モバP「事務所でみんなの交換日記」 (530)


 ――事務所


薫「せんせぇ、ねえ、せんせぇっ」タッタッタ

P「ん、どうした薫。そんな急いで」

薫「あのね、これ!」バッ

P「…これって言われても、ただの本じゃ――って、交換日記?」キョトン

薫「うん! みんなでやりたいなって思ったんだよ!」

P「交換日記か……今でもこういうのあるんだなあ。でもどうして?」ヘエ

薫「んとね、最初は千枝ちゃんとやってたんだけど、やってる内にみんなで交換日記やりたいって思ったの」

P(薫と千恵がか…プライベートでも仲が良いとは思ってたが、交換日記までしてるとは)

薫「だから最初にせんせぇをさそおうと思って……どうかな?」

P「うーん、俺はいいだろうけど、みんなはそれぞれ仕事があるだろうしな……」

薫「そっかぁ……」

ちひろ「いいじゃないですか、交換日記」クス

P「ちひろさん?」

ちひろ「交換日記として持ち帰って書くのは難しいかもしれないけど、事務所に置いておけば時間がある人が書けるでしょう?」

P「ああ、なるほど。でもそれじゃあ交換日記というよりも学級日誌みたいだな」ハハ

薫「がっきゅうにっし…せんせぇは事務所のせんせぇだもんね!」

ちひろ「言われてますよ、先生。頑張って下さいね」

P「はは、ならやろうか。最初は俺からかな?」

薫「うん! じゃあ、かおるはレッスンに行ってくるね!」トタトタ…



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P「交換日記も学級日誌も響きだけで懐かしく感じますよ」

ちひろ「プロデューサーさんは交換日記とかやってたんですか?」

P「ええ。少しだけですけど、誘われてやってましたね」

ちひろ「何だか意外です。でもまあ、頑張って下さいね」クス

P「いや、勿論ちひろさんもやるんですよ?」

ちひろ「え?」

P「『みんなで交換日記』ですから。ちひろさんだって事務所の仲間です」

ちひろ「プロデューサーさん……」

P「俺が担任なら、ちひろさんは副担任でしょうかね」ハハ

ちひろ(CGプロ組担任P、副担任私……ふふ――ああ、いけない、私ったら)

P「じゃあ事務所の邪魔にならないところに定位置を作って……っと」

ちひろ「薫ちゃんが帰ってくる前に、記念すべき一ページを書いてくださいね」

P「わかってますよ。じゃあこれ書いてから営業行ってきます」サラサラ

ちひろ「うわ、早いですね。書くこと考えていたんですか?」

P「そうでもないです。ただ、最初ですから軽い感じに……まあ、こんなもんか」パタ

ちひろ「大体の人って、白紙を目にすると迷うものですけどね」クス

P「ああ、わかります。書き出しがわからなかったり」

ちひろ「流石はプロデューサーさんということですね。もう出ますか?」

P「はい。じゃあ行ってきます」フリ

ちひろ「今日も頑張ってきて下さいね」フリ




 ガチャン!


ちひろ「……さて、時間もあるし、私も書いておきましょうか」パラ

ちひろ(プロデューサーさん、字が綺麗だな……。文章もしっかりで)

ちひろ(真面目なんだけど堅苦しくなくて、事務員の私にも気さくに話しかけてくれて)カキカキ

ちひろ(アイドルの皆にも好かれて、営業も上手くて……でも時々抜けてたり、ふふ)カキカキ

ちひろ(そんな所がまたプロデューサーさんらしくて格好よかったり――って)カキ…

ちひろ「うわ、私ったら一体何を書いているの!?」ゴシゴシ!!

日誌「クシャクシャ」

ちひろ「何やってんだろ、私……。はあ、無難にアイドル達に軽くルールでも書いておきましょうか」カキカキ

ちひろ「じゃあこれぐらいにして、元の位置に戻して……仕事始めますか。頑張れ、私っ」




 ・ ・ ・

 ――翌日、事務所


P「お、昨日から始まったのにもう書き込まれてるな」パラ

ちひろ「ええ、昨日プロデューサーさんが居ない間に来たアイドル達に説明したら色々書いて行きましたよ」

P「それだともう学級日誌よりも単なる自由帳になってますけど…まあいいか」ハハ

ちひろ「ご丁寧にみんなページ下空けてますから、返信したらどうです?」

P「うわ、本当だ。枠まで作ってるアイドルも居るな」

ちひろ(まあ私がそうするように教えたんですけどね)

P「よし、じゃあ休憩の合間に早速書こうか。……一番目のアイドルは凛か」

ちひろ「プロデューサーさんとすれ違いで来てましたからね。呆れつつも結構乗り気でしたよ」

P「はは、凛らしいな。さてと、日記の内容は――」




 ○月×日 天気:晴れ

 担当:渋谷凛


 プロデューサーってば、また変な事をやり始めて……って思ったけど違うみたい。

 ちひろさんに話を聞くと、どうやら薫が言い出したんだって。
 事務所に常備する交換日記っていうのも何だか面白いね。



 というわけで、何と最初は私みたい。
 何でも好きな事を書いていいってちひろさんは言うけど、考えないとこういうのは難しいね。


 …特に何も思いつかないから、とりあえずプロデューサーへ伝言。


 この事務所が出来て最初に来たのが私だけど、もう随分と時間が経って、色んな人がやってきたよね。

 個性のあるアイドルが沢山来て、当時はプロデューサーのスカウトに疑問を感じたりもしたよ?
 でも、みんなそれぞれ活躍してるんだから、凄いよね。

 それもこれもプロデューサーの見抜く力があるからなのかな?
 それの最初が私なのは、喜んでいいんだよね、ふふっ。


 それで……私もみんなも忙しくなって 昔に比べたらプロデューサーと話す機会は減ったね。
 一日会わないことも増えていきて……嬉しいんだけど、ちょっと寂しいかな。

 でも、私はあの頃から気持ちは変わってないよ。


 これからも一緒に頑張ろう、プロデューサー。
 そして、みんなともね。




P「凛……」ジーン

ちひろ「事務所設立からずっと頑張ってる子ですから、思い出も多いんでしょうね」

P「俺も失敗続きでよく凛に怒られたなあ……」

ちひろ「それがここまで来れたんですから、やっぱり凛ちゃんはウチのメインアイドルですね」

P「あんまりアイドル内で上下は決めたくないんですけど…密度は断トツです」

ちひろ「じゃあ、早速返信してあげて下さい」

P「そうだな……」カキカキ


――――――――――――――――――――――――――――――――
 俺のスカウトにのってくれて本当にありがとう、凛。

 事務所がここまでこれたのは、間違いなくお前のおかげだよ。


 最近話す機会が無かったのはすまない。
 よかったら、いつか時間合わせてどこかご飯でも食べに行こうな。


 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

P「こんなもんか」

ちひろ「凛ちゃんも喜びそうですね。言ってくれたらスケジュールも調整しますから」

P「ありがとうございます。それならすぐに実現しそうだ」ハハ

ちひろ「じゃあ次のページに行きましょうか」

P「ですね。……ええと、次は友紀? 珍しいな」

ちひろ「オフなんですが、今週の試合のハイライトを見に事務所に来てました」

P「いつも中継で見てるだろうに…というか何故事務所で見る」

ちひろ「私は野球、詳しくないですから……友紀さんなりの好みがあるんでしょうね」

P「全く……まあいいや。内容はっと――」




 ○月×日 昨日は勝った!明日も勝つよ!



 いえい!
 キャッツは現在独走中であります!


 いやーやっぱりキャッツは良いね。みんなカッコいいし。
 また明日もがんばろーって思うもん。


 それで気持ちいいオフを家で録画見ながら過ごそうと思ったら事務所に忘れて来ちゃったんだよねー!
 だから事務所に来たんだけど、したらちひろちゃんがこの日記のこと教えてくれて書いてみたって訳ですよ!

 あたしはこういうの似合わないんだけど……まあキャッツが勝ったから特別にかいてやろーじゃんってことで!


 そーいえばさー、聞いてよプロデューサー!

 最近夕からの仕事が多くてナイトゲーム見に行けないんだけど!!!
 今日はオフなのに試合無いし……。

 これはもう他チームから終身名誉キャッツファンのあたしへの妨害工作とみたね。
 あたしがキャッツの原動力になってることが脅威なんだよ!


 というわけでお願いプロデューサー、あたしに時間をちょーだい!
 そうだ、それでプロデューサーも見に行こう! キャッツを見れば、絶対好きになるから、ね!?

 熱い声援を送りながら飲むビールは美味しいからさ!

 ……って、にゃはは、ビールは事務所でもおいしいかな!


 目指せキャッツ優勝! そしてビールかけに参加したい!


 byユキ




P「……まあ日記らしいといえば日記らしいが」

ちひろ「ついでに言うと友紀さんらしいですね」

P「つーかオフに事務所に来てまでビール飲むなよ友紀! ここは居酒屋じゃない!」バンッ!

ちひろ「事務所内にアルコール専用の冷蔵庫がある時点でもうどうしようもないかと思うんですが」

P「うちのアダルト組、大体アルコールに節操ないからなあ……アイドルなのになあ…」ハァ

ちひろ(プロデューサーさんがアイドル像に嘆いてる…)

P「まあそれも含めて親しみやすさがウケているのも事実なんだが」

ちひろ「野球好きからは特に大人気ですもんね、友紀さん」

P「…たまには一緒に球場に行くのも悪くないか。じゃあ……」カキカキ


――――――――――――――――――――――――――――――――

 別に駄目とは言わないが、事務所内での飲酒は控えるように。
 トラブルの元だからな。

 時間に関しては申し訳ない。
 ただ、アイドルなんだから仕事を優先してくれよ?


 このまま仕事を続けて、余裕ができたらまた野球を見に行こうか。
 俺は野球はあんまり知らないから教えてくれると嬉しい。


 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――


ちひろ「随分と紳士的ですね」

P「お酒が美味しいのは事実ですから…頻度さえ気をつけてもらえば飲んでもいいんですよ」

ちひろ(本人に直接訴えれば治るような気もしますけど)

P(…正直な話、お酒飲んでる友紀は色っぽいんだよなあ)

ちひろ「…何か考えてます?」

P「イエ」




P「そして次に……杏だと!?」ビクッ

ちひろ「やっぱりそう言いますよね」

P「いや、だって、え? あの杏が日記を書くって……」オロオロ

ちひろ「正直私も書かないかなあと思ってたんですけど、存外素直に書いてくれましたよ」

P「あいつ、何が目的だ……?」

ちひろ(担当プロデューサーにそう思われるアイドルって一体……)タラー

P「ま、まあ書いていることは事実だから、まずは読むか…ええと」





 同日

 杏が書くはずがないって思ったでしょ?



 なんかそう思われるのがむかついたんで、ここで少し本気を出してやろうじゃないか




 ……あー、でもめんどい


 交換日記って普通こんなオープンじゃないでしょーが。
 別に見られて恥ずかしいもの書かないから杏はいいけどさ


 とりあえず凛がそれっぽいこと言ってるんで杏も言うよ。


 最近みんな事務所のお茶うけ、もとい飴を食べ過ぎてるんだけど。
 即急な供給量増加をもと



 うん、つかれたおわり


 by書いたからオフくれ




P「杏……」ガックシ

ちひろ(あれ、凛ちゃんの時と同じ感じなのに何か違う)

P「……まあ杏にしてみれば餌もなしによく頑張った、ということにしておこうか」

ちひろ「やればできるんですけどね…」

P「あいつはできないんじゃないんです。やらないだけで」

ちひろ「正直、一層たちが悪いですよねそれ」ハァ

P「いいんだ、それで人気が出てるんだから……世の中がわからないよ」

ちひろ「…それで、返信はどうするんです?」

P「えーっと……まあ、こんな感じで」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 俺は書くと思ってたよ。嘘じゃないぞ?


 特に内容を限定するわけじゃないから、よかったらまた書いてくれ。



 それでお菓子の件だが、確かに最近よくアイドルが出入りするから
 多少減りは早いかもしれないな。

 杏達のお陰で事務所もいい感じだし、ちひろさんと相談して
 考えるよ。意見ありがとう

 Pより
 

――――――――――――――――――――――――――――――――

ちひろ「あの……少し思ったことを言ってもいいですか?」

P「ん、何かありました?」

ちひろ「いや……なんかもうこれ、小売店のご意見カードみたいになってません?」

P「……」

ちひろ「……」

P「今回書いてたアイドルは三人だけだな」パタ

ちひろ(流したーっ!?)ビクッ

P「まあ一人ひとり書いても時間がかかるだろうし、妥当だろうな」

ちひろ「え、ええ。これから順番にオフなんかも回ってきますから、次に見たらまた増えてますよ」アセ

P「薫の案で始まった交換日記でも、中々良いコミュニケーションツールになるもんですね」ハハ

ちひろ「こうして書き記す事が口で伝えるよりも簡単ですから」

P「それもそうだ……っと、思い出した」

ちひろ「どうしました?」

P「俺の次に書いたちひろさんのページにも返信してもいいですか?」

ちひろ「ふぇ!?」

P「注意書きが殆どですが一応書いてくれてるみたいなんで…」

ちひろ「え……じゃ、じゃあお願いします」

P「はは、任されました」





 ・ ・ ・


 ――凛の日記、その後

凛「おはよう…あ、プロデューサー」ハッ

P「おお、凛か。日記読んだよ」

凛「…何だか本人の目の前でそう言われるのは照れるね」

P「でも凛の気持ちが知れて俺は嬉しいと思うよ。返信は見てくれたか?」

凛「うん、見たよ。明後日は仕事が昼までなんだけど、プロデューサーはどう?」

P「明後日か……よし、わかった。空けておこう。場所はどうする?」

凛「プロデューサーが決めてくれるならどこでもいいかな」クス

P「あんまり期待するなよ……」

凛「やだよ。期待するからね、ふふっ」

ちひろ(なんといういい雰囲気……!)




 ・ ・ ・

 ――友紀の日記、その後


P「ふう……風呂も入ったし、明日も早いから寝るかあ――」ピロリロ

P「って、その前にメールか」ポチポチ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 やっほー! いつもお疲れ様!

 日記見たよ、そんで明日にでも行こうよ!!

――――――――――――――――――――――――――――――――

P「いやいや、明日も仕事入ってるから」ハァ

P(次のオフはいつだったっけ……と、来週は空いてるな)カコカコ

P「来週の水曜日にしよう、と」ピロリーン

P(返信はえぇ……)

――――――――――――――――――――――――――――――――

 その日はナイトゲームだね。キャッツがもっとカッコよくなって
 もっとビールが美味しくなるよ!

 野球を知らないプロデューサーにも好きになってもらうようにあたしも
 頑張るから、一杯楽しもうね!

 それじゃばいばい!おやすみ!

――――――――――――――――――――――――――――――――

P(大人らしからぬ文面…いや、二十歳なんてこんなもんか)

P「体調崩すなよ、と。よし、俺も寝るか」ケイタイポイッ


P(…まあ、行く前にキャッツのメンバーくらいは覚えておこうかな)




 ・ ・ ・

 ――杏の日記、その後


P「そこのソファーのブランケットに埋まってる芋虫アイドルー?」

杏「……なにさ」ニョキ

P「芋虫で反応するのか……いや、日記読んだぞ」

杏「あっそー。じゃあオフはくれるんだね」

P「それはない」キリッ

杏「きちくー……」

P「それはおいといてだ。ほらこれ」ガサッ

杏「……おー、杏の好きなアメじゃないか」パク

P「許可が出たから少し増やしておくからな。…全部食うなよ?」

杏「しかたない、オフの代わりで許してやろうじゃないか」

P「ありがとう、じゃあ今からレッスンだから行けよ」

杏「アメを食べるので忙しいから後にする」

P「そんな言い訳が通じるかっ!」ズルズル

杏「しょけんらんよーだぞばかーやめろー!」ヤメローメロー…

交換日記なようで交換日記でない、そんなノートに書き綴る事務所のSSです。

変わるかもしれませんが、とりあえずこんな感じで進めていきます。


書くキャラや内容等は安価で行なっていきますので良かったら書き込んでいって下さい。

次に日記に書くアイドルは
>>16,>>17,>>18
です。

若葉

奈緒

愛海

出遅れたか
それにしても色っぽく酔うユッキが想像できない



 ・ ・ ・

 ――ある日の事務所

P「ただいま戻りましたー……あっつぅ」ガチャ

ちひろ「おかえりなさい。スタドリ要ります?」スッ

P「いただきま……何普通に売りつけてるんですか」

ちひろ「要らないんですか?」

P「……あー美味しいなあ」ゴクゴク

ちひろ(やったぜ。)

P「体力は回復したけどエアコンが体に効くまで何もしたくないなあ…」グデー

ちひろ「なら、日記の方見てみては?」

P「パソコン触るのも面倒だし、そうするかー……」グデー

ちひろ(夏の暑さでプロデューサーさんが杏ちゃん化してる……)

P「それじゃあ続きは――若葉か」

ちひろ「若葉さんには呼び捨てなんですね」

P「まあ本人はそういうところ気にしてますから。少なくともプロデューサーの立場の人間くらいは意を汲まないと」

ちひろ(そういう所が優しいって言われる所以なんだろうなあ)

P「でも若葉の書く内容ってのは少し気になるな、どれ――」




 ○月△日。

 このページは私、日下部若葉が書くことにしました~。
 みんなもこの日記のことは知ってるのですが、どうやら恥ずかしがっているらしいです。

 私は別に大丈夫ですよ?

 だって、こういうことは昔からやってみたかったから――って、子供っぽい考えとかそんなんじゃないですからね!


 ……まあ、私が率先してやることで、恥ずかしがってる人たちにもハードルを下げられたらいいかな、と思ってます~。



 本日、天気は晴れです。雨雲さんは足が遅いみたいです。

 今日もまだまだ暑いですが、みんなも一生懸命レッスンや仕事に励んでますっ。

 って、そんなことは知ってますよね。Pさん。


 ええと……ここは良き大人として、話題を提供するべきですよねっ。



 ……この前地方ロケに行った時、時間が空いたそうなので一人で観光してたんです。


 そうしたら駄菓子屋があって、懐かしいなーと思って入ったら中に居たおばあちゃんがとってもニコニコして私にお菓子を色々くれたんですよ~。

 これ知らんだろ、これ食べてみんさい、いやーこんなところに来るなんて一体どうしたんだい、親御さんはー、一緒に探してやるから、これで辛抱しいなって。



 ……まだまだ私の成長は続けて行かないと駄目みたいです。

 Pさん、よろしくお願いしますね~。




P「若葉……」ジーン

ちひろ(どうしてだろう、悲しくなってくる)

P「相手がご年配となると、やっぱり知名度も低いのは仕方ないのかなあ」ウーン

ちひろ「初対面の人間相手にそこまでしてくれるってそうそうないですよね、そのお婆さん」

P(あのルックスと性格を活かせばそういう層にもウケそうではあるが……要相談だな)

ちひろ「成長期っていつぐらいまであるんでしたっけ?」

P「うーん、まあ遅ければ22歳らしいですが…」

ちひろ(言外の言葉が読み取れるのが悲しい)

P「まあ人間見た目じゃないぞってことで――」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 流石若葉、大人らしくいい率先役になってくれるな。
 これでもっと色んなアイドルに書いてもらえたら俺達も嬉しいよ。


 地方ロケといえば、2ヶ月前のやつだよな?
 あそこはご年配の方々が多いからそんなに気にするなよ。
 それに、相手方も若葉を心配してくれての言葉なんだからな。


 ……って、それで納得できるなら問題はないか。

 じゃあ……ああそうだ、今度事務所の中で親交会をやるんだが、
 よかったら若葉もセッティングを手伝ってくれないか?

 若葉なら効率よく進めてくれそうだからな。余裕があれば頼むよ。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

ちひろ「…何か体よく労働力を確保しようとしてません?」

P「いやいや、そんなまさか」

ちひろ(まあアダルト組がそういうのに向いていないといえばそうなりますけど)




P「……若葉は気にし過ぎなんですよ、結局」トン

ちひろ「子供に見られるってことがですか?」

P「はい。アイドルになった時点でそれはもう強力な武器になっているのに、
  いつまでも目的に固執しちゃ駄目です」

ちひろ「本人の気持ちですから、難しいですよね」

P「それを自覚して自分の手に持つことが出来れば、もっと輝けると思うんですが……」

ちひろ「それをどうするからプロデューサーさん、あなたの手腕ですよ」

P「ええ。絶対満開にさせてみせます」

ちひろ「心強いですね。…じゃあ、次の人に行きますか」

P「そうですね……と、今度は奈緒だな」

ちひろ「彼女も珍しいような気が。こういうの恥ずかしがるタイプですし」

P「はは、確かに。でもまずは見てみますね――」





 ○月△日 天気:晴れ
 担当:神谷

 あー、なんだこの緊張。
 別に何も書くことないのになぁ。どうしてこんな物事務所に置いちまったんだ。


 ……そりゃー、他人の日記を読むのって面白そうだとは思ったけど。
 あー、それで書くのは嫌だとは言えないよなあ。卑怯だって話だ。



 じゃあ今日の出来事でも書くか。

 いつもクールぶってる凛が、スケジュール帳に間違って書いてしまってた黒い曲線を髪の毛だと思って払ったけど払えなくて何度も払ってた。
 それでその内気付いた時にはもう加蓮に見られてて『なーにやってたのかなー?』とか言いながらニタニタ笑っておちょくってたよ。
 そしたら凛は凛でプロデューサーとロケに行った時の加蓮の浮かれっぷりを槍玉に挙げて反撃するし、何かとばっちりであたしのプロデューサーへの……ってそれはいいだろ!

 とにかくあいつら対抗意識強すぎてこっちに何がくるか……気をつけねぇと。

 ↑嘘をつかないでよ奈緒。私がそんな事に気付かないわけないじゃん
 プロデューサーも信じちゃだめだからね、奈緒の言うこと

 まあこんなもんか。
 前の若葉さんに沿って書いたからこれで合格だろ。



 ……これ、プロデューサーに見られるんだよな?

 あ、あーもうなんか恥ずかしい!
 柄じゃないのはわかってるけどさ、若葉さんに誘われて書かざるを得なくなったんだよ!


 もういいや、乙。次の人に渡してくる!




P「途中の別の人が書いたらしき文字は……気にしないでおこうか

ちひろ「きっと凛ちゃん、あれが鉛筆の軌跡だと気付かなかったんでしょうね」

P「あいつ、雰囲気は大人っぽいのに、たまにああいう事をするから可愛いんですよ」

ちひろ「付き合い長いですから、お見通しですか」

P「です。……でもまあ、奈緒はまだまだこういうのは恥ずかしいか」ハハ

ちひろ「むしろ奈緒ちゃんってこういうのやってそうですけどね」

P「やりたくても恥ずかしくてやれなかった、ってな所でしょう。文章が楽しそうだ」

ちひろ「若葉さんに誘われたって書いてますけど、やっぱり内面は?」

P「嬉しさ半分、迷い四分の一って所ですかね」

ちひろ「四分の一? 残りは何ですか?」

P「感謝ですよ。作ってくれた薫と、誘ってくれた若葉への」

ちひろ「……プロデューサーさん、柄じゃないです」

P「ほっといてください。じゃあ返信は――」


――――――――――――――――――――――――――――――――

 はは、普段のアイドル活動に比べればこれぐらい何ともないだろ?


 あんまり恥ずかしがってちゃせっかくの奈緒の可愛い顔が勿体無いぞ。
 その顔もまたいいんだけどな?


 でもまあ、よく逃げずに書いてくれたよ。
 若葉には感謝しないとな。


 ただ途中の文字については……二人で話し合ってくれ。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

ちひろ「一部投げましたね」

P「あの二人だからですよ。トライアドプリムスは仲が良くて何よりです」ハハ

ちひろ「私から見てもよくわかりますからね、あの三人は」

P「そういうことです。じゃあ次は――」




  ○月△日 薄着の季節だねっ☆


 なんか奈緒さんに渡されちゃったけど、女の子のヒミツが隠されてそうでこりゃ重要機密文書じゃないかなー!

 ちょうど事務所の入り口ですれ違った時に渡されたからびっくりしたけどさ、運命とはこういうことだよね☆


 というわけでおーぷん……でも何もかいてないじゃないのさー!


 こうなったらあたしがそのパイオニアになるよっ☆

 ……うひひひ、なんかこの言葉っていいよね、今度誰かに言わせてみようっと。
 


 じゃあ第一弾でーす!

 最初は卯月さん☆

 プロデューサー、よくあんな逸材を見つけられたね!

 もちろんあたしの庭はお山なんだけど、卯月さんはもうひとつのお山もすばらしい!
 なんといってもあのおしり!
 柔らかいんだけど押し込んだ時に強まる弾力!
 レッスンで鍛えたものはやっぱり偽物とは違うよね!

 本人はそんなことないっていうけど、脂だけが美味しさの全てじゃないってことは、分かる人にはわかるんだよ☆


 もちろんそれだけじゃない、卯月さんが素晴らしいのはリアクション!
 何度やっても初めは驚いて可愛い声をあげてぇ、それで顔を赤らめて控えめて止めてっていう声色がもう―――





P「はい、やめやめー」バタッ

ちひろ(うん、擁護のしようがなかった)

P「なんなのアイツ。ウチのアイドルにセクハラとか何なの? あいつもウチのアイドルだけど!」

ちひろ「愛海ちゃんをスカウトしたのはプロデューサーさんですよ……」

P「いやね? 確かに初対面で片鱗どころか全部見えてたけどさ、黙ってると可愛いんだよ、愛海」

ちひろ「まあ、音声さえ消せば立派なアイドルですよね」

P「女の子と友達になれるとは言った! だが登山家になれとは言っていない!」ダンッ!

ちひろ「……とりあえず、どうします?」

P「卯月のためにも後半部分は修正を入れるとして…」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 オーケーオーケー、今度俺と契約書を確認し合おう。

 人には不可侵の領域がある。そこに踏み込むことは、お前の登山家人生に
幕を下ろすことになるぞ。



 …清良さんに相談しておくから、それまでおとなしくしておくように。

 あと、プライバシーの関係上一部修正を入れるからな。


 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

ちひろ「おいたわしや、卯月ちゃん…」

P「あいつなら大丈夫だとは思うが……今度ご飯にでもつれてってやろう」

ちひろ「そうしてあげて下さい、卯月ちゃんのために」




 ――

 ――――

 ――――――

P「はあ……なんだか最後の愛海のせいでどっと疲れたような気がする」

ちひろ「初犯なんて言葉を忘れてしまうぐらい昔からですけどね……」

P「いやまあアイツもボーダーラインは見極めているだろうし、そこまで大事件にはならないだろうが……他のアイドルの士気にも関わるから、考えていかないと」ウーン

ちひろ「それでも、ペアを組ませると相手によってはその子がいい表情をするって向こうのディレクターに人気なんですよね、あの子」

P「アイドルが大勢の男と柔らか談義をするって新時代すぎるわ」

ちひろ(振り分ける属性を間違えたかな……)

P「――っと、もうこんな時間ですか。作業を再開しないと」

ちひろ「あら、いけない。日記は戻しておきますね」

P「すいませんお願いします。……よし、やるか!」ガガガ



 ・ ・ ・

 ――若葉の日記、その後

 [事務所、応接間]

若葉「――と、以上で行きたいと思うんですがどうでしょうか~?」

真奈美「ああ、いいと思うぞ。振り分けも問題ない」

雪乃「私も皆さんのためにがんばりますわ♪」

若葉「ありがとうございます~。では親交会がうまくいくように頑張りましょうっ」


 オー…!




P「みんなもちゃんとついていけてるし、若葉に任せてよかったな」ウンウン

ちひろ「でも内心不安だったんじゃ?」

P「そうでもないですよ。ウチのアイドルは皆仲良しですからそうそう争い事なんて」

ちひろ「なら若葉ちゃんじゃなくても……」ボソ

P「あの日記を見て真奈美さんに相談したら、彼女も賛同してくれたんですよ。若葉をまとめ役にしようじゃないか、って」

ちひろ「ああ、そういうことですか」

P「騙すようで悪い気もしますが、実際仕切り方も上手いですからこれで振り切ってもらえるといいんですけどね」

若葉「Pさーん、ちょっとこっちに来てくださ~い!」フリフリ

P「ああ、わかった。すぐ行くよ!」タッタッタ…


ちひろ(うまいなあ、プロデューサーさん)




 ・ ・ ・

 ――奈緒の日記、その後

 [事務所]

凛「なーおー……?」ジト

奈緒「ひぃ!? な、なんだよ凛!」

凛「日記見たよ。奈緒は酷いこと書くんだね」

加蓮「きゃー、奈緒ってばさいてーい」

奈緒「…すまん、書いたのは悪かったよ――って、元はといえば普段お前らがあたしを意味なくおちょくるからじゃねえかああ!」ウガーッ

凛「ふふ、ごめんごめん。奈緒の事は大好きだよ」ダキッ

奈緒「い、いいいいきなり抱きついてくるなよ!?」

加蓮「あ、凛ズルい!」ダキッ

奈緒「ちょ、加蓮まで何を――」

加蓮「いつもありがとうね、奈緒」コショコショ

奈緒「うがー! あっついんだから近づくなやめろー!」バタバタ


 ギャーギャー


P「いやーやっぱり仲がいいなあ」シミジミ

奈緒「おいそこで見てないで助けろよプロデューサァ!」ジタバタ

ちひろ「……呼ばれてますよ?」

P「奈緒が可愛いのでしばらく観察です」

奈緒「無視するなプロ、プロデュ――ひゃあん!」

凛「かわいー」ゴソゴソ

加蓮「かわいー」ゴソゴソ

P「……助けに行ってくる」フリ

ちひろ「お願いしますね」

奈緒「遅いわばかぁ!」




 ・ ・ ・

 ――愛海の日記、その後

 [事務所]

愛海「おっはよープロデューサー! 今日も暑くて目が潤うね!」ガチャ

P「おはよう。だがまずは座れ」

愛海「なになに、お山をいただけるのっ?」スタスタ

P「それは後でちひろさんのをあげるから、いいか、よく聞け」

愛海「うん☆」

ちひろ(えぇ!?)ビクッ

P「…お前のやっている登山は違法だ。許されないぞ」

愛海「……そんなことないよ。あたしは夢を追うアイドルだから仕方ないことなの」

P「それが仲間を傷つけているのだとしても、か?」

愛海「あたしだって傷つけたくはない。でも、傷つかずに進む方法なんてないんだよ!」

P「あるはずだ! 手を取り合って、協力して登山する道が!」

愛海「それじゃ駄目なんだよ、プロデューサー! 頂点を目指すには、羞恥に埋もれる女の子の赤らんだ顔が必要なの!」

P「……わかるさ。俺にもわかる。それは大事だよな。それがあってこその登山だよな」

愛海「プロデューサー……」ジーン

P「だが俺はみんなのプロデューサーなんだ。お前だけを支持する訳にはいかない」

愛海「そんな……じゃああたしはこれからどうすれば」ガーン

P「悪いが、しばらくはちひろさんで――」


卯月「ちょっと待って下さい、プロデューサーさん!」ガタンッ!

P「卯月!? 起きて大丈夫なのか!?」




卯月「…確かに愛海ちゃんのやっていることは悪い事なのかもしれません」

卯月「ですが、愛海ちゃんだってただ無差別に上り詰めている訳じゃないんですっ!」

愛海「卯月さん、言わないで!」

P「……卯月、どういうことだ」

卯月「…あの時、私はレッスンでいつもの調子が出せなくて落ち込んでいたんです。そうしたら、愛海ちゃんが私の……それを撫でてくれたんです」

P「撫でた? 登ったんじゃないのか?」

卯月「突然でびっくりしたけど、体がぽかぽかして、落ち込んだ気分がふわっとしてきて……そのおかげで、次のレッスンは大成功したんです」

P「…説明してくれるか、愛海」

愛海「……お山はね、夢と希望と愛情が詰まっているから膨らんでるの。私は、それに触れることで溜め込んだ物を分けて、その人を元気づけることができるんだよ」

P「ということは愛海、お前は――」

愛海「登るべき山があるから、あたしは登る。それがあたしの登山家としての使命なの」

P「そんなことを考えて……」

卯月「だからプロデューサーさん、愛海ちゃんをそんなに責めないであげて下さい」

愛海「卯月さん……」




P「――で、どこまでが本当なんだ」

卯月「無理矢理触って来ました」

ちひろ(えぇー……)




ちひろ「というか卯月ちゃんってそんな小芝居する子でしたっけ!?」

卯月「いえ、そんな……でも、愛海ちゃんが居ることで事務所も明るいんです」

P「明るいというか騒がしいんだけどな?」

卯月「た、確かに恥ずかしいですけど、なんだかんだでみんな笑ってて、それが愛海ちゃんの良さだとしたら、それを奪うのは可哀想だと思うんです」

P「だが、実際に卯月以外に犠牲が出ているんだぞ」

卯月「それは……私が頑張りますっ!」

ちひろ(頑張って済む問題…?)アセ

愛海「卯月さん、そこまであたしのこと……」ジーン


P「――仕方ない、卯月に免じて許してやろう」

卯月「ありがとうございます!」

愛海「ホントっ、プロデューサー!?」

P「ああ。ただそのかわり嫌がってる子も居るんだから、困ったらちひろさんを使いなさい」

愛海「わかったよっ☆」ピース

ちひろ「ちょ、ちょっとプロデューサーさん!?」ビクッ

P「いざゆーけー! むてきーのー!」ビシッ

愛海「むなかたぐんーだんー☆」シュバッ!

ちひろ「ちょ、愛海ちゃんはや――きゃああああああ!!」

本スレにステマしようとしたら規制かかって涙目。

なんかいい区切り方ないかな、と模索中。


>>37,>>38,>>39です。よろしければどうぞ。

美嘉

若林さん

安価ミスってたか…繰下げで>>38以下三名。
二度目にて智香さん頑張った。おめでとう。


>>20
色っぽいというと語弊があるか…警戒心が完全に無くなってる酔い方。
普段のユッキがあれだとすごい嬉しい、個人的に。

ここVIPじゃないんだぞ!!!はやすぎるだろ!!!

>>42
おめでとう。
いや、調理結果がどうなるかはわかりませんけどね?(保険)

>>44
それまで完全に静かなのに安価指定した瞬間に安価埋まって草不可避。

>>44 >>45
ココは保守が不要な分、作者投下中は極力書き込まないってのが暗黙のルールだからかも
閲覧者は多いんじゃないかと思われ、内容面白いしねこのSS。

>>46
流石にこの静けさはビビる。

そんな永続魔法、サイクロンで破壊してやるー!


すいません、よろしくお願いします(ぺこり)

>>1はトリップ付けた方が分かりやすいよ

■ SS速報VIPに初めて来た方へ
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(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364178825/6)

>>48
ありがとうございます。



 ・ ・ ・

 ――事務所

P「ん、ん、んー…――ふはぁ。メール確認も一段落ついたぁ」ノビー

ちひろ「今日に限ってはよくメール来てたそうですね。何かありましたっけ?」

P「ああ、夏休みに向けた祭り需要ですよ」カチカチ

ちひろ「花火祭りの撮影効果ですねー。みんな可愛く取れてましたし」

P「ですね。浴衣が似合いそうなアイドルから騒ぐのが大好きなアイドルまで、相手の要望は千差万別ですよ」

ちひろ「お祭りの中でも内容はさまざまですからね」クス

P「ウチもアイドル沢山抱えてますから、チョイスも結構気を使います」

ちひろ「プロデューサーさんが決めたことなら、アイドルの子達もみんな納得しますよ」

P「だと嬉しいんですけどねえ」

ちひろ「大丈夫ですよ。――あ、プロデューサーさん、お茶のおかわり要りますか?」

P「おおっと、すいませんお願いします」カチャ

ちひろ「はい、ちょっと待っててくださいね」スタスタ

P「ありがとうございます」



P「……」

P(拝啓、社長様。千川ちひろは天使です)


P(……)

P「疲れたし、日記を見るかな」ガタ




P「前回は若葉、奈緒と……愛海だったな」

P「愛海に関しては予想外というか予想通りというか、結局残念な物ではあったが卯月が許したから勘弁しておいてやろう」

P「若葉は無意識にお姉さん化してくれることを願うとして、奈緒はツンデレのままでいいや、うん」コクリ

ちひろ「お待たせしました――と、日記でしたか」コト

P「ええ、こまめに見ておいたほうがいいかなと思いまして」

ちひろ「プロデューサーさんの返信を見て、アイドル達も楽しんでるみたいですよ」クス

P「はは、何だか本当に学校のクラス担任になったみたいだ」

ちひろ「所属アイドルのほとんどは学生ですから似たようなもんですよ、先生」

P「本物の先生はもっと大変ですよ。……よし、やりましょう」

ちひろ「今日は誰が書いたんですかね?」

P「それも楽しみの一つですね。じゃあ第三回目もはりきって見ていこう。最初は――」パラ



 ○月□日 美嘉だよ★


 こんな変わったモノもやってるんだね★

 最近は仕事もそうだけど、今度のオーディションのためのレッスンにネツがはいっちゃってさ、薫に言われてきづいたよ。

 大丈夫かって?
 へへ、あったりまえじゃん!
 アタシはナンバーワン目指してるんだかんね★



 んー、でも不安がないわけじゃないかな?

 アタシがトップを目指すとおんなじよーに、みんなもトップ目指してる。
 そりゃそうなんだけど、やっぱりツライよね。この先誰が落ちてってもアタシには文句言えないもん。

 アタシが成功するタビ、誰かが落ちてってる。
 見てなくても見られてるんだって思うとフクザツ。



 ……って、アタシらしくないか★
 こんなシメっぽいのはアイドル辞める時に言うもんだね。


 あ、でもこうやって書いたらアンガイすっきりしたかも!
 レッスン漬けで少し気落ちしてたかもしれないから……プロデューサーと薫にカンシャかな★


 らしくないケド、これもアイドルってカンジだね。
 へへっ、何だかアタシ、ベテランアイドルっぽくなってきたんじゃない?(フケたとか言ったらヒンシュクだぞ!)

 プロデューサー、アタシにドキュメンタリー番組の企画、持ってきてよねー。
 みんなをカンドーさせちゃうから!


 じゃ、こんなところでバイバイ★


 PS.莉嘉もプロデューサーと最近遊びに行ってないってぶーぶー行ってるからアタシも一緒にご飯連れてってよね★




P「…感慨深いなあ」

ちひろ「彼女も昔からいる子ですしね」

P「確か、裾を広げるためにあえてギャル系の人材をスカウトしましたけど、内面ははっきりいって教えるのに苦労するだろうな、とか思ってましたよ」

ちひろ「初めてウチの事務所に来た時、私も難儀な子を連れてきたなって思いましたね」

P「レッスンもサボらないし愛嬌もあるし、何より根性がある。ギャップに驚かされました」ハハ

ちひろ「でも、内心ではこういうことも考えてたんですね…」

P「自信家であるが故にふとこんな事も考える。見た目がどうであろうと根が真面目である証拠です」

ちひろ「アイドルも椅子取りゲームですから、本当に過酷だと思います」

P「レッスンも仕事もあって忙しいし、美嘉には息抜きが必要だな――」カキカキ


――――――――――――――――――――――――――――――――

 お疲れ。いつも頑張ってるな。


 お前がそんな事を考えているのも、らしくない訳じゃないぞ。
 ちゃんとアイドルがどういうものなのかよくわかってる、まさにプロ意識だな。
 そんなお前を尊敬しているよ。

 あと、美嘉が努力家なのは俺が一番知ってるからな。

 今ぐらい頑張っていれば美嘉なら絶対に頂点に立てる、俺はそう思って
 いつも美嘉と接しているつもりだ。


 でも、最近忙しいから私生活は大丈夫か?
 オフも入れているが、何かあったらいつでも言ってくれよ。

 遊びに行くのは難しいが、今度姉妹セットでレジャーランド系のロケが
 取れるように頑張ってみるよ。

 そうしたら仕事ついでに遊べるだろうしな。


 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――



ちひろ「あら、プロデューサーさんが優しい」

P「失礼な。俺はいつだってアイドルの味方ですよ」

ちひろ「じゃあ私には?」

P「事務員は仲間です…ってこの話題前もしましたよね」

ちひろ「いいじゃないですか、いい言葉なんですから」

P「まあ言われて悪い気はしないと思いますけど……それにしても、美嘉と莉嘉は仲がいいですよね」

ちひろ「5歳差ですよね。この位の差だと姉妹でいがみ合ったりしないんでしょうか?」

P「城ヶ崎姉妹の場合、妹が姉を尊敬していますから、お互い嫌悪感はないでしょうね」

ちひろ「まさに理想の仲ですね」クス

P「まあ、この先大人になっていくと、色々複雑になっていくんでしょうけど……彼女達なら大丈夫ですよ、きっと」ウン

ちひろ「ふふ、なんだか先生と言うよりも父親みたいですね」

P「俺ってそんなに老けて見えるのかなあ……」ガックリ

ちひろ「褒めてるんですよ。優しさの象徴ですって」

P「アイドルの皆にもウザがられてたら……考えるのをやめよう。よし、次だ次! 次は――」パラ



 今日も元気にがんばろーっ!

 おはようございます、智香です!
 って、読む人は朝とは限りませんよね……こんにちは! こんばんは!

 これなら大丈夫ですねっ☆


 さて、○月□日、天気は晴れです!
 ここずっといい天気が続いて、外でのロケも気持ちいいですよね!

 茜ちゃんなんか、日焼け止めを塗るのを忘れて走り出しちゃうくらいです!

 アイドルなので肌には気をつけないとだめですよって言うんですけど、ついつい忘れちゃうみたい。
 でも、アタシもその気持ちがわかるから、これからも元気な茜ちゃんで居てほしいですっ☆


 元気といえば、Pさんはバテていませんか?
 夏は楽しいですけど、スーツで外を走り回るのは大変そうですよねっ。

 レッスンなんか特にそうです。
 部屋の中が暑くて暑くて…前、一緒に練習していた友紀さんなんてユニフォームを脱いで床に倒れ込んじゃったんですよ!
 でもそれが気持ちよさそうだったので思わずアタシも真似しちゃいました☆
 (トレーナーさんには怒られちゃいましたけど……)


 Pさんもこの時期は大変ですが、熱中症には気をつけて下さいね。
 がんばり屋さんなのはみんな知ってますから、だからこそ落ち着いて、でもハツラツに頑張って行きましょうっ☆

 これからも応援してますよ、Pさん!


 智香でした☆




P「微笑ましいなあ」ハハ

ちひろ「文章からでも伝わってくるこの元気さこそ、智香ちゃんの取り柄! って感じですよね」

P「元気な子は沢山いますが、元気にさせられる子っていうのは中々いない。大した子ですよ、智香は」

ちひろ「でもそれだけに、体調管理には気をつけて欲しいですね」

P「夏の暑さは油断できないからなあ。返信は……」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 心配してくれてありがとう。
 スーツは蒸し暑いが、水分を多めに取ってしのいでるよ。

 智香も、体力はあっても過信しないように。
 応援する立場の人間が倒れちゃ元も子もないし、智香は応援する立場であり同時に応援される立場だからな。

 お互い元気に、健康に過ごして夏を乗り切ろう。

 俺もちひろさんも、お前の活躍を応援しているぞ。


 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

P「こんなところか」コト

ちひろ「智香ちゃんを含めて、アイドルの子たちが倒れないようにこの時期はお互い注意しましょうね」

P「ですね。じゃあ次のページを……」パラ


素晴らしい……
やっぱり若林智香は最高ですっ☆



 やっほー☆

 未来のカリスマギャル、じょーがさきリカだよ~!
 おねえちゃんから聞いてアタシも書いてみたんだ☆


 なんかこれ、カオルがはじめたんだってー?

 こうかん日記ってレアだよねー。
 自分の日記じゃなくて、みんなの日記を読むんだもん。ブログとは違って何だか面白いよ☆
 おねえちゃんもよくわかないけどたくさん書いてるし、アタシも書いちゃおっか☆


 あ、そうだ、対抗して事務所にプリ帳置くってのはどう!?

 それでみんなでプリとりに行こうよ☆
 いっぱいとってー、Pくんに落書きしてー、ケータイに貼って、それで事務所にペタリって!

 思い出にのこると思うなー、Pくん、ヨロシク☆


 でも……やっぱなんでもない!



 んー、アタシはやっぱしゃべるほうが好きかな。
 日記だと返ってくるのが遅いもん!

 ねぇねぇ、Pくんはしゃべるの好き?
 好きならまたデートしようよ!

 こんなプリティなJCといっぱいしゃべれるんだから、もちOKだよね☆


 リカ☆




P「はは、やっぱり姉妹だな」

ちひろ「丸文字で書いててシールでデコレーションしたり…初めてじゃないですか?」

P「ええ、白紙のページがカラフルで鮮やかです。男にはできないセンスですよ」ペラ

ちひろ「小学生や中学生の女の子って、こういうの好きですよね。ペンとか沢山もってたり」

P「ちひろさんはどうでした?」

ちひろ「そりゃあもう……って、私に聞いてどうするんですか」

P「ははは」

ちひろ「誤魔化さないで下さいっ」

P「でもこういう子供ならではのセンスを大事にして行きたいですね」ウンウン

ちひろ「……それで、最後の所どうするんですか?」ジト

P「うーん、デートは……まあ、小学生ですから俺であればスキャンダルにはならないでしょう。身内ですし、大人ですから」

ちひろ「扱いは気をつけて下さいよー……全員がダメージ受けるんですから」

P「はは、まさか莉嘉もこんな男と本気でデートしたいだなんて思ってませんって。姉みたいに大人ぶりたいんでしょう」ハハ

ちひろ(……本当に大丈夫なんでしょうか)ジト

P「まあ程々に遊ばせるつもりです。莉嘉のやる気向上にも繋がりますしね。それじゃあ……」カキカキ


――――――――――――――――――――――――――――――――

 日記を書いてくれてありがとう。

 莉嘉たちのクラスは、交換日記とか流行らなかったのか?
 やっぱり場所によってあるところと無いところがあるんだな。


 プリクラか……俺が入るのは無粋だから、みんなでよく取るようなら
 設置も考えるよ。


 莉嘉は文字を書くのは嫌いか?
 俺は好きだぞ。いつでも読めるからな。

 しゃべるのは……どうだろう、多分俺も好きかもしれない。

 もちろん莉嘉と話してる時もな。
 莉嘉こそ、俺としゃべってて楽しいのか心配だけどな……世代が違うって怖いもんだ。


 あとデートって言葉は無闇につかわないこと。
 マスコミは耳ざといんだから……でもまあ、遊びに行くのはいいぞ。

 みんなも誘って慰安旅行でもできたらいいな。
 もしあるなら、それまでに宿題は終わらせておけよ?

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――




ちひろ(うーんこのプロデューサー)

P「よし、こんなもんだろ。ちょうど夏だし、希望者だけでも旅行する計画を立てるか……?」

ちひろ「きっと大人数ですから、予算大丈夫ですか?」

P「いつも頑張ってくれてるんです、多少なら贅沢しても文句は言われませんよ」

ちひろ「まあ金銭的な部分はさておき、スケジュールは長期のオフが難しそうなんで、近場で海とかキャンプとかならいけそうですね」

P「決めるなら早いにこしたことはないので、すみませんが空いてる時間に行けそうな場所ピックアップしておいてくれませんか?」

ちひろ「わかりました。明日にはまとめておきます」

P「ありがとうございます。お願いしますね」




 ――

 ――――

 ――――――


 [夜]


P「ああ、今日も終わりかー!」ノビー

ちひろ「プロデューサーさん、午後は打ち合わせで色々忙しかったですからね」

P「その間にアイドルの送迎をやったり撮影を見たりとへとへとですよ、ほんと」ハァ

ちひろ(へとへとで済んでいるプロデューサーが凄すぎるというべきでしょうか…)

P「日記も返信したし、メールチェックも終えた、と…ちひろさんはなにか残ってますか?」

ちひろ「いえ、あとは戸締りして帰るだけです」

P「そうですか……じゃあちひろさん、この後空いてます?」

ちひろ「ええ、空いてますけ――どぇ!?」ビクッ

P「何ですかその驚き方……もしよかったらこの後ご飯どうかなと思いまして」

ちひろ(…なんでこの人はそう気軽に誘えるんだろう。いやプロデューサーだからか)

ちひろ「ならお誘いにのって食べに行きましょうか」クス

P「ありがとうございます。この前芽衣子に教えてもらったお店に行くのに一人は何となく辛かったんですよ」ハハ

ちひろ(……やっぱりそういうことでしたか)ハァ

ちひろ「なるほど。タノシミデスネ」



P「…何か怒ってます?」

ちひろ「怒ってませんっ」プイッ


いちお、念のため。
莉嘉っちは中学生だよ~☆



 ・ ・ ・

 ――美嘉の日記、その後

 [オーディション会場、ビル前]


美嘉「う、うーん――終わった~★」

P「はは、お疲れ様。緊張しただろ」

美嘉「…正直言うとね。みんな目がギラギラでいつみてもびっくりするよ」

P「合格発表は一週間後だが……まあ美嘉なら通るから大丈夫だろ」

美嘉「さっすがプロデューサー、アタシの事わかってる★」

P「……嘘つけ」コツン

美嘉「あいたっ」

P「顔がいつもより固いぞ。バレバレだ」

美嘉「……へへっ、プロデューサーには勝てないや」ハハ

P「お前のプロデューサーだからな。…よし、じゃあ事務所に帰って莉嘉と合流するぞ」コツコツ

美嘉「へ、なんで莉嘉と会うのさ? あの子は別の仕事でしょ?」クビカシゲ

P「今日のオーディションは大きな舞台だからな、お疲れ様会兼合格祝いで買い物に行く約束していたんだよ。レジャーランドの仕事はもう少し待ってくれ」

美嘉「早い…というかそんなの聞いてないんだけどー!?」ビクッ

P「言ってないからな」ハハ

美嘉「ヒドー、アタシに隠し事するんだーっ」

P「先に言ったら余計に緊張するからな、お前は」

美嘉「……ちぇー。でも三人で買い物なんて久し振りだね★」

P「おう。なんてったって美嘉の希望だからな」

美嘉「ちょ――ちがっ、あれは莉嘉が言ってたことで、アタシはっ」アセアセ

P「美嘉は行きたくなかったのか?」

美嘉「……ヒキョーモノだよね、プロデューサーって」

P「卑怯者で結構、美嘉の笑顔のためならな。…ほら、車に乗るぞ」ドチャ

美嘉「もおっ!」ガトン!

美嘉(……へへっ、やた★)


 [おわり]



 ・ ・ ・

 ――智香の日記、その後

 [屋外ロケ、地方球場]

ディレクター「はいじゃあ一旦休憩でーす!」パチパチ

 オツカレサマデース…

智香「お疲れ様です。いやー、夏といえばスポーツ、スポーツといえば応援ですよねっ!」バサッ

P「はい、お茶。この時期は学生のスポーツ番組からオファーが結構来てるからな、智香ならピッタリだ」ホラ

智香「はい! 頑張るみんなに元気になる応援を届けますよっ☆」

P「その調子だ。タオルも使うか?」

智香「あっ、ありがとうございます!」フキフキ

P「…今はカメラ向けられてないんだからそんなに元気に返事しなくて大丈夫だぞ?」ハハ

智香「いえ、これはPさんへの応援ですから☆」

P「……よく疲れないなあ、智香は」

智香「Pさんが応援してくれてますから、せめてものお返しです。いつもありがとうございます、Pさん」ペコリ

P「はは、ありがとうな、智香」

智香「こちらこそありがとうございます☆」

 サイカイハ30プンゴデース…

P「ん、30分後か。長いな」

智香「この時間は暑いですからねー。皆さんも暑そうですっ」

P「だなあ。立ってるだけで汗が出てくるよ」ハハ

智香「あ、じゃあこのタオルで――」フキフキ…

P「それはお前の……じゃ」ピクッ

智香「……あ」////




智香「……ち、近くの売店で何か買いませんかっ!?」アセアセ

P「お、おう、そうだな! 行こうか!」アセアセ


 [おわり]




 ・ ・ ・

 ――莉嘉の日記、その後


 [事務所]

莉嘉「PくんPくん! これ見て見てーっ☆」ドタドタ

仁奈「P! 見るでごぜーます!」パタパタ

P「うおわっ、いきなりどうしたんだ二人とも!?」

莉嘉「これこれっ!」バッ

P「ええ? これは……おお、皆でプリクラとったのか」

仁奈「この前じむしょでひましてやがりましたから、仁奈たちでとったでごぜーます!」ワサワサ

P「んん? って、ああ、そういえばいきなりみんな出て行った時があったなあ。あの時か」

仁奈「Pもいっしょにとりたかったですが、忙しそうだったからできなかったのでごぜーます!」

莉嘉「気を遣ってあげたんだよー、すごいでしょ☆」

P「すまんすまん、あの時は企画作るのに忙しかったからな…ありがとう」

仁奈「だからこんどはPとちひろも入れてとるのですよ!」

ちひろ「私も? ふふ、ありがとう。プリクラ帳も用意しなきゃいけないわね」

P「わかったよ。今度揃ったら撮りに行こう」

仁奈「約束でごぜーますよ! じゃあ仁奈はみゆお姉ちゃんの所に行ってくるです!」パタパタ…

莉嘉「……」

P「はは、美優さんは子供に人気だなあ」

莉嘉「……ね、ねぇ、Pくん」チョンチョン

P「ん、どうした? 莉嘉はあっち行かないのか?」

莉嘉「ちょっと耳貸してっ!」ピョン

P「耳?」

莉嘉「いいからいいから、早くーっ」トントン

P「わ、わかったわかった! ……これでいいか?」カガミ

莉嘉「バッチリっ! ……ええとね」

P「ああ」

莉嘉「――仁奈とアタシだったら、どっちをコイビトにしたい?」コショコショ

P「ブッ!!?」ブフォッ!?




P「げほ、げほ……。いきなり何を言い出すんだお前は!」

莉嘉「えー…だってPくん、仁奈を見る目がやらしーもん☆」

P「んなっ……!?」

ちひろ「……プロデューサーさん?」ジト

P「ちょ、違いますって! 断じて違いますから!」ブンブン

ちひろ「へえー…」ジト

P「信じて下さいよちひろさん……」

莉嘉「へへ、冗談だよん☆」

P「はあ……全く、冗談も大概にしてくれよ?」ハァ

莉嘉「ごめんごめんっ。じゃあ次はホントだから、もう一回、ねっ」

P「本当だろうな……ほら、かがんだぞ」

莉嘉「うん……ええとね」コソ

莉嘉(……よしっ)

莉嘉「アタシは遊びじゃないよ、Pくん」コショ…


P「……へ?」ポツン

莉嘉「じゃーねー! またデートしてねっ、Pくん☆」トタトタ


 プロデューサァァァ?
          チガウ、チガウカラチヒロサン!!



莉嘉「……へへっ☆」


 [おわり]


智香はやっぱり無防備な所がいいよなあ。
素晴らしい……

>>57
予告していないのその速さ。素敵です。
そして智香ちゃんいいですよね。ともかわいい。
>>68も分かってるネ!

>>62
JCと書いてJSと読んでしまった。
なんという情けなさ…

>>62さんには感謝。申し訳ないです。

>>59のPの発言は『小学生ですから→中学生ですから』に変換お願いします。


最後に[おわり]を付けてみたり、色々試行錯誤中。

次は>>70,>>71,>>72です。
よろしければどうぞ。

ゆかり

藍子

さぎさわさん

そしてこの安価の埋まる速さだよ。ビックリだね。

>>70以下三名様です。

伊吹Pはよろしければ次頑張ってくださいませ。


面白いと思って貰えたら幸いです。ありがとうございました。

相変わらずどの娘も可愛くて素晴らしいよ。
これは安価の取り合いになる。
そして、乙ですっ☆

>>75
ありがとう、そしてありがとう。お気に召しましたでしょうか(ビクビク

書いたこと無い子ばかりで不安ですが、今後ともよろしくお願いします。

クッソクッソ_| ̄|○

早い人25秒とか!!!くっそー!!!

>>77
落ち着け、まだチャンスはある…!

なお、いつ最終回になるかわからない模様



 ・ ・ ・


 ――ある日のコンビニ


P「うーん…パスタにいきたいところだけど……」ガサ

ちひろ「あれ、プロデューサーさん?」ピョコ

P「おにぎりが……って、ちひろさんじゃないですか。奇遇ですね」

ちひろ「営業の帰りでプロデューサーさんもお昼ごはんですか?」

P「はい。パスタを食べるかいつものおにぎりかで迷ってて」ウーン

ちひろ「ああ、そういえば一緒に事務所で食べる時はおにぎりでしたね」

P「やっぱり日本人的にはご飯なんだよなあ…ちひろさんは?」

ちひろ「私は夏らしく冷やしうどんにします」

P「あー、それもいいですね。パスタ温めると夏暑いですしね。俺は蕎麦にしようかなあ」

ちひろ「ふふ、じゃあ事務所で少し交換でもしますか?」

P「ええ、そうしましょうか。あとはデザートでも」

ちひろ「あ、私もデザート買おっかな」

P「こういうのってちょっとリッチですよね。あ、先に会計して来ます」

ちひろ「はい。事務所にアイドルが居ますから、そのまま戻っていいですよ」

P「了解です。ではお先に」



 ――

 ――――

 ――――――


 [事務所]


P「ただいま戻りましたー……っと、凛か」ガチャ

凛「ああ、おかえり。暑かったでしょ。スーツ掛けるよ」ハイ

P「悪いな」ヌギヌギ

凛「いいよ、別に。普段のお返しだから」カチャ

P「特に返して欲しくて何かしてるわけじゃないんだけどなあ」

凛「私達ってそういうものでしょ。ほら、ご飯食べたら?」

P「…はは、何だか世話されてるみたいだ」スワリ

凛「私は、そ…で……」ボソ

P「ん?」

凛「なんでもない。というか、またコンビニ?」

P「あ、ああ。忙しいからなあ。でもコンビニのご飯も侮れんぞ?」フリフリ

凛「それは知ってるよ。でも毎日は駄目」

P「……手厳しいな、凛は」

凛「これからもずっと頑張ってもらわなきゃいけないんだから当然でしょ?」

P「それもそうだ。ま、もし俺が料理のできる人と結婚するような事でもあれば弁当になるかもな」

凛「……そうだね」




ちひろ「すいませんお待たせしました、プロデューサーさん」ガチャ

P「ああ、別に待ってませんよ。凛が居ましたからね。…そういえば凛、次の予定の時間は大丈夫か?」

凛「午後からレッスンだけど…早めにいこうかな、ご飯食べたし。うん、じゃあ行ってくるよ」

ちひろ「いってらっしゃい、凛ちゃん」

P「いってらっしゃい。頑張れよ」フリ

凛「言われなくても」フリ

 トタトタ…ガチャン

ちひろ「……いつ見ても落ち着いてますね、凛ちゃん。何だか憧れちゃう」

P「ちひろさんには向いてませんよ」ハハ

ちひろ「わかってますってばっ」プンスコ

P「はは、ちひろさんはそっちの方がいいですよ。じゃあお昼にしますか」

ちひろ「…そーですね」




 ・ ・ ・


P「ふぅ、気分転換に買ったアセロラゼリーもおいしいですね」

ちひろ「学校の給食を思い出しますよね」

P「わかります。それでつい買っちゃいました」

ちひろ「ふと記憶が蘇るんですよね……と、まだお昼終わりまで時間ありますけど、どうしますか?」

P「ん、いつものように日記を見ますよ」ガタ

ちひろ「ふふ、もう日課になってますね」クス

P「最近始めたばっかりでも、アイドルの事を知れるのは楽しいですから」

ちひろ「無理に訊いてる訳でもないから気持ちも楽ですし、薫ちゃんと千枝ちゃんもいい事言いましたね」

P「今度美味しいスイーツでもプレゼントするかなあ。…まあそれは後々考えるとして、日記を早速見てみようか――」パラ




 ○月▲日 担当:水本ゆかり

 おはようございます、でいいのでしょうか?
 個人的に日記は付けていますが、このような公共的なものに書き込むのは恐らく初めてだと思います。

 何だか不思議な感じですね。見られるために書くというのは。

 そして、この機会を頂いた事を嬉しく思います。


 しかしながら交換日記というものの勝手がわからず、他の方の日記を拝見したのですが、どうやら皆さん思い思いの言葉を書き綴っているようで……でしたら、私も自由に書いてみようと思います。


 本日も青い空が顔を出し、様々なものに鮮やかな色を生み出す夏という季節は、私にとっても素晴らしいになるでしょう。
 なぜかというと、今度、音楽コンクールのフルート部門に出場できることが決まったからです。

 毎日学業やお仕事、レッスンなど、私だけでなく全員が忙しく感じる今でもこうして融通してくださったPさんには、本当に感謝しています。
 そして、その事を知ったトレーナーの方々や皆さんからも激励やアドバイスも頂き、単なる技術勝負ではない、私の、更なる高みへの挑戦という気持ちが込められています。

 皆さんも読まれるということで、この場を借りてお礼申し上げます。


 ……すみません、皆さんのように楽しい日記にはできなかったようです。
 歌やダンスに不慣れな私でもPさんのご指導で上手くできるようになったのだから、このような場を和ませるような、そんな愉快な文章を私も書けるようになりたいですね。


 だとすると、誰に師事するのがよいのでしょう。
 見つかるまでは、よろしければまたあの時のように教えて下さいね、Pさん。

 Pさんのご指導なら、私、何でもやりますから。




ちひろ「ん? 今何でもするって」チラッ

P「い……ってませんからね?」

ちひろ「それにしてもまあ、なんというか…文章って、人となりがよく見えてきますね」

P「ですねえ。性格が文字に滲み出てます」

ちひろ(その考えなら、Pさんはとても真面目で丁寧で……あながち間違いでもなさそうなのが悔しい)

P「ゆかりって個人的に日記を書いてるのは初めて知りましたよ」

ちひろ「Pさんにも知らないアイドルの事があるんですね?」

P「そりゃそうですよ。親ですら知らない事だってあるんです、ましてや他人の俺じゃ、知れることなんてたかが知れてますって」

ちひろ「…あんまり他人だなんて言わない方が良いですよ。皆、プロデューサーさんのこと慕ってますから」

P「はは、本当にそうだと嬉しいですね。じゃあ返信はっと…」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 日記を書いてくれてありがとう。


 いつみてもゆかりの書く文字は整っていて尊敬するよ。大人の俺でも
習いたいぐらいだ。


 そして、まずは改めてコンクール出場おめでとう。
 ゆかりの技術なら入賞だって目じゃないさ。


 だが、練習時間の方はちゃんととれているのか?
 名目上はプライベートだから、こちらとしてはちゃんとした時間は
与えられないから、ちょこちょこ休憩時間を取ることで補填しているが…。

 もしもっと練習がしたいなら言ってくれよ。
 多少ならいつものレッスンの時間も時間帯も調節できるぞ。


 あと、楽しい文章なんてのも意識する必要はない。
 ゆかりのありのままが、俺達にとっての楽しいものなんだからな。

 それでも目指したいというのなら、俺や他の子が教えてくれるから遠慮せず
訊いてくれ。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

ちひろ「ゆかりちゃんって、とても素直ですよね」

P「ええ、時々心配になるぐらいです」ウンウン

ちひろ「……そっちの方がプロデューサーさん的には好みなんですか?」

P「ゲホッ――い、いきなり何てこと言ってるんですか…」ケホッ

ちひろ「いや、ちょっと気になりまして」クス

P「別にそういう所では見てませんよ。アイドルとして素晴らしいとは思いますけど」

ちひろ「何だかはぐらかされた感じですねー…ま、慌てるところが見れたから良しとしましょうか」

P「ちひろさんって結構お茶目ですよね、ホント……まあいいや、次。次は――」パラ




 ○月▲日 今日もいいお天気ですね♪


 以前からこの交換日記は知っていたんですが、私がこの事務所に居る時は大体誰かが書いてるので中々書くのは難しいみたいです。

 人気なのっていいことですよね。


 というわけで、今回ようやく書く事が出来ました。
 この日記も、Pさんに見てもらえるといいな。


 私が書きたかった事、それはお散歩していた時の事です。
 この前、午後の仕事まで手持ち無沙汰になったので、近所の公園を散歩していたんです。

 アスファルトの上はやっぱり暑くて、でもそれが夏らしくて。
 季節を感じながら歩いていると、公園の真ん中に大きくはないんですが噴水があるんです、Pさんも知ってますよね?


 いつもなら、夏と水に想いを馳せて涼しい気持ちになるだけなんですが、この時は近くに住んでいるらしい家族の方がそこに居らっしゃったんです。

 両親と子供。少ない人数でも、子供が噴水ではしゃいで、それを夫婦が楽しそうに見ている。

 例え遥か遠い場所に出かけなくても、こんな場所で、小さな世界で幸せを感じられる。
 それって、本当に素晴らしいことなんじゃないでしょうか?

 そして、これが私達アイドルの役目だとも思うんです。

 みんな毎日が幸せとは言えなくても、私達を見て気持ちを和らげてくれる、それがお仕事の目的だって、Pさんを見ててそう思います。

 だって、私はPさんを見て、一緒に居て、笑顔で居られるんですから。


 そんな私が私で居るためにも、これからもよろしくお願いしますね。
 よかったら、またあのカフェで時間をすごしませんか?

 ふふ、お返事待ってますから♪




P「優しい気持ちって大事だよなあ」ハァ

ちひろ「普段は荒んでるんですか?」

P「いやまあ、そういう訳じゃないですけど……ただ、毎日駆けずり回ってるとふと疲れる事もありまして」

ちひろ「プロデューサーさんも人間ですから、そういうこともありますよね」

P「人間ですよ、普通に。で、そういう時に藍子に会うとちょっとラッキー、って思っちゃいますね」

ちひろ「ああ、わかります。別に他の人がダメだっていう訳じゃなくて、藍子ちゃんだけは微妙に違いますよね」

P「ええ、声色とか言葉遣いとかじゃ絶対に図れない、彼女独特の空気が良いんですよ」

ちひろ「ファンからもそういう所が人気ですしね。雑誌でも寄り添いたい人ランキングに入選してましたし」

P「励ます訳でもなく、ただ傍にいてゆったりと癒してくれる雰囲気はテレビを通してでもわかりますからね。それじゃあ…」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 はは、こうして皆が興味を示してくれるのは嬉しいことだよ。

 藍子の事も知れたから、千枝と薫にも感謝しないとな。


 こんな暑い日に散歩にいって疲れないかと俺は思うんだが、藍子が楽しんでるなら
きっと藍子は周りを涼しくしてくれるんだろうな。
 藍子となら、こんな日でも公園でのんびりできそうだ。


 そう。その家族こそ、藍子が目指す幸せの形。

 アイドルには、他の人にはないそれぞれの個性がある。
 それが藍子にとっては『ゆるふわ』なんだろうな。

 俺も、あの時藍子と行ったカフェではすごく落ち着いて過ごせたよ。
 そのカフェの雰囲気も勿論あるが、やっぱり向かいに藍子が居て、些細な事を話しながらゆっくりとした時間を過ごす。

 なんてことのない時間でもそれが自然体で居られるような癒しの時間になるのは、この事務所の中でも藍子以外じゃ中々居ないだろうな。

 それは藍子の誇るべき事だぞ。

 それで、藍子さえよければまた一緒に行こう。
 最近忙しかったから、あのカフェに行きたいと思ってた所だったんだよ。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

ちひろ(……何と言うか、口説いてるんじゃないかと思える文章だ)

P「そうだな…お、この時間空いてるか」ペラ

ちひろ「いつも誘われるばかりですけど、今回は乗り気ですね」ハァ

P「はは、差別してる訳じゃないんですけどね。というか休みが欲しい」チラ

ちひろ「この職業に就いた時点で諦めて下さい、それは」

P「ですよねー……。まあいいです、次に行きましょうか」パラ




 ○月▲日 快晴

 私が書いてもよいのでしょうか。
 他にも書きたい人がいるのに、と思う私に、高森さんは静かに微笑み、ゆったりとした手つきで渡してきたのです。

 そういうことなら、と私は受け取りました。



 新人である私にそのような優しさをくださった高森さんに感謝をして、筆を執ることにします。


 私は鷺沢文香です。
 プロデューサーさんに突然のスカウトを受けて、アイドルの道に進むことになりました。

 あの時のプロデューサーさんは、私が混乱するぐらいに熱意があったように思います。
 事実、最初は何が何だか分からないでいましたが、彼の話を聞いていると本意というものが隠さずに晒してくれているのだと判りました。

 文章から意を汲むのはできても、人の顔から読むのは苦手です。
 そんな私でも簡単に理解することができたのですから、よほど彼には思うところがあったのでしょう。


 そして、世界は反転して。
 場違いな所に、私は居る。


 ――いや、自虐するのは良くないことです。
 何故ならば、そう表現してしまうのは彼の熱意を否定することに他ならないからです。

 先輩方に話を聞くと、私と同じようにスカウトを受けた方や応募して所属した方、それぞれ色んな理由でここに居ます。

 しかし、それでも皆さんが思い思いに力を発揮してファンの方々を楽しませている。


 ……私もいつか、そうありたいと思います。
 動く時間を見たかった私のためにも、それを見ぬいたプロデューサーさんのためにも。

 ですから前を向いて、いつかは天を見上げられるように……レッスンに励んでいます。
 こうしてこの場で吐露するのも、背後に鏡を置きたかったからなのかもしれません。


 不甲斐ない私ですが、プロデューサーさん、先輩の皆さん、どうかこれからもよろしくお願いします。

                                  鷺沢文香



P「お、おお…日記帳がこのページだけ厳かな雰囲気になってる」

ちひろ「現役大学生で文学部在籍でしたよね。私には中々書けませんよ…」

P「上下関係が薄いのがウチの特徴だとしても、文香に関してはそういうのが特に強いですね。何故なんでしょう?」

ちひろ「うーん…家庭環境とか、今までの学習環境によって出てきますから、私達には推し量れませんね」

P「何としてでもスカウトしたかったのは彼女の佇まいにピンと来たからなんですけど、これが彼女の素なのかどうかは、俺もよくわかってないんですよね、正直」

ちひろ「これから、という感じですか」

P「ですね。良くも悪くも彼女は遠すぎる。文香の個性を残しつつ、この事務所に打ち解けて貰えたら嬉しいですね――」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 読ませてもらったぞ。

 確かにあの場所からここに来るのは、とても勇気の要る事だろうし、
文香自身も難しい判断だったように思う。


 だが、それは間違いではないと俺が保証するよ。

 あの場所はあの場所で良い所もあるが、文香には、天高く羽ばたける透明な翼がある。
 その翼はごく僅かの人間しか持っていないんだ、使わなきゃ勿体無いと思わないか?

 心配や不安は、今も、この先も、ずっと文香の前からやってくるだろうから、その時は絶対に一人で立ち向かわないで、俺やちひろさん、同じ事務所の仲間を頼ってくれ。

 文香を誘った責任もある。
 絶対に後悔はさせないから、これからも頑張って欲しい。


 そしてそうしている内に、徐々にでいいから皆と打ち解けてくれると嬉しい。

 改めて、これからもよろしく頼む。


 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

ちひろ「プロデューサーさんもよく即興で書けますね…」ヘエ

P「割りと好きですよ、こういうのは」

ちひろ「ああ、確か前にも文字を読むのは好きだって言ってましたもんね」

P「似たようなもんです」




 ――

 ――――

 ――――――


 [事務所、13時前]

ちひろ「あ、そろそろ時間ですね」チラ

P「日記読んで書き込むだけでも結構時間かかりますからねー。みんな良い文章を書いてくれるおかげですよ」ウンウン

ちひろ「私もそう思います――と、そうだ」ポン

P「どうかしましたか?」

ちひろ「いえ、これをよかったら」ゴソ

P「……お菓子ですか。コンビニで買ってたんですね」

ちひろ「食後のおやつでも、と思いまして…」

P「タイミング的には微妙に外れた感がありますが……ジュース持ってきますね」ガタ

ちひろ「すいません、お願いします」

P「いいですよ。ちょっと食べ過ぎなような気もしますけど」コツコツ

ちひろ「別腹ですから……大丈夫です、ええ」

P(あの間は別の意味で考えたんだろうな)スタッ

ちひろ「さ、さー食べましょうよ、プロデューサーさんっ」

P「はい、あんまり時間もないですからね」




 ・ ・ ・

 ――ゆかりの日記、その後


 [コンクール会場、入り口前]

P「着いたぞ、ゆかり」プスン…

ゆかり「送ってくださってありがとうございます、Pさん」ガチャ

P「気にするな。会場は遠くないし、丁度暇だったからな」ガタン

 ガヤガヤ

ゆかり「それでもありがとうと言わせてください。今度、何かでお返ししますね」コツコツ

P「それは仕事で返してくれればいいよ」

ゆかり「ふふ、ではこれからも頑張りますね――あら?」ピタ

P「どうした?」

ゆかり「いえ、あちらに居る人は――」

P「あちらって……あれは!?」

幸子「――あ、遅いですよ二人ともー! ボクを待たせるなんて感心しませんね!」ビシッ

星花「いけませんわ、幸子ちゃん。この場で騒いでは」

幸子「うっ……わかりました」ピクッ

P「幸子に星花、何故ここに居るんだ!?」

幸子「勿論応援です! 良かったですね、ゆかりさん。カワイイボクが応援すれば優勝間違いなしですよ!」

星花「幸子ちゃん、大声を上げ過ぎると変装がバレてしまいますわ。…あ、わたくしもゆかりさんの応援に参ったのですのよ♪」

ゆかり「幸子さん、星花さん……ありがとうございます」ペコリ




P「いや、それはいいことだが……どうしてお前たちが?」

星花「ゆかりちゃんがコンクールでフルートを演奏するということで、畑違いですが僭越ながらわたくしもお手伝いしたのですわ♪」

幸子「そしてボクはゆかりさんに面白くてカワイイ文章の書き方を教えました! ボクにかかれば造作もありません!」ドヤァ

ゆかり「お二人とも、声をかけて頂いたので協力して頂いていたんです。ですがまさか来て頂けるとは…」

P「幸子はアレだが…ありがとうな、二人とも」

幸子「アレってなんですかアレって…まあ、ボクはカワイイので気にしませんが」

星花「P様もご覧になるのですか?」

P「いや、俺は送迎だけだ。この後また仕事があるからな」

幸子「なんだ、残念――こほん、Pさんが帰ってもボクが居れば全く問題ありませんから安心して下さい」フフン

ゆかり「わざわざすみません、Pさん」

P「まあ星花が着いてるから大丈夫だろ。落ち着いていけばゆかりなら大丈夫だ、頑張ってこいよ」

ゆかり「はい!」ペコリ

星花「いってらっしゃいませ、P様♪」フリ

幸子「今日もボクのために仕事がんばってくださいね!」

P「おう、また後でな」スタスタ





P「……」ピタッ

P(ゆかりの文章はよく気にかけておこう)


 [おわり]




 ・ ・ ・

 ――藍子の日記、その後

 [事務所、午後]

藍子「お疲れ様です、Pさん」コト

P「うん? あ、ああ、藍子か。お茶ありがとう」

藍子「今はちひろさんが出かけてますからその代役です。少しお休みしませんか?」クス

P「んー…まあいいか。ふわぁ」クター

藍子「あ、Pさんもそういうことするんですね。ふふ」

P「俺も人間だからなあ…あー、お茶おいしい」ゴクゴク

藍子「ありがとうございます♪ あ、おかわりは要りますか?」

P「…いや、自分でできるから休んでていいんだぞ?」

藍子「いえ、毎日頑張るPさんのために何かをするのが嬉しいんですっ」

P「ならいいが……」クター

藍子「はい♪」


 チク、タク、チク、タク…




藍子「……Pさん、最近特に働き過ぎじゃないですか?」コト

P「そうでもないさ……みんなを支えるんだ、このぐらいやらないと追いつけないからな」

藍子「…なら、今だけはゆっくりしてくださいね」

P「藍子に言われちゃしょうがない……悪い、眠いから少し昼寝してもいいか?」

藍子「いいですよ。何時に起きますか?」

P「あと20分後ぐらいに頼む……ふわぁ」コテン

藍子「わかりました。おやすみなさい、Pさん」

P「また次のカフェに行こうなー……」バタッ

藍子「……」




藍子「……いつもお疲れ様です、Pさん」

 [おわり]



 ・ ・ ・

 ――文香の日記、その後


 [レッスン室・夜]

トレーナー「はい、今日は終わり!」

 アリガトウゴザイマシター
           ガヤガヤ

文香「はぁ…んくっ――はぁ…はぁっ…!」ペタン

真奈美「……どうだ、文香。調子は」コツコツ

文香「あ……木場さん。その…、なんとか」ゼェゼェ

真奈美「真奈美でいいといっているだろう。…君はあれか、この事務所の空気が苦手なのか?」ハァ

文香「い、いえ……そういうわけでは。すみません」ウツムキ

真奈美「ふむ……そうか」

真奈美(Pがスカウトしてきたと思えば、アイドルにはてんで向いていないようにも見える……何か思うところがあったのだろうか)

 ガチャ

P「みんなお疲れ様ーっと――あ、文香…と真奈美さん。レッスンお疲れ様です」トタトタ

文香「…お疲れ様です」コクリ

真奈美「ああ、Pか。お疲れ様。レッスン室にまで来て何か用かな?」

P「はい、少し文香に用があって。立てるか?」ホラ

文香「あ…はい」ギュ

P「疲れてる所悪いな、これを今から読んで欲しい」ピラッ

文香「わ…わかりました。…時間は」

P「とりあえず二十分位で。教えながらやるから軽くでいいぞ。俺は今から皆を寮に送るから、戻ってきたらやろう。じゃあ後でな」フリ






 スタスタ…

真奈美「……どういうことだ?」

文香「ええと……その。補習、でしょうか…」

真奈美「レッスンが終わった後に補習だって? あの彼と?」

文香「はい、…あの、私、まだまだ……ですので」

真奈美「…ちょっと、それを見せてくれるか?」

文香「…どうぞ」ピラ

真奈美「これは……基礎レッスンの手引きじゃないか」

真奈美(それにしては、内容が些か容易化するように編集されているが…)フム

文香「トレーナーの方はその、…帰ってしまうので。プロデューサーさんに」

真奈美「…コーチを頼んでいるという訳か」

真奈美(あの人は全く……どうしてこうも一人でやろうとするんだ)ハァ

文香「私は……未熟者ですから。少しでも覚えて、木場さ――すみません、…真奈美さんに追いつきたい…です」コクリ

真奈美「私に?」

文香「はい……ええと、とてもよく……動けてますから」

真奈美「この補習はどのくらいのペースでやってるんだ?」

文香「その、毎日……です」

真奈美「毎日だって?」

文香「そうしなければ…プロデューサーの言葉も、……私の言葉も、裏切って……しまいますので」

真奈美(それに付き合える彼も凄いが……腐らないんだな、この子は)




真奈美「――よし、わかった」クルリ

文香「…はい?」キョトン

真奈美「私は今ではアイドルだが、元々はトレーナーとしてやるつもりだったんだ」

文香「そう……だったのですか…?」

真奈美「Pに負担をかけすぎるのも良くないしな。どうだ、私も手伝ってやろうじゃないか」

文香「そんな…ええと、悪いのでは」オロ…

真奈美「何、君以外にも教えているから問題ないさ。Pを助けると思って私を頼るといい」トンッ

文香「……ありがとうございます、真奈美さん」ニコ

真奈美(何だ、根気もあって、ちゃんと笑えるじゃないか……彼はこういう所を見たのか?)クス

真奈美「よし、じゃあもう一度柔軟から始めるぞ。…彼を驚かせてやれ」

文香「あの……はい…っ!」


 [おわり]

長い(小並感)
1レスに収めるのは難しいです。

最初の方ミニストーリーを付けてみました。食玩感覚。
ふみふみは本当に難しかった。



次は
>>97,>>98,>>99です。

よろしければお願いします。

みちる

美穂ちゃん

楓さんを!

安価飛ばして11秒で終わってるとか…

>>97,>>98
なんやこの速さ……待機しすぎィ!

安価先で裏を書かなきゃ(使命感)



というわけでお三人方どうもです。

この単発で颯爽と安価をかっさらっていく姿、嫌いじゃないぜ


いや、怖いけどさ(本音)

安価の間隔をちょっと空けるとか、どうでしょうかっ☆
今日も楽しかったです。乙ー☆

安価出てから3秒以内に書けても間に合わないときとかあるからな、そのあたりも楽しいわ

安価取りも含めてこのSSは面白いな
期待してます

>>101
どう感想を抱けばいいのかちょっとわからないです、割りとマジで。


あと、個人的な話ですけど安価決めた方は投下後感想頂けると有難いです。
微妙に違和感が拭えなかったりなんだったりなので。

(いや、レスがないということは不満はないということなのか…?)

>>103
智香さんお疲れ様です私を応援して下さい(真顔)

んー、安価は間隔短いほうが気が楽かなと思ったんですが、
それも考慮してみます。
智香さんありがとう!

>>104,>>105
と思ったらこういう意見もあり。難しい所。
現在試行錯誤してますので騙された方申し訳ないですがご愁傷さまです(保険)。


虎視眈々と私の安価指定レスを伺う姿を想像すると吹く

お疲れさまでしたー
このSSのほのぼのした雰囲気が好きです

うへへたまたま更新見れた!これで一番乗りや!
と思ったらギリギリでワロタ

なんで風呂はいってる時に終わってるん…
安価取りてぇ、安価スレで嫁の名前あんまり見ないから…

>>107
楓さんPおめでとう。
でもほのぼのだけとは限らないよ(保険)

あと駄洒落は勘弁して下さい思いつきませんよ楓さん

>>108
予告はしてないからね、仕方ないね。

大体夜に投下してるんで頑張って見つけてくださいませ。

安価取れたら幸運が訪れる、そう思うといいと思います(投げやり)



 ・ ・ ・

 ――ある日の事務所、昼

ちひろ「ふぅ……」ハァ

P「…何だか疲れてそうですね、ちひろさん」

ちひろ「え、あ、いや、すいません。変な所を見せて」

P「いやいや、これだけの仕事量なら溜息つくのも判りますよ」

ちひろ「…ですけど、プロデューサーさんに比べたら文句なんて言えませんよ」

P「ちひろさんもよくやってくれてますって。アイドルからも頑張ってるって尊敬されてますよ?」

ちひろ「へ…そうなんですか?」キョトン

P「ええ、これだけの人数抱えて事務作業やり続けるのは至難の技ですから。俺も尊敬してます」

ちひろ(…それを言うならプロデューサーさんもですよ)

P「疲れたまま作業するのはミスの元ですから、息抜きをしましょうか。お茶入れてきますね」トタトタ

ちひろ「……ですね、ありがとうございます」クス

 トクトクトク…

P「息抜きといえば、日記の方もアイドルにとって息抜きになってるんですかね?」コト

ちひろ「なってると思いますよ。莉嘉ちゃんなんて目に見えて元気になってますから」

P「はは、確かに…」

P(あのあとこっそりプリクラ撮りに行ったとは言えまい)

ちひろ「アイドル達のケアにもなって一石二鳥! って感じですねっ」

P「なら大丈夫そうですね。じゃあ、俺達も息抜きで日記を見ますか」

ちひろ「はい。私も見るのは楽しいですし」

P「同感です。じゃあ最初は――」パラ




 ○月■日

 担当:大原


 いただきます!

 もとい、こんにちは! 大原みちるです!


 あたしがここに来てから早数ヶ月が経つんですねー。
 センパイ達も、みんな優しくて楽しいです!

 特に法子ちゃんとかな子さんにはお世話になってます!

 あたしは美味しいものなら何でも好きなんですが、それを話すと色々なドーナツやお菓子をくれるんですよー。

 昔からパンが身近だったんで、基本的にはパンが大好きなんですけど、同じようなものですよね。
 あたしからも色々なパンを渡して交換してます。
 美味しいって言ってくれるのがやっぱり嬉しい! なにせ、アタシの自家製ですから!
 そしてパン好きに悪い人はいません!



 ……なんですが、少し気になることもあります。


 アイドルって見た目が大事でっていうのはわかるんですが、特にかな子さんはどうしていつもお菓子を食べる前、真剣な顔をしているんでしょう?

 美味しいものが目の前にあるんだから、幸せな気分で食べたほうがいいと思います!
          ↑
        ソレを本人に直接言ったら、アンタを認めてあげるわ!

 プロデューサーさんならわかりますか?


 これを書いているとパンが食べたくなりました。

 今度また実家からパン持ってきますね!
 あたしの家のパンはおいしいので、期待してて下さい!

 ごちそうさま、大原でした!




P「みちる…お前ってやつは…」

ちひろ(かな子ちゃんのためにも修正をいれるべきかしら…それとも、荒っぽく書かれた別人の文字に触れるべきかしら…?)アセ

P(麗奈は後で説教だな)ウム

P「コイツはとんだ大物ですよ。怖いもの知らずです」

ちひろ「ええ、まあ何となく判ります。というか身の程知らずとも言えるような気が」

P「…確かに微妙に感覚がズレてますけど、実家の店の手伝いをしているせいか、基本的なマナーはちゃんとわかってますから」

ちひろ「実家がパン屋さんなんですってね。そういう立場の人って、大体パンが嫌いになる場合が多そうですけど」

P「みちるの場合、根底に美味しいものなら何でも好きという土台があるので、自分で焼けるパンがあるのは彼女にブーストをかけているんです」

ちひろ「ああ、そういう…」

P「流石に事務所であんぱんにカレーを掛けてカレーアンパンにしようとした時は止めましたけどね……」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 入ったのは最近でも、楽しそうで何よりだ。

 法子やかな子はほぼ同期で入った当初から仲が良いからな、仲良くさせてもらって、
二人からも色んなことを学ぶといい。


 ……それで、念の為言っておくと、体重管理ってのはあくまで漠然とした目標にすぎない。

 大切なのは、プライベートでもしっかりと自分を見失わないようにするという意識なんだ。
 勿論グラビアの仕事が決まれば制限は課していくが、それ以外でもずっと気にしていたら美味しいものも美味しく無くなってしまうだろ?

 だからみちるもそこまで気にしなくてもいいが、みちるの体はもうお前だけのものじゃないんだということをしっかりと認識して欲しい。
 アイドルだからな。


 パン、いつもありがとうな。
 楽しみにしてるぞ。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

ちひろ「私も実を言うとみちるちゃんの店のパン、楽しみにしてるんですよね」

P「美味しいんですよね、あれ。みちるが美味しそうに食べているのを見ると余計に」

ちひろ「すっごくわかります。あれだけ幸せそうに食べるとこっちまで幸せになりそうで」

P「今度またみちるの店に言ってお礼を言わないとな……じゃ、次はーっと――」パラ




 ○月■日 天気:はれ
 担当:小日向美穂


 このページは、私が担当することになりました。
 でも、私なんかがかいていいのかな。


 …私の後ろでのあさんが応援してくれているので、頑張りますっ!
 でも、どうして無言なのかな。私、何か変なことしたのかな…?


 うう、緊張します。

 前のページでみちるちゃんが好きなパンのお話をしていたので、私はぬいぐるみの話をしようと思います。


 実はこの前、オフの時に紗南ちゃんと拓海さんと一緒にゲームセンターに行ってきたんです。
 ゲームセンターといっても、そこは怖い所じゃないみたいですけど。

 それでも怖いと思っていたら、拓海さんがついてきてくれたんです。

『オマエ達じゃあ危なっかしいからな。アタシが居りゃアイツも心配しねぇだろ』
 なんて言いながら。アイツって誰のことなんでしょうか?

 でも、危ない場所とか教えてくれたり、正直言うと拓海さんのこと怖かったんですけど、とても優しくて好きになりました!


 それで、ゲームセンターに行った理由は新しいぬいぐるみが一つほしいなーって思ったからなんです。
 あ、もちろん頂いたくまさんは今でも大事にしていますよっ。大切な宝物ですから!


 結局、みんなでゲームをしたり(拓海さん、レースゲームをしてる時に喋りながら体が傾いてて面白かったです)、ホッケーをしたりして楽しみました。

 欲しかったぬいぐるみは一つだけだったんですが、紗南ちゃんってクレーンゲームも得意なんですね。
 ぽんぽん取ってしまって、思っていたよりも沢山もらっちゃいました。

 拓海さんも紗南ちゃんから小さな猫のキーホルダーをもらって、顔はぶすっとしていましたけど、私には何となく嬉しそうな感じに見えました。
 多分、紗南ちゃんもそう感じていたんじゃないかな。


 みんな優しくて、この事務所に来て良かったと思います。

 …でもあとで拓海さんに怒られないかだけは少し心配です。
 怒られませんように。


 小日向美穂でした!




P「へえ、美穂と紗南と拓海がねえ…」ホー

ちひろ「結構意外な組み合わせですよね。拓海ちゃんってゲームセンターはよく行くんでしょうか?」

P「うーん、どうでしょう? まあ、ああいうタイプの人間は行ってそうではありますけど」

ちひろ「……まあ、どんな理由であれ、美穂ちゃんのためについてきてくれたのは優しいなって思います」クス

P「妙に意地っ張りな所がありますからね、拓海は。紗南も美穂のために手伝ってくれていいヤツです」

ちひろ「美穂ちゃんのぬいぐるみ好きも可愛らしいですね」

P「以前、小さなぬいぐるみを抱きしめてるポージングの撮影現場を見た時は、本当に『微笑み』って感じでしたよ」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 ゲームセンターに行ってきたのか。

 あそこは楽しい所だが、トラブルも多いから気をつけろよ。
 みんなアイドルなんだからな。

 でもまあ、拓海が居てくれるなら大丈夫だろう。
 アイツほど友達思いの人はそうそう居ないからな。

 これで美穂の部屋もまた少し賑やかになったんじゃないか?
 あのぬいぐるみも大事にしてくれて何よりだ。


 あと、一つだけ注意。

 この夏は特に暑いから、安易にひなたぼっこをするのはダメだぞ。
 日焼けもそうだが、室内であっても倒れることはあるんだからな。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

ちひろ「美穂ちゃんも17歳ですから、それぐらいわかってますって」クス

P「だといいんですが…美穂もおっちょこちょいな所がありますから、一応です」

ちひろ「心配性ですねえ」

P「ウチの大事なアイドルですから」トン

ちひろ「堂々と言いますか」

P「みんな誇れる子達ばかりですからね…一部例外は居ますけど。じゃあ次の日記は――」ペラ




 ○月■日


 ふふ、この歳になって日記を書くなんて珍しいですよね。

 高垣楓です。



 最近、プロデューサーがあまり構ってくれなくなりました。
 私がここにやって来た時は、不自由な私に臆すること無くぐいぐいと引っ張ってくれて、CDデビューが決まった時も一緒に喜んでくれて、すごく楽しかったです。

 でも、今では小さな子ばかり相手にするようになって……もう年寄りの私は用無しなのでしょうか?
 私を飼っておいてそれは酷いと思います。さいてーだと思います。


 ……なーんて。冗談です。
 そこまで子供じゃありませーん、ふふ。


 みんな忙しいですから、当然ですよね。
 プロデューサーに導かれてここまでできた私はもう立派な大人ですから、これからはみんなを導いていきますよ、プロデューサー。
 …お酒を飲みながらこんな事も言っても説得力ないですけどねー。


 あー、でも、最初の頃はよく事務所でお酒を楽しんでいたのに、今では珍しくなりましたね……。

 お酒のツマミに楓はいかが?
 コールがあるならいつでも参ります、ふふふっ。


 プロデューサー。
 この日記を読んだら、私たちの冷蔵庫を開けてみて下さいね♪




P「日記のページの端が千切られてるのはなんででしょうね」クビカシゲ

ちひろ「何か汚したんでしょうか…まあそういう事もありますって」

P「お酒飲みながらって書いてますしね……。そういえば最近飲み会なんてしてないなあ」

ちひろ「する暇が無いくらい忙しいのは喜ぶべきなんでしょうけど…」

P「事務所の最初の頃を思い出しますね。楓さんとちひろさんと俺でよく飲んでました」

ちひろ「最初、楓さんって少しとっつきにくいかなと思ってたんですが、全然そんなことなくて笑っちゃった記憶があります」

P「ギャップってやつですよね、俺もびっくりしました。でもそういう所がお茶目で可愛いんですよ」

ちひろ「時々とんでも無く大人気ない事をしますからね…心の中で一体どんなことを考えているのか、私にはさっぱりです」

P「案外単純なことを考えてますよ、楓さんは。さて、返信は――」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 冗談でよかったですよ…。
 読んでてすごく申し訳なくなりました。

 いや、実際飲む機会も減って申し訳ないとは思ってるんですが、現状では中々難しそうです。
 そのかわりお酒の飲めるアイドルも昔に比べれば沢山所属してますから、ずっと俺と飲むよりかは楽しいと思いますよ。

 でも、また飲みに行けたらいいですね。
 今ある仕事が片付いてゆっくり休める日が来たら、その時はまたみんなで行きましょう。


 ……後半の駄洒落は高度すぎじゃないですか?


 あと、日記を書く資格なんてものは存在しませんから、楓さんでも問題ないですよ。
 俺は楓さんの書く日記、好きですから。よかったらまた書いて下さい。


 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

ちひろ「え? 駄洒落なんてありましたか?」キョトン

P「ありますよ。いつもと違ってちょっと複雑ですけど」ハハ

ちひろ「むむむ……プロデューサーさんだからわかるんでしょうか」

P「かもしれませんね。あ、そういえば日記の最後に冷蔵庫を開けろと書いてますね。行ってみますか?」ガタ

ちひろ「サラリというとは……そうですね、行きましょう」カタ




 スタスタ…

ちひろ「小さいながらもアルコールで支配された冷蔵庫も今では給湯室に馴染みましたね」クス

P「嬉しいやら悲しいやら……開けますねっと」グイ

 ガカッ

P「……お酒しかないな」

ちひろ「……うーん、確かにお酒以外は何も――ん?」

P「ちひろさん、どうしました?」

ちひろ「いえ、そこの日本酒のラベルの間に何か挟まってますよ?」ユビサシ

P「お、ホントだ。紙の切れ端が……ってこれ日記のやつか!」ビクッ

ちひろ「…よく見たら切れ端が似てますね」

P「一体楓さんは何を――って、何か書いてあるな。なになに……」ピラッ

 [ぜったいに許さんぞ、暑さども!じわじわと美味しく冷やしてくれる!]

ちひろ「……フ○ーザ様ですか。微妙に可愛いイラスト付きですし」

P「ここが冷凍庫ならジャストなんですけど、そこは妥協したみたいですね」

ちひろ「冷凍庫……ああ、なるほど」




 ・ ・ ・

 ――みちるの日記、その後

 [事務所、昼前]

 カタカタ…

P「このメールを返信して、午前の作業は完了……っと、もうすぐ昼ですね」チラ

ちひろ「あ、本当ですね。私も一旦区切ります。…プロデューサーさんはお昼どうしますか?」

P「いつも通りコンビニ行ってきますけど、ちひろさんも行きます?」カチカチ

ちひろ「はい、私も行きます――」

 ガチャ

みちる「いふぁふぁ――おふぁもぉーもふぁいまふ!」モグモグ

P「……挨拶ぐらいは口にものを入れないでくれ、みちる」ハァ

みちる「――んく。あはは、すみません。お昼なもので!」ポリポリ

P「全く。アイドルなんだからそこの所も気をつけてくれよ?」

みちる「ここはなんだか家みたいで…つい。あ、そうだ、パン持ってきたんで要りますか?」ガサッ

ちひろ「わあ、こんなにいっぱい……!」

P「おいおい、これをもらっていいのか?」アセアセ

みちる「プロデューサーと千川さんへのお礼です! お昼はまだですか?」

ちひろ「ええ、今から買いに行こうとしてたんだけど…」

P「……今日はパンですね。みちる、これを昼ごはんにしてもいいか?」

みちる「もちろんです! パンはみんなで美味しく食べてこそ、ですからね!」

ちひろ「では飲み物持ってきますのでお二人はソファーで待ってて下さいね」

みちる「ありがとうございます! ささ、食べましょう!」

P「ありがとう……はは、しかしこれだけあると食べきれないな」ハハ

みちる「え?」

P「え?」


みちる「…あとからかな子さんと法子ちゃんが色々持ってきてパーティですよ? お二人とも食べまくりましょう!」




P「……マジで?」

みちる「マジです! あははー、洋食いっぱいで楽しみですね、プロデューサー!」





 コポコポ…



ちひろ(……大丈夫かなあ、私)ゴクリ


 [おわり]




 ・ ・ ・

 ――美穂の日記、その後

 [事務所]


美穂「…えへへ」ギュ

P「……美穂?」

美穂「ひゃあああああっ!?」ビクッ!!

P「うおわっ!?」ガタッ

美穂「プ、プ、プロ、ぷろじゅーさー!?」バタバタ

P「すまんすまん、驚かしすぎたか」ハハ

美穂「も、もしかして、あ、あの、今の見た――」オロオロ

P「…それ、紗南に取ってもらったやつか?」

美穂「へ、へ? ……あ、えと、はい。三人で行った時にもらったものです」

P「はは、大事にしてるんだな。大事にしている所も可愛いかったぞ」

美穂「か、かわ……っ!!」////

P「イメージにピッタリだしな。…そうだ、いっそのこと、もっとぬいぐるみ集めてみるか?」

美穂「……!」ピクッ

美穂(……い、今なら)

美穂「あ、あの、プ、プロデューサー!」

P「ん、ん? どうした?」

美穂「あの、えっと……それで今度、よかったらぬいぐるみ、い、一緒に買いに行きませんか?」

P「……俺と?」

美穂「はい、…ダメでしょうか?」

P「…いや、いいぞ。そうだな、半日なら空いてるから次の金曜日でもいいか?」

美穂「ホ、ホントですか!? ありがとうございます!」

P「ああ、美穂と買い物か…楽しみにしておくよ。じゃあ仕事に戻るな」クルッ

美穂「は、はい!」


 スタスタ…



美穂(……二つあって初めて、だよね)

 [おわり]



 ・ ・ ・

 ――楓の日記、その後

[事務所、夜]

 ガチャ

P「はぁ……やっと今日の営業が終わった――」トコトコ

楓「プロデューサーさん♪」ヒョイ

P「うわ、楓さん居たんですか……って酒くさっ!」ウッ

楓「んふふー、冷蔵庫のお掃除ですっ」ムフー

P「そのお酒は……まあ、入れるばっかりで最近飲んでませんからね…」

楓「だから飲んでたんですよ? ほら、もうこんなに」ズラッ

P「うわ、ちょっと飲み過ぎですよ」ヒョイ

楓「……だって仕方ないじゃないですか。付き合ってくれないんですもん」プクー

P「それは…仕事が忙しくて」

楓「仕事と私、どっちが大事なんですかっ」

ちひろ「なに夫婦みたいなことやってるんですか二人とも…」ハァ

P「ち、ちひろさんも居たんですか…」

楓「ふふっ、上手かったでしょう?」クス

P「…俺のことは遊びだったんですね、楓さん」

楓「ち、違うんです、プロデューサーさん!」

ちひろ「あーもー返さなくていいですから。ついでに寂しがってる楓さんの相手をしてあげて下さい」

ちひろ(私には止められませんでした…)

楓「ちひろさんを誘おうとしたんですけど仕事中なので……ぷろでゅうさーさん♪ 今晩、空いてますー?」

P(……いつもより酔ってるな。やっぱりあの日記は――)

P「…最近楓さんと飲んでませんでしたしね。いいでしょう、お付き合いしますよ」

楓「ふふっ、ありがとうございます」ニコ

P「じゃあ最後の作業終わらせてからそっち行きますので、少し休憩してて下さい。すぐに終わります」

ちひろ「ごめんなさい、楓さん。私も行きますので」

楓「はーいっ。……久し振りですね、ふふ」

 [おわり]

美穂は難しいと思う、正直。
あと時系列で呼び方変わると結構面倒だよね。


あ、楓さんの駄洒落、解った人居たら嬉しいです。
捻くれてますので。これって本当に駄洒落なのか?


では今回は休息ということで少し遠目に安価。
一応SSがメインですからね!(主張)

ということで、次は
>>128,129,130です。
遠すぎても泣かない。

油断したわ
安価なら>>123

雪美

あの…ちょっとどんだけ潜んでるんですか皆さん


感想レス来るかなーとかwwktkしてたらこれだよ!
いや別に嬉しいですけどね。

というわけで次は
泰葉、千枝、あずきの三人。


…と言いたいところですが、>>128が辞退したいとのことなので
雪美をレスした>>131の回答が今日中にあればそれに従います。
なければ安価通りですたい。

うーん、余計にレスが埋まるだけなら早いほうがよかったのだろうか?

安価指定スレは自分で安価取れるまでは他の内容なんかろくに読まないからね
感想来なくても仕方ないね

今日も乙ですっ☆
面白いというか、個性に合わせて丁寧に書かれてると思うよ。
みちるはカワイイ。

>>135
おいあんた!! ふざけたこと言ってんじゃ……



それはさておき、楓さんの駄洒落が意味解った人いたら先着一名で
正解しますとリクエストで最初らへんに登場させます、多分。多分だから!

コールがある……アルコールだね。

あるコール……アルコール?

>>136
個性を把握するってすっごく難しいですよね。
イベント考えるのもそうなんですけども。

みちるって結構Paっぽくない?(感想)

雪美レスした者です。やって頂けるなら是非とも

わかってくれたー。

って、思ったより単純でした?
個人的にふふってなったんですけども。

というわけで琴歌Pこと>>138さん正解。>>139さんは僅かに遅かった!
で、キャラは変更するんです?



>>141
了解です。では一つ繰下げで雪美INです。
日記という媒体で雪美はどうすればいいのか。

>>140
個人的に、キュートは食べ物にこだわりが、クールは身につけるものにこだわりが、パッションは行動にこだわりがあるとおもっているので、みたるはやっぱりキュートかと。

>>144
同感。
文章では饒舌とかも面白いかも。

連投は無問題なのでごぜーます。どんどんどうぞ。

>>145
こずえちゃんはどうなんですかねえ…

いやこずえちゃんは妖精だから仕方ない。キュートだね。
そして新たなキャラが発生。みたるだと満ち足りていないような雰囲気に。

>>146
面白いんですが、それをやると多方面からお叱りが来るので自重です、ええ。

昨日の楓Pです
こんなに早く書いてもらえるとは思ってなかったのでホクホク気分です

かわいいフリーザ様描いちゃったり、「遊びだったんですね」と言われてあたふたしちゃう楓さんがとてもかわゆい
本当にありがとうございます!

月曜から副業がハードでグロッキー気分でしたが、おかげ様で明日も頑張れそうです

わお、本当にもらえるとは。

>>148
毎日お疲れ様です。ささやかなる休息たらんこと、思いて止まず。

明日を生きればその分楓さんと生きれる!幸せ!
今後ともよろしくお願いします。

>>147
あ、ほんとだ……ごめん、みちる。
ちょうどみちるを自分も書いていたのに、やっぱスマホは入力しにくい。IDもコロコロ変わるし。

>>150
わかる。すっごくわかる。


あ、あと琴歌Pの変更レスが今日中か明日の早朝ぐらいまでになければ
このままです。うむ。

http://i.imgur.com/T0i09UP.jpg
http://i.imgur.com/Z0mPxBV.jpg
龍崎薫(9)

http://i.imgur.com/IxYHqZM.jpg
http://i.imgur.com/EaZGhpP.jpg
佐々木千枝(11)

http://i.imgur.com/oPfU2Me.jpg
http://i.imgur.com/HcbSaw8.jpg
渋谷凛(15)

http://i.imgur.com/InP9hck.jpg
http://i.imgur.com/cIcVZd0.jpg
姫川友紀(20)

http://i.imgur.com/e84kqA0.jpg
http://i.imgur.com/8aVUwOD.jpg
双葉杏(17)

http://i.imgur.com/qDzewxN.jpg
http://i.imgur.com/37XUFLs.jpg
日下部若葉(20)

http://i.imgur.com/HPNvz8Q.jpg
http://i.imgur.com/B5gn44t.jpg
神谷奈緒(17)

http://i.imgur.com/uJA4g7T.jpg
http://i.imgur.com/CNUCwy0.jpg
北条加蓮(16)

http://i.imgur.com/B3nCe00.jpg
http://i.imgur.com/tlOtSzW.jpg
棟方愛海(14)

http://i.imgur.com/YngIl5X.jpg
http://i.imgur.com/WOHftah.jpg
島村卯月(17)

http://i.imgur.com/3xKjGwW.jpg
http://i.imgur.com/6MQgFPH.jpg
犠牲になりむらさん

http://i.imgur.com/glzq8Kb.jpg
http://i.imgur.com/sD7SsGC.jpg
柳清良(23)

http://i.imgur.com/3lytGt2.jpg
http://i.imgur.com/SrU088V.jpg
木場真奈美(25)

http://i.imgur.com/J6xFayg.jpg
http://i.imgur.com/VZnnno8.jpg
相原雪乃(22)

http://i.imgur.com/Nmfc1B7.jpg
http://i.imgur.com/3dcJt2E.jpg
城ヶ崎美嘉(17)

http://i.imgur.com/26wXk1Y.jpg
http://i.imgur.com/zka6k6i.jpg
城ヶ崎莉嘉(12)

http://i.imgur.com/jS1ASSH.jpg
http://i.imgur.com/NKUnmbw.jpg
若林智香(17)

http://i.imgur.com/NTpy9cb.jpg
http://i.imgur.com/iKboWtK.jpg
日野茜(17)

http://i.imgur.com/0fZbCS3.jpg
http://i.imgur.com/fFi1LjC.jpg
市原仁奈(9)

http://i.imgur.com/uM55mqP.jpg
http://i.imgur.com/pgLeenI.jpg
三船美優(26)

急に長いレスが来たなと思ったら画像先輩…すげーと思ってたらうづきんで吹いた


わざわざありがとうございます。
よかったら参加していってくださいませませ。



 ――ある日の朝の事務所前


 ジリジリ…

P「っはあ……出社するだけでもあついぞ…」トコトコ

P「車は維持費がなあ……ああ、でも暑いし寒いし――って」ピタッ

琴歌「あら、P様ではありませんか」コツコツ

P「珍しいな。今日は歩きなのか?」

琴歌「はい、今日は電車を使って参りました」

P「電車か……その、こういっちゃなんだが、大丈夫だったか?」

琴歌「ふふ、心配性ですね。P様に付き添ってかなり長いのです。電車の使い方ぐらい理解しています」

P「…ICカードを改札機にねじ込もうとした人間だからなあ」ミアゲ

琴歌「ず、随分昔のことを……もう、意地悪ですね、P様は」カァッ

P「その話を聞いた時は本当に笑ったよ。お前も成長したな」ハハ

琴歌「当然です! …P様の隣を歩くためには、私もこのままではいけないのですからね」

P「はは、ありがとう。んじゃ、暑い中話すのも何だし、事務所に行こうか」フリ

琴歌「はい。――あ」

P「ん、どうした?」

琴歌「私としたことがとんだ失礼を。おはようございます、P様」ペコリ

P「ああそうか。おはよう、琴歌。…様付けはまだ抜けないか?」

琴歌「硬すぎ、とおっしゃるのでしょう? ふふ、これはP様への敬愛の証ですので。さあ、行きましょう」コツコツ



P「……悪い気はしないよなあ」




 ・ ・ ・

 [事務所]

 ガチョッ…ガチャ

P「鍵開けてーっと。準備の前にまずはエアコンだ」ピッ

琴歌「今日も暑いですね。体調のほどは大丈夫ですか?」

P「みんなに心配された事もあっておかげさまでな。…俺ってそんな倒れそうに見えるのか?」

琴歌「みなさん、P様の優しさや働きぶりを知っているからこそ、ですよ」ニコ

P「軟弱者と思われそうで複雑なんだが…まあいいか。琴歌は飲み物は何がいい?」

琴歌「そんな、P様にそのようなことをさせるわけには――きゃっ」ビクッ

P「…表情が硬いぞ」ムニー

琴歌「……申し訳ありません。ではお茶をお願いしてもよろしいでしょうか?」ムニー

P「任された。そこに座っていいからな」スタスタ

琴歌「はい。ありがとうございます、P様」

 コポコポ…

琴歌「……」ジー

P「お待たせ――と、日記か?」コト

琴歌「ええ。みなさん、手にとっては沢山の思いを書き記していますね」ニコ

P「言いたいことや言えないこと、そういう物を不思議と書かせる日記ってのは不思議なもんだ」ゴクゴク

琴歌「P様にも言えないことがあるのですか?」

P「んー、俺はないか。言わなきゃ伝わらないというのは嫌というほど分かってるのは、こういう立場だからだろうな」

琴歌「…二人出会えば争いは生まれます。そんな不条理の中でこうしてみなさんと仲良くできているのは、P様が作り上げた事務所のこの雰囲気だからでしょうね」

P「そんな大層な事はしてないぞ……テレビでもつけるか」ピッ




 キョウモアツイヒガ…
          コウスイカクリツはイゼン…


P「…琴歌はこの日記を書かないのか?」

琴歌「日記……実を言いますと、中々書きたいことが思い浮かばなくて、今は遠慮しています」

P「まあ、思いつかないのはよくあることだしな。何かあったらいつか書いてくれ」

琴歌「はい、そうさせて頂きます」ニコ

P「…そうだ、確か琴歌の今日の予定は近場だったよな?」

琴歌「おっしゃるとおり、スタジオでの撮影ですが…いかがなさいましたか?」

P「いや、もしよかったら日記の返信に付き合ってくれないかと思ってな」

琴歌「私が…でしょうか?」キョトン

P「ああ。いつも隣にちひろさんが居て喋りながらやってるんだが、今日は居ないみたいだから寂しくてな。駄目か?」ハハ

琴歌「…そんな。駄目なはずがありません。是非ともお付き合い致します」

P「悪いな。じゃあ早速始めるか――」パラ




 ○月◇日 佐々木千枝


 かおるちゃんと始まった交かん日記が、今こうして事務所のみんなとやってることが、わたしはすごくうれしいです。

 あんなこと話してたとか、こんなことしてたとか、わたしの知らないみんなを知れて、言ってよかったなって思います。

 かおるちゃんも私といっしょにこの日記を読んだりして、事務所に来ることがもっと楽しくなりました。

 ちゃんと日記のばしょを作ってくれて、みんなに教えて回ってくれたプロデューサーさんとちひろさんには、ありがとうございます、と言いたいです。


 えへへ、せっかくの日記なのに、これだけじゃつまらないですよね。


 この前の話ですが、なつやすみに入る前、とつぜん雨がふったのはおぼえてますか?

 その時私は事務所に行こうと思って歩いていたんですが、とちゅうでふってきたのにかさを持ってなかったんです。
 だって、テレビでも雨の予報なんてなかったから、すごくびっくりしました。


 ぬれてかぜをひいたらプロデューサーさんにめいわくがかかるから、わたしは急いで近くの屋根のあるところにひなんしました。

 これからどうやって事務所にいけばいいのだろうって思って、プロデューサーさんにむかえにきてもらうしかないのかな、となやんでいると、とつぜん声をかけられました。
「あれ、千枝ちゃん?」っていう、女の人の声でした。

 知らない人から声をかけられたらにげなきゃいけないから、びっくりしてその人を見ると、みおさんだったんです。

 みおさんも事務所に向かう途中で、かさをさして歩いている時にわたしをみつけたそうです。
 同じかさに入れてもらって、事務所に入ると、タオルとかお茶とかくれました。

 その時のみおさんは親切でやさしくて、とてもかっこよかったです。
 私も、大きくなったらみおさんのように、やさしい人になりたいです。




P「千枝は普段喋る時は自分のことを千枝と呼んでるけど、日記では私なんだな」

琴歌「作文のような文体で、とても丁寧で素晴らしいです」

P「ああ、そういうことか。薫との交換日記なら千枝と書いてるかもなあ」

琴歌「私達にもこのような時期があるのです…P様の小学生時代はどのような感じだったのですか?」

P「……言わなくちゃ駄目?」

琴歌「ふふ、よろしければ知りたいです」ニコ

P「敵わないな…友達とシモネタ言って笑ってるガキンチョだったよ、俺は」

琴歌「し、しも……!」

P「男は子供から大人まで大体そんなもんだ。…幻滅したか?」

琴歌「い、いえ。そのようなことはありません。ただ、今のP様からは想像できなくて……申し訳ありません」

P「成長するんだよ、誰でも。千枝だって、今よりももっと優しくなって綺麗になるし、琴歌だって、もっと柔らかくなるだろうしな」ハハ

琴歌「…私も、もっと前に出なければなりませんね」

P「それだけが成長じゃないけどな。ええと、返信は――」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 この日記を考えだしてくれてありがとう、千枝。薫もな。


 そうか、あの時未央と仲良く話をしていたのはそのおかげだったのか。
 俺も未央が優しいのはしってるぞ。

 先輩後輩関係なく、年齢の上下関係なく別け隔てなく話ができて、
気配りもできる。

 未央がいるからこそ、この事務所はこんなにいい雰囲気になっているのかもしれないな。

 千枝も、もっと成長して大きくなったら、困ってる人を助けてあげられるような
優しいアイドルになってくれ。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

琴歌「……ふふ」

P「いきなり笑ってどうした?」キョトン

琴歌「いえ、ただ、このように返信をするP様は父親のように優しいのだな、と」

P「…プロデューサーだからだぞ」

琴歌「…そういう事にしておきますね、ふふっ」

P「琴歌もとんだ意地悪な奴だよ、全く……じゃあ次のページに行くぞ――」パラ




 作戦N実行日:○月◇日
 実行者:あずき


 ふふふー、このページはあずきの作戦に使うよ!
 名付けてはじける日記大作戦!

 なんではじけるかっていったら、そりゃもうみんなはじけるぐらい楽しく仲良くできるような日記にしたいからね!

 その作戦を今まで温めてきたみんなの思いは忘れない!



 …って書いてると、もうみんな会えないみたいになってない? って周子さんに言われちゃった。
 ジュースを飲みながら隣であずきの日記を見ているんだけど、作戦の覗き見はだめなんだからね!

 …でも、確かに言われてみるとそのフレーズはよくないよね。
 じゃあ「みんなの思いをつなげるぞ大作戦!」って言ったら「それでいいんじゃない?」って言ってどこかに逃げていったよ。

 むむ、あずきの責任重大だね!


 うーん、そう言われると軽々しく言えないもんだねー……そうだ、夏といえば旅行だよ!
 陸ときて海ときたら、次は山じゃないかな!
 あずきの住んでた長野の夏の高原は自慢できるぐらい涼しくてみんな楽しめると思うよ!

 海に行きがちだけど、あずきはキャンプも好きだから、温泉を楽しみつつ避暑もいいと思うんだけどなー…おねだり大作戦を実行する時がきたかな?

 暑いけどみんなで頑張って、プロデューサーに旅行をプレゼントしてもらおうじゃないか!


 …ダメかな?

 と、とにかく考えてね、プロデューサー!




P「俺の財布を破壊するつもりか、あずきは」

琴歌「ふふ、でも同じ事務所の皆のために提案してくださってます」

P「まあ……実のところ、旅行を考えているんだけどな。計画中だ」

琴歌「あら、本当なのですか?」

P「前に…莉嘉の日記だったか、あれをよんでちひろさんと幾つか話し合ったんだよ。昔ならともかく、今の事務所の状態だと全員参加は難しそうだけどな」

琴歌「そうなのですか…。続報、期待していますね」

P「ああ。その時は琴歌も参加してくれたら嬉しいな。返信は…」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 みんなの思いをつなげるぞ大作戦、いい作戦じゃないか。

 アイドル達も多くなってあんまり接したことのない子も多くはないが
増えて来ているからな。
 そういう所からも、色々アプローチを仕掛けて行きたいと俺は思うよ。

 もし決まったら、あずきにも協力してもらおうかな?
 まあ、色んな作戦を考えておいてくれ。

 だが俺の財布は四次元ポケットじゃないから勘違いしないように。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

P「しかし、甘く見ても大人数なのは絶対なのに、それを収容できる旅行先に行けるのか?」

琴歌「なんだか修学旅行のような大名行列、ですね」

P「確かにその通りだ。……ちひろさんが泣かないといいけど」ペラ




 ○月◇日 はれ


 私、ねがってた
 どこか、とおい、そんな世界

 つなげてくれた、気持ち、大きな、手


 でも、Pの手、一つじゃない

 私、ねがった。その先、みんないた


 Pと約束。ずっと、信じる
 そこに、もう一つ
 みんなと、いっしょ。みんなと、どこまでも、行きたい


 Pなら、できる。私と約束、したから




 でも、Pのひざ、わたさない




P「……独特だな」

琴歌「雪美ちゃんはあまり喋りませんのでどんな日記か気になってましたが、とても素直に書き綴っておりますわ」

P「そうだな。短いが、雪美の気持ちがはっきりと見えてくる」

琴歌「……ところで、P様のひざとはなんなのでしょうか?」

P「やっぱりそれ、気になるか」

琴歌「最後の一文がとても印象的ですので…」

P「なんというか…時々だけどな、雪美は俺の膝に乗りたがるんだよ」

琴歌「まあ、猫みたいですね」ポン

P「実際猫と友だちだからな……それで乗っているんだが、それを見た薫とか仁奈とかメアリーもいつのまにか乗るようになったんだ」

琴歌「…ふふ、何だか微笑ましい光景です」

P「お互いアイドルだから手を出す喧嘩はしないが、それでも睨み合われると俺も参るよ」ハァ

琴歌「それでしたら、私がP様の膝に乗るというのはどうでしょう?」

P「……どういう理屈だ?」キョトン

琴歌「……申し訳ありません、今のは無かったことにして下さいませ」メソラシ

P「お、おう。じゃあ返信は…」カキカキ


――――――――――――――――――――――――――――――――

 雪美の日記が見れるとは思ってなかった。
 書いてくれてありがとう。

 雪美の言うとおり、ここは雪美だけじゃなくて、みんないるんだ。
 その中で俺は一人だけだから、最近あまり構ってやれなくて悪いな。

 空いてる時で良ければ事務所で話せるから、オフならペロも連れて遊びに来るといい。
 待ってるぞ。

 ……でも、俺の膝は残念ながら誰のものでもないからな?
 自由な時は乗ってもいいが、誰かが居たら譲ってあげてくれよ。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

琴歌「…P様はプロデューサーなのですよね?」ボソ

P「ん、そうだけど…何かあったか?」

琴歌「いえ、それは解っているのですが、皆さんとお話しつつ莫大な仕事をこなせるのが私には不思議で…」

P「みんながいるからな。みんなを輝かせるために仕事をしてるんだー、って思ったら、案外仕事も多くは感じないさ」

琴歌「……素晴らしき方ですわ、P様」

P(正直スタドリ様々です、本当にありがとうございました)


膝の上で丸まるゆきみんかわええ



 ・ ・ ・

 ――千枝の日記、その後

 [事務所、夕方]

 ガチャ

千枝「ただいま戻りましたー…」クタクタ

未央「たっだいまー、千枝ちゃん持って帰ってきたよ~」

P「千枝は荷物じゃないぞ…おかえり、二人とも。送迎頼んで悪かったな、未央」

未央「いえいえー、いつも頑張るプロデューサーのためですから…なんてねっ」

P「はは、心強いな。……っと、千枝は疲れてるな。帰るまで少しソファで休んでいいぞ。すぐに飲み物を持っていくから」

千枝「はい…ごめんなさい、プロデューサーさん」ウツムキ

 トコトコ…


未央「うーん、やっぱりキツいよねー、子供が大人の仕事をするのは」

P「どんな年齢であろうと性別であろうと、仕事があればやらなきゃいけない、それが社会人の辛さだよな。…あとお前も子供だっての」コツン

未央「あうっ。……どうせなら撫でるほうが未央ちゃんは喜ぶのに~」

P「それはまた今度な。帰る時間は大丈夫か?」

未央「あ、いっけなーい、家に帰らないと! それじゃまた明日ね、プロデューサー!」クルッ

 ガチャ…バタン!

P「忙しないアイドルだなあ、未央は……っと、飲み物を持って行かないとな」スタスタ




 ソーッ…

P「千枝、大丈夫か? 痛いところはあるか?」コト

千枝「……いえ、大丈夫です。ちょっとお仕事が長引いたので疲れちゃっただけです、え、えへへ」

P「全く、子供に無理をさせるなよな…ほら、スポーツドリンクだ」スイ

千枝「ありがとうございます、プロデューサー…んく、んく……はぁっ」ゴク

P「今日は俺が家まで送るから、それまで休んでていいからな。今日もお疲れ様、千枝」

 シーン…

千枝「……やっぱりまだまだですね…私」

P「まだまだって……体力なんてこれからだろうよ。気にしなくていいさ」

千枝「だから、未央さんにも、プロデューサーさんにも迷惑をかけてしまって…」

P「……勘違いするなよ」ポフ

千枝「え?」ユラユラ

P「千枝はもし未央が困っていたら、嫌々助けるのか?」ナデナデ

千枝「そ、そんなわけないです!」

P「だろ? …俺達だってそうだ。仲間だから、千枝だけじゃない、誰が困っていても喜んで助けるし、皆もきっとそうするはずさ」ナデナデ

千枝「……早く、千枝も大人になりたいです」

P「どうしてだ?」

千枝「千枝が大きくなったら…未央さんみたいに誰かを助けられますから」ウル…

P「じゃあ、千枝はまずおっちょこちょいにならないとな」

千枝「……どういうことですか?」

P「未央だよ、未央。アイツ、入ってきた当初は元気があるからなのか、スケジュール管理が苦手でな、仕事好きなくせにたまにすっぽかして……はあ、大変だったよあの時は」

千枝「あの未央さんが、ですか……?」




P「そうだよ。それでも覚えていって、仕事がもっと出来るようになって、みんなの信頼も得て……余裕ができて周りが見えるようになって、手を差し伸べられるような子になったんだ」

千枝「……」

P「だから千枝も今はいっぱい助けられて、千枝ができる範囲で頑張れ。それで大きくなって余裕ができたら、今度は千枝みたいに困った子を助けてあげてくれ」ナデナデ

千枝「プロデューサーさん……はい……っ」

P「はい、じゃあ今は俺に素直に助けられてゆっくり休んでくれ。送る時間になったら連絡するから」スッ

千枝「……あの、プロデューサーさん!」

P「どうした?」

千枝「千枝、千枝……ゆっくり大きくなって、なったら、プロデューサーさんを助けたいです!」

P「……俺ってそんな頼りなく見えるのか」ズーン

千枝「あ、いえ、そういう意味じゃ…!」アタフタ

P「はは、わかってるよ。ありがとうな。じゃあ数年したら、秘書にでもなってもらおうかな?」

千枝「秘書……はい! 千枝、お勉強たくさんします!」

P(プロデューサーに秘書ってなんだ一体)

P「その調子だ。勉強もアイドルも頑張れよ。…だから今は休め」

千枝「はい……ありがとうございます、プロデューサーさん!」

 [おわり]


Pの膝は誰のものでもないなら
千枝ちゃん膝枕すればいーじゃない

すごいな、雪美らしさが出てる。



 ・ ・ ・

 ――あずきの日記、その後

 [事務所]

P「……二人して何やってるんですか?」

ちひろ「あ、おかえりなさい、プロデューサー」
あずき「ねえねえプロデューサー! 見てみてー!」グイ

P「うお、いきなり……って、なんだこれ」ピラ

あずき「あずきの考え……みんなで考えた行きたいスポットだよ! 名付けてアカシックレコード大作戦!」

P「蘭子が伝染ってるぞ、あずき。あとそれお前が行きたい所だけだろ」

あずき「…えへへ」

P「お前なぁ…」ハァ

ちひろ「つい先程から、帰ってきたあずきちゃんと旅行の話をしていたんですよ。それで色々観光地なんか紙に書いていたんです」

P「ああ、あの件ですか。日程案はどんな感じです?」

ちひろ「それが、やっぱりこの時期はみんなそれぞれ仕事もありますし、宿も大きいのは取れないので……」

P「うーん、そうか……難しいですね」

あずき(……!)ピコーン

あずき「…お、今作戦思いついたよ!」

P「ん…どんな作戦だ?」

あずき「名付けてかわりばんこ大作戦!

ちひろ「かわりばんこ?」

あずき「そー! 長い旅行日程をとって、最初に行ける人から参加して、仕事がある人は途中で抜けて仕事に戻るの! それで途中から参加出来る人は参加して…全員一緒に観光できないけど、一度に宿に泊まる人数は少なくて済むよ!」

P「……」

ちひろ「……」




あずき「……って、ダメだった?」

P「いや、それいいな。そうか、必ず同じ日程で全員行く必要はないのかー!」ポン

ちひろ「確かにトータル人数を抑えれば小さめの宿でも行けそうですね」

あずき「……ということは」

P「ナイス作戦だ、あずき。そこまで思いつかなかった。お前のおかげだ」

ちひろ「あずきちゃんが居てよかった。今から具体的に予定組みますか?」

P「そうですね。急がないと、プライベートの予定も埋まっちゃいますから。あずきはどうする? 送ろうか?」

あずき「……ううん、あずきももっと作戦考えるよ!」

P「そうか、ありがとう。頼りにしてるぞ、あずき」

あずき「任せてっ、頑張るよ!」


あずき(…一緒に計画大作戦、成功だねっ!)

 [おわり]




 ――雪美の日記、その後

 [事務所、朝]


P「今日は昨日の続きをしないと……頑張らなきゃ」グデー

ちひろ「珍しいですね、仕事を残すなんて」

P「ええ、中々進まなくて…夏バテですかね」ハァ

ちひろ「気をつけてもなりますから……アイドルの子達だけじゃなくて、自分の体も心配してあげてくださいね」

P「ご忠告痛み入ります…」

 ガチャ

雪美「…P……ちひろ……おはよう」

ちひろ「あら雪美ちゃん。今日は早いのね」

P「おはよう……でも今日の仕事は昼からだぞ?」

雪美「知ってる……。約束…P……つながってる…私……聞こえた」

ちひろ(え、約束…聞こえた?)

P「…ああ、そういうことか」

ちひろ(……やっぱりプロデューサーさんにはわかるのね)

雪美「だから……果たす…。Pに……あげるの」コクリ

 トコトコ…チョコン

P「ペロは来れなかったんだな」ナデナデ

雪美「うん…残念……。でも…大丈夫……Pと私……つながってる」コクリ

ちひろ(何の迷いもなくプロデューサーさんの膝の上にのって撫でられてる雪美ちゃん。そういえば最近見なかったなあ)

P「はは、ありがとう。雪美はしばらくここに居たいか?」

雪美「……当然…最近…取られてたから。P……いや?」クビカシゲ

P「嫌じゃないぞ。ちょっと手を横から…よし、これでパソコンが使えるな」カタカタ

ちひろ(そして雪美ちゃんをのせたままキーボードを打つプロデューサーさん)

ちひろ「……ふふ」

P「…どうしたんですか?」

ちひろ「いえ、なんでもないです」

雪美「力を……貸すの。こうして……きゅ」モタレ

P「……よーし、頑張るか。雪美からパワーをもらったことだしな」

雪美「P…がんばって……」

ちひろ(父娘みたいだなんて……言えないですよ、プロデューサーさん)クス

 [おわり]

千枝ちゃん小悪魔かわいい
あずきち145cmかわいい
ゆきみん前髪パッツンかわいい

あずきち頭良いなーww
いずれCGプロダクション旅情編のSSにも期待。

正直言うとあずき難しすぎる。一体どうすればいいのか…

そして最初のみ使うと言いながらちひろさんの代役となった琴歌さんでした。
多分って言ってたから仕方ないね(めそらし)


皆が安価を所望するなら!
私は可変安価を採用するッッッ!!(球審感)


というわけで次の三人は
>>178,>>179,>>180です。
ミナサンガンバッテ。

美優さん

黒川さん

泰葉

熱い心理戦だね(ニッコリ


ちょっと時間かかりましたけど、二度目の正直で泰葉P及び黒川Pおめでとう。
多分前回と同じ人かな?

あと実際書いてみると雪美が一番早かった。
難しいけど単純だからか?

ついでにチャンミオハカワイイデスヨ?

>>164
大正義。横になって持たれて更に後ろ髪を上から前に流してくれると尚よし。

>>168
今回シリアス枠(適当)につき断念…

>>169
やったー! やったぞミハルー!

>>173
みんな違って、みんないい。

>>174
誰かが書いてくれるよ(ニッコリ

乙ですっ☆
毎回、楽しいなあ。

くそう、帰ってきたら安価終わってた!(楓P)

今日1日乗り越えられましたありがとう。
今日もほんわかしてて癒されました

おつ
このまま全員書いてもいいのよ

>>184
ありがとうございます智香さん。
ものすごく健全です。健康的でいいですよね。昨今の情勢的にも。


>>185
楓Pおかえりなさい、よくぞ生きて帰って来られました!
お仕事お疲れ様です。
ゆっくりと読んでいただければ気力も使わず済むかと…(不安)

>>186
どちらかといえばネタ切れとの勝負…誰かバトンタッチしてもいいのよ(保険)

酒のツマミにはならないと思いますけど…いやホント

じゃあせっかくなんで22時に投下します(適当)



 ・ ・ ・

 ――ある日の事務所、昼


P「すみません、去年の企画書のデータってどこでしたっけ?」

ちひろ「去年の……は、まだサーバーに残ってますよ」

P「サーバー……って、ああ、このフォルダですね、ありました」カチカチ

ちひろ「保存場所って日時で変えてると時に迷いますよね」

P「特に古いデータは、ですね。最近のだとわかるんですけど」

ちひろ「いくら技術が進んでも妖怪リモコン隠しは消えませんから」クス

P「家で何度そいつに苦しめられたことか……」ハハ

ちひろ「ふふ…ところで、去年のデータなんて何に使うんですか?」

P「一年の変化ということでアイドル達に見せるんですよ。自分たちがどういう活動をしてきたか、おさらいさせるんです」

ちひろ「へえ、そんなことするんですね」

P「ずっとやっていると自分がどういう所に来たのか、分からなくなる事もありますからね。立ち位置を確認させる意味でも、特に新人には見せようと思います」

ちひろ「長い間、かあ。振り返るのは大事ですものね」

P「今やってる日記も似たようなもんです。自分を遠くから見つめて、改めて今を知る。それが先に繋がるんじゃないかと思います」

ちひろ「うまいこと繋げますね、プロデューサーさん。……それで、今日の分の日記はいつします?」

P「そうですね――」カタカタ

 カチ  カチカチ
       カタカタ

P「……区切りのいいとこまで来ましたし、休憩がてらしますか」

ちひろ「…本当にうまいこと繋げますね」

P「それほどでも。じゃあ行きますか。最初はーっと…」ペラ




 ○月▽日 三船美優

 本日もお天気に恵まれて、夏らしい燦々とした日差しが私達を照らしています。

 それだけで済めばいいのですが、今日に限っては外の景色がゆらゆらと揺れ、外出をためらわせるような猛暑となっています。
 一人の女性として、またアイドルとして、紫外線には気をつけておきたいところですね。


 なんて、そんな事を書いているといきなりみくちゃんが事務所にやってきては、すぐさまエアコンの真下を陣取りました。

 そんな姿をプロデューサーさんは呆れつつも、タオルとお茶をみくちゃんに渡します。
 それを受け取った時の彼女の表情は、得も言われぬ程の可愛さだったと思います。


 あんな顔、私に出来るのでしょうか?
 アイドルとしてお世辞にも適齢とも言えない私が、彼女のように朗らかと、それでいて可愛らしい笑顔ができるともなかなか思えません。

 それでも、Pさんはきっとできると言うんでしょうね。

 彼の魔法にかかれば、どんな女の子だって…無論、私も例外でなく、可愛らしい少女になるのでしょう。
 それが私の心に染みこむのには、まだもう少し時間がかかりそうですが、一人の女性としては――。

 …そんな風に考えてしまうのも、多分Pさんのせいなのでしょう。
 もう少し早く彼と出会っていれば、私はきっと……。


 ふふ、日記だなんて、昔を思い出すようでついつい書きすぎてしまいました。
 童心に帰るというのはまさに今の気持ちのような気がします。


 ……これ、見られるんですよね。
 Pさんに変な風に思われないかだけは心配です。




P「大人や…大人がおる…」

ちひろ「いきなりどうしたんですか、プロデューサーさん…」オズオズ

P「いや、細いながらもしっかりと丁寧に書き込んだ文章は、慣れを感じさせるな、と」

ちひろ「確かに、美優さんの字って教科書みたいに綺麗ですもんね」

P「…ただ、内容に関しては少し勘違いしてますけどね、美優さん」

ちひろ「勘違い?」

P「はい。『アイドル=若い子がやるもの』という考えこそ、間違ったステレオタイプです」

ちひろ「……まあ、30歳超えてもアイドルやってますしね。プロデューサーさんのせいですけど」

P「何だか刺のある言い方ですね……結局は、見るものに何かを与えられたら、それでアイドルなんです。ベクトルの違いこそあれ、ね」

ちひろ「全く正反対のアイドルをスカウトするプロデューサーだからこそ言える発言ですね」

P「…さっきから厳しくないですか?」アセ

ちひろ「いーえ。ただ事務所がもう訳の分からない事になってるだなんて思ってませんから」

ちひろ(それで成功してるんだから手に負えないんですけど…)

P「一般的な事務所像からはかけ離れてるのは自覚してますけど、まあウチらしいということで。じゃあ返信は…」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 美優さんの子供時代ももっと知ってみたいな、って思ってますよ。
 どんな事を考えていたのか、とか、何が好きだったのか、とか。

 それを知ることで、また美優さんに一つ近づけられるような気がします。


 アイドルという名前に押されて不安になる気持ちもわかりますが、
美優さんの背中は絶対に俺が支えてますから、安心して楽しくアイドルを
やりましょう。その方がきっと美優さんの笑顔がもっとよくなりますから。


 あと個人的なお礼ですが、いつも事務所の年少組の相手をしてくださって
ありがとうございます。
 本来美優さんにさせるべきではないんですが、如何せん体は一つなので…
 もし何か希望があれば、可能な範囲で叶えますので、どうぞ気軽に言って下さい。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

P「美優さんだけでなく、大人組は事務所を裏でも支えてくれて助かりますよ、ホント」

ちひろ「どうみても私達だけでできる規模じゃないですからね。何やってるんですかね社長は」

P(あ、ちひろさんの表情がどんどん暗く…)ギク

P「は、はは、俺はちひろさんと仕事が出来て嬉しいですけどね。じゃあ次行きましょう、次」

ちひろ「全くこの事務所は私達に全部押し付けてアイドルの世話から営業から何からなにまでやらせて社長は出張多すぎだし経費かかりすぎだし――」ブツブツ




 ○月▽日

 黒川だけど、これ、私が書く必要があったのかしら。

 ……なんだか柄じゃないわね。
 でも、翠に勧められたから、少ないけどこのページは私が担当するわ。


 翠といえば、まあ前回の仕事で初めて接した子ね。

 勿論挨拶はするけど、互いに相関関係がないからあまり踏み込んだりはしなかったもの。
 年齢は近いけど……プロデューサーのアイドル方針も違ったしね。


 でも、それがいきなり同じ仕事をする、だなんて本当にいきなり。
 厳密に言えば、私が以前行った仕事の番外編として翠が抜擢されたらしいのだけど、ついでだから、と私も同じ衣装を二回着ることになったのよ。
 何がついでなのかしらね?

 正直に言うと、翠は私の思っていたよりも綺麗な子だった。
 意志は強く、でも身構えはせず。

 そこで初めて深く接することで、Pさんがこの仕事に私を付き添わせた理由が何となく解った気がしたわ。

 実際、彼女のドレス姿も中々のものだったしね。


 今だから言えるけれど、これからも色んな人と仕事をしてみたいわ。
 そうすることで、私はもっと大きくなれる気がするもの。

 それはプライベートでも同じ。
 Pさんともっと近づければ、私はもっともっと強くあれる。


 …ふふ、言いたいことはわかるでしょ、私を認めてくれたPさんなら、ね?




ちひろ「…わかるんですか?」

P「わかりますよ。千秋の事は。彼女の時以上にスカウトに苦労したことはあまり無かったですしね」アオギ

ちひろ「誘った時点で、色々彼女の家庭環境が複雑でしたからね。よく説得できたものですよ」

P「半ば無理矢理、といった感じですけどね。今では納得して応援してくれているので一安心です」

ちひろ「翠ちゃんとのお仕事も、結構異例ですよね。後から追加する形での共演ですし」

P「どうかなーと思ったんですけど、丁度その時翠の方でもドラマの仕事が入ってましたから、まあやってみようということで」ハハ

ちひろ「結構適当ですね…」

P「それで衣装も何となく姉妹形にしたら案外ハマっちゃって。俺もびっくりでした、はは」

ちひろ(本当に適当だった)ハァ

P「……まあ、この件で千秋も少し思う所があったみたいですし、二つの意味で成功です」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 おう、勿論わかるさ。千秋のことならな。

 あの時は急に仕事を持ちかけて悪かったな。本来なら翠一人だったんだが、
俺の独断だ。

 まあ、千秋も何か得るものがあったのならよかったと言えそうだ。


 そうだ、千秋は祭りとかは興味ないのか?
 他のアイドルが祭りの仕事に行くと言う時も、そこまで関心がなさそうだったが…。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

ちひろ「千秋ちゃんは、そこまで騒がしい所が好きじゃなさそうですよね」

P「普段の千秋を見ていれば、そうですよね。だからこそ気になるんですが」

ちひろ「もしかして仕事の話ですか?」

P「当たらずも遠からず、ですかね。じゃ、次に行きましょうか――」ペラ




 ○月▽日 担当:岡崎


 本日の仕事はこれからスタジオで雑誌の特集に飾る写真の撮影です。

 どんな雑誌かというと、小物雑貨を取り扱う専門誌で、私の趣味を理解してくれたプロデューサーが売り込んで獲得した契約なのです。

 元々はドールハウスのみだったのですが、今回この仕事でコラムもいくつか担当することになりましたので、裁縫やちょっとした工作など、入門レベルの物からお仕事の合間に作っています。

 その作品について感想を述べたり、その界隈での初心者である私なりの考え方や作り方、練習法などをこまめにメモを取りながらの作業は中々進みませんが、例え拙くとも、形作られたそれらにはとても愛着が湧いています。

 中にはプロデューサーの好意で事務所にちょこんと置かせてもらっていたり。
 作業中でも他のアイドルの方から話しかけてもらったり、好意で手伝ってもらったりと、一種のコミュニケーションツールとなっているような気がします。

 ふふ、仕事なのに何だか楽しんでいる私です。


 そう思えるのも、きっとプロデューサーのおかげです。
 こんなことを思っちゃいけないと信じていた…そんなふざけた環境から救い出したその手は、決して綺麗ではないらしいですけど――とっても、暖かかったです。


 もしも私が本当に大人になったら、アイドルで輝く傍ら、楽しい世界を作るためのお手伝いをしたいとも考えています。

 その時は、プロデューサーが隣にいてくれると嬉しいです。




ちひろ「……複雑ですね」

P「千秋同様すんなりとはいきませんでしたけど……間違ったことはしてないと今でも俺は思ってますよ」

ちひろ「当然です。間違ってはいませんよ、プロデューサーさんは」

P「まあ…なんですか、あの時は俺も若かったということで」ハハ

ちひろ「まだそんなに時間経ってませんよ。別に恥ずかしがる必要はないんです」

P「そう言ってくださると苦労も報われますね。じゃあ返信っと…」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 もしかしたら泰葉が喜んでくれるんじゃないかなと思って持ちかけた話だが、
実際に楽しんでくれて何よりだ。
 泰葉は器用だからな……俺もその技能を分けて欲しいぐらいだ。

 出来るなら紙で指を切らないぐらいには。


 そして、泰葉のアイドルに対する気持ちは俺も痛いほど理解している。
 だから俺は、この言葉を伝えておきたい。

 誰かを幸せにしたいなら、まずは自分自身が幸せになる事。
 誰かを楽しませたいなら、まずは自分が楽しく生活する事。


 当たり前のようだが、ここにいるとわからなくなってくるからな。
 それは泰葉もよく知っているとは思うが……忘れないでくれ。

 将来泰葉がどういう所に進むのかは誰にもわからないから、可能性は無くさないように。
 俺はアイドルとしても、人としても泰葉の夢を応援するぞ。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

ちひろ「楽しい世界を作る…とは、どういうことなのでしょうか?」

P「それは泰葉だけが知っていることですよ。今まで感じたことを踏まえて自分がどうしていくか。一生懸命考えている所でしょう」

ちひろ「……複雑ですね」

P「…そういう世界ですから」




 ・ ・ ・

 ――美優の日記、その後

 [事務所]

P「只今戻りましたー」

ちひろ「おかえりなさい、プロデューサーさん。どうでした?」

P「オーケーもらえました。あとはまた今度打ち合わせです」

ちひろ「よかったです。…今日はこれからどうしますか?」

P「今日の仕事はもう終わりましたし、年少組の送迎の時間まで休憩もらってもいいですか?」

ちひろ「いいですよ、お疲れ様です」ニコ

P「はい、ありがとうございます。……とりあえず休憩室でジュースでも飲むか」スタスタ


 ガチャ


美優「…あら、Pさん?」

P「お、美優さんも居ましたか」

美優「はい、今日の仕事が終わったので、少し休憩をと思いまして…」

P「なるほど、じゃあ俺と同じですね」

美優「Pさんも…今日のお仕事は終わりなんですか?」

P「いや…まあ、送迎もあるんで一応残っては居ますけどね」ハハ

美優「あ、子供のでしょうか」

P「ええ。年少組に関しては特に注意しないといけませんからね」

美優「その通りです。……でも、そういう事をいうPさんは、なんだか父親みたいです」クス

P「美優さんもそれを言っちゃいますか……俺ってそんなに老けて見えます?」

美優「い、いえ……そういう訳じゃないんです」




美優「頑張って仕事して…、大人とも付き合って、子供たちに一杯愛情を注いで。…今はそんなことすら出来ない父親も増えているのに、Pさんはすごく立派だな…と思うんです」

P「まだわが子の顔すら見たことのない、仕事しかできないつまらない男ですよ」ハハ

美優「もしPさんがそうなら…そんな目はできません。…とっても優しい、温かい目」

P「……何だか照れますね。そうまっすぐに言われると」

美優「へ……あ……あの、ご、ごめんなさい…私ったら」アタフタ

P「いやいや、嬉しいですよ。失礼な話ですが、美優さんと話していると自分が子供になった気になります」

美優「……私は母親、でしょうか?」

P「少なくとも年少組達は優しいお姉さんと思ってくれていますよ。いつも余計な仕事を押し付けてすみません」

美優「それは…私も楽しいですから。子供の笑顔は、何よりも大切です」

P「わかります。でも、それは美優さんも同じですよ」

美優「私…も、ですか?」

P「当然です。だってあなたはアイドルですから」

美優「…アイドル。私、アイドル…なんですよね」クス

P「え、そう思ってなかったんですか?」

美優「茶化さないで下さい、もうっ…ふふ」

P「いい笑顔です。それでこそ美優さんですね」

美優「ありがとうございます、Pさん――あ……もしよかったらなんですが」

P「どうしました?」

美優「子供になったついでに、膝枕……どうでしょうか?」ニコ

P「……ええと」ポク

P「……」ポク

P「…流石に大人がそうする訳にはいきませんよ、美優さん…」チーン

美優「…ひゃ、あ、で、ですよね……!」////

P「はは…気持ちだけありがたく頂戴しますね」

美優「わ、忘れて…くださいぃ!」アセアセ

 [おわり]




 ・ ・ ・

 ――千秋の日記、その後

 [事務所]

 ガチャ

千秋「おはよう。Pさんはいる?」

P「千秋か、おはよう。何か用か?」

千秋「アナタの返信を見たわ。…お祭りに興味があるって何の話かしら?」

P「ああ、その事か。ちょっと待ってろ」ガララッ

 パサ、パサ…

P「あった、これだ。もし興味があるならこれをやってみないかと思ってな」ハイ

千秋「……お祭りライブバトル?」ピラ

P「そうだ。和対洋で陣営を作って祭りの会場でライブバトルをするんだ」

千秋「なるほど、なら私は洋の陣営かしら?」

P「そう。それで前に翠とコンビを組んだだろ? あれで行こうと思ってな。行けるか?」

千秋「…私に出来ないことはないわ。勿論やってみせる」

P「……何か不満そうだな」

千秋「べ、別に何も不満なんて無いわ。アナタの言うことならまず間違いはないもの」アセアセ

P「……」

千秋「……何よ」

P「…もしかして普通に祭りに行きたかった?」

千秋「っ!?」ビクッ

P「お、その反応は図星か」

千秋「ちがっ…違うわよ! ただ仕事に意気込んでただけ!」

P「…そうかー、ライブ終ってから時間があるから一緒に祭り行こうと思ってたんだけどな……」

千秋「えっ…」ピクッ

P「……」ニヤニヤ

千秋「……卑怯者ね、アナタって人は」フイッ

P「言われ慣れてるよ」クス

 [おわり]



 ・ ・ ・

 ――泰葉の日記、その後

 [事務所]

唯「ねーねー、こっちはどうなってんの?」ヒョイ

泰葉「ああっ、それはまだ動かしちゃだめなの。乾いてないから…」

唯「そーなんだ、ごめんごめん☆」

泰葉「もう…こっちなら触っていいからね」

P「唯ー、あんまり泰葉の邪魔するんじゃないぞー」

唯「なに言ってんのさPちゃん! ゆいはザキオカちゃんのお手伝いをしてるんだから」

泰葉「ざ、ざきおか…」

P「こーら、先輩に勝手にアダ名を作るんじゃない」スタスタ

唯「えー、だって仲良くなりたいじゃーん! ゆいは泰葉ちゃんのことそんけーしてるしねっ」

泰葉「なか…く――いや、尊敬なんて…」

唯「ううん。ゆいはわかんないけどさ、泰葉ちゃん、今までずっと頑張り続けてきたんっしょ? それって超すごーな事だって!」

泰葉「…そうかな」

P「こら、テンション上げすぎだ」コツン

唯「あいたっ…ちょっとー、ゆいの頭にたんこぶできたらどうすんのさー!」プンスコ

P「その時は埋め込んでやるから安心しろ」

唯「なら許しちゃうっ☆」

泰葉「……ふふ」ボソ

唯「んん、今笑った? 笑ったよね? にゃはー、ザキオカ先輩の笑顔げっちゅー☆」

P「だからその名は使うなっての」

唯「うーん、じゃあ名前考えとくねー。じゃあバイバイっ」ビューン

P「……悪いな、泰葉」

泰葉「いえ、いいんです。ふふ」




P「唯にも困ったもんだ…」

泰葉「ああいう子でもきちんと仕事ができるんですから、羨ましいです」

P「……泰葉は唯みたいになりたいのか?」

泰葉「それは……ちょっと恥ずかしいです」

P「でもやってみたらクセになるかもしれないぞ?」

泰葉「……Pちゃん、げ、げんきー?」

P「……」

泰葉「……」

P「…ぷ、くくっ」

泰葉「わ、笑わないでくださいっ……! せっかく勇気を振り絞ったのに…っ」

P「いやー、悪い悪い。ギャップと可愛さでつい笑ってしまったよ」

泰葉「もう…」

P「でもさ、こうやってふざけあえるような関係…作りたいんだろ?」

泰葉「…出来るなら」

P「出来るさ。今の泰葉ならな」

泰葉「……ちょっと唯ちゃんの所に行ってきます」スタスタ

P「おう、行ってらっしゃい」

 ユイチャン、イッショニ…
        エー、ユイニデキンノ?



P「…楽しい世界、か」

 [おわり]

無邪気な唯と生真面目な岡崎先輩との組み合わせ、何気にナイスコンビになりそう

ゆいちなといい唯珠といい
Coとの相性いいな

カードの時系列のどこを切り取るかで立場どころか話し方すら変わるから難しいよね、という言い訳。

…口調が一貫してるゆきみんは最高ということで。

あ、泰葉さんは今回のシリアス枠を(勝手に創設)。


というわけで今回は終わりです。
おなじみ安価ですが、次は

>>214,>>215,>>216でお願いします。ガンバッテ。

ヘレン

雪乃

道明寺歌鈴

やっぱり泰葉さんは人気。はっきりわかんだね。
泰葉Pにもご満足頂けて何よりでございます。


>>211,>>212
基本的に明るいPaはどのキャラとも相性が良いですよね。明るいPaは。


というわけで次はヘレン、雪乃、DMJの三人です。
一体どうなる。


今回は比較的穏やかでしたけど、>>214とかいう俊足の好打者プロデューサーはすごかった。


おつおつ、DMJは誕生日同じで応援してるから期待
最近は安価スレで
泰葉の名前を見る機会が多くて嬉しい限りだよ

お疲れ様です。安価スレで初めて雪乃で安価取れたっす……
こう日常を覗ける感じはいいですねぇ……

乙です。30秒でもまだ穏やかな安価狩りって…

先輩は比奈祭りと眼鏡装備で掘り下げされてファンが増えたのかな?
文香は出てるし、肇か比奈でいこうかと思ったけどCo率高すぎで自重。
同県民で、引くために赤メダル回しまくってるのもあって歌鈴にしてみました。

唯にゃんのコミュ力は圧倒的だからね、仕方ないね

>>220
ひなまつりが一番好きです。

>>221
あんまり出番ないからね、仕方ないね。雪乃Pさんお疲れ様です。

>>222
だいぶ穏やかです。いやほんとに。
多分続けていけば今度はどんどん静かになっていくんでしょうけども。
安価内容は別に自重する必要はありませんよ。日記ですし。

あと私も同県民です。ええ。

>>223
あの人懐っこさはすごーだと思います。

久しぶりにこのスレに帰ってきたら岡崎先輩が凄く先輩していて感動したわ。
全員分書ききって頂けるんですよね?(ゲス顔)

>>225
おう考えてやるよ(書くとは言ってない)

でも実際に書くとしたらすっごく日にちがかかるな、これは…

全員書き終わる頃には新しいアイドルが増えてる→増えた分書く→書き終わる頃には(以下略)



 ・ ・ ・

 ――ある日の事務所

P「全く、これから秋になるだなんて信じられないぐらい暑いですよね」カタカタ

ちひろ「ええ…もう話題がループする程度には」カタカタ

P「いやまあ…それはわかってるんですけど、どうもこう、やるせなくなるんですよ」カチカチ

ちひろ「でもプロデューサーさん、冬になったら寒すぎて死ぬって言うじゃないですか」

P「当然じゃないですか。あの寒さは対人間には絶好の相性を誇ってますって」カチ

ちひろ「…春と秋は?」

P「春は新入生が眩しくて辛いし、秋は寒さを予感して辛いです…」フイッ

ちひろ「何馬鹿なこと言ってるんですか…」ハァ

P「前振りはさておき、日記でも見ますか」

ちひろ「前振りというか、前後に全く因果関係が見出だせないんですけど…」

P「え? ああ、ついさっき作業が終わったので」

ちひろ(手が止まってると思ったら、終わっていたのか…)ガーン

P「というわけで今回は誰が書いているのかな、と――」ペラ




 ヘレンよ。

 私に不釣り合いなこの事務所で仕方なく身を休めていたら、隣に居た里美がこれを渡してきたわ。
 訊いても何も言わないから読んでみたら…下らないわね。


 全くなっていないというものよ。

 読み込ませる技術、間のとり方、文法、修飾数、どれをとっても物足りない。
 それで日本ではなく世界でライブツアーなどと言っているのだから、情けないとしか思えないわ。
 これだからいつまでも殻を抜けだせずにいる。世界レベルの私から見たら、もどかしいとしか思えないわね。


 一体里美が何のためにこれを渡したのかは知らないけど、見てしまったものは仕方がない。
 例え私でも分身はできないのだから、事務所に力をわけてあげる。…当然でしょう?



 結果的に私は束の間の休息を事務所に居たアイドル達に使ってやったわ。
 全く、最近の子は国語力が落ちていてアイドルとして分不相応ね。

 だから偶然持ち合わせていた日本語の技法書を渡してみっちり教えてやったの。
 わかんなーい、とか、それぐらい知ってます、とか言ってたけど、卓越した技量を持つ私にそんな言い訳は通用しない。

 およそ30分ぐらいかしらね、その頃には四字熟語でクイズを出せるぐらいには進歩したわ。
 私の手にかかればこんなもの。Pはもっと私を尊敬するべきね。


 今度はもっと多くのアイドルに教えるべきかしら。
 そのためには、難易度を下げた教科書が必要よね。


 覚悟してなさい。
 遥か高みにいる私の国語力を見せてあげる。




P「……ヘレンは国語教師だったのか?」

ちひろ「いや、そんな話は聞いてませんけど…というか、ヘレンさんは大人組なのに呼び捨てなんですね」

P「最初は普通に敬称で言っていたんですが、仕事に慣れてくると呼び捨てにしろと言われまして」

ちひろ「へえ、そうなんですか?」

P「ええ。『私が宇宙に行くのに、あなたが下では務まらないわ』といって」

ちひろ(……どういう意味なんだろう)

P「そもそも彼女の出身すらわからないなんてどういう管理体制してるんですか、この事務所は…」

ちひろ「私に言われてもわかりませんよ! ある日突然事務所に居着いたんですから!」

P「えっ」

ちひろ「『ふさわしくないわね。見極めさせてもらうわ』なんて言って勝手に所属を決めたので、仕方なく履歴書は後で書いてもらいました」

P(その結果がこのプロフィールなのか…)

ちひろ「…まあ、実際仕事をしてみてプロデューサーさんも解ったと思いますが、実力はあるんですよね」

P「ええ、あるんですよね。不思議なぐらいに」

ちひろ「……この際訊いて見ませんか?」

P「…いや、蛇を出したくないので止めておきます」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 日記を書いてくれてありがとう。
 里美がお前に渡したという事だが、きっと里美なりに近づこうとした結果なんだと思うぞ。

 どちらかと言えばヘレンは遠くを見すぎて足元が見えていない部分があるからな。
 今回の事で事務所の人間のことも少しは知ってくれると助かる。

 あと、事務所のアイドル達を舐めてもらっちゃ困る。
 試したいなら、乃々に勝負を仕掛けてみるといい。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

ちひろ「…あの、思ったんですが」

P「何をですか?」

ちひろ「ヘレンさんって……意外と世話好きですよね」

P「わかっているのかわかっていないのかはさておき、その気はあります、きっと」ペラ




 ○月◆日

 ごきげんよう。
 このページは私、相原雪乃が務めさせていただきますわ。

 せっかくですので前例に倣い、私の好きなものの話をしようと思います。


 最近…と言うには少し古いお話ですが、事務所の中で紅茶を飲む方が増えてきて、私としても喜ばしいことです。

 純粋な水分摂取としての一面をもちながらも、その日その時の体調や気分によって適切な紅茶があり、千差万別の味と共に新たな世界を開いてくれる、そんな意味が紅茶にはあると思います。


 近頃は桃華ちゃんとお付き合いして、ささやかなティータイムを楽しんでいます。

 改めて思いますが、桃華ちゃんは凄いですね。

 流石趣味と公言するだけのことはあります、と思うほどに、単純に紅茶だけでなく、お菓子や容器など、それらを組み合わせた一体の『ティータイム』に造詣が深いのです。


 残念ながら、私は紅茶に関しては自信がありますが、その他の要素にはそこまで強くはありませんの。

 お互い仕事で忙しくはありますが、時間を見つけては色々知識を交換しあっています。



 いつか、事務所のみなさんと共に素敵なティータイムを送れたらいいですね。
 そのためにも、お仕事を一生懸命こなして……あと、お菓子をもっと上手く作れるようになりたいですわ。

 その時は、是非Pさんもご一緒に。


 …ふふ、こうして日記を書いているともっと頑張れそうな気がしますわ。




ちひろ「プロデューサーさんって紅茶は好きですか?」

P「うーん…美味しいんですけど、あまり日常的には飲まないですね。ついついお茶を飲んでしまいます」

ちひろ「確かに、普段お茶を飲んでいると、そっちで済ませちゃいますよね。かくいう私も、紅茶はペットボトルぐらいですから」

P「そういう立場の人間としては、こうやって紅茶に詳しい人は教養が高いというか、西洋的で気高く見えます…というか、正直俺は飲み物にそこまで求めていないので…」

ちひろ「……まあ、男性はそういう人も多いですよね」

P「だからこそ、雪乃や桃華が誘ってくれると結構嬉しいんですよね。未知の世界というか、新たな領域というか」

ちひろ「雪乃ちゃんもそう書いてますしね。それを言ったら喜んでくれますよ」

P「そうですかね。俺も少しは勉強した方がいいのかなあ…」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 紅茶はびっくりするぐらいたくさんの味があるよな。
 普段お茶の中でも適当に飲む俺には驚きばかりだよ。

 やっぱり雪乃としては桃華と気が合うみたいだな。

 年齢もプロデュース方針もお互い違うが、今度セットで売り込んでみるのも悪く無いか。


 最近は事務所の中で楽しむ時間を作れなくて悪いな。
 俺も雪乃と一緒に紅茶を飲むのが楽しいと思ってるから、誘ってくれると嬉しいぞ。


 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

ちひろ「そんな時間取れるんですか? 最近ずっと忙しいのが続いてますけど」

P「とりますよ。雪乃のためですから」

ちひろ(そのために貴重な休日を使うプロデューサーさんは、やっぱり天職なんじゃないかと思います)

P「俺にとっても楽しいですからね、雪乃との時間は。じゃあ次に行きましょうか――」ペラ



 ○月◆日
              道明寺歌鈴
 アイドルなんて無理!
 そう思っている間にかなりの時間がたってしまって、もうわたしには何がなんだかわからなくなってます。

 いつの間にかPさんにのせられて…いや、こういう言い方はよくないですよね。
 こんなわたしのためにいっぱい時間を使ってくれて、本当にありがとうございます。


 これを、直接Pさんに言えたらいいんですけど……すみません、わたしには言えそうにはありません。
 なので、せめてこの日記を使って言えたらいいなと思います。


 わたし、ずっと昔からこんな調子で、子供の時からみんなに迷惑をかけて、今でも事務所のみんなやPさんに迷惑をかけてごめんなさい。
 仕事、失敗して、向こうの人に怒られた時、Pさんはわたしよりもずっと深く謝ってくれました。

 Pさんは、どうしてわたしをアイドルなんかにしたんでしょうか。
 気持ちに応えたいのに、ずっと迷惑ばかりかけてしまって、辛いです。


 で、でも、別にアイドルが嫌になった訳じゃないんです!
 こんなわたしでも、テレビの前でしっかりお仕事できるようになったのはアイドルになったおかげですし、Pさんが私をこの世界に導いてくれたおかげなんです!

 お母さんにも、大人になったね、と言ってくれました。
 Pさんがいなければ、わたしはずっとこのままだったのかもしれないと思うと、それも辛いです。

 今でも失敗はするし、台詞も噛むし…まだまだ治る気配はないですけど、Pさんと出会えてよかったと思ってます。
 だから、わたしはPさ /  .   、 ・ 。


 すみません、最後消しゴムが……うう、どうしてこうなんだろう。




ちひろ「わざとじゃない分、歌鈴ちゃんも辛い部分もあったでしょうね」

P「本人がどうであろうと、周りには結果しか映りませんから。そんな姿を見てると、彼女には本当の楽しさを知って貰いたい、そう思います」ウンウン

ちひろ「…でも、それじゃ巫女姿のまま事務所に連れてきた理由にはなってませんよ」

P「う」ギクッ

ちひろ「普通に私服でこればいいのに、私に連絡もせずいきなり巫女装束の歌鈴ちゃんが来るもんだから、あの時はかなり驚きましたよ…」ハァ

P「…実は、スカウトして、ご両親にお話したらトントン拍子に話が進んじゃって、そのまま彼女の家を追い出されたんです」

ちひろ「……何となく歌鈴ちゃんのご両親の気持ちが想像出来ます」

P「その巫女姿のまま町中を歩くわけにも行きませんでしたから、とりあえず新幹線とタクシーで来たんですよ――」カキカキ

ちひろ(道中で服を買えばいいのに、というのは言わないでおこう)コクリ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 先に言っておくが、俺達は、お前を迷惑だなんて思ったことは一度もない。
 疑うなら、他のアイドルに訊いたっていい。全員が同じ事を答えてくれるだろう。

 それは、みんなで支え合うからだ。
 自覚してるにしろ、してないにしろ、人にはそれぞれ必ず欠点がある。

 それが歌鈴にとってはおっちょこちょいだったというだけに過ぎない。
 お前も知っているように、ウチには仕事に行きたがらない人や机の下に引きこもる人、酒と手がくっついている人だっているんだぞ。

 それでも嫌悪感無く接することが出来るのは、その人に長所があるからだ。

 だから歌鈴も、欠点だけ見るんじゃなくて、他の場所にある長所に目を向けてやれ。
 それができれば、噛むやらこけるやらなんて、些細な問題になってしまうから。


 あと、消しゴムは事務所の窓際の棚にあるから、今度からそれを使うといいぞ。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

ちひろ「ところで、最後の消し忘れた所、歌鈴ちゃんは何て書こうとしたんですかね?」

P「歌鈴は俺…がどうなのか、黒ずんだりくしゃくしゃになったりでわかりませんね…」

ちひろ「ううむ、気になります…」

P「訊いてはいけませんよ。でなきゃ消しゴムは必要ありませんから」




 ・ ・ ・

 ――ヘレンの日記、その後

 [事務所、昼前]

 ガチャ

P「よし、送迎おわり…昼飯にしよ――って、ヘレン?」

ヘレン「……P。この国にも世界レベルはいたのね」

P「お、おう…一体どうした」ジリ…

ヘレン「乃々、あの見かけから繰り出される言葉の糸は無残にも私の足を絡めてしまったわ…」

P(ああ、日記読んで勝負を仕掛けたのか)

P「…つまり、負けたのか?」

ヘレン「負けてはいないわ。ただ、新たなステージに彼女は足を踏み入れていた。それだけのことよ」

P(……それで乃々のポエム力を垣間見てしまったのか。意外と乙女だからな、アイツ)

P「で、どうするんだ。そのままその場にいるつもりか?」

ヘレン「馬鹿を言わないで。私はトップに立つ者よ、こんな所で止まっているのは無意味だわ。…私にとっても、あなたにとってもね」

P「…それならよかった。――って、ヘレンは何の本を読んでるんだ?」

ヘレン「これは階段。遥か高みへと私の足を支えてくれる、大きな階段よ」ビシッ

P「……何やらピンク色の表紙に少女チックなタイトルが記載されているのですが」

ヘレン「敵を知り己を知れば百戦危うからず。あなたも落ちたわね、大丈夫かしら? そうだ、あなたもこれを読みなさい。これから共に立ち向かう者として、怠惰は許されないわ」ハイ

P「あ、はい……わかりました」ストン


 チッ、チッ、チッ、チッ…


ヘレン「……」パラ

P「……」パラ

ヘレン「……」ニヤ

P「……ヘレン、正直漫画楽しんでるだろ」

ヘレン「…そんなことはないわ」

 [おわり]




 ・ ・ ・

 ――雪乃の日記、その後


 [スタジオからの帰り、車の中]

 ブロロロロ…

P「今日もお疲れ様。いい仕事だったぞ」

雪乃「ありがとうございます。Pさんのおかげですわ」

P「いやいや。…雪乃、休憩中にスタッフに紅茶をお菓子を配ってただろ? あれ、向こう方にかなり好評だったぞ」

雪乃「まあ、本当ですか?」

P「ああ、次も是非使いたいって言ってくれる程にはな。よくやってくれたよ」

雪乃「それは、紅茶の美味しさがあったからこそですわ。語りきれない魅力がありますから」ニコ

P「それもあるが…一番は、雪乃が準備したからこそ、だぞ?」

雪乃「私が…ですか?」キョトン

P「そうだ。作ったものは、作った人の気持ちや思いが入り込む。みんなに気分よく仕事をして欲しい、疲れをとってあげたい、そんな雪乃の優しさが、紅茶に甘い香りを付けてくれたんだろう」

雪乃「……上手いことをいいますのね、Pさんは。…ふふ、もっと好きになりましたわ」

P「はは、俺も疲れた時にはお茶じゃなくて雪乃に紅茶を入れてもらおうかな」

雪乃「はい…Pさんのためとあらば、いつでもおいしい紅茶を差し上げますから」ニコ

P「そう言ってくれると嬉しいな。じゃあ…疲れてないなら、事務所に帰った時にでもお願いできるか?」

雪乃「勿論ですわ。Pさんのために、最高の物をご用意します」

P「…香りは付いてたり?」クス

雪乃「はい、特別な香りを一つ。…ふふ」

 [おわり]




 ・ ・ ・

 ――歌鈴の日記、その後

 [事務所]


歌鈴「ううぅ……Pさん…ごめんなさいぃ」グス

P「気にするなよ。たまたま地面に大きな石があっただけじゃないか」

歌鈴「でも…それで共演者さんにぶつかっちゃって……」

P「ちゃんと後で謝って許してもらっただろ? 大丈夫、誰でもよくあることだ」ポンポン

歌鈴「本当にごめんなさい…ずっと迷惑をかけて……」

P「気負い過ぎだって。そんなに気にするなよ」

歌鈴「わたし、どうしてこうなんでしょう……。すみません、ちょっと外で気分転換してきま――ひゃっ」ガタッ

P「おい、あぶな――」

歌鈴「わっと、わ、わ、あ、ひゃああああ――」ズルッ

 バシッ!

あい「……急ぐのは危険だよ、歌鈴君?」グイ

歌鈴「うう…ありがとうございますぅ…」

P「すみません、あいさん。俺が居たのに」

あい「いや、気にすることはないよ。偶然私が入ってきただけだからね」

歌鈴「また…またやっちゃいました…あうぅ」グス

あい(……)

あい「……Pくん。すまないが、日記を持ってきてくれるかい? あと歌鈴君はソファで休むといい」ポツリ

P「え、日記ですか? …わかりました、持ってきます」ガタッ

歌鈴「はいぃ…」




 スタスタ…パサッ

P「どうぞ。…でも、一体どうして日記を?」

あい「せっかくいい言葉を書いているのに、Pくん自身が忘れているとは、やれやれ」パラ

P「俺の言葉…って、あぁ!」ポン

歌鈴「ど、どういうことですか?」オドオド

あい「ん、まだPくんの返信を見てないのかい? だったら…このページか。これを読むといい」ハイ

 シーン…

歌鈴「……みんなで、支えあう」ボソ

あい「そうだ。……尤も、それを書いた本人は忘れていたのだがな」

P「面目ない…」ハハ

歌鈴「で、でも! わたし、誰かのためにできたことなんて――」

P「…あー、歌鈴が来てから、事務所が綺麗だよなー」

歌鈴「え?」キョトン

P「少し物が多くて掃除も大変だったけど、最近は皆も予め片付けてくれて楽になったなー」

歌鈴「…ど、どういうことですか?」オドオド

あい「……フッ、Pくんにはどうやら演技の才能はないらしいな」クス

P「才が無いのは自覚してますってば。……歌鈴、お前が来た当初よりも、今の事務所って小奇麗だと思わないか?」

歌鈴「そ、そうでしょうか? わたしには、いつもこんな感じかと…」

あい「歌鈴君、君はよく転ぶ。その度に君は散らかした物を片付けていただろう」

歌鈴「は、はいぃ、わたしのせいですから、片付けないと…」

P「実を言うとな、以前の事務所はアイドルの私物が結構散乱していたんだよ。散らかさないいい子達ばかりではあるんだが、これだけ人数が多いと一人あたりの私物が少なくても結果的に結構な量になってな…」

あい「私も大掃除には手伝っているが、確かに大変だったよ、あれは」

P「だが歌鈴が来るようになってから、転んで何かにぶつかって歌鈴が大きな怪我をしないよう、皆が私物を持ち込まないよう気をつけるようになったんだ」

歌鈴「…それは、わたしに気を遣ってくれたから」

P「確かにそうかもしれない。だが、歌鈴が居なければ、今のような事務所にはなっていなかったのも事実だ」

歌鈴「そう、ですけど…」




あい「人は、必ず互いに影響しあう。…君はPくんが居ることでアイドルになることができ、Pくんのおかげで楽しく仕事がやれるようになったのだろう?」

歌鈴「は、はい! もし誘ってくれたのがPさんじゃなかったら、き、きっとアイドル続けられなかったと思います!」

P「…はは、プロデューサー冥利に尽きるな」ポリ

あい「それと同じだよ。君がいることで、事務所の皆がそれぞれ気をつけるようになった。…これは間違いなく、君のおかげなんだ」

歌鈴「わたしの、おかげ…」

あい「要は、自分の欠点を欠点として固執するな、ということだよ。どんなものであれ、他者に良い影響を与えたのなら、それは立派な長所になる」

P「歌鈴だけが持っているものに、悲観する必要も、嫌悪する必要もないんだぞ。皆、今のお前が好きなんだ。自分がその自分を嫌いでどうする」

歌鈴「……それでも、それでも、せめて普通に仕事できるぐらいには…直したいです」

P「だったら俺を頼れ、皆を頼れ。一つづつ、歌鈴の可愛さを失わないように、ゆっくり直していこう」

あい「私も手伝うよ。歌鈴のためだからね」コクリ

歌鈴「…頼っても……いいんですか? わたし、全然治らなくて――」

あい「愚問だね。…Pくん、歌鈴のスケジュールはどうなっている?」

P「今日の仕事はもうないぞ。あとレッスン場も鍵は空いてるはずだ」

あい「という訳だ。…どうだい、君のために喜んで手伝える人はここに居るんだよ」

歌鈴「……Pさん、あいさん……あ、ありがとうございますぅ!」

P「昔からのものを、今から直すのは難しいだろうが、諦めず、根気強くな。元気に行こう」

あい「そうだね。無理はしなくていいから、一つづつこなしていこうじゃないか」

歌鈴「――は、はい! わたし、頑張ります!」

 [おわり]

何回か投下重ねて気づいたけど、個性的な口調に困るよりも
時系列でキャラが変わっている方が難しい。

歌鈴さん、シリアス枠。
その時の思いつきで決めるから、どうなるかは運次第です、ええ。


さて、お知らせですがコミケ参戦のため、次の投下で一旦休憩です。

次回は
>>248,>>249,>>250でおなーしゃー。

コミケは死なないように頑張りましょう(自問)

周子

巴お嬢!日記を!
こちとら村上組の面子がかかっとるんや!

沙紀

kskst

ぼくは肇ちゃん!

村上組早すぎた(・ω・`)


その点、清美は安心やね、1回しか登場してないし

あいさんはやっぱりイケメン枠。


>>244,>>245
お嬢!お嬢!申し訳ありやせん! 安価は外れてしやいやした!

…ええと、なんかごめんなさい。今回は遠めでした。うむ。


この速さで加速されても困るんですけど、順当に繰り下げです。

というわけで次回はペンキ、うどん、裏切り眼鏡(Pa)です。
ごめんなさい、沙紀、肇、冴島です。

清美は初回以来かな?
ともかく、おめでとうございます。

あと凛は最初に書かれてますので…ええ、まあ、その。

>>256
情報量少ないよ!なにやってんの!(艦長感)

乙……俺、雪乃SR出たら本気出すんだ……
これからも雪乃Pでいられる気力を貰えて感謝感激です……
それと加速スミマセンデシタOTL

>>258
まあ実際止まってたからね、仕方ないね。

SR来ないだろうと思ってたら案外来るもんだから気楽にお待ちするとよいのでごぜーますよ。
運営にその気があれば、という前提ですけども。うむ。

>>259
あるよな
ひな祭りで来たからしばらくないと思ってたけど
ドリフでいきなり来たからビックリしたわ

村上組(正体:楓P)
今日も楽しかったです

そして戦場へ旅立つのか...御武運を

やったよ肇ちゃん!
だいぶ更新連打した甲斐ありました
これで嬉し恥ずかしな肇ちゃんの日記が!

毎回すばらしいですっ☆
委員長とか楽しみ……

鈴歌じゃねえや歌鈴だ…
コミケも戦場だけど、ツアーに第五エリアのエンドレスと新色コインが来そうで怖いのと、
新SRが来て安価狙いのネタが増えたらいいなというのが半々

>>260
おかげで超得フルバーストでしたわ…

>>261
楓P…いや村上組頭領、お疲れ様です。
モバマスジャンルに特攻仕掛けてきます。実は初めてです。

>>262
仮にもみんなが読む日記にそんな恥ずかしい物は書いてはいけませんと
某風紀さんが言っています。

>>265
暴挙アンド暴挙。

>>266
琴歌にしろ歌鈴にしろ、変換できません。マジで。

あ、ちなみに安価だけは指定しておきます。次回は遠くなりますけど。



 ――ある日の事務所


ちひろ「……はぁ」ズーン

P「どうしたんですか? そんなため息を吐いて…」

ちひろ「これですよ、これ」ピラ

P「これって…先月の電気料金ですか」

ちひろ「はい…この数字を見てると気が遠く」

P(なら見なければいいのに…)

P「事務所の稼働時間も増えて、更に今年は去年よりも暑いですから…まあ必要なコストかと」

ちひろ「それはそうなんですけどねー…家に居るなら無理矢理にでも節約するのに、こう使っていると家に帰りたくなくなるんです…」

P「…実質タダですからね、個人負担としては」

ちひろ「そういうことです」キリッ

P「というか我慢は止めましょうよ、今年は洒落にならないですから」

ちひろ「扇風機も案外涼しいんですよ?」

P「それは知ってますって。ウチならエアコン普通に使ってますし、なんならウチに住みます――」ハハ

ちひろ「は、はいっ!」

P「か、なーんて……」

ちひろ「……」

P「……」

ちひろ「に、日記を見ましょう! 頭を動かさないと鈍ってしまいますよ!」バタバタ

P「そ、そうですね! 気分転換のためにも見ましょう、見ましょう!」ガタ! パラッ!




 ○月▼日

 どもっす!
 吉岡沙紀っすよ!


 伊吹に渡されて(本人書いてないのにね)そのまま書こうと思ったんすけど…みんな、アイドルなりたての頃の思い出話とか好きなものの話とか、楽しそうにかいてるっすよね!

 そういえばアタシも日課のグラフィティを書いてる時に訳の分からない変な男にナンパされたんすよねえ。

 はは、今考えても変な顔してたっすよ、Pさん!

 それでま、本物だと知ってアイドルになって、グラフィティに拘らない表現を知って、今は本当に楽しいっすね。
 アタシはただ自分を表現したかったんだ、ってのがわかったっす。
 グラフィティやってたところはそれしか見えてなかったっすから…それがまさかアイドルになるとは思ってなかったっすけど、Pさんには感謝っすね。


 あ、かといってグラフィティを引退したわけじゃないっす。
 厳密に言えば違うのかもしれないっすけど、今はアーティストとしてテレビで実演することもあるっすから。

 最近やったことといえば、寮の壁面にデザインしたことっすかね。
 寮の一部分にうちのプロっぽい何かを見出したいってーことで、仲間達で描きまくったっす。
 中でも凄かったので比奈っすね!

「いや、アタシは紙の上専門っスから…」とか言ってたっすけど、一度ブラシを握ればアーティストって感じで、ガシガシ描いていってたっす!
 他にも蘭子や由愛なんかも綺麗に描けてたっすね。まあ、アタシとは畑違いな感じもするんだけど。

 それでできあがった壁はもうサイッコー!
 やっぱり思いっきり、思う存分描けるってイイっすね!

 確かあの時はPさんは仕事で来てなかったっすよね?
 よかったらPさんも何か描くといいっすよ!




ちひろ「プロデューサーさんは完成品見ました?」

P「見ましたよ。皆が好き放題描いてるのか、部分部分で結構描き方が違って面白かったですね」

ちひろ「地味な壁面にあんな派手な物を描く事を提案する人も中々いませんけどね」クス

P「そういえば元々は誰の提案だったんですか?」

ちひろ「ニュージェネレーション、ニューウェーブの面子ですね。ばらばらだから、何か形が欲しい、と言ってました」

P「ああ、なるほど…。これだけ人数がいると一体感は薄くなりますからね」

ちひろ「親睦会としても楽しめたらしいですけど。プロデューサーさんは書かないんですか?」

P「そうですね、また時間があった時にでも――」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 沙紀はいつも元気でいい事だ。

 確かにあの時の俺は緊張もあってか変な顔をしていたかもな…でも、本気だったんだぞ?

 表現する楽しさをしっているからこそ、君にアイドルになって欲しかったんだ。
 それを沙紀が答えてくれて嬉しいよ。


 寮の壁、あれは中々の傑作だったな。
 皆の気持ちが詰まっていて見てる方も楽しくなれたよ。
 その場に立ち会えなかったのは残念だったけどな。

 だから、俺も次休みに寮に行く時があれば是非隅の方にでも描かせてもらおうかな。

 ……正直に言うと、絵なんてほとんど描いたことが無いから、腕に不安なんだが。
 まあ、楽しめればいい、ってことだよな。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

ちひろ「…そういえば、スカウトした時の変な顔って――」

P「…訊かないで下さい」パラ

ちひろ(何かやらかしたんですね…)




 ○月▼日。

 天候は晴れに等しく、雨は久しく降らず。
 空、澄み渡りて海のごとし。


 …なんて、仰々しく書いてみました。


 こんにちは。藤原肇と申します。

 一度自己紹介すれば大丈夫なのですが、やはり肇という字は一般的に見慣れないので初見では読むのは難しいだろうと思います。
 私でさえ、綺麗に漢字を書くのに相当な時間を要しましたから。


 …私がアイドルとなって、もうかなりの時間が経ちました。
 当初といえば、家を飛び出すかの如くこの世界に入ったのですが、今では祖父にも認められ、かつての危機感、反抗心もなく、楽しく仕事ができています。

 この度は、あんな私を認めてアイドルとしてプロデュースしてくださって、ありがとうございました。
 まだ精進する身ではありますが、改めてお礼を申し上げます。
 もしもPさんに認めてもらえていなかったら、きっと私の中に燻る思いを吐き出せないまま、情けない心で陶芸に触れていたことでしょう。

 こうして挑戦し、思いの限りを尽くして生きているこそ、私の手から生まれる作品も生き生きとしているのだと思います。

 実際、実家に帰ってから作品を完成させ、それを祖父に見せると随分と嬉しそうな顔をしていますから。
 ……まあ、これは祖父にとって陶芸と関係ない部分もあるのかもしれませんが。


 ああ、そうだ。
 もう一つ、Pさんにお礼です。

 作品展の開催の企画、ありがとうございます。

 私の住む岡山で、祖父と共に作品を展示することができるだなんて、夢にも思いませんでした。
 …私がアイドルとして生きている限り、そんなことにはならないと決めつけていましたから。

 これもPさんの力なのですね。
 不可能を可能にする。形なきイメージを、この世に顕現できる。
 Pさんだけの、特別な力でしょう。


 祖父の作品と私の作品、アイドルとして、祖父の娘として作り上げた作品を多くの方に見てもらうため、現在、仕事の合間ではありますが、色々な物を作り上げています。

 完成した暁には、是非Pさんにも見て頂ければと思います。祖父も会いたがっていますしね。




P「…皆俺のことを凄いというが、本当に凄いのは彼女達自身なんだよな」

ちひろ「仕事も増えてみんな忙しいのに、自分のしたいこと、目標に向かっていつも走っていますからね」

P「無論、トップアイドルが目標な子もいますけど…明確な未来を見据えた子の瞳は、宝石よりも輝いています」

ちひろ「…まるでアイドルになることが面白く無いというような言い方ですね?」

P「邪推ですよ。……ただ、トップアイドルという地位を目標にするのは、思考停止に近いんじゃないか、というのが持論なだけです。勿論菜々を否定する訳じゃありませんが」

ちひろ「他の事務所の人に聞かれたら怒られそうな言葉です」

P「構いませんよ。アイドルという肩書きで輝くよりも、趣味や技術とか、人柄とかで、人として輝いたほうがその色は鮮やかなんじゃないかなあ、そう思うんです」

ちひろ「かといって趣味に没頭するようならアイドルは続けられませんけどね」

P「はは、それもそうですけどね。…アイドルを続ければ自然と視野が広くなる。それが高みを目指す子にとって一番の活性剤なんですよ」

ちひろ「流石沢山のアイドルを育て上げた名プロデューサー、言うことが違いますね」クス

P「凄い人間じゃないですよ。ただ道筋を示しているだけの人間ですから――」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 肇がそういう文字を書くと、本当に職人のように思えるよ。
 いや、アイドルとしても、陶芸家としても、肇はもう職人なんだろう。

 最初の頃の切迫した肇の表情を思い出すと、時の流れを感じるな。
 こちらこそ、肇をプロデュースさせてくれてありがとう。


 展示の企画だが、無事に通って何よりだよ。
 今回は仕事ではなく、純粋なお前個人としての活動だから、体裁を気にする必要はないぞ。
 ただ有りのままの気持ちを陶芸に捧げてくれ。

 プロデューサーとしても、肇とともに歩く人としても、展示会を楽しみにしているよ。
 お祖父様ともお話しておきたいからな。

 制作、頑張れよ。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

ちひろ「プロデューサーさんって、結婚してないんですか?」

P「いきなり何ですか…言うまでもなくずっと独り身ですよ」

ちひろ「い、いえ。なんでもないです。次に行きましょうか」

P「は、はあ…」パラ

ちひろ(その割に父性に溢れすぎている、だなんて言ったら怒られそうですね)




 超☆風紀日誌

 担当:冴島清美(プロダクション風紀委員会リーダー)


 どうもみなさん、規則正しい生活を送っていますか?

 最近、どいつもこいつも風紀のことだの露知らず、横暴に振る舞う者がとても増えています。
 学校でもそのような輩がおり、対策活動にはとても苦労をしましたね。

 ですが! そのかいもあって学校は無事平和になったのです!

 そして! 今私は超☆アイドルとしてこの世界の風紀を正しにきたのです!

 芸能界といえば悪の組織が氾濫する危ない世界…そんな場所に、いたいけな少女が生き生きと暮らせるはずもありません!
 だからこそ、私が来たことによって、立ち上がる時なのです!


 そのためには、この世界について知ることが大切です。
 なので、最初はこの事務所の風紀を守ろう…としたのですが、どうやらここは風紀が適切に守られており、私の出番はあまりなさそうです。

 それは、ひとえに名誉風紀委員ことプロデューサーの手腕、そしてその補佐である千川ちひろ風紀補佐官のおかげなのでしょう。
 少女を悪から守り、風紀を守る良き人間として育て上げたからこそ、この事務所は平和なのです。

 ああ、風紀が守られた空間は美しい。
 そしてそれを守り続けるプロデューサーや千川さんの魂は、何と清いのでしょうか!


 くくく、このまま行けば私の風紀力が世界中に及ぶのも長くない話です。
 これからも素晴らしい風紀力の発揮、お願いしますね!




ちひろ「……この子をスカウトしたのはどうして何ですか?」

P「いやあ、こう…ティン、と来たんですよ、うん」メソラシ

ちひろ「風紀委員会がないのに独断で風紀維持活動をするアイドルってなんなんですか…」

P「いや、でもほら、彼女が居るおかげで事務所が綺麗になってるじゃないですか」

ちひろ「いや、清掃員をスカウトしても意味ないですよ…」

P「ふむ、清掃員か……アリだな」コクリ

ちひろ「ナシですっ!!」ビシッ

P「……まあ、ああは言ってますけど、皆が気持ちよく生活をできるような環境を作りたいという気持ちは本気ですし、かといってアイドルへの気持ちも充分ですから、彼女はこれから次第ですよ」

ちひろ「資質云々はさておき、たしかに気力にあふれてますもんね」

P「茜あたりと気が合いそうな感じもするが――」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 はは、頑張ってるな。

 清く正しい生活は健康の基本だからな。
 風紀以前に、人として大切なことだから、これからも守ってくれよ。


 だが、この事務所が皆楽しくやれてるのは、何も俺達が頑張ったからじゃない。

 それぞれのアイドル達が皆いい子だから、相手の気持ちを知る子達だから、こうして
思いやりを持って活動ができるんだぞ。


 だから、清美も風紀という言葉に縛られちゃいけない。
 ルールは人を縛る縄ではなく、快適に過ごすためのホウキでなくちゃならないんだ。



 でも、いざ風紀が乱れた時には是非清美の力を借りたい所だな。
 勿論起きないことが一番だが…もしもの時には期待してるぞ。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

ちひろ「……あの、思うんですが」

P「どうしました?」

ちひろ「正直、ウチで一番風紀を乱してるのはあの子だと思うんですが」アツミーン

P「……ええ、あの子ですね」アツミーン




 ・ ・ ・

 ――沙紀の日記、その後

 [寮、玄関前]

沙紀「さあさあ、これを持って下さいっす!」グイ

P「うわ…って、ブラシか」フリフリ

沙紀「Pさんが描きやすいように小さめのを用意したっす! 勿論アタシの使うスプレーでもいいっすけど、どっちがいい?」

P「いや、これでいいよ。素人がスプレー使っても汚くなるだけだしな」ハハ

沙紀「センスありそうっすけどねー、Pさん。まあいいや、あっちに色置いてますから好きなの描いて下さい!」

P「うーん、そうだな…」

沙紀「何でもいいんすよ。ハートの中にアートはあるんすから!」

P(ハートの中にアートか…じゃあ、俺らしく)

P「わかった。いくぞ――」グッ

 サッ、スス…、シュシュッ

P「…ふぅ。よし、こんなもんだな」ヌグイ

沙紀「おー、Pさんって英語も上手く描けるんすねー!」

P「なんか嫌な言い方だな……けど、ありがとう。沙紀のおかげで綺麗に描けたよ」

沙紀「ありがとっす…けど、ランウィズドリーム、アンドショウザブルーム…ってどういう意味っすか?」

P「こんなクサい台詞、柄じゃないが…まあ、頑張れよって意味だよ」ハハ

沙紀「へえー…Pさんはこういう時でもやっぱり真面目なんすね」

P「まあな。…というか、これぐらい読んでもらわないとアイドルとして駄目だぞ」

沙紀「…頑張ります」メソラシ

 [おわり]




 ・ ・ ・

 ――肇の日記、その後

 [事務所、扉の前]

 カツ、カツ、カツ…

P「ふぅ、ただでさえ暑いのに階段登るのは地獄だな…早く事務所で涼もう――」

 ガチャ

P「ただいま――」

肇「ひゃあっ!?」ビクッ!

P「うおっ!? なんだ、どうした!?」

肇「あ、あー…Pさん。なんでもないです、すみません」ペコペコ

P「え? …まあ、なんでもないならいいが」トコトコ

肇「はい…あ、おかえりなさい、です」ウツムキ

P「ああ、ただいま…」

P(なんだろうな、あの驚きぶりは――って、ん?)ジー

P「…なあ肇、その背中にある箱ってなんなんだ!?」

肇「え、嘘、見えて…!?」ガサッ

P「……あー、すまん、見せたくないものだったら見せなくていいからな、うん」

肇(うう…勢いで持って来ちゃったけど…行くしかないですね)

肇「…ええと、すみません。これ、Pさんに見せたい物なんです」オズオズ

P「俺にか?」

肇「はい…これ、空けてみて下さい」ハイ

P「小さな木箱だが……と、これは湯のみか!」

肇「はい。以前にもお渡し事があるとは思うんですが、今の私を知って欲しくて…」

P「なんだ、そういうことか……悪いな。ありがとう、前のもまだあるけど、これも使わせてもらうよ」




肇「ありがとうございます。以前のも持ってくださってるんですね」

P「壊れないように大事に使ってるよ。……それで、この湯のみに書いている『情』ってなんなんだ?」

肇「それは…Pさんが情に溢れているからー、なんて…」

P「はは、なるほどな…肇にそう思ってくれて嬉しいよ。ありがとう」

肇「い、いえ! こちらこそいつもありがとうございます!」

P「これからもよろしくな。じゃあ俺は作業するから、また後でな」

肇「はい、頑張ってください」

 スタスタ

肇(…実はもう一つ作ってあるんです)

肇(そこに書かれている文字は……Pさんにはまだ、見せられません)

 [おわり]




 ・ ・ ・

 ――清美の日記、その後

 [静かな事務所]

愛海「んっはぁぁぁん…これは…これはぁ――最高級のおもちやでぇ…うひひ」

卯月「あっ、あつ…み…ちゃんっ、ここは事務所だから……やめっ」

愛海「だってちひろさんはどこかに行ったし、相棒ことプロデューサー兼登山家のPさんは居ないしでそこに居るのが卯月さんなら…これはもういくしかないじゃない☆」

卯月「うう…プロデューサーさぁん…助けてぇ…」グス

 バタン!

清美「何やらおかしな声がします!」キリッ

卯月「あ、清美ちゃん…!」

愛海「確か…未認可風紀委員の清美ちゃんだったっけ…」

清美「み、未認可ではありません! 超☆風紀委員です!」

愛海eye「…age15,76-58-78」キュィィィィン

愛海(ふむ…なるほど)

清美「悲しき叫びは正義への渇望! それは悪しき思いを挫くため! ――超☆風紀委員、冴島清美、ここに見参!」バーン

卯月(ポーズまで決めて…考えていたのかな)モマレ

清美「私が来たからにはもう大丈夫です、卯月さん! さあ愛海さん、その捻じ曲がった意思を悔い改めなさい!」

愛海(このままのさばらせるとあたしにとって不利になる…)

清美「さあ、人質を解放しなさい! 今なら大丈夫です! 超☆風紀委員の名のもとに、今なら減刑してあげます!」

愛海「ねえ……風紀委員はそれでいいの?」

清美「事務所の風紀を守ること。それは平和のために大切な事です」

愛海「……ふふ、まだまだ若いね」

清美「…どういうことですか?」

卯月(あ、またなんか始まった)モマレ




愛海「人は美術に恋焦がれる。それは、本能が美という存在に惹かれるから。知っているでしょ?」フリ

清美「勿論です。だから私たちはアイドルという立場にいるんですよ!」

愛海「だったら、その『美』をより高めていくのがアイドルの使命なの。あたしは、こうして女の子と密接にふれあうことで…アイドルの持つ最高の美に近づけているんだよ」

清美「ぐ、確かにアイドルという立場であるなら当然たりうる……それは正義だわ…」

卯月(よくそんな言葉がすぐ出てくるなあ…)サワサワ

愛海「風紀って何? 雁字搦めに縛るもの? …あなたならわかるはず。本当の風紀の意味を!」ビシッ!

清美「……ルールは人を縛る縄ではなく、快適に過ごすためのホウキでなくちゃならない」ボソ

愛海「そう。名誉風紀委員であり、プロフェッショナル登山家であり、名プロデューサーである彼の言葉。……あなたは、そんな彼の言葉を疑うの?」キリッ

清美「愛海さん……いや、愛海風紀実行委員長! 私は風紀という言葉に囚われてアイドルとして間違った考えを持ってしまってすみませんでした!」ガタッ

愛海「いいんだよ。本当の風紀は、許しあうものなの。だから清美ちゃんも、この柔らかなお山に触れて…美を高め――」

 ガチャ

拓海「…うーっす。ちひろに呼ばれてきた」ネミー

愛海「」ギクッ

卯月「あ、こっちです」サワサワ




 ・ ・ ・

 [5分後]

愛海「」チーン

拓海「ったく…コイツも懲りねぇな」パシッ

卯月「あ、あはは…助かりました」

拓海「ちひろから息絶えたような声で電話が来た時はマジで焦ったぜ…」ハァ

卯月(あー…やっぱり逃げ出したのって…すみません、ちひろさん)メソラシ

清美「…拓海さん、ありがとうございます。危うく洗脳される所を助けて頂いたおかげで、事務所の風紀がまた守られました」

拓海「あぁ? アンタは…確か冴島、だったか」ジー

清美「そうです! この世界の風紀を守るためにやってきた、風紀系アイドルです!」ドンッ

卯月(風紀系アイドルってなんだろう…)

拓海「…よくわからねぇが、よろしくな。あとコイツは必要悪だから、何かしでかしたらその場で駆除せず周りに助けを求めるといいぜ」

清美「なるほど、流石風紀系姉御! 非常に頼もしいですね!」

拓海「風紀って…アタシは真逆なんだけどな――クソ、丸くなったのもアイツのせいだ。後でメシ奢らせてやる」ボソ

卯月「すみません、わざわざありがとうございました、拓海さん」

拓海「気にすんな、卯月を助けるためだからな。…んじゃ、コイツは持ってくから――ほら、行くぜ」グイッ

愛海「ヴァイ…」ズルズル

  ガチャン…


清美「……美しい。これが、力ある風紀委員の形……理想なのですね」コクリ

卯月「あのー…清美ちゃん?」オソルオソル

清美「よし、決めました! 私の目標は――拓海さんです!」ビシッ




卯月(……ちひろさんの頭痛の種が増えたような気がする…)

 [おわり]

むしろキャラの定まってない今だからこそできる強引っぷり。

基本的に思いついた事を書いてるので話の内容は運次第です、ええ。


というわけでひとまず休憩。
次回は不明ですが多分13日かもしれません。

次は>>284,285,286です。よろしくお願いします。

の あ

難関が来てしまったか…

そして周子Pおめでとうございます。前回遠目だったから…


あと比奈きらりって誰だー、誰なんだー(棒)

前回分の消し忘れなんです
許してくださいお願いしますなんでもしますから…

>>291
ん? 今何でもするって言ったよね?

じゃあ旅行編書こうか(ゲス顔)

http://i.imgur.com/FqmT6hA.jpg
http://i.imgur.com/PwhcyHD.jpg
吉岡沙紀(17)

http://i.imgur.com/O8SdoOp.jpg
http://i.imgur.com/r3IIIZ5.jpg
神崎蘭子(14)

http://i.imgur.com/hH9owA7.jpg
http://i.imgur.com/Qoz9D7m.jpg
成宮由愛(13)

http://i.imgur.com/827gWGT.jpg
http://i.imgur.com/sz0ffdG.jpg
藤原肇(16)

http://i.imgur.com/GDVEMff.jpg
http://i.imgur.com/uq9ck87.jpg
冴島清美(15)

筋肉痛+同人誌消化で更新はしばらく先かなぁ



 ・ ・ ・

 ――ある日の事務所、昼前

P「ふぅ…」ポキポキ

ちひろ「あら、肩でも凝ってるんですか?」

P「ええ…どこかが凝ってるというよりも、体が動きにくくて…年ですかね」ハァ

ちひろ「年を疑う年齢でも無いのに…まあ、力仕事と頭脳労働、どちらもありますから仕方ないのかもしれませんけどね」

P「栄養剤に頼りすぎるのも体を壊す原因になりますし…難しいですよ」

ちひろ「食事はどうですか? 夏で暑いとあんまり食べなくなったり…」

P「あー…それもありますね。いくらクーラーつけてるとはいえ、やっぱり基本的に暑い感覚がありますから」ハハ

ちひろ「部屋から出たらもう熱気が…って感じですもんね」クス

P「そうですそうです。それでコンビニでご飯を済まそうと思っても、飽きてきましたし…」

ちひろ「あ、じゃあ!」グイッ

P「え、どうしました?」アセ

ちひろ「…コンビニのお弁当に戻るまでの間、よかったら私、プロデューサーさんの分も作ってきましょうか?」

P「いや、そんな…悪いですよ。手間でしょうに」

ちひろ「そんなことないですって、むしろ少なく作るほうが勿体無いぐらいです!」バッ

P「ああ、いや……いいんですか?」

ちひろ「任せて下さい、中身は私の普段のお弁当みたいな感じですけど…」

P「……ええと、じゃあ…お願いしてもいいですか?」

ちひろ「はい、任されました♪ あ、苦手なものとかあったら教えて下さいね!」

P「大体いけるのでお任せします。…すみません、ありがとうございます」

ちひろ「いつも頑張るプロデューサーさんのためですから、全然大丈夫ですよ」クス



P(……天使!)




 ・ ・ ・

 [翌日、昼前]

 カタカタ…

ちひろ(もうお昼…よし)

ちひろ「プロデューサーさん…そ、そろそろお昼にしませんか?」チラ

P「ん、ああ、そういえばもうこんな時間なんですね。そうしますか」カチカチ

ちひろ「はい。……ええと、それで…これどうぞ!」バッ

P「お、これは昨日言ってた…」ウケトリ

ちひろ「はい。気合を入れて作りましたから、味も大丈夫だと思います」

P「そんな、別に俺なんかに気合を入れてもらわなくても充分ですよ」

ちひろ「プロデューサーさんだからこそ、気合を入れたんです!」

P「……え」キョトン

ちひろ「…あ、あの、いえ、そんなふ、深い意味はなくて…!」アセアセ

P「あ、で、ですよねー!」

ちひろ「……」

P「……」

ちひろ・P(気まずい……)

ちひろ「あー…あ、そういえば昨日もアイドルの子が日記書いてましたよ」

P「そうなんですか? じゃ、じゃあご飯を食べながらでも見ましょうか」

ちひろ「ですね、そうしましょうっ」トタトタ

ちひろ(よし、乗り切った!)

P(何とか話をつないだ!)

P「わかりました、では早速最初の子から――」パラ




 魂は、独立しない。
 散り、巡り、そして一度相まみえた時……人は目を合わす。

 かくして繋がったものこそが、高峯のあであり、P。


 でも…それらは単一のものでもないわ。

 私とP、Pとアイドル、Pとプロデューサー。

 そして私とアイドル。


 微かな光はいつしか双光となり、あらゆる試練の末、ただ目指していく。

 それがアイドル。プロデューサーと共に進むべき道……二つにして、たった一つの存在が、P。

 あなたなのではないかしら?



 いずれ、世界は融解する。
 唯一無二の、貴方と私が目指す未来。


 …しかし、単一ではない。
 複雑に、魂は巡りあう。

 それぞれが輝き、大きくなり……幸せとなる。
 アイドルは、それを望む。貴方も同様に望み、それは私も望ませる…。

 でも……貴方は一人。
 輝かせる唯一の魂。


 だから……私は勝ってみせる。

 そのために、ここにいるわ。




ちひろ「これは…どういう意味なんでしょう?」

P「少し難しく書かれてはいますけど……何となくわかります」コク

ちひろ「…やっぱり担当しているだけはありますね」

P「個性が強くてとっつきにくい印象はありますけど…素直な人ですよ、のあさんは」

ちひろ「突如メイド服を着たりするのは…何だか楓さんに似ているような気もしますけどね」

P「はは、お茶目というか…あの雰囲気から来るちょっとした可愛さが話してて面白いですね」

ちひろ「流石ですねー。私にはまだまだ難しいです」

ちひろ(どんなアイドルでもコミュニケーションをこなすプロデューサーは仕事人の鑑だなあ…)

P(ちょっとのあさんの日記が挑戦的過ぎてちひろさんに意味を伝えられない…)

P「慣れれば普通に行けますよ。ちひろさんも積極的にコミュニケーションをとってみたらどうでしょうか――」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 その通り、俺は一人だけだから、ずっとのあさんと一緒に居ることはできません。

 ですけど、それでも少ない時間で最高の気持ちが作れるように、俺も頑張ります。


 思えば、のあさんは初めて会った時からアイドルに対して情熱を持っていましたよね。
 別におかしくはないんですけど、一人でここまできて色々辛い事も合ったんじゃないかと
思います。

 そんな苦しみを俺が解消できたのであれば、プロデューサーとしてこれ以上
嬉しいことはないですね。

 この世界にいる限り、いつかは別れるのだとしても、それまでは楽しくアイドルを
やっていきましょう。
 それが俺の思いです。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

ちひろ「のあさんは一人でこっちに来てたんですよね」

P「ええ。だから、いくら大人といっても、出身の奈良から単身でこっちにきたのは凄い勇気の要ることですし、色々抱えているんだと思います」

ちひろ「ユニットはそのためですか?」

P「……いや、それはのあさんがある時何故か猫耳を付けてたんで、つい」

ちひろ(『つい』で決めたんですか…)




 ◇月○日

 やっほ、シューコだよ。
 前にあずきちゃんに横槍入れてたんだけど、反撃されちった。

 うん、今隣に居る。
 でもそんな大したこと書かないから、見ても意味ないよ?


 それで天気の話でもやろっかなーと話したら、ダメだって言われちった。
 いやいや、日記なんだから。テキトーでいいんじゃない?

 あずきちゃんが言うには、もっと仲良し大作戦、らしいよ。
 確か前の時は別の名前だったような気がするんだけど……気にしたら負けか。


 とはいっても、本当に書けることって少ないよねー。
 お仕事はジュンチョーだし、ファンとの交流もよくしてるし。


 あ、ファンといえば、あたしがアイドルで売れ始めて、実家の和菓子が最近また売れ出したらしいよ。増産、ぞうさーん、って。
 今までより多めに作らないと売り切れる時も出てきたみたい。

 あたし、特にメディアで名前出したことは無いんだけど…まあ、言わなくてもあっちじゃあたしの事知らない人ってあんまりいないし、口コミってこわー。
 ついでに実家の知名度もこわー。

 ま、あたしがアイドルで良かったよ。忙しいの、手伝わなくて済むし。


 ……これぐらいは本音でもいいか。

 正直実家を追い出された時はどうしようかって思ってた。
 京都しか知り合いいないし、その京都も実家の目があるから居られなかったし。

 そんでもってわけのわからん男に出会ってアイドルになって、ステージで喝采を浴びるなんてさ。
 これって三流の携帯小説みたい。ダメ女がイケメンに誘われて勝ち組になるーって話。


 そうだよ、Pさんはそのイケメン。
 実際はダサい所の方が多いけど…あの時みたPさんの顔は、絶対に忘れないよ。

 でも違うのは、出会いは三流でも、エンディングは一流で終えること。
 臭い物語の作者なんかぶっ飛ばして、他の誰でもない、あたしとPさんで一流になんの。

 どう、いい案でしょ?
 名付けて『シューコ・トップアイドル化計画』…なーんて。真似してみたり。



 ありがとね、Pさん。こんなシューコだけど、一生よろしくー♪




P「周子か…初めて会った時が懐かしいな」

ちひろ「地方ロケで京都に行った時にスカウトしたんでしたっけ。いきなり経費の相談が来たのでビックリした記憶があります」

P「まあ…道端で見かけた少女が、家ない、頼る所ない、じゃ見捨てられませんよ」

ちひろ「ご両親との交渉自体はかなり早く済んだのは…やっぱり、親子関係に禍根があったんでしょうね」

P「京都の老舗銘菓店ですから、子の将来に対して色々しがらみがあったんでしょう。周子を引っ張って実家に行って話をしたら、くれてやる、の一言でしたよ」

ちひろ「……でも、今は」

P「ええ。実家に帰るし、普通に会話をこなすぐらいにも回復しましたよ。ご両親からは、俺だけに『まさか本当にアイドルにするなんて』といってましたけど」ハハ

ちひろ「…アイドルって、やっぱり夢ですよね」

P「夢を持っているからこそ、夢を与えられる。周子の気持ちはまだ発展途上ですけど、いずれ大きくなりますよ。本人のやる気十分です」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 作戦大成功、なんてな。
 周子の日記が見れるとは…あずきに感謝しておかないと。


 …はっきりいって、お前との出会いは俺もかなり記憶に残ってるぞ。
 あの時初めて見た周子の瞳は、忘れられないだろうな。


 周子がアイドルになって、道を見つけることが出来た。
 後は、その道をひたすら走るだけだ。

 俺が無理を通してアイドルになったもんだから、周子には多分この先理不尽な事に
出会うかもしれない。
 だが、前以外は気にしなくていい。
 横には仲間がいるし、後ろには俺がいるからな。

 ……絶対に一流になろう。その時を、みんな望んでいるぞ。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

ちひろ「プロデューサーさんって、本当に奇妙な出会い運を持ってますよね。周子ちゃんにしろ、他の子にしろ」

P「これが全部偶然なんですから、縁というのは不思議ですよ、ホント」

ちひろ「まあ、それに振り回される私達の事も考えて欲しいところですけど」

P「…反省しております」ペラ




 ◇月○日、担当は卯月です!


 おはようございます!
 島村卯月です!

 早く書きたかったんですけど、この日記、結構人気でなかなか順番が回って来ませんでした。
 今日、ようやく書けるようになったのでわくわくしながら書いてます!


 さて何の話がしたいかというと、私が所属しているグループユニットのニュージェネレーションの事です!

 みんなも知ってると思うんですが、ニュージェネレーションは凛ちゃん、未央ちゃんと私で結成された、事務所初のグループです!
 確かあの頃はみんな新人で、ファンのみんなを惹き付けるのに苦労していたから、特徴の違う私達でそれぞれ個性を出して牽引力を生み出そう、というのが始まりでした。
 今考えても、落ち着いた凛ちゃんや優しい未央ちゃん、そして元気印の私が組むなんてよく決断したなーって思います。

 だって、同期といっても年齢が違うし、何より出会ったばっかりだから最初は馴染むかなあと心配もしてました。

 実際、初めの頃はよく衝突もして、喧嘩別れもしちゃってたり…。
 頑張ろうって思ってても、中々上手くいかないみたいでした。私、リーダーには向いてなかったみたいです。


 ですが、そんな私達に、レッスンでも仕事でも、プロデューサーさんがずっと付いてきてくれて、何が悪いのか、どう勝負するのかをわかるまで何度も教えてくれたんです。

 きっと、将来はもっと飛躍して、三人でどんどんこの世界で輝くんだと思っていたからこそのプロデューサーさんのやり方だったんだと思います。

 結局、プロデューサーさんの思うとおりにグループは成功して、瞬く間に忙しい日々になりました。
 昔は事務所で喋ったり、学校帰りに待ち合わせして遊んでいた時間も今やスタジオに居る時間のほうが長くなってしまって……色々変わってしまいましたね。

 プロデューサーさんも、新しい人のスカウトのために事務所に数日顔を見せないこともよく見られるようになったり……まだ大人じゃない私も、なんだか巣立ちをした鳥さんの気分になっちゃいました。

 一方プロデューサーさんもその後、どんどん新人さんをスカウトしては成功させ、その傍ら、忙しいはずなのに私達の無駄話にも付き合ってくれて……。


 心の底から本当に私達を思ってくれてるんだと思いました。
 やっぱりプロデューサーさんはすごい人です!

 だから、これからもずっと一緒にいたいって私達、思ってます!
 私も頑張りますから、プロデューサーさんも体を壊さないように頑張って下さいね!


 UZUKI♪




P「自分、涙いいすか…」ウルッ

ちひろ「泣くほどですか…」クス

P「そりゃあもう! あまり伸びなかった最初の頃から見れば、今の事務所は全く別物ですから。それを支えたのはこの三人なんですよね」

ちひろ「まあ、単体で売れないからまとめて売り出す、というのは常套手段ではありますが、まさか全く別タイプのあの三人をまとめるとは私も思いませんでした」

P「正直賭けみたいな所もありましたけど…卯月のひたむきさがあってよくまとまったと思います」

ちひろ「当時の凛ちゃんは一人でやろうとするし、未央ちゃんはどこかフラフラしてましたからね」

P「卯月も負けずによく頑張ってくれたと思います――」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 卯月との仲も、もう大分長くなったな。
 あの時の会話も、なんだか遠い昔のように思えるよ。


 正直、卯月にはなかなか難しい立場を任せてしまったと申し訳なく思ってる。
 二人とも実力はあるのにどこかクセがあって、あの時は反りが合わなかった部分も
多かったからな。

 あそこから成功させられたのは、やっぱり卯月の気持ちのおかげだろうな。

 ニュージェネレーションが居なければ、今の後輩たちもきっといなかったの
だから、卯月たちには本当に感謝しているよ。

 こちらこそ、これからもよろしく頼む。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

ちひろ「リーダーは苦手といってますけど、今の彼女たちを見ると適正が見えてきますよね」

P「はい、凛や未央、グループだけでなく後輩からも慕われる、いい先輩ですよ」

ちひろ「……まあ、約一名だけは例外ですが」

P「いや、彼女も一応尊敬はしてるんですよ? ただ手段が残念なだけであって……」

ちひろ「表現方法が間違ってるって、悲しいことです」




 ・ ・ ・

 ――のあの日記、その後

 [事務所]

 ガチャ

P「只今戻りました――」キィ

のあ「……おかえりなさい」ボソ

P「」ビクッ

のあ「お茶は用意してあるわ。……望みは知っている」カツカツ

P(ドアを開けたら目の前にメイドのあさんが居た)

P「……あの」スタスタ

のあ「なにかしら」ピタッ

P「もうメイド服の撮影は終わったんですが」

のあ「知ってるわ。でも、偶像を練ること……偶像が偶像を作り出すこと、それらは歩むべき道……私と、貴方にとっての。……そうでしょう?」クルッ

P「まあそうですけど……もしかして気に入ってます?」

のあ「そうね。…貴方が私に感じている思いぐらいには……私もまた、そうよ」

P「……つまり、大好きなんだな」

のあ「……ソファに座りなさい。貴方の言葉のために、…今は懐いてあげるわ」プイッ

P「あ、ああ……ありがとう」

P(テーブルの茶菓子がいつの間にかボリュームアップしてる…)

 [おわり]




 ・ ・ ・

 ――周子の日記、その後


 [収録スタジオ、休憩中]

 スタジオセットハイリマース

周子「疲れたわーんっ」トコトコ

P「お疲れ。難しいベテラン相手によく頑張ってるぞ」

周子「ねー、ホントあたしがこの場に居ていいのかと思っちゃうね」フリ

P「それは大丈夫だ。周子の適応力はピカイチだからな」

周子「…言い過ぎだと思うけどなー」

P「そうか?」

周子「だってあたしだよ? やるときゃやるーって言うけど、元々のあたしはそんなゆーのーじゃないって」

P「だが有能だからこそ、今そこに居るんだ。…卑屈になるなよ」ポン

周子「…ちぇー、逃げ道塞がれちゃったかな」プイ

P「逃げるのはオフの時だけな。遊びなら、俺も付き合うからさ」

周子「うわー、アイドルをオフに誘うなんて芸能界の闇を見た気がする」

P「誤解されること言うなっての…」

周子「へへ、じょーだんじょーだん。…ありがとね、また次遊びに行こっか」

P「おう。アイドルの疲れを取るのもプロデューサーの役目だからな」

周子「…なんだかなあ」

P「どうかしたか?」

周子「べっつにー……」

 セットオワリマシター! モウスグハジメマース!

周子「っと、そろそろ再開か。じゃ、行ってくるよ。そこで見てる?」

P「勿論。…周子の最高の仕事をここから眺めているからな」

周子「上げてくるねー……ま、あたしなりに頑張るしかないか」

P「頑張ったらオフがもっと楽しくなるかもな」

周子「…そう言われちゃ期待しちゃうね。いってきます!」

 タッタッタ…

P「…財布の中身を確認しておこう」オズオズ

 [おわり]

久しぶりですが、相変わらず最高ですっ☆
しかし、
ひとつだけ……卯月はUDUKIだと思うのであります。
UZUKIだと、うずき→疼きになってしまうのであります。



 ・ ・ ・

 ――卯月の日記、その後

 [事務所]

 カタカタ…

卯月「ぷーろでゅーさーさん♪」ピョコ

P「どうしたー?」カタカタ

卯月「あ、仕事中でした…ごめんなさい」ペコ

P「ん、何か話があるなら中断するぞ?」ピタッ

卯月「…いいんですか?」

P「まあ、事務は後でも何とかなるしな。それに、卯月との話だから」

卯月「プロデューサーさん……ありがとうございます。じゃあ……凛ちゃん、未央ちゃん!」

未央「やーやーお仕事お疲れ様っ!」ピョコ

凛「終わってからの方が良かったんじゃない……まあ、プロデューサーがそう言うならいいんだけどさ」

P「あれ、なんで皆が……今日の昼からの仕事があったはずじゃ」

未央「えっへへ、今日のために頑張ってリテイクゼロにしたよっ☆」

卯月「うん、私達頑張ったもんね!」

P「それは凄いな…でも、今日は何かあったっけ?」クビカシゲ

凛「…全く。プロデューサーはもう少し昔を覚えたほうがいいよ」ハァ

未央「ホントだよ、私達とプロデューサーの記念日だってのにさー!」

P「三人と記念日――って、ああ!」

卯月「あ、思い出しましたね! じゃあ…せーのっ」スゥ

三人「いつもありがとう、プロデューサー!」


公式がUZUKIって表記しちゃってるからなあ
それを言ったら輝子はSHOKOのはずだし



P「皆…まさかそれのために?」

未央「そうだよん! はい、プロデューサーっ。辛い仕事にオススメ甘い物だよ☆」

P「おお、ケーキにクッキーに…色々あるな」

卯月「かな子ちゃんにお手伝いしてもらったんです!」バッ

凛「元々何かしようとは思ってたけど、卯月が何かプレゼントをしたいって行ってね。一応バレンタインにもあげたけど、プロデューサーは甘いの大丈夫だったよね」ハイ

未央「ふっふー、しぶりんったらー作りながら心配しまくってたくせにー!」ニヤ

凛「してないから、してないから」プイ

P「…そうか、皆ありがとう。卯月も、仕事で忙しいのに時間を作ってくれてありがとうな」

卯月「いえ、いいんですよ。プロデューサーさんは、私達がお礼を言っても大したことないってよく言いますけど、本当に助かってるんです」

未央「ま、私達の出発点だもんね☆」

凛「卯月も、言い出してくれて…感謝してるよ。じゃあ、食べよっか」

P「そうだな――と。言い忘れてた」スクッ

卯月「え、なんでしょうか?」

 スゥ…

P「――三人とも。これからもよろしく頼むぞ」ニコ

凛「……」ドキ

未央「……わあ」

卯月「…はい! よろしくお願いします!」ニコ

 [おわり]


イイハナシダナー(´;ω;`)

周子Pです。
日記の最後の「一生よろしくー♪」が
何気に本気な辺りが実に素敵です。
親父さんからくれてやられた責任は果たせねば。

公式そうだっけ!?
しまむらさん好きだけど、気がついてなかった……スマヌ。

UDUKIだと、うどぅきと読んでしまうから、仕方ないね

おひさしぶりどすえ。
普通の紙袋二つ分を買い回って「これって普通だよね」と言い聞かせてます。片方破れかけました。
そして置く所がないので150冊程漫画を売りに行ってすっきりです。

>>304
ご心配をおかけしました…

>>316,>>318
英字表記に関してはもう何も言うまい。運営だから…
ただ親愛MAX演出の時ぐらいは名前と枠を消して下さい、オナシャス!


そういう訳でもう夏休み中盤。
次は>>325,>>326,>>327でお願いします。

コミケ終わって気分が変化。遅くなるかもしれません。

今こそ――傷ついた悪姫降臨の刻!
(蘭子ちゃんお願いします♪)

聖來さん

アーニャ

Co率高いなぁ

第二と第三の難関が一気に来たぞ……一体どうなる

>>320
こういうユニットに関連するあれこれな妄想、大好きです。
個人的にはNGとトラプリの間で揺れ動く凛とか。

>>321
こんこーん。
周子らしさが出てれば幸いです。

そして責任は果たすように(真顔)

>>322
正直気づいてなくても問題ないレベル。悪いのはちひろだよ!(転嫁)

>>323
某車メーカーの発音で。

>>329
Coだからね、仕方ないね(ニッコリ



 ――ある日の事務所、朝


P「ふわぁ……眠いな」ノビー

ちひろ「ずっと仕事が続いてますからね……ちゃんと眠れてますか?」

P「一応、って感じです。でもたまに夜中に起きてしまってもう眠くて眠くて…」

ちひろ「夏あるあるですね」

P「全く、もう少し涼しくなってくれてもいいと思うんですが――ん?」ゴソ

ちひろ「どうしました?」

P「いや、何か見たこと無い封筒が……って、この文字は」パサッ

ちひろ「なになに……『選ばれし筆記者の集う書と共に、束の間の安寧に身を投じよ』?」

P「…きっと蘭子だよな」ウン

ちひろ「多分そうだと思います。中身は何があるんですか?」

P「まあ、何か癒されるグッズでも――いや、これはクッキー?」

ちひろ「あら、きれいに包装されたクッキーが二つ…」

P「……ああ、なるほど。はい、ちひろさんにもあげます」

ちひろ「いいんですか?」

P「二つなのはそういう意味なんでしょう。その間に日記取ってきますね」スタスタ

ちひろ「日記……というと、この封筒の文字は」

P「合っていれば、ですけどね。じゃあ、眠気覚ましがてら、日記でも読みましょうか――」パラ




 ○月∴日

 …ええと、その、食べて……くれた?
 ちゃんと作ったから……その、美味しいと思う。


 いきなりでごめんなさい。
 でも、凛さん達がプロデューサーに上げてるのを見て…真似してみたんです。

 ありがとうって言うのは、私もだから。



 いつもわがままでごめんなさい。
 あと、願いを叶えてくれて、ありがとう、です。



 ……フ、ククク。
 我が日記に宿りし魂に打ち震えるがいい、プロヴァンスの風よ。
 遥か古より続く伝説の系譜に、共に刻もうではないか!

 我が下僕たるPの力があれば、この世を制することなど容易いのだ。

 さあ、永久に続けなさい、この宴を!


(以下、何か凄い絵)




ちひろ「下半分は何か凄そうな絵で埋められてますけど、あれ、ちょっと思ってたのと違うような…」

P「いや、流石に大阪人が日記も大阪弁で書かないのと同様に、蘭子も熊本弁で全部書く訳じゃないですよ。絵は流石ですけど」

ちひろ「……じゃあ、どうして蘭子ちゃんは喋る時はあんな感じに?」

P「喋る時、というと語弊がありますね。アイツもライブ後とか撮影後とか、テンションが上がってくると結構素が出ますから」

ちひろ「…私はそういうの全然見ないんですが」

P「現場に居合わせませんからね。……結局、蘭子も恥ずかしがり屋なんですよ。それをああいった言葉を纏う事で表現してるんです」

ちひろ(いや、それって……)

P「まあ、ああいうのも悪く無いと思いますよ。強すぎる個性は将来性を確保するのに少し苦労しますが、ないぐらいならある方が絶対に良いですから」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 やっぱり蘭子のクッキーだったか。
 チョコの味がしっかりしてて美味しかったぞ。

 あと、心配してくれてありがとう。今は忙しいが、それももうすぐ終わりだから。
 休みになればまたお礼をさせてくれ。まあ、期待しててくれると嬉しい。


 …それ以前に、アイドル達に心配されちゃ駄目だよな。気をつけないと。


 あと、これからも続けていくのは俺の願いでもあるぞ。
 目指せ世界征服…なんてな。一緒に頑張ろう。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

P「まあ、最初に会った時は結構驚きましたけどね」

ちひろ「確か蘭子ちゃんもスカウトでしたよね?」

P「ええ。何だか凄いオーラを感じたので話しかけたら、とんでも無い目に遭いました」ハハ

ちひろ「それがここまで来るんですから、まあ、なんというか」

P「本人たちの努力があってこそ、ですよ――」パラ




 ○月∴日

 聖來だよー。
 他の人に任せておけばいいや、って思ってたけど、誘われたら書くしかないか。
 実はちょっと書くのを楽しみにしてたし。


 でも、なんかこういうのって恥ずかしいよね。
 自分を見せるのは、テレビで慣れてるはずなのに……アタシもまだまだってことかな。



 書くのはもちろんわんこの事。
 聞いてよ、うちのったら大きくなってますます元気になっちゃって。

 この前Pさんと一緒に散歩した時も、わんこがぐいぐい引っ張って大変だったよね。
 今使ってるリードだと千切れそうで結構怖いんだ。太い物にかえようかな?

 いや、それでもPさんは普通に散歩できてたような……うーん、わんこの力に負けそうなのはアタシか。
 アイドルも頑張らないといけないけど、わんこのしつけも大事かも。
 ほら、どうせなら芸もたくさんさせたいじゃない?

 おすわりとかお手とか伏せとかはできるんだけど……せめて、ダブルアクセルくらいは、ね?
 だって楽しそうじゃない、一緒に踊れたら……って。


 元々ダンスは好きだからね。踊れるならいつまでも踊っていたいくらいだよ。
 だからPさんも、ダンス習ってみる?

 いつも忙しそうだけど、ダンスは運動になって、気分転換にもなるからオススメだよ。
 アタシも、Pさんとダンスができたら楽しそうだし。


 あ、わんこも一緒にね。


 セイラでしたー。




P「一応ウチの事務所の中ではクセのない、やりやすい子ですね、聖來は」

ちひろ「…それは自虐ですか?」

P「……まあ、否定はしません」

ちひろ「それにしても聖來さんは、思わずちゃん付けしてしまいたくなるほど若いですよね」

P「ええ、最初履歴書を見た時、一瞬年齢を疑いましたよ」

ちひろ「同じ女性として羨ましく思います……」

P「本人も特にそういった行動は意識してないらしいんですが、なんなんですかね、聖來は無意識にいい意味で子供っぽいというか…」

ちひろ「無邪気、という感じですか?」

P「ああ、それです、それ。大人らしく落ち着いていながらも、目の前の仕事をはしゃぐように楽しんでいる。プロデュースしがいのある子ですよ」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 聖來か、日記はどうだ?
 色んな人が色んな思いを好きなだけ書けるなんて、面白いと思うぞ。
 まあ、恥ずかしさなんてのは誰にでもあるさ。
 例え知らぬ人はない有名人であってもな。

 大事なのはそういう気持ちもはっきりと表せて武器にすることだ。
 ダンスができる聖來なら、それもできるはずだぞ。


 あと、ダンスは俺には無理だって。
 この前一緒にやった時があったが、その後ずっと筋肉痛になったんだぞ…。

 いくら外を走り回っているとはいえ、ダンスは全身の筋肉を使うからな、それを
楽しそうにやれている聖來は凄いと思うよ。

 ……でもまあ、聖來と踊るのは楽しかったから、吝かではないぞ。
 また時間があるなら誘ってくれ。勿論優しくな!

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

ちひろ「うーん、Pさんのダンス姿…想像がつかないです」

P「恥ずかしいので想像しないで下さい。ボロボロだったんですから…」ハァ

ちひろ(それはすぐに想像できますけどね)

P「俺も仕事以外で筋トレでもした方がいいのかなあ……まあ、その時は聖來の家の犬でも借りて散歩でもするか」

ちひろ「……ところで、どうして犬の名前が決まってないんでしょう?」

P「一生の謎です、ええ」パラ




 ○月∴日です。


 アーニャです。
 みなさん、たくさんかいてて、とてもすばらしいです。

 もちろん、私もかけますが……やっぱり、ぜんぶ、むずかしいですね。
 きくことはけっこうできます。でも、漢字はまだまだです。

 みなさんの日記よみたいですが、よめない漢字もあってくろうしていると、Fueifuei…やおさんが来て、おしえてくれました。
 やっぱり、元々漢字をつかう人は、日本語もすぐよめるみたいです。
 うらやましいですね。

 そうしたら、他のみなさんも来て、わからなければおしえてくれる、と言いました。
 やっぱりみなさん、やさしいですね。
 私も、みなさんがこまっていたら助けたいと思います。


 アイドルは、きぼうです。
 だから、私はかがやきたい、そう思います。

 いつか、みなさんと…プロデューサーといっしょに、ちょうてんに立てたらさいこうですね。
 そのためには、プロデューサー、あなたがひつようです。

 Они меня и вы о наивысшем времени!

 できたらいいですね、プロデューサー?




ちひろ「アーニャちゃんも大分文章がうまくなりましたよね」

P「そうですね。元々日本寄りのハーフなので喋るのはできても、最初は読み書きが少し苦手でしたから」

ちひろ「ですが、やはり難関は漢字ですか」

P「まあ…普段使ってる俺達は普通でも、アーニャにとっちゃ難しいかもしれませんね」

ちひろ「……外国人アイドルのバックアップ体制、もっとしっかりしたほうがいいんじゃないですかね」

P「魅力的な人材が居たらスカウトする……当然でしょう?」キリッ

ちひろ「のあさんの真似しないで下さい、気持ち悪いです」

P「冗談はさておき、少なくても居るので聞き取りしてそこらへんのサポートもしっかりやらないといけないですね」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 アーニャの文字、かわいくて好きだぞ。
 とてもいっしょうけんめい書いてるのがわかるからな。

 日本に長くすんでても、まだ日本語を書くのはむずかしいか?
 でも安心してくれ、近くに居たら、だれでもアーニャを助けてくれるから。

 もちろん俺もだ。

 まあ、みそ汁が好きなアーニャなら大丈夫だとは思うが、もしじむしょの事で
へんに感じることがあったら、伝えてくれよ?

 夢は大きく、トップアイドルだな。
 皆といっしょにがんばろう!

 アーニャをこれからもおうえんしているぞ。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

ちひろ「…触れてませんけど、最後のロシア語は何て書いているんですか?」

P「いや、それが俺にも……まあ、今度調べておきます」

ちひろ「めずらしいですね、こうロシア語で書くのは」

P「お茶目、ということにでもしておきますよ」



 ・ ・ ・

 ――蘭子の日記、その後

 [事務所]

 シーン…

蘭子「……」ペラ

P「……何見てるんだ?」

蘭子「ひゃあ、プ、プロデューサー!?」ガタッ!

P「お、おう、そうだけど…そんなに驚くことか?」

蘭子「――ふ、クフフ、我の背後を取るとは賢しいな…流石だ(急に話しかけないで下さいよ!)」

P「いや、すまんすまん。絵を描いてるかと思ったら、何か雑誌を読んでるように見えてな」

蘭子「戯れを。我が糧にならぬ物を取り込む道理はない(そういうのはあまり興味ないので…)」

P「……ん、でもその雑誌、お菓子のレシピ本じゃ――」

蘭子「わ、わあああああ!!」バタバタッ!

P「…大丈夫か?」キョトン

蘭子「げ、下僕よ……その"瞳"は力を持ちすぎる。封印を強めよ(なんでわかっちゃうんですかー!)」

P「いや、この前お菓子作ってくれただろ? もしかして、また作ってくれるのかなって思ってな。自意識過剰か」

蘭子「それは……あ、あう…」モジ

P「どうした?」

蘭子「ぷ、ぷろでゅーさーは……また、欲しい?」

P「蘭子の無理しない範囲でなら是非また食べたいな。美味しかったし」ニコ

蘭子「そ、そう……。く、ククッ。血がたぎるぞ、下僕よ! 我が身を撫でる風はやってくる、必ず!(わかりました、また作ります、絶対!)」グイッ

P「うおっ……ああ、ありがとうな。でも仕事優先だぞ、いいな?」

蘭子「我が身を誰だと心得る。……ふむ、サバトの時は近い(大丈夫ですよ。……あ、今日は早めに帰りますね)」

P「そうか、送ろうか?」

蘭子「我が力を見くびるな。世を制する器ぞ。いざ、闇のままに!(いえ、一人で帰ります。ではお疲れ様でした!)」パタパタ

P「ああ、気をつけて帰れよー?」

 ガチャン!


P「……安心なはずなのに、どこか物々しいのは何故だろうか…」

 [おわり]



 ・ ・ ・

 ――聖來の日記、その後

 [レッスンルーム・レッスン終了後]

 オツカレサマデシター!
          ガヤガヤ

P「お、丁度終わったところか」ガチャ

聖來「――あ、Pさん。どうかした?」クルッ

P「聖來か……お疲れ様。今日は俺が年少組を送る担当でな」

聖來「あー、そっか。Pさんは大変だね」

P「まあ、それでも皆と話せる貴重な時間だからな、悪くないさ」

聖來「やるね、Pさん。そういう所が格好いいんだよっ」ウリウリ

P「格好いいって…また俺に似合わない言葉を」

聖來「ううん、似合ってるよ。それはきっとみんな思ってる」

P「嬉しい事言ってくれるなあ…俺も頑張らないと」

聖來「その調子っ。でも、頑張りすぎて筋肉痛にならないようにね」

P「はは、そうならないように聖來にダンスでも習おうかな?」

聖來「……いいよ?」

P「え?」

聖來「トレーナーさーん、練習着大きいサイズ余ってたっけー?」

 アマッテマスヨー

聖來「だってさ。……じゃ、やろうか」

P「え、ちょ、今から!?」

聖來「どうせみんな着替え終わるの時間かかるしさ。丁度いいじゃんっ」

都「おやおやー? 何か事件の香りがしますねー」ヒョイ

P「いや、別に事件とかじゃ――」

聖來「ふふ、事件かもね。Pさん、アイドルに転身! とか」

都「むむ、それは本当ですか!? これは大事件です、皆に知らせなければ!」タタタタ

P「ないって……言ってるのに」クスン




トレーナー「はい、プロデューサーさん。これどうぞ」ニコニコ

P「しかもトレーナーさんまでノリに付き合わないでくださいよー!」

周子「えー、Pさんがダンスやるって…うわー、ちょっと見たいかも」トタトタ

千枝「プロデューサーさんが踊る……格好いいんだろうなあ」パアア

 ガヤガヤ…

P「ああ、どんどん外堀が埋まっていく……」ズーン

聖來「ほらほら、今すぐ着替える! ……何ならアタシが着替えさせてもいいよ?」ポンポン

P「……帰りに湿布を買って帰ろう」ハァ

 [おわり]



 ・ ・ ・

 ――アーニャの日記、その後

 [事務所近くのスーパー]

 ガヤガヤ

P「今日は営業が上手く言ったから早く終わったな……今回は少し豪華な昼ごはんでもするか」トコトコ

アーニャ「……ん、プロデューサー?」

P「あれ、アーニャ? 朝の撮影はどうした?」

アーニャ「ダー、上手くいきました。私、アイドルですから」

P「……はは、なるほど。で、アーニャも昼ごはんか」

アーニャ「です。美味しい料理、食べたいので。リュービーマヤブリューデ……好きな、料理、教えてください」

P「俺のか? うーん、やっぱり普通に定食かなあ。鯖の味噌煮とか好きだし」

アーニャ「定食……いろんなもの、ありますね」

P「それがいいんだよ。味噌汁もついてるしな」ハハ

アーニャ「味噌汁、好きですか?」

P「勿論。毎日欲しいぐらいだ」

アーニャ「パーリャン……同じ、ですね。私達」

P「そうか、そういえばアーニャも好きだったか」

アーニャ「ダー、それじゃ、昼ごはんは味噌汁にしましょう。プロデューサー、行きますよ」カツカツ

P「お、おう。そうだな」トコトコ




P(いや、味噌汁だけじゃ昼ごはんにはならないだろう……)

 [おわり]

熊本弁、これでいいのかどうかは知らないけど普通に言葉が出てきて草不可避。
現役中二病だから仕方ないね。


あとアーニャは設定的に、普通に読み書き出来ると思います。でもそうしない。
その方がイイから。


うむ。


それと突然ですがご報告。
冬コミの準備のために忙しくなるので、投下にスロウかけます。永続性の。

ノリで応募しちゃったんだから仕方ない。仕方ないんだ。

というわけで一応安価は少ないですが飛ばしておきます。更新はだいぶさきになりそうですけど。
次は>>347,>>348です。
まあ、大体の見ている人のリクエストは叶えたから、もうこのスレも役目を果たしたでしょう(適当)

本田さん

松原さん

ついにNG揃ったか

今日はかなり静かな安価だったね(ニッコリ

>>350
そういえば。まあ、凛は安価じゃなかったんですけども。
それにしても、やはりちゃんみおは最後なのか……

http://i.imgur.com/I5sCJCa.jpg
http://i.imgur.com/YT2eMxo.jpg
水木聖來(23)

http://i.imgur.com/056vTvQ.jpg
http://i.imgur.com/PpmzVRx.jpg
アナスタシア(15)




 ――ある日の事務所

P「ふぅ…やっぱり事務所は落ち着きますねー

ちひろ「事務所は家じゃないですよ。でもまあ、プロデューサーさんはここが家みたいになってますよね」

P「嬉しいような悲しいような……」トホホ

ちひろ「そういえば、この前の撮影はどうでした?」

P「ああ、未央のやつですか」

ちひろ「ええ。未央ちゃん、かなりうきうきしてましたけど」

P「初めはバカンスだって言われてなんだそりゃって思いましたけど、仕事で安心しましたよ」ハハ

ちひろ「ニュージェネレーション組も付き添いでいってましたしね」

P「別の場所で水着撮影してるアイドルもいましたから、この夏はもう海はいいです…」

ちひろ「……でも水着姿はよかったですよね?」

P「さ、さー久しぶりに日記でも見るかな―ぱらぱらっ」ガサ

ちひろ(逃げたな……)



 ○月は夏びより!

 やっほー! スーパーアイドル、未央ちゃんだぜー!
 しぶりんもうづきんも先に書いちゃってー、寂しかったんだからー!

 って、私のキャラじゃないかっ。


 ところで、みんなに聞いて欲しい話があるんだー♪
 この前プロデューサーさんとヒミツのデート、しちゃいましたー!


 どう、気になる?気になる?
 気になっちゃうんでしょー!

 一緒に遊んだり海の家で焼きそばを分けあったり、夜は二人で海辺に寄り添ってさ、「一生お前だけを見ているよ」だなんていっちゃってプロデューサーさんったらー!



 ……うん、ごめん。ウソです。仕事ですよー。
 でも海に行ったのはホントだからね!
 しぶりんとうづきんと一緒に行ったんだよー?

 拓海さんとか留美さんとかは先に海でライブやったらしいし、羨ましかったけど、これで帳消しにしてあげる☆

 欲を言えばもっと三泊四日ぐらいで遊びたかったけどね。次は期待してるよ、プロデューサー?



ちひろ「あら、可愛らしい」

P「この仕事自体、未央から営業かけて手に入れた契約なんですよね」

ちひろ「あー、なんだそりゃ、ってさっきいってましたもんね」

P「どうも俺が忙しくて倒れるんじゃないかってことで、旅行がてらにとってきたらしいです」

ちひろ「未央ちゃんらしいですよね、誰かを想ってどんどん前に進むのって」

P「ええ、一見突拍子もないように見えても、実はちゃんとした理由がある、思いやりがある……アイドルだけじゃなくて、人としてよく出来た子です――」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 未央がとうとうおでまし、ってところか。

 アイドルに心配かけさせて悪いことをしたと思っているよ。
 でも俺だってまだまだ仕事出来るんだからな? そんなに心配しなくても大丈夫だぞ。

 その妄想はさておき、別途ホワイトボードに旅行の日程貼りだしてるから、よかったら未央も
 来てくれよな。未央が居ればもっと楽しくなるだろうからさ。


 …というか、そういう妄想は以後心のなかに留めておくように。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

ちひろ「ニュージェネレーション組も古参ですし、プロデューサーさんと未央ちゃんも仲が良くて羨ましいです」

P「……ちひろさんも俺と旅行行きたいんですか?」

ちひろ「ち、ちが、そういう意味じゃないです! まあ行きたいですけど!」

P(どっちだ)

P「まあ今度の旅行はちひろさんも参加できますし、もし行けるなら向こうでゆっくりしましょうね」

ちひろ「え、あ、そうですね…ゆっくりしたいです」

ちひろ(わざとなのか、素なのか…)ハァ

P「じゃあ、次行きますね」パラッ




 ○月〒日

 こんにちはぁ、さやでーすっ。
 Pさんに見惚れられて、今日もアイドルやってますぅ☆

 前に居た時よりもずっとずぅっと楽しいお仕事いっぱいでぇ、すっごく幸せですぅ!
 そんな早耶にしてくれたPさんにはぁ、いっぱいハート、あげちゃいますよぉ♪


 思い返せば、色々あったよねぇ。
 そう、Pさんと初めて出会ったのはライブバトルの時!

 相手は凛ちゃんだったかなぁ。
 いい勝負してたと思うんだけどぉ、なんだかあの時の凛ちゃん、きらきらってしてたんですぅ!
 もちろん、早耶もあの頃から頑張ってたけどぉ……まぶしかったですぅ。

 で、あのきらきらしてた凛ちゃんの傍に居たのがPさんだってわかってぇ…一緒に喜んでる所を見た時、ハート、もってかれちゃったんですぅ!
 あれはもう早耶についてきてくれって言ってるのと同じですので、ついていくことにしたんですぅ。

 結局、あの時Pさんに出会えてよかったって思いますぅ。
 だって早耶、あの時よりもずっとずぅっとかわいくなれたんだもんっ♪

 Pさんはみんなのプロデューサーだから難しいかもしれないですけどぉ、早耶、Pさんにハート受け取ってもらえるように頑張りますよぉ☆
 目指せめろめろ、ハートアタック♪


 早耶でしたぁ♪




ちひろ「……プロデューサーさん?」ジト

P「誤解です。もう五回以上思ってそうですけど誤解です」

ちひろ「わかってますよ……何度目なんですか、というよりも彼女で何人目ですか」

P「何人目なんでしょうね…いや、向こうから付いてきたのはみくが初めてだったかと」

ちひろ(ホントにアイドルとしてついてきてくれてるんですよね、みんな……?)

P「ためらったんですけど、無理にでもついてくるっていうんでスカウトしましたけど…まあ、ポテンシャルは中々ありますね」

ちひろ「あからさまな『かわいい』がありますからね、早耶ちゃんは」

P「声も動きも無くても、単純にそういった可愛さを打ち出せる早耶は、イメージガールに適してますよ――」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 見惚れられて、というか早耶が付いてきたんだと思うが……まあ、実際そういう
形になったとはいえ、早耶をスカウトできてよかったと思ってるよ。

 もう早耶が来て結構時間もたつんだな……なんだかあの時が懐かしく思えてくるよ。

 ハートはとっくに痛いほど受け取ってるけど、早耶のハートはまだまだ大きくなれる。
 これからもみんなに振りまいてやってくれ。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

ちひろ「あのー……すっごく今更なんですけど、聞いてもいいですか?」

P「突然ですね…どうしました?」

ちひろ「プロデューサーさん、この事務所に居辛くないですか?」

P「居辛い訳ありませんよ。みんなよく頑張ってくれてるし、こんな俺も慕ってくれてますから」

ちひろ「あ、あー……ですよね」

ちひろ(その慕い方が……もう何も言うまい)

P「いい立場で働かせてもらってますよ。じゃあ次は――」ペラ




 ○月〒日

 こんにちは~。あいりです。
 みんな色々書いてあって楽しいですね、交換日記って。
 なにより、Pさんから返信がくるというのが面白いですっ。

 Pさんは優しいから、もしプロデューサーじゃなかったら学校の先生になってたと思いますよ……って、プロデューサーじゃなかったら私、アイドルになれないんですね。
 あ、でもPさんの事だから、なんだかんだで私とPさんは出会っているんじゃないのかなって、私、思います。


 だって、私をシンデレラガールにしてくれたPさんですからっ。


 時間は少しかかりましたけど、魔法が私にかかるまでは十分でしたね。
 あの舞台で私が一番になって、きらきら輝いて、みんなの注目を浴びて……夢の様な時間でした!

 それからは今まで以上にどんどん仕事が増えてしまって、毎日が忙しいですねっ。
 Pさんもそうなんじゃないんでしょうか?

 今の時期はとっても暑いですから、エアコンを強めにしてPさんのこと、待ってますね。


 あと、いつも大変なPさんのために、実はケーキを作ってきましたっ!
 番組の企画で作る練習をしていたものなんですが……よかったら、冷蔵庫を見てくださいね。
 ちひろさんも一緒にどうぞ。


 あ、他のみんなは食べちゃだめだよ!




P「冷蔵庫……?」

ちひろ「ええと……あ、ありましたよ」ヒョイ

P「おお、ホントだ。ご丁寧にメモ紙まで置いてくれてますね」

ちひろ「なになに……『いつもありがとうございますっ』ですって、ふふ」

P「愛梨はおっとりしてるマイペースな子ですけど、その実よく周りが見えてるんですよね」

ちひろ「服を脱ぐクセだけは何とかしてほしいものですけど…ケーキおいし」モグ

P「天然っぷりは当初から全くかわらず、ですが……あはは」

ちひろ「愛梨ちゃんらしいといえばそういう風に思えてしまうのが恐ろしい所です」

P「なんなんでしょうかね。一緒にいて緊張しない、アイドルなんだけどおっとりしているせいでどこか壁を感じさせない雰囲気があるのはそのせいなんでしょうか」

ちひろ「警戒感がないと?」

P「言うなればそうですよね。愛梨もそこだけは気をつけてもらわないといけないんですけど――」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 確かに、みんなそれぞれ思い思いの事を書いていて楽しいよな。
 俺もみんなのいつも思ってることや考えてることが知れて楽しいよ。

 俺からの返信はせめてものお礼と思ってくれ。


 最近は節電節電と言われてはいるが、例年より暑いからな、エアコンを
強めにしてくれて助かってるよ。
 まあ、そのおかげで愛梨も下手に脱がなくて助かるっちゃ助かるんだけどな。

 あとわかってはいると思うが、服を脱ぐ時はちゃんと周りを見ること。
 愛梨の体は二つとないんだから、気をつけてくれよな。


 あ、それとケーキ、食べさせてもらったよ。メッセージのおかげか、
 いつも以上に美味しく感じたよ。
 これも愛梨の魔法なのかもしれないな。

 幸せの魔法を、これからもみんなにかけてあげていこう。

 俺も、これからもずっと手伝うからな。


――――――――――――――――――――――――――――――――

P「甘い物って結構苦手なんですけど、このケーキはおいしいですね」モグモグ

ちひろ「男性って甘い物苦手な人多いですからね。愛梨ちゃんもわかってたんですね」モグ

P「ですね。結構前なんですが、ケーキを食べた時にそんな話をした記憶があります」モグ

ちひろ「忙しくても時折作ってくれるのは優しさの証、ですよね?」

P「ですね。あんな昔の話をまだ覚えててくれるなんて……天然っぽくても、案外ちゃんとわかってるもんです」

ちひろ(……やっぱり)ハア




 ・ ・ ・

 ――未央の日記、その後

 [事務所]


P「ただいま……って、何してんだ未央」

未央「やーやーおーかえりー。ソファで優雅なひと時を楽しんでいたのだよ」

P「ソファに寝転んで雑誌を読むのを優雅とは言わないぞ」

未央「まーまーそういいじゃないか。そんな細かいことを言うプロデューサーにはこうだっ!」グイッ!

P「うわ、ちょ、未央っ!?」バタッ

未央「へへー、これでプロデューサーさんもソファで優雅なひと時を楽しむのだ☆」ダキッ

P「み、未央……これはまずいって!」

未央「……どうせまた仕事しにでかけるとかそんなんなんでしょ」

P「…未央?」

未央「休んでない、全っ然休んでない。それじゃプロデューサーさん、倒れちゃうよ」

P「……心配し過ぎだっての」

未央「というわけで私の太陽パワーで体力を注入するからっ!」ダキッ

P(ち、近っ……!)ググ

未央「……ま、冗談だよ」パッ

P「うおわっ」ポスン

未央「でも心配してるのはホントだよ、私もみんなもね。だからちょっとくらい休んでいったら?」

P(未央……)

P「……スーツ掛けてくるよ」スタッ

未央「へへ、じゃあ私は飲み物取ってくるね、うんと甘いヤツっ!」

 [おわり]



 ・ ・ ・

 ――早耶の日記、その後

 [撮影スタジオ]

 オツカレサマデース

美里「お疲れ様でぇす」

早耶「お疲れ様ですぅ☆」

P「お疲れ、二人とも可愛かったぞ」

早耶「えへ、Pさんにそう言ってもらえて嬉しいですぅ」

美里「確かに、決まってたもんねぇ」

早耶「そぉですかぁ? 美里ちゃんが言うなら本当ですぅ」

P「おいおい、俺じゃ信用できないのか?」

早耶「だって……オンナノコの可愛さは」

美里「オンナノコが決めるのよぉ」

美里、早耶「いえーいっ☆」

P「はは、なるほどな。可愛さは男女でも違うんだったな」

早耶「……でも、オンナノコがみんな喜ぶ魔法は、オンナノコにはかけられないの」

美里「私たち、みんなかけられてるからねぇ」

P「どういうことだ?」

美里「そーれーはー…」チラッ

早耶「相手がPさんだから、ですぅ☆」

美里「私達をここまでさせたセキニン、とってくれるわよねぇ?」

P「……俺も悪い魔法使いになったもんだ」ハハ

 [おわり]




 ・ ・ ・

 ――愛梨の日記、その後

 [事務所]

愛梨「おはようございますー」

ちひろ「あら、おはよう、愛梨ちゃん。今日は早いのね」

愛梨「はい、Pさんに用があって……」

ちひろ「プロデューサーさんに? お仕事の話?」

愛梨「いえ、その……ケーキ、喜んでくれたので、次のものを作ってみたんです」

ちひろ「ああ、あれね! 私も頂いたけど、かなりおいしかったですよ」

愛梨「ふふ、ありがとうございますっ。あ、よかったらちひろさん、どうぞ」ハイ

ちひろ「いいのかしら? じゃあお言葉に甘えて……って、変わった形ですね」

愛梨「はいっ、ケーキだと食べるのに準備がいるので、簡単につまめるようにクリームを内側にだけにしてみたんです!」

ちひろ「なるほど…確かに両手で食べるケーキなら手軽に食べられます」

愛梨「ロールケーキでも良かったんですけど…あれだと二口目が大変ですから、ミルフィーユ状にしたものを小さめに切ったんです」

ちひろ「いい考えね。次の料理番組にこれ、出してみたら?」

愛梨「ありがとうございますっ。でも、Pさんにまず食べてもらってからにします!」ピョン

ちひろ「ふふ、プロデューサーさんもきっと喜びますよ」

愛梨「……えへへ、だといいですねっ」

 ガチャ

P「ただいま戻りましたー」トコトコ

愛梨「っ!」ドキッ

ちひろ「あら、丁度いいタイミングに……いってらっしゃい、愛梨ちゃん」

愛梨「は、はいっ。何だか暑く……でも頑張りますっ」トタトタ

 アノ、ケーキヨカッタラ…
      オ、ホントカ?

ちひろ「……羨ましいなあ、プロデューサーさん」

 [おわり]

ただ1つだけ言えること。

戦犯艦これ。



……はい。


ゆったりと営業中です。

次は>>369,>>370です。
縮小してます。

もしよろしければどうぞ。

ちひろ

きらり

やっぱり把握しづらいキャラは書きにくいのなんの……。



一瞬目を疑ったがちひろという文字に間違いはないらしい。
というわけで次はちひろ&きらり。


きらりはもうどうするんだろうね(めそらし



 ――ある日の公園

 シャー…

P「あー……夏も終わってこれから涼しくなるなあ…」ポケー

 ワーワー

P「噴水も綺麗だし、元気に遊ぶ子供も楽しそうだし――」

P「……って、どうして俺は真っ昼間にこんな所にいるんだろうな」ハァ

P「ああ、そういえばいつものように事務所で日記を見ようとしたらちひろさんに何故か事務所を追い出されたんだった」

 パタパタ…

P「そして何故か俺の分の仕事もやるとか言い出すし……ホント、どうしたんだろう」

 タッタッタッタ…

P「……仕方ない、見るか」ガサ、パラララ




 □月○日 きらりなり☆

 うきゃー! とーとーきらりのページできちゃった☆
 はくしー、よーい、えんぴつー、ばっちし!
 れっつこのページにきらりんビーム、にゃはーっ☆


 ねーねーあのねー、最近ね、きらりびっくりしたの!
 どうしてかっていうとね、杏ちゃんをさがしてたら事務所でよーせいさん見つけてヤバーイってなったんだよっ!
 もうハートがずっきゅんきゅん☆にゃは☆

 ふわふわなマシュマロみたいな髪でね、うきゃー☆て撫でてみたらっ、だーれーって杏ちゃんみたいなだるるんなおめめでー、にゃっはー☆

 あとからきたちひろちゃんに聞いたらー、きらりとお友達なんだってー!何それヤバーイ!
 ハピハピしちゃうともうにゃっほーいってなるんだけど、よーせいさんはおねむーなおめめだからもっともっとハピハピ☆にょわーってなっちゃうー!

 もっと一緒にいたかったけどちひろちゃんが疲れてるからって言ったからそのままそふぁーで一緒にすーすーしちゃったにぃ☆


 でもね、きらりが起きた時にはもういなかったの……ほんとによーせいさんみたいだったよー!
 また来るからってちひろちゃん言ってたにぃ!

 だからPちゃん、事務所のきらりんハウスおっきくするね☆
 それと今度はPちゃんもいっしょにおやすみしよーね☆うきゃー☆




P「……最後の一文は除くとして、妖精はこずえのことだろうな」

P(遊佐こずえ。道に迷っている所を捕獲、もとい保護。何気なくスカウトしてみたが、存外トントン拍子に話が進んで新人アイドルとなった子だ)

P「こずえが来たのは確か東京案内の時だったか。その時にきらりに会ったんだとは思うが……動じていないのが頭に浮かぶ」

P(むしろ杏的にはこずえを見習ったほうが結果的に良い方に転ぶと思うんだが、あれも杏なりの好意なんだろうか)

P「しかしまあ、口だけでなく文字でもハピハピしてるとは。いや、ある意味ホットしたな――」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 花も恥じらって欲しいものだ。

 きらりもこずえに会ったんだな。
 まだまだ東京には不慣れだから、困ってたらこずえのことを助けてやってくれよ?


 まあ、その調子なら問題無いだろうけどな。

 それと、こずえは杏みたいに扱わないようにとだけ注意しておくぞ。
 可愛いのは解るが、相手のことを考えて可愛がるように。


 あと、最後の一文は杏にしてやってくれ。杏も楽しみにしてるぞ、きっと。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

P(このパターンはどう見ても後で杏に被害が及ぶな……)

P「……まあいいか。杏は意外と丈夫だから」コクリ

P「次のページに行くか……って、やっぱり隣に誰かいないと寂しいもんだ」ペラ




 ○みんなの交換日記

 日付:□月∴日 担当:千川ちひろ
 天候:晴れ時々曇り


 こんにちは、千川ちひろです。
 このページは私が書くことになりました。

 私というと、最初のページで書いたことは書いたのですが、楽しそうにこの日記を書くアイドルたちに『本番ですよ!』と誘われてしまいました。
 別にあれが練習だった訳じゃないんですけど、まあ言われてみれば機械的といいますか、
単に説明を書いただけだったので、アイドルの子たちからすればそう見るのも無理は無い
のかもしれませんね。

 そういう訳で、筆を執ってみた次第です。
 ある時はプロデューサーさんと読んだり、またある時は一人で読んだりと、読む機会は豊富だったのですが、こうして『本番』で書くと、結構悩んでしまいますね。
 そんな事を書くアイドルの子たちは沢山いましたが、それを私も身を持って感じました。


 えー、ではつまらないですが、ここは無難に謝辞にしておきます。

 私がこうしてこの事務所で今も働けているのは、難しいお仕事をこなしてくれるアイドルのみんなが居るおかげです。
 誰一人欠けること無く、まっすぐ進めていられる事が、私にとっても幸せなんだと思います。

 そして、そのみんなをとりまとめるプロデューサーさんにも、本当に感謝しています。
 こうして個性的な子たちばかりだけど、みんなみんな、とてもよい子ばかりなのはプロデューサーさんの慧眼あってのことなんだと感じています。


 この時が永遠でないことはちゃんと知っています。
 それでも、今が長く続くように。アイドルの子たちが、これからも楽しく仕事ができるように。
 そして、この事務所でこれからもアイドルの子たちとプロデューサーさんと挨拶ができるように願っています。

 そのためにも、私も事務所の一員としてこれからもささやかながら応援し続けますね。


 ガンバレ、みんな!




P「……ああ、俺を追い出したのはこういうことだったのか」

P(丁寧な字…でも、書類に書く時の文字じゃない)

P「ちゃんとアイドルの皆の事を考えてくれてるんだなあ……事務所にちひろさんは大体いるし、やっぱり事務所に帰ってきてちひろさんが居ると安心するんだよな、何故か」

P「特に目立つような事をしてるわけじゃないけど、事務所に絶対欠かせない人だよな」

P(……そうだな)

P「よし、何か甘いものでも買ってから帰るか――と、その前に一応返事をしておこう」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 お疲れ様です。

 そういえば、最初のページに書いてましたね。
 正直普通だなと思ってしまったんですが、消しゴムに消された字の跡を見ると、
最初も色々頑張って書こうと思ってたんだとついつい笑ってしまいました。

 こちらからも。
 今の事務所が事務所たる形を保てているのは、勿論アイドル達が核ではありますが、
それでもちひろさんがいてこそのアイドル達ですよ。
 俺はどちらかと言えば外で走り回る方ですし、疲れたアイドルたちが事務所に帰って
ちひろさんを見つけることが、一つの日課になっているんじゃないかと思います。

 かくいう俺も、営業から帰ってきて事務所に戻った時、ちひろさんが居て
なんとなくホッとしますから。

 ちひろさんの願いは、ちひろさんだけのものじゃありません。
 俺も、アイドルの皆も、同じことを考えていますよ。

 だからこそ、皆で協力して、事務所をもっともっと長生きさせていきましょう。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

P「言葉にしなきゃ伝わらない。……でも、殻を剥ぐのは些か気恥ずかしいな」ハハ

P「それでもちひろさんは剥いだんだから、俺もやらなきゃフェアじゃないよな、うん」パタ

P「よし、じゃあデパートにでも寄ってから帰るか――」スクッ

P(……)トコトコ

P(……やっぱり会うのは恥ずかしいなあ)




 ・ ・ ・

 ――きらりの日記、その後

 [事務所]

P「きらりー、居るかー?」

きらり「お、Pちゃんおっすおっす☆何かあったのかにぃ?」ピョン

P「おっすおっす。それでだな、今度のテレビ収録のこと――」

こずえ「……なにしてるのー?」

杏「うわ、なんでここがバレ……まずっ!」

きらり「うきゃー☆杏ちゃんとこずえちゃんもいたんだあ!」ダダダ

杏「来るな―! 止まれー撃つぞー!」バタバタ

きらり「止まりながらでも動けるにぃ」シュン

杏「何だお前体が……何をするだァー!」

 ドドド……

P「なんだが……いっちまった」

こずえ「ふわぁ……はやいー……」

P「……というかだ、何故こずえがここに居るんだ?」

こずえ「ママがねー……とーきょー、おすみなさいってー……」

P(衝撃の事実)

こずえ「それでね、きたのー…」

P「まさか独りでか!?」ビクッ

こずえ「うんー…道はおぼえてたから……ふわぁ」

P「ここには一回しか来てないし、それ以前に言いたいことはいっぱいあるけど……まずはきらりだ。おーいきらりー、帰ってこーい」

 ドドドド…

きらり「ただいま☆杏ちゃんもばっちし!」

杏「」

こずえ「おにんぎょうみたいー…」


女神天使ちひろガチャガチャ



P(テレビ収録の話どころじゃなくなったし、急な案件でもないからあとでもいいか)

P「あー、実はだな、こずえが新しく寮に入ることになったんだ」

きらり「うきゃー!杏ちゃんにーこずえちゃん☆いっしょにハピハピしちゃうー!」

こずえ「はぴはぴ…するぅ」ポケー

P「杏はさておき今事務所に誰も居ないから、こずえに寮のことを説明してやってほしいんだ」

きらり「Pちゃんはおうちのこと知らないにぃ?」

P「知ってるけど、実際住んでるきらりが説明した方がいいだろ?」

きらり「なるほど☆Pちゃんあったまいー!」

こずえ「きらりー…きらきら……おうち、どんなとこー?」

きらり「とってもたのしートコだにぃ! うーんと、杏ちゃんもいるっ☆」

P「杏は家具じゃないぞ…」

こずえ「たのしーとこー……ふわぁ、たのしそー…」

きらり「でしょー☆でも楽しいのは杏ちゃんがいるからだけじゃないにぃ! ホントは――」

 ダキッ

P「うわ、いきなり抱きついて――」

きらり「Pちゃんがいるからだにぃ! きらりもみんなも、とってもハピハピさせてくれるんだよ☆うきゃーハズカシー!」ギュー

杏「つぶ…つぶれ……るぅ」グググ

P「……ちょっと杏が眠そうだから引きとるわ」グイ

きらり「ありゃ、杏ちゃんおやすみすぅ?」

杏「ありがとよ…後は頼んだ」バタッ

P「後でアメあげるからな……と、ありがとうな、きらり」

きらり「うきゃー! まっすぐなPちゃんヤバーイ☆」テレッ




こずえ「……こずえもー」ダキッ

P「こら、こずえ……俺に抱きついてきてどうする」

きらり「かわいいものはあつめちゃおー☆Pちゃんもきらりのおへやきちゃうー?」

こずえ「こずえのおへやに……くるぅ?」

P「まだこずえの部屋は無いしきらりの部屋はまた今度いかせてもらうよってかこずえ意外に力強いな……!」ググ

きらり「こずえちゃんつよーい☆きらりとお友達になっちゃうー?」

こずえ「ふわぁ……なるぅー、よー、たのしそー……」

きらり「じゃあこずえちゃんもPちゃんもきらりのおへやにごしょーたーい! 可愛いから呼んじゃう☆杏ちゃんも一緒にハピハピしよーねー!」ギュッ

こずえ「わー……」フワ

P「は…はは……」グニュ

P(……俺、可愛いの?)

 [おわり]



 ・ ・ ・

 ――ちひろの日記、その後

 [事務所]

ちひろ(……まあ、よくよく考えたらあの文章も普通の仲間としての範疇よね)カタカタ

ちひろ(目の前で読まれるのが途端に恥ずかしくなって仕事もらって追い出しちゃったけど……悪く思われてないかな)ガチャ

ちひろ(もう、そんな事考えるなら昨日食べた晩ご飯の話でもすればよかった)ハア

ちひろ(ああでも私の日記を見たプロデューサーさんから何か反応があったり……なんて)フフ

ちひろ「……でも鈍いからなあ、あの人」ポツリ

P「誰が鈍いんですか?」ポソ

ちひろ「うっひゃあぁ!?」ガタッ!

P「そんなに驚かなくても……只今戻りました」

ちひろ「あ、ああプロデューサーさんおかえりなさい。すみません、急に外に出しちゃって」

P「いやいや、いいですよ。最近忙しかったですし、いい休憩になりました」ガサッ

ちひろ「ん、このビニール袋はなんですか?」

P「まあ、ね。すみません、これから少し出かけてきますので、また留守番お願いします。それじゃ」トタトタ

 ガチャン…

ちひろ「……結局なんなんだろう。中身は――プリン一つと事務所の交換日記?」

ちひろ(まさか)ガサッ


 パララ、パラ……




ちひろ「……ふふ、プロデューサーさんも同じこと考えてるんですね」パタン

 [おわり]

>>前回
正直これの区別をつけちゃうと創作上のキャラクターが消失してしまって
もうどうしようもないのが現状。
キャラ崩壊と言われてもちかたないね。


>>386
ちひろさんはテンシデスヨ?



というわけで常にネタとの戦いです。きらりは若干諦めた。

次は>>391,>>392です。人減ったから安価近くても大丈夫だね!

松本さん

のの

ちひろさんは天使だろいい加減にしろ!(めそらし)

というわけで次回はまつもっさんともりくぼ。また難儀なキャラが来たぞ……!



 ――ある日の事務所、朝

比奈「ちわっス」ガチャ

P「おう、比奈か。おはよう」

比奈「おはようございまス、プロデューサー。事務所には一人っスか?」スタッ

P「ああ、寂しいがみんな出かけててな。所属アイドルは増えても、仕事があるから仕方ないさ」カタカタ

比奈「そうさせてるのはプロデューサーっスけどね。嬉しい事でスが」ガサゴソ

P「はは、その通りだ……と、比奈は何をしてるんだ?」

比奈「ガンプラ作りっス」パカ

P「…ガ、ガンプラ?」

比奈「今日の仕事は昼からでスから。偶然見かけたんでなんとなく買ってみました」バリバリ

P「いや、それはいいけど…比奈はプラモデルも作れるんだな」

比奈「製作自体は得意じゃないっスけど、人物を知るにはまずガワを知らなきゃ」パチパチ

P「その割には手つきが妙に小慣れてるんだが」

比奈「好きこそものの上手なれっスよ」クス

P「……確かに、比奈もアイドル衣装に違和感がなくなってきただろうしな」

比奈「…それは違くないっスか?」

P「嫌いなのか?」ニヤ

比奈「…いや、好きでス」プイ




P「ふああ、俺も休憩するかな。そっち行ってもいいか?」

比奈「大丈夫スよ。パーツは箱に入れてまスから」

P「そうか、ありがとう」

 トトト……

P「はい、お茶で悪いが」

比奈「あ、わざわざすみませんでス」

P「まあ、ついでだよ。……じゃあ比奈も遊んでることだし、俺も日記でも読むかな」スタスタ

比奈「ああ、日記でスか。結構続いてまスよね」パチパチ

P「比奈は書かないのか?」

比奈「私は絵が専門でスので……」

P「…じゃあ漫画で日記を書いたらどうだ?」

比奈「……どうしてそう逃げ道を塞ぐんスかぁ」

P「…すまん。まあ気が向いたらでな」スタッ

比奈「…私も一緒に見てもいいでスか?」

P「ああ、いいよ。でもその……そのプラモデルはいいのか?」

比奈「何個も作ってるんで大丈夫でスよ」

P「……ちなみにそれはなんてヤツなんだ?」

比奈「ジム・コマンドでス」

P「ガンダムじゃないのか?」

比奈「ジム・コマンドでス」ドヤァ

P「……そうか」ペラ



 □月▽日

 近頃ハイテンションの紗理奈だよ!

 どうしてかっていったら、そりゃあこの暑い夏は水着姿になって色んな人に見せつけて魅せつけてやったし、熱い視線をイッパイ浴びてまたアタシが魅力的になったからね!

 勿論プロデューサーもよ?
 普通の人ならわからなくてもアタシにはわかるよ、あの海水浴場でのロケの時、アタシのコト見てたでしょ~!
 アノ視線、とっても気持ちいいの。プロデューサーだからよ?

 フフフッ、やっぱりプロデューサーもオトコなのね☆


 いいのいいの。そんな枯れたつまらない視線よりも、情熱的な……ねっとりとした視線の方が何千倍も快感なんだから!
 アイドルになってそれがもっと分かったの。老いも若きも皆アタシを見る事が、アイドルとして、アタシとして、アタシ自身をより魅力的に魅せるんだってね!


 へへ、アタシも結構な情熱的だよね。まるで仕事に向かうプロデューサーみたい。
 元々熱いタイプだとは思ってたけど、プロデューサーと出会ってそれが更に加速したのかも。

 それって、アタシとプロデューサーの相性がいいからなのかもね?


 何の相性かって?
 プロデューサーならわかるクセに、とぼけちゃダ・メ♪


 SARINA☆



比奈「……少しケイベツしまス」ジト

P「どうした俺はいつものプロデューサーだぞははは」タラタラ

比奈「尋常じゃない焦りっぷりでスよ、プロデューサー…」

P「信じてくれ、それでも俺はやってない」キリッ

比奈「いや、それは捕まってからの台詞っスから。…そうでなくても信じてますよ、私は」クス

P「比奈ぁ……」グス

比奈「こんなにも可愛い女の子に囲まれても色目を使ってないんでスから、疑えるはずないじゃないでスか」

P「…ホントに俺ってすげー立場にいるよな」

比奈「言われてみればそうでスが……それもこれも、…その、魅力的だからでスよ」チラ

P「確かになあ。アイドルはみんな魅力的でコントロールが重要だからな」ウンウン

比奈(そういう意味じゃないんでスけど…)ハァ

P「でも他の子に誤解を与えかねないから、それも書いておかないとな――」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 確かに夏のロケは紗理奈が大活躍だったな。
 ウチの事務所は割と引っ込みがちなタイプの子も多い中、紗理奈のような強い
キャラクターのアイドルが居てくれて助かるよ。
 紗理奈がいるだけで全体的な仕事の幅も広がるからな。

 だからこれからもその満ち溢れた自信でファンを魅了してやってくれ、期待してるぞ。


 ……ただ念の為言っておくと、俺はそんな不埒な目では見ていないからな。
 本当だぞ!

 だって俺はプロデューサーだからな!

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

比奈「……ひとついいでスか?」

P「どうした?」

比奈「それだと、いわゆるフラグってやつなんでスけど」

P「……まあ、ウチのアイドルはいい子達ばかりだから大丈夫、…のはず」ペラ

比奈(本当でスかねえ?)




 □月×日

 恥ずかしいんですけど…無理やり渡されて…逃げ道を塞ぐなんて、ぜんにんのすることじゃない…私はそうして困っています。

 あくまのこえ。
 ひたり、ひたりとぬきあし、さしあし。まよわずに、わたしのところにやってきます。

 やりたくないって言おうとしたんですけど…みてみたいっていっぱい言われて声を消されたんですけど……。

 くろいて。
 おおきなかげが、あたしをつつみます。

 あっという間に仕立てあげられて、書くしかなくなって…まるで誰かさんみたいで、結局書いてしまいました……。

 つよいひとみ。
 のがさないと、わたしをぐっとつかみます。

 ええと……いい天気です。私とは正反対の、いい天気です。
 このあとも、事務所の人と同じ仕事に行く予定です。

 でも、そのこころは。
 でも、そのかおは。

 アイドルを続けるのは正直辛いですけど…
 事務所のみなさんとか……プロデューサーさんとかいるんで、なんとかやってます。

 じつはやさしい、あたたかなきもちなのかもしれません。
 だから、すなおにひかれます。

 別にアイドルが嫌なわけじゃないです。
 もちろん仕事が全部楽しいわけじゃないですけど…それでも、やっていけそうな




 だからっておしごとにむりやりつれていくのはやめてください
 こころのじゅんびがいるんですけど!



P「誰とは書いてないが、確実に当てる自信がある」

比奈「でスね。私にも想像ができまス」

P「乃々はなぁ……難しかったなぁ……」アオギ

比奈(あ、プロデューサーが遠い目になってまス)

P「タイプ的には杏と似ていても、杏はああ見えて結構騒ぐからまだわかるんだけど…」

比奈「静かでスもんね、乃々ちゃん」

P「杏みたいに要求がフィクション染みてるならともかく、乃々の場合は発言がリアルすぎてな」

比奈「女の涙は武器だって、本人も言ってましたしね」

P「あれは武器じゃなくて本心だから難しいんだよ……まあ、それでもなんとかやることはやってくれるんだけど」

比奈「そういえば仕事ブッチしたって話はきいてないっスね」

P「口ではああいってても、やらなきゃいけないことはわかってくれてるからいいが…」

比奈「そういうのも、人徳なんスかねー?」

P「だといいけどな――」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 乃々だな?
 日記を書いてくれてありがとう。


 正直に言うと、初めて乃々と出会った時は月並だが衝撃だったよ。
 いきなり辞めたい、だなんて今まで見たことがなかったからな。

 だからこそ一人のプロデューサーとしてやりがいを感じていたのかもしれない。
 こんな可愛い子をそのまま無駄にさせるわけにはいかない、とかな。

 結果的にそれなりにプロデュースも成功しつつ、何より乃々が少しでも前を
向いてくれるようになって、本当に嬉しいよ。


 ただな、仕事は前もって必ず連絡しているぞ。
 最近は乃々の趣向もわかってきたから、それに合わせた仕事を取るようにして
いるし……。
 トップアイドルの座へ躍進してく段階に入った今、もう少し頑張ろうな。
 それができれば乃々は何倍にも速く、強く、煌めいて歩いていけるはずだ。


 だから…じゃないが、頼むから俺の机の下を陣取るのは止めてくれ。
 色んな私物が増えているんだけど、あそこは秘密基地じゃないんだって…

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

比奈「切実でスね」

P「いや、あそこに入るのは乃々だけじゃないからあの時は一種の倉庫なんじゃないかと思うぐらいに大変だった…」トオイメ

比奈(一体何があったんでスか…)

P「それでも……まあ、成長してるから良しとしようか」

比奈「ところで、乃々ちゃんってポエミィなところもあるんでスね」ヨミヨミ

P「自己紹介ページの趣味にはそう書かれているな。今までそれを見ることはなかったが、なかなか面白いな。俺には少し難くてうまく読めないけど」ハハ



比奈(……マジでスか?)




 ――紗理奈の日記、その後

 [外]

 
P「えーと、確かここで待ち合わせているはずだが――」キョロキョロ

 コツ、コツ、コツ…

紗理奈「だーれ……だっ♪」ダキッ

P「うわっ!?」ビクッ

紗理奈「アタシでした~。ウフ、プロデューサーはウブだねー。そんな驚いた顔しちゃって♪」

P「お前なあ……いきなりされたら誰でもびっくりするっての」

紗理奈「でも顔が少し赤いのは気のせいかな~?」クス

P「馬鹿。なるわけ無いだろ」コツン

紗理奈「あいたっ。ちぇ、引っかかると思ったんだけどなぁ」

P「紗理奈の性格を考えたら十分あり得るからな。プロデューサーだぞ、俺は」

紗理奈「さっすが~。アタシの全てを見ただけはあるね♪」

P「誤解されるようなことをいうな……最近世間の目が厳しんだから」

紗理奈「じゃあ世間の目をアタシに向ければ問題ないよね、ウフフッ!」

P(いつもやられてばっかりじゃダメだな…ここは一つ)

P「…じゃあ今すぐその変装を解いてゲリラライブでもするか?」

紗理奈「うーん、いい考えだけど……今日はプロデューサーとの買い物だからいいかな~」

P「そうかー、この中にファンが居るかもしれないのに残念だなー」チラ

紗理奈「あれあれ、まさかプロデューサーが見たいだけだったりー? やっぱりオトコノコだね、プロデューサーは。ウフッ♪」

P「――当たり前だろ。出来れば独り占めしたいぐらいだ」グイッ

紗理奈「……っ!!」ビクッ

P「……なーんてな。バレても面倒だし、早く行くぞー」スタスタ

紗理奈「あ、ちょ、待ってよプロデューサー!」トタトタ



紗理奈(……今のプロデューサーの顔、すっごくオトコだった……!)

 [おわり]





 ――乃々の日記、その後

 [事務所]

P「おーい、誰か居るかー?」

ライラ「いるでございますです。ライラに御用でございますですか?」

P「ライラか。乃々……森久保乃々は知ってるか?」

ライラ「のの・もりくぼ…知ってますです。小さくてくるくる、でございますですね」

P「…表現はさておき、事務所に来てたか?」

ライラ「……すみませんです。アイスを頂いたですのでそこのブランケットにくるまってますのは言えないでございますです」

ブランケット「!?」モゾ

P「…ああ、そうなのか。悪かったな。お詫びに今度雪見だいふくをプレゼントするよ」

ライラ「雪見だいふく、でございますですか。二個入り、とても贅沢なものです。ありがとうございますです」

P「期待してていいぞ。じゃあそこのブランケットをキャリーケースに入れようか……あー、キャリーケースはどこだったか――」

乃々「もりくぼは荷物じゃないんですけど…アイスが無駄になったんですけど……うぅ」モゾ

ライラ「森久保様。休息はもう大丈夫でございますですか?」

乃々「休息が終わったから次は就寝を希望します……」

P「杏みたいな事を言うんじゃない。ほら、仕事行くぞー」

ライラ「お仕事、大事でございますです。頑張って下さいです」フリ

乃々「あーうー……」




 スタスタ

乃々「最近仕事多いんですけど……プロデューサーさん、何かしたんですか…いぢめですか」

P「何もしてないぞ。向こうからの希望だ」

乃々「もりくぼに希望はないんですけど……」

P「アイドルでいたいというのは希望じゃないのか?」

乃々「辞めたいんですけど…」

P「……本当か?」ジッ

乃々「……冗談ですけど」メソラシ

P「でもまあ仕事が多いのは事実だからなあ……どうだ、何かやりたいことでもあれば聞くぞ?」

乃々「休日でもですか……?」チラッ

P「乃々がそうしたいなら、こっちもオフを調節してくっつけるけど…それでいいのか?」

乃々「……」

乃々「……あの」ボソ

P「どうした?」

乃々「買い物……行きたいんですけど」

P「俺と?」

乃々「新しく出来たとこ、行ってみたいんですけど……行ける人がいないので」

P(普通に誰か誘えば行けるだろうに……まあそういうのも手か)

P「俺でいいなら喜んで付き合うぞ。いつがいい?」

乃々「いつ……」

P「?」

乃々「……い、今でしょ」ボソ

P「……」

乃々「……」

P「……くくっ」

乃々「言わなきゃよかった…恥ずかしいんですけど……!」バッ!

P「乃々がそういう事いうのは意外で可愛いな」ハハ

乃々「うぅ……埋まりたいんですけど……!」

 [おわり]

比奈は書きやすいからね、仕方ないね。

ライラにSR化の光が見える。間違いなく来るね!
あと既存肩書にSDキャラローディング実装ですっげー嬉しい状態。


かなり遅い進行ですが次は>>409,>>410です。


関係ないけど練習スレの頼子がまゆのヤンデレ盗むネタを見て
安価スレできるんじゃないかなーとか思ってた。

前川さん

智絵里



 ――ある日の事務所、昼


ちひろ「あれ、珍しいもの食べてますね」

P「そうですか?」ズルズル

ちひろ「釜玉うどんなんてコンビニに売ってるんですか?」

P「いや、これは別々に買ってきました」

ちひろ「えっ」

P「少し離れた所にスーパーあるじゃないですか。あそこで卵とダシとうどんを買って来たんです」ズル

ちひろ「ほぼインスタントだったプロデューサーさんが、そこまで手間を掛けるなんて…」

P「暦では秋ですけど、まだまだ暑いですからねえ。冷水でシメてもおいしいですよ」

ちひろ「食欲なくてもうどんは何故か食べられますからね」

P「うどんさまさまです。別に普段からよく食べますけどね」

ちひろ「私もです。手軽だからですけど」

P「それもありますね」ハハ




 ・ ・ ・

P「最後にお茶を……ふぅ、美味かった」ゴクゴク

ちひろ「ホントに美味しそうに食べますね、プロデューサーさん」

P「そうですか?」

ちひろ「グルメリポーターに挑戦してみますか?」クス

P「アイドルの仕事を盗んじゃいけませんよ。…まあ、そう言われて悪い気はしませんが」

ちひろ「今度ピックアップしておきますね、ふふ」

P「ノリノリですね、ちひろさん……ああ、そうだ。前回のイベントの報告はもうあがってますか?」

ちひろ「前回の……あー、すみません。今やってるんですけど、後もう少しなんです。一時間もすればできますので少しもらえますか?」

P「急かすようですみません。お願いします」

ちひろ「ありがとうございます。では急ピッチで仕上げますよー!」カタカタ

P(それまでは暇だなあ……せっかくだし、日記でも読むか)ガタッ




 □月※日

 今日も元気ににゃにゃーん!
 天下の猫アイドル、前川みくだにゃ☆

 猫アイドルはたっくさん居るけど、アイドル界じゃみくが一番だよっ!



 ……でもPチャン、あのユニットはなんとなくPチャンの意図が入ってるような……


 ううん、Pチャンならそんなことしないって知ってるもん☆
 だってあの時からずっと一緒にいるからにゃー!

 色々あったけど、やっぱりあの時ついていって良かったにゃあ♪

 だからPチャンはこれからもみくに期待しててね☆
 猫は恩義深いんだから、何倍にも幸せと猫のキモチをプレゼントするにゃあ!
                   前川くん、君もキャッツを応援しようじゃないか!

 ずっとずっと、一緒だにゃ☆

 みく♪




P(姫川ァ…)

ちひろ「?」チラ

P「…こほん。そういえばみくがうちの事務所に入った時って、結構プロデュース方針揉めましたよね」

ちひろ「みくちゃんですか? ……ああ、確かにそうでした。あれ、プロデューサーさんが最初に反対したんですよね?」

P「ええ。アイドルやっていくのに猫キャラは難易度が高いって言った記憶があります」

ちひろ「でもみくちゃんはそれを無視して猫キャラを続けたんですよね…」

P「最初は安易なキャラ付けのためにやってるんじゃないかって思ってましたけど……それとは別に、必死に練習してる姿を見て、本心から真面目にそう考えてるんだなって気付かされました」

ちひろ「プロデューサーさんもまだまだ新人の頃でしたしね」

P「どこか自分のアイドルのイメージに固執し過ぎていたのかもしれません。みくが居なければ、俺のプロデューサーとしての存在も、軽薄なものになってたでしょう」

ちひろ「いつもは皆を引っ張るプロデューサーさんが教えられただなんて、みくちゃんに言ったらきっと嬉しがると思いますよ」

P「あの頃はあの頃、ですから。恩返しとか言ってますけど、今の俺こそみくに恩返ししてるようなもんです――」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 なんだかんだで長い付き合いだよな、俺ら。


 ……で、あの時は悪かったな。俺もまだまだ甘いと知らされたよ。
 後輩たちも、みくの姿を見て頑張ってきたようなもんだ。

 俺も、みくに付いてきてもらって助かったと思っているぞ。


 だからといって、恩返しは必要ないからな。
 これからもアイドルとして輝いてくれるのが、最高のプレゼントになるだろうから。


 アイドル界きっての猫アイドル、前川みく、これからも頑張っていこうな!

 Pより
――――――――――――――――――――――――――――――――

ちひろ「……えらく素直ですね」ジー

P「うわ、ちひろさん……いきなり覗かないでくださいよ」アセ

ちひろ「どことなく文体も踊っているような……プロデューサーさんって、結構みくちゃんみたいな子がタイプなんですか?」

P「いやいや…アイドルにタイプも何もありませんよ。俺はプロデューサーですから、その子の個性や特性を引き出したい、それだけです」パラ

P(……まあみくのボディには結構クるものはあるけどな)メソラシ

ちひろ「へーはーふーん…」

P「何ですかその目は…」

ちひろ「やっぱりプロデューサーさんも男なんだなーって」ジー

P「資料作成に戻って下さいっ」

ちひろ「…はーい」

P(……無意識の内にそうなっているのか?)アセ




 □月□日

 緒方智絵里です。
 えと、みくちゃんの後がわたしでいいのかな、なんて思っちゃいます。
 可愛くて……わたしもみくちゃんみたいになれば、勇気ももっと持てるかな……?

 ずっとアイドル活動をやってきて、最初は……ええと、今もですけど、まだどこか自分が不安なんです。
 わたし、強くなくて……これからもずっとやっていけるのかどうか、最近は考えちゃったりします。
 だから、事務所のお友達の真似をしてみたり……にゃん、なんて。


 でも、きっとPさんはそんなわたしでも応援してくれるんです。
 前、そんなことを考えている事がPさんにバレた時、Pさんは何でもないような話し方で「大丈夫だ」って言ってくれたんです。

 不思議ですよね。なんてことない言葉なのに……何でも出来ちゃいそうになるような、おまじない。

 でも、それをかけるのは、きっとわたしの役目です。
 わたしはアイドルだから。
 こんなわたしでも見捨てないで、ずっと見てくれたPさんがいたから今わたしは楽しくアイドルをやれているんだと思います。
 だから、Pさんのためにも一生懸命アイドルとして、みなさんに幸せを振りまいていけたらな、って思います。

 ……えと、やっぱり面白くないですよね。
 あ、そうだ。この前、事務所に来た時、偶然夕美さんに会いました。
 初めて会った時から、お花の話をしてくれて、明るくて、元気で、楽しい人です。

 それで、その時夕美さんが事務所の窓際に植木鉢を置いていたんです。
 そこにはまだ苗の植物があって、わたしにはそれがなんの花かわかりませんでした。

 なので聞いてみたら、マリーゴールド、と返ってきました。
 この日記を書いてるいまは、綺麗な黄色の花が咲いています。
 つぼみから咲いたその花はわたしも、みんなも楽しませてくれます。

 つぼみのころは、わくわくさせて、花が咲いてからは、香りを振りまいて…みんなを笑顔にして。

 できたらいいな。
 ……そのためには、わたしはもっとがんばらないとだめみたいです。

 とりあえず、小梅ちゃんに相談しようかな?




P「……綺麗だよなあ」

ちひろ「い、いきなりどうしたんですか」ビク

P「ああ、いえ、このマリーゴールドです。夕美が言うにはもうすぐ枯れるそうだから寂しいですけど」

ちひろ「ああ、そういうことですか。確かに落ち着きますよね」

P「……ちひろさんは、花を見てどう思ったりしますか?」

ちひろ「花ですか? ……ええと、プロデューサーさんの言ったように落ち着くとか?」

P「他にはありますか?」

ちひろ「それに……賑やかにさせてくれたり、時間を感じさせてくれたり、プレゼントなら、幸せにさせてくれたりもしますね」

P「ありがとうございます。そうですよね」

ちひろ「…日記に何か書いてあったんですか?」

P「まあ、なんてことない話です」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 アイドルになって変わった子といえば、智絵里もそうだな。
 本当に、見違えるようになったと俺は思うぞ。

 初めて出会った時は……俺も少しびっくりしてしまったぐらいだからな。


 ただ、無理して背伸びして変わる必要はない。
 ありのまま受け入れて、今の今まで変わってきただろう?

 それで智絵里は強くなった。昨日できなかったことが今日できるようになって、
言えなかったことが言えるようになってる。
 視線もきっちりしてきて、ライブのパフォーマンスもちゃんとできるようになって
るじゃないか。

 それ以上は、変わるんじゃなくて自分を偽るということだ。

 今でも智絵里の笑顔で幸せになるファンは居るし、智絵里が居ることで楽しくなる
仲間もいる。
 何より、ゆっくり一緒に歩いて、喜んでいる俺が居る。

 だから、深く考え過ぎないようにな。
 花のように、ゆっくり時間をかけて、変わっていこう。歩幅はみんな違うのだから。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

ちひろ「……成長と変化って、似てるようで違いますよね」ジー

P「ちひろさん……資料作成はどうしたんですか」

ちひろ「おかげさまで終わりましたよ。…智絵里ちゃんの最初の頃を思い出してました」

P「ああ……インパクトは別としても、印象深いといえばそうなりますね」

ちひろ「見ているこっちが不安になりそうで、この先大丈夫かと思いましたよ」

P「……でも今は違います。自信が無いように見えて、芯ができた」

ちひろ「これもプロデューサーさんの甘言ですかね?」

P「誤解されるような言い方をしないで下さい!」




 ・ ・ ・
 ――みくの日記、その後

 [ペットショップ]

みく「にゃにゃー♪ カワイイ猫チャン達がいっぱーい☆」ゴロゴロ

P「店のスタッフさんにちゃんとお礼するようにな……向こうの好意で特別に用意してもらったんだからな」

みく「ふっふっふー、ぬかりないにゃあ♪ 宣伝しまくって猫チャンの楽園にするんだからっ!」

P「いや、猫以外にもペットがいるんだけどな…」

みく「わかってるにゃあ! それよりPチャンも一緒にゴロゴロするにゃー!」グイ

P「うわ、危なっ…!」ドタッ

みく「ほらほら、スーツなんか着てないで一緒にゴロゴロするにゃ♪」

P「……まあ確かに今日は仕事で来た訳じゃないから、こうするのは悪くないが、アイドルと近すぎるのはダメだ」ググ

みく「えー、みくはせっかくのオフでPチャンと猫をサワサワしにきたのににゃあ、もったいないにゃあ!」

P「オフはオフでもアイドルのオフだぞ。それに店のスタッフ専用の部屋とは言え、スタッフに見られたらまずいだろ」

みく「ちぇー。みくはPチャンとゴロゴロしたいのにー」ブー

P「ぶーたれるなよ……別に嫌いで避けてる訳じゃないんだから」

みく「むむむ――あ、Pチャンは猫チャン好きだよね?」

P「ん? まあ好きかな。擦り寄ってくるのは可愛いしな」サワサワ

みく「――じゃあ、猫のみくもじゃれつくにゃあっ♪」ダキ

P「うお、み、みくっ……!」ドキ

みく「ほーら撫で撫でするにゃあ……って、どうしたのかにゃ? あ、もしかしてもしかして、みくのプリチーなスマイルに魅了されたかにゃあ?」ニコ

P(こんなに近いのに無意識とは……)アセ

P「……こんにゃろ」グイグリ

みく「うにゃあ!? やめるにゃPチャン! みくの猫耳が外れちゃうにゃああ!」バタバタ

P「うるさい、猫だから俺は撫でるぞおおお!」

みく「ちがうにゃあ、もっとラブリーに撫でるんだにゃああ――!!」


 [おわり]




 ・ ・ ・
 ――智絵里の日記、その後

 [事務所]

 ガチャ

P「まだ暑いな…ただいま戻りました」

智絵里「……あ、Pさん…おかえりです」

P「ん、智絵里だけなのか? ちひろさんはどうした?」スタスタ

智絵里「ちひろさんは、その、出かけてるって……それで、少しお留守番です…」

P「なるほどな。俺はこれから机仕事だから、もう留守番は大丈夫だぞ。ありがとうな」バサ

智絵里「あ、はい……ええと、あの……Pさん」

P「ん、どうした? 喉が渇いたか?」

智絵里「いえ、そうじゃなくて……は、はい。あの…こ、これ、どうぞっ」バッ

P「どうぞって、これは……押し花か。それもマリーゴールドじゃないか」

智絵里「はい。…ええと、夕美さんが枯れる前のマリーゴールドを…押し花に、ってくれたんです」

P「へええ……綺麗に出来てるなあ。咲いてる時と変わらないぐらいだ」ニコ

智絵里「それで……あの、Pさんにあげようかと思って…」ポツリ

P「え、いいのか? 押し花ってこういう花は難しいんだろ?」

智絵里「いいんです。一つだけじゃないし……その、一緒のもの、持ってほしい、ですっ」ピラッ

P「……ありがとな、智絵里」ナデ

智絵里「っ!」ビクッ

P「それと、智絵里も成長したなあ」シミジミ

智絵里「ひゃ、ひゃあ……撫でながら、む、昔を思い出さないで…くださ…」

P「はは、悪い悪い。でもこうやって言うようになれたのも、自分で変わったって思わないか?」ピタ

智絵里「……はい、思います。Pさんのおかげ…です」

P「俺は何もやってないぞ。智絵里がちゃんと今までやってこれたからこそ、だ」ナデナデ

智絵里「……あ、ありがとう、です」

P「だから、無理しないで歩いて行こうな。ゴールはまだまだ先なんだから」

智絵里「…はいっ」ニコ

 [おわり]

なんというかアレだ。即座に思いつけるかどうかでクオリティの差が……。
もとい、思いつけなくなってきたら寿命ですので、近々終わるかも。



というわけで、Cu二人組回でした。
お次は>>425,>>426です。
以下適当にアイドル上げてくれたら誰かがちひろポジションになるかもしれない。

きらり



 ――ある日の事務所

 ガチャ

P「今日も朝から出社ですよー……と、ん?」

幸子「……あ、Pさん。朝早くからボクに会いに来るなんて殊勝ですね」

P「お前のために来た訳じゃないが…どうしてここに?」

幸子「ふふん、ボクはカワイイ上に賢いので、次の仕事の台本を読み込んでるんですよ!」

P「ほー……ちゃんとメモ書きまで綺麗に書いてら」チラ

幸子「トーゼンです! 字は書いた本人を表しますからね!」ドヤァ

P「…でもこれは可愛いというよりもかなり綺麗寄りだよな」ボソ

幸子「……時代はハイブリッドなんですよ! ボクはカワイイしキレイなので!」アセ

P「…ハイブリットサチコか、これで何か企画組めるかな――」

幸子「ボクをイロモノにしないでくださいよっ! ……まったく、Pさんは扱いがなってませんね」

P「長い付き合いだからな。近づけばそうなる」

幸子「むぅ……まあ悪い気はしないのでいいとしましょう。なんて寛大なボクなんでしょう」

P「相変わらずだな、幸子は――って、その台本の下にあるのは……日記か?」ヒョイ

幸子「そうですね。みなさんが書いたのを気分転換に読んでただけです」

P「幸子は書かないのか?」

幸子「書いてもいいんですか? ボクの日記のあまりの素晴らしさにみなさんが涙を流しちゃいますよ?」ドヤァ

P「……お前なァ」グリグリ

幸子「ちょ、いきなりなんですかいきなりっ!」




 ・ ・ ・

P「……はあ。ほら、お茶持ってきたぞ」コト

幸子「ふふん、ボクのためにご苦労サマです、Pさん。やっぱりPさんはこうでないと」

P「俺はお茶汲み係じゃないんだけどなあ……隣座るぞ」ドサ

幸子「な、なんでボクの隣に…反対側が空いてるじゃないですか」ビク

P「なんでって…お姫様を守るなら傍に居ないとな」

幸子「……似合ってないですよ」ドキ

P「顔赤いぞ」ハハ

幸子「い、いきなり言うからびっくりしただけですよっ!」ペチペチ

P「はは、幸子はカワイイなあ」グリグリ

幸子「ちょ、せっかく戻したのにー!?」ワシャワシャ

P「大丈夫大丈夫、幸子は可愛いから」

幸子「……まあ、カワイイなら仕方ないですね。許しましょう」

P(許すのか)

幸子「ほら、Pさんは仕事があるんでしょう? ボクに構いたいのは十分に判りますが、始めたらどうなんですか」

P「いや、ちひろさんから資料受け取らないと始まらないから、それまでは暇なんだわ」

幸子「そうですか。だったらボクが命令をしてあげます。その日記を戻しておいて下さい」

P「……うりゃ」パシッ

幸子「あいたっ!?」

P「……さて、読むか」パララ

幸子「ちょお、いきなり叩くなんてひど――ってこっち向いて下さいよ、Pさぁん!」




 ×月○日

 面白いことを探して早数年……って、まだぜんぜんそんなにたってなーい。

 柚だよー。
 日記なんてイマドキ珍しいよねー。
 メールとか電話とかならよくするけど、こうして字を書くの何て滅多にないよ?


 滅多にないといえば、アタシの人生も滅多にないんじゃないかなー。
 だってさ、聖なる夜にスカウトだよ?
 ふつーならナンパって思っちゃうってっ!
 実際アタシもちょーっとは思ったけどさ、やっぱり面白そうだったから頷いちゃったんだよ。

 よくよく考えると、これって結構アブナイ感じだよねー。
 Pサンだったからよかったけど。


 ……これさ、他のみんなに話したらPサン、評価落ちちゃったよ。やっぱり気をつけた方がいいよね、Pサンは(^o^)


 あ、それとこの前バドに付き合ってくれてありがとねっ♪
 最近仕事ばっかりだったから久しぶりにやりたいなーって思ってたら、Pサンが言ってもないのにバドのセット買ってきたんだもん、びっくりだよ。
 Pサンは帰りに寄ったホームセンターで何となく買ってきたって言ってたけどさ、アタシにはわかってるからねー。

 結局さ、アタシがこうして面白いことやれてるのって、全部Pサンのおかげなんだよね。
 いっぱい輝いてさ、ちやほやされてさ。
 今までやってきた事が全部霞んじゃうくらい、面白いの。
 まさかテレビ画面の向こうがこんなにおもしろいなんて、Pサンに出会わなきゃ味わえなかったな。
 あまりに楽しいから、きっかけなんてたまに忘れちゃうぐらい♪


 …でも、アタシは忘れないよ。
 今も面白いけど、一番面白かったのは、あの日、スカウトした時のPサンの顔と恥ずかしい言葉なんだから(^o^)ノ


 軽そ―に見えるけど、これからも頑張るからね、アイドルも……Pサンの事もね、なんて。へへっ♪




幸子「……」ジト

P「なんだその目は」

幸子「いーえー。ボクの時とはちがうんだなーって思っただけですー」

P「違うって…そりゃ幸子は自分から来たからなあ」ワシャワシャ

幸子「ちょ、だから……んもうっ! 確かにボクにふさわしいのがあなただったから仕えさせた、それだけですよ!」ペイッ

P「それで、お眼鏡にはかなったか?」

幸子「……時々ボクの扱いが変な時がありますけど、それ以外はまあまあですね」

P「お前も柚ぐらい可愛げがあればなあ…」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 そんなに立ってなくとも、印象の時間はもう何年も過ぎたみたいだよな。
 偶然では会ったが、柚を見つけることが出来て悪かったことなんて一度もないぞ。

 それと、時期が悪かったのは自覚しているよ。出来過ぎなぐらいだ。

 ただ、俺の見知らぬ所で勝手に俺の評判を落とさないように。
 プロデューサー業は評判が何よりも大事なんだから……とくに思い込みの激しい子も居ないわけじゃないしな。

 まあ、素直な子が多いし、きっと柚もフォローしてくれているとは思うが……。
 みんなにも俺の返信を読むように言っておいてくれよ?


 ……後半の文、まさか他の子に言ってないよな?

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

幸子(柚さん……強敵ですね)ウウム

P「どうかしたか?」

幸子「なんでもありませんよ。ただボクのカワイさに見惚れていただけです」フイ

P「あるんじゃねえか……」

幸子「ボクがカワイイのは当然ですから空気も同然です。ボクのカワイさを吸えて満足ですか?」

P「可愛いかどうかはさておき、幸子と一緒の空気を吸えているのは満足だよ」

幸子「……次、いったらどうですか?」ピク

P「ん、おう、行くよ」パラ

幸子(Pさんの癖に…)ドキ




 ×月□日 くもり時々はれ。
 かいたひと:ほーじょーかれん

 やっほ。
 Pさんったら変な事思いついたなーって思ったけど、薫ちゃんの発案だったんだね。
 私は仕事だったり他の人がもう書いてたりで、中々書く時間がなかったんだよ。

 Pさんが作ったのにPさんのせいで書けないなんて、なんだか因果だよね。
 凛も奈緒もずっと前のページでもう書いちゃってるし、私だけ置いてけぼり?なんて。


 まあ、置いてけぼりなんて私にはよくあることだったし、驚きもしないけど。


 ……いやいや。
 こんなこと冗談でも書くと、みんなに責められちゃう。とくにPさんにね?


 はーい、私、アイドルだよ。笑

 昔の私はもうバイバイ。Pさんのおかげで、こんなになっちゃった。

 以前は……Pさんとか、凛や奈緒は知ってるけどさ、私はいつも外で見る側だったの。
 なんかやってるなーとか、大変そうだなーとか、何にしてもそう。
 テレビで証明に照らされて笑顔で踊るアイドルを見ても、なんであんな疲れることしてるんだろ、って思ってたもん。

 でも、それはただ私が隠してたってだけなんだね。
 それを見抜いたのはPさんだよ。暗い底で眠っていた私を起こしたのは、Pさんなの。
 私を動かしたのも、私を震えさせたのも、みんなPさん。
 あ、でもアイドルになって負けたくないって思わせてくれたのは凛だけどね?
 Pさんは甘いもん。病院にいた時が被るのかわからないけどさ、他の人がぶーたれてるよー。
 ちなみに奈緒は……あんまりそーいうのはないかなー、なんて。笑

 大事にしてくれて悪い気はしないけどね、ふふ。


 …いざ読み返すと、ちょっと詩的だよね。私には似合わないかな?
 普段はこーいうキャラでもないんだけどなー…他の人もそうだけど、慣れないと変な所が出ちゃうのかも。

 ああ、だったらついでに。
 まだ終わりじゃないから、いつもなら言ったりはしないけど……日記だから言っちゃう。


 アイドルにしてくれてありがとね、Pさん。
 私を支えてくれてありがとね、凛、奈緒。でも負けないから。

 それじゃーね。


 加蓮



幸子「加蓮さんとはあんまり話すことはないですが……病院ってなんです?」

P「ああ、幸子は知らないか。…昔の加蓮は体力がなくて、よく体調を崩してたそうなんだよ」

幸子「三人で踊ってるライブ映像を見ても、そういう風には見えませんが…」

P「変わったんだよ。俺の力だけじゃない、凛と奈緒が居たから、あいつの闘争心をまた呼ぶことができたんだ」

幸子「……なんだかスゴいですね」ポツリ

P「…幸子が人を褒めるなんて珍しいな」

幸子「カワイさならボクが一番ですけど…それでも、残念ながらボクが全て一番ではないんです。尊敬する人くらい居ますよ」

P(……へえ)

幸子「加蓮さんが昔どうだったか、ボクに全部がわかるわけじゃないですけど、努力してきたのはわかります」

P「みんな努力してきたんだけどな。一部は除くが」

幸子「ですが、そんな人にさせたのはPさんなんですからね。その点は、ボクのプロデューサーとして合格点をあげましょう」ドヤ

P「…そりゃ光栄なこった」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 日記も含めて、自分の思いを文字に記すというのは不思議な物だよな。
 言えなかったことも、言い難かったことも、するっと書けてしまう。

 それだけ言葉というものは当たり前のようでとっても大事な存在という
ことは、今の加蓮ならよくわかるんじゃないか?


 加蓮を含めてあの三人の顔合わせをした時の事は今でも覚えているぞ。

 みんな仲良くなりたいのに、自分から何も言い出せなくて変な空気が
流れていたのも昔の話か。

 加蓮も凛も奈緒も、あの頃とは全く違う姿になった。
 着実に、一歩一歩前に歩いているんだ。

 だからといって、昔を消す必要はない。
 振り返って、あんなこともあったな、って笑えるようになって初めて、
思い出という道は作られるんだからな。

 …まあ、加蓮がいくら忘れようとも、俺はあの時の加蓮を忘れることは
ないだろうけどな。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

幸子「…Pさんって、子供みたいですね」ボソ

P「幸子に言われるとは心外だな…」エー

幸子「別に悪い意味じゃないです。そうしてみなさんの心に入っていけるのは、Pさんが素直すぎるからなんでしょうかね」

P「……素直かあ。言われ慣れないな」ハハ

幸子「ボクからの有難い評価です。後生大事にしてくださいね」

P「そうだな。大事にしておく」

幸子「殊勝ですね、ふふん」




 ――柚の日記、その後

 [事務所・会議室]

P「こんなもんですかね」カキカキ…

ちひろ「そうですね。じゃあ、今月も頑張りましょう」スクッ

P「はい。……それにしても、アイドルが増えると会議も長引くなあ」

ちひろ「ふふ、嬉しい悲鳴ですね」

P「休みもあまりないし、次の営業までの隙間が唯一の癒やしです」

ちひろ「ここの所ひっきりなしですからね……ここらで休み入れましょうか?」

P「有給溜まってるし、考えておきます」

ちひろ「いつでも言ってくださいね。調整しますから」

P「はは、ありがとうございます。それじゃ、出かけるまではコーヒーでも飲んで休みますね――」ガチャ

柚「あ、Pサンそこにいたんだ」クルッ

美玲「二人きり……オマエ、ちひろに変なことしてないだろーなッ」

P「してねえよ。というか二人も休憩か?」ガシ

美玲「ふがっ」

柚「そだねー。午後から撮影だけどまだ時間あるからなにしよっかなーって話してたんだよ」

ちひろ「中途半端でごめんね、二人とも」

柚「いいよいいよー。美玲ちゃん面白いし。…それと、二人もっていうことはPサンも暇なの?」

P「まあ少しだけな。営業までの間だよ」

柚「へー……じゃ、バドやらない?」スッ

P「お前はどんなところからラケットを取り出すんだ……」

柚「今度は自前なんだー。前の安いやつ、Pサン空振って地面に当ててへし曲げたでしょ?」

P「う……たまたまだよ」

美玲「へへーん、オマエも人にダンス教えるクセに運動だめなんだな」ヘヘ

P「そうだな。苦労するよ、美玲を見るのは」ガシッ

美玲「わぶっ」




P「……まあ、前やったきりだったからな。よし、やろうか」

柚「ほんとっ? やた、公園行こっ」ピョン

美玲「ウ、ウチもやるぞ、追いかけるのは得意だからなッ」グイ

ちひろ「ふふ。仕事の時間を忘れないでね。はい、ドリンクどうぞ」

P「ありがとうございます、すみませんね」

柚「ちひろさんもありがとーっ」

ちひろ「はい。いってらっしゃい」


 ガチャ



P「よし、スーツも脱いだし……今回は負けないからな」スタスタ

美玲「でも、三人で勝負はできないぞ?」

柚「そだね――じゃあ、こうしよっかっ」スッ

美玲「……ッ!?」ピク

P「うお、いきなり引っ付いてどうしたんだ」タジ

柚「美玲ちゃんは一匹狼だから、柚はPサンと組もっカナー」ダキ

美玲「ちょ、一匹狼は関係ないだろッ!?」

柚「うそうそ、じょーだんだよー。三人でやろっか」

P「そうだな。あと離れなさい」グイ

柚「ちぇー」スッ

美玲(あんな大胆なことできるのか……)ドキ



柚「……ねえねえ、どうだった、Pサン?」ボソ

P「……変なことを聞くんじゃない」

 [おわり]



 ――加蓮の日記、その後

 [事務所・夕方]

 カタカタ…

加蓮「んぅ、ふあ……」ムクリ

P「ん、起きたか。おはよう、加蓮」スタスタ

加蓮「あれ、Pさん――ってここは」

P「事務所だぞ。仕事から戻ってきて二人を待つまでに寝てしまったみたいだな」ハハ

加蓮「え、あ……そうだった。今は……うわ、もう五時! 二人は――っとと」フラ

P「寝起きなんだから無理に動くなよ。ちなみに二人は加蓮の寝顔を見て帰ったよ」

加蓮「あ、そうなんだ……悪い事しちゃったな」シュン

P「そう思ってはいないらしいぞ。詳しくは奈緒の携帯を見るといい」

加蓮「携帯って……まさか」

P「見せてもらったが、可愛く写ってたぞ。加蓮の寝顔」ハハ

加蓮「や、止めてよ恥ずかしい……うう、最悪ぅ」カアア

P「はは。アイドルの寝顔、スクープ、ってな。静かに眠る姿はお姫様みたいだった」

加蓮「もう、Pさんってば。……お姫様かあ」

P「不満か?」

加蓮「いや、ぜんぜん。……私さ、夢を見てたんだ」

P「さっきまでのか」ドサ

加蓮「うん。ぼんやりとだけど」

P「あんなに気持ちよく寝ていたんだ、さぞ良い夢だったろう」

加蓮「そうだね……清々しくて、心地良い夢だったよ」

P「へえ…」

加蓮「私が居て、Pさんが居て。凛も奈緒も、事務所のみんなも居て、ただそこに居るだけで、時間が色鮮やかになっていくの」

P「そう思ってくれるのなら、冥利に尽きるな」

加蓮「うん。……本当にありがと。Pさんが居なかったら私、ずっと小さな世界でただぼんやりと空を眺めてただけかもしれないから」ハハ



P「……否定をするなよ」

加蓮「え?」

P「そうやって今アイドルを本当に楽しめているのも、昔があったからこそだろ?」

加蓮「……だけど」

P「俺はお前を否定しない。苦しんだ過去も、辛い過去も、何もかもな。…加蓮、きっとお前はこの時が終わる事を怖がっているんじゃないか?」

加蓮「どうして、…そう思うの?」

P「当たり前だろ。お前を育てたプロデューサーなんだ、わからないはずがない」

加蓮「…Pさん」

P「だからこそ言うぞ。――過去に戻りたくないなら、過去の加蓮も幸せにしてやれ」

加蓮「……どういうこと?」

P「今を精一杯楽しむんだ。昔の分も合わせてな」

加蓮「…昔は変えられないよ。私がアイドルを辞めたら、また――」

P「たくさん友だちを作って、思い出を作って、アイドルの一生分楽しんで……それからもしアイドルを辞めたとしたら…加蓮は昔に戻るのか?」

加蓮「あ……」ハッ

P「アイドルをやめたら昔に戻るわけじゃない。過去の加蓮じゃなく、別の加蓮になれるんだ。輝かしい過去と、たくさんの素晴らしい仲間を持った、別の『過去の加蓮』にな」

加蓮「……別の過去の私……か、…難しいけど、そうなれるのかな」

P「それを決めるのは加蓮自身だ。だが、それが決められない内は俺がお前の隣に立って肯定をする」

加蓮「――加蓮ならやれる、って?」クス

P「……台詞を取るんじゃない。…けど、わかってるじゃないか」ポン

加蓮「Pさんに育てられたアイドルだもん、わかるよ。……痛いくらい、Pさんの気持ちがわかる…っ」ヘヘ

P「……否定も肯定もしなくていい。ただありのまま楽しんで、……終わってから決めよう、な?」ナデナデ

加蓮「……うん」ポス

P「もたれかかるなよ……汚い肩に」

加蓮「汚くないよ。私を支えてくれる大事な肩。Pさんしか持ってない……最高の、肩かな」

P「……そうか」ナデナデ

加蓮「……うん、そうだよ。だから、もう少しだけ、このままで――」

 [おわり]

加蓮うっひょー。
何か過去があると滾る。妄想が。


というわけで次は>>444,>>445以下適当にパートナー役。
…いつのまにか400超えてら。



あと比奈とのイチャイチャ書きたいです。
NWとイチャイチャ書きたいです。

投下乙でした
周子に続いて加蓮も安価取れて恐悦至極です
加蓮の放っておけない感は異常ですよね
デレ後はPにべったりな癖に、
目を離すと何処か遠くにいってしまいそうな怖さが…



ケイト

>>444
おいあんた ふざけたこと言ってんじゃ…

周子といい加蓮といいフラフラした子が好きなのかな?(ゲス顔)
彼女らは飄々とした口ぶりとかただならぬ過去だけで長編妄想がはかどって仕方ない。

流石にもうあんな量を書く気にはなれないけども…。


今回は早かった。
というわけで次回、ケイトと過去…じゃなかった茄子(これも変換できないというね)です。
海外組は日記どうするんだ一体。一応アーニャ書いてるけどさ。




 ――ある日の事務所


P「ふう、ただいま」

ちひろ「おかえりなさ…って、あら? 裕美ちゃんは今日仕事なかったはずよね」

裕美「あ、今日は来ちゃだめでしたっけ…」アセ

P「いや、今日は裕美の買い物の付き添いですよ、ちひろさん。ショッピングセンターまで行ってたんです」

ちひろ「ああ…今日の午前がないのはそういうことだったんですか」

裕美「そこの店しか置いてない材料とかあって……でも遠いから、と思ってたらPさんが誘ってくれたの。ありがとう、Pさん」

P「いいよ。俺も気分転換できたしな」

ちひろ(プロデューサーさんになら許されるスケジュール…裕美ちゃんいいなあ)

裕美「えと、じゃ…全然足りないけど、お礼にPさんのお手伝いがしたいな」

P「俺の手伝い? いや、ソフト扱わせる訳にもいかないから気にするなよ」

裕美「いつも私にたくさんくれてるから…なんでもするよ?」

P「ん? 今なん……げふんげふん。…あー、それじゃあコーヒーを頼んでもいいか?」コホン

裕美「ふふ、はい、任されましたっ」トコトコ

ちひろ「……」

P「いやー、裕美もちゃんとしていい子ですねえ。真面目だし、言う事ないです」ハハ

ちひろ「……イイゴミブンデスコト」ジト

P「…どうしてそんな冷たい目なんですか」

ちひろ「いーえ、ただプロデューサーの裕美ちゃんを見る目がおっさんみたいだなあって」ボソ

P「聞こえてますから! というかそんな視線は送ってませんよ!」

ちひろ「ジョーダンです。ほら、裕美ちゃんが奉仕してくれてるんだからそこで休んでて下さい」

P「なんかトゲがありませんかね、ちひろさん…」



 ・ ・ ・

裕美「はい、どうぞ。私が入れたからいつもと違うかもしれないけど…」コト

P「おお、悪いな、それじゃ――うん、いつもより美味しく感じるぞ」ハハ

裕美「もう、Pさん。口が上手いなあ、ふふ」

P「嘘じゃないよ。……と、ついでに日記も持ってきたのか」

裕美「うん。Pさんって、休憩中にこれを見て返信を書いてるんだよね? だったらいるんじゃないかな、って思って。…違った?」

P「よく見てるな、その通りだよ――っと、よかったら裕美も一緒に見るか?」

裕美「え、ええっ? …いいのかな、私が一緒に見ても」タジ

P「他の子と見た事もあるからな。それに隣に居てくれたほうが俺も楽しいし」クス

裕美「そ、そっか…じゃあ見る。と、隣いいですか?」

P「おう、来い来い」クイクイ

裕美「し、失礼します……」ドキドキ

P「はは、日記を見るのにそんな緊張しなくてもいいんだぞ?」

裕美「そ、そうだね…」

ちひろ(これがプロデューサーに必要な素養なのか…!?)

P「じゃあ早速…最初はケイトか。どんな日記だろう――」パラ…



 Date:※/× Nice day♪
 Name:Kate

 Hey!I'mケイトだヨ!

 もー私がアイドルになって時間がたったってビックリだよネ!
 だって留学だったから、アイドルになるかって言葉、チョービックリ!

 もちろん、プロデューサーの言葉も、ネ!
 でも留学で覚えた日本語もアイドルで役に立ったし、アイドルやって更にジョーズになったと思うんだけど、どう?

 プロデューサーは最初の私知ってるから、教えてほしいな!
 それで成長の証を残すの!

 私はこれだけがんばれたんだーって書いて、家族に見せたらきっと喜ぶからネ!

 ……でも、日本語ばっかり書いてるとスペルが出てきにくくなって…心配されそーデス。XD

 ま、ダイジョブ!
 イギリスのツアーで家族に私のアイドル姿、見せられたから!
 お母さんなんか、日本でアイドルやってるのって近所に自慢してるらしいデス!


 これも親孝行の形だよネ!
 無理言って留学して結果は違ったけど、目標は達成ダー♪


 …あ、これはダメ!
 きっとプロデューサーなら、「目標はもっと上」って言いマスから!

 どう、当たった?
 相手のことわかってるのは、同じなんだからネ!


 だから、あとは日本のファンとイギリスのファン、そして世界のファンに私のナイスバディを見せつけマス♪

 i'll hold you tight!だからプロデューサーもhold me tightよろしくネ!

 (^O^)日本の顔文字、カワイイ♪




裕美「ケイトさん、私が初めて会った時から上手だったよ、日本語」

P「裕美とケイトが会った時期は……あー、そうだな。確かに上手くなってた時だ」

裕美「…それじゃ、最初の頃は今みたいに喋られなかったんですか?」

P「んー……今に比べりゃ言葉に詰まることも多かったし、片言な部分もあったかな。今とは大違いだ」ハハ

裕美「そうなんだ…異国の地で、苦労したんだろうなあ」ポツン

P「いや、そうでもないぞ」

裕美「え?」

P「あいつは日本が元々好きだったから、難しくてもやる気だけは強かったさ。俺も最初は勉強に付き合わされたよ」ポリポリ

裕美「へえ……すごいな」

P「そうだ、すごい。裕美と同じだな」

裕美「え、私と?」

P「そうだ。裕美だって最初は笑うのが苦手だったけど、本当は好きだったんだろ?」

裕美「…そうだね」モジ

P「好きこそものの上手なれ。上手くゆかなくとも、好きでいる気持ちがあるならどこまでも行けるもんさ」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 ケイトの日記はなんだか懐かしく感じるよ。
 確か、昔にもケイトの日記を見せてくれたっけな。

 今日あった事とか友達との事とかの下に覚えた言葉なんかも書いてあったりで、
当時からケイトのやる気には随分俺も自信を持たせてくれたよ。

 まあ、その努力が実ってくれて俺も頑張った甲斐があったかな。


 イギリスツアーは最高に楽しかったな。俺もよく覚えてるぞ。
 日程の関係でご家族に挨拶はできなかったが、また仕事でイギリスに向かうことが
あれば是非とも改めてお礼を言わせてほしい。

 正直ケイトの人生を動かしてしまった事は悪いと思ってるが、それでも楽しんで
くれていると思うと、誘ってよかったなと思うよ。
 俺の言葉を信じてくれてありがとう。これからも頼む。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

裕美「好きこそものの上手なれ、かあ…今なら、私にもぴったりだね。ふふっ」

P「そうだな。今こうして笑えるのも、好きで居られたからこそだ。その気持ちは忘れないでくれ」

裕美「もちろん忘れないよ。…Pさんがくれたものも、全部ね」

P「はは、それじゃあ仕事を頑張ってもっと返してもらおうかな。…と、それじゃあ次は――」パラ



 ×月▽日
 担当:鷹富士茄子


 時は何度もあめあられ。良きも悪しきもあめあられ。
 めぐって、めぐって。
 小さな光をそっと、手のひらに。


 鷹富士茄子です。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
 得てして色んな何かに出会うのが人とはいえ、私はとーっても色んな人に出会えたような気がします。
 これも、良き縁と結ばれたからでしょうね♪

 何の縁かって? ふふ、内緒ですっ。


 ここに来て、未知の世界に驚くことも多々ありましたが、お仕事でご一緒になる方や事務所のみなさんが優しくしてくれたお陰で私も楽しくアイドルやれてますよ。
 …うふふ、こう言わないと心配しますからね、プロデューサーは。

 いつもいつも駆け回ってお仕事をとってきて、みなさんとも素晴らしい絆をもって、幸せにしてくれる。
 まるで馬のような…私達を幸せに運んでくれる、大切な人です。
 口にはしないけれど、みなさんもそう思ってるでしょう。勿論私も、ですよ♪

 私は自分のことを運が良いと思ってますが、これじゃまだまだです。
 誰かを幸せにしてこそ、ですよね。

 そういう意味では、私の目標はプロデューサーでしょうかー、なんて♪
 今度私を連れてってみませんか? 良いこと、あるかもしれませんよ、ふふ。


 というわけで、今日もみなさんを幸せにするために頑張りたいと思います。


 麗奈ちゃんが何かの道具の製作に行き詰まってたのでお手伝いしてた、茄子でした♪




 あ、せっかくなのでネタばらしでもしましょうか。

 実は冷蔵庫にあるデザート、たまに私が作ってるんですよ♪
 ケーキの上に乗っているぶどう…何かの形に見えませんか?

 うふふ♪




P(ぶどう……いや、まさかな)

P「あれ茄子の作ったやつだったのか…誰かが買ってきたものかと思ってた」

裕美「私も食べたよ。羨ましいくらいに上手だった…」

P「本当にびっくりするな…ちひろさんは知ってたんですか?」

ちひろ「知ってましたよ。一応誰のものか把握しておかないと駄目ですからね」カタカタ

P「それで俺に言わなかったのは…趣味だから、なのか?」ズルッ

ちひろ(茄子ちゃんもよく準備しますよねえ…ある意味芸ではありますけど)

裕美「明るい性格で、話しているととってもふわふわするよね。なぜだかはわからないけど…」

P「俺は、茄子を仕事で送ってると渋滞に巻き込まれないで予想よりも早く着いたことがよくあるな…これも運のよさか?」

裕美「運のよさって移るんだ…?」

P「まあ、人の気は反応しあうし伝染するとも言うからな。これが事実であろうとなかろうと、名前には全然負けてないな、はは」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 運が良いってすごく曖昧だよな。
 何が起ころうとも、その人の感性によって変わるんだから。


 もしそうだとしても、茄子に出会えた事は最高に運が良い事だったんだろうと
俺は思うよ。
 茄子が居るだけで心なしか事務所がやわらかくなってきたような気がするからな。
 そういう雰囲気を作ってくれる人は貴重だ。


 それにしても、不思議なもんだ。
 新人なのに妙に仕事が上手くいったり、失敗が良い方面に転がったり。茄子と一緒に
仕事をしていると世の中の面白さに気付かされるな。

 目の前が全てじゃないと教えられているような気がして、茄子には
なんだか頼もしさがあるように思えるよ。
 もし茄子がプロデューサーだったら、もっと面白い事になってたかもしれないな。


 ……いや、俺の役目が本当に無くなりそうだからその話はやめよう。

 Pより


 PS:本当に驚いたよ。
 …まさか驚かせるためにみんなに黙ってた訳じゃないよな?

――――――――――――――――――――――――――――――――

裕美「何だか不思議な人だよね」

P「確かにな。プロフィールではわからない何かが、茄子にはあるんだろうな」

裕美「…私にもあるかな」ポツリ

P「あるさ。必ず」

裕美「…きっぱりいうね。ふふ、Pさんもすごい」




 ――ケイトの日記、その後

 [事務所]

P「最近みんな雑誌を事務所に持ち込んでくるなあ…マガジンラックが一杯だ」ガサッ

ヘレン「世界を知る。アイドルならば当然ね。志が高くていいんじゃないかしら?」ペラ

P「そういうあなたは漫画ですか」

ヘレン「…世界の頂点に立つならば、異世界に召喚される事も大事。そういう事よ」ペラ

P「…はあ。またマガジンラック買い足しておかなきゃな……と、これは旅行雑誌か」

ヘレン「……ああ、それなら――いえ、説明なら本人に任せるとするわね」チラ

P「え、どういう――」

 ガチャ!

ケイト「Hey,グッモーニン! プロデューサー、今日も仕事がんばりまショウっ」バッ

P「うわっ…って、ケイトか。朝早くから元気だな」

ケイト「勿論デス! スターになるためには毎日の仕事が大事ね!」ニコ

ヘレン「解ってるじゃない。私と共に存在しただけの価値はあるわね」フフン

P「元気なのは良いことだ。ええと、今日の仕事は……ケイトは10時から収録だな」

ケイト「ハァイ! イギリス特集デスから、たくさん魅力、伝えマス♪」

P「その調子だ。あとヘレンはもうすぐレッスンだから準備しておくように。ほら栞」ハイ

ヘレン「続きを読みたいという求心力…侮れないわ」スッ


 スタスタ…


P「うちは図書館じゃないんだがなあ……まあ、これだけ広ければ無理もないか」

ケイト「とってもカイテキ、いい事務所。beautiful homeデスね♪」

P「家なら掃除当番でも作るかな……なんて」ハハ

ケイト「私は家でもちゃんと掃除してマスから大丈夫デスよ……あ、プロデューサーの手に持ってるのは」

P「ん? ああ、誰かが読んだままテーブルに置きっぱなしだったものだな…お、そういえば丁度イギリス号だ」

ケイト「それ、私が持ってきたものデス。みんなにもイギリスに興味を持ってほしいナって思って」

P「はは、殊勝だな。誰かが読んだなら、きっとその子もイギリスに行きたいんだろうな」

ケイト「だといいデスね。私も頑張って書きましたから♪」

P「…書いた?」

ケイト「yes! ちょっと読んでみてクダサイ!」




P「読むといっても、中身はプロが書いた特集だろ――って、手書きで色々書かれてある」ペラ

ケイト「イギリスなら私にオマカセ♪ 私の知ってること、いっぱい書きましたからっ」

P「次も、その次のページも…まさか全部にか!?」

ケイト「of course! 楽しかったデスよ」

P「すごいな…やっぱり自分の国は好きなんだ」

ケイト「当然デス。いつかみんなも誘ってイギリスに行きたいですネ」ニコ

P「はは、そうなるならスケジュール調整をかなり頑張らないとな…」タジ

ケイト「勿論プロデューサーも一緒デス! それで私の両親に会ってクダサイ♪」

P「その件も含めて、か。なるほど」ハハ

ケイト「そのためにも、今日のお仕事がんばりマス! それじゃ、少しレッスンルームでwarmin upしてきマス、bye♪」

 タッタッタ…

P「やっぱり目標があるとやる気も違うな。杏に聞かせてやりたいぐらいだ」スッ

P(……)

P「ちひろさん、海外旅行は許すかなあ」ボソ

 [おわり]



 ――茄子の日記、その後

 [街中]

 ザワザワ…

P「お、やってるやってる」

茄子「うふふ、人がいっぱいいるのは賑やかでいいですね♪」

P「普段から人通りは少なくないけど、もうすぐここで祭りがあるからなー」

茄子「わいわいがやがや、楽しみです。私も頑張らないとっ」

P「そうだな。今年のイメージキャラクターに選ばれたんだから、よろしく頼むぞ」ハハ

茄子「はい、もちろんですよー。みんなに幸せ、届けます――って、あら? 向こうに人だかりが……」

P「ん? あー、……福引をやってるみたいだな。この祭りに合わせた企画か」

茄子「商売繁盛、なるといいですね♪」

P「俺達もそれを手伝う訳だからな……。そうだ、ついでにやっていくか?」

茄子「え? でも、福引券はありませんよ?」

P「協賛店で買い物をすれば福引券が付くらしい。今日は下見を兼ねてるから、ちひろさんも少しぐらいなら許してくれるだろ」ハハ

茄子「…うふふ、そうですね。行きましょうか」

P「お、セールもやってるみたいだ。ラッキーだな、はは」

茄子「はい、ラッキーです♪」

茄子(…これも福、ですね♪)

 [おわり]

ヘレンは未だネタを引っ張る。何となくツボったからね、仕方ないね。

あとシンプルが一番いいってばっちゃがいってた。
(キャラが被り始めたとも言う)

次は>>461,>>462以下同文。よしなに。

わかるわ



 ――ある日の事務所、夕方

 ガチャ

P「ふぅ、今日も回ったぞ……」

奈緒「お、Pさん、おかえり」プラプラ

P「ソファで寝転んでゲームか……羨ましい限りだ」

奈緒「一発オーケーもらってきたからな。進めておきたかったんだ」クルッ

P「あー…それか。事務所でもやってる子が居るなあ…止めはしないが、仕事に差し支えないようにな」

奈緒「あったりまえだよ。なにせ、Pさんがくれた仕事だかんな」

P「……何だか雰囲気変わったよな、奈緒」

奈緒「へっ? …そうか?」

P「ああ。以前より堂々としているような気がする。何かあったのか?」スタスタ

奈緒「いや、アタシは別に――いや、あれのおかげかもな」

P「あれ?」

奈緒「日記だよ。あれ書いた時は何でもないのにすっげー恥ずかしかったけどさ、一度書いたら何だか気持ちが軽くなったんだよ」

P「奈緒は……あった、このページか」パラ

奈緒「ばっ、読むなぁ!」

P「はは、慣れろよ。それにしても、割と最初の方に書いてたんだよな」

奈緒「ったく……んだな。アタシがこんな始めの順番でいいのかよって思った」

P「そして後であの二人に絡まれると」ニヤ

奈緒「ホントなんでアタシばっかりこんな目に…」ハァ

P「奈緒を信頼している証拠だよ」

奈緒「だといいけどなァ」




奈緒「…まあ、その日記を書いたおかげで何か他の奴らと距離が近くなったような気がする」

P「例え僅かでも、腹の中を見せるって勇気の要ることだからな。一度乗り越えれば、みんなももっと奈緒に近づいてくれるさ」

奈緒(ホントはアタシの方が遠ざかってたんだけどな…)

奈緒「なんだ、まあそういう意味で日記に感謝してるよ」

P「薫にもな」

奈緒「はは、そりゃそうだ。……ところで、今日は日記を見ないのか?」

P「ああ…そうだな、戻ってきたばっかりで作業する気が起きないし、見るか!」

奈緒「それでいいのかよ…」

P「大丈夫、奈緒と一緒にいるのも仕事のうちだ」ハハ

奈緒「…べ、別にアタシは仕事じゃなくても一緒に……」ボソ

P「そうなのか?」

奈緒「うわっ!? バカ、盗み聞きすんなよ!」バッ

P「いや、奈緒が喋ったんだろ……」

奈緒「うっ……」

奈緒(でも…今までとは違うから)

奈緒「…あ、あのさ。もし暇だったら今度ご飯でも食べにいかねェか?」

P「ご飯か…いいぞ。行こう行こう」

奈緒「い、いいのか?」ピクッ

P「大体晩は一人だからなぁ、たまには誰かと食べたくもなるさ。相手が奈緒なら余計に」

奈緒「お……おう、そうか。場所は任せてもいい?」

P「勿論だよ。ありがとう、じゃあ予定組んどくよ」

奈緒「こ、こちらこそ……ありがとう」カアア

P「んじゃ、日記でも見るかな」

奈緒「ア、アタシもみていいか?」

P「おう、いいぞ。…よし、書いた子は――」パラ




 ×月▼日
 記入者:工藤忍


 日記の一ページ。
 人々にとって、数えきれない日々の内のたった一日。
 だけど、ここに、このノートに一日を記せるということは、アタシが……工藤忍がアイドルとしてちゃんと生きているという証なんだと思う。

 辛かったよ。
 でも、辛かったからこそ、今の自分が輝いているんだとも思う。


 今、すごく楽しいよ。
 こうしてペンを持つ手が、嬉しくて震えだしそうな位。
 事務所がライブ会場になりそうな位。

 最初の頃から瞬く間にアイドルになれて、学園祭にも呼ばれて、どんどん変わっていって、皆に認められて。
 本当に一瞬の出来事のようにも思えたけど、こうして日記を書くことで今更ながら思い出してみる。

 ねえ、Pさん。
 アタシ、いっぱいいっぱいだったんだよね。
 上京ってさ、つまり何も持たずに旅をするようなもんでしょ?
 (実際アタシは本当に何も持たず来ちゃったわけなんだけど……)

 だからもう必死で色んな所に応募して、それでも落とされて……どうしようかって思った時にPさんに出会えて、その時はアイドルへの道が開けて喜んでたけど、実は泣きたかったんだよ?
 「これで見返せる」って。

 …でも、そうじゃないんだね。
 アイドルはそんなことを考えてやるべきものじゃないって、アイドルになって同じ事務所のライバルと接することで分かった。
 みんな、幸せそうだもん。それも、アイドルになったからじゃなくて、今の自分に。

 今なら選考に落とされた理由がわかる気がする。
 だからこそ、Pさんはすごいなあって思う。こんなアタシの中を見抜いてくれたんだよね?
 分かったから、アタシはあの時以上に楽しめてるんだ。みんなを笑顔にさせる、幸せにさせる、ってね!


 ……あ、もうページがなくなりそう。このままだとPさんの返信欄まで潰しちゃいそう、ふふ。

 最後に。
 Pさんと事務所のみんな、空回りしていたアタシに最初から優しくしてくれてありがとう。
 きっとみんなが居なければ、どこかで折れていたかもしれないから。

 だから、これからもよろしくね!



奈緒「……何だかアタシの日記が恥ずかしくなるな、別の意味で」メソラシ

P「忍は…最初の頃は本当に気を張ってて、このままじゃすぐに壁にぶつかるって俺も焦ってたもんだ」ウンウン

奈緒「そんなにだったのか?」

P「本末転倒というか、行き着く先は五里霧中というか…とにかく、望んで来たけど意志が強すぎて逆に失敗することも多かったな」

奈緒「望んで来た、か……アタシとは逆だ」

P「確かに、奈緒は無理やり連れてきたようなもんだったな」ハハ

奈緒「笑い事じゃねぇよ! …全く、とんでもない人だよ」

P「今でもアイドルは嫌か?」

奈緒「う……嫌、じゃないけどさあ……ああもう、好きだよ、好き! 特にドレス着て踊るのは最高だよ!」

P「そう、人は変わるんだ。どんなベクトルであっても、アイドルに対する本当の気持ちが出れば、誰だって輝ける」

奈緒「…ホンットとクサい台詞を吐けるよなあ、Pさんは……」

P「クサくてナンボ。それを笑っちゃ、夢は輝かないぞ――」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 こうして改めて書くことで、過去が蘇ったり今を感じたりで、面白い
もんだよな、日記って。


 正直言って、あの時ひと目見ただけで忍の気持ちがわかっていたんだ。
 だから、正しい道に誘導してあげなきゃ駄目だ、って思ったんだよ。
 ちゃんと歯車さえ噛み合えば、凄いアイドルになるって感じたからな。


 どうなることかと思ったけど、俺だけじゃなく事務所のみんなのおかげで
忍が本当のアイドルの楽しさに気づけてもらえて、俺は本当に嬉しいぞ。

 これからも、仲間と切磋琢磨してファンの皆に夢を与えてやってくれ。


 あ、この前はりんごと缶コーヒーのおまけありがとう。あれだけ中々
置いてなかったんだよな。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

奈緒「…Pさんっておまけ集めんのか?」

P「いや、別にそれ目的で集めてるわけじゃないが……缶コーヒーを買おうとしたら偶然付いてきてな。それで」

奈緒「普通にわかるから怖いよな、おまけって…」

P「忍はおまけ集めるのが好きらしいけど、前に部屋に上がった時はあんまり見かけなかったなあ……一体どこに収納してるんだろうな」

奈緒「おま……部屋上がったことあんのか!?」

P「誘われたからなぁ」ウン

奈緒(ア、アタシも誘えば来てくれるのか……?)

P「まあ自宅訪問は中々楽しいもんだ。じゃあ次は――」パラッ



  ×月△日
  担当:川島瑞樹

 懐かしい、なんて言ってしまっては差を感じるようで嫌だけど、この懐かしさは決して忌むべきものではないわね。

 日記に関わらず、紙に字は昔からよく書いていたわ。
 ほら、アナウンサーってたんに原稿を読むだけじゃなくてメモも大事だしね。言葉の使い方も間違ってはいけないし、その言葉がどういう影響をあたえるのか吟味もしなきゃいけない。
 こうして書くと、我ながらよく頑張ったものよね。


 そういう意味では、今の私も頑張っていると言えるかしらね。
 まあ、先輩や後輩を見てもアナウンサーがタレント扱いを受けたり声優などの類似種に手を伸ばしたりする人も居たけど、私はなんてったってアイドルなんだから!

 勿論周りには驚かれたわ、出来るわけないって。
 でも、挑戦する気持ちを忘れた人間がのうのうと生きていられるほど楽な職業じゃないのはアナウンサーもアイドルも同じよね。

 だから私はP君の視線に応えるの。応えることが礼儀だし、何より私自身の挑戦だからね。
 この年でも何かに燃えるって素敵だわ。そう思わない?

 ……あの時のP君の視線も熱かったケド♪


 難しいのは重々承知よ。
 頑張ってる私だって、茜ちゃんの元気さを見ると羨ましいと思うし、楓のミステリアスさを見ればすごく映える絵だなと思う(中身は全く違うけどね)。

 だけど、諦めたらそこで終わりなの。
 ……そういったのは他の誰でもなくP君よ。

 その言葉があるから、私はこうして頑張っていられる。
 言葉で皆を動かす畑の人間だったんだもの、言葉の力を感じない訳がないわ。それがP君なら尚更、ね?

 P君、若い子に比べれば扱いが難しいかもしれないけど、私頑張るから、これからも付き合ってよね。
 大人の女の魅力、今よりもずっと磨いて魅せつけてあげるんだから!



 あ、菜々ちゃんは一緒に頑張りましょうね。




P「おお、何か本職っぽい」

奈緒「いや、前職だけどな…」

P「でもこの字とか、きっちりしてるよなあ。美優さんの字は少し丸っぽいけど、川島さんのはパソコンで打ったみたい」

奈緒「アタシはあんまり字うまくないからなー……羨ましいって言えば羨ましいな」

P「そうか? 少し崩れてるけど上手いぞ?」パラ

奈緒「だからアタシのページを開くなって……字で言えば幸子も中々だよな」

P「ノートをきっちりとってるだけはあるよな。どちらにせよ、俺も出来れば見習いたい所だ」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 安定した職からの転身は誰でも勇気のいることですけど、それを進むことが
できた川島さんは大人なんだなって思います。

 レッスンも積極的に色んなジャンルに挑戦するし、年下の子相手でも聞きたいことがあれば聞きに行く。
 そんな姿を見ていると、俺をとても安心させてくれます。


 ……ですが、大人となれば気軽に誰かを頼りにくいこともきっとあるはず。
 そんな時のために俺が居るんですから、前に進むのもいいですけどたまには
休んで下さいね。
 川島さんが居ることで、俺も、年少の子も楽しくやれてるんですから。

 諦めず、それでいて気を張りすぎず。
 難しいところですが、お互いよく意思疎通をして無理なく頑張っていきましょう。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

奈緒「なんか学級日誌の先生の一言みたいだな」

P「相手が川島さんだから、つい、な」

奈緒「いや、アタシもわかるぞ……可愛い大人ってああいう感じなんだろうなって思う」

P「確かにな。出身が大阪だから親しみやすさがあるのかもしれない」

奈緒「たまにはっちゃけすぎてる部分もあるけど……」

P「まあそこは……愛嬌ってことで」ウン

奈緒「……愛嬌ってことだな」ウン




 ――忍の日記、その後

 [収録後、楽屋]

P「はい、ジュース。お疲れ様」ポン

忍「ありがとね――ふぅ、何だか生き返るよ」

P「今日は結構大きめの番組だったからな。でも画面見る限り変な所もなかったし、上等だったぞ」

忍「ふふ、アタシも成長したってこと!」ニコ

P「いっぱい頑張ってきたもんな。……でも、最近は仕事もレッスンも詰め過ぎだぞ、大丈夫か」

忍「今までにもそういうことがあったし、大丈夫だよ」キュ


 シーン…


P「……その目だなあ、やっぱり」

忍「え?」

P「思い詰めてる目だ。……気づいてないのか、忍が自分を追い込んでる時は、大体そんな目をしてるんだぞ?」

忍「……そんなことないって」

P「そんなことある。……母親が来るから頑張ろうと思うのは仕方ないけどさ」

忍「え、どうして知ってるの!? アタシは言ってないのに…」

P「ああ、聞いてない。でも、母親から俺の方に電話が来たんだよ」

忍「……どういうこと?」

P「丁寧に名乗ってくれて、今度ライブに見に行きたいとか、近況報告とかを交わしたんだ」

忍「アタシもメールでちゃんと連絡してるのに……なんでだろ」

P「あの子はどうしても頑張りすぎるから、出来るだけ見てあげて下さい、そう言ってたぞ」

忍「……!」




P「やっぱり親は子を知ってるもんだな。どうせ連絡と言っても順調としか言わなかったんじゃないのか?」

忍「う……でも実際順調だし、大丈夫だよ」

P「だから心配してるんだよ。動き続けられる人なんて居ないんだ、心配して当然だろ」

忍「……そうだね、また考えすぎてたかも」

P「努力家なのは心強いけどな。……まあなんだ、近々休みを作る予定だし、気を張ってないでゆっくり休むのもいいと思うぞ」

忍「休みかあ……ああ、なんか久しぶりでよくわからないね、ふふ」

P「悪いな、気が利かなくて。出来るなら長めの休みをとって実家に顔を出すぐらいのことはしてやりたかったんだが」

忍「いいよいいよ。会わなくてもライブでアタシのこと見てくれるし、ゆっくり休むから――あ、でもその代わり……お願い、聞いてもらえないかな?」

P「お願いか…俺に出来る範囲なら何でもやるぞ」

忍「えーと、…よかったらアタシの休みの日、また家に来てもらえないかなーって」

P「俺が?」キョトン

忍「うん。Pさんが以前家に来た時、何だかすごく落ち着いたんだ。きっとアタシの面倒をずっと見てくれてたからかな」

P「落ち着く、か」

忍「うん――そう、家族だ。アタシ、長い間遠い所で一人だから、Pさんといると楽しい気持ちになるの。……駄目かな」

P「……いや、行かせてもらうよ」

忍「ほんと?」

P「そこまで言われちゃ断れないからな」ナデ

忍「えへ、撫でられるなんて子供みたい……でもPさん、何だかお父さんみたいだよ」

P「まだ結婚もしてないんだけどな……」ハハ

忍「褒めてるんだよ」

P「……褒めてるのか、それ」

忍「褒めてるんだよ、それ」クス

 [おわり]



 ――瑞樹の日記、その後

 [事務所]

瑞樹「うーん……いや、ここは……」

P「あれ、川島さんどうしたんですか、そんなに紙とにらめっこして…」

瑞樹「ああ、P君か。ちょっと考え事を、ね?」

P「考え事ですか……俺でよければお手伝いしますよ」

瑞樹「さっすがP君、優しいわねえ。じゃあお願いしたいんだけど、これ」ピラッ

P「さっきまで見てた紙が何なんです………って、『みっちゃん』? 『みんみん』?」

瑞樹「いえね、私もアイドルとしてやるなら、もっといいニックネームがあってしかるべきだと思うのよ」

P「まあ、確かにアイドルユニットなんかはファンから愛称で呼ばれる事もよくありますが……これは」

瑞樹「ここはやっぱり大人の魅力とかけて『ずっきゅん』とかどうかしら」マジマジ

P「……どこからそうなるんですか?」

瑞樹「ほら、みずきって真ん中にあるでしょ。あなたのハート、ずっきゅんしちゃうぞ、なんて可愛いじゃない?」

P(反応に困る…)タジ

瑞樹「……はあ、その視線で言いたいことはわかるわよ」

P「え、あ、……すみません」

瑞樹「気にしなくていいわ。手綱役として、それは当然あるべき態度だものね」ハァ

P「川島さん…」

瑞樹「……まあ、それもあるんだけど、やっぱり子供と接する時に『川島瑞樹』だと固いかなって思ったからなのよね」

P「川島さんは子供は好きですか?」

瑞樹「ええ、好きよ。見ていて愛らしいし、これからを担う人なんだなって応援したくなっちゃうもの」クス

P「…俺もそう思います」ニコ

瑞樹「だから、大人としてこの事務所の子達を良い方向に導けたらって思って、もう少しフランクに行きたかったんだけど、中々難しいわねえ…」

P「川島さんはよくやってくれてますよ。アイドルなのに、よく目をかけてくれて俺もすごく助かってます」




瑞樹「嬉しいわ、P君。そういう言葉も、行動も。…こうして誰かから気遣ってもらえるのは、すごく嬉しいものね」

P「…すみません。美優さんといい川島さんといい、本来俺達がすべきことを手伝ってもらって」

瑞樹「いいのよ。無理してやってるわけじゃないんだから」クス

P「そんな他力本願な俺がこう言うのも説得力がありませんが…たまには俺に頼って下さいね」

瑞樹「そんな、私がアイドルになってからずっとP君に頼りきりじゃない。今更ねえ」

P「仕事で俺が頑張るのは当たり前です。その上で川島さんの不安や疲れを軽くしてやりたい、プロデューサーじゃなく一人の人間としての言葉です」

瑞樹「P君……ふふ、とても格好いいわ。立場が違うなら、惚れてたぐらい」

P「ほ、惚れ…!?」

瑞樹「誰かのために一生懸命になれる男の人は素敵なものよ。……いや、素敵だからP君はそこに居るのかもしれないわね」

P「…そこまで褒められると照れますね」

瑞樹「あら、いつもみんなを褒めているのに?」

P「…俺は単なる裏方ですから。褒めるべきも褒められるべきも、アイドル達ですよ」

瑞樹「……ねえ、P君。ちょっと隣に座ってくれるかしら?」

P「え、隣に? …まあいいですけど」ドサッ

 スッ

瑞樹「…そんなこと言わないで」ダキヨセ

P「ちょ、川島さん、近っ……」ドキッ

瑞樹「確かにプロデューサーは裏方よ。でもね、あなたが居なければここに存在しない子たちがほとんどなの」ジッ

P「……」

瑞樹「だからみんな感謝してるし、私もあなたの手伝いができて嬉しいのよ。卑下しないで、自信をもって、ね?」

P「…はは、なんだか鏡を見せられている気分です」

瑞樹「最後の言葉はP君の口癖だものね。…どう、気分は軽くなった?」

P「……川島さんには敵いませんね」

瑞樹「私から見ればP君も後輩みたいなものよ。もっと頼りなさいな」フフ

P「俺が後輩か……じゃあ先輩、今度飲みに行きませんかー、なんて」ハハ

瑞樹「いいわ、後輩君。…今晩にでも行くわよ♪」

P「え、いやそれは冗談――」

瑞樹「ほら、今日の仕事結構残ってるんでしょ! 私も手伝うから早く終わらせましょう!」




P(……たまにはこういうのも悪くないか)

 [おわり]

一レスの台詞数が多くなって焦る。
そら(わかるわ成分抜いたら)そう(真面目になる)よ

忍は…難しいよね、うん。言い訳はしない。

というわけでお次は>>478,>>479以下同文。違和感がああ、窓に!窓に!

ネネ

むっつみーん

今までに出てきたキャラって何人?



 ――ある日の事務所


P「ここは、えーと…」カタカタ

ちひろ「あ、そこの参照する場所間違えてますよ。別のデータになってませんか?」

杏「……」スピー

P「うわ…あー、ここか。道理で数値が変な訳だ」

ちひろ「手伝ってもらってすみません。何せ量が多いので…」

P「大丈夫ですよ。今日の営業分はもうないですし、元々手伝おうとしてましたから」

杏「……」クカー

ちひろ「ありがとうございます。とっても助かります。お茶置いときますね」コト

P「どうもです。いやー、午後は仕事が捗るなあははは」

ちひろ「そうですね。アイドルの子達もみんな仕事に勤しんでるでしょうしふふふ」


 スピー…


P「――おい起きろコラ」ムギュ

杏「んぐぁ」グガッ

ちひろ(…おおよそアイドルの出す声じゃない)



杏「くー……んあ? ああ、プロデューサーじゃないか~……」コシコシ

P「ああ、お前のプロデューサーだよ。いくらなんでも寝過ぎだ」

ちひろ「かれこれ朝から寝てますからね…」ハハ

杏「寝る子は育つんだよー……って、今心の中で否定したでしょ」ジッ

P「そこまで読めてるんならもう起きてるな。昼飯飛ばして寝続けるなんて、昨日何してたんだ?」コト

杏「あ、お茶ありがと。……えーと、確かクローゼットの奥からスーファミが出てきたから徹ゲーしてたんだっけ…比奈と」ゴクゴク

P「……ああ、そういえば比奈もいつもより眠そうだったな」

杏「うそ、平気そうだったよ?」キョトン

P「アイドルの変化はすぐわかるさ。視線の向きとかでもな」

杏「……へえ、さすがだね。杏も少しびっくりだよ」

P「まあな。杏のおかげだ」ナデ

杏「ふふふ、ならご褒美をおくれやす」

P「どこの人だよ。ほら、飴ならテーブルに置いてるから食べていいぞ。あと少ししたら仕事の準備入るんだから、頭覚ましとけよ――」スタッ

杏「あー、プロデューサー行かないでよー……隣に居ないと寂しいじゃん」

ちひろ(!?)ビクッ

P「……杏?」

杏「杏はプロデューサーが居ないと生きていけないんだから、傍に居てー…?」

ちひろ(一体杏ちゃんの身に何が……?)

P「……杏。俺は杏の気持ちがよくわかっているつもりだ」

杏「ふふー、そうなんだー…じゃあはい、隣りに座って座って」ポンポン

P「そうして取り入ろうとして仕事の時間を忘れさせようとしている事もな」ムギュ

杏「……やるじゃん」ムギュ

ちひろ(えー……)




杏「もうCD出して結構経つし、テレビにもかなり出たしさ。もうゴールしてもいいんじゃないかな」グテン

P「俺の膝を枕にするなよ……あとアイドルにゴールなんてないから安心して仕事に励め」ナデ

ちひろ(といいつつ自然に撫でるプロデューサー…どういうことなの)

杏「全く、相変わらずだなプロデューサーは……というか寝るなって言うけど、仕事の時間まですることないんだけど」フワァ

P「……あー、ちひろさん、日記取ってくれます?」

ちひろ「はいはい。ふふ、いい景色ですね」

P「らしくはないですけどね。ありがとうございます」

杏「日記ー? 誰のー?」ゴロリ

P「みんなのだよ。杏も最初の頃に書いたじゃないか」

杏「……そんなこともあったような」

P「…はあ。変わってないのはお互い様だな」

杏「一緒でいいじゃん、ねえ? ……うわ、しばらく見ない内にみんな書いてるんだねー。あ、杏のページ見っけ」パラパラ

P「少し前の事でも懐かしく思えるな。どうだ、みんなを知るいい機会だと思わないか?」

杏「んー……まあいいか。でも読むの面倒だから読んでよ、プロデューサー」

P「子守かよ――と、新しく誰か書いてる」

杏「ゆーごっめー」

P「……気になるから読もう。杏も見るか?」

杏「膝の上からじゃ見えないし、読んでよ」

P「絵本の読み聞かせじゃないんだから……」パラ




 ×月▲日
 栗原ネネ

 みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
 季節の変わり目、段々夜も寒くなってきて、特に寝る時の格好は気をつけてくださいね。
 私も最近冬布団を出して早速暖かい毛布の中にくるまれています。
 はしたなくて、あまりやってはいけないとは思うんですが、やっぱり暖かさってとっても気持ちいいんですよね。

 単に温度の話ではなくて。

 事務所に入った時、皆の声が聞こえてきたり。
 仕事が終わった後、Pさんが笑顔で出迎えてくれたり。
 台本を一生懸命読んでいる時に、ちひろさんがお茶を出してくれたり。
 なんてことはないはずなのに、その暖かさが心を健康にしてくれます。

 …健康というと、もしかしたら知っている人がいるかもしれませんが、私には妹が居ます。
 優しくて人懐っこくて、自慢の妹です。

 ただ、妹は体があまり強くなくて、そのせいで昔から学校も休みがちで……私達家族には大丈夫だと笑うのですが、時折見せる暗い表情がとても頭に残っています。

 だから、私はアイドルを目指そうと思ったんです。
 真剣にアイドルになりたいと思ってた人にはごめんなさい、って言わなきゃいけませんね。

 でも、そのおかげかどうかはわかりませんが、妹は私の話をよくしてくれるようになったんです。
 テレビでライブ見たよ、とか、あの芸能人と共演してて羨ましいとか、私の話。
 それだけなら、昔と同じです。

 ……昔と違うのは、レッスンの事とか、トレーニングの事とかを聞いてくるようになったんです。
 どうしてか聞いたら、「私もお姉ちゃんみたいなアイドルになりたい」って。


 …その時、私はその言葉を聞いて幸せに感じると共に、何だかやる気がとっても沸いたんです。
 不思議ですよね。
 妹のためにアイドルを頑張った私が、いつの間にか妹のおかげでもっとアイドルを頑張ろうって思ってしまったんです。

 それだけじゃありません。
 アイドルになって、いろんな世界を見てきて、いろんな思いに触れて。
 私は私だけで生きてるんじゃなくて、Pさん、ちひろさんを含めて、多くの人のおかげで健康でいられるんだって知ったんです。

 だからこれからもずっと健康で居られるように、アイドルとして頑張りたいと思います。
 そうすることで、きっと妹も、Pさんも喜んでくれるはずだから。

 日々是好日。毎日を楽しく生きたほうが、ずっと心も楽しいですよ!




杏「杏も健康だから大丈夫かなー」

P「健康診断で何も異常がないのが不思議なくらい健康だよ…どうしてなんだ」

杏「プロデューサーは結果見て毎回不安そうな顔してるもんね」

P「どうして知ってるんだお前」ビクッ

杏「女の勘」

P「…嘘つけ」ムギュ

杏「うひょひゃあいおい…」ムギュ

P「でもネネに言わせてみれば心は健康そのものだよ。誰にしたって、みんなのもつ夢を叶える手伝いが出来て幸せだからな」ウン

杏「けんこーけんこーって、気にしてるほうがふけんこーなんじゃないかとも思うけどね」グデー

P「そういうところは妹さんの事もあるんだろうなあ。見てる側も、辛くないはずはないのに」

杏「……杏が病気になったらプロデューサーはどうする?」

P「不吉なことは冗談でも言うんじゃない。…けど、病気になる前に俺がなんとかしてみせるぞ、絶対に」

杏「……ちぇ」

P「ま、健康第一が良いことは変わりない。ネネを見習って、杏も食生活くらいはちゃんとしてくれ――」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 日々是好日。いい言葉だよな。毎日を一生懸命楽しく生きるネネには
ピッタリだと俺は思うぞ。

 健康ってその時には大事にされないが、無くなって初めてその大切さが
よくわかる。
 仕事をしてたまに体調を崩す度にそれを実感するよ。
 アイドル達も、ずっと健康で居てほしいと願うばかりだ。

 ただ、アイドルはアスリートでない以上、こちらから管理できる範囲と
いうのはそこまで広くない。
 無論、スパート前はトレーナーさん達も含めて干渉するが……。

 そういう時、嫌味なく伝えることが出来るネネが羨ましいよ。
 俺が言おうとすると過干渉みたいでよくないからな……。

 もちろん他の皆も自己管理は十分出来ていると思うが、中には少しぐうたらな
子も居るから、そんな時はさりげなく気遣ってやってくれるとありがたいな。


 あと、もしもの事だが、妹さんがアイドルになりたいなら俺を頼ってくれ。
 ネネの夢を叶えると共に、妹さんの夢も叶えてみせるからな。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

杏「…プロデューサーってさ、健康が大事って思ってるの?」ポツリ

P「当たり前だろ。この仕事は体が資本だからな。急にどうした?」

杏「べっつにー。…口は災いの元って思っただけ」

P「ん? …よくわからないが、気をつけるよ」

ちひろ(……杏ちゃん)




 ×月◇日 日誌No.007
 機密情報ニ付縁者以外ノ閲覧ヲ禁ズ


 なんちゃって。

 今日の日記は私、氏家むつみが担当しますよ!
 こうやって記録を書いていくってすごくいいですよね。私の読む小説にもよくこういうシーンがあります。
 無人島に置かれた物とか、亡き師匠の物とか、あるいはビンの中とか!

 この日記もいつか時間をこえて誰かに……私に見られるのかと思うとちゃんとしなきゃって思います。

 って、こんなこと書いてちゃ意味ないよね。


 さて、メインページは新たな冒険の話!
 この前、仕事が昼からだからそれまで事務所で小説を読もうと思って早めに来たら、比奈さんと文香さんがソファで話し合っていたんです。

 この事務所はたくさん人がいるので話している所を見たことがない人も多いんですけど、このお二方もその一組です。

 私が扉を開ける音で気づいてあいさつをしてくれました。
 お二方とも、年上で落ち着いてて優しくて良い人です。

 何を話してるのかを聞いたら、どうやら文香さんの叔父さんが古本屋を営んでいるそうなんです。
 それで、比奈さんが一度行ってみたいという話をしていたようです。

 古本屋は私も好きです。
 何があるかわからない、せまくて大きな世界はまさに宝探し!

 それで、次の日曜日に行くみたいで、私もさそってもらえました!
 お小遣いは少ないけど、わくわくするような本に出会えたらいいなと思います!

 今週の宝探しに向かって、お仕事がんばるぞー!




杏「元気でうらやましー」グテー

P「羨ましくも何とも思ってないだろ」

杏「杏にもそんな時期がありました」

P「せめて現在進行形か未来形になるように頑張ってくれ…」ハア

杏「…それにしても、なんで冒険が好きなんだろうね?」

P「そりゃあ、まあ冒険にはロマンがあるからな。俺にはわかる」ウンウン

杏「あるよ、杏にも」ゴロ

P「……どんなだ?」

杏「一つ画面を挟んだらいくらでも」キリッ

P「……はいはい」ナデ

杏「なんだとこらー……。まー、アイドルも冒険みたいなもんだよね」

P「むつみ本人もそれはよくよく実感してくれてるようで何よりだよ」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 冒険は楽しいよな。
 非日常へ足を踏み入れて、見たことも聞いたこともないような事を体験して、
どきどきわくわくさせてくれる。

 それを願う気持ちは、アイドルには――アイドルでなくても、生きていくのに
大切だと俺は思うよ。

 そして、文香と比奈に誘ってもらえてよかったな。

 個人的な感想だが、文香のところの本屋は凄いぞー。
 少し焼けた雰囲気の本棚が店中にあちらこちらあって、そこに色んな本が敷き
詰められてるんだ。
 床も木目が薄く映って照明の蛍光灯の光がちらちらと――って、せっかくの冒険
の楽しみを減らすべきじゃないよな。

 とにかく、面白いところだから楽しめると思うぞ。
 ただ夢中になって時間を忘れたり、他の人に迷惑をかけないようにしてくれよ。
 むつみはアドベンチャラーであり、アイドルなんだからな。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

P「比奈と文香とむつみか…年齢に差はあるけど、仲は良いみたいだな」

杏「仲良きことは美しきかな…すごいねこの事務所」コテン

P「……知恵熱か?」キョトン

杏「流石に怒るよプロデューサー。杏だって勉強くらいはできるんだよ」

P「働くことは?」

杏「やらなくてもいいじゃない だってにんげんだもの あんず」

P「ブレないな、ホントに」ナデ

杏「日記も終わった…明日は頑張るから、今日だけは寝かせて……お休みぃ」ゴロ

P「……はあ、全く」ナデ




ちひろ(二人の世界が二人の世界過ぎてヤバい)




 ――ネネの日記、その後

 [事務所]

 ガチャ

P「うーい、昼ごはんにするかー――」ボソ

 アア
  ハイ、ソウイウコトデス

P(……って、あれは)

翠「へえ、なるほど……分量はそれぐらいで」カキカキ

ネネ「はい、あとは好みでフルーツを入れれば――」フリ

P(言っちゃなんだが、珍しいな)フム

P「――ただいま。今は二人だけか?」スタスタ

翠「あ、おかえりなさい。いつもお仕事ありがとうございます」ペコ

ネネ「おかえりなさい。ちひろさんは向こうの会議室でお客さんと話してるそうです」

P「…ああ、そういえばそんな予定もあったか。二人は……次の仕事待ちだったな」

ネネ「はい。仕事場は別ですけど、今日のレッスンが一緒だったので」

翠「それで今は自作ドリンクについて教授を願ってました。ネネさん、とても博識なんですよ」

ネネ「そんな……たまたまです」カアア

P「二人で話してたのはそれだったのか。翠、ネネはコンディション管理に関しては凄いから、よく聞いておくといい」

ネネ「Pさんまで…ありがとうございます」

P「事実だからな。…ああそうだ、俺は今から昼飯だけど、二人はまだか?」

翠「この話を聞いてからにしようと思いまして、今からなんです」コク

P「なら、よかったら一緒に食べるか?」

ネネ「わあ、本当ですか?」パア

翠「ご一緒させて頂けるなら嬉しいです――って、あら?」ゴソ

P「どうした?」

翠「どうやら鞄をレッスン場に忘れて来てしまったようです……すみません、取りに行ってきますのでお先にどうぞ」ペコリ




 スタスタ…

P「翠が忘れ物なんて珍しいな……まあ近いし、五分もあれば帰ってくるだろ。先に準備しておこうか」ガタッ

ネネ「はい、Pさん。…ところで今日もコンビニ弁当ですか?」ススス

P「ふふん、聞いて驚け。今日は作ってきたんだぞ、ほら」カパッ

ネネ「わあ、本当だ…! 卵焼きにきんぴらごぼう、レタスにポテトサラダ……とても頑張ったんですね」

P「いつも大体コンビニ弁当だったからな。ネネに教えられた通り作ったら俺でも楽に作れたよ。全部手料理って訳にはいかなかったけど」

ネネ「それでも大丈夫です。ふふっ、私のアドバイスが上手く行ってよかったです!」

P「本当だよ。…ほら、食べてみてくれ、先生?」ヒョイ

ネネ「え、あ、はい――結構なお手前で、なんて」パク

P「はは、ならよかったよ。じゃあ俺はお茶を用意してくるから、そこで待っててくれ」スタスタ

ネネ「はい――って、あれ?」モグ


ネネ(今のって、もしかして……!?)カアア


 [おわり]




 ――むつみの日記、その後

 [事務所]

ちひろ「今日は静かですねー」

P「ええ。みんな今頃仕事を頑張ってるでしょうね」

ちひろ「今日も無事みんな仕事が終わればいいですね。……でも、いつも賑やかだから、少し寂しくもなります」

P「まあ、いつも誰かしらいますからね…ちひろさんも大体いますし」

ちひろ「私が居ておかないと留守になりますから。仕事もないわけじゃないですしね」クス

P「いつもありがとうございます。…ちひろさんはさしずめ事務所のマスコットでしょうか」フム

ちひろ「マスコットって…もう少し言葉があるでしょうに、ふふ」

P「それもそうですね、失礼しました」ハハ

 ガチャ

むつみ「ふいー、只今戻りましたー!」

比奈「戻ってきたっスよー」

文香「ただいま、戻りました…」

P「――っと、三人組は今日は……ああ、あれか」ポン

むつみ「そうなんです! 行ってきましたよ、宝の島!」ドサッ

文香「宝の島なんて…そんな大層なものじゃ……」

比奈「いや、あれは宝の島というか金庫でスね。久しぶりにリアルな方の血が騒いだっスよ」

文香「リアルな方……?」キョトン

P「で、文香以外の二人の手に持ってるのは買い物した本か? 随分多いな…」

比奈「アタシは慣れてまスけどね。この重みが気持ちいいっス」ウンウン

むつみ「ちょっと重いから休憩しに来たんです。少し置かせてもらってもいいですか?」

P「ああ、いいぞ。というか寮までなら俺が車出そうか?」

比奈「いいんでスか?」

P「それだけ重い荷物抱えて歩いちゃ大変だし肩も壊しかねないからな。後になるけどいいだろ?」

むつみ「わー、ありがとうございますPさん!」パタパタ

P「あと文香も二人を誘ってくれてありがとうな」

文香「はい、…どういたしまして」

ちひろ「みんなお疲れ様。お茶でいいかしら」コト

比奈「ありがとうございまス、ちひろさん」

P「三人も疲れただろうからソファで休んでいくといい。今日は空いてるから」

むつみ「いやいや、この私は過酷なトレーニングをして真の冒険者になったのでこれぐらい――」

文香「……つん」ツンツン

むつみ「うひゃあっ!?」ビクッ

比奈「色々体がボロボロじゃないでスか…ほら、座りまスよ」ポン

むつみ「か、かたじけない……」トタトタ

P「はは、なかなか上手いことは行かないさ」

文香「すみません、…では、少しお借りします」ペコリ



 ワイワイ


P「……なんだかいいもんだな」ズズ

ちひろ「そうですね。…楽しそう」

P「これも冒険の醍醐味なんだって、本人もわかればまた一つ成長できるんですけど、それを言うのは野暮ですかね」ハハ

ちひろ「冒険の醍醐味?」

P「はい。むつみは知らない事、届かない場所に向かって進むことに強い興味を持っている子です。そこから、そうするためには特訓というまた別の冒険があるということを知りました」

ちひろ「なるほど。つまり、今は」

P「冒険小説は、ページがなくなればそこで終わり……ですが、本当の冒険はそこで終わりじゃない」

ちひろ「帰ってきて、仲間たちと笑い合うのも冒険の中の一つ、ということですか」

P「小さな冒険が集まって大きな冒険になる。その間を埋めるのがこうした時間なんだと思います。…まあ、笑う合うのにそんな大層な意義付けも必要ないですけど」ハハ

ちひろ「ふふ、職業病なんじゃないですか?」

P「なのかなあ……喜んでいいのかどうか」

むつみ「ねえPさーん! 今日の報告するから聞いてくれませんかー?」フリフリ

ちひろ「ほら、呼んでますよプロデューサーさん」

P「又聞きもまた伝説、かな。すみません行ってきます――」

 ア、Pサンアノネ、アノバショデ……
             ソウソウ、タシカ…


ちひろ(……職業病なら、まだまだ未熟かもしれませんね)チラ


むつみ「これすごくないですか? まさにダイナミックな感じで!」

P「へえ、店にそんな場所があったのか」

比奈「アタシもびっくりしたっスよ。ギミックに惚れ惚れしまスね、あれは」

文香「伯父さんの趣味で…ええと」



ちひろ(むつみちゃんの冒険譚には、プロデューサーさんも立派な登場人物なんですよ)

 [おわり]

ここで初めて譚の読み方を知った。
あと文香ごめん、最初頼子とごっちゃになってた。

>>482
20人は超えてるんじゃない?(適当)



お次は>>495,>>496以下同文。



あ、次で最終回です。よしなに。

志乃さん

最後だしNG三人で締めるとか。
駄目なら↓



 ――ある日の事務所

 カタッ…

P「今年ももうすぐ終わりですねえ」フゥ

ちひろ「いやいや、まだあるじゃないですか」

P「とは言ったって、夏休みが終ればもうこんな時期ですよ。もう四月から七月はどこに行ったんだって感じです」

ちひろ「それは大人の感覚ですよ。学生の子達にとってはちゃんと毎月ありますって」

P「大人か…。昔思ってた大人像になれてますかね、俺」

ちひろ「どんな風に思ってたんですか?」

P「そりゃあカッコイイスーツを来て高層ビルの最上階でお偉いさんにプレゼンしたり結婚して妻に毎日おいしい料理作ってくれたりとか…」

ちひろ「な、なんだかえらく具体的ですね…」アセ

P「今を思えば違いなんていくらでも。スーツは何十着も潰してるし、家でご飯を食べる事すら稀ですし…」

ちひろ「子供からだと、大人の働いてる所って見えませんから」

P「わかってるんですけどね……何だかふと我に返ると寂しくなります」

ちひろ「……プロデューサーさんは子供の時、父親を尊敬していましたか?」

P「勿論ですよ。帰りが遅い時が多かったのでつまらなく思ってた時もありましたけど、本当に困っていた時にいの一番で助けてくれて……」

ちひろ「いいお父様なんですね。でも――」

 ガチャ

薫「おっはよー! あ、せんせぇだぁ♪」ピョン

P「こら薫、いきなり飛びつくんじゃない。あと事務所に来たら?」

薫「おはようございまー!」ニコ

P「よし、今日も元気でよろしい」ナデナデ

薫「うん! かおるね、アイドルだからにこにこするのっ!」ニコ

P「はは、そうだな」


ちひろ(今居るアイドルたちを見て、尊敬されてないなんて思えるはずないじゃないですか、ねえ?)



 ・ ・ ・

 コポコポ…

P「ところで今日は薫一人で来たのか?」

薫「ううん。えとね、じむしょの前までたくみお姉ちゃんといっしょに来てたんだけどね、かいだんのところでばいばいしたの――あ、これ言わないでって言われたんだった、どうしよ…」

P「一人じゃなかったんだな。…じゃあ俺と薫の秘密にしよっか」

薫「ひみつ……えっへへ、かおるとせんせぇのヒミツ! わかった!」ニコッ

P(あとで拓海にバレないように礼でもするか……)

薫「それでね、せんせぇ。きょうのおしごとはまだ時間あるよね?」

P「ん? ああ、今日のは十時からだから……まだ結構時間あるな。宿題でもするのか?」

薫「ふっふーん、かおるはちゃんとおうちでしゅくだいするんだよ!」

P「そうなのか…じゃあ、どうしてはやく来たんだ?」

薫「うん、だいぶ前にこうかんにっき始めたでしょ? それでね、かおる読めない漢字があって、せんせぇに読んでもらおうと思って……だめ?」

P「ああ、なるほど。いいぞ、じゃあ一緒に座って見るか」ポンポン

薫「うん! そっちのソファに行くね!」トタトタ

P「じゃあ俺は日記を――と、また誰かが新しく書いてるな。数日空いただけなのに」パラ

薫「だれか書いたのー?」

P「そうだな。薫はどうする? 読めない日記を先に読むか?」

薫「うーん……先にあたらしいの読んでほしいな! せんせぇが返事を書くところ、見たいんだもん!」

P「はは、そういうことか。よし、じゃあそうしようかな。最初の人は――」ピラッ




 ×月◆日

 酒のつまみに文字を読むなんて、なかなか乙なものじゃない。
 そう楓が言ってたけど、私にはどうかしらね?

 どちらかといえば、私は文字よりも月を見ている方がなんとなく美味しいと思うわ。


 ……酒に限っては、の話だけれども。
 殊、ワインに限って言えば、見るのは景色だけじゃなくて目の前にあるモノ。

 それはワインの色であり、グラスを持つ手であり、そして共に飲む人であり……ワインの色は、ただそれだけじゃないの。

 ふふ、お酒を飲まない人にはわからないかもしれないわ。
 どう? Pさんならわかる?
 私を楽しませてくれるあなたになら、わかってもらわないと困るのだけどもね。


 今、私が日記を書くだなんておかしい、と思ったでしょう?
 現に私もそう思っているわ。

 原因を問えば楓がそう。
 だって、三角座りで酒を飲みながらこの本を読んでいたもの。
 一緒に飲む予定だったのだけど、私の仕事が遅れてしまったから先に始めてしまったのね。

 私が来た頃には少し出来上がってたようで、うわ言のように私のじゃない名を呼んでいたの。
 そんな事、私は言わないから余計に彼女が瑞々しいわ。

 彼女は私じゃないから、どうしても違いは出てくるものね。一緒に飲んでいると楓が可愛く見えてくるわ。Pさんもそう思うでしょう?

 だから、私には可愛さは必要ないわ。
 それを混ぜてしまったら……彼女にとっても、私にとっても面白く無いと思うの。
 それぞれ味があるから飲み比べが楽しいのだから。


 うふふ、Pさんは私と楓を飲み比べて、どちらが美味しいと思ったのかしらね?

 ・・・
 注:私も居たのだがね……。
 この記録は志乃さんが口頭と日記にいくつか書き留めていた事を私が改めて書き起こしたものだ。
 同様にアルコールの入った楓さんに言われてしまってはな。

 いつになく饒舌だったものだから、私も興味がなかったわけではないのだが。
       ふふ、思い出すと楽しいですね、こういうの




薫「ねえねえせんせぇ、おさけっておいしいの?」キョトン

P「……あー、そうだな。薫は苦いジュースって好きか?」

薫「ジュースなのに苦いの? かおるはやだなあ」

P「それを美味しいと思うのが大人で、それがお酒だよ」

薫「うーん、むずかしいね?」

P「はは、難しいよな」

P(事実、彼女らがお酒をあそこまで飲むのは単に嗜好云々の話ではないような気がするし)

薫「でも楽しそうだよー。かおるも大人になったらわかるかな?」

P「かもしれないな。今は絶対飲んじゃ駄目だけど、これから薫がいっぱい遊んで勉強して、そして一生懸命アイドルをやって、それで大人になったら、その時は俺と飲もうか」

薫「うん! せんせぇと一緒に飲む! せんせぇと一緒にいたら、苦いのもおいしくなるよね!」

P「……その通りかもな」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 止めろとは言いませんけど、ここはプロデューサーとして一応節度を
持って楽しんでくださいね、と言っておきます。

 でもまあ、ワインを美味しそうに飲む志乃さんこそ、今となっては志
乃さんらしいとも思えるようになりました。
 最初の頃は、俺も意固地になってたのような気がしますしね。

 ワインといえば、最近は俺も結構飲むようになりましたよ。
 まだまだ志乃さん程の口利きじゃありませんけど……。
 それでも色んな組み合わせとか好みとかを見つけていくのは楽しいと
思います。
 勿論プロデューサーとしてあなたを導く意思は変わりませんけど、そ
れとは別に、個人的にオススメなんかも教えてくれたら嬉しいです。

 それとあいさんにはもう少し気を遣ってあげて下さいよ。楓さんにも
言えることですけど。
 あいさんも貴重な志乃さんの記録ありがとうございました。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

P(あいさん……無理してければいいけどな)

ちひろ「はい、薫ちゃん。ジュース飲んでね」

薫「わーい、ありがと!」

P「すみません、仕事中なのに」

ちひろ「いえいえ。……あー、でもなー。私も最近飲んでないなあ」

薫「……?」

P「……では、今週末にでも」

ちひろ「ふふ、ありがとうございます♪」クス

P「さ、さー次の日記を読もうか、薫」

薫「う、うん。難しくてよくわからなかったけど、次はがんばって読むよ!」

P「よし、その意気だ。それじゃ、次は――」パラ



 ×月■日
 天気、雨、びゅー
 担当、関

 今日は色んな人にとって残念な日だったよね。
 外、すごいよ。

 勿論予報は出ていたけど……事務所の窓から見える景色が昼間なのに暗くて、台風ってこんなに激しいんだなって改めて思い知らされた。


 私は仕事の収録が終わってPさんに車で送ってもらって事務所に帰ってきたんだけど、Pさんはそのまま傘一本握って急いで出て行って……打ち合わせがあるんだって言ってたけど、こんな天気でも行っちゃうのは凄いよね。
 だからこそ、みんなたくさんお仕事出来るのかもしれないけど。

 それでその日は雨音鳴り響く中、ちひろさんと二人で事務所で留守番でした。
 ちひろさんは何やら忙しいみたいでずっとパソコンと睨めっこしてたので、私はロッカーから雑誌といつものアクセサリーのキットを持ってきて、色んなことを考えながらアクセサリーを作ってたんだ。
 昔なら何となくのイメージで作ることの多かったこれも、最近は服とか、付ける人とかを考えながら作るようになってきたみたい。
 だって、これは莉嘉ちゃんのためのものだから。

 アイドルになって変わったことは沢山あるけど、一番は色んな人と話すようになったことかな。
 上手く笑うことができなくて、それから人と顔を合わせることも苦手になってきた私がここまでこれたのは、あの時の決断した私と、私の恐い顔を見たPさんのおかげだよね。
 結局、苦手意識があっただけなんだ、ってPさんは言ってたけど、まさにその通り。

 ここに来るみんなも、中にはどこか苦手な所があったり避けてた部分があったりして曇っていた人も居るのに、みんな厳しいレッスンをして必死に仕事をしている内にいつのまにか雲が晴れていて。

 雨の中を進むPさんがそれを見せているよね。

 雨が降っていても、それを見続けているだけじゃいつまでたっても晴れは来ない。
 雨が降っていたら、その中で出来る事をする。それが例え雨の中を走ることでも。
 そうすれば、いつのまにか雨が止んでいることに気づくんだ。

 私もいつのまにか笑えていて、テレビ越しの家族にも友達にも変わったねって言われて、私の雲はもう晴れたよ。
 だから、今度は私が周りのみんなの雲を晴らす番。
 最後は自分自身で動かなきゃいけなくても、その背中を押すぐらいはできるはず。

 なので私はこうしてアクセサリーを作ってます。
 そうすることで、誰かの歩く力になれると思うから。


 ……莉嘉ちゃん、喜んでくれるといいな。




薫「せんせぇ、実はね、かおるももらったんだよ!」

P「おお、薫もなのか。俺にもくれたよ――ほら」チャラ

薫「けーたいのストラップなんだね! かおるはブレスレットっ」

P「この前買い物に行った時も高い物は買ってないし、それでこれだけ綺麗に作れるのは裕美くらいだよ」

薫「ありがとーって言ったらね、どういたしましてって笑ったの! とってもにこにこしてた!」

P「そうか……嬉しそうだったか?」

薫「うん! また作ってあげるねって言ってくれたよっ」

P「よかったな薫。いつか薫もお礼をしなきゃだめだぞ」ナデナデ

薫「そうだけど……どうしたらよろこんでくれるかな?」

P「深く考えなくていいよ。薫が嬉しいなって思ったことを、裕美にもしてあげれば十分だ」

薫「そっかー。……考えてみるねっ」

P「そうそう。いっぱい考えて、薫のお礼をすれば、きっと喜ぶぞ――」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――――――

 アイドルになる前からアクセサリーを作るのは趣味だと聞いてるけど、
アイドルになって忙しくなった今もずっと作り続けてるのは凄いことだぞ。
 俺は昔から三日坊主のようなものだったから、尚更そう思うよ。

 それだけでなく、みんなにも作ってくれてありがとう。
 裕美の居ないところでそれを着けてる所を見ることがたまにあるけど、
みんな誇らしげに、嬉しそうな顔をしているよ。
 材料は高級でなくてもありったけの笑顔を与えてくれる、そんなアクセサ
リーを作れるのは、笑うことの楽しさを知っている裕美くらいだぞ。

 あの時は…確か新規ルートだったから、雨でも延期にしたくなかったんだ
よ。
 例え結果がどうであれ、皆の可能性が広がるならやるにこしたことはない
しな。

 それが伝わっているのかどうかはわからないが、裕美を含めてみんな仕事
をきちんとこなしてくれて嬉しい限りだ。
 そして俺の行動が言葉として届いているのなら、これ以上幸せなこともな
いだろう。

 これからも沢山の思いを乗せて、アクセサリーと笑顔を振りまいていって
くれ。

 裕美を待っている人は世界中に居るんだからな。

 Pより

――――――――――――――――――――――――――――――――

薫「みんなとお友達、楽しそうだね!」

P「いや、薫も歌って踊って笑って、会場のみんなとお友達になってるんだよ」

薫「そうなの? でもおしゃべりしたことないよ?」

P「…薫はアクセサリーをもらった時、どう思った?」

薫「うん? もちろんうれしかったよ! きらきらしてて宝石みたいだった!」

P「そうだな。薫は裕美からおしゃべりじゃなくてアクセサリーをもらって嬉しくなったよな。じゃあ会場のみんなとは?」

薫「うーん……かおるのにこにこ?」

P「そういうことだ。たとておしゃべりしなくとも、薫の笑顔でみんなとつながるんだ」

薫「そっか! じゃあこれからもいっぱいにこにこして、お友達つくらないとね!」

P「頑張ろうな、薫」ナデ

薫「うん!」



 ・ ・ ・

薫「…あ、そろそろおしごとの時間だっ」

P「ん、もうそんな時間か。送っていくよ」

薫「ありがとね、せんせぇ! いつもありがとう!」

P「いきなりどうしたんだ、薫。そんな改まって…」

薫「あのね、考えたんだけどね、かおるはまだたくさんお礼のやりかたわからないんだ」

P「……」

薫「だから、いっぱい気持ちを込めておしゃべりするの! それがかおるの一番のにこにこなんじゃないかなって思うのっ!」

P「…なるほど、薫らしいな」ポン

薫「うん! だからありがと!」パアア

P「はは……。じゃあちひろさん、行ってきますね」

ちひろ「あ、はい。いってらっしゃい」

薫「いってきまー!」

 ガチャ

ちひろ「……」

ちひろ(プロデューサーさんはもう少し灯台の下を見るべきだと思いますよ)




 ・ ・ ・

 ――事務所、夕方

 カタカタ…

P「よし、今日の分の業務は終わりっと。……今日も色々あったけど、もう終わりか」

P(薫を送った後、ニューウェーブの次のライブ曲の振り付けをチェックして、それから事務所に来た子と喋りながら仕事の連絡をして見送って――)

P「……この本も汚れが目立ってきたなあ」パサッ

P(ちひろさんは用事で外出。ちひろさんが帰る頃には、俺はもう帰宅しているだろう)

P「まさかここまで続くなんてびっくりだ。提案した薫と千枝も喜んでいるだろうな」

P(……)

P「……よし、最後の一仕事でもするか」パラ



 カキカキ……




 ――志乃の日記、その後

 [事務所]

志乃「ふふ……遅かったわねえ、Pさん?」クイ

あい「あ、ああ……おかえりPくん……ふぁ」グテ

瑞樹「あら? P君も呼んでたの?」ゴク

P「帰ってきたらこれか……。ちひろさんは?」ハア

楓「合法にごーほーむ……ふふ、えへへ」クピ

P「つまり帰ったということか……はあ。あいさん、起きれますか?」ユサユサ

あい「問題ない…よ、これくらい。ふふ、Pくんに囲まれるのも、悪くない」

P「俺は一人ですから。どんだけ付き合ったんですか」

志乃「まるで王子様のようね……糸は白かしら、赤かしら。…赤がお望みなら、ワインはあるけど、ふふ」

P「酔ってるようでやっぱり冴えてますね、志乃さんは。…ああもう、仮眠室に連れて行きますから、俺の分用意しといて下さい」ガタ

あい「ああ……空が白いな、Pくん」

P「それは天井ですよ、あいさん」

 スタスタ…


瑞樹「……まさかお姫様抱っこをリアルで見ることになるとは思わなかったわ」

楓「ぷー…私もしてほしいです」

志乃「楓には無理よ。あいのように仮面を被ってはいないのだから…ふふ」クイ

瑞樹「表目、というべきよね。まあ、続けましょう」グビ

楓「じゃあプロデューサーさんには日本酒をですねぇ」トクトクトク


 ・ ・ ・

 ――数十分後

楓「……すぅ」

瑞樹「むにゃ……ふふ」

P「思ったより早く沈んだな……いつから始めてたんですか?」

志乃「いつって…多分夕方ぐらい?」クイ

P「まだ普通に他の人いるじゃないですか…節度を持ってと言ってるのに、全く」グイ

志乃「あら…いい飲みっぷり」

P「別に酒が弱い訳じゃないですからね。仕事で疲れてるから余計に進みますよ」

志乃「うふふ……そこは、アイドルに囲まれてるから、といってほしいわね、プロデューサーさん?」

P「……否定はしないでおきます」

志乃「あら…意外と純情なのね。可愛いわぁ」ナデナデ

P「ワイン片手に頭を撫でないで下さいよ」

志乃「あらぁ…私にとっては、Pさんも子供よ?」

P「バカにしてるんですか?」ムッ

志乃「勘違いしないの。ふふ……子供だから尊敬してるのよ。有りのままに強く生きるあなたが、鮮やかに映るわぁ」

P「……そういうものですか」ゴク

志乃「ええ。そういうもの。人を動かすのは、いつも純粋な感情。…Pさんにしかない、綺麗な血。それを飲めば私も若返るのかもしれないわね、うふふ」

P「どこぞの吸血鬼のような事を……いや、その綺麗さは吸血鬼とでも言うべきですかね?」

志乃「あら、嬉しいわ。……でも、血を吸うのはPさんの方からでも良いのよ、ふふ」

P「俺がですか?」

志乃「この前言った事…記録にされていた文字、読んだのよね? ……じゃあ、飲み比べしたらどう?」

P「飲み比べって…」ピク

志乃「私の唇? それとも楓の首筋? ……ふふ、あなたが娘達を統べるのなら、味を知っておくのも悪く無いと思うわ……」

P「…やっぱり酔ってますよね、志乃さん」チラ

志乃「そう言いながら、視線はどこを向いているの?」クス

P「うっ」ドキ

志乃「ふふ…いいのよ、どこを見ても。今の私の血肉は、あなた同然のなの」

P「……はあ。敵いませんね」

志乃「それでいいの。子供でいるからこそ、私は私でいられるようなものだから」コト

P「……志乃さん?」

志乃「ちょっと進み過ぎたみたいね。少し休ませてもらうわ。……ふふ、そうなったら起きているのはPさん一人ね」

P「ちょっと志乃さん、いきなり何を――」

 グイッ!

志乃「…体を温めるのはお酒じゃないわ。…少し、Pさんの温度を借りるわね。…うふふ、お礼なら寝ている間にね?」

P「し、志乃さ……って、寝るの早いな」


 シーン…


P「……はあ。俺もまだまだ子供ってことなのか」

 [おわり]



 ――裕美の日記、その後


 [事務所・雨]

 ガチャ

裕美「ただいま……ふぅ」

P「おかえり、今日も雨だったろ。ほら、タオル」パサ

裕美「わっ…。この時期の雨は冷たいね」フキ

P「ああ。そろそろストーブも導入しないとな……とりあえず体拭いてソファで休んでくれ。その間に温かいもの用意しておくから」

裕美「うん。ごめんね」

P「気にするなよ」

 フキ…
     スタスタ

P「はい。多めに淹れてるから、おかわりもいいぞ」

裕美「温かい……ふふ、Pさんも何だか慣れてるね」

P「そりゃ、毎年こういう時期はあるからなあ。いっそ執事にでもなってみるか」

裕美「なにそれ、ふふっ」

P「そんなに笑うことはないだろ……座るぞ」ドサ

裕美「仕事はいいの?」

P「とりあえず期限の近いものは終わらせてあるからな。少し休憩だ。……あー、おいし」ゴク

裕美「……うん、おいしい」クピ


 ザー…


P「ああ、そうだ。今度莉嘉にアクセサリー作り教えるんだって?」

裕美「え、そうだけど……莉嘉ちゃんに聞いたの?」

P「この前姉妹と出かける機会があってな。その時裕美の作った物を自慢気に俺に見せてくれたよ」

裕美「…よかった、喜んでくれたんだ」

P「美嘉も手先が器用だなって感心してたし、その後の買い物で手芸店に見に行きもしたよ。莉嘉、習うんだーってやる気満々だったな」

裕美「ふふ、いきなり躓かないといいけど」

P「お、手厳しいな」

裕美「違うよ。やる気がありすぎたら、肩透かしをくらっちゃいそうだなって思っただけ」

P「難しそうに見えるけどなあ…」

裕美「ううん。思った以上に簡単なの。…私が笑うことも、楽しく話すことも、皆にとっては簡単なように」コク

P「……」

裕美「ああ、もう大丈夫だよ、大丈夫。笑うことが大好きだし、事務所の皆とも、ファンの皆とも話すことが大好きだからっ」

P「よく頑張ったよ、裕美は。最初は大変だったろうけどな」


裕美「私がヘマをする度に何時間も付き合ってくれたっけ。ふふ、懐かしいな」

P「そのかいあって楽しくやれてるんだ、無駄にならなくて俺も良かったよ」ハハ

裕美「それを皆にも同じようにやってるんだよね……凄いな」

P「別にすごくなんかない……っていうと怒られそうだな。じゃあ、当たり前の事をしただけさ」

裕美「ぷっ、キザっぽいね。似合わない」

P「うるせー」ポン

裕美「わっ。…あはは。照れてる」

P「まさかからかわれるまでになるとはな……まあいいや、ついでに仕事の話をするがいいか?」

裕美「仕事? うん、大丈夫だよ」

P「そうか。じゃあこれを見てくれ」パサッ

裕美「これは……少女向けのファッション雑誌だね」

P「ああ。今度、特集で莉嘉をモデルに裕美、お前が全体をコーディネートすることになった」

裕美「……へ? 全部?」

P「莉嘉のお願いでな。ある程度雑誌側の規定を守りつつ、裕美のセンスを莉嘉に着せてやってほしいんだ。できるか?」

裕美「でも、私にできるのはアクセサリーだけで、服装なんて……」

P「…そろそろもう一度歩き出す頃合いだと思うぞ」

裕美「え?」

P「出来ないと思っていたそれも、いつしか出来るようになって世界が広がったんだ。時間がかかってもいい、一歩進めば、今やっていることも、もっと素晴らしくなるはずだ」

裕美「アクセサリーから、全部に……か。できるかな」

P「出来るさ。出来ないことなんてない。裕美なら知ってるだろ?」

裕美「……うん、そうだね。やってみる」

P「よし、ならそれで行こう。頑張れよ」

裕美「もちろん。莉嘉ちゃんのお願いもあるしね」

P「はは、莉嘉も大分裕美の事を好いてくれてるみたいだぞ」

裕美「ふふ、失敗できないね……あ、そうだ」

P「ん、どうした?」

裕美「この前三人で出かけたって聞いたけど、具体的にどんなことをしたの?」

P「……いや、普通に出かけて」

裕美「具体的に、だよ」

P「う……言わないと駄目か?」タジ

裕美「そこまで言われると逆に何が合ったのか気になるけど…ただ莉嘉ちゃんの好みを知りたんだ」

P「それなら、今度一緒に出かければいいんじゃないか?」

裕美「それもそうだけど、やっぱり莉嘉ちゃんが輝くのは、好きな人と一緒に居る時だから…なんて。言いすぎかな」

P「ああ、なるほど。莉嘉は姉ちゃんにべったりだからな、はは」

裕美「あ、うん…そうだね」

P「そうだな、確か最初にデパートに行った時だったかな――」

 ペラペラ…


裕美(…センスを磨かないと駄目なのは、Pさんの方かも)

 [おわり]



 ・ ・ ・

 ――事務所、夜

 カタカタ…

ちひろ「――少し休憩しようかしら」フゥ

ちひろ(関係企業との打ち合わせを終え、帰ってくればもう夜遅く。プロデューサーさんも既に帰宅していて、私独りの事務所は何だか久しぶりなような気がします)

ちひろ「……私のこの景色も、毎日見てきたなあ」

ちひろ(プロデューサーさんと出会って、一人目のアイドルと出会って、それから見届けて、応援して)

ちひろ「覚えていないことも多いけど、ずっと歩いてきた気がする…なんて、独り言も酷いわね、私」

ちひろ(ずっと過ごしてきても、誰もいない夜の事務所は昔の景色と似ています)

ちひろ「…でも、前には進んでるのよね。今は、日記がそれを証明書かしら、ふふ」パラッ

ちひろ(アイドルと、プロデューサーさんと、私の歩んできた記録。掻き消されそうでも、みんなと共有することで消えない思いを築いた日記)パラッ

ちひろ「みんなもページいっぱいに書いて、プロデューサーさんも全部にコメントして――って、これは……」パラ

ちひろ(そんな記録集の、小さな区切り。それをつけたのは――)

ちひろ「……ふふ、プロデューサーさんも律儀ね」



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

                  ×月■日


 歩くのは俺だけじゃない。同時に、皆一人ひとりだけじゃない。
 二人三脚、三人四脚、あるいは全員で一緒に歩く時もある。

 この日記を読んで、俺の知らない、魅力的な世界が広がっているんだと知ったよ。

 何を見て聞いて何を思い、何を夢想しどう歩むのか。
 例え同じ物を見たとしても、決してそれらは同じにはならない。
 それは皆がアイドルとして強く輝いている証拠だ。

 そんな皆に接することは、俺がプロデューサーとしては勿論、一人の人間として最高の
出会いと出来事を経験しているのだと思う。


 この先、何が起こるかはわからない。
 泣き叫ぶかもしれない。怒り狂うかもしれない。あるいは、絶望するかもしれない。
 未来は、どうとでも転ぶ。


 だが、皆を見ていると俺は自然と信じられる。
 手を取り合って競い合って、時には支えあって、輝きを増し――いつかは、同じ舞台で
最高のパフォーマンスで全世界のファンを魅了させることができるんだ、と。


 だからこそ、俺は皆と一緒に居たい。
 いつか一人ひとりの道を歩んで最高の輝きを見せるその瞬間を、間近で見てみたいから
だ。

 そのために、全力で頑張るよ。
 だから、申し訳ないがもう少しだけ、こんな俺が一緒に歩くことを許してほしい。
 その代わり、必ず皆をトップに立たせるから。



 この事務所に居る未来あるアイドル達に、願わくば幸せたらんことを。
 そして、一つだけの人生と時間を、最高の瞬間で刻まんことを。


    拙いプロデューサー、Pより


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

空白期間入れて三ヶ月くらい?
とりあえずくぅ疲。色んな子が書けて楽しかったです。


特に蘭子とか周子とか。

とにかくお疲れ様でした。
安価取って下さった方、ありがとうございました。

あと目次も置いときます。計算したら20回やってるのねこれ…


~目次~

・第一回(>>1->>14
渋谷凛、姫川友紀、双葉杏

・第ニ回(>>23->>36
日下部若葉、神谷奈緒、棟方愛海

・第三回(>>50->>67
城ヶ崎美嘉、若林智香、城ヶ崎莉嘉

・第四回(>>79->>95
水本ゆかり、高森藍子、鷺沢文香

・第五回(>>110->>121
大原みちる、小日向美穂、高垣楓

・第六回(>>155->>172
佐々木千枝、桃井あずき、佐城雪美

・第七回(>>193->>209
三船美優、黒川千秋、岡崎泰葉

・第八回(>>238->>241
ヘレン、相原雪乃、道明寺歌鈴

・第九回(>>268->>281
吉岡沙紀、藤原肇、冴島清美

・第十回(>>305->>319
高峯のあ、塩見周子、島村卯月

・第十一回(>>334->>345
神崎蘭子、水木聖來、アナスタシア

・第十ニ回(>>358->>367
本田未央、松原早耶、十時愛梨

・第十三回(>>380->>389
諸星きらり、千川ちひろ

・第十四回(>>399->>407
松本紗理奈、森久保乃々

・第十五回(>>416->>423
前川みく、緒方智絵里

・第十六回(>>433->>442
喜多見柚、北条加蓮

・第十七回(>>451->>459
ケイト、鷹富士茄子

・第十八回(>>467->>476
工藤忍、川島瑞樹

・第十九回(>>483->>493
栗原ネネ、氏家むつみ

・第二十回(>>507->>520
柊志乃、関裕美

合計52人

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