P「真美のおさげがビールサーバーのコックになった」 (32)

真美「……」ガチャ

P「おう、真美。おはよう」

真美「あ、兄ちゃん…おはよ……」

P「ん?どうしたんだ?元気ないな?」

真美「な、なんでも…ないよ……」

P「季節の変わり目だからな。風邪には気を付け…って、お前、なんだその頭?」

真美「あっ!こ、これは……」

P「新しいヘアアクセサリーか?なんかどこかで見たことある形だな」スッ

真美「さ、さわらないで!」

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P「へっ?」クイッ

真美「ヴエェー」ジョロロロ

P「おわっ!?ま、真美!?どうした!?」

真美「うっ…グスン…だから…さわらないでって言ったのに……」グスッ

P「ど、どうした?胃腸の調子でも悪い…ん?」

真美「うっ…うう……」グスグス

P「この匂いは…まさか……」クンクン

真美「真美…真美ね……」

P「まさか……」ペロッ

真美「朝起きたらこうなってたんだよぉ…」

P「これは…生ビール……」

真美「どうしよう、兄ちゃん……」

P「真美…お前……」

真美「助けてよぉ……」

P「いつから飲酒を……?」

真美「えっ!?」

P「そういうものに興味を持ち始める年ごろなのは分かる。でもな、お前はまだ成長期で」

真美「ち、違うもん!真美、お酒なんて飲んだことないよ!」

P「え?そうなのか?」

真美「そうだよ!」

P「そう言われてみると……さっきの生ビール、ジョッキに注がれたばかりであるかのようなキレとコクだった」

真美「その解説いるの?」

P「じゃあ、お前まさか……」

真美「うん…頭のコレをクイッてやると口から生ビールが出てくる身体になっちゃったんだよー!」

P「な、なんだってっーーーー!!!」


?談話室?

P「とりあえずここなら人目を気にせずに話せるだろ」

真美「うん……」

P「それじゃあ、一から話してみてくれ」

真美「一からって言われても…夕べは11時くらいに寝て、今朝は7時前に起きた…そしたら……」

P「おさげがビールサーバーのコックになっていた、と」

真美「うん…ビールサーバーのコックがどんなのか知らないけど……」

P「そんなのだ」チラッ

真美「そっか、こんなのか……」

P「ふむ…なるほどなぁ」

真美「…兄ちゃん?」

P「そんな病気、聞いたこともないしなぁ」

真美「えっと…兄ちゃん?」

P「ん?どうした?」

真美「さっきからずっと気になってたんだけど」

P「なんだ?遠慮しないで言ってみろ。俺はお前のプロデューサーなんだからな」

真美「手に持ってるその空のグラスはなんだい?」

P「…言うな」

真美「なんでも聞けって言ったじゃんかぁ!」

P「い、いや、これはだな」

真美「飲みたいんでしょ!真美の口から出た生ビール飲みたいんでしょ!真美のおさげクイッてやりたいんでしょ!!!」

P「ち、違う!真美の口から出た琥珀色の生ビールを飲むことによって、真美のおさげがビールサーバーのコックになった理由を探る手がかりになればと思ったんだよ!」

真美「琥珀色とか関係ないじゃんかぁ!」

P「味覚は視覚からって言うだろ!」

真美「意味わかんないよー!」

P「……」

真美「……」

P「……」

真美「…いの?」

P「え?」

真美「真美の口から出た生ビール、飲みたいの?」

P「…すまん。飲みたい。ビールサーバーのコックになった真美のおさげをクイッてしたい。発泡酒とは違うその喉ごしを体感したい」

真美「…バカ」

P「すまん……」

真美「いいよ」

P「えっ?真美、お前……」

真美「真美、兄ちゃんにならクイッってされてもいいよ」

P「ほんとか?」

真美「うん……」

P「い、痛かったら言えよ?」

真美「分かった。あんまりクイックイッってしないでね?真美も…怖いから……」

P「分かった。分かったよ、真美。それじゃあ、いくぞ?」

真美「うん……」

P「……」クイッ

真美「ヴエェー」ジョロロロ

P「し、シルクのようなこの泡立ち!8゜C前後の適温に保たれたこの品質管理!」

真美「どうぞ、兄ちゃん」

P「いただきます!」ゴクゴクゴク

真美「どう…かな?真美の口から出た生ビール……?」

P「くぅー!」プハァ

真美「美味しい?」

P「美味い!ラガーもドライも相手にならないくらいだ!」

真美「そっか…よかった」

P「くそっ!なんでここには焼き鳥もホルモン焼きも無いんだ!」

真美「あはは。だってここ、談話室だもん」

P「ん?そういえばそうだったな、ハハハ」ゴクゴク

真美「…う…うぅ……」グスッ

P「真美……」

真美「真美、もうダメだよね。アイドルとしてやっていけないよね……」

P「そんなことない!ウィッグを着ければビールサーバーのコックになったおさげは隠せる!」

真美「でも…でも……ウィッグで隠したビールサーバーのコックになったおさげをクイッってしたら、口から生ビールが出ちゃうんだよ?」

P「……」

真美「真冬でも冷えた生ビールしか出せないんだよ?」

P「……」

真美「もう…女の子としてもダメだよね…お嫁さんにだって一生……」

P「そんなことない!」

真美「にい…ちゃん?」

P「俺は、生ビールが好きだ!真冬でも好きだ!」

真美「兄ちゃん……」

P「それに…真美のことも……」

真美「…兄ちゃん、知ってる?中学生に手を出したら、犯罪なんだよ?」

P「待つよ。真美が大人になるまで。それに」

真美「それに?」

P「ビールサーバーのコックになったおさげをクイッってしたら口から生ビールが出ちゃう中学生だって、たぶん犯罪だろ?」

真美「そうなのかなぁ?」

P「そうさ」

真美「…そう、かもね。アハハ。アハハハ」

P「ハハハ。ハハハハ」

真美「兄ちゃん」

P「真美」

真美「クイッってしても、いいよ?」

P「…ああ。これからは俺だけのおさげだ。ビールサーバーのコックだけど」

真美「…バカ」

P「俺が幸せにするからな。ビールサーバーのコックになったおさげでも」

真美「うん。ありがと、兄ちゃん」

P「真美」

真美「兄ちゃん」

P「……」クイッ

真美「ヴエェー」ジョロロロ

真美のおさげは、ビールサーバーのコックになってしまった
だけど俺たちなら…俺と真美なら……
きっと、乗り越えていける

一気に飲み干した生ビールは、少しホロ苦かった


お し ま い

おしまい
読んでくれた人、ありがとうございました。

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