女「ある閉鎖居住区を安価で探訪」 (102)

安価SSです
SS初心者なので、何かおかしなところや不便があったらご指摘ください

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1395384601

ストーリーの分岐地点で安価をします

ストーリーの本筋は、ドームで全体が覆われた謎の場所を探索する形です

なるべく理不尽な即死(①右へ進む ②左へ進む などの運任せな選択)は避けます

安価は選択肢以外は取りません
無関係の内容だった場合は下を取ります

以上、基本的な注意書きです
では、よければお付き合いください


ギィ… ギィ…

女「…ん……んう…」

女「んんっ……あれ…? なに…どこ、ここ…」

ギッ
女「……なんで私、縛られてるの」

女「真っ白で、何もない部屋…。広くはないけど物がないから狭くもない…」

女「ベッドと縄と私」

女「アハッ。うん。うんうんっ」

女「犯罪の匂いがするね」


ガチャッ
ピエロ「わおッ、目が覚めたー? いいネッいいネッ。グッドタイミングねーッ」

女「誰てめぇ」

ピエロ「噛みつく元気あっていいネーッ。ンー、それ大事ヨー? 元気がイチバンッ!」

ピエロ「活きがいいのほど売れ行きもいいネッ」

女「ここはどこ? この状況なに? なんで私が縛られてるのよ。差し支えなければコレ解いてくれない?」

ピエロ「オーケーオーケー! ンー、いくヨ? 出番だヨ!」パンパン!

女「聞けよ赤っ鼻」

ピエロ「野郎ども! 商品を運びな!」

ウィースッ ゾロゾロ… ヨイショーッ エッホエッホ

女「ゴツいのいっぱいきた!? ちょっ…なに!? 触んな持ち上げんな! キモいキモい!」


-ショーステージ-

ザワザワ…ザワザワ…

ピエロ「レディーーースッ! エーンド、ジェントルメーン!」

ピエロ「大変長らくお待たせしましたーッ! てめえらクソどものために上物仕入れてきたぜ! ケツ振って喜べオラァッ!」

ピエロ「全財産下ろしてきたか!? お家を担保に入れる心の準備はオーケー!?」

ピエロ「破産上等! 欲しいもんは欲しい! 後先考えず吊り上げな!」

ピエロ「アッそうそうッ…急なご融資が入用なら当イベント主催のニコニコ金融をご贔屓にネッ!」ドッ HAHAHA!

ピエロ「そ・れ・で・はーッ、本日のメーーンイベント!」



ピエロ「奴隷競売のお時間だーーーッ!!」

ワアアアァァーーーー!!!!


女「……奴隷って」キョロキョロ

ポツーン

女「……私?」

スポットライト パッ
女「眩しッ!」


ピエロ「本日の奴隷はこのコ! ンー、とびっきりの美少女だネーッ」

ホウ… カワイイ チョーイケテンジャン フンフム ドヨドヨ…

ピエロ「このカワイコちゃんを落とすのは会場のどなたかなッ!? さあーッ泣いても笑っても一度きり! 競売…開始ぃッ!」


令嬢「…………」スッ

ピエロ「おおーっと! いきなり大台! 令嬢氏、100万から!」

撫子「…………」スッ

ピエロ「負けじと撫子氏! 倍UPだァーッ!」

ゆるふわ「…………」スッ

ピエロ「さらにドンッ! ゆるふわ氏が割って入る! これは混戦になってきたネー!」

縦ロール「…………」スッ

女医「…………」スッ

派手スーツ「…………」スッ

ピエロ「主役はバベルだけじゃねえッ! ここで一気に参加者乱入ゥーッ!」


令嬢「…………」スッ

撫子「…………」スッ

縦ロール「……くっ」スッ

令嬢「…………」チラ… スッ

ピエロ「令嬢氏、ここでなんと倍! 悠々と桁を超えたーーッ!」

縦ロール「うっ…くうぅッ……」ガクッ

女医「……相変わらず高いな」ハァ

クッソ マタカヨ ヤッテランネー メゲルワ…


令嬢「…………」フフッ

撫子「…………」スッ

ピエロ「撫子氏が喰らいつく! 余裕の顔であっさり二本上げ! てめーには渡さねえ! 対抗意識バリバリーッ」

令嬢「…………」ムッ スッ

撫子「…………」スッ

ゆるふわ「…………」スッ

ピエロ「やっぱ金持ちには勝てねえやッ! 競り合いはバベル勢に絞られてきた! ヒャッハーッ貧乏人は引っ込んでなァ!」


撫子「…………」ンー スッ

令嬢「…………」スッ

ピエロ「令嬢氏、迷いなし! プールは底無しかーッ!」


女「……当事者置いてきぼりなんだけど。なんなの。マジで説明欲しい」

女「なんか、この競りって私のことが懸けられてるっぽいけど…」

女「奴隷とか言ってたし。ガチでヤバイのかも」

女「でも手足縛られてて逃げられないからなぁ…どうしよ…」ウーン


カーーンッ

ピエロ「終ーーー了ーーーッ! 入札けってーーい!」

女「えっ、ヤバッ…全然聞いてなかった!」

ピエロ「栄えあるご主人様になったのは……この方だーーッ!」



安価>>10
1 令嬢
2 撫子
3 ゆるふわ

2

安価>>10

撫子「うふふ……やった! やりました!」ピョンピョン

女(よかった…なんとなくいいひとそうな女の子で)

撫子「~~♪」ゴキゲン

女(…綺麗な人。ストレートの黒髪に高そうな着物…お金持ちの雰囲気が出てる)ホレボレ

撫子「…あら。女さん、こんな手荒に縛られて…可哀想」

撫子「すぐに解いて差し上げて」

ウィースッ ホドキホドキ…

女(やっぱりいいひと。よし…とにかくいろいろ教えてもらわなきゃ!)

女「あのっ、ちょっとアンタに訊きたいんだけど!」

撫子「あら? んー。うふふ。いけませんわ、そんな口の聞き方」

女「…え?」

撫子「お聞かせ願えますか、ご主人様……でしょう?」


女「ご主人様…って」

撫子「私が女さんを買い取ったのです。だから私が、女さんのご主人様。おわかり?」

女「いや、だから。そもそも買い取るってなに?」

撫子「それが奴隷競売のルールですから」

女「人権どこいったの? 私の意思は?」

撫子「あら。女さんに意思なんてあるのですか?」

女「なに言ってんの…。あるに決まって…」

女「……あれ?」


女「うそ……わかんない」

女「なんで…こんなことって…」

女「…ねえ。アンタ」ジロッ

女「ここは、どこなの?」

女「あと何より気になるのが。……私、自分が誰なのか全くわからない」

女「思い出せない。全然。あの部屋で目が覚める前のことが、ひとつも思い浮かばない」

女「記憶喪失――って言うのかな」


撫子「そうですね。女さんは記憶喪失です」

撫子「あまり気に病まないでくださいね。それが自然なのです」

女「自然って…」

撫子「まあまあ、いいじゃないですか。それよりもっと喜んでください。私に買われたことを」ニコッ

撫子「では失礼して」ガチャンッ

女「……あのさ。なんで首輪かけるわけ?」

撫子「私のモノですから」

撫子「では参りましょう。私たちの愛の巣に」ニコニコ


-居住区-

ブロロロロ…

撫子「車の乗り心地はどうですか? うふ、実は自慢の逸品でして。ここでは自家用車を持てる人は一握りなんですよ」

女「…空が無い」ジーッ

女「さっき、ゲートをくぐってきたトコも同じだったけど。ここって全部、天井がドームで覆われてるの?」

撫子「はい。この居住区を含め、街1つがまるごとドームに収まっています」

撫子「先ほど南ゲートをくぐってきたのが遊戯区。様々な催しが行われる場所ですわ」

撫子「ここは娯楽に乏しいですから。多少の刺激もなければ、みんな退屈で参ってしまいます」ウフフ

女「…人身売買も娯楽だってこと?」

撫子「遊戯区では、ちょっとだけ背徳にも目をつぶるのです」

撫子「…さあ、見えてきましたよ。あの高層建築が『バベル』……私の家で、今日から女さんの住処になります」


-バベル-

女「でか! メチャクチャ高い! え、何階あんの…? これが撫子の家って、どんだけの大富豪よ?」

撫子「あら…ごめんなさい。誤解させてしまいましたね。私を含め、ドームの住民の限られた人間が、ここを住居としていまして」

撫子「ほかにも行政の会議場や、庁舎としての機能も備えていますが」

撫子「まあいずれにせよここの中心地は、このバベルだということです」

女「…つまり、金持ちだけが入れる高級住宅地ってこと?」

撫子「そうとも言えますね」ニコ

女「あからさまな選民意識…」

撫子「ああ、それと。先ほどの競売で争った何人かは、同じバベルの住人ですので」

撫子「声かけられても、ついてっちゃダメですよ?」

女「…それってご主人様の命令?」

撫子「いいえ。ただの独占欲です」ニコリ


-撫子の家-

撫子「こちらが私の家です。自由にくつろいでくださいね」

女「…でかい。広い。豪華」

女「掃除するだけで骨が折れそう…。で、私は何すればいいの? 家事全般? それとも別に仕事があるの?」

撫子「特には。家事は家政ロボットがやりますので……女さんは、そうですね。好きに寝起きして、好きな時に好きなことをしててください」

女「……奴隷なんでしょ?」

撫子「はい。女さんに自由はありませんっ」ウフフ

女「とても自由に思えるんだけど…」

撫子「女さんが、私のそばにいてくださればいいんです」

撫子「鬱屈する日々の癒し…そんなところですね」ニコ

女「んー。じゃあ…」



安価>>19
1 ゴロゴロする
2 やっぱり何か仕事を探す

2

>>19

女「やっぱり何もしないってわけにいかないしさ。何かないかな、やること」

撫子「やること…」ウーン

女「やってほしいこととか…」

撫子「女さんにやってほしいこと…そうですねぇ」

撫子「……耳掻き、とか」テレ

女「耳掻き?」

撫子「い、嫌ならいいですよ? 我がまま言ってごめんなさいっ」アタフタ

女「だから奴隷の待遇じゃないって…」

女「…ん。いいよ、そのくらい。お安い御用」ポンポン

撫子「い、いいんですか? しかも膝枕で…?」

女「うん。ほら、おいで」

撫子「……で、では失礼して」ゴロン

女「~~♪」カキカキ

撫子「あっ…スゴ…気持ちいいです…」

撫子「……嬉しい。女さん…」


撫子「女さん。これから二人で暮らすにあたって、いくつか守っていただきたいルールがあります」

女「ルール?」

撫子「はい。主なルールは3つ」

撫子「1つ。夜間は、ゲートをくぐって居住区以外に行かないこと」

撫子「2つ。ドームの『外』へ興味を持たないこと」

撫子「3つ。資格の無い者は、バベルに立ち入らぬこと」

撫子「…女さんは私の奴隷ですから、3つ目のルールは適用外です」

撫子「ただし。資格の無い者をバベルに入れる手引きをした場合、同罪となります」

撫子「細かくは他にもありますが、重要なのはこの三原則です」

撫子「守ってくださいね?」ニコ

女「…うん。わかった、けど」



安価>>22
1 三原則の1について訊く
2 三原則の2について訊く
3 三原則の3について訊く
4 何も訊かない

>>22

女「……わかったよ。三原則のルールを守ればいいんでしょ?」

撫子「はいっ。さすが女さんです、賢いっ」

女「なんかバカにされてない? いいけど…」

撫子「そろそろお食事にしましょうか。あまり大したものはお出しできませんが」

撫子「そちらの食卓に座ってお待ちください。今、調理させますので」

女「食事も家政ロボットがやるんだっけ? ハイテクだなぁ…」

ウィーーン カチャカチャ ホカホカ…

女「…テーブルの真ん中から自動で食べ物が出てきた」

女「しかもフレンチのフルコース…」ゴクリ

撫子「女さん、ワインは何がよろしいですか?」イソイソ


-翌日-

女「…ん。朝…だよね。日光とかないからよくわかんないけど…」

女「てか、窓もないんだよね、ここ…。ドームのせいで陽射しシャットアウトだから、そういう構造なのかな」

女「撫子は……いない」

カサ…
女「書き置き…?」


『女さんへ。小用のため外出してきます』

『女さんを一人にするのは心残りですが、これもバベルの務めですので仕方ありません』

『午後までは好きになさって構いません。夕方には帰ります』

『あなたのご主人様より』


女「仕事なのかな。見た感じ、私と歳の差なさそうだし、学生なのかと思ってたけど」

女「…私も外出していいってことだよね」



安価>>25
1 街に出てみる
2 外出しない

1

すいません
ご飯食べてきます

お待たせしました

再開します

>>25

-居住区 市街-

ワイワイ ガヤガヤ…

女「おお…けっこう人いるんだ」

女「この居住区ってかなり広いみたい。端から端までが目視できないし…街1個ってのは大袈裟じゃなさそう」

女「中央の大通りに商店や屋台が立ち並んでて」

女「側道には人家や集合住宅がいっぱい」

女「大きい建物は、病院や学校、駅、森林公園もある」

女「駅は…路面電車だ。車両は一両編成。けっこう乗ってるな……これがドームの人たちの足っぽい」

女「上空には高架水道と、街灯もたくさん。電気があってインフラはしっかりしてる」

女「…こうして見ると本当にバベルは特別扱いなんだ」

女「パッと見は柵も塀もないのに、強力な電磁波のバリアみたいのが周りを囲ってる。……これ、触ったら痛いじゃすまないよ」ゾッ

女「さて、どこに行こっか…」

?「あっれー! 女じゃん!」

女「ん?」クルッ

ビッチ「うわー! チョー久しぶりー! やだメッチャ嬉しーんだけど!」


女(うわ…すごいカッコ。超ギリギリのミニスカ、ブラチラのキャミ……絶対はしたないコだ、このコ)ヒキ…

ビッチ「やーんもー嬉しいー! 嬉しいよー! 抱いて!」ダキッ

女「いやいや、そっちが抱きついてきてるからっ」アセ

女「てか離して…まず、誰なのアンタ? 私を知ってる…?」

ビッチ「ほえ? あっ、そっか…そっかそっかー。だよね。ねー…」

ビッチ「……あたしのこと、憶えてないよね」

女「…ごめん。私、なんか記憶喪失みたいでさ。自分のことも忘れてるくらいで」

ビッチ「……ん」シュン

女「あ、あの…ホント、ごめんね? もしかして…私とあなた、友達とかだった?」

ビッチ「セフレ」

女「え゛……」

ビッチ「…アハッ! ジョーダンだってー! トモダチ、トモダチ! も、ガチでバリ仲良かったし!」

ビッチ「つーかダチのこと忘れるとかないわー。まじ引くし!」

女「ご、ゴメン?」

ビッチ「まっ、いーよね! 忘れたってまた仲良しになればいーよ!」

ビッチ「あたし、ビッチっての。よろしくねー女!」


-居住区 カフェ-

ビッチ「へー。撫子んトコにいんだ? じゃーバベルかー…勝ち組じゃん。上手くやったな、このーっ」ウリウリ

女「私の意思じゃないって…競売で買われたの」ハァ

ビッチ「女は人気あったもんねー。あいつら盛りまくって張り合ったんだろーね!」キャハハッ

女(…誰のこと言ってんのか大体わかっちゃうな)

ビッチ「で、女はここで何してんのー?」

女「せっかくだから居住区を見物にね。撫子の家にいても暇だし…」

女「…そうだ。ちょっと訊きたいんだけど」



安価>>35
1 ドームの構造について
2 バベルについて
3 三原則について

3

>>35

女「三原則のことで、教えてほしいことがあって」

ビッチ「あ、それ訊いちゃう? 訊いちゃう系?」

女「一応、撫子から三原則のルールは聞いたけど。なんか、それ以上踏み込めなくって」アハハ

女「…三原則を破った場合、どうなるの?」

ビッチ「うーんとね」

ビッチ「死ぬかも?」テヘッ


女「……死ぬって。ちょっと」タラリ

ビッチ「フツーはどれに抵触してもアウトだけどー。女だったら、2つ目と3つ目はギリセーフかもね」

女「2つ目と3つ目って…」

ビッチ「ドームの『外』に興味持つなってのと、バベルに入るなってヤツ」

女「ああ。バベルの方は、私は免除だって言われた」

ビッチ「…正確には女でもバベルで触れちゃダメなトコあんだけどー」

ビッチ「とにかく。1つ目はガチだから」

女「夜間はゲートを出るな、ってルール?」

ビッチ「そーそー。それ破ったらね…」



ビッチ「食べられちゃうよ――『怪物』に」


女「怪物……?」

ビッチ「ドームにはねー。怪物が棲んでるの」チューチュー

ビッチ「昼のあいだはお寝んねしてっけどー」プハッ

ビッチ「夜になったら、ドームの外郭部を徘徊してんの」ココア アマーイ

ビッチ「居住区のゲートの外……外郭部は全部繋がってるらしくて」

ビッチ「夜毎ぐるぐる獲物を探して、うろついてんだってー」

女(ふうん…。よくわかんないけど…まだ時間あるし)



安価>>40
1 ドームの構造について
2 バベルについて
3 怪物について

2

>>40

女「バベルに住んでる人って、いわゆる特権階級でしょ?」

ビッチ「んーそだねー。でも単なる金持ちってわけじゃないよ」

女「…なにか特別扱いされる理由があるの?」

ビッチ「女は憶えてないもんね。ま、特別視されるにはされるだけのワケもあんの」

ビッチ「金持ちってのは、むしろ副産物で。逆なんだよ。金持ちだから特別なんじゃなくて、特別だから金持ちなの」

女「それって…」


ビッチ「あっ、ヤバッ…そろそろあたし行かなきゃ!」

女「あ…なんか用事あった?」

ビッチ「ゴメンねーちょっと人と会う約束あってさー……ていうか」

ビッチ「そーだ! 女もくる?」

女(ん…どうしよ。もう夕方になるし、撫子が帰ってくるよね)



安価>>42
1 ビッチについていく
2 撫子の家に帰る

2

すみません
ちょっとお風呂入ってきます

再開します

>>42

-撫子の家-

女「…ただいまー」ソロー…

撫子「おかえりなさい。女さん」ニコ

女「う、うん。帰ってたんだね」

撫子「外出…されてたのですね」

女「ちょっと、街にね。あはは…ダメってことはないでしょ?」

撫子「ええ、構いませんよ。……私をないがしろにしなければ」

女「ないがしろって…」

撫子「街に、何をしに行かれたのですか?」

撫子「街で誰かと会いましたか?」

女「それは…えっと。会った、けど」

撫子「どなたと?」

女「…………」



安価>>47
1 正直に言う
2 誤魔化す

1

>>47

女「……街で、ビッチさんってコと会ったんだ」

撫子「…………」ピクッ

女「本当に偶然で。たまたま声をかけられて。それで、いろいろ教えてもらって…」

女「私……記憶喪失だから。やっぱり不安で」

女「彼女…ビッチは私の知り合いだったらしくて」

女「私がビッチのこと忘れてるって知ったら、すごく悲しそうだった…」

女「でもねっ、これからまた仲良くなればいいって言ってくれて」

女「私……嬉しかったんだ」

撫子「……女さんは…私のモノなのに」ギリッ


撫子「わかりました……もう、いいです」スクッ

女「え…?」

撫子「女さん。私、急用ができましたので」

撫子「少しだけ出掛けてきますね」

女「でも、もう夜…」

撫子「心配してくれてるんですか? ふふ…だいじょうぶですよ。ゲートの外には出ません」ニコ

撫子「本当に…すぐにすむんです」

撫子「女さんは、この部屋を『絶対』に出ないでください」

女「……絶対?」

撫子「私の奴隷なんですから。ご主人様の言いつけ……守れますよね?」クスッ



撫子「……イタズラ好きの子猫を、制裁しなくては」ボソ

バタンッ トットットッ…



安価>>50
1 撫子の後を追う
2 大人しく部屋で待つ

2後で詳細を聞こう

>>50

女(いや…考えすぎだよ。いくらなんでも変なことにはならないでしょ…)

女(撫子の様子は、正直どこか不穏だったけど)

女(私が他人と話すことすら嫌なの…?)

女(ううん……それだったら『自由にしていい』なんてことはないはず)

女(……ビッチと接触したことが、撫子にとってはいけないことだった?)

女(…………)

女「考えててもしょうがないか。待つって決めたんだから…待とう」

女「……ビッチ。だいじょうぶだよね…」


1-13-a
------

………………

………

女「撫子……帰ってこない」

女「もう深夜なのに…」

女「やっぱり、何かあったの?」


                   カリッ… カリッ…

女「くそ…こんなことならついていけばよかった…」

   カリッ… カリッ…

女「……よし。今からでも行こう。だいじょうぶ、ゲートを出なければ…」

        カリッ… カリッ…

女「もうッ、なに。さっきからうるさい…」


カチャ…

女「なんだろ…壁? 壁から音が……」

コツ…コツ…コツ…

        カタッ

女「ん? あっ、撫子…?」

                              ジョキンッ

ゴトッ
    ジワッ…


?「……汚い」



 -DEAD END-

とりあえず今日はここまでです

支援してくださった方、読んでくださった方、ありがとうございました

再開します

前回はデッドエンドだったので周回で

周回のたび、前と同じルートにはならないです


………………

………


ピエロ「――…ンーーー! It's Show Timeーーッ!」

ワアアアァァーーーー!!!!


女「……ッ、んんっ……あ…? ここ…は…」

女「なんで…縛られて……」

女「ッ! アタマ痛い…。ひどい頭痛…」ズキズキ


ピエロ「てめえらクズどものお楽しみはこれにて終ーーー了ーーーッ! 涙拭けよオラァッ!」

ピエロ「本日の奴隷競売は……令嬢氏が一本釣りーーーッ!!」

カンカンカンカーーン!!

ウオオォォーーー!! キャーーー! コンナオカルトアリエマセンッ



女「……奴隷」


令嬢「ふふ…ふふふっ……はじめまして。女さん」クスクス

令嬢「あなたのご主人様――令嬢よ」ファサッ

女「…………」ボー

令嬢「どうなさったの? そんな呆けた顔をして。ふふ…我が身の運命を嘆いてるのかしら?」

女「……綺麗なひと」

令嬢「え!? ま、まあ……何を言ってるの。やだ…そんな見え透いたお世辞…」アタフタ

女「どうして? 本当に綺麗だよ」

令嬢「も、もうっ」テレテレ

令嬢「…いいわ。その従順な態度。私、とても上機嫌だわ。首輪だけで許してあげる」ガッチャンッ

女「あ、やっぱり首輪はするんですね」


-バベル 令嬢の家-

令嬢「二人だと、少し手狭に感じるわね。拡張の依頼を出しておこうかしら」

女「…でかい。広い。豪華」

令嬢「何か欲しい物はある? 大抵の品は用意してあげるわ」

女「奴隷が要求していいんだ…」

令嬢「あなたは私の奴隷なのよ。それにふさわしい待遇でなければ、ね」

女「奴隷の定義がこんがらがってきたよ」

令嬢「いいの! 女さんは私のモノなのよ。そう…女さんは私のモノ……ふふっ…えへへ」ニヤニヤ

女「ご主人様ー? おーい」

令嬢「リピート」

女「え…なにが?」

令嬢「私のこと、なんて呼んだの? もっかい言ってくださる?」

女「えっと……ご主人様?」

令嬢「……ふふっ…くふふ……フフフフフ…」クネクネ

女「よく脱線する美人さんだな…」


令嬢「ねえ奴隷。私、ちょっと用事があるから、出てこようと思うのだけど」

令嬢「あなたがついてきたいなら特別に一緒にいさせてやってもいいわ」

令嬢「というわけで、きなさい」

女「私の意思を確認する意味あったの、それ…」

女「で、どこに行くって?」

令嬢「会合よ」


-バベル 議場-

令嬢「――…では次。近頃、頻発する『ゲリラ新聞』の活動実態について。報告を」

お下げ「はい。調査の結果、やはり居住区に拠点がある模様です」

お下げ「拠点がどこかまでは絞りきれていませんが…」

お下げ「ただ、ゲリラ新聞のばら撒いた号外や速報記事は即時回収をすませています」

お下げ「現在は新聞の撒かれた各地点から、拠点の割り出しを照合している最中です…」


女(…会合って、つまりバベル住人での会議みたい)

女(令嬢は議長の立場なのかな。ほぼ会議を仕切ってる)

女(あとは…)チラ…


撫子「…………」

ゆるふわ「…………」ウトウト

縦ロール「…………」


女(なんか見たことある人たちもいるね)タハハ


撫子「…………」ジーッ

女(う…なんかガン見されてる)

撫子「…………」ニコッ

女(笑いかけられた……なんで? 会釈くらいした方がいいかな)ギコチナイエミ

撫子「……!」フリフリッ アシパタパタ

女「す、凄い反応されてる…!」



令嬢「奴隷」

女「う。はい…」

令嬢「随分楽しそうね。ご主人様を差し置いて」

令嬢「…撫子。あなたもよ。女さんは、私の奴隷なの。馴れ馴れしくするのは協定違反だわ」

撫子「はい。ごめんなさいね、令嬢さん」ニコ

大相撲見ながら書くので投下スピードちょい落ちます

見てくださっている方いるかわかりませんが…一応


令嬢「……では、本日の会合はこれで終わります。皆さん、くれぐれも三原則とドームの平穏を守って」

撫子「バベルに誓って」

縦ロール「バベルに誓って、ですわ」

ゆるふわ「……ふわぁ…あや? お話、終わったー?」ネムネム

撫子「おはようございます、ゆるふわさん。さあ、いつものお時間ですよ」クスッ

ゆるふわ「はーい…バベルに誓ってー…」アフ…

お下げ「…皆様お疲れ様でした。本日の決定どおり、私どもで処理いたします」ペコリ

ワイワイ ガヤガヤ… ツカレター スタドリイリマス?



女(……令嬢はまだ忙しそう。お下げの人と何か話し合ってる)

女(せっかくだから誰かに話しかけようかな?)



安価>>70
1 撫子に話しかける
2 ゆるふわに話しかける
3 縦ロールに話しかける
4 誰とも話さない

3

>>70

女「あの。ちょっといいですか?」

縦ロール「…まあ。わたくしですの?」

女「うん、そう。髪型の特徴的なあなたです」

縦ロール「バカにしてますの!?」

女「してないって。えっとね…あなたと少しお話したくて」

女「時間あるかな?」

縦ロール「…いいですけれど。あまり話すと角が立ちますわよ」チラ…

女(令嬢って、やっぱり怖いコなのかな…)タラリ

縦ロール「わたくしからもお話したいことがありましたし。ちょうどいいですわね」

縦ロール「女さん。あなた、『ドーム放送局』はご覧になりまして?」

遠藤負け越し…チクショー


女「……『ドーム放送局』?」

縦ロール「存じ上げないご様子。ぜひご覧になってくださいませ」

縦ロール「バベル内なら、談話室にモニターが設置されていますから。ぜひ」

女「見るのはいいけど…なんでそんなにこだわるの?」

縦ロール「天使に会えるからです」

女「…て、天使?」

縦ロール「天使……それは数々の冠番組を持つ、ドーム放送局の看板…」

縦ロール「アイドル様ですわ!」クワッ


-談話室-

縦ロール「この穢れきったドームで天上天下唯一無二の穢れなき神聖絶対乙女! ラブリーマイエンジェル・アイドルたん!! アイドル様こそ正義!!!」
縦ロール「わたくし真実の愛を見つけましたの! 七生報アイドル!! アイドル様こそ正義!!!」
縦ロール「全財産つぎ込んでも本望ですわ! わたくしの屍を越えていけ! でも越える前に踏んで! もっと踏んで!! アイドル様こそ正義!!!」



女「……あまりの剣幕に、見ます!絶対見ます!って約束しちゃった。だって怖かったんだもん…」ガクブル

女「とにかく見よう。もし見なかったら縦ロールさんに何をされるか…」ピッ


………
<アイドル 24時>

♪~~(アルマゲドンノテーマ)

アイドル『きゃっほー☆ 金づるのみんなーっ! アイドルだよー!』ルンルン

アイドル『いつも私の私生活を覗いてくれてありがとーっ! 愛してるぜー!』イェー!

アイドル『今日はなんと! 3時間特番!』

アイドル『普段の私に興味津々なキミ! ちゃーんとっ、見といてよねっ』

アイドル『カメラはこの部屋中にたっくさんあるよ! お手元のリモコンでアングルを変えてね!』キャッ

アイドル『もしかしたら…イケないショットも見えちゃうかもー!』ポッ

アイドル『あ、じゃ私これからお風呂だから。しばらく誰も映んなくなるけどチャンネルそのまま!』

ガチャッ スタスタ

  ……エ? サスガニマズイ? ナンデー ウチアワセデハ…

  ……ハイハイ ワカッタッテバ マッテテ

コトン…(部屋の中心に達磨が置かれた音)



三時間後 番組終了

………


女「……なにこれ」

ご飯食ってきます

再開します

時間的にあまり長くやらないですが


女「これはひどい」

女「3時間がほぼサイレント映画……達磨が主演で。ねーよ」

女「どのアングルに変えても動きゼロじゃん。返せよ…ホントまじで3時間返せよ」ウツムキ


女医「まさかアイドルの番組を全部視聴する奴が縦ロール以外にもいるとは…物好きな」ヤレヤレ

看護婦「先生、ダメですよ。そんなふうに言っちゃ」

女「……誰?」

女医「この白衣を見てわからないか。医者だよ、医者。バベルお墨付きの」

女医「出入りが許されてるだけで、バベルの住人じゃないがね」

女医「こっちは私の助手。看護婦さんだ。なかなか腕はいい」

看護婦「こんにちは、女さん」ペコ


看護婦「……女さん?」ズイッ

女「えっ…な、なに。てか近い近い…」アセ

看護婦「…………」ジーッ

看護婦「……だめみたいですね」フゥ

女「勝手に納得しないで。なんなの。わかるように説明して」

看護婦「…記憶を失ったまま、という意味です」

女「…看護婦さんも私の過去を知ってる人ってわけ?」

看護婦「そう…そうですね。そうですよ」

看護婦「私が一番あなたをよく知ってるんです」

看護婦「私たち、幼馴染ですから」


女「幼馴染…?」

看護婦「ええ。ずうっと一緒だったんですよ」

看護婦「ねえ。本当に思い出せませんか?」ズイッ

女「ちょっ…密着しないで! 胸あたってますけど!」

看護婦「当ててるんです」フフ…

女医「あーー、はいはいストップストップ! 協定違反だよ看護婦さん」ベリッ

看護婦「あんっ…」

女「……」ホッ

女医「あんまオイタやると目をつけられるよ? 特に令嬢さんは怖いんだから……自重しな」

女医「アンタだって首吊られたくないだろ?」

看護婦「…そうですね。そうですよ」

寝ます
支援してくださった方、読んでくださった方、ありがとうございました

再開します

ゆるゆると進めてきます


看護婦「ただ。これだけは忘れないでください」

看護婦「私たちは昔、愛し合ったということを」ギュッ

看護婦「今は忘れていても。必ず思い出します。必ず…」

女「……どういうこと?」ズキッ

女(いたッ……頭痛が…)ズキ…

看護婦「それでは私たちはこれで。また会いましょう、女さん」

女医「あーー、じゃあな。顔色よくないし、あんま無理すんなよー」

スタスタ…


女「……頭痛は治まった」ハァ

女「過去を思い出そうとするとズキってくるのかな……」

女「でも、やっぱり思い出したい」

女「奴隷暮らしは……思ったより快適なんだけど」

女「ま、とにかく談話室にいてもしょうがないし。どっか別のトコ行こ…」



安価>>85
1 バベルの中を探索
2 居住区へ行ってみる
3 ゲートの外へ行ってみる

1

>>86

-バベル 空中庭園-

女「おお…すごーい。こんな塔の中に植物だらけの庭園がある……」

女「居住区にも森林公園があったけど……やっぱりドームの『外』に出られないから、緑が恋しいってことかな」

女「バベル自体もでかいけど…。内部の設備も人間が生活するのに必要最低限は揃ってる」

女「住居に巨大な農場、貯水施設、内部電源、循環系。空調設備もあるみたい。ロボットが動かしてる全自動の工場も…」

女「それに、どこも窓がなくて、防衛システムがバベル全体に張り巡らされてる」

女「……まるで要塞ね」

    バサッ… バサッ…

女「ん? なんの音…」

                   ジョキンッ

女「……ッ!」ズキッ

女「またっ……頭痛が…!」



?「あっれ~? 女ちゃんじゃないですか~」


女「…あなたは?」

お花畑「私は空中庭園の管理者で~。花壇や植物たちのお世話してます~お花畑で~す」ニコー

お花畑「こっちは愛用の鋏で~ジョーズちゃん♪」ジョキッ

お花畑「ちょうどジョーズちゃんと一緒に枝葉のお手入れをしてて~」

お花畑「と~っても切れ味がいいんですよ~」

女「ッ……」

女(なんだろ…あの鋏。嫌だな……すごく…嫌だ)ゾク…

女(それに。このひとも)

女(なんとなく見覚えが……)



安価>>90
1 お花畑を問い詰めてみる
2 空中庭園について尋ねる
3 身の危険を感じる…逃げよう

3

>>90

女「あの、ゴメンね。私、用事があるから…」ササッ

お花畑「………」

お花畑「女ちゃん。女ちゃんさ~」ジョキン

お花畑「もしかしてだけど~。私のこと、嫌いなのかな~」ジョキッ…

お花畑「オカシイよね? はじめて会ったよね。私たち」ジョキッ…

女「ちょっと……それ、やめて」

お花畑「嫌われるの、やだな~」ジョキッ ジョキッ

女「鋏。鳴らすのやめてよ」ズキッ…

ジョキン ジョキン ジョキン…

お花畑「聞かせてほしいなっ。女ちゃんの気持ち!」



安価>>92
1 嫌い
2 好き
3 なりふり構わず逃げる

3

>>92

女「ッ!」ダダッ

女(ヤバイ……なんだかわかんないけどッ、あのコは絶対危ない!)

女(お花畑は――怖い)

女(ああッ、もう…また頭痛…!)ズキッ

ダッダッダッ…



………………

………


-???-

女「……はあッ、はあッ」ヨロ…

女「どこだ……ここ」キョロキョロ

ズキッ… ズキッ ズキ…

女「いった……くそ。頭痛とまんない……気持ち悪い…」

女「もう目も開けてられないや……。少しだけ、休もう」ドサッ

ズキッ… ズキッ…

女「いろんなことがありすぎて…頭、整理しないと」ハァ…ハァ…

女「てか昔の私、顔広すぎでしょ……何人知り合いいんのよ。しかも極端なコばっかり…」

女「看護婦さん、幼馴染って言ってたけど。本当なのかな」

女「私のことを一番よく知ってるとか、愛し合ってたとか……アハッ、ビッチじゃあるまいし」

女「……あ、れ?」

                                             ザリッ…

女「ビッチって……誰だっけ?」

                                           ザリザリザリ


女「ビッチ…? そうだ……私、居住区の街で」               ザリザリザリザリザリザリ

女「違う! 街になんか行ったことない…!」          ザリザリザリザリザリザリザリザリザリ

女「なのに。鮮明にビッチの顔が浮かんで……」   ザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリ

女「会ったこともないコが……悲しそうに。私■励ま■て」ザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリ

女「ッ……またッ……頭痛が■ひど■■っ…!■リザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリ


女「やっ……消■ちゃ■■…■憶が■れて■■■」ザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリ


女■やだ■■■嬢…■た■けて■ザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリ




ザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリザリ…





                     ブツンッ



 -BAD END-

終わりです
支援してくださった方、読んでくださった方、ありがとうございました

終わっちゃったんだ。お疲れ様でした!
久しぶりに良スレだったからもっと見たかったなチラッ

>>17
え?もう再開しないの?

>>97
>>98
ちょっと安価スレには向かない話だったかなーと思いまして

そのうち普通のSSで書き直すつもりです

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