば、村に案内してもらったレイナにちゃんとお礼してないな。
 お礼の品を渡せるわけでもないが、改めてお礼でもしたほうがいいか。

ルーフェン「行くか」

 食っていいと言われたパンを食い、渡された鍵を使って地上へ出た。

ルーフェン「…、眩し…」

 地下で暗い空間にいたせいか、目がチカチカする。
 何度か目を瞬かせ、目の調子を整えた。

 俺は狼っぽいらしいから、昨日気をつけてたら匂いを追えたかもしれない。
 まあ、匂いなんて意識してなかったからわからない。
 一緒に寝ていたアインの匂いをギリギリ追えるかどうか、といった精度だ。

 村をパッと探してみつからなかったら、アインに聞きに行こう。

「犬の兄ちゃん!どうだい、買ってかないかい?」
「安いよ、今ならこっちもおまけしちゃう!」
「どうだい、この剣。この剣は何でも貫く素晴らしい品だ!」

 …思いのほか賑わっている。
 俺を呼び止める声も多く、果物なんかを見せられたときは思わず食いつきそうになった。
 金がないから買えない、残念だ。

 レイナは…、あ、いた。
 少し歩いて、花屋で接客しているレイナを見つけた。
 色とりどりの花に囲まれて、楽しそうに笑っている姿はなかなか様になっている。

ルーフェン「レイナ」

レイナ「はいはい、レイナですよー。あ、ルーフェンさんじゃないですか。無事でしたか」

ルーフェン「あぁ。昨日は案内してくれてありがとう。助かった」

レイナ「いいえ、全然構いませんよ。…わざわざそれを言いにいらしたんで?」

ルーフェン「そうだな」

レイナ「ほう、それはどうも。嬉しいですよ」

 そう言って、レイナはにっこり笑った。
 光を受けて髪がキラキラ光っている。

レイナ「何か買っていかれますか?」

ルーフェン「…いや、金がなくてな。すまないが何も買えん」

レイナ「残念ですねぇ…」

 しゅん、と沈んだ顔をしたレイナは上目遣いで俺を見つめてくる。
 そんな顔されても、俺は何の偽りもなく無一文。
 少しでも金があるなら買ってやっても良かったが、無理なもんは無理だ。

ルーフェン「…そんな顔しても無理だぞ」

レイナ「ちぇ…」

レイナ「じゃあ、水汲んできてくださいよ!」

ルーフェン「んん?…あぁ、分かった。行ってくる」

 水桶を2つ渡されて、俺は素直に井戸に向かうことにした。
 今はまだあざと可愛い子供、って感じだけど、大きくなったら口の回る計算高い女になるんじゃないか。

 桶をぶら下げながら、俺はレイナの顔を思い浮かべた。
 輝くような金の髪、青い目。
 アインとは逆と言っていい色彩だ。

ルーフェン「よっと…」

 井戸から水を汲み上げ、桶を持ち直す。

 すると、後ろの草むらから物音が聞こえた。
 ガサガサっ、と。

ルーフェン「…魔物じゃないよな?」

>>71 出てきたのは
①男
②女
③獣人少年
④獣人少女

今日のところは寝ます。
寝るついでにあげ。
皆様どうぞいい夢を!



お久しぶりです、作者です。
忘れててすみません…。
今日から再開しますので、またよろしくお願いします。

??「そりゃ魔物ではないぞ」

 出てきたのは、俺と同じくらいの男だった。

ルーフェン「それは良かった。水汲みか?」

??「あぁ。初めまして、俺はアルヴィン。あんたはルーフェンだったっけ?」

ルーフェン「…そうだが、何で知ってるんだ」

アルヴィン「隣町から獣人が来たって、話題になってるぞ」

ルーフェン「…そうか」

 小さい村というのは、大概話題に飢えている。
 俺の村もそうだった。
 旅人なんかがふらりと立ち寄ったら、一時間も経たないうちに村中に知れ渡っていたものだ。
 俺なんて格好の標的だろう。

アルヴィン「つーか、あんたアインちゃんと仲いいんだろ?」

ルーフェン「それなりにはな。それが何だ」

アルヴィン「いいよなぁ。お前の前じゃ笑ったりするんだろ」

ルーフェン「あいつは誰の前だろうがあまり表情を変えない。笑顔なんてほぼ見ないな」

 本当に稀だ。
 最後に笑ったのを見たのはいつだったか。
 確か、冬にセーターを編んでやった時。
 あの時の記憶が一番新しいんじゃないだろうか。

アルヴィン「へぇ。でも笑うんだろ?俺も見てみたいなー!」

ルーフェン「…本でも差し入れてやりゃぁいい」

 お前に向けては笑わないかもしれないが、本を見て表情は緩むだろう。
 水を汲み上げ、花屋に戻ろうと元きた道を引き返す。

アルヴィン「あ、待てよ」

 歩き出した俺の横にアルヴィンが並んだ。

ルーフェン「何でついてくるんだ」

アルヴィン「いいだろ、別に。それで、本ってどんなジャンルの?」

ルーフェン「…俺が見た中で一番喜んでたのは竜とお姫様が恋する話だ」

アルヴィン「へえ、なかなか可愛いんだな」

 そりゃ、あいつも女の子だからな。

 俺を歩きながら、ふと思い至った。
 …こいつ、アインに変な気があるんじゃないだろうな?

ルーフェン「お前ロリコンか?」

アルヴィン「…は?!何でそんなことになるんだよ!」

ルーフェン「やけにしつこいから。アインに何かしたら殺すぞ」

アルヴィン「いいな、そのセリフ。俺も言ってみたいぜ!」

ルーフェン「…おい」

アルヴィン「しねーよ何も。嫌われちゃうだろ」

 アインが嫌がらなきゃ手を出す気なのか…。
 こいつは要注意だ。

アルヴィン「っと、俺はこっちだ。じゃあなルーフェン」

ルーフェン「…あぁ」

 アルヴィンが爽やかに手を振ると、花屋と逆の方向に歩いていった。
 俺もとっとと戻らないと。

 桶を持ち直し、俺は花屋へと急いだ。

レイナ「あ、ルーフェンさん!遅いですよ、もう」

 着いたとたん眉を吊り上げたレイナに叱責され、俺は素直に謝った。
 ずいぶんとご立腹の様子だ。

ルーフェン「悪い、井戸で人に会ってな」

レイナ「人?どなたでしょう」

ルーフェン「アルヴィンっていう男だ。知ってるか?」

レイナ「アルヴィン…?」

 俺が名前を出すと、レイナは考え込むようにアゴに指を当てた。

レイナ「あ、道具屋のお兄さんですね!」

 と、人差し指をたてる。
 道具屋か。

レイナ「アインさんに夢中だって有名ですよ」

 そんなにアインに絡みに言っていたのだろうか。
 夢中、なんてやっぱりあいつは危ないやつらしい。

ルーフェン「そうか」

レイナ「はい。水汲み、ありがとうございました!」

ルーフェン「いや。あれくらいお安いご用だ」

レイナ「そうですか、じゃあまたお願いします!今度はお花も買っていってくださいねっ」

ルーフェン「…あぁ、気が向いたらな」

 商魂たくましい。
 そして何気にまた雑用を手伝うことになってしまった。

 レイナに別れを告げ、俺は賑わう人々の中に紛れ込んだ。
 さて、どうしようか。


次何をするか自由安価>>80

今日はこれで寝ます。
皆様お休みなさい…。

仲間を集める

こんばんは、再開します。

 …ここを出ると長旅になるだろうし、自分以外にも誰か必要か?
 でも事情が事情だしな。

 まあ、とりあえず仲間になってくれそうなやつの情報を探しに行くか。

 情報収集なら酒場がいいな。
 そろそろ日も沈む頃だし、ちょうどいいだろう。


 予想通り酒場は賑わっていた。
 おっさんが多いが、稀に女もいる。

 俺はカウンターに向かい、マスターの前の椅子に腰掛けた。

マスター「お、今話題かっさらってる狼の兄ちゃんじゃねえか」

ルーフェン「どうも。別に話題になりたくてなったわけじゃないけどな」

マスター「はは、そうだろうな。で、どうかしたのか?」

ルーフェン「この頃来た旅人とか、度に出たいって言ってる奴、知らないか?」

マスター「出てく時に一緒にいく仲間ってことか」

ルーフェン「あぁ」

マスター「じゃ、まずは何か頼んでくれるよな!」

 またこれか…。

ルーフェン「…悪いが無一文だ」

マスター「何ぃ?仕方ねーな、今回は特別だぞ」

ルーフェン「恩に着る」

 呆れた顔で首を振るマスター。
 助かった…。

マスター「最近、旅の途中だってやつが村に来たな」

ルーフェン「あぁ」

マスター「それと、村から出てどっかに行きたいって言う奴はあんまりいないが…」

 何か明確な理由でもない限り、外に出る必要もない。
 俺も多分村で生きてそのまま生涯終えてただろう。
 こんなことにならなきゃ、な。

マスター「そういやアルヴィンが王都に行きたいってぼやいてたのは聞いてことあるな」

ルーフェン「アルヴィン?そうか…」

マスター「お、アルヴィンのこと知ってんのか」

 興味がありそうに聞いてくるマスターに肯定を返す。

 あいつ王都に何の用があるんだろうか。
 まあどうでもいいが、また話を聞きに行ってみるか。

マスター「あぁ、そういやアインちゃんも行ってたぞ。もう準備ができたら村を出たいって」

ルーフェン「何…?」

 俺はそんなこと聞いていない。
 アインのやつ、どうするつもりなんだ?
 まさか、俺みたいに復讐でもしに行く気なのか。

 同じことを考えてる俺が止めるのもどうかと思うが、あいつは子供だから。
 一度何を考えてるのか聞こう。


>>85 村に来た旅人の職業、性別

弓使い、女

ルーフェン「ありがとな、マスター」

マスター「なんだ、もう行くのか。もうちょっとゆっくりしてってもいいんだぞ」

ルーフェン「いや。もう行く」

 椅子から立つ。

酔っぱらい「まぁまぁまぁ、飲んでけって兄ちゃん!」

 しかし、肩を押さえつけられ戻された。

酔っぱらい「兄ちゃん無一文なんだってな?俺が奢ってやるよ!」

ルーフェン「いや、俺は…」

 肩に腕を回され、ぐりぐりと頭を撫でられる。
 確実に子ども扱いされている。

 うお、酒臭い…。

 周りのやつらまで騒ぎ始め、酒場がどうにも逃げられる雰囲気じゃない。

酔っぱらい「遠慮すんなっての、マスター!こいつに酒出してやってくれ!」

マスター「おう!何にする?」

ルーフェン「別にいらな…」

「なんかこの前入った相当強いやつ!」

「一気だ一気ー!」

「頑張れよ兄ちゃんー!死ぬなよっ」

マスター「ほら、この前入ったのだ」

 わいわいと盛り上がる親父どもをチラリと見て、俺は覚悟を決めた。


>>88 弓使いちゃんの性格

気品があっておしとやか

酔っぱらい「いい飲みっぷりだったぜ兄ちゃん!」

「じゃあなー!」

「また来いよ、次は俺と勝負だ!」

ルーフェン「はー…。遠慮する…」

 ジョッキ一杯一気させられ、その後3回追加されて俺は解放された。
 酒は強いほうなのだが、さすがに頭がクラクラする。
 言葉の通り相当強い酒だった。

 酒場のやつらの熱烈なお見送りを受け、俺は外に出た。

ルーフェン「…誰から行くか…」

 旅してるっていう弓使いの女、アルヴィン、アイン…。

 アインは仕事だろう。
 今日も仕事抜けさせるのはあまり良くない。
 アルヴィンか弓使いか…。

 …探しながら考えよう。

 とりあえず村を一周するか…。

アルヴィン「あれ、ルーフェン」

 ぐるりと村周って、俺はアルヴィンを見つけた。
 普通に道具屋にいた。

ルーフェン「今暇か?」

アルヴィン「おう、全然暇だぞ。なんか用か?」

ルーフェン「ちょっと話があってな。どっかゆっくり話せるとこないか」

アルヴィン「おー、それなら俺の部屋来いよ」

ルーフェン「良いのか?遠慮なく邪魔するぞ」

 アルヴィンに案内され、俺は道具屋の中に入った。
 部屋に案内され、茶を出されて一息つく。

 割と綺麗に整頓されている。

アルヴィン「で、話したいことって?」

ルーフェン「お前、王都に行きたいんだってな」

 アルヴィンは驚いた顔をした。
 なんで知ってるんだ、ってところだな。

アルヴィン「そうだけど、それがどうしたんだよ」

ルーフェン「何で行きたいんだ?」

 俺の質問に、アルヴィンは目を輝かせて語った。

アルヴィン「王都って国の中心だろ?だから、ここにはないものもいっぱいあるだろ!」

ルーフェン「あぁ」

アルヴィン「…反応うっすいなお前。それだけだよ」

 …何?
 知識欲というのだろうか、知らないことを知りたいってだけで村を出ようとは。
 俺にはなかった行動力だ。

アルヴィン「で?何でそんな事きくんだよ」

ルーフェン「村を出るとき一緒に行くやつが欲しいんだよ」

アルヴィン「…村を出る?」

ルーフェン「…ここに住むと思ってたのか?」

 アルヴィンは頷いた。
 何でだよ…。

アルヴィン「…ってか、村出るんなら俺も連れてってくれよ!」

ルーフェン「お前戦えるか?」

アルヴィン「…戦えると思うか」

ルーフェン「戦えないのか…」

 道中魔物との戦闘は避けられないだろうし、戦えないとなると厳しい。
 いくらなんでも一緒に行って死なれたらなぁ…。

ルーフェン「…ちょっと保留だな」

アルヴィン「望みはあるのか!」

 ないことはない、と答えて俺は道具屋を後にする。
 自分から話を持ちかけておいて保留なんてどうかとも思うが、仕方ない。

 さて、次は弓使いか。
 宿屋に行ってみるかな。

 宿屋にきた。

女将「あら、アインに用かしら」

ルーフェン「いや、村に来てるっていう旅人に用がありまして」

女将「あぁ、イリスちゃんに会いに来たのね。ちょっと待っててね、呼んでくるわ」

 こんな簡単に紹介してくれるものなのか。
 上にあがっていった女将さんを待つ。

 しばらくすると、俺と同じくらいだと思われる女を連れて降りてきた。

女将「連れてきたわよ」

ルーフェン「あ、どうも。…初めまして」

イリス「初めまして。私に用があるそうですが、どうされましたか?」

 にこりと笑うその姿にはどこか気品があった。

ルーフェン「ここを出る時に一緒に行く人を探してるんです」

イリス「それで私を尋ねたと。そうですね…」

 イリスは少し考えて、言った。

イリス「構いませんよ。二日後の朝発つので、よろしければ一緒に行きましょう」

ルーフェン「ありがとうございます。無理を言って申し訳ない」

イリス「えぇ。それでは私は部屋に戻りますので」

 頭を下げ、イリスを見送った。
 柔和な雰囲気に反さず優しい人柄らしい。

 …イリスとは約束を取り付けられた。
 後はアインだな。

女将「あ、お兄さん。アインと一緒に帰ったらどう?もう終わりなのよ」

ルーフェン「そうですね」

 降りてきたアインと宿屋をでた。


お休みなさい!

こんばんは、ちょっとだけ書きます。


 家につき、ぼぅっとした顔でベッドに座り込んでいるアインに話しかけることにした。

ルーフェン「アイン、お前村を出たいんだってな」

アイン「…どこで聞いたの?」

ルーフェン「酒場」

アイン「そう。でも、お兄ちゃんには関係ないよ」

 ふいっと目をそらし、アインは膝を抱え込んだ。
 突っ込まれたくない話題らしい。
 だといって遠慮するわけにもいかないけどな。

ルーフェン「関係なくないだろ」

アイン「関係ない」

 強い眼光を飛ばし、俺を睨むアイン。

ルーフェン「…もうお互い最後の身内みたいなもんだろ。俺にも話してくれないのか」

アイン「そういうのはずるい…。でも、多分お兄ちゃんと一緒だよ」

 復讐目的ということか。
 まあ、大体予想はついていた。
 アインは特にあいつらと仲が良かったし、その分も恨みが強いのだろう。

ルーフェン「俺に任して、お前はこの村で待ってる…っていうのは?」

アイン「嫌だ。私の手で殺せないにしても、どうにか苦痛を与えてやりたい」

 目線が合わない。

ルーフェン「外は危ないぞ」

アイン「一回死んだのに、何を怖がるって言うの?」

ルーフェン「…それもそうか」

 確かに、何も怖くない気もする。

アイン「大体、自分が傷つくのは良くて私はダメなんて、おかしい」

 少しだけ小さな声で、アインは呟いた。

ルーフェン「お前は子どもで、女の子だろう」

アイン「…子ども扱いは嫌い。知ってるでしょ」

ルーフェン「あぁ。でも、今までの子ども扱いとはわけが違う」

 チラリと俺を見て、すぐに目を逸らす。

アイン「でも、嫌。お兄ちゃんが行くなら、尚更私も行くの」

 俺に任せてしまえばいいのに。

 もっと子どもらしく甘えて、安全な場所に隠れていればいいものを。
 いらない使命感を背負い込んで危ないところに飛び込もうなんて、とんだ物好きだ。

 生前、アインの両親はそれなりに金持ちでそれはそれはアインを溺愛していた。
 あれに育てられて、何でこうなったのか。
 俺にはわからないが、今決心を曲げないであろうことはわかる。

ルーフェン「アイン。もう一回言うぞ。この村で大人しく待っててくれないか?」

アイン「…迎えに来てくれるの?」

ルーフェン「あぁ。何があっても帰って来る」

 加減をして頭を撫でる。
 目をつむって俺の手を受け入れていたアインは、俺の手首を掴んでいった。

アイン「…恋人でもないのに、そんな言葉でグラつくと思ったの」

 アインは呆れた顔をしていた。

>>99
一緒に行く人安価
イリス・アルヴィン・アインのうちから選択、複数可

イリス アイン

おぉ、人いた!
安価了解しました。
アルヴィンェ…。

今日のところはお休みなさい。

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