モハメド・アヴドゥルの安価鳥探し(96)

アヴドゥルん家

コケーッコッコッコッ

アヴドゥル「気持ちの良い朝だ」

アヴドゥル「うむ、今日も一日健やかに過ごすぞ」

アヴドゥル「と、その前に・・・・・・」

アヴドゥル「ホラホラ、朝飯だぞ! マイケルにプリンス」

アヴドゥル「がっつくんじゃあないぞッ! お前たちの分もちゃあんとある。丸々太って美味しい鶏になるんだぞ、ライオネル、ロバート、デニーロ・・・」

コケーッコッコッコッ コケーッコッコッコッ

アヴドゥル「おや・・・・・・?」

コケーッコッコッコッ コケーッコッコッコッ

アヴドゥル「な、なんてことだ・・・」ドドド

アヴドゥル「一羽足りない・・・ッ!!」ドドドドドド

アヴドゥル「ロ、ロバート! ロバートォ!」キョロキョロ

アヴドゥル「家の回りを探したが、見つからなかった・・・」

アヴドゥル「焦っても仕方あるまい」

アヴドゥル「どれ、ここは私の生業である占いで場所を探ってみるか」

アヴドゥル「ムウン!」

アヴドゥル「・・・・・・」

アヴドゥル「ン? >>4に居るだと・・・?」

エジプト

アヴドゥル「エジプト、カイロか・・・・・・そう遠くはないようだな」

アヴドゥル「よし! 捕獲用網も持ったし、さっそく捕まえにいくとしよう」



エジプト・カイロ

アヴドゥル「こう、人が多いとなかなか見つけ出すのも難しいな」

アヴドゥル「だが、ロバートは特徴的な鶏だ。きっと、だれが目にしても印象に残っているはず・・・」

アヴドゥル「・・・聞き込みをするか」

アヴドゥル「アー・・・もし、お尋ねしたいのですが、少しいいですかな?」

>>6「はい?」クルリ

DIO

DIO「おや? アヴドゥルじゃあないか」

アヴドゥル「!」

アヴドゥル(DIO・・・!? 日中だというのになぜここに・・・?)

アヴドゥル「・・・ハッ!」

アヴドゥル(日傘かッ! 日傘のおかげで出歩けるというわけか・・・)

アヴドゥル(ずいぶんとお洒落な日傘じゃあないか・・・)

DIO「ンン? ・・・網なんて持ってお散歩か?」

アヴドゥル「きさまに話す筋合いはない。・・・引き止めてすまなかった」クルーリ

DIO「待て待て待て」ガシッ

アヴドゥル「!」

アヴドゥル(い、いつの間にこんな近くに!?)ドドド

DIO「なにかお困りのようではないか。・・・いいから、このDIOに話してみろ」

アヴドゥル「きさまの手は借りん」

DIO「つれないことを言うな。我々の仲じゃあないか、ン?」

アヴドゥル(・・・・・・異様に馴れ馴れしいな、コイツ。何を企んでいるんだ?)

DIO「話だけでもしてみてはどうかね?」

アヴドゥル「・・・・・・」

アヴドゥル(・・・仕方あるまい)

アヴドゥル「かくかくしかじかで鶏を探している」

DIO「・・・フム、ロバート・デ・ニーロ風の鶏か」

DIO「なんと面妖な」

アヴドゥル「・・・・・・」

DIO「だが、確かにロバート・デ・ニーロ風の人面鶏なら先程ここを通っていったな」

アヴドゥル「何ィ!?」

DIO「あんまりに気味悪いんで覚えてるよ」

アヴドゥル「聞き捨てならない雑言だが・・・・・・とにかくどっちへ行ったかわかるか?!」

DIO「・・・・・・」

DIO「ンッンー♪」

DIO「焦っているな、モハメド・アヴドゥルよ・・・」

DIO「しかしこのDIOが、お前にただで物事を教えると思っているのか?」ニヤニヤ

アヴドゥル「くっ、きさま・・・」ギリリ

アヴドゥル(やはりクソ野郎だ!)

アヴドゥル「・・・・・・なにが目的だ・・・?」

DIO「話が早いな」ニヤリ

DIO「我が望みはただひとつだ。アヴドゥルよ、>>10>>12しろ」

承太郎

石仮面装着

アヴドゥル「い、石仮面・・・!?」

DIO「これだ」パス

アヴドゥル「ぶ、不気味な仮面だ」

DIO「これをヤツに被せた状態で、きさまの血を1滴石仮面にたらすのだ」

アヴドゥル「・・・・・・?」

アヴドゥル「それで・・・・・・なにが起きるんだ?」

DIO「・・・・・・」

アヴドゥル「きさま、なにか良からぬことを企んでいるな!? 承太郎につけたらどうなるというのだ!? 答えろ!」

DIO「・・・・・・やれやれ、頭でっかちだな」

DIO「やるのか? やらないのか?」

DIO「やらなければ・・・・・・私はそれでもよいのだぞ?」

DIO「ただきさまは、早くしないと鶏を失うことになるかもしれんがな・・・」ゴゴゴ

アヴドゥル「どういうことだ・・・?」

DIO「アイスが・・・・・・」

おいポルナレフランド進めろよ

DIO「今日の晩御飯を鳥鍋にすると言っていたのでな・・・」ゴゴゴゴゴゴ

アヴドゥル「ま、まさかきさま・・・ッ!」

アヴドゥル「ロバートを・・・ッ!」ドドド

アヴドゥル「ロバートを食う気だな・・・ッ!!」ドドドドドド

DIO「承太郎とロバート、どちらをとるかはきさまの自由だ」

DIO「さっさと決めろ」

アヴドゥル「くっ・・・なんて卑劣な男だ・・・ッ!」

アヴドゥル(ふつうに考えれば、承太郎をとるに決まっているだろうが! DIOは本当にロバートをdinnerにするつもりだ・・・)

アヴドゥル(鶏のために人間を犠牲にするヤツはいないだろう・・・・・・)

>>15
ふええ・・・
そっちもちまちまやるよォ・・・

アヴドゥル(しかし!)

アヴドゥル(ロバートはか弱い鶏、対する承太郎はゴツくて強い人間ッ!)

アヴドゥル(・・・・・・ゆるせ、承太郎!)


アヴドゥル「・・・・・・ナイフも貸せ」

DIO「!」

DIO「よかろう」ニヤリ

空条邸


承太郎「なんだこの不気味な仮面は」

アヴドゥル「・・・・・・エジプト土産だ」

承太郎「・・・・・・」

アヴドゥル「・・・・・・」

承太郎「・・・・・・こんなもんいら」

アヴドゥル「ハハハハ、エジプトで流行ってるから買ってきたんだ! ぜひとも承太郎につけてみてほしくてな! 花京院のぶんもあるぞ! あとで渡さなくてはな」

アヴドゥル「この仮面をつけて、写真を撮ってポルナレフに送ろうじゃあないか!」

アヴドゥル「ジョースターさんにも、我々三人の仲良しっプリを見せつけよう」

承太郎「・・・・・・?」

アヴドゥル(ウウッ・・・・・・苦しい言い訳だ・・・、承太郎の眼差しが恐ろしい)

アヴドゥル(しかし、なんとかして被せなくては・・・)

アヴドゥル(・・・・・・)

アヴドゥル「!」

アヴドゥル「おや? この仮面・・・内側になにか彫ってあるぞ・・・?」

承太郎「?」

アヴドゥル「・・・ううむ、字が小さすぎて見えにくいな・・・・・・老眼が始まったかな?」

承太郎「・・・・・・」

承太郎「・・・どこだ?」

アヴドゥル「・・・・・・ここの、隅の方だ。見えるか?」

承太郎「・・・なにも書いてないが・・・?」

アヴドゥル「いやいや、そんなはずは・・・・・・もっと寄ってみてくれ」

承太郎「・・・・・・」

承太郎「・・・・・・やはりなにも書いてないぜ」

アヴドゥル「・・・・・・そうか、それじゃあ」

アヴドゥル「気のせいかな!!!!」グワッ

承太郎「!」ガパッ

アヴドゥル(顔にはめたぞ! 今だッ!)

アヴドゥル「ムウン!」ザクゥーッ

アヴドゥル(よし! 手から流れた血が石仮面にかかったぞ!)

石仮面「」ジャキンッ

アヴドゥル「!?」

石仮面「」ザクザクザクウッ

承太郎「!」

アヴドゥル「なッ!」

アヴドゥル(承太郎の頭に石仮面から突如生えた針のようなものが刺さった!!!)

ドサッ

アヴドゥル「じょ、承太郎!?」

承太郎「」チーン

アヴドゥル「し、死んでる・・・」

アヴドゥル「な・・・」ドドド

アヴドゥル「なんてことを・・・・・・おのれDIOめ・・・!」ドドドドドド

アヴドゥル「とにかく、このままでは私が疑われてしまう・・・・・・証拠隠滅をしなくては・・・ッ!」

ガサガサッ

DIO「その必要はないッ!」ガサガサッ

アヴドゥル「DIO!? なぜ庭に・・・!?」

DIO「ずっとスタンバってました」

アヴドゥル「見張っていたのか・・・!」

DIO「おまえがきちんとやるかどうか、見届けなくてはならなかったのでな」

DIO「・・・安心しろよ、アヴドゥル。承太郎はまだ死んじゃあいない」

アヴドゥル「何ィ?」

DIO「フフフ、見ろ」

アヴドゥル「・・・!」

承太郎「・・・」ムクリ・・・

アヴドゥル「承太郎、無事だったか・・・!」

DIO「・・・・・・」

承太郎「フシュー」ゴゴゴ

アヴドゥル「承太郎・・・?」

承太郎「URYYY...」ゴゴゴゴゴゴ

承太郎「DIO・・・てめえ・・・・・・」

承太郎「テメーの仕業か・・・」ゴゴゴ

DIO「・・・・・・フフフ」

アヴドゥル(こ、この感覚はなんだ・・・?)

アヴドゥル(承太郎から感じる、邪悪な雰囲気はいったい・・・!?)

>>24「・・・承太郎?」

※ホリィさん以外で

ヌケサク

ヌケサク「DIOさま! こ、これはいったい?」

アヴドゥル「ハッ!」

ヌケサク「えっ!」

ドォォォォォンッ

ヌケサク「あ、あれ?」

アヴドゥル「ヌ、ヌケサクが一瞬でソルベ状態に・・・!?」ドドド

ヌケサク「」チーン

DIO「承太郎よ、怒りを我が下僕にぶつけるんじゃあない」

アヴドゥル「な、何ィ?!」

アヴドゥル「い、今のは承太郎が・・・?」

アヴドゥル(なんということだ・・・承太郎のやつ、まるで性格が変わってしまった・・・・・・)

アヴドゥル(まさに冷酷、残忍、血も涙もない鬼へと・・・)

アヴドゥル(ハッ! まさか・・・・・・)

アヴドゥル「吸血鬼・・・!?」ゴゴゴゴゴゴ

DIO「フフフ、ようやく気づいたか」

DIO「そうとも! 承太郎は・・・」


DIO「わが同胞・・・吸血鬼となったのだッ!」

ババァーーーン!!!


アヴドゥル「な、なにーーー!!」

承太郎「フシュー」

DIO「これできさまも私同様! 日中を日傘ナシには外で過ごせない体となったのだ!」

DIO「ザマアミロ!!!」

アヴドゥル「う、ウグッ・・・」

アヴドゥル(なんと幼稚な・・・ッ!!!)

アヴドゥル「・・・・・・」

承太郎「アヴドゥル・・・」

承太郎「テメー、DIOと組んでやがったな・・・」

アヴドゥル「!」ギクッ

承太郎「どうしてこんなことをした?」

アヴドゥル「・・・・・・」

アヴドゥル(お、恐ろしい・・・ッ! 承太郎から凄まじいオーラを感じる!)

アヴドゥル「か、かくかく・・・しかじかで・・・・・・」

アヴドゥル「・・・・・・こうする他なかったのだ・・・」

承太郎「・・・・・・」

承太郎「いいぜ、気に入った!」ニコッ

アヴドゥル・DIO「!?」

承太郎「なんだか知らねえが、力がわいてくる・・・・・・この感覚、嫌じゃあねえ」

承太郎「テメーも悪気があったわけじゃあねえんだろ」

アヴドゥル「あ、ああ・・・」

アヴドゥル「なにかあっても、承太郎なら乗り越えるだろうという自信があった。信頼しているからな」

承太郎「それじゃあ、べつにテメーを責めようとは思わん」

アヴドゥル「・・・承太郎」ホッ

DIO「・・・・・・つまらん」

承太郎「それによー、同じ吸血鬼になったなら・・・」

DIO「!」

承太郎「今度こそテメーと決着がつけられるってーワケだ」ニヤリ

DIO「・・・・・・きさま、まだ諦めてなかったのか・・・!」ドドド

アヴドゥル「待て!」

DIO・承太郎「!」

アヴドゥル「やりあうのは後にしてくれ!」

アヴドゥル「それよりもDIO、わたしの鶏を返してもらおう!!!」

DIO「・・・・・・」

DIO「なんのことだ?」

アヴドゥル「しらばっくれるな! さっさと返すんだ!」

DIO「いやいや・・・・・・返せ、といわれても困る」

DIO「そもそも私は鶏なんぞ、保護してはいないんだからな」

アヴドゥル「・・・なに?」

DIO「見かけた、と言っただけだが・・・」

アヴドゥル「いや、しかし夕食にすると・・・」

DIO「きさまの鶏とは一言もいってはいない」ニヤリ

アヴドゥル「!!」

アヴドゥル「なんて卑怯な手を・・・!」

DIO「フフフ」

DIO「しかしこのDIO、面妖な鶏を見たというのは本当のこと」

アヴドゥル「!」

アヴドゥル「お、教えろ!」ガシイッ

DIO「ヌ、ヌウウ! 胸ぐらをつかむんじゃあない! 日傘がおちるッ!」

DIO「・・・・・・>>32が捕まえようとしていたのを見たぞ」

アヴドゥル「なんだって!?」

テレンス

エジプト・DIOの館


アヴドゥル「たのもう!」バーン

ゴォー・・・
シュゴォォォォォォォォッ・・・

テレンス「なんの用です?」ピタッ

ババァーーーン

アヴドゥル(相変わらずの謎登場だ・・・)

アヴドゥル「きさまが私の鶏を捕まえたと聞いたのでな・・・返してもらいに来たッ!」

テレンス「おや?」

テレンス「一体だれがそんなことを・・・?」

アヴドゥル「DIOだ」

テレンス「DIOさまが・・・」

テレンス「・・・・・・」

テレンス「いいでしょう、あなたの鶏なんですね。返してあげます」

アヴドゥル「なに!?」

テレンス「夕食に、と思ったんですが・・・・・・所有者がいるなら仕方ありません」

アヴドゥル(いやにアッサリしている・・・!)

テレンス「フフフ、わたしも人のものを取る趣味はありませんので」ニコリ

アヴドゥル「・・・・・・」

テレンス「ただし、条件があります」

アヴドゥル「・・・・・・やはりか」

テレンス「平和すぎて暇なんです」

アヴドゥル「・・・・・・」

テレンス「わたしと、>>36で勝負してもらいたい。・・・勝ったら鶏をお返ししましょう」ニヤリ

カツアゲロードでどちらがより金をとられないか

アヴドゥル「・・・カツアゲロードだと?」ドドド

テレンス「ほお、ご存じでしたか」

アヴドゥル「・・・・・・」ドドド

テレンス「どうです? やりますか? それとも・・・・・・」

テレンス「・・・一緒にうちで夕御飯を食べていかれますか?」ドドド

アヴドゥル「き、きさまァ・・・」ドドド

アヴドゥル(下手したら、何十万、何百万もカツアゲされるかもしれん・・・ッ!)

アヴドゥル(しかし・・・)

アヴドゥル(食用鶏とはいえ、ロバートはわたしのかけがえのない家族ッ!)

アヴドゥル(お金じゃあ買えない価値がある・・・ッ!)

アヴドゥル「・・・・・・やむを得んッ! 乗ったぞ! その勝負にッ!」ババァーーーン

テレンス「グッド!」

杜王町・カツアゲロード


ヒューゥゥゥゥッ
カサカサ・・・

テレンス「・・・・・・」

テレンス「もう一度、ルールの確認といたしましょう」

テレンス「制限時間はナシ。ゴールのジョースター地蔵の所までに、『いくら』巻き取られたかで勝敗を決めます」

テレンス「取られた合計金額が、多い方が負けです」

テレンス「・・・・・・いいですね?」

アヴドゥル「・・・ウム」

テレンス「それでは・・・」

アヴドゥル「・・・・・・待て!」

テレンス「?」ピタッ

アヴドゥル「勝負を公平に行うために、審判を呼ぼうじゃあないか」

テレンス「・・・・・・いいでしょう」

審判役:>>40

ジョセフ

2or3or4部のどのジョセフか
>>42

3部

ジョセフ「はいっ、じゃあ準備はいいかのー?」

テレンス「OKです」

アヴドゥル「まかせてください」

ジョセフ「イカサマはわしにばれんようにするんだぞ・・・」ニヤリ

ジョセフ「それでは、スタートォ!!」

パンッ


アヴドゥル(すぐに通り抜けてしまえば、それだけカツアゲに合う被害も減るということッ!)

アヴドゥル(ここは、速さが勝負だ・・・ッ!)

アヴドゥル「おさきに失礼!」ダッ

テレンス「・・・・・・ええ、どうぞ」トコトコ

テレンス「お気をつけて」ニヤリ

アヴドゥル「!」

アヴドゥル(あやつ、歩くペースをあげない・・・!?)

アヴドゥル(・・・・・・なんだ? あの余裕はどこから来るんだ?)

ドンッ

ジョセフ「Oh!」

ヤンキー「おうおう、じーさんよォ! どこ見て歩いてンだァ?」

ヤンキー「あんた、ベンショーしてくれよベンショー・・・ぶつかってきたおかげで壊れちまったじゃあねえか」

ヤンキー「・・・スマホ、15万ってトコかなァ~!」

ジョセフ「・・・・・・やれやれわしもか・・・」


アヴドゥル「!」

アヴドゥル(なんてことだ、審判のジョースターさんまでカツアゲにあってしまった)

テレンス「・・・・・・フフフ」ニヤニヤ

アヴドゥル(巻き込んでしまってすみません、ジョースターさん!)

お姉さん「ねえ、チョット・・・」

アヴドゥル「ン?」

お姉さん「そこの外人のお兄さん」

アヴドゥル「?」

お姉さん「そう、あなたよ色男さん」

アヴドゥル「・・・わたしになにか用かな?」

お姉さん「ええ、だから呼び止めたんじゃあないの」ニコッ

お姉さん「今、わたしの前通ったわよね?」

アヴドゥル「・・・・・・?」

アヴドゥル「いそいでいたので、よく覚えていないのだが・・・」

アヴドゥル「君が後ろから声をかけてきたのだから、おそらくそうだろう」ウム

お姉さん「認めるのね?」

アヴドゥル「・・・・・・? あ、ああ」

お姉さん「へえー・・・」

お姉さん「じゃあ、慰謝料いただこうかしら? 5万、キッチリ払ってね」


アヴドゥル「な、なに!?」

アヴドゥル「わ、わたしがなにをしたというのだ!?」

お姉さん「んま! 今更しらばっくれる気!?」

アヴドゥル「しらばっくれるもなにも、身に覚えがない! なぜきさまに慰謝料を払わなくてはならないのだッ!?」

お姉さん「・・・・・・」

お姉さん「ねェ、チョット・・・・・・ちゃあんと動画とってるゥ?」クルーリ

妹さん「撮ってるわよォ! お姉ちゃん! しっかりと! iPhoneでェ!」

アヴドゥル「!」

お姉ちゃん「おーヨチヨチ! さ、じゃあiPhoneをお姉ちゃんに貸してごらんなさい」

妹さん「はい、お姉ちゃん!」パス

お姉ちゃん「どれどれ・・・・・・ンー! バッチリよォ!!!」

アヴドゥル「・・・・・・?」

お姉さん「お兄さんしょーがないから、証拠動画見せてあげるわね」

お姉さん「ワタシの口からはとても言えないんだものォ! キャー!」

お姉さん「はい、どうぞ!」パス

アヴドゥル「う、うう・・・」


動画再生中

アヴドゥル(わたしが走っている・・・)

アヴドゥル(・・・!?)

アヴドゥル(と思ったら、「滑る」ように横にズレて・・・)

アヴドゥル(か、彼女の胸を触っただと!?)ゴクリ

アヴドゥル(そして、またもとの場所に戻った・・・・・・)

動画再生終わり

アヴドゥル(こ、この手で触っただと・・・!?)ジィーッ

アヴドゥル(だが、感触をぜんぜん覚えていない・・・!)

お姉さん「どーお? おわかりいただけたかしら?」

アヴドゥル「・・・・・・」

お姉さん「証拠もあるしィ・・・逃げることもできないワよねェ・・・?」ニコニコ

アヴドゥル「・・・・・・やむを得ん」

アヴドゥル「マジシャンズ・レッド!」

ボッ ジュワワンッ

お姉さん「きゃっ!」

妹さん「あ! アタシのiPhoneが溶けたァ!?」

お姉さん「エッ! な、なによそれェ・・・!」

アヴドゥル「おや? 証拠が消えてしまったようだな」ニヤリ

テレンス「!」

テレンス「・・・アヴドゥルめッ! 力業でくるとは・・・・・・」

アヴドゥル(感触もなかったんだぞ・・・!)

アヴドゥル(そんなんじゃあ、払う気になんぞなれん!)ババァーーーン

アヴドゥル(・・・・・・そんなことより、なぜテレンスが歩いているのか分かったぞ・・・)ニヤリ


不良「おうじじい! オレっちのiPod踏むとはいい度胸だなァ? エェッ? 液晶ヒビ入っちまっただろォ!?」

不良「ンー! こいつは20万払ってもらわねーと治ンねーなァ」

ジョセフ「に、20万じゃとォ!?」

ジョセフ「か、カンベンしてくれ・・・これ以上の出費はスージーQに殺されるゥ・・・」

不良「いーからよこせや!」

ジョセフ「ウ、ウウッ・・・」


テレンス「・・・・・・」トコトコ

テレンス「・・・・・・動画を見たか・・・」

テレンス「やつめ、気づいたかもしれんな・・・」ダッ

アヴドゥル「アッ! ま、まずい・・・!」

アヴドゥル「ヤツが走って逃げていく!」

アヴドゥル「ジョースターさん聞いてください!」コソッ

ジョセフ「なんじゃなんじゃ? わしは今言い訳を考えるのにいそがしいの! 後にしてくれんか?」

アヴドゥル「後じゃあまずいんです!」

アヴドゥル「この道の秘密がわかってしまいましたよ・・・!」

ジョセフ「なんじゃと!?」

ジョセフ「それは本当か?」コソッ

アヴドゥル「ええ、・・・よく聞いてくださいね」

アヴドゥル「・・・わたしたちの足下に落ちているこの、銀杏の葉っぱ・・・・・・これが原因なんです」

ジョセフ「な、なに!?」

アヴドゥル「この銀杏の葉っぱを踏むと、踏んだ者も気づかぬうちに移動してしまうのです」

アヴドゥル「そのおかげで、色々とカツアゲされるようなネタが増えてしまうと・・・」

アヴドゥル「そしておそらく、ここの連中はこの仕組みを知っています。知っていて、あえて利用しているとしか思えません」

ジョセフ「なんともイカした連中じゃわい」

アヴドゥル「ひどいやつらです」

ジョセフ「・・・・・・」

ジョセフ「・・・・・・テレンスは始めから知っておったんじゃな?」

アヴドゥル「間違いないでしょう。ヤツは『避けて』歩いていたんです」

ジョセフ「ふうん・・・」

ジョセフ「本来、平等な試合を行うために審判は必要だと、わしは思うんだがね」

ジョセフ「テレンスはあえて情報を伏せていたと、そう確信しているんじゃな?」

アヴドゥル「ええ」

ジョセフ「・・・・・・なら話しは別じゃ」ニヤリ

ジョセフ「ハーミットパープルッ!」シュルッ

シュルシュルシュルッ

ガッシィーーーーッ シュルリッ

テレンス「!」ズルッ

テレンス「な、なにかが足に絡み付いたぞ・・・!?」

ジョセフ「わしは審判じゃからのー」

ジョセフ「ペナルティをあたえさせてもらったよ、ステンレスくん」ニヤリ

テレンス「ジョ、ジョースター!!」

ステンッ

テレンス「ハッ! 茨に引っ張られて足が・・・」ドドド

テレンス「・・・銀杏の葉を踏んでしまった・・・ッ!」ドドドドドド

テレンス「・・・・・・ひ、肘が痛い・・・」

ヤの付く自由業の人「・・・・・・アアン?」

ヤの付く自由業の人「オレの車のエンブレムが曲がってンだがねェ・・・」ゴゴゴ

ヤの付く自由業の人「一体どーゆーことだァ?」ゴゴゴゴゴゴ

テレンス「・・・・・・ウウッ」

ヤの付く自由業の子分「この男ですぜ! この男が兄貴のエンブレムに肘鉄入れてンの、おれァしかと見ました!」

ヤの付く自由業の人「へえ・・・」

ヤの付く自由業の人「60万、キッチリ払ってもらうぜェ」ニヤニヤ

テレンス「お、おのれジョースターァァァッ!!」




アヴドゥル「さてと、無事に一万も取られることなくゴールに到着しましたな」

ジョセフ「わしも、あれ以上取られることなくてよかったわ」

ジョセフ「おや? テレンスも来たようじゃな」

テレンス「・・・・・・」ヨロロッ

テレンス「ステンレスではない・・・・・・わたしの名前はテレンス・T・ダービー」

ジョセフ「横書きじゃとうさぎみたいでかわゆいのォ」

アヴドゥル「ほんとうだ」

アヴドゥル「さてテレンスよ、約束通りわたしのロバートを返してもらおう」

テレンス「・・・・・・」

テレンス「・・・・・・いいだろう、約束は約束だ」

テレンス「ついてくるがいい・・・」



DIOの舘・調理場

ヴァニラアイス「エッ! 鶏を返せだと?」

テレンス「約束してしまったのです。どこにいますか?」

ヴァニラアイス「・・・・・・」

テレンス「アイス?」

アヴドゥル「・・・・・・まさか・・・?」

ヴァニラアイス「悪いが、もうここにはいない」

アヴドゥル「なにィ!?」

テレンス「・・・なぜだ? 夕御飯にすると言っていただろう?」

アヴドゥル「ど、どこにいるんだ・・・!?」

ヴァニラアイス「DIO様が、今晩は牛肉がいいとおっしゃったのでやめにしたのだ」

ヴァニラアイス「で、気色悪い人面鳥は放した・・・」

アヴドゥル「なんてことだ・・・」

アヴドゥル「それじゃあ戦い損ではないか」

テレンス「損をしたのはわたしですよ」

ヴァニラアイス「・・・・・・だが確か、>>58が捕まえていたような気がするぞ」

アヴドゥル「そ、それは本当か!?」

ヌケサク

アヴドゥル「ヌ、ヌケサクだァ~!?」

テレンス「・・・?」

アヴドゥル「やつは先程承太郎に殺されたはず・・・ッ!?」

ヴァニラアイス「なに!?」

テレンス「それじゃあ、ラバーソールかもしれませんね」

アヴドゥル「ラバーソール?」

ヴァニラアイス「ああ、そうかもしれんな」

ヴァニラアイス「顔はヌケサクだが体は二メートル近くあった気がする」

テレンス「・・・・・・間違いないじゃあないか」

アヴドゥル(なんでヌケサクなんだ・・・?)

テレンス「で、では今呼び出しますね」スマホ ピピッ

ラバーソール「アヴドゥルの鶏だァ~?」

テレンス「ええ、返してあげてください」

ラバーソール「今日のおれの晩御飯にする予定だったんだがなァ~・・・」

テレンス「・・・・・・」

テレンス「・・・いいから早く出せ、DIOさまの命令だぞ」

ラバーソール「エッ! でぃ、DIOさまの!?」

アヴドゥル「うむ」

ラバーソール「・・・・・・チッ」

ラバーソール「なら諦めてやるか・・・」

ラバーソール「しかしよォ、おれの晩飯がなくるワケだよな?」

ラバーソール「それじゃあ、おれの損になっちまうだろ・・・?」

ラバーソール「つーワケで、代わりに>>61持ってこいよ・・・・・・そしたら、返してやらないこともないぜェ」ニヤリ

鋼線のベック

アヴドゥル「だれだそいつは・・・」

ラバーソール「吸血鬼だぜ」

アヴドゥル「・・・一体なんのために・・・?」

ラバーソール「それをを聞いてどうするってんだ? おれは鋼線のベックに用がある、それだけだぜ」

ラバーソール「さっさと連れてこいよ・・・!」

ラバーソール「じゃなきゃあ、ロバートはおしまいだズラ!」

アヴドゥル「ウ、ウグッ・・・」

アヴドゥル(やむを得ん、その鋼線のベックとやらを探すか・・・)

アヴドゥル「ムウン! モハメド占星術!」

アヴドゥル「見えたぞ! ベックは>>64にいるッ!!」

杜王町

杜王町


アヴドゥル「また来てしまった・・・」

アヴドゥル「さて、日も暮れてきたしさっさと探そう・・・・・・」

アヴドゥル「ロバートを晩御飯にされては困るからな」

アヴドゥル「・・・吸血鬼などと言っていたな」

アヴドゥル「もしかすると、杜王町で悪さをしているかもしれん」

アヴドゥル「ここの住民のためにも早いとこ捕まえなくては」

アヴドゥル「・・・・・・とりあえず聞き込みだな」

アヴドゥル「おや? 向こうから人がやって来るぞ。まずはあの人に聞いてみるか」

やって来た人:>>66

重ちー

アヴドゥル「ちょっと君、いいかな?」

重ちー「?」

アヴドゥル「人探しをしているんだが・・・」

重ちー「・・・交番で聞くといいど」

アヴドゥル「・・・・・・そこではあまり有益な情報をいただけなかったのでな」

重ちー「・・・・・・」

アヴドゥル「『鋼線のベック』という男を知らないか?」

重ちー「聞いたことないど」

アヴドゥル「そうか、それでは・・・・・・」

アヴドゥル「最近、なにか変わったことなどないか? 噂だとか・・・なんでもいいんだが」

重ちー「・・・?」

重ちー「おじさん、なんでそんなこと知りたいンだど?」

アヴドゥル「・・・・・・」

重ちー「見ない顔だし・・・あやしいやつだど! ハーヴェストォ!」ドバァーッ

アヴドゥル「なにッ!!」

アヴドゥル(こ、この少年・・・ッ! スタンド使いだったか!)

アヴドゥル「お、落ち着いてくれ! なにも怪しいモンじゃあない」

重ちー「怪しいヤツはみんなそう言うど! おら知ってるど・・・!」ドドド

アヴドゥル「・・・・・・これはまいったぞ」

アヴドゥル(やっかいな子に話しかけてしまった・・・)

重ちー「ハッ! わかったど・・・!」

重ちー「最近、夜道を歩く人に襲いかかる『フトドキモノ』が出たって話を聞いたど・・・」

重ちー「オマエがそのフトドキモノだなァ!!」ドドド

アヴドゥル「!」

アヴドゥル「きみ、その話を・・・詳しくしてくれないか?」ドドド

杜王町・カフェ・ドゥ・マゴ


重ちー「ここのチョコパフェは最高だど!」

アヴドゥル「へえ」

重ちー「おかわりだど!」

アヴドゥル「まだ食べるのか!?」

重ちー「・・・・・・」ジー

アヴドゥル「オ、オホンッ。・・・好きにしてくれ」

アヴドゥル「それで、いったいなにが起きているのか・・・教えてもらえるかな?」

重ちー「おらはあんま知らないんだどー・・・」

重ちー「けど、おらの知ってる人がウッカリひどい目にあったって聞いたど」

アヴドゥル「ひどい目とは?」

重ちー「いきなり後ろから襲いかかられたって言ってたど!」

アヴドゥル「なんと」

アヴドゥル「それで、襲われたという人物は無事なのか?」

重ちー「大丈夫そうだったど」

アヴドゥル「そうか、ならばよかった」ホッ

重ちー「・・・・・・」

アヴドゥル「ちなみに、襲われた場所っていうのは?」

重ちー「学校からの帰り道って言ってたどー。・・・ちょうど、おじさんがいたとこかもしれないど」

アヴドゥル「ウウム・・・」

重ちー「・・・・・・」ジー

アヴドゥル「ン!」

アヴドゥル「きみ、まだ疑っているようだな・・・?」

重ちー「そ、そんなことないど!」ギクゥーッ

アヴドゥル(おごってやってるというのに、なんてやつだまったく・・・!)

アヴドゥル「・・・とにかく、教えてくれてありがとう。私はもう行くよ」スック

重ちー「アッ! ま、待つんだどォー!!」ガタタッ

重ちー「も、もうちょっと話すど!」

アヴドゥル「ン? まだなにかあるのか?」

重ちー「も・・・もうこれで全部話ちまったど・・・」

アヴドゥル「・・・ならばもう用は」

重ちー「そ、それは困るんだど!」

アヴドゥル「・・・?」

重ちー「エ~ト・・・とにかく、まだ行っちゃあマズイんだど!」

アヴドゥル「なにがマズイんだ?」

重ちー「そ、それは・・・」

アヴドゥル「・・・・・・」

アヴドゥル(・・・こいつ、なにか企んでいるな・・・!?)

アヴドゥル(さっさと退散しよう)

アヴドゥル「ワケがわからんな。じゃあ、私は行くとするよ」

「そいつはもーチコッと待ってもらえねえかなァ~」

アヴドゥル「!」

仗助「そのままゆーっくり・・・こっちを振り向いてもらってからにしてもらいたいんでねェ」

重ちー「じょ、仗助さん!!」パァァアッ

アヴドゥル「・・・・・・仲間か」ドドド

仗助「怪しい奴がいるって聞いたからにはよォ~、確認しねえとマズイっスよねェ・・・」ドドド

仗助「おい、由花子。しっかりチェックしろよ」

由花子「・・・・・・」ドドド

アヴドゥル(は、背後からすごい殺気を感じるッ!)

アヴドゥル「わ、わかった! 振り向くから! なにもするんじゃあないぞ!」

仗助「・・・こっちのセリフだぜ! 変な動きをするんじゃあねえぞ!」

アヴドゥル「・・・」クルーリ

由花子「・・・・・・」

仗助「・・・どうだ? ・・・・・・このオッサンか? オメーに襲いかかって来たのはよ」

由花子「・・・・・・」

アヴドゥル「・・・・・・」

由花子「いいえ、ちがうわ。ヤツの唇はもっと分厚くて気持ち悪かったもの」

アヴドゥル「・・・・・・ホッ」

重ちー「・・・・・・よかったどー」

仗助「なあんだ・・・」

アヴドゥル「・・・・・・」

仗助「じゃ、帰るとするか。どーぉもスミマセンッしたーァ!」サッ

アヴドゥル「・・・待て!」ガッシ

仗助「うっ!」

アヴドゥル「きみ、詳しく話を・・・聞かせてもらえないかな?」

由花子「・・・?」

アヴドゥル「・・・なるほど、いきなり背後から触られた・・・と」

由花子「身の毛がよだつ程気色の悪い男だったワ」

仗助「しっかし吸血鬼かー・・・ホントにいるんだなァ」

重ちー「おそろしい話だど!」

仗助「でもよォ~、今のところ被害者は由花子だけみてえだな」

アヴドゥル「・・・杜王町に来たばかりなのかもしれんな」

由花子「・・・」

由花子「アイツ・・・私が女の子だからって口ぶりで襲いかかってきたのよ」

由花子「このままにしておくと、また同じように女の人が襲われるかもしれないわ・・・」ギュウッ

アヴドゥル「・・・・・・それは見過ごせんな」

由花子(マァ、康一くんに色目を使う女が減るってのはいいことかもしれないけど・・・)

由花子「とにかく、後ろを気にしながら歩かなきゃいけないってのは相当なストレスよ・・・早く見つけ出さないと」

アヴドゥル「・・・・・・」

アヴドゥル「由花子くん、きみ、女性を狙っているかもしれない・・・と言ったな?」

由花子「・・・? ええ」

由花子「・・・・・・まさか、わたし囮なんてやあよ」

アヴドゥル「・・・・・・まあ、話を聞いてくれ」ニヤリ




杜王町・夜

「HNHNHNHNHNHNNN~~!」

ベック「昨日はウッカリ捕り逃しちまったズラ!」

ベック「今夜こそ素敵なディナーに巡り会わなくちゃズラ~」

ベック「カーズ様に捨てられて早ン十年! 色んな土地をまわってきたが・・・この町は美人が多くてアタリだったズラ」

ベック「HYAHAAA!!」

ベック「HMNNN~~!」

ベック「ちょおどいいタイミングで向こうから女がきたズラ」

ベック「ンン~? アッ!」

ベック「一人は昨日食べ損ねた美人ズラ!」

ベック「もう一人は・・・暗くて顔がよく見えんズラ」

ベック「なんだか心なしか背もでかいズラ」

ベック「・・・・・・」

ベック「だが、美人のお友だちは美人と相場が決まってるズラ! 二人ともまとめていただいちゃうズラ!!」

ベック「WOOFHOFHOOO!!!」バリバリバリバリッ

ベック「体毛を剛針線にかえてやったズラァ~! これで彼女たちを待つズラ・・・」ニタァ

由花子「・・・・・・」

「・・・・・・」

由花子「・・・そろそろ来る頃かしら」

「・・・・・・」

由花子「昨日はこの辺だったのよ・・・このあたりで襲われたの・・・」ブルリッ

由花子「ああ、康一くん・・・ッ! どうかあなたのためにも頑張る、か弱いあたしを見ていてちょうだいッ・・・!!」

「・・・・・・」

「・・・きたぞ」


ガサガサッ

ドバァーーーーーンッ

ベック「WRRRRRRYYYYYYYYYYYY!!!」

ベック「かわいー子ちゃんたてぃー!! 今おれがこの逞しい腕で抱き締めてやるズラ!!」

ベック「とくに黒髪のマブい女ァ! てめーは昨日逃げやがったからなァ! お仕置きしてやるズラ!」

ベック「逃げることは許さないズラーーー!」HMNNN

由花子「!」

「・・・・・・」スッ

ベック「!」

ベック「ウッ・・・お、おめーは・・・ッ!」

ベック「お、女ァ~?!」


アヴドゥル(女装)「Yes, I am!!」チッチッ

バァァァァーーーーンッ


アヴドゥル(女装)「おっと・・・あたくし、恐ろしくて倒れそうですの」ムッホ

ベック「気色悪ッ! 近寄るんじゃあないズラ!!」ペッペッ

アヴドゥル(女装)「え? どうして?」ナヨォ ナヨォ

ベック「カンベンするズラ! 男を抱き締める趣味はないズラ!」

ベック「ええい、この気味悪いヤツは無視ズラ! 黒髪の女ァ! 覚悟するズラ!!」

アヴドゥル(女装)「くっ・・・さすがは女好き! よくぞわたしの女装を見破ったな」

ベック「おまえみたいにでかくてゴツい女がいるかズラ! スカタン!」

ベック「客観的に自分をみれねーのかズラ! バーカ」

アヴドゥル(女装)「・・・なんだと?」

ボウッ

アヴドゥル(女装)「客観的に見れていないのは、きさまの方じゃあないかな?」ニヤリ

ベック「なに?!」

アヴドゥル(女装)「貴様はすでに、マジシャンズレッドの射程距離内に入っている・・・」

アヴドゥル(女装)「ムウン! 赤い荒縄(レッドバインド)!」

バシュッ ガシガシガシイッ

ベック「な、なんだズラ?!」

ベック「う、動けんズラ!!」ギチギチッ

アヴドゥル(女装)「きさまの敗けだ!」ババァーーンッ

アヴドゥル(女装)「このまま、エジプトまで連れていくぞ! 悪いが、時間もないのでね」

ゴオオオオオオオオ

ジョセフ「アヴドゥルこっちじゃ! セスナの準備はできとるぞ!!」

アヴドゥル(女装)「おまたせしました! ジョースターさん」

ジョセフ「いやいや、それより急ごう・・・」

ジョセフ「・・・なんと!」

アヴドゥル(女装)「・・・?」

ベック「げ! おまえはジョセフ・ジョースター」

アヴドゥル(女装)「・・・知り合いでしたか?」

ジョセフ「いや、こんなヤツはしらんズラ」

ジョセフ「それよりおぬし、その女装はァなっとらんな~!」

ジョセフ「こんどわしがちゃあんとメイクを教えてやるぞ」ウィンク

アヴドゥル(女装)「い、いえ・・・・・・もう二度としないので結構です」

エジプト・DIOの館


アヴドゥル「きさまの言う通りつれてきたぞ!」ババーン

ベック「チッ! もっと優しく扱うズラ」

ラバーソール「・・・・・・」

ラバーソール「・・・本当に連れてくるとはよォ・・・」ボソッ

アヴドゥル「・・・ン?」

ラバーソール「い、いやなんでもねえよ!」

アヴドゥル「それでは、約束通りわたしのロバートを返してもらおうかな」

ラバーソール「・・・・・・」

アヴドゥル「・・・・・・」

ラバーソール「・・・・・・なんつーか・・・」

アヴドゥル「!」

アヴドゥル「ウウ・・・ッ」ドドド

アヴドゥル(い、嫌な予感がするぞ・・・)ドドドドドド

ラバーソール「・・・・・・ほんと、申し訳ねえんたが」

アヴドゥル「・・・・・・」ドドド

ラバーソール「・・・おめーの・・・ロバートは・・・」

アヴドゥル「・・・・・・」ドドド

ラバーソール「・・・もうこの場には・・・」

アヴドゥル「ウウムッ」ピシャーーーンッ


アヴドゥル「も、もううんざりだ!!」ワァーッ


アヴドゥル「わたしは何度振り回されなくちゃあいけないんだ!」

ベック「な、なんだ? なんだズラ?」

アヴドゥル「我慢の限界だ! いいかげんにしろォォォッ!!」グワァァァッ

マジ赤「」メラメラゴォォォッ

ラバーソール「・・・キレた!」

ジョセフ「ま、まずい! スタンドが暴走しとる!!」

ラバーソール「こ、こうなったら・・・」ウジュルウジュル

ラバー院「当て身」

アヴドゥル「ウゴッ」ドスッ

バタムッ

アヴドゥル「」チーン

ジョセフ「な、ナイスじゃ花京院!」

ラバー院「フゥー、やれやれだぜ」

ベック「普段大人しそうなやつがキレると恐ろしいって、まさにこれズラ」

ジョセフ「・・・・・・」

ジョセフ「1日中走り回ってたんじゃ。疲れもピークだったんじゃろう」

アヴドゥルん家


アヴドゥル「う、うう・・・?」

アヴドゥル「こ、ここは・・・わたしの家・・・?」

アヴドゥル「いったいいつの間に・・・」

ジョセフ「おお! アヴドゥル! 気がついたか!」ヒョイッ

アヴドゥル「ジョースターさん?!」

ジョセフ「あんまり長い間気絶してたんで、心配したぞ」

アヴドゥル「ジョースターさんが、わたしをここまで運んでくれたんですか?」

ジョセフ「ウム」

アヴドゥル「ご迷惑をかけてしまってすみません」

ジョセフ「いいってことよォ~!」

ジョセフ「それだけ大変だったんじゃ・・・・・・探し物をしとるんだったかの?」

アヴドゥル「!」

アヴドゥル「・・・・・・ええ、結局見つけることはできませんでしたが」

ジョセフ「なァ~~んじゃ、暗くなりおって!」

アヴドゥル「・・・これが、落ち込まずにいられますか」ハハハ

アヴドゥル「今日は朝から色々なことがあって疲れてしまいましたよ。ロバートはいないわ、承太郎は吸血鬼になってしまうわ、カツアゲされそうになるわ・・・」

ジョセフ「ン? ・・・承太郎がなんだって?」

アヴドゥル「エッ!」

アヴドゥル(まずい!)

アヴドゥル「い、いえ、承太郎に迷惑もかけてしまいましたし・・・と言ったんです」

アヴドゥル「・・・・・・最終的に、人探しに貢献する始末だし・・・なにをやっているんだか」

アヴドゥル「ロバートは見つからないし、散々ですよ」

ジョセフ「・・・・・・」

ジョセフ「だが、明日は見つかるかもしれんぞ?」

アヴドゥル「ハハハ、そのお気遣いはありがたいんですがね・・・・・・慰めてもらってもちっとも嬉しくはないんですよ」

アヴドゥル「・・・今日だってこんなに探してもいなかったというのに・・・・・・なぜそんなことが言えるんですか?」

ジョセフ「なぜって・・・」

ジョセフ「わしも手伝うからに決まっとるじゃあないか」ババァーーンッ

アヴドゥル「!」

ジョセフ「探す者が増えれば、それだけ早く見つかるじゃろう」

ジョセフ「・・・しかし、水くさいぞアヴドゥル! なぜわしに声をかけんのじゃ!」

ジョセフ「困ったときはお互い様じゃろう! もっと頼ってくれてもいいんだケド?」

アヴドゥル「ジョースターさん・・・」

アヴドゥル「あ、ありがとうございます!」ブワァァッ

ジョセフ「お礼は見つかってからにしてもらおうかね」ニコリ


ジョセフ「・・・さてと、それじゃあまずは腹ごしらえといこうか」

アヴドゥル「・・・・・・そういえば、なんだかいいにおいがしますね」

ジョセフ「台所をかりて、スープを作ったんじゃよ。ああ、無断ですまないね」

アヴドゥル「スープですか! おいしそうだ」

ジョセフ「食欲はあるようじゃな」ウンウン

アヴドゥル「いったいなんのスープなんですか?」

ジョセフ「鳥じゃよ」

アヴドゥル「・・・・・・」

アヴドゥル「・・・・・・」ドドド

アヴドゥル「・・・・・・鳥!?」ドドドドドド

アヴドゥル「い、今・・・・・・なんて・・・?」ドドド

ジョセフ「鳥肉スープと言ったんじゃ」

アヴドゥル「な・・・ま、まさか・・・」

ジョセフ「ン? 鳥は苦手じゃったかの?」

アヴドゥル「ま、まさかその鳥って・・・・・・」ドドドドドド

ジョセフ「・・・・・・」

ジョセフ「ハッ!」

アヴドゥル「・・・」ドドド

ジョセフ「お、落ち着けアヴドゥル! おまえの鶏じゃあない!」

アヴドゥル「!」

ジョセフ「おまえの鶏に勝手に手を出すわけにはいかんだろうて」

アヴドゥル「な、なんだ・・・よかった」ホッ

ジョセフ「DIOの館から帰る途中で見つけたヤツじゃよ! 人面鶏できっしょくわるいから捕まえて捌いてみたんじゃ!」ニッコォォ


アヴドゥル「エッ」

ジョセフ「じゃが、味はけっこうなものじゃったぞ」

アヴドゥル「」

ジョセフ「ウーム、やはりグロいものほど旨いのかもしれんなァ」

ジョセフ「・・・アヴドゥル?」

アヴドゥル「」

ジョセフ「・・・・・・」

ジョセフ「・・・・・・嬉しさのあまり気絶しとる」

ジョセフ「面白いヤツじゃのーハハハハ」

ロバート入りスープ「」チーン



モハメド・アヴドゥルの安価鳥探し【完】

安価とか踏んでくれてありがとうございました
おつかれ

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