胡桃「2回戦で戦った高校に注意しに行くよ!」 (64)

宮守女子高校 控え室


胡桃(……私たちの全国は終わってしまった)

胡桃(悔いがない訳じゃないけど、全力は尽くせたと思う)

胡桃(シロ、塞、エイちゃん、豊音)

胡桃(みんな集まって1年にも満たないけど、心の底から信頼し合える良いチームになった!)

胡桃(私はこのチームで……最高の仲間たちと全国に来れて良かった!)

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胡桃(シロはダルいダルい言ってるけど、やる時はビシッとやってくれる!)

胡桃(エイちゃんは得意な絵で、私たちを和ましてくれた!)

胡桃(豊音は見た目は大きいけど、言動はとっても可愛い女の子!)

胡桃(塞は不慣れながらも、部長としてみんなを引っ張ってきてくれた!)

胡桃(私も自分なりに塞をサポート出来たと思う!)

胡桃(私はこのチームには……みんなには何の不満も無い!)

胡桃(だけど……)イライラ

胡桃(全国大会に出場している、他校の選手は何なの!?)イライラ

胡桃(ナース服や巫女装束などの普通の制服を着てないのは当たり前!)

胡桃(刀を差してきたり、弓矢を打ったり……挙げ句の果てには服をちゃんと着てない半裸の人までいた!)イライラ

胡桃(見た目だけじゃない!)

胡桃(上がる時に思いっきり牌を卓に叩きつけたり、魔王オーラ出したり、手をギュルギュル回し始めたり……とにかく変な人ばっかり!)

胡桃(直接会って、注意してやりたい!)

トシ「それは良い案だね? 胡桃」

胡桃「ト、トシ先生!? いつの間に!」ドキッ

胡桃(っていうか心の中読まれた?)ドキドキ

トシ「今の時代、若者たちは大人しい子ばかりで個性が無いなんて言われてるけど……」

トシ「麻雀をする子たちに限っては個性的過ぎるのが増えてきたんだよ」

トシ「今と比べたら、10年前の大会に出てた選手なんて無個性もいい所だね」

トシ「変わってたのなんて、当時からアイドルぶってた牌のお姉さん(28)と、レジェンド名乗ってたピエロくらいなもんさね」

胡桃(非道い!)

トシ「選手が個性的になって、最初は麻雀協会も喜んだんだけどね」

トシ「個性が強くなり過ぎて、次第に恐怖を感じてきたんだよ」

トシ「このままじゃあ団体決勝や個人戦で、もっと異常な打ち方をしたり全裸になったりしかねない……ってね」

トシ「子供たちも見ている全国中継で、マナーの悪い打ち方や児童ポルノを映す訳にはいかない」

トシ「そこで協会のヒヨッコ共が私に泣きついてきたんだよ」

トシ「選手たちに注意をし、大人しくさせてほしい……と」

胡桃「は、はあ……」

トシ「でも丁度良かったよ」

胡桃「え?」

トシ「選手たちにそこまで思う事があるなら……胡桃、あんたにその仕事任せたいと思う!」

胡桃「し、仕事って注意しに行く事ですよね!? な、何で私が!」

トシ「私みたいなお婆さんに注意されるよりは、同年代の可愛い女の子に注意された方が効果あるかと思ってねぇ」

胡桃「で、でも!(可愛い女の子!)」

トシ「それにあんたは他の誰よりも清く正しい心を持っている! その心を持ってぶつかれば! 必ずや相手は改心する!……そう思ったんだよ」

胡桃「先生……」

トシ「私の見込み違いかねぇ?」フフフ

胡桃「先生……本音を言うと?」

トシ「色々な学校の所回るのシンドい」

胡桃(本音ぶっちゃけすぎ!?)ガーン

トシ「でもさっき言った事は冗談じゃないよ? 私はあんたを信じてる……だから、試しに何校か行ってみないかい?」

胡桃「……本当にただ注意するだけですよ? 私が注意しても、服装を直したり、おかしな打ち方は止められないかもしれない」

トシ「それでいいんだよ、その子らだって人に迷惑をかけてまで自分のこだわりを貫こうなんて思わないだろうし……大体協会の奴らは臆病すぎるんだよ」

トシ「せいぜい牌を叩きつけて傷をつけたり、オーラ的なもので照明破壊したり……裸だっていざとなれば不自然な光や煙が現れるだろうさ」

胡桃(光? 煙?)

トシ「とにかく胡桃、自分のやりたいように注意してみなさいな」

胡桃「……分かりました! やれるだけやってみます! それじゃ、行ってきます!」ダッ

トシ「……」

トシ(人に正面から注意をするのは凄い勇気のいる事だ)

トシ(その注意が相手に批判と取られたり、もしかしたら恨まれたりするかもしれない……)


カバンゴソゴソ
3DSパカッ
ゲーム起動!

トシ(頑張るんだよ、胡桃! 私はここでゲームをしながらあんたを待ってる!)

全国大会会場通路


胡桃(いきなり面識の無い学校に行くのは怖いよね)

胡桃(ここは2回戦で戦った学校から行ってみよう……怖そうな人いなかったし)

胡桃(ここだ)


コンコンッ


胡桃「お、お邪魔します!」ガチャ

霞「あらあら、あなたは確か宮守の……」

胡桃(まずは永水女子から!)ドキドキ

小蒔「お客様が来てくれるなんて嬉しいです!」ニコニコ

巴「春ちゃんと対戦した鹿倉さんですよね?」

春「うん」ポリポリ

初美「私たちに何かご用ですかー?」

胡桃(……緊張する! でもここは度胸だ!)

胡桃「わ、私はあなたたちが平気でしてるおかしな事を注意しに来たの!」ドキドキ

霞「おかしな事?」ハテ

初美「そんなのありますかねー?」

胡桃「まず何でみんな制服を着てないの!」

春「?」ポリポリ

巴「私たちはみな巫女ですから……」

胡桃「理由になってない! 高校生の大会なんだから、制服着ないとダメでしょ!」メッ

霞「……実は事前に麻雀協会に問い合わせたら、巫女装束でいいって言われたのよ」

初美「去年の姫様の巫女姿がお茶の間で大好評だったらしいのですよー!」

小蒔「は、恥ずかしいです」テレテレ

胡桃「そ、それなら仕方ないね(麻雀協会め!)」

胡桃「じ、じゃあ次に神代小蒔さん!」

小蒔「は、はい!」ビクビク

胡桃「対局中に眠りすぎ!」メッ

小薪「……」

巴「それは……」

胡桃「対局中に居眠りしちゃうなんて、ふざけてると思われちゃうよ!」

霞「小蒔ちゃんは違うのよ……それは神を降ろす為に……」

小蒔「……鹿倉さんの仰る通りです」

初美「姫様?」

小蒔「真剣勝負の最中に居眠りをする……相手にも失礼ですし、気が緩んでいる証拠です」

小蒔「鹿倉さんに面と向かって言ってもらえて、スッキリしました! 私もう居眠りしません! 鹿倉さん、ありがとうございます!」

胡桃「こちらこそ分かってもらえて嬉しいよ! 眠いなら試合前は夜10時には寝ないとダメだよ? ね?」

小蒔「はい!」

巴(姫様はいつも夜9時にはお布団に入っているんですけどね……)

霞(小蒔ちゃんが納得したならそれでいいのかしら)

春(寝て神様を降ろさないと姫様は弱い)ポリポリ

胡桃「次に石戸霞さん!」

霞「何かしら?」

胡桃「おっぱい大きすぎ!」メッ

霞「そんな事言われても……」ボヨン

胡桃(羨ましい!)

初美(妬みの心が見えますよー、私には分かります!)

胡桃「大きいのは仕方ないけど、おっぱいで牌を倒したり、とにかく胸を強調し過ぎ!」

霞「胸が大きすぎて、手元が見えずらいのよねぇ」ボインボイン

胡桃(く、悔しい!)スカスカ

初美「まあまあ、鹿倉さん! 霞ちゃんを許して欲しいのですよ!」

霞「はっちゃん……」

初美「いずれは無残に垂れ下がるおっぱい……今が自慢出来る全盛期なのですから!」

霞「……今何て言ったのかしら?」

初美「!?」

霞「言っていい事と悪い事があるのよ? それくらいはっちゃんでも分かるわよね?」ゴッ

初美「ち、調子に乗りました……ごめんなしゃい」ガタガタ

霞「……今回だけは大目に見てあげるわ」ニコッ

初美「」ガタガタガタガタ

胡桃(こ、怖すぎる!)ブルブル

胡桃「……気を取り直して、薄墨初美さん!」

初美「……私は至って普通の女子高生ですよー」

胡桃「服をちゃんと着ろ!」メッ

巴(そりゃあね……)

春(やっぱり)ポリポリ

初美「ちゃんと着てるじゃないですかー?」

胡桃「何か全体的にはだけ過ぎ! しっかり着て!」

初美「これが楽なんですよー」

胡桃「……薄墨さんがテレビに映ると、インターネットのカンちゃんねるの実況板がこんな風になるの」スッ

初美「スマホですか?」

      ・
      ・  
      ・
『半裸の初美たんキター!!!』

『初美たんかわいい!! ハイエースしたい!』

『初美たんの日焼けあとペロペロ』

『初美たんをワシの孫にしたいのぅ』

『この衝撃は去年の大会でころたんを見て以来だ!』

『胡桃たそも可愛いよー』

『長野にはまだマホちゃんという大物がいる……お前ら覚えとけ』


巴「……うわ」ドンビキ

霞「……」ヒキ

小蒔「初美ちゃんは人気者なんですね!」ポワポワ

胡桃(私まで書かれてた……気持ち悪い!)

胡桃「とにかくこういう事だから、今やめとかないと大変な事になるかもだよ!」

巴「確かに、変な人を刺激して……声をかけてくるかもしれませんね」

春「事案」ポリポリ

霞「はっちゃんだけならまだしも……春ちゃんや小蒔ちゃんに何かあったら大変ね」

初美「私の心配もして下さいよー!」ガーン

霞「そういう事ならはっちゃん……服をはだけないで着るか、中に何か着るようにしなさい」

初美「えー!? そんなの嫌ですよー! イヤイヤー!」ギャーギャー

霞「……さっきの事忘れてないからね?」

初美「中にスクール水着を着るという事で許して下さい」

胡桃「それなら安心だね!」

巴(中にスクール水着ってどうなんだろう……裸が見えないだけマシか)

春(マニアック)ポリポリ

胡桃「これで言いたい事も言ったし、私は帰るね!」

霞「……あなたのおかげで色々気付けて、大変有意義だったわ」

巴「今日はありがとうございました」

初美「……アリガトゴザマシタ」

小蒔「またいつでも遊びに来て下さいね!」ニコニコ

春「……今度は海で」ポリポリ

胡桃「!?……うん!」ニコッ





胡桃(色々言ったけど……永水の人たちはちゃんと聞き入れてくれた!)

胡桃(その人ときちんと向き合えば、私の言葉は届くんだ!)

胡桃(この調子で次にいこう!)

胡桃「ここだ!」


コンコンッ


胡桃「お邪魔します!」ガチャ

洋榎「邪魔すんなら帰ってやー」

胡桃「え? あ、あの……ごめんなさい」トボトボ

洋榎「ちょ、ちょ、待ってーや! ただの冗談やから! 冗談!」アセアセ

胡桃「え?……冗談?」グスン

絹恵「だから言ってるやろお姉ちゃん? 関西人以外にこのネタは通じひんて……」

漫「そうですよ、部長」

胡桃「……いきなり冗談言わないで!」メッ

洋榎「ごめんなさい」シュン

由子「それで……宮守の人がどうしてここに来たのよー?」

恭子「何か用でも?」

胡桃「実は私は、各校のおかしな選手に注意をして回ってるの!」

漫「おかしな……」チラッ

絹恵「選手……」チラッ

由子「なのよー……」チラッ

恭子「……」ジー

洋榎「ほうほう、おかしな選手にねぇ……って何でみんなうちを見るねん?」

漫「いえ、別に……」サッ

絹恵「な、何でもないよお姉ちゃん」アセアセ

由子「うちでおかしな選手は洋榎以外いないのよー」

恭子(さすが由子、はっきり言うわ)

洋榎「うちがおかしな選手な訳ないやろー!? アハハハハ!」

恭子(そしてさすが部長、何も分かってへん)

胡桃「その通りだよ! 愛宕洋榎さん! あなたに注意しに来たの!」

洋榎「うち!? うちよりこいつらの方がおかしいやろー?」

胡桃「例えば?」

洋榎「由子の語尾がおかしいとか……」

胡桃「もっとおかしい人いるし、それくらいなら可愛いくらいだよ!」

由子「ありがとうなのよー」ニコッ

洋榎「……漫と絹のおっぱいが大きすぎるとか」

胡桃「それももっと大きい人がいるし……2人共良い子だよ!」

漫・絹恵「あ、ありがとうございます///」テレテレ

胡桃「あ、絹恵ちゃんはあんまり何でもかんでも蹴り飛ばしたら駄目だよ?」メッ

絹恵「はーい」エヘヘ

洋榎「ぐぬぬ」

洋榎「き、恭子は大将戦でカタカタし過ぎやとか!?」

恭子(しゃあないやんけ……あの卓はああなるわ)

胡桃「……末原さん」

恭子「はい?」

胡桃「大将戦はよく頑張ったね! 私感動したよ!」

恭子「え?」

胡桃「私なんか部活の練習で豊音1人だけでも大変だなーって思うのに、さらに石戸霞さんや宮永咲ちゃんがいる中で末原さんは必死に頑張ってた! 偉いよ!」

恭子「……」

胡桃「準決勝姫松と清澄、どっちに勝って欲しいかは決められないけど……大将戦は末原さん! あなたを応援する!」

恭子「……ありがとう、うち嬉しいわ」ポロッ

絹恵「泣かないで下さい先輩!」

由子「そうなのよー、恭子」

漫「うちも応援してますよ! 先輩!」

ワイワイ ガヤガヤ

洋榎(何やこの流れ……)

洋榎(宮守のと姫松のみんなが仲良うなっとる……そしてうちは蚊帳の外)

洋榎(寂しい……)

洋榎「う、うちに何か注意するんやろー? 何やろなー!? わ、分からんわー?」ドキドキ

胡桃「あ、対局中に余計な事ペラペラ喋らないでって事だよ……それより良かったらみんな私と電話番号交換しない?」

恭子「こっちからお願いしたいくらいや」

由子「私もお願いなのよー」

絹恵「うちもお願いします!」

漫「うちもいいですか? エヘヘ」

胡桃「もちろんだよ!」


ピピピッ
ワー! できた!
キャッキャッ


洋榎「……」

洋榎「し、しゃあないなー! だったらこの愛宕洋榎様もいっちょ電話番号を交換……」

胡桃「あ!」

胡桃「私もう次の学校の所行くね! じゃあねみんな!」ダッ

恭子「連絡するからー!」

絹恵・漫「頑張ってくださいー!」

由子「なのよー!」フリフリ

洋榎「……」

洋榎「……メゲるわ」

胡桃(姫松の人とも仲良くなれて良かった!)

胡桃(愛宕さんもこれで大人しくなればいいな!)

胡桃(次は2回戦で戦った最後の高校……清澄高校!)

胡桃(何と言っても、ここには最大の問題児がいる……)

胡桃(ついた!)


コンコンッ


胡桃「お邪魔します!」ガチャ

久「あら、あなたは確か宮守の……とにかくいらっしゃい」ニコッ

胡桃(竹井久!)

和「なんで宮守の方がここに……?」

優希「まさか負けた腹いせに殴り込みに来たのかー?」タコスモグモグ

咲「そ、そうなんですか!?」ブルブル

まこ「そんな訳無いじゃろう……」

胡桃(竹井さんを注意するのは最後にしよう!)

胡桃「実は私は各校のおかしな選手に注意をして回ってるの!」

久「へえ、注意をねぇ……」

胡桃(まずはウォーミングアップとして……)

胡桃「最初に、片岡優希さん!」

優希「じょ!? 私?」モグモグ

優希「私は至って普通の美少女雀士だじぇ?」モグモグ

和「自分で言わないでください……」

胡桃「対局中に何でマント羽織ってるの!」メッ

優希「モグモグ(1個目完食)……それには理由があるんだじぇモグモグ(2個目完食)……清澄は決して激戦区と見られていない長野からモグモグ(3個目完食)勝ち上がってきた無名校……周りに舐められない為にもモグモグ(4個目完食)マントを付けて己を強く見せようとしてたんだじょモグモグ(5個目完食)タコスウマー」

胡桃(!?)

胡桃「ちょっと待って!? あなたこの10数秒の間に何個タコス食べてるの!? 食べ過ぎだよ!」

優希「これくらい普通だじぇ? なあ咲ちゃん?」モグモグ

咲「優希ちゃんはいつもこのペースでタコス食べてるよね」

和「この小さな身体のどこに、大量のタコスが詰まってるんですかね?」ウフフフ

久(冷静に考えたら確かに食べ過ぎね)

まこ(感覚が麻痺してたわ)

胡桃「マ、マントよりも食生活を治さないと! 身体壊しちゃうよ!?」メッ

優希「心配無用だじぇ……何故なら私は呪われたタコスの血族……タコの名の付く食べ物はいくらでも食べられるじょ!」

和「確かそういう設定でしたね……でも最近はタコスしか食べてませんよね?」

咲(設定とか言っちゃダメだよ和ちゃん!)ガーン

優希「それはもちろんタコスが1番好きだからなー! 当然だじぇ!」

胡桃「今はいいけど、年を重ねてくると食生活の乱れが病気の原因になるからね?」

胡桃(トシ先生もカップラーメン食べ過ぎて内臓脂肪ヤバイって言ってたし)

胡桃「無茶しないである程度の量で抑えるんだよ? ね?」

優希「心配してくれてありがとうだじぇ……少し我慢するようにしてみるじぇ!」モグモグ

まこ(と言いつつ食っとる)

胡桃「次に次鋒の……染……谷……」

久「……ん?」

胡桃「……ちゃんの……」

まこ「……何じゃ?」

胡桃「エイちゃんのカタキー!」バッ

まこ「わー!? な、何じゃー!」

胡桃「この! この! ワカメめ! この!」ガッ ガッガッ

まこ「痛い痛い! やめてくれ!」

優希「染谷先輩が執拗にスネを蹴られてるじぇ!?」

和「あれは痛そうですね」

咲「み、見てないで止めないと!」アワワワ


ワーワー ギャーギャー

胡桃「……取り乱したりしてごめんなさい」ペッコリン

優希「突然ビックリしたじぇ!」

咲「大丈夫ですか? 染谷先輩」

まこ「あ、ああ、まあの」ズキズキ

久「まあ特に大事にならなくて良かったわ」

まこ(わしの足、めっちゃ腫れてるんじゃけど……)

胡桃「あれは真剣勝負の結果って分かってるんだけど……あの時のエイちゃんの姿を思い出したらつい……」

まこ「……」

胡桃「でもエイちゃんももう吹っ切れてるから!……あんな事しちゃったけど、次も頑張ってね! 染谷さん!」

まこ「エイスリンさんの分まで頑張るけぇ(蹴られた足の感覚が無いのう)」

胡桃「次は原村和さん!」

和「はい」

胡桃「何で対局中にぬいぐるみ抱いてるの!? 子供みたいだよ!」メッ

和(見た目がそのまんま子供みたいな人に言われてしまいました……)

久「それには事情があってね……」

胡桃「まさか抱いて麻雀すると、ミスが減ったり効率の良いうち筋になるとか? そんなオカルトありえないよ!」

久「いやそれだけじゃなくて……」

和「……鹿倉さんの仰る通りです」

咲「和ちゃん……?」

和「高校生にもなってぬいぐるみを抱いて打つのは見てる人にも違和感しか無いですよね? もうエトペンを抱くのは辞めにします」

久「の、和……」

胡桃「分かってくれたんだね!」

和「その代わりに咲さんを抱いて打ちたいと思います」

胡桃「……は?」

和「今までエトペンを抱いていたのを突然辞めて何も持たないというのは、さすがに私も不安ですからね、咲さんの力をお借りしたいかと……」

久「それは無理だって何回も言ってるでしょ?」

咲「和ちゃん前にも言ったよね……?」ビクビク

和「時代は進んでいるんですよ!」バンッ

咲「ヒッ!?」ビクゥ

和「愛する者の為に麻雀を打ち、愛する者の為にぬいぐるみ代わりに抱かれる……至極当然な恋人同士の関係です!」

胡桃「恋人同士なの?」

咲「な、なった覚えは無いです」ビクビク

久「この子、思い込みが激しくて……」

和「私が対局でピンチな時は、咲さんが小声で『のどちゃん、頑張って! 大好き!』と囁き頭で私の胸をグリグリする……そして優勢で局が進んでいる時は、誇らしげな顔で私が咲さんの小ぶりなお尻をそっと揉みしだく! 最高じゃないですか! ねぇ咲さん!?」

咲「ヒ、ヒイ!?」ゾワゾワ

久「いい加減にしなさい和! この話は無しよ! ねぇ鹿倉さん!?」

胡桃「う、うん! やっぱり原村さんはぬいぐるみ抱いて打ってた方がいいよ!」

胡桃(宮永さんの為にも!)

咲「わ、私もエトペンを抱いて打つ和ちゃんが見たいなー?」アセアセ

和「……それはつまり、エトペンを抱いて打つ私が好きという事ですか?」

咲「そ、そんな所かなー? あははは」ビクビク

和「愛しているという事ですか?」ズイッ

咲「そ、そこまではいかないけど、とにかくそういう事で……」ゴニョゴニョ

胡桃(必死に好きとか愛してるとかいうワードを出さない様に頑張ってる……宮永さん可哀想!)

和「……分かりました、引き続きエトペンを抱く事にします」

胡桃「う、うん! それでいいから!」

咲「ホッ……」フゥ

優希「一件落着だじぇ」

まこ(蹴られた足が燃える様に熱い……)

和(遅かれ早かれ咲さんを抱く事に変わりはありませんがね)ククッ

胡桃「じ、じゃあ次は宮永咲さんなんだけど……」

咲「は、はい!」ドキドキ

胡桃(見た限り、普段は大人しい良い子だよね……麻雀してる時が凄すぎるだけで)

胡桃「麻雀してる時も今みたいな感じだと、もっと人気出ると思うよ! 魔王化もほどほどにね?」メッ

咲「は、はい(魔王化って何?)」

久(無自覚でやってるのよねぇ、咲は)

和(どんな咲さんでも私は愛していますよ!)ウフフ

胡桃(そして最後の……竹井久!)

胡桃(2回戦の中堅戦……ツモった牌を上空に弾き飛ばし、落ちてくると同時に卓に叩きつける!)

胡桃(あんなマナーの悪い打ち方を、この私がその場で注意出来なかった!)

胡桃(あの時の悔しさを……今この場でぶつける!)

胡桃「竹井久さん!」

久「なぁに?」クスクス

胡桃「何で牌を叩きつけたりするの!? マナー悪すぎるよ!」メッ

優希(普通の人なら当然そう思うじぇ)

和(私も最初は注意をしていましたが……もう諦めました)

まこ(足……わしの……足が)

久「……」

胡桃「何も言い返せないようだね!」フフン

胡桃(私の勝ちだね!)

久「あの中堅戦……情けない話だけど私、途中まで緊張してマトモに打ててなかったのよ」

胡桃「?」

久「何とか後半には自分らしい麻雀を打つ事が出来たけど……前半はとっても後悔しているの」シュン

胡桃(悲しそうな顔……)キュン

胡桃(はっ!?)

胡桃「そ、それと牌を叩きつけるのに何の関係があるの!?」

久「……あっ、特に関係無いわね! アハハハ!」

胡桃(こ、この女!)イライラ

久「というのは冗談で……情けない所を見せたから、少しでもかっこいい所を見せたかったのよ……あなたに」

胡桃「わ、私!?」ドキドキ

久「身体は小さいけど、あの洋榎にも堂々と注意が出来る素晴らしい女の子……胡桃、あなたによ」

胡桃(私の事を名前で!?)ドキドキ

久「初めて会った時から、もう胡桃に夢中なのよ?……この想いだけは悪待ちなんて言わせないわ」

胡桃「あ、あのわ、私……///」ドキドキ

優希(さすが部長……もう落とす寸前だじぇ)

和(何人目ですかね……部長に落とされる人を見るのは)

久「目……閉じてくれるかしら? じゃないとキス出来ないから」

胡桃(キレイな顔///)ドキドキ

胡桃「……うん///」スッ

久(それじゃあ、いただきまー……)


美穂子「今日もお弁当持ってきましたよ! 上埜さん!」ガチャ

久「げぇ! 美穂子!?」

胡桃「……誰?」

美穂子「……あなたこそ誰ですか? 上埜さんに顔を近づけて何をしてるんですか?」

咲「あ、あわわわ」オロオロ

和(見事な修羅場ですね)

胡桃「……久が私に夢中だって告白してくれたんだよ」

久「ちょっ!?」

美穂子「……本当ですか? 上埜さん?」

久「いやー……それはあの……アハハ」

胡桃「もう少しでキスする所だったんだから!」

久「!? ち、違うのよ美穂子! 違う訳じゃないけど、とにかく違うの!」

美穂子「……」

久「……美穂子さん?」

美穂子「……あ」

美穂子「ああああああああああああああああああああっ!」ブンブン

久「きゃーーー! やめてーー!」

胡桃(ナ、ナイフを持って暴れてる!)ブルブル

咲「ふ、福路さんを止めないと! 和ちゃん手伝って!」ガシッ

美穂子「はなしてーー! 上埜さんがーー! 上埜さんがとられるー!」

和「咲さん手伝います!」ガシッ

咲「って私に抱きつかないで和ちゃん! 離して!」

和(咲さん咲さん咲さん咲さん……)クンカクンカ

咲「染谷先輩助けて!」チラッ

まこ「」

咲「染谷先輩が脂汗かきながら倒れてるー!?」キャー

まこ(足……あ……し)

咲「優希ちゃん助けてー!」

優希「モグモグモグモグ……」

咲「優希ちゃん!?」

優希「ごめん咲ちゃん……モグモグさっき注意されてからモグモグ……タコス食べるの我慢してたらモグモグ……タコス食べるのが止められないじょモグモグモグモグモグモグ」

久「私が悪かったわー! 美穂子ー! ごめんなさいー!」ボロボロ

美穂子「上埜さん上埜さん上埜さん上埜さん上埜さん上埜さん上埜さん……」ブツブツ

咲「誰か助けてー! 京ちゃーん! 何でいないのー!?」ウワーン

和(咲さん咲さん咲さん咲さん咲さん咲さん咲さん……)クンカクンカ

まこ「」

優希「モグモグモグモグモグモグモグモグ……」


胡桃(……非道い)

胡桃「……わ、私帰る! お邪魔しました!」ピュー

咲「鹿倉さーん!? 置いてかないでー!」ウワーン

胡桃(……非道い目にあったよ!)

胡桃(咲ちゃんには悪い事したかな……無事だったら今度謝りに行こう)

胡桃(もう疲れたから帰ろう……頑張ったってトシ先生褒めてくれるかな?)フフフ

胡桃「ただいま帰りましたー!」ガチャ


トシ「レイアとレウス2匹同時とか反則じゃないかい!?」カチカチ

トシ「お! ハルエ回復ナイスだよ! 私のアラフォー(オトモアイルー)もグッジョブおもてるよ!」カチカチ

胡桃「……」

トシ「……お? 胡桃帰ってたのかい? ちょっと待ってて、今良い所だから!」カチカチ

胡桃「……つ」


胡桃「次からは自分で注意しに行け!!」メッ



おしまい

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