【きんモザ】綾「き、きんいろモザイク」忍「短編集Part3です」 (102)

①カレン「ベンザブ○ック!」


忍「貴方の風邪は何処から?」

綾「私は陽子から……って何言わせてるのよっ!」///

アリス「(今自分で言ったんじゃ……)」

忍「そんな恋の病で大変な綾ちゃんには、素直になれる勇気をどうぞ」

カレン「アナターのカゼに、狙いをキメテっ!」

忍「きんいろモザイク短編集、始まります」


陽子「(……なにこれ)」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1395493190

・アニメきんモザ続編決定おめでとうございます

・設定は2年生の冬

・パロネタ多め。ちょっとしたオリジナル設定アリ。気にしたら負け

・Part1あるけど忘れて→ 忍「きんいろモザイク」カレン「短編集デース!」

・Part2もあるけど忘れて→ アリス「きんいろモザイク」陽子「短編集Part2!」

・もちろん1、2と繋がりはないから忘れて

・それとBD&DVD、原作買って

②アリス「Shaggy dog story(毛むくじゃらの犬の話)」綾「オチの無い長話のことね」


陽子「最近一つ思うことがあるんだ」

綾「突然ね相変わらず」

カレン「何デスカー?」

陽子「いやね、この前スーパーに夕食の材料買い出しに行ったんだけどさ。カレーって売ってるじゃん?」

アリス「カレールウのこと?」

忍「○ーモンド」

綾「こくま○」

カレン「2○熟!」

陽子「ああ、それそれ。そんでさ、あのパッケージの裏によく辛さレベル的なもの書いてあるじゃん?」

綾「……それって甘口とか中辛とか辛口のこと?」

陽子「違う違う。それよりもっと細かいさぁ、なんか5段階ぐらいに分かれてるやつだよ。わかんない……?」

忍「分かります! カ○ーの王子さまが一番レベル低いんですよね!」

陽子「おぉ! それそれ! しの、それを待ってたんだよー」

アリス「会話が……」

カレン「庶民デスネ。当たり前デスガ」

綾「で? それがどうかしたの?」

陽子「やーあれってさ、他の商品と辛さ比較するのにはいいんだけどさ、ぶっちゃけそれ以外何の意味もないなぁ……と思って」

綾「……は?」

陽子「やだからさ、あれって別に一段階上がるごとに辛さが倍になるとか書いてないじゃん? それにあの表に載ってる

何らかのカレールウを一度食べてないとイマイチ辛さの度合い分かんないし。それにハ○スとエス○ーで絶対評価の基準違ってるし。

正直ああいうの載せるならもっとしっかりとしたやつ載せてほしいし、適当なの載せるくらいならいらないなぁ……と私は思うのです。まる」

綾「…………。……はげしくどうでもいいわっ!」

陽子「えぇ、わりと庶民な陽子ちゃんとしては深刻な問題なんですけどー。空太と美月はあんまり辛いと食べれないって言うからカレー作る

庶民的で家庭的な陽子ちゃん困っちゃうんですけどー。カレールウ売り場で4、5分買うもの迷ってうろちょろしちゃって困るんですけどー」

アリス「よ、ヨーコからすごい主婦オーラを感じる……!?」

カレン「こんなヨーコ、今まで見たことないデスっ!」

綾「もう、カレーなんてどこの家でも作るし誰にでも作れるわよまったく……。それに家族で食べるならちょっと甘めに作るのは基本でしょ?

妹や弟がいるのなら尚更。辛すぎるのを作って食べるのが辛くなる位なら、ちょっと甘いカレーで我慢する方がいいにきまってるわ……ふふ」

カレン「ほうほう、『大は小を兼ねる』というやつデスネ!」

アリス「(今アヤ、絶対自分で言った『辛い(からい)』と『辛い(つらい)』で笑ったよね……)」

陽子「そんなもんかぁ……いや、でもだからと言ってあの表記がきちんと機能しているとは言えないだろ。

せめて1段階上がると前の段階よりどのくらい辛くなってるか書いてあればそこそこ使えるんだけどなぁ……」

忍「あれ、でも前に行ったC○C○壱番屋にはちゃんと具体的に書かれてましたよ? 2辛は1辛の約二倍……みたいな感じで」

綾「しの、そこ伏字にしても意味無いから」

カレン「……フセジ? フセジって何デス?」

忍「相手に気に入られるようにわざと愛想をよくした言葉のことでs――」

綾「それはお世辞」

陽子「なるほど、ココイチならちゃんと辛さのランクがはっきりしてるんだ。今度行ってみよー」

綾「…………」

忍「…………」

陽子「…………?」

カレン「……あっ、カレーと言えば先日私の家で出されたカレーがデスネ……」

陽子「おっ、何だ何だー?」

綾「まさか具にウナギとか入れたんじゃないでしょうね……?」

忍「英風カレーですか!? 私、気になります!」

アリス「(……あれ!? シノが一人でコ○イチ行った件は皆スルーなの!?)」

③忍「地震は10人以上のお相撲さんが同時に四股踏みをすることで発生し――」陽子「嘘つくな嘘を!」


カレン「――! やはりカレーはドロドロに限りマス!」

陽子「いいや、サラサラだね! ドロドロって次の日胃もたれんじゃん! 残しとくとすごく固まるしっ!」

カレン「そ、そんなこと言ったらサラサラだって、結局はあれ水に対してルーが少なかっただけじゃないデスカ!

美味い不味い以前の問題デス! サラサラカレーはただの失敗作デス!」

陽子「はぁ!? おいおいカレン、今のひと言は全国のサラサラ派に喧嘩を売ったぞ! サラサラカレーが失敗作ぅ!?

かっちーん。2年C組サラサラ派代表、猪熊陽子ちゃん怒ったぞー。激おこだぞー」

綾「(古い。言葉のチョイスが)」

カレン「フン! 私はただ『ジジツ』を言ったまでデス! サラサラは味が薄くて、食べた気もしない。

ご飯にもすぐに染み込む、カレーの失敗作だという『ジジツ』デスっ!」

陽子「なんだとう!? そんなこと言ったらドロドロだって、あれ中に入れてるじゃがいもが溶け出しただけなんじゃないのか!?

それこそ失敗作だろ! じゃがいも溶けるまでずーっと火つけておくなんて、失敗以外の何物でもないっ!」

カレン「Huh? ドロドロが失敗作? 今ドロドロカレーのことを失敗作と言ったデスカ!? ヨーコ、てめーは私を怒らせたデス!」

アリス「(カレンそれ使い方間違ってない……?)」

陽子「おう、上等上等! こうなったら意地でもカレンにサラサラを認めてもらうしかないようだな……!」

カレン「それはこっちのセリフというやつデス! ヨーコはドロドロカレーの良さを何も分かってまセン!

ですがそれも今日までデス! 今! 私がヨーコにドロドロの素晴らしさをみっちりと教えてあげるデスヨッ! イザ、覚悟ッ!!」

陽子「来い! どこからでも! そんな貧弱!貧弱ゥ!な覚悟など、この猪熊陽子には効かぬわっ! 返り討ちにしてくれようッ!!」

カレン「DORODOROOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!」

陽子「SARASARAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」

忍「(ちなみに私はハヤシライス派です)」

カタカタ カタカタ


陽子「……ん? なあカレン、今なんか音しなかった?」

カレン「ヨーコ、そうやって私が油断した隙に攻撃を仕掛けてくるつもりデスネ! そうはいきませんデスヨッ!」

陽子「や、そうじゃなくって。普通になんか……揺れて――」


ガタガタ ガタガタ


忍「うわっ! 地震です!」

陽子「やっぱりか! 震度3くらい……?」

アリス「きゃあああああああああああああああっ! 地震! 地震だよシノ! 早く私と一緒に机の下に隠れてっ!」

カレン「デカい! デカいデス! 地面がっ! 地面が揺れてマス! ヤバいデス! ニッポンおしまいデス! 日本沈没デスッ!」


ガタガタ ガタガタ


陽子「割と長いな……! 東日本みたいに遠くがもっと大きくなきゃいいけど」

忍「あっ、あのアリスっ。流石に机の下に私とアリス二人で入るのは無理なんじゃ……」

アリス「そんなこと言わないでシノぉ! いざというときは私が降ってくる瓦礫を受け止めてシノを守るからぁ!」

カレン「ぎゃあああああああああああっ! シノっ! アリスっ! ヨーコっ! アヤっ! 死ぬときは一緒デスヨオオオオオオオッ!」

陽子「何物騒なこと言ってんだカレン!? 前にも言ったけどそういう誤解を生むセリフはだな――」


ガタガタ ガタ……シーン


陽子「……おっ、止まったみたい」

忍「そのようですね。まだ体はちょっと揺れてるような感覚ありますけど……」

陽子「あー分かる。体じゃ揺れ止まったか分からないからどうしても水面とか見ちゃうよな。

ところでしの、後ろにいるアリスは大丈夫か? 地震来た時からずっと机の下に隠れてるけど……」

忍「え? アリスですか? いやですね陽子ちゃん。アリスは日本に来て二年目ですよ? そんな地震くらいで机の下になんて――」


アリス「地震が……磁針で……自身が……自信に……」ガタガタ


陽子「……めっちゃ震えてますがな」

忍「アリス!? ま、まさかそんな。地震は克服したってこの前言ってたじゃないですか!」

アリス「そ、それは……震度1まで……だ、よ……ぉ」ガタガタ

陽子「震度1克服ってそれ克服して無いようなもんじゃん!」

忍「アリスーーっ!? しっかりしてください! い、今助けますからね! 252! 252! 生存者アリーーッ!」

陽子「叫ばなくていいからはやく助けてやれよ。……ん? ちょ、ちょっとまて。アリスがこれってことはもしや……」

カレン「Oh God, expiate without fail numberless faults I've ever perform afterwards.So forgive me,please...」ガタガタ

陽子「うわっ、やっぱり! こっちはアリスより酷いことになってるぞ!? 何て言ってるのか全然分からん!」


(※訳:ああ神様、今まで行ってきた数えきれない罪は後で必ず償います。だから許してください、お願いします……)

忍「わああああカレンまで! ど、どうしましょう!? 救急車呼びます!? 119ります!?」

陽子「それはダメだ! 救急車なんて呼んだら『で、出た~w震度3で119呼外人奴~www』ってネットに晒されるに決まってる!」

忍「じゃあどうすればいいんですか!? このままでは二人とも震度3の地震でHI☆GENEになってしまいますよ!? 震度3の地震でっ!」

陽子「しのそれわざと強調してない!? ってあれ、さっきからもう一人誰か忘れているような気が……」


綾「私だ」

陽子「…………」

忍「…………」

綾「…………な、何よ」ギュッ

陽子「……いや、それはこっちのセリフだよ。ずっと二人に気を取られてて気が付かなかったけど、

何で綾地震来た瞬間からずっと私に抱きつきっぱなしなんだよっ! しかもめっちゃ力強いよ! 骨折れるよ……っ」ギギギ

綾「も、もう陽子ったら、運動音痴な私が抱きついたくらいで骨が折れる訳ないでしょ全くもう。

……ん? 陽子に抱きつく? 私が? …………ぇぇぇえええええええええっ!?」///

陽子「自分でも気付いてなかったんかい!」

綾「きゃああああああああああああああああっ!?(きゅ、急に地震が来たから何かにつかまろうと必死にしがみついたけど

それがまさかよ、陽子だったなんてぇ……。うぅ、恥ずかしい! 恥ずかしすぎて腕の力が抑えられないわっ)」ギュゥゥゥ

陽子「ちょ、おい綾……っ、マジで、マジでそれ以上やられるとヤバいんだけど! 腕ヤバいんですけどっ!」ギチギチ

アリス「……あれ? もしや今私の前にいるのは、大和撫子……? そんな、何故教室に…………ああ、私、死んじゃったのね」

カレン「Oh god, please rescue me...rescue me...」ガタガタガタガタ

忍「な、何という阿鼻叫喚……」


ポキッ


陽子「……えっ、い、今の音なに!? 何なの!? 私の身体から鳴ったけど今の何の音!? ねえ何の音なのぉ!?」ギチギチギチギチ

綾「(陽子陽子陽子陽子陽子陽子陽子陽子陽子陽子陽子陽子陽子陽子陽子陽……)」ギュゥゥゥゥゥゥゥ




忍「……そろそろ落ち着きましたかアリス?」

アリス「う、うん。まだちょっとクラクラするけど大丈夫……多分」

忍「無理しないでくださいね。カレンは平気ですか……?」

カレン「ハイ、なんとか……。やっぱり日本の地震は怖いデス。心臓止まりっぱなしデシタ」

アリス「(それもう死んじゃってない……?)」

忍「大丈夫ですよカレン。アリスも。二人は何があっても私が絶対に守ります。守ってみせます!

だってお二人とも私の大切な親友ですからっ」ニコッ

アリス「(嗚呼、シノの笑顔を見るだけで……)」ジョウカァ

カレン「(何故か心が落ち着く……デス……)」ジョウカァァァ

忍「それに、美しく輝くこの黄金の髪を未来永劫守っていくのは私の使命ですからね!

この命に換えてでもっ! いざとなれば人間国宝として国に要請することも視野に入れ――」

アリス「それは流石にやり過ぎだよシノ!?」

陽子「……おっ、やっぱりここら辺は震度3だったみたい。あったりー」ポチポチ

忍「陽子ちゃんも大丈夫でしたか? 先程からずっと左手で右腕押さえてますが……?」

陽子「だ、大丈夫と言えば嘘……かな。右の二の腕にダメージが結構あって押さえてないと痛みが……」

綾「ごめんなさいごめんなさい! 私のせいですごめんなさいっ!」ペコペコ

陽子「いいっていいって。そりゃ誰だっていきなり地震きたら怖いもんな。平気平気……うん、へーき」

アリス「明らかに無理してるよねヨーコ!? 一度保健室に行って診てもらった方がいいんじゃない!?」

陽子「大丈夫だってこれくらい……これくらい、ね。アハハ」

カレン「目が完全に逝ってマス」

忍「まさか綾ちゃんにこんな秘められた力があったとは……」

綾「ごめんなさいごめんなさい……うぅ」

アリス「ま、まあアヤもそんなに落ち込まないで? 誰にだってあることだよ」

綾「そぉ?」グスッ

アリス「うんっ。だからあんまり落ち込まないで? ね?」

綾「…………。……でも二の腕に痛み出るくらい抱きつく女の子なんて普通いないわよおおおおおおおおおっ!」

カレン「(ンデスヨネー)」

アリス「アヤ!? おお落ち着いて! 一回落ち着いてぇ!」

陽子「ところでしの、今携帯で地震のこと調べてたらやたら『胸』って言葉出てくるんだけど何でだか分かる?」

忍「えっ? ……うーん、地震と胸の関係性。特に思いつかないのですが……。ぐむむ、これは難問かもしれませんね」

綾「うぅ……ぐすっ……えぐっ……ひっくっ……」

アリス「ね、ねえアヤ? 聞いて? カレンや私だってイギリスで育って地震なんてほとんど経験したことないの。

だから今だってほら、ヨーコやシノみたいな日本人にとってはごく普通の当たり前な『揺れ』でもパニックになっちゃった。

私達だってアヤと同じで地震が怖いんだ。アヤだけじゃないんだよ? だから安心して? ね?――」

綾「でも私も陽子達と同じ日本人よおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!?」

アリス「……あっ、そうだったっ!」

カレン「(アリス、もしかして人を慰めるの下手?)」

陽子「……ん? ちょっと待てよ。『地震』『胸』『揺れ』、そうか! 分かったぞしの! 二つの関係はどっちも『揺れる』だ!」

忍「成る程! 流石陽子ちゃんです! こんな難問を一瞬で解くなんて……!」

陽子「フフーフ、猪熊先生と呼んでくれてもいいんだぜ?」キリッ

忍「でも変ですね。さっき地震起きましたが多分誰も胸は揺れていない気が……」

陽子「あはは、流石にこの制服じゃ揺れようにも揺れないだろ。まぁ、制服脱いでも揺れない人はいそうだけど――」

綾「どうせ私のことよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」

陽子「綾!? ま、まだ別に誰もそれが綾だなんて言ってないだろおい……」

忍「そうですよ。もしかしたらアリスのことかもしれませんし。別に綾ちゃん一人とは誰も言ってな――」

アリス「何で私までとばっちり受けるのおおおおおおおおおおおおお!?」

忍「えぇ!? そ、そんなつもりで言った訳では……」

アリス「言ってるよ! 絶対言ってたよぉ! うわああああああああんっ!」

綾「よっ、陽子のばかああああああああああああああっ!」


カレン「(……アレ? もしかして私、安全圏?)」

④綾「コミック……百合姫?」ドキドキ


某駅 本屋


綾「」キョロキョロ


デサー  マジデー?  ソレチョーイカスーw


綾「」チラッ


[コミック百合姫2014年5月号]

綾「…………」

綾「」キョロキョロ


キンイロモザイクブルーレイアンドDVDゼッサンハツバイチュウデス  ゲンサクモカッテネ


綾「…………」

綾「」シュバッ

ペラッ

綾「…………」

綾「………………」

綾「……………………」///

綾「!」キョロキョロ


カレンチャンノヨメハホノカチャンデショ  ハァ?クッシーチャンニキマッテルシ!  ワタシハ「シノ×カレン」オシ


綾「ふぅ」パタン

綾「(……な、何なのかしらこの雑誌)」///

綾「(思えば今日は確か料理本を買うためにここに来たはず)」

綾「(それなのに何故私は今漫画雑誌を手に取っているのかしら……?)」チラッ


[コミック百合姫2014年5月号]


綾「」///

綾「(うぅ……。そして本当に何なのこの雑誌はっ。表紙が気になって読んでみたら

案の定だったじゃない! 全部女の子同士じゃないっ! 最高よっ!)」グッ

綾「(…………買って帰りたい)」

綾「(べ、べべべつに私は女の子同士に興味なんてないしっ。ただちょっと、ちょーっと恋愛小説に

飽きてきたから変化球が欲しくなっただけだしっ。べつに私が女の子好きとか、あるわけないしっ)」///

綾「…………はぁ」

綾「(なんで私自分に言い訳してるんだろ……)」

綾「(一応小遣いには余裕あるけどこの本値段は……880円(5%税込)!? ちょ、高くない!?ジャ○プとかこのくらいの厚さ

いやそれ以上だけど週刊で約300円よ!? なのにこれは隔月で約900円って、ファッション雑誌並じゃない……)」

綾「(まあ買うんだけど)」

綾「(問題はこれをどうやってレジまで持って行くかよ。この表紙、『百合』と書かれた大きな印字。

詳しくない人でもすぐに女性同士の恋愛モノだとバレるわ。この本屋はいつも来てるし、今はいないけど

同じ学校の人だって利用しているハズ。もし私の顔が店員さんや周りの人に知られたらアウトだわ。

そこから噂が広がって私のクラスまで来たら最悪! 私は今後一生小路レズとして過ごさなきゃいけなくなるわっ!)」

綾「(と言ってもまさかあの段ボール(4巻12p参照)を被るわけにもいかないし。そもそも被ったら絶対警察呼ばれるし……)」

綾「(どうしたらいいのかしら?)」

綾「(……ってどうしようもないわよね、私しかいないんだから。せめて料理本と一緒に買って誤魔化しましょうか。

ちょっと今月厳しくなるけど、料理本をもう一冊買うことにしてその間に『これ』を挟んで持って行けば

レジまでの道中バレることはないわ。レジに関してはもうしょうがないって諦めるしかないけど、

そもそも店員さんが客の買った本他人に漏らすなんてありえないわよね。よし、これで行きましょう……!)」

綾「」スッ  スタスタ


陽子「おっ、綾じゃん。やっほー。こんなところで会うなんて偶然だなっ!」


綾「」

陽子「あれ、聞こえてないのかな……? おーいあやー、私だぞー!」

綾「よ、妖狐!? なななんでこんなところに!?」

陽子「いやー漫画の新刊出てたの忘れててさぁ……って今なんか私の呼び方変じゃなかったか!?」

綾「きっ、気のせいよ」

綾「(えええええええええなんでレジまであと5mの距離で陽子が来るのおおおおおおおお!?

えっ、何? 私何かした? 私何か神様に悪いことしたぁ!? これほどまでにバッドタイミングな事ってある!?

神様の悪戯とかいうレベルを軽く超えてるわよねこれ!? どう見ても嫌がらせよねこれ!? ホント私何かしたぁ!?)」

陽子「そ、そっか。綾は何? 買い物? ……って袋見たら分かるか。夕飯作るんだな」

綾「え、ええ。今日は肉じゃがにしようと思って(まずいまずいまずいまずいっ!)」

陽子「へぇ。……で? 買わないのその本?」

綾「えっ!?」

陽子「いやだからその抱えてる料理本だって。今買おうとしてたんでしょ?

私なんか気にしないで買ってきなよ。ここで待ってるからさ。買ったら折角だしちょっと話そ?」

綾「(え、ええええっ!? そこで待ってたら私がレジで買う本見えちゃうじゃないっ! マズイわ! マズ過ぎるわっ!

な、なんとかしてとりあえずこの場から陽子をどこかへ誘導しないと……!)」

綾「そ、そうね。……ところで陽子。あっちに美味しいお肉屋さんがあるんだけど、どう? 行きたくならない?

私がレジでこの本買ってる間行ってきてもいいわよ? 私は後から追いかけるわ――」

陽子「綾の中での私どういうキャラしてんの!? 別に肉屋とか興味ないよっ!」

綾「えぇ!?(引っかからないの!?)」

陽子「なんでそこで驚いちゃうんだよ!? 普通に考えて肉屋好きな女子高生とかいないだろおい……」

綾「ご、ごめんなさい。間違えたわ。ちょっと動揺してて(早く他の案を考えないと。ええっと、他に陽子を誘導できるものは……)」


陽子「え? 動揺? ……何に?」


綾「(なんか墓穴掘ってたぁあああああああああああああああああああっ!?)」

陽子「え、まさか綾、休日に私と会っただけで動揺したって訳ないだろ? いくらなんでも」

綾「そ、そそそそうねごめんなさい。言い間違えたの。ちょっと動悸してただけよっ」

陽子「もっとひどいじゃん!」

綾「(何言ってんのわたしぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!?)」

陽子「動悸って綾大丈夫か!? 救○飲むか!? あそこにマツキヨあるぞ!?」

綾「(……ん? ちょっと待って。これもしかして行けるんじゃないの?)」

綾「…………」

綾「……そ、そうなの陽子。今大丈夫じゃないのよ私。実はちょっと同期してて」

陽子「何とだよ!」

綾「あっ、違ったわ。ちょっと銅器してて……」

陽子「人ですらない!?」

綾「ああそれも違う。ちょっと道木――」

陽子「もういい綾! 綾が大丈夫じゃないのは分かった! 原因はなんだ!? やっぱり動悸か!?」

綾「」ゴクリ

綾「……え、ええ。そうよ」

陽子「分かった! 私が今からマツキヨ行って○心買ってくるからそこで大人しく待っててくれ!」ビュンッ

綾「…………」

綾「……ふぅ」

綾「(やっと行ってくれたわ。陽子には悪いけど、後で救○の代金は払うからいいわよね。丁度お母さんが立ちくらみで

辛いって言ってたし、渡せばお金は貰えるはずだわ。……じゃあ陽子が帰ってくる前に『これ』買っちゃいましょうか」スタスタ

イラッシャイマセー  ピッピッピッ  ――サンテンデ3,125エンデース


綾「あ、これだけ袋別にしてもらえますか?」


カシコマリマシタ。エー3,205エンオアズカリイタシマース


綾「(こうすれば後で陽子に『この本何?』って聞かれてもダミーのレシピ本を出せばいいし、

もし『こっち』を聞かれても家族に頼まれた本だからって言えばそれ以上詮索してこないはずだわ)」

オサキニ80エンオカエシイタシマス。ショーショーオマチクダサイ  ――ネエ、コノホンッテフロクアッタッケー?


綾「(ふふ、我ながら完璧ね。ちょっと陽子がいきなり現れるハプニングがあったけど

無事『これ』を手に入れることができたわ。後はちょっと陽子と話して帰るだけ――)」


陽子「綾! ○心買ってきたぞっ!」ハァハァ


綾「早いっ!?」

綾「(えぇ!? ちょ、まだ陽子がマツキヨに向かって走ってから30秒も経ってないわよねぇ!?)」

陽子「もう、あの場で大人しくしてろって言っただろ? もっと具合悪くなったらどうするんだよ!

料理本なんて後でも買えるんだから、まず自分の体調心配しろよ……!」

綾「(ああ、まだ店員さんがレジに戻ってきてない! あの本は今レジカウンターの上!

今は私の方を向いてるからギリギリ見えてないけど。ちょっとでもそっち向いたら見えちゃうっ!)」

綾「そ、そんな心配してくれなくても良かったのに。というかよく30秒で買ってきたわね……っ」


陽子「当たり前だろ! 綾のこと心配だったんだから! 走って買ってくるに決まってんじゃん!」


綾「……え」///

陽子「なのに全く、私がガチ走りして周りから凄い視線を浴びていたというのに綾はちゃっかり本買ってるし……」

綾「(そんな、陽子が私のことを心配して? 私のために本気で走って買ってきてくれたっていうの……!?)」///

陽子「おい綾、聞いてるか? 本当に体調悪いならもっと安静にしてなきゃ。ほらとりあえず救○飲んで?」

綾「えっ……ぁ……っ」

陽子「え? 何? ほら早く飲んでって。何か顔も赤いし、風邪とか引いてるんじゃないの? 動悸もそれが原因だったりして。

綾はちょっと無茶しすぎなんだよ。もっと体調管理しっかりしないと、この時期は油断しがちで特に危ないんだぞ」

綾「あ、ありがとっ」///

陽子「…………お礼は元気にしてよもう。本気で綾のこと心配してるんだぞー私は」

綾「う、うん」///


陽子「ところでこの本なに? ゆり……ひめ?」


綾「」

⑤-A アリス「言葉の……」チラッ 綾「えっ、何?」


■放課後 教室


カレン「――で、最近どうデスヨーコ? アッチの方は」

陽子「お、おい今それ聞く……?」

カレン「よいではないデスカ。むしろ私だからコソできる相談なのデハ?」

陽子「ま、まぁ。……そうだな。カレンならそういうの気にせず話せるし」

カレン「でしょでしょ? さぁ、早く言うのデス。最近調子はどうなのデスカ?」

綾「…………」ジー

綾「(な、何話してるのかしら……?)」

陽子「うーん。調子いいっちゃいいんだけどさー、なんか物足りないというか。ちょっと飽きが来ちゃってさ」

カレン「あー分かりマス。そんな時はキッパリサッパリバッサリ捨てちゃった方がいいと思いマスヨ?

そういうのに限って長く持ってしまったりしますカラ。物足りないのにズルズル引きずるのはあまりよろしくありまセン」

綾「(職員室から帰ってきたら教室から二人の話し声が聞こえて何となく、何となーくそのまま入らないで

覗いてるけど話が途中からだから何喋ってるのか全然分からないわ。何の話? 足りない、飽き、ズルズル……ら、ラーメン?)」

陽子「簡単に言うなぁ。捨てるって、カレンならまだしも私がそんな簡単にできると思う?」

カレン「デスヨネー。ヨーコは一回惚れると冷めても我慢しちゃうクセありますからネー」

綾「(惚れる……? え、ちょ、何? 私の聞き間違い? 空耳? 陽子が……惚れる? えっ? えぇ?)」

陽子「いいじゃんそっちの方が。後でまた好きになったりとかしたらどーすんのさ。

それに私はカレンと違ってとっかえひっかえとかできないんだからな」

カレン「とっかえひっかえだなんてひどいデスヨーコ。例え浮気しても私には愛がありマス。

そこにはれっきとしたLOVEがあるのデス! そんじょそこらのお金で愛を買うような輩と一緒にされては困りマスヨ奥さん」

綾「(好き!? 浮気!? え、ホント何話してるの!? 恋バナ!? カレンと陽子恋バナしてるの!? ナニソレイミワカンナイ)」

陽子「だれが奥さんだ。でもカレンはいいよなー。こういうのやり始めてもう何年? イギリスにいた時からでしょ?」

カレン「もちのろんデスヨーコ。確かアレは10歳の誕生日だったと思いマス。いやぁあの日の夜は忘れられまセンヨ。

まさか誕生パーティーの後にあんなサプライズが待っていたトハ。当時の私は驚きと悦びでいっぱいいっぱいデシタ」

陽子「10歳で初体験とはカレンもませた娘だなぁ、アハハ」

綾「(!?!? しょ、初体験!? 今初体験って言ったわよね!? 言ったわよねぇ!? それって……つまり……!?)」

カレン「そ、ソーユーヨーコはどうなのデスカ。私ばっかりズルイデスヨっ! ヨーコも教えるデス!」

陽子「私? 私は中二。最初はなんか軽ーい気持ちだったんだけど、気づいたらもうヤミツキになってて……」

綾「(ちゅ、ちゅちゅちゅちゅちゅ中二ぃぃぃぃぃぃいいいいいい!? 陽子の初体験が、中二ぃ!?)」

カレン「あー分かりマス。中毒というやつデスヨネ。私はもう抜け出せないと分かったので早々に諦めて欲望に忠実になりマシタ」

陽子「私は結構葛藤あったなぁ。特に外はキツかった。最初は他人の視線が怖くてろくに楽しめなかったよ……。カレンは?」

カレン「私はイギリスなのでそんなには。田舎ならまだしも都会では結構ザラな光景デスシ。

恥ずかしがったら負け、みたいな雰囲気あったデス。んまあ外でするのに抵抗があるっていうのは一理ありマスネ」

綾「(外って!? 外って何!? まさかそんな……野外、ってことぉ!?)」

陽子「いいなぁ。私もイギリスに生まれたかった……っ」

綾「(『いいなぁ』!?)」

カレン「流石に今は平気デスヨネ?」

陽子「もっちろん」

綾「(『もちろん』!?)」

陽子「むしろ私は外の方が好きかな。解放感あるって言うか。

やってることは部屋とかと同じなのになんか外の方がいいんだよー。視覚効果ってあるもんだねぇ」

カレン「激しく同意デス。でも自室もいいデスヨー。誰にも邪魔されませんし、思う存分余韻に浸れマス」

綾「(嗚呼、カレンと陽子のイメージが音を立てて崩れ落ちていく……。さっきまでの二人は一体何処に行ったというの)」

陽子「カレンの場合はいいよ、部屋いっぱいあるしさ。私なんて狭いし壁薄いから音漏れるし、

そもそも妹たちいるから時間限られてくるし。邪魔ばっかりで余韻なんて浸ったことないよ」

カレン「だからこその外、という訳デスネ?」

陽子「そそ。人の目って言っても私の場合自分の家よりはマシだし、妹たちと違って直接的な邪魔もそうないし。

私は全国の同志に外をオススメしたいね。恥ずかしがらずに思い切って一度ヤってみる。

そうやって外好きが増えてくれれば私の肩身も少しは広くなるんだけど……なかなか難しいかな」

カレン「日本人は恥ずかしがり屋ですからネー。一回ヤってみれば少しは変わると思うんデスガ……」

陽子「だよな。絶対ヤミツキになると思うんだけど。くぅ、日本全国の女子は損してるよ!

こんな身近にこんないいことがあるのに、なんで気が付かないかなぁ」

カレン「仕方のないことデス。ヨーコだって最初は戸惑っていたのデスから」

陽子「でも私は一回ハメたら二回目からはスルスルだったぞ。サイズもびっくりするぐらい私のと丁度好(よ)かったし」

綾「(くぁwwせdrftgyふじこlp)」バタ

カレン「やはり最初が肝心なのデスネ」

陽子「あと相性。これがダメだとあとが良くても全部台無しだよね。私は運よくいいヤツに当ったけど。カレンは?」

カレン「それが中々私のに合う子に巡り逢えなくてデスネ……。私って結構長くないとダメなんデスヨ。

気持ちのいいベストポイントまで届かないというか。ホラ、ポジションって大事じゃないデスカ」

陽子「そうなぁ。私も最初は毎回ちょっと位置ずらしてみるとかして調整してから楽しんでるよ。そっちの方が断然いい」

綾「」キュゥ

カレン「ちょっとしたポジションの違いで結構変わりますからねぇ。……ところでヨーコ、これを見てくだサイ」バッ

陽子「なになに…………えっ!?」

綾「」

カレン「コイツをどう思うデス?」

陽子「……そんな、カレンソッチは興味ないって言ってたじゃないか!」

カレン「それは先週までの話デス。実は先週ソッチに目覚めてしまいまして……ネ?」

綾「」

陽子「お、おいまさか……」

カレン「フフ、今ソッチの初めての娘は自室で私の帰りを待っていマス。しかしもう私は家まで待てまセン。

今日の授業はとても退屈でシタ。この鬱憤を学校で晴らさなければとても家まで持ちそうにないのデスヨ。

あとは……ソッチに興味のないヨーコでも分かりますヨネ?」スッ

陽子「や、やめろ。一週間で浮気とか優柔不断にも程があるだろ……っ!」ガタッ

カレン「いいのデスヨ。さっきも言いマシタ。私は例え浮気したとしても愛がありマス。

すべてを受け入れるだけの愛があるのデス。それは、ソッチの方も同じデ・ス・ヨ・?」

綾「」

陽子「ち、近い! 近いぞカレンっ! そんなことしたら家で待ってる子達が泣くぞ!

愛想つかされて何もしてくれなくなったらどうするんだよカレン!」

カレン「私が選んだ子達デスヨ? 愛想つかすなんてありえまセン。それよりヨーコは自分の心配をすべきなのデハ?」

陽子「じ、自分の心配? ……ふっ、私がこんなカレンの誘惑で惑わされると本気で思ってるの?」

カレン「その自信がどこまで続くでしょうカネ。見物デス。ヨーコは少し余裕ぶり過ぎなのデス。

今の私は快楽と欲望に飢えたはらぺこカレンなのデスヨ? この私を止められるものなどいまセン」

陽子「…………っ」

カレン「さて。準備もできたことデスシ、そろそろ始めますよ……っ」スッ

陽子「や、やめろっ。そんな見せびらかしたって私はカレンのを欲しがったりなんてしないからな! 絶っっっ対にっ!」

カレン「そう言っていられるのも今の内デス。じきにヨーコもこの今までにない快感がヤミツキになりますヨ…………んっ」

綾「」

綾「」

綾「」

忍「……あれ、カレンイヤホンなんてしてどうしたんですか? 何聴いてるんです?」

アリス「それよりアヤが廊下で失神してるんだけど!? 何があったの!? ねぇアヤったらぁ!?」

⑤-B 陽子「いかがわしいトークだと思った?」カレン「残念だったなぁ、『トリック』デスヨ」


カレン「――で、最近どうデスヨーコ? 『ヘッドフォン』の方は」

陽子「お、おい今それ聞く……?」

カレン「よいではないデスカ。むしろ『ヘッドフォン好きな私』だからコソできる相談なのデハ?」

陽子「ま、まぁ。……そうだな。カレンなら『ヘッドフォン派とかイヤホン派とか』気にせず話せるし」

カレン「でしょでしょ? さぁ、早く言うのデス。最近『買った新しいヘッドフォン』はどうなのデスカ?」

陽子「うーん。調子いいっちゃいいんだけどさー、なんか物足りないというか。ちょっと飽きが来ちゃってさ」

カレン「あー分かりマス。そんな時はキッパリサッパリバッサリ捨てちゃった方がいいと思いマスヨ?

そういうのに限って長く持ってしまったりしますカラ。物足りないのにズルズル引きずるのはあまりよろしくありまセン」

陽子「簡単に言うなぁ。捨てるって、『捨ててもすぐ買い直せるカレン』ならまだしも私がそんな簡単にできると思う?」

カレン「デスヨネー。ヨーコは一回惚れると冷めても我慢しちゃうクセありますからネー」

陽子「いいじゃんそっちの方が。後でまた好きになったりとかしたらどーすんのさ。

それに私はカレンと違って『そんなに持ってないからローテーション』とかできないんだからな」

カレン「とっかえひっかえだなんてひどいデスヨーコ。例え浮気しても私には愛がありマス。

そこにはれっきとしたLOVEがあるのデス! そんじょそこらのお金で愛を買うような輩と一緒にされては困りマスヨ奥さん」

陽子「だれが奥さんだ。でもカレンはいいよなー。『ヘッドフォン集めるの』やり始めてもう何年? イギリスにいた時からでしょ?」

カレン「もちのろんデスヨーコ。確かアレは10歳の誕生日だったと思いマス。いやぁあの日の夜は忘れられまセンヨ。

まさか誕生パーティーの後に『パパが手配した出張ヘッドフォンショップ』が待っていたトハ。当時の私は驚きと悦びでいっぱいいっぱいデシタ」

陽子「10歳で初体験とはカレンもませた娘だなぁ、アハハ」

カレン「そ、ソーユーヨーコはどうなのデスカ。私ばっかりズルイデスヨっ! ヨーコも教えるデス!」

陽子「私? 私は中二。最初はなんか軽ーい気持ちだったんだけど、気づいたらもうヤミツキになってて……」

カレン「あー分かりマス。中毒というやつデスヨネ。私はもう抜け出せないと分かったので早々に諦めて欲望に忠実になりマシタ」

陽子「私は結構葛藤あったなぁ。特に『外でヘッドフォンするの』はキツかった。

最初は他人の視線が怖くてろくに楽しめなかったよ……。カレンは?」

カレン「私はイギリスなのでそんなには。田舎ならまだしも都会では結構ザラな光景デスシ。

恥ずかしがったら負け、みたいな雰囲気あったデス。んまあ『外でヘッドフォン』するのに抵抗があるっていうのは一理ありマスネ」

陽子「いいなぁ。私もイギリスに生まれたかった……っ」

カレン「流石に今は平気デスヨネ?」

陽子「もっちろん」

陽子「むしろ私は『外でヘッドフォン付けて音楽聴く方』が好きかな。『音の解放感が』あるって言うか。

やってることは部屋とかと同じなのになんか外の方がいいんだよー。視覚効果ってあるもんだねぇ」

カレン「激しく同意デス。でも自室もいいデスヨー。誰にも邪魔されませんし、思う存分余韻に浸れマス」

陽子「カレンの場合はいいよ、部屋いっぱいあるしさ。私なんて狭いし壁薄いから音漏れるし、

そもそも妹たちいるから時間限られてくるし。邪魔ばっかりで余韻なんて浸ったことないよ」

カレン「だからこその外、という訳デスネ?」

陽子「そそ。人の目って言っても私の場合自分の家よりはマシだし、妹たちと違って直接的な邪魔もそうないし。

私は全国の同志に外をオススメしたいね。恥ずかしがらずに思い切って一度『ヘッドフォン付けて外に出て』みる。

そうやって外好きが増えてくれれば私の肩身も少しは広くなるんだけど……なかなか難しいかな」

カレン「日本人は恥ずかしがり屋ですからネー。一回ヤってみれば少しは変わると思うんデスガ……」

陽子「だよな。絶対ヤミツキになると思うんだけど。くぅ、日本全国の女子は損してるよ絶対!

こんな身近にこんないいことがあるのに、なんで気が付かないかなぁ」

カレン「仕方のないことデス。ヨーコだって最初は戸惑っていたのデスから」

陽子「でも私は『一回外で付けてみたら二回目からはスルスル付けて外に出れた』ぞ。

サイズもびっくりするぐらい『私の頭』と丁度好(よ)かったし」

カレン「やはり最初が肝心なのデスネ」

陽子「あと相性。これがダメだと『音質とか音の厚みとか』が良くても全部台無しだよね。

私は運よくいいヤツに当ったけど。カレンは?」

カレン「それが中々『私の頭にフィットするヘッドフォン』に巡り逢えなくてデスネ……。

私って『髪が体積とるのでヘッドフォンの長さが結構長くないとダメ』なんデスヨ。

『音漏れせず音の響きが均一にとれたベストポイント』まで届かないというか。ホラ、ポジションって大事じゃないデスカ」

陽子「そうなぁ。私も最初は毎回ちょっと位置ずらしてみるとかして調整してから楽しんでるよ。そっちの方が断然いい」

カレン「ちょっとしたポジションの違いで結構変わりますからねぇ。……ところでヨーコ、これを見てくだサイ」バッ

陽子「なになに…………えっ!?」

カレン「『新品未開封のカレン'sイヤホン2号』をどう思うデス?」

陽子「……そんな、カレン『イヤホン』は興味ないって言ってたじゃないか!」

カレン「それは先週までの話デス。実は先週『イヤホン』に目覚めてしまいまして……ネ?」

陽子「お、おいまさか……」

カレン「フフ、今『初めて買ったイヤホン1号』は自室で私の帰りを待っていマス。しかしもう私は家まで待てまセン。

今日の授業はとても退屈でシタ。『学校で新しいイヤホンで一曲聴いて帰らなければ』とても家まで持ちそうにないのデスヨ。

あとは……『イヤホン』に興味のないヨーコでも分かりますヨネ?」スッ

陽子「や、やめろ。『一週間で新しいの買って使っちゃう』とか優柔不断にも程があるだろ……っ!」ガタッ

カレン「いいのデスヨ。さっきも言いマシタ。私は例え浮気したとしても愛がありマス。

『所持しているすべての音響器具をローテで使うだけの愛』があるのデス。それは、『イヤホン』の方も同じデ・ス・ヨ・?」

陽子「ち、近い! 『イヤホンが耳に近いぞカレン』っ! そんなことしたら『家にあるヘッドフォン達』が泣くぞ!

『突然壊れたりとか故障したゴミかと勘違いされてお母さんに捨てられたりしたら』どうするんだよカレン!」

カレン「私が選んだ子達デスヨ? 『マムに捨てられる』なんてありえまセン。それよりヨーコは自分の心配をすべきなのデハ?」

陽子「じ、自分の心配? ……ふっ、私がこんな『新品未開封の見るからに高そうなイヤホンをこれ見よがしに開封し

ゆっくりと耳に取り付けるカレンの動作』で惑わされると本気で思ってるの?」

カレン「その自信がどこまで続くでしょうカネ。見物デス。ヨーコは少し余裕ぶり過ぎなのデス。

今の私は『音楽による癒しと曲を聴きたいという衝動』に飢えたはらぺこカレンなのデスヨ? この私を止められるものなどいまセン」

陽子「…………っ」

カレン「さて。『イヤホンをスマホに差し込み聴く曲も準備』できたことデスシ、そろそろ始めますよ……っ」スッ

陽子「や、やめろっ。そんな見せびらかしたって私はカレンのを欲しがったりなんてしないからな! 絶っっっ対にっ!」

カレン「そう言っていられるのも今の内デス。じきにヨーコもこの今までにない快感がヤミツキになりますヨ…………んっ」

――――――――――――

―――――――――

―――――

――




陽子「……というわけさ!」

カレン「デス!」マダチョットハダザム-イ クウキー

アリス「…………」

忍「…………」

アリス「……色々と無理ありすぎると思うんだけど」

忍「き、気にしたら負けですよアリス」

綾「」

⑥忍「ヘッドフォンと言えば……」


忍「まんがタイムきららMAX2013年7月号の表紙ですよね?」つ http://imgur.com/fyfhyYt

陽子「よくもまぁすぐにそんな古いもん出せるなしの。今どっから出してきたんだ……?」

アリス「わっ、カレンだぁ。かわいー」

カレン「フフ、それほどでもないデス」ドヤァ

陽子「言う割りにはちゃっかりドヤ顔してんじゃねぇか」

アリス「緑色のヘッドフォンなんて珍しいね」

カレン「Oh! そこに気付くとはアリスもお目が高い。今でこそカラーバリエーション豊富なヘッドフォンデスガ

数年前までは真っ黒で機械的なものが多く、ファッションとしてもあまり浸透していなかったのデス。

そんなヘッドフォン氷河期に巡り逢ったのがこの子なのデスヨ!」

忍「ほえ~」

陽子「どこのやつ? 見たことないデザインだけど……イギリスの? Bowers&WilkinsとかSPITFIREとか?」

カレン「イエ、特注デス。パパに頼んで作ってもらいマシタ」

陽子「巡り逢ってねぇ!?」

忍「アリスはイヤホン派なのですか?」

アリス「うーん、そうだねぇ。軽いし小さいから持ち運び便利だし、やっぱり音漏れがちょっとね」

忍「……ああ成る程。アリスの頭に合うサイズが無いのですね分かります」

アリス「分かってないよ!?」

カレン「おやおや、アリスはイヤホン派なのデスカ?」

陽子「えーヘッドフォンしようよアリスぅー。音漏れなんて耳に合った奴買えばそんなしないってー」

アリス「で、でもやっぱりあんな大きなもの頭にかぶって外出るなんて恥ずかしいよ……」

カレン「慣れデスヨ慣れ。一度付けて外に出れればアリスだってヘッドフォンの虜になるはずデース」

陽子「そうだぞアリス。イヤホンなんて音楽をまるで分ってない素人が使うもんさ」

忍「陽子ちゃんその言い方は全国のイヤホン派を敵に回してしまうのでは……?」

カレン「イヤホンでは再現できない音の厚み、響き、迫力。それをヘッドフォンは持っているのデスヨアリス。

J-popでもclassicでもjazでもrock musicでも、音楽聴くなら絶対ヘッドフォン一択デス!」

陽子「そそ。ちょっとイヤホンより値段張るけどそれ払ってまで買う価値あるよ――」


綾「ちょっと二人とも待ちなさい!」

アリス「あ、アヤおはよー」

陽子「いつの間に復活してたんだ……?」

カレン「と言うか何で倒れてたデス?」

忍「乙女ゆえの勘違い、ですよね綾ちゃん?」

綾「しのうるさいっ。……ちょ、ちょっとくも膜下出血で倒れてただけよっ」

陽子「滅茶苦茶重症じゃねぇか」

アリス「さ、流石に冗談だよね?」

綾「それより何なのさっきから。ヘッドフォンヘッドフォンって、あんな大きな機械のどこがいいのよ」

カレン「アヤもイヤホン派なのデスカ?」

綾「当たり前でしょ。あんなものくっ付けて外になんて出れないわよ。まぁ部屋の中だけってなら分かるけど……」

陽子「うっそー、綾はこっちの味方だと思ったんだけどなぁ」

アリス「これで2対2だね」

綾「と言うかまず女子高生があんなごっついもの被ってるって時点で少しは変だと思わないかしら。

確かに最近は結構可愛いデザインのもあるけど……それに聴いてる曲誰かに聞かれたりしたら怖いし」

陽子「何だ何だ? 綾は他人に聞かれたら困るような曲聴いてるのかー?」

カレン「Oh! きっとアヤは胸やけがするほど甘々なLovesongを毎日聴いているのデスネ! 分かりマス!」

綾「違うわよ! 普通よ普通。そりゃそういう曲もいくつかはあるけど、そればっかり聴いてるってわけじゃないわっ」

アリス「あ、でもいくつかあることは認めるんだ」

綾「それに何よりアレよ!」

カレン「アレ?」


綾「ヘッドフォンじゃ二人で分けられないじゃない!」


忍「分ける……?」

アリス「二人イヤホンってこと?」

カレン「みたいデスネ」

陽子「二人イヤホンとはまた今日も綾は乙女モード全開だなぁ」

綾「(そうよ。いつか私も、誰かとは言わないけど茶髪で髪の短い人と一緒にイヤホンで音楽を聴くのよ誰かとは言わないけど。

そして自然と顔が近づいたところでその誰かとは言わない誰かと見つめ合いそしてそのままうふふふふふ……)」

カレン「あ、アヤがどっか行っちゃたデス」

陽子「そう言えばしのだけまだ聞いてなかったけどしのはどっち派なの? イヤホン? ヘッドフォン?」

アリス「シノはやっぱりイヤホンだよね?」

カレン「イエ、ヘッドフォン派デス! ヘッドフォンの方が絶対シノの頭に似合いマス!」

忍「えっ、私ですか? え、えぇっとぉ……」

陽子「何だよしの。もったいぶってないで早く言えよー」

忍「こっ、この流れであまり言いたくないのですが……」

アリス「ってことはイヤホンなんだねシノっ!」

カレン「違いますヨアリス。流れ的に次はヘッドフォンのターンデスっ!」


忍「骨伝導です」


アリス「」

カレン「」

陽子「」

綾「(その時のために備えて『勝負イヤホン』買っておこうかしら。陽子と二人イヤホンするために…………あっ)」///

⑦忍「おや、どこからかお金の匂いが……」 アリス「1期があれば2期もある?」


カレン「皆さん聞いてくだサイ! 題代台第大ニュースデスっ!」バンッ

綾「どうしたのカレン。予測変換が外れ過ぎて泣いてるわよ」

アリス「何かあったの?」

カレン「イエ、実は靴下に穴が……」

陽子「……お、おう」

カレン「どしまショ……」

忍「あっ、私ソーイングセットありますよ。貸してください」

カレン「Oh! シノniseデス! 助かりマス!」ヌギヌギ

忍「うーん、このくらいならすぐ縫えると思います。ちょっと待っててください」チクチク

アリス「わわっ、シノお裁縫上手だねぇ」

陽子「そうだぞー。なんてったってしのの縫いものの腕は私のお墨付きだかんな!」

綾「ボタン付けるどころか玉結びすら怪しい陽子が何言ってんのよ」

忍「それにしてもまぁ随分履いてますねこの靴下。そこらじゅう生地が薄くなってます」チクチク

アリス「替え時だね」

陽子「…………」

綾「…………」

カレン「……あ、そういえばデスネ」

アリス「…………?」

忍「」チクチク


カレン「アニメ『きんいろモザイク』続編制作決定したらしいデスヨー」サラッ

綾「えええええええええ!?」

陽子「おいそっちの方が大ニュースだろ!」

アリス「カレンの中で靴下の穴の衝撃どんだけ大きかったの!?」

忍「……はい、できましたよカレン」

陽子「早ぇ!?」

カレン「Wow! 凄いですシノ! 何処縫ったのか全然分からないデスヨ!

こんな凄いことができちゃうシノには九条カレン裁縫検定準2級を差し上げるデース!」ハキハキ

綾「何て微妙な……」

忍「ところでアニメの続編……でしたっけ? 二期ですか?」

カレン「イエ、まだそこまでハ(2014年3月22日時点)」

陽子「ってことはOVAとか下手すりゃ劇場版ってのも可能性はあるわけだ」

アリス「劇場版が下手すればって表現もなんか変な感じだけどね」

カレン「そこでっ! 今日はアニメ続編による新たなグッズのアイデアを募りたいと思いマス!

名付けて、『私達の今後を考えようの会』~」ドンドンパフパフー

綾「なんか売れ残った娘が集まって開く会みたいな名前ね……」

カレン「今日のアヤはツッコミが厳しいデス」

忍「グッズですか。一期では扇子やグラス、Tシャツやバッグにタオル等

色々と作っていただきましたが……これ以上何か、と言われると……」

陽子「だなぁ。プレメモでカードも出しちゃったし、フィギュアだって出るんでしょ?」

アリス「私とシノが水着でカレンが制服だよね」

カレン「私のフィギュアはもうすぐ発売デスヨー! 皆さん買ってくださいネ!」

綾「(陽子と私のフィギュアはよ陽子と私のフィギュアはよ陽綾のフィギュアはよ陽綾のフィギュアはよ……)」

陽子「こうなったらイロモノ枠を狙っていくしかないな」

アリス「例えば?」

忍「そうですねぇ。アリスのかんざしをモチーフにした箸なんてどうでしょう?」

陽子「おっ、結構真面目な意見」

綾「片方だけ玉ついててなんだか持ちづらそうだわ」

カレン「そこはグッズ制作担当さんが何とかしてくれるでショウ。きっと」

陽子「んー、あとはあれかな。パーカーはもう出したから今度はカレンの髪留め! 2個セットでさ!」

忍「うーん、あんまり需要なさそうですねぇ」

アリス「じゃあこけしはこけし! そろそろシノのデザインのこけしを公式さんが作ってくれてもいいと思うんだけどっ」

綾「それ髪留めよりもっと……」

陽子「需要ないと思うなぁ」

忍「ではアリスの持っていた京和傘はどうでしょう? 普段の傘としても使えるので実用性バッチリです」

アリス「あ、あれ結構高いよシノ……?」

綾「コストはなるべく抑えたいわよね」

カレン「いやー難しいデスネー」

陽子「んまそれ本職にして稼いでる人だっているんだしさ。

私達みたいな一高校生が考えてそう簡単に作れるものじゃないんだよ、きっと」

忍「そんなものですかね……」

綾「そんなものよ」

アリス「そうだね」

カレン「……では最後に改めて続編決定のご挨拶でもしますカネ」

陽子「おっ、いいね。やろやろ」

カレン「じゃ行きマスヨー。せーのっ!」


忍「ゆゆ式!」 アリス「何言ってるのシノ!?」 綾「次こそは陽綾のフィギュアを出してくださいっ!(懇願)」

カレン「一期BDは10セット。続編のBDは少なくとも15セットは買ってくださいネ!」 陽子「まとまるどころか挨拶ですらねぇー!」


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