紬「私、リクエストに応えて色んなSS書くのが夢だったの~」(631)

◯みなさんのリクエストに応えて、ムギちゃん関連のSSを書くスレッドです
◯リクエストの中から、書きやすそうなもの選んで書いていきます
  →書けないものも沢山出てくると思います。ごめんなさい
◯性的描写および過度なキャラdisを含むものは禁止とさせてもらいます
◯基本的に>>1がSSを書きますが、他にも書きたい人がいたら名乗り出てくれると嬉しいです。歓迎します
◯リクエスト形式は自由です
例)
 ・唯紬SS書いて~
 ・唯紬、いちゃいちゃ増し増しで
 ・唯ちゃんとムギちゃんが一緒に焼きうどん作る話を書いて~
 ・唯紬、地の文のみで
 ・唯ちゃんとムギちゃんが喧嘩別れしてしまうけど、焼きうどんの力で仲直りする話書いて~
などなど

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1341233133(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)

SS速報にけいおんSS増えすぎ
まっ、同じ奴が立ててるんだろうけど


>>1もよくVIPムギスレにいる奴だろうし

最後にのこったシュークリーム巡って、全員お腹の中に暗黒物質でも格納してンの?ってくらいに腹黒い仲間達の中の熾烈な攻防

もういいの?

じゃぁ、菫が紬の寮へ焼うどん作りに行く話し
地の文は抜きで

やきうどんが食べたくなってきたから>>4に一票

じゃあ
律と澪の縁日での昔話とか

>>2
VIp紬スレにはよくいます
速報でスレを立てるのは二回目です

>>3
把握しました
ドタバタカオス系で行こうと思います

>>4 >>5
把握しました
うどんの日(7月2日)のうちに書くのは流石に無理ですが、早めに挑戦したいと思います

>>6-7
把握しました
妄想ムギちゃんに挑戦してみます
ひょっとしたら第三者を交えるかも

本編で実現しなかった澪とムギが遊びに行く話が読みたい

唯とムギちゃんが二人でエロ系繁華街に行く話
二人ともそういう知識がなくて何度か騙されそうになるけど、上手いこと回避して危険な目にあったことすら気づかず終わる話が見たいな

ある日突然、けいおんメンバーが伸縮自在の鼻毛の鞭を操れるようになり、世間を賑わせてる、毛狩りと称した髪の毛全部引っこ抜く犯罪者と戦いの日々に明け暮れる。

>>3を書き終わりましたので、これから投下します

次は>>4-5になると思います

>>6-7はちょっと遅くなるかもしれません(ひょっとしたら書けないかも)

>>9
りっちゃんデートの澪ちゃんverですね
頑張ってみます

>>10-11
これは面白そうですね
斎藤が影から見守る展開でも面白いかも

>>12-13
ボーボボは懐かしいですが、ちょっと難しそう……
一応考えてみますが、期待はしないで下さい

けいおんメンバーはある日、3年前育児放棄した常にグラサンをかけアゴヒゲもじゃい手袋つけた父親に呼び出される。そこで待っていたのは巨大な怪物、そして巨人だった。父親はこの巨人に搭乗し、怪物と戦ってこいとほざく。若干納得がいかない中、お前が乗らなきゃ重症の女の子が戦う事になる、とのたまい、え?どんだけ自分たちが悪い空気作りたいの?と思いつつ巨人に搭乗する。彼女達の運命はいかに

◯紬「シュークリーム争奪戦」

迂闊すぎた。琴吹紬がそう感じたときには、既に手遅れだった。
こんなに美味しいシュークリームなら部活に持ってくるべきではなかった。
普段美味しい物をみなに分け与えることを楽しみ、それを生き甲斐とすら感じている彼女でも、
シュークリームの前には無力だった。

紬(過ぎたことを悔やんでも仕方ない……)

紬(今日持ってきたシュークリームは6つ。先生はきていない。部員は5人……1つ余る)

紬(シュークリームを持ってきたのは私。まずは所有権を主張するべきかな)

紬「あの……」

唯・律・澪・梓「…!」

紬「そのシュークリーム持って帰ってもいいかな?」

紬「元々私が持ってきたものだし、いいよね?」

澪(やはり所有権を主張してきたか)

梓(確かにムギ先輩が持ってきたシュークリームだから、権利はムギ先輩にある)

律(どうする? どうすればいい?)

唯「えっ……なんで?」

紬(やっぱり食い下がってくのね、唯ちゃん)

紬(その純粋さが今は恨めしいわ。なら…)

紬「えっとね。美味しかったから家に持って帰って妹に食べさせてあげようかな~と」

紬「駄目……かな?」

もちろん紬は家に持ち帰ったシュークリームを自分の腹に納めるつもりである。
そんなことおくびにも出さず、潤んだ瞳で訴えかける。

唯「そ、それなら私も憂にあげたいなーって思ったの」

唯「実は憂、シュークリームが大好きで、毎日毎日シュークリームシュークリーム言ってるんだ~」

澪(嘘だな)

梓(絶対嘘です)

律「そ、それならうちの聡もなんだ」

律「美味しいシュークリームを食べれば、きっと私のいうことをもう少し聞いてくれると思うんだ」

律「だから、な。頼むよ~」


澪(こ、このままじゃ駄目だ。この流れだと、兄妹のいない私達が圧倒的に不利だ)

梓(ええい、このままでは3人にとられてしまうです)

梓(どうすれば……あっ)

紬「じゃあ3人で相談して決めましょうか」

唯「うん」

律「そうだな」


梓「ちょっと待って下さい!!!!!」


紬・唯・律「…!?」

梓「ここに書いてある文字を読んでください!!」

唯「えーっと、消費期限7月4日の午後4時?」

梓「そうです。あと30分で消費期限が終わってしまいます」

紬・唯・律「ナ、ナンダッテー」

澪(梓、グッジョブ!)

梓「このシュークリームは部活動中に食べてしまうべきです。持って帰ってお腹を壊したら大変ですから」

紬・唯・律「……チッ」

紬(消費期限の確認を怠るなんて、私としたことが……)


澪「なぁ唯。この前私のケーキ分けてあげたよな」

唯「……そんなことあったっけ?」

澪「あったんだよ!!」

唯「うーん、あったような、なかったような」

律「あぁ、確かにあったな」

澪「だから今回は譲るべきじゃないか?」

唯「えっ、そんな……」

紬「そうね。唯ちゃん。今回は遠慮してくれないかしら、ね」


梓(唯先輩を脱落させる方向でいきましたか)

梓(ちょっとかわいそうですが、様子見させてもらいましょう)

唯「それを言うならりっちゃんも遠慮しておくべきだよ」

律「なにおー」

唯「りっちゃんは部長としてのミスが多すぎるから、その責任をとるべきかなーって」

澪「あぁ、ステージの申請を忘れたり」

紬「冷房の申請を忘れたり、ね」

唯「うんうん。りっちゃんは責任とって今回は譲るべきだね~」


梓(この調子でいけば唯先輩と律先輩がリタイアしそうですね)

梓(ここは黙ったままで…)


律「……それを言うなら梓も譲るべきじゃないのか」

梓「……えっ?」

律「ティーセットを撤去しろって言ってたよな~」

梓「そ、そんな昔のこと」

澪「あぁ、言ってたな」

紬「ええ、あれは悲しかったわ」グス

梓「ム、ムギ先輩まで…」

唯「そうだねー。あずにゃんも諦めるべきだね」


梓(この流れは不味いです…こうなったら)

梓「……唯先輩、律先輩」

唯・律「…?」

梓「私の足を引っ張っても、先輩方がシュークリームを食べることはできませんよ」

唯・律「…!」

梓「ここは平等にじゃんけんで決めるべきです!」

澪・紬「!?」

唯「あずにゃんいいこと言うね~。確かにじゃんけんなら平等だね~」

律「うんうん。平等サイコー!」

梓「そうです、平等に決めるべきです!」

紬(三対二……分が悪いわね)

澪(ここは従うしかないか)

唯「じゃあ恨みっこなしだよ」

唯・律・澪・紬・梓「最初はグー、じゃんけん」



さわ子「あっ、今日のおかしはシュークリームなのね」パクッ

さわ子「うん。すごく美味しいわ」

さわ子「ねぇ、これもっとないの?」


唯・律・澪・紬・梓「なんだと…」

一週間後

唯「ムギちゃん、ひょっとしてこのシュークリーム」

紬「うん。すごく好評だったから、お取り寄せしてもらったの」

唯「ムギちゃん大好き~」

律「ムギ、でかした」

澪「ああ、流石ムギだ」

梓「ムギ先輩……愛してます」

さわ子「ムギちゃん、嫁にこない?」


琴吹紬は語らない。
このシュークリームが、取り寄せた17個のうちの6個でしかないことを。
10個のシュークリームが既に彼女の腹に収められたことを。

おしまいっ!

>>15
けいおんゲリオンですね。第一話ぐらいならいけるかも

さすがにこれ以上リクはしない方がいいかね?>>1がパンクしそうだ。リク制限とかあんの?>>1?

>>4-5書き終わったので投下します
>>6-7はいいアイディアがまだないので、次は>>9>>10のどちらかを書くと思います

>>28
リクはいつでもウェルカムです
気分によって、ほのぼのが書きたいときや、シリアスを書きたいときや、百合を書きたいときや、カオスを書きたいときなどあるので、
色々リクエストしてもらえるとむしろ助かります
全部はこなせないですが

>駅前
紬「菫ー! こっちこっち!!」

菫「紬お嬢様!」

紬「久しぶりだね」

菫「…紬お嬢様もお変わりないようでなによりです」

紬「…菫、意地悪はやめて」

菫「………お姉ちゃん、会いたかったよっ!!」

紬「私も会いたかったわ菫っ!」ギュ

菫「もう、お姉ちゃん…‥」ギュ

紬「立ち話もなんだし、寮に向かいましょうか」

菫「うん」

紬「今日は泊まっていくんでしょ?」

菫「うん。着替えも持って来てるし」

紬「そのスーパーの袋は?」

菫「夕御飯の材料だよ。お姉ちゃんに作ってあげようと思って」

紬「本当!!?」

菫「うん。ひょっとして迷惑だった?」

紬「迷惑だなんて……とっても嬉しいわ」

菫「それならよかったよ」

紬「菫、大好き!!!!」

菫「はしゃぎすぎだよお姉ちゃん。でも喜んでもらえて嬉しいよ」

紬「だって妹の手料理を食べられるんだもの!!」

___
菫「ここがお姉ちゃんの住んでるところ?」

紬「ええ」

菫「入ってもいいのかな?」

紬「ええ、寮監さんには許可をとってあるから、遠慮しなくていいのよ」

菫「手回しがいいね。それじゃあお邪魔しまーす」


唯「おっ」

紬「あら、唯ちゃんこばんわ」

唯「ムギちゃんと……この子は…菫ちゃんだね?」

菫「はい。斎藤菫と申します。平沢唯様ですね。紬お嬢様から話は聞いております」ペコリ

唯「うわっ、様付けで呼ばれちゃった」

紬「菫、そこまで畏まらなくていいのよ」

菫「ですが紬お嬢様」

唯「あ、私、用事があるからもう行かなきゃ」

紬「いってらっしゃい、唯ちゃん」

___
紬「ここが私の部屋だよ」

菫「お邪魔しまーす」

紬「いらっしゃい」

菫「ここがお姉ちゃんの部屋……」

紬「ベッドにでも腰掛けて待ってて、冷たいお茶をいれてあげるから」


紬「はい、麦茶」

菫「ありがとう」

紬「あんまり広くないけど寛いでね」

菫「私は大丈夫だよ~。だけど、お姉ちゃんはこんなに狭い部屋で大丈夫?」

紬「屋敷と比べれば確かに広くないけど、なかなか快適なのよ。キッチンもついてるし」

菫「ふぅん。まぁお姉ちゃんが不自由してないなら、いっか」

紬「……そろそろ教えてくれてもいいんじゃない?」

菫「えっ……何を?」

紬「袋の中身」

菫「すっかり忘れてたよ。テーブルの上に並べるね」

菫「なんの材料かわかる?」

紬「キャベツ、人参、ピーマン、玉ねぎ、豚コマ肉……」

紬「わかった! 野菜炒めね!」

菫「不正解だよ、お姉ちゃん。実はこれを隠してたの」

紬「これは…うどん? 煮込みうどんを作ってくれるの?」

菫「ううん。焼きうどんを作ろうと思って」

紬「焼き……うどん?」

菫「そうだよ」

紬「うどんを焼くの?」

菫「うん。焼きそばのうどんバージョだんよ」

紬「焼きうどん!? 凄い! 凄いわ菫!! そんな料理があるなんて全然知らなかった」

菫「喜んでもらえて嬉しいよ。調味料は何があるかな、お姉ちゃん」

紬「冷蔵庫見る?」

菫「うん」

紬「どうかな?」

菫「うーん。酒、ウェイパー、醤油、味醂、味噌、チューブ生姜に山葵……ひと通り揃ってるね」

紬「ええ、色々料理に挑戦してるから」

菫「じゃあ味噌焼きうどんでも作ってみようか」

紬「味噌焼きうどん?」

菫「うん。味噌の香ばしいにおいが食欲を誘うんだ」

紬「ふぅん。どんな味なのかしら。気になるわ」

菫「でも夜ご飯にはちょっと早いね」

紬「じゃあトランプでもする?」

菫「うん」

___
紬「……右ね」ヒュッ

菫「あっ」

紬「私の勝ち!」

菫「お姉ちゃん、ババ抜き強すぎるよ……」

紬「一息いれましょうか」

菫「うん」

紬「ねぇ、菫、けいおん部はどう?」

菫「とっても楽しいよ。あ、お姉ちゃんにはお礼言わないと」

紬「お礼?」

菫「私がけいおん部に入るように先生に手回ししたのお姉ちゃんでしょ」

紬「えっ、バレちゃったの!?」

菫「さわ子先生が普通に教えてくれたよ」

紬「先生……秘密にして欲しいと言ったのに……」

菫「あれれ、そうなんだ」

紬「それにしても菫がドラムを選ぶなんてちょっと意外だったわ」

菫「あっ、それは……」

紬「何か理由があるの?」

菫「うん……」

紬「言いにくいことなら別に……」

菫「そんな大したことじゃないんだけどね。ストレス解消にいいかなって」

菫「ほら、ドラムって思いっきり叩けるし」

紬「ストレス……琴吹家での生活はそんなに辛い?」

菫「うーん。メイドの訓練が大変というのもあるけど、それ以上に…」

紬「それ以上に……」

菫「お姉ちゃんと一緒にいられないのが辛いかな」

紬「菫……」

菫「あ、今はそうでもないんだ。けいおん部で友達もできたし、いい先輩に囲まれてるから」

菫「高校入った当時は、ちょっと辛かったかな」

紬「ごめんね、菫……」

菫「気にしなくていいよ。こういう経験も私には必要だったと思うから…」

紬「……うん」

菫「本当に気にしなくていいから」

紬「だけど、ちょっとさみしいな。菫もお姉ちゃんを卒業しちゃったんだね」

菫「……そんなことないよ」

紬「そう?」

菫「うん。だからちょっとお膝にお邪魔するね」ストン

紬「あっ、これじゃあババ抜きできなくなっちゃう」

菫「……これは」

紬「うん?」

菫「ごめんお姉ちゃん。昔みたいに、って思ったけど、明らかにこれは違うよね」

紬「そう?」

菫「私、お姉ちゃんより背高くなっちゃったし、この体勢じゃお姉ちゃん前が全然見えないだろうし」

菫「ってお姉ちゃん。そんなにがっちりホールドされたら…」

紬「駄目。しばらくこのまま」ガシッ

菫「お姉ちゃん……」

紬「菫、今日ぐらい思いっきり甘えて……」

菫「…………うん」

菫「ねえ、お姉ちゃん。私、仲のいい友だちができたんだ」

紬「眼鏡の子のこと? 確か名前は…奥田直ちゃんだったかしら」

菫「うん。お泊りにもいっちゃった」

紬「あらあらまあまあ、それは素敵ね。じゃあけいおん部で一番仲がいいのは直ちゃん?」

菫「うーん。友達として仲がいいのは直ちゃんだけど、一番よく話すのは憂先輩かな」

紬「憂ちゃん? 意外ね」

菫「うん。この前も意気投合して部室で話込んでたら、いつの間にか他の部員がいなくなってたんだ」

紬「菫と憂ちゃん……共通の話題なんてあったかしら」

菫「もちろんお姉ちゃんトークだよ!!」

紬「えっ…?」

菫「お姉ちゃんの素晴らしさを語ってたら時間なんてあっという間だよ!!!」

紬「そ、そうなんだ…」

菫「唯先輩のことも耳に蛸ができるぐらい聞いたよ。そういえばさっき唯先輩とすれ違ったね」

紬「あっ、そのことで相談なんだけど、けいおん部メンバーの前では紬お嬢様はやめない?」

菫「そっちのほうがいいと思う?」

紬「うん」

菫「じゃあ、そうするよ」

紬「こうやって二人でゆっくるするのも久しぶりね」

菫「うん」

紬「昔はいつも一緒だったね」

菫「うん」

紬「どこに行くにも二人一緒、ピアノのコンクールにまでついてきてくれて」

菫「…うん」

紬「懐かしいね……」

菫「……うん」

紬「………菫?」

菫「……」

菫「……」

菫「……」

紬「寝ちゃった……」

___
菫「……うん?」

紬「おはよう、菫」

菫「はっ! お姉ちゃん!? どこ?? って私、お姉ちゃんの膝の上に座ってる?」

紬「落ち着いて、菫」

菫「あっ、そうだ。私、お姉ちゃんのところに来て寝ちゃったんだ……」

紬「思い出した?」

菫「うん。お姉ちゃんごめんね。足つらかったでしょ」

紬「ううん。これくらい平気だから!」

菫「お姉ちゃん……」

紬「そろそろ焼きうどん作りましょうか」

菫「うん。じゃあ野菜切ってくるよ」

紬「私も手伝う……つっ」

菫「お姉ちゃん!?」

紬「大丈夫。ちょっと足が痺れただけだから。ちょっと待ってて」

菫「お姉ちゃんは暫く休んでてよ。二人で料理するには少し狭いから、ね」

紬「そう? じゃあお願いしちゃおうかな」

菫「任せてよ」


紬「……」

菫「……」トントントントン

紬「家では料理もしてるの?」

菫「うん。お爺ちゃんに教えてもらってるんだ」トントントン

紬「すごく手際がよくなったね」

菫「うん……練習したから」トントントン

紬「訓練は厳しい?」

菫「ううん。そうじゃなくて焼きうどん作る練習を何度もしたんだ」シャッ

紬「…もしかしなくても、私のため?」

菫「うん」トントントントン

紬「菫…ありがとう」

菫「うん……。切り終わった。お姉ちゃん、大きなフライパンある?」トントン

紬「えっと。これが一番大きいんだけど…」

菫「ちょっと小さいね」

紬「そうだ! ホットプレートならあるけど」

菫「そうだね。そっちのほうが良さそう」


紬「はい、これ」

菫「随分大きなホットプレートだね」

紬「みんなで集まってホットケーキ焼くとき重宝するのよ」

菫「ホットケーキパーティー。いいなぁ……」

紬「それじゃあ、明日の朝ごはんはホットケーキにする?」

菫「うん!」

紬「そろそろプレートも温まってきたんじゃないかな」

菫「じゃあ豚コマから焼いてくね」ジュー

紬「次は……人参かな」ダバァ

菫「そうだね。玉ねぎも先に入れちゃおう」ダバァ

紬「しばらく待ってから……ピーマン投入」ダバァ

菫「最後はキャベツだね。あっ、お姉ちゃん、うどんレンジでチンしてくれる?」ダバァ

紬「えっ、レンジで?」

菫「うん。チンすると麺がほぐれやすくなるんだ」

___
チン!

紬「うどんOKよ」

菫「じゃあここに投下して」

紬「ラジャ!」ダバァ

菫「あとはよく混ぜて……水もちょっとだけ注そうかな」

紬「これぐらい?」ダバ

菫「良い感じだよ。それじゃあ蓋をして蒸し焼きにしようか」

___
菫「そろそろいいかな。蓋をあけるね」

紬「凄い湯気! もう食べちゃいたいぐらい美味しそう」

菫「ソースはまだだから、今食べても味気ないよ。じゃあ醤油、日本酒、味噌、生姜を混ぜた合わせ調味料を」ダバァ

紬「とてもいい匂いが漂ってきたわ」

菫「うんうん」

紬「これなら釣れそう」

菫「へっ?」

紬「こっちの話」

菫「……よくわからないけど、まぁ、いっか」

紬「お皿用意してくるね」

菫「できたよー」

紬「はい、お皿」

菫「ありがとう。じゃあよそうね。はい、お姉ちゃんの分」

紬「ありがとう」

菫「そして私の分。食べよう、お姉ちゃん」

紬「うん。いただきます」

菫「いただきます」

紬「うぅん。いい匂い。味は……美味しい」

菫「うん。上手くできたね」

紬「うどんのもっちりした食感に、あっさりしてるけど旨味の強いソースが上手く絡んでる」

菫「野菜もいい感じだね」

紬「ええ、焼きそばとはまた違った味わいね」

__
菫「ふぅ、食べたね」

紬「もう食べられない……」

菫「流石に4玉は多かったね。一人前ぐらい残っちゃった」


ガチャッ
唯「ムギちゃーん!」

紬「あら、やっぱりきたのね」

唯「うんうん。いい匂いがしたからやってきたよー、あ、菫ちゃんもこんばんは~」

菫「こんばんは、唯先輩」

唯「あっ、様付けじゃないんだ。でもそっちのほうがしっくりくるよ~」

紬「唯ちゃん食べてくでしょ?」

唯「もちろん!」

菫「唯先輩はよくお姉ちゃんのところで食べていくんですか?」

唯「うんうんそうだよー。美味しそうな匂いがしてる日は特にね。……ん? お姉ちゃんって?」

紬「うん。菫は私の妹同然なの~」

唯「へぇ~、仲いいんだね~」

菫「はい!」

唯「あっ、この焼きうどんとっても美味しいねぇ」パクパク

紬「ええ、菫が作ったのよ!」

唯「流石ムギちゃんの妹だね!」

菫「そんな…私なんてまだまだ」

紬「あっ、そうだ唯ちゃん。菫は憂ちゃんと仲がいいらしいわよ」

唯「憂と? へぇ~、ちょっと意外かな~」

紬「それで提案なんだけど、今度4人で出かけない?」

菫「へっ?」

唯「私と憂とムギちゃんと菫ちゃんの四人?」

紬「ええ」

唯「いいね~。久しぶりに憂の顔も見たいし」

紬「じゃあ憂ちゃんに都合のいい日聞いておいてくれる?」

唯「うん」


___
唯「ごちそうさま。とっても美味しかったよ。菫ちゃんありがとね」

菫「いえいえ」

唯「それじゃあそろそろ部屋に戻るよ。ムギちゃん、菫ちゃん、おやすみ~」

紬「おやすみっ、唯ちゃん」

菫「おやすみなさい」

___
菫「唯先輩って楽しい人ですね」

紬「ええ、とっても美味しそうに料理を食べてくれるから御馳走し甲斐があるの」

紬「あっ、そういえば、勝手に遊びに行く約束しちゃったけど、菫は大丈夫?」

菫「うん。お姉ちゃんとのお出かけならいつでも大歓迎だよ!」

紬「もう、菫ったら…」

菫「でもなんで四人で?」

紬「ひょっとして二人きりのほうがよかった?」

菫「そうだけど、そうじゃなくて……。お姉ちゃんと憂先輩ってあんまり接点ない気がして…」

紬「確かにそうだけど、ちょっと憂ちゃんとお話したいなって思って」

菫「憂先輩とお話?」

紬「ええ。菫がいつも私のこと何て言ってるのか気になって、ね」

菫「///」

おしまいっ!


面白かった
4人で出かける話も読みたい

ムギちんの親が大失敗で、今までの人生が一転、貧乏節約生活!命懸けの一ヶ月1万円生活!果たして元の生活に戻れるのか。お父さんが再起をかけて、全財産で買った宝くじと競馬は当たるのか!?

紬(26)珈琲屋店主、昔の仲間が来店。卒業後のメンバーのその後と悩みを聞く。

>>15を書いてしまったので投下します。だいぶ改変しちゃったけど許して欲しい
澪ちゃんとのお出かけは、まだ書いてる途中です

>>57
一応リクとして受け付けておきます

>>60
貧乏ムギちゃんネタですか
一ヶ月一万円生活に挑戦するムギちゃんは見てみたいかも

>>61
26だと菫と直も順調に行けば就職してますね
話が広がりそう

◯ムギ「えう"ぁんげりおん!」

三年前に失踪したお父さんから一通のメールがきたのは昨日のこと。
友達を連れて第三新東京に来いって。
澪ちゃんに話したところ、一緒に来てくれることになった。

澪「待ち合わせ、ここでいいのか?」

唯「うん。その筈なんだけど……」

ムギちゃんとりっちゃんが失踪して久しい。
さわ子先生も一身上の理由で学校を辞めてしまい、けいおん部は事実上消滅した。

澪「……あれはなんだ?」

見上げると、大きな怪獣がいた。
怪獣?
怪獣だよね?
なんで怪獣がいるの?

澪「唯、逃げるぞ」

私はじっと怪獣を見ていた。
二本足で歩く怪獣。
その足音は大地を揺らし。
その体は太陽を隠す。
大きな怪獣。

澪「おいっ! 唯ってば!! おい!!!」

唯「……えっ?」

気づくと怪獣はすぐ傍に近づいていた。

澪「行くぞっ!」

澪ちゃんが私の手を掴んで走りだした。
私は澪ちゃんにひっぱられるまま怪獣から逃げた。
なんだこれ! なんでこんなことに。


さわ子「乗って!」

唯「さわちゃん!?」

私と澪ちゃんは、さわちゃんの車に乗った。

唯「ねぇ、澪ちゃん。これ現実じゃないよね?」

澪「えっ……」

唯「だって怪獣なんているわけないし」

澪「でも、あれ…」

澪ちゃんの見つめた先にはあの怪獣がいた。

さわ子「残念ながら現実よ」

さわ子「あれは使徒」

さわ子「人類の敵」

さわ子「私達の敵」

さわ子「そして、あなたたちの戦うべき敵」

唯「どういうこと? わけわかんないよ」

さわ子「説明している暇はないわ。早く降りて」

唯「えっ、ここ何もないじゃん」

さわ子「早く」

私達は急かされるままに車を降りた。
さわちゃんは地面をいじりはじめた。
しばらくすると、アスファルトのから四角い建造物が生えてきた。

さわ子「さぁ、これに乗って」

澪「エレベーター…?」

さわ子「そう。早く」

エレベーターはプールのある部屋に繋がっていた。
プールといっても中に入ってるのは赤い液体。
赤い液体の中には、赤い巨人がいた。

和「きたわね」

唯「和ちゃん!」

モニターに和ちゃんが映しだされた。
和ちゃん――中学まで一緒だった大切な幼馴染み。
高校に入ってから音信不通だったけど、こんなところで何を?

和「さっそくだけど唯、澪、これに乗って戦ってちょうだい」

澪「誰だよ!?」

和「真鍋和よ。以後よろしく」

澪「乗って戦えって? そんなの無理。絶対無理!!」

唯「和ちゃん……私も無理だよ」

和「そう。あなた達には失望したわ」

和ちゃんは、私の知らない顔をした。

和「さわ子先生、二人は使えますか?」

さわ子「……正直きついでしょうが、それしかないのね」

さわちゃんは走ってどこかへ行ってしまった。


唯「和ちゃん、あれはなんなの?」

私はモニターに映った怪獣を指さした。

和「あれは使徒よ。人類の敵」

唯「そうじゃなくて……なんであんな怪獣がいるの?」

和「その問いかけは無意味よ、唯」

和「どんな理屈であれ、使徒は既に生まれてしまった」

和「そして使徒を倒さなければ、滅びるのは私達よ」

澪「じゃあ、これはなんなんだ」

澪ちゃんが目の前の赤い巨人を指さした。

和「人形決戦兵器えう"ぁんげりおんよ」

唯「えう"ぁんげりおん?」

和「そう。使徒と戦うための切り札」

和「二人乗りの、人造人間」

澪「なんで私達が乗らなきゃいけないんだ? 軍人さんとか」

和「あなたたち以外乗れないから」

澪「なんでだ!」

和「理由を言っても仕方ないわ」

澪「話にならない」

そうこう言っているうちに、さわちゃんが戻ってきた。
片手で車椅子を押しながら、もう片方の手で包帯だらけの子を引っ張ってきた。
えっ……あれって。

唯「ムギちゃん!? りっちゃん!?」

澪「りつ!!!!」


紬「唯ちゃん……来てしまったのね」

ムギちゃんは片方の目をそらした。
もう片方の目は包帯に隠れて見えない。
りっちゃんは澪ちゃんをじっと見つめていた。

さわ子「いけるかしら」

律「はい!」

紬「大丈夫です!」

唯「えっ、ムギちゃんとりっちゃんが戦うの?」

澪「そんな体で、無茶だ!」

紬「……大丈夫だから」

律「そうだぞ、澪。心配しなくても私達がなんとかするから、な」

澪「そんな……律…なんで」

律「悪いな、澪。誰かがやらなきゃならないんだ」


唯「ムギちゃん……これって現実なんだよね」

ムギちゃんはゆっくりと頷いた。





唯「…………私、やります」





みんなが私を見た。

唯「私、えう"ぁに乗ります。やらせてください!」

澪「私もやる!」

澪ちゃんも続いた。

紬「そんな…。唯ちゃん達が戦う必要なんてないのに」

律「澪、やめてくれ」

唯「大丈夫。あんな怪獣さっさと倒しちゃうから。ムギちゃんはここで見てて」

澪「ああ、私達に任せとけ」

さわ子「決まったようね。じゃあついてきて」


さわちゃんが駈け出した。
私達もそれを追って走り出した。
なんとかなるよね?

直「嫌な役割を押し付けてしまい、すいませんでした」

和「気にしなくていいのよ。必要なことだから」

直「ですが…」

和「それより唯達のサポートを頼むわ、直」

直「はい。全力で――」

私たちは液体の中にいた。L.C.L.というらしい。
中にいても息ができる不思議な液体だ。

澪「準備はいいか?」

唯「うん。でもこれどうやって操縦すれば」

さわ子「ふたりとも、今はえう"ぁに乗ってくれたことに感謝するわ」

さわ子「えう"ぁはあなた達がイメージしたとおりに動くから」

さわ子「えう"ぁんげりおん弐号機、射出!」

なにもわからないまま私達の乗った赤いロボットは発射された。
地上に出ると目の前には怪獣。
この巨人と同じ大きさの怪獣。

澪「立たないと」

さわ子「なにしてるのあの子達」

直「立てないのかと…。訓練してませんから」

さわ子「早く立って、立ちあがるイメージよ」

唯「そう言われても」

澪「立て、立て、立て、立て」

唯「立った!」

立ったと同時に、怪獣の手から何か生えてきた。
えっ?

私の右手がなくなった。
えっ?


唯「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い」

澪「…………」

さわ子「落ち着いて、ふたりとも、えう"ぁの手がやられただけだから」

直「やっぱり二人にはまだ…」

和「これしか方法はないのよ。今はできることを…」

唯「はーっ、はーっ、はーっ」

和「落ち着いて唯。あなたの左手は大丈夫だから」

左手を見る。確かにある。
澪ちゃんは……気絶してしまったようだ。

和「プログレッシブナイフを使うのよ、唯」

唯「これ?」

和「ええ」



律「……ムギ」

紬「……ええ」


唯「うわあああああああああぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!」

プログレッシブナイフを構え、全速力で怪獣に向かって走った。
目指すは中心の赤い玉。
きっとあれが弱点だ。
しかし、怪獣にぶつかる直前でナイフが止まった。

唯「なんで!?」

和「ATフィールド……」

和「直、なんとかならない?」

直「無理です」


怪獣が手を突き出した。
あっ、私死ぬのかな?


「唯ちゃん!!」

青い巨人が怪獣に体当たりしたおかげで、私は死なずに済んだ。
この声は…。

唯「ムギちゃん!?」

和「零号機!? 誰が乗っているの?」

律「私とムギだ」

和「律なの? 無茶よ。やめなさい」

紬「唯ちゃんと澪ちゃんだけで使徒を倒すほうが無茶よ」

和「だからって…」

その時だった。
和ちゃんが喋っているその途中――。
使徒の攻撃が青い巨人を貫いていた。
ちょうど心臓の部分。

唯「ムギちゃん!? りっちゃん!?」

紬「……」

律「……」

唯「返事してよ!!!」

紬「……」

律「……」

和「唯っ!!」

唯「あっ……」

ムギちゃんとりっちゃんに気を取られてる間に、怪獣が迫っていた。


怪獣の手が私の頭を掴んだ。


骨のようなものが伸びてくる。


私の頭は貫かれた。













唯「私、死んだのかな」


唯「死ぬのは嫌だな」

唯「まだギターも弾きたいし」

唯「憂とおしゃべりしたいし」

唯「りっちゃんと遊びにいきたいし」

唯「澪ちゃんの照れるところも見たいし」

唯「ムギちゃんの紅茶も飲みたいし」

唯「でも仕方ないよね」

唯「死んじゃったら諦めるしかないもん」

紬「唯ちゃんはそれでいいの?」

唯「だってしかたないじゃん」

紬「そうかな?」

唯「そうだよ」

紬「唯ちゃんはもう学校に行けなくていいの?」

紬「友達と遊べなくていいの?」

紬「けいおん部で演奏できなくていいの?」

紬「りっちゃんと悪ふざけできなくなってもいいの?」

紬「澪ちゃんのパンツを見れなくなってもいいの?」

紬「……私と会えなくなってもいいの?」

唯「……」

唯「……」

紬「本当に…いいの?」

唯「……」

唯「……ムギちゃん。私まだ死にたくない」

唯「死にたくないよ…」

紬「大丈夫。唯ちゃんは私が守るから」

唯「ムギちゃん?」

紬「唯ちゃん、私とひとつになりましょう」

唯「ひとつに?」

紬「ええ。あの二人もひとつになったわ」

唯「りっちゃんと澪ちゃんのこと?」

紬「うん」

直「えう"ぁんげりおん零号機、弐号機、ともに完全に沈黙」

直「ゲル化していきます」

和「もう駄目なの…?」

直「待って下さい。この反応は…………パターン白、新たなえう"ぁです」

さわ子「なにが起こっているというの」

直「溶け合わさったゲルが人の形になっていく……これは…」

さわ子「紫色の巨人…」

和「初号機だとでもいうの!?」

紬「唯ちゃん、わかる?」

律「唯大丈夫か?」

澪「やってしまえ、唯っ!」

唯「うんっ!」

今ならわかる。これは私だ。このえう"ぁは私だ。
私が歩けばえう"ぁは歩く。
私が踊ればえう"ぁも踊る。
そう。簡単なこと。

怪獣が骨のようなものを伸ばして攻撃してくる。
でもこんなもの、ちょっと右に動くだけでかわせる。
お返しに右ストレートを叩きこんでやる。
ATフィールドに阻まれたけど、要領はわかった。

さわ子「普通の人間みたいに動いてる」

直「シンクロ率118%。凄い」

紬「唯ちゃん、私がATフィールドを侵食するからその間に攻撃して」

唯「そんなことできるの?」

紬「ええ」

紬「さぁ、私とひとつになりましょう」


あっ…なにか入ってきた。
拒絶したいと思う心。
自分以外の全てを消してしまいたいという心。
これは……怪獣の心?
心の壁?



唯「ねぇ、ムギちゃん」

紬「なぁに?」

唯「この戦いが終わったら焼きラーメン食べに行こっ」

紬「焼きラーメン? 行く行く!」


律「なぁ澪、私達も」

澪「わざわざ便乗して死亡フラグ立てようとするな、馬鹿律」



りっちゃんと澪ちゃんが楽しそうに話してる。
この戦い、勝てる!
プログレッシブナイフを両手に構える。
もう負ける要因なんてない。
思いっきり走って、怪獣のコアに2本のナイフを突き立てる。

怪獣は断末魔の叫びの後、十字架のなかに消えていった。


戦いの後色々あったけど、それは割愛する。
次の日、私はムギちゃんとの約束を果たすべく、待ち合わせの場所へ向かった。


唯「あれっ、ムギちゃん、怪我はもういいの?」

紬「うん。私は二人目だから」

唯「えっ」

紬「なんでもないよ。さっ、早く焼きラーメン食べに行こ!」

そう言うと、ムギちゃんはクスッと笑った。

怪獣との戦いは、まだ終わったわけではないらしい。
またパイロットとして私は戦うことになると思う。
お父さんとも会えていないし、問題は山積みだ。

だけどきっと大丈夫。
そんな気がするんだ。


>その頃ドイツでは
梓「待っているです。日本のチルドレン達。この中野梓が格の違いというものを見せてやります」

>その頃月面では
全裸菫「今度こそお姉ちゃんだけは幸せにしてみせるから」


おしまいっ!



イチャつく律澪をウォッチングするムギ菫希望

出来れば旧劇版がよかったにゃーん…

歌舞伎町という色の町を舞台に、軽妙洒脱な女、ムギさんは一時のテンションに身を任せた故に無職になったけいおんメンバーと万事屋を営む事に。人情と信念、楽器を携え、様々な問題解決するために仲間と一緒に大暴れ!!

ムギ魂!!

あっちこっちとのクロスが読みたい。
伊御のバイト先「ハチポチ」にやってきた軽音部メンバーが伊御とつみきの仲を後押ししたくなり、かつあっちこっちの5人も唯ムギの仲を後押ししたくなる、そんなお話を希望。

ちょっと遅くなりましたが>>9投下します
SS中の美術館はブリヂストン(石橋)美術館を参考にしています
常設が粒ぞろいなので割とオススメ。二人が食べたモンブランを試してみたい人はルーブルまで

>>89
リクエスト受け付けました
これはわりと書きやすそう

>>91
新劇要素はラスト二行だけなので、許していただけるとありがたい

>>92
何かのパロディでしょうか
色々話が広がりそうな設定ですね
考えてみます

>>93
あっちこっちは原作、アニメともにノータッチなのでちょっと厳しいかな
書くとしても、二、三ヶ月待ってもらうことになりそうです

◯澪「芸術と食欲のムギ」


澪「お母さんにチケットを2枚もらってしまった」

澪「ライブか映画のチケットなら律と行くんだけど…」

澪「美術館、かぁ……」

澪「はぁ……。律の退屈そうな顔が目に浮かぶようだ」

澪「唯…もなしだな。梓…も興味なさそうかな」

澪「となると残るはムギか」

澪「うん。ムギなら芸術に興味ありそうだな」

澪「よし、メールしてみよう」ポチポチ
________
from澪
toムギ
美術館のチケットもらったんだ。
今週の土曜日にでも一緒に行かないか?
________

紬「あら、メール。澪ちゃんからだ…」ブルブル

紬「ふむふむ」

紬「さっそく返信しなくっちゃ」ポチポチ
________
from紬
to澪ちゃん
デートのお誘い?
喜んでご一緒します
________


澪「おっ、さっそく返事が」ブルブル

澪「デート、かぁ……」

澪「まぁ二人で出かけるんだからデートか」

澪「そうと決まれば着ていく服選ばないと…」

>AM9:00 駅前
澪「おはようムギ」

紬「おはよう澪ちゃん。本日はお誘い頂きありがとうございます!」

澪「ムギが来てくれて助かったよ」

紬「そうなの?」

澪「ああ、けいおん部で美術館に誘えるのはムギぐらいだろ?」

紬「梓ちゃんも芸術に興味あるのよ」

澪「そうなのか?」

紬「うん」

澪「ふぅん。今度は梓も誘ってみるか」

紬「それでどこの美術館?」

澪「あぁ、この『ブロウハープ美術館』なんだけど」

紬「あっ、そこなんだ」

澪「ひょっとして行ったことあった?」

紬「うん。父の付き添いでちょっとね」

澪「悪い、ムギ。先にどの美術館か言っておくべきだった」

紬「どうして?」

澪「だって一度行ったところにまた行っても退屈なだけだろ?」

紬「そんなことないよ。行ったのは随分前だし……」

紬「それに、あそこ展示は結構好きなの」

澪「そうなのか?」

紬「うん」

澪「そう言ってくれると助かるよ」

紬「それじゃあ行きましょうか」

澪「あぁ」

紬「この道を真っ…」グゥ

紬「///」

澪「お腹へってる?」

紬「ええ、実は朝ごはん食べる時間がなくて」

澪「じゃあどこかに寄っていこうか?」

紬「いいの?」

澪「もちろん」

>同日某時刻 喫茶店
澪「こういう喫茶店入るのはじめてかもしれない」

紬「私も私も!」

紬「メニューはこれね」

紬「澪ちゃん、ナポリタンってなぁに?」

澪「あぁ、パスタのことだよ」

紬「パスタなの? はじめて聞く名前だわ…」

澪「あぁ、そういえば最近はあんまり見ないな」

澪「トマトケチャップを使った簡単に作れるパスタなんだ」

紬「どんな味なのかしら」キラキラ

紬「決めた! これを頼むわ」

澪「朝から大丈夫か?」

紬「大丈夫!」

澪「その自信はどこからくるんだか」

紬「私はナポリタンとエスプレッソを頼むけど澪ちゃんは?」

澪「エスプレッソ?」

紬「濃いコーヒーのこと」

澪「美味しいのか?」

紬「大人の味、かな」

澪「大人の味」ゴクリ

澪「ふむ。私もそれを頼んでみようかな」

紬「すいませ~ん!! 」

店員「はい。ご注文でしょうか?」

紬「エスプレッソ二つとナポリタンお願いします」

店員「かしこまりました」

紬「わくわく」

澪「期待してるほど美味しくないと思うよ…」

澪「そういやムギはなんで朝ごはん食べてこなかったんだ?」

紬「えっと、それは……」

澪「何か言い難いこと?」

紬「実は遊びに行くのがが楽しみでなかなか眠れなかったの…」

澪「くくっ、遠足前日の律みたいだな」

紬「りっちゃん?」

澪「あぁ、律も楽しみなことがあると眠れなくなるんだ」

紬「へぇー」

店員「おまたせしました」

紬「これがナポリタン……ソーセージが入ってるんだ」

紬「うん…」

紬「うん…」

紬「うん…」

紬「普通だ……」

紬「でも嫌いじゃないかも」

紬「なんだか懐かしい味」

澪「……」ジー

紬「あら、澪ちゃん。コーヒーを睨みつけてどうしちゃったの?」

澪「あぁ……なんかオーラが漂ってるなって」

紬「オーラ?」

澪「この量の少なさ、香り高さ、今まで飲んだことのあるコーヒーとは別格って感じがするよ」

紬「そうかな」

澪「そうさ」

澪「味のほうもきっと」ゴクッ

紬「どう?」

澪「にがっ!!!!!」

紬「濃いコーヒーだから…」

澪「み、水っ…水は…………ないのか」

紬「ナポリタン食べる?」

澪「うん」ハフハフ

澪「ふぅ……ちょっとマシになった…。味覚がおかしくなるかと思ったよ」

紬「すいませーん。お冷ください」

店員「はいよ」


澪「やはり普通のコーヒーとは格が違った……」

紬「じゃあ私も」ゴクッ

澪「……平気なのか?」

紬「うん」

澪「ムギは大人だなぁ」

紬「こんなの慣れよ」

澪「慣れれば平気になるのか?」

紬「うん」

澪「まだまだコーヒー経験値が足りないってことか…」

紬「澪ちゃんひょっとしてコーヒー派?」

澪「中学の頃はコーヒー派だったよ。今では紅茶派だけど」

紬「どうして変わっちゃったの?」

澪「ムギのいれてくれる紅茶毎日飲んでれば、嫌でもそうなるよ」

紬「それは……喜んでいいのかな?」

澪「うん。いいと思うよ」

紬「ごめんなさい…こういうときどんな顔していいかわからないの」

澪「笑えばいいと思うよ」

紬「クスクス。それじゃエヴァよ」

澪「ネタ振ったのはムギなのに……理不尽だ」

紬「世の中理不尽なものよ。特に澪ちゃんの場合は」

澪「それ、なんのネタ?」

紬「忘れちゃった」

澪「そうなんだ。じゃあ、そろそろ行こうか」

紬「うん」

>ブロウハープ美術館
澪「ついた。ビルの中にあるんだな」

紬「ブロウハープの本社ビルね」

澪「ブロウハープってタイヤ作ってるメーカーだよな」

紬「そうだよ」

澪「なんでタイヤメーカーが美術館なんてやってるんだろう」

紬「社長さんの趣味ね…」

澪「そうなのか? ムギは随分詳しいんだな」

紬「ええ、一度来てるから」

紬(伯父さんの会社だとは言わないでおこう)

紬「ここの絵は古い順に並んでるの」

澪「へー」

紬「古いといっても古代絵の類はないんだけど。古い壺はあるんだけどね」

澪「ふむふむ…あ、壺ってこれのこと?」

紬「ええ、そうよ」

澪「うーん、確かに古そうな壺だなぁ」

澪「ちょっと触ってみたいかも」

紬「係員さんに怒られちゃうわ」

澪「そうか……残念」

紬「そしてここから絵画の常設ね」

澪「あっ…これ教科書で見たことある絵に似てる」

紬「レンブラントね」

澪「レンブラント…聞いたことがある」

紬「光と、闇と、レンブラントなんて煽り文句もあるわ」

澪「凄い厨二ネームだ」

紬「厨二?」

澪「ムギは知らなくていいことだよ」

紬「そう?」

紬「レンブラントは『影』を用いた明暗を描くのが凄く上手いの」

澪「あぁ、確かに他の絵と見比べても、影を描くのが特別上手いってわかるよ」

澪「そのおかげで『光』の部分が凄く際立ってる」

紬「ええ。贋作も多数出回ってて、真作を見抜くためのレンブラント調査委員会なんてものがあるぐらい」

澪「真作?」

紬「本物のこと。偽物は贋作っていうの」

澪「あぁ、贋作はわかるよ」

澪「確かにこれだけインパクトのある絵ならみんな欲しがると思うな」

紬「ええ、日本人が一番好きな画家トップ3の一人じゃないかしら」

澪「他の2人は?」

紬「フェルメールとゴッホね。ダ・ヴィンチも人気はあるけど、滅多に絵がこないから」

澪「でも、いつだったかモナ・リザが日本に来たよね」

紬「ええ、結構前の話だけど」

澪「見てみたかったなぁ」

紬「いつかみんなでルーブルにいきたいね」

澪「そうだな」

___
澪「むむっ……これは酷い」

紬「あぁ……これね」

澪「モデルになった人がかかわいそうだ」

紬「実際にこれくらい太ってたのかもしれないよ?」

澪「それでもさ、少しは痩せているように描くのが優しさってものだと思う」

紬「……確かに」

澪「画家の名前は……」

紬「ルノワールね」

澪「女の敵だな」

紬「敵だね」

澪「でも優しい絵だ」

紬「そうだね。暖かさがこっちに伝わってくるみたい」

澪「でも敵だ」

紬「この絵なら、澪ちゃんでも見るだけで誰の絵かわかるんじゃないかしら」

澪「……どっかで見たことあるタッチだな……あっ、わかった。ゴッホだ!」

紬「正解!」

澪「本物を間近で見るのは初めてだよ」

紬「ゴッホの作品で好きなのは沢山あるんだけど、この絵は特に好きかな」

澪「あぁ、なんだか力強さの中に優しさが隠れてる気がする」

紬「澪ちゃんも気に入った?」

澪「あぁ、なんていうかムギみたいな絵だな」

紬「……どう反応していいのか困っちゃう」

澪「喜べばいいと思うよ」

紬「もう……澪ちゃんったら///」

紬「ゴッホは今でこそ人気作家だけど、生前は全く絵が売れなかったの」

紬「ゴッホの絵を買ったのは、彼の弟だけだったそうよ」

澪「そこまで売れなかったのか……」

澪「確か最後は自殺したんだっけ?」

紬「ええ。一緒に絵を描いていた仲間が、一人、また一人と去っていってしまったの」

紬「最後は孤独のうちに自分の頭を撃ちぬいて死んだわ」

澪「悲しい話だな……」

紬「ええ……」

澪「HTTは大丈夫かな?」

紬「音楽性の違いから解散とか?」

澪「……作曲者と作詞者は仲良くしておかなきゃな」

紬「ええ、私も澪ちゃんともっと仲良くなりたいわ」

澪「///」

___
紬「この辺りから20世紀の絵になるわ」

澪「ピカソとかかな」

紬「えぇ、ピカソもあるわ。澪ちゃんはピカソ好き?」

澪「あんまり好きじゃないな。子供の落書きみたいだし」

紬「ピカソの絵は乱雑に描かれてるように見えるけど、確かな画力の上に成立しているらしいわ」

澪「音楽でもよくあるよね。出来る人が崩すの」

紬「そうね。実は私もピカソは良さがわからないの……何かあるとは思うんだけど」

澪「あぁ、何かありそうなんだけどな」

紬「私達にはまだ早いってことかしら」

澪「そうだな」

紬「そしてこれが澪ちゃんに一番見せたかった絵」

澪「なんだかムギが連れてきたことになってないか? …………Wao!」

紬「どう…?」

澪「うんうん」

紬「……」

澪「まさに私が見たかったのはこれだよ」

澪「この絵を書いたのは誰だ!」

紬「マティスよ」

澪「マティス…か。絵はピカソと同じぐらい崩されてるのに、こちらからは強いインスピレーションを受けるよ」

紬「ええ、私もマティスは好きなの。アンバランスな力強さを感じるから」

澪「しばらく見ててもいいかな」

紬「ええ」

>30分後
澪「ふぅ……やっぱり凄いな」

澪「…ムギ、そろそろ行こうか」

紬「もういいの?」

澪「あぁ、待たせて悪かったよ」

紬「別にいいのよ。好きな絵をゆっくり見るのも美術館観賞の醍醐味だから」

澪「そういえばムギもさっきどこかに行ってたな」

紬「ええ、ゴッホをもう一度見てきたの」

紬「じゃあ、そろそろ出ましょうか」

澪「あぁ」

紬「あら、喫茶店なんてできたんだ」

澪「なになに、ルーブルフェア?」

紬「ルーブル美術館にあるのと同じモンブランが食べられるんですって」

澪「……食べてみたいな」

紬「食べちゃう?」

澪「そうだな」

紬「じゃあ入りましょう」

ウェイター「二名様でしょうか?」

紬「はい」

澪「あっ、悪い。ムギ、先に座っててくれるか?」

紬「いいけど…」

澪「じゃあちょっと行ってくる。オーダーはモンブランとコーヒーでよろしく」タッ

紬「……お手洗いかしら?」

紬「あっ、戻ってきた」

澪「これを買ってきたんだ」

紬「ブロウハープ美術館の画集?」

澪「あの絵からもらったインスピレーションを忘れないために」

紬「そんなに気に入ったんだ」

澪「あぁ、私のハートが囚われたままなんだ」

澪「今ならとんでもなく素晴らしい詩を作れる気がする…」

紬「どんな詩ができるか楽しみね!」

澪「期待して待っててくれ」

紬「じゃあ私も凄い曲を書かなきゃ」

ウェイター「はい。モンブラン2つとコーヒー2つです」

紬「見た目は普通ね」

澪「あぁ」

紬「味は……」パク

澪「……」パク

紬「うん。美味しい…でも」

澪「物凄く甘い」

紬「コーヒーコーヒ」ゴク

澪「私もっ」ゴク

紬「コーヒー飲んでも甘さが消えない」

澪「……これは難敵だ。だけど、今の私に不可能はない」

>20分後
紬「私、これから3年はモンブラン食べたくない」

澪「私は一生食べなくてもいいかな」

紬「えぇ、美味しいのにあんなに甘いなんて」

澪「本家ルーブルもそうなのかな」

紬「たぶんそうだろうね。それ以外にあんなに甘くする理由がないもの」

澪「ふぅ……何か口直しに辛いものを食べたいな」

紬「じゃあお昼ごはんは何か辛いものにしましょう」

澪「そうだな。甘いものの次は辛いもの………」


澪「コーヒーでも消えない甘さ……」ブツブツ

澪「その甘さを消すための辛いもの……」ブツブツ

澪「ここにマティスを混ぜて……」ブツブツ


紬「澪ちゃん?」

澪「大変だ! ムギ! とってもいい詩ができちゃった!!」

紬「そうなんだ。じゃあ辛いもの食べに行こうか」

>昼食カット

澪「ムギは午後から用事あるんだよな」

紬「ごめんなさい。ちょっと家の用事があるの」

澪「いいよいいよ。今日は付き合ってもらってありがとう」

紬「こちらこそ澪ちゃんとご一緒できてとっても楽しかったわ」

澪「私も楽しかったよ。色々勉強になったし、新しい詩も作れそうだ」

紬「私も新曲を考えておくわ」

澪「あぁ、ムギとデートする度に新曲が作れそうだ」

紬「私は新曲と関係なく澪ちゃんとデートしたいけど」

澪「ムギ……どんな顔していいのかわからなくなるだろ///」

紬「照れればいいと思うよ」

澪「ムギっ!!」ポコ

紬「やった!! 澪ちゃんに叩かれちゃった!」

>帰宅後

>秋山宅
律「澪ー、いるかー」

澪「あっ、律」

律「遊びにきてやったぞー」

澪「別に頼んでないけどな」

律「あっ、それとこれおみやげの……」


>琴吹宅
菫「あっ、お姉ちゃん帰ってきてたんだ。楽しかった?」

紬「ええ、とっても楽しかったわ」

菫「あっ、実はお姉ちゃんがいない間にケーキ作りに挑戦したんだ。食べてくれる? 私の作った…」


律「モンブラン」
菫「モンブラン」

おしまいっ!

さわちゃんに監禁されて拷問されるムギちゃんの話をほのぼのハッピーエンドでお願いします

ムギさん達は大学卒業後、ライブを何回もやったり、回りからもおだてられてもあり、本格的にバンドで食べていく事に決める。

しかし、ストリートライブを繰り返しても、ファンは増えず、事務所や色んなオーディションを受けても全て大失敗。自分達の音楽がだんだん認められなくなっていく。自分達は最高に楽しく音楽をやっているし、クオリティだってその辺のには負けてない自負もある。

なのに、世間は自分達を受け入れてくれない。

そんな中、バイトで食い繋ぐ事にも限界を感じてきた唯が辞めたいと言い出す。チームとしても、心もバラバラになるメンバー…。埋もれゆく、成功しないバンドの苦悩と葛藤、厳しい現実と戦うムギさんをお願いします。

そこまで話できてるなら128が書いちゃえばいいのにw

大変遅れてしまい、ごめんなさい
週一ぐらいで書いてく予定だったのですが、
予想外の苦戦+夏バテで筆が進みませんでした

今日は>>10です。
一部設定が共通していますが、>>33のSSとは無関係です



>>127
実は紬さわはあまり得意じゃない組み合わせだったり…
まぁリクエストをもらったからには何か考えてみます

>>128
王道バンドものですね
なんとかなると思います

>>129-130
実は具体的な内容を盛り込んだリクエストも大歓迎だったりします
他の人が考えたお話を形にするのは結構好きなので

ただ、書きたい人はいつでもウェルカムです
リクエストの中に書いてみたいネタがあったら、一つだけでもいいので挑戦してみませんか?

◯唯「夜の街」

いつものように私の部屋に御飯を食べにきた唯ちゃん。
彼女には最近悩みがあるみたいです。

唯「この堅焼きパスタ美味しいねー」パクッ

唯「ほらほら、ムギちゃんも座って一緒に食べようよ」

紬「うん」パクッ

紬「うんっ! 上手にできてる」

唯「最初は焦がしちゃったもんね」

紬「そうだったね」

唯「ねぇ、ムギちゃん」パクッ

紬「…どうかした?」

唯「…うんう。やっぱりなんでもない」

やっぱり悩みはあるみたい。
でも唯ちゃん言いたくないみたいです。
こうなったら……無理矢理でも聞き出しちゃおうかな。


紬「唯ちゃん。何か悩みあるでしょ?」

唯「えっ…ないない。悩みなんてないよー」

紬「……怪しい。私には話せないことなの?」

唯「そういうわけじゃないけど…」

紬「じゃあ話して!」

唯「いやっ」

紬「そう……」

唯「たいしたことじゃないから、ねっ」

やっぱり言いたくないみたい。
だから今日は切り札を用意みました。

紬「実はデザートを用意してあるの」

唯「デザート!?」


紬「ええ。ロールケーキを作ってみたの」

唯「ロールケーキ!?」ジュルリ

紬「うん。ロールケーキ。それで…話してくれたら唯ちゃんにもあげようかなって…」

唯「……」

紬「唯ちゃん」

唯「ムギちゃん、どうしても聞きたいの?」

紬「……うん」

おせっかいかもしれないけど、唯ちゃんが悩んでるんなら手伝ってあげたい。
私はそう思いました。

唯「じゃあ話すね。実は……」

唯ちゃんの悩みはとても些細なものでした。


紬「お金?」

唯「うん。買いたいものがあるの。……それも言わないと駄目かな?」

紬「それは別にいいわ。はい、ロールケーキ」

唯「やった」

唯「もぐもぐ…うーん、デリシャス」

紬「ロールケーキ作るのは初めてだったけど、上手くできたみたいね」

唯「うん。スポンジのフンワリ感としっとりした生クリームがサイコーだよ」パクッ

紬「それはよかったわ。うふふふ」

唯「ほら、ムギちゃんも食べてみなよー」

紬「ええ」パクッ

紬「うん。おいし~」


唯「そうでしょそうでしょ」

紬「……ねぇ、唯ちゃんってバイトしてたよね」

唯「うん」

紬「あんまりお金に困ってるようには見えなかったんだけど」

唯「あーうん。でもちょっと欲しいものができて…」

紬「ふぅん。それで悩んでたんだ」

唯「うん。それで…ちょっと夜のバイトを初めてみようかなーって」

紬「夜のバイト?」

唯「うん。バイト料も高いみたいだしね」

紬「うーん。危なくないかしら」

唯「私もそう思ってちょっと迷ってたんだー」


紬「それで……結局どうするの?」

唯「うん。実はもう面接に申し込んであって、今夜行ってみようかなーって」

紬「……」

唯「ムギちゃん?」

紬「…決めたっ。私もついてきます!」

唯「えっ」

紬「やっぱり一人だと危ないと思うの。だから二人で行きましょ」

唯「じゃあ、お願いしちゃおうかな」

紬「あっ、面接に同伴者がいても大丈夫なのかな?」

唯「それなら大丈夫だよ。出来れば可愛い友達連れてきてって言われてるし」

紬「……」

唯「ムギちゃん?」

紬「……わ、私……可愛いかな?」

唯「うんっ!」


紬「ふむふむ。これが夜の繁華街なのね」

私たちは夜の街に繰り出しました。
なんでも幾つかのお店に面接を申し込んだそうで、色々まわるらしいです。

唯「ぴかぴかしてるねー」

紬「うん」

唯「人が多いねー」

そう言うと唯ちゃんは手を差し出してくれました。
もちろん私は手を握り返します。

紬「えーっと、方向はこっちで合ってるんだっけ?」

唯「うん。そのはずだよ」

紬「じゃあ行きましょうか」


しばらく歩くと目的のお店に着きました。

紬「…ここ?」

唯「うん」

紬「なんのお店?」

唯「うーんとね。お客さんとお喋りする店だって」

紬「ふぅん。変わったお店ね」

店に入り、スタッフの人にバイトの面接に来た旨を伝えると、店の奥に案内されました。


店長「昨日電話をくれた子だね」

唯「はい。こっちは友だちのムギちゃんです」

紬「琴吹紬といいます」

店長「ふむふむ。金髪碧眼とは珍しいね。ちょっと眉毛が太いけど、それくらいは後から……」

店長「うん。ふたりとも採用しましょう」

唯「やった!」

紬(勝手に採用されちゃった……)

店長「それでふたりともアフターとか大丈夫?」

唯「あふたー?」

紬「ってなんですか?」

店長「まぁいいか。さっそく明日から働いてくれるかな」

紬「……あの」

店長「どうかした?」


紬「実は両親にここでバイトをすることを話してないんです」

紬「だから……本当に働くかどうかは明日電話で伝える、ということではだめでしょうか」

紬「唯ちゃんも、ね」

唯「えっ」

店長「うーん。まぁ後々問題になっても面倒だしね」

店長「じゃあ連絡待ってるよ」


それから私たちは店を出ました。


紬「唯ちゃん、あのお店は駄目!」

唯「えっ…なんで? 店長さんも良い人そうだったし」

紬「お酒のラベルが偽物だったの」

唯「ラベル?」


紬「うん。家で見たやつと違ったから多分偽物だと思う」

唯「にせもの…」

紬「たぶんあんまり良くないお店だからやめておきましょう」

唯「…うん」


ちょっと後の話になりますが、このお店は外国人の不法労働で検挙されたそうです。


唯「じゃあ気を取り直して次のところへ行ってみよー」

紬「次はなんのお店?」

唯「お店じゃないよ。撮影するんだって。しかも1回10万円!」

紬「1回10万円!? 危なくないの?」

唯「ムギちゃんがついてれば大丈夫だよー」

紬「……そうかな」


また二人で手を繋いで夜の街を歩いていきます。
周りの人がちょっと物珍しそうな顔でこっちを見ています。

唯ちゃんとふたりきりで夜のお散歩。
贅沢を言うなら、もう少し静かなところが良かったな。

唯「ここだよ」

紬「雑居ビル?」

唯「うん。ここの七階だって」

エレベーターを降りてドアをくぐると、オフィスに出ました。

黒服「誰だ?」

唯「あっ、あの……面接にきた平沢唯です」

黒服「あぁ、あの…平沢さんね。横の子は?」

紬「あっ、付き添いで来た友達です」

黒服「そう。じゃあ撮影同意書を書いてくれる?」

唯「どういしょ?」

黒服「あぁ、最近基準局がうるさくてね」


赤シャツ「はい。これにサインしてね」

唯「あっ、はい」カキカキ

紬「名前を書けばいいのね」カキカキ

赤シャツ「それと烏龍茶どうぞ。最近夜になっても暑いから喉がかわくでしょ」

紬「ありがとうございます」ゴクゴク

唯「どうも」ゴクゴク


紬「あれっ、なんだか眠く」

唯「私も……」

紬「」zzz

唯「」zzz

赤シャツ「ちょろいもんですね」


赤シャツ「えーっとこっちの子は平沢唯。金髪の子は琴吹紬か」

黒服「琴吹!?」

赤シャツ「どうしやした、旦那?」

黒服「琴吹…しかも天然の金髪…間違いねぇ。琴吹家の令嬢様だ」

赤シャツ「琴吹家? ってあの?」

黒服「あの…だ」

赤シャツ「どうしやしょうか…」

黒服「どうもこうもあるか…起きるのを待って平謝りするしかないだろ」

赤シャツ「だけどもったいなくないっすか?」

黒服「オジキも琴吹家には恩があるんだ」

黒服「琴吹の令嬢に手をかけてみろ。オジキに三枚に下ろされてイワシの餌にされちまうぞ」

赤シャツ「ひぃっ」

黒服「ふぅ…なんてやつがきたもんだ…」


紬「……あれっ」

黒服「お目覚めになられましたか」

黒服「もうしわけありません!!」ダッ

紬「ひっ…」ダキッ ダッ


目を覚ますと、突然黒服の人が土下座をはじめました。
わけがわかりません。
私は怖くなってしまい、唯ちゃんを担いで逃げました。

とにかく安全なところへ行こう。
幸い、すぐ近くに一件のホテルがありました。
私は迷わず駆け込みました。


紬「ふぅ……なんだったのかしら」

唯「ぐーーーーぐーーーー」

紬「ふふっ、よく寝てるわね」

唯「ぐーーーーぐーーーー」

紬「可愛いお顔」

唯「ぐーーーーぐーーーー」

紬「よしっ。ちょっとほっぺたで遊んじゃおっ」プニプニ

唯「ぐーーーー、はっ」パチッ

紬「起こしちゃった?」

唯「…もう朝?」

紬「もう…唯ちゃんったら」

唯「あれ……ここはどこ? 事務所にいたよね」


私は唯ちゃんに事情を掻い摘んで話しました。


紬「ひょっとして、睡眠薬がお茶に入ってたんじゃないかしら」

唯「うーん。考えすぎだと思うけど」

紬「そうかな?」

唯「でも、ムギちゃんがそう言うなら、あのバイトはやめておくよ」

紬「うん。それがいいと思う」


唯「それにしてもこのベッド変な形だねー。まんまるだなんて」

紬「あっ、このベッド回るのよ」

唯「本当!?」

紬「本当!! そのボタンを押してみて」

唯「えいっ」ポチ

紬「わっ、回ってる」

唯「メリーゴーランドみたい」

紬「どちらかと言えばコマじゃないかな」

唯「どっちでもいいよ。すごいすごーい」

紬「面白いホテルがあるのねー」

唯「あっ……」

紬「どうしたの?」


唯「たぶんここラブホテルだと思う」

紬「ラブホテル?」

唯「うん。友達から聞いたの。エッチをするためのホテルだって」

紬「エッチをするためのホテル……そういうのもあるんだ」

唯「///」

紬「///」

唯「なんだか照れちゃうね」

紬「うん」

唯「別にエッチするわけじゃないのに」

紬「えっ?」

唯「えっ?」

紬「なーんて!」ダキッ

唯「きゃっ」


紬「ふふっ、唯ちゃん柔らかい」

唯「もうムギちゃん、くすぐったいよ」

紬「ねぇ、今夜はここに泊まろうか」

唯「うん。いいよ」

紬「えっちなことはしないけど、こうやって」ギュッ

私は唯ちゃんの手を握りました。
唯ちゃんはそっと握り返してくれました。

唯「手、繋いで眠ろっ!」

紬「うんっ!」


その夜、私は夢を見ました。
とてもエッチで幸せな夢。
だから内容は秘密です。

次の朝起きると、手は繋がったままでした。
私が幸せを噛み締めていると、唯ちゃんが目を覚ましました。
二人で一緒に歯を磨いて、それからホテルを出ました。


あの夜の話を斎藤にしたところ、とても危険な目にあっていたようです。
実家に呼びつけられて叱られました。

唯ちゃんも、憂ちゃんにあの夜の話をしたところ、こっぴどく怒られちゃったみたいです。


唯ちゃんは夜のバイトを諦め、普通にバイトを続けることにしました。



そして二ヶ月後――


唯「むーぎーちゃん」

紬「あっ、唯ちゃん。今日は焼冷麺に挑戦してみたの」

唯「また? 前々回も前回も大失敗してたのに」

紬「ふふふっ。今回は自信作なの。とりあえず食べてみて」


唯ちゃんは恐る恐る箸を口に近づけ、パクリと一口、そして一言。

唯「……おいしい」

紬「でしょ」

唯「うん。絶対美味しく作るのはムリだと思ってたのに…」

紬「うふふ」

唯「ねぇ、ムギちゃん」

紬「なぁに?」

唯「じゃじゃーん」

紬「木の箱?」

唯「ムギちゃんにプレゼントします!」

紬「開けていい?」

唯「うんっ!」

箱を開くとそこには一本の包丁が入っていました。
なんとも気品のある、綺麗な包丁でした。
この手の物の値段は分からないけど、とてもよいものなのはわかります。
ひょっとしたら六桁に届くんじゃないかな。

紬「包丁ね」

唯「うん」

紬「とっても高かったんじゃない?」

唯「ちょっとね」

紬「でも、どうして?」


唯「私、いつもムギちゃんのところで御馳走になってるでしょ」

唯「だからたまには恩返ししたいなーって」

紬「そんな…私がやりたくてやってるだけなのに」

唯「じゃあ私もそうだよ」

紬「えっ」

唯「いつも私のために御飯作ってくれるムギちゃん見てたから」

唯「ムギちゃんのために何かしてあげたいなーって思ったんだ」

紬「唯ちゃん…」

唯「ねぇ、ムギちゃん」

紬「うん」

唯「その包丁で、ずっと私に御飯作ってくれる?」

紬「///」

唯「ムギちゃん?」

紬「……それってプロポーズ?」

唯「えっ?」

紬「えっ?」

おしまいっ!

今回は百合成分多めになりました
百合少なめがいい人は、その旨をリクエスト時に伝えてくれると助かります
逆に、百合増し増しというオーダーも承ります

指定がない場合は、勝手にくっつけちゃうかもしれません


次は>>6-7か>>89を書きたいと思います
りっちゃん誕生日には間に合わないかもしれませんが、
何か書いて祝いたいという気持ちがありますので

菫ちゃんを鞭でビシバシ叩いて悦に浸る紬ちゃんとか見たいれす(^q^)

今回は>>6-7でムギの妄想による律澪です
りっちゃん誕生日おめでとう! と言うには遅くなりすぎ御免なさい

>>162
紬菫SMですね。受け付けました

◯唯「澪ちゃんを夏祭りに誘ったら断られた」紬「それはね……」


唯「こうやって会うのも久しぶりだねー、ムギちゃん」

紬「えぇ、夏の間はフィンランドに帰ってたから。はいこれお土産」

唯「えっ、何かな~」

紬「ふふっ、後からあけてみて。それでこっちはどうだった? 何か変わったことはあったかしら?」

唯「そうそう聞いてよムギちゃん。一昨日澪ちゃんを夏祭りに誘ったら断られちゃったんだ」

紬「うーん。それは……澪ちゃんにも用事があるだろうから仕方ないんじゃない?」

唯「私もそう思ったんだよ。でもさ、和ちゃんが一昨日お祭りで澪ちゃんを見たって」

紬「えーっと……」

唯「ねっ、酷いでしょ」

紬「澪ちゃん誰かと一緒だったって?」

唯「りっちゃんと一緒だったんだって。それなら私も誘ってくれてもいいのに」

紬「あぁ、それはね……」





唯ちゃんの誘いを澪ちゃんが断った理由は簡単。
二人だけで夏祭りに行く約束をしていたから。

二人だけで?

うん。二人だけで。



澪(唯が誘ってくれたのは嬉しいけど、今日は律と二人きりがいいんだ)

澪(ママに着付けてもらった着物、綺麗って言ってくれるかな…)

澪(そろそろ来てもいい時間だと思うんだけど…あっあれ)

澪「律、こっちこっち!!」

律「おっ、澪」

澪「遅かったじゃないか」

律「時間通りだろ」

澪「ううん。三分遅刻だぞ」

律「チェッ、細かいな」

澪「本当に律はルーズなんだから」

律「まぁまぁ、お祭りなんだから細かいことは抜きにして楽しもうぜ」

澪「それもそうだな。それじゃあ何から見て回ろう?」

律「澪は何が見たい?」

澪「私アレ食べたいんだ。リンゴ飴」

律「ほほう」

澪「それと焼きトウモロコシだな!」

律「私は粉物を食べたいな」

澪「お好み焼きとか焼きそばとかか?」

律「うん」

澪「じゃあさっそく見て回ろうか」

律「あっ、忘れてた」

澪「どうしたんだ?」

律「澪、着物で来たんだ」

澪「あぁ、どうかな?」

律「とっても似合ってるよ。じゃあ行こうぜ!」

澪「///」

律「澪?」

澪「な、なんでもない」

澪(タイミングずらして言うなんてズルいじゃないか

澪(こっちにも心の準備というものがあるんだぞ!)






きっとこんな感じで二人のデートは始まったの。

デートなの?

ええ。女の子が二人きりで出かけるんだもん。デートに決まってるじゃない。

そうなんだ。




澪「うん。やっぱり祭りといったらこれだな」

律「そうか~? 私はやっぱりこっちだと思うけど」

澪「お好み焼きは祭りじゃなくても食べられるけど、リンゴ飴は祭りじゃないと食べられないだろ」

律「そういうものかな」

澪「そういうものなんだ」

律「まぁ澪がそう言うならいいけどさ」

澪「ん? 今日の律はやけに物分かりがいいな」

律「そ、そんなことないぞ」

律(なんだか今日の澪は可愛く見えるんだよな…‥)

律(気のせい、だと思いたいが)




あれ、りっちゃんも意識してるの?

うん!

ほぼ両思いなんだね。

うん。そうだといいわ~。

えっ。

じゃあ、続けるね。

あっ……うん……。


律「あれやろうぜー」

澪「射的か。私はいいから、律だけやってこいよ」

律「んじゃあ、やってくる」

澪「うん」

律「おっちゃん、1回」

おっちゃん「500円だよ」

律「はい」つ500yen

おっちゃん「5回撃てるから、頑張って」

律「はーい」

澪「どれ狙うんだ?」

律「どれが欲しい」

澪「えっ」

律「せっかくだから狙ってやるよ」

澪「それじゃあ、あれがいい」

律「う~ん。あのぬいぐるみか~」

澪「無理なのか?」

律「ああ。あれは下で固定されてる気がする」

澪「それじゃあその二つ右の狼の置物は?」

律「うん。あれなら大丈夫そうだ」

澪「がんばれー」

律「おう、任された」


澪(片目を閉じて狙いをつける律、ちょっとだけカッコいい)

澪(あっ、撃った……揺れたけど落ちないか)

澪(また撃った。同じ場所を狙ったのか……でも落ちない)

律「う~ん。難しいな」

澪「無理なら他のでも」

律「いや、ここまで来たら引き下がれないから」

澪「……そうか」

澪(三発目……あっ、外れた。律、悔しそうだ)

澪(四発目……あたったのに、また揺れただけ)

澪(最後の一発……律、頑張れ)

律「ここだ!!」

澪「当たった……落ちそう、あっ、落ち…………………ない」

律「……」

澪「律?」

律「おっちゃん、もう一回」つ500yen

おっちゃん「あいよ」




りっちゃん意外と諦めが悪いからね~。

でも、それだけじゃないと思うの。

へっ。

澪ちゃんの前でカッコいいところ見せたかったのよ。

そうかな?

きっとそう!

(……あれっ、これってそもそもムギちゃんの妄想じゃなかったっけ?)


澪「ありがとう。宝物にするよ」

律「澪は大袈裟だな」

澪「2500円の置物だからな」

律「あぅ……」

澪「そんなに落ち込むなよ。ほら、鯛焼き奢ってやるからさ」

律「澪……ありがとー」ダキッ

澪「うわっ、唯みたいに抱きつくな!!」

律「やっぱり澪は優しいなー」

澪「そんなんじゃないぞ。ただ……」

律「ただ?」

澪「嬉しかったから」

澪「せっかくだからおみくじでも引いていくか」

律「いいぞ」

澪「大吉こい!」つ200yen

律「私はなんでもいいや」つ200yen

澪「……」

律「……」

澪「大吉だ!」

律「私も!!」

澪「ひょっとしたら大吉しか入ってないのかもしれないな」

律「あぁ、最近の神社だとそういうところもあるみたいだ」

澪「だとしても、ちょっと嬉しい」

律「うん」



和ちゃんは大凶だったって。

えっ。

珍しいからってわざわざ写メとって送ってくれたんだ。ムギちゃんも見る?

うん。

ほら、これ。

本当だ。私、大凶なんて都市伝説だと思ってた。

私も。

今度いい霊媒師さん紹介してあげようかしら?

えっ。

厄祓いが必要だと思うから。

澪「待ち人、遅れるがやがてくる。恋愛、勇気を持って一歩踏み出すことが大事」

律「恋愛、気づけばすぐそこにいる。一つの不注意が取り返しのつかない喪失につながる恐れあり」

澪「……」

律「……」

澪(勇気を持って一歩踏み出す……)

律(気づけばすぐそこにいる……)

律・澪「あのっ!」

澪「あっ、律からでいいよ」

律「いやいや、澪からで」

澪「うんと、じゃあさ。ちょっと葉桜でも見に行かない」

律「葉桜?」

澪「うん。春に花見に行っただろ。あそこだよ。今は葉っぱだけだけど、ライトアップされてて綺麗らしいんだ」

律「あぁ、いいよ」

澪「本当にライトアップされてるんだな」

律「うん。なかなか綺麗だ」

澪「でも、やっぱり花がないと少しさみしいな」

律「……」

澪「律?」

律「な、なんでもないよ」

澪「そうなのか?」

律「……うん」

澪「なぁ、律」

律「ん?」

澪「好きだ」

律「えっ」

澪「律のことが、好きだ」

律「あっ……うん……」

澪「……」

律「……」

澪「ご、ごめん! 変なこと言って。忘れていいから」

律「そうじゃない」

澪「えっ」

律「さっき言おうとしたんだ。桜の花は咲いてなくても、ここに花があるじゃないか、って」

澪「りつ……」

律「私には似合わないと思って言わなかったけど、私は澪のことそう思ってる」

澪「それじゃあ……」

律「あぁ、澪……」

澪(律の目がまっすぐ私の目を見つめてる。真剣そうな律。かっこいい)

律(澪の目、とっても綺麗だ。ずっと私のこと好きでいてくれたんだな……)



チュ

澪「なぁ、律」

律「なんだ」

澪「私、幸せだ」

律「……私も」

澪「ふふふっ」

律「なぁ、澪」

澪「なんだ」

律「手、繋がないか」

澪「うん」

律「……」ギュ

澪「……」ギュ




こうして二人の夏祭りは終わったの。

ふぅ……。澪ちゃん良かったねぇ。

ええ。二人が結ばれて本当に良かったわ。

うんうん。本当に良かったよ。

明日二人に詳しい話を聞かなきゃ。

(私の妄想なんだけど、いいのかしら……)



唯「という話を昨日してたんだ」

澪「///」

律「///」

紬「澪ちゃん、りっちゃん?」

澪「ち、違うぞ。そんなのでたらめだ。律は目があった瞬間ビビってキスなんてできなかったんだから」

律「おい、澪!」

澪「あわわわわ」

紬「ふふっ、だいたい合ってたみたいね」

唯「ねー」

澪「///」

律「///」

紬「あっ、そうだ。そのお祭りっていつまでなのかしら?」

唯「うーんと。確か今日までだったと思うけど」

紬「じゃあ唯ちゃん。二人で行かない? 私焼きそば食べてみたかったの~」

唯「うん。行く行く!」

紬「それじゃあレッツゴー」


ドタドタドタ

律「行ったな」

澪「……うん」

律「まったくムギには参るよ。なぁ、澪」

澪「……」

律「澪?」

澪「……今度はちゃんとして欲しい」

律「えっ」

澪「今度はムギの妄想みたいにちゃんと……して欲しいんだ」

律「///」



おしまいっ!


次どれを書くかは未定です。
その日の気分によって書けるものが違うので、新規リクエストもドシドシいただけるとありがたいです。

何かスゲーひさしぶり。乙。
企業スパイのむぎさん、詐欺師の律、警察の梓、OLの唯、主婦の澪達の頭脳戦だったり駆け引きだったりドラマがあったりカモにしあったりのドロドロを


妄想捗ってるなww
リクエストは逆に菫が下克上でムギをヤっちゃうSMものが見たいです

忘れた頃に来たな乙w

リクエストは若葉ガールズがHTTの学園祭ライブ見に行く話で
もしくはその逆でお願いしやす

たくさんリクエストありがとうございます。助かります。
今回は>>61です。

>>190
駆け引きですか。
プロット書くのが大変そうですが、時間があるとき挑戦してみようと思います。

>>191
菫攻め、紬受けは「あり」だと前々から考えていました。
前向きに検討します。

>>192
原作では叶わなかった(というか描かれなかった)シーンですね
把握しました。

◯紬「珈琲喫茶放課後ティータイム」


紬「いらっしゃい」

澪「こんにちはムギ。ここいいかな?」

紬「ええ」

澪「……」トン

紬「はい、お冷どうぞ」

澪「ありがとう。いつもの頼むよ」

紬「畏まりました」

澪「……あっ、そうだ」

紬「どうかしたの?」

澪「さっきまで直ちゃんいた?」

紬「ええ、お店に来てたわ」

澪「やっぱりあれ直ちゃんだったんだ。声かければ良かったよ」

紬「すれ違いになったんだ?」

澪「うん。スーツ着てたし、ちょっと自信がなかったから声かけそびれちゃった」

紬「ふふっ、そうなんだ」

澪「直ちゃんもよく来るんだ?」

紬「ううん。まだ3回目かな。今日はお礼を言いに来てくれたの」

澪「お礼?」

紬「うん。人事の人を紹介してあげたから」

澪「あぁ。直ちゃん留学で一留してるから、今が就活真っ盛りなんだな」

紬「うん。それで何人か紹介したの」

澪「ムギの家って横の繋がり強そうだもんな」

紬「ううん。この店の常連さんを3人ほど紹介してあげたの」

澪「へぇ~。そういうのもありなんだ」

紬「うん。直ちゃんなら自信をもってオススメできるし」

澪「でも、お客さん嫌がらない?」

紬「大丈夫。その分これをサービスしちゃうから」

澪「あぁ、無料コーヒー券」

紬「うん」

澪「結構儲かってるんだな。この時間なのに8人もお客さん入ってるし」

紬「うんう。最近珈琲豆の原価があがって結構大変なの」

澪「じゃあ大丈夫なの? 無料コーヒー券なんて発行して」

紬「ねぇ、ここの常連さんってどういう会社に勤めてるかわかる?」

澪「うーん……わからない」

紬「この喫茶店の近くの会社に勤めてるの」

澪「……どういうこと?」

紬「つまり、直ちゃんが紹介した会社に勤めたら、常連さんになってくれるかもしれないでしょ」

澪「……なるほど」

紬「ふふっ、ちょっと悪い考えかな」

澪「ううん。そういうのをwin-winって言うんだと思うよ」

紬「そういうことにしておきましょうか」

澪「うん」

紬「はいっ、フレンチトーストと珈琲」

澪「ありがとう」

紬「それで、今日は澪ちゃんどうして来たのかしら」

澪「今日は珈琲飲みに来ただけだよ」

紬「あら、そうなの」

澪「あぁ、私だっていつも頼みごとでくるわけじゃない」

紬「そうなんだ」

澪「そうだぞ」

紬「うーん。それじゃあ、どうしようかしら」

澪「……なにが?」

紬「あの窓際のお客さんいるでしょ?」

澪「眼鏡の人かな?」 

紬「うん、この前お話したの。あの方、保険に興味あるって」

澪「……ありがとうムギ。ちょっと話してくるよ」

__
___

紬「どうだった?」

澪「契約成立!」

紬「さすが敏腕営業さんね」

澪「いやいや、今回のはムギのおかげだよ」

紬「ふふっ、そう言ってもらえると嬉しいわ」

澪「でもいいのか? また無料コーヒー券あげるつもりだろ?」

紬「そうねぇ。このままじゃ経営苦しくなっちゃうかも」

澪「少しだけバックマージン出そうか?」

紬「それは遠慮しておくわ。その代り澪ちゃんが沢山来て売上に貢献してくれると嬉しいな」

澪「週3回じゃ足りない?」

紬「うんっ!」

澪「……もう、ムギは仕方ないな。わかった。できるだけ毎日来るよ」

紬「ふふっ、嬉しいな」

澪「そろそろ会社に戻らなきゃ」

紬「はい、780円になります」

澪「はい」つ千

紬「どうぞ」つ220

澪「それじゃあもう行くよ」

紬「ありがとうございました」

澪「……なぁ、ムギ」

紬「なぁに?」

澪「ありがとう」

紬「どういたしまして」

__
___

唯「ごめん!」

紬「気にしないで、まだそんなに忙しくないから」

唯「でも、遅刻は遅刻だよ」

紬「給料から引いておくから安心して」

唯「えぇ~。それじゃあぜんっぜん安心できないよ~」

紬「うふふ~」

唯「はぁあ……」

__
___

唯「着替え終わったよ」

紬「これ3番テーブル、そっち6番テーブルにお願い」

唯「はい」

紬「いらっしゃいませー」

紬「こちらへどうぞ」

__
___

唯「ご注文はおきまりでしょうか?」

お客「――――――」

唯「はい。はい。では繰り返させていただきます――――」

__
___

唯「カルボ2、チーズ抜きマルゲリータ1、ロゼグラス3」

紬「チーズ抜き? 本当にいいのかもう一度聞いてきて」

唯「はい」

___
____
_____

唯「はぁ、やっと終わったね」

紬「ええ、今日もなかなか繁盛してたね」

唯「うん。順調に常連さんがついてきたね~」

紬「ありがたいわ~。これも唯ちゃんのおかげかしら」

唯「へっ。ムギちゃんの料理が美味しいからじゃないの?」

紬「そんなことないわ。唯ちゃん目当てのお客さんもいるのよ」

唯「えっ、どの人?」

紬「教えてあげない」

唯「う~ん。プライパシーに関わることだから仕方ないねぇ」

紬「ええ」

唯「ムギちゃん目当てのお客さんもいるの?」

紬「どうだろう。でも、私と唯ちゃん目当てのお客さんはいるみたい」

唯「……どういうこと?」

紬「こうすると喜ぶってこと」フ-ッ

唯「……ひゃ///」

紬「うふふ」

唯「突然耳に息を吹きかけるなんて酷いよ!」

紬「ごめんなさい」

唯「いろんなお客さんがいるんだね~」

紬「でもみんなありがたいわ。ねぇ、唯ちゃん。今日は時間ある?」

唯「うん。大丈夫だよ」

紬「それじゃあケーキの試食お願いできるかしら。それで遅刻はチャラにしてあげるから」

唯「うん! チャラにしてもらわなくても試食はやるよ」

紬「あら、じゃあ給料から引いても――」

唯「駄目!」

紬「わかってるって」

作者ある意味すごいな

__
___

唯「ちょっと酸味が弱いかも」

紬「それじゃあこっちは」φカキカキ

唯「甘さはちょうどいいんだけど、食感にもう一工夫あるといいかな」

紬「ふむふむ。ナッツでも入れてみようかしら」φカキカキ

唯「う~ん、ナッツだと風味が強すぎるからフレークとかどうかな」

紬「そうねぇ、ためしてみるわ」φカキカキ

唯「こんなものでいいかな」

紬「ええ。助かったわ」

唯「満足満足」

紬「ふふっ、唯ちゃんの感想は適切で助かるわ」

唯「私の天職かな~」

紬「本職の方は?」

唯「それが……今月もあんまり仕事入ってないんだ」

紬「そうなんだ。イラストレーターも大変ねぇ」

唯「うん」

紬「お昼もたまにはシフト入れてみる?」

唯「お金は大丈夫?」

紬「うん。唯ちゃんがお昼も入ってくれれば、それ目当てのお客さんも来てくれると思うし……」

唯「……う~ん。でもお昼もバイトしちゃうと本業が益々疎かになっちゃうから、もう少し頑張ってみるよ」

紬「そう。でも私の方はいつでも大歓迎だから」

唯「うん。仕事が全くなくなったら再就職はお願いするね」

紬「永久就職でもどんと来いです!」

唯「ムギちゃんその冗談好きだね」

紬「ええ、大好きなの」

唯「それじゃあムギちゃん、おやすみなさい」

紬「おやすみなさい、唯ちゃん」

__
___

ガラッ

紬「いらっしゃい」

梓「…」

紬「…」

梓「…」

紬「…」

梓「…」

紬「…」

梓「…」

紬「エスプレッソおまたせしました」

梓「…」ゴクッ

紬「…」

梓「…!」パチッ

紬「おはよう、梓ちゃん」

梓「あっ、おはようございます、ムギ先輩」

紬「はい、トーストとゆで卵」

梓「ありがとうございます」ハムッハムッ

紬「まだ仕事忙しいんだ」

梓「今週は寝る間もないですね」

紬「体だけは大切にしてね」

梓「はい、気をつけます」

紬「うんうん」

梓「ところで、このお店大丈夫なんですか?」

紬「どうして?」

梓「いつ来ても私以外お客がいませんよね」

紬「まだ朝の五時半だもの」

梓「そうでした」

紬「ふふっ、まだ頭が回ってないみたい」

梓「でも、いいんですか? こんな時間から店を開いても赤字なんじゃ……」

紬「開いてないよ」

梓「えっ」

紬「【準備中】って表にはかかってるよ」

梓「えっ」

紬「いつも梓ちゃんは気づかないみたいだけど」

梓「……全く気づきませんでした」

紬「ふふっ、いつも眠ったままお店にくるものね」

梓「……すいません。迷惑でしたか?」

紬「ううん。大歓迎。この時間にはもう開店準備はじめなきゃならないから」

紬「でも、梓ちゃんのアパートがお店の横になかったら、どうなってたのかしら」

梓「それは困ります」

紬「そうよねぇ……」

梓「忙しいとは知っていましたが、ADがこれほど忙しいとは……ちょっと予想外でした」

紬「体だけは壊さないように」

梓「あのっ、このお店本当に大丈夫なんですか?」

紬「心配?」

梓「はい。もしもお客さんが少ないなら、特集ぐらい組みますから」

紬「心配してくれてありがとう。でも大丈夫よ。今年はちゃんと黒字だし」

梓「ほっ……」

紬「心配してくれてありがとう」

梓「困ったことがあったらなんでも言ってくださいね」

紬「梓ちゃんは頼りになるわ~」

梓「はい。頼りになる後輩中野梓です」

紬「ふふっ。あっ、そろそろ時間じゃない」

梓「もうそんな時間ですか」

紬「ええ。じゃあいってらっしゃい。あっ、来週のことだけど」

梓「それなら大丈夫です。既に有給申請してありますから」

紬「ふふっ、楽しみね~」

梓「はい。とっても楽しみです」

__
___
律「ちーっす、ムギ」

紬「いらっし……」

律「……ムギ?」

紬「おかえりください!」バタン

律「ムギィイイ!!!!」ガラッ

紬「もうりっちゃん。また会社サボって来たでしょ」

律「だってつまんないし……」

紬「澪ちゃんも唯ちゃんも梓ちゃんも必死に働いてるのに……」

律「あいつらはあいつら、私は私だ」

紬「もう……」

律「カフェラテと葡萄のタルトを頼む」

紬「はい」

律「あっ、このポスター」

紬「ええ、りっちゃんが企画してくれた演奏会」

律「もう来週だっけ」

紬「練習してる?」

律「大丈夫だって」

紬「うーん。ちょっと心配ねぇ」

律「楽しみだな。HTTと若葉の合同演奏会」

紬「ええ、楽しみねぇ~」

律「でも良かったのか? ムギの店を貸し切っちゃって」

紬「大丈夫よ。ちゃんとお客さんからお金は頂くから」

律「でも、打上げ代で消えるだろ」

紬「うん。だけど楽しんでくれたお客さんはまたお店に来てくれるようになるから」

律「ふぅん。そういうものか」

紬「ええ、そういうものなの。はい、カフェラテと葡萄のタルト」

律「うん。美味しい」パクパク

紬「りっちゃん仕事の方は大丈夫なの?」

律「あぁ。自分で言うのもなんだけど、私は要領いいから」

紬「クビにならなきゃいいけど」

律「……たぶん大丈夫」

紬「たぶんなんだ」

律「まぁクビになったらムギのところで働かせてもらうよ」

紬「そうね。店の前で客引きでもしてもらいましょうか」

律「おいっ!」

紬「ふふふ」

律「ムギ……? 突然笑い出してどうしたんだ?」

紬「うん。幸せだなって」

律「……頭でも打ったか?」

紬「こうして軽音部のみんながお店に来てくれて嬉しいなって思ったの」

律「あぁ、唯はバイトしてるんだっけ。澪と梓も来るのか?」

紬「ええ。二人とも良く来てくれるわ」

律「ふぅん。ちょっとだけあの頃を思い出すな」

紬「あの頃?」

律「高校時代のこと」

紬「そうね……あの頃は本当に楽しかったわ」

律「あぁ、楽しかったな。でも、今だって楽しいんじゃないか?」

紬「そうね。特に来週の演奏会は本当に楽しみだわ~」

律「そう言ってくれると企画した甲斐があったよ」

紬「りっちゃん偉い!!」パチパチ

律「そうだろ、そうだろ。それにさ、ムギとお茶を飲んでると感じるんだ」

紬「……なにを感じるの?」

律「それはだな……」

ガラッ
紬「っと、お客さんね。りっちゃんちょっと待ってて。あらあらあら……」

梓「収録の合間に時間が出来たので来ちゃいました。その途中でお二人に会って……」

唯「うんうん。仕事が無いから私も来ちゃった」

澪「あっ、律! またサボってムギのところに!!」

律「……放課後ティータイム延長戦って感じ」

紬「ええ、ほんとうに!」



おしまいっ!

次回何を書くかは未定です。
では、また。


>>208
何かリクエストしてくれるとありがたいです。

ムギちゃんと澪ちゃんで、巨乳ならでわの悩みのお話書いて~。
エロくない方向でww

今回は>>162です。


>>227
これはかなり書きやすそうなネタですね。
次の次ぐらいに挑戦させてもらうかもしれません。

◯紬「絆」


>琴吹邸-紬の部屋

菫「あっ、お姉ちゃん」

紬「菫、私の部屋に来てたんだ」

菫「うん。旦那様からのお話はどうだった?」

紬「それがね……これを渡されちゃった」

菫「……鞭?」

紬「『紬ももう18になったんだから使用人の躾をはじめなさい』って手渡されたの」

菫「……」

紬「……」

菫「お姉ちゃん……」

紬「だ、大丈夫よ。私は菫のことを鞭で叩いたりしないから」

菫「そうじゃなくて、お爺ちゃんも鞭で躾けられたのかな?」

紬「あっ、そっち……」

菫「うん」

紬「……」

菫「……」

紬「上手く想像できないね」

菫「うん……」

紬「それじゃあ執事の斉藤に直接聞いてみましょ」

菫「お爺ちゃんに?」

紬「うん」

菫「そうだね、聞いてみよっか」

菫(ちょっとこわいけど)

紬「じゃあベルを鳴らして」チリンチリン

斉藤「御用事ですか、紬御嬢様」シュタッ

紬「うん。ちょっと聞きたいことがあるんだけど……」

斉藤「聞きたいこと、でございますか。なんなりとお申し付けください」

紬「これのことなんだけど」

斉藤「それは琴吹家に伝わる鞭で御座いますね。遂に紬御嬢様も……」

紬「え、ええ。御父様に渡されたの」

斉藤「そうですかそうですか」

紬「それでその……質問なんだけど、斉藤もこの鞭で躾けられたの?」

斉藤「勿論でございます。話せば長くなりますが……」

菫「て、手短に話してくれればいいよ、お爺ちゃん」

紬「ええ、手短にお願い」

菫・紬(生々しい話はやめて!)

斉藤「そうで御座いますか……。では手短に」

紬「うん」

斉藤「この鞭は使用人と主をつなぐ、いわば絆のようなもので御座います」

紬「絆?」

斉藤「はい。そうで御座います」

菫「鞭で叩かれることが絆なの?」

斉藤「菫、サラブレットと人間はどうやってコミュニケーションを取る?」

菫「……鞭で」

斉藤「そうだ。肉体に直接刻みつけられるコミュニケーションは時として言語以上の意味を持つ」

菫「……」

紬「……」

斉藤「だからこその鞭なのだよ」

菫「わかったような、わからないような……」

斉藤「なぁに、心配することはない。菫もすぐに分かるだろう」

菫「……」

斉藤「それでは御嬢様、菫のことを、どうぞ宜しくお願いします」

紬「え、ええ。わかったわ」

斉藤「では、おやすみなさいませ、紬御嬢様」シュタ

紬「……」

菫「……」

紬「予想の斜め上の話だったね」

菫「うん。鞭で叩かれることが絆だなんて」

紬「そう……だね」

菫「……」

紬「……」

菫「ね、ねえお姉ちゃん」

紬「う、うん?」

菫「私のこと鞭で叩いてみたい?」

紬「えっ」

菫「叩いてみたい?」

紬「……菫は叩かれてみたい?」

菫「ちょっとだけ」

紬「……」

菫「お姉ちゃん?」

紬「……」ピシャン

菫「いぎぃ!!」

紬「す、菫。大丈夫?」

菫「だ、大丈夫。でもいきなり叩くなんてズルいよ」グスッ

紬「ご、ごめんなさい」

紬(涙目で必死に抗議してる菫……かわいい)

菫「これでちょっとは絆が深まったかな?」

紬「う~ん。どうだろう」

菫「もっと叩かれなきゃ駄目かな?」

紬「でも菫、痛かったでしょ?」

菫「うん。痛かったよ。でも……」

紬「ん?」

菫「な、なんでもないよ。お姉ちゃん。とにかくもう一度叩いてみてよ」

紬「え、ええ」

菫「……」

紬「それっ」ビシャン

菫「ひぎっ!」

紬「だ、大丈夫?」

菫「だ、大丈夫じゃないかも」グスッ

紬「す、すみれ……」

菫「い、痛かったよ~」グスッ

紬(か、かわいい///)

紬「さっきより優しくしたつもりだったんだけど」

菫「ちょっと当たりどころが悪かったんだと思う」

紬「私が扱いに慣れてないから……」

菫「慣れてるほうがどうかと思うけど」

紬「そうね。それで結局この鞭、どうしようかしら……」

菫「……しばらく使ってみればいいんじゃないかな

紬「えっ」

菫「私に至らないところがあったりしたら、遠慮なく使ってよ」

紬「でも……」

菫「お爺ちゃんが言ってた絆って、そうやって育まれていくものだと思うから」

紬「そうね。試してみましょうか」

>朝-紬の部屋

菫「おねーちゃん、あさだよー」

菫「おきてあさごはんたべよー」

紬「むにゃむにゃ…菫?」

菫「うん」

紬「今日は土曜日だよね」

菫「うん」

紬「それじゃあ菫も一緒に二度寝しましょ」

菫「えーっ、起きて遊びにいこうよ」

紬「……」ピシャン

菫「ひぐぅ!」

紬「すみれ……大丈夫?」(涙目になっちゃった……)

菫「ひ、酷いよ……」

紬「ご、ごめんなさい。でも菫が一緒に寝てくれないから…」

菫「もう……これでいい?」

紬「すみれ……ありがとう」ダキッ

菫「お姉ちゃんなのに甘えん坊さんなんだから」

紬「ふふふ。すみれー」ギュ-

菫「もう。こんなことのために鞭を使うなんて……」

紬「菫はきちんとお仕事してくれてるし、他に使うタイミングないと思ったの」

菫「ほんとう?」

紬「うん。菫は実によく働いてくれてるわ」

菫「えへへー。そっかぁ」

紬「でも自分の欲望のために鞭を使うのはよくないのかしら」

菫「でも他に使う機会なんてないんでしょ」

紬「そうねぇ」

菫「じゃあ使ってもいいんじゃないかな」

紬「う~ん」

>翌日

紬「すみれ」ピシャン

菫「いぎぃ!」

紬(や、やっぱりかわいい//)

菫「ど、どうして突然鞭で叩いたの」

紬「えいっ」ピシャン

菫「ひぐっ!」

紬「それっ」ピシャン

菫「いぎぃ!」

紬(はぁ、はぁ、はぁ、やみつきになりそう)

菫「お、おねえちゃん……」グスッ

紬(かわいいわ、菫//)

菫「なんでこんなことするの?」グス

紬「菫が可愛すぎるからいけないの」

菫「私が可愛すぎる?」

紬「うん。かわいいから、思わず鞭で叩きたくなるの」

菫「……わけがわからないよ」

紬「ごめんなさい。やっぱり嫌だったかしら?」

菫「……」

紬「菫?」

菫「嫌……じゃなかったかも」

紬「えっと……」

菫「確かに痛かったけど……ちょっとだけ気持ちよかったから」

紬「あっ、わかる」

菫「え」

紬「痛いのって気持ちいいよね」

菫「う、うん」

紬「じゃあどんどん叩いてもいいかな」

菫「それは……」

紬「嘘よ。たまにしか叩かないから安心して」

菫「……うん」

菫(それからお姉ちゃんは私のことを頻繁に鞭で叩くようになりました)

菫(一緒に寝て欲しい時に)

菫(一緒に出かけたい時に)

菫(一緒に何かを作りたい時に)

菫(お姉ちゃんは私を鞭で叩きます)

菫(鞭で叩かれた後はいつでもお姉ちゃんと一緒)

菫(いつの間にか鞭は私にとって2つの意味でのご褒美になっていました)

菫(これが……絆?)

>それからの話

紬「菫、私にキスしなさい」

菫「でも、私達女の子――」

ピシャン

菫「ひぎぃ」

紬(かわいい//)


紬「菫、私とエッチなことしましょ」

菫「でも、私達未成年――」

ピシャン

菫「ひぎぃ」

紬(……濡れてる)


紬「菫、私と結婚しましょう」

菫「でも、私達使用人と主の――」

ピシャン

菫「ひぎぃ」

紬(愛に身分の差なんて関係ないわ!)


紬「菫、私と一生一緒にいてくれる?」

菫「うん!」

ピシャン

菫「ひぎぃ」

紬(関係なく叩いちゃった。でも嬉しそうだからいっか)

菫(お姉ちゃん……もっと叩いて//)


斉藤「絆ですなぁ」

紬祖父「まったくだ」

斉藤・紬祖父「WAHAHAHAHAHAHAHA!」


おしまいっ!

次は唯誕目標で>>128に挑戦してみようと思います。
誕生日に間に合わなかったらすいません。

長い間放置してしまい御免なさい。
今回は>>60を投下します。
予告と違う上、お題もうまく熟せていないませんが、これ以上放置すると2ヶ月ルールで落ちてしまうので。

◯紬「私、一ヶ月一万円生活するのが夢だったの~」


唯「えっ、ムギちゃん黄金伝説に出るの?」

紬「うん」

唯「獲ったどーーー!! のアレ?」

紬「そうだよ」

唯「でも、どうしてイキナリ?」

紬「実はね、お父様が事業で失敗しちゃって、再起のためにお金が必要になったの」

唯「えっ」

紬「それでね、そのお金を稼ぐために一ヶ月だけ休学して番組に出演させてもらうことにしたの」

唯「……ムギちゃんのお父さんお仕事で失敗しちゃったんだ?」

紬「えぇ……そうなの」

唯「でも、テレビに出ても多くて数十万円しか貰えないよね。それくらいでどうにかなるの?」

紬「それなんだけど、結構な額をもらえるみたいなの」

紬「実はテレビ局の人がお父様に恩があるらしいんだけど……」

紬「直接お金を渡すと贈与税で国に持っていかれちゃうから、ギャラという形で渡したほうが節税になるとかで」

紬「私が番組に出ることになったの」

紬「そのお金さえ入れば、お父様の会社は不渡りを出さずに済むから……」

唯「た、大変だね~」

紬「ううん。むしろすっごく楽しみ! 私、黄金伝説に出るのが夢だったから」

唯「あっ、それはわかるかも」

紬「唯ちゃんも?」

唯「私もね、一度出てみたかったんだー。スイーツで一週間過ごすやつとか」

紬「あっ、私もそれに出てみたい」

唯「でもムギちゃんが出るのは一ヶ月一万円生活なんだよね?」

紬「えぇ。私で大丈夫かしら……」

唯「……」

◆1日目◆

スタッフ「それでは一万円を渡します」

紬「はい!」

スタッフ「光熱費や水道料金は毎晩徴収にきますので」

紬「はい!」

スタッフ「ではご健闘を」

紬「ありがとうございます」ペコリ

紬(さて、何からはじめましょうか)

紬(あっ、まず電気を消さなきゃ)

紬(……ブレーカーごと落としちゃえ。えいっ!!)

紬(うん。これでよし!)

紬(テレビ局の人には途中でギブアップしてもいいって言われたけど、やれるだけのことはやらないと)

紬(……うん)

紬(まずは買い物だけど……どこのスーパーが安いのかな)

紬(普段スーパーに行かないから全然わからないわ)

紬(どうしましょう……)

ピンポーン♪

紬(あれ、お客さん?)

ガチャ

紬「どちらさま?」

憂「こんにちはー」

紬「あれっ、憂ちゃん?」

憂「はい。きちゃいました」

紬「今、番組の収録中なんだけど」

憂「だからです。紬さんは買い物とか慣れてないんじゃないかって思って」

紬(唯ちゃんが頼んでくれたのね。ありがとう……)

紬「それじゃあ憂ちゃん、今日はお願いしますっ!」

憂「はい! 任せてください」

―――

紬「どこへ向かってるの? こっちには田んぼしかないみたいだけど」

憂「農家に直接お米をわけてもらいに行くんです」

紬「そんなことができるの?」

憂「はい。お爺ちゃんの知り合いが農家をやっているんですよ」

紬「そうなんだ」

憂「お米を安く買うにはこうするしかないんです」

紬「そうなの?」

憂「はい。稲作を関税障壁で保護するために外国米には高い関税がかけられていますし」

憂「国産米は国が正規の価格を決めていますから」

紬「へぇ~」

憂「だから農家の人と直接交渉して、市場に回さず自家消費用にとっておいた、二級品のお米をわけてもらうんです」

紬「なるほど……」

憂「古米だからその分味は落ちちゃいますけど……」

紬「それは大丈夫。それくらはしないと一万円生活なんて無理だもの」

憂「……そうですね」

紬「確か古米って粘りがちょっと弱いのよね」

憂「そうです。だから炒飯などに向いてるかもしれません」

紬「ふぅん」

憂「実はお姉ちゃんは新米と古米の違いに気づきません。……あっ、これは内緒で」

紬「……憂ちゃん。いま収録中よ」

憂「……」

紬「憂ちゃん?」

憂「ご、ごめんね、お姉ちゃん」アセアセ

紬「うふふ」

―――

紬「精米楽しかったね」

憂「紬さん子供みたいにはしゃいでましたね」

紬「//」

憂「スーパーにも寄ったから、必要なものはだいたい揃ったと思います」

紬「結構買ったね」

紬「小麦粉と蕎麦粉……野菜とお肉……卵と牛乳……調味料と油……」

紬「憂ちゃんのおかげでとっても安く買えちゃった。今日はありがとう」

憂「他にも私にできることがあったら言ってください」

紬「ええ、そのときはお願いね、憂ちゃん」

憂「……あの」

紬「ん?」

憂「私、紬さんのこと応援してますから」

紬「憂ちゃん、ありがとう」

―――

紬(さて、憂ちゃんは帰っちゃったし、料理を作ろうかしら)

紬(お米を炊くのもいいし、小麦粉を使って何か作ってもいいけど……)

紬「う~ん」

ピンポーン♪

紬(あら、またお客さん)

ガチャ

律「おっ、ムギやってるな」

紬「あっ、りっちゃん」

律「ほぅ、買い物してきたんだ……レシートはこれか……」

律「こんなに安く買ったのか。感心感心」ナデナデ

紬「り、りっちゃん//」

律「ムギに庶民の暮らしは難しいと思ってたけどやるもんだな」

紬「憂ちゃんのおかげよ」

律「なるほど……なら私は料理を教えてしんぜよう」

紬「りっちゃんが料理を教えてくれるの?」

律「あぁ。それで今日は何を作るんだ?」

紬「まだ決めてないんだけど」

律「それならチャーハンでも作ろうか」

紬「うん」

律「まずはフライパンを十二分に熱する……と言いたいところだけど」

紬「……?」

律「テフロン加工だとあんまり熱するのはよくないんだ」

紬「そうなんだ?」

律「しかもIHだし……まぁなんとかなるか」

律「よしムギ。まずは卵を割ってこの容器に入れてくれ」

紬「いえっさー!」パカ

律「それから箸でよく混ぜるんだ」

紬「いえっさー!」カチャカチャ

律「よしっ、次は御飯をこっちの茶碗に入れてくれ」

紬「いえっさー!」ギュッ

律「次は……温まったフライパンに油をしくんだ」

紬「いえっさー!」ドバ

律「う~ん。もうちょっと多めだな」

紬「えっ、けっこう入れたと思うけど……」

律「こら、上官に口答えするな」ポカ

紬「はいっ! りっちゃん隊長」ドバドバ

律「チャーハンはちょっと引くぐらい多めに油をいれたほうが美味しくできるんだ」

紬「そうなんだ?」

律「次はいそがしいぞ。たまごを入れて箸でかるくかき混ぜて油と卵をなじませる」

律「終わり次第即座に御飯を投入して、フライパンを振ってひっくり返す」

律「それからしゃもじでわしわしかき混ぜるんだ」

紬「た、大変そう……」

律「大丈夫。ムギならできるよ」

紬「……いきます!!」

―――

紬「失敗しちゃった……」

律「うまくひっくり返らなかったから、卵が偏っちゃったなぁ」

律「IHじゃなければ鍋振り調理できるから難易度が下がるんだけど」

律「IHで鍋振りすると鍋の温度が下がってべちゃっとしちゃうからなぁ……」

紬「そうね。あっ、りっちゃんちょっと待ってて」

律「うん?」

紬「カメラは……ここね」

紬「はいっ、りっちゃん直伝特製チャーハン(失敗)です」

律「あぁ、そういうのもしなきゃいけないんだ」

紬「うん」

紬「いただきます」

紬「……あら、意外と美味しい」

律「本当?」

紬「古米は粘り気が少ないからかしら。結構ぱらぱらしてるし、パサついてもいないし」

律「ならよかったよ」

紬「はい、りっちゃん。あ~ん」

律「む、むぎ?」

紬「あ~ん」

律「……仕方ない//」パクッ

紬「どう?」

律「……うん。意外といけるな」

◆13日目

紬(残高4200円)

紬(食材は4日分ぐらいあるし……)

紬(なんとかなりそうかしら)

ピンポーン♪

紬「は~い」

ガチャ

紬「あら、澪ちゃん」

澪「ムギ、元気にしてたか」

紬「ええ、おかげさまで」

澪「……ムギちょっと痩せたんじゃないか」

紬「そうかしら?」

澪「うん……うん……。間違いない。私も黄金伝説に出たら痩せるかな?」

紬「澪ちゃんが出たらきっとすごく人気出るわ~」

澪「そうかな?」

紬「ええ、そうよ」

澪「そうか……//」

紬「それで澪ちゃん。今日は何をしにきたの?」

澪「うん。実は特に用事があってきたわけじゃないんだ」

紬「そうなんだ。でも澪ちゃんがきてくれて嬉しいわ~」

澪「ならよかったよ」

紬「最近学校はどう?」

澪「平常運転だよ。だけど……」

紬「うん?」

澪「ムギの紅茶を飲めないのは寂しいな」

紬「……ねぇ澪ちゃん。ちょっと出かけない」

澪「いいけど、どこに行くんだ?」

紬「ついてきて」

―――

紬「とうちゃーく!」

澪「あれ、このお店って」

紬「ちょっと待っててね」

―――

紬「おまたせ」

澪「なにを買ったの?」

紬「お茶を買ったの。さぁ、帰りましょう」

―――

紬「はい、どうぞ、澪ちゃん。」

澪「ありがとう……。うん。やっぱりムギの紅茶だな~」

紬「ふふふ」ニコニコ

澪「でも良かったの? あそこのお茶って確か」

紬「大丈夫。格安で分けてもらっただけだから」

澪「そうなの?」

紬「それにこうしてお茶をいれるのは、私も楽しいから……」

紬(千円くらいなら大丈夫よね?)

澪「なぁムギ。お返しといったらなんだけど、私にアレをやらせてくれないか」

紬「アレ?」

澪「アレだよアレ」

紬「……?」

澪「ちねりのこと。私、アレをやるのが夢だったんだ」

紬「……! ええ!! 一緒にやりましょう!!!」


絵面が地味なため省略

   

◆26日目◆

紬(残高があと500円しかない)

紬(光熱費を考えるともう買い物はできない)

紬(これはもう伝説達成は無理かしら……)

紬(はぁ……)

ピンポーン♪

紬「は~い……」

ガチャ

梓「ムギ先輩こんにちは。来ちゃいました」

紬「あ、あずさちゃん」ダキッ

梓「えっ//」

紬「梓ちゃん大変なの、後500円しかないの!」

梓「知ってます。だから私が来たんです」

紬「?」

梓「今日はムギ先輩にこれを渡しにきたんです」

紬「これは……銛ね」

梓「銛です」

紬「……」ゴクリ

梓「……」ゴクリ

紬「海に……」

梓「海へ……」

紬「行くのね……」

梓「行くしかないです……」

紬「オヤツは?」

梓「10円までです」

紬(うまい棒にするべきかしら、それとも5円チョコ×2にするべきかしら)

―――

紬「あっ、海が見えてきた!!」

梓「なんでビーチボールを膨らませてるんですか?」

紬「えっ……」キョトン

梓「なんでそんな顔するんですか」

紬「遊ばないの?」

梓「遊びません!! 私たちは魚を捕りに行くんですから」

紬「残念……」ガックシ

―――

紬「さて、車から降りたのはいいけど、どうすればいいのかしら」

梓「まずはスタッフさんが用意してくれたウェットスーツに着替えましょう」

―――

紬「どきどきするわね」

梓「はい。私もテレビで見て一度やってみたいと思ってました」

紬「梓ちゃんも?」

梓「ムギ先輩もですか。あれは本当に楽しそうに見えますから」

紬「ええ、でも大変そうでもあるわ」

梓「だとしてもやるしかないです」

紬「そうね。もうお金はほとんどないし」

―――

紬(海にもぐったのはいいけど、お魚があまり見つからない)

紬(小さいのならたくさんいるのだけど……)

紬(あれ、あずさちゃんがこっちを見てる?)

紬(指さしてる方向には……)

紬(あれは……海のギャングと恐れられているウツボさんね!)

紬(よーく狙って……えいっ!)

紬(刺さった!! ……っと、外れちゃった)

紬(あっ、今度は梓ちゃんが銛を向けて……刺さった)

紬(でも逃げられそう。なら……私も)

紬(えいっ!!)

―――

梓「やりましたね」

紬「うんっ!」

梓「それじゃあ戻り――」

紬「ちょっとまって!」

梓「……?」


紬「獲ったどーーーーーーー!!!!!!!」


梓「お約束ですね」

紬「ええ、お約束ね」

―――

梓「どうやって調理しましょう」

紬「やっぱりそれもお約束じゃない」

梓「……やっぱりそうですか」

紬「うん」

梓「まず、中華鍋に油をなみなみと注いで」

紬「火で熱して」

梓「遠くから魚を」

紬「投げ入れる」

梓「……」

紬「……」

梓「まぁお約束ですから」

紬「やるしか無いわね」

梓「……」ゴクリ

紬「えいっ!!」ポイ

バシャン!

ボッ!!

紬「火柱がきれいねぇ……」

梓「これは、料理なんでしょうか」

紬「どうかしら?」

―――

梓「まぁまぁでしたね」

紬「ええ、食べられなくはなかったわ」

梓「それでムギ先輩」

紬「どうしたの?」

梓「これが終わったら、その……」

紬「えぇ、そうね。たぶん大丈夫だと思う」

紬「ちゃんと学校に戻れると思うわ」

梓「ほんとうですか?」

紬「ずっと心配してくれてたんだ。梓ちゃんだいすき」ダキッ

梓「///」

紬「うふふ。本当にありがとう、梓ちゃん」

◆32日目◆ 

紬「ありがとうございました」

―――

紬「一番苦労したことですか?」

紬「う~ん。特になかったです。とにかく楽しかったから」

紬「部活のみんなも遊びにきてくれたし……」

―――

紬「えっ、数字が良かった? SPでちねり二時間ノーカット放送が決まったんですか?」

紬「ええ、澪ちゃんもきっと喜んでくれると思います」


―――


紬「ふぅ……やっと終わった」

唯「むーぎーちゃん!」

紬「あっ、唯ちゃん」

唯「やっと終わったねムギちゃん」

紬「さっき斎藤から電話があったんだけど、お父様の会社も持ち直したみたい」

唯「……! じゃあ」

紬「えぇ、これで学校にも戻れるわ」

唯「やったね」ダキッ

紬「もう……唯ちゃんったら//」

―――

唯「それにしてもよく一万円で生活できたねー」

紬「えぇ、これもみんなが来てくれたおかげだわー」

唯「ムギちゃんの頑張りがあってこそだよ」

紬「……ねぇ、唯ちゃん」

唯「なぁに?」

紬「あのね、こんなの聞くようなことじゃないかもしれないけど、どうして唯ちゃんはきてくれなかったの?」

唯「あっ、それはね……」

唯「私は他のみんなみたいに出来ること無いから、迷惑かけるだけかなーって思って……」

紬「……そんなことない」

唯「ムギちゃん?」

紬「唯ちゃんと774時間も会えなくてとっても寂しかったもん」ダキッ

唯「ムギちゃん……かぞえてたんだ」ヨシヨシ

紬「……うん」

唯「もう……ムギちゃんは寂しがりやさんだね」

紬「……うん」

唯「実は、私も寂しかったんだよ。ムギちゃんと会えなくて」

紬「ほんとう?」

唯「うん」

紬「私、唯ちゃんとお話したいこと沢山あるの」

唯「うん。私も。だから……これ」

紬「……? 書類?」

唯「一週間スイーツだけで過ごす企画だって。さっきプロデューサーの人に渡されたんだけど」

紬「私と唯ちゃんの二人で一週間スイーツだけで?」

唯「うん。これをやってみない?」

紬「ふふふ」

唯「むぎちゃん?」

紬「唯ちゃんは私と一緒にそれに出たいのかしら? それともスイーツが食べたいの?」

唯「……ひみつかな」

紬「うふふ。じゃあ唯ちゃん。一週間お願いします」

唯「まだ企画なのに……でも一週間よろしくね、ムギちゃ――」

律「あっ、いたいた」

梓「やっと見つけました」

澪「探したんだぞ」

憂「お姉ちゃん、紬さん……」

紬「あっ、みんな……」

澪「実はさっきプロデューサーの人にこういう企画を渡されたんだ」

紬「これは……えっ、澪ちゃんと私でダイエットする企画?」

梓「私も渡されました」

紬「梓ちゃんと私で釣りをする企画?」

律「私も……」

紬「りっちゃんと私でハニカミデート?」

憂「実は、私もです」

紬「憂ちゃんと私で農業をやる企画?」

唯「だっ、駄目だよ! ムギちゃんは私と一緒に一週間スイーツ生活やるんだからっ!」

梓「駄目です。私と釣りで自給自足やるのが先です!」

澪「なぁムギ。その道のプロがダイエットの指導してくれるらしいんだ。テレビに出るのはちょっと恥ずかしいけど……」

律「はにかみでーとなんて似合わね~し//」

憂「紬さんと農作……//」


紬「うふふふ」

紬(お父様、紬は今とっても幸せです。)


それから先の話を少しだけ。

紬父の買った宝くじと馬券があたり、結果的に紬嬢のギャラは必要なかった。
彼女は黄金伝説のギャラをHTTのCDを販売するために使った。

軽音部関連の企画はことごとくヒットし、
彼女たちは黄金伝説のレギュラーとなり、
HTTはメジャーデビューへの階段を登り始めることになるのだが……。

そのお話は別の機会に。


おしまいっ!

今回書かせてもらった>>60についてはリベンジにもう一本書くかも。
では、また。

遅くなってすいません
今回は>>128です

◯紬「りあるとげんじつ」


―1―

最初にそれを口にしたのは梓ちゃんだったと思う。

現実は甘くないことぐらいみんなわかっていた。
現実主義の澪ちゃんや梓ちゃんはもちろん。
ちょっと夢見がちな唯ちゃんだって、きっとちゃんとわかってた。

だけど挑戦してみたいと思った。
自分たちが最高に楽しめる音楽が、どこまで届くのか。
それを知りたかったんだ。

だから力を振り絞り、まっすぐに進んできたはずだ。

でも知らないことだってあった。
最初に気づいたのが梓ちゃんだっただけのこと。


梓「少しつまらなくなりました」

別に梓ちゃんを責めるつもりはない。
私たちはただ目を逸らしていただけだったから。
バイトで食いつなぎ、夢を目指す日々。
そこには今までなかった楽しさだってあった。
オーディションに受からず、どうしようもなくつらい日々が続いたとしても。
それでも前向きにみんなと一緒に戦うのは、楽しかった。

オーディション会場で他のバンドメンバーと喋りながら待つ時間。
駄目かな、と思いつつも、どきどきしながら待つ時間。
そういう時間が私たちは好きだった。

いろんな友達もできた。
応援してくれるファンの人だってたくさんいた。

だから本当に大切なことから目をそむけていた。
演奏が、少しずつつまらなくなっていることに。

私たちはバンドだ。
誰かを喜ばせるためのバンドじゃない。
自分たちが楽しむためのバンドだ。

最近は演奏しているとき、ずっと考え続けてる。
どうすれば審査員の人たちにウケるのか。
どうすればオーディエンスを盛り上げることができるのか。
それだけを考えてキーボードに全力をぶつける。

きっとみんなも同じだ。
それだけを考えて自分のすべてを楽器にぶつける。

決してつまらなくはない。
自分の全部をぶつければ、楽器はそれに応えてくれる。
よりよい演奏をするために何が必要かを教えてくれる。
だけどそれは、私たちの領分ではなかったんだと思う。

だから梓ちゃんは言ったのだ。

―2―

オーディションの帰り道、唯ちゃんが呟いた。


唯「やめたい」


その言葉に誰も返事をすることができなかった。
一寸してから、かろうじでりっちゃんが言葉を絞り出した。


律「まだはじまったばかりだろ」


唯ちゃんはだまりこんだ。
このあと、誰も言葉を発さないまま帰路についた。

次の日。路上ライブの日。
澪ちゃんが来なかった。
バイトがあるから休むとメールがきた。
みんな嘘だと思ったけど、それを口にする人はいなかった。

私たちは楽器を取り出し、路上ライブの準備をはじめた。
演奏を始めると、すぐに何人かの通行客が足を止めた。
でも数秒後にはすぐに立ち去っていく。
たくさんの人が数秒立ち止まり、立ち去っていった。

一曲全部聞いてくれた人などほとんどいない。

紬「遠いね」


私は呟いた。


律「あぁ」


りっちゃんが同意してしまった。


梓「でもやるしかないです」


梓ちゃんが反論してくれた。


唯「……」


唯ちゃんは押し黙っていた。

そして澪ちゃんはここにはいない。

これが私たち。その現実です。

―3―

私と唯ちゃんのバイトはひよこの雄雌を判定することです。

このバイトを始めたとき、私も唯ちゃんも随分興奮したものだ。
ひよこ鑑定士の資格を苦労して取得したから、というのもあったけど、
それ以上にひよこのかわいさに魅了された。

はじめてバイトをした日などは、私も唯ちゃんもテンションが上がりすぎて仕事にならなかった。
それが理由で社員の人に怒られたっけ……。

けれども、今となってピヨピヨという鳴き声も喧しいだけ。
ひよこは仕分けする対象に過ぎない。

私と唯ちゃんはまるで果物を等級付けするように、ヒヨコを雄と雌の容れ物に仕分けしていく。

練習や演奏をしない日は、朝の9時から夜の8時まで、実労9時間、この仕事を続ける。
昼休みと午後休みがあり、午後休みにはティータイムをすることにしている。

午後休み。
私は唯ちゃんにうまい棒コーンポタージュ味を差し出した。
唯ちゃんはこんなお菓子でも美味しそうに食べてくれる。

本当は昔みたいに高級なお菓子を食べさせてあげたいんだけど、ここは東京。
実家から遠く離れたこの地では、お客さんから貰ったお菓子を持ってくることなどできない。

ただ、紅茶はあの頃と同じ良い茶葉を使わせてもらっている。
うまい棒と紅茶。実にミスマッチだけど、唯ちゃんは美味しそうに頬張ってくれる。

音楽にかかわっている時間よりこの時間のほうが楽しくなってしまったのはいつからだろう?

……ひょっとしたら最初からかも。

唯「ムギちゃん?」

紬「どうしました?」

唯「なんか笑ってたみたいだから」

紬「えーっとねー唯ちゃんはかわいいなーって」

唯「あっ、今ごまかしたでしょ」

紬「……うん」

唯「本当は何を考えてたの?」

紬「ティータイムは楽しいな……って」

唯「うん。楽しいよね。りっちゃんと澪ちゃんとあずにゃんがいれば完璧なのにね……」

紬「そうねぇ……」

りっちゃんは服屋さんでバイト。澪ちゃんは本屋さんでバイト。梓ちゃんは家庭教師をやっている。
バンドを始めてからティータイムは私と唯ちゃんだけのものだった。

唯「いっそ辞めちゃおっか」

唯「そうすれば毎日ティータイムできるから」

紬「……それもいいかもしれないね」

唯「えっ?」

紬「どうして唯ちゃんが驚いてるの?」

唯「ムギちゃんなら絶対に反対してくれると思ったから」

紬「唯ちゃんは反対して欲しかったんだ」

それきり唯ちゃんは黙ってしまいました。
唯ちゃんもまた迷っているのでしょう。

私たちは音楽という道を選んだ。
それはOLや公務員として社会の歯車に組み込まれることからの逃避――つまり現実からの逃避だ。

でも、音楽という道を選んでも、現実という壁が立ち塞がってきた。
この現実から逃げれば、社会の歯車という現実が待っている。

どちらにしても無邪気にティータイムをやっていた頃には戻れない。
それでも、今の道を諦めれば、ここから逃げ出せば、少しはマシになる気がする。
そう唯ちゃんは感じているのだろう。

そしてそれは、私も同じだった。

―4―

唯ちゃんと別れた後、私は澪ちゃんの家へ向かった。
昨日のことを聞きたいと思ったからだ。

インターホンを押すと、ピンポーンと音が響く。
誰も出てこない……。

私はドアに耳をあてる。
わずかに、何かが動いているような音が聴こえた。

ピンポーンピンポーンピンポーン。
3連続でインターホンを鳴らす。
観念したのか、澪ちゃんが出てきた。

澪「ムギか」

紬「こんばんは澪ちゃん。あがってもいい?」

澪「あぁ、いいよ」


澪ちゃんの部屋は結構散らかっている。
高校時代も、大学時代も、澪ちゃんの部屋は綺麗だった。
こうなってしまったのは、本格的にバンドを初めてからのことだ。


紬「夜ご飯は食べた?」

澪「ううん」

紬「じゃあ、何か簡単なもの作るね」

澪「あぁ……ありがとう」

もう夜の9時。
澪ちゃんは御飯を食べないつもりだったのかもしれない。
……来てよかった。

私は冷凍室から冷凍うどんを発見し、冷やしうどんを作ってあげた。
澪ちゃんは美味しそうに食べてくれた。


澪「……聞かないんだな」

紬「だいたい想像はつくから」

澪「そうなのか?」

紬「ええ」

澪「じゃあ言ってみてくれるか」

紬「澪ちゃんも限界を感じたんじゃない?」

澪「違うよ」

紬「……そうなの?」

澪「私は限界なんて感じていない」

紬「じゃあどうして?」

澪「なぁ、ムギ。バンドが売れるかどうかを左右する一番重要なものってなんだと思う?」

紬「その言い方だと歌唱力や音じゃないのかしら……」

澪「あぁ」

紬「それなら、宣伝とか?」

澪「それも大切だと思うけど、私が思ってるのは違う」

紬「なら……曲かしら」

澪「あぁ、私は曲が一番大切だと思ってる」

紬「そう。それで……」

澪「勝手に休んで詩を書いてたんだ」

紬「そうだったの……」

澪「高校の頃はさ。あれで良かったんだ」

澪「キャピキャピした感じの、演ってる側の楽しさが伝わるストレートな詩」

澪「でも私達だって、いつまでも若いままじゃない」

澪「今の私達には、人の心を動かすような、力強い詩が必要だと思う」

澪「メジャーシーンと比べて私達が地力で劣ってるわけじゃない。曲が劣ってるだけだ」

澪「だから今は、詩に専念したい」

紬「それなら作曲も……」

澪「うん。ムギにももっと頑張って欲しい」

澪「こんな詩しか書けない私が言うのもなんだけどさ」

澪「良い曲が売れるとは限らない」

澪「でも、圧倒的に良い曲なら必ず売れる」

澪「私はそう思ってる」

紬「そうね……」

澪「今の私達に必要なのはライブじゃない」

澪「一度聞いたら耳から離れない、思わず口ずさみたくなるるフレーズとリズム」

澪「それを備えた曲こそ必要なんだ」

澪「だから今は……」

紬「えぇ、澪ちゃんの考えは分かったわ」

澪「そうか」

紬「でも自分の考えを言わず、路上ライブをお休みしちゃう澪ちゃんにはお仕置きが必要ね」

澪「えっ」

私は澪ちゃんにデコピンした。
澪ちゃんは頭を抱えて痛がった。
只のオーバーリアクションかと思ったけど、澪ちゃんは涙を流していた。
本当に痛かったのかもしれない。

ひとしきり痛がった後、澪ちゃんは「デコピンってキャッチーかな」と言った。
私は「キャッチーって言葉自体がキャッチーじゃない」と言った。

澪ちゃんと私は腹を抱えて笑いあった。

―5―

律「ふぅん。澪とそんなことがあったのか」

紬「ええ」

律「なぁ、ムギ」

紬「なぁに、りっちゃん」

律「その……新曲っていつ出来るか分かるか?」

紬「わからないけど……」

律「じゃあさ、その曲が出来るまでは待つ。待つけど……」

律「もしその曲でも駄目だったら、本当に解散しないか」

紬「……どうして?」

律「私さ、このバンドのリーダーじゃん」

紬「うん」

律「言ってみれば、責任があると思う」

紬「……」

律「このバンドを続けて、先があるのかないのか」

律「ないとしたら、続ければ続けるほど不利になるだろ」

律「別の道を選ぶにしても……な」

紬「えぇ……」

律「今まではさ、楽しければ先のことなんていいと思ってた」

律「だって、社会の中で【楽しい】を探すって結構たいへんだろ」

律「そりゃあ、さわちゃんみたいな人もいるけどさ……」

律「バイトやってても【つまらない】のほうが圧倒的に多い」

律「だから【楽しい】がある限り、夢に乗っかかり続けるのもいいと思ってた」

律「でも、唯が、そして梓が、楽しくないと感じ始めてるなら」

律「そろそろ潮時なのかなって」

紬「そう」

律「ムギはどう思う?」

紬「私は……」

律「うん」

紬「……分からない」

律「そっか」

紬「ごめんなさい」

律「ムギが謝ることないよ」

律「ただ、考えておいて欲しい」

律「こんなこと考えてるって、みんなにはまだ言わないけど」

紬「どうして私には話したの?」

律「そう言われると、なんでだろ……」

律「そうだな。ムギは要って感じがするからかな」

紬「要?」

律「高校時代、軽音部はティータイムでもってたようなものだろ」

紬「でも、大学に入ってからは……」

律「大学に入っても、やっぱりムギがいてこそだと思う」

律「すぐ巫山戯る唯アンド私と良識派の澪の間にムギがいたからこそ、ここまでやってこれたと思うし」

紬「私は……」

律「うん?」

紬「私は誰一人欠けても、このバンドは成り立たないと思う」

律「あぁ……そうだな。私もそう思うよ」

―6―

梓「夢はいつか必ず終わるものです」

梓「なら、今は夢が終わる瞬間なんでしょうか」

梓「もっと衝撃的な、何かによって目が醒めるんじゃなくて」

梓「ゆっくりと現実に侵食されて夢が終わる」

梓「そういうものなんでしょうか?」

紬「もう梓ちゃんの中で答えは出ているんじゃない?」

梓「出ていません」

紬「そうなの?」

梓「はい。私はまだ諦めたくないと思ってる」

紬「出てるじゃない」

梓「……でも、未来に不安しか感じられないんです」

紬「……」

梓「ムギ先輩は想像できますか」

梓「私たちのバンドが売れて、みんなで幸せにやっていく未来」

梓「もしくは売れなかったとして、それでも幸せにやっていく未来」

梓「私は全然想像できないんです」

梓「今にしか楽しさを感じられない」

梓「その今の楽しさも無くなりつつあります」

梓「私たちはどこに行くのか」

梓「どうすればいいのか」

梓「ぜんっぜんわかんないんです」

紬「そう……そうだったんだ……」

梓「ムギ先輩?」

紬「大丈夫。大丈夫だから」

梓「なにが大丈夫だって言うんです?」

紬「私が何とかするから」

梓「ムギ先輩が?」

紬「ええ、私が――」

紬「私が何とかしてみせるから」

―7―

思い通りにいかないのが現実です。
どれだけ努力しても、最善手を選択しても、報われるとは限らない。
そもそも何が最善かも曖昧。

それでも、生きている限りは、何かを選ばないといけない。
現実と向きあわなければ、ちっぽけな幸せだって守れない。

だから、私は一つの選択をしました。
最善手とは言い難い、安っぽくて曖昧な選択。

唯「ティータイムを復活させる?」

紬「ええ、唯ちゃんはどう思う?」

唯「うん。私だって復活させたいと思うよ。でも……」

紬「そうよね。練習に使える時間も減るし、お金もかかる」

唯「うん……」

紬「でもね、私達には必要だと思うの」

―――
――

澪「どうして必要だと言えるんだ? そんなことより曲のためにもっと時間を」

紬「そう。一つはそれが理由。曲作り、みんなでやりましょう」

澪「みんなでやればいい曲ができるわけじゃないぞ?」

澪「少なくとも、ある程度形が出来るまでは私が詩、紬が曲をやるべきだと思う」

澪「最終的な調整はみんなでやればいいと思うけどさ……」

紬「澪ちゃん、人を惹きつける歌詞ってどんなだと思う?」

澪「私を試してるのか?」

紬「私はこう思うの」

紬「人を惹きつける歌詞は生きている人間が作ったものだって」

紬「演っている人の人間性が滲みだす曲こそ、人を惹きつける力があるって」

澪「……言ってることはわかる」

澪「私もそう考えてた時期があったよ」

澪「でも現実を見れば分かるはずだ」

澪「今圧倒的に売れてる女性グループの作詞は男がやってるんだ」

澪「つまり、歌詞を理論で作ってるってことだ」

澪「それにさ、演ってる奴の人間性が滲み出していればいい曲ってなら」

澪「どんなバンドにだって良い作詞ができることになる」

澪「でも、違うだろ。本当に力のある歌詞は、曲は、ごく一部の人間にしか作れない」

澪「選ばれた人間にしか作れない、そういうものなんだ」

紬「澪ちゃんに、それが作れるの?」

澪「……っ」

紬「……」

澪「……」

紬「……」

澪「私は……作らなきゃならない」

紬「それなら作詞は今のままでいいわ。だけど、お茶会には参加してね」

澪「……なんで」

紬「リラックスしてると、いい詩が思いつくものよ」

―――
――

律「なるほどなぁ……」

紬「りっちゃんはどう思う?」

律「いいんじゃないかティータイム」

律「あの頃みたいでさ」

紬「そうじゃなくて……」

律「澪のことか……」

紬「うん」

律「澪の詩は間違いなくレベルアップしてる」

紬「ええ」

律「でもさ、そのかわり失われてるものもあると思う」

紬「……」

律「やっぱりさ、理屈で作った詩じゃ私達が全力を発揮できないと思うんだ」

律「昔は澪だけじゃなく唯とか、私が作詞したこともあっただろ」

律「ああいう曲はさ、出来は悪くても、なんていうか全力で演れたんだ」

紬「……」

律「でも……うん。そうだな。例えばの話だけど」

律「ムギの企みが上手くいったら面白いことになるかもしれない」

紬「私の企み?」

律「私達が尖ったものを出して、それを澪が詩にする」

律「そこにムギの曲がつく」

律「それなら……」

紬「でもね、りっちゃん。私の曲だって足りないところばかりだと思うの」

―――
――

梓「作曲について、お二人では答えは出ませんでしたか」

紬「ええ……」

梓「そうですね、ならいっそのこと作曲もみんなでやりましょうか」

紬「えっと……」

梓「勘違いしないでください。最終的に曲にするのはムギ先輩です」

梓「常々思ってたんです。私たちはムギ先輩のイメージを完全に演れてるのかなって」

梓「ムギ先輩はどう感じてました?」

紬「みんなはとても頑張ってくれてるわ」

梓「そういうことが聞きたいんじゃありません」

紬「……完全にイメージ通りなんて無理よ」

梓「そうですよね。それが普通だと思います」

梓「作曲者がどんなイメージをしても、それに詩を重ね、人間が演奏する以上、イメージ通りに行くわけがない」

紬「……」

梓「だから、最初からみんなでイメージを作るんです」

紬「それで何が変わるの?」

梓「私たちは私達が演れることを知ってます。澪先輩も自分の作れる詩を知ってます」

梓「だから、イメージ段階で私達が参加すれば、最初のイメージに近い形を体現できる」

梓「そう考えているんです」

紬「……ねぇ、いっそのこと、イメージを私以外の人が」

梓「それは駄目です」

紬「どうして?」

梓「駄目なものは駄目なんです」

―――
――

唯「なるほど。ムギちゃんはなんでそう言われたか分からいんだ」

紬「ええ……」

唯「それはね。梓ちゃんがムギちゃんの作るイメージが好きだからだよ」

紬「……」

唯「私たちはみんなムギちゃんが作るイメージが好きだし、澪ちゃんの詩が好き」

唯「だから、それを変えることなんて出来ない」

紬「そう……だよね」

唯「でも協力することなら出来るんだよ」

唯「実はギー太に演らせてみたい音があるんだ」

唯「あとりっちゃんに叩いて欲しい音もある」

唯「そういうのをムギちゃんがムギちゃんのイメージに加えてくれたら」

唯「いいものになるかも」

紬「……唯ちゃん」

唯「なぁに?」

紬「大好き」

唯「知ってる」

―――
――

―8―

澪「私は怖いんだ」

紬「そう。奇遇ね」

澪「ムギも?」

紬「ええ、私も怖いの」

澪「梓だけじゃなかったんだ」

紬「私達だけじゃない。唯ちゃんだってりっちゃんだって、怖がってる」

澪「当然だよな」

紬「ええ、当然ね」

澪「あの頃とはすっかり変わってしまったとしても、それでも……」

澪「ここは居心地が好すぎるから」

紬「守りたいって思ってしまう」

紬「ちょっとぐらい無理してでも、ね」

澪「あぁ」

紬「それで、決まった?」

澪「うん。梓に説得された」

紬「なんて?」

澪「澪先輩が一人で作詞したんじゃいつまで経ってもデビューできませんって」

紬「……私も似たようなこと言われちゃった」

澪「生意気な後輩だ」

紬「ええ、本当に」

澪「やっと、私も心が決まったよ」

澪「どうせ散るなら楽しく散ったほうがいいし」

紬「あら、散るつもりなんだ」

澪「例えの話だよ」

紬「そう。それなら良かった」

澪「……実はさ、ずっと泣いてたんだ」

澪「あのオーディションに落ちた後、梓のあの言葉を聞いた後」

澪「もう私たちは終わっちゃうのかな」

澪「みんなと一緒の時間ももう終わっちゃうのかな」

澪「そう思ったら、涙が止まらなくて」

澪「もう大人なのに、おかしいだろ?」

紬「ううん。おかしくなんてないよ」

紬「だって……」

澪「ムギ? 泣いてるの?」

紬「ごめんなさい……」

澪「どうしてムギが泣くんだ?」

紬「どうしてだろう」

澪「分からないの?」

紬「うーん。ああ、わかっちゃった」

澪「うん?」

紬「私ね、ちょっと嬉しかったんだ」

紬「高校生の頃はさ、何も言わなくてもみんな部室に集まってきたじゃない」

紬「部活動がある日はもちろん」

紬「ない日だって、なんとなくみんなで集まって」

紬「だからね、みんなの心が重なってるような感じがして」

紬「それだけで幸せだった」

紬「ふふふ、本当に楽しかったなぁ」

澪「あぁ、そうだな……」

紬「大学に入ったら、みんなで集まることは減っちゃって……」

紬「それでもたまに学食とかりっちゃんの部屋とかで集まってた」

紬「でもね、あの頃からかな……」

紬「みんなの気持ちが見えにくくなってきたのは」

澪「それまでは見えたんだ?」

紬「ええ、楽しいとか、悲しいとか、それくらいはね」

紬「今は、それも見えにくくなっちゃった」

澪「……」

紬「場所がなくなっちゃったからかな」

紬「時間がなくなっちゃったからかな」

紬「理由なんてどうでもいいけど」

紬「私は、みんなのことがわからなくなるのが怖かった」

紬「でも、どうしようもなかったの」

澪「ムギ……」

紬「でもね、今回のことでみんなのことが少しだけわかった」

紬「あの頃に戻れたみたい」

紬「ねぇ、澪ちゃん」

澪「なんだ?」

紬「一つだけお願いがあるの」

澪「お願い?」

紬「ええ、お願い」

―――
――

―9―

唯「ねぇ、ムギちゃん」


お菓子作りをしている途中、唯ちゃんに話しかけられた。
口の周りにはクリームがついてる。
きっとこっそりつまみ食いしたのだろう。


紬「なぁに?」

唯「きっとさ、すっごく良い曲なんて出来ないよね」

紬「……そうかも」

唯「でもね、ちょっとだけいい曲ならできると思うんだ」

紬「そうねぇ」

唯「そしたら少しぐらいチャンスはあるかも」

紬「ええ」

唯「でもね、駄目かもしれない」

紬「うん」

梓「でも、それでもいいです」


メレンゲ作りに悪戦苦闘していた梓ちゃんが話に加わる。


紬「そうなの?」

梓「はい。だって――」

私はみんなにお願いをした。
次の曲が駄目だったら、プロへの道はきっぱり諦める。
それでみんなばらばらの道を歩いて行く。
としても、それでも、週一回は必ずティータイムをやりたいというお願い。
どんなに時間がなくても、お金がかかっても、ティータイムだけは続ける。

唯ちゃんは二つ返事で了承してくれた。

りっちゃんはちょっと考えてから、是非やりたいと言ってくれた。

梓ちゃんは抱きついてくれた。

澪ちゃんだけ、ちょっと渋っていた。


紬「でもね、まだ終わったわけじゃないから」

梓「はい」

唯「うん。そうだね。演りたいね。武道館で」

梓「まだ諦めてなかったんですか、武道館」

唯「そうだよーあずにゃん」

紬「うふふ、そうね」


お菓子作りをしながら、私は曲を考え続ける。
ついでに歌詞も考え続ける。
次が最後のチャンス。
どうなるかはわからないけど、全力は尽くさないといけない。
それで駄目だったら、駄目だったでいい。
誰もがスターになれるわけじゃないのだから。


紬「あら、そろそろりっちゃんと澪ちゃんがくる時間よ」

梓「ま、待ってくださいまだメレンゲが」


しばらくして、私達5人の、2年ぶりのお茶会がはじまった。

―――
――

それから先のことを語るのは野暮というものだと思う。
だから秘密にしておきます。

ただ一つだけ教えてあげられることがあります。
5人は今でもとっても仲良し。
それから――――



おしまいっ!

以上です
そういえばHTML化スレに依頼が出てましたが、2ヶ月後の同日に更新だとギリギリアウトなのかな
まぁ、lainさんに処理された場合、立て直そうと思います

次は何か軽くて明るい話を書きたいので、リクエスト待ってます

キューティクル探偵因幡とのクロスで

「財閥令嬢誘拐事件!」というのを読んでみたい。

マフィア・ヴァレンティーノファミリーが紬を誘拐し、身代金を要求してきた。
だが、紬は誘拐されたにもかかわらず、首領・ヴァレンティーノ(人語を解するヤギ)に優しく接し、首領も彼女をファミリーの一員として受け入れたいと思う様になる。
首領の腹心の部下、ロレンツォはそんな彼女に嫉妬の炎を燃やすのであった。
一方、残された唯たち軽音部員は紬を救うべく、因幡探偵事務所に押し掛け助手として協力を申し出るのであった。

ネタとして、澪とヴァレンティーノファミリーの暗殺者・ガブリエラの中の人が同じ、因幡と組む荻野刑事の娘の名前が「梓」というのを取り入れて貰えれば嬉しいです。

あと、>>381は「非」じゃなくて「否」でしたね、すいません。

追加リクエスト随時募集中です。
選択肢が多ければ多いほど書きやすいので、どしどしお願いします。

今回は>>89です。

話は変わりますがSS速報が一ヶ月ルールを適用するみたいですね。
いい機会なのでこのスレを原則毎月第4土曜日更新の定期更新制にします。
第4土曜日に間に合わなかったら、遠慮無く罵ってくれると嬉しいです。
どうにも放置グセが抜けないので…。


>>383
クロス先をまったくしらないので無理そうです。ごめんなさい

◯紬「追跡! 実録律澪デート」


菫(今日はお姉ちゃんと久しぶりのお出かけ)

菫(最近は軽音部のみんなと遊ぶことが多いお姉ちゃん)

菫(久しぶりに二人きりで出かけられて嬉しい)

菫(さて、どこに行こうかな)

菫(・・・お姉ちゃん?)

菫(お姉ちゃんが・・・いない!?)

菫(・・・あっ、あんなところに)

菫「お姉ちゃん、何してるの」

紬「菫、しずかに」ヒソヒソ

菫「あれ、あの人達は」ヒソヒソ

紬「ええ、軽音部の友達よ」

菫「写真で見せてもらったよね。えーっと・・・」

紬「澪ちゃんとりっちゃんよ」

菫「澪さんと律さん?」

紬「ええ」

菫「でも、お姉ちゃんはどうしてコソコソしてるの?」

紬「だって、あの二人、なんだか怪しいじゃない」

菫「うん。確かにそわそわしてるね」

紬「あっ、手をつないで歩きはじめた」

菫「本当だ。仲いいんだね―」

紬「これは何かあるわ」

菫「何かって?」

紬「きっとデートよ!」

菫「そうなんだ?」

紬「うん。それもきっと特別なデート!」

菫「特別な?」

紬「きっと今日告白するんだと思う」

菫「そうなんだ!」

紬「きっとそうよ!」

菫「じゃあ追跡しないといけないね」

紬「流石私の妹。わかってるわ」ナデナデ

菫「お、お姉ちゃん//」

……

律(き、気まずい・・・)

律(告白するつもりで澪をデートに誘ったのはいいが)

律(澪のやつ、イキナリ手をつなごうなんて・・・)

律(うぅ~~なんか恥ずかしいし//)

律(それにしても澪のやつ、どうして手を繋ごうなんて言ったんだ?)

律(もしかして澪も私のこと・・・)

律(ないない。どんだけ都合いい想像してるんだ私)

律(さ、気を取り直して――)

……

紬「・・・的なことを考えている顔ね」

菫「お姉ちゃんエスパー?」

紬「だってそんな感じの顔してない?」

菫「確かに甘酸っぱい顔してるね、律さん」

紬「その表現はどうかと思うけど、いいわねー、甘酸っぱい恋愛」

菫「お姉ちゃんはそういうのないの?」

紬「あるわよ」ギュッ

菫「お、お姉ちゃん・・・//」ギュ

紬「さて、冗談はこれくらいにして追跡を続けましょう」

菫「お、お姉ちゃんッッ!!」

……

澪(突然手をつなごうなんて、私は何てことを言っちゃったんだ!)

澪(うぅ~~~恥ずかしくて律の顔を見れないじゃないか!)

澪(律・・・お前がかっこよすぎるからいけないんだぞ!)

澪(なんだか今日の律は一段とかっこよく見えるし)

澪(私の手を引いてくれる律)

澪(私の歩幅に合わせてゆっくり歩いてくれる律)

澪(律・・・私の律・・・)

澪(どうしてこんなに私を惹きつけるんだ・・・)

澪(律と手をつないでるだけで、どうにかなっちゃいそうだよ・・・)

……

菫「・・・的なことを、澪さんは考えてるんじゃないかな」

紬「私の律だなんて、澪ちゃんはもうすっかり虜なのね」

菫「私の想像なんだけど・・・」

紬「きっと当たってるわよ。だって菫は自慢の妹なんだから」

菫「お姉ちゃん・・・//」

紬「菫・・・//」

菫「それはそうと、二人はどこへ行くんだろうね」

紬「・・・随分切り替えが早いのね」

菫「さっきの仕返しだもん」

紬「うふふ。菫ったら」

澪「な、なぁ、律」

律「な、なんだ、澪」

澪「きっ、今日は、どこへ行くんだ?」

律「え、え、え、今日?」

澪「あ、ああ・・・」

律「えーっと、それは・・・」

澪「決めてなかったのか?」

律「あ、ああ。ごめん」

澪「まぁいいか」

律「えっ、怒らないのか?」

澪「律は私と遊びたくて誘ってくれたんだろ」

律「そうだけど・・・」

澪「ならいいよ」

律「・・・」

澪「律?」

律「今日の澪は優しいんだな」

澪「わ、私はいつだって優しいぞ!」バシッ

律「いたっ」

澪「ご、ごめん律」

律「いいよいいよ。そっちのほうが澪らしいし」

紬「じれったいわね、妹よ」

菫「確かにじれったいね、お姉ちゃん」

紬「さっさとくっついちゃえばいいのに」

菫「恋愛は過程を楽しむものだって漫画で読んだよ」

紬「でも、あんなにお似合いなのに…」

菫「私達だってお似合いだよ。ほら、髪の色だって同じだし」

紬「あの二人は髪の色は違うけどお似合いよ」

菫「むーっ」

紬(ほっぺたを膨らませてる菫が可愛すぎて生きていくのが辛いです、神様・・・)

……

律(告白の言葉ばっかり考えて、どこで告白するか考えなてなかった)

律(どうして私はこうも間抜けなんだ・・・)

律(・・・)

律(こんな私が無事部長をやってこれたのは、全部澪のおかげだ・・・)

律(澪・・・澪・・・)

律(・・・っと、そろそろどこで告白するか決めないと)

律(と言っても何も思いつかないぞ。・・・そこの公園でいっか)

律(うん・・・うん・・・いいよな?)

……

紬「普通の公園ね」

菫「見晴らしも特に良くない公園だね」

紬「告白するならもっと他になかったのかしら」

菫「お姉ちゃん、思い出の場所なのかもしれないよ」

紬「思い出の公園・・・素敵ね」

菫「うん。私達にとっても思い出の場所だね」

紬「えーっと・・・」

菫「お姉ちゃん?」

紬「ごめんなさい、記憶にないわ」

菫「私も記憶にないよ。だって嘘だから」ニコッ

紬「す、菫ッ!!」

菫「仕返しだもん♪」

……

澪(ここは・・・思い出の公園じゃないか)

澪(律と仲良くなってすぐの頃、よくここで遊んだっけ)

澪(友達の輪に入れなくて、この公園で落ち込んでた時、いつも律は声をかけてくれたんだ)

澪(律がいたから今の私がいる)

澪(唯、ムギ、和・・・今では普通に友達を作れるようになったけど。それも全部律のおかげだ)

澪(律・・・あぁ、私の律)

澪(もっと近づきたいよ律)

澪(その体に、その唇に、触れたいよ律)

……

菫「・・・的なことを考えてる気がする」

紬「ロマンチストを通り越して依存気味ね」

菫「お姉ちゃんも私に依存してくれていいんだよ」

紬「そうね。菫はずっと私の傍にいなさい」

菫「お、お姉ちゃん・・・//」

紬「世話人として」

菫「それでもいいよ、お姉ちゃん」

紬「えっと・・・落ち込むかと思ったのに」

菫「お姉ちゃんの傍にずっといられるなら、使用人でもいいから」

紬「もうっ//」

……

律・澪「あ、あの」

律「な、なんだ?」

澪「り、律からどうぞ」

律「わ、私は・・・私はだな」

澪「うん」

律「・・・っ、なんでもない」

澪「そ、そっか」

律「・・・うん」

……

菫「あぁ、もうあのヘタレどうにかならないのかな」

紬「菫、口が悪くなってるわよ」

菫「ごめんお姉ちゃん。でもあの律さんを見てると、澪さんがかわいそうで・・・」

紬「りっちゃんは乙女だから自分の気持ちを素直にあらわせないの」

菫「じゃあ素直にあらわすお姉ちゃんは乙女じゃないの?」

紬「確かめてみる?」

菫「えっ」

紬「菫なら、いいよ」

菫「///」

……

澪「なぁ、この公園。覚えてるか」

律「うーん。なんとなく覚えてる。昔たまにきたような」

澪「たまにじゃなくて毎日きてた」

律「そうだっけ」

澪「そうだぞ」

律「そうなのか」

澪「ああ、私がひとりでいると、いつも律は声をかけてくれた」

澪「それでみんなの輪に入れてくれたんだ」

律「昔の私、かっこいいな」

澪「うん。かっこよかった」

律「そ、そう面と向かって言われると照れるぜ//」

澪「でも今の律だって十分かっこいい」

律「み、みお?」

澪「さっきみたいに私の手をひっぱってくれる律も」

澪「私を軽音部に誘ってくれた律も、とってもかっこよかった」

律「みお・・・」

澪「高校に入って毎日すごい楽しいのだって、きっと律が軽音部に誘ってくれたからだ」

澪「文芸部だったら、こうはならなかったと思う」

律「私は・・・」

澪「律、私は――」

律「ま、待て!!」

澪(とめられた?)

澪(ひょっとして私の気持ちバレてる?)

澪(もしかして迷惑?)

澪(迷惑だとしたら私は・・・)

澪(律・・・律・・・私)

澪(あぁ・・・ごめん)

澪(ごめんな、律)

‥…

紬「的なことを考えてるのよ」

菫「この間わずか3秒」

紬「やっぱり澪ちゃんも乙女ねぇ」

菫「お姉ちゃんも乙女だったね」

紬「///」

菫「ねぇお姉ちゃん。キスしよっか」

紬「う、うん///」

……

律「澪、私から言わせてくれ」

律「私は!」

澪「ま、待って、それ以上は――」

律「澪のことが好きだ!!」

澪「いやだいやだいやだ聞きたくない・・・って、え?」

律「澪のことが好きだ!」

澪「ミオノコトガスキダ?」

律「ああ、澪のことが大好きなんだ!!」

澪「ミオノコトガダイスキナンダ?」

律「・・・」

澪「みおのことがだいすき・・・律、それって」

律「うん。好きなんだ、澪」

律「ずっと伝えられなかったけど」

律「ずっと前から澪のことが好きだった」

律「今日は告白しようと思って誘ったんだ」

澪「り、りつ・・・ほっぺたつねってくれる?」

律「あ、うん」

澪「いたた・・・夢じゃないぞ」

律「疑り深いなぁ」

澪「じゃあドッキリとか!?」

律「そんなわけあるか!」ポカ

澪「じゃあ・・・じゃあ・・・」

律「いんんだ澪」ギュッ

澪「り、りつぅ・・・」

律「澪の気持ち聞かせてもらえるか」

澪「・・・そんなのわかってるくせに」

律「澪の口から聞きたい」

澪「わ、私も律が好きだ」

律「ありがとう」

澪「律。私幸せ過ぎてどうしていいかわからない」

律「私もだ」

澪「キスしてほしい」

律「うん・・・」

紬「ら、らめぇ~~菫っ、それ以上は駄目なのっ!!!!」

澪・律「・・・」

澪「む、むぎ?」

律「な、なにやってるんだ」

紬「えっ、澪ちゃんりっちゃん」

菫「はじめまして。紬お姉ちゃんの恋人の菫と申します」

澪「・・・」

律「・・・」

紬「あはは・・・」

菫「お姉ちゃん、続きしよっ!」



おしまいっ!


甘酸っぱい妄想SSよかったです

まだリク募集中なら、動物園SS希望
ムギが飼育員でけいおんキャラ達がいろんな動物になってるほのぼのSS読んでみたい

とりあえず乙。
>>386
うーむ、無理か。
ムギがお金持ちキャラであるが故のリスクを背負っているネタとして「誘拐」を選び、あんまり暗くならないようにその相手として当時アニメを見て結構面白かったこの作品を選んだんだけどなぁ。

話は変わるが、7月2日のムギ誕生日ネタとして、同じ誕生日である「ロウきゅーぶ!」の水沢真帆と一緒にそれをお祝いする、というのはどうだろう(しかもお金持ちキャラ)。

クロスものしか思い付かないのよ。

今回は>>227です
まだまだリクエスト募集中なので、どしどしお願いします
あと「何度かリクエストしてるんだけど一度も書かれていない」って人がいたら教えて下さい
優先的に挑戦します


>>412
これはかなり楽しいSSになりそうなリクエスト

>>415
ごめんなさい。ロウきゅーぶ!も名前しか知らないので無理です
何度も断るのもアレなので、わかる作品をある程度書いておきます
2005~2008の間にアニメ化した作品ならだいたいわかります
逆に2009以降だとまどか☆マギカやSAOのような有名作品でもほぼノータッチです

◯澪「おっぱいと肩こりと」



紬「澪ちゃん、身体測定どうだった?」

澪「身長が1cm伸びてた」

紬「私は変わらなかったわ。それで本題の……」

澪「あぁ、聞いてくれムギ。0.7kg減ったんだ」

紬「うふふ。私は0.5kg減ったの」

澪「やったなムギ!」

紬「えぇ、澪ちゃんも!」

澪「この調子でダイエットを続けたいな。あっ、けど……」

紬「どうしたの?」

澪「バストサイズが1cm増えたんだ」

紬「私も2cmも増えちゃった」

澪「最近怖いんだ。この胸がどこまで成長するのか」

紬「澪ちゃんも?」

澪「ムギもか……最初は嬉しかったんだけどなぁ」

紬「ええ、初めてブラジャーを買って貰ったときは、すごくワクワクしたんだけど……」

澪「あまり大きくなると、いいことないよな」

紬「えぇ、まず肩が凝るのよね」

澪「うんうん。私も最近、疲れやすくなった気がするよ」

紬「私なんて最近は家で毎日妹に肩を揉んでもらってるの」

澪「ムギ、おばあちゃんみたいだ」

紬「むっ……」

澪「でもいいな。そうだムギ。私の肩を揉んでくれないか?」

紬「えっ……私が?」

澪「うん。ムギは力が強いから、とっても気持ちいいと思う」

紬「それじゃあ……えいっ、えいっ」

澪「む……むぎっ、いたいいたい!」

紬「我慢して澪ちゃん。やってるうちに気持ちよくなる筈だから」

澪「そんなことないって! これは明らかに力が強す……あれっ?」

紬「ね、気持よくなってきたでしょ」

澪「うん。あ、これいいな♪」

紬「えいっ、えいっ」

澪「ごくらくごくらく」

紬「ふふっ、澪ちゃん気持ちよさそうね」

澪「あぁ、なんだかおばあちゃんになった気分だよ」

紬「うふふ。澪婆さんや、ここがええのかー?」

澪「そこがいいのやー」

紬・澪「はははは」

紬「これくらいでいいかしら」

澪「えっ、もうおわり?」

紬「ちょっと手が疲れてきたから」

澪「そっか。またやってくれよ」

紬「澪ちゃんの誕生日には肩揉み券を渡そうかしら」

澪「それ凄く嬉しい」

紬「そう……」

澪「肩も凝るし、胸が大きくても本当にいいことないな」

紬「うん。運動のときも邪魔だし」

澪「あぁ、特に球技の時邪魔だよな」

紬「細かい動きをすると、どうしてもね」

澪「バレーでボールが直撃するととっても痛いし」

紬「わかる!!」

澪「律は羨ましがるけど、正直、なぁ」

紬「えぇ、分けてあげられるなら、分けてあげたいわ」

澪「みんなどうしてこんな脂肪の塊をありがたがるんだろう」

紬「脂肪の塊……」

澪「そうだろ」

紬「そうだけど、夢もロマンもない言い方するんだね」

澪「胸には夢とロマンが詰まってる」

紬「そう思ってた時期が、私達にもありました」

澪・紬「はぁ……」

梓「あっ、澪先輩、ムギ先輩。コントの練習ですか?」

澪・紬「何がコントの練習だ。この貧乳後輩!」

梓「にゃっ!?」

澪「ご、ごめん。気が立ってたんだ」

紬「え、ええ。梓ちゃんは何も悪くないのよ」

梓「にゃぅ……」

澪「どうしよう。半泣きになっちゃった」

紬「ごめんね。梓ちゃん」

>十数分後

紬「半泣きになった梓ちゃんを、おっぱいサンドで慰めた」

澪「梓はニコニコ顔で帰っていった」

紬「ほんと、梓ちゃんはおっぱいサンド好きね」

澪「うん」

紬「私たちの合体必殺技ね」

澪「合体って……//」

紬「いやらしい意味じゃないわよ?」

澪「わかってる!」

紬「胸が大きくていいことも多少はあるんだね」

澪「そういえば、テレビで見たよ。胸で瓦割りする女の人」

紬「えっ、胸で割るの?」

澪「うん」

紬「私達にもできるかしら?」

澪「無理だよ」

紬「そうかな?」

澪「いや、できたとしてもやらないでくれ。若干ひいちゃうから」

紬「でも、この胸をなんとか有効活用したいわー」

澪「モテるんじゃないか?」

紬「澪ちゃんにはファンクラブがあるけど、私にはないし……」

澪「私はムギのファンだよ」

紬「澪ちゃん……」

澪「ムギ……」

紬「澪ちゃん……」

澪「ムギ……」

紬「こほん//……茶番はこれくらいにして、本当に役に立たないのかしら」

澪「やっぱりモテるんじゃないかな」

紬「確かに梓ちゃんはよく、私や澪ちゃんのおっぱいを見てるわね」

澪「えっ」

紬「抱きついたらおっぱいの感触を堪能してるみたいだし」

澪「そうなのか? 気をつけなくちゃ」

紬「澪ちゃんはあの合体必殺技をなんだと思ってたのかしら。でも、大丈夫よ。孕まされたりはしないから」

澪「あ、あたりまえだろ。梓は女なんだし」

紬「えっ」

澪「えっ」

紬「えっ」

澪「えっ」

紬「そっかぁ、女の子同士で子供って生まれないんだ」

澪「おいおい」

紬「じゃあ私、将来はiPS細胞の研究者になるね」

澪「そして子供を産むのか」

紬「うん。あっ、そうだ。おっぱいが大きくていいことあったわ!」

澪「あっ!」

紬「うんうん。赤ちゃんがおっぱいを飲みやすいと思うの」

澪「それに抱っこした時、優しく包み込める」

紬「子供を作れば大きい胸を有効活用できるんだね」

澪「ずっと先の話だけどな」

紬「やっぱり、当分は胸が大きくてもいいことなさそうね」

澪「あっ、あった。ひとつだけいいこと」

紬「なに?」

澪「紬に肩を揉んでもらうととっても気持ちいいんだ。肩が凝ってなかったらこうはいかないと思う」

紬「むぅっ、澪ちゃんばっかりズルい」

澪「ムギも家で揉んでもらってるんだろ?」

紬「そうだけど……」

澪「わかった。私も揉んであげるよ」

紬「うんっ♪」

>数分前、柱の影

唯「ねぇ、りっちゃん」

律「あぁ、唯」



澪「ムギに……揉んでもらうととっても気持ちいいいんだ…………いかないと思う」

紬「……澪ちゃんばっかり…………」

澪「ムギも……揉んでもらって……」

紬「そうだけど……」

澪「わかった………私も揉んで………」



唯「あの2人、できてたんだ」

律「そんなことより、胸のことだ!」

唯「りっちゃん!!」

律「あぁ、唯。あの2人の胸が大きいのは、揉んでるからなんだ!!」

唯「私ちょっとおっぱい揉んでくる!!」

律「私も!!」



澪「なんだかあっちのほうが騒がしかったみたいだけど」

紬「あら、あれは唯ちゃんとりっちゃんかしら?」

澪「なにしてるんだ、あの2人」

紬「さぁ?」

澪「まぁいいか。さ、ムギ。肩を揉んであげるよ」

紬「うふふ。澪ちゃんの肩揉み楽しみだわー♪」

澪「任せてくれ」



澪の握力では紬が満足できず、2人で握力を鍛えることになるのだが、それはまた別の話。


おしまいっ!

ここまで。
次回更新は7月27日(土)の予定です。

>>1
もし出来たら>>4のつづきで紬唯憂菫の4人が会うSSをお願いします

今回は>>57>>439>>33の続きです
まだ完成してないのでゆっくり投下ですが

◯菫「姉妹で」



菫「……」パチ

菫「朝……ここは……」

菫「……昨日はお姉ちゃんのところに泊まったんだ」

菫「お姉ちゃんは……」

紬「……」

紬「……」

菫「ぐっすり寝てる。お寝坊さんなのは相変わらずなんだ」

菫「私が起こしてあげるのも久しぶり……」

紬「……」

菫「……やっぱりもう少し寝させてあげよう」

紬「……」

__
紬「…………ん~ん」

菫「お姉ちゃん、起きた?」

紬「……菫?」

紬「そっか、昨日は菫が泊まりにきてくれて……」

菫「相変わらずお寝坊さんだねお姉ちゃんは」

紬「えっと……もう九時なんだ」

菫「うん。朝ごはん食べようよ」

紬「そうね……うん。おはよう、菫」

菫「おはよう、お姉ちゃん」

紬「まずはホットプレートを出して、組み立てて…」

菫「その間に私はホットケーキの生地を作っておくね」

紬「作り方わかる?」

菫「大丈夫。箱の裏側に書いてあるから」

紬「そう。じゃあ私はホットプレートを温めておくね」

菫「うん」

紬「えいっ……そしてポチ」

紬「……うん。こんな感じでいいかな。菫、そっちはどう?」

菫「まだダマになってるみたい」

紬「そう。ちょっと貸して」

菫「うん」

紬「えいっ、えいっ」グルグルグルグル

菫「すごい速さ……なのに全然こぼれてない」

紬「こんなものかしら」

菫「手際いいね、お姉ちゃん」

紬「いつも作ってるから……じゃあ生地をホットプレートに」

菫「きれいなまんまる」

紬「うん。上手にできた!」

菫「いい匂いが漂ってきたね」

紬「そうね。この甘い匂いが食欲を唆るね」

菫「はやく焼けないかな」

紬「菫、そんなにすぐには焼けないわ」

__
菫「もうそろそろ……」

紬「ええ、ひっくりかえしましょう」

菫「私がやるね。それっ」

紬「上手。うーん、いい色」

菫「うん。本当にいい色」

菫「じゃあもう一枚も、それ」

紬「ふふ、なんだかお腹がすいてきちゃった」

菫「私も」

紬「菫はなにをかけて食べる?」

菫「えっと……バターかな」

紬「バターだけでいいの? 私はバターの上からメープルシロップをかけるけど」

菫「じゃあ私も」

紬「じゃあお皿にあげて……バターを乗せて、上からメープルをかけて……はい、ぞうど」

菫「ありがとう」

紬「じゃあ、私のも同じようにバターとメープルをのせて」

菫「食べようか」

紬「ええ。いただきます」

菫「いただきまーす」

紬「……」パクッ

菫「……」パクッ

紬「……」モグモグ

菫「……」モグモグ

紬「ねぇ、菫」

菫「うん、お姉ちゃん」

紬「思わずにやけちゃうね」

菫「パンケーキってこんなに美味しかったんだ」

紬「屋敷で食べるパンケーキも美味しいけど、できたて熱々はまた格別でしょ」

菫「うん。本当に美味しい……バターの旨みと塩気がメープルの上品な甘さとマッチして」

紬「菫が喜んでくれて嬉しいわ」

菫「お姉ちゃん……」

紬「さ、冷めない内にたべちゃいましょう」

菫「うん」

紬「……」パクパク

菫「……」パクパク

ブルブル

紬「メールだわ」

菫「誰から?」

紬「唯ちゃんからだわ、なにかしら……」

紬「あら、今日4人で遊びにいかないかだって」

菫「え、今日?」

紬「うん。菫さえよければ私はいいんだけど」

菫「私は大丈夫だけど、憂先輩こっちにきてないんじゃ……」

紬「それは大丈夫。私が運転してあっちまで行くから」

菫「そういえばお姉ちゃん免許とったんだね」

紬「ええ、車は持ってないからレンタカーになるけど」

菫「うん。お姉ちゃんの運転を一度見てみたいと思ってたから、私はいいよ」

紬「ただの安全運転だから見てもつまらないわよ」

菫「それでも、見てみたかったから」

紬「そう。なら、決まりね」

紬「メールを返信して……準備が出来たら唯ちゃんを誘ってレンタカー屋さんへ行きましょう」

>レンタカー

唯「到着」

紬「どの車を借りよっか」

唯「前と同じのでいいんじゃない」

紬「そうね」

唯「私とムギちゃんの割り勘でいいよね」

紬「ええ」

菫「えっ、私も出します」

唯「菫ちゃん、それは駄目だよ」

菫「どうしてですか?」

唯「お姉ちゃんと妹がデートにいくときは、お姉ちゃん持ちって決まってるの」

紬「ええ、だから菫は気にしなくていいのよ」

菫「で、でーとですか?」

唯「菫ちゃん真っ赤になっちゃった」

紬「ふふ、照れてるんだ」

紬「でも本当にいいのよ。バイトで結構稼いでるから」

菫「……うん」

紬「でも唯ちゃん、今日は遊園地に行くのよね」

唯「うん」

紬「唯ちゃん、憂ちゃんの分を出せるの」

唯「そこは……なんとか今月分の食費を切り詰めれば」

紬「そっかぁ。夜は多めに作らないとね」

菫「いいなぁ、お姉ちゃんの手料理」

紬「菫もうちの大学に来る?」

菫「行っても一年間しか一緒にいられないよ」

__
紬「えっと運転席は私で……菫はどっちがいい?」

菫「私は酔わないから唯先輩がいいほうで」

唯「私も酔わないから、菫ちゃん、前に座りなよ」

菫「いいんですか?」

唯「うん」

菫「じゃあお姉ちゃんの隣で」

紬「菫が横なんだ。もうカーナビに登録してあるから、すぐに出発するね」

唯・菫「うん」

紬「ではエンジンをかけて」

唯「しゅっぱーつ」

紬「……」

紬「……」

紬「……」

紬「……」

菫(真剣な表情のお姉ちゃん……)

菫(左右の確認、見通しの悪い場所での一時停止……しっかりした安全運転)

菫(あまり運転になれてないみたいだけど、これなら安心して良さそう)

唯「菫ちゃん、ちょっとお話しようか」

紬「……うん。私は運転に集中してるから、唯ちゃんお願い」

菫「え、えっと……」

唯「菫ちゃんは憂やあずにゃんからなんて呼ばれてるの」

菫「憂先輩とあずにゃんですか?」

唯「うん」

菫「あずにゃんって……梓先輩のこと?」

唯「そうだよー」

菫「梓先輩ってみんなからあずにゃんって呼ばれてたんですか?」

唯「ううん。私だけだけど……」

菫「そうなんですか……」

菫(あずにゃん……可愛い響き……)

唯「えっと、菫ちゃん」

菫「す、すいません。憂先輩からはスミーレちゃんって呼ばれてます。梓先輩からは菫って」

唯「え、スミーレちゃん」

菫「あ、はい」

唯「う~ん。憂らしくないネーミングセンスだね」

菫「つけてくれたのは純先輩なんです」

唯「あ、純ちゃんか。それなら納得ー」

紬「純ちゃんなら納得ね」

菫(純先輩の扱いって……)

唯「スミーレちゃん」

紬「……スミーレ」

唯「う~ん、しっくりこないね」

紬「そうねぇ」

菫「でも唯先輩の声でスミーレちゃんって言われると、憂先輩に話しかけらたみたいで変な感じです」

紬「唯ちゃんの声、憂ちゃんそっくりだものね」

唯「えへへ。私が風邪をひいたとき、憂がかわりに学校へ行ってもバレなかったからね」

菫「え、そんなことがあったんですか」

唯「聞きたい?」

菫「はいっ!」

唯「じゃあちょっと長くなるけど話してあげるね。あれは……」

__
唯「とうちゃーく」

紬「ふぅ……」

菫「お姉ちゃん疲れちゃった?」

紬「うん。後から少し休ませてもらうね」

紬「今は早く憂ちゃんとの待ち合わせ場所へ行きましょう」

菫「うん」

唯「少しゆっくりめに歩いていこっか」

__
紬「あ、あれっ」

唯「憂だ!」

憂「……!」

憂「お姉ちゃーん」タタタタタタタ

唯「ういー」タタタタタタタ

唯「会いたかったよ―」スカッ

唯「えっ!?」

憂「紬さん!」ダキッ

紬「憂ちゃん!」ダキッ

唯「う、憂がムギちゃんにとられちゃった」

紬「うふふ、なんてね」スッ

憂「お姉ちゃん久しぶり」ダキッ

紬「実はさっき憂ちゃんとメールしてちょっとイタズラを……唯ちゃん」

唯「……ひどい」

紬「ご、ごめん唯ちゃん」

憂「お、お姉ちゃん。ごめんね」ナデナデ

唯「憂の意地悪……」ギュッ

菫(困ってる憂先輩ってはじめて見たかも)

菫(それにしてもお姉ちゃん……)

菫「駄目だよお姉ちゃん、あんまり意地悪しちゃ」

紬「菫に怒られちゃった」シュン

憂「スミーレちゃんとは一昨日ぶりだね」

菫「はい」

憂「紬さん、お久しぶりです」

紬「ええ、憂ちゃんも元気そうで良かったわ」

唯「私も元気だよ!!」

菫(そして何故か張り合う唯先輩)

憂「うん。お姉ちゃんが元気で良かった」

憂「さっきはいじわるしてごめんね、お姉ちゃん」

唯「うん、許してあげる。じゃあいこっか」ギュ

菫(そして自然と手を繋ぐ2人。いいなぁ……)

紬「菫、どうかしたの?」

菫「な、なんでもないよ。私達も行こっ」

紬「ええ、そうね」ギュ

菫「え、お姉ちゃん?」

紬「あの2人を見てたら、ね」

菫「お姉ちゃん……」ギュ

紬「ふふ、菫の手も随分大きくなったわねー」

菫「お姉ちゃんの手は相変わらず暖かいね」

紬「そう?」

菫「うん」

__
唯「まずは何から乗ろうか」

紬「そうねえ、みんな何か乗りたいものはある?」

菫「私は……お姉ちゃん達が乗りたいのでいいよ」

憂「私もです」

唯「決まらないね―」

紬「じゃあ、私、あれに乗りたい!!」

唯「あのおっきいジャットコースター?」

紬「うん!」

憂「楽しそう」

菫「私は……」

紬「……もしかして苦手だったりする?」

菫「ううん、乗ったことないからわからない」

紬「そう。じゃあ初体験ね!」

菫「うん。ちょっとこわいけど頑張ってみる」

唯「菫ちゃんは頑張り屋さんだね」

憂「うん。スミーレちゃんは部活でもとっても頑張り屋さんなんだよ」

紬「あ、その話詳しく聞きたいわ」

憂「じゃあ並びながらお話します」

紬「そうね、結構列ついてるみたいだし、先に並んでおきましょうか」

__
紬「それじゃあ、憂ちゃんが焼きうどんの試食をしてくれたんだ」

菫「う、憂先輩、その話は」

憂「あれ、しちゃダメだった?」

紬「えー私は聞きたいわ―」

唯「私も聞きたい!」

菫「うぅ……。お姉ちゃんがどうしてもって言うなら」

憂「ごめんね、スミーレちゃん」

憂「えっとですね、スミーレちゃんが作った焼きうどんを私が味見して、色々アドバイスをしたんです」

紬「そうだったんだ」

菫「うん。料理自体はお爺ちゃんにならったんだけど、アドバイスは憂先輩にして貰ったんだよ」

紬「憂ちゃんありがとう」

憂「私はスミーレちゃんの料理を食べれて楽しかったです」

憂「友達みたいに仲良くしてくれた後輩ってスミーレちゃんが初めてだったから……」

唯「そっかそっか。菫ちゃん、憂と仲良くしてくれてありがとうね」

菫「そんな! 私なんて……」

紬「菫、そこは胸を張るところよ」

菫「えっ」

紬「うふふ。菫がちゃんと憂ちゃん達と仲良くやってるみたいで安心したわ」

憂「実はスミーレちゃんとはもっと他のところで仲がいいんですが」

唯「えっ、なになに」

憂「もちろんお姉ちゃんトークだよ!!」

唯「もちろんなんだ?」

憂・菫「うん!!」

唯「2人はどんな話をしてるの」

憂「それは……」

菫「えっとお姉ちゃんの可愛い所とか」

憂「ちょっとドジなところもかわいいとか」

菫「体重を気にしてるお姉ちゃんもかわいいとか」

憂「前髪パッツンだった頃のお姉ちゃんもかわいいとか」

菫「お姉ちゃんを動物に例えると~みたいでかわいいとか」

憂「お姉ちゃんの寝言でしゃべってたこともぜんぶかわいいとか」

唯「そっかそっか」

紬「なんだか気恥ずかしいわね。嬉しいけど」

唯「うん。確かに気恥ずかしいかも」

憂「お姉ちゃんがかわいすぎるから仕方ないよー」

菫「そうです!」

紬「面と向かって言われると困るわ。あ、そろそろ順番みたい」

唯「本当だ。憂は私の横で」

菫「私はお姉ちゃんの横で……いい?」

紬・憂「うん」

紬「じゃあシートベルトを締めて……」

__
菫「最初は静かなんだね」

紬「ええ、上りはどうってことないわ」

菫「だんだん高くなっていくね」

紬「一番上についたら、いっきに加速するみたい」

菫「お姉ちゃん、ちょっと怖いかも」

紬「ごめんね、手は握ってあげられないけど」

菫「危険だからしょうがないよ」

紬「……」

菫「……」

紬「……」

菫「……」

トン

紬「キャァァァアアアアアアアアアアアアーーー」

菫「つ~~~~~~~~~~~~~~~~っ」

タン

紬「……」

菫「……」

紬「ふぅ、凄い迫力ね」

菫「ちょっとゆっくりになったね」

紬「あ、でもまた登って行くわ」

菫「うん」

紬「ねぇ、菫も叫んでみない?」

菫「え」

紬「友達に教えてもらったんだけどね、ジャットコースターは、叫ぶと楽しくなるの」

菫「本当?」

紬「実証済みよ」

菫「お姉ちゃんがそう言うなら」

紬「……」

菫「……」

紬「キャァァァアアアアアアアアアアアアーーー」

菫「ワアアァァァアアアアアアアーーーーーーーーッ」

憂(スミーレちゃんたち楽しそうだな。お姉ちゃんは……)

唯「」

憂(気絶してる!?)

__
紬「ふぅ、楽しかったわ」

菫「うん!! え、……憂先輩が唯先輩を支えてる!?」

憂「ちょっとお姉ちゃんがノックアウトされちゃったみたいです」

唯「う~~」

紬「唯ちゃん、大丈夫?」

唯「うん……昨日寝不足だったから」

紬「そっかぁ、どこかで少し休みましょうか」

菫「あそこの木陰のベンチとかどうかな」

紬「私も手伝うわ、憂ちゃん、いきましょう」ダッ

憂「お願いします」

紬「はい、お水」

唯「うん……楽になってきたよ」

憂「お姉ちゃん、大丈夫?」

唯「大丈夫大丈夫。ちょっとびっくりしちゃっただけだから」

紬「少し休みましょうか。私も運転してジェットコースターに乗ったから、少し疲れちゃった」

菫「あ、そういえば休憩しなかったね」

紬「ええ」

憂「うん。いい天気」

菫「お姉ちゃんたちには悪いけど、こうして休めてよかったかも」

憂「スミーレちゃん?」

菫「こんないい天気で、ベンチに座ってると、なんだかいい気分になりませんか」

憂「そうだね」

菫「はい!」

憂「あ、お姉ちゃん寝ちゃってる」

菫「あ、お姉ちゃんもだ……よし!」

憂「スミーレちゃん?」

__
菫「……」

憂「……」

菫「膝枕しちゃった……」

憂「私もしちゃった……」

菫「お姉ちゃん、思ったより小さいな」

憂「それはスミーレちゃんが大きくなったんじゃないかな」

菫「そうかもしれません」

唯「……ウーイーアイスー」

憂「あ、寝言だ。かわいい」

菫「アイス?」

憂「起きたら食べようか」

菫「はい」

憂「あ、でもその前にこれも食べないと」

菫「なんですか?」

憂「お弁当作ってきたんだ」

菫「わ、私も……」

憂「スミーレちゃん?」

菫「私もお姉ちゃんのところに泊まってなかったら作りたかったです!」

憂「そっか。でも昨日の夜ご飯作ってあげたんでしょ?」

菫「けど……」

憂「うーん。それじゃあまた4人で出かけようよ。その時は……」

菫「……?」

憂「2人で一緒にお弁当作って持って行こっ!」

菫「……はい!」

__
唯「あれ、私……寝ちゃってた」

紬「……あれ、なんだか柔らかいような」

憂「うん。眠ってたよ、お姉ちゃん」

菫「それは膝の上だからだよ、お姉ちゃん」

唯「あ、憂。膝枕してくれたんだ、ありがとう」

紬「菫も……足疲れてない?」

菫「これくらいなら大丈夫」

憂「起きたばかりですが、ご飯を食べませんか?」

紬「あ、憂ちゃんお弁当作ってくれたんだ」

唯「憂の作ってくれたご飯食べるの久しぶりだねー。うん、楽しみ」

憂「はい、どうぞ」

唯「うん、この味だよー。やっぱり憂のご飯は格別だね」

紬「ええ、流石に憂ちゃんには敵わないわー」

憂「えっと……」

唯「あ、ムギちゃんにはよくご飯を食べさせてもらってるんだ」

紬「ええ、唯ちゃんは美味しそうに食べてくれるから作りがいがあるの」

憂「そうなんだ」

紬「でも憂ちゃんのご飯本当に美味しいわー。今度教えてもらえないかしら」

憂「それじゃあ帰ってきた時にでも家に遊びにきてください」

紬「やった!」

菫「あ、それなら私も教えて欲しいです」

唯「あはは。これでもっと美味しいものが食べられそうだね」

紬「うふふ、そうねー」

菫「私もお姉ちゃんにもっと美味しいもの食べさせてあげたいです」

憂「それじゃあスミーレちゃんも頑張らないとね」

菫「はいっ!」

唯「さ、そろそろ食べて遊びにいこう」

紬「次は何に乗りましょうか」

菫「あ、私メリーゴーランドに乗ってみたい」

唯「じゃあ私はお化け屋敷」

憂「私はコーヒーカップに乗りたいかな」

紬「ふふ、じゃあ食べ終わったらまわりましょう」

憂「はい」

>3時間後

紬「メリーゴーランド楽しかったね」

唯「お化け屋敷は全然怖くなかったね」

憂「うん……」

唯「あれならムギちゃんの変装のほうが怖かったよ」

菫「お姉ちゃんの変装?」

唯「今度写真を見せてあげるね」

菫「ありがとうございます」

紬「コーヒーカップは目が回ったわ」

憂「ごめんなさい、疲れちゃいましたか?」

紬「目は回ったけど、とっても楽しかったから大丈夫!」

菫「そろそろ帰らないといけないね」

唯「最後に1つくらい乗れるかな」

紬「ええ、1つくらいなら」

憂「じゃあ、観覧車に乗りませんか」

菫「あ、私も乗りたいです」

紬「決まりね……あ、2人乗りなんだ」

唯「じゃあ……」

憂「私と紬さん、お姉ちゃんとスミーレちゃんでどうですか?」

紬「最後だし、そうしましょうか」

__
菫「いい景色ですね」

唯「夕日が綺麗だねー」

菫「あの、唯先輩」

唯「なぁに?」

菫「今日は色々ありがとうございました」

唯「私は何もしてないよ」

菫「そうですねー」

唯「えっ」ガクッ

菫「けどなんだかお礼を言いたかったんです」

唯「そっかぁ」

菫「唯先輩ってその……いてくれるだけでみんなが幸せになれる、そんな感じがします」

唯「私もね、菫ちゃんに言わないといけないことがあるんだ」

菫「私に、ですか?」

唯「うん」

菫「……」ゴクッ

唯「いつも憂と仲良くしてくれてありがとう」

菫「え」

唯「憂はね、いい子で素直なんだけど、そのせいで色々やり過ぎちゃうところがあるんだ」

菫「はぁ」

唯「きっとね、菫ちゃんがいなかったら、軽音部のお茶淹れとか全部憂がやってたと思うんだ」

菫「……」

唯「それはそれでいいんだけど、それだと私が居た頃と変わらないから」

唯「きっと菫ちゃんがいてくれたから、憂は『甘える』ことができたと思う」

菫「そんな、憂先輩が私に甘えるなんて」

唯「そんなことないよ。憂は菫ちゃんに甘えてる」

唯「今日一日見て、よくわかったもん」

唯「だから、ありがとう」

菫「……」

唯「菫ちゃん?」

菫「あ、いえ、唯先輩には敵わないなって」

唯「そんなことないよ。私だって菫ちゃんに敵わないし」

菫「そういうことにしておきます」

唯「……そうだね」

菫「あ、あと、一つお願いがあるんです」

唯「どうしたの?」

菫「メールアドレス教えてもらえませんか」

菫「お化けの格好をしたお姉ちゃんの写真、絶対に送ってくださいね」

唯「うんっ!」

__
紬「今日は楽しかったわー」

憂「はいっ!」

紬「2人は今頃どんな話をしてるのかしら」

憂「さぁ、どうでしょう」

紬「うふふ、どんな話をしていたとしても、きっと仲良くなってくれると思うわ」

憂「そうですね」

紬「ねぇ、憂ちゃん」

憂「なんですか?」

紬「今更かもしれないけど、ありがとう」

紬「いつも菫と仲良くしてくれて」

憂「ううん。お礼を言うのはこっちです」

憂「スミーレちゃんを軽音部に誘導してくれてありがとうございました」

憂「おかげで梓ちゃんも部長としてちゃんとやっていけてるし」

憂「その……私も」

憂「ちょっと先輩っぽいことが出来て嬉しいんです」

紬「そっかそっか」

憂「またこんな風にみんなで遊びに行きたいです」

紬「うん。私も!」

憂「……」

紬「憂ちゃん? どうかした?」

憂「楽しかったからかな、これが最後の乗り物だと思うと、なんだか感慨深くて」

紬「ふふ、最後にもう一つ乗り物が残ってるわ」

憂「え」

紬「憂ちゃんを家まで送って行くから。私の運転で」

憂「……それはちょっと楽しみです」

>後日、軽音部部室

梓「あれ、まだ菫だけ?」

菫「はい。直ちゃんは用事があるから遅れるって」

梓「そっか。あ、憂から聞いたよ、唯先輩やムギ先輩と遊んだって」

菫「あ、はい。とっても楽しかったですよ」

梓「そっか、良かったね」

菫「はいっ! 私お茶を入れます」



梓(いい笑顔、よほど楽しかったんだのかな)


菫「……」

菫「……」

菫「……あずにゃん」ボソッ

梓「え」

おしまいっ!









これで終わりです
次回更新は本来なら8月24日(土)ですが、
来月は忙しいので予定通りに投下できない可能性があります

今回は>>127です
今月はちょっと忙しいので短めです

◯さわ子「とある茶番劇」



ピッピッピッピッ

紬「もしもし、斎藤? ええ、私よ」

紬「うん・・・うん・・・うん。先生のところだから大丈夫」

紬「それでね、誘拐ごっこをやるんだけど、迫真の演技でお願いしたいの」

紬「ええ・・・ええ、迷惑をかけるわ、斎藤」

紬「うふふ、じゃあよろしくお願いね」

紬(さわ子先生に監禁されてから二時間)

紬(土曜日の朝、偶然道端で酔い潰れている先生を介抱してアパートへ送り届けたら、「誘拐してやる」って)

紬(うふふ、何を要求するつもりだったのかしら)

紬(私の家のほうは・・・)

紬(さわ子先生がウコンドリンクを買いに行った隙に電話したので問題ないはず)

紬(もちろん逃げられるけど、そんな無粋なことはしない)

紬(だって、誘拐監禁なんてはじめてだから!!)

さわ子「ただいま~~~」

紬「あ、おかえりなさい」

さわ子「駄目でしょ、ムギちゃんは部屋のおくでジッとしてなきゃ」

紬「は、はい」

紬(人質をやるのも結構難しいのね)

さわ子「・・・ぷはーっ、男がなんだ! 結婚がそんなにいいのか!!」

紬「え、えっと」

さわ子「ちょっとムギちゃん聞いてよ、大学のときの親友がさ」

さわ子「結婚した旦那の愚痴を延々を聞かせてくるのよ」

紬「は、はぁ・・・愚痴ですか?」

さわ子「ええ、愚痴」

さわ子「でも、愚痴を語るときの表情がとても楽しそうなのよね」

さわ子「あの子、絶対自慢してるのよ。JJよ! 自虐風自慢ってやつよ! こっちが婚期逃したからって、調子にのって・・・」

紬「えっと、さわ子先生は結婚したいんですか?」

さわ子「そりゃあ、ね。・・・まわりの友達もどんどん結婚していくし」

紬「そうですか・・・」

さわ子「な、なによ、文句でもあるの!」

紬「さわ子先生こんなに綺麗なのに。髪の毛だってこんなにサラサラですし」サワッ

さわ子「・・・っ」ドキッ

紬「さわ子先生?」

さわ子「な、なんでもないわ。ふぅ・・・こうなったらまた飲むわよー」

紬「むっ、これ以上は体に悪いから駄目です!」

さわ子「むぅ・・・ムギちゃんの意地悪」

紬「駄目なものは駄目ですから」

さわ子「ぐぐぐ・・・」

紬「はい、かわりにお水をどうぞ」

さわ子「ごくごく・・・うん」

紬「他に欲しいものはありますか?」

さわ子「・・・ムギちゃんっていいお嫁さんになりそうよね」

紬「へっ」

さわ子「気が利いて、器量もいいし、おっぱいも大きいし」

紬「うふふ、そうですか」

さわ子「あ、余裕。嫌な感じ」

紬「さわ子先生も似たようなことをよく言われてそうですけど」

さわ子「あー、うん、どうだろう」

紬「・・・?」

さわ子「猫を被ってるときは、みんなそう言ってくれるのよ」

紬「あ」

さわ子「でも・・・」

紬「素を出すと・・・ですか?」

さわ子「ええ・・・」

紬「私は・・・好きですけど」

さわ子「え」

紬「素のさわ子先生は、快活で、自由で、でも優しくて、親しみやすいいい先生だと・・・私は思ってますよ」

さわ子「むぅ・・・」

紬「な、なんですか?」

さわ子「私、この子と結婚したい!」

紬「え、いきなり何を言うんですか」

さわ子「だってムギちゃんかわいいし、優しいし、お金持ちだし」

紬「う~ん、やっぱり駄目です」

さわ子「どうして?」

紬「この国で同性の結婚は認められていないので」

さわ子「認められていたらいいんだ?」

紬「さぁ、どうでしょう」

さわ子「むーっ」

紬「でも、ですね」

さわ子「・・・ん? あ、ムギちゃんポッキー食べる? さっきウコンと一緒に買ってきたんだけど」ボリボリ

紬「あ、食べます。それで、ですね」ボリボリ

さわ子「うん」ボリボリ

紬「私は誘拐された身ですから、命令されれば誘拐されてる間はお嫁さんにでもなります」ボリボリ

さわ子「うーん、1日お嫁さん的な」ボリボリ

紬「はい」

さわ子「そうねぇ、じゃあ、お嫁さんと一緒にお昼ごはんでも作りましょうか」

紬「はいっ!」

◇◇◇

さわ子「おいしかったね」

紬「さわ子先生、意外と料理できるんですね」

さわ子「『意外と』は余計よ。それにムギちゃんもじゃない。お嬢様なのに」

紬「うふふ、『意外と』ってつけてもいいですよ」

さわ子「ほんとにいい性格してるわ、ムギちゃんって」

紬「ありがとうございます。あ、そろそろ帰らないと」

さわ子「ね、ムギちゃん、また来てくれる?」

紬「そうですね、お休みの日に見かけたら誘拐してください」

さわ子「そしたら、またお嫁さんになってくれるんだ?」

紬「ええ、よろこんで!」

◇その頃の琴吹邸

菫「わははは、この子を返してほしくば、クイニーアマンとピロシキを要求します!」

斎藤「ぴ、ぴろしきだと」

菫「そうだ。外はカリッと、中はジューシーな極上のピロシキを要求します!」

斎藤「く、くそっ、この卑怯者め!」

菫「いいのか、この子の命は私の手の内ですよ」

斎藤「30分だ。30分待ってくれ!」

菫「よかろう。ロスタイムも5分与えます」

斎藤「・・・! ありがたい」

菫「・・・ぴーぴーぴーぴー」

斎藤「切れたか。お嬢様の安全のために早くクイニーアマンとぴろしきを用意せねば・・・」

菫「今回の練習はなかなかうまくいったね」

斎藤「そうじゃな、菫よ」

菫「それにしてもおじいちゃん。なかなか誘拐ごっこの電話かかってこないね」

斎藤「ふむ。しかし、いつかかってきてもよいように、万全の体勢を整えるのが我らの務め」

菫「そうだねおじいちゃん。もう一回練習しようか」


おしまいっ!

これで終わりです
次回更新は9月28日(土)の予定です
また、リクエストは随時募集していますので、どしどしお願いします

>>1
焼うどんの話とその続編の題名を教えてください

>>515
焼きうどんが、
◯紬「妹と焼きうどん」
で、続編が、
◯紬「妹と平沢姉妹」
です。

遅くなってすいません。

今回は>>191
ちょっとだけダークなお話です。

◯菫「むちなふたり」


=1=
幼い頃からお姉ちゃんは私の特別だった。
特別といっても、恋愛的な意味での特別ではない。
尊敬とか崇拝とか、そういう意味での特別だった。

私と違い、お姉ちゃんはなんでもできた。
誰の前でもハキハキと喋ることができたし、礼儀作法だってしっかりしていた。
ピアノをはじめるとすぐにコンクールで賞をとってしまった。

私はと言えば、その真逆だった。
人前に出るのは苦手だったし、同年代の人とコミュニケーションをとることも苦手だった。
仲のいい子は何人かいたけど、それは全てお母さんやお姉ちゃんを通して得た友人だった。

なんでもできるお姉ちゃん。
なんにもできない私。
幼いながらに私はお姉ちゃんに憧れと劣等感のようなものを抱いていた。

ある日、そんな想いをお姉ちゃんに打ち明けたことがある。
お姉ちゃんは「菫よりお姉ちゃんなのだからとうぜんよ。わたしと同じ年になれば菫もそれくらいできるから」と言ってくれた。
私とお姉ちゃんの歳の差は3つある。
けど私には3年後の自分が今のお姉ちゃんみたいに振舞っている姿など想像できなかったし、現にそうはなれなかった。

多少の劣等感はあったものの、それがお姉ちゃんに対する悪意に形を変えることはなかった。
私はお姉ちゃんが好きだったから。
いつも私のことを考えてくれるお姉ちゃん。
誰とでも仲良くなって、なんでもできるお姉ちゃん。

お姉ちゃんが誰かに褒められれば、私は自分のことのように喜んだ。
誰かが褒められているのを見ると、「お姉ちゃんはもっと凄いんだから」と心のなかで思わずにはいられなかった。

幼い頃、私がお姉ちゃんに感じていた感情を一言であらわすなら、尊敬とか崇拝とか、やっぱりそういう言葉になるんだと思う。

お姉ちゃんといっても、私とお姉ちゃんは血が繋がっていない。
お姉ちゃんは琴吹家直系のお嬢様で、私は琴吹家に仕える執事の家に生まれた子供だ。

ただ、私達は姉妹同然に育てられた。
だからお姉ちゃんは私を妹として、そして私はお姉ちゃんを姉として接してきた。

小学校に入る頃になると、お姉ちゃんと血が繋がっていないことを少し意識しはじめた。

お姉ちゃんはお姉ちゃんだけど、本当のお姉ちゃんではない。
子供ながらにその事実が妙に腑に落ちたのを覚えている。

やっぱりお姉ちゃんは特別で、私はそうじゃないんだ。
でも、それでいいんだ。
だって、特別な人に特別じゃない人が仕えるのは当たり前だから。

今にしてみると幼稚な発想に思えるけど、この考えは今でも私の価値観の根底にあり続けている。
お姉ちゃんは特別で、私は特別じゃない。
特別じゃない私は、特別なお姉ちゃんを支えるためにここにいる。

それから更に月日が流れたある日、私の教育役をしていた祖父からある注意をされた。
あまりお姉ちゃんと馴れ馴れしくするな、ということだ。

私は祖父の言い分をもっともだと思った。
だって私はいずれお姉ちゃんに仕えるのだから、馴れ馴れしくし過ぎるのはよくない。
主従の線引はあっていいはずだ。

私は祖父の注意を受け入れるつもりだった。
でも、お姉ちゃんはそれを否定した。
あくまで私は妹だから。
だから、これまでどうり接してもいいと。接して欲しいと。

その言葉は素直に嬉しかった。
お姉ちゃんが私を大切に思ってくれている。
妹としてお姉ちゃんに必要とされている。

別に妹だからお姉ちゃんに仕えてはいけないというルールはない。
だから私は素直にお姉ちゃんのいうことを聞いた。

ただ、みんなの前では「お嬢様」と呼ぶようになった。
教育係である祖父の体面に配慮する必要があるとお姉ちゃんが言ったからだ。

みんなの前ではお嬢様。
ふたりきりのときはお姉ちゃん。
なんだか秘密のごっこ遊びをやっているようで妙に楽しかったのを覚えている。

=2=
月日は流れて私は中学生に、お姉ちゃんは高校生になった。

私は中学生になっても相変わらずだった。
仲のいい子は何人かできたものの、やっぱり自分から話かけるのは苦手だったし、成績も良くなかった。

それはお姉ちゃんも同じだと私は思っていた。
でも違った。

中学時代、もちろんお姉ちゃんに友達はいた。
私も遊んでもらったことがある。
でも、親友と呼べるような人はいなかった。

つまるところ、お姉ちゃんは私が一番大切だったし、私を最優先してくれた。
でも、高校に入ってからお姉ちゃんは変わってしまった。

私がそれに気づいたのは、夏休みのフィンランド帰省にお姉ちゃんがついてこなかったときだ。
「友達との約束があるから帰らない」と言ったお姉ちゃん。

お姉ちゃんと飛行機のなかでどんなお話をしようか。
フィンランドで一緒にどこへ行こうか。
そんなことばかり考えていた私にとって、この言葉は衝撃だった。

自分でいうのもなんだか、私はお姉ちゃんにとって一番大切な存在だったと思う。
いつでも私のことを優先してくれたし、いつだって私に優しかった。
そんなお姉ちゃんだから私は尊敬し、崇拝してきた。

でも、今になって、お姉ちゃんは私から離れていこうとしている。

夏休みが終わってからも、お姉ちゃんは部活の友達とべったりだった。
そんな日々に耐えられるはずもなく、私の精神は次第に磨り減っていった。

やがて私の脆弱な心はお姉ちゃんに対する悪意となって八つ当たりをはじめたのだ。

=3=
これから話すのは私の悪意が最初に形になったときのことだ。
夏休みが終わってしばらくして、お姉ちゃんは私の変化に気づき始めた。

ある日、お姉ちゃんが私の部屋にやってきた。
お姉ちゃんはとりとめのない話をした。

私に何があったのか遠回しに探るお姉ちゃん。
きっと心配してくれていたのだと思う。
でも、私はその好意を受け止めることができなかった。


お姉ちゃんはこうやって心配する素振りはするけど、結局学校の友達のほうが大切なんだ。
お姉ちゃんは私にとって特別なのに、お姉ちゃんにとっての私は特別じゃないんだ。

ぶつけどころのない痛みが私の中でうずまいて、苦痛は一つの行為に帰結した。

私はお姉ちゃんを無視した。
話しかけられても答えない。
何をやっても反応してあげない。

あの時のお姉ちゃんの狼狽えた顔は今でも覚えている。
いつも笑顔を崩さず寛いでいたお姉ちゃん。
私を叱るときだって、どこか優しさを感じさせたお姉ちゃん。

そんなお姉ちゃんが、必死になっている。狼狽えている。
何も出来ない私のせいで。

そんなお姉ちゃんの様子に、私も混乱していた。
だから最後には、ちょっと機嫌が悪かったからとお姉ちゃんに謝った。

でも、この体験は。
お姉ちゃんを傷つけたこの体験は。
私の心の奥底で黒い欲望として燻り続けることになる。

勘違いしてもらっては困るが、私はいつだってお姉ちゃんが大好きだった。
尊敬しているし、崇拝もしている。
むしろ敬愛しているからこそ、お姉ちゃんを傷つけたいと思ってしまったのだと思う。

あの日、私が無視して以来、お姉ちゃんはもっと優しくなった。
学校の友達との約束よりも、私のことを優先してくれるようになった。

私の方はといえば、少しそっけない態度をとり続けた。
無視するわけではないが、お姉ちゃんのことをほんのすこし鬱陶しそうな目で見た。

お姉ちゃんは次第に私の言いなりになっていった。
ある日、私はお姉ちゃんにSMプレイをしてみたいと言った。
お姉ちゃんを鞭でビシバシ叩いてみたいと言ったのだ。

SMプレイにした理由は、当時読んでいた漫画にそういう内容があったからだ。

鞭はお姉ちゃんに買ってきてもらった。
体に痕の残らないタイプだから、後々問題になることもない。

=4=
鞭を手に持った私。
下着だけつけたお姉ちゃん。

倒錯した状況に少しだけめまいがした。
下着をつけ、怯えるような目で私を見るお姉ちゃんは、同性で年下の私から見ても煽情的に映った。
私は更に目隠しをつけて欲しいと言った。
もっともっとお姉ちゃんを傷つけたかったのだ。

流石にお姉ちゃんは「それは嫌」と言った。
私はそっけなく「嫌ならやめてもいいよ」と言った。
するととお姉ちゃんは諦めたように首を横に振った。

下着姿で目隠しをつけたお姉ちゃん。
小手調べに鞭で軽く叩いてみた。

お姉ちゃんは小さく声を漏らしたが、それだけだった。
どうやら痕が残らないようにするため、あまり強い衝撃は与えられないようにしてあるらしい。

そこで私は全力で鞭をふった。
パシィィィン! という大きな音とともに、お姉ちゃんが悲鳴をあげる。
私はかまわず何度も鞭をふる。
そのたびにパシィィィン! パシィィィン! と大きな音がして、お姉ちゃんは獣のようにわめき叫ぶ。

30回ぐらいふると、私の手はくたびれてしまった。
私はお姉ちゃんに近づいて様子を観察する。

お姉ちゃんはぐったり横に倒れてしまい、顔は真っ赤に染まっている。
口からは涎が流れ、お腹のあたりまで濡らしてしまっている。
目隠しは少ししめっていた。きっと相当泣いたのだろう。

目隠しを外してあげると、お姉ちゃんは真っ赤に染まった目でをしていた。
それから怯えるように私を睨みつけた。

30回ぐらいふると、私の手はくたびれてしまった。
私はお姉ちゃんに近づいて様子を観察する。

お姉ちゃんはぐったり横に倒れてしまい、顔は真っ赤に染まっている。
口からは涎が流れ、お腹のあたりまで濡らしてしまっている。
目隠しは少ししめっていた。きっと相当泣いたのだろう。

目隠しを外してあげると、お姉ちゃんは真っ赤に染まった目でをしていた。
それから怯えるように私を睨みつけた。

30回ぐらいふると、私の手はくたびれてしまった。
私はお姉ちゃんに近づいて様子を観察する。

お姉ちゃんはぐったり横に倒れてしまい、顔は真っ赤に染まっている。
口からは涎が流れ、お腹のあたりまで濡らしてしまっている。
目隠しは少ししめっていた。きっと相当泣いたのだろう。

目隠しを外してあげると、お姉ちゃんは真っ赤に染まった目でをしていた。
それから怯えるように私を睨みつけた。

>>536-537
ミス

「痛かった?」と私が聞くと、お姉ちゃんは警戒を解いた。

それからこのSMプレイの感想を言い合った。
お姉ちゃんはひたすら痛かったと言った。
私はお姉ちゃんがとてもかわいかったと言った。

感想をひとしきり言った後、私はお姉ちゃんの頭を抱えて優しく抱いてあげた。
それから鞭の痕に優しくキスをしていく。

痕が残らないとは言え、赤く染まったお姉ちゃんの肌。
白くきれいなお姉ちゃんの肌が赤く傷んでいるのを見るとなんとも言えない気持ちになる。
嬉しいような、悲しいような。

私はその傷ひとつひとつにキスをして、ときには舌で優しく舐めてあげた。
お姉ちゃんは私の行為を受け入れてくれた。
何の抵抗もせず、全てを受け入れて、最後には抱きしめてくれた。

=5=
それからもお姉ちゃんとSMプレイを数回おこなった。
その度、新しいお姉ちゃんを知ることができたし、私自身も楽しんだと思う。

お姉ちゃんを傷つけていくうちに、お姉ちゃんが同級生と遊んでいても気にならなくなっていった。
どれだけ仲の良い友達であっても、私ほど濃密な関係は築けていないはずだから。
たとえどれほど仲良くなったとしても、お姉ちゃんの中で私以上の存在にはなり得ないはずだから。

振り返ってみると、結局、私は自分が大切だったんだと思う。
お姉ちゃんを失うのが嫌で。
お姉ちゃんにとっての特別になりたくて。
それで傷つけた。

でも、もういいと思う。
SMプレイで精神的にも、肉体的にもお姉ちゃんに負担がかかっているのは明らかだ。
それにSMプレイをやめたとしても、お姉ちゃんと私の関係は変わらない気がした。
なんとなくだけど、そういう確信があった。

だから私は自分の気持ちをお姉ちゃんに打ち明け、謝罪することにした。

=6=

「そう。でも、実は少しだけ嬉しかったの」

「え、どうして?」

「菫が私に何かして欲しいって言うのは、これがはじめてでしょう。
 出来た妹だし、自慢に思っているけど、少しだけ寂しかったから」

「そんなこと言われたら……」

「ね、菫。私は菫より3つも上なの。
 だからね。私のほうこそ謝らせて。
 寂しい思いをさせてごめんなさい」

「ねぇ、お姉ちゃん、教えて欲しいことがあるんだけど」

「なぁに?」

「どうしてお姉ちゃんはそんなに優しいの?
 血が繋がってるわけでもないのに」

「それはね、菫が私のものだからよ」

「え?」

「菫は私のものでしょ?
 これからもずっと私の傍で支え、死ぬまで私を支えてくれるんでしょ?」

「う、うん。そのつもりだけど」

「だからいいの。
 私のものなんだから私に何をしてもいいの」

「お姉ちゃん、それは変だよ。
 私はお姉ちゃんのものだからお姉ちゃんに何をされてもいいけど、その逆は成り立たないはずだよ」

「別にいいじゃない。菫は私のもので、私は菫のもの」

言い切った後、お姉ちゃんは私の唇を奪った。
そのまま舌が侵入してくる。

成すがままに口の中を蹂躙されたけど、悪い気はしない。

だって私はお姉ちゃんのものだから。

遠慮がちに私も舌を絡める。
終わらないキスを味わいながら、私は思うのだ。

やっぱりお姉ちゃんは特別だって。


おしまいっ!

これで終わりです。

唯が飲んだくれになってうだうだぐだくだ皆に絡む話とか

>>551
>>1の元にムギが舞い降りて疲れを癒やす話

カラオケに行こう

沢山リクエストをいただきありがとうございます
今回は動物園ネタでいこうと思っていたのですが、下調べの時間がとれなかったため>>552を書かせてもらいました

>>552
今回さっそく使わせてもらいました
ありがとうございます

>>553
ムギちゃんに癒やされたいですね……本当に

>>554
カラオケはイメージに忠実に書いてもカオス寄りで書いても楽しそうですね
そのうち使わせてもらうと思います

 

◯紬「酔っぱら唯ちゃん」


澪ちゃんが二十歳になってしばらくしたある日のことです。
私達4人にさわ子先生からメールが送られてきました。

「みんなで飲みに行かない?」

週末、ちょっぴりお洒落してみんなで駅前に集合。
さわ子先生に連れられて、行きつけだというお店へ。

こうしてみんなでお酒を飲むのははじめてだったので、とってもワクワクしてたんです。
それはみんなも同じようで、唯ちゃんとりっちゃんも上機嫌。
初めてお酒を飲むという澪ちゃんはちょっと緊張してたみたいですが、それでも楽しみにしていたみたいです。

この後、どんな惨劇が待ち受けているかも知らずに……。

最初は楽しかったです。
お店はほんのちょっと小洒落た感じで、店員さんの接客も丁寧でした。
私達の席はちょっとした個室みたいになっていて、落ち着いた雰囲気です。

まずはみんなビールで乾杯しました。
澪ちゃんが苦くて美味しくないといったので、すぐに梅酒にチェンジ。
梅酒のほうは随分気に入ったようで、美味しい、美味しいと繰り返していました。

料理も美味しかったです。
特に鶏の唐揚げは絶品でした。
私はレモンを絞ってからみんなのお皿に取り分けてあげました。
もちろん、りっちゃんの分だけ除けておくのは忘れません!
りっちゃんの唐揚げにレモンをかけると、本当に怖いんです。

肝心の味ですが、柚子胡椒で下味をつけているようで、とっても風味がよかったんです。
それでいてとってもジューシーで……また食べたいな。

美味しいお酒に、美味しい料理。
唯ちゃんと2人で軽くお酒を飲んだことはあったけど、こうやってみんなで集まって飲むのは本当にはじめてだったから。
楽しくて、なんだかふわふわして、とてもいい気持ちだったのを覚えてます。

最初の悲劇が起きたのは、みんなが唐揚げを食べ終わった後のことです。

自分のビールを飲み切り、更に澪ちゃんの残したビールを一気に飲み干したさわ子先生はいい感じに酔ってきました。
酔った先生はだんだん暗い話を始めました。

合コンに行っても全く成果が出ないこと。
知り合いがどんどん結婚してくこと。
最近両親がうるさくお見合いをすすめてくること。

そんな暗い話を嫌った唯ちゃんが、さわ子先生の後ろに回り込み、胸を鷲掴みしました。

唯「さわちゃーん、そんな暗い話しちゃ駄目だよ~」

さわ子「ゆ、唯ちゃん?」

唯「ほら、りっちゃんムギちゃん澪ちゃん、さわちゃんを楽しくしてあげよっ!」

そう言って唯ちゃんはさわ子先生の胸をくすぐりはじめました。

最初に悪乗りしたのはりっちゃん……ではなく私でした。
私はさわ子先生のお腹をくすぐりました。
先生のお腹は柔らかくて……とそんなことはどうでもいいんです。

紬「うふふ~私に任せて~」

さわ子「む、むぎちゃん? アヒャハヒャヒャ」

次に悪乗りしたのは意外なことに澪ちゃんでした。
澪ちゃんはさわ子先生の足の裏をくすぐりはじめました。

さわ子「澪ちゃん……なにを……」

澪「こんな感じでいいかな? こしょこしょこしょー」

さわ子「足の裏はだめええええ!!!!」

唯「うん。バッチリだよ、澪ちゃん!」

そして最後にりっちゃん。
りっちゃんはさわ子先生の耳に息を吹きかけました。
りっちゃんったらテクニシャン!

さわ子「り、りっちゃん!! 助けて」

律「……フー」

さわ子「ひゃん///」

さわ子「もうほんとに……んっ……ふくっ……ひゃっ……もうらめえええええええっ」

唯「この胸が……胸が……」

紬「お酒は楽しく飲みましょ~」

澪「先生の足の匂い……癖になるかも」

律「……フッ」

さわ子「……」

さわ子「……」

さわ子「……」

その後、どれくらいくすぐり続けたのか、何をやったのかはよく覚えていません。
ただ、私は覚えています。
すっかり果ててしまったさわ子先生が端っこのほうで隔離されていたのを。

その間も店の人は素知らぬふりをして料理やお酒を持ってきていたみたいです。
プロってすごい!

こうしてまず先生がダウンしました。
次の獲物に認定されたのはりっちゃんでした。

唯「りっちゃーん」

律「おう、ゆい」

唯「りっちゃーん!」

律「なんだ、唯」

唯「りっちゃーん!」

律「なんだってんだ、唯」

最初はこんな感じにわけの分からない絡み方をしていました。
でも途中から唯ちゃんが豹変したんです。

唯「えへへ~、りっちゃんむぎゅう」

律「おい唯……もうしょうがない奴だな」

唯「う~ん、肋が顔にあたって気持よくないや」

律「え」

唯「どうしてりっちゃんってこんなにおっぱいないの?」

そう言ったきり唯ちゃんは澪ちゃんに抱きつきました。

澪「お、おい、唯」

律「……」

紬「ね、ねえりっちゃん。唯ちゃんにも悪気はないのよ」

律「……わかってる」

紬「そ、それにね……唯ちゃんだってそんなに大きくないでしょ?」

律「……この前の健康診断」

紬「え」

律「唯の奴は+0.8だったんだ。私は……」

紬「だ、大丈夫よ。そんな微々たる変化。りっちゃんだってこれからまだまだ育つんだから!」」

律「私はー0.5だったんだあああああああああああああああああああ」

大きく叫んだ後、りっちゃんは隅にいってぶつくさ呟きはじめました。
もうこうなってしまったら私にはどうすることもできません。
かわいそうなりっちゃん……。

澪「嫌だ嫌だ聞きたくない」

唯「んふぅ。澪ちゃんはかわいいねぇ」

唯ちゃんの次のターゲットは澪ちゃんでした。
どうやら私がりっちゃんを慰めている間に、『怖い話』を聞かせたみたいです。

澪「お、お手洗い」

そう言った澪ちゃんはすがるように私を見ました。
どうやら1人では行けないみたいです。
私は澪ちゃんの手を引いお手洗いに連れて行ってあげました。

帰ってきてから唯ちゃんがまた澪ちゃんに絡もうとしましたが、そうはさせません。
私は唯ちゃんをむぎゅっと抱きしめました。

唯「ムギちゃん?」

紬「もう、唯ちゃん。そんなに澪ちゃんをいじめちゃ駄目よ」

唯「そーだね。じゃあ次はムギちゃんの番だね」

紬「え」

私は唯ちゃんに何をされてしまうのでしょうか?
不安も大きかったですが、少しだけ期待もしていました。
そんな私に向けて、唯ちゃんは一言。

唯「きもちわるぃ…」

それからのことはよく覚えていません。
唯ちゃんをトイレに連れて行って、口に指を突っ込んで吐かせてあげた気がします。
記憶がはっきりしたとき、私はさわちゃんの家にいました。

回復したさわ子先生がタクシーを呼んで私達を家に連れてきてくれたそうです。

さわ子「あの状態で寮に帰すわけにはいかないでしょ?」

苦笑いするさわ子先生の顔が印象的でした。
言い残すと先生は横になって寝てしまいました。

周りを見渡すと唯ちゃん達も寝ていました。
時計を見るとAM3:35分。
私は毛布を箪笥から探しだして、みんなに掛けてあげました。

毛布を掛けてあげると、唯ちゃんが目を覚ましました。

唯「あれ、ムギちゃん?」

紬「ちょっとまって、今みんなに毛布をかけちゃうから」

唯「え……ここ……あ、そっか」

紬「ええ、さわちゃんのお家」

唯「私……あ……」

紬「どうしたの唯ちゃん?」

唯「えっと……ムギちゃん。今日の私どうだった?」

紬「えっとね、唯ちゃん、正直に言ってもいい?」

唯「……お願いします」

死刑宣告を待つ囚人のように神妙な顔持ちなる唯ちゃん。
きっと今日やったことを思い出して、居たたまれない思いなのでしょう。
だから私はこう言いました。

紬「最高だったわ!」

唯「え、だって私……」

紬「唯ちゃんのおかげでさわ子先生に思う存分スキンシップできたし、かわいい澪ちゃんも見れたし」

唯「え……え……」

紬「……りっちゃんはちょっとかわいそうだったけど」

唯「だって私、ムギちゃんにも迷惑……」

紬「ごめんなさい。最後の方はあまり覚えてないの」

唯「そうなんだ……?」

紬「うん。そういえば唯ちゃん、今日はどれくらい飲んだの?」

唯「えっとね。ビールと、日本酒7杯、チューハイ4杯。ワイン2瓶だったかな」

紬「え、そんなに?」

唯「えへへ、飲んでるうちに気持よくなっちゃって……でも吐いたら完全に覚めちゃったよ」

紬「そう……」

唯「……これからはちょっとお酒を控えるよ」

紬「どうして?」

唯「こんな風に迷惑かけたくないし」

寂しそうに笑う唯ちゃん。
そんな唯ちゃんのために、私は冷蔵庫から缶を2つ持ってきました。

紬「じゃあ最後に一本だけ飲まない?」

唯「えっと……缶チューハイ?」

紬「うん。いいでしょ?」

私が頼むと、唯ちゃんはしぶしぶ手にとってくれました。

紬「カンパーイ」

唯「うん。乾杯……」

私達はゆっくりお酒を飲みました。

紬「これ、美味しいわ」

唯「うん。美味しいね」

紬「こんな美味しいものを控えるなんて勿体無いと思わない?」

唯「……」

紬「ね、お酒を飲んだら誰だって失敗するものよ」

唯「そうなの?」

紬「ええ、さわちゃんだって最初は散々だったそうよ」

唯「あ、なんだかわかる気がする」

紬「それに、私も……」

唯「え、ムギちゃんも?」

紬「うん。私もね、この前大失敗しちゃったの」

唯「詳しく聞かせて」

紬「それは……もっとお酒が入っている時にでもね」

実家で開いてもらった二十歳の誕生パーティー。
そこで私は斉藤に裸踊りを強要したり、菫にごにょごにょしたりと、酷い醜態を晒してしまったんです。

紬「失敗して、少し大人になって……それでいいと思うの」

唯「うん、でもみんなが起きたら謝るよ……」

ちょっと元気が出たみたいだけど、またちょっぴり暗い唯ちゃん。

紬「ね、唯ちゃん。来年のことを考えてみない?」

唯「来年?」

紬「ええ。来年は梓ちゃんと憂ちゃん、それに純ちゃんも加えて飲みに行くの」

唯「あずにゃんがいたら大変だ」

紬「きっと阿鼻叫喚ね」

唯「楽しみだね」

紬「ええ」

紬「だからね、またこうやって飲みにいきましょう」

唯「……うん!」

こうして初めての飲み会は唯ちゃんにとってほろ苦い想い出になってしまいました。
そのおかげで飲み方を覚えたようで、大きな失敗はしなくなりました。
本音を言うと、ちょっとだけ残念です。

ちなみに朝起きるとりっちゃんも澪ちゃんも見事に記憶がありませんでした。
唯ちゃんは素直に「ラッキー!」と喜んでいました。

さわ子先生のほうも唯ちゃんを特に咎めることはありませんでした。
それどころか頻繁に私達を飲みに誘うようになったんです。
もしかしたら先生はマゾなのかもしれません。

来年……梓ちゃん達はどんな醜態を見せてくれるのでしょうか。
すごく不安だけど少しだけ楽しみです。



梓「やってやるです!」



おしまいっ!

これでおわりです
来月は和ちゃんの誕生日なので、誕生日関連のリクエストも大歓迎です

>>1が来るまで駄作ですがお楽しみください。
DQ3とのクロスオーバーものです。
題名「紬菫唯憂のDQ3」


それは冬休みに入ってすぐの出来事・・・
紬と唯はそれぞれの家に里帰りしていました。
そんなある日のこと
菫「お嬢様お届け物が来ております」
紬「菫ここではお嬢様はなしよ」
菫「それじゃあお姉ちゃん。またゲーム機みたいのが届いてるんだけど・・・」
紬「あっそれはね琴吹グループのある企業で、又ゲーム機の次世代ハードを開発中なんだけどテストプレイを頼まれちゃったの」
菫「そうなんだお姉ちゃん」
紬「私の前やったプレイレポートと菫たちがやったレポートが好評だったらしくできたらでいいんでお願いします。って頼まれちゃったのよ」
菫「それで今回のソフトは何?」
紬「以前やったソフトの続編でドラゴンクエスト3って言ってたわね」
菫「えっドラクエ3?私とお姉ちゃんだけじゃ出来ないよ!」
紬「だからとりあえず唯ちゃんと憂ちゃんに手伝ってもらおうと思うの。もうすぐ来ると思うわ」
菫「憂先輩と唯さんに?」

しばらくして
斉藤父「お嬢様お客様が見えております。菫、お前もだぞ」
紬「唯ちゃんと憂ちゃんね。ここにお通しして斉藤」
斉藤父「かしこまりました」
しばらくたって
唯「ムギちゃん、菫ちゃんおじゃまするね」
憂「紬さん、スミーレちゃんおじゃまします。これ家で作ったんですけどどうぞ」
紬「まあおいしそうなケーキ。憂ちゃんいつも悪いわね。では早速いただきましょう」
菫「お姉ちゃんお茶入れてくるね」
憂「スミーレちゃん、私も手伝うわ」
二人は給湯室へ向かっていった
唯「ムギちゃん、今度のソフトはなんなの?」
紬「ドラゴンクエスト3よ」
唯「ドラクエ3か、確かいろいろな職業と性格があるんだよね」
紬「そうよ唯ちゃん。9つの職業があるらしいわ」
菫「お姉ちゃんお茶が入ったよ」
唯「わーいお茶とケーキだ」
つづく

紬「今回は私たち全員がそれぞれのプレイブースに入ってプレイするの。入ったときに職業や性格が決まってゲームが始まるらしいわ」
憂「そうなんですか。それで大きな箱が5つあるんですねえっ5つ?」
紬「あとの一つはもう少しゲームが進んでから必要になるってSEさんが言ってたわ。それとこのブースは増設もできるし、一人でやる場合は仲間がNPCになるわ」
唯「楽しそうだねぇ~」
菫「お姉ちゃん2時間ごとに休憩を入れて行くのはどう?」
紬「いいと思うわ」
憂「スミーレちゃん私もそれでいいと思うよ」
唯「うんうん」
菫「それでは始めましょう。皆さんプレイブースに入ってください」
紬「何かワクワクするわ」
憂「私もです紬さん」
菫「今回も設定をオートメーションにしてプレイしていただくので、始まらないと分かりません。機器のAIが自動的に決定するみたいなので、それに従うことになります。」
紬「「補足すると、今回もグラフィックも変更されるわ。今回は職業に応じたグラフィックになるらしいわ」
唯「そうなんだ。私度の職業になるか楽しみだなぁ~」
菫「それでは準備はいいですか?はじめます。」
菫はスイッチを入れた
ナレーション(以下「ナ」と略)
「ようこそドラゴンクエストⅢの世界へ。早速ですが、みなさんのお名前を教えて下さい」
紬「琴吹紬ですわ」
ナ「紬さんですね。女性の方でよろしいでしょうか?」
紬「はい」
唯「平沢唯だよ」
ナ「唯さんですね。女性の方でよろしいでしょうか?」
唯「うん!」
憂「平沢憂です」
ナ「憂さんですね。女性の方でよろしいでしょうか?」
憂「はい!」
菫「斎藤菫です」
ナ「菫さんですね。女性の方でよろしいでしょうか?」
菫「はいそうです」
ナ「ありがとうございます。それでは、みなさんを冒険の世界にご案内いたします」

見知らぬ風景。奥に滝が見える。
紬「ここはどこかしら?あら奥に滝が見えるわ。行ってみましょう」
妖精の声「紬、紬、私の声が聞こえますか?」
紬「聞こえますわ」
妖精「私はすべてをつかさどるもの。あなたはやがて真の勇者として私の前に現れるでしょう。しかしそのまえにこのわたしにおしえてほしいのです。貴女がどういう人なのかを・・・」
紬「はい」
妖精「さあ私の質問に正直に答えるのです。用意はいいですか?」
紬「はい」
妖精「まず貴女の真の名を教えてください」
紬「琴吹紬ですわ」
妖精「生まれた日を教えてください」
紬「7月2日です」
妖精「琴吹紬、7月2日生まれ、蟹座、これでよろしいですか?」
紬「ええ」
妖精「それでは紬。私はこれからいくつかの質問をします。難しく考えず素直な気持ちで答えてください。そうすれば私は貴女をさらに知ることになるでしょう。さあ始めましょう。」
紬「ええ」
妖精「あなたにとって冒険とはつらいものですか?」
紬「いいえ」
妖精「防具より武器にお金をかけるほうですか?」
紬「いいえ」
いくつか質問が続いていく
妖精「何があっても守りたいと思う大切なものがありますか?」
紬「はい!!」
妖精「わかりました。これが最後の質問です」
つづく

最後の質問が終わって・・・
妖精「私はすべてをつかさどる者。今貴女が どういう人なのかわかったような気がします。」
妖精「あなたはエッチですね。 私にはわかります。」
紬「まあ」
妖精「多分今貴女は、いきなりエッチといわれて顔を赤らめたことでしょう。それは自分でもうすうすエッチであることに気がついているからなのです。」
紬「あら」
妖精「貴女は隠していますが、人一倍男の子が好きなはずです。」
紬「そうかしら?」
妖精「ぼんやりしている時、ふと気がつくと好きな人のことを考えてしまっていた。 ノートのすみのほうにふと気がつくと好きな人の名前を書いてしまっていた。」
紬(たまに菫のことを書くことはあるけど・・・)
妖精「そして 思わずニヤニヤしてしまう。 そんなことが 多いはずです。自分はもしかしてエッチなのかな?貴女は、時々そう思いますが、このさいはっきりと言いましょう。あなたは エッチです。 それも かなり です。」
紬「まあ」
妖精「でも 心配はいりません。それはそれほど貴女が健康だということなのですから。」
紬(少し的外れな性格診断ね。あとで書いておきましょう)
妖精「これがあなたの性格です。私はすべてをつかさどるもの。また貴女と会えるのを楽しみにしています。」

そして夜が明けた

母「おきなさいおきなさい私のかわいい紬!」
紬(私が勇者なのね)
母「今日はとても大事な日です。さあ母さんについていらっしゃい」
アリアハン城入口
母「紬、そこがお城よ王様にきちんと挨拶するのですよ。ではいってらっしゃい」
紬「はい」
紬は王様に謁見しルイーダの店で仲間を集めるようにアドバイスを受け細やかな支度金と武器・防具をもらった

ルイーダの酒場
ルイーダ「ここは出会いと別れのルイーダの酒場よ。何をお望みかしら」
紬「仲間を探しに来ました。」
ルイーダ「仲間ならあちらにいるわ」
菫「お姉ちゃん!」
唯「ムギちゃん」
憂「紬さん」

菫、唯、憂が仲間に加わった。
菫 魔法使い 優しい人(ドジッ娘)
憂 僧侶   セクシーギャル(万能娘)
唯 遊び人  おっちょこちょい(ドジッ娘)




791さんは、以前けいおんとDQ1、及びDQ2のクロス書いた人?

唯は絶対遊び人だと思ったww

>>594
私はけいおんのSSは初めてです。
前某所で駄作ですがDQ3のSSを書いていました。(妄想スレの淫乱賢者マゴットで分かる人はすごい)
今回>>1がなかなか書かない(書けない?)のでちょっと書いてみようと思った次第です。
>>595
やはり唯は遊び人ですね。これはすぐに思いつきました。

紬の家

紬「それじゃあお茶にしましょ」
唯「わーいお茶だ」
憂「私とスミーレちゃんで入れてくるね」
この世界でもお茶をすることは忘れない4人であった

紬「この世界では私が勇者みたいね」
菫「私は魔法使いです」
唯「私はバニーになっちゃった~」
憂「私は僧侶になりました。なぜかエッチだって言われました」
紬「まあ憂ちゃんもなの?私もエッチって言われたわ」
菫「でもセクシーギャルは万能ですからお姉ちゃんにも憂先輩にもいい性格かもしれません」
唯「憂もムギちゃんもいいよね。私なんかおっちょこちょいって言われちゃったよ」
紬・憂(唯ちゃん(お姉ちゃん)の性格はあたってる)
憂「ところでスミーレちゃんの性格は?」
菫「私は優しい人でした」
紬「そろそろ出発しましょう。今日はレーベに向かうわ」
菫「お姉ちゃんその前に武具をそろえていきましょう」
紬「そうね、憂ちゃんにも銅の剣を買って、菫と唯ちゃんにも旅人の服を買って・・・」

唯「これで準備は整ったね、それじゃあしゅっぱーつ」
しばらくして
スライムが5匹現れた
紬「私と憂ちゃんで1匹ずつ攻撃するから菫と唯ちゃんは援護をお願い」
菫「わかったわお姉ちゃん」
唯「わかったよムギちゃん」
菫はメラを唱えた!スライムCを倒した
憂の攻撃!スライムBを倒した
紬の攻撃!スライムAを倒した
唯の攻撃!スライムDに5のダメージ、スライムDの攻撃!唯は2のダメージを受けた!
唯「いったーい」
憂「お姉ちゃんに何てことするの!」
憂の攻撃!会心の一撃!スライムDを倒した
菫「これで終わりよ!」
菫はメラを唱えた。スライムEを倒した。
スライムたちをやっつけた!
経験値とゴールドを手に入れた。

憂「お姉ちゃん大丈夫?」
憂はホイミを唱えた!唯の傷が回復した。
続く



レーベにて
紬「とりあえず宿に入りましょう」
菫「そうだねお姉ちゃん」
唯「ムギちゃん次は鍵を取りに行くの?」
紬「唯ちゃん正解。ナジミの塔に行くのよ」
憂「行く前に装備を整えていきましょう」
菫「そうですね憂先輩。ナジミの塔はバブルスライムがいるので毒消し草も用意しないと」
憂「お姉ちゃんあんまり戦闘中に遊ばないでね」
唯「ほーい」

男「この岩が重くてびくともしません」
紬「この岩ね、よいしょっと、シャランラシャランラ」
男「ややすごい!その力がいつかきっと役にたちましょう」
菫「お姉ちゃん岩のあった場所に小さなメダルがあったよ」
紬「もらっていきましょう」

武器屋
憂「くさりがま3つと皮の鎧を2つと亀の甲羅を一つと稽古着一つと皮の帽子3つとターバン一つとブロンズナイフひとつでいいですか?紬さん?」
紬「いいわよ憂ちゃん。それと道具屋で薬草と毒消し草も買っておきましょう。あとキメラの翼もだわ」
憂「わかりました。お姉ちゃん、スミーレちゃん手伝ってくれる?」
菫「はい」
唯「うんいいよ~」
買い物が終わった。

出発の前・・・
紬「憂ちゃん私休んでる時に変な夢を見たの」
憂「えっ紬さんもですか?私もなんですけど、どういう夢でした?」
紬「マゴットさんという賢者が現れてコピーストーンがなんとかって・・・」
憂「私もです紬さん。マゴットさんが現れてキメラの翼を袋の真ん中において握りしめるとコピーストーンになってアイテムが複写できると言ってました。」
紬「後で試してみましょ」
憂「そうですね」
菫「お姉ちゃん、憂先輩出発しましょう」
憂「スミーレちゃん今いくね」

レーベの南
唯「確かこのあたりだと思うな」
茂みに入ったら中に牢屋の扉の部屋と階段があった」
紬「まあ唯ちゃん大正解ね!」
唯「えへへ」

ナジミの塔地下
スライムとフロッガーが現れた
紬「私と憂ちゃんでスライムえお攻撃するから菫はヒャドでフロッガーを、唯ちゃんは援護をお願い」
菫「わかったわお姉ちゃん」
唯「わかったよムギちゃん」
憂の攻撃!スライムAを倒した
紬の攻撃!スライムBを倒した
唯はいきなり逃げ出した。しかしまわりこまれてしまった。
菫はヒャドを唱えた。フロッガーを倒した。
魔物の群れをやっつけた!
経験値とゴールドを手に入れた。

憂「お姉ちゃん!」
唯「なんでしょう」
唯は少しおびえている。
憂「めっ!!」
唯「許してください」
菫(憂先輩は怒らせないようにしないと・・・)

4人はナジミの塔を進んでいき階段の手前
バブルスライムが4匹現れた。
憂「お姉ちゃん毒に気を付けてね」
唯「うん」
憂の攻撃!バブルスライムAを倒した
紬の攻撃!バブルスライムBを倒した
菫はメラを唱えた!バブルスライムCを倒した
唯は小石を拾って投げつけた!バブルスライムDを倒した
バブルスライムをやっつけた!
経験値とゴールドを手に入れた。
紬「唯ちゃんやるじゃない」
唯「えへへ」
菫「上へあがりましょう」
じじい「紬よわしはお前に盗賊のカギを渡す夢を見ていた。受け取ってもらえるか?」
紬「はい!」
じじい「これが盗賊の鍵じゃ。では行くが良い紬よ。わしは夢の続きを見るとしよう」
唯は本棚を見た。お転婆辞典を見つけた。
唯「ムギちゃんこれは袋に入れておくね」
紬「ええ」
菫「そろそろ休憩にしましょう」
4人は塔から飛び降りキメラの翼でアリアハンに戻り紬の家で一息入れた後酒場でセーブした。
続く

レーベにて
紬「とりあえず宿に入りましょう」
菫「そうだねお姉ちゃん」
唯「ムギちゃん次は鍵を取りに行くの?」
紬「唯ちゃん正解。ナジミの塔に行くのよ」
憂「行く前に装備を整えていきましょう」
菫「そうですね憂先輩。ナジミの塔はバブルスライムがいるので毒消し草も用意しないと」
憂「お姉ちゃんあんまり戦闘中に遊ばないでね」
唯「ほーい」

男「この岩が重くてびくともしません」
紬「この岩ね、よいしょっと、シャランラシャランラ」
男「ややすごい!その力がいつかきっと役にたちましょう」
菫「お姉ちゃん岩のあった場所に小さなメダルがあったよ」
紬「もらっていきましょう」

武器屋
憂「くさりがま3つと皮の鎧を2つと亀の甲羅を一つと稽古着一つと皮の帽子3つとターバン一つとブロンズナイフひとつでいいですか?紬さん?」
紬「いいわよ憂ちゃん。それと道具屋で薬草と毒消し草も買っておきましょう。あとキメラの翼もだわ」
憂「わかりました。お姉ちゃん、スミーレちゃん手伝ってくれる?」
菫「はい」
唯「うんいいよ~」
買い物が終わった。

出発の前・・・
紬「憂ちゃん私休んでる時に変な夢を見たの」
憂「えっ紬さんもですか?私もなんですけど、どういう夢でした?」
紬「マゴットさんという賢者が現れてコピーストーンがなんとかって・・・」
憂「私もです紬さん。マゴットさんが現れてキメラの翼を袋の真ん中において握りしめるとコピーストーンになってアイテムが複写できると言ってました。」
紬「後で試してみましょ」
憂「そうですね」
菫「お姉ちゃん、憂先輩出発しましょう」
憂「スミーレちゃん今いくね」

レーベの南
唯「確かこのあたりだと思うな」
茂みに入ったら中に牢屋の扉の部屋と階段があった」
紬「まあ唯ちゃん大正解ね!」
唯「えへへ」

ナジミの塔地下
スライムとフロッガーが現れた
紬「私と憂ちゃんでスライムえお攻撃するから菫はヒャドでフロッガーを、唯ちゃんは援護をお願い」
菫「わかったわお姉ちゃん」
唯「わかったよムギちゃん」
憂の攻撃!スライムAを倒した
紬の攻撃!スライムBを倒した
唯はいきなり逃げ出した。しかしまわりこまれてしまった。
菫はヒャドを唱えた。フロッガーを倒した。
魔物の群れをやっつけた!経験値とゴールドを手に入れた。

憂「お姉ちゃん!」
唯「なんでしょう」
唯は少しおびえている。
憂「めっ!!」
唯「許してください」
菫(憂先輩は怒らせないようにしないと・・・)

4人はナジミの塔を進んでいき階段の手前
バブルスライムが4匹現れた。
憂「お姉ちゃん毒に気を付けてね」
唯「うん」
憂の攻撃!バブルスライムAを倒した
紬の攻撃!バブルスライムBを倒した
菫はメラを唱えた!バブルスライムCを倒した
唯は小石を拾って投げつけた!バブルスライムDを倒した
バブルスライムをやっつけた!経験値とゴールドを手に入れた。

紬「唯ちゃんやるじゃない」
唯「えへへ」
菫「上へあがりましょう」
じじい「紬よわしはお前に盗賊のカギを渡す夢を見ていた。受け取ってもらえるか?」
紬「はい!」
じじい「これが盗賊の鍵じゃ。では行くが良い紬よ。わしは夢の続きを見るとしよう」
唯は本棚を見た。お転婆辞典を見つけた。
唯「ムギちゃんこれは袋に入れておくね」
紬「ええ」
菫「そろそろ休憩にしましょう」
4人は塔から飛び降りキメラの翼でアリアハンに戻り紬の家で一息入れた後酒場でセーブした。
続く

琴吹邸居間 11:50
紬「ふう帰ってきたわね」
菫「みなさんお疲れ様です」
紬「それではお昼にしましょう。斉藤、食事の用意を」
斉藤父「お食事は隣の部屋に用意してございますのでいつでもお越しください。それとお嬢様、琴吹堂のSEがお嬢様にゲームの件でお話があるということでございます」
紬「そうちょうどいいわ。13:30にこちらに来てもらうようにお願いできるかしら?」
斉藤父「かしこまりましたお嬢様。菫、お嬢様の補佐をしっかりするのだぞ」
菫「わかりました。お父様」

琴吹邸食堂
唯「わーいお昼だ。あっすごいごちそうだね」
紬「大したものはないけどどうぞ」
憂「紬さんすみません。気を使っていただいちゃって」
紬「いいのよ。憂ちゃんたちにはまだまだ手伝ってもらわないといけないからこのくらいはさせてね」
唯「今日は泊りなんだよね。すごく楽しみだよ~」
菫「さあみなさんさめないうちにどうぞ」
皆「いただきます」
菫「みなさんここまでやっていかがですか?」
憂「スミーレちゃん、順調に進んでると思うよ。お姉ちゃんが結構遊ぶけどね」
唯「面目ない」
紬「でも遊び人だから仕方ないと思うわ」
菫「それと先に進めば遊び人は大化けするとも言われてますし」
終始和やかに昼食は進んでいった。

食事休憩後再び琴吹邸居間
紬「そろそろ来ると思うけど」
斉藤父「お嬢様SEをお連れしました」
紬「それでは通して」
斉藤父「かしこまりました」
SE「今回こちらのゲームを担当させていただきますSEの佐藤です。宜しくお願いいたします。早速ですがお嬢様、プレイしていかがだったでしょうか?」
紬「最初の性格診断で私はエッチだって言われてしまったわ」
佐藤「そうですか、実は質問には何通りものルートが用意されていましてその答え方によってさまざまな性格が診断されます。ですので答え方によってはエッチだと判断されてしまう場合もございます。あと本でも性格は変えられますが・・・」
紬「それなら別にいいわ。セクシーギャルは万能なのでしょう」
佐藤「はい。セクシーギャルは唯一すべての能力が上がりやすいです」
憂「それと変なことをお尋ねしますが、キメラの翼を中央において握りしめるとコピ-ストーンが出てきて物が複写できるということを聞いたのですが・・・」
佐藤「あっそれですか。あまり言わないでほしいのですが実はゲームボーイ版で出てきたバグ技なのですが今回それも再現しました。キメラの翼を一定の場所に置いてアイテムを並び替えるとアイテムが増えてしまうのです」
憂「そうすると世界樹の葉や悟りの書とかも・・・」
佐藤「ええ簡単に増やせてしまいます。しかし使い方を誤ると大変なことになってしまいます」
紬「だから説明のメモがあるのね。最初何の説明なのかよくわからなかったけど貴方の話を聞いて納得したわ」
憂「これを使うのは本当に必要になった時だけ使いましょう」
紬「そうね憂ちゃん」
唯「具体的にはどういうときかなぁ?」
菫「例えば時間がおしてクリアが難しくなりそうなときに使うとかだと思います」
紬「さあそろそろ続きを始めましょう。佐藤さんバックアップをお願いします」
佐藤「わかりました。ではみなさん始めますよ」
続く

アリアハンを出て再びレーベ
菫「ここの扉を開けます」
4人は民家に入り2階へ上がった。
まほうのたまをもらった。
紬「これはどこでつかうのかしら?」
唯「いざないのどうくつで、壁に仕掛ける爆弾なんだ」
紬「そうなの唯ちゃん」
唯「うんこれで壁を壊して先に進むんだ」
憂「お姉ちゃんもDQ3はやってたのでわかるんですよ」
菫「それではいざないの洞窟に向かいましょう」

いざないの洞窟 壁で封じられてる場所
唯「まほうのたまをしかけるよ」
憂「まってお姉ちゃん、私が仕掛けるわ。お姉ちゃんがやると危ないよ」
唯「じゃあまかせたよ~憂」
憂はまほうのたまを壁に仕掛けた。憂は皆のところに戻ってきた。
憂「これで完了です。あと5秒くらいで爆発します」
まほうのたまが爆発し壁が跡形もなく崩れ去った。
菫「開通したようですね、あっ宝箱がありますよ」
憂「世界地図だね、もらっていきましょう」
世界地図を手に入れた。
バブルスライムやさそりばちを倒して奥へ進む4人
レベルが上がった。
紬「私はルーラを覚えたわ。菫は?」
菫「私はギラとスクルトとリレミトを覚えました。憂先輩はいかがですか?」
憂「私はラリホーとマヌーサとキアリーを覚えたよ。これで毒も大丈夫だね。お姉ちゃんは?」
唯「私は新しい遊びを覚えたよ」
憂(遊びに磨きがかかるんだ。私がしっかりしないと)「あっあれが旅の扉だね」
憂が見た先には渦を巻いた旅の扉があった。4人は旅の扉に飛び込んだ。

ほこら
唯「ついたね」
憂「うんお姉ちゃんもうすぐロマリアだよ」
紬「ロマリアってどういうところなの?」
菫「ロマリアはお調子者の王様が治めている国です。あと格闘場があります」
憂「スミーレちゃんもやったことがあるの?」
菫「はいGBですがやりました。神竜は倒したんですが、そこから先は進めませんでした」
唯「菫ちゃんがいるから道には迷わなそうだね」
菫「でもまえのテストと同じような感じだと、メダルやオーブの場所が変更されてるかもしれません」
菫は通信機のスイッチを入れて
菫「佐藤さん、聞こえますか?」
佐藤「聞こえますよ。どうぞ」
菫「今回変更されたところはありますか?」
佐藤「ありますよ。モンスターメダルが縮小されて、中ボスとラスボスと神竜だけになりました。またそのメダルも倒せば必ず落とすようになりました。あと水着のグラフィックも追加されております」
菫「メダルやオーブの場所は?」
佐藤「メダルの場所が1枚変更になってます。詳しくはゼニス王に聞いてください」
菫「わかりました。ありがとうございます」
憂「どうだった?」
菫「変更されたのは終盤近くのところですから大丈夫そうですね」
紬「とりあえずロマリアに入って休みましょう」
4人はロマリアで宿をとり休んだ。
続く

アリアハンを出て再びレーベ
菫「ここの扉を開けます」
4人は民家に入り2階へ上がった。
まほうのたまをもらった。
紬「これはどこでつかうのかしら?」
唯「いざないのどうくつで、壁に仕掛ける爆弾なんだ」
紬「そうなの唯ちゃん」
唯「うんこれで壁を壊して先に進むんだ」
憂「お姉ちゃんもDQ3はやってたのでわかるんですよ」
菫「それではいざないの洞窟に向かいましょう」

いざないの洞窟 壁で封じられてる場所
唯「まほうのたまをしかけるよ」
憂「まってお姉ちゃん、私が仕掛けるわ。お姉ちゃんがやると危ないよ」
唯「じゃあまかせたよ~憂」
憂はまほうのたまを壁に仕掛けた。憂は皆のところに戻ってきた。
憂「これで完了です。あと5秒くらいで爆発します」
まほうのたまが爆発し壁が跡形もなく崩れ去った。
菫「開通したようですね、あっ宝箱がありますよ」
憂「世界地図だね、もらっていきましょう」
世界地図を手に入れた。
バブルスライムやさそりばちを倒して奥へ進む4人
レベルが上がった。
紬「私はルーラを覚えたわ。菫は?」
菫「私はギラとスクルトとリレミトを覚えました。憂先輩はいかがですか?」
憂「私はラリホーとマヌーサとキアリーを覚えたよ。これで毒も大丈夫だね。お姉ちゃんは?」
唯「私は新しい遊びを覚えたよ」
憂(遊びに磨きがかかるんだ。私がしっかりしないと)「あっあれが旅の扉だね」
憂が見た先には渦を巻いた旅の扉があった。4人は旅の扉に飛び込んだ。

ほこら
唯「ついたね」
憂「うんお姉ちゃんもうすぐロマリアだよ」
紬「ロマリアってどういうところなの?」
菫「ロマリアはお調子者の王様が治めている国です。あと格闘場があります」
憂「スミーレちゃんもやったことがあるの?」
菫「はいGBですがやりました。神竜は倒したんですが、そこから先は進めませんでした」
唯「菫ちゃんがいるから道には迷わなそうだね」
菫「でもまえのテストと同じような感じだと、メダルやオーブの場所が変更されてるかもしれません」
菫は通信機のスイッチを入れて
菫「佐藤さん、聞こえますか?」
佐藤「聞こえますよ。どうぞ」
菫「今回変更されたところはありますか?」
佐藤「ありますよ。モンスターメダルが縮小されて、中ボスとラスボスと神竜だけになりました。またそのメダルも倒せば必ず落とすようになりました。あと水着のグラフィックも追加されております」
菫「メダルやオーブの場所は?」
佐藤「メダルの場所が1枚変更になってます。詳しくはゼニス王に聞いてください」
菫「わかりました。ありがとうございます」
憂「どうだった?」
菫「変更されたのは終盤近くのところですから大丈夫そうですね」
紬「とりあえずロマリアに入って休みましょう」
4人はロマリアで宿をとり休んだ。
続く

連投スマン

ロマリア城
王にカンダタを討伐し金の冠を取り返してほしいと依頼された4人
憂「カンダタってあれだよね・・・」
菫「覆面変態男です」
紬「まあそんな人がいるの、見てみたいわぁ」
菫「お姉ちゃん・・・」
唯「出発しよう。北のカザーブには菫ちゃんが装備できる一撃必殺の毒針があるんだよ」
紬「まあ唯ちゃんよく知ってるわね」
憂「お姉ちゃんもドラクエ3はやりこんでましたから」
唯「憂バラしちゃダメだよ~」
菫「では装備を整えて出発しましょう」

カザーブ道中
紬「あら、あそこに建物があるわ」
憂「あっすごろく場ですね、紬さんやっていきますか?」
紬「ええ。私ドラゴンクエストの中ですごろくをするのが夢だったの~」
唯「ムギちゃんよかったね。でもムギちゃん3はやったことないんだよね」
紬「ええでも5はやらせてもらったからその時のすごろくは楽しかったわ。その時はタバサちゃんを駒にしたけど、今回は私たちが駒になって進むんでしょう」
菫「そうだよお姉ちゃん」
紬「たのしみだわ~」

すごろく場
男「ようこそ旅人のすごろく場へ。すごろくをするにはすごろく県が必要になります。おやりになりますか?」
紬「はい!」
男「ではすごろく券を一枚いただきます。ここではサiイコロを10回振ることができます。頑張ってくださいね」
菫「お姉ちゃん気を付けてね」
唯「ムギちゃんファイトだよ」
憂「頑張ってください紬さん」
紬「いってくるわね」
紬はサイコロを振った。万屋のマスにとまった。
紬「皮のドレスは人数分買っておきましょう」
再度サイコロを振る紬。おっと50ゴールドをおとしてしまった」
紬「あら落としてしまったわ。気を付けないと」
6回サイコロを振ってゴールにたどり着いた。紬は鋼の剣と500ゴールドを手に入れた。
紬「これは私が装備しましょう」
唯「ムギちゃんお帰り。ゴールできたんだね」
紬「ええとっても楽しかったわ。はいみんなにお土産」
憂「皮のドレスですね。ありがとうございます」
菫「それでは出発しましょう」
一行はその後カザーブに到着した。
続く

カザーブ
紬「夜になってしまったわね。休みましょう」
唯「ムギちゃん、その前に毒針を取りに行こうよ」
唯は道具屋に忍び込みこん棒と毒針を手に入れた。
憂「では宿で休みましょう」
その後、4人は装備を整えシャンパーニの塔へ向かった。

シャンパーニの塔最上階
カンダタ「ここまで上がってこれたのは褒めてやるぜ。でも俺様を捕まえることは誰にもできん。さらばだ」
カンダタはロープを引いた。穴が開き紬たちは下の階に落とされた。
紬「みんな大丈夫?」
菫「私は大丈夫」
憂「大丈夫です。お姉ちゃん大丈夫?」
唯「私も大丈夫だよ。下にカンダタがいるよ」
4人は下の階に飛び降りた。
カンダタ「しつこい奴ら目やっつけてやる」
菫「私と憂先輩で子分を始末するからお姉ちゃんと唯さんはカンダタをお願いします。」
菫はイオを唱えた。カンダタたちにダメージを与えた。
憂の攻撃。会心の一撃!カンダタ子分Bを倒した。
唯はタップダンスを踊った。これはうまい。攻撃がよけやすくなった
カンダタ子分Aの攻撃。唯は素早く身をかわした。
カンダタの攻撃。菫に20のダメージ!
菫「きゃあ」
憂「スミーレちゃんしっかり!」
憂はホイミを唱えた。菫の傷が回復した。
菫「憂先輩ありがとうございます」
菫はスクルトを唱えた。
4人の守備力が上がった
カンダタ「お嬢様みたいななりしててなかなかやるな」
紬「あなたこそなかなかやりますわね変態さん」
菫はヒャドを唱えた!カンダタ子分Aを倒した。
憂はルカニを唱えた!カンダタの守備力が下がった。
紬の攻撃。会心の一撃!カンダタを倒した。
経験値とゴールドを手に入れた。

カンダタ「金の冠を返すから許してくれ」
憂「めっ!!」
カンダタ「ひぃぃ許してくれ」
唯「許してくださぁい」
紬「なんで唯ちゃんまで謝ってるの?」もうこんなことしちゃだめよ」
カンダタ「ありがてえ。あんたのことは忘れないよ。あばよ」
カンダタは金の冠とメダルを置いて逃げて行った。
唯「これはしばらく菫ちゃんがかぶってるといいよ」
菫は金の冠を身に着けた。
続く


ロマリア城下町
紬「これからどうする?」
菫「アッサラームに行きましょう」
憂「アッサラームでは補給して休んだら旅立ちましょう。あそこにはお姉ちゃんによくないものがありますから」
菫「憂先輩、同感です。お姉ちゃんにもあんまりいってほしくないところがあります」
憂「私たちがしっかりしないとねっ、スミーレちゃん」
菫「はい!」
アッサラーム付近では苦戦しながらもなんとかたどり着いた4人

アッサラームで装備を整え宿で休んだ後旅立った。
砂漠に入る手前にすごろく場があった。
菫「すごろく場がありますがどうしますか?」
紬「やっていきましょう。次は憂ちゃんやってみない?」
憂「はい!」
男「ようこそ旅人のすごろく場へ。すごろくをするにはすごろく県が必要になります。おやりになりますか?」
憂「はい!」
男「ではすごろく券を一枚いただきます。ここではサiイコロを10回振ることができます。頑張ってくださいね」
憂はサイコロを振った。小さなメダルを手に入れた。
憂「小さなメダルもだいぶ集まってきたな、後で交換にいこうっと」
憂は再びサイコロを振った。万屋のマスにとまった。
憂「マジカルスカートがある。アッサラームで買わなくてよかった。4人分揃えよう」
憂はマジカルスカートとまふうじの杖を購入した。
途中とんがりぼうしやゴールドを拾いながら、20回目でゴールした。
憂「景品はモーニングスターと小さなメダルだね」
唯「お帰り憂。おや大漁だね」
憂「うんいろんなものが拾えちゃった」
紬「あら憂ちゃん成長してるじゃない」
憂「ええすごろく場で体力が6ほど増えました」
菫(すごい強運の持ち主だな憂先輩は)
憂「それほどでもないよ」
菫(心の中を読まれた)
憂「それじゃあイシスに向け出発しましょう」
途中祠により、本とメダルを手に入れイシスにたどり着いた。

イシス
紬「暑いわね」
唯「あづ~い」
憂「穏当に暑いですね。お姉ちゃん大丈夫?」
唯「もうダメ、あっ池だ!」
唯は池に走っていき飛び込んだ。
憂「お姉ちゃん私たちは先に宿をとってくるからそこで待っててね」
唯「うん」

紬「おまたせ唯ちゃん。みんなで水浴びしましょう」
唯「うん冷たくて気持ちいいよ」
水浴びをした後宿の入り休んだ後城に謁見にいった。
女王「皆が私をほめたたえる。でもひと時の美しさなどなんになりましょう。すがたかたちでなく 美しい心を おもちなさい。心にシワはできませんわ」
紬「私もそう思いますわ」
女王「あなたがたのたびのおもいでをぼうけんのしょにきろくしますか?」
紬「はい!」
女王「では記録しましょう。またすぐに旅立つつもりですか?」
紬「いいえ」
女王「ではお休みなさい。また会える時を楽しみにしております」
続く

琴吹邸客間
紬「ふう帰ってきたわね」
佐藤「皆様お疲れ様です。ここまでいかがですか?」
紬「順調に進んでるわ。温度の調節もしているの?」
佐藤「少しだけですが温度調節はしております。イシスやバハラタ辺りは暑く、ムオルやレイアムランド辺りは寒く空調を設定してます。後は振動等で補っております」
憂「そうなんですね」
菫「15:30ですしお茶にしましょう。佐藤さんもどうぞ」
佐藤「それではお言葉に甘えさせていただきます」
お茶の時間
佐藤「お嬢様、テスト期間は前お話しした1/10まででよろしいですか?20日あたりまで延ばせますが」
紬「そうね、では1/20でお願いしてよろしいかしら?」
佐藤「かしこまりました。何かございましたらご連絡ください」
唯「ムギちゃんこのケーキもおいしいね」
紬「ええ。それと今回のお茶はロシアンティーよ」
憂「あったまりますね」
菫「あとこのヴァレーニエをお好みでどうぞ」
憂「スミーレちゃん、ヴァレーニエはどうやって飲むの?」
菫「小さなスプーンで口に含み、最初にヴァレーニエの甘みを味わってから、紅茶で口を潤すといった感じです」
唯「ヴァレーニエって何が入ってるの?」
紬「唯ちゃん、ヴァレーニエとはロシア語で、『果実の砂糖煮』のことなの。これには林檎と花梨が入っているわ」
唯「そうなんだ。うん、これもおいしいね」

お茶終了後
佐藤「それでは失礼いたします」
佐藤は会社に戻っていった
唯「そろそろはじめようか」
紬「ええ」
憂「うん」
菫「はい」

イシスで装備を整え出発し一行はピラミッドについた。星降る腕輪は憂が装備した。
ピラミッド3F
憂は子供たちの歌の通りにてきぱきとスイッチを押して行った。なんと壁が開いた。奥にはスタミナの種と魔法の鍵が入っていた。
紬「これは袋に入れておきましょう」
さらにピラミッドを宝を漁りながら上に登っていった。
頂上で小さなメダルを手に入れた。
憂「紬さん一度アリアハンに戻りませんか?小さなメダルもだいぶたまったことですし」
紬「ええ。メダルを引き替えに行きましょう」
菫「お姉ちゃん、私がルーラするね」
紬「菫もルーラを覚えたのね」
菫はルーラを唱えた。

アリアハン メダル交換所
収集家「よくぞ来た。わしは世界中の小さなメダルを集めるおじさんじゃ。もしメダルを持ってきたらわしのなけなしの褒美を遣わすぞ。おっ早速メダルを持ってきたようじゃな。ではおじさんがあずかろう」
収集家「よし紬はメダルを20枚集めたので褒美にとげのむちとガーターベルトと刃のブーメランを与えよう。30枚になったら今度は力の指輪を与えよう。頑張って集めるのじゃぞ」
紬「唯ちゃん、これ装備してみない?守備力が上がるわよ」
唯「うんいいよムギちゃん」
唯はガーターベルトを装備した。
憂「スミーレちゃんにはこれを」
菫「刃のブーメランですね。ありがとうございます」
菫は刃のブーメランを装備した」

アリアハン城
唯「魔法の鍵もあることだしここの宝箱ももらっちゃおう」
ルーンスタッフや種、ゴールド等を手に入れた。
憂「それではポルトガに向かいましょう。その前に金の冠も返しましょう」
憂はキメラの翼を放り投げた。

ロマリアでは王が王位を譲るとしつこく言ってきたが紬は断り続けた。
関所を通りポルトガへ向かった。

ポルトガ
王「東の国では胡椒が多く取れるという。東へ行き見聞したことをわしに報告せよ。胡椒を持ち帰ったとき、そなたを勇者と認め、わしの船を授けよう。この手紙をノルドに見せれば導いてくれるはずじゃ」
紬は王の手紙を受け取った。
王「では行くが良い」

紬「汚い文字だわ。菫読める?」
菫「うーんお姉ちゃん読めないよ。憂先輩これ読めますか?」
憂「うーん・・・親愛なるノルドよ、この手紙を持つ旅人をバーンの抜道へ案内してやってくれ。 ポルトガの王より。って書いてあるわ」
菫「憂先輩すごいです」
紬「憂ちゃんすごい」
唯「自慢の憂だよ~」
一行はノルドの洞窟へ行き手紙を見せて抜け道を開通してもらった。
続く

一行はノルドの洞窟を出て南下しバハラタについた。
紬「まず装備を整えましょう」
防具屋に魔法の盾があったので人数分そろえた。
川のほとり
憂「おじいさんどうしましたか?」
隠居「旅の人 聞いてくだされっ。わしのかわいい孫娘タニアが 悪党どもにさらわれてしまったのじゃ。 そこにおる若者が タニアの恋人のグプタ。わしは二人を結婚させようと思ったのに…… あんたらは強そうじゃな。どうかタニアを助け・・・」
グプタ「僕が行きます!見ず知らずの旅の人に頼むなんて…… 待っててください。きっと タニアを助け出してきます!」
隠居「グプタ!」
バハラタ宿屋
紬「その悪党たちはどこにいるの?」
唯「ここから北に行った人さらいの洞窟にいるんだけど、ここの魔物は強いから先にダーマに行って戦力を整えたほうがいいと思うよ」
菫「私も唯さんの意見に賛成です」
憂「ダーマに向けて出発しましょう」
一行はダーマに向かった。
ダーマ
神官「ダーマの神殿によくぞ来た。そなたらの成果をこの冒険の書に記録数るかね?」
憂「はい!記録します」
神官「またすぐに旅立つつもりか?」
憂「いいえ」
神官「ではしばし休むが良いまた会おう憂よ」

琴吹邸客間
紬「戻ってきたわね」
菫「みなさんお風呂にしましょう」
憂「そうだね」
唯「うん」

風呂場
唯「ムギちゃん地のお風呂って大きいね」
紬「そうかしら」
唯「だってこの広さプールみたいだよ」
憂「お姉ちゃん泳いじゃだめだからね」
菫「憂先輩、賢者になりませんか?」
憂「スミーレちゃんこそいいの?」
菫「はい。憂先輩のほうが賢者にふさわしいと思います。ね、お姉ちゃん」
紬「そうね。それと憂ちゃんちょっといいかしら?」
憂はい」
紬「憂ちゃんコピーストーンの解明はできた?」
憂「ええだいぶ理解できました。この石は不思議な力を持っていますね」
紬「じゃあ憂ちゃん賢者になってもらえるかしら」
憂「わかりました紬さん。それとお姉ちゃんも転職させようと思います」
紬「何に?」
憂「賢者です。前スミーレちゃんが話していた遊び人が大化けするというのはこのことなんです」
紬「わかったわ。それではゆっくりつかりましょう」
憂「はい」
続く

風呂場
唯「うーあったまるねぇ」
紬「そうだね」
菫「お姉ちゃん、バークにあずける商人なんだけど誰を呼ぶのがいいかな?」
紬「うーんそうだわ安価で決めるのはどうかしら?」
憂「いいかもしれません」
紬「それでは>>614の方お願いします。回答は以下の名前か番号でお願いします。回答がない場合は次の方お願いします」
唯「1 あずにゃん 2 りっちゃん、3 みおちゃん、4 和ちゃん、5 純ちゃん、6 直ちゃん、7 さわちゃん先生 以上になります」
菫「御回答お待ちしてますね」

菫「お姉ちゃん、背中流すよ」
紬「お願いするわ菫」
憂「お姉ちゃん、体洗おうね」
唯「ほーい」

琴吹邸食堂
メイド「本日のお食事はロシア料理でございます」
唯「わぁおいしそう」
憂「ボルシチですね。スミーレちゃんそちらのデキャンタに入っている赤い飲み物は何?」
菫「コケモモのジュースです」
唯「なんかワインみたいな色してるね」
全員にコケモモのジュースがいきわたる
紬「それでは今日はお疲れ様でした。明日もよろしくお願いします。乾杯」
菫・憂・唯「かんぱーい」
しばしの間食事
メイド「デザートは洋ナシのババロアでございます」
唯「このババロアもおいしいね」
紬「ロシアンティーはあったまるわね」

琴吹邸居間
斉藤「皆様今日はこちらでお休みください」
紬「今日はこの部屋に4人で寝ましょう」
唯「大きいベッドだね」
憂「お姉ちゃんベッドで遊んじゃダメだよ」
唯「ほーい」
4人は人生ゲームを遊んだあとベッドに入り眠りについた
続く

4だな。

引き続き琴吹邸居間
唯「今、和ちゃんからメールが来て明々後日にこっちに帰ってくるって」
紬「じゃあ和ちゃんにお願いしてみようかしら」
唯「電話してみるよ。あっ和ちゃん唯だけど、今大丈夫かな?」
和「唯久しぶりね。調子はどう?」
唯「すごくいいよ今日はムギちゃんの家でお泊りなんだ」
和「へえムギの家でお泊り、いいわね」
紬「唯ちゃんちょっと代わってもらえる」
唯「和ちゃんムギちゃんが話があるって」
和「ムギが?いいわよ」
紬「久しぶり和ちゃん。紬です」
和「ムギ久しぶりね。またどこかで会いたいわ」
紬「和ちゃん、明々後日いつごろ帰ってくるの?」
和「お昼前には帰ってくるわ」
紬「もし時間があるならアルバイトしない?唯ちゃんと憂ちゃんも一緒よ」
和「どんなアルバイトかしら?」
紬「ゲームのテストプレイなの。ソフトはドラゴンクエスト3でプレイブースに入ってやるものなの。私の家に泊りになっちゃうんだけど、どうかな?」
和「その日は家に帰って少ししたら空くから14:00くらいからならいいわ」
紬「じゃあその日迎えに行くわね。あっ憂ちゃんに代わるね」
憂「和ちゃん元気?」
和「ええ元気よ。唯から聞いてるわ。軽音部に入ったんでしょう」
憂「うん。かわいい後輩もできたんだよ」
和「来年は大丈夫なの?軽音部」
憂「たぶん大丈夫だと思うよ。スミーレちゃん達が頑張ってるみたいだから」
和「菫ちゃんね。唯から聞いてるわ。琴吹家のメイドさんなんだってね」
憂「うん、そうだよ。紬さんの妹みたいな感じだよ。じゃあ和ちゃん明々後日楽しみにしてるね。お休みなさい」
和「私もよ。お休み憂」

憂「和ちゃんOKだって。他のlシミにしてるって言ってたわ」
紬「よかった。実は佐藤さんから聞いたんだけどアレフガルドはブースを増設すれば5人以上のプレイも可能なの。NPCだと4人までなんだけどね」
菫「お姉ちゃんそろそろ寝よう」
紬「そうね休みましょう。それではお休みなさ~い」
憂「お休みなさい」
唯「お休み」
こうして夜は更けていった
続く







琴吹邸客間
メイド「お嬢様朝食のおにぎりでございます」
紬「ではこっちのミニテーブルに置いておいて」
メイド「かしこまりました」
紬「朝食をとったら始めるわよ」
菫「はい!」
憂「了解です」
唯「うん!」
4人は朝食を摂ったあとブースに入り菫はスイッチを入れた。
神官「よくぞもどった。ではいくがよい憂よ」
紬「これから戦力を整えるんだけどどうするの?」
憂「北にあるがルナの塔でメタルスライムを倒しながら悟りの書を目指すのがいいと思います」
唯「そうだね」
菫「それでいいと思います」
憂「みなさんこれを」
憂はどくがのこなを皆に手渡した。
菫「憂先輩これはどくがのこなですね。どこで手に入れたんですか?」
憂「旅の商人から買ったの」
唯「へえこんなの売ってるんだ」
憂(あの石でちょっと増やしたのは内緒)
一行はがルナの塔に向かった。

ガルナの塔
唯「ここは旅の扉やロープを使って進んでいくんだよ」
紬「そうなの、楽しそう」
一行はさらに進んでいく
ガルナの塔最上階
紬「楽しかったねぇ綱渡り」
菫「何とか渡れたよ」
憂「あっあれはメタルスライム」
スカイドラゴンとメタルスライムが現れた。
しかし魔物たちはこちらに気づいていない。
紬「チャンスね。私と憂ちゃんでスカイドラゴンを混乱させるから菫は毒針でメタルスライムを、唯ちゃんは援護をお願い」
菫「わかったわお姉ちゃん」
唯「わかったよムギちゃん」
紬は毒蛾の粉をまいた。スカイドラゴンは頭が混乱した。
憂「一発で混乱させるなんてすごいですね紬さん」
菫の攻撃。メタルスライムGの急所を毒針が直撃!メタルスライムFを倒した。
唯は毒蛾の粉をまいた。メタルスライムAは頭が混乱した。
憂は毒蛾の粉をまいた。メタルスライムCは頭が混乱した。
紬「まあメタルスライムにも毒蛾の粉が効くのね」
唯「そうだよムギちゃん。逃げられないように混乱させるんだ」
スカイドラゴンは混乱している。スカイドラゴンは燃え盛る火炎を吐いた。メタルスライムA~Eを倒した。
唯はふざけようとしてころんでしまった。その拍子に武器がスカイドラゴンに命中しダメージを与えた。
紬の攻撃。スカイドラゴンにダメージを与えた。
憂の攻撃。会心の一撃!スカイドラゴンを倒した。
経験値とゴールドを手に入れた。
憂と菫はレベルが上がった!憂はバシルーラを、菫はヒャダルコを覚えた。
紬「下の階には何があるのかしら?」
紬は宝箱を開けた。銀の髪飾りを手に入れた。
唯「さっきのロープから下に落ちよう」
一行は下に落ちた。階段を下りてみると宝箱があった。紬は宝箱を開けた。悟りの書を手に入れた。
菫「ダーマに戻りましょう」
菫はリレミトとルーラを唱えた。

ダーマ神殿転職の間
大神官「ここはダーマの神殿。職業を変えたいものが来るところじゃ。転職をご希望かな?」
紬「はい」
大神官「どなたの職業を変えたいのじゃ?」
憂「私です」
大神官「憂がなりたいのはどの職業じゃな?」
憂「賢者です」
大神官「ふむ、憂みたいなセクシーギャルが賢者になるとは、ちょっと大変そうな気もするがそれも仕方あるまい。またLV1に戻り修行をし直す覚悟はおありじゃな?」
憂「はい!」
大神官「おお神よ憂が新たな職業に就くことをお許しください」
憂は賢者になった。
大神官「これで憂は賢者じゃ。生まれ変わったつもりで修業に励むが良い」
紬「服装が変わったわね」
憂「そうですね。今までより露出が増えた気がします。メラも覚えてますね」
紬「じゃあ憂ちゃんメタルスライムを借りに行きましょう」
憂「はい紬さん。お姉ちゃんももうすぐ転職できそうなので」
紬「とりあえず一旦セーブして休憩しましょう」
唯「うん」
続く


神官「よくぞもどった。ではいくがよい紬よ」
4人はダーマ近辺でメタル狩りをし唯はレベルが上がった。
ダーマ神殿
大神官「ここはダーマの神殿。職業を変えたいものが来るところじゃ。転職をご希望かな?」
紬「はい」
大神官「どなたの職業を変えたいのじゃ?」
紬「唯ちゃんです」
大神官「唯がなりたいのはどの職業じゃな?」
唯「賢者です!フンス」
大神官「ファッファッファッ。おっちょこちょいの分際で賢者になりたいとは。結構笑かしてくれるぞ。腹が痛いわい」
唯「ガーン (´・ω・`) ショボーン」
憂「お姉ちゃんに何てこというの!めっ!!!」
憂は同時に鋼の剣を振りかざした!軌道が大神官のそばまで来た。
大神官「ひぃぃ許してくれ。またLV1に戻り修行をし直す覚悟はおありじゃな?」
唯「うん」
大神官「おお神よ唯が新たな職業に就くことをお許しください」
唯は賢者になった。
大神官「これで唯は賢者じゃ。生まれ変わったつもりで修業に励むが良い。ん、おぬしたちそっくりじゃのう。さっきのお詫びを兼ねて唯には赤の憂には青のサークレットをやろう」
憂たちはサークレットを受け取った。
大神官「すまなかった。それでは行くが良い」
菫(いつの間に・・憂先輩と唯さん、まるで双子みたいだ)
紬「菫あの二人そっくりでしょう」
菫「うんお姉ちゃん」
憂「それではメタル狩りをかねてムオルへ行きましょう」
菫「そうですね憂先輩」
一行はムオルへ向け出発した。
続く


きゅぴーん
さわ子「何か感じたんだけど気のせいよね」

一行はメタルスライムやスライムつむりを狩りながらムオルに向かった・
ムオル
男「ここはムオル最果ての村です。ってポカパマズさんじゃないですか。お帰りなさいポカパマズさん」
紬「???」
菫「お姉ちゃんポカパマズさんっていうのはオルテガさんのことなんだよ」
紬「そうなの菫。よく知ってるわね」
唯「ここで装備を整えよう。とりあえず30分後にここ市場の入り口に集合ね」
紬「ええ」
菫「はい」
憂「うん。お姉ちゃん。迷子にならないでね」
唯「大丈夫だよ憂。賢者になってから頭がさえてきたような気がするんだ」
唯は石につまずいて転んでしまった。
唯「ふぇーん転んだぁ」
紬「あらあら」
憂「お姉ちゃん大丈夫?」
唯「大丈夫だよ憂」
唯はホイミを唱えた。唯の傷が回復した。
続く

紬は菫と一緒に市場の2階へ行った。
詩人「あなた達は もしやアリアハンのお方では?やはりそうでしたか。ポカパマズ様もそこから来たと申しておりました。確かアリアハンでの名前はオルテガ……。まだ赤ん坊の息子を残してきたのが心残りだと そう申しておりましたなあ」
菫「そうなんですか」
紬の方を見て詩人「なんとあなたがあのポカパマズさんの子供なんですか?」
菫小声で「お姉ちゃんここははいって言うんだよ」
紬「はい」
詩人「なるほど・・・確かにポカパマズ様に似ていらっしゃる。して、ポカパマズ・・・いやオルテガ様はお元気ですか?」
菫小声で「お姉ちゃんここもはいって答えておこうよ。オルテガさんは今ラダトームにいると思うから」
紬「はい」
詩人「そうですか。それは結構なことです。なんにしてもオルテガ様にもう一度お会いしたいものです」
ポポタ「ちょっとまって」
紬「???」
ポポタ「あのさ、下にある兜お姉ちゃんにあげるよ。大きくて僕かぶれないしさ、お姉ちゃんに使ってもらったほうが兜も喜ぶと思うんだ。だからお姉ちゃんにあげるよ」
菫「良かったね。お姉ちゃん」
防具屋主人「おっと皆さん。お話は私にも聞こえていましたよ。貴女があのポカパマズさんのお子様とは驚きです。さあこの兜をお持ちください。貴女ならきっと使いこなせるでしょう」
紬「ありがとうございます」
紬はオルテガの兜を手に入れた。
紬「そろそろ時間ね戻りましょう」
菫「うん」

市場入口
唯「ムギちゃん兜を手に入れたんだね」
紬「ええこれがオルテガさんの兜なのね」
菫「憂先輩たちはどちらへ」
唯「私はそこでアイス食べてた。憂は向こうで3人の冒険者とお話してた」
憂「紬さん。ちょっといいですか?」
憂と紬だけのところに移動した。
紬「憂ちゃんマゴットさんに会ったのね」
憂「はい。コピ-ストーンについてのレクチャーを受けました。危険な個所も把握しましたので普通に使う分なら大丈夫です」
紬「それならよかったわ。これは私と憂ちゃんだけが使えるようにしましょう」
憂「ええお姉ちゃんが使うと危ないですから」
紬「では戻りましょう」
憂「はい」
菫「お姉ちゃん一旦ダーマに戻ろう」
紬「ええ」
憂「今度は私が唱えます」
憂はルーラを唱えた

ダーマ
神官「ダーマの神殿によくぞ来た。そなたらの成果をこの冒険の書に記録するかね?」
憂「はい!記録します」
神官「またすぐに旅立つつもりか?」
憂「いいえ」
神官「ではしばし休むが良いまた会おう憂よ」
続く

琴吹家居間
紬「お昼まであと90分ね」
憂「少し休憩したら人さらいの洞窟に行きましょう」
休憩後
ダーマ神殿
神官「よくぞもどった。ではいくがよい憂よ」
唯「人さらいの洞窟に行くよ」
人さらいの洞窟B2F
カンダタ子分「なんだ、おめえらは? オレたちのなかまになりてえのか?」
菫「あなたたちを討伐しに来ました」
子分「じゃとおすわけにはいかねえな……。やっちまえっ!」
カンダタ子分を倒した
タニア「たすけてゆうしゃさん!あたしバハラタのまちからさらわれたタニアです。」
グプタ「つきあたりのテーブルのちかくにこのドアをあけるボタンがあるはずだ!どうかそのボタンを」
憂はボタンを押した。扉が開いた。
グプタ「ああ タニア!」
タニア「あなたっ!」
タニア「かえれるのね! あたしたち!」
グプタ「かえったら けっこんしよう!」
タニア「あなたっ!」
タニア「きゃーっ!」
カンダタ「ふっふっふっ。 オレさまが かえってきたからには にがしや しねえぜっ!」
紬「まあ変態さん。またお会いしましたね」
カンダタ「うぬぬ! だれかとおもえばまたうぬらかっ! だが今度は負けはせぬぞ!」
カンダタとカンダタ子分が現れた。
菫「私と憂先輩で子分を始末するからお姉ちゃんと唯さんはカンダタをお願いします。」
菫はイオラを唱えた。カンダタたちにダメージを与えた。
憂はヒャダルコを唱えた。カンダタ子分を倒した。
唯はルカニを唱えた。カンダタの守備力を下げた
唯「わぁますます変態になったよ」
紬の攻撃。カンダタにダメージを与えた。
カンダタ「誰が変態だと?」
カンダタの攻撃。唯は50のダメージを受けた。
唯「きゃあ」
憂「お姉ちゃんしっかり」
憂はべホイミを唱えた。唯の傷が回復した。
唯「ありがと憂」
菫はバイキルトを唱えた。紬の攻撃翌力が上がった」
紬の攻撃k。カンダタにダメージを与えた。
憂の攻撃。会心の一撃!カンダタを倒した。
カンダタ「まいった! やっぱり あんたにゃ かなわねえや……。
たのむ! これっきり こころを いれかえるから ゆるしてくれよ! な! な!」
憂「めっ!!!!!」
憂は仁王のような表情であった
憂は裁きの杖を振りかざした。竜巻がカンダタを襲った。
カンダタ「ひぃぃ許してくれ」
唯「ゆるしてつかあさい!」
菫「なんで唯さんまで謝っているんですか?」
唯「あっそうか。でもあそこまで怖い憂は初めてだよ」
紬「あそこまでおこる憂ちゃん初めて見たわ」
憂「もう二度と悪さはしないでください。次はないですよ」
カンダタ「ありがてえ! じゃ あんたも げんきでな! あばよ!」
菫「さあ戻りましょう」
バハラタ
グプタ「いらっしゃい。 ここは こしょうのみせです。やや! あなたがたは!?ぼくです。 グプタです! たすけていただいて ありがとうございました。こしょうを おもとめですか?」
紬「ええ」
グプタ「では さしあげましょう! おかねなど とんでもない!」
一行は黒こしょうを手に入れた。
菫「ではポルトガに行きましょう」
菫はルーラを唱えた。
ポルトガ王の間
王「おお 紬!よくぞくろこしょうをもちかえった!やくそくじゃ。ふねをあたえよう!おもてにでてみるがよい。」
憂「ようやく船を手に入れましたね」
紬「今回はこれで終わりにしましょう。次回は和ちゃんも登場するのね」
菫「ダーマに行くね」
菫はルーラを唱えた。
ダーマ神殿
神官「ダーマの神殿によくぞ来た。そなたらの成果をこの冒険の書に記録するかね?」
憂「はい!記録します」
神官「またすぐに旅立つつもりか?」
憂「いいえ」
神官「ではしばし休むが良いまた会おう憂よ」
琴吹家居間
紬「戻ってきたわね。そろそろお昼ね。食事に出かけましょう」
菫・唯「うん」
憂「はい」
4人は片づけてから駅前に食事に出かけた
続く


駅前のレストラン
紬「4人ですけど空いていますか?」
店員「ただいまランチビュッフェ実施中でございますがよろしいですか?」
菫「はい」
店長「紬お嬢様いらっしゃいませ。お席にご案内いたします」
唯「ムギちゃんもしかしてここの店も?」
紬「ええうちの系列店なの。好きなもの食べて行って」
唯「わーい」
憂「いろいろすみません紬さん」
紬「泊りがけでやってもらったんだからこれくらいは当然よ」
席に着いた。

4人はそれぞれ料理を持ってきて食べ始めた。そのとき

さわ子「あらムギちゃんに唯ちゃんに憂ちゃんに菫ちゃんじゃない。4人そろってどうしたの?」
紬「今からお昼なんです。先生も一緒にいかがですか?」
さわ子「ご一緒させていただくわ」
5人は食事をとった
さわ子「へぇアルバイトやってるんだ。今度はどういうの?」
菫「以前別荘でやったもののニューバージョンでソフトはドラクエ3です」
さわ子「ドラクエ3か・・・昔やりこんだのよねぇ」
唯「さわちゃん先生も」
さわ子「あら唯ちゃんもなの。やりこんだわぁ、ドラクエ3」
紬「ダーマで賢者になった時の唯ちゃんと憂ちゃんはそっくりでした」
さわ子「ああわかった。だからあの時おっぱいセンサーが反応したのね」
菫(おっぱいセンサー・・・)
食事終了
唯「食べたねぇ」
菫「結構いただきました」
紬「じゃ唯ちゃんに憂ちゃん明後日迎えに行くわね」
憂「わかりました。紬さん、又宜しくお願いします」
さわ子「明後日もゲームするの?」
紬「はい。先生見に来られますか?」
さわ子「ムギちゃんいいの?」
紬「プレイブースはいっぱいなので見るだけなのですが」
さわ子「ぜひお邪魔させていただくわ」

レストランを出た後5人は別れてそれぞれの家路についた。
続く

そして2日後の9:00
平沢宅
ピンポーン
憂「はーい」
ガチャ
菫「おはようございます。憂先輩」
憂「おはよう。スミーレちゃん」
菫「お姉ちゃんは家で支度をしているので私が迎えに来ました」
憂「スミーレちゃんあがって。お姉ちゃん今支度してるから」
菫「はい」
憂と菫はお茶を飲んでいた
憂「今日は和ちゃんとさわ子先生がくるんだよね」
菫「はい、山中先生はこの後迎えに行って、真鍋さん宅へは14時頃迎えに行く予定です」
憂「スミーレちゃん。またよろしくね」
菫「はい!憂先輩」
唯「おまたせー。支度できたよ。おはよう菫ちゃん」
菫「おはようございます唯さん」
憂「それじゃあお姉ちゃん行くよ」
唯「うん」
3人は車に乗り込みさわ子のマンションへ向かった・
ピンポーン
さわ子「おはよう。支度できてるわよ」
菫「おはようございます。山中先生」
憂「おはようございますさわ子先生」
唯「おはようさわちゃん」
さわ子「それじゃ行きましょ」
4人は車に乗り込み琴吹邸へ向かった。

琴吹邸居間
菫「お姉ちゃん戻ったよ」
紬「お帰り菫。おはようございます。さわ子先生、唯ちゃん、憂ちゃん」
憂「おはようございます紬さん」
さわ子・唯「ムギちゃんお邪魔します」
さわ子「へえまたすごい作りになっているわね今度はブースが5台。えっ5台誰か来るの?」
紬「はい。後から和ちゃんが来ます」
さわ子「和ちゃんが来るのね。それでみんなの役割はどうなってるの?」
紬「私は勇者です」
菫「私は魔法使いです」
憂「私は賢者です」
唯「私も賢者だよ」
さわ子「えっ唯ちゃんが賢者?・・・あっそうか遊び人から転職したのね」
唯「ひどいよさわちゃん!あってるけど」
紬「唯ちゃんはダーマの大神官にめちゃめちゃに言われたんです」
さわ子「そうなんだ」
紬「先生連絡係をお願いします」
紬は通信機をテーブルに置いた。黄色いスライムと桃色のスライムの通信機があった。
菫「先生はどちらを持って行かれますか?」
さわ子「あら。せんせいと乙女ちゃんじゃない」
唯「さわちゃん知ってるの?」
さわ子「これはサガシリーズに出てくるマスコットキャラよ。でもどうしてこんな通信機が・・・」
菫「今回のSEさんが言うにはドラクエ3の他にサガ3というソフトもそれ用に開発していてこれを試しにつくったらしいです」
さわ子「じゃあ私らしくせんせいを取るわね」
菫「では私は乙女を持っていきます」
紬「それではいきましょう」
4人はブースに入ってスタートした
続く




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