P「アイドルのいない事務所で……」 (45)

P「突然ですが律子さん」

律子「はい」

P「明日世界が滅ぶとしたらどうします?」

律子「こりゃまた突然ですね」

P「ええ、どうします?」


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律子「明日の千早と貴音の営業資料。まとまりましたか?」

P「いや、仕事の進捗ではなくて。明日世界が滅んだ話ですが」

律子「手を休めている社会人と話す事はありません」

P「まあまあ」

律子「いや、まあまあではなくて」

P「どうします?」

律子「この質問に答えたら、コーヒーを片手にyoutube見てるそれを辞めてくれますか?」

P「わかりました。それで手を打ちましょう」

律子「はぁ……。えっと、なんでしたっけ。明日世界が滅ぶとしたら?」

P「ええ。どうしますか?」

律子「うーん。いつもと同じ今日を過ごしますかね」

P「なんとも夢が無い」

律子「余計なお世話です。現実味があるんですよ」

P「それが現実なら、なんとも味気ないですね」

律子「そうですか?けっこうカラいと思いますよ?現実」

P「ツラいという意味で?」

律子「いえいえ、世知辛いという意味です」

P「成程。いやまあ、そんなことより。何も生活に変化はないと?」


律子「ですねえ。来月……。とか、来年……。のように期間があれば別ですけど。
   明日というのであればもう諦めが若干入りますよね」


P「まあ、それは確かに」


律子「はい。お話終わり。ブラウザ閉じて。お仕事してください」


P「あいやまたれい!」


律子「待ちません」


P「いやいや、まだ解答には至ってないと思うのですが」


律子「はい?」


P「どうするのか?という質問にどうもしない。という回答が、律子の回答と言いたいのでしょう?」


律子「そういったつもりですけど」


P「それは回答としては0点なんじゃあないだろうか?
  何をする?という、HowだったりWhatの質問に、NOで答えるのはいかがなものかと」


律子「いやいや、そもそも自由回答の、問題とも言い難い質問に。点数が入るのはいかがなものかと」


P「元々これは単純な質問ではなく、律子を試す試験だったと言えば?」


律子「その点数の物差しさえしらないままに、突然の抜き打ちテストはそもそもNGです」


P「平行線ですね」


律子「迷宮入りです」

P「というわけで。質問は続行。俺はまだ仕事には戻りません」


律子「難癖付けてただ仕事したくないだけなら怒りますよ?」


P「いや、仕事熱心な同僚を困らせたいだけです」


律子「怒りますよ?」


P「嘘です」


律子「はい」


P「って言えば許してくれますか?」


律子「怒りました」


P「わぉ過去形」


律子「むしろ現在進行形です」


P「わぉアイ・エヌ・ジー」


律子「消しゴム1号発射準備。完了しました」


P「フハハハ!消しゴムごときで我を倒せるとでも?」


律子「カッター1号、発射準備。完了しました」


P「それは洒落にならんすよ」


律子「洒落で済ますつもりはないんすよ」

P「まあでも、そろそろ社長が帰ってくるので仕事しますか」


律子「社長に報告はしますよ?」


P「なんでよ。やだよ、やめてよ」


律子「小学生ですか。嫌なら今後を改めるべきですね」


P「そんな、毎日こんなことしてるみたいな事言われても」


律子「毎日でしょうに」


P「フフ……。俺と言う人間にも。【時間】という狭き思考回路が存在すれば。だろう?」


律子「中学生ですか」


P「毎日、という概念はそもそも1日と言う概念から考えても。
  人間が作り出した自己中心的な、ある種で自己陶酔にも取れる主観的なもので。
  僕と言う存在をその今日という言葉に当てはめられても困りますね。
  さて、本当に貴方の昨日は、僕にとっての昨日なのでしょうか?」


律子「高校生ですか」


P「ウェーイ!!」


律子「大学生ですか」


P「いいえ、私です」


律子「早く社会人になりなさい!」

P「で、明日は12時に事務所から出発します」


律子「何の話ですか?」


P「はあ?仕事の話に決まってるじゃないですかー。えー?
  今仕事の時間ですよー?ウッソー。何の話だと思ったのー?」


律子「……」


P「ごめん」


律子「……」


P「ごめんなさい」


律子「……」


P「誠に申し訳ありません」


律子「……」


P「今日の洗濯と食事は俺がします」


律子「風呂洗い」


P「それもします」


律子「それで手を打ちましょう」




小鳥「え?今なんと?」

P「ああ、小鳥さん。いたんですか」


小鳥「ええ、ずっと」


P「どちらの常月まといさんですか?」


小鳥「絶望先生ネタとか突然言われても」


P「だって、ワンピースだと文化的すぎるかと」


小鳥「その言葉すら絶望先生ネタですが」


P「昨日30巻全部読んだんですよ」


小鳥「今更すぎます」


P「律子の寝顔を見ながら」




小鳥「今なんと?」

P「サウザー」


小鳥「それ南斗」


P「こういう返しが出来る事務員がいて嬉しいです」


小鳥「ありがとうございます」


P「どういたしまして」


小鳥「でも、律子さんにも言われた通り。仕事はしてくださいね?」


P「小鳥さんはしているんですか?」


小鳥「疑問分を疑問分で返せと学校で教えているのか?」


P「え?いや、教えてないですけど」



小鳥「え?いやいや」


P「ん?なになに」


小鳥「ジョジョ」


P「しらなんだ」


小鳥「絶望先生と北斗の拳は知ってて?ジョジョを知らない?」


P「しらなんだ」


小鳥「わぉ。赤っ恥」

P「いや、まあ知ってますけど。吉良ですよね」


小鳥「リュークと一緒の」


P「キラ違い」


小鳥「あ、なんか今スッと返してもらえて嬉しいです」


P「喜んでもらえて何よりです」




律子「あ、社長お帰りなさい」


P「カタカタカタ……カチカチ」

小鳥「テキパキテキパキ」


律子「まあ、嘘ですけどね」


P「心臓に悪いからやめろ!」

小鳥「死ぬかと思いましたよ!」


律子「小鳥さんまでサボってたんですか!?」

一旦小休止。

律子「いや、もう本当にちゃんと仕事してくださいよ」


P「いや、まあ実は既に終わっているんだが」


律子「狼少年もびっくりのスパンで嘘をつきますね」


P「嘘じゃないよ。そこのコピー機に30分前に印刷されている」


律子「あら本当」


P「仕事してないわけじゃなく。仕事が終わったからコミュニケーションしていたわけです」


律子「そのドヤ顔を止めてもらえますか?」


P「ごめんなさい真顔です」


律子「辞めてもらえますか?」


P「え?漢字違くない?え?仕事を?」


律子「はぁ……。もう仕事終わったんなら帰ればいいじゃないですか。
   私には仕事がまだあるんです」


P「竜宮関係か?」


律子「ええ、明後日どっとっぷTVの生出演なんです」


P「ああ、もう明後日か」


律子「ですからその書類整理をしてからレッスン場です」


P「ああ、そうか……」

律子「何かご不満でも?」


P「いや、なんてーかその……。最近疲れているみたいだから。
  その、ケー……。いや。疲れを癒してもらおうと……」


律子「疲れの最大の原因は先ほどまでの会話なんですけどね」


P「マジすか。アレはちょっとでも笑ってもらおうと茶目っ気出したんだが」


律子「逆効果です!
まあとにかく!私は忙しいんです!
邪魔しないでください!」


P「…………なんか、その」


律子「何ですか?」


P「割と真面目に。すみません」




律子「え?あの、えっと……」


P「帰ります……お疲れさまでした……」




律子「え?あの……ええ?」


 バタン。

律子「え?私が悪いんでしょうか」


小鳥「不器用ですからね、プロデューサーさん」


律子「なにがしたいんだか、分かんないんですよね……」


小鳥「不器用なりの励ましなのでは?」


律子「はあ、なんとも癖のある同僚ですね」


小鳥「でも、同僚の疲れを見抜く優しさはあると思いますよ?」


律子「まあ、確かに最近。あの子たちの新曲のおかげで嬉しい悲鳴の毎日ですね」


小鳥「ふふ……。伊織ちゃん達もそうですけど。律子さんが体を壊してからでは遅いですよ?」


律子「ええ、気をつけます」


小鳥「あ、所で」


律子「はい?」


小鳥「さっきの洗濯とかって……」


律子「安心してください。冗談に乗っかっただけです」


小鳥「左様ですか?」


律子「二次創作なんで、過度のカップリングは控えるのがこれの方針です」


小鳥「おぉ……。メタいながらも説得力は抜群」

律子「ふぅ。やっと終わった。4時か……」


小鳥「レッスン場ですか?」


律子「ええ、行ってきます。今日はそのまま、家に帰りますね」


小鳥「分かりました。お気をつけて」


律子「ありがとうございます」


小鳥「ん?メール……」


 カチカチ。


小鳥「あ、律子さんちょっと待って下さい!」


律子「はい?」


小鳥「冷蔵庫にプレゼントがあるそうです」


律子「え?どちらさまから?」


小鳥「プロデューサーさんから、メールで」


律子「何故メールで。小鳥さんから間接的に?」


小鳥「不器用なんですよ」


律子「どれどれ何が……」

 パカッ。

律子「わぉ。ショートケーキが4つ」


小鳥「竜宮小町で食べてくれ。疲れた時には甘いものだ!
   と、書いてあります」


律子「不器用ですね……」


小鳥「可愛いじゃないですか。面と向かって言うの恥ずかしかったのかも」


律子「ふふふ……。ええ、ありがたく貰って置きます。
   電話ででもお礼を言います」


小鳥「ええ、そうしてあげてください」


律子「では、改めて行ってきます」


小鳥「ええ、いってらっしゃい」


 バタン

小鳥「さてと、私ももうひと頑張りしますか!
   社長もそろそろ帰ってくるし、お茶の用意しましょうかね」


 ガチャリ


小鳥「あら社長。予定より早いお帰りで……す……ね?
   あらプロデューサーさんじゃあないですか」


P「……ただいま帰りました」


小鳥「どうしたんですか?忘れ物ですか?」


P「いえいえ、その。これを……」


小鳥「その右手に持っているものは……?ケーキ?」


P「はい。小鳥さんと社長と僕の分です」


小鳥「…………?あ、もしかして」


P「ええ、社長が帰ってきたら律子と4人で食べようと買ったんですが」


小鳥「律子さんに怒られてしょげて帰ってしまったから」


P「食べる機会もなく」


小鳥「丁度4つだから」


P「竜宮小町と律子で丁度いいやと」


小鳥「でも本人に言うのはなんだかカッコ悪いので」


P「小鳥さんにメールした次第です」


小鳥「なんか可愛いですねー。プロデューサーさん」

小鳥「そろそろ社長も帰ってくるみたいですし。3人で食べましょうか。
   お茶、準備しますね」


P「あ、すいません」


小鳥「そちらに座ってて下さい」


P「あ、はい。えっと……律子さん……」


小鳥「フォロー入れときましたよー。プロデューサーさん不器用ですから。
   あれも彼なりの励ましだって」


P「すいません……」


小鳥「いいんですよ。なんたって私、事務員ですから。
   同僚の交友関係も、事務の一環です」


P「仕事だから仕方なくやったと?」


小鳥「本気でそう捉えられたなら目からナイアガラです」


P「脱水症状にはくれぐれもお気を付けを」


小鳥「蛇口を閉めようとはしないんですね」

P「でも本当に。最近の律子は気を張りすぎじゃないかなって」


小鳥「そう見えますか?やっぱり」


P「ええ、パツンパツンですよ。シャツが」


小鳥「どこを見ているんですか」


P「律子のだけじゃあないですよ」


小鳥「アイドルにそんな目を向けないでください」


P「事務員ならオッケーなんですか?」


小鳥「まあ私であれば……。いや、やっぱり嫌です」


P「何その一瞬のまんざらでもない感」


小鳥「お茶入れるから黙ってて下さい!」


P「どんな精密な抽出方法なのやら」

P「冗談は置いといて、どう思いますか?」


小鳥「私もちょっと、最近の律子さんは疲れが見えると思うんですよね」


P「なんかため息多いし」


小鳥「レンジで温タオルつくるし」


P「よく「はぁ……」って言うし」


小鳥「メガネとって指で鼻の頭をギュってしますし」


P「はぁはぁ言いすぎて発情しているのかと勘違いするし」


小鳥「首をぽきぽき鳴らすし」


P「夜に寝る前思い出して興奮してねむれ……」


小鳥「おーい」


P「いやいや、小鳥さんにもムラムラしますってば」


小鳥「何のフォローにもなってません!」

P「すいません。どうも真面目な話は性分に合わず、茶化してしまいがちで」


小鳥「入社当初からそう言う所ありましたよね。今更です」


P「なんかひどい」


小鳥「これでも同意して励ましたつもりです」


P「不器用ですね」


小鳥「貴方が言いますか?」


P「私が言いました」


小鳥「事実確認したわけではありません」


P「なんとまあ」


小鳥「はいはい、茶化すの禁止!」


P「今からお茶するのに?」


小鳥「言葉遊びも禁止!」


P「小鳥遊びは?」


小鳥「たかなし!」


P「今、俺はたかなしです」


小鳥「私で遊ぶな!」


P「なんかその返し。グッときました」

 ガチャリ


社長「ふぅ。ただいま」


P「あ、ご苦労様です社長!」


社長「おぉ、君か。うむ、お疲れ様。律子君は?」


小鳥「竜宮小町のレッスンに出かけました。今日はもうそのまま帰るみたいですよ」


社長「そうか。分かった」


小鳥「あ、プロデューサーさんが差し入れでケーキを買って来たんです。今から一緒にどうですか?」


社長「ん?おお、嬉しいな。じゃあ頂こうかな。何ケーキだい?」


P「ショートケーキです。お口に合えば」


社長「大好きだよ。よっこいしょ。」


小鳥「どうぞ、紅茶です」


社長「ああ、ありがとう音無君。さあ、音無君も座って食べようじゃないか」


小鳥「では甘えさせてもらって」


P「……」


小鳥(絶対今なんか言おうとしたな。甘いケーキと甘えさせて発言にかけて)


P(社長の前で茶化すのはちょっと……)


小鳥(なんで思考が読めるんだろう……)

 モグモグ……。


社長「こうして君と一緒に団らんするのも久しいな」


P「最近忙しいですからね。私も律子も、最近は事務所に居る機会も少ないですし」


社長「うーむ。社長として、アイドルだけでなく、プロデューサ諸君や事務員も支えていかねばいかんのだがな……」


P「いえいえ、十分支えになっていますよ」


小鳥「ええ、社長のおかげで毎日頑張れますから」


社長「嬉しい事を言ってくれるじゃあないか!ハッハッハ!いい部下を持ったものだな」


P「私の方こそ、いい上司を持ったと自負しておりますよ?」


小鳥(相も変わらず、この方はよいしょだけはお上手です)


P「ん?律子から電話だ……」


社長「構わんよ」


P「あ、じゃあ失礼します」


P「あ、もしもし。ん?あー……。いや、その。喜んでくれれば。うん。いやいや」


 バタン


社長「して、どうして彼は突然ケーキを?」


小鳥「実は……」

……。
説明中。
……。
説明終了。


社長「成程、彼は不器用な所があるからな」


小鳥「ええ、本当に。でも律子さんにはしっかり伝わっていると思いますよ」


社長「彼女は鋭いからな」


小鳥「いいコンビなのでしょう」


社長「そうかもな。まあでも、律子君は音無君から見ても最近疲れ気味かね?」


小鳥「ええ、まあ。そう見えます」


社長「うーむ」


小鳥「でも、新曲発表の合間はやっぱり忙しいと思いますよ?
   竜宮小町は、ユニットで言えば。765プロトップの実力ですし」


社長「そうだな。それに、彼の作ったユニットにも。
   負けたくないという意気込みもあるのだろうな」

 ガチャリ

P「あ、すみません」


社長「いやいや、律子君は元気そうだったかね?」


P「あ、お聞きになられましたか……。ええ、まあレッスン指導してましたし。ええ」


社長「言い淀む事から察するに。疲れが見えると?」


P「おおむねその通りです」


社長「うーむ……。よし、そうだな!男!高木順二郎!ここで一肌脱ごうじゃないか!」


P「ビックリしますよ……。突然……。どうされたんですか?」


社長「言葉のとおりさ。不器用な君と、抱え込んでしまう彼女のために!
   私が一肌脱ごうじゃあないか!」


小鳥「と、言うと?」


社長「まあ聞きたまえ」

―午後9時30分―


律子「はあ……。3人全員無事送迎完了っと……。私も帰ろう」


ラジオ「続いてのニュースです。声優の長谷川明子さんが婚約ーーー」


律子「結婚か……。はぁ……。
   惣菜で済ます私の毎日を、華やかにしてくれる人はどこにいるのかな……。
   昼に話した事、現実だったら実際楽よねー……。
   帰ったらプロデューサーがお帰りって言って。
   私はお風呂に入って洗濯物はかごに入れて炊飯器からご飯が……。
   やめよう。悲しくなるわ」



律子「この時間ならあそこのスーパーが半額だったはず。まだ間に合うかな……」


Prrrrrrrr


律子「電話だ……。小鳥さん?
   ブルートゥースって便利よねー。文明の利器だわ……。
   もしもしー」


小鳥「あ、もしもし。もしかしてまだレッスン場ですか?」


律子「え?いえいえ、今丁度帰ってます。スーパーに行く最中です。
   どうかされましたか?」


小鳥「丁度良かった。もしよかったら事務所に寄ってはもらえませんか?」


律子「え?なにか急なお仕事ですか?」


小鳥「いえ、プロデューサーさんがどうしても今日中にって」


律子「プロデューサーが?私に……?分かりました。近くなんで後数分で着きます」


小鳥「はーい。お待ちしております」


 ガチャリ。


律子「お待ちしております?小鳥さんもいるのかしら」

律子「さてと事務所到着……」


P「律子。お疲れ様」


律子「おや?どうして駐車場に?」


P「後数分って言うから外で待ってた」


律子「何故ですか?外寒いでしょうに」


P「事務所が目的地じゃないからな」


律子「はて……」


P「まあまあこっちこっち!」


律子「ちょっと、えぇ?いやそっちって……」


P「急げ急げ!時間は一刻の猶予もない!」


律子「何がそんなに切羽詰まっているんですか!って。たるき亭?」


P「ホラ!寒いから早く中へ!」


律子「あーもうちょっと待って下さい!はいはい!」

 カランコロン

社長「やあ、律子君。お疲れ様!」


律子「社長!え?あっと、お、お疲れ様です!じゃなかった!ご苦労様です!」


小鳥「まあまあ、座ってください律子さん!」


P「どうぞどうぞ」


律子「え?え?どういう事ですか?これは」


P「いやいや、誕生日じゃないか!律子の!」


律子「ええ!そんな覚えて……って!全然違いますけど!?」


社長「ハッハッハ。いやぁ、彼が最近、律子君が疲れていると心配していてね?
   こんな所ですまないが、慰労もかねて、食事でもと思ってね?」


律子「私のためにですか?」


P「そうだ」


律子「なんとまあ、普通に誘っていただければよかったのに……」


社長「ん?普通に誘ったんではなかったのかね?」


律子「ええ、小鳥さんに電話で事務所までって言われて……。
   いえ、まあ。なんともプロデューサーらしいエスコートですよ」


P「おいおい、どういう意味だ?」


律子「不器用って事ですよ!」


社長「ハッハッハ!」

―11時55分―

カランコローン


小鳥「たくさん油物たべてしまった……。ああ、お肉が……」


社長「やはりここの一品料理は美味だな」


律子「すみません。呼んでいただいたばかりか御馳走にまでなってしまって」


社長「何を言う。感謝をするならば彼に言いたまえ。私もごちそうになった身だ」


律子「え?」


社長「彼が律子君の疲れを少しでも取りたいと言って。
   だからこそ今日は自分が出すと。私も甘えさせてもらった身だ」




律子「そう、なんですか?」


P「ん?え?あ……」


律子「え?」


P「あ、いやいや。その通りだ!感謝しろ律子!ひれ伏せ律子!フハハハハハァ!」


律子「…………」


P「ごめんなさい」


律子「いえいえ。ありがとうございます。
   あなたのおかげで、なんだか本当に疲れが取れましたよ。
   プロデューサー殿のように、気を緩めるのも大事ですね」


P「ああ、そう思ってくれれば。俺も嬉しいさ……」

ヒソヒソ
社長「さて、音無君。私たちはソォーっと事務所に戻ろうか」

小鳥「社長も結構ムードメーカーですねぇ……」

社長「そう言う事言わないでくれよ……」
ヒソヒソ


P「でも、その。本当になんかごめんな。素直に労えなくてさ」


律子「貴方の性格は十分理解しているつもりです。
   今日のが励まそうと話してくれたのも。ケーキの優しさも。
   こうやって、変な誘われ方でしたが、食事にも誘っていただいて……」


P「ああ、まあその。なんだ。同じプロデューサーなんだから、何かあったら相談してくれよ」


律子「茶化されるのにですか?」


P「俺だって真面目に相談されたら真面目に答えるさ!」


律子「どうだか」


P「信じてないな?」


律子「冗談ですよ。ふふふ……。
   でも、本当にありがとう。持つべきものは、良い同僚。ですね」


P「愛の告白か?」


律子「そこで茶化すから駄目なんでしょうが!」

ー事務所ー


小鳥「律子さん。これで少しは疲れが取れれば幸いですね」


社長「大丈夫さ。高め合い、支え合う同僚がすぐそばに居るのだからね」


小鳥「裏から支える、良い社長もいますしね」


社長「褒めても何も出んよ?」


小鳥「いえいえ、ご自分が払ったものを、プロデューサーさんが払ったと仰られて。
   謙遜なさらずとも、社長は良い社長ですよ」


社長「いやいや、同僚達が支え合ってくれるのなら、安いものだよ」


小鳥「でーも、食事の前に私に、『財布を事務所に忘れた』と耳打ちされた事はわすれませんよ?」


社長「そういうのは改めて言わんでくれよ……。私にもメンツがあるんだから」


小鳥「ふふふ……。冗談です。さて、そろそろ事務所を閉めますか」


社長「そうだな。遅くなってしまったな。送ろうか?」


小鳥「その言葉、懐かしいですね。
   ええ、じゃあお願いしてもよろしいですか?」


社長「ああ、分かった」






 ガチャリ。

 シーン。

――12時20分――



 ~fin~

夜中のテンションで一気に書いて一気にあげました。
拙いながらも読んでいただいた方には感謝です。

それでは。

お疲れ様をご苦労様に訂正したのはなんの伏線なんかなと思ったが特になにもなかった模様

>>1です。

今更ながら訂正です。

>>23
P「あ、ご苦労様です社長!」
は、
P「あ、お疲れ様です社長!」
の間違いで

>>29
律子「社長!え?あっと、お、お疲れ様です!じゃなかった!ご苦労様です!」
は、
律子「社長!え?あっと、お、ご苦労様です!じゃなかった!お疲れ様です!」
間違いです。


 勢いで書いてしまったから、目下への言葉使い、目上への言葉使いがごっちゃでした。
語彙不足で申し訳ない……。

なんで>>38は。
咄嗟に目下への言葉使いをしてしまうほどキョドル律子ってだけでした。

今後はしっかり推敲します…。すいません。

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