男「つかれた…」(65)

男「幽霊なんているわけねえだろ」

友「まぁそう言うなよ。せっかくの青春。高2の夏じゃねえか」

幼友「そうだよ!肝試しなんて楽しいじゃん!」

幼「そ…そうだね!せっかくの夏休み最後だしね」

友「というわけでやってきました!地元で有名な幽霊屋敷ィ~!」

男「……」

幼「う…わ。結構暗いね…」

友「おっとー?幼ちゃんもしかして苦手??」

幼「そそんなことないよ」

女「幼?なんかあそこに影見えない??」

幼「見えない見えないなにも見えない」

男「幼。目瞑って耳塞いでたら壁にぶつかるぞ」ドッテーン

幼友「ちょ…幼。大丈夫??」

幼「ううう。もうちょっと早く行ってほしか…」

友「おいおい!今のでなんかのお札はがれちまったぞ!」

幼友「え…マジ?」

幼「うそぉ…これ私呪われたりしない??」ビクビク

男「バカだなぁ。ただの紙切れじゃねえか。どうせ肝試しとかで他の連中が演出のために貼っつけただけだろ」

友「そ…そうだよな!気にする事ねぇって!さぁ!散策散策…」

幼「……」

幼友「……」

男「……友」

友「……帰るか………とほほ…」

すいません 女→幼友で修正お願いします


男「結局普通にゲーセンとかで遊べたし、よかったじゃねえか」

友「そうだなー!はじめからこれでも良かったぜー」

幼友「現金だなー友君。じゃ、私らこっちだからね。明日から新学期頑張ろうねー!」

幼「あ…幼友、おつかれ!また明日ね!」

男「じゃなー友」

友「うっすーまたなー!」


幼「…ねぇ男」

男「なんだ?」

幼「大丈夫…だよね?あれ…」

男「気にしたら余計変なもん憑くぞ、忘れろ」

幼「ううう…男のせいでもあるんだからねー」

男「俺はちゃんと忠告したろうが」

幼「もっと早く言ってくれればよかったのにー!」

男「…へいへい。分かった分かった。幼に万が一呪いがかかるような事があったら、その呪いは俺が受けますよーだ」

幼「…それもなんか責任感じるじゃんか」

男「とりあえずさっさと忘れろ。今日寝れねえと明日遅刻するぞ」

幼「むぅ………」

男「……ん」

男(朝か…今日から新学期だな…)

男(さてと…さっさと飯食って学校行くか…)


友「おっはよー!!男くぅーん!!」

男(友じゃねえか。相変わらずのテンションだな、よし、俺もテンション上げて…)

男「おはよう。友君。そのテンションは控えた方が良いよ。低血圧の人には響くからね」

友「……へ?」

男(……へ?)

男「失礼するよ。君のような人と話していられるほど僕は暇じゃない」

友「……は?」

男(……は?)

男(どどどどどどどどーなってんだぁ!?口が勝手に…)

友「やだなぁ男!新学期でイメチェンネタて!ネタって分かってるから面白くねえよ!」バンバン

男「痛いなぁ。触らないでくれよ。馬鹿が移る」

男(おいいいいいい!なんでだぁ!なんでだぁぁぁあ!!!!)

友「なんだよ…めんどくせえなぁ…」

男「……」

男(ちょ…友!行くな!体!動け!動けえええええ!!!)

先生「ーあー…新学期一発目だ!始業式も無事終わって普通ならここで解散とするところだが、うちの学校は夏休み明け一発目に実力テストを実施するのが通例だ!みんな筆記具以外しまえー!」

ザワザワ

生徒1「あーめんどくせーなー」

男(ちょ待ってくれ。実力テストで力出すどころか自分の力で体動かせねえんだけどどうすんのこれ!)

生徒2「しかも校内に結果出るだろ?嫌だなぁ…夏明け早々気が重いわ…」

男(自分の意志ではリアル体が重くて身動きがとれません!)

先生「ではーはじめ!!」

男(どうすんだこれ…申告もできねえしもういっそ寝てやろうか)

男「……」カリカリカリ

男(て…なんで俺の手はこんなみるみる動くんだ!!…え、すげえこれ。ちょ、天才かおれは)

男「………」カリカリ…ピタ

男(終わんの早すぎだろ!てかコレ全問正解じゃね?わかんねえけど)

男(結局全教科…夢みたいに完璧な答案ばっかできた…)

男「……」

友「やぁやぁ新学期からガリ勉キャラに生まれ変わった男さんはテストどうだったんですかィ?」

男(友、からかうな。まぁテストのできはそこそk)

男「…元々僕はこういう性格です。テストはぼちぼちでしたよ」

友「そうかそうかー!…なぁ男、もうそろそろやめねーか、それ…」

男「やめる…?なにをですか」

男(いやいやいやいやいや何をしらばっくれてんの俺は。このふざけたキャラ演出に決まってんだろ!)

友「…んー。なんかあんま面白くねえよ?それ。堅物きどってて嫌みだし」

男「貴方に対してだけですよ。貴方みたいな人が僕は一番嫌いですのでね」

友「え…」

男(違うから!友マジになんな!)

友「…そ…それは笑えねえわ。マジで…」スッ

男「……」

男(最ッッ悪だこれ…。なんでこんなことに…)

数日後。

男(相変わらずこのワケの分からん状態は続くし…友とはアレ以来話せてねえし…周りの目も段々痛くなってきたし…)

生徒1「あ…男ってさ、なんか新学期になってから変わったんでしょ?」ヒソヒソ

生徒2「そうそう…なんかガリ勉っていうか…嫌みな感じになったわよね…」ヒソヒソヒソ

男(あ、やべ…泣きたい)


生徒3「おい!男!実力テストどうしたんだお前!結果出てたけど、お前凄いぞ!!」

男(お…っとそりゃどうも…結構自信あったからなーあれ、何位くらいだろ)

男「そうかい。これから見に行くよ。わざわざありがとう」

生徒3「お…おう…」

男(………)

男(校内順位1位とか…マジでビビった)

男「……」

男(段々分かってきたけど…コレ、俺誰かに体乗っ取られてるよな…??」

男(どうやったら戻れるんだろ…)

男(戻りたい…戻りたいなぁ……)

友「…あ」

男(…あ)

男「……」

男(喋れよ俺!いや、やっぱ喋んな!)

友「校内1位…って…すげえなお前…。なんか…やっぱ変わっちまったんだな…」

男(友が目を合わせてくれない…くそ…)

男「ありがとう。お礼は素直に言っておきますよ」

友「なぁ…!男、ホントにどうしたんだ?お前。新学期からホントに…別人みたく…」

男(友…それは俺が聴きたいくらいなんだg)

男「必要以上に話しかけないでくださいますか?忙しいんです僕は」

友「なんかしたか…?…俺が…なら謝るからよ…」

男「そうですね、一応貴方の順位も視界に入ったけど、あれは相当ですね。例えようもない屑ですよ」

友「……!!」

男(俺、死ね。マジで許さん俺、だれか…)

男(誰かどうしようもないこの俺を…)

男(殺してくれ…!!)


友「男おまえェ…」ダッ

男「…!!」

ドカッ

男「ー痛ッ…!」

友「はぁ…はぁ…絶交だお前なんか…」

男「ちょ!友!待ってくれ違…」

友「…!」

男「…あ…も…戻った…」

友「…男……?」

男「あ…ありがとう!!友ー!!」ガシッ

友「うわ!なんなんだ一体!」

友「…つまり、あの日からそのワケの分からん『誰か』に体を乗っ取られてた…ってことか?」

男「信じられねえよな…。実際俺の体でお前に酷い事言ったのは事実だし…。ごめんッ…」

友「良かったよ…お前が正気に戻って。お前があんな事言うハズねえしな!ハハッ!」

男「友…」ジーン

友「やっぱアレかな、幽霊屋敷の札…」

男「え…」

友「いや…仮にでもそういことが起こるとしたら、原因はあの呪いとしか考えられねえなぁ…って」

男「……あ…」

友「でもそれなら幼ちゃんに起こるはずだよな…。幼ちゃん最近うちのクラス来ないけど…特に変わったこと聞かねえし…」

男「……」

友「…ま!なんにせよ、治ってよかった!明日『誰か』に乗っ取られてたら、次は鼻血出す勢いでぶん殴ってやるから安心しろ!!」

男「あ…ありがと…顔の形が歪まない程度に頼むぜ…」

友「まるで明日もなるみたいな言い方だな…まぁ二度とこんな事起こんねえだろ!!」バンバン

男「…だ…だよな…うん…」


男(なんかこれで終わる気がしない…何だったんだろう)

見てる方いらっしゃいますかね…
いないならおとします…駄文ですいません

見てる

いるよ

>>15
>>16 ありがとうございます!
のんびり書かせていただこうと思います

男「ふぅ…今日は…良かった…普通だ」

男「あんなこと…もう起きねえよな…」

男「…よし、学校いくか」


幼「あ、おはよ男」

男「おはよ。なんか久々だな」

幼「そうだねー!遊びに行った日以来かな?」

男「…幼は…なんともないのか?」

幼「え?何が?」

男「いや、何も。そういやテストどうだった?」

幼「あー!それ聞こうと思ってたんだよ!カンニングするとは情けない!」

男「してねーよ!実力だ実力」

男(ホントはカンニングみたいなもんだが)

幼「ここ数日新学期準備で役員とか忙しかったからねー。全然クラスに遊びにいけなかったんだー」

男(良かった…幼にまで変なこと言ってたかもしれないと思うと…怖い怖い)

幼「…ていうか男…その頬どうしたの?」

男「え…ああ…えと……」

男「……ぶつかった!電柱に!」

幼「……」

男「……??」

幼「……プッ」

幼「ははは!なによそれ!!私より馬鹿じゃん!」

男「…あ…ああ。まぁある意味そうかもな…」

幼「私を馬鹿にしたから罰が当たったんだー!」

男(あながち間違ってないけどな)

幼「…ん?そんなマジになんないでよ!冗談じゃん!」

男「分かってるわ!…それより今日朝委員会だぞ?」

幼「あっ!忘れてた!先いくね!またね!」タッタッタ


男「ふぅ…」

今書き溜めてます。
見て下さってる方がいらっしゃるようですが明日も早いので休ませて頂きます!
申し訳ありません!
支援して頂けると、書き手としては
とても心強く、嬉しい気持ちでいっぱいです。

書き溜めてたデータが全部ふっとっんで
茫然自失の状態です。
今から打って投下していきます。

キーンコーンカーンコーン

男「終わったー。自分の体で自分の精神の赴くままに行動できるってすばらしいな!」

幼友「なーに言ってんのよ大げさな」

友「ははは………あ、そういや幼ちゃんは??」

幼友「ああ、幼は放課後委員会だって。ほら!もうすぐ体育祭じゃない?」

男「あー…そうだったな。夏休み明けから実力テスト、体育祭、中間、文化祭…か。流れるような連続行事だな」

幼友「うちの学校行事詰め詰めだからねー。『誠心誠意、文武両道』が校訓なくらいだし」

友「………んー……さーてと、男。帰ろうぜ!」

男「…え?」

幼友「…えー!何?いきなりー。幼待たないのー??」

友「悪いなぁ!俺と男はこれからちょいと約束があってだな…」

男「え…やくそk」

友「というわけで!!俺らは先に退散させて頂くぜー!じゃな!」タッ

幼友「なによー!いいよーだ!私は幼待ってるもんねー!!」

男「あ!お…おい友!!…悪い!幼友!また明日な!!」

幼友「うん!おつかれー!!」

男「おう!」タッ

男「はぁ…はぁ…なんだよ友ー!」

友「おい…あの程度で息切れって…お前体力ねぇよなぁ…。体育祭大丈夫か…?」

男「うるせーよ!そうじゃなくて!なんなんだ??」

友「あー…その。例の『ガリ勉キャラ』の弁解をだな…俺がフォローしといたって言うのを忘れてた」

男「はぁ??言ってることが全くワケ分かんねえんだが」

友「冷静に考えろよ?誰が『何かワケの分からんモン』に取り憑かれて、身体の自由をそいつに奪われてたなんて話信じるんだよ」

男「…まぁ…確かに現実離れはしてるけど…」

友「でも確実にあの時のお前の『異常な姿』は公共の面前に晒してる。あの数日で噂の的にされてたくらいだからな」

男「…ああ…心の中で自分にツッコミ入れながら恥ずかしくて死にそうになってたぜ」

友「そして元に戻ったお前が、スムーズに『元のお前』として認識されるように、つまりはイメージダウンを防ぐために、俺がフォローしておいてやったというワケだ!!」ドヤァ

男「ドヤ顔やめい。…なるほどな。道理で今日みんながツッコまなかったハズだ」

友「そうだろうそうだろう」

男「…で?どんな風にフォローしてくれたんだ?」

友「ズバリ!夏休み期間中にお前が俺とのなんらかの賭けに負けて、罰ゲームで新学期初日からテスト結果の発表日まで『どんなことがあってもガリ勉キャラを演じる』ということになった!!ということにしておいた!!!」ドヤァ

男「なるほど…割と理屈は通ってるような…ん?ちょっと待て。そんな真面目に罰ゲーム実行する理由、おれにはねえだろ。別に拒否したって構わないじゃねえか。所詮お遊びだし」

友「フッフッフー。罰ゲームが実行されなかった場合、敗者の超超超超トップシークレットで他人に知られたらえらいことになるような、そんな秘密を学校全体にバラまく。っていう前提にすれば、筋が通るぜぇ?」

男「それって俺が超超超超トップシークレットで他人に知られたらえらいことになるような秘密を持ってるって公言してんのと一緒じゃねえかあぁぁぁぁ!!!!」

友「あ、そうだな。よく考えたら。イメージダウンじゃん。やべ」

男「やべ。じゃねえよ!!ッたく!それに俺が校内首位になった理由も説明つかねえだろ!」

友「そんなもんは夏休みに地道に勉強しててヤマが当たったのなんだの言っとけば全然大丈夫だろ!」

男「最後適当だなお前!!…たく、まぁ頭イッたとか思われるより全然マシだけどよ…」

友「そうだぞ!お前。事実をありのままに話したら世間は冷たくなるんだぞ!ガリレオだって地動説唱えて捕まっただろう!『それでも地球は回ってる』」ドヤァ

男「偉人と自分を並べて威張るな!…まぁありがとよ。正直そんな余裕なかったし」

友「それでも地球は!」

男「分かったって」

友「まぁこんなこと二度と起こんねーよ!」

男「そうかなぁ…なんかこれで終わる気がしないっていうか…」

友「万が一起こっても、殴って目ぇ覚まさせてやるから大丈夫だって!」

男「くれぐれも原型はとどめといてくれよな」

友「任せとけってー!」

男「そんじゃ、また明日な!」

友「おうー!明日から体育祭の練習始まるから、適度にランニングとかしといた方がいいぞー?」

男「余計なお世話だよ!じゃあな!」

友「おうおつかれー!!」

保守するお(´・ω・`)

ガンバって最後までかいておくれお(´・ω・`)

男「ん…」

男(朝か…今日も大丈夫そうだな…)

男「ふう、気持ちのいい朝だな」

男(うんうん、全くもってその通りだ。…ん?)

男「今日は早く起きれたし、今日から体育祭の練習も始まるらしいから、ランニングでもするか!」

男(え!?え!?なにこれ、心の声とリアルの声が入れ替わってんの!??)

男「よっしゃあ!いくぜー!」タッ

>>31
保守ありがとうございます。
気長に書いていこうと思ってます。区切りはありますが、結構長めに続けるつもりです。


男「おはよう!」

クラスメート『おはよー!』

男「ふー!朝に運動するって気持ちいーな!」ドサッ

男(どーいうことだ…これは一体…この前のとは全然違う…)

友「おはよーさん!男っ!」バン

男「いってーな!おはよ友!今日も元気いーな!」

友「おうよ!今日から体育祭の練習だかんなー!運動は俺の本領よ!」

男「俺も俺なりに頑張るよ!楽しみだな!」

友「おー男にしては分かってんじゃん!みんなー!今年はうちのクラスが体育祭優勝すんぞー!」

クラスメート1「おっ!なんかテンション上がってきたな!青春みたいで」

クラスメート2「よっしゃー頑張って行くかー!」

男「よし!体育祭優勝するぞー!」

クラスメート『おー!!』

男(…なんだこの体育会系のノリ。いつの間にこんなの覚えたんだ俺)

とりあえず今日はこのあたりで切り上げます。
SS初めてなんですが、頑張るのでまた適当に保守支援よろしくお願いします!

キーンコーンカーンコーン

友「やっと放課後だ!さぁ練習だぞー!」

男(一日授業聞かずに考えた結果…。『こいつ』はあのガリ勉とは違う、また別の人格っぽい存在らしい。結局また俺の体は乗っ取られたわけだ…)

男(あああああ!どーしよ…友がなるべく早めに気づいてくれることを願うばかりだな…)

男「ところでさ、俺の種目何だっけ?」

友「確か…障害物リレー…高跳び…あと100mだ!」

男「お!楽しそうだな!」

男(げ…。そういやそーだった。中学時代は部活で運動してたから普通に平均以上の事はできたけど…今このメニューはハードすぎるな…)

友「障害物も高跳びも高得点だからなー。でもま、練習のしようがねえし、大抵陸上部の御披露目みたいになるから、とりあえず100mだな」

男「よーし!タイム頼むぜー!」

男(そういや…ガリ勉の時はあいつの頭脳でテストしたから凄かったけど…『こいつ』はどーなんだろ…)

友「アップは済んだかー?」

男「おう!いつでも!」

友「…よし。よーい……ドン!」

ダッ

男(!?)

クラスメート『…!?』

友「!?…速ッ!」

…タタタタッ…カチッ!

クラスメート『おおー!』パチパチパチ…

男(おいおいおい!何でこんな速いんだ!!)

友「…やべえ…やべえよ!!11"08だ!!」

男「はぁ…はぁ…っしゃあ!!」

友「どーしたんだよお前!!」

男「はぁ…!…いやー!部活やってた中学の頃に比べて、全然体が動かなかった去年が悔しくてさー!あれから毎日練習してたんだわ!」

男(こいつ…!俺の体でしれっと嘘つきやがった!色んな意味で!)

友「まじかよ!水くせーな!」

生徒1「そーだよ!言ってくれてりゃ、男女混合とか上位者リレーとかに出てもらったのに!」

男「いやー実際に走ってみねーと分かんねーじゃん?下手に出て足引っ張っるよりさ」

生徒2「これで足引っ張っるかよ!まぁ、障害物も得点高いからな…」

男「だろ?結果オーライだって!」

友「よっしゃー!体育祭絶対勝つぞー!」

全員『ぅおおおー!!!』

男(なんか…よく分からん…)

友「やってきました!我が校自慢の体育祭ィ~!」

男(どっかで聞いた台詞だな)

男「早速100mだ!行ってくるよ!」

友「おう!ぶっちぎり期待してるぜー!」


【…ただいまから…1年女子による…100m走を…実施します……】ガガッ

『よーい…ドン!』

「…」グオッ

走者『!?』

観客1「うわー!あの子速ッ!!」

観客2「ぶっちぎりじゃん!!」

友「お…おお。あの子凄えな…。女の子とは思えん…1年生か」

クラスメート1「友知らねえのか?あの子アレだよ、才色兼備文武両道で知られてる…」

友「ああ!確か…後輩…って子か!へー!あの子がねえ。確かに顔立ちも良いし、走ってる姿もその後の余韻も映えるな」

クラスメート2「だよなー。あんな子に『先輩!』なんて呼ばれてーよ」

友・クラスメート1『全くだ』ウンウン


後輩「…ふぅ……」

後輩(…頭、痛ぁ……昨日も遅くまで勉強なんてするんじゃなかった……炎天下も辛すぎ…)

後輩(今日は早めに休も…)

ドン!!パーン

観客「ーー!!」

後輩「…!?」スッ

後輩「速い…!」


男「…ふー!!…楽しいい!!」タタタッ…

友「うおぉお!男余裕1位じゃねーか!」

男「ありがと!…はぁ!いい感じだぁ!!」

観客女1「やば!あの人めちゃくちゃ速かったね!」

観客女2「かっこいー!キリッとしてるし、凄い爽やか系!タイプかも!」

友「…聞こえるか男よ…」

男「…ん?なんか言った?」

男(聞こえてるよ…友)

男(端から見れば自分の事なんだけど自分の事じゃないんだよな。でもなんか自分の事のように嬉しいというのはまさにこの事のような気がして…自分の事のように思えてくるくらい…)

男(つまり、ワケ分かんねえけど嬉しい)

友「男ー!」

男「んー?なんだ?くそ暑いなぁ今日は」ゴクゴク

友「次障害物リレーだぞー!」

男「へーい!了解!行ってきまーす!」キュッ タッ

友「アンカー頼んだぞー!」

男(任せろ!!…『こいつ』に…!)

今日はこのへんで。明日は来れるか分かりませんが。

【…た-いまから…2年-んしによる…障害物-レーを…実施し-す……】ガガガッ

友「おいおいスピーカー調子悪すぎだろ。そろそろ変えた方がいーんじゃねーのか?」

幼「友君!!」

友「おっ!幼ちゃん!お久しぶりー!!」

幼「そーだね!委員会とか仕事続きだったから、よく考えたら友君に会ったのは凄い久しぶりな気がする!」

友「男なら障害物だぜ?」

幼「そうなの?他になんか出た?私ずっと役員の裏方しててグランド来たの今が初めてなのよ」

友「もう凄い凄い!あいつから聞いてねえの?あいつ去年部活やってた頃に比べてかなり体力落ちてたじゃんかー?アレが悔しかったらしくて俺らに内緒でトレーニングしてたみたいなんだよー!」

幼「そういや去年は男、酷かったねー」

友「だよなー!でもな、今年は中学の現役ん時より凄いぜ!まぁ見ててよ!」

幼「…男がねー」

よーい…ドン!!

タッ

友「うおぉぉぉ!頑張れぇぇうちのクラスぅぅぅ!!…おっ!!っしゃあああ!2位だぞぉぉぉぉ!もうちょいだぁぁぁ!!」

幼「ちょ…友君…気合い入りすぎ…」

友「おっしゃぁぁぁ!そうだ!そう!そこ!!そのカーブで抜けぇぇぇぇ!!うぉぉぉぉ!!!」

幼「えっと…男は…ああ!珍しくアンカーなのね。カッコつけてカッコ悪いとこ、晒さなきゃいいけど…」

友「っしゃああああぁぁぁ!!!そうだ!!そこ!!すばらしい!!そうだ!!渡せ!!」

幼「あっ!やった!二人目の子が抜いてくれたじゃん!!」

友「ぅおっしゃあああああああ!!!!いいぞ!!離せ!!一位だぞおお!!!いい感じだぞー!!」

幼(…こんだけ順調で男の時に盛大に抜かされなきゃ良いけど…)

友「よし!!いいぞおお!!もうすぐ三人目だ!!!そしたら次は男だあああ!!!」

幼(そしたら周りから顰蹙買うわよねー。あー神様。それはあまりにも可哀想なので勘弁してやってくださいっ!)合掌

友「……おおおお!!!いいぞぉぉぉ!!…ああああああああ!!!!!転けたあああああああ!!!!!??????」

幼「…あっ!…あー……。ブービーにまでなっちゃった……」

友「おいいいいいいい。最っ悪だこれえええ………」

幼(きっと神様が遠回しに男を助けてくれたのね…あー…なんか複雑…だけど…)

幼「男ー!!頑張れー!!!」

友「…男?そうだ!男がいた!!!おっしゃあ見せてやれ男おおおおお!!!!!」


タタタタタッ

第三走者「う…男……ホントごめん…!!」

男「任せろ!!よくやったよ!!」トスッ


男「ー」グオッ!!!

観客「…おーー!!!」

幼「嘘…速っ…!」

友「男選手うううう!!早くも4位を抜いたあああああ!!そしてえええカーブにさしかかってえええええ……2位3位をごぼう抜きいいいいい!!!!すばらしいいいいいい!!!!!」

幼「…ま…まじで?」

友「うおっしゃああああその調子だああああ男おおお!!!」


後輩「うわ!あの人…凄!!さっきの100mの人だ…」

後輩(走ってる姿…楽しそう………かっこいいな…)


男「ーっ…」タタタタッ

一位「……っくぅ……」タタッタッ…


幼「…あと少し……!!」

友「いっけええええ!!!!」




-…パン…パァン!!!

観客「おーー!!!」

友「……」

幼「……」


後輩「…惜しかったなぁ……」

男「はぁ…はぁ…はぁ……」

男「みんな……ごめん…!あと…少し…だったのに…」

第一走者「……男!!お前凄えよ!!」

第三走者「ホントごめん!俺のせいで…」

第ニ走者「まぁ大健闘だったぜ!気持ち良かったし、楽しかったし!気にすることなんて何もねーよ!」

男「みんな…ありがとう…!次こそ勝とう!」

走者達『…おう!』

友「お帰り!男!大健闘じゃねえか!ブービーから2位って!」

男「1位とれなくてごめんな…はは」

友「おうよ!お前の活躍は幼ちゃんも見て……アレ?どこいったんだろ…」

男(幼!?幼が見てたのか…はっはーん。これであいつも俺の事を見直したんじゃ…)

男「…幼も忙しいだろ委員会とかで。次の種目は?」

友「えーっと…一旦コレで昼休憩だ。午後は高飛びだけだな、お前は」

男「りょーかいっ!」

友「じゃ、飯食うか!」

男「おう!」

後輩「……」

後輩(気分悪くて…食欲ない……)

後輩(そうだ…体育祭倉庫行って高飛びの準備手伝わなきゃ……)


体育委員「男ー!」

友「?」

男「ん?」ゴクゴク

体育委員「俺これから部活対抗リレーの待機に行かなきゃいけねーんだけどさ、委員の仕事で高飛びの準備があるんだわー」

男「うんうん」ガツガツ

男(話ちゃんと聞けよ俺)

友「話ちゃんと聞けよ男」

体育委員「それでさ、良かったら代わりに手伝い行ってくれね?」

男「いーよー。どうせ自分の種目だしなー」

体育委員「あーりがとー恩にきるよ!体育祭倉庫に5分後に集合だから!」タッ

男「……体育祭倉庫?」

男(ってなんだ?そんなモンあんのか?)

友「うちは『誠心誠意』『文武両道』が校訓だろー?文化祭も体育祭も、行事ごとには手を抜かないってのが主義だからなー」

男「それと倉庫がなんの関係があるんだよ?」

友「体育祭の準備用具だけでも結構な量を持ってるから、うちの学校は体育祭の時にのみ使う『体育祭倉庫』って言われてる倉庫があるんだよ」

男(初めて知った…)

友「一年に一回しか使わねえけど、まぁ無駄に敷地面積広いし。倉庫とか部活棟とかも他校に比べて多いしな」

男(なるほどねー)

男(…なるほど、これが体育祭倉庫か…倉庫にしちゃ割と小さいけど、妥当なサイズか)

教師「おう体育委員諸君!これから高飛び用のマット、棒などを手分けして運んでもらう!頼んだぞ!」

男(うーわ。そっか体育科主任てこいつだったか…教師先生…俺が一番苦手なタイプだ…)

教師「ん…?お前は2年の男じゃないか!」

男(げ…話しかけられた)

男「はい、うちのクラスの体育委員が別件で来れないので代わりに手伝いに来ました!」

教師「そうかそうか!お前100mと障害物に出てたな!良い走りしてたぜ!!」

男「ありがとうございます!…えっと、コレを持っていけば良いんですね?」

男(熱血…としか言いようがない。そして極めつけは…閃光の如しウインク……!)

教師「そうだ!ありがとうよ!高飛びも楽しみにしてるぜ!」キラッ☆

男(お…おうぅぅ。眩しい。眩しすぎるぜ)

後輩(…はぁ…気分悪……台重いし…)

男「おっ…大丈夫か?顔色悪いぞ?」ヒョイ

男(…ん?)

後輩「あ…」

後輩(さっきの人だ…体育委員だったんだ…)

男(あああ!!!こいつは…才色兼備文武両道で知られてる…1年の後輩ちゃんじゃねえか!!)

男「無理すんな。ほら、片側持ってやるからさ。あとでしっかり水飲めよ?」

後輩「あ…ありがとうございます…//」

男(んでもって、その後輩ちゃんにさりげなくイケメンを発揮するこいつは……一体…なんなんだ…)

3日分投下しました。
見てる方いらっしゃるか分かりませんがありがとうございます。

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