モバP「凛を依存させる」 (101)

P「先輩が三船さんと結婚しやがった。いいなぁ」

P「俺もやるだけやってみよっかなぁ」

凛「ふぅ、プロデューサー。今日のレッスン終わったよ」

P「よし。今日はレッスンだけだから帰っていいぞ。明日のスケジュールはあとで送る」

凛「わかった。じゃあね」

P「お疲れさん」

P「スケジュールのメールを送ろ」

P『明日は朝から○○でドラマの撮影、その後××でCMの撮影だ。明日も頑張ろうな』

P「これでいいや」ピ


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凛「おはようございます」

P「おはよう。メール見た?」

凛「今日も頑張ろうね」

P「うんうん、見てくれたみたいだな。じゃあ行くか」

凛「うん」

待機室

P「多分、撮影長くなると思うから気を引き締めろよ」

凛「私はいつでも本気だよ」

P「それなら心配はないな」

D「渋谷さん。お願いしまーす」

凛「じゃあ行ってくるね」

P「いってらっしゃい」

P「……」

P「こそっとついていこう」

凛「~~~~~」

P「やっとるがな」

凛「~~~~!」チラ

P「……こっち見たか?」

監督「カァット!!」

凛「……」シッシ

P「視線がどっか行けと訴えている。ジュースでも買いに行こう」

P「凛には何を買えばいいんだろう。好き嫌いを聞いとくべきだった」

P「……」ピッピ

P「……凛が好きなやつ、売ってねえし」

P「コンビニ行こ」

凛「ありがとうございましたー」

凛「プロデューサー?」

P「おかえり……」ハァハァ

凛「どうしたの? 疲れてるじゃん」

P「いや、疲れてなんかないぞ。はい! お疲れさん!」つ袋

凛「あ、これ。私の好きなジュース。よく知ってたね」

P「ああ、まぁプロデューサーの嗜みというやつだな」

P「飲んだら次行くぞ」

凛「プロデューサーも休めば?」

P「プロデューサーの都合にアイドルを付き合わせられんだろ。飲み終えたらだ」

凛「ふーん。わかったよ」ゴクゴク

P「次はCMの撮影だ。一発で決めてこい」

凛「ハードルあげるね」

P「凛なら出来るだろ?」

凛「……頑張るけど」

P「それでいいよ」

凛「じゃ行こっか」

P「あーい」

待機室

P「いってらっしゃい」

凛「うん。頑張ってくるからプロデューサーは来ないでよ」

P「わかりました」

P「(実は今日のCMはレジャーパークのCMで凛は水着を着るのだ)」

P「もちろん見に行きます」

凛「~~~~~!!」

P「何言ってるかわからんが水着着てるのはわかる」

P「可愛い」

凛「~~~~~!」

P「今回はバレてないようだな」

監督「おっけー」

凛「ありがとうございましたー」

P「終わった。凛が着替えてるうちにかえろっと」

凛「プロデューサー?」

P「ややっ!?」

凛「出てこないでって行ったよね」

P「すいません」

凛「何で出てきたの?」

P「可愛い凛を見たいという衝動にかられたからです」

凛「か、可愛いかな」

P「超カワイイよ。マジ天使」

凛「言い方が馬鹿にしてる」

P「誠に可愛らしゅうございます」

凛「馬鹿にしてる!」

P「可愛いよ。凛」

凛「……」

P「……」

凛「着替えてくる」

P「(割と手応えあり?)」

凛「帰るよ! プロデューサー」

P「早かったな。もういいのか?」

凛「帰るよ!」

P「お、おう」

P「(さてはさっきのことが恥ずかしいんだな)」

P「凛は可愛いなぁ」

凛「うるさい」

P「ただいま戻りましたー」

凛「ただいま戻りました」

P「って誰もいねえな」

凛「そだね」

P「凛」

凛「何?」

P「プリン食うか?」

凛「あったっけ?」

P「俺が隠してる。誰にも食べられないように」

凛「くれるならもらうよ」

P「持ってくるわ」

凛「……」

P「はい」

凛「……一個?」

P「言ったじゃん。俺が誰にも食べられないように隠してたって。俺のなんだから一個だろ」

凛「騙された」

P「食べる?」

凛「食べる」

P「はい」

凛「……え?」

P「はい」

凛「え?」

P「はい!」

凛「……」

P「食べてよ!」

凛「あ、あーん」

P「そうそう」

凛「美味しいね」

P「そりゃそうだ」

凛「もう一口」

P「はい」

凛「ぁーん」

P「全部食べていいからな」

凛「いいの? もとはプロデューサーのでしょ?」

P「いいよいいよ。今日のご褒美だ」

凛「ありがと」

P「じゃあ、俺もご褒美もらうよ」

凛「私、なにももってないよ?」

P「隣に座るだけだよ」

P「ほら食え食え」

凛「ん」

P「俺はこうやって凛とコミュニケーションがとれるだけで嬉しいよ」

凛「え、あ、そう」

P「何その反応」

凛「いやなんでも」

P「なんでもなくはなさそうだけど」

凛「なんでもないの!」

凛「隣に座るだけで十分なんて無欲すぎるよ」ボソ

P「そうかな」

凛「別にもうちょっと触ってもいいんだよ?」

P「別に俺は凛に触るためにプロデューサーやってるわけじゃないし」

凛「ふーん」

P「何だその顔。プリン突っ込むぞ」

凛「あー」

P「はい」

凛「ん」

凛「……」モグモグゴク

P「凛」

凛「何?」

P「(手握ろ)」

P「……」ギュ

凛「!?」

P「驚くなよ」

凛「別に驚いてない」ギュ

P「……」

凛「何?」

P「プリン食べるぞ」

凛「手はつないでるし、どう食べるの?」

P「凛はカップを、俺はスプーンを持つ」

凛「なるほどね」

P「ほい」

凛「ん」

P「あん」

凛「ちょ、何食べてんの?」

P「え?」

凛「いや、え? じゃないよ。それ私が口つけたスプーンだよ!?」

P「いいじゃんそんくらい」

凛「プロデューサーは良くても私は良くないの!」

P「何で?」

凛「何でって恥ずかしいからに決まってるでしょ」

P「俺は恥ずかしくないよ」

凛「や、やめてよ」グイ

P「ちょ、おい!」

凛「ふんっ」ポーイ

P「あーあ、投げちゃったよ」

P「これ、どう食べんの?」

凛「違うスプーンで食べるよ」

P「舐めて」

凛「は?」

P「舐めて食べてみて」

凛「ヤダ。何でそんな変態みたいなことしなきゃいけないの?」

P「やっぱり?」

凛「違うスプーン持ってくるね」

P「はいはい」

凛「ごちそうさま」

P「帰るか。送ってくぞ」

凛「うん」

P「明日はラジオの後レッスン。忙しくなってきたけど頑張ろうな」

凛「うん。トップアイドルに近づいてるんだよね」

P「そうだ。少しずつではあるけど近づいてる。全部凛が頑張ってる証拠だよ」

凛「プロデューサーも頑張ってるよ」

P「そう言ってくれると嬉しいよ」

凛「私いつになったらトップアイドルになれるかな」

P「知らん」

凛「一蹴だね」

P「まぁいずれなれる。凛は俺のお気に入りだからな」

凛「関係なくない?」

P「この事務所ってさ一アイドルにつき一プロデューサーじゃん」

凛「そだね」

P「実は入社する条件があるんだよね。学歴とかの他に」

凛「うん。当たり前だね」

P「それがアイドル候補を連れてくることなの」

凛「え」

P「連れてきたアイドルがいかに素晴らしい原石かを社長とかちひろさんとかに熱弁するの」

P「それで受かった奴等がプロデューサーとアイドルになれる」

凛「落ちた人は?」

P「誘ってきた娘共々今回は縁がなかったことでって言われる」

凛「じゃあ、プロデューサーは私のことを熱弁したわけ?」

P「ああ、会って間もない娘を熱弁するのは難しかったけど絶対こいつをトップアイドルにしてやろうって思ったね」

凛「プロデューサーは私のことトップアイドルにしてくれるんでしょ?」

P「もちろんだ。絶対してみせる。俺を信じてついてこい!」

凛「なにそれ。カッコつけてるの?」

P「ああ? 格好良いだろ。俺についてこい!って。それとも」

P「黙って俺についてこい!」

P「が良かった?」

凛「どっちでも一緒でしょ。でも、信じてるよプロデューサー」

P「お、おう」

凛「ここでいいよ。ありがと」

P「じゃあな。明日も頑張ろうな。お疲れさん!」

凛「うん、バイバイ」

P「……」

P「……凛の匂いがする」

翌日

凛「おはようございます」

P「うぃーす。はやかったな」

凛「プロデューサー。行くよ、ほら」

P「ラジオだな。ちょっと待ってな」

凛「早くして!」グイグイ

P「わかったよ。じゃあ行くか」

凛「先行ってるね。鍵貸して」

P「ん」

凛「意外と早かったね」

P「今日は助手席なのか」

凛「気分だよ」

P「なぁラジオの後さ、レッスンも見に行っていい?」

凛「え? 別にいいんじゃない?」

P「そっか。じゃあ今日は凛の練習してる姿を見ていこうかな」

凛「……」

ラジオ収録終了後

凛「今日のラジオどうだった?」

P「良かったと思うぞ。城ヶ崎さんとの掛け合いとか面白かったし」

P「島村さんとかも良かったなー。可愛かった」

凛「……私は?」

P「え? ああ、凛も可愛かったぞ」

凛「むぅ……ありがと」

P「じゃ、次はレッスンだな」

凛「うん」

レッスン場

トレーナー「はい、今日も頑張っていきましょう」

凛「はい!」

P「(ジャージ姿の凛だ。可愛い)」

トレ「今日はプロデューサーさんも同伴ということで気合いれていきましょう」

凛「はい!」

トレ「じゃあ、まずは準備体操から」

P「(ジャージ姿の凛も可愛いなぁ)」

P「(レッスンっていつ見てもハードだよな)」

凛「……」

トレ「テンポずれてる!」

凛「はい」

P「(頑張れ、頑張るんだ! 凛)」

P「お疲れさん! はい、スポーツドリンク」

凛「あ、ありがと。レッスンどうだった?」

P「なんかハイレベルだった」

凛「まぁ私達のレッスン一番きついからね」

P「頑張ってるとこが久しぶりに見れて良かったわ」

凛「そう? これからもたまに見に来てよ」

P「うん、ちょくちょく見に来る」

P「あ、事務所に帰っても結構時間あるから寝てていいぞ」

凛「わかった。着替えてくるからちょっと待ってて」

凛「じゃあ、仮眠室借りるね」

P「おう」

P「……寝てる」

P「写メ写メ」ゴソゴソ

P「……」カシャカシャ

P「……ふぅ」

P「おやすみ、凛」

数時間後

P「凛、りん!」

凛「……ん」

P「起きろ」ズイ

凛「ちょ!? 近いよ」カァァ

P「ああ、ごめん。起きないから」

凛「起きたからさ。ちょっと離れて」

P「……」ササ

凛「今日はもう何もないよね?」

P「うん。帰るか?」

凛「そうだね、そろそろ帰るよ」

P「送ってくよ。でもその前に髪跳ねてるからこっちこい」

凛「自分でするよ」

P「まぁまぁ」

凛「じ、じゃあお願い」

P「綺麗な髪じゃないか」

凛「毎日ちゃんと手入れしてるからね」

P「はい。これでどこへ行ってもばっちりだ」ナデナデ

凛「……ありがと」

P「撫でられるの嫌じゃないか?」

凛「うん。嫌じゃない。でもプロデューサーの手冷たいね」

P「昔からだよ。知らなかったか?」

凛「知らなかった」

凛「(そういえばプロデューサーのことあんまり知らないかも)」

P「別にいいんじゃないか?」

凛「何で?」

P「必要ないじゃん」

凛「うーん。そうかな」

P「俺の誕生日知ってる?」

凛「知らない」

P「趣味は?」

凛「知らない」

P「そんなもんだよ」

凛「プロデューサーは私のこと知ってるの?」

P「知ってるよ」

凛「ふーん」

P「あ、もうこんな時間か。そろそろ行くか?」

凛「うん」

P「よーし帰るぞ」

凛「……」ゴソゴソ

P「んー、何してるんだ?」

凛「な、何でもない」

P「はい、着いたぞ」

凛「え、もう!?」

P「結構時間かかったと思ったんだが」

凛「い、いやなんでも。ありがとう」

P「おう」

P「(何してたんだ?)」

翌日

ちひろ「プロデューサーさん、プロデューサーさん」

P「何すか。ちひろさん」

ちひろ「プロデューサーさん、誕生日いつですか?」

P「はぁ?」

ちひろ「さっき凛ちゃんに聞かれたんですよ」

P「○月×日です」

ちひろ「ですよね。知ってます」

P「じゃあ何で聞いたんですか」

ちひろ「確認ですよ。凛ちゃんにメールしときますね」

P「何で俺の誕生日なんか」

ちひろ「気になったんじゃないですか?」

P「(昨日のことか?)」

P「そろそろ凛を迎えに行ってきます」

ちひろ「はい、いってらっしゃい」

P「いってきます」

P「あれ、車にこんなん置いたっけ?」

P「何だこれ。すっげえ匂いがするな」

P「こんな小物どこで誰が持ち込んだんだ?」

P「……凛か?」

P「まぁいいや」

仕事先

凛「……」

P「凛。迎えに来たぞ」

凛「あ、うん」

P「何だ、ミスか? まぁしょうがないさ」

凛「うん」

P「でも注意されたことはちゃんとメモっとけよ。出来る奴は同じ失敗は繰り返さないもんだ」

凛「うん」カキカキ

P「じゃあ今日は帰るぞ」

翌日

P「おはようございます」

ちひろ「あ、おはようございます」

P「凛は?」

ちひろ「まだ来てないですけど?」

P「朝から仕事なんですけど」

ちひろ「メールしました?」

P「しました」

ちひろ「何時頃?」

P「七時頃」

ちひろ「なら見てますよね」

P「とりあえずちひろさんは凛に連絡してください」

P「俺は向こうに電話します」

ちひろ「わかりました」

P「(昨日のこと引きずってるのか。まぁ最近調子良すぎたし、今までも失敗なんてしてこなかったしなぁ)」

P「凛何て言ってました?」

ちひろ「ごめんなさいって。今、急いで来てるみたいです」

P「そうですか」

ちひろ「そっちは」

P「とりあえず謝りましたよ。他のプロデューサーにも連絡してオフのアイドルを行かせてもらいました」

ちひろ「大丈夫ですかね」

P「凛がですか? 仕事がですか?」

ちひろ「どっちもですよ」

凛「ごめんなさい!!」

P「……凛」

P「うん、大丈夫だ。ミスは仕方ない」ギュ

凛「でも……せっかくプロデューサーが持ってきてくれた仕事を無駄にしちゃって」ポロポロ

P「大丈夫だって。何回かミスでそんなに気を落としてちゃこれから先、心が持たないぞ」ナデナデ

凛「でも……でも……」

P「ほら、今日の仕事はこれだけじゃないんだ。次の仕事で挽回しよう! な!」パッ

凛「……あ」

凛「うん!」

P「チャンスは凛が頑張り続ける限り巡ってくるよ」

P「じゃあ涙拭いて」つハンカチ

凛「……」ゴシゴシ

P「顔洗って来い」

凛「……」

P「よし、行くぞ」

凛「……」ギュ

P「どうした? シャツの端を掴んだりして」

凛「……怖いよ」

P「……」

凛「また失敗したらって思ったら怖いよ」

P「大丈夫。俺がついてるからさ。ビビんなよ。いつもの凛を俺に見せてくれ」

凛「ほんとにいいの。いつもの私で」

P「そうそう。いつもの凛でいいんだ。自然体っていうのかな」

凛「うん……うん」ギュー

P「抱きつくなよ。でも凛なら大丈夫」ギュ

凛「じゃあ行こう」

P「よし、気合入れてくぞ」

凛「うん!」

P「今日はまた助手席か」

凛「今思うとプロデューサーの存在って大きいなって思って」

P「ん?」

凛「いつも一緒にいるのに全然知らなくて」

凛「でも私のこと一番に考えてくれてて」

凛「私を支えてくれる人」

P「それがプロデューサーってもんじゃねえの。俺に限らずさ」

凛「それでもありがと。さっき大丈夫って言われて抱きしめられたのとても嬉しかった」

P「お、おう。どうも」

凛「プロデューサーのことさ、教えてよ」

P「はぁ」

凛「私、プロデューサーのこと知りたいよ」

P「じゃあ仕事終わったら散歩でもするか」

凛「いいね」

P「まぁまずは仕事だ」

凛「仕事終わったよ。ちゃんと上手く出来たよ!」

P「お、調子が戻ってきたな」

凛「じゃあお散歩行こっか」

P「そういう約束だったからな」

凛「ふふ」

P「おい」

凛「何?」

P「何故腕を組む」

凛「いいでしょ」

P「あまりよろしくない」

凛「いいの私がしたいんだから」

凛「ねぇ、アイス食べない?」

P「いいぞ」

P「(……アイスかぁ)」

P「俺が買ってくるわ」

凛「お願い」

P「まかせろ」

凛「あれ?」

P「何?」

凛「一つ?」

P「うん」

凛「何かデジャヴ」

P「いいからいいから」

凛「う、うん」

P「ほらスプーン」

凛「今回は私のあるんだ」

P「俺のもあるよ。そこのベンチで食おう」

凛「……」

P「何離れてんだよ。もっとこっちこい」

凛「は、恥ずかしいよ。人見てるんだよ?」

P「そう言いつつ来てるじゃん」

凛「それはアイス食べたいから」

P「じゃ食べさせてやるよ。ほら」

凛「あ、あ~ん」

P「美味しい?」

凛「うん」

凛「プロデューサーにも食べさせてあげる」

P「人が見てるから恥ずかしいんじゃんかったのか?」

凛「別に。プロデューサーが先にしたからもう恥ずかしくないよ」プルプル

P「(めっちゃ恥ずかしがってんじゃねえか)」

凛「ほら、あーん」

P「ん」

凛「ふふ」

P「んだよ。笑ってないでアイス食ったほうがいいぞ。ほら」

P「俺は凛の口づけスプーン使って食うからな」

凛「言い方あるでしょ」

P「凛の味がする」

凛「……」カァァア

P「(恥ずかしがってるな。いいぞいいぞ)」

P「凛味うめー」

凛「ふん!」

P「あ、アイスが」

凛「残りは全部私が食べる!」

P「俺が口つけたスプーンで?」

凛「あ……」

P「それには俺の唾液がついてるんだぞ?」

凛「……」

凛「いいもん」

P「間接キスだぞ?」

凛「……」

P「どうした食べないのか?」

凛「あむ」

P「た、食べるのかよ」

凛「ありがとねプロデューサー」

P「ん?」

凛「元気出た。これからも、その、よろしくね」

P「お、おう。もちろんだ」

凛「口の中が痛い」

凛「でもそろそろ帰ろう?」

P「そうだな」ギュ

凛「……ふふ」ギュ

P「お、手握ったのに握り返してくるとは」

凛「今日はプロデューサーのこと見直したから」

P「そう言ってくれると嬉しいな」

凛「もう一回確認。これからも私のこと支えてくれる?」

P「当たり前だ! 俺は凛をトップアイドルにするまで支え続けるよ」

凛「……トップアイドルになるまでか」ボソ

凛「トップアイドルになったらプロデューサーは違う娘のプロデュースをするの?」

P「それはないけど……こういう風に凛とコミュニケーションをとることは難しくなるだろうなぁ」

凛「どういうこと?」

P「凛が忙しくなればなるほど俺も忙しくなる。互いに自由な時間はなくなるわけだから、無駄に話してる時間はないんだよ」

凛「それならトップアイドルなんてなりたくないよ」

P「……何言ってんだ」

凛「最近、プロデューサーとこうやって話してる時が嬉しいの」

凛「手を繋いだ時は安心できて、仕事の時はいつでも見ててくれる」

凛「前は見られるの嫌だったけど、今は違う。何ていうか嫌じゃないし、見てて欲しいって思うんだ」

P「トップアイドルになっても俺は仕事についていく」

凛「でも……仕事終わりに今日はどうだったとか話すことはできないんでしょ?」

P「……忙しくなれば難しいかもしれない」

凛「だよね。最近でも最初に比べれば時間もかなり短くなったし、出来ない日だってあるもんね」

凛「やっぱり今のままがいいよ。トップアイドルにならなくてもプロデューサーがついてるならそれでいいよ」

P「いや、しかしだな。トップアイドルは俺と凛の夢なんだぞ? しかもあと少しで手が届きそうなとこまで来てる」

凛「もういいんだ。トップアイドルかプロデューサーかなんて言われたら私は迷いなくプロデューサーをとるよ。そのくらいプロデューサーが大事」

P「その気持ちは嬉しいけど……」

凛「なんでもするから私をプロデュースして傍にいてよ」

P「……今日は帰ろう。幸い人はいなかったし、うん大丈夫だろう」

凛「私は別に構わないのに……」

P「……」

P「未来の話はまたすればいい。大事なのは今だ」

P「明日も仕事がある。明後日も明々後日も」

凛「私、頑張るから、見ててね」



ちひろ「凛ちゃん最近調子良いですよね」

P「ええ、そうですね」

ちひろ「?」

P「俺、凛の家まで迎えに行ってきます」

ちひろ「いってらっしゃーい」

ピンポーン

P「……」

ガチャ

凛「おはよ」

P「おはよう。もう出発できるか?」

凛「うん。ちょっと待ってて」

イッテキマス イッテラッシャイ

凛「行こ」

P「おう、でもさりげなく腕を掴むのはやめような」

凛「……」プイ

P「まぁいいよ」

凛「……」ニコニコ

事務所

P「お疲れ」

凛「ねぇプロデューサー。今日はどうだった?」

P「今日はかなり忙しかったのにそれぞれの仕事の出来に差は無かったし、これといったミスもなかった。素晴らしいぞ」

凛「ふふふ、ありがと」

P「な、なんだ。ちょっとずつ寄ってきて」

凛「ちょっと眠くなっちゃって。プロデューサーが膝枕してくれたら嬉しいな」

P「いいよ。おいで」

凛「えへへ」

P「……」ナデナデ

凛「そういえばプロデューサーって彼女とかいるの?」

P「何だ、そんなこと気になるのか?」

凛「うん、とても気になる」

P「……いないよ」

凛「そっか。へへ」

P「……」

凛「そ、その!」

P「ん?」

凛「わ、私も……彼氏とかいないから。フリーだからね!」

P「うん、わかった」

凛「うん、わかったってそんな軽く……」

P「凛の気持ちは十分伝わったよ」

凛「あ……うん、それならいいけど」

P「ほら、眠かったんじゃないのか?」

凛「う、うん、じゃあちょっと寝てもいい?」

P「このままでか?」

凛「プロデューサーと触れ合ってると安心出来るから。ダメかな?」

P「いや、凛がいいならいいよ。ゆっくり休め」ナデナデ

凛「……」

P「凛には申し訳ないが、俺には凛の想いに応えるのは無理そうだ」

凛「……」

P「凛はまだ未成年だし、俺は逆にもういい年だ」

凛「……」

P「凛が成人する頃には俺だって他の人と結婚してるかもしれない」

P「凛に他の好きな人が出来るかもしれない」

凛「……やだ」ボソ

P「何よりプロデューサーとアイドルだしな。先輩と三船さんはやっぱり特別だったんだ」

凛「……違う」ボソ

P「ごめんな」

凛「プロデューサー!」ガバッ

P「起きてたんだな」

凛「……気づいてた?」

P「……いや」

凛「何で今みたいなこと言ったの?」

P「……」

凛「私は! こんなに! プロデューサーのことが好きなのに!」チュゥ

P「んっ!?」

凛「はぁはぁ。どう? わかった? これが私の気持ち」

凛「私がプロデューサー以外を好きになるなんて有り得ないから」

凛「プロデューサーも私だけを愛して。他の人と結婚するなんて嫌!」

P「……」

凛「私はまだ十五歳だけど本気プロデューサーのことが好き」

P「それだよ。凛はまだ十五歳なんだ。十五歳の少女をいい大人が好きになるなんて」

凛「プロデューサーは私のこと好き?」

P「好きだよ! 好きじゃなきゃスカウトなんてしないよ」

凛「好きならいいじゃん。他の人がどう思ってもプロデューサーが私のこと好きなら私は嬉しいよ」

凛「だから私を愛してくれる?」

P「……いいんだよな。凛を一人の女の子として見て」

凛「うん。すぐに結婚とか大人みたいなことできないけど」

凛「いっぱいデートしようよ。それからもっとお互いのこと知って大人になってそれから……いつか」

P「結婚しよう。俺は凛のこと一生好きだから」

凛「私も。私だってプロデューサーのこと一生好き。おじさんになってもおじいさんになっても」

P「そろそろ帰るか? 送っていくぞ」

凛「そうだね。お願いするよ」

P「そういえば、この車にも凛の物が増えたよな」

凛「あ、ごめんね。今度片付けるから」

P「いや、いいよ。これはこれで気に入ってる。最初はこんな小さな物だけだったのにな」

凛「それいい匂いがするでしょ?」

P「最初は何かと思ったが慣れるといい匂いだと思えてきたよ」

凛「あ、あとこれとか」

P「おいおい、今アイテムを引っ張り出すな」

凛「もうすぐ家に着いちゃうから」

P「おう」

凛「ちょっとでもプロデューサーと話してたいの」

P「そうか。じゃあ、家に着くまで話そう。俺は凛の方向けないけど」

凛「うん。でね、これが加蓮にもらったやつで、こっちが奈緒にもらったの」

P「お前らは、本当に仲いいよな。俺達プロデューサーはそれぞれのアイドルが一番可愛いと自慢しかしないのに」

凛「そんなことしてるの?」

P「ああ、してる。いっつも皆引き下がらずにちひろさんに止められるけど」

P「お、もう家に着くぞ」

凛「……あ」

凛「……」

P「何だ?」

凛「明日デートしよう!」

P「は?」

凛「明日って午後からオフだったよね? デートしよう」

P「まあ確かにオフだな。じゃあデートするか」

凛「やった。じゃあ、デートのスケジュールはプロデューサーに任せたよ」

P「おう、任せとけ」

凛「最初のデートかぁ。楽しみ」

P「明日、最高のデートにしてやるからな。期待しとけよ」

凛「うん、期待してる。だから明日も頑張ろうね!」チュ


終わり

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