まゆ「Pさんの誕生日」 (55)

まゆ「……」ペラッペラッ

凛「……」ペラッペラッ




まゆ(Pさんの誕生日まで、あと1週間ちょっと……。今年は何を渡そうかしら)ペラッペラッ

凛(プロデューサーの誕生日まで、あと1週間ちょっと……か。 今年は何を渡そうかな?)ペラッペラッ


まゆ(正直言って、敵は多いんですよねぇ……)チラッ

まゆ(ここにいる凛ちゃんを筆頭に、Pさんに想いを寄せるアイドルは、山ほどいますし)

まゆ(好意の大なり小なりはありますが、プレゼント合戦になることは必須でしょう……)


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凛(一番の強敵は、やっぱりまゆかな……)チラッ

凛(プレゼントは、まゆですよぅとかやりそうだけど)

凛(その作戦は成功しないのは、まゆもわかってるでしょ)

凛(他のアイドルからもプレゼントが集まってくるのはわかっているけど)

凛(プロデューサーの好みをピンポイントでついてくるのは、間違いなくまゆ……)


まゆ(さて、どうしましょうか)
凛(さて、どうしよっか)


まゆ「凛ちゃん?」

凛「どうしたの? まゆ?」


まゆ「月末は、予定とかけっこう詰まってるんですか?」

凛「そんなことないよ? 今年はけっこう落ち着いてると思うからゆっくりできそうかな」

凛「まゆはどうなの?」


まゆ「そうですねぇ…… 月末にPさんの誕生日がありますよね?」

凛「そうだね……」

まゆ「年少組のコ達に、かな子さんと一緒にケーキを作る約束をしたくらいで、まゆも今月末は空いてます」

凛「そっか」


凛「まゆは、プロデューサーに何かプレゼントをあげるの?」

まゆ「ええ、何かはまだ決めていませんが……」


まゆ「凛ちゃんは?」

凛「うん、私も、一番長い間、お世話になってるからさ、渡すつもりだよ」


まゆ「まぁ、期間は関係ないですよね」フフッ

まゆ「大事なのは、想いの強さだと思います」


凛「そうかな?」

凛「期間が長いと、お互い阿吽の呼吸で動けると思うから」

凛「つきあいの長さも大事だと思うよ?」



凛「……」ニコッ

まゆ「……」ギリッ


ゆ「凛ちゃんは、何をあげるか決めてるんですか?」

凛「まだ、決めてないかな?」

凛「正直、渡したいものが多すぎて、どうしようか悩んでるんだ」


まゆ「あら、Pさんが一番欲しいと思うものを渡せばいいと思いますよ?」

まゆ「つきあいが長いのに、そこで迷うんですねぇ」



まゆ「……」ニコッ

凛「……」ギリッ


凛(実際、プロデューサーは自分の誕生日とか気にしてないと思う)

凛(アイドル以外の事に対しては、無頓着もいいとこだし)


凛(家に招待して、手作りの晩御飯をごちそうしてあげるのもいいのかも)

凛(そのあとに、二人っきりの部屋で……)

凛「……」

凛「///」カーッ

凛(何考えてるんだろ、私……)



まゆ(凛ちゃんが、良からぬことを考え始めましたね)

まゆ(ちょっと、探りを入れてみましょうか)


まゆ「Pさんの予定はどうなんでしょうねぇ」

凛「どうだろう、忙しいんじゃないかな?」

凛「やっぱり、年度末だしね」


まゆ「そうでしょうか?」

凛「どういうこと」


まゆ「いちおう、モバプロは経理部門と営業部門とわかれてますよね?」

凛「形だけだけどね」


まゆ「ええ。ですから、お金の計算に関しては、ちひろさんに一任されているのが現状です」

凛「確かに」

まゆ「おそらく、年度末で忙しいのはお金の管理になりますので」

まゆ「月末、というか31日に忙しくなるのは」

まゆ「ちひろさんだけだと思います」


凛「!!」

まゆ(……)


まゆ「スケジュール表を見ても、わりと全体的に大人しい感じです」

まゆ「Pさんも余裕はあるかもしれませんね」


凛(もしかしたら、さっきの妄想が実現しちゃうのかな)

凛(私も、大人の仲間入りに……)


まゆ(何となく読めた気がします)

まゆ(しかし、まだ甘いですよ?)

まゆ(先手を打ちましょうか)


まゆ「けど、年少組のケーキを渡したり、プレゼントを渡したりする時間を考えると」

まゆ「あんまり時間も取れないかもしれませんね」ニコッ


凛「……」

凛(プロデューサーが帰ってきたら、夜の予定を確認して)

まゆ(すぐに夜の予定を詰めようと、凛ちゃんは考えるでしょう)


まゆ(そのまえに……)



<タダイマー



まゆ「あ、Pさんが帰ってきましたね」

凛「そうみたいだね」


モバP「おっ、珍しい組み合わせだな」

まゆ「お疲れ様です」
凛「お疲れ様」

モバP「お疲れ様、二人とも」



まゆ「Pさんにお聞きしたいんですが」

モバP「なんだ?」

まゆ「今月の31日は、忙しいんですか?」


モバP「ん? プロデューサーが忙しいのはまさに、今から1週間くらいで」

モバP「31日に忙しいのは、ちひろさんだけだと思うぞ?」


まゆ(やっぱり)

凛(ど、どうしよう。誘うなら今しか……)


まゆ「でしたら、一日空けてもらえませんか?」

モバP「一日は無理だけど、3時くらいからならいいぞ?」


まゆ「ほんとうですか!?」ニコッ

凛「!! ちょっと、まゆ!?」


まゆ「その日の仕事が終わったら」

まゆ「まっすぐ事務所にかえってきてくださいね?」

モバP「どうしてだ?」

まゆ「まぁ、当日のお楽しみです」ニコッ


まゆ「夜は…… ご飯に連れて行ってくれると嬉しいです」

まゆ「去年のCDデビューのお祝い、してもらってませんから……」

モバP「そうだな…… まゆも頑張ってるし、それくらいしてもいいか」


凛「!?」

まゆ「ホントですか!? ありがとうございます」ギュッ

モバP「こらっ、あんまりくっつくなって」アセアセ


凛「……」

モバP「凛、どうした?」

凛「プロデューサーのバカッ!」



ガチャッ

バタン


モバP「お、おい! 凛!!」

まゆ(ちょっと、やりすぎましたか)

まゆ「……」

モバP「どうしたんだ、凛のやつ……」


まゆ「Pさん?」

モバP「ん?」


まゆ「やっぱり、夜のご飯は無しでいいです」

モバP「いいのか??」


まゆ「その代わり……」


~~~~ モバP誕生日当日 ~~~~


凛(あれから、プロデューサーともまゆとも会う機会がグッと減っちゃった)

凛(たまたま、仕事の関係でそうなっただけなんだけど、)

凛(何となく話しかけにくい)


凛(やっぱり、まゆみたいに女の子らしいコがPさんの好みなのかなぁ……)ハァ



 「……りん、しぶりーん」


凛「ん?」

未央「しぶりん、ぼーっとしてるけど、大丈夫?」

凛「大丈夫だよ、心配させてゴメン」

卯月「先週からずーっと元気が無かったけど、ほんとに大丈夫?」

凛「大丈夫だって、仕事だって大きなミスは無かったし」

卯月「それなら良いんだけど・・・」


未央「しぶりん、これから事務所に行った後って時間あるかなー?」

凛「どうして?」 

未央「夜、女子寮でパーティがあるらしいよ?聞いてなかった?」

凛「そういえば、加蓮と奈緒が言ってたかも」


卯月「女子寮でやるから、ちょっと遅くなっても大丈夫だって理由で年少組のコたちも一緒に参加するみたいだよ?」

凛「っ!」ズキン

未央「私たちも参加しようよ!しぶりんも楽しいことをすれば、元気になるって!」




凛「……私は……遠慮しておくよ」 



卯月「どうして?」


凛「……ちょっと、家の手伝いがあるからさ……」

未央「嘘ついちゃダメだよ、しぶりん?」

未央「もうそろそろつきあいも長いし、しぶりんはわかりやすいから、嘘ついたらすぐわかるんだから!」

未央「ね? しまむー?」

卯月「うん。いろんな人といろんなこと話すって、いい気分転換になると思うんだ」

卯月「わたしも、つらいことがあると、ついつい長電話になっちゃうんだー」エヘヘ


凛「けど……」

未央「もうっ、だめだめ! みんな心配してるんだから!ここ最近のしぶりんの元気の無さ、事務所で噂になってるよ?」

未央「元気だって言うんなら、その元気な顔、みんなに見せに行こう!」

凛「……」


凛「うん、わかったよ……」

未央「そうときまれば、まずは事務所にしゅっぱーつ! プロデューサーに誕生日プレゼントを渡しにいきますかー!」

卯月「うんっ!」


凛「……」


~~~~ 事務所 ~~~~


卯月「うわぁーっ、ケーキの良い香り!」

未央「そういえば、ままゆがかな子ちゃんと一緒に年少組にケーキ作りの先生になるって言ってたね! もう終わったのかな?」

凛「……」


薫「あ、凛お姉ちゃんに卯月お姉ちゃん、未央お姉ちゃん、こんにちわー」

卯月「ケーキは上手にできたかなぁ?」

みりあ「うんっ!まゆさんとかな子さんが教えてくれた通りに作ったら、とぉーっても美味しいケーキができたよ!」


未央「どれどれー?」

莉嘉「あーっ! ダメだよ未央ちゃん! Pくんにあげる前に食べたら」

未央「ば、バレた!?」タハハ



凛「……まゆは?」

薫「まゆお姉ちゃんなら、さっき帰ったよ? 大事な準備があるからって」

凛「そっか……」


<タダイマー


薫「あ、せんせぇが帰ってきたよ~! おかえり~!」

モバP「ただいま~って、良いにおいだなぁ! どうしたんだ?」




莉嘉「おかえり、Pくんっ☆ 誕生日おめでとう!」

莉嘉「はい、あーん……」

モバP「あ、今日はおれの誕生日か! すっかり忘れてた」アハハ

みりあ「あーっ、莉嘉ちゃんずるい!プロデューサー、私のケーキもめしあがれー」


未央「年少組は積極的だねぇ」タラリ

卯月「うん、そうだね~! 私たちも渡しにいこうよ……って、凛ちゃん?」

凛「…………え?」

卯月「ぼーっとプロデューサーさんを見てたけど、なんかあった?」

凛「ううん、なんでもないよ……」


未央「ま、まさかしぶりん、告白のセリフでも考えてた!?」ニヤニヤ


凛「っ!」ズキン

凛「なんでもないって言ってるでしょ!」


シーン


未央「ご、ごめん」


凛「…………」

凛「ご、ごめんっ! 私帰るねっ」タタッ バタン


未央卯月「あっ!」


モバP「どうしたんだ?」


未央「なんでもないよ! はい、誕生日おめでとう!」

モバP「お、おう」

卯月「これは、私からです」

モバP「あ、ありがとう」


未央「行くよ、しまむー!」

卯月「うん!」


バタン


モバP「3人とも、どうしたんだ?」


~~~~ 1時間後 大通り ~~~~



凛「サイテーだ、私……」

凛「こうやって、友達からも嫌われちゃうのかな……」



未央「!? いたっ! しぶりーん!!」タタタッ



凛「未央…………さっきは、ごめんね」  

未央「ううん、こっちこそ気持ちも考えずにごめんね」



凛「ホントにごめん……」


未央「ホントに気にしないでいいよっ! 私たち、友達でしょ?」

未央「事務所の中じゃ、私としまむーが一番のつきあいなんだからさ」

未央「辛い時はもっと頼ってね」ニコッ


凛「未央ぉ……」ジワッ


未央「さっ、いつまでも外にいたら、風邪ひいちゃうよ!」
  
凛「うん……」

未央「女子寮であったかいご飯もでるみたいだから、そこで身体もあたためよう!」
  
凛「うん……」グスッ


未央「しまむーにも電話しないと」prrrr


未央「しまむー、しぶりん見つけたよ! 女子寮で合流しよう」

卯月『うん!よかったぁ』


~~~~ 女子寮 ~~~~

ピンポーン

ガチャッ


 
ガヤガヤ


早苗「あらぁ~、3人ともいらっしゃ~い!」ヒック  
 
未央「良い具合に酔っぱらってますねぇ~」


早苗「そりゃ~、パーティだも~ん! 志乃さんがいいワインを持ってきてくれたのよ~」

卯月「飲みすぎ無いように、気をつけてくださいね」

早苗「だぁ~いじょ~ぶよ! 美味しいお酒を目の前にして、飲まなかったら女が廃るってもんよ」ヒック

凛「そ、そういうものですか?」


早苗「ん、凛ちゃん?」

凛「はい?」

早苗「凛ちゃんの顔がちょっといい顔になったわねぇ~」

凛(そんなに暗い顔だったのかな?)

 

凛「そういえば、今日って何のパーティだったの?」


未央「あれ、しぶりん聞いてないの?」

卯月「え、本当に凛ちゃん聞いてないの?」


「お、やっときたか~」

未央「プロデューサーの誕生日パーティだよ?」


凛「えっ!?」


モバP「寒い中、どこ行ってたんだ?」

凛「プロデューサー!? 今日の夜はまゆとご飯に行く予定じゃ……?」

モバP「? あの予定は、凛が飛び出して行ったあと、まゆがキャンセルしたぞ?」

凛「そうだったんだ……」




 「ちゃんとみんなの話には耳を傾けないといけませんよぉ」

凛「まゆ……」

まゆ「あの時はごめんなさい」

まゆ「あの時の凛ちゃんの表情を見てたら、何となく何を考えているかわかって意地悪しちゃいましたぁ」


凛「わたしって、考えていることがそんなに表情に出やすいのかな?」

未央「しぶりんは、隠し事はできないタイプだと思う!」

卯月「プロデューサーさんに褒められてるときは、すっごく嬉しそうな顔してるよ」

凛「そ、それは褒められたら誰だって嬉しいでしょ!?」


未央「しぶりんの場合は、嬉しすぎてしっぽが見えるよ、もうブンブン振りまくりの!」

凛「そ、そんなことないって!」


ギャーギャー


まゆ「ふふっ」

まゆ「寒い中歩いてきて、身体も冷えているんじゃないですかぁ?」


未央「うん、もう冷えすぎてお腹ぺこぺこだよっ」

凛「冷えるのと、お腹がすくのは関係ないんじゃない?」

まゆ「もうすぐ、お鍋ができますから、食堂で待っていてください。」

卯月「パーティーにお鍋?」


まゆ「寮長の早苗さんの要望ですよぅ。寮でパーティをする代わりに、ご飯にはお酒に合うお鍋を要望する!って」

<マユチャーン オナベマダー?



まゆ「もう少しでできますよぉ~」


まゆ「3人も、向こうでみんなと一緒に待っててくださいねぇ」 

凛「あ、私も手伝うよ。」

まゆ「でしたら、お願いできますかぁ」

卯月「私もてつ……」



未央「しまむー、私たちはままゆのお言葉に甘えよう!」

卯月「未央ちゃん、ひっぱらないでぇ~」


カチャカチャ

まゆ「3人の関係が羨ましいですねぇ」


凛「……」

凛「まゆ、せっかくプロデューサーと二人っきりになる機会だったのに、どうして?」


まゆ「……」

まゆ「どうしてだと思いますかぁ?」


凛「……うーん」

まゆ「まゆは、Pさんの意思で誘われたかったんです」

まゆ「Pさんはだれにでも優しいから、お願いすればタイミングさえ合えばどこにでもつきあってくれるでしょう?」

凛「うん」


まゆ「誕生日の予定を聞いた時、夜が忙しくないと言っていた時点で、だれが誘ってもきっと関係なかったと思います」

凛「……」


まゆ「ただ、自分の目の前で、他の女の子とご飯に行く約束をされるのは悔しかったから、あんなイジワルしちゃいました」

まゆ「けど、それはまゆの本意ではありません」

まゆ「ですから、すぐにご飯の約束を断って、今日のパーティの約束をしたんです」

まゆ「そうすれば、抜け駆けはおこりませんし、まゆも凛ちゃんもPさんといられる」


まゆ「今年のPさんのバースデーは、だれも悔しい思いをすることなく終わると思ったんです」


凛「まゆは、すごいね。私と一つしか違わないのに、私なんかより、ずっと大人だよ……」

 
まゆ「まゆは、凛ちゃんのようにスタイルもよくないし、大人っぽくもありません」


まゆ「けれども、Pさんはいつかまゆを選んでくれると信じています」



まゆ「プロデューサーである以上、他の女の子を見るのは仕方ありません」

まゆ「けれど、その女の子たちの中の一番になって、ずっと隣にいれるように、これからもPさんにアプローチは続けていきます」

凛「それだけは、私も譲れないよ。いつか、アイドルとプロデューサー以上の関係になってみせる。Pさんの意思で!」

まゆ「ふふっ、やっといつもの凛ちゃんの目になりましたねぇ」


凛「ありがとう、まゆ」

まゆ「どうしたしまして」


<マユチャーン ガシシャガデルヨー

まゆ「さぁ、ひとまず一時休戦しましょう。みんなご飯を待っていますよ」


凛「うん」


凛「来年こそは、抜け駆けを考えずにプロデューサーと一緒の時間を勝ち取るからね」

まゆ「ええ、まゆもそこは譲りません」ニコッ


~~~~ 夕食後 ~~~~


ガヤガヤ

モバP「いやーっ、まゆの料理は美味しかったなぁ! きっといい嫁さんになると思うよ」

凛「」ピクッ

大人組「」ピクッ


まゆ「あらぁ、まゆはいますぐでもいいんですよぉ。Pさんに身も心も捧げる覚悟はできてますから」カチャカチャ


凛「待って、プロデューサー。それを決めるのは、私の料理を食べてからでも遅くは無いと思うよ」

モバP「いや、だれもおれのとは……」


早苗「Pくぅん、お姉さんだって、料理じゃ負けるけど、スタイルじゃ負けないわよ~!この身体と一緒に貰ってくれないかしら」

瑞樹「若い子には無い、大人の魅力を教えてあげるから、こっちにいらっしゃい」

菜々「ウサミンせいのおうじょの隣もあいてますよぉ・・・ヒック」

千枝「千枝もこれから料理をお勉強します!ですから、あと4年待っててください!」

まゆ「さて、片付けでもしておきましょうか」


ワイワイガヤガヤ 
  


まゆ「あら、台所にチョコが……」

まゆ「今日は色々と忙しかったし、ちょっといただこうかしら」


パクン

フワッ


まゆ「これって、もしかして……」


ガヤガヤ


瑞樹「だれかとおつきあいするって」

瑞樹「千枝ちゃんにはまだ早いお話じゃないかしら」

千枝「そんなことありません!」

千枝「プロデューサーさんは『千枝は絶対綺麗になるから、今から楽しみだ』って言ってくれました!」

早苗「Pくんは、小学生にもそんなこと言っているのねぇ」

モバP「あ、いや……」


早苗「けど、小学生にはできないことも、私ならできるわよぅ」ヒック

モバP「早苗さん、ちょっと飲みすぎじゃ……」

凛「それだったら、私だって負けません!」

瑞樹「でも、経験で楽しませてあげられるのが、年上の魅力よ。わかるかしら」

早苗「そうそう(まともにつきあったことないけど)」ゴクゴク


千枝「プロデューサーさん!千枝は誰にも負けないくらい、Pさんに見合う女性になります!それまで待ってくれますよね?」ギュッ

モバP「千枝の人生はまだ長いから、きっとそれまでに良い人が見つかると思うぞ?」アセアセ


瑞樹「そうよね。私とは違って、まだ『子供』だからね」

凛「私は一応今年の8月で結婚できるよ。プロデューサーが覚悟を決めてくれるなら、私アイドルやめる!」


モバP「トップアイドルになるまではがんばってくれよ……」

凛「それまで待ってくれる?」

モバP「…………どうだろ?」



早苗「Pくん、あたし酔っぱらっちゃったなぁ、自室まで連れて行ってほしいなぁ」ギュッ

モバP「早苗さん、あ、当たってますって」

早苗「当・て・て・ん・の。 部屋まで連れて行ってくれたら、直接触っても……」


瑞樹「早苗はどんなに酔っても、介抱必要ないでしょ?」

早苗「今日はちょっと調子が……」

瑞樹「発情してるだけじゃないの?あんなのに近づいたら、逆に犯されるわよ。」

 
瑞樹「それより、これから二人でちょっと出かけないかしら? 良い雰囲気のバーを見つけたのよね」

凛「瑞樹さんも早苗さんと変わらない雰囲気出ていますよ」

凛「それよりプロデューサー、家まで送って行ってよ。一人だと心細いし……」

千枝「未央さんと卯月さんがいますよね」

ギャーギャーギャー






フラッ



まゆ「まゆのPさんに近寄る雌猫はだれですかぁ」フラッ

モバP「……まゆ?」

凛「……まゆ?って、お酒臭い! どうしたの!? まゆ!?」


まゆ「ちょこっとチョコを食べただけですよぉ」ウフフ


早苗「……これは、ちょっと危険な香りがするわね、瑞樹」

瑞樹「ええ、早いとこ志乃さんたちのもとに……」


まゆ「あら、お姉さんがたどちらへ」

ビクッ

早苗瑞樹「はいっ」


まゆ「酔いつぶれた二人を、いっつも介抱しているのはだれですかぁ」

早苗瑞樹「まゆちゃんです」


まゆ「……」

早苗瑞樹「まゆ様ですっ」


まゆ「それだけじゃありませんよねぇ、寮で飲むときはおつまみ作ってあげたり、片付けもしているんですよぉ」

早苗瑞樹「はいっ!ありがとうございます!!」

 
まゆ「そんな二人に、まゆのPさんは『まだ』お任せできませんよぉ。わかりますねぇ」

早苗瑞樹「はいっ!」ガタガタ


まゆ「わかったら、志乃さんたちと飲んでいてください。お酒にだらしのない姿を年少組に見せたらいけませんよぉ」

早苗瑞樹「わかりましたぁっ」スタコラサッサ


まゆ「千枝ちゃぁん」

千枝「ひいっ」ガタガタ

まゆ「Pさんが好きなのはわかるけど、Pさんを困らせてはいけませんよぉ」

千枝「は、はいっ」


まゆ「好きならば、Pさんを待たせるんじゃなくて、Pさんが自分から待っててくれるような女性になりましょうねぇ」

千枝「……」

まゆ「じゃないと、Pさんのことが好きなみんなを納得させられませんよぉ」

千枝「……はい」

千枝「……うん」


千枝「プロデューサーさん」

モバP「なんだ?」

千枝「千枝、がんばります! だから、千枝の成長、楽しみに見守っててくださいね」

モバP「お、おう」

千枝「まゆさん、千枝、負けませんから!」タタッ


まゆ「ふふっ」


まゆ「最後に……」

凛「な、何?」

まゆ「凛ちゃん、凛ちゃんはまゆが認めたライバルなんですから、他の人にPさんのことで言い負けちゃダメですよぅ」

凛「うん……」


凛「けど、まゆ、大丈夫?」

まゆ「大丈夫ですよぅ。せっかくPさんがいるのに、夜は、これ…か…ら……」パタッ

モバP「ま、まゆ、大丈夫か!?」

志乃「酒に酔って寝ちゃっただけだから大丈夫じゃないかしら?」

モバP「志乃さん、いつの間に!?」


志乃「早苗たちが血相変えて戻ってきたから様子見に来ただけよ」


志乃「これ、多分私が持ってきたウィスキーボンボン食べちゃったのね」

志乃「台所じゃなくて、見えないところに置いておけばよかったわ」

志乃「多分、一気に来た安心感とアルコールで、疲れが一気に出て眠くなったんでしょう」

志乃「この2週間、凛ちゃんのこと、かなり心配してたわよ、まゆちゃん」


凛「……」

凛「プロデューサー」


モバP「どうした?」

凛「まゆのこと、部屋に連れて行ってあげて」


モバP「プロデューサーのおれが、許可も無く部屋に入ったら、嫌がられないか?」


凛「大丈夫だと思うよ」

モバP「わかった。よいっしょっと」


志乃「まゆちゃんの部屋はあそこよ」

モバP「わかりました」

志乃「酔って寝てるからって、変なことしちゃダメよ」

モバP「わかってますよ!」


~~~~ まゆの部屋 ~~~~


モバP「よし、これで大丈夫かな?一応水も準備しとこう」

 まゆ「……あれ? いつの間に部屋に……」

モバP「ん?目が覚めたのか? まゆ」

 まゆ「Pさん……どうして?」


モバP「ウィスキーボンボン食べて、酔って倒れちゃったんだよ」

モバP「志乃さんが、アルコールで一気に疲労が出ちゃったんだろうって」

まゆ「そうですかぁ、ご迷惑おかけしました……」



まゆ「Pさん、まだ、時間ありますか?」

モバP「ん? 大丈夫だけど」


まゆ「……」




まゆ「手を握ってもらえませんか?」


モバP「どうしたんだ、急に?」
モバP「ああ、いいぞ」ギュッ

やっちまった

>>47

差し替えで



~~~~ まゆの部屋 ~~~~

モバP「よし、これで大丈夫かな?一応水も準備しとこう」

まゆ「……あれ? いつの間に部屋に……」

モバP「ん?目が覚めたのか? まゆ」

まゆ「Pさん……どうして?」

モバP「ウィスキーボンボン食べて、酔って倒れちゃったんだよ」

モバP「志乃さんが、アルコールで一気に疲労が出ちゃったんだろうって」

まゆ「そうですかぁ、ご迷惑おかけしました……」

まゆ「Pさん、まだ、時間ありますか?」

モバP「ん? 大丈夫だけど」

まゆ「……手を握ってもらえませんか?」



モバP「どうしたんだ、急に?」


モバP「まぁ、いいけどさ」


チクタクチクタクチクタク




まゆ「Pさん、まゆを見つけてくれてありがとうございます」

まゆ「空っぽだった、読者モデル時代と比べたら、この毎日は本当に楽しいです」

まゆ「これからも、プロデュース、宜しくお願いしますね。まゆ、大好きなPさんが喜ぶ顔を見るために頑張りますから」 



モバP「担当アイドルから大好きって言ってもらえるとプロデューサー冥利につきるよ」

モバP「おれもまゆが輝けるために、仕事を取ってくるからな」

まゆ「ええ、宜しくお願いします」

まゆ(大好きって言っても、この反応)

まゆ(今のPさんには、だれが言ってもこんな感じでしょうね)

まゆ(けど、いつかはまゆが、Pさんの一番になりますからね!)


まゆ「さぁ、みんなPさんを待っていますから、みんなのもとに行ってあげてください」

モバP「もう大丈夫か?」


まゆ「はいっ!あんまり独占したら、凛ちゃんや千枝ちゃんに悪いですから」

モバP「わかったよ。ゆっくり休めよ」

まゆ「はぁい! おやすみなさい」

モバP「おやすみ」



数年後

カラーンカラーン

「おめでとう!」

「……さん、おめでとう」


神父「病める時も健やかなるときも……」

神父「では、誓いのキスを……」



  「やっと、本当の意味で結ばれました」グスッ

  「……を一生幸せにしてくださいね」



終わり

と、言うわけで、終わり。

後半がなんかイマイチだった気がする。

とりあえず、見てくれた人はありがとう。

もうちょいレベルをあげてまゆの良いSSを書くためにがんばるわ。

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