卯月「アイドルマスターCG-XENOGLOSSIA」(274)

モバマスアイドル達が巨大ロボに乗ったら、という話

前スレで1スレにまとめた方が良いという意見を受けたので、これを機に書き方の異なっていた1話から上げ直そうと考えています
『面倒くせぇよぉー! やーめーろーよー!』と思われるかもしれませんがご了承下さい

あ第1話をまとめていただいた某サイト様、マジでごめんなさい

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1374754329

――復興歴一〇七年、一月



○島村家近くの地蔵


パン、パン!


卯月「――ふう……。……よし!」


――ズルッ


卯月「うぇっ!? …………あうっ!」


ドシーン!

なんだこれ
完全オリジナルかな?

○公民館


――『第1回アイドルマスタープロジェクト オーディション面接会場』


瑞樹「――次の方、どうぞ」

卯月「ひぅっ!」



ガララ・・・



卯月「ご……! うっ…………」


卯月「ご、五番! 島村卯月れすっ! うっ……うぅ……」

卯月「よ、よろしくお願いします!」ペコッ!






キュイイィィン・・・


ピ・・・ピピッ・・・

――二月


ブロロ・・・




――ビリリッ・・・


卯月「うそ…………」


卯月「うそ……うそ……!」



『アイドルマスタープロジェクト 合格通知書』



卯月「…………じいちゃん……」

島村爺「なんじゃ」




卯月「私、東京へ行く……」




卯月「私、東京へ行く!」


ヒュウウゥゥ!



ガサッ!



卯月「えっ……? わぁ…………!」


チャリン・・・


―――突風で飛ばされた合格通知の封筒から、『アイ』が落ちる

――復興歴一〇七年、四月

○大宮駅ホーム


卯月「――ええっ!? 来れないの!? もう大宮だよ!?」

卯月「未央ちゃんが来てくれるって言うから、何も調べて……!」

店員「450円です」

卯月「あは……。そ、そんな……」


未央『ごめんごめーん! まっさかこんなに撮影押しちゃうとは思わなくて……』

未央『ああ、でね……?』

<ソロソロホンバンイイッスカー?

未央『ああ、ちょっと待って……』

未央『はーい! 未央ちゃんはいつでもオッケーでーすっ! えへへー!』

未央『あっと、ごめんごめん……。それで? …………あれ』


ザザー・・・

ゼノグラとは懐かしい
期待してる

卯月「もしもし? 未央ちゃん……?」


<ザザ・・・デンパノジョウタイガ・・・


卯月「……むうー、よりによってどうしてこんな日にあんな大きいの(コンペイトウ)が……」

卯月「えっと……ああ!」


※この世界では、『コンペイトウ』と呼ばれる隕石の為に度々電波障害が発生します。その為、ほとんどの公共施設には通話用のオンラインステーションが設置されているのです。



――ガチャ


卯月「ふう、これで……」


ピリリリ・・・


卯月「えっ、もう出るの!?」


タタタ・・・


――チャリーンッ!


・・・スッ


まゆ「…………あらぁ?」



―――走り去る卯月の落とした『アイ』を拾うまゆ。

○新幹線・車内


ガタンゴトン・・・


『――次の停車駅は、上野です。モンデンキント発表のコンペイトウ予報――……』


卯月「…………はあ、どうしよう」サクサク・・・


ガサ・・・


卯月「……あれ? 確か……」

まゆ「あの……」

卯月「?」

まゆ「これ、お探しなんじゃあ……?」

卯月「え……? ああ! そうです、ありがとうございます! あ、えっと……」

まゆ「あ、うふふ……」スッ・・・


―――まゆ、ポケットから『アイ』を取り出してみせる。


卯月「ああっ!」

――――


卯月「――それにしても、すっごい偶然だね! 同じオーディションに合格した二人が、こんな所で会うなんて!」

まゆ「うふ♪ でも良かった……まゆ一人で不安だったの」

まゆ「これ落とした時は『あっ!』って思いましたぁ……♪」

卯月「えへへ! ……でも、これって何なのかな?」

まゆ「さあ……? でも合格通知には、常に身に付けていなさいって……」

卯月「書いてあったね!」

まゆ「でも、綺麗ですねぇ……」

卯月「むぅー……」


シュイイィィン・・・


―――卯月の『アイ』が突然光り出す。


卯月「!?」

卯月「あっ!? アレっ――?」

まゆ「向こうでのお住まいは、決まってるんですかぁ?」

卯月「……えっ? ああ、えっと……事務所の寮……」

卯月「確か、十六夜寮とか……」

まゆ「! あらぁ、まゆも一緒なんです♪」

卯月「本当!? じゃあ一緒に寮まで行こうよ!」

卯月「ああ良かった! 道とかよく分かんないからどうしようかって――」

まゆ「あ、あの」

卯月「?」

まゆ「まゆもよく分からないので、お聞きしようかと……。ごめんなさい」

卯月「ああ、ううん! じゃあ一緒に探そう! えっと、まゆ、ちゃん……?」

まゆ「佐久間、まゆって言います♪」

卯月「そうなんだ! 私は島村卯月! 一緒に頑張ろうね!」


――ガタンゴトン・・・


卯月「わあ……! ここが東京かあ……!」







シュイイィィン・・・

○十六夜寮

みく「――えぇー! 迎えに行けってかにゃ!?」

晶葉「いいだろう? どうせ前川君はヒマなんだから」

みく「前川はやめるにゃ! みくだって忙しいにゃあ!」

晶葉「またまた。本当に忙しい時はネコミミなんて着けないじゃないか」ピピピ

みく「やめるにゃあ! みくは自分を曲げた覚えは無いにゃ! ……って晶葉チャン! みくの携帯に何してるにゃあ!?」

晶葉「一応、携帯番号も入れておくんだよ。まあ今日はコンペイトウのせいで今一つ繋がりづらいそうだがな」ピピピ

みく「まったく……。…………んー、この子? 何かぱっとしない子だにゃあ。フツーっていうか……」

晶葉「島村卯月君だ。東京駅で友達と待ち合わせしていたらしいんだが、仕事で来れなくなったらしくてな」

みく「そんなの自分で来たらいいにゃ」

晶葉「東京は初めてくるらしくてね、かわいそうだと思わないか?」ピピ

ガチャ

みく「だったら晶葉チャンが…………何にゃ、それ」

晶葉「君が今座っているそのベッド、改造しておいたからな。じゃあ、よろしく頼むぞ」

みく「え、ひどくない?」




ガターン!!

<ニャアアアア・・・

ゴロン・・・

みく「…………うにゃあ……」

晶葉「どうだ、面白いだろう」

みく「面白いワケないにゃ! 関西人をナメるにゃあ!」フシャーッ

晶葉「駅に行けば分かるらしい。…………それと、中々セクシーだな?」



みく(にゃんぐり返し)「う…………」




<フシャアアアアアア!!

○モンデンキント・司令室

加奈「――本部より、フラッシュ入ります!」

PaP「『ドロップ』です、『メロン』か、『レモン』か……!」

ジョセフ真月(以下ジョセフ)「総員、『アクトオン』スタンバイ。以降、本部の指示があるまで待機して下さい」

瑞樹「総員、アクトオンスタンバイ!」




○格納ドック


ネーブラ「……」


ゴゴゴゴゴゴゴ・・・

○とある公園

卯月「はい、お待たせ!」

まゆ「あら、ありがとうございます……♪」

卯月「それで、分かった?」パク

まゆ「いえ……。地図も見てみましたけど、迷っちゃったみたいですねぇ……」

卯月「そっかぁ。やっぱり駅で待っておけば良かったかなあ……?」モキュモキュ

まゆ「すみません……。まゆがあんな事言わなかったら……」

卯月「ううん! そんなことないよ!」


チラッ・・・


卯月「だって……こんな綺麗な桜が見れたんだもん!」

まゆ「あ…………」

卯月「ね!」

まゆ「うふ、卯月さんって凄いんですねぇ……。東京初めてなのに……」

卯月「……そう見える?」

まゆ「え……?」

卯月「実は、全然そんな事ないんだけどね。……今すぐ新幹線に乗って、帰っちゃいたいくらい」

まゆ「卯月さん……」

卯月「だって、オーディションに受かったことだって、まだ信じられないし……。こんな特徴も無い私が、芸能人とかアイドルなんて、出来る訳ないなあって……」

まゆ「…………そんな」

卯月「あはは! でも、現実だもんね!」ピリリ・・・

卯月「わっ、と……」ピッ



みく『一体どこにいるのにゃあ!!?』

卯月「わあっ!?」

みく『早く改札に来るにゃあ!』

卯月「…………改札? 駅の?」

みく『当たり前にゃ』

卯月「あの、駅どっちかわかんなくて……」エヘヘ・・・

みく『むぅ、今どこにいるのにゃ……?』

卯月「えっと、さあ……?」

みく『ふざけるにゃあ! 折角先輩が迎えに来たのにそれは非ジョーシキにゃあ!!』

卯月「あうっ」キーン

みく『大体――』プツッ




卯月「…………あれ?」


『――ただいま、電波の状況が大変悪くなっております。お近くのオンラインステーションなどを……』


卯月「…………寮の人、だったのかな?」

○モンデンキント


凛『――――まだ来ないの?』

瑞樹「そろそろね。気を抜かないで」

ピピピ!

加奈「モンデンキントより第2報!」

加奈「ドロップ…………『レモン』と認定! 出撃翌要請出ました!」

PaP「予想落着率70……チベット東南東、200t推定!」

瑞樹「出番よ!」

凛『了解……』


ピピ・・・


加奈「チャンネル7と11、確保しました!」

ジョセフ「……『ネーブラ』、アクトオン」

『上下線共に、アイドルが通過いたします……白線の内側まで……』


ガションガション・・・

○公園

幼児「! わぁーっ!」タタタ・・・

卯月「……? 何?」

まゆ「多分、『アイドル』だと思いますよぉ?」

ビーッ!ビーッ!

ゴゴゴゴゴゴゴ・・・

卯月「え……? アイドル……?」

卯月「……!」ピーン

卯月「ちょっと見てくるね!」タタタ・・・



卯月「あれ? 高速、道路…………?」


シュイイィィン・・・!


卯月「あれ? …………これ」


―――ポケットから取り出したアイが輝き出す。

卯月「!!?」バッ!


ゴゴゴゴゴゴゴ・・・!!


シュゴォォ!!



―――高速道路を飛び出して行く巨大ロボ(ネーブラ)。



卯月「あれが…………『アイドル』……?」


卯月「すごい……!」

幼児「あー! あの人おぱんつペンギンさん!」

卯月「ふぇっ……? きゃあっ!」バッ!

亜里沙「こ、こら……! すいません……」


<クスクス・・・


卯月「あ、あわわ……」

まゆ「――卯月さん、大丈夫ですかぁ?」タタタ

卯月「ま、まゆちゃん……」プルプル

まゆ「はい? ……あ、あの?」

卯月「ごめん、背中貸して……」

まゆ「は、はあ……」

○地球表層

ゴゴゴゴゴゴゴ・・・

瑞樹「ネーブラ、対象ドロップとの交差軌道上にフォーカスしました」

PaP「ネーブラからのロケーションデータ、来ます。……内部ポイント、座標確定」

加奈「地上観測との誤差修正、完了しました」

瑞樹「だそうよ。凛ちゃん、スポッティングに入って」


凛『――了解。レモンドロップを確認……。スポザザ・・・ングにザザ・・・』

PaP「……ネーブラとのレーザー回線が不安定ですね。バックアップ用に、いくつか警戒用のアンテナを――」

ジョセフ「了承します」

PaP「了解。アンテナ、調整に入ります……」





ジョセフ「少しお膳立てが良すぎますが、さて…………」

○下町

卯月「…………うぅ……」

まゆ「あのぉ、卯月さん……? もう誰もいませんよぉ?」

卯月「…………本当に?」

まゆ「ええ」 コク

卯月「……うう……ふああ……!」フラッ

まゆ「……大丈夫ですかぁ?」オロオロ

卯月「ああもう、よりによってこんな日に!」ワシャーッ

まゆ「!?」ビクッ

卯月「バカにされないように一生懸命がんばってオシャレしてきたのに! でも下着くらいいつものがいいなって……!」ウワアアン


ガッ!


まゆ「きゃっ!」ビク

卯月「……私だってかわいいのとかセクシーなのとか持ってるもん……」ヒック、ヒック・・・

卯月「なのに……! 今日に限ってペンギンなんて……うう……」

まゆ「…………うふっ、うふふ……♪」

卯月「あー! まゆちゃんまで笑ったー!」

まゆ「あっ、いえ。違うんですよぉ……?」フフ

卯月「えっ?」

まゆ「ただ、卯月さんもそういうこと気にするんだなあって。色々不安なんだなって思ったら、なんだか嬉しくなっちゃって……♪」ニコ

まゆ「ヘンですかぁ……?」

卯月「…………だから、私もね? 不安なんだ……」

まゆ「はい……♪」

卯月「うんっと、まあ大丈夫だよね! 今度から気をつけよう!」

まゆ「はい♪」



卯月「あれ……? そういえばここって……」

まゆ「はい、さっき地図に書いてあった地名を見つけたものですから……」

卯月「あっ! すごいよまゆちゃん! 寮ってもうこの近くなんだ!」

まゆ「うふ、ありがとうございます♪」

卯月「良かった……私、こういう地図の見方とか分からないから……」ガサガサ

まゆ「実は、まゆもなんですけどねぇ」

卯月「…………あ、そうだ」

○東京駅・オンラインステーション前


ザワザワ・・・


未央(ペンギンの気持ちになるですよ)「…………むぅーっ……」

未央「――あっ、うづきん!? ようやく見つかった! 今どこ!? 何してる!?」

未央「っていうか、もっと早く連絡してよー!」


ザワザワ・・・
オイ、ナンダアレ・・・ ダイドウゲイ・・・?

卯月「――あっ、ちょっと未央ちゃん落ち着いて!」

卯月「えっと……それでね……?」カクカクシカジカ・・・

未央『えっ、もう寮の近く!? 同じ寮の子と一緒になって……?』

卯月「うん、ちょっと迷っちゃったけどね……」アハハ・・・

未央『あうう……歓迎しようとこんな格好までしてきたのに……』

卯月「……格好? ……あ、ううん。心配かけてごめんね。寮に着いたら、また連絡するからじゃあね!」


プツンッ

――――


PaP「ネーブラ、対象を光学補足。目標まで、あと15……」

瑞樹「凛ちゃん、準備はいい?」

凛『ふふっ、誰に言ってるの?』

PaP「カウント、入ります。10……」

――――

凛「さあ、走りだそうか。ネーブラ」

――――

PaP「9……」

――――

ネーブラ「!」シュゥゥゥウウ・・・!

――――

PaP「8、7、6……」

――――

ネーブラ「……!」ゴゴゴ・・・!

――――

PaP「5、4、3、2…………」

――――

凛「……っ!」グッ

ネーブラ「!!」グググ・・・!


―――凛の操作で拳を振りかぶるネーブラ。

ゼノグラシアとは俺得
俺も今ゼノグラシアのSS書いてるから参考にさせていただきます

――――

PaP「1!」

――――


――ゴッ!!

シュォォォオオオオオオオ!!!




―――ネーブラ、ドロップを思い切り殴りつけて、破壊完了。

――――


卯月「えっと、あとはこの道をまっすぐ行って……」ピクッ

卯月「あれ? この匂い……」クンクン

まゆ「あらぁ……♪ 海、ですねぇ」


卯月「うわあ……! でも、何でかな? 今度こそ間違いないって……」

まゆ「あ、卯月さん……!」

卯月「え……? あ、わあぁ……!」



ヒュゥゥ・・・
キラキラ・・・


卯月「きれーい……!」

まゆ「きっと、ドロップですねぇ」

卯月「え?」

まゆ「さっきのアイドルがドロップを壊したんです。流れ星と同じで、大気圏で燃えて光ってるんですねぇ……♪」

卯月「すごーい……!」キラキラ

まゆ「本当は、滅多に見れないんですけどねぇ」

卯月「私なんて、海を見るのも久しぶりなのに……!」

まゆ「あら、そうなんですかぁ?」

卯月「私の地元、海無かったから」

卯月「……コンペイトウって、昔は一つの大きな塊だったんだよね?」

まゆ「ええ、『月』って名前だったんだそうです」

卯月「その頃の海も、こんなに綺麗だったのかなあ?」

まゆ「さあ……。でも、これ以上綺麗な風景なんて、きっとありませんよぉ」

卯月「だよね! …………あれ?」

まゆ「どうしたんですかぁ?」

卯月「…………またコレ、光ってる。こっちに来てから、もう三度目だよ……?」シュイイィィン・・・

まゆ「そう、なんですかぁ……不思議なこともあるんですねぇ」

卯月「何なんだろう? ……それにしても」




卯月「あんなもの見せてくれるアイドルなんて……」




卯月「――かっこいいね!」



カッコイイネ!


カッコイイネ・・・!





カッコイイネ・・・・・・







――――ギュイイィィィィィィン!!!!

○モンデンキント

加奈「――『クランクアップ』確認しました!」

ジョセフ「……ご苦労さまです」

PaP「帰還回路、選定します」

瑞樹「凛ちゃん、ご苦労様!」






ピピ・・・

加奈「…………あれ?」

瑞樹「どうしたの?」

加奈「第7格納庫から、起動反応……?」

ジョセフ「……?」ピク

PaP「そこって確か、一昔前に閉鎖された『プロメテウス-1』の……」







○第7格納庫




…………ブチィッ!

○海岸



チャキ・・・




卯月「…………まゆ、ちゃん……?」




まゆ「………………うふ♪」

○モンデンキント

ビーッ ビーッ

加奈「第7格納庫の出力上昇、止まりません!」

PaP「外部からの干渉は無いようです……!」

瑞樹「じゃあこれって、『プロメテウス-1』からの出力ってこと!?」

ジョセフ「仕方ありません、至急本部にも連絡を……!」

瑞樹「出来ません! コンペイトウと…………ジャミング!?」

ジョセフ「……!?」

○海岸


卯月「まゆ、ちゃん……? それってまさか……銃……?」

まゆ「うふ、本物ですよぉ? ドラマなんかじゃあありません……」



ガッ



卯月「!?」

まゆ「一緒に、飛んでもらいます……!」バッ

卯月「えっ、うわああああああああ!?」




ヒュウウウゥゥゥゥ・・・

――――

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!



加奈「第7格納庫で重力震の発生を確認!」

PaP「隔壁が内側から破られてる!? …………自力で地上まで出ようとしています!!」






――――バキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキ!!!!

――――


卯月「ぁぁぁぁぁぁああああああああ!!」ヒュウウウウゥゥゥゥ

まゆ「うふふ……!」シュイイィィン・・・




――ピシッ


―――真下の地面に、亀裂が入る

――――

PaP「『プロメテウス-1』地上に出ます!」

――――




――ドゴォッ!!


―――亀裂が一気に拡がる。



まゆ「!?」シュイイィィン・・・




フワァ・・・




卯月「…………え…………?」







ゴゴゴゴゴゴゴ・・・

インベル「…………」

まゆ「そんな…………。……っ!」カチッ






○海底

ヌービアム「!」


ゴゴゴゴゴゴゴ・・・!!

卯月「えっ、ええっ…………!」

まゆ「一度、離れましょう……?」ババッ

卯月「えっ!? ええっ!?」



卯月「…………あ」


―――スカートのまま脚を広げて浮かぶ卯月の前に、インベルの眼が光る。


卯月「あ、きゃぁっ!?」バァッ

卯月「あうう……」カアア



インベル「!!」カッ!

卯月「きゃあっ!?」ゴォッ!



―――思わず脚を閉じて赤面する卯月。インベルの眼が興奮したように輝き、卯月、宙に飛ばされる。

卯月「きゃあああああああああ!!?」ゴォォ


ピタッ・・・


卯月「へ……? 止まっ……?」


ヒュウウゥゥゥ・・・!!


卯月「いやあああああああああ!!?」


ガッシャァ!


卯月「うわあああ!!?」



スポッ・・・
ガシャン・・・


―――落下する卯月の真下に、インベルのコクピットが展開される。

まゆ「…………あれが……!」

――――

○インベル・コクピット


卯月「…………な、何……?」


ピ・ピピッ・・・
ヴゥン・・・


卯月「ふぇっ!? ……これ、私……?」


ピピピッ
カシャカシャ・・・


卯月「え、こんなに…………あうう……」カアアア



―――コクピットモニタに、卯月の様々な映像と写真が映し出される。

○モンデンキント・司令室

加奈「『プロメテウス-1』、重力フィールド消失!」


ピーッピーッ


PaP「……っ! 沿岸部に新たな反応! これは……?」




PaP「っ『プロメテウス-3』! ヌービアム!!」

――――


ゴォッ!


まゆ「…………来たっ!」


ドゴォッ!!


インベル「!?」



―――吹き飛ばされるインベル、背後からそれをヌービアムが見下ろす。





←TO BE CONTINUE

○次回予告

卯月「ねえねえ未央ちゃん、次回予告ってどうすればいいの?」

未央「いい質問だね卯月クン! ズバリ!」

卯月「ズバリ?」

未央「内容を簡単にまとめればオッケー! ささ、今日の内容を一言で!」

卯月「えっと、……エビ?」

未央「オッケーイ! 次は次回の内容を一言で!」

卯月「え? ……あ、アントシアニン?」

未央「というわけで次回は『アントシアニン』!」

卯月「いいの、それで……?」



※【島村卯月「アイドルのマスター」】です

1話目【島村卯月「上京ペンギン」】の再投下、完了です。ありがとうございました
しばらく時間を置いてから2話目の再投下に入ります

一応、以前の一話のリンクを置いておきます
島村卯月「上京ペンギン」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1374586804/)

>>3
もうゼノグラを知らない人もいるんだな……。
バンナム内部の主導権争いの中で生まれた悲しいアニメだよ。

色々説があるけど俺が聞いたのはバンナムからサンライズにアイマスアニメ化の依頼>
サンライズは忙しくてそんな暇が無いので断わられるために無茶な企画書書提出>バンナムがおk>サンライズ「!?」

でもこれ結構好きだったわ。

ゼノグラシア好きだから期待するやでー
まんま焼き直しにはなって欲しくないな

>>61
表面的に起きた事としてはそれで合ってるよ。
ただ、サンライズは元々バンダイの子会社だし、しばらく前にナムコとバンダイは統合してるからね。
OK出したのがバンダイ系列の人間だったと、そいうことですよ。

では第2話の再投下始めます
今夜中に第3話は難しいかも

島村卯月「アイドルのマスター」

○ある孤島の屋敷




パチパチ・・・



ちひろ「…………」



スッ・・・

スタッ・・・



CuP「ヌービアムが――」

○モンデンキント・司令室

加奈「――ヌービアム、『プロメテウス-1』に接触!」

PaP「ネーブラ到達まで、93秒!」

瑞樹「新宿より緊急呼び出しです!」

ジョセフ真月「……拒否してください」

PaP「――ヌービアム、出力増加!」

○海岸


ザザァ・・・


ヌービアム「……」



―――倒れ込むインベルを、ヌービアムが見下ろす。



卯月「うわああああああっ!?」

まゆ「っ!」グッ!


ガシィッ!


インベル「!?」



―――ヌービアムから射出されたアンカーがインベルを捕らえる。



グッ・・・!!


卯月「きゃああああああっ!!」


―――インベルが、無理矢理立ち上がらせられる


Do you know venus? Be your venus

ガラスの檻から 傷つき抜け出すほどの
恋をさせて


『アイドルマスターCG XENOGLOSSIA』


名前で呼べないまま 唇、そっと乾いてく

視線が触れ合う今 口づけ夢見てる

愛しさとも 欲望とも
寂しさとも わからなくて

濡れた瞳 あなただけを 欲しがるの

花になれ 恋に舞え
そう女神達は 乙女に刻み込んだ

Do you know venus? Be your venus
熟した果実の 甘さを覚えた鳥に 夢を

永遠の夢を見せて



――ギギッ・・・!


PaP「インベル、ホールドされました!」

加奈「ネーブラ、到達まで35秒!」



グワッ!


―――重力波が拡がり、インベルとヌービアムが浮かび上がる。


卯月「――ふぎゃっ!?」ガンッ

卯月「いたた……。……きゃあああっ!?」


―――コクピットモニタ一面にヌービアムの頭部が映し出される。


――ガッ!


―――悲鳴に反応するようにアンカーを引きはがすインベル。


まゆ「何……!? ――いやっ!」


ガッシャアッ!




……ザバアァッ!!


―――反撃の肘打ちをくらって、ヌービアムが海面に叩きつけられる。

―――インベルはそのまま落下。ほぼ同時にヌービアムが体勢を立て直す。


ビーッビーッ


まゆ「!? ――あれはっ!」

ネーブラ「!!」グアッ!

凛『はァッ!』

まゆ「ぐっ!」



――ドゴォッ!!


―――ネーブラの突進を受けるヌービアム、倒壊したビルまで吹っ飛ぶ。

加奈「ネーブラ到達!」

PaP「っシャぁッ! 見たか!!」

――――

まゆ「……っ! ……仕方ありませんねぇ。Pさんのところへ帰らなきゃ……」

凛「行かせないよっ!」


―――脚部ブースターを解放するヌービアム。ネーブラがそれを追う。


まゆ「邪魔をしないでッ!」

凛「ぐっ!? ……いやああああっ!」



―――カウンターに回し蹴りを受け、ネーブラ、吹き飛ばされる。



凛「ぐ…………っ!」

卯月「……っ…………」グッタリ・・・


―――飛び去るヌービアム。一方コクピット内部で卯月、気絶。

PaP「……ヌービアム、カバーレンジ圏内より離脱」

加奈「インベルとネーブラ、ch13から回収します!」

ジョセフ「『トゥリアビータ』も強引ですな……。ところで、『アイドルマスター』の容態は?」

加奈「確認中です……」

瑞樹「うっ……。課長、新宿本社より吉永社長から……」


ピッ
ヴウン・・・


吉永『……ジョセフ君』

ジョセフ「これはこれは」

吉永『これはどういうことだ! こっちには一般市民から自衛軍まで、問い合わせが殺到しているんだぞ!?』

ジョセフ「いやあ、申し訳ありません。訓練中に、『アクシデント』が起こりまして……」

吉永『またか! あれだけウンタラカンタラ・・・』

ジョセフ「詳細は追って。ではまた」

吉永『おいまた――』プツッ


PaP「……だいぶキてるみたいッスねえ」

瑞樹「本当は敵対組織と戦闘があったらなんて言ったら、血管吹っ飛んじゃうもの」ワカルワ

ジョセフ「川島君」

瑞樹「あ、はい……?」

ジョセフ「……報告書、お願いします」ニコッ

瑞樹「ええ!?」ガビーン!

○海上・上空


ピッ


CuP「……帰投後は、自室で待機を。追ってちひろさまからご連絡が……」

まゆ「……」ピク

まゆ「…………Pさんも、お怒りなんですかぁ……?」フルフル

CuP「いえ。私から言うことは何も……」

まゆ「なら良かったぁ♪ Pさん、まゆ頑張れましたかぁ?」

CuP「……それについても、何も」

まゆ「あらぁ…………残念…………」

○???

卯月「…………あれ、ここは…………?」


クルッ


ペンギン「…………」

卯月「ええっ!?」

ペンギン「お目覚めですか?」

卯月「ふぇっ!?」ビク

ペンギン「一目見た時から、決めていたんです」


ガシッ


卯月「え? きゃああああああ!!」


ヒュウウウウウウウウ・・・・・・

○病室


――ピリリリリ・・・


卯月「え……ううん…………」ガササ・・・


ピッ・・・


卯月「……もしもし?」

未央『うづきん!? うづきんなの!?』

卯月「…………未央、ちゃん……?」

○駅出入り口

未央(ペンギンの気持ちになるですよ)「ひどいよもう! 全く連絡くれないんだもん!」プンスカ

卯月『……え、あ……ごめんね…………』

未央「今どこ!?」

卯月『え? えっと……』

○病室

卯月「あれ、ここ……?」


スッ

プツッ・・・


卯月「あれ……?」


のあ「医務室では、携帯電話は禁止……。分かったかしら……?」

――――

スッスッ・・・

卯月(舌出し)「あお、ほほは、いっはい……?」(あの、ここは、いったい……?)

のあ「……次は、胸出して」

卯月「ああ、はい……」スッ

のあ「あら、ピンク……」

卯月「ひうっ!?」 バッ!

卯月「な、何なんですか///」

のあ「……異常、無しね」スッ

卯月「えっ? あ、あの……」


スタスタ・・・


卯月「……」ポカーン

○モンデンキント司令室


―――ヌービアムとインベルの交戦映像が映し出される。


瑞樹「うわあ、すごいパワーね……」

PaP「『プロメテウス-1』か……。資料では知ってたけど……」ヘェー・・・

加奈「動いてるのを見るのは初めてです!」

瑞樹「ホント、気まぐれなのね」

ジョセフ「『iDOL』には、まだまだ謎が多いということです」

瑞樹「……彼女、どうするおつもりですか?」

ジョセフ「近付いただけでこれだけインベルが反応したのです。資質は明らかでしょう」

瑞樹「…………ですね」フフ

ジョセフ「さて……。…………うん?」


ガチャァッ!

ダダダ・・・


みく「――インベルが動いたって、本当にゃあ!?」

ジョセフ「ええ、本当です」フフ

みく「誰、誰が動かしたん!?」

ジョセフ「素が、出ていますよ」

みく「に”ゃっ!」

ジョセフ「ふふ……。『島村卯月』、新人の子ですよ」 ニコッ

みく「……っ。…………あの、ぱっとしない子かにゃ」

瑞樹「うかうかしてられないわね? ね、凛ちゃんも」フフ

凛「ふうん…………」スッ


スタスタ・・・


みく「…………島村、卯月…………!」ギリッ

○格納ドック

卯月「――――ぱ、パイロット!?」

ジョセフ「いえ、パイロットじゃあありません。『アイドルマスター』です」

卯月「あ、あいどるますたー……?」

ジョセフ「アールグレイで宜しかったですか?」

卯月「あ、はい…………じゃなくて! アイドルマスターって何なんですか!?」

ゼノ好きだったけどアイマスである必要は皆無って言わしめる作品だったなぁ…

ジョセフ「ふむ……。『アイドル』」スッ


インベル「……」


ジョセフ「で、『マスター』」スッ


卯月「……?」




卯月「…………って、ええっ!?」ガタッ

卯月「じゃ、じゃあっ! あ、あのオーディションって……」

ジョセフ「はい。我々の極秘裏に行っているオーディションだったのです」ニコ

卯月「そんな、私は普通のアイドルオーディションだとばかり……」



ジョセフ「……島村、卯月さん」

卯月「はっ、はいっ!」

ジョセフ「――貴方には資質がある」

ジョセフ「この『インベル』と共に、世界をコンペイトウの危機から救いませんか?」

卯月「え、いや…………」




ジョセフ「……救いませんか…………?」ジィィ



卯月「ええ………………?」

○喫茶「ムッシュ」

未央「――それって詐欺じゃん!?」ガタッ!

卯月「み、未央ちゃん落ち着いて?」

未央「そんな事より、まさかOKとかしてないよね……!?」

卯月「え、えっと……なんか、一生懸命っていうか……ちょっと怖いっていうか……」

未央「ゼッッッタイッ! ダメッ! そんなの悪い人に決まってるじゃん!」

卯月「……悪い人?」

未央「そうそう! 上京したてのピッチピチで、初々しーい女の子を、食べちゃおうとしてるんだよ!」

卯月「そ、そうなの!?」

未央「東京って、結構多いんだよねー! ウチの事務所でもさあ……」ウンウン

卯月「あの、未央ちゃん……?」

未央「心配無用! この未央ちゃんが、そーんなヤツ絶対警察に突き出してやるから!」


<!? ザワザワ・・・


卯月「み、未央ちゃん、警察はちょっと……」


スッ・・・


未央「さあっ! 今からその事務所に乗り込もう!!」

卯月「ええっ!?」

○玉兎高校・校門

未央「――ええと、何々? 『ぎょくとこうとうがっこ』――」

未央「って、学校!!?」

卯月「あれ……?」

未央「はっ!」ピコーン

未央「なるほどなるほど、隠れ蓑にしてるってワケねえ……。……よおしっ!」

未央「乗り込めぇ――っ!!」ダダダダダ!!

卯月「あ、ちょっと! 未央ちゃん!?」

卯月「ま、待って……!」


スッ・・・


卯月「え、だ、誰……?」




みく「島村、卯月かにゃあ……?」

卯月「あ、はい……(ネコミミ……?)」


ツカツカ・・・

グイッ!


みく「インベルに乗るなんて、絶対無理に決まってるにゃあ!」


クルッ、スタスタ・・・



卯月「え、ええ……?」ポカン・・・

○トゥリアビータ・屋敷


ガチャッ・・・


まゆ「あらぁ……♪ Pさぁん……」

CuP「ちひろ様は、今回の件を咎めないことにしたようで……」

まゆ「うふ♪ そんなことどうでもいいの。ずっと一緒にいましょう……?」

CuP「丁度、しばらくは動くなとの指令が」

まゆ「最高ねぇ……♪ このままずぅっと……そう、永遠に……一緒…………」

○玉兎高校

未央「……廃校みたい」ムムム

卯月「えっとね? 確か、この教室から……」


ガッ!ガッ!


卯月「あれ? 閉まってる……」

未央「分かった! もうタカトビした後なんだよ! 寮の方に行ったら何か手がかりがあるかも!」


――ピリリ!


未央「あれ、電話だ」ピッ

未央「……え、もうそんな時間!? わ、分かりました、すぐ行きます……!」

未央「あうう……ごめん、ラジオの収録行かないと……」

卯月「え?」

未央「私のアパートで待っててよ! 明日寮に行ってみよう!」

卯月「う、うん!」

タタタ・・・


卯月「未央ちゃん忙しいんだなあ……。あれ? 未央ちゃんのアパートって……」

卯月「……」

卯月「…………」



卯月「ああーーーっ!!」


ダダダダダ!!


卯月「はあ、はあ……。あれ、どっちに行ったのかな……?」

ブロロ・・・


卯月「?」


キィッ

ガチャッ


晶葉「まったく、探したぞ?」

卯月「あれ、どちら、様……?」

晶葉「池袋晶葉だ。迎えに来てやったぞ」

○十六夜寮

卯月「――え、えっと……じゃあ、アクトク業者なんかじゃあ無くて……?」モグモグ

晶葉「うむ。iDOLのマスターをやってもらう。全く、またあの課長はロクな説明もせずに……」ハア

卯月「うええっ!? そんな、ロボットとか……!」

愛海「まあまあまずは身を預けてごらんよ!」ヒョコッ

卯月「だ、誰!?」

愛海「うひひ、まずはそのボディとの相性チェックから……」モミモミ

卯月「うひゃあっ!?」ビクンッ

晶葉「寮に住む整備班の棟方愛海君だ。腕は立つんだが、セクハラ癖がひどくてな……」

愛海「これはスタンダードで中々…………。むぅっ!? このヒップ、かなりの逸材……!」モミモミ

卯月「や、やぁっ! ちょっと……///」

晶葉「ま、それはともかくとしてだ。……乗ったんだろう? インベルに」

卯月「や、やぁっ! の、乗って、ふぁ、ないですっ! ただ、成り行き、でっ……!」

晶葉「愛海君、それくらいにしておけ。話がしづらい」

アイマスじゃなければ面白いかというとそうでもないから困る>ゼノグラシア
舞乙HIMEとエヴァ足して5ぐらいで割った感じで。ただ作画と演出は良かったとオモ。監督の長井龍雪は今じゃ結構売れっ子の演出家だろう。
シリーズ構成の花田十輝がオリジナルやる才能ないのと、プロデューサーの古里がロボと女の子の恋愛に妄執してたのが原因かなぁ

晶葉「…………成り行きでも、『乗せてくれた』というのなら凄いことなんだよ」

卯月「え?」

晶葉「正規の訓練を受けても乗れるとは限らない。彼らには好き嫌いがあるからな」

卯月「彼ら……それに、好き嫌いって……。アレ、ロボットですよね?」

晶葉「体はな。ただ、『心』を持っている」

卯月「こころ……?」

晶葉「そうだ。よく見てみろ、結構かわいかっただろう?」

○自室

ラジオ『ちゃんみおターーーーーーーイムッ!!』

『――こんばんみおみおーっ! みんなの本田未央でーすっ!』



ペラッ・・・


卯月「えっと……『日本が世界に誇る隕石除去マシン、iDOL』……」ペラッ

卯月「うう……?」



『つよいぞ!! ぼくらのネーブラ ドロップなんかにまけないぞ!!』バーン!



卯月「……かわいくない」

『――インベルに乗るなんて、絶対無理に決まってるにゃあ!』

『――よく見てみろ、かわいかっただろう?』




卯月「なんで、みんなそんなに真剣なのかな……?」

○モンデンキント・司令室

加奈「クリームベルト、シュガーベルト、クリア!」

PaP「モンデンキントチャイナへ申し送り完了しました」

瑞樹「カウントダウン入ります。5、4、3……」



瑞樹「1……。業務完了」

――――

○格納ドック


プシュウウゥゥ・・・

スタッ


凛「ふう……」


スタスタ・・・

――――

加奈「あれ……? 川島さん!」

瑞樹「どうしたの?」

加奈「これ……」


ヴウン・・・



卯月『…………』


瑞樹「あら、どうしましょう……?」

ジョセフ「招待してあげましょう」ニコ

○玉兎高校・校門

卯月「うう……」キョロキョロ


ピピッ、ゴウンゴウン・・・

―――校門が自動で開く


卯月「ひっ!? わあああああ!?」


卯月「…………入って、いいのかな?」


――――


○教室前

カツカツ・・・

卯月「ど、どうしよう……?」


カチャリ
ガララ・・・


卯月「ひうっ!? あ、開いた……?」

○教室

卯月「ご、ごめんくださーい……」ソロー


バターン!!

ビーッ!ビーッ!


卯月「ひゃああっ! な、何……!?」

ゴウンゴウン・・・


卯月「あ、あれ……? 下に、降りてる…………?」






プシュウウゥゥ・・・

○格納ドック

卯月「あ、あれ? 止まった……?」ソロー・・・



卯月「…………あ」

インベル「……」

卯月「…………やっぱり、大きいっていうか、ちょっと怖いっていうか……」

晶葉「――そんなこと聞いたら、落ち込んでしまうぞ?」

卯月「え? あ……」

晶葉「再会だな?」

晶葉「――インベルはな、君に会うために殻を破ってまで出てきたんだ」

卯月「私に、会う為……?」

晶葉「そうだ、『アイ』は持っているかな?」

卯月「『アイ』……?」

晶葉「クリアパーツのはめ込まれた鍵のようなものだよ。合格通知に同封されていただろう?」

卯月「あ、これ……?」ガササ・・・

卯月「…………あ」


シュイイィィン・・・!

卯月「光ってる……!」

晶葉「それが、『彼ら』を知る為の唯一の手段なんだ」


インベル「……!」カッ!


ゴゴゴゴゴゴゴ・・・

ブツン


卯月「あ、あれ!? 電気が……!」

カッ!



卯月「……?」


―――卯月にインベルからのスポットライトがあたる。


晶葉「あいさつ、だろうな」




卯月「…………っ」

――翌朝


○十六夜寮


未央「たのもーーーーーーーーーうっ!!」


ガチャ・・・


晶葉「なんだまったく……。朝っぱらから騒がしいな……」

未央「うづきんはどこだーーーーーーっ!!」ガーッ!

晶葉「うわっ!? 何だなんだ!?」


スタスタ・・・


卯月「…………未央ちゃん?」

未央「あっ、うづきーん! …………って、学校の制服?」

卯月「私ね、勘違いしてたみたいで」エヘヘ

未央「勘違い?」

卯月「うん。私が受けたのって、アイドルのオーディションとかじゃあなくって、学校の入学試験だったみたいで」

未央「……がっこう……?」

卯月「うん。じゃあ、もう行かなきゃ!」タタタ・・・

未央「………………はあ……?」

晶葉「おっと、私ももう行かないとな」タタタ・・・

未央「…………ええー?」

未央「あ、ちょっと……! カギとかどうするのー?」

愛海「うひひ、なかなかの上物をお持ちで……」ワキワキ

未央「!?」

――――

晶葉「しかし、これで良かったのか?」

卯月「えへへ、あまり心配かけたく無いからね」

晶葉「アイドルマスターになるのは?」





卯月「よく分からないけど、まあいいかなって!」



←TO BE CONTINUE

○次回予告

卯月「ところでみくちゃんって休みの日はどうしてるの?」

みく「猫チャンと遊んでるにゃ!」

卯月「ヒマな時は?」

みく「猫チャンと遊んでるにゃ!」

卯月「じゃあ……」

みく「猫チャンと遊ぶのにゃ! あんなヤツらにみくのアイデンテティを奪わせないにゃあ!」

卯月「あ、ちょっと……」

みく「みくは自分を曲げないよ!」

卯月(……何かあったのかな?)


※次回は【島村卯月「アイドルとマスター」】です

今日はここまで
結局再投下で終わってしまいました

読んで分かる通り、登場人物を削ったり増やしたりしています
話の根幹に関わる人物も欠けているので、ストーリーがそこそこ変わるかもしれません

読んで頂いた方、ありがとうございました

おつ
ゼノグラは何かの拍子にアイマスのアニメ版と知ってGyoかどっかで最初数話だけみて話についていけなかった覚えがあるわ

どうでも良いけど続くって英語でto be continuedじゃないの?
文法的にもto beで動詞の原形使ってるから後に続く動詞は原形にはなりえないし

>>122
ありゃそうだっけか
一応次から直しておこう

中学生か

ていうかゼノはもはやアイマスではないからなキャラデザが似ているだけの別物と考えたほうがいいよな…
あっ、キャラデザが似てるといっても千早の胸に関しては (ry


ゼノ原作のSSとは嬉しい限り
ロボアニメとしては割と好きな部類なんだがなあ

>>125
あれは尾崎さんだからな。

前回、しょうもないミスを犯して心が折れかけましたが、
打ち間違えて涙目で帰ろうとする森久保を想像することで事なきを得ました

では、第3話投下していきます。ゆっくりと。

第3話

卯月「アイドルとマスター」

○玉兎高校

瑞樹「――見ての通り、表向きは普通の学校ということになってるから、普通の学生のつもりで生活してちょうだい?」

卯月「普通なら、少し自信があります」

瑞樹「妙なことを言うわね?」

卯月「おみくじだって『吉』しか出さないんですよ!」

瑞樹「…………それは『普通』と呼んでいいのかしら?」クイッ


瑞樹「じゃあ、お願いね?」


カシャカシャッ・・・


加奈『――了解です』



グオングオン・・・


卯月「この教室がエレベーターになってる間って、上の階とかどうなってるんですか?」

瑞樹「さあ? …………そろそろ着くわ、ついてきてね?」


プシュウウゥゥ・・・



カツ、カツ・・・

シーン・・・


卯月「あれ、暗い……」


――パッ!!


卯月「うひゃあ!?」



ジョセフ「――――ようこそ」



「「「モンデンキント・iDOLチームへ!!」」」

みく「…………」ツーン

凛「…………」フン




ジョセフ「島村卯月さん、これからよろしくお願い致します」

卯月「は、はい……!」

Do you know venus? Be your venus

ガラスの檻から 傷つき抜け出すほどの
恋をさせて


『アイドルマスターCG XENOGLOSSIA』


名前で呼べないまま 唇、そっと乾いてく

視線が触れ合う今 口づけ夢見てる

愛しさとも 欲望とも
寂しさとも わからなくて

濡れた瞳 あなただけを 欲しがるの

花になれ 恋に舞え
そう女神達は 乙女に刻み込んだ

Do you know venus? Be your venus
熟した果実の 甘さを覚えた鳥に 夢を

永遠の夢を見せて

○モンデンキント・司令室

ジョセフ「――という訳で我々は、『ロストアルテミス』後の地球の生活を影から支え、人々の暮らしを維持していることを忘れずに、任務に励んで貰いたいと思います」

卯月「は、はい!」

ジョセフ「……結構です。では次に、メンバーの紹介を……」




瑞樹「はぁー、長いってのよ……」コキ

ジョセフ「――まず、川島瑞樹君」

瑞樹「はっ、はいぃっ!」

ジョセフ「今井加奈君」

加奈「はいっ、よろしくお願いします!」

ジョセフ「PaP君」

PaP「うす!」

卯月(…………スキンヘッド? 大きいなあ……)


ジョセフ「以上の3人に、この基地の管制を担当してもらっています」

ジョセフ「では、ここからは川島君にお願いしましょう。ついでに本部への連絡も」

瑞樹「ええっ!?」ガーン!

――――


スタスタ・・・


瑞樹「日本支部の担当は周に1日。その日は基本的にここで待機ね。ドロップの襲撃に備えてもらうわ」

卯月「『ドロップ』……ですか?」

瑞樹「そう。空から落ちてくるコンペイトウのことをこう呼んでいるの」

卯月「かっこいいですね! 地元ではただ、『隕石』って呼んでました!」

○ロッカールーム

瑞樹「――ここにパイロットスーツが用意されてるの。卯月ちゃんは一番奥のヤツね」

卯月「手前の2つは、名前が入ってますね」

瑞樹「先輩達のロッカーね。『前川みく』ちゃんと、『渋谷凛ちゃん』。あとで挨拶するようにね」

卯月「はい!」


――――


瑞樹「訓練室、寝室と……次の部屋はここ」

卯月「……!?」

○茶室

瑞樹「課長の趣味で作った部屋ね」

卯月「……何に使うんですか?」

○シャワールーム

瑞樹「あら、ちょうどよかったわね」

みく「…………?」スポーン

瑞樹「先輩の前川みくちゃんね。あ、そっちにも紹介しておくわ。新人の――」

みく「……知ってるにゃ」


バッ!


みく「言ったハズにゃ! お前なんかに、『インベル』は絶対無理だにゃ!」プルンッ

卯月「…………あ、その……///」

みく「何にゃ!」プリンッ

瑞樹「出血大サービスね」

みく「え……? あ…………///」カァァ




<ウニャアアアアアアアアア!!!!

○格納ドック-インベル・コクピット


ピピッ

ウイイィィン・・・


凛「起動、開始……」グッ


シュイイィィン・・・

ゴゴゴゴゴゴゴ・・・


加奈『――インベル、起動確認。出力上昇中……』

晶葉『安定値まで、あと80……70……』

晶葉『60……50……』


ゴゴゴゴゴゴゴ・・・


プシュウウゥゥ・・・


晶葉『!?』

加奈『出力、上昇停止!』

舞☆XENOGLOSSIAにしなかったのはなんでだったんだろうね?
スタッフ大体同じだったんでしょ?

ジョセフ「『コア』の反応は?」

加奈「……正常です。シリコンデンドライトも安定してます」

ジョセフ「……起動はしてる、という訳ですなあ。……インベル整備担当の意見は?」

晶葉「……機械的な問題は見受けられません。やはり、『アイドル』と『マスター』の相性としか……」

凛『……もう、いいかな?』


――――


インベル「…………」

凛「私がダメなら、もう無理だと思うけど」

晶葉『大した自信だな?』

凛「事実を言っただけだよ」

晶葉『事実というのなら、卯月君はインベルを動かしたわけだが』

凛「…………たまたまだったんじゃない?」

プシュウウゥゥ・・・


凛「…………」スタッ


卯月「あ……」

瑞樹「彼女がもう一人の先輩ね。さっきも言ったけど……」

卯月「……渋谷、凛さん」

瑞樹「ええ、多分天才ね……。……あなたより、年下よ?」

卯月「ええっ、そうなんですか!?」

瑞樹「2ヶ下、だったかしら。まあ確かにかなり落ち着いた娘ね」

凛「…………」スッ

卯月「あっ、えっと……。よろしくお願いします!」ペコッ

凛「ふうん、よろしく…………」


スタスタ・・・


卯月「…………?」

瑞樹「あの子、ああいう子だから……」・・・アハ

卯月(なんか、怖いかも……)ムウ・・・

瑞樹「それじゃあ、次は訓練ね」

卯月「訓練? iDOLに乗るんですか?」

瑞樹「いいえ、それはいつか先の話ね。その前に……」

卯月「その前に……?」

卯月ってモバマスのメインヒロインじゃないよね。
人気商売だから初期はともかく完全に凛がモバマスのメインヒロインだよね。
卯月は凛の友達ポジション。

○教室

卯月「……最初はこれ……?」


『初心者のためのドロップ対策』


瑞樹「あら、座学が無ければ何も進めないのよ? 続けるわね」

瑞樹「だから、ドロップの危険性はその大きさだけじゃなくて、進入角度に左右されるのそれでこの問いなんだけど……」

卯月「あうう……」

――――


瑞樹「――普通、ドロップの破壊にはミサイルを用いるんだけど、この国では大量破壊兵器を所持出来ないから、その代わりに『iDOL』が存在しているの」

卯月「え、えっと……」プシュウウ

瑞樹「? ……ああ、確かに高校平均レベルの成績じゃ、ちょっと厳しいところがあるわね……」ワカルワ

吉永「5億だぞ5億!」

ジョセフ「ええ」ニコニコ

吉永「これだけの金を捻出するのに、一体どれだけ――! 大体――!」

ジョセフ「ええ」ニコニコ

吉永「なぜこれで本部は尚も訓告程度で済ませるのか――!」

ジョセフ「ええ」ニコニコ

吉永「少なくとも、始末書を百枚は――!」

ジョセフ「ええ、そうですねえ」ニコニコ


ジョセフ(後で川島君に頼んでおきましょう……)

○第7格納庫跡

早苗「もう2度と動かないと思ってたんだけどねえ……」


シィィン・・・


早苗「あの『王子様』ったら、そんなにあの娘が良かったのかしら……」

○訓練室


プシュウウゥゥ・・・


卯月「…………ふう」スタッ

晶葉「中々の成績だな」

卯月「なんだか上手くいったよ!」エヘー

晶葉(前川君と凛君の初期~現在のレコードの平均値を出すとは……)


ブツッ


卯月「あれ、停電……?」

晶葉「少しマズイかもな。司令室に行ってくる!」ダッ

卯月「あっ、ちょっと! 危ないよ!」

――――

○司令室


加奈「――復旧しました! 欠損データを確認します!」カタカタ・・・

晶葉「むう、ダメだったのか……?」

瑞樹「みくちゃん、どう?」

みく『どうもこうもないにゃあ! ビクともしてくれないにゃ!』

晶葉「状態は万全な筈なのだが……」

留美「そうね、データ上はネーブラと全く同じ状態だわ」

PaP「負荷を掛けてみる作戦は失敗スねえ……」

晶葉「停電するまでやってダメだとはな」

留美「無理をしすぎたわね」

晶葉「元はと言えば、和久井さんの提案の筈だが……」ハア

卯月「あ、あの……」タタタ・・・

晶葉「む、そうだ。卯月君に乗ってもらうとしよう」

卯月「…………え?」

晶葉「そうと決まれば調整だ! おーい、1日で終わらせるぞ!」

愛海『ええ!? いくら何でも無理ですよお!』

晶葉「胸なら誰のでもいくらでも揉まs」

愛海『半日で終わらせてみせましょう!』キリッ

留美「私も手伝うしかなさそうね……」

晶葉「じゃあ、そういうことで」

卯月「ええ……」

―――その夜


未央『――で、『部活』をその『男の子』と一緒にやらないといけなくなったんだ?』

卯月「うん、でもね? その子、ずっと動かn――じゃ、なくて『学校に来なかった』らしくって……」

卯月「それで、上手く『話せる』のかなって……」

未央『ふうん……。大変なんだねー』

卯月「うん……」

未央『でもちょっと楽しみだったりー?』

卯月「……え?」

未央『声で分かるよ、友達だもん! 好きにすればいいと思うな!』

卯月「そっか。……ありがとう、また電話するからね」

未央『はいはーい。またねー!』


ピッ・・・


卯月「…………楽しみ、なのかな」

―――翌朝

○モンデンキント・ロッカールーム

卯月「……よい、しょっと……」キュッ

卯月「普通の体操着、みたいだけどなあ……?」


ポーン


加奈『――島村卯月さん、格納庫へ移動願います。繰り返します――』


卯月「うん、大丈夫だよね! 頑張ろう!」


タタタ・・・

――――

瑞樹『始めるわよ。どう? コクピットの具合』

卯月「大丈夫です。……少し、落ち着きませんけど」エヘヘ・・・

晶葉『やることは昨日のシミュレータと同様だ。感覚は覚えているな?』

卯月「う、うん! 大丈夫、だと思う」

瑞樹『とりあえず、始めるわ』


みく「ふんっ、新入りにそうそう動かせるワケがないにゃ!」

瑞樹『まずは、起動から』

卯月「はっ、はい! ……ええと、まずは『アイ』を……」


シュイイィィン・・・!

カチャッ・・・


インベル「……!」

加奈「インベルの起動を確認!」

晶葉「出力の上昇を開始。安定値まであと、80……70……60……」

みく「…………ふんっ!」

凛「……」

晶葉「50……40……30……」

晶葉『20……10……』

卯月「……っ!」グッ



――プシュウウゥゥ・・・



卯月「あ、あれ……?」


ザザ・ザー・・・


ゴゴゴゴゴゴゴ・・・!!


卯月「!?」


―――ノイズと共に海岸が映し出されて停止。直後、激しい振動が起こる。

ゴゴゴゴゴゴゴ・・・!!

加奈「第2、第3防護壁を作動します……っ!」

晶葉「テストを中止してくれッ! シリコンデンドライトを解放するんだッ!」

瑞樹「シリコンデンドライト、解放!」


――――


プシュウウゥゥ・・・


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!





ピタッ・・・

卯月「……何、今の……?」

瑞樹『――卯月ちゃん、聞こえる? 大丈夫?』

卯月「え? あ、はい……」

瑞樹『ごめんなさい、しばらくそこでじっとしててくれるかしら?』

卯月「え……?」

晶葉『端的に言うとだな、閉じこめられてしまったんだよ』

瑞樹『ごめんなさい、今原因の究明中よ。そこから何か分かることはないかしら?』

卯月「え? えっと……」

卯月「モニターに何か、映って、消えて……」

瑞樹『今は?』

卯月「い、今は何も……」

―――そして夜

瑞樹「――モンデンキントUSからの業務移行時間まで、あと60……」

ジョセフ「……インベルの様子は?」

PaP「……目処が立ちませんねえ……」

ジョセフ「……仕方ありませんな。特別シフトを解除、インベルはそのまま待機してもらいます」

ジョセフ「和久井さん、ネーブラの方は……?」

留美「いつでも、準備は出来ています」

瑞樹「担当、前川みく。待機室に入ります……」

加奈「――時間です」

加奈『業務移行。モンデンキントジャパン、ドロップの監視に入ります』

――――


みく「……今日こそ! いつでも来るにゃあ、ドロップ!!」

○インベル・コクピット

卯月「お腹空いたなあ……」グウゥ・・・

卯月「はあ……私じゃあやっぱり駄目なのかなあ……」


ピピッ

ヴウン・・・


卯月「え……? これって……」


―――モニタに、卯月のオーディション時の映像が映し出される。


卯月「何? ……何か伝えたいの……?」


プツッ・・・


卯月「あ、消えた……」

ピピピ・・・

卯月「あ、電話……」


ピッ


未央『もしもーし!』

卯月「あ、未央ちゃん……」

未央『仕事今終わったんだ! これからご飯とかどう? 今なら奢っちゃうよー!』

卯月「あ、えっとね……」

未央『んー? どしたのー、暗い声なんか出しちゃって?』

卯月「えっと……」

未央『あー分かった! 昨日言ってた子でしょ! 上手くいかなかったんだー?』

卯月「あ…………。うん、上手くいかなかった、みたい……」

未央『……うづきーん?』

卯月「あ、えっと――」

未央『強引に行かないとダメだよ。うづきんは大人しすぎるんだから』


未央『少なくとも、そうして私は親友を一人手に入れたもん』

卯月「未央ちゃん……。……っ!」


ビーッ!ビーッ!


未央『な、何々!?』

卯月「ご、ごめん! 何かここうるさいから後で連絡するね!」

未央『あ、ちょっ――』


プツッ

――――


加奈「ドロップは『レモン』と認定! ネーブラ、アクトオンスタンバイ!」


――――


みく「ネーブラ、行くにゃあっ!」

――――


卯月「ねえ、インベル……」


ギュッ・・・


卯月「もしかしたら、ちょっとだけ、あなたの事が分かったかもしれない……」




卯月「――だから、少しだけ付き合ってくれないかな?」


――――


瑞樹「――ちょっと待ちなさい!」

ジョセフ「?」

晶葉「本気で言っているのか!?」

卯月『……うん』

――――

卯月「きっと、インベルさんも怖いんだと思うんです……」

卯月「ずっと閉じこめられて、ようやく外に出られたのに……急に襲われて……」

卯月「びっくりして……怖くて……きっと、足なんかすくんじゃって……」

卯月「でも、いくら大丈夫って言われても消えないから!」

卯月「自分の力で外に出て、自分の力で確かめないと!」


――――

凛「ふうん? 面白い考え方だね……」


コクッ


コクッ


ジョセフ「インベルをch26へお願いします」

PaP「!? マジっスか!?」

晶葉「……ふむ、これがiDOLの醍醐味と言ったところか」

和久井「なんだか、わくわくするわね」フフ

瑞樹「はあ、また始末書ね……」


加奈「――インベル、ch26へ!」

―――インベルとネーブラが並ぶ


みく「!? インベルを出すのにゃ!?」

瑞樹『ネーブラはドロップの除去に専念してちょうだい! 回収はこちらでやるわ!』

みく「まったく、言われなくてもそうするにゃあ!」


プシュウウゥゥ・・・

ゴトンッ!


――――

PaP「ネーブラ、ルート5からルート13へ入ります!」

晶葉「……卯月君、準備は出来ているか?」

――――


卯月「はいっ!」

瑞樹『――いい? こちらでやれるのは、カタパルト射出まで。その後は貴方次第』

晶葉『安心したまえ、駄目なようなら海に落としてやる!』


――――


卯月「大丈夫、怖くないからね……」ギュウ




卯月「行こう! インベル!」


ゴゴゴゴゴゴゴ・・・!


・・・・・・ヒュウウゥゥ・・・・


―――落下を始めるインベル。


卯月「大丈夫……ほら、海が見えてきたよ……」

卯月「ほら、コンペイトウも綺麗で、怖くない……」

――――

PaP「インベル、高度下がってます……!」

加奈「あと20秒で海面に激突……!」

ジョセフ「回収艇の用意を……」

凛「…………」

――――

卯月「えへへ……。笑顔だとね、みんなも笑顔で返してくれるんだよ……」

卯月「怖い顔してたら、駄目なんだ」

卯月「だから、飛ぼう! 高く!」






――ゴオオオオオォォォォォォッ!!!!

――――

PaP「インベル起動!」

加奈「出力、安定値へ! アイドルマスターのコントロール下に入りました!」





瑞樹「っ! ――ネーブラより緊急信号!」

「「「!?」」」


←TO BE CONTINUED

○次回予告

未央「なぜ猫耳なのか?」

みく「みくの魂だからにゃ!」

未央「なぜアイデンティティを奪われたのか?」

みく「ぐっ……! 魚を食べないからにゃ……!」

未央「なぜ魚を食べられないのか……!?」

春菜「関係ありません! 眼鏡が足りないからです!!」

未央みく「「!!?」」


※前川みく「餃子とアメリカンドッグ」です

今日はここまで

読んでいる人がいようがいなかろうが、ゼノのアンチが現れようが現れなかろうが続けます。
自分を曲げません。みくにゃんのファンです。

じゃあみくにゃんのファン辞めます

第4話
前川みく「餃子とアメリカンドッグ」

あのアイマス界隈で黒歴史と名高いゼノグラをモバマスでやっちゃうとはすごい発想だな…(皮肉じゃないよ!)

全26話の予定ですか?

○ハニーベルト-ネーブラ・コクピット内

PaP『――インベル、飛行を開始!』

加奈『アイドルマスターのコントロール下に入りました!!』



みく「――――っ……!」ギリッ

みく「……任務中なのに、何やってるにゃあっ!」グッ



――――!



『WARNING! WARNING!』

PaP「――目標が2つに増えた!?」

加奈「ネーブラ、目標の迎撃に失敗! 『ドロップ』が分離しました!」

瑞樹「各支部に緊急通達を、目標をαとβに再設定して。予想進入角の再計算も! 早く!」

凛「…………っ」

――――


卯月「わ、私がですかっ!?」

瑞樹「みくちゃんが破壊しきれなかったドロップがそっちに向かってるの! ネーブラの位置からじゃあ間に合わないわ!」

卯月「で、でも私まだ何も……!」

瑞樹「今、この状況に対処可能なのはあなたとインベルだけよ!」

卯月「……わ、わたしと……」

Do you know venus? Be your venus

ガラスの檻から 傷つき抜け出すほどの
恋をさせて


『アイドルマスターCG XENOGLOSSIA』


名前で呼べないまま 唇、そっと乾いてく

視線が触れ合う今 口づけ夢見てる

愛しさとも 欲望とも
寂しさとも わからなくて

濡れた瞳 あなただけを 欲しがるの

花になれ 恋に舞え
そう女神達は 乙女に刻み込んだ

Do you know venus? Be your venus
熟した果実の 甘さを覚えた鳥に 夢を

永遠の夢を見せて

ネーブラ「……っ!」バッガァァン!!

加奈『ネーブラ、ドロップαを除去!』

PaP『ドロップβ、あと20秒でインベルのフレームに入ります』

みく「次!」


シュゴオオォォ・・・!!


――――


PaP「ドロップβ、インベルのフレームまであと10……」

瑞樹「卯月ちゃん、準備は出来てる?」

卯月『はっ、はい! えっと、レッスン4の……』ワタワタ・・・

加奈「インベル、スポッティング完了!」

PaP「あと5秒でフレームに…………っ!?」


――――


みく『早くどくにゃあっ!』

―――ネーブラがインベルへ接近を始める


PaP「っ! …………ドロップβ、間もなくインベルのフレーム内に突入します!」

瑞樹「駄目よみくちゃん! その位置からじゃもう……!」

みく『自分のミスくらい自力で取り返してみせるにゃあっ!』

瑞樹「でも!」

みく『卯月は下がってるにゃあっ!』

卯月「え、えっと……!?」

瑞樹『卯月ちゃん、みくちゃんはもう間に合わないわ! 体勢に入って!』

PaP『接触まであと2秒!』

瑞樹『早くっ!』

卯月「…………っ!」

卯月「やああああああああっ!!」ゴッ!

インベル「!!」ガシィン!


ドゴッ――!!


グッシャアアアアアァァァァァ!!


――――

PaP「ドロップβの除去を確認!」

加奈「やったぁ!」

卯月「…………やったの?」


ヒュウウゥゥ・・・


卯月「……! やったんだ!!」


――――


みく「…………っ」フルフル

○格納ドック


ドタドタ・・・


晶葉「各ストレス蓄積部の測定を急げ! バックアップを忘れるなよ!」

愛海「さあて……っと!」

晶葉「愛海は上のサーバーを押さえておいてくれ! それから恵磨は……」


スタッ・・・


卯月「ふう……。インベル、お疲れ様! ありがとね!」

インベル「……」

みく「どういうつもりにゃ!」

卯月「!?」ビクッ

みく「他人の任務を横取りするなんて、泥棒猫のつもりかにゃ!!?」

卯月「そんな、泥棒なんて……!」

留美『――それくらいにしなさい』

みく「!」

留美『二人とも、今から司令室に来るようにね……』


晶葉「……もう私は知らないからな」

○司令室

みく「――シフトを変更!?」

留美「ええ。当分ネーブラのマスターは渋谷凛で固定、とのお達しよ」

みく「!!」

留美「ついでに、卯月はレッスンに戻るようにと……」

卯月「は、はい……」

みく「ま、待って! まだ納得してないにゃあ!」

留美「……どうしてあんな初歩的なミスを犯したの?」

みく「…………っ」

○廊下


スタスタ・・・

ピタッ・・・

みく「何にゃ」

凛「…………ネーブラは、道具なんかじゃないよ」

みく「……凛には、関係無いにゃ」


スタスタ・・・

○格納ドック

卯月「あ、あの……」

留美「彼女にはお灸が必要なのよ」

卯月「ま、まだ何も……!」

留美「あら、違うの?」

卯月「い、いえ……」

留美「彼女だって、自分のミスだってことくらいは分かってるでしょうからね。あとは頭を冷やす時間が必要なだけ」



スタッ・・・


晶葉「あとは残りのメンバーに任せておけばいいだろう」

留美「あら、珍しいことを言うのね」

晶葉「歓迎会をしておきたくてな、卯月君の」

卯月「わ、私の!? で、でもみくちゃんが……!」

晶葉「みんなで、な?」

卯月「ええー……」

○十六夜寮

みく「――お断りだにゃあ!」

晶葉「いいのか? 餃子パーティーだぞ?」

みく「そんなのあのパッとしないのにでも食わせておけばいいにゃ!」

晶葉「本当にいいのか?」

みく「しつこいにゃあっ!」

晶葉「しかし、愛海君がそのベッドのルートに何か仕掛けをだな……」

みく「っ!?」

晶葉「まあ、そういうことだから。食堂で待ってるぞ」タタタ

みく「ぐぬぬ…………」


――――


卯月「…………うう」

みく「…………」ブッスー

愛海「~♪」ワッキワッキ

晶葉「……」カチャカチャ・・・

未央「~♪」トントントン・・・



卯月(……なんで未央ちゃんがいるんだろう)

愛海「出来たー! やわらか餃子!」ジャーン

卯月「餃子の形してないよ!?」

未央「おっ、2個セットなんだねー! 負けてらんないなー♪」

卯月「み、未央ちゃんのもなんかメチャクチャ大きいよ!?」

未央「まったまたー? うづきんよ、普通ばっかりじゃいけませんぞー?」

卯月「こ、これくらいの方が焼きやすいもん……!」

みく「……まったく、子供だにゃあ」ハン

未央「何をう!!? 猫耳芸人が何を言うか!」

みく「げ、芸人!?」

未央「やーい! 芸人前川ー!」

みく「うるさい日陰者!!」

未央「言ったな!? みおちゃんパンチをくらうがいい!!」

みく「フシャアアァアッ! ネコパンチは無敵にゃあ!!」


ギャーギャー


卯月「や、やめようよ二人共……」ワタワタ

晶葉「まったく、騒がしいな……。もうすぐ料理人ロボが追加のタネを作り終えるというのに……」ハア



キュラキュラ・・・


晶葉「お、来たな♪ どれどれ……」

未央「みおちゃんガトリングー!」ダダダダダ

みく「ぎにゃあっ!」グラッ


ガッ


晶葉「あ」


キュラッ・・・!


卯月「え……?」


ガシャーン


<ギャー!?

――――


未央「」ビクンッビクンッ

みく「」ビクンッビクンッ

愛海「またつまらぬものを揉んでしまった……」キリッ

晶葉「……で、まだ卯月君は風呂に入っているのか?」

愛海「うん、そうみたい。ニンニクって中々落ちないからねえ」

晶葉「そうか。……いい加減に未央君を送っていかなければな」

―――翌日

○格納ドック

卯月「もう大丈夫だよね……?」スンスン

卯月「あれ……?」


スイマセーン、ソッチノサーバー・・


卯月「留美さん、整備ってもう終わったんじゃあ……」

留美「あら、おはよう。……急な出撃が今朝からあってね」

ネーブラ「……」

卯月「あれ、でもその割に随分綺麗なんですね?」

留美「ええ、凛の時はいつもこうなの。……『アイドル』のこと、まるで家族みたいに大事にしてるから」

卯月「家族、ですか……?」

留美「ええ……」

卯月「何だか分かります。……でも」

留美「みくが違うというのかって?」

卯月「はい……」

留美「あの子だってそうなんだけどね……。でもあの時は特殊だった」

卯月「え?」

留美「[ピザ]リよ。ネーブラの足に当たりそうな[ピザ]リを避けようとしたの」

留美「……ひょっとしてあの子、まだ意地張ってるの?」

卯月「意地、ですか?」

留美「ええ、あの子はいつもそう。いつも自分一人で抱え込んで、本当のことを言おうとしない……」

留美「正直に言えば、謹慎なんて無かったでしょうに……」ハア

卯月「わ、私! ちょっと行ってきます!」

留美「あら、貴方は随分正直なのね?」

卯月「はい! それが取り柄ですから!」ダッ

○ロッカールーム

卯月「あ、あの!」ガラッ


凛「……何?」スポーン

卯月「し、失礼しました!」ピシャッ!


――――

○格納ドック

卯月「あ、あれ……?」ゼエハア

みく「……何にゃ」



チャポン・・・


卯月「……バケツ?」

みく「ネーブラを綺麗にしてあげるんだにゃ。整備班の仕事に外部装甲の清掃は含まれてないのにゃ」

卯月「やっぱり、大事にしてるんだ……!」パアア

みく「何を当たり前のことを言ってるのにゃ、ネーブラはみくの相棒だにゃ」

卯月「わ、私も手伝うよ!」

みく「……何言ってるのにゃ」

卯月「え?」

みく「卯月の相棒は、ネーブラじゃないにゃ。」

卯月「あ……」

みく「それに、手伝いならじきに来るにゃ」スッ

凛(ジャージ)「……」フリフリ



卯月「……そっか。そうだよね!」

――――


インベル「……」

卯月「えへへ、ごめんなさい」ペコリ

卯月「私、まだお礼もしてなかったよね」




――キュッキュッ・・・

○屋上

卯月「お疲れ様!」

みく「ふん、遅いにゃ。そんなに手間取ってたらメーワクが掛かるにゃ」

卯月「えへへ……」

みく「……何笑ってるのにゃ」

卯月「留美さんから、聞いたよ」

みく「!」

卯月「抱え込まないで、正直に言っちゃえば気持ちいいのに!」

みく「よ、余計な感情なんて表に出してもメーワクかけちゃうだけだにゃ!」

卯月「凛ちゃんも知らなかったみたい。本当にずっと隠してたんだね」

みく「……! い、言ったのにゃ……?」

卯月「嬉しそうだったよ! お祝いまでくれちゃった」ガサゴソ

みく「……? 何にゃ、それ」

卯月「お魚のフライ。それと、私にもアメリカンドッグ」

みく「!?」

みく「み、みくはお魚食べられないにゃ!」

卯月「……え? その猫キャラもウソだったの……?」ガーン

みく「ウソなんかじゃないにゃ! でもお魚は食べられないのにゃあ! 早く卯月のと変えるのにゃ!」

卯月「でも、これ魚肉ソーセージだよ?」

みく「逃げ道無しかにゃ!?」

――――


みく「……」ゼェゼェ

卯月「……」ハァハァ

卯月「…………ぷっ。あははははは!」

みく「……っ、にゃはははは……!」

卯月「やっぱりみくちゃんも正直な方がいいよ! 面白いもん!」

みく「もう負けでいいにゃ……みくは自分を曲げないにゃ!」

卯月「今度、凛ちゃんも誘ってハンバーグ食べに行こうか!」

みく「ハンバーグなら大好きにゃ! この間ものあチャンに魚とすり替えられて大変だったのにゃ!」

卯月「あはは! それも本当のこと言わないからだよ!」

みく「魚嫌いなのはのあチャン知ってるはずにゃ……」

卯月「ミスの理由も、今度ちゃんと報告しよう? 留美さんもきっとそれを待ってるんだよ」

みく「そうするにゃ! またネーブラと一緒に宇宙に行くのにゃ!」


アハハ・・・!





←TO BE CONTINUED

○次回予告

卯月「川島さんて凄いですよね!」

瑞樹「ふふ、そうかしら?」

卯月「はい! オトナっぽいし、面倒見も良いし!」

瑞樹「少し照れるわね♪」

卯月「えっと、なんていうか……」

瑞樹「なんていうか?」

卯月「おば――」

<ワカルワ



※【島村卯月「高度二万米」】です

今日はここまで。あばよギスギス、よろしくほのぼの。

雪歩いないので前半パートはかなり削れることになりそうです

おつおつ
師匠にとってのつまらぬ胸とは一体…

第5話
島村卯月「高度二万米」

○十六夜寮

愛海「じゃあ! 卯月さんの理論試験突破を祝って!」


「「「カンパーイ!」」」


晶葉「大したものだよ、一週間で随分成績を上げたじゃないか」

卯月「えへへー、これも一生懸命教えてくれた二人のお陰だよ!」アム

凛「話をしっかり聞いてくれるからね。誰かさんとは大違い」フフッ

みく「誰かさんって誰にゃ。みくだって聞く時はちゃんと聞いてるにゃ」

凛「でも、聞かない時は聞かないでしょ? この間だって人がせっかく作った天ぷらを……」

みく「お魚は絶対食べないにゃあ! 自分を曲げてないだけにゃあ!」フシャー

――――その夜


ソローッ・・・


卯月「凛ちゃんの部屋ってこっちだったよね……」


<デ、ドウダッタ・・・?


卯月「あれ、みくちゃんの声もする……」

卯月(ちょっと、気になるかも……)


凛『――インベルの出力データは、大体まとまったって』

みく『例のあっちのデータは……?』


卯月「……? 取り込み中みたい……」

Do you know venus? Be your venus

ガラスの檻から 傷つき抜け出すほどの
恋をさせて


『アイドルマスターCG XENOGLOSSIA』


名前で呼べないまま 唇、そっと乾いてく

視線が触れ合う今 口づけ夢見てる

愛しさとも 欲望とも
寂しさとも わからなくて

濡れた瞳 あなただけを 欲しがるの

花になれ 恋に舞え
そう女神達は 乙女に刻み込んだ

Do you know venus? Be your venus
熟した果実の 甘さを覚えた鳥に 夢を

永遠の夢を見せて

○孤島・トゥリアビータ屋敷


ザッパアアァァン・・・


CuP「このフレームは耐久性を犠牲に軽量化を図った、短期決戦用の――って、聞いていますか?」

まゆ「はぁい♪ 聞いてますよぉ……」ジーッ

CuP「ならば図面を見ている筈ですがね……」

まゆ「インベルを手に入れればいい。それだけでしょう……?」

CuP「ええ、その為にも話をちゃんと聞いて頂けると助かるのですが」ハア

まゆ「Pさんの言葉は一瞬足りとも聞き逃したことありませんから♪」



ヌービアム「…………」

○卯月の部屋

卯月「――で、最近は『その子』とも上手くいっててね?」

未央『えっと、前から気になってたんだけどさ、その部活の子って男の子?』

卯月「えっと……多分」

未央『多分?』

卯月「ああっ! 男の子だよ! うん、男の子!」

未央『なるほどなるほどー。うづきんにも遂に春が来たんだねー!』

卯月「は、春なんてそんな……」アハハ・・・

未央『今度、絶対会わせてもらうからねーっ!』

卯月「え!? そ、それは……!」

未央『じゃねー!』プツッ

卯月「……どうごまかそうかな……」

―――翌日

○格納ドック

晶葉「今日は、実際に点検を体験して貰うぞ」

留美「まあ、たまにはオイルにまみれてみるのもいいんじゃない?」

卯月「よ、よろしくお願いします……」

留美「まあ、体で覚えることの方が多いから、気張らなくてもいいわよ」

晶葉「じゃあ始めよう。まずは、超音波によるストレス検査の――」

晶葉「――やはり人型というのは、物理的に無理があってな?」

留美「管制制御のお陰で動き回れるのよ。まあ、反作用なんかもかなり多いから、こうして毎回全身の点検が必要になるんだけど――」

卯月「え、えっと……」グルングルン

みく「――フレーム交換を優先するべきだにゃあ!」

卯月「……?」

凛「でも、かわいそうじゃないかな……?」

みく「ネーブラチャンはもうボロボロにゃ! これ以上ストレスを蓄積する前に全交換するべきだにゃ!」

凛「そもそも、そのストレスを作ったのは……?」

みく「ぐううう……!」

卯月「わ、私は凛ちゃんに賛成かな……」

凛「!」

みく「う、卯月チャンまで……!」

卯月「iDOLにも、心ってあるんだよ? そうパーツって替えていいものなのかな……」

みく「で、でも……!」

凛「みくの言うことも、最もなんだけどね。ただ……」


ビーッビーッ


加奈『本部よりフラッシュ入ります! 総員アクトオンスタンバイ! 繰り返します――』


凛「そう、悠長なこと言ってられないのも事実だよね。休んでる暇は無いんだから、ネーブラの為にもミスを減らしてもらわないと」

○司令室

ジョセフ「――ほぼ2つ、同時にですか……」

PaP「ええ、距離は随分ありますが……」

ジョセフ「川島君、島村さんは一人でやれると思いますか?」

瑞樹「ええ、彼女にももう任せて良いかと……」

ジョセフ「うむ、二機体勢にした甲斐があるというものです」

――――


加奈『プロメテウス1・2スタンバイ! システムオールグリーン!』

PaP『ch9と17を確保!』

ジョセフ『――ネーブラ・インベル、アクトオン!』

凛「ネーブラ・アクトオン……!」

卯月「インベル、頑張ろうね……!」



シュゴオオォォ・・・!

瑞樹「目標アルファ・ブラボー、予定軌道上を進行中。ネーブラ、ライブポイントまであと60秒……」

加奈「インベルは目標まであと80秒です!」


凛『目標を確認したよ』

卯月『こっちは、えっと、探してるんですけど……!』

凛『軌道の確認を。データ上はもう見えている筈』


PaP「各支部の最新データと照合してみます!」カタカタ・・・


PaP「…………っ!? ドロップが消失!」



「「「!?」」」

加奈「今度は新たに2つ! 両方とも『レモン』、出撃翌要請出ました!」

PaP「さらに2つ! 両者とも同様です!」

みく「な、何が起こってるん!? …………はっ」

瑞樹「確認されたドロップ、全て消失しました!」

PaP「いや……新たに確認されました!」

瑞樹「どういうことなの……!?」

ジョセフ「PaP君……自己診断プログラムの走査をお願いします」

PaP「りょ、了解!」

ジョセフ「これはもしや……」

PaP「……チェック完了。エラーは帰って来ません……!」

瑞樹「クラッカーだとしたら相当の腕ね……」

ジョセフ「しかし、たとえ欺瞞情報の可能性があったとしても、我々は本部の情報を無視してはなりません……!」


――――


加奈『続いてノーベンバー!』

卯月「確認出来ません!」

PaP『オスカー!』

凛「クリアーです……! どういうこと……!?」


――――


まゆ「うふ、そろそろ頃合いかしらぁ……?」

凛「はぁ、はぁ……!」

瑞樹『凛ちゃん、大丈夫……?』

凛「まだ行ける、大丈夫……!」ゼエハア

卯月「こっちも……!」ハアハア

加奈『かなりh――』ブツッ

卯月「!? 加奈ちゃん!?」


――――

○司令室


ガタンッ!

ブツン・・・

瑞樹「電気が……!」

PaP「補助電源、作動します!」

加奈「でも、卯月さんとの通信が……!」

瑞樹「っ! ネーブラとの通信も途絶しました!」


ジョセフ「これは悪夢か……!?」

卯月「どうしちゃったんだろう!? 通信が――!」


ビッビッビッ・・・


卯月「え、これって、ドロップ――!?」

卯月「どうしよう、こんな時に!」



卯月「…………いや」


グッ・・・


卯月「私とインベルなら、いけるよね……!」

インベル「!!」


シュゴオオォォ・・・!


『LOCK ON!』


卯月「……いっけええええええええええ!!」グアッ!


――――


まゆ「うふ……♪」ニタァ・・・

バッゴオオオオォォォォ・・・・!!!!


卯月「やった…………!」


シュウウゥゥ・・・


ヌービアム「……」



卯月「!?」

ヌービアム「!」


グッ・・・ガッシャアアアァァァ!!


―――ドロップの奥から現れたヌービアムが、インベルを蹴り飛ばす。


卯月「きゃあああああああっ!?」ドガアアァァッ


――――


ジョセフ「インベルとネーブラは!?」

加奈「通信、回復しません!」

瑞樹「ルーターは依然ホワイトアウト!」

PaP「システムリブート! ……駄目です、受け付けません!!」

みく「ね、ネーブラ…………!」



ゴオオオオォォォォ・・・・!!


卯月「このまま墜落したら、地面に……!」


卯月「っ!」グッ


卯月「立て……直すッ……!!」


インベル「!!」


ブアッ!

―――インベル、反重力を展開。

卯月「……助かった……?」


ゴオッ!


ヌービアム「……!!」

卯月「!?」



ガッシャアアアァァァ!!

卯月「な、何……!?」ググ・・・

ヌービアム「……」

卯月「!! これって、最初にインベルに襲いかかってきた……!」


ゴッ・・・ガシャアアアアア!!


―――ヌービアム、インベルに何度も攻撃を加える

卯月「……っ!」グググ・・・

まゆ「お久しぶりですねぇ……♪」

まゆ「その白いのを、いただきに来ましたぁ♪」

卯月「――っ! ――っ!」グッ・・・

まゆ「渡して下さいよぉ……。Pさんの為にも……!!」



―――崩れ落ちるインベルに、ヌービアムが少しづつ近寄る。

卯月(でも、私がここで駄目だったらどうなるの……?)

卯月(この陸地は島……? 人が見える……)

卯月(あの人達を守るのは誰……?)

卯月「――っ!」



卯月「インベル、まだいけるよね……!」

インベル「!!」ググッ・・・!

――――


ジョセフ「復旧はまだですか!」

PaP「今やってます……ですが……!」

瑞樹「卯月ちゃん、聞こえる!?」

加奈「凛さん! 聞こえますか!?」

みく「……っ!」ギリッ

卯月「やあああああああああっ!!」ゴォッ!

まゆ「うふふ…………!」ゴォッ!


ゴッ!


――――


PaP「システム回復!」

加奈「! ……凛さん聞こえますか!?」

凛『うん……。何とかアメリカ支部とリンクして警戒中……』

加奈「良かった……!」ホッ

瑞樹「卯月ちゃん! 応答して! 卯月ちゃん!!」

加奈「――!?」

瑞樹「座標を確認します! …………っ日本海沿岸!?」

ジョセフ「! ……使えるカメラをすぐに回して下さい!」

PaP「了解! 灯台監視モニターの映像を!」


ピッ

ヴウン・・・


みく「!!?」

加奈「インベルとヌービアムが交戦中!?」

みく「――っ早く応答するにゃあっ! 卯月チャン何してるにゃあっ!!」

凛「卯月――!?」


――――


『――チャン! ――ヅキ!』


卯月「」


『卯月チャン!!』

『卯月!!』

瑞樹「――マスターの体温、血圧、脈拍……共に低下しています! 恐らく気絶……!」

加奈「フレーム、分解寸前!」

PaP「インベルのシステムダウンを確認!」

みく「管制制御が働いてないってこと!? それじゃあ衝撃が全て直に……!」

瑞樹「凛ちゃん!」

凛『分かってる! すぐに向かう!!』

――――


ギリギリッ・・・!


インベル「」


まゆ「フレームストレスがそろそろ限界ね……」

CuP『クラッキングも中止したようですね……』

まゆ「!!」

CuP「帰還を……」

まゆ「はい…………」



シュゴオオォォ・・・

加奈「ヌービアム上昇中!? ……加速しています! 高度3000……4000…………!」

瑞樹「インベルを持ったまま逃げようとしてるっていうの!?」

PaP「しかしなんで垂直に……!?」


――――


まゆ「…………中の女が邪魔ね」

みく「まさか落とす気なんじゃ……!」

瑞樹「何ですって!?」

PaP「今の状態じゃ落下の衝撃をモロに……!」

加奈「…………高度二万メートル、ヌービアムが上昇を停止!」


――――


まゆ「うふ……。さよなら…………っ!!」グアッ



ブオンッ!!

ゴオオオオオォォォォォォッ!!!!



卯月「」

インベル「」






みく「卯月チャああああああああああああああんっ!!」



←TO BE CONTINUED

○次回予告

PaP「PaPです!」

CuP「……CuPです」

CoP「CoPです」

PaP「いやーそれだけなんですけどね!」

CuP「で、どちら様で……?」

PaP「あ、えっと、そちらこそどちら様で……?」

CoP「…………」

PaPCuP「「え、本当にどちら様で…………?」」



※【卯月「ただいま。おかえり。」です】

今日はここまで

CoPに関しては、まあ書いてる人がCoPってことでひとつ

毎日更新とは大した奴だ…

そろそろやばいな

あえてage

まだ?

ゼノのSSか。ゼノはなぁ。本家ナムコのスタッフからも無視された、公式黒歴史みたいなもんだよなぁ

別世界のよく似た別人だから…
別世界の本人なら千早の胸は72のはずじゃないか

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