セシリア「あなたは馬鹿ですの!?」カズマ「その馬鹿を極める!」 (133)

インフィニット・ストラトス(IS)とスクライドのクロスになります。
ISはMF時代の原作7巻までのみ読了、アニメは1期のみ視聴。
スクライドは漫画版所持、TVアニメDVDボックス所持、映画は見てない。
SS独自の設定とかは聞かれたら答えます。
一話分書いたら投下するスタイルなのでまったり長期連載予定。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1394976212

 権利権力から隔絶された学び舎、「IS学園」。
 女性だらけの学舎に、カズマは生きる。
 時に剣となり、時に鎧となる奇跡の力、「インフィニット・ストラトス」。
 それはまた戦うための力でもあった。
 ISを操る女達と一人の男の物語が、今、始まる。
 新番組「インフィニット・スクライド」、本日よりスタート。
 奴らの生き様を、その身に刻め。

第一話「カズマ」

IS学園 始業式の日

山田「では次、織斑くん」

カズマ「」グガーグゴー

山田(いびきをかいて寝ている!?)

千冬「起きんか、馬鹿者」バシッ

カズマ「あだっ! なんだ、この容赦の無さはやっぱ姉貴かぁ。久しぶりじゃねえか」

千冬「ここでは姉貴ではなく織斑先生と呼べ。ほら、とっとと自己紹介をせんか」

カズマ「へーいへい、わかりましたよっと。名前はカズマ。苗字なんざ関係ねえ、只のカズマだ。以上」

千冬「カズマ、貴様……」ギロッ

カズマ「……」ギロッ

千冬「……まあいい。山田先生、邪魔をしてすまなかった。続けてください」

山田「あ、はい!では次の人――」

箒(あれが、織斑カズマだと?)

休み時間

箒「おい、カズマ」

カズマ「その声、箒か」←つっぷしたまま

箒「覚えていてくれたのか!」

カズマ「俺は一度刻んだ奴のことは忘れねえよ……で、なんか用か」

箒「い、いや(本当は腑抜けていたのかどうか確かめたかったのだが、昔以上の凄みを感じる……)幼なじみを見つけたから話しかけただけだ。私の自己紹介の時にはもう寝てしまっていたようだったからな」

カズマ「そいつはすまねえな、俺もハナっから寝てるつもりはなかったんだけどよ、突然ここに転入することになっちまったからISについての勉強をさせられてな。久々に頭を使ったからくたびれてしょうがねえんだ」

箒「そ、そうか」

山田「はーい、授業始めますよー」

授業中

山田「インフィニット・ストラトス、通称ISにはシールドエネルギーというものがありそれを転用して絶対防御という――」

カズマ(1ミリもわかんねえ……寝るか)スゥッ

山田「あ、織斑くん!ダメですよ!寝ようとしたら必ず起こすようにって織斑先生に言われてるんですからね」

山田「わからないことがあったら何でも質問してください。なんたって私は先生ですから!」

カズマ「あー、じゃあ先生、すまねえんだけど全体的にわからん」

山田「ぜ、全体的ですか……どうしよう、今あまり時間を割くわけにも行かないから、じゃあ放課後、補習しましょうか」

カズマ「じゃあ、それで」スゥッ

山田「言ったそばから寝ないでください!」

箒(座学の方はからきしのようだな……)ヤレヤレ

休み時間

セシリア「ちょっとそこのあなた!」

カズマ(昼飯何食うかなあ)ボー

セシリア「あなたに言っていますのよ!」

カズマ(箒、なかなか美人になったじゃねえか)ボー

セシリア「織斑カズマ!」

カズマ「あぁ?何だアンタ、怖い顔して」

セシリア「このセシリア・オルコットを無視するとはいい度胸ですわね」ワナワナ

カズマ「セシリア、セシリア……印象にねえ。ごめん、わりぃ、すまねえ、許せ」

セシリア「何ですって!?このイギリス代表候補生のセシリア・オルコットを知らないと申しますの?」

カズマ「キャンキャンうるせえな……知らねえっていってんだろが」

セシリア「ならば教えて差し上げますわ。この私(わたくし)こそがイギリス代表候補生にして入学試験でも主席、そして唯一試験管を倒したセシリア・オルコットですのよ!」

カズマ「入試だぁ?それなら俺も倒したぞ」

セシリア「そんな、たしかに私一人と伺っていたのに……」

カズマ「嘘じゃねえよ、多分アンタが聞いたのは『女子では』唯一ってことなんじゃねえのか?」

千冬「席につけ、授業を始めるぞ」

放課後

カズマ(実技だけしてたらいいってわけじゃねえんだな……予想以上にキツイぜこりゃ)

カズマ(補習受けたら多少はわかってきたけどな……それよりも便所がねえのが一番困る)

カズマ(女子校だからって男の来客がねえとも限らんだろうに……)

カズマ「っと、ここが俺の部屋か」ガチャ

カズマ(本来二人部屋だからか無駄に広いな)

カズマ「ま、色々大変そうだけど何とかなんだろ」ドサァ

カズマ(ふかふかのベッド、ありがてえ……)グガーグゴー

箒「なんでこいつが私の部屋で寝ているのだ……」

箒「まあ、幸せそうに寝ているし、そっとしておくか」

翌日

箒「起きろ!朝だぞ!」

カズマ「うるっせえな……って、箒!?なんでここにいやがる!」

箒「私にもわからんわ!自分の部屋に来たら貴様がいびきを掻いて寝こけていたのだ!」

箒「それより、急がないと朝食が終わってしまうぞ」

カズマ「あいよ、行くとすっか」

HR

千冬「クラス代表を決める。自薦他薦は問わん、誰かいないか?」

セシリア「はい!私g「織斑くんがいいとおもいまーす!」

セシリア「な、な」

女子s「私も織斑くんがいいと思います!」「私もー」

セシリア「あ、あなたがt「わりいがゴメンだな」

千冬「ほう、織斑、なにか意見があるなら言ってみろ」

カズマ「意見なんて大層なもんじゃねえが、授業にもついていけてねえ俺が代表なんてのはおかしいだろが。ISだって起動しちまった時と入学試験の二回しか触ってねえんだ」

千冬「一理あるな。で、本音は?」

カズマ「面倒くせ、いでっ!」

千冬「なるほどな、その腐った根性を叩き直すために代表にしてやる、と言いたいところだが、オルコット、なにか言いかけていたな」

セシリア「は、はい!ええと、イギリス代表候補生であり、この学年唯一の専用機持ちである私がふさわしいと、申し上げようとしておりました」

千冬「ふむ、筋は通っているな」

セシリア「それに、ISをろくに触ったこともない、まして男がクラス代表なんて恥さらしもいいところですわ!」

カズマ(……)

セシリア「ぺらぺらぺらぺら」

カズマ(よく舌が回る女だぜ、兄貴を思い出す……)

セシリア「そもそも、このような文化としても後進的な国に暮らさなくてはいけないこと自体、私にとっては耐え難い苦痛であって「あいっかわらずキャンキャンうるせえやつだな」

カズマ「面倒だから引き下がろうかと思ってたが、気が変わった。イギリス代表なんちゃらのアンタ、俺と喧嘩だ。勝負をしようぜ」

セシリア「あ、あなた、本気で言っていますの?手加減はできなくってよ」

カズマ「手加減だぁ?んなもん本気の喧嘩には邪魔だ。全力一本勝負、シンプルに行こうぜ」

セシリア「そこまで言うのでしたら、分かりました。お受けいたします」

千冬「よし、では一週間後のHRの時間に試合をしてもらう。その勝者がクラス代表ということでいいな」

放課後

箒「おい、カズマ!いくらお前でも無茶だぞ!」

カズマ「無茶は承知の上。だがな、ここらで一発男の意地を見せてやらねえとだろ。
特に、あいつみてえなお高く止まって自分が負けねえ楯突かれねえ絶対強者だって思い込んでる奴にはな」

箒「……ふっ、やはりお前は私の知っている織斑カズマだったようだな。
よし、その心意気買った!今日から特訓だ!」

カズマ「気持ちはありがてえが、俺は俺でやらせてもらう。お前はお前でやることがあんだろ」

箒「あ、おいカズマ!待たんか!」

千冬「……何やら盛り上がっているところ悪いが、織斑、少し話がある。ついてこい」

教員室

千冬「さて、まず聞きたいのだが、お前は専用機というものを知っているか?」

カズマ「んと、赤くて3倍でっていう感じのことか「織斑?」ですか?」

山田「間違ってはいないですが、それはMSの話ですね……」

千冬「全く、予習用の冊子を渡しておいただろう」

カズマ「あんな分厚いもの読めるか!」

山田「ま、まあとにかく専用機っていうのは織斑くんの言うシャア専用のIS版という認識でオーケーです。
ですがISはコアの数が有限なので専用機というのはとても希少で各国の代表候補生にしか与えられません」

千冬「お前は代表候補ではないが、人類唯一の男性ISパイロットなのでデータを取るために専用機が与えられるはずだった」

カズマ「だった、ってことはダメになったのか」

千冬「察しがいいな、そのとおりだ。お前のISを製作予定だった倉持技研の開発部が他の機体を優先させたいと陳情してな、その訴えの正当性が認められお前の専用機は後回しになったというわけだ」

カズマ「ま、専用機だろうが量産機だろうが、実際は3倍じゃなくて1.3倍らしいじゃねえか、そんぐらいハンデだ。燃えてくるぜ」ガタッ

山田「ハンデって、普通なら織斑くんがもらう側ですよ……?」

千冬「相変わらずの反逆者(トリーズナー)ぶりだな、カズマ。だが、大見得を張って無様なところを見せんようにな」

カズマ「はっ、言ってろよ、姉貴」バタン

千冬「はあ、我が弟ながら手が掛かる」

山田「織斑くん、大丈夫ですかねえ」

千冬「勝負のことについてなら、奴はおそらく勝つ。だが試合はわかりません」

山田「は、はあ」

千冬「昔から喧嘩に反逆が口癖のやつでしてね、それより山田先生、教員室の鍵入れを見てくれますか?」

山田「え、ああはい」

千冬「アリーナの鍵は?」

山田「あ、ないです!」

千冬「はーっ……すみませんがあいつの特訓を見てやってもらえますか?それと、明日からは使用許可を取るようにと」

山田「そのくらいのことなら、お安いご用ですよ。ふふーん、でも織斑先生も見かけによらずブラコンっぽいとこr、「何か?」ひぃっ!行ってきます!」

アリーナ

カズマ(まず使用機体だ。イギリス女の機体は噂によると射撃特化、こっちの選択肢は格闘特化の「打鉄」か万能機の「ラファールリヴァイヴⅡ」)ゴソゴソ

カズマ(相手の射撃戦に応戦することを考えるとラファールリヴァイヴ、だがそもそも射撃特化相手に射撃戦をすること自体が相手に有利を与えている)ガチャガチャ

カズマ(まして俺は銃器なんて扱ったことねえからな)カチャンカチャン

カズマ(とすると、勝つなら打鉄一択だ)ガタッ

カズマ「打鉄!」シュイーン

カズマ(装備は刀一本、無いよりマシって程度だな。むしろ俺には邪魔だ)ポイッ

カズマ(格闘特化ではあるが機敏な動きよりも装甲の厚さを活かすタイプだな。装甲が厚い分あまり素早い期待制御はできないと思った方がいい)シュッシュッ

カズマ(だがこの装甲の厚さは重さを活かして攻撃に使える。少し試してみるか)

カズマ「衝撃のぉ」ググググ

山田「あ、織斑くんいましたいました。放課後に特訓とか、意外とかわいいとこありますねえ」コソコソ

カズマ「ファーストブリットおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」ドッゴーン!!!

山田(アリーナ全体が揺れた!?)

カズマ「あー、やっぱ兄貴みてえにゃ行かねえか。まあ、あん時は束の怪しい機械足につけての蹴りだったけど、俺だってIS使ってんだがなあ」

山田(束って、あの束博士のことよね……それに兄貴って一体だれ!?)カタッ

カズマ「誰だ!」

山田「ひゃあっ!お、織斑くん、勝手にアリーナを使用しちゃダメじゃないですか。明日からはきちんと許可をとって使ってください!」

カズマ「なんだ、先公か……わーったわーった。気をつけますよ」スタスタ

若本「スクライド!」

そして、一週間が過ぎた。

アリーナピット

箒「カズマ、私には何もできないがその、応援しているぞ!」

カズマ「おう、ありがとな」スタスタ

箒(相変わらずそっけない、が私はくじけないぞ!)

千冬「お、篠ノ之か。お前は客席で見ないのか」

箒「あ、千冬さ、じゃなくて織斑先生、出陣前に景気づけをしてあげられればと思いまして」

千冬「そういう古風なところは変わらんな。ではここで一緒に観戦するとしようか」

千冬「さて、見せてもらうぞ。お前のケンカを」

アリーナ

セシリア「よく来ましたわね。その度胸と蛮勇だけは褒めて差し上げますわ」

カズマ「言ってろよイギリス女。お高く止まったそのツラをぶっ飛ばしてやるぜ」

山田「それでは、両者準備が出来ましたので試合開始です!」

セシリア(相手は第二世代の格闘機、打鉄。スピードも遅く遠距離武装はお粗末なアサルトライフルのみ。ならば!)ビューン

カズマ「距離をとろうとする、だよなあ!」ビューン

セシリア「なっ!(いきなり全速力で詰めてくるですって!?何を考えていますのこの男は!)ですが、一直線の挙動、撃ちぬいて差し上げます!」スチャ

カズマ「おらぁ!」ブンッ

セシリア「きゃあっ!」

ピット

千冬「刀を投げて相手の主力兵装を潰したか。カズマめ、腕を上げたな」

山田「一体どんな反射神経をしているんですか……」

千冬「いや、あれは最初から投げつけると決めていた動きだ」

山田「最初から!?打鉄は刀しかまともに使える装備がないのに……あ、もしかして!」

箒「最初から使う気がなかった、ですか?」

千冬「その通りだ。目を離すなよ、ここから面白くなるはずだ」

アリーナ

セシリア(マズイですわ、メインウェポンのスターライトMkⅡが損傷、これでは精密射撃に支障が出てしまう!取り回しが悪いだけの武器なんていりません!)←量子化

セシリア(ですが、ビーム射出のほうが早かったので距離を取ることは出来ましたわ。さあ織斑カズマ、あなたが刀を取りに戻る間にこのブルーティアーズの真の力で蜂の巣にして差し上げます!)

カズマ「うおおおおおおおおおおお!!!」

セシリア「な、また一直線に来るなんて、あなたは馬鹿ですの!?」

カズマ「その馬鹿を極める!」

セシリア「全くこれだから野蛮な男は!ブルーティアーズ!全機展開!撃ちまくって!」パシューン

カズマ「遠隔操作かよ!遠くからちまちまと、卑怯だぞ!」

セシリア「卑怯で結構!さあ、踊りなさい!」

セシリア(とはいえ、第三世代型の兵器のみで戦闘は、集中力がきついですわね……)

カズマ(あの展開した羽根からの射撃、俺を正確に狙ってくるが先読みはあまりできねえみたいだ)

山田『第三世代型の兵器はイメージインターフェースを利用して……』

カズマ(そういや先公が言ってやがったな。第三世代型の武器は脳波で操作する、つまり俺の動きがイメージ出来てねえから先読みで当てられねえのか)グルン

セシリア(この男、ちょこまかとよくかわす!……いえ、熱くなってはいけませんね)ヒュンヒュン

カズマ(狙いが鋭くなってきたか、こっちからの攻撃は近づいて拳を叩き込むのみ、遠距離では削り殺されて終わりだ……ならば!)グググッ

セシリア(だんだん動きが見えてきましたわね。捉えるのも時間の問題、集中を切らさないようにしないと)

カズマ(狙いは良くなっているがビットがほとんど固定砲台になってきた、仕掛けるなら今だ!)

カズマ「撃つことばっかで、操縦がお留守だぜ!」ドゴーン!!

セシリア「床を殴ってその反動で急加速ですって!?ビットを動かして迎撃を……」

カズマ「遅え!」ドシュウッ

セシリア「私のブルーティアーズが!」

ピット

箒「一撃でビットを破壊、只のパンチでなんという威力だ……」

山田「あの急加速も、イグニッションブースト並ですよ……」

千冬「だが、オルコットも用心するだろう。動かすものが減ってビットのキレも良くなる。同じ手は使えないぞ」

千冬(さあ、どうするカズマ)

アリーナ

セシリア(落ち着きなさい、セシリア・オルコット。イメージするものが減ったのです。もう恐れることはない。あとはこの男をじわじわと安全圏から削り殺すだけ)

カズマ(残り三基になって俄然動きが良くなりやがったな、近寄るのも難しいぜ……)

セシリア(拳で地面を殴って跳躍という発想には驚きましたが、一度手の内がわかってしまえば対応することはできます。要は、飛ぶ隙を与えなければいい)ヒュンヒュンヒュン

カズマ「あらよっと!」シュババ

セシリア(そう、アクロバティックな動きでよくかわしてはいますがこの男とて人間。ISでの高速マニューバを続ければ体が悲鳴を上げる。まして一ヶ月前までISに触れてもいなかった素人なのですから)ヒュンヒュン

セシリア「ブルーティアーズ、1基をマニュアルモードで回収!」ガシィ

カズマ「ビットを減らすたあなめやがって!」

セシリア「いいえ、なめてなどいませんわ。あなたを倒すためのより確実な手を取らせていただいたまで!」バシュゥ

カズマ「そんな見え見えの弾道……ってうお!」ドグァ

カズマ(一発目をかわした先に手元のビットからの精密射撃。直撃しちまったぜ……シールドエネルギーはまだ大丈夫だが、今のがまぐれじゃねえとすると厄介だな)

セシリア(そう、この調子です。私は元々第二世代のスナイパーとして訓練を受けてまいりました。スコープがなくたって、イメージでビットを動かすよりも手動のほうがやりやすい!)ビューン

カズマ(射撃もだが、あいつ自身の動きも良くなってやがる。これじゃあジリ貧だぜ)

カズマ(こうなりゃ一か八か、一気にあいつの懐に飛び込む!多少の被弾は無視する!)バビューン

セシリア「とか、考えていますわよね!」バキューン

カズマ(読まれた!?直撃かよ、こいつはやべえ!……ん?打鉄のメッセージボックス、こんな時になんだってんだ……って、こいつは)

『first shift stand by ready →yes or no』

カズマ「よくわからねえが答えはイエスだ!」キュイイイイイイン

『OK! My master. First shift,”s.CRY.ed”!』

セシリア「なんですの、機体が急に輝いて……眩しい!」

ピット

箒「一体何が起こっているのですか!?」

山田「織斑先生、これは、まさか」

千冬「ああ、間違いない。これは第一形態移行だ」

アリーナ

セシリア「光が収まった……ってなんですのこれは!?」

セシリア(右手に黄金の装甲、肩には赤い三枚羽。その他は申し訳程度に脚部スラスターがあるだけで、スカート部分含めて打鉄の原型は全く残っていない!)

セシリア「まさかあなた、成長を凍結されている訓練機を第一形態に移行したというの!?」

カズマ「あ?よくわかんねえがファーストシフトするかってこいつが聞いてきたからよ、イエスって答えただけだ」

セシリア「そんな、打鉄をファーストシフトするなんて、聞いたことがありませんわ!」

カズマ「だが今やった!それとな、こいつの名は打鉄じゃあ無いらしい。シェルブリットっていうんだと」

セシリア「名前と見た目が変わったくらいで、私の優位は変わりませんわよ!」バシューウ

カズマ「そいつは、俺の拳を受けてから言いやがれ!」グググ

カズマ(さんざん練習した兄貴譲りの必殺技、今ならやれるって確信がある!)

カズマ「衝撃のぉ……」ググググッパキーン

セシリア(羽根が一枚砕けた?)

カズマ「ファーストブリットおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」バシュン

セシリア(インターセプター、展開、間に合わない!隠し球のミサイルで迎撃を……!)シュババ

カズマ「苦し紛れのミサイルなんて、止まって見えるぜ!」ガシィ

セシリア(一発は回避、もう一発は掴まれたですって!?)

カズマ「お返しだぜイギリス女!吹っ飛びな!」

セシリア(左からは黄金の右手、右からはミサイルの投擲、ですがインターセプターの展開は完了!ミサイルは食らっても拳は止めてみせますわ!)ガキン

カズマ「そんなちっぽけなナイフがどうしたってんだ!うおおおおおおおお!!!」ガキン

セシリア(ミサイルは直撃しましたがシールドエネルギーはまだある。ブルーティアーズは格闘戦は苦手。ですが私にもイギリス代表候補生としてのプライドがありますわ!)ググググ

カズマ「いい根性だ!だったらこっちももう一発行くぜ、撃滅のぉ!」カシュンカシュンパキン

セシリア(装甲が開いた!まさか今のがもう一度来ますの!?)ググググ

カズマ「セカンドブリットォ!」バシューン

セシリア(インターセプターが弾かれた!だめ、拳が目の前に迫って)メリメリ

ピーーーーーーー

セシリア「きゃあああああああああああああああああああ!!!」ドッグオン

カズマ「よっしゃあ!!これが俺とシェルブリットの力よ!」

山田『え、えっと、申し訳ないんですがエネルギー切れにより織斑くんは失格。オルコットさんの勝利です』

カズマ「はぁ!?」

千冬『ルールはルールだ。それだけオルコットの試合運びが良かったということだな』

セシリア「いたたた……え、よく聞こえませんでしたが私の勝ち、ですの?」サスリサスリ

山田『はい。そういうことですのでクラス代表はオルコットさんで決まりです!』

セシリア(装備を破壊されて頬を殴り飛ばされて、とても勝った気がしませんわ)

カズマ「おい、怪我はねえか」

セシリア「な、あんなに派手に殴り飛ばしておいて!怪我がないわけ無いでしょう!今もこちらの頬が痛くてしょうがありませんわ!」プクー

カズマ「そいつはすまん。ま、その調子なら骨とかは大丈夫そうだな。ケンカは後腐れ無くが一番だ」

セシリア「勝手な言い分ですわね!淑女にとって骨などよりも顔に傷を負う事のほうが一大事ですのよ。今のはただの内出血だとは思いますが、切り傷だったら大事ですわ!」

カズマ「だから拳なんだ。武器は過剰に人を傷つける。本気のケンカには拳が一番なんだ。拳はな、殴ると自分も同じだけいてえんだよ」

セシリア「何がケンカですか、まったくもう……」

カズマ「そうだ、名前を教えてくれよ。いい戦いをした相手のことは刻んでるからよ」

セシリア「何度も申し上げていますようにイギリス代表候補生のセシリア・オルコットですわ!二度と忘れないでくださいまし」

カズマ「オーケー刻んだ。セビリア!」

セシリア「セ・シ・リ・ア!ですわ!」

ワーワーギャーギャー

千冬「おい馬鹿者ども!いつまでじゃれあっている。アリーナを閉めてしまうぞ!」

夜、セシリア自室シャワールーム

セシリア(織斑カズマ、荒々しく不思議な空気をまとった殿方)

セシリア(訓練機の打鉄で私と競り合った破天荒な戦闘技術、そして前代未聞の凍結されたコアをファーストシフトさせた)

セシリア(ケンカというのは私闘のことですわよね。彼はそれに並々ならぬこだわりがあるようでした)

セシリア(彼のことが気になって仕方がありませんわね……)

次回予告

 IS学園。
 表向きの華やかさとは裏腹に、情念渦巻く最果ての土地。
 自炊できぬ淑女。
 勉強しない男。
 暴行する剣道少女。
 凰鈴音の、カズマへの想いを飲むこむ程に。
 傷は、簡単には癒えない。

第二話「甲龍」お楽しみに。

というわけで今回は以上になります
なるべく週イチで投稿したいと思ってる(するとは言ってない)
若本「スクライド」を単レスにできなかったのが痛恨の極みです
続き読みたいと思った人は支援よろしゅうな

第二話「甲龍」

IS訓練の授業にて

千冬「これからPICでは無くスラスターを用いた急加速と急停止の実習を行う。手本をオルコットと、実質専用機持ちになった織斑、やってみせろ」

セシリア「わかりました」

カズマ「いきなりやってみせろって無理があんだろ」ボソッ

千冬「つべこべ言わずやれ」ギロッ

カズマ「へいへい、ま、やるだけやってみますよ」

セシリア「ブルー・ティアーズ!」シュン

カズマ「シェルブリット!」バシンバシンガシュン

千冬「オルコットはさすがだな、展開に無駄がない。それに引き換え貴様は時間がかかりすぎだ。しかもうるさい」

カズマ「初心者に要求することが多すぎやしませんかね、先生」ヤレヤレ

セシリア「まあまあ、カズマさん、それではお先に失礼しますわね」ヒュンッ

カズマ「ちっ」ヒュンッ

セシリア(やはりカズマさんの上達は著しいですわね。随意飛行ができるようになるまでそれなりに時間がかかるものですが、理論より実戦派ということなのでしょうか)ビューン

カズマ(どうにもスラスターってのは慣れねえな……)ビューン

千冬「ふたりとも十分上昇したな。では急降下、始め!」

千冬(シェルブリット、あまりにも謎が多い……)

カズマとセシリアがケンカをした日

千冬『シェルブリットのコアの解析結果は?』

山田『こちらになります。でもこれは……』

千冬『打鉄時代のデータは残っているが、型番が変わっているな』

山田『ちなみにファーストシフトの原因はわかりませんが、織斑くんのアリーナでの特訓の行動パターンを学習した形跡は残っていました』

千冬『ふむ、無理やり解釈するなら、カズマが本来の機体運用に想定されていない「装甲で殴る」という動作を繰り返した結果ISのコアがそれに適応した、ということになるが』

山田『そういうことがないように訓練機は凍結処理を施されているんですよね。後もうひとつ気になったことが、こちらなんですけど』

千冬『打鉄、じゃなくてシェルブリットのメッセージログか、これは戦闘中のものだな』

山田『ファーストシフトをするかどうかのメッセージダイアログなんですが、その最後のところ』

千冬『s.CRY.edか。初めて見る単語だ、英語でもフランス語でもドイツ語でもないな』

回想終わり

千冬(s.CRY.ed、ね……読みはすくらいど、だろうか。この言葉がどうもひっかかるな)

セシリア「只今戻りましたわ」スタッ

千冬「さすがに急停止も余裕だな、織斑はどうした?」

セシリア「私の後から行くと言っておりましたが」ヒューーーーーーーーン

カズマ「どいてくれえええええええええ!!!」ヒュウウウウウウ

ドーーーーン

千冬「ハァ、馬鹿者が」ヤレヤレ

昼休み 屋上

箒「探したぞ、カズマ」

カズマ「どうしたんだ、箒」

箒「なに、実習で体を動かして疲れたろう。購買のパンでは物足りないかと思ってな、弁当を作ってきたのだ。
それで、よかったらその、食べてほしい!」

カズマ「おう、ありがとな。腹ペコだったんで助かるぜ」

セシリア「ちょっと待ってくださいまし!私もサンドウィッチを作ってきましたの!」

カズマ「唐突に出てくんなよ、びっくりするじゃねえか……」

セシリア「というわけで、私もランチをご一緒させてもらってもよろしくて?」チラッ

箒「あ、ああ、まあ構わないが」チッ

カズマ「くんくん……おいセシリア、これ。自分で味見とかしたか?」

セシリア「いいえ、それが何か?」

カズマ「わりいがメシは箒のをもらうぜ。そのサンドイッチ、食べ物が発しちゃいけない匂いがするぞ」

箒「セシリア、お前……」

セシリア「そ、そんなはずは……うっ、確かに」

カズマ「食べないほうがいいと思うぜ。メシ作りたいなら誰かできるやつに習え。それが一番早い。うん、箒の和食は上手いな」モグモグ

セシリア(誰かできる方……)チラッ

箒(何をいれたらこんな臭いになるんだ……)チラッ

セシリア(カズマさんともっと会話して色々なことが知りたい、そのためにはランチをご一緒したい。箒さんに習って腕前を上げれば私も同じステージに立てますわね!)

箒(セシリアを私が指導してまともな料理が作れるまでに成長させればカズマからの私の評価が上がる!)

箒セシ「よろしく!」グッグッ

箒「ところで、クラス対抗戦の準備は大丈夫なのか?」

セシリア「あら、一年の代表候補生は私と4組の生徒のみ。
そして4組のその生徒は専用機が届かず自室に引きこもっているという噂ですわよ。
専用機持ちが私だけである以上負けはありえませんわね」ドヤァ

??「その情報、古いよ」

カズマ「お前はそんなんだから、ド素人で野蛮人で男な俺に負けるんだよ」

セシリア「あなたは色々と規格外過ぎますわ!」

箒「その点については同感だな。しかしセシリアも慢心は良くないぞ」

??「ちょっと、無視しないでよ!」

カズマ「あ?誰だ?」

??「久しぶりね、カズマ!」

カズマ「……あ、お前鈴か!二年ぶりになるか?」

箒「二年ぶり?」

セシリア「どなたですか?」

カズマ「こいつは凰鈴音、小学校の時転校してきて、そっから中二まで同じクラスだった。箒とちょうど入れ替わりだったんじゃねえかな」

箒(またキャラの濃い奴が……付き合いの長さというアイデンティティまでクライシスではないか!)

鈴「その通り、そしてセシリア・オルコット。余裕ぶっこいてるところ悪いけどあたしも中国代表候補生だから。この意味はわかるわよね」

セシリア「……なるほど、望むところですわ。専用機持ちが相手であってもカズマさんとの戦いで成長した私に死角はありません」キリッ

カズマ「対抗戦ねえ、まあ俺には関係ない話だな……ごちそうさん」

鈴「関係ないって……あいつあんな感じだったっけ?」

セシリア「興味のないことには基本的に」

箒「あんな感じだな。昔はもう少し積極性があったのだが」

鈴「ふーん……」

※三人は午後の授業に遅刻し、こってり絞られました。

放課後

セシリア「カズマさん、お時間よろしいかしら?」

カズマ「何だ?」

セシリア「それなら、クラス対抗戦に向けまして、特訓の相手をお願いできたらと思いまして」

カズマ「特訓だぁ?お前の機体は射撃系じゃねえか、俺と組んでも効率悪いんじゃねえの?」

セシリア「ですが、他に専用機持ちで付き合ってくれる方など……」

鈴「カズマー、いるー?」

カズマ「ほれ、ちょうどいいのが来たぞ」クイクイ

鈴「ん?あたしがどうかした?」

カズマ「実はな、こいつが練習相手を探してるんだと」

セシリア「ちょ、カズマさん」

鈴「へぇー、いいわよ。前哨戦ってわけね。イギリスの第三世代型の実力、見せてもらおうじゃないの」

セシリア「はぁ、わかりました。では模擬戦の使用申請を出しに行きましょうか」トボトボ

カズマ「わりいな、俺は俺で用があんだ」ボソッ

IS学園地下

カズマ「遅くなった」

千冬「3分の遅刻だな。まあ大目に見てやるとしよう。こちら、お前の専用機を担当するはずだった倉持技研の技師さんだ」

技師「よろしく頼むよ」スッ

カズマ「あいよ、こちらこそ。で、俺は何をすりゃあいいんだ?」

技師「詳しくはテストルームにはいってから伝えるよ、そんな難しいことではないから安心してくれ」

カズマ「了解、で、そっちの横にいるアンタは何者だ?」

技師「ああ、紹介がまだだったね。同じ学年の生徒だから知っていると思っていたが、簪ちゃん、自己紹介をお願いできるかな」

簪「1年4組更識簪。一応日本代表候補生、です」ボソボソ

カズマ「ふーん、代表候補生ってえとセシリアや鈴と一緒か。じゃあ強えんだな」ニヤリ

簪「強いかどうかはわからないけど……(顔、怖すぎる)」

技師「じゃあ早速こちらの部屋へ。計器の取り付けなどはうちのスタッフが行うのでリラックスしていてくれればいい」

カズマ「なんでもいいけどよ、先公の補習が待ってるから手短に頼むぜ」

千冬「先生と呼ばんか、馬鹿者」ゴツン

カズマ「いてっ!容赦なさすぎだろ姉貴!」

千冬「姉貴ではなく先生だと何度言ったらわかる!」

ヤイノヤイノ

簪「……はぁ」ウツムキ

技師「……」チラッ

一時間後

技師「よし、大体の情報はとれた。カズマくん、感謝するよ」

カズマ「もう帰っていいのか?」

技師「いや、最後のテストはアリーナで行う」ニヤリ

アリーナ

カズマ「あんた、機体が組み上がってないって話じゃなかったのかよ」

簪「あの、実はほとんど組み上がっていて、でも調整が必要というか、その」

カズマ「あぁ?」ギロッ

簪「ひぃ……」

カズマ「まあいいや、アリーナで互いのISを展開してるってことはケンカってことだろ?」ゴキゴキ

簪「そうですね、ケンカ……?」

カズマ「ならとっとと始めるとしようぜ!俺はシェルブリットのカズマ、アンタの名は?」グーパー

簪「さっきも言ったけど、更識簪。専用機は打鉄弐式、です」

カズマ「簪だな、オーケー刻んだ!」

技師『では、始めてくれ!』

若本「スクライド!」

そして、クラス対抗戦当日

箒「初戦は2組対3組、次に1組と4組が戦うトーナメントか」

セシリア「4組は不戦敗でしょうし、3組には専用機持ちがいない。となると決勝で私と鈴さんが当たりますわね。
鈴さんの癖はここ数日の模擬戦で完全に見切りましたわ。遅れを取ることはありません」

セシリア(もっとも、私がビットのマニュアルモードやミサイルビットを見せていない様に、あちらにも隠し球があるでしょうが……ですが、以前の私ではありません!)

箒「1組の代表として、頑張ってくれよ」

セシリア「当然です!それより、今日カズマさんの姿を見かけていないのですが」

箒「私もだ。まったく、こんな日によもやサボタージュなどしていまいな……」

セシリア「あら、箒さんはカズマさんとルームメイトではありませんでしたか?」

箒「いや、ちょうど鈴が転校してきた日にカズマの部屋が用意されてな。まあ年頃の男女が同室など、私が言えたことではないのかもしれんがあまりいいものではないだろう」

セシリア「なるほど、カズマさん、どこに行ってしまわれたのでしょうか……」

箒「そろそろ試合が始まるぞ。セシリアもピットに……って、あれは!」

アリーナ

鈴「あれ、アンタ確か1組じゃなかった?」

カズマ「ま、ちょっとした成り行きでな。それより鈴、久々のケンカじゃねえか」ニヤッ

鈴「……そうね、ずいぶん久しぶり」ニヤッ

カズマ「あの頃より弱くなってたら承知しねえぞ!」ググググッ

鈴「冗談!そっちこそはるばる中国から来たあたしをがっかりさせないでよ!」チャキッ

山田『それでは、試合はじめー!』

カズマ「出し惜しみはしねえ、衝撃のファーストブリット!」パキンバシュウッ

鈴(早っ!だけどそのくらい双天牙月で受けて!)ガキン

カズマ「軽い、軽すぎるぜ鈴!」ググググ

鈴「なんて重い一撃……なーんてね」

カズマ「ああ?」

鈴「吹っ飛びなさい!」ドカン!

カズマ「うおっ!」ズサー

カズマ(今俺は何をされた!?シールドエネルギーは、結構削られちまったな……)

鈴「どうしたのカズマ?ケンカをするんじゃなかったのかしら」

カズマ(安易に突っ込むと今の見えねえ攻撃で迎撃されちまう。まずは鈴のISを見極めねえとダメか)

鈴「来ないなら、こっちから行くわよ!」ビューン

カズマ「一旦距離を取るのも戦法のウチってな!」ドガアン

鈴「アリーナの床を殴って跳躍!?」

山田『あああ、また整備費用が……』

千冬『……山田先生マイク、入ってます』

山田『え、嘘』ブツ

鈴「けど、距離をとろうが当たるんだな~これが!」ドカンドカン

カズマ(やっぱりなんか飛んできてるが、弾どころか銃口も見えねえ……いや、さっきの土埃をかき分けてなにか見えないものが飛んできている!)ヒュンヒュン

鈴「よくかわすわね!けどいつまで保つかしら?」ドカンドカン

カズマ「ちまちまやんのは性に合わねえ、撃滅のセカンドブリット!」パキンバシューン

鈴「全く、少しは学習しなさいっての!」ドカンドカン

カズマ「くっ、見えた!」ガシィ

鈴「な、衝撃砲をつかんだ!?」

カズマ「そのまま突き抜ける!」ゴォッ

鈴(ガードが弾かれる!ぐあああああ!!)メメタァ

ドゴーン

カズマ「肩のデカブツから空気砲を打ち出してたってわけか。土埃に助けられたぜ」

鈴「ゲホッゲホッ、やっぱ小細工が通じる相手じゃないか」

カズマ「おうよ、俺を誰だと思ってる?」

鈴「ふふふ、そうだった。じゃああたしも本気で行かせてもらう!」ジャキッ

カズマ「そうだ、ケンカだケンカ、ケンカをしようぜ!」ググググッ

鈴「はあああああああああああああああああ!!!」ブンッ

カズマ「どりゃあ!」ブンッ

ガキンガキンガキン……

観客席

箒「なんて激しい戦闘だ……」

セシリア「アレが鈴さんの本気、なのでしょうか」

セシリア(私と戦った時はあそこまで鋭い連撃はなかった。カズマさんだからこそ引き出せたということでしょうか。自信なくしますわね……)

箒「……ん?おいセシリア、上空になにかいないか?」

セシリア「上空?」←※ブルー・ティアーズ頭部限定!

箒「しかもあれ、近づいてきているぞ!」

セシリア「見えましたわ。ハイパーセンサーにコア反応!アレはISです!」

アリーナ

カズマ「吹っ飛びやがれえええええええ!!」ブンッ

鈴「カズマあああああああああああああ!!」ブンッ

ドッガーン!!!

カズマ「なんだ!なんだってんだ!」

鈴「シャッターが閉じていく!?」

千冬『緊急事態だ。アリーナのセキュリティが物理ネットワーク両面から突破された。全力で復旧作業を進めるから待っていろ……いや、すまない』

カズマ「ああわかってる。こっちも今視界が晴れて見えてきたところだ」

不明機「……」

鈴「なによあいつ、ISですって!?」

カズマ「鈴、勝負はお預けだ、今はあの邪魔者を片付けるとしようぜ!」ググググ

鈴「わかったわ。背中は任せてちょうだい!」ジャキッ

アリーナ コントロールルーム

千冬「どうなっている!シャッターはまだ解除できないのか?」

山田「ネットワークを完全に掌握されていて、必死でやっていますが押し返されている状況です!」カタカタ

千冬「あのISどこの国のだ?見たことがない……何?未登録のコアだと!?」

ダダダダダダ ガチャッ

セシリア「はぁ、はぁ、何かお手伝いできることはありませんか?」

千冬「オルコットか……今は何もできん。あいつらを信じて待っていろ」

セシリア「そんな!」

簪「失礼します。私、手伝います」カタカタカタ

山田「あ、更識さん。ホントはダメですけど、非常事態なのでお願いします」カタカタ

セシリア「更識……たしか4組の代表候補生の」

簪「更識簪、よろしく。それはそうとオルコットさんはピットで待機しておくべき。ここは、私達に任せて」

セシリア「……そうですわね。では、お任せしましたわ!」ダッ

アリーナ

千冬『織斑、鳳、そのISのコアはどうやら未登録のコアだということがわかった。可能なら破壊せず無力化が望ましい。が、お前たちが生き残ることが一番大事だ。無理はしないでくれ』

カズマ「話がなげえ!」ガツン

不明機「……」シュルルルッ!

カズマ「うおっ、手が巻き上げられる!」ドカン

不明機「……!!」グラッ

カズマ「ナイスアシストだぜ、鈴!」

鈴「背中は任せてって言ったでしょ!」ニヤッ

カズマ(とは言え、まじいな。あの二本の触手でこっちの攻撃はことごとくいなされちまう)

不明機「……!」ビュンビュン

カズマ「だがしかし!攻撃こそ最大の防御、抹殺のラストブリットぉ!」パキンバシュッ

不明機「……」ビュンッ

ガキン!

カズマ「うおおおおおおおおおおおおおお!!!」グググググッ

不明機「……」グググググッ

カズマ(シェルブリットにヒビが!?だが退くわけには行かねえ!)ググググッ

不明機「……!」ズバァッ

カズマ「嘘だろ、シェルブリットの右腕が!」パキパキパキパキ

鈴「カズマから、離れろおおおおおおおおおおおおおおお!!」ブンッ

不明機「……」ヒュンッ

鈴(双天牙月が巻き上げられて!クソ、何やってるのよアタシの馬鹿!)

鈴「どりゃああああああああ!!」ドカンドカンドカンドカン

鈴(こうなったらエネルギーが尽きるまで撃ちまくる!)

カズマ「鈴!思考を停止すんじゃねえ!」ボロッ

鈴「カズマ!?だめよ、アンタにはもう武装がないじゃない!それに、これ以上戦ったら絶対防御が発動する!」

カズマ「それがどうした!たしかにシェルブリットは打ち止めだが、俺にはまだこの拳がある!」

鈴「無茶よ!ラストブリットも通用しなかったじゃない!」

カズマ「無茶は先刻承知よ!だがな、ここでやらなきゃ男がすたる。なにより俺が俺を許せなくなっちまう!」

カズマ「さあやろうぜ、だんまりのアンノウンさんよ!うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」ビューン

不明機「……」ビュンビュンッ

カズマ「ぐあぁっ!」

鈴「カズマ!」

カズマ「俺の負けだ……だが、十分時間は稼げたろ。倒れる時は前のめり、だ」バタン

鈴「時間稼ぎって、何よそれ!ちょっとあんた、目を覚ましなさいよ!」ガクンガクン

不明機「……」ウィーン

鈴「こうなったら、あたしも腹を決めるしかないようね!」ジャキッ

不明機「……!?」テュンテュン!!

セシリア「その必要はありませんわ!」シュウウ

鈴「セシリア!?あんた……」

セシリア「カズマさんと鈴さんの無茶は受け取りました!此処から先は私が撃ち貫いてみせましょう!」

千冬『鳳、織斑を連れて退避だ!まもなく教師部隊も出撃する!』

鈴「千冬さ、織斑先生、了解しました!」

セシリア「その前に私が倒します!」テュンテュン

セシリア(私のブルー・ティアーズの欠点は、ビットを動かす際に棒立ちになってしまうことでした。ですがISを動かすのに支障にならない数だけ展開するなら移動撃ちがきちんと出来る)バシュンバシュン

不明機「……!」グラッ

セシリア(私の場合スターライトMk2を併用することを考えて2基で十分、つーかこれが限界ですわ)バシュン

セシリア(カズマさんと鈴さんの戦いをモニターで見ていましたが、あのアンノウンの触腕、射程限界が有るようでした)

不明機「……」ビュンビュン

セシリア(シェルブリットを砕くパワーと双天牙月を簡単に巻き上げる柔軟さ、厄介な武装ですが届かないならば無意味です。そして敵の機動性はブルー・ティアーズと同等かそれ以下)ヒョイッ

セシリア「負ける理由がありませんわね!」バシュウッ

不明機「……!」ガアン

セシリア「チェック・メイト!」

セシリア(ブルー・ティアーズの一斉射撃と手元からの精密射撃、避けられる道理はない!)

『あーあー、マイクテス、マイクテース』

セシリア「なんですの今度は!?」

??『あ、聞こえてるみたいね。ちーちゃん、カズくん、やっほー。私は誰とは言いませんが天才発明家の[禁則事項です]さんでーす!
ちょっとそこのパツキン、その子は私の大事な作品だから壊されたら困るんだな~。
というわけで、さくっと回収させてもらうよん!じゃあねー!』

不明機「……」バビューン

セシリア「速い!どこにあんなエネルギーが」

千冬『オルコット、ご苦労だった。後のことは我々が始末するので、今日は寮に戻ってゆっくり休んでくれ』

セシリア「わかりました(けど、腑に落ちない点が多すぎますわね……)」

コントロールルーム

千冬(束……未登録のコアなどあいつにしか作れないのはわかっていたが、一体何を考えている?)

簪「織斑先生、ここのシステムのファイアウォール、改善した方がいいと思われる点がいくつかあったのでリスト化しておきました」

千冬「ああ、更識。助かるよ。そういえば、打鉄弐式の方はあれからどうだ?」

簪「織斑くんとの模擬戦で最後の調整に必要なデータが取れましたので、実は今日乗るつもりだったんですけど」

千冬「あいにくの事件だったな……すまない。これは完全に我々の落ち度だ」

簪「学年での大会ですし、またやればいいじゃないですか」

千冬「それもそうか、色々と気を使わせてしまってすまないな」

簪「いえ、それでは失礼しました」ペコリ

どこかのラボ

??「ふーん、シェルブリット。私もあんな進化するISは初めて見た。ってか想定してない」

??「あの羽根を炸裂させたパンチは一度パツキンの頬に肉体的ダメージを入れている。つまりシールドバリア―を貫いてるってことか」

??「ん?これって単一使用能力なのかななのかな~」

??「第一段階で単一使用能力って、まあ理論上はできるけどなー」

??「新しく作る第四世代ISに必要な最後のピースは絶対シェルブリットが握っている」

??「だから、もう少し遊ぼうね、カズくん」ニタァ

次回予告

 高速訓練の激しいGが、カズマの身体を蝕んでいく。
 傷つき捕われたカズマに、外出の許可は出るのか。
 それとも未来なき闇に覆われてしまうのか。
 ああ、カズマよ。
 そのギラついた目は、どこへ向かう。

第三話「貴公子と黒ウサギ」お楽しみに

今回はここまで
反省点は、予告にあった箒の暴力シーンが無くなってしまったこと
このSSだとヒロインたちが暴力的に動いてくれないですね
カズマが荒っぽいので、暴力を軽々しくふるえなくなっている感じです

漫画とアニメの混合かというレスがついていましたが、ベースはアニメ版です
一部漫画版のオマージュを取り入れていく感じです

第三話書き上がりませんでしたが定期更新したいので投下する

第三話「貴公子と黒ウサギ」

アリーナ

鈴「ひゃっほおおおおおおおおおお!!」バビューン

カズマ「うおおおおおおおおおおおおおお!?」バビューン

――
――――
――――――
――――――――

鈴「お疲れ様、カズマ!」

カズマ「お疲れさん……うっぷ」

鈴「なになに~、あの程度の飛行訓練でくたばっちゃったわけ?」ニヤニヤ

カズマ「何度も言ってるけどな、俺は初心者だっての……せめて授業でやったマニューバだけにしやがれ!」

鈴「ま、次は考えておくわ。じゃあお疲れ様のスポドリ、どーぞ!」

カズマ「ああ、ありがとな」ゴクゴク

鈴(実戦ではあんないい動きしてたんだけど、訓練だといまいちぱっとしないのよねえ。セシリアだって練習で何回も戦ったけど決して弱いわけじゃないし、それと互角以上に戦ったカズマに実力がないわけ無いんだけどなあ)

鈴「ねえカズマ、中学の時した約束、覚えてる?」

カズマ「……あん時も言ったけど、俺は毎日酢豚は嫌だから勘弁してくれ」

鈴「っ!この馬鹿!おたんちん!」スタスタ

カズマ(なんだってんだよ、全く)ゴクゴク

翌日

セシリア「おはようございます、カズマさん」

カズマ「あー、おはよ」

箒「昨日は鈴がずいぶん張り切っていたようだが、大丈夫だったか?」

カズマ「今は平気だが、夜寝るまで胃がぐるぐる回ってた。もうあいつと訓練したくねえ」

山田「おはようございまーす!ホームルーム始めますよー!」ガラッ

カズマ(今日は午前中は寝て過ごすか……)スゥッ

山田「織斑くん!寝ちゃダメです!」

カズマ「うっせえな……」ギロッ

山田(うっ、すごい眼力。でも負けちゃダメよ山田真耶!)

山田「今日は転校生を紹介します。デュノア君、入ってきてください」

箒(デュノア、君だと?)

セシリア(デュノアってあのデュノア社の関係者でしょうか?)

ガラッ

シャル「はじめまして、フランスから来ました、シャルル・デュノアです。皆さん、よろしくね」ニコッ

女子s(王子様だわ……)キュンキュン

山田「デュノアくんは織斑くんと同じくISが使える男の子ということで編入することになりました。一番後ろの空いている席に座ってください」

シャル「分かりました」スタスタ

カズマ(ISが使える男の子、ねえ……)スゥッ

山田「だから寝ちゃダメです!」

休み時間

箒「カズマ、起きろ」ユサユサ

セシリア「カズマさん、起きてください。おまちかねの実技ですわよ」ユサユサ

カズマ「……ん、っと、やべえな。急ぐか」ダッ

セシリア「シャルルさんもついて行ったほうがよろしいですわよ。男子の着替えは少々遠いところになりますので」

シャル「え、うん。わかったよ。ありがとう」ニコッ

廊下

シャル「カズマくん、待ってよ」

カズマ「ああ、アンタか。この学校男子に優しくねえからな、少し急ぐぜ」

シャル「わかった!」

ロッカールーム

シャル「ずいぶんかかっちゃったね……」

カズマ「アリーナをグルッと一周させられるからな」ヌギヌギ

シャル「!」

カズマ(なんだってんだ、顔を背けて)モゾモゾ

シャル(よかった、今のうちに)コソコソ

シャル「じゃあカズマくん、お先に!」

カズマ「おう」

カズマ(なんか怪しいな……)

アリーナ

千冬「今日は基本的な連携パターンを練習する。1組と2組合同の授業だな。
まずはクラス代表の二人、前へ」

セシ鈴「はい」

千冬「お前たちには、今からこの人を相手してもらう」

鈴「この人って……どこにいるんですか?」

千冬「今慣らし運転をしているところ「どいてえええええええええええええ!!」

カズマ「危ねえ!シェルブリット!」ガキーン

セシリア(山田先生がカズマさんにアイアンクローされる形に……)

山田「むううむううむう!!」

カズマ「っと、すまねえ。今おろす」

山田「いえ、こちらこそ調子に乗ってバーニア増設したら制御が効かなくなってしまいまして」テヘペロ

千冬「何をやっとるんだ……ともかくオルコット、鳳両名は山田先生を相手取っての変則タッグマッチを今からやってもらう」

鈴「別に構わないですけど、二対一ですか?」

千冬「こんなことの後では説得力もないかもしれんが、山田先生は元代表候補生で実力は確かだ。私が保証する」

山田「なめてかかると痛い目見ますよ~」ニコニコ

鈴(なんでだろう、全然怖くない)ピキーン

セシリア(私もですわ……)ピキーン

――
――――
――――――

千冬「撃墜まで1分39秒。まあまあ保ったほうじゃないか」

セシリア「一方的ですわ……」

鈴「てかセシリア!あんたスナイパーのくせに誤射多すぎんだけど。どういうことよ」

セシリア「それは、鈴さんがクロスレンジに執着して追い回すから!」

千冬「やれやれ、責任の押し付け合いとは見苦しいぞ。デュノア、今の戦いを見てどう思った?」

シャル「ええと、まず山田先生の技量がすごいということですかね」

山田「あら、そんなこと言っても何も出ませんよ~」ニコニコ

シャル「いえ、事実です。先生は常に鈴さんがセシリアさんの射線上に入るように誘導して戦っていました。
また、鈴さんには衝撃砲で戦うという選択肢もとれたはずですが、近接武装を使わざるを得ない絶妙な波状攻撃と距離のとり方でそれを封じられていました。
セシリアさんに対してもラファールリヴァイヴが得意とする豊富な武装の切り替えで常に動かないといけないようにして、ブルー・ティアーズのオールレンジ攻撃をさせないようにしていました。
これは相当な技量がないとできないことです。とてもすごいと思います」

千冬「模範的回答だな、素晴らしい。では織斑、二人が山田先生に勝つにはどうすればよかったと思う?」

カズマ「んなこた決まってる。セシリアがちまちま撃ってねえで鈴と一緒に先公をボコし……先生を叩きにいけばよかったんだと思います」

千冬「お前にしては上出来だ。それもひとつの回答だな。二人の距離が離れすぎて連携が取れていなかったのが今回の一つの敗因だ。
ラファールリヴァイヴは全距離に対応可能な万能機なので、どんな状況でも理論的には隙を突くことができる。逆に鳳がオルコットと一緒に戦線を下げるという方法も連携としてはありだ――というわけで二人組を作って連携の練習だ。なるべく打鉄とラファールリヴァイヴで組むように。専用機持ちは織斑と鳳、オルコットとデュノアで組め」

鈴「足引っ張らないでよね!」

カズマ「お前、さっきの今でそれは説得力ねえぞ」

セシリア「シャルルさん、よろしくおねがいしますわ」

シャル「こちらこそ」

ヤイノヤイノ

箒(いかん、ぼうっとしていたら余ってしまった)

鷹月「あの、篠ノ之さん」

箒「あ、ああ。鷹月さんか」

鷹月「私で良かったら一緒に組もう?」

箒(神は私を見捨てなかった!)ウルウル

鷹月「え、そんな泣くほど嫌だった!?」

箒「いや、逆だ……その、ありがとう」ウルウル

――――――
――――
――

千冬「慣れない訓練だったと思うが、何人かはうまく連携を意識して動けていた。特にデュノアと鷹月は相方への気配りが感じられてよかったぞ」

千冬「さて、いきなりこのような訓練をしたのにはわけがある。月末に学年別トーナメントがあるのは知っているな。それなんだが、タッグマッチ形式で行うことが決定した」

ざわ……ざわ……

千冬「まだ一週間以上あるので早めにペアを組んで習熟に務めるように。準備期間中アリーナの使用は消灯時間まで申請なしで可能だ。いい試合を期待しているぞ」

山田「ちなみに優勝ペアには学食の無料券一ヶ月分が進呈されます。それでは授業終わり!」

放課後

セシリア「カズマさん、トーナメントの件なのですが」

カズマ「すまん、組むなら鈴か転校生……あと4組の簪だ。お前はパス」

セシリア「な、なんですって?」

カズマ「ファンネル機と格闘機じゃ根本的に噛み合わねえからな。あいつらは万能機だから練習すりゃ何とかなんだろ」

シャル「あ、カズマくん、よかったら学内を案内してもらいたいんだけど」

カズマ「おう、今日は特に用事もねえからいいぜ」

――――――
――――
――

カズマ「最後にここが俺らの部屋、でいいんだよな?」

シャル「うん、今日からよろしくね。カズマくん」

カズマ「男子は浴場使えねえから部屋のシャワールームで。先使っていいぞ」

シャル「う、うん……」

半端ですが今日はここまで
千冬さんは専用機持ちだけを贔屓せずにきちんと全体を見て指導できる人だと思ってる
カズマは原作ほど荒んだ所で育っていないので人並みの常識はあります

指導は出来るが戦術指揮は出来ないちふねぇ


・・・ただの教師だものそっちが正しいんだようん

人並みの学力もありそう

乙。
専用機で絶影とか出てほしい。

君島は弾だとしても兄貴のポジがいないな
で、君島の妹がかなみか

――――――
――――
――

カズマ「最後にここが俺らの部屋、でいいんだよな?」

シャル「うん、今日からよろしくね。カズマくん」

カズマ「男子は浴場使えねえから部屋のシャワールームで。先使っていいぞ」

シャル「う、うん……」ガラッ

カズマ「さて、今週末の外出申請は通ったかね……」テクテク

――
――――
――――――

シャル「カズマ、上がったよ……いない?」

シャル(つきっぱなしのPCにISが接続されてる)キョロキョロ

シャル(そういえばシェルブリットの待機形態って見たことなかったけど、指輪か)ソー

シャル(まあ見れるようになってたわけだし、少しだけなら)ソローッ

シャル「戦闘データだけでも……」カタカタ

モニター「バカが見る」

シャル「な、なにこれ」

簪「はっはっは、すり替えておいたのさ!……です」

シャル「君は……」

簪「はじめまして、4組クラス代表の更識簪といいます」

――――――
――――
――

簪「斜陽企業の御曹司が突然の転校、怪しいと思っていましたがやはり産業スパイのたぐいでしたか」

シャル「まあ現場を押さえられたら仕方ないか。そのとおりだよ。で、どうする?ボクを退学にするかい?」

簪「日本代表候補生として捨て置くことはできません。これはアラスカ条約に違反する行為ですし当然罰せられるべき」

簪「それと、シャルル・デュノアという男性はフランスに存在していないようなんです。シャルロット・デュノアさん」

シャル「参ったな、そこまでバレちゃってたか。そういえば日本にはサラシキっていう忍者の末裔がいると聞いたことがあったけど、君はそこの人なのかい」

簪「家名を知られてしまっている時点で暗部としては失格なのですが、そうですね。私は姉のように優しくはないので、国を守るためにあなたのことは「その辺でいいんじゃねえか、簪」

簪「織斑くん」

カズマ「確かにこいつが怪しいって相談はしたけどな、俺は追い出せとは言ってねえよ」

簪「でもこの人はあなたの情報を盗むためにこの学校に来たんですよ?」

カズマ「たしかになー、盗みは良くない。ああよくねえな。その落とし前はきっちりつけようじゃねえか」ギラギラ

簪「……そういうこと」

シャル「えっと、話がうまく飲み込めないんだけど」

カズマ「なあに簡単な事だ、ケンカで白黒つけようぜ!」

若本「スクライド!」

とりあえずAパートかけたので投下しました
戦闘シーンがないと筆が乗らないですね

>>90 一対一で無双できちゃう人だから仕方ない
>>91 原作のカズマも難しい言葉いっぱい知ってるので、学がないだけで馬鹿じゃないんだと思う
>>92 ヒント:無人機の描写
>>93 君島は出す予定です

今日は終わり

三話書き終わったので更新行くよ~

アリーナ 深夜

シャル「こんなことして大丈夫なの?」

カズマ「あんたの男装よりは全然問題ねえだろ」

シャル「それを言われるとちょっと困るんだけど……」アハハ

簪「ハッキングで解錠の後、元通りにセキュリティをかけ直してあるから、気づかれることは無い……と思う」

カズマ「おいなんだ、その間は」

簪「私の姉やあなたのお姉さんのように異常な第六感を働かせてくる人間がいるから、断言はできない」

カズマ「ああそういうこと、ま、姉貴にバレたらそん時はそん時。とっとと始めようぜ」

シャル「わかったよ……あ、そうそう、カズマくんは僕に勝つ気でいるみたいだけどさ――

――僕はセシリアさんや鈴さんより強いから」

簪(何この人、纏っている空気が変わった……!)

カズマ「そうかい、相手にとって不足はねえな。行くぜ、シェルブリットォ!」ガシュンガシュン

シャル「待機形態はグローブだったか。リヴァイヴ、来い」シュン

カズマ「訓練機の色違いか」ダンッ

シャル(思っていたより距離を詰めるのが早いな……)ビューン

カズマ(第二世代のラファールリヴァイヴはどんな状況にも対応できる万能機、だったか。裏を返せば器用貧乏、接近戦ならシェルブリットの敵じゃねえ)ビューン

シャル(奥の手はあるけど、格闘特化の機体には引き撃ちで近づかせないのが基本!)ダダダダダダダ

カズマ「チィッ」グルン

カズマ(サブマシンガンの弾幕が濃い、普通の早さじゃ近寄ることも難しい)

シャル「逃げてばかりだけど、さっきの威勢はどうしたの!」ダダダダダダダダダ

カズマ「まだまだ!」ググググ

シャル(来るっ!)

カズマ「衝撃のファーストブリットォ!」パキンバシューン

シャル「見えているよ!」ギュルンギュルン

簪(あれは、伝説のゲッター機動!?)※前にいたはずなのにいつの間にか背後に回りこんでいるマニューバのこと

カズマ「なにっ!?」

シャル「この距離ならかわせないよね!」ダンッダンッ

カズマ「ぬおっ!」ガンッ

カズマ(いつの間にショットガンに持ち替えやがった?エネルギーは、結構削られちまったな……)

シャル「降参してもいいんだよ?」

カズマ「誰がするか!」グググ

シャル「仕方ないなあ、じゃあ早めに終わらすよ」ジャキッ

シャル(誘導ミサイル6門にサブマシンガンの弾幕を張り、足が止まったところをこの大口径対物狙撃砲で撃ちぬいてあげる!)バシュバシュバシュバシュバシュバシュ

カズマ「なめやがって――」クルン

カズマ「オラァ!」ドガン

シャル「ミサイルを殴った!?そのしのぎ方は一番やっちゃ駄目なやつだよ!」ダダダダダダダダダ

簪(いいえ、織斑くんの狙いはミサイルを凌ぐことではない!)

カズマ「小細工には小細工ってな。背後は取らせてもらったぜ!」ググググ

シャル「な、いつの間に!?」

カズマ「セリフが三下臭えぞ。撃滅の――」

シャル(仕方ない、こうなったら奥の手の盾殺しを)

カズマ「セカンドブリットォ!」パキンバシュウッ

シャル「灰色の鱗殻(グレースケール)!」バシュンッ!

カズマ「あんたもいいもん持ってんじゃねえか!だが、負けねえ!」ググググ

シャル「第二世代最強のパイルバンカーとかち合うとはね!でも、こっちは連射可能なんだよ!」カシュンバシュウッ

カズマ「そっちが連射なら、俺はこの拳に命をかける!」ガキンググググ

シャル(なんて圧力だ!炸薬も少ないしここは一旦パージしてコンバットナイフに持ち替えを)

カズマ「だあああらああああああああああ!!!!」グググググ

シャル(ダメだ、押し負ける!もう一発!)バシュン

カズマ「負けるかよ、抹殺のラストブリットォ!」パキンバシュウウウン

シャル「ああああああああああああああ!!!!」

カズマ「おらあああああああああああ!!!!!」バキュン

シャル「へぶっ」ドッカーン

カズマ「あんたはたしかに強かったけどよ、最後の最後で迷っちまった。それが敗因だ」

シャル「まだ、だよ」ヨロッ

カズマ「そうかい、ならとことん殴り合おうとしようぜ!」ダダッ

簪「あ、二人ともエネルギー切れ……まあ良い薬か」

オラオラァ!マダマダ!ボカボカ

簪(決め手になったのはあの場面。ミサイルを殴って炸裂させ、爆煙で視界を塞ぐ、それだけでなく飛び散ったミサイル片がチャフの役割を果たしISのハイパーセンサーにも引っかからなかった、といったところかしら。
弾幕を濃くし過ぎたのが仇となったわね……まあ彼がそこまで狙ってやったとは思えないけれど――あ、やばい。逃げよう)ダッシュ

千冬「こらぁ!そこのバカ二名!何をやっている!」

簪(スピードワゴンはクールに去るぜってね)スタコラサッサ

翌朝

箒「カズマにシャルル……どうしたのだその顔は」

カズマ「別に」ホウタイマキマキ

シャル「どうもしないよ」ウエニオナジ

セシリア「どうもしなかったら包帯は巻かないかと……」

千冬「席につけ、ホームルームを始めるぞ」

HR

山田「ええと昨日の深夜にですが、織斑くんとデュノアくんによるアリーナの無断使用がありました」

箒(なるほど)ウンウン

セシリア(納得ですわ)フムフム

山田「そのため二人にはペナルティとしてトーナメントまでのアリーナの整備をしてもらいます。みなさんも特訓はいいですが時間外に行わないこと。いいですねー」

千冬「それと、昨日デュノアが来たばかりだが転校生だ。入れ」

ラウラ「ドイツ代表候補生のラウラ・ボーデヴィッヒだ」ツカツカ

ラウラ「貴様が織斑カズマだな」

カズマ「ん、その眼帯疲れねえの?」

ラウラ「ふんっ!」バシイッ

カズマ「転校生さんよぉ、いきなりケンカがお望みかい?」ガシッ

ラウラ「ちっ、私は貴様を教官の弟だとは認めんからな!」

箒(また濃いのが・・・)コソコソ

セシリア(ですわね)コソコソ

シャル(僕の性別偽装はどうなるのかな)ボケー

その頃、二組

水守「整備科に転入します、桐生水守と言います。よろしくお願いします」

鈴(昨日のシャルルに続いて、か。なんか妙ね……)

次回予告
 
 大きいモノ。
 硬いモノ。
 雄々しいモノ。
 それは、純ドイツ産のビッグマグナムである。
 ラウラの弾丸と、カズマの拳の衝突と衝撃が、
 アリーナの床を大きく震わす。
 二人、誇りの太さを競う。

第四話「シュヴァルツェア・レーゲン」お楽しみに。

補足、言い訳タイム

ミサイル殴ってレーダーが死ぬかどうかは知らない
シャルの戦闘はカズマV.S.橘アスカ戦のイメージです
ラウラの武装はビッグマグナムではなく大口径レールガンです

総括
「すごみ」でおk

ではまた

生存報告です
頑張って書くので見捨てないでね

第四話、途中まで投下します

第四話「シュヴァルツェア・レーゲン」

昼休み

セシリア「ボーデヴィッヒさん、ランチ、ご一緒にどうです?」

ラウラ「断る。学生食堂など時間の無駄だ。レーションで十分」

セシリア「なら勝手に一緒に食べさせてもらいます」ホドキホドキ

ラウラ「弁当か……うっ、何だその臭いは」

セシリア「少しは上達してきたのですけど、調子に乗ってブルーチーズとナンプラーを入れたのが良くなかったようですわ」モグモグ

ラウラ「……イギリス人が料理下手と言うのは本当のようだな」

セシリア「否定しません。日本の料理はとても美味しいです……うん、臭いの割には美味しいですわ。良かったら一口いかが?」

ラウラ「付き合っていられん」スタスタ

セシリア「あら、フラれてしまいましたわ」

箒「ずいぶん変わったな、セシリアは」

セシリア「箒さん、どういうことですの?」

箒「入学当初のお前を思い出してみろ」

セシリア「アレは……まあ、カズマさんと出会えたのが大きいとは思います」

箒「そのカズマはどこに行ったのだろうな」

セシリア「さて。でも今日はあの怪我ですし、昼間から訓練ということはないのでは?」モグモグ

セシリア「あー、それにしても料理は難しいですわね」

箒「教えたとおりに作らんからだ。全く」

アリーナ

簪「貴女から模擬戦を申し込んでくるなんて、珍しい」

鈴「まあね。トーナメントも近いしパートナーを見定めないといけないかなあ、って思ってさ」

簪「……ずいぶんと上から目線なのね」

鈴「私より弱いやつと組んだってしかたがないでしょ、最低でも専用機持ちじゃないと」

簪「ならお望み通りけちょんけちょんにしてあげます」シュウン

鈴「退屈させないでよねー」ニヤリ

ガキンガキンドンドゴンバシュ

水守「ああ、なんでこんなことに……」

カズマ「おーおー、鈴と簪かあ。派手にやってんなあ」

水守「あ、あなたは織斑カズマさん?」

カズマ「ん、そうだけど。アンタ見ない顔だな」ズイッ

水守「きょ、今日転校してきた、桐生水守です」チカイ…

カズマ「ふーん、鈴のクラスか」

水守「ええ。鳳さんに案内をしてもらっていたのだけれど、4組の代表の方と口論になってしまって」

カズマ「ま、好きにやらせとけ。あいつらの喧嘩だ」

水守「喧嘩、ですか」

カズマ「そうだ、喧嘩だ。でもってそれを邪魔する無粋な奴がいるらしい」ガコンガコン

水守「ISのアリーナ外での展開は」

カズマ「知るか!んなことよりあいつを止める!」

水守「あいつ!?」

アリーナ内

ラウラ「レールカノン、出力良好、照準、着弾まであと……」

カズマ「衝撃のファーストブリットおお!」バキン

ラウラ「ぶぅっ!?」

短いですが以上
次の投下で4話終わりまでやります

沢山の舞ってるコメント嬉しかったです、励みになります

生存報告
まとまった休みが取れるまで書けなさそうです
申し訳ない

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom