モバP「凛が男になった?」 (58)

・TS注意
・疑似レズ(?)注意

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事務所

ガチャッ

P「おはようございまーす」

?「お、おはよう、プロデューサー」

P「……どちら様ですか?」

P(誰だこの子……うちは男のアイドルを所属させたこともなければスカウトも……ハッ、まさか誰かの彼氏!?)

P「し、週刊誌に写真を売りつけるのか!? いくら欲しいんだ!?」

?「えっ? ち、違うよ、私、渋谷凛だよ」

P「……は?」

ガチャッ

ちひろ「おはようございま……えっ、プロデューサーさん、誰ですか、その男の子」

P「俺にもわかりませんよ!」

?「やっぱりわからないか……えっと、私、渋谷凛です。たぶん、男の子になっちゃったみたい……」

二人「えっ」

P「……確かに学生証や他の私物は凛のものだな」

ちひろ「雰囲気は確かに凛ちゃんですね、背が伸びて、髪は短くなっちゃってますけど」

凛「まぁ、信じられないだろうけど……私も未だに信じられなかったりするし」

P「そもそもなんでまたこんなことに」

凛「朝起きたら急に、その、胸がなくなって……」

P「あぁ、下半身に違和感が……」

凛「……///」

ちひろ「今は男の子ですけど、実質セクハラですよ」

P「ちひろさん、ドリンクに変なもの仕込んだでしょう」

ちひろ「ちょっ、何言ってるんですか!?」

凛「それはない……はず」メヲソラシ

ちひろ「二人とも私をなんだと思ってるんですか!」

P「うぅん、ともかくこれはまずいことになったな」

凛「そうだよね、まさかこんな話誰も信じないだろうし、仕事先の人だって……」

P「こんなときにも仕事を考えてくれるのか……」

ちひろ「男の子になってもそのあたりは凛ちゃんのままですね」

凛「で、でも実際問題これからのスケジュールが」

P「そんなことよりお前の普段の生活のほうが大事だろう」

凛「あっ……」

P「断れない仕事が無いってわけでもないし、代役はいくらでも目途がつくしな」

ちひろ「それにうちの事務所の子たちなら、きっと凛ちゃんの事を信じてくれた上で了承してくれますよ」

凛「あの、その……」

P「とりあえず今は自分の事だけを考えろ。女に戻って仕事に戻りたいと思うなら、尚更な」

凛「……ありがとう、プロデューサー」

P「親御さんには何も知らせないまま事務所に来たんだな、さすがにこればっかりはちゃんと話した方が良いだろう」

凛「うん。それと、学校は」

P「芸能活動を口実に休みを取れるのがいつまでになるか。最悪こっちにも事情は知らせることになるか」

凛「やっぱり……」

P「いざとなったら病院にも行くことになるかもしれんが……」

ちひろ「デリケートな問題ですからね。体のあちこちを検査されかねませんから、慎重に話を進めるべきでしょう」

凛「うん。悪いけど、今はまだ……」

P「その前に元に戻ればいいだけのことさ。それに、うちにはその手のことに詳しい連中もいるしな」

晶葉「私の専門は工学系だぞ。生物関係はからっきしだ」

P「やっぱりか……」

ちひろ「私がケミカルなドリンクを作ってるのと同じくらい晶葉ちゃんは何でもやらされてますけど、ねえ」

晶葉「アンドロイドやサイボーグならともかく、今回は細胞が突然変異でも起こしたんだろう?」

晶葉「なら悪いが畑違いとしか言いようがないな」

凛「わざわざ時間取らせちゃってごめんね、晶葉」

晶葉「謝る必要はないさ。もしかしたらアテはあるかもしれないから、こちらでも調べてはおくよ」

凛「本当? ありがとう」ニコッ

晶葉「……べ、別に感謝される事でもない、個人的にも興味はあるからなっ」

ちひろ「なんだか、別の問題が浮上してきたような……」

凛「?」

清良「うーん、確かに症例はありそうですけれど、私は聞いた事がありませんね」

P「性同一性障害だとか、そういうものとは違うんですか」

清良「両性具有みたいに異性の特徴が混じってるならともかく、今回は完全に女の子の要素がなくなってますからね」

凛「じゃあ病院にいったところで……」

清良「一応検査はすべきだと思います。ただ、看護師の予測に過ぎませんが、芳しい成果は望めないでしょう」

P「うぅん……」カリカリ

ちひろ「こうなるともう超常現象が起こってるとしか思えなくなってきましたね」

P「やっぱりドリンクが」

ちひろ「……給料減らされたいんですか?」

志希「で、あたしの所に来たと」

P「懐は暖かくしておきたいんでな」

志希「あははーいくらなんでもヒドいなー。あたしだってそこまでのことはやれないって」

志希「ところで凛ちゃん、男のコになったらいつもと違う匂いがするね?」クンクン

凛「な、なに?」ジリッ

志希「いつもの凛ちゃんの匂いは爽やかだけどその中に甘さがあってー、今日の凛ちゃんにはー……」

志希「爽やかな中に雄々しさがある!」ギュッ

凛「ひっ!?」ビクッ

志希「あぁ~鼻をスッと抜けていくんだけどヤミツキになるようななんとも言えないこの匂い……」クンカクンカ

凛(む、胸が当たって、それに良い匂いが……)ムラッ

P「やめんか」ビシッ

志希「あぁん♪」

凛「はぁ、はぁ……」

凛(い、今のって……)

ちひろ(これは色々とヤバイ予感がしますねえ……)

P「工学、医学、化学、ここまでしらみつぶしに来たらあとは魔術くらいか……スカウトしとくべきだったな」

ちひろ「一応魔法を使いたがってるコたちはいますけど」

凛「理系の学問領域がほとんどカバーできる時点ですごいと思うよ」

ガチャッ

卯月「凛ちゃん! 大丈夫な、の……?」

凛「卯月」

卯月「あ、あの、凛ちゃんが男の子になったって聞いたんですけど、もしかして……」

P「ああ、目の前にいる人間で間違いないぞ」

卯月「う、うわぁ……///」

凛「驚かせちゃってごめんね、でも、少しの間だけだから」

卯月「は、はいっ!」

凛「……卯月?」ズイッ

卯月(わ、ちょっ、近いよぉ……///)

ちひろ「あー、そのへんにしておきましょうねー」グイッ

ガチャッ

未央「おはよーございまーす! しぶりんに何かあったって聞きましたけど、大丈夫なんですか?」

凛「大丈夫は大丈夫、なんだけどね」

未央「お、おお……とうとうウチにも男子アイドルの波がやってきたのですねっ?」

凛「……わかって言ってるでしょ」

未央「いやぁー、それは確かにしぶりんならではの反応だな。ふんふん、予測はしてたけど、なかなか美少年ではありませんか」

凛「色々とひっかかる所があるな……」

ちひろ「未央ちゃんは平気なんですね、男の子と接するの」

未央「んー、そもそもはしぶりんですしね。見た目以外は何にも変わってないってわかったし」

未央「特に接し方を変えることはありませんよ。ねー、しぶりん♪」ギュッ

凛「ちょっ、ちょっと未央!」

凛(ま、また胸がっ)ムラッ

未央「お? 心は嫌がってても体は勝てないってやつですかなー?」ムニムニ

ちひろ「あー、それもやめましょうねー」グイッ

未央「ちぇー」

凛「うぅ……///」

P「なるほど、心と体のバランスがチグハグになってるのか」

ちひろ「ひとまず方針は決まりつつありますかね」

P「凛からのコミュニケーションはほどほどに、アイドルからもほどほどに、というわけですか」

卯月「ご、ごめんね、凛ちゃん」

凛「卯月が謝ることはないよ」

未央「それにしても色々と大変になりそうだねー、もし一緒に外歩いてたら写真撮られちゃったりして」

P「十分あり得るな……かといって自宅に閉じこもったりするのも、な」

ちひろ「いざとなったら女装でどうにかなるでしょう。幸い、心が女の子のままなら抵抗はないでしょうしね」

凛「芸能活動は一旦停止、学校も欠席、かな」

P「すぐになんとかしてみせるさ。一人でいるとさびしいだろうから、しばらくは事務所に入り浸れば良い」

P「それに男についてのことでわからないことがあったら、遠慮なく俺を頼ってくれよ?」

凛「……うん、わかった」

凛(ひとまず手伝える仕事は請け負って、あとの時間は勉強に充てるって決まったけれど……)

智恵里「お、おはよう、凛ちゃん……」オズオズ

凛「おはよう、智恵里」

智恵里「っ、……わたし、お仕事に行ってくるねっ」タッ

凛「あっ……」

凛(いつも喋ってたはずのアイドルとは……)

美嘉「お、おはよー、凛っ★」

凛「おはよう、美嘉」

美嘉「な、なんか大変なことになっちゃったねー。こないだ約束してた店も……」

凛「うん、さすがにランジェリーは、ね」

美嘉「アタシはいいんだけどね、お、男の子と一緒でも/// でも凛の気持ちも考えたら、ちょっとね」

凛「元に戻ったら、必ず行こうね」

美嘉「う、うん……それじゃっ」タッ

凛(距離が遠くなっちゃったな……)

凛(でも悪い事だけじゃなくて……)

凛「ねえ、夏樹」

夏樹「ん、どうした?」

凛「もしよかったらベース教えてくれない?」

夏樹「へぇ、撮影のためだけじゃなくてちゃんと練習してたんだな」

凛「あれから忙しかったからもう感触は忘れちゃってるんだけどね。でも、歌のためにももう一度やり直したくて」

夏樹「いいぜ、じゃあどこまで弾けるか見せてくれよ」

凛(普段あまりしゃべらないアイドルとは……)

比奈「凛ちゃん、ちょっといいッスか?」

凛「なに?」

比奈「デッサンのモチーフになってほしいんスよ。なんか利用するみたいだけど、高校生くらいの男の子を間近に見れることは中々ないんで……」

凛「それくらいなら気にしなくて良いよ。どんな漫画書くの?」

比奈「え゛、い、いやぁ~、ラブコメ、かな?」

凛「出来上がったら見せてくれると嬉しいな」

比奈「あ~……まあ、凛ちゃんさえ良ければ……」

凛「?」

凛(いつもよりしゃべれるようになってるかも)

凛(同年代の子は異性に対しての反応が分かれるけど……)

ガチャッ

仁奈「ただいまでーす!」

凛「おかえり、仁奈」

美優「あら、凛ちゃんだけ?」

凛「そうですね、プロデューサーもちひろさんも出払ってますし、留守番です」

美優「苦労してるのね……」

凛「いえ、これは私からの希望ですから」

仁奈「今日の凛さんはPみてーでごぜーますっ」モフッ

美優「あっ、ちょっと仁奈ちゃんっ」

凛「そう? じゃあプロデューサーの代わりに撫でてあげようか?」ナデナデ

仁奈「凛さんもモフモフするといーです」モフモフ

美優「凛ちゃん、その……大丈夫なの?」

凛「これくらいは別に。こんな機会でもなければ子どもと触れ合う事って、あまりないですから」

美優「そう……そのくらい前向きに考えた方がいいのかもしれないわね」

凛(ちっちゃい子や大人は変わりなく接してくれるかな)

ブルッ

凛「……っ」

凛「……ねえ、仁奈ちゃん、ちょっとトイレにいってきてもいいかな」

仁奈「なら仕方がねーですね、美優さんを代わりにしますからごゆっくりでごぜーます」スタッ

美優「代わりって、あはは……」ナデナデ

美優(あれ、でも凛ちゃんって……)

トイレ

凛「うう……」

凛(ショックで忘れてたけど、一度もトイレにいってなかったっけ……)

凛(見なきゃ、ダメ、なのかな)

凛「ああ、もうっ」ギュッ

ボロンッ

凛「ひっ」ビクッ

凛(こ、こんなの女の子の時にも見たことないよ……///)

凛(ちゃ、ちゃんと見ないと汚しちゃうし)

チョロチョロ...

凛「ぁぅ……///」

凛(ちょっと膨らんでる……?)ツンツン

ビクンッ

凛「ふぁっ」

凛(興味に任せて余計なことしなきゃよかった……)

チョロ...

凛「……?」

ビンビン

凛「えっ、これってもしかして」スッ

パンパン

凛「ズボンに収まりきらない……」

凛「ど、どうしよう……」

コンコン

凛「ひっ!?」ビクッ

美優「凛ちゃん、私よ」

凛「美優さん? こ、ここ男子トイレ……」

美優「ごめんね。ただ、男の子との違いに戸惑ってるんじゃないかと思って来てみたんだけど……」ヒソヒソ

凛「美優さん……」

凛「じ、実はですね……」

美優「うん、なんでも話してみて」

凛「その、アレがズボンに収まりきらなくなっちゃって……」

美優「……えっ?///」

美優(そ、それは予想外だったわ……/// でも、大人としてここは落ち着かせてあげないと)

美優「そういう時は、たぶん、他の事を考えたらいいんじゃないかしら」

凛「他の事?」

美優「たとえば……そう、凛ちゃんって犬を飼ってたわよね。そのことを考えてみたりして、意識をそこから外すとか」

凛「犬の事……」

凛(犬、ハナコの事……ハナコも寂しがってるだろうな、家に戻ったらちゃんと散歩させてあげないと)

凛(もし私が家に帰らなかったら、寂しさを埋めるのは他の犬? 他の犬とする事って……)

ビンビンッ

凛「うわああああああああああああ!///」

美優「凛ちゃん!? 大丈夫!?」

凛「た、助かりました……」

美優「うん、よかったわ、途中で様子がおかしくなった時には心配したけど……」

凛「も、もう大丈夫ですから」

凛(なんであんなこと考えちゃったんだろ。そう言えば同級生の男子って、ろくでもないこと考えたりしてたな)

凛(もしかして、段々と思考まで男に乗っ取られつつある……?)

仁奈「凛さん、おかえりでごぜーますっ」モフッ

凛「うん、ただいま……っ」ウズッ

凛(どうしよう、膝の上に乗られるとそっちに意識が……)

凛(それに仁奈ちゃん、可愛いな。着ぐるみの上からでも柔らかい体してるってわかる)ムラッ

美優「……仁奈ちゃん、凛ちゃんはちょっと具合悪いみたいだから、私の所に来ようか」

仁奈「そうでやがりましたか?」

凛「あっ……う、うん。ごめんね、仁奈ちゃん」ナデナデ

仁奈「そうとは気付かず申し訳ねーです」スタッ

美優「……今は男の子だもの、しょうがないわよ」

凛「ご、ごめんなさい」

凛(うぅ、気付かれてた……///)

凛(でもしょうがないで済まされる問題じゃないよね)

凛(もし元に戻らなかったら、ずっと女の子のことを意識し続けるんだろうな)

凛(今はそんな感情なんてないけど、その内事務所の子達にそういう目を向けたら……)

凛(私なら絶対嫌。追い出しちゃう可能性だってある。当然、皆にも……)ジワッ

加蓮「凛? りーん!?」

凛「うわっ、な、なに、加蓮?」

加蓮「心配になってきてみたらこっちの声は無視するわ、突然泣き出すわ……やっぱり大丈夫じゃないじゃん」

凛「わ、私泣いてた?」ゴシゴシ

加蓮「泣いてたよ。Pさん達の前では気丈に振舞ってたつもりかもしれないけど、辛いんでしょ?」

凛「辛い、とか、そういうんじゃなくて、その……」

加蓮「とにかく話してみてよ、そんなに私、信頼されてないかな?」

凛「ううん、違うの、信頼してる。けどこっちが信頼しても、皆は……」

凛「もう女としてじゃなくて、男として見るから、怖がっちゃって、遠ざかって行っちゃうんじゃないかって……」グスッ

加蓮「はぁ……馬鹿だね、凛は」ギュッ

凛「や、やめて、加蓮っ」

加蓮「まあ、私だって男子と一緒にいるのはちょっと気が引けるところあるけれど」

加蓮「でもそれが凛なら別に気にしないよ?」

凛「う、加蓮、その、胸……」ドキドキ

加蓮「ふーん、そうか、私ってやっぱり魅力的なんだ」グイグイ

凛「ぅぁ……///」

加蓮「でもこんなこと普通の男子にはやらないよ?」

加蓮「心は凛のままだってわかってるし、いざとなった時もそれが無くなるはずないって信じてるから」

凛「か、加蓮……」グスッ

ガチャッ

奈緒「なあ、凛が大変なことになったって……えっ」

凛・加蓮「あっ」

奈緒「だ、誰だお前!? 加蓮をたぶらかすだけならまだしも、じ、事務所でそんなことっ///」ワタワタ

凛「奈緒、落ち着いて!」

加蓮「誤解だよ! 珠ちゃんの竹刀振り回さないで!」

奈緒「ま、まさかあたしも毒牙にかけようってのか!? そうはいかないぞっ」ブンッ

凛「あふっ」ゲシッ

奈緒「申し訳ありませんでした」ドゲザ

凛「うん、いいよ。おかげで雑念も消えたし……」ズキズキ

加蓮「とはいっても、今は男の体なんだから、溜めこまないようにした方が良いと思うけどな」

加蓮「少しくらい今の状況を楽しむくらいの気持ちがあったほうが楽だよ」

凛「でも心は女の子のままだし……」

奈緒(た、溜めこまないってことは、そういうことだよな? り、凛がそんな……///)ドキドキ

ガチャッ

友紀「たっだいまー!」

楓「タダイマ帰ったけれどプロデューサーさんがいなくてマイッタダ、ふふっ」

早苗「んー、見ない顔が居るわね、その男の子は誰?」

瑞樹「若い男の子、ね。プロデューサー君はとうとうそんな手を使うようになったのかしら」

加蓮「えっと、皆さんPさんからお話は……はっ」ピコーン

凛「あ、あの、私……」

加蓮「あー、実はこの人、凛のイトコなんですよ」

凛「はぁっ!?」

早苗「へー、凛ちゃんのイトコかぁ」

瑞樹「そう言われれば目元が似てるわね。もしかしてうちの事務所に?」

加蓮「いやー、そうだとよかったんですけれど、単純にファンとして来たんだそうです」

凛「ちょ、ちょっと加蓮っ!」

友紀「なるほどー、それはお目が高いなー」

加蓮「私としてはこの際だからアイドルを何人か集めて交流会にでも行こうかと思ってたんですけど、いかがでしょう?」

楓「ふふっ、いいわね」

瑞樹「でも一般人と居ると、写真撮られちゃわないかしら?」

加蓮「あー、そのへんはご安心を、ほらっ」ポスッ

凛「うわっ」

瑞樹「あら、カツラをかぶせたら凛ちゃんそっくり。これならスキャンダルにはならないわね」

凛「あの、だから私渋谷凛本人……」

友紀「冗談きついなー、どっから見ても男じゃん」

加蓮「昔からよく似てるって言われたそうですよ。ホントデビュー出来ないのがもったいない」クスクス

凛「か、加蓮……っ!」

早苗「よーっし、じゃあちょっと早いけど、明日は皆休みだし居酒屋行くか―!」

友紀「おーっ!」

加蓮「じゃあいこっかー」ズルズル

凛「加蓮、引っ張らないでっ、奈緒、助けてっ!」

奈緒「凛が穢れちゃう凛が穢れちゃう凛が穢れちゃう……」ブツブツ

居酒屋

早苗「イトコくんは未成年かー、呑めなくて残念」

友紀「あたしビールねっ」

楓「私は日本酒を……」

瑞樹「ウーロン茶? それともジュースとかのほうが良い?」グイッ

凛(み、瑞樹さん近い……)

加蓮「私はオレンジジュースで。いっしょでいいよね?」

凛「う、うん……」

凛(加蓮、なんであんな嘘ついたのっ)ヒソヒソ

加蓮(たぶんだけどさ、体が女慣れしてないだけだと思うんだよね)ヒソヒソ

加蓮(女が怖いと思うからいざ近寄られたらドキドキしちゃうんであって)

加蓮(逆にどんどん女の人に近づいてもらえばどうってことなくなると思うよ)ヒソヒソ

凛(ほ、ホントに?)

早苗「おー? 早くもそこのお二人は良い雰囲気ですなぁ?」グビッ

楓「お二人だけでなく早苗さんももう出来上がってるみたいですね」コクッ

加蓮「だとよかったんですけどねえ、でも瑞樹さんのファンらしいんですよ」

瑞樹「あら、そうなの?」ズイッ

凛(近い近い! なんか違う怖さを感じる近さだよ!)ジリッ

凛「あ、ええと、はい……」

瑞樹「ふふ、嬉しいわね。どのあたりを好きになってくれたの?」

凛「えーと、おととしの浴衣を着てる時の川島さんを見て、他にはない色気で勝負できるアイドルだなーって……」

瑞樹「本当? でも私としてはもっと可愛いお仕事もやっていきたいんだけど」

凛「ああ、そっちのほうも似合ってると思います、はい……」

凛(気圧されてしまった……)

加蓮(後でバレたらどうなるだろうねー)ケラケラ

凛(……元にもどったら覚悟しといてよ)

友紀「ビールおかわりー! イトコくんも飲むー?」

凛「いえ、遠慮しておきます……」

友紀「じゃあお姉さんのを分けてあげよー」グイッ

凛「や、やめてくださいっ///」

凛(こっちも遠慮がまるでない///)

楓「友紀ちゃんも出来上がってるわね」コクッ

友紀「はぁ~あっつい。段々と春になってくるねー、プロ野球も始まるしビールもおいしいし、良い事づくめだ」パタパタ

凛(無防備すぎる/// いつもなら注意できるのに……)

凛(ていうか友紀さん顔の割に良い体してるんだよね、だらしない体勢だからお尻も……)ムラムラ

楓「……ねえ友紀ちゃん、これ、頼んでみましょうか」

友紀「ん~? お、つくねか~いいですねえ」

楓「お値段も安いし、つくねは高くつくね、のはずなのに、ふふっ」

友紀「楓さん絶好調だねえ」ケラケラ

凛(た、助かった……)

瑞樹「ねえ、イトコくんはいくつ?」

凛「じゅ、16、です……」

瑞樹「そう、あと二年、か……」ゴクッ

凛「」ゾワッ

凛(瑞樹さんのプレッシャーが凄すぎる……でも)チラッ

加蓮「早苗さん、ビール注ぎましょうか?」

早苗「お、気が効くわねぇ」

友紀「注文お願いしまーす」

加蓮「あ、私代わりにやっておきますよ」

凛(加蓮は全然助けてくれない……)

楓「……あの、私、ちょっと気持ち悪くなってきたんですが」

瑞樹「あら、もう? 早いわね」

凛「あっ、良ければ介抱しますよ!」

瑞樹「でも……」

凛「飲んでる人より飲んでない人の方がいいでしょ!? じゃあ行きましょう、トイレのほうが良いですかね!?」

楓「ううん、外のほうが良いわ」

店外

楓「はぁ……もう真っ暗ね」

凛(助かった……もしかして楓さん、気を遣ってくれた?)

楓「ねえ、凛ちゃん」

凛「はい……えっ?」

楓「あ、やっぱりそうだったんだ」

凛「……わかってたならもっと早く助けてくださいよ」

楓「ふふ、ごめんね。でも凛ちゃんや加蓮ちゃんと一緒に遊びに行くことって、あまりないから」

凛「まあ、そうですけど……」

楓「あと普段クールな凛ちゃんがどんな風に戸惑うのかを見たくて」

凛「……」

楓「ふふっ、でも困ったらちゃんと言ってね。皆悪気はないんだけど、お酒を飲んじゃうとどうしてもね」

凛「……ありがとうございます」

一時間後

楓「ねえ、日本酒、飲む? 日本酒を二本しゅいません、ふふっ」ナデナデ

瑞樹「ちょっと楓、イトコくんを取らないで、もう私のものって決まってるんだから」ナデナデ

凛(全然頼りにならない……!)

友紀「あー、じゃああたしはビールをあげよー」フラフラ

早苗「おぉ~いっちゃうか~? 一気の時間だー!」

加蓮「こらこら、元公務員」ペシッ

早苗「あん、加蓮ちゃんひどぉ~い」

加蓮「参ったな、ブレーキ役がいないよ、この集まり」

凛「冷静になってないで助けてよっ」

友紀「意外と胸板あるんだねーイトコくんー」ダキッ

凛「わっ、ちょっ、やめて、脱がさないでっ!」

瑞樹「でも足はスラリとしてるのよ」サワサワッ

凛「い、いやああああああああああ!」

更に一時間後

ガラッ

ちひろ「迎えに来ましたー……うわっ」

友紀「むにゃむにゃ……」

早苗「くかー、くかー……」

瑞樹「うっ、うっ、やっぱり若くなけりゃダメなの、ねえイトコくん……」

楓「すぅすぅ……」

凛「」チーン

ちひろ「……これはひどい」

加蓮「未成年の飲酒だけは防いでますからその辺は安心を」クスクスッ

ちひろ「ここは行きつけの居酒屋だし、個室だから大丈夫でしょうけど……」

ちひろ「あんまり凛ちゃんをからかわないでくださいね」

加蓮「はーい」

ちひろ「ていうかこんな時間だけど、おうちの方は大丈夫なの?」

加蓮「今日は寮の友達の部屋に泊まるって言ってますんで。凛のために用意した部屋に行ってもいいんですけど」

ちひろ「それは万が一のためにやめたほうが良いと思うけれど」

加蓮「大丈夫ですよ、この四人に囲まれても何もできなかったんですから」

ちひろ「……とりあえず凛ちゃんを寝かせたら他の子の部屋に行くように。私はこの人たちの面倒を見ないといけないので」

加蓮「わかってますって」



凛「……」フラフラ

加蓮「ほら、しっかり歩けー、もうすぐベットだぞー」

ドサッ

凛「うぅ……」グッタリ

加蓮「お酒のにおいだけで酔っぱらっちゃったのかな、ふふ」

加蓮(まあでも今日はやりすぎちゃったな、確かに……)

加蓮(正直なところ、凛を怖い存在にしたくないってところもあったのかもね)

加蓮「ま、明日からは普通に接してあげよ……」スッ

凛「ん……」ギュッ

加蓮「ん、どうしたの? 水でも欲しい?」

凛「っ」グイッ

加蓮「わっ!?」フラッ

トサッ

加蓮「ちょ、どうしたのいきなりっ、上にのっかってないでどいてよ」

凛「……」ジィッ

加蓮「わ、わかった。今日はごめんって、私もやりすぎだってわかってるから、許してって」ジタッ

凛「……」ズイッ

加蓮「ちょっ、近いっ///」

凛「ぺろっ……」

加蓮「ひゃうっ」ビクッ

凛「ぺろ、ぺろ……」

加蓮「く、首だめ、そんなっ、やぁっ」ビクビクッ

凛「はぁ、はぁ……」スッ プチッ

加蓮「えっ、ちょっと、冗談きついよ、ねえ、凛っ」ジタバタッ

加蓮(も、もしかして本当に酔っぱらっちゃって自制心が!?)

プチッ プチッ

加蓮「だ、だめっ」パンッ

凛「つっ……っ」グイッ

加蓮「ひあっ」

加蓮(両手を簡単に抑えて……すごい力っ)ジタッ

凛「……」モゾモゾ

加蓮「や、だめ、胸は、胸はぁ……」ジタバタ

凛「はぁ、はぁ」モミモミ

加蓮「やめてよ、凛っ、お願い……」ポロポロ

凛「ぺろっ……」

加蓮「ふぁっ」ビクッ

凛「ちゅっ、れろっ……」コリコリ

加蓮「ん、んぅ……」ビクビク

加蓮(このままだとっ……)

凛「ちゅぱっ……」スッ

加蓮「やっ、下はだめ、それ以上はぁ……」グスッ

凛「よっと……」パッ

加蓮(手を離してくれたっ)

加蓮「っ」ブンッ

凛「つあっ」ゲシッ

ドサッ

凛「」

加蓮「はぁ、はぁ……だ、大丈夫?」

凛「……すぅ、すぅ」

加蓮「は、ははは、よかったぁ……」ヘタッ

加蓮(でも私、怖がってたな、やっぱり……凛を受け止めきれなかった……)

加蓮「ごめんね、凛……」ナデッ...

凛「……すぅ」

加蓮「これからどうしよう……」

加蓮「とりあえず、今日は奈緒の部屋に泊めてもらおう……考えるのはそれからにしよう……」

翌朝

凛の部屋の前

加蓮「……よしっ」

コンコン

加蓮「りーん? 起きてる?」

シーン...

加蓮「ま、当然か……」

ガチャッ

加蓮「りーん?」スタスタッ

凛「すぅ、すぅ……」

加蓮「布団かぶっちゃってる。よっぽど疲れたんだろうな」

加蓮「まあ、でもそろそろ起きてもらわないとね」バッ

凛「ん、んう……」ゴロッ

加蓮「ああ、もうそんな恰好じゃ胸見えちゃうじゃん……胸?」

加蓮「えっ、えっ」サワッ ムニュッ

凛「んあ、かれん……?」

加蓮「お、女の子に戻ってる!?」

数日後

凛「よし、それじゃあ行こうか、プロデューサー」

P「もう少し休んでても良いと思うんだけどな」

凛「十分すぎるほど休んだよ。そろそろ体がなまっちゃうくらいだし」

P「お前がそういうならいいんだが……それにしても何が原因だったんだろうな、一体」

凛「戻った時もコ○ン君みたいにお酒を直接飲んだわけでもなかったんだけどね」

P「まぁ、元に戻ったからよしとしたほうがいいのか」

凛「うん。でも、私は良い経験だったと思ってるよ」

凛「あれからも夏樹にはベースを教えてもらってるし、そろそろ比奈の漫画も読ませてもらってるし」

凛「今まであまり話さなかった子とどう付き合ったらいいかも、大体わかってきたし」

凛「なんていうか、視野が広がったかな」

P「ならよかった。いや、一概に良いばかりではないんだろうが」

凛「それにね、今まで気を遣うことなく話せてた卯月や美嘉みたいな存在が、どれだけ大切だったかもわかったんだ」

P「うん、そうか」

数日後

凛「よし、それじゃあ行こうか、プロデューサー」

P「もう少し休んでても良いと思うんだけどな」

凛「十分すぎるほど休んだよ。そろそろ体がなまっちゃうくらいだし」

P「お前がそういうならいいんだが……それにしても何が原因だったんだろうな、一体」

凛「戻った時もコ○ン君みたいにお酒を直接飲んだわけでもなかったんだけどね」

P「まぁ、元に戻ったからよしとしたほうがいいのか」

凛「うん。でも、私は良い経験だったと思ってるよ」

凛「あれからも夏樹にはベースを教えてもらってるし、そろそろ比奈の漫画も読ませてもらってるし」

凛「今まであまり話さなかった子とどう付き合ったらいいかも、大体わかってきたし」

凛「なんていうか、視野が広がったかな」

P「ならよかった。いや、一概に良いばかりではないんだろうが」

凛「それにね、今まで気を遣うことなく話せてた卯月や美嘉みたいな存在が、どれだけ大切だったかもわかったんだ」

P「うん、そうか」

凛「ただ、一つ気になる事はあるんだけどね……」

P「何だ?」

凛「加蓮がやたらと気を遣ってくるようになった」

P「……どういうことだ?」

凛「居酒屋の仕返しをやろうと思ったんだけど、その前に何かおごるって言いだしてきたからやりにくくなっちゃったし」

凛「レッスンとか仕事とかでも、疲れてないかだとか、何か欲しい物はないかだとか、しょっちゅう声かけてくるし」

凛「本当なら私が加蓮の体調を心配するべきなのに……」

P「お前加蓮になにかやったんじゃないか?」

凛「もう色んなことがありすぎて覚えてないよ。居酒屋でもみくちゃにされたあたりから記憶がない」

P「あぁ……」

凛「プロデューサーも大変だね、不定期ながらあの人たちの相手しなきゃいけないなんて」

P「そうだぞ、男は色々大変なんだ」

凛「うん、よくわかったよ。それもプラスかな。プロデューサーの苦労が少しだけどわかった」

P「まあ今更だけどな。お前らのために苦労してこそプロデューサーだよ」

凛「ありがとう。これからもよろしくね」

P「おう」


更に数日後

オーネガイーシーンデレラー

凛「うぅん……」ゴソゴソ

凛(こんな朝早くに誰からのメールだろ……加蓮?)ピッ

『男の子になっちゃったかも……』

凛「……」

凛「うん、夢だよね」パタッ


おわり

ジゴロな凛ちゃんとかオモチャにされる凛ちゃんとか、
あるいは思いっきり野獣になっちゃう凛ちゃんとかもっと戸惑いを見せる凛ちゃんとか、
色々書きたかった事はあるし書くべきことはあったんですが、
安易な方向にしか行きませんでした、すいません。出来れば誰かに案だけ引き継いで書いてもらいたいところです

いくら凛ちゃんとはいえ他の男になびく加蓮とか、逆に女の子になびく凛ちゃんとか、担当Pには謝罪します

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