横島「学園都市?」(154)
懐かしの「GS美神」と「とある」のクロスです。
初ssですが、一応プロットは最後まで作ってあります。
更新速度はそんなに早くはないので、のんびりとお付き合いください。
きょうはさわりのところだけ投下します。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1365703108
横島「ってあの科学の街のことですよね。なんでそんなとこからうちに依頼が?」
美神「正確に言えば、学園都市からGS協会にきた依頼がうちに振られたってことね。母さんの仕業だと思うけど」
横島「げ、隊長の差し金か・・・。正直イヤな予感しかしないんですけど・・・」
おキヌ「だ、だめですよ、横島さん。美神さんのお母さんをそんな風に言っちゃ」
美神「気持ちは分かるけどね、あんまり人の母親を悪く言わないよーに。どうも学園都市で、『科学では説明不能な現象』によるテロが起きてるみたいなの。横島クンの言うとおり、あそこは科学の街。科学で対応できないことには弱いわけ。で、餅は餅屋ってことであそこのトップ自ら依頼をしてきたらしいわ」
横島「はー。あんな科学ですべてが管理されてる街でも、オカルトテロなんて起きるんですね」
美神「私に言わせりゃ、霊の存在しない場所なんてないわよ」
おキヌ「それで美神さん。この依頼受けるんですか?」
美神「当たり前じゃないおキヌちゃん!アシュタロス事件以来、悪霊は大人しくしっぱなしで依頼なんかほとんどありゃしないのよ!?久しぶりに来たこのチャンス、逃してたまるもんですか!!」
横島(あー、悪霊シバけなくてストレスたまってるみたいだもんなあ美神さん)
美神「それにこの依頼、どうも日本政府も絡んでるみたいよ。学園都市は一応日本の一都市とはなってるけど、実質的に独立してるわ。いつも自分たちの頭越しにいろいろやってるとこに対して貸しを作れるチャンスは逃せないってことね。つまり!」
おキヌ「つまり?」
美神「この依頼は、悪霊をシバけて、そして報酬を学園都市からも日本政府からもたんまりとぶんどれるってことよ!ふふふ、たまんないわー。これがこの仕事の醍醐味よねー!」
横島(うわー、美神さんの目が完全に¥マークになっとる・・・)
美神「というわけで、横島クン!おキヌちゃん!明日から学園都市に出張よ!」
短いですが、今日はここまでです。次回更新は週末、もっと長く投稿する予定です。
どうも、>>1です。
結構なレスが着いてドキドキしてます。
では、続きを投下します。
-翌日 美神事務所前-
出張の荷造りを終えて、事務所に到着した横島を出迎えたのは美神、おキヌだけではなかった。
カオス「よー、元気じゃったか小僧!」
マリア「横島さん・よろしく・お願いします」
横島「あれ、カオスのじーさんにマリア?美神さん、俺ら3人だけじゃないんすか?」
美神「そーなのよ。GS協会からあの後連絡があって、この2人も一緒に連れてけってさ。必要になるだろうからって」
横島「マリアはともかく、このボケ老人が必要になる事態ってのが想像つかないんですが……」
カオス「だーれがボケ老人じゃ!この『ヨーロッパの魔王』ドクター・カオス、多少耄碌しようとまだまだ若いモンには負けやせんわい!」
美神「カオスは一応、科学とオカルト両方に足突っ込んでるわけだしね。科学の街の事件だったら適任と言えなくもないけど」
おキヌ「美神さーん、お待たせしました!」
美神「大丈夫よおキヌちゃん。それじゃ出発しましょうか。で、カオス。あんた学園都市までどうやって行くつもり?言っとくけど、ウチのコブラは3人乗せたら目一杯よ」
カオス「ふはは、心配するでない!この天才ドクター・カオスの新発明、「ニュー・カオス・フライヤー」で学園都市までひとっ飛びじゃ!」
そう言ったカオスが手元のスイッチを押すと、上空から凧のようなフォルムの飛行機が降りてきた。以前美神と横島が中世にタイムスリップした時に見たものに比べると、ずいぶんと小型化されている。
おキヌ「わー、すごーい!」
美神「へー、珍しく発明が成功したのね。見た目はどう見てもメー○ェにしか思えないけど」
横島「いやいや、油断は禁物ですよ美神さん!こうしてる間にも自爆するかもしれませんって!」
カオス「全く好き勝手なことを言ってくれおるわ。心配するな!この前のアシュタロス事件の後、結構な額の報酬を頂いたからな。勝手に自爆などせんように、きっちりと作りこんである!ではワシら2人は出発するとしよう。マリア!行くぞ!」
マリア「イエス・ドクター・カオス」
そう言ってメー○ェ……ではなくニュー・カオス・フライヤーに乗り込んだカオスとマリア。美神たち3人は飛び立つ2人を見届けようとしたが……
横島「……早く飛べよカオス」
ニュー・カオス・フライヤーはけたたましい音と煙を吐き出すものの、ガタガタ震えるだけで一向に飛び立つ気配はない。
カオス「な、なぜじゃ!?ほんのさっきまで問題なく動いておったではないか!!」
マリア「ドクター・カオス。重量オーバー・です」
カオス「……しまった。マリアの体重のことすっかり忘れとった……」
美神「…行くわよ二人とも、車に乗りなさい。カオス!あんたらは電車でもタクシーでも使ってくるのよ!私たちより遅くなったら承知しないからね!」
カオス「ま、待て!無茶言うな!せめてタクシー代を貸してくれーー!!」
そういうカオスを置いて出発した美神たち。しばらくすると、事務所の方から爆発音とパトカーのサイレン音が聞こえてきた。
横島「美神さん、カオスのじーさんのボケ具合また進行してんじゃないですかねぇ……」
美神「中世に行ってなかったら、とてもじゃないけど『ヨーロッパの魔王』だなんて信じられなかったわね。まあいいわ、カオスはマリアに乗って追っかけてくると思うし、学園都市までフルスピードで飛ばすわよ-!!」
高速に入るや否や、美神はアクセルベタ踏みで走り出した。スピードはぐんぐん上がり、メーターの針は今にも振り切れんばかり。
おキヌ「きゃーーー!み、美神さーーん!もう少しスピード落としてーーーー!」
横島「諦めろおキヌちゃん……。こうなった美神さんには何言ってもムダだ……」
美神「ほーほっほっほ!待ってなさいよ私のお金ーーーーー!!!」
とりあえず今はここまで。
続きを書き次第、ぼちぼち投下していきます。
時系列は、GS美神はアシュタロス後、シロタマがくる前です。
この二人も好きなんですが、美神・横島・おキヌちゃんのトリオに一番思い入れがあるもので。
とあるの方は大覇星祭が終わったぐらいを考えてます。
では続きー
ー学園都市 入場ゲート横待合室ー
法定速度を全く気にせず走りつづけた美神事務所一行。予想通りマリアに乗ってきたカオスと合流した後、入場手続きを行い、許可が出るのを待っていた。
おキヌ「そういえば美神さん、この学園都市っていったいどういうところなんですか?私、科学がすごく発展してるところってことしか知らないんですけど」
美神「そうね、一言で言えば学生を実験台にした超能力開発をやってる都市よ」
おキヌ「超能力って、あの超能力ですか?瞬間移動とか、手を触れずにものを動かしたりとかの?」
美神「そ。何でも脳に電極ぶっさしてそういう能力を目覚めさせるらしいわ」
横島「ひー、聞いてるだけで痛そうやなー。超能力なんてそこまでして欲しいもんなんですかね」
カオス「それは持ってる側の理屈かもしれんな。おまえ等の能力も、一般人から見たら超能力と変わりないじゃろう。特に小僧、貴様の『文殊』とかな」
美神「そーよー。横島クンもついでにここで能力開発してもらえば?ここの研究者なんてほとんどマッドサイエンティストに近いし、あんたみたいな力持ってる奴を実験台にできるとしたら、結構な礼金払ってくれると思うわよー?」
横島「人を勝手に売り飛ばそうとすんのやめてもらえませんか!?」
係員「お待たせいたしました。美神様、入場許可が下りましたのでこちらのゲートから中へお進み下さい。入り口近くにこちらが手配した案内人がおりますので」
おキヌ「ほ、ほらほら皆さん!中に入りましょ?案内の人待たせちゃだめですよ?」
ー学園都市 入場ゲートー
「お待ちしてました。美神様ですね?案内をさせて頂く結標淡希と申します」
ゲートの中に入った一行の前に現れたのは、ロングヘアを両側で縛った高校生ぐらいの少女だった。
普通にしていれば美人といえるであろうこの少女、しかし美神たちが思わず注目したのはその顔ではなく……
おキヌ「サ、サラシ……?」
上半身にサラシを巻き、その上から制服のブレザーを羽織るというその服装。
横島「生まれる前から愛してましたああああーーーーーー!!!!」ピョーーーン
結標「き、きゃあああああああ!!??何、何なの突然!!!」
美神「やめんかこのバカ!!」ドバキィ!!!
どこからか取り出したハリセンで横島にツッコむ美神。横島が叩きつけられた地面に人型の穴があく勢いのツッコみだ。
マリア「大丈夫ですか・横島さん?」
カオス「マリア、ほっとけほっとけ。こんなことこいつらにとっては日常茶飯事じゃ」
横島「いきなり何するんですか美神さーーん!!」
美神「ほんっとにあんたは学習しないわね!初対面の女の子にいきなりなにしようとしてんのよ!?」
横島「しょーがないやないかーー!いきなり目の前にこんな露出度の高い服着たねーちゃんが来たんやぞ!?そのまま飛び込んでいくのが男やろがーーーー!!!」
結標「」ポカーン
おキヌ「ふ、二人ともやめてくださいよー。ほら、この人も混乱しちゃってますし……すいません、大丈夫ですか?」
結標「は、はい……。えっと、それじゃあ理事長の所まで案内します。車を用意してありますので、美神さんたちの車はそちらの駐車場にそのまま置いていってもらえますか?理事長の話が終わった後、またここまでお連れしますので」
美神「ありがと。でもあなた、すごい格好してるのねー。学園都市ではそういうのが流行ってんの?」
結標「そういう訳じゃないんですけどね。私の『案内人』としての仕事にはこの服装が最適でして」
カオス「なんじゃ、流行というわけではないのか。時代がようやくワシに追いついたかと思ったのにのう」
横島「素肌に直接マントを着るのが流行る時代なんて世界が何周したところで来やせんわ!」
横島があわきんに会ったら絶対こうなると思いますww
投稿については、こんな感じで数レス分書くごとにやっていこうと思います。
めざせ毎日更新!
続き行きます。
ー第七学区 窓のないビルー
結標「到着しました。こちらのビルで理事長が待っております」
結標の車で連れられた美神たちが到着したのは、ドアも窓もない建物の前だった。
横島「ビル……って、こののっぺらぼうの建物のこと?入り口はどこにあるんだ?」
結標「この建物には入り口はありません。ですので、『案内人』の私がいない限り、出入りは不可能です。
それではまず美神さんと氷室さん、手をつないで頂けますか」
そういうと結標は、手元の懐中電灯のスイッチを入れてビルの方を照らし出す。
美神「つないだわよ。これでいい?」
結標「ええ。それでは行きますね」
二人が手をつないだのを確認した結標は、今度は懐中電灯を二人の方に照らした。その瞬間、二人の姿がかき消えた。
横島「え? どうしたんだ二人とも!?」
マリア「二人の・生命反応を・ビル内部に・確認」
カオス「瞬間移動か。なるほど、これがお主の超能力というわけか」
結標「そういうことです。では残りの皆さんもお送りしますので、手をつないで下さい」
横島「はー、すげーな超能力」
先ほどと同じように三人を転送した結標。少し疲れた表情を見せる。
結標「おかしいわね……なんか負荷が異常にかかったわ。10人ぐらい一度に転送したぐらいの感覚ね。あの男の子の荷物にそんな重いものでも入ってたのかしら?」
負荷のかかった原因はマリアの体重なのだが、マリアの正体をロボットとは知らない結標にそれがわかる由もない。
結標「それにしても、外部の人間をここに案内するなんて珍しいわね」
結標はつぶやきながら車に戻り、ペットボトルを取り出すと口に付け、一息つく。
結標「学園都市で何か起きてるのは間違いなさそうだけど」
ー窓のないビル 内部ー
転送された美神たちが見たものは、巨大なビーカーだった。ビーカーには液体が満たされ、その中には逆さ吊りにされた人間が一人、無表情で美神たちを見ている。
おキヌ「ひ……」
美神「あなたがここの理事長…でいいのかしら。ずいぶんと変わった格好でのお出迎えね」
「すまないね。お初にお目にかかる、私がこの学園都市の総括理事長、アレイスター・クロウリーだ」
カオス「アレイスター・クロウリーじゃと?……まさかお主、『あの』アレイスターか?」
アレイスター「やあ、久しぶりだなドクター・カオス」
誤字訂正 総括→統括
美神「な……! ちょっとカオス、本当なの?」
カオス「のようじゃな。この科学の街のトップが魔術師とは思いもせんかったわ」
横島「おーい。二人とも勝手に話進めないでもらっていーっすか?」
おキヌ「そ、そんなに有名な方なんですか?」
美神「アレイスター・クロウリー。イギリスの魔術師で、『世界最強であり世界最悪の魔術師』と称された人物よ。40年ぐらい前に死んだはずなんだけど」
アレイスター「正確に言えば、ほぼ死にかけたという所だね。瀕死の所を私の友人に助けてもらったが、このような
形でしか生きられない身となってしまったよ。ああ、それと私はこの都市を作った際に魔術師としての自分は捨てている。今はただの『人間』だよ」
そういうアレイスターは、男とも女ともつかない顔を笑顔の形に変える。能面に張り付いたようなその表情を見た横島やおキヌは、体を強ばらせた。
おキヌ(気持ち悪い……早くこの人の前から離れたい……!)
横島(おいおいなんだよこいつは!さっきから寒気がとまんねーぞ!)
カオス「『人間』の定義がよくわからなくなる発言じゃのう」
美神「まあいいわ、今日の本題はそんなことじゃないし。依頼内容を具体的に教えてもらえるかしら?」
アレイスター「そうだな。そこのテーブルに置いてあるものを見てもらえるかね?」
そう言われた美神がビーカーの前にあるテーブルに目を向けると、二つのビニール袋が置いてあった。中にはそれぞれ、焼け焦げた紙の切れ端が入っている。一つは奇妙な文様が書かれており、もう一つは人の下半身のような形のものだ。
アレイスター「取り出してもらって構わないよ。君たちなら、手に取ってみればそれが何かわかるだろう」
美神「これは……封印札と、もう一つは式神ケント紙ね」
おキヌ「うちの学校の実習で使われてるのと同じものですか?」
美神「そうね。でも見たところ、学校で使われてるやつに比べたらずいぶんレベルが低いわね」
横島「でも焼け焦げてるってことは、すでにその式神は倒された後ってことですよね。爆発ってのもそれが倒されたときに起きたんじゃ?」
美神「いえ、それはないわ。いくら低いレベルの式神とは言っても、科学技術で倒すのは難しい。もし倒せるようなオカルト技術があれば、そもそもGS協会に依頼なんて出さないわよ」
カオス「もったいぶってないで、とっとと何が起きたか話さんかアレイスター」
アレイスター「そうだな。先日、都市内のとある研究所で爆発事故が起きた。通報を受けたアンチスキル、都市内の警察組織が駆けつけたところ、現場では何人かの研究者が死体となって発見された。それだけだと爆発に巻き込まれたのかと思えるが、一部の死体には全く外傷はなかった」
横島「爆発が起きてるのに?確かに不自然だな」
アレイスター「不審に思ったアンチスキルが死体の周りを見たところ、その紙を見つけた。普段ならそのまま捨ててしまうような所だが、おかしな死体のそばにあった奇妙な紙ということで回収されたというわけだ。さて美神令子、君なら何が起きたと思うかね?」
美神「そうね……。研究所に忍び込んだ犯人は、召還した式神に爆弾を持たせて、封印札を破るよう命令を出した。破ったのを見届けた後に脱出して、外から爆弾を起動させたって所かしら?研究員は札に封印されていた妖怪に殺されたんでしょうね」
アレイスター「おそらくそういうことだろうな。封印札や式神ケント紙を使っていることから考えれば、おそらく犯人は外部から侵入したGSだろう。これがGS協会に依頼を出した理由だ。君たちに頼みたいのはこの事件を起こした犯人の確保、そして解放されたであろう妖怪の駆除。報酬についても期待してもらっていい。よろしいかね?」
美神「オーケー、その依頼引き受けたわ。報酬と別に、滞在費用も負担してもらうわよ?」
横島「報酬たっぷりって言ってんのにがめついなー」
美神「やかまし。それとこれとは別問題よ!5人分ともなるとバカになんないの!」
アレイスター「フ、いいだろう。それではこのまま調査に入ってくれたまえ。結標に外から能力を使わせるから、そこに固まっていてくれ」
言われた美神たちが集まると、五人の姿が「窓のないビル」から消えた。それを見届けたアレイスターは目を瞑り、何か考え始める。部屋の中には、アレイスターの入るビーカーにつながれた、生命維持装置の音が響くだけだった。
今日はいじょ。次回上条さん登場予定です
美神側からの登場人物については、今後他にも出てきます。誰が出るかは、ネタバレになるのでご勘弁を。
では続きです。
ー第七学区 とある学生寮ー
インデックス「ねえとうまー、おなかすいたおなかすいた!今日のご飯は何食べさせてくれるの?」
上条「相変わらず居候の自覚がないなお前は。今日ももやし料理……と言いたいところだが、今日は外に食べに行くぞ!」
インデックス「え、なになにとうま!どういうこと?何かいいことでもあったの?」
上条「フフフ、実は臨時の仕送りが入ってきてな。今月の食費に少し余裕が出たのだよ。いつもいつも自炊じゃ疲れるしな、たまにはこういうのもいいだろ」
インデックス「やったやった!で、どこに食べに行くの?」
上条「近くのファミレスでいいだろ。いっとくけどインデックス、メニューの端から端までなんて注文なんてするんじゃねーぞ?」
インデックス「えー」
上条「えーじゃない!というか、本気でそんな注文するつもりだったんですかインデックスさん!?」
インデックス「シスターとしての責務を果たすためには必要なのはまず栄養なんだよ!」
上条「他のシスターさんに真っ向からケンカを売る発言をするんじゃない!ほら、出るから準備しろ」
インデックス「わわわ、待ってよとうまー!」
ー第七学区 大通りー
横島「あー、しんどかった……。あの理事長と会ってるだけで生命力がガンガン削られる感じがしましたよ」
おキヌ「そうですね……。わたしまだ体が強ばってる感じがします」
マリア「二人とも・大丈夫・ですか?」
カオス「この前の戦争で大活躍の割にはやわなこといっとるのう、小僧」
美神「あいつヤバい雰囲気してたし無理もないかもね。調子悪くなったらすぐに言うのよおキヌちゃん?」
おキヌ「はい、ありがとうございます」
横島「美神さーん、オレは?」
美神「ゴキブリ以上の生命力持ってるでしょあんたは。多少削られたぐらいで丁度いいんじゃない」
横島「大活躍だった割には全く扱いが変わらんなあ……」
カオス「で、美神。そろそろメシにせんか?任務について話をするにも、どこか腰を据えた方がいいじゃろう」
美神「そうねー。丁度時間もいいし、お昼食べましょうか。この通りだったら適当な店あるでしょ。……横島クン?」
美神が横島の方を見ると、横島は立ち止まって反対側の歩道を見ていた。その視線の先には、女子学生の集団。ここから見ても美少女揃いだと分かる。
横島「ふーむ、茶髪のショートに黒髪ショート、ツインテール、黒髪ロングか……。どの子もレベルが高い、しかし一番いい体をしてるのは黒髪ロング……」
美神「性懲りもなく何やっとんじゃおのれはーーーー!!!」バッキイ!!!!
横島「どわーーーーーーー!!??」
学園都市2回目のツッコみを美神から受けた横島は、勢い余って宙を飛ぶ。その墜落先で再び悲鳴が聞こえた。ただし、今度はハモって。
横島・上条「ギャーーーーーーー!!??」
インデックス「と、とうま!?とうまがいきなり飛んできた人にぶつかって吹っ飛ばされたんだよ!?」
おキヌ「美神さん……?」ジトーッ
美神「あ、あはは……。ちょっと力入れすぎたかしら」
上条「痛てて……。いったい何があったんだ?」
何とか起きあがった上条の所に、美神やおキヌたちがやってきた。
おキヌ「すいませーーん!大丈夫ですか」
美神「巻き込んじゃってごめんね、ちょっと手加減し損ねたわ」
上条「あー、オレは平気ですけど……ってちょっと!その人は大丈夫なんですか!?」
上条の見た先には、頭から血を吹き出しながら横たわる横島。常人なら軽い致命傷である。
美神「あー平気平気。そいつそういう体質だから」
上条「体質ですませられる問題かこれ!?」
インデックス「とうま!大丈夫なの!?ケガしてない!?」
上条「あー、大したことねーよ」
インデックス「はーよかった。せっかくの外食がだいなしになるとこだったんだよ!」
上条「お前の最優先はやっぱりメシか!ったく……。ん?オレのバッグはどこ行った?」
カオス「あー、小僧。もしかしたらバッグというのはあれのことか?」
そういうカオスの視線の先には、まさに動き出そうとしているトラック。その荷台の上には地味な色をした小型のバッグがあった。
上条「あああああ!!それオレの!!!!待て待て待ってくれー!!!!!」
気づいた上条が必死に追いかけるが、トラックはそのまま道を走り去っていく。
上条「か、上条さんの財布が……全財産が……。不幸だーーーー!!!」
叫ぶ上条を見つめる美神一行。
美神「えーっと……。これってもしかして私のせいかな……?」
今日はここまで。ではまたー
帰ってきたよ。では投下開始します。
-第七学区 ファミリーレストランJoseph-
インデックス「むむむ……」
衝突事故の後、上条とインデックスは美神たちと共にファミレスに入った。席につくや否やインデックスはメニューに夢中である。
上条「えーと、ほんとにいいんですか?オレらの分まで出してもらっちゃって」
美神「ええ、ほんのお詫びの気持ちよ。トラックに持ってかれた財布の中身もちゃんと弁償させて貰うから安心してね」
横島「いつになく気前いいっすね」
美神「さすがにこの状況知らんぷりして逃げるほど落ちぶれちゃいないわよ、横島クン」
上条「つーか、ほんとに復活早いっすね。横島さん……でいいんですか?」
横島「あー、敬語とか使わなくっていいって。見たとこ同年代だろ?横島忠夫、よろしくな」
上条「あー、了解。上条当麻だ、よろしく。で、こっちの小さいのはインデックス」
美神「それじゃこっちも自己紹介しておくわね。美神令子、ゴーストスイーパーよ」
おキヌ「美神さんの助手で、氷室キヌです」
2人の自己紹介を聞いたインデックスが、メニューから顔を上げて2人を見る。
インデックス「へー、こっちに来てゴーストスイーパーと会うのは初めてかも」
上条「ん?インデックスは知ってるのか?オレは初耳なんだけど」
インデックス「人間と敵対する悪霊や妖怪を退治する専門家だよ。キリスト教の『悪魔祓い』と同じ系列の職業って言ったら分かりやすいかも」
横島「この街に暮らしてたらほとんど縁がないだろうな。ちなみにオレも、美神さんの助手だ」
上条「へー、そんな仕事してる人がいるんだな。そっちの2人もそうなのか?」
美神「この2人は同業者よ。このじーさんは…」
と言いかけたところで美神は、インデックスの様子がおかしいことに気づく。口をぽかんと開けてカオスを見つめるインデックス。かと思えば、次の瞬間だらだらと冷や汗を流し出した。
インデックス「ドドドドドド、ドクター・カオス!!??『ヨーロッパの魔王』がなんでこんな所にいるの!!??」
横島「おいおい、カオスのじーさんこの街じゃずいぶんと有名人だな」
カオス「ふむ、嬢ちゃんは服装から見るとイギリス清教のシスターか。それじゃったらわしを知っているのも当然じゃな」
上条「インデックス、そんなに有名な人なのか?」
インデックス「有名なんてもんじゃないんだよ…。中世に生まれ、錬金術と魔術の両方に精通してて、今よりもっと進んだ魔法技術の体系を作り出した人物。その研究過程で不老不死の技術を完成させ、すでにその年齢は1000歳を超えてるって言われてるんだよ」
上条「1000歳って……。本当かよ?ずいぶんと眉唾ものの話だな」
美神「信じられないと思うけどね、事実なのよ。まあ長く生き過ぎて、自分の生み出したオカルト技術についても現在進行形で忘れていってるところなんだけど」
カオス「いやー、年は取りたくないもんじゃのう。で、こいつはわしの助手のマリアじゃ。500年ほど前、わしの技術を総動員して作り出したアンドロイドじゃよ」
マリア「はじめまして・上条さん・インデックスさん。マリア・です」
上条「え!この人ロボットなんですか!?てゆーか500年前!?」
インデックス「カオスの技術なら、その頃に作り出してても不自然じゃないかも……」
上条「学園都市でもここまで出来のいいロボットなんて見たことねーぞ。オーバーテクノロジーもいいとこだな……」
店員「失礼します。ご注文はお決まりでしょうか?」
おキヌ「あ、すいません。ちょっと待ってもらえますか?」
インデックス「は!あまりにびっくりして何食べるか決めるの忘れてたんだよ!」
上条「お前がメシのこと忘れるとはよっぽど驚いたんだな」
横島「えーと、オレはステーキセットのご飯大盛り、後ほうれん草のソテーに……」
美神「あんたよく食べるわねー。そんなにお腹すいてたの?」
横島「家に帰ったらカップ麺生活ですからね。こういう時に食いだめしとかんと!」
インデックス「むむむ!負けないんだよ!私はメニューのここからここまで全部……」
美神「え゛……」
上条「だーっ!ちょっとは遠慮しなさいインデックスさん!」
-食事を終えた後-
インデックス「ふー、デザートも食べてお腹いっぱいの大満足なんだよ!」
おキヌ「体に似合わずよく食べるんですね……」
美神「し、正直この量は予想外だったわ。ここカード使えるわよね……」
上条「すいません、ホントすいません!」
横島「あー、気にすんな気にすんな。この人こんなもんじゃビクともしない大金持ちなんだから」
美神「あんたが言うことじゃないでしょそれ?まあ気にしないでいいっていうのは本当のことよ。元々悪いのはこっちだし」
上条「そう言ってくれるとありがたいです……。そういえば質問なんですが、ゴーストスイーパーってどうやって悪霊や妖怪を倒すんですか?やっぱりお祈りとか魔法とか?」
美神「んー、いないこともないけどね。どっちかというと私みたいに霊力を持った道具を使うタイプの方が多いかな。横島クンみたいに、霊力をそのまま武器にして戦うのもいるけど。興味あるんなら見てみる?」
上条「え、いいんですか?ぜひ見たいです」
横島「おう、いいぞ。これがオレの…」
「ぐ、偶然ねアンタ。こんなところで何してるの?」
横島がその力を見せようとした時、通路の方から声がかけられた。そこに立っていたのは、勝気な目をした茶色のショートカットの女子生徒。
おキヌ(あれ、この子さっき横島さんが見てた子じゃないかな?)
上条「ようビリビリ。何してるって、そりゃメシ食ってたんだよ。ここファミレスだぜ?」
「ビリビリってゆーな!私には御坂美琴って名前がちゃんとあんのよ!」
インデックス「あーっ、短髪!一体とうまに何の用なの!?」
御坂「と、特に大した用はないわよ。さっきアンタがここに入っていくのを見つけたからみんなと別れて…じゃなくて!わ、私もご飯食べに入ったらたまたまアンタがいただけよ!そう、偶然よ偶然!」
「偶然」を強調する御坂。しかし、顔を真赤にしてつっかえながらしゃべる姿に説得力はまったくない。
インデックス「にしても、わざわざとうまに声をかけなくてもいいんじゃないの!」ギャーギャー
御坂「うるさいわね!アンタにそんなこと指図される筋合いないわよ!」ギャーギャー
言い争いを始める2人。そんな2人を見て美神はほのぼのとした気持ちになっていた。
美神(あらあら、青春ってやつかしら)
しかし、そんな穏やかな心境でいられない男がここに1人。
横島「キサマもオレの敵かこのモテモテ野郎ーーーーーー!!!」
先ほど出しかけていた「栄光の手」(ハンズ・オブ・グローリー)を発動させた横島。霊波刀でそのまま上条に斬りかかっていった。
上条「え!?何だ何だいきなり!!」
上条が思わず右手を出すと、横島の霊波刀に触れた瞬間、それは一瞬の内に消滅した。
おキヌ「え!?」
カオス「何じゃと!?」
予想外の出来事に驚く2人。しかし美神は、
美神「いい加減にせんかお前はーーーーーー!!!」ズゴン!!!
横島「ぐはっ!!!」
神通棍を取り出し、横島に激しくツッコミを入れた。
横島「ツッコミいつもより激しくないですか美神さーーん!?」
美神「当たり前でしょ!素人に霊波刀で斬りかかるなんて何考えてんのよ!!当たる直前に消えたからいいようなものを……。ん?消えた?」
おキヌ「そうですよ美神さん!霊波刀が消えちゃったんですよ!そんなことしてる場合じゃないですって!」
横島「あ、ホントだ。おかしいな、消したつもりはなかったんだけど」
上条「って、本気で斬ってきたのかよお前は!?上条さん何も悪いことした覚えないんですけど!?」
横島「やかましい!無意識のモテモテ野郎なんぞピート以上にオレの敵じゃーー!」
そう言いながら霊波刀を再び発動させる横島。
上条「誰だよそのピートって!」
美神「はいはい、いい加減にしなさい二人共。それより、霊波刀が消えるなんて異常な出来事よ」
カオス「そうじゃな。マリア、解析できたか?」
マリア「イエス・ドクター・カオス。霊波刀の・出力妨害を・確認しました。原因は・彼の右手と・推測。詳細は・不明」
上条「あー、オレの能力のせいですね。オレの右手には、触れると異能の力を打ち消すって能力があるんですよ。「幻想殺し」(イマジン・ブレイカー)って言うんですけどね」
美神「異能を打ち消すって…すごい能力ね。なんでも消せちゃうのその右手?」
上条「あまり強いのだと時間はかかりますけどね」
御坂と口げんかを続けていたインデックス。上条の言葉を聞くと、何かに気づいたように美神を見る。
インデックス「えっと、みかみ。そのピアスやネックレスについてるの、もしかして精霊石?」
美神「ええそうよ。ゴーストスイーパーのこと知ってるなら、知っててもおかしくないわよね」
インデックス「とうま……。あの石に絶対右手で触っちゃだめだよ。あれって霊力が込められてる石なんだけど、右手で触ったら消えちゃうか、良くてただの石になっちゃうと思う」
ずざざざざ!
美神はインデックスの言葉を聞くと、上条から距離を取ろうとする。その視線は右手に吸い付いているかのように離れない。
心なしか顔も青ざめている。
上条「えーっと、どうしたのでせうか美神さん?そんなに距離を取らなくても、わざわざ触りはしませんって」
横島「上条……。この石、このサイズで数億円するんだぞ?消えちまったら間違いなく弁償させられるぞ?」
ずざざざざざざ!
精霊石の値段を聞いて、立ち上がって必死で美神から距離をとる上条。通路に立つ御坂の方へ近寄っていく。
御坂「きゃ!」
突然のことに動揺し、固まる御坂にぶつかって止まった。
御坂「い、いきなり何すんのよアンタ!」
上条「す、すまん。オレの将来のためなんだ、勘弁してくれ…」
こちらも青ざめた表情で弁解する。しかし御坂は、
御坂「し、将来って…。ちょっと気が早すぎるんじゃない?べ、別にそれが嫌ってわけじゃなくてね、私たちまだ学生だし…」ゴニョゴニョ
何を勘違いしたのか、顔を染めながらブツブツつぶやいている。
横島「憎しみで人が殺せたら……!」ギギギ
血の涙を流しながら2人を見つめる横島だった。
以上でーす。感想くれると嬉しい!
お、板復活したか。ぼちぼち再開するよー
-第七学区 ファミリーレストランJoseph-
おキヌ「へぇ、美琴ちゃんも能力者なんですね。どんな能力なんですか?」
ようやくドタバタの落ち着いたテーブル。美琴もなし崩し的に会話に加わっている。
美琴「私は電気を操る能力者です。一応、この都市では第三位とされてますね」
カオス「ほう。この都市には200万人以上の人口がいるんじゃろ?そのトップクラスとは、人は見かけによらんのう」
上条「この都市では能力によってレベル分けされてるんですが、こいつはその最上位のレベル5です。
『超電磁砲』(レールガン)って言われてるすごい奴ですよ」
美神「レールガンって……。またずいぶんと物騒な武器の名前が出てきたわね」
上条「こいつの必殺技が、電磁力を使ってコインを撃つっていうやつでして、そこから取られた名前です。で、オレはこいつに会うたび、決闘だーって言われてそれを撃ち込まれてるんですよ……」
美琴「別にいいじゃない。いくら撃ったって、アンタはその右手で無効化しちゃうんだから」
上条「右手で受けられなかったら致命傷だっつーの!もう少し遠慮してもらえませんかね御坂さん!?」
横島「致命傷レベルの痴話ゲンカはさすがに勘弁やなあ」
美神「ちなみに、上条クンはレベルいくつなのかしら?レベル5の美琴ちゃんと互角に戦えてるんなら、やっぱりレベル5?」
上条「それが、オレはレベル0の無能力者なんですよ。この右手の力、ここの能力試験では認められなくて……」
横島「ん?その能力って、ここで開発されたもんじゃないのか?ほら、脳に電極差したりとかして」
上条「オレはそこまでえげつないことはされてないけどな。この力は生まれつきのもんだよ」
カオス「生まれつきとは興味深いの。どうじゃ小僧、わしの研究に協力する気はないか?なーに、心配はいらん!ちょっとチクっとするだけじゃ!」
上条「え、遠慮しときます……」
美神「ん、結構長く話し込んじゃったわね。それじゃ行きましょうか。あ、そうそう上条クン。連絡先交換しときましょうか」
上条「いいですよ。オレの番号は……」
インデックス(な)
美琴(ん)
横島(だと!)
美神に促され、自分の携帯番号を教える上条は、3人の眼の色が変わっていることに気づかない。
インデックス(むー、またとうまに知り合いの女の人が増えちゃったよー。なんでかわかんないけどムカムカするー!)
ほっぺを膨らませて、やり場のない気持ちを持て余すインデックス。
美琴(なになに!?美神さんこいつに興味アリなの!?それにこいつもなによ、ホイホイ教えちゃって!……やっぱり胸か、胸なのか!)
美神と自分の胸部を見比べながら黒いオーラを出す美琴。そして、
横島(美神さんが自分から連絡先を聞くだと!?よーし上条!やはりお前はオレの敵じゃ。今のうちに殺ったる。まずは文珠使って背後にこっそり回りこんで……」
美神「いきなり犯罪行為に走ろうとするんじゃない!」ドゲシッ!!
横島「ああっ、気づかない内に声に出てた!?」
お約束通りの行動に出ようとした横島に、美神のハイヒールの一撃が飛んできた。
美神「もともと、上条クンの財布の中身を弁償するって話だったでしょうが。一々反応するんじゃないの」
横島「あ、そうか」
美神(まぁ、多少のイタズラ心はあったけどね♪)
美神の視線の先には、多少表情を緩めたものの、未だに警戒をしている様子のインデックスと美琴。
おキヌ(美神さん、絶対わかっててやったんだろうなあこれ……)
-第七学区 ファミリーレストランJoseph前-
上条「それじゃ美神さん、オレらはこれで。メシおごってもらってありがとうございました」
インデックス「ありがとうなんだよ、みかみ!」
美琴「美神さん、私まで出してもらっちゃってほんとに良かったんですか?」
美神「いいのよ。上条クン、荷物のこと改めてごめんなさいね」
連れ立って歩き出した3人を見送ると、美神は改めて一行に向き直る。
美神「よし、それじゃ皆行くわよ。まずは現場検証と行きましょうか。ここからどれぐらいの距離だったかしら」
おキヌがアレイスターから預かった事件の資料を取り出し、地図とにらめっこを始めた。
おキヌ「えーと、今ここで現場がここだから……。ちょっと離れますね。車で20分ぐらいってとこかな」
美神「了解!それじゃ皆車に乗って!あ、カオスはどうしましょ。さすがに街中をマリアで飛び回るのはちょっとまずいんじゃない?」
カオス「ふむ、それならワシらは逃げ出した妖怪の方を担当するとしよう。美神よ、『見鬼くん』を貸してもらえるか?」
美神「壊さないでよー。それじゃ二手に別れて調査開始よ!」
短いですがこんなとこで。
横島ボケ→美神ツッコみのパターン使いすぎかもだが、美神原作の雰囲気でてるかなあ?
続きはぼちぼちやっていきます。
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