とある探偵のウニモヤシ (27)




上条さんと一通さんが青春を謳歌するss。二人は探偵事務所を経営しています。

もう一つ現行があるので更新不定期。

時系列人間関係むちゃくちゃ。再構成っぽい。

ホモじゃない。地の文はできるだけ削っていきます。




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1395448815





この街には、ある噂がある。その不透明な噂の実体を、230万人のうち、一体何人が知っているのだろう…。

それは、ある探偵事務所の噂。

『その探偵事務所に依頼すれば、必ず解決する』

『その事務所は、二人の少年によって経営されている』

『片や三二万八〇〇〇分の一の天才』

『片や超能力者と対等な力を持つ幻の無能力者』

その探偵事務所がどこにあるのか、誰も知らない。      written by R.S






ここはとあるファミリーレストラン



佐天「という噂が最近はやってるんですよ!!」


長い黒髪を踊らせながら、佐天涙子はガタンと音の立つ勢いで立ち上がった。未だ興奮覚めやらぬといった佐天に、店内の視線が一気に集まる。


白井「佐天さん、お静かに」


彼女を咎める声に、佐天は乾いた笑みを浮かべ後頭部をさすった。

佐天は噂や都市伝説のたぐいを愛する少女で、こういう話題になると生き生きするタイプだ。ついつい行き過ぎてしまう。

可愛らしいエプロンを着た店員が、チラチラと彼女たちの座るテーブルを気にしていた。


初春「そんな噂初めて聞きましたよ。ほんとよく色々収集してこれますね」


初春は笑い、そんなものがあったら風紀委員もかたなしですね、と呟く。

白井もウンウンと頷いた。


白井「ほんとですわ。探偵なんて。そんなものがなくてもこの街はわたくしたち風紀委員で間に合ってますの」



佐天「え~!でも本当だったらワクワクするじゃないですかぁ!」


御坂「そうね。超能力者なら会ってみたいわ。強そうなやつだったら勝負したいし」


まだ見ぬ敵にいきり立つ美琴に、白井は溜息をつく。ジト目をつくって美琴を睨む。


白井「お姉さまったらまたそのような…。もっと常盤台のエースとしての自覚を持ってもらいたいものですの」ハァ


御坂「いーじゃない別に!」


初春「御坂さんに張り合える人なんて、それこそ序列一位や二位の方でないと」


御坂「上の二人は会ったことどころか名前すらも知らないのよね。能力はなんとなく知ってるんだけど」


白井「この広すぎる学園都市で超能力者同士が鉢合わせるなんてあり得ませんもの。むしろあっては事ですの」


白井「どこかに、好戦的な超電磁砲(レベル5)がいますからね」チラッ



御坂「んなっ!?べ、べべ、別にそんなすぐに喧嘩したりしないわよ!」ウガーーッ


白井「どうだか。お姉さまは少々、いえかなり好戦的でいらっしゃいますから」


御坂「むむ!!」


佐天「そーいえばっ」


佐天「常盤台にはもう一人レベル5がいましたよね?」


御坂「あー…」


白井「…」


佐天「?」


初春「もしかしてあんまり仲が良くない…とか?」


白井「もう一人の方は少々変わった方でいらして、あまりお姉さまとはウマが合わないんですの」


佐天「そうなんですかぁ」


御坂「別に嫌ってるわけじゃないのよ?ただなんというか…その」


佐天「いえ別に。ただなんとなく聞いてみただけですから。それより私は例の探偵のほうが気になってるんです」


初春「なにか確証でもあるんですか?」


佐天「噂は不透明な方がゾクゾクするでしょ!わかってないな~初春は」フンス


初春「そ、そうですか」アハハ


佐天「きっとすごい能力持ってるんだろうな~」








上条「だぁぁー、暇だぁーーー」ワシャワシャ


ここは、上条当麻の学生寮兼探偵事務所。


一方「うっせーっての」グテー


上条「上条さんは暇で暇で…」


一方「夏休み初日からそれですかァ?なら補習行ってこいよ」


上条「なんのために血の滲む努力で勉強したかわかんなくなるだろ!」


上条「やっぱ表の看板だけじゃ無理があるのあねぇ」


一方「当然だろ。第一学生寮の前なんて誰が通るンだよ」


上条「そーだ!夏休みといえばバーベキューだろ?」


一方「まァわからくもねェな」


上条「土御門帰ってきたら表でやろーぜ」


一方「悪くねェなァ。土御門のヤツに材料買わせて」


上条「全部準備させて」


一方「人集めさせて」


幻想通行「「後片付けもさせる」」ニヤリ



上条「我ながら今日の上条さんは冴えてますのことよ」


一方「そォいやBBQなンて去年の夏以来じゃねェか?」


上条「確かにそうだな。お前の金で焼き肉は幾度となく行ったけど」


一方「そォだったな…あっ全額耳そろえて返せよ?」


上条「え…?」


一方「当然だろ。なンですかァ?上条くンは友達を財布扱いするンですかァ?」


上条「うぐ…。返しますよ、いつか」


一方「そォだよなァ。友人関係ってのは対等じゃねェといけねェよな」ウンウン


上条「い、依頼料だ!仕事するぞ一方通行ぁぁ!」


一方「依頼がくればいいンですけどねェ」



上条「それが問題だよな…」


上条「それより朝飯どうする?食べに行く?」


一方「オマエが作らねェならそうするしかねェな」





銀行


上条「あーやっと着きましたのことよ」


一方「なンで俺まで…」


上条「溜め込んだ依頼料から割くしかないですな~。ええい、羨ましいな超能力者」コンチキショー


一方「オマエが無能力者なのが悪いな」


上条「上条さんも好きで無能力者やってるわけじゃないんですけど…」


一方(俺に勝っといて無能力者ってのもムカつく話だよなァ)



上条「ん~っとATMATM…」


一方「逆だろ、右だっての」


強盗A「動くな!!」


ザワザワ


一方「?」


強盗B「いいか、妙な真似したらすぐに殺すぞ。ちなみに俺はレベル3の発火能力者。後の二人もレベル2だ」


強盗B「これがどういう意味かわかるよな?お前ら全員の命は俺たち次第ってことだ」


強盗C「死にたくなければ大人しくしろよ?おい、そこの!まずは非常用のシャッターを下ろせ!今すぐだ!」


銀行員「は、はいっ!」アタフタ


強盗A「いますぐここに一〇〇〇万詰めてもらおうか!」


銀行員2「はい…しょ、少々お待ちをっ」


強盗C「動くなよ―?よーしそれでいい」


上条「え~っといくら下ろそうかな」ピッピ


一方「とりあえず5万くらいでいいンじゃねェか?」


上条「そんなにいるかよ!バカかテメェ!このブルジョア!」ピッピ


強盗B「おいそこの二人!一体何してやがる!!」


一方「クカカ…貧乏人も大変だなァ」


強盗B「何やってんだコラ!!動くなっつったろ!!」




初春「はぁ~、パフェ美味しかったです!次はどこで食べます?」


御坂「え゙…まだ入るの初春さん」


初春「?当たり前じゃないですか。何言ってるんですか御坂さん」


御坂「…」


白井「…」


佐天「あ、相変わらずだね初春は」ハハハ


白井「さすが初春ですの…わたくしはもう入りませんわ」ハァ


御坂「あ、あははは」


白井「それにしても、今日は人が多いですわね」ミワタス


初春「確かに…学生だけじゃなくて、子供も多いですね」


御坂「ああ、それは多分、あれ。外から見学に来てるバスがあるから」ホラ アソコ



初春「懐かしいですねぇ。私も昔あれに乗ってきた覚えが―――って」


佐天「ん?どうかしたの初春?」


初春「いえ、あの銀行…」


白井「?」


初春「どうしてこんな時間からシャッターが閉まってるのかなーって」


御坂「どこどこ…?」


佐天「あ、ほんとだ」


白井「少し妙ですわね…、というか絶対おかしいですの。初春!とにかく参りますわよ!」タッタッタ


初春「あ、ちょっと待って下さい!今行きます」タッタッタ


御坂「ちょっ黒子――ッ!?」


白井「いけませんわ、お姉さま。治安維持は風紀委員のお仕事。


御坂「でも――


白井「お任せくださいな」


御坂「…うん、わかった。気をつけてね」


佐天「やっぱりあれって…銀行強盗、なんですかね?」


御坂「…多分ね」


御坂(とにかく、いつでも救援に迎えるようにしないと…)





上条「と、とりあえず一万円を大事に使おう」マタノゴリヨウヲー


一方「小物くせェ…」


上条「うるさいっ!学園都市の犬め!尻尾振って奨学金もらいやがってナニが偉いんだっ!」


一方「負け犬の遠吠えにしか聞こえないンですけどォ?」クカカ


上条「キーーーッ!!」プンプン


強盗C「くっそ、バカにしやがって!」


一方「おっと、土御門のやつにメール打っとかないとなァ」


強盗C「どうやら死にてぇらしいな」スタスタ


上条「ん?」


強盗C「見せしめだ!」


強盗A「おい、マジでやんのk――」


強盗B「うろたえてんじゃねぇぞ!」


強盗A「…」


強盗C「悪く思うなよ、テメェらが舐めた真似してるからだ」チャキ


上条「ひぃぃ~、な、ナイフ!?お、お助けえええ!」アトズサリ


強盗C「おら!」ビュン



強盗Cが刃渡り10cmのナイフを横に一閃する。しかし、上条は腰を抜かし尻餅をついたために無事だった。

上条のこめかみを冷や汗が伝う。じりじりと後ずさる上条の顔にははっきりとした恐れの色が見て取れた。


上条「たっ助かったーーー」ヒッヒッフー


強盗C「ふんっ…ど、どーやら悪運だけは強えらしいな」


強盗Cのナイフを握る右手が、なぜかワナワナと小刻みに震えていた。彼の顔にも冷や汗が伝っている。

上条は見逃さない。一方通行に言わせればくだらないの一言に尽きるが、上条は彼のような万能の力は持っていない。使える物はんだって使う。


上条「あーはっはっはっはっ」バンバン


強盗C「何がおかしい!て、テメェ!」


上条「なんだよその顔!その手つき!ぶぁっはっはっはっは」ハライテー


上条「そんな腰も引けまくりのスイングで当たるかっての。ばーーか!」


上条「ビビってんならこんなことすんじゃねぇよ。無能野郎(レベル2)!」


一方「レベル0がナァニのたまってンだか」


上条「そこっ!うるさいですよ!」


強盗C「くっ…くそ!あああああああああ」



座り込んだ上条の懐に潜りこむようにして、強盗Cがナイフを構え飛び込んでくる。上条は身体の後ろに手をつくと、伸ばした両足でナイフを挟んだ。

勢いを殺された強盗Cはピクリとも動かない。


上条「ひぃぃ!びっくりしたーーーっ!」


強盗C「は、はなせ!」


上条「マグレにしちゃ上手く行きすぎた~。あー怖かった」



強盗B「チッ、情けねぇ」

上条「まだ二匹居るようですね。アクセラさん、やってしまいなさい」


一方「助さん格さんみてーに言うンじゃねェ」


一方「まァ今日は機嫌がいいから少し痛い程度で済ませてやンよ」スタスタ


強盗C「やめっ…やめろぉぉ」メキメキボキバキドスゴトッ



強盗Cは物言わぬ体になった。


上条「え、えげつねー…」


一方「骨が折れた程度ですンでンだろ」



白井「風紀委員ですの!」


上条「はぁ!?何だ今の…ビュンって!」


一方「俺もはじめて見たが、どォやら空間移動系の能力者みてェだな」


上条「へぇ…空間移動ねぇ。しかも常盤台だ。高位能力者ってのは羨ましいですなー」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年05月31日 (土) 16:59:35   ID: aUF6vVQP

まだかなー

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