男「淡々とした彼女」 (75)

・不定期更新
・5分前に思いついた
・キャラすら定まってない
始めます

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男(僕には彼女がいる)

男(高校に入ってから出会った。3年間同じクラスで、同じ大学に進級した)

男(告白は僕から。彼女は二言返事でOKしてくれた)

男(その彼女は今)チラッ

女「………」

男「女さん。何ぼーっとしてるの?」

女「ほら、あれ」

男「ん?…いや、シミのついた壁しかないけど」

女「そのシミのついた壁を見てるの」

男「へぇ。…楽しい?」

女「思ったよりも」

男「へぇ…」

女「小さいころ、木の木目が顔に見えたりしたこと、ない?」

男「良く聞く話だね。僕もおばあちゃんの家に泊まった時とかにあったよ」

女「あれ、確かきちんと名前の付いたれっきとした「現象」らしいわね」

男「へぇ。そうなんだ、何て名前なの?」

女「………」

男「女さん?」

女「…忘れたわ」

男「あらら」

テレビ< エッサイエサイジーエーエッマーイwwwwwwwシシガミwwwwwwwバーンバーンwwwww

女「………」

男「女さんって普段どんなテレビ見てるの?」

女「いえ、我が家にテレビはないわ」

男「あれ?そうなの」

女「ええ、そうよ」

男「今時珍しいね」

女「まぁ、今時ニュースなんてインターネットで見れるし、それで十分よ」

男「へぇ。…あれ?確か女さんって極度の機械音痴で、PCどころかスマホも十分に使いこなせてないよね?」

女「………」

男「まぁつまり、家にテレビがないからよくウチに来てテレビ見ていくんだね」

女「それは違うわ」

男「ん?」

女「私がここに来るのはアナタに会うためよ、男くん」

男「…ん、ありがとう」

女「あ、ちょっといいところだから静かにして」

男「………」

男「もう外も暗いね」

女「そうね」

男「桜が咲くくらいには温かくなったけど、まだ夜はだいぶ肌寒いね」

女「そうね」

男「今から晩御飯作るけど、食べてく?」

女「そうね」

男「…メニューは女さんの苦手なゴーヤチャンプルーでいいかな?」

女「そうね。…あ」

男「はは、テレビ見てばっかりで適当に返事するからだよ」

女「はかったわね」

男「あはは」

・・・・・・
・・・・
・・

男「はい、晩御飯できたよ」

女「あら?シチュー?」

男「うん。女さん、シチュー好きだったでしょ?」

女「…そうね」

男「それじゃ、いただきます…っと」

女「…いただきます」


女「…おいしいわ」

男「ん、ありがとう」

女「ご馳走様でした」

男「お粗末様です」

女「…それじゃ、そろそろ私は帰るわ」

男「そう?もうちょっとゆっくりしていってもいいのに」

女「いえ、明日提出しなきゃいけないレポートがあったのを思い出したのよ」

男「そっか、なら仕方ないね」

女「一応言っておくけど、送るよとかは言わないでね。もう子供じゃないんだから」

男「そう?…あ、そういえば最近ここらで露出狂が出てるらしいから気をつけてね」

女「………」

男「さて、それじゃ僕は風呂でも洗いに…って、どうしたの女さん」

女「今夜はここに泊まっていくわ」

男「……分かった分かった、ちゃんと駅まで送るよ」

・・・・・・
・・・・
・・

男「夜桜っていうのも風情があるね」

女「そうね」

男「昼間は忙しいから夜でもできるんなら花見とかやってみたいけど、桜がライトアップされてるような場所、この辺にはないからね」

女「私はあまり花見とかは興味ないわね」

男「あれ、ちょっと意外だな」

女「私は男くんと一緒にご飯を食べれるなら、どこでも幸せよ」

男「…ん、ありがと」

女「そういえば、男くんは私より身長が低いわね」

男「何通り魔みたいに急に精神攻撃してくるのさ」

女「可愛いわよ」

男「男としてはあんまり嬉しくないね」

女「じゃあ…可愛くないわね…?」

男「はは、女さんが言うとなんだか嫁が気に入らない姑みたいだね」

女「………えいっ」

男「痛っ、ちょっ女さん、無表情に蹴ってこな、いや、いった、ちょ、ごめんごめん!」

・・・・・・
・・・・
・・

女「駅に着いたわ」

男「そうだね、今夜はここでお別れだ」

女「ええ、また明日ね」

男「うん、また明日。改札は通れるよね?」

女「心外ね。確かに機械はほんのちょっとだけ苦手だけれど、これがあれば完璧よ」

男「ん?…ああ、定期か。僕は電車使わないから持たないけど、女さんは大学に来るのにも毎日電車を使うもんね」

女「そう、よって男くんの心配は無用よ」

男「そっか、それじゃ今度こそ。またね、女さん」

女「ええ、またね。男くん」


男「さて、帰るか…」

<ビーッ!!
<はいちょっと止まってください
<え?私ですか?
<はい。その定期ちょっと見せてくださいね。…あ、これ期限切れてますね
<え?期限?え、いやそれ、定期…
<はい、これ使えませんよ、向こうで切符買ってくださいねー
<切符……

男「………」

男「…はは」



<女さーん!切符の買い方はねー!
<ちょ、男くん帰ったんじゃなかったの
<女さんがオロオロしてたから戻ってきたー
<見てたの?……もう

<……ありがと
<…ん、こちらこそ

今回はここまで。また次回

女「今日はエイプリルフールね」

男「そうだね」

女「なんだか嘘をつくことを強いられているような空気になるから、あまり好きじゃないわね」

男「女さん、僕新しく彼女ができたから別れてほしいんだ」

女「いいわよ」

男「………」

女「………」

男「………」

女「………」

男「…う、嘘でしたー!」

女「こっちは本気よ」

男「………」

女「…冗談よ」

男「怖いからやめてよ!!」

女「あなたから振ってきたんじゃない」

テレビ < バンドヲwwwwwwwクンダゼwwwwwwwwバンドヲクンダゼwwwwww

女「………」

男「女さんってアニメも見るんだね、少し意外かも」

女「いえ、小学生の時以来だから結構久しぶりに見たわね」

男「そうなんだ」

女「そういえば、アニメで思い出したのだけど」

男「?」

女「さっきの『あなたから振ってきたんじゃない』は恋愛の『フッた』と『話題を振った』をかけているのよ」

男「…あ、ほんとだ気付かなかった!」

女「気付いてちょうだい…なんだか私が空回りしてるみたいじゃない」

男「女さんってゲームとかやる?さっきこれ見つけたんだけど」

女「ファミコンなんて懐かしいわね。最近のゲームは分からないけど、それなら昔やったことはあるわ」

男「じゃあちょっとやろうよ一緒に」

女「いいわよ」

男「ソフトは…ボンバーマンでいい?」

女「あら、いいわね。私、それ得意なのよ」

男「あ、ボンバーマンやったことあるんだ。ならちょうどよかったね」

・・・・・・
・・・・
・・

女「…もう一回」

男「お、女さん、協力プレイできるモードもあるから対戦やめてそっちを…」

女「もう一回」

男(強い弱い以前に開始30秒でほぼ100%自爆するってどういうこと…)

ドゴーン

女「…ほら、自爆は男くんが何かしたって訳じゃないから引き分けよ」

男「…そうだね」


ドゴーン

女「……コンピューターに負けたの。男くんに負けたわけじゃないわよ」

男「……そうだね」


ドゴーン

女「………爆弾が勝手に動いたわ、怪奇現象よ」

男「………そうだね」


ドゴーン

女「…………今の、私のシマじゃノーカンだから」

男「…………そうだね」


男「女さん」

女「何よ、私と五分五分の勝負を繰り広げてる男くん」

男「……説明書、読む?」

女「………うん」

男(結局その後も延々と付き合わされたが、ついに女さんが勝つことはなかった)

女「………」

男「お、女さん。何か別のゲームしよう別の」

女「…あ」

男「どうしたの」

女「コントローラー壊れてたわ」

男「え?」

女「今思い出したわ。このコントローラー壊れてたんだったわ。私ったらうっかり」

男「いやそれボクのだしそもそも女さんウチでゲームしたの初めてじゃん」

女「いいえ、これは私のよ。運命の赤い糸でつながれているの」

男「ボクじゃなくてそっちのコントローラーとつながっちゃったか」

女「と、いうか…もう春なのよ?」

男「そうだね、桜も綺麗だよ。でもそれがどうしたの?」

女「何で未だに炬燵が出てるのよ。だらしない」

男「何でって言われてもねぇ」

女「片づけができない人は嫌われるのよ」

男「いや、この部屋散らかってるかな?一応毎日掃除してるんだけど」

女「季節感を大事にしている癖に、何でこういう部分でズボラなのかしら」

男「…炬燵をまだ出してるのは、女さんが来るたびに入るからだよ。女さん、冷え症でしょ」

女「…夜はまだ冷えるわ」

男「あはは、かっこよく言っても炬燵にくるまれてたら何だか間抜けだね」

女「別れましょう」

男「いいよ」

女「………」

男「………」

女「…冗談よ?」

男「僕は本気だよ」

女「………」

男「………」

女「………」

男「…冗談だよ」

女「怒ったわ」

男「あはは」

今回はここまで。また次回

再開します

男「最近携帯変えたんだ」

女「あら、そうなの」

男「うん。でも機種変しただけだからメアドとかは変わってないよ」

女「そう」

男「そういえば女さんはガラケーだね」

女「そうね」

男「今時珍しいよね、ガラケーだけなんて」

女「そうね、確かに皆スマホね」

男「でも僕はその方が嬉しいかな」

女「どうして?スマホの方がLINEとかあって便利なんでしょ?」

男「そうだね。でも僕は女さんと電話で声を聞いたり、送ったメールがいつ返ってくるか待ってる時間がすごく楽しいんだ」

女「…もうメールは返さないわ、そうすればずっと楽しいでしょ」

男「あはは、いい案だね」

女「……そういえば」

男「ん?どうしたの」

女「以前男くんは私を「スマホも扱えない」と評したけれど、どうして私はガラケーなのかしら」

男「そりゃ作者が何も考えてn」

女「それ以上は駄目よ」

男「女さんから振ってきたのに」

女「でもね、男くん。人間は日々成長するのよ」

男「どうしたの藪から棒に」

女「もう前の私とは違うの。今の私はスマホどころかスーパーコンピューターだって扱いきれる自信があるわ」

男「あぁ、その話。…いいけど、その話したの確か3日前くらいだよね?たった数日でその自信はどこから生まれてきたの」

女「ふふ、まぁ物は試しよ。男くん、その貴方のスマホを貸してちょうだい」

男「はい、どうぞ。ロックはかけてないから大丈夫だよ」←iPh○ne

女「そう………ねぇ、男くん」

男「ん?どうしたの」

女「このスマホ、電源切れてるわよ。画面がつかないわ」

男「え、本当?…いや、普通についたけど」

女「あら、変ね。私が画面をいくら触ってもつかなかったのに」

男「女さん、「ホームボタン」って分かる?」

女「何かしらそれは…そうね、言葉の響きからして、呼び鈴の類ね」

男「………」

男「…うん、おいしい」

女「あら、ジュース?あまり飲まないから分からないのだけれど、美味しいの?」

男「そりゃ人によりけりと言っちゃえばそこまでだけど、これはジュースの中でも代表的な種類だからね。誰にでも飲まれる味ってことで、おいしいんじゃない?」

女「そう…飲まずに批判するのはあまりほめられた行為ではなかったわね。男くん、それ私にもちょうだい」

男「いいよ、まだあまりはあるから」

女「ありがとう。…しかし、すごい色ね」

男「僕は飲みなれてるから大丈夫だけど、確かに改めて考えるとキツい色多いよね、ジュース」

女「…えいっ」ゴクゴクゴク

男「あっ、女さんそれ炭酸だからそれ一気に飲んだりしたら」

女「!!…げほっ!けほっ‼うっ…」

男「あらら、大丈夫?今タオル持ってくるから」

女「ケホッ、ケホッ…男くん、騙したわね」

男「いやそんなつもりは…ほら、拭くから顏上げて」

女「こんな毒みたいなもの飲ませようとするなんて…酷いわ」

男「えっと、…ごめんね?」

女「おしおきしてあげケプッ」

男「………」

女「………」

男「……あははは」

女「笑いごとじゃないのよ…!」

男「あはは、女さんが怒った!逃げろー!」

女「待ちなさい男くん!」

男「Zzz…」

女「男くん、炬燵で寝てたら風邪引くわよ」

男「Zzz…」

女「………」ナデ...

女「ふふ…」

女「男くん……」

男「Zzz…ん…女…さん…」

女「あ、起こしちゃった?」

男「Zzz…」

女「何だ、寝言ね…」

男「Zzz…うわ、えろ……」

女「………」


< バシーン!
< ちょ、いったぁ!?何、なに!?
< おはよう、男くん
< あ、ああおはよう女さ…何その構え
< 失礼なペットを躾けるのよ
< え、いやここにはペットなんて…いやちょっと待って嫌な予感が
< バシーン!

少しだけど今回はここまで。また次回

済みませんこれから一週間程度更新がほぼ出来なくなります
悪いね☆

ようやく戻ってこれました
一週間も空けて申し訳ない
でも私用だからしようがない、なんつって


今夜から再開しますが、諸事情でしばらくは携帯からになります
ぽちぽち行きます

女「男くんって落ち着いてるわよね」

男「女さんがそれ言うの…?」

女「私にも何人か男性の知り合いがいるけれど、男くん程肝が座ってると言うか、しっかりした安心感みたいなものを持ってる人は同年代では見たことないわ」

男「えーと…ありがとう?」

女「やっぱり重心が低いからかしら」

男「暗に背が低いって言ってるよねそれ」

男「…ん?」

女「Zzz…」

男「あらら、女さん、炬燵で寝てたら風邪引くよ」

女「…んん…男…くん…」

男「あ、ごめん起こしちゃった?」

女「んん…Zzz…」

男「何だ、寝言か…」

女「…うわ、弱…」

男「」


女「ん…やだ、寝ちゃってた…って、男くん?」

男「ごめんね、頼りない彼氏でごめんね…」ポロポロ

女「ちょ、ちょっと、何で泣いてるの…?」

男「ごめんね…貧弱でドチビで柳みたいにひょろい彼氏でごめんね…」ポロポロ

女「いや、そこまで卑屈にならなくても…」

女「今日は私が晩御飯を作るわ」

男「え、いやいいよ僕がやるから」

女「いえ、いつもそんなことをいわれて任せっぱなしになっているけれど、私だって料理出来るってことを教えてあげるわ」

男「疑ってるわけじゃないけど…ほら、怪我とか危ないしいいよ」

女「それを言うなら男くんもそうじゃない」

男「僕は慣れてるから大丈夫だって」

女「いいから私がやるわ」

男「僕が」

女「私が」

男「……じゃあ、一緒に作ろっか」

女「……そうね」

女「晩御飯は何にするの?」

男「女さんは何がいい?」

女「シチュ…いや、オムライ…。…………いえ、今日は私が男くんに作るんだから、男くんが決めてちょうだい」

男「僕も調理するんだけどな…そうだね、じゃあ…シチュー…

女「!」

男「…は、この間食べたから…グラタン…

女「…」

男「…も、いいけど今日はオムライス…

女「!」

男「…は、どうだろ。いやそれよりもやっぱり唐揚げ…

女「…」

男「……女さん、シチューとオムライス、どっちがいい?」

女「両方」

男「食べきれないでしょ…」

あ、済みませんちと寝てました


男(結局、僕がオムライスを、女さんがシチューを作ってそれを二人で食べようとなった訳だが…)

男「…うん、これでいいかな。女さん、そっちは…」

女「えーと、ここでこれ入れるんだったっかしら」

男「ちょ、女さんそれヨーグルト!?しかも入れ過ぎ入れ過ぎ!」

女「隠し味よ」

男「隠れてないよ!ほらヨーグルト浮かんでるもんだって!」

女「何を慌てているの男くん。文句を付けるのは食べてからにしてちょうだい」

女「いただきます」

男「い、いただきます…」

男(どうしよう、シチューの所々に浮かぶヨーグルトの輝く白が眩しい!しかも微妙にシチューの色してない!どうなんだろうこれ…)

女「やっぱり男くんの作るご飯は美味しいわね」

男(このシチューは食べても大丈夫だろうか腹とか壊さないよな?というか良く見たらヨーグルト以外にもよく分からない物がたくさん浮かんでるぞ何だこれは)

女「あら、男くんシチュー食べないの?」

男(どうにかこれを食べずに脱出する方法は…って何を考えているんだ僕は。これは女さんが僕の為に作ってくれた料理だぞ、それを食べないなんて選択肢は…ない!)

女「男くん?ほら、あーん」

男「あーん」

男「!!!」



男「……あれ、美味しい…?」


男「美味しい、これ美味しいよ女さん!」

女「ふふ、お気に召してもらえた?なら良かった」

男「女さん料理こんなに料理上手だったんだね、知らなかったよ」

女「あら、食べたことなかったっけ?」

男「いや、ないけどこれならもうこれからのご飯は女さんに任せ

男「!!!???」

女「きゃっ、どうしたの男くん。急に驚かせないでちょうだい」

男「お、おお、おおん女さん…さ、さっき僕に…あ、ああ、あーんって…!?」

女「え、ああ、男くんがシチュー食べないから何かと思って」

男「あ、ええ、あ、えっと、ぼ、僕今日は帰るねじゃあまた明日ね女さんーッ!!」

女「え、男くんここあなたの家…って行っちゃった…」

女「…取り敢えず、シチューは保存しておきましょう」


・・・・・・
・・・・
・・

男「うわぁぁぁぁぁあ!!」(満面の笑み


少年「ママーあの走ってる人なにー?」

少年母「見ちゃダメよ」

今夜はここまで。また次回

再開します

男「たまには一緒に街に買い物にでも行かない?」

女「買い物ならいつも晩御飯の食材買いに行ってるじゃない」

男「いやそれ近所のスーパーじゃん。そういうのじゃなくて」

女「服を見たり?」

男「そう、大きなモールとかに行って服選んだりとかさ」

女「…つまり男くんは私を着せ替え人形にしたいのね」

男「いや、そういうわけじゃ…」

女「男くんの命令で趣味の悪い痴女のような格好をさせられて犬を従えた主人の様に街中を舐り歩いて愉悦に浸ろうというのね」

男「何で僕が変態的な趣味をしてるみたいな言い方なの?」

女「でも、私の服を選びたいというのは本当なんでしょう?」

男「うぐ…それは…ちょ、ちょっとだけ…」

女「今私が着ている服は似合ってないのかしら?」

男「いや、そんなことはないよ、とても綺麗だし、可愛いよ」

女「……そう」

男「うん」

女「………」

男「?」

女「今私が着ている服は似合ってないのかしら?」

男「ん?」

女「だから、今私が着ている服は似合ってないかと聞いているの」

男「え、いやだからその服も良く似合ってるよ、凄く魅力的だ」

女「……そう、そうね」

男「? どうしたの女さん?」

女「ふふ、何でもないわ」

男「女さん、しりとりしようよ」

女「突然ね、いいわよ」

男「じゃあしりとりのりから…リンス」

女「好きよ」

男「…よ、羊皮紙」

女「死んでも愛し続けるわ」

男「………わ、輪っか」

女「顔が真っ赤よ男くん、大丈夫なの?」

男「のわっ!えっ、いや女さん顔が近…!だ、大丈夫!大丈夫だよ!」

女「よしんば男くんが熱でもあったらいけないわ、私が測ってあげるから動かないで」

男「で、でもそれにしても顔が近いよ!熱なんてないって!」

女「でも…。…分かったわ、大丈夫なのね、本当?」

男「う、うん…」

女「そう、なら良かったわ。それじゃしりとりは私の勝ちね」

男「…ん?……ん!?」

女「桜は散ったわね」

男「そうだね、雨が降ったせいで一気に落ちちゃった」

女「お彼岸も過ぎたわ」

男「そうだね」

女「もうやることないし終わってもいいんじゃないかしら、春」

男「いや季節ってそういうものじゃないから。時間経過以外で季節変わることなんてないから」

女「音楽の力は偉大ね」

男「女さんは普段どんな音楽を聞くの?」

女「その時の気分に合わせて変わるけど、基本的に歌詞のない曲ばかりね」

男「そうなんだ、ちなみに気分によってっていうのは?」

女「朝布団から出るのが憂鬱な時に、ドラマとかのクライマックスシーンで流れる曲を流して『全力で行く!うおおおお(起床)』みたいな」

男「想像以上に斜め上かつ予想外だった。いや凄く分かるけど」

男「夏はどこに行こうか」

女「男くんがいるならどこでもいいわ」

男「まぁそう言わずに、僕は女さんの行きたい所に行きたいんだ」

女「そうね…確か男くんは自動車の免許持ってたわよね、それなら隣の県に行きたいわ」

男「お、いいね。確か温泉が有名な所が…ほら、ここだ」

女「いいわね、他にも唐揚げとかも有名みたいよ」

男「おー、これならどこから行ったらいいのかな。今から楽しみだなぁ」

女「でもこういうのって計画立てるのは凄く楽しいけどいざ実行って段階に入ると一気に面倒に感じてダレて結局流れたりするわよね」

男「冷めるからやめて」

女「Twitter、Facebook、LINE…SNSというのはどれも複雑ね」

男「おお…女さんの口からネット用語(?)が…」

女「心外ね、これでも勉強しているのよ」

男「へぇ、じゃあちょっとテストしてみようか」

女「何でもござれよ」

男「はい、ここにUnixOSの自作PCがあります」

女「ちょっと待って、外国の言葉で問題を出すのは卑怯よ」

男「日本語だよ」

今回はここまで。また次回

再開します

女「おはよう、男くん」

男「…おはよう女さん、それで…何をしているの?」

女「今朝は早起き出来たから大学に行くついでに男くんの家に寄ったのだけれど、起こしたら悪いから玄関前で待ってたの」

男「今日大雨だよ!?あぁもうびしょ濡れじゃないか!早く入って!今お風呂沸かすから!」

女「まぁ男くん、こんな時でもいやらしいことしか頭にないのね」

男「いや雨に打たれながらの冗談は笑えないから早く!」

女「さっぱりしたわ」

男「ごめんね僕の服で、女さんの服は今洗濯してるから」

女「そう、ありがとう」

男「どういたしまして。朝御飯作ったけど、食べる?」

女「ええ、頂くわ」

男「女さんには合鍵渡しておかないとね、今度から自由に出入りしていいからね」

女「ありがとう。…ふふ」

男「どうしたの?」

女「何と言うか…こういうの、楽しい、わね」

男「…うん、僕もだよ」

女「あ、ところで私の下着はちゃんと見たでしょうね?」

男「台無しだよ。そして何で見て欲しいみたいな言い方なんだよ」

女「早めに来たはいいけれど、今日の講義は昼からなのよね」

男「あ、そうなんだ。そういえば僕も昼からだなぁ」

女「早めに来て良かったわ、そうじゃなきゃ服が乾かなかったかも」

男「普通に濡れないように来るっていう発想は?」

女「男くんは、雨は好き?」

男「んー…嫌いじゃないけど、やっぱり晴れてる方が好きかな」

女「何で?」

男「何でって…まぁ、やっぱり暖かいからかな?安心するんだ」

女「そう…私は雨の方が好きになったわ」

男「それは何で?」

女「今日みたいにわざと濡れて、色気演出できると気付いたからよ」

男「わざとだったの!?」

女「ねぇ、そっちに行ってもいい?」

男「え?そりゃ別にいいけど…コタツの一辺に2人は狭くない?」

女「それがいいのよ」

男「そう…?まぁ最近は暖かくなってきたし、電源入れないとは言えそろそろコタツ片付けようかな」

女「私は反対よ」

男「何で?」

女「コタツを片付けちゃったら、ミカンが食べられないじゃない」

男「確かにコタツで食べるミカンが特別美味しいのは分かるけど、コタツがないとミカン食べたら駄目なんてことはないよ?」

女「ねぇ男くん」

男「何?」

女「…ありがとう」

男「どうしたの?急に」

女「…別に」

男「…?」

女「…………」

男「………」

女「…ねぇ、男くん」

男「…うん」

女「…私今、幸せ…と言ったら、大袈裟かしら」

男「…どうだろうね」

女「…ねぇ、男くん」

男「…うん」

女「私ね、寒かったの」

男「………」

女「いつからかしらね、一人でいる時間が長くなったのは」

男「………」

女「独りでいることの寂しさも感じなくなったのは、いつからかしら」

男「………」

女「でもね、いいの」




―――・・・あなたに、逢えたから


彼女がこちらに体を預けてきた。僕はそれを出来る限り優しく受け止める。

女「今はね、とっても暖かいの」

男「…そっか」

女「いくら雨に濡れても笑っていられたわ」

男「そっか」

女「それも全て、貴方のお陰だと思うの」

男「そっか」

女「私は雨の方が好きよ。確かに晴れは暖かいし安心できるけど、 私にはもっと暖かい人がすぐそばにいるもの」

男「………」ギュッ


女「私、やっぱり幸せよ」

―――――………チュッ

女「…んっ…」

男「…ん……僕も、だよ」

女「…ふふ」

男「…あはは」

女「ねぇ、男くん」

男「なに?女さん」



―――好きよ


―――ん、僕も好きだよ


END

これにて終了です。ありがとうございました

たったこれだけに半月とは、自分の遅筆具合に驚かされました

それでは皆様、重ね重ねありがとうございました。またいつか。

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