艦娘一同「全然怒らない提督をマジギレさせる」 (454)

吹雪「……という訳で、第一回提督を怒らせ隊総合集会を開始します。司会進行は、提督の始めての艦である私、吹雪が務めます」

那珂「提督の初めての軽巡洋艦、那珂ちゃんが書記だよっ☆」

日向「……で、具体的にこの集まりは何なんだ。艦隊にいる艦娘殆どが揃っているが」

伊勢「聞いての通りよ日向。あの温厚な提督をどうやって怒らせるかを、知恵の限りを尽くして語り合うのよっ」フンス

扶桑「提督、私達が何しても怒らないものねぇ……」

山城「出撃したら大破する私達のことも、『生きとるだけで丸儲けや』って泣きながら迎えてくれるし……確かに、キレた所は気になるわ」

那智「下らん。何故態々そんなことの為に……」

足柄「そんなこと言って……知ってるわよ? 遠征で失敗した時に、工廠の裏で落ち込んでた那智姉を提督が慰めてたの」ニヤニヤ

那智「なっ……あ、足柄、お前何故それをっ!?」カァッ

足柄「さぁ? それで、何だかんだいって気になってるんでしょう? あれだけやらかしても許してくれる提督が怒るトコ」

那智「ぅ……まぁ、それはその……」ウニャウニャ

妙高「羽黒も、良く失敗するのを許して貰ってるわよね?」

羽黒「ふぇっ!? ぁ、ぃゃ、その……はぃ」

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那珂「へぇー、皆も結構あるんだねー」カキカキ

吹雪「他にもまだまだある筈ですけど、それはもう省きます。主犯格の人達は喋ろうとはしないだろうし」チラリ

天龍「うっ」←暴力(主に照れ隠し)

曙「……(そっぽ)」←暴言(一寸早めの反抗期)

島風「……ぉぅっ」←速度絡みの暴走

大井「私は別に……」←北上への愛の迸り

青葉「ーー♪」←断片的な情報からの早とちり

伊一九「……え、イクも?」←提督に対する過剰な甘え

吹雪「兎に角です。あの提督を怒らせるにはどうしたらいいのか、それを私達皆で考えてみましょう。何か、案のある方は居ませんか?」



以下5レスまでの意見を拾います。具体的な怒らせ方の中身と実行犯をお願いします。

>>1はプロデューサー怒らせるss書いてた人?

>>9

違います。
意見、ありがとうございました。すぐに書きに入ります。

雷「あ、それじゃあ、落とし穴に落として放っておくのは?」

吹雪「おぉ、いいですね。王道ですよ」

那珂「えぇっと、落とし穴で放置っと」カキカキ

初雪「……」J- -L ∩

吹雪「あ、初雪ちゃんどうぞ」

初雪「……漣が、ずっと話しかける、とか」

漣「え、漣が? それだけ?」

初雪「……ネットスラングだけで」

漣「どうやってそれで意思疎通しろと!? ……あ、だからか」

吹雪「はい、頂きです」

那珂「ネットスラングだけで会話……」カキカキ

瑞鶴「はいはい、私もいい?」

吹雪「はい、瑞鶴さん」

瑞鶴「正規空母皆で出撃して、全員轟沈したって嘘つくのは?」

一・二航戦「」

翔鶴「ちょ、ちょっと瑞鶴?」

瑞鶴「私達って珍しい艦だし、それが一斉に沈んだりしたら相当クルんじゃない?」

翔鶴「瑞鶴、あの、あのね、そういうのは、色んな意味でまずいんじゃないかしら」

瑞鶴「え? 何d」

一・二航戦「ミッドウェーは嫌だミッドウェーは嫌だミッドウェーは嫌だ」ガタガタ 

瑞鶴「あ」

吹雪「……うーん、衝撃的ではあるんですが……候補に入れておきましょう」

那珂「これはどうなのかなー……正規空母全員轟沈の嘘」

まるゆ「あのー」

吹雪「まるゆさん、どうぞ」

まるゆ「大和さんに、ご飯いっぱい食べてもらうのは……」

吹雪「ご飯……成る程、提督の懐を涼しくするんですね」

あきつ丸「そういうことなら、自分に考えがある」

吹雪「何でしょうか?」

あきつ丸「どうせならば、複数人参加の大食い競争という形にしてみるのは如何であろうか?」

吹雪「大食い競争……」

あきつ丸「例えば、大和殿と武蔵殿で。超々弩級戦艦同士が競い合うとなれば、相当な消費が見込めると思うが」

吹雪「おふ……中々えげつない事考えますね……しかし今回はそれがいい。採用です」

那珂「それやるなら、間宮さんに頼んで食材持ってきて貰わないとねー」カキカキ

任務娘「はいっ」

吹雪「はい、任務娘さん……あれ、任務娘さんも参加してるんですか?」

任務娘「参加条件は『提督のマジギレを見たい人』でしたよね? だったら問題はありませんよね」

任務娘「で、提案なんですが……出撃系任務を全部戦艦や正規空母の皆さんに担当してもらうのはどうでしょう」

吹雪「おぉ、こっちはストレートに資源に来ますね」

任務娘「本当は無意味に走ってもらえるのが一番なんですが、理由無しでは提督さんは動いてくれないと思いまして」

吹雪「そういえば、提督って理詰めの人ですよね。スライムみたいにヘニャヘニャした性格なのに」

任務娘「でも、これでも結構資源が削られる筈です。報奨では全然採算が合いませんし」

吹雪「まるゆさんとあきつ丸さんの意見と合わせて、いい感じですね。行きましょう」

那珂「……資源が足りないからって、那珂ちゃん解体されたりしないよね?」カキカキ

吹雪「……どうやら、今のところはこれで全部みたいですね。では、一度纏めてみましょう。那珂さん、お願いします」

那珂「オッケー! 意見は全部で五つ! それぞれー、

・落とし穴に落として放置(雷)
・ネットスラングだけで会話する(漣)
・正規空母が全員轟沈したと嘘を吐く(正規空母全員)
・大食い大会(大和型?)
・無意味な編成の艦隊出撃による資源の浪費(未定)

って感じだよ☆」

吹雪「ここに、何か訂正のある方はいますか?」

雷「あ、私の案だけど、暁型全員でやることになったわ」
                        -    -
電「司令官さんが怒ってるところ、気になるのです」● ワ ●

響「……あれ。これ電じゃなくてぷらz」

暁「響、お願いだから何も言わないで」

吹雪「……まぁ、兎に角参加者追加ってことですね」

長門「あぁ、最後の艦隊出撃だが、その編成も決まった」

吹雪「予想は付くんですが、どうぞ」

陸奥「大和型と長門型、赤城さんと加賀さんよ」

吹雪「資源消費の模範解答ですね」

長門「我々は新参だからな。鍛錬をさせて貰えると思って思いっきり暴れさせてもらう」

那珂「……本当に大丈夫だよね。戦艦の人の入渠って、鉄鋼材が一杯必要だったよね」カキカキ

吹雪「えーと、それじゃあ、訂正分は、

・落とし穴に落として放置(第六駆逐隊)
・ネットスラングだけで会話する(漣)
・正規空母が全員轟沈したと嘘を吐く(正規空母全員)
・大食い大会(大和型?)
・無意味な編成の艦隊出撃による資源の浪費(大和型+長門型+一航戦)

こうなるよね」

あきつ丸「大食い大会は、飛び入りも考えて決めておかない方がいいのでは?」

吹雪「それもそうですね。じゃあ、これで確定です」

那珂「じゃ、やる事も決まったし、中身を煮詰めよう! ちゃんと計画しとかないと、いざその時に対応できないかもだし」

吹雪「そうですね。では、実行に回る皆さんは各々で協議に入ってください」



---

雷「まずは穴の掘り方からよね。流石にそんなの知らないし」

響「……提督の執務室に、そんな本があった気がするよ。『正しい宇宙の風穴の開け方』だったっけ」

暁「何だか、愛と気合で確率だって弄れちゃいそうな題名ね」

電「そんなことしなくても、砲撃で地面丸毎抉り取ればいいのです」

暁響雷「!?」



---

漣「……という訳で、色々とネタを仕入れておきたいんですが」

伊一六八「だーかーらー、私はスマホ弄ってる訳でもないし、ネットスラングなんて少ししか知らないってば!」



---

蒼龍「……で、どうするの?」

飛龍「うーん、伝える人がいないのにどうやって全員轟沈した事を伝えるのか、っていうのもあるし、信憑性を増す方策も考えないと駄目だよね」

翔鶴「そういう事でしたら、艦載機の皆さんにメッセンジャーとして飛んで貰えば……」

瑞鶴「いいねそれ! ついでに、機体に墜落しない程度の破損処理を入れるとか!」



---

まるゆ「大食い大会かぁ……大和さん身体おっきいし、きっと凄いんだろうなぁ……」

あきつ丸「武蔵殿も同型艦であるし、良く食べられることは間違いないのだが……どうやって誤魔化して食べさせるか、というのが問題になるな」

まるゆ「あっ、そっか。二人とも此処には来てないんでしたっけ」

あきつ丸「武蔵殿は兎も角、大和殿は中々に真面目な方であるからなぁ。一筋縄では参加して貰えないだろう」

まるゆ「うーん……あ、じゃあこういうのは……」

あきつ丸「うん?」



---

任務娘「出撃任務で、出撃させる艦種に縛りがないのは……これだけですね」

赤城「となると、噂に聞く『オリョクル』というのが一番良さそうですね」

加賀「本当は、潜水艦の娘達がやるらしいのだけれど……確かに、これなら……」

長門「残るは理由付けだが……これに関しては、私達の鍛錬を兼ねて、ということでいいだろう」

陸奥「単に鍛えるのなら、キス島周辺海域の哨戒艦隊とやり合うのが一番らしいけどね」








吹雪「……はい、という訳で、今回はこの五つの案の実行を決定します。陽も暮れて来ましたし、用意の時間も含めて決行は明後日から。皆さん、提督を何とかして怒らせましょう!」

一同「宣候!」

---二日後---

電「まずは私達の番なのです」

暁「結局地道にスコップで掘ったけど、結構深く掘れたわ」

響「……流石に砲撃は音が大きいし、広く抉れちゃうからね。これが一番だよ」

雷「深さは4m、底には藁がぎっしり。厚さ50cm位あるし、落ちても怪我はしないわ。完璧ね」

吹雪「……それはいいんですが、一体何処に掘ったんですか?」

電「提督日課のお散歩ルートにある、鎮守府近くの森の中なのです」

暁「絶対に引っかかる様に細工もしてあるし、楽しみだわ」

吹雪「……細工?」

響「……提督にしか通用しないけどね」

雷「見てみた方が早いわ。そろそろ回ってくる時間だし、一緒に行きましょ!」

---森の中---

吹雪「成る程。確かにこれなら引っ掛りますね、提督なら」

暁「でしょ! これ、暁が思いついたんだから!」フフン

失敗ペンギン「シクシク」

失敗ナマモノ「ウルウル」

響「……いつもなら、回収されて開発資材に変えられてるけどね。すり替えてきたんだ」

雷「司令官は貧乏性だし、何より生き物を放っておくなんてこと出来ないもの。絶対に拾いに来る筈」

電「其処で、周りを掘り抜いた輪っか状の落とし穴に落ちてもらうのです」

吹雪「考えましたねー」

暁「……あ、司令官が来たわ」

雷「それっ、隠れるのよ」サササッ

---森の中---

吹雪「成る程。確かにこれなら引っ掛りますね、提督なら」

暁「でしょ! これ、暁が思いついたんだから!」フフン

失敗ペンギン「シクシク」

失敗ナマモノ「ウルウル」

響「……いつもなら、回収されて開発資材に変えられてるけどね。すり替えてきたんだ」

雷「司令官は貧乏性だし、何より生き物を放っておくなんてこと出来ないもの。絶対に拾いに来る筈」

電「其処で、周りを掘り抜いた輪っか状の落とし穴に落ちてもらうのです」

吹雪「考えましたねー」

暁「……あ、司令官が来たわ」

雷「それっ、隠れるのよ」サササッ

提督「ーー♪」

吹雪(何時も通り、音楽を聞きながらのんびり歩いてますね)

雷(あのへにゃっとした笑いが消えるまで、もう少しよっ)

暁(そのまま真っ直ぐ進んで、そうそうそうそう!)

提督「……ほ? 彼れぁ……」スタスタ

響(掛かった!)

電(これで提督は蟻地獄の中の蟻も同然なのです!)

失敗ペンギン「シクシク」

失敗ナマモノ「ウルウル」

提督「……うーん。開発で失敗の時のヤツ? 何でこんなトコにあんねやろ」

提督「……まええか。勿体無いし、拾て帰ろうかな」スタスタ

全員(*・゜゚・*:.。..。.:*キタ・'(*゚▽゚*)'・ー!*:.。. .。.:*・゜゚・*)

提督「……ん?」ピタッ

全員(……あれ?)

提督「……」ジーッ

電(地面を見てる?)

響(……まさか)

提督「地面の色味が何かちゃうなぁ……それにこれ、上の木っ葉も不自然な様な……」

暁(み……見破られた……?)

雷(そんな!? 隠蔽工作は施したのに!)

吹雪(……そういえば、提督ってヤケに勘がいいですよね。こっそり近付いても直ぐに気付かれたりしますし)

電(でも、アレはそれとは訳が違うのです。土の盛り方から木の葉の散らせ方まで、出来るだけ自然になる様にしたのに……)

響(……それでも気付かれた、か。これじゃ、作戦失敗だね)

提督「……ま、気のせいかね。まさか落とし穴ではないやろうし」

吹雪(……え?)

提督「さぁって、回収回しゅ__」ズボッ

提督「ウボァー」ヒュゥゥー……ボフン

全員()



全員(……はぁぁっ!?)

雷(み、見破ってたのに……そのまま進んで落ちちゃった……)

暁(……司令官って、鋭いのか鈍いのか分からないわ)

電(で、でも、作戦は成功したのです。今の内に、最後の仕上げに掛かるのです)

響(……あぁ、あれか。了解)

吹雪(? この上にまだ何か?)

暁(これよ)っ換気扇付き鉄板

雷(これで穴を塞ぐのよ。換気扇は屋根付きのだし、窒息させずにもっと閉塞感が出るでしょ?)

吹雪(……これは……)

電(さ、流石にやり過ぎですか?)←発案者

吹雪(……まぁ、大丈夫でしょう。でも、本当に命に危険が及びそうなら、その時には直ぐに止めますよ?)

響(ん、分かった。じゃあ直ぐに取り掛かろう)





【……サクッ】

暁(……? 今何か、音がしなかった?)

雷(え? 別に何も……)

【……サクッ】

雷(あれ? 本当に何か聞こえるわね)

響(乾いたモノに何かを突き刺す様な音だな)

【……サクッ……サクッ】

電(……おかしいな。何だか、落とし穴の中から聞こえてくる様な気がするのです)

吹雪(……穴の中、から?)

【……サクッ……サクッ……ザクッ】

響(いや、そんな筈はない……それこそまさかだよ)

雷(そ、そうよね。まさかそんな訳無いわよね)

暁(……でも、さっきから少しずつ音が大きくなってるんだけど)

雷(……しっ。ちょっと静かにして欲しいのです)



??「……っ……っ……」

吹雪(こ、今度は声が聞こえてきましたよ……)

電(まさか……本当に、そんなことが?)

暁(でも、司令官、何時も自分で『運動不足だー』って言ってたじゃない。そんな人がっ)

??「……んっ……ふんっ……」

【ザクッ……ザクッ……ザクッ】

【ザクッ……】

??「……」

電(……静かになったのです)

雷(……力尽きて、途中で落ちたのかしら?)

吹雪(いえ……提督の性格を考えると、多分……)



提督「 ブ ル ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ッ ッ ! ! 」エイシャオラァァァッ

第六駆逐隊()

吹雪(……提督、意外と根性ありますからね。気合溜めて一気に出てくると思いましたよ)

雷(ちょっ、まっ、えっ、あっ、えっ!?)

電(全体的にDoなってんDaiって感じでイミフなのです。謝罪と賠償と説明を要求するのです)● ワ ●

響(電、落ち着いて。ぷらずまになってるよ)

暁(ど、どうしてあの深さから抜け出せたの? 道具も何も無しに!)

吹雪(あー、道具なら一応……)

暁(えっ?)



提督「ふぅ……まさか、これが役立つ時があるとは思わなんだ」っハサミ っ定規の束

提督「学生ん時から胸内ポケットに仕込み続けた文房具一式。アホみたいな癖止め言われとったけど、こういうこともあるもんなんやなぁ」

暁(……いや、何で!? 何でそんなの持ち歩いてるの!?)

吹雪(何でも、筆箱に入れるのが面倒臭かったとか……)

暁(はいぃ!?)

済みません、吹雪の提督の呼び方は『司令官』でした。脳内で訂正していただけると幸いです。



暁(って、それもそうだけどそうじゃない! え、司令官あの二つを落とし穴の壁に突き刺して登ってきたの!?)

響(腹回りを気にする様な人が、そんなことを……)

吹雪(一応、司令官も武官ですから。案外力は強いんですよ)

雷(そ、それにしたって……普段の様子からは考えられないわね……)

電(……落とし穴の形をフラスコみたいにしておけば良かったのです)ボソッ

吹雪(崩落で生き埋めとか怖いのでそれはNGです)

吹雪(……さて。予定より滅茶苦茶早いですが、司令官が怒っているのかどうか、確かめてみましょう)スッ

雷(あ、ちょっと吹雪何処行くの?)

吹雪(何処って、司令官にネタバラシですが)

第六駆逐隊()



第六駆逐隊(え?)

響(ちょ、ちょっと待って。そんなことされるなんて聞いてないよ)

吹雪(お伝えはしましたよ。実行犯の分からないものは後で司令官に教えるって)

電(ど、何処でですか?)

吹雪(一昨日の会議で使った白板の右下に、薄い灰色の水性ペンを使って五ミリくらいの文字で書いておいたんですが)

暁(一昔前の契約書詐欺!?)

雷(で、でも、もし司令官が怒ってたら……)

吹雪(皆さん揃って大目玉でしょうね)

第六駆逐隊(ヒエー!?)





比叡「クシュン! ……?」

吹雪(じゃ、行ってきますねー)スタスタ

第六駆逐隊(ちょ、おま)



提督「……にしても、何でこんな所に落とし穴なんぞあるやら? 誰が掘ったんやろかねぇ」ハテナ

吹雪「司令官ー。済みませーん」

提督「ん? ……あぁ、吹雪ちゃんか」

吹雪「どうも。少しお話したいことがあるんですが、宜しいでしょうか?」

提督「ほぅ。一体、どしたね?」

吹雪「実はですね……」

第六駆逐隊(アカーン!)

---

提督「ほほん。六駆隊の娘っ子達の仕業なぅ」

吹雪「そうなんですよ。因みに、その上に鉄板を被せようとしてました」

第六駆逐隊(\(^o^)/)オワタ

提督「……」

吹雪「……」

提督「……ふむ。吹雪ちゃん?」

吹雪「はい」

提督「皆に伝えといてくれんかな?」



提督「別に儂に悪戯仕掛けんのはええけど、人に迷惑掛けん様にしときやー、って」カラカラ

第六駆逐隊(……あれ?)

吹雪「……え? それだけですか?」

提督「うン。まぁ、ちゃんと怪我せんように気ぃ配りはしてたみたいやしね。これで底が土そんままとかやったら、流石に怒りはしたやろうけどな」

吹雪「いや、でも、落とし穴に落とされたんですよ?」

提督「別に、儂は何喰おうと構やせんよ。痛い目見るんは出来れば勘弁やけどもね。それに、もっと酷いのも何遍か喰らってるし、今更やよ」

吹雪「も、もっと酷い?」

提督「せやでー。何やったかな、事故やったけど一回股座思いっきし蹴られたことも……って、嫁入り前の娘に話すことちゃうね。ごめんごめん」

吹雪「はぁ……」

提督「ま、そういう訳で、別に気にしてへんよ。悪戯仕掛けてくる位には儂のこと気にしてはくれてんねやなぁ、いうて思っとくわ」

吹雪「……ポジティブですねー」

提督「悪く考えるよりええんちゃうかな? ……っと、そろそろ仕事やね。執務室戻るわー」バイバイ

吹雪「あ、はい。お仕事頑張って下さい……」フリフリ

吹雪「……ということらしいんですが」クルリ

響「……何というか、流石に、って感じだね」ガサガサ

暁「これ位じゃ、怒りそうもないわ」

雷「私、あの笑顔見てたらちょっと罪悪感が……」

電「それもそうだけど、勝負としても完敗なのです……」

吹雪「そうですね。怒りの欠片も見えませんでしたし、この作戦は失敗です」

暁「次は、漣にバトンタッチね。これで怒らないんだから、漣も失敗しそう……」

電「しそう、じゃなくてすると思うのです」

雷「そうよね。あるとすれば、提督が理解できなくて困る、位かしら」

響「面白くはなりそうだよね。漣の語彙にも期待だし」





吹雪「皆さん、次の予想に盛り上がるのもいいんですが、お知らせです」

電「え?」

吹雪「落とし穴、直ぐに処理してくださいね?」

第六駆逐隊「あっ」

吹雪「やったらちゃんと後片付けですよ」

漣のキャラが掴みづらい……おかしかったら御指摘して頂けると幸いです。



---翌日---

吹雪「さて、昨日は一日司令官がいないものとして予定を組んでたので、漣ちゃんの出番は一日遅れです」

漣「昨日の話を聞いてぶっちゃけ諦め半分なんですけど。リクエストされてるし、やるだけはやってみまーす」

吹雪「はい、頑張ってください。今回は私と那珂さんで陰から応援してますから、ガンガン行っちゃってください」

那珂「頑張ってねー! あ、無いとは思うけど何かの間違いでもし万が一提督さんが怒っちゃっても大丈夫。骨は那珂ちゃんが拾ってあげるからねっ☆」

漣「……あれ、那珂さんてこんな風に笑顔で棘のある台詞吐く人でしたっけ」

吹雪「最近司令官が使ってくれなくて不貞腐れt……mgmg」ガシッ

那珂「あ、あははは……さ、さぁ、それじゃあ早速行ってみよー!」

漣「……まさか、御主人様に仕返ししたくてこれやってるんでしょうか」

---

提督「ーー♪ 茜色全て♪ 広がる世界に♪ 何を求め♪ ……っとン?」ピクッ

漣「……」コンコン

提督「はいなァ、どうぞォ」

漣「こんでーす」ギィ

提督「おろ、漣ちゃんか。そういや今日、秘書艦やる言うとったっけかな。一日頼むでやー」

漣「46でーす」

提督「……ほぁ? ヨロ……あ、宜しくか。うん、宜しく」



扉|吹雪(おぉ、早速行ってますね。手堅く省略系からですか)コソコソ

扉|那珂(でもあれ、偶にテレビとかで聞くんだけど……これもネットスラングなんだ)ヒソヒソ

提督「……」カリカリ

漣「……」カリカリ

漣(むむ……思いの外適当なネタが出てこない……積極的に、ってなると途端に難しくなるなぁ)

漣(……一か八か、やってみようかな)

漣「……御主人様」

提督「……んぁ? 何したね? ちゅうか、漣ちゃんその呼び止めなさいな。儂に私で仕えとる訳や__」



漣「__資源の貯蔵は充分か?」

提督「……え? や、うん。今んとこ充分やけど」

漣「駆逐隊の装備はこんなで大丈夫か?」

提督「駆逐の……あ、そうか。最近重巡に魚雷回して、火力が貧弱やったね。うぅん、そない考えたらちっと足らんかな」

提督「基本的に制海権維持の仕事たぁいえ、キス島みたいなこともあるか知れんしなぁ。ちょいと増やした方がええかな」

漣「一番いい装備を頼むんですね、分かります」

提督「……? まぁ、せやね。なるたけええのの方が、皆嬉しいやろうし。ええ奴が出来んのが一番やけど」

漣「分かりました。しかし__」

提督「しかし?」

漣「__別に、その為なら資源や資材を開発で使い尽くしても構わんのだろう?」

提督「……や、流石に全部は勘弁願いたいけんど……って事は、今から開発やってくれんのかね?」

漣「大丈夫だ、問題ない」

提督「ほほ、そら嬉しいねぇ。あんがとさん」ポムポム



漣「っ!? だだdddいじょbjaない大mmmoん題だっ!?」ズササッ

提督「」

漣(あ、頭撫でられたっ! これまでそんなのされたこと無かったのに! 初めてを奪われたっ! 賠償! いや寧ろ引責ケッコンカッコカリ!?)←結構純情

提督「……そないに嫌やったんか。まぁそうよな。誰も彼もオッサンに撫でられんの我慢してくれんよな」ズーン



吹雪(……案外普通に会話成り立ってるけど、凄い痛み分け食ってますね)

那珂(ねぇ吹雪ちゃん。那珂ちゃん、漣ちゃんのがネットスラングなのかは知らないんだけど、どうなの?)

吹雪(どうも全部そうらしいですよ。有名所みたいです)

那珂(へー。そーなんだ)

漣(って、モチツケ……もといオチケツ……でもなくて落ち着け漣! これで動揺してたらダメ……御主人様はいっつもこんなんなんだから、一々気にしない……)

漣(と、取り敢えず、何か話題を変えないと。御主人様落ち込んじゃって会話どころじゃないし)

漣「は、話をしよう」

提督「……んぇ?」ズーン

漣「……その、あの」

提督「……?」

漣(ヤバい。喋りかけたけどネタを掘り出してなかった)

漣(ええっと、何かないか何かないか何かないか(ry)



吹雪(……パニクってネタ切れみたいですね)

那珂(あれれ。どうする?)

吹雪(この後の人達の為の時間が足りませんから、これで終わってもらうと困りますね。カンペでネタ提供しますか)ゴソゴソ

那珂(カンペ?)

吹雪(昨日みたいなことになると予定も狂っちゃうので、念の為用意しておいたんです。あ、那珂さんこれから選んでください)ドッサリ

那珂(うわっ、一杯……それじゃあ、これで)スッ

吹雪(ええと、『>>82』ですか)



突然ですが安価です。漣が状況を打破する為に適当なネットスラング・テンプレート等をお願いします。

おい、デュエルしろよ

漣(……何も出てこない……だと……まさか、漣の知識は知ったかレベルだったというのかっ!?)

提督「……どないした? 何か、話あるんやろ?」ハテナ

漣(あばばばbbbbbb)

漣(……ん? 扉のところに何か……)

扉|吹雪「……」っ|おい、デュエルしろよ|

漣(それをこの場で言えと!? ……ええい、ネタが出ない以上、背に腹は変えられませんねっ)

提督「おーい? 漣ちゃん?」

漣「……おい」

提督「ん?」



漣「デ ュ エ ル し ろ よ」

提督「……でゅ、デュエル?」

提督「デュエル……言うて、決闘んことやんな。決闘してくれて……ん? んん?」

漣「……」

漣(……誤爆した気がしてならないんですが。これからどうやって話繋げってんですか)

提督「……ん、待てよ。そういやデュエルって、そんな名前のカードゲームあったっけかな……でも、別段今それ関係ないよな……」

漣「えっ?」

漣(意外……御主人様、名前は知ってたんだ。カード

提督「デュエル……言うて、決闘んことやんな。決闘してくれて……ん? んん?」

漣「……」

漣(……誤爆した気がしてならないんですが。これからどうやって話繋げってんですか)

提督「……ん、待てよ。そういやデュエルって、そんな名前のカードゲームあったっけかな……でも、別段今それ関係ないよな……」

漣「えっ?」

漣(意外……御主人様、名前は知ってたんだ。カード

提督「デュエル……言うて、決闘んことやんな。決闘してくれて……ん? んん?」

漣「……」

漣(……誤爆した気がしてならないんですが。これからどうやって話繋げってんですか)

提督「……ん、待てよ。そういやデュエルって、そんな名前のカードゲームあったっけかな……でも、別段今それ関係ないよな……」

漣「えっ?」

漣(意外……御主人様、名前は知ってたんだ。カード

提督「デュエル……言うて、決闘んことやんな。決闘してくれて……ん? んん?」

漣「……」

漣(……誤爆した気がしてならないんですが。これからどうやって話繋げってんですか)

提督「……ん、待てよ。そういやデュエルって、そんな名前のカードゲームあったっけかな……でも、別段今それ関係ないよな……」

漣「えっ?」

漣(意外……御主人様、名前は知ってたんだ。カード

何やら回線の調子が悪い様なので、今日はここで切り上げます。

投下テストです。これが無理ならまたの機会に投下します。



提督「デュエル……言うて、決闘んことやんな。決闘してくれて……ん? んん?」

漣「……」

漣(……誤爆した気がしてならないんですが。これからどうやって話繋げってんですか)

提督「……ん、待てよ。そういやデュエルって、そんな名前のカードゲームあったっけかな……でも、別段今それ関係ないよな……」

漣「えっ?」

漣(意外……御主人様、名前は知ってたんだ。カード

提督「デュエル……言うて、決闘んことやんな。決闘してくれて……ん? んん?」

漣「……」

漣(……誤爆した気がしてならないんですが。これからどうやって話繋げってんですか)

提督「……ん、待てよ。そういやデュエルって、そんな名前のカードゲームあったっけかな……でも、別段今それ関係ないよな……」

漣「えっ?」

漣(意外……御主人様、名前は知ってたんだ。カード

提督「デュエル……言うて、決闘んことやんな。決闘してくれて……ん? んん?」

漣「……」

漣(……誤爆した気がしてならないんですが。これからどうやって話繋げってんですか)

提督「……ん、待てよ。そういやデュエルって、そんな名前のカードゲームあったっけかな……でも、別段今それ関係ないよな……」

漣「えっ?」

漣(意外……御主人様、名前は知ってたんだ。カード=クレジットみたいな実利一辺倒の考えしてるのに)

提督「……あ、そういう事か」

漣「……ん?」

漣(何か、独自解釈が入ったっぽいですが……御主人様ってキバヤシな所もあるし、ちょっと不安なんですけど)



提督「決闘言うて、演習のことかぇ」

漣(……ん?)

提督「練度向上言うて演習の任務出とったし、それで艦隊回して戦りあって来いー、っつって言いたかったんちゃう?」

漣(……あー。まぁ、都合のいい勘違いだし、さっきの事も流れてるから結果オーライかな)

漣「Exactly」

提督「イグ……あ、exactlyか。んじゃ合ってんねんね」

提督「ふむ。せやったら、今第四が手空きの筈やね。丁度、軽母の何人か改造近くまで来てるって妖精さん言わはってたし……御国姉妹と鷹姉妹、鳳翔嬢に龍驤嬢で適当な所に当ててみるかや」

漣「おk」コクコク

提督「ほいよ、したら決まりやね。任務娘嬢にゃ言うとくから、声掛けとか頼むわ」

漣「うwwwはwwwwwwwwみwwwwwなwwwwwwwwwぎwっwwwwwてwwwwwwwきwwwwwwたwwww」スタスタ

提督「……なんで漣ちゃんが漲んのやろ」

---

漣「……ゲロゲロです。ゲロゲロですよ。今のたった数分の会話で心が折れそうです」ゲソーッ

吹雪「お疲れ様です。まぁ、駄目元でしたしね」っ麦茶

那珂「必要な言葉を選べないのは辛いよね。答えるのも精一杯みたいだったし」

漣「うぅ……パニックでネタをど忘れとか、情けない……」

吹雪「どうします? これで切り上げますか?」

那珂「もう少し時間は欲しいけど、それはまた別に手の打ちようもあるし。無理しない方がいいと思うよ?」

漣「……いいえ、こーなったら是が非でもキレさせてみせますともさ。漣はしつこいんですよ」

吹雪「頑張りますねー。じゃあ、そんな漣ちゃんにプレゼントです」

那珂「これ、カンペなんだけど、此処から幾つか選んでいってよ」ドッサリ

漣「うわっ、山盛り……それじゃ、欲張って五枚貰っちゃいます」スッスッスッスッスッ





安価です。漣が引いたカンペの内容は何だったでしょうか。

>>109
>>110
>>112
>>114
>>115

           ____
  .ni 7      /ノ   ヽ\   壁に向かってしゃべってろゴミ
l^l | | l ,/)   / /゚ヽ  /゚ヾ\      .n
', U ! レ' / /   ⌒   ⌒  \   l^l.| | /)
/    〈 |  (____人__)  |   | U レ'//)
     ヽ\    |lr┬-l|   /  ノ    /
 /´ ̄ ̄ノ    ゙=ニ二"   \rニ     |

[ピーーー]! 氏ねじゃなく[ピーーー]!

超ラッキー!ヲ級ちゃんが助けに来てくれる!

v(`o´)vンゴwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwンゴンゴなんJ民♪L(`o´)┘
( `o´)∩ンゴンゴンゴwwwwwwwwwwwwwwww(岩嵜;)
コラコラコラコラ~ッ!wwwwwwwwwwww
(ノ`o´)ノンーゴンゴンゴなんJ民♪( `o´  )

ンゴンゴッ!(;´岩嵜)
ンゴンゴンゴンゴ~ッ ヽ(岩嵜)ノな~んJ~♪
いかんのか(すまんな) ┏(`o´)┓
ヨダ ヨダヨダヨダ 肩幅~♪ └(`o´)」ありがとうどういたしましてを忘れてる~┗(`o´)┓
今の時代に終止符だ!(何をそんなに) 。・゚・(`o´)・゚・。
ゆくんだなんJ(いかんのか!?) (`o´)
勝負だなんJ(いかんでしょ) o(`o´)o
勝利を掴め!(お、Jか?)

┗┏┗┏┗┏(`o´)┓┛┓┛┓┛キンタマータマキーンー ワイらがなーんーJー♪

ンゴンゴダンスやめーや

漣「」

吹雪「」

那珂「」

漣「……吹雪ちゃん。これ一体何処からネタ取ってきたんです?」

吹雪「いえ、その……所謂『まとめサイト』という所に纏められてるのから、ランダムに抜粋したんですが……」

那珂「……ちょーっと強烈過ぎない、かな? これ?」

漣「……いえ、寧ろこれはチャンスかも。例えば、この直球弩ストレートな罵りなら流石に……」

那珂「曙ちゃんとか霞ちゃんとかもそうだけど」

漣「……」

吹雪「……まぁ、引いてしまったものは仕方がありません。使うのも使わないのも漣ちゃん次第です」

漣「……頑張ります」トボトボ



漣「あ、その前に扶桑さん達に連絡しにいかなきゃ」Uターン

---

漣「……」ガチャ

提督「おぉ、御帰り漣ちゃん。伝えの走り、お疲れさん」

漣「……」スタスタ

提督「……漣ちゃん? 今度はどないした?」

漣「……」バクバク

漣(落ち着け……落ち着くのよ漣。そう、Be Koooooooool。彼の口先の魔術師の如く、Kooooooooooolになるの)

漣(アレの衝撃のお陰で色々と吹っ飛んじゃってもうアレしか頭にない以上、手札はあの五つだけ。それをどの順番で使えば一番御主人様を怒らせられるか、よく考えるのよ)

提督「……おーい?」フリフリ

漣(まず、いきなり罵りの二つを出しても流される可能性が高い。日常レベルで罵られても平然としてる御主人様にはこれでの怒りは期待出来ない)

漣(何故か入ってた空母ヲ級に助けを求める奴は、唯一の緩和剤。最初に使って油断させる方法もあるけど、微妙なところだわ)

漣(最後の二つは、なんJネタの波状攻撃。踊り付きなら意味不明の行動に対して怒りを向けさせることも無い事はないかもしれないけど、それだって分からなさとしては漣のスラングと変わらない。期待は薄いわ)

提督「……ちょ、大丈夫かぇ? 顔怖いで? 漣ちゃん?」

漣(さぁ……考えるのよ。どうすれば一番御主人様を怒らせられるのか……)ポク、ポク、ポク、ポク……

提督「……何か、やな事でもあったんか? なぁ?」





漣(……閃いたッ!)カッ

提督「うぉう!?」

提督「……さ、漣ちゃん? 一体……」

漣「……」スゥ



漣「v(`o´)vンゴwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwンゴンゴなんJ民♪L(`o´)┘?
( `o´)∩ンゴンゴンゴwwwwwwwwwwwwwwww(岩嵜;)?
コラコラコラコラ?ッ!wwwwwwwwwwww?
(ノ`o´)ノンーゴンゴンゴなんJ民♪( `o´  )?

ンゴンゴッ!(;´岩嵜)?
ンゴンゴンゴンゴ?ッ ヽ(岩嵜)ノな?んJ?♪?
いかんのか(すまんな) ┏(`o´)┓?
ヨダ ヨダヨダヨダ 肩幅?♪ └(`o´)」ありがとうどういたしましてを忘れてる?┗(`o´)┓?

提督「」

今の時代に終止符だ!(何をそんなに) 。・゚・(`o´)・゚・。?
ゆくんだなんJ(いかんのか!?) (`o´)?
勝負だなんJ(いかんでしょ) o(`o´)o?
勝利を掴め!(お、Jか?)?

┗┏┗┏┗┏(`o´)┓┛┓┛┓┛キンタマータマキーンー ワイらがなーんーJー♪」

漣「」ピタッ



漣「ンゴンゴダンスやめーや」マガオ





提督「」

提督「」

提督「漣ちゃぁぁぁん!? ちょ、何がどうした!? 何でこうなった!?」

漣「……」

提督「ちょい、なぁちょい聞いてる漣ちゃん!? ちょ」



漣「壁に向かってしゃべってろゴミ?」AA省略

提督「ゴミッ!?」

漣「[ピーーー]! 氏ねじゃなくて[ピーーー]!」

提督「し、[ピーーー]……!? え、ちょ、待って待って……え!?」

漣(よし、いい具合に混乱してますね! 最後に一押しすれば、『訳分からんこと言うな!』的なブチ切れが来るかも!)

漣「超ラッキー!ヲ級ちゃんが助けに来てくれる!」

提督「ヲ級ちゃん……て空母ヲ級かっ!? それが助けにきてくれて超ラッキー!? 深海棲艦が助けに!? ちょっまっえっおまっえっうぇっ!?」パニッパニ×2

提督「漣ちゃぁぁぁん!? ちょ、何がどうした!? 何でこうなった!?」

漣「……」

提督「ちょい、なぁちょい聞いてる漣ちゃん!? ちょ」



漣「壁に向かってしゃべってろゴミ?」AA省略

提督「ゴミッ!?」

漣「死ね! 氏ねじゃなくて死ね!」

提督「し、死ね……!? え、ちょ、待って待って……え!?」

漣(よし、いい具合に混乱してますね! 最後に一押しすれば、『訳分からんこと言うな!』的なブチ切れが来るかも!)

漣「超ラッキー!ヲ級ちゃんが助けに来てくれる!」

提督「ヲ級ちゃん……て空母ヲ級かっ!? それが助けにきてくれて超ラッキー!? 深海棲艦が助けに!? ちょっまっえっおまっえっうぇっ!?」パニッパニ×2

提督「」パクパク

漣(さぁ、今ある分のネタは打ち止めです。御主人様、この漣の怒涛の訳若芽攻撃に一体どう出ますか?)

提督「……」プルプル

漣(おぉ、震えてますよ震えてますよ。黙りこくってプルプルしてますよ。これは予想外に漣がやっちゃいましたか?)



提督「……ぉ」

漣「ん?」

提督「ぉ……お……」





提督「オんノレ、深海棲艦! 漣ちゃんに何ぞやらかしおったなぁ!?」

漣「……は?」

提督「漣ちゃん、最近戦闘で変なことされんかったか!? 不自然に接近してきたとか、砲雷撃に違和感あったとか!?」ガシッ

漣「ホワァ!?」グイッ

提督「いややから深海棲艦に何ぞされんかったかって! ヲ級が助けに来てくれるとか何とかて、彼奴ら味方とちゃうんやで!? しっかりしぃさ!」ブンブン

漣「うぁうわううぁうわう!? にぃほぉんんごぉでぇおぉけぇえぇ!?」グルグル

提督「儂喋っとんのこれ日本語やで!? やっぱ何ぞされたんか……気ィ確りしてな漣ちゃん!」

漣(駄目だこの御主人様、早く何とかしないと……ってかパニクり杉でしょ私の首とか色々危ない件!?)



吹雪「……一寸これはマズいので、中断しないといけませんね」

那珂「それは賛成なんだけど、どうやって止めるの? 提督さん狂戦士状態だけど」

吹雪「……那珂さん。どんな状態異常だって__」









吹雪「戦闘不能にしちゃえば、皆消えるんですよ?」ガシャン

那珂「……え?」




<おぉ、吹雪ちゃん! 手ェ貸してくりゃれや、漣ちゃんが!
<司令官、少し頭冷やしましょうか
<……え?
<(ドガン!)
<……(バタン)
<……あー、助かりましたー……
<大丈夫ですか、漣ちゃん?
<いい加減鞭打ち症とか心配するレベルでしたよ……
<ぅぅ……ぉぇぁぅ……
<と、取り敢えず提督さん医務室に連れてくね?

---医務室---

提督「……ぅぁゃぇょ……巫ぃ? 覡ぃ? 阿呆抜かせや、憑代が呪いしてどないすんねん……」ムニャムニャ

提督「……あ?ー、何ぃ。天狗なめしぃ? ん? 山伏? 修験? 経奉納の祝詞てなんやったかな……」ムニャムニャ

提督「ほぅあっ……護摩行……いやそれより転読で何万遍……仙薬ぅ? ありゃ水銀塗れの毒だわいやっ! ……んぇぅ」ムニャムニャ

那珂「……ねぇ。提督さんの寝言、ちょっと……いや大分おかしくない?」

漣「どれもこれもオカルトMAXの胡散臭い話ばっかりなんですが」

吹雪「司令官、元々大学でそういうのの研究してたみたいですよ? 昼寝してるの起こした時に、寝ぼけてたりすると偶に聞きますけど」

那珂「へー。最初から軍人さんじゃなかったんだ」

漣「宗教学って奴でしょうか。変なもの研究してたんですね」

漣「……で、扱いとしてはどうなるんでしょうか、コレ」

那珂「怒るのは怒ったけど、的外れな感じだったし。那珂ちゃんが見たことない位の怒り方ではあったけど」

漣「え? 御主人様、怒った事自体はあるんですか?」

吹雪「それはまぁ、駆逐艦の皆がやり過ぎな悪戯をした時とかには流石に。昨日の第六駆逐隊はそうされかけてましたけど」

漣「少し意外ですね……それこそ菩薩みたいな人だと思ってたんですが」

那珂「仏の顔も、ってことだと思うな。それでも、怒るっていうか叱るって感じなんだけどね……で、どうする吹雪ちゃん?」

吹雪「……そうですねぇ。まだマジギレには遠かった様に思いますし、どっちかっていうと心配の比重の方が重かったですし。失敗になるんじゃないでしょうか」

漣「うぅ……あれだけ毒吐いて成果は無しか(´・ω・`)」ショボーン

吹雪「まぁまぁ。初めて怒りの感情を引き出せたんですから、それで良しとしましょう」

那珂「提督さん気絶しちゃったから、次の人達への時間も稼げたしね」

吹雪「さて、後は司令官への誤魔化しですが……」

那珂「いきなり撃って気絶させたもんね。どうやって理由付けしようか」

漣「気のせい……っていうには、無理がありますよね。こうして医務室に運ばれてる訳だし」

吹雪「……そうですねぇ。漣ちゃんに、少し犠牲になって貰いましょうか」

漣「ファッ!?」

那珂「それって、昨日みたいに提督さんに暴露すってこと?」

漣「ちょ、流石にそれは勘弁してくださいよ! 落とし穴は悪戯って名目がありますけど、漣のは明らかに悪意あってのものじゃないですか!? 幾らなんでも御主人様に怒られるんじゃ……」

吹雪「怒らせるのが目的なんだからそれもいいんですが……その辺りは無問題です。いいですか、ここはですね……斯々然々とこんな風にして……」

何となくつーか普通にこの提督の口調見た記憶あるんやが、前何か書いてた?

>>147
恥ずかしながら、過去に2スレエタってしまっています。三度目の正直ということで、少なくとも安価分までは頑張って終わらせたいです。

前回の最後の分を少し改訂します。



吹雪「さて、後は司令官への誤魔化しですが……」

那珂「あれだけのこと言っちゃったもんね。どうやって理由付けしようか」

漣「気のせい……っていうには、無理がありますかね。それを見た吹雪ちゃんが『頭冷やせ』って言って御主人様を撃った訳だし」

吹雪「……そうですねぇ。漣ちゃんに、少し犠牲になって貰いましょうか」

漣「ファッ!?」

那珂「それって、昨日みたいに提督さんに暴露すってこと?」

漣「ちょ、流石にそれは勘弁してくださいよ! 落とし穴は悪戯って名目がありますけど、漣のは明らかに悪意あってのものじゃないですか!? 幾らなんでも御主人様に怒られるんじゃ……」

吹雪「怒らせるのが目的なんだからそれもいいんですが……その辺りは無問題です。いいですか、ここはですね……斯々然々とこんな風にして……」

---

提督「えぅえ……欲界、色界、無色界……他化自在は六天やから欲界かぁ……ぉ?」ピクッ

提督「……ん? ん? あれ?」キョロキョロ

提督「……何や、また手前の寝言で目ぇ覚めたんかこれ」

提督「……えーと、何で医務室におんねやったっけな、儂……あ、せや。吹雪ちゃんに大筒ぶっ放されたんやったな」

提督「いや、頭冷やせとはご尤もやったけど……こんな古典的アフロヘアにしてくれんでも、何か方法あったんちゃうんかなぁ……」

提督「……って、漣ちゃんがおかしいんは変わってへんやん。ほんまに何があったやら分からんし、聞きにいかな」ヨッコイショ

扉<コンコン

提督「……誰やろ。軍医さんは……今居らはれへんな。どうしよか……」

扉<ガチャ

吹雪「失礼します……あれ、軍医さんがいない……まぁ、後でいいかな」

提督「おろ……吹雪ちゃんか」

吹雪「あ、司令官さん。もう目が覚めたんですね。丁度良かったです、ちょっとお話が……」

提督「あ、それ言うたら、こっちゃも漣ちゃんのことで聞きたいことが……」





扉|那珂「うーん。誤魔化されてくれるかな、提督さん」コソコソ

扉|漣「うぅ……頼みましたよ、吹雪ちゃん」コソコソ

提督「……罰ゲーム?」

吹雪「はい。昨日、駆逐艦同士が何人か集まってババ抜きしたんですけど、その時に漣ちゃんが負けたので、罰ゲームとして一日ネットスラングだけで話してもらうことになったんです」

提督「ネットスラング言うたら、アレか。漣ちゃんがしょっちゅう言うとる、『メシウマ』ー、とか『キタコレ』ー、みたいなんか」

吹雪「そうですね。唯、司令官にお伝えし忘れちゃって、偶々秘書艦をする日と被っちゃったんですよ」

提督「あー……あ、やでも、それにしたって気絶する前のあれは? ほんまに、深海棲艦に取り憑かれでもしたか思うてんけど」

吹雪「あれは、私達が用意したネットスラング一覧表から、籤引き方式で漣ちゃんが選んだんです。一日の内にそれを何処かで使わないと、罰ゲームは継続……って約束をしてまして」

提督「……流石にあれは変えたるべきやったんちゃうんかな……しかし、あれが選択肢に入った理由は? 吹雪ちゃんらが自分で選んだ訳ちゃうやろ、まさか」

吹雪「ネット上でそういうのが纏められてるところから、完全にランダムに抜粋させてもらっただけですから……」

提督「ほうか……ふむ……」





漣「流石に、急造の言い訳じゃあ暴露ますかね……?」

那珂「あー、この分だと大丈夫だと思うよ?」

漣「へ?」

提督「……まぁ、心配せなならん様な事ぁ無いみたいやし、ええか。流石に死ね言われた時は胆冷えたけど」フゥ

吹雪「済みません、御迷惑をおかけしました。次からは気を付けます」

提督「あ、ほいで、漣ちゃんに言うといてや。人様にそんなん言うたらあかんでーって。儂やからまだええけど、目上年嵩にあんなん言うもんちゃうからな」

吹雪「はい」

提督「後、吹雪ちゃんらも。賭け……とはちょいちゃうけど、あんま罰ゲームとか何とかやるんは感心せんで? 若い時分からそんな習い付けんのァ宜しないし、せめて高校卒業した位からにしときね?」

吹雪「あー、はい。分かりました」





漣「……普通に平気だった」

那珂「提督さん、あんまり人疑わないからさ。筋が通ってたら大体のことは信用してくれるよ?」

漣「そうですか……一先ず助かった……」ホッ

提督「あて……ほんじゃ、まだあっちゃこっちゃ痛むし、暫く休んでから執務室戻るわ。那珂嬢に運んでくれて有難うっちゅうんと、漣ちゃんへの注意だけ頼むね」

吹雪「はい。あ、秘書艦は引き続き漣ちゃんに?」

提督「せやね。もうそれでローテ組んだし、今日一日だけ頑張ってもらおか。吹雪ちゃんも手伝ったげてな」

吹雪「了解です。それじゃ、失礼します」ペコ

提督「あいあい。頼むでなー」フリフリ





吹雪「……まぁ、こんな感じです。お叱りは有りましたけど、特に怒ってる訳では無いみたいですし、やっぱり失敗ですね」

漣「うーん……怒られなくて嬉しいやら残念やら複雑ですけど、兎に角これで漣の番は終わりですね」

那珂「はい、お疲れ様。次は、まるゆちゃんとあきつ丸ちゃんにバトンタッチだねー」

漣「えーっと、あの二人は、確か大食い大会でしたっけ? 大和さんをどうやって呼ぶか、随分悩んでたみたいですけど」

吹雪「それに関しては、何とかなったみたいですけどね。司令官が戻って来るまでに一度見にいってみましょう」

那珂「出てくる料理、間宮さん印のお手製だといいなぁ。余ったら皆で食べれるかなぁ」ウキウキ

漣「さて、漣は一旦執務室で待機してますよー。御主人様の連れ出しとか、協力できることがあったら呼んでくださいね」

吹雪「あ、漣ちゃん。ちょっと待ってください」

漣「はい?」

吹雪「司令官が処理する書類の整理だけ、お願いしていいですか? 今日一日分だけでも結構溜まっちゃってて……」

漣「あー、成る程。御主人様気絶しちゃってたから滞ってるんですね。分かりました、整理しておきます。手を付けられそうなら少し処理もやっておきますねー」

吹雪「有難う御座います」



那珂「……あれ? 提督さんの書類って……」

---提督執務室---

漣「」

書類の山脈<ヨーロレーイッヒー♪

漣「……な」



漣「なんっっじゃこりゃあぁぁぁぁぁ!?」





那珂「……ブラック企業も真青なオーバーワークしてなかったっけ、提督さん」

吹雪「え、そうですか? あれでも、着任当初と比べると五分の二位にはなってるんですけど」

那珂「……吹雪ちゃんも提督さんも、最初の基準がおかしいと思うんだけど」

---食堂---

那珂「さて、吹雪ちゃんは漣ちゃんの手伝いに行っちゃったし、ここからは那珂ちゃん一人で頑張るよー☆」

那珂「準備が出来たらしいから、早速食堂に来てみたんだけど……結構本格的に舞台が整ってるね。簡単だけど飾り付けとかも一杯あるし、青葉さんのカメラもあるしで、気分はテレビ番組の収録だよー」スタスタ

まるゆ「……あ、あきつ丸さん、あれ……」

あきつ丸「何だ……む、あれは那珂か。漸く来たのだな……おーい、こっちだ那珂」

那珂「あ、あきつ丸ちゃんだ」タッタッ

あきつ丸「全く、随分と待ったぞ。当の昔に、自分達の準備は完了しているというに」

那珂「あはは、ごめんごめん。提督さんがちょっとね。あ、まるゆちゃんも宜しくね」

まるゆ「宜しくお願いします。今は、那珂さんお一人なんですか?」

那珂「あー、うん。吹雪ちゃんが書類整理に行ってるんだ。漣ちゃんが倒れそうだったから」

まるゆ「……隊長のお仕事、怖いです」カタカタカタカタ

あきつ丸「それには自分も同意する」カタカタカタカタ

那珂「……秘書艦の時、大変だったんだね」

那珂「あ、それで、実際この大会はどんなルールなの? 全部二人で取り仕切ったんだよね」

あきつ丸「……まぁ、一般的なルールに従ったものだ。出される料理を食べ続けて、制限時間にどれだけ食べられるかを競う。量の判定基準は、皿から料理を無くし且つ口内へ料理を入れたかどうかであるから、ラストスパートでの詰め込みが鍵となるか」

まるゆ「お水とお茶のお代わりは自由で、流し込んでもオッケーです。お行儀は悪いですけど」

那珂「おー。出てくる料理は、何なのかな?」

まるゆ「あ、実は、それは間宮さんにお任せしてるんです。直前まで分からない方が面白いからって」

那珂「……それは、ちょっと危なくない? 金剛さんのスープカレーとか、口にするのも厳しいっていうけど」

あきつ丸「金剛殿の振る舞いを食べて、提督殿が腹を下された時の話か。噂には聞いているが、その辺りは問題ない筈だ。間宮殿本人は料理人ではないが、何やらその筋の伝手をお持ちのようでな。間宮殿が集めた食材を、その御仁に料理してもらうそうだ」

那珂「それ、もしかしたら、『料理の○人』みたいな人が作ってくれるかもしれないってこと? 凄いなぁ」

まるゆ「そ、そこまではないと思いますけど」

あきつ丸「尚、今回余った食材・料理については、当分の食事に供されることになる。直接参加しない者も、粗間違いなく料理を口にすることは出来るだろう」

那珂「わぁ。楽しみだね」キラキラ

那珂「あぁ、それともう一つ。大和さんと武蔵さんはどうやって誘ったの? 随分悩んでたみたいだけど」

あきつ丸「あー……それなら、簡単に解決した。思いもよらない形でだったがな」

那珂「どういうこと?」

あきつ丸「……そのだな」





あきつ丸「睦月を筆頭に、駆逐艦娘他の年少達で波状説得攻撃を仕掛けた。駄々捏ね泣き落とし込みで」

那珂「……誰が受けても轟沈確定の必殺攻撃だね」

まるゆ「流石に、泣き真似までした時には心が痛みました……」

あきつ丸「そのついでというか、他にも幾人かが最初から参加することになった。追ってそれは発表する」

那珂「……誰が引っ掛かったのか、予想が付くような付かないような」

那珂「……大体、これ位で大会のことは分かったかな。那珂ちゃんが来るの待ってたってことは、もうすぐ始められるのかな?」

まるゆ「そうですね。怒らせ隊の皆はもう集まってますし、始められますよ」

あきつ丸「今回の事に関係のない艦娘も観客になるだろうが、其方は一向問題ではないな。食堂の業務は通常通りであるから、提督殿がいつも夕食を取りに来られる二○○○頃までには終わらせたいところだ」

那珂「えーっと……それじゃあ、吹雪ちゃん達に足止め頼んで来るから、帰ってきたら同時にスタートでいいかな。提督さん、医務室出たらそのままご飯食べに来ると思うから、そのタイミングでバレるのは不味いでしょ?」

あきつ丸「うむ、それでいいだ……うん? 待て、医務室とは?」

まるゆ「隊長、怪我しちゃったんですか? 大丈夫なんですか?」

那珂「あれ、吹雪ちゃんから聞いてない? あー、じゃあ後で説明するから、取り敢えずそういう事でいいかな?」

あきつ丸「む……ちゃんと後で説明してもらうぞ」

---

那珂「……って事で、暫く足止めしてくれると嬉しいなって」

吹雪「あー、はい。分かりましたー」シャーッ

漣「……吹雪ちゃんが人間止めてる事実に驚愕ですよ、漣は」カキカキ

吹雪「漣ちゃん、酷いですね。別にこれ位、長いこと秘書艦やってる人なら誰でも出来ますよ」シュパパパパ

漣「少なくとも漣は知りませんよそんな目視できない位の早さで書類書いたり判子押す人なんて!?」ポンポン

那珂「……取り敢えず、宜しくね? 此処に通信機置いておくから、連絡の時は使ってね」



---

まるゆ「えーっと、間宮さんと料理人さんの席はここで、まるゆ達の席はここでー」トコトコ

あきつ丸「妖精さん殿、調理台の設営を宜しくお願い致します。青葉殿、音響機器は此方へ……撮影? はぁ、提督殿への流出が無ければ構いませんが……」

間宮「ごめんなさい、遅れちゃったわね。食材の搬入完了よ」

あきつ丸「おぉ、間宮殿。お疲れ様であります。料理人殿は、何処に?」

間宮「ふふっ、それは見てのお楽しみよ。さ、私も手伝うから、急ぎましょ」

まるゆ「……あれ、ちょっとこの机重たいな……わ、わひゃあ!?」ズデーン

あきつ丸「おぉっ!? まるゆ、長机など一人で運ぶものではない! 無理をするなっ」タッタッ

---

那珂「……うん、まだ提督さん帰って来てないって。暫くは大丈夫だよ」ザザッ

あきつ丸「うむ。では、始めるか……まるゆ、準備はいいな?」

まるゆ「ひゃいっ、らいりょうふでふっ!?」カッチカチヤデー

あきつ丸「うむ、全く宜しくないな……仕方ない、司会には自分が出るから、光源を頼む」

まるゆ「ふゃ、ひゃいっ! あにがたうごだいますゅっ!」スタタッ

那珂「……失敗しそうだね、まるゆちゃん」

あきつ丸「……そうでないことを祈ろう……ンンッ。あ、あ、音響装置、稼働確認、稼働確認。現在時刻、一七三四……よし、大丈夫」スッ



まるゆ「あ、合図だ。えーっと、明かりのスイッチは……これだっ」カチッ

照明灯「もっと、熱くなれよぉぉぉっ!」ピカーン!

まるゆ「うわっ、眩しっ」



あきつ丸「……(スゥ)」ライトアップ

あきつ丸「艦娘並び艇娘・船娘、そして妖精さん諸氏よ! 永らくお待たせした! ようこそ、第一回・舞鶴鎮守府大食い選手権へ!」パンパカパーン

艦娘's「おーっ!」

あきつ丸「己の胃袋の限界へと挑むこの大会、その規範は至って単純! 制限時間内に用意された料理をどれだけ食せるか、唯其の一点のみ! 小細工など無用、正々堂々のぶつかり合いを参加者には期待するっ!」

まるゆ(うわー、あきつ丸さん凄いなぁ。あんなに一杯の人の前で……皆の頭、ジャガイモに見えてるのかな?)

あきつ丸「それでは、まず参加選手の紹介から始めるとしよう。参加人数は__」





コンマ安価です。直下のレスの下一桁-2が、大和型以外の参加人数となります。但し、0、1、2の場合は10、11、12として扱います。

また、その次から参加人数分だけのレスの範囲で参加者の安価です。妖精さんやNPC娘も可です。

あきつ丸「__八人。何とも個性的な面々が揃っているようだ」

あきつ丸「先ずは、出場番号一番! 朝潮型駆逐艦参番艦、満潮! まさかの小型艦艇からの参戦だーっ!」

満潮「駆逐艦だからって、舐めるんじゃないわよ」

朝潮「満潮、頑張って!」

あきつ丸「この小さな体が、どの様な戦いぶりを見せてくれるのか。これは意外なダークホースとなるやもしれないっ」

あきつ丸「続いて、出場番号二番! 各地の基地を陰で支える、縁の下の力持ち! 陸と海の補給の橋渡し、アイテム屋娘ぇーっ!」

アイテム屋娘「いや、それは言い過ぎだけど……兎に角、頑張ります!」

任務娘「貴女は私達、非戦闘要員の星よ。裏方の意地を見せてあげて!」

あきつ丸「我々艦娘と同じ装いを身につけ、各地の補給を一手に担う実は途轍もない功労者! その実力は未知数、果たしてどの様な活躍を見せるものかっ」

あきつ丸「さぁ、次だ! 出場番号三番、扶桑型戦艦弐番艦、山城! 戦艦としての威厳、ここで見せつけることが出来るのかっ!?」

山城「ちょっと、それじゃ私が戦艦として見られてないみたいじゃない!」

扶桑「まぁまぁ、落ち着いて山城。それよりも、あんまり無理しないでね?」

あきつ丸「新しい伊勢型に性能の面で呑まれがちな扶桑型、しかし、彼女達にも譲れないものがある! この場で相競い合う者を凌駕し、不名誉な通り名の数々の返上を目指すっ」

ミスりましたすぐに書き直しますです

あきつ丸「__八人。何とも個性的な面々が揃っているようだ」

あきつ丸「先ずは、出場番号一番! 朝潮型駆逐艦参番艦、満潮! まさかの小型艦艇からの参戦だーっ!」

満潮「駆逐艦だからって、舐めるんじゃないわよ」

朝潮「満潮、頑張って!」

あきつ丸「この小さな体が、どの様な戦いぶりを見せてくれるのか。これは意外なダークホースとなるやもしれないっ」

あきつ丸「続いて、出場番号二番! 各地の基地を陰で支える、縁の下の力持ち! 陸と海の補給の橋渡し、アイテム屋娘ぇーっ!」

アイテム屋娘「いや、それは言い過ぎだけど……兎に角、頑張ります!」

任務娘「貴女は私達、非戦闘要員の星よ。裏方の意地を見せてあげて!」

あきつ丸「我々艦娘と同じ装いを身につけ、各地の補給を一手に担う実は途轍もない功労者! その実力は未知数、果たしてどの様な活躍を見せるものかっ」

あきつ丸「さぁ、次だ! 出場番号三番、扶桑型戦艦壱番艦、扶桑! 戦艦としての威厳、ここで見せつけることが出来るのかっ!?」

扶桑「伊勢や日向には、負けたくないの……!」

山城「扶桑姉様……何も大食いで張り合わなくても……」

あきつ丸「新しい伊勢型に性能の面で呑まれがちな扶桑型、しかし、彼女達にも譲れないものがある! この場で相競い合う者を凌駕し、不名誉な通り名の数々の返上を目指すっ」

あきつ丸「さて、続いては今大会の有力候補の登場だ!?出場番号四番、長門型戦艦壱番艦、長門!」

長門「負けはせんぞ、絶対に!」

陸奥「気合入ってるわね。その調子よ」

あきつ丸「ビッグセブンとして世界に賞賛されたその力は、この戦場においても猛威を振るうのか! 開戦の時が楽しみだーっ」

あきつ丸「おおっと、有力といえば此方も外せない。一気に紹介しよう……出場番号五番、赤城型正規空母壱番艦、赤城! そして出場番号六番、加賀型正規空母壱番艦、加賀! 一航戦組、堂々の参戦だーっ!」

赤城「頑張りましょうね、加賀さん!」

加賀「ええ。手加減なしの、真剣勝負です」

あきつ丸「絶妙の連携と圧倒的な搭載機数で深海棲艦を葬る、航空戦力の中枢! 敵同士となり、己の力だけで何処まで戦い抜けるのかっ」

あきつ丸「……さて。ここで、今大会の本命とも言える二大巨頭の紹介へ移ろう。賢明なる観衆の諸氏にあっては今更無用であるとは思うが、此処は改めて、その名を胸に刻んで頂きたい」





あきつ丸「それでは御登場願おう! 出場番号七番、大和型戦艦壱番艦、大和! そして出場番号八番、同弐番艦、武蔵! 超々弩級戦艦姉妹、今此処に推参せりィィィィッ!」

艦娘's「オォォォォッ!!」

大和「……何だか、少し恥ずかしいわ」

武蔵「はっはっは。何を恥じらう事がある。堂々と胸を張ればいいんだ、大和」

あきつ丸「最早説明不要! 全艦娘の憧憬を集め、最強の名を欲しいままにする大艦巨砲の極みッ! その力が解き放たれる時は、もう直ぐ其処に迫っているっ」

まるゆ「ひゃあ……やっぱり大和さんは凄いなぁ」キラキラ

あきつ丸「以上八名が、この大会へ出場する選手となる。各々へは、勝利という栄光に向けての奮励努力を期するものであるっ!」

あきつ丸「続いては、現在まで極秘としてきた料理人と、彼或いは彼女が我々に振舞ってくれる料理について紹介したいと思う」

あきつ丸「では、間宮殿、此方へどうぞ」

間宮「あらっ。私が紹介するのね」トットッ

あきつ丸(いえ、自分達もまだ知らないのでありますが)っマイク

間宮(……そうだったわね、御免なさい)

間宮「えー、こほん。皆さんこんにちは……あ、こんばんはかしら。紹介に預かりました、間宮です。今回、私が皆さんのお力になれるという事で、一等良い材料を集めて来ました。参加者の方々には、是非とも、味も楽しみながら食べて頂きたいです」

間宮「では、お招きした料理人さんと、作ってくれる料理を発表します」

あきつ丸(青葉殿、ドラムロールを……よし)ダラララララララ

間宮「それでは、ご登場下さい……」ラララララララ






間宮「クッキー一筋数十年!この世の誰よりも多くクッキーを作ったとギネ○にも載った、某国出身のお婆ちゃん! グランマさんの登場です!」デデーン!

Grandma “Hello,everyone!”

間宮「そして当然、出される料理とはクッキーですっ。プロ中のプロの作るクッキー、とくと御賞味あれ!」





あきつ丸「」

まるゆ「」

艦娘's「おぉぉぉぉ!」

任務娘『明石さん……ちょっと来なさい…何先に本格的艦娘なってるの?』
明石『えっと……あの…その』

あきつ丸(間宮殿ォォォ!? 一体どんな伝手があればこの方をお招きできるのでありますか!? 実は凄い御仁でありましたよね!?)

まるゆ(世界の焼き菓子の半分はこの人の会社が作ってましたよね!? すっごい会社のすっごく偉い人じゃないですか!)

間宮(あー、それね。実は、グランマさんは私の恩人なのよ)

あきつ丸(お、恩人?)

間宮(というよりも、師匠かしらね。私って、偶に呼ばれた基地で料理までお願いされることがあるんだけど、昔は料理の腕はからっきしで……それで時々文句を言われてたんだけど、ある基地に行った時、偶々来てた師匠に会ってね。怒られてた私を見て、料理の指導をしてくださったのよ)

間宮(しかも、その授業で私が完璧に出来なかったから、後で個人的に私を訪ねてきてくださって……色んなことを教えてもらったのよ。お陰で料理のことも好きになれたし、『間宮は料理人だ』なんて言われる位に腕も上達したの。だから、私の料理の師匠……っていうのが一番しっくりくる関係なのよ)

まるゆ(……ほぇー)

あきつ丸(何やら、偉人の成功譚を聞いているようであります……)

間宮(で、その御縁で、今回の料理人として来て頂けないかなって連絡したら、急な話だっていうのに快諾してくれたのよ。やっぱり、師匠は凄いわ)

あきつ丸(確かに、色々と凄い話でありますなぁ……む? ということは、間宮殿は英語にも堪能なのでありますか?)

間宮(そうじゃなきゃ、会話なんて出来ないじゃない? 金剛さんがいないし、通訳の心配をしてたんだろうけど、それは大丈夫よ)

まるゆ(そこまでちゃんと考えてたんですねー。凄いです)





金剛「Atchoo! ……Oh?」ムズムズ

榛名「えっと、Bless you……でしたっけ、こういう時は。金剛姉様、風邪でもひいてるんですか?」

金剛「んー、別にそんな事ないケド……誰かが噂でもしてるのかもしれないネー」

あきつ丸(そういうことであれば、通訳はお任せ致します。随時翻訳を宜しくお願いするであります)

間宮(分かったわ)

あきつ丸「んんっ。えー、観客諸氏よ。我々の用意したサプライズ、如何であったろうか。驚きと共に楽しんで頂けたのなら、それは我々にとって非常に喜ばしいことである」

あきつ丸「……さて。我々の招待した料理人グランマ殿であるが、ご存知の通り、彼女は現在、世界的なお菓子メーカーである『Cookie Clicker』の会長職に就いておられる。今回、斯様なお忙しい立場にあるにも関わらず、この日本までお出でくださったことに、先ずは感謝の意を表したい」

間宮?“In spite of the busy schedule, thank you truly for visiting, Ms Grandma.”

Grandma?“Welcome here, I'm honored invited. So for me to eat delicious cookies to you, I will do my best.”

間宮「『此方こそ、お招き頂き光栄です。皆さんにおいしいクッキーを食べてもらえるよう、全力を尽くしましょう』……とのことです」

あきつ丸「恐縮であります。是非、お手柔らかにお願い致します」

間宮(……あ、そうだわ。あきつ丸ちゃん、これ)っメモ

あきつ丸(? これは……あぁ、成る程。了解であります)

あきつ丸「えー……観客諸氏にあっては、企業の長たる会長であるグランマ殿が、何故に料理人として招かれたか疑問に思う方も居られるだろう。しかし、その答えは簡単だ。彼女が、企業の興りから現在に到るまで、常に現場で働き続けているからである」

あきつ丸「尚も疑わしく思われるならば、間宮殿の仰る通り、最新版のギネ○ブックを紐解かれよ。必ず其処には、『世界で一番焼き菓子を作った』との名目で彼女の名が記されているだろう。初心を忘れず、長く積み重ねてきた業績が世界にも認められるところであることは明白だ」

あきつ丸「そしてまた、『Cookie Clicker』が現在、世界の焼き菓子生産の多くを担っている国際企業へと成長していることからも、その味が如何に美味なるものであるかは想像に難くない。故に、諸氏の懸念は全く無用のものであるので、安心して頂きたい」

あきつ丸「……では。グランマ殿の紹介も終わったところで、いよいよ以って試合へと進みたいと思う。参加者は、用意された席に着く様に。グランマ殿、調理の準備を願います」

間宮 “It's time to begin soon. Teacher, please prepare.”

Grandma “OK……ah……Mamiya, The kitchen is there are you?”

間宮 “Yes. I will go with you.”

間宮「グランマさんも了解だそうです。今からご案内してきますね」

あきつ丸「宜しく頼みます、間宮殿」

>>1です。諸般事情で時間の折り合いがつかないので、一時更新が止まります。再開時には改めて宣言します。

>>1です。
明日明後日位には時間を取れそうなのですが、少々続きが難産気味なので、掌編を幾つか書いて息抜きをしたいと思います。付きましては、そのネタを安価で取りたいと思います。

下2、3、5レス目を拾いますが、鬱グロ他その方面は御容赦を。エロは抑えめなら書けるかもしれません。

>>1です。書けるかもとか言って音沙汰さえ無くて済みません。
安価了解です。唯、沖縄に関してはかなりの憶測が入ります。御了承下さい。
後、那珂ちゃんの提督の呼び方は「提督」でした。次からは訂正します。

皆で休暇@沖縄



沖縄本島 某空港

深雪「夏だ!」

長良「海だー!」

鈴谷「沖縄だー!」

艦娘一同「いぇーい!」ヤンヤヤンヤ

提督「……流石に若い。ずっと飛行機乗ってたっちゅうに、皆偉い元気やなぅ……あづっ」←全身凝りMAX

吹雪「まぁ、久し振りの休暇ですし。はしゃぎたいんですよ、皆」ウズウズ

提督「……吹雪ちゃんも御多分に洩れずやね。混じってきてもええんやで?」

吹雪「……いえ、ちゃんと仕事を終わらせてからにします」ウズウズ

提督「ほうか。んじゃ、早よ済ましてまおうか」カラカラ

提督「……ほいさ、皆いっぺん静かに! ぴゃーっと行程説明してまうから、しおり出して話聞いてくりゃ__」

---

吹雪(長期に渡っての、海上連絡線防衛への貢献に対する褒賞……そういう扱いで、丸々基地一つ分の艦娘全員への旅行が海軍本部からプレゼントされたのは、ついこの間の話でした)

吹雪(多数決で行き先が沖縄に決まって、準備を始めたのが三日前のこと。空港から飛行機に乗って、此処に着いたのが数時間前のこと。そして、今私達は、宿泊先のホテルに居ます)

吹雪(ええ、驚きましたよ。基地丸毎が休暇だなんて。というか聞いたこともありませんよ、そんな大規模な休暇なんて。でも本当なんです。だからこそ、今こうして……)

吹雪「わぷっ!?」ポスッ

白雪「あっ、ごめん吹雪ちゃん!」

深雪「何ぼーっとしてるんだよー! 一点取られちゃったじゃん!」

吹雪「ご、ごめんね深雪ちゃん……あ、ボール」パシャパシャ

吹雪(……海でボール遊びが出来てるんです。正直、ずっと仕事詰めだったから滅茶苦茶楽しいです)キラキラ

吹雪(因みに、着てるのは所謂スクール水着です。駆逐艦の皆は未だ子供だからって、司令官にこれ着る様に言われました)

吹雪(まぁ、子供なのは否定出来ないんですけど……)

吹雪「自由に選びたかったなぁ、水着」ポソッ





青葉「……とのことらしいですが」

提督「……いや、ねぇ。流石に、あんな小さい娘らが矢鱈に肌晒すんは……なぁ?」

---

扶桑「あら……こんなに大きいのねぇ」

山城「こんなの、初めて見たわ」

ジンベエザメ「……」ノンベンダラリ

島風「……この魚、おっそーい」

夕張「いや、マンタって速く泳ぐ魚じゃないし、幾ら広い水槽とはいえ、こんな狭い所じゃ速く泳げないでしょ」

ナンヨウマンタ「……」トンデトンデトンデー

雷「こっちのイルカは速いわね」

電「サラマンダーよりもですか?」

響「……何か嫌な雰囲気がするな、その言葉」

暁「可愛いなぁ、イルカさん」キラキラ

マダライルカ「……」マッハゴーゴー





足柄「皆楽しんでるわねぇ」

提督「せやねぇ……ん? 大王具足虫……あー、飯食わず云々いう団子虫か……食わんで済むねぇ。代謝の効率がええんか、仮死状態になれんのか。単に動けへんだけでは、多かれ少なかれエネルギーは食うし無理よなぁ……」ブツブツ

足柄「……提督も楽しんでるわね」

---

球磨「クマー……疲れたクマー」フゥ

多摩「一寸休憩させて欲しいにゃ」ホゥ

木曾「情けないな、姉さん達。これ位でへたばってどうするんだよ」

北上「いや、木曾っちが元気過ぎるだけだと思うんだけど」ヘェア

大井「本当。戦闘にずっと出てるし、体力には自信があったんだけど」ハァ

龍田「……あら。でも、頑張った甲斐はあったみたいよ?」

天龍「あぁ? ……おぉ、凄え。水平線まで見渡せるじゃねぇか。いい風も吹いてるし、気持ちいいなぁ」

木曾「……成る程、これは……あんな岩場を登ってくるだけの価値はあるな」





提督「……とすると、やはり陽石信仰の類……白蛇の神格化も男性器への見たてから豊穣に繋がるか……しかし、とすると陰の性質を示すのは……海? そうやとすると、大石林山全体を見ないかんよな……黒潮伝いで南方からの民族移動……港川原人がどん詰まりってなァそういうことか?」ブツブツ

伊勢「ねぇ一寸提督ー! 何時まで蛇とにらめっこしてるんですかー!? 皆もう行っちゃいましたよー!?」

白蛇「……」チロチロ

---

菊月「むっ……見つけたぞ、アルファベットだ!」

睦月「こっちも見つけたよー! これで三つとも見つけたね!」

文月「じゃあ、早速滝の所へ行ってみようよ!」

皐月「オッケー!」テテテ

弥生「あ……一寸待って、暗くて良く見えない……」フラフラ





長月「……むぅ。これは、何れが正解なのだろう?」

如月「えーっと、確か、彼処の看板にこの果物の事が載ってたわ。見てくるわね」トットッ

三日月「あ、あっちにも問題がある。見てこようかな」スタスタ

卯月「……うーちゃん、お腹減ってきちゃったな。此処の果物食べちゃダメ?」クキュー

望月「いやいや、良い訳ないじゃん……それに、今食べても美味しくないと思うよ。まだ熟してないんだってさ」





提督「……S、U、B、E、T、E、N、O……す、べ、て、の……全ての、か? で、F、R、U、I、T……フルーツ……」ブツブツ

妙高「提督、何をなさっているのですか?」

提督「……ん? あぁ。この地図裏の、魔法陣みたいのの間に文字あるやろ? これ読んでたんよ」

妙高「……少しアルファベットに似てますけど、そうじゃありませんよね? 何でしょうか……」

提督「ルーン文字やね」

妙高「あぁ、ルーン文字……え? ルーン文字?」

---

日向「これは、見事なものだな。これほど幾つも連なっているのは、壮観だ」

長門「そうだな……鍾乳石か。そういえば、鍾乳石はどうやって出来るのだったか?」

陸奥「確か、水が岩の中を染み通ってくる時に石灰か何かが溶け出して、それが地面で固まって出来る……だったかしら?」

羽黒「確か、それで合ってたと思います。他にも二酸化炭素とかとも関係があった様な……」

那智「詳しいな、羽黒。そんな下調べをする程楽しみだったのか?」

羽黒「う、うん。綺麗な場所だって聞いてたから……」





伊一九「あっ、やっ、あっ、はぁぅっ」ビクビク

伊一六八「や、止めて、そんな、わっ、ひゃっ」ビクビク

伊五八「こ、これ以上されたら、おかしくなっちゃうでちっ」ビクビク



伊八「……そんなにこそばゆいなら、止めればいいのに」

伊四○一「えーっと……ドクターフィッシュ、体表の汚れを食べて取り除いてくれます? あ、だから水に足突っ込んであんなに笑ってるんだ」

一九・五八・一六八「あははははははは!」





提督「……何やか、水着着とらん潜水艦の娘っ子っちゅうんは見慣れんなぁ」

鳥海「そうですね。潜らないといけませんから、水着以外だと邪魔になってしまいますし。鎮守府内では私服姿は見たことがありませんね」

提督「……今度、お上に掛け合うて、潜水服とは別口の制服用意して貰うた方がええかなぁ」

---

五十鈴「わ……流石に、これだけ高い所から見ると圧巻ね」

長良「風は気持ちいいけど、足元が不安になってくるなぁ」

阿武隈「柵も、何だか頼りないし……際には近づきたくないな」

由良「そうね……あ、あっちの方、崖の形が面白いよ。見てみようよ」

名取「あ、じゃ、じゃあ、私は此処で……」

鬼怒「えー? 名取姉、一緒に行こうよー」クイクイ

名取「ひゃうっ……やめて、高いとこ怖いよぉ……」





提督「……」チラチラ

摩耶「……提督、さっきから何処見てんだ? あっちにゃ何もねーよな?」

提督「……ほん? 何じゃな、摩耶嬢は見えてへんのんか……ほうか。道理で透けてはる訳やなぁ、あの人ら」

摩耶「……オイ一寸待て、それどういう」

提督「話は聞いとったけんど……まさか、ホンマに居らはるとは思わなんだな」

摩耶「ちょ……な、なぁ、冗談だろ? アタシからかってるだけなんだろ? そうだって言ってくれよ、なぁ」

提督「うんにゃ、儂はホンマに言うてるで? それが証左に……失礼仕ります(パチッ)……ほりゃ。カメラの写真」っデジカメ

摩耶「な、何だよ……!? これ……」

提督「……民間の人らが此処まで逃げてこらはって、自決しはったっちゅう話があってな。見るに、ほんまやったんかもしれんね」

摩耶「……かも、しれないな」

提督「……どれ、昔取った杵柄じゃ。自己満足か知れんが、弔う位はせにゃ、今の軍人として申し訳次第も無いわい……」ブッセツカンムリョウジュキョウ……

---

金剛「Wow! これがWater buffalo デスか? とっても大きいデース!」

榛名「そうですねー。重さは、一トン位にもなるらしいですよ?」

比叡「一トン……ひえー。牛ってそんなに重くなるんだ」

霧島「大体そんなものだと思いますよ? ヨーロッパバイソン、所謂バッファローも、『九百ナンボのごっついガタイ』してるそうですし」

利根「むっ? そのフレーズ、何処かで聞いたことがあるぞ。何だったか……」

筑摩「確か、NHKのむしまる○の歌でしたっけ。懐かしいですねー」ナデナデ

スイギュウ「……モー」モグモグ





男性「♪ー♪♪ー♪ー♪ー♪♪♪ー」

女性「ー♪♪ー♪♪ー♪♪♪ー♪ー♪」

男性「ハイぃサイおじさん♪ ハイぃサイおじさん♪ 昨日ぬ三合瓶ぐゎ残とんなぁぃ♪ 残とらぁぃ、我んに分ぁきらんなぁ♪」

女性「あーりあり童ぁー、いーぇ童ぁー♪ 三合瓶ぬ与いし我んにんかぃ♪ 残とんで言ゆんな、いぇーぇ童ぁーぃ♪」

舞風「あんせおーじさんっ、ふーんふふ、ふふーんふ、ふーんふふふんっ」レッツラ

黒潮「ふんふふ、ふふんふ、ふーんふふふんっと」ダンシン

不知火「……えー……と。これは一体?」

陽炎「お祝いの席とかで踊る、御目出度い踊りなんだって。観客さん皆踊ってるし、不知火も踊る? 私は踊るけどねっ」

不知火「いえ、不知火は別に……きゃっ!?」グイッ

天津風「ほら、不知火姉も一緒に。折角の機会よ?」

谷風「そーそー。『踊る阿呆に見る阿呆』……なんて良く言うだろ? 楽しまなきゃ損じゃん」

浜風「……私も、踊ってみようかしらね」ポヨン

初風「……ぐぬぬ」フヨン

雪風「えーっと、その……初風お姉ちゃん、ドンマイ!」





提督「……儂て、何かこう、民謡の類聞くと身体が勝手に動きだすんよな」ハイサイオジサン

大鳳「あら、そうなんですか?」ハイサイオジサン

提督「うん。母方の祖母ちゃんがこっちの諸島系の出やから、その辺りかね。もしせやったら、やっぱ血は争えんもんやねんね」トゥシグルナタクト

大鳳「そうかもしれませんね……にしても提督、御上手ですね?」トゥジグヮフサヌ

提督「そうかぇ? まぁまぁこんな塩梅やと思うけどなぁ」ウンジュガイャングヮガ

大鳳(……服が服なら、地元の人と間違えそうな位なんですけどね)クィミソウラミ

---

磯波「わぁ……これが首里城ですかぁ」

深雪「……大体、テレビで見たまんま」

叢雲「そうね。確かに大きな城だけど、正直それだけじゃない?」

敷波「だよねー。別に城に興味がある訳でなし。ここに来る意味あったかな?」

綾波「ま、まぁまぁ。沖縄なんてそう来れませんし、ちゃんと見ておかないと……文化財にも指定されてるんですよ? 貴重な体験じゃないですか」





龍驤「ふーん。中はこんなやったんか。本土の城とは、ちょいちゃう感じやねえ」

鳳翔「位置的には日本よりも中国に近いですし、向こうの文化の影響が強いのかもしれませんね」

祥鳳「そういえば、王族の着てた衣装とかも、日本の服よりは大陸の服に似てるわね」

瑞鳳「大陸の服? チャイナ服のこと?」

飛鷹「いや、コスプレとかで着てる様なのとは一寸違うわよ? こう、三国志の武将みたいな感じの」

隼鷹「尚更分からないだろそれ……まぁ、強ち間違ってもないけどさ」





提督「ほぉぉぉ……此れァ凄いな。当代の行列の絵ぇか」

衣笠「行列って、大名行列? 歴史の教科書に載ってた奴とは違いますけど」

提督「そう、そやねん。これまた偉い資料やでー。昔の琉球の人らの服飾、飾り立てとしての武器の在り方、ほんでもって行列の構成そのものに対する意味付け。本土のんと比較したらまたおもろい研究でも張れるでーこれ。地方習俗の塊やでこれほんま。ええわぁ、関係文書とかあるんやったら調べてみたいわぁ」キラキラベラベラ

衣笠「……そ、そうなんですか」

---

子日「わぁ……高いねー。登ってきたところがあんなに遠いや」

初春「そうじゃのう。流石に、沖縄最大の城と呼ばれるだけのことはあるの」

若葉「見るに、所謂山城に近い形をしているな。規模も考えると、昔はさぞ立派な造りをしていたのだろう」

初霜「……山城……やまじろ……やましろ……」プフッ

愛宕「あ、あらあら」

高雄「えっと、初霜ちゃん? そう意味じゃないのよ?」

古鷹「……? どういう意味かしら? 山城さん……って聞こえたけど」

加古「ふくっ……い、違法建築の城……んふっ」プルプル





川内「へー。資料館なんてあるんだ」

那珂「遺跡の発掘とか、色んなことの研究も纏められてるって。どんなのがあるのかな?」

神通「それは、見てみないと分からないわ……あら、猫」

猫「にゃー」ヒョコヒョコ

まるゆ「可愛い……あ、でも、何で建物の中に居るんだろう?」

あきつ丸「……成る程、どうやら此処で飼われている様だな。すると、自分達を出迎えてくれたのかもしれない」

猫「なー」ヒョコヒョコ





提督「だらっしゃぁぁぁぁぁ!!キタキタキタキタキタキタぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

アイテム屋娘「」

提督「これやっ! こういう場所に儂は一番来たかったっ! 遺構の研究に土着信仰の模様、古今の日用品の類の展示! 正に民俗資料の山じゃ、宝の山じゃぁぁぁぁぁぁ! ヒャッハァァァァァァァァァ!!」

任務娘「」

---

涼風「それっ、持ってけドロボー!」ポイッ

白露「うわっ、やったなぁ!? 御返しだーっ」ポイポイッ

村雨「枕投げなんて、久し振りねぇ。懐かしいわー」ポフッ

五月雨「私は、やったこともないです。楽しいんですね、結構」ヒョイ

時雨「皆、あんまり騒ぐと怒られちゃうよ。やめておいた方が……フムッ!?」

夕立「油断大敵っぽい! 固いこと言わないで、一緒に遊ぼうよ!」

時雨「……ふふっ。そうしようか、なっ!」ヒュン

夕立「ポイッ!?」ボフン





秋雲「ーー♪」サラサラ

巻雲「秋雲、何してるの?」ヒョイ

秋雲「んぁ? あー、ほら。絵ぇ描いてんの」

長波「どれどれ……おー。こっからの風景のスケッチか。中々イカすじゃん」

夕雲「綺麗ねぇ。波の描き込みとか、凄いじゃない」

秋雲「まぁ、これ位はね。いやー、しっかし色々見れて良い刺激になったなぁ。インスピレーションの予感がビンビンしてるし、新作は凄いことになりそうだぁ」ニヨニヨ

巻雲「……えっちぃのは駄目だからね。絶対駄目だから!」

長波「どう考えても振りだろ、その言い方……何? 巻雲ってばそういうのに興味津々?」ニヤ

夕雲「あら。巻雲さんはいけない子になっちゃったのね。夕雲は悲しいわ、よよよ」ニコニコ

巻雲「ちょっ……ち、違いますよぉぉぉ!」





朝潮「……皆、心の準備はいい?」

満潮「勿論よ。準備万端整ってるわ」

霰「……ん」

大潮「よーし……じゃあ、『いっせーの』でいきますよー……いっせーのっ!」バッ

霞「……セーフよ」

霰「……霰も」

満潮「うわっ、私じゃない! あーもー最悪っ!」

荒潮「うふふ……私達と一緒ねぇ」

朝潮「じゃ、約束通り、これから私と満潮、荒潮で片付けるから、皆は先に買い物に行ってて。明日は逆だから、覚えておいてね」

霞「はいはい、了解。じゃ、行ってくるわ」

荒潮「あ、大潮、オレンジジュースだけ買ってきてくれない? 買ってきた分、もう無くなっちゃって……」

大潮「了解! 何本か買ってくるね!」

---

曙「ふんっ」パコーン

潮「それっ」ポヨン

朧「ふっ」パコーン

漣「ドタバタ☆ジャンゴ!」パコーン

曙潮朧「ぷふっ」ズコッ

漣「……ふっ。この勝負、漣と潮の勝ちのようですね」

曙「一寸、今の一体何よっ! そんなの反則よっ」

朧「反則……ではないと思うけど、フェアじゃないと思うわ。狡くない、漣?」

漣「はっはっはっ。そんなの、『勝てれば良かろうなのだァァァァッ』! ですよ!」

潮「あの、えと、その……あぅ」オロオロ





最上「千歳っ、千歳なら分かるよねっ!? 航空巡洋艦だって、やればできるよねっ!」ヒクッ

千歳「えぇ、勿論よ最上っ! 航空母艦が何するものぞ! 戦艦が何するものぞっ! 魚雷砲撃航空戦、全部乗せのパーフェクトな私達こそ時代の雄なのよっ!」ヒック

三隈「いいえ千歳さんっ、私達は女性ですっ! 雄ではなく雌(し)と言うべきではありませんかっ!?」ヒックラ

熊野「雌(めす)だなんて下品ですわっ! それよりもHeroineと呼ぶ方が断然気品に溢れていますっ」ヒックッ

四人「キャーキャーワイワイガヤガヤヤイヤイ」ヒックヒックヒックッ

千代田「……一寸、鈴谷。貴女、ジュースとチューハイ間違えて買ってきたでしょ」ジトー

鈴谷「あー、いやー、そのー……御免なさいでした鈴谷が原因です」orz

---

赤城「むむむ……」

加賀「どうしました?」

飛龍「どれどれ……紅芋タルトにちんすこう? ははーん、御土産に買おうとしてたんだ」

蒼龍「流石と言うか、皆見事に食べ物ばっかりだね」

翔鶴「でしたら、もずくは如何ですか? 美味しいらしいですよ」

瑞鶴「翔鶴姉、それはないって……もっとほら、サーターアンダギーとか色々あるじゃん」

赤城「……どれも美味しそうで選べませんね。済みませーん、これ全部下さい!」

五人「全部買うの!?」





矢矧「ふぅ……極楽だわ」カポーン

酒匂「そーうーだーねーぇ……ブクブクブクブク」

能代「酒匂、寝ちゃ駄目だよ。寝るなら、部屋に戻ってちゃんと歯も磨いてから」

阿賀野「あははっ。能代、お母さんみたいだよー」

能代「えぇっ!? ちょっと、それって能代が老けてるって言いたいの? 阿賀野姉ぇ、酷い……」プクー

矢矧「……能代で老けてるなら、阿賀野はどうなのって話よね。姉な訳だし」

阿賀野「はぅあっ!?」



酒匂「ブクブク……あ。そういえば、お昼の時って、司令は何処行ってたんだろう。何時の間にか居なくなってたんだよねー」





提督「へえ?え?ぇッッくしょんだらボケィッッ!! ……あかん、湯冷めでもしたかな」ズズッ

提督「あ?ー、しかし。あの娘らも、ちゃんと分かってくれて良かったなぁ……」

・・・

Z3「……一寸。提督、私達だけ何で別行動なの?」

ビスマルク「そうよっ! 私だって自由に観て回りたいのに、何で駄目なのよっ」

Z1「ま、まぁまぁ、落ち着いて……でも、理由は気になるな。教えてくれてもいいと思うけど」

提督「済まんねぇ。まぁ、行くとこ行ったら自由行動にするから、それで堪忍してな」



武蔵「……大和。確か、この道は」

大和「そうね……そういう事みたい」





---

提督「……ほい、着いたよ」

ビスマルク「……何よ、此処。モニュメントみたいなのが一杯建ってるけど」

Z1「……何だろう。少し、寂しい雰囲気だね」

Z3「そうね……あ、提督」

提督「……大和。武蔵。出しとくれるかね?」

武蔵「……あぁ」ゴソゴソ

大和「此処に」スッ

提督「有難うね」グッ

Z3「……Chrysantheme……キク、かしら?」

提督「……ちっと、付いてきてくれるかな」スタスタ

Z1「……キクか。確か日本じゃ、死者を弔う時に備える花……だったよね」

ビスマルク「へぇ、死者の為の……待ってよ。じゃあまさかこのモニュメント」

提督「……まぁ、せやね。この石碑は、太平洋戦争期にこの辺りで亡くならはった人を、生まれ毎で纏めて供養する為のもんや」

Z3「慰霊碑、なのね」

提督「うん。三人連れて来たんは、少しでも歴史知って貰おう思てな。軍人が沖縄来て遊ぶだけっちゅうんは、この人らにも失礼やと思うし。行くにしても、出来るだけ意味有るもんにしたかったからな」

Z1「そうだったんだ……」

ビスマルク「……そういうことだったのね。でも、それなら何で他の娘達は来なかったの?」

大和「……あの子達じゃ、感受性が強過ぎると思ったの。皆、余りに其処にあった『死』に近過ぎるから」

武蔵「『前』の大和の最期に付き合った娘も、何人かいる。過去の『記憶』を思い出させるものに下手に触れさせると、まだ幼い娘などは心に傷を負うかもしれないからな」

Z3「……そう」

提督「……ほれ、皆、こっちゃ寄って。花手向けたら、黙祷や」

五人「……」コクッ

提督「……」スッ

大和「……黙祷」

・・・

提督「__あすこ行った事に、意味見つけてくれりゃええのぅ」

扉<コンコン

提督「ん……誰かね。どうぞ、空いとります」

吹雪「失礼します」ガチャ

提督「おろ。どうしたね吹雪ちゃん。何か、難でもあったかぇ?」

吹雪「いえ、そろそろ夕食の時間ですから、お伝えに」

提督「……あらら。もうそがいな時間かぇ。ぼーっとしてて忘れるとこやったわ……直ぐ支度するわ」ヨッコイショ

吹雪「じゃあ、私は先に。皆にも伝えて来ますね」

提督「……出先でまで、労掛けるね。有難う」ポンポン

吹雪「んっ……いいえ、大丈夫です」ナデナデ

提督「……無理はしたらあかんで。ほいだら、また後でね」

吹雪「分かりました。失礼します」ガチャ



提督「……こら、吹雪ちゃんもまた別で労わなあかんな。何か考えとかな……っと、それより先に準備と」

---数日後 舞鶴鎮守府---

間宮「……成る程、それで私に」

提督「何とか頼めんもんかね? 儂のポンコツ頭やったら、これ位しか思い付かんで……」

間宮「ふふっ、お任せください。とっときのを持って来ますし、調理もさせて頂きます」

提督「……有難い。恩に着るわ」

間宮「いえいえ。これが私の仕事でもありますし……でも、そうですね。代わりといってはなんですが、もっと沖縄の話をして欲しいです」

提督「……向こうの?」

間宮「私、仕事で忙しくて、ゆっくり旅行する機会なんてなくて……だから、そういう話を聞くのが好きなんですよ。駄目ですか?」

提督「うんにゃ、とんでもない。それで満足してくれんねやったら幾らでも。せやねぇ、ほんなら、その後の宴会の話でも__」





任務娘「提督っ! 海軍本部より通達です!」

提督「__済まん。仕事やわ」

間宮「あら……仕方ないですね。私は失礼します。ちゃんとお話、聞かせて下さいよ?」

提督「約束しよう。んだら、また今度にな」

間宮「期待してますよ」ガチャ

提督「……頼めるかの、任務娘嬢」

任務娘「はい。先刻、本部より入電。『沖ノ島海域に於いて敵の反攻の予兆有り。巡洋艦乃至駆逐艦を基幹とする哨戒部隊を以って動向を探れ』……とのことです__」

提督(……休暇明けで直ぐ災難か。難儀やが、これも仕事やしな。一丁、踏ん張るかの)

沖縄編、これにて終了です。気晴らしには確かになったんですが、本筋とは別にした方が良かったかな……
イベント編、シャワーシーン編はもう少し短いかと思います。ぼちぼち本編も書いていってますので、其方が終わり次第戻れるかと。宜しくお願いします。

索敵機、発艦始め!



---基地内 会議室---

艦娘一同「ザワザワ……」

利根「……ふむ? この時節に
一体何事かのう」

筑摩「さぁ。私は、何も聞いていませんけど」

提督「……」ガチャ

ビスマルク「あ、提督」

提督「……皆、揃っとるな? 今から、本部から連絡来た作戦の説明するから、ちっと静かに頼むわ」

艦娘一同「……」シーン

ビスマルク(……凄い。皆黙っちゃったわ)

提督「……うし。んじゃ、任務娘嬢。作戦概要、説明頼むわ」

任務娘「了解しました……先週、南西方面海域に於いて、艦種混成型の敵艦隊が多数確認されました。先遣偵察隊の報告に拠れば、これは同海域のポートワイン周辺に存在すると思しき敵港湾基地を根拠地にしているものと見られます」

任務娘「それらを踏まえて、海軍本部により以下の作戦が立案されました。一、目下サメワニ沖に侵攻中の敵の駆逐。二、この残党、及び増援部隊の結集すると思われるズンダ海峡の突破。三、ポートワインの敵基地の破壊。此れらを総称して『春二号緊急連合作戦』とし、各地の鎮守府・泊地・基地へ参加を要請。現在に至ります」

提督「長い説明、有難う……さてと。っちゅう訳で、当然舞鶴鎮守府基地もこの作戦に参加することんなった。やから、その為にウチからも戦力抽出をやらなあかん訳や。今から、それについて諸々の話し合いやってく。まずは、現状確保出来とる情報の提示から__」

ビスマルク(……フフフ。この鎮守府に来てからあんまり活躍出来てなかったけど、良い機会だわ。この作戦で、ナガト達なんかよりも沢山武功を挙げて、私の凄さを思い知らせてあげる!)

---

ビスマルク「……って思ってたのにー!」プンスカ

長門「仕方が無いさ。今回、意図的に索敵に掛かりにくい様に敵は行動しているそうだ。その捕捉の為の航空機運用は、余り我々向きではない」

陸奥「敵の基幹部隊捕捉の報が入れば、もしかしたら私達の出番があるかもしれないけど……それも望み薄ね。索敵連動修正射撃機能が艤装に追加されて、一部の娘達が張り切っちゃってるし。現状その子達がメインの作戦になってるし、そのまま蹴散らしちゃうでしょ」

ビスマルク「うぅ……まさか航空戦艦や巡洋艦に出番を取られるなんてぇ……」

利根「それを言うなら吾輩達もだ! 偵察は利根型の十八番だというに、何故提督は使ってくれんのじゃ!」

筑摩「やっぱり、最上型の娘達ですね。航空巡洋艦として、水上機を多く運用出来ますし」

利根「ぐぬぬ……吾輩達だって、カタパルトが何とかなれば……」

ビスマルク「貴女達はまだいいじゃない! 私なんて今回お呼ばれの可能性ほぼゼロよ!? 久し振りの激しい戦闘になりそうだったのに……」

筑摩「……戦闘は、無い方がいいと思うんですけど」

ビスマルク「そうだけど! そうだけどさ! やっぱりこうして持つもの(ガション)持ってる訳だし、戦う為に此処にいる以上は活躍したいじゃない!」

長門「いや、戦闘だけが海軍の仕事では無い。寧ろ、海上連絡線の保持こそが本命であり、元来武力はそれに伴う自衛の時にのみ行使されるべきだ」

ビスマルク「うっ……そ、それぐらい知ってるわよ! 言葉の綾! でも、それでも活躍出来る場所だってあるでしょ!? 私だったら通商破壊とか!」

陸奥「それは、資源消費を考えると日本では非効率的ね。というか、戦艦って、普通は敵の根拠地を叩く時に一番輝くけど、そんな機会も滅多に無いし。今回も航空戦力が必須だから、そっちが陸上攻撃もやっちゃうし。私達、防御力以外だと実はあんまり活躍出来ないわよ?」

ビスマルク「うっ……うぅぅ……」

大和「……まぁ、そうよね。今の時代、戦艦だけではやっていけないわ。少なくとも航空支援がないとね」

武蔵「お前が言うと、何とも言いようがないな」

ビスマルク「うぅぅぅぅぅっ………あーもうっ、むしゃくしゃするーっ!!」

---サメワニ沖海域 艦装歩兵母艦『まいづる-6』---

提督「……電探妖精さん。反応は?」

電探妖精さん(魔女)「んーと、今反応が有るのは、二時方向と五時方向だね!」

電算妖精さん(怠惰)「……予測出た……集積情報からすると、五時方向にいる可能性の方が高い……」

提督「……戦力漸減が効いとるんか、土竜になっとるの。今が好機か……」

通信妖精さん(元気)「あっ、後方の『まいづる-13』より入電! 『二時方向へ向かい、艦兵による偵察を敢行す』、とのことです!」

提督「『了解、我らは五時方向へ進軍す』、と。操艦妖精さん、御願いします」

操艦妖精さん(普通)「了解! 転舵、面舵ですっ!」ガララララ

提督「……翔鶴よ。準備は?」

翔鶴《完了しています》

提督「ぅン。古鷹嬢、皆は?」

古鷹《機関、電探、水偵、砲門、魚雷……全て万端整っています》

提督「おっしゃ。艦装歩兵は発着口へ。古鷹嬢以下重巡四人は先発して周囲を警戒、青葉嬢と衣笠嬢は水偵も飛ばして翔鶴・瑞鶴の艦載機発艦を護衛。艦載機隊は敵艦隊の発見を優先……死なんからっちゅうて、無理に突っ込んで機体壊さん様に気ィ付けてクナさいな」カラカラ

烈風妖精さん《舐めないで下さーい! そんな簡単には落ちませーん!》

提督「ひょほほほ。頼りにしとります……うし、各員作戦開始。毎度ながら、万一も無いよう気ィ付けて。中破はその戦闘の夜戦まで、大破はその場で即時撤退。ええね?」

加古《あーもう! 耳タコだって、ばぁ!》バシャン

古鷹《あ、待って加古!》バシャン

衣笠《衣笠さん、行っきまーす!》バシャン

青葉《青葉も、行っきまーす!》バシャン

翔鶴《五航戦、翔鶴、出撃します》バシャン

瑞鶴《同じく瑞鶴、抜錨します!》バシャン

提督「……さてもさても、頼もしいやら心配やら。ちゃんと帰って来るんやで……」ノウマクサマンダバザラダンカン





提督「……っと。忘れる所やった……通信妖精さん、基地へ連絡を。利根嬢、筑摩嬢、ビスマルクに、『土産持って帰るから期待しといて』とだけ」

通信妖精さん「あ、アレのことですね? オッケーです!」

提督「どうもです。三人とも、喜んでくれるとええけどなぁ……」

イベント編終了です。妄想し過ぎてオリジナル設定満載になってしまいました。これ以上はまた別の機会にでも……本筋を忘れては本末転倒ですし。
残すはシャワーシーン編。相当のがっかり具合が予想されますので、ハードルの高さを十分の一位にしてお待ち下さい。

扶桑姉妹の貴重なシャワーシーン(≠入渠シーン)



扶桑「……ふぅ」シャーッ……

山城「……今日は激戦でしたね、扶桑姉様」シャーッ……

扶桑「そうねぇ。久し振りに大破までしちゃったわ」

山城「提督、報せを聞いて大慌てでしたね。放っといたら母艦毎戦闘海域に突っ込んできそうでした」

扶桑「本当。『内火艇使って一人ででも助けに行く』、だなんて……一戦闘の内は、どれだけ破損しても非常装置で絶対に沈まないのにね」クスクス

山城「過保護なんですよ、あの人は。駆逐艦の子ならまだ分かるけど……痛っ」ジン

扶桑「山城? どうしたの?」

山城「き、傷に沁みたみたいで……」

扶桑「えっ!? ど、何処? 何処を怪我してるの? 大丈夫?」オロオロ

山城「艤装を狙われた時に、背中にも当たってて。破片で切っただけだから、大事はないです」

扶桑「駄目よ!(クワッ!) 傷口から雑菌が入ったかもしれないじゃない……ほら、背中向けて私に見せて!」グイグイ

山城「あっ、一寸姉様……ひゃんっ」

扶桑「……これね。見た所、膿んだりはしてないみたい」サワサワ

山城「ひぅんっ……ね、姉様、そんな、あ、うんっ」ピクンッ

扶桑「傷口も、引っ掻いたんじゃなくて綺麗に切れた感じね。これなら予後も良さそうだけど」ツツーッ

山城「あふぁっ!? そ、其処はぁ、駄目、駄目ですぅ……んんんっ!」ビクンビクン

扶桑「……うん。本当に大丈夫そうね。良かったわ……」ホッ

山城「……ふぁ? ぁ、あぁ、はい……」ヒクヒク

山城(……何だったんだろう、今の。擽ったい……のとは、少し違ったけど……)

扶桑「あ……御免なさい、急にこんなこと。私も、提督のことは言えないわね」

山城「ぃ、いいえ。姉様はいいんです。私だって、同じ状況なら同じことをしてたと思います」

扶桑「……有難う。あ、でも、ちゃんと後で医務室に行くのよ? 専門家に診てもらって、処置が必要ならしてもらわなきゃ」

山城「それは、分かってます。後でちゃんと行ってきます」

扶桑「約束よ? ……じゃあ、もう上がりましょうか。身体が冷えちゃうわ」キュッ

山城「はい」キュッ





青葉「……青葉、凄いの見ちゃいましたぁ……くぅぅ、此処がお風呂場なのが惜しいっ! ちょっとアダルティなスクープのチャンスだったのにぃ……」ポヤーン

衣笠「……憲兵さんに捕まっても知らないわよぉ? ……あー、駄目。隠れてて逆上せちゃったかもぉ」ポヤーン

どうも>>1はこっちの方面はてんで駄目の様です。薄っぺらい上に出来が悪いって我ながらどうしようもない。
取り敢えず、リクエスト分は全部消化出来ました。鮮度が落ちてたり残念な出来だったりしましたが、違ったベクトルの話しを書けて息抜きが出来ました。大凡クッキーのくだりも書いていけそうなので、近日中本編に戻ります。

後、沖縄編で皆が訪れてた場所は全て実際にある場所です。名前が全部分かったら凄いかも?

---

あきつ丸「……どうやら、クッキー第一陣が完成したようだ。さぁ、並み居る猛者達よ……準備はいいかっ!」

参加者一同「おうっ!」

あきつ丸「宜しい、ならば戦争だ! 第一回舞鶴鎮守府大食い選手権……





試合、開始ィィィィィィッッ!!」カーン!

艦娘's「おおぉぉぉぉ!」

まるゆ「く、クッキー入りまーす!」ガラガラ

あきつ丸「先ずは小手調べ、生地勝負のプレーンクッキーからだ! 一皿辺り十枚を三十二皿、占めて三百二十枚! つまり一人頭四十枚を平らげなければならないが、果たしてどうかっ!?」

満潮「これ位楽勝よっ」モグモグ

アイテム屋娘「余裕ですね」モグモグ

扶桑「掠り傷にもならないわ……ケフッ、コフッコフッ!?」ミズー

長門「話にならんな」サクサク

赤城「全くです」サクサク

加賀「鎧袖一触よ」サクサク

大和「流石に美味しいですね……あら、もう無くなっちゃいました」スッカラカン

武蔵「同じく。しかし、本職が作ると此処まで旨くなるものか」スッカラカン

あきつ丸「……どうやら、各々完食したようだな。まるゆ、次だっ! まだ食べていてもどんどん持ってこい!」

まるゆ「ひゃいっ!」カラカラ

あきつ丸(……此処まで早いとは、流石にその道で競い合おうとする剛の者でありますな。粉を使う食物だというに、喉の渇きを苦ともしていない様だ)

翻訳が面倒なので、英文は“”で括って日本語表記します



---仮設厨房---

間宮 “師匠、早速皆さん完食したようですよ”

Grandma “おや、そうなのかい。若いとはいえ、皆女の子だから量は加減してたんだが……こりゃ、私も気合いを入れないといけないねぇ”

間宮 “お手伝いします。皆さんの為に、クッキーを沢山作りましょう”

Grandma “勿論さ。それじゃ、早速掛かろうか……”ゴゴゴゴゴ



まるゆ「間宮さーんっ、次のクッキーをお願いします!」バササッ

間宮「はい、まるゆちゃん。順番に、シュガー・チョコチップ・ホワイトチョコ・オートミールレーズンよ。数も間違いない筈だから」カラン

まるゆ「あ、はい。有難うございますっ」ガラガラ

まるゆ「……あれ? さっき作ったばっかりなのに、もう次が出来てる……何でだろ?」ガラガラ





夕張(……ねぇ、島風。今二人が何やってたか分かった?)

島風(……私にも分からない位のスピードで、何かをやった様に見えた気がしないでもなかったってこと位しか分からなかった。オーブン使ってない筈なのに何で焼き上がったクッキーが出来てるのか分からない)

那珂(……そーいえば、聞いたことあるなぁ。Cookie Clickerの社員さんて、入社すると何か人間離れしてくるって……本当だったんだね)

間宮・Grandma「“フフフ……”」ゴゴゴゴゴ

---

あきつ丸「__さぁ、早い早い早い早いっ、正にっ、『瞬く』間にクッキーが消えていくーっ! 各人、現在の所一歩も譲らぬ接戦を繰り広げている!!」

艦娘's「わぁぁぁぁっ!!」

満潮「むっ、むぐぐ……んくっはぁっ……よし、次持って来て!」ゴクゴク

まるゆ「はいーっ」ピューッ

加賀「赤城さんが相手でも、優勝は譲れませんよ」サクサク

赤城「それは私も一緒よ、負けないわ!」サクサク

伊一九「あっ、オーダー追加シュガー二つ! もー、てんてこ舞いのすってんてんなのー!」ガラガラ

アイテム屋娘「あー、これだけの量、ホワイトデーの時の仕入れを思い出すなぁ」モグモグ

扶桑「ず、随分と余裕なのnゲホッゲホッゴホッ!?」ノドガ、ノドガー

伊五八「えとえとえと……あ、あった、扶桑さんお水でち!」コトッ

長門「……ふむ。中々やるな……次を頼む」カラン

伊八「はいっ、えー……あれ、ピーナッツバターは何処!?」

伊一六八「御免っ、大和さんと武蔵さんに渡しちゃった!」

大和「お先に頂いてますー」skskスッカラカン

武蔵「言った側から完食か。まぁ私もだが」skskスッカラカン

伊四○一「あーもうっ、流石っていうべきなのかなっ! 人手不足ってレベルじゃないよー!」ガラガラ

あきつ丸(……まるゆ一人で手が回らないのは予想が出来たが、まさかここまでとは……流石は『大食艦』、燃費も青天井の上、胃袋は奈落の底無しということでありますか)フゥ

あきつ丸(……しかし、それに追い付き追い越す程の速度でクッキーを量産する間宮殿とグランマ殿もそれに劣らずの……)チラリ





間宮「うふふ……」ポポポポポン

Grandma “フフフ……” ウニョンウニョンウニョン

あきつ丸(心なしか二人が空中からクッキーをポンポン出している様に見えるのはきっと自分の目の疲れでありますな。そうだそうに違いない。まさか間宮殿が人間をやめているなんていやそんなまさかHahahahaha)

間宮(あら、間違ってないわよ?)

あきつ丸(くぁwせdrftgyふじこlp!?)コイツチョクセツ(ry

間宮(あきつ丸ちゃん、私達のことは気にしないでね。貴女デは、『世界』を見ルニは早過ギるもノ)うふフふふフ

あきつ丸()gkbrgkbr

間宮(さ、司会を続ケて?)

あきつ丸(り、領海、いや諒解でありますっ!?)





子日「うわー。間宮さんもグランマさんも、凄い手品だね!」

初春「そうじゃのう。種が皆目見当もつかん」

初霜「……そもそも、あれって手品なのかしら?」

若葉「さぁな……そういえば、何故あきつ丸はさっきから百面相をしているのだろう?」

あきつ丸(……ま、間宮殿は、給糧艦娘である以上に一体何者なのでありましょうか……いやいや、気にしない気にしない。自分だってまだ生きていたいであります)

あきつ丸「……ぇ、えー。此処で、現在までの順位を確認してみよう」

あきつ丸「現在、一位を走るのは意外にも満潮。その小さな体躯の何処にこれ程のものを詰め込んでいるのかと、自分も驚愕を隠し得ない。味のローテーションを一足先に一周し、現在は二回目のホワイトチョコマカダミアナッツへ突入している。枚数は、1000 α枚!」

荒潮「あら、凄いわ。頑張って、満潮ー」

あきつ丸「そして二位! 流石と言うべきか、大和型の二人がタイスコアだっ! ローテーション二周目のマカダミアナッツと満潮の直ぐ後背に構え、880 α枚を平らげている!」

大鳳「流石ね。でも、すると満潮ちゃんは凄く頑張ってるんだ」

あきつ丸「四位には長門がランクイン! ローテーション二週目のピーナッツバター……あ、いや、完食してココナッツへ移ったので、840 α枚となる!」

陸奥「長門ー。もっと気合入れていかなきゃ駄目よー」

あきつ丸「続いての五位、此処へは扶桑が滑り込む! 度重なる喉の詰まりにも負けず、戦艦としての意地を見せ、ローテーション二週目のオートミールレーズンを間も無く終える! 計760 α枚と少々遅れ気味だが、まだまだこれからだ!」

山城「姉様……頑張って!」

あきつ丸「以降、六位加賀、七位アイテム屋娘、八位赤城と続く! 有力視された赤城が最後尾なのは予想外の展開! 加賀はそんな赤城を後ろ見にし、静かに徐々に枚数を重ねる! 一方、アイテム屋娘はその中間付近で、我道を行くが如く一定のペースを保つ!」

蒼龍「あー……赤城、また慢心したのかな」

瑞鶴「どうでしょうか……しかし、加賀さんは加賀さんで、何時もと変わらない感じだなぁ」

任務娘「……頑張ってね、アイテム屋娘さん」

あきつ丸「まだまだ始まったばかりのこの戦い、この後には如何なる推移を辿るものであるか! 選手達の取る戦術は吉凶何れを示すのか! 我々は、それを心待ちにしようではないか!」





あきつ丸「……おっと? これは……>>254か?」

安価です。試合中にハプニングが発生しました。その内容は何でしょうか。試合続行不可能にならなければR-15位までフリーダムです(*グロ方面除く)。

どうでもいいことですが、クッキーの順は、
40.プレーン
80.シュガー
120.チョコチップ
160.ホワイトチョコ
200.オートミールレーズン
240.ピーナッツバター
280.ココナッツ
320.マカダミア
360.ダブルチップ
400.オールチョコ
440.ホワイトチョコマカダミア
480.ダークチョココート
520.ホワイトチョココート
560.エクリプス
600.ゼブラ
の順になってます。

グランマと間宮がクッキークリッカー的なタイムマシンを使い始めた

安価了解です。今日はこれで切ります。毎度亀の様な遅筆にお付き合い頂き有難うございます。

間宮「ふフふ……」ウニョンウニョン

あきつ丸(……もう間宮殿が空中から機械を引っ張り出している程度では驚かないであります。そうだ、クッキーだって出せるのだし別に機械が出せてもおかしくはない。そうだろうあきつ丸? そうだともあきつ丸(自問自答)。だから気にしない。自分は気にしないったら気にしないのであります)

あきつ丸「……間宮殿。一体、何をしておられるのでありますか?」

間宮「え? こレ? ふふ、聞キタい? これはね……





タイムマシンを造ってるのよ」ニコニコ

あきつ丸「」

あきつ丸(……前言撤回。幾らなんでもそれはねぇよ……であります)

あきつ丸「……あの。御冗談でありますよね?」

間宮「イいえ? マァ、信じられナいノモ無理はないケど……本当か如何かは、自分の目で見てみルとイイわ、あきつ丸ちャん」ニコニコ

Grandma “間宮。準備は出来たかい? 久し振りに、婆さんと一緒にクッキーを焼いてみたいんだよ”

ま宮「“はい、もう直ぐに。暫く御待ちください”……ふふ、そう。モう直グ……モウ直ぐよ」アハハハ……

あきつ丸「……間宮殿?」

あきつ丸(……何だ。間宮殿の様子が、また……?)

---

吹雪「……」シャーッ

提督「……」ヒュン

漣「……」っ書類

漣(……やっぱりおかしい。おかしいですよ。御主人様が戻ってきて、書類に手を付け始めてから十分……山脈の標高が三分の二から十分の一位に縮んでるんですが)

漣(吹雪ちゃんも大概でしたけど、御主人様は最早完全なる人外です。風切り音と同時に完成した書類が積み上がっていくなんて……もうね、クー○ーの兄貴かと。早い早いったって、島風ちゃんなんて目じゃないですよ)

漣(……あー、どうやって御主人様足止めすればいいんだろう。まだ通信機に反応無いし、試合続行中だよね……鬱だなー、『打つ』手が無いだけに。あ、漣今面白いこと言ったよこれ)



【……グラッ】

提督「ん?」

吹雪「……あれ、今揺れました?」

漣「え? そうですか? 漣は何も」



【……ゴゴゴゴゴコゴ】

漣「……え」

吹雪「……何だろう、この音。地鳴り?」

提督「……吹雪ちゃん、漣ちゃん。窓開けて机の下に潜っといて」

漣「ちょ、御主人様? それじゃまるで地震の対応みたいな」

吹雪「分かりました。漣ちゃん、窓開けてきてくれますか。私は書類を片付けます」

漣「えっ……あ、はい。分かりました……?」

提督「……此れァ、何やかな。継続的に続く不規則な揺れ……トールボーイ宜しくの人工地震か? いや、まさかの。せやったらこないには長く続かん……したら、他に何が」

【ゴゴゴゴゴゴゴゴ】

吹雪「っと……少しずつ揺れが強く」フラッ

漣「吹雪ちゃん、大丈夫ですか? あ、窓は開けました……ところで、御主人様。これは一体?」

提督「うんにゃ、まだ分からんよ。しかし、万一に備えるに越した事はないやろ。取り敢えず、普通の地震やないんは確定なんやがな……」

吹雪「普通の地震じゃない?」

提督「地震っちゅうんは、始めに小波が来た後大波が遅れて来るんや。やけどこれ、同じ揺れがちょこっとずつ強なってるやろ? 普通の地震やったら、こんなん有り得へんからの」

漣「そうなんですか……」

提督「……揺れが一定してきやったな。この分やと、隠れる必要は無いやろうけんど……如何したもんかねぇ……」





【……ゴゥン!】

漣「きゃっ!?」

吹雪「わっ!?」

提督「ぬぅっ!?」

【ゴゴゴゴゴ……】

漣「……痛た……腕が……」

吹雪「私は、足を……」

提督「……ぬぐぅ……尻が……ぅっと、皆、大丈夫か?」

吹雪「私は大丈夫です」

漣「漣も……(ザザッ)……あ、通信機が」

提督「通信機? そんなん、何でまた持ってんねんか」

吹雪「あ、それはまた後で……」



那珂《漣ちゃん? 聞こえる、漣ちゃん!?》ザザッ

漣「聞こえてますけど……那珂さん、如何したんですか? というか、そっちは今の揺れ、大丈夫だったんですか?」

那珂《そんなこと言ってる場合じゃないよ! と、兎に角、来れるだけの艦娘と提督さんをこっちに連れて来て……きゃっ!?》ザザザザ

魔宮《オォォ……全テハ、くっきーノ為ニ……》

Grandma 《“……何てことだ。プリズムを成功させた間宮が、まさかタイムマシンで呑まれるとは……念の為に、旧き者との契約を結ばせておくべきだった”》

あきつ丸《間宮殿!? 一体如何なされたのでありますか!?》

まるゆ《間宮さーん!?》

那珂《……は、早く……》

【ブツッ】

漣「……」

吹雪「……一体、何が」

提督「……ほうか。まさか、間宮もそうやったたァな」

漣「……御主人様?」

提督「漣ちゃん。さっきの英語喋ってはったんは、Cookie Clickerのグランマ氏やな?」

漣「え……は、はい。確か、そうだと」

提督「ほいで、場所は分からんけど、多分食堂で間宮と一緒にクッキー作ってた。せやな?」

漣「そうです、けど……何で其処まで」

提督「……折在らぁ言うこともあろうし、今は気にせんでな。ほだら、吹雪ちゃん。食堂に人近付けんでおいてくれるか? 後、儂の名前出して、憲兵隊に『地震には手出し無用』っちゅうといてくりゃ」

吹雪「あ……はい。分かりました」タタタッ

提督「漣ちゃん。儂と一緒に食堂行って、大和達に避難誘導せぇっちゅうて。間宮は、グランマ氏と儂が何とかするき」

漣「で、でも、何かやばそうな雰囲気でしたよ? 二人だけだなんて」

提督「何、難は無いさね。ちっとは覚えあるこっちゃし、直ぐに終わらぁよ」カラカラ

【……ドドドドド】

提督「……音が強なってるの。おいさ、急ぐべな。こりゃ何時までも皆持たんど」トットッ

漣「は、はいっ」タッタッ

前回『試合が続くような』っつっときながら自分で破ってしまった……夜分に文書くもんじゃないのか、やっぱり。
取り敢えず、今日はこれで終わりです。

---

【ドドドドドドドド】

魔宮「オォォォォォ……」ボボボボボ

まるゆ「間宮さーん! 間宮sモグッ!?」ガボッ

あきつ丸「まるゆ!? 大丈bもがっ!?」ガボッ

武蔵「くっ……クッキーの弾幕で近寄れん!」

長門「間宮! 一体如何したというんだ、目を覚ませ!」

Grandma “無駄だ。間宮は『一なる者』と繋がってしまった。儀式によって、クッキーを供物に旧き者と契約しなければ戻って来れないんだよ”

陸奥「……御免なさいグランマさん、私達英語が分からないんです」

大和「誰か、金剛さんを呼んで来て!」

夕張「島風、お願い!」

島風「分かった! 探して来る!」ダダダダダッ

神通「那珂っ、しっかりしなさい!」

那珂「じ、神通お姉ちゃん……那珂ちゃん、もう駄目かも……」プルプル

川内「口にクッキー詰め込まれてつっかえただけじゃん! 馬鹿なこと言ってないで、通信機でもう一回提督に連絡取って!」

那珂「うぅ……川内お姉ちゃん酷い……漣ちゃん? 聞こえる?」ザザッ

漣《あ、那珂さん! さっきの、大丈夫ですか?》

那珂「うん、大丈夫だよ。それより、提督は?」

漣《漣と一緒です。もう直ぐ其処で……あ、着きました》ザザッ

漣「ほぁたぁ!」バァン!

提督「漣ちゃん、有難う……っと、皆大丈夫かぇ?」

大和「提督!」

長門「やっと来てくれたか!」

提督「うン。労掛けたね。取り敢えず、漣ちゃんと一緒に皆も避難しとくれ。後は何とかするわ」

武蔵「何? アレを何とか出来るのか?」

提督「まぁ、の……それと、“お初にお目に掛かります、グランマ氏”」

神通「あ、英語……」

川内「確か、軍幹部は英語の修得が必須だった筈。提督は話せるんだ」

Grandma “……おや、此処の長官かね。初めましてだね。しかし、無駄なことだよ。今更人が一人増えたところでどうにも……!?”

提督 “……お気付きの様で。然り、儂も『其方』に近い者です。契約の儀は儂が何とかしましょう、早急に間宮を鎮めねば”

Grandma “……どうやら、本物みたいだね。分かった、頼むよ。私は準備に掛かる”

提督 “承知”

陸奥「……提督? 何を話してるの?」

提督「何、ちょいとな。そらええから、早よ退き。此処は氏と儂だけで十分やけ、人が入って来ん様に食堂の封鎖頼むわ」

夕張「そんな、二人だけで一体何が……」

長門「そうだ。此処は私達が何とかするから、憲兵隊を……」

那珂「……オッケー。皆、早く行こう。此処は任せても大丈夫」

川内「ほら、まるゆにあきつ丸、起きて! 行くよ!」

神通「大和さんと武蔵さん、夕張さんに漣ちゃんは避難誘導を、他の皆は部屋の封鎖を手伝って下さい」タッタッ

漣「うぇっ!? ちょ、本当に良いんですか!?」

那珂「提督は、こんな時に嘘は吐かないから。大丈夫って言ったらきっと大丈夫だよ」

大和「……そうですね。武蔵、行きましょう」トトト

武蔵「分かった。ほら、二人とも急げ!」トトト

夕張「えっ、あっ、ちょっと待って下さいよー!」トトト

漣「mjdkー!?」トトト

長門「……仕方が無い、従おう。川内、あきつ丸は私が背負おう」ヒョイ

陸奥「じゃ、私はまるゆちゃんを」ヒョイ

川内「あ、有難うございます。じゃあ、私達も……」

那珂「あ、川内お姉ちゃん待って
! 那珂ちゃんも連れてって!」ヒョコヒョコ



【バタン】

提督「……行っとくれたか。“さらば、始めましょう”」

Grandma “あぁ。間宮、直ぐに連れ戻してやるからね。少しの辛抱だよ”

魔宮「くっきーハ全テ……くっきーコソガ始マリナノデス……」

---

【ドドド……】

島風「__金剛! 早く早く!」ダダダダダ

金剛「わっ、ちょ、Just a Moments ! 何処へ行くノ、シマカゼ!? というか、理由は!?」タッタッ

霧島「そうよ! さっきからの地震で皆慌ててる時だっていうのよ!」タッタッ

島風「その地震に関係ある事! あのね、間宮さんが大変なの!」

金剛「What's ? マミヤが?」

島風「そー! 大食い大会でクッキー作って手品してたら、何時の間にか変になってて……」

霧島「ストップ島風、それじゃ分からないわ。というか、大食い大会? そんな話、私達は聞いてないけど」

島風「あー、えっとだからそれはー……あれ?」

【ゴゴゴ……】

金剛「……地震が、収まってくネ」

霧島「あれだけ続いてたのに、一瞬で?」

島風「如何したんだろう……あ、皆が見えた!」

大和「あ、島風ちゃん! 金剛さんを連れて来てくれたのね」

武蔵「御苦労だったが……どうも、骨折り損になった様だぞ」

島風「え?」

金剛「……えっと、結局何で呼ばれたのか分からないんだケド」

漣「それは、端折って言うとですね、

間宮さんがおかしい
その事情が分かる人が外国人
英語の分かる人が欲しい←さっきまで此処

って事です」

霧島「分かった様な分からない様な……要は、金剛姉様を通訳として呼んだってことかしら?」

夕張「まぁ、そういうこと、かな。でも、島風が行った後に提督が来て。英語ペラペラだったんで、その後のことは提督にお任せしてるんです」

島風「おうっ!? じゃあ本当に私無駄骨!?」

長門「まぁ、そうなるな」

陸奥「御愁傷様ね」

島風「せ、折角頑張ったのに……」

川内「まぁまぁ。居ない場所の事は分からないし、仕方が無いじゃん」

神通「与えられた仕事を頑張っただけで十分ですよ」

島風「うぅ……夕張ぃ……」

夕張「あー、はいはい……」ポンポン

金剛「そういえば、テートクは結構話せる人だったネ。でも、マミヤがおかしいってどういう事ナノ?」

那珂「えっと、それは……ん?」ガチャ

提督「のぁぉぉ……運動不足の身にゃあ堪えるのぉ……」フラフラ

間宮「……」Zzz

金剛「あ、テートク……って、What !?」

霧島「御二人とも一体如何したんです!?」

提督「お? おぉ、金剛と霧島か。あいや、何。色々あってな。やけど、別段身体に障りは無し、大丈夫やで」

霧島「そ、そうなんですか?」

提督「せやで。それより、先に誰か間宮医務室に連れてったって。男がずっと負うんも何やし、情けないけんど、向こう行く前に儂が潰れそうでな」

大和「あ、なら私が」

武蔵「私は艤装を持とう。一応、船渠に回しておくぞ」

提督「おぉ、したら頼むわ……えいこらしょっと」

Grandma “……しかし、助かったよアドミラル。本社から専門家が来るまで、間宮をあのまま置いておかなきゃならないところだった”

提督 “あぁ、いや。此方こそ、氏が居らなんだら、何も出来んでおったでしょう。有難うございます”

金剛 “あの、提督? 何があったのか私達にも説明して欲しいんですけど……というか、このお婆ちゃん誰なんですか? 何処かで見た様な気はするんですけど”

提督 “ん……あぁ。この御仁は、クッキークリッカー社の会長、グランマさんや”

金剛 “……はい?”

Grandma “初めまして。お嬢ちゃん、随分流暢だね。アドミラルよりも上手いじゃないか”

金剛 “あ、これはどうも……じゃなくて、えっ、何でそんな人がいるんですか!? 私達聞いてませんよ!?”

提督 “……おろ? そういや、金剛達には知らされとらんのか? 儂も、何でグランマ氏が呼ばれたんか知らんから、聞こう思とってんけど”

金剛 “提督が知らないのに知ってる訳ないじゃないですか……あれ? じゃあ、一体誰が何の為に?”

Grandma “うん? お嬢ちゃんは兎も角、アドミラルは聞いていないのかい? 私は、此処の娘が「大食い大会の料理人として来てくれ」と頼んできたと間宮から聞いているが”

提督 “……はて。そんなん、予定立ててへんねんけどな。ほなら誰が……”

Grandma “確か、名前は……アキツマルとか言ってたかねぇ”

提督金剛 “……あきつ、丸?”

長門「……陸奥。聞き取れるか?」

陸奥「駄目。リスニングも少しは自信あったんだけど、御手上げね」

霧島「流石姉様……まだまだネイティヴでも通りますね」

神通「やっぱり、帰国子女なんですね」

川内「似非っぽい喋り方だから、ちょっと怪しいと思ってたんだけど……それにしても、提督も上手いなぁ」

那珂「……そうだねー」

漣「……そうですねー」

夕張「……どうしたの?」

島風「何処か痛いの?」

那珂漣「いや……」



吹雪「ふぅ……那珂さんに漣ちゃん、地震は収まったみたいですけど、どうですか……って、あれ? 司令官と金剛さんに霧島さん……彼方の方は何方ですか?」トトト

漣「……吹雪ちゃん」

吹雪「はい?」

那珂「那珂ちゃんも、英語は分からないから正確な事は言えないけど……何か、提督に暴露たっぽいよ」

吹雪「……何がです?」

漣「……少なくとも、大会の存在と開催者が」

吹雪「……あじゃぱー」

今回はこれで終わりです。

それと、短編の沖縄編、首里城の場面で、初雪のつもりだったのが名前が深雪になってました。艦娘の名前を間違ってしかも気付かないとか提督として駄目ですね。済みませんでした。

---医務室---

軍医「……はい、これが胃薬と、口の切り傷用の塗り薬。まさか、食べ過ぎで担ぎ込まれる娘がいるなんてねぇ」

まるゆ「有難うございます……」ズキズキ

あきつ丸「……面目ないであります」ムカムカ

軍医「まぁ、何があったか知らないけど、自棄食いなんてするもんじゃないよ。体調にも美容にも良くないんだから」

まるゆ(……そうじゃないんだけどなぁ)

あきつ丸「……肝に銘じます」

軍医「素直で宜しい。じゃあ、私は間宮の様子を見てくるよ。随分疲れが溜まっているようだからね……おや?」コンコン

提督「もし、提督です。入室しても構いませんかな?」

あきつ丸ゆ「」ビクッ

軍医「あぁ、あんたかい。大丈夫だよ、入んなさいな」

提督「さらば……」ガt

【ササッ】

軍医「……ん?」

軍医(……二人とも?)

あきつ丸ゆ(御願いですから黙ってて下さい軍医殿/さん)ガタガタ

軍医(え? あ、あぁ、はいはい)

提督「失礼致します」yaッ

軍医(……どうしたんだろうねぇ?)

軍医「いらっしゃい。それで、どうしたんだね? 間宮の様子を見に来たのかい?」

提督「まぁ、それもありますが……此方で、あきつ丸嬢とまるゆちゃんを診ていると聞きましたが」

あきつ丸ゆ()ガタガタ

軍医「……あー。済まないね、入れ違いだよ。今さっき終わって出てった所さ」

あきつ丸ゆ「」ホッ

提督「む、そうでしたか……さてもさても、したら今何処に……」

軍医「何だな、二人に用事かい?」

提督「えぇ。二人には少し、折り入って『話』が有りまして」

あきつ丸ゆ「」ビクッ

あきつ丸(……話

軍医「いらっしゃい。それで、どうしたんだね? 間宮の様子を見に来たのかい?」

提督「まぁ、それもありますが……此方で、あきつ丸嬢とまるゆちゃんを診ていると聞きましたが」

あきつ丸ゆ()ガタガタ

軍医「……あー。済まないね、入れ違いだよ。今さっき終わって出てった所さ」

あきつ丸ゆ「」ホッ

提督「む、そうでしたか……さてもさても、したら今何処に……」

軍医「何だな、二人に用事かい?」

提督「えぇ。二人には少し、折り入って『話』が有りまして」

あきつ丸ゆ「」ビクッ

あきつ丸(……話=ハナシ=オハナシ……高町式折檻術と書いてオハナシな感じということかっ!?)

まるゆ(それは良く分かりませんけど、隊長の用事って、多分まるゆ達を怒ること……ですよね?)

あきつ丸(あれだけの事態を招いてしまった後、このタイミングだ。怒らせ隊員ではない大和や武蔵から情報は漏れているだろうし、ほぼ間違いなくそうだろう……)gkbr

まるゆ(あぅ……作戦は成功ですけど、怒られるのは怖いなぁ……)gkbr

軍医(……何だい、怒られるから逃げたかったのかい……しかし、この仏の顔が十も二十もあるみたいのが怒ることねぇ?)

軍医「その、話ってのは? 差し支えなければ、聞かせてくれないかね?」

提督「いや、大層な事では。書類の不備と金の使い方についての注意ですな」

軍医「ほう? まさか、帳簿誤魔化して賭けに使った、って訳じゃないだろう。何があったんだね?」

提督「あの娘っ子達、どうやら自分達で独自のレクリエーションを企画していた様でしてな。大食い大会を開くというので、食料の仕入れを間宮経由で頼んでいた様なのですが……」

軍医「ふむ?」

あきつ丸(……ん?)

まるゆ(あれ? 何でそんな話になってるの?)

提督「どうも、その代金請求先を間違えてこの基地に指定してしまった様で。こういう場合、基地の責任者も兼ねておる儂が支払わねばならんらしいのです」

軍医「おやまぁ。それが書類の不備になる訳か……で、金ってのは?」

提督「請求の金額……ですな。魂消てひっくり返りました、占めて云十万円とのことで」

軍医「……それは、また」

あきつ丸(あ、これは自分達終わったな)

まるゆ(間宮さーん!? そんなに頼んでたんですか!?)

提督「あれだけの額を、監督者無しに未成年の個人が、しかも一度に使うというのは些か宜しくないでしょう。支払い能力の有無に関わらず、金銭感覚の麻痺に繋がるやもしれませんし」

軍医「成程ねぇ。それで、やらかした二人に御灸を据えに来たと」

提督「いえ、其処までは考えとりませんよ」

軍医「……ほう?」

あきつ丸ゆ(……え?)

軍医「そりゃまた、どうしてだね」

提督「二人とも普段素行が悪いということもありませんし、書類に関しては意図してやったとも思えません。厳重注意という形で構わんかと」

軍医「……そうかね。あんたがそう言うなら、それでいいんだけどね……」チラ

提督「……? 如何されましたかな?」

軍医「いや。虫が見えた気がしたんだが、気の所為だったよ」



まるゆ(……お、怒られない? まるゆ達、怒られないんですよね?)ホッ

あきつ丸(よ、良かった……が、心が痛むな……彼処までしたというのに)チクチク

軍医「じゃあ、また二人が来ることがあったら伝えておくよ。執務室で待たせておけばいいのかい?」

提督「そうして頂けると助かります……それと、間宮の容体の方は?」

軍医「大した事は無いよ。一通り診たが、どうも疲労が溜まってる様だね。倒れたっていうのは、多分その所為だと思うよ。本人が気絶中じゃ正確な話も出来ないがね」

提督「そうですか……我々が、普段から頼り放しなのがいかんのでしょうな。これを機に、暫く休んで貰いましょうか」

軍医「要請は、もうこっちから鎮守府本部に出しといたよ。おっつけ受諾されるだろうさ」

提督「おぉ、有難うございます。これで、ゆっくり養生してもらえますな」

軍医「そうさねぇ。で、どうする? まだ寝てるが、見舞って来るかね?」

提督「いえ。もし起こしては悪いですし、これで失礼させて貰います」

軍医「あいよ。じゃ、また」

提督「はい。失礼します」ガチャ、バタン



軍医「……さて。二人とも、どうするね?」

あきつ丸「……二人で謝ってくるであります」

まるゆ「悪いことしたら、ちゃんと謝らないと駄目ですよね……」

軍医「殊勝だね。ま、当人も言ってたが、うっかりのミスだったんだからお叱りで済むだろうさ。これからちゃんと気を付ければ、それでいいさね」

まるゆ「は、はい」

あきつ丸(……そうだ。そういえば、何故話がそんな風にすり替わっているのだ? 誰か、隊員がやってくれたのだろうか……)

軍医「そらそら、善は急げだ。早く行っておいで」

あきつ丸「……あ、りょ、了解であります」ピシッ

まるゆ「あ、有難うございました」ピシッ

軍医「はい、どういたしまして。海軍式も様になって来たね」

あきつ丸「恐縮です」

まるゆ「じゃあ、失礼します」ガチャ

軍医「もう此処に来ない様にしなさいよー」バタン



まるゆ「……よし。あきつ丸さん、早く行きましょう!」

あきつ丸「待て。勿論行くには行くが、今直ぐにでは提督殿に怪しまれる。それより、時間を潰すのも兼ねて、先に行くところがある」

まるゆ「え? 何処ですか?」

あきつ丸「吹雪の所だ。一応報告にも行かなければならんし、隊長でもある吹雪なら、自分達のことが誤魔化されているのにも何か心当たりがあるかもしれん」

まるゆ「あ、そういえば……分かりました」

あきつ丸「この時間だと、多分居場所は……」

---艦装歩兵寮---

吹雪「あぁ、それは私が取り繕いました」

まるゆ「え? 吹雪さんが?」

吹雪「えぇ。初日以降、中々 計 画 通 り とはいかなかったので、誤魔化しを幾つか考えておいたんですよ。色々あってその通りには使えなかったので、騒動中に修正版を考えておいて、一通りが終わった後それを言ったんです」

漣「ジェバン○もびっくりの早業……あの最中、よくそんな事考えられましたね」

あきつ丸「成程……そういう事だったか。済まない、御蔭で助かった」

吹雪「いえ、そんな。やり過ぎると怖いから、緩和策を考えてただけですよ」

那珂「怖いもの見たさでやってる那珂ちゃん達が言うことじゃないけどね」

まるゆ「……あのー、それで、結果なんですけど……」

吹雪「残念ながら、これは駄目ですね。騒動についても、財布を勝手に使ったことについても、全く怒ってる気配無しです」

あきつ丸「そうか。中々どうして、一筋縄では上手く行かないな」

那珂「今回のはハプニングもあったし、期待してたんだけどねー」

漣「まぁ、ドンマイです。本当に、怒りって感情がどっか行ってるんじゃないでしょうかね、御主人様は」

吹雪「それを確かめる為のこれですよ……さて、次はどうなることやら……」



深雪「おーい、吹雪ー。まだ終わらないのかー?」

那珂「あ、御免ねー! もう終わったから直ぐ出てくよー!」

白雪「分かりましたー」

あきつ丸「……では、自分達は失礼する。そろそろ提督殿にも謝らねば」

吹雪「あ、分かりました。では、また」

まるゆ「失礼しましたー」

---翌日---

吹雪「さて、大会と騒動の後片付けを終えたところで次の手です」

那珂「因みに、最後に確認した時の枚数から判断して、優勝は満潮ちゃんになったよ! 景品は、間宮さんの給糧+手料理引換券から食堂の食券三万円分に変更だって。間宮さん暫くお休みするみたいだから、仕方ないね」

吹雪「グランマさんには、司令官に間に入ってもらって、改めて感謝の気持ちを伝えました。騒動に巻き込んだ御礼と謝罪を兼ねて、何か出来ないかと申し出たんですが、『面白いものが見れた』と笑って断られました」

長門「あぁ、そうだったな。ところで、二人とも何故そう説明口調なのだ?」

吹雪「いえ。一応、知らない方にも説明をと思いまして」

瑞鶴「あ、私達のこと? 態々御免ね」

吹雪「いえいえ……えー、こほん。それでは、確認も兼ねて作戦概要の説明に移ります。那珂さん、任務娘さん、宜しくお願いします」

任務娘「はい、承りました!」ガラガラ

那珂「じゃあまずこのホワイトボードをご覧下さーい!」ガラガラ

蒼龍「一体どこから持ってきたの、それ」

任務娘「えー、今回の作戦は二本立てです! 瑞鶴さん発案の轟沈詐称と、私発案の資源浪費を合体させます!」バン!

那珂「具体的には、まず大和さん達も艦隊に入れて、今ある出撃系任務を全部熟せるだけこなしてもらいます! オリョクルを戦艦や航空母艦の皆でだなんて、寒気がしてくるね(懐的な意味で)☆」

陸奥「……言ってることは間違ってないから困るのよね」ズーン

任務娘「この任務報酬は消費に対して明らかに見合わない! なのに出撃させろという戦艦の皆さん! 間違いなく提督の怒りゲージは上がる……筈です! 多分!」

那珂「ついでに、任務娘さんが仕事をさぼっちゃって、出来てる筈の任務が出来てなかったって悪夢も積極的に現実にしちゃうよ! 提督注意深いから一回か二回が限界だけどね!」

飛龍「うわぁ、えげつない」

任務娘「そして頃合いを見計らって、私達もと駄々を捏ねる正規空母組にメンバー入れ替え! 適当なタイミングで勝手に出撃して、その途中深海棲艦に奇襲された様に見せ掛け通信を切る! そして身を隠し、ボロボロに見える様に特殊加工を施した彩雲を一機だけ母艦に飛ばし、嘘の報告!」

那珂「『第一艦隊奇襲ニヨリ壊滅セリ、旗艦赤城以下正規空母群撃沈』! 散々好き勝手した挙句の艦隊全員轟沈、これで何も思わない筈はないよねっ!?」

翔鶴「……えと、はい、まぁ、多分……そうではないかと」

加賀「……一つ、質問してもいいかしら?」

吹雪「はい、どうぞ加賀さん」

加賀「身を隠す、っていうけど、それは一体如何やるの? 私達、というか出撃海域の敵味方は、母艦の想探で常に捕捉されているのよ」

赤城「あ、そういえばそうね。電探なら兎も角、想探だと誤魔化すのは難しいんじゃ……」

吹雪「其処は大丈夫です。アイテム屋娘さんと妖精さんに協力してもらって、ある秘密兵器を用意しましたから」

蒼龍「ん? 秘密兵器?」

吹雪「……霧の艦隊や蒼き鋼と会った時、彼女達は強力な電波妨害の能力を持つって言ってましたよね? 実際、それで一時世界中が大混乱しました」

加賀「……そうだったわね。あの時は、本当にびっくりしたわ」

吹雪「あの電波妨害を、想探にも効く様に改造して貰いました」

加賀「」

瑞鶴「……え? 技術提供があったの?」

吹雪「というか、ヒュウガさんと妖精さんの間で私的な交流があったみたいですよ? その時に教えてもらったんだとか」

加賀「……ちょ、待ち、待ちなさい。ということは、出撃海域近海を、私達の勝手で通信不能状態にすると?」

吹雪「あ、其処まで凄いものじゃないです。一時的にチャフを撒き散らすみたいなもので、一、二時間もあれば効果は消えるらしいです」

翔鶴「そ、それにしても……というか、それで隠れられても、ずっと其処にいたら提督が迎えに来ると思うんですが」

長門「む……有り得るな。母艦の速度を考えると、翔鶴と瑞鶴は兎も角、空母の足ではとても逃げられるものではない。直ぐに目視可能な距離に入るぞ」

吹雪「それも考えてあるらしいですが、まだ任務娘さんから聞いてませんね。任務娘さん、少しいいですか?」

任務娘「というかですね、そもそもあの人は(グチグチ)……って、あ、はい、何でしょう」

吹雪「斯々然々のことで、電波妨害をした後は一体如何するんですか?」

任務娘「あ、それでしたら、外部の方に協力を頼みました」

飛龍「外部の方? 誰? まさか、民間人じゃないよね……」

任務娘「第一基地の提督さんに、向こうの母艦を出して貰えることになってます。先行して近くの海域で待機してくれているので、此方から合図を送ったら妨害に紛れて合流、そのまま一緒に舞鶴に帰還する予定です」

那珂「あの人、こういう悪戯とかドッキリが好きらしくて、話してみたら直ぐに食いついてきたんだって」

陸奥「……成る程、あの人なら納得」

吹雪「他に、質問はありますか? ……無い、ですね。それでは、早速開始です」

那珂「那珂ちゃんは、秘書艦の……えっと、今日は誰だっけ?」

任務娘「子日ちゃんです」

那珂「子日ちゃんに、出撃希望のこと伝えて来るね!」タタタッ

任務娘「私は、第一基地の提督さんと連絡を取って、最後の打ち合わせをしてきます」トトトッ

吹雪「私は、今回一緒に行けないので、此処で待機してます。メンバー入れ替えの時に、途中経過を教えてくださいね」

長門「了解だ。それでは、私達は出撃の準備をして来る。戦闘に遊びは持ち込めんからな」

陸奥「その前に、大和達を呼んで来なくちゃ」

赤城「あ、私達は長丁場になるし、戦意高揚の為に間宮さんのアイスを……」ガシッ

加賀「駄目ですよ。勝手に引換券は使えません。その代わり、ちゃんと装備を整えて、MVPを取ればいいんです」

赤城「うぅ、駄目かぁ。分かったわ」ショボン

吹雪「……色々と大変でしょうが、頑張ってくださいね。健闘を祈ります」

---

提督A《オッケ。座標○○-○○へ、そっちのシフトが変わった瞬間に向かえばいいんだな?》

任務娘「はい。電波妨害のことと合わせて、宜しくお願いします」

提督A《あー、別に良いって。俺も、あの仏さんのマジギレってのは見てみたいしな》ニシシ

任務娘「今回のは自信有りです。期待して頂いても構いませんよ」フンス

提督A《おー。自信満々だな》

任務娘「えぇ。あちこちの『私』達の経験を元に組んだ作戦ですから。効果は覿面に決まってます」

提督A《成程。新人から玄人まで、任務娘達に世話にならない提督はいない。付き合いも長いんだから、心理も当然知り尽くしてるってか》

任務娘「そういうことです!」ドヤァ

提督A《……何か、新鮮だな。ウチの任務娘は、そんなドヤ顔しないからな》

任務娘「まぁ、それは、持ってるモノが一緒なだけで元は別人ですし。そういうこともあるでしょう」

提督A《それもそうか……じゃ、また後で。どーせなら、俺の出番までキレてないのを祈るよ》

任務娘「それはどうでしょうかね? なんて、はい、また後程」ブツッ

任務娘「……ふふ。さーて、任務の書類をばっくれる準備に掛かりましょうか」

---

子日「提督ー。今日の出撃だけどさー」

提督「んぉ? 如何したな?」

子日「長門さん達が、鍛錬したいから出撃させて欲しいんだって。ついでに、出撃関係の任務もやって来るからーって」

提督「ほう。はっきり、出撃したいっちゅうたんかのう?」

子日「うん、そうだよ(って那珂お姉ちゃんは言ってた)」

提督「……うン、承認。子日ちゃんは、随伴艦と出撃海域だけ聞いてきとくれんかね? 直ぐに母艦の準備してくるきに」

子日「はーい」テテテッ

提督「……あの長門が、要望かぁ。ぼちぼち、ウチにも慣れてくれたっちゅう事かね。せやったら、まぁ、嬉しいこっちゃのぅ」カラカラ

提督「さて、したら、資源の積み込みと武装の準備さな。水雷は組まんやろうし、多めに積んでった方がええか……速度と折衷せなならんし、妖精さん方と話要るかなぅ」スタスタ

---

長門「大和。徹甲弾は、お前達の装備しているので最後か?」

大和「えぇ、そうだけど」

陸奥「そっかー。じゃあ、扶桑や伊勢達から借りて来なきゃ駄目ね」

武蔵「何だ、使いたいのか? だったら私達のを」

長門「いや、それはいい。それでは火力を分配し直すだけだ。私は、火力の底上げを狙っているからな」

武蔵「そうか。良いというなら、構わんが」

陸奥「じゃあ、私達ちょっと借りに行って来るから、二人はそのまま続けてて」

大和「分かったわ」

---

瑞鶴「……よーっし、仕上げ出来たーっ!」

蒼龍「お、どれどれ……うっわ」

飛龍「塗装剥げ、弾の貫通した穴、機体の欠け……本当に撃たれたみたいじゃん」

翔鶴「態々プラモデルの本を買っただけのことはあるわね。凄いじゃない、瑞鶴」

瑞鶴「そ、そう? えへへ」

加賀「……まぁ、悪くないわね」ボソッ

赤城「もう、加賀さんたら。そんな小さな声じゃなくて、大きな声でちゃんと褒めてあげないと」

加賀「……べ、別に褒めた訳じゃ」

赤城「素直じゃないわね。まぁ、そういうことにしておきましょう」クスクス

加賀「……」

瑞鶴(……褒めてはくれるんだ、加賀さん。ふーん)チラッ

---艦装歩兵母艦船渠---

長門「提督。居るか?」

提督「ん……長門か。ようやっと来やったの。もう、こっちの準備は終わってんで」

長門「済まない。装備を整えるのに時間が掛かっていたんだ」

提督「ほうか。ほいだら、そっちゃも準備は終わってんねやな」

長門「あぁ。長門以下、陸奥、大和、武蔵、赤城、加賀。第一艦隊、何時でも出撃可能だ」

提督「……うン?」

長門「何か?」

提督「……偉い面子じゃなぁ、ちゅうて思っただけじゃ。いや、しかしこん火力……お前さん、一体何処へ往く気じゃな? まさか、西やら北やらとはちゃうよな」

長門「オリョールだ」

提督「……ほ?」

長門「オリョールだ」

提督「……えー、何。そりゃ、任務も一緒にこなして来てくれる、っちゅうことでええんかぇ?」

長門「あぁ。聞けば、他の基地では『オリョクル』という方法で任務を片付けているらしいじゃないか。経験も積めて、任務もこなせる。一石二鳥だろう?」

提督「……合うとるけんどもなぁ……ま、ええか。したら、もう乗り込んどいとくれ。関係の事、ぴゃっと任務娘嬢に言うてくるわ」スタスタ

長門「あぁ、分かった」



長門「……ふふふ。さぁ、任務開始だ」

今日はこれで終わりです。
しかし、気付けば書き始めてから半年近く……手前の事ながら、だらだら続け過ぎですね。片割れの方も含めて、もっと早く書ける様に精進します。

---数時間後 東部オリョール海---

長門「主砲照準合わせ、ってぇぇい!」ドォォン

ヲ級「___」Critical! Major damage!

陸奥「続くわよ、撃てぇーっ!」ドォォン

ヲ級「___」Sunk!

陸奥「やった! 私が落とした!」ガッツポーズ

長門「……殲滅したか。赤城、大和、其方はどうだ?」

大和「こっちも終わったわ」

赤城「同じくです。今回のMVPは頂きましたよ!」キラキラ

加賀「流石ですね、赤城さん」Minor damaged.

武蔵「いや、参った。航空機が相手では、中々如何して勝てんな」Minor damaged.

長門「ふむ。今のところ、戦闘に支障はないな。此方の被害は、加賀と武蔵の小破だけ……戦闘結果としては最上級だな」

長門「では、弾薬と燃料はどうか? 私達は、ほぼ使い切ってしまったが」

大和「私達もよ。目盛りだと、両方とも後三つ分ね」

赤城「私は、弾薬は少し多めに残ってますね。艦載機が結構落ちちゃったので、ボーキサイトはきっと大変でしょうけど」

長門「そうか。この分だと、明日には母艦への積み込み分を使い果たすな」

武蔵「ふむ……余り張り切るのも考え物か。少し自重した方が……ん?」



陸奥「でも、提督もひっくり返るでしょうね。営々と貯めてきた資源が、たったの二、三日ですっからかんになるなんて」ボソボソ

加賀「完全に使い切るといざという時に困るし、最低限の分は残す様にはするけど……それでも、桁五つ単位で減るでしょうね」ボソボソ

赤城「舞鶴だからこそ出来る贅沢ね。これが横須賀とか呉だったら、きっと周りの基地からブーイングの嵐よ。『俺達は火の車だってのにー』、とか何とか」ボソボソ

陸奥「あ、ありそうねそれ」ボソボソ

武蔵「……成る程、そういうことか。だからこの面子なのだな」

大和「武蔵? どうしたの?」

武蔵「いや、何でも無い。唯、物好きもいるものだ、と思っただけだ」

大和「物好き……?」

武蔵「あぁ。私も、余り人のことは言えないがな」

武蔵(……ふむ。クッキーといいこの出撃といい、存外いい思いが出来そうだな。どれ、これが終わったら、吹雪にでも聞いてみるか。何なら、大和を言いくるめて引き入れてもいいしな)チラリ

大和「……??」

長門「特に問題も無い様だし、敵影も確認出来ないな……よし」っツーシンタンマツ

【ツー……ツー……ツー……ポーン】

通信妖精さん《はいはーい! 此方、艦装歩兵母艦まいづる-6でーす!》

長門「舞鶴第六基地第一艦隊旗艦、長門だ。戦闘は終了した。海域の中枢艦隊の撃破に成功、当方の損害は軽微。艦隊の回収を要請する」

通信妖精さん《りょーかい! 座標の取得が完了し次第、御迎えに上がりますね!》

長門「あぁ。それと、基地に回線を繋いでくれないか? 任務娘と連絡を取っておきたい……『例の件』で」

通信妖精さん《あ、提督マジg……》

長門「シッ!」

通信妖精さん《おっと、お口チャック。例の件でですね、分かりましたー!》ザザッ

長門「頼んだ」



【ツー……ツー……ツー……ポーン】

任務娘《……はい、舞鶴第六基地です。長門さん、如何されましたか?》

長門「任務娘。今しがた、我々は二十隻目の空母を撃沈した。従って、い号作戦は成功していることに『なっている筈』だな?」

任務娘《!……ふふ。ええ、そうですね。私が『うっかり』任務の登録をし忘れたりしていなければ》

長門「しかし、最近のお前は少々疲れ気味の様だ。そんなうっかりがあるかもしれないな」

任務娘《まさかぁ、私がそんなことする筈ないじゃないですかー》ニヤリ

長門「あぁ、そうだったな。まさかお前の様なベテランがそんなことはしないだろうな。済まなかった、念の為、提督の前に確認しておきたかったのだ」ニヤリ

任務娘《いえいえ、お気になさらず……あ、そろそろ提督が迎えに行く頃です。通信終了します……御武運を》

長門「有難う。通信終了、了解」ブツッ

長門「……さぁ、提督。これならば、どうだろうな?」ククッ

大和「……長門? どうしたの?」

陸奥「あ、大丈夫。自分が強くなってるのが嬉しいだけだと思うから」

大和「そ、そう?」

加賀「……あら。提督、もう来たみたいね」



提督《ほーぅい。迎えに来たどー》ボァーッ

---

電算妖精さん「……ん、終わった。撃沈データ、保管しといた」

提督「有難うございます……うし、皆、お疲れさんやったね。取り敢えず、最寄りの基地……此処からやったら、パラオの第八になるかなぅ。其処まで行って、船渠使わしてもらおか」

陸奥「はーい」

加賀「助かります」

提督「ほんで、その出撃終わったら今日は終い。停泊して二二○○まで自由行動、二三○○までに戻って就寝と。今日は儂が寝ずの番張っから、皆構わんで寝ときんさいな」

武蔵「いいのか? 明日も出撃するというのに」

提督「一日二日の徹夜でァへたばらんさね。気にせんでええよ。それと、妖精さん方も、夜間機材は此方で管理を担います故、どうぞお休みください」

操艦妖精さん「あ、そうですか? じゃあ、御言葉に甘えて……」

電探妖精さん「もしその時何かあったら、直ぐに呼んでね。無いとは思うけど」

提督「承りました……ほい、ほんじゃ解散。定刻に見張り交代だけ忘れんで、後は待機しとく様にの」

赤城「了解です」

大和「私は、見張りに行ってきますね」スタスタ

長門「提督」

提督「……ん? 長門、どないした?」

長門「いや、何。寄港まで、幾らか時間が掛かるだろう。その間に、任務の報告を済ませたらどうか、と思ってな」

提督「ふむ……せやなぁ。どうせやる事もなし、やっとくかのぅ。済まんね、長門。気ィ利かせてくれて」

長門「よしてくれ。唯伝えただけだ」

長門(……それに、早く怒った顔を見てみたいからな)ニヤ

提督「ほだら、通信妖精さん、頼みます」

通信妖精さん「はいはいー。えーっと、基地の番号は……」ピッピッピッピッピッ……

通信妖精さん「これでよし。発信したらそっちに回しますね!」

提督「有難うございます……と」



【ツー……ツー……ツー……ポーン】

任務娘《……はい、舞鶴第六基地です》

提督「任務娘嬢。儂じゃが……」

任務娘《如何されましたか?》

提督「いやさな。今の出撃で、空母撃沈が二十になったもんでの。い号の完了頼もう思てな」

長門任務娘(掛かったァッ!)

任務娘《はい、い号作戦ですね……》チラ

長門「……!」グッ

任務娘《……分かりました、少々お待ちを》グッ

提督「はいな、頼むね」

長門(……開始の合図は送った。後は提督の反応を待つばかり……頼むぞ、任務娘)

任務娘《……》カタカタカタカタ

提督「……」

任務娘《……あれ?》カタカタカタカタ

提督「ん? 何じゃな?」

任務娘《あ、いえ、何でもありません……??》カタカタカタカタ

長門(始まった!)

任務娘《……え? 何で? 何で……あれ??》カタカタカタカタ

提督「……おーい、任務娘嬢? ほんまにどないしたな?」

任務娘《な、何でもありませんっ……も、もう少しだけ、もう少しだけ待ってください!》カタカタカタカタカタカタカタカタ

長門(……迫真の演技だ。やるじゃないか、任務娘)

提督「……任務娘嬢」

長門「!」

長門(……提督の様子が何時もと少し違うな。どう反応するのか……)

任務娘《何で……何でよ……》カタカタカタカタカタカタカタカタ

提督「任務娘嬢」

任務娘《そんな筈ないのに……》カタカタカタカタカタカタカタカタ

提督「任務娘嬢!」

任務娘《っ……はい》

長門(普段より、大分語気が強くなっている……これは、もしやするともしやするか?)ドキドキ



提督「……落ち着き。頭冷やして、いっぺん平静になんなさい。任務娘嬢らしゅうないで、人の話も聞かんなんぞ」

長門(……流石にこれだけでは無理か)ムゥ

長門(しかし、まだまだ。本番はこれからだ)

任務娘《……》

提督「ほんで、如何したね? 見たとこ、機械の方で何かあったみたいやけど」

任務娘《……ぅ》

提督「ん?」

任務娘《……そ、の。ですね》

提督「うン」

任務娘《……に、任務の、受付で》

提督「受付で」

任務娘《……その》

提督「……」

任務娘《……ぅぅ》

提督「……」

任務娘《……》

長門「……?」

長門(……何故黙り込む。それでは話が進まないじゃないか……ん? 話が進まない? もしや)ジッ

任務娘《……》ニヤ

長門(! 此方を見て笑った……ということは、これも作戦か。話を引き延ばして苛立ちを誘う訳だな?)パッパッパッ(ハンドサイン)

任務娘《……》メクバセ

長門(成る程、分かった。そういうことなら、私もじっくりと腰を据えて見させてもらおう)パッシュッグッ

任務娘《……》ニッ



提督「……」

任務娘《……》

長門「……」

提督「……」

任務娘《……》

長門「……」

提督「……」

任務娘《……》

長門「……」

---十分後---

提督「……」

長門「……」ダラダラ

任務娘《……》ダラダラ

長門(微動だにしない。十分間ずっと沈黙して、静かに任務娘を見つめている)

長門(感情を露わにするでもなく、何を言うでもなく、穏やかな表情を浮かべて、唯見つめ続けている……)

任務娘《……》

長門(……やりづら過ぎるっ! まさか全く反応が無いとは……)

任務娘《……》チラッ

長門(……言いたいことは分かる。そろそろやめた方がいいんじゃないか、と言うんだろう)シュッフッポン

任務娘《……!》コクッ

長門(……どうするか。もう少し粘るか、それとも話を進めるべきか)

提督「……」

長門(……よし。『>>320』だ)シュッシュッパッ



安価です。任務娘への指示は続行でしょうか、話の再開でしょうか。或いは別の行動でしょうか。顔の見える通信機越しで可能なことに限ります。

続行

長門(済まないが、もう少し粘ってみてくれ。この手の仕掛けは、時間を掛ければ結果が変わるかもしれんからな)グッパッギュッキラッ☆

任務娘《……》コクッ

提督「……」

長門(さて、吉と出るか凶と出るか……)

任務娘《……》

提督「……」

長門「……」

任務娘《……》



提督「……ぇえ"え"え"ッッッくしょぉぉぉんぃ!!」

長門「!?」

任務娘《!?》

提督「ん……」ズズッ

長門(……く、嚏か。突然何かと)バクバク

任務娘《……》バクバク

提督「……のぅ、任務娘嬢」

長門「!」

任務娘《!》

長門(声掛け……積極的な働きかけだ。やっと事態が動いたか)

長門(嚏で沈黙が途切れたからか? 何にせよ、どうするつもりなのか、様子見だ)

任務娘《……》

提督「『過ちては改むるに憚ること勿れ』。孔子さんの言葉やねんけども、任務娘嬢位賢かったら、意味は分かるじゃろ?」

任務娘《……》

提督「もう一つ。『過ちて改めざる、是を過ちと謂う』……これも、分かるじゃろ?」

任務娘《……》

長門(……『失敗してしまったことは仕方がないが、これを改めないのは良くない。改めることを避けてはいけない』、か。有名な一節だ。それに、有名になるだけの言葉でもある)

長門(何かやらかしたことを察して、その上で、飽くまで自分で反省することを促すか……提督らしいが、しかし、今回は我々だって心を鬼にするぞ)

任務娘《……》

提督「……むむむ」

長門(一度粘ると決めたからには、徹底的にやる。沈黙が痛い? 望むところだ。その行き着く果てが怒りかもしれんじゃないか)

長門(まだまだこれからだ、任務娘)グッ

任務娘《……》ニッ



提督「……」

長門「……」

任務娘《……》

提督「……」

長門「……」

任務娘《……》

---

【カッコ、キッコ、カッコ、キッコ】

長門「……」ウツラウツラ

任務娘《……》

提督「……」

長門(……はっ!? いかん、目を覚ませ私!)ベシベシ

長門(……あれから、二時間か。まさか此処まで長期戦になるとは……)

長門(基地まではもう少しあるが、大和との交代がもうそろそろだ。是非は問わず、兎に角決着させねば……)

任務娘《……》

長門(任務娘、何か行動を起こすぞ。もう時間がない)グッパッニュッキュッシュッ

任務娘《……》

長門(……? おい、任務娘)ギュッ



任務娘《……》ユラユラ

長門(……寝てるじゃないかっ!? あ、いや、違う、眠りかけてる? どっちにしたって大問題だっ!)

長門(不味いぞ……このままだと、『やらかした任務娘が爆睡してるのを提督が見てるだけ』なんて訳の分からん絵に……怒らせる以前の話じゃないか……)

長門(……ん? 待てよ……人が話をしてる最中に眠りこけるなどというのは、話してる人間からすると相当腹の立つ行為だ。とすると、任務娘を眠らせて、それを提督に気付かせれば……もしや?)

提督「……」

長門(いや、しかし……それは人としてどうなんだ。こんなことをしてる私達が言えた口ではないが)

長門(む……ぅ。どうすべきだ。どうすべきなのだ、私は)



安価です。長門はどう行動するでしょうか。『>>329』を取ります。

様子を見る
無言合戦を続行しよう

長門(……覚悟を決めるか。時間一杯粘れるだけ粘って、当たって砕けてしまおう)

長門(任務娘には、何もしないでおこう。寝てしまうにしろ起きるにしろ、此処まできたら小細工をしても仕方がない。流れに任せるのみだ)

長門(残り数十分、大和が来るまでが最後のチャンスだ。如何なるかな、これは)

提督「……」

長門「……」

任務娘《……》ユラユラ

提督「……」

長門「……」

任務娘《……》ユラユラ



任務娘《……》ユラユ……

長門「……!」

任務娘《……z……Zzz》スー

長門(眠った……思いの外早いな。しかし、同じ姿勢で固まっているし、まだ気付かれないか?)

提督「……ん? 寝息?」ピクリ

長門(そんなこともなかったな。まぁ、静かにしていると音が響くし、暴露て当然か)

長門(さて、提督。寝息の発生源は、先から動きのない任務娘だ。話を聞こうとずっと待っている人間を放置して眠っているが、この振る舞いに対して如何行動するかな?)ジーッ

提督「……これ、任務娘嬢がかぇ。動かん思うたら睡掛けしとるんか」

長門(そうだ。ならば如何する? 怒るか? 激怒するか? 激おこぷんぷん丸しちゃうのか? ん?)

提督「……ほほん。成る程なぅ、そういう事か」

長門(……)



提督「隈は見えんかったけど、ほうか、そないに睡眠不足やったんやね。そんで、それが祟って何かやらかしてもうたと。そら嫌んたがらぁの、話すんも」

長門(……ん?)

提督「儂も延々引き止め過ぎたかの。此処まで眠かったっちゅうたら、話聞くのも辛かったろうし」

長門(んん?)

提督「あ、やから途中あないに何も反応なかったんか? 半分寝惚けとったとか?」

長門(んんん?)

長門(……違う、そうじゃない。眠った理由に対する考察とかそういうことではなく、起きておくべきなのに勝手に眠られたことを考えてくれ。そして大いに激怒してくれ提督)

長門(……そういう提督もあまり想像出来ないが、しかし普通はそうだろう。誰だってそうする。私だってそうする。そういうものだろう……そうだよな? 私が狭量過ぎる訳ではないよな?)

長門(……有効だと思っていたが、これでは無理だったか)ムムム

長門(作戦失敗。こうなったら、予定通り、明日からまた限界までやり合って資源を喰い尽くして……)

提督「長門」

長門「ふぁっ……あ、いや。んんっ。何だ提督」

提督「此処まで付き合ってもらっといて何やけど、ちょっくら頼まれてくれんか?」

長門「あぁ。構わないが」

提督「支援艦隊用の空きの個室に、使うてない毛布があった筈じゃ。一枚、適当に持って来とくれ」

長門「分かった」スタスタ



長門(……驚いたな。てっきり提督は私に気付いていないと思っていたが、分かっていたのか。扉の辺りでこっそり見ていたのに)

長門(……しかし、今から毛布など使って何をしようというんだ。疲れたから仮眠でも取るのか?)

---

任務娘《Zzz……ん……》

長門「提督。持って来たぞ」ガチャ

提督「おぉ、有難うな」ポフッ

長門「……提督、それを如何するんだ? 仮眠を取るなら、私が此処を預かっておくが」

提督「いや、儂が使うんちゃうで。使うんは、任務娘嬢じゃ」

長門(……は?)

長門「……一体何を言っているんだ。任務娘は舞鶴にいるんだぞ。此処にあるものを使える訳がないだろう」

提督「ま、其処はそれ、ちっくら見とりぃさ」カラカラ

長門「……?」



提督「……どぅれ、ズボッとな」ズッ

長門「!?」

長門(も、モニターに腕が入り込んだ!?)

提督「うし、ちゃんと出来るな……ほんま、貞子の映画ん御蔭で、偉い儂らにも便利になったもんじゃ。ほいだら」ズルッ

任務娘《ん……》ファサッ

提督「これで風邪は引かんじゃろ。また帰ってからでも、ちゃんと差し向こうて話聞きゃよかね」ズルッ

長門「……」パクパク

提督「ん? どないした長門?」ツウシンシュウリョウ

長門「いや……如何したって……」

提督「……其処まで驚くとは思わなんだな。何サ、大した事ちゃうよ。存外、世にゃこんな事もあるっちゅうだけさね」

長門「……随分、あっさりと言ってくれるな」

提督「そない言うてもやなぁ。それ以上は何ともかんとも言えんもんやでなぁ」

長門「……度し難い」

長門(……大食い大会の時といいこれといい、提督は一体何者なんだ……)

【ガチャ】

大和「提督? 済みません、長門を見ませんでしたか……あら?」

提督「大和か。長門じゃったら此処じゃてな。そったら、もう交代の時間か」

長門「……その様だ。仕方が無い、今の事はまた聞かせてもらうぞ」

提督「うーん。あんま聞いておもろい話でもないけどなぁ。そんでええならええけんど」

長門「是非とも頼む。このままだと色々と世界が壊れそうだ……大和、済まなかった。後は引き継ごう」スタスタ

大和「あ、えぇ。別に構わないけれど……?」バタン

提督「……お疲れさんやったね、大和。残り時間、また自由に過ごしときぃさ」

大和「それは、そのつもりですけど。一体何をお話されていたんです?」

提督「何、大仰なこっちゃないさね。不思議なんてのは其処らにゴロゴロしとるってな事をの」カラカラ

大和「はぁ……?」

申し訳ないのですが、これから一ヶ月程、かかりきりになる用事が出来ました。
当分、おそらく用事が終わるまで投稿はないと思います。ご了承下さい。

---寄港後 母艦内 艦装歩兵個室---

長門「……という訳で、恐らく、任務娘の援護は失敗だ」

陸奥「……何て言うか、非常識よね。色々と」

加賀「艦娘以外でそんなことが出来るなんて……いえ、艦娘でも出来ないわね、そんなこと」

赤城「何者なんでしょうね、提督って。割と真面目に」

長門「……まぁ、過ぎたことは仕方が無いし、秘密の詮索も後だ。次は、メインの資源浪費についてだ」

赤城「今のところ、相当のペースで消費してますね。明日までに積み込み分が尽きそう、というのは、正直驚きですが」

長門「うむ。しかし、念には念だ。妖精さんに要請して、次なる策を打とうと思う」

加賀「……妖精さんに要請」ボソ

赤城「……フクッ」プルプル

長門「……狙った訳じゃない。違うんだ。本当だぞ!?」

陸奥「あー、はいはい。それで、策って?」

長門「むぅ……要は、一回辺りの出撃での消費量増加を狙う。具体的には、航路を意図的に変更してもらう」

陸奥「航路を?」

長門「航路決定の指針になるのは、電算妖精さんと電探妖精さんの報告が主だ。それを逆手に取る」

加賀「成る程。迂回路や間違った航路に誘導して、戦闘の機会と航行距離を増やすのね」

赤城「となれば、弾薬や燃料、ボーキサイトだって消費が増える……」

長門「おまけに、私達の練度向上も図れる。一石二鳥の計画だ」

陸奥「いいんじゃないかしら。それでいけば、遠回りしなきゃいけない分むかっ腹も立つかもしれないし」

加賀「それじゃあ、今から協力要請をして来るわ。提督は寝ずの番で艦橋から出てこないだろうし」スクッ

長門「あぁ。頼む」

---

加賀「お待たせしました。約束を取り付けてきたわ」

赤城「お疲れ様です、加賀さん」

長門「有難う……さて、今手を打てるのはこれ位か。後は、明日からの出撃に全力を尽くすしかないな」

陸奥「そうね。それじゃ、解散ってことでいいかしら?」

長門「あぁ。明日に備えて、早目に床に就くか」

赤城「じゃあ、私達も戻りますね」

加賀「お休みなさい」

陸奥「お休みー」

長門「……上手くいけばいいんだがな」

---翌日 東部オリョール海上 母艦内---

提督「……ふぅむ」

通信妖精さん「あれ……提督? どうかしました?」

提督「いやぁ……これをご覧下され」っタンマツ

通信妖精さん「これは、積み込んだ資源の電子データ? えー……うわぁ」

提督「油と弾はほぼ空、鉱物も余裕が御座いません。流石に、戦艦をこう集中運用すると、といった具合ですな」

通信妖精さん「これじゃあ、次の出撃が終わったら、一度帰投しないとですねぇ」

提督「……いや、念の為です。一つ早目に切り上げておきましょう。道中の護衛分も、残しておかねばなりません」

通信妖精さん「あ、それもそっか。それじゃ、そう伝えますね!」

提督「御願い致します」

通信妖精さん「はいはーい……」ピッピッピッ……

提督「……しっかし、卦体なる事よのぉ。こんだけスカ喰わされるとは……結局、中枢艦隊にまで一回も行かんかったしなぅ」

提督「……帰ったら、宿曜でも見るべかな。難儀な日和じゃったらば、出撃は控えた方がええかも知らんのぅ」ブツブツ





通信妖精さん「……」ニヤリ

---

長門「……成る程、分かった。それでは、現在地点で待機する。では」

大和「妖精さんは、何と?」

長門「今回の出撃で持ってきた資源がほぼ底を突いたので、念の為、まだ余裕のあるうちに基地へ帰る、とのことだ」

大和「そうですか……分かりました」

武蔵「仕方が無いな」

長門「……」チョイチョイ

陸奥「……?」ワタシ?

長門「……!」コクコク

陸奥「……」コソコソ

長門「……首尾は上々の様だ」ボソボソ

陸奥「どういう事?」ボソ

長門「その前に、皆を呼ぼう。大和と武蔵に気取られない様に集めてくれ」ボソボソ

陸奥「了解」チョイチョイ

赤城「……?」ソーッ

加賀「……」ソソクサ

長門「助かる」ボソ

陸奥「どういたしまして」ボソ

長門(……どうやら、提督に影響は与えられている様だ。帰ったら占いでも見ようか、と言っているそうだ)

陸奥(占い……そんなのを信じる人には見えないんだけど、それに頼るとなると……)

赤城(もしかするかもしれませんね。これは期待です)

加賀(予報以上に効果があったわね……)

長門(取り敢えず、帰ったら一度吹雪と落ち合おう。任務娘は、諸般事情で恐らく合流が遅れる。我々だけで、改めて作戦会議だ。いいな?)

三人(了解)

武蔵「……ほほう」

大和「? 武蔵、何か言った?」

武蔵「いや? 何も言っていないが」

大和「そう……空耳、かしら?」

武蔵(……さて、どうやって大和を彼方側へ一緒に引きずり込むかな)

武蔵(これだけ暴れられるなら、変に気遣いなくやりたい。参加していない人数の方が少ない様だし、もう加わった方が互いに気楽だろうしな)

武蔵(……しかし、あれでひそひそ話になっていると思っているのか? 四艦だけで輪形陣を組んでも、何にもならんだろうに……)

今日はこれで。
しかし、提督がリーダーっぽいという人が何人かいらっしゃる様ですが……そんなイメージで見えるのか、これは……

後、もののついでに、今他に進行中のスレも紹介しておきます。御覧頂けると幸いです

提督’s「艦娘母艦改造計画」

提督’s「艦娘母艦改造計画」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1408200859/)

【建て直し】提督’s「艦娘母艦改造計画」

【建て直し】提督’s「艦娘母艦改造計画」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422707704/)

此方の手抜かりで、データが吹っ飛びました。復旧は出来そうですが、時間もかかりそうです。暫くお待ちください。

その代わりに、安価で何か書こうかと思います。>>358でお願いします。

全然怒らない提督をマジギレさせるとか?

>>358

さっさと復旧して続き書け、という意味合いでしょうか……

勿論、最大限の努力はしますが、今の所は御勘弁下さい。
安価下ということで、>>361でもう一度お願いします。

艦娘’s「常にキレッキレの提督を菩薩のように穏やかにしてみる」

提督「……」イライラ

電「あ、あのぉ……司令官さん」ビクビク

提督「ア"ァ"?」ギンッ

電「ひぃっ……な、何でもないのですっ!?」

提督「……あぁ、そうかよ。用がねぇならとっとと帰れ」

電「ひぅ……は、はぃ……」ビクビク

提督「……チッ」イライラ



金剛「Heeeey、テートクー! 一緒にTea timeにするネー!」ガチャ

提督「はっ。茶なんざ要らねぇよ。テメェ一人で飲みゃいいじゃねえか」イライラ

金剛「エー……テートクと一緒に飲みたいデスよー」

提督「……んな事知るかッ! そんなに飲みてぇならテメェの妹と飲んでこいっ!」グイッ

金剛「What!?」

提督「出てけっ!」ポイッ、バタン!

金剛「(ドスン)Ouch! ……お尻が痛いデース」ヒリヒリ

金剛「……ムゥ。どうしてテートクは何時もあんなにAngryなんでしょうカ。仕事も出来るし、Commanderとしての能力に間違いはないんデスが……」

金剛「……こういう時には、情報通のアオバに聞いてみるのが一番デース」スッ

青葉「え? 提督が何で怒りっぽいか?」

金剛「Yes。私はいいデスが、あんな怒りん坊じゃDestroyerの娘達が可哀想デース。何かReasonがあるなら、どうにかしたいネ」

青葉「……ふーむ。そうですねぇ。端的に言って、提督は『不器用』なんですよね」

金剛「不器用?」

青葉「そう。提督、本当は仕事は余り得意じゃないんですよ。それで、他人よりも沢山時間を掛けて、それをやっていってるんです」

金剛「? デモ、テートクは少し仕事をしたら、全部終わったーって」

青葉「でしょうね。それで、終わったからお前は出てけー邪魔だー、ってその時に言うでしょう? その後で、改めて一人で仕事をやってるんですよ」

金剛「……何でそんな事を? 別に、私達がいる時にやればいいんじゃないデスか? それなら、私達が手伝えるのに」

青葉「其処ですよ」

金剛「What?」

青葉「提督は、そうやって艦娘が仕事を手伝うのを嫌がるんです。別に、これは仕事を邪魔したりするから、ってことじゃなくて、寧ろ逆なんですが」

金剛「……?」

青葉「要は、艦娘に余計な手間を掛けたくないんですよ、あの人は。それで、必要の無いことは全部自分でしょいこもうとしてる。そうすることで、私達が戦闘や普段の生活以外は気にしないで済むようにしてるんです」

金剛「……私達のことを?」

青葉「それで、仕事が終わった風にして秘書艦を追い出す。その後で残りを全部やってしまう訳です。人に頼れない辺り、あの人は不器用なんですよ」

金剛「……Hum」

青葉「でも、このやり方では、提督に直ぐに疲労が溜まります。そして、ストレスも」

金剛「Stress……ということは」

青葉「それを溜め込んだ状態が普通になって、普段から態度がキツくなる。そして、それを怖がったりする艦娘を見て、自己嫌悪で更にイラつく、と。もう後は、無限ループです」

金剛「……そういう事だったんデスか」

青葉「本当は、ある意味心底私達のことを想ってくれてる人なんですけどね。中々、この質を変えられなくって……」

金剛「……ところでアオバ。どうしてそんなに詳しく知ってるんデスか?」

青葉「青葉、提督とケッコンしてる位には長い付き合いなので」キラン

金剛「……あ、成る程そういう」

金剛「まぁ、Reasonは分かったネ。でも、聞いてると、アオバもテートクのそういうところ、どうにかしたいんじゃないデスか?」

青葉「まぁ、それは」

金剛「だったら、こうするネ。ケッコンしてるアオバから言っても聞かないなら、もう基地の艦娘全員でテートクのそういうところを直してあげるのデース!」

青葉「か、艦娘全員で?」

金剛「そもそも、Desk Workまで含めて私達の仕事ネ。テートクが私達のことを考えてくれてたのは嬉しいデスけど、それで艦娘を傷つけちゃったら本末転倒デース! ASAP、どうにかしなくちゃいけないデスよ!」

青葉「は、はぁ」

金剛「でも、私やアオバだけじゃ足りないネ。三人寄れば文殊のWisdom、百人寄ればWarehouseも潰れるデース! 皆で知恵を出し合えば、良い案も出るし、協力して色んなことが出来マース!」

青葉「……まぁ、確かにそうですが」

金剛「という訳で、テートクをお助けし隊、Fire!」

青葉「ふぁ、ふぁいあー」

青葉(……あれ? 青葉も強制参加する流れ?)

青葉(……ま、いっか。提督をどうにかしたいのは本当だし。記事にも出来れば万々歳だし。よーっし、そうと決まればやるぞー!)





“Not” to be continued……

---数時間後 舞鶴鎮守府第六基地 艦装歩兵寮---

吹雪「えー、それでは、怒らせ隊作戦行動の中間報告です。先ずは、皆さんお疲れ様でした。細やかながら、慰労の品を御用意しましたよ」

那珂「って言っても、大食い大会で余ったクッキーと自販機で売ってるジュースだけどね。体のいい在庫処理だけど、美味しいからそれで我慢してね!」

陸奥「いっそ清々しい位にぶっちゃけたわね」

長門「まぁ、美味いのは本当だったからな。有難く頂こう」

吹雪「では、食べながらでもいいので、本題に入りましょう。初めに、資源浪費の結果ですが……」

赤城「上々です。燃料・弾薬は五千程、鉄は三千、ボーキサイトは四千。航空機の撃墜が予想外に多かったので、これは嬉しい誤算でしたね。妖精さんには、肝が冷える事ばかりで、悪い事をしていまっていますが」サクサク

加賀「それと、高速修復材も十個程。小破以下の被弾ばかりで、修理回数が増えた割には余り減っていないわ」モグモグ

吹雪「ふむ、成る程成る程……」

那珂「でも、修復材には気をつけないとね。あんまり使うと、いざって時に大変だし」

吹雪「まぁ、それはそうですね」

長門「それと、任務娘からの援護として、任務受注のど忘れがあったが……あれは、恐らく失敗だ」

那珂「え? なんで?」

吹雪「そういえば、任務娘さんの姿が見えませんね。どうしたんです?」

長門「いや、な。実は、斯々然々のことで……」



---略---



長門「……という訳だ。今頃は、提督と向き合って面談中だろうし、その後にまで同じことはし辛い。そうならない様に注意されたのに、不自然過ぎるからな」

吹雪「……むむむ、そんなことが」

那珂「モニターに腕突っ込んだってどういうことなのかとか気になることはあるけど、要するに、任務娘さんはもうリタイアってことかぁ」

陸奥「まぁ、今回重要な情報はそれだけだし、そういう認識でいいわ」

吹雪「……となると、後は資源浪費の継続と、赤城さん達の轟沈詐称に頼るしかありませんね」

長門「しかし、提督も少しは参ってきている様だ。妖精さんによると、占いに頼ることを考え始めている、と」

吹雪「占い?」

陸奥「そう。あの合理主義の提督が、占いよ? 結構追い詰められてきてるんじゃないかしら」

那珂「……あー。それ、もしかして、宿曜がどーたらとか言ってませんでした?」

加賀「……そんなことも言っていたと聞いているけど」

赤城「それが、何か?」

吹雪「いえ……残念ですけど、それはまだまだ平常運転ですね、司令官にとっては」

那珂「陰陽師とか山伏とか、何かその辺りの占いの一つで、提督は普段から割りとやってるんだよね、実は」

長門「そうなのか?」

吹雪「はい。テレビに出るレベルの星座占いなんかよりはよっぽど信頼出来るって、笑ってたこともありますし……血液型占いなんかに頼り始めたら、それは間違いなく参ってる証拠でしょうけど」

陸奥「あらら……残念。ちょっと期待したんだけど」

【ガチャ】

任務娘「ただいま戻りました……」

吹雪「あ、任務娘さん」

那珂「ねね、提督、どうだった? 任務娘さん、怒られちゃった?」

任務娘「……駄目ですね。糠に釘刺した方がまだ手応えがありますよ。あれはもう空気です。空中で釘ぶん回してる気分になってきます」

長門「そうか……因みに、何を話していたんだ? 受注のし損ねは、ちゃんと話したんだろう?」

任務娘「……そうですね。大体こんな感じで……」



---

提督「いや、昨日は済まんかったね。何や疲れとったとこを、延々引き伸ばしてもうて……儂の落ち度じゃ、堪忍しとくれ」

提督「ほんで、昨日言うとった、任務のこっちゃけど……受注手抜かりやったんやね?」

提督「あーいや、別段怒っとる訳ちゃうよ。でも、せやったらせやて、ちゃんと言うてくれたらええんに。疲れとったらそういう事もあろうさ。次が無いようにしてくれたら、それでええよ」カラカラ

提督「まぁ、取り敢えず、これから三日位は休んどり。情報は他の基地から貰えるし、任務は儂がピンキリまでやるから。普段世話なっとるし、偶にはこれも良かろ? あぁ、主上にゃちゃんと許可取っとるよ」

提督「ゆっくり養生してから、また仕事頑張っとくれ。ちゅうても、病みや怪我ややないし、意味合いちゃうか分からんけんどもな」カラカラ

---

任務娘「……私達に悪意があるとは毛頭思っていない様子でしたね。どころか、私が昨日寝落ちする程疲れてたと勘違いして、謝ってきましたし」

長門「……歳を食ってから何か詐欺に引っかからないか、今から心配になってくるな」

吹雪「……其処まではないと、思いたいですね」

那珂「だね……」

陸奥「ということは、当分任務娘はお休みね。まぁ、提督の言う通り、いつも働き詰めなんだから、有難く休ませてもらいなさいな」

任務娘「……折角ですし、そうします。お役に立てず、済みません」

赤城「とんでもない。お疲れ様でした」

加賀「ゆっくり休んで、私達の朗報を期待してて」

任務娘「有難うございます……」

吹雪「……さて、どうしましょうね。皆さん、他に報告しておくことなどは有りませんか?」

長門「私達からはもう無いが」

赤城「右に同じくです」

任務娘「言わずもがなです……」

那珂「じゃあ、今回はもう終わり、かな?」

吹雪「……そうですね。それでは、今回の報告はこれにて終了とします。お疲れ様でした」

艦娘's「お疲れ様(でした)」

吹雪「援護射撃の効果も薄かったようなので、これからは、只管浪費を繰り返しましょう。各資源の備蓄が一万を切るか、司令官が怒るまでを目標とします。頑張りましょう」

艦娘's「了解」

---

長門「提督。出撃させてくれ。こんなものではまだ練度は足りない」

提督「ん? んー……そか。まぁ、そったらまた行こか」

長門「助かる。編成は前のままで、また東部オリョールに行かせて欲しい」

提督「……ほ? 構わんけど、何でまた」

長門「まぁ、いいじゃないか。任務はこなせるし、火力はあるに越した事はないだろう?」ニヤ

赤城「……長門さんのあんな悪そうな顔、初めて見ました」

加賀「多分皆そうよ。貴重ね」

---

長門「ビッグセブンの力、侮るなっ」ドォォン

ワ級「___」Sunk!

提督《……ん、お疲れさん。周りにゃ、もう何も居らんね?》

長門「あぁ。完全に殲滅した」

提督《ほなら、全員帰投しとくれ。一編、基地で入渠せにゃ》

長門「了解……ククッ」ニヤリ

大和「……ねぇ、武蔵。やっぱり長門、おかしくない?」

武蔵「そうか? 気のせいだと思うが」

大和「……あんな笑い方する子だったかしら」

---

提督「むぅ……多目に積んできたつもりじゃったんじゃが、足らんのぅ」

陸奥「そうね。これだと、昼には基地に戻らないと駄目ね」

提督「……遠征や任務の報酬でァ、間に合わんのぅ。どうしたもんか」ギシッ

長門「この海域の安全確保、そして我々の練度向上の為だ。無益に使っている訳では無いし、別に少しくらい減ってもいいじゃないか」シレッ

提督「……」

長門(さぁ、どうだ提督。運用に悩んでいる所へ無神経な発言だ。どうだ。怒るか。怒るか? ん?)

---

吹雪(以降、長門さん達の作戦は継続されました。オリョールのみならず、沖ノ島海域やキス島海域、カレー洋、その他etcetc……)

吹雪(任務娘さんが居ない間は、司令官自らが任務の管理表を手にして、東奔西走南船北馬。出撃系任務の赤色は瞬く間に消えて、気付けば、潜水艦絡みや特定の艦娘の必要な任務以外は全部終わってました)

吹雪(当然、それらの報酬もあるにはありますが、雀の涙どころじゃありません。消費五百に対して百や二百じゃ、どうやったって赤字は免れませんし)

吹雪(結局、目標となる一万はあっという間に通り過ぎ、最終的には、燃料の欠乏によって物理的に出撃不可能になるまで作戦は続けられました)

吹雪(長門さん達は必死でしたね。意固地になって、自分の疲労も厭わず出撃し続けて……そのお陰で、艦隊の平均練度は五十をあっさり越え、鎮守府に着任したのが遅いのにも関わらず、長門さんや陸奥さんは上から数えた方が早くなりました)

吹雪(……えぇ、はい。そうです。その通りです。其処まで行っても、結局、司令官は怒りませんでした。各資源五、六万は溜まっていた所を、僅かな期間に使い潰されたにも関わらず、です)

吹雪(『意義のある使い方じゃったら、それでよかんべなぁ』と、一度その事について尋ねてみると、そう返されました。『大規模作戦までに、のんびり貯めといたらええから』、と)

吹雪(後に残ったのは、練度の上がった皆さんの艤装と家具用コイン、司令官の意向であまり使用しなかった、高速修復材などの特殊資源。そして……)チラリ

長門改「……」マッシロ

吹雪(疲労や脱力感で灰燼に帰した長門さんだけでした)

那珂「……これ、あれだね。『燃え尽きたぜ……真っ白にな』って奴だよね」

陸奥改「……そうね。後はボクサーグローブ付けて髪留め外せば完璧ね」

赤城「あ、あの……そう気を落とさずに」

加賀「貴女は良くやったわ。それは間違いないから」

吹雪「長門さん……大丈夫ですか?」

長門「……一応な」

陸奥「まぁ、此処までしてあれじゃ、そうなるのも仕方がないわね」

長門「なぁ。普通、資源が四桁を切ったら、常識的に考えて出撃は控える筈だ。備蓄が空になるまでやるなど、普通は血迷ったとしか考えられない。そうだろう? なぁ?」

那珂「うん、まぁ、『血迷った』はアレだけど、あんまり無いかなぁ」

長門「遠征で貯めてきた余剰分まで使い切ったんだぞ。資源配給の速度は遅々たるものだ。もう一度完全に回復するまでにどれ程掛かることか」

吹雪「ざっと、一週間といったところですかね」

長門「それを、意味があるならいい、と? ……私のしてきた事は、一体何だったんだ」

陸奥「……パトロール?」

赤城加賀「任務消化?」

那珂吹雪「修行の旅?」

長門「……はぁ」ガクッ

吹雪「……兎に角、資源浪費も失敗です。司令官に怒りは微塵も見られません。寧ろ、難しい任務達成と練度向上が同時に出来たのを喜んでる気配さえあります」

那珂「任務娘さんが自信喪失してたよ。『私達の統計は一体……これだけ使って発狂しないなんて……』とか何とか」

加賀「提督は特別変わった人だし、それは仕方ないわ」

長門「……そうかもな」

吹雪「ということで、これより正式に、空母一斉轟沈詐称作戦に移行します」

赤城「分かってます。いよいよ、私達の出番ですね」

那珂「色々と心配だけど、大丈夫ですかー? 提督、どうなっちゃうか分かんないよ?」

加賀「それを確かめる為でもあるわ。まぁ、いざとなったらネタバラしすればいいから」

陸奥「……それはそれで怒りそうよね。要らん心配かけやがって、的な」

長門「どっちにしろ、目標を達成出来ればいいだろうさ」

吹雪「そうです。司令官が怒ればいいんですから、寧ろそれは歓迎しないといけません」

那珂「……何か、傍から聞くと凄い嫌なこと言ってるよね、那珂ちゃん達」

吹雪「何を今更」

吹雪「それでは、長門さん、陸奥さん、お二人共お疲れ様でした。後は、ゆっくり休んでいてくださいね」

那珂「出来れば、後方支援に回ってくれると助かるかも。また任務娘さんがお仕事あるから、良かったらお手伝いしてくださいねー」

長門「……そうさせてもらうかな。赤城、加賀、任せたぞ」スッ

赤城「はい、任されました」ムネトンッ

加賀「今度という今度は絶対に怒らせてみせるわ」

陸奥「吉報を期待してるわね。じゃ、また」ガチャ、バタン



那珂「……さて、それじゃ、那珂ちゃんは二航戦と五航戦の皆を呼んでくるね」

吹雪「お願いします……これで決まってくれると嬉しいんですけど」

---三日後---

吹雪「……では、念の為点呼を取ります。赤城さん」

赤城「此処に」

吹雪「加賀さん」

加賀「います」

吹雪「蒼龍さん」

蒼龍「はいはーい!」

吹雪「飛龍さん」

飛龍「いるよー」

吹雪「翔鶴さん」

翔鶴「はい」

吹雪「瑞鶴さん」

瑞鶴「はいっ」

吹雪「はい、皆さん有難うございます……でも、流石に正規空母が全員揃うと、壮観ですね」

那珂「そうだねー。これで、艦載機一体何機飛ばせるんだろう?」

吹雪「四百位は行くんじゃないでしょうか……ボーキサイトの消費だったら、この編成でもよかったかもしれませんね」

那珂「まぁ、それは過ぎたことだしね」

吹雪「えー、こほん。では、改めて作戦概要を説明します。これを御覧ください」ガラガラ

赤城「あ、またその白板使うんですね」

吹雪「便利だったので……はい、これです」

[轟沈詐称作戦概要]

那珂「まぁ名前通りに皆んなが轟沈したって嘘吐いちゃおう! って作戦だけどね!」

蒼龍「身も蓋もないなぁ……」

加賀「他に言い様もないし、仕方ないでしょう」

吹雪「流石にこれだけではアレなので、詳しく説明します」クルリ

吹雪「えー、先ずは、蒼龍さんと飛龍さんに、司令官の所へ行って出撃させてもらうよう頼んでもらいます」

那珂「『私達も出撃したいんだけどー!』みたいな感じで、おねだりしてくださいね!」

飛龍「そのおねだりって言い方止めて。ちょっと如何わしく聞こえる」

吹雪「多分それで司令官は認めてくれる筈なので、長門さんの時と同じく、編成をこの面子にします。で、出撃です」

那珂「まだ何処へ行くかはまだ決めてないけど……発案者の瑞鶴さんに決めてもらっちゃってもいいですか?」

翔鶴「瑞鶴? どうする?」

瑞鶴「うーん……そうねぇ。じゃあ、『安価:>>395』とか?」





安価です。瑞鶴が示した海域は何処でしょうか。2-3.東部オリョール海域以降から選んでください。

尚、この安価によって、後に取る予定のコンマ安価が変わる予定です。

5-3で…と思ったけどガチで沈みかねないから3-4にしよう

吹雪「北方海域、ですか」

瑞鶴「彼処、練度向上の効率こそそんな良くないけど、割りかし日本海から近いでしょ? 此処の艦で行って帰って来る分には楽だと思うし、敵も弱くない……っていうか、寧ろ本気で掛からないと危ないくらいじゃん? だから、撃沈されたって話も真実味が増すし」

翔鶴「そうね。それに、向こうは霧も良く出るから、それに紛れて移動するのも楽でしょうし」

那珂「成る程……はい、じゃあ北方海域全域が出撃先ね!」カキカキ

加賀「……でも、あの海域は……」

赤城「空母だけで制圧するのは、難しいですね。その辺り、提督が認めてくれればいいんですが」

飛龍「逆に、初めての例を私達で作ってやるー! って感じでもいいかも? 納得するかは分からないけど」

蒼龍「ま、漣ちゃんの時に、あんな言い訳が通じちゃったし、そんなに心配しなくても大丈夫じゃない? 案外、ええハングリー精神じゃー、とか言うかもよ?」

吹雪「……否定も出来ないですね」

那珂「実際に伝えに行くのは二人だし、その辺りの内容はお願いしますね!」

吹雪「それでは、出撃海域は決定です。次に、今回の協力者、舞鶴第一基地の提督との合議に入ります」

那珂「大淀さんから向こうの番号は貰ってるから、今から通信機で繋ぐね。えっと……」ピッピッピッピッピッ…

【ツー……ツー……ツー……】

那珂「……あれー? 繋がらない」カチャカチャ

吹雪「おかしいですね。通信関係で何かトラブルがあったとは聞いてませんけど」

赤城「彼方の方で、何処かと通信中なのかもしれませんね」

那珂「……あ、繋がった」

>>402



コンマ安価です。下二桁を足した数字の一桁目によって、此処に入る効果音が変わります。此れによって、この後の展開が分岐します。
尚、此処に海域安価は関係していません。

0-4:ポーン……
5-9:ブウウーーーンン……

???《……ぁ……あー、聞こえるか、第六基地……(ザザッ)》

那珂「はいはーい! 此方第六基地だよー!」

???《……やっと繋がったか。此方、第一基地の(ザーッ)だ》

吹雪(……? 通信画面もノイズが酷い?)

吹雪「一体どうしたんです? 随分と荒れてますけど」

???《いや、それがな。何だか分からんが、今通信関係の機器の(ザッ)……んだ》

吹雪「……済みません、もう一度お願い出来ますか?」

???《だから、通信(ザザーッ)機器の調子が何故か悪インだ。全力で原因究明中だが、復旧まで(ザーッ)……かりそうだな》

吹雪「……そうなんですか」

吹雪(時間が掛かる、ってことでしょうか。話の流れ的には)

那珂「大変だねー」

加賀「通信が使えないというのは、少し心配ね……早く復旧出来ればいいわね」

那珂「あ、で、通信した理由なんだけど、今日から例の作戦を決行する予定で……」

???《あぁ、それならそっちの任務娘から(ザッ)は聞いてる》

那珂「あれっ? そうなの?」

吹雪「あの状態でも、色々とやってくれてたんですね」

吹雪(……私に連絡が無かったのが気になりますが、あれだけ張り切った後ですし、疲れてたのかもしれません)

???《で、俺はいつドこへ行けばいい? 場所と合流時間が変わるラシいが(ジッ)》

那珂「えーっと、今から出港して、一三◯◯に北方海域だねー。大体、座標○○-○○の辺りで待機してて。時間になったら艦隊で汽笛鳴らすから、それを拾いに来てくれればオッケー!」

???《……(ジッ)……だな、よし(ザーッ)った。ソれで予定を組もう》

吹雪「宜しくお願いします」

???《オゥ、任せとけ……(ザザーッ)》

【ブウウーーーンン……】

那珂「あれ……また繋がらなくなっちゃった」

吹雪「……まぁ、大丈夫でしょう。必要なことは伝えましたし」

吹雪「それでは皆さん、準備は整いました。後は出撃して、司令官の反応を待つばかりです」

那珂「皆、提督の激おこぷんぷん丸を見たいかー!」

蒼飛龍「おーっ!」

赤城瑞鶴「おーっ」

加賀翔鶴「お、おー……」

那珂「じゃあ早速作戦開始だー!」

吹雪「皆さんの奮闘を期待します。それでは、解散!」

一二五航戦「了解!」

吹雪(……さて、どうなることでしょうか)

今日から一週間以内に投下する予定ですが、時間の都合がつきません。もう少しお待ち下さい。

---提督執務室---

蒼龍「ねー、提督ぅー。赤城達はあれだけ出撃してたのに、なんで私達は出撃させてくれないのぉー?」アハーン

飛龍「そーそー。私達、結構長いこと出撃してないよぉー? 練度が低いより、高い方がいいよねぇー?」ウフーン

提督「……取り敢えず、二人とも着崩すんは止め。風邪引くから。ええね?」

二航戦「アッハイ」イソイソ

飛龍(……ねだり方が思いつかなくて、結局色仕掛けになっちゃった。しかも失敗しちゃった)

蒼龍(如何わしい。しかも恥ずかしい……)

提督「ふむ。しかし、出撃か。資源は多少融通効くから、出来んではないかなぁ……」

蒼龍「え? いいの?」

提督「まぁ、の。ちっと補給管轄に言うて、前借りしてきたわ。差し当たり、今月一杯は何とか出来る位はあるでな」

飛龍「前借り……? そんなこと出来たっけ?」

提督「何、其処はそれ、コネっちゅう奴サ。彼処の長とは、世話になったり世話したりの間柄でのう」

飛龍「ふぅん。そうなんだ」

提督「ほで、何処行くかな。キス島の周り、掃討してくるかぇ?」

蒼龍「あ、それなんだけど……北方海域に行きたいんだけど、いい?」

提督「北方海域……の、何処じゃね?」

蒼龍「だから、北方海域」

提督「……あぁ。全域っちゅうことか」

飛龍「そうそう、そういうこと」

提督「相分かった。そったら、こっちでやることやっとくわ。他の面子は、どうするね?」

飛龍「えーと、一応、正規空母だけで組もうかと思ってるんだけど」

提督「……ほぁ?」

飛龍「だから、正規空母だけ。一航戦、二航戦、五航戦で組みたいなー、って」

提督「……護衛も入れんで、ほんまに空母だけか。それァ、なんぼなんでも……」

蒼龍「ねぇ、駄目? 難しいのは分かってるけどさ、一度やってみたいんだよね。開幕爆撃で全部終わったら、被弾することもないし」

提督「むぅ……いや、しかしなぅ」

飛龍「ねぇ、お願いお願い! ね!」

提督「……まぁ、ええか。他は兎も角、ボーキサイトは割りかし余っとるし。戦術構築っちゅう風に見たら、確かにそれもおもろいかもしれんしね」

二航戦(フィィィィィィッッシュッ! 掛かったなアホがッ!)

提督「ほなら、それで申請出してくるわ。装備とか揃えて、また母艦に集合しといて」

二航戦「了解!」



提督「……しかし、珍しい。あの二人があないになぁ……何かあるんかのぅ……」ブツブツ

蒼龍(よっし! ちょっと怪しまれてるみたいだけどセーフ!)

飛龍(早速とんぼ返りして、作戦決行準備の仕上げするよ!)

---

翔鶴「それでは、これが加工済み彩雲です。工廠妖精さんの仕上げもありましたし、性能には問題はないはずです」

加賀「有難う。まぁ、悪くない出来ね」

瑞鶴「ま、これくらい当然ですよ! 今の私は、どんなプラモでも作れる気しかしないわ! ちょっとハマっちゃったかも!」

赤城「あらまぁ。随分上達したんですね」

加賀「……新しく趣味を持つのはいいけど、余り慢心しない様にしなさい。知らないわよ」

翔鶴「えっと……き、気を付けさせますね。はい」

瑞鶴「うぇっ、ちょっと翔鶴姉!?」

赤城「……さて、私達は、装備の確認をしておきましょう。先の長門さんではありませんが、戦闘で手を抜くことは出来ません」

加賀「えぇ。そろそろ、二航戦の二人も帰って来るでしょうし。急ぎましょう」

瑞鶴「……しまった。加工に夢中で弓とか甲板手入れしてない」

翔鶴「えぇっ?」

赤城「早くした方がいいですよ。甲板は母艦の中でも出来ますが、弓の調整は陸でないと難しいですから」

瑞鶴「は、はぃー!」テテテ

翔鶴「あ、待って! 私も手伝うわ!」トトト

加賀「……相変わらずそそっかしい子ですね」

赤城「それだけ集中出来る、ということでもありますよ?」

---艦装歩兵母艦船渠---

蒼龍「提督ー! 全員準備終わったよ!」

飛龍「細工は流々、後は仕上げをご覧じろ! だよ!」

提督「ん、宜しい。そったら、また今から行こうかのう」

翔鶴「了解です」

瑞鶴「私も、練度低いままだったしなぁ。これで、また自分を鍛え直さなきゃ」

加賀「……本当にそう思うなら、ちゃんと艤装の手入れはしておきなさい」

瑞鶴「うっ」

赤城「もう、そんないじめちゃ駄目ですよ、加賀さん」

提督「……そう言うたら、二人とも、大丈夫か?」

赤城「え?」

提督「いや、一昨々日の今日やしなぁ。出撃の疲れとか、無いか?」

加賀「大丈夫。これくらいでは何ともならないわ」

赤城「一航戦は伊達じゃありませんよ?」

提督「……まぁ、当人が良えちゅうんじゃったら良えんじゃがな。無理はしなさんなよ」

加賀「気持ちだけ受け取っておきます」

提督「ほか。うし、そったら、乗り込んで各員船室で待機。もう発つでな」

一二五航戦「了解!」トットットッ

提督「……確か、最寄りの基地は……幌筵の第一辺りか。今日で間に合わなんだら、あの辺りに寄らしてもらわななぁ」コツ、コツ

---数時間後 北方海域深部---

ヲ級F「__」スッ

深海艦爆「__」ワラワラ

赤城「烈風の皆さん、新手の艦爆です! 抑えてください!」

翔鶴「五二型は赤城隊に追従! 援護に回ってください!」

赤城「有難う、翔鶴さん!」

烈風妖精さん「よし、後ろは頼んだよ!」

零戦五二型妖精さん「うっす!」

瑞鶴「むっ、私だって……六二爆戦、上に回り込んで! 逆落としよ!」

六二爆戦妖精さん「あいあいさー!」

深海艦攻「__」グポ-ン

飛龍「っ! 危ないっ! 紫電、行って!」

紫電改二妖精さん「オッケーッ!」ダダダダッ

深海艦攻「__」Broken!

紫電妖精さん「よっし!」

瑞鶴「……うぇっ?」

飛龍「瑞鶴、ちゃんと上も見てなきゃ駄目だよ!」

瑞鶴「す、済みませんっ!」

加賀「全く、あの子は……流星改、彗星甲と共にル級二隻を集中攻撃。攻撃の隙を与えないで」

流星改妖精さん「承知しました。総員、我に続けッ」

彗星一二型甲妖精さん「ちょっおまっ、置いてくなし!」

蒼龍「二一型、加賀隊の護衛を! ついでに敵も叩き落として来ちゃって!」

二一型熟練妖精さん「えー、無理言わないでよねー。やってくるけどさ」

深海艦戦「__」ズダダダダダダ

ル級F「__」ドォォン

赤城「しかし、これでは轟沈の嘘をつく余裕も有りませんね……くっ」Hit!

飛龍「流石に無理があったかな……っと、当たらないってばっ」Miss!

蒼龍「奥まで行ったら、これだけ強くなるとは思わなかったよねっ、二一型、上!」

加賀「でも、これを覚悟の上で此処を選んだのだから……彗星甲、後ろに気をつけて……仕方がないわ」

翔鶴「そうですね……あっ、瑞鶴、ル級エリート! 狙われてるわ!」

瑞鶴「おっと(Miss!)、有難う翔鶴姉! ほら流星、お返しよっ! ……ま、頑張るしか無いでしょ。提督さんの怒り顏、何とかして拝みたいしね!」



赤城「……ん?」

ヲ級F「__」ピタッ

ホ級F「__」ピタッ

加賀「……動きが、止まった?」

チ級E「__」ザァッ

ル級E「__」ザァッ

瑞鶴「……撤退してっちゃった」

翔鶴「航空機も、帰還していくわ……」

【ピピピッ】

蒼龍「っと、通信だ。はい、此方舞鶴第六基地第一艦隊!」

通信妖精さん《艦装歩兵母艦まいづる-6です! 何か、想探を見たら、深海棲艦の反応が急に遠ざかっていったらしいんですけど、どうしたんですか?》

飛龍「いや、どうしたっていうか、私達もそれ聞きたいっていうか」

通信妖精さん《分からないんですか?》

翔鶴「えぇ。突然、潮が引く様に」

瑞鶴「……近くで、何か大規模な戦闘でも起こってるとか? その為の援護に回ったとか」

通信妖精さん《えーっと……いや、通信履歴にも想探にも、そういう情報は見当たりませんねー》

加賀「と、なると、その可能性は無くなるわね」

赤城「何か、他に変わったことはありませんでしたか?」

通信妖精さん《変わったこと……うーん……ねぇ、何かあったっけ……だよね……私含めて、艦橋メンバーには、特に覚えは無いです》

飛龍「うーん……まぁ、今のところは分からない、ってことでいっか」

蒼龍「そだね。取り敢えず、一度帰ろう。これはちゃんと提督にも話しておかなきゃ」

通信妖精さん《分かりました。じゃあ、その場で待機しててください。直ぐに回収に向かいます》

飛龍「了解ー」

蒼龍「じゃ、通信終了っと」プツッ

赤城「……さて、どうしましょう。ダメージも大したことありませんし、報告が終わったら、そのまま突っ込むという手もありますが」

加賀「待って。深海棲艦の撤退が気になるわ。これまで確認されていなかった行動だし、詳細が分かってからの方がいいと思うのだけれど」

瑞鶴「……うーん。まぁ、そっちの方がいいよね。加賀さんと一緒なのは癪だけど」

翔鶴「もう、瑞鶴ったら……そうですね、このまま戦闘継続は、少し不安です」

飛龍「……どする?」

蒼龍「そだねぇ……取り敢えず、安パイ打ってた方がいいかな。情報が集まるまでは母艦で待機してようか」

赤城「了解しました。旗艦は貴女です、指示に従いましょう」

瑞鶴「じゃ、後は迎えを待つだけね。暫くのんびりしてましょ」

加賀「そうね。でも、索敵だけは欠かさない様にしなさい」

翔鶴「分かりました」

蒼龍「皆自由時間ってことで、好きにしててくださいねー。ってことで、飛龍ー、何して時間潰すー?」

飛龍「え? うーん……しりとり?」

蒼龍「えー、何か他にないー?」キャッキャ





【ザザァ……】

---数十分後 艦装歩兵母艦『まいづる-6』---

通信妖精さん「うーん。そろそろ戦闘が終わる頃かな」

電探妖精さん「そだねー。航空戦がメインだし、そう長くもないと思うよ」

操艦妖精さん「ちょっと其処! 話すのもいいけどちゃんと計器見といてよ!」

通信妖精さん「はいはーい。分かってますよー」

電算妖精さん「……」Zzz

操艦妖精さん「……って、仕事無いからって寝るな怠惰ぁっ!」

電探妖精さん「相変わらずだなぁ……」

提督「……」

通信妖精さん「ん? 提督さん、どしたの?」

提督「……少々、雲行きが怪しくなって参りましたな」

通信妖精さん「え? 雲行き?」

電探妖精さん「外は、太陽がピーカン照りですけど……」

提督「……いえ、失礼。お気になさらず」

提督「……地水師、六三。師或輿尸、凶……まさか、のぅ」ボソッ

通信妖精さん「???」

電算妖精さん「……」チラッ

電探妖精さん「……ん? あれ、電探が……」

操艦妖精さん「どうしたの?」

電探妖精さん「いや、何かノイズが出て来た。極点にいる訳でも磁気嵐がある訳でもないのに……あれ? 太陽風も無かったよね……」

提督「……ノイズ?」

通信妖精さん「……こっちも、何かおかしいです。通信が荒れてて、何言ってるのか聞こえなく……」

提督「……む」

電算妖精さん「……気象とかの情報見たけど、自然現象とは考えにくい。何かしらの恣意的な干渉だと思う」ムクッ

電探妖精さん「うおぉうびっくりしたぁ。起きてたの?」

電算妖精さん「今起きた。今から妨害状況を調査してみる」カタカタカタカタ

通信妖精さん「こっちも、少し調べてみます。妨害されてない周波数帯があるかも」カタカタカタカタ

電探妖精さん「じゃ、私は想探の方を調べて……ん? んんっ!?」

提督「如何なされましたか?」

電探妖精さん「そ、想探もジャミングされてるぅっ!?」

操艦妖精さん「ファッ!? そんなバナナ!?」

提督「想探が、ですと?」

電探妖精さん「想念の検知数が異常なの! ノイズが多過ぎて、艦娘の皆の反応を拾えない! てかこれ何、パターンが深海棲艦のじゃないんだけど!? 誰がどうやってこんな事を……」

提督「……」

操艦妖精さん「て、提督さん、どうしましょう?」

提督「……電探妖精さん。至近の海域を通行している船舶は、確認出来る限りでは皆無でしたな」

電探妖精さん「え? あ、うん、そうね。一隻も船影は確認出来てないよ」

提督「有難うございます。さて、無線が潰れた以上、事態の報告も出来ません。となると、まずは娘ッ子らの安全の確保ですな。捕捉していた最後の座標へ向かって下され」

操艦妖精さん「よ、宜候!」ガララララ

提督「他の皆さんは、可能な限り情報の収集に努めて下され。このノイズ、何か引っかかります。其処から情報が得られるやもしれません」

電探妖精さん「了解っ。ノイズの解析に掛かるよっ」

電算妖精さん「此方も、並行してデータを漁ってみる」

通信妖精さん「こっちは、もうちょっと通信を試してみるね。まだ全部は調べられてないから」

提督「宜しく御願い致します」





通信妖精さん(……ねぇ)ヒソヒソ

電算妖精さん(……うん)ヒソヒソ

操艦妖精さん(これ、予定には無かったよね。ジャミングの開始は、皆から連絡があってからの筈)

電探妖精さん(そう。連絡と同時にこっちで妨害を初めて、皆は指定座標で第一基地の提督さんに拾ってもらう。そのタイミングで、傷だらけの偵察機が飛んできて、提督さんに轟沈を伝える……って、算段だった)

通信妖精さん(じゃあ、一体このジャミングは……?)

電探妖精さん(さぁ。兎に角、今は怒らせるとか言ってる場合じゃないよ。緊急事態だし)

操艦妖精さん(了解)

??????《……ぁ……っ》

通信妖精さん「……! 提督、声を拾えた!」

提督「おぉ、本当ですか」

電探妖精さん「ナイス! 良くやったね元気!」

電算妖精さん「……誰からのもの?」

通信妖精さん「発信源はまだ。でも、声は分かる。妨害の所為で断続的だけど、多分妖精の声だよ!」

提督「妖精さんの……?」

操艦妖精さん「妖精から通信っていうと、艦載機かな?」

通信妖精さん「そうだとは思うけど……」

電算妖精さん「……元気。受信したデータを回して」

通信妖精さん「え? あ、うん。ちょっと待って(カタカタカタカタ)……ほい」

電算妖精さん「(カタカタカタカタカタカタカタカタ)……ノイズキャンセル成功。これでこの周波数の通信は聞ける筈」

通信妖精さん「早っ!? もうそんなこと出来たの!?」

電算妖精さん「……妖精が使う周波数帯は限られてる。そこに限って解析するなら、何とか」

操艦妖精さん「いや、それでも十分凄いけども」

電探妖精さん「それで!? 声は何だって!?」

電算妖精さん「……そろそろ完全に聞こえてくる筈……」

提督「……」





??????《……い、彩雲! 此方、瑞鶴航空隊彩雲! ひ、非常事態発生! 収容を求めますっ!》

通信妖精さん「さ、彩雲? 彩雲って言った?」

電探妖精さん「そう聞こえたよ! 瑞鶴さんとこの所属だって」

操艦妖精さん「非常事態って、一体……」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年03月21日 (金) 14:53:07   ID: LYmRzezf

筆箱に入れるのめんどいってのは俺もあるなぁ
定規シャーペンシャー芯黒ペン赤ペン消しゴムが常に作業服の左胸に入ってる

2 :  SS好きの774さん   2014年04月13日 (日) 15:41:30   ID: ZsooGUKq

とんだ糞だったよ。

3 :  SS好きの774さん   2014年06月12日 (木) 22:28:15   ID: frhvPPPO

がんばれ!

4 :  SS好きの774さん   2014年06月21日 (土) 02:46:32   ID: DpUKpOQ_

我が儘ではあるけど標準語しゃべってほしい

5 :  SS好きの774さん   2014年07月26日 (土) 00:49:03   ID: detf5lb6

提督の喋り方がイマイチ。
キャラ付けしようとしてるならセンスないと感じました。
気持ちが悪いです。

6 :  SS好きの774さん   2014年10月12日 (日) 02:11:54   ID: fotPsGmC

続きはよ!

7 :  SS好きの774さん   2014年10月13日 (月) 01:51:41   ID: Jiw1O8O2

>>5

自己紹介かな?

8 :  SS好きの774さん   2014年11月04日 (火) 12:44:42   ID: 4FGc6wmx

続き…マダー((o(^∇^)o))

9 :  SS好きの774さん   2014年11月12日 (水) 10:38:01   ID: 9dyj009n

続きはようヾ(o´∀`o)ノ

10 :  SS好きの774さん   2014年12月04日 (木) 08:50:32   ID: mlRfDNQA

アレッ…ここって艦これ?東方?
あのー…ここの提督さんは…出身地幻想卿ではないですよねー(-_-;)

なんか…紫様や霊夢・魔理沙・こーりんが…気のせいか…な(´・ω・`)

11 :  SS好きの774さん   2015年01月06日 (火) 20:36:18   ID: FxvQSqp5

関西弁…

12 :  岡崎   2015年02月17日 (火) 17:53:43   ID: s0EyxRtT

続きをのんびり待っています。
のんびり作っていてくださいね。

13 :  SS好きの774さん   2015年03月14日 (土) 17:18:28   ID: 7qVLgDSV

関西弁はやめて

14 :  SS好きの774さん   2015年04月17日 (金) 05:14:51   ID: DuJn0Vl5

次の更新は6月かな?

15 :  SS好きの774さん   2015年05月01日 (金) 19:05:57   ID: OHwam8Cv

正規空母六隻で夜戦マップ突入…スマナイ忘れて欲しいのです(;・ω・)

16 :  SS好きの774さん   2015年06月06日 (土) 21:40:08   ID: Q_di_sN0

糞つまらん

17 :  SS好きの774さん   2015年06月09日 (火) 01:23:02   ID: 3dkbhpXZ

そうか?結構面白いと思うぞ

18 :  SS好きの774さん   2015年06月12日 (金) 00:56:33   ID: -a1JCWEe

沖縄の集団自決は日本兵に強制的にさせられたものだから勘違いしないでね。だから霊として出てくるんだよ

19 :  SS好きの774さん   2015年06月21日 (日) 09:35:03   ID: K2LkR7vH

ガンバ!

20 :  SS好きの774さん   2015年07月21日 (火) 08:14:38   ID: mtOL69Dr

なんか批判多い気がするけどガンバ!

21 :  SS好きの774さん   2015年08月09日 (日) 19:08:20   ID: h5kMld2X

お疲れ様です。一気読みしました。空母一斉轟沈の様子が楽しみなんですが、何か言い知れぬ予感が…楽しみにしてますので頑張って下さいまし。

22 :  SS好きの774さん   2015年09月04日 (金) 18:18:31   ID: DXaw_8jA

豊丸「イグ~イグ~」

23 :  SS好きの774さん   2015年09月27日 (日) 20:17:46   ID: AP7ckgPC

まとめ乙だけど、なんで進行中のssに完結タグがついてるんですかねぇ

紛らわしいからやめてくんないかな

24 :  SS好きの774さん   2015年10月12日 (月) 14:34:41   ID: Q9_W0KSY

怒らせるのが目的なんだよなぁ…

25 :  SS好きの774さん   2015年10月13日 (火) 13:54:44   ID: 6lc3EzGO

提督さんが…激怒プンプン丸になるのを見る為にやってるはずなのに…どーしてこーなった( ; ゜Д゜)

26 :  SS好きの774さん   2015年12月18日 (金) 02:48:16   ID: 6C8HYxCx

関西弁もどき

27 :  SS好きの774さん   2016年10月25日 (火) 01:45:06   ID: ZsBh8a9q

しゃべり方とか癪に障るけど展開が気になるな…
早く続き作ってくださいなんでもしまかぜ

28 :  SS好きの774さん   2019年01月01日 (火) 05:14:37   ID: nT2XxZJF

未だに読んでるのって私くらいかな?ww
続き楽しみにしてます!!

29 :  SS好きの774さん   2023年05月22日 (月) 02:33:10   ID: S:GZsCew

面白いけど喋り方が腹立つ

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