ほむら「因果律が集中しすぎて魔法少女の戦いがインフレしてる…ッ!」(281)


ほむら「……」

もう何度同じことを繰り返しただろうか……

何度も同じベッドで目覚め、

何度も同じ学校に転校して同じ挨拶、

何度も同じ魔女と戦い、最後はあの魔女に敗れて時間を巻き戻す。

望むのは唯一つ、人間として生きる彼女の平穏。

いつか叶うと信じ、私はまた、同じことを繰り返す。

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QB「た、助けて…まどかぁ」ガクッ

まどか「ひどい怪我っ! 誰がこんなことを…!」

ほむら「まどか、そいつをこっちに渡しなさい」カツン

まどか「ほむらちゃん!? この子の怪我、ほむらちゃんがやったの?」

ほむら「あなたには関係ないわ。早く渡して……ッ!」

消火器「プシャアアアアアアアアア!」

さやか「まどか!」

ほむら「くっ、美樹さやか…!」ゲホッ

さやか「逃げるよ!」ダッ

まどか「うん!」ダッ

ほむら「あなたはいつもいつも…!」

ほむら「まどか! そっちへ行ってはダメ、そっちには使い魔が…!」

まどか「え…?」

ぐにゃあ~・・・

ユラァ…ユラァ…

まどか「えっ? な、何が起こったの?」

使い魔「キシッ、キシシシシ」

さやか「突然景色が変わったかと思えば……この変な連中は何なのさ!?」

ほむら「そいつらは……」カツン

まどか「ほむらちゃん!?」

ほむら(…? 使い魔よね?)

ほむら(いつもに比べて随分と大きい…というか、私たちと同じぐらいの大きさね)

ほむら「使い魔よ」タブン

ほむら「そこでじっとしていなさい。すぐ片付けるわ」ガチャッ

さやか「銃…!? っていうかショットガン!?」


ほむら「消えなさい、使い魔!」カチッ

バァン!

まどか「!」ビクッ

さやか「やった!」

ほむら「さぁ、片付い……」

使い魔「何が片付いたって?」ニヤリ

ほむら「え?」

ヒュッ!


使い魔「ハァァァッ!!!」ズガッ

どがあああああ!!

ほむら「きゃああああああっ!?」バゴーン!!

まどか「ほむらちゃん!」

さやか「転校生!」

ほむら「ごほっ、かはっ…」ガクガク

ほむら(な、なんなのこの強さは…!?)

使い魔「お前、本当に魔法少女か? 弱過ぎて話にならねえ」

ほむら「くっ…あなた何者!? 本当に使い魔なの!?」ハァハァ

使い魔「はぁ? 使い魔に決まってるだろ、何寝ぼけたこと言ってんだ」


ほむら(この使い魔の異常な強さ……その上普通に喋ったり、わけがわからないわ)

ほむら(とにかく、今はまどかを守らないと…!)

ほむら「まどか…、私が時間を稼ぐから今のうちに逃げて…!」バッ

まどか「でも、ほむらちゃんが…」

ほむら「いいから早く!!」ガハラッ

まどか「!!」

さやか「わかった。いくよ、まどか!」ダッ


タッタッタッ・・・

使い魔「あいつら、逃げられると思ってるのか…?」ククク

ほむら「なんですって…?」

「「きゃああああ!!」」

ほむら「まどか! さやか!」ハッ

パァン! ビチャッ!

使い魔「使い魔が俺一人だなんて言った覚えはないぞ」フン

ほむら「あ…あぁ、まどかぁ…」ガクガク

ほむら(また…、また守れなかった…っ!)

使い魔「よほど大事な人間だったみたいだな」

使い魔「なぁに、すぐに再会できるさ……あの世でな!」クワッ

パァン! ガキッ!

使い魔「何っ!?」ズザァ


カツ・・・カツ・・・

「あなたにとって、この使い魔は大事な存在だったのかしら…?」ポイ

使い魔だったもの「」ゴロン

使い魔「あ、相棒ぅぅぅ!!!」

「心配しなくても、すぐに会えるわよ。…あの世でね」クスッ

ほむら「あ、あなたは!!」

「あら、新人さん? 使い魔を倒したらすぐに治してあげるから、少しだけ待っててね」ニコ


使い魔「許さねえ…、よくも大事な相棒を…!」

使い魔「我が名はアンソニー! 貴様、名を名乗れ!」

マミ「使い魔風情に名乗る名前なんて持ち合わせていないのだけど…」

マミ「冥途の土産に教えてあげるわ。私の名前は巴マミ! 魔法少女巴マミよ!」

使い魔「なっ! あの、見滝原の守護者(ガーディアン)と名高い、巴マミだとぉ!?」


まどか「ほむらちゃん、大丈夫!?」タッタッ

ほむら「まどか! よかった、無事だったのね!」グスッ

まどか「あの人…、マミさんが助けてくれたの」

さやか「マミさん、あいつもやっつけちゃって下さい!」


アンソニー「一介の使い魔の俺が勝てるはずもねえ…!」

アンソニー「だが…! 相棒を殺されて、黙ってられる性格でもないんだよおおお!」クワッ

アンソニー「例え勝てなくとも、腕の一本ぐらい…!」ブン

マミ「腕の一本? それ以前に、私に触れられるとでも思っているの?」フワッ

アンソニー「消えた…! どこへ行きやがった!?」

マミ「目が悪いのね。私は『歩いて』移動しただけよ、あなたの後ろにね」カチャッ

アンソ「なっ!?」ゾワッ

マミ「あなた程度じゃ大技を使うまでもないわ、消し飛びなさい!」カチン

ゴオオオオォオォォ!

ほむら「ただのマスケット銃が、なんて威力…!」


さやか「やりましたね、マミさん!」タタッ

マミ「……」

さやか「マミさん…?」

マミ「離れていて…、まだ終わってないわ」

さやか「え?」

「クスクス、さすがは巴マミ…。私の気配によく気付いたわね」

マミ「それだけ殺気を放っておいて、気付かない方がどうかしてるわ」

アンソニー「ゲルトルート様ッ!」

ゲルト「魔法少女に出会ったらすぐに逃げなさいと言ってあったでしょう?」

アンソニー「すみません…、相棒を殺されつい…」

ゲルト「そうよね…。あなたたちは仲のいいカップルだったもの、しょうがないわ」


ほむら「ゲルトルート…? まさか、あいつは薔薇園の魔女!?」

ほむら(完全に人型…、魔女というより魔法少女じゃないの…!)


マミ「それで、部下の仇でも討とうというのかしら?」

ゲルト「当然であろう。…だが、ここでは少々分が悪いのは明白」

ゲルト「明日、我が根城で待っているぞ」バッ

マミ「逃がすと思っているの?」タッ!

ゲルト「ハァッ!」ポーヒー

マミ「!? 危ないっ!」

まどか「えっ?」

ほむら「くっ!」カチッ

カッ!


ドガーン!

さやか「まどかー!」

モクモクモク・・・

ほむら「はぁ…はぁ…」

ほむら(間一髪だったわ…、もう少し時間を止めるのが遅かったら今頃は)

まどか「あ、ありがとう、ほむらちゃん…!」

さやか「よかった…。まどか、無事だったんだ…」ヘタリ

ほむら「はぁっ…うっ」バタン

まどか「ほむらちゃん! しっかりして、ほむらちゃん!」

マミ「気絶してるだけよ。怪我も見た目ほど酷くはなさそうね」ポワワ

さやか「転校生の傷がみるみるうちに治ってく…!」

マミ「治癒魔法よ。きっとすぐに目を覚ますわ」

まどか「よかった…」ホッ


QB「う…うぅ…マミぃ」

マミ「あら、キュゥべえのこと忘れてたわ。あなたもすぐ治してあげるから待ってて」ポワワ

QB「ふぅ、助かったよ、マミ」

まどか「マミさんって一体何者なんですか?」

さやか「さっきは魔法少女って…」

マミ「そうね…、あなたたちキュゥべえが見えるのよね?」

まどか「キュゥべえ?」

QB「ぼくのことさ」

さやか「他の人には見えないんですか?」

マミ「えぇ、この子が見えるのは魔法少女とその素質がある子だけ」

マミ「…二人ともこれから私の家に来ない?」

マミ「魔法少女のことや使い魔のこと、説明してあげるわ」


マミホーム――。

まどか「魔法少女が正義の味方で」

さやか「魔女と使い魔が悪者…」

マミ「簡単に説明するとこんなところかしら」

QB「そして君たちには魔法少女の才能がある」

QB「願いを叶えて魔法少女の激しい戦いに飛び込む覚悟はあるかい?」

さやか「うーん、願いを叶えてもらえるのは魅力的だけど…」

さやか「魔女や使い魔と戦うのは…」ウーン

まどか「マミさんの動きとか全然見えなかったし、わたしたちじゃすぐに殺されちゃうよね…」

QB「魔法少女になれば身体能力も上昇するから、マミの動きを視覚で取られることも可能だよ」

さやか「そうなんだ?」

QB「魔法少女になるっていうのはそういうことなんだ。まさに人間をやめると言っても過言じゃないね」


ガラッ

ほむら「やめておきなさい、美樹さやか」

さやか「お、転校生」

マミ「目が覚めたのね、気分はどう?」

ほむら「最悪よ…、魔法少女も魔女も使い魔も、全てが理解の範疇を超えているわ…」

まどか「ほむらちゃん…?」

マミ「暁美さんだったわね…、あなたもしかして他の世界からきたのかしら?」

ほむら「!?」

さやか「他の世界…?」

ほむら「どうしてそのことを…!」

QB「暁美ほむら、僕は君と契約した覚えがない」

QB「そして、君の魔法少女としての力はこの世界の魔法少女としてあまりに脆弱すぎる」

QB「だから僕はこう考えた、君は魔法少女のシステムを使っている別の世界からやってきたんじゃないかって」

ほむら「……」


ほむら「……だいたいそんなところよ」ハァ

QB「やっぱりね…。僕を襲った理由やいろいろ聞いておきたいこともあるんだけど」

QB「その前に。…君はこれからどうするつもりだい?」

ほむら「どうするって…」

QB「さっきも言ったけど、君は弱すぎる」

QB「魔女どころか使い魔にも勝てないんじゃ魔法少女として戦うなんてとてもとても」

ほむら「それは…」

マミ「…キュゥべえ、いじわるはそのくらいにしておいたら?」クスッ

ほむら「…?」

QB「意地悪だなんて、そんなつもりはなかったんだけどな」

ほむら「何の話?」

QB「君は、この世界で生き残るための『力』を手に入れられるとしたら……どうする?」

ほむら「!!」


――――

QB「この扉は僕の力で時の流れが異なる別の空間に繋がっている」

QB「全ての魔法少女はこの空間で1週間…、こちらの世界で丸一日特訓することが可能だ」

QB「ただ、向こうの世界は重力が何倍もあって、空気も薄い」

QB「貧弱な君では下手をすれば死んでしまうかもしれない」

まどか「そんな…! やめよう、ほむらちゃん、危ないよ!」

ほむら「……」

QB「僕も無理に強制するつもりはないよ」

QB「君もこの世界の僕と契約したわけじゃないんだ、魔女と戦う義務もないと思うよ」

QB「ただ、君の眼からは何かを守ろうという強い意志を感じる」

ほむら「…!」

QB「さぁ、君はどうする?」

ほむら「私は…」


ほむら「もちろんやるわ…!」

まどか「ほむらちゃん!」

ほむら「止めないで、まどか。私は強くならなくてはならないの……」

ほむら(ワルプルギスの夜を倒すためには使い魔相手で躓いてなんかいられない)

QB「わかったよ、暁美ほむら。けれど、僕の特訓は厳しいから覚悟しておいてね」

ほむら「あなたが特訓の相手なの…?」

QB「言っておくけど、向こうの世界では僕は真の力を開放できる」

マミ「真の力を開放したキュゥべえは私よりもはるかに強いわよ」

ほむら「巴マミよりも…!」

QB「さっき甚振られた仕返しなんて真似はしないから安心していいよ」ニコッ

ほむら「そう、それは感謝しないといけないわね…」イラッ



――
――――

ほむら「きゃああああああ!!」ドゴーン!

真QB「もう三日も経つと言うのに、この程度の攻撃も避けられないのかい?」

ほむら「このっ…、姿かたちはそのままなのに動きがでたらめすぎる…!」

ほむら「ま…まだまだー!」ダッ

真QB「そうこなくっちゃね。はぁーっ!」ポーヒー

ほむら「このっ!」カチッ

エネルギー弾「」ピタッ

ほむら「時間を止めている隙に…」

真QB「無駄さ」バシッ

ほむら「えっ…? きゃぁあっ!」バゴッ

真QB「時間を止めるくらい、今の僕には造作もないことだよ」スタッ


真QB「暁美ほむら、君は時間を停止させるのが癖になってるようだ」

真QB「それでは君自身の力の上昇は見込めない。だから…」ヒュッ、バキ!

ほむら「あっ!」

真QB「このバックルは特訓が終わるまで預かっておくよ」ヒョイパク、ゴクン

ほむら「ちゃんと返してくれるんでしょうね…?」

真QB「もちろんだよ。僕は嘘をつかない、知ってるだろう?」

ほむら「……きぇえええぃっ!!」バヒュン


――――
――


マミ「さて、それじゃあ魔法少女体験コース、行ってみようかしら?」

まどか「はいっ」

さやか「それで、魔女とか使い魔ってどうやって探すんですか?」

マミ「魔力の気配を追うのよ」

さやか「魔力の気配?」

マミ「こう、精神を落ちつかせて、気の流れを読む…みたいな感じなんだけど」

マミ「魔法少女になれば見に付く能力の一つなの」

まどか「へー」

マミ「ただ、今日追いかける相手は向こうから居場所を教えてくれてるわ」

マミ「すごい殺気…。人を…いえ、私を殺したくてうずうずしてるんでしょうね」

さやか「魔女ゲルトルート…か」


魔女の結界――。

マミ「二人はこれを付けて」ハイ

さやか「パンチンググローブ?」

マミ「私が魔法で作ったものだから、勝手に身体が動いて使い魔を殴り飛ばしてくれるわ」

まどか「へー、魔法少女ってこんなこともできるんですね」

マミ「さぁ、いくわよ!」


使い魔A「ヒャッハー! あの魔法少女、人間のガキを連れてるぜ!」

使い魔B「早い者勝ちだぜ、そのガキは俺の獲物だー!」ダッ

さやか「えいっ」ヒュッ

使い魔B「うごああああっ!?」ベシーン

使い魔A「なんだと!?」

まどか「マミさんのグローブ、すごいね」ティヒヒ

さやか「うん、勝手に殴ってくれるし負ける気がしないよ」ドスッ

スレタイで吹いた


ゲルト『やめなさいお前たち。そいつらは客人よ』

使い魔A「ゲルトルート様!」

ゲルト『そこの扉を開けなさい。私の部屋までの直通になっているわ』

さやか「扉なんてどこにも…」

豪奢な扉「」ズモモモモ

まどか「壁の中から扉が…!」

マミ「ふふっ、案内ありがとう。行くわよ、鹿目さん、美樹さん」

まどさや「はいっ!」

ギィィ・・・


・・・バタン。

ゲルト「よくきたな、魔法少女巴マミ。待っていたわ」

マミ「馬鹿な魔女ね、怯えて隠れていればよかったのに」

ゲルト「減らず口を…。可愛い部下の仇、討たせて貰うわ」スッ

マミ「ふふっ。悪いけど、私はあなたと戦うつもりはないわよ?」

ゲルト「何…?」

まどか「えっ? マミさん、戦わないって…?」

さやか「あいつをやっつけに来たんじゃないんですか?」

マミ「違うわ。私は見届けに来たの」

ゲルト「見届けに…?」

マミ「そうよ、あなたが倒される様をね」


ゲルト「おかしなことを…。貴方が戦わないというのなら、私は誰に倒されるというのかしら」

ゲルト「そもそも、結界の中でなら貴方相手でも私が負けるはず…」

ドゴーン!

ゲルト「ッ!?」

マミ「きたわね」

まどか「きたって…、もしかして!」

使い魔C「ゲルトルート様ー!」タタッ

ゲルト「今の音はいったい何! 何が起きている!?」

使い魔C「魔法少女です! 黒い魔法少女が!」

ゲルト「黒い魔法少女、だと…?」

バンッ!

「待たせたわね、巴マミ」


まどか「やっぱり、ほむらちゃんだ!」

アンソ「お前は昨日の雑魚魔法少女!」

ほむら「昨日? 1週間ぶりの間違えでしょう」ファサッ

ゲルト(感じる…、昨日と比べて彼女は桁違いに強くなっている…!)

マミ「特訓の成果はどうなの、キュゥべえ」

QB「ばっちりだよ、マミ」

マミ「そう。…というわけよ、ゲルトルートさん?」

マミ「あなたの相手は彼女がするわ」

ほむら「かかってきなさい、悪しき魔女!」バッ

アンソニー「お前などゲルトルート様が出るまでもない。この俺が捻り潰してくれるわ!」グワッ

ゲルト「馬鹿っ、やめなさい!」

ほむら「あなたはこの間の使い魔…」

ほむら「この間のお礼、させてもらうわね」ファサッ

アンソニー「っ! 消え…」ミシッ

ほむら「衝撃のォォォ、ファーストブリットオオオォッ!」グシャッ

バヒュー・・・ドガンッ!

ゲルト「アンソニー!」ヒュン

アンソニー「ぐっ、ごほっ…」

ゲルト「アンソニー、しっかりなさい!」スタッ

アンソニー「すみません…、ゲルトルート様…」

ゲルト「だからやめなさいと言ったのに…」

アンソニー「俺はもうダメです…、せめて残りの力、あなた様にお返しします…」ポゥ

ゲルト「アンソニー…、あなたたちの仇、必ず取るわ。私の中で見ていなさい…」ギュッ

ゲルト「はああぁぁぁぁぁぁ!!!」ゴゴゴゴ…

マミ「…! 使い魔を取りこんで、戦闘力が跳ね上がった!」

マミ「暁美さん下がって、やっぱり私が!」

ほむら「その必要はないわ。この程度は想定の範囲内よ」ファサッ

ゲルト「まずはアンソニーの仇…」

ゲルト「黒の魔法少女よ、貴様から討たせて貰う!」ヒュゴッ

ゲルト「ロイヤル…デモンズローズッ!」ゴガガガ

マミ「危ない!」

さやか「ちょっ、転校生棒立ちじゃん! あんなの喰らったら…」

まどか「ほむらちゃん、逃げてー!」

ほむら「私は時の流れを…、果てには因果律さえ捻じ曲げる魔法少女…」ボソボソ

ゲルト「何をわけのわからんことを…死ねえええ!!」クン!

ほむら「アンサラー――」

ドガガガガガ!!

ほむら「セカンドブリットオオオオオォォッ!!」カッ


ゲルト「……」

ほむら「…………」

ゲルト「ガハッ…」ガクッ

ほむら「…ふっ」ファサッ

まどか「ほむらちゃん!」

ゲルト「馬鹿な…、あの状態から我が攻撃を交わして反撃など…」バタン


マミ「今のは一体…! キュゥべえ!」

QB「暁美ほむら、彼女は時の流れを操る魔法少女だ」

QB「だが、今のはその能力を使ったわけじゃない」

QB「あれは因果律を捻じ曲げ、相手の攻撃を中断させる必殺の一撃」

QB「ただの能力を『業(ワザ)』にまで進化させるなんて」

QB「彼女がここまでの力を手に入れるのは予想外だったよ」


ゲルト(……ふふ、無様ね)

アンソニー(……)

ゲルト(アンソニー…、弱い魔女でごめんなさい)

アンソニー(……)フルフル

ゲルト(私のこと、許してくれるの…?)

ゲルト(元々、貴方は人間だったのに、それを私が取り込んで使い魔に…)

アンソニー(……)スッ

相棒(……)スッ

使い魔A~C(……)スッ

ゲルト(貴方たち……そう、ありがとう……)スゥゥ…


フッ・・・

さやか「結界が消えた…!」

マミ「暁美さんが魔女を倒したからよ」

コロン・・・

まどか「あれ、これって…?」ヒョイ

ほむら「それはグリーフシード、魔女の卵よ」

さやか「えっ!?」ビクン

マミ「安心して、その状態なら危険はないし役に立つものよ」

マミ「魔女を倒したのは暁美さんだから…。鹿目さん、暁美さんに渡してあげて」

まどか「はい、ほむらちゃん」スッ

ほむら「ありがとう、まどか」

ほむら「あぁ、かなり穢れが溜まっているわね…」コツン

さやか「あっ、転校生のソウルジェムが綺麗になった」

なんか1月くらいに同じようなのやってなかった ?


ほむら「これで私の魔力は元通りよ。穢れを吸ったグリーフシードは…」ポイ

QB「きゅっぷい」パクン

さやか「背中で食べた!? 妖怪二口女みたい…」

マミ「ふふっ、魔女も倒したしそろそろ帰りましょうか」

ほむら「……待って」

マミ「? どうかしたの、暁美さん」

ほむら「話しておきたいことがあるの…。私がいた前の世界の話…」

まどか「ほむらちゃんがいた世界の……」

ほむら「私ね…未来からきたの!」

マミ「!?」

QB「未来から…だって!」


   ――― 続 く 。

ほむら「私の生まれた世界はワルプルギスの夜によって破壊されてしまった…!」

 自分に力をくれたQBとマミを信じ、秘密を明かすほむら。

マミ「ワルプルギスの夜……宇宙をも滅ぼす最狂最悪の魔女!」

 しかし、因果律の集中により、ワルプルギスの夜は宇宙最強の魔女となっていた。

さやか「あたしも戦う……。あたし、魔法少女になるよッ…!」

 戦力不足を補おうと自らも戦いの渦中に飛び込むさやか。

杏子「正義の味方なんかやってるからだ。それならアタシは魔女側につくよ」

 生き残るためなら手段を選ばない魔法少女、杏子は魔女の手下になることを宣言する。

シャル「シャルの名前はシャルロッテ、お姉ちゃんおいしそうだから仲間になってあげてもいいよ?」

 魔女なのに人を襲わない!? さらには仲間になってもいいと言う彼女の真意とは…!

エリー「嫌い嫌い…、みんな大嫌い…。全部壊すのよ…。そう、そのために私は魔女になったのだから…」

 魔法少女ではなく魔女になることを望んだ少女、彼女の悲しい過去とは…?

エルザ「魔女のくせに魔法少女を味方しようと言うの!? あなた、許さないわ…!」

 激しさを増す魔法少女と魔女の戦いの行方は…!

ワルプ「ホーッホッホッ、地球を破壊するなんて容易いことだけれど、それは最後…」

 「あなたたち魔法少女を皆殺しにしてからゆっくりと人間どもを喰らってあげますわ!」

 ついに襲来した史上最悪の魔女、ほむらたちはワルプルギスの夜を倒すことができるのか?

織莉子「こんなくだらない世界、どうなったって構わないのだけれど…」

キリカ「死んだら織莉子を無限に愛せなくなっちゃうからね!」

ほむらたちのピンチに現れた二人の魔法少女!!

彼女たちは敵なのか!? それとも味方なのか!?

杏子「助けに来たよ、さやか!」

ゆま「キョーコはゆまが守るんだ!」

魔法少女を裏切り、魔女側についたはずの彼女がなぜ!?

そして傍らの少女は一体…?

ほむら「勝てる…、これなら今度こそ勝てるわ!」

ほむら「あの、ワルプルギスの夜に――!」

ワルプ「――ふふふ、お遊びはこの辺にしてそろそろ本気を魅せてあげましょうか…!」ザシュッ…

ほむら「えっ…?」

マミ「……ごほっ」ビチャッ…

杏子「マミ!」

さやか「マミさん!」

マミ「あけみさん…、かならず、かつのよ……、そして彼女を――」ガクリ

ほむら「ぃ…、いやああぁぁあぁあああっ!!」

ワルプ「アハハハハハハハハ!!!」

ワルプ「あなたたちもすぐに殺してあげるわ…。あの魔法少女のように!」

まどか「――あの魔法少女みたいに…?」ピクッ

ほむら「ま、まどかっ!?」

まどか「――さんのことか…? マミさんのことかああァァッ!!」ゴォッ!!

ワルプ「ッ!? こ、この魔力は一体…!?」

ワルプ「貴様は一体!!?」


 まどか「とっくに知ってるんでしょ…?」

このスレ前に見たことあるぞい

今度は更新してよ

まどか「わたしは人間の父と魔女の母を両親に持つ魔法少女……」シュゥンシュゥン

まどか「穏やかな心を持ちながら激しい怒りによって目覚めた伝説の魔法少女……」シュゥンシュゥン

      スーパー
  まどか「超魔法少女、鹿目まどかだよっ!!」ズガーン!


ワルプ「この私が震えているというの…? あんな小娘ごときに…!」

オチとかなんもないけどID変わるんで本日投下分終わり

一回スレ落としといておめおめと戻ってまいりました
来週には投下出来る予定なんで地道に過去分投下してきます
誠に恐縮ですが今度こそ最後までお付き合いいただければ幸いです

生きていたのか…と書き込もうとしたら建て直しだったという、あの勢いで落ちるとは思わなかったけれど
とりあえず乙なんだろうか

お帰り、今度は無事完結できることを期待してます

また落としたら許さない
絶対に許さない

見覚えがあると思ったらそう言うことか

がんばれ

復活おめ!

ごめんな・・・俺また約束破れなかったよ・・・
まさか土日に仕事に狩りだされるなんて想定してないじゃんか・・・

       |\           /|
        |\\       //|
       :  ,> `´ ̄`´ く  ′
.       V            V   >>51
.       i{ ●      ● }i   雇用契約の時、土日出勤の事は聞かれなかったからね
       八    、_,_,     八
.       / 个 . _  _ . 个 ',
   _/   il   ,'__  '.  li  ',__
      ̄(__.ノ  (__.ノ ̄


冗談はおいといて、リアル大事に

ノロ・・・ノロ・・・

名前:暁美ほむら
職業:中学生 兼 魔法少女

                                  //: : / : :
          ___                /: : : : /: : : : :
     ...: : : ̄: :\: : : : : ̄: ミ=―――――/: : : : /: : : : : : :

    /二ニニニニ`、: \: : : : : \:_:_:_:_:,-- r ,-,--、: : : : : : : : :
   //: : : 、: : : : : : : i : : }: : : : : \ ー‐/ノフノノ!_/、 \: : : : : : :
.  /: : : 、: : ::ミ=-_\{ | : : |:ヽ: : : : : : : : : :⊂二_       〉、 : : : :
 /: : : : : \ゝ/_`_ | : : |r 、\ : : : : : : : : : : : :〉、_ゝ/  〉__
 :: :i: :|ヽ(丶ゝ riっ_ ,} | : : | ゞ} : :\: : : : : : : : : r_ ̄__ /;;| : : :

 !: :ト、!, -_    `   | : : |:、ノ\ : :\ :_:_:_:_:_:_:_ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|__ : :
 \!::入r y,        ヽ : \`ー: :  ̄: :_____:〉;;;;;;;;;;;;;;;;;;! | :
   |: : i          \:_:\_ ̄__::: :: : : : ::|;;;;;;;;;;;;;;/}| | :
   |: i人   '    /;;;;;/   // \: : : :::!\;;;/ /.| | :
   ヽ: ゝ> _ /;;;;;/    / /     ー-|ー―― | .! ! :
     \ : :ヽ:_:_:_{!;;;;;/      / /        ー――/ / / :
          ̄[__[ノ;;;/      / /             / / / : :
     ___ノノ/;/      / / ___、_____ノ / / : : :
    // ̄ ̄ }/|/    //  |          ー‐´‐′ ̄
.   / /    / |i   // /   |
  /_/    /|  ||//  /    /!     __
       /./!  |/       /    / _}
       { | .|          }   / //
        ヽゝ|            〈   / // ̄ ̄ ̄]
            |           \i /// ̄ ̄ ̄
           |            V_{/__


          ―― もっと・・・、もっとよ! ――

              .r‐= 、      ,.-=-、      ,从
             {: : :.. ヽ     .i: :_:_: ヽ     /´ ⌒ \
               .ヽ: : : : \    { (_) ,!    _....._   }!
               .\: : : :.ヽ   .ト==ノ !  /:::::::::.ヽ  !
                    ヽ: : : : ヽ.、..ト、: : : :}  i;;/⌒ヾ::}
                  ト、: : : :.}ー':::::::::::::`ー'' !: : : : レノ
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      . r‐===--‐‐-=='':::::::::::::::::::::::::::::::::::!: : :.. ノ::ゝ、    __,,..,,_ _

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                       ! : : : : : : :.   {

     ―― ガイアが私にもっと輝けのささやいているわ ――

一応、前スレのアドレス置いときますね

――――――――

使い魔「キィーキィー」

ほむら「今日の使い魔はしゃべらないのね。姿も以前の世界のものと変わらないし」

マミ「えぇ、使い魔にも位(クライ)があって喋れるタイプと喋れないタイプがいるの」

マミ「喋れるタイプの使い魔の方が知能もあるし断然強いわ」

マミ「ただ、喋らないタイプの方が弱いとはいえ、おそらく暁美さんのいた前の世界とは比べ物にならないはずよ」

ほむら「そう。…けど、所詮は使い魔、どっちのタイプでも今の私の敵じゃないわ」スッ

ほむら「-トレースバブルス-!」フワワ

さやか「おっ、転校生がシャボン玉(?)みたいのを手から出したよ!」

まどか「きれい~」


使い魔「キィー?」ソォ…

まどか「あ、シャボン玉に興味を持ったみたい」

QB「見た目はキレイかもしれないけど、あれは魔法で作った爆弾みたいだね」

さやか「爆弾!?」

ほむら「これは魔女と使い魔の魔力を感知して自動で追いかける追尾型爆弾」

ほむら「そして奴らがそれに触れた瞬間…」

使い魔「キィー!」ピト

パチン! ドガァンッ!!

使い魔「ギィー!!」

ほむら「大爆発。跡形も残さないわ」ファサッ

さやか「こえー!?」


使い魔B「キキィー!」ダッ

マミ「暁美さん、使い魔たちが逃げるわ!」

ほむら「大丈夫。言ったはずよ、トレースバブルスは追尾型って」

ほむら「一度その魔力を感知したら例え何万光年離れても見つけ出して息の根を止めるわ」

ビューン!

さやか「シャボン玉が加速した!」

パチン! パチパチィン! ドガァァァッン!!

使い魔's「ギィィャァァーーー!!」シュワアア

マミ「ふふっ、すごい成長速度……三日前とは別人ね」

ほむら「当たり前よ、私はもっともっと強くならなきゃいけないんだから」ファサッ


さやか「やったね、転校生! すごいじゃん!」

まどか「かっこよかったよ、ほむらちゃん!」

ほむら「ふふふ。この程度、大したことないわ」

マミ「すぐにでも私のことも追い抜いてしまいそうね」

ほむら「あら、まだ追い抜かれていないと思っていたの?」

マミ「あらあら、それはどういう意味かしら?」

ほむら「言葉通りの意味よ」ファサッ

マミ「うふふ……」

ほむら「フフフ……」

さやか「はいはい、そこまでにして。まずは変身を解こうよ」

ほむら「あっ…」///

マミ「そうね。結界も消えてしまったし、誰かに見られたら変な子だと思われちゃうわね」スゥ、フワァ

まどか「えー、二人とも可愛いのに…」


ほむら「ふぅ…」スゥ、フワァ

さやか「まどか。マミさんや転校生がかっこよく戦ってるとこ見るとさぁ」

まどか「うん?」

さやか「あたしたちもあんな風になりたいって思わない?」

まどか「うーん、それは思うけど…」

マミ「コラッ! 魔法少女はそんな軽い気持ちでなるものじゃないわよ」

ほむら「そうよ、やめておきなさい美樹さやか」

ほむら「マミが話してくれたでしょう? 魔法少女が最期はどうなってしまうのか」

さやか「『魔法少女が絶望した時、魔女になる』、でしたよね」

さやか「けど、ならない魔法少女もいるんだよね?」

QB「そうだね、全ての魔法少女が魔女になると言うわけじゃないね」

QB「大体、1割ぐらいかな。それも一人で戦ってる魔法少女が多いね」


まどか「この前ほむらちゃんが倒した、ゲルトルートって魔女も魔法少女だったの?」

QB「うん、彼女は政治家の娘でね。同性愛者だった」

ほむら「どうせいっ…、え!?」

QB「彼女は女の子なのに女の子が好きだったんだ。そして彼女には好きな女の子がいたんだ」

QB「でも悲しいかな、彼女の好きな女の子は二次元の男同士のカップリングが好きな趣味を持っていたんだ」

QB「腐女子って奴だね」

マミ「……それで、彼女たちはどうなったの?」

QB「ある日二人は、とある専門店のレジでばったり鉢合わせた」

QB「互いにそれぞれの嗜好の詰まった本を手にした状態でね」

さやか「あちゃぁ…」

QB「好きな女の子の秘密を知った彼女は会計を済ませると店から飛び出し行方をくらませた」

QB「そのままどこか人目に付かないところで魔女化したんだろうね」

マミ「悲しいお話ね……」


ほむら「話が逸れた気がするけど、とにかくあなたは魔法少女になるべきじゃないわ」

ほむら「あなたみたいのは今の話と同じ末路をたどるのよ、美樹さやか」

さやか「いやいや、あたしは同性愛者じゃないし!」

さやか「あー、でもまどかみたいな可愛い子だったらお嫁に来てくれてもいいかなぁ」

まどか「もう、さやかちゃんったら」ウェヒヒ

ほむら「なっ、あなたにまどかは渡さないわよ!」

さやか「その反応まさか…、転校生ってばまどかのこと…!?」

まどか「うぇひ!?」

マミ「そ、そうだったの!?」

ほむら「ち、違うわ! あくまで私は友だちとして…ッ!」

わいわい!

QB(暁美ほむら……未来から来た魔法少女、か)

QB(それにワルプルギスの夜……)


――
――――

――――――――

ゲルトルートを倒した後――。

ほむら「私ね…未来からきたの!」

マミ「!?」

QB「未来から…だって!?」

ほむら「私がいた初めの世界はまどかとマミが魔法少女だった」

まどか「えっ、わたしも!?」

ほむら「えぇ」コクリ

ほむら「私は転校初日に魔女に襲われ、二人に助けてもらったの」

さやか「へー、まどかが魔法少女になって転校生をねぇ」


ほむら「その時に二人とQBに魔法少女のことを聞かされて」

ほむら「QBには私には魔法少女の才能があるからならないかって勧誘されたわ」

ほむら「あの頃の私はとても消極的で魔法少女にはならなかった…、なれなかった」

ほむら「そんな意気地なしな私に、鹿目さんも巴さんも優しくしてくれた」

マミ(あれ? 今、私と鹿目さんの呼び方が…)

ほむら「二人と出会ってからの毎日はとても楽しかったわ…けど」

まどか「けど?」

ほむら「あいつが…、ワルプルギスの夜が現れて全てを破壊していったの…」

マミ「なっ…、ワルプルギスの夜ですって!?」

さやか「なんなんですか、その死徒二十七祖第十三位みたいな名前の、」

QB「ワラキアの夜じゃなくてワルプルギスの夜だよ、さやか」


QB「ワルプルギスの夜って言うのは最古にして最悪の魔女…」

QB「この宇宙を終わらせるほどの力を持っている魔女さ」

まどか「宇宙を終わらせる…!?」

ほむら「そう…、ワルプルギスの夜も強化されているとは思っていたけど、それほどまで……」ゾクッ

さやか「規模が大きすぎて実感湧かないんだけど、つまり人類は滅亡するってこと?」ハナシハキカセテモラッタ

QB「人類以前に地球が消えてなくなるよ」

マミ「け、けれど、それは暁美さんのいた世界の話でしょう…?」

マミ「未来からきたって言ってたけど、この世界もワルプルギスが現れるとは限らない、そうでしょう?」

ほむら「そうね、確かに私が今まで繰り返してきた世界とは魔女のレベルが違いすぎるわね」

ほむら「もしかしたら奴は現れないかもしれないわ」

ほむら「ただね…」

まどか「……」ゴクリ


ほむら「さっき、私の元いた世界はワルプルギスの夜に破壊されてしまったって言ったでしょう?」

マミ「そうだったわね。話の腰を折ってしまってごめんなさい」

ほむら「別に気にしなくていいわ」

ほむら「それで破壊された世界を目の前に私は耐えられなくなった」

ほむら「何も出来なかった自分が悔しくて、変わりたいと思った」

QB「まさか君は……」

ほむら「そうよ、私はあなたに願ったの。時間を巻き戻してまどかとの出会いをやり直すことを」

まどか「わたしとの出会いをやり直す…?」

ほむら「私は強くなりたかった。あなたに守ってもらう私じゃなく、あなたを守れるくらい強く」

ほむら「けど、ダメだったわ。何度やり直してもワルプルギスの夜が出現し、全ての世界を破壊していった」

ほむら「魔法少女が束になっても敵わないあの悪夢を終わらせるために」

ほむら「私は何度も何度も時間を巻き戻して戦い続けているのよ」

QB「何度も何度も…?」


QB「暁美ほむら、それは何回くらいだい?」

ほむら「さぁ…、3桁を越えてからは数えてないから…」

さやか「さ、3桁!? 100回以上時間を巻き戻して同じことを繰り返してるっていうの!?」

まどか「ほむらちゃん……」ウルウル

QB「よくそれだけの時間を魔女にもならず…」

ほむら「!!」

さやか「え? 魔女にもならず、ってどういうこと?」

QB「それは…」

ほむら「あなた、巴マミに魔法少女の秘密を話しているの!?」

マミ「魔法少女の秘密…って、魔法少女がいずれ魔女になることを言ってるの? 暁美さん」

さやか「魔法少女が魔女に!?」

ほむら「えぇ、そうよ…」


まどか「魔法少女が魔女になるなんて…、そんなのってないよ! あんまりだよ!」

QB「そうか、君のいた世界での僕はそのことは伝えずに君たちを魔法少女に勧誘していたのか」

ほむら「『聞かれなかったから』、私が真実を知り問い質した時あなたはそう答えたわ」

QB「そうか、いろいろと合点がいったよ」

QB「この世界が君が今までいた世界と異なっている原因は君にあったんだ」

ほむら「どういうことかしら…?」

QB「君が時間を巻き戻し、世界を一度やり直すごとに」

QB「前の世界が終焉を迎えるまでに消費されるはずだった分の因果が次の世界に持ち越されていたんだ」

ほむら「因果の集中…!」

QB「その通りだよ、暁美ほむら」


QB「前の世界で消費されるはずだった因果が次の世界に上乗せされたとすれば」

QB「その次の世界の住人たちは存在の力を強化されることになる」

マミ「存在の力?」

QB「単純に言えば強くなるってことさ。30kgの握力の人間が40kgの握力になる、みたいな」

ほむら「けど、今までそんなことは…」

QB「あぁ、わかってるよ。今言ったのは極端な例で、そもそも世界にも今までの世界を維持しようとする力が働く」

QB「一度や二度、時間を巻き戻したぐらいじゃ世界に変化なんて起こらないはずさ」

QB「だが君は100回以上も時間を巻き戻してしまった」

QB「これにより世界を維持しようとする力を、持ち越された因果が大きく上回ってしまったんだ」

さやか「うぉぉ…、なんか話の内容が難しすぎて頭が痛くなってきた…」

QB「そうだね、例えるなら水槽と水風船かな」

QB「水が入っているいくつもの水槽と風船を思い浮かべてごらん」

まどか「うん」

QB「そしてその水槽の上で、風船の口を水道の蛇口に繋ぐ」

QB「この水槽がこの世界で、蛇口をひねり風船に水を注ぐ行為がほむらが時間を巻き戻す行為だ」

QB「1回2回水を注いだぐらいじゃ風船は破裂しないし、水槽の水は増えたりしない」

QB「けど、何度も水を注ぎ続ければいずれ風船は割れて、風船の中の水が水槽へと流れ込む」


ほむら「そしてその水が流れ込んだ水槽が、この世界と言うわけね……」

QB「あぁ。その結果、大きく影響を受けたのが魔法少女というシステムだった、ということだろうね」

QB「ほむら、君のいた以前まで世界の僕らは、エネルギーの回収に躍起になっていたんじゃないかな」

ほむら「そうよ。あなたは違うというの?」

QB「違う、というよりその段階は終了した、と言うのが正しいかな」

QB「この世界では、百年ほど前に目標としていた量のエネルギー回収が完了してるんだ」

QB「おそらく溢れた因果律が遥か昔にまで遡り、魔法少女と魔女が強化したことでエネルギーの回収効率が上がってるからだろう」

QB「だから今は魔女を完全に駆逐し、魔法少女を魔女にさせないことが目的になっているんだ」

ほむら「じゃあ、まどかを魔法少女に勧誘したりは…」

QB「二人に限らず僕の方から魔法少女に誘うようなことは、特別なケースを除いてないね」

QB「一応、二人には魔法少女について軽い説明だけはしているけど、魔法少女になってもらうつもりはないよ」

さやか「えっ、そうなの?」

QB「うん。その特別なケースっていうのも魔女に襲われて殺されそうな子に対してだけだし」

QB「魔法少女が魔女になることや魂をソウルジェムに移す事なんかもきちんと説明した上での勧誘だよ」

QB「僕らとしてもこれ以上魔法少女が増えるのは好ましくないんだ」


QB「ということで、暁美ほむら。この世界は、君が今まで繰り返してきた世界とは大きく異なっているんだよ」

ほむら「それはすでにイヤというほど体感しているわ」

QB「だからこの世界にはワルプルギスの夜は現れない……はずだ」

ほむら「…絶対に?」

QB「100%とは言えない。魔法少女のシステムは条理を覆す、何が起こっても不思議じゃない」

QB「けど魔法少女だった彼女はもう、地球上に存在しない。死んだはずなんだ」

ほむら「死んだはず? ソウルジェムが砕けたの?」

QB「ソウルジェムはどんなことがあっても、絶対に砕けないよ。今までの世界では砕けていたのかい?」

ほむら「えぇ、魔力がこめられてさえいれば割りと簡単に砕けたわ」

QB「そうか、それもまた一つの相違点だね」

QB「ともかく、この世界の魔法少女のソウルジェムは絶対に砕けないんだ」

ほむら(私のは砕けるわけね…)


ほむら「それで、その彼女は…」

QB「今日はもう遅い。さやか、まどか、家の人たちが心配するんじゃないかな?」

まどか「あ、うん。そうだね」

さやか「そろそろ帰らないとママに怒られる…」

QB「どうしても話を聞きたいならまた日を改めてくれないかな」

ほむら「……わかったわ」

マミ「暗くなってきたし、二人とも送るわ」

さやか「大丈夫ですよ、まだ十分明るいですし」

まどか「でも、また使い魔が現れたりしたら…」

ほむら「そうよ、魔女や使い魔に遭わないとも限らないわ」

さやか「うっ…、それを言われると言い返せない」

マミ「決まりね、さぁ行きましょう」

まどか「はーい」

――――――――

さやか「ここを右に行くとあたしの家で」

まどか「まっすぐ行くとわたしの家です」

マミ「なら私は美樹さんを送っていくわね。暁美さんは鹿目さんをお願い」

ほむら「わかったわ」

さやか「まどか、転校生、また明日ー」

まどか「またねー」

マミ「さよなら」

ほむら「また明日」


さやか「それでですね、うちの担任が――」

マミ「まぁ、そんなことが――」ウフフ


ほむら「さぁ帰りましょう、まどか」

まどか「うん」

ほむら「……」

まどか「ねぇ、ほむらちゃん」

ほむら「何? まどか」

まどか「キュゥべえに魔法少女のこと、詳しく聞いてもいいかな…?」

ほむら「…どうして? まさかあなた! 魔法少女になりたいなんて…」

まどか「うん、なりたいって気持ちはあるよ。でも、なろうとは思ってないよ」フルフル

まどか「ほむらちゃん、わたしに魔法少女になって欲しくないんだよね?」


ほむら『今とは違う自分になろうだなんて絶対に思わないことね』

ほむら『さもなければ、全てを失うことになる』


ほむら「えぇ、あなたには魔法少女になって欲しくないわ」

ほむら「ならどうして魔法少女のことを知りたいなんて……」


まどか「魔法少女になるかならないかは別にして、わたしのことを守ってくれたマミさんや」

まどか「ほむらちゃんが抱えてる辛いことや苦しいことを知っておきたいの」

ほむら「まどか…」

まどか「ダメかな…?」

ほむら「…別に、魔法少女にならないのなら私は何も言わないわ」

まどか「ありがとう、ほむらちゃん」

ほむら「お礼を言われるようなことじゃないわ」ファサッ

――――
――

――――――――

QB(昨日のことだ)

QB(まどかがどうしてもと魔法少女のことを詳しく知りたいと言うから)

QB(マミと一緒にまどかとさやかに魔法少女や魔女について教えてあげたけど)

QB(まどかは本気で魔法少女になりたいんだろうか)


まどか「でも、ほむらちゃんかっこいいし、ほむらちゃんならわたし…いいよ?」

ほむら「ま、まどか!? からかわないでっ!!」///


QB(悪いけど、まどか…その夢は絶対に叶わない)

QB(例え君が魔女に殺されることになったとしても、叶えちゃいけないんだ)

QB(もしものことを考えた時、君の因果律はあまりに膨大すぎる…!!)


   ――― 続 く 。

                    __   __       __     
                    l__ゝ / /_,へ,  / /======へ,  
                     , //ノ7 l7/  / / // 7/ / /
                   //  / (´   / / // // / / 
                   l l / 人 \  / /.//=// / / 
                   l_| 〆´  `ヽ/ /_/======/__/ 

   __i⌒i__      ○               _____         ○   _i´ `i__
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   __|  |___  ,´ `、,/ ,` (_   _  `  i⌒i        /  /  __i⌒i__    |  |     |  |
  (__  __) ヽ    /    /  /  〉  〉 ヽ `、     /  / (__   __)   /  /    .|  |
    __|  |___   /  , ´     /  /  /  /   ` ´  i⌒ 、/  /   __|  |___   /  /    .|  |
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 ゝ、__,イ       ゝ、___)           ! ヘ !    ` ´        ゝィ        ( __ ノ

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                         ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


ほむら「ぉ…、おっす! 暁美ほむらよ!」

ほむら「いつものパトロールで病院へとやってきた私たち」

ほむら「あら、アレは何かしら……ってグリーフシードじゃないの!」

マミ「こんなところで魔女が孵化したら病院の患者さんたちが大変よ!」

まどか「うわぁっ、言ってる間に結界に取り込まれちゃったよ!?」

シャル「シャルはシャルロッテっていうの」

ほむら「随分と弱そうな魔女ね、こんな奴、私独りで十分よ」ファサッ

さやか「その発言は死亡フラグだよ、転校生!」

QB「次回、まどかマギカZ、第三話! 暁美ほむら死す!」

ほむら「身体が軽い、こんな幸せな気持ちで戦うの初めて!」

まどか「来週もまた見てくださいね」

さやか「ジャンケンぽん!」グー

マミ「フィーバー! やったね!」

まどか「ま、またね~」バイバイ

来週じゃなくて続けて投下するんですけどね。
ちょっとだけ休憩。

乙!
イイヨイイヨー

乙ですー

>>61
バラ園の魔女あらため薔薇族の魔女ってことですね、わかりました。

――――――――

学校――。

キーンコーンカーンコーン。

和子「最近は物騒な話も多いですし、寄り道せずに帰るように」

生徒「はーい」

がやがや・・・

ほむら「まどか、さやか。今日は上条君のお見舞いに行くのよね?」

まどか「うん」

さやか「ごめんね、パトロールさぼっちゃって。マミさんにも謝っておいてよ」

ほむら「何言ってるの。(魔法少女)ヒソヒソ…でもないあなたたちが、私たちについてきてる方がおかしいのよ」

ほむら「マミは容認してるけれど、私はやっぱり反対よ」

さやか「何? あたしのこと心配してくれるの?」

ほむら「私が心配してるのはまどかだけよ。あなたは魔女に食べられるなり好きにすればいいわ」ファサッ

さやか「またまたー、照れ隠しってやつ?」シシシ

ほむら「ち・が・い・ま・す」


まどか「ごめんね、ほむらちゃん。やっぱりわたしたちがいると邪魔…だよね?」

ほむら「ま、まどか!? 別にそんなことないわ!」

ほむら「私もマミも強いもの、あなたたちを守りながら戦うぐらい朝飯前よ」

まどか「…ほんと?」ウワメヅカイ

ほむら「えぇ、もちろんよ」

まどか「よかったぁ」ウェヒヒ

さやか(天然悪女がいる……)ゴクリ

まどか「迷惑かもって自分でも思ってるんだけど、マミさんやほむらちゃんが戦ってる姿を……」

まどか「ほむらちゃんたちが頑張ってる所を自分の目で見て知っておきたいから」

まどか「それにもしもほむらちゃんが危なくなった時はわたしが変身して」

ほむら「それはやめて」

まどか「でも」

ほむら「お願いだから…」

まどか「…うん、わかった。じゃあほむらちゃん、絶対負けたりしないでね? 怪我するのもダメだよ」

ほむら「まどかに無用な心配をかけたりしないわ」ファサッ


和子「美樹さん、鹿目さん、暁美さん。いつまで残ってるの? 早く帰りなさい」

さやか「はーい、今帰りまーす」ガラッ

まどか「先生、さようなら」

ほむら「さようなら」

和子「はい、また明日ー」


さやか「それじゃ、あたしたちは病院に行くから」

ほむら「あぁ、そうだったわね。その話なのだけど……」

マミ「暁美さん、お待たせ。美樹さん、鹿目さんも」

まどか「あ、マミさん」

マミ「二人は今日は病院に行くのよね?」

さやか「あ、はい」

マミ「じゃあ一緒に行きましょう」

さやか「え? どうしてですか?」

まどか「まさか、マミさん怪我でも!?」アワワ

マミ「うふふ、そうじゃないわ」

ほむら「私たちの目的はパトロールよ」ファサッ

――――

さやか「つまり、今日は病院に魔女が現れる可能性が高いと?」テクテク

ほむら「えぇ。統計的にあなたたち二人が上条君のお見舞いに行く日に、孵化寸前のグリーフシードが病院の壁に突き刺さってることが非常に多いわ」

ほむら「今までの世界と違うのはわかってるけど、警戒して損はないでしょう?」

まどか「そうだね。病院なんかで魔女が生まれたりしたら大変なことになるんだよね?」

マミ「病院みたいな場所だと、負の感情も集まりやすいから魔女には格好の餌場、生まれたてならなおのこと……」

QB「病院は廃墟と化し、最悪、元いた人間は魔女に操られゾンビになってしまう、なんてことも考えられるよ」

さやか「バイオハザード!?」

ほむら「というか、あなたいつの間に…」

QB「丁度今来たところだよ」

QB「暁美ほむらが集めた今までの統計は、この世界でどの程度の価値があるか、興味があるね」

ほむら「病院と言う場所を考えれば、無いにこしたことはないのだけれど」

ほむら「統計に価値がなくなると思えば複雑な気分ね」

QB(僕としてもできればはずれていて欲しい。統計が当たると言うことは、『あの』可能性も高まると言うことだから……)

マミ「さぁ、ついたわね」

病院、正門――。


ほむら「グリーフシードがある場所はいつも決まっているわ」

ほむら「この門の左手、職員用の駐車場に向かう途中に……」

さやか(あれ? ここって……)

まどか「あっ、あれ!」

さやか「!!」

マミ「グリーフシード! 孵化しかかってるわ!」

QB「ほむら、どうやら君の統計データは価値がありそうだよ」

ほむら「そんなこと言ってる場合じゃないでしょう! 早くどうにかしないと!」

QB「もう間に合わないッ! 結界に引きずり込まれるから注意して!」

ぐにゃぁ~っ!

まどか「きゃぁっ!」


結界内部――。

さやか「何ここ…、お菓子の家ならぬ、お菓子の結界? こりゃおかしい!」

まどか「さやかちゃん……」サムッ

マミ「ちょっと食べてみたいかも?」

ほむら「はぁ、結局こうなるのね……」

QB「ずいぶんと中途半端な場所に取り込まれたみたいだね」

QB「結界の出口でもなく、魔女のいる部屋でもなく、丁度その中間辺りかもしれないね」

マミ「キュゥべえ、まだ魔女は孵化してないわよね?」

QB「たぶんね。魔女がグリーフシードから孵化するまで結界ができてからしばらくかかる」

QB「急げばまだ間に合うかもしれない。できるだけ卵を刺激しないように進むんだ」

ほむら「わかったわ」

――――

ほむら「……」スタスタ

マミ「……」

まどか「……」

さやか「…結構歩いたと思うんだけど、まだつかないの?」

QB「今僕たちがどこにいて、どっちに魔女がいるかわかってない状況だからね」

ほむら「要するに迷子よ」

さやか「えっ!? 魔女の居場所がわかってて進んでたわけじゃないの!?」

マミ「残念だけど、今はあてずっぽうで歩いてるの」

ほむら「結界の中は世界を繰り返すたびに変わってしまっていたし」

ほむら「魔女もまだ孵化していないから魔力を探知して探すことも出来ないわ」

マミ「一応、扉を見ればすぐにわかるんだけど…」

まどか「扉を、ですか?」

QB「薔薇園の魔女の結界でのことを覚えているかい?」

QB「魔女に部屋に通じる扉は、他のものと比べて大きな両開きになっていただろう?」

さやか「あー、そう言えば」

まどか「じゃあ…、あれとか?」ユビサシ

マミ「え?」


ほむら「あんなところに…!」

キュゥべえ「まさか扉が真上にあるとはね…、お手柄だよまどか」

さやか「さすがあたしの嫁~」ダキッ

まどか「ちょ、ちょっと、さやかちゃん」

ほむら「遊んでる場合じゃないわよ。あの高さじゃ変身しないと届かないわ」

QB「でも変身すれば卵を刺激して、魔女が生まれてしまうよ」

マミ「変身しないと魔女の部屋に入れないんじゃ仕方ないわ。生まれたてを一気に畳み掛けましょう」

ほむら「わかったわ」コクリ

まどか「え、えっと…」

さやか「あたしたちは…?」

ほむら「私とマミで一人ずつ抱えて飛ぶわ。魔女の部屋に入ったら物陰を探して急いで隠れなさい」

まどか「うん、わかったよ」

さやか「了解」

――――

さやか「先輩にお姫様抱っこされるのってちょっと恥ずかしいね、これ」

まどか「うん…。ほむらちゃん、重くない?」

ほむら「えぇ、まどかは羽のように軽いわね」ヘンシンズミ

まどか「そ、そうかな…?」テレッ

ほむら「魔女の部屋に飛び込む前に…、マミ」

マミ「何かしら?」

ほむら「絶対に最後まで油断しないで。過去の統計ではここに現れる魔女は最後まで気の抜けない相手だったわ」

マミ「……わかったわ。結界が消えるまで油断しないようにするわね」

ほむら「えぇ。それじゃあ行くわよ。まどか、しっかり捕まっててね」

まどか「うん」ギュッ

マミ「キュゥべえ、肩に乗って」

QB「わかった」ピョン

ほむら・マミ「「せーのっ!」」グググ…

バヒュッ!

まどか「!!」

さやか「!!」


バコンッッ!! ・・・すたっ!

さやか「うひゃー、あの大きな扉を蹴り壊しちゃった」

ほむら「二人とも早く隠れて!」

まどか「うん!」タタッ

マミ「魔女は……あそこ!」ビシッ

QB「やった、まだグリーフシードのままだ!」

ほむら「なら、生まれる前に叩き潰すまでッ!」ダッ

ほむら(魔力を右手に集中させて……)ギリリ

ほむら(魂の込もった全力の一撃を、叩き込むッッッ!)

ほむら「衝撃のォォォ、ファーストブリットオオオォッ!」ヒュッ

ドゴォン!!


さやか「やったぁ!」

まどか「倒せたの…?」

QB「いや…!」

  ほむら「手応えが、なかった…?」

QB「ほむらっ! 後ろだ!!」

  ほむら「ハッ!!」

  魔女「……」

まどか(小さな女の子……、西洋人形みたい)

まどか「可愛い…」


魔女「黒い子、まずそう…」トテテ

ほむら(今動けば殺られる…!)

マミ「暁美さん、伏せてッ!」ガシャン

ほむら「!!」バッ

ドドドドドドドド!!!!

ほむら「げほっ、ごほっ……」

マミ「暁美さん、無事!?」

ほむら「死ぬかと思ったわ。あなたの銃撃でね」


さやか「すご…、何もないところからいきなりガトリング銃が」

QB「魔力の弾を発射してるんだ。マミの主力武器だね」

まどか「でも魔女が見当たらないよ…?」

さやか「ほんとだ、一体どこに…」

魔女「……」

QB「なっ!? い、いつの間に」


魔女「ピンクの子、まずそう。青い子、ちょっと美味しそう」

さやか「ひっ…!?」

まどか「ほ、ほむらちゃん! 魔女が!!」

ほむら「まどか!?」

マミ「大丈夫よ」

魔女「味見していい?」ヒタヒタ

さやか「だ、ダメダメダメ! 絶対ダメ!」

魔女「一口だけ」ピョン

ぴと、ビシュッ!

魔女「?」トサッ

さやか「…へ?」

まどか「リボンが魔女を縛っちゃった…」

マミ「うふふ。念のため魔女が二人に触れたら発動する罠を仕掛けておいたのよ」

ほむら「さすがね、マミ」

マミ「さぁ、魔女さん。私と遊んでいただけるかしら?」グイッ

魔女「ぁ……」ポーン

ドサッ


魔女「」

マミ「…? ピクリとも動かないわね…?」トン

ころん。

人形[ハズレ]

マミ「なっ、変わり身ですって!?」

ほむら「くっ…、今度はどこへ…? マミ、私はまどかたちの所へ行くわ」タッ

マミ「えぇ、罠は一回分しか仕掛けてないからその方がいいわ」

マミ「ここの魔女はとても素早いみたいね…。暁美さんの言う通り油断できな、」

魔女「よいしょ、よいしょ……」ヨジヨジ

マミ「っ!?」

マミ(まるで殺気が感じられなかった……。私が後ろを取られるなんて……!)

魔女「黄色いお姉ちゃん、とても美味しそう」ジュルッ

マミ「……っ」ゴクリ

QB「はっ! ほむら、戻ってくれ! 魔女がマミの後ろに!」

ほむら「なんですって!?」ズザザ

魔女「イタダキマス」アーン

ほむら「くっ、間に合わな…」


魔女「はむっ」

マミ「ひゃんっ…!」ビクン

ほむら「!?」

魔女「はむはむ…」

マミ「ちょっ、やめて……。み、耳は、弱いのぉ///」

さやか「な、何が起こってるの!? 魔女の精神攻撃!?」

マミ「このっ…、いい加減離れて!」ヒュッ

魔女「ィャ」ヒョイ

マミ「なんなのよぉ、もう!」シッ

魔女「ペロペロ」サッ

まどか「マミさんが食べられてる…」

さやか「性的な意味で…」

ほむら「///」

マミ「見てないで助けてよぉっ!」アァン

――――

ほむら「はぁはぁ…、やっと捕まえた…」ガシッ

魔女「やーん、離してー」ジタバタ

マミ「なんなのよこの魔女…。まるで殺気がないし、この子も魔法少女だったの?」

QB「いや、この魔女は使い魔が成長したものだね」

まどか「やっぱりこの子も倒すんだよね…?」

ほむら「もちろんよ」

魔女「やめてー、シャル悪いことしてないよー」ジタバタ

さやか「なんだろう、すごい罪悪感が…」

QB「さやか、魔女は人間の敵だ。倒さないと誰かが傷つくことになるんだ」

さやか「わかってはいるけど…」チラッ

ほむら「……」グググッ

>暁美ほむらは力を溜めている▽

まどか(ほむらちゃん、腕を振り上げてるだけで振り下ろせないみたい…)

魔女「シャル人間さん食べないもん、離してよー」ジタバタ

マミ「……」


マミ「はぁ…。あなた、シャルちゃんって言うの?」

シャル「ううん、シャルはシャルロッテって言うの。でもお姉ちゃんがシャルって呼びたいならシャルはシャルでもいいよ」

マミ「シャルちゃんは人間を食べたりしない? 怪我をさせたりとかもしないかしら?」

ほむら「マミ! 何を聞いてるの!?」

シャル「人間さんおいしいけど食べたら悲しくなるの。だから食べないの。怪我をしたりするのも一緒」

まどか「この子って…、良い魔女?」

ほむら「そんなわけないわ。騙されちゃダメよ! きっとここで見逃せば何人もの人が犠牲になるわ」

QB「ほむらの意見に賛成だ。魔女は根絶しなければならない」

さやか「うーん…、さっきマミさんを味見してたのは?」

マミ「あ、味見って///」

シャル「おいしそうだったから。食べたいけど味見で我慢するの。お姉ちゃんとっても美味しかったけどシャル我慢したもん…」プルプル

マミ「……」

まどか「どうするんですか、マミさん?」

QB「早く倒すんだ、マミ!」

さやか「マミさん?」

ほむら「マミ!」

マミ「!」ティン


マミ「あなた、うちに来なさい」ヒョイ

シャル「へ?」モチアゲラレ

ほむら「な、何を言ってるの…? こいつは魔女なのよ!?」

シャル「シャルロッテって呼んでー。もしくはシャル」

QB「僕も反対だよ、マミ。今の君はこの魔女に操られてるとしか思えない」

シャル「シャルぅ~」

マミ「私は正気よ。魔女の口づけもされてないでしょ?」スッ

QB「けど!」

マミ「だーめ、もう決めたの」

マミ「シャルちゃん、あなたは今日から私の妹ね」

シャル「妹? わーい、シャルお姉ちゃんの妹ー♪」

マミ「じゃあまずは結界を解いてくれる?」

シャル「うん、わかった」

ぐにゃぁ~・・・ぱちん。

まどか「結界、消えちゃった」

さやか「あぁ、ケーキ食べてなかったのに」

まどか「さやかちゃんってば……」


QB「魔法少女は条理を覆す存在だ……。けれどいくらなんでもこれは生態系に対する反逆じゃないか?」

ほむら「狂ってる…、やっぱりこの世界は狂ってるわ。魔女が魔法少女の妹になるなんて……」ブツブツ

まどか「ほむらちゃん、虚ろな目でぶつぶつ何か言ってる…」コワイヨ

さやか「一応、一件落着でいいのかな…?」

まどか「たぶん?」ティヒヒ

「ぐあああああああぁぁっっ!!!」

マミ「!?」

まどか「ひっ!」

さやか「今の声…!」

QB「病院の中からのようだよ」

ほむら「まさかあなたが…!」

シャル「シャルじゃないよ!」フルフル


ほむら「じゃあ今のは…」

シャル「あの声、シャルがここにきたときからずっと聞こえてた…」

シャル「卵の中で痛い、苦しい、助けてって声をずっとずっと聞いてた…」ショボン

マミ「そう…、でももう大丈夫よ。今日からあなたは私のマンションに住むんですもの」

シャル「うん! ここ、居心地はいいけど悲しくなるから、マミの家に住めるのシャル嬉しい」

まどか「さやかちゃん…」

さやか「…うん。あれは、恭介の声だよ」

ほむら「えっ…? 今の声、上条君の声だって言うの?」

さやか「そうだよ…、恭介はあそこでずっと一人で戦ってるんだ」

マミ「……二人はその上条君のお見舞いだったわよね」

まどか「あ、はい」

マミ「私はそろそろ帰るけれど、暁美さんはどうするの?」

ほむら「わ、私は……」


ほむら(さっきの悲鳴、上条恭介にもなんらかの変化が起きていると考えるべきね)

ほむら「さやか、私も上条君のお見舞いに行ってもいいかしら…?」

さやか「ほむらも?」

ほむら「クラスメイトとして挨拶しておこうと思って」

さやか「…さっきの声聞いてたでしょ? 見るのも結構辛いと思うけど」

さやか「って、ほむらは恭介が入院してることや、怪我の理由も知ってるだっけ」

ほむら「えぇ、何度も繰り返していたから必然的に、ね」

さやか「じゃあとりあえずついてきてよ。ほむらに会うかは恭介に決めてもらうから」

ほむら「ありがとう」

マミ「話はまとまったみたいね」

シャル「帰るの?」

マミ「そうよ。スーパーで夕飯のお買い物をした後にね」

シャル「スーパー! 行ってみたい!」

マミ「大人しくしてなきゃダメよ? …じゃあみんな、さよなら」フリフリ

シャル「バイバーイ、まずそうなのとちょっと美味しそうな人間さん」フリフリ

さやか「ちょっ…、今度会ったら名前を覚えさせないといけないね、ありゃ」ッタク

まどか「ば、ばいばーい」アハハ…

ほむら(キュゥべえ、マミとあの魔女の監視、頼むわね)チラッ

QB(わかってるよ、ほむら)コクリ


さやか「さてと、それじゃあ恭介のお見舞いに行きますか」

まどか「うん」

ほむら「……」

――――――――

さやか「はい、右手に見えますのが上条恭介の病室でーす」

ほむら「そう…」

さやか「……あ、あの、つっこみか何かを期待したんだけど」

ほむら「何言ってるの、病院で騒ぐのはNGでしょう?」

さやか「あ、はい」ゴメンナサイ

まどか「そういえば、ほむらちゃんもこの間まで入院してたんだよね」

ほむら「ええ、そうよ。丁度この真上の病室だったわ」

さやか「それはご愁傷様だったね。うるさかったんじゃない?」チラッ

ほむら(うるさい…? あぁ、さっきの叫び声……)


ほむら「美樹さやか、照れ隠しにしてもあまりそういうことは言わない方がいいわよ」

さやか「へ!?」ドキッ

さやか「て、照れ隠しって何のことよ?」

ほむら「言ったでしょう? 私は何度も時間を巻き戻してきた、って」

ほむら「魔法少女と魔女のあり方が多少変化してはいるものの」

ほむら「この時点であなたが上条恭介に対してどんな感情を抱いてるかくらい知っていて当然よ」ファサッ

さやか「ちょっ!? あたしのプライバシー侵害すんじゃないわよ!?」

ほむら「あら、あなたから相談してきたのよ? ずいぶん前の時間軸の話だけど」

さやか「マジで!?」

ほむら「何度も繰り返していると、そういうことも必然的にね」

ほむら「だから自分の大切な人を貶めるようなことは言わないこと。いいわね?」

さやか「はい…」

ほむら「あと、病院で『ご愁傷様』なんて不謹慎すぎるから」

さやか「ごめんなさい…」


まどか「まぁまぁ、そのぐらいにして、そろそろ中に入ろうよ?」

ほむら「そうだったわね。それじゃあ…」

さやか「あ、うん。とりあえず様子だけ見てくるよ」

ほむら「頼むわね」

――――――――

コンコン、ガラッ。

さやか「恭介、元気にしてる?」

恭介「ん…? あぁ、さやかか…。今日もきてくれたのか」

さやか「暇潰しみたいなもんだから気にしない気にしない」パタパタ

恭介「……ありがとう」

さやか「何? いきなり改まって」


恭介「天井を眺めて一日中過ごすって言うのは、思ってた以上に辛いって話だよ」

恭介「さやかがお見舞いに来て、話し相手になってくれるてるのは…」

恭介「さやかが思っている以上に僕の心の支えなんだ」

さやか「恭介……」

恭介「だからありがとう」

さやか「…あーもう! さっきも言ったけどあたしは暇潰しなの!」

さやか「恭介はそんなこと気にしないで、

 『ラッキー、今日も可愛い幼馴染がきてくれたぜヒャッホー』

  って喜んでればいいのよ!」///

恭介「ふふっ、さやかはいつも面白いね」

さやか「女の子に向かって面白いって…褒められてるの?」

恭介「もちろんだよ」

さやか「ほんとかなー?」


コンコン。

恭介「ん?」

さやか「あぁ、すっかり忘れてたわ」

さやか「この間、うちのクラスに転校生が来たって話したでしょ」

恭介「うん」

さやか「その子に恭介の話したらお見舞いに行きたいって言ってきてさ」

さやか「ほむらもこの前までこの病院に入院してたから恭介のこと励ましたいんだって」

さやか(ということにしておこう。間違ってはないはず)

恭介「ほむらさんって言うのか。今、病室の前にいるんだよね?」

さやか「そう。まどかも一緒だよ」

恭介「いいよ、入ってもらって」

さやか「ありがとね」


ガラッ。

さやか「二人とも、入っていいよ」

まどか「うん。こんにちは、上条君」スッ

恭介「こんにちは、鹿目さん」

ほむら「こんにちは。初めまして、暁美ほむらで…す(えっ?)」ギョッ

>病室に入り、彼の状態を目にした瞬間、一瞬だが暁美ほむらの思考は停止しかけた。

>ベッドに横たわる上条恭介の姿はあまりに無残で……。

恭介「初めまして、暁美さん。上条恭介です」

>虚ろな表情で笑いかける彼に一体何があったというのか……。

恭介「驚かせてしまったかな。上半身が裸な上に……」


恭介「 左 腕 と 右 足 が金属だなんて」


ほむら「…ッ!」


ほむら(想定外だった…。因果の集中が生んだ弊害は彼にも降りかかっていたなんて)

ほむら「ごめんなさい…」

恭介「謝らなくていいよ。こんな姿をいきなり見せられたら普通誰だって驚くよ」

ほむら「その…、左腕と右足は…」

恭介「見たことないかな? 機械鎧(オートメイル)って言う節電義肢なんだ」

ほむら「えぇ、初めて見るわ」

恭介「普通の義手や義足と違って、自分の意志で動かせる便利な義肢だよ」

恭介「って言っても、自由に動かせるようになるには、まだまだ時間がかかるんだけ、どね……?」

さやか「恭介?」

恭介「ごめん、さやか……。さっき薬を飲んだから、ねむ、くて……」

恭介「せっかくきてもらって、悪いけど…、今日の、ところは……」スヤ…スヤ…

さやか「うん。今日はもう帰るよ。ゆっくり休んで……早く元気になってよね」


ほむら「……」

さやか「恭介も寝ちゃったし、帰ろっか」

ほむら「えぇ…」

まどか「うん。上条君、早く良くなるといいよね」

さやか「卒業式に間に合うかどうかって所かなあ」

まどか「そっか…」

ほむら「ごめんなさい……」

さやか「えっ? なんでほむらが謝るのさ!?」

ほむら「ごめんなさい…、私のせいで…(グスッ)彼の腕は…(グスッ)脚は…っ!」ポロポロ

まどか「ほ、ほむらちゃん!?」

さやか「ちょっとちょっと、何で泣くの!? わけわかんないよ!?」

ほむら「ごめんなさい……、ごめんなさい……」ポロポロ

――――

――病院、ロビー。

ほむら「……」

さやか「はぁ、やっと泣き止んだ…」

まどか「ほむらちゃん…、さっきは急にどうしたの…?」

ほむら「ごめんなさい…」

さやか「それはもう聞いた。何があったか話してよ、謝ってばっかじゃ何もわかんないよ」

ほむら「……上条恭介のあの怪我は、私が負わせたようなものなの」

さやか「…は? それどういう意味?」ギロッ

まどか「さ、さやかちゃん…?」

さやか「本気で言ってるんだよね? わかるように説明してくれる?」

ほむら「わかったわ…」

――――
――


さやか「…じゃあ、ほむらが今まで繰り返してきた世界では恭介の怪我はあんなに重くなかったわけ?」

ほむら「えぇ…。お医者様の診断では二度とバイオリンを弾くことはできないと言われていたけれど」

ほむら「腕も脚もあったし、あと半月もしないうちにクラスに戻れていたわ」

ほむら「私が何度も何度も世界を巻き戻してやり直したから、彼は……」グスッ

まどか「そんな…、ほむらちゃんのせいじゃないよ…!」

まどか「ほむらちゃんはわたしたちを助けるために時間を巻き戻したんだもん」

さやか「ほむら……、一つ聞かせてよ」

ほむら「…何かしら?」

さやか「あんたが繰り返してきた世界じゃさ、恭介は腕を機械鎧にしなかったの?」

ほむら「機械鎧……そんなものそもそも存在しなかったわ」

さやか「え?」

ほむら「今までの世界では、あなたは上条恭介の腕を治すために契約することが多かったわ」

ほむら「あなたに魔法少女になって欲しくなかった私は彼の腕を治す方法を模索したこともあった」

ほむら「世界中の医療技術やマミの治癒魔法、考えられる手は全てやり尽くしたと思う」

ほむら「それでも彼の腕は、あなたが契約する以外で完治することはなかったわ」


ほむら「当然、機械鎧なんてものがあれば試していたと思うけれど」

ほむら「機械鎧の名前を聞いたのはこの世界で初めてよ」

さやか「……」

ほむら「やはり怒っているわよね…」

さやか「…帰る」プイ

ほむら「さやか?」

さやか「また明日、学校で」スタスタ

ほむら「あっ……。これ以上、私と話すことはないってことね…」

ほむら「いっそ叩かれた方が楽だったかもしれないわね…」

まどか「大丈夫だよ、ほむらちゃん」

ほむら「まどか…? 大丈夫ってなんのこと?」

まどか「さやかちゃんはほむらちゃんのこと怒ってなんかないよ、ってこと」

ほむら「えっ?」


ほむら「ど、どうして? 私のせいで上条君はあんな状態になって…」

まどか「うん、そうかもしれない」

ほむら「なら…」

まどか「けど、ほむらちゃんのおかげで腕は動くようになる、そう考えることも出来るかなって」

ほむら「それは、機械鎧のことを言っているの?」

まどか「うん。ほむらちゃんは知らないだろうけど、機械鎧ってすごいんだよ?」

まどか「上条君の頑張り次第だけど、元の腕と遜色ない動きが出来るんだって」

ほむら「そうなの…?」

まどか「でもそのためにはすっごく痛い思いをしないといけないし、時間もすっごくかかるらしいの」

ほむら「病院の裏で聞こえたあの叫び声……」

まどか「うん、すごく苦しそうだったよね…。さやかちゃんも反対してたんだ」

まどか「上条君が苦しむ姿なんて見たくないって。でも最後には上条君の熱意に負けて応援することに決めたの」


まどか「腕と脚を失ったのは事故だけど、機械鎧にしてまたバイオリンを弾くことを決めたのは上条君」

まどか「上条君は動かない生身の腕と動く機械の腕なら、機械の腕を選ぶような人だから」

まどか「このことを知ったらほむらちゃんに感謝するかもしれないね」ウェヒヒ

ほむら「そ、そんなこと…」

まどか「さやかちゃんも上条君のバイオリン、すごく好きだから」

まどか「けど、上条君の苦しむ姿をみていつも辛そうにしてる…」

まどか「それで怒っていいのか感謝していいのかわからなくて帰っちゃったんだよ」

ほむら「まどかはさやかのことならなんでもわかるのね」

まどか「てぃひひ、さやかちゃんとは幼馴染だからね」

ほむら「フフッ、少し妬けちゃうわ」

まどか「やっと笑ってくれたね、ほむらちゃん」

ほむら「まどか…。ありがとう、まどかのおかげで少し楽になったわ」


ほむら「私たちもそろそろ帰りましょう。時間も遅いし送っていくわ」

まどか「ありがとう、ほむらちゃん」

ソレジャマタネッテテヲフッテ♪

ほむら「携帯? ダメよ、病院では電源を切らないと」

まどか「そうだね。ごめんね、ほむらちゃん」ゴソッ

まどか「あれ?」

ほむら「どうかしたの、まどか?」

まどか「さやかちゃんからだ」

ほむら「何かあったのかしら…? 早く病院から出ましょう、まどか」

まどか「うん」ポチッ

――――――――

さやか「早く出てよまどかぁ…、って切られた!?」

さやか「病院だから電源切ったのかな…、こんなピンチな時に…」

仁美◆「さぁ行きましょう、さやかさん。今の世界よりもずっと幸せな世界へ…」

さやか「仁美が魔女の口づけで操られてるって言うのに…!!」

今日ここまで。

名前:上条恭介
二つ名:鋼の演奏者(フルメタルバイオリニスト)

         |     i  / /  l |i   i i、 ヽ  .l .|
         .l     i  l /, --tt-,  | l|_l__i  | .|、
        / ,  r 、 i / ´   ヽ ヽ | ,リ_.Vi  ,| ,iヽ
        l/.| / } i  |, 个r_、   ヽ |イcヽ , リ .|
          レヾ、_ ヽ .i| .Lしリ    v L,リ l/ / l,リ
          ヽ i、  ヾ       .i   / /l .|
           V l ヽ        ,.、,、,..,、、.,、,、、..,_       /i
             レv \     ;'`;、、:、. .:、:, :,.: ::`゙:.:゙:`''':,'.´ -‐i
            / ヽ  ` ヽ、 . '、;: ...: ,:. :.、.:',.: .:: _;.;;..; :..‐'゙  ̄  ̄
         ,. イ   ヽ      Li ヽ、
     , r ' ´   ヽ    ヽヽ   |  l  ヽ 、
    / \     \    \  l  |    `ヽ
    /   \     \    \/  .|      iヽ

事故によって左肩から先と、右膝から下を失ったさやかの幼馴染。
バイオリンを弾くために失った左腕と右足を機械鎧(オートメイル)化することを決断し、
現在はその手術を終えて患部が機械鎧に馴染むのを待っている状態。



名前:シャルロッテ(cv:あおきさやか)
性質:執着

: : : : : : 丶 __,; : :! : : : : {: : //: : : : : : : : : : : : : :ヽヽ: : /
: : : : : : :, -―――-{: 丶: : Y-‐': : : : : : : : : : : : : : : : : : } }i
: : : : ://` ̄ ̄ ̄´7T`'''´ヽ_、 : : : : : : : : : : : : : : : : : } }:!_
: : ://: : : : : : : : : :/,/ r-i ) `7、` 、_ : : : : : : : : :,/,/ノヾ`、 、

、 / / : : : : : : : : : , ' ,ム>}   ̄`  ` ー-  二二二ニノ: : : ,}、 ヽ
ヽ!/ : : : : : : : : //        `ヽ     ヾ 、ヽ : : : : ,'  `''
 ,}、: : : : : : //   /          、 ヽ      ヽヽヽ : : lヽ
'"{ 丶-=. ァア  /  /           ヽ ',     、 ',. ヽヽ | i
´ ヽ : : : //   l   !           ヾ,,. ''ニエ,ヽ、  !ヾl} ! 、
  ∧: : //   , ⊥、|  i.         ´l.i    !. `ヾ、} ` ! i
  ! ヽ//! //⌒`l  l            | !   l  l.  !i  /  l
 ハ  Nj !,'/  ',  ',. ',         ,l⊥  / / /,'  /ハ ,!
 l.l.  l  !ハ   ヽ __'、丶           ,!,, ,===ミ 、,/ / lヽリ
 | l  ヽ  ', 丶  , , =ミ 、lヽ      /" /_,ノ::::::::ヽヽイ、 ヽ `''
 l 丶  i、 ヽ,  //!ノ::::ヽヾ `ヽ、 _   /  {,.-、_, 、 } ,〉>‐=ニ二
ヽ!  ヽ lへ  v〈_ハ‐、_ハ      `   丶 _, ノ/´
,. '' ´  `,.∠` _'ヘ  丶-,.'           ` ー 'く、
_   く      ` 、`´     ` __          } , -<´、て
 ̄ `ヽ、ヽ   __  〈、       i´ヾ      ,. ィ ,ニ>-- 、ヽ
     ヽL, --、‐_、ヾ_ }` -'、t.-/ ,}__,. -‐ ''" { l ),}_    ヾ
 _  / ,. ''´  _{ ヽ、  {l/ /       l//_ヽヽ`ヽ、
´  ̄ ソ  、 ヽ__,. 三‐`ヽ  i/ ∠_、ニヽ、 /`_ー-}_ `ヾ,  ヽ''
  ,/      ヽ  「 /  /     ` }:.}{:./{. `ヽ:.:〉ヽ´

通称お菓子の魔女。
小柄ですばしっこく、鬼ごっこで捕まえるのは至難の業。
人間はおいしいか、おいしくないかで考えるが、
決して食べようとはしないおかしな魔女。
魔法少女、巴マミになついている。

エビフリャwwwwwwwwwwww

おつー

なんか錬金術があってもおかしくない世界だな

うるさかったからぶつけられたんだなwwwwwwwwwwww

なんてこった…!(笑)

つまりこの世界のカオルは……
カオル「ミキシトランス!台風!」

カオル「グレートマックスな私!すーぱぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

っていう感じなのか

気付いたら新しいスレが立ってた……
完結まで頑張ってください

レスthx、今度こそ最後まで頑張ります
どうにか休み中に一話分書けたから今日の昼にでも・・・それまでちょっと寝かせてZZzz...

エビフライ美味しそうですね


ナンドメノキモチダロウ♪

さやか「まどかから…!」ピッ

まどか『もしもし、さやかちゃん? 何かあったの?』

さやか「まどか! 今ほむらは一緒にいる!? 電源切ってるみたいで繋がらないのよ」

まどか『えっ? ほむらちゃん? …魔女がいたんだね、今代わるよ」

ほむら『さやか? ほんとに魔女がいたの?』

さやか「魔女っていうか、仁美が魔女の口づけに操られててどこかに行こうとしてるの!」

ほむら『志筑仁美が!? そんな、早すぎる…っ!』

さやか「なに? これも前にあったことなの?」

ほむら『え、えぇ。いつもならお菓子の魔女との戦いの翌日以降…』

ほむら『多少誤差はあっても同じ日に現れることなんてなかったのに!』

さやか「言ってること良くわかんないし! そんなことより早く助けにきてよ!」


さやか『今大通りからどんどん外れていってて、たぶん街外れの廃工場に向かってると思う…』

ほむら「わかったわ、すぐに向かうからあなたは帰りなさい」

さやか『無理!』

ほむら「友だちを想う気持ちはわかるわ。でもあなたがいてもできることもないでしょう?」

さやか『無理っていったら無理! 仁美にすごい力で掴まれててそれでって、ちょ!? ちょっと待って仁美!』

ほむら「さやか!? あなた今いったどういう状況に…」

さやか『ぎゃああああ、落ちるううううぅぅぅぅ!!』

ガシャッ! ブツっ・・・

ほむら「さやか? さやかっ!?」

まどか「ほむらちゃん、さやかちゃんは?」

ほむら「わからないわ…。ただ、最後に『落ちる』とだけ叫び声が…」

まどか「落ちるってまさか、……飛び降り!?」

ほむら「いいえ、廃工場に向かっていると言っていたからそれはないと思うわ」

ほむら「けど、想像にすぎないわね…。まどか、お願いがあるわ」

まどか「何、ほむらちゃん?」


ほむら「あなたにはマミを探しにいって欲しいの」

まどか「うん、わかった」

ほむら「マミも携帯ぐらいもってくれたらいいんだけど」ハァ

まどか「マミさんすごい機械音痴だしね」ウェヒヒ

ほむら「タイムサービスには早いし、まだスーパーで買い物してるはずよ」

まどか「うん…。さやかちゃんと仁美ちゃんのことよろしくね」

ほむら「わかってるわ。全てを守るために私は力を手に入れたのだから」

ほむら「さやかも仁美も必ず守ってみせる。もちろんあなたもね、まどか」スッ

まどか「ありがとう、ほむらちゃん」

ほむら「それじゃあ」シュン!

びゅん!

まどか「きゃっ! すごい風…、ほむらちゃん一瞬で見えなくなっちゃった…」

まどか「わたしもマミさんを探さないと…!」ダッ

――――

廃工場――。

妻「あなた! どうしちゃったのあなた!」ユサユサ

夫◆「うるさい! 今から大切な儀式が始まるんだ、黙ってろ!」

幼女「ママー、怖いよぉ…」

母◆「怖がらなくても大丈夫よ。私たちは選ばれたの、幸福な世界に連れて行ってもらえるの」ウフフ…

男「さわ子っ! 正気に戻ってくれよさわ子!」

女◆「わたしは幸せになれる、わたしたちは幸せになれる、わたしもかぜはやくんも幸せになれる…」ブツブツ

さやか「ビルの屋上を跳びながらこんなとこまで連れてこられたと思ったら…」ボロッ…

さやか「何よこれ…、とんでもない数の人…」ゴクリ

さやか「周りの人もみんな魔女の口づけで操られた人に連れてこられたの…?」

仁美◆「さやかさんは学校で一人だった私に、最初に声をかけてくださいました」

仁美◆「とても嬉しかったんですよ? 私の一番のお友だち、だから…うふふふふふ」

さやか「こんな状況じゃなかったら、あたしもすごく嬉しいんだけどなぁ…」アハハ

神官風の男◆「静粛に! 静粛に! 姫様のお目見えである!」

さやか「姫様…?」


うおおおおお、ヒメサマー! ヒメサマだー!

姫?「静まりなさい」スッ

しん・・・

さやか「あれが、姫様?」

姫?「幸せを望む者たちよ。よくぞ集まって下さいました」

姫?「ワタクシがアナタ方を幸せな世界へと導いて差し上げましょう」

ありがとうございます、アリガトウゴザイマス・・・

姫?「では、儀式を始めましょう」パンパン

がしゃん、がしゃん!

さやか(えっ? あの姫様ってのが手を叩いたら突然目の前に剣が……、しかもこんなに!)

さやか(間違いない、あいつが魔女だ!)

姫?「その剣は聖なる剣レーヴァテイン」

姫?「心臓を貫かれたものは幸福の神ベロボーグに導かれ、エリュシオンへと行くことができます」

姫?「エリュシオンには痛みも苦しみも何もありません、皆が平等に幸福な世界です」

こうふく・・・シアワセ・・・びょうどう・・・

さやか(まずいまずいまずいまずい、この展開は絶望的にまずい!)

さやか(ほむらとマミさんはまだなの!? お願いだから早くきてよ……)


兄「ふざけんな! すぐに警察を呼んでやる! お前ら全員逮捕だバカヤロウ!」ダッ

がたん・・・がた・・・

兄「なんだこの扉、ぴくりともしない! どうなってやがる!」ガシャン!

姫?「剣を取りなさい。そして大切な人の心臓を貫くのです」

妹◆「……」スチャ

高校生「おい、やめろ…!」

姫?「大切な人の心臓を貫いたら次は自分の心臓を貫きなさい」

姫?「そうすれば、アナタたちはエリュシオンに行くことができます、シアワセになれます」

しあわせ・・・シアワセ・・・つらぬけば・・・シアワセニ・・・

やめろ! お前らおかしいぞ! 正気に戻って! 誰か助けてー!

仁美◆「サヤカサン、ワタシトイッショニ、シアワセニ……」ギラリ

さやか「くっ、こうなったら……仁美ゴメン!」ドン!

仁美◆「きゃっ!」ドサッ

ガシャン!


さやか「すぅー…はぁー…」スチャ

仁美◆「サヤカサン…?」

さやか「あーっはっはっは! ひっかかったな、馬鹿な魔女め!」

なんだ…? 魔女って…? あの子は一体…?

姫?「なんだオマエは?」

さやか「あたし? この場面でそれを聞いちゃう? 聞かなくてもわかってるでしょうそんなの?」

さやか「でも特別に答えちゃおう! あたしは魔法少女…、魔法少女さやかちゃんよ!」

姫?「魔法少女、だと…?」ギロッ

さやか「あんたはまんまと騙されたのよ、このあたしにね! さぁ観念しなさい!」シャキン

姫?「くっ、ククク、オマエには見覚えがあるぞ…」

さやか「えっ?」

姫?「オマエが魔法少女だと? オマエは見滝原の守護者(ガーディアン)のただの腰巾着だろう」

さやか(うそ!? なんでバレてんのよ…!)

さやか「はっ…。な、何言ってんのさ、あたしは魔法少女! あんたなんかあたしがボッコボコにして…」ガクガク

姫?「震えているぞ? 小娘」ククッ

さやか「こ、これは武者震いだ!」


姫?「しかし、オマエがココにいるということは魔法少女に嗅ぎ付けられるのも時間の問題か…」

姫?「大神官、こいつを捕らえろ」

神官風の男◆「ワカリマシタ、ヒメサマ」

さやか「ちょっ、こっちこないでよ、怪我したくないでしょ!?」

姫?「刺せるのか? オマエに、何の罪もないこの男を」

さやか「くっ……」カラン

神官風の男◆「トラエマシタ、ヒメサマ」

姫?「よくやった。……オマエたち、よく聞け! 儀式の内容を変更する!」

姫?「より多くの人間を殺した者と、その者が連れてきたパートナーの二人だけがエリュシオンに行くことができることとする!」

姫?「まずはこの小娘を連れてきた者、前に出ろ」

仁美◆「ハイ、ワタクシデス」スッ

姫?「この小娘の心臓を貫くのだ。それが開始の合図となる」

仁美◆「ハイ、ヒメサマ」スチャ

さやか「やめてよ仁美…、お願いだから正気に戻ってよ…」バタバタ

神官風の男◆「アバレルナ!」グイ

さやか「ぐっ、誰か助けてよぉ……」グスッ

仁美◆「サヤカサン、サキニイッテマッテテクダサイネ」

ヒュン!

さやか「ッ!」ギュゥ


さやか「…………?」

さやか(あれ…? あたし、生きてる…?)

姫?「オマエ…、一体どこから入った?」

???「正面から入らせてもらったわ。立て付けが悪いみたいだったから扉は壊させて貰ったけど」

戸/非「」グシャッ…

姫?「いつの間に!?」

さやか「その声…!」パチ

ほむら「よく頑張ったわね、さやか」

さやか「ほむらー!」ヒシッ

ほむら「仁美や他の人は時間を止めている間に全員眠らせて工場の外に非難させたわ。あなたも早く逃げなさい」

さやか「わかった、ありがとほむら!」ダッ

姫?「させるかッ!」バッ

ガシャァン!

さやか「ひっ!」

ほむら「しまった! これは結界!?」

姫?「よくもワタクシの神聖な儀式の邪魔を…!」バキベキ…


キルス「よくもこのキルステン様の邪魔をしたわネェッ!!」ブシュァア!

さやか「あ、あれが魔女の正体…! 醜い……」

ほむら「調子に乗ってあなただけ残して格好つけたのは失敗だったわね…」アセッ

さやか「なにしてんのよー!!?」T-T

キルス「黒の魔法少女めェ…、どうやって人間どもを逃がしたかはわからぬガ」

キルス「キサマを喰らった後でもう一度儀式を再開すれば何の問題もナイ」

キルス「手足を引き千切り、人間どもが殺しあう光景を傍観させてあげるワ」

ほむら「手足を引き千切られるのは、はたしてどちらかしらね」ジリ

ほむら「さやか、あなたはできるだけ離れていて」

さやか「うん…、わかった」タタッ

ほむら(今までの世界だとここに現れる魔女は精神攻撃が主体だった…)

ほむら(その攻撃パターンがこの世界ではどうなっているか……気をつけないと)

ほむら「いくわよ、魔女!」バッ


ほむら「このっ!」バッ!

キルス「ハァッ!」ズガ!

ほむら「やぁっ!」ビシッ!

キルス「タァ!!」ゴッ!


   ヒュン!

      バゴォン!

    ドガガッガッ!

  バキッ!   ガギィン!

     ドォン!!


さやか「激しくぶつかってる音だけで何も見えない…」

さやか「ほむらが押してる…んだよね?」


ほむら「! そこっ!」ドスッ

キルス「ぐフッ!?」ガクン

ほむら「今よ…! 撃滅のぉぉ……」スゥ

  さやか「見えた! あれはほむらの必殺技! ほむらの勝ちだ!」

キルス「…」ニヤリ

ほむら「セカンドブリットオォォォォッッ!」カッ!

ヒュン!

ほむら「避けられたッ!?」

キルス「馬鹿な魔法少女っ♪」

バキッ!

ほむら「きゃあぁぁぁっ!」

ずどぉん!

さやか「ほむらっ!!」

キルス「その技は隙が大きすぎるのが弱点ヨ。そんなもの二度目は誰も喰らわないワ」

ほむら「くぅっ、二度目ですって…?」


ほむら「誰と勘違いしているのか知らないけど、私はこの時間軸であなたに会うのは初めてよ」スタッ

キルス「そうね、直接会うのは初めテ。でも、ワタシは見てイタノ」

ほむら「見ていた…?」

キルス「ゲルトルートの結界での出来事も、シャルロッテの結界での出来事も」

キルス「その他、大勢のオマエたちに葬られた使い魔たちのことも、全て!」


 キルス「 見 て イ タ 」ドン!


ほむら「あなたの能力はまさか…!」ゾワッ

キルス「ワタシはハコの魔女、結界というハコの中の出来事ならなんでもお見通シ」クスクス

キルス「新米魔法少女は出し惜しみというのができなくて大変ネェ」

キルス「オマエの使える技はみんな知っテル、トレースバブルスもシェルブリットも」

キルス「もちろん、因果を逆転させるオマエのとっておきも!」

ほむら「くっ…!」

さやか「それであいつ、あたしのことも知ってたのか…!」


キルス「魔女に一度見た技は二度と通用しないワ。ましてやこのキルステン様にはネェ!!」

さやか「そんな…、それじゃあほむらに勝ち目は…」

キルス「ソウヨ、その顔っ! オマエたち人間の絶望に歪んだその顔がワタシは大好キッ!」

さやか「やだ…、あたしまだ死にたくないよ…」ガクガク

キルス「アハハハハハ、アーッハッハッハ!!」

ほむら「うるさい…!」ギリッ

キルス「あァン? なんですっテェ?」アハハ

ほむら「黙れといったのよ。その醜い金切り声は聞くに耐えないわ」ファサッ

キルス「……キサマ、楽に死ねるとは思わないコトネ…!」ビキッ#

さやか「ほむら…、そんなに挑発しない方が…」

ほむら「あなたもよ、さやか。いつもの強気なあなたはどこへいったの!?」

さやか「そんなこと言ったってあたしには何もできないし……」

ほむら「できないからこそ、あなたには信じていて欲しいのよ…」

 『あたしには何もできないけど、信じることだけはできる…』

 『あんたが魔女に勝利することを微塵の迷いもなく信じることができるよ!』

ほむら「かつて、そう言ってくれた友人が私にもいたの」


さやか「それって、もしかしてあたしのこと…?」

ほむら「さぁ、ずいぶん昔のことだから誰だったかは忘れてしまったわ」

さやか「いやいや、そこは思い出そうよ。あたしのことでしょ? ねぇねぇ? ほむらってばぁ」

ほむら「うっとうしい」ベシッ

さやか「あぅ」アイタッ

ほむら「けど、あなたはそのぐらいで丁度いいのよ」

ほむら「私が頼りないって言うのならマミを信じてもいいわ」

ほむら「まどかが呼びに言ってくれてるから、きっと今にも駆けつけてくれるでしょう」

さやか「おぉ! マミさんが!」

キルス「マミ…。アハハハ、それは見滝原の守護者、ガーディアン・マミのことカシラ?」

キルス「だとしたらいくら待っても無駄ヨ」

さやか「えっ?」

ほむら「どういうこと…!?」


キルス「あの名高き見滝原の守護者ならとっくに到着しているワ」

ほむら「なんですって!?」

キルス「けれど、守護者はワタシの結界に入れずにイル…。当然ヨネ?」

キルス「ワタシはハコの魔女、結界(ハコ)に関してならどんな魔女にも退けはとらないワ」

――――

マミ「ティロ・フィナーレ!」

ガァン!!

QB「だめだマミ! びくともしてないよ!」

マミ「なんて頑丈な結界なの…! これだけやってもほころび一つできないなんて……」

――――

さやか「そ、そんなの信じるわけ…」

キルス「なら、証拠を見せてあげましョウ」パンパン

――――

QB「マミ、迷ってる場合じゃない。ここはリボンを、」

ニュルン! がしっ!

QB「うわっ?! か、壁から手が…!」

マミ「キュゥべえ!」

QB「ま、マミー!」

しゅるるる・・・

マミ「そんな…、キュゥべえが結界に取り込まれるなんて…」

マミ「けど、どうして? 魔女がキュゥべえを捕まえる必要があるの…?」

マミ「ううん、そんなこと考えてる場合じゃないわ。早くなんとかして中に入らないと…」ガシャン!

――――

ぽいっ、べしゃっ

QB「きゅぅ」

さやか「キュゥ、べえ…?」

キルス「アハハハ、これが証拠。結界の外でうろうろしてたところを結界に取り込んであげタノ」


ほむら「キュゥべえ、巴マミはどうしてるの?」

QB「結界の外で立ち往生してるよ。どうやら状況はあまりよくないみたいだね」プルプル

ほむら「えぇ。あの魔女、他の魔女の結界での出来事を覗き見できるらしいの」

ほむら「今、私が使える攻撃技は全て見切られてしまっているわ」

QB「それじゃあ君に勝ち目は…!」

ほむら「さぁ、どうかしらね…」

キルス「……」スゥ…

ほむら「たかが技が見切られたくらいで私が負けると思わないで欲しいわッ!」ヒュンッ!

  キルス「ハァッ!」ズシャッ!

  ほむら「ふん!」ガキン!

さやか「また見えなくなった…」

さやか「…ねぇ、キュゥべえ。ほむらは勝てるの?」

QB「彼女はまだ新たな力を手に入れて間もない。はっきり言ってかなり苦しい戦いになるだろうね」

QB「せめて時間を止めた状態で魔力を込めた攻撃ができればもう少し楽ができると思うんだけど、今の彼女にその技量はない」

QB「けれど、魔法少女は条理を覆す存在だ。今の僕はただ彼女の勝利を信じることしかできない」

さやか「信じる……」


ほむら「このっ!」ハァハァ

バシッ!

キルス「ウフフ、息が上がってるわヨ? もう降参カシラ?」ギシリ…

ほむら(まだ……、まだ耐えるのよ暁美ほむら…!)

ほむら「疲れたフリをしてあなたの油断を誘ってるのよ!」ヒュッ!

キルス「あらアラ、それじゃあ油断しないように気をつけないとネ」ヒラリ、スタッ

ほむら(ここしかない…! 最初で最後の、一度きりのまたとないチャンス!)

ほむら(魔女化しない最低限の魔力だけ残して、他は全部この右腕に…!)ポゥ…

キルス(急激な魔力の高まり!? …けれど黒の魔法少女の技は全て見切ってるワ)

キルス(無駄な足掻きでしかないことを思い知らせてアゲル)クスッ

ほむら「抹殺のォォォォ!!」ギリ…ギリ…


  さやか「ダメだほむら! その技はすでに見切られてるよ!」

  QB「そんなことはほむらもわかってるはずだ。彼女は何かを狙っているんだ…!」


ほむら「ラストブリット――――!!!」カッ

キルス「お馬鹿さん、一度目で見切られていることを忘れタノ?」ヒラリ

ほむら「――、弐……」グルン

キルス「は?」

ほむら「連打ァァッ!!」ヒュッ!!

キルス「ぃ…」ミシリ…

バキバキッ!!

キルス「キャァァッッ!!?」ヒューン

ドォン!!

  さやか「決まった! 全然見えなかったけどほむらが勝ったよ、キュゥべえ!」

  QB「シェルブリットの連打…、なんて無茶をするんだ!!」

ほむら「魔女に一度見た技は二度通用しない、だったかしら…?」ハァハァ

ほむら「その言葉そっくりそのまま返してあげる」

ほむら「魔法少女に同じ避け方は二度も通用しないわ。まして、この暁美ほむらにはね」ファサッ


ほむら「くっ…。はぁ……はぁ……」ガクッ

さやか「ほむら!」タタッ

QB「シェルブリットの連打だなんて、とんでもない無茶をしたね。暁美ほむら」トトッ

ほむら「ああでもしないと当たらないんだから、仕方ないじゃない……くぅっ!」

さやか「ほむら、その腕…!」

ほむら「粉砕骨折ってこういうのを言うのかしら…、骨も肉も粉々のぐちゃぐちゃね」ダラン…

QB「砲身に銃弾を二つ込めて発射したようなものだからね。腕が原形をとどめているだけ運がいいほうだよ」

さやか「なんで魔法で治さないのさ…? むちゃくちゃ痛そう…」

ほむら「痛みに酔ってるのよ…」

QB「本当は腕を治療する魔力も残ってないだけだろう?」

ほむら「うるさいわよ淫獣…ッ」

QB「やれやれ、心配してあげているのにひどい言われようだ」


QB「けど、止血だけでもした方がいい。これ以上の出血は命に関わるよ」

さやか「あたしがやったげる! 制服のリボンで脇のところを…」ギュッ

ほむら「うぐっ!」ビクッ

さやか「ごめん! 痛かった…?」

ほむら「…全く、ぜんぜん痛くなかったわ」

さやか「そ、ならよかったっ」ギューッ

ほむら「~~~ッ!!」

さやか「これでよしっと」

ほむら「……さやか」

さやか「何? お礼ならいいよ、あたしのこと守ってくれたんだし」

ほむら「ありがとう」

さやか「いいっていってるじゃん、義理堅いなぁ」

ほむら「あなたが結んでくれたこのリボンがあれば、私はまだ『戦える』」

さやか「戦えるって…、今日はもう十分戦ったしもう帰って休んだ方が」

QB「さやか、周りを見てみるんだ」

さやか「何キュゥべえ? 周りって特に何もないよ? 魔女の結界の、ま、ま…?」

ほむら「……っ」ギリッ


さやか「え? これってどういうこと…?」

さやか「だって魔女はほむらが倒して……」

キルス「一体誰が誰に倒されタノ…? ワタシに教えて下さるカシラ」パッパッ

さやか「そんな……。あんた、ほむらの必殺技を食らったんじゃ……」

キルス「そうね、さっきのは痛かったワァ。けど、威力がいまいち、その上芯も外れていたワヨ」フフッ

ほむら「くっ……」スク

QB「必殺技の連続使用はかなりの高等技術だ。こんな土壇場でのからめ手じゃ無理があったんだ…!」

キルス「もう立っているのもやっとって感じネェ。まずはさっきの…お返シッ!」ガン!

ほむら「キャアァッ!」ズダン!

さやか「ほむらっ!」

QB(もう暁美ほむらに戦う力は残っていない…)

QB(マミ、このままじゃ間に合わなくなってしまう。早く決断してくれ…!)

キルス「あーァ、つい勢い余って思いっきり蹴飛ばしちゃっタワ。壊れちゃったカシラ?」

ほむら「まだ…」ヨロ…

ほむら「私はまだ……、戦える…!」ググッ…

キルス「良かった、もうちょっと遊べそうネ」ヒュン、バキィッ!

ほむら「ごほぉっ!」ズダン!


さやか「キュゥべえ! あたしと契約して! 早くしないとほむらが!」

QB「この状況を打破するにはそれしかない…」

QB「だが、ほむらのためを思うならもう少しだけ耐えて欲しい!」

QB「あと少しでマミが助けにきてくれるはずなんだ」

QB「戦う力は残っていなくともほむらの闘志はまだ消えちゃいない、もう少しだけ待ってくれ!」


バシン! バシン! ドガッ!

ほむら「私は…まだ強くならなきゃ…いけないんだから……」フラッ

ほむら「こんなところで…負けるわけには…」バタン

キルス「あらら、気絶しちゃっタワ。なんか最後までつまんない子だったわネ」

キルス「右手もこんなにぐちゃぐちゃなのに、ぜんぜん悲鳴をあげてくれないんだモノ」

キルス「そういえば少し前に、使い魔に襲わせた男の子でこんな風に腕がぐっちゃぐちゃになった子がいたワネ」

キルス「あの子はすごくいい声で啼いてくれたわぁ」

 『腕が、僕の腕があああああ』

キルス「って。最後の方は」

 『こんな腕じゃもうバイオリンも二度と弾けない』

キルス「なんて。絶望しきった最高のスマイルだったわぁ」ウフフフフ…


さやか「……!?」


――
――――

仁美「うふふ」

まどか「うぇひひ、あれ? あそこにいるの上条君じゃない?」

さやか「あ、ほんとだ。おーい、きょーすけー!」フリフリ

恭介「うん? やぁ、さや――」

ガシャアアァァアン!!!

さやか「…えっ?」

まどか「ひっ…!」

仁美「きゃっ…!」


さやか『この記憶は二ヶ月前のものだ』

さやか『朝の登校途中、恭介を見かけたあたしはいつもみたいに手を振りながら声をかけた』

さやか『あたしの声に気付いた恭介は振り返り、あたしたちを見つけると手を振り返してくれて、それで…』


「腕が、僕の腕があああああ」

「中学生が車に引かれたぞぉっ!!」

「ひどいな、腕がぐちゃぐちゃじゃないか…」

「この車誰も乗ってないぞ!? どうなってるんだ!」

「救急車はまだ来ないのか!? 誰か応急処置ができる人は――」


さやか「えっ、何よこれ……、今さっきまで恭介がそこにいたはずなんだけど…」フラッ

まどか「さやかちゃん!」ヒシッ

さやか「離してよまどか、あたし恭介を探さないと…、さっきまでそこにいたんだからまだ近くに…」

仁美「さやかさん…」ギュゥ

さやか「仁美ぃ…、嘘だよね…? 恭介が、恭介がぁ……」グスッ


さやか『無人の車が下り坂でもないのに猛スピードで突進してくるなんて今でも信じられない』

さやか『しかもそんなわけのわからないことに恭介が巻き込まれただなんて』

さやか『そんな誰を恨んでいいかもわからないことで恭介の腕が、脚が奪われたなんて信じたくなかった』

さやか『けど今……、あたしの目の前に……』

――――
――


さやか「……キュゥべえ。契約しなさい」

QB「まだだ…、あの魔女はほむらをすぐに殺す気はないみたいだ。もう少しだけマミを」

さやか「マミさんなんてどうでもいい。ほむらなんて関係ない」

QB「さやか…?」

さやか「あたしがあの魔女を殺す。あんたはそのために必要なことだけを遂行して」

さやか「じゃないと、あたし、先にあんたのことから殺しかねないわ」ギロリ

QB「君は、怒っているのかい…?」

さやか「いいから早くッッ!!」

QB「わかった…。この状況だ、誰かのためじゃなく君の意思で契約するというなら僕は止めはしない」

QB「後悔、しないね?」

さやか「後悔なんて、あるわけない!」

QB「教えてくれ、君はどんな祈りでソウルジェムを輝かせる?」

さやか「あたしの願いは、『恭介の腕が早く良くなること』!」

ドクンッ!

さやか「ッ!?」

QB「契約は成立だ。君の祈りはエントロピーを凌駕した」

QB「君の身体は人間を超越し、魂を失った。受け取るといい、これが君の魂……そして、君が望んだ力だ!」


キルス「あーぁ、つまんないし魔力も消費しちゃったし、踏んだり蹴ったりね」

キルス「あっちの小娘を喰べて少しでも魔力を回復しないと…」クルッ

さやか「殺す」

キルス「はぁ? 魔法少女でもないアナタがワタシをどうやっ」

ズシャァッ!!!

キルス「!!?!? かはっ…!」ガクン

さやか「恭介が受けた痛みはこんなもんじゃなかった」

スパッ!

キルス「ぐぁっ…! その姿、キサマいつの間に…!」

さやか「許せない。よくも恭介の脚を」

ザシュッ!

キルス「あぁあぁぁぁっ、ワタシの脚がああぁぁあ!!!?」ドサッ

さやか「よくも恭介の腕を。殺してやる」

ザクッ! バキンッ!

キルス「腕ええええああぁぁっ!!?」

さやか「あ。剣、折れちゃった」


QB「その剣は魔法で作られた剣だ。君がイメージすればいくらでも作り出すことができるよ」

さやか「イメージって言われてもよくわかんないし…、柄は残ってるしこのままでいっか。えいっ」

ぶん! グチャ!

キルス「ごほっ、オエエェッ……」ジタバタ

さやか「動くな。殴りにくい」

ぶん! グチャ! ぶん! グチャ! ぶん! グチャ! ぶん! グチャ!

キルス「はっ……、あぁ…、げほっ。この、ワタシが、こんな、なり立ての、ひよっ子に…」

QB「さやか、そんなでたらめに殴りつけたら君にまでダメージが…!」

しゅうぅぅぅ・・・

QB(回復している!? 殴りつけた反動で砕けた拳が、切れた筋肉が瞬時に回復している…!)

QB(癒しの祈りによって契約しとは言え、なんて回復力なんだ…!)

さやか「キュゥべえ、今何か言った?」

QB「いや…、なんでもないよ。そろそろとどめを刺していいんじゃないかなと思ってね」

さやか「うーん、もう少し痛めつけたいんだけど…」

キルス「ア…、アァ…」

さやか「こいつもう全然啼かないし、殺しちゃっていいか」スッ

キルス「アナタ…。イイワァ…、キット、イイ魔女ニナレr」

さやか「死ね」

ぶん! グチャッ!!

――――

マミ「この結界、部分的に弱いところもないわね……」

マミ「やっぱりリボンを使うしか、」

フッ・・・

マミ「結界が消えた……、暁美さんが魔女を倒したのね」ホッ

QB「マミ!」

マミ「キュゥべえ! 無事だったのね」

QB「僕よりほむらを! 早く!」

マミ「暁美さんが!? 魔女を倒せても無傷とはいかなかったのね」

コツ、コツ・・・

マミ「暁美さん、傷を診せ…」

さやか「……」コツ、コツ…

マミ「美樹、さん…? その格好は…!」

さやか「ほむらをお願いします」トサッ

ほむら「……」ボロボロ

マミ「ひどい怪我…! まずは暁美さんの怪我を治すのが先決ね」ポワワ

さやか「マミさん…、あたし…」

マミ「今日はもう遅いわ。事後処理だけして話はまた明日にしましょう」

さやか「……はい、わかりました」

――――

マミホーム――。

まどか(『シャルちゃんと買い物袋だけお願い』って鍵と一緒に渡されたけど…)

まどか(マミさんにさやかちゃんのことを伝えてからずいぶん経ったよね…)

まどか「マミさん遅いなぁ…、苦戦してるのかなぁ…」

シャル「マミは魔女をやっつけにいったの?」ヨジヨジ

まどか「えっと、その…。とりあえず頭に登るはやめて欲しいかな…」

シャル「シャル重い?」

まどか「重くないけど……、その、なんていうか、圧迫感っていうのかな」

まどか「不安になるっていうか」

シャル「シャルが魔女だから?」

まどか「……うん」

シャル「そうなんだ」ピョン

まどか(ほっ…、よかった降りてくれた)

シャル「マミは悪い魔女をやっつけにいったの?」

まどか「……うん」

シャル「悪いことする魔女は魔法少女にやっつけられちゃうの?」

まどか「……うん」

シャル「シャルは悪いことしてないよ?」

まどか「……でも」

シャル「魔女だから?」

まどか「……うん」


シャル「魔女は、人間さんと友だちにはなれないの?」

まどか「…? シャルちゃんは人間と友だちになりたいの?」

シャル「うん…。使い魔は人間さんと友だちになれないの、知ってる」

シャル「やっぱり魔女も、人間さんと友だちになれないの?」

まどか「…わからない、かな」

シャル「……」

まどか「……」

シャル「……あっ」ピクッ

まどか「えっ?」

シャル「マミ、帰ってきた!」タタッ

まどか「ほんとに? 音も何も聞こえないけど」

ガチャッ

マミ「ごめんなさい、鹿目さん。かなり遅くなっちゃったわね」

バタン

まどか「ほんとに帰ってきた」

シャル「マミー!」ピョン、ヨジヨジ

マミ「きゃっ、シャルちゃん!?」


シャル「シャルいい子でお留守番してたよ」

マミ「えらいわね。それはそうと頭から降りて欲しいんだけど……」

シャル「……」

マミ「シャルちゃん?」

シャル「マミもシャルが魔女だから、登られるのイヤなの?」

マミ「? 違うけど…、今は暁美さんをおぶってるから」

シャル「あ。不味そうな魔法少女さん、ケガしたの?」

まどか「ほむらちゃんが怪我!?」パタパタ

マミ「鹿目さん、心配しなくても大丈夫よ」

マミ「今は気を失ってるけど、怪我は魔法で治療しておいたから」

まどか「気を失ってるって、それだけ大変な戦いだったってことですよね…?」

マミ「えぇ、それが魔法少女の戦いよ」

まどか「ほむらちゃん……」

マミ「とりあえず暁美さんをベッドに移さないと」

まどか「あっ、ごめんなさい」

マミ「シャルちゃんも早く降りて」

シャル「ごめんなさい」ピョン


ほむらをマミのベッドに寝かせた後――。

マミ「もうお夕飯の時間も過ぎちゃってるわね…。鹿目さん、おうちの方は大丈夫?」

まどか「あうぅ…、連絡はしてあるんですけど…」

マミ「そう、それなら急いで帰ったほうがいいわね。送っていくわ」

まどか「でもほむらちゃんが……」

マミ「きっと朝まで目を覚まさないと思うわ。暁美さんのことは私に任せて、ね?」

まどか「はい…、わかりました」

まどか「あっ。あと、さやかちゃんなんですけど…」

マミ「……」

まどか「さやかちゃんも仁美ちゃんも無事なんですよね?」

まどか「さやかちゃん、携帯持ってるはずなのに連絡してくれなかったから……」

マミ「えぇ、魔女に集められていた人たちはみんな無事よ」

まどか「よかったぁ。もう、さやかちゃんってば、メールぐらいしてくれてもいいのに」ブツブツ

マミ「詳しい話はまた明日」パン

マミ「はいはい、玄関はあちらよ」グイグイ

まどか「ま、マミさん押さないで下さいよー」トタタ

マミ「シャルちゃん、お留守番お願いね。帰ってきたらすぐお夕飯にするから」

シャル「はーい」

ガチャ、バタン


     ―― To Be Continued...

何、この熱い展開……乙

安定のセカンド
三発しかうてないってのがいいよね

名前:キルステン(cv:戸松遥)
モード:姫

           ,,.. -──- ..,_
        , '" '"´ ̄`  `ヽ 、ヽ、
        /            ':::':, ':,
     , '     /   .、 __ヽ、  ∨' ',
     /;'  / _./{   ∧  ,ハ  'r'| |
    ; .| ;   ' |∧  ' ァ==、!  ! ! !
     レ'| | / ァ=- ∨     xx.!   | |/;|
     | ∨ 、xx   .      |  |イ |
     ',  |!ハ   、  '   /;  ;リ  !
       、 |l_,.ゝ、     , イ ;  ,:'   |
       \|  |ヽ|`:iァ:l升 |/ イ |   |
           !_」,<j_,,. イ`'ーァ'⌒ヽ |
         / 7_ |__/  ,' O   ';|
         ./ 0./:::/---{ r‐:'i     !!
        | /_r'くFL>ヽへ:::|    |.!
        ;'    :..     ̄ヽ= =、.|.|
    /) {           ';     !.!
   / / }、 ヽ.,__,,... rr- 、.,_,, イ     ! !
   ! ' ./ }  | |:|  ||    |:| /|    |リ
    {7  ノ /`r|:|  ||    |:| { |    |

魔女キルステンの仮の姿。
魔法少女だった頃の姿…、というわけではなく理想の将来像。
魔女としては醜悪極まりなく、いかに人間を苦しませるかに重点を置いている。
普段は街外れの廃工場に姿を隠し、使い魔を使って人間を傷つけたり
魔女の口づけによって誘い込んだ人間を喰べている。
結界を操る能力に長け、他の魔女の結界を覗き見たりできる。


| モード:魔女  性質:憧憬
| その醜い姿ゆえ、普段は好んで仮の姿でいることが多い。
\_  ____________________/
≡≡ V≡≡, ' ̄ ̄ ̄ ̄へ、ー=-、≡≡≡ | ̄|≡ロロ≡≡≡≡≡≡≡
≡≡≡≡/ // /   キ  /ヘ ≡≡ |  |≡≡≡、 へ≡≡/\

≡≡≡/ // /    / //lヽ////| |l≡≡|    ̄|≡≡ \__>/ /
≡≡// / /    // //"""""ヽ| | || ≡.|  | 三≡≡ 三/ /≡
≡/   / /   ////,,,〉____,,,  | | | |≡.|__|≡≡≡|__/≡≡
≡| / /   ////__:_ ヾo/ : __]|//≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

≡|ヾー  // /: =`==゚`ー'ー'゚==〈 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

/ミ三三彡//〈ヾ`vー,、__"""  __, )⌒ ̄l ̄ ̄l ̄ ̄l ̄ ̄l ̄ ̄l ̄/ノ
|   /  ゝ,`l : : `!、__ ⌒i` ̄´i'´ |  |   |   |   |  //
, l、      `o` :  : ^ー--‐^_フi  |   |   |   |   |//
  ヾ二二_____ ̄ ̄ ̄_ノ   ノ   |   |   | //

やっとさやか編終わり
いくつネタ放り込んだか、いくつ伏線放り込んだか全く把握できてない件
次は杏子&ゆま編か・・・
やったねゆまちゃん、出番がきたよ!

ゆまも登場するということは織莉子とキリカも出るのか
できれはカオルを出してイナズマイレブンネタを……

おまけ。

            /:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ/⌒ ー- : : :\
           /:.: : : : -==彡 '⌒ゝ __ ー- ヽ
      ー==彡:.: : : : /: : {: : {: :} 〉: : : : : :ー―=ミ 、

        /:.:.: : : :/: : :.:}: : :|: :|,′:、: : :ト、}、: :ヽ: :、 \

       /:.:.:.: :.:. :./: : : :.:{: : :!: : : : : :〉、!|、: : :、: : :}ハ
       ノ:.:.:.:.:.:.:. : /: : : : :.:.} :∧: :.}: : :}r=リミ\:.}::〉 トヘ
    ー=彡イ:.:.:.:.:.:. :{: : : : :.:.イ:/  }:.ハ: :/(炒 》 リ〈、リ ヽ
      ー=彳:.:.:.: : : j: : : : :.x∨=ミ リ }:/  =彡 ,;''|/ニニ=-
      │:.:.:.:.:.:.:/: :.: :/《 (炒    j '    :.:.:|}ニ}ニニム
.      八i.:.:.:.:/:.:/.:.:.{ ,,,,三´ ::'  '⌒ :,   ハ》,ニニ|ニニ〉  …う、腕が…!

          }:ィハj/:.:.:. :\;;;;;;;;;;,,:'' / -- 、′ /:i}ムニムニハ
        /│ )八{\r==ミ;;;; ,,  {{´   〃 /:i/:i:i:i}::∧二} 僕の腕がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
              〈:i:i:i:i:i:i:i:≧ュ...,,__ ー==″/i:/:i:i:i:/::{....}!ニム
            }\:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i7:i:i:i/:i:i:i:/ニ::∨|ニニ\

            ト:i:i:\:i:i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i:/:i:i:/:i:i:i:/....{_ニニ|ニニニム
            ト===i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:i:i:i/:i:i:i:/ハ.......|ニ{ニニ/ニ|
            }ニニ'';;;ニ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i:i:i:i:iイ:i:i:iハ.....|ニ/ニ/ニニ1
            ハニニニニニニニニニニム:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iハ..{ /ニ/ニニム
           ムニニニニニニニニニニニニム:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iハ.|:{ニ/ニニニニム

           ムニニ==-- 、ニニ;;;;;;;;;;ニム:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ハ }/ニニニニ/ニ}
           iニニニニニニニニ\ニ;;;;;;;;;ニニム:i:i:i:i:i:i:i:i:ハjニ/ニ/ニニ!
           {ニニニニニニニニニ\;;;;;;;;;;ニニム:i:i:i:i:i:i:i:i:}/ニニニニイ

当時の事故を振り返る再現VTR、負傷した上条恭介…役の集さん。

申し訳ないけどかずみは読んでないのよね、機会があったら読んでみるけど
本編中に登場予定はないかなぁ・・・
おりこときりかは・・・・・・うん、正直(役所的に)扱いに困るから、さ・・・
棲み分け大事、おりきりやプレアデスが見たい人はここじゃ見れないんで諦めてください

強気のエリーって珍しい。
だからこそ、さやかの怒りがいい感じに出てると思う。

姫モードのキルステン……これアーンヴァルやないか

今ある伏線の回収だけで1スレ使うレベル


何かある気がしたけどそんなことなかったぜ!
まどかの勇気が世界を救うと信じて!なんてのはなしだからな

君に届けわろたwwwwww
他の操られてる人も元ネタあるの?

>>168
AA使っといてなんだけど、このアニメ見てないんだぜ
>>169
持論だが、伏線なんてのは無数に貼りめぐらせてそのうち1割回収すれば十分だと思ってる
>>170
ないよ
ネタ大量に突っ込んだような気がしてたけど、読み返したらそうでもなかった
全体でキミトドと星矢の二つだけだな、ネタ

伏線は回収して初めて伏線といえるのでは

その通り、つまり伏線の回収率は10割と言っても過言ではないわけだ

また落ちるぞ?


バリ、ぼり、むしゃ・・・ごくん

???「おーい、もう菓子がねーぞ」

組長「お前らぁ、はよ用意せえや」

下っ端A「へ、へい、オジキ!」

下っ端B「すぐお持ちしやす!」

タッタッタッ・・・

???「この間入った新人、使えねーなぁ」

組長「すいやせん、姐さん」

???「って、使える奴ならこんなとこにいねえか」

??「くぅ…くぅ…」

???「……アタシも含めて」ワシワシ

??「んー……むきゅぅ……」グゥ…

――――

下っ端A「ちっ、なんであんなガキの言うこと聞かなきゃいけねえんだ」カツカツ

下っ端B「まったくだぜ」

 「そもそもあのガキはどこの誰なんだよ」

下っ端A「中学生ぐらいだよな、あのガキ」

 「オジキの孫じゃねえのか?」

若頭「ばーか、全然ちげえよ」

下っ端B「若頭!」

下っ端A「孫じゃないってことは…、ハッ!」

 「オジキってロリコンだったんですかい!?」

若頭「ふんっ!」ドゴォッ

下っ端A「ごふっ」ドサッ

下っ端B「相棒!」


若頭「よかったな、カシラの前だったらこんなもんじゃ済んでねえぞ」

下っ端A「うげぇ……ごほっ、じゃ、じゃああのガキは一体……」

若頭「……用心棒だよ」

下っ端A「はい?」

下っ端B「ははっ、若頭も冗談なんか言うんですね」

若頭「冗談なんかじゃねえよ」

 「うちみたいな弱小の組がこの街ででかい顔できてんのも、全部姐御のおかげよ」

下っ端B「…馬路なんですか?」

若頭「後藤組は知ってるだろ?」

下っ端A「この街で一、二を争うあの後藤組ですか?」

若頭「そうだ」


若頭「組織のでかさも組員の質も桁違い」

 「こういっちゃなんだが、うちなんか足元にも及ばねえ」

下っ端B「はぁ…、その後藤組がどうしたんですか?」

若頭「昨晩潰れちまったよ」

下っ端A「は? それこそ冗談でしょう? あの後藤組がそんな簡単に」

若頭「正確には【潰しちまった】、だな」

下っ端B「…まさかとは思いますが、その潰した奴ってのは」

若頭「姐御だよ」

下っ端A「いやいやいや、いくら若頭の言うことでも信じらんないっすよ」

若頭「……ふっ、だろうな。俺もだ」

下っ端B「なんだ、やっぱ冗談じゃないすか。若頭も人が悪いっすよ」

下っ端A「それで、結局あのガキはオジキの孫なんですかい?」

 「それとも……」

パン! パン!

若頭「!!」


下っ端A「若頭、今の音…!」

若頭「ちっ、カチコミか?」

だだだだっ!!

組員「わかー!」

若頭「んなでかい声出さなくても聞こえてる! どこの組の奴らだ」

組員「わ、わかりやせん! それ以前に人間かどうか…」

若頭「どういう意味だ」

組員「妙なマネキンが扉ぶち破って入ってきやがってそれでぇ!」

若頭「マネキンだぁ? 寝ぼけてたわけじゃねえんだろうなぁ」

組員「わかんねえっすよ! ハジキも効かねえし…」

若頭「ハジキが効かねえだと?」

組員「催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃないんすよ!」

 「もっと恐ろしいものの片鱗というかなというか…」

がしゃん、がしゃん!

組員「っ! ぁ、あの音!」


がしゃんがしゃんがしゃん!

下っ端B「なんなんすかこの音は…?」

組員「奴だ…、奴の足音だ!」

人形「……」ガシャン

若頭「なんだありゃあ……」

下っ端A「ま、マネキンじゃないですか…?」

人形「……」ガシャン

下っ端B「ひっ! なんだあの動き、気持ち悪ぃ…」

若頭「なんだって構わねえか……」スッ

下っ端A「すげぇ…! 若頭のとっておき、デザートイーグルだ…!」

若頭「とりあえず沈んどけやぁっ!」

ドォン!!

――――

???「また銃声か。昨日潰した組でこの街の同業者は最後だったんじゃねえのかよ」

組長「そのはずなんですがね…」

 「生き残りの下っ端が報復にきやがったか…?」

???「いても一匹、二匹だろ。お前んとこの組員、どんだけ使えねえんだよ」

組長「す、すいやせん!」

??「う~ん、キョーコうるさいよぅ?」

杏子「あぁ、起こしちまったか。ゆま」

ゆま「ふわぁ~…。今何時だと思ってるの?」

杏子「まったく寝た子を起こしやがって、マジでどこのどいつだよ」

ばぁん! ・・・がしゃん!

杏子「あん?」

人形「……」ガシャン

組長「な、なんだこいつは…!」

若頭「すいやせん組長…、逃げてくだせえ…」ズル…

杏子「あぁ、わりぃわりぃ。お前らの客かと思ったらアタシらの客か」スッ

 「まさかいきなり餌に引っかかるなんてね。ツイてる」ヒュンッ!


人形「……」ガシャン

ゆま「ついてる? 何がついてるの、キョーコ。おまけ?」

人形「……」ガシャン

杏子「ラッキーって意味さ。獲物が罠にかかったんだよ」

人形「……」ガシャン

組長「あ、姐さん!」

杏子「なんだよ、せっかくいい気分だってのに」

組長「こいつをなんとかしてくだせえ!」

杏子「なんとかって……」

人形「…!△×□?○」ガガガガ…

杏子「とっくに殺っちまってるよ」クックッ

人形「」バキリ

組長「い、いつの間に…!」

若頭「さすが姐御…」




ゆま「キョーコ、楽しそうだね」

杏子「そりゃね。ようやく借りを返せるんだからな」

ゆま「それっていつも言ってるマミお姉ちゃんのこと?」

杏子「あぁ」



杏子「ルールを破ったのはお前だぜ、マミ」

 「顔洗って待ってろよな」クックックッ…


安定の見切り発車。
ヤのつく職業の勝手なイメージ、実際どんなとか知らんし。
おやすみZZZzzz

乙です。
展開が熱い。

落ちるんじゃないかとヒヤヒヤしたぞ

――――――――

ほむら「……ここは?」

キルス「ワタシの結界の中ヨ」

ほむら「お前はハコの魔女!」バッ

ほむら「…!? どういうこと…、身体が動かない…!」

キルス「何を言ってるのカシラ? アナタに身体なんて、もう『無い』じゃナイ」フフフ

ほむら「なっ…!」ゾッ…

ほむら(嘘…、身体が、私の身体が無い!?)

キルス「アナタに残ってるのは頭ダケ。弱い魔法少女にお似合いの格好ネ」

ほむら「ぁ…、あぁ…、そんな……」


仁美「暁美さん」

ほむら「!! 志筑仁美…、その姿は一体…」

仁美「醜いでしょう? 魔女に食べられてしまったんですの」

仁美「腕も、脚も、お腹も全部。残っているのは顔が半分だけ」

ほむら「魔女め、よくも彼女を…!」ワナワナ

仁美「悪いのは魔女? 本当に?」

ほむら「それは、どういうこと…?」

仁美「本当に悪いのは…、暁美さん、貴方ではないですか?」

ほむら「どうして、私が」

仁美「貴方が弱いから」

ほむら「私が弱いから…っ!」

仁美「どうして守ってくださらなかったんですか?」

ほむら「違う! 私は必死で守ろうと…!」


さやか「転校生」

ほむら「さやか!」

さやか「やっぱり負けちゃったんだ」

ほむら「私は必死で…!」

さやか「でも負けた」

ほむら「っ!」

さやか「あんたなんか信じるんじゃなかった!」

ほむら「私は、私は…!」


まどか「ほむらちゃん」

マミ「暁美さん」

ほむら「まどか! マミ!」

まどか「ほむらちゃんはやっぱり何をやってもダメなんだね」

ほむら「そんな…、私はあなたを守るために魔法少女に…」

マミ「守るために? あなたが魔法少女になってからどれだけの仲間を守れたっていうの?」

ほむら「そ、それは…!」

まどか「何度も何度も繰り返しているのに何も守れない。誰一人守れない」

マミ「あなたは魔法少女になるべきじゃなかった」

マミ「きっと才能がなかったんでしょうね。あなたに罪はないわ」

まどか「きっかけはわたしがほむらちゃんを助けたことだったよね」

まどか「あーあ、こんなことならほむらちゃんなんか助けなければ良かったよ」

ほむら「そんな、そんなこと言わないでよまどか!」

まどか「わたしの名前、気安く呼ばないでよ!」

ほむら「ひっ…!」


まどか「あなたなんかわたしの友だちじゃない」

マミ「私の弟子じゃないわ」

さやか「裏切りもの」

仁美「役立たず」

ほむら「やめて…、みんなやめてよ…、私はただ必死で…、みんなを守ろうと…」

ほむら「そのために強くなったのに…」

キルス「強くなっタ? 誰が? 自分の姿を見てみなサイ」

キルス「アナタは弱いからそんな姿で転がってるノヨ」

ほむら「う、うぅ…」

キルス「アハハハ、アーッハッハッハ」

キルス「腕も脚もお腹も、胸…はなかったワネ」クスクス

キルス「どの部位もあんまり美味しくなかったけれど、頭もちゃんと食べてアゲル」

キルス「さようなら脆弱な魔法少女」

あ~ん・・・!

ほむら「い……っ」

乙って言っていいの?寝落ち?

あう、ageすまぬ


ほむら「いやあああああ!!」バッ

ほむら「はぁ…はぁ…。え?」

しーん・・・

ほむら「こ、ここは…、巴マミの家…?」

シャル「うー、魔法少女さん飛び起きるからベッドから落ちちゃった」ヨジヨジ

ほむら「え…?」ピタ

シャル「おはよう、不味そうな魔法少女さんっ」ピョイ

ほむら「き……っ」


「きゃあああああああ!!」

パタパタパタ・・・

マミ「どうしたの暁美さん!?」ガチャ

ほむら「はぁ……はぁ……」←布団に包まってベッドの端に

シャル「むぎゅ~……」←枕と壁でサンドイッチ

マミ「……何があったのよ、もう」ハァ

ほむら「ま、マミ! こいつが私を食べようと…!」

シャル「シャルそんなことしないもん! おはようって挨拶しただけだもん!」

マミ「何でもいいから、二人とも顔洗ってきなさい。もうすぐ朝食ができるわ」

ほむら「話を聞いて! こいつが」

シャル「シャル悪くないもん! なのに」

マミ「いいから!」ギロリ

ほむシャル「「…っ! はい…」」スゴスゴ


マミホーム(朝食後)――。

マミ「魔女に食べられる夢を見て、寝起きにシャルちゃんが飛びついてきたからあんな悲鳴を?」

ほむら「……そうよ。哂いたければ哂えばいいわ」フン

シャル「あははは!」

ほむら「あなたは笑わないで!」

シャル「むぅ。でもやっぱりシャルは悪くなかったでしょ?」

マミ「そうね」

シャル「シャルは人間さんも魔法少女さんも食べないのに、不味そうな魔法少女さんは『弱虫』だね」

ほむら「…! 私は!」ガタッ

シャル「?」

ほむら「…なんでもないわ」

マミ「でもね、シャルちゃん。あんまり人に飛びつくのはよくないわ」

シャル「どうして?」

マミ「急に飛びつかれたらみんな驚いちゃうわ。それに転んだりして危ないの」

シャル「…わかった。マミお姉ちゃんの言うとおりにする…」ショボン

マミ「だから、私以外の人に飛びついたりしちゃダメよ?」

シャル「! うん!」ピョン!

マミ「シャルちゃんはいい子ね」


マミ「いい子いい子」ヨシヨシ

シャル「えへへ」スリスリ

ほむら「……はぁ」

マミ「暁美さん、どうかしたの?」

ほむら「いいえ。ただ…」ジィー

マミ「ただ?」

ほむら《冗談じゃなかったのね。魔女と姉妹ごっこなんて》

ほむら《魔女は元が魔法少女だから同情しているの?》

マミ《そういうわけじゃないわ。私はこの子を倒す必要がないから倒さないだけよ》ポンポン

シャル「…?」ニコニコ

マミ《ねぇ暁美さん。暁美さんはどうして魔女を退治するのかしら?》

ほむら《魔女を倒すのが魔法少女の使命でしょう?》

マミ《魔法少女だから、魔女を倒す、ね。……私はそうは思わないわ》


マミ《私は、魔女が人間を襲うから、魔法少女として魔女を倒しているの》

マミ《だから、この子が人間を襲わないって言うのならこの子を倒す理由が私には無いだけ》

ほむら《魔女を倒せばグリーフシードが手に入るわ》

マミ《グリーフシードも大事だけど、グリーフシードを得るために魔女を倒したくはないわ》

ほむら《なら、もしもグリーフシードがなくなったらあなたはどうするの? 魔女になるのかしら?》

マミ《えぇ。きっと》

ほむら《…本気で言っているの?》

マミ《もちろん本気よ。人間はグリーフシードなんかなくても生きていける》

マミ《だとしたら、生きるためにグリーフシードを手に入れるのは人間ではないわ》

ほむら《私たちは魔法少女よ》

マミ《身体はね。でも、心だけは人間のままでいたいの。おかしいかしら?》

ほむら《おかしいわ。滑稽で仕方ない》

マミ《そうかもしれないわ》

ほむら「…けど、理解できなくないわ」

マミ「暁美さん……。ありがとう」ウフフ


シャル「二人ともテレパシーでのお話終わった?」

マミ「えぇ。静かにしててくれてありがとうね、シャルちゃん」

ほむら「言っておくけれど、黙認はしても容認はしないわよ」

マミ「えぇ。それで十分よ」

マミ「さて、そろそろ時間ね。学校へ行きましょう」

ほむら「そうね」

マミ「シャルちゃんも一緒に行く?」

ほむら「ちょっと! それはいくらなんでも…」

シャル「ううん、シャル昨日生まれたばっかりで眠いからお留守番してる」

マミ「そう? 誰かきても扉を開けたりしちゃダメよ?」

シャル「うん、ずっとお昼寝してるから大丈夫」

マミ「それじゃ、いってきます」フリフリ

シャル「いってらっしゃーい」フリフリ

ほむら「……」スタスタ

マミ「待って」

ほむら「え?」


マミ「ほら、暁美さんもあいさつ」

ほむら「ど、どうして私が? ここは私の家じゃないわよ」

マミ「『ただいま』じゃないんだから、そんな細かいことは気にしないの」

マミ「朝、家から出るときは『いってきます』」

ほむら「……はぁ、あなたには借りがあるものね。そのぐらいはね」

マミ「借り?」

ほむら「……いってきます」チラッ

シャル「ちょっと不味そうな魔法少女さんもいってらっしゃーい」フリフリ

きぃ・・・パタン、がちゃり。

ほむら「さ、行きましょう」

マミ「えぇ」


マミ「ねぇ、暁美さん」

ほむら「何かしら?」

マミ「さっき言ってた『借り』ってなんのことかしら?」

ほむら「昨日のことよ。魔女に負けた私を助けてくれたのはあなたでしょう?」

ほむら「腕もすっかり元通り。感謝してるわ」

マミ「え、えぇ…」

ほむら「さやかや他の魔女に集められた人たちも無事だったのよね?」

マミ「えぇ、それはもちろん」

マミ「記憶操作は得意じゃないから、昨日のことをうろ覚えにさせたぐらいだけれど」

ほむら「…まだまだマミには敵わないわね」

マミ「急にどうしたの? この間は私より強くなったって豪語していたのに」

ほむら「自分の未熟さを思い知っただけよ」

ほむら「少し強くなったぐらいでいい気になって、馬鹿みたい」

マミ「…そうね。暁美さんは弱いわ」

ほむら「直接言われとイラッとくるわね」

マミ「ふふっ、ごめんなさい。でもね」


マミ「暁美さん、前に話してくれたでしょう? 何度も何度も世界をやり直してるって」

ほむら「えぇ、ワルプルギスの夜を倒すためだけに何百回とね」

マミ「それだけ長い時間を魔女にもならずに生き残り戦い続けてきた…」

マミ「それは強くなければできないことよ」

ほむら「私が…強い?」

マミ「確かに暁美さんの魔法少女としての実力はとても低いわ」

ほむら「え? 強いの? 弱いの?」アセッ

マミ「例えるなら、暁美さんは毒の塗られたナイフを持った子ども」

マミ「そして他の魔女や魔法少女はたくさんの武器で武装した大人、それぐらいの差はあるわね」

ほむら「いくらなんでもそれは言いすぎではないかしら?」フ、ファサ…

マミ「厳しいことを言ってるとは思うけれど、言い過ぎでもなんでもないのよ」

ほむら「そう……なの」ズーン…

マミ「でもね、その子どもは強い心を持ってる」

マミ「強くなる。生き残る。大事なものを守る。そして、絶対に諦めない」

マミ「それがたくさんの武器を持って慢心している大人との違い」

ほむら「マミ…」

マミ「今は弱くても、あなたはきっと強くなる。あなたが守りたいもの全てを守れる強い魔法少女に」

ほむら「そんなこと。言われなくてもそのつもりよ」

ほむら「私はそのために魔法少女になったのだから」ファサッ

筆が乗らない。
いろいろ伏線…というか兆し…というか、そういうのを表現したいんだけどどうにもうまくない。
この会話からそれを読み取っていただけれたらこんな嬉しいことは無い。
何気に《テレパシー》初使用
「会話」(心の声)『モノローグ、過去の会話、強調』《テレパシー》、こんな感じで使い分けてます
>>192
うん寝落ち、乙あり

乙!
筆が乗らないのなら筆ペンを使えばいいじゃない!

乙乙!

期待

続き待ってる

GW更新?

待ってる

まだか?

VIPのアニソンスレでアニソン聞きながら今書いてる

トリップ付けたら?

――――

学校――。

まどか「おはよう、ほむらちゃん」

ほむら「おはよう、まどか」

まどか「……」ジー

ほむら「? どうかしたの、まどか?」

まどか「あのね」ヒソヒソ

まどか「身体は大丈夫? 昨日、気を失った状態でマミさんがおんぶして帰ってきてたから……」ヒソヒソ

ほむら「恥ずかしいところを見られてたみたいね…。えぇ、マミのおかげでどこも痛いところはないわ」ヒソヒソ

まどか「よかったぁ…。昨日、ほむらちゃんとお別れしてからずっと心配で…」

ほむら「心配かけたわね。昨日は結局時間稼ぎしかできなかったわ」

ほむら「けど、みんなを守れた。あなたがマミを呼びに行ってくれたおかげで私も生きてる」

ほむら「ありがとう、まどか」

まどか「そんな、わたしは何もしてないよ…?」

ほむら「そんなことないわ。自分で気付いていないだけで、あなたはたくさんのことを私にしてくれたわ」ギュッ

まどか「ほ、ほむらちゃん!?」ハワワ


さやか「ヒューヒュー、朝から抱き合うなんておアツイねーお二人さん」ニヤニヤ

まだか「ひゃあっ! さ、さやかちゃん!?」バッ

ほむら「女の子同士で抱き合うぐらい別に普通でしょう。接吻してたわけでもあるまいし」ホムゥ

まどか「せ、せっぷ、えぇっ!?」

さやか「接吻ってまた古風ないい回しするね、ほむらは」

さやか「まどかもキスぐらいで慌てすぎ」ペシッ

まどか「あぅ」アイタッ

ほむら「さやか」

さやか「ん? 何?」

ほむら「昨日はごめんなさい。結局、私はあなたを最後まで守れなかった……」

さやか「うぇ!? ぁ、あー、そんなこと別に気にしなくてもいいって」

さやか「こうして無事に生きてるんだしさ」

ほむら「ありがとう。そう言ってくれると少しは気が楽になるわ」

まどか「そろそろホームルームだし、席に戻ろうよ」

さやか「そうだね」

ほむら「そうしましょう」

さやか「……?」

さやか(ちょっとぐらい怒るかなって思ってたけど、そうでもないみたい?)ホッ


屋上(昼休み)――。

マミ「ごめんなさい、待たせちゃったかしら」

マミ「って、あら?」

ほむら「……」ブツブツ

まどか「……」ツーン

さやか「あ、あはは…」

マミ「美樹さん、どうかしたの?」

さやか「いや、それが…」


――さっき、マミさんのテレパシーに返事した時のことなんですが…


さやか「ねぇねぇ、お弁当だけど屋上で食べない?」

さやか「マミさんが一緒にお昼食べようって」

ほむら「そうなの?」


まどか「今日は仁美ちゃんお休みだし、いいんじゃないかな?」

さやか「わかった。そう返事しとくね」

ほむら「返事? マミは携帯は持ってなかったと思うけど……」

さやか「うん、だからテレパシーで」

ほむら「……え?」

まどか「……え?」

さやか「えっ?」

ほむら「キュゥべえもいないのにテレパシーってあなた、魔法少女じゃあるまいし」ファサッ

さやか「……えぇ?」

まどか「さやかちゃん、まさか」

ほむら「……冗談よね?」

さやか「まどかにはまだ言ってなかったと思うけど、ほむらはマミさんから聞いてないの?」キラン

ほむら「ソウルジェムの指輪…!」ガクゼン

まどか「こんなのってないよ! あんまりだよさやかちゃーん!」ダッ

さやか「あぁっ、まどかー!」

ほむら「マモレナカッタマモレナカッタマモレナカッタマモレナカッタマモレナカッタ…」ブツブツ

さやか「ほむらもしっかりしてー!?」


さやか「ということがありまして…」

マミ「それで暁美さんは膝を抱えて陰気なオーラをまとってて」

マミ「鹿目さんはその隣で頬を膨らませて怒ってるわけね…」

さやか「っていうか、マミさん、昨日のこと何も話してないの?」

マミ「みんな無事だったって、それだけしか言ってないわね…」

マミ「魔女も私が倒したと勘違いしてたみたいで」

さやか「ちょっとぐらいフォロー入れといてくれても…」

マミ「だって暁美さん、美樹さんや鹿目さんが魔法少女になるの嫌がってたから訂正するのも怖くって」

さやか「うぐぐ…、勝手に魔法少女になったのは悪かったよほむらぁ」

さやか「まどかも黙ってたのごめんって。お弁当食べながらさらって言おうと思ってたんだって」

まどか「その発言がすでにおかしいよ、さやかちゃん」

ほむら「別にあなたが謝る要素は何もないわ…。私があなたを守れなかったのが悪いんですもの…」ドンヨリ

さやか「そ、それは違う! あたしはあたしのために魔法少女になったの!」

さやか「ほむらがあいつに勝ってたとか負けてたとか関係ないんだって」

さやか「だから、やっぱり謝らないといけないのはあたしの方で、」

マミ「はいはい、この話はここまで」パンパン

ほむら「マミ」

マミ「やっちゃったものは仕方ないわ。覆水盆に返らずよ」

マミ「過ぎたことで悔やむぐらいなら、お昼でも食べて気分転換しましょう。ね?」

ぐぅ~・・・

ほむら「くすっ、そうね。誰かさんのお腹と背中がくっつきそうみたいだし」

まどか「わ、わたしじゃないよ!?」

ほむら「誰もまどかのお腹と背中とは言ってないわよ?」

まどか「あっ…!」カァァ…

さやか「よしよし、お弁当食べようね、まどか」

まどか「さやかちゃん、ほむらちゃんのいぢわるっ!」プン

――――

まどか「えっ? それじゃあ、昨日さやかちゃんが倒した魔女が上条君を怪我させた犯人だったってこと?」

さやか「そう。だから、あの魔女だけはこの手で殺さないと気が済まなかったのよ」モグモグ

さやか「今思い出しても腹が立つ~!」ワナワナ

ほむら「要するに、私が魔女に喋る暇も与えずにぶっ潰していたら、さやかは魔法少女になっていなかったってことね。はぁ…」

さやか「そんな深い溜息つかないでよ…。あんまり落ち込んでると魔女になっちゃうよ?」

ほむら「その言葉、そっくりそのまま返すわ、美樹さやか」

ほむら「私は自分で自分のソウルジェムを砕けば魔女にはならないけれど」

ほむら「あなたのソウルジェムは砕けない、あなたの未来は魔女になることが確定してしまったのよ!」ビシィッ

さやか「な、なんだってー!?」ガタン

ほむら「卒業文集の『10年後の私』という作文に、あなたは『私は魔女になります』としか書けなくなったのよ!」

さやか「いや、そのりくつはおかしい」

わーわー! ぎゃーぎゃー!

まどか「二人ともすごくテンション高いけど、とても重い話ですよね?」ムグムグ

マミ「低いテンションで話すとソウルジェムが濁るから…、テンションが高いと少しはましなのよ」パクパク

まどか「へー、そうなんですか」

まどか「あっ、マミさんの卵焼き、おいしそう」

マミ「鹿目さんのキンピラもおいしそうね。交換しましょうか?」

まどか「いいですよ。それじゃ卵焼き、いただきまーす」パクッ

まどか「冷めてるのにふわふわでおいしい!」

マミ「鹿目さんのキンピラも味がしみてて美味しいわ」

ほむさや「「そっちだけ楽しそうでなんかずるい!!」」

マミ「食事は楽しく。重い話は後にしましょう」

まどか(食後でも重い話は嫌だなぁ…)


食後――。

マミ「確かに過ぎたことを悔やんでも仕方がないとは言ったけど、軽く考えて良いって意味じゃないのよ?」

さやか「だからって重く考えるのも良くないんでしょう?」

マミ「まぁ…それはね。重く考えるとソウルジェムが濁っちゃうし」

ほむら「あるがままを受け止めて、そういう生き物として生まれたと諦めるのが一番楽よ」

さやか「長年魔法少女やってるほむらさんの言葉は説得力あるなぁ」

ほむら「もしかしなくても馬鹿にしてるかしら? 美樹さやか」

さやか「馬鹿にはしてないけど、そんなすっぱりと切り替えられないってこと」

QB「やぁ。ずいぶんと非生産的な会話をしているね」ヒョコ

まどか「キュゥべえ!」

マミ「思ったより早かったのね。もういいの?」

QB「うん。みんな昨日のことは夢だと思ってるか、ほとんど覚えてないみたいだよ」

さやか「マミさん、キュゥべえに何か頼んでたの?」

マミ「えぇ、魔女に操られていた人たちが昨夜のことをきちんと忘れているか確認してもらっていたの」

QB「魔女や魔法少女のことを知っていると、それだけでこちらの世界に近くなるからね」

QB「記憶を消しておかないと魔女や使い魔に襲われる確率は大きく跳ね上がるんだ」

さやか「へぇ、そういうのも魔法少女の仕事なんだ?」

まどか「なんだ?ってさやかちゃんもその魔法少女になったんだよね…?」

さやか「いやぁ、さやかちゃんは昨日魔法少女になったばっかりの新米なもんで」タハハ…


QB「ごめんね、さやか。君への魔法少女の説明が後回しになってしまって」

QB「本当は魔法少女になってすぐにきちんと説明するべきだったんだけど」

さやか「あ、ちゃんとそういうのも説明してくれるんだ?」

QB「君たちのことは何万年と観察してきたからね。何を説明すべきで、何を説明しなくていいかは心得ているよ」

ほむら「……」ジー

QB「どうかしたかい、暁美ほむら?」

ほむら「つい1周前のあなたとさえ全然違うものだから…、ほんとにあのインキュベーターなのか不安になってきただけよ」

QB「失礼だな。今まで君が接してきた僕も本質的には同じはずだよ」

QB「目標を達成しているかしていないか、それだけの違いさ」

QB「目標を達成しているこの世界での僕は、地球の正常化……、つまり魔女と魔法少女の根絶が目的だからね」

まどか「難しい話してるときのキュゥべえって可愛くないね…」

さやか「うん、あたしも同じこと思ってた。っていうかあたし根絶させられるみたいなんだけどさ」

QB「あぁ、言い方が悪かったね。根絶と言っても死滅させようってわけじゃないんだ」

QB「魔女にならず魔法少女のまま一生を遂げてもらいたいって意味だよ」

ほむら「…? それは具体的にどういうことかしら?」


ほむら「魔法少女の結末は絶望して魔女になるか、ソウルジェムが砕けて死ぬかのどちらかじゃないの?」

ほむら「この世界の魔法少女はソウルジェムが砕けないから、必ず魔女になる……違うの?」

QB「うん? …あぁ、そうか。目標を達成する前の僕から説明を受けているということは、君も知らないのか」

ほむら「私が知らないことって一体、」

キーンコーンカーン・・・

QB「予鈴だね。そろそろ教室に戻ったほうがいいよ」

ほむら「待ちなさい。その前に今の話、最後まで聞かせなさいよ」

QB「どうせ長くなるから放課後にしようよ」

QB「ほむらは平気でも、さやかは授業を休んでも平気なほど成績が良いわけじゃないからね」

さやか「ぐぬぬ、本当のことだけに反論できない…」

ほむら「あなたの頭が悪くなければ…」ギリギリ

さやか「そこで恨まれるのはさすがに筋違いでしょ!?」

QB「どっちにしたって授業は休まずに出ておいた方が、内申に響かず高校受験で苦労せずにすむよ」

さやか「正論だけど釈然としないのはなんでだろうね」

まどか「さやかちゃん、わたしも同じ気持ちだよ」

QB「じゃあ僕はマミの家で待機しているよ。あの魔女はマミの家にいるんだろう?」

マミ「『魔女』じゃなくて『シャル』ちゃん。女の子をちゃんと名前で呼んであげない男の子は嫌われるわよ」

QB「なら次からは名前で呼ぶようにするよ。じゃあね」ピョン


マミ「あっ、キュゥべえ! 話はまだ……もう、また勝手に話を進めて」

マミ「キュゥべえはああ言ってたけど、みんな放課後に用事はないかしら?」

ほむら「えぇ、私は問題ないけど」チラッ

さやか「えっ、あたし?」

ほむら「お見舞い、行くんでしょう?」

さやか「う、うん…。あたしの願いがちゃんと叶ったか確認したいし……」モジモジ

まどか「さやかちゃんが魔法少女になる時の願いって、やっぱり上条君の怪我のこと?」

さやか「まぁね。っていうか、やっぱりとか言うな」

マミ「それじゃあ、キュゥべえに言って明日にしてもらった方がいいかしら?」

さやか「うーん、ちょっと遅くなっちゃうけど、恭介の顔見てすぐマミさんの家に行く、っていうのはダメですか?」

マミ「私は別にそれでも構わないわよ。でもいいの?」

マミ「もし、怪我が良くなってるんだったらゆっくり話でもしたいんじゃない?」

さやか「恭介も大事だけど、魔法少女のことも大事だから。あんまり長く話してると魔法のこととかポロっと漏らしちゃいそうだし」

ほむら「私とまどかは直接マミの家に行くわ。こういうのは一人の方がいいでしょう?」

さやか「うん、そうだね。ありがと、ほむら」

マミ「放課後の予定も決まったし、早く教室に戻りましょう。本鈴がなってしまうわ」

まどか「はい!」

――――

マミホーム――。

がちゃ。

マミ「ただいま。キュゥべえ、シャルちゃん」

まどほむ「「おじゃまします」」

QB「おかえり、マミ。それとまどかにほみゅっ」フミッ

シャル「マミー、おかえりー♪」ピョン

マミ「ただいまー、シャルちゃん」ギュゥ

QB「ひどいなあ、マミに飛びつくなら僕を踏みつけなくてもいいと思うんだけど」イテテ

ほむら「あなた、嫌われてるの?」

QB「好かれてはいないと思うね。それとも君たちの文化で言うツンデレという奴なのかな」

まどか「たぶん違うと思うよ」

QB「ところでさやかの姿が見えないけど、一番話を聞かないといけない彼女がいないのはどういうことだい?」

まどか「さやかちゃんは病院だよ」

ほむら「自分の願いが叶ったか確かめたいんですって」

QB「僕がちゃんと願いを叶えたか疑ってるってことかい? 心外だよ」

ほむら「これであなたの夢は叶いました、なんて言われても自分の目で見るまで信じられないものよ。奇跡なんてものは特にね」

QB「そういうものかい? 覚えておくとするよ」


ほむら「けど、上条君の顔を見たらすぐこっちにくるって言ってたから、もうすぐ現れると思うわ」

まどか「えー、いくらさやかちゃんが脚が速くても早すぎるよぅ」

まどか「学校から病院まで走って行っても15分はかかるし、そこからマミさんの家まで20分だよ?」

まどか「上条君とお話してたらもっとかかるし、いくらなんでもこんなに早くこられないよ」ティヒヒ

ほむら「甘いわね、まどか。今のさやかは魔法少女よ」

ほむら「病院まで10分、上条君に会って、彼の腕が良くなってることを話したくて10分でここまでくるわ」

ほむら「学校からマミの家まで徒歩で20分ちょっとかかったから、」

ガチャッ!

さやか「おじゃましますッ!」ダン!

まどか「うわっ!」ビックリ

ほむら「ほらね」

マミ「いらっしゃい。早かったわね、美樹さん」

さやか「聞いて聞いて! 恭介の腕、ちゃんと良くなってた!」ヒャッホーイ

まどか「ほんとだ…。わたしよりさやかちゃんのこと知ってるみたいでなんか悔しい…」ムゥ

さやか「えぇー、なんでまどかは頬膨らませてんの? 恭介が病院の壁をウォールクライミングしてたんだよ!?」

さやか「お見舞いに行ったらこっちに向かって『おーい!』手を振ってくれて……、その後、看護師さんに怒られてたけど」

ほむら「昨日の今日で元気になりすぎでしょう!?」

さやか「そればんざーい!」

まどか「きゃぁっ! さ、さやかちゃん!?」

さやか「ばんざーい!」

ほむら「はぁ、わかったから落ち着きなさい。マンションなんだから隣近所の迷惑よ」

さやか「ごめんなさいマミさん。でもあたし嬉しくって…!」

マミ「それだけ嬉しかったってことよね、美樹さん」

さやか「はいっ!」ヒョーゥ

――――

QB「さて、さやかも落ち着いたことだし、初めての魔法少女ガイダンスを始めようか」

さやか「何そのネーミングセンス」

QB「まず、魔法少女の生態について話そうか」

さやか「スルーするんだ」

ほむら「静かにしなさい、美樹さやか。メモ取ってるんだから…」ガリガリ

さやか「あ、はい」

QB「魔法少女になったことで君たちの魂は身体から抜き出され、ソウルジェムへと移し変えられた」

QB「これにより君たちは『魔法』という条理を覆す術を行使する力を得たわけだ」

QB「ここまでは魔法少女になる前にも説明したね」

さやか「うん」

QB「じゃあ具体的にその『魔法』で何ができるかといえば……、何ができると思う? さやか」

さやか「え? えーっと、魔法って言うぐらいだから何でもできるんじゃないの?」

QB「うん、その通り。『魔法』は相応の魔力さえ消費すればなんだってできるのさ」

QB「君たちが望めば生き物の生き死にさえ覆すことが出来る」

まどか「そんなことまでできるの!?」

QB「理論上はね。命なんてそれだけ軽いと捉えることもできるし、魔法がそれだけ恐ろしいものとも言えるよ」

QB「僕は君たちがどんなことに魔法を使おうと口を挟むつもりはないが、自分が使う魔法の本質は知っておいたほうがいいよ」


QB「次は、『魔法』の使い方だよ。さやか、ちょっと変身してみてくれるかい」

さやか「おっけー」ヘンシン

さやか「っと。さやかちゃん、魔法少女フォームっ」スタッ

まどか「これがさやかちゃんの魔法少女姿かー」ジー

さやか「ちょっ、まどか! そんなまじまじと見ないでよ、恥ずかしいじゃんか///」

まどか「あっ、ごめんね。可愛かったからつい…」

さやか「かっ、かか可愛いとか言うなー」クルン

まどか「うぇひひ、さやかちゃんマントに包まっちゃった」

ほむら「……」スッ、ヘンシン

ほむら「どうかしら、まどか」ファサッ

まどか「え、えっと……かっこいいよ?」

ほむら「ありがとう、まどか」ファサッ

QB「次の説明、いいかな?」

ほむら「えぇ、早く進めてちょうだい」ヘンシンカイジョ


QB「じゃあ、さやか。剣を創ってくれるかな」

さやか「剣を、創る?」

QB「うん、剣を持っている自分を強くイメージする感じだよ」

さやか「こう、かな…?」ムムム

ぽんっ!

さやか「あっ、できた。案外簡単だね」

QB「じゃあ今度は銃を創ってくれるかな」

さやか「そのくらいよゆーよゆー」ムムム

ぽんっ!

さやか「ありゃ?」

まどか「それ何?」

さやか「たぶん、拳銃……の形をした折り紙」

QB「これが魔法の使い方と適性だよ」

さやか「魔法の使い方はなんとなく分かったけど…適性って?」

QB「魔法少女によって使う魔法の得意不得意があるんだよ」

QB「今、さやかは剣は簡単に創り出す事ができたけど、銃を創るのには失敗したよね」

QB「これは君が剣を創るのは得意だけど、銃を創るのは不得意な魔法少女だからなんだ」


さやか「じゃああたしはマミさんみたいに銃で戦うことはできないってこと?」

QB「そういうわけじゃないよ。あくまで不得意ってだけで、練習すれば銃で戦えるようにもなるよ」

マミ「美樹さんは、私みたいな戦い方が好みなの?」

さやか「うーん、マミさんみたいに優雅な戦い方も憧れるけど、あたしは剣で戦う方が合ってる気がするなぁ」

QB「魔法少女になりたての頃は得意な魔法を使った方が戦いを有利に進められると思うよ」

QB「あ、もう変身は解除していいよ」

さやか「ほいっと」カイジョ

QB「次は魔力と穢れについて説明するけど、ここまでで質問はあるかい?」

さやか「んー、特にないよ」

ほむら「今のところ、私が過ごしてきた世界と同じみたいね」

ほむら「けど、一つだけいいかしら?」

QB「なんだい、ほむら?」

ほむら「『固有魔法』については話さないの?」

QB「……」

さやか「何? その固有魔法って?」

ほむら「さっきの魔法適性に近いものよ。契約した時から練習せずに使える魔法で、私なら時間の停止」

マミ「私なら治癒魔法ね」

ほむら「これは契約の時の祈りによって変わるものなのだけれど……」

QB「それについては、できれば話したくなかったんだよ。ほむら」

ほむら「あっ…!」ハッ

さやか「できれば話したくなかったって、どうしてよ?」

さやか「自分が使える魔法は知っていた方が戦いが有利に進められるんじゃないの?」


QB「固有魔法の存在を聞いてしまった以上、ちゃんと話したほうが良いだろうね」

QB「今ほむらが説明したように、固有魔法というのは契約時の祈りによって付加される特殊能力だよ」

QB「特殊能力と言っても、魔力の消費が少なく高い効果が得られるという程度なんだけどね」

QB「戦いにおいて有効な武器になるかどうかは、また別の話で」

さやか「御託はいいから! あたしはどんな魔法が使えるのよ?」

QB「……君の場合、他者への癒しの祈りで魔法少女になったから自己治癒が固有魔法になるよ」

さやか「自己治癒? 怪我とかしてもすぐに治っちゃうってこと?」

QB「うん。骨折や筋肉の断裂程度ならものの数秒で完治してしまうよ」

さやか「うへぇ、怪我してもすぐに治るって言うのは嬉しいけど、そもそも怪我なんてしたくないなぁ」

QB「さやか、その考えは大事にして欲しい」

QB「君と同じ固有魔法を得た魔法少女は過去に何人もいるが」

QB「怪我なんてすぐに治るからといって無茶な戦い方をして自滅した魔法少女をたくさん見てきた」

さやか「そういう話を聞いたら尚更怪我なんてしたくなくなったよ」ブルッ

QB「うん、それが君のためだよ」

ほむら「悪かったわね、あなたの気遣いを無駄にしてしまって」

QB「気にすることはないさ。話さずにおこうと考えたのは僕の勝手な判断だしね」

QB「話さなかったことでもしかしたら悪い方向に転んでいたかもしれない。未来のことは誰にも分からないよ」


QB「じゃあ今度こそ魔力と穢れについて話すよ」

さやか「お願いします」

QB「まず魔力だけど、これは魔法を使う上で必要なものだよ」

QB「契約直後の魔力の多い少ないは才能で左右されるけど、魔法少女として成長すればそのキャパシティは拡張され続けるから心配ないよ」

さやか「ゲームで例えるならMP(マジックポイント)みたいのものって認識でいい?」

QB「MPと言うよりもどちらかと言えばHP(ヒットポイント)に近いかな」

QB「君たちの身体は微量とは言え魔力を消費して動いているわけだから、魔力がなくなれば身体はピクリとも動かなくなってしまうね」

さやか「えっ、そうなの!?」

QB「魂のない身体が動いているなんて魔法か奇跡でもなければありえないよ」

QB「だから魔力の消費はできるだけ抑えて、無駄の無い戦いを心がけた方がいいよ」

さやか「覚えておきます。ちなみに、その自分の魔力って言うのはどうやって確認したらいいの?」

QB「経験と熟練で感じ取るものだからね、ゲームみたいに数値で確認する術はないんだけど…」

QB「ソウルジェムの輝き具合が一様の目安にはなるかな」

さやか「ソウルジェムの輝き具合?」キラン

さやか「これはどういう状態なの? あたし、昨日魔女と戦って魔力使ったと思うんだけど」ペカー

QB「魔力は十分、少なくはないみたいだね。休めば回復するものだし、一晩経ったからほとんど全快だと思うよ」

QB「魔力が少なくなってくるとこの輝きがどんどんと弱まっていくから、輝きが弱いなと感じたら無茶は控えるようにした方がいいよ」

さやか「うん、わかった」


QB「今度は穢れについて、これは魔力を消費すると溜まってくる老廃物みたいなものだ」

QB「ソウルジェムに穢れが溜まってくると、魔法がうまく使えなくなってしまったり、穢れを溜め込みすぎると魔女になってしまうんだ」

さやか「うん、それは知ってるよ」

QB「そしてどのくらい穢れを溜め込むと魔女になってしまうかは、魔力が関係してくるんだ」

さやか「魔力が?」

QB「魔法少女の魔女化は残りの魔力を穢れが上回った時に起きるんだ」

QB「穢れはソウルジェムの輝きを阻害してしまうから、それを目安に穢れでソウルジェムの輝きがかき消されてしまったら魔女になると思っていい」

QB「残り魔力が多ければ多少の穢れでも魔女になることはないけど、あまり魔力を消費していると少ない穢れでも魔女になってしまうから注意してね」

さやか「はい、注意します!」

QB「そして穢れを祓う方法は唯一つ、魔女を倒して手に入るグリーフシードさ」

QB「穢れがどれだけ払えるかは魔女の強さによって変わるから、より強い魔女を倒した方が上質のグリーフシードを手に入れやすいよ」

QB「けど、そのために自分がより多くの魔力が消費していたら意味がないからね。とにかく無理をしないことが大切だ」

QB「さて、ここまでで質問はあるかい?」

さやか「うん、大丈夫。キュゥべえって説明うまいね」

QB「だてに魔法少女のサポート役をやってないからね、頭が悪い子への説明の仕方も心得てるよ」

さやか「ふーん、そうなん…、ん?」

QB「次が最後の説明…、ほむらが聞きたがってた魔法少女の最期についてだ」

ほむら「!」

さやか「ねぇまどか、今あたし馬鹿にされた?」

まどか「さぁ?」ニコニコ


QB「魔法少女の迎える最期は3つに分けられる」

QB「一つ目は魔女化。さっきも説明したようにソウルジェムが濁りきってしまうことのが原因だね」

QB「魔法少女となった君たちは怪我や病にかかっても、ソウルジェムが魔力を消費して直してしまうから」

QB「例え首が飛ぼうと心臓を潰されようとも自動で修復が行われ魔力を消費してソウルジェムが濁り魔女になってしまう」

QB「二つ目は魔女に食べられてしまうこと」

QB「例え魔女でもソウルジェムを砕くことはできないが、ソウルジェムから魔力を吸収することはできる」

QB「魔女にとって大量の魔力や、場合によっては穢れも溜め込んでいるソウルジェムは最高のご馳走だ」

QB「魔力を失ったソウルジェムは、その瞬間に魂が燃え尽きて死を迎えることになる」

さやか「ふーん…」チラッ

シャル「…? あっ、シャルはソウルジェムなんて食べないよっ!」フン!

さやか「ちょっ、何も言ってないじゃん」

マミ「目が疑ってたわよねー?」ヨシヨシ

シャル「ネー」ニコニコ

さやか「マミさんもそっち側なんだ…。まぁそうしてる分には悪い魔女には見えないんだよねぇ」

まどか「てぃひひ、仲良しでほんとの姉妹みたいだよね」

シャル「姉妹だもんネー」

マミ「ねー」


ほむら「…それで、三つ目は?」

QB「三つ目は……、魂の自然昇華。老衰死だよ」

ほむら「老衰? 病はソウルジェムが自動で治してしまうんじゃないの?」

QB「老衰は病じゃないよ。その人の寿命だからね」

QB「ただ老衰と言っても、肉体の衰えじゃなくて魂の衰えだから少し違うんだけど」

QB「そのときを迎えれば苦しむことなく安らかに逝けるはずだよ」

さやか「それじゃああたしは魔女にならずに済むってこと!?」

QB「うん、これからの戦いを生きぬくことさえできればね」

ほむら「それは…、私にもあてはまるの…?」フルフル

QB「若干システムが異なっているとは言え、根幹は同じみたいだしそのはずだよ」

ほむら「ほんとに…? 私、死ななくてもいいの? ソウルジェムを砕かなくてもいいの……?」ポロッ

さやか「ほ、ほむら!?」

マミ「暁美さん、あなた……」

ほむら「私…、ワルプルギスの夜を倒したら、まどかたちを守れたら、いつか魔女になる魔法少女は死なないといけないってずっと…」ポロポロ

まどか「ほむらちゃん…!」

マミ「大丈夫よ、暁美さん。あなたは生きていてもいいの、みんなを守るために頑張ってる人が死ぬ必要なんてないのよ」ギュ

まどか「わたし、これからもずっとほむらちゃんと一緒にいたいよ。だからそんなこと言わないで!」

さやか「そうだよ、ほむら。あたしらほむらと会ってまだ一ヶ月も経ってないんだよ、そんな寂しいこと言わないでよ」

マミ「私もあなたも、美樹さんだって。魔女に負けたりなんかしないし、魔女になったりもしないわ」

ほむら「うん……、うん…!」ポロポロ

QB「君たち魔法少女の魂の寿命は長くても100年……、長く苦しい人生になることだろう」

QB「けど君には一緒に戦う仲間がいる。苦しい時に支えあえる仲間がいるんだ」

QB「だからきっと大丈夫だよ、僕もできる限りのサポートはさせてもらうからね」

設定の説明回、必要かどうかは不明、読み飛ばし可(ぉぃ
早くインフレしたいインフレシタイインフレシタイインフレシタイ……

乙です
説明回が終わったならインフレしかないじゃない!貴方も!読み手も!

読者のインフレってどうすりゃ、おおおぉぉつうううぅぅぅぅッッ!!ポーヒー

乙です

残業のインフレの先にあるのは無職だと知った26の初夏

>>238
何があった
まさか職無しの理に導かれてしまったのか?

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>>151>>54>>48>>46>>44>>36>>7>>238>>124>>179>>242>>255>>253>>130>>88>>142>>233>>218>>169>>209>>239
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>>90>>53>>71>>7>>222>>280>>246>>185>>262>>220>>83>>172>>120>>160>>51>>152>>2>>80>>237>>191>>155>>66
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>>249>>130>>62>>150>>178>>163>>252>>168>>115>>245>>135>>15>>277>>181>>79>>128>>240>>83>>74>>90>>271
>>86>>242>>134>>34>>155>>211>>69>>79>>113>>17>>208>>174>>166>>86>>37>>117>>253>>152>>62>>87>>166
>>268>>245>>166>>207>>27>>240>>297>>298>>135>>83>>240>>269>>116>>94>>180>>184>>173>>292>>201>>80
>>67>>166>>202>>184>>118>>53>>245>>205>>219>>283>>173>>163>>149>>80>>190>>89>>76>>187>>223>>158
>>192>>274>>221>>71>>158>>93>>62>>58>>173>>227>>124>>38>>128>>7>>156>>181>>252>>61>>99>>235>>233
>>84>>12>>151>>172>>87>>37>>95>>245>>164>>286>>219>>84>>56>>76>>176>>117>>133>>48>>44>>257>>85>>171
>>240>>52>>215>>1>>150>>150>>233>>111>>233>>244>>261>>105>>31>>298>>199>>276>>161>>184>>194>>244

>>30>>6>>37>>120>>143>>204>>194>>118>>267>>16>>298>>9>>111>>75>>182>>126>>34>>10>>239>>217>>114>>33
>>59>>155>>175>>31>>270>>217>>122>>32>>246>>127>>68>>66>>270>>271>>260>>88>>237>>276>>85>>246>>86
>>128>>212>>193>>138>>151>>110>>251>>183>>270>>10>>38>>144>>40>>7>>61>>162>>38>>7>>289>>106>>72
>>77>>32>>46>>14>>7>>131>>260>>92>>290>>87>>3>>183>>224>>153>>292>>175>>36>>261>>184>>73>>105>>224
>>166>>85>>117>>172>>74>>223>>244>>31>>299>>275>>76>>13>>281>>207>>272>>72>>196>>59>>75>>79>>283
>>70>>157>>263>>31>>41>>36>>136>>264>>115>>1>>49>>232>>173>>122>>154>>116>>153>>153>>90>>229>>166
>>135>>137>>143>>31>>195>>217>>109>>177>>145>>179>>34>>108>>210>>74>>143>>45>>38>>257>>46>>86>>189
>>208>>42>>33>>61>>195>>123>>289>>60>>193>>124>>196>>35>>154>>91>>252>>263>>268>>96>>141>>1>>204
>>75>>46>>95>>112>>3>>141>>198>>192>>58>>105>>233>>91>>166>>128>>214>>154>>187>>107>>278>>83>>141
>>174>>93>>94>>142>>189>>234>>142>>92>>284>>217>>138>>79>>28>>141>>219>>225>>32>>277>>30>>265>>68
>>92>>281>>49>>279>>87>>26>>62>>228>>157>>236>>20>>250>>77>>208>>184>>219>>299>>167>>135>>137>>246
>>277>>164>>87>>8>>140>>116>>272>>207>>11>>64>>188>>59>>43>>274>>85>>104>>201>>241>>39>>220>>191
>>128>>74>>34>>127>>241>>168>>263>>186>>29>>239>>50>>115>>247>>190>>231>>219>>97>>241>>282>>284
>>25>>257>>84>>128>>158>>25>>167>>78>>216>>282>>205>>289>>15>>31>>230>>182>>294>>115>>211>>232>>165
>>178>>54>>256>>97>>150>>197>>79>>133>>196>>103>>90>>280>>231>>248>>5>>98>>25>>220>>79>>230>>209
>>261>>138>>276>>254>>253>>187>>186>>117>>212>>64>>171>>167>>160>>20>>64>>238>>153>>259>>40>>243
>>271>>190>>244>>68>>215>>164>>147>>145>>72>>240>>106>>210>>216>>59>>163>>102>>245>>280>>13>>8>>150
>>168>>169>>244>>106>>22>>202>>146>>264>>141>>116>>153>>84>>183>>68>>248>>29>>212>>19>>269>>17>>229

>>294>>292>>169>>271>>273>>15>>132>>151>>65>>155>>148>>298>>16>>185>>69>>232>>227>>211>>216>>168
>>300>>20>>44>>249>>76>>63>>40>>45>>203>>279>>39>>194>>147>>10>>167>>162>>141>>17>>226>>296>>165
>>11>>50>>292>>242>>276>>202>>157>>144>>89>>157>>163>>132>>105>>238>>195>>145>>283>>98>>123>>22
>>270>>31>>158>>131>>171>>175>>56>>167>>40>>279>>178>>89>>270>>119>>64>>172>>276>>208>>261>>133>>70
>>238>>8>>288>>82>>291>>85>>204>>12>>77>>173>>42>>234>>3>>213>>108>>59>>80>>148>>38>>257>>236>>8
>>300>>179>>52>>207>>140>>184>>277>>233>>122>>284>>220>>204>>275>>5>>107>>286>>81>>280>>28>>15>>283
>>123>>42>>19>>270>>79>>276>>205>>86>>51>>205>>265>>102>>111>>104>>286>>88>>36>>108>>72>>256>>11
>>260>>117>>31>>41>>97>>59>>55>>80>>298>>177>>121>>17>>146>>199>>292>>51>>285>>43>>255>>249>>145
>>52>>130>>153>>88>>237>>224>>43>>247>>270>>3>>64>>300>>43>>161>>59>>97>>241>>56>>273>>61>>73>>119
>>65>>169>>244>>107>>124>>192>>252>>190>>244>>81>>42>>31>>18>>266>>74>>265>>235>>76>>29>>235>>118
>>293>>214>>130>>49>>187>>190>>122>>6>>150>>186>>175>>93>>293>>298>>285>>244>>187>>228>>25>>229
>>43>>195>>32>>8>>130>>107>>36>>65>>225>>226>>57>>139>>55>>106>>26>>245>>227>>31>>94>>113>>205>>186
>>202>>170>>50>>89>>98>>75>>18>>56>>118>>212>>88>>125>>42>>195>>161>>106>>119>>86>>162>>257>>140
>>282>>84>>195>>13>>177>>8>>217>>63>>114>>119>>233>>163>>208>>30>>238>>225>>86>>55>>137>>174>>179
>>68>>39>>283>>187>>124>>145>>144>>264>>112>>125>>47>>7>>138>>224>>14>>54>>287>>128>>173>>219>>290
>>249>>228>>4>>35>>282>>141>>208>>160>>18>>275>>199>>1>>161>>23>>145>>4>>286>>257>>129>>33>>264
>>256>>277>>20>>243>>105>>192>>161>>94>>271>>110>>22>>275>>144>>3>>115>>52>>163>>133>>27>>61>>133
>>84>>278>>191>>69>>234>>20>>101>>197>>286>>57>>174>>5>>299>>278>>197>>160>>72>>168>>270>>93>>143
>>95>>257>>165>>258>>90>>191>>19>>222>>78>>102>>199>>268>>171>>133>>288>>271>>29>>273>>28>>203>>278
>>180>>174>>186>>252>>41>>155>>44>>184>>268>>139>>140>>132>>96>>230>>23>>115>>152>>100>>216>>50>>68
>>183>>55>>57>>211>>27>>84>>114>>4>>110>>293>>178>>295>>244>>219>>149>>288>>102>>116>>126>>242>>248
>>171>>271>>36>>22>>70>>252>>72>>138>>38>>254>>192>>94>>165>>219>>177>>278>>222>>286>>271>>100>>281
>>18>>129>>202>>119>>245>>28>>60>>193>>250>>230>>163>>285>>252>>232>>237>>23>>69>>274>>276>>261>>68

なにこれ怖い

>>238
頑張れ…!
負けるな…!!

このままでは、来週には消えてしまう……

ほっしゅ

やっばい、すごく落ちそうだ。

こんどこそ、三度目の正直、完走してほしいのに

もう2ヶ月かよ・・・
ちょっとだけ、あとちょっとだけ待って
今週末には何とかあんこちゃん出したい

期待してる

もういつとか言うのはやめよう・・・
必ず完結させるからそっとしておいて下さい・・・

期待

あかんパターンはいっとるで

大丈夫だ、絶対帰ってくるさ……!

何も言わないけど保守

もうちょっとだけ・・・俺に時間を・・・

>>257
2ヶ月に一回書き込みさえしてくれたら
1ヶ月ルールが適用されないように保守するから

ゆっくりでもいいから納得の行くように書いてくれ

保守

ほしゅ

職決まったけど自分で書いたここまでのあらすじ覚えてないや

>>261
読めよ…読んでくれよ…

捕手

ここ作者以外の保守意味ないぞ

一応一月何の書き込みもなかったら落ちるぞ

a

続きいつになったら書けるんだろう・・・

今でしょ

どうした?

まだ

早く

ずし

まだ

これにて終わりになります。
支援&読んでくれてありがとうございました!
また、機会があればよろしくお願いします!

なんでやねん

a

a

>>275
消えろ

>>278
あげんな

>>106>>190>>14>>241>>139>>17>>97>>15>>69>>6>>65>>204>>101>>212>>110>>42>>203>>184>>3>>115>>216>>298
>>174>>192>>67>>98>>14>>141>>154>>192>>246>>43>>206>>186>>181>>223>>282>>196>>291>>288>>261>>195
>>173>>4>>131>>75>>188>>134>>189>>104>>131>>28>>277>>22>>94>>74>>35>>235>>227>>227>>180>>270>>132
>>151>>54>>48>>46>>44>>36>>7>>238>>124>>179>>242>>255>>253>>130>>88>>142>>233>>218>>169>>209>>239
>>283>>274>>198>>210>>201>>77>>180>>32>>143>>30>>86>>190>>75>>130>>225>>81>>67>>49>>260>>9>>3>>212
>>90>>53>>71>>7>>222>>280>>246>>185>>262>>220>>83>>172>>120>>160>>51>>152>>2>>80>>237>>191>>155>>66
>>236>>133>>164>>195>>142>>166>>107>>280>>256>>159>>51>>262>>81>>30>>208>>266>>291>>128>>48>>163
>>207>>213>>99>>209>>292>>36>>100>>146>>102>>215>>82>>235>>78>>276>>77>>244>>82>>56>>199>>241>>106
>>22>>136>>68>>287>>127>>196>>35>>289>>143>>242>>201>>242>>150>>193>>278>>249>>39>>80>>164>>120>>14
>>95>>91>>184>>177>>147>>83>>117>>252>>243>>138>>88>>11>>125>>214>>206>>160>>202>>49>>102>>102>>290
>>294>>267>>201>>32>>46>>64>>152>>60>>5>>246>>150>>189>>122>>296>>271>>239>>248>>214>>77>>35>>224
>>249>>130>>62>>150>>178>>163>>252>>168>>115>>245>>135>>15>>277>>181>>79>>128>>240>>83>>74>>90>>271
>>86>>242>>134>>34>>155>>211>>69>>79>>113>>17>>208>>174>>166>>86>>37>>117>>253>>152>>62>>87>>166
>>268>>245>>166>>207>>27>>240>>297>>298>>135>>83>>240>>269>>116>>94>>180>>184>>173>>292>>201>>80
>>67>>166>>202>>184>>118>>53>>245>>205>>219>>283>>173>>163>>149>>80>>190>>89>>76>>187>>223>>158
>>192>>274>>221>>71>>158>>93>>62>>58>>173>>227>>124>>38>>128>>7>>156>>181>>252>>61>>99>>235>>233
>>84>>12>>151>>172>>87>>37>>95>>245>>164>>286>>219>>84>>56>>76>>176>>117>>133>>48>>44>>257>>85>>171
>>240>>52>>215>>1>>150>>150>>233>>111>>233>>244>>261>>105>>31>>298>>199>>276>>161>>184>>194>>244

何これ

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