男「記憶喪失がサイコパスだらけの島で繰り返す死のループを安価で脱したい」(201)

ーー…

男「……ん…」パチ?

男「…………ここは?」キョロ

男「”病室”? ?白い部屋に点滴スタンド……間違いないだろう」

ガチャッ…

『あら、もう起きていたのね』

男「……?」

女医「混乱しているところわるいけど、早速説明を受けてもらうわ」

男「説明? ?その前に、ここは病院ですよね?? ?どうして自分が……」

女医「その辺の疑問にも答えていくから、まずは……私の話から聞いてね」ニコ

男「は、はあ…………わかり、ました」ペコ


一応BAD ENDを20、HAPPY ENDが3、TRUEを1想定しています

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1360564558

女医「まず、貴方を取り巻く環境から教えましょう」

男「は、はい」

女医「ここは貴方の推察通り”病院”です」
女医「そして私は数少ない医者の一人で、貴方の担当医だから……よろしくね」クス

男「よろしくお願いします……」

女医「更に言うと、ここは”島”で。本土からは大分離れた位置にあるわ」

男「島……ですか?」

女医「ますます自分がどうしてそんな所にいるのかって顔をしているわね」ニコ

男「はい…」
男「……その前に、自分が誰なのかもよくわからないんですが…」

女医「え?」

男「……?」

女医「自分が誰なのかも覚えていないの?」

男「はい……」

女医「……」ハァ
女医「あの脳足りん……」

男「?」

男「僕は、どうして記憶喪失に?」

女医「『僕』?」
女医「あ、ああ……貴方自身の事は後でちゃんと説明するから」

男「……わかりました」

女医「それと、この島では守ってもらいたいルールがいくつかあります」コホン

男「島でのルール……?」

女医「一つ目は、『警報が発令された場合、速やかに指示された場所へと移動すること』」

男「警報に従い、移動……」

女医「そして、二つ目は『”病院”と、”岬の灯台”には近づかないこと」

男「病院と…岬にある灯台には……ん?」
男「今いるここが病院ですよね?」

女医「ああ、貴方は患者だから……例外もあるのよ」

男「そう、ですか……例外…」

女医「そして、これが最後」

女医「島の皆とは仲良くするように」ニコ

男「……」

女医「これは、私個人のお願いだわ」
女医「そうすることが、貴方にも…島の皆のためにもなるから……」

男「……」
男「……はい。わかりました」

女医「ありがとう」クス
女医「要は、【1】警報が発令されたら指示に従い移動。【2】病院と岬の灯台には近づかないこと。この二つだけ守ってもらえたらいいわ」

男「了解です。把握しました」

女医「次は、ようやく貴方の事ね」

男「……はい…」ゴクリ

女医『転んだ拍子に頭を打って気絶したのよ』

男「……は?」

女医「記憶が無い事は、数十分前にも一度確認してあるんだけど……覚えてないようね」

男「ええと、記憶が回復するのは何時頃に……


女医「残念だけれど、それはわからないの」
女医「すぐかもしれないし……ずっとそのままかもしれないわ」

男「そんな……」

女医「それに、これからの貴方の事は別の人に任せてあるから」
女医「ああ、とても可愛い子だから安心して」ニコ

男「問題はそこじゃないと思いますが……」タラ

女医「とにかく、これからの短い人生を楽しみなさい」
女医「未来が視える美人女医からの命令だから」バイバイ

男「…………ありがとう、ございました……」ハァ

女「記憶喪失が男子禁制の村で?
については、携帯で書いていたものがスマートフォンに変わり投下速度が格段に落ちたので一時休止としています。
建てたところで記憶にある方がいるかもわからないので。

操作にも慣れてきたので、リハビリを兼ねて別に用意してあったプロットを活用する次第となりました。

よろしければこちらもお付き合いくださると幸いです。

ーー…【アパート前】

『到着~っ!』

男「ここが……これから僕が住む事になる家ですか」チラ

『はい、隣室のよしみでこれからよろしくお願いしますねっ』

 目の前にある典型的な、賃貸式の二階建て集合住宅はそれなりに築年数が経っているようで…自分に割り当てられたのは、二階中央の部屋。部屋数は一階に三部屋、二階に三部屋だ。
 そして、お隣さんに当たる彼女が僕の請け負い担当となったらしい。

男「すみません、いくつか質問しても……?」

お隣さん「ああ、私たち同い年ですし学校も一緒なので敬語なんて使わずフランクにどうぞっ」ニコ

 そう言う彼女は敬語なのだが、突っ込むのは後でも良さそうなので大人しく従うことにする。

男「まず、いきなりで恐縮なんですが……家賃の方は….」
男「それに、学生なら収入はありませんよね?両親からの仕送りでもあるんですか??」

お隣さん「うーん……そうですねぇ」
お隣さん「家賃は無しです。要するにタダです」

男「それはありがたいけど……」

お隣さん「あと、ご両親は既に亡くなっています。残念ですが」ウル

男「そう…………でしたか」
男「確かにアレですが、不思議とすんなり受け入れられます」

男「でもどちらにせよ収入が無い事には変わりが無いな……どうしようか」

お隣さん「はいっ、それなら問題ありません」
お隣さん「お金は島の役所から助成金が出ます。無駄遣いはいけませんよ」ニコッ

男「家賃からなにから……本当、助かります」

お隣さん「いえいえ…」
お隣さん「……この島では私が、男くんの家族みたいなものですから。ご用があれば遠慮なく頼ってくださいね」

男「……ありがとうございます」

男「あっ、一つ聞きたい事が……」

お隣さん「?」

男『君は……記憶が無くなる前の僕を知っているのか?』

お隣さん「……」

お隣さん「はい。とても素敵な方でしたよ」ニコ

男「…………どうも」ポリ

ーー…

お隣さん「ご覧の通り浴室は付いていないので近くの銭湯をご利用ください」

男「1LDK、フローリングでTV・冷蔵庫付きか」

お隣さん「洗濯物はコインランドリーも近くにあるのでどうぞ」ニコ

男「ご丁寧にどうも」ペコ
男「窓は……外から丸見えだな。カーテンも無いみたいだし新調しないと…」

お隣さん「中から外は見えますが、外からは人影がうっすら見えるかどうかくらいにしか見えませんよ」

男「それは良いですね」

お隣さん「遮光性の点から、カーテンは必要になりますけど……」クス

男「なるほど確かにそうだ」

男「引っ越しの挨拶にも行かないとな……」

お隣さん「外から向かって右側が私の部屋ですけど、左の部屋は現在空いているので引っ越しのご挨拶は一階の方々にだけで良いですよ」

男「下の三部屋か……」

お隣さん「それでは、私はこれで」ペコ

男「ありがとう。助かったよ」

お隣さん「明日には早速学校もありますし、お迎いにあがりますから」

男「お世話になります……」

男「あとどうでもいい事なんだけど」

お隣さん「?」

男「この暑いのに……暑くないんですか?長袖」

お隣さん「…………はい」ニコ

ガチャンッ

男「……」
男「お隣さんは可愛いし……親が死んでいたのは確かに辛いけど、なんとかやっていけそうだな」

男「うん、なんか良い事が起こりそうな気がするぞ」ッシ

ーー…【ショッピングモール】

男「カーテンはどこの店に置いてあるんだ? それに食糧も買わないといけないし…」
男「……役所からお金が振り込まれるのは明日みたいだし、お隣さんが3万円ほど貸してくれたけど」

男「そうだな。先になにを買いに行こうか」

【1】食品売場
【2】インテリアコーナー
【3】ゲーム売場

>>13



今度は完結期待してる

ーー…【インテリアコーナー】

男「カーテン、カーテンっと……」

男「……無地のが良いかな」

『お探し物は見つかりましたか?』

男「?」

金髪娘「本日はカーテンをお探しでしょうか?」ニコ

男「ああ、はい。白か茶を」

金髪「それでしたら向こうにお求めの品が展示してありますので、ご案内いたします」

男「すみません」ペコ

ーー…

男「……ありがとうございます。気に入ったものが見つかりました」

金髪「良かったです。それではこちらのセイルチェアなんてお客様にお似合いですよ」ニコ

男「似合いの椅子なんてあるんですか?」
男「それに、今日は目的の物を買えたので、これ以上は結構です」

金髪「そうですか……」
金髪「私はお客様のためにお勧めしているのですが」

男「では、今度また来ます。所持金の関係もありますのでその時にまた」ニコ

金髪「わかりました」パァ
金髪「それでは、またのご来店をお待ちしております」ペコッ

男「え? ?会計がまだなんですが」

金髪「お会計は店の中央にあるレジ一台で対応しております」ニコ

男「はあ……」

ーー…【レジカウンター】

男「ここが……」

『あっ、いらっしゃいませー』

男「本当にレジが一台あるだけなんだ……」

ツインテ娘「カーテン……という事は金髪さんに会いましたね?」

男「? ?はい……」

ツインテ「あー……それはそれは…」チーン

男「どうして拝むんですかっ?」

ツインテ「いきなりすみません」ハハ

男「本当ですよ……」

ツインテ「あれ?」
ツインテ「商品が一品しかありませんが……」

男「まあ……これが目当てだったので」

ツインテ「金髪さんがお勧めしてきませんでしたか?」

男「されましたけど丁重にお断りしましたよ」

ツインテ「おぉー」パチパチ

男「……なにが拍手に値するんですか?」タラ

ツインテ「いや、貴方で二人目ですから彼女の押し売りを躱したのは」
ツインテ「断り方が上手だからとかで通じる相手じゃないんですけどねえ」

ツインテ「やっぱりサイコパス同士は通じるものがあったんでしょうか」

男「サイコパス?僕がですか??」

ツインテ「あっ、気を悪くしないでください」
ツインテ「この島では精神異常者、又はそれに準ずる潜在的な精神欠陥者を総じてサイコパスと呼んでいるんです」ニコ

男「その説明で余計に気を悪くしましたが……」

ツインテ「ああもう、どう言ったら良いのか……」アセ
ツインテ「この島では”一次的サイコパス”と”二次的サイコパス”に島民が分けられています」

男「一次的…二次的……?」

ツインテ「一次的サイコパスが『真性のサイコパス』です。基本的に口喧嘩に発展した場合、殺人まで繋がる場合が多いです」
ツインテ「二次的サイコパスが……まあ、少しは大丈夫程度に認識しておいてください」

ツインテ「説明も面倒ですし……」ボソ

男「おい、聞こえましたよ最後の」

ツインテ「更に、一次的サイコパスを超えるサイコパスがいて…… 男「ちょっと待ってください」

ツインテ「?」

男「貴方の言い方だとまるで…」
男『……島中に精神異常者がいるみたいじゃないですか』

ツインテ「……」
ツインテ「ええ、そうですよ」

男「っ」

ツインテ「ようこそ男さん」ニコ
ツインテ『ここは隔離の島、サイコパスの収容所。各地から精神異常者が集められ…

ツインテ「……なら、まだいいのですが」フウ

男「?」

ツインテ「では改めて」コホン

ツインテ『……ここはサイコパスの島』
ツインテ『呼吸をするだけでサイコに染まっていく、狂気の島でございます』

ツインテ「……外界とは断絶されていますので、どうか…命は大事にされますよう」

男「…………」

ツインテ「次は、本当に死んじゃいますよ?」クス

男「は、はい……」


 彼女が無茶苦茶な事を言っているのは頭では理解しているのに……心臓は警鐘の音を上げ、この島から逃げ出せと…脳に命令しているようだった。

 投下時間は
 平日・土曜:夜
 休日:朝ーー夜
 安価は時間に関係なく入れていきます。
 申し訳ありませんが基本、投下の終了は宣言しません。

 乙です。

ツインテ「ではお会計の方が八千…」

男「ちょっと待ってください」

ツインテ「……はい?」
ツインテ「ああ、レジが一台なのは閑古鳥が鳴いているからで経費削減のためです」ヘヘ…

男「そんな照れても可愛く思えませんよ……少なくとも今は…」

ツインテ「では、なにか他に聞きたい事が?」

男「はい。先ほどの精神異常者がこの島に大量に…… ツインテ「ああお待ちのお客様どうぞっ」ニコ

男「……」

ツインテ「そう怖い顔をしないでください…」
ツインテ「……貴方には説明役の女の子が付いているはずです。私からはまだ、お話できる事はありません」

男「…………わかりました」

ツインテ「……なにかに迷った場合は、私の所に来ても構いません」
ツインテ「こう見えて頼られるのは好きなんです」クス

男「……その時は是非に」
男「それでは……」ペコ

ツインテ「またのご来店をお待ちしておりまーす」フリ

ーー…
男「……この島の秘密か…」

男「帰ったらお隣さんに聞いてみるか……」フウ

ーー…【アパート】

お隣さん「この島の秘密……ですか?」

男「ああ。ショッピングモールのレジにいた店員さんが、聞くならお隣さんに聞くように。と」

お隣さん「…………」

男「お隣さん?」

お隣さん「あぁ」
お隣さん「うーん、どうしましょうか……」

男「どうするって……教えてくれないのか?」

お隣さん「権限はあるんですけど…」
お隣さん「……男くんには真っ当に生きてほしいという気持ちもあるのでオススメしませんよ?」

男「……」

お隣さん「それに、明日は登校日ですし担任の先生に聞いた方が捗ると思います」ニコ

男「つまり、貴方から聞くことは出来ないと」

お隣さん「すみません……」

男「説明役のはずなのに……」

お隣さん「そういじわるを言わないでください。私も男くんのためを思ってしていることなんですから」ハァ

男「……タライ回しにされている気がする。これがお役所仕事か…」

お隣さん「皮肉も禁止ですっ」

男「……わかりましたよ、今日は引き下がります」

お隣さん「私も、死体の処理をしてから眠りますから」ニコ

男「じゃあ、おやすみなさい」

お隣さん「おやすみなさい……」フリ

ガチャンッ

男「……秘密の解明は明日に持ち越しかぁ」

男「クラスメイトの事も覚えていないし、まるっきり転校生みたいなものだよなー……」ハァ

ーー…【翌日・校門前】

ワイワイ ?ザワザワ…

男「昨日立て続けに不穏な話を聞いたから不安だったけど、活気のある良い学校じゃないか」

お隣さん「はい。私も大好きです」ニコ

男「ええと……生徒玄関は…っと」

お隣さん「男くん。私たちはこっちですよ」
ギュッ

男「? 皆は向こうに行っているけど……」

お隣さん「生徒の中でもいくつかに分類されているんですよ。私たちは別棟です」

男「別棟……まあ、言うとおりにするけど」
男「しかし、勉強も難点だが当座の心配はクラスで友達を作れるかどうかだな……」ハァ

お隣さん「男くんならなんの心配もいりませんよ」クス

ーー…【教室前】

男「先に職員室に行かなくて良かったのか?」

お隣さん「転校生ならまだしも、ただの復学ですから。風邪が治って出てきたくらいの軽いノリでOKです」ニコ

男「風邪……うーん…」


 深呼吸をして気を落ち着かせ、軽く頷いてから教室の引き戸に手を掛ける。
 音が出ない最小限の速度で戸をスライドさせるとーー…

 ……そこには、机の代わりに大きな”箱”が並べられていた。
 数は、廊下側に三つ。真ん中に三つ。窓側に三つだ。
 なんとなく、クラスの人数が九人しかいない場合の整列にも思えた。それに手前にある”箱”の側面に大きく”1”とプリントされている。同様に、窓側最後尾の”箱”には”9”。おそらく考えは間違っていないのだろう……。

男「このクラスの生徒数は九人なのか?」

お隣さん「そうです。さすが男くんですね、賢明です」

 ”箱”の大きさは、狭くもなければ広くもなさそうで……トイレの個室と同じかそれより少し幅があるようだった。高さは3mもないくらいだが密閉されていて、中の空調設備がきちんと作動している事を小さく祈る。

男「……この箱が席の代わりなら、どうやって入るんだ? 見たところドアは付いていないようだし」

お隣さん「下から入るんです」

男「……下から?」

お隣さん「この教室は常に見張られているので、生徒が到着すると同時に教壇の下が開いてそこから個々の席に繋がる路を辿る仕様になっています」

男「どうしてそんな面倒な……」

お隣さん「皆さんそれぞれ姿を見られたくないようなので……」

男「……まあ、そういうことなら甘んじて受けるよ」

お隣さん「それではお先に失礼します」ペコ

男「じゃあまた……休み時間にでも」

 彼女に続いて教壇に近づくと、本当に地下への階段があったので説明された通りに自分の席に向かう……。
 ちなみに、自分の席は5番の”箱”らしい。丁度ど真ん中の位置だ。

 歩きながらふと思ったのだが、お隣さんの席は何番なんだろう。聞こうと思った時にはその姿はなくなっていた。まあ、後で聞いても良いか。

  席に着いた直後に、担任を名乗る女教諭がやってきた。

女教諭『さあ皆、席に着いたな』

男「(皆? 来た時には全員揃っていたワケか)」
男「(壁にはモニターが複数付いている。黒板を映していたり、”箱”を天井から映していたりと様々だ。)」

男「こうしてみると”箱”の上部にも出席番号がプリントされているのが見てとれる」

女教諭「各自モニターは映ったか? 異常があればすぐさま言うように」

女教諭「それと、今日は良い報せと悪い報せがある」

男「?」

女教諭「その二つを告げる前に……そうだな、先に伝えておくか」

女教諭『今日から、皆が大好きな”5番”が登校している』

ダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダン!!!

男「ぅわっ!?」
男「前の席の奴が途端に暴れてるぞ……」タラ

女教諭「……」ハァ
女教諭「落ち着け4番……」

 担任の言葉で、前の4番は徐々に大人しくなっていった……。
 そこで、ふとモニターに映る担任と目が合ったような気がした。女教諭は、微笑みながら此方に向かって手を振る。

女教諭「……手を出すようなら私が助けてやるからな。今度は前みたいにいかない」

 なにやら大袈裟に心配されているような気もするが、それだけ前の席の奴が凶暴なのかもしれない……というかのっけから頭が痛くなってきた。

女教諭「じゃあまずは……悪い報せから伝えるか」

男「……」

女教諭「悪い報せは…」
女教諭『……1番が、既に5番と行動を共にしている』

ガンッ!!

男「っ」ビクッ
男「今度は1番が……”箱"の壁に蹴りでもいれたのか?」アセ

男「それに、僕が5番だから…既に行動を共にしているとなれば1番はお隣さんか」

女教諭「あーほらほら落ち着け」
女教諭「お前らの声は私にしか聞こえてないんだ。あまり騒がれると耳が痛くなる」

女教諭「確かに、面白くないやつが大半だろうが……ここで良い報せの方だ」
女教諭「今から5番の”箱”を開ける」

ダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダン!!!

女教諭「4番……だから落ち着けって」
女教諭「そして自己紹介だ……いいな? 5番」

男「は……はい」

バシューンッ!!

 突如、”箱”が展開され……自分の姿が曝け出された。

男「あ……あの」
男「ぼ、僕……”男”って言います。これからまたよろしくお願いします…」

女教諭「おぉー、皆騒いでる騒いでる」
女教諭「ご覧の通りだ」

女教諭『5番は、現在記憶喪失によりお前らの事も……自分が誰かすらも忘れている』


 元から何も聞こえないが…全員が息をのんだ事が、隔絶されているはずの”箱”越しに……伝わってきた。

女教諭「5番。皆も困惑しているようだから、説明ついでに確認をしておくぞ」

男「はい……?」

女教諭「記憶喪失となったお前にコチラ側から教えてやる情報はない」

男「えっ」

女教諭「1番に聞いても無駄だ。口は塞いで有る」
女教諭「なぁに、普通に生きて卒業する分には不都合無いさ」

男「いやいや……それは困りますよ」タラ

女教諭「お前は強い子だ、なんとかなる」
女教諭「実際、いまこの場に来ていない生徒もいるが……知りたい事があれば学校外で聞けばいいさ」

女教諭「一般人でも相手をしてくれるやつがいるかはわからないがな」

男「……理不尽だ…」ハァ

女教諭「この島で生きていく上でのルールは聞いているだろう?」

男「『警報の指示に従う』と、『病院と岬の灯台には近づくな』でしたっけ……」

女教諭「そう。それだけ守っていれば大丈夫だ」
女教諭「ではこれでHRを終わりにする」

女教諭「1時限目は……」

男「……」
男「情報は自分で探すなんて、本当にやっていけるのか……こんな島で」アセ

ーー…【放課後・商店街】

トボトボ…
男「結局、なにもわからないまま帰ってきてしまった」

男「お隣さんは用事があるからって先に帰るし…聞いても教えられない決まりらしいけど……」

男「……ん?」チラ

金髪『……』

男「あの子は……カーテンを買った時の店員さんだ」

チャラ男『ねえ、一人?』
チャラ男2『良かったら俺らと遊ばない?』

金髪『……』

男「……ナンパされているみたいだな」

金髪「……ぁ」チラ

男「ん?」

金髪「お客さんっ」
タッタッタ…

男「こっちに来る……?」

金髪「偶然だねっ」ニコ

男「そ、そうですね……」

金髪「待ってたのに……どうして来ないの?」

男「? ああ、インテリアコーナーにか」

金髪「持ち合わせが無いから取りに戻ったんだよね?」

男「ああ……その件は…」タラ

金髪「……その件は?」

男「……すみません」

金髪「……うーん」フム
金髪「良いでしょう。不問に帰します」ニコ

男「ありがとうございます……」フゥ

金髪「じゃあ、取り置きしてあるから店まで一緒に行こ?」
ギュッ

男「えっ」

金髪「椅子と……あと、良い壁紙があって…」ニコニコ

男「ちょっと、ちょっと待ってくださいっ」

ズルズル…

男「待って、待ってくださいっ」

金髪「? 買い物よりも大事な用件あった??」

男「ええと…」
男「(どうしよう……島の役場からいくらか振り込まれているはずだけど無駄遣いなんて出来ないし…)」

金髪「もしかして、彼女とデートとか?」

男「えっ?」
男「ああ……うん! 実はそうなんですよ」ハハ

金髪「彼女なら私がなってあげるから」ニコッ

男「へ?」

金髪「よく知らない人に声をかけられるし、見た目は悪くないと思うんだ」

男「確かにとびきり可愛いくはあるけど……」

『……男…くん?』

男「?」

お隣さん「その子…どなたですか?」

男「お、お隣さんっ」
男「(良かった、助けてもらおう!)」

男「実は……」

【1】困っていると告げる
【2】「彼女です」

>>35

1
お隣さん怖い人そうだし

男「実は……」

お隣さん「……なるほど」
お隣さん「それはいけませんね。この島でも商売人の方々は真面目に商いをしているというのに」

男「断ると後々恐そうなので……」

お隣さん「うーん…」
お隣さん「……では私がやんわりとお断りします」ニコ

男「すみません……情けないところをお見せして」

お隣さん「いえいえ、そんな男くんも魅力的ですよ」

お隣さん「……ええと、貴方はショッピングモールの店員さんでしたよね?」

金髪「……」

お隣さん「男くんは金銭的余裕が無いのでこれ以上お買い物は出来ないんです」

金髪「……」

お隣さん「……話聞いてますか?」

金髪「”男くん”っていうんだ」ニコ

男「……はあ」

金髪「大丈夫、お金なら私が立替えとくよ」
金髪「出世払いでいいから。さあ、モールに行こ?」
ギュッ

男「あっ」

お隣さん「ああっ」
お隣さん「ちょっと、男くんと手を繋がないでくださいっ」

金髪「なんで?」

お隣さん「困ります。過剰接客、業務の範疇を越えています!」

金髪「ねっ、買い物の後はどこに行く? ゲームセンターなんて良いかも」ニコ

男「(会話が成り立っていない……)」タラ


お隣さん「………………」

お隣さん「……私は帰ります」

男「お隣さん?」

お隣さん「この方とは話が噛み合いません」
お隣さん「それに、ちょっと用事を思い出したので」ニコ

男「それなら仕方がないですよね……」

お隣さん「お力になれずすみません……」

男「いや、かえってこちらこそ……」

ーー…

金髪「あっ、サイコパステストやろうよ」ニコッ

男「サイコパステスト? ああ、無料で出来るんだ……」

金髪「男くん、さっきの女の子だけど」

男「? お隣さんのこと??」

金髪「あの子たぶんヤバいやつ」
金髪「学校は始業式しか出てないんだけど……そこで感じた事あるんだよねー」

男「”感じたことある”……って、なに? オーラでもあるのかな」ハハ

金髪「? そうだけど」

男「……そう…」
男「ああ…サイコパステストだったね。じゃあ君からどうぞ」

金髪「ありがとう」ニコ
金髪「久しぶりだなぁー」

ーー…
金髪「やっぱ”一次診断”かぁ」
金髪「キミは?」

男「……うんおかしいな」
男「僕も”一次診断”だったよ」

金髪「……」

男「ええと…『貴方は危険人物です。今から牢屋に入るか、それ相応の病棟に隔離されましょう』だって。面白いテストだね」ポリ

金髪「……あー…」
金髪「…………そう……」

金髪「出席番号って何番?」

男「ん? ”5番”だったかな……」

金髪「あー」
金髪「…………でも、まあいいか」ウン

金髪「さあさあ急がないと商品が売れちゃうよっ」
ギュッ

男「取り置きしてるんじゃなかった?」タラ


金髪「……ならさっきのが”1番”…」
金髪「死んだかなぁ、コレ」ムゥ

ーー…【数日後・ショッピングモール】

男『……金髪さん遅いなぁ…』

男「待ち合わせの時間から大分過ぎてる……」

ピキキキキキキキキキキキーンッ!!!

男「?」
男「けたたましい音だ……」

『警報デス』

男「警報っ?」

『田中さんがお餅を喉に詰まらせました。島民の皆さんは至急、ショッピングモールへ移動してください』

男「……え??」
男「田中さんという人が餅を喉に詰まらせたから…」

男『それとショッピングモールに移動する事と何の関係が……』

ザワザワ…

男「周りの人達は一様に移動を始めている……」

男「……たしか、島のルールの一つが」
男「”警報の指示に従い、移動する”……」

男「……どうするか…」


【1】指示に従いショッピングモールへ移動する
【2】従わず、このまま待ち合わせの場に留まる

>>39

2

ピキキキキキキキキキーン!!!

『『警報デス』』

『『田中さんがお餅を喉に詰まらせました。島民の皆さんは至急、ショッピングモールへ移動してください』 』


男「田中さん大丈夫かな……」

男「警報は気になるけど、大事では無いみたいだから待ち合わせを優先しよう」

男「金髪さんが来たらショッピングモールへ向かおう、彼女にプレゼントしたいモノもあるしね……」

ピキキキキキキキーンッ!!!

ピキキキキキキキーンッ!!!

男「……まだ鳴り止まないのか…」

ピキキキキキキキーンッ!!!

ーー…

ピキキキキキキキーンッ!!!

男「……」ハァ

男「いい加減に煩いなぁ」

男「金髪さんも来ないし先にショッピングモールへ行ってしまったのかもしれな….

 しれない。そう言い終える前に、  から   が  えた …  。


 目の前が、真っ暗になっている。

 目を開けているのに、何も見えない。

 身体が動かない。感触が無い。

『あーあ、やっぱり死んでる』

 ? 誰が死んでいるんだ??

 最後に、力を振り絞って……目に力を入れる。
 すると、目に映った光景。僕が見る事になる最後の光景がーー…

 ……女医さんの生首を腕に抱え、お隣さんの死体らしきものを  る  だった。

 そして僕は、これもまた……人生最後になる言葉を呟いた。


『…………よかった。田中さんは……無事だったんだ』


     - END -


 ここまでがプロローグです。
 次からは世界観や、周りの人間模様がわかってくると思います。

 この時点で真相に辿り着くのは情報が足りないので難しいですが、進めていく事で徐々に明るくなっていくと思います。

 本日中に次へ移ります。
 乙です。

◯?◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ ◇◇◇ ☆


ーー…

 男「良い天気ですねえ……」

 お隣さん「そうですねえ……」

 休日、昼前の長閑で暖かな陽射しを受けながら我が家のベランダでお隣さんと一緒にお茶をいただいている。今日のお茶うけは海苔煎餅だ。

 自分もお隣さんも寝間着姿のままで和んでいる……。最近はお隣さんが目覚ましの代わりと言って起こしに来てくれるのだが、今日は寝坊で着替えてくる時間が無かったため省いたらしい。休日なので、多少時間がズレようが問題なかったのだが……。

男「今日は予定があるんですか?」

お隣さん「そうですねえ、残念ながらあります……」

 お隣さんの頭からはアホ毛が一本立っていて、なんとなく気が抜けているようにもみえる。完全に休日モードのようだ。

男「それなら僕も一人で街中を散策してみようかな…」
男「……お隣さんがこの島の情報を教えてくれないので」ジト

お隣さん「そう言わずに……私も規則に縛られる身なので…」ハハ

男「まあ、時間はたっぷりあるので焦らずにいきますよ」

男「……そうだなあ」
男『今日はどこに行こうか……』

【1】食品売場
【2】ゲーム売場
【3】ーーーーー
【4】ーーーーー
【5】ーーーーー

>>49

2

ーー…【ゲーム売場】

男「部屋にゲームの一つも置いて無いからなあ」

男「なにか面白そうなゲームでも…」
男「……ん?」

《カードをスキャンしてお洒落にキメよう!》

『ええと、トップスのファイルは……』

男「……」
男「(同い歳くらいの女の子が、女児用ゲームをやっているぞ……)」タラ

ピーンッ

男「ん?」

男「あの子を見て何かピンときた…」
男「……たしか前に聞いたなあ、『一定基準のサイコパス同士は感覚で相手が同類だとわかる』って」

男「まさか……本当…なのか?」
男「気のせいだよな……うん」

『ん?』

男「?」

黒髪『……お仲間?』

男「…………」

男「……ええと、もしかしてだけど…」
男「…………別校舎の中にあるクラスのどこかに…… 黒髪「ああ、別校舎にはあの一クラスしかないから」

男「そう、なんだ」

黒髪「……キミが”記憶無し男”?」

男「”記憶ナシオ? ああ、たしかにそれは僕だね」

黒髪「ふぅん……」ジイ

男「……な、なにか?」

黒髪「……聞いていたのと、違うみたいだから」フワァ

男「その、ヘッドホンしたままで声は聞こえているの?」

黒髪「……うん、ご心配なく」
黒髪「あ、ゲームの制限時間終わってる……」

男「(……落ち込んでる)」

男「ならクラスメイトなんだね。良かったよ、まだ一人しか友達がいなくて……」

黒髪「……ゲームするの?」

男「?」
男「そうだね、何か買うつもりで来たけど…」

男「……少なくともそのゲームはやらないかな」アセ

黒髪「…………そう」

男「良かったらだけど….」
男「……島の事や、僕自身の事を教えて欲しいんだ」

黒髪「……んー」
黒髪「キミ自身の事はよくわからない」

男「……同じクラスで勉強していたのに?」

黒髪「私、学校にはあまり顔を出していないし…」
黒髪「……それに、授業を受けていても生徒同士の姿を見る機会は無いから」

男「……一理あるな」
男「じゃあ、島の事は?」

黒髪「……”二大ルール”くらいしか覚えていない」

男「”二大ルール”?」

黒髪「……警報の指示に従い… 男「ああ、了解。僕もそれだけは聞かされているんだ」

黒髪「後は、なんか冊子を貰ったけど見ていない」

男「……なら、その冊子を譲ってくれたり…」
男「全然、一目見せてもらえるだけで構わないんだけど……」

黒髪「……」
黒髪「めんどい……レアカードくれたら交換してあげる」

男「レアカード?」
男「この女の子用ゲームの??」

黒髪「これは大体揃ってるから別にいい」
黒髪「そうだね……ゲームセンターにある、サッカーのカードゲームのレアカードや…」

黒髪「野球のとか、某有名漫画のゲームカード。三國志のやつと……」

黒髪「…………あと、ソーシャルゲームのアイドルマス… 男「いくつあるんだよ……そしていくらほどかかりそうなの?」

黒髪「……500万ちょいあれば欲しいカードは揃うと… 男「すみません、他の交渉に変えてくれませんか?」

黒髪「……」ハァ
黒髪「じゃあ、気が向いたら……」

男「……うーん…」
男「出来たら早めにお願いし… 黒髪「うるさいなあ」

黒髪「あんまりしつこいと……”通報”するよ」

男「”通報”? 警察にってこと??」

黒髪「……なにも覚えてないんだ」
黒髪「……まあいいや」

黒髪「とりあえず、普段私はここにいるから…」
黒髪「……来たら、話くらい聞く…」

男「は、はあ」

男「……ありがとう、ございます」ペコ

ーー…【数日後】

男「こんにちはー」

《もう一曲遊べるドン!》

黒髪「……?」
黒髪「ああ、こんにちは」
ドンドン

男「上手なんですかこのゲーム」

黒髪「店内ではトップだよ」
黒髪「……ちょっと待ってて、コレが終わったら話せるから」

男「いやいや、気にしないでいいよ。待ってる間他のゲーム見てるから」ニコ

ーー…

黒髪「お待たせ……」

男「すごいな、本当に上手だったよ」

黒髪「そう褒めないでほしい」
黒髪「それに、一つ決めたんだ」

黒髪「キミの手伝いをしようってね」

男「本当っ?」
男「嬉しいな……じゃあ、例の冊子を」

黒髪「アレはどこかにいった」

男「……あー、そうな、んだ」ズーン

黒髪「学校や役所に連絡しても教えてくれないし…」
黒髪「……おそらく、キミに徐々が漏れるのを知って教えることをしないんだと思う」

男「そんな……」

黒髪「でも、”手伝う”と言ったよね」
黒髪「私も気になってきたし、一緒に探り出そうと思う」

男「それは心強い」
男「なら……まずは」

黒髪「まずは、君の知っているというもう一人のクラスメイトに会わせてもらえないか?」

男「えっ」

男「(それって、お隣さんの事だよね……)」

男『……』

【1】お隣さんを紹介する
【2】嫌な予感がするので会わせない

>>55

いち

ーー…

男「こちらが、お隣さんです」

お隣さん「はじめまし…」
お隣さん「……て…………」チラ

黒髪「……」

お隣さん「……男くん」

黒髪「……記憶無し男くん」

男「?」
男「あれ、もしかして面識あったりする??」

黒髪「……大体わかるんだ」
黒髪「この女は同類だって」

黒髪「……でも、キミと違って”お仲間”ではない」

お隣さん「ええと……」
お隣さん「不登校の二人。貴方はその内のどちらかですね」

黒髪「しらない」

お隣さん「そうなんです」ニコ
お隣さん「学校にも来ないで何をしているかと思えば….」

お隣さん「……ゲームですか。オタクさん、というやつですか?」

黒髪「アンタの想像するようなオタクなら他にいるわ」

お隣さん「……なるほど」
お隣さん「では、”3番”か”8番”のどちらかである貴方に忠告します」

お隣さん「これ以上、彼と付き合わないでください」

黒髪「……」
黒髪「じゃあ、彼に決めて貰いましょう」

男「えっ」

黒髪「……私と」

お隣さん「……私」

黒髪&お隣さん『どちらに付くの(付きますか)?』

男「……」
男『”(どちらも選ぶ”は言えそうにない……)』


【1】怒ると恐そうなので”お隣さん”
【2】情報集めを手伝ってほしいので”黒髪さん”

>>57

1

男「お隣さんにはいつもお世話になっているし、無下には出来ません」

お隣さん「男くんっ」パアァ

黒髪「……うーん」
黒髪「好感度足りなかったかな…」

黒髪「……こんなこと言ってると”2番”と同じだなあ」ポリ

黒髪「……うん、いいよ」
黒髪「今回は引く」ハァ

お隣さん「物分りが良い人は好きですよ」ニコ

男「……ごめん」

黒髪「いや、キミが気にする事はない」フム
黒髪「その代わり……一つ、気にして欲しい事がある」

男「……?」

黒髪「いいかい…?」ヒソ
黒髪『あの女と一緒にいたら……BAD ENDしか待っていない』

男「っ」

黒髪「……また、”2番”みたいな事を言ってしまった」フワァ

男「……それは、どういうことですか?」

黒髪「……女の勘」
黒髪「…なんて言わない。ただの情報だよ、これは」ニコ

男「……」

黒髪「……それじゃあね。気が向いたらここに来ると良い」
黒髪「…………話くらいは聞くよ」


男「……」



  そして、この日を境に…………彼女は姿をくらました。


ーーーー……


男「いい天気ですねえ」

お隣さん「そうですねえ……」

 洗面台の前で二人して歯磨き中。
 窓の外を見ると、燦々と陽光がアスファルトを焦がしていた……もうTシャツ一枚で外出する季節だ。

男「お隣さん、今日の予定は?」

お隣さん「残念ながら、解体作業が残っているので……」ハハ

男「なんの解体ですか毎度……」

男「けど……黒髪さんと会って以来、他のクラスメイトと会ってないな」

お隣さん「”黒髪さん”?」ピク

男「ほら、あの……ゲーム売場にいた」

お隣さん「ああ、”3番”ですね」
お隣さん「可愛い人でしたね。痩せても綺麗で、羨ましいです」ハァ

男「最近黒髪さんを見たの? まだ痩せたんだ」

お隣さん「毎日見てますけど、本当……悔しいくらいに美人で…」

男「へえ……どこで見たの? 僕も久しぶりに会いたいな」

お隣さん「この近くでよく見ますよ…」
お隣「……もしかしたら、男くんも彼女の臭いに気づいてわかるかもしれませんね」クス

男「”匂い”? ああ……」
男「……確かに良い匂いがしたなー…ん?」

お隣さん「……」ムゥ

男「……どうしたの?」

お隣さん「……いえ、べつに」プイ

男「困るなあ……」

お隣さん「ああそうです」
お隣さん「今日の夕食は楽しみにしていてくださいっ」ニコ

男「おっ、どうしたの?」

お隣さん「とてもレアなお肉があるんです」
お隣さん「臭みが独特で……きっと、男くんも気にいること間違い無しです」ニコッ

男「それは……楽しみだ」


 その日の夕食は、確かに美味しかった。
 なんというか……細胞は拒否しているのだが、やめられない…………麻薬のように癖になる味わいだった。

 ただ、一つ不思議に思ったのは…

 ……お隣さんの色とは違う、長い髪の毛が皿に引っかかっていたことだけだ。


     - END -

 個人的には、最短になるか最長になるかの√でしたが、最短でEND一直線でした。
 vipと違い人が集まらなくても気にせずBAD直行、次√へ。と向かいます。

 風邪で会社を早引きしたので、夕方から進められるかなと思ったら難しかったので続きは明日以降にしたいと思います。
 前作から考察歓迎ですが、もう少し情報が欲しいですね。乙です。


◯●◯◯◯●◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ ◇◇◇ ☆?
 


 たまに、担任が自分たち生徒を番号以外の呼び名で呼ぶ事がある。

『じゃあ、珍しく登校している”ゲーマー”。問4を答えろ』

 教壇に設置されているモニターで、9人の様子が見えているのだろう。よく居眠りをしている生徒を注意し、起こしている。

女教諭『はい、よく出来ました』
女教諭『じゃあ次は……”オタ”。問5の解を…』

女教諭『その次が”レズ”…ん?』
女教諭『「自分はレズビアンじゃない」? そう否定するな。あれだけ1番に……』

 ……まあ、個性豊かなクラスメイト達のようだ。

 残念なのは顔を合わす機会が無いことだが。

 知らず知らずの内に街中ですれ違う事もあるのだろう……。


 …………記憶を無くす前の自分は、今以上に……彼らの事を、知っていたのだろうか。

ーー…【放課後】

男「これからの予定は?」

お隣さん「冷蔵庫の中身は問題無いですし…」
お隣さん「夕飯の下ごしらえくらいですねえ」ウーン

お隣さん「男くんはどこかへ?」

男『そうだなあ……』

【1】食品売場?
【2】アニメショップ
【3】ーーーーー?
【4】ーーーーー?

>>72

1

ーー…【食品売場】

男「ええと……」キョロ

男「野菜コーナーが…っと」

ーー…

男「……これくらいかな」
男「あまり買いすぎても食べきれなくて捨てる事になるし……」

男「レジはどこだろう」

ーー…【レジカウンター】

男「……」

ツインテ「いらっしゃいませーっ」ニコ

男「(……人懐っこい笑顔をする人だな)」

ツインテ「……」
ツインテ「はじめまして、男さん」

ツインテ「そういえば、記憶を無くされているとか?」

男「はい……よくご存知ですね」

ツインテ「はじめましてとは言いましたが、記憶を無くす前の貴方とは面識があったので」ニコ

男「そうなんですかっ?」
男「では以前の僕はどういう人間でしたか?」

男「それに……島の」

ツインテ「そんなに一度にたくさん聞かないでください」クス
ツインテ「……そうですねえ」


ツインテ『”おバカさん”』

男「?」

ツインテ「”オタさん”や”ゲーマーさん”の事は?」

男「(最近、どこかで聞いた言葉だな….)」

男「……すみません、記憶に無いです」

ツインテ「そうですかあ、残念です」フム

ツインテ「私も、規則であまり話す事は出来ませんが」
ツインテ「一つ忠告申し上げるなら…」

ツインテ『……”1番”とはずっと、仲良くしてください』
ツインテ「…………必ずですよ?」クス

男「……”お隣さん”と?」


 どうしてこの時の自分は、この人の言葉を胸に刻み込んでいなかったのだろう。

 そうすれば、少なくとも…………死なずに済む未来もあったのかもしれないのに。

ツインテ『そうです』
ポン

男「?」

ツインテ「クラスの皆さんの情報を知っている限りでお教えします」ニコッ

男「えっ」
男「……というか、よく知ってますね。そんな情報」

ツインテ「私も無関係ではないので…」
ツインテ「……では、お聞きします」

ツインテ『何番の情報が知りたいですか?』

ツインテ「…………時間が無いのでお一人だけですよ?」ニコ

男「……なら」

【1】ーーーーー
【2】2番の事が知りたい
【3】3番の事が知りたい
【4】ーーーーー
【5】ーーーーー
【6】ーーーーー
【7】8番の事が知りたい
【8】ーーーーー

>>81













 7




男「では”8番”について教えてください」

ツインテ「8番さんですかあ」
ツインテ「学校にはあまり通っていないようです」フム

男「そうですね、”3番”と同じでほとんど登校していないみたいですし」

ツインテ「3番さんはご本人が学業に対して興味が無いようなので……」

ツインテ「ですが、8番さんは日中も働いているので登校する暇がないのです」

男「働いている?」

ツインテ「そうです。苦学生とお呼びしても差し支えは無いと思います」

男「それは……」
男「島の役場から”助成金”が出るんじゃ?」

ツインテ「たしかに一部の方々にはそういう手当てもありますが…」
ツインテ「彼女は比較的”まとも”なので、唯一あのクラスでは支援を受けていません」

男「……」
男「そもそも”支援”というものは誰を対象にどんな条件で……」

ツインテ「あっ、お待ちのお客様どうぞーっ」ニコ

男「……」

ツインテ「お時間です。個人情報ですが、男さんだけ情報を持たないのは不平等ですからね」

ツインテ「また、何か聞きたい事があれば会いに来てください」
ツインテ「休憩の時間にでもお話しますので」
フリフリ

男「……そういうことでしたら」ペコ

『またのご来店をお待ちしておりますーっ』

ーー…

男「……”8番”は苦学生、か…」
男「確かに、あのクラスではまともな人間に見える」

男「…………他の生徒の事もまだわかっていないが」タラ

ーー…【数日後・自宅】

『世界の平和は、私たちが守る!』

 朝食を済ませていると、そんな声がTVから聞こえてきた。
 なんとなくつけていたチャンネルだったが、視線を向けると32型の中では魔法少女達が巨悪と戦っていた。

男「こんなに小さい身体で、頑張るなあ……」

お隣さん「あれ? 男くん、このアニメご存知ないんですか??」

男「生憎、アニメといえば夕方6時台のものしか見た事が無くて。それも小学生まで」

お隣さん「そうなんですかあ、でも意外と私たちの年代が見ても面白いですよ」ニコ

男「はあ……」チラ

『やったピョン! 敵を倒したピョン!!』

 マスコットキャラらしきデフォルメされた動物が、魔法少女達の活躍を称えている。どうやら最終決戦は無事に勝利で終えることが出来たようだ。

男「まあ、負けるわけないよね。子供向けアニメだし」

お隣さん「うーん、でもたまにはBAD END。もしくは相打ちなんていう展開があっても良いと思いますけど」

男「……そうですかね?」

 主人公がやられ、世界の平和は守られずに終わり。そんな結末が幼児達に健全な影響を与えるようには思えないのだが……。

お隣さん「そうです」
お隣さん「必ず訪れる”敗北、””死”の中で生きる意味を。生きた意味を見出す事も決して不幸な結末とは思えません」

男「……幸福な結末とも思えないけど」アセ

お隣さん「幸福ですよ…」
お隣さん「……愛する人と共に、最後の人生を生きることが出来たなら」ニコ

男「……そ、そうですか」ハハ

『来週からは”?HornyでSexyな『魔法少女ホニセク』?”が始まるよ!』

 最終回を迎えた余韻も消える前に、CMでは既に新年度のアニメ紹介が流されている。放送前にグッズ展開も始まっているようだ。

男「……アニメ、漫画か…」

 そういえば久しく漫画を買っていない事を思い出した。
 ……たまには良いだろう。

 僕は昼に、アニメショップへ向かう事にした。

ーー…【アニメショップ】

ザワザワ….

男「意外と混んでるなあ」
男「こういうオタク向けって、アングラ色が強そうなイメージもあったけど明け透けとしてる」

男「意外と若い女の子も多いし……」
男「休日なのに制服で来てる子達もいる。女子高生かな、ギャルっぽい」

男「あっ」

『”ホニセク”最新作! 魔法少女が新たな装いで……』

男「これ、朝にやっていた女児向けアニメの……」

クスクス…

男「ん?」

JK『見てよ、あの人”ホニセク”見てる……』クスクス
JK『小さい女の子向けなのに……変なの』クスクス

男「……」ポリ
男「(なにやら勘違いされたみたいだなあ)」フム

JK「ねえ、アンタもそう思うっしょ?」

ギャル『?』
ギャル「……だれ??」

JK「ほら、あの”ホニセク”の」クスクス

男「(まさにギャルって感じの容姿だな)」
男「(オシャレで、カリスマギャルというやつみたいだ)」

ギャル「……」ニコ

Jk「そんなわかりやすく笑ったらかわいそーだって」クスクス

ギャル「」
スタスタ….

男「っ」
男「こっちに近付いてくる……」

ギャル「あのー」

男「はい……」

ギャル「このアニメのグッズ見てたんですか?」

男「……ま、まあ」

ギャル「そうですか….」
スッ…

ギャル『……じつは、私も好きなんです』ニコ

男「……?」

ギャル「というか、”5番”だよね? なにしてるの??」

男「”5番”?」
男「まさか……あのクラスの」

ギャル「うん。同クラだよ」ニコッ
ギャル「そっかー、意外だなあ。”5番”がねえ……」

男「……ちなみに、君は何番なの?」

ギャル「? あー、私は…」
ギャル「……でも、教えられないなあ。”3番”からなるべく言わないように注意されてるから」ウーン

男「そうなんだ……」
男「……でも、君の見た目はウチの生徒っぽくないね」

ギャル「? そうかなあ」

男「そうだよ、読者モデルとかあの辺の芸能人的なオーラを感じる」

ギャル「……へえ。嬉しいこと言ってくれるね」

ギャル「そうだ、私はよくここに来るしたまに顔出しなよ」
ギャル「そうしたら話くらいしてあげるから」

ギャル「今は記憶喪失なんでしょ? 赤ちゃんみたいなものだし、可愛い可愛い」ニコッ

男「バカにされているのか……?」アセ

JK『ほら、はやく行くよーっ』

ギャル「あっ、うーん」

ギャル「それじゃあ、またね……”世界の覇王”くん?」クス

タッタッタ…

男「……」
男「ウチのクラスはそれなりの問題児が集まってると聞いていたけど……」

男「案外、まともそうだな」
男「もしかして、担任の先生が呼んでいた”オタ”って……」フム

ーー…

ギャル『だからー、このアニメがめっちゃ泣けるんだよ』

男「ほうほう……」

ギャル「もうね、”人生”そのものだね。このアニメは」ウン

男「なるほど……今度見ておく」

ギャル「じゃあさ…」
ギャル「……DVD持ってるから”5番”のウチで見ようよ」ニコッ

男「ウチで?」
男「うーん……」

ギャル「もう何回か遊んでるし、良いかなーって」
ギャル「……ダメなら諦めるけど」

男「……」
男『(……どうするか)』

【1】家に招く
【2】家に招き、お隣さんにも紹介する
【3】断る

>>90

 続きは明日から。乙です。

1

あのヤンデレキチ(お隣さん)にバレなきゃいいんだろバレなきゃー
3はフラグを潰すことになりかねんしパス
2も思いっきりお隣さんに対抗心抱かれそうだし監視されそうだし下手なことがデキなくなるしでパス

男「良いよ。一人暮らしだし、他には誰もいないから」

ギャル「本当? やった」

男「(お隣さんに見られると茶化されるかもなあ……)」

男「(……見られないように注意しよう)」

ーー…【自宅】

ガチャッ

男「よし、今 今っ」

ギャル「? おじゃましまあ……す」

男「ふう……見られなかったな」

ギャル「誰に……?」タラ

男「ええと、ちょっと他の女の子にね」ハァ

ギャル「……”5番”ってさあ、彼女とかいるの?」

男「? いないけど……」

ギャル「そ、そう……なんだ」

男「君は? 付き合った経験とか」

ギャル「ふぇ?」
ギャル「あ…………あるに決まってるでしょ」

男「だろうね、モテそうだし……」
男「きっと経験豊富なんだろうなあ」

ギャル「そ、そそそうだね」

男「さすがっ」

ーー…

男「ごめん、椅子とか無いからベッドに座ってて」

ギャル「ベッド?」カァ
ギャル「……お、おじゃまします」

男「?」

 この√が終わると、話を進めるに必要な人物は全て出揃った形になるので個人的には前作のように書きやすくなると思います。

ーー…

男「なるほど…」
男「……これは感動だね」

ギャル「でしょっ、もう女の子もかわいいし…ストーリーも感動的で最高なんだ」

ギャル「……あ、お手洗いはどこに?」

男「ん? 玄関から右手側に……」

ギャル「そう、どうも」
ギャル「じゃあ話の途中だけど少し失礼するね」

男「? ああ、トイレ」

ギャル「……」ムゥ

男「あー…ごめんごめん、デリカシーが無いってよくお隣さんにも言われるんだ」

ギャル「……冗談だよ」ニコ
ギャル「気にしなくていいから」フリ

男「すみません……」ペコ

ーー…

男「ごめん、ちょっとトイレに……」

ギャル「うん、わかった」ニッ


ーーー【W.C】

男「便座が上がってる…………」

ーー…

男「わざわざ便座を上げてくれたんだ。気を使ってくれてどうも」

ギャル「? ……あー」

ギャル「……どうしようか」ウーン

男「? ちがった??」

ギャル「…………実は……」

ギャル『……”男”なんだ。私』

男「…………へ?」

ギャル「……うそ。冗談だよ」クス

男「びっくりした……よくよく考えると絶対に違うけどさ」

ギャル「……」フゥ

男「(……なら、どうして便座が上がっていたんだ?)」
男「……まあ、ただの親切だろう」

ピンポーン

男「っ」

ギャル「誰か来たみたいだけど……?」

男「ええと……」
男「…………その」

ギャル「?」

ーー…

お隣さん『……それで』

お隣さん「どうして”2番”がここに?」ジト…

男「それは……」ハハ

ギャル「??」

男「買い物している時にたまたま会って……」

お隣さん「……なるほど」

お隣さん「アニメのDVDですか……本当に先生が言うように”オタ”なんですね」ジィ

ギャル「うん。”1番”も見る? 面白いよ」ニコ

お隣さん「……結構です」
お隣さん「アニメなら、男くんと見てますから……この前だって休みの日の朝に… ギャル「”ホニセク”っ?」ガタッ

お隣さん「………………はい」キョトン

ギャル「私も好きなんだ、面白いよねーアレ」ニコニコ

お隣さん「………………まあ」

ギャル「でしょーっ?」
ギュッ

お隣さん「ゃ……手を握らないでくださいっ」

ギャル「ああ、この手のスキンシップ嫌な方? じゃあやめるよ」ニコ

お隣さん「……」
お隣さん「帰ってください」

ギャル「……どうして?」ニコ

お隣さん「男くんに悪影響だからです」

ギャル「嫌だと言ったら?」

お隣さん「? 後悔しますよ??」

ギャル「……やっぱり”1番”まんまだ」ニコ

男「……あのー…………お隣さん?」

お隣さん「はい?」

男「なにやら不機嫌そうですが……」タラ

お隣さん「だって……男くんが女の子と…」ブツブツ

男「”女”? 女の子だから機嫌が悪いんだ」
男「……」

男「それなら心配いりません」
男「なぜから彼女……いや、彼は男だからですっ」エヘン

お隣さん「…………え?」

お隣さん「……騙されませんよ?」

男「それが本当なんです……」ヒソ

お隣さん「まさかぁ」ハハ

男「笑っても事実は変わりません」

お隣さん「……本当なんですか?」チラ

ギャル「?」
ギャル「……」チラ

男「?」
男「(なんとか上手く誤魔化してくれ)」パクパク

ギャル「……」ウーン
ギャル「そ、そう。その通り」ニコ

お隣さん「……」ジィ

ギャル「……」タラ

お隣さん「……確かめさせてください」

ギャル「え?」

お隣さん「一目見れば一発です。お願いしますさあトイレの方へ」
ガシッ

ギャル「あっ……」

男「……あー…」
男「(…………まずい)」ヒヤ

ーー…

お隣さん「…………ただいま戻りました」

男「……」ゴク
男「すみませんっ、実は…… お隣さん「男くんの仰るとおりでした」ハァ

男「……んっ?」

お隣さん「私が女性の匂いを間違えるはず無いのですが……」フム

男「……??」チラ

ギャル「……」

男「……どうやったんだ?」ボソ

ギャル「……その」
ギャル「”胸”を見たら納得して……」

男「胸を見て納得……?」

ギャル「……」コク

ギャル「結構ショック……」ズーン

男「き、気を落ち込ませずに……」タラ

 あと安価二つほどでENDまでいけます。
 変わりなければ本日中に復帰出来ます。

お隣さん「では、私は用事を思い出したので帰ります」ニコ

男「用事……はあ」

お隣さん「”2番”が男のコでも可愛いからって手を出したらいけませんよ?」

男「出しませんよ……」

ギャル「今度からは学校でも仲良くしようね」ニコ

お隣さん「”掲示板”には当分顔を出す気はありませんが」

ギャル「そう言わずに……」
フリフリ

ーー…

ギャル「物腰は柔らかいのにどこかおっかないのは流石”1番”だ」

男「(……お隣さん、クラスではどう認知されているんだろう…)」タラ

ギャル「この後はどうする?」

男「?」

ギャル「私的には”カラオケ”とかオススメなんだけど」

男「そうだなあ……」

【1】カラオケに行く
【2】ゲーム売り場に行く

>>110

2

ーー…【ゲーム売場】

男「は、はじめまして……」

黒髪「なるほど、確かに記憶が無いみたいだ」

ギャル「こっちが”3番”。ゲームならなんでもござれのゲームオタだよ」ニコ

黒髪「……」ジィ

ギャル「そう怖い顔しないで、今の”5番”は無害だからさ。可愛いものだって」

男「……」
男「どんな言われようだ…記憶を無くす前の僕は有害な人間だったのか?」

ギャル「有害というか笑えるというか……」ウーン

男「……あまり好意的には受け止められない言い方だな…」アセ

黒髪「私は学校にあまり行かないものだから君について詳しくは知らないが…」
黒髪「……クラス内では敵が多かったらしいね」フム

男「……穏やかじゃないな…」

ギャル「ゲーム売場って、子供用の筐体が少し置いてあるだけで退屈だよね」

黒髪「毎回言ってるけど、退屈なら帰ればいいのに」

ギャル「”3番”に会いに来てるんじゃん。カラオケに行こうよー」

黒髪「行かない。私を待つゲーム達がいるからね」

ギャル「ゲームじゃお腹は膨れないよ?」

黒髪「アニメを見てもお腹は膨れないよね」

ギャル「アニメは最高なの。オーケー?」

黒髪「オーケー。各々にとって最高は違うもの。オーケー?」

ギャル「うーん……言いかえせない」
ギャル「でも…」

ギャル『……ゲームじゃ得られない快感を、私なら教えてあげられるよ』

黒髪「…………その似合わないセリフは誰から教わったのかな」

ギャル「? ”7番”。こう言うと3番は喜ぶって」

黒髪「あの性倒錯者……」ハァ

男「……あのー、僕の意見は…?」

ギャル「なら聞くけど」

黒髪「私と」

ギャル「私」

黒髪&ギャル『どちらの言い分が正しいと思う?』

男「……」

男「(どうするか……)」

【1】ギャルの考えもわかる
【2】黒髪の言い分が正しい
【3】”7番”とは?

>>114

3

男「……あっ、それはそうと”7番”について聞きたいんだけど….ダメかな?」

ギャル「”7番”……?」
ギャル「彼女はさ、よく女の子が好きだって誤解されているんだけど」

黒髪「事実じゃない」

ギャル「だから誤解なの。”7番”は至って普通の女子だよ」
ギャル「どうしてあのクラスにいるのかわからないくらい」ウンウン

男「そもそもどうしてそんな誤解を?」

ギャル「主に先生が悪いね。あること無いこと言うから」

男「……そういえば、”レズ”なんてあだ名を付けられていた生徒がいたな…アレは”7番”の事だったのか」

黒髪「一度、それらしいのを見た事がある」

男「? 話しかけたのか??」

黒髪「……話しかける気にはなれなかった」
黒髪「公園で遊ぶ女子小学生を熱心に撮影していたから」

男「……それは盗撮というんじゃないのか」タラ

ギャル「邪な目で見てるからそう映るんであってさ」
ギャル「ただ子ども好きな女の子。それだけだよ」フゥ

男「……そう言われるとそんな気もしてくる」
男「なるほど。まだクラスメートの事も知らない事だらけだ」

ギャル「”5番”もこれからは付き合う友達は選ぶべきだと私は思うな」

男「まだお隣さ…”1番”としか仲良くしてないけどね」

黒髪「……それが問題」

男「?」

ギャル「うーん、詳しくは後で話すよ」

男「……気になるなあ」

ギャル「それより」ニコ

男「?」

黒髪「『どちらの言い分が正しいのか』教えてもらおうかな」クス

男「ちょ…ちょっと待ってくれないかな……はは…」ハァ

ーー…【数日後】

男「今日はゲーム売場に行こうか」
男「”3番”が大事な話があるって言っていたし……」

ピキキキキキキキキキキキーンッ!!!

男「?」
男「けたたましい音だ……」

『警報デス』

男「警報っ?」

『虚淵さんがタンスの角に小指をぶつけました。島民の皆さんは至急、最寄りの教育機関へ移動してください』

男「……え??」
男「虚淵さんという人が足の小指をタンスの角にぶつけたから…」

男『それと学校に移動する事と何の関係が……』

ザワザワ…

男「周りの人達は一様に移動を始めている……」

男「……たしか、島のルールの一つが」
男「”警報の指示に従い、移動する”……」

男「……どうするか…」


ーー…

ザワザワ…

男「……流れに任せて学校に来たけど….」

男「…………なにか胸騒ぎがする……」

◯●◯●◯●◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ ◇◇◇ ☆


 目の前が真っ暗になった。
 たしか、自分は数分前まで学校にいて……。

 たしか放課後、校門を出た後にショッピングモールへ行くため路地裏に入ったはず。

 そして気がつくと目の前が真っ暗に。
 ……やはり唐突だ。状況が飲み込めない。

 ………………と、”数分前の僕”は考えていた。

 そして、現在の僕は……ようやく現状を嚥下し、飲み込んだところだ。

『あの……”7番”さん?』

『静かにして。貴方を連れ去るところを誰かに見られるじゃない』

「そうだね。じゃあ目一杯、暴れないと」

 組みひしがれているところで抵抗してみたが、腕の骨が軋む音を聞いて早々と戦意を喪失。砂混じりのコンクリートに頬を押し当てながら……我が身の不幸を嘆き、涙ながらにため息をつくのであった。

男「目的はなんですか? 身代金なら親も親戚もいないので……」

7番「目的は金銭ではなく…」
7番「……貴方に、聞きたい事があるの」

男「僕に、ですか?」

7番「……その前に確かめるけど、本当に記憶喪失なの?」

男「残念だけど、そうなんだよ。僕に関しての情報を求めている最中なんだ」

7番「そう」シラ
7番「記憶を失っているのはわかったわ。それをふまえて聞きたいのだけれど」

男「……ど、どうぞ」

7番「……」スウ

7番『い、”1番”の事を教えなさい』

男「へ?」

7番「……何度も言わせないで」
7番「”1番”の情報をよこしなさい。そう言ったのよ」

男「…………なんで?」

ガツンッ

男「ぐえっ」

7番「い、いいから……早く」
7番「…………写真があるならそれも譲渡なさい。た、他意はないわ」

男「他意もなにも本意も聞かせてもらえてな….ぐえっ」

 後頭部に二発目を喰らいながら、そういえば今日の授業中に担任と”7番”が交わしていた会話を思い出してきた……。

ーーーー……
ーー…
ー…


女教諭『ようし”7番”。作者の気持ちになって考えてみろ』

女教諭「……なに?」

男「?」

女教諭「お前はいつも不機嫌だな……」
女教諭「黙っていれば可愛い子が多いこのクラスでも飛び抜けて美人なのに」

女教諭「なにを一丁前に照れてるんだ」
女教諭「確かにキ○ガイ度と顔面偏差値は比例する傾向にあるようだな」

女教諭「……”5番”を除いて」

ガンガンガン!!

女教諭「わかったよ。スマンな”1番”」
女教諭「別に”5番”がどうのってワケじゃない」

女教諭「ウチには”イケメン”がいるからな。それと比べたらって話さ」

男「”イケメン”……?」
男「自分以外にもやっぱり男子がいるんだな。是非とも話がしたいところだけど」フム

女教諭「そうだ。丁度”1番”が出てきたが」
女教諭「”7番”。最近”1番”とも会っていないんだろう?」

女教諭「ああ、この2年の間に更に美人になったぞ」
女教諭「お前は授業も真面目に受けているし、本来ならダメだが特別に”1番”の姿を貼っつけてやるよ。メールで送る」

男「”イケメン”と会うには…しかし、姿がわからないことには……」ブツブツ

女教諭「ただし」
女教諭「『お願いします。大好きな”1番”の画像を私にください。そしてその後、10分ほどトイレに行かせてください』と言えば見せてやろう」ニィ

男「(どんな教師だ)」

女教諭「そうか、それは残念だ」

女教諭「いやあ、見せてやりたいよ。先ほどから自分の名前が出てきて、頭にはてなマークが浮かんでいる上目遣いのキュートな”1番”の姿を」

女教諭「はやっ」

女教諭「……」コホン
女教諭「本当に言うとはな……まあ良いが」

女教諭「では送るぞ」

女教諭「……どうだ? 二つ結びのおさげが可愛らしいだろう」

女教諭「ん? ああ、そうだな」

女教諭「…………行ってこい」ハァ
女教諭「10分だぞ。画像はタブレットに入れて持っていっていいから」

男「(”7番”……どういう人なんだろう)」

ーーー……

男「それで、どうだった? お隣さ…”1番”を見て」

7番「ええ……更に魅力的になっ…」
7番「……貴方には関係無いことよ」ジト

男「そうですか……」ハハ

7番「彼女と会わない2年間で、少しは落ちついたと思ったのだけれど」

男「あの……そろそろ離してほしいんですが」

7番「貴方が私の要求をのんでくれたら離すわ」

男「第一、姿を知っているなら自分で会いに行けばいいじゃないか」

7番「心の準備があるの。気にしないで頂戴」

男「それで、どのくらいまでの情報がほしいの?」

7番「知っている限り全て。リボンの色からデンタルフロスの色までなにもかもよ」

男「……それなら」
男「パジャマの色は…… 7番「待ちなさい」

男「?」

7番「ど、どうしてパジャマの色を把握しているのかしら?」

男「たまにその姿のまま起こしにきてくれるから… ボキッ
男「ッッ、折れた折れた!?」

7番「折れていないわ。少し関節の機嫌が斜めだっただけ」

男「わけがわからないよ……」イタタ

ーー…

男「……以上が知っている大体の事です」
男「(最低限のプライバシーは守ったつもりだけど……)」

男「それと、いつの間にか背中を足で踏まれているんですけど」

黒スト「? 生足の方が良かったかしら」

男「……いえ、結構です」
男「もう解放されても良いのかなって」ハハ

黒スト「……なら、最後に一つだけ。お願いがあるわ」

男「……その”お願い”って?」

黒スト「……彼女を、一目見たいの」

男「……」

黒スト「私は遠くにいるから…」
黒スト「……一目見たらすぐに帰るし、貴方には当分接触しないことを約束するわ」

男「……うーん」
男「まあ、危害を加えないなら……」

黒スト「本当? 聞いていたよりも親切なのね」

男「これ以上関節の機嫌が斜めになると大変だからね。必死だよ」

黒スト「お礼にストッキングを脱いで踏んであげても良いわ」

男「遠慮しておきます……」

黒スト「そう……後輩の女の子達は喜んだものだけれど」フム

男「……下級生には健全な教育をお願いします」タラ

ーー…

男「……この道を通ると思います」

黒スト「……」

男「? 聞いてます??」

黒スト「え、ええ……」

男「そもそもどうして”1番”なんですか?」

黒スト「……」

男「元々知り合いらしいですけど……」

黒スト「……そうね、少しくらい良いかしら」
黒スト「少し前まで友達だったの。私達」

男「へえ……」

黒スト「私が住所を移してから疎遠になっていたけど、会えない間も決して忘れることは無かった」

男「それは……友達甲斐がありますね」

黒スト「だから…… 『あれ、男くんじゃないですか』

黒スト「っ」

男「お、お隣さん……早いですね」

お隣さん「ええ、目当てのものをすんなり買えたので」ニコ

男「なるほどそれで……」チラ

黒スト「…………」モジ

男「(さっきまでの威勢はどこにいったんだ……)」アセ

黒スト「ひ、久しぶ… お隣さん「男くん、この方は?」

黒スト「えっ」

お隣さん「モデルさんかなにかで?」

黒スト「わ、私は……」

男「お隣さん、何か”ピーンッ”とこないんですか?」

お隣さん「”3番”が成長するとこういう美人に……」ブツ
お隣さん「はい? ああ、”共振”の事ですね」

お隣さん「なにも感じませんねえ。それより、どのような関係で?」

男「ええと……」チラ

黒スト「……」シュン

男「あの」ハァ
男「……本当に見覚えない?」

お隣さん「ええ」ニコ
お隣さん「そろそろこちらの質問にも答えてください」

お隣さん『この女性とはどのようなお間柄なのでしょうか?』ニコ

男「……」

男『この人は……』

【1】彼女
【2】道を聞かれただけ

>>137

2

男「彼女は……そう、道を聞かれただけなんだ」

お隣さん「……じー」

男「……ほ、本当だよ」

お隣さん「……………………わかりました」ハァ
お隣さん「そういう事にしておきましょう」

男「あ、ありがとう……」タラ

お隣さん「ですが、次はありませんよ?」
お隣さん「……大事な人達がそう何度も亡くなるのはお辛いと思いますから」ニコ

男「? あ、ああ」

男「それじゃあ……ショッピングモールだったよね。案内するよ」

黒スト「……」

男「(ほら……うなだれていないで)」ヒソ
ギュッ

黒スト「……」
スタ….スタ….


お隣さん「……」
お隣さん「手を握って案内してあげるなんて…」

お隣さん「……好きなんでしょうか」



お隣さん『”7番”のこと』

ーー…【ショッピングモール】

男「……そろそろ元気だしなよ」

黒スト「……」

男「はい、クレープ」
スッ

黒スト「……」

黒スト「………………」パク

男「(クレープは食べるのか……そこは女子だな)」タラ

黒スト「…………」モグ
黒スト「……彼女、私のことは覚えていないって…」

男「……そうだね。残念だけど」

黒スト「……」アム
黒スト「私に異性としての魅力が無かったから……」

男「同性だけどね。君たち」

黒スト「……あむ」

黒スト「………………美味しい」

男「それはよかった」

黒スト「……」グス

男「ああもう泣かないで」

黒スト「だって……」
黒スト「……綺麗になってたなぁ」ヒック

男「(”2番,3番”といい、本当に年頃の少女にしか見えないんだけどな……)」フム

黒スト「……こうなったら、残された道は二つね」

男「……”二つ”?」

黒スト「ええ」

男「ちなみに聞くけど、その”二つ”って?」

黒スト「”岬の灯台”と”病院”よ」

男「それって…」
男「……立ち入り禁止区域じゃ」

黒スト「そうね」
黒スト「”病院”は今選ぶべき手札じゃないことを考えると…」

黒スト「……灯台ね。そうと決まれば 男「待った待った」

男「だから、”立ち入り禁止区域”だよね? そんなところに何をしに……」

黒スト「貴方、”妹”は覚えているの?」

男「妹? 僕に妹がいるの?? 黒スト「覚えているワケないわね」

黒スト「対価は……足りるでしょう」
黒スト「日が沈む前に行きたいわね。あそこは気味が悪いし」
スタスタ…

男「だから、妹って誰のだよ? なにも把握出来ていないんだけど」

黒スト「……無理に付いてくる必要は無いわ」
黒スト「むしろ、ここまでで結構よ。後は約束通り解放してあげる」

男「……そんなんでスッキリ出来るはずないだろう…わかったよ」
男「僕も、付いて行く」

男「”岬の灯台”へ」
ギュッ

黒スト「……」
黒スト「…………好きにしなさい」フウ

男「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうね」

男「(……それにしても、”立ち入り禁止区域”か…どんな場所なのか気になるな)」フム

ーー…【岬の灯台】

男「近くで見ると大きいもんだなぁ」
男「ここから島外に出られないかな……」

ザザァ…

男「……命の危険を感じる。やめておくか」

黒スト「賢明ね」
黒スト「上手く泳げても逃げられるとは思えないけど」

男「誰かが見張ってるとか?」

黒スト「コーストガードではないけれど、はっきりと名指しするのなら”島”と呼んだ方がわかりやすいと思うわ」

男「”島”?」

黒スト「島全体が敵だと思いなさい。信じられるのは…」
黒スト「……自分自身と”1番”だけ」

男「自分自身と……って」
男「僕、自分自身の事もよくわからないんですけど」

黒スト「元は本当に酷い阿呆だったわ」

男「”あほう”って……」アセ

黒スト「どうでも良い事に時間を割いたわね」
黒スト「中に入るわよ」
スタスタ…

男「だから歩くの早いってば……」

男「"阿呆"……お隣さんから聞いていたイメージと違うなあ」ハァ

 今回からHappy END への分岐もあります。
 一度Happy ENDをみると、【2学期】に進めますが、情報を集めないで進むと急に見たことない人物など出てくる可能性もあるのでそこは安価を踏んだ方にお任せします。
 全部で三編。【3学期】を完結編とさせていただきます。
 乙です。

1:お隣さん
2:オタ(ギャル)
3:ゲーマー(黒髪)
4:
5:男
6:
7:百合(黒スト)
8:
9:

今のところわかっているのはこれくらいか

とりあえず現在の情報をまとめてみるか

・島のルール【1】警報が発令されたら指示に従い移動【2】病院と岬の灯台には近づかないこと
 警報が鳴ったらとりあえず移動する方が無難?少なくともどちらでも終わってるが、それはプロローグ扱いだったからか
 病院は行ってないから不明だが、患者になればいける? 灯台も不明だが今回で何かわかる?

・男のクラスは隔離クラスで9人の生徒がいる
 1番 「お隣さん」 いろいろとヤバイ・・・らしい 黒髪いわく「彼女と一緒にいるとBAENDになる」
 2番 「ギャル」通称オタ 初遭遇はアニメショップ 3番とは知り合いらしい
 3番 「黒髪」通称ゲーマー ゲーセンなどのゲーム系施設にいるっぽい
 5番 「男」 主人公 記憶喪失 話を聞く限りではかなりイカれていたらしい なぜか与えられる情報が制限されている サイコパス診断では1次判定
 7番 「黒スト」通称レズ 1番とは昔友達だったらしい
 4,6,8,9は現在不明
その他ショッピングモールにいる「ツインテ」と「金髪」などがいる

とりあえず適当にまとめただけだからわかりにくいかもしれん すまん
というかわかってないこと多いなww

ーー…【灯台内部・3階】

男「はぁ、はぁ……中々にしんどいね」

黒スト「毎回、螺旋階段を上らせられる方の身にもなってほしいわよね」フウ

男「それで……ここには何をしにきたんだ?」
男「というか、何階まであるんだろうこの灯台……」

黒スト「6階建て。その上に灯室がある構造よ」
黒スト「あと貴方……言葉遣いがその都度変わるのね」

男「自分では意識したことないけど…そうなの?」

黒スト「ええ……」
黒スト「過去にも、とある村にいたサイコパスが多重障害者だったらしいわ」

男「とある村? 多重人格者じゃなくて”多重障害者”なんだ」

黒スト「国内にあって誰にも知られずに、記憶操作で存続させていた罹り付きの村よ」

男「”罹り付き”……疫病かなにか流行っていたのかい?」

黒スト「男は全員死ぬみたい」

男「」ブッ
男「なんだよソレ……こわい」

黒スト「そして女性は女性に恋をする…」
黒スト「……この島でも流行らないかしら?」

男「ダメだよ。だめだめっ」
男「……それで」

男「その村は現在、どうなってるの?」

黒スト「……」

黒スト「……さあ」

男「”さあ”って……」

黒スト「詳しくは知らないの」
黒スト「もしかすると、いまでも残っているかもしれないわね…」

黒スト『……記憶操作とウイルスで繰り返される悲劇の村が』ニコ

男「……」
男「……やめてくれよ」ハァ

黒スト「私達には関係ない事だし…」
黒スト「……それに、着いたわよ。”妹”の住まいに」

男「…………”妹”?」

男「”妹”って、さっき僕に覚えてるか聞いたあの?」

黒スト「螺旋階段の、丁度4階に差し掛かる場所を見て」

男「ええと…」チラ
男「……あっ」

『お久しぶりです。記憶をなくされているようですが……』

男「こ、この子が……」

黒スト「”妹”よ。他の人たちもそう呼んでいるわ」

男「その……」

妹「覚えていただけているでしょうか?」ニコ

男『……君は僕の妹なのかい?』

妹「……」キョトン

妹「……」クス
妹「ちがいますよ、”お兄ちゃん”。貴方と私に血の繋がりはありません」

男「じゃあ義理の妹とか?」

妹「それもちがいます」

黒スト「……”5番”をお兄ちゃんと呼ぶなら私の事も”お姉ちゃん”と呼ぶべきよ」

妹「”5番”さんをお兄ちゃんとお呼びしたのはこれが初めてですし…」
妹「……”7番”さんは歳下なので、むしろ私を”お姉ちゃん”と呼んでくださっても良いんですよ?」クス

黒スト「……却下ね」

男「それなら君は誰なんだ?」
男「そもそも”7番”が君に会いに来た目的も教えてもらっていないんだ」

妹「……」フム
妹「確かに、記憶どころか性格も何処かに忘れてきてしまっているようですね」

黒スト「全く……どこまでふざけた男なのかしら…」ハァ

男「それで、理由は?」

黒スト「急かさないで。静かにしていなさい」

妹「”7番”さん……そう邪険にせず」
妹「私は……”情報屋”をやっています」ニコ

男「情報屋……」

妹「簡単な話です。私は貴方の望む情報をお教えします」
妹「代わりに、貴方は私に情報を教える。等価交換ですね」

男「……でも」
男「疑問に思う事が二つほど」

妹「どうぞ」ニコ

男「まず、君が情報屋をやるメリットは?」

妹「生き残るためです」

男「……」

妹「留年こそしていますが、立場上は貴方方と同関係なので……」

男「……まあ、今はそれでいいです」
男「もう一つですけど…」

男「……それなら、どうしてここが”立ち入り禁止区域”になっているんだ?」

妹「……」

男「君の住処だから? じゃあ”病院”に近づいてはいけない理由は??」

妹「そうですねえ……」
妹「推測通り、私がここにいるから”岬の灯台”は立ち入り禁止エリアに指定されています」

男「じゃあ更に質問」
男「立ち入り禁止区域に入った場合、どうなるんだ?」

妹「死にますね」

男「……」

妹「正確には”殺される”という言い方が正しいですが」ウーン

男「君は自殺願望があるのかい?」タラ

黒スト「……話は最後まで聞くものよ」

男「……」
男「じゃあ……どうぞ」

妹「でも今は、死にはしませんよ」
妹「私がそうならないようにしていますから」ニコ

男「?」

妹「」ニコニコ

男「……癖がある人ばかりだなあこの島は」アセ

男「『そうならないようにしている』とは?」

妹「ちょっと島の重役さんにツテがありまして…」
妹「……その方に融通してもらい、この場所を”座敷牢”というか…”要塞”というか。とにかく身の安全は確保されているので安心ですよ」ニコ

男「”座敷牢”となると隔離色が強くなるけど」タラ

妹「……それで、”7番”さんのご用は?」

黒スト「”1番”の目を覚ましてほしいの」

妹「…………すみませんが、私は直接関与しな… 黒スト「わるいわね。間違えたわ」

黒スト『”1番”をまともに戻す方法を、その情報が欲しいの』

妹「なるほど」
妹「そうですねえ、貴方に”1番”さんの情報を与えたのは私ですし……なんとなくお気持ちも察する事が出来ますが」

妹「あまり勧められる内容ではありませんね」

黒スト「貴方は情報だけを寄こせばいいの。内容に対する評価は私が自分で下すわ」

妹「……それもそうですね」
妹「では、対価となる情報をください」ニコ

黒スト「……ねえ、貴方」

男「?」

黒スト「なにか対価となる情報は持ち合わせているのかしら」

男「僕が支払うの!?」

黒スト「貴方悩みは無さそうだし、ここで私のために支払っても問題無いでしょう」

男「問題あるよ……なんとなくもったいないし」

黒スト「……まあ、それならそれで私は自分で対価を… 男「それに、知らない情報なら普段から他の人から教えてもらってるし」

妹「っ」

黒スト「……たしか、島の人間…”1番”でさえも貴方への箝口令を敷かれているはずなのだけれど」

男「それは先生からも聞いたけどさ、『困った事があったら来て』って言ってくれる人がいてくれ… 妹「教えてください」

男「?」

妹「その人の事……教えてください」キッ

男「ど、どうしたんだよ……お、落ち着いて」アセ

妹「……」

男「ええと」
男「(モールのレジカウンターにいる店員さんの事なんだが…話しても良さそうかな?)」チラ

妹「…………」ムウ

男「(でも普通じゃないんだよなあ……反応の仕方が)」ハァ

男「一応、他人様の事だから教えない方が…」

妹「対価なら、支払います。なにか知りたい情報はありますか? なんでもお教えしますから」

男「……じゃあ、君のスリーサイズとか」ハハ

妹「上から7… 男「わわ冗談、冗談だからっ」

妹「……では、どのような対価なら…」

男「(どうしてそんなに気にするんだ?)」

黒スト「……わかったわ。この男の算段が」

男「?」

妹「それは……どのような?」

黒スト「目的は貴方の身体よ」

男「」ブッ

妹「そ、それは……」カァ

黒スト「全く。やっぱりゲスな男ね」ハァ

男「待てよ、あらぬ疑いをかけるな」

黒スト「あら、ちがうの?」

男「違うよ!」

妹「……お兄ちゃんが、そう言うのなら」キュウ

男「顔真っ赤だから、無理しないでっ」

妹「……では、教えていただけるんですか?」

男「……」
男『……それは』

【1】ツインテさんの事を教える
【2】やはり教えない

>>175

1

男「ショッピングモールのレジカウンターにいる店員さんなんだけど……」

妹「レジは一台ですが、交代制なので何人かパートさんはいますね」フム

男「こう、髪を横に二つ結びにした……」

黒スト「ああ、それならたぶんあの子ね」
妹「”7番”さん。お知り合いで?」

黒スト「ええ、高校生くらいの……登校しているかはわからないわね。いつ行ってもいるから」
黒スト「容姿は一目みればわかるはずよ、すごく可愛い子がその子だから」

男「ヨダレヨダレ」

黒スト「……とにかく、あの子がどうして”5番”に情報を流しているのか謎ね」

妹「例えばどのような情報を?」

男「そうだなあ……」ウーン
男「島の決まりだったり…」

黒スト「まあ……普通ね」

男「オススメの特売品を教えてくれたり…」

妹「……考えすぎでしたかね。ただの世間話… 男「ああ、あと」

男『クラスの皆の事を教えてくれたり』

妹「”7番”さん。今から迎えますか」
男「えっ」

黒スト「ええ。けれど今から向かってもモールの営業時間までに間に合うかしら」
男「ちょっと待ってくれよ」

妹「問題ありません。その時は住所を調べますので」

男「ちょっと、妹ちゃん」

妹「ありがとうございますお兄ちゃん」ニコッ
妹「対価は何が良いですか? なんでも聞いてくだ…」

男「……うーん、じゃあ抱っこさせてもらおうかな」

妹「えっ」
妹「それは……その…」モジ

黒スト「……呆れたわ。やっぱり最低だったわね”5番”」

男「そうかな……なんならそれ以上でも良いんだけど」

妹「そ、それ以上……って」カアァ

黒スト「貴方から通報するわよ……クズ」キッ

男「そんなに非難されることかなあ」

黒スト「ナチュラルにゲスね」

妹「お兄ちゃんがぐうの音も出ないほどの畜生だとしても対価は対価ですから…」
妹「……甘んじて受けます」シュル…

男「な、なぜ脱ぐんだ。やめなさい」

黒スト「ちょっとどうして止めるのよ彼女が納得しているなら貴方が余計な気遣いをする必要なんて無いしましてや 男「必死すぎるだろ」

男「それに、今は急いでいるんだろう? 抱っこは今度で良いから行っておいで」

妹「……はいっありがとうございます!」ニコ
黒スト「”5番”はもういいわ。解散。また明日」フリ

タッタッタ…

男「……うーむ」

男「ツインテさんに迷惑がかかるかな……?」


ーー…【ショッピングモール】

ツインテ「困りましたねえ……」アハハ

ツインテ「お引き取り願います」ニコ

妹「すみません、すぐに済みますから……」

ツインテ「そろそろ業務終了時間ですので……」

妹「ではこの後少しお時間をいただいてもよろしいでしょうか?」

ツインテ「すみません。何分忙しいもので」

妹「では明日、どこかでお時間を……」

ツインテ「貴方方が期待しているようなものは、私にはありませんよ?」

黒スト「このままだと、貴方のプライベートまで全て探られてしまうわよ」ハァ

ツインテ「それは非常に困りますねえ…」アハハ
ツインテ「……警察に通報するべきでしょうか」フム

黒スト「警察は動いてくれないと思うわ」

ツインテ「どういうことでしょうか?」

妹「知らないワケではありませんよね?」

ツインテ「貴方方の事をでしょうか?」
ツインテ「初対面ですので……もしかして前に会ったことあります? それなら申し訳あ… 黒スト『男くんから聞いたの』

ツインテ「男さん……ですか」キョトン

妹「お兄ちゃんを責めないであげてください、私たちのこの行動とは全くの無関係ですから……」

ツインテ「……大丈夫ですよ。わかっています」
ツインテ「では週末に話す時間を作ります」

ツインテ「時間と場所は私の方から男さんにお伝えしますので、彼から聞いてください」

妹「……」
妹「わかりました」ニコ

妹「すみません。ご迷惑をおかけしてしまって」

ツインテ「まったくです」
ツインテ「それでは……またのご来店をお待ちしています」ペコ

ーー……

テクテク…

黒スト「それで、今日はどうするの? 解散??」

妹「はい。彼女の事は後は此方でなんとかしまます」

黒スト「それで、私の要求した情報なのだけれど……」

妹「ではそれも週末に、ツインテさんの件と合わせてお伝えします」ニコ

黒スト「出来ればすぐが理想だったけれどまあ……了解したわ」


妹「それでは……夜道にお気をつけて」フリ

ーー……【翌日・ショッピングモール】

男「こんばんわ、ツインテさん」

ツインテ「いらっしゃいませ」ニコ

男「昨晩ここに女の子が二人きませんでしたか?」

ピッピッ
ツインテ「お会計は700円になります」ニコ

男「……ツインテさん?」

ツインテ「千円お預かり致します」ニコニコ

男「もしかして……怒っています?」

ツインテ「なにがですか?」ニコ

男「あの二人、なにかご迷惑になるようなことをしたんですか?」

ツインテ「……」

男「……つ、ツインテさん?」

ツインテ「……はあ」
ツインテ「もう、そんな悲しい顔をしないでください」

ツインテ「怒っていませんよ。少しいじわるしただけです」ニコ
ツインテ「ですけど、ああいう事はもう二度とないようにしてくださいね」ムゥ

男「すみません……」
男「……それで、何を話したんですか?」

ツインテ「そうですねえ…」
ツインテ「……『学校や、この島の事についてどこまで知っているのか?』とか。『そもそもその情報はどこから入手しているのか?』など聞かれました」ハァ

男「……なんて答えたんですか?」

ツインテ「……気になります?」

男「…………はい」ゴク

ツインテ「……」
ツインテ「…………それは……」

ツインテ『「知らない」と言ったら納得してくれたので良かったです』クス

男「あの二人がそれで納得したのか……」

ツインテ「なので、もうなにも心配しなくて良いですよ」ニコ

男「……そうですね」ハハ

ツインテ「それでですね」

男「?」

ツインテ「今日は、何の情報が聞きたいんですか?」ニコ

男「はは…………変わりないですね、ツインテさんは」アセ


  それから、7番と妹ちゃんに会う事は……二度と無かった。

ーー……

女教諭『また7番は休みか……』

女教諭「このクラスにあって、数少ない真面目に登校する生徒だったのにな」フゥ

女教諭「“1番“、なにか知っているか?」

女教諭「『知っているワケがない』か。まあそう言うな、“7番“も悲しむ」

女教諭「そうだな……では“5番“。お前はどうだ?」

 モニター越しに、担任がこちらを見つめる。その目は何かを責めているような……同時に、懇願しているような彼女が見せる表情にしては珍しいものであった。
 心当たりはあるような気もするが、彼女について僕が知っている事は少ない。やはり、今回の件にも核心をつくような情報は持ち合わせていなかった。

女教諭「……そうか、知らないか」

女教諭「では……このまま授業に移行する」

 石灰が黒板を走る音が静かな教室に響き渡っている。
 “1番“……お隣さんの事を執拗に気にしていた“7番“。彼女はどうしてあそこまで同性の少女に固執していたのだろうか……。

 “7番“に拉致され、妹ちゃんに会ったあの日から一週間が経つ。あれから色々な事があった、そう。色々な事が…………。

 でも。担任に何も言えなかった自分だけど、これだけは言える事がある。


 ショッピングモールへは、二度と行けない。


 そして、誰か……
         僕を…………助けてくれ。


     ー END ー

1番:お隣さん
2番:オタ(ギャル)
3番:ゲーマー(黒髪)
4番:不明(ダンダンダンダン)
5番:男
6番:不明
7番:レズ(黒スト)
8番:不明(不登校&苦学生)
9番:不明

候補:金髪(店員)、ツインテ(レジ)、妹(留年)、イケメン(キ○ガイ)

4番はイケメン、8番は金髪だろうけど

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