友清「福岡女子高生殺人事件」 (20)

友清「よう花田もうすぐ退院だってな」

花田「ええ、おかげさまで」

友清「1人部屋で寂しかったんじゃないか?」

花田「今は1人の時間が長い方が良いですから」

友清「今度は何自殺にするか考えてるのか?」

友清「たぶん、入水自殺なら周りへの迷惑が1番小さいとでも思ったんだろうが、助かってしまったから別の手を考えてるんだろう?」

花田「そんな事考えてませんよ」

友清「なあ、なんで自殺しようとしたんだ?」

花田「……」

友清「教えてくれないんだな……」

友清「恐らくお前の自殺が今回の事件の原因なのに」

花田「え?」

友清「つまり白水部長と鶴田が殺されたのはお前を自殺に追い込んだことへの復讐だったってことだよ!!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1396326777

花田「すばらくない冗談ですね……」

友清「冗談になればいいんだがな、全てはお前の自殺の原因しだいだ」

友清「さあ言えよ、なんで自殺しようとしたんだ?」

友清「でも嘘はつくなよ。お前風に言えばすばらくないからな」

花田「……」

友清「沈黙は肯定とみなすぞ」

花田「何も言ってないのに何の肯定になるって言うんですか?」

友清「ふん、まあいい、とりあえず私の推理を聞かせてやる」

友清「まずお前が自殺した原因は鶴田と喧嘩したことだ」

花田「普通そんな事で自殺しますかね?」

友清「普通の理由でした喧嘩じゃないからな」

友清「まず鶴田がどういう人物か説明してやろう」

花田「必要ありません」

友清「鶴田がうちの学校に入学したのは白水部長がいたからだ。白水部長と鶴田は同じ中学に通っていて2人とも麻雀部に所属していたからな」

花田「無視ですか」

友清「これだけなら憧れの先輩の後を追って来た様に見えるが鶴田はそうじゃない」

友清「鶴田は白水部長に惚れていた」

花田「何の根拠があってそんな事を」

友清「聞き込みの結果だよ。もっともこの事については鶴田本人から相談されていたお前の方が詳しいだろうが」

友清「今さらとぼけるなよ調べはついてるんだからな」

花田「……」

友清「ついでに言えば、さっきお前の自殺の原因として述べた鶴田との喧嘩の内容は多くの人が聞いてる」

花田「……」

友清「鶴田がお前に怒ったのは、お前が白水部長と関係を持ってしまったからなんだろ?」

友清「答えなくてもいいさ、白水部長がお前を狙ってた事は白水部長の同級生のレズ仲間が証言してくれたよ」

花田「!?」

友清「驚く事は無いだろ、女子高なんだから。白水部長は1年の時にレズの先輩に気に入られその道に引き込まれたらしい」

友清「もっとも、男にも興味があったみたいだから完全にレズという訳でもなかったようだが」

花田「その事と私には何の関係も無いですよね?」

友清「いや、さっき言った通り白水部長はお前と関係を持った」

友清「鶴田から相談を受けていたお前が受け入れるとは思えないからきっと無理矢理だったんだろう」

友清「これもまた、お前が自殺に踏み切った理由の1つだと私は思う」

友清「信頼する先輩に身も心も踏みにじられたんだからな」

花田「そんなの全部憶測じゃないですか!?」

友清「そうだな、本当のことは分からない。知ってるのはお前だけだ」

友清「だが、お前の同室の先輩はこう証言している。ある日白水部長に花田と2人きりで話がしたいから私が連絡するまで部屋に帰るなと言われたそうだ」

友清「その先輩は麻雀部のことで大事な話があるのだと思い了承したらしい」

花田「そうです!!話をしただけです!!」

友清「その後ずっと布団に籠もってむせび泣くなんていったいどんな話だったんだ?」

花田「……」

友清「さらに、その次の日からお前がだいぶ塞ぎ込んでいたと多くの人が証言しているよ」

友清「そしてお前と鶴田が喧嘩になる訳だが、まあ喧嘩といっても鶴田が一方的にお前を責めていた様だがな」

友清「お前は言ったんだろう、鶴田に白水部長との事を」

友清「お前が正直にレイプされたと言ったかどうかは分からないが、鶴田がお前の気持ちを分かってやれたらお前が自[ピーーー]ることもなかったかもな」

花田「……」

友清「鶴田自身もお前の自殺未遂を聞いてだいぶ後悔していたみたいだ」

花田「そうですか……」

花田「でもこれと殺人事件になんの関係があるんですか?」

友清「これが殺人事件の動機であり、同じ刺殺でありながら鶴田の遺体だけがメッタ刺しにされていた理由だ」

友清「犯人はお前の自殺の動機の大半を鶴田だとみなしたってことだ」

花田「そんな理由で誰が殺人なんてすると言うんですか!?」

友清「お前の自殺未遂を聞いて長野から何人か見舞いに来たらしいじゃないか?」

花田「私はその時意識がありませんでした」

友清「その見舞い客は恐らくお前の部屋でこれを見た」

花田「これは私の日記と手帳……」

友清「見た証拠が無いなんて言うなよ。長野まで聞きに行くなり指紋を調べるなりすれば分かることだ」

花田「仮にこれを見たとしてそれで」

友清「お前の日記にはさっき私が言った事と近い事が、手帳には律儀にお前の知り合いの連絡先が書き留めてあった」

友清「犯人は公衆電話から白水部長を呼び出している。部長の携帯の最後の着信がそれだ」

花田「手帳で連絡先を知って、それで呼び出したと?」

友清「そうだ、そして鶴田は白水部長の携帯からメールで呼び出されている。警察もそう判断している」

友清「更にその後部長の携帯から着信があった様だが、これは犯人が鶴田に隙を作らせるためだろう」

友清「呼び出された場所に来てみたら呼び出した本人が死んでいた。そこに着信だ、嫌でもそれに意識が向いてしまうだろう」

友清「そこまでする必要はなかったとは思うがな」

花田「結局こんな話はなんの証拠にもなりませんよね?」

友清「ああ」

花田「凶器だって分かってないじゃないですか」

友清「凶器は見当がついてる」

花田「え?」

友清「お前の見舞い客と身体的特徴が一致する人物が事件当日包丁を購入している」

花田「本当なんですか?」

友清「その店の店員が覚えていたよ」

友清「帽子をかぶってマスクをしていたから顔は良く分からないが、だいぶ目を引く特徴で髪の色も珍しかったからよく覚えていたらしい」

友清「その包丁はもう処分されているだろうが、私は長野に行く」

友清「行って絶対に罪を認めさせてみせる」

花田「なんでそこまでするんですか?警察に任せればいいじゃないですか!?」

友清「復讐なんだと思う、私の大切な麻雀部を滅茶苦茶にされた事への……」

花田「なんで私にこんな話をしたんですか?」

花田「私の自殺の理由を聞かなくても、あなたの中では答えが出ているじゃないですか」

友清「……」

友清「お前も関係者だから知っておくべきだと思ったのかもな」

友清「お前に言わせれば全てただの憶測だろうけど」

友清「それにこの後何があるかも分からないから、誰かに知っておいて欲しかったんだと思う」

花田「そうですか……」

友清「お前が自殺した理由が全く関係ない理由だって言ってたなら私の考えも変わったかも知れないが」

花田「そうですか……」

花田「すみませんが戸棚からタオルを取って貰えますか?」

友清「これか?」

花田「ありがとうございます。あと下の戸棚から」

友清「下の戸棚」

ギュッ

友清「がっ…花…田っ…」

花田「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

これが私の聞いた最後の言葉だった

その日2人の少女が行方不明になったが後日あるタクシードライバーの証言により1人は水死体もう1人は絞殺体で発見された

病院で2人の少女を乗せたがその内の1人の少女が病院から帰るところなのにまるで死体の様だったため覚えていたらしい

この証言から警察は絞殺した上でその死体と入水するという形で心中しようとしたのではないかと考えているが
入院中だった少女がわざわざ病院で相手を絞殺してから入水して心中を図るのはおかしいとの意見もあるようだ

なお少女が入水した場所は以前少女が入水自殺を図った場所でもありこの事ととの関連についても調べられている

またこの事件で死亡した少女二名と同じ高校、同じ部活の少女二名が殺害された事件との関連性は無いと判断されている
ちなみにこの殺人事件に関しては有力な手掛かりが無くこのまま迷宮入りするのではないかと言われている



おしまい

そういえばsaga入れ忘れてた

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom