優希「京太郎の浮気を疑っているじぇ」 和「はい?」 (81)

和「どういう事ですか? 優希」

優希「私が勇気を出して告白してから3ヶ月経つけど……京太郎の行動が怪しいんだじょ」

和「全国大会終了後ですからもうそんなに経ちますか……具体的に言うと?」

優希「まず3ヶ月も経つのに私に何もしてこないんだじょ!」

和「」

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和「(優希はこんなにいやらしい子でしたでしょうか?)

和「そ、それはお互い未成年ですから清い交際でいようと考えて……」

優希「それでも!」

優希「それでも私も好きな人と手を繋いでみたいじょ!」

和「て、手ですか?」

優希「そうだじぇ」

優希「あ、後はキ、キスとか……それは大人にならないとやっぱり無理だじぇ!」カオマッカ

和「優希はそのままの純粋な優希でいてくださいね」

優希「何の話だじぇ?」

和「何でもありませんよ」

和「しかし手を出さないからといって浮気してるとは限りませんよ?」

優希「それはそうだけど……」

和「須賀君に他の女性の影でも見えるんですか?」

優希「観察してみたけど京太郎に女の影は皆無だったじぇ」

和「じゃあそれでもう話は終わりじゃないですか?」

優希「……1人とっても京太郎に近い存在がいるんだじぇ」

和「誰ですか?」

優希「ハギヨシさん」

和「ハギヨシさんって確か龍門渕の執事さんでしたよね?」

優希「全国大会の時に京太郎のホテルの隣にいてタコスの作り方を教わったらしい」

和「あれ以来、須賀君の作るタコス凄い美味しくなりましたよね」

優希「私と一緒にいるときでも1日1回はハギヨシさんの話になるんだじぇ」

優希「ハギヨシさんならこうしたとかハギヨシさんと何したとか」

和「す、須賀君にとってハギヨシさんは尊敬出来る師匠で、数少ない同性の友人なんですよ! きっと」

優希「友人なら男同士でも宝飾店に行くのか?」

和「え?」

優希「私が日課のタコス店巡りをしていたらたまたま2人を見つけたんだじぇ」

優希「遠目からだったからよくはわからないけど、2人で楽しそうに指輪を買っているのは見えたじょ」

和「……」

優希「京太郎の事が好きだから信じたいけど、あれを見ると心が揺らぐじぇ」

和「須賀君に問い質しますか?」

優希「京太郎に直接聞くのは怖い」

和「なら一体……」

優希「京太郎は今週の日曜日ハギヨシさんと遊びに行くらしい」

優希「だからそこで浮気している決定的瞬間を見つけるために尾行する!」

和「び、尾行ですか?!」

優希「1人じゃ不安だから、のどちゃんにもついて来て欲しい」

和「すみませんが優希の頼みとは言えそのような事は……」

優希「……ついて来てくれたら、のどちゃんが咲ちゃんと付き合えるように手を貸すじょ」ボソッ

和「優希と須賀君は大切な部活の仲間ですからね! しっかりついて行きますよ!」サキサンカワイイサキサンカワイイ

優希「それでこそのどちゃんだじぇ」

日曜日

優希「あそこが待ち合わせ場所のはずだじぇ」

和「待ち合わせは12時じゃないんですか? 30分も早いですよ」

和「2人とも来てるわけ……」

優希「ハギヨシさんがいるじょ!」

和「……さすがハギヨシさんですね」

優希「お休みの日なのに執事服だじょ」

和「それでもハギヨシさんなら違和感がありませんね……須賀君も来ましたね」

優希「私とのデートの時は時間ギリギリでダラダラ来るくせにぃ」グヌヌ

和「須賀君の服装は、まぁ普通ですかね?」

優希「いつもは崩した着こなしをしてるくせに今日はシャツのボタンを1番上までしてるじょ」

和「さすがよく見ていますね」

優希「?! ハギヨシさんが京太郎の顔に近付いてるじぇ! 何する気だ?!」

和「落ち着いて下さい優希」

和「髪に付いてたゴミを取っただけみたいですよ?」

優希「何だ、焦ったじぇ」フゥー

和「移動するみたいですよ」

優希「追いかけるじぇ!」

イタリアンカフェ・クリアフラワー

優希「どうやらここでお昼みたいだな」

和「オシャレなお店ですね」

和「ところで優希、私たちのお昼は?」

優希「持って来てるじぇ」ホレ

和「須賀君たちはイタリアンで、私たちはコンビニのパンですか」タコスパン

優希「パスタ1人前ずつと、2人で食べるピザを1人前頼んでるじょ」モグモグ

和「美味しそうですね」モグモグ

優希「京太郎の奴ハギヨシさんのパスタを少し味見したじょ!」

和「子供のように無邪気に笑ってますね須賀君」

和「彼にとってみたら、ハギヨシさんは兄のように付き合える年上の友人なのかもしれませんね」

優希「……」

和「(しかし本当に美味しそうです……咲さんとのデートには是非ここに来ましょう!)」メモメモ

優希「食べ終わって移動するみたいだじぇ! のどちゃん付いてきて!」

その比較も書けばよかった
大体タコス屋という脳内補完でお願いします

ボーリング場・バーニングレジェンド

優希「2人でボーリングするみたいだじぇ」

和「入店する以上は私たちもプレイしながら監視するしかありませんね(ボーリングなんて初体験です!)」ドキドキ

カコーン レジェンドストラーイク

優希「さっきからハギヨシさんストライクしか出してないじぇ」

和「ボ、ボーリングの玉って重いんですね」フラフラ

優希「……のどちゃんが持つとおっぱいが3つあるみたいだじぇ」

優希「京太郎のスコアは普通だな」

優希「ん? ハギヨシさんが京太郎に近づいて」

優希「フォームの指導をしてるじぇ!」

優希「あんなに体を密着させながら教える必要あるのかぁ?」グヌヌヌ

和「優希! 見てください! ピンが3本も倒れましたよ!」キャッキャッ

ゲームセンター・アコシーズ

和「す、すごいうるさい場所ですねここは」

優希「ゲームセンターは私も京太郎とよく来るじょ!」

和「しかしハギヨシさんがゲームをする所なんてイメージできませんね」

優希「レーシングゲームをするみたいだじぇ……す、すごいハンドル捌きだじょ!?」

和「手の動きが見えませんね」

ピロピロピン ハイスコアー ヤルジャンアンタ♪

和「軽くハイスコアを更新」

優希「京太郎の目がすごい輝いているじぇ」グヌウ

和「次は……ダンスゲームですか? 須賀君も協力プレイでやるみたいですね」

優希「さ、最高難度の曲を2人とも軽々プレイしてるじぇ! しかも息ピッタリに!」

優希「またハイスコアを更新してるじょ……ハギヨシさんなんて汗ひとつかいてないし」

和「ふむ、このクレーンゲームの景品は限定エトペンジュースくんコラボですか 是非欲しいですね」

カラオケ店・ヒサックス

和「次はカラオケ屋さんですか」

優希「個室で2人きりなんて怪しすぎるじょ! 私たちも入るじぇ!」

和「は、はい!(カラオケ屋さんなんてこれまた初めて入ります!)」ドキドキ

和「個室と言っても結構広いんですね」ソワソワ

優希「無事2人の個室の隣りに入る事が出来たじぇ」

和「私たちもせっかくだから何か歌いませんか?! ねぇ、優希!」ワクワク

優希「うるさいのどちゃん! 隣りの音が聞こえないじょ!」

和「すみません」シュン

ヒトミヲトジテーキミヲエガクヨー♪

モウコイナンテシナイナンテーイワナイイヨゼッタイー♪

優希「平井堅や槇原敬之の名曲が聞こえてくるじぇ」

和「ハギヨシさんは良い声してますね、須賀君も上手いですけど時々甲高い声になるのは何故でしょう?」

優希「京太郎の奴私と来るときよりも楽しそうな気がするじぇ」グヌヌ

和「次の曲は……ラブトゥギャザーという曲ですかね? 私普段はクラシックしか聞きませんが良い曲ですね」

優希「結局カラオケ屋ではずっと歌ってただけみたいだじょ」

和「それが当たり前ですけどね」

優希「カラオケ屋を出て行った先は……アラフォーの森公園?! 夕暮れ時の公園なんてロマンチックすぎるじょ! 何する気だ!」

和「たくさん歌ってたから休憩しにきただけじゃないですか?……ってあれ? 2人の姿が見えませんよ?」

優希「何?! どこいった? まさか茂みに隠れて何かしてるんじゃ」

「誰を探してるんだ?」

優希「そんなの決まってるじぇ! 私の犬とハギヨシさんを……」

「付き合う時に犬って呼ばないって約束したよな? 優希」

優希「その声は……京太郎?!」

和「とハギヨシさん」

ハギヨシ「こんばんは片岡さん、原村さん」ニッコリ

京太郎「昼から俺たちの事監視してたよな?」

優希「な、何の事かだじぇ」アセアセ

京太郎「トボけても無駄だぞ、ハギヨシさんにはバレバレなんだから」

ハギヨシ「私が京太郎君に会う前からお二方に見られているのには気付いておりましたので」

ハギヨシ「京太郎君には会うなり耳元でコッソリと教えておいたんです」ニコッ

京太郎「理由を話してくれるよな?」

和「じ、実はたまたまといいますかオカルトといいますか……」アワワワ

優希「のどちゃん!」

優希「のどちゃんが言い訳する必要ないんだじょ」

和「……優希」

優希「京太郎」

京太郎「おう」

優希「この際だからハッキリ聞くじょ! お前ハギヨシさんと浮気してるだろ?!」

京太郎「はぁ?! 何言ってんだお前?」

優希「トボけても無駄だじぇ! 2人の仲の良さでバレバレだじょ!」

京太郎「何だよ仲の良さって?」

優希「私と行ったこともないようなオシャレなイタリアンでご飯を食べてた!」

京太郎「それはお前がいつもタコス、タコス言うからだろうが」

京太郎「それでもいつかお前と行こうと思ってハギヨシさんに連れて行ってもらったんだよ」

優希「ハ、ハギヨシさんのパスタを味見してた!」

京太郎「あそこのパスタすげぇ美味かったからハギヨシさんの食べてるのが気になっただけだよ」

京太郎「お前だってよく咲や和の弁当からおかずもらってるじゃねぇか」

優希「うっ」

優希「ボ、ボーリング場で体を密着させながら指導されてた!」

京太郎「ハギヨシさんは鷺森流ボーリング術を免許皆伝してるんだよ」

ハギヨシ「鷺森流の教え方は代々あの教え方しかありませんからね」ニコ

京太郎「実際俺も教えられたらすぐにスコア伸びたし」

優希「ゲ、ゲームセンターで息ピッタリ踊ったり! カラオケで歌ったり!」

京太郎「それは普通の遊びだろうが」

京太郎「俺もハギヨシさんもこう見えて色々と鬱憤が溜まっていたりするからさ、
たまにはこうして息抜きに一緒に遊んでいるだけだって」

京太郎「ハギヨシさんは俺にとって師匠であり親友なんだから仲が良いのなんて当たり前だろ? 第一俺たちは男同士だぞ?」ハハッ

優希「男同士なのに何で宝飾店なんかに行ってた! 楽しそうに指輪なんて買ってた! 見てたんだからな私は!」ジワァ

京太郎「それは……」チラッ

ハギヨシ「……」

京太郎「……」

優希「や、やっぱり2人は本当に
付き合って……グスッグスッウワァァァン」ポロポロ

和「ゆ、優希! 須賀君あなたは……」キッ

京太郎「……顔を上げろよ優希」

優希「うぅぅぅぅ、グスッグスッ」ポロポロ

京太郎「優希!」

優希「?!」ビクッ

京太郎「ほらっ」パカッ

優希「これは、指輪?」グスッ

京太郎「俺たち付き合ってもう3ヶ月だろ? その記念にと思ってハギヨシさんと一緒に指輪を買いに行ったんだ」

京太郎「女の子が喜ぶ指輪なんて俺分からないからさ、ハギヨシさんにアドバイスもらおうと思ったんだよ」

ハギヨシ「私はたいしたアドバイスなんてしてませんよ、京太郎君が一生懸命選んだ物なら相手の方は喜ぶだろうと言っただけです」

優希「こ、これを私に?」グスッ

京太郎「お前以外に誰がいるんだよ? あーあ、本当はもっとロマンチックに渡そうと思ってたんだぜ?」

優希「そ、それはスマン……私京太郎の事信じきれなくて」ポロポロ

京太郎「俺もお前の気持ち全然気づけてなかったんだからお互い様だよ」

優希「でもぉ……でもぉ……グスッグスッ」ボロボロ

京太郎「もう分かったから泣くな! 手を出せよ、ほら」ギュッ

優希「あっ」

京太郎「おっ? ピッタリだな、どうだ? 気に入ったか?」

優希「……する」ポロポロ

京太郎「ん?」

優希「一生大事にする」ポロポロ

京太郎「……おう」ニッ

和「良かったですね優希」ジワッ

ハギヨシ「……」ニコニコ

優希「京太郎は一緒に帰らないのか?」テヲツナギ

京太郎「俺はまだハギヨシさんに用事があるからな、優希は和と一緒に先に帰っててくれ」テヲツナギ

優希「ん……分かった」

京太郎「和、優希を頼むな」

和「分かりました……帰りましょう優希」

優希「分かったじぇ」

優希「あっ京太郎髪にゴミ付いてるぞ? 取ってやるからちょっとしゃがめ」

京太郎「ん?おう」シャガミ

優希「チュッ」

京太郎「」

和「ほっぺにキス……」

優希「エヘヘへッ、また明日学校でな京太郎! 行くぞのどちゃん!」ダッ

和「待って下さい! 優希!」ダッ

コレカラサキサンコウリャクノハナシアイヲー

ソレハマタコンドー


優希「大好きだじぇー! 京太郎!」



優希編ハッピーエンド

ハギヨシ「……行きましたね」

京太郎「何かすいません、ハギヨシさん」

ハギヨシ「いえいえ、たまにはこういうハプニングも楽しいものですよ?」クスクス

ハギヨシ「とはいえ……大正解でしたね、あの時ついでに指輪も買っていたのは」

ファッ!?

間違えた
恥ずかしい

ハギヨシ「京太郎君、シャツのボタンを外してくれますか?」

京太郎「はい」プチップチッ

ハギヨシ「……やはり似合いますね、あの時買ってあげた特注の首輪は」

京太郎「俺も嬉しいです」

ハギヨシ「先程のやり取りを見ていると、片岡さんには申し訳ないですね」

京太郎「俺も優希には悪いと思いますけど、2人の関係を続けていくにはカモフラージュも必要です」

ハギヨシ「そうですね……ところで京太郎君、あなたはまだ片岡さんに犬と呼ばせているのですか?」

京太郎「あ、あれはあの時優希がテンパっていて呼んだだけで、もう呼ばせていません!」

ハギヨシ「本当ですかね? まあ、いいでしょう……これから一晩かけてあなたが誰の犬なのか教えて差し上げますから」ニコニコ

ハギヨシ「良い声で哭いてくださいよ? 私のわんこ君?」ニッコリ

京太郎「はい、ご主人様」ニコッ


ハギヨシハッピーエンド

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