芳佳「私、シャーリーさんが…好きです……」 (54)

シャーリー「よーし、今日も最高速度更新だ!」

ルッキーニ「シャーリー頑張って!」

ワイワイキャッキャ

芳佳「……」

リーネ「芳佳ちゃん? どうしたの? ボーっとして」

芳佳「え? あ、何でもないよー」

リーネ「そうかなあ。でも芳佳ちゃんが言うなら…」

芳佳「ね、早く行こう。訓練始まっちゃうよ」

バタバタ

ペリーヌ「全く…今日も騒がしいですわ」

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―訓練後・大浴場―

芳佳(シャーリーさん……何時からか凄く綺麗に見える…)チャプン

芳佳(それにあの大きな胸…想像しただけでも…///)カア

バルクホルン「どうした、宮藤。体調でも悪いのか?」

芳佳「えっ!? バルクホルンさん何時の間に…」

バルクホルン「私が風呂に入ってはいけないか?」

芳佳「そ、そんなこと思っていませんよ」

バルクホルン「まあいい。見たところ身体の不調では無い様だな。何か悩みでもあるんだろう、私の部屋に来い」グイ

芳佳「ちょっと…」

―バルクホルンとエーリカの部屋―

バルクホルン「まあ座って茶でも飲め。菓子もある」

芳佳「ありがとうございます。……美味しい! これバルクホルンさんが作ったんですか?」

バルクホルン「そうだ。クリスが元気だった頃はよく作ってやったものだ」

芳佳「へえー。そういえばハルトマンさんは?」

バルクホルン「あいつなら今は外出中だ」

芳佳「こんなに美味しいお菓子があるのにもったいないですね」

芳佳(ということは今話しても盗み聞きされる心配は無い…よね)

バルクホルン「落ち着いたら何があったか話してみろ」

芳佳「バルクホルンさんって恋とかしたことあるんですか?」

バルクホルン「ぶっ! な、何だいきなり」

芳佳「そんなに驚く事ですか…」

バルクホルン「い、いや、すまない。宮藤の口からそんな単語が出てくるとは思わなんだ」

芳佳「じゃあどうなんですか」

バルクホルン「…すまないが恋愛なんて……した事が無い」

バルクホルン「いや、幼い頃に大人の男性に憧れるようなことはあったが……あれを恋慕というのは間違いだろう」

バルクホルン「悪いな、参考にならなくて」

芳佳「そんなことないですよ」

バルクホルン「そういう質問をするということは宮藤は誰かに好意を抱いているのか?」

芳佳「う……そ、そうです…」

バルクホルン「そうか…宮藤も恋をするようになったのか」シミジミ

バルクホルン「で、恋の相手は誰なんだ?」

芳佳「………………シャーリーさん」ボソッ

バルクホルン「…………………は?」

芳佳「シャーリーさんです///」カァ

バルクホルン「リベリアン、か……意外だった。てっきりリーネかと」

芳佳「リーネちゃんは親友です」

芳佳「何でか判らないんですが、シャーリーさんを見てると胸が苦しくなって」

芳佳「シャーリーさんのことをずっと見ていたくて」

芳佳「シャーリーさんの笑顔が忘れられなくって」

芳佳「毎日シャーリーさんと話すだけで幸せな気分になって」

芳佳「夜もシャーリーさんのこと考えて眠れなくなって……」

バルクホルン「さっきも言ったが私は恋愛をしたことがない」

バルクホルン「だが今の宮藤は明らかに恋する乙女になっている。堅物の私でもはっきりと理解できる」

芳佳「そ、そうですか……」

バルクホルン「普段の宮藤から想像も付かない」

バルクホルン「まさかそんな相談だったとは…ただどうアドバイスすべきか…」

芳佳「いいですよ。聞いてもらっただけでも……」

ガサガサ

芳佳「?」

バルクホルン「まさか!?」

ムクッ

エーリカ「おはよートゥルーデ。…あれ、宮藤もいるんだ。珍しい」

芳佳「え…ハルトマンさんはいないんじゃなかったんですか!」

バルクホルン「ハルトマン、外出はどうした?」

エーリカ「眠かったからずっと寝てた」

バルクホルン「ということは今の今まで眠っていたという事だな」

エーリカ「そーだよー」

芳佳「じゃ、じゃあ今の話は聞いてない……ですよね?」

エーリカ「今の話って宮藤がシャーリーの事好きだって奴?」

芳佳「うわああ!!! 聞いてるじゃないですか!!! バルクホルンさん! ひどい、嘘付いたんですね!!」

バルクホルン「すまない…ゴミ山で全く気が付かなかった…この責任は必ず取る!」

エーリカ「まあまあ。私は見た目ほど口は軽くないよ」

芳佳「そうは言っても…」

エーリカ「じゃあ宮藤の恋が成就するように応援してあげるよ。トゥルーデも協力するって」

バルクホルン「なっ、勝手に」

エーリカ「でも責任取るんでしょ?」

バルクホルン「……分かった。出来る限りのことはしよう」

芳佳「ありがとうございます…」

エーリカ「で、話を進めるけど、宮藤はどうしたい?」

芳佳「どうしたいって言われても…」

エーリカ「シャーリーが好きって気持ちだけで終わらせちゃうの?」

芳佳「それは……」

エーリカ「気持ちを伝えなきゃ」

バルクホルン「伝えるだけでいいのか? その、付き合うとか…」

芳佳「……付き合いたいです。シャーリーさんと恋人同士になりたい。でも私はシャーリーさんとそれほど接点がある訳でもないから…」

バルクホルン「リベリアンはいつもルッキーニと一緒だからな」

芳佳「だから今更シャーリーさんにアプローチかけても不自然な感じがするんです」

バルクホルン「宮藤らしくもない。いつも通りに明るくすれば何の問題もいいじゃないか」

エーリカ「トゥルーデ、それが出来ないから悩んでるんだよ。ま、宮藤もそんなに気にする事でもないと思うけど」

芳佳「はあ…」

エーリカ「それじゃこういうのからやってみたら?」

エーリカ「まずは―――――」

―翌日―
シャーリー「ふぅ、訓練終了ーっと…」

ペリーヌ「今日の大尉はスピードに磨きがかかってましたわ」

シャーリー「ははは、安定して音速を超えるのも時間の問題かな」

芳佳「二人ともお疲れ様でした。はい、タオルと飲み物」

ペリーヌ「宮藤さん。ありがとうございます」

シャーリー「おっありがとう。ゴクゴク…ぷはあ! 訓練後の麦茶もなかなかいけるな」

芳佳「喜んでもらえて光栄です。扶桑では夏場によく飲まれるんですよ」

シャーリー「ありがとう宮藤。また用意してくれよな」

芳佳「はあい!」

ルッキーニ「シャーリー! お風呂行こう!!」

シャーリー「はいはい、今行くよ。じゃあな宮藤」

芳佳「はい…!」

ペリーヌ「うーん…麦のお茶っていうのも腐った豆と同じで口に合いませんわ…」

―物陰―
バルクホルン「いいのか、こんな些細なことで」

エーリカ「いいの。こういう小さな行いが後々効いて来るんだよ。あ、宮藤おかえりー」

芳佳「変じゃなかったですか?」アセアセ

エーリカ「普通普通! 今みたいな感じで行けばいいと思うよ」

バルクホルン「リベリアンの様子を見るにまだまだ時間がかかりそうだな」

エーリカ「よーし、次は―――」

―別の日―
芳佳「シャーリーさん、今日の訓練、ご一緒させてください!」

シャーリー「ん? 珍しいな。私とペアなんて」

坂本「まあいいじゃないか。宮藤はロッテに慣れてないからな。まだまだ上官が付いてやらないと」

シャーリー「わかった。ルッキーニは訓練に参加してないし、今日は私とペアだな!」

芳佳「はい!」

ペリーヌ(宮藤さん、何だか妙に積極的ですわね…)

ペリーヌ「坂本少佐。わ、私とその、ロッテを組んでいただけますでしょうか…?」

坂本「お、ペリーヌもロッテの訓練か。いいぞ、但し付いて来られたらな!」

ペリーヌ「はいぃ! 少佐とでしたらこのペリーヌ、どこまでも付いて行きますわ!」

―基地上空―
シャーリー「どうだい宮藤。きつくないか?」

芳佳「はあはあ…大丈夫です!」

シャーリー「じゃあもう少しスピードを上げてみよう」シュタッ

芳佳「はい!」シュン

坂本「よーし、ここで左捻りこみ!」ブゥン!

ペリーヌ「流石は少佐ですわ! 宮藤さんにも出来たんですもの…私にだって!」ブォオオン!!

ペリーヌ「あら? あれ~~」ヒュルヒュルヒュル

坂本「ペリーヌには難しい機動だったみたいだな…今助けに行くぞー」ブーン

坂本「私とペリーヌのペアとシャーリーと宮藤のペアで模擬戦を行う。こちらの方がキャリアが上だ、私かペリーヌのどちらかに当てたらそちらの勝ちでいい」

シャーリー「いいのか? スピードは私の方が上だぞ」

坂本「甘く見るな。スピードだけが闘いを制する訳ではない」

シャーリー「宮藤、聞いたな。頼むぞ」

芳佳「精一杯頑張ります!」

坂本「では散開、模擬戦始め!」

ペリーヌ(ああ…先ほど不安定になったとき少佐に抱きしめられて…感激ですわ!)ウフフ

坂本「ペリーヌ、集中しろ」

ペリーヌ「は、はい。すみません…」

―シャー芳ペア―
芳佳「シャーリーさん、私はペリーヌさんを追いますか?」

シャーリー「いや、一発当てるだけでいいんだ、集中的に攻めるぞ」

芳佳「標的は?」

シャーリー「ペリーヌ…と言いたい所だが恐らく少佐はそれを読んでペリーヌを追う宮藤に攻撃を集中するだろうな」

シャーリー「となると狙いは少佐だ。私に作戦があるんだ…」

―もっペリペア―
坂本「シャーリーたちは左右に分かれたようだ。ペリーヌ、先行して敵を誘い出すんだ」

ペリーヌ「はい! 少佐のお役に立てるなら!」

芳佳「ペリーヌさんが私目掛けて一直線に…! でも私は坂本さんが狙いなの!」ビュン

ペリーヌ「スルーされた!? このままじゃ坂本少佐に…待ちなさい!」

坂本「ほお、敢えて私に突っ込んでくるとは…よかろう、相手になろう」

ブオオオン

芳佳「よし、坂本さんの後ろを取った!」

坂本「この機動についてこられるかな」グィイイン

芳佳「左捻りこみ!? 大丈夫、私ならやれる!」グィイイン

ペリーヌ「宮藤さん、少佐に付いていっています…キーッ悔しいですわ!」

芳佳「これならいける!」ダンダンダン

坂本「ふっ、付いてくるのは流石だが射撃はまだまだ不安定のようだな。避けずとも当たりはしない」

――ィィィイイイイン
坂本「! この音は…!!」

シャーリー「もらったああ!」キィイイイイイイン

ダダダダ  ベチャ!

坂本「……やられた。シャーリー、宮藤。お前達の勝ちだ」

芳佳「やったぁー!! やりましたね、シャーリーさん!」

シャーリー「ああ、やったな! 宮藤のおかげさ」ダキ ギュッ

芳佳「シャ、シャーリーさん…苦しいですー」

芳佳(胸が、おっぱいが私の顔に!!!///)

坂本「宮藤に私を追わせ、シャーリがスピードを生かして一撃離脱をかける…よく考えたものだ」

シャーリー「今の宮藤なら少佐の機動にも振り落とされないって確信があったからな」

坂本「それ程信頼しているということだ、喜べよ宮藤」

芳佳「はい! えへへ、ありがとうございます」

眠いし仕事だから寝る。
書き溜めしてるから19時くらいから再開


続きを楽しみにしている

はよ

ちんぽこ乾き始めた

―ハンガー―
エーリカ「おかえりー! 模擬戦は宮藤達の勝利みたいだね」

芳佳「ハルトマンさーん! やりました!」

シャーリー「宮藤のおかげさ」

エーリカ「よかったね」

バルクホルン「リベリアン、あんな戦い方…まるで宮藤は囮だ。危険すぎやしないか」

シャーリー「私は宮藤なら大丈夫だって信じていたんだ。危険そうなら前には出さないよ」

バルクホルン「お前の判断ミスで宮藤が落とされるかも知れないんだ。あんなもう戦法はやめろ」

シャーリー「何だよ、文句あるのか」

バルクホルン「大有りだ! 大体お前は大尉でありながら部下に対する――」

芳佳「二人ともやめてください! 私はシャーリーさんのために自分の出来ることをやっただけなんです」

エーリカ「まあまあトゥルーデも落ち着いて。別にいつも囮に宮藤がなる訳じゃないし、気にしなくてもいいんじゃない?」

バルクホルン「…ふん! 私は認めん」カツカツカツ

芳佳「バルクホルンさん…行っちゃった」

シャーリー「放っておけ、堅物は。それより風呂行こうぜ風呂」

芳佳「シャーリーさん、私がお背中…」

ルッキーニ「シャーリー! 一緒にお風呂入ろう!!」

シャーリー「いいぞ。じゃあ風呂まで競走だ!」ダッダッダ

ルッキーニ「先に行くな~~! 待てー!」タタタタ

芳佳「行っちゃった…今日はサウナにしようかな…」

―エーリカ・バルクホルンの部屋―
エーリカ「トゥルーデ、何であんな事言ったの? 折角いい雰囲気だったのに」

バルクホルン「さっきリベリアンに言っただろ。宮藤は基礎訓練を積まずに最前線にやってきたんだ」

バルクホルン「才能はあるかもしれないがまだ新人の域を抜けていない。囮に使うのは危険すぎる」

エーリカ「確かにそうかもしれないけどシャーリーとのロッテで少佐に勝ったじゃん」

バルクホルン「結果が出れば何をしても許されるという訳ではない」

エーリカ「トゥルーデはそんなにシャーリーが気に食わない?」

バルクホルン「ああ」

エーリカ「……宮藤を取られて嫉妬してる?」

バルクホルン「そうじゃない」

エーリカ「嫉妬してるんだ」

バルクホルン「違う。宮藤が誰を好きになろうと構わない。だがシャーリーが宮藤にふさわしい相手だと認めたくないんだ」

エーリカ「まるで娘の結婚に反対する父親みたい。あ、この場合は姉妹と言うべきかな?」

バルクホルン「どうとでも言え」

エーリカ「でもトゥルーデが何て言っても最後に選ぶのは宮藤自身だからね」

バルクホルン「……分かっている」

―サウナ―
芳佳(シャーリーさん…私の気持ちに気付いてるのかな…)

ガチャ

エイラ「あれ、宮藤じゃナイカ。珍しいナ」

芳佳「え? あ、うん。今日はサウナがいいなーって。エイラさんは一人なんですか?」

エイラ「今日サーニャは夜間哨戒の前にストライカーの調整をしてるンダ。本当は一緒に居たいけど私じゃ機械のことは分からないから…」

芳佳「エイラさんと二人でサウナなんて久し振りですね」

エイラ「そうダナ。どうせだから腹を割って話そうじゃナイカ。少佐も風呂では階級は関係ないって言ってたしナ」

芳佳「エイラさんって優しいんですね」クス

エイラ「オマエが落ち込んでるとサーニャも元気失くすからダカンナ。調子に乗るなヨ」

芳佳「エイラさんってサーニャちゃんといつも一緒に居ますよね」

エイラ「サーニャは年下だし、私が見てやらないト」

芳佳(その割にはサーニャちゃんの方がエイラさんを窘めてる気がするけど…)

芳佳「ねえエイラさん。今みたいにサーニャちゃんと一緒じゃなくてもエイラさんは平気なんですか?」

エイラ「またヘンな事聞くナー、オマエは」

芳佳「だってエイラさんいつもサーニャさんにべったりだったから」

エイラ「まあそうだったけどサ。サーニャだって私以外の誰かと友達になりたいって思ってるンダ」

エイラ「それを応援するのもサーニャのために出来ることだって気付いたンダナ。だから一緒じゃなくたって大丈夫サ」

芳佳「エイラさん……何だか大人びて見えます!」

エイラ「ナンダト。それじゃあ私は年上に見えないって言うのカ。宮藤のくせに生意気ダナー」

芳佳「でも前のエイラさんならサーニャちゃんサーニャちゃんって泣いてましたよね?」

エイラ「さっきも言っただろ。私の方が年上なんだから泣いてないでサーニャを守らないと」

エイラ「それを気付かせてくれたんは宮藤なんだからナ」

芳佳「そんなことしましたっけ」

エイラ「サーニャと二人で成層圏に行ったときダヨ。宮藤がいたから私は大切な事に気付けたンダ。だから元気出せヨナ」ナデナデ

芳佳「私も大切な人と離れてても繋がっていられるんですか…?」

エイラ「宮藤なら出来るサ」

―後日・食堂―
エーリカ「宮藤ー! 今度の買出しはシャーリーと行きなよ」

芳佳「それってデートみたいですね」

エーリカ「だからいいんじゃん。一緒に街で遊んで、その勢いで告白しちゃおう」

バルクホルン「こ、告白!? 早すぎやしないか」

エーリカ「最近宮藤とシャーリーのロッテも磨きがかかってきたし、もう十分だと思うよ。だから、ね」

芳佳「でも不安です…」

エーリカ「じゃあ私とトゥルーデが付いていってあげるよ」

バルクホルン「それは自分が遊びたいだけだろ?」

エーリカ「にししーバレた? でもいいじゃん、トゥルーデも見守ってあげようよ」

バルクホルン「宮藤のためだ。私も一緒に行く」

エーリカ「一緒に行くって言っても宮藤とシャーリーが二人になるようにするんだよ?」

バルクホルン「一々確認しなくても分かっている! それで宮藤、どうだ。やる気になったか?」

芳佳「はい……私、シャーリーさんに告白します!」

エーリカ「やったね。早速ミーナに外出の申請しとくよ。じゃ、お願いねトゥルーデ」

バルクホルン「何で私が!? お前が自分でやれ!」

エーリカ「えー? だって面倒臭いし、そういうお堅いのはお堅いトゥルーデに任せるよ」タッタッタ

バルクホルン「行ってしまった…仕方ない、私がやっておく。宮藤はシャーリーを誘って来い」

―物陰―
シャーリー(……宮藤が私を?)

芳佳「シャーリーさん」

シャーリー「どうした宮藤」

芳佳「あ、明日の街に行きませんか?」

シャーリー「………………うん、いいよ。行こう」

芳佳「ありがとうございます!」

芳佳(でも返事するまでちょっと考えてるように見えたけど…)

―翌日―
ミーナ「ローマでの買出しはシャーリーさん、フラウ、トゥルーデ、それに宮藤さん。4名にお願いします」

ペリーヌ「結構出払うんですね」

ミーナ「必要な物資も多いし、最近はネウロイの活動も沈静化に向かっているから安心して」

ルッキーニ「ウジュー…あたしも行きたかった…」

シャーリー「しっかり留守番してるんだぞ。お土産買ってくるからさ」

ルッキーニ「ウジュウジュ。シャーリー大好き!」ポフ

シャーリー「現金な奴だな~」ナデナデ

芳佳(ルッキーニちゃん…いいなあ)

エーリカ「それじゃあ出発進行!」

―ローマ市街―
バルクホルン「さて、買出しなんだが二手に分かれよう。私とハルトマン、リベリアンと宮藤で手分けして店を回る」

エーリカ「じゃ、行ってくるね」タッタッタ

エーリカ(宮藤、頑張ってね)

バルクホルン「おい、待て! お前に金を渡すとまたろくでもない使い方を――」

シャーリー「全く、あいつらはしょうがないな~。宮藤、ちゃっと済ませて遊ぼうぜ」

芳佳「はい! まず日用品から行きましょう」

―数時間後・服屋―
芳佳「バルクホルンさんが可愛い服が欲しいって」

シャーリー「あっはっはっは! あいつまーたそんなリクエストしてるのか」

芳佳「でも指定のサイズはバルクホルンさんより小さいですよ?」

シャーリー「それじゃあ今回は妹用の服なんだな」

芳佳「そうみたいですね。……これなんかいいんじゃないですか?」

シャーリー「うーん、堅物の妹は姉に似ず素直って聞くから敢えてこういうセクシーなものを」

芳佳「それは刺激が強すぎです! こっちのワンピースの方が…」

―雑貨屋―
シャーリー「うーん…これがいいかな」

芳佳「大きな水槽ですね。誰用のですか?」

シャーリー「ルッキーニの土産だよ。捕まえた虫を飼う籠が欲しいって言ってたんだ」

芳佳「クス…シャーリーさんってルッキーニちゃんのお姉さんみたいですね」

シャーリー「そうだなあ。堅物じゃないけどルッキーニはあたしの妹だからな」

芳佳(私は妹以上の存在になれるかな…)

―同時刻―
バルクホルン「エイラのリクエストは…何だこの細かい注文書は」

エーリカ「エイラは寝具によっぽど拘りがあるみたいだよ。さーにゃんがよく寝られるようにって」

バルクホルン「奴もいい歳なんだからいい加減にサーニャ離れをしてもらいたいものだ」

エーリカ「それ思いっきりトゥルーデにも当てはまるじゃん」

バルクホルン「何! クリスは大事な妹だぞ!? 離れる必要がないじゃないか」

エーリカ「これだからトゥルーデは…それよりお腹空いたからジェラート食べたい」

バルクホルン「まだ買い物が済んでないだろう。我慢しろ」

エーリカ「お腹ペコペコだし暑いしもう動けないー! ね、ジェラート買ってよ。お、ね、え、ちゃ、ん」ウルウル

バルクホルン「くっ…仕方ない。今回だけだぞ」

エーリカ「やったぁー!! トゥルーデおねえちゃんだーい好き!!!」ダキッ

エーリカ(宮藤はうまく行ってるかな?)

シャーリー「ハァー 疲れた。これで買出しは最後だな」

芳佳「結構な量になりましたね」

シャーリー「まだ基地に戻るまで時間があるし、荷物は車に置いて飯でも食べよう」

芳佳「シャーリーさん、こないだ行った喫茶店に行きましょうよ」

シャーリー「あのケーキが美味しい店? また食べたかったんだよ~早く行こうぜ」

―喫茶店―
シャーリー「ハムハム…やっぱり美味いな、ここのケーキ」

芳佳「フフフ…喜んでもらえてよかったです」

シャーリー「うーんでも私は宮藤の作るお菓子の方がもっと美味しいと思うけどね」

芳佳「え…///」ポッ

―広場―
シャーリー「すげー! 街が一望出来る!」

芳佳「前にルッキーニちゃんが教えてくれたんです。私も始めて来たんですけどすっごく感動します!」

シャーリー「なーんかこの辺りはカップルばかりだな」

芳佳「そんな///」

シャーリー「ちょっと恥ずかしいな///」

芳佳「……シャーリーさん。私の話を聞いてくれますか」

シャーリー「どんな話だい?」

芳佳「私が501に来たとき、太陽みたいに眩しい人が居たんです」

芳佳「その人はいつも明るくて、みんなに元気を振りまいていて、夢があって…」

芳佳「私の憧れなんです」

シャーリー「ほう、宮藤はそいつのことが好きなのか?」

芳佳「はい。その人のことが…好きなんです」

シャーリー「……そいつは誰なんだ」

ダキッ

芳佳「シャーリーさん…です。私、シャーリーさんが…好きです……」

シャーリー「宮藤……」

芳佳「お返事、聞かせてもらえませんか…?」

シャーリー「……すまない、すぐに答えられそうに無いんだ」

芳佳「……!」

シャーリー「でも……こうして抱きついていたいならそうしてくれていい。そろそろ時間だ、今日は帰ろう」

結局その日はシャーリーさんと一度も口を利くことなく基地に帰りました。

ハルトマンさんとバルクホルンさんは心配そうな顔をしてたっけ…

―数日後―
エーリカ「宮藤ーこないだはどうなったの?」

芳佳「告白は出来たんですけど、返事をもらえなくって…」

エーリカ「あちゃーこんな展開になるとは予想できなかったよ…ごめんね、宮藤」

芳佳「そんな、ハルトマンさんが謝る事じゃないですよ。それに断られたわけじゃないですし」

エーリカ「でも今の状態が続くと気不味いよね…」

芳佳「それでも待ちます。お返事が来るまで」

バルクホルン「……」テクテク

エーリカ「トゥルーデ…?」

―シャーリーとルッキーニの部屋―
ルッキーニ「ねえシャーリー遊んでよー」

シャーリー「悪いな、今日は調子が乗らないんだ。今日はパス」

ルッキーニ「もー! じゃあ芳佳と遊んでくる」

シャーリー「! ……ああ、わかった」

ルッキーニ「じゃあ、行ってくるね」タッタッタ

シャーリー「あー! 何でこんなにモヤモヤするんだ」バタバタ

ガチャ

バルクホルン「リベリアン、いるか」

シャーリー「いないよ」

バルクホルン「くだらん事を言うな。貴様、何を迷っている」

シャーリー「何のことだよ」

バルクホルン「とぼけるな。宮藤のことだ。宮藤に私とハルトマンが関係している事くらい気付いてるだろう」

シャーリー「だけど今の私にお前が何か言う事があるのか」

バルクホルン「大有りだ。宮藤は私の大切な仲間であり家族だ。このまま貴様が宮藤の気持ちに答えを出さなければ宮藤が困るだろう」

シャーリー「……正直宮藤に告白されて、悪い気はしなかった。寧ろ嬉しいくらいさ」

バルクホルン「では何故すぐに答えなかったんだ」

シャーリー「自信が無かったんだ。宮藤が私に向ける愛情に釣り合う位、私は宮藤を好きなのか」

シャーリー「こないだの模擬戦でも宮藤を危険に晒してしまった。私は本当に宮藤を幸せに出来るのか、自信が無いんだ」

バルクホルン「…リベリアンは些細なことは気にしない。どこまでもまっすぐ進む。周囲を明るくする奴だと思っている」

バルクホルン「そんなリベリアンに、宮藤は惚れたんじゃないのか」

シャーリー「私はそんな立派な奴じゃない…」

バルクホルン「宮藤の想いから逃げるな! 宮藤は勇気を出して気持ちを伝えたんだ。貴様も勇気を出せ」

ウウウウウウウ

バルクホルン「ネウロイ!?」

坂本「敵襲!!」

ミーナ「少佐、それが予測よりもネウロイの行動が早くて…現在ストライカーをオーバーホール中なの」

坂本「全機が整備中ではないだろう。ストライカーが残ってる奴は全員出撃!」

―上空―
ミーナ「上がってこられたのは私とシャーリーさん、エイラさんだけ…」

シャーリー「でも敵は1体なんだろ? 任せてくれ」

エイラ「シャーリー大尉、先に行くゾ」ビュン

ミーナ「油断は禁物よ!」

坂本「戦いを地上で待つというのはもどかしいな」

エーリカ「少佐、レーダーに新たな機影! 基地近辺に出現したみたい」

バルクホルン「なに!? ミーナたちと交戦しているのはデコイだったのか!?」

坂本「恐らくな。魔眼で確認したところ大きさは小型だが猛烈なスピードで接近中」

バルクホルン「出られる奴はいないんだ。すぐにミーナたちに知らせないと」

サーニャ「たった今シャーリー大尉が戦闘空域を脱して基地に向かったとの連絡がありました」

坂本「だが相手も速い…果たして間に合うか…」

芳佳「坂本さん、私が出ます。行ってシャーリーさんが来るまで時間を稼ぎます」

バルクホルン「何を言っている! 震電は今分解整備中だ。出撃可能なストライカーは…待てよ」

坂本「零式艦上戦闘脚…前の宮藤のストライカーか。確かにあれは使える状態にある」

リーネ「でも芳佳ちゃん魔法力の調整が出来なくてあれは使えないんじゃ…」

バルクホルン「そうだ。あの機体では宮藤の力を引き出せないし、そもそも飛べるかどうかも怪しいんだぞ」

芳佳「大丈夫です。前より魔法力のコントロールは上手くなりました。時間を稼ぐだけでいいんです、行かせてください!」

坂本「…分かった。出撃を許可する。但し危険を感じたらすぐに離脱すること。決して敵を倒そう等とは考えないこと。いいな?」

芳佳「はい! 宮藤芳佳、出撃します!!」

バルクホルン「いいのか少佐!?」

坂本「宮藤を信頼してやれ。ウィッチに不可能は無い!!」

―基地上空―
ブゥゥゥゥ…プスン

芳佳「うう…やっぱりエンジンの調子が…でもシャーリーさんが来るまで基地には近寄らせない!」

芳佳「やああああ!!」ダダダダ

ネウロイ「ウィィィィィン」

芳佳「避けた!? あんなに速いのに小回りが利くなんて」ダダダダ

芳佳「シールド展開!」バァァン

―基地―
バルクホルン「ダメだ…とてもじゃないが見ていられない…」

エーリカ「シャーリーが来るまで後どれくらい?」

ペリーヌ「後2分です」

坂本「宮藤…持ってくれよ」

芳佳「くっ…ここで左捻り込み!」グィ

ブオオオン プスン ボオン

芳佳「左エンジン停止!? バランスが狂っちゃう!!」

ネウロイ「ウィイイイイイ」バシュン

芳佳(ダメ…シールドも回避も間に合わない…!!)

坂本「宮藤いいいいい!!!!」

―――キィィィィィィン ガシィッ

芳佳「…!! あれ、私何ともない…」

シャーリー「遅れてすまなかった。怪我は無いか?」

芳佳「シャーリーさん…!」

サーニャ「シャーリー大尉、到着しました! 予定よりも速いです!」

坂本「目視でも確認できた。はあ、危ないところで間に合ってよかった」

バルクホルン「あああ…」ヘナヘナ

エーリカ「トゥルーデったら、まだネウロイは健在なんだからまだ安心しちゃ駄目だよ」

バルクホルン「そうだな…リベリアン、聞こえるか。今の宮藤を守れるのは貴様しか居ないんだ。頼むぞ!!」

―基地上空―
シャーリー「分かった! 宮藤、しっかり捕まってろよ」

芳佳「……! はい! シャーリーさん、アレをやるんですね?」

シャーリー「そうさ。私らしい飛び方を。……加速する!」

ゴオオオオオオ

芳佳「シールド展開!!」

シャーリー「ぶち抜けええええ!!」

ズドオオオン

ネウロイ「ピギャアアアアア」パリーーーン

ペリーヌ「シャーリー大尉がネウロイを撃墜! ミーナ隊長たちも撃退に成功したそうですわ!」

坂本「速度を生かして体当たりをかますとは…音速のシャーリーに相応しいな」

バルクホルン「ああ。やはりリベリアンはこうでなくてはな」

エーリカ「あれ~? トゥルーデはああいう戦い方は嫌いなんじゃなかったの~?」

バルクホルン「いいんだ。多少文句を言えるようでなければ張り合いが無い」

エーリカ「素直に認めなよ~」ツンツン

リーネ「芳佳ちゃーん」タッタッタ

ルッキーニ「シャーリー!!」タッタッタ

坂本「さて、宮藤たちを迎えてやらんと」

―その日の夜―
シャーリー「バルクホルン。さっきは済まなかった。柄にも無い事でウジウジ悩んじまったみたいだ」

バルクホルン「やっといつものリベリアンに戻ったな。だが私に謝る必要は無い。それより宮藤に気持ちを伝えに行け」

シャーリー「ああ。…ありがとうな、応援してくれて」

バルクホルン「ふん。別に貴様のためにやった訳ではない。結果としてリベリアンも応援する形になっただけだ」

シャーリー「ははは。じゃあ、行ってくる」タッタッタ

バルクホルン「シャーリー…宮藤を頼んだぞ」

シャーリー「宮藤、話があるんだ」

芳佳「はい…」

シャーリー「この間の、宮藤の告白の返事だ」

芳佳「……」ドキドキ

シャーリー「宮藤、いや芳佳。私と付き合ってくれ。絶対に幸せにする!///」カァア

芳佳「シャーリーさん…嬉しい」

シャーリー「私は自信が無かったんだ。芳佳に釣り合うかどうか…でも私も芳佳が好きなんだ。一緒にいたい」

芳佳「私も…シャーリーさんを好きになったとき凄く不安でした。シャーリーさんはとってもいい人だから私じゃ駄目だって」ギュッ

シャーリー「駄目じゃないさ。芳佳じゃないと、私は付き合えない。芳佳が欲しいんだ」ダキ

芳佳「嬉しい…うれしいです」グス

シャーリー「泣くなよ…私も我慢できなくなるだろ…」ポロポロ

―数日後―
芳佳「シャーリーさーん! はい、あーん」

シャーリー「よーしか! あーん」

ペリーヌ「まったく、朝から見せ付けますわね…」

坂本「はっはっは! いいじゃないか、501公認カップルという事で、みんなで見守っていこうじゃないか」

ルッキーニ「ウジュー! シャーリーと芳佳が付き合ってるならあたしは二人の子供かなー?」

リーネ「それはどうかと思うけど…」

エイラ「そうなると母親はシャーリー大尉ダナ」

ミーナ「あら、どうして? 宮藤さんの方が家庭的だと思うけど」

エイラ「だって、残念賞だし」

サーニャ「エイラったら…」

ルッキーニ「ママー! パパー!」ダキ

シャーリー「こらこらルッキーニったら」

芳佳「うふふ、幸せ!」

坂本「これは真面目に挙式の準備をしないといけないかもな……」

バルクホルン「ふう…何とかなって良かった」

エーリカ「トゥルーデのおかげだよ。シャーリーが決心できたのは」

バルクホルン「そんな事は無い。リベリアンが望んだ結果だ」

エーリカ「ああー、でも何か二人を見てたら私もああいうラブラブな雰囲気になりたくなってきちゃった」

バルクホルン「ハルトマンは……気になる相手でもいるのか?」

エーリカ「……うん」

バルクホルン「そうか……奇遇だな。私もだ」

エーリカ「トゥルーデもそんな気分になったんだ…」

バルクホルン「宮藤たちに勇気を出せといったんだ。ハルトマンも勇気を出して告白してみたらどうだ」

エーリカ「分かった…そうするよ」

ギュッ

エーリカ「トゥルーデだよ。私のだーい好きな人……」ドキドキ

ダキ

バルクホルン「エーリカ…好きだ」ドキドキ

エーリカ「にししートゥルーデ可愛い! ずっと一緒だよ」

チュ


当初はシャーリーと宮藤のポジションが逆だったがシャーリーのキャラに合わなかったので却下。
途中で無理やり変えたからちょっと無理が出たかもしれない。
次はエーゲルかもっペリ書きたい。

面白かったけど気になった点が一つ
エイラはユニット整備が得意なんだ
むしろスオムスではそれで重宝されてたらしい

というかユニット整備が不得手なのって宮藤、リーネぐらいだろ確か
シャーリーは別格として他のメンバーも速度や出力調整ぐらいなら鼻歌混じりでできるし
特にエイラとバルクホルンはユニットの知識豊富なんだっけか

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