千早「ちなみにプレゼントは何にしたんですか」

P「ん～すげぇ迷ったんだよ」

千早「当然でしょう、熟考すべき案件です」

P「でもただ高価なもの送っても遠慮されそうだろ」

千早「高槻さんならありえますね」

P「だろ～」

千早「少なくとも気を使わせてしまうのは間違いないかと」

P「そうなんだよ、まぁそこも可愛いんだけどさ」

千早「そうですね、気を使ってしまう高槻さんも最高です」

P「でもだからってやよいへのプレゼントに気を抜きたくないじゃん」

千早「むしろ抜いてたら失望してましたよ」

P「するわけないだろ、まぁやよいならどんなものでも喜んでくれそうだが……」

千早「なんならお祝いの言葉だけでも喜んでくれますよ絶対、天使ですもん」

P「かと言って千早だって言葉だけで済ませる訳もないだろ」

千早「当然ですね」

P「俺ももちろんそうだ、今回は準備に時間がかかってしまったが……」

千早「そんなそぶり気づきませんでしたけど……」

P「密かに行ったからな、だがその分自信はあるぞ」

千早「一体何にしたんですか？」

P「それはまだ内緒」

千早「むっ」

P「とっておきだからな」

千早「焦らせばその分ハードルが上がりますよ？」

P「望むところだ！」

千早「よほど自信があるみたいですね……」

P「で、千早は何にしたんだ？」

千早「自分のは言わないくせに……」

P「いいじゃん、千早が言ったら言うよ」

千早「子供ですか」

P「ほらほら、教えてみ？」

千早「……春香に教えてもらって、ケーキを作ったんです」

P「ほう」

千早「なんですか」

P「いやてっきりプレゼントは既製品を買って来ると思ってたから」

千早「私のことなんだと思ってるんですか」

P「でも良いと思うよ、春香と作ったんなら味もばっちりだろ」

千早「……なんですか春香とならって」

P「深い意味はないよ、春香のお菓子はいつも美味しいからだよ、うん」

千早「ちなみに、春香には作り方を教えてもらっただけですよ」

P「え」

千早「実際に作ったのは私だけです」

P「すごいな、頑張ったじゃないか！」

千早「えへへ……」

P「ケーキなんて作るの大変だったんじゃないか？　えらいえらい」

千早「あ、ありがとうございます……」

千早「春香は手伝おうかって言ってくれたんですけど……」

P「けど？」

千早「私からのプレゼントなので、私だけで作りたかったんです」

P「いいと思うぞ、そういう気持ちは大事だ」

千早「春香に手伝ってもらったほうが美味しくできるっとは分ってたのですが……」

P「はわっそんなことないです！ 千早さんが作ってくれたケーキもとっても美味しいですぅ！」

千早「似てないですね、可愛くないです」

P「折角フォローしたのに……ひどい」

千早「プロデューサーの物まねの方が酷いです」

千早「全く……

P「なんだよ、そこまで言うなら千早がやってみろよ！」

千早「えぇ……」

P「ほら、見本見本」

千早「…………う、うっうー！ ケーキ、とっても美味しいですぅ！」

P「……」ﾋﾟﾛﾘﾝ

千早「何撮ってるんですか！？」

P「いや滅多に見せない貴重なシーンだからな、プロデューサーとしては保存しとかないと」

千早「けっ消して下さい！ というか撮らないで下さい！」

P「でもすっごく可愛かったぞ、千早！」

千早「ほ、本当ですか？ えへへ……」

P「とにかくだ、千早がやよいの為に作ったんだ、絶対喜んでくれるさ」

千早「はい、ありがとうございます……」

P「別にお礼を言うほどのことじゃないさ」

千早「でも、嬉しかったので」

P「そっか」

千早「はい……」

P「んもう！　千早は可愛いなぁ！」

千早「なっなんですか急に！ からかわないで下さい」

千早「それで？」

P「ん？」

千早「私が教えたら教えてくれるって約束ですよ」

P「っと、そうだったな」

千早「焦らさないで教えて下さい」

P「聞いて驚け！ なんと新曲をもらってきたのだ！」

千早「え？」

P「しかもその曲がもうさいっこうだよ、絶対喜んでくれるね」

千早「喜んでくれるとは思いますけど……」

P「ふふ、これが詳細だ……見るか？」

千早「…………そうですか……」

P「……あれ！？ もしかしてイマイチだった！？」

千早「いえそんな事はないですけど……」

P「だよな？ これだけ時間をかけてようやく実現したプレゼントなんだぞ」

千早「随分頑張ったみたいですね」

P「そうだな、作曲家の先生も有名な人だがアイドルに曲なんて作らない！ なんて言ってさ」

千早「そうですね、よく引き受けてくれましたね？」

P「まさに粘り勝ちって奴だな、俺の熱意を感じ取ってくれたらしい」

千早「熱意……ですか」

P「ま、やよいへの愛かな」ﾄﾞﾔｧ

千早「愛ですか……」

P「あ、あれ？ 千早？」

千早「……ｸﾞｽｯ……なんですか？」

P「いや、あの……泣いてます？」

千早「ご、ごめんなさい……そんな……つもりじゃ」

P「いや謝らなくていいんだ、てか俺の方こそごめん。なんかやっちゃったかな」

千早「違います……プロデューサーは悪くないです……私が勝手に泣いてるだけで……」

P「千早……」

P「せめて目薬は見えないところに隠そうな……」

千早「！？」ｻｻｯ

P「もう遅いからな」

千早「いいと思いますよ、高槻さんもとても喜ぶと思います」

P「無かったことにするな！」

千早「なんですか、過ぎたことをいつまでも！」

P「逆切れすんな！」

千早「しょうがないじゃないですか！ 私だって新曲欲しい！」

P「開きなおんな！」

千早「水瀬さんがあいつ単純だからこれで一発よ、って言ってたのに……」

P「あいつって俺のことかな、てか伊織は何言ってんだ！」

千早「なんで私には新曲がないんですか」

P「また別の機会にな」

千早「私先月誕生日だったんですけど」

P「知ってるよ」

千早「16歳になったんですけど」

P「おめでとう、それも知ってる」

千早「結婚……できる年齢なんですけど……」

P「それも知ってるよ」

千早「反応薄くないですか……」

P「今は新曲の話だろ？」

千早「結婚してくれるなら新曲我慢しますよ」

P「千早が何を言ってるのかわからないよ……」

千早「私も誕生日プレゼントに新曲が欲しいです」

P「えぇ……」

千早「もしくはプロポーズして下さい」

P「プレゼントはちゃんと当日にあげたろ」

千早「もしかしてこの指輪って婚約指輪でした？」

P「違います」

千早「そんな冷たい態度だと左手の薬指に付け替えますよ？」

P「人前ではやめろよ」

千早「わかってますよ」

P「ったく……」

千早「でへへ……」

P「嬉しそうに指輪を見るのはいいけどアイドルがしちゃいけない顔と声出してるぞ」

千早「ふへ……」

P「聞いちゃいねぇ……婚約指輪はもっとちゃんとしたのやるつもりなのになぁ」

千早「フフフ…………っえ！？」

千早「いっいいいい今なんて言いました？」

P「何も言ってないけど」

千早「嘘ですよね、ちゃんと聞いてましたよ？」

P「聞き間違いじゃないか？」

千早「耳には自信があります」

P「さすが千早だな」

千早「もう1回言って下さい！」

P「残念ながらもう品切れでーす」

小鳥「今日はやよいちゃんの誕生日なんですよ！？」

P「いたんですか音無さん」

小鳥「ひどい！」

千早「ずっといましたよ」

小鳥「千早ちゃんは千早ちゃんでひどい！」

小鳥「二人とも！ いちゃいちゃするのはそれ位にして下さい！」

P「いちゃいちゃなんかしてないよな？」

千早「はい、してません」

小鳥「………………百歩譲っていちゃいちゃしてないとしても、今日の主役はやよいちゃんですよ？」

P「分ってますよ、てかやよいはいつも主役ですよ、天使ですよ」

千早「高槻さんまだかしら……」

小鳥（本当にわかってるのかしら……）