春香「プロデューサーさん……私、あなたのことが……!」 (40)






春香「社長さんと同じぐらい好きです」






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P「いやいや、それ大して好きでもないよな」

春香「あれ、ばれちゃいました?」

P「だってお前と社長が話してるとこほとんど見たことないぞ」

春香「……そんなことないですよー」

P「ほう、じゃあ例えばどんな話をしてるんだ?」

春香「えっと……例えば……」





社長『やあ、天海君、これ、今月のお給料だ』

春香『ありがとうございます! 社長さん!』

社長『君はこの765プロの』


春香『それじゃあ私、レッスンがあるので失礼しますね!』

バタン!

春香「とか」

P「それ、ただ用事があって話しただけだよな」

P「しかも社長の話、途中なのに部屋出てるし」

春香「だって社長のお話、長いですよ……」

P「……まあ、それは俺も否定しないよ」

P「他にも好きだったら、もっと普通に会話してるときとかないのか?

春香「えーとですねー、他には」

社長『おはよう、今日はいい天気だね、天海君』

春香『そうですねー』

社長『……』

春香『……』

社長『……あー、うん、ほ、本当にいい天気だ……』

春香『……そうですねー』


社長『……』

春香『……』

春香「ほら」

P「いや、全然話してない」

P「途中で会話が止まって、微妙に気まずくなってるぞ」

春香「えー? ……そう見えます?」

P「そうとしか見えないだろ……」

P「はぁ……今の会話は、そうですねー以外にも何か反応する言葉があったろう?」

春香「だって、話聞いてなくて、何言えばいいかわからなかったんです」

P「最低だな」

春香「ありがとうございます」

P「褒めてないぞ」

春香「プロデューサーさんから罵りの言葉がもらえて嬉しかったんです」

P「本当にか?」

春香「……ほ、本当です」

P「今の間とその嫌そうな顔をしなかったら信じたかもな」

春香「……くっ」

P「さりげなく千早の真似をしない」

春香「はい、すみませんでした」

P「まあとにかく、春香が俺のことを好きじゃないのはわかった、が」

P「なぜそのことをわざわざ俺に言ったんだ? 嫌がらせか?」

春香「……それは、えと、次のドラマの役の練習がしたくて」

P「それって確か……幼馴染の男が好きな女の子の役、だよな」

春香「はい、その通りですよ」

P「……その内容であの台詞?」

春香「……本当は好きですってだけで良かったんですけど……」

春香「どうしてもそれだと体に拒否反応が出ちゃって、えへへ」

P「……なあ、泣いてもいいか?」

春香「どうぞどうぞ、あ、でもトイレでお願いしますね」

P「……なんで?」

春香「プロデューサーさんの泣き顔を見ると……」

P「ああもう言わなくていい、わかった、それ以上はやめてくれ」

春香「凄い吐き気がしちゃって……」

P「言わなくていいって言ったよな、俺」

春香「あ、すいません、つい……てへ」

P「その笑顔を俺はもっと別の形で見たかったよ」

P「そもそも俺、春香にそんな嫌われるようなことしたっけか?」

春香「嫌いなんて一言も言ってませんよ?」

P「今の会話の内容からすると、どう考えても嫌いにしか思えないが」

春香「えー、どこから聞いても好きにしか聞こえませんよー」

P「……まあ、このままだと埒があかないから質問を変えよう」

春香「はい、なんですか?」

P「俺の気に入らないところはどこだ?」

春香「え……言ってもいいんですか……!」

P「……なんでそんなに目をキラキラさせてるんだ……まあ、いいぞ」

春香「えっとですねー、まずは顔でー、次は性格ー」

春香「あと服のセンスとか、匂いとか、雰囲気とか」

P「雰囲気まで否定されたらどうしようもないぞ……」

春香「あとは……だったりとか……なところとか」

春香「あとは何よりも、その、鈍感……あれ? プロデューサーさん、なんでそんなに涙目なんですか?」

P「いや、何だかな……凄い泣けてきたんだ……」

P「わかった、春香が俺のことを生理的なレベルで嫌いなのはわかった」

春香「いやいや、そんなことないですよ」

春香「ただちょっと、近づくことを躊躇うぐらいですってば」

P「合ってるじゃないか……」

P「……ん? よくよく考えたら、そんな俺に今までクッキーとか渡してくれてたよな」

P「それはどうしてだ?」

春香「……あー、そ、それはですね、媚を売りたかったんです」

P「ど直球だな」

春香「プロデューサーさんの好感度が高ければ、みんなにも良く言ってくれると思って」

P「今好感度が少し下がりそうなんだが」

春香「……あれ、少しだけなんですか?」

P「まあ、実際今まで春香には色々と助けてもらってるし」

P「俺に対して不満をぶつけるぐらいだったら、別にそれぐらいさ」

P「春香の今までの頑張りは、嘘でもなんでもないんだし」

P「罵られて好感度が下がるというよりは、嫌われてるから悲しい気持ちになるって感じだな」

春香「……そ、そうですか

春香「……えへへ」

P「……ん? 少し機嫌良くなった?」

春香「あ、そ、そんなことないです! いい、今でも、心の底から嫌いですから、安心してください!」

P「そこまで言われるか、俺」

P「まあ正直今回の告白はとても驚いたけども」

P「俺以外には今まで通り接するんだよな?」

春香「はい」

春香「あ、プロデューサーさんでも、他の人がいるときは普通にしますよ?」

P「だよな、良かった」

春香「嫌いなのは、プロデューサーさんだけですからね!」

P「……うん、いい笑顔だ、言っていることはともかく」

春香「そうそう、プロデューサーさんに渡すものがあるんです!」

P「ん、あんな告白をして、さらに二人きりのこの状況で?」

春香「はい、そうなんです」ゴソゴソ

P「何を渡すつもりなんだ……毒入りのお菓子とかじゃないだろうな……」

春香「そんなことしないですよ……はい!」

P「これは……」

春香「私が途中まで食べていらなくなった、つまり食べ残しのクッキーですよ!」

P「いらないものの押し付けだな、つまり」

春香「まぁまぁ、勿体無いんで、どうぞ!」

P「……まあ、貰うけどさ……」

春香「……じゃあ、今ここで、食べちゃってください!」

P「え、今?」

春香「後で捨てられてたりしたら、プロデューサーさんをビンタしかねませんから」

P「いや、捨てないから。ちゃんと食べるから大丈夫だよ」

春香「その可能性が残されているだけでも、ちょっと……」

P「俺への信用、全然無いんだな……」

春香「でも今ここで食べるところをみたら、その可能性は消える」

春香「つまりビンタをしなくても済むんですよ! プロデューサーさん!」

P「……『されなくて』じゃなくて『しなくて』済む、ということはビンタ自体はしたくないんだな」

春香「……っ」

P「……はぁ、つまり、触りたくもないということか」

春香「そ……そうです」

P「……じゃあ、ビンタしなければいいだけじゃないか?」

春香「……いえ、プロデューサーさん何かに捨てられたという怒りが、私を動かしてしまうんです」

P「凄い怒りだなおい」

P「……はぁ、わかったわかった、食べるよ」

P「いただきます」

春香「……」ドキドキ

P「……」パクパク

P「……うん、美味しいな、流石春香の手作りといったところだな」

P「食べ残しでも、ありがとうな、クッキー」

春香「か、勘違いしないでくださいね、ただいらないから渡しただけですから」

P「しないしない、あんなボロボロに言われて勘違いなんかしないさ」

P「……というか春香、顔赤いけど、大丈夫か?」

春香「あ、えーと、これはですね、間接キ、いや、その……だ、大丈夫です!」

P「……? まあ、大丈夫ならいいんだが」

こんな感じでやっていきます、今日はここまでです

簡単に言うと某恋愛雑誌で、押しても駄目なら引いてみろ
と書いてあったのを間違った方向でしている春香さんを
書いているつもりです

春香は社長のことさん付けしないけどな

>>19 なん……だと……?

いま確認したら本当でした。次からはさん付けなしでいきます。
今までのところは脳内変換でお願いします。すいません。

P「しかし今、事務所に二人しかいないわけだが」

P「この状況、嫌じゃないのか?」

春香「え? 嫌ですよ?」

P「……そうか、聞いた俺が悪かった」

春香「あ、社長よりは大丈夫なんで安心してください!」

P「……なんで社長の扱い、そんなに酷いんだ」

春香「それは乙女の秘密です♪」

P「乙女怖いわ」

春香「……」

P「……」

春香「……」

P「……」

春香「……あ、今日はいい天気ですよね!」

P「……喋りことがなかったら別に無理に喋らなくてもいいんだぞ?」

春香「え、で、でも喋っておかないとプロデューサーさん、怒りそうで……」ブルブル

P「お前は俺を何だと思っているんだ」

春香「プロデューサーさんですけど」

P「そういう意味じゃなくてだな」

春香「……えー、キ」

P「ごめんやっぱ言わなくていい」

ガチャ


千早「おはようございます」

P「千早か、おはよう」

春香「おはよう! 千早ちゃん!」

千早「ええ、おはよう春香。プロデューサーもおはようございます」

P「今日は確か予定はなかったはずだが……どうしたんだ?」

千早「春香と話したいことがあって」

P「おう、そうか、仲が良いのはいいことだ」

春香「えへへ」

千早「それじゃあ春香、ちょっとこっちに来てもらってもいいかしら?」

春香「あ、うん! それじゃあちょっと失礼しますね、プロデューサー」

P「ああ、俺は書類の処理でもしておくよ。いってらっしゃい」

千早「……で、春香、調子はどうなの?」ボソボソ

春香「うーん……結構冷たくしたつもりなんだけど、イマイチ反応が良くないよ……」

千早「……やっぱりあの雑誌の情報、ガセなんじゃないのかしら」





『いつも攻めている子は時には引くのもあり』

『普段より少し冷たい反応に、彼はとても寂しくなります』

『その寂しさから、きっとあなたへの本当の気持ちに気づくはず!』



『何も反応がなかったら諦めましょう、脈なしです、はい』





千早「どう見ても、怪しいし……」

春香「そ、そんなことないよ!」

千早「でも……」

春香「し、勝負はまだまだこれからだよ、うん!」

千早「……そうね。嘘だと決め付けるのはまだ早いわ」

春香「それに、今居なくなったことで、きっと私の大切さを実感しているはず……!」

一方その頃……


P「あぁ……春香にあんなに嫌われてたなんてなぁ……」

P「それなりには仲良かったつもりなんだけどなぁ……」

P「あそこまでボロボロに言われるなんて……」

P「うぅ……悲しい……」

P「それによりにもよって、あの春香から……」

P「春香ぁ……春香ぁ……!」

P「……はっ、まさかこの気持ちが……」

P「……恋!?」

今日はここまで

P「ま、まさか俺が春香に恋をしている?」

P「いいいや、そ、そんな、でも」

P「と、とにかく、ここから春香の信頼を取り戻すためにはどうしたらいい……?」

P「……そういえば」





『いつも攻めている子(ry

『普段より少し(ry

『その寂し(ry


『何も(ry





P「こんなことが書いてある雑誌を読んだことがある気がするな……」

P「……はっ! つまり!」



P「俺が冷たくすれば……!」



P「いや、しかし春香のことは好きといったばかりでその反応はどうなんだ……」

P「……背に腹は変えられない、か」

P「……よし、覚悟は決めた」

P「俺がどれだけ今まで春香に愛情を注いでいたのか、思い知らせてやる!」

春香「ただいま戻りましたー!」

千早「戻りました」

P「お、おう、早かったな?」

千早「えぇ、プロデューサーともお話をしたかったので」

P「そ、そうか」

P(春香には冷たく……春香には冷たく……)

春香「まあ、私はあんまりプロデューサーさんとは話したくないんですけどね!」

P「あぁ、俺も春香とはあまり話したくないから安心していいぞ」

春香「はい…………はい?」

P「それで、お話ってどんな話しだ?」

千早「え……あ、その、単純に世間話というか、お喋りがしたかっただけなんですが……」

P「おー、千早からなんて珍しいな、嬉しいよ」

千早「は、はい」

春香(……何かの聞き間違いだよね! きっと!)

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