雪歩「真ちゃん。私、新たなる命を授かったよ」(622)

亜美「いのち?」

真美「さずかる?」

真「新作のポエムができたって意味だよ」

亜美「流石まこちんは、一級ゆきぴょん語翻訳家だね」

雪歩「さっそく堕胎していいかな?」

真「ポエムを披露していいかなって意味だね」

真美「ちょっと待ってね、いま耳栓するから」

雪歩「傷つくなぁ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1352459632

真「まぁまぁ、ボクはちゃんと認知してあげるから」

雪歩「真ちゃん……私嬉しいっ」

亜美「堕胎するのに認知するの?」

真美「まこちんまでゆきぴょん語をしゃべったら収拾がつかないよ」

雪歩「もう堕ろしていいかな?」

亜美「あ、待って。真美、耳栓貸してちょーだい」

真美「えっ、真美、一人分しか持ってないよ」

亜美「え~。どうしよう……」

真美「だいじょーぶ!」

亜美「えっ、代わりの買ってくれるの?」

真美「違うよ?」

亜美「じゃあ全然ダメじゃん! うぅ~泣ける~」

真美「はい、半分あげる」

亜美「そっか! 二人で一つだね!」

真美「真美たちみたいにねっ!」

亜美「二人いれば、なんでもできる!」

真美「みんながいれば、もっとなんでもできる!」

亜美「どんどんみんなに頼っちゃお~!」

真美「なんて言うと思ったか」

亜美「チッ」

.*・゜゚・*:.。..。.:*・゜☆゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*☆゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*.

今日もおうちでひとりぼっち

おしごとなくてつまんない

こんな日はパンを焼きましょう

ステキなパンを焼きましょう

ふんわり小麦粉こねこねこねこ

neko-neko-nyan-nyan-i-love-dog

どっぐ、どっぐ? どっぐって、犬?

嫌っ、嫌っ! ワンちゃんは嫌っ!

怖い怖いコワイコワイコワスコワスコロスコロス[ピーーー][ピーーー]

[ピーーー]?

ころすけ!

わがはいはころすけなり!

名前はまだないなり。いなり。いなり。

あら、真ちゃんのいなり寿司が落ちてるわ

もぐもぐ もぐもぐ

しまった これは おクスリだ

また病院に行かなくっちゃ

はやくおしごとに戻りたいなぁ

そうこうしているうちに

パンがおいしく焼けました

ついでにおうちも焼けました

また警察に行かなくっちゃ

はやくおしごとに戻りたいなぁ

.*・゜゚・*:.。..。.:*・゜☆゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*☆゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*.

.*・゜゚・*:.。..。.:*・゜☆゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*☆゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*.

今日もおうちでひとりぼっち

おしごとなくてつまんない

こんな日はパンを焼きましょう

ステキなパンを焼きましょう

ふんわり小麦粉こねこねこねこ

neko-neko-nyan-nyan-i-love-dog

どっぐ、どっぐ? どっぐって、犬?

嫌っ、嫌っ! ワンちゃんは嫌っ!

怖い怖いコワイコワイコワスコワスコロスコロス殺す殺す

殺す?

ころすけ!

わがはいはころすけなり!

名前はまだないなり。いなり。いなり。

あら、真ちゃんのいなり寿司が落ちてるわ

もぐもぐ もぐもぐ

しまった これは おクスリだ

また病院に行かなくっちゃ

はやくおしごとに戻りたいなぁ

そうこうしているうちに

パンがおいしく焼けました

ついでにおうちも焼けました

また警察に行かなくっちゃ

はやくおしごとに戻りたいなぁ

.*・゜゚・*:.。..。.:*・゜☆゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*☆゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*.

亜美「ウギャァァァァァァァァ!!」ブシュー

真美「すごいすごい! 亜美の耳からいっぱい血が噴き出してるよ!」キャッキャ

真「どうして真美はそんなに楽しそうな顔をしているんだ?」

雪歩「まるで悪魔みたいだね」

真美「ゆきぴょんにだけは言われたくないよ」

真美「ところで、なんでまこちんは耳から血を流さないの?」

雪歩「真美ちゃんが望むなら、私頑張るよ」

真美「頑張らなくていいよ」

真「ボクはポエム力を鍛えてるからね。あの程度じゃビクともしないよ」

雪歩「ごめんね、真ちゃん。今度はもっと丈夫な子を産むね」

真「期待してるよ。今度はボクが帝王切開してあげるね」

雪歩「真ちゃん……///」キュン

真美「まこちん、翻訳翻訳」

亜美「いたた……ヒドい目にあった」ムクッ

真美「亜美、おはよう」

真「はじめてお産に立ち会った気分はどうかな?」

雪歩「耳から初潮がきたみたいだから、今夜はお赤飯だね」

亜美「とりあえず二人とも日本語で話してくれる?」

真美「ところで、さっきの詩はどういう意味なの?」

亜美「ちょ、やめなよ真美! また耳から血が出ちゃうじゃん!」

雪歩「傷つくなぁ」

真「二人とも、それじゃポエム界で生きていけないよ?」

真美「一向にかまわないよ」

亜美「亜美たちはまだ人間をやめたくないからね」

雪歩「さっきのは、私が日常のふとした瞬間に感じたことを表現してみたの」

真美「ゆきぴょんは日常的に麻薬をやってるの?」

雪歩「そんなことないよ。私は清純派アイドルだもの」

亜美「その『清純』って、清純派AV女優の『清純』みたいなもんでしょ?」

真美「あと、まこちんのいなり寿司ってなに?」

真「ああ、それはボクも気になってたんだ」

雪歩「キンタマ袋のことだよ?」キョトン

亜美「こういうときこそ、ゆきぴょん語を使うべきだと思うんだけどなぁ」

真美「ゆきぴょん、清純派清純派」

雪歩「おっと、いけないいけない」

真「ヒドいよ雪歩! ボクにはキンタマ袋なんてついてないよ!」

雪歩「そんな! それじゃあ私はどうやって真ちゃんの子を孕めばいいの!?」

亜美「ゆきぴょんの言うまこちん子ってのは、ゆきぴょん語でいうところの子供のこと?
   それともフツーの日本語でいうところの子供のこと?」

真「だからチンコっていうな!」ウキャー

真美「こ、混乱してきたぜ」

真「よーし、こうなったらボクがとっておきの乙女チックオーラをお見舞いしてやるっ」

亜美「ゆきぴょん、翻訳してくれる?」

雪歩「悠久の時を超えて、真なる者が神々の囁きを解き放つであろう」

亜美「誰もノムリッシュ翻訳してなんて言ってないよ」

真美「パルスのファルシのルシがパージでコクーンでパルパルパルrrrrrrr」ヴーヴーヴー

雪歩「大変! 真美ちゃんが混乱しちゃった!」

亜美「よし、このスキに耳栓を拝借しよう」スポッ

真「姉の心配をするつもりはないの?」

雪歩「姉妹揃って悪魔みたいだね」

亜美「だからゆきぴょんにだけは言われたくないよ」

.*・゜゚・*:.。..。.:*・゜☆゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*☆゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*.

ちゅんちゅん ちゅちゅん 

ぴよぴよちゅん

窓の外にはことりさん

ぜんしんピンクのことりさん

毎朝私を起こしてくれるの

いつもありがとうことりさん☆

私は目覚めのキスをするの

「真ちゃん、私にもしてっ! 右乳首にお願いっ!」ハァハァ

まぁたいへん

脳みそピンクのことりさんまできちゃったわ

私はキン肉バスターをお見舞いするの

うーん、今日もいい天気☆

ピンクのお布団から飛び起きて

ママのつくった朝ごはんを食べよう

今日のごはんはなんだろな~

今日のごはんはなんだろな~

今日のごはんは







お前だ!!!



ピンクのおにくはおいしいなぁ

.*・゜゚・*:.。..。.:*・゜☆゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*☆゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*.

真美「ウギャァァァァァァァァ!!」ブハァー

亜美「すごいすごい! 真美の口からいっぱい血が噴き出してるよ!」キャッキャ

真「口から初潮を迎えるなんて器用なマネをするなぁ」

雪歩「生理のタイミングまで一緒だなんて、さすが双子だね」

真美「三人ともせいぜい夜道に気をつけることだね……」ヨロヨロ

亜美「えっ、亜美も?」

真美「むしろどうして自分が除外されてると思ったのさ」

亜美「ところで、まこちんは肉を生のまま食べてるの?」

真「やだなぁ、もちろん調理してるよ。最後にピンクのペンキを塗りたくるのさ」

真美「なんでまこちんはピンクに異常なまでに固執してるの?」

真「なんだか最近、身の回りをすべてピンクに染めたくてたまらないんだ」ハァハァ

亜美「最近って?」

真「雪歩の詩を聴いてポエム力が上がってからかな」

真美「ゆきぴょん。一つの色に執着するのは、麻薬中毒者の典型的な症状らしいよ」

雪歩「へぇ。私たちには全く関係ない話だね」

亜美「て、ていうか、詩を聴くだけでポエム力って上がっちゃうの!?」ガクガク

真美「真美たち、二人とも一回ずつマトモに食らっちゃってるんだけど」ガクガク

真「ようこそここへ」

雪歩「遊ぼうよパラダイス」

亜美「おっと、どうやらまだ大丈夫みたいだ」

真美「二人が何言ってるかわかんないもんね」

雪歩「残念だなぁ」

ガチャ

小鳥「あら、なんだか懐かしい歌が聞こえたわね」

真「こんにちは、小鳥さん」

雪歩「あんまりそういうこと言うと歳がバレますよ」

亜美「ピヨちゃんが高校生だった頃の曲だっけ?」

小鳥「違うわよ! 幼稚園の頃よ!」プンスカ

真美「えっと、曲の発売日が88年だから」

小鳥「ごめんなさい勘弁してください」

真「ところで、小鳥さんにピンクのペンキを塗りたくってもいいですか?」ハァハァ

亜美「やっぱりどこからどう見てもヤク中だよ」

小鳥「まぁステキ! お礼に真ちゃんをわたし色に染めてあげるわ!」ペロペロベチャベチャ

真「キン肉バスター!」ドゴーン

小鳥「グエエエェェェェェ!!」

雪歩「真美ちゃん。本当のヤク中っていうのは、小鳥さんみたいな人のことだよ」

真美「よく分かったよ、ゆきぴょん」

真「あちゃー、小鳥さんが真っ赤に染まっちゃったよ」

亜美「じゃあ、このまま赤のペンキを塗りたくろうよ」キャッキャ

真美「あ、亜美さん?」

雪歩「どうやら私のポエムの方が、破壊力が上だったみたいだね、真ちゃん」

真「くそー、今度は負けないぞぉ!」



第一話 終わり

もしかして
真美「はるるんのリボンを取ったら動かなくなった」
の人?

>>20
はい、そうです。

━第二話━

━765プロ━

伊織「次の患者さん、どうぞー」

やよい「うっうー!伊織ちゃん、おはよー!」

伊織「あら、どうしたのやよい?」

やよい「なんか病気になっちゃったみたい」

伊織「その割には元気そうじゃない」

やよい「最近ブタ太と、うさ江と、カモ先生が食材に見えて仕方がないの」グギュルルル

伊織「あら大変ね、オクスリ出しておくわ。はい、札束」ドサッ

やよい「ありがとう伊織ちゃん☆」(¥ω¥)

春香「二人とも何してるの?」

やよい「お医者さんゴッコです!」

真「そんな下世話な処方箋があってたまるもんか」

伊織「学校の自由課題でね。お金でどこまで人を幸せにできるか研究してたのよ」

真「なんて悪趣味な研究だ」

春香「ねぇ伊織、私今朝からおなかが痛いんだけど」

伊織「はい、札束」ドサッ

春香「すごいすごい!あっという間におなか痛いの治ったよ!」(¥ω¥)

伊織「札束は生理痛にも効用がある、と」カキカキ

真「断言できるけど、それは生理痛じゃないよ」

伊織「それで、真はドコが悪いのかしら?」

春香「頭だよ、頭」

真「失礼なこと言うなよ!」

伊織「はい、札束」ドサッ

真「これで参考書でも買えってことかな?」

伊織「有名私大にでも裏口入学させてもらいなさい」

やよい「うっうー、がくれきは作れる!」

真「『かわいいは作れる』みたいに言うなよ」

春香「まぁ、あれは作れてないけどね」

ガチャ

千早「おはよう、みんな」

春香「千早ちゃんは胸の育ちが悪いんだよね?」

伊織「はい、札束」ドサッ

千早「真、これはどういうことかしら?」

真「伊織がおかしくなっちゃったんだ」

やよい「春香さんはおかしくないんですか?」

真「春香は元からあんな感じだよ」

春香「あー真ったらひどいなー、心がすごく傷ついちゃったなー」

伊織「はい、札束」ドサッ

春香「ウパパァ~」(¥ω¥)

真「せめて日本語を話しなよ」

伊織「札束を渡し過ぎると外人になる、と」カキカキ

やよい「人外?」

伊織「ガイジン」

千早「それで、この札束を食べれば胸が大きくなるのかしら?」

真「存外やる気だね」

春香「千早ちゃんはストイックだからね」

千早「水瀬さんの手汗が染みてておいしいわ」ムシャムシャ

やよい「なんだかプロデューサーみたいで気持ち悪いです」

伊織「汗なんて染みてないわよっ! 失礼なこと言わないでちょうだい!」

真「おっ、今のはいつもの伊織っぽかったなぁ」

ボインッ

千早「!」

春香「ユキチッ」ガシャーン

真「ち、千早のおっぱいが大きくなった」

やよい「ロケットおっぱいです!」

伊織「春香がおっぱいにはじかれて、窓の外まで吹っ飛ばされたわね」

千早「やったわ! ついに完全体になったのよ!」

真「春香ー、大丈夫ー? ダメなら返事してくれー」

春香「」

伊織「返事がないわね」

やよい「無事ってことだね」

――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――
――――――――――――――

千早「……という夢を見たのだけど、どうかしら?」

伊織「病院を紹介してほしいってこと?」

千早「実現できないかってことよ」

伊織「ウチの主治医に頼んで、いい精神病院の紹介状を書いてもらうわ」

千早「相変わらず水瀬さんは素直じゃないわね」

伊織「あなたはずいぶん変わってしまったわね」

春香「それにしても、無二の親友である私の扱いが随分ヒドくない?」

千早「親友?」

やよい「ねぇ伊織ちゃん。私、最近ブタ太と、うさ江と、カモ先生が食材に見えて仕方がないの」

伊織「や、やよい?」

真「伊織以外はおおむね千早の夢のとおりみたいだね」

春香「さりげなく『自分はマトモです』みたいに言わないでよ」

千早「ところで水瀬さん。札束持ってないかしら?」

伊織「持ってるけど、アンタにはあげないわよ」

春香「持ってるんだ」

千早「お願い水瀬さん! それがないと私、完全体になれないの!」

真「手汗だけでもなめさせてあげたら?」

伊織「そっちの方がイヤよ!」

千早「ちくしょーちくしょー! 完全体に……完全体にさえなればー!」

春香「はーっはっはっは!」

やよい「さっきから思ってたんですけど、完全体ってなんなんですか?」

千早「ちくしょーちくしょー! 完全体に……完全体にさえなればー!」

春香「……ねぇ、千早ちゃんの言う完全体とやらは、そんなにすごいの?」

千早「そうよ、完全体にさえなればあずささんなんかに……」

春香「へぇ、本当におっぱいが大きくなるんだね?」

千早「そうよ、完全体にさえなればあずささんなんかに……」

春香「…………」

伊織「……いったい何を話してるの?」

千早「ちくしょーちくしょー! 完全体に……完全体にさえなればー!」

春香「ねぇ、なってみなよ。完全体に」

千早「なんですって!?」

春香「ほら、私が伊織の手を押さえてるうちに」ガシッ

真「じゃあボクはもう片方の手を押さえるよ!」ガシッ

伊織「ちょ、アンタたち!? 本気で怒るわよ!?」

やよい「私はまぶしくないようおデコを押さえまーす!」ガシッ

伊織「やよい!?」

千早「みんな、ありがとう……」ホロリ

伊織「千早、落ち着いて。五千万で手を打ちましょう?」

千早「いただきます」ペロペロペロペロ

伊織「イヤァァァァァァァァ!!」

千早「ごちそうさまでした」

伊織「」チーン

やよい「伊織ちゃんが真っ白になっちゃった」

真「満足かい、千早?」

千早「ええ。三食これでもいいくらいだわ」

春香「千早ちゃんが私以外に夢中だなんて、気に食わないなぁ」イライラ

真「わぁ、ジェラシーだね春香! 乙女チックオーラがビンビン出てるよっ!」キャピルン

やよい「ところで千早さん、おムネの方はどうですか?」

千早「おかしいわね、変化がないわ」

春香「んー、どれどれ?」ペタペタ

真「ドサクサに紛れて胸を触るなよ」

春香「よし、味も見ておこう」ペロペロ

やよい「なんだかプロデューサーみたいで気持ち悪いです」

真「プロデューサーはやよいにいつも何をしているんだい?」

ボインッ

千早「!」

春香「イナゾウッ」ガシャーン ガシャーン

真「ち、千早のおっぱいが大きくなった」

やよい「ミサイルおっぱいです!」

千早「やったわ! ついに完全体になったのよ!」

真「春香はどこまで吹っ飛んだのかな?」

やよい「ウチのビルを飛び出て、向かいのビルに窓から突っ込んでます」

千早「向かいのビルって、確か心療内科じゃなかったかしら?」

真「それなら安心だね」

やよい「あんしんあんしん二重丸!」

――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――
――――――――――――――

千早「……という夢を見たのだけど、どうかしら?」

響「自分は動物病院しか紹介できないぞ」

千早「そうじゃなくて、手汗をなめさせてほしいってことよ」

響「どうして自分なんだ?」

千早「みんなに断られて、もう我那覇さんにしか頼めないの」

響「この前ハム蔵を診てもらった病院を今度紹介するよ」



第二話 終わり

ありがとうございます。以前ほどの頻度で投稿はできないと思いますが、頑張ります。

前vipで投下したやつのタイトル教えてくれ
読みたかったが消しちまった

皆様、ありがとうございます。

>>45
・響「最近ハム蔵がブタを見るような目で自分を見てくる」
・千早「どうしたの高槻さん、フンフン言いながらエロ本なんか読んで」
・小鳥「たのしいクイズ」
の、三つを今までに書きました。

━第三話━

━876プロ━

絵理「愛ちゃん愛ちゃん」

愛「なんですか絵理さん?」

絵理「この壺のなかに、アメ玉が入ってるの。食べていいよ?」

愛「ホントですか、ありがとうございます!」

絵理「どういたしまして。ちょっと壺の入口が狭いけどね」

愛「それじゃさっそくいただきまー……あれっ? 手が壺から抜けません!」

涼「アメ玉を離せばいいんじゃない?」

愛「涼さんは頭がいいです!」パッ

絵理「愛ちゃん、アメ玉取れた?」

愛「あっ、手を離しちゃったから取れませんでした」

涼「もう一回やってみたら?」

愛「はい! いただきまー……あれっ? 手が壺から抜けません!」

絵理「ゲラゲラゲラゲラ」

愛「そうだ! 壺を逆さまにすればいいんだ!」

絵理「!?」

涼「!?」

コトンッ

愛「やったー! アメ玉ゲットです!」ハナマルハナマル

絵理「あ、愛ちゃん?」

涼「どうしたの? 頭ぶつけたりした?」

愛「いえ、してませんよ?」

絵理「し、信じられない……」

涼「きっと、この愛ちゃんはニセモノなんだ」

尾崎「私にはあなた達のヒネくれた性格の方が信じられないわよ」

絵理「いたんですか、尾崎さん」

尾崎「今きたところよ」

愛「くしゅんっ」

尾崎「あら、日高さん風邪?」

愛「はい、なんか朝から熱っぽいです」

涼「……!」

涼「ねぇ愛ちゃん、朝からなんか頭が冴えてる感じがしない?」

愛「はい! 特に壺をひっくり返した瞬間は、なんだか頭がはなまるでしたっ!」

絵理「愛ちゃんの頭はいつもはなまるだよ」

涼「ちょっとして、知恵熱かな?」

尾崎「知恵熱ってそういうものだったかしら?」

愛「はなまるはなまるっ! 15年ぶりに風邪を引いたら、なんだか頭が良くなったみたいです!」

尾崎「日高さんって今何歳だったかしら?」

愛「13歳ですけど?」

絵理「ワケわかんねぇ」

涼「大して頭は良くなってないみたいだね」

愛「えっ、どうしてですか?」

絵理「愛ちゃんは13と15のどっちが大きいか分からないの?」

愛「分かりません!」

涼「言い切っちゃったよ」

愛「でも、この夜空に散りばめられた宝石の美しさは分かります」

尾崎「あら、ちょっと詩的ね」

涼「愛ちゃんは文系脳なんだね」

絵理「文系の人は13と15のどっちが大きいか分からないの?」

涼「分数の割り算のできない大学生がいるくらいだから、そういう人がいてもおかしくないね」

ガチャ

まなみ「おはよう、みんな」

愛「おはようございます、まなみさん! 今日もおひさまが気持ちいいですね!」

尾崎「さっき夜空がどうとか言ってなかった?」

愛「言ってません!」

涼「言い切っちゃったよ」

まなみ「どうしたの、また愛ちゃんがとんちんかんなこと言ってるの?」

絵理「大体そんな感じです」

愛「それにしても、このアメ玉おいしいなぁ」コロコロ

涼「そりゃよかった」

絵理「そういえば、壺の中に入ってたのはアメ玉じゃなくてオハジキだよ」

愛「そうなんですか?」バリッバリッ

尾崎「ひ、日高さん?」

まなみ「どうしてアメ玉がオハジキと分かったうえで噛み砕いたの?」

愛「私、アメをなめてると途中で飽きて噛み砕いちゃうんです」

絵理「噛み砕く前に教えてあげたから、私は悪くない?」

尾崎「そもそも誰が壺にオハジキを入れたのかしら?」

涼「絵理ちゃんです」

絵理「壺を持ってきたのは涼さんだよ?」

尾崎「罪を押しつけ合うのをやめなさい」

まなみ「うふふ、二人は仲良しね」

愛「わかりました! ここは私が、涼さんと絵理さんのどっちが悪いか裁きます!」イヨーッ ポンポン

絵理「つつしんで、辞退?」

涼「『裁く』だなんて、愛ちゃんも難しい言葉知ってるんだね」

愛「ふふふ、違います!」

尾崎「違う?」

愛「今の私は愛じゃありません! 遠山の金たまさんです!」

涼「陰嚢にさん付けしてる人なんて初めてだよ」

まなみ「もしかして、愛ちゃん熱出してるの?」

絵理「どうして分かるんですか?」

まなみ「だって、話してる内容がいつもより知的だもの」

尾崎「あれを知的と言ってもいいものかしら」

まなみ「懐かしいわね、舞さんを思い出すわ」

涼「まなみさんって舞さんのマネージャーもやってたんですか?」

まなみ「いや、私、舞さんより年下だから……」

尾崎「テレビの生放送で、熱っぽい顔つきの時は、言ってることがいつもよりマトモだったのよ」

絵理「舞さんも昔は頭がおかしかった?」

愛「そんなことないですっ! ママの頭はいつでもはなまるですっ!」

涼「限りなく怪しいなぁ」

絵理「少なくとも、ベクトルは愛ちゃんと一緒?」

尾崎「それより、日高さんを早く病院に連れて行った方がいいんじゃないかしら?」

愛「そうですか?」

まなみ「そもそも今日はオフなのに、どうして事務所にいるの?」

愛「今日は三人ともオフだから、みんなで遊ぼうってことになったんです!」

尾崎「その結果が、さっきの猿まわしだったわけ?」

絵理「発案者は涼さんです」

涼「僕が持ってきたアメ玉を全部捨てたのは絵理ちゃんだよね」

尾崎「だから罪を押しつけ合うのをやめなさい」

まなみ「うふふ、二人はホントに仲良しね」

愛「やかましぃやい、悪党ども! 黙って聞いてりゃ寝ぼけた事をぬかしやがって!」

絵理「ひぅっ!?」

愛「この桜吹雪に見覚えがねぇとは言わせねえぜ!」スポーン

尾崎「ひ、日高さん!? どうして服を!?」

愛「私は桜のイレズミをしてないので、桜色のちくびで代用しましたっ」

まなみ「まぁ、ステキなピンク色ね」

尾崎「感心してる場合じゃないわよ」

涼「僕、ちょっとトイレに行ってきますね」

愛「あっ、涼さんの股間が不自然に膨らんでます!」

絵理「愛ちゃん、実は私が捨てたアメ玉はアソコに入ってるんだよ」

涼「絵理ちゃん!?」

愛「わかりました、絵理さんありがとうございます!」ダダダッ

涼「ど、どうしよう!? あっでも、このままいけば愛ちゃんが僕の千歳飴をぱっくんと」ハァハァ

愛「成敗ッ!!」ドゴッ

涼「パックンチョ!」バターン

絵理「り、涼さんの千歳飴が粉々に……」

愛「やりましたっ! これにて一件落着ですっ!」

尾崎「いやいや、意味がまったく分からないわ」

まなみ「どうして涼クンの金たまさんを攻撃したの?」

愛「罪を憎んで人を憎まず、です!」

絵理「また愛ちゃんにしては難しい言葉を使ってる?」

愛「涼さんと絵理さん、どっちも悪くないんです。悪いのは、二人が悪いことを
  思いつくキッカケとなったアメ玉なんです。だからアメ玉を成敗したんです!」

尾崎「『罪を憎んで人を憎まず』の意味とは微妙に違うと思うけど」

まなみ「愛ちゃん。私、キッカケは絵理ちゃん自身の脳ミソだと思うの」

愛「そうなんですか?」

絵理「私を育てたのは尾崎さんだよ」

尾崎「私はこんな風に育てた覚えはないわ」

まなみ「うふふ、仲良し仲良し」

絵理「それより、さっきから涼さんがピクリとも動かない?」

尾崎「秋月さん、大丈夫?」ユサユサ

涼「うーん……」ムクムクッ

尾崎「キャァァァァァァァァ!!」

愛「涼さんの千歳飴がまた膨らんできましたっ!」

まなみ「きっと、さっきのことを思い出したのね」

尾崎「さっきのことって、愛ちゃんのゲンコツのこと?」

まなみ「上半身裸の女の子に金たまさんを殴られるのって、とてもステキなことだと思うの」

絵理「愛ちゃん。悪は何度でも蘇るみたいだよ」

愛「そのたびに正義は立ち上がりますっ! そりゃっ!」ドゴッ

涼「チョコバットッ!」メキョッ

涼「」ムクムクッ

愛「そりゃっ!」ドゴッ

涼「ポッキー!」メキョッ

涼「」ムクムクッ

愛「そりゃっ!」ドゴッ

涼「キノコノヤマッ!」メキョッ

まなみ「すごいわ、無間地獄ってこういうことなのね」

尾崎「あなたさっき『ステキなこと』って言わなかった?」

絵理「このままだと、涼さんが本当に女の子になっちゃう?」

まなみ「まぁ大変。律子さんになんて報告しようかしら」ワクワク

絵理「悪いのはアメ玉だから、私は悪くない?」

尾崎「絵理、こっちにきなさい。お説教よ」グイッ

絵理「ひぅっ!?」ズルズル

━翌日━

涼「おちんこだりもしたけれど、私はげんきです。」



第三話 終わり

遅くなりまして、すみません。
ミキミキの誕生日SS書きます。

━第四話━

━765プロ━

美希「ハ、ハニー! 大変なの!」

小鳥「どうしたの美希ちゃん?」

美希「ミキの胸がしぼんじゃったの! パーシボンヌなの!」

P「なにっ、それは大変だ!」モミモミ

P「なんだ、全然しぼんでないじゃないか」モミモミ

美希「イヤンなの☆」

律子「もしもし、警察ですか?」

ピーポーパーポー

小鳥「プロデューサーさん、今度も執行猶予がつくといいですね」

律子「今度の弁護士は国選でお願いしますね、ウチも厳しいんで」

P「いや、起訴されたことはないからね?」

警察「いいから早くきなさい」ガシッ

P「イヤンなの☆」

美希「そこの人、気持ち悪いの」

ピーポーパーポー

律子「それで、美希はどうして自分の胸がしぼんだと思ったの?」

小鳥「おっぱいソムリエのプロデューサーさんが間違えるとは思えないわ」

美希「この巻き尺で測ったら、しぼんでたの。もう一回やってみるね」

マキマキ

美希「ほらっ! 72cmなの!」ゲゲェーッ

律子「あら、本当に72cmって書いてあるわね」

千早「クエックエックエッ」

小鳥「ち、千早ちゃん?」

千早「美希、誕生日おめでとう。それは私からのプレゼントの、魔法の巻き尺よ」

美希「まほうのまきじゃく?」

千早「その巻き尺で胸を測ると、みんなバストサイズが72cmになってしまうのよ」

美希「ヒドいの! 千早さんは、悪い魔法使いさんなの!」

千早「クエックエックエッ」

小鳥「いや、魔法も何も、全部の目盛りに72って書いてあるだけだからね?」

美希「小鳥、すごいの! 千早さんの魔法を見破るなんて、小鳥は魔法オババなの!」

小鳥「ベギラマ!」ガツンッ

美希「マトリフッ!」バターン

小鳥「すごいわ、この魔法の巻き尺。固くて攻撃力もバツグンね」

千早「喜んでいただけて、私も嬉しいです」

律子「千早は、この巻き尺で何をしたかったの?」

千早「私は、世界がほんの少しだけ優しくなれば、それでよかったのよ」

小鳥「世界中の女の子のバストが72cmになった世界が、優しい世界だというの?」

千早「みんなのバストが72cmになれば、もう誰も貧乳の悪夢に苛まれることはなくなります」

律子「あなたは悲しい子ね」

小鳥「ところで、これからどうしましょう?」

律子「せっかくだから、他のみんなのバストも72cmにしちゃいましょう」

千早「ステキね。事務所が優しさに包まれるわ」

小鳥「そういえば、そろそろ春香ちゃんが来る時間ね」

律子「じゃあ、この巻き尺を談話室に置いておきましょう」

ガチャ

春香「ただいまー」

千早「来たわ! 隠れるわよ!」

小鳥「千早ちゃんが生き生きしてると私も嬉しいわ」

春香「あれ、誰もいないなぁ」

春香「……こんなところに、巻き尺?」

春香「……」ペロペロ

春香「うーん、千早ちゃんの血だと思ったけど、違うなぁ」

――――――――――――――――――――――――――――――――

小鳥「今うんちって言わなかった?」

千早「言いましたね。録音しておくべきでした」

律子「というか、どうして春香は巻き尺についた血をなめまわしたのかしら?」

小鳥「たぶん、巻き尺に染み付いた残り香から、持ち主を特定したからよ」

律子「どうして春香は千早の血をなめまわしたかったのかしら?」

千早「私たち、愛し合ってますから」

小鳥「まぁステキ」

春香「ギェェェェェェェ!」バターン

千早「春香ッ!?」ダッ

小鳥「どうしたの、春香ちゃん!?」ダッ

春香「」

律子「……おなかに巻き尺を巻いたまま失神しているわ」

小鳥「ウエストが72cmになっちゃったのね」

千早「クエックエックエッ」

律子「それは喜んでいると思っていいのかしら?」

小鳥「春香ちゃんを愛してるんじゃなかったの?」

律子「春香がピクリとも動かないけど、どうしようかしら」

千早「とりあえず、この魔法の体重計の上に寝かせておきましょう」

小鳥「魔法の体重計?」

千早「その巻き尺で胸を測ると、みんな体重が50kgになってしまうんです」

律子「アイドル事務所でなかったら飛ぶように売れるでしょうね」

小鳥「よいしょっと」ゴロン

千早「音無さん、気安く春香に触らないでください」

小鳥「千早ちゃんが本当に分からないわ」

ガチャ

響「ただいまー」

律子「響が来たわ! 隠れるわよ!」

小鳥「律子さんも、ずいぶん生き生きしてますね」

――――――――――――――――――――――――――――――――

響「あれ、誰もいないなぁ」

いぬ美「響、こんなところに巻き尺が落ちてるわ」

響「あっ、ホントだ。ちょうどいいから、久しぶりにハム蔵の身長でも測ろっか?」

ハム蔵「そうだね。響、ちょっと体をこすってくれる?」

響「いや、別にこすっても体は伸びないぞ」

ハム蔵「オトコノコの体は不思議なんだ」

いぬ美「牙でよければ、こすってあげるけど?」

ハム蔵「す、すみません」

千早「我那覇さんったら、相変わらず動物と話してて薄気味悪いわ」

小鳥「千早ちゃんは、響ちゃんが嫌いなの?」

千早「私の中では、春香が妻で、高槻さんが娘で、
   我那覇さんは高槻さんが拾ってきてこっそり飼ってる野良犬です」

律子「あなたは悲しい子ね」

小鳥「とりあえず響ちゃんも、千早ちゃんの幸せ家族計画の中に入っててよかったわ」

響「あ、あれ!? ハム蔵の身長が……72cm!?」

いぬ美「なんですって!?」

ハム蔵「まいったなぁ。これじゃもう、『うわぁ……響のなか……すごくあったかいナリぃ……』
    ごっこができなくなっちゃうよ」

響「いぬ美」

いぬ美「こすりこすり」ガブガブ

ハム蔵「ギェェェェェェェ!」ブシュー

――――――――――――――――――――――――――――――――

律子「今日のハム蔵は、言動がいい感じに不愉快ね」

千早「たぶん、春香の生霊がとりついてるのよ」

小鳥「それより、今まで誰一人として魔法の巻き尺のカラクリに気づかないのだけど」

律子「さすがにちょっと不安になってきましたね」

響「あれっ、そこにいるのはピヨ子たちか?」

小鳥「あら、見つかっちゃったわね」

いぬ美「みんな何をしているの?」

千早「魔法の巻き尺を使って、みんなを優しさで包んであげていたのよ」

律子「千早、あなたさっき、動物と話すなんて薄気味悪いって言ってなかった?」

千早「いぬ美はちゃんと日本語を喋ってるからいいのよ」

響「じゃあ、誰がちゃんと日本語を喋ってないんだ?」

千早「突然だけど、私、我那覇さんの雨に濡れた野良犬みたいな目が大好きよ」

小鳥「千早ちゃんは話題をそらすのが下手クソね」

響「えっ、ええっ!? 好きだなんて、そんな……恥ずかしいよっ」

律子「まんざらでもないみたいね」

美希「響、ズルいの! 千早さん、ミキのことも大好きだって言って!」

小鳥「あら美希ちゃん、もうお目覚めなの?」

千早「私、美希のスポンジみたいな脳ミソが大好きよ」

美希「ありがとうなの☆」

律子「本格的に不安になってきたわ」

響「なんか今日の美希は、いつも以上に積極的だなぁ」

美希「あったり前なの。今日は、ミキの誕生日だもん」

律子「そういえば、そうだったわね」

小鳥「なんだかんだ言って誕生日を覚えてるあたり、
   千早ちゃんは美希ちゃんのことを気にかけてるのね」

千早「べっ、別にそういうわけでは……」

美希「だから、みんなもっとミキを褒め称えたり、プレゼントしたりしてほしいの」

いぬ美「じゃあ、このダルダルに伸びきったハム蔵をあげるわ」

響「すごいんだぞ、美希! このハム蔵、なんと72cmもあるんだ!」

美希「わぁ! これなら、『うわぁ……ハム蔵のなか……すごくあったかいナリぃ……』
   ごっこができちゃうの!」

律子「さっきから思ってたんだけど、それってどんなごっこ遊びなの?」

美希「ハム蔵の頭を、ハム蔵のケツの穴にツッコむんだよ」

小鳥「まぁステキ。セルフアニリングスね」

美希「小鳥と律子からは、何かないの?」

律子「ちゃんと人をさん付けして呼べるように、おしおきをプレゼントしようかしら」

美希「そ、そういう笑えない冗談、ミキはよくないと思うな」

小鳥「じゃあ私からは、一つオバさんになった美希ちゃんのために、
   特製ローションをプレゼントするわ」ドンッ

千早「これ、しびんですよね?」

美希「ミキ、魔法オババの半分しか年取ってないから、そういうのはノーサンキューなの」

小鳥「ベギラゴン!」ガツンッ

美希「ブロキーナッ!」バターン

いぬ美「すごいですね、そのしびん。固くて攻撃力バツグンですね」

響「しびんが割れなくて本当によかったよ」

律子「さっきのとあわせて、タンコブが二つもできちゃったわね」

小鳥「なんだか見た目が、浦安ネズミみたいになっちゃったわ」

千早「……美ッ希ーマウス……ぷっ、くくくっ……」

響「千早……」

小鳥「響ちゃんが、雨に濡れた野良犬みたいな目をしているわ」

律子「よく千早をそういう目で見ているのね」

いぬ美「同じ765プロの仲間なのに、ヒドいわね、まったく」

響「なんで自分が悪いみたいな雰囲気なんだよっ!」プンスカ

━翌日━

ガチャ

美希「おはよー」

小鳥「おはよう、美希ちゃん」

P「どうしたんだ、美希? 浦安ネズミみたいな頭して」

美希「ハニー、聞いて驚け見て笑えなの! ミキ、プレゼントのおかげで頭がよくなったの!」

P「その発言の時点で、頭がよくなったとは言い難いなぁ」

美希「ミキね、タンコブをプレゼントしてもらったおかげで頭がおっきくなったの。
   頭がおっきくなったから、脳ミソもおっきくなったに違いないの」

P「タンコブをプレゼントされたのか?」

小鳥「あのポジティブさは見習いたいですね」

律子「プレゼントした本人が何言ってるんですか」

ガチャ

春香「プ、プロデューサーさん! 大変です!」

小鳥「どうしたの春香ちゃん?」

春香「た、体重が増えちゃったんです! ご、50kgに……」

千早「クエックエックエッ」

P「なにっ、それは大変だ!」モミモミ

P「なんだ、全然おなかは大きくなってないじゃないか」モミモミ

春香「きゃっ☆」

律子「もしもし、警察ですか?」

警察「またあんたか」ガシッ

P「きゃっ☆」

美希「心の底から気持ち悪いの」

春香「でも、おなかが大きくなってないなら、どうして体重が増えちゃったんだろう?」

千早「春香以外のみんなは分かってるわよ」

美希「どうせフン詰まりとか、そんなところなの」

春香「美希、もっともっと頭がよくなりたくないかな?」

美希「今日はもう誕生日じゃないから、プレゼントはノーサンキューなの」

小鳥「春香ちゃんの言わんとすることが理解できたみたいね」

律子「誕生日を迎えて、一応少しは頭がよくなったみたいですね」



第四話 終わり

>>83

>小鳥「魔法の体重計?」

>千早「その巻き尺で胸を測ると、みんな体重が50kgになってしまうんです」

美希「千早さん、何言ってるの?」

律子「体重計なのに巻き尺なの?」

小鳥「胸を測ってるのに、体重が増えちゃうなんて、どういう原理なの?」

千早「やめて、美希がたくさんいるみたいで気分が悪いわ」

春香「愛妻を罠にはめようとした報いだね」

響「まぁ、その辺にしてあげなよ」

千早「そう言ってくれるのは我那覇さんだけだわ。野良犬から野良猫に昇格させてあげるわね」

響「それは昇格なのかなぁ」

千早「ネコちゃんの手汗はおいしいわ」ペロペロ

響「えへへ」

春香「このドロボウ猫」

小鳥「うまい」



第四話 おまけ 終わり

期待された方、すみませんでした。
普通の内容のSSは、多分このスレでは書かないと思います。

━第五話━

━765プロ━

やよい「とむ、はず、ばっと、あんど、ぐろーぶ。じむ、はず、つーぼーる」

小鳥「あら、やよいちゃん英語のお勉強?」

やよい「はい! 今度テストがあるんですー!」

P「あい、はぶ、あ、ばっと、あんど、つーぼーるず」ボロンッ

雪歩「あい、ぱす、あ、すこっぷ、とぅ、まこと」ポイッ

真「あい、ふる、おもいっきり、すこっぷ!」ゴシャッ

P「ノヴァウサギッ!」バターン

亜美「すごいすごい! 血がいっぱい流れたよ!」キャッキャ

真美「まさにアメリカンだねぃ!」キャッキャ

律子「すごいわ、ちょっとしたスプラッター映画ね」

小鳥「やよいちゃん、今の状況を英語で言うと?」

やよい「いっと、るっくす、そー、でりしゃす」

亜美「やよいっちの英語力と人格のどちらに問題があるのだろう」

真美「英語力だと思いたいね」

小鳥「それより、私は真ちゃんの英語力が心配だわ」

律子「英語っていうか、ほとんど日本語だったわね」

雪歩「真ちゃんは本当に高校生なの?」

真「キミたちは、まだボクがスコップを持っていることを忘れているようだね」カチャ

小鳥「プロデューサーさんの血がベットリついてる」

亜美「あれで殴られたら兄ちゃん菌に感染しちゃうね」

真美「うわぁぁぁ!キモオタニートになっちゃうYO!」ガクガク

P「いや、働いてるからね?」

真美「真美たちには、兄ちゃんの背後に数万のキモオタニートの怨念が見えるんだよ」

亜美「ところで兄ちゃん、もっともっとスコップで殴っていいかな?」

P「いいワケないだろ」

小鳥「亜美ちゃん、急にどうしたの?」

亜美「血まみれになった兄ちゃんを見ていると、もっともっと赤く染めたくてたまらなくなってくるんだ」ハァハァ

真美「まずい、また発症しちゃったよ」

亜美「う、うわぁぁぁぁぁ!?」ガタッ

真美「あ、亜美!? どうしたの!?」

亜美「に、兄ちゃんの体からウジ虫が!」

やよい「えっ?」

小鳥「そんなもの見えないけど……」

雪歩「亜美ちゃんはまだポエム力が足りないね」

真美「むしろポエム力があるから、そういう幻覚が見えちゃうんじゃないの?」

真「おいおい、ポエムを麻薬と一緒にしないでよ」

律子「脱法ハーブをキメてる輩と同レベルの発言ね」

小鳥「じゃあ、あなたたちには、プロデューサーさんのまわりに何が見えているのかしら?」

真「リスさんたちが、どんぐりでキャッチボールをしているよ」キュワキュワ

雪歩「違うよ真ちゃん。あれはリスの姿をした妖精さんと、どんぐりの姿をしたケセランパサランだよ」キュワキュワ

律子「なるほど、よく分かったわ」

真美「やよいっち、今の状況を英語で言うと?」

やよい「くり、あんど、りす、るっく、そー、でりしゃす」

律子「おっと、危ない危ない」

P「やよいが and を知っていてほっとしたよ」

小鳥「安堵したんですね」

P「くだらないダジャレ言ってると誰かみたいに胸がしぼみますよ、小鳥さん」

千早「あい、ふる、おもいっきり、すこっぷ!」ゴシャッ

P「イーオンッ!」バターン

亜美「すごいすごい! 兄ちゃんがまっかっかだYO!」キャッキャ

真美「ち、千早お姉ちゃん?」

雪歩「千早ちゃん、音も立てずにどこから入ってきたの?」

千早「そこのドアがあいていたわよ」

律子「あいているって、このドアと床のすき間のことかしら?」

真美「千早お姉ちゃんはどうして、急にこの部屋に入ってきたの?」

千早「なんだかとても面白いダジャレが聞こえて、いてもたってもいられなくなったのよ」

真「良かったですね、小鳥さん」

小鳥「やめて恥ずかしい」

亜美「ところで、千早お姉ちゃんはどうしてまっかっかじゃないかな? かな?」ハァハァ

千早「ま、まっかっか?」

真美「そのうち収まるからほっといていいよ」

真美「ていうか、さっきはスルーしちゃったけど、やよいっちにもリスさんが見えてるの?」

やよい「お腹が減ると、まわりのすべてが食べ物に見えるんだよ」

雪歩「やだなぁ、やよいちゃん。妖精さんは食べられないよ」

小鳥「ここにいる約半数が、見えないものが見えているという現実をどう解釈すればいいのかしら」

亜美「三十路の現実が見えてないピヨちゃんが言うと重みがあるね」

小鳥「なんだか私も亜美ちゃんをまっかっかにしたくなってきたわ」

真美「どうしようりっちゃん。ピヨちゃんまでおかしくなったら、
   もう真美とりっちゃんしかマトモな人がいなくなっちゃうよ」

千早「私は?」

真美「どうしようりっちゃん。ピヨちゃんまでおかしくなったら、
   もう真美とりっちゃんしかマトモな人がいなくなっちゃうよ」

千早「だから私は?」

律子「ていうか、真美は自分のことをマトモだと思ってるの?」

真美「失礼なこと言わないでよ」

小鳥「真美ちゃん、りっちゃんって誰かしら?」

真美「えっ?」

千早「真美、どこに向かって話しかけてるの?」

やよい「その方向にはダレモイナイよ?」

真美「えっ、ええっ?」

律子「私は真美にしか見えていないのよ」

真「ようこそここへ」

雪歩「遊ぼうよパラダイス」

真美「う、うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」



第五話 終わり

真美「真美はくるってない、真美はくるってない……」ブツブツ

律子「ねぇ、やめましょうよ、こんな遊び」

亜美「ノリノリだったくせに」

真「それにしても、真美のポエム力はなかなか上がらないね」

雪歩「少しは亜美ちゃんを見習ってほしいね」

亜美「あっ、やよいっち。リスさんたちがやよいっちの髪の毛をもぐもぐしてるよ?」

やよい「どんどん食べて大きくなってね♪」

千早「小動物に優しい高槻さんカワイイ」

小鳥「やよいちゃん、今の状況を英語で言うと?」

やよい「あい、ふぃーど、まい、へあー、とぅ、らいぶすとっく」

律子「太らせて食べるつもりなのね」

千早「ヘンゼルとグレーテルの魔女みたいな高槻さんカワイイ」



第五話 おまけ 終わり

━第六話━

あずさ「~♪」テクテク

飼い犬「ばうあう、ばうあう」テクテク

愛「あっ、あずささんこんにちはー!」

あずさ「あら、愛ちゃんこんにちは」

愛「あれ? いぬ美さん、しばらく見ないうちに随分ちっちゃくなりましたね」

あずさ「えっ?」

愛「それに毛の色も変わって、なんだか男の子っぽくなりました!」

飼い犬「悪いけど、ボクはいぬ美さんじゃないよ」

愛「わぁ、名前も変わったんですね!」ハナマルー

あずさ「あらあら、相変わらず愛ちゃんはクソバカねぇ」

響「こころにひびき~♪ わたらなくちゃ~♪」テクテク

いぬ美「いみがないのよ~♪」テクテク

あずさ「響ちゃん、いぬ美ちゃん、こんにちは」

愛「あれっ、いぬ美さんが二人います!」

響「相変わらず愛は何を言ってるんだ?」

愛「頭がこんがらがってきました~、どっちがホンモノなんだろう?」

あずさ「響ちゃんの飼い主がどっちか考えれば、答えが分かるんじゃないかしら?」

いぬ美「愛ちゃん、頑張ってね」

響「なんか今おかしな言葉が聞こえたんだけど」

飼い犬「気のせいだよ」

雪歩「~♪」テクテク

あずさ「あら、今度は雪歩ちゃんだわ」

響「おーい、雪歩ー」

雪歩「あれっ、皆さんこんに……ち……」

いぬ美「こんにちは、雪歩ちゃん」

飼い犬「はじめまして、あずささんの実家の犬です」

雪歩「なっ、なんですかこれはぁ!? ワンちゃんがいっぱいですぅ!」ガクガク

いぬ美「そういえば雪歩ちゃんは、犬が苦手な設定だったわね」

響「設定って言ってやるなよ」

雪歩「みんなして私を殺そうとしてるんですか?」

あずさ「そのつもりはまったくなかったけど、それもなかなか面白そうね」

愛「うー、わんわん!」

雪歩「きゃああっ!? あ、愛ちゃん!?」

愛「雪歩先輩が犬を怖がっていたので、私もワンちゃんになってみましたっ!」

あずさ「うふふ、愛ちゃんも大分わかってきたみたいね」

響「おい、愛、そっちに行っちゃダメだ」

あずさ「それじゃあ私もワンちゃんになっちゃおうかしら~、わんわん♪」

雪歩「こ、怖いですぅぅぅ」ガクガク

いぬ美「響、今度はあなたの番よ」

響「絶対にダマされないからな」

愛「だます?」

響「自分が犬のマネをした瞬間、雪歩が発狂してスコップで殴りかかってくるに決まってるんだ」

飼い犬「信用ないね、雪歩ちゃん」

雪歩「そんなことないのにね」

あずさ「雪歩ちゃん、設定設定」

飼い犬「ところで、愛ちゃんの飼い主は誰になるのかな?」

愛「飼い主さんですか?」

あずさ「ワンちゃんになったら、飼い主がいないといけないわ」

雪歩「飼い主がいないと、愛ちゃんは野良犬になっちゃうよ」

いぬ美「野良犬のままだと、保健所に連れていかれちゃうのよ」

愛「ほほほ、保健所!? イヤです、保健所はイヤですぅぅぅぅぅ!」ガクガク

あずさ「あらあら、今度は雪歩ちゃんみたいになっちゃったわ」

響「犬になったり雪歩になったり忙しいなぁ」

雪歩「それにしても愛ちゃん、保健所の意味が分かるんだね」

愛「絵理さんが教えてくれたんです」

いぬ美「絵理ちゃんが?」

愛「あたしが悪いことをすると、いつも絵理さんが
  『悪い子は保健所に連れてっちゃうよ?』って言うんです」

あずさ「絵理ちゃんは保健所の意味が分かってないのかしら?」

響「たぶん、分かったうえで言ってるんだと思うぞ」

愛「保健所はイヤだ……保健所はイヤだ……」ガクガク

あずさ「困ったわねぇ、どうしましょう」

飼い犬「あずささんが今住んでるところは、ペット禁止だものね」

雪歩「私も、ワンちゃんはちょっと……」

いぬ美「仕方ないわね。部屋のスペースにまだ余裕があるから、ウチで飼ってあげるわ」

愛「グリフィンドォォォォォル!」

雪歩「よかったね、愛ちゃん」

響「愛は一体何を言っているんだ?」

あずさ「深く考えちゃダメよ」

愛「ありがとうございます、いぬ美さん! あたし、立派な魔法使いになります!」

いぬ美「まるで意味がわからないけど、頑張ってね」

愛「ところで、どっちがホンモノのいぬ美さんなんですか?」

飼い犬「そこからか」

雪歩「響ちゃんの飼い主がどっちか考えれば、答えが分かるんじゃないかな?」

いぬ美「愛ちゃん、頑張ってね」

響「なんか今おかしな言葉が聞こえたんだけど」

あずさ「そう思ってるのは響ちゃんだけよ」



第六話 終わり

ちなみにあずささんのワンちゃんの名前はとら
これ豆な

>>128

愛「ワンちゃんなのに、とらさんなんですか!?」プスプス

飼い犬「まずい、愛ちゃんが」

雪歩「しかも、とらさんなのに、豆らしいよ」

響「余計なこと言うなよ」

愛「わんちゃんで、とらさんで、おまめさん!?」プシュー プシュー

あずさ「すごいわ愛ちゃん。頭から煙を出して、まるでホンモノの魔法使いみたいねぇ」

いぬ美「この魔法は一体何の役に立つのかしら?」

愛「わかりました! あずささんのワンちゃんは、豆柴さんです!」

雪歩「とらさんはどこにいったの?」

愛「知らないんですか、雪歩先輩? 寅さんは柴又生まれなんですよ」ハナマルハナマル

あずさ「愛ちゃんにしては、ヤケにとんちがきいた答えねぇ」

いぬ美「これが魔法の効果なのかしら?」

雪歩「愛ちゃんにバカにされたみたいで、ものすごく悔しいなぁ」

愛「ところで、どっちがホンモノの豆柴さんなんですか?」

飼い犬「愛ちゃんは、答えがどっちかにあると思ってるの?」

あずさ「響ちゃんの飼い主じゃない方が、豆芝ちゃんじゃない方よ」

愛「かいぬしさんじゃないほうが、まめしばさんじゃない? じゃないじゃない?」プスプス

いぬ美「また魔法を使いはじめたわ」

雪歩「やっぱり愛ちゃんはこうじゃないとね」

愛「自分で言う位、タダじゃない! じゃない?」ジャナイ!

響「愛の未来は、世界が危ぶむなぁ」



第六話 おまけ 終わり

━第七話━

━765プロの近く━

冬馬「~♪」テクテク

亜美「あっ、あまとうだ!」

冬馬「げっ、お前ら765プロの……」

北斗「おはよう、亜美ちゃん、真美ちゃん」

真美「おはよー、ほくほく」

亜美「ねぇねぇほくほく、アレやってよ、アレ!」

北斗「ヘッヘッヘッ」ペロペロ

冬馬「やめろ、犬のマネをしながら顔を舐めるのをやめろ」

翔太「いぬ美ちゃんのマネだね」

真美「相変わらずそっくりだなぁ」キャッキャ

北斗「ギャフベロハギャベバブジョハバ」

北斗「ゲフムギョボバハ」

北斗「フォー! フブフー!」

北斗「フギャシャムベロクジョフォホ」

亜美「すごいすごい! まるでホンモノみたいだYO!」キャッキャ

冬馬「アレは一体なんのマネなんだ?」

翔太「ホンモノのアレのマネじゃない?」

真美「ひびきんにエサをつまみ食いされて、ショックで家出しちゃういぬ美のマネだよ」

響「いや、全然違うし。大体なんで北斗がそんなこと知ってるんだ?」

北斗「俺はいぬ美ちゃんとメル友だから、これくらいどうってことないさ」

冬馬「メ、メル友!?」

亜美「ひびきん、いぬ美ってケータイ持ってるの?」

響「持ってないけど、パソコンはよく触ってるぞ」

北斗「返信が一日一回ってのがたまにきずだけど、よく写真つきのメールとか
   送ってくれて、なかなかカワイイところがあるんだ」

翔太「へー、うらやましいなぁ」

冬馬「パソコンでメールを打つ犬って、一体どういうことなんだ?」

真美「そこに疑問を抱いてるのはあまとうだけだよ」

貴音「~♪」テクテク

亜美「あっ、お姫ちんだ!」

冬馬「なんか今日は厄介なヤツにばっか遭遇するな」

翔太「765プロの近くだからね」

貴音「おや、皆さんお揃いで」

北斗「チャオ☆」

貴音「……」バシャッ

北斗「ア゙ヅッッ!」

響「な、何してるんだ貴音!?」

貴音「はて。お茶をと言われたので、かけて差し上げたのですが」キョトン

真美「ゆきぴょんの教えだね」

冬馬「本当に今日は厄介なヤツにばっか遭遇するな」

翔太「765プロの近くだからね」

亜美「ねぇねぇお姫ちん、アレやってよ、アレ!」

貴音「ギャフベロハギャベバブジョハバ」

貴音「ゲフムギョボバハ」

貴音「フォー! フブフー!」

貴音「フギャシャムベロクジョフォホ」

真美「すごいすごい! まるでホンモノのアレみたいだYO!」キャッキャ

冬馬「アレもいぬ美とやらのマネなのか?」

響「だからいぬ美はあんなことしないぞ!」

亜美「これはいぬ美にエサをつまみ食いされて、ショックで家出しちゃうひびきんのマネだよ」

貴音「響の沖縄ことばをうまく再現してみました」エッヘン

響「適当なこと言うなよ」

翔太「響さんといぬ美ちゃんは、どっちが飼い主なの?」

北斗「ちなみに、家のネットの接続はいぬ美ちゃんがやったらしい」

翔太「ペットの世話をしたり、いぬ美ちゃんは色々大変だね」

響「冬馬、あいつらどうにかしてくれ」

冬馬「そりゃこっちのセリフだ」

真美「それにしてもそっくりだったね、お姫ちん」

亜美「こんな特技があったなんて意外だYO!」

貴音「私は響と『める友』なので、このくらい造作もありません」

響「だから、全然違うって言ってるだろ!」

翔太「貴音さんは、響さんとメールをしないの?」

貴音「いえ、頻繁にしているのですが」

真美「じゃあひびきんは、メル友の『友』の部分を否定したんだね」

貴音「そんな、ひどい……」

北斗「大丈夫、貴音ちゃんには俺がついてるよ」

貴音「……」バシャッ

北斗「ア゙ヅッッ!」

亜美「キャッキャ」

響「冬馬、あいつらどうにかしてくれ」

冬馬「そっちの事務所のヤツらまで面倒見れるかよ」

翔太「ところで北斗くんは、いぬ美ちゃんとどんなメールをしてるの?」

北斗「そうだなぁ、昨日は『最近増えたペットがまた壁に穴をあけた』ってメールがきたな」

真美「ひびきん、またペットが増えたの?」

響「いや、それはたぶん愛のことだぞ」

貴音「愛とはもしや、日高愛のことですか?」

亜美「ひびきん、流石にニンゲンはマズいよ?」

翔太「同性愛&監禁飼育なんて、随分とマニアックだなぁ」

冬馬「う、うわぁぁぁぁ!」ガクガク

真美「あ、あまとう?」

翔太「トラウマを刺激しちゃったみたいだね」

北斗「よくあることだから、気にしないでくれ」

亜美「どうしてひびきんは、愛ぴょんなんか飼ってるの?」

響「なんか『一人前の魔法使いになる』って言って、ウチに住み着いちゃったんだ」

翔太「まったくもってワケが分からないよ」

貴音「響の家にお泊りすると、魔法使いになれるのですか?」キラキラ

真美「お姫ちん、愛ぴょんの言ってることだよ?」

貴音「もしも魔法使いになれるのなら、私は人間をらぁめんに変える魔法を覚えたいです」ワクワク

亜美「発想が恐ろしいよお姫ちん」

翔太「ラーメンマンみたいだね」

冬馬「う、うわぁぁぁぁ!」ガクガク

北斗「おっと、またトラウマを刺激してしまったようだ」

真美「あまとうの前世はブロッケンマンなの?」

翔太「ていうか、さっきはスルーしちゃったんだけどさ」

響「うん」

翔太「壁に穴をあけたってどういうことなの?」

響「フツーにコンクリートをブッ壊したって意味だぞ」

北斗「愛ちゃんは本当にニンゲンなの?」

響「何か失敗する度に『悪い子! 愛は悪い子!』って言いながら家の壁に頭突きをするんだ」

亜美「まるでしもべ妖精だね」

真美「ヨケーなことばっかするところなんてソックリだよ」

冬馬「つーか、なんでコンクリートをブッ壊したってのに皆そんなに冷静なんだ?」

翔太「あっ、冬馬くんおはよう」

冬馬「お前あとで覚えとけよ」

貴音「765プロではこの程度のことは日常茶飯事です」

亜美「ゆきぴょんは事務所の床を穴だらけにするし、はるるんに至っては歌声で壁をヒビだらけにするからね」

翔太「まるで魔王軍だね」

北斗「765プロ事務所が近所からバーンパレスと呼ばれてるっていうウワサは本当だったのか」

響「えっ、何それ?」

真美「知らないのはひびきんだけだよ」

亜美「そろそろ立ち話も長くなってきたし、よかったらウチの事務所に来ない?」

冬馬「この流れで事務所に迎え入れようとする神経が理解できない」

翔太「僕たち、まだ死にたくないんだけど」

真美「傷つくなぁ」

貴音「でも、きっと雪歩がアツアツのお茶を用意してくれていますよ?」

北斗「それなら行ってみようかなぁ」

翔太「アツアツのお茶をブッかけられるのが、クセになっちゃったの?」

北斗「なっちゃった」ハァハァ

冬馬「我那覇、あいつらどうにかしてくれ」

響「自分は765プロのみんなだけで手一杯だぞ」

春香「あれ、みんな事務所の前でどうしたの?」

亜美「あっ、はるるん」

貴音「話のオチがおもいつかず、困り果てていたところなのです」

冬馬「オチ?」

真美「お姫ちんは、たまによくわからないことを口走っちゃうんだ」

北斗「たまに?」

貴音「……」バシャッ

北斗「ギモ゙ヂイ゙イ゙ィィィィィィィ!!」ドロドロ

冬馬「と、溶けてる」

春香「すごいすごい! まるでプロデューサーさんみたいだねっ」ケキャケキャ

翔太「春香さんはどうしてこんなに楽しそうなの?」

響「春香の前世は悪魔超人なんだ」

亜美「ひびきん、そんな風に言ったらはるるんがカワウソ―だよ」

春香「わたし、わるいこじゃないもん。めそめそ」

翔太「めそめそって口で言われてもなぁ」

貴音「響、春香に謝りなさい」

真美「そーだそーだー」

春香「そーだそーだー」

響「おい」

冬馬「う、うわぁぁぁぁ!」ガクガク

響「!?」ビクッ

亜美「またか」

春香「なになに、どうしたの?」ワクワク

翔太「女の子に囲まれて『謝れ』って言われると、冬馬くんのトラウマが刺激されちゃうんだ」

真美「学級会で何かあったんだね」

翔太「ちなみに、メガネの女の人が『天ヶ瀬さん、謝りなさい』って言うとさらに愉快なことが起きるよ」

貴音「まぁ! 御手洗翔太も魔法使いなのですね!」キラキラ

春香「律子さーん」

翔太「そっちの事務所、エクソシストでも雇った方がいいかもね」

響「そりゃこっちのセリフだぞ」



第七話 終わり

━第七話━

━765プロ━

社長「諸君、雪山に行こう!」

亜美「雪山?」

真美「どったの社長?」

社長「最近みんな仕事が忙しかったからね。
   ペンションでも貸し切って、少しのんびりしようじゃないか」

千早「私たち、最近仕事なんてしてたかしら?」

春香「あまりそこにツッコんじゃダメだよ」

雪歩「でも、雪山のペンションって、いかにも殺人事件が起きそうですね」

響「そんなこと言うなよ」

貴音「特に社長は全身黒塗りですから、犯人役も被害者役もそつなくこなせるでしょう」

春香「黒塗り?」

千早「何を言ってるの四条さん?」

亜美「お姫ちんには、亜美たちと別のモノが見えてるんだよ」

真美「お姫ちんは、765プロのデッドプールだからね」

雪歩「危ないおクスリみたいで怖いですぅ」ブルブル

社長「はっはっはっ! 萩原くんがそんなことを言うなんて、
   なかなかジョークがうまくなったものだね」

貴音「ちなみに今、社長の真上には死兆星が見えますよ」

雪歩「スコップとシャベルのどっちがいいかなぁ」ジャキンジャキン

社長「ヒィィィィィ!」ブルブルベリアイ

響「貴音、今は昼間だぞ」

春香「それで、ペンションを貸し切るって、どこかアテがあるんですか?」

社長「うむ。知り合いが、シュプールというペンションを経営していてな」

亜美「えっ、シュプール!?」

雪歩「知ってるの、亜美ちゃん?」

真美「ゆきぴょんは知らないの?」

亜美「シュプールって、実はちょー有名なペンションなんだよ!」

千早「実は有名って、それって結局有名じゃないんじゃないかしら?」

春香「千早ちゃんはそういうことばっかり言ってるから胸が育たないんだよ」

千早「……」プスッ

春香「アオォォォッ!」ゴロゴロ

千早「この前、実は有名な目の突き方を習ったのよ」

真美「千早お姉ちゃんはなんでそんなことを習おうと思ったの?」

━翌週━

春香「こうして、私たち765プロのみんなは」

亜美「うん」

春香「週末を利用して、予定の空いてたメンバーだけで、雪山に遊びに行き」

真美「うん」

春香「そして見事に遭難しました」

千早「ありがとう春香、とてもよく分かったわ」

社長「あまりの事態に、自分の置かれた状況がうまく飲み込めないでいたよ」

春香「ちなみに、私がボケずに話しているという時点で、結構ヤバいですからね」

響「さ、さささささ寒いぞ! 沖縄ではこんなこと一度もなかったのに!」

ハム蔵「早く美希ちゃんのおっぱいに挟まれないと、寒くて死んじゃうよ」

いぬ美「パトラッシュ、疲れたろう? 僕も疲れたんだ。なんだか、とても眠いんだ」

響「いぬ美!? 寝ちゃダメだ、寝たら死ぬぞっ!」

いぬ美「響、パトラッシュは喋らないわよ」

響「自分の心配を返せ!」



千早「どうやらあの三人は大丈夫そうね」

亜美「いつもどおりだもんね」

真美「でも、このままじゃ真美たちカチンコチンコになっちゃうYO!」

貴音「ふっ……私に名案があります」

雪歩「四条さん?」

社長「どんな案なのかね、四条くん?」

貴音「今の状況は、春香が人間的な会話をせざるを得ないほどの危機的状況です」

春香「自分で言っといてなんですけど、いつもの私ってそんなヒドいですか?」

貴音「では逆に、春香がいつもの笑顔を取り戻せるよう皆で楽しませれば、
   状況は好転するのではないでしょうか?」

亜美「なーるほど! さすがはお姫ちんだね!」

真美「じゃあはるるん、お姫ちんにどんなことしてほしい?」

貴音「どうして私限定なのですか?」ガクガク

雪歩「言い出しっぺの法則ですよ」

春香「そうだなぁ。貴音さんのお尻の穴から、色んな物が出たり入ったりしたら面白いかも」

ハム蔵「響、出番だよ」

響「お前が行けよ」

いぬ美「言い出しっぺの法則よ」

ハム蔵「勘弁してよ。このまえ自分のケツの穴に頭をツッコんだばっかりなんだから」

春香「何それ何それ! すっごく面白そう!」キラキラ

千早「春香にいつもの笑顔が戻ったわ」

亜美「何がはるるんのツボにはまったのだろう」

貴音「何はともあれ、私のお尻の穴は守られました」ホッ

雪歩「残念だなぁ」

真美「ところで、状況は一向に好転しないんだけど」

貴音「そんな……」

いぬ美「正直予想はできてたけどね」

響「とりあえず、警察とかに連絡を取らないとな」

亜美「はいっ! 亜美、兄ちゃんにメールしといたよっ!」

社長「おおっ、偉いぞ亜美くん!」

千早「それで、返事はあったのかしら?」

亜美「んーとね。『がんばれ(笑)』だって」

春香「『(笑)』もついてたの?」

亜美「ついてたよ」

雪歩「帰ったら、プロデューサーは千年ポエムの刑だね」

真美「ポエムは闇のゲームの一種なの?」

亜美「もー! 兄ちゃんゼンッゼン使えないじゃん!」

真美「んっふっふ~。亜美、シンパイいらないよっ」

ハム蔵「真美ちゃん?」

真美「765プロの最終兵器、いおりんにメールをしといたのさっ!」

社長「おおっ、偉いぞ真美くん!」

千早「それで、返事はあったのかしら?」

真美「んーとね。『一晩ゆっくり冷やせば、アンタたちの頭も少しはマシになるかしら』だって」

雪歩「『(笑)』はついてないの?」

真美「ついてないね」

春香「マズいね、こりゃ本気だ」

響「ていうか、プロデューサーとか伊織より先に、警察に連絡しようよ」

亜美「ひびきんはさっきからそればっかだね」

春香「よくお世話になってるから、信頼してるんだよ、きっと」

響「なってないよ! プロデューサーやピヨ子じゃあるまいし!」

貴音「心配には及びませんよ、響」

千早「四条さん?」

貴音「今しがた、警察に電話をしました」

社長「おおっ! それで、どうだったのかね?」

貴音「偉いですか?」

社長「うん?」

貴音「どうして私には、偉いと言ってくださらないのですか?」

真美「お姫ちんがメンドくさいことになってる」

社長「い、いやぁ、四条くんと亜美くん真美くんでは、だいぶ年齢が違うからね……」

亜美「その発言はビミョーに亜美たちに失礼だよ」

貴音「……」グスン

社長「し、四条くん!?」

真美「あーあ。泣ーかしたー、泣ーかしたー」

いぬ美「やめなさい、真美」

ハム蔵「社長、こういうときはプロデューサーさんのマネをするんですよ」

社長「貴音は偉いというよりエロいな、ケツが」サワサワ

貴音「……」プスッ

社長「アオォォォッ!」ゴロゴロ

貴音「この前、実は有名な目の突き方を習ったのよ」

亜美「わぁ、千早お姉ちゃんのマネだね!」キャッキャ

貴音「どうでしたか、響?」ワクワク

響「そんな期待した目で自分を見ないでほしいぞ」

千早「それで、警察は何と言ってたのかしら?」

貴音「それが、『765プロ』という単語を発した途端に切られてしまいました」

真美「あちゃー」

雪歩「何がいけなかったんだろうね」

いぬ美「思い当たることが多過ぎて分からないわ」

春香「……」

響「春香?」

春香「寒い……」ブルブル

亜美「あっ、はるるんがまたボケずに発言してるっ」

貴音「これはいけません!」

千早「ほら春香、こっちよ!
   『うわぁ……ハム蔵のなか……すごくあったかいナリぃ……』よ!」

ハム蔵「グェェェェ」ギチギチ

春香「ジョワジョワ~」

真美「笑ったぁ!」キャッキャ

社長「あれは笑っているのかね?」

響「みんなー、なんかだんだん吹雪が弱まってきたぞー」

亜美「あっ、ホントだ」

雪歩「ねぇ、あっちの方に、なんか小屋みたいなのが見えてきたよ」

いぬ美「とりあえず行ってみましょう」

響「よーし、行くぞー!……って、あれ? ハム蔵、なんでドーナツのマネしてるんだ?」

ハム蔵「他に言うことはないのかい?」スポッ

貴音「ちゃんと洗うまで、その小汚い顔を自分に近づけるんじゃないぞ」

ハム蔵「すりすり」

響「うぎゃぁぁぁぁぁ!」

真美「お姫ちん、ひびきんのマネが上手だね」

貴音「響は私の親友ですからね」エッヘン

━山小屋━

響「まだ臭いが取れないぞ……」

ハム蔵「そんな汚くないから大丈夫だよ」

響「適当なこと言うなよ!」プンスカ

千早「それにしても、なんとか最悪の事態は免れたわね」

雪歩「でもこの小屋、暖房とかがないから長居はできないね」

亜美「あっ! こ、この小屋は!」

真美「知っているのか、亜美電!」

いぬ美「亜美電?」

貴音「雷電みたいなものですよ」

千早「雷電?」

貴音「亜美電みたいなものですよ」

雪歩「亜美電?」

貴音「雷電みたいなものですよ」

ハム蔵「雷電?」

貴音「……」ギュウギュウ

ハム蔵「グェェェェ」ギチギチ

春香「ジョワジョワ~」

亜美「亜美、前にこの小屋見たことあるよ!
   確か雑誌に、知られざる人気スポットって紹介されてたんだっ」

千早「知られざるって、それって結局人気じゃないんじゃないかしら?」

春香「千早ちゃんはそういうことばっかり言ってるから体が洗濯板みたいなんだよ」

千早「……」ブスリ

春香「アオォォォッ!」ゴロゴロ

千早「この前、知られざる人気のカンチョーのやり方を習ったのよ」

真美「千早お姉ちゃんはなんでそんなことを習おうと思ったの?」

貴音「響、お尻をこっちに向けてくださいな」ワクワク

響「そんな子供みたいな目で自分を見ないでほしいぞ」

社長「それで、どうしてこの小屋が人気スポットなのかね?」

亜美「んーとね、忘れちゃった」

ハム蔵「亜美ちゃんはバカだなぁ」

亜美「はるるん、ハム蔵がはるるんのお歌を聴きたいって」

春香「メケェァェァェァェァ」

ハム蔵「ウギャァァァァァ!」ブシュー

雪歩「今日のハム蔵ちゃんは災難続きだね」

真美「ほとんど自業自得だけどね」

貴音「……はっ!」

いぬ美「どうしたの、貴音ちゃん?」

貴音「とてもいいことを思いつきました」

響「嫌な予感しかしない」

貴音「右の耳から雪歩のデスポエムを、左の耳から春香のデビルソングを聴けば
   宇宙の真理が見えるのではないでしょうか?」

社長「デスとかデビルとか、本当にウチはアイドル事務所なのかね?」

亜美「なーるほど! さすがはお姫ちんだね!」

千早「じゃあ四条さん、さっそく春香と萩原さんの間に立ってくれるかしら?」

貴音「どうして私なのですか?」ガクガク

真美「言い出しっぺの法則だよ」

亜美「……あっ!」

真美「どったの、亜美?」

亜美「思い出したよ、この小屋がなんで人気スポットなのか!」

社長「おおっ! でかしたぞ、亜美くん!」

貴音「何とか危機は去りました」ホッ

雪歩「残念だなぁ」

貴音「雪歩は私のことが嫌いなのですか?」

雪歩「大好きですよ?」

響「雪歩の愛情は歪み切ってるぞ」

春香「それで、この小屋はなんで人気スポットなの?」

亜美「ここはペンション・シュプールの隣の小屋で
   昔殺人事件があったり悪霊が出たりしたところなんだ」

響「どこが人気スポットなんだよ」

雪歩「そういえば、よく見ると壁のはしっことかに妖精さんがいっぱいいるね」

貴音「雪歩……あまりそういうことは言わないでくださいまし」ブルブル

雪歩「見えるようになれば、逆に怖くありませんよ?」

貴音「本当ですかっ!」パァッ

真美「お姫ちん、ダマされちゃダメだよ」

社長「というか……」

いぬ美「ペンション・シュプールの、隣の小屋?」

亜美「あっ」

千早「みんな! 小屋の裏に、ログハウスが見えるわ!」

真美「やったぁ!

春香「お手柄だね、亜美!」

響「よーし、行くぞー!……って、あれ? ハム蔵、なんで耳から血を流してるんだ?」

ハム蔵「ちょっと気づくのが遅過ぎない?」

貴音「主は言いました。右の裾で顔を拭かれたら、左の裾を差し出しなさい、と」

ハム蔵「すりすり」

響「うぎゃぁぁぁぁぁ!」

雪歩「四条さんは響ちゃんのことが嫌いなんですか?」

貴音「大好きですよ?」

いぬ美「貴音ちゃんの愛情も歪み切ってるわね」

━ペンション・シュプール━

ガチャ

亜美「とーちゃーく!……あれ?」

P「よう、みんなお疲れ様」

やよい「もぐもぐ」

春香「プロデューサーさん? やよいも、どうしてここに?」

P「仕事が急にキャンセルになってな、二人でここまで来たんだ」

やよい「冷蔵庫の中の物が食べ放題だなんて、夢みたいですー!」

真美「それじゃあ、さっき亜美に『がんばれ(笑)』ってメールを
   返したときは、ここにいたってこと?」

P「そうだけど?」

千早「私たちが遭難しているのに助けにも来ず、ずっと高槻さんと
   イチャイチャしていたということですか?」

P「そうだけど?」

響「ああっ! 冷蔵庫の中身がスッカラカンだぞっ!」

やよい「おかげで、当分の間はブタ太とうさ江とカモ先生を見ても
    ヨダレが出なくてすみそうです」

春香「あれもプロデューサーさんが許可したんですか?」

P「そうだけど?」

雪歩「ちょっきん ちょっきん カニさんちょっきん」

雪歩「あなたのお耳にハサミをちょっきん」

雪歩「歯ブラシみたいに細かく刻んで 仕上げにおいしい お醤油ぽとり」

春香「メケェァェァェァェァ」

貴音「……」プスッ

千早「……」ブスリ

P「ホメェェェェェェェェ!」シュゥゥゥゥゥ

亜美「デスポエムとデビルソングと目潰しとカンチョーの波状攻撃だっ!」

真美「兄ちゃんがチリ一つ残らず消滅していくよっ!」

いぬ美「これが宇宙の真理なのね」

響「また知りたくもない知識が一つ増えてしまったぞ」



第八話 終わり

━第九話━

 むかしむかし、ある森のはずれに

 びんぼうな木こりの夫婦と二人の兄妹がくらしていました。

 男の子の名前はヘンゼルといい、女の子の名前はグレーテルといいます。

真「ヘンゼルでーす! 元気バリバリ頑張りまーす!」

千早「グレーテルです。歌と高槻さん以外に興味ありません」

真「ちょ、ちは……じゃなかった。グレーテル、高槻さんとか言っちゃダメだよ」

千早「あら、どうして?」

真「だって、この世界にやよいはいないでしょ?」

千早「いるじゃない、そこの舞台袖に」

真「いや、これは劇なんだから、お客さんには舞台袖は見えないんだよ」

千早「真、劇とかお客さんとか言っちゃダメよ」

真「ボクはヘンゼルだよ、グレーテル」

千早「でも、中の人は真でしょう?」

真「中の人なんていないよ、グレーテル」

千早「じゃあ真は何の人なの?」

真「あーもう! お客さんも待ってるし、いいから劇を続けるよっ」

千早「真、劇とかお客さんとか言っちゃダメよ」

真「ウキャァァァァァァァ!?」プシュー

千早「ど、どうしたのヘンゼルお兄ちゃん!?」

 ヘンゼルとグレーテルはこんな風に、いつも二人で楽しく遊んでいます。

真「楽しく?」

千早「頭からアホみたいに煙を出してて楽しかったわ、お兄ちゃん」

真「さっきのは全部わざとだったんだね」

千早「そんなことないわよ?」

 二人はとっても仲良しです。

千早「ほら、音無さんもこう言ってることだし」

真「ナレーションね、ナレーション」

 ヘンゼルは、とってもわんぱくな男の子。

真「そこは『女の子になるのを夢見て、夜な夜な女装に励むかわいい男の子』とかにしません?」

 真ちゃん、ナレーターに話しかけないで。

真「あ、はい。すみません」

 グレーテルは、とってもかわいい女の子。

千早「かわいいだなんて、そんな……」

 だけどびんぼうなので、おむねが育ちません。

千早「音無さん、この脚本誰が書いたんですか?」

 千早ちゃん、ナレーターに話しかけないで。

千早「音無さん、この脚本誰が書いたんですか?」

 千早ちゃん、ナレーターに話しかけないで。

千早「高槻さんの秘蔵ブロマイド100枚でどうでしょう」

 プロデューサーさんよ。

真「なるほど」

千早「そういえば、最後にかまどを使うシーンがあったわね」

真「発想が恐ろしいよ、グレーテル」

 キョッーキョッキョッキョッ、プロデューサーさんにすべての罪をなすりつけ

 しかもやよいちゃんの秘蔵写真まで手に入る……我ながら完璧な作戦ね。

千早「音無さん?」

 あっ。

 うっうー! 高槻やよいでーす!

 ここからは、小鳥さんの代わりに私がナレーションをやりまーす!

 ちなみに、小鳥さんは今、とてもキレイな顔をしています。

 めでたしめでたし!

 え、なに、伊織ちゃん? それだと劇が終わっちゃう?

 そっか、それもそうだね。

 めでたくないめでたくない。

 これでいいかな、伊織ちゃん?

 え、いちいち私の名前を出すな?

 んもう、伊織ちゃんはわがままだなぁ。

 ある年のこと、夏だというのにひどい寒さがやってきて

 畑のさくもつが、すっかりかれてしまいました。

 ただでさえびんぼうな木こりは、その日に食べるパンもろくにありません。

 おなかがすきすぎて、ねむれずにいると、お母さんが小声で話しかけてきました。

いぬ美「ねぇ、あなた。このままでは親子四人、とも倒れですよ」

社長「うーむ……どうしたものかね」

いぬ美「……ここは思いきって、あの子たちを遠くの森に捨ててくるってのはどうかしら?」

社長「なんだって!」

いぬ美「シーッ! 子どもたちが起きてしまうわ」

社長「しかし……あの子たちを捨てるなんて、私にはとても」

いぬ美「でも、このままでは四人ともうえ死にしてしまうわ。運がよければ、あの子たちも助かるわよ」

社長「……」

 かなしいおはなしですが、この時代にはよくこんなことがありまし……た……?

 違います! 今の時代にも、あります!

 もし私が765プロに入れなかったら……え、なに、伊織ちゃん?

 これ食べていいの? おかわりもしていいの? やったー!

 もぐもぐ。やっぱり今の時代には、こんなことはありません。

 めでたしめでたし!

 おっと、めでたくないめでたくない。

 さて、この二人の話を、となりのへやの子どもたちがすっかり聞いていました。

 とっくにねている時間ですが、なにしろおなかがペコペコだったので

 ねるにねられなかったのです。

 妹のグレーテルが、かなしくてシクシクとなきだしました。

千早「私たち、捨てられてしまうんだわ。今夜きりで、家なしっ子になってしまうんだわ」

真「グレーテル、泣かなくてもいいよ。ぼくがついているからね」

千早「ところで、どうしてお母さんは犬みたいな顔をしているのかしら」

真「切り替えが早過ぎるよ、グレーテル」

いぬ美「仕方ないのよ、誰もお母さん役をやりたがらなかったから」

千早「まぁ、魔女ほどでは無いにしろ、悪役だものね」

いぬ美「どちらかと言うと、社長の相手役というのがイヤだったみたいね」

真「社長は相手役がいぬ美だということについて、どう思ってるんですか?」

社長「私は一向に構わんよ」

千早「それは劇の相手役としてですか? それとも夜の相手役としてですか?」

社長「私は一向に構わんよ」サワサワ

いぬ美「絶・天狼抜刀牙!」ウォォォォ

社長「ギャヒィィィィィ!」ブシュー

真「ボクたちの親は倦怠期だったんだね」

千早「子どもたちの前でそういう生々しいのはやめてほしいわ」

社長「じ、自分でけしかけたくせに!」

いぬ美「というわけで二人とも、明日遠くの森にピクニックにいきましょう」

真「何がというわけなのかサッパリわからないよ」

千早「さっきお母さんがお父さんを倒したから、口減らしはそれで十分じゃない?」

 めでたしめでたし!

社長「いや、まだ生きてるからね?」

 めでたくないめでたくない。

いぬ美「口減らしだなんて、そんなんじゃありませんよ。本当にただのピクニックなんだから」

社長「うむ、お母さんの言うとおりだ。二人とも、今日は外に出る準備をしてから寝るんだよ」

千早「お兄ちゃん、どうしよう……」

真「大丈夫。ボクはね、たとえ捨てられても家に帰ってこれる、良い方法を考えたんだ」

 ヘンゼルはそう言うと、まどから外へぬけ出して、道に落ちている白い小石を集めました。

 …………

 次の朝、まだ夜が明けきらないうちに、お母さんが子どもたちを起こしました。

いぬ美「今日は、森へ行きますよ。はい、これはおべんとう」

 お母さんはそう言って、小さなパンをひとつずつわたしま……。

 ぜいたくです! 一人ひとつずつなんて、ぜいたくのきわみです!

 わたしが765プロに入る前は……おいしい! このパンおいしいおいしい!

 はい、お母さんは小さなパンをひとつずつわたしました、と。

 さぁ、続けてちょうだい?

真「しょっちゅうナレーターが代わるなぁ」

 細かいことを気にし過ぎるとハゲるわよ。

社長「はっはっは! 水瀬くんの口からハゲるなんて言葉が出てくるなん」

 ゴォォォォ

 ホメェェェェェェェェ!

 お父さんは、伊織ちゃんのカイザーフェニックスで

 まっくろくろすけになってしまいました。じゅるり。

千早「これで口減らしは済んだわね」

真「もうちょっとお父さんの心配をしようよ、グレーテル」

いぬ美「夜には復活するでしょうから、気にせず先に進みましょう」

真「お父さんは本当に人間なの?」

いぬ美「そんなこと言ったら、私だって人間じゃないわ」

千早「なるほど」

真「なるほどじゃないよ」

いぬ美「食事はこれっきりなんだから、食べたくてもお昼になるまでがまんするのよ」

真「はい、お母さん」

 三人はそろって、森へ出かけました。

 そのとちゅう、ヘンゼルは時々立ち止まって、自分の家を振り返りました。

 そしていま来た道をたしかめると、目印に昨日ひろった白い小石を

 一つずつ、こっそり落としていったのです。

亜美「どしーん! 小石だよーん♪」

美希「むー。ミキたちがこんな役だなんて、ヒドいと思うな!」

真美「しょうがないじゃん。お母さん役になると、社長にお尻を触られちゃうよ?」

亜美「亜美たちは、絶・天狼抜刀牙もカイザーフェニックスも使えないからね」

美希「前々から思ってたんだけど、デコちゃんが常人扱いされてるのってどう考えてもおかしいの」

 あまりたびたび立ち止まるので、お母さんが不思議に思ってたずねました。

いぬ美「ヘンゼル、どうしてそんなに立ち止まっているの?」

真「うん、うちの家の屋根に白いネコが上がって、ボクにさようならしてるんだもの」

いぬ美「おバカさんねぇ。あれは屋根にお日さまがあたって、チカチカ光ってるのよ」

真「ぐっ……劇とはいえ、犬にバカって言われると悔しいなぁ」

千早「……」

千早「……!?」ピコーン

千早「ねぇ高槻さん、今のお母さんのセリフを私に言ってもらえないかしら?」

真「だからグレーテル、高槻さんって言っちゃ……」

 おばかさぁんおばかさぁん、ちはやさんのおばかさぁん。

千早「イヤッフゥゥゥゥゥ!」バサバサ

真「ああっ、グレーテル!」

 グレーテルは鶴になって、森の向こうに飛んでいってしまいました。

いぬ美「違う物語になっちゃったわね」

 クァー クァー クァー

 た、助けて伊織ちゃん!

 ちょっと千早! こっちに来ないでよ!

 バキッ ドスッ ゴォォォォ

 ンアー

真「グレーテルもやられちゃったし、もう帰らない?」

いぬ美「夜には復活するでしょうから、気にせず先に進みましょう」

真「グレーテルも人間じゃないの?」

いぬ美「じゃあ逆に聞くけど、ヘンゼルはアレが人間に見えるのかしら?」

真「まったく見えないね」

いぬ美「じゃあ行きましょう」

 そうしてヘンゼルとお母さんはグレーテルとお父さんを引きずりながら

 森の奥深くへと進みました。

 イヌ、サル、トリ、ニンゲンって、これじゃまるで桃太郎ね。

真「全部聞こえてるんだからな!」ウキャキャァァァ

 そんなこんなで夜になり

 いつの間にかヘンゼルとグレーテルは森に置き去りにされてしまいました。

千早「あーん、私たち、とうとう捨てられたんだわ」

真「泣かなくても大丈夫だよ。ここまで来る道の途中に、小石を置いてきたからね」

千早「でも、こんなに暗くちゃ小石なんて見えないわ」

真「心配いらないよ。だって置いてきた小石は白いから……あれっ」

千早「もしかして、白い小石なら夜でも光ると思ったの?」

真「うん」

 おばかさんおばかさん、まことさんのおばかさぁん。

真「や、やよい?」

千早「真ったら羨ましいわね」ハァハァ

千早「仕方ないわ、これを使いましょう」ガサゴソ

 ドンッ

貴音「るんば、るんば」

真「これは一体何かな、グレーテル?」

千早「ルンバよ。これで道の小石を片付けながら帰りましょう」

貴音「るんば、るんば」

真「そんなお話だったかなぁ」

美希「なんか雲行きが怪しくなってきたの」

真美「お月様役のお姫ちんが、白い小石を月の光で照らすんじゃなかったっけ?」

貴音「がんばるんば」キェェェェェ

千早「しょうがないのよ、四条さんがお腹すいたって言うんだから」

亜美「えっ、それってどういう」

 ナノォォォォォォ!

真美「ミ、ミキミキ!?」

真「すごいすごい! 白い小石をギュンギュン吸い込んでくよ!」キュワキュワ

貴音「るんば、るんば」ギュォォォォォォ

亜美「ちょ、誰か助けて!」

 小石さん、動いちゃダメだよ。だって小石さんは小石さんなんだから。

千早「高槻さんの言うとおりよ、亜美」

真美「いおりん! いおりん、助けて!」

 鵜飼みたいなものだから、胃まではいかないから大丈夫よ。

亜美「そういう問題じゃ……ウギャァァァァァァ!」

真美「ギェェェェェェ!」

貴音「るんば、るんば」ギュォォォォォォ

 こうして二人はルンバの道案内のおかげで、家に帰ることができました。

真「ただいま、お父さん、お母さん!」

いぬ美「ああ、二人とも!」

社長「大丈夫だったかね!」

 お父さんとお母さんは、二人の子どもを抱きしめました。

 二人とも森の中においてきた子どもの事が心配で、一晩中泣いていたのです。

社長「ところで、そこのたれパンダみたいな人は誰かな?」

貴音「りゅんびゃれふ」モグモグ

美希「ちょっと貴音! ミキたちを口に入れたまま喋らないで欲しいの!」

いぬ美「ルンバちゃんの口の中から声がしたような気がするわ」

千早「大丈夫よお母さん、喋ってるのはただのゴミだから」

亜美「千早お姉ちゃん、それだと亜美たちがゴミ野郎みたいに聞こえるよ」

真美「どうでもいいからサッサと出してくれない?」

 お父さんとお母さんは、子どもたちが戻ってきたことを喜びました。

 ですが、食べ物がない事には変わりありません。

 お父さんとお母さんは自分たちの食べ物も子どもたちにやりましたが、もうげんかいです。

 数日後、お父さんとお母さんは、また子どもたちを別の森に連れて行くことにしました。

いぬ美「ヘンゼル、グレーテル、またピクニックに行きましょう」

真「待ってお母さん、今準備するから……うっ」

亜美「まこちん、どったの?」

真「どうしたも何も……どうして三人ともヨダレまみれのままなんだい?」

美希「小鳥が『そのままの方が扇情的でお客さんも喜ぶわキョーッキョッキョッキョッ』って言ってたの」

 キョーッキョッキョッキョッ、実に素晴らしいわ。ああっ、もうデジカメのメモリがいっぱいに!

 小鳥さん、この写真のヨダレ、少し白っぽく加工できません?

 まあ! プロデューサーさんったら、いけないひとッ!

 でも今日に限っては、そういうのもアリだと思いません?

 そうですね。だって『今日に限って』なんですから。

 ですよね。なんたって今日に限っちゃうんですから。

 キョーッキョッキョッキョッ。

 ウッサッサッサ。

 キョーッキョッキョッキョッ。

 ゲッパッパッパー。

 キョーッキョッキョッキョッ。

 ウェヒヒヒヒ。

千早「どうしてあんな生き物の言うことを信じてしまったの?」

真美「今の真美にとっては、まこちんとか千早お姉ちゃんとかいおりんよりはマシだよ」

美希「スネちゃってるの」

亜美「さっきは誰も助けてくれなかったからね」

千早「スネてる真美も、なかなかそそるわね」キョーッキョッキョッキョッ

真「真美の信じている生き物は、そこのソレと同類だよ」

真美「もう何も信じない」

亜美「ああっ、真美がグレちゃったっ」

 白い小石がヨダレでべちょべちょだったので

 ヘンゼルは白い小石をひろうことができませんでした。

真「どうしよう。何か目印になる物を落とさないと」

 そこでヘンゼルはおべんとうのパンを細かくちぎって

 それを目印に道のところどころへ落としておきました。

雪歩「私はパン おいしいパン あなたの喉に真綿のように ぎゅうぎゅう詰まって」

響「なぁなぁ、雪歩」

雪歩「どうしたの響ちゃん? せっかくここからがいいところだったのに」

響「だから止めたんだけどな」

響「それより、この展開ってマズいんじゃないか?」

雪歩「マズいって、何が?」

響「だって、さっきの流れだと、自分たちもルンバに吸い込まれちゃうぞ?」ガクガク

雪歩「大丈夫だよ、響ちゃん」

響「えっ、ホント?」

雪歩「だって四条さんのヨダレは聖水だもの」

響「んなわけあるか! ヨダレは汚いよっ!」

貴音「そんな、ひどい……」

響「た、貴音?」

貴音「響は、響だけは私の味方だと信じていたのにっ……!」ダッ

真「ああっ、ルンバが!」

響「ま、待つんだ貴音! 貴音のヨダレは汚くなんかないぞ、むしろハチミツだぞ!」

真「えっ?」

雪歩「流石にそれはどうかと思うよ、響ちゃん」

千早「ヨダレがハチミツだなんて、我那覇さんの感性は理解に苦しむわ」

いぬ美「一体どこで育て方を間違えたのかしら?」

響「どうしてお前らはいつもそうなんだよっ!」ウキャー

やよいのおバカさんはムーミンが元ネタ?

 ルンバが逃げ出してから数時間後。

 なんやかんやしているうちに、二人はまた森に置き去りにされてしまいました。

真「ああ、どうしよう。ルンバがないと、帰り道が分からないよ」

千早「大丈夫よ、お兄ちゃん。この前と違って、今日はまだ明るいわ」

真「でも、目印のパンが一つも見当たらないよ?」

千早「あら? どうしてかしら?」

 お話は少し前にさかのぼります。

 …………

響「たかねぇー、どこ行ったぁー!? 出てきてくれぇー!」

 チュンチュン……チュンチュン……

雪歩「……? 何の音?」

春香「ちゅんちゅんちゅちゅん。小鳥さんですよー。かわいい小鳥さんですよー」パタパタ

小鳥「ちゅーちゅちゅん。同じくかわいい小鳥さんよー」パタパタ

春香「うふふ♪ 私たちって」

小鳥「とってもとってもカワイイ♪」

春香「インカムを取った小鳥さんってカワイイ♪」

小鳥「リボンを取った春香ちゃんもカワイイ♪」

春香「キャッキャ」

小鳥「キャッキャ」

春香「キャッキャ」

小鳥「キャッキャ」

春香・小鳥「ケルケルケルケル」

響「ゆ、雪歩! おかしな変な人が!」

雪歩「落ち着いて響ちゃん。アレはウチの事務所の人だよ」

小鳥「言ってくれるわね、響ちゃんのクセに」

春香「ヨダレをハチミツ代わりにしてる人にそんなこと言われたくないなぁ」

響「そんなことしてないよっ!」フンガー

雪歩「ところで、小鳥さんたちは何の役なんですか?」

小鳥「私達は小鳥さんよ、ぴよぴよ」

響「ピヨ子って今年でいくつだっけ?」

雪歩「いい歳してアホみたいにピヨピヨ言ってて悲しくならないんですか?」

小鳥「えいっ」バシャッ

雪歩「イヤァァァァァ!!」

響「な、なんだコレ!? 水っ!?」

小鳥「ハチミツよ」

春香「正確には、小鳥さんのお口から集めたハチミツだね」

雪歩「ううっ、なんだか不自然にネバネバするよぉ……」

響「ヨダレって、そんなにネバネバするものだっけ?」

春香「女の子のお口は下にもあるんだよ、響ちゃん」ケキャケキャ

響「お客さんの前でなんてこと言い出すんだコイツは」

 あのー。皆さん、そろそろ劇の中のお名前でお話して欲しいかなーって。

春香「はーい」

響「それで、小鳥さんたちは何しにきたんだ?」

小鳥「私たちは、あなたたちを食べにきたのよ」

雪歩「えっ?」

春香「森に落ちたパンくずなんて、なかなか食べられない贅沢品だからね」

響「そ、そんな……ルンバに食べられずに済んだって安心してたのに」ブルブル

小鳥「うふふ、心配しないで。私たちはルンバちゃんみたいに、あなたたちを丸飲みにはできないわ」

響「それなら安心だぞ」ホッ

小鳥「だから、私はあなたたちを性的にいただくことにするわ」

雪歩「えっ?」

小鳥「おいしいおいしい! ハチミツまみれの雪歩ちゃんおいしい!」ペロペロペロペロ

雪歩「い、嫌ぁぁぁぁァァァァァ!!」ジタバタ

響「春香、なんであの人は自分のヨダレ(?)をおいしそうに舐めてるんだ?」

春香「さぁ? 私、小鳥だからわかんないや」

響「そっか。自分もパンくずだからわかんないぞ」

雪歩「た、助けて二人とも!」

小鳥「さぁ、舞台袖にイキましょう! そして雪歩ちゃんのハチミツを舐めさせて!」ハァハァハァハァ

雪歩「助けて、真ちゃん! 助け……」ズルズルズルズル

響「ゆ、雪歩ぉーー!!」

 あのー。だから皆さん、劇の中のお名前でお話して欲しいかなーって。

 なんということでしょう!

 ヘンゼルが落としたパンは、森の小鳥たちに食べられてしまいました。

 ねぇ伊織ちゃん、パンをいっぱい食べた小鳥を焼き鳥にしたら

 焼き立てのパンの味がするのかなぁ?

 ふふっ、おかしなことを言うのね。

 それなら、やよいを食べたらもやしの味がするのかしら?

千早「実に興味深いわね。今すぐ試しましょう」ハァハァ

 うっうー! そうですね、さっそく焼いてみましょう!

真「やよい、千早が試したいのは多分そっちじゃないよ」

 真さん、千早さんじゃなくてグレーテルですよ。

 劇の最中なんだから、真面目にやりなさいよ。

千早「そうよ真。プロ意識が足りないわ」

真「ウキャァァァァァァァ!?」プシュー

 ヘンゼルの頭からアホみたいに煙が出てきましたが

 グレーテルは「またか」と言って冷たくあしらいました。

 とにかく、その場で途方に暮れていても仕方がないので

 二人はあっちの道、こっちの道と、ひと晩じゅう歩きまわりました。

 次の日も歩き続けましたが、目印も何もなかったので

 二人は森から出られるどころか、どんどん奥へとまよい込んでしまったのです。

真「どうしよう、森から出られないよ……」

千早「困ったわ……あら? ねぇお兄ちゃん、前の方に何か見えるわ」

 二人の目の前には、小鳥たちに食べられたはずのパンくずが落ちていました。

雪歩「あっ、真ちゃん、千早ちゃん」

 パンくずは、血まみれでした。

真「ゆ、雪歩!? どうしたの一体!?」

雪歩「ごめんね真ちゃん。私、勘違いしちゃった」

真「勘違いって、何を?」

雪歩「今やってるお話を『赤ずきんちゃん』と勘違いしちゃった」

千早「赤ずきんちゃんって、どんなお話だったかしら?」

雪歩「赤ずきんちゃんを丸飲みしたオオカミさんのお腹を、ハサミでカッ捌くお話だよ」

真「そのお話と勘違いして、何をしちゃったの?」

響「自分は何も見てない自分は何も見てない自分は何も見てない」ガクガク

春香「ごめん真、その話ちょっと待ってくれる? 響ちゃんがそろそろ壊れそうなんだ」

真「あれ、春香もいたんだ」

千早「リボンがないと誰か分からないわね」

春香「千早ちゃんはいついかなる時も分かりやすいけどね、胸が」

千早「萩原さん、さっきやったことを春香で再現してもらえるかしら?」

響「!! や、やめてくれぇぇぇェェェェェ!」ダッ

春香「あっ響ちゃん! そっちの舞台袖にはまだ……」ダッ



 ウギャー



千早「一体なんだったのかしら」

雪歩「ポエム力の無い人間の末路だよ」キュワキュワ

真「実に哀れだね」キュワキュワ

千早「ところでパンくずさん、私たち昨日から何も食べてないの」

真「何か食べる物はないかな?」

雪歩「食べる物なら、私自身がそうだけど」

千早「また勘違いされたら困るから、遠慮しておくわ」

真「しょうがない、とにかく先に進もう」

 三人は森の奥に進んでいくと、小さな家を見つけました。

真「こんなところに家なんてあったんだ。……それにしても、なんだかいい匂いだなぁ」

千早「ヘンゼルお兄ちゃん、見て! この家、お菓子でできているわ!」

雪歩「わぁ、ステキ! まるでポエム様のおうちみたい」

真「お菓子の家だなんて、おかしなことがあるもんだね」

千早「おかしなお菓子の家……ぷっ、くくくっ……」

真「雪歩、スコップを貸してもらえる?」

雪歩「今のはヘンゼルちゃんの発言も悪かったと思うけどね。はい、どうぞ」スチャ

 バキッ

 ドゴッ

 ボワワ~ン

 ンアー

 ヘンゼルがグレーテルにやんわりツッコミを入れた、そのときです。

 お菓子の家の、クッキーの戸が開きました。

 ガチャ

P「おやおや、かわいらしいお客さんだねぇ」

真「あっ、プロ……こんにちは、おばあさん」

P「いらっしゃい、歓迎するよ。ヘンゼル、グレーテル……もう一人は、どちら様?」

雪歩「やだなぁ。パンくずですよ、おばあさん」

P「どうしてパンくずなのに、真っ赤なのかな?」

真「それは、オオカミさんのお腹をカッ捌いたからですよ」

千早「血まみれになったのに全身緑色だったら、頭がおかしくなってしまうわ」

P「そういうグレーテルは、どうして頭から血を流しているのかな?」

雪歩「それは、スコップで頭を殴ったからですよ」

真「頭を殴ったのにケツから血が吹き出たら、頭がおかしくなっちゃいますよ」

P「俺の頭がおかしくなりそうだから、その辺にしてくれ」

P「とにかく、ここは壁も屋根も全部お菓子でできているから、いつまでも楽しく過ごすといいよ」

雪歩「おばあさんもお菓子でできているんですか?」

P「実はおばあさんの股間には、チョコバットが生えてるんだ」ボロンッ

真「チョコバットっていうか、アポロチョコですね」

P「な、なんだと」

 ちょっとアンタ! お客さんの前で何やってんのよっ!

 ゴォォォォ

P「ムパァァァァァ!」

 わぁ、焼きチョコだね伊織ちゃん!

千早「あら。このアポロチョコ、焼いたら膨らんだわ」

真「きっと興奮したんだね」

雪歩「最低のクズだね」

P「というわけでお前たちには、この大きな鳥かごに入ってもらおうか」

真「プロデューサーはどうしてまだ生きてるんですか?」

P「傷つくなぁ」

雪歩「そんな鳥かごに私たちを入れて、どうするつもりなんですか?」

P「おばあさんは実は人食い魔女だったのさ! お前たちを太らせて食べるのさ」ケッケッケッ

千早「まぁ大変! お兄ちゃん、早く逃げましょう!」

P「でも、ここでお菓子をばくばく食べて太れば、胸も大きくなるかもしれないぞ」

千早「と思ったけれど、もう少しここでゆっくりしていくのも悪くなさそうね」

真「グレーテルは脳にウジか何か湧いてしまったの?」

雪歩「ヘンゼルちゃんが、ちゃんとスコップの土を取らないで叩くから……」

P「じゃあヘンゼルには、グレーテルを太らせる料理を作ってもらおうか」

真「グレーテルを太らせる為の料理なんて、ボクは絶対作りませんからね!」

千早「お兄ちゃん……///」キュン

雪歩「ギリギリギリギリ」

P「そういえば、料理の作れる子って女の子っぽくてかわいいよな」

真「はいグレーテル、ラーメン二十郎だよ」ドンッ

千早「まぁステキ、生ゴミか何かかしら?」

真「ヒドいなぁ。これはルンバの主食なんだよ」

千早「じゃあやっぱりゴミじゃない」

雪歩「ところで、私は何をすればいいですか?」

P「うーん、子どもとはいえ二人も食べきれないしなぁ」

真「今ウンコって言いませんでした?」

千早「というか、その子はパンくずですよ」

雪歩「なんにせよ、食べられないなら一安心です」ホッ

P「だから、おばあさんはパンくずを性的にいただくことにしよう」

雪歩「えっ?」

P「おいしいおいしい! いちごジャムまみれの雪歩おいしい!」ペロペロペロペロ

雪歩「い、嫌ぁぁぁぁァァァァァ!!」ジタバタ

真「小鳥さんの血をいちごジャムと表現するなんて、なかなかのポエム力ですね」キュワキュワ

千早「ねぇお兄ちゃん。このモヤシ、油の味しかしないわ」モグモグ

雪歩「た、助けて二人とも!」

P「さぁ、舞台袖にくるんだ! おいしい焼きチョコバットをごちそうしよう!」ハァハァハァハァ

雪歩「助けて、真ちゃん! 助け……」ズルズルズルズル

真「ゆ、雪歩ぉーー!!」

千早「お兄ちゃん、コップの水にも油が浮いてるんだけど」

真「飲み物ぐらい外の自販機で買ってこいよ」

千早「あ?」

 こうしてヘンゼルは、グレーテルにエサをやり続けました。

真「さて。どの程度太ってきたか、触って確かめてみよう」

千早「まぁ大変! 太ってきたのがバレたら、おばあさんに食べられてしまうわ」

千早「そうだわ、この『高槻さん型多目的人形』を身代わりにしましょう」ドンッ

 えっ?

 ちょっと千早、アンタ何でそんなもの……。

真「どれどれ」

 モミモミモミンゴス

千早「ふふふ、私と高槻さんのバストサイズは同じだからバレないはずね」

真「72……73……!! バカな、まだ上がっていくだと!!」

千早「な、なんだと」

真「やったじゃないか、グレーテル! 2cmも胸が大きくなってるよ!」

千早「え、ええ」

 ねぇ千早ちゃん、あのお人形はどこで買ったのかしら? ハァハァ

 う、うぎゃぁぁぁ! ピ、ピヨ子のおばけがしゃべったぁぁぁァァァ!?

千早「あれは私の手作りだから、どこにも売ってないですよ」

 自分で作ったのに、やよいのバストサイズを知らなかったの?

千早「手触りと舌触りを頼りに作ったから、正確なサイズなんて知らないわ」

 えっ?

真「ていうか、多目的人形ってなんなのさ」

千早「色々なことに使うのよ」

 ねぇ千早ちゃん、どうしてこのお人形はボロボロなの?

千早「それはね、お人形をかじったりしているからよ」

 ねぇ千早ちゃん、どうしてこのお人形はヌルヌルなの?

千早「それはね、お人形を入れたり、お人形に入れたりしているからよ」

 ねぇ千早ちゃん、どうしてこのお人形は、千早ちゃんのヨダレの匂いがするの?

千早「それはね、お人形をなめたりしているからよ」

 あの……千早さん、どうして千早さんは今、ヨダレを垂らしているんですか?

千早「それはね。





   お前を食べるためさ!」

 い、いやぁぁぁぁぁ!





ゴォォォォ

 千早ちゃんったら、今やってるお話を『赤ずきんちゃん』と勘違いしちゃったのね。

 そんなことより、どうして春香は匂いだけで千早のヨダレだって分かったんだ?

 愛の力だよ。

千早「春香……///」キュン

 千早はどうしてまだ生きているのかしら?

真「そんなことより、雪歩が戻ってこないんだけど」

 ガチャ

真「あっ、噂をすれば……」

雪歩「真ちゃん、千早ちゃん。ただいま」

 パンくずは、血まみれでした。

支援
でもどっちかと言うと月一で良いから、小出しじゃなくて一気に投下が良いなーって
勿論ご自身にあったペースでやって頂きたいですが

真「ゆ、雪歩!? どうしたの一体!?」

雪歩「ごめんね真ちゃん。私、勘違いしちゃった」

真「また『赤ずきんちゃん』と勘違いしちゃったの?」

雪歩「違うよ。今度は『オオカミと七匹の子ヤギ』と勘違いしちゃったの」

千早「オオカミと七匹の子ヤギって、どんなお話だったかしら?」

雪歩「子ヤギを丸飲みしたオオカミさんのお腹を、ハサミでカッ捌くお話だよ」

千早「結局同じじゃない」

 なぁなぁ、プロデューサーはどうなったんだ?

 さぁ? それより響ちゃん、あっちの舞台袖においしいお菓子があるみたいだよ。

 本当!? 春香は優しいなー。トテトテ





 ウギャー

 こうして悪い魔女をやっつけた二人とパンくずは

 何日もかかって、ようやく家に帰ってきました。

 ガチャ

千早「ただいま、お父さん、お母さん!」

いぬ美「ああ、二人とも!」

貴音「おひゃえるぃらひゃい」モグモグ

社長「だいびょうびゅだったひゃれ!」モグモグ

真「おろ?」

雪歩「四条さんはともかく、社長は何を食べてるんですか?」

社長「あきひゅきくんだ」モグモグ

千早「あきひゅきくん?」

亜美「涼ちんのことだよ」

真美「しゃちょーが、お姫ちんのマネをしたいってダダをこねてね」

いぬ美「さすがに女の子をモグモグするのはセクハラだから、涼ちゃんにしといたのよ」

千早「なるほど」

貴音「ふぁふぁふぁふぁふぁ」モグモグ

真「それで、貴音は誰を食べてるの?」

亜美「ミキミキだよ」

貴音「びっちのあじがしまひゅ」モグモグ

美希「もー! そんな会話どうでもいいから、はやく出してほしいの!」プンスカ

涼「僕からもお願いします」

千早「ところで萩原さん、ヘンゼルとグレーテルってどんなお話だったかしら?」

雪歩「アイドルを丸飲みしたルンバさんのお腹を、ハサミでカッ捌くお話だよ」

社長「えっ」モグモグ

いぬ美「そんな話だったかしら?」

真「そうだよ、間違いなく」

貴音「私もたった今そんな気がしてきました」ペッ

美希「や、やっと出られたの」ベチャッ

社長「ふぁふぁふぁふぁふぁ!」モグモグ

真美「『待ってくれキミ達、今出すから! クソッ、口の中でチンコが引っかかってるっ』だって」

 涼ちゃんったら、どうしてこの状況で興奮しているのかしら? ハァハァ

雪歩「真ちゃん。私、頑張るね」スチャ

真「ああ! 応援してるよ、雪歩」

千早「頑張ってね、萩原さん」

亜美「いっけー、ゆきぴょん!」

真美「やっちゃえー!」





 ウボァー





 もぐもぐ。もぐもぐ。

 えっ、どうしたの伊織ちゃん? もう劇はおしまい?

 でも、ヘンゼルとグレーテルってこんな終わり方だったっけ?

 どうでもいい? それもそうだね。

 まぁお客さんも喜んでくれてるし、これで良かったよね。

 それじゃあ……。

 

 めでたしめでたし!



第九話 終わり

オールスターかと思いきや、登場してないアイドルがいるんだな

>>1です。更新遅くてすみません。いつも読んでいただきありがとうございます。

>>245
一応元ネタは水銀燈のつもりです。全然やよいと関係ないですけど。

>>295
自分でも読み直していて、読みづらいなーと思いました。なるべくまとめて書き込みます。

>>307
出せなかったアイドルには申し訳ないと思っています。次の話では登場させます。

━第十話━

━765プロの近く━

亜美「あ、あ゙づい゙~……」

伊織「夏本番って感じね。早く帰ってジュースでも飲みましょ」

あずさ「そうね~。……あら?」

真美「あずさお姉ちゃん、どったの?」

あずさ「お向かいの心療内科に行列ができてるわ」

亜美「それは穏やかじゃないね」

━765プロ━

ドタドタドタ

ガチャ

真美「兄ちゃん兄ちゃん、大変だYO!」

小鳥「あら、どうしたの亜美ちゃん?」

伊織「向かいの心療内科に行列ができてるのよ」

P「ああ、それなら知ってるよ」

あずさ「あら、そうなんですか?」

P「ええ。そこの窓から見えますからね。それに……」

コンコン

ガチャ

男性「はじめまして あたまがおかしくなったので しんさつしてください」

伊織「えっ?」

あずさ「病院は向かい側ですよ?」

男性「むこうにいったら こちらのかくりびょうとうを あんないされました」

律子「ごめんなさいね。こっちには患者はいるけど医者はいないの」

バタン

社長「……というわけなのだよ」

亜美「これは穏やかじゃないね」

小鳥「こんな感じで、朝から来客が多くてね。とても仕事にならないわ」

伊織「仕事はいつもしてないじゃない」

小鳥「伊織ちゃんヒドい!」プンスカ

律子「小鳥さんはともかく、どうにかしないと本当に仕事にならないわね」

あずさ「まぁ~、どうしましょう?」

亜美「……!」ピコーン

真美「……!」パコーン

社長「どうした、亜美くん真美くん?」

亜美「んっふっふ~、いいコト思いついちゃった!」

伊織「それじゃ私自主トレ行ってくるわね、半日くらい」

P「あずささん」

あずさ「は~い♪」ガシッ

伊織「ち、ちょっと! 離しなさいよっ!」ジタバタ

律子「逃げようったって、そうはいかないわよ」

……

千早「……で、皆に召集がかかったわけですか」

冬馬「なんで俺たちまで……」

愛「すごいですっ! クソせまいボロ事務所にみんな押し込まれて、湿気がむわっとします!」ムハー

絵理「愛ちゃん、もう少し言い方を変えた方がいいよ?」

愛「すごいですっ! むわっとクソ事務所が押し込まれてせまいロボ、みんなしにますムハー!」湿気

絵理「それならよし」

P「小鳥さん、この空間の空気を缶詰にしたら売れると思いません?」ハァハァ

小鳥「そうですね。でもまずは、この空気をゆっくりじっくり肺に染み込ませましょう」ハァハァ

涼「それで、これから何をするの?」

真美「んっふっふ~、焦っちゃダメだよ涼ちん」

亜美「ウォッホン、諸君。向かいの心療内科に行列ができているのは知っているかね?」

翔太「まぁ、来るときに見たからね」

冬馬「どうせお前たちの仕業だろ?」

美希「あまりミキたちをみくびらないで欲しいの」

春香「私たちが本気を出せば、東京中の人間をあの心療内科に集められるよ」

冬馬「ひっ」

絵理「心療内科が儲かって仕方がないですね」

愛「さすがは春香さんですっ! アベノミクスも真っ青ですっ!」

P「話を戻すけど、向こうの患者が何故かウチの事務所にきて困ってるんだ」

律子「ヤツらを消すのは簡単なんだけど、あまりやり過ぎるとまた雑誌にあることないこと書かれちゃうからね」

亜美「そこでっ! 亜美たちがエクササイズな名案を考えたのさっ!」

伊織「エクセレントね。で、どんな案なの?」

真美「名付けて! 『みんなで向かいのビルに乗り込んで、お医者さんに代わってシンサツしちゃう大作戦』だYO!」

真「なるほど! それは名案だね」

やよい「うっうー! なんだか面白そうかも!」

あずさ「うふふ、さすが亜美ちゃんと真美ちゃんね。まるでコンボイ司令官みたい」

亜美「それじゃあ、みんなでさっそく行ってみよー!」

みんな「「おー!!」」

ドタバタ ダバダバ

……



冬馬「……おい、みんな行っちまったぞ」

伊織「しょうがないわね。私たちも行きましょ」

冬馬「いいのか? 誰も医者の免許なんて持ってないし、大体こっちから病院に乗り込むのと
   向こうから来た患者を相手するのは大して変わらない気が……」

伊織「それはそうだけど。でも私たちも行かなかったら、逆に患者が増えるわよ」

冬馬「なにそれこわい」

━心療内科━

ガチャ

男性「失礼しまー……わっ!」

ハム蔵「はーい、ご新規さん一名ご来店でーす」

いぬ美「診察券と、今月初めてでしたら保険証をお願いしますね」

男性「ハ、ハムスターと犬がしゃべってる」

亜美「そりゃ喋るっしょ」

真美「そこの机も椅子も喋ってるよ」

男性「えっ?」

机「」

椅子「」

亜美「蛍光灯も、観葉植物も」

蛍光灯「」

観葉植物「」

真美「壁の絵も、ボールペンも、消しゴムも」

壁の絵「」

ボールペン「」

消しゴム「」

男性「えっ、ええっ?」

亜美「そして」





真美「後 ろ の 女 の 人 も」

貴音「お飲み物は、しおらぁめんでよろしいでしょうか?」ヌッ

男性「う、うわあああぁぁぁぁ!」ダッ

貴音「はて、どうしたのでしょうか」キョトン

ハム蔵「さぁ? きっとしょうゆ派だったんじゃない?」

亜美「とりあえず、一機撃墜!」

真美「この調子でじゃんじゃんやっつけちゃおー!」

響「な、なぁなぁみんな。さっきのってどこまで本当なんだ……?」

いぬ美「あら、響には私たちの声が聞こえないのかしら?」

響「ハム蔵といぬ美のことじゃなくて、その後だよ」

亜美「心配しなくても、机も椅子もしゃべってないよ」

真美「さっきの真美たちの会話を聞いて逃げ出すようなら、逆に正常だってことだYO!」

ハム蔵「ああやって、本当に診察が必要な人とそうでない人を、ふるい分けてるってわけさ」

響「なるほど」

雪歩「うふふ。お花さん、今日もキレイに咲いてくれてありがとう」キュワキュワ

響「じゃあアレはどうなんだ?」

亜美「どうもなにも、あのチューリップさんは本当にしゃべってるじゃん」キャッキャ

響「えっ?」

真美「まずい、また発症しちゃった」

雪歩「知ってる、響ちゃん? チューリップさんの赤は、クレヨンの赤なんだよ」

亜美「毎晩近所の幼稚園に忍び込んで、夜な夜な赤いクレヨンをバリボリバリボリ」

雪歩「だから、クレヨンを使った後で手をちゃんと洗わないと」

亜美「チューリップさんに指を食べられちゃうかも……」

響「う、うわあああぁぁぁぁ!」ダッ

真美「あーあ」

ハム蔵「二機撃墜だね」

━診察室━

ガチャ

女性「こんにちはー……」

美希「いらっしゃいませー☆」

女性「あら、随分若い看護師さんですね」

美希「違うよ? ミキはミキなの」

女性「そうですか。ところで、お医者さんはどこですか?」

美希「目の前にいるの。ミキがお医者さんなの!」

女性「そうなんですか。それじゃ先生、よろしくお願いします」

美希「ミキは先生じゃないよ? ミキはミキなの」

女性「あなたと話していると頭がおかしくなりそうです。いいから早く診察してください」

美希「シンサツってなぁに?」ポカーン

女性「ウパァァァァァ!?」プシュー

千早「美希。診察っていうのは、いつもあなたがカモ先生にしてもらってるお話のことよ」

美希「わかったの!」

美希「」ウイーン カシャンカシャン

美希「それでお嬢さん、今日はどうしたのかな?」

女性「はい。最近、平日になると頭痛がして朝起きれなくて……」

美希「ふむふむ、それは大体いつ頃からかね?」

女性「確か、先月の中旬からだったかと思います……」

冬馬「すげぇ」

真「完璧にカモ先生の言動をコピーしてるね」

涼「まるでステカセキングですね」

美希「それじゃあ、君にはパスカルのこの言葉を送ろう」

美希「『人間は考える葦である』」

女性「それはどういう意味ですか?」

美希「」ウイーン カシャンカシャン

美希「」モミモミ

女性「きゃあああぁぁぁぁ!?」

美希「す、すまん! 体が勝手に……」

冬馬「どうしたんだ急に?」

千早「あれは三年前のプロデューサーね」

真「あのわざとらしい言い訳、懐かしいなぁ」

涼「別に今のプロデューサーと変わらない気がしますけど」

P「あの頃は俺も若かったからな。謝るくらいなら、最初から揉むなってことさ」モミモミ

女性「きゃあああああぁぁぁぁ!!??」

涼「そういうことなんですね」

冬馬「そういうことなのか?」

千早「そういうことよ」

美希「そういうことなの」

警察「そういうことだね」

真「じゃあ、そういうことで」

P「いつもお世話になります」

ピーポーパーポー

すみません、今日はここまでです。

━診察室2━

ガチャ

小学生「こんにちは」

律子「あら、こんな若い子がどうしたのかしら?」

小学生「居候の青ダヌキにもらった『ねむらなくてもつかれないくすり』を飲んでから、幻覚が見えるんです」

春香「青ダヌキ?」

律子「どうやら、くすりを飲む前から幻覚が見えていたようね」

あずさ「あらあら、これは精密検査が必要ね」

小学生「精密検査?」

春香「うん。まずは視力チェックだよ」

あずさ「次のうち、本物のいぬ美ちゃんはどれかしら~?」

 1.北斗「ばうあう、ばうあう」

 2.律子「わふー、わふー」

 3.いぬ美「は~い、た~んと食べてくださいね~。ごはん重くしてありますよ~」

小学生「い、犬がしゃべってる」

春香「え、そこから?」

律子「クソめんどくさいわね」

小学生「よく考えたらアニマル惑星とかで、しゃべる犬には会ったことがありました」

春香「ごめんね、言ってることがさっぱり分からないよ」

あずさ「気を取り直して、次は聴力チェックよ」

律子「次の歌を聴いて、歌詞を書き取ってね」

春香「スターダム ヒカリヒカル スポートラーイ マブシイカガヤキ マッスグー デリュー」アェアェアェアェ

小学生「ウギャァァァァァ!!」ブシュー

あずさ「あらあら、まるで噴水みたい」

律子「どうやら聴力に問題があったようね。ウチじゃなくて耳鼻科で見てもらいなさい」

小学生「はい」ブシュー

━待合室━

セールスマン「こんにちはー」

愛「いらっしゃいませ!!」

涼「本日はどうされましたか?」

セールスマン「いえ、私は診察を受けにきたのではなくて、浄水器の販売にきました」

絵理「浄水器?」

セールスマン「はい。この浄水器を使って水を飲むと、体がマイナスイオンになるのです」

愛「すごいです! 10000万個買いました!!」

絵理「愛ちゃん、女の子がま○こなんて言ったらダメだよ」

愛「ま○こなんて言ってないです! 私はまんまん○って言ったんです!!」

涼「まんまん?」

愛「まんぞく!」

絵理「いっぽんまんぞく?」

愛「フーワッ、フーワッ!」

涼「まんまん?」

愛「まんぞく!」

セールスマン「いっぽんまんぞく?」

愛「まんま○こォォォォォ!」

セールスマン「えっ?」

警察「はいはい、女の子に卑猥な言葉言わせちゃダメだよー」

セールスマン「えっ、ええっ?」

ピーポーパーポー



絵理「いっぽんまんぞく?」

愛「バー」

━診察室3━

ガチャ

おっさん「こんにちは」

翔太「こんにちは。今日はどうしましたか?」

おっさん「最近ストレスで食事がのどを通らなくて……」

やよい「それは大変です! ご飯を食べないと、元気が出ません!」

おっさん「それは分かっているのですが、今朝なんてひとかけらのパンも口に入らず……」

やよい「伊織ちゃんは言いました」

やよい「『パンがなければ、ザッハトルテを食べればいいじゃない』」

おっさん「ヒィッ」

小鳥「まぁステキ」

伊織「や、やよい?」

やよい「なんだか思い出したらむかむかしてきたかも」ゴゴゴゴゴ

翔太「やよいちゃんが殺意の波動に目覚めちゃったね」

小鳥「食べ物の恨みは恐ろしいわね、伊織ちゃん」

伊織「私はそんなこと言ってないわよっ!」

小鳥「それはそれとして、さっきの伊織ちゃんの名言を応用すれば、あなたの悩みは解決できそうですよ」

おっさん「と、言いますと?」

翔太「食事がのどを通らなければ、ケツの穴を通せばいいじゃない」

おっさん「えっ?」

翔太「って伊織ちゃんが言ってました」

おっさん「えっ///」

伊織「だからそんなこと言ってないっ!」ガルルッ

おっさん「それじゃあ早速お願いしますね」ハァハァ

やよい「うわぁ、プロデューサーと同じ顔をしてますー」

翔太「実に気持ち悪いね」

小鳥「それじゃあ社長、お願いしますね」

社長「うむ。肩の力を抜いて、ケツの穴をこっちに向けたまえ」

おっさん「えっ、さっきの女の子がやってくれるんじゃ」

小鳥「伊織ちゃんなら、怒って出ていっちゃいましたよ」

おっさん「そんな……それなら、あなたでもいいのでお願いしま」

小鳥「あなたでも?」

おっさん「ヒィッ」

サワサワ

ペロペロ

社長「……むむっ!」ピコーン

小鳥「どうしました、社長?」

社長「このケツの形と手触り……キミはプロデューサー君だね?」

おっさん「そういう君はジョナサン・ジョースター」

やよい「わぁ、やっぱりプロデューサーですー!」ピョンピョン

おっさん(P)「やれやれ、バレちゃったか」

翔太「どうしてそんな恰好してるんですか?」

P「ちょっと警察に追われててな。変装したついでに、みんなにセクハラしようと思ったんだ」

社長「なるほど」

やよい「それなら安心ですー」

P「そうだろう、そうだろう」

小鳥「一般人を通報するのは気が引けるけど、プロデューサーさんなら安心して通報できますからね」

P「そうだろう、そうだろう」

警察「じゃあ、そういうことで」

P「またお世話になります」

ピーポーパーポー

……
…………
………………

━院長室━

伊織「新堂、戦況は」

新堂「はい。皆様がこの心療内科を占領したのが午後2時。それから2時間で765人の患者を応対しました」

新堂「うち573名を受付で撃墜しております。双海亜美様、真美様の話術や萩原様の呪術が効果的な模様です」

新堂「診察室では秋月律子様と星井様が、待合室では日高様が猛威を振るっております」

新堂「また、天海様の超音波攻撃により院外の患者の狙撃に成功しています」

伊織「その院外の患者っていうのは、765人に含まれているの?」

新堂「含まれておりません」

伊織「そう」

新堂「なお、これまで敵味方あわせて延べ3人が警察に逮捕されております」

伊織「延べ?」

新堂「はい。セクハラで逮捕された者が2人。うち1人は留置所から脱走後、再びセクハラで捕まりました」

伊織「どうしようもないわね。そんな人間とは一生関わりたくないわ」

俺は悪くない。全部このSS読んでたせい。あと夏だから

伊織「それで、病院を追い出された患者はどうなったのかしら」

新堂「行き場を失い、街をさまよい歩いております」

新堂「また、患者に触れられた人間は同じ症状を発症し、街はさまよう人々であふれかえっております」

伊織「なんか映画で見たことあるわね、そういうの」

冬馬「落ち着いてる場合かよ」

伊織「なんだか疲れちゃったのよ」

冬馬「まぁ、それは分かるけどな」

新堂「お二人とも、いったん休憩しましょう。紅茶とザッハトルテでございます」

伊織「いらない」

新堂「お、お嬢さま?」

ザー……

冬馬「ん? なんだこりゃ」

新堂「それは各診察室のモニターでございます」

伊織「アイツらの行動を監視してないといけないからね」

新堂「直接見ると目の毒ですので、こうしてモニターを設置しているのです」

冬馬「なるほど」

――――――――――――――――――――――――――――――――

ガチャ

雪歩「いらっしゃいませー」

女性「こんにち……ひっ」

雪歩「?」

女性「あ、赤い悪魔……イヤァァァァァァァ!」ダッ

雪歩「……赤い悪魔?」キョトン

亜美「ダメだよ雪ぴょん、はるるんの個性を奪っちゃ」

真美「そうだよー、はるるんから赤と悪魔を取ったらリボンしか残ら」

ゲゥゲゥゲゥゲゥゲゥゲゥ

亜美「ウギャァァァァァ!」ブシュー

真美「ギェェェェェ!」ブシュー

雪歩「わぁ、二人ともお揃いだね」キュワキュワ

――――――――――――――――――――――――――――――――

冬馬「ひっ」

伊織「……!」ピコーン

伊織「もしかして……」

新堂「お嬢さま?」

伊織「新堂、頼みたいことがあるのだけど」

冬馬「?」

……
…………
………………

━受付━

ガチャ

響「はーっ、はーっ」

亜美「どったの、ひびきん?」

響「た、大変だぞみんな! 街中に変な人がいっぱいいるんだ!」

真美「変な人って?」

響「みんな『あー』とか『うー』とか意味の分からない事を言いながら街をうろうろしてるんだ」

亜美「ひびきんと一緒じゃん」

真美「いつも『うぎゃー』とか『なんくるないさー』とか意味の分からないこと言ってるよね」

いぬ美「二人とも、言いすぎよ。響は街をうろついたりなんかしないわ」

亜美「そっか、そうだよね」

真美「ごめんねひびきん」

響「お前ら他に謝ることがあるんじゃないか?」

ガチャ

伊織「みんな、ちょっといいかしら」

雪歩「あっ、伊織ちゃん」

貴音「どうしたのですか?」

伊織「大事なことが分かったのよ。とにかく、院長室に集まってちょうだい」

ハム蔵「?」

━院長室━

新堂「お嬢さま、皆様にお集まりいただきました」

愛「すごいムハー! クソせまい院長室にムハーみんな押し込まムハれてムハー湿気がムハムハムハー!」プシュー

絵理「愛ちゃん、もう頭良さそうに振る舞ったがいいよ?」

愛「ムハンマド」

絵理「うん」

P「小鳥さん、この空間の空気を缶詰にしたら売れると思いません?」ハァハァ

小鳥「何言ってるんですか、もったいない! 早くここの空気を全部吸い込むんですよ!」ハスハス

亜美「全部吸い込んだら亜美たち死んじゃうよ」

真美「ていうか兄ちゃん、また刑務所脱走したの?」

伊織「分かったのよ、原因が」

律子「原因って、何の?」

伊織「心療内科に人が殺到している原因よ」

社長「おお、でかしたぞ水瀬くん!」

真「すごいじゃないか、伊織! それで、いったい何が原因だっていうんだい?」

伊織「まぁ慌てないでよ。この映像を見てちょうだい」

ザー……

北斗「これは……何かの観客席?」

雪歩「昨日、私達が『ヘンゼルとグレーテル』を演じたイベントホールだね」

千早「これがなんだっていうの?」

伊織「今日この病院に来ている人は……全員、昨日の劇の観客だったのよ!」

みんな「「な、なんだってー!?」」

やよい「つまり、どういうことなんですか?」ポカーン

春香「すごい偶然があるんだねって話だよ」

貴音「『事実は小説よりも奇なり』というわけですね」

伊織「違うわよっ! あのヘンテコな劇のせいで、皆おかしくなっちゃったんでしょっ!」

春香「?」

真「?」

やよい「?」

亜美「?」

真美「?」

雪歩「?」

貴音「?」

千早「?」

美希「?」

涼「?」

小鳥「?」

社長「?」

P「?」

伊織「……」

響「気にするなよ、伊織」

いぬ美「そういうこともあるわよ」

翔太「ていうか、どうやって調べたの?」

伊織「新堂が一時間でやってくれたのよ」

新堂「観客席の映像と、心療内科の隠しカメラの映像を一人ひとり照合しました」

絵理「ジェバンニもびっくり?」

律子「ていうか今、隠しカメラって言わなかった?」

あずさ「あんまり細かいことを気にしちゃダメですよ」

北斗「それで、原因が分かったとして、これからどうするんだい?」

伊織「それを今からみんなで考えたいんだけど……」

愛「分かりましたっ!」

春香「愛ちゃん?」

愛「患者さんは、スーパー超天使アイドル・天海春香さんたちの劇を見て
  頭がおかしくなっちゃったんですよね?」

新堂「左様でございます」

愛「それなら、昨日の劇の映像を逆再生して見せれば、みんなもとに戻るはずですっ!」ハナマルー

みんな「「!!!」」

亜美「それは名案だね愛ぴょん!」

真美「愛ぴょんすごいYO!」

翔太「それじゃあ、さっそくみんなで上映会だねっ!」

響「えっ、自分たちも見るの?」

千早「当然よ」

律子「じゃあ私、街をうろついてる人たちを捕まえてくるわね」

涼「僕も手伝うよ、律子姉ちゃん」

冬馬「悪い、俺これから塾だから帰るわ」

響「あ、自分も!」

貴音「響」ガシッ

北斗「チャオ☆」ガシッ

響「う、うわぁぁぁぁぁ!」ズルズル

冬馬「は、離せぇぇぇぇぇ!」ズルズル

ドタバタ ダバダバ

……



新堂「……いかがいたしましょう。上映を止めますか?」

伊織「まぁ……毒をもって毒を制すとも言うし、とりあえずやらせてみましょう」

新堂「お嬢さまは、上映会には?」

伊織「行くわけないでしょ。騒ぎが大きくなる前に帰るわよ」

━待合室━

ざわざわ ざわざわ

社長「みんな集まったようだね」

春香「よくこれだけの人数が待合室に収まりましたね」

ギュウギュウ ギュウギュウ

愛「ムハ!? ムハムハムハ!? ハムハムー!」

P「ハァハァハァハァ」

小鳥「ハスハスハスハス」

真「三人とも、せめて日本語しゃべってくださいよ」

涼「律子姉ちゃん、準備できたよ」

律子「ありがと。それじゃあ……」

あずさ「楽しいショーのはじまりよ~♪」

ザー……

――――――――――――――――――――――――――――――――
雪歩「」ザシュ ザシュ ザシュ

P「ケポッ! キュ! キュムッ!」
――――――――――――――――――――――――――――――――

翔太「すごいすごい!」キャッキャ

やよい「雪歩さんがプロデューサーをスコップで繋ぎあわせていきます!」ピョンピョン

P「すごいな雪歩。まるで手品みたいだ」

雪歩「えへへ///」

――――――――――――――――――――――――――――――――
千早「」ズゾゾゾゾ
――――――――――――――――――――――――――――――――

真「すごい! 千早の口からラーメン二十郎が!」

北斗「みるみるうちに目の前にラーメンが出来上がっていく!」

貴音「如月千早……!」キラキラ

千早「そんな目で見られても困ります」

――――――――――――――――――――――――――――――――
貴音「るんば、るんば」ギュォォォォォォ

美希「ナノォォォォォ!」
――――――――――――――――――――――――――――――――

亜美「ああっ! 今度はお姫ちんの口からミキミキが!」

真美「恐怖に満ちた表情をしたミキミキが吐きだされてるっ!」

小鳥「美希ちゃんのああいう表情もそそるわね」ハスハス

美希「心底気持ち悪いの」

キャァァァ! ヒィィィ! ギェェェ! グオゴゴゴ!

アジャパァァァ! ウボァー! バルバルバルバル!

ウギャァァァ! ヒ、ヒビキ! シッカリシテ!

ウワァァァ! アアッ、トウマクン!



春香「みんな実に楽しそうだねぇ」ケラケラ

涼「そうですね。頑張って捕まえてきた甲斐がありました」

絵理「尾崎さんも連れて来ればよかったなぁ」

愛「やりました! 大成功です!」

律子「と・に・か・く 大成功♪」

亜美「ぶいっ♪」

雪歩「と・に・か・く 大成功♪」

真美「ぶいぶいっ♪」

貴音「恋バナ お・わ・りっ!」

あずさ「イェイ♪」



第十話 終わり

>>345

亜美「このSSを読んでたからって、どういうことだろうね」

響「きっと、楽しい時間は早く過ぎるってことだと思うぞ」フフン

真美「ひびきんは幸せ者だね」

やよい「じゃあ、夏だからっていうのはどういうことですか?」

愛「きっとサマータイムのことですよ!」

涼「愛ちゃんがサマータイムを知ってるなんて意外だね」

絵理「サマータイムになると1時間が6分になるなんて聞いたことないけどね」

春香「愛ちゃんは1時間が何分か知ってるの?」

愛「知ってます! ふわふわしておいしいです!」

絵理「う、うん」



第十話 おまけ 終わり

尾崎(豊)を(霊界から)喚ぶのかポエム力高くなればそんなこともできるんだな
早くポエム力を高めないと(@ヮ@)

やっぱりwwwwwwww

他にも最近書いたのあったら教えて欲しいです><

━第十一話━

━765プロ━

響「ふぁみふぁみふぁみーま♪ ふぁみふぁみまー♪」

亜美「ぶち殺すぞヒューマン」

響「ひっ」

あずさ「どうしたの亜美ちゃん?」

亜美「ヤツらの歌を聴くと指先がチリチリして口の中はカラカラで目の奥が熱いんだ」

真美「ヤツらは憎き商売敵だからね」

雪歩「そういうものかなぁ」

亜美「特にあの一派の鏡音某だけは許しておけないよ」

響「ふぁみふぁみふぁみーま♪ ふぁみふぁみまー♪」

真美「やめろっ!」

亜美「ウギギギギ……」

真「すごいなぁ、効果はばつぐんだ」

春香「よかったね、響ちゃん」

響「いや、別に亜美と真美を苦しめる目的で歌ってるわけじゃないんだけど」

真「ていうか、どうして急にその歌を歌いだしたの?」

雪歩「その歌がCMで流れてたのって、一年くらい前だよね」

響「ああ、去年録画してたドラマを昨日いぬ美が見てたから、耳に残っちゃったんだ」

あずさ「いぬ美ちゃん、ドラマなんて見るのね」

真「CMを飛ばさないなんて律儀だね」

亜美「まったく余計なことをしてくれたものだよ」

春香「それで、いぬ美は何のドラマを見てたの?」

響「よくわかんないけど、弁護士のドラマだったぞ」

真美「あー。今度、第二期をやるやつだね」

あずさ「そういえば、もうすぐプロデューサーさんの初公判ね」

真「裁判の雰囲気をドラマで予習しておこうってワケだね」

雪歩「いぬ美ちゃんは真面目だなぁ」

P「待ちたまえキミたち」

亜美「どうしたの、兄ちゃん被告?」

P「俺は無実だっ!」

春香「よくそんなことが言えますね」

真美「あんなに毎日セクハラ三昧なのに」

あずさ「また警察から逃げ出したんですか?」

P「それが、最近全然警察が追いかけてこないんです」

真「何ですって?」

雪歩「こんな犯罪者を野放しにしておくなんて、ヒドい国ですね」

P「みんながいぢめるっ」

あずさ「気持ち悪い」

春香「あっ、ところでいいことを思いついたんだけどさ」

亜美「はるるんが思いついたという時点で、それはいいこととは言い難いよ」

真美「同感だね」

春香「ふぁみふぁみふぁみーま♪ ふぁみふぁみまー♪」

亜美「や、やめろォー!」

真美「ギギギ……」

春香「やだなぁ、亜美と真美を苦しめるつもりで歌ったんじゃないのに」ケラケラ

あずさ「すごいわねぇ、春香ちゃん」

P「やっぱりお前がメインヒロインだよ」

雪歩「メインヒロインっていったい何なんですか?」

春香「私たちアイドルは、他人の不幸を(自分の)笑顔に変えることができるんだよ」

P「つまりメインヒロインってのは、最も多くの人間の不幸を(自分の)笑顔にできるアイドルのことなんだ」

響「そっかぁ! メインヒロインってすごいんだな!」

真「騙されちゃダメだよ響」

あずさ「ところで、私もいいことを思いついたわ~」

P「あずささんのイイコトですか、実に興味深いですね」ハァハァ

亜美「それで、どんなことなの?」

あずさ「最近、警察に限らず街中で人の姿が見当たらないわよね」

真美「言われてみればそーだね」

あずさ「なんだかこれって、ドラクエ4のサントハイムみたいじゃないかしら~?」

真「それのどこがいいことなんですか」

雪歩「あずささんにはガッカリです」

P「大体、ドラクエ4の話を急に振られても今のアイドルには反応できませんよ」

春香「リメイクされたとはいえ、ドラクエ4の世代はあずささんと小鳥さんくらいですからね」

あずさ「ふぁみふぁみふぁみーま♪ ふぁみふぁみまー♪」

亜美「ウガガァー!」

真美「ま、真美たちは何も言ってないのに!」

響「すごいなぁ、あずささんもメインヒロインみたいだぞ」ナンクルナンクル

P「それはそれとして、せっかく人もいないことだし、街をうろついてみるか」

亜美「兄ちゃんがよからぬことを考えてる」

真美「ドラクエの勇者みたく、勝手に人の家のタンスやツボを荒らしたりするに違いない」

P「そんなことしないもんっ」

あずさ「心底気持ち悪い」

真「じゃあどんなことをするつもりなんですか?」

P「そういえば近所に、長介くんの小学校があったな、と」

響「えっ」

春香「『かすみちゃんの』じゃなくて『長介くんの』ですか?」

亜美「とうとう兄ちゃんが男の子にまで手を伸ばしはじめた」

雪歩「もう逮捕とか生温いこと言ってないで、サッサと埋めた方がいいね」

真美「ちょっといおりん呼んでくるね」

P「アズえも~ん、みんながいじめるよ~!」

あずさ「ふぁみふぁみふぁみーま♪ ふぁみふぁみまー♪」

真美「グパァァァー!」

亜美「み、みんなも平等に苦しめてよ!」

雪歩「あずささん、そこは『気持ち悪い』とか『死ねばいいのに』とか言うところですよ」

P「ゆ、雪歩さん?」

あずさ「ごめんなさい……腐ってもこの人、私の運命の人だから」

響「運命の人が腐っててもいいのか?」

P「あずささんは、私の母になってくれるかもしれなかった女性なのだよ」モミモミ

春香「調子に乗り出したよ、この人」

あずさ「」ペッ

P「ウア゙ア゙ア゙ァ゙ァ゙ァ゙~」ドロドロ

真「と、溶けてる」

亜美「さっすがあずさお姉ちゃん!」キャッキャ

真美「アメとムチの使い方がゼツミョーだねぃ!」キャッキャ

あずさ「あらあら」ウフフ

雪歩「今のはアメとムチのどっちなんだろうね」

響「考えたくもないぞ」

>>385
すみません、最近は他に書いたのはないです。基本、このスレに書き込んでます。

……
…………
………………

━小学校━

雪歩「というわけで、近所の小学校まで来てみました」

亜美「誰に向かって話してるの、ゆきぴょん?」

雪歩「妖精さんだよ」

真美「なんだ妖精か」ホッ

あずさ「それにしても、本当に誰もいないわねぇ」

真「ちょっとプロデューサー、いい加減ちゃんと歩いてくださいよ」

響「バケツに入れて運ぶの、すっごく大変なんだぞ」

P「あずささんが頭ナデナデしてくれたら固体に戻れるかも」ドロドロ

亜美「調子に乗り出したよこの人」

雪歩「最低の屑だね」

P「フォォォォッッッッ!!」グッパオン

真美「に、兄ちゃんが人の身体を取り戻していくっ!」

春香「雪歩の一言がプロデューサーさんのリビドーを刺激したんだね」

真「さすがだね、雪歩」ナデナデ

雪歩「えへへ///」

P「さてと……教室はこっちだな」テクテク

あずさ「どうして分かるんですか?」

亜美「さては事前にリサーチしてたんだね」

真美「本当に最低の屑だね」

P「ち、違う! 匂いで分かるんだって!」アタフタ

雪歩「それでフォローになると思ってるんですか?」

春香「どのみち最低の屑じゃないですか」

響「……あれっ?」

亜美「ひびきん、どったの?」

響「いや、なんかこっちにやよいがいるような……」

真「響……」

真美「ひびきん……」

響「違うっ! 匂いじゃなくて声が聞こえたんだって!」

━教室━

やよい「かすみちゃんははじめにリンゴを5つ持っていました。長介くんからリンゴを3つもらいました」

かすみ「はい」

やよい「その後、プロデューサーからリンゴを2つちょうだいと言われました」

長介「はい」

やよい「さて、かすみちゃんは最終的にリンゴをいくつ持っているでしょう?」

かすみ「8つです」

長介「えっ」

やよい「せいか~い!」

長介「えっ」

ガラッ

あずさ「あらあら、かわいい先生ねぇ」

やよい「うっうー! あずささん、皆さん、こんにちはー!」

亜美「随分とパンチのきいた授業をするんだね、やよいっち」

やよい「そうかなぁ」

かすみ「お姉ちゃん、早く次の問題に進もうよ」

やよい「うん、そうだね」

やよい「長介くんは歩いていると、後ろから社長に話しかけられました」

やよい「社長『あー、そこのキミ。ハンカチを落としたよ?』」

やよい「さて、長介くんはどうしますか?」

長介「えっと、お礼を言いま」

かすみ「後ろから中年男性に話しかけられる事案が発生したと、警察に通報します」

やよい「せいか~い!」

響「やよい、これって何の授業なんだ?」

やよい「『正義』です」

真美「やよいっちが言うとそれっぽく聞こえるから困るよ」

千早「ステキ……新米女教師ノタカツキサン、ステキ……」ハァハァ

春香「で、一番後ろの席でヨダレを垂らしてる変態は何者なのかな?」

千早「わたし、きさらぎちはや! しょうがっこういちねんせいだよ」

あずさ「まぁ~、ちゃんと挨拶ができてお利口さんねぇ~」

雪歩「歳はいくつなの?」

千早「えっとね、じゅうろく!」

真「なりきるなら最後までなりきれよ」

きたーーー!!
最近なにかスレ立てた?

亜美「ていうか、みんなして何してるのさ」

かすみ「いつもどおり登校したんですけど、学校に誰もいなくて怖くなっちゃって……」

長介「妹が怖がってるなら、駆けつけないわけにはいきません」

かすみ「それでお兄ちゃんと合流したんですけど、二人だと暇だからお姉ちゃんを呼んだんです」

やよい「先生がいないと聞いたら、代わりに女教師をやらないわけにはいきません」

千早「高槻さんが女教師をやるなら、女子小学生をやらないわけにはいかないわ」

P「千早が女子小学生なら、お父さんとして授業参観しなくてよいのだろうか。いや、よくない」

真美「反語だね」

春香「プロデューサーさんが千早ちゃんのお父さんなら、私が千早ちゃんのお母さんになりますっ!」ガタッ

あずさ「は、春香ちゃん?」

千早「あら、ダメよ春香。あなたは私のお嫁さんなんだから」

春香「【私】=【プロデューサーさんのお嫁さん】=【千早ちゃんのお嫁さん】と考えれば、何ら問題ないよ」

響「でもそれだと、【プロデューサー】=【千早】ってことになるぞ」

P「アリヲリハベリィィィ!」イマソカリィィィ

亜美「ああっ、兄ちゃんがまたドロドロに溶けていくっ!」

千早「自分が女子小学生になるという悦びに耐えられなかったのよ」

真美「千早お姉ちゃんは女子小学生じゃないけどね」

雪歩「それじゃあ私は真ちゃんのお嫁さんってことでいいよね?」

真「う、うん」

ザワザワ

P「あれ、なんか上からも声が聞こえるぞ」ドロドロ

かすみ「この上は屋上ですよ」

真「せっかくだし、ちょっと行ってみましょうか」

あずさ「まぁ~、小学校の屋上なんて何年ぶりかしら?」

響「自分の小学校の屋上は立入禁止だったから、入るのは初めてだなぁ」

亜美「とゆーわけで長介クン、案内してくれたまへ」

長介「えっ、俺も一緒に行くんですか?」

真美「モチロンだよ」

P「俺達は長介くんの為にわざわざここまできたんだからな」サワサワ

長介「そんなこと頼んでな……ちょっ、どこ触ってるんですかっ!」

P「モロチンだよ」サワサワ

千早「高槻さん、止めなくていいの?」

やよい「かすみに警察を呼んでもらったので大丈夫です」

千早「それなら安心ね」ホッ

春香「じゃあ、プロデューサーさん達は置いて先に行こっか」

雪歩「警察が到着するまで無事だといいね」



パァ゙ァ゙ァ゙ァァァ……

━屋上━

ガチャ

亜美「とうちゃーく……って寒っ!」

雪歩「こんな寒空の中、いったい誰が何をしているのかな」

真美「いずれにせよ、正気の沙汰じゃないね」

あずさ「ダメよ真美ちゃん、誰がいるか分からないんだから」

美希「あれ、みんな何してるの?」

あずさ「こんな寒空の中、小学校の屋上にいる人間は間違いなく間違いなく正気じゃないわ」

千早「ええ、生まれながらのイカレポンチでしょうね」

真「あずささんと千早が全く同じ表情で笑ってる」

かすみ「お姉ちゃん、あれも『正義』なの?」

やよい「そうだよ」

響「美希はこの寒い中、いったい何をしてるんだ?」

美希「ミキね、待ってるの」

雪歩「待ってる?」

美希「今日の天気予報は、くもりのち雪でしょ?」

真「あー、そういえばそうだったかな?」

美希「そういうことなの」

やよい「???」

春香「美希、言ってることがサッパリわからないよ」

美希「まったく、これだから春香はいつまでたってもメインヒロインになれないの」ヤレヤレ

春香「ふぁみふぁみふぁみーま♪ ふぁみふぁみまー♪」

亜美「ゴパパァー!」

真美「は、はるるん! 敵はこっちじゃないYO!」

美希「あのね、雪は真っ白でしょ?」

真「うん」

美希「それに、雪は水分を含んでいるでしょ?」

響「まぁ、含んでいるというか、水そのものというか」

美希「一方、おにぎりも真っ白で水分を含んでいるよね?」

亜美「うん?」

美希「これはもう、【雪】=【おにぎり】と考えるしかないの」

あずさ「あらあら」

美希「つまり今日は、くもりのちおにぎりなの! これはもう、口をポカンとあけて待つしかないの!」

真美「どうしよう、本当にイカレポンチだったよ」

春香「ジョワジョワ~」

千早「まぁ春香ったら、そんな笑い方して。まるでメインヒロインね」

春香「えへへ///」

かすみ「お姉ちゃん、あれは笑っているの?」

やよい「そうだよ」

雪歩「それじゃあ、寒いから私たちはそろそろ帰るね」

あずさ「美希ちゃんがいつもの美希ちゃんで安心したわ~」

千早「いつまでもそのままでいてね」

美希「うん、わかった! ミキ、テコでもここを動かないの☆」

響「そういう意味で言ったんじゃないんだけどなぁ」

春香「まぁそれならそれで好都合だよ」

真「今、チラッと悪意が見えたね」

亜美「『チラッ』どころじゃなかったよ」

真美「チ、チラリズムだねぃ!」ハァハァ

亜美「ま、真美さん……?」

やよい「どうして急に興奮しだしたの?」

千早「真美は思春期だからね」

あずさ「チラリズムという言葉に過剰反応しちゃったのね」

響「チラリズムというか、モロリズムというか」

P「くり返すこのポロリズム」ボロンッ

かすみ「きゃぁ!?」

やよい「プロデューサーのそれこそチラリズムですよ、サイズ的に」

P「や、やよいさん……?」シナシナ

やよい「というかプロデューサー、警察はどうしたんですか?」

響「まずは長介を心配すべきだと思うぞ」

P「警察なんて一人もこなかったぞ」

真「そういえば、街には警察どころか人っ子ひとりいませんでしたものね」

かすみ「それじゃあ、長介は……」

タッタッタッ

長介「み、みなさん! ようやく追いつきました!」

P「ヒィッ! おばけ!」

春香「おばけ?」

長介「そこのお兄さん、ぼくのアレを触っていたら急におびえだしたんです」

P「おちんちんおばけ……ご立派様……ニャホニャホタマクロー……」ブルブル

あずさ「あまりの大きさにビックリしちゃったのね」

雪歩「真ちゃんとどっちが大きいかなぁ」

真美「そんなに大きいの?」

やよい「し、知らないよぉっ!」

千早「赤くなっちゃう高槻さんカワイイ」

亜美「兄ちゃんのを見たときは全く動じなかったのにね」

>長介「妹が怖がってるなら、駆けつけないわけにはいきません」

>かすみ「それでお兄ちゃんと合流したんですけど、二人だと暇だからお姉ちゃんを呼んだんです」

真「ところで、これはどうしたことかな?」

春香「かすみちゃんの方がお姉ちゃんだよね?」

かすみ「ごめんね、ちょっと間違えちゃった」

響「間違えちゃったなら仕方ないな」

千早「ええ、仕方ないわね」

やよい「それじゃあ、長介はどうしたのかな?」

長介「えっと、俺も間違えて」

真美「やってしまいましたなあ」

長介「えっ?」

亜美「これは大変なことやと思うよ」

真美「コレは教育やろなあ」

長介「えっ、なんか扱いが違いません?」

P「というわけで、長介くんには教育が必要だな」サワサワ

長介「ちょっと! また勝手に触らないでくださ……あっ」

P「ヒパァーーーアッ!? ムクムク動いてるゥーッッッ!?!?」ダッ

春香「ああっ、プロデューサーさんっ!」

あずさ「トラウマになっちゃったみたいね」

雪歩「というか、ついさっきのやり取りから何も学習してないんですね」

響「まぁプロデューサーはほっとくとして、一体どうしたんだ長介?」

亜美「なんか随分慌ててたみたいだけど」

長介「そうだ! 大変です、保健所の人たちが乗り込んできたんですっ!」

雪歩「保健所?」

あずさ「どうして警察じゃなくて保健所の方が?」

かすみ「ごめんね、電話するところ間違えちゃった」

千早「間違えちゃったなら仕方ないわね」

真「うん、仕方ないね」

長介「なんか皆さん、かすみ姉ちゃんに甘くないですか?」

千早「気のせいよ」

やよい「それで、保健所の人がきたからどうしたっていうの?」

長介「何言ってんだよ姉ちゃん! 保健所の人に捕まったら
   悪い子と変態と珍妙な生き物は問答無用で殺処分されちゃうんだぞ!」

春香「誰がそんなこと言ってたの?」

長介「この前テレビで876プロの人が言ってました」

雪歩「絵理ちゃんだね」

真美「ホントあのおねーちゃんロクなことしないね」

あずさ「ねぇ、ちょっといいかしら」

真「どうしたんですか、あずささん?」

あずさ「長介くんは、保健所の人に捕まった悪い子と変態と珍妙な生き物は
    問答無用で殺処分されると思ってるのよね?」

長介「はい」

あずさ「そして長介くんは、保健所の人たちがいることを私たちに慌てて伝えにきたのよね?」

長介「はい」

あずさ「ということは、長介くんは私たちのことを
    悪い子と変態と珍妙な生き物の集まりだと思っているのかしら?」

響「!!」

亜美「なるほど! さっすがあずさお姉ちゃん!」

真美「亀の甲より鳥のコケコッコーだねぃ!」

あずさ「ふぁみふぁみふぁみーま♪ ふぁみふぁみまー♪」

真美「オパァー!」

亜美「ま、真美が余計なこと言うから!」

千早「で、実際のところどうなのかしら?」

響「本当に、自分達のことをヘンタイ集団だと思ってるのか?」

長介「えっ、まぁそりゃそうですけど」

春香「やよい、長介くんに『正義』の授業が足りないんじゃない?」

やよい「うー、これは再教育が必よ……」

パァ゙ァ゙ァ゙ァァァ……

雪歩「きゃぁ!?」

真「今のは……プロデューサー?」

亜美「保健所の人たちに捕まったんだね」

真美「兄ちゃんは悪い子と変態と珍妙な生き物のどれだったのかな」

あずさ「全部よ」

1月25日 土曜日 くもりのち雪

今日はお姉ちゃんと長介と一緒に「正義」の勉強をしました。

勉強の間ずっと、お姉ちゃんの事務所の歌の上手なお姉さんが

「オシリ……オシリ……タカツキサンノパンツスーツ……」と呟いていていました。

お姉ちゃんが「きさらぎさん! 授業中のおしゃべりは『めっ!』です!」と言ったら

鼻と耳から血を噴き出してバタンとブッ倒れてしまいました。

ちょっと面白かったです。



午後になるとお姉ちゃんの事務所の人たちがやってきました。

めがねのお兄さんが長介にいたずらをしようとしたので

警察の人を呼ぼうとしたら、間違えて保健所の人を呼んでしまいました。

保健所の人たちは、めがねのお兄さんを掃除機で吸い込んだあと

私たちを捕まえようとしましたが

リボンのお姉さんとスコップのお姉さんが、呪文のようなものを唱えると

鼻と耳から血を噴き出してみんなバタンとブッ倒れてしまいました。

とても面白かったです。



高槻かすみ



第十一話 終わり

律子「ちなみに最近街の中に誰もいなかったのは、今日が
   『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』の
   公開初日だからよ」

小鳥「数日前からみんな映画館の前に並んでたから、街に誰もいなかったのね」

社長「なんだかんだ言って、我が765プロはこの街の人に愛されているようだな」

春香「えへへ」



第十一話 おまけ 終わり

最近投稿が遅く、また年末には投稿すると言っておきながら投稿できず、すみませんでした。

>>418
最近はこのスレだけで、他にスレは立ててないです。

━第十二話━

━765プロ━

響「貴音のお尻の穴からピンクのけむりが出てきた」

伊織「アンタ何言ってるの?」

美希「また響の悪い冗談がはじまったの」

響「ホントだって! 目の前で見たんだから!」

春香「それって、響ちゃんの目の前に貴音さんのお尻の穴があったってこと?」

千早「四条さんのお尻の穴に一体ナニをしていたのかしら」

響「浣腸」

小鳥「まぁステキ」

伊織「高校生にもなって何してるのよ……」

響「いやいや、浣腸くらいいくつになってもやるでしょ?」

春香「じゃあ今から響ちゃんのお尻の穴に浣腸するね」

千早「じゃあ私は響の前の穴に浣腸するわ」

亜美「わぁ、ふたりの愛の共同作業だねっ!」ピョンピョン

真美「これがはるちはってヤツだねぃ!」ピョンピョン

小鳥「僥倖……僥倖……!」ハァハァ

響「おいやめろよ、高校生にもなって浣腸なんて」

美希「響はすごい人なの」

小鳥「それで、貴音ちゃんはどこに行ったのかしら?」

響「ピンクのけむりの勢いでどこかに飛んで行ったぞ」

春香「キン肉マンみたいだね」

亜美「オナラで空を飛ぶなんて正気の沙汰じゃないね」

真美「キン肉マンってそんな気持ち悪いマンガなの?」

小鳥「初期はギャグテイストだったけど、中盤以降はそんなことないのよ」

美希「どんな感じなの?」

小鳥「裸の男同士がぶつかりあって『はじけるような筋肉の感触……ぬくもり……』
   なんて名セリフが飛び交うマンガよ」

千早「素敵ですね。今度高槻さんに買ってあげましょう」

響「ていうか、オナラじゃなくてピンクのけむりなんだけど」

伊織「そこは頑なに否定するのね」

ガチャ

律子「ただいまー」

春香「律子さん、おかえ……」

亜美「どったのりっちゃん、顔が血まみれだよ?」

真美「昨日の千早お姉ちゃんみたいだね」

律子「さっき外を歩いていたら、急にガラスの破片が降ってきたのよ」

千早「ああ。それなら事務所の窓ガラスね、きっと」

律子「なんでウチの窓ガラスが……アンタたち、また事務所で暴れまわったんじゃないでしょうね?」

小鳥「違うのよ律子さん。実はね……」

……

伊織「……というわけなのよ」

律子「なるほど。響が貴音に浣腸をしたら貴音が響にオナラをブッかけて
   そのオナラの勢いで窓ガラスをブチ破ってどこかへ飛んでいったのね」

響「だから! オナラじゃなくてピンクのけむりだぞ!」プンスカ

亜美「ね、誰も悪くないでしょ?」

真美「これはフコーな事故だったんだよ」

美希「強いて言えば、外をアホ面ぶら下げて歩いてた律子に問題があったと思うな」

律子「そうねぇ……」







                              メコッ

律子「冷静に、どう考えても響が悪いと思うんだけど」

伊織「もう一瞬早く前に冷静になってほしかったわ」

真美「かわいそうなミキミキ」

美希「」

春香「やだなぁ美希ったら雪歩みたい」ケラケラ

亜美「ひびきんもあんな風にされちゃうの?」

響「いやいやいや! 浣腸したらピンクのけむりが出てくるなんて誰も予想できないって!」

律子「仕方ないわねぇ。じゃあ響、1ペナね」

小鳥「1ペナ?」

千早「ペナルティが増えるとどうなるの?」

律子「今の美希をディグダとすると、響にはダグトリオになってもらうことを考えているわ」

響「ヒヒィィイイイー!」ガクガク

>>464

>千早「じゃあ私は響の前の穴に浣腸するわ」

小鳥「ところで、これはどうしたことかしら?」

亜美「千早お姉ちゃんって、ひびきんを下の名前で呼んでたっけ?」

律子「これは1ペナね」

真美「ペナルティが増えるとどうなるの?」

律子「今の美希をバイブとすると、千早にはアナルバイブになってもらうことを考えているわ」

響「ヒヒィィイイイー!」ブルブル

伊織「アンタが怖がってどうするのよ……」

春香「美希のことはおいといて、貴音さんの行方が心配だね」

美希「おいとかないで欲しいの」ズポッ

亜美「あっ、ミキミキおはよう」

千早「輪ゴム食べる?」

美希「うん、食べる!」モグモグモグモグ

春香「よかった、脳に後遺症はないみたいだね」

真美「よかったね、りっちゃん」

律子「え、えぇ」

美希「バカにしないで!」ペッ

伊織「きゃっ!」

ベチャ                              小鳥「回収回収」ペロペロ

亜美「ミ、ミキミキが輪ゴムを吐きだした!」

千早「ど、どうしたの美希? 何が気に入らなかったの?」

美希「この輪ゴムは出来損ないなの。食べられないの」

響「食べられる輪ゴムなんてあるの?」

律子「まぁ、世の中にはイチゴ味のゴムとかもあるからね」

真美「り、りっちゃん?」

律子「てへっ」

春香「いいからさっさと貴音さんを探しにいきましょうよ」

>>120
今更ですが響が歌詞を間違えていると思います

PはバネPで考えていいのかな

>>481-484

亜美「これは1ペナだねぇ」キャッキャ

真美「合計で2ペナだねぇ」キャッキャ

響「ま、待って! そんな前のこと今さら言われてもっ!」

小鳥「律子さん、どうするの?」

律子「2ペナですね」

響「そんなっ!」ガーン

美希「ところで律子ってサッカーが好きだよね?」

春香「美希は律子さんに何を伝えようとしているんだろう」

千早「とても大切なことよ」

律子「サッカーはさておき、私を呼び捨てにしたからアンタも1ペナよ」

美希「ミキ、律子さんは桃鉄が大好きだと思うな」

小鳥「美希ちゃんが露骨な延命措置を取り出したわ」

伊織「99年プレイが前提なのね……」

>>486-492

亜美「ところで、なんだか兄ちゃんの顔のことで盛り上がってるみたいだよ」

響「えっ、どこで?」

真美「ここで」

響「???」

小鳥「改めて考えると、プロデューサーさんの顔って言葉で表現するのが難しいわね」

千早「私たちは毎日会って見慣れ過ぎてしまっているから、逆に言い表しにくいですね」

春香「というわけで、その辺を歩いていた愛ちゃんを連れてきました」

愛「みなさん、こんにちはー!!」ドンドコドンドコ

亜美「早速だけど愛ぴょん、兄ちゃんってどんな顔だと思う?」

愛「兄ちゃん……?」

真美「よく溶けたり蒸発したり、涼ちんの涼ちんを触ってヨダレをたらしてる人だよ」

愛「すみません、それだけじゃわかんないです」シュン

律子「まぁ、今の情報だけだと複数候補がいるからね」

小鳥「まったく、世も末ね」

伊織「愛、プロデューサーは男性よ」

愛「あっ、それなら分かります!!」クルェェェ

春香「どうやら他の候補は女の人だったみたいだね」

小鳥「恐ろしい世の中ね」

千早「それで、プロデューサーはどんな顔をしてると思う?」

愛「そうですね、うんこみたいな声だと思います!!」

響「えっ?」

亜美「うんこみたいな……声?」

律子「うんこみたいな顔じゃなくて?」

真美「りっちゃんひどい」

愛「そうです! あの声はまさしくうんこといっても過言ではありません!」

春香「『過言ではない』だなんて、難しい言い回しを知ってるね愛ちゃん」

愛「かごん、かごん」ガコンガコン

響「いやいや、問題はそこじゃないでしょ」

亜美「うんこが喋るなんて聞いたことないよ」

真美「愛ぴょんにはうんこの声が聞こえるの?」

千早「萩原さんがよく言う『星の声が聞こえる』みたいなものかしら」

愛「ひどいです千早さん。私の頭はおかしくないですよ」

春香「そうだよ千早ちゃん、愛ちゃんに謝って!」

千早「え、えぇ。ごめんなさい」

伊織「謝ることないわよ千早」

そういや響のは歌詞としては合ってたしペナルティなったなら亜美真美の「りっちゃん」もペナルティ受けるべきじゃ「律っちゃん」呼びな気がするし…

>>504

響「ほらほら! みんな自分だけいじめられてかわいそうって言ってるぞ!」

春香「そこまでは言ってないよ」

響「だからもう、ペナルティがどうとかってのはやめるべきだと思うんだ」

律子「むしろ私には、みんな平等に苦しめてと言ってるように聞こえるけど」

亜美「冗談でしょ?」

真美「真美は平和が一番だと思うよ」

律子「でも、私の言ってるペナルティって、言うなれば私のストレスなのよ」

律子「溜め込んだストレスを発散できないと、暴発して小鳥さんを窓から投げ飛ばしちゃうかも」

愛「でも、そんなことしたら窓ガラスが割れちゃいますよ」

千早「大丈夫よ。窓ガラスはもう割れてるから」

愛「そっかぁ! それなら誰も損しないですね!」

春香「愛ちゃんは理解が早いね」

愛「えへへ」

小鳥「コ、コイツら狂ってやがる」

貴音「あなた達、一体何をしているのですか」

響「あっ、貴音!」

律子「どこ行ってたの貴音? 皆で探してたのよ」

貴音「しきりに排泄物の名前を連呼して騒いでいただけにしか見えないのですが」

亜美「ワザとだよ」

真美「こうやってうんこうんこと騒いでいれば、お姫ちんがツッコんでくると踏んだのさ」

美希「まさに飛んで火に入る夏の虫ってカンジなの」

貴音「それだと私が排泄物にたかる蝿のように聞こえるからやめなさい」

愛「飛んで火に入る夏の虫ってなんですか?」キョトン

亜美「ああっ、また愛ぴょんが余計なことにギモンを持ってしまった」

春香「愛ちゃん、それはあとでお母さんに聞いてみてね?」

愛「どうしてですか?」

千早「日高さんが疑問に思った大抵の事は、日高さん以外は疑問に思わないのよ」

律子「だから後であなたが一人で調べた方が、皆の時間が効率的に使えるのよ」

愛「じゃあ逆に、私が疑問に思わないことは皆さんが疑問に思う大抵の事なんですか?」

真美「なんだかややこしいことになってきたなぁ」

春香「でも確かに、さっきのうんこのくだりは愛ちゃん以外理解不能だったかも」

亜美「ところでうんこと言えば」

貴音「ええ」

真美「ひびきんがお姫ちんのことを、ピンクのうんこを漏らしたド変態だって言ってたよ」

響「ゲゲェーッ!? そんなこと言ってないぞ!」アタフタ

小鳥「じゃあ、ピンクのおならの風圧で事務所の窓ガラスを割ったんだっけ?」

響「違うっ! お尻の穴からピンクのけむりを出して、その勢いで飛んでいったんだよっ!」

愛「ちょっと響さんが何言ってるかわかんないです」

千早「あら、奇遇ね。私たちも我那覇さんが何を言ってるかよく分からないのよ」

春香「ふふっ。お揃いだね、愛ちゃん」

愛「えへへ」

美希「ケツだけに、一致団ケツなの☆」

愛「ちょっと美希センパイが何言ってるかわかんないです」

千早「あら、奇遇ね。私たちも美希が何を言ってるかよく分からないのよ」

春香「ふふっ。お揃いだね、愛ちゃん」

愛「えへへ」

美希「今度愛が寝てるときに、春香のリボンをお尻の穴に詰め込んでやるの」

小鳥「まぁステキ」

貴音「……」

伊織「……貴音?」

貴音「バレてしまっては仕方ありませんね」

律子「えっ、それじゃあ……」

貴音「響の言っていることは本当ですよ」

伊織「ええっ!?」

響「信じてくれるの? うたがわない?」

貴音「だれが、ひびちゃんのいうこと、うたがうものですか」

響「たかねぇー!」グスン

貴音「よしよし」ナデナデ

春香「ふふっ、やっぱり響ちゃんには貴音さんがピッタリだね」

千早「私たちも負けてられないわね、春香」ナデナデ

春香「ケェェェェグルルルルファー///」

美希「むー、ふたりだけでずるいのっ」

小鳥「まぁまぁ美希ちゃん。ここは春香?ちゃんに譲りましょう」

愛「というわけで、めでたしめでたし!」

亜美「いやいやいや、おかしいでしょ」

真美「結局お姫ちんがピンクのオナラをした事実には変わりないじゃん」

伊織「ドサクサに紛れて春香?までおかしくなってるわよ」

小鳥「貴音ちゃんはピンクのオナラで何をしようとしていたの?」

貴音「論より証拠、見せて差し上げましょう」

伊織「えっ?」

貴音「……破ァ!」

ドリュリュリュリュ

亜美「ウワワー! お姫ちんがホントにオナラで空を飛んでるゥーー!?」

春香「HUSTLE MUSCLEゥー!?!??」

ブロロロロ…

律子「そして、ピンクのオナラで……!」

真美「ハートを描いたァァァー!」

スタッ

貴音「というわけです」

美希「わけがわからないの」

貴音「実は数か月前、とんこつらぁめんを食べるとお尻からピンクのけむりが出ることが分かったのです」

亜美「一度病院で観てもらった方がいいよ」

千早「頭を?」

亜美「お尻を」

貴音「私は、これを何かステキなことに活かせないかと考えました」

真美「一度病院で観てもらった方がいいよ」

千早「お尻を?」

真美「頭を」

貴音「そこでふと思い出したのです……『そういえば、そろそろ伊織の誕生日だな』と」

伊織「!?」

律子「それじゃあ……」

貴音「誕生日おめでとう、伊織」

愛「イェェェェェ!!!」

小鳥「いおたかキマシタワァァァ!!」タマリマセンワァァァ

貴音「ちょっと(2か月)遅くなりましたが、私からのさぷらいずぷれぜんとです」

伊織「いらない」

貴音「そんなっ!」ガーン

響「伊織! せっかくのプレゼントなのになんてこというんだっ!」

亜美「でも実際、オナラで作ったハートなんていらないよね」

真美「ところであのオナラ、いっこうに消える気配がないんだけど」

貴音「本気を出したので3日は消えません」

律子「ウソでしょ?」

春香「貴音さん、プレゼントならハートの中に相手の名前を書いたらいいと思いますよ」ケラケラ

小鳥「『貴音より愛を込めて』なんてどうかしら」ハァハァ

貴音「まぁ! どちらもステキですね!」キラキラ

伊織「やめなさいっ!」

七月六日 日曜日 はれのちくもり

今日はモストデンジャラス超天使アイドル・天海春香さんと

その他ゆかいな仲間たちといっしょにたのしくあそびました。

今日はいおりさんのたんじょう日だったので

たか音さんがピンクのハートをプレゼントしました。

いおりさんは、絵理さんが私に見せるようなやさしい目をしていました。

めでたしめでたし。



家に帰って「ママ、飛んで火に入る夏の虫ってなに?」と聞くと

「フハハハハ、それはキサマのことである!」と

高笑い しながら襲い かかるから

七月六日は サラダ記念日

です。

おわり。



第十二話 終わり

千早「そういえば今日って、社長の誕生日じゃありませんでしたっけ」

亜美「あっ」

律子「ナチュラルに忘れてたわね」

響「貴音、まだピンクのけむりは残ってる?」

貴音「残念ですが、空に伊織の名を刻んだところで尽き果ててしまいました」

真美「それじゃちかたないね」

亜美「つきはてたならちかたない」

美希「それじゃあピンクつながりで、デコちゃんを社長にプレゼントすればいいと思うな」ケラケラ

真美「あのはるるんとピヨちゃんを見た後で、よくそんな事を思いつけるね、ミキミキ」

愛「ふたりともぼこぼこですー」

春香「」

小鳥「」



第十二話 おまけ 終わり

━第十三話━

765プロ天海、全裸で飛び出し死亡



掴まえて「隙だよ」と逝って星井――

「命を刈り奪る音を出すアイドル」「平成の江田島平八」と名高い765プロ天海春香メンバー(17)は、打倒星井美希(15)に向けてこう語った。

得意分野である歌を捨て今季はビジュアルで勝負すると表明した天海は、早速お肌の補強に乗り出した。お肌の天敵はストレスということで、手初めにイメトレ中の音無小鳥終身名誉事務員(未婚)を襲撃。「仕事中にオナニーとは何事か」「トイレをペペローションで汚すな」等と暴言を吐き、ストレスを発散した。これに対し音無は特殊プレイと勘違いし逆に興奮したものの、天海に「小鳥さんって松坂世代ですよね」と言われた瞬間、自身の年齢を思い出し無事死亡。

満足げに事務所を後にした天海はその後、「ドームですよっ!ドームっっ!」と軽やかな足取りでライブ会場に向かい、
リハーサル中の我那覇(16)を魂のフルコーラスで粉砕。そして強姦。ハムスターの声真似で「へけっ! 自分のペットに犯される気分はどうなのだ?」と918分にわたりレズセックスを楽しむも、ハッスルし過ぎて全裸でマウンドに飛び出したところをライト方向からの魅力ビームに刺され体が溶けて死亡した。

これを受けて大正義765プロ秋月プロデューサー(19)は「みんなも伊織を見習ってどんどんファンの貯金を溶かして欲しいわね(ニッコリ」と、所属アイドルにエールを送った。

なお、9周年ツアーには間に合う模様。

春香「なにこれ」

絵理「ネットで流行ってるネタスレです」

雪歩「これがコピペで出回ってるの?」

涼「いや、これはほんの一例で、もっと色んなバリエーションがあるんです」

絵理「大体こんな感じで春香さんが大暴れしたあと伊織さんに成敗されて、律子さんのコメントで締める?」

響「なんで自分は何も悪いことしてないのにヒドい目にあうんだ!?」

伊織「私のおしとやかなイメージが台無しじゃないのっ!」

美希「ミキは別に文句ないの」

絵理「(このスレは私が投下したけれど黙っておこう)」

雪歩「春香ちゃん、大丈夫?」

春香「うーん、この扱いは許せないなぁ」

真美「ちなみに、元ネタの野球選手はもっとヒドいことになってるらしいよ」

涼「このスレなんか、被害が事務所内で収まってるからまだマシな方ですね」

伊織「他人事だと思ってテキトーなこと言ってんじゃないわよ」

亜美「ところでピヨちゃん、松坂って何年のドラフト一位だっけ?」

小鳥「亜美ちゃん?」

響「ヒィッ!」

真美「ピ、ピヨちゃんから真っ黒なオーラが出てる」

美希「まっくろくろすけなの。まるで小鳥のお肌のシミみたいなの」

亜美「ねぇはるるん」

春香「何?」

亜美「はるるんが気に食わないのは、このスレが事実コーモンだからだよね?」

伊織「事実無根ね」

亜美「それならさ、このスレのことを実際にやっちゃえばいいんじゃないかな?」

春香「!?」

美希「そっかぁ! 書いてあることを実践すれば、チンチンボーボーじゃなくなるの☆」

小鳥「さすが亜美ちゃんねっ!」

伊織「だから、事実無根ね」

響「もはや原形を留めてないぞ」

真美「ていうか、チン毛ボーボーじゃなくてチンチンボーボーなんだね」

絵理「想像すると気持ち悪い?」

涼「でも、色んな人をいっぺんに相手できるから意外と便利かも」

雪歩「チンチンボーボーの真ちゃんも見てみたいなぁ」

春香「すごいすごい! やろうやろう~」ワクワク

真美「まずい、はるるんが乗り気だ」

亜美「機嫌がなおって良かったじゃん」

美希「じゃあ、どこからやる?」

小鳥「簡単なところからいくと、まずは律子さんね」

伊織「これはフツーに言いそうね」

雪歩「むしろ『まだ足りない。ケツ毛まで毟ってこい』とか平気で言うだろうね」

響「ケツ毛なんて毟ってお金になるの?」

亜美「借金で身動き取れなくしたファンのケツ毛を毟って、アナルセックスで荒稼ぎさせるのさ」

絵理「悪魔的発想だね」

涼「う、うひゃぁぁぁぁぁぁ!」ガクガク

真美「り、りょうちん?」

雪歩「トラウマに触れてしまったみたいだね」

亜美「ケツ毛毟りとアナルセックスのどっちがトラウマだったのかなぁ」

小鳥「興味が尽きないわ」ハァハァ

絵理「ケツ毛ケツ毛ケツ毛~♪ ケツ毛を毟ると~♪」

真美「ケツの穴の奥の~♪ 感度がよくなる~♪」

涼「絵理ちゃんのパソコンのキーボードにケツ毛を敷き詰めてあげよう」パラパラ

絵理「あ、あれ?」

雪歩「どうやらケツ毛はトラウマワードじゃなかったみたいだね」

小鳥「うわぁ……武田さんの中、すごくあったかいナリィ……」

涼「う、うぴゃぁぁぁぁぁぁ!」ブルブル

美希「やったぁ、大正解なの☆」ピョンピョン

亜美「さっすがピヨちゃん!」ピョンピョン

春香「涼ちゃんはお尻にモノを入れられるのがイヤなんだね」

響「大抵の人はイヤだと思うぞ」

亜美「次にカンタンなのはピヨちゃんのパートかな」

真美「これもジジツだよね」

小鳥「事実じゃないわよっ!」プンスカ

雪歩「でも小鳥さん、毎日2時間はトイレにこもりっきりじゃないですか」

絵理「オナニーじゃないなら、ウンコしか考えられない?」

伊織「どれだけヒドい便秘なのよ」

涼「きっとケツ毛が絡まって肛門の入口が塞がってるに違いない」

小鳥「絵理ちゃんのパソコンのマウスの裏にケツ毛を詰め込んであげましょう」グイグイ

絵理「ああっ、私のパソコンがどんどんケツ毛まみれに……」

真美「ていうか、今涼ちん『入口』って言わなかった?」

響「肛門は出口だぞ」

涼「う、うびゅぇぇぇぇぇぇ!?」プルプル

春香「ケメケメケメ~」

伊織「ホント楽しそうね、アンタ」

春香「さてさて、次は誰の番かな?」ワクワク

亜美「楽しんでるところ悪いけど、後はひびきんとレズセックスするかいおりんに抹殺されるかどちらかだよ」

春香「絵理ちゃんのブログの壁紙をケツ毛まみれにしよう」カタカタ

伊織「話題をそらしたわね」

絵理「都合が悪くなるとケツ毛でごまかすのやめてくれません?」

雪歩「大丈夫だよ。ほら、こうやって……」カタカタ

『ドラマの役作りのために、ケツ毛を全部剃りました★ もったいないのでスキャンしてブログの壁紙にします♪』

雪歩「ね?」

小鳥「マニアにはたまらないわね」

涼「絵理ちゃんのケツ毛を拝めるうえに、どんな役を演じるのか想像するだけでご飯三杯はイケますね」

絵理「小鳥さんのケツ毛を涼ちゃんのケツに埋めこもう」ブチブチィ グイグイ

小鳥「あじゃぱアーッ!」

涼「うぎゃぴー!」

春香「マンモス哀れだねぇ」

伊織「何言ってんのアンタ」





亜美「ちなみにさっきからケツ毛ケツ毛と連呼してるけど、本当はみんなケツ毛なんて生えてないからね!」

真美「実際には、ケツ毛的な何かを代わりに使ってると思ってください」

響「どうしたんだ急に?」

真美「こう言っておかないと、ファンの兄ちゃんたちがハッキョーしちゃうからね」

亜美「アイドルはムダ毛もないしウンコもしないんだYO!」

雪歩「妖精さんと同じだね」

絵理「とりあえず、これで一通りやりつくしましたね」

春香「私は十分満足したよ」

亜美「じゃあ、みんなで外に遊びにいこーよ」

小鳥「いいわね、いきましょう♪」

伊織「アンタは仕事しなさいよ」

美希「ちょっと待つの」

雪歩「美希ちゃん?」

美希「みんな、大事な話があるの」

響「大事な話?」

涼「珍しく神妙な面持ちですね」

真美「いつもおにぎりとカモ先生のことしか考えてないミキミキからどんな話が飛び出すのやら」

小鳥「真面目なお話かしら?」

春香「そういえば、ちょっと前までストーブリーグの話題で賑わってたねぇ」

雪歩「あっ、春香ちゃんがまた楽しそうな顔してる」

亜美「あれを楽しそうと表現できるのはゆきぴょんだけだよ」

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