彼女を『はじめてみた』のは、テレビでだった

モバP「アイドルの卵」の人？

彼女を知ったのは、同じ学校に通っていたから

同じ学年で、同じクラスになったから

彼女は、どこにでもいるような、というと少し違う、言うなれば、高嶺の花だった

それでもまわりと距離などできない、やはり違った人だった

>>3さん、残念ながら違います

彼女は、その人柄から、みんなに好かれていた

僻みや妬みをものともせず、それ以上に憧憬の念を抱かせる人だった

彼女がなにもしなくても、まわりは彼女をみていた

彼女の居場所が、ここにある、みんなそう思っていた

彼女はたぶん知っていた

彼女は出会うべくして出会っていた

彼女はきっと知っていた

誰もが彼女と出会えなかった

彼女と出会ったとき、彼女の隣にはもう誰もたてなかった

彼女の隣にはもう、彼しかたっていられなかった

彼女をはじめてみたとき、彼女はもうみつめていた

彼女をはじめてみた彼を、もうみつめていた

彼女は画面のむこうにいた

彼女がこちらをみることはもうなかった