パワポケ「私立NIP高校?」(お試し版) (96)

須田「このスレを担当及び、今回相棒役の須田でやんす。以下にこのスレの説明を書いていくでやんす」

・このスレはパワポケオリジナルSSでやんす

・設定年代はパワポケ14の終了から二年後、主人公は高校三年生でやんす

・このSSの話を理解するにはパワポケをやったことあるだけじゃなくて、
 正史考察WIKIで正史をある程度把握する必要があるのと、このSSのみのぼくの考えた正史があるので注意でやんす

・今回もお試しなので一人分彼女攻略するだけでやんす。

・主人公のポジションは捕手固定でやんす

・基本書き溜めを投下するだけだから、選択肢を間違えるとバッド直行するでやんす

・11週目までに好感度が20いかなかったら14週目で強制バッドでやんす

・今日は12時に終わるでやんす

・メタ発言自重しないでやんす

・パワポケは面白いでやんす

須田「前回祈念を記念と間違えてぬか喜びした人がいたらすまなかったでやんす」

主人公の名前(デフォルトは小波)



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1394977558

 主人公は小さいころから野球を頑張ってきた。
 そのおかげで中学生の頃にそこそこの成績をあげ、さらにその活躍が認められ、高校は地元の野球強豪校に進学。

「ここが天下の名門、私立NIP高校か……」

「あんたも、もしかして野球部でやんすか?」

「そうだけど……どうしてわかったんだ?」

「野球のユニフォームを着てサッカーをする人はいないでやんす」

「……それもそうか。それよりあんたもって」

「そうでやんす! オイラも野球部でやんす。ちなみにポジションはピッチャーでやんす」

「そうなんだ。俺はキャッチャーなんだ。
 もしかしたら俺たちバッテリーを組むことになるかもね」

「そのときはよろしくでやんす」

「うん。一緒に甲子園目指して頑張ろう!」

 この時彼の道は光り輝いていた。少なくともこの時は……

8月4週目、NIP高校は甲子園の決勝まで駒を進めていた。

「それにしても先輩たちすごいね。甲子園に行ったと思ったら、あっという間に決勝だよ」

「今年は歴代最強とまで言われているでやんす。今まで苦戦はほとんどなしでやんす。
 まあその分オイラたちはベンチだし、来年も熾烈な争いになりそうでやんすが」

「なんの、来年こそは俺たちがあそこにいるさ」

「碇君はポジディブでやんすね。
 ……それにしても先輩たち遅いでやんすね」

「たしかにそうだね。敵のチームはもういるのに」

『皆様にお知らせがあります』

「なんか放送が始まったぞ」

『今日の甲子園決勝、NIP高校対花丸高校の試合ですがNIP高校の棄権により、花丸高校が第XXの甲子園優勝校に決まりました』

「な、なんだってー!?」

 突然のNIP高校の棄権。
 それはエースの持ち物からアルコール飲料が見つかったことによるものだと後から聞かされた。

「まさか甲子園への挑戦があんな結末で終わるなんて……」

 いろいろと不良消化で終わった夏休みが終わって新学期。
 碇は憂鬱な気分で登校していた。

「た、大変なことになったでやんす!」

 学校に来るとバッテリーの相方が血相を変えて近寄ってきた。
 そして彼に促されるように学校の掲示板を見ると。

「なになに、『野球部今後一年間公式非公式に問わず試合の禁止 by校長』……って、なんだよこれ!」

「しかも今後一年ってどうやら九月からまるまる一年らしいんでやんす」

「ちょっと待てよ。まるまる一年って……」

「そうでんす。来年の夏の予選も出れないでやんす……」

「そんな馬鹿な」

「さすがに二年生が可愛そうだって監督と顧問がかけあっているそうでやんすけど、望みは薄いでやんす。
 それにオイラたち一年でもどうせ一年間棒に振るんだったら何もできないここよりも練習試合はできる他の高校に行く人もいるでやんす」

「そんな……」

 ガクリと肩をおとす主人公。

「……碇君、ショックなのはわかr」

「うがーっ!」

「うわっ!? ど、どうしたでやんすか?」

「絶対に諦めない。俺は甲子園に行くぞ!」

 こうして主人公の挑戦が始まった。

碇「今日は新しい新入生が入ってくる日だ」

・・・・・・・・・・

 ザワザワ

碇「新入生の諸君、NIP高校野球部にようこそ。
   俺はこの野球部のキャプテンをしている碇といいます……」

 俺は昨日考えた挨拶を言う。
 カンニングペーパーを見ながらだったから一年生一人一人の顔は見れず、まあ所詮彼らはモブだしと思っていたがそれは軽い失敗だった。

碇「……じゃあ、俺たちの紹介はこのくらいにして、次は一年生から自分のことを紹介してもらえるかな?」

一年生部員A「はい! 一年N組の部員Aと言います。ポジションは……」


・・・・・・・・・・・

一年生部員α「……これからよろしくお願いします」

 そして新入部員のうちこれから一緒に切磋琢磨していく選手たちの挨拶が終わった。
 だけど今年はなんとマネージャーが新しく入ってくると聞いていたので俺はひそかに楽しみにしていたのだ。

碇「次はマネージャーの人、お願いできるかな?」

杏香「はい」

碇「……え?」

 だけどその嬉しさもあっという間に驚きに変わった。

杏香「? なにか?」

碇「い、いや……なんでもない。ごめん、続けて……」

 慌てて平静を取り繕って須田君を見る。
 須田君は目をそらしていた。


杏香「マネージャー志望の須田杏香(すだ きょうか)だ。
   はじめに言っておくと、そこにもう一人須田という人物がいるが、彼と私は兄妹だ。
   マネージャーとしての経験がないからいたらないところがあると思うが、兄もろともよろしく頼む」

碇(杏香ちゃん、相変わらずだなあ)

 須田君とおそろいの分厚いレンズの眼鏡に綺麗に垂れ流された赤みがかかった茶色の髪。そして尊大なしゃべり。
 一応、俺の中学時代からの知り合いともいえる人物がそこにいた。

碇(この高校に来ることもそうだけど、まさか野球部のマネージャーになるなんて……
   正直、杏香ちゃんはちょっと苦手なんだよなあ)

 別におかしなところはなかったものの、そのしゃべり方と雰囲気から間違いなく彼女が一番印象に残る自己紹介をして一年生歓迎会は終わった。

 須田杏香と出会った。

・・・・・・・・・・・

碇「練習までちょっと時間あるな、どうしよう……」

A.杏香と話す
B.須田と話す
C.そんなことより練習の準備だ


碇「せっかくだし、杏香ちゃんと話そう」

・・・・・・・・・・

碇「杏香ちゃん!」

杏香「ん? キャプテン、何か用ですか?」

碇「いや、そういうわけじゃないんだけど……」

杏香「? なら今話しかける必要ないと思いますが……
   いくら時間があってもキャプテンなら早めに準備して他の部員に手本をとなる行動をとるべきでは?」

碇「そ、そうだよね。ごめん……」

 杏香の好感度が1下がった。


碇「今日も練習頑張るぞ」

・・・・・・・・・・

杏香「キャプテン、お疲れ様」

碇「あっ、杏香ちゃん。ありがとう」

杏香「……」

碇「ん? どうかした?」

杏香「……その、少し言いにくいことなのだが、私のことを『杏香ちゃん』と呼ぶのはやめてもらえないだろうか?」

碇「えっ? どうして?」

杏香「さすがに高校になってもちゃん付けで呼ばれるのは子供扱いされてるようで気分がよくない」

碇「俺としてはそんなことないんだけど……」


杏香「私としては気になるんだ……計画の障害になるかもしれないし」

碇「計画?」

杏香「なに、べつに大したことじゃない。
   それに呼び方を変えるのは健全性を保つためだ」

碇「健全性?」

杏香「同じ部活のキャプテンがマネージャーにそういう呼び方をすれば良からぬ噂が立つかもしれん。
   たとえそれが本当でなくても、噂だけで人は簡単に疑心暗鬼に陥る。
   囚人だって黙秘するにしろ、自白するにしろ、それが嘘の罪であるなら咎められるいわれはないはずだ。
   だからそれを未然に防ぐ必要があるとは思わないか?」

碇「うーん。それじゃあ……」

A.杏香
B.杏香ちゃん
C.須田
D.須田さん


碇「須田」

杏香「……たしかにそれらしくなったが、兄も同じ苗字だからややこしいな。
   そうだな……無難に須田さんでいこう」

 杏香の好感度が1下がった。

碇「うーん、でも今さら須田さんって呼ぶのは違和感を感じるなあ」

杏香「少なくとも人前ではそう呼んでもらわなければ困る。
   私だって今はこうして話しているが、誰か他にいるときは少し変えているだろう?」

碇「わかったよ……人前でってことは二人きりなら杏香ちゃんでいいの?」

杏香「ちゃんと使い分けできるのならな。
   相手打者によってピッチングの組み立てを考えるようなものだ。
   先輩はキャッチャーなんだし、それくらいできるだろう?」

碇「う、うん。頑張るよ。
  その代わり杏香ちゃんも二人きりならキャプテンじゃなくて前みたいに碇先輩って言ってよ。」

杏香「どうしてだ?」

碇「なんかずっとそう呼ばれるのはむず痒いし」

杏香「……まあ、それくらいなら大丈夫かな? よし、わかった。そうしよう」


碇「そういえば杏香ちゃんって入部したときにマネージャー初めてだって言ってたよね?」

杏香「ああ」

碇「中学校のときは何をしていたの?」

杏香「……なぜそんなことを聞くんだ?」

碇「いや、単純に気になってさ。
  杏香ちゃん、マネージャーの経験ないって言ってたわりにテーピングとか手馴れているし」

杏香「そうか? 私としてはまだまだだと思うんだが……
   まあ、その理由はあれだ。私はバスケ部に所属していた」

碇「ええっ!? バスケ部!?」

杏香「そうだ。私のイメージに合わないか?」

碇(バスケ部って俺たちの中学で強かったけど一番評判の悪かった部活じゃないか)
 「い、いや、そういうわけじゃないけど、どうして高校でバスケを続けなかったのかなって」


杏香「それは……事故で指を怪我してしまってな、スランプになった」

碇「えっ?」

杏香「大きな後遺症が残るほどの大怪我というわけではなかったんだけど、感覚が少し鈍ってしまって以前のようにはプレーできなくなったんだ。
   碇先輩もわかるだろう? 球技で使う指先の感覚が狂えばそれはほぼ引退に近い」

碇「たしかにそうだけど」

杏香「引き止められたし、マネージャーをやるという手もあったが気をつかわれるのは嫌だったからやめた。
   もともとなんとなくで始めた部活だったがあのときは思ったより辛かったよ」

碇「……ごめん。辛いこと思い出させちゃって」

杏香「いや、いいんだ。怪我したのも私のミスが原因だし、あのころの私は幼かった。
   力がなくても正しい行いをすればわかってくれると思っていた、いや願っていたのかもしれん」

碇(……ん? 何の話だ?)

杏香「湿っぽい話になってしまったな……まだ聞くか?」

A.バスケについて聞く
B.マネージャーになった理由を聞く
C.聞かない


碇「どうしてマネージャーになったの?」

杏香「私の目標を達成するためには一番都合がいいと思ったからな」

碇「目標? それって……」

須田「碇君ー! 部活監督が呼んでるでやんすよー!!」

杏香「お呼びしてますよ、キャプテン」

碇「……うん、行ってくるよ」

 須田の好感度が3上がった。


碇「今日は昼飯も早く食べ終わったし、学校をうろついてみよう」

・・・・・・・・・・

碇「あっ、杏香ちゃんだ。おーい」

杏香「ん? ああ、碇先輩か」

碇「何をしているの?」

杏香「見ての通りだ。頼まれた書類を運んでいる」

A.誰に頼まれたの?
B.そっか、じゃあね
C.手伝おうか?



碇「手伝おうか?」

杏香「いや、けっこうだ。自ら引き受けた仕事だし」

碇「でも……」

杏香「気持ちだけ受け取っておくよ。碇先輩、ありがとう」

 杏香の好感度が1上がった。


碇「どうしてマネージャーになったの?」

杏香「私の目標を達成するためには一番都合がいいと思ったからな」

碇「目標? それって……」

須田「碇君ー! 部活監督が呼んでるでやんすよー!!」

杏香「お呼びしてますよ、キャプテン」

碇「……うん、行ってくるよ」

 杏香の好感度が3上がった。


杏香「三年生先輩、使った道具はきちんともとの場所にもどしてほしいのですが」

三年生先輩「……今度から気を付ける」

杏香「二年生先輩、休憩はもう終わりのはずですが?」

二年生部員「あ、ああ……そうだな」

杏香「一年生部員、三塁側のラインが消えかけていたぞ。早く書き直したらどうだ?」

一年生部員「はいはいわかったよ……チッ」


・・・・・・・・・・・・

二年生部員「キャプテン」

碇「ん? なんだ?」

二年生部員「あのマネージャーどうにかならないっすか?」

碇「マネージャーって、きょ……須田さんのこと?」

二年生部員「はい、そうっす」

碇「須田さんが何かしたのか?」

二年生部員「そうじゃないっすけど……キャプテンもわかるでしょう?
      いちいち口うるさく言ってくるからやる気がなくなってしょうがないっす」

碇(たしかに杏香ちゃんの言動は正しいけど、窮屈すぎて不満が出てくるんだよな)

二年生部員「このままじゃチームの志気にかかわるっす。
      ここはキャプテン、一つビシッと言ってやってください」

碇(このままじゃ問題かも……)
 「わかった。ちょっとマネージャーと話してみる」


・・・・・・・・・・・・

 練習後

杏香「……で、練習後に私を呼び出したと思えばそんなことか」

碇「そんなことじゃないよ。チーム間の仲が悪いのは問題だ」

杏香「たしかに同じチーム内での不仲はあまりよろしくはないが……
   ではキャプテンに聞くがこの場合、私が悪いのか? 私が謝ればそれでことが解決するのか?」

碇「そ、それは……」

A.悪いよ
B.悪くないけど
C.誰が悪いという話じゃないよ


碇「悪くないけど」

杏香「だったらなぜ私が謝らないといけない?」

碇「謝れって言ってるんじゃないよ。杏香ちゃんならもっと上手く立ち回られるはずだろ?」

杏香「…………そんなの、無理だ」

碇「杏香ちゃん?」

 杏香の好感度が1上がった。


杏香「だいたい私の悪口でチームの結束が保たれるならいいんじゃないか?
   しょせん私はチームの一員ではないんだし」

碇「そんなことない! 杏香ちゃんだって立派なチームの一員だ」

杏香「本気でそう思っているのか?」

碇「当然だろ」

杏香「じゃあ聞くが、もし私の言ったことを部活監督やコーチが言ったとしたらどうなる?
   不満は出るだろうが、今のように碇先輩が直接コーチに談判することがあるか?」

碇「それは、ないだろうけど……」

杏香「つまりそういうことだろ?
   私が年下のマネージャーだからいろいろ言われるのが気にくわないんだろ?
   はは、笑わせる。だいたいどこの部活でもマネージャーもチームの一員と言っておきながら
  結局のところチームの雑用係程度にしか思ってないんだろうさ」

碇「そんなこと……」

杏香「……だが、私に変化なかったら碇先輩の印象が悪くなって本当にチームが不仲になりかねんか。
   しかたない、碇先輩、協力してくれ」

碇「え?」


・・・・・・・・・・・・・

二年生部員「ふう……あの口うるさいマネージャーも最近はようやく礼儀を覚えてきて、
     これでのびのび野球ができるってもんだ……って、キャプテン?」

碇「ん? どうかした?」

二年生部員「な、なにやってるんすか?」

碇「いや、ここらへん土がちょっとデコボコしてて、イレギュラーバウンドが起こったら危ないからね」

二年生部員「キャプテンがそんなことしなくても……おい! 一年!
      キャプテンがトンボかけてるんだぞ。さっさとかわってやらんか!」

一年生部員「は、はい!」

・・・・・・・・・・・・・

碇「……これで良かったの?」

杏香「ああ。しかし郷に入れば郷に従えというのは偉大な言葉だな。
   私はこの言葉はあまり好かないが使い勝手が良くてなかなか便利な言葉だ」

碇「……」

 杏香の好感度が2あがった。

今日のところはこれで終了でやんす
現在の好感度は+5でやんす
次もよろしくお願いするでやんす!

ヒント
ほとんどの一週の好感度上限値は+3、下限値は-3でやんす

再開するでやんす
今日も12時まで協力お願いするでやんす
一週目のタイトルは再会だったのに再開って間違ってしまったけど気にしないでやんす!


碇「ふう……納得いかないところの自主練習してたらすっかり暗くなっちゃった。
  あれ? 部室にまだ電気がついてる」

A.誰かの消し忘れかな
B.きっとまだ誰かいるんだろうな


碇「誰かの消し忘れかな? つけっぱなしだと後で怒られるし、消しに行こう」

・・・・・・・・・

 ガラッ

杏香「ん?」

碇「あっ、杏香ちゃん」

 部室をあけるとミーディングで使うテレビがつけてあり、
それには録画した去年の秋季大会予選の俺たちの試合様子が流れていた。

杏香「碇先輩か……忘れ物か?」

碇「いや電気ついていたから消し忘れかなって……何をしているの?」

杏香「スコアをつける練習だ。これからは私がやらないといけないからな」

 そう、マネージャーの仕事というのは単に練習の手伝いをするだけではない。
 試合のスコアブックをつけるのもマネージャーの仕事である。


碇「きっとまだ誰かいるんだろうな。今日は疲れたし、さっさと帰ろう」

 その後俺は家に帰るとぐっすり休んだ


杏香「碇先輩は桃の木の精の話を知っているか?」

碇「桃の木の精? いや、知らないけど」

杏香「そうか」

碇「どんな話なの?」

杏香「いやな、私も誰からは聞いたかは忘れたのだが、
   どこかにある桃の木にいつも女の子がいてその女の子が桃の木の精である。
   という話なのだが……」

碇「桃の木か……木じゃないけど、桃に関する噂なら知っているけどなあ」

杏香「近くの街でたまに目撃されるピンク色のヒーローのことか?」

碇「うん。女性のようだがマスクをとらないから実は中身は男なんじゃないかといううわさがあるやつ」


杏香「ピンク色のヒーローの存在は間違いなく確定的のようだが、それも考えてみれば不思議なうわさだな」

碇「何が?」

杏香「女性のようだが男なんじゃないかというところがだ。
   もし最初からピンク色のヒーローを男だと疑っているなら女性のようだがという言葉はつかないだろう。
   つまり、最初の方はピンク色のヒーローが女性だと匂わせるようなことがないとおかしい」

碇「そう言われればそうだね。
   まあ、どちらにしても異性であると間違えられるのは本人にとっては気分がよくないだろうけど」

杏香「それはそうだろうな……はっ、まさか!」

碇「どうかした?」

杏香「桃の木の精の正体がピンクのヒーローじゃないだろうか?」

碇「……どういう意味?」

杏香「桃の木の精というのが暗示的にピンク色のヒーローを指していて、
   女の子が桃の木の精というのはそのヒーローが本当に女の子であることをいっているんだ」


・・・・・・・・・・・

モモコ「くしゅん……何かわらわのことをすごい勘違いされた気がする……」

・・・・・・・・・・・

桃井「くしゅん」

「あれ? ピンク風邪ひいたか?」

桃井「おかしいわねえ。風邪なんてひいたことないけど」


・・・・・・・・・・・

碇「さすがにそれはないんじゃ……」

杏香「いや、これなら合点がいく。
   おそらく桃の木の精の噂を流したのもピンクのヒーローだろうな」

碇「どうして?」

杏香「碇先輩の言ったとおりだ。本当は女の子なのに中身が男であるという噂が流されているのに怒り心頭に発したのだろう。
   しかし直接の否定じゃ弱いからこのように遠まわしで伝えることで気付いた者に説得力を持たせられる。
   急がば回れというわけなのだろう」

A.それ本気で言ってる?
B.さすがにそれは考えすぎだよ
C.もしそうだとしたら夢がないよ


碇「さすがにそれは考えすぎだよ」

杏香「そうか? そんなことはないと思うが……
   よし! 決めたぞ碇先輩。私はこの夏桃の木の精を探す」

碇「ええ!?」

杏香「安心してくれ。
   ちゃんと先輩たちの夏が終わった後にするから、マネージャーとしての仕事をさぼるつもりはない」

碇「いや、そこを心配したわけじゃないけど……まあ本人がやりたいならいいか」

・・・・・・・・・・・・

須田「……」

 杏香の好感度が2上がった。

今日のところはこれで終わりでやんす。
いろいろぐだって申し訳ないでやんす。
お試し版ということで許してほしいでやんす

>>36はなかったことにして、>>34>>37の流れってことで補完してほしいでやんす

今日も12時まで協力お願いするでやんす


 杏香ちゃんの作戦から一ヶ月がたった。
 たしかに杏香ちゃんの作戦はそれなりに効果的で、今では俺が動かなくなっても彼女が言わなくなっても、
その前と同じぐらい皆真面目に練習に取り組んでいる。

 ガラッ

杏香「これが今後一ヶ月の野球部のスケジュール表です。
   持って帰ってもいいですが一人一枚ずつしかないので、なくさないようにしてください」

 ガラッ、スタスタスタスタ

二年生部員「相変わらず無愛想な女だな」

一年生部員「あいつ、俺たちのクラスで委員長してるんですけど、
      ちょー規則に厳しくておかげで俺らのクラス、違反者出まくりっすよ」

 だけど、それは結局杏香ちゃんがいなくても杏香ちゃんが口を出す前と同じ状況にしただけで、
部活内での彼女自体の評価が良くなったわけではない。

碇「このままじゃいけないよな……」


・・・・・・・・・

杏香「また呼び出してなんのようだ? 碇先輩。
   前の問題は解決したはずだが」

碇「してないよ……たしかに杏香ちゃんが言わなくなっても皆練習を真面目に取り組むようになった。
  でも、結局は皆杏香ちゃんの陰口を言い続けているじゃないか」

杏香「はははは、それはいい!
   日々の不満をそれで発散してくれるなら大いに悪口を言ってもらいたいものだ」

碇「気にならないのか?」

杏香「あたりまえだ。聞こえない悪口など言われてないのと同じだからな」

碇「でも部活でそんなこと言われると分かった状態でそんな状態で三年間過ごすのは辛くない?」

杏香「三年間? ……ああ、そういえば普通はそうか。誰にも言ってないし」

碇「ん? どういう意味?」

杏香「……碇先輩になら言っても大丈夫か?
   よし! 碇先輩、私がこれから話すことを他の人に言わないと約束できるか?」

A.約束する
B.約束しない


碇「約束する」

杏香「話の内容も聞いていないのに約束するという言葉を私は信じない。
   まあ、約束しないという言葉はそのまま信じるがな」

碇(それって約束するもしないも同じことじゃないか)


杏香「……私はな、そのうちこの野球部のマネージャーを辞める」

碇「……え?」

杏香「安心しろ。碇先輩が引退するより後になるし、
  別にマネージャー業や陰口が嫌になって辞めるわけではない」

碇「じゃあ、どうして?」

杏香「どうしてもなにも元々野球部のマネージャーになったのは生徒会に入りたかったからなんだ。
   昔からここの学校の野球部が強いことは知っていたからな。
   そこのマネージャーとなれば個人で成績を残していなくても実績としては充分だ」

碇「いきなり野球部に入ったのはそういうわけだったんだ。
  でもそれだと今の状況だと尚更難しいんじゃない?」

杏香「どうしてだ?」

碇「いや、だってその……杏香ちゃん野球部ではあまり好かれていないから。
  生徒投票でなる生徒会役員には難しいんじゃ……」

杏香「ふふ、逆だよ碇先輩。嫌われているからこそ野球部は私に入れざるを得なくなる。
   碇先輩考えてみろ、私が生徒会選挙に落ちるってことは私が野球部のマネージャーといて居続けることになるんだぞ」

碇「!」


杏香「たとえ誰も私が生徒会に入ったら野球部を辞めること知らなくても、生徒会に入ればそれなりに時間がとられるのは誰でもわかる。。
   そしてそれに気付いた野球部は間違いなく一致団結して私を当選させにいく。野球部から私を追い出すために」

碇「……そんな簡単にいくのかな?」

杏香「いくさ。絶対にうまくいく。
   囚人は合理的に考えるがゆえに一番愚かな行動をとることはすでにわかりきっているんだ。
   それに碇先輩は勘違いしているかもしれないが、私は別に全ての人に嫌われているわけじゃないぞ?
   これでもバレンタインはそれなりにチョコをもらってきたほうなんだ」

碇(それは誇らしげに言うことじゃないと思うんだけど……)

杏香「私は生徒会に入れて目的達成だし、野球部は私を追い出せて幸せになる。
   まさしくwin-winの関係というわけだな。
   もちろん碇先輩も私に投票してくれるよな?」

A.投票する
B.投票しない


碇「残念だけど、投票できないよ」

杏香「……困ったな。碇先輩なら投票してくれると思ったのだが。
   理由を聞いてもいいか?」

碇「生徒会選挙は学校を良くする人を選ぶためのものじゃないか」

杏香「そのことに私では力不足とでも?」

碇「そうじゃなくて、俺はまだ杏香ちゃんが選挙に出るって聞いただけじゃないか。
   所信表明や公約を聞いてないのに投票することなんてできないよ」


杏香「! ……そうだな。私としたことが初めて人に計画を話して興奮してしまっていたようだ。
   立候補前に投票者を決めることは、普通の選挙では当たり前だがこれは生徒選挙だ。
   せめて形だけでもフェアにやらないとな。
   ありがとう碇先輩、そして待っていてくれ。
   碇先輩が私に投票したくなるような所信表明と公約をつくってみせる」

碇「う、うん。頑張ってね」

杏香「ふふ、任せてくれ。きっとこの高校に最高の校風をつくってみせる」

碇(偉そうに言ってみたものの、これは余計なことをしたかも)

 杏香の好感度が3上がった。

碇「今日も居残り練習して遅くなっちゃった。もう皆帰っただろうな。
  あ、また部室の電気がついてる。前は杏香ちゃんがいたみたいだけど今日もいるのかな?」

A.様子を見に行く
B.そのまま帰る


碇「せっかくだし、ちょっと話して帰ろう」

・・・・・・・・・・・・・・・

 ガラッ

碇「杏香ちゃん、お疲れ様」

杏香「ん? 碇先輩か。お疲れ様。今日も残っていたのか」

碇「杏香ちゃんのほうもね。今日はどうしたの?」

杏香「ああ。スコアをつける練習だ」

碇「えっ? この前の練習試合のときスコアのほうはちゃんとつけれていたと思うけど」

杏香「それはそうなんだがな、あの日はスコアをつけるのにいっぱいいっぱいで他のことまで気が回らなかったんだ。
   うちのチームは試合経験が少ないからどうしても回ごとのベンチでのすごし方が他のチームに比べて問題あると思う。
   それをなおすためにはマネージャーである私がスコアを片手間にチームに呼びかけなければなるまい。
   そのためにも回数をこなしてスコアをつけるのに慣れる必要があるからな」


碇「頑張るね」

杏香「そうか? マネージャーの仕事としては当然のことだし、むしろ遅すぎると思うのだが……」

碇「そうかもしれないけどさ、普段のマネージャーの仕事もやって、
 今もこうして遅くまで残って仕事を覚えてくれるなんてなかなかできることじゃないよ。
  そう考えると杏香ちゃんは十分に頑張っているよ」

杏香「頑張っている、か……碇先輩、あなたは鏡に映った自分が笑えるか?」

碇「え?」


杏香「ときどき、自分自身からこういう声を聞くことはないか。
   ・・・どんなに努力しようと、すべては結局ムダなのだと」

碇「!?」

杏香「どんなに今努力したところで失ったものが返ってくるわけではないし、
  これからどれほど努力しようとこれからの未来なんて限られている。
   若さは無限の可能性を秘めていると言う言葉を聞くが、それはきっと無限の可能性全てを得られるということではなく、
  無限の可能性からわずかな実現できそうなやつを手探りで選び取れという意味なのだろうな。
   そして、その選び取った可能性が実現できる範囲の外にあるなら今私たちがこうして努力を重ねることなんて無意味に等しい。
   ……いや、それ以上に今の努力を虚しく思うだろう。・・・ではなぜ私たちはこんな苦しみを続けている?」

A.ムダなんかじゃない
B.・・・考えたこともなかった
C.先のことなんて気にしない


碇「・・・考えたこともなかった」

杏香「先輩がそう答えるなんて意外だな……いや、私がそう勝手に決めつけていただけか……」

碇「杏香ちゃん?」

杏香「・・・私に関して言うなら、「やらずにはいられない」からだ。
   目の前にゴミが落ちていればゴミ箱に捨てねば気がすまん」

杏香「正しいからでも、カッコいいからでもない。
   ただ、やらねばならないと思ってしまったから、やるんだ」

杏香「たとえ鏡に映ったおのれの姿がどんなにこっけいであろうとも・・・やらねばならん。」

碇「……生徒会に入るのもやらなければいけないことなのか?」

杏香「そうだ。私の目的はこの学校に最高の校風をつくることだからな」

碇「意固地になってるんじゃない?」

杏香「……何?」


碇「前に杏香ちゃんは生徒会に入るために嫌われているみたいに言ってたけど、
   今の俺には君が皆に嫌われたから生徒会に入るように見えるよ」

杏香「……では全ては私の嘘だったと?
   実は私は何も考えてなくて、たまたま嫌われたから生徒会に入るという話をでっちあげたというのか?」

碇「そうじゃない。杏香ちゃんは賢いからおそらく生徒会のことも今の状況もはじめから考えていたんだろうさ。
  でもそれは半面は上手くいきすぎて、もう半面は上手くいかなかったんだ」

碇「皆、杏香ちゃんの計画通りに君を疎み、嫌い、恐れるようになった。
  だけどその想定に反して君の心は悪評に耐えられなかったんだ」

杏香「勝手な想像だな。そんな証拠はどこにある?」

碇「努力がムダなんかじゃないかって聞いている時点で後悔してるって言っているようなもんじゃないか」

杏香「……」


碇「鏡花ちゃんは今になって目標に対する意思や決意が鈍った。
  だけどもう周りの状況を目標達成のために変えてしまって後戻りはできない」

碇「だから今の杏香ちゃんは生徒会に入ろうとしている。
  それは君の言う「やらずにいられない」じゃなくて、「それ以外できない」という逃げなんじゃ……」

杏香「碇先輩っ!」

 俺の言葉を杏香ちゃんにしては珍しく大声で遮られる。
 いつも対面していた時は必ず強い意志を感じていた杏香ちゃんの目は顔を伏せられ見えなかった。

杏香「……それ以上はもう、やめてくれ…………お願いだから、やめて………………」

碇「杏香ちゃん……」

 顔を上げないのは俺の言ったことを否定できない悔しさからか、それとも……

杏香「…………今日はもう帰る。すまないが碇先輩、電気のほうは頼んだ」

 スタスタスタスタ

碇「…………」

 杏香の好感度が3上がった。

今日はこれで終わりでやんす。
気づいていると思うでやんすが、この子はあるキャラのやり直しみたいなもので、
一部をちょこっと変えたり、丸パクリしているところもあるでやんす

じゃあ次もよろしくお願いするでやんす

今日も協力お願いするでやんす


碇「ふう、今日の練習も疲れたなあ。だけど明日は久々のオフだ。ゆっくり休むぞ」

杏香「キャプテン」

碇「あ。須田さん」

強化「お願いがあります」

碇「何?」

杏香「明日街のスポーツ店に部活の用品を取りに行くんですけど、一人で運ぶのは難しい量になりそうで……」

A.わかった、俺も一緒に行くよ
B.わかった、他の一年に手伝わせる
C.須田君は……


碇「わかった、俺も行くよ」

杏香「いえ、別にキャプテンに来てくれというわけでは……」

碇「いいって、どうせ明日は暇なんだし」

杏香「ありがとうございます」


・・・・・・・・・・・

 約束当日、俺は人気のない公園にいた。
 閑散としているところで男女の密会なんて弾道があがるようなシチュエーションだが、残念ながらそれはない。
 というか、そこを選んだのは俺じゃなくて杏香ちゃんであった。
 そしてその理由は下手に人目のつくところで野球部の誰かに見られ、変な噂がたつと困るからといういかにも彼女らしい理由だった。

碇「約束の時間まで後五分だ」

「……先輩」

碇「姿が見えないけどまさか杏香ちゃんが遅刻するわけ……」

杏香「碇先輩!」

碇「は、はい!? って、きょ、杏香ちゃん!?」

杏香「そうだが、なんで驚いているんだ?」

碇「いや、だって眼鏡が……」

 分厚い眼鏡と前髪で隠れていた杏香ちゃんの顔はかなりレベルが高く、正直今までで一番ドキッとした。


杏香「ああ、そういえば碇先輩に眼鏡を外した姿を見せるのは初めてか。
   印象がちょっと変わるっているかもな」

碇「変わるっていうより、別人だよ。眼鏡なくても見えるの?」

杏香「ああ、問題ない。あれは伊達だからな」

碇「えっ? 嘘?」

杏香「本当だ」

碇「どうしてそんなことを?」

杏香「父う……父からの言いつけでな。私の素顔が周りに知れ渡るとちょっとまずいらしい。
   小さいころはよくわからなかったが、最近になってわかったよ。こういうことだった」

 杏香ちゃんは自身の長い髪を持ち上げてポニーテールみたくまとめる。
 するとそこにいたのは……

碇「神条、紫杏……?」

 世間に疎い俺でも知っている有名人、神条紫杏だった。


碇「……杏香ちゃんって神条紫杏の親戚だったの?」

杏香「わからない。碇先輩も知っているとおり私にはもう肉親の可能性がある親族はいないからな。
   だが、これで私が素顔を出せない理由がわかるだろう?」

碇「……」

 神条紫杏。若くしてジャジメントの日本支社の最高責任者に就き、さらにオオガミとジャジメントを合併させ、
ツナミグループという名の世界最大の財閥を立ち上げた超敏腕女社長というのが数年前までの彼女の評価だった。
 しかしツナミのその後のジャジメントが行っていた悪事が明るみに出たとき、それらは全て神条紫杏の代から存在し続けていたものと報道なされ、
彼女は評価は高嶺の華のような存在から魔王と呼ばれ恐れられるようになるほどにまで反転した。


 だから杏香ちゃんのお父さんが杏香ちゃんに眼鏡をかけるようにさせたのもおそらくそういう世間の目から杏香ちゃんを守るためだと容易に想像がつく。
 あの人は本人が言ってたように決して善人ではなかったし、むしろ悪人だったけれども裏切るようなことはしなかった。

 杏香ちゃんは俺が納得したのがわかったのか手を離し再び髪を垂れ流す。

杏香「本当は眼鏡もかけるべきなんだろうが、野球部の誰かに見つかるとも限らないしな。
   髪を下ろしておけばまあわからないだろうということで、眼鏡だけは外した。
   さて、説明はそんなところだ。行こうか碇先輩」

碇「う、うん」

 いつもと違う顔を見せる杏香ちゃんに俺はドキドキしながらもついていった。


・・・・・・・・・・・

碇「……まだ店が開いてない?」

杏香「すまない。どうやら曜日によって開く時間が異なっているようだ。
   今日は後二、三時間したら開くそうなんだが……」

碇「うーん。じゃあ映画でも行く?」

杏香「映画?」

碇「うん。映画なら時間的にも丁度だと思うし」

杏香「……いや、やめておこう」

碇「えー、どうして?」

杏香「私たちは遊びに来たわけじゃないからな。
   罪を犯した囚人が互いに罪を黙秘するよう示し合わせればいいのかもしれないが、そもそも罪を犯さなければ囚人になることはない。
   一緒に映画館にいるところを他の誰かに見られたらまずいだろう」


碇「そうかもしれないけどさ、だったら残った中途半端な時間をどうやって潰す?」

杏香「うっ……」

碇「だいたい、こうなったのも杏香ちゃんのせいだし」

杏香「そ、それは……悪いと思っている」

碇「本当に?」

杏香「本当だ!」

碇「じゃあ、お詫びに映画を一緒にみようか」ガシッ

杏香「へ? ちょ、ちょっと、碇先輩、引っ張るな!」

碇「大丈夫、大丈夫。俺のわがままだから、映画の代金は俺がおごるからさ」

杏香「そういう問題じゃなくてだな……」


・・・・・・・・・・

 見た映画の内容はよくある勧善懲悪もの。
 一般人だった主人公とヒロインの前に正義の味方が表れ、なんやかんやで正義の味方は死ぬものの、
主人公とヒロインが見事悪の親玉を改心させたという話だった。


・・・・・・・・・・

碇「お、面白かったね……」

杏香「……ああ、面白かった…………」

碇(どうしよう、物語終盤からずっと機嫌が悪いぞ……
  やっぱり映画に誘ったのは失敗だったのか……?)

杏香「面白かった……だが、気にくわん」

碇「え?」

杏香「脚本家はいったいどういうつもりであのキャラはああいう扱いにしたんだ?」

碇「あのキャラって……」

A.主人公
B.ヒロイン
C.正義の味方
D.悪の親玉


碇「悪の親玉?」

杏香「たしかにあれほど悪事を重ねていたのに鞍替えしたとたんいいやつ扱いされたのは腹が立ったが……そうではない」

碇「じゃあ何が気にくわなかったの?」

杏香「それは……いや、やめておこう。わざわざ文句を言うために見たわけじゃないからな。
   碇先輩行こう、店がもう開いてる」

碇「……うん」

 杏香の好感度が1上がった。

・・・・・・・・・・・・

「あ、あれはミス紫杏!? クシュン!
 どうしてあのメスザルが生き、クシュン…ていクシュン…これは調べクシュン…る必よクシュン。
 ああ! もう!!」

>>1に書いたように今までの好感度合計が14だからバッドルート突入でやんす
このまま進めるでやんすか?

A.このまま進める
B.エンディングまで飛ばす
C.やり直す(安価指定)


 地区予選決勝当日

碇「ええっ!? 杏香ちゃんが、学校をやめた!?」

部活監督「ああ、中途半端な時期だがしかたない。家庭の事情があったらしい」

碇「そんな……」

二年生部員「いいじゃないっすか、キャプテン。
      これで皆のびのびプレーができるっすよ」

一年生部員「たしかに。皆のやる気もドカンとUPしているっすし、これは今日の決勝もらったも同然っすね」

 チームメイトのやる気があがった。

碇「……そうかな……?」

 その日たしかにチームは好調で先制点をとった後もリードを守り続けた。
 しかし最終回、甲子園を目の前にして皆が浮き足立っていたところで、

二年生部員「あっ……」ポロッ

 エラーが重なり、俺たちの夏は終わった。


 引退後、俺は須田君と初めて会った場所に来ていた。
 そこはある神社の境内で、大きな木の下は心地よい風が吹く。

須田「碇君、進路は決まっているでやんすか?」

碇「うん、一応工場にね……和桐製作所ってところなんだけど」

須田「あの経営難を抜けて急成長しているところでやんすか?
   碇君、よく受かったでやんすね」

碇「俺も運が良かったって思ってるよ。
  面接でなんか気に入られてさ、正直それが大きいんだと思う」


須田「そうでやんすか……両親、見つかるといいでやんすね」

碇「うん……まあ、少し諦めているけどね、今まで音沙汰ないし。それに現状に不満があるわけでもないしね。
  就職しておちついたら野球部にも顔を出すよ。だから須田君、そのときを楽しみにしてな」ニヤニヤ

須田「ふん、おいらがキャプテンになったからには碇君のようなみっともない成績にはならないでやんす!
   ……碇君と一緒にプレーした時間はおいらにとって宝物でやんす」

碇「……俺もだよ。ありがとう、須田君」


杏香「我々アンドロイドは今まで我等を虐げてきた人類に今こそ反旗を翻す!」

 彼女がいなくなってから数年後、俺が再び彼女を見たのは遠い画面越しであった。

杏香「いつまでも学ばず愚かな間違いを繰り返す人類に未来を任せておくことなど不可能。
   常に進歩し続ける我らアンドロイドこそこの世の新たな統率者となる」

 いったいどれほど犠牲が出るのだろうか。
 彼女の言葉一つで千の死が生み出され、万の憎しみが彼女自身を殺す。
 しかしそれすら彼女の歩みを止めることはできない。
 なぜならそれらは単なる目的のための礎にすぎず、それこそが彼女を突き動かす原動力になるのだから。

 そして彼女が増やしていく屍に世の中の人たちは、彼女を畏れ、敬いあるいは憎悪する。
 ・・・しかし、どうしてだろうか。俺は彼女を哀れだとしか思えなかった。

 物陰

ルッカ(メスザルめ、今は猿山の大将気取りでいるがいいわ。
    しかし見てなさい。この組織が大きくなったとき、誰が頂点に立つのがふさわしいか教えてあげる。
    ふふっ、私の忌まわしいくしゃみ機能をなくしたことを後悔させてやる)

部下(あっ、ルッカの敵意メーターが黄色だ。後で杏香様に報告しておかないと)

とりあえずこれがバッドエンドでやんす。
やり直すでやんすか?

A.やり直さずスレをおとす
B.やり直す(安価指定)


暇つぶし雑談コーナー

野田「暇つぶし雑談コーナーを担当する野田でやんす。
   さっそく今日のゲストをお呼びしたいと思うでやんす。
   第一回のゲストはもちろんこの人、主人公こと小波君でやんす!」

小波「……野田君、久しぶり」

野田「久しぶりでやんす。
   ん? どうかしたでやんすか? 浮かない顔でやんすが……」

小波「いやさ、見ている人が野田君のことわかるかなあって。名前が出てくるのは今が初めてだし」

野田「察しがいい人ならわかるんじゃないでやんすか?
   まあ、結局はこのスレのオリジナル眼鏡ってだけだし、たいした存在ではないでやんす。
   それより、小波君文句があるそうでやんすが、なんでやんすか?」

小波「ああ、うん。根本的な話なんだけど……野球させろよ」

野田「無理でやんす」

小波「即答かよ!」


野田「……しかたないでやんす。SSで野球は無理でやんす。
   ルール考えるのめんどくさいでやんすし」

小波「じゃあせめて野球している様子かけよ!
   お試し版とか書いて彼女攻略だけさせてんじゃねえよ!
   ギャルゲーじゃないんだぞ! 野球部分の話をまずはつくれよ!」

野田「文句が多いでやんすね」

小波「言っていることは一つだ! 野球させろ!」

野田「前向きに検討することを前向きに検討するでやんす」

小波「おい、それってあきらかに考えるつもりないよな?」

野田「じゃあ今回はこれで終わりでやんす」

小波「おい! ちょっ、まっ……野球させろー!!」

プロフィール No.1
小波(主人公)
両親行方不明。現在はNIP高校の雑談寮に住んでいる。
野球は育ての親の影響で始め、中学校の部活の監督と出会い、本当に野球が好きになる。
父親の手がかり……なし
母親の手がかり……好みのタイプは島流しに会った後、潰れた工場を再建させるような人

野田「ふう……これでパワポケSSなのに野球をやってないと批判されることないでやんす」ニヤリ



このスレはこれで終わりでやんす
あと一人考えている彼女候補がいるからそれを書き終わったらまた投下するでやんす

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