グリP「オレたちも遊園地に行く」 (194)

ガヤガヤガヤ

幸子「何ですそのシートとレインコートは? え? 水? フギャー!?」

グリP「ふむふむ。芸能界を生き残れ、アイドルサバイバルか……」

ひなた「なんのテレビだべプロデューサー。なまら騒がしいね、これはお祭りかい?」

グリP「テーマパークだよ、お祭りっちゃお祭りだけど」

ひなた「てーまぱーく?」

グリP「……ウソだろひなた、お前まさか遊園地を知らないんじゃ」

ひなた「遊園地ぐらい知ってるべさ。キグルミが走るトラックの上で踊る場所でしょ?」

グリP「その口ぶりだと行ったことはないだろ」

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ひなた「そりゃそうだべ。遊園地なんてめったに行けるところじゃないっしょ」

グリP「ふむ、考えてみれば試される大地、北海道の僻地で育ったひなたが遊園地なんて行く機会はないか」

ひなた「テレビの様子だと東京駅ぐらい人が多いね、あたしが行ったら迷子確定だわー」

グリP「そ、そんな人事みたいに」

ひなた「これ、ジェットコースターっしょ。凶悪的な乗り物だね。これはなにが楽しいんだべ、プロデューサー」

グリP「そ、その凶悪さを楽しむのだけれど」

ひなた「そうなのかい。そういえばあたしも、じいちゃんのトラクターに初めて乗ったときは楽しかったかもね」

グリP「……そうか」

ひなた「でも、とろくさいあたしにジェットコースターは難しそうだわー」

同僚「お前のところもか」

グリP「と言うと、お前も?」

同僚「ウチは環がな、あいつもかなりの地方出身だから」

グリP「田舎をバカにするわけじゃないが、このままじゃマズいよな」

同僚「ああ、これから彼女たちにはアイドルとして東京で生活をしてもらうわけだし」

グリP「中学ぐらいだと修学旅行で遊園地は行くだろう」

同僚「あまりに慣れていないとウチのアイドルが遊園地で恥をかいてしまう」

グリP「そうだな、いくらか都会のレジャー施設に馴染ませておいたほうが……」

同僚「しょうがない、社長に相談するか」

グリP「ということで、休暇を……」

社長「ならん!」

同僚「で、ですが。今後を考えると必要なことだと」

社長「ならんものはならんっ」

グリP「す、すぐに戻ってきますよ。ちょっと遊園地の空気に触れされる程度なので」

同僚「その辺の近場で済ませますからっ」

社長「ならんと言っているだろうが!」

グリP「……っく」

同僚「(だ、ダメか……)」

社長「……ところで君たち、ちょっとおつかいに行ってくれんか?」

グリP「…………?」

社長「なに、ちょっくらピーナッツサブレを買ってきてくれ」

同僚「かの千葉銘菓ピーナッツサブレ……はっ!」

社長「期限は、来週までにしておこう。のんびり行ってこい!」

グリP「しゃ、しゃちょおおおおおおおお!」

同僚「では、舞浜っ。夢の国へ、夢の国へおつかいに!」

グリP「ネズミーランドに行ってまいります!」

社長「うむっ」

エレナ「ワタシ、耳がいいから聞こえちゃったヨ。そんなことを話していたんだヨ」

グリP「ふむふむ。あいつら休暇とるのか」

エレナ「遊園地ってワタシも行ったことないヨー、行ってみたいヨー」

グリP「そのうち仕事で行けるさ。ひなたならともかく、あらゆる環境に迅速で場馴れするエレナなら恥をかく心配もない。次の仕事もあるし、エレナはレッスンレッスン」

エレナ「しょうがないねー。——ワタシの方で社長に話をつけておくヨ」ガタッ

グリP「うんうん。…………ん?」

エレナ「イヨッ、シャチョー!一杯やろうゼー!」

社長「ちょ、ちょー」

グリP「ひいいいいいいいぃぃぃ!」

エレナ「遊園地ってナンダ、シャチョー。サンバは踊れるノカ?騒いでも怒られないか?まあ取りあえず酒を飲め!」グイッ

社長「あぼぼぼぼ、ぐぼぼぼぼぼ」

エレナ「馬場の日本酒ヨ、ワタシのじゃないヨ。ワタシ未成年だし」ドクドク

社長「ごぼっごぼっ」

グリP「(自主退職っ、中年無職っ、生活保護っ、路上生活っ、あふんっ)」

エレナ「ワタシもついてっていいか、アタシも行ったほうがいいと思うんだケド」

社長「ごふっ、ごふっ」コクコク

エレナ「わー、アリガト高木っ。さすがワタシの友だちネ♪」

社長「はー、はー」ゼイゼイ

エレナ「ワタシのプロデューサーも連れていくから、……ナ?」

社長「……は、はい」

グリP「グッバイ、オレの人生」

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木下ひなた(14)

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島原エレナ(17)

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冒頭

茜「…………」チラッチラッ

グリP「ムリだ、茜。この時点で事務所の人員に大量の穴が」

茜「プロちゃん、まだ茜ちゃんなにも言ってないよー」

グリP「露骨に視線送られりゃ、嫌でも分かるんだけど」

茜「さっすがプロちゃーん。カワイイ茜ちゃんのこと、よく分かっているんだね」

グリP「何回も言うけど、今週で3人も同僚が抜けるとなると、オレが抜けるわけには……」

茜「んん?べつにプロちゃんが来る必要はないよ。ようは茜ちゃんが遊園地に行ければいいんです」

グリP「………………」

茜「んふふ、冗談だよプロちゃーん。怒らないでっ、茜ちゃんはプロちゃんと一緒に遊園地に行きたいなっ♪」

グリP「………………」

杏奈「……プロデューサーさん、いい?」

グリP「どうした、杏奈」

杏奈「……あのね、杏奈。来年の修学旅行が、関西でね」

グリP「うん」

茜「そんなことよりプロちゃん、絶叫系はヨユーかな?茜ちゃん、とりあえずサンダーマウンテンは乗っておきたいなー♪」

杏奈「それでね、ユニバーサルに行くんだけど」

グリP「うんうん」

茜「ねぇねぇシナモンはどうかなー、茜ちゃんチュロス食べたい。プロちゃんはシナモンおっけー?」

杏奈「……その、友だちと楽しめるか不安で」

グリP「そうだな。この機会に遊園地に行っておくか」

杏奈「……うん。ありがと」

グリP「ちょっと社長に話つけてくる」

茜「あっ、プロちゃーん!」

環「たまき、おやぶんに遊園地に連れて行かれるみたい」

育「い、いいな……」

海美「うぅ〜、ずるいずるいずるいずるい!」

環「そんなにいいのか?」

育「うん。遊園地ってすっごく楽しいよ!」

海美「ずるいずるい〜!私もネズミに会いに行きたい〜!」

育「ぷ、プロデューサーさんに言ったら、行けるようになるかな?」

海美「そうかなっ。——プロデューサー!遊園地行きたいー!」ドドドド

グリP「うっ、やっぱり来たか……」

海美「他の子が遊園地に行くと思うと落ち着かない〜!お仕事どころじゃない〜!」

グリP「わがまま言うな、お前にはやらなくちゃならない仕事が」

海美「それどころじゃないよー!遊園地のあとでいっぱいお仕事するからさ、いいでしょ?!」

グリP「ぐぬぬぬぬぬ」

環「育はおやぶんにお願いしなくていいのか?」

育「う、うん。お願いしたいけれど、その、海美ちゃんを見てるとなんだか子供っぽくて……」

グリP「——社長、海美が仕事どころじゃないんで遊園地に行かせておきます。すいませんっ」

社長「」

まつり「まつり、お城が恋しいのです……ね?」

グリP「そうかそうか」

百合子「夢の国のお城はノイシュヴァンシュタイン城がモデルと言われてまして。この城は小聖堂や墓地がなく、実用にはあまり向かない趣味の産物なんですよ」

グリP「そうかそうか」

千鶴「おーほっほっほっ。わたくしの実家もお城みたいなモノですけれどね!」

グリP「そうかそうか」

まつり「まつり、お城に帰りたいのです。……ね?」

グリP「そうかそうか」

百合子「城と言えば白馬の王子。永遠の眠りを覚ます美男子のキス、女子の憧れですね」

グリP「そうかそうか」

千鶴「まあ、たまには。夢の国のお城とやらを見学に行ってもいいですわよ。参考のために」

グリP「そうかそうか」

グリP「すいません社長、撒けませんでした。とくにまつりがしつこくて」

社長「もういい、諦めたから」

グリP「今週、スケジュール大丈夫ですか?」

社長「まだウチにはアイドルがいっぱいいるから。なんとかするさ」

グリP「来週からは精一杯働きますから」

社長「いいよいいよ、楽しんできなさい」

グリP「おみやげはピーナッツサブレでいいですか?」

社長「うっ。できれば、それ以外ので」

グリP「ピーナッツはお嫌いですか?」

瑞希「うーん、……うーん」

グリP「なにをそんなに悩んでいるんだ、瑞希」

瑞希「あ、プロデューサー。じつはですね」

グリP「うん」

瑞希「いったいどうしたらプロデューサーが私を遊園地に連れて行きたくなるか、考えていました」

グリP「……うん?」

瑞希「プロデューサー、あはーん」

グリP「…………」

瑞希「プロデューサー、うふーん」

グリP「…………」

麗花「ん?瑞希ちゃんなにをしているんですか?……あっ、ヨガの練習ですね!」

瑞希「…………いやーん」

莉緒「ねえ、プロデューサーくん。アイドルの何人かでネズミーランドに遊びに行くんでしょ?」

グリP「なるほど、そういうことだったのか」

瑞希「そういうことです、プロデューサー」

莉緒「プロデューサーくん、私も行きたいなぁ」プルンッ

グリP「うわっ、莉緒さん胸が背中に!」

莉緒「お願いプロデューサーくん。最近お仕事ばっかりだったし、いいでしょ?」グニグニ

グリP「あっ、いやっ、でもっ、そのっ、あうあう!」

麗花「猛攻撃ですね、あれは避けられません」

瑞希「なるほど、ああすればいいのか……」

莉緒「こんなに頼んでいるのに、ダメ?……ふっ」

グリP「ひゃあ!」ブルッ

瑞希「胸を押し当てて、耳元に息を吹きかける。……めもめも」

麗花「あれをやるんですか、瑞希ちゃん」

瑞希「やっちゃダメですか?」

麗花「いや、ダメってわけじゃないですけど。できます?」

莉緒「も〜。こうなったらパクッ」

グリP「どっひゃ〜」ゾワッ

瑞希「首元に噛みついてフィニッシュ……私もアゴを鍛えておこう」

グリP「……ふう。社長に掛けあってみます」

莉緒「よろしくね、プロデューサーくん!」

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真壁瑞樹(17)

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北上麗花(20)

このみ「子供の引率が必要よね。しょうがない、オトナの私も準備しておきましょうか」

美奈子「面倒見のよさなら負けませんよ。ねっ、桃子ちゃん」

桃子「こんなときばっかり保護者ヅラしないでよ……」

美奈子「うふふ、桃子ちゃん。今度せいろで肉まん作ったげるから」

桃子「…………桃子、あんまんも食べたいな」

このみ「陥落が早いな、あっけない」

桃子「勘違いしないで。桃子、食べ物に釣られるほど安い女じゃないの。桃子も遊園地行きたいだけだから!」

美奈子「どっちにしてもカワイイという」

桃子「なによっ、遊園地に行きたいのは二人とも同じでしょ!」

このみ「うっ」

美奈子「ぐっ」

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百瀬莉緒(23)

桃子「ねぇ、いいでしょお兄ちゃん」

美奈子「そっすよ、お兄さん」

このみ「そうねぇ、お兄さん」

グリP「なんだこいつら」

桃子「たまには気晴らしも必要だよ。桃子も、もちろんお兄ちゃんもね」

美奈子「うっほ〜い!桃子ちゃんの言う通りプロデューサーさんっ、日々の労働で疲れているでしょ!なんなら私がお弁当を作っていってあげます!」

グリP「ネズミーランドって、飲食物の持ち込み禁止じゃなかったっけ」

美奈子「なんとっ……」

このみ「プロデューサーはホテルで寝てていいから。引率はオトナの私がやってあげる、うふっ」

グリP「(このみさんが来る場合、小学生が増えるのと変わらねぇんだよな……)」

このみ「なに、その不平そうな顔」

グリP「まあいいや。社長に言うだけ言ってみるよ」

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馬場このみ(24)

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佐竹美奈子(18)

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周防桃子(11)

志保「みんな、たるんでいるわ」

静香「たまにはいいんじゃない。このごろ事務所は調子いいみたいだし」

志保「珍しく甘口ね、静香」

静香「ちょうど事務所の人と遊びに行きたかったのよ。親睦を深めるいい機会だわ」

志保「親睦か……」

翼「いいじゃ〜ん。ネズミーランド、志保ちゃんの好きなカワイイものがいっぱいあるよっ」

志保「うわっ、驚かせないでよ!」

翼「私たちも行こうよ、ダメ?」

志保「私に許可を求められてもね」

翼「いつもプロデューサーより志保の方が決定権強いじゃん」

志保「そんなことないわよ……」

志保「プロデューサー、これから遊園地行くから」

グリP「マジで?!やったー!!」

志保「…………」

翼「ほらね」

静香「……はぁ、情けない」

志保「ちょっと社長室行ってくるわ」

静香「お願いね、志保」

翼「交渉がんばれー」

紗代子「こういうのは計画を立てる瞬間が楽しいんだよね〜」

風花「気持ちは分かるけれど、大抵この手の計画って失敗しないかしら。とりわけ人気テーマパークじゃあプランニングは不可能に近いかと」

紗代子「そうかな、午前と午後を別々に10パターンぐらい組めば、どれかしらはヒットしますよ」

風花「あらまぁ、次元が違ったわね」

紗代子「でも、たしかに。まず理想の計画通りにはいかないかも」

風花「計画もいいけれど、なにも考えずにブラブラするのも楽しいですよ」

紗代子「ふむふむ。わかりました、何も考えずにブラブラする時間もプランに組み込んでみます」

風花「ひえ〜」

ジュリア「そもそも、あたしらが行けるとは限らないぜ」

紗代子「え、全員が行けるって話じゃなかったっけ」

ジュリア「違う違う、それぞれが社長に許可を取ってる」

紗代子「えええええ!」

風花「まずは私たちもプロデューサーに許可をもらわないとね」

紗代子「うぅ、もらえるかな……」

ジュリア「紗代子は日頃の行いがいいから、余裕だろ」

紗代子「もし難しそうなら、そのときは風花さんお願いします!」

風花「え、私ですか?」

紗代子「えっと、その、身体で」

風花「え、ええええ?!」

紗代子「案外すぐに許可が下りましたね」

ジュリア「よかったな、風花サンの封印が解かれなくて」

風花「止めて下さい!」

紗代子「使い方次第では凶器ですからね、風花さんは」

風花「さ、紗代子ちゃんまで……」

ジュリア「だれだって風花サンをひと目見たらそう思うさ、仕方ない」

風花「ふえー」ガクッ

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北沢志保(14)

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最上静香(14)

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伊吹翼(14)


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高山紗代子(17)

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豊川風花(22)

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ジュリア(16)

星梨花「ネズミーランドなら何度か行ったこともありますよ」

亜利沙「なんだか慣れていそうです。さすが、生粋のお嬢様ですね」

星梨花「いえいえ、慣れるというほどまでは」

亜利沙「謙遜する姿も可愛いです。さすが、生粋の〜」

星梨花「もうっ。亜利沙さんそればっかりです」

亜利沙「ごめんなさいっ。なにぶん、モノホンのお嬢様は貴重なもので……ふひひ」

エミリー「あの……私は初めてです」

亜利沙「ふえっ、でもイギリスにもネズミーランドは」

エリミー「フランスのパリに1つありますね」

エミリー「まだ遊園地は経験ないんですよ」

亜利沙「へぇ〜それはそれは」

星梨花「じゃあ私が案内しますね!」

エミリー「本当ですか?!お願いします!」

亜利沙「ありさも星梨花ちゃんに案内されたいでしゅ!」ニマニマ

星梨花「なんなら、貸しきりましょうか?」

亜利沙「?!」

星梨花「えっと、パパにお願いすれば、できます」

亜利沙「いやいやいやっ、いいですいいです!」

グリP「というわけで。せめてエミリーと星梨花だけは行かせてやりたいんですけど。あ、亜利沙はどっちでもいいです」

社長「もうどうにでもなーれ」

グリP「いっそ、全員で行きかねない勢いですね」

社長「もうどうにでもなーれ」

グリP「おみやげはピーナッツサブレでいいですか?」

社長「もうどうにでもなーれ」

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箱崎星梨花(13)

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松田亜利沙(16)

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エミリー・スチュアート(13)

のり子「この前経験したから分かるんだけどさ、キグルミで動ける人ってホントすごいよ」

恵美「中はすっごい暑いんだってね」

のり子「立ってるだけでも数秒単位で汗が噴き出る、三十分もすればフラフラの脱水症状」

歩「へぇ〜、いっぺんキグルミダンサーやってみたかったんだけど。キツそうだな〜」

のり子「ちょっと訓練と、耐性が必要かも」

恵美「外の景色は見えんの?」

のり子「ん〜、視界も悪いかな。子供の姿とか、ちゃんと捉えられない」

歩「ヘタしたら踏んづけそうだな」

のり子「私の場合、なんだか反射反応の勢いで子供にプロレス技かけそうになっちゃって」

恵美「いや、それは重症でしょ」

のり子「子供がベタベタ触ってくる感覚がね、ちょっと格闘技に近くて」

歩「いや、格闘技やったことないだろ」

のり子「あはは、たしかにやったことないけどね」

恵美「ところで、アタシらはどうすんの?」

のり子「せっかくだから行っとこうよ〜」

恵美「まあ行くけどね」

歩「そら行くよな」

恵美「そういや歩ってアメリカ住んでたんだよね」

歩「そうだよ」

恵美「じゃあ本場のネズミーを知ってるんじゃない?」

歩「うん、まあ」

のり子「あっちに比べたら、こっちのはちゃちく感じちゃうかもね」

歩「うーん、どうだろ。行ってみないとなんとも言えないなー」

恵美「じゃあ、誰か。プロデューサーにお願いしてきてよ」

のり子「いや、そこは恵美お願いしてきなよ」

恵美「えー、いやー。聞いてくれるかな、アタシの言うこと」

歩「ここで出るよな、日頃の行いが」

恵美「あー、あはは」

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福田のり子(18)

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所恵美(16)

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舞浜歩(19)

昴「もちろん朋花も行くんだろ?」

朋花「んー、どうしましょう。あんまり乗り気じゃありません〜」

昴「え、でも。ふつー女の子って喜ぶんだろ。ネズミーランド」

朋花「まあ普通はそうでしょうね〜。しかし私は、子豚ちゃんのお世話がありますから〜」

昴「子豚ってファンのことか。朋花はどこまでも仕事なんだな」

朋花「仕事というか趣味ですから〜。子豚ちゃんのお世話は楽しいですよ〜♪」

昴「朋花ってけっこうマジメだよな。なんだかんだレッスンも欠かさないし」

朋花「子豚ちゃんを育てるには、それだけの器量が必要なんですよ〜」

昴「ある意味、アイドルのあるべき姿だよな……」

朋花「ネズミーランドとなると、子豚ちゃんは連れていけませんからね」

昴「そら、どこもかしこも混んでるからな」

朋花「私も子豚ちゃんに対応できませんし」

昴「そういうときってどうするんだ?」

朋花「リーダー格の子豚ちゃんにステイをします」

昴「…………」

朋花「リーダーがステイをすると後陣もそれに続くんです〜」

昴「ちゃんとシステムとして機能しているんだな」

朋花「調教の賜物です〜♪」

昴「あんまり参考にならないかな……」

朋花「うふふ、申し訳ありません」

昴「遊園地に行くとき、女の子ってどういう反応をするんだろう。オレにはさっぱり分からない」

朋花「試しにプロデューサーさんにおねだりしてみては?」

昴「え?」

朋花「遊園地に行きたいっておねだりする仕草、とっても女の子っぽいと思いますよ〜」

昴「なるほど、ちょっと試してみるよ。ありがとう朋花!」

朋花「いえいえ〜」

奈緒「プロデューサーさん、温泉街の次は遊園地やって!」グイッ

グリP「また旅行ロケか」

奈緒「ちゃうちゃう、今度はプライベートや」

グリP「あん?」

奈緒「お仕事やないから24時間ウチを独占できるでプロデューサーさん」

グリP「え、だってスケジュールは?」

奈緒「今週いっぱいまで好きにしてええって!」

グリP「どういうことだ。——しゃ、社長?!」ガタッ

社長「」

グリP「屍になってるぅ?!」

奈緒「今度は一緒の部屋とろうね、プロデューサーさん♪」

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永吉昴(15)

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天空橋朋花(15)

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横山奈緒(17)

美也「みんな一斉に休暇を取るってことは、事務所が潰れるんでしょうか」

可奈「ぶっつぶせ〜♪どっしゃんがらりん、ダイナマイ〜♪」

グリP「シャレにならんことを言うな。そしてシャレにならん歌を作るな」

可奈「えへへ〜」

美也「みんなのんびりしすぎですよ〜、芸能界はそんなに甘くないです〜」

グリP「美也もなかなかのもんだぞ」

可奈「せーかいーはーひーとつ〜♪せーかいーはおーなじ〜♪」

グリP「音程が滅茶苦茶だから辛うじてセーフだが、止めろ可奈」

可奈「えへへ〜」

美也「で、プロデューサーさん。もちろん、ちゃ〜んと私たちの遊園地のチケットも手配したんですよね〜」

グリP「え、だっていま。のんびりするなって」

美也「だから、のんびりしないでさっさとランドに行きましょう〜。芸能界は厳しくて忙しいんですから」

グリP「そういう意味で言ったのね……」

可奈「遊ぶ気満々〜♪春爛漫〜♪バスロマン〜♪」

グリP「ああ、脱力する……」

可奈「えへへ〜」

可憐「あ、あの……そのっ。琴葉さんは?」

琴葉「行きたいの?」

可憐「ビクッ」

琴葉「もう、怯えないでよっ。私はそんなに厳しい人じゃないから」

ロコ「いいえっ琴葉さんはエブリデイ・エブリナイト、自分自身、そして周囲を追い込みすぎです!」

琴葉「別にそんなことないけど」

ロコ「もっと琴葉さんはスペースを広げて、もう少しペースを落とすべきだとロコは思います!」

琴葉「えー、そうかなあ」

ロコ「そこでネズミーランドです!アトラクションのスティミュラス、パレードのライブリー、ステージのスピリット。これらの一つ一つが琴葉さんのハートを癒し豊かにしてくれるのです」

グリP「ようするにロコも行きたいんだな、遊園地に」

ロコ「ネズミーランドはポップなアートの国でもあります。そこからインスピレーションを得ることもロコには大切なんです」

琴葉「そう口では言って、内心遊びたくてウズウズしているんでしょ。こっちの娘みたいに」

可憐「……ウズウズ」

グリP「いやはや、もう残ってるのはオレたちぐらいだし。ここは便乗するのが流れってもんじゃん」

琴葉「そうやって周りに流されて。いけませんよ、そういうのはっ」

可憐「……でも、琴葉さんも遊びたいでしょ?」

琴葉「そ、そりゃまあ。でもその前にアイドルとして成功を」

可憐「こ、今週だけだから。遊びにいかない?せっかくだし……」

琴葉「う……うん。分かった」

グリP「よしっ。しゃちょー、ウチらも休みまーす!」

社長「」

〜翌日〜

グリP「昨日はすまないな、未来。つきっきりで看病させちゃって」

未来「いえいえ、困ったときはお互い様です。プロデューサーさんは一人暮らしですし、困ったときはまた私を頼って下さいね」

グリP「ああ、ありがとう」

未来「ただ昨日は一日、事務所に顔出せなかったなあ」

グリP「うん、なにか仕事に変調はあったかな」

社長「…………おはよう、ふたりとも」

グリP「うわっ、社長!」

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宮尾美也(17)

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矢吹可奈(14)

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田中琴葉(18)

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篠宮可憐(16)

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伴田路子(15)

未来「どうしたんですか社長、この世の終わりみたいな顔してますよ」

グリP「もしかして、僕の風邪がうつった?!」

社長「い、いやいや。それよりちょっと」

未来「はい?」

社長「二人に頼みたいことがあるんだけど」

グリP「はい?」

社長「今週いっぱい。仕事を受け持ってくれないか?」

グリP「仕事?」

未来「アイドルの仕事でしたら、大歓迎ですけれど……」

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春日未来(14)

グリP「ところで、他のみんなはどうしたんですか?」

未来「そういえば、私たち以外に誰もいませんね」

社長「その件で……、その」

グリP「うん?」

未来「はい?」

社長「急用で49人のアイドルと、その担当プロデューサーが休みを取ってね」

グリP「…………は?」

社長「あの、処理してくれない?49人分のアイドルの仕事」

未来「え、えええええええええええええ?!」

社長「ら、来週になったらピーナッツサブレごちそうするからさあ…………あはは」

ここで休憩します〜
そのうち続きを書ければと思っています。

画像の方、キャラ全員分ありがとうございましたww

ピンポーン、ガチャ

美奈子「おはようございます!プロデューサーさんっ」

グリP「……おはよう」

美奈子「晴れてよかったですね、ランド日和ですっ。なんだか楽しみですっかり目が覚めちゃいました!」

グリP「オレもすっかり目が覚めたよ、たったいま」

美奈子「ランドはお弁当が持ち込めないそうなので、せめて今日はプロデューサーさんの朝ごはんを作らせて下さい〜」

グリP「しっかり中華鍋まで背負ってきて、いったい個人宅で何を作るつもりなんだ」

美奈子「ふふっ、美味しいものですよ」

グリP「……まあいいや。とりあえず入って」

美奈子「おじゃましまーすっ」

美奈子「すごい寝癖ですね、プロデューサーさん」

グリP「しょうがないだろ、さっき起きたばっかりなんだから」

美奈子「なんだかいいなあ、油断してる感じが」

グリP「そりゃ朝からアイドルが自宅に押しかけてくるなんて思わないから、油断もするわな」

美奈子「ふっふ〜、部屋も散らかってる♪」

グリP「なんで嬉しそうなの……」

美奈子「まあまあ、のんびりシャワーでも浴びてて下さいよ〜。その間に朝ごはん用意しちゃいますから」バサッ

グリP「マイエプロンまで持ってきてたのね……」

シャー

グリP「(このままだと美奈子に部屋を掃除されてしまう)」

シャー

グリP「(なにか見られてマズいものはあったかなぁ)」

シャー

グリP「(…………いっぱいあるなぁ)」

シャー

美奈子「うわっ、プロデューサーさん!!」

グリP「ど、どうした美奈子っ!」バタバタ

美奈子「このコンロ、火力が弱くないですか?!」

グリP「…………え〜」

グリP「一般宅のコンロだから。料理店に比べたら、そりゃ弱いかもな」

美奈子「そ、そんな〜」

グリP「無理して作らなくてもいいよ、美奈子」

美奈子「いいえっ、これぐらいなんともありません!定食Aが定食Bに変わるだけです!」

グリP「そんな、プランBみたいに」

美奈子「…………」ジィー

グリP「…………なに?」

美奈子「プロデューサーさん、身体が細いですね。……まだ足りないかな」

グリP「うわっ、そういや裸っ」

美奈子「別に裸でもいいですよ〜。ここはプロデューサーさんの家ですし」

グリP「おいおい……」

グリP「もぐもぐ」

美奈子「こっちに投げてある服、全部洗っちゃいますよ」

グリP「もぐもぐ」

美奈子「机まわりも簡単に整理しておきますからね」

グリP「もぐもぐ」

美奈子「本も棚に戻しますよ、プロデューサーさん」

グリP「(こんなに落ち着かん朝メシは生まれて初めてだ)」

美奈子「あー!」

グリP「ビクッ!」

美奈子「このドラマのDVD、気になってたんです!こんど貸してください〜!」

グリP「……よかった、AVじゃなくて」

美奈子「え?」

グリP「あっ……」

グリP「ごちそうさま、それじゃ一刻も早く出かける準備をしようか」

美奈子「ちょっと待って下さい、こっちはもう少しで終わるので」ガタガタ

グリP「い、いやっ。もう掃除はいいよ悪いし!アイドルのすることじゃないって!さあ、出発出発ぅ!」

美奈子「……じゃあ、荷物になるので。中華鍋とエプロンは置いていきますね」

グリP「え?」

美奈子「ん、なにか不都合でも?」

グリP「あ、いや。別に」

美奈子「近いうちに取りに戻りますから」

グリP「あ、ああ……」

美奈子「おじゃましました、プロデューサーさん!」

グリP「(なんだろう、自宅に爆弾を設置された気分だ……)」

静香「うわー、志保おはよう。くるのが早いね」

志保「おはよう。そういう静香こそ」

静香「えっ、志保の荷物小さくない?今日ホテルに泊まるんだよ?」

志保「明日の着替えと化粧道具は入ってるから、ご心配なく」

静香「……楽しみだね、遊園地」

志保「そうね」

静香「あはっ」

志保「なに?」

静香「今日の朝、プロデューサーに電話したでしょ」

志保「なっ、なぜそれを?!」

静香「私も心配になってね、彼にモーニングコールしたの」

志保「あ、ああ……」

静香「待ち合わせでも、電話でも志保に先を越されちゃって、なんだか面白くて笑っちゃった」

志保「……気が合うわね」

静香「まあウチはプロデューサーが少し抜けてるから」

志保「寝坊されたら事務所のみんなに迷惑だもん」

静香「そうそう」

志保「…………あははっ」

ガチャ

朋花「……あら、子豚ちゃん〜♪」

子豚「お迎えにあがりました。お乗り下さい、朋花様」

朋花「うふふ、ほかの子豚ちゃんたちは〜?」

子豚「しっかり小屋で待機してます」

朋花「ありがとう、乗りますね〜♪」

子豚「直接ランドの駐車場まで行きますので、朋花様はゆっくりご休息ください」

朋花「では、お言葉に甘えて〜♪」

子豚「記念の撮影係を志願する子豚が何匹かおります」

朋花「ぜんぶ断って下さい〜」

子豚「かしこまりました」

朋花「私がいいと言うまで、みんな小屋から出ちゃダメですよ〜♪」

子豚「心得ております」

ブロロロロロ……

可奈「はい、もひもひ……。あっ、プロデューサーさん」ムニャ

グリP「待ち合わせ時間だけど、可奈。いまどこだ?」

可奈「はれっ?!いま起きたところでしゅ!」

グリP「…………えっ?」

可奈「あ、あはは〜♪」

グリP「旅行の準備はもう整ってる?」

可奈「えっと、……まだかも、ヤバいかも〜♪——あ、あ、あのっ、どどど、どうしよう!なにを持って行きましょうっ、プロデューサーさん〜!」バタバタ

グリP「……いまから可奈の家行くから、お前は顔だけ洗っとけ」

可奈「てへへ、……ごめんなさい」

可奈「ごめんなさい、ごめんなさいっ、楽しみで深夜は眠れなかったんです〜!」ボロボロ

グリP「泣いてるヒマがあったら、支度をしような」

可奈「お詫びの印に、いま思いついた歌を〜」

グリP「歌っているヒマがあったら、支度をしような」

可奈「支度の前に発声練習していいですか?!これをやっておかないと一日調子が出ないんです〜」

グリP「分かった、オレが支度する」

可奈「発声練習〜♪ ら〜ら〜♪」

グリP「とりあえず同僚には遅れるって連絡を……」

〜新宿 アルタ前〜

グリP「(まずは都心の駅で杏奈と茜と待ち合わせて、それからランドに向かって現地でアイドルと同僚のグリPに合流。団体チケットをその場で購入して。……ランド内のホテルは前日での団体予約ができなかったから、代わりに近場のホテルに予約を入れてある。あとは何か不備は……)」ブツブツ

グイッ

グリP「ん、右腕に引力が」

杏奈「……おまたせ。杏奈がログインしました」

グリP「よう杏奈!」

杏奈「……プロデューサーさん、茜ちゃんは?」

グリP「茜はまだみたいだな」

杏奈「そう」

グリP「昨日はよく眠れたか?」

杏奈「……えっと、あんまり」

グリP「そうだよな、仕事仲間と旅行だもん。ちょっとオレも興奮気味だよ」

杏奈「そうじゃなくて、……昨日はネトゲのイベントがあって」

グリP「え?」

杏奈「ギルドで期間限定の大ボスを狩ってた、朝方まで。……だから、あんまし寝てない」

グリP「あー、そうなのね」

グリP「まー、今回の遊園地旅行は修学旅行の事前演習だと思って」

杏奈「……うん。本番の修学旅行で、1人にならないように、プロデューサーさんと練習する」グイッ

グリP「よしっ、じゃあ今回の旅行では1人でゲーム禁止な」

杏奈「……わかった、がんばる」

グリP「それにしても茜のヤツ遅いな……」

杏奈「うん、ゲームして待ってよう」サッ

グリP「さっそくかよ!」

杏奈「あっ、ついクセで……」ピコピコ

グリP「もう、この際だから駅のロッカーに預けておかないか?」

杏奈「な、……なにを?」

グリP「その、ゲーム機」

杏奈「ひっ?!」

グリP「いや、そんなに怯えんでも」

杏奈「こ、これだけはダメ。これがないと仲間が死んじゃう」

グリP「いや、だって……」

杏奈「仲間が死ぬと、私がギルドで村八分に」

グリP「このままだと現実の学校で村八分に遭うぞ!」

杏奈「そ、……それも困る」

グリP「というわけでボッシュート。ロッカーにポイッ」

杏奈「ああ……さよなら、ギルメンのみんな」

グリP「それにしても、ほっんとに茜のヤツ遅いな……」

杏奈「そうだね、ゲームして待ってよう」サッ

グリP「…………」

杏奈「……あっ、これはっ、あのね」ピコピコ

グリP「ちょっと、杏奈のバックこっちによこせ」

杏奈「あ、あうーっ!」

グリP「バック重っ、なんだこれっ、荷物の半分がゲーム機じゃねーかよ!!」ズシッ

杏奈「そ、それは、その……」

グリP「なんで同じ親機が2,3台もあるんだよ。PSPとか3つもいらねーだろ!」

杏奈「その、複アカでプレイをするために……親機の認証も必要で……3アカ同時プレイもザラで……」

グリP「ふくあか?……なにそれ」

杏奈「あのね、……ゲームで他人より優位に立つには裏工作も必要なの」

グリP「……没収」

杏奈「ああ〜」

茜「やっほープロちゃーん!杏奈ちゃーん!」

グリP「あ、茜……お前っ」

杏奈「……うわー」

茜「ん?んん?どうしたのふたりとも。かわいい茜ちゃんの登場ですよ?」

杏奈「茜ちゃんのリュック、大きい」

グリP「茜の身体よりでけぇじゃねえか……」

茜「そ、そうかな。えへへ、別に普通だと思うけれどな〜♪」ゼイゼイ

グリP「肩で息してるじゃん」

杏奈「あ、茜ちゃんツラそう……」

茜「こっ、これくらいヨユーヨユー!」

グリP「荷物チェック!」ズイッ

茜「きゃー、プロちゃん強引〜!」

グリP「これ、グローブと軟式ボール?」

茜「これでキャッチボールができるよっ、昴くんが泣いて大喜びするよ!」

グリP「ネズミーランドでキャッチボールしたら出禁を喰らうぞ」

茜「あはは〜、それもそうだねプロちゃん♪」

グリP「これは水着か?」

茜「きゃ〜、プロちゃんが茜ちゃんの水着を握りしめてる!イヤラシイ〜!」

グリP「たしかにランドのホテルには宿泊者用の貸切プールが存在する。でも今回は、そんな高級で豪勢なところには泊まらないぞ」

茜「チッチッチッ。違うのですプロちゃん、ズバリそれは混浴用だよっ♪」

グリP「は?」

茜「今夜はプロちゃんと一緒にお風呂入るでしょ。でも、さすがにバスタオルじゃマズいじゃん。茜ちゃんはアイドルで、プロちゃんはプロデューサーだからさっ♪」

グリP「これもいらねぇな」ポイッ

茜「ひ、ひどいよプロちゃん!水着がいらないなんてっ、まさか茜ちゃんの全裸を見せろって言うの?!」

グリP「そもそも混浴しねぇから!!」

杏奈「(……よかった、しないんだ)」ドキドキ

グリP「さ、酒ビンまで……」

茜「事務所の大人ってみんな飲むでしょ?」

グリP「飲むけど現地で買えるっつーの!」

茜「でも必要じゃん、茜ちゃん気の利くジョセイだから。これぐらい用意できるんです」

グリP「これから遊園地に行く子供がアルコールの心配をするんじゃありません!!」

茜「ひっどーい!カワイイ茜ちゃんを子供扱いするなんてっ!」

グリP「とにかくこの酒も不必要!」ポイッ

茜「ああ〜、すっごく高かったのに〜!」

グリP「どうやって買ったんだ未成年っ!!」

グリP「1個ずつ確認してたらキリがない。もう、必要なものだけ取り出して、あとは駅のロッカーに預けてしまおう……」

茜「ネズミーランドにもロッカーはあるじゃん。そこで預けようよ、せっかくだし全部持ってこうよ〜」

グリP「大荷物だと周りにも迷惑がかかるのでダメです!ランドのロッカーもちょっと割高だし!」

茜「それを言ったらプロちゃんっ、宿泊の日数を考えると駅のロッカーの方が高くなっちゃうよ?」

グリP「その大荷物でブラブラするほうがよっぽど燃費が悪い!」

茜「うわ〜、細かいなぁープロちゃん。そういう男って嫌われるよ?」

グリP「知るか!とにかく荷物を分けるぞ!」

茜「リュックから取り出したものをロッカーに入れるの?」

グリP「いや、必要な物をオレのカバンに追加で入れる。そっちの方が早い」

茜「え〜、そんな小さいカバンに収まるかなぁ〜」

グリP「まあ黙って見てろ……」

茜「はいはい、がんばってねプロちゃん」

杏奈「(……まだかなぁ)」ピコピコ

グリP「杏奈、スカートのポケットにもゲーム機があったんだな……」

杏奈「あうっ!!」ビクッ

グリP「保険書、カメラ、携帯用の洗面用具」

茜「雨具は?」

グリP「ランドでレインコートが買える」

茜「ふーん」

グリP「携帯の充電器と、パンフレットはオレのと共有しよう」

茜「あ、あと……プロちゃん、その……」

グリP「ん、なんだこれは?」ガサッ

杏奈「……それ、生理用品」ボソッ

グリP「…………あう」

茜「ぷ、プロちゃん。駅前だから、あんまり見せびらかさないで」

茜「パジャマは?パジャマも持って行かないとっ」

グリP「ホテルに寝間着があるから必要ないかな」

茜「え〜、プロちゃんは見たくないの?茜ちゃんのプライベートのパジャマ姿♪」

グリP「あとは着替えだけだ」

茜「うわうわうわー!いまプロちゃんが茜ちゃんを無視しましたよ!見ましたか?!」

グリP「下着はどれだ、茜」

茜「そ、その、スーパーのビニール袋に……」

グリP「ポーチとかに入れておけよ、おばさん臭いから」

茜「……………………」

グリP「よしっ、杏奈おまたせ。出発しようか!」

杏奈「う、うん……」

翼「バイクって座ってるだけでも疲れるんだね〜」

のり子「運転してる方はもっと疲れるよ」

翼「あははっ、ありがとうのり子さん。おかげで電車代が浮いたよ」

のり子「あとでジュースでもおごってよね」

翼「はいはい〜」

のり子「平日だから、混み具合はそこまで酷くなさそうだね」

翼「ふーん、けっこう人いるように見えるけどなぁ」

のり子「ピーク時は入園を制限されるからね……」

翼「ええー、せっかく来たのに入れないの?!」

のり子「よっぽどのときはね」

翼「すごいなあ、駐輪場にもスタッフが完備されているんだ」

のり子「ウチらのライブのときだって、これぐらいのスタッフはいるって」

翼「へえ〜。みんな働いているんだなぁ」

のり子「なにをしみじみしているのさ」

スタッフ「ようこそっ、バイクの駐輪はコチラへ」ニコッ

のり子「いえ、送迎です」

翼「え?!」

スタッフ「でしたら、あちらのルートから園内に入って下さい」

のり子「はーい」

翼「ええ〜。送迎って、のり子さんランドに入らないの?!」

のり子「違う違う、いったん翼をランドに置いとくの」

翼「どゆこと?」

のり子「ランドの駐車場に二輪を停めると500円取られるんだ」

翼「いいじゃんワインコインぐらい、なんなら私が払うよ〜」

のり子「まあ、いいっちゃいいんだけど。どの道ね、ランドって日をまたいで駐車ができないんだよ」

翼「へえ〜」

のり子「だったら最初から泊まるホテルの駐車場にバイクを置いといた方が手間も省けるのさ」

翼「でも、それだとのり子さんが私のせいで余計に歩くはめになるじゃん」

のり子「いいって、それぐらい〜」

のり子「すでに到着している子が何人かいるだろうから、喋ってなよ」

翼「最初からホテルに向かっても良かったのに。子供じゃあるまいし、私だって歩けるって」

のり子「まだ翼は中坊じゃん。いいからお姉さんの言うことを聞いときなって」

翼「う〜ん、わかったよー」

のり子「よしよし。心配しなくてもすぐに戻るから、それじゃまた後でねっ」

ブンブン ブロロロ~~

翼「バイクだと去り際がカッコいいなあ。惚れてまうやろ〜」

朋花「あらら〜、翼さんじゃありませんか〜♪」

翼「朋花ちゃん、おはよ〜」

朋花「翼さんも車で送られてきたんですか?」

翼「まあね、イケメンの運転手に」

朋花「うふふ、よかったですね〜♪」

グリP「ひなたの学生寮って、厳しいな」

ひなた「そうなのかい?たしかに北海道よりは窮屈だけれどね」

グリP「寮長のおばさんうるせえよ、ちょっと連れ出すだけなのに注意事項の説明で30分取られたぜ」

ひなた「悪い人ではないよ、ただ心配性なんだべ」

グリP「こりゃ時間通りに帰さないと、またぐちぐち言われそうだ」

同僚「やっぱり、お前もか」

グリP「おお、環んとこもか?」

同僚「ああ。自由奔放の環があんなに厳しい寮に入っていたなんて……」

環「でも、ばあちゃんほどはうるさくないよ。おやぶん」

ひなた「言われてみれば、ウチも寮長よりばあちゃんの説教の方が長いべさ」

グリP「なるほど、おばあちゃんっ子だから小言には耐性があるのか」

グリP「ウチも育を連れ出すのに1時間かかったぞ」

育「ごめんね、プロデューサーさん。おかあさんのお話が長くて……」

グリP「いや、愛されてる証拠だよ。いいお母さんだな」

育「うんっ。私のおかあさんはすっごくやさしいよ!」

桃子「………………」

同僚「なあ、桃子。泊まりに行くってちゃんと親御さんに言ったか?」

桃子「言ったよ」

同僚「……そうか」

桃子「それより晴れてよかったねお兄ちゃん。明日も晴れるみたいだよ」

グリP「桃子!桃子のことは、何があってもオレが守るからな!」ガシッ

桃子「ちょっとベタベタしないで、お兄ちゃん。気持ち悪い」

同僚「……で、星梨花の両親はどんな感じだった?」

グリP「それが行き先がランドということで許可は意外とあっさり」

同僚「へぇ、ほんとう意外だな」

グリP「ただ。…………ちょっと耳を貸せ」

同僚「うん?」サッ

グリP「一流の私服のSPが半径50m以内に4人、拳銃も持ってる」ボソッ

同僚「…………マジで?」

星梨花「プロデューサーさん!」

グリP「あっ、星梨花!」ビクッ

星梨花「お仕事ではいつもプロデューサーさんに案内されていますが、今日の遊園地では私に先導させてくださいね!」ダキッ

カチャ

グリP「(さ、殺気……っ、銃口がオレに向けられている……っ!)」

星梨花「ぷ、プロデューサーさん?」

亜利沙「亜利沙の腕にも抱きついていいんでしゅよ星梨花ちゃん……ぐへへへ」パシャッ

グリP「亜利沙、その手のカメラは?」

亜利沙「ぐふふ。昨日、大急ぎで新調したデジタル一眼レフなのです」

グリP「へぇ、けっこう本格的な感じがするけれど。高かったんじゃないか?」

亜利沙「ズームレンズを入れて15万ちょっとです」

グリP「大急ぎでやっていい買い物じゃねーな……」

亜利沙「プライベートの星梨花ちゃんが映像に残せるのなら15万なんて……。ふへへ、今日ほど自分がアイドルでよかったと思える日はないです……。その、私服の星梨花ちゃんの、楽しそうな姿、毛穴の一本まで、このカメラに、ぐへっへへへへ。……じゅるり」

カチッ

グリP「(マズいっ……銃口の標的が亜利沙に)」

亜利沙「15連写と高画質動画で星梨花ちゃんの一挙一動をこの手に。アイドルカメラマン亜利沙、ここに爆誕です!」

グリP「へ、変なことだけはするなよ。……死にたくなかったら」

エレナ「ゲートまで到着したんだから早く中にはいろう!時間がもったいないヨ〜!」

紗代子「団体入場だから、みんな揃ってからだよエレナさん〜」

エレナ「うー、中から賑やかな音楽が聞こえてくるヨ〜。じっとしていられないっ!」

紗代子「たしかに待ち遠しいけれど、せっかく事務所のみんながそろうのだから、全員で一緒にねっ」

エレナ「わかった、ワタシ踊りながら待つネっ!」

紗代子「事務所のみんな、——みんな?……あれ、なんかひっかかるような」

グリP「エレナ、可奈が少し遅れるそうだ。悪いがもうしばらく辛抱してくれ」

エレナ「うぎいいいい!」ズンタコズンタコ

可憐「うぅ、人がいっぱい。みんなが私を見ているような……気のせいだよね」

昴「いや、フツーは見るって。可憐ってすげー綺麗だもん」

可憐「はひ?!」

昴「私服も大人っぽくて、人混みでも目立つぜ。これでオレと1個違いなんて信じられないよ」

可憐「こっ、こういう服を着れば、私もしっかりできるかと思って……」

昴「可憐もそうだけど遊園地に来る若い女ってオシャレ率高いなー。カップルが多いからかな」

グリP「ふふふ、そういう昴くんも可愛くなれるアイテムを持ってきたぜ」

昴「ん?プロデューサーどこ行ってたんだ?」

グリP「ちょっと横の売店にね」

グリP「ほら、ネズミのカチューシャ」スポッ

昴「わっ、な、なにをしたんだ?!」

可憐「…………っふ」

昴「え、ええ?!」

グリP「おー、ネズ耳カワイイぞ昴!」

昴「ど、どこかに鏡は?」

グリP「確認しなくていいよ、カワイイカワイイ。なっ可憐!」

可憐「えっ、あっ、その、……うん。そのままでいいと思う」

昴「え〜、気になるなあ……」

可憐「ふっ、あははっ♪」

グリP「可憐の分もあるぞ」サッ

可憐「あひっ?!」ビクッ

莉緒「ネズ耳のカチューシャ。ランドの外にも売ってるんだね〜」

このみ「グッズだけなら入園しなくても買えるみたいね」

莉緒「うふふ、このみはどういう風にしてあげようかしら」

このみ「え?」

莉緒「帽子とメガネとマフラーと、手袋と尻尾と長靴っ。どうせだからフルアーマーを目指しましょ♪」

このみ「わ、私にじゃなくて自分に買いなさいよ!」

莉緒「やだー、私よりこのみの方が絶対似合うもん〜♪」

このみ「それはどういう意味なのかしらね……」

莉緒「ひねくれないでよ、純粋な褒め言葉だから」

まつり「うふふ、姫のお城が見えるのです。すぐに落城させてあげるのです」

瑞希「姫、城はどのように攻めるのですか?」

まつり「水攻めなのです、ながーいホースを持ってきて、あたり一帯をびしょびしょにしてやるのです!」

瑞希「なるほど、城を水没させるわけか」

まつり「水攻めで敵が降伏しなかったら、次は火で攻めろなのです!」

百合子「焼き尽くせっ、悠久たる冷刻の焔、アパシーインフェルノ……っ!」

まつり「敵軍は全滅、列島には姫の天下がくるのです!」

グリP「火で攻めるのはいいが、焼いちゃうと姫の城が跡形もなくなるぞ」

まつり「ほ?マジレスは禁止なのです……ね?」

百合子「やだなぁプロデューサーさん〜」

グリP「…………すまん」

瑞希「……プロデューサー。すぐにホースとライターを用意して下さい」

千鶴「おーっほっほっほ!ここが夢の国なのですね、庶民のエンターテイメント、せいぜい楽しませていただきますわ!」

グリP「ランドは庶民っつーほど安いところでもないんだけどな」

千鶴「そろそろ事務所のみんなも集合したでしょう?!一刻もはやく入場いたしましょう!」ウズウズ

グリP「もう少しだ。まだ来てない子がいるから」

千鶴「ジェットコースターには絶対に乗りたいですわ!ホーデットマンションとマジックカーペット、できればトレジャークルーズも。本日はサーカスショーもあるみたいですわよ!」

グリP「まあまあ、落ち着け千鶴。今回は泊まりで時間はたっぷりあるから」

千鶴「ほんとに全部乗れるんですの?!風のうわさで人気の乗り物は2時間以上待たされると聞きましたわよ!」

グリP「それはそうとう混雑している場合だから、何もない平日なら長くても30分ぐらい……」

千鶴「それでも十分長いですわ、並んだとき退屈しないよう今日は私から離れちゃダメですわよ!」

グリP「はいはい」

奈緒「ウチ遊園地は好きやけど、昼時にご飯で並ぶのはどうかと思うねん」

路子「たしかに、ランチのレストランはオールウェイズ混雑していますね!」

奈緒「食べたいときに食べられないって、すごくストレスやん。難しい問題かもしれへんけれど、もうちょっとなんとかして欲しいなぁ」

路子「そうですねぇ、それではレストランに並んだエブリワンにスタッフがアートを披露するというのはどうでしょう」

奈緒「それで退屈と空腹をしのぐん?」

路子「そうですっ。アーティストが並んだ人の似顔絵をフリーハンドで描いたり、あるいは映像機器を用意してショートムービーを見せたりするのです」

奈緒「ん〜、ムリやな。芸術じゃ腹は膨れんし」

路子「うぅ、そのようにデクラレーションされるとアーティストは立つ瀬がないのです」

奈緒「世の中には食えない芸術家もいっぱいおるしな」

奈緒「もういっそ、レストランの行列に食べ物を配ってしまえばええやん」

グリP「食べ物を売る場所で食べ物を配ったら商売になんねぇだろ……」

奈緒「んー、それもそうやなぁ」

グリP「どうしても快適な食事には椅子とテーブル、そして十分な時間が必要になるから。VIPにでもならない限り解決策はないだろうな」

奈緒「しょうがないかぁ。プロデューサーさん、ランドのお昼は早めに行こうか」

グリP「うん、それがいいよ」

奈緒「なに食べようかなぁ、プロデューサーさんは食べたいものある?」

グリP「こういう場所の食べ物って意外と似たり寄ったりだからなぁ。もう奈緒の食べたいものでいいよ」

奈緒「そかそか、おおきに」

恵美「そういえば、以前バンジージャンプを泣いてリタイアしたよね」

歩「なんでその話を蒸し返すんだ」

恵美「いやだって、遊園地の花型って絶叫系じゃん。もしかしてソレも苦手なのかなって」

歩「……まあ、乗れないことはないよ」

恵美「あははっ、なんか嫌そうだね」

歩「正直どっちかっていうと、地面の上でお店を眺めていたいかも」

ジュリア「それならあたしも付き合うよ。のんびり買い物しようぜ」

恵美「ジュリアも絶叫系は苦手?」

ジュリア「別に嫌いじゃないんだが待ち時間が癪でね。乗り物に待たされるぐらいだったら、そのへんを歩いていたいんだ」

恵美「なるほどねぇ」

美也「プロデューサーさんがチケットを買いに行きましたね〜」

風花「あれ〜、でも可奈ちゃん来てないわよ」

琴葉「とりあえずパスポートだけ買っておくんでしょう」

美也「それにしても、みんな足早に遊園地の中に入っていきますね〜。いったい何に追われているのでしょう」

琴葉「単純に楽しみなのよ。童心に返ったファミリーが子供の手を引っ張っちゃったりして、なかなか面白い光景ね」

風花「あはっ、いいことじゃありませんか〜」

美也「それなら私も遊園地を見習わなくちゃいけませんね〜」

琴葉「え?」

美也「サイン会や即売会などで私に会いに来てくれるファンの人たちにも、あれぐらい足早になってもらいたいです〜」

琴葉「……そうね、アイドルならそれぐらいの存在になれなくちゃ!」

風花「うん。私も文句ばっかり言ってないで、ファンのために頑張らなくちゃ」

グリP「おお、風花。やっとグラビアに目覚めてくれたか」

風花「ええ〜、やっぱり私にはそれしかないんですか?!」

美也「ちょっと肌を見せるだけでファンが喜ぶなんてうらやましいです〜」

風花「そ、そんな人事みたいにー!」

琴葉「……正直、私もちょっと風花さんがうらやましいです」

風花「ええ〜?!」

エミリー「うぅ。可奈ちゃん遅いですね、なにかあったのでしょうか」

麗花「寝坊したそうですよ。うふふ、きっと眠れなかったんですね」

海美「うんうん気持ちは分かる。私も今日が楽しみで楽しみでっ♪」

グリP「昨日から遊園地遊園地って騒ぎっぱなしだよな」

海美「だってみんなと遊べるなんて嬉しいじゃん!」

麗花「なかなか50人分のスケジュールは合わないですからね〜。…………あれ、50人?」

エミリー「でも心配です、可奈ちゃんは大慌てだろうなぁ」

グリP「まあ担当プロデューサーも同行しているから、よっぽどのことにはならないさ」

可奈「……みなさま、大変お待たせ致しました」

エミリー「あっ、可奈ちゃん!!」

海美「おお、大遅刻だぞ〜」

可奈「ご、ごめんなさい〜!!」ボロボロ

麗花「あらあら、泣かないで可奈ちゃん。私たちなら大丈夫だから」

可奈「でも、みなさまにはご迷惑を〜」

麗花「たしかに、これがライブの仕事だったら厳しいかな〜♪」

可奈「ふえええ〜!」

エミリー「まあまあ、麗花さん。ほんとうに平気だよ可奈ちゃん。パスポートはもう買ってあるみたいだから、すぐに行こう!」

可奈「ありがとうエミリちゃん!ようし、出発進行〜♪ナスのお新香〜♪」


グリP「あれ?」

同僚「ん、どうした?」

グリP「パスポートがプロデューサーとアイドルの分で1枚ずつ余った」

同僚「…………ウチの所属アイドルって50人だよな?」

グリP「おお。だから50枚でぴったりのはず……」

同僚「うーん、不思議だなぁ」

グリP「まあいいか」

同僚「いいのかよ」

〜765事務所〜

未来「……はっくち」

グリP「だ、だ、だ、大丈夫か未来!未来ぃ、オレの風邪がうつったか?!ああ、ああ〜」

未来「へ、平気ですよプロデューサーさんっ。ちょっと鼻がむずむずしただけです。きっと誰かが私の噂をしているんです!」

グリP「そ、そうか〜。頼んだぞ未来、いま765事務所で活動ができるアイドルは未来1人だけなんだからっ!」

未来「任せてくださいプロデューサーさんっ!春日未来っ、やまだかつてない事務所のピンチを乗り越えてみせます!」

グリP「おお、オレも頑張るぞ!さあ、さっそく最初の仕事に行くぞ未来!」

未来「ええ!今日もトップアイドルを目指して、全速前進です!」

ここで一区切りします。
続きが書けたらまた失礼します

ありがとうございました〜

再開失礼します。
ご指摘の通りに、Pの名前には番号を付けますんー。

百合子「あぁ、……シンデレラ城。まさにお城のイメージといえばコレですよね!兎にも角にも想像できる限りの大きくて豪華で綺麗なお城っ。そして乙女なら誰しも一度はここでの優雅な生活を送ってみたいと思ったことがあるのです」

�P「優雅な生活ねぇ」

百合子「プロデューサーさんは、優雅な生活には憧れませんか?!」

�P「もうオッサンだからな。優雅って言ったら贅沢、贅沢って言ったら居酒屋の中トロだわ」

百合子「はぁ?!飲み屋のどこが優雅ですか!」

�P「中トロをツマミに飲む酒は最高に優雅ですけど?」

百合子「嫌ーっ!私は認めませんそんなの!!」

�P「……おいおい、その一杯で1日を乗り過ごす大人は世の中にいっぱいいるんだぜ」

百合子「これから羽ばたくアイドルに向かって夢のないことを言わないで下さい、穢れますから!」

このみ「……へっくしょん」

百合子「お城での生活を妄想するのも楽しいですが、なによりソコに行き着くまでの過程が大切なんです!」

�P「その話、長い?」

百合子「理不尽でつまらない日常を送る女の子、シンデレラはツラい現実に耐える日々」

�P「収録の仕事でもそれぐらい流暢に話せたらなぁ……」

百合子「しかし少女の努力を見ている人はいたのです。そして魔女に同情された彼女は魔法でお城への潜入に成功」

�P「なるほど、同情ね……」

百合子「そこで現れる王子様ですよ!王子様!」クワッ

�P「目がキラキラ輝き始めたな、百合子」

春香「……へっくしょん」

百合子「由緒正しき血統のご子息様ですっ!生まれた瞬間に勝利が約束されたサラブレッド、その身に染みた高貴なる気品、約束された将来の地位っ、なのに身体は大きくて強くてー、それでもって性格も良くてー、きゃああああー!へへへ、参っちゃいますよねーっ!」

�P「オレは百合子の語り口に参っちゃいそうだよ」

百合子「そんな完璧の王子様が気づいてくれるんですよ!大勢の女性の中から、1人の私に。私だけの魅力にっ!」

�P「まあ物語だからね」

百合子「そんな心躍るファンタジー、それが現実に具現化した存在。シンデレラ城とは、そういうモノなんです!」

�P「女の子にとっては深い意味のある建造物なんだな、うんうん。よく分かったよ」

百合子「……プロデューサーさん」

�P「なんだ?」

百合子「私のリアルでも始まっているんですよ、シンデレラは」

�P「………………」

百合子「私だけの魅力に気づいてくれる存在、それって王子様みたいじゃありませんか?」

�P「そういう仕事だからな」

百合子「つまらない日常に颯爽と現れて、私を優雅な世界へと導いてくれる人」

�P「……なるほどね」

百合子「だから、せめてランドの中だけでは、……その。……あの、私もお姫様みたいに」チラッ

�P「分かった、努力してみる」

百合子「ほ、ほんとに?」

�P「…………」

百合子「…………」

�P「お腹は空いていませんか、お嬢様」

百合子「………………なんか違う」

�P「えー」

風花「うわ〜、室内もこまかく作り込まれているんだぁ。もう本当のお城だなぁ」

律子「もともとレストランも中に入れる予定だったみたいよ。ただしコストの問題で頓挫したみたい」

風花「へー、そうなんだ〜」

律子「代わりと言うのかな。シンデレラ城は結婚式場として利用できるわよ」

風花「遊園地で結婚式?!いいなぁ〜」

律子「神秘的な式場にキャラクターやキャストが仮装をしてね。あんまり私はそういうの好きじゃないんだけれど」

風花「そんな、素敵だよ〜。お城で結婚できるなんて気分はもうお姫様じゃない♪」

律子「人によっては夢かもね。ただ、必要以上に経費が取られるのよ。豪華なのはいいんだけれど。ほら、ここのパンフレットに式場の値段が……」チラッ

風花「……うわ〜」

律子「でも花嫁さんの衣装は着てみたいかもね」

風花「そうだね〜、お姫様みたいで私も憧れだなぁ」

律子「へぇ、風花は和風って感じだと思ってたけれど」

風花「着物もいいけれどね、やっぱりドレスがいいかな。律子さんは?」

律子「相手によるかしら。パートナーが和服が似合うか洋服が似合うかの違いかなぁ」

風花「げ、現実的ですねぇ〜……」

律子「現実って言ったら、私たちアイドルだし。するとしても、結婚はまだまだ先だよね」

風花「それはそうですけれど〜」

律子「でも花嫁衣裳ぐらいなら、仕事の撮影でできるかもよ?もうすぐジューンブライドじゃない」

風花「ん〜、それも楽しみだけど。仕事の衣装となるとやっぱりなぁ……」

律子「ん?」

風花「その、なんていうか、胸元が開いていたり、腰のラインが強調されていたり、そんなドレスが目に見えるようで……」

律子「……それがニーズだからね、ドンマイ」

風花「本番の結婚式では清楚なイメージにしたい〜っ」

律子「でも収まるかしら、その大きい胸。ウェディングドレスの中に……」

風花「ええ〜?!」

律子「かりに収まったとして、清楚な感じにできるかな……」

風花「そ、そんな!酷いよ〜」

律子「ああ、ごめんごめんっ」

海美「ふっふ〜ベタベタ……」

�P「さっきから壁に手を付いて何やっているんだ?」

海美「私、聞いちゃったんだ〜♪シンデレラ城の壁画には本物のダイヤモンドが埋められているって!」

�P「へぇ……」

海美「それでね!そのダイヤに触ると、その人は幸せになれるんだって!」

�P「そういうわけか。興味がある話だけど、海美には分かるのか?本物のダイヤモンドが」

海美「分かるわけないじゃん。だからこうして片っ端から触ってるんじゃん!」

�P「そらそうよね」

海美「も〜、さっきからソレっぽいのにいっぱい触っているんだけど、数が多すぎで大変だ〜」

�P「気の遠くなる作業だな」

星梨花「あっ、コレ本物のダイヤかも……」

海美「あう?!」

星梨花「この女性の耳、イヤリング部分。自信はありませんが」

千鶴「だ、だ、だ、ダイヤモンドですって?!」

伊織「どれどれ、ちょっと見せなさいよ」

�P「お、伊織」

伊織「……うん、本物だわ」

星梨花「ほっ、よかった。正解でしたね♪」

�P「よく見つけられたな、この大きな壁画から」

星梨花「えっ、えへへ〜」

千鶴「わ、わたくしにもわかりましてよ!これは本物のダイヤモンドですわ!」ビシッ

伊織「この独特のエッジと、光のはね返し。間違いないわね」

星梨花「虫眼鏡があれば、もうちょっと分かりやすいんですけれどね。光り方が行きすぎてないんです」

千鶴「そ、そ、そうですわね!カラットがダイヤモンドのソレですわ!おーほっほっほっ、……げほっげほっ」

海美「やったー、これで私も幸せに〜。千鶴さんも触っていきます?」

千鶴「わ、わたくしは遠慮しておきます。ダイヤモンドなんて触れようと思えばいつでも……」

星梨花「この立派な大きさは珍しいですね。私も触りたいです!」

伊織「こういうところの宝石は縁起がよさそうだからね。いちおう私も触っておくわ」

�P「オレもゲン担ぎに触っていくわ」

千鶴「わ、わたくしも触っておきますわ!」

�P「おいおい、押すなよ千鶴……」

まつり「ほ?上の階には行けないのです?」

門番「すいません、現在はシンデレラ姫が眠っていまして」

まつり「ほ?おかしいのです。姫はここにいるのです」

門番「は?」

まつり「姫は遊園地ではしゃぐ愚民どもを高所から一望したいのです。だからお城の上に行きたいのです……ね?」

門番「で、ですので……。姫がいま眠っていて」

まつり「だから!姫はここにいるのです!!」

門番「は、はぁ?」

�P「す、すいません!この子ちょっと面白い思考回路してまして!」

�P「上から景色を眺めると、遊園地の外のホテルやビルが見えちゃうだろ?景観を損なうから、基本的にシンデレラ城や、建物の二階以上には行けないんだよ」

まつり「ほ?ビル?なにを言っているのです?ここはまつり姫の国なのです。まつり姫の国には城と民家しかないのです。……ね?」

�P「…………」

まつり「ところで城の警備が薄いのです。これではすぐに敵国にやられちゃうのです。もっと兵士を増やしたほうがいいと思いませんか?……ね?」

�P「……そうだな」

まつり「うふふ。冗談なのです、プロデューサーさんをちょこっとだけ、からかってみたのです」

�P「……冗談って、どこから?」

まつり「……ほ?」

�P「城はこのぐらいにして、ショッピング行こうか!」

可憐「……この匂い、ちょっと元気がでるかも」クンクン

�P「遊園地キャラクターイメージの香水か」

可憐「アロマもいいけど、こういうのも好き」

�P「キャラの体臭まで売りに出すとは。いやはやファンタジーだなあ……」

可憐「……現実の人の体臭はキライですか?」

�P「いや、だって普通はいい匂いはしないもんだろ?」

可憐「そ、そうですか」

可憐「種類がいっぱいありますね、ごめんなさい時間をとらせて……」

�P「別にオレは構わないけど、全部確かめるのか?」

可憐「せ、せっかくだから。全種類かいでいきたい」クンクン

�P「ふうん。まあゆっくりでいいよ」

可憐「あっ鼻が麻痺してきました……。ちょっとプロデューサーさんの上着で口直し」クンクン

�P「わっ、おい!」

可憐「すーはー」

�P「……なんか犬みたいだな」

可憐「す、すいません」

�P「よかったな、お気に入りの香水が見つかって」

可憐「は、はい。ありがとうございます。このコロンで嗅覚からも目立てるように……」

�P「ま、まあ程々にな」

可憐「はい」

�P「ところで可憐、今日はどんな香水つけてきたんだ?」

可憐「え?」

�P「さっき可憐がオレの上着を嗅いだとき、オレも可憐からいい匂いを感じてさ」

可憐「……な、なにも付けてないですよ?」

�P「あ、あれ?」

可憐「……ふふっ。人の体臭も悪くはないですよね?」

�P「そ、そうだな。……あはは」

子供「やだー、乗りたいー、うぎゃー!」

育「…………」

桃子「育ちゃん、どうしたの?」

育「身長制限で乗れない子、なんだか他人事に思えなくて」

桃子「私たちも2,3年前はあんな感じだったもんね」

育「ああ、あの子おしい……。あと3センチぐらいなのに」

桃子「そんなことで同情してたら、厳しい芸能界で生きていけないよ?」

子供「やだー、乗りたいー、うぎゃー!」

このみ「バカねぇ、身長が足りなければハイヒールを履けばいいのに」

莉緒「……さすが、大人のいうことは違うわね」

翼「やっぱりコースター系は人気がすごいね」ピコピコ

恵美「でも、いま並んでおかないと。これからどんどん列は長くなるだろうし」ピコピコ

�P「……さっきから携帯ばっかりいじってるな」

翼「友達やファンにちゃんと報告しておかないと」

恵美「そうそう。『待ち時間なう』っと……」

翼「恵美、写メお願い」パシャ

恵美「アタシも1枚」パシャ

�P「女の子は待ち時間でも慌ただしいな」

恵美「プロデューサーも一緒にどう?」

翼「私も撮りたい、プロデューサーさんお願い〜」

翼「プロデューサーさんとは腕を組んでみよう」パシャ

�P「お、おい!」

恵美「じゃあアタシは手をつないでいただき!」パシャ

�P「ま、マズい!絶対に今のでツイートするなよ!」

恵美「分かってるよプロデューサー。私だってアカウント炎上させたくないし」

翼「頑張ってフォロワー数もここまで育てたもんね〜」

恵美「いまのはプライベートの記念だよっプロデューサー♪」

�P「そ、それならいいけど……」ドキドキ

恵美「……いや、逆に炎上させて育てるのもアリかな?」

翼「ほう……恵美さん。修羅の道を進みますかい?」

�P「止めろ!絶対に止めろ!!」

恵美「いやー、やっぱりジェットコースターは爽快でいいねぇ」

翼「久しぶりに叫んだよ、楽しかった〜」

�P「翼はいつもぎゃーぎゃー騒いでるだろ」

翼「そうかな〜。さすがに普段の生活で叫びまではしてないよ」

恵美「むしろ待ち時間中はプロデューサーの方が騒いでたじゃん」

�P「アレは危ない写真を二人が撮るから!」

翼「アレで危ないだって?」

恵美「プロデューサーは純真だね」

�P「……おいおい」

恵美「さあ、次のアトラクション行こうか」

翼「今度の待ち時間では抱きついてみようかな、ダメ?」

�P「杏奈、楽しいか?」

杏奈「…………ん、楽しいよ?」

�P「んー、そうなのか」

杏奈「……ダメかな、もっと、周りみたいに騒いだりしないと」

ひなた「難しいかもね。でも友達が杏奈ちゃんのこと理解してくれる人だったら、きっと大丈夫だべさ」

杏奈「……やっぱり不安。今のままで修学旅行に臨むのは」

�P「ライブの時みたいにスイッチが入れば、テンションも上がるんだけどな」

ひなた「あっちに洋服のお店があるべさ。ライブの衣装みたいに綺麗な服を着れば、杏奈ちゃんも変わるんじゃないかい?」

杏奈「う、うん」

�P「よし行ってみるか」

�P「大きなファッションセンターだな」

ひなた「綺麗なドレスや制服もおいてあるね」

杏奈「キャラのコスチュームも……かわいい。ちょっとビビッとした」

�P「つけ耳や尻尾マフラーだけじゃなくて、ちゃんとした衣装も売ってるもんなんだな」

杏奈「この制服、着てみたいかも」

�P「試着室があるから試しに着てみたらどうだ、せっかくだからひなたも」

ひなた「私はいいよ、洋服は必要ないべさ」

�P「あっちの民族ファッションなんか、ひなたに似合いそうじゃないか?」

ひなた「だからいいって、私なんかが着たら洋服に失礼っしょ」

�P「杏奈が服を着ている間に待ってるのもなんだから。……ほら、一式がそろってるあの服を着よう、あの服!店員さ〜ん!」

ひなた「ああっ、別にいいのに……」

杏奈「ネクタイとリボン、……どっちにしよう。あはっ」

杏奈「じゃーん!プロデューサー、どう?似合ってるでしょ?!」

�P「かわいいよ杏奈、一気に表情も明るくなったな」

杏奈「えへっ、じつはスカートの種類で迷っているんだけど、どっちの柄がいいかな?」

�P「ん〜、そうだなあ。……ん〜」

杏奈「こっちのスカートも試してみるねっ。ちょっと待ってて!」

�P「了解〜。……っと、ひなたがなかなか出てこないな」

ひなた「プロデューサー、ちょっといいべか?」

�P「(ん、試着室の中からひなたの声が……)」

ひなた「ちょっとこっち来てくれないかい?」

�P「(もしかして照れてるのかな?)」

ガチャ

�P「…………え、下着?」

ひなた「着替え中だから、早くドアを閉めてくれないかい?」

�P「あ、……あう」ガチャ

ひなた「ごめんね、プロデューサー。この服、難しくて着方が分かんないべさ」

�P「(ひなたの下着、上下バラバラ……あ、いや。問題はそこじゃなくて)」

ひなた「このベルトがやっかいで、……このハンカチみたいなのも、私にはさっぱりだべさ」

�P「それはベルトじゃなくてサスペンダー。そのハンカチはスカーフ、腰巻の上にさらに巻くんだな……」

ひなた「さすがアイドルのプロデューサーだべ、そういうのに詳しいんだね」

�P「(いや、一般知識……)」

ひなた「プロデューサー、やっぱり私にこの服はみったくないね。もう止めていいかい?」

�P「(試着室で密着してひなたの吐息が……くぅ)」

ひなた「プロデューサー?」

�P「いや、ここまできたんだ。諦めるなよ!絶対に着こなせよっ、頑張れよひなた!」

ひなた「ぷ、プロデューサー?!」

�P「とりあえず、ズボンを履いて」

ひなた「う、……うん」

�P「ひなたの私服じゃなくて衣装の方っ!」

ひなた「は、はい……」

�P「よし、オレが腰巻を着けるよ。ちょっとしゃがむから、はじっこに寄ってくれ」

ひなた「あ、ありがとね」

�P「(たしかに複雑な服だな。ズボンの上から布を巻いて、横のヒモで結ぶのか……)」ゴチャゴチャ

ひなた「……あっ、ズボン落ちたべ」ズルッ

�P「ッブウウウウウウー!」

ひなた「うーん、サイズが大きいんだべか」

�P「(目の前にひなたのパンツが……くっそ!オレは絶対に負けねぇぞ!!)」

ひなた「プロデューサー、まだ続けるんかい?」

ひなた「なんとか着ることができたね、プロデューサー。お疲れさま」

�P「さいっこうにカワイイィィィィ!本当にマジでいいわー!ひなたのプロデューサーやっててよかったわー!!生きててよかったー!ひなたー、世界一可愛いよおおおおおおおお!」

ひなた「そ、そんなに褒めなくていいべさ……」

�P「買うからなその服……っ!絶対に……っ!一式全部……っ!金はオレが払うから……っ!ずっと今日はその衣装でいろよ……っ!!」

ひなた「わ、分かったべさ……」

杏奈「ねーねー、プロデューサーさん。杏奈の制服は?可愛い?」

�P「ああ、杏奈も可愛いな」

杏奈「じゃあ杏奈にも買って」

�P「……すいません、支払いはカードで」

店員「ありがとうございました〜」

莉緒「おっ、杏奈ちゃんにひなたちゃん。その服可愛いわね〜」

杏奈「いぇーい!ありがとー!」

ひなた「に、似合ってるべか……」

莉緒「大丈夫、二人とも似合ってるよっ」

�P「んっ、そっちの子も可愛く仕上がってるな」

このみ「…………ありがと」

�P「つけ耳、リボン、つけヒゲ、巨大手袋、チョーカー、首飾り、蝶ネクタイ、ベルト、尻尾。うわー、よくここまで装備できたな」

杏奈「RPGゲームだったら、すごくステータスが上がってそうだね!」

このみ「買ったの私じゃないのよ。莉緒なのよ、バカな買い物だと思わない?」

ひなた「それは奇遇だべさ。私もこの服、プロデューサーに買ってもらったさぁ」

このみ「どうせなら私もそっちの衣装がよかったわよ……」

�P「(と言いつつ、律儀に身につけるあたりはさすがこのみさん)」

�P「でも遊園地内で仮装できるのも今のうちだから、杏奈もひなたも楽しんでおけよ」

莉緒「そうそう。大人はキャストと間違われるから、仮装は禁止なのよね」

�P「それに客が店員より服装で目立ってもいけないしなー」

杏奈「そっか、遊園地を制服姿で遊べるのは子供の今だけなんだ〜」

ひなた「私の民族衣装もそうなんだね。分かったべさ、せいいっぱい楽しむね」

莉緒「まあ、外見が子供なら、大人でも仮装はセーフかもしれないけれどね」

杏奈「…………」チラッ

ひなた「…………」チラッ

このみ「……あのさ、なんでこっちを見るの?」

莉緒「まあまあ、このみ。プンプンしないで。この後バイキングおごってあげるからさ。このみなら小学生料金で済むし」

このみ「ガルルルルルルルルー!!」

莉緒「きゃー」

奈緒「おっ、右の道にスウィートポテトの出店があるで!」モグモグ

貴音「なんとっ。しかし奈緒、左の道には『ぷれっちぇる』が売られています」モグモグ

奈緒「それは緊急事態やな、究極の二択やないか」モグモグ

貴音「なんという運命の悪戯なのでしょうか。これは試練なのですね、プロデューサー」モグモグ

�P「……お前ら、まだ食うの?」

奈緒「モチのロンやでプロデューサー」モグモグ

貴音「プロデューサー、それは愚問です。まだまだ私の空腹は収まっていません」モグモグ

�P「ハンバーガーにチキン、アイスクリームにアップルパイ。道行く先の飲食系ショップに出くわすたんび食い物を買ってるじゃないか……」

奈緒「食べ物だけやなくて、ちゃんとジュースも買ってるさかい」モグモグ

�P「遊園地は大阪食道楽じゃないんだぞ、もっと楽しむべきモノが他にもっ」

奈緒「分かっとるよ、でもしょうがないやん。歩けど歩けど食べ物が売られているんやもん」

貴音「大阪食道楽、……素敵な響きですね。私もいつか体験したいです」

奈緒「んなもん、いつでも私が連れたったるわ。大阪近郊は私の庭なんやで」

貴音「本当ですか?そのときは是非、よろしくお願いします」

奈緒「うんうん。……ところでそろそろお昼やね。どこで食べようか」

貴音「僭越ながら私、ガッツリと食べられるところへ行きたいです」

奈緒「奇遇やな、ウチも同意見や」

�P「ああ、昼もしっかり食うんだな……」

奈緒「プロデューサーさんは、お腹空かへんの?」

�P「やー、二人を見てるだけで満腹感が」

貴音「しかし遊園地にガッツリ食べられるスポットはあるのでしょうか」

�P「それならランド内のホテルに行くか?」

奈緒「ホテルの電話から出前でも取るんか?」

�P「んなわけねぇだろ……、ホテルに行けばブュッフェがあるから」

奈緒「ブュッフェ?」

貴音「つまり食べ放題ですね」

奈緒「へぇ!ちゃんとあるんやな。そういう場所も」

貴音「是非いきましょう『ぶっふぇ』に!」

�P「おう。そっちの道じゃなくて、あっちの道だ」

美也「ん〜困りましたね。お腹が空いたのに、どの店も行列ができています」

桃子「しょうがないね、お昼だもん」

美也「どうして私がお腹が空くと、レストランに行列ができるのでしょう〜」

桃子「みんなも美也ちゃんも、同じ人間だからじゃないかな」

麗花「どっかに知り合いはいませんかね。いたら横入りさせてもらうんですが〜」

桃子「ダメだよ、それルール違反だよ」

麗花「桃子ちゃん、顔パスとかできませんか?子役だったから顔もそこそこ広いですよね」

桃子「桃子にムチャぶりしないでよ、顔パスなんて現実にはめったにないよ……」

�P「お前ら、あんまり11歳を困らせんなよ」

桃子「……少し歩いてもいいなら、方法はあるけど」

美也「いいですよ〜、歩くのは好きです。空腹じゃなかったらですけどね〜」

桃子「…………いいのか悪いのかはっきりしてよ」

麗花「まあバカ正直に並ぶよりマシなら、付き合いますよ〜」

桃子「お兄ちゃん。この人たちは置いて、私たち二人でどっか行っちゃおうよ」

�P「まあまあ桃子。事務所の先輩と付き合うのも大事な仕事だぞ」

桃子「……あのね。いったん遊園地から出て、外で食べるって方法なんだけど」

麗花「え?そしたら再入園でお金を取られませんか?」

桃子「大丈夫、桃子たちのチケットは1日フリーパスだから。今日中なら何回でも無料で入れるよ」

麗花「へぇ〜ほんとうですかぁ〜」

桃子「……本当だよ」

�P「麗花、ワザとやってるだろ」

麗花「えへへ〜、ごめんなさい。桃子ちゃんが可愛くって、ついつい♪」

美也「遊園地の外は呆気ないほど空いてますね〜」

�P「まあ、あっちの行列を一回見ちゃうとな……」

桃子「遊園地で食事をできない人たちを狙った飲食店が駅の中にいっぱいあるんだよ」

麗花「これなら好きなものが食べられますね♪」

�P「よかったよ、桃子と一緒にいて」

桃子「別にお兄ちゃんのためってワケじゃないけれど」

美也「私のためですよね〜、ありがとう桃子ちゃん♪」

桃子「…………うん」

麗花「で、なに食べます?」

�P「ここは当然、桃子の食べたいモノ優先だろ」

桃子「え?……じゃあ、そこの角に洋食の」

美也「私は天ぷらソバ……あ、なんでもないです〜」

桃子「桃子、おソバでいいよ」

�P「…………さて、ハンバーグでも食うかな」

麗花「では、私はナポリタンを」

桃子「……桃子、チキンライス」

美也「じゃあオムライスを私はいただきますね〜」

�P「美也はあっちの店に行ってもいいんだぞ」

美也「えーん。プロデューサーさん、ひどいです〜」

すいません、今回はここらで切り上げます。
ありがとうございました〜

http://i.imgur.com/QzQ7RPI.jpg
http://i.imgur.com/DV3g85r.jpg
天海春香(17)

http://i.imgur.com/tVhRwED.jpg
http://i.imgur.com/karYBjg.jpg
秋月律子(19)

http://i.imgur.com/qEZSKpz.jpg
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水瀬伊織(15)

http://i.imgur.com/uK7WcjW.jpg
http://i.imgur.com/TAO410W.jpg
四条貴音(18)

>麗花「どっかに知り合いはいませんかね。いたら横入りさせてもらうんですが〜」
>麗花「まあバカ正直に並ぶよりマシなら、付き合いますよ〜」

麗花ってこんなキャラだっけ?
よく分からん

麗花については
桃子のことをからかった発言なんですが、
読み返してみるとちょっとキツいですね。

間が開いて申し訳ないです。
ちょろっとだけ再開します。

可奈「はれっ? プロデューサーさん、このアトラクションだけ待ち時間がおかしいですよ〜」

�P「どれどれ……。本当だ、普通は5分刻みで表記さている待ち時間が、ここではちょっと違う」

可奈「行列の最後尾が13分待ち、そのちょっと前列が9分待ち、さらにアトラクション入り口の直前が4分待ちです〜。不思議だな〜? ミステリィ? それとも、ただのミス〜?」

�P「普通だったら15分、10分、5分って掲示されるのに。……でもスタッフのミスってことは、さすがにないよなー」

紗代子「……ふ〜ん、なるほど」

�P「おっ、紗代子は何か分かったのか?」

紗代子「はい、プロデューサーさん。謎のカギは、このアトラクションのテーマ。ホーデットマンションです」

�P「つまりお化け屋敷だな」

可奈「お化け? 気まぐれなお化けさんが数字をバラバラにしちゃったんですか?」

紗代子「そこをバラバラにされたら、行列したお客さんが困っちゃうな〜」

�P「4、9、13。……ああ、分かったぞ。オレにもようやっと」

可奈「お化けさんの正体がですか?!」

紗代子「忌み数だよ、可奈ちゃん」

可奈「イミカズさん? お化けさんの名前ですか〜、すでに死んでいるぅイミカズさ〜ん♪」

�P「可奈。忌み数とは不吉とされている数字のことだ」

可奈「はれ?」

紗代子「4は死、9は苦を連想させるから嫌われる数字なの。13については諸説があるけれど、これも西洋で不吉とされる数なんだよ」

�P「死人や幽霊が題材であるお化け屋敷で、あえて不吉な数字を使っていたんだな」

紗代子「行列の最後尾から、アトラクションの演出は始まっているんですね」

可奈「ん〜、せっかくだから私たちも並びましょうよ〜♪ レッツお化け〜♪ エノキダケ〜♪ 茹でるだけ〜♪」

�P「二人ともお化けは大丈夫なのか?」

紗代子「少なくとも得意ではありませんけれど、まあ小さな子供も並んでいますし、そんなに怖いモノでもないでしょう」

可奈「お化けさん、どんと来いです〜♪」

�P「ライド(乗り物)型のお化け屋敷だな。……よし、行ってみようか」

可奈「ぎゃあああああああああ! ぎゃあああああああ!」

�P「さ、紗代子! コレけっこうエグいぞっ」

紗代子「お、落ち着いて。全部トリックですから……」

可奈「うぎゃあああああ!お、おばっ、骨が、骸骨が」ガタガタ

紗代子「可奈ちゃん、どうしても怖いときは目をつむっても」

可奈「きゃああああああ!」

紗代子「き、聞こえてない……」

�P「男性の絵画が、みるみる歳を食って骸骨に……。どういうカラクリなんだ、これは」

紗代子「ライトです。背面のプロジェクターが光の量を操って複数の絵を巧妙に入れ替えているのですよ」

可奈「あー、あひー……」ボロボロ

紗代子「か、可奈ちゃん。私の腕つかんでていいから……」

可奈「は、はれっ……とうめいの人たちがダンスを……」

紗代子「これは板ガラスの反射だよ、可奈ちゃん。角度を変えた別の場所に、部屋がまるごと存在するの。それをウマく光で写しているんだよ」

�P「消えたり、現れたりしてるんだけど……」アワアワ

紗代子「だから反射のライトをつけたり消したりしているんですよ! プロデューサーも落ち着いて下さい」

�P「く、詳しいな紗代子……」

紗代子「けっこう有名なトリックですよ。携帯の液晶画面とアクリル板があれば、自宅でも簡単にできます」

可奈「うぅ〜、紗代子ちゃん〜」

紗代子「よ、よしよし……」

可奈「ぎゃあああー! 鏡に映った亡霊が、私たちの乗り物にっ! うぎゃああああー! 食べられるううううううー!」

紗代子「さっきと同じ原理です。大丈夫、大丈夫」

�P「で、でも鏡には幽霊がいて……、実際にはいない? 鏡に絵を合成しているのか?」

紗代子「鏡に絵を合成した場合だと、鏡に映った動く乗り物や背景に幽霊が追従できませんよ、プロデューサー」

�P「じゃ、じゃあ本物の幽霊……」

紗代子「鏡じゃなくてあれも板ガラスです。ガラスの奥が真っ暗なので鏡と錯覚してしまうんですね。つまり今度はガラスに映った私たちが半透明の偽物。そして映った幽霊は実物です。幽霊も乗り物と同じスピードで横にスライドさせるんです」

可奈「じ、実物ぅ?!」

紗代子「実物のマネキンという意味だよ、幽霊が実在するわけじゃないよ!」

�P「鏡の幽霊が本物で、鏡のオレたちが偽物……。よくできてるなぁ」

紗代子「だからプロデューサーも、さっきから肩つかまないで下さい。怖いのは分かりますけれど」

�P「へ? 別につかんでないけど?」

紗代子「…………あれ?」

可奈「あはは〜、楽しかったですね〜♪」

�P「可奈はお化け屋敷でアレだけ絶叫しておいて、よくノドが枯れないよな……。ジェットコースターでも悲鳴あげてたし」

可奈「まだまだ、いくらでも歌えますよ〜♪ ララララ〜♪ 可奈は夢の国〜♪ カナリアの調べ〜♪」

�P「しかもあんなに怖がってたのに、もうケロっとしてる……」

可奈「いやだなあプロデューサーさん。私はそこまで怖がってませんでしたよ〜」

�P「……まあいいけど。その一方、怯えている人がコチラに」

紗代子「あ、あ、あれが光の立体映像なら感触の存在はありえないっ。光の熱量で肩に手を置かれた感覚を再現した……いや、それならもっと直線的に温かみを感じるはず。……さっきのは完全に手を置かれた感触だった。そ、それに重量もあった。トリックだとしても物理的な何かであるはず。し、深呼吸だ。あれは気のせい、きっと気のせい……」ブツブツ

�P「大丈夫か、紗代子」ポンッ

紗代子「あひいいいいいいいいいいいいっ!!」ビクビクゥ

�P「おわっ」

紗代子「あ、あう。……なっ、なっ、なんだ、プロデューサーですか」ガクッ

�P「(紗代子がヒザから崩れ落ちてしまった……)」

�P「た、立てるか?」

紗代子「あ、あれ……」ガクガク

�P「ほら、掴まれよ」

紗代子「平気です……。平気だもん」

�P「ムリすんなって」

紗代子「うぅ……」

可奈「紗代子ちゃん、足に力が入らないなら私の腕によりかかっていいよ!」

紗代子「あ、ありがと。可奈ちゃん」

�P「(コイツ、さっきまで紗代子にしがみついてたクセに……)」

茜「やっぱり映画と遊園地にポップコーンは外せないよね〜プロちゃん♪ でも茜ちゃんは何味を食べるかでいっつも悩んじゃうんです。ソルト、キャラメル、ストロベリー、ミルク、アップルシナモン。全部シャッフルして売ってくれたら茜ちゃん助かるのにな〜」ムシャムシャ

�P「星梨花、人混みに酔ってないか?」

星梨花「心配しすぎですよプロデューサーさん。たしかに、人がいっぱいいて、ビックリしてますけど。でもみんなが笑顔で、こうしてみんなと一緒に列に並ぶのも楽しいです!」

�P「あー、癒されるわー」ナデナデ

星梨花「えへへ……」

やよい「うっうー! ガーッとしてグーッとして、すっごく私も楽しいかなーって!」

�P「こっちもかわええ……。やよい、はいたーっち」

やよい「ターッチ! いぇい!」

茜「いっつもポップコーン買うときさ、茜ちゃん次に買うときはあの味にしよう! って心に決めるんだけど。いざ次の機会になるとさっぱり忘れちゃうんだよね。うーん、なんで忘れちゃうんだろう。なんでかな、プロちゃん〜」

星梨花「家族で遊びに来ている方がいっぱいいます。私も、今度はパパとママと行きたいな」

やよい「うっうー、私も家族を連れて行きたいかなーって。プロデューサー、いいですか?」

�P「ああ、ええよええよ」ホクホク

星梨花「じゃ、じゃあ! 私もジュニオールを連れて行きたいです!」

�P「い、犬はちょっとキツイかな……」

星梨花「むむー」

茜「ところでプロちゃんは知っているかな?! 茜ちゃんって強力な晴れ女なんだよ。きっと今日晴れたのも茜ちゃんのお陰だね! 今夜のパレードが雨天中止になることは絶対にないよ! だからプロちゃん、茜ちゃんを褒めてもいいんだよ!」

やよい「あっ、行列がわさわさしてきましたーっ! そろそろ観覧車に乗れそうですねー!」

星梨花「えへへ、プロデューサーさん! となりに座ってもいいですか?」

�P「かまわへんで」

やよい「うぅ、私もプロデューサーの横に座りたいかなーって」

�P「さすがに片側のシートに3人は狭いかな〜」

星梨花「困りましたねー。私がプロデューサーのヒザの上に座りましょうか?」

�P「なるほど、星梨花はかしこいな〜」

星梨花「えへへ」

茜「お花見のときに晴れたのも、ドラマの撮影のときに晴れたのも茜ちゃんのおかげなんだよ。うわっ、プロちゃん! 茜ちゃんの頭をなでなでするチャンスじゃない?! うりうり〜」

キャスト「次のゴンドラが来る前に、急いでお乗り下さい〜」

やよい「うっう〜、乗り込みますよー!」

星梨花「わわっ。プロデューサーも早く早く」

�P「ほいほい」

ガチャ……

茜「んん〜、プロちゃんの手がなかなか来ないゾ♪ 茜ちゃんがカワイイからためらっているのかな? ねえねえ、プロちゃ……あれ。プロちゃん? プロちゃんが消えた?」

キャスト「次の方、どうぞこちらへ」

茜「……あ、はい」


※ビル、ホテルなど関係ない景色が見えてしまうため実際のTDRに観覧車は存在しない。


〜昼食中〜

�P「会員制の超高級レストランがあるだって? 遊園地の中にか?」

桃子「うん」モグモグ

麗花「本当にそんなものが? 単なるウワサではなくて」

桃子「一回だけ入ったことあるもん。子役時代に共演したベテランの女優さんが予約して、桃子も食事にさそってくれた」

美也「では、ベテラン女優さんと友だちになれば。私もその秘密のレストランで食事ができるんですか〜?」

�P「なれるもんならな」

桃子「せっかくだから自分で会員になろうよ。きっとトップアイドルになれば、コネができて、ランドの会員にもなれるよ。年会費がすっごく高いらしいけれどね」

美也「なるほど〜。桃子ちゃんとお友達になれば、いずれその秘密のレストランで食事ができるんですね〜」

桃子「…………うん」

�P「が、がんばれ桃子」

麗花「桃子ちゃん、このナポリタン美味しいよ! はい、あーん」

桃子「………………」

�P「ここぞとばかりに餌付けしてきやがったー」

桃子「あーん……」


朋花「その会員制の高級レストランというのは入り口が銀行の横にあってですね〜。インターホンも隠れているんですよ〜」

昴「へぇ〜。そんなところがあるのか」

朋花「騎士団の子豚ちゃんに会員がいまして〜、私も行ったことがあるんです」

昴「いいなー。高級って言うぐらいだから、すっごく美味しいんだろうな」

朋花「ご飯もそうですけれど、待遇が一流なんですよ。キャラクターのキグルミが、食事中にサプライズで登場してくれるんです。そしてゲストのためだけにグリーディング。それってすっごく特別なことなんですよ〜」

昴「ん〜、食べ物には興味あるけれど。キグルミはどうかな」

朋花「うふふ」

昴「なんか今日、すごく笑うよな。やっぱり朋花も遊園地が楽しいのか?」

朋花「まあ、それもあるんですけど〜。……昴くん、とってもネズ耳のカチューシャが似合っているから、ついつい……ふふっ」

昴「あっ、忘れてた。プロデューサーも見てないし、もう外そうかな」

朋花「ダメですよ〜。ランドではそれを外すほうが不自然です」

昴「そんなこと言って、朋花はなにも装備してないじゃないかよ」

朋花「私は後ろで髪を束ねてますから。カチューシャはちょっと難しいですね〜」

昴「じゃあ、髪おろせよ。なにか頭に付けるモノ、オレが選んでやるからさ」ファサッ

朋花「きゃっ」

昴「これでいいだろ? よし、ショップに行くぞ」ワシャワシャ

朋花「……昴くん、私の髪ってセットするのにどれぐらい時間がかかると思いますかぁ〜?」ギロッ

昴「ひっ?!」

朋花「まあいいです。そういう強引なのも嫌いじゃないですよ〜」

昴「…………(女って怖えー)」ドキドキ

やよい「わぁ〜、きらきらーってしてて、すっごく高そうなお店です〜」

�P「お、おいおい星梨花。オレあんまり持ち合わせがねぇぞ!」

星梨花「心配しないで下さい。手筈はすべてパパが整えていますから」

やよい「明かりも壁の模様もテーブルも、とっても大人っぽいですー」

�P「銀行の横にこんなレストランがあったなんてなあ……」

星梨花「会員しか入れない秘密のレストランなんですよ。パパはいつもここでお酒を飲んでいます。プロデューサーも飲みますか?」

�P「あ、……いや。遠慮しときます」

やよい「はわー、外はあんなに混んでるのに。ここはガラガラですぅ!」

星梨花「秘密ということで、外からレストランが発見されないようにお昼はカーテンを閉めていますが、夜になるとそれが開いて、パレードや花火が一望できるんですよ」

�P「へえ〜、そうなのか」

やよい「あっ、あそこの席にすっごく偉そうな人が座ってます〜」

�P「こらっ、やよい。聞こえるだろ……」

やよい「でも〜、とっても大きなお腹ですごいなーって!」

�P「た、たしかに。佇まいから、そうとう稼いでそうなオーラが」

星梨花「あっ、パパ〜!」

�P「ブウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!」

パパ「初めまして、星梨花の父です。いつも娘がお世話になって。……今日は社長さんはお見えに?」

�P「え、あ、その。初めてお目にかかります、765プロの�Pでございまっ……。しゃ、社長は、本日は事務所の方に」

パパ「社長は事務所にいるのに、キミは遊園地に?」

�P「おうふっ」

やよい「うわー、お腹触っていいですかー?」

パパ「いつものコースを」

星梨花「私もいつもので」

やよい「うわ〜、メニューに呪文が書いてあります〜」

星梨花「やよいちゃんも、私とお揃いにしようよ」

やよい「よく分かんないので、そうします〜」

�P「」

星梨花「プロデューサーもパパとお揃いにしますか?」ニコッ

�P「」

パパ「ニコッ」

�P「……恐縮です」

やよい「はわっ、フォークやナイフが何本も出てきました〜!」

星梨花「やよいちゃん、これは外側から順番に使うんだよ」

�P「(外から順番、外から順番、外から順番……)」

やよい「わっ、料理のお皿もいっぱいです〜」

星梨花「フォークとナイフで意思表示できるよ。こう、食器を揃えて置くとお皿を下げてくれるから」

�P「(フォークとナイフを揃えて、……サンキュー星梨花)」

パパ「キミ、食べるのが遅いんだね」

�P「ひゃい!」

パパ「同僚との遊園地は楽しいかい、星梨花」

星梨花「うんっパパ! プロデューサーさんがはぐれないように手をつないでくれたり、観覧車でヒザの上に座らせてもらったり。パレードのときは肩車もしてくれるって! えへへ〜」

パパ「……へえ」

やよい「プロデューサーと星梨花ちゃん、とっても仲良しです〜」

�P「天国の爺ちゃん。……オレ、もうすぐそっちに行きます」

環「さっきからキグルミがいっぱいいるなー。響ねーちゃん、一匹持って帰っていいかな?」

響「それは止めた方がいいさー。みんなここの住人だからなっ」

環「でもたくさんいるし、きっと一匹ぐらい消えても誰も気づかないぞ」

響「そんなことないぞ。キグルミにも仲間がいるんだし、環だって765事務所の誰かが急にいなくなったら気がつくだろっ?」

環「うーん。たまき、1人ぐらい消えても気づかないかも」

響「……まあ、50人もいるからな」

真「そこは言いくるめられちゃダメだよ、響っ!」

響「でもさー、1人ぐらいだったら案外気づかなそうじゃないか?」

真「そんなことないよ! だって僕達みんな」

「「「仲間だもんげ!」」」

…………
……………………

未来「プロデューサー、次の仕事はなんですか?!」

グリP「ひなたの天気予報だ! 代役いけそうか?!」

未来「ええええええ! 私、明日の天気なんてわからないですよ!」

グリP「天気予報の次は昴の野球解説コーナーだぞ」

未来「野球もぜんぜんわかりませんー!!」

グリP「だ、台本は! それっぽいこと書いてあるだろ!」

未来「ううー、アイドル50人分の仕事はさすがに厳しいよ〜」

環「ちゃんとたまきが育てるから、事務所でキグルミを一匹飼おうよ〜」

真「うーん、困ったなあ。プロデューサーからもなんとか言ってくださいよ」

�P「ぐぬぬ、困った困った」

環「あう? なんだか、おやぶんも困ってるぞ」

�P「ない、ぜんぜんない!」

響「プロデューサー、どうしたんだ?」

�P「いや、それがな。見当たらないんだよ」

真「いったい、何が見当たらないんです?」

�P「喫煙所」

環「…………タバコかー」

響「パンフレットに喫煙所のマークがあるぞ。ほら」

�P「どれどれ。……う、ウソだろ、巨大な遊園地の四隅にしか喫煙所がないぞ!!」

響「そりゃ、遊園地は子供の場所だからなー。喫煙所があるだけ助かったと思った方がいいさー」

真「ランドの喫煙所は年々減っているらしいですね。まあ時代の流れじゃないですか、プロデューサー」

環「たまき、親分は好きだけどタバコは臭くて嫌いだぞ」

�P「くっそ、こっから一番近い喫煙所は……」

環「ねーねー、おやぶん。たまき、あっちの乗り物に乗りたい。たまきと一緒に乗ろう」グイグイ

�P「ぐ、ぐぬぬぬぬ……」

環「おやぶんー」

�P「す、すまん環!」

真「アイドルよりタバコを取りましたね」

響「うわー、幻滅したさー」

�P「なんとでも言え! タバコを吸わないと俺は死ぬんだよ!!」

環「うう、おやぶんが連れてきてくれた遊園地なのに」

真「吸うなとは言いませんけど、今日一日ぐらい根性見せたらどうです?」

�P「で、でもタバコがー」

環「初めての遊園地、おやぶんとずっと一緒にいたいぞ」

�P「……環、一緒に喫煙所まで来るか?」

響「…………最低」

真「それがプロデューサーの答えですか」

�P「あ、あははっ」

響「これはもう、強制連行しかないさー」ガシッ

真「悪いですね、プロデューサー。環の悲しむ顔は見たくないので」ガシッ

�P「お、お前ら! こらっ、離せーっ!」

響「さっ、環。みんなであっちの乗り物に行くぞ!」

環「くふふっ、行くぞおやぶん〜」

�P「離せえええええええ!!」

茜「1人で観覧車……初めて乗った。っていうかプロちゃんどこ? アトラクションの出口にも見当たらないし。カワイイ茜ちゃんを置いて行くなんて、気が狂ってるよプロちゃん……」

ポンッ

茜「ぷ、プロちゃ——」サッ

亜利沙「にまぁ……」

茜「うわっ、気持ち悪っ!!」

亜利沙「野々原茜ちゃんの哀愁を誘う1人観覧車、激写ごちそうさまでした♪」

茜「——はぁ?! な、なんでなんで?! 観覧車のゴンドラの中の茜ちゃんの写真じゃん?!」

亜利沙「じつは、あの観覧車の中に亜利沙も入っていたんです」

茜「ええええええええええええええ?!」

亜利沙「本当は星梨花ちゃんを撮影するためにこっそり後をつけていたんですが。こっちの方が面白そうだったので……ぐふふっ」

茜「……ほ、ほんとに? 茜ちゃん、ぜんぜん気づかなかったんだけど」

亜利沙「言葉の通り地を這って、ゴンドラの中に忍び込みました」

茜「(ま、まるでゴキブリ……)」

茜「いやいやいや、あの狭い空間で気づかないってありえないって! だって人の気配がまったくなかったよ!」

亜利沙「ありさ、アイドルのお宝写真のためだったら気配の一つや二つぐらい消し去りましゅよ!」

茜「シャッター音だって、しなかったし!」

亜利沙「シャッター音なんて出したら盗撮ができないでしょうが!!」

茜「っていうか、いたなら声かけてよ!! 茜ちゃん、観覧車の中でずっと無言で、すっごく寂しかったんだから!」

亜利沙「無言じゃなかったでしゅよ? うわ言で『プロちゃん、プロちゃん』って。ほら、ボイスレコーダーにも記録が」ポチッ

『うぅ、プロちゃん……プロちゃん……』

茜「ぎゃあああああああ!! お、お、音声も録音してたの?!!」

亜利沙「普段は元気がいっぱいの茜ちゃんの、不安そうな弱々しい声……なんていうか……、その……、下品なんでしゅが……、ぼっ……。きゃっ、ダメですっ、アイドルがこんな言葉を口にしちゃ!」

茜「言葉遣い以前に行動がアイドルのソレじゃないよ! むしろ人ですらないよ! ひとでなしだよ!」

�P「…………」

瑞希「…………ふぅ」

�P「……瑞希、楽しいか?」

瑞希「楽しいというか、……癒されます」

�P「そうか。それならいいんだけど」

瑞希「…………は〜」

�P「……さすがにコーヒーカップで一回転もしないっていうのも」

瑞希「え。……これ、回転するんですか?」

�P「うん。ほら、のり子の方を見てみろよ」

のり子「おらおらおらおらおらおらおらおらおらー!」

雪歩「きゃー! ちょ、ちょっと、回し過ぎですぅ!」

のり子「こういうのは、回すだけ回さないと損だよ!」

雪歩「それにしても限度がありますぅ〜」

のり子「うおおおおおお! まだまだぁ〜!!」

雪歩「あ、……目が回って、頭がぼーっとしてきましたぁ」


�P「……とまあ、あんな感じで」

瑞希「アレなら、……回さないほうがいいかな」

�P「まあ、そうね」

�P「正直、予想をしていなかったワケじゃない」

杏奈「予想してたなら、ちゃんと見てなきゃダメだよ」

�P「そうなんだが、さすがに女子トイレまでついていくのは気が引けて」

杏奈「それなら杏奈に言ってくれれば……」

�P「そうだったな、すまん」

杏奈「杏奈じゃなくて、ひなたちゃんに謝らなくちゃね」

�P「再会できたらな」

杏奈「でも目立つ格好だから、大丈夫だとは思うよ」

�P「どうだろう、もうそろそろ外も暗くなるし」

このみ「……で、探し回っているワケね」

莉緒「ひなたちゃん、また迷子になっちゃったんだ……」

�P「……うむ」

このみ「こういう時は、とりあえず迷子センターね! よしっ、このみお姉さんに任せなさい! ちょっくら行ってくるわ!」

莉緒「あっ、待って! このみが行ったら……」

〜迷子センタ〜

このみ「すいませーん、迷子の子の問い合わせを」

受付「はい。年齢を聞いていいかしら?」

このみ「えっと、あの娘は……。14歳なんですけれど、まだ見た目が小学生ぐらいで」

受付「はい、見れば分かります。では、あなたのお名前を教えて下さい」

このみ「え、私? 馬場このみですけど。で、迷子の子の名前が——」

受付「あとは大丈夫よ。待合室の椅子で待っててね。好きなジュース、飲んでていいから」

このみ「あっ、あれ?!」


ピンポンパンポーン

『迷子のお知らせを致します。馬場このみちゃん14才が迷子センターでお連れ様をお待ちです。お心当たりの方はワールドバザール右手の迷子センターまでお越しくださいませ』

莉緒「はぁ、やっぱり……」

�P「誰がこのみちゃん14才を迎えに行きますか?」

莉緒「私が行くわ。ついでにひなたちゃんのアナウンスもしてもらうから」

�P「ありがとう、莉緒。オレたちはもう少しここらを探してみるから」

莉緒「それじゃ、また後でね」


※実際のランドでは迷子アナウンスは行われない。
迷子が出た場合はキャストが無線機で連絡を取り合って発見をする。

ひなた「このみさんのアナウンスが流れた瞬間ほっとしたべさ」

�P「ありがとうこのみちゃん」

このみ「………………」

あずさ「ついでに私も見つけてもらって、ありがとうございます〜」

�P「あずささんは園内にすら入ってなかったですね」

あずさ「うふふ〜、外から眺めているだけでも楽しくて〜」

杏奈「あっ、そろそろパレードが始まるんじゃないかな。しっかり場所取りしなくちゃ! あずささんも、せっかくランドに来たんだからパレードぐらい見なくちゃダメだよ!」グイグイ

あずさ「あらあら〜」

莉緒「パレードの時はおんぶしてあげようか、このみちゃん」

このみ「いらないわよ!」

亜美「ねぇねぇ、パレード中にキグルミの頭を取ったらどうなるのかなー」

真美「パレード中止? それとも、そのまま進行するの?」

亜美「中のオッサンの技量が問われるね!」

琴葉「少なくともウチの事務所の人間が、二度とランドの土を踏めなくなるから止めなさい……」

亜美「試しに1人襲ってみようよ〜。亜美が背中をホールドするから」

真美「真美が、そのスキに頭を狙うよ。ちゃんと写真に撮ってねー」

琴葉「こらこら……」

エレナ「もしキグルミが1人襲われたら、代わりにエレナが踊るヨー!」

琴葉「襲われないから大丈夫よ、ランドのパレードは見るものだから」

エレナ「パレードは参加するモノだヨ! 私はおばあちゃんにそう教えられたヨ!」

琴葉「じゃあ、おばあちゃんには悪いけれど。その教えを私が矯正するわ」

エレナ「あわわ、琴葉がコワイヨー」

�P「エミリ、そろそろみんなと合流しよう。パレードの見物場所を確保してくれているらしい」

エミリ「わぁ、素敵ですね! でももう少しだけ待って下さい、この二つの湯のみが甲乙つけがたいんです……」

�P「お箸にうちわ、浴衣にみこしのミニチュアまで……。意外とランドにも日本特有の芸術品が売っているもんなんだな」

エミリ「うーん、家紋が素敵ですがキャラクターが邪魔ですね」

�P「斬新な意見だな」

エミリ「店員さん、この湯のみでキャラクターが描かれていないモノはありますか?」

店員「ありますよ〜」

�P「あるんかい……」

ガヤガヤガヤガヤ

路子「素晴らしいパレードです。ロコの事務所もこれぐらいゴージャスでいいと思うのです。そのためにはオブジェクトをたくさんセットしなくてはいけません。さっそくお土産の茶菓子の箱でアート作品を……」

志保「ロコ、この本なんだけど。ほら、最初は真っ白でね」ペラペラ

路子「志保さん。わ、分かりましたから……。いまは外も暗いですし、あとでホテルで見せて下さい」

志保「それでね、本を一回閉じで魔法をかけると。……さっきまで真っ白だった本に絵が浮かび上がるの。コレ、マジックブックって言ってね」

路子「わ、わあ。マーベラス……」

志保「大きなぬいぐるみも買ったんだよっ。ロコの身体と同じぐらいの大きなヤツ。思わず貯金を崩しちゃった。ほら、こーんな大きな」

路子「ろ、ロコはパレードに集中したいんですが。そのトーク、あとでもいいですかね?」

志保「宅配サービスで自宅まで輸送してもらうの。家に帰ったら自分の部屋でぬいぐるみが待っているんだよ。それって、すっごく素敵なことかなって」

路子「し、志保さんのテンションがおかしいです……」

静香「まあ今だけだろうから。付き合ってあげて、ロコちゃん」

瑞希「まあまあ、ロコさん。……3Dメガネどうぞ」サッ

路子「うわっ、急にビジョンが?!」

瑞希「今日はとっても楽しかったです。……遊園地はいいものですね」

静香「事務所の親睦も深まったと思うわ。そのうち、またみんなでどこかに行きたいわね」

路子「パレードが、ロコのパレードが見えないです!」

瑞希「大丈夫、……ちゃんと私には見えているから」

グリP「このパレードが終わったらバスでホテルに直行だな。あっちで夕飯の用意がされているから」

静香「ご飯なんだろ、楽しみだな」

グリP「明日はシーにいくから、お前ら夜更かしするなよ」


おわりです、ありがとうございました。

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