光「何やってんだ?」 美海「ポケモンだよ」(109)

光「これがポケモン!?マジかよ……」

美海「そう、ポケモンXY」

光「XYか…」

光「ハートゴールドと全然違えんだな…」

美海(ハートゴールド…?…あっ、眠ってたから……)

美海「汐鹿生にもあったの?」

光「おう。いつも4人でやってたぜ」

光「しっかし五年の間にこんなに進化したのかよ…」


光「………」ジー

光(…何だこの鍵)ジー

光(うわっ…何だよこの鳥…変態か?)ジー

美海「………」チラッ

光「………」ジー

美海「………!///」

美海(やりにくい…!)

美海「…ねぇ光」

光「なんだよ」

美海「ちょっとやってみる?」

光「!?」

美海「興味あるんでしょ?」

光「べ、別にねえよ!何でだよ!?」

美海「さっきからずっと見てるし…」

光「み、見てねえし!」

光「だ…大体ポケモンとかガキの遊びだろ!」ダッ

晃(うわぁ…)

美海「あっ…光!」



布団の中

光(………)

光(ポケモンか……)




汐鹿生


光『ぐぁーまた負けた!』

光『おいまなか!何でお前の手持ち、トリトドンしかいねぇんだよ!』

まなか『うぇっ!?だ、だってかわいかったから……』

光『そんなだから負けんだろ!』

まなか『ご…ごめんねひーくん……』

要『今日も僕達の勝ちだね。ちさき』

ちさき『そうね。…私はすぐに倒されちゃったけど……』

光『まなかと組んでたら勝ち目がねぇ!』

光『要!シングルバトルで勝負しろ!』

まなか『うぇっ』

ちさき『ちょっと光!』

要『受けて立つよ』ニッコリ





光(あの頃は毎日集まってポケモンやってたな…)

光(…けど、どうしても要のミカルゲが倒せなかったんだよな……)

光(あの色違いのミカルゲ……何で攻撃が何も効かなかったんだ……?)

光(……気になって眠れねぇ……)

翌日

光「もう朝か……」

光「あまり眠れなかったな」

\アカイwwwキズナノワガwww/

光「なんだ?妙な歌が聞こえるぞ」

ガラッ

光「おい。何やってんだ?」

\ハガネエスパフェアリーwwwwww/

晃「おむ」

美海「おはよう光。ポケモンのアニメだよ」

光「アニメ?」

光「あーそういや昔からやたら朝早くにやってたっけ」

美海「夕方とかの方が見やすいのにね」

晃「おむ」

光「おー相変わらずサトシとピカチュウが主役なんだな」

TV『お兄ちゃんをシルブプレ!』

TV『ユ…ユリーカ!』

光「………」

光「なあ美海」

美海「なに?」

光「タケシはいつ出て来るんだ?」

美海「えっ」

光「マジかよ……五年の間にタケシがいなくなったって……」

晃「おむ」

光「もう変わっちまったもん見んの疲れたな…」

美海(たかがアニメで…)

TV『やなかんじー!!』

光「お、ロケット団は変わって無いんだな」

美海「あっ……!」

光「ん?なんだよ」

美海「な、なんでも無いから!」

『ポケットモンスターXYはご覧のスポンサーの提供でお送りしました』

『ピカピカッ』

光「結構面白かったな」

晃「おむ」

美海「どう?やってみたくなった?」

光「うるせぇ」

光(そういえば…俺のDSどこにしまったっけな……)

汐鹿生

先島家

パパ「」

光「っと…確かこの辺に……」ガサゴソ

パパ「」

光「おっ、あったあった」

パパ「」

カチッ

DS『ティローン』

光「すっげぇ…五年放ってたのに電池残ってる」

パパ「」

潮留家

光「よし、点けるぞ…」

カチッ

DS『ティローン』

光「おおっ、五年前のまんまだ」

光「俺の相棒も相変わらずだな」

晃「おむ」

光「おわっ!?」

晃「おむ?」

光「なんだ晃か……」

光「ほら、あっち行ってまなかにでも遊んでもらえよ」

晃「おむ」

光「………」ピコピコ

光「…面白ぇけどなんか物足りねぇな……」

光「一度あの綺麗な画面を見たら、HGのショボさが目立つっつーか…」

光「XYなら俺のポケモンももっとこう……」

光「………」

サヤマート

若旦那「おう光ー!どうしたんだー?」

光「よう狭山」

光「ちょっと欲しい物があんだ」

若旦那「お前がウチに?珍しいな」

光「まあな」

若旦那「何が欲しいんだ?言ってみろよ」

光「ポケモンXY」

若旦那「あるわけねえだろこの野郎」

若旦那「ウチにあるポケモンの商品って言ったら……」

若旦那「この指人形と…オレンジジュース、りんごジュース」

若旦那「それと、このウエハースチョコぐらいだぞ」

光「んだよ使えねえな…」

若旦那「あぁ!_?」

若旦那「仕方ねえな…ちょっと待ってろ」

光「狭山?」





若旦那「ほら、これやるよ」

光「お前これ…Yじゃねえか…!」

光「さっき売ってないって…」

若旦那「売り物じゃねえ。俺のお古だ」

光「貰えねえぞ。こんな高い物」

若旦那「良いんだよ。持ってけ持ってけ」

若旦那「どうせもうやらねえし、Xもあるし」

若旦那「それに、俺とお前の仲じゃねえか」

光「狭山…」

光「正直そんなに仲良かった覚えはねえけど…ありがとな」

光「遠慮なく貰って行くぜ」

若旦那「お、おう」

潮留家

光「ただいまーっと」

光「それじゃ早速…」

パカッ

光「ん?なんか3DSって書いてあんな」

光「3DSってなんだ?DSLiteみたいな物か?」

光「まあ、ソフトの形も大体同じだし大丈夫だろ」

ガッ

光「なんだこれ…」

光「この変な出っ張りのせいで入らねえぞ…!」グギギ

美海「光?いつの間に帰って……」

美海「な…何やってるの!?」

バッ

光「うおっ!?何すんだ!!」

美海「それはこっちのセリフ!」

美海「そんな事したら壊れるから!」

光「だってよぉ…この出っ張りが…」

美海「3DSのソフトは3DSじゃないと出来ないんだよ?」

美海「DSに入らないのは当たり前!」

光「そ…そうだったのか……!」

サヤマート

光「おい狭山」

若旦那「なんだ、また来たのかよ」

若旦那「で、今度は何の用だ?」

光「あー…悪ぃんだけどよ」

光「3DSも貰えねえかなって」

若旦那「お前それマジで言ってんのかよ」

光「良いだろ狭山」

光「俺とお前の仲じゃねえか」

若旦那「お前……」

若旦那「…仕方ねぇな」

若旦那「ほら、持ってけよ」

光「マジかよ!?ありがとな!狭山!」

若旦那「良いってことよ」

若旦那「なんせ、俺にはこいつが付いてるからな!」

光「なんだよそれ、ゲーム機なのか?」

若旦那「ふっふっふ…これはな」

若旦那「PSVitaだ!」

光「PSVita…?名前にPSが入ってるって事はPSPの後継機か?」

若旦那「そういうことだ」

光「へー…ちょっと見せてくれよ!」

若旦那「おう、もちろん良いぜ!」

若旦那「ゲームスタートだ!」

光「おおっ!すげえ画質だ!」

若旦那「そう!PSVitaの画質は携帯型ゲーム機の中でもトップなんだ!」

光「流石はSONYだぜ!」

光「!!」

光「お、おい狭山!このゲームソフトは何だ!?」

若旦那「これはな…」

若旦那「Jスターズビクトリーバーサスだ!!」

光「Jスターズビクトリーバーサスだと!?」

光「!」

光「ルフィと悟空が戦っているぞ!」

若旦那「なんとこのゲームでは新旧のジャンプヒーロー達が夢の共演を果たすんだ!」

光「な、何!?『あいつとあいつが戦ったらどっちが勝つのか?』という子供の頃に誰もが思い描いていたあの夢の対決が遂に実現すると言うのかよ!?めちゃくちゃだぞ!」

光「ほ、他には!他には無いのか!?」

若旦那「よし、特別に今俺が目を付けてるとっておきのゲームを紹介してやる!」

光「やったぜ!」

若旦那「4月発売予定でその名も…」




若旦那「ソードアートオンライン ホロウ・フラグメントだ!!」

光「おお!……」

光「えっ…知らねえよ……」

若旦那「そしてこれが!そのPVだ!」

光「すげえ!かっこいいぜ!」

光「さてと…これでYを始められるな」

光「なんだ、データが残ってるのか」

光「げっ主人公女かよ…」

晃「おむ」

光「今忙しいからまなかの方行ってろよ」

晃「おむ………」

光「どうすっかな…さいしょから始めてぇけど……」

光「まあ良いか…それよりさっさと送っちまおう」

光「……ん?」

光「なんだよ…どこにもそんな施設無いぞ!」

美海「光?どうしたの?その3DS」

光「狭山に貰ったんだよ」

光「それより、どうすれば古いソフトからポケモン送れるんだ?」

美海「ちょっと見せて」

美海「あ…駄目だ…バンクもムーバーも入ってない」

光「バンク?ムーバー?」

美海「ポケモンを預けたり、XYに送ったり出来るダウンロードソフトだよ」

光「へー…無料でダウンロード出来んのか?」

美海「少し前までは1ヶ月無料だったけど…今は年間500円払わないと駄目」

光「マジかよ…汚ぇ商売しやがって」

光「じゃあ早速ダウンロードするか」

美海「行ってらっしゃい」

光「は?」

美海「?」

光「ここじゃ出来ないのか?」

美海「うち、ネット環境無いから」

光「え…じゃあどこに行けば繋げるんだ?」

美海「えっと…サヤマートとか?」

光「またサヤマートかよ…勘弁してくれ」

美海「私に言われても…」

若旦那「なんだよ、もう三回目だぞ」

光「俺だって別に来たくて来たわけじゃねえよ」

光「ポケバンクとやらをダウンロードしに来たんだ?」

若旦那「あー…この辺ネット環境のある家少ねぇもんな」

若旦那「よし、この3DSステーションを使え」

光「なんであるんだよ…」

光「じゃあ遠慮無く使わせて貰うか」

若旦那「そういえば光」

光「なんだよ」

若旦那「プリペイドカードは買ったのか?」

光「プリ…何だ?」

若旦那「プリペイドカードな」

若旦那「3DSで有料のソフトをダウンロードするにはプリペイドカードを買って残高を追加する必要があるんだよ」

光「…?」

若旦那「任天堂ハード専用の通貨に換金しないと買い物出来ないって事だよ」

光「なるほどな…最初からそう言えよ」

若旦那「………」

光「それじゃ、プリペイドカードとやらを売ってくれ」

若旦那「ウチにはねえぞ」

光「………」

光「……は?」

若旦那「ゲーム扱ってねぇのにプリペイドカードだけ売ってるわけねぇだろ馬鹿」

光「そ、そうか。悪ぃ」

光「………」チラッ

3DSステーション『………』

光「………」

光「お前んちに無いならどこに売ってんだよ」

若旦那「コンビニとかじゃねえの?」

光「コンビニって……んなもんこの辺にあったか?」

若旦那「鴛大師にコンビニはねえよ」

光「えっ」

若旦那「パソコンが無いような田舎にはコンビニだってねぇんだよ」

光「………」ズーン

若旦那「元気だせって!」

若旦那「今度俺が買ってきてやるからよ!」

光「狭山…」

光「良いのか?なんか悪いな……」

若旦那「良いって事よ!そうだ!」

若旦那「せっかくだから他にどんなソフトがあるか色々見てみたらどうだ?」

光「そうだな………」

光「…ん?」

若旦那「どうした光」

光「なんかこの残高って所に、残り500円って」

若旦那「えっ……」

若旦那「………」

若旦那「…あっ!使い忘れてた!」

光「じゃあ代わりに使っとくわ」

若旦那「お、おい!ちょっと待て!」

光「なんだよ狭山…!離せ…!」

若旦那「そいつは俺の500円だ…!」

光「お前さっき買ってきてくれるって言ってたじゃねえか…!」ギリッ

若旦那「ちゃんと代金は貰うに決まってんだろ…!」ガシッ

光「なんだよ…!気前悪ぃな……!」ギリリッ

若旦那「3DSとソフトを貰っておいて何を……!」ガッチリ

光「だったらお前の3DSLLをよこしやがれ…!」ギリリリッ

若旦那「お前…どこでそいつの存在を……!」ガッチムチ

光「ふん!」バッ

若旦那「あっ!」

光「おらぁっ!」カカカカカカ

若旦那「ま、待ってくれ光!」

光「よし!もう使っちゃったもんねー!残念でちたー!」

若旦那「ぐぬぬ…くそう!くそうっ!」

光「じゃあもう帰るわ」

若旦那「二度と来んじゃねぇ!糞餓鬼!!」

光「あぁ!_?上等だ!」

光「お前と話してると話が進まねえんだよ!」

光「大体なんでお前と話してる時間が一番長ぇんだよ!」

若旦那「うっせぇ!知るかバーカバーカ!!」

光「…という訳でダウンロードして来た」

美海「………」

光「…?」

光「…なんだよ」

美海「……なんでもない」

光「…変な奴」

光「よし、早速ポケモンを移動させるぞ」

美海「そういえば光ってBW持ってるの?」

光「BW?なんだよそれ」

美海「第五世代のブラックホワイトの事」

美海「HGSSのポケモンは一度BWに送らないとXYに連れて来れないんだよ」

光「へー…」

光「…じゃあ俺はまだ相棒を連れて来れないってのか?」

美海「……そう」コクリ

光「………」





プツッ






光「あ"ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

美海「お、落ち着いて!私の貸してあげるよ!」

光「…そうか。悪いな」

美海「別に良いよ。それくらい」

美海「…それと……」

光「げっ…!まだあんのか!?」

光「最近のポケモンはどうなってんだよ!?」

光「で、一体何があるんだ?」

美海「えっと…その…」

光「なんだよハッキリ言え」

美海「インターネットにずっと繋いでないと、送れない」

光「えっ」

光「………」





光「やべぇ」





光「…これで美海のホワイトに送るのは完了だな」

美海「どうするの?」

美海「なんなら私が代わりに行ってあげようか?」

光「いや、それは無い」

美海「なんで?」

光「お前に俺のパーティがバレるだろ」

美海「………」

光「…仕方ねえ。こっそり離れた所でやるか」

サヤマート周辺

光「この辺ならギリギリ届くか…?」

晃「おむ」

光「げっ!晃!」

晃「おむ」

光「シー!あっち行ってろ!」

晃「おむおむ」

あかり『晃ー?どこ行ったのー?』

光「まずい…!」

晃「おm」モゴモゴ

光「黙ってろ…!海に落とされたくねえならな…!」

あかり『晃ー?』

光「近い…!?くっ……」バッ

晃「おむ」

あかり「なんだそんな所に隠れてたの?」

あかり「店に戻るから、あまり離れちゃ駄目だよー」

晃「おむ」

光「見つからずに済んだか…」

光「…あかりに見つかったら間違い無く狭山にも気付かれるからな……」

光「晃が居たらいつバレるか分からねえし……」

光「さてどうしたもんか……」





晃「…………せ」ボソッ

光「ん?何か言ったか?」

晃「………思い出せ」

光「!!?」

晃「……今までの会話…そこに答えがある…」

光「答えって…何の答えだよ!」

晃「…お前が行くべき場所……訪ねるべき人物……」

晃「………その答えだ…」

光「晃…!お前は一体……!」

晃「おむ」

光「…!」

光「元に……戻った……!?」





光「今までの会話を思い出せ……か」

光「美海や狭山との会話の中にヒントがあるって事で良いんだよな?」

光「で、俺がポケモンをする助けになってくれる場所、人物って事か」

光「一体誰だ…?」

光「………」

光「ハッ…!そうか!分かったぞ!」

光「みんなはもう分かったかな?」

光「よし、それじゃあ一斉に答えを言おうぜ!」

光「せーのっ!」

潮留家

光「おい美海」

美海「お帰り光。どうだった?」パチッ

光「駄目だ。晃の奴が邪魔しやがった」

美海「そう」カチャッ

光「やっぱりお前に頼むしか……」

美海「今忙しいから後にして」パチンッ

光「お、おう。悪い」

美海「………」カチャン

光「………なあ」

美海「………何?」

光「それ、何だ?」

美海「これはね、ガンプラHGUCのユニコーンガンダムだよ」

光「ユニコーンガンダム?そういえば聞いた事あるな」

美海「今、対象商品に付いた応募券を葉書に貼って応募すると…」

美海「なんと!隔週で賞品が変わり、総勢3,000名にクリアverのガンプラが当たるキャンペーンをやってるんだって」

光「おお!それはたくさん買って応募するしかねぇな!」

美海「うん。戦いは数だよ」





光「美海は駄目だったか……」

光「他に誰か頼れる奴は……」

光「ん?何だよお前、分かったのか?」

光「じゃあ、元気な声で言ってみてくれよ」

光「せーのっ!」

光「うろこ様、いるか?」

うろこ「ふわぁ…なんじゃ光…」

光「眠そうだな…?」

うろこ「ちょいと徹夜しておっての」

光「うろこ様が徹夜?」

光「いったい何やってたんだよ」

うろこ「ふむ、こいつを見ておったのじゃ」

光「これは…『花咲くいろは』?」

うろこ「うむ」

光「アニメか……」

うろこ「お前達が冬眠している間、退屈でのぅ」

うろこ「酒は医者に止められとるし、アニメしか娯楽が無かったんじゃ」

光「うろこ様……」

光「これ、面白いのか?」

うろこ「うむ、興味があるのならお前にも後で貸してやろう」

うろこ「どれ、ストーリーを教えてやろう」

光「おっと、ネタバレはやめてくれよ」

うろこ「分かっておる」

うろこ「簡単に言うと、主人公は都会でのうのうと暮らしていたゆとりじゃな」

うろこ「その主人公が突然老舗旅館で働く事になり…」

うろこ「主人公は厳しく叱られながらも旅館で働くという事がどういう事かを学ぶ」

うろこ「他の登場人物もまた、主人公と接する事によってそれぞれ何かを得る」

うろこ「…といった内容じゃ」

光「なかなか面白そうだな。貸してくれ」

うろこ「うむ…見終わるまでしばしの間待っておれ」

うろこ「何せBDは全9巻、更に映画版もあるからの」

うろこ「儂はもう8周はしておるが全く飽きん」

光「映画まであるのか」

うろこ「胸を張って人に勧められる一品じゃぞ」

光「仕方ねぇ、しばらく待つか」

光「待った分だけ作品に期待が持てるしな」

うろこ「ふむ…しかし、ただ待てと言うのも酷な話よ」

うろこ「待っている間、これを見ておるが良い」

光「これは?」

うろこ「『TARI TARI』じゃ」

うろこ「ひょっとするとお前には『花咲くいろは』よりこっちの方が向いておるかも知れん」

光「『TARI TARI』?」

光「妙なタイトルだな」

うろこ「タイトルの意味はEDを聴けばよく分かる」

うろこ「それに、お前が言えた事でも無かろう」

うろこ「これはな…」

うろこ「ある高校にバラバラな5人の少年少女がおっての…」

うろこ「力を合わせ、“歌”であらゆる困難に立ち向かって行く話じゃ」

うろこ「それぞれの葛藤はリアルに描かれ、また、それを解消した時の爽やかさはまさに“青春”と言えよう」

うろこ「浜辺の美しい景色は必見じゃぞ」

光「じゃあ、ありがたく借りるよ」

うろこ「うむ」

うろこ「お前が『TARI TARI』を見終わる頃には儂も『花咲くいろは』を見終わっているじゃろう」

光「分かった。それじゃ今日は帰るよ」

うろこ「道に気をつけるんじゃぞ~」フリフリ

光「おう!」

光「…って俺はアニメ借りに来たんじゃねえよ!」

うろこ「違うのか」

光「誰がうろこ様からアニメなんて借りるか!」

うろこ「なんじゃ要らんのか」

光「要るよ!」

うろこ「で、何の用じゃ?」

光「そうだ、この3DSをインターネットに繋ぎたいんだ」

うろこ「勝手に繋げば良かろう」

光「繋ごうにも環境がねぇんだよ」

光「うろこ様、なんとか出来ねえか?」

うろこ「出来る筈無かろう」

光「やっぱり無理か……」

光「なんか変なすっとぼけた奴が『ウロコ様なら知ってる』とか言ってたんだけどな…」

うろこ「そんな奴の言う事を信用するとは愚かな奴じゃ」

うろこ「儂の知る限りでは鴛大師の人間に個人でインターネット環境を持つ者はおらぬ」

光「嘘…だろ…?」

うろこ「田舎じゃからな」

うろこ「む…」

うろこ「なんじゃそこのお前。何か言いたそうじゃな」

光「何か心当たりがあるのか?」

光「頼む!知ってる事があったら教えてくれ!」

うろこ「せーのっ」

光「おーい美海ー」

ヒュンッ!

光「おわっ!?」

光「危ねえな!工具を投げるんじゃねえ!」

美海「忙しいって言ったでしょ!?」

美海「塗装してるんだから邪魔しないで!」

光「ご、ごめんなさい」

美海「ほら、集中したいから出てって!!」

光「は、はい…」

ピシャッ

光「………」

光「いつもの美海じゃない………」

光「…さて…家から追い出された訳だがどうすっか」

光「そこの怪しい奴、何か良い案ねえか?」

怪しい奴「てか、教授パソコン持ってるじゃん」

光「!」

光「そうか!教授だ!」

光「大師の人間はパソコンを持っていない……」

光「つまり…外部から来た人間を頼れば良かったんだ!」

怪しい奴「もう行って良い?」

光「よし、早速紡の家に行くぜ」

要「待つんだ光」

光「要…!?」

要「光…これ以上進んだら駄目だ」

光「はぁ?何でだよ」

要「光は何も感じないのか!?」

要「この世界に異変を……!」

光「世界?異変?」

光「意味わかんねぇ…」

光「おい要!ふざけた事言ってんじゃ…」

要「………!!」

光「……冗談って訳じゃ無さそうだな」

要「光…!」

光「良いぜ。話してみろよ」

要「うん」

要「僕が初めて世界に異変を感じたのは数日前…」

要「そう。さゆちゃんと二人で話してた時の事だった……」





要『僕、五年間眠っていたから流行とか分からなくて困っているんだよね』

要『さゆちゃんは今、何かハマっている物とかあるの?』

さゆ『あたしがハマっているのはこれ!』

さゆ『少年サンデーで好評連載中の“マギ”!』

要『漫画?』

さゆ『そう!今やコナンや銀の匙と並ぶ看板漫画!』

さゆ『アニメも二期までやってるんだよ!』

要『へ…へぇ……』

さゆ『スピンオフの“シンドバッドの冒険”は無料WEB漫画サイトの“裏サンデー”で読めるんだけど』

さゆ『単行本の限定版を買うと、何と豪華スタッフによるOVAが付いてくる!』

要『そ、そうなんだ……』





要「初めはただの熱狂的なファンなんだと思ったんだ……」

要「でも…それから少し周りの会話に注意してみたらすぐに分かった…!」

要「みんな、さゆちゃんと同じだったよ……!」

光「………」

要「光……?」

光「要…悪ぃけど……」

要「え……」




光「俺には、さゆやみんなのどこがおかしいのか分からねえよ」

要「そ、そんな……」

要「どう考えたっておかしいじゃないか!!」

要「光なら大丈夫だと信じて話したのに…!」

光「お、おい。落ち着けって」

光「全裸なんだから、騒いだら目立つぞ」

要「この世界は異常なんだ!!」

要「みんな…事ある毎に広k


ゴシュッ


要「く………」


バタッ

光「要!」

光「おい!誰だ!」

紡「………」

光「紡…!?なんでお前が……!」

紡「…危ない所だった」

紡「光」

紡「要は…今、精神的に不安定なんだ」

光「要が……?」

紡「…だから変な事を言ってもそっとしてやってくれ」

光「………」コクリ

紡「じゃあ行こう」

光「行くって…どこにだ……?」

紡「俺の家だ」

紡「用があったんだろう」

光「あ…あぁ……」

紡「…それから」

光「……なんだよ?」









紡「忘れろ」

光「!?」ゾクッ

光「…要の話の事か?」

紡「そうだ」

光「…何でだよ。説明しろ」

紡「忘れろ」

光「……ただの戯言だろ?わざわざ忘れろとか言う必要…」

紡「…忘れろと言っているんだ」

光「………おう」

ガラッ

紡「ただいま」

ちさき「お帰り。紡」

ちさき「光も一緒だったの?」

紡「ああ。三橋先生に用があったみたいだから連れてきた」

ちさき「そう。でも教授ならさっき出掛けたわよ」

ちさき「戻るのは夕方頃だって」

紡「…らしいが、どうする?」

光「じゃあ…また改めて来rガシッ

光「!?」

紡「ここで待てばいい」

光「」ゾクッ

光「いや、一度帰」

紡「うちで待つだろ?」グギギ

光「お、おう……」

パッ

紡「そうだ、良い物見せてやる」

光「………」ズキッ

紡「これだ」

光「なんだよこの黒いの」

紡「これはPS3だ」

光「PS3?今更か?」

光「聞いた話だと今はPS4ってのがあるんだろ」

紡「光。PS4は良くない」

紡「PS4は画質の向上ばかり考えていて肝心のユーザー気持ちなんて何も考えちゃいないんだ」

紡「それにPS3とPS4に互換性は無い」

紡「PS3にやりたいソフトがあるのならPS4よりもPS3を買うべきだろう」

光「なるほど、案外今がPS3の一番の買い時なのかもな」

紡「ああ。SONYのゲーム機は高いからな」

紡「安い値段で多くの優れた作品を選べる」

紡「こんなに嬉しい事はない」

光「つってもPS3はまだ現役なんだろ?」

紡「ああ」

光「じゃあ中古でもお高いんだろう?」

光「なるほど、案外今がPS3の一番の買い時なのかもな」

紡「ああ。SONYのゲーム機は高いからな」

紡「安い値段で多くの優れた作品を選べる」

紡「こんなに嬉しい事はない」

光「つってもPS3はまだ現役なんだろ?」

紡「ああ」

光「じゃあ中古でもお高いんだろう?」

ちさき「確かにちょっと高かったわね」

光「よく買えたな。あいつも養ってるのに」チラッ

要「」

ちさき「おじいちゃんに貰ったお金で買ったのよ」

光「あの爺さんが?ゲームとか許しそうに無ぇけどな」

紡「そうでもない」

紡「研究に金が必要だと言ったら喜んで金をくれた」

光「へー」

紡「そしてこれが俺が今やっているゲームソフトだ」

光「エスカ&ロジーのアトリエ?」

紡「長い歴史を持つアトリエシリーズの内の一つだ」

紡「前作よりグラフィックはより綺麗に、キャラクターの感情の変化もより鮮明になっている」

紡「キャラクターはみんなカッコかわいく、ターン制RPGでありながらもアクションは非常にスタイリッシュな物に仕上がっている」

光「面白そうだな」

紡「前作のアーシャのアトリエはPS3で発売されていたが、つい先日、更にアーシャのアトリエplusがVitaで発売された」

紡「次回作も夏頃に発売予定だ」

紡「そしてなんと!」

光「?」

紡「このエスカ&ロジーのアトリエが4月からアニメ化されるんだ!」

光「な、なんだって!?」

光「古参シリーズでありながらもこれからの成長が楽しみな作品でもあるのか!」

光「ちさきはゲームとかやるのか?」

ちさき「私?私は最近あまりやってないわね」

ちさき「でも楽しみにしている作品はあるわ」

光「何てソフトだ?」

ちさき「人気RPGテイルズオブシリーズの20周年記念作品」

ちさき「テイルズオブゼスティリア(TOZ)よ」

ちさき「明らかになっているのは世界観と4人のキャラクターだけだけど」

ちさき「その4人のキャラクターにとある共通点があって話題になっているわ」

ちさき「前作のエクシリア2がとても良い作品だったのもあって凄く楽しみね」

光「今後の新情報から目が離せないぜ!」

要「や…めろ……」

光「要!目が覚めたのか」

要「いいかい光……もうみんなの広告に耳を貸しちゃいけない……」

要「さっきの光のわざとらしい反応……もう既に始まっているんだ……!」

要「このままだと……光までみんなのようnゴスッ

要「カフッ……」バタッ

紡「フー……」

要「や…めろ……」

光「要!目が覚めたのか」

要「いいかい光……もうみんなの広告に耳を貸しちゃいけない……」

要「さっきの光のわざとらしい反応……もう既に始まっているんだ……!」

要「このままだと……光までみんなのようnゴスッ

要「カフッ……」バタッ

紡「フー……」

どうしよう

光「お、おい…何やって……!」

光「要は…何を言おうとしてたんだ…!?」







紡「光。何を言っているんだ?」

紡「要は何も喋っていないだろう」

光「!?」

光「紡…何言ってんだよ……」

光「ちさき!」

ちさき「光、調子でも悪いの?」

ちさき「要なら…」

ちさき「さっきからずっとそこで寝てるじゃない」

光「……!」





ガラッ

教授「ただいま~」

教授「って…どうしたんだい皆。そんな怖い顔して」

紡「なんでもありません」

教授「そうかい?そうは見えなかったけど…」

湯呑みドンッ!

教授「!?」ビクッ

紡「それより光が三橋先生に用があるそうです」

教授「光君が?珍しいな」

教授「なんだい?言ってごらん」

光「実は…」





教授「インターネット?そんなの好きなだけ使うと良いよ」

光「ほんとですか!?ありがとうございます!」

教授「じゃあ今から準備するから、ちょっと待っててよ」

光「はい!」

教授「…よし、準備完了だ」

教授「これで光君の3DSをインターネットに繋げるようになったよ」

光「おぉ……」

光「なんつうか…教授の事見直しました!」

光「機械とか…すげえ強いんすね」

教授「いやあこの程度大した事じゃないさ」

紡「三橋先生は東京では『パソコンの大先生』と呼ばれていたんだ」

教授「おいおいよせよ。照れるじゃないか」

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