ユニコーン「角ー、角はいらんかねー」 (39)

ユニコーン「今ならお安くなってるよー」ガラガラ

ペガサス「ちょっと、ユニコーンちょっと」

ユニコーン「何ですかペガサスさんー?」

ペガサス「アンタ荷台を引きながらなんてもん大量に売ってんのさ」

ユニコーン「私の角ですよー」

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ペガサス「いや、そりゃ見たらわかるけどさ……」

ユニコーン「ペガサスさんも一本どうですかー?美味しいですよー?」

ペガサス「美味しい!?」

ユニコーン「こうやって爪楊枝にしながら食べられますしねー」シーシー

ペガサス「ゴメン、ちょっと意味わかんない」

ユニコーン「私の角は万病に効く薬になるそうですしねー」バリバリ

ペガサス「それは削ったり煎じたりするもので、そうやって頭から音を立てて食べるようなものじゃないと思うの」

ユニコーン「大丈夫ですよー、甘いですし」

ペガサス「甘い!?」

ユニコーン「はい、割とー」

ユニコーン「私、毎日自家製のニンジン食べてますからその成分が滲み出ているのではないでしょうかー?」

ペガサス「知らんて。そもそもアンタ角が取れたら死ぬとかそういう設定じゃないの?」

ユニコーン「そんな漫画やアニメじゃあるまいしー」

ペガサス「身も蓋もねぇな。そんなんじゃ万病に効くってのも眉唾物でしょ」

ユニコーン「毎日食べてますから私は風邪とか引いたことないですよー?」

ペガサス「毎日!?どんな頻度で生え変わってるんだよ!?」

ユニコーン「1日に3,4回程度ですねー」

ペガサス「頻度高いな!?希少価値ありそうなのにさ!?」

ユニコーン「大体自分で食べちゃいますからねー」バリバリ

ペガサス「言ってる傍から食うなよ!?それ売り物だろ!?」

ユニコーン「私の昼食でもありますよー?」バリバリ

ユニコーン「結局買い手が付く前に無くなっちゃうんですけどねー」バリバリ

ペガサス「その荷台一杯に積んであるものが見る見るうちに消えていくんだけど」

ユニコーン「あ、せっかくですのでお一ついかがですかー?」

ペガサス「貰えるのなら貰っておくけどさ、気になるし」

ユニコーン「100万」

ペガサス「金取るのかよ!?しかも高いな!?」

ユニコーン「一種のブランドですしねー」

ユニコーン「いらないのですかー?」

ペガサス「買えねぇよ!?そんな金持ってるように見えるか!?」

ユニコーン「ペガサスさんは幸薄そうですもんねー」

ペガサス「サラっと貶すんだな!?どこ見てそう思った!?」

ユニコーン「お金が無いのなら物々交換でもいいですよー?」

ペガサス「交換って言ったって見合ったものなんて持ってないよ私」

ユニコーン「対等な物っぽいのなら何でもいいですよー。体の一部とか」

ペガサス「アンタと一緒にすんなっての。渡せるとしたらこの抜けた羽くらいか」

ユニコーン「出来れば食べられる部位がいいですねー」

ペガサス「ねぇよ!?そんな箇所私にはないからな!?」

ユニコーン「手羽先とか」

ペガサス「ふざけんなよ!?」

ユニコーン「むー、我が儘さんですねペガサスさんは」

ペガサス「お前が常軌を逸しているだけだ、色々と」

ユニコーン「ですがお友達の好ですし一本無料で差し上げちゃいますよー」

ペガサス「え、いいの?コレ一本100万するんでしょ?」

ユニコーン「いいですよー、どうせ仕入れ値タダですし」

ペガサス「思えばそうだったよな!?お前がぼったくってるだけだよな!?」

ペガサス「それじゃあいただきまーす」パクッ

ユニコーン「どうですかー?」

ペガサス「……」チューチュー

ユニコーン「?」

ペガサス「おいちい」

ユニコーン(かわいい)

ペガサス「確かにこれは美味しいな。もっと値段下げて本格的に売り出してみたら?」

ユニコーン「ユニコーン協会で価格の最低値が取り決められているのでそんなことをしたら怒られちゃいますよー」

ペガサス「お、おう。ちゃんとした商売なんだな……」

ペガサス「でもまあ……癖になりそうだなぁ」チューチュー

ユニコーン「ちなみに中毒による依存性がありますので定期的に食べないと禁断症状が」

ペガサス「何てもん食わすんじゃおんどれぁああああああ!!」スコーンッ!!

ユニコーン「あらあら勿体ない」

ペガサス「依存させて私をお得意様にでもしようとしてたのか!?」

ユニコーン「あくまでお試しですよお試しー」

ペガサス「まったく!こんなこともうするなよ!」

ユニコーン「その程度で許してくれるペガサスさんは優しいんですねー」

ユニコーン「ではここで私の角を使った料理を作ってみようと思いますー」ワーパチパチ

ペガサス「ここ、路上なんだけど」

ユニコーン「実演販売ですー」

ペガサス「いや、私しかいねぇし」

ユニコーン「まずはこちらに茹でたてのパスタを用意しますー」

ペガサス「聞けよ!?ってか既に茹でてあるの!?」

ユニコーン「ここで登場するのはみなさんお待ちかね、私の角ー」

ペガサス「待ってねェよ、そのパスタにどう加えるんだよ」

ユニコーン「こうします」スブリ♂

ペガサス「突っ込んだーッ!!?」

ユニコーン「でーきあーがりー」

ペガサス「ほぼ素パスタじゃねーか!?」

ユニコーン「まろやかな風味と触感を味わってくださいなー」

ペガサス「それもう角だけでよくないか?」

ユニコーン「一緒に食べるから美味しいんですよー」バリバリ

ペガサス「いや残ってる!パスタ残して角だけ食ってる!」

ユニコーン「出汁のようなものですけどどうぞー」

ペガサス「パスタだけこっちに渡すなよ!?何の価値もねぇぞ!?」

ユニコーン「パスタを笑うものはパスタに……泣くッ」

ペガサス「泣かないよ!?お前に取り残されたパスタの何がわかるっていうんだ!?」

ユニコーン「あ、う」バタッ

ペガサス「!お、おいどうしたユニコーン!?」

ユニコーン「あうあうあうあわわわわ」ガクガク

ペガサス「な、何が起こったんだ!?しっかりしろ!おい!!」

ユニコーン「ペガサスさん、私はもうダメです」

ペガサス「唐突だな!?今さっき楽しそうに料理作ってたじゃねーか!?」

ユニコーン「私は角が取れる時に死に等しい苦痛に苛まれるのです」

ペガサス「さっきはそんな事言ってなかったじゃないか!」

ユニコーン「稀によくあることなのです」

ペガサス「稀によくある!?どっち!?」

ユニコーン「ペガサスさん、私の最期の頼みを聞いてください」

ペガサス「最後だなんて言うなバカ!」

ユニコーン「わ……私の」

ペガサス「くっ……なんだ!」

ユニコーン「私の角……買ってください。生活苦しいんです」

ペガサス「こんな時まで商売か!?死ぬ間際に悩むことじゃないよなそれ!?」

ユニコーン「先っぽだけでいいので」

ペガサス「先っぽォ!?」

ユニコーン「うあー、もうダメー」

ペガサス「ユニコーン!しっかりしろ!!」

ユニコーン「んあー、出るー」


スポーンッ!!

グサッ

ユニコーン「あ、抜けましたー」

ペガサス「」

ユニコーン「生え変わる角が前の角につっかえて苦しい時があるんですよー」

ユニコーン「喉にゆで卵の黄身がつっかえちゃった程度の苦しみなので結構辛いんですよー」

ユニコーン「……あれ?ペガサスさん?」

ペガサス「」ドクドクドク

ユニコーン「あわわわ……ペガサスさんの頭に私の角がー」

ユニコーン「えーっと、えーっと……」





ユニコーン「お揃いですね」

ペガサス「……アンタ……後で絶対殴る……」バタッ


後でしっかり角の力で治癒してもらいましたとさ☆



ユニコーン「角ー、角はいらんかねー」
おわり

終わった
疲れていただけなんだ、うん……

もしお付き合いしていただいた方がいましたら、どうもありがとうございました

ちょっとマテ!両方メスだ!ホモじゃねぇ!!

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