絹旗「浜面仕上のお料理教室」黒夜「はっじまるよー!」(1000)

浜面ががんばって料理を作るスレです。基本アシスタントは絹旗と黒夜。

キャラ崩壊上等、自分の書きたいように書きます。


一話一話ごとの話の流れに矛盾が生じても訂正はしません。

浜面は死んでも次の話では何もなかったかのように復活します。


基本的に自分>>1が作った料理を解説するのですが大雑把な性格なもので分量とかは大まかなものです。

一回だけ食べる一流の料理ではなく毎日食べる三流の料理が主題です。

なのでコストとか手間とかの観点が入ってきます。


あと更新は気分次第、食べたい料理が浮かんできた場合ですのでご了承の程を。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1367105141

黒夜「絹旗ちゃんってさ、苦手な食べ物ってある?」

絹旗「基本的にはないですよ。ピーマンも人参も食べられます。
   ですが内臓系だけは超ダメですね」

黒夜「内臓系かぁ、そういえばそうだったね。
   私も得意な方じゃあないんだよ。自分から積極的に食べようとも思わない。
   ニラレバ炒めとかどこが美味しいか全然わかんないし」

浜面「なんだよ、お前らニラレバ苦手なのかよ」

絹旗「まぁ、なんて言いますか。
   ニラレバ頼むんだったら唐揚げとか生姜焼きとか頼んじゃいますかねぇ」

黒夜「だね。積極的にニラレバが食べたい気分にはなんないよね。
   でも定食屋さんじゃあ定番のメニューなんだから好きな人は多いんだろうね」

絹旗「ある意味超不思議です。
   冬場に自動販売機でお汁粉が出るじゃあないですか。
   あれ、みんな飲まないっていうのに結構な割合の自販機に置かれてます。
   本当は超需要があるってことなんですよね」

黒夜「なるほど。ニラレバ炒めは冬場のお汁粉か。
   絹旗ちゃん面白い例えするね」

浜面「うーん、言いたいことはわかるがニラレバってそんなにまずいかなぁ」

絹旗「まずいとは言いませんよ?
   超個人的に好みじゃないだけです」

黒夜「なんていうかなぁ、レバーって内臓系の中でも臭くてさ。
   とても食欲わかないんだよ」

浜面「……うし、わかった。
   じゃあ臭くなくて美味いニラレバ炒めを作ってやろうじゃあないか」

浜面「材料は四人前計算だぜ?。


   ①豚レバー      300g程度 多めの方が美味しい
   ②ニラ        ふた束
   ③もやし       ひと袋 キャベツ四分の一玉でも美味しい
   ④人参        半分 お好みで

   ⑤牛乳        適量

   ⑥醤油        適量
   ⑦日本酒       醤油と同量
   ⑧オイスターソース  醤油の1.5倍
   ⑨豆板醤       醤油の半分
   ⑩ニンニク      お好みで

                 ⑥~⑩は漬け込みタレの比率

   ⑪片栗粉       適量
   ⑫ゴマ油       適量                 」

黒夜「なんか『適量』が随分と多くない?」

浜面「レバーを漬け込むタレだから。量よりも比率が重要なんだよ。
   しかも正直に言えば味付けに関しては俺は具体的な量を測ったりしないからなぁ」

絹旗「超適当ですね。なんでそれで美味しい料理が作れるんですか」

浜面「数をこなしてるから、だろうな。
   つうか、ちゃんと味見をしてればそんなに外れた味にはなんないもんだぜ?」

浜面「まずは適当な大きさに切ったレバーを牛乳に漬け込む。
   大体三十分ぐらいかな」

黒夜「うわ、なんかキモい」

絹旗「何を言ってるんですか。フランス料理ではよくある臭い消しの手段じゃないですか。
   牛乳の脂肪が匂いをとってくれるんじゃないですか」

黒夜「知ってるよ、そんなこと。でも牛乳に血の赤が混じってくる光景は気持ち悪いんだよ」

浜面「どーなんだろうなぁ。
   牛乳も牛の血液が変化した成分だからおかしくはないと思うんだけどさ」

黒夜「理屈ではねぇ。でも白いものが汚くなっていくのはいい感じはしないよ」

絹旗「うーん。ですがここで否定していては話が超終わってしまいますよ」

浜面「じゃあ三十分ぐらいゲームでもしてろよ。どうせそのあいだレバニラに関しては何もできないんだからさ」

絹旗「レバニラに関しては? 妙な言い回しですね」

浜面「そりゃ漬け込みとかやってるあいだにほかの料理を作るからな普通は。
   今回はレバニラだけしか作らないから精々ニラを切っておいたりもやしを洗っておく程度だ」

黒夜「なるほどねぇ。家庭料理はそういう手順も大事なんだ」

絹旗「超最初に全体の進行が頭の中に出来上がってるかどうかが重要なんですねぇ」

浜面「なんだかんだ言っているあいだに漬け上がったぞ。そういうことにしておこう」

絹旗「わあお。不思議なことに三十分経ってしまったじゃあないですかこんちくしょう」

黒夜「新手のスタンド使いの仕業なのかね。キング・クリムゾンだねご都合主義だね」

浜面「うるさいわ、話が進まんわ。三分間クッキングみたいなもんだと考えろよ」

浜面「で、牛乳から取り出したレバーを水洗いして、今度は漬けダレに漬け込む。
   今度は十五分ぐらいかなぁ」

黒夜「また漬け込み? 合わせたら漬け込みだけで一時間ぐらいかかるの?」

絹旗「とてもじゃないですがお店では作れませんよこんなの」

浜面「注文とってから漬け込むのは不可能だろうな。
   だから定食屋のレバーって臭み抜きしてないんだと思うぜ?」

黒夜「でもそんなに臭さが変わるものなの?」

絹旗「それに結構味の濃いレバーを漬けダレに漬けてさらに味を加えるんですか?」

浜面「正直言えば、引き算をやりすぎたところに足し算する形なんだよな。
   トロッとした食感は残るけどレバーの旨みは結構減ってるかもしれない。
   ある意味で贅沢なレバニラ炒めなんだよ」

黒夜「へぇえ。いいことばっかりじゃあないんだねぇ」

絹旗「超本末転倒じゃないですか」

浜面「でも味は良くなるからな。
   レバー本来の味かっていうと疑問は残るけどよ」

浜面「そんなこんな話をしていたら十五分経ったぜ」

絹旗「……料理番組って超うまく構成されているんですねぇ」

黒夜「漬け込み料理って少なくとも料理対決には向かないってわかった」

浜面「番組の都合で時間軸がいじられるのは仕方ないよな。
   じゃあこっから本格的に行くぜ?」

浜面「下準備が済んだ豚レバーに片栗粉をまぶす!
   綺麗にまんべんなくまぶす!
   皿に片栗粉を敷いて豚レバーを載せて、その上に山盛りに片栗粉を盛る!」

絹旗「おお、完全な片栗粉の白い山になりました」

黒夜「で、こっからレバーを取り出すんだ。でも片栗粉が超もったいなくね?」

浜面「まぁ、気にしない気にしない。料理に無駄はつきものだ。
   汚れた片栗粉はレバーにくっつかないしな」

浜面「で、これを油で揚げる、と」

黒夜「これじゃあ豚レバーの竜田揚げじゃない」

絹旗「ですねぇ。それどころか酢豚っぽくなってきました」

浜面「作りとしては似てるな。甘酸っぱく作るわけじゃないけどさ。
   でもこの面倒な工程でレバーからは臭みが消えてるんだぜ?」

黒夜「逆に言えばこれだけやんないと臭みは消えないんだ」

絹旗「超厄介ですね。そこまでして食べたいものなんですか?」

浜面「うーん、そこまでして食いたい、と言い切れるものではないかもな。
   世の中には美味いものはいっぱいあるんだ。
   栄養はサプリで摂ればいいって考えもある。
   けど俺はニラレバ好きなんだよ。手間暇かける料理ってさ、たまに作りたくなるんだ」

絹旗「浜面は簡単な料理が好きだと思ってました」

黒夜「だね。ちょっとしたひと手間で美味しくなりますよ、っていうネタが多かった気がするよ」

浜面「なんだよネタって。
   いや、そっちが俺の料理の本道だとは思ってるよ? 所詮素人だしさ。
   たださ、手間をかけることも楽しめるようになってきたって話さ」

黒夜「料理道楽ってやつなのかな。羨ましいかもしんない。
   浜ちゃんのそういう言い回し、少しかっこいいかも」

絹旗「黒夜、超本気ですか!? 浜面ですよ!?」

黒夜「いやいや、一寸の虫にもなんとやらだよ。
   っていうか、浜ちゃん基本スペック相当高いしかなり掘り出し物だと思うよ?
   真面目に一家に一台欲しいかもしんない」

絹旗「うーん、いやまぁ、私も浜面を超完全否定するわけではないんですが。
   やっぱり浜面ですしキモイし浜面ですし超浜面ですし。
   でも私専用浜面がいたりしたら幾らでも命令できるし本気で殴れるし超楽しいかも……」

浜面「おいおいお前ら、褒めているのかそれとも俺の基本的人権を無視しているのかどっちかにしろ」

黒夜「私は褒めてるけどね。浜ちゃんの人権なんて認めないけど」

絹旗「私は超褒めてませんし浜面の人権なんて最初から犬のエサです」

浜面「うわ、嬉しくて泣けてきそうだぜこんちくしょう。
   ニラレバ炒め、残り一気に行ってやるぜくそったれ」

浜面「フライパンにごま油、潰したニンニク、豆板醤を入れてから中火で温める。
   ニンニクと目が痛くなるほどの豆板醤の香りが出てきたら
   ニラともやしと醤油とオイスターソースを入れて強火にする。
   もやしが少ししなっとしたらレバーを入れて三十秒で出来上がりだ!」

絹旗「うおっ! 超一気に終わってしまいましたよ!」

黒夜「レバーほとんど火が通ってないけど、いいの?」

浜面「大丈夫大丈夫。一回油で揚げてるからな。
   よし、さくっと盛り付けるぞ」

浜面「浜面仕上式、ニラレバ炒め完成だ。
   しっかり味わって食えよ」

絹旗「はい、超いただきます。少しだけ怖いですが」

黒夜「うん、もぐもぐ……」

絹旗「臭くない! レバーの嫌な臭いが超しませんよっ!」

黒夜「うん、確かに。
   でもこれってレバー? トロッとした感じはあんまりしないでどっちかというとサクサクっていうか」

絹旗「片栗粉で揚げてるし超短時間で炒めたからですかね。なんかあらかじめ知っていないとわからないかもしれません」

黒夜「だけど、後味はやっぱりレバーなんだよね。
   それでも別のお肉って感じがする」

絹旗「短時間で炒めたからもやしもシャキシャキしてますね。どっちかというと濃い目の味付けですがよくあってますよ。
   超ご飯が欲しくなります」

黒夜「ニラは小さめに切りそろえてあるんだ。うん、これなら歯に挟まらないかも」

絹旗「あー! そういえばそうですよ!
   ニラレバの嫌いなところにニラが歯に挟まるっていうのがありました!」

浜面「お前らおっさん臭いこと言うなぁ」

黒夜「だってしょうがないじゃない! ニラレバってそういうもんじゃん」

絹旗「ですが、短めに切ることで対応はできるんですねぇ」

浜面「完全じゃないけどな。だから食い終わったら歯を磨けよ特に黒夜」

黒夜「うっ……私、歯磨き苦手なんだよぉ」

絹旗「超お子様ですね。大丈夫ですよ、また連れてってあげます歯医者に」

黒夜「行きたくないからきちんと磨くよ、もう。それに食後にニラが挟まってたら女の子じゃないからね」

絹旗「黒夜にしてはいい心がけです。
   ……うーん、なんて言うんでしょう。美味しいんです。美味しいんですが満足感がありません」

黒夜「ああ、なんとなく言ってることがわかる。がつん、ってくる味じゃあないんだよね。
   濃い目で満腹感もあるんだけど、レバーを食べたって感じじゃあない」

絹旗「レバーが苦手な私にも食べやすいっていうことは超わかるんですが……」

浜面「うーん、なんていうか今回は評価が低いな」

黒夜「いや、美味しいんだよ?
   問題があるのはうちらの方でさ、評価ができないんだ。
   わかる人にはすっごく高評価になるんじゃないかな、これ」

絹旗「なんていうんですかね。レバーやニラを使わなければもっとおいしい料理になってませんか?」

黒夜「片栗粉で揚げた肉の食感の面白さはとても良くわかるんだけど、野菜炒めでも良くない?」

浜面「確かになぁ。もやしの代わりにキャベツつかって人参入れたときもあったんだけどそっちのほうが合ってたかもな。
   そんときはニラはむしろ邪魔だったかもしれない」

黒夜「繰り返すけど、美味しいんだよ?
   ただ私たちの知っているレバニラ炒めじゃないんだ。
   逆説的になるけどレバニラ炒めってレバーが強烈だからこそレバニラ炒めなのかもしんないよ」

絹旗「わかります超わかります。
   レバーの臭いが苦手だから食べられないんですが、臭いがなくなってみると物足りないんですよ」

浜面「わがままな事ばっかり言うなぁ。少しばかりイラッとくるぞ」

黒夜「うん、今回は浜ちゃん悪くないんだ。
   でも敢えて言うけどこのニラレバ炒めは未完成なのかもしれない」

絹旗「ニラレバ炒めの皮をかぶった別の何か、って感じなんですよね」

浜面「まったくもう、頭にくるのは二人が言っていることがわからなくもないところなんだよなぁ。
   そのとおりだから余計に腹が立ち、って川柳があるがそんな気分だよ」

黒夜「牛乳の漬け込み時間が長すぎたのかな」

絹旗「漬けタレがもっと薄くても良かったのかもしれませんね」

浜面「うーん……個人的にはもう少し評価が高いと思ったんだが、改良する点がまだあるってことなのか。
   癖のある食材を扱うのは難しいな」

絹旗「食べる側の好みが大きく分かれますからね。
   そう言う意味では超私個人用の浜面が欲しいです。私好みの味付けの浜面がいるとありがたいです」

浜面「へいへい」

黒夜「……ねぇ、それって、プロポーズ?」

浜面「へ?」

絹旗「はい?」

黒夜「いや、だってさ。絹旗ちゃん自分専用の浜ちゃんが欲しいっていったけど、それって浜ちゃんの独占じゃん。
   どうしても自分のものにしたいって、それって結婚してって受け取られてもおかしくないよね?」


絹旗「はあああ!?!?
   いやいやいやいや、そう言った意味ではなくてですね、超胃袋的な意味で」

黒夜「それってさ、俺のために味噌汁を作ってくれ、みたいなもんでさ。
   やっぱり古い時代のプロポーズじゃないの?」

絹旗「何言ってるんですか! 超ぶち殺しますよ!」

浜面「あっはっは!
   ないない、俺と絹旗のあいだにそんなもんは一切ないしどんなIFでもありえないぜ!
   な、絹旗」

絹旗「……そうですね。超ありえません」

黒夜「(思いっきり否定されてる。んでもって絹旗ちゃんの額に青筋浮かんでる)」

絹旗「ええ、ありえません。超ありえませんとも。
   麦野が犬と結婚式上げるぐらいにありえません」

黒夜「あのさぁ、浜ちゃん。いくらなんでも言い方ってもんがあると思うよ?
   そんな言い方したら鉄面皮の絹旗ちゃんだって顔が変わって大魔神だよ?」


絹旗「……浜面。お礼にいいことを教えましょう。
   私が内臓系が苦手なのは理由があるんです」


絹旗「窒素装甲は超近距離でしか使えません」


絹旗「窒素装甲で殺すと一瞬で潰れます」


絹旗「だからこそ窒素装甲があってもノーダメージで済むわけじゃあないんです」


絹旗「知ってましたか、浜面。
   生きている人間を潰すと超臭い内臓が出てくるんですよ?」


絹旗「人間を潰すとね、血よりも内臓の方がはるかに臭うんです」


絹旗「煙草を吸っている中年なんか最悪ですね。シャワーを浴びても臭いが取れません」


絹旗「黄色い脂肪がね、腸まわりにびっしりこびりついていて、それが弾けて空気中に漂うんです」


絹旗「臭いんですよ。超臭いんです」


絹旗「……超試して、みますか?」


浜面「えっと、キヌハタさん? なぜに構えます? なんでジリジリ近づいてくるんですか?
   っていうか、理不尽すぎるっっっ!!! 超ふこうだぁああああああああ!!!!」

絹旗「おらまてやごらァァァあ!!!
   超ぶち殺しかくていだァあああああ!!!!」

黒夜「あーあ、絹旗ちゃん本気でぶちきれちゃってまぁ。否定されたのが相当悔しかったみたい。
   浜ちゃんも裸足で愉快に外まで駆け出して行っちゃったし]

黒夜「しっかしまぁ、よくもまぁ嘘八百言うねぇ。
   レバー嫌いだったの暗闇の五月計画が始まる前からで殺し云々は完全に関係ないじゃん」

黒夜「絹旗ちゃんは浜ちゃんにだけは厳しいんだよねぇ」

黒夜「……自分でも自覚してるんだろうねぇ、浜ちゃんがトクベツなことをさ」

以上です
こんな感じでのんべんだらりと感動も感激もなくやっていきます

一応記述しておきますけど今回のレバニラは結構美味しいです
ただ、本当にレバーの味がしないんで失敗作としました

ひょっとして
テッラ「たまには自分でパンを作ってみますかねー」
の人?

いろいろ感想どもです

原作矛盾とか気にしてはいけません
頭空っぽの方がゆめ詰め込めるのだと偉い人も云うております

あと>>29に関しては「ちゃうねん」とだけ言っておきます


今回は豚モツのお話です



黒夜「絹旗ちゃんってさ、苦手な食べ物ってある?」

絹旗「基本的にはないですよ。ピーマンも人参も食べられます。
   ですが内臓系だけは超ダメですね」

黒夜「内臓系かぁ、そういえばそうだったね。
   私も得意な方じゃあないんだよ。自分から積極的に食べようとも思わない。
   モツとかどこが美味しいか全然わかんないし」

浜面「……なんかどっかで聞いたことがあるような話の展開なんだが」

黒夜「は? 何言ってるの、浜ちゃん。そんなわけないじゃない」

絹旗「そうですよ。とうとう頭がおかしくなりましたか?
   話のマクラが超おんなじだとか、そんなことあるわけないじゃないですか」

浜面「へいへい。そうですねそのとおりですね。
   んでもって俺がモツ料理を紹介する流れなんですねこんちくしょう」

絹旗「モツ料理って何がありますかね。モツ煮、モツ鍋……」

黒夜「他は思いつく限りだと焼肉かなぁ。コロ、ミノ、テッチャン、マルチョウとか?」

絹旗「そういうのは下処理はありそうですが料理って感じはしませんね。
   やっぱりモツ煮モツ鍋でしょうか」

浜面「うーん、まぁご家庭で手軽にできるのはそのあたりだよな。
   仕方ない、やってみるか」

浜面「一品目は白モツ煮だ。かなり簡単なんだぜ?」

浜面「材料はこれだ。


   ①豚モツ(ボイル済み)  食べる分だけ
   ②生姜          適量
   ③塩           適量               」

黒夜「うわぁ、めちゃくちゃシンプルだ。こんなんで美味しいモツ煮ができるの?」

絹旗「そうですよ。普通モツ煮って味噌味で根野菜がゴロゴロ入っているものじゃあないんですか?」

浜面「そういうのもありだが前回が少しだけ凝ったものだったからな。
   シンプルなものに立ち返ったわけよ」

浜面「まずはモツをたっぷりのお湯で煮こぼす」

黒夜「? 浜ちゃん、『煮こぼす』ってなに?」

絹旗「そうです。超聞きなれない言葉です」

浜面「たっぷりのお湯で材料をゆでて、そのあとお湯を捨てて別のお湯で作り直すことってところかな。
   とりあえず見てろよ」

絹旗「うっ、スーパーで買ってきたモツは下処理がしてあるとはいえやっぱり臭いますね」

黒夜「この生臭さを消すには味噌とかが必要なのかな」

浜面「モツの生臭さを消す、そのために一回沸騰したお湯で何分か煮るんだよ。
   で、臭いが染み出たお湯を捨てるわけさ」

黒夜「なるほど。でもそれで完全に臭いは消えるの?」

絹旗「それに味が染み出したりはしないんですか?」

浜面「どっちも多少は、ってのが答えかな。
   そこらあたりは相反関係ってところで悩ましいところだ。
   最初に臭いを完全に除去しちゃうと味が落ちるし、味を保つとうとすれば臭いが残る。
   バランスだなー」

浜面「でもモツって結構ダシはよく出るんで臭い消しを優先させたほうがいいかな。
   沸騰して二分~五分程度が目安ってところか」

絹旗「うわぁ、シンクに捨てたお湯が超白いです」

黒夜「この白いのがモツの旨味なんだって思うと少しもったいないね」

浜面「なんていうかな。モツの旨みって脂なんだけれど、臭いのも脂なんだよ。
   焼肉屋でホルモンを売りにしているところはこういう下処理が上手いところだって判断してもいい。
   でもほら、臭いは随分消えただろ?」

絹旗「本当ですね。超気にならないぐらいにはなってます」

黒夜「うん、神経質でなければ結構いけるかも」

浜面「で、煮こぼしたモツを新しいお湯に入れて、千切りにした生姜、そして塩を加えて十分~二十分ぐらい煮込めば完成だ。
   よく煮込まないと固いままだし煮込みすぎても旨みが逃げちまうからこれもバランスだな」

絹旗「ふーむ、確かに回数をこなさないと上達はしなさそうですが、でも超簡単ですね」

黒夜「だね。結局自分でも下処理をして、あとは生姜加えて塩で味付けるだけだもんね」

浜面「だろ? それでもこの白いスープはめちゃくちゃ美味いんだぜ?
   普通のモツ煮じゃ濃すぎて飲めないけど、白モツ煮はゴクゴクいけるんだ」

絹旗「どれどれ、少しだけ味見を……」

黒夜「うん! これは美味しい!
   濃厚で、少しだけさらっと甘い! これがモツの味なんだ!」

絹旗「こんなにモツって美味しかったんですか! 歯ごたえが少しあるだけの肉かと思ってました」

浜面「まぁこれも新鮮なモツ使ってるからだなー。
   正肉だと熟成とか関係するだろうがホルモンに関しては鮮度が命だから」

浜面「ちなみに牛モツだともっと上品な味になるんだ。なかなかスーパーでは売ってないのが難点かな」

浜面「出来上がったあとはあんまり煮込まないようにしろよ。温めるぐらいにとどめておこうな。
   刻んだアサツキをかけてもいいかもな」

絹旗「超美味しいですが、欠点もありますね」

黒夜「うん。味噌みたいに『背景』が塗りつぶされていないからモツがグロいんだよね。
   これだけスープが出てるんだったらモツを取り除いてもいいかもしんない」

浜面「そこは気になるかならないか、だな。少なくとも俺は気にならないわ」

絹旗「浜面の感覚は超正解だと思います。
   そういうところが気になる人はモツそのものも食べられないかもしれませんし」

黒夜「だね。ちょっとイチャモンつけてみましたー、って感じであんまり宜しくないかもね」

浜面「どっちにしろ敷居が高い食物だからなぁ。
   まぁ、高かった、が正しいのかもしんないけれど」

絹旗「モツ鍋は結構おしゃれな雑誌でも紹介されていたりしますね」

黒夜「だねー。人気メニューではあるよね。モツ煮はなんかおっさん臭いイメージ強いけどさ。
   でもこの白モツ煮、もう少しどうにかできれば女の子に人気出そうな気がするよ」

浜面「どーだかなー。ただ、簡単だから俺的にはおすすめ料理なんだよ。
   生姜も入れてるから体もあったまるしな」

浜面「じゃあ、次行くか。今度はモツ鍋だぜ」

浜面「材料はこれだ。


   ①豚モツ(ボイル済み)  食べる分だけ、200gぐらい?
   ②野菜          食べる分だけ
                キャベツ以外でも結構いける
   ③ニンニク        ひとかけら
   ④生姜          ニンニクの2~4倍
   ⑤水           適量 鍋半分弱ぐらい

   ⑥日本酒         大さじ3、4
   ⑦醤油          日本酒と同量
   ⑧鷹の爪         1本、輪切りにして種を取っておく
   ⑨粉末鶏ガラスープ    大さじ3を目安に
   ⑩砂糖          大さじ3程度

   ⑪ニラ          一束

   ⑫塩           お好みで
   ⑬味噌          お好みで               」

浜面「最初にモツを煮こぼしてざっと臭いを取っておく」

絹旗「超必要な処理なんですね」

浜面「いんや? 今回はモツ鍋だしニンニク生姜も入るからそれほど気に止めなくてもいいぞ。
   ただモツを料理するときにはある意味必須な工程ではあるな、気分的に」

黒夜「へぇ。気にならなければやらなくてもいい、と」

浜面「今回は臭い消しがあるからな。それにやっぱり旨みがなくなるっていう面もあるし」

浜面「で、処理したモツと野菜、ニンニク生姜を鍋に入れて沸騰させる。
   あと、⑥~⑩の材料を別にボールに混ぜ合わせておく。
   それに塩か味噌を選択して入れる。これがスープになる。
   今回は二種類作ってみるぜ」

黒夜「ほほう、モツ鍋のスープって結構簡単にできるんだ」

絹旗「スーパーで買うと400円ぐらいしますけど、これなら随分と安く仕上がりますね」

浜面「お前ら、無能力者の俺と違って奨学金バンバンはいってくるだろうに結構ケチくさいこと言うのな」

黒夜「いやいやいや、コスパ考えるのが趣旨じゃないのかい」

絹旗「そうですよ。お金考えないで『スープ買ってきましたー!』で終わったらどこが料理番組ですか。
   視聴者から超クレームの嵐です」

浜面「ステルスマーティングもびっくり、かもな。
   でもご家庭の主婦も適当に手を抜くことを覚えるべきだと思うなぁ」

浜面「ま、今回のスープは超簡単ですからお勧めですぜ?」

絹旗「コラ、私に断りなく『超』を使わないでください」

黒夜「著作権あるわけじゃないんだし」

絹旗「著作権があるわけではありませんが私の場合は『超』は肖像権の一部に超含まれるんです」

浜面「へいへい。大体、言葉遣いがめちゃくちゃだ、にゃあ」

黒夜「うわ、キモッ。その顔でんな言葉使わないでしょ」

絹旗「うわ、うわぁ……」

浜面「うっせぇ、俺だって言って後悔してるんだよ」

浜面「一気に行くぜ。
   沸騰した鍋にスープを入れる。で、程よく火が通るまで煮だてる。
   最後にニラをいれてくたっとしたら出来上がりだ!
   柚子胡椒なんかがよくあったりするぞ」

絹旗「へぇぇ。なんか下準備に手間がかかるだけであとは簡単ですね」

黒夜「その下準備も大したことじゃあないし、結構簡単な料理かも」

浜面「鍋系列なんてそんなもんだよなぁ。
   はっきり言うけど、一流料亭とかの鍋だって手順はそんなに変わらないんだぞ?」

絹旗「精々が鶏ガラスープを一から作ったとか、その程度の違いですかね」

浜面「いんや?
   結構な料亭で粉末鶏がら、旨み調味料は使ってるんだぜ?」

黒夜「そうなの?」

絹旗「浜面料亭なんかに行くんですか? 超腹黒い政治家かなにかですか?」

浜面「政治家の場合は情報流出を制限できる中立の場所が限られているという側面もあると思ってるけど。
   っていうかなー、雑炊を作るときにはほぼ百%使ってるんじゃないかなぁ」

黒夜「なんでさ。高い金取ってるんだからそういうのを使ってたらお客に対する裏切りじゃあない」

浜面「食材から旨いスープが出てたらその分食材の味が落ちるからさ。
   二次的な雑炊用のダシは旨み調味料で補ったりするのさ」

絹旗「なるほど。一理あります。が、なんか裏切られたような気分です」

黒夜「逆に言えば料亭の味がご家庭でも再現可能ってことなのかな」

浜面「どーだろなー。流石にそこまで自意識過剰にはなれないわ。
   でもまぁ、とりあえず喰ってみろよ。結構いけるんだぜ?」

絹旗「どれどれ、頂いてみましょう……」


黒夜「鍋が二つのモツ鍋かぁ。うん、味噌の方は野菜が美味しいね」

絹旗「塩の方はさっぱりと食べられますね。スープも綺麗ですししつこくないです」


黒夜「柚子胡椒をいれるとさらにさっぱりするね。
   元々鷹の爪でピリ辛だったけどこれで辛さの調整もできる」

絹旗「モツが生臭くないのがいいですね。超抵抗がありません」

黒夜「ごちそうさまでした。うん、今回も美味しかったよ」

絹旗「超美味しかったです。白モツ煮よりも塩味のモツ鍋の方がスープは美味しいかもしれませんね」

黒夜「こっちのスープは調味料いっぱいじゃん。それにあれはあれで私は好きだけどね」

絹旗「嫌いとは言ってません。好みの問題ですかね」

浜面「はいはい、お粗末さまでした。
   結構いけるだろ?
   モツは下処理さえきちんとしてればかなり美味い食材だと思うんだ」

絹旗「超異論ありません。生臭さは下処理でどうにかなるとわかりましたし」

黒夜「食えないものを食えるようにするっていうところがいいよね。すっごく料理っぽい」

浜面「それほど手間かかってるわけじゃあないけどな。つうかそんなの作れねぇし。
   アクマでも三流のご家庭料理だよ」

絹旗「少なくとも麦野は作りませんね」

黒夜「私は第四位についてあんまり詳しく知らないけどさ、パッと見てる限りだと最初から最高系しか狙ってないよね。
   言い方悪いけど、モツ料理みたいな泥臭いところには興味ないって感じ」

浜面「左の義手を使う訓練でもあるからだろうさ。見ててわかったと思うけど包丁なんてほとんど使わなかっただろ?
   精々野菜を切る程度だし、あとは鍋に火をかけてただけだったし」

絹旗「ですねぇ。料理って意外と包丁を使わないものなんですね。
   昔は料理時間の超半分は包丁を使うものだと思ってました」

黒夜「実際には下準備の時以外は使わないもんね。考えてみれば当たり前なんだけど」

浜面「コンロの前に立っている時間の方が遥かに多いからな。これが本場の料理人なら違うかもしんねーが」

絹旗「ってことを考えると料理って義手の訓練に向いているとは言い難いんですかね」

浜面「別にいいと思うぜ? 麦野が好きでやっていることにケチつける必要はねぇよ」

黒夜「ふぅん。浜ちゃん第四位には優しいんだねぇ」

浜面「俺は基本的に誰にでも優しいんですぅ」

黒夜「だから貧乏くじを引いているというか、もう少しドライになった方が人生楽だと思うけどね」

浜面「……十二歳に人生語られたくはないなぁ」

黒夜「まぁ、それもそうか。正直誰かにどうこう言えるほどまともな人生送ってるわけじゃあないし」

絹旗「私たちはある意味で超ドライにやってないと生きていけませんでしたから」

浜面「もうそういう場所にいる必要はないんだぞ? 行かせるつもりもねぇ」

絹旗「超保護者ヅラしないでください」

黒夜「私はそういう世界に戻そうとした人間だぜ? 忘れたのかい、浜ちゃん」

浜面「うるせぇ。俺が嫌だって言ってるんだから素直に従え。
   俺はお前らに殺させたり殺されたりするようなことはさせたくねぇんだよ」

絹旗「生意気です、超浜面の癖に」

黒夜「とか言ってる割には絹旗ちゃん嬉しそうな顔してるんだよね。
   なんだかんだで絹旗ちゃんは浜ちゃんのそういうところが好きなんだと思うよ?」

絹旗「は、はあぁぁ? いや別にそういうところは……超嫌いってわけじゃ、ないですけど……」

黒夜「うん、やっぱり浜ちゃんはドライになってまで貧乏くじ回避しなくてもいいや。
   なんかその方が楽しめそうだし」

絹旗「残忍な浜面は超想像つきませんけど」

浜面「そうでもないぞ。俺も結構クズな性格だからさ。ロシアでは若い姉ちゃん拷問したこともあったし」

黒夜「うん? うんん?」

浜面「滝壺や麦野を守るため、って体面はあったにしろ実際にやっちまってるんだから俺も相当クズ野郎だと思うぜ」

絹旗「なんですか、超初耳ですよその話」

黒夜「拷問って……性的な意味で?」

絹旗「ありえます……超オス度の浜面ですから」

浜面「いやいや、そういうんでなくってさ。女の顔を殴ったりしたから俺も相当のクズだなー、と。
   あんときは麦野の顔を傷つけたのが結構トラウマになってたのになんでそういうことができたのかなって自分でも不思議でさ」

黒夜「へ? 顔殴るのがクズ?」

絹旗「そんなこと大したことじゃあないでしょうに」

浜面「いや、でも女の顔に傷をつけるのは男として一番やっちゃいけねぇことだろ?」

黒夜「学園都市には毎週のごとく違う女の顔を殴っている無能力者がいるって話だけど」

絹旗「しかも殴る女に対してフラグを立てているとか。
   ……って、あれ?」

絹旗「(たしか、浜面が暗部入りしたときの事件ってあの幻想殺しが関わっていて、浜面はそいつに殴られて……)」


絹旗「(都市伝説によれば幻想殺しは殴った相手にフラグが建つ……浜面もそういう性質を受け継いだとしたら……)」


絹旗「(ありえない? いや、でも麦野が浜面に惚れた理由に超説明が可能です)」


絹旗「(なんでも浜面がハワイに黒夜を連れて行ったのは魔術師とかいう学園都市以外の能力者と戦うためとか)」


絹旗「(ただの無能力者である浜面が戦力としてカウントされたのは、もしかしたら浜面が学園都市以外の能力者だから?)」


絹旗「(そうだとしたら一緒にハワイに行ったという幻想殺しにそういう能力があるとして、
    浜面にも同様の能力があっても超おかしくない?)」


絹旗「(ってことは、顔面を傷つけられこそしていないものの黒夜が浜面にフラグ建ててたりするわけですか?)」


絹旗「(ってことはなんですか? この部屋で浜面にフラグ建ててないのは私一人? 私、超ポッチ?)」


絹旗「(それどころか一回ぽっきり使い捨てキャラですら浜面にフラグ建てている可能性アリ?
    え? 私を超差し置いて?)」

絹旗「浜面」

浜面「へいへい。覚悟は出来てるんだ。どうせ俺がなにか地雷を踏み抜いていて誰かに殺されそうになるんだ。
   今回は俺が女を拷問した話のことだろ?
   いいんだいいんだ、どうせこういうキャラだいこんちくしょう」

絹旗「私の顔を殴りなさい。つうか超殴れ」

浜面「……は?」

絹旗「聞こえなかったんですか。殴れ、と言っているんです」

黒夜「どうしたのよ絹旗ちゃん。急にさ。もしかしてモツがアタったりした?」

絹旗「超黙ってろ。これは重要な問題なんです」

浜面「き、絹旗……それは流石にあんまりじゃあないのか?」

絹旗「なんですか、私だけは殴れないとかいう理由があるんですか」

浜面「俺は女の顔傷つけるのは嫌だって言ってるじゃあないか。それなのにそれをやれってか?
   こういっちゃあなんだがそれなりに信頼関係築けていたと思っていたんだが、
   絹旗にとっては俺はそういう存在でしかないのか?」

黒夜「流石にこれは浜ちゃんが可愛そうだと思うぞ。それに絹旗ちゃん窒素装甲あるから殴れないじゃん」


絹旗「なんですか、やけに浜面の肩を持つじゃあないですか。
   やっぱり黒夜も浜面にやられてそうなっちゃったんですか」

黒夜「あのさぁ……そりゃ私は浜ちゃんに確かに負けたけどさ、だからって浜ちゃんの肩を持つとかじゃなくってね。
   自分が気持ちよくなれないやり方にはNoって言いたいだけだよ」

絹旗「やっぱり……黒夜は超完全に浜面にフラグを建ててるんですね」

黒夜「いや、話聞けよ結論が決定していてそれ以外を認めないんだったら会話にならねえよ」

絹旗「浜面! さあ早く私を殴るんですっ!
   一人だけハブられていたくはないんです、これは緊急避難で別にフラグを建てたいとか超そういうのじゃありません!」

黒夜「おいおい、ってガチ無視かよ、浜ちゃんしか視界に入ってねぇ」

浜面「嫌だって言ってるんだろーっ!!!」

黒夜「あ、逃げた」

絹旗「逃げるなっ! 私にもフラグを建てろって言ってるんですっ! 超ハブるなっ!!!」

黒夜「……なにこれ。浜ちゃんに殴られるとフラグが建つの? 実はSMの達人だったりするの、あの顔で」

以上です
白モツ煮はある意味一番のおすすめ
シンプルにしてディープな味わいです

これから投下します

一応ageてみますね

今回はカニカマとさんまの缶詰の話です

浜面「たまにはジャンクな味も悪くねぇなぁ……」

絹旗「あ、浜面。何食べてるんですか」

黒夜「ハンバーガー? めっちゃ山盛りじゃん」

浜面「たまに食いたくなるんだよ。どう考えても身体には悪いけど。
   まぁ、少しは虐めてやらんと内臓が怠けるってなもんでさ」

絹旗「自分で作ったりはしないんですか、ハンバーガー」

浜面「いやいや、作れるけどよ。バンズからやろうとするとコストかかり過ぎちまって。
   それに今日はジャンクな奴を食いたかったのよ」

黒夜「ふぅん。あ、一個もらっていい?」

浜面「おうよ。絹旗も好きなの取りな」

絹旗「じゃあ、フィッシュネスバーガーを頂きますかね」

黒夜「あ、私も狙ってたのに」

絹旗「早いもの勝ちです。照り焼きで超我慢すべきです」

黒夜「ま、いっかね。これが自分のだったら窒素爆槍ぶち込んでるところだけど浜ちゃんのおごりだし」

絹旗「……なんでそんなに丸いんですか。超おかしいですよ黒夜」

黒夜「んー? なんつうかねー、毒気抜かれたっていうか、結構家庭的な雰囲気って嫌いじゃないなってさ。
   私の性格はあのアホロリコンの思考パターンから来てるじゃない。
   ロリコンもなんか家庭的な空間にいると凶暴性を失うみたいなんだよね。そこも受け継いでるんじゃないかな」

浜面「いいことじゃねぇの。しっかし、お前ら一方通行嫌いなのか?」

絹旗「超大っきらいですよ?」

黒夜「まぁ、アイツがいなけりゃ引かなくてもいいババを引かされた恨みはあるね」

絹旗「だからって殺しに行くとかそういうのではないですけどね」

黒夜「邪魔だったら排除するけど、ま、今のところそうでもないかなぁって感じ」

浜面「うーん、俺としては微妙なところだなぁ。
   俺としても一方通行に対して個人的な恨みがないわけじゃないし、その一方で借りもあるしなぁ」

絹旗「所詮は他人です。今現在に限って言えばいてもいなくてもどーでもいい人物です。
   ワザワザ口に出してせっかくのハンバーガーをまずくすることはありませんよ」

黒夜「じゃあこの話は終わり、と。
   しっかし照り焼きバーガーっていうのも和洋折衷だねぇ」

絹旗「でも本来の照り焼きとは違いますよね。ブリの照り焼きがこの味だったら超驚きですよ」

浜面「なんでもよ、日本人がアメリカで開発した味なんだってよ。一応基本的な作りは一緒なはずだぜ?」

黒夜「へぇ。よく知ってるね浜ちゃん」

浜面「一応興味のあることは調べてたからな。防犯の雑誌とか重機のカタログとか、まぁいろいろとさ」

絹旗「なるほど。浜面は興味のあることに関してだけはスキルがあるんですね」

浜面「嫌な言い方だなぁ……
   じゃあ知ってるか? 照り焼きバーガーが和洋折衷ならフィッシュネスバーガーがどことどこの折衷か」

黒夜「? アメリカじゃないの? アメリカ以外のどこと関係あるっていうのさ」

浜面「正確に言うとどこの民族が関係してるか、だな」

絹旗「アメリカは移民国家ですからね。アメリカ国内のどの民族と超関係があるか、ですか」

黒夜「普通に考えるとハンバーグの名称にもなったハンブルクのあるドイツ系、かな」

絹旗「ですがそれでは問題として超面白くありませんし」

黒夜「肉食に問題があるところかな。牛肉だからヒンズー教徒でインド、とか」

絹旗「なんか違いますね」

浜面「正解は、ユダヤ民族だ。ユダヤの教えでは金曜日には肉を食べてはいけないんだよ。
   で、ユダヤ人が金曜に食べることができるハンバーガーとしてフィッシュネスバーガーを開発したのさ」

黒夜「なるほどねぇ。ユダヤ民族って民族とは言うけど人種じゃなくって宗教だからね」

絹旗「ユダヤは人数の割にはアメリカで超権力持ってます。なるほどなるほど」

浜面「本で読んだだけの知識だけどなー。でもちょっとは面白かっただろ」

黒夜「ユダヤ系ってうちら日本人にはよくわかんないよね。陰謀論とかもあるしさ」

絹旗「そういうのが身近なハンバーガーにまで影響してるんですね。ちょっとは面白かったですよ?」

黒夜「一皮むいてみれば食べ物にも歴史があるんだね」

浜面「ついでだ。ユダヤ人はチーズバーガーを食べられないって知ってたか?」

黒夜「へ、そうなの浜ちゃん」

絹旗「あ、それは超知ってます。子ヤギをその母の乳で煮てはならないってやつですよね」

浜面「そうそう。チーズって牛乳からつくるだろ?
   牛乳と牛肉の組み合わせはタブーなんだってよ。ステーキ後のコーヒーにミルクも入れないんだってさ」

黒夜「へぇぇ。ヤギじゃあないしチーズと牛肉の組み合わせーとか、言いがかりそのものじゃん。
   ユダヤ教馬鹿にするわけじゃあないけど、宗教の外側から見ると理性的には思えないね」

絹旗「戒律ってそういうものですよ」

黒夜「しかしよく絹旗ちゃん知ってたね」

絹旗「アメリカの映画だとユダヤ人の描写は超ありますから」

浜面「じゃあユダヤ人はカニが食えないのも知ってるか?」

絹旗「超有名な話です。ウロコのついていない魚を食べてはならない、ですね。
   そもそもカニは魚じゃねーだろとは思いますけど」

浜面「絹旗よく知ってるじゃん」

絹旗「だからアメリカ映画では結構出てくるんですってば。
   特にハリウッドはたくさんのユダヤ人監督がいますし」

絹旗「『ローマの休日』のウィリアム・ワイラーとか、
   『2001年宇宙の旅』、『時計じかけのオレンジ』のスタンリー・キューブリックとか、
   代表作が超多すぎるスティーブン・スピルバーグとかとか、
   超有名どころでも片手では足りないぐらいです」

浜面「なるほどね。スティーブン・スピルバーグの『シンドラーのリスト』なんてユダヤ人が主人公のような映画だったな」

黒夜「映画も文化なんだね。絹旗ちゃんの趣味も馬鹿にできたもんじゃあないな」

絹旗「超当然です。映画はエンターテイメントであると同時に思想の発表の場所でもあります。
   自分たちではないほかの世界を味わうには超うってつけなんです」

浜面「確かに、自分たちが持っているものが外の世界ではものすごい高評価を受けていたりもするしな。
   さっきの話に続くが、ユダヤ人はカニ食えないだろ?
   だからカニカマがすっごく人気商品なんだぜ?」

黒夜「カニカマって日本だとカニの安価な代用品でしかないよね。
   スケトウダラだし」

浜面「ところが、海外ではヘルシーのジャパニーズクールの代表的なものなんだよな。
   相当なセレブが好物として熱く語ったりするぐらいなんだよ」

絹旗「ほうほう。それは知りませんでした」

浜面「でさ、ユダヤ人はカニを食えないけどカニカマは食いたい。
   で、カーシュールっていう料理の規定があってさ、ユダヤ人用のカニカマ工場はこの規定を満たしてないといけないんだと」

黒夜「ふぅん。つまりあれか、『カニを使ってませんよ』って証明するためか」

浜面「ある意味本末転倒だよな。カニの代用品だけどカニを使ったらアウトなんだぜ?」

絹旗「ガンもどきの中に鳥のガンが入っていたら超問題じゃないですか」

浜面「なるほど。つまりはカニカマはガンもどきってわけか。
   絹旗、うまいな」

黒夜「宗教が絡んでくるとそうなるのかもね」

浜面「よし、いろいろと作りたいものが浮かんできたぞ。今回はカニカマで行くか……ってあれ? なんか二人共顔が渋いな」

絹旗「なんですか、この枕の長さは」

黒夜「ここまできたら普通番外編ってことで流さないかい?
   起承転結の起の部分だけでこんなに長かったら話のバランス悪すぎでしょ」

絹旗「今回はハンバーガーだなーって勘違いしちゃうじゃないですか」

浜面「いやいやいや、別に俺は料理するためだけにいるわけじゃあなくってですね?
   普通にハンバーガーが食いたかっただけでしてのことでして」

黒夜「16Pの原稿の10Pを枕に費やしているようなめちゃくちゃなコンテでお客様が喜んでくれると思っているのかい」

浜面「うっせー、もう聞く耳持たねぇ!
   まずはカニカマのキッシュから作るぜ!」

浜面「材料はこれだ。


   ①カニカマ        10本入りパック1つ
   ②玉ねぎ         大1個
   ③卵           3個
   ④中華だし        大さじ1 味○でおっけ

     別途耐熱皿用意
                                   」

浜面「まずは玉ねぎをスライスして耐熱皿に敷く」

黒夜「まぁ、これは普通だね」

絹旗「浜面は前に玉ねぎはレンジでチンしてから使えって言ってましたが?」

浜面「どっちにしろ今回はオーブンで焼くから不要だな。
   で、その上に手でほぐしたカニカマを散らす」

絹旗「こうして見ると結構普通の材料っぽく見えますよね」

黒夜「普通カニカマってそのまま食べるか精々サラダに入れるぐらいだもんね」

浜面「で、この上に溶き卵、お湯でとかした中華だしを入れるっと」

絹旗「出ましたね、家庭料理のチート、○覇」

黒夜「美味しいんだけどねー」

浜面「使い過ぎなきゃ問題はねぇよ。で、これを200°に加熱しておいたオーブンで30分、で出来上がりだ!
   卵の表面が固まってからパン粉をちらしてもういっかいオーブンに入れてもいいぜ?」

黒夜「表面がパリパリするとか?」

浜面「うん。ちなみにパン粉に粉チーズと乾燥バジルを入れておくとすっげぇいい感じに焼きあがるな。
   今回はやらないけど」

絹旗「でもこれは普通に美味しそうですよね」

黒夜「だね。ハズレの要素がないもん」

浜面「感動するほどうまいか、って言うとそうでもないけどなー。
   でもちょっとした一品を増やしたい時にはうってつけなんだぜ? 簡単だからな」

浜面「ついでにもう一品いくぜ」

浜面「カニカマと豆腐の中華スープだ。これもめちゃくちゃ簡単だ」

浜面「材料はこれだ。


   ①カニカマ        10本入りパック1つ
   ②豆腐          1丁
   ④中華だし        大さじ1 味○でおっけ
                                   」

絹旗「なんかキッシュと超代わり映えしない材料なんですが」

黒夜「やっぱり○覇を使うのかい?」

浜面「まぁ、簡単だからな。
   鍋に水を入れて沸騰させて、そこに中華だしを溶いて、ほぐしたカニカマを投入する。
   ほぐし方はカニカマを半分に切ったあとまな板に並べて包丁の腹で下に押し付けながら前に滑らせる」

絹旗「おお、簡単にバラバラになりましたね」

黒夜「やり方で味が変わったりするの?」

浜面「特に変わらないけど繊維がバラバラになりやすいのはこっちのやり方かな。
   で、これをお湯に入れて、豆腐を入れて出来上がりだ」

絹旗「これも簡単ですね」

黒夜「でも殆ど味○スープだよね」

浜面「簡単でうまいんだからいいじゃないか。そりゃきちんとダシとったりしてもいいけどよ、今回は安い材料なんだからよ」

絹旗「手抜きって言えば超手抜きですよね」

浜面「やかましい。男料理はこんなもんなんだよ」

浜面「よし、ついでだ。手抜き料理網一品行ってみるか!」

浜面「バカみたいに簡単な混ぜご飯、さんまご飯だ」

浜面「材料はこれだ。


   ①米           3合
   ②さんまの缶詰      1つ 醤油タレ系で
   ④生姜          適量
                                   」

絹旗「なんですか、これ。さんまご飯? 缶詰じゃないですか」

黒夜「普通混ぜご飯って醤油とお酒でダシ作ったりするよね?」

浜面「缶詰ってさ、中に汁が入ってるだろ? それを使うんだよ。
   超簡単だぞ、気持ち水を少なめにしたご飯にさんまの缶詰開けて炊飯器スイッチオン、だ」

浜面「普通に炊き上がって塩気が足りなければ振り返ればいいし、臭いが気になったら刻んで水にさらした生姜を載せればいい」

浜面「バカみたいに簡単だろ?」

絹旗「それはわかりますが……こんなのが美味しいんですか?」

黒夜「うん、理屈はわかるけど正直なーって感じ」

浜面「まぁ、食ってみりゃわかるよ。今回の料理は全部手抜き料理だが味まで手抜きじゃあないんだぜ?」

浜面「炊き上がったし、喰ってみろよ」

絹旗「フィッシュネスバーガー食べたから超お腹すいてるわけでもないんですが……」

黒夜「まずはキッシュから」

絹旗「うん? まずくない……むしろ美味しい?」

黒夜「なんかキッシュとしては代わり映えしないけれど特に味を外してる感じでもない。
   うん、普通に美味しくない、これ?」

浜面「キッシュは不味く作りようのない料理だからな。
   中身をツナやじゃがいも、かぼちゃ何かにしてもうまいし、よっぽどのことがなけりゃ外れないもんだ」

絹旗「超感動できるか、と言った感じではないですが普通に食卓に並べられてたら嬉しいかもしれないですね」

黒夜「中身の入った卵焼き、ってモンだからねー。ある意味ずるい料理かも」

絹旗「じゃあ次はスープを……」

黒夜「おお、なんかカニの香りがするぞ?」

絹旗「人工的に付加された香りのはずですが、スープに超あってます!」

黒夜「豆腐でボリュームあるし。
   うわ、なんかこれもずるい! 普通に美味しいもん」

絹旗「チートここに極まれりという感じですか。手抜いているくせに美味しいなんて、卑怯です」

浜面「いいのいいの。簡略化できるところは簡略化しないとさ。
   せっかく材料や調味料を開発してくれた会社の人に失礼だろ」

絹旗「そういうものですか? いや、自分でやるのなら簡単で美味しいのは超ありがたいんですが」

黒夜「浜ちゃんに作ってもらってるって感じはしないね」

絹旗「うーん、私たちがわがままなんですかね」

浜面「ありがたいことではあるけどよ、現実にある技術技法を使うのは現代人として恥ずかしいことじゃあないと思うのよ」

絹旗「そりゃ私たちもジャンクフードとか超食べますし」

黒夜「ファミレスもこういう味って言えばこういう味だもんね」

浜面「最後にさんまご飯を食ってみろ。結構いけるぞ?」

黒夜「では、いただきます……」

絹旗「!? なんですか、これ。美味しいじゃないですか」

黒夜「思っていたほど味が濃くないけど、でもしっかりした味付けで……なんか高級な感じすらするぞ!?」

絹旗「元が缶詰だって知ってなかったら普通にある料理だって超勘違いしますよ絶対」

浜面「缶詰ってさ、封したあとに加熱調理とかするわけでさ。ってことは中の汁にはさんまのだしとかたっぷり入ってるのよ。
   それを捨てるのも勿体無いだろ?」

黒夜「なるほど。外観で判断してたけどよく煮込まれたさんまのスープを使った料理なんだ」

絹旗「思い込みって恐ろしいですね。一番美味しいところを捨ててたわけですか」

浜面「ちなみにさんまの缶詰が一番うまいかな。
   焼き鳥の缶詰とかでもいけるけど量が必要になってくるな」

黒夜「ふぅん。でもまぁ、さんまの缶詰だけでいいんじゃないかな」

絹旗「ちなみに聞くだけ聞いてみますが、鯖ではどうでしたか?」

浜面「……俺にだって失敗することぐらい、あるさ」

絹旗「視線そらさないでください。超失敗したんですね」

浜面「味噌煮は合わないなー。どうしても。蒲焼とかそういうのはどうにかなるんだけどさ」

黒夜「合いそうにはないよね。味噌炊き込みご飯なんて聞いたことないもん」

浜面「ちなみに水煮もなー。別途ダシを用意すればいいのかもしれないけど、コンセプトから外れるからやったことはないわ」

絹旗「まぁいいです。超簡単な割にはおいしい料理ばかりでした。ごちそうさまでした」

黒夜「うん、美味しかった。けどなー、なんか手のひらで転がされた気分だよ」

浜面「作る方としては楽で美味い料理があると随分と選択肢広がるんだけどな」

絹旗「超本当の意味で家庭料理ですよね、気取らなくて簡単で、それなりに美味しい、と」

黒夜「手間暇のコストが低くて味というリターンが大きい、っていうのは魅力だよね」

絹旗「コストとリターンですか。ハンバーガーは割に合わないんですよね?」

浜面「つうか、パンが、だな。
   コンビニのレベルのパンだって家庭じゃ作れねぇよ」

絹旗「でも最近はホームベーカリーも当たり前にありますけど」

浜面「こねる技術の問題だ。機械を使って大型のフックでこねたパン生地に勝てるのは本職でもごく僅かだと思うぜ?」

黒夜「あっさり白旗あげるね、浜ちゃん」

浜面「それに決して安くすまねぇもん。あのパンを2、30円の材料で作るのって家庭じゃ絶対に不可能だよ」

絹旗「そうかもしれませんね。大量生産だからできるコストの安さ、ですか」

黒夜「ユダヤ人にとってのカニカマみたいにコストを無視しても優先すべきものがあるのならば別なんだろうけどね」

絹旗「どーなんでしょうね。そう言う意味で私たちはコストに見合うだけのリターンだったんでしょうか」

黒夜「……暗闇の五月計画のこと? 知ったことじゃないよ。
   まぁ、レアな能力が身に付いたってだけで、量産化できないんだったら価値はなかったんじゃないの?」

絹旗「安定供給ができなければ超意味はないんですよね。私個人が生き残る能力にはなりましたが」

浜面「そういうところでドライに話をするなよ。お前らはお前らであって流通する商品じゃないんだからよ」

黒夜「んー、浜ちゃんがそう言ってくれるのは嬉しいんだけど」

絹旗「実際問題としてそう言った過去があったのは超覆せませんから」

黒夜「学園都市って元々そういう場所じゃない。個人の人格なんて関係なくって、個人は能力を入れる器でしかない」

絹旗「そう言った人間ばっかりでしたから。浜面だって超わかってるでしょう?」

浜面「少なくとも、今の俺はそうはなりたくはないし、そうであって欲しくもない」

黒夜「そういうこと真顔で言うから毒気抜かれちゃうんだよね」

絹旗「黒夜もですか。ですがやはり話の落ちは超必要だと思うのですよ」

黒夜「やっぱり?」

浜面「ちょっと待て。俺は今回何も悪いことはしていないぞ。誰かに襲われるようなことは何一つしていないはずだ」

絹旗「それはそれ。これはこれです」

黒夜「でもただぶん殴るの面白くないよねー」

絹旗「ですよね。よしわかった。ハリウッドの名作を10本、24時間耐久名作鑑賞会をしようじゃあないですか」

黒夜「あ、私用事が」

絹旗「ないです。超ないんですよ。ね、黒夜?」

黒夜「はーなーせー! 首筋掴むなー!」

絹旗「腕掴んだらトカゲのしっぽみたいに切り離されて超逃げるじゃないですか。
   ハリウッドの監督の話をした時から超ウズウズしていたんです。たまには名作鑑賞会もいいじゃあないですか」

浜面「うん、二人仲良くやってくれ」

黒夜「あ、逃げるなー! 私をおいてかないでー!」

絹旗「ちっ、黒夜捕まえてるから浜面は捕まえられませんでしたか」

黒夜「こんなのおかしい!? ひどい目に会うのは浜ちゃんのはずだっ! リテイク! リテイクを要求するっ!!!」

以上です
ところ変われば品変わる、カニカマのネタはこの話をやるにあたって一度はやろうと思ってました
あとパンに関しては自分でも何回か作りましたけど結局6枚切り100円のコストには勝てませんでしたね

フィッシュネスバーガーが検索しても出てこないお…

もしかして:フレッシュネスバーガー
だってお

>>71
??「なんか私がディスられた気がするって訳よ……」

コメントどもです。
味○を制する者は台所を制す、といったら5%強の確率で当たると思います。

>>82
まぁ、間違いっす
元はマクド○ルドのフィレオ○ッシュですが、まぁ商品名なのでごまかそうとしました
でも適当だからいいかなーって

>>84
鯖缶の料理は持ちネタにあるけれどもそんなに美味くないんでやるかどうか悩み中……


投下します

浜面「ほらほら、機嫌直せよ」

黒夜「……」

浜面「ほっぺた膨らませてないでさ、視線もこっちに向けろって」

黒夜「……」

浜面「う~みちゃん?」

黒夜「誰が『うみちゃん』だっ!」

浜面「だって『海鳥』だろ」

黒夜「……」

絹旗「いやいや、超素敵な48時間でした。
   興にのって二連しちゃいましたよ。超サイコーでした」

浜面「風呂も入らずベットでぐーすかしてたもんな。上映会の最中は近寄らなかったけど」

絹旗「でもちょっと勿体無い使い方でしたねぇ。せっかくの傑作たちを超疲れた頭で見てしまって。
   個人的にはテンションだだあがりでしたが」

黒夜「……こっちは拷問でしかなかったわ。いや拷問より酷いわ」

浜面「おっと、口開いたな」

黒夜「すっげぇ眠いのにまぶた閉じるたびにほっぺたひっぱたかれて強引に画面見せられてさ。
   一本終わるごとに最低でも十分感想言わされて。
   それが自分の趣味にあってなけりゃ再上映だぜ?
   火炙りにでもなった方がはるかに楽に死ねるわ」

浜面「そりゃ大変だったな」

黒夜「ふざけんなっ! 私のこと見捨てておいて他人事かよっ!」

浜面「いやいや、これはいつも黒夜が俺にしてることだろーが」

絹旗「何が拷問ですか。夢みたいな時間だったじゃあないですか」

浜面「悪夢も夢だけどな」

絹旗「浜面を24時間拘束すると滝壺さんと麦野が超怖いですから。
   ホント、いい生贄が身近にいたって再確認しましたよ」

黒夜「生贄って自分で言ってんじゃん。つうか見たけりゃ一人で見ればいいだろーが」

絹旗「昔は普通に一人で見てたんですよ。それなのに最近は一人で見てもつまんないんです。
   これも超浜面のせいです。浜面と一緒に映画を観るようになってからこうなっちゃったんですから」

浜面「つうか、映画って連続で見るもんじゃねぇだろうよ。
   ショートフィルムならまだしも人間の集中力はそんなに持たねーよ」

絹旗「はぁ、これだから無能力者は。
   自分の才能の限界と人間の限界を一緒にしないでください」

浜面「悪かったな無能力者でよ」

黒夜「つうか、無能力者の浜ちゃんにいいようにやられた大能力者の私の立場はどうなるんだ。
   そしてそんな私に一蹴された絹旗ちゃんの立ち位置は」

絹旗「無能力者云々と戦闘能力とかは必ずしも一致しませんよ。
   なんだかんだ言って無能力者である浜面が超能力者である麦野に何度も勝ってるんですから」

浜面「……」

黒夜「おや浜ちゃん渋い顔してるね」

浜面「はっきり言えば、自慢にできたのも最初だけだな。
   今はもう誇ることのできない思い出だよ。
   俺はただ弱いものいじめしてただけだったからさ」

絹旗「麦野を弱いもの呼ばわりですか。殺されても超知りませんよ」

浜面「弱いよ、麦野は。ただ弱さを見せてないだけだ」

黒夜「……しっかり見てるんだねぇ」

絹旗「断言、ですか。まぁ私も個人の中の解釈まで超コントロールできるわけではないですから」

浜面「俺に何ができたか、今から振り返っても何もできなかったとは思うけれども。
   何かができる人間にはなりたいとは思ってるんだよ」

黒夜「だったら私を見捨てるんじゃねーっての」

浜面「仲がいい分には結構な話じゃないの」

黒夜「別に仲がいいわけでもないんだけどさ。まぁ、一緒にいることがそれなりに多くはなってるけど」

絹旗「確かに仲がいいっていう実感は超ありませんね。つるんではいますが」

浜面「そういうのが仲がいいって言うんだけどな。
   んでもって黒夜の機嫌も少しは治ってきたか」

黒夜「……うかうかと話の乗せられてしまった。
   浜ちゃん結構口うまいんじゃないの?」

絹旗「それは超性的な意味ですか」

浜面「おいおい絹旗。ちっこいナリでそういうことを言うな」

黒夜「うわぁ、めっちゃ引くわ」

絹旗「うーむ、アイドル的な愛らしさの私が超品のないことを言ってしまいました。反省しなくては」

浜面「そこまで自己評価が高いとそれはそれでありだな」

黒夜「ねぇよ。自意識過剰で外から見てて痛いだけだよ」

絹旗「自意識過剰なのは黒夜でしょうが。なにあの黒づくめ。中二病ですか」

黒夜「絹旗ちゃんこそそのワカメちゃんスタイルをどうにかしろって。
   それともビッチか股ゆるなのか」

絹旗「誰が超ビッチですか!」

浜面「いいかげんにしろよお前ら。話が先に進まねぇじゃねぇか」

黒夜「浜ちゃんが私を生贄にしなければこんな話する必要もなかったんだけど」

浜面「はいはい、悪かった悪かった。
   十回に一回ぐらい意趣返ししたらびっくりしたっていうのはよくわかったから」

黒夜「からかってんのかこの野郎」

浜面「悪かったからさ。
   お詫びになんか食いたいものを作ってやろうじゃないの」

黒夜「……私はガキかなんかか」

絹旗「私はサンドイッチが食べたいです。ホットサンドでフレッシュなやつ」

浜面「ほいほい、わかったわかった」

黒夜「こらぁ! 浜ちゃんは私に言ってるんだぞ!?」

絹旗「じゃあ言えばいいじゃないですか浜面に」

黒夜「くっそう……ピラフ。ピラフが食べたい」

浜面「おっけー。じゃあさっくりと行きますかね」

浜面「まずはピラフ風炊き込みご飯からいくか」

浜面「材料はこれだ。


   ①米           3合
   ②シーフードミックス   180g入り 1袋
   ③固形コンソメ      1つ
   ④バター         大さじ1.5
   ⑤塩胡椒         適量
                                   」

浜面「料理方法は超簡単。
   ①~④全部ぶっこんで炊飯器のスイッチオン、だ。炊き上がったら塩胡椒しよう。
   乾燥バジルを和えてもいいな」

絹旗「前回のさんまご飯と一緒ですね」

黒夜「おい。私が食べたいのはピラフであってピラフ風炊き込みご飯じゃねぇんだけど」

浜面「まぁ騙されたと思って喰ってみろよ。すっげぇうまいから」

絹旗「食べてみて実際に騙されるかも……ってことはないですね。この材料なら」

黒夜「ハズレはないってわかってるんだけど、納得いかないなぁ」

浜面「これは炊き上がるまでの50分ぐらい自由に動けるのがいいところなんだよ。
   実際問題として調理時間の確保ってそういうもんだからな」

浜面「次にアボガドとエビとトマトのサンドイッチといくか」

浜面「材料はこれだ。
   一人前計算で考えてくれ。

   ①車海老         1匹
   ②アボガド        四分の一個
   ③トマト         1きれ
   ④レタス         1枚
   ⑤ライ麦パン       食パンで2枚
   ⑥レモン汁        適量
   ⑦白ワイン        適量
   ⑧塩胡椒         適量
   ⑨マヨネーズ       適量
                                   」

黒夜「おいコラ。どう考えても私のピラフ風炊き込みご飯より豪勢じゃねぇか。
   喧嘩売ってるのか買うぞこの野郎」

浜面「いやいや、そんなんじゃなくってな」

絹旗「何を言ってるんですか黒夜。出来が悪いとは言え部下が上司に尽くすのは超当たり前のことじゃないですか」

浜面「つぅか、正直どっちも美味いんだぜ?」

絹旗「でも正直言えばサンドイッチのほうが豪華に見えますよね」

浜面「どうしたって断面の問題があるからな。
   ま、調理行くぜ」

浜面「まずは車海老の下処理から。
   最初に殻を剥く。で頭としっぽも取る。今回は使わないから」

絹旗「エビフライで頭としっぽがついていると嬉しかったりしますよね」

黒夜「食べるとき邪魔なんだけどね」

浜面「しっかり上げてあればバリバリ食えるんだけど、そこは好き嫌いかなぁ。俺は好きなんだけど。
   で、エビを料理するときの基本、筋を切っておく。
   そうしないと丸まっちゃうから」

絹旗「筋なんか見えませんけど」

黒夜「背わたってやつじゃなくって?」

浜面「ああ、背わたをとってなかったな。背中の黒い部分が内臓だから爪楊枝で引っ掛ければするりと取れる。
   ここいらはエビの基本だなぁ。
   ともかく、適当でいいから身体の両脇にちょこちょこ切れ目を入れて伸ばしておく」

絹旗「こうするとエビの弾力とかなくなっちゃいそうですが」

浜面「そうでもない。で、エビに竹串をさして真っ直ぐにしておいて、白ワインを入れたお湯を沸騰させて五分ほど火を通す、っと」

黒夜「ふぅん。竹串を入れてさらに丸まらないようにするんだ」

絹旗「普通のちっこいむきエビじゃダメなんですか?」

浜面「いいよ、それでも。ただちっこいエビだと食べる時にポロポロ落ちやすいからってだけ。
   あと車海老がめっちゃ安かったっていうのもある。なんと一匹68円だったんだぜ? 買うしかないでしょ」

黒夜「車海老68円? おかしくね? ありえねぇだろ」

浜面「ところがあったんだよなぁ。二度とないかもしれないけど。
   あんときは幸運すぎて天に舞い上がりそうだったぜ」

浜面「あ、別にエビならなんでもいいし、ボロボロ落とす心配がなけりゃちっこいのでも別に構わないからな」

絹旗「ともかく、エビが真っ赤に茹で上がりました」

浜面「茹で上がったら竹串を抜いて、で氷水で冷やす。
   エビとかカニは冷凍とかにも強いんだよな。水につけても味が逃げていかないし」

絹旗「へぇぇ。じゃあエビの風味ってどうやって出すんですか?」

浜面「油、だな。殻を油で炒って香りを出すんだよ。ま、脇道だな」

浜面「冷やしたエビの水分をとって、縦に切り分けて、で塩胡椒しておく。
   次にアボガドをスライスして軽くレモン汁をかける。変色しにくくなるし味もさっぱりする。
   さらにマヨネーズにもレモン汁を混ぜ合わせておく、っと」

黒夜「レモン汁だけでそんなに変わるもんなの?」

浜面「なくても構わねぇよ? つうか俺の好みだな。ないよりはさっぱりするのは保証する」

浜面「で、パンの上にレタスのせて、マヨネーズを少しだけ広げておいて。
   んでもってエビ、アボガド、トマトをのせて、マヨネーズの残りをかけて、
   塩コショウして最後にもう一枚のパンをのせて」

絹旗「超完成、ですね」

浜面「その前に軽くパンを押してなじませて、だな。
   あとは二つに切って皿にのせてできあがり、っと」

浜面「ご飯が炊き上がる前に食っておこうか。冷たい牛乳がよく合うんだ」

黒夜「どれどれ、いただきますか」

絹旗「美味しいっ!」

黒夜「アボガドとマヨネーズが合うね。レモンのさっぱり感がこう来るんだ」

絹旗「エビもプリプリしていい感じです。なるほど、パン全体に長いのが入っているからこぼれ落ちにくいんですね」

浜面「それだけのために高い金出す意味あるかっていうと疑問だけどな。まぁ今回は安かったから」

黒夜「ちっこいエビでもそう味は変わらないだろうね。でもプリプリした食感のエビがいると一味違うね」

絹旗「レタスやトマトもいい感じです。うん、確かに牛乳が超あいますね」

浜面「サンドイッチって中に挟むもの間違えなけりゃまずくなりようがないからな。
   ゆで卵や玉ねぎ入れてもいいんだぜ?」

黒夜「うん、これは確かに美味しいわ」

浜面「強いて言うのならばトマトは水分が出やすいから弁当には不向きってことぐらいかな。
   まぁでもすぐに食うのであれば関係ないし」

絹旗「しっかし、浜面がこういうオシャレ系を作ると超違和感があります」

浜面「やかましいわ。
   よし、炊飯器の方も炊き上がったようだぜ」

浜面「少し蒸らして、さっと盛り付けて……
   ピラフ風炊き込みご飯、召し上がれ」

黒夜「ピラフじゃないんだよなぁ、これ。バジルふりかけてっと」

絹旗「ん? んん? ピラフじゃないですが超ピラフの味がします」

黒夜「ホントだ。味的には本当にピラフだ」

絹旗「バターの風味がいい感じです」

浜面「ピラフってさ、最初に炒めるけどそのあとは炊飯器使っても構わねぇんだよな。
   だったら最初っから炊飯器でもいいかなって作ってみたのさ」

浜面「玉ねぎの微塵切りやトマトペースト入れてもいいな。
   流石にご飯はちょっと違うけど、それなりに美味いだろ?」

絹旗「美味しいです。それに手軽なのが何よりいいです」

黒夜「本当、詐欺みたい。だって実際の調理時間5分もないじゃん。
   それに包丁だって使ってない」

絹旗「ご飯研いでコンソメとシーフードミックス入れただけですもんね」

浜面「それで美味いんだからありだろ?
   本物は店で食えばいいんだよ、家庭では似て非なるものでも簡単で美味けりゃいいのさ」

黒夜「めちゃくちゃ主婦目線だね。それもありかなって感じだよ」

絹旗「サンドイッチも実際の調理ってさほどしてませんしね。
   手を抜ける場所も超いっぱいありましたし、材料が少し高かったぐらいで」

浜面「どうよ、黒夜も少しは機嫌直った?」

黒夜「ちぇっ、わかったよ、許してやるよ、もう」

浜面「ありがとな。やはり食物の力は偉大だな」

絹旗「それは超否定しませんが」

浜面「ん?」

絹旗「『うみちゃん』呼ばわりが良かったんではないかと」

黒夜「はぁ? 何言ってるの絹旗ちゃん」

絹旗「浜面から黒夜の顔は見えませんでしたが、あのあと唇がぴくぴくいって笑顔になりそうでした。
   なかなかいい感じでした。写真に撮っておけば一生馬鹿にできるぐらいの表情でした」

黒夜「んなわけないだろ? キモかっただけだわ」

絹旗「私も大昔は黒夜のことをそう呼んでいた時期もありました。
   今から考えると若気の至り超甚だしいですが、まぁ普通に女の子だったんですよ黒夜も」

浜面「なるほどねぇ。アイテムがそうだってわけじゃあないんだろうけど、
   女の子同士が名前で呼びあわないのも不自然っちゃあ不自然だよな」

黒夜「じゃあこれから絹旗ちゃんを『さ~ちゃん』とか呼ぶわけね」

絹旗「やめろ超キモい。
   っていうか、浜面はまだ滝壺さんのこと名前で呼んでないんですか?」

浜面「……いや、その、タイミングがつかめなくってな」

黒夜「能力追跡はちょっと普通の人間と生きている時間の流れが違うっぽいからねぇ」

絹旗「っていうか、もう用済みだからじゃないですか、浜面が」

浜面「おい」

絹旗「滝壺さんが浜面になびいたのはアイテムが壊れたからです。
   滝壺さんの居場所がなくなってしまったからです。
   アイテムが復活した今、浜面がいなくても滝壺さんが居心地のいい場所は存在するんです」

浜面「おいおい、いくらなんでも酷いだろ」

黒夜「あ、でもなんか浜ちゃんがよってっても能力追跡は無視してること多いよね。
   プチプチに夢中になってたり」

絹旗「事務的な事柄は一緒に過ごすかもしれません、フレメアを歯医者に連れて行った時みたいに。
   ですが滝壺さんが超積極的に浜面と二人だけになろうとしてる時ってありますか?」

黒夜「まぁうちらの視線から見ても見えてないだけかもしれないけど、浜ちゃんどうよ?」

浜面「……ここ最近は、ないかも……」

絹旗「もう遅いかもしれませんが、可能性は零ではないでしょう。
   超今すぐ滝壺さんとの距離を縮めるようなことをしてきたらどうでしょうか」

浜面「うぉおおお!
   待ってろよ、たきつぼぉおおお!!!!」

黒夜「いっちゃった」

絹旗「馬鹿ですね」

黒夜「馬鹿まるだしだね」

絹旗「あれは超信用してないんですかね。
   いや、麦野がふたりっきりにしないよう画策しているというのも確かにありますが」

黒夜「信用はしてるんじゃないかなぁ」

絹旗「まぁ、男の恋愛は名前を付けて保存、女の恋愛は上書き保存といいますから。
   あっさり切り捨てるときは切り捨てられてしまうんでしょうが」

黒夜「でも能力追跡にとって浜ちゃん以上の男ってなかなかいないと思うけど」

絹旗「私たち男と一緒にいることそのものが超圧倒的に少ないです。
   それに暗部出身者に対して理解がある男なんてそれこそごく僅かでしょう。
   浜面が捨てることはあっても逆はないっていうのが正直な見解なんですが」

黒夜「それもないかなーって。浜ちゃん、なんだかんだ言ってベタ惚れっぽいからなぁ」

絹旗「本当、麦野が報われる可能性が薄くなる一方です」

黒夜「……」

絹旗「なんです? 何か言いたいんですか?」

黒夜「いんや、なんでもないですよ、さ~ちゃん」

絹旗「ブチ殺すぞ腐れアマ」

以上です

ピラフ風炊き込みご飯は友達の持ちネタです。結構いける

サンドイッチはバンズに挟んでハンバーガー風にしてもいいです
そのときはエビじゃなくってランチョンミートとかがあうかなぁ

> 浜面「これは炊き上がるまでの50分ぐらい自由に動けるのがいいところなんだよ。
>    実際問題として調理時間の確保ってそういうもんだからな」

???「さすがは浜面、良く分かってるじゃん!」

お弁当にサンドイッチ作ったらポロポロこぼれてもーって感じで
なんか包み紙とかかってくるべきでしょーか

投下します
今回はラーメンの話で

浜面「……」

絹旗「……」

黒夜「……」

絹旗「(なんですか、この超重い空気は)」

黒夜「(大体見当付くんじゃないの? 能力追跡に相手にされなかったんだよ)」

絹旗「(気力体力すべて吸い取られたような顔をしてますね。真夜中に見たらびっくりしておしっこ漏らしちゃうレベルです)」

黒夜「(あー、例えはあれだけどわかるわ言ってること。
    生きている骸骨ってぐらいに痩せこけてるもんね)」

絹旗「(人間、瞬間的にあそこまで細くなるもんですかね)」

黒夜「(実際はそれほどでもないなんだろうけど……こう、纏うオーラでそう感じているというか。
    ちっとも科学的な話じゃないんだけどさ)」

絹旗「(主観で語るのは科学としてはやってはいけないことですが言いたいことは超わかります)」

浜面「なぁ、お前ら……」

黒夜「ひっ!」

絹旗「な、なんですか浜面」

浜面「人生って、虚しいなぁ……世界ってなんのためにあるんだろう……」

黒夜「いやいやいや、人生いろいろ楽しいことあるって」

絹旗「そうですよ。映画とか……映画とか」

黒夜「それしかないんかい。
   本を読んだりドライブしたり、あ、あと浜ちゃんいつものように料理すればいいじゃん気が晴れるって」

浜面「……食欲ないんだよ。つぅか、なんにもしたくねーんだ」

絹旗「重症ですね、これは」

黒夜「なんかしようよ。鍵開けたりとか車盗んだりとか」

浜面「俺はもう盗みはしないことにしてるの……緊急の時は別だけどな」

絹旗「まぁ、表側に生きる分にはリスキーなことは超避けるべきですしいいことなんでしょうが。
   なんでしょうこの無力感」

黒夜「荒療治が必要なのかなぁ。絹旗ちゃん、ちょっとこっちきて」

絹旗「なんですか黒夜」

黒夜「昨日さ、ちょっとラーメン食いに行ったのさ。
   結構並んでる店でね、私のすぐ前にすっごく花って感じの女の子と黒髪ロングの女の子がいたのよ。
   うちらとおんなじ年ぐらい?」

絹旗「はぁ、それで?」

黒夜「でさ、ロングの子が花の子の後ろに回ってさ」

絹旗「ひゃあっ!?」

浜面「ぶほうっ!」

黒夜「こぉんな感じでスカートめくったのさ。もうみんな大さわぎさ。
   で、やっぱり浜ちゃんも反応した、と」

絹旗「て、てめぇ……自分のでやればいいじゃないですかっ!
   ぶち殺しますよこのアマ」

黒夜「だってさぁ、これみよがしの超ミニスカ。めくるなら今でしょ」

絹旗「浜面っ! そっちも反応するんじゃないっ!
   さっきまでゾンビだったのに目に光戻ってるじゃないですか超許せねぇ」

浜面「いや、だってパンツですもの仕方ないでしょ男の子だもの」

絹旗「ぶっ殺すぶっ殺すぶっ殺す!」

黒夜「……ここで浜ちゃんの方に怒りが向くところが絹旗ちゃんだねぇ。まぁ落ち着け」

絹旗「事の加害者の分際で何を偉そうに……」

黒夜「いやいや、話が進まないから。最近枕が長くて文句が来てるんだよ」

絹旗「誰が文句つけてるんですか、誰が」

黒夜「そりゃ、色々と……わかるでしょ?」

浜面「? いや、別にそんなのねぇだろ? ここに俺たち以外に誰がいるって言うんだよ」

黒夜「いいから話を合わせろって。世の中にはお約束ってゆーのがあるんだよ」

絹旗「とりあえずこの場は怒りは収めておきましょう。あとで開放しますが」

黒夜「はいなー。とこでさ、浜ちゃんラーメン作れる?」

絹旗「そりゃ作れるでしょ。お湯を入れて三分ですよ」

黒夜「インスタントの話じゃなくってね」

浜面「そりゃ麺を打てとかそーいう話でなけりゃ作れなくもないぞ?
   スーパーの生麺も馬鹿にはできないもんだ」

黒夜「へぇ? チャーシュー手作りだったりする?」

浜面「作れるけどよ。アレ時間かかるんだよな。
   前の晩に仕込んでおいて次の日に食べるって感じかな」

絹旗「作れるんですか」

浜面「ネットにのってたんだよ。なんでもあるよな。靴下の繕い方からテロのやり方まであるんだもんな」

黒夜「じゃあ今からは作れないか」

浜面「チャーシューもメンマも煮玉子もなしだったら作れるぞ。
   幸い、生麺は冷蔵庫に入っているから」

絹旗「そんなラーメン超つまんないじゃあないですか」

黒夜「それともいいメニューがあるの?」

浜面「ふっふっふ。高菜ソバっていうメニューがあるのよ。これが結構いけるんだ」

絹旗「なんかおかしくないですか? チャーシュー用の豚バラがなくって高菜が用意されているって」

黒夜「それが大宇宙の意思なんだよ」

浜面「まぁ、食ってみてのお楽しみだ」

浜面「材料はこれだ。
   3人前計算で考えてくれ。

   ①生麺          1袋(三食分)
   ②高菜          180g程度
   ③豚肉          50g程度
   ④たけのこの水煮     1袋 千切りになっているもの
   ⑤生姜          1個
   ⑥中華調味        適量 一人前味○大さじ1ぐらい
   ⑦醤油          適量 一人前大さじ1弱?
   ⑧片栗粉         適量
                                   」

絹旗「また味○ですか」

黒夜「浜ちゃん本当に好きだねぇ」

浜面「いいだろ、便利なんだから。つぅか、これをお湯に溶かすだけでラーメンスープになるんだぜ?」
絹旗「うわぁ、超手抜きです」

浜面「一応ラーメンスープ、無理すりゃ作れるけどえらい時間かかるんだよ。
   最低でも半日は潰れるから、まぁご家庭じゃあちょっと厳しいな」

黒夜「気軽に作るってわけにはいかないか」

浜面「まずは具を作るか。つぅか、具を作れば半分以上完成なんだけどな」

浜面「最初に高菜を絞る。汁が結構塩きついからな。もったいないけど捨てるんだ」

絹旗「へぇ。浜面の料理にしては珍しいですね」

浜面「ほかに使い道ないからさ。で、絞った高菜を1センチ弱で切っておく」

黒夜「微塵切りの高菜も売ってるよね」

浜面「売ってない時もあるからな。売ってりゃそれでいいけどよ。
   で、たけのこの水煮を切っておく。勿論最初っから切れているやつならそれでおっけ。
   豚肉と生姜も同じ程度の大きさに切りそろえておく」

絹旗「たけのこと豚肉と生姜はサイズ揃えるんですか?」

浜面「別に揃えなくてもいいぜ? ただ見た目の問題だな。
   高菜は噛み切るのが大変だから小さくしないといけないけどさ」

浜面「で、こいつらをフライパンでさっと炒めて、コップいっぱいの水を投入。
   で簡単に塩で味を整えて片栗粉でとろみを付ける。
   塩は少なめでいいぜ? 高菜の味が強いから」

絹旗「とろみのついた餡の完成、ですか」

黒夜「なんかこれだけでも食べられそうだね」

浜面「どうなんだろ。麺に合わせる以外で食ったことねぇし、白いご飯とかとあうんかな?
   じゃあ、次はいよいよ麺を茹でるぞ」

浜面「まずはでっかい鍋に水をたっぷり張ってぐらぐらと茹だたせる。
   そんときに別の鍋で別の水を沸かしておこう。俺は電気ケトル使ってるな」

絹旗「超分けてますが、理由は?」

浜面「こっちはスープ用のお湯。茹で上がった瞬間には用意しておかなきゃならないから同時作業なんだよ」

黒夜「考えてみれば当たり前のことだね。
   麺が茹で上がってからスープを作ったりはしないか」

浜面「その逆でもスープが覚めるからな。
   まず、沸きあがったら丼を沈める。で、取り出す」

絹旗「なんですかそれは。何かの儀式ですか」

浜面「丼を温めてるんだよ。一秒でも漬けておけば結構保温してくれるんだ。スープが冷めない工夫の一つだな」

浜面「次に麺を投入。大体3~5分。茹で時間の正確なところは袋に書いてあるからそれより若干短めに茹でる」

黒夜「へぇ。なんでさ」

浜面「どうしたって盛り付けるのに手間取るからさ。自分自身の温度で仕上がっちまうのを計算しておくわけ。
   で、その間に丼に必要分の醤油と○覇を入れて、別途用意しておいたお湯少量で溶いておく」

絹旗「浜面。これじゃ超量が少ないですし味が濃すぎると思いますけど」

浜面「いいのいいの。塊が残らない程度にほぐしておいて。
   で、麺の茹で上がりをじっくりと待つ」

黒夜「わ、わ、浜ちゃん、泡だって溢れ出しそうだよ」

浜面「そういう時はコップいっぱいの水を投入してやる。すると温度が下がって噴きこぼれなくなる。
   これをびっくり水って言って、麺を柔らかくする方法の一つ……らしいんだが」

絹旗「が? 超引っかかる言い方ですね」

浜面「いやさ、俺もラーメン屋には結構行ってるけどこれやってる店見たことないんだよな。
   ラーメン屋ってさ、結構厨房丸見えのところ多いじゃん。
   俺も多少興味あるから見てるんだけど、こんなことやってる店俺の知る限り一件もねぇんだよ」

黒夜「つまり、意味がないってこと?」

浜面「噴きこぼれを防ぐっていう意味では意味はあるんだろうけど……多分味は変わんねぇと思うのよ」

絹旗「つまり超かっこつけ!?」

浜面「味よりも実用性的なところなのかな。まぁともかく茹で上がった。
   これを丼に盛り付ける」

黒夜「……スープが完全に麺の下に隠れちゃったよ。これじゃ油そばじゃないの」

絹旗「それとも高菜そばってこういう料理なんですか?」

浜面「ちゃうって。で、高菜の餡を盛り付けて、表面を覆うようにして、少しだけ開けておく」

絹旗「ふむふむ」

浜面「で、ここの空いたところからケトルのお湯を差して、規定量まで薄めるっと。
   ついでに箸を入れてスープを一様にかき混ぜておく」

黒夜「もしかして、スープが冷めないようにするため?」

浜面「うん。こうしておけばアツアツで食えるからな。
   ○覇でラーメンスープ作るとどうしても冷めやすいんだよ。グラグラ鍋で茹だったスープじゃないからさ」

浜面「よし、高菜そば、完成だ。熱いうちに食ってくれよな」

絹旗「今回はある意味感動が薄い料理ですね」

黒夜「だね。どうしてもね。けどいただいてみようか」

絹旗「ん? これは!」

黒夜「ふ、普通にラーメンの味だ……とんこつとか煮干とか、そーいうんじゃない、最大公約数っぽいラーメンの味だ!」

絹旗「不味くはないんですが、超普通です。
   いや、ご家庭で手軽にこの味が楽しめるんなら超感動もの!?」

黒夜「あ、でも餡のほうは初めての味かもしれない。
   独特の酸味がある高菜と、ピリッとする生姜と、歯ごたえのいいたけのこと……」

絹旗「豚肉は主張はありませんが、ないと淋しいかもしれませんね、これ」

浜面「おいおい、スープがアツアツなところも少しは感じてくれよな」

黒夜「ん? 言われてみれば。
   丼をあっためていたのと餡掛けが蓋になっていることでスープが熱いまんまだ」

絹旗「少なくとも食べ終わるまで冷めることはなさそうです」

黒夜「う、うーん。なんていうんだろう?
   欠点はないんだけれど……うん、普通に美味しいことは間違いない」

絹旗「食べたいな、ってときに食べたい味ではありますが……超おすすめ? っていうと疑問ですよ」

浜面「つぅかな、それはラーメンが専門店が圧倒的に多いからの話だと思うぜ?」

絹旗「それはありますね。何かしらの売りがある店がいっぱいある業界です。
   脳みその中でラーメンというものに対する期待値が超高くなっていることは否めません」

黒夜「それを外して考えると……うん、美味しい、かな」

絹旗「ですが、これは味○がすごいんであって浜面はあんまり関係ないっていうか、
   超誰にも出来る料理というか……」

浜面「あのなぁ、俺は料理人じゃあないし、学園都市の学生としてはノーマルなスキルしか持ってないんだぞ?
   誰にでも作れる料理しか作れねぇに決まってんだろーが」

絹旗「……そうでした。超その通りです。
   浜面はそういうキャラクターでした」

黒夜「ちょっと期待しすぎちゃってたかな。別に浜ちゃんが悪いわけじゃなくってさ。
   元々浜ちゃん手を抜けるところは手を抜いて料理してたんだし、それで美味しいもの作ってたんだし」

絹旗「ただ、ある意味私たちが本当に知らないところを開拓していたってイメージが超あったんですよ」

浜面「そーいうのもあるけどさ。少なくともラーメンではそうはできないわ。
   そもそもラーメン自体がレベルがくそったかい料理なんだよ。そこは理解しておけよ」

黒夜「なるほどねー。アベレージは普通にとってるんだよね」

絹旗「ですが、今はインスタントの生麺タイプとか超美味しかったりしますからね。戦場の選択が超良くなかったってことですか」

浜面「俺をいったい誰と戦わせるつもりだ」

黒夜「ってかさ。さっき言ってたけど、浜ちゃんが作るスープってどんなもんなの?」

浜面「おう。とんこつと鳥の足、もみじを半日煮込んで、
   セロリ・じゃがいも・人参・玉ねぎをドロドロになるまで煮込んで濾したやつを加えて、
   んでもって生クリームを入れるんだ。
   スッゲェ濃厚で俺好みに仕上がるんだぜ?」

絹旗「生クリーム!? ラーメンのスープにですか!?」

黒夜「うわぁ、確かに濃厚そうではあるけど……」

浜面「ただ、欠点はどうしても大量に作らなきゃなんないから最低でも10人前からじゃなきゃ作れねぇってところかな。
   時間もかかるしなー」

絹旗「うわぁ……そういうことを考えると味○って超優秀ですね」

黒夜「うん、確かに浜ちゃん何も悪くないわ」

絹旗「ですね。切れ味がよろしくないと判断したのはこちらのミスでした」

浜面「ま、俺も少しばっかり本調子でなかったのは確かだよ。
   失敗しない料理に逃げたっていうのはあるかもな」

黒夜「本調子じゃない、か。やっぱり能力追跡に袖にされたのが?」

浜面「ぐほっ!」

絹旗「黒夜っ! 浜面が七孔噴血したじゃないですか」

黒夜「うわぁ……いやいや、違うよ、多分」

絹旗「はい?」

黒夜「絹旗ちゃんのパンツがお子様だったのがいけなかったんだ」

絹旗「なんですと!? っていうか超思い出した。
   話も終わったからぶち殺すっ! 思いっきりペッタンコにしてやりますっ!」

黒夜「まぁまぁ。浜ちゃん浜ちゃん」

浜面「……なんだよ。気持ち最悪な上にこれからひどい目にあう俺に何か用かよ」

黒夜「パンツの中身、いらない?」

浜面「!?」

絹旗「は、はぁあぁん!? 黒夜、一体何を言い出すんですか!」

黒夜「いやさ、絹旗ちゃん寝付くとなかなか起きなくってさ。この間こっそりパンツ脱がせて写真撮ったのよ。
   浜ちゃんが欲しいんなら無料であげるけど」

絹旗「超待ちなさい! 何言ってるんですか、この犯罪者!
   この話を18禁にするつもりですかっ!」

浜面「……いやいやいや、俺は絹旗のパンツの中身になんか興味はないですよごく」

絹旗「その最後の『ごく』はなんですかっ!」

黒夜「パンツじゃ元気にならなくてもその一枚下ならどーなるんだろーなってさ。
   あ、今浜ちゃんの携帯にメールで送っておいたから」

絹旗「超ふざけんなっ! 消せっ! 元データごとこの世から消滅させろっ!」

黒夜「いいじゃん、減るもんじゃないし」

絹旗「減るっ! 超減りますっ! 私の尊厳がっ! 乙女としての守るべきものがっ!」

黒夜「ま、嘘だけどね」

浜面「……なぁんだ、嘘か」

絹旗「……」

黒夜「うん。大嘘。
   送り先は能力追跡だから」

絹旗「……はい?」

黒夜「浜ちゃんのアドレスをくぐった形にして能力追跡に画像送っておいた。
   絹旗ちゃんの寝顔付きかつノー下着のすっぽんぽん。
   これからどーなるんでしょう?」

浜面「え? ええっ!? た、滝壺にっ!
   な、なんてことしてくれたんだおまおまおま」

絹旗「滝壺さんが超誤解するじゃないですかっ! 滝壺さん起こるとすごっく怖いですよ麦野以上に!
   って、あれ? なんか『みきっ!』っていう音がしませんでした?」

浜面「あ、ああ……建材を素手で握りつぶすような音がしたな」

滝壺「……は……ま……づ……ら」

絹旗「滝壺さんっ! そんな柱の影からっ! 飛雄馬のおねえちゃんみたいな格好でっ!」

浜面「なんで手元がミシミシ言ってるんですかー!!!」

滝壺「ごめんね、さっきは無視しちゃって。
   その変わりってわけじゃないけど、いっぱいお話したいんだ……絹旗も、一緒に……」

黒夜「わぁお。すっごくどす黒いオーラが出てる」

絹旗「なんで他人事なんだーっ!!!」

黒夜「だって他人事なんだもん。あ、超ごゆっくりー。仲睦ましい会話の邪魔なんかしないからさ」

以上です

ラーメンって基本的に外で食べるものですよね
特にスープ
丸一日潰す覚悟がないと作れません味○万歳

ご家庭だと分厚い肉は焼けません
なかなか自分では買ってこれません

なんだかんだで役に立つのは鶏肉
今回は鳥ハムの話です

浜面「し、死ぬかと思った……」

絹旗「淡々と話しているだけなのになんで背後に見えちゃいけないものが超見えちゃうんですか……」

黒夜「おお、いい感じにやつれたねふたりとも」

絹旗「くっ、ブチのめしたい超ブチのめしたい」

浜面「しかし、滝壺が『騒ぐな』って念押ししたからなぁ」

黒夜「はっはっは。愉快すぎて腹筋が痛いよ」

絹旗「なんでですか。超わかりません、なんで滝壺さんコイツの肩持つんですか」

黒夜「私の肩持ってるんじゃなくって、絹旗ちゃんを警戒しただけだと思うけどね」

浜面「っていうか、お前らが大騒ぎしたら部屋がめちゃくちゃになるからだろう。
   麦野が原子崩しで壁に大穴開けた時だって大変だったんだぞ」

黒夜「ああ、あんときの浜ちゃんは凄かったね。溶接技術なんて持ってたんだって感心したもんだ」

絹旗「私が外壁材支えてた時の話ですか」

浜面「屋上からフックかけて足場構築して、ALCを電気溶接でアングルに固定して。
   内部材もビスで留めて壁紙を貼って。
   勿論部屋の中の養生もしなきゃいけないし、養生はがしたあとは掃除もしなきゃいけないし」

絹旗「建築関係のスキルも持ってたんですねぇ」

浜面「スキル持ってりゃバイトで金稼げるからさ」

黒夜「学園都市の建築技術も外部とそうは変わらないのかな」

浜面「そりゃ変わるだろうけど、それを体現しているのはごく一部だけな話だろ。
   建築なんて細かい技術の結晶で、それを全部ロボットでやるのは金がかかるからな。
   なにせ、ロボットっていうのは大抵人間より小回りが効かないからな」

絹旗「ピラミッドの時代から現代まで建築には人手が必要なのは超変わりませんか」

黒夜「全部が組立式で余剰を必要としないのならどうにでもなるんだろうけどね」

浜面「建築物って基本的に特定物だから同じものは存在しないんだよ。
   コンテナハウスとかを考えなければさ。
   だから、同じ工法がいつも使えるとは限らないし、現場の判断が大きくなってくるわけさ」

絹旗「ふぅむ。浜面の癖に生意気ですが超その通りですね」

黒夜「浜ちゃん、訳のわかんないところで詳しいよね」

浜面「だから、バイトで金稼ぐためのスキルだっつうの。
   一人でなんでも出来れば、今日は来なくてもいいよ、とか言われなくて済むだろう?」

黒夜「切実だねぇ」

絹旗「私たちは生活に関してだけは保証されてきましたからその感覚はわかりかねますね」

浜面「いいねぇ、高位能力者さまは」

黒夜「そりゃ実験用のハムスターの健康管理はしっかりするだろ。
   次の日には解体されてゴミ箱にぽい、でよければ交換して欲しかったかい?」

浜面「いや、それは……ごめん、悪かった」

黒夜「いいよ、別に怒ってないし」

絹旗「ここであっさり頭を下げるところが三流ですねぇ」

浜面「俺が悪いんだから頭を下げるのは当然だろうが」

絹旗「別に浜面が悪いわけじゃありません。
   本当に浜面が悪かったのならばあの実験を止めて欲しかった、とか思ってますよ」

黒夜「タダの第三者がどう思おうと、結局はその人間の中の話であってさ。
   うちらにとっては良いも悪いもないのよ。何にも変わらないんだから」

浜面「……そうなのかもしれないけどよ」

黒夜「実際、あの実験のおかげでくっだらない能力が身に付いたことも事実だし、
   それでも無能力者の浜ちゃんに負けてここに居着いているのも事実。
   人間出来ることしか出来ないもんだよ」

絹旗「何悟ってるんですか。ですが、言い分はわかります。
   浜面は物語の主人公でもなんでもないくせにすべてが思い通りに行くとか勘違いしてませんか?」

黒夜「それができるのは英雄って呼ばれるんだよ。浜ちゃんは英雄かい?」

浜面「わかってるよ、俺はただのチンピラで、なんにもできないって。
   でも、それでも何とかしたいって思っちまうんだよ」


黒夜「心がけが立派、というべきなのか、だからこそ浜ちゃんなのか」

絹旗「馬鹿ですがただの馬鹿じゃあない、と言った感じでしょうか。
   これまで散々行き詰まってきただろうにまだ前向きなのは超感心するところです」

黒夜「浜ちゃん、これ絹旗ちゃんの言葉の範囲で最大限に褒めてるんだからね、わかってる?」

絹旗「こら、黒夜っ! まるで私がモノを知らないガキみたいな言い方はしないでください」

浜面「お前らはいつもお前らだなぁ。本当」

黒夜「セットで語らないで欲しいなぁ。私はこんなにちんちくりんじゃないよ。
   浜ちゃんも見たでしょ、絹旗ちゃんの身体。
   この部屋でブラいらずなのは絹旗ちゃんだけなんだぜ?」

絹旗「はー!?!? 何を言い出すんです! あるじゃあないですか、ここに見事なのが」

黒夜「うん、見事な三段がさねを二の腕で挟んで何やってるんだい絹旗ちゃん」

絹旗「三段がさねじゃあないですよ、クソ夜!」

黒夜「誰がクソ夜だまな板ポッチ。しなびたプルーンをふるふるさせてるんじゃあねぇ」

絹旗「プルーンなわけないでしょうが! 黒ずんでなんかない! 黒ずんでるのは黒夜でしょう!」

黒夜「いや、私ピンクだし。なんだったら黒夜から桜夜に改名してもいいぐらいだぜ?」

浜面「お前らいい加減にするように。物陰から滝壺が覗き込んでいても知らないからな」

絹旗「ひっ! そ、それは超勘弁です……」

黒夜「直接戦闘能力のない能力追跡になんでそこまでびびるかなぁ」

絹旗「言っておきますが滝壺さんは大能力者の中では最強クラスですよ?
   敵の能力を奪うことができる能力者なんですから」

黒夜「それは怖いけどねぇ」

浜面「いや、滝壺の怖いところはそこじゃあない。もっと言葉にしづらい何か、だ」

黒夜「うぅむ……そういう言い方をされると否定ができない……」

浜面「俺は能力についてはそれほど詳しくはないが、
   滝壺のAIMストーカーってもしかしたら幽霊とか呼び出せるんじゃないか?」

絹旗「幽霊なんているわけがない、そう思いますが」

黒夜「能力追跡のわけのわからない迫力を説明するのには説得力のある仮説だ」

浜面「聞いた話だけどよ、なんでも学園都市にはAIM干渉場に成立する仮想生命体が存在しているらしいんだ。
   無数の生徒たちが発生させている干渉場によって構築されている実態を持たない生き物。
   その話聞いたとき、幽霊じゃねって俺思ったんだよな」

絹旗「その話は聞いたことがあります! 0930事件の時の怪現象を発生させた天使みたいなやつ!」

黒夜「学園都市ならありえるかもしれないね。
   じゃあ、能力追跡の本当の力って幽霊を呼び出す能力なの?」

浜面「論旨が強引すぎて説得力はないが、そうだとしても俺は驚かねぇぞ。
   なにせ滝壺が成長すれば学園個人、すべての能力を一人で支配再生できる能力者になるらしいんだから」

黒夜「うわ、おっかねぇ」

絹旗「どうですか黒夜。滝壺さんがどれほどの存在なのか少しは理解しましたか」

黒夜「少しは、ね。つぅか、なんだ今回のダラダラした話の流れは」

浜面「それはだな……これのためだ」

絹旗「なんですか、このパックに入ってるの」

浜面「鶏肉をタレに漬け込んでおいたもの。漬け込みだから時間がかかったんだよ」

浜面「材料はこれだ。


   ①鶏胸肉         2枚
   ②塩           大さじ2
   ③豆鼓醤         大さじ3
   ④生姜          大さじ2
   ⑥ニンニク        大さじ1
                                   」

絹旗「おお、なんか調味料と香味野菜ばっかりですね」

浜面「味付けは俺の趣味だからこれが正解ってわけじゃあないぜ?」

黒夜「いつの間にこんなの作ってたの?」

浜面「一昨日の昼間、かな。大体漬け込みは二日ぐらいを目安にしておくといいかな」

黒夜「つまりは枕の長さと漬け込み時間の長さをリンクさせようと? 意味ねーだろそれ」

浜面「いいじゃねぇか別に」

絹旗「で、これをどうするんですか? 漬け込んで超完成?
   それに料理の名前をまだ聞いてませんが」

浜面「勿論これで完成じゃあねぇし、名前も決まってねぇんだよ」

黒夜「名前が無い?」

浜面「名前はあるよ。鳥ハムってやつさ。聞いたことないか?」

絹旗「浅聞にして超知りませんけど」

黒夜「聞いたことないなぁ」

浜面「昔にネットではやった料理なんだけどよ。調味料に漬け込んだ鶏肉を茹でるといい味のハムになるってやつよ。
   実際にハムかっていうと微妙なんだが、少なくともまずくはないな」

黒夜「じゃあ鳥ハムでいいじゃない」

浜面「鳥ハムには決まったレシピがないんだ。だから味付けは完全に俺の趣味だ。
   本当、浜面式鳥ハム、とでも命名しようがないんだ」

絹旗「それでいいんじゃないですか? で、どこが超浜面式なんです?」

浜面「豆鼓を使うところかな。これをいれると肉関係の旨みは倍増するって思ってもらっていいんだ」

黒夜「へぇぇ。そういえばその『とうちー』っていうのも聞いたことないなぁ」

浜面「黒大豆でつくった味噌だよ。大徳寺納豆の起源とも言われてるな」

絹旗「ああ、あの! 甘納豆だと思って食べるとぶほってなる、あの!」

浜面「独特の発酵臭があるから普通気づくだろ」

黒夜「糸引いてない納豆だから甘納豆だと頭から思い込んでたんだよ、悪かったな」

浜面「思い込みとは恐ろしい……わかった、悪かったから椅子投げつけようとするのはやめろ。
   ともかく、これを使うとぐっと味に深みを増すんだ」

絹旗「そんな便利なものならガンガン使えばいいじゃないですか。
   味○みたいに」

浜面「いや、癖は強いからなぁ。中華ではよく使うんだけど……」

黒夜「まぁいいや。とにかく、その漬け込んだ肉をどうするのさ。
   煮だった鍋は用意してあるみたいだけど」

浜面「さっき言ったように煮るんだ。でもぐらぐら煮だったところで煮るんじゃあない」

絹旗「? どういうことですか?」

浜面「一回沸騰させたお湯に突っ込んで、でアクが大量に出てくるからそれを取り除いて。
   で、あとは火を止めて余熱で加熱するのよ。大体一時間ぐらいかな」

絹旗「なんでそんな超面倒なことを?」

黒夜「うん? そのまま茹でればいいんじゃないの?」

浜面「そのまま煮込むと肉がパサパサになっちゃうんだ。鶏肉だから味が抜けやすいんだよな」

絹旗「鶏肉にはそういう特性があるんですか」

浜面「スープごと食べるんならいいんだろうけどさ。
   ちなみにこのスープも結構いけるんだ。塩が効いてるからうまくやんないといけないけど」

絹旗「どうするんですか?」

浜面「もやしとか人参とか、しいたけとか、そういうのを炒めておいて、スープをどばって入れて。
   でとろみをつけてご飯にのせるのさ。
   なんちゃって中華丼にするのよ。これがまた美味いのよ」

黒夜「ふぇぇ。なんかそっちの方が美味しいそう」

絹旗「鳥の味がいっぱい染み出たスープですからねぇ」

浜面「まぁ、味が被るから次の日の料理だけどな。
   さて、ここに取り出しましたるのは既に一時間が経過した鍋でございます」

黒夜「うわぁ、超不自然な展開」

絹旗「こら、私に断りなく『超』を使うんじゃありません。不自然なことは超否定しませんが」

浜面「鶏肉を取り出して、一口サイズに切り分けてっと」

黒夜「……なんか見た目的には上品じゃないよね」

絹旗「ですね。肉そのものですからね」

浜面「まぁ、そういうもんだからな。少なくともおしゃれじゃねぇ。
   けどよ、まずは一口、食ってみろや」

黒夜「どれどれ……」

絹旗「美味しい! え、これ鶏肉!?」

黒夜「はじめての味だ……ニンニク生姜がよく効いてて、そしてこれが豆鼓の味?
   うわ、すっげぇ美味い! 鶏肉とすっごくよく合う!」

絹旗「やべ、超止まりませんよ、これ」

黒夜「うん、これは美味しいわ。あとを引く美味さだよ」

浜面「おう、たっぷり合うからどんどん食え」

絹旗「私はアルコールは飲みませんが、超合いそうですね、これ」

黒夜「うん、わかるわかる。私は白いご飯が欲しくなっちゃうよ」

浜面「美味いだろ? なんだかんだでこれの評判悪かったこと一度もないんだよ」

黒夜「鶏胸肉って唐揚げぐらいしか料理知らないけど、これはいいね」

絹旗「肉としては安いし柔らかい部位ですがパサつき安いんですよね。
   でもこれはそういった部分がないです!」

浜面「煮込まないのが美味く作るコツだよなぁ。料理らしい部分は漬け込むところだけだし」

黒夜「簡単で美味しいっていうのはいいよね」

絹旗「ふぅ、超満足です」

黒夜「ごちそうさまでした」

浜面「はいはい、おそまつさま」

絹旗「いや、今回はどーなることかと思いましたが、いつになく満足です」

黒夜「うん、実際的に料理しているシーン皆無だったからね。けどこれはいいよ、本気で」

浜面「難点があるとすれば盛りつけがうまくいかないところだよな。
   どうしても肉の色は微妙でさ」

黒夜「漬け込んでいるから仕方ないよね」

浜面「正確には揉み込んでいるんだけどな。あと胸肉の分厚いところには包丁も入れてるけど」

絹旗「これで唐揚げにしたらどーなるんでしょうね?」

浜面「味が濃すぎてどうにもならんと思うがなぁ。
   でも唐揚げも漬け込むよな。鶏肉ってそうやって旨み足すのがいいのかもな」

黒夜「なるほどねー。足らないのならば足す、のが基本なのか」

絹旗「……黒夜、どうしてそこで私を見るんです」

黒夜「見てないよ? 見ているのは絹旗ちゃんの胸」

絹旗「盛ってませんからね! ちゃんと影のラインが超出てるじゃないですか!」

黒夜「影のラインがあることと盛ってないことに関連性あるの?
   ラインが出てなければ完全に盛ってないんだけどさ」

絹旗「あるものを減らせるわけがないじゃあないですか!」

黒夜「浜ちゃんさ、写真は見たよね?
   あると思う?」

浜面「おいこら、こっちに振るな……絹旗もそういう目で見るなよ、怖いわ」

黒夜「ある? ない?」

浜面「いやその、仰向けなわけだし、潰れてたんじゃあないかな。
   暗い写真だったしよくわかんないです、多分あるんじゃないの? わっはっは」

黒夜「後ろに『棒』とかつけたくなる台詞回しだね」

絹旗「うう、ううううう……ぶん殴りたい、ふたりとも本気でぶん殴りたい……」

浜面「やめろよ! 滝壺が怒るからな!」

黒夜「わぁい、なんて情けない台詞回し。
   つぅか、ここはもう脱ぐしかないんじゃないかな、絹旗ちゃんが」

浜面「ほわっ!」

絹旗「な、何を言い出すんですか!」

黒夜「百聞は一見に如かず。大丈夫ここ明るいから見落とす可能性はないよ。
   つぅかさ、私も窒素使うからわかるんだけど、絹旗ちゃん窒素装甲で盛ってるでしょ。
   三段がさねじゃないけど、でも盛ってるよね?」

絹旗「な、な、な……」

浜面「え? そうなの?」

黒夜「うん、まぁ触ってみればわかるよ。この圧倒的な違いが」

絹旗「そうはいくか! 誰が触らせるもんですか!」

浜面「まぁそうですね。それが正解ですね」

黒夜「浜ちゃんも命は惜しいみたいだねぇ。所詮はチンピラ。
   でも疑惑は延々と残るわけだ」

浜面「いや、あのね……今度やったら本気で滝壺に見放されてしまいますのですよ?」

黒夜「つぅか、もしかしたらおっぱい触ったことないんじゃないの、浜ちゃん」

浜面「ぎくっ!」

黒夜「能力追跡あの調子だし、浜ちゃんモテたって感じでもないし。
   ひょっとしてどう……」

浜面「それ以上は言うなー!!!!」

黒夜「あ、逃げた」

絹旗「超逃げやがった」

黒夜「まったく、あんなんでいいのかな」

絹旗「黒夜」

黒夜「うん、なにさ、絹旗ちゃん」

絹旗「考えてみれば私、黒夜にお仕置きしてませんでしたね」

黒夜「は、何言ってるんだ。こちとらあの映画地獄の恨みをまだ返しきってないんだぜ?」

絹旗「ほう、現在無能力者の黒夜が私に逆らおうというのですか?」

黒夜「私に何かあったら世界中のコンピュータにランダムに絹旗ちゃんのフルヌードが出回ることになるんだが」

絹旗「……」

黒夜「……」

絹旗「とりあえず浜面追いかけますか」

黒夜「お互い一番ダメージが少ない方法でスカッとする方法を考えようか」

絹旗「部屋の外でならば滝壺さんも多少は多めに見るでしょう」

黒夜「まぁ、いざとなったら第四位に浜ちゃんと能力追跡がまだって情報流して現場を混乱させよう。
   第四位が浜ちゃん犯したら浜ちゃんの性格からいって大逆転のチャンスあるってさ」

絹旗「……黒夜」

黒夜「うん?」

絹旗「それはなかなかナイスな提案です。超二大怪獣大決戦。景品はどうなるんでしょうかね」

以上です
鳥ハムも友達に教わったネタですね
豆鼓はスーパーでも売ってますし、一回使ってみる価値はあるかと思います

乙!!

料理ネタSS、書いてみたいなあ。

豆鼓って、ベジマイトで代用できるかなって思ってるんですけども。
腐乳と豆鼓の中間みたいな味だし、発酵食品だし。

>>153
ベジマイトってなんだろって調べてみたらオーストラリアの味噌みたいなものですか。
すいませんよくわかりませんのでSS書いて説明してください


新7巻を読み終わったら
「あれ? 絹旗→フレメアの呼称って『さん』づけ? つうかフレメア同居してないの?」
「メンタルアウトって精密動作だと10人程度しか操れないのか。つうか動物ダメなのか」
「黒夜まだ『新入生』やりたかったの? 新三巻で自爆魔法を使っている時にはデレていると思ってた」
などなど認識のズレがいろいろ発生してました。
特にフレメアが同居してないのがなぁ・・・・・

投下します
今回は家で一人でお昼を過ごす場合とか、そういうのを想定してます

浜面「うぅ……うぅ……」

黒夜「ごめん、悪かったってば」

絹旗「超うっかり楽しくなっちゃっていろいろとやりすぎてしまいました」

黒夜「流石に繁華街でバニー好きを叫ばせたのはやりすぎたかなぁ」

絹旗「コスプレプリクラでバニーの格好で写真撮ったのも超楽しかったですねぇ」

黒夜「絹旗ちゃん、ノリノリでゲーセン中に張り付けまわるんだもんなぁ」

絹旗「いや、超笑えますからね。是非多くの方々に楽しんでもらいたいと。
   そういえば今度コスプレ大会あるんですよ。超参加しませんか?」

浜面「てめぇらいい加減にしろっ! 特に絹旗っ! 形だけでも謝意を示そうという格好はないのか!」

絹旗「超ありませんよ……わかった、わかりました。やりすぎたのは確かです、申し訳ありませんでした」

黒夜「私は一応止めたんだけどねぇ」

浜面「お前も同罪だっ! ゲラゲラ笑い転げやがってっ!」

黒夜「いや、あるもんだねぇ、浜ちゃんサイズのバニースーツ。世の中にはマニアもいるもんだ」

絹旗「それがゲーセンに置いてあるところがすごいですよ」

黒夜「罰ゲーム用なのかな?」

絹旗「じゃないですかね。ノリがいい人が多いんでしょう」

黒夜「そういう絹旗ちゃんもノリノリだったよね。自分からバニーに着替えて」

絹旗「そういう黒夜こそ一緒に着替えたじゃあないですか。んでもって三人揃っての一枚がこれです」

黒夜「うん、きらっ、とかいらっ、とかするポーズでお揃いだね」

絹旗「中央のおぞましいものを除けば、超可愛い私はともかく黒夜もなかなか可愛げがあるじゃないですか」

黒夜「キャラじゃないけどね。おっそろしいね、空気ってやつは」

絹旗「ちなみに今やれって言われたら?」

黒夜「くっだらねぇモンを出してるのは上の糞の穴か? ブーブー臭ぇんだよ」

絹旗「わぉ、超痛い言い回しご苦労様です。
   私もおんなじことができるかっていうとアレですけどねぇ。
   やっぱり浜面を虐めていると超楽しくてテンションがぶち上がりまがりです。大暴騰ですよ」

浜面「……人を本気でおもちゃにしやがってよぉ」

黒夜「うーん、まぁ、浜ちゃんいじられキャラだし」

絹旗「メンタル太いんだから超いいじゃないですか」

黒夜「ちなみにね、絹旗ちゃんが腕組んでナイ胸必死に押し付けてるのがこのプリクラなんだけどさ」

絹旗「おい」

黒夜「浜ちゃんは気づいていたかな?」

浜面「え? そうなの?」

絹旗「なんですか、その不満そうな顔は。
   っていうか、超ありえませんからね? 黒夜も変な勘違いしないでください」

黒夜「これなんかは胸元ギリギリまで下げて、で上胸を押し付けてるみたいだね。
   まぁ無駄な努力なんだけど」

絹旗「おいコラ。無駄な努力ってどう言う意味ですか」

黒夜「ゼロに何かけてもゼロじゃないの」

絹旗「は、何言ってるんですか。私よりちっこい分際で」

黒夜「はぁん? 何言ってるのアンタ」

絹旗「一目瞭然じゃあないですか。ほら、黒夜のラインはつるーんぺたーん、ですよ」

黒夜「光の加減だっちゅうの。絹旗ちゃんのように窒素で膨らませてないし」

絹旗「は、負け犬が遠吠えですか
   ……って、あれ? 浜面何いきなり席を立つんですか」

浜面「もういいです。自分の幸せ獲得するために自分で動きますです。
   つうか、腹減った」

絹旗「あれ? もうこんな時間ですか」

黒夜「今日は何作るんだい?」

浜面「知るか。カップラーメンでいいだろ」

黒夜「いやいやいや、それじゃダメでしょ……浜ちゃん、怒ってる?」

浜面「怒ってるに決まってるんだろうが!
   俺にだってそういう感情ぐらいあるっつうの!」

黒夜「あの、その……ごめん。
   私こういう距離よくわかんなくって、さ」

絹旗「あれ? 黒夜?」

黒夜「正直言ってさ、誰かとプリクラ撮ったのも初めてだったんだよ。
   ちょっと嬉しくてさ、妙にテンション上がっちゃった」

浜面「……」

黒夜「私も性格ねじ曲がってるからさ、コミュ障だとは感づいてるんだけど、ゴメンね」

絹旗「黒夜。せめて声に抑揚を付けてください。超棒読みじゃないですか」

黒夜「だってさー! それこそキャラじゃねーじゃん。
   あ、でも反省はしてるよ? うん、ゴメンね浜ちゃん」

浜面「ったく、わかったって。わかった。
   あー、でも今回は手を抜くぞ。徹底的にな」

絹旗「手抜き料理ってことですか?
   ですが浜面の料理って基本的にそういうコンセプトじゃないですか」

浜面「それをもっと強烈に推し進めるってこと。料理にカウントできないレベルでやるってことだ。
   今回はそばうどんでガンガン行くぜ」

浜面「一品目は大根そば。かなりのお勧め品だ」

浜面「材料はこれだ。


   ①茹で蕎麦        生麺タイプ 食べる分だけ
   ②大根          1本
   ③塩           適量
                                   」

黒夜「あれ? 浜ちゃん、麺つゆ忘れてるよ?」

絹旗「つゆがないお蕎麦なんて食べられたもんじゃないですよ」

浜面「ふっふーん。まぁ黙って見ていろよ」

浜面「まずは生麺の蕎麦を茹でて冷水で締めておく」

黒夜「スーパーでよく売ってるよね。
   自分で蕎麦打ったりする人じゃなけりゃ大抵これじゃないかなぁ」

浜面「で、大根をおろす」

絹旗「大根おろしは薬味によく使う……ってどれだけおろしてるんですか浜面!
   こんなにいりませんよ!」

浜面「むしろ少ないぐらいだ。まぁ、三人食うんなら一本はおろさないとな」

黒夜「うわぁ、大根おろし山盛り! こんなに食えないよ」

浜面「食わないんだよ。使うのはこっち」

絹旗「大根の汁?」

浜面「そう。これを取り出しておいてここに蕎麦をつけて食べるんだ」

黒夜「えー!? そんなの美味しいの? ダシなんか何にも入ってない、ただの大根の汁じゃない」

浜面「美味いんだなぁ、これが。
   適当に塩を入れて、蕎麦をちょっとつけて食ってみろ」

絹旗「本当ですか?」

黒夜「ちょっとだけ……」

絹旗「ふおおお! これは美味しい!」

黒夜「めちゃくちゃ美味しいぞ! さっぱりする大根の汁に蕎麦の香りがプンプンと広がっている!」

絹旗「普通の麺つゆとは違います……濃厚さは超感じられませんがすごく奥深い味です!
   ダメです、この味、表現できません!」

黒夜「信じられない! こんなシンプルで、スーパーで揃えた蕎麦と大根なのにこんなに美味しいんじゃ。
   じゃあ、本場ものを使ったらどれだけ美味しいの!?」


浜面「流石にそれは自分で試してくれとしか言えないなぁ」

絹旗「ですが、この大量の大根おろしはどうするんですか?
   汁を採ったらもう捨てちゃうんですか?」

浜面「まさか。おろし鍋にしてもいいし大根カレーでもいいし、いろいろ使えるぜ?
   水を入れれて煮込めばまだ残っている汁を引き出せるし」

黒夜「ふぅん、無駄がないんだ」

浜面「ただ、大根の汁で食べるこのやり方は裏技もいいところなんで大量の大根おろしを作るときにしか使えない。
   これをメインには出せないんだよ。
   『夕食はおろし鍋にするかぁ』って時、小腹がすいていたらこっそり食べるとか。
   まぁ、料理する奴の特権みたいなもんかな、本来は」

絹旗「なるほど。『まかない』みたいなものですか」

浜面「長野県の一部の地方ではこうやって食べるみたいなんだ。
   んで、見てわかるとおり大根一本丸々すりおろしても汁は少ししか採れない。
   大変なのよ」

黒夜「贅沢だねぇ」

絹旗「ということは今日の晩御飯はおろし鍋ですか?」

浜面「まぁそうなるな。けど今回は華麗にスルーして、次に行くぞ」

浜面「二品目はぶっかけうどん。ある意味現代の技術の結晶だな」

浜面「材料はこれだ。


   ①冷凍うどん       食べる分だけ
   ②生卵          食べる分だけ
   ③濃縮麺つゆ       適量
   ④生姜          お好みで
   ⑤ネギ          お好みで
                                   」

黒夜「……浜ちゃん、これ料理?」

絹旗「ですねぇ。つぅか、これだったら外に専門店いっぱいあるじゃないですか。
   価格のためとはいえなぜ冷凍うどん?」

浜面「まぁ、言いたいことはわかる。
   わかるが茹でたてのうどんに生卵、そして希釈しない麺つゆをかけてそのまま食ってみろ」

黒夜「食うけどさ……ハズレはないっていうのはわかるけど……」

絹旗「あれ? 美味しい?」

黒夜「ホントだ。思ってたよりずっと美味しいぞ。冷凍のうどんなのにすっごくもちもちしてる」

浜面「実はだな、冷凍うどんはうどん全体で比較しても相当レベルの高い味をしているんだ。
   機械で打ったうどんは人間では再現不可能なコシを生み出す上に冷凍技術も半端なく進歩している。
   香川県で一番うまいうどんは某有名冷凍うどんメーカーで作ったうどんだとすら言われているぐらいなんだ」

絹旗「へぇぇ」

浜面「出来たてのうどんは工場の中の人じゃないと食えないからそこから生まれた伝説かもしれないけどさ」

黒夜「でも確かに美味しいわ」

絹旗「シンプルですし、薬味も合いますね」

浜面「手間もかかんないしなー。夜食とかにするにはめちゃくちゃお勧めだ」

黒夜「浜ちゃんの料理って感じはしないけどね」

絹旗「ちょっと手間かけたインスタントって感覚ですかね。その割には超美味しいですけど」

浜面「値段考えたらかなりのもんだよ」

黒夜「外だったら500円ぐらいはしちゃうもんね」

絹旗「高いお店だったら2000円ぐらいはいっちゃうかもしれませんね」

浜面「これだったら高くても100円いかないもんな。50円からかな。
   まぁ、誰かに食わせるのはともかく、自分ひとりだけだったらかなりありだろ」

黒夜「だね」

絹旗「お米炊く手間を考えれば超ありですよ」

浜面「さて、もいっちょいくかー」

浜面「材料はこれだ。


   ①パスタ         食べる分だけ
   ②大根おろし       食べる分だけ
   ③ツナ缶         一つ
   ④醤油          適量
                                   」

絹旗「今度はパスタですか」

黒夜「あれ? 大根おろしって」

浜面「うん、さっき作っただろ? あれを使う」

浜面「茹でたてのパスタを皿に盛り付けて、汁気を切った大根おろしをのせて、
   で、油をきったツナ缶をあけて、んでもって醤油をサラっとかけて出来上がりだ」

絹旗「超簡単ですね」

黒夜「パスタ茹でちゃえばあっという間だね」

浜面「パスタを茹でるのにさ、魔法瓶みたいなので一人前だけ簡単に茹でられるのあるだろ?
   あれあるとめっちゃ便利なんだよな」

黒夜「お湯は電気ケトルですぐ沸かせるもんね」

絹旗「お蕎麦は大根の汁を使いましたがこっちはおろしを使うんですか」

浜面「うん。でもそんなに大量には使わないけどさ」

黒夜「つまりはあれか、おろし鍋を作るときの前のご飯でどっちかを選択するんだ」

浜面「それもありだな。でもこれをメインにしても結構いけるぜ?
   ほら、喰ってみろよ」

絹旗「では早速……」

黒夜「へぇぇ。こりゃいいわ。シンプルで」

絹旗「味に深みがあるというわけじゃないんですが、すごく抵抗がないですね」

黒夜「でもあとを引くね」

絹旗「ヘルシーっていうんですかね。ツナ缶の油が少し残ってますが、それが醤油とよく合ってます」

黒夜「その濃い部分が大根おろしでいい感じに中和されるんだよね」

絹旗「すっごく消化は良さそうですし、これも夜食にありですかねえ」

浜面「夜食には勧めないかなぁ。ツナ缶って半分だけ使うとか基本的にできないから」

黒夜「あ、そうか。一定のボリュームはどうしても作らなきゃいけないんだ」

絹旗「冷凍うどんは包丁で半分に切れますけど、そうもいきませんね」

浜面「でも美味いだろ?」

絹旗「はい、すっごく美味しかったです」

黒夜「ごちそうさまでした」

浜面「はい、お粗末さま」

黒夜「でもこんなに炭水化物ばっかりとって大丈夫かな?」

浜面「いいんじゃねぇの? 一日トータルのバランスが取れていれば」

絹旗「でもそれ考えるのも超大変です」

浜面「コンビニで野菜ジュース一本買ってくればたいていの場合はおっけーなんだけどな」

黒夜「そういうものなんだ」

浜面「まぁ、医者でも調理師でもない俺の言うことを間に受けるなよ?
   計算上はそうなるってだけのことだ」

絹旗「超気休めってことですか。しないよりはマシだってぐらいで」

浜面「つっかなー。食事のバランスを理想的にこなすのは俺には無理だからなー。
   どーしたって自分の好きなものを作っちまうし」

黒夜「浜ちゃんは主婦のプロにはなれないか」

浜面「所詮は三流ですのよ。いいんだよ、三流が気軽に作れなきゃ家庭料理とは言わねーんだよ」

絹旗「けだし名言かもしれませんね。毎日作って食べるものですからね。
   理想よりも現実に傾くのは超当然です」

浜面「その上で少しでも理想に近づけるよう努力する、っていうのが精一杯ですよ」

黒夜「でもそれだけでも立派なもんだよ、うん」

絹旗「向上心、ですか。浜面にはあんまり似合わない言葉かもしれません。
   けど似合う言葉のような気もします」

黒夜「なんだよ、その訳わかんない言い回し」

絹旗「浜面がスキルアウトになんかなったのは向上心が折れたからで、
   でもいろんなことができるのは向上心があったからで。
   うーん、私もよくわからないです」

浜面「俺も随分と流されちまったよな。
   後悔している部分もあれば楽しかったと振り返れる部分もある」

黒夜「楽しかった、んだ」

浜面「スキルアウトの連中って基本的に敗北者の集まりだからさ、ある意味で居心地はいいんだ。
   いろいろバカやったりしたもんだよ」

絹旗「その馬鹿なことがいい思い出になってるんですね」

浜面「それは否定できないな」

黒夜「そこんトコロは羨ましいかも」

浜面「うん?」

黒夜「私にはそーいう思い出がないなってさ。
   生き残ることとか利用される前に利用する生き方とか、そんなのしかないなーって」

絹旗「新入生とやらに随分とこだわっていたじゃあないですか」

黒夜「今でもこだわってるよ?
   正直、負けっぱなしっていうのは性にあわない。
   ああ、安心してもいいよ。フレメアに危害を加えることはもうしないからさ」

浜面「じゃあどうしたいんだ黒夜は」

黒夜「……使い潰しの道具にしてくれた連中に一泡吹かせたい。
   置き去りされて、暗闇の五月計画に巻き込まれて、
   やっと自分の意志で何かをやろうとしたのさえ誰かに支配されていたんだったら。
   間違っているとか間違っていないとかじゃなくってなんとかしないと気がすまないんだよ」

絹旗「負け犬の遠吠えですね」

黒夜「悔しいけどその通りだね。けど、そのまんまじゃ終わらない。
   少なくとも、懐かしがれる思い出のひとつぐらいは勝ち取りたいもんだ」

絹旗「……それは生き残らないと超不可能なことですけど」

黒夜「まぁ、ね。暗闇の五月計画に巻き込まれたうちら以外の被験者はもう思い出を作ることもできないんだから」

浜面「思い出、ね」

絹旗「うんうん。いい心がけですね。
   これは超協力すべきだと思いませんか浜面」

浜面「俺としては危ないことはして欲しくないんだが、まぁ協力しろと言われたら嫌とは言えないな」

絹旗「大丈夫ですよ。危なくないです。別の意味で超危ないですけど」

黒夜「うん? なんだよ絹旗ちゃん」

絹旗「見てください。この間のゲーセンに置いてあったパンフレットです」

浜面「……なになに? コスプレ大会!? さっき言っていた奴か!」

絹旗「そうです。これに参加しましょう。もう一度浜面を女装させて」

黒夜「……特別賞。一番笑いをとった参加者に……映画のチケット一年分……」

絹旗「一年分といっても実際には二週間分ぐらいにしかならないとは思いますが、それが目的ではありません!
   黒夜に超素敵な思い出を作ってあげるためです!
   一肌脱ぎますよね、浜面?」

浜面「もういやだっちゅうの! 絹旗がアニメのコスプレすればいいだろ?」

絹旗「私は超可愛いので笑いが取れないんですよ、そうしたらチケットが獲得できないじゃあないですか」

黒夜「……本音ダダ漏れなんだけど絹旗ちゃん」

絹旗「おや、超うっかり」

浜面「つうか、お前本当に反省しているのかしていないんだな」

絹旗「私が反省しているとでも思いましたか?」

浜面「こ、こいつは……」

黒夜「(大賞は……ペアの遊園地年間パスポート……浜ちゃんがこれを手に入れたら能力追跡連れて行くんだろうなぁ。
    でも……遊園地デートかぁ。
    それって……一生振り返ることのできる思い出になるのかなぁ……)」

絹旗「黒夜? どうしたんですか黙り込んで」

黒夜「ん? いや、なんでもないよ……」

以上です

大根の汁で食べる蕎麦は本気で美味しいのですが、汁を一定量摂るのは本気で大変なのです
大根の汁だけで商品として売ってくれないものですかねぇ

大根おろしの汁、飲んだ事は無いが大根おろしみたいに辛いん?
たぶん成分的にはビタミンCとか各種消化酵素、アリルイソチアシアネートとか
大根おろし自体と変わらんよね?
アリルイソチアシアネートは揮発しやすいから商品化は厳しいんじゃないか?
辛み成分だから抜けると味が飛ぶし、冷凍おろしだと尚更抜く訳にもいかんだろうし。

乙!!!

大根おろしの絞り汁を蕎麦つゆ代りにするのって、おしぼり蕎麦っていうんだっけ。
辛み大根とか、ねずみ大根、暮坪蕪を使ったりしますね。
讃岐うどんで美味いのは、「カト○チの冷凍うどんにヒガシ○ルのうどんスープ」って某麺通団団長が言ってましたww
丼に生卵を溶いて、熱々にした冷凍うどんを絡めて、絶品釜玉うどんの完成。

パスタに大根おろしに、なめ茸の瓶詰めも美味いですヨ。

>>ベジマイトってなんだろって調べてみたらオーストラリアの味噌みたいなものですか。
すいませんよくわかりませんのでSS書いて説明してください
ベジマイトSS、なんとか書いてみるわwwww

>>174
そんなに辛くないです。辛味成分は抜けちゃってるかどうか知りませんけど。
わさびの辛味は揮発性分なので粉わさびは辛子の辛味を使っているとか、ならば同じようなことができないものかとは思ってます

>>180
詳しいことは知らないですけどね
でも冷凍うどんが一番美味しいうどんだというのはよく聞く話です
香川の人に言わせれば違うのかもしれませんけど


ちょっと時間が遅くなりましたが投下します

絹旗「はぁ……結局、超中途半端な結果に終わってしまいましたか」

浜面「うっせぇな。どっちにしろ映画のチケットは手に入れたんだから文句はないだろうが」

絹旗「超文句ありまくりですよ。1年間のハズがペア1回だけなんですよ?
   超参加賞じゃないですか」

浜面「文句あるならよこせ」

絹旗「超嫌です」

黒夜「参加賞ももらえなかった絹旗ちゃんがどうこう言う資格はないよね」

絹旗「あれも超解せません!? なんで私がランク外なんですか。こんなに可愛いのに」

黒夜「自分で自分をそこまで言うかね。つぅか、男のコスプレは用意したものを着ればそれだけで良かったみたいだけど、
   女の方は自作でないとそもそも数にはいらない状況だったからじゃないかい?」

浜面「なんか凄いのいたよな。殆ど裸じゃないかってぐらいの水着アーマーとか」

絹旗「超スケベめ変態め。そんなところしか目に入らなかったんですか」

浜面「仕方ないだろ、あんなボインボインぱっつんな格好じゃさ。
   つうか寒くないのかなって逆に心配になっちまったよ」

黒夜「女の子の格好ってそういうの多いけどね。私は冷え性な部分あるからパーカー手放せないよ」

絹旗「金属部分が多いからでしょう」

黒夜「どんなに科学技術が発達したところで物体の持つ放熱性とかまでは変わんないからね。
   自分で適温に発熱するわけでなし、副作用といったところかね」

浜面「……なんか、鍋食べたくなってきたな」

絹旗「鍋ですか。鍋といえば冬の食べ物ですが」

黒夜「でも最近じゃ季節はあんまり関係ないかな。白菜も年がら年中とれるし」

浜面「冬の白菜の方が甘味があってうまいんだけど、まぁいいか、たまには」

絹旗「って、なぜ普通に白菜が冷蔵庫の中に?」

黒夜「それは大いなる意思の存在ゆえにだよ、絹旗ちゃん。考えるな感じろ」

浜面「どの鍋にすっかなぁ……ピュンローとかにすっか」

絹旗「ピュンロー? 超聞いたことがありませんね」

黒夜「私も知らない。何それ浜ちゃん」

浜面「中国式田舎鍋、だったかな。ごま油の香りで食べる味付けを自分でする鍋だよ。
   素朴でシンプルで、俺は結構好きな鍋なんだが……」

黒夜「が?」

絹旗「そこでなんで私たち見比べるんです?」

浜面「どっちかというと大人向けの味付けで子供にはちょっとわかりづらいかなぁって」

絹旗「誰が子供ですか! 誰がっ!」

黒夜「そうだっ! てんてけな絹旗ちゃんはともかく私は違うだろうが!」

浜面「てんてけ? ともかく滋味深い味で、ってことはわかりやすくはないのよ。
   まぁでも、食ってみるか?」

絹旗「そこまで言うのならば食べてみようじゃありませんか。
   超子供だということを否定してあげますよ」

黒夜「あ、でも私辛すぎるのは嫌いなんだ」

浜面「大丈夫。そこは自分で調整してもらうから」

浜面「材料はこれだ。
   大体3~5人前かな。


   ①白菜          四分の一カット
   ②豚肉          4~500g
   ③鶏肉          4~500g
   ④春雨          ひと袋(マロ○ーちゃん)
   ⑤干し椎茸        80g
   ⑥ごま油         適量
   ⑦塩           適量
   ⑧七味唐辛子       適量
                                   」

黒夜「なんかシンプルだねぇ」

絹旗「豚肉と鶏肉が入ってるんですか」

浜面「前に話をしたよな。動物性のダシ、植物性のダシって。
   豚肉、白菜はそれぞれ中国では代表的なダシの出る食材なんだよ」

黒夜「そんなこと言ってたねぇ」

絹旗「白菜がダシいっぱいってイメージないですけどね。
   それに干し椎茸入ってるじゃないですか」

浜面「まぁなぁ。今回は干し椎茸のダシが重要になってくるな」

浜面「まずは鍋に水を張って、で干し椎茸を入れて2,30分放置する」

黒夜「ふぅん。なに、戻してるの?」

絹旗「それにダシもとっているわけですか」

浜面「そうだな。このときは柄の部分も入れておくんだ。あとで取り除くけど」

絹旗「柄からもダシがでるからですか?」

浜面「うん。食べるときには硬いから煮込む前には捨てちゃうけどな。
   ダシをとっているあいだに白菜、豚肉、鶏肉を切っておく。
   根元の白い部分は短く、青い部分はそれなりに短く。あとは一口大だな」

黒夜「白菜の根元の処理ってどうやるのさ」

浜面「今回はやらないなぁ。精々先に鍋に投入するぐらいかな。
   つぅか、そんなに気にして処理するところかな」

絹旗「料理にうるさい人は根元の厚い部分を切るって言いますけどね。
   火の通りが一様になるからガス代の節約になるって」

浜面「俺はそんなに変わらねぇと思うんだけどな。まぁそこは人それぞれでいいんじゃないの?」

浜面「よし、充分ダシが取れたら干し椎茸の柄の部分をとって、鍋にごま油を入れる。
   蓋を開けて鍋一周回せば十分かな」

絹旗「超適当ですね」

黒夜「けど、やっぱりごま油の香りがするとなんか違うね」

浜面「食欲を誘うよな。
   そうしたら火をつける。かるく湯気が立つぐらいまで放っておいて」

黒夜「お、ちっこい鍋取り出したね」

絹旗「それでお湯を沸騰させて、豚肉をゆがいておくんですか」

浜面「先にやっておけばアク取りが楽になるからな。
   小さい鍋だし、先に沸騰するから二三分茹でておいて、豚肉を取り出すっと」

黒夜「鶏肉はやらないの?」

浜面「鶏肉は火を通しすぎるとパサパサするから。
   まぁでもこれは趣味の範疇だからこの通りにやる必要はないんだぜ?」

浜面「そうしたらダシとった鍋に白菜の白いところを入れて、三十秒後に青いところ、豚肉、鶏肉を入れて。
   肉に火が通るまで待つ、と」
浜面「白菜がクタクタになるまで煮た方がうまいって、これを紹介していた本にはあったんだけど、
   俺は程々がいいかなと思うんだ」

浜面「火が通ったらマロ○ー入れて、しなっとしたら完成っと」

黒夜「え、これで完成?」

絹旗「味付けしてませんよ?」

浜面「いいのいいの。じゃあ食べ方を説明しようか」

黒夜「食べ方?」

浜面「まずは、自分の取り皿にスープを少し入れる。
   んでもってそこに自分の好きなように塩、七味唐辛子を入れてつけ汁を作るんだ」

絹旗「へぇぇ。それは超面白そうです」

浜面「一味唐辛子がイイらしいけど俺は七味の方が好きなんだよ。
   そんなに差はないかもしれないけどな」

黒夜「でもこれいいね。私辛いの苦手だから七味少しだけにするよ」

絹旗「では、いただきます……」

黒夜「う、これは?」

絹旗「一言では超表現しづらい味ですね」

黒夜「ごま油の風味と椎茸のダシが聞いていて美味しいんだけど」

絹旗「すっごく大人向けというか、味の薄い水炊きみたいというか」

黒夜「うん……中高年の方が好みそうな味だね」

浜面「でも不味くはないだろ?」

絹旗「はい。塩と唐辛子で引き締められてすべての具材が美味しいです」

黒夜「食べ慣れてないから違和感感じているだけで単純にレベルは高いよね、これ」

絹旗「ステーキやハンバーグみたいにがつんってくる味ではないんですが、ホカホカする味ですよね」

浜面「それは唐辛子の入れすぎだ」

黒夜「そうじゃなくってね。なんか懐かしい味なんだよ」

絹旗「身体の内側から満足が来るような……アルコール飲んだあとのしじみの味噌汁みたいな感じですかね。
   私はアルコール超飲みませんが」

浜面「例えが具体的すぎるぞ、飲んでるだろ絹旗」

黒夜「そんなうちから飲んでいるから身長が伸びないんだ」

絹旗「身長は超関係ありません!」

浜面「ちなみに、これは雑炊がまた絶品なんだよ。
   めちゃくちゃダシが出ているからな」

絹旗「それは美味しいそうですが……」

黒夜「ちょっとごめん、うぷっ、食べ過ぎた。もうごちそうさまだよ」

絹旗「私もです。超食べ過ぎました」

浜面「はいはい、お粗末さまでした」

絹旗「でもこれはいいですね。一週間に一回ぐらい出てきても超納得できる味です」

黒夜「家庭的だよね。みんなで鍋囲んでまったりとした時間を過ごせそうだよね」

浜面「なんていうか、『静』の側の鍋だよな。
   うまさをがつん、と出したのもいいけどこういうのだって悪くはないだろ?」

絹旗「はい。それに超簡単ですし」

黒夜「ボリュームあるしねぇ。雑炊も美味しそうだったけど、またの機会にするよ」

浜面「一応五人前だからな。まぁ、男三人ならちょうどいい量なんだけど」

黒夜「いやいや、男三人でも多いと思うよ、これ」

絹旗「浜面は身長ありますし」

浜面「駒場の大将……ああ、昔の知り合いでな。スゲェでかかったんだよ。
   俺より頭一つはデカかったな。
   んで半蔵っていうこれもまた知り合いとよく一緒にこれ食ったりしたのさ」

黒夜「スキルアウト時代の話?」

絹旗「駒場って、たしかスキルアウトのトップでしたね」

浜面「ああ。まぁ三人ともガタイは良かったからな。そう考えると量は多いのかな」

黒夜「ふぅん。でも三人もガタイのいい男が揃ってたらもう少し味が濃い鍋に行きそうだけどね」

絹旗「でも、これに味噌入れるとちゃんこになりませんか?」

黒夜「つくねと春菊入れたらそうなっちゃいそうだよね」

浜面「まぁそこらあたりは好みの問題だろ。ちゃんこも好きだけどさ」

絹旗「このピュンローが美味しくないってわけじゃないですけどね。イメージの話です」

黒夜「イメージって重要だよね。
   そういえばさ、さっき水着アーマーのコスプレのはなししてたけど浜ちゃんはああいった格好が好きなのかい」

絹旗「浜面はバニー大好きの超変態ですから」

浜面「バニーは好きだけど、別にバニー一択じゃなくって日常の中に水着みたいな格好でいるシチュが好きなのよ」

黒夜「ふぅん。レースクイーンとかバドガールとか、そういうの?」

浜面「そうそう! わかってるじゃん黒夜……って、なにその目」

黒夜「べつぅにぃ。くっだらねぇなって見下しているだけだよ」

絹旗「滝壺さんにしてもらえばいいのに」

浜面「……滝壺、そういうのやってくれないのよ」

黒夜「あれま」

浜面「なんかね、俺に肌を見せるのが嫌って感じでね。ジャージ脱ぐところ見たことないしね。上着だけでもね」

絹旗「私滝壺さんとプールに行きましたが特に肌に傷があるとか荒れてるとかいった感じじゃありませんでした。
   単純にケダモノの浜面に襲いかかられる心配を超減らしたいだけなんじゃないでしょうか」

浜面「別に紳士とは言わんけど、そこまでケダモノってわけでもないんだけどよ」

黒夜「でも能力追跡がコスプレやって誘ってきたらどうする?」

浜面「そりゃ据え膳食わぬはなんとやら……って、でもそうなったら腰引けちゃうかもしれないな。
   俺なんだかんだでチキンだからな」

絹旗「浜面押しに弱いですよね」

黒夜「ああ、わかった。
   浜ちゃんも能力追跡もボケなんでツッコミがないんだ」

絹旗「なるほど! つまりは浜面に必要なのはツッコミ能力!」

黒夜「少しばかり強引に行ったほうがいいかもね。
   女は強い男に惹かれるっていうしね」

絹旗「じゃあ、これなんかどうですか」

浜面「この紙袋は?」

絹旗「例のコスプレ大会の参加賞です。古くなったコスプレ衣装です。
   きちんとクリーニングしてあるから大丈夫ですよ?」

浜面「これをどうしろって言うんだ」

絹旗「これを滝壺さんに渡して着替えてもらうんです。
   そして超褒めまくる! そうすれば浜面も滝壺さんと一歩進んだ関係に!」

黒夜「それって引かれない?」

絹旗「私たちがコスプレ大会行ってきたのは知ってますから。
   むしろ超のるんじゃないでしょうか」

浜面「いやいや、それはどうかと」

黒夜「浜ちゃん」

浜面「うん?」

黒夜「たまには能力追跡に強気に出てもいいんじゃない?
   付き合ってるんでしょ? 我侭言いなよ」

絹旗「そうですよ。一歩進まないとずっとこの場で足踏み行進ですよ。
   滝壺さんだって強引な浜面を待ち望んでいるはずです」

浜面「……そうか?」

絹旗「ぐずぐずしない!」

浜面「うぉっ!?」

黒夜「そうだっ! 男を見せて来い! いけるいける空まで飛べるっ!
   浜ちゃんならきっとうまくいくはずだからっ!」

浜面「そうか……そうだなっ!
   行ってくるっ! サンキューな、二人とも!
   待ってろよたきつぼぉおおおおおっっっ!!!」

絹旗「……行っちゃっいましたね」

黒夜「学習能力ないんだろうか。このパターンでうまくいくはずないじゃないの。
   で、絹旗ちゃん何渡したの?」

絹旗「だから、コスプレ衣装ですって。
   ただし、アダルトなやつで、水につけると溶けちゃう水着とか使っている奴です」

黒夜「ほほう。つまり、興奮して汗をかいたりするとえらいことになると」

絹旗「そこまで持ち込めるのなら超ご立派様ですが」

黒夜「当然それだけじゃないんでしょ?」

絹旗「ええ。大気中の水分をすって常温だと10分ぐらいで溶け出すシロモノです」

黒夜「よく見つけたねぇ」

絹旗「趣味のアダルトサイト巡りを……げふんげふん、ともかく、ネットで見つけたんですよ」

黒夜「なんでアダルトサイト何か見てるんだか」

絹旗「……海外の映画情報ってアダルトサイトとリンクしているところが多いんですよ。
   んなもんで、うっかり」

黒夜「うっそだぁ。うっかりじゃなくってむっつりだろ」

絹旗「超本当ですよ! ドマイナーな掲示板ってそういうところにしかないんです。
   って信じてください! なんですかその目は!」

以上です
正直中国というよりは日本のどっかの片田舎に普通にありそうな鍋です
シンプルでうまいのはいいんですが干し椎茸が結構高いのがたまにキズ

結構ピュンローしってる人がいて驚きました
個人的には好きな鍋なんで広がってくれるのは大歓迎

今回は安い肉で作るステーキの話です

浜面「……」

絹旗「……」

黒夜「……」

黒夜「(やっぱりこうなっちゃった?)」

絹旗「(予想以上です。というか超最悪の結果となりました)」

黒夜「(というと?)」

絹旗「(実は、衣装を二つ用意しておいたんですよ。白バニーと黒バニーで。
    それで、滝壺さんどうやら麦野も誘ったらしいんですよね)」

黒夜「(うわぁ……いやいや、でも十分で溶けるんでしょ?
    二人で話とかしてたら着替える前に溶けちゃわない?)」

絹旗「(前回言い忘れていましたが人肌の温度が必要なんですよ。
    封を切ったぐらいでは超問題はないんです)」

黒夜「(じゃあ、能力追跡と第四位がバニーになって浜ちゃんに見せたところで)」

浜面「ああ、そうだよ。とんでもない目にあったわ」

絹旗「うおっ、聞いていたんですか浜面」

浜面「麦野まで着替えてきてこりゃとんだサプライズだと思ったらそれ以上のサプライズが発生して。
   滝壺の怪しげなオーラで金縛りにされたところに極太ビームがジリジリ近づいてきてな。
   これまでの人生で一番上げ落としされたわ」

黒夜「へぇぇ。AIMストーカーってそんなことできるんだ」

絹旗「できても超おかしくはないです。能力とは関係ないただの超迫力かもしれませんが」

浜面「二人共目がマジっていうか、半泣きになっていたしもう俺どうしていいかわかんなかったわ」

黒夜「能力追跡はともかく第四位が半泣きねぇ。下品でエロエロなことばっかり言ってるくせに」

絹旗「麦野もああ見えてちゃんと女の子ですから。しかも相手が浜面ですからねぇ」

浜面「おいコラ。少しは反省しろお前ら」

絹旗「滝壺さんと麦野を泣かせたことについては超反省しています」

黒夜「でも能力追跡も裸見られたぐらいで泣かなくてもいいんじゃないかな。
   一応恋人関係なんだろうし」

浜面「一応言うな。つうか反省の弁がそれかよ。俺に対しては何かないのか。
   完璧に口聞いてくれなくなったんだぞ?」

絹旗「まぁまぁ。それなりに眼福だったんじゃないですか?」

浜面「……思い出させるな」

黒夜「あ、横向いた」

絹旗「思い出してニヤニヤしてますね。超変態です」
浜面「お前らなぁ……ひとつ良かったことを無理やり上げれば麦野の肌が見れたことかな」

黒夜「? 能力追跡じゃなくって第四位?」

浜面「何回か医者に通って外側の傷を治していたみたいだけど、パッと見には綺麗になってたから。
   正直、気にはなってたんだ」

絹旗「内臓のでかい機械も取り替えたみたいですよね」

浜面「麦野に原因がまったくないわけじゃないけどよ。せっかく元がいいんだから辛いだろうなとは思ってたんだ」

黒夜「完全に生身じゃないみたいだけどね。でも別にいいじゃんサイボーグでも」

絹旗「黒夜は自分の意志でそうなったかもしれませんが麦野はほかの誰かの意志でああなったわけですからね」

浜面「元に戻るのにはまだ遠いだろうけどさ、少しだけ気が楽になったわ」

黒夜「生身のパーツ用意している要人はそれなりにいるらしいから幾らでもできそうなもんだけどね」

絹旗「アンチエイジングの技術を利用して還暦過ぎてるのに二十代に見えるのもいるとか聞きますよね」

黒夜「金はかかるみたいだけどね」

絹旗「サイボーグのメンテ代に比べればランニングコストは安いんじゃないですかね」

浜面「むしろパーツの保存ができる環境とすぐに取り替えられる技術者を確保している方が難しいんだろうな」

黒夜「っつうか、もはや趣味の領域だろうね。
   第四位が義手義眼なのは、フレメアに対する心理的複合体ってやつなんじゃないの?」

浜面「……フレンダのこと、背負ってるっていうのか」

絹旗「浜面。麦野の問題ですからそれ以上は口を出してはいけませんよ?」

浜面「わかってるよ」

黒夜「まぁでも、義手義眼をつけて外見に気を使うようになっているだけでも戻ろうとはしてるんだろうね。
   その頃のことは私は知らないけどさ」

絹旗「(浜面に付けられた傷をゼロにしたくないとか、そういった穿ち方は超ひねくれてますかね)」

黒夜「まぁ適当でいいんじゃないの? ある意味進化だよ。
   進化っていうよりも環境適応か。欲しい機能を搭載するためのものだってぐらいに思っておけばいいのさ」

浜面「そこまで割り切れねぇよ」

絹旗「まぁまぁ。ところで、浜面」

浜面「うん?」

絹旗「今の話で思いついたんですが、お肉を柔らかくする方法って何かあるんですか?」

黒夜「話が繋がってないぞ?」

絹旗「言ってみれば肉質の改造ですよ。よくあるじゃないですか、玉ねぎの酵素だとかパイナップルの酵素だとか」

黒夜「なるほど。それも改造って言えなくもない……のかなぁ? ちょっと強引」

浜面「うーん?
   玉ねぎで柔らかくって言うとシャリアピンステーキとかか?」

黒夜「でもあれって肉を叩いて潰しているから柔らかいような気がするんだけど」

絹旗「パイナップル酵素は鳥を柔らかくするのに使うとか聞きますが」

浜面「黒豆を柔らかくするのに重曹つかったりもするな。あと炭酸か」

絹旗「炭酸?」

浜面「炭酸水で煮ると柔らかくなるんだよ。正直それほどのことじゃあないけどな」

黒夜「コーラ煮とかはよく聞くよね」

浜面「でも一番はやっぱりあれだな」

絹旗「あれ?」

浜面「舞茸」

黒夜「舞茸って肉を柔らかくする効果があるの?」

浜面「おお。舞茸って茶碗蒸しの具材にならないんだとよ、溶かしちゃうんで。
   どうしても使いたいときは水に一日晒して酵素を抜いてからじゃないとダメなんだってさ。
   で、その酵素がかなり肉を柔らかくするんだ」

絹旗「ゴムみたいな肉が唇で噛み切るぐらいになるとか?」

浜面「そこまでじゃねぇなぁ。100g100円が300円にアップするぐらいかな」

黒夜「へぇぇ。それはすごいな」

絹旗「すごいんですかね? それなら最初っから500円の肉買ってくれば済む話のような」

浜面「人数が多くなると跳ね上がるの価格が」

黒夜「そりゃそうか」

浜面「とりあえず試してみっか」

浜面「まずは肉を用意する。あと舞茸。で舞茸を細かく切って水につける」

絹旗「ふむふむ」

浜面「三十分ぐらいして酵素が水にある程度染み出したところで肉を水につける。
   で一日放っておく、っと」

黒夜「一日も待つの?」

浜面「数時間でいいと思うんだけど、丁度いい時間がまだよくわかんないんだ。
   で、これが数時間後の肉ね」

絹旗「三分間クッキングみたいなことを……」

黒夜「おお! なんか肉がピンク色だ。赤くない!」

絹旗「超本当です。なんか血の気がすっかり失われたような」

浜面「なにかしらの化学反応が起きてるんだろうな。三酸化鉄が二酸化になったとかそう言うんじゃないと思うけど」

黒夜「そうなってたら肉が緑色だよ」

浜面「で、一日たった肉がこれね」

絹旗「……こんどは超茶色です」

黒夜「腐ってない? そんな色だよ」

浜面「腐ってるわけじゃあないんだ。酵素で分解されたのと腐ってるのは恐らくそんなに差はないんだろうけど。
   ともかくこれで正常なの。
   で、肉を取り出してしばらく水分を切っておく」

絹旗「この舞茸は使わないんですか?」

浜面「使える使える。はっきり言って味は全然変わってない。
   茶碗蒸しの例えでも言っただろ?
   これも水を切って、バターと塩胡椒で炒めてステーキの添え物にするんだ。
   大根おろしと醤油入れてソースにしてもいいな」

黒夜「それも美味しそうだね」

浜面「じゃあ肉の処理をするか。
   まずはスジを切る。脂身のところを指で押して硬かったら包丁を入れる、ぐらいでいいや」

絹旗「これ、スジなんですか?」

浜面「アキレス腱とか、そういうのと同じだ。白いけどな。
   で、塩胡椒をして十五分放っておいて、そのあいだにフライパンを熱くしておく。
   あとオーブンレンジを150度で加熱しておく」

絹旗「オーブンも使うんですか?」

浜面「はっきり言えば俺の趣味だけどな。
   バターを入れたフライパンの強火で肉の表面をさくっと焼いて、で、オーブンで20分だ」

黒夜「こうすると何が違うのさ」

浜面「肉が冷めづらいんだよ。フライパンだとどうしても中まで火が通らないし、火を通すとパサパサになるからな」

絹旗「ふぅん、考えてるんですねぇ」

浜面「オーブンで焼いているあいだに皿を温めて、野菜を用意してと。
   人参とクレソンでいいかな。人参は肉を焼いたフライパンそのままでさくっと焼いて、醤油をさっとかけて」

黒夜「おお、これ美味しそうだ」

浜面「バターと醤油ってあうからなぁ。人参は火が通りやすいように一度茹でておいてもいいな」

浜面「さて、特性柔らかステーキ、完成だ」

絹旗「なんか見た目は普通のステーキですよね」

黒夜「どれどれ……確かに柔らかいぞ、これ」

絹旗「おお! 思ってたより随分と柔らかいです。流石に唇で噛み切れるとかそういうのではありませんが」

黒夜「安いファミレスのゴムみたいなステーキとは全然違うね」

絹旗「付け合せの舞茸も人参もいい感じです」

黒夜「クレソンでさっぱりするのがいいよね。もう少し欲しいかも」

絹旗「ですが、なんていうか……水っぽいですね」

黒夜「薄味ではあるよね」

浜面「うん、そこなんだよなぁ。ずっと水につけておくからどうしても水っぽくなっちまうんだ」

絹旗「でも元が元ですからそれほど気にはならないですよ」

黒夜「これはソースでリカバリー効くんじゃない?」

浜面「まだ試してないんだけどさ、赤身に切り込み入れて脂身を詰めるとうまくなるらしいんだよ。
   赤身と脂身が隣り合って一緒に焼けると旨味が増すらしいんだ。
   ただ……」

黒夜「ステーキじゃなくなっちゃいそうだよね」

絹旗「一枚肉というよりは形成肉ですよね」

浜面「そうなんだよなぁ。しゃぶしゃぶとかにする分にはいいんだろうけど」

絹旗「超面倒くさそうです」

浜面「うん。だからあんまりやる気にはなれないんだよな」

黒夜「いいんじゃない? 方法知っていればやるやらないの選択肢はあるわけだし」

絹旗「ふぅ、ごちそうさまでした。なんか思っていたよりは随分と美味しかったような気がします」

黒夜「元が一番安いステーキ肉だもんね。でも柔らかさだけだったら高級和牛に匹敵してたよ」

絹旗「最上級じゃあないですけどね」

浜面「そこまで期待すんなよ。いくら盛り込んだところで元が元なんだからよ」

黒夜「でもいいと思うよ、これ。元が多少悪くても工夫でどうにでもなるところがさ」

絹旗「ですねぇ。無能力者の浜面がなんだかんだと高位能力者を撃破しているようなもんです」

黒夜「……なんでそこでこっちを見る」

絹旗「だってぇ。いい実例じゃないですか」

黒夜「その実例にあっさり負けたのはどこの誰だ」

絹旗「まぁ、確かに負けましたが。負けはしましたが素の状態では勝てないと証明されたものでもありますし」

黒夜「工夫に負けたってか? 負けたのには変わりないじゃん」

絹旗「ええ、ですが元の評価は変わってないよなぁって、そう思ってるだけですよ?」

黒夜「今現在では私の方が圧倒的に上じゃあないか」

絹旗「……」

黒夜「……」

浜面「やめろよお前ら。飯食ったばかりで喧嘩してるんじゃねぇ」

黒夜「喧嘩売ってきたのは絹旗ちゃんなんだけど」

絹旗「煽ってきたのは黒夜ですが」

黒夜「窒素爆槍が使えるようになった上に絹旗ちゃんのヌード写真持ってる私に逆らう気かい?」

絹旗「窒素爆槍なんて補助がなけりゃ窒素装甲にはかないませんし、裸の写真程度でいつまでも私をしばれると思っているんですか」

浜面「いい加減にしろ。やるんなら外でやれ。部屋を壊されたらたまったもんじゃない」

絹旗「浜面浜面」

浜面「なんだよ」

絹旗「これ見てください。どう思いますか?」

浜面「……え、何この動画? え? ええっ?」

黒夜「なんだよ。何見せてるんだよ」

絹旗「どっかの中二病患者がぬいぐるみで遊んでいる写真です」

黒夜「なっ!?」

絹旗「ひとつひとつに名前がついているんですねぇ。イルカだけじゃあない、くまとか猫とか。
   カッコつけている割には随分と女の子してるじゃないですか」

黒夜「て、てめぇ! 盗撮しやがったな!」

絹旗「人をこっそり脱がして写真撮ったやつが何を抜かすかっ!
   この動画を公開されたくなければ言うことを聞きなさい」

黒夜「……そんなんで私が屈するとでも思ってるのか。出会い系掲示板に全部のっけてやろうか?
   って、いつまで見てるんだ、浜ちゃん!」

浜面「そうかぁ、黒夜こういうのが好きなんだ。
   ゲーセンで取ってきてやろうか?」

黒夜「へ?」

浜面「基本的にフレメアにやってるんだけど、今度は黒夜にやるよ。
   でっかいくまがいるんだけど、どうだ?」

黒夜「え、いや……私よりも能力追跡とか、あと第四位とか」

浜面「二人にはこないだやったからなぁ。つうか、一緒に取りに行くことを約束させられたんだよな。
   絹旗の悪戯のおかげでさ」

黒夜「浜ちゃんモテモテじゃん」

絹旗「……浜面。私そういうの一回ももらったことないんですが」

浜面「いや、趣味じゃないかなって思ってさ。絹旗の趣味は映画だろ?」

絹旗「……」

黒夜「もらう! っていうか今から取りに行こう!
   嬉しいなぁ、浜ちゃんが私にわざわざとってくれるなんて」

絹旗「黒夜、なんですかその演技ぶった台詞回し」

黒夜「べっつぅにぃ。本当は欲しい癖にそうとは言えない誰かをからかっているわけじゃあないんだよ?」

絹旗「別に欲しがってなんか!」

黒夜「あ、そう。いこいこ浜ちゃん。なんだったら腕組んでやってもいいぜ?」

浜面「おいおい、押すなよ。逃げやしねぇよ」

絹旗「……超行っちゃいました。
   ふたりして、私おいて……
   べ、別に超寂しくなんかないんですからねッ!」

以上です
舞茸酵素で確かに柔らかくなるんですが肉の見た目が悪くなるのと水っぽくなるのがまだクリアできてないんです
あとは脂身を楽に埋め込む方法がないものか

まぁ、そこらあたりを考慮して試してみるのも一興かと
本当に柔らかくなるんで

舞茸酵素で柔らかくするのはもしかしたらすき焼きに向いてるかもしれません
500g500円のこま肉が超柔らかく! まいたけもそのまんま使える!

ちなみに関東在住で関西風すき焼きを食ったことがないのですが、どういうふうに違うんでしょう?
肉がロース肉みたいに厚いとは聞いたことがありますが


前回が肉だったので今回は野菜で
シンプルで美味しい焼き野菜です

絹旗「うぅ……うぅぅ……もうお嫁に行けません」

浜面「……絹旗、どうしたのさ」

黒夜「なんでもね、第四位と能力追跡にめっちゃ絞められたみたいよ?
   例のコスプレ衣装の件で」

浜面「……ああ、あれね」

黒夜「窒素装甲乗っ取られて、羽交い絞めにされて、すりこぎが初体験でいいかとか聞かれたとか」

浜面「うわぁ……えげつねぇ……」

黒夜「流石に突っ込まれはしなかったみたいだけど」

浜面「それやったら流石に外道すぎるだろ」

黒夜「でも御開帳だからねぇ。写真もいっぱい取られたみたいだし」

浜面「命があってのものだねなのか、むしろ死んだほうがましなのかってレベルだな」

絹旗「うぅ……うぅぅ……」

浜面「ほれ、絹旗。でっかい犬のぬいぐるみとってきたぞ。これやっから元気出せ」

絹旗「うっさい! 元はといえば超浜面のせいで」

黒夜「いや、今回のは絹旗ちゃんの自爆だろ……」

浜面「じゃあいらないのかぬいぐるみ」

絹旗「ぬいぐるみは超もらいますが! 私がお嫁に行けないカラダになったのは超浜面のせいです!
   絶対に許しません!」

黒夜「許さないってどうしろっていうのさ。責任とって結婚しろってか?」

絹旗「けっ!? いやいや、そういうことを超言っているわけじゃなくってですね。
   こうなんというか、誠意というやつを精一杯見せろと」

黒夜「具体的には?」

絹旗「え? えっと、その……うーん?」

黒夜「なんにも考えてないじゃん。よーするに自分はまったく悪くないから自分の悪い部分を全部背負えってか?」

絹旗「超人ごとのように! 黒夜だって楽しんでたでしょうが」

黒夜「花火を打ち上げる人と見上げる人でおんなじ危険度のわけがないだろうが」

浜面「おーい、なんだかんだとお前ら随分と酷いこと言ってないか?」

黒夜「気にすることはないよ。いつものことだし浜ちゃんにはどうしようもできないことなんだから」

浜面「うわ、もっと酷い。俺は奴隷で玩具かよ」

絹旗「今更気付いたんですか。超遅いです」

黒夜「つぅか、絹旗ちゃんからしてみたら我侭言いたい放題の優しいお兄ちゃんが浜ちゃんの役どころなんだからもう諦めろ」

絹旗「はっ!? 私は別に浜面をお兄ちゃんだなんて超思ってませんよ!」

浜面「そうなの?」

黒夜「横から見てると丸分かりなんだけど」

絹旗「超違います!」

黒夜「じゃあ浜ちゃんに何求めてるのさ」

絹旗「そ、それは……普通にいろいろ命令聞いたり映画に付き合ったり、掃除とか洗濯とかご飯とか……」

黒夜「それって家族じゃん。で、浜ちゃんは流石にパパって年齢じゃないんだしお兄ちゃんでなんの不自由が?」

浜面「うーん? いや父性に飢えているのならば父親役でも俺は別に構わないんだけど」

黒夜「浜ちゃん、間違ってないけどベストじゃあないぞ」

絹旗「誰がパパですか! 誰が!」

黒夜「全体的な指導者が第四位で影の支配者が能力追跡って感じだものね。
   パパっていうのならば第四位かもしれない。浜ちゃんはむしろママ枠?」

浜面「そうか、俺はママだったのか」

黒夜「おさんどんやってるわけだもの」

浜面「つぅか、生活力ないやつばっかりなんだもの。
   麦野はシルクの下着の分別もやらないで洗濯かごに突っ込んでるし滝壺は言わなけりゃ三日ぐらい食べないし」

黒夜「(あわれ……第四位の努力は見事にスルーか。
    女の子が下着の取り扱いわからないわけ無いだろ。浜ちゃんに手にとって欲しいんだよ)」

浜面「絹旗は脱ぎっぱなし散らかしっぱなしで俺が掃除しなけりゃ部屋が汚部屋だし。
   まぁ黒夜は綺麗にしているかな」

黒夜「サイボーグはまだ人間の免疫、再生機構の再現は出来てないからね。清潔にしておかないとすぐに劣化するんだ」

浜面「なるほどね。絹旗は人間の免疫能力に甘えて床にものを置きっぱなしにするのか」

絹旗「ちゃんと片付けてますよ! 観た映画の半券はスクラップブックに超綺麗に整頓してあるんです!」

浜面「絹旗お前、その大切な宝物、床に転がってたぞ」

絹旗「そ、それはクッション枕にして見ていたのを超そのままにしておいただけじゃないですか」

黒夜「なるほど、こりゃすりこぎ突っ込まれたの関係なしに嫁になんか行けないね」

絹旗「突っ込まれてません! 最後の最後は超死守しました!」

浜面「……新しいのに買い換えないといけないな、すりこぎ」

黒夜「ダメだよ浜ちゃん。初めてのヒトを捨てちゃったりしたら絹旗ちゃんかわいそうでしょ?」

絹旗「超死守しました! 死守しました!」

黒夜「まぁ、膜一枚で人生変わるわけじゃあるまいし、今更いいじゃない絹旗ちゃん」

絹旗「うがー!!!」

浜面「……なんだかんだいって元気になったじゃあないか絹旗」

絹旗「こんなの私のキャラじゃありません! 私は超可愛くて! 非常に冷静で超パニクらないキャラなんです!」

黒夜「はいはい。よかったね」

絹旗「どこが良かったんですか! 乙女の純潔を奪われそうになったりここまで貶されたり!」

黒夜「自爆の割にはダメージ少なくてよかったね」

絹旗「くぅっ!」

浜面「なんか面倒になってきたわ俺」

黒夜「うわぁ身も蓋もない」

絹旗「こいつら! こいつらこいつら!」

黒夜「もういい加減ウザったいからそろそろ本編始めようぜ?
   長すぎるプロローグに絶望しそうになっちまったよ」

浜面「うん? そうかい? じゃあ何食いたい?」

絹旗「……じゃあ、料理をしない料理で」

浜面「はぁ?」

絹旗「今回は難しいのは一切なしでっ! 超簡単誰にでも出来て美味しいやつ!
   作れるものなら作ってみろって言うんですよっ!」

黒夜「要するに包丁とか火とか使うなってこと? 缶詰開けろってか?」

絹旗「私のこと馬鹿にしたんだからこれぐらいどーにかしてみろって言うんですよ」

浜面「うーん、じゃあオーブンだけは使っていいのなら」

絹旗「わかりました。ですが複雑なものは一切認めません」

浜面「おっけ。やってやろうじゃん」

浜面「今回の料理は超簡単。オーブン200度20分、ただそれだけでめちゃくちゃ美味い。
   用意するのは食べたい野菜だけ。
   焼き野菜だ」

浜面「俺の好みでいくぜ?
   大体一人前あたりだ。

   ①カブ          ひと株
   ②長ネギ         一本
   ③たまねぎ        中1個
   ④ごぼう         三分の一本
                                   」

黒夜「おお、なんか野菜しかないぞ」

浜面「そりゃ焼き野菜だからな」

絹旗「これで美味しくなかったら超お仕置きですからね」

浜面「任せておけって。
   下処理はよく洗うぐらいだな。
   カブは丸のまま葉っぱもつけたまま、ネギは半分に、玉ねぎは茶色の皮を残して。
   で、ごぼうはスチールウールで軽くこすって皮が半分ぐらい残る形にして、で十センチぐらいに切る」

黒夜「これで終わり?」

浜面「おう。
   あとはオーブンでじっくり火を通すだけだ」

絹旗「ごぼうなんて普通に美味しいものでもないでしょうに、これで美味しいんですかね?
   極太のすりこぎ用意しておきますから超覚悟はしておいてくださいよ」

浜面「ごぼうは結構うまいと思うけどな。煮込んだりはできないけど」

浜面「さてと、焼きあがったぜ?」

黒夜「ネギは真っ黒だけどあとはいい感じに焼けてるね」

浜面「熱いから気をつけろよ?
   まずはネギの一番外側の皮を剥いて、醤油を垂らして食ってみろ」

絹旗「ふん、こんなのが言うほどのものかと……」

黒夜「うまっ! っていうかあまっ!
   ネギってこんなに甘いの?」

絹旗「……な、なんですか。どこにでもある万能ねぎなのになんでこんなに甘いんですか」

浜面「そりゃ新鮮で焼きたてだからな。
   旬ってやつになってりゃ大抵どんなものでもうまいもんだよ」

黒夜「……格、ってやつは見掛け倒しになっちゃうんだ」

浜面「食べ比べれば違うかもしれないけど、俺には分かんないなぁ。
   ネギ以外もどんどん食え。ごぼうを塩つけて食ってみろ」

絹旗「なんか木の根っこみたいですね」

黒夜「けどまぁ……うん!?」

絹旗「こ、これは……なんていうんですか、濃厚な旨味がありますよ!?
   肉とか魚とかと全然違うけれども、すっごく濃い!」

黒夜「初めてかもしれない……ごぼうってこんなに美味しいんだ!」

浜面「ごぼうって旨み強いけど硬いからなぁ。
   だからこうやってある程度の太さでも食える状態だと一気にうまくなるんだ。
   ごぼうのからあげなんかもいいんだぜ? 俺的にはかき揚げよりずっと好きだな」

絹旗「……とんでもない説得力です。濃厚だけどしつこくなくって、けど少し舌に残って……」

黒夜「そういやごぼうのポタージュって聞いたことがある。
   美味しいのかって疑問に思ってたけど、これならわかるわ」

浜面「根菜って結構旨み強いんだぜ? その分癖も強いんだけど。
   焼いたり揚げたりすると癖がすっきり抜けて旨みだけ残ることも多いんだ」

黒夜「へ、へぇぇ」

浜面「人参100%のジュースが甘かったりとかあるだろ?
   まぁあれは科学的な処理をしたあとだけどさ」

絹旗「なるほど……根菜超おそるべし」

浜面「次は玉ねぎ行ってみようか。
   まずは外側の茶色の皮を剥いて、で、中の白いところはそのままじゃ食べづらいんで包丁で十字に切って。
   んでもって中央にポン酢を垂らすんだ」

黒夜「うわぁ、切った瞬間に汁が一気に溢れてきた」

浜面「玉ねぎも旨みが強い食材だからなぁ。カレーに入れたりなんだりとよ。
   食ってみろ、美味いぜ?」

絹旗「どれどれ……」

黒夜「あつっ! めっちゃ熱い!」

浜面「ネギとかごぼうと違って厚みあるから蓄熱もするわな」

絹旗「けど超美味しい! ネギとは違った甘味があって、さっぱりしていて……」

黒夜「こりゃポン酢が合うわ。けど熱くて少しづつしか食べらんないよ」

浜面「けど冷えちまったら美味さ半減だからそこばっかりはなぁ」

絹旗「辛味が完全に消えてますね」

黒夜「味的には本当に最高だね」

浜面「どっかの国では玉ねぎを食べると医者がいらなくなるっていうぐらいに栄養も豊富なんだぜ?」

絹旗「それってりんごじゃありませんでしたか?」

黒夜「どこでもなんでも似たりよったりした言い回しはあるんだろ。りんごも玉ねぎも栄養豊富ビタミン豊富なんだろうさ」

浜面「よし、いよいよメインディッシュだ。
   カブをだな、こう葉っぱを掴んで持ち手にして一気にカブって食え」

絹旗「……それは超ダジャレですか」

黒夜「幼稚園児並みだね」

浜面「ダジャレじゃねぇよ。あ、味付けはいらねぇ。けどびっくりするなよな」

黒夜「何をびっくりするって言うんだか」

絹旗「では、いただきます……」

黒夜「あつっ! あちちっ!」

絹旗「うわぁ! 中から超いっぱい汁が出てきました!」

浜面「皮剥かなかっただろ? 皮がそのまんまカプセルの役割を果たして中のスープを閉じ込めてるんだよ」

黒夜「でもこれは美味しい! 味付けなんにもしてないのに!」

絹旗「カブって大根と似たようなものかと思ってましたが、こうやって食べると超違いますね!」

黒夜「肉質も柔らかいし、濃厚だし……」

浜面「まぁ、大根は丸のまま焼くことはできねぇからなサイズ的に」

絹旗「超美味しいです! 今回は超感動的な味ばっかりです!」

黒夜「うん。正直ここまでとは思ってなかった。何手を抜いてるんだよって思ってたよ」

絹旗「野菜ってこんなに美味しかったんですね。
   サラダとかポテト以外だと正直お肉の添え物とぐらいにしか思ってなかったんですが」

黒夜「鍋に白菜とか、めっちゃ必須だけどメインを引き立てる脇役って感じだったよね。
   けどこれは完全に主役だ。がつんって脳みそにクる味だ」

絹旗「やば、超テンション上がってきましたよ。なにか見えない歯車がかっちり噛み合った感じです」

黒夜「いい音楽聴いたあとの心地よい疲労感みたいな、そういうのが充満してる」

絹旗「いやいや、ごちそうさまでした。超大満足です!」

浜面「お粗末さまでした。どーだい、絹旗のお題はクリアしたかな?」

黒夜「浜ちゃん、それは愚問。絹旗ちゃんの顔を見ればわかるでしょ」

浜面「だな」

絹旗「いやはや、浜面の料理の中でも最高作じゃないんですかね、今回は」

黒夜「前のステーキもなかなか良かったけどね」

絹旗「前回とコンセプトが真逆ですよね。工夫してレベルアップと素材そのままで勝負と」

浜面「野菜には肉と違って熟成って概念はないからさ。
   採れたて新鮮がそのまんま通じるからな。
   あとは何よりも流通の良さが一番出る素材だからじゃないかなぁ」

絹旗「流通?」

浜面「おうよ。学園都市では工場で野菜作ってるけどよ。
   だからって採れたて野菜と数日たった野菜ではなんていうか、生命力が違うんだよ。
   それこそ数時間前に採取した野菜をすぐさま焼けば多少格が落ちようが最高の味になるんだ」

黒夜「ふぅん。そう言う意味だと肉は流通にそんなに気を使ってないのかな」

浜面「使ってないわけじゃないんだろうけど、二三日の誤差は平気だろう?
   あと、死後硬直が解ける時間とか、熟成に一ヶ月かけるとか、ともかくスパンが違うよ」

黒夜「同じラインで考えることはできないわけか」

絹旗「なるほどなるほど。同じラインでは超考えられないんですね」

浜面「うん?」

絹旗「つまりですね、今回私は超満足しました。
   が、それと浜面へのお仕置きとは別の話だということです」

浜面「おいおい。五千円もかけて取った五十センチ近くあるぬいぐるみやっただろうが」

黒夜「そもそもお仕置きもなにも絹旗ちゃんの自業自得であってさ」

絹旗「超黙らっしゃい。
   さてここに取り出したりますは一本のすりこぎ」

黒夜「だね」

絹旗「これが浜面の初めての相手です」

浜面「はい!?」

絹旗「大丈夫大丈夫、男にも受け入れる場所はあるらしいですよ」

浜面「おい……冗談はやめろ……」

絹旗「超冗談だと、思いますか?」

黒夜「おーい、18禁にするつもりか。っていうか誰が浜ちゃんがオカマ掘られるところ見て喜ぶんだ」

絹旗「超知ったことではありません。
   ちなみに黒夜には金属バットを用意してあります」

黒夜「はぁ? いやいやいや、いくらサイボーグとは言っても下半身に手は入れてないんだけど」

絹旗「超知ったことではありません。
   私の味わった恐怖、是非とも二人に味わってもらおうじゃありませんか」

浜面「き、絹旗……」

絹旗「なんですか浜面」

浜面「後ろに麦野が」

絹旗「そんな超ハッタリに乗る私だと」

麦野「おい」

絹旗「!?」

麦野「テメェ……私たちに恥かかせただけじゃ飽き足らず浜面に逆恨みかよ、いい度胸じゃないか」

絹旗「む、麦野……」

麦野「ちょっと来い。今度こそ貫通させてやる」

絹旗「いやぁ! 超離してください! 誤解です! 話せばわかります!
   私だって初めては超好きな人にあげたいんです! やだぁぁぁ! 助けてはまづらあああ!!!」

浜面「お、おい麦野」

麦野「あん? てめぇ何か文句あるのか浜面」

浜面「流石にちょっと可哀想だろ」

麦野「おい、ちょっと耳かせ」

浜面「ん?」

麦野「(少し脅すだけだって。大丈夫、いくら私でもそこまではやんないよ)」

浜面「(ならいいんだが)」

麦野「(っていうか、私の裸見たんだから私に逆らうんじゃねぇ。人を嫁に行けない身体にしやがって)」

浜面「(嫁に行けない……まだ傷跡とか、火傷とかあるのか? 治せないのか?)」

麦野「(違うってば、馬鹿)」

麦野「絹旗借りてくよ。人格が残っていることを祈っておいてやってね」

絹旗「いやああ!!! 助けて、はまづらああ!!!」

黒夜「……行っちゃった。大丈夫なの、浜ちゃん」

浜面「ああ、そんなに酷いことしないって麦野言ってたし」

黒夜「しっかし、母親に見捨てられた幼稚園児みたいな顔してたな絹旗ちゃん」

浜面「あいつもなぁ、自分が俺たちに何しようとしてたからスルーしておいて助けてくれだもんなぁ」

黒夜「しゃあないでしょ。絹旗ちゃんにとっては浜ちゃんはそういうものなんだから、さ」

以上です

焼き野菜は基本的になんでもうまいんですよね
トマトもあるぐらいですし
ただ一人前が決して安くは済まないんですおそろしいことにい

絹旗最愛ちゃんの純潔はいかに!?
まぁエロいものが書きたくなったら書きますけどそんときはみさきちかビッチ系インデックスですか

仕事の発注先に猟をやる人がいてたまぁに分けてもらうわけです
鹿とか猪とか
でも正直料理の方法がわからない

ので、今回はただお肉を焼くだけの話です
スキルとかテクニックとか超関係ないです

浜面「ただいま。ふう、疲れた」

滝壺「お帰り、はまづら」

麦野「おっす、お疲れー」

浜面「あれ? 絹旗と黒夜は?」

滝壺「遊びに行ったよ。遅くなるからご飯は食べてくるって」

浜面「ふぅん。まぁ心配はいらないけど十二歳の女の子二人が夜で歩くのは感心できないな」

麦野「能力的には何の問題もないんだろーけど、まぁ一般常識ではそうか」

滝壺「といっても、完全下校時刻を過ぎたらそううろちょろはできないんじゃないかな」

麦野「そんなのもあったね。完全に脳みそから外れていた概念だったわ」

浜面「俺もそんなの気にしてない生活はしてたから偉そうなことは言えないな。
   でも三日ぐらい部屋に引き込まりっきりになってた絹旗が外出したか」

麦野「ちょーっと締め過ぎちゃったかもね。
   薬が効きすぎたかも」

滝壺「むぎのは私怨が入ってたもの」

麦野「私怨がゼロで誰かを叱れるほど私は人間出来ちゃいないよ」

浜面「……で、どこまでやったんだ?」

麦野「ん? まぁ嫁入り不可になる一歩手前ぐらいまで?」

滝壺「無理矢理押さえつけてパンツ脱がせただけだけどね」

麦野「結果としてはねー。いろいろ用意してたから根っこから震えてたよね絹旗」

浜面「女子校の陰険ないじめを見ている気分だな」

滝壺「おんなじこと繰り返しただけなんだけどね」

浜面「余計に悪そうな」

麦野「で、浜面。今日は何してきたのさ」

浜面「ん? 工事現場でコンクリ打ってきたんだよ。
   バイブ打ったりコテ撫でたり」

滝壺「ばいぶ?」

浜面「あー、知らないか。バイブレーターっていって打設したばかりの柔らかいコンクリから気泡を抜く機械があるんだよ。
   コンクリを振動させて液状化現象を起こさせて空気や水を抜いて圧縮させるやつ」

麦野「文字通り『バイブレーター』かよ」

滝壺「むぎのが持ってたやつとは違うんだ」

浜面「え? 麦野愛用者だった……ごめん! 悪かったからビーム向けないで!」

麦野「重粒子砲じゃなくって電子砲だっつうの。っていうか、脅しの道具として持っているだけで使ったことなんてねーよ」

滝壺「ほんとうに?」

麦野「滝壺、なにその微妙に黒い笑顔」

滝壺「そんなこと、ないよ?」

麦野「どーにも滝壺は腹黒なところあるからなぁ。
   で、アンタがぶら下げているそのビニール袋はなんのお土産だい?」

浜面「あ、これ? 一緒に現場に行った奴が知り合いでよ、半蔵っつうんだが。
   そいつが地元から送ってもらった肉をおすそ分けしてくれたんだよ」

滝壺「お肉?」

浜面「おうよ。猪と鹿と熊だな」

麦野「へぇぇ。鹿はともかくほかは食べたことないなぁ」

滝壺「私はどれも食べたことないよ」

浜面「俺は昔食べたな。今言った半蔵が焼いてくれてよ。
   結構美味かったぜ?」

麦野「ほほう。当然、私たちに焼いてくれるんだろ、うん?」

滝壺「はまづら、私も食べたい」

浜面「へいへい。ただ癖は強いから文句は言うなよな」

浜面「まずは鹿の刺身から、かな」

麦野「鹿の刺身? 鍋とかじゃなくって?」

浜面「俺だってそんな料理法知らねぇっつうの。日常的にさばいてるわけじゃあるまいし」

滝壺「今回の料理ははまづらも見よう見まねなんだ」

浜面「まぁな。でも素人なりに食えるようには出来ると思うぜ?」

浜面「鹿には寄生虫がいる可能性があるんで一回肉を凍らせる。
   その凍ったままの肉を薄切りにしてにんにく醤油で食べるんだ」

麦野「ほう、どれどれ」

滝壺「……うん、赤身のお肉だね」

麦野「牛よりさっぱりしてる。馬刺しに近いかな。馬刺しより臭いがきつくない感じ」

浜面「鹿は完全な赤みで脂肪がゼロで、んでもって肉質硬いから薄く切らないと食えないんだ。
   まぁ分厚く切って柔らかくする方法もあるんだろうが俺は知らない」

麦野「私が食べた鹿肉のローストも薄かったなぁ。ブルーベリーのソースが結構あってたんだけど」

浜面「そういう本格的なことを言わないで悲しくなるから」

浜面「じゃあ、麦野の話じゃないけど焼いてみるか。
   さっき言ったとおり薄く切った鹿肉を片面だけ焼く。
   表面に肉汁が浮かんでくればおっけーだ。塩をパラっとかけて食うんだ」

滝壺「うん、やっぱり赤身のお肉だ」

麦野「刺身より固く感じるね」

浜面「鹿は火を通すと締まるんだよ。一回煮込んだことがあるんだが固くてとても食えたもんじゃなかったわ」

滝壺「でも美味しいよ、はまづら」

麦野「野性味があるよね」

浜面「不味くないよな。なんだかんだで世界中で食べられた食材なんだし」

麦野「そうね」

浜面「けどよ、俺的には思うんだけどよ」

麦野「うん?」

浜面「本当にうまかったら絶対流通しているはずなんだよ。
   北海道で羊肉が、沖縄でヤギ肉がスーパーに並ぶように鹿肉がスーパーで普通に売っている地域がなきゃおかしい」

滝壺「でもそれは飼育が難しいとかコストがかかるとか」

浜面「こと日本人に関してはそれはないんじゃないかな。
   牛一頭が現在価格で車数台分の時代でもマーケットそのものは存在したんだから」

麦野「民族性があるんじゃないの?
   ドイツなんかだと普通にウサギ売ってるけど日本じゃそうじゃないようにさ」

浜面「そうなのかもな。
   けど俺的には鹿は珍味の範疇じゃないかなって思ってる。
   美味いけどさ」

滝壺「鹿が神聖な動物とされていたのもあるかもね」

麦野「でも浜面の言うこともわかるな。やっぱり癖は強いよ。毎日は食べられない」

浜面「毎日食わなくてもいいと思うけどさ」

浜面「じゃあ次、猪行くか」

浜面「これが猪の肉だ」

麦野「へぇ、豚よりも赤いね」

滝壺「それに脂身が白いね。透き通るみたい」

浜面「実際に透き通ってるんじゃないかな。猪は豚よりも脂の融点が低いんだとよ」

麦野「なんでさ。元々同じもので豚は猪から改良されたんじゃないの?」

浜面「元は同じでも環境が違うからだよ。
   蓄積したエネルギーをすぐさま使う環境にいる猪はそういう脂身になるんだ」

滝壺「それも、はんぞうって人の受け売りなの?」

浜面「……言わないでちょうだい。今回の俺はただの知ったかぶりなんだから」

麦野「はいはい。落ち込んでないでさっさと焼け」

浜面「焼いてるちゅうの。
   猪はやっぱり豚より肉質が硬い。けど脂身は豚よりもさっぱりしているから少しぐらい厚くてもいける」

滝壺「本当に脂身が透明になってきたよ」

麦野「赤身の部分もすごく引き締まってきて、あと臭いがかなりきついな」

浜面「野生だとそういう部分で自己主張激しくなるのかもな。
   ほら焼けた。食ってみろ」

滝壺「じゃあ、いただきます……」

麦野「ん! なんか脂が甘いぞ」

滝壺「サラサラの脂が口の中で溶けていく……」

麦野「赤身はやっぱり硬いんだけど、でも脂身に負けないぐらい味が濃くって、豚と全然違うね」

浜面「赤身が美味いのはマムシ食ってるからだろうな」

滝壺「猪ってマムシ食べるの?」

浜面「猪は基本的に雑食だから。で、マムシはドーピング剤みたいなもんなんだろ。
   一気に元気なって赤身が濃くなるんだとよ」

麦野「へぇぇ。なんか如何わしい話だけど、実際食べてみると反論はできないな」

浜面「俺も食べ比べたことあるわけじゃないからわかんないけどな。
   でも猪って住む環境で美味さが変わるらしいんだ。
   どんぐりがいっぱい落ちているようなところだとやっぱり丸々と太るんだってさ」

滝壺「なるほど。確かに毎日餌が与えられる環境じゃないからそういうのは大きいかもね」

浜面「だから冬の直前ぐらいが一番美味いらしいぜ?」

麦野「溜め込んだだけ溜め込んだやつが一番ウマイってわけか。道理だね」

浜面「鹿は夏の方が美味いらしいけどよ」

滝壺「旬が違うんだね」

浜面「よっしゃ、じゃあ熊いってみるかー!
   実は俺も熊は食ったことないんだよな、結構楽しみなんだ」

滝壺「浜面も食べたことないの?」

浜面「熊とるのは命懸けらしくてなぁ、年に何頭もってわけにはいかないみたいなんだ」

麦野「でもツキノワでしょ?」

浜面「流石にヒグマじゃないだろうさ。けどツキノワでもおっかないらしいぜ?
   性格はおとなしいらしいけど」

麦野「ヒグマはおっかないとは聞くけどね。
   クマよけのベルつけていると逆に近寄ってきたりとか」

浜面「自分の縄張りあらすやつはぜったいに許さないし人間も捕食するっていうからな。
   本州にいなくてよかったぜ」

滝壺「見た目は可愛いんだけどね。ぬいぐるみのモデルになってるんだしプーさんいるし」

浜面「まぁ、ともかく焼いてみっか」

麦野「脂身が真っ白だね」

滝壺「猪に負けてないね」

浜面「やっぱり火を通すと透明になるな。どんぐりとか食って溜め込んだ脂だからかな」

滝壺「熊って肉食じゃなかったっけ?」

麦野「熊は雑食だよ。完全肉食なのはホッキョクグマぐらいじゃないかな」

浜面「そりゃ北極には植物ないからな。ほら焼けた」

滝壺「うん、いただきます……」

麦野「正直、ちょっと怖いかな。熊だもんなぁ」

浜面「うん!? これは……」

滝壺「脂が甘いね。あと硬いけど歯ごたえがあるってレベルで噛みきれないわけじゃない」

浜面「噛む程ジュワってくるぞ、これ」

麦野「臭うけど……うん、なんかうっすらといい匂いも混じってる」

滝壺「ふわってくる匂い……」

浜面「いい熊肉はムスクの香りがするって聞いたな、そういえば」

麦野「ムスクか。そういう体臭の動物は多いから熊もそうなのかもね」

滝壺「うん、でもこの脂もなんかすごいね。唇がてかってきちゃう」

浜面「熊の脂はやけどの薬になったりするらしいぜ?
   薬効あるんじゃないか?」

麦野「そりゃ単純にワセリンのように保湿効果があるだけじゃないか?
   でも熊の脂も美味しいよ。猪とは違うんだけど」

滝壺「猪よりも甘いかもね」

浜面「一応この熊オスなんだけどよ、メスの方が柔くて香りがいいらしいぜ?
   脂のパワフルさはオスの方が上なんだってさ」

麦野「ふぅん。牛なんかもそうらしいね。
   関東の牛は去勢牛、つまりオスで脂を味わう霜降りを薄く切ったすき焼きで、
   関西だとメスの牛を好むからある程度厚みのあるすき焼きになるとか」

滝壺「そうなんだ。
   砂糖と醤油の関西風すき焼きってそういう理屈でできてるんだね」

浜面「いや、美味かった!
   毎日食いたいかというと疑問だが、間違いなく今日この瞬間は満足の味だったぞ」

麦野「ケチつけんなや。素直に美味かったでいいんだよ」

滝壺「うん、美味しかった。はんぞうって人にお礼しないといけないね」

浜面「半蔵にはちょくちょく会ってるし互いに奢ったり奢られたりの関係だから気にすることはねぇよ」

麦野「そうもいかないでしょ。うちら食べちゃったんだし。
   商品券でも見繕っておくかね」

浜面「そういうのは逆に嫌がると思うけどな。気を使うなって」

滝壺「じゃあどうしようか。なんにもしないってわけにもいかないよね」

浜面「なんか儲け話でも出たときに声かける、とかでいいんじゃないか?
   完全に約束するとかじゃなくってさ」

麦野「逆に高くつくんじゃないかそれ」

滝壺「でも将来的な人脈にはなるかもしれないよ?
   私たちだってきちんとした表側の収入を持たなくちゃいけないんだもの」

麦野「浜面は普通に学校に行けば済むんだろうね」

浜面「多分籍はまだ残っていると思うけど、真面目にやんなかったからな。
   正直中退してさっさと自立しようかなって思ったりもするんだ」

滝壺「ダメだよ。ちゃんと高校は卒業して」

麦野「学歴ってある程度は必要だぜ?
   つぅか、浜面はその気になれば大学行けるだろ。工業系とか」

浜面「いやいや、俺本当に勉強できないんですよ?
   無能力者ってだけじゃねぇもん、俺」

麦野「いろいろスキルあるんだし、行けるんじゃないかな。
   いっそこの際だから工業高専に切り替えるとか。大学への編入もできるし」

浜面「高専かぁ。単位制だから出席日数とか最短にできるかもな」

滝壺「高専って難しいって聞くけどね」

麦野「それぐらいねじ込めるよ。一応私超能力者だし、裏の顔もあるし」

浜面「ま、考えとくよ」

麦野「なに明日には忘れているようなこと言って誤魔化してるんだよ」

浜面「だって学校に未練ないんだぜ俺。生きていくだけなら生きていける自信あるし」

麦野「……滝壺抱えるにしちゃ無責任すぎないか?」

滝壺「むぎの!?」

麦野「アンタは滝壺に関しては真面目だと思ってたんだけどね、私の買い被りかな」

浜面「卑怯な言い方すんなよ麦野。
   わかった、真面目に学校行くよ。卒業はする。
   でもお前らも学校いけよな。お前らだって卒業はしろよ」

麦野「私は学校行っても行かなくても卒業はできるんじゃないかな。
   行ったところで特別クラスだし、研究協力って名目で追い出されるけど。
   けど原子崩しは研究し尽くして工業価値のない能力だ」

滝壺「……私は学校行ったら拘束されちゃうかもしれない。正直、行きたくはないな」

浜面「高位能力者は無能力者とは違うか」

麦野「まぁね」

滝壺「でもだからこそ浜面はきちんと学校行って欲しいんだ。
   私たちにはできないことだから」

麦野「出席日数の不足どーにかしてやれるぜ?
   研究協力って名目にすればどうにでもなるからさ。
   超能力者である私が浜面仕上がどうしても必要だったって、そう貫けば誰も反論できないもの」

浜面「……そうだな。いつまでもお気楽にいたら泳ぎ方忘れちまうもんな」

麦野「元々表の世界にいて、表の世界で生きていける人間なんだからその義務を果たせよ。
   でねぇと滝壺を幸せになんかできねえぞ」

浜面「滝壺に関しては責任は取る。というか、俺がそうしたい。
   けど俺がしたいのはそれだけじゃないからな、麦野」

麦野「うん?」

浜面「お前だって、絹旗だって、黒夜だってフレメアだって、俺にとっては守るべき対象なんだから」

滝壺「……ヤキモチ、焼いていいかな?」

浜面「ちょっと勘弁してくれ」

滝壺「冗談だよ、十分の一ぐらいは」

麦野「無能力者のアンタが私を守るってか。笑わせるね」

滝壺「むぎの、本当に笑ってる。嬉しそうに」

麦野「……うっさい。そんなこと言ってくれるの、浜面ぐらいしかいねぇんだよ」

浜面「馬鹿は馬鹿なりに努力するから。頼むわ」

麦野「ふん。せいぜい頑張れよ」

滝壺「バイブレーター片手に脅しかけてた人と同一人物とは思えない笑顔だね、むぎの」

麦野「それは言うなって」

絹旗「……なぜだ。なぜ浜面が酷い目に合わないんですか!」

黒夜「そりゃ酷い目に合わせてるのが主にうちらだからだろ」

絹旗「私は超怖い目にあったというのに!」

黒夜「いや、それ自業自得」

絹旗「それに私だって猪とか鹿とか超とか食べたかったですよ!」

黒夜「あれ、熊は……ああ『イノシカチョウ』にかけたんだ」

絹旗「超説明するな! 大体、そんな珍しいお肉があるんならばいの一番に私に献上すべきじゃありませんか!」

黒夜「ちゃんと残してくれてるって。浜ちゃんそういうところには本当に気が回るんだから」

絹旗「残しているのは当たり前ですが! 私が一番に食べたかったんです!」

黒夜「はいはいはいはい。
   なんだよ、要するに出番とられて悔しいだけかよ妖怪パンツ娘」

絹旗「誰がパンツ娘ですか」

黒夜「ああ、パンツ脱がされ娘だったか、失敬失敬」

絹旗「超ぶち殺しますよ!?」

黒夜「窒素爆槍突っ込んでやろうか?」

絹旗「……すいません、『突っ込む』という単語は使わないでもらえますか超一週間ぐらいは」

黒夜「はいはい、悪かったからいきなり顔真っ青にして地べたにしゃがみこまないでよ。
   で、気持ちよかったの?」

絹旗「私はまだ超処女です!」

以上です

ジャコウネコの糞から取り出したコーヒー豆で作るコーヒー、コピ・アルクっていうのがありますが
あれ言うほどうまいか? って思ったりします
私がコーヒーについてわからないというのもあります
けど高級コーヒーということでコピ・アルクとか引用している小説とか読んだりすると
「こいつ知ったかだなぁ」と正直思ってしまいます

ので、このSSではできるだけ自分で体験したものを書いています
が、熊の肉に関してはムスクの香り云々は自分では良くわかりませんでした
癖はあるけど美味い、脂がちょっとしつこいかな、でも美味い
っていうのが正直な感想です

乙!!!

地元の温泉にゃ「猪鹿鳥(いのしかちょう)料理」を出す宿があるんだよなあ。
「鹿刺し」「猪鍋」「ホロホロ鳥」だったけど、どれも美味かった。
猪は鍋で煮込めば煮込むほど柔らかくなるんだよ。

熊は、知床土産の缶詰しか食べたこと無いや。

父親の名代としてお通夜に行ってきました。
そこで精進落としで出たものに白いこんにゃくと大葉の寿司がありまして一見するとイカの寿司に見えたり

モドキ料理はうなぎモドキは作ったことありますけどどうにもうなぎに似ておらずがっかりしました。
モドキはやっぱりモドキでしかないのかなぁ。

今回は材料は同じなのでモドキではないとんかつです。

浜面「絹旗絹旗」

絹旗「なんですか浜面」

浜面「窒素装甲で自分より重いものを持ち上げようとした時にさ、
   絹旗の身体の方が持ち上がったりしないか?」

絹旗「超いきなりですね。なんなんですか」

浜面「いや、ついさっき絹旗の背中を見たらちっこいし肩幅細いなぁって思ってさ。
   じゃあ体重も相当軽いんじゃねぇかと、それでよく車が持ち上げられるな、と」

絹旗「あのですね。
   私は窒素を操作する空力使いですが思考のパターンは一方通行のものを移植されています」

浜面「ふむふむ」

絹旗「一方通行は『ベクトルを操る力』という反則そのもののような能力者ですが、
   その一部である『いかなる攻撃をも反射する』……まぁ正確にはベクトルコントロールなので超反射とは限らないんですが、
   その『フィールド』を構成する思考回路を移植されている、そう考えてください」

浜面「ふむふむ」

絹旗「まぁ正確なところは違うんですが、とりあえずわかりやすい説明方法を選択しています。
   で、その『フィールド』が窒素装甲なんです。
   つまり、私は『窒素』を操っているというよりは『窒素で構築されたフィールド』を操っているんです」

浜面「なるほど。
   窒素で持ち上げている、んではなくって窒素のフィールドで持ち上げているってわけか」

絹旗「正解ではないんですよ? 窒素装甲はもう少し複雑ですから。
   ただ『フィールド』という概念は窒素装甲を説明するのには超便利なので。
   で、その『フィールド』は腕だけではなく全身、つまり脚にも作用しています」

浜面「あし?」

絹旗「要するに重いものを持ち上げる時は足元を窒素で掴んでいるんですよ。
   その状態で歩くことも走ることも超可能ですけれども、とにかくそう考えてください」

浜面「じゃああれかい、ぐちゃぐちゃの悪路でもビルの外壁でも歩けるのかい」

絹旗「超試したことはありませんが……不可能ではないんじゃないですか?
   そんな目立つことしたくはないですけどね」

黒夜「随分とまぁ大雑把な上に見当違いな説明をしているね」

浜面「そうなのか? 今のウソだったの?」

絹旗「嘘じゃありませんよ。ボーアの原子モデルのように簡略化して理解を超促しただけです」

黒夜「まぁ間違いじゃあないんだけどさ。
   絹旗ちゃんの窒素装甲の場合は『フィールド』の自動化にこそ意味があるんだよ」

浜面「自動化?」

黒夜「オートで自分を防御するフィールドを持っているのは超能力者の中でも第一位、第二位、あと第七位ぐらいでさ。
   いってみりゃ超高機能な能力なのよ。
   で、窒素装甲はそこを具現化するために開発された能力なわけさ」

絹旗「つまりですね。今私が浜面に説明した事柄は『私が表面上把握している』ことではあります。
   けれども実際のところは無意識の演算の結果なので私としても説明はしづらいんですよ」

黒夜「浜ちゃんが歩くときに右手出して左足出して、って考えたりするかい?
   もしそれを説明しようとしても実際の動きとテンで見当違いな発言にならないかい?」

浜面「なるほど。言いたいことはわかった。
   俺は絹旗に自分の内臓の動きを説明しろってことを言ってたようなものなんだ」

黒夜「例えとしてはどーなんだそれ」

絹旗「自分の中身だけれども自分では完全にコントロールできないって意味では超あってますけどね。
   ですから今の私の説明も『こうなんじゃないかな』って解釈で話している部分が超あります」

浜面「難しいんだなぁ」

黒夜「あんまり深く考えないほうがいいよ」

絹旗「ブラックボックスなんてinとoutがわかっていればそれでいいんですよ。
   あとはオブジェクトを組み立てていくだけです」

黒夜「そういうことだね」

浜面「俺にはわからない世界だな。
   鍵を開けるにしたって構造がわかってないといけないし料理をするにしたって段取りは必要だからさ」

絹旗「いいことなんじゃないですか?
   浜面は無能力者ですが私にできないことをいろいろと身につけています。
   おんなじだったらキャラが被るだけですよ」

黒夜「まぁいいや。
   で、今回は何を作るの?」

浜面「強引に話を切り替えたな。
   んー、そうだな。久々にとんかつでも食おうかな」

絹旗「とんかつ! まさか滝壺さんのとんかつじゃ……」

浜面「あんな硫酸銅で肉を柔らかくしようとしたとんかつじゃないって。
   っていうか、滝壺聞いてないだろうな。悪いがメシマズなところだけは庇えねぇ」

黒夜「能力追跡メシマズなんだ。
   いいんじゃない、浜ちゃんメシウマなんだから。
   能力追跡に稼いできてもらってそのまま主夫になりなよ」

浜面「……その話はさて置き。
   今回はある意味で普通のとんかつを作ろうと思う。
   味は普通で食べづらい、けど価格はちょっと安く済むぜってやつをな」

黒夜「うん? 安い肉を使うの?
   じゃあ舞茸で柔らかくするんだ」

浜面「それもありだけどよ、今回はちょっと違うんだ。
   まぁ見ていてくれ。
   味はともかく料理の過程はちょっと面白いぞ?」

浜面「材料はこれだ。


   ①豚肉          こま肉500g
   ②薄力粉         適量
   ③パン粉         適量
   ④卵           1個
   ⑤乾燥バジル       適量

                                   」

黒夜「こま肉? とんかつ作るのに?」

絹旗「一枚肉じゃないですよ。これでいいんですか?」

浜面「いいのいいの。
   まぁ作り方としてはだな、最初にデカ目の皿にラップを敷いて、そこに豚肉を重ねていくんだ。
   まぁるく、んでもって厚さは1センチ弱かな」

黒夜「ミルフィーユとんかつか」

絹旗「でも糊がないと超剥がれちゃいますけど」

浜面「接着剤としては水だな。
   ちょびっと付けて重ねていけばいい」

黒夜「しっかし、すごい量だね。こんなにクソでかいのどうやって揚げるんだよ」

絹旗「しかもバラバラです。持ち上げただけで分解しちゃうじゃないですか」

浜面「まぁそこはテクニックよ。
   で、豚肉の整形が出来上がったら表面に薄力粉をまぶす。
   まぶすっていうかふりかけるっていうのかな」

絹旗「とんかつとしては超普通の行為ですね」

浜面「で、ひっくり返さないまま溶き卵を塗る。
   刷毛でやるのが一番いいんだけど適当でも構わないぜ?
   パン粉が付けばいいんだから」

黒夜「こっちこそ本当に接着剤だね」

浜面「ちなみにパン粉には乾燥バジルを混ぜてある。こうすると香りがいいんだ。
   で、出来上がったら同じように用意しておいた別の皿をとんかつの上に乗せて……」

絹旗「おお! 上下をひっくり返した!」

浜面「こうすれば崩れないだろ?
   あとはもう片面も同じ作業をするだけさ」

黒夜「でも揚げるのはどうするのさ。
   中華鍋でもつかうの?」

絹旗「この部屋には中華鍋なんてありませんよ。っていうか、一般家庭には普通そんなもの超置いてません」

浜面「フライパンを使うんだよ。
   フライパンはどの家庭にもあるだろ?」

浜面「フライパンに油を入れておく。
   こう、うっすらと表面張力で持ち上がって、で、とんかつの大きさと同じぐらいにまで入れて加熱する。
   油の量が少ないから一分もかからずに揚げられる状態になる」

黒夜「でもこれじゃ『揚げる』っていうよりは『焼く』だね」

絹旗「フライパンでもありますしね」

浜面「まぁなぁ。
   でもこうすると油の量が少なくていいからさ。
   で、うっすらと煙が上がってきたら皿の端から崩さないようにそっととんかつをフライパンに投入する」

絹旗「なんか超熱そうですし油も跳ねそうですけど」

浜面「それもテクニックだなぁ。
   型崩れを恐れずに皿の上を滑らせるのがコツだ」

黒夜「お、綺麗に入った」

絹旗「へぇぇ。なんかフライパンに超ピッタシのサイズですね」

浜面「丸く作ってるからな。500gだと大体この大きさになるんだ」

黒夜「でも500gなんてとんでもない量なんだけど」

浜面「そりゃ一人じゃ食えねぇよ。
   大体3人~5人前かな。でも見た目のボリュームがあって豪華だろ?」

黒夜「ボリューム的にはね」

絹旗「中身は超わかりませんけど」

浜面「さて、型崩れしないようにそっと下面を持ち上げて、いい感じになってきたら一旦火を止めて。
   で、フライ返しを二つ使ってさっきの皿の上にそっと乗せる……で、ひっくり返す、っと」

絹旗「おお、超こんがりきつね色ですね」

黒夜「バジルもいい匂いしてる」

浜面「いい感じに仕上がってるな。
   フライパンにもう一回油を入れて加熱する。だいぶ吸っちゃってるからな。
   その間にとんかつの揚げた面の上にキッチンペーパーを乗せて少しでも油を吸わせておく」

黒夜「ふぅん。でもあんまり意味なくない?」

浜面「だろうなぁ。でも見てみろよ。キッチンペーパーがベトベトになるぐらいに油取れたぜ?」

絹旗「その分カロリーが下がったわけですか」

浜面「それだけじゃあない。揚げ物は水分と油を交換して、で油を抜き取ることで旨みを増すって効果もあるんだ。
   だからきっちり油を取るのは重要なんだぜ?」

浜面「よし、じゃあもう片面も同じように揚げて……っと」

絹旗「これで超完成ですか」

浜面「実はまだなんだ。
   というのもこれって中の肉がバラバラだろ?
   だから切り分け方が重要になってくるんだ。
   できるだけ端っこの部分が残るように切り分けないと持ち上げた瞬間に崩れちまう」

黒夜「一口サイズならよかったのに」

浜面「その通りなんだが、まぁ許せ。小さいのをいくつも作ってられねぇよ」

浜面「さてさて、これでコマ肉のミルフィーユとんかつ、完成だ。
   あとはキャベツの千切りを添えて、トマトも付け合わせてっと」

黒夜「美味しそうだね」

絹旗「超いただきますか」

浜面「ソースだのなんだのは個人で好きなようにやってくれよ?」

絹旗「って、普通に濃厚ウスターしかないですけどね」

黒夜「どれどれ……」

絹旗「……うん、普通にとんかつですね」

黒夜「確かに口の中ですぐばらばらになるけど、確かにとんかつだ」

絹旗「思ったより油っぽくはないですね。バジルの香りが超いい感じです」

黒夜「だけど、やっぱり一枚肉じゃないから歯ごたえはないよね」

浜面「それは仕方ないな。
   けどよ、こんなサイズのとんかつなんか食ったことないだろ?
   それにコマ肉だったら500円で済むんだぜ?」

絹旗「コマ肉500g500円は結構安いですね」

黒夜「もっと安いところも高いところもありそうだ」

浜面「けどよ、おんなじサイズ……でなくってもいいや、おんなじ量のとんかつ作るよりははるかに安いだろ?」

絹旗「それはその通りですが……」

黒夜「味的な感動はないよね」

浜面「そこは期待するなよ。
   でも普通にうまいだろ?」

絹旗「それは確かに」

黒夜「でもちょっと食べづらいよね。衣も剥がれやすいし」

絹旗「十分許容出来る範囲ですけどね」

浜面「今回は味よりも価格で攻めた感じかな」

黒夜「食べにくいのさえなければ満点あげてもいいんだけどさ」

浜面「そこはなぁ。割り切ってもらわないと」

絹旗「別に悪いとは言ってませんよ。なんというか、やりくり上手ママみたいですけど」

浜面「限られた予算でやりくりするのも楽しいもんなんだよ。
   金はあるんだけどな」

黒夜「浜ちゃん、お金持ちだったっけ?」

絹旗「あるわけないじゃないですか。無能力者なんですから」

浜面「麦野が生活費くれてるっていうのもあるけど、最近バイトしてるからさ。
   キャッシュディスペンサー盗んでくるほど派手じゃないが手堅く収入はあるんだぜ?」

黒夜「偉いね、浜ちゃん」

絹旗「そういう黒夜も仕事はしてるみたいですが」

黒夜「暗部自体はなくなっても人間が変わったわけじゃないから依頼そのものはいっぱいあるじゃん。
   ああ、大丈夫だって浜ちゃん。多少安くても手堅いやつしか選んでないから」

絹旗「例えばどんなのです?」

黒夜「廃ビルの解体とか?」

浜面「え、マジ? 黒夜解体できるのか?」

黒夜「それなりに下準備はいるけど、壊すだけなら簡単簡単。
   腕集めてでっかい窒素爆槍でぶっ潰すだけだから」

浜面「マジか。今度仕事手伝ってもらおうかな」

絹旗「超本気ですか浜面」

黒夜「最低でもMは出してくれるんだろ?」

浜面「Mって?」

絹旗「ミリオン。百万円ってことです」

浜面「百万かぁ……壊すビルのサイズや日程にもよるけど妥当な値段だな」

黒夜「ああ、いいって。冗談冗談。今んところ金に困ってないし。
   ロハでいいよ。弁当代ぐらいは出してもらうけど」

浜面「そんときは頼むよ。壊したあとのゴミの片付けとかは……無理だよな?」

黒夜「コンクリの塊の搬出って意味ならできるよ?
   あんまり使ってないけど窒素爆槍って掴むこともできるし重いものを持ち上げることだって可能だから」

絹旗「え? ただの窒素の槍の塊手のひらから噴出するだけの超しょぼい能力じゃないんですか?」

黒夜「あのなぁ……窒素のフィールド使うのが私たちじゃん。
   絹旗ちゃんがフィールドでいろいろできるのなら私もできるのがモノの道理ってやつじゃないかい?」

絹旗「百歩譲って掴む、まではできるとしましょう。フィールドの形を変えるだけですから。
   ですが重量物を持ち上げるというのは」

黒夜「腕の数でカバーできるじゃん。
   そりゃ私は絹旗ちゃんと違って『足元』で掴むことはできないから自分自身を基点としては持ち上げられないよ?
   けど腕は違うじゃん。でっかいクレーンか何かの先端に括りつけておいてくれればいいんだからさ」

浜面「……それってクレーンで素直に持ち上げればいいだけじゃないのか?」

黒夜「ムッ」

浜面「そういやサイボーグにとっては粉塵とか大敵なんじゃなかったっけ?
   だから掃除は欠かさないとか言ってなかったか?」

黒夜「マスクしてりゃ大丈夫だよ。
   身体の内側のが若干問題あるだけで綺麗好きなのは私の性格だっつうの」

絹旗「まぁ、所詮は窒素爆槍。窒素装甲の方がはるかに便利です。
   破壊活動はもちろんのこと、重量物の運搬も超楽勝。粉塵なんか寄せ付けませんし」

浜面「小回りって意味じゃ絹旗の方が上そうだよな」

黒夜「……」

浜面「そこ怒るな。腕構えんな。いや、おい、マジで表情止めるな……」

黒夜「絹旗ちゃん、ちょっと外出してきていいかな」

絹旗「適当にどうぞ。
   ああ、浜面はまだ使うんで原型は残しておいてくださいね」

黒夜「あいよ。
   まぁ人間の形が保つように努力はするよ。努力は」

絹旗「ダメになっても栄養剤につけておけば超再生するから大丈夫ですよ。いってらっしゃい。
   お土産は芋ようかんがいいです」

黒夜「さぁ、浜ちゃん。デートしようか。
   いろいろと教えてあげる。私ができることとか浜ちゃんがどこまで耐えられるかとか。
   ちょうどいい解体現場があるんだ一汗流そうじゃないか」

浜面「ちょっと待って!
   嬉しかったって! 手伝ってくれるって素直に言ってくれて俺感激してたから!
   だから掴むな持ち上げるな!
   に、にぎりつぶすなぁぁぁぁ!!!」

絹旗「……超お元気でー。
   って、どこを握りつぶしたんですかね超気になります。

味的には大したことはないけど子供は喜ぶ巨大とんかつ

お手軽じゃあありませんが作っていて楽しいです
ある意味、ソーセージとかも発祥は似たようなものかもしれません
小さな肉を集めてひとつの形にしてみたりとか

あと窒素装甲と窒素爆槍の解釈は適当というか、通る筋としてはこんなものかなとでっちあげました

乙ですー
猪肉はカレーにすると臭みがスパイスで気にならなくなるのでおすすめですよー


しかし滝壺がメシマズ設定は珍しいな
原作は麦野が作ってるんだっけ?

>>297
猪カレーは作ったんですが、肉が歯ごたえありすぎて不評でしたねぇ
味は良かったんですが

>>298
この話においては麦野は採算度外視してレシピどおりに作ってしまうレベルの腕前
滝壺は受信した電波通りに作ってしまうメシマズということになってます


今回はご家庭で簡単に作れるピザの話です
小麦粉ねってトマトソース作ればもう半分以上完成ですからね
意外と簡単なもんです、味はともかく

フレメア「来たよ、浜面」

浜面「おうよ、らっしゃい」

打ち止め「あれ、前は『ただいま』『お帰り』ではなかったかとミサカはミサカは疑問に思ってみたり」

浜面「それはきっと別の宇宙の話だな。って、また来たのかおちびちゃん」

打ち止め「誰がチビかー! とミサカはミサカはぴょんぴょん飛び跳ねながら最大限の抗議!」

番外固体「実際チビじゃん。事実は素直に認めたほうがいいとミサカは思うけどねぇ」

浜面「ぎゃああああ!!!! でたぁあああ!!!」

番外個体「なんだい、ミサカの顔見ていきなり悲鳴あげて。
     乙女のハートを傷つけるつもりかい」

打ち止め「この末妹、勝手についてきちゃったんだってミサカはミサカはため息混じり」

番外個体「なんか面白そうだからさ。浜ちゃん顔に似合わず料理とかしてるらしいじゃん?」

打ち止め「この間お土産にくれたかぼちゃのデザートとっても好評だったんだってミサカはミサカは説明してみたり。
     あの人だって『甘ェ……甘すぎる』とか言いながら完食したんだよ!」

番外個体「三時間かかったけどね」

フレメア「……にゃあ、知らないところで知らない話が展開している」

浜面「ご好評いただいたのはありがたい話だけどよぉ。
   で、何しに来たのよ」

フレメア「この間のように勝手にこのチビガキが付いてきて」

打ち止め「誰がチビガキかー! ってそんなミサカにこの生意気な妹がてくてく付いてきたのって」

番外固体「っていうか、迷子にならないように見張ってただけなんだけどね。
     ミサカは暇だから別にどでもよかったんだけど」

打ち止め「ミサカは迷子になんかならないってミサカはミサカはない胸張って自信満々!」

浜面「いやなってるだろ、フレメアと一緒に」

フレメア「にゃあ! 大体一緒にされても困る!」

打ち止め「ミサカは学園都市内だったら大抵の場所で自分の居場所がわかるのだ!
     伊達にエレクトロマスターのレベル3ではないってない胸を」

番外個体「はいはい。わかったからもう迷子になるんじゃないの。
     いつもミサカまで駆り出されるんだぜ? 勘弁してくれ」

打ち止め「ミ、ミサカのアイデンティティたる語尾を邪魔した挙句子供扱いとは……
     妹の分際で! 姉より優れた妹などいないのだ!
     って、ミサカはミサカは有名なセリフをパクってみたり」

番外個体「だったらミサカ以外の妹達の言うことに従うべきなんじゃないの?」

フレメア「にゃあ、浜面」

浜面「なんだよ」

フレメア「大体、何を言っているのかよくわからない」

浜面「(フレメアには妹達のこと説明してないしなぁ。
    俺も『そういう事があった』ことと『その結果』が目の前にいることぐらいしか知らないし)」

フレメア「どう見てもこっちのアオザイ着てるおっきくて目つきの悪い方がお姉さん。
     こっちのちっこいのが妹なのに、何を言ってるの、にゃあ」

打ち止め「そ、それは……って、ミサカはミサカはあの実験に触れないで現状を説明する手段を……」

番外個体「あー、あのね。
     一応こっちのちっこいのが姉っていうのは本当なんだ。
     複雑な家庭の事情ってやつだよ」

打ち止め「うんうん。愚妹ながらいい返しだなとミサカはミサカは腕を組んで感心してみたり」

フレメア「かていのじじょー。
     それならば深い詮索はしない。
     しかしそれならば私が一番のお姉さんなのだから言うことを聞くべき」

打ち止め「なんだとぉ! ミサカのお姉さまはただひとりなんだぞってミサカはミサカは」

番外個体「まぁまぁ、おチビ。一理あるじゃないの」

浜面「じゃあ一番お兄さんの俺の言うことを聞け。
   とりあえずみんなうがい手洗いやって来い」

フレメア「にゃあ。ちょっといきなりだけど大体言うことは正しい」

番外個体「へいへい。洗面所借りるよ?」

打ち止め「洗面所はこっちなのだ! ってミサカはミサカは勝手知ってる他人の我が家の振る舞い」

浜面「いきなり賑やかになったな。
   はてさて、何かしらもてなしを作らんとならんか」

番外個体「浜ちゃん」

浜面「どわあああ!!!」

番外個体「それだよそれ。なんだよその態度マジで傷つくぜ?
     いくらミサカが戦闘用クローンだとしてもそれは酷いんじゃないの?」

浜面「いや、あのな……似てるんだよ」

番外個体「?
     そりゃクローンだものおねーたまには似てるでしょうよ。
     ま、このぼよんぼよんは似てないかもしれないけどさー」

浜面「そっちじゃなくってな。
   第三位の母親にな。
   御坂美鈴って人にはちょーっとばかり後ろめたい部分があってだな」

番外個体「あー、あれか。浜ちゃんが失敗したやつか。
     ミサカは知ってるよ。一応あの人が関わった事件でもあるからデータとしてインプットされてる。
     そういやそーだったねぇ」

浜面「俺にも言い分はあるが九割以上俺が悪いわけであってだな、ごめん、ちょっとアンタ苦手なんだよ」

番外個体「ふーん。完全に言いがかりの部類じゃん。
     っていうか、これから平穏に生きていこうと思ってるんなら頭下げてくりゃいいんじゃないの?」

浜面「言えるか?
   殺そうとした相手に『すいません、俺あなたを殺そうとしてました許してください』って」

番外個体「……言えないやつなら知ってるけどね」

浜面「甘えているとはわかってるけどよ、もう少しばかり俺の心に力がつくのを待たせてくれよ」

番外個体「当人に謝れるのならばまだ許されるかもしれないじゃん。
     そう言う意味では浜ちゃん恵まれてるんじゃないかにゃーん?」

浜面「恵まれている? 俺がそう思ったら俺って本質的に邪悪そのもののゲス野郎じゃないか……」

フレメア「にゃあ! 何難しい話してるの?」

打ち止め「こら、末妹!
     ミサカを見習ってきちんとうがい手洗いしてくるがいい、とミサカはミサカは無い胸を強調したり」

番外個体「おやおや、首元がびしょびしょじゃないか。
     ほんとおこちゃまなんだから」

フレメア「そういえば浜面。
     ベランダにプランター置いてあったけれどもなにか育てているの?」

打ち止め「ミサカも見たぞ! 葉っぱいっぱいだった!」

浜面「おお、あれか。
   バジルだよ。一回植えておくと次から次へと生えてきてとても便利なんだ」

フレメア「大体、料理に使うの?」

浜面「もちろん。
   刻んで乾燥させたり魚に合わせるソースにしたり、いろいろ使えるぜ?」

番外個体「顔に似合わないことをしてるねぇ」

浜面「へいへい、そうですか。
   じゃあわーすとちんは特製ピザはいらない、と」

フレメア「にゃあ! 浜面ピザ焼くの!?」

浜面「バジルっていったらピザは外せないだろ?
   モッツァレラチーズもあるし、とろけるチーズも買ってあるし」

打ち止め「おお、本格的だ!」

浜面「実際のところ本場物には到底かなわないけど結構いけるんだぜ?」

フレメア「それは楽しみ!」

浜面「で、どうする?」

番外個体「そこでふるなよ、酷いなぁ。
     ミサカも食べたいに決まってるじゃん」

浜面「おっけ。じゃあさくっと作っちまいますか」

浜面「材料はこれだ。


   まずは生地。

   ①強力粉         1枚あたり100g弱
   ②オリーブオイル     1枚あたり大さじ2
   ③塩           ひとつまみ
   ④水           適量


   続いてトマトソース。

   ⑤ホールトマト      1缶
   ⑥ケチャップ       大さじ1
   ⑦顆粒コンソメ      少々


   あとは具だ。

   ⑧モッツァレラチーズ   食べる分だけ
   ⑨とろけるチーズ     食べる分だけ
   ⑩生バジル        食べる分だけ

   ⑪コーン         食べる分だけ
   ⑫ベーコン        食べる分だけ
   ⑬ルッコラ        食べる分だけ
                        などなど

   まぁ、具に関しては何を選んでもいいんじゃないかな。
                                   」

番外個体「なんていうか、シンプルだね」

浜面「こったのを食いたきゃ出前取るなり食いに行けばいいのさ。
   所詮はご家庭メニューなんだからよ」

浜面「最初にオーブンを200度に温める。これが結構時間かかるからそのあいだに準備しておく。
   まずは生地作りだ。
   ①から③までの材料をボールに入れて少しづつ水を加えながら練っていく。
   ベトつかなくなるぐらい、表面がうっすらと乾いて丸まるぐらいが理想かな。
   で、この状態で10分ぐらい休ませておく」

打ち止め「10分じゃ醗酵しないってミサカはミサカは突っ込んでみる」

浜面「醗酵しない生地だからな。
   次に小さい鍋を用意して、⑤~⑦を入れて、トマトの身を潰しながら中火で半分ぐらいまで煮詰める。
   意外と時間はかからないんだ」

番外個体「なんでケチャップ入れるのさ」

浜面「ケチャップってトマトベースのソースでさ。
   要するにあれだ、うなぎのタレを継ぎ足し継ぎ足し作っていくようなもんさ」

フレメア「にゃあ、味に深みがますの?」

浜面「なくても別に構わねぇけどよ。トマトソース作るときの様式美みたいなもんかなぁ」

浜面「で、だ。
   あとは生地を整形してトマトソース塗って、具を乗せてチーズ乗せて焼くだけなんだが」

番外個体「ふんふん」

浜面「実のところ、生地まできちんと火を通すと具がパサパサになっちまったりするんだよな。
   オーブンの問題かもしれないけど。
   だから俺は先にフライパンで生地を焼いておくんだ」

フレメア「にゃあ、それでいいの?」

浜面「いいのいいの。どうせ本格派ってわけでもないんだし。
   強火でさっくり、両面に軽く焦げ目が付くぐらい火を通しておく」

打ち止め「なんか、ピザトーストの変形みたいだってミサカはミサカは分析してみたり」

浜面「お、意外と合ってるかもなその表現。
   じゃあ焼いた生地にトマトソースを塗って、好きな具を乗せて……」

番外個体「最初はマルガリータかい」

浜面「まぁ基本だよなぁ。
   生バジル、モッツァレラチーズ、あととろけるチーズを乗せて、オーブンで6分ってところかな」

打ち止め「うう、とっても待ち遠しいってミサカはミサカは地団駄踏んでみる」

フレメア「結構サクサク作っているのに最後は見ているだけっていうのが大体宜しくないんだ」

浜面「じっくり待たされるのもまたいいもんだよ。
   そのあいだに次のピザ用意しておくとか、な。
   コーンでいいか。次はベーコン、んで最後にルッコラかな」

番外個体「サクサク行くもんだね」

浜面「オーブンって一回温めれば次はすぐ使えるからさ。
   ちなみに具は本当になんでもいいんだ。ソーセージ、唐揚げ、なすとかトマトとかアンチョビとか」

番外個体「なんで持って言ってもそれなりに限られてるじゃない」

浜面「つぅか、俺が試してない。
   いろいろ試して発見してくれよ。
   っと、まずは1枚目、焼けたぞ!」

フレメア「ふにゃああ! チーズがジュワジュワしてる! すごくいい匂い!」

打ち止め「これは絶対においしい!
     早く食べようってミサカはミサカは大興奮!」

番外個体「落ち着けって。
     でも結構簡単に作った割にはすごく美味しそうだよね。
     ミサカにもできるかな」

浜面「できるだろ。つぅか、俺のやり方が正当ってわけでもないし色々方法あると思うぜ?
   正直、金はかかる方の料理だとは思うけどテンションはスゲェ上がるからガンガン作ってくれよ」

フレメア「にゃあ! 御託はいいから浜面、早く!」

打ち止め「ミサカはミサカは待ちきれない!」

浜面「へいへい。さくっと包丁で切り分けて……流石に手に持って食うと熱いから取り皿に分けて、と」

番外個体「じゃあ、早速いただきます……」

フレメア「熱い! けど美味しい!」

打ち止め「ソースが結構フレッシュだ! 生地はもちもちしてるし、何よりも具が美味しい!」

番外個体「不思議なもんだねぇ。ただの葉っぱなのにすごく存在感がある。
     二種類のチーズも濃厚だし、それがトマトソースとよく合うんだ」

浜面「クリスピーな生地はまだ作れてねぇんだよ。
   けど、正直この生地でも満足しちゃってるんだよな。オリーブオイルがいい感じだろ?」

番外個体「いや、流石にわかんないよ。美味しい生地だっていうのはわかるけど」

フレメア「チーズとトマトソースの味が強いから、にゃあ」

打ち止め「でもすっごく美味しい!」

浜面「じゃあどんどん行こうか。2枚目、コーンが焼きあがった」

フレメア「なるほど、食べているあいだに次のピザが焼きあがるんだ」

番外個体「コーンはコーンって味だね」

打ち止め「ミサカはこれ好きだってはふはふ言いながら宣言してみたり」

フレメア「結構普通な味なんだけど、大体焼きたてだからすっごく美味しい!」

浜面「ハズレはないよなぁ。感動も薄いけど。
   じゃあ次、ベーコンのピザ」

番外個体「これはボリュームを感じるね」

打ち止め「そんなに変わったわけじゃないんだけど、お肉ってだけで随分とイメージの違いを感じてみたり」

フレメア「ベーコンの脂ととろけるチーズってあうんだ、にゃあ」

浜面「最後にルッコラだ。香りが強くてさっぱりするぞ?」

番外個体「いや、言うほどサッパリはしないよ。けど少し感じる苦味がいい感じだね。
     ミサカ、この味好き」

打ち止め「ミサカはコーンの方が好きだったかも!
     このピザも美味しいんだけど、ちょっと大人の味」

フレメア「そんなに極端に違うわけじゃないし、大体どれもこれも美味しい、にゃあ。
     っていうか、もうお腹いっぱいだ! ごちそうさまでした!」

番外個体「流石に4種類も食べたらお腹も膨れるか。
     チーズと小麦粉だもんなぁ。あとで体重計が怖いかもしれない……
     なぁんて、ミサカは体重気にしたことないんだけどにゃーん?」

打ち止め「ミサカも気にしたことはないのだ!
     ミサカはこれから伸びるからむしろ体重を増やさなきゃならないのだって大きなお腹抱えてみたり」

浜面「へいへい、お粗末さまでした」

番外個体「しっかしあれだね。正直言うと味そのものは大したことないよね」

浜面「それを言うなよ……」

番外個体「なんていうか、勢いで食べちゃったって感じ。
     満足感はあるんだよ? でもこれがピザかっていうとちょっと疑問を感じるなぁ」

打ち止め「なんてことを言うんだ、この愚妹め!
     ミサカはすごく満足だよって素敵な笑顔でお礼を言ってみたり」

浜面「家庭料理だから細かいことはいいっこなしだってば。
   いいんだよ勢いで。満腹で幸せになればそれで十分。
   それ以上はプロに頼もうぜ?」

フレメア「にゃあ。浜面のこの開き直り。ひねくれているのか大人なのか」

番外個体「でも言うとおりだね。
     家庭でこれ以上ってできなくはないんだろうけど倍にはならないよね」

打ち止め「というか、炊飯器ではそもそもピザは焼けないって
     ミサカはミサカは炊飯器天国のお部屋を思い浮かべてうんざりしてみる」

番外個体「ホットプレートぐらいあるだろ」

浜面「ホットプレートじゃ難しいなぁ。
   むしろフライパンで両面焼きとかのほうができるんじゃないか?
   オーブン使わないとなれば」

フレメア「恐るべき文明の利器」

番外個体「科学の最先端の街なんだから炊飯器でピザが焼けるぐらいのことはしてもらいたいところだねぇ」

浜面「無理ありすぎだろ。ゲンノウとノギスの機能をくっつけてみましたってぐらいに無理あるぞ」

打ち止め「待て! 考えてみればミサカは電磁能力者!
     そして電子レンジの原理は電磁波による分子の振動!
     ということは、いける! ってミサカはミサカは脳内でイメージを組み立ててみたり!」

番外個体「口に出してるって。性能の悪い口癖だね。
     つぅか、今回ピザ屋いたのはあくまでオーブンレンジだから。
     電子レンジとはちょっと違うよ?」

浜面「……電子レンジでやるとよ、場合によっちゃあ芯の部分だけ黒焦げになるんだよ」

打ち止め「ほえ?」

浜面「電子レンジってさ、内側も外側も同時に加熱するだろ?
   ピザのように空気の熱で外側から焼ける料理とは相性悪いぞ?
   外側が美味しく焼けた時には中が炭になってるかもしんないんだから」

打ち止め「そ、そんな!
     ミサカはミサカは役立たずなのか!」

番外個体「別にピザ焼かなくてもいいだろ、電磁能力でさ」

打ち止め「でもミサカは自分でピザを焼いてみたいの!」

フレメア「……にゃあ、だったら私の部屋に来ればいい」

打ち止め「!?」

フレメア「あんまり使ってないけどオーブンもあるよ?
     大体、壊したりしなければ使っても構わない」

打ち止め「いいの!? わぁ! お呼ばれするの初めて!
     ミサカはミサカは嬉しくって小躍りしてみたり!」

番外個体「……おチビにも部屋に呼んでくれる友達が出来たんだねぇ。
     おねーたまの遺伝子では友達なんてできないものだと思っていたのに、ミサカ嬉しい」

浜面「……その割には邪悪な笑みを浮かべているのは何故だ」

番外個体「こういうことを教えてやるとちょびっと傷つく連中を知っているもんでね。
     いやぁ、いいなぁ。誰かが幸福になることで自分の不幸を理解する連中に真実を教えることって」

浜面「意味深なことを」

番外個体「だってぇ、ミサカは悪意を集積する存在なんだぜ?」

浜面「うん、やっぱり似てないわ。ワーストと御坂美鈴は」

番外個体「あったりまえじゃん。ミサカはミサカ。
     クローンだろうがなんだろうが、世界でただひとりのミサカだにゃーん?」

黒夜「……」

絹旗「黒夜、なに震えてるんですか。膝が超笑ってますよ」

黒夜「なんであいつがここにいるんだー!
   ああ、嫌な思い出が!
   エム字開脚は嫌だー!!!」

絹旗「ああ、例のハワイの出来事ですか。
   しっかし、電磁能力者のレベル4。
   残念ですが我々では超勝てそうにありません、相性が悪すぎます」

黒夜「私は義手とか乗っ取られる可能性が高いし」

絹旗「私の窒素装甲は電撃を阻害することが超できませんし。
   光速に近いと言われる電撃を見て交わすことは事実上不可能です」

黒夜「電磁能力者って結構いる割には汎用性高いわ攻撃力高いわ……」

絹旗「超厄介ですよね。
   さてところで黒夜」

黒夜「なんだよ」

絹旗「これ、浜面の携帯に保存されていた写真です」

黒夜「!?」

絹旗「超素敵な格好ですね」

黒夜「馬鹿な! 浜ちゃんに撮られてないぞ!」

絹旗「おそらくはあの規格外妹達が勝手に入れたんでしょ。
   おそるべき電磁能力者。
   そんでもってこれが黒夜が大泣きしている写真です」

黒夜「うわああ! なんでだ!
   カメラなんて誰も構えてなかったのに!」

絹旗「どうやら防犯カメラだの携帯のアプリだのなんだのをハッキングしたようですね。
   超笑えます。引き伸ばして部屋に飾っておきましょう」

黒夜「うわああ!
   やめろおお!!!
   ひどい、ひどすぎる! 出番なんてほとんどないのにオチだけのためにこんな目にあうなんて!!!」

いじょーです

前にパン作ってたのとバジル育ててたのでその派生でよく作ってました
今はオーブンがちょっと別物になってしまったんでできなくなってしまいましたけど

なんでもナポリピッツァ協会っていうのがあって、そこに加盟している店のピザはすごく美味しいとか
ピザはイタリアでも地方によって特色があってローマは生地が分厚いとか

イタリア一周食べまくり旅行とかしたいですねぇ

乙!

そういえば支部でもこんな感じのSSあんぞ。
ハマーとモアイと黒夜のお料理教室。

乙!!
市販のしか焼いたことない。あとはピザトースト・・・

>>321
それ、ここの>>1かと。

>>321
>>323
ここで書いた話はpixivにまとめてます
よろしかったらいろいろと見てやってください


今回はエビチリです
簡単ですがもてなしで出したりすると喜ばれます

黒夜「絹旗ちゃん、ニコニコして何見てるんだよ」

絹旗「うふふふふ。これです。
   これまで見た映画の半券をまとめたスクラップブックです」

黒夜「何それ怖い」

絹旗「言ってみれば私が見てきた映画の歴史です。
   セーブデータのようなものですかね」

黒夜「日記帳がわりってこと?」

絹旗「簡単な感想とかその日に起きた出来事も書いてありますから日記帳とも呼べるかもしれませんね。
   私の超大切な宝物です」

浜面「そんなに大切な宝物だったら床に投げっぱなしにしておくんじゃねぇ。
   何回片付けたことか」

絹旗「読み返していくと他のスクラップブックも見たくなっちゃいまして、つい」

浜面「そうだとしても一冊片付けてから次の一冊をとればいいだろ。
   それにポテトチップスの食べカスとかよく挟まってるぞ。ちっとも大切にしてねぇ」

絹旗「超キモいですね。私のストーカーか何かですか。
   私が私のものをどうしようと勝手じゃないですか」

黒夜「絹旗ちゃんってだらしないところあるよね」

浜面「誰かに面倒見てもらう生活に慣れすぎてるんじゃないのか。
   こんなんで嫁に行けるのか?」

絹旗「浜面が私の嫁ぎ先とか超心配しないでください」

黒夜「ばあちゃんになるまで一人で生きていくから心配いらないってさ」

絹旗「誰がですか誰が。
   こんなに可愛い私が放って置かれるわけが超ありません。超ありえません」

黒夜「そういって遊んでいるうちに30超えて気がついたら40が射程に入ってくるんだぜ?」

絹旗「まだ十二歳ですよ。恋人もまだなのになんで結婚焦らなきゃいけないんですか」

浜面「どっちにしろ少しは身の回りの支度を自分でできるようになっておけ」

絹旗「いいんですよ、浜面いますし」

黒夜「……自分が何言っているかわかってるの?」

絹旗「へ? いやいやいや、そういう意味じゃ超なくてですね!?」

浜面「顔赤くして両手振って何やってるんだか」

黒夜「こっちも何やってるんだか……」

絹旗「赤! 赤といえばエビチリが食べたいです!
   超食べたいエビチリエビチリ」

黒夜「また急に話題を変えたなぁ……
   でも私もエビチリ食べたいな。浜ちゃん作れる?」

浜面「そりゃエビチリぐらい作れるけどよ。
   プロがやる本格的なのには程遠いご家庭レベルだったらさ」

黒夜「へぇぇ。エビチリ作れるんだ。レトルトのソース使わないで?」

浜面「意外と簡単だぞ?
   エビの下処理がちょっと手間取るだけでさ」

絹旗「そうなんですか?
   超難しい料理だと思ってました」

浜面「一回やればわかると思うんだがなぁ……
   とにかくやってみっか!」

浜面「材料はこれだ。


   ①エビ          20匹
   ②片栗粉         適量
   ③トマト         1個
   ④豆板醤         大さじ1
   ⑤中華だし        大さじ1
   ⑥ケチャップ       大さじ1
   ⑦万能ねぎ        1本
   ⑧にんにく        1かけら

                                   」

黒夜「久々にでたな味○」

浜面「やっぱりないとコクが足りないんだよ入れないと」

絹旗「美味しければ超構いませんが。でも美味しいことが前提ですよ?」

浜面「おっけおっけ。いけるいける。
   まずはエビの殻むきと背わた取りだな」

黒夜「……地味な作業だね」

絹旗「超めんどくさそうです」

浜面「だったら手伝えお前ら。
   これが面倒なんだよな。
   背わた取りはエビがデカかったら包丁で縦に切って一気に取り除けるんだけど」

浜面「で、処理を終えたエビに片栗粉をまぶしておく、と」

黒夜「なんでこんなことするの?
   味変わらないじゃん」

浜面「こうしておかないとエビが縮むんです。見栄えがしなくなるんです」

絹旗「だったら最初からでかいエビをつかえばと小一時間」

浜面「黙らっしゃい。
   家計を預かるものとして無駄遣いは許しませんのことよ」

黒夜「浜ちゃんキャラ変わってる」

浜面「おっと。
   まぁ絹旗の言うとおりにやりたければやればいいんじゃないかな。
   採算度外視でいいんなら」

浜面「次にトマトを潰しておく。
   面倒だったら100%トマトジュースでも構わないんじゃないかな、やったことないけど」

絹旗「やったことないのなら超勧めないでください」

浜面「俺の場合はミキサーにかけてジュースにしてるんだけどよ。
   結果としては同じじゃん?」

黒夜「そうかもしんないけどねー」

浜面「続いてフライパンを取り出してっと。
   潰したにんにく、みじん切りにした万能ねぎを油で炒める。
   当然先ににんにく、ねぎを入れてから中火にかけるんだぜ?」

黒夜「ああ、香りを引き出すってやつね」

絹旗「超基本ですね」

浜面「少しはわかってきたみたいで嬉しいぞ。
   で、香るようになってきたらエビを投入、両面をしっかりと焼いておく」

黒夜「おお、いい感じの匂いがしてる」

絹旗「エビがプリッと赤くなってきましたね」

浜面「とりあえず表面が焼けたら一回エビを取り出してっと。
   で、そのままのフライパンにすりつぶしたトマト、ケチャップ、豆板醤、中華だしを入れる」

黒夜「なんか本格的にチリソースになった!」

絹旗「なんだ、超簡単じゃないですか」

浜面「だろ?
   チリソースって結構簡単なんだよ。
   そりゃもちろん本場の職人には遠く及ばないだろうけどな」

黒夜「もうとろみ付いてるね」

浜面「エビにつけた片栗粉のせいだろ。
   チリソースが一様になって馴染んだらエビを再投入。で、一回火力をあげてすぐ火を止めて、終了っと!」

絹旗「え? これで出来上がりですか?」

黒夜「エビの下処理が時間の半分なんだ」

絹旗「じゃあ剥きエビ買ってくれば超簡単じゃないですか」

浜面「剥きエビってなんか違うんだよなぁ。
   エビが脇役のときはいいけどエビが主役の時は何か物足りないというか。
   どうしても小さいからさ」

黒夜「んー、それは仕方ないんじゃないかな。
   見栄えのするやつは高く売れるんだから」

浜面「それに剥きエビも決して安くはないからさ。
   おんなじ値段で買ってきて自分で処理したほうが絶対美味そうに出来上がる」

絹旗「味はどうなんですか?」

浜面「味は……変わらないかなぁ?
   ともかく食ってみろよ」

黒夜「だね」

絹旗「では、いただきます……」

黒夜「……エビチリだ!」

絹旗「普通に美味しいエビチリです!」

浜面「当たり前だろエビチリ作ったんだから」

絹旗「ですが、クック○ゥとか使うのならばいざ知らずこんなに簡単にエビチリが作れるとは」

黒夜「私たちの認識がおかしかったんだね。エビチリって簡単なんだ」

浜面「簡単という言葉がゲシュタルト崩壊おかしそうだけど、簡単だろ?
   もう自分でも作れるよな?」

黒夜「作れると思うよ、うん。
   片栗粉のおかげかエビがプリプリしてる」

絹旗「超作れるんじゃないですかね。
   白いご飯が超欲しくなりますね。いい感じに辛味が効いています」

黒夜「値段考慮に入れなければお弁当とかに入れたいところだね」

絹旗「これが入ってたら超高級感のあるお弁当になりますよね」

浜面「簡略化できる部分をめっちゃ簡略化すればいけるんじゃないか?
   剥きエビつかってトマトジュース使って片栗粉は最後に入れてで。
   手際よくやれば十分かからないと思うぞ」

黒夜「それができるのならば本格的にお嫁さんになれるね。
   ヤッタネ絹旗ちゃん、スキルがひとつ増えるよ」

絹旗「オイやめろその言い回し。
   というか、結婚なんてまだまだ先の話です!
   私には超関係ないです! っていうか黒夜の方こそどうなんですか!」

黒夜「へ?
   うーん、愛人でも構わない、かな」

絹旗「……はい?」

黒夜「結婚という形にも自分が独占していないと不安だという気持ちもあんまりないかも。
   その瞬間が心地よければいいんじゃないの?」

浜面「おいおい。しっかりと考えておけよ。それでいいのかよ」

黒夜「どーせ、今日じゃない次の日なんて来れば御の字で生きてきたから。
   将来長く続く契約ってものがイマイチ感覚で理解できないんだ」

絹旗「……でも振り返れば過去はあると思いますよ?」

黒夜「うん、思い出ってやつは欲しいかも。
   ゴミクズのように死ぬとしても楽しい思い出とか浮かべて死にたいしね」

浜面「やめろよそういうの。
   もうまともに生きられるんだから殺すだの殺されるのだの日常会話に浮かべるんじゃねぇ」

黒夜「ごめんごめん」

絹旗「黒夜も記録とっておけばいいんですよ。
   このスクラップブックみたいに。
   ときどき振り返って楽しめますよ?」

黒夜「とってはあるよ?
   浜ちゃんの女装のプリクラとか」

浜面「おいやめろ」

黒夜「写真っていうのは不思議なもんだね。
   ただのインクの塊でしかないのに捨てるに捨てられない。
   そして捨てられなくなった自分っていうのに気づいたりしてしんみりしたりするんだ」

絹旗「超いいことじゃないですか」

黒夜「つくづく丸くなったと自分でも思うよ。牙抜かれちゃったかねぇ」

絹旗「そうでもないと思いますけどね。
   浜面をいじっている時に超らんらんと光る目を見ている限りでは」

浜面「おい」

黒夜「そりゃ植えつけられた攻撃性は止められないよ。
   たまには発散しないと」

浜面「このあいだ一晩中ビルを粉砕しながら追い掛け回しただろうが」

絹旗「超当然のように生き延びましたよね、浜面」

浜面「当たり前だ! 生き延びなかったら二本の足で立ってられないだろうが!」

絹旗「別に死んでも復活するじゃないですか主人公補正で」

黒夜「死んでも変わりがいるんだろ」

浜面「いるわけないだろーが。お前ら俺をなんだと思ってやがる」

絹旗「浜面」

黒夜「浜ちゃん」

浜面「いや、そうでなくて」

黒夜「馬鹿でキモ顔でむっつりスケベでジーパンにジャージの上着とかおしゃれのセンスもないダメ人間」

絹旗「すぐ調子に乗るくせに落ち込みやすくて、それなのに誰かの分まで自分で背負おうとして重さで潰れる自意識過剰」

浜面「……はい、すいません」

黒夜「ま、でもいいんじゃない?
   実際私は浜ちゃんに随分と救われてると思ってるし」

絹旗「いないよりはマシですかね」

黒夜「そんなことないでしょ。見て見て、浜ちゃん」

浜面「なんだよ」

黒夜「絹旗ちゃんのスクラップブックさ、書いてある日記部分」

絹旗「こら! 超やめろ超許しませんよ!」

黒夜「浜ちゃんのことばっかり書いてあるんだよ。映画じゃなくって」

浜面「……へ?」

黒夜「このスクラップブックは映画の記録じゃなくって浜ちゃんとのデートの記録なんだよ」

絹旗「なっ! ななっ……!」

浜面「え? ええ?」

絹旗「何を言ってる! 超わけのわからないことを!!!」

黒夜「じゃあ否定してみる?
   否定したら可能性ゼロになると思うけど」

絹旗「は、はぁっぁぁ??
   そ、そんなの否定してやりますよ!
   私は別に浜面のことなんかだいっき……」

浜面「……」

絹旗「ちょっと! 浜面こっち見るな!
   見ないでください! うわあああんん!!!!」

黒夜「あ、逃げた」

浜面「……マジか」

黒夜「あれ、本気で気づいてなかった?」

浜面「だってアイツ俺に対してだけはすげぇ攻撃的じゃん」

黒夜「あれだよ、好きな子に意地悪する幼稚園児の心理だよ。
   絹旗ちゃんコミュ障だからね。
   基本的に相手と距離取るでしょ。
   フレンダっていうのが第四位に殺された時も第四位が浜ちゃんに殺されたときも顔色ひとつ変えなかったでしょ」

浜面「……そうかもしれないな。麦野は死んでないけど」

黒夜「信用すると裏切られるって、一方通行のそういう他人不信を植えつけられてるからさ。
   その分だけ一度信用すると重い女だと思うよ?」

浜面「だからって、俺にはもう滝壺いるし」

黒夜「愛人でいいんじゃない?」

浜面「いやいや、なんでそうなる。
   妹枠とか娘枠とかそっちにいかないのか?」

黒夜「(妻は一人だけだけど愛人は人数に制限ないから、ねぇ……)」

以上です

エビの代わりに白身魚に衣をつけてやつでやっても美味しいです
絹旗の映画の半券収集はワインのエチケット収集みたいに本の形にまとめてると判断しました

料理をさせるんだったら浜面はすごく使いやすいキャラクターだと思います

スキルアウト時代に一時的とは言え組織のトップに立って駒場の死後数時間で美鈴殺害の作戦立案実行直前まで持ち込めるのは
マネジメント能力の高さを物語ってますし
機械いじりをする人って結構料理にはこだわるんです

何より集団生活をしているのがいい


あとは絹旗と黒夜を書けますので←最重要

絹旗「……」

浜面「……」

黒夜「……」

浜面「なぁ、絹旗」

絹旗「な、なんでしゅかはまずら」

黒夜「噛んでる噛んでる」

浜面「そんなにビクビクすることはねぇぞ?
   いつも通りになってくれよ」

絹旗「ちょ、ちょーいつもドウリですけど?」

黒夜「なんか発音へんじゃね?
   つぅか絹旗ちゃん意識しすぎ」

浜面「いや、もし黒夜の言う通りだとしたら気持ちはありがたいぜ?
   ただ、正直感覚としてつかめてない部分はある」

黒夜「浜ちゃんもあんまり意識しない方がいいって。
   まだ絹旗ちゃんは未発達で親近感か男女間の好意か未分化なんだから」

絹旗「ちょ、ちょっと何勝手に私を解析しているんですか」

浜面「俺も絹旗のことを大切に思ってるぜ?
   それが男女間のそれだとは言わないけどさ」

黒夜「まー、いいお兄ちゃんだよね」

絹旗「いや、お兄ちゃんと呼べるかというと超抵抗がありますけど」

黒夜「絹旗ちゃんって『家族』っていう枠の抵抗が厚いよね。
   仲間、友達、まではいけても『家族』は無理、というか」

絹旗「仲間、友達……暗闇の五月計画の最初の頃はいっぱいいましたね」

浜面「そうか、お前ら……」

黒夜「正直、一時期は『弱い奴らが勝手に死んだだけ』とか思ってたよ?
   そう思わないとやってけなかったんだろうね。
   意味がある死、意味のない死、意味があるから生き残っている、そうやって自分を慰めていたような気がする」

絹旗「黒夜も超丸くなりました。
   あの計画の最後では何人も研究者を殺して暴れまくってたのに」

黒夜「窮鼠猫を噛むというか、猫より強くなったネズミが何をするかなんて、決まってるようなもんじゃない」

絹旗「黒夜は攻撃特化ですからそうやって爆発した。
   私は防御特化ですから仲間とか友達とか作れなくなった。
   安っぽい心理分析ならそう考えるところなんでしょうね」

黒夜「実際にはただのコミュ障だけどね」

絹旗「誰がコミュ障ですか誰が。
   ですが、不愉快な出来事があったから歪んだと言われるよりは本性がそうだったと言われる方が気は楽です」

浜面「俺もお前らは被害者だから可哀想とかは思わねぇし思いたくないな。
   ただお前らを道具にして利益だけ得ていたような連中は許せねぇと思うけどよ」

絹旗「正直不幸な生い立ちだとは思います。
   浜面みたいな超幸運な人生に比べれば」

黒夜「自分で勝手に落ちたんであって誰かに落とされたわけでもないからね。
   じゃあ、だからって『お可哀想に』と思われたいわけじゃないでしょ?」

浜面「そりゃ、な。
   そんなの馬鹿にしているだけだ」

絹旗「実際に金出すのか、居場所を作ってくれるのか」

黒夜「その瞬間だけ救われたって次に突き落とされるんだったら最初っから救われない方がマシだよね」

絹旗「どっちかというと浜面は勝手に救ってしまうタイプですよね。
   後先考えず」

浜面「……これでも一生懸命考えているんです。
   結果が出てこないだけで」

黒夜「まー、所詮は神様でもないただの人間が人間を救おうなんておこがましい事なんだけど」

絹旗「それをしようと思ってしまうのは浜面が善人だからでしょうね」

黒夜「優しさ、なのかな。
   これでもう少しタフになってくれれば浜ちゃんぐっとレベル上がるのに」

絹旗「フィリップ・マーロウですか」

浜面「あれはいい男だよな。憧れるぜ」

黒夜「うほっ」

浜面「おい」

絹旗「フィリップ・マーロウも随分とボロボロにやられるんですけどとにかくタフですよね。
   実際何ができるってわけでもないけれども物語を引きずる力がある」

黒夜「物語の主人公だからね。補正はまったくといいほどないけど」

絹旗「それでも誰かしらは救っているんですから、やっぱり主人公なんですねぇ」

黒夜「そういう意味だと浜ちゃんも主人公だと思うよ?
   実際、いろいろと救ってるじゃん。
   フレメアぶっ殺そうとした私に居場所作ってくれちゃったりしてさ」

浜面「……正直、麦野とか絹旗とかぶせてたのあるかもしれない。
   俺がもう少しだけ頭がよかったら、とか、もしかしたらコイツでやり直しができるんじゃないかとか。
   ヒデェ男だよな」

黒夜「いいんじゃない?
   結果が出てればさ。それがタフな証拠だよ」

絹旗「タフ……いい言葉ですね。超気に入りました。
   よし、浜面。なんかタフになる料理作ってください」

浜面「タフになる料理?
   ……うん、アレしかないな」

絹旗「アレ?」

浜面「食えばタフになる……んじゃなくて。
   タフじゃないと食えない料理ってところかな。
   スタ丼大盛り、行くぜ!」

浜面「材料はこれだ。
   一人前計算で考えてくれよ?


   ①豚コマ         200g
   ②玉ねぎ         大半分

   ③にんにく        2かけら・すりおろし
   ④生姜          にんにくと同量・すりおろし

   ⑤中華だし        小さじ1
   ⑥醤油          大さじ2
   ⑦酒           大さじ1
   ⑧みりん         大さじ1

   ⑨塩胡椒         適量
   ⑩水           適量

   ⑪生卵          1個

   ⑫ごはん         丼2杯分

   ⑬豆板醤         お好みで
   

                                   」

黒夜「オイコラ」

絹旗「なんですか⑫の白米の山は。
   超勘弁してくださいよ、洗面器に盛り付けるつもりですか」

浜面「黙らっしゃい。
   タフでなければ食べられないと言っているでしょうが」

絹旗「これじゃただの大食いのような」

黒夜「確かにタフにはなりそうだよね。スタミナも必要っぽい」

浜面「まー、正直女の子には厳しいから量は減らしても構わねぇと思う。
   思うが、スタ丼と言ったらこのサイズしか俺は認めん」

絹旗「私は白いご飯に肉汁が染み込んでいるのとか、超大好きですけど。
   流石にこの量は超勘弁です」

黒夜「白米は美味しいけど、私も勘弁だなぁ。
   ぺろりと平らげられる女の子なんているのかな。
   浜ちゃんは行けるだろうけどさ」

浜面「正直俺でもキツいわ。
   でもその難関を乗り越えるところにこそスタ丼の醍醐味があるんだよ」

浜面「最初に豚肉を湯がいてアクを取っておく。
   これがまたよく出るんだ。
   でなくなったら冷水で流して締めておこうな」

黒夜「うーむ、凄いもんだ」

絹旗「これ全部脂ですよね?」

浜面「ああ。
   少しは血も混じってるけどさ。
   ちなみにしゃぶしゃぶやってて汁が血で赤くなったら一回沸騰させてアクをとってやるといい。
   スープがキレイになるんだぜ?」

浜面「さて、豚肉を茹でているあいだに玉ねぎを切っておく。
   普通にスライスするかざく切りにするかは自由だな。
   ついでに調味料をボールにまとめておく」

絹旗「にんにくと生姜の香りが超凄いですね」

浜面「こんときに少しだけお湯を入れてやると、
   すりおろしたにんにくと生姜の細胞がさらに開いて香りが強くなるんだ。
   わざわざ別に沸かすのもアレだし、豚肉を茹でているお湯を少し入れておこう」

黒夜「おおう、めっちゃいい感じじゃん。
   これだけでも美味しそう」

浜面「これは好みなんだけど、ちょーっとだけ豆板醤を入れてやるとぐっと味が良くなる。
   豚肉と豆板醤ってすごく良く合うんだよ」

黒夜「それは美味しそうだね。私のは入れて欲しいな」

絹旗「私もそれでお願いします」

浜面「つぅか、俺が入れる以上二人に入れないという選択肢はないんだけどな。
   まー、でも騙されてみろよ。めっちゃ美味いんだぜ?」

浜面「じゃあ、仕上げと行こうか。
   フライパンにごま油を引いて、香りが出てきたら玉ねぎを入れる。
   少ししんなりとして透明感が出てきたら豚肉と調味料を入れる。
   豚肉に照りが出てくるぐらいまでさっと火を通せば出来上がりだ」

浜面「ご飯を盛り付けておいた丼に、白い部分が隠れるぐらいまで盛り付けて、真ん中凹ませて。
   凹ませた部分に生卵を入れたら完成だ」

黒夜「これは美味しいでしょ、絶対」

絹旗「ご飯は半分にしてもらいましたが超スタミナ使いそうですね。
   エネルギーをチャージするのにフルマラソンしなくちゃいけないみたいな、
   超矛盾をムンムンと漂わせてます」

浜面「能書きはいいからさ、熱いうちにさっさと食うぞ?
   これは戦いだ。タフに行こうぜ!」

絹旗「何ノリノリになってるんだから」

黒夜「でも美味しそう……いただきます……」

絹旗「ぐほっ!
   にんにくの香りが超鼻腔を直撃します!」

黒夜「味が濃い……けどそれが白米に合う!
   生姜の風味が肉にまた良く馴染んで……」

浜面「やっぱり豆板醤入れると一味違うな。
   美味さがぐっと増してるぜ」

絹旗「ですが、これは、はぐ、喋っている、暇が、超、ありません……」

黒夜「めっちゃ、かき込む感じで……お水、頂戴」

浜面「あいよ。烏龍茶でいいよな。脂切るぜ?」

黒夜「うん、ありがたいわ……ごくっ……ぷはっ! 冷たくて美味しい、このお茶」

浜面「杜仲茶とかも脂切るよな。ギンギンに冷やして飲むとこれがまた最高なんだ」

絹旗「くっ、ご飯食べているのに格闘技でもしている気分です」

黒夜「もう胃袋の八割ぐらいまでスタ丼ワールドなのにまだ半分しか減ってない……」

浜面「お前ら食細いなぁ。俺はもう三分の二は食ったぜ?」

絹旗「すぐに壁にぶち当たりますよ……私たちの苦しみを超味うがいい」

浜面「うぷっ、来たか……
   だがこれからよ、これからが本物のスタ丼タイム……」

黒夜「う、なんで……辛い思いしてご飯食べなきゃいけないんだよ……」

絹旗「味は超いいんですが……濃いからどんどんお茶飲んで……
   それで胃袋が超膨れて……」

浜面「これよ! この膨満感こそスタ丼よ!」

黒夜「ぐっ……食い切った!
   私は食べきったぞ!
   ぐほっ、自分の息がニンニク臭くて辛い!」

絹旗「私もです……超食べきった!
   どんぶり飯がこんなに辛いものだったとは……」

浜面「ふっ、お前らも一皮むけたようだな」

絹旗「ぬ、ぬぅ……私たちの倍の量をぺろりと。いくら体格差があるとは言え……」

黒夜「でも、なんだろう。この達成感は」

浜面「それだよ!
   それこそがスタ丼の醍醐味なんだ!」

絹旗「超意味がわかりません。
   美味しいものは美味しく食べるべきじゃないんですか」

黒夜「わからないってこともないでしょ」

絹旗「言い切りすぎましたか。
   ですが私はこんなに苦しいのならば白米などいらぬ! ですよ」

浜面「まぁ、もう強制はしねぇよ。
   一人一人天井は違うからな。
   でも、たまにやりたくなるんだよなぁ、満腹を超えて詰め込むっていうのをさ」

黒夜「うーん、これがタフってことなのか。
   いや、そんなことはないような」

絹旗「スタミナを使ってスタミナがついたような気はします、確かに」

浜面「悪くはないだろ?」

黒夜「だってさ。
   絹旗ちゃん、タフになった?」

絹旗「タフっていうか、もうどーにでもなれですよ。
   頭に血が回ってません。ぼーってなってます」

黒夜「じゃあ口が軽いかな?」

絹旗「は、何を言わせようとしてるんだか……
   ですが、少しは自覚しました。
   私は多分、浜面のことが……うぷっ!」

黒夜「うぷっ?」

絹旗「自分の口が臭い!
   にんにくが強すぎる!
   ダメです! 早急に歯を磨かないと逆流します!」

浜面「逆流って、おい」

黒夜「ちょ、ちょっとまって……そんなことを言われると私のそんな気が……
   げふっ、胃から何かが上がってくる……」

絹旗「超やめてください!
   今やられるともらいゲロしちゃいますから!」

浜面「ぬおおおおお!
   やめろ! 勘弁してくれ! 掃除するの俺なんだぞ!
   つうか、絹旗が何か言おうとして代わりにこれってどーいうことだ!!!」

以上です

スタ丼……大学時代によく食べに行ったものです
東京の国分寺でした

今住んでいる地元にはスタ丼の店はないので自分で作るしかないんですよね
でも最近は生姜焼き丼でも十分満足していたり

天候が悪いとどうも無線LANが安定しません
結構高いやつなのになぜなんだ

随分と暑いですから体力つけられるよう、今回は黒酢をつかった料理です

浜面「ふんふん……」

黒夜「浜ちゃん、鼻歌混じりで何やってるのさ」

浜面「見てわかんない?」

黒夜「大男がボロボロの人形を修理している気持ち悪い光景が見えるよ」

浜面「ひでぇな」

絹旗「というか、浜面裁縫できたんですね」

浜面「あれ? 知らないか?
   錠前をいじってる奴はある程度裁縫できるやつ多いんだぞ」

絹旗「そうなんですか?」

浜面「元々鍵っていうものはカバンとかにつけられてたもんでさ。
   カバンって革細工じゃん。
   だから革加工できるのが当たり前で派生で縫いものができる奴が多かったんだとさ」

黒夜「それって始まりの話で今は違うんじゃね?」

浜面「そうかもな。だとしても多いことは多いぞ。
   相性がいいんだな」

絹旗「細い針を使うってところでは超一緒ですからね」

黒夜「しかし、今の話でふと思ったけど、扉って必ずしも鍵がなくても開かなくすることができるんだよね」

絹旗「つっかえ棒とかカンヌキとか。
   洋の東西を問わず昔の時代だとドアロックって確かにないですよね」

浜面「だからかなぁ。ロックって言い方。岩みたいな重量物置きましたって感じだろ?」

黒夜「岩はRで鍵はLだけどね」

絹旗「超違うじゃないですか。馬鹿ですか馬鹿ですね浜面」

黒夜「中学生レベルの英語じゃん……本気で馬鹿なの?
   脳みそ入ってる?」

浜面「そこまで言わなくてもいいじゃないか畜生。
   思ったことをそのまんま言っただけだよ深く考えてねぇよ」

絹旗「超どうでもいいですけどね。
   しかし……その人形、麦野の超お気に入りのやつじゃないですか」

黒夜「え、これ第四位のなの?
   めっちゃ可愛くない?」

浜面「いい加減ぼろぼろだからさ、修理してやりたいと思ってたんだ。
   昨日ようやく借りられたんだよ」

黒夜「(ちょっと、絹旗ちゃん)」

絹旗「(なんですか)」

黒夜「(もしかしてアレなかったら眠れないとかそう言うオチじゃないよね)」

絹旗「(実は超そのとおりです。麦野はアレ抱きしめてないと眠れないんですよ)」

黒夜「(抱き枕じゃん。よくそんなもの貸し出すなぁ)」

絹旗「(確かに超ボロボロで修繕の必要はあるんですけどね……)」

黒夜「(自分の匂いが染み付いているようなものを……)」

絹旗「(クンカクンカしはじめたら超おっかないじゃないですか)」

浜面「聞こえてるぞコラ。んなことしねぇよ」

絹旗「超ビックリ。変態を形にしたような浜面が」

浜面「もしやってみろ。一瞬で黒焦げだわ」

黒夜「はて、どーだろうか。
   そういや浜ちゃん、サメって臭いの?」

浜面「なんだいきなり。どっからサメという話題が出てきた」

黒夜「今朝方テレビ見てたらニュースでサメが出ていてさ」

絹旗「フカヒレは食べたことありますがあれはかかっているタレが美味しいんであってそのものに味はありませんね」

浜面「練り物にはよく使うらしいけどな。
   サメっていうかモロはそんなに料理知らないな」

黒夜「モロ?」

浜面「そういう言い方もあるの。
   北関東あたりだと食うところもあるらしいぜ?」

絹旗「北関東って栃木とか群馬とか?
   思いっきり内陸じゃないですか。どこでサメが採れるっていうんですか」

浜面「気仙沼。
   あそこでサメを解体して、フカヒレだけとって、身の方は宇都宮あたりで食ったりするんだって」

黒夜「なんでまた気仙沼じゃなくって宇都宮で食べるんですかね」

浜面「サメってアンモニアが身に含まれていて臭う反面腐りにくいらしいんだ。
   海の魚で内陸に運べる物ってそれぐらいしかなかったんじゃないかな。
   あとは塩ジャケぐらいで」

絹旗「あれ? どっかで麦野が超びくってした絵面が頭に浮かびましたよ?」

黒夜「輸送の問題か。
   浜ちゃん前言ってたね。運搬技術って食と密接な関係があるって」

浜面「その一例だと言えるな。
   でも現代のモロはほとんど臭わないぞ」

絹旗「ほほう」

浜面「採れたてだと刺身で食える、しかも上品な白身なんだとさ」

黒夜「あれ? アンモニアは?」

浜面「採れたてだと出ないらしいんだわ。
   船の上じゃなきゃ無理らしいけど」

絹旗「なんか食べてみたくなってきました。
   刺身は無理としても超何か作ってください」

浜面「無理言うな。買ってこないとないわ」

黒夜「ところがあるんだな。
   実は今朝方散歩がてらにスーパーに言ったら置いてあったんで買ってきたんだ」

絹旗「それでサメの話なんか振ったんですね」

黒夜「丁度ニュースで見たばかりだったしね」

浜面「随分とまぁ、都合のいいお膳立てを……
   しゃあねぇな、作ってみっか」

浜面「今回作るのはモロの黒酢あんかけだ。
   量は適当だけどまずハズレはないな。


   ①モロ切り身       300g
   ②玉ねぎ         大半分
   ③筍           50g 茹でてあるもの
   ④人参          小1本 
   ⑤さつまいも       小1本

   ⑥醤油          大さじ3
   ⑦酒           大さじ3
   ⑧黒酢          大さじ2
   ⑨砂糖          大さじ3
   ⑩片栗粉         適量
   ⑪水           適量

   ⑫にんにく        1かけら・すりおろし
   ⑬生姜          同量
   ⑭醤油          大さじ1
   ⑮酒           大さじ1
   ⑯みりん         大さじ1
   ⑰豆板醤         小さじ1
   

                                   」

黒夜「野菜が多いね」

浜面「もっと色々入れてもいいんだぜ?
   大抵は合うわな」

絹旗「黒酢であんかけですか
   それに醤油と酒が二つありますけど」

浜面「それはモロを漬け込むのと黒酢あんとわけたんだよ」

黒夜「漬け込むんだ」

浜面「臭いがほとんどしないって言っても風味を生かしてっていう食材でもないしな。
   それに白身って言ったけど結構血が残って赤かったりもするんだ」

絹旗「なるほど。
   やっぱり癖が強い食材なんですねぇ」

浜面「種類にもよるんだろうけど、細かいことはわかんねえよ」

浜面「まずはモロと野菜とを適当な大きさに切っておく。
   一口大かな。さつまいもは皮付きのままでいい。色合い的にもな」

黒夜「切り分けてるところは料理っぽいよね」

絹旗「でも超簡単そうですよね」

浜面「そりゃプロの技なんて俺使えねぇし。
   いいんだよ、ご家庭向けなんだから」

絹旗「ですが普通のご家庭はサメなんて超食べないと思いますが」

浜面「そんときは鳥のからあげでやればいいだろ。
   それでもかなりうまいんだぜ?」

黒夜「どっちかっていうとそっちが一般的だよね」

浜面「でもモロでも結構いけるんだぜ?
   まぁ出来上がりを楽しみにしていてくれ」

浜面「⑫~⑰を混ざ合わせたものを入れたボールにモロの身を漬けておいて、
   で、野菜は下茹でをしておく。
   大体15分ぐらいかな」

黒夜「そんなに茹でて野菜の栄養逃げていかないの?」

浜面「あんまり深く考えてない。
   本当は蒸せばいいんだけどちょっと器具がないからさ。
   レンジで蒸せるシリコンのやつとか使えるんだったら使えばいいんじゃないかな」

絹旗「今度買ってきますか」

浜面「黒酢あん作るときの水分として使えばいいって考えてるけど、まぁそれでいいんじゃないかな。
   茹で終わった野菜は取り出しておいて、漬け込んだモロに片栗粉を塗しておく。
   で、それをフライパンで両面焼いて焼き目をつけておくっと」

黒夜「へぇ。結構簡単に焼けるね」

浜面「漬け込んでるから焦げやすいし、そんなに火を通さなくてもいいぜ?
   適当に色が変わったら醤油、酒、黒酢、砂糖、水を入れて野菜も投入する。
   あとはひと煮立ちさせて、片栗粉でトロミをつければ出来上がりっと」

絹旗「超簡単ですね」

黒夜「いっかいサメ肉に片栗粉つけてるから最終的なとろみ用の片栗粉は少しで済むんだね」

浜面「もう少しモロが多かったら追加の片栗粉もいらないんだけどな。
   まー、でもこれは適当俺流浜面流だから」

絹旗「美味しければ超問題ないです」

浜面「おうよ。
   じゃあ、食ってみろよ」

黒夜「どれどれ、いただきます……」

絹旗「へぇ! これがサメ肉ですか。
   超臭みないですね。鶏肉みたいです」

黒夜「うん、さっぱりしていて黒酢に合うね。
   野菜もゴロゴロしていていい感じだ」

絹旗「筍の歯ごたえも、さつまいもの皮の色合いも超いいです。
   玉ねぎは特に主張はないですけど」

黒夜「でもないと寂しいかもね。
   人参もほっくりしていて美味しい」

浜面「黒酢あんかけって野菜をたっぷり摂れるのがいいところだよなぁ。
   主役と脇役とががっつり肩を組んでいるみたいで俺結構好きなんだよ」

絹旗「でもこの場合の主役って黒酢かもしれないです」

黒夜「主役っていうか纏め役っていうか。
   そのままだと結構癖あるのににね、こうやって使うといい橋渡しだよね」

絹旗「美味しかったです。超ごちそうさまでした」

黒夜「うん、ちょっと面倒な部分はあるけど基本的な流れはシンプルで、美味しい一品だった」

浜面「はいはい、お粗末さまでした」

絹旗「ですが、思ったよりサメ肉っていう感じではありませんでしたね。
   衣がついていて鳥からあげって言われたら超信じてしまいますね」

黒夜「というより思ってたよりサメ肉が美味しかったんだよ。
   下味もあるんだろうけど臭くないし歯ごたえもあったし」

浜面「美味けりゃいいだろ、美味けりゃ」

絹旗「超その通りですね」

黒夜「これはもっと食べられてもいいような気がするよ」

浜面「飼育するってほどじゃないんだろ。
   けどフカヒレを採ったサメを海に投げ捨てる漁があって問題になったりしてるからさ。
   食えるもんは食うべきだよな」

絹旗「超その通りです。もったいない精神ですね」

浜面「そーなんだよ。だから一生懸命ぬいぐるみ修理してるわけなんだよ」

黒夜「うまくいってるの?
   難しくないの?」

浜面「おんなじ生地探すのに時間がかかったけど、劣化した部分は交換できるし、解れている部分も縫い治せるから
   十全とは言わないがかなり治せる……と思う」

絹旗「ぬいぐるみの修理はやったことあるんですか?」

浜面「ないけどよ、それほど大きくは変わらねぇだろ。
   縫い目をできるだけ小さくするぐらいだろ?
   一から作るわけじゃないんだから」

黒夜「でも布地交換とかするんでしょ?」

浜面「酷いところだけは、な。
   正直買ってきたほうが安上がりだとは思うけど麦野がどうしても愛着あるみたいだからさ。
   だからといってこのままだと寿命も近いから、延命治療だな」

絹旗「ですが、そうやって部品を交換していくとまるでテセウスの船ですね」

浜面「なんじゃそりゃ」

黒夜「テセウスっていうのはミノタウロスを倒したギリシャ神話の英雄でね。
   ミノタウロスがいたミノス島から帰ってきた時の船がずっと保存されてたんだってさ。
   けれども古い船だからいろいろガタがきてる。
   で、後代の人が壊れたパーツをいろいろ交換していくわけさ」

絹旗「じゃあ、その『新しく修復した船』は果たして『テセウスの乗ってきた船』なのか。
   超別物なんじゃあないのか。
   まぁそういうちょっと小賢しいパラドックスですよ」

浜面「知るかよそんなの。
   俺としては麦野が愛着を持った人形が長く保てればそれでいいんだよ。
   どうせ馬鹿だから小難しいことは考えないの」

黒夜「私としちゃあテセウスの船に変わりはないと思うけどね。
   パーツを交換したところで本質は船だもの」

絹旗「超どうなんでしょうかね。
   別に黒夜を煽るわけじゃないんですが、どんどん人体をサイボーグ化していって。
   本人の知らぬ間に脳みそまで機械になっていたらそれは人間なんでしょうか」

黒夜「脳みそが無いのならば機械だろうさ。
   そして自分の連続性を認識し続けられるのならば脳みそなくともその当人だろうね」

絹旗「じゃあ、そうした『すべて機械の自分』が出来上がったあと、元の脳みそで『別の自分』を作り上げたら。
   どっちが『本当の自分』なんでしょうかね」

浜面「小難しいこと考えてるなお前ら。
   でも、あの恋査とかいうサイボーグもそういうもんなのかもな。
   あれは脳みそを切り替えてたみたいだけれども」

黒夜「あのサイボーグ体って脳みそ必要なのかね。
   なんか機械で能力発言ができるって話もあるし、もしそうだったら人体不要だと思うんだけれども」

絹旗「技術的に可能なのと運用が可能なのは超別ですから」

浜面「魂、なんてものがさ。あるかどうかわかんないけれども。
   それが入っている方が本物なんじゃないのか?
   脳みそのあるなしじゃなくってさ」

黒夜「魂……ねぇ。
   オカルトもいいところだ」

絹旗「で、その人形には魂入ってるんですか?」

浜面「麦野が愛情込めてるんだから入ってないわけないだろ」

黒夜「だといいね」

絹旗「ということは夜中に動き出すんですね。
   草木も眠る超丑三つ時にぐわっと」

浜面「ねぇよ」

絹旗「しかし……人形に魂が宿る、ですか」

黒夜「どうしたの、絹旗ちゃん」

絹旗「いや……人形に爆弾入れて吹き飛ばしてたりしてたらやっぱり恨まれるんですか。
   と思っただけです。別にそれだけですとも」

浜面「……そーいやさ」

黒夜「なんだい、浜ちゃん」

浜面「このぬいぐるみの中にこれが入ってたんだよな」

絹旗「……超盗聴器です、ね」

黒夜「もう死んでるみたいだけど」

絹旗「距離が離れていてもバッテリーを充電できる、盗聴データを送信できるタイプ……
   つまり、これが死んでるってことは充電する人が超いないってこと……」

浜面「もしかして、見ちゃいけなかったかな?」

黒夜「見なかったことにしよう」

絹旗「超見なかったことにしましょう。
   こんな魂あっても嫌ですし、麦野に教えて暴れられても超困りますし」

以上です

モロはムニエルにしたり唐翌揚げにしたり、普通に使えます
それほど味がいいか、というと疑問でして普通に鶏肉でも問題は何一つないわけで
魚系で味がいいのはあんこうですかね
あんこうの骨を素揚げにするとめちゃくちゃ美味いです、ただみたいなもんだし


個人的なことですがしばらく日本を離れますので10日ぐらい更新ができなくなりました
どうかご了承くださいませ

追記

そろそろみさきちの話でも書こうと思ってます
合意があるけど流され系で
相手は美琴、上条さん予定です

帰ってきました。
帰ってきてからやらなくちゃいけないことも一通り終わってようやく落ち着きました。

日本に帰ってきて一番食べたかったのがラーメンだったのは何故でしょう?
そばとか寿司とかじゃなくって。
ちょっと自分でも驚いた。


ので、今回は締めがラーメンな鍋で。
暑気払いにはおすすめできる一品です。

浜面「ふぅ……最近バテてるような気がする」

絹旗「超暑い日が続いていますからねぇ」

浜面「何言ってやがるすっかり引きこもりになりやがって。
   クーラーの効いた部屋から少しは外に出ろって言うんだ」

絹旗「超お断りです。
   文明というものは快楽を実現することに意味があるんです。
   私は超文明人なのでわざわざ苦痛を選択したりは超しないんです」

黒夜「んなわけねぇよ。
   普通に汗かけよ。だから太るんだよ」

絹旗「ふと!?
   超そんなわけないじゃないですか。見てくださいよこのスリムなボディを」

黒夜「確かに胸はぺったんこだけどさ」

絹旗「言い直します。超出るところは出ていて引っ込むところは引っ込んでいるナイスバディを、です」

黒夜「きゅ、ぼん、きゅってことだね。八ヶ月だっけそのお腹」

絹旗「誰が妊婦ですか超ぶち殺しますよ黒夜」

浜面「はいはい、そこまでそこまで。
   体力ないんだからここで暴れんじゃねぇよ」

黒夜「三十度超えの真夏日で工事現場で働いてれば疲れもするよね。
   うなぎでも食べたら?」

絹旗「知らないんですか黒夜。うなぎは今超高いんですよ。
   びんぼーな浜面が食べられるわけないじゃないですか」

黒夜「どっかの国が稚魚を乱獲したからなぁ」

浜面「ニホンウナギは絶滅危惧種扱いになるかならないかだけどインドウナギやアフリカウナギはいっぱいいるらしいぞ?
   そのうち普通に流通するんじゃないのか?」

絹旗「そのうち、が来る前にバテバテになっちゃいますけどね」

黒夜「そうだ、うなぎモドキとか作ってみたら?
   精進料理であるってやつ」

浜面「あれかー。
   正直オススメしない」

絹旗「作れるんですか、浜面」

浜面「何回か作ったけどさ、手間隙かかる割には美味くないんだよ。
   結局大豆、豆腐、山芋で作るから味はそういう味にしかならないし」

黒夜「ちなみにどうやって作るのさ」

浜面「今言った材料をミキサーでかき混ぜて、うなぎの皮に見立てたノリの上に乗せて揚げるのよ」

絹旗「本当に味が超想像できますね」

浜面「一応本当の職人が作ったものも食べてみたんだけど……やっぱり美味くないわ。
   少なくとも俺には合わねぇ。
   スタミナつけるなら別の料理を食べるわ」

黒夜「ちょ……スタ丼は勘弁して欲しい」

絹旗「美味しいんですが、しばらくは超見たくないです」

浜面「スタ丼もありっちゃありだけどよ。
   今食べたいのはちょっと違うな。今は鍋の気分だ」

絹旗「鍋ですか。この暑い盛りに」

黒夜「暑いものに熱いものはありじゃん」

浜面「ちなみに豆板醤を使うからちょっと辛いんだ。
   でも美味いんだぜ? 個人的にはめっちゃオススメだな」

絹旗「へぇー。浜面がそこまで超自信たっぷりとは」

黒夜「おんなじセリフを何回か聞いたけど今回は目の輝きが違うというか、オーラが違うというか」

浜面「ま、とりあえず作るからよ、食ってみろよ」

浜面「材料はこれだ。


   ①豚肉          200g
   ②白菜          八分の一カット
   ③人参          1本
   ④豆板醤         大さじ2
   ⑤中華だし        大さじ1
   ⑥水           適量
   ⑦味噌          おたま半分~三分の二
   ⑧バター         大さじ1

   ⑨にんにく        1かけら
   ⑩生麺          2袋
   ⑪中華だし        大さじ1

                                   」

絹旗「麺?」

浜面「おうよ。締めがラーメンなんだよ」

黒夜「へー。それはちょっと珍しいね」

浜面「これがまた美味いんだわ。本格的な味噌ラーメンでさ」

絹旗「やっぱり味○使うんですね、しかも二回」

浜面「詳しくはやりながら説明するよ。まぁ見てろって」

浜面「最初に土鍋を用意してだな、バターを入れて火をかける。
   ほどよくバターが溶けたら豚肉を入れて、豆板醤も入れて色が変わるまで炒める」

黒夜「うおっ、すごい匂い」

絹旗「目が痛くなるぐらいに超唐辛子の匂いが強いです」

黒夜「豆板醤はこれまで何度も使ってるけどこんな匂いしたことないよ」

浜面「直接火にかけてるからなぁ。
   どうしても分子が飛ぶんだろ。
   んでもって、豚肉と豆板醤はめちゃくちゃ相性がいいんだ」

絹旗「前に超言ってましたねそんなこと」

浜面「で、豚肉の色が変わってきたら水を入れる。
   鍋の半分ぐらいまでかなぁ。そのうちアクが出てくるから丁寧に取り除いておこう。
   んでもって……だ」

絹旗「それは?」

黒夜「皮むき器じゃん」

浜面「これを使うんだよ。これだって立派な調理器具なんだぜ?」

黒夜「そりゃ皮むき器は料理器具だけどさ」

浜面「火にかけた鍋の前に立ってだな、人参と皮むき器もってだなー」

絹旗「こらこら、なんで鍋の上で皮をむき始め……」

黒夜「って違う!?
   皮どころか身を薄切りにしている!?」

浜面「そーなんだよ。
   刀削麺みたいだろ?」

絹旗「へー、面白いですね」

黒夜「そういう使い方もあるのか。なるほどなるほど」

浜面「持てなくなるぐらいに小さくなったら包丁で刻んで鍋に入れておこう。
   で、次に白菜だ。
   最初に白いところ、次に青いところを入れるんだ」

絹旗「火が通りにくいところから鍋に入れていくわけですね」

黒夜「当然だね。でも味付け豆板醤だけじゃん」

浜面「火が通ってからでいいのよ。
   じゃあ火が通ったから中華だしを入れてひと煮立ちさせて。
   そしたら火を消して水面の沸騰が収まるまで待つと」

黒夜「火という言葉ばっかりで何を言っているのかわからなくなってくるよ」

浜面「味○入れて沸騰させて、沸騰を止めさせるってことよ」

絹旗「でもなんでですか?」

浜面「これから味噌を入れるんだけどさ、味噌って沸騰しているところに入れると香りが飛んじゃうのよ。
   味噌汁作るときの基本なんだぜ?」

黒夜「へー、知らなかった」

絹旗「私、あんまり味噌汁食べませんから」

黒夜「外食が多かったし定食屋の味噌汁ってしょっぱいもんね」

浜面「そういや俺もあんまり作ってないな。ま、いっか。
   味噌は一気に入れないでお玉の上で少しづつ溶かしながら入れていこう。
   そのまんまで入れると塊になってしょっぱいからさ」

浜面「おし、完成だ!」

絹旗「結構美味しそうですね」

黒夜「じゃあいただいてみますか」

絹旗「おお! これ美味しいですよ!」

黒夜「味噌と豆板醤のピリ辛とがいい感じだね。
   豚肉も白菜も美味しいな」

絹旗「人参もクセがないですよね。超薄いからですか」

黒夜「スープも美味しい」

浜面「豚肉も白菜もダシが出るからさ。
   それだけじゃ弱いから味○使ってるけど」

絹旗「これはいいですね!
   期待以上です。超満足ですよ」

浜面「まだまだ。締めのラーメンが残ってるからよ」

黒夜「そう言えばそうだった」

絹旗「最初に浜面が超美味しいと強調していたラーメンですね」

浜面「まずは、一回麺を茹でておく。
   沸騰したお湯で一分ぐらいでいい」

黒夜「あれ? 麺の袋には茹で時間4分だけど?」

浜面「鍋に入れているうちに伸びちゃうからそれも考慮に入れてるのよ」

絹旗「じゃあ超そのままいれればいいんじゃないですか?」

浜面「それだと麺に付いている打粉が入っちゃうだろ?」

絹旗「ああ、麺がくっつかないようになってる白い粉」

浜面「きれいに落としておかないと鍋全体にトロミがついちゃうんだよ。
   それでも食えなくはないけどどうせなら美味く食おうぜ?」

浜面「よし、じゃあ麺を茹でるのと並行して潰したにんにくを鍋に入れる。
   で、鍋をもう一回火にかける」

絹旗「それだと味噌の風味が超飛んじゃうんじゃないですか?」

浜面「もう馴染んでるから大丈夫だってぇの。
   で、味○も追加しておいて、茹で上がった麺を入れてひと煮立ち。具体的には数十秒」

黒夜「へぇ、美味しそう」

浜面「美味いぜ?
   よし、食え食え。麺が伸びないうちに」

絹旗「どれどれ、いかがなものでしょうか……」

黒夜「うおっ、これラーメンだ。味噌ラーメン!
   店で食べるレベルの味噌ラーメンだよ!」

絹旗「超本当です!
   信じられない! 本気でラーメンです!」

浜面「だろ?
   マジでイケてるだろ?」

黒夜「浜ちゃんのそのドヤ顔は気に入らないけど、確かに美味しいわ」

絹旗「同じ鍋で、締めなのにこんなに立派な一品でいいんですかね。
   普通鍋の締めってこんなに美味しくないですよ」

黒夜「最初っからこれだけ食べても満足できちゃいそうだよ」

絹旗「いやはや、超満足ですよ。うんうん」

黒夜「これは夏バテ吹っ飛ぶわ。豆板醤で唐辛子も採れてて」

浜面「夏に限らず一年中美味いけど、暑い時にこれ食うとすげぇテンション上がるんだよ」

絹旗「超わかります。超わかります」

黒夜「豆板醤と味噌の組み合わせがいいんだよ」

絹旗「にんにくが入ってラーメンも超良かったです」

黒夜「うなぎ食べられなくても満足できるよマジで」

絹旗「いや、それは別ですよ。やっぱりうなぎはうなぎで食べたいです。
   季節ものですからね」

浜面「うなぎも夏は夏バテして味落ちるらしいけどな」

黒夜「え、そうなの?」

浜面「うん。食い比べたわけじゃないから何とも言えないけどさ」

絹旗「……なんでそういうこと言いますかねぇ。
   いちゃもんつけられたみたいで超嫌な感じですよ」

浜面「悪かったよ、悪かったってそう怒るなよ」

黒夜「絹旗ちゃんも食べたばっかりで次の食事のこととか、食い意地張ってるねぇ」

絹旗「誰が食い意地張ってるんですか、誰が」

黒夜「そんなんだからお腹が出てくるんだ」

絹旗「はぁ?
   また繰り返すつもりかコイツは。
   別にお腹が出てきてなんか超いませんってば!」

黒夜「でも体重増えたよね」

絹旗「っ!」

黒夜「お風呂場の体重計って過去の履歴見れるんだぜ?
   ここ数週間順調に育ってるみたいじゃん、身長伸びてないくせに」

絹旗「は、はぁぁ!?
   何言ってるんですか、私は超成長期ですよ。1.5キロ程度増えたうちに入りません!」

浜面「絹旗の体格で1.5キロだったら結構な増加じゃないか」

黒夜「だよねぇ。
   ちなみに余計なことだけど私はちゃんと体重の自己管理は出来ているからね。
   誰かと違って」

絹旗「超余計なことを!」

黒夜「まー、おかわりしまくってたからね。浜ちゃんの料理」

絹旗「そ、それは……」

浜面「暑い最中の現場仕事してる俺より食ってたら当然太るに決まってるだろ。
   外に出ろ出ろ、少しは汗をかけよ」

黒夜「水ぶとりは少しは解消されるんじゃないの?
   多分1キロは落ちるぜ?」

絹旗「超マジですか!」

黒夜「マジマジ。増えた体重の三分の二は水だからさ」

絹旗「おお!
   よし、超今からジム行ってきます!」

浜面「おい。まさかクーラー付いているジムとかじゃないだろうな」

絹旗「というよりもプールですよ、プール。
   麦野が借りっぱなしになっているプールがあるはずです。
   そこで三時間ばかり泳いできます」

黒夜「おうおう、頑張ってヤー」

浜面「……まぁ、目標があるのはいいことだ」

黒夜「身一つで飛び出していったね。水着はレンタルできるのかな」

浜面「さぁなぁー。
   でも少しぐらい太ってもいいと思うんだけどなぁ。アイツ小柄だもの、食うもの食わないと」

黒夜「能力追跡……滝壺理后、とそれほど身長は変わらないんだけど小さく見えるよね」

浜面「やっぱり顔つきが子供だからだろうな。いいんだよ、年頃相応で」

絹旗「……顔つきが子供で超悪かったですね」

浜面「うおっ!
   なんだよ、忘れ物かよ!」

絹旗「……暑いんです」

黒夜「はぁ?」

絹旗「外は超暑いんです!
   浜面! 私をプールまで連れて行きなさい! 思いっきりガンガン冷房効かせた車で!」

浜面「ダメだこりゃ」

黒夜「いいじゃん、暑さで汗かいて痩せてこい」

絹旗「超嫌です!
   私は暑いの大っ嫌いなんです!」

黒夜「……絹旗ちゃんってこんなにダメ人間だったっけ?」

以上です

この鍋はテレビで見て覚えました。正式な名称とかは知らないです。
けどかなりいけているので超おすすめ。


味噌ラーメンって野菜を食べるためのラーメンなので白菜とか人参と相性がいいんですよね
その分チャーシューとかとは少し相性悪いかも

今回の元ネタは私の愛読書である「ネイチャージモン」より
寺門ジモンの行きつけだった店のお好み焼きだそうです

流石に盛り上がるほどドロッとしたソースとかは作れなかったんで、っていうかお好み焼きソースのつくり方がわからないので市販品で。
実際試してみたら美味かったんですよ。
焼き方とかもそのまんま真似して。

その店で食べたらどれぐらい美味かったんでしょうねぇ。

絹旗「暑い……」

黒夜「そうかい?」

絹旗「部屋の温度が24度なんですよ! 超暑いじゃないですか!」

浜面「外は35度超えてるんだぞ。贅沢言うなよ」

絹旗「くーらー! 十六度まで下げろって言っているのになんでダメなんですか!」

黒夜「それじゃ冬じゃないのよ」

浜面「少しは電気代というものを考えろ。いいじゃないか、扇風機回っていて涼しいだろ?」

黒夜「独占してるし。あ”ーとかやってるし」

絹旗「暑いんだから超仕方ないんですよ!」

黒夜「結局プール行って遠泳10キロとかやってきたくせに『超喉が乾きました』とか言ってコーラ2リットル一気飲みしてさ」

浜面「素直にスゲェよ。あの身体で一気とかどうやるんだよ」

黒夜「それで体重が増えて落ち込んで、『もう水泳なんかしません!』とか言って」

浜面「絹旗ってもしかして馬鹿なのか?」

絹旗「なにおうっ!?
   浜面の分際で私に超意見するですと!」

黒夜「色々差し引いても十二分に馬鹿に見えるけど」

浜面「少しばかり外に行けばすぐに痩せるって言ってるだろ。
   このままニートしているとろくな大人にならんぞ」

黒夜「いやいや、うちらもうろくな大人になること決定ですから。
   ここに居るのみんな元犯罪者ですから」

浜面「そりゃそうなんだけどよ。
   それと自堕落になっていいかどうかは別問題だろ?」

絹旗「うーん、仕事をしなくなってから超暇だというのはありますね。
   真夜中に呼び出されて襲撃してシャワー浴びるまで血だらけとか日常茶飯事でしたから」

浜面「それは自慢にならんと思う」

絹旗「別に自慢しているわけじゃなくてそれが超日常だったって事です」

浜面「じゃあ学校行け、学校。もしくは仕事しろ。表側の仕事を、な」

絹旗「えー、超メンドクセー。
   つぅか、私まだ就労が許される年齢じゃ超ないですしー」

黒夜「私は普通に仕事してるんだが」

絹旗「ビルの解体?
   よくやりますよねー。超無償で」

黒夜「まー、居候として少しは手伝わないと」

浜面「いや、マジで助かってます。おかげでスゲェ金入ってきてます」

黒夜「でも浜ちゃんもその金を独り占めするんじゃなくってほかの奴に配ってるんだもんなぁ」

絹旗「え? 浜面そんなことしてるんですか?」

浜面「いやいやいや。
   スキルアウト時代の連中に仕事を発注して現場で働いてもらっているだけだよ。
   なんだかんだと人手はいるし、奴らだって仕事して金入ればあんまり暴れることもないからさ」

絹旗「一時期スキルアウトにえらく憎まれてましたよね、浜面」

浜面「期待裏切っちまったからな。
   駒場の旦那が託してくれたものを守れなかったんだから仕方ないだろ」

黒夜「でも話聞いて浜ちゃん見てる限りだと最初から乗り気じゃなかったんじゃないの?
   ほかに手段はないから~、とか自分を思い込ませていても一般人の第三位の母親殺すのに躊躇いあったんじゃない?」

浜面「……正直、それはあったと思う。
   本当のことを言うとテンパりすぎててよく覚えてないんだよ」

黒夜「でも前のリーダーが殺されて数時間で組織を立て直して、殺害計画の立案、実行をしたっていうのはかなりすごいけど」

絹旗「超失敗しましたけどね」

黒夜「絹旗ちゃんは組織を運営したことないからわからないけど、計画なんて実行段階に持ち込んだ時点でほぼ成功なんだよ。
   計画は成功させるんじゃなくって失敗させないものなの」

絹旗「結局失敗したんじゃないですか」

浜面「もういいだろ。耳が痛くなってくるわ」

絹旗「でも、そこで計画が成功していたら浜面は今の浜面じゃなかったでしょうね」

黒夜「良かったじゃん。正直、今の私は心からそう思うよ」

浜面「俺も、殺してたらどうなってたんだろうな」

絹旗「私たちは殺してますけどね」

黒夜「どんなにクズが相手だろうと、殺した命っていうのは重いもんだよ」

浜面「やめろよ、もう。開き直っても笑ってろよ」

絹旗「別に喜怒哀楽捨てるつもりは超ないんですけど」

黒夜「ただ、やっぱり線の向こう側には渡れないなぁって思うことはある」

絹旗「浜面が憐れむことじゃあないんですよ?
   元暗部の人間はきっとみんなそう思ってますよ」

浜面「……」

黒夜「あんまり気にすることじゃないよ。みんなどうにかしてるって。
   環境の変化を認めたくなかった私みたいのも浜ちゃんに染められちゃったんだし」

絹旗「そう言う言い方だとなんかエロいですね。黒夜のくせに」

黒夜「女としての魅力が違うからね。主に胸と腹」

絹旗「なんだとぅ!?」

浜面「はいはい、やめやめ。
   まったく、重たい話題もスグ軽くなるな」

黒夜「まだ体重の話はしてないよ?」

絹旗「誰の体重が超重いんですか!」

黒夜「これから重くなるんじゃない?
   浜ちゃん、今日のお昼何?」

浜面「そうだなぁ……お好み焼きにでもするか」

絹旗「お好み焼き!?
   超粉物じゃないですか! 超太っちゃうじゃないですか!
   ダメです、ダメダメ!」

黒夜「だったら食わなきゃいいじゃん。私食うけど」

浜面「お好み焼きはカロリー考えて食べるもんじゃないと思う」

黒夜「正論だね。作ってよ、浜ちゃん」

浜面「おっけ。ただし時間はかかるから覚悟しておけよ?」


浜面「材料はこれだ。

   まずは生地から。


   ①キャベツ        半玉
   ②薄力粉         200g(マグカップ1杯程度)
   ③長芋          普通の太さ10センチ程度
   ④卵           1個
   ⑤オイスターソース    少々
   ⑥水           適量


   続いて具はこんなので。


   ⑦豚バラ肉        スライスで3~5枚程度?
   ⑧イカ          1匹分ぐらい
                ゲソは使わない。冷凍でいい。
   ⑨春菊          一人前で半株程度
   ⑩天かす         あれば
                なくても構わない
   ⑪卵           人数分

   ⑫牛脂

   ⑬お好み焼きソース    お好みで
   ⑭マヨネーズ       お好みで
   ⑮ふりかけ        お好みで

                                   」

絹旗「なんか、いつもに増して適当ですね」

黒夜「レシピ本にこれが書いてあったら出版社に殴り込むところだよね」

浜面「でも実際さ、お好み焼きって適当な料理じゃないか?
   そりゃ店で食べるものは別としてもさ」

絹旗「そういうものかもしれませんが」

黒夜「春菊なんて入れるんだ。美味しいの?」

浜面「合うんだよ、美味いんだよマジで。
   一度食ったら春菊なしのお好み焼きは焼けなくなるな」

絹旗「ほほう。それほどまで言いますか」

黒夜「今はサラダで食べられる春菊もあるみたいじゃない。苦味を抑えてさ」

浜面「へー。食ったことないな。今度探してみるか。
   よし、ともかく料理開始だ!」

浜面「まず最初にキャベツを除いた生地の材料を混ぜる。少し重いぐらいでいいんで水の量を調整しよう」

絹旗「なんでキャベツ入れないんですか?」

浜面「キャベツの断面から水が出るんだよ。だからできるだけキャベツは焼く直前に生地に入れたいんだ」

黒夜「そういやお店でもそうだね。直前まで分けられてる、言われてみれば確かに」

浜面「で、キャベツを入れる……まあキャベツに粉を入れるのかな。
   少なめでいい。キャベツが多すぎだろっていうぐらいが適量だ」

絹旗「そういえばお好み焼きは粉が少ないほうが美味しいって聞きますね。
   超食べ比べたことないですけど」

浜面「実際そうなんじゃないか? 粉っぽいと味落ちるよ。
   で、混ぜた生地を200度に加熱しておいたホットプレートで焼くわけよ」

黒夜「ホットプレートか。一つあると便利だよね」

浜面「意外と場所取るし掃除も面倒なんだけど、あると便利だよな。
   で、できればサラダ油じゃなくって牛脂で油を引いておこう」

絹旗「そっちのほうが美味しいんですか? 超違いますか?」

浜面「っていうか、できれば油かすを使いたいんだよ」

黒夜「あぶらかす?」

浜面「牛の小腸をじっくり煎って油を抜いたものなんだけど。
   それでも刻めばたっぷり脂が出てきて、それが美味いんだ。
   けど結構高価なんでスーパーじゃ売ってないんだよな」

絹旗「もしかしたら食べたこと超あるかもしれませんが、認識したのは今が初めてです」

黒夜「私も知らなかった」

浜面「高級なお好み焼き屋だとかなり使っているはずだぞ?
   まー、とりあえずその代わりだな牛脂は」

絹旗「それで美味しくなるんだったら超構いません」

浜面「とにかく、どばっと一面に落として」

黒夜「おいおい、どこまで広げるつもりだ。ホットプレートほとんど埋まっちゃったじゃないか」

絹旗「これじゃ超ひっくり返せませんけど」

浜面「いいのこれで。
   で豚肉、イカ、天かす、卵と乗せていって最後に春菊を山盛りに乗せるっと」

黒夜「うーむ。春菊で完全に下が隠れてしまった」

絹旗「緑色なもんで超山っぽいですよ」

浜面「よし、下準備完了っと。
   あとは40分待つと」

絹旗「よっ!?」

黒夜「おいおい、ちょっとかかりすぎ!」

浜面「いいんだよ、うまいお好み焼きはそれぐらい時間がかかるんだよ」

絹旗「40分って……もしかして片面40分、とか?」

浜面「もち」

黒夜「ざっけんなー! んなの待ってるあいだに飢え死にしてまうわ!」

浜面「黙らっしゃい!
   美味しいもの食うためには我慢が必要なんです!」

絹旗「っていうか、40分も焼いていたら超真っ黒焦げじゃないんですか」

浜面「それがそうでもないんだ。
   なんだかんだで生地内に水分がたくさん含まれているから表面が若干焦げる程度で済むんだ」

絹旗「そうなんですか……どれ、少しは焼けた……」

浜面「触んな!」

絹旗「はわっ!」

黒夜「大声出さないでよびっくりするじゃん」

浜面「お好み焼きは焼いている最中はおさわり現金です、お客様」

絹旗「なんかもう逆らい難い妙なオーラ醸し出して……」

黒夜「でも何が違うんだよ。味変わらないと違うんかよ」

浜面「中に入ってる空気の泡が潰れるんだよ。
   きちんと固まるまでは触っちゃダメなの。
   美味しいパンって生地の中の空気の泡が重要だろ? おんなじことだよ」

絹旗「そこまで違うもんですかねぇ」

浜面「全然違う。
   やっぱり触らないお好み焼きは別物だよ。
   特にテクニックが必要なわけでも金がかかるわけでもないんだから損はないだろ?」

黒夜「損はないかもしれないけどさぁ。
   正直暇すぎるんだけど」

絹旗「超暇です。40分だと映画もショートフィルムしかみれませんし、どれを見ようか迷っているあいだに終わってしまいます。

浜面「じゃあゲームでもしてっか」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


絹旗「ロン。平和ドラ赤々の12000。ラスから一気にトップですね」

浜面「くっそおぉ!
   なんだよ2巡目9萬当たりって!」

黒夜「テンパってたんだから仕方ないじゃん。でもリーチしないんだ。
   3-6-9なら絶対引くぜ?」

絹旗「親は連荘ありますし」

黒夜「硬いねぇ。私だったら即リーだよ」

浜面「お前らなぁ……」

絹旗「ほら、浜面早くお金よこしなさい」

黒夜「でもトップとって500円の麻雀か。レート安っ!」

絹旗「そうでもしなきゃ浜面が参加しませんから。超貧乏性なおかげで」

浜面「暇つぶしなんだから勝負金かけてどうするんだよ。
   うっし、そろそろ時間かなぁ」

絹旗「麻雀やってるとあっという間ですね」

黒夜「麻雀というか、携帯のアプリで通信対戦というか」

浜面「お前らなんか仕込んでたりしてないだろうな」

絹旗「してませんよ。超そんなこと」

黒夜「できるんだったら全局天和だっつぅの。
   手積みだと覚えちゃうからこっちにしてやったんじゃん」

絹旗「指紋のつき方とかでだいたいわかっちゃいますからね」

浜面「お前らやっぱり頭良いんだなぁ」

絹旗「演算能力はそれなりに高めですので」

黒夜「慣れれば浜ちゃんも出来ると思うけどね」

浜面「出来てたまるか。
   そろそろ時間だからひっくり返すぞ」

絹旗「そのデカイやつをどうやってひっくり返すのか、超見ものですね」

黒夜「コテを二つで……って、ええ?」

絹旗「いきなり切り始めた?」

浜面「いや、このまんまじゃひっくり返せないから」

黒夜「詐欺だっ! 期待を裏切ったな!」

絹旗「これだから浜面は」

浜面「いーじゃん別によぉ。
   味は変わんねぇよ。
   で、ひっくり返してまた40分待つか」

絹旗「……思ってたより焦げてませんね」

黒夜「表面にところどころ黒い部分があるだけだよね。
   不思議なもんだ」

浜面「そういうもんだ。
   さて、麻雀の続きやろうぜ?」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


黒夜「ツモ。りーづもといといさんあんこー」

浜面「四暗刻じゃないか! 役満じゃねぇか!」

絹旗「ちっ、捲くられましたか」

黒夜「ご祝儀ないしたいしたことないよ。
   普通の雀荘ならば3000円オールとかなのにさ」

絹旗「随分と安いレートで打ってるんですねぇ」

浜面「……コラ、まさかその年で出入りしているわけじゃないだろうな」

黒夜「いいじゃん別に。浜ちゃんだってスロットとかやってるじゃん」

浜面「俺はいいの!
   お前らはもっと女の子らしい趣味してなさい!」

絹旗「めちゃくちゃですね、宗教レベルですよ」

黒夜「たまに行くぐらいだよ、大目に見てよ」

浜面「露骨に未成年のお前らがなぁ……」

絹旗「私は入ったことが1回あるだけです」

黒夜「レートは?」

絹旗「でかでかぴん」

浜面「1000点1万円!?!?
   そんな雀荘があるの!?!?
   どれだけおっかないの学園都市」

絹旗「正確に言うと裏カジノってやつですね」

黒夜「よくそんなところいったねぇ」

絹旗「仕事ですよ。暗殺の対象がよく出入りしていたんです。
   で、帰り道にバコンってぶん殴ってきた、と。
   殺さないで2週間ぐらい入院させろっていう依頼だったんで手加減に苦労しました」

黒夜「なるほど。横領か何かしていたやつで証拠を掴む時間が欲しかったとかいうパターンか」

絹旗「そんなところでしょうね」

浜面「おっかないなぁ。レートも、そういう依頼も」

黒夜「なんだかんだ言って学園都市って薄汚いところだもん。
   で、浜ちゃんそろそろ時間じゃね?」

浜面「おっと、そうだったそうだった。
   じゃあもういっかいひっくり返すぞー」

絹旗「……なんか、春菊がぺたんこですよ」

黒夜「でも春菊の匂いだ。それにこうやってみるとお好み焼き分厚いね」

浜面「一回も触らないまま計一時間半も焼いたからな。
   内側の空気がぶわって膨れ上がってるんだよ」

黒夜「そう言われるとすっごく美味しそうに思えてくる」

浜面「実際美味いぜ?
   さて、アツアツで食ってもらいたいからホットプレートに乗せたまま食ってくれ。
   あとで洗うからソースやマヨネーズもはみ出すぐらいにかけていいぞ?」

絹旗「私、ソースとか飛ばすの苦手なんですよ」

黒夜「私も得意じゃないな」

浜面「飛ばさなくてもいいって。たっぷり塗って食え食え」

絹旗「どれどれ……」

黒夜「ソースが焦げる匂いは食欲を誘うなぁ……いただきます」

絹旗「ん? え、これ春菊?
   うわ、苦くないし香りが強すぎない!
   超いい感じです!」

黒夜「あうっ! これは合うよ!
   スッゲェうまい!」

浜面「いい感じに焼けてるな。ふわふわだろ? 重くないだろ?」

絹旗「確かに。言われてみればなんか軽いですよ、このお好み焼き」

黒夜「分厚いけど、でもそれだけじゃないよね。
   たしかにふんわりしてる」

絹旗「閉じ込められた形の中の具材も美味しいです。いい仕事してます」

浜面「ふりかけかけても美味いんだぜ?
   おすすめはメンタイかな」

黒夜「どれどれ……へぇ、これもいいね」

絹旗「のりたまもいいですよ。刻み海苔入ってて」

浜面「ちょろっと方向性変えたいなーってときにいいよな」

絹旗「ですが、ふりかけなしが一番美味しいかもしれませんね」

黒夜「うん。お好み焼きってこういうもんなんだって感じだ。
   春菊の存在がすごくってさ。
   確かに浜ちゃんの言うとおり春菊入ってないと物足りなくなっちゃうかも」

絹旗「いやはや、これは美味しかったです。超満足です」

黒夜「うん、大満足だった。ごちそうさまでした」

浜面「お粗末さまでした」

絹旗「これで焼き時間が短ければ超言うことないんですけど」

黒夜「それは仕方ないって。こだわるだけの焼き方だもん」

浜面「そればっかりは仕方ないなー。
   目の前で焼きながらのんびりビール飲んで待つとか、そういう時間を楽しめって話しさ」

絹旗「……私、超お酒飲めませんが」

黒夜「未成年だからね」

浜面「おいおい、風俗店通っているくせに」

黒夜「勘違いされるような言い方はしないように。風営法で管轄されている店だろうが」

絹旗「ゲーセンって未成年おっけーな場所じゃないですか。超時間制限ありますけど。
   似たようなものですよ」

黒夜「つうかさー。麻雀打ちたくてもメンツ集まんなかったんだよ。
   4人集めるのって結構ハードル高いぜ?」

絹旗「それはありますねー。
   結局なんだかんだとオンラインとかでやってるような感じです。
   まぁ、私は映画見るのが第一ですから超どうでもいい話ですけど」

浜面「こんど麻雀大会とかやるか。色々連れてきてよ」

絹旗「下手なイカサマすると麦野が殺しにかかることを超了承している人物だけにしてください」

黒夜「イカサマはなしでいこうぜ?
   それはもう麻雀と別の遊戯だよ」

絹旗「それもそうですね。
   あと賞品としてなんかつけましょうよ」

黒夜「浜ちゃん1年分とか」

浜面「はぁ?」

絹旗「それはいいですね。超こき使いましょう」

黒夜「自分が勝つこと前提かよ。
   そうだなー。新入生再結成するときにある程度手伝ってもらおうかな」

浜面「おい、お前ら」

絹旗「問題は麦野が優勝した時ですね。一年間だと頑張れば出産までいけますね」

黒夜「あー、やりそう。超寝取りそう。
   そうなったら能力追跡レベル5とか6とか100ぐらいまでいけそう。っていうかいく」

浜面「おい」

絹旗「でももし万が一浜面が優勝したりしたら超どうしましょうか」

黒夜「そりゃ、浜ちゃん1年分だから1年間の自由を手に入れるんじゃない?
   それが終わったら即回収で」

浜面「なんだよそれ。俺メリットなしデメリットばかりかよ」

黒夜「いいじゃん、別に。どうせ勝てないんだし」

絹旗「大丈夫ですよ。こういう時は超つまらない結果に終わるものです。
   浜面の知り合いが優勝してご飯腹いっぱい食べさせろとか、その程度で済みます」

黒夜「あんまり無茶な要求はしないって、大丈夫大丈夫。
   あ、携帯借りるよ?
   参加費はひとり500円ぶんのお米券で優勝者の総取り+浜ちゃん1年分。
   どなたでもおっけー。こぞってご参加ください、っと」

浜面「おおい!?
   うわ、本当に送信しやがった。
   半蔵や上条の大将はともかくアックアとかロベルト大統領とか、優勝したら俺どうなるんだよ!?」

黒夜「大丈夫、本当に大変なことになる人は参加しないって」

絹旗「そうなっても所詮浜面の人生ですので。私には超関係ないってことで」

以上です


あぶらかすってどこで売ってるんですかね
地元で見かけたことマジないんですけど
それともマルチョウ買ってきて自分で作らなきゃいけないんでしょうか

本当に暑い日が続いています。
大体この頃になるとゴーヤが出てきて季節を感じます。

そのはずですが年がら年中出てますよね。年がら年中採れるから仕方ないんですが。

今回はゴーヤチャンプルとか豆腐サラダとか、夏に限らず美味そうなものです。

黒夜「訳わかんない展開になってるんだけど」

絹旗「なんですか、あのナイスバディのロン毛痴女。
   天和2回に大三元1回、国士3回、四暗刻2回……」

浜面「異常だよアレ。なんであんなに配牌いいんだよ」

上条「それが聖人ってものなんですよ」

浜面「おう、大将」

黒夜「あ、6半荘で1回も上がれなかったヒトだ」

絹旗「テンパイ1回でしたっけ。その直後に超役満親かぶりでしたけど。
   しかも国士聴牌で四暗刻つもられなんて超漫画みたいな展開で」

上条「……言わないでください」

浜面「しっかし、聖人だっけ?
   もうぜってぇ同じ卓囲まねぇ。全然楽しくねぇもん」

上条「神の子のコピーで運も豪運なんですよ。
   っていうか副賞浜面くん1年分をどうにかしてくれって泣きついたの浜面だろ?」

浜面「ま、そうなんだけど。
   でもなんであんな幸運の化けものみたいな存在と知り合いなんだ。どうやって知り合ったんだ」

上条「……まぁ、色々です」

絹旗「で、あの格好は超趣味ですか。押し付けですか。
   上乳がほとんど見えてて下乳も結構見えてて大事な部分をわずかに隠しているだけじゃないですか。
   なんですかあの谷間」

黒夜「堕天使メイド?
   あれが魔術ってやつの発動条件なのかな?
   でも見た目的に怪しいお店のお姉さんそのものじゃん」

上条「間違っても当人の目の前では言わないように。
   あと格好は……多分関係ない。魔術の関連で確かに露出が多い人なんですが今回は関係ない、はずです」

浜面「雰囲気がなんか麦野に似てるところあるんだよな。
   おそらく戦闘能力もめちゃくちゃ強いんだろうな」

黒夜「さぁ、どうだか。
   あ、第四位もまだ残ってるのか。執念じみてるね。
   確か2回ぐらい箱かぶらなかったっけ?」

絹旗「一度やられてから爆発するタイプですから麦野は。
   その上、一発長打狙いばっかり。
   超性格出てますねぇ」

浜面「一方通行は落ちたのか」

黒夜「意地でも上がらせなかったからね。けっけっけ」

絹旗「超嫌がらせでしたね。黒夜とこれほど心が通い合うことは超二度とないでしょうね」

浜面「代わりに二人共落ちたのか」

黒夜「半荘6回打って得点上から4位以内で決勝戦だから、まぁ仕方ないさ」

絹旗「結局残ったのが痴女メイドに麦野に番外個体にフレメアですか」

上条「神裂が勝ってくれればお米券が上条さんのものになるんです。
   是非とも優勝してもらいたい」

一方通行「人様におンぶに抱っこってそれでいいのかよ三下ァ」

黒夜「げっ」

絹旗「しっし!
   こっち来るんじゃありません!」

一方通行「……嫌われてるのはわかるけどよォ。
     ちと態度が露骨すぎやしねェか」

絹旗「超露骨ですよ。大っきらいですから」

黒夜「直接の加害者じゃないにせよアンタさえ居なけりゃ助かった命もたくさんあるもんでね」

上条「……一方通行」

一方通行「おィ。慰めようとしやがったらブチ殺すぞ」

上条「なんであそこで9ピンを打たなかったんだ!
   リーチものの現物だぞ!
   抑える意味ないだろうが!」

一方通行「なァ、本気で言ってるのか?
     いきなり顔上げてキョロキョロし始めたらテンパイ丸分かりじゃねェか。
     国士に4枚目を止めるのは当然だろう」

上条「止まったあとに役満つもられたら同じだろ!」

一方通行「親の48000と子につもられの8000だったら後者の方が何倍もマシだろォが」

上条「うう……上条さんの唯一の見せ場が……」

黒夜「自分勝手なことばっかり言ってるなぁ」

絹旗「麻雀なんて超自分勝手なことばっかりをするもんですけどね」

浜面「そーいや大将、あのシスターはどうしたんだよ」

黒夜「確か能力追跡と第三位と最終信号と一緒に買い物行ったハズだけど。
   乾き物全部喰らいまくった挙句」

上条「すいません、いつもどおりのインデックスで。
   後でよく言って聞かせるんで……」

浜面「結構用意したよな?
   ダンボール一箱ぐらいはあったはずなんだが、あれ全部なくなったの?」

上条「すいませんすいません……」

浜面「いや、別にいいんだけどよ。
   でもそれだったら俺に声かけてくれれば車ぐらい出すのに」

絹旗「その時浜面打ってまし女の子同士は女の子だけで話したいこともあるもんです。
   それにどーせコンビニですから超問題はありません。
   というか、滝壺さんからコトヅテです」

黒夜「えっとね、『簡単でいいからみんなが食べられるもの作っておいて』だってさ。
   本当は第四位に言いたかったみたいだけど」

浜面「ま、麦野はこれから本番だから無理かぁ。
   ういっす。じゃあ適当に作るか」

一方通行「あァ。チビガキは結構なンでも食えるから気にすることはねェぞ」

上条「インデックスさんは基本的に火が通っていればなんでもオッケーなんでどうぞよろしくお願いします。
   一食うくんです、めちゃくちゃお願いします」

絹旗「超情けねぇ……」

黒夜「私、こんなのにいっぱい食わされたんかよ」

浜面「うーん、じゃあ適当につくるかな」

浜面「うし、ゴーヤチャンプルにしよう。チャンプル丼にすれば洗い物少なくて済む」

上条「ゴーヤチャンプル?」

一方通行「そーいやグリーンカーテンあるなァ」

上条「ゴーヤチャンプルなら作れるぞ? 手伝おうか?」

浜面「ああ、いい、いい。
   そう難しいもんでもないし、お客さんを台所に立たせるわけにもいかんだろ」

浜面「材料はこれだ。大体3人前だな。


   ①ゴーヤ         1本
   ②豚肉          100g
   ③豆腐          木綿 1丁
   ④卵           3個


   ⑤オイスターソース    大さじ2
   ⑥醤油          大さじ2
   ⑦豆板醤         大さじ1

   ⑧ごま油         適量
                                   」

黒夜「なんか普通だね」

浜面「そりゃ『チャンプル』って『炒め物』って意味だもの。
   だからこれが『ゴーヤチャンプル』という決定的なものがあるわけじゃないんだぞ」

絹旗「やっと出番がきましたよ。超邪魔です。お前らあっち行け。しっし!」

上条「へいへい。お客さんは台所に立ち入りませんのですのよ」

一方通行「……ふン」

浜面「お前らなぁ。客人に対する態度じゃないだろ」

絹旗「超いいんですよ。
   いいからサッサと作りなさい浜面」

浜面「へいへい。
   まずはだなぁ、ゴーヤを縦に半分に切る。
   んでもって1センチ弱の幅で切っていってそれを水をつけたボールに入れておく。
   15分ぐらいかな」

絹旗「超なんでですか?」

浜面「こうしないと苦すぎて食えないんだよ。
   やったからって苦味が完全になくなるわけでもないんだが、それが旨みでもあるからな」

上条「ちなみに水につける前に塩もみしておくと苦味がとてもよく取れるんですのよ」

絹旗「超聞いてません」

浜面「お前ら、相手はお客さんだからな。
   続いては豆腐を適当な大きさに切って、油を引いたフライパンに入れる」

黒夜「豆腐?
   そんなことしたら崩れちゃわない?」

浜面「崩れないように表面を焼くんだ。
   もちろん豆腐の水は切っておくぞ?」

絹旗「あれ、ですが超フライパンにくっついてますよ。剥がしたら白いの残ってるじゃないですか」

浜面「こればっかりは仕方ないな。豆腐そのものが脆いから。
   ま、一回ひっくり返して」

絹旗「おお!」

黒夜「フライパン振ってひっくり返した!
   なんかプロっぽいぞ!」

浜面「いや、ただの慣れだから。
   何回か練習すれば誰だってできます」

上条「いや、できませんのことよ?
   上条さんはそれやると焼いた豆腐が床と仲良しになることがとても多いのです」

一方通行「それはただ不器用なだけじゃないのか?」

上条「上条さんは一回皿にとってからひっくり返してるんですけどね」

絹旗「外野超五月蝿い」

黒夜「まぁ、そういう方法もあるってことで。
   あ、でも両面焼いたら取り出すんだ」

浜面「このまんまで炒めると豆腐崩れちゃうからさ。
   じゃあ、油を入れ直してゴーヤと豚肉を焼くか」

絹旗「豚肉は3センチ幅ぐらいに切るんですね」

黒夜「フライパンは洗わなくていいの?」

浜面「いいんだよ。崩れた豆腐も普通に食えるんだから。
   で、豚肉の色が変わってゴーヤがしんなりしてきたらおっけーと」

絹旗「あれ、味付けは? 超今からですか?」

浜面「この状態から入れた方が味がよく馴染むんだよ。
   オイスターソース、醤油、豆板醤を入れて鍋を振ってから豆腐を入れなおす。
   そんでもって卵を溶かないで入れて、蓋をして卵が半熟になるまで火にかければ完成だ!
   オイスターソース、醤油の代わりに濃縮麺つゆ入れてもいいんだ」

絹旗「へー。超簡単ですね」

黒夜「なんかさ、ゴーヤチャンプルのソースとか売ってたけど、こうやってみているとその商品ってスゲェ詐欺っぽいな」

浜面「実際作ってみればソースは簡単にできることは多いからな。
   でも研究に研究を重ねているところには勝てない部分も結構あると思うぜ?」

上条「お世話になっておりますクック・○ゥ」

一方通行「めちゃくちゃ便利だよなァ。
     一回手に取れば作ってみてェと思うもンなァ」

上条「料理に対する敷居が下がるって重要だよ」

浜面「まぁ、それはそうなんだが自分で作ったほうがはるかに安上がりなのも間違いない。
   と、これだけじゃああれだな。もう一品作るか」

黒夜「お、浜ちゃん久々の連荘だ」

浜面「といっても大したもんでもないけど。
   豆腐のサラダでも作るか」

絹旗「豆腐が超かぶるんですが」

浜面「いいの、簡単なんだから」

浜面「材料はこれだ。やっぱりこれも3人前だな。


   ①豆腐          木綿 1丁
   ②ベビーリーフ      1袋

   ③ごま油         大さじ1
   ④酢           大さじ3
   ⑤醤油          大さじ1

   ⑥水           上記を三倍薄められる量
                                   」

浜面「作り方としてはだな、③~⑥を混ぜたボールに豆腐、ベビーリーフを入れて。
   で、レンゲの裏で豆腐を大まかに潰して20分ぐらい冷蔵庫で放置するだけだ」

絹旗「おい、超手抜きだろそれ」

黒夜「簡単すぎるぞ。
   あ、でも随分とドレッシング薄めるんだね」

浜面「漬け込みだからなぁ。
   あんまり漬け込み過ぎると酢の酸性で豆腐が溶け出すんだけど、それはそれで問題ない。
   今回は20分だけど、もっと薄めのドレッシングで1日漬けても美味いんだ」

上条「ほほう、これは簡単そうですな。
   パクっておこう」

一方通行「ベビーリーフもプランターで育てておけばタダみたいなもンだからなァ」

浜面「でも、種類揃えようとするとやっぱりスーパーで買ってきたほうが早いな。
   もう少し彩りよくしようと思ったら黄と赤のパプリカ入れるといいんだ」

上条「パプリカ高いじゃないですか。1つ200円ぐらいするじゃないですか」

浜面「そんなに使うもんでもないし、ちまちま使うんだったらそれほどじゃないと思うけど」

一方通行「パプリカか。ブルガリアではとてもよく使う食材らしいンだがなァ。
     パプリカの肉詰めとかカヴァルマとかが有名だが、学園都市じゃ扱っている店は数える程だなァ」

浜面「何それ知らない」

上条「ブルガリアのことなんてヨーグルトしか知らないですよ」

黒夜「話がずれてる。
   まー、でも豆腐のサラダは簡単だということか」

浜面「おっと。
   手軽で美味いから俺としてはめちゃくちゃオススメなんだけどな。
   ついでにもう一品、行くか」

浜面「次は唐揚げだ。
   これもそんなに難しくはないし」

一方通行「……別にチビガキに気を使う必要はねェンだぞ」

浜面「いや、フレメアも居るし。こいつらも結構味覚はおこちゃまだから」

絹旗「オイコラ。黒夜はともかく私を子供扱い超するな」

黒夜「私唐揚げ好きだから。だから絹旗ちゃんの分は作らなくっていいって」

上条「肉! 肉の塊! おお、なんという贅沢!」

浜面「いや、鶏肉なんか安いもんだろ。
   というわけで今回は1枚丸々を使ってじっくり揚げてみるぞ」

絹旗「なんですと!
   いや、それはなかなか食べにくいんじゃないですか?」

上条「ブラボー! おお、ブラボー!」

黒夜「五月蝿い、そこ、窒素爆槍ブチ込むぞ」

浜面「一口サイズに切り分けるけどな。でもやっぱり塊だと迫力違うからさ」

浜面「材料はこれだ。


   ①鶏胸肉         1枚

   ②酒           大さじ5
   ③みりん         大さじ5
   ④醤油          大さじ5
   ⑤にんにく        すりおろし・大さじ3
   ⑥生姜          すりおろし・大さじ3
   ⑦カレー粉        大さじ3

   ⑧片栗粉
   ⑨小麦粉

                                   」

絹旗「へぇ、カレー粉入れるんですか」

浜面「うん、これがまたいいんだ。
   ちなみ料理の方法としては筋を切って厚いところを開いておいた胸肉を②~⑦を混ぜたボールに突っ込んでおいて。
   で、2時間ぐらいたったら衣つけて180度の油で揚げるだけ。
   カレーの風味がご飯とよく合うのよ」

黒夜「おい、手を抜きすぎだろ。
   それだけで終わりかよいい加減怒られるぞ」

浜面「っていうか、これ以上何を説明しろと?
   サイバシ突っ込んで小さな泡が出てきたら油の温度おっけーとか、周囲の泡が小さくなったら揚げ上がりだとか。
   そういうネタしかねぇし、唐揚げなんてシンプルなもんじゃないか。
   塩麹に漬け込んだり別途ソース作ったりしてもいいけど」

上条「そうだな。唐揚げってパターン決まってるからな」

一方通行「それでも店で食うのと家で作るのと別もンなのが奥深ェ……」

上条「にんにく生姜を効かせるのが重要だよな」

一方通行「にんにく生姜は万能すぎるからなァ。
     肉料理を一気に美味くしやがる……」

絹旗「なんですかこいつら」

黒夜「いい年した男が料理について熱く語っている……なんか、メチャキモい」

上条「ひどい、あんまりだ。それにいい年ってなんですか、まだ学生ですよこちとら」

浜面「前にも言ったけど学園都市だと男子生徒で料理好きな奴多いんだぞ」

上条「とは言ってもやっぱり女の子の方が料理するけどさ。
   ヒメガミの手の込んだお弁当にはまだまだ程遠いです」

浜面「誰だよヒメガミって。大将の口から出てくる新キャラの名前は大抵女だよな」

上条「ただのクラスメイトですのよ。
   そこ、拳を握り締めないように」

一方通行「見るからにモテねェ奴とフラグ立てまくりの奴とじゃなァ」

浜面「ま、俺には滝壺いるからいいんだけど」

上条「けっ」

絹旗「けっ」

黒夜「けっ」

一方通行「……ここは俺も付き合うべきなンかなァ」

浜面「余計なことはやらなくてよろしい。
   なんで普通に人の幸せ祈れないもんかね。僻み根性というか」

上条「僻み根性結構結構。
   でも上条さんはもう少しでお米券が手に入るから幸せなんです。今回は見逃してやる。けっ」

絹旗「その幸せももうすぐ終わりそうですけどね。
   ちょっとあそこ見てください」

浜面「へ?
   え、あれ?
   下馬評一番だった堕天使メイドさんがラス!?」

上条「嘘だろ!?
   チートの幸運持ち主の神裂がなんで……」

黒夜「どうも他の三人が手を組んだみたいだね。
   見事に狙い撃ちしまくって、三人とも平たい、と」

一方通行「なァるほどなァ。
     最終的に誰が勝つにしても本命を最初に潰すのは理にかなっている」

絹旗「それもありますが、どうにも副賞浜面一年分を麦野とフレメアが分け合う協定が結ばれて、
   で番外個体は面白そうだからそれに乗る、って感じみたいですねぇ」

黒夜「あっちのおチビちゃんは第四位には強気に出れるし、第四位としても全部フイにするよりは確率高い方を選ぶか」

浜面「おいおい、ちょっと勘弁してくれよ大将。
   大船に乗ったつもりで任せておけって言ったじゃないか」

絹旗「大船だったんじゃないですか。ちょっとタイタニックだっただけで」

黒夜「格好的にパイパニックだけど」

絹旗「麻雀なだけに?
   なかなかやりますね黒夜、心底スケベじじいですね」

黒夜「はっはっは。
   でもあのクソでけぇのはちょっと許せないね。90は超えてるね。Gあるね。
   狂気だよ凶器だよ。泣き出しちゃいそうなぐらいだよ」

絹旗「麦野だって滝壺さんだってかなり立派なのに確実に上回ってます。
   見せつけやがって。超許せねぇ」

上条「ああ、上条さんのお米券が……お米券が……
   上条さんの幸せがぁ……」

浜面「お米券なんかどうだっていいだろうが!
   俺の人生どうなるんだよ! 俺と滝壺との幸せなバージンロードは!?」

一方通行「……理解できねェな。コイツらはよ」

絹旗「あ、やっぱり?」

黒夜「ロリコンだもんね」

一方通行「そっちじゃねェ!」

……「ふむ、これはなかなかイケてるんだよ。
   ゴーヤの風味が肉と豆腐に移って一体感を醸し出して、ちょっと苦いんだけどご飯によく合うんだよ。
   半熟の卵の黄身がまた憎いね。ご飯の上でトロッとさせて書き込むともう最高なんだよ!

   こっちのサラダの豆腐はおんなじ豆腐とは思えないぐらいに違うんだよ。
   漬け込み時間が最適だからベビーリーフもシャキシャキしていい感じかも。
   もともと水分の多い豆腐だからこそ中の水分を旨みのあるものと交換してやることでぐっと味わい深くなるんだよ。
   水分を追い出す形のゴーヤチャンプルとうまく対比させているね!

   これは半分残しておいて次の日に食べるとまた違った味わいが楽しめる、そのはずなんだよ。
   けれども教会の教義でお残しは死刑と決まっているから私は全部平らげないといけないんだよ。
   経験なシスターとしては悲しいけど仕方ないことかも。

   おお、この唐揚げはいいね。
   食べてくださいと言っている声が聞こえてくるかも。
   もともとぱさつきやすい鶏胸肉だけれども薄く開いてタレに漬け込んで置いたからパサつきは全く感じないんだよ。

   カレーの風味もいいね。
   カレー粉とケチャップとヨーグルトとでタンドリーチキン風の漬け込みにするのも美味しんだけど、
   こういったジャンクな風味こそがカレー粉の十八番ってものなんだよ。
   片栗粉を使っているから衣はサクサクしているしにんにくも生姜も効いている。

   これはいい仕事なんだよ!」

……「ふむ、これはなかなかイケてるんだよ。
   ゴーヤの風味が肉と豆腐に移って一体感を醸し出して、ちょっと苦いんだけどご飯によく合うんだよ。
   半熟の卵の黄身がまた憎いね。ご飯の上でトロッとさせて書き込むともう最高なんだよ!

   こっちのサラダの豆腐はおんなじ豆腐とは思えないぐらいに違うんだよ。
   漬け込み時間が最適だからベビーリーフもシャキシャキしていい感じかも。
   もともと水分の多い豆腐だからこそ中の水分を旨みのあるものと交換してやることでぐっと味わい深くなるんだよ。
   水分を追い出す形のゴーヤチャンプルとうまく対比させているね!

   これは半分残しておいて次の日に食べるとまた違った味わいが楽しめる、そのはずなんだよ。
   けれども教会の教義でお残しは死刑と決まっているから私は全部平らげないといけないんだよ。
   経験なシスターとしては悲しいけど仕方ないことかも。

   おお、この唐揚げはいいね。
   食べてくださいと言っている声が聞こえてくるかも。
   もともとぱさつきやすい鶏胸肉だけれども薄く開いてタレに漬け込んで置いたからパサつきは全く感じないんだよ。

   カレーの風味もいいね。
   カレー粉とケチャップとヨーグルトとでタンドリーチキン風の漬け込みにするのも美味しんだけど、
   こういったジャンクな風味こそがカレー粉の十八番ってものなんだよ。
   片栗粉を使っているから衣はサクサクしているしにんにくも生姜も効いている。

   これはいい仕事なんだよ!」

しまた、二重投稿・・・・・・

別にインさんディスってるわけじゃないですよ
卓が盛り上がっているところをこっそり気配をかけて近づいて食い散らかすさまを表現したかっただけです。

・・・・・・はい言い訳ですすいません

少し時間が空いてしまいましたが投下します

今回はチープにレトロにナポリタンの話です
なんだかんだ言って作りたくなるんですよねー

神裂「本当に申し訳ありませんでした」

浜面「いや、どうしようもなかったというか、むしろあの状況からよく持ち直してくれたと感謝してます」

神裂「2回戦で助かりました。
   ですが、同点トップというのは本当にただの偶然です。未熟ですね」

浜面「……あれだけ役満上がっておいて未熟って、おい」

上条「あ”あ”あ”あ”
   お米券が、上条さんのお米券が……」

浜面「いいじゃねぇか、半分はもらえたんだろ?
   俺なんか結局半年は麦野とフレメアの奴隷決定だぞ」

上条「トップ賞分け合うのならばお米券全部を貰えばよかった!
   そうすれば一ヶ月は余裕のある生活を送れたのに!」

浜面「オイコラ。って一ヶ月?
   アレだけあればウチでも三ヶ月は持つぞ?」

神裂「それはいけません、上条当麻。
   救いを求めているものを見捨てて自分の利益を尊ぶなどと。
   いくらあの子が喜ぶとはいえ」

上条「いーじゃねぇか。ご褒美だろ、あんな美人とお人形さんみたいな可愛い子に弄られるなんてよ。
   あとインデックスの食費は経費で落ちませんか切実にお願いします」

浜面「ご褒美って、なぁ。
   フレメアはともかく麦野に命令されっぱなしなんて……あれ? 今とそんなに変わらない?」

上条「畜生ちくしょう。このハーレム野郎が。
   お前の幻想なんかぶっ壊してやる」

神裂「貴方がそれをいいますか、上条当麻。
   あと経費は無理だと思います。インデックスは使い込みがありますので」

浜面「使い込み?」

神裂「詳しい説明するわけにはいきませんが、一年間の逃亡費用としてインデックスはお給料の前借りをしていたんですよ」

上条「何それ、初めて聞いたぞ」

神裂「正確に言えば私たちが用立てておいたものなんですが……
   それでインデックスは豪遊しまくって三年間分ぐらいの前借りをしている状況なんです。
   多分、本人は意識してなかったと思いますが」

上条「まぁ、資金がなかったら逃亡生活なんてできないというのはわかりますケド。
   女の子なんだからたまにはお風呂にも入りたいだろうし、何よりインデックスが食をないがしろにするとは思えない。
   (っていうか、そこのところは『覚えていない』んですよね。知識としてはおしえてもらってるけど)」

浜面「あー、いい、いいって。
   多分聞いてもわからないんだろうし。
   ところで、さ」

神裂「?
   なんでしょう?」

浜面「おねーさん、魔術師なんだよな?」

神裂「はい、そうですが」

浜面「魔術師ってみんなお姉さんみたいな格好してるの?
   いや、俺の知ってる魔術師って変わった格好している奴ばかりなんで」

神裂「変わった格好!?
   い、いえ。私は魔術の発動条件として左右非対称の服装を身につけているだけでして」

浜面「そのために結構よさげなジーンズ切ってるの?」

神裂「は、はぁ。
   それは仕方ないものと思っていただきたいかと」

浜面「ふぅん、もったいねぇなぁ」

上条「神裂のジーンズってそんなにいいやつなのか?」

浜面「これ、ビンテージだぜ?
   下手すりゃ50万ぐらい行くんじゃないか?」

神裂「イギリスは物価が高いのでもう少しかかります」

上条「50万以上!!??
   そんなすごいものにハサミ入れたんですか!!??
   信じられない!!??」

浜面「音量抑えろよ、大将」

上条「だって50万だぞ、ただのジーンズに!!??」

浜面「服って結構金かかるんだって」

神裂「私はあまり気にしませんでしたが少し高いといえばそうかもしれませんね」

上条「神裂って結構高給取り?」

神裂「いえ、普通に公務員の手取りに危険手当が付く程度です。
   ですが住まいは寮ですし食費も出ますから、お金は自然と貯まるんですよ。
   使っている暇もありませんし。
   インデックスの使い込み分を少し返却しているぐらいでして」

上条「でも50万だろ……」

神裂「といってもこれはもう3年も履いてますし、これ以外はそんなに高くないですよ。
   精々20万程度でしょうか」

上条「20万!
   これ以外という言い方だと複数持ってるんですか!!??」

神裂「一応仕事道具ですから。戦闘中に破れたりしたら魔術の使用に影響が出ますし、連続で任務につくこともあります。
   着替えは必須ですよ」

浜面「仕事道具ですか。だったら俺も金かけるかな」

神裂「それにこの刀を研ぐのもお金かかります。
   技術のある研師ってそれなりにお金取りますし、それに100回も研げば刀はなくなっちゃいますから」

浜面「それだけ長い刀になると打てる人間も限られるだろしなぁ」

上条「……知らなかった。
   魔術師ってお金持ちだったんだ。
   上条さん転職しようかしら」

神裂「はぁ。必要悪の教会に来るというのであれば歓迎するメンバーは多いと思いますけど無理じゃないですか?」

浜面「能力者って魔術使えないもんな」

神裂「いえ、リスクが大きいだけで使えないわけではないです。
   そもそも上条当麻は『幻想殺し』の影響で根本的に魔術が使えません。
   それでも『幻想殺し』はとても魅力的な戦力です。
   ですが……」

浜面「が?」

神裂「少なくとも4ヶ国語は話せなければ仕事はできないと思います」

浜面「そりゃ無理だ。大将そんなに頭よさげに見えないし」

上条「浜面くんに言われたくないですね!
   確かに上条さんの語学力は致命傷一歩手前ですが、それでも浜面にだけは言われたくないわ!」

神裂「どうしても『交渉能力』が必要になってくるんですよ。
   問答無用で叩きのめす訳にはいかないんです。
   下手をしなくても国家間の問題になりかねないデリケートな事件が多いんです。
   (ステイルが投入される場合は大抵問答無用で皆殺しなんですけどね。できれば殺してもらいたくないんですが)」

浜面「だ、そうだ。
   自分の不出来な頭を恨めや大将」

上条「くっそう……上条さんだってお金に余裕がある生活を送りたいんですのよ」

浜面「だったら一緒に仕事すっか?
   一日1万は保証するけどよ?」

上条「え? 何の仕事?」

浜面「工事現場でちょっとした肉体労働。
   慣れるまではちょっと大変かもしれないけど大将身体丈夫そうだからいけるって」

上条「工事現場かぁ……一ヶ月に1万でもあれば随分と違うなぁ」
   
浜面「4万あれば結構贅沢できるぜ?
   プレゼントとかしてやったらどうだ」

上条「プレゼント……ねぇ」

浜面「ルースだけ買って自分でリング作れば4万でもそれなりに豪勢なのできるぜ?」

上条「うーん、そうだなぁ……」

神裂「プレゼント、ですか……」

浜面「(大将大将)」

上条「(いきなり耳掴むな。なんだよ)」

浜面「(このお姉さんに何かプレゼントしろよ。あの表情見ればわかるだろ)」

上条「(? 神裂が?)」

浜面「(何不思議そうな顔してるんだよ。馬鹿だろアンタ)」

上条「(誰がバカだ)」

神裂「浜面仕上、でしたっけ?」

浜面「お、はい。なんか御用で?」

神裂「申し訳ないのですが、私、食べたいものがあるんですよ。
   プレゼント替わりに作ってくれませんか?」

上条「? なんだったら俺が作るけど」

浜面「馬鹿。消えものは俺が作るでいいんだよ。
   で、何が食べたいので?」

神裂「イタリアンをお願いします」

上条「いたりあん? 聞いたことないなぁ」

浜面「関西ではナポリタンをイタリアンって言うらしいぜ?
   っていうか、ナポリタンでいいの?」

神裂「はい。そのナポリタンをお願いします」

浜面「なんだったらちゃんとした喫茶店にでも連れてくけど」

神裂「いえ。
   こういう言い方は失礼かもしれませんが、安っぽいけど懐かしい、在り来りなイタリアンが食べたいんですよ」

浜面「あー、最近は喫茶店でも切磋琢磨してるからナポリタン美味くなってるからなぁ」

上条「下手な洋食屋より美味いもんな。
   けどナポリタンかぁ。実は上条さんも作ったことないんですよ」

浜面「なんでだよ。パスタの定番だろ?」

上条「塩パスタとか醤油パスタとか、そんなんばっかりでして」

浜面「パスタなんて安いもんだと思うけどなぁ。
   まぁいいや、じゃあ大将にも説明しながら作ってみるか」

浜面「材料はこれだ。
   3人前分量で考えてくれ。


   ①スパゲティ       300g

   ②ウインナー       5本
   ③玉ねぎ         1/4個
   ④ピーマン        小1個

   ⑤バター         スプーン1杯
   ⑥ケチャップ       大さじ5
   ⑦顆粒コンソメ      大さじ3
   ⑧酒           適量

   ⑨塩           適量
   ⑩胡椒          適量

   ⑪粉チーズ        適量

                                   」

浜面「まずはスパゲティをたっぷりのお湯で茹でる。
   だいたい8分ぐらいかな。少し長めでいい」

上条「あれ、塩がお湯に入ってないぞ」

浜面「あれって意味ないらしいぜ?
   スパゲティそのものに塩分が多少含まれているから関係ないんだとよ」

上条「なんですと!?
   ということは無駄な塩を、お金を使っていたのか上条さんは」

神裂「塩ひとつまみ程度大した金額ではないと思いますが」

上条「塵も積もれは山となるという言葉を知らないんですかこの人は。
   上条家に無駄なお金は一銭たりともないんですよ」

浜面「あとにしてくれウザイ。
   とにかく、茹でているあいだにほかの準備をするか」

浜面「ウインナーは斜めに切って、玉ねぎは繊維に沿って薄切り。
   ピーマンはできれば輪っかが残るように切っていきたいところだけど、適当でもいいや」

上条「縦半分に切って種取り除いて薄切りでいいだろ」

浜面「それでオッケーだな。まぁご家庭料理だし」

浜面「で、フライパンを温めてバターを溶かしておく。
   ある意味でこれがソースの元だから。
   そしたらウインナーを入れて、じっくり火を通す。
   肉汁で軽く膨らんできたら玉ねぎ入れて、少ししんなりしたらピーマンだな」

上条「これだけでも美味そうだな」

浜面「ただのバター炒めだけどな。
   そしたら塩胡椒してケチャップと顆粒コンソメを入れて、酒をさっとふりかける。
   これで結構味が馴染む」

神裂「こうやって作るんですか」

浜面「酒に関しては俺のオリジナルだけどよ。
   煮詰まっちゃうから少し緩くしてやりたいんだ。
   でも酒もスパゲティも穀物の旨みがあるから馴染みやすくなると思うぜ?」

上条「確かに煮詰まっちゃうもんな。元々濃い味のケチャップが煮詰まると思うとゾッとしないぜ」

浜面「で、酒入れて一回沸騰したら一度火を止めて馴染ませておく。
   っていってもだいたいこのあたりでスパゲティが茹で上がるから、それをそのまんまフライパンに入れてさっと和えて完成だ。
   あとは粉チーズをたっぷり振りかけて食ってくれ。
   半熟の黄身の目玉焼きとか乗せてもいいな」

上条「それは美味そうだな。よし、浜面、つけてくれよ」

神裂「私は遠慮しておきます。昔っぽいイタリアンが食べたかったので」

浜面「ういうい。じゃあ二人分目玉焼き作るか」


浜面「よし、完成。熱いうちに食おうぜ?」

上条「いただきます」

神裂「いただきます……こ、これは!
   この味です、この味ですよ!」

上条「おお、昔懐かしい、チープといっちゃあなんだが、記憶の中にあるナポリタンの味だ。
   ナポリにないナポリタンそのものだ!」

浜面「そりゃナポリタン作ったんだから」

神裂「懐かしい……小さい頃作ってもらったスパゲティの味です」

上条「色合いもいいな、ピーマンの緑が映えて。
   チーズや半熟の黄身ともよく合う。
   少ししか入ってないウインナーがまた宝物でさ」

神裂「そうですね。一生懸命探したものです」

上条「(子供の頃の記憶はないんだけど……確かに食べたことはあるって確信できる味だな)」

浜面「少ししか入ってなくて悪かったな。っていうか、それがいいんだろうが」

上条「まぁなぁ。ゴロゴロ入ってたら逆に興醒めかもしれないよな」

神裂「ケチャップだけの味なのにとても満足感があって。
   口の周りをベトベトさせながら頬張った記憶が蘇ってきます」

浜面「ある意味家庭の味だよな。
   何分、ケチャップって子供大好きだもんな」

上条「お子様ライスにケチャップライスとか入ってるもんな。
   具なんて殆どないのに美味そうに食べたりするからな」

浜面「パッサパサのハンバーグとか干からびたポテトとかがご馳走だったなぁ。
   ちっこいプリンがついてくるんだけど最後の楽しみにしていたのに腹いっぱいになって食べられなかったりしてなぁ」

神裂「わかります。それとても良くわかります」

上条「なにげに揚げ物多いから腹膨れるんだろ」

浜面「お子様ライスは採算取れないらしいからさ。本当にサービスでやってるらしい。
   安いので満足させるって言うんだからそうなっちまうんだろうさ」

神裂「……お子様ライス、食べたくなってきました」

上条「神裂さん?」

浜面「もう無理だけどよ、気持ちはわかるわ」

上条「お子様ライスの思い出……か」

神裂「(上条当麻にはインデックスを救う前の記憶がない……
    私は本当に無力だ……昔を懐かしがることができない人間をまた増やしてしまった……)」

浜面「あれ12歳までだもんなぁ。高くてもいいからやってくれないかな。
   給食を作ってくれる店とかはあるんだから、そういうのがあってもいいよな」

神裂「もしそういう店があるのならば言ってみたいですね」

上条「お子様ライスを食べるかんざきかおりさんじゅうはっさい……」

神裂「なにか問題でも?」

上条「いえ、なんでもないです……」

絹旗「お子様ライスですか」

黒夜「あれって12歳までは出してくれるんだっけ。うちらぎりぎりおっけー?」

絹旗「超小学6年生までですよ。うちら学年的には中1ですよ無理ですよ」

黒夜「昔、施設で出してもらったことあったねぇ」

絹旗「誰かがお誕生日の時はお子様ライスとカップケーキでしたね。
   思い返すと本当に安上がりなお誕生会でした」

黒夜「でも楽しかった……と思う」

絹旗「嫌ですね、そういうふうに過去を振り返るなんて。
   もう戻れないのに」

黒夜「あの、さ。前々から思ってたんだけど」

絹旗「はい?」

黒夜「みんなのお墓、作らないかい、絹旗ちゃん」

絹旗「……超面倒ですが、やらなきゃいけませんよね。
   どうせ、どっかの実験施設にまだ研究資材として肉体組織だけは残っていたりするんです。
   超取り戻して、火葬して、お墓、作りましょうか」

黒夜「今の生活、ちょっと崩れちゃうかもしれないけど、やんなきゃいけないと思う。
   自分自身に区切りをつけるためにも」

絹旗「麦野に頼んで浜面を自由にする権利、貰いましょうか。
   足が必要です。
   時間かければ隠されるだけですから」

黒夜「うちらだけよりもそっちの方が確実だよね」

絹旗「麦野も滝壺さんも手伝ってくれないと思います。
   『自分たちでケリをつけなきゃいけないことは自分たちでやれ』って
   超そう言うと思いますよ」

黒夜「でも浜ちゃんは数の外、か」

絹旗「超当然です。浜面は私たちに尽くさなきゃいけないんですから」

以上です
ちょっとシリアスっぽくなりましたがこの話はお気楽ななんにも考えてない話ですのでバトルとかはやりません

過去を懐かしむっていうのは食べ物にある特色の一つだと思います
幸いというか、過去のない上条さんと暗い過去のある絹旗、黒夜がいますのでちょこっとだけ意識してみました


あと以前に言っていた食蜂さんのヤツをスレ立てしました

操祈「好きでこんなことやってるわけじゃないわよぉ」美琴「その、ごめん」
操祈「好きでこんなことやってるわけじゃないわよぉ」美琴「その、ごめん」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1373850975/l50)

こっちも軽い話にしようと思ってます

本当に日本人はイベントに弱いというか

本日土用の丑の日、スーパーに夕食の買出しに行ったところ
うなぎが。うなぎが、うなぎが。

でも高すぎます。
1人前で一番安いのが980円でその上だと1980円とか。

もう既に庶民の味じゃないなと痛感。


なので話題には上げていたうなぎもどきの改良版を。
ずっと「うまいものではない」と思ってましたがインターネットに載っていた方法でやるとかなり満足度のある出来となりました。

麦野「はい、これ」

浜面「何このメモリ」

滝壺「暗闇の五月計画の関係者の、特に科学者の最新の居場所が入ってるんだ」

浜面「すげぇ! なんでそんなものを……」

滝壺「この間の麻雀大会でね、みさかに頼んでおいたの。
   ちょっと買出しに行っている時に、ね」

麦野「余計なお世話かなぁ、とは思ったけど結構すぐ使う羽目になるもんだね」

滝壺「でもきぬはたとくろよるが欲しがっているの友達の遺体が保存されているかどうかはわからないよ?」

麦野「正直厳しいかなとは思う。
   けど、あいつらの思うようにさせてやんな。
   で、うちらの仕事はここまでと」

浜面「……メモリについては本当に感謝するけど、でももう少し付き合ってくれてもいいんじゃないのか?」

麦野「あのふたりだけの問題でアイテムとして動くわけには行かねぇんだよ」

浜面「だとしてもよ」

滝壺「はまづら」

麦野「滝壺、アンタ余計なこと言うんじゃないわよ」

滝壺「やだ。言わせて。
   あのね、そのメモリを手に入れるのにむぎのはカリを作ったんだよ?
   みさかの性格的に難癖つけたりはしないだろうけど、でもそれ相応のリスクは背負ったの。
   そこのところはわかってあげて?」

麦野「ちっ……」

浜面「麦野……」

麦野「湿気たツラしてんじゃねぇよ馬鹿」

浜面「ごめん、無神経だった」

滝壺「それに、ね。
   浜面はもう殺しはさせたくないんだよね」

浜面「ああ」

麦野「私の原子崩しだと手加減ができないからさ。
   そういう現場には出れないのよ」

滝壺「私も直接戦闘能力があるわけでもないし、現場では足手まといでしかないんだ」

麦野「侵入してモノをとって来るっていうんならばそれこそ第三位なんかが最適なんだろうけどね」

滝壺「私たちは戦闘に特化してたからね」

麦野「でもあのコンビは結構いいんじゃないかな。
   絹旗は狭い廊下での銃撃戦とかならほぼ無敵だし、黒夜のサイボーグの腕は狭い場所に侵入するにはモッテコイだもの」

滝壺「むぎのの場合だと目的物まで一直線に障害物を排除してってなっちゃうもんね。
   で、目的物まで損傷させちゃったり。
   でもそういう不器用なむぎのを応援してる」

麦野「細かい作業は苦手なのよ」

浜面「細かい作業ってレベルか?」

麦野「どーだか。
   ま、そういうわけで私たちは私たちの出来る範囲で仕事はやったってことで」

浜面「そっか。
   わかった、あとは任せとけ」

滝壺「動くのならば早いうちにね」

浜面「今晩にでも動くよう話をしておくよ。サンキューな、ふたりとも」

麦野「あ、あとさ」

浜面「?」

麦野「メンツ的に連れて行ったほうがいい奴がいるんだ」

番外個体「やっほー、わーすとちゃんでーす」

浜面「ぎゃあ、出たぁぁ!」

番外個体「おいおい、いい加減その反応やめろよねじ切るぞ」

麦野「ねじ切るのはやめてよ。使えなくなると困るんだから」

滝壺「なんでむぎのが困るの?
   使うのは私。応援できないよ?」

番外個体「おー、おー。早速火花散ってるね最高だね勃っちゃいそう」

浜面「でも、なんでここに番外個体が」

番外個体「まー、色々さ。
     ミサカがいると便利だぜ?
     おねーたま程じゃあないがこの街じゃ五指には入る電撃使いだ。
     ハックするぜしまくるぜぇ」

麦野「忍び込むにしてもバックアップ居た方が何かと安心でしょ。
   実働は滝壺黒夜、足が浜面の電子支援がコイツ。
   結構バランスいいと思わない?」

浜面「そりゃいいんだろうけど。っていうか、番外個体の見返りは?
   金はそんなに払えないぞ?」

番外個体「なんちゅうか、社会経験ってやつ?
     ミサカもさぁ、独り立ちするんだったら何かしらの経験は欲しいんだよ」

浜面「独り立ちすんの?」

番外個体「したいなぁって思ってる。
     ミサカ、奨学金もないしさ。手に職つけたいんだ」

浜面「でもこれからやること犯罪だぜ?」

番外個体「それ言ったらミサカなんか存在そのものが犯罪なんだけどさー。
     っていうか浜ちゃんのところで雇ってくんない?
     なんか建設関係の仕事してるらしいじゃん」

浜面「いやね、単純に金を稼いでロードサービスの会社作るための資本金にしようと思ってたんだけどね。
   なんかいろいろな奴に仕事紹介していったらなし崩し的にとび職の派遣業っぽくなっちゃったけどね」

麦野「っていうか学校いけよ。そういう約束じゃない」

浜面「ごめん、本気で仕事忙しくて」

滝壺「私ははまづらがしたいことしてくれてればそれでいいよ。
   大丈夫、応援してる」

番外個体「行けるんだったら行けばいいんじゃないかな。
     会社はミサカがもらってあげるから」

麦野「こら、調子のんな」

番外個体「ごっめーん。
     っていうかミサカに会社経営は無理だね、自己中だから。ぎゃはは」

浜面「うん、まぁ考えておくよ」

番外個体「あ、あとさ。礼金前払いでさ」

浜面「?」

番外個体「うなぎを食わせろこの私に」

麦野「あ、土用の丑の日か」

滝壺「すっかり忘れてた……」

浜面「うなぎかぁ、勘弁してくれよ。
   今現在だと一人前1000円以上するんだぜ?
   高すぎるよ」

番外個体「いや、安すぎね?
     レベル4の発電能力者を自由にできるんだよ?
     超格安じゃん」

浜面「そう言われりゃそうだが」

麦野「っていうか、あれだ。
   前さ、浜面うなぎのモドキ作れるって言ってたじゃん」

浜面「うなぎもどきか。
   前はどんなに頑張っても美味くならなかったんだが」

滝壺「が?」

浜面「実は最近ネットで見つけた方法があってさ、それを試してみたいと思ってたんだ」

麦野「たしか豆腐で作るんだっけ」

浜面「豆腐と茹でた大豆と山芋でな。
   でも今回は大豆なしで代わりにはんぺん入れようかなって」

滝壺「はんぺんって魚のすり身だよね?
   それじゃ精進料理にはならないよね」

浜面「うん。
   けどさ、俺が作りたいのはうなぎもどきであって精進料理じゃないんだってことに気づいてさ」

番外個体「そうだね、確かにうなぎもどきが精進料理である必要はないんだ」

浜面「とりあえず作ってみっか!」

浜面「材料はこれだ。
   3人前分量で考えてくれ。


   ①豆腐          1丁・もめん
   ②はんぺん        1枚
   ③山芋          3センチ幅、長さ5センチ程度
   ④片栗粉         大さじ2
   ⑤塩           少々

   ⑥のり          味付け海苔サイズで12枚

   ⑦うなぎのたれ      既製品でお好みのものを
   ⑧ご飯          適量

                別途クッキングペーパー用意

                                   」

浜面「まずは豆腐の水を切る。
   重しを乗せて2時間ぐらいかけるか、もしくは小さく切ってからレンジでチン、だな」

滝壺「れんじ?
   あっためるの?」

浜面「そうすると豆腐と中の水が分離するんだよ」

麦野「へぇ。そんなのどの料理の本にも書いてなかったぞ」

浜面「俺は大抵重しでやってるけど、今回はレンジでやるか。
   180度で5分程度かな」

番外個体「へぇ、結構出てくるもんだ。
     なんていうか、豆腐の匂いのする少し緑がかった水が」

浜面「ある意味大豆の美味いところかもな。
   けど今回は捨てちゃって、水の切れた豆腐とはんぺん、すりおろした山芋、片栗粉、塩をミキサーにかける。
   フードプロセッサでもいいけど」

麦野「どっちも同じようなものか。洗うのにかかる手間が違うけど」

滝壺「ともかくすりおろすんだね。
   なんかふっくらとした白い塊になったね」

浜面「ふっくらしてるのは片栗粉のおかげだな。
   前に作ってたのだと片栗粉入れなかったからちょっと水っぽくてさ」

番外個体「へぇ、じゃあ改善できたんじゃん」

浜面「味はどうだかまだわかんないけどさ。
   続いてはクッキングペーパーにのりを敷いて、その上にすりおろした豆腐を乗せてやる」

滝壺「豆腐っていうよりは練り物だね」

浜面「練り物とがんもどきの中間ぐらいなのかなぁ。
   で、乗せたらフォークとか箸とかつかってうなぎの模様を書き込んでやる」

麦野「へぇ。これだけでも結構見た目変わるね」

浜面「味は変わんねぇけどな。
   そして、中火の170度ぐらいの油で揚げてやればおっけー」

番外個体「どんなのが目安?」

浜面「菜箸の先を突っ込んで泡が出てきたらすぐに弱火にしてやる、ぐらいかなぁ。
   そうなったらクッキングペーパーをしっかり持って、端っこからクッキングペーパーごとうなぎもどきを油に入れる、っと」

麦野「これってクッキングペーパー必要なの?」

浜面「揚げる前のうなぎもどきってスゲェ柔らかくて崩れやすいのよ。
   のりも水吸ってふやふやだし。
   そりゃない方がお金もかかりませんけど、できれば使って欲しいなぁ」

番外個体「色々考えてるんだ」

浜面「っていうか実体験から出てきた発想だよ。
   こういっちゃあなんだが、うなぎもどきって形くずれたらただの練り物豆腐だからさ」

麦野「そりゃそうか」

浜面「よし、表面が茶色くなったら完成だ。
   よく油を切ってから一度タレをかけておいて少し馴染ませておく。
   そしてアツアツご飯にタレをちょびっとかけて、うなぎもどき乗せて、最後にもう一度タレをかけるっと」

滝壺「わぁ、豪勢なうな丼になったよ」

浜面「山椒とか木の芽とかあるともっといいな。
   とにかく出来上がりだ、食ってみようや!」

番外個体「じゃあ、いだだきます……」

麦野「うん、うなぎじゃない。うなぎじゃないけど後味はうなぎっぽかも」

滝壺「うなぎ特有のとろっとした感じがそっくりだね」

浜面「はんぺんの効果なのか、そのものの味も悪くないな。
   前のは動物系まったく入れたなかったからな。やっぱり違うんだろうな」

番外個体「ミサカはこれうなぎに思えるけどね。
     ゴムみたいなやつと比べればよっぽど上等だよ」

麦野「ただのりがちょっといただけないかな。
   良く揚がっていてサクッとしてるのはいいんだけどこれ、うなぎの食感じゃない」

浜面「うなぎの皮に見立ててる部分だけど、食感的にはNGか」

滝壺「美味しいんだけどね、うなぎって思うと邪魔かもね。
   私は好きだよ?」

番外個体「でもさ、これって小さく切って回転寿司のネタとして出されたら区別つかないよ?」

麦野「そうかもしれないわね。
   トータルでみるとよく出来てるわよこれ」

浜面「クソ高いうなぎの代用品ではあるけれども、これはこれでありだな」

滝壺「うん、ごちそうさまでした。
   値段考えるとすごく満足感高い料理だったよ、はまづら」

麦野「材料費だけならひとり70円ぐらい?
   そう考えるとお得よねー」

浜面「うなぎ1000円と考えればざっと15倍か」

滝壺「手間代は無視してるけど、それでもお得だね」

番外個体「なんか土用の丑の日、これで満足しちゃったかも。
     ミサカも安い女だねぇ」

麦野「いいんじゃないの?
   満足なんて人それぞれだから」

浜面「あとでちゃんとしたの奢るよ。
   仕事終わってからになるけど」

番外個体「そんなの別にいらないって。
     っていうかミサカとしては面白ければそれでいいんだよねー」

麦野「いい性格してるよ、アンタ」

番外個体「そういうところ見抜いて色々持ちかけてくる第四位様も結構たぬきだと思うけど?
     っていうかさー、ミサカ通じてあのひとが絡んでくること期待してるでしょ」

滝壺「絡んでもいいけど表には出てこないでね?
   きぬはたもくろよるも決して一方通行好きじゃないんだから」

番外個体「うまいところりようされちゃってるねー、あのひとも。
     ま、ミサカは面白ければどっちでもいいんだけど」

滝壺「はまづら。こういう話聞かせている意味は理解できてる?」

浜面「まぁ、その……実は滝壺さんって結構腹黒い?」

麦野「あれ、気づいてなかったの?」

番外個体「したたかでなけりゃ暗部で生き延びていけないでしょ。
     浜ちゃん抜けてるんじゃないの?」

滝壺「ふたりともしゃらっぷ。
   大丈夫だよ、はまづら。ふたりっきりのときははまづら好みの可愛い性格の女の子でいるから」

浜面「ああ、その……これは嬉しいことなのか?」

以上です
とにもかくにも丑の日に書き込めてよかったよかった


はんぺんいれると本当にぐっと美味くなります
マジで盲点でしたね
うなぎもどきは精進料理だと頭から思い込んでいましたから

テレビで見るとナスのうなぎもどきもあるとか
今度試してみたいと思います

パンを作るのは難しいです
というよりも、うまいパンを作るのが難しい
コンビニのパンもバカにできないし

やっぱり日頃から研究しているプロには勝てないな、というのが正直なところ

今回はパン、特にチャバタの話です

浜面「……どうよ?」

番外個体「うっさいなぁ。さっきも聞いたばっかじゃん。
     赤信号になるたびに聞くなっつうの、黙って運転してなって。
     何の問題もないよ。ふたりとも目的地まで障害もなく行けたみたいだね」

浜面「そっか。よかった」

番外個体「まぁ、ナビがいいからねー。
     しっかしバカだよねぇ。このプロテクトだと精々レベル3程度までしか防げないよ。
     バンに詰める程度の機材でどうにかなっちゃう。
     ちょっとした防犯マンションと同じぐらいじゃあないの?」

浜面「……なぁ、それってもしかしたら」

番外個体「浜ちゃんの考えてることが正解なんじゃないの?
     あの『暗闇の五月計画』はもう既に価値がないんだよ。
     セキュリティが低くても問題が無い程度にはね」

浜面「それも嫌な話だな。
   たくさん犠牲を出しておいて、用済み、価値なしなんて」

番外個体「価値があったらまだ実験続けられてたらもっと犠牲者が出てたって。
     言い方はアレだけど、暗部にポイっと捨てられる程度の実験結果だったんだよ」

浜面「ひでぇ言い方だ、あんまりだ」

番外個体「ミサカは科学者の言い分を想像してるだけだってば」

浜面「わかってるけどよ……」

番外個体「クズ野郎どもの勝手な認識なんてどうだっていいじゃない」

浜面「そうは割り切れねぇよ。
   散々馬鹿にしてくれてる奴を頭から追い出して布団かぶって丸まってろってか?
   いくら負け犬だってそれなりに守りたい矜持ってもんがある」

番外個体「ミサカの人生じゃないから関係ないけどさ、
     浜ちゃん、別にちびっこふたりの保護者でもなんでもないじゃない」

浜面「少なくとも、あいつらが馬鹿にされたら怒る程度の権利はあると思うぜ?」

番外個体「んー?
     ヒーロー体質だねぇ。
     そのうえで負け犬根性なんだからミサカにはよくわからないキャラクターだよ」

浜面「別にそういうんじゃなくってだな。
   っていうかさ」

番外個体「なんだい、浜ちゃん」

浜面「お前さ、なんで俺たちに協力してるの?」

番外個体「あん??
     第四位のおねーさんと浜ちゃん愛しの能力追跡から説明受けたじゃん」

浜面「それだけじゃないだろ?
   アンタのメリットがちょっと薄すぎる。
   なんか言ってないことあるだろ」

番外個体「馬鹿だ馬鹿だとは思ってたけどちょっとは鋭いところあるんだ。
     ま、いいや。教えてあげる」

浜面「イチイチ馬鹿馬鹿言わないと会話できないのかよ」

番外個体「はいはい、話の腰おらないおらない。
     ミサカたちとあのひとの関係は知ってる?」

浜面「あのひとって、一方通行か。
   ってことは例の実験だな?」

番外個体「うん。
     でさー、ミサカはあのモヤシに対する『嫌がらせ』として作られたわけなんだよ」

浜面「いやがらせ?」

番外個体「自分の手で殺すか、目の前で死なれるか。
     あのひとがどっちを選んだにせよ精神的なダメージを受けるようにさ。
     ミサカは生まれた時から死ぬために存在していたわけ。
     ほかの妹達と同じようにね」

浜面「それは……」

番外個体「同情とか義憤とかそういうのは要らないから。
     で、ね。
     ミサカはほかの妹達と違って、っていうかその状況のためにほかの妹達の負の感情を拾いやすく構成されてるのさ」

浜面「怒りとか悲しみとか、そういうのか?
   怒りやすいとか泣き出しやすいってこと?」

番外個体「まぁ、その解釈でいいや。
     つまりさ、どこをどうしたって最終的にはあのひとを憎むように出来ている。
     それがわかってるんだったら少しは距離をとっておこうかな、っていのがひとつ」

浜面「ってことは他にも?」

番外個体「ミサカがあのひとと組んだ理由ってのがさ、学園都市に一泡吹かせるっていう、あのひとが言った一言にあるんだけど」

浜面「一泡吹かせたんじゃないのか?
   一方通行が圧力かけたから暗部解散したんだろ?」

番外個体「それだけだろ?
     人間とモルモットの区別もつかない科学者たちは今ものうのうと飯食ってあったかい布団で寝てるんだよ?
     それがわかってるのにクソモヤシはソファで昼寝してるだけなんだ。
     頭にくるじゃない」

浜面「あー。
   要するに、自分でそれをやろうってこと?」

番外個体「そのためのノウハウの取得、あと科学者って連中に嫌がらせするためにミサカは健気にもお手伝いしてるわけさ」

浜面「なるほどねぇ」

番外個体「納得いったかな?」

浜面「納得はしたけどよ、殺すのはやめておいた方がいいぞ。
   色々と面倒くさいことになる」

番外個体「まぁ、浜ちゃんならそう言うだろうさ。
     けどほっておいてちょうだいな。
     ミサカは浜ちゃんの身内じゃあない」

浜面「そうだな……
   復讐を否定とか、それはできないもんな」

番外個体「……面倒な性格だねぇ。
     そんなに第四位のおねーさんが可愛いのかい。
     能力追跡に刺されるぜ?」

浜面「かわっ!?
   いやいや、そんなんじゃなくってな!」

番外個体「浜ちゃんは浜ちゃんで悩んでなよ。
     ある意味正当な悩みだよ。
     陽のあたるところと暗闇との境界線を行ったり来たりしている曖昧な人間にだけ許された悩みさ」

浜面「……それはイヤミか?」

番外個体「妬み、かな?
     学園都市は出口のないでっかい湖みたいなもんでさ、
     新鮮な水が流入してくる表側は綺麗なもんだけど底の方はヘドロが溜まっていて、そこには奇形の魚が住んでいる。
     背骨が曲がって片目が飛び出た魚にはまっすぐ形のいい魚がおっかないんだよ」

浜面「随分と、詩人ですね」

番外個体「ミサカたちの大元のおねーたまが中2なものでして」

浜面「果たしてどうなんだか」

番外個体「それはそうとして、お腹が空いてきたよ。
     なんか食べようぜ?」

浜面「なんかっていってもなぁ。
   機材積んだバンから離れられないし、ドライブスルーとかコンビニしか選択肢ないぞ」

番外個体「お弁当でも用意してくりゃよかったのに」

浜面「弁当か。
   自分で作るとなると面倒くさいんだよな」

番外個体「あれま、なんか料理得意じゃなかったっけ?」

浜面「別に普通ですぅ。
   っていうかさ、弁当って一人分だけ作ると半端なく面倒なんだよ」

番外個体「それもそうだけどさ、今回は4人居たのに」

浜面「機材の準備やバンの用意とか、色々あったしな。
   そうだなぁ、結構美味いパン屋があるんだ。
   そこ行ってみないか?」

番外個体「近く?」

浜面「おう、すぐそこだよ」

番外個体「おや、本当にすぐ近くだったね。
     どれどれ、行ってみるか」

浜面「って、アンタがバンから降りて大丈夫なのかよ」

番外個体「あ、大丈夫大丈夫。
     バンから半径20mぐらいなら何の問題もないよ」

浜面「レベル4ってすげぇなぁ……」

○○「いらしゃっせー。
   って、なんや浜やんか。えらいべっぴんさん連れとるやないか。
   彼女さんにチクッたろ」

番外個体「なに、この真っ青な髪の毛の店員。
     浜ちゃんの友達?」

浜面「っていうか上条の大将の悪友だな。そっからの紹介だよ」

青ピ「はじめまして。
   僕のことは青ピって呼んでや。みんなそう呼んどるから」

浜面「ちなみにお米の国の人らしい」

青ピ「それは言わんといてな!」

番外個体「うっわー。高校デビューが変の方向に失敗したヒトかな」

浜面「おい、初対面の人に挨拶もせずに失礼なことを」

青ピ「ええてええて。
   きっつい性格の女の子も好みの範疇や。
   ドイツ式の軍事高官の制服着てビシバシ言われてみたいわぁ」

番外個体「変わった人だね。
     ミサカは……ワーストって呼ばれてるかな」

青ピ「わーすと……なんかコードネームみたいやな」

浜面「今日は何が焼けてる?」

青ピ「ちょうど浜やんの好きなチャバタが焼きあがったところや」

番外個体「ちゃばた?」

青ピ「イタリアの北の方のパンや。
   イースト発酵の匂いが残っとる小さめのパンやけど、バターや牛乳を使わんから小麦粉の香りがとても良く出てるんや」

浜面「焼きたてだと最高だな!
   中に色々練りこんだり、サンドイッチにしたりとあるけどプレーンなのが一番オススメかな」

青ピ「プレーンやとひとつ93円やからな。お財布にも優しいで」

番外個体「へぇ。じゃあそれと、あとは何にするかな」

浜面「おすすめはチェダーチーズのやつと、白いちじくのやつと、あとはプロシュートのサンドイッチかな」

青ピ「外さんのう。
   いいところにばっかり目がいっとる。
   あとはミルクたっぷりのカフェラテをつければ完璧やな」

番外個体「それも良さそうだけど、せっかくだからミサカ、ほかのも見てみたい」

青ピ「じゃあ、ナッツのクロッカンなんてどや?
   ナッツが香ばしくてカリカリしててウマイで?」

浜面「ピザもいいな。
   ローマ式の生地の分厚いやつなんだけど、食べごたえは抜群だ」

青ピ「ちゃんと蜂蜜もつけるで」

番外個体「え、ピザに蜂蜜?」

浜面「ピザ食べるとさ、最後にミミのこるだろ?
   そこに蜂蜜つけて食べるんだよ」

青ピ「いいピザ生地やないとできへんけどな」

浜面「この店は材料こだわっている割には安いんだよなぁ」

青ピ「学園都市はそういう研究は進んどるからなぁ。
   いちじくなんてイラン産に負けへんほどもっちりと甘いんやで」

番外個体「うわ……やだ、ヨダレ出そう」

青ピ「じゃあ、それ全部でええか?
   食べてくん、持ち帰るん?」

浜面「持ち帰りで頼むわ。一応、まだ仕事中なんだよ。
   あと四人前でな」

青ピ「ほいな。
   じゃあチャバタ、ほかの種類も入れとくか?」

浜面「そうだなぁ。
   エビアボガドとオリーブとサーモンと頼むわ」

青ピ「へい、まいどー。
   あとカフェラテも4人前でええの?」

浜面「いや、ふたつは冷たいミルクにしてくれ」

青ピ「すぐ飲めるん?
   保冷剤いれとこか?」

浜面「保冷剤別料金だからいいよ。
   バンに冷蔵庫備え付けてあるし」

青ピ「はいな。
   じゃあ特濃ムサシノ牛乳2本で320円、カフェラテがふたつで700円や。
   パンコミコミで3800円のところ、3500円にまけといたる」

浜面「お、いいのか?」

青ピ「僕、べっぴんさんには優しくすることを心がけとるんや。
   それに浜やん、裏返してくれるからな」

番外個体「うらかえし?
     へ、何それ。パンひっくり返すの?」

青ピ「ちゃうちゃう。
   初めて来たヒトには初会ゆうて安くする。
   次に来た時は裏ゆうて、初会の分のカバーをしてくれる。
   んでもって三回目には馴染みや。
   そういうことを言うんよ」

浜面「要するにだな、安くした分だけまた来てねー、また来るよー、って話だよ」

番外個体「は、はぁ……そういう文化があるんだ。
     ミサカの焼き付けには入ってなかったよ」

青ピ「焼き付け?
   なんや、この子浜ちゃんの現場でバーナーでも使うんかい」

浜面「ちょっと違うけど、まぁそう思っておいてくれ。
   じゃあなぁ、美味しくいただくぞー」

青ピ「また来てやー。
   わーすとちゃんもなー」

番外個体「ミサカも色々と知らないことあるもんだなぁ」

浜面「じゃあ、研究所の周り流しながら食うか。
   特に変わったことはないんだよな?」

番外個体「あー、うん。順調順調。
     多分2、30分で戻ってくるんじゃないかな」

浜面「じゃあ、そろそろ冷凍車の準備もしておくか。
   車の運転は問題ないんだよな?」

番外個体「大丈夫だよ。
     あのふたりが脱出してから三十分ぐらいハッキング仕掛け続けて、
     そのあとこのバンで逃げればいいんでしょ?」

浜面「本来ならば乗り捨てるところなんだけど、機材も高いし盗みに入る実験施設まだあるからさ」

番外個体「おっけーおっけー。
     依頼は正確にこなすよー。
     っていうわけで依頼料としてプレーンと白いちじく、あとローマピザとカフェラテ置いてって」

浜面「ほいほい。
   チャバタはわざと捏ねないんで中の泡部分が大きくて弾力があるんだ。
   よく楽しんでくれよ?」

番外個体「プレーンもそうだけど白いちじくも美味しそうだし、あとピザに蜂蜜も初めての経験だからね。
     あ、この駐車場で浜ちゃんは乗り換えか」

浜面「おう。じゃあ待ち合わせ場所で待ってるから。
   怪我とかすんじゃねぇそ。
   場合によっちゃ機材ごと車破壊してもいいから怪我すんなよ」

番外個体「二度も言わなくていいって。
     じゃあおちびちゃんたちによろしくね」

浜面「行っちまった。
   ……大丈夫かな?
   戦闘能力は問題ないと思うけど……もしかしなくても運転は初めてか?」

○○○○「問題はねェ。あっちを心配する必要があったらほかに心配する相手いるだろォが」

浜面「うぉっ! いきなり背後からあらわれないでくれません?
   すごく心臓に悪いわ」

一方通行「ふン。
     今のところ俺の出番はなさそォだなァ」

浜面「まぁな。
   うまく行ってるよ」

一方通行「番外個体にも気づかれてないよォだし、俺としても順調か」

浜面「フォローする奴をフォローする役目か。
   面倒だなぁ」

一方通行「嫌われ者は嫌われ者なりに色々気を使わなきゃならねェンだよ」


浜面「……食うか?」

一方通行「あめェのは苦手だ。
     このプレーンのチャバタをもらおうか」

浜面「カフェラテもいるか?」

一方通行「俺はコーヒーはブラックしか飲まねェ」

浜面「別に砂糖は入ってないぞ?」

一方通行「……ふン。だったらもらっておく。
     礼は言わねェがな」

浜面「言えよ。
   そういうところがコミュ障なんだよ」

以上です

イタリアの料理ってなんかこう美味そうで
あの国は北と南とで別の文化だったり、意外とモツ系の料理が多かったり、あるいは緑色のソースに命をかけたりと食にかけては最強なんじゃないかと
パスタだけで30種類以上とか

チャバタは美味いんですがコンビニとかで売ってないんですよねぇ
量産するの難しいんでしょうか

夏場のお盆の時期になると日ごろ会えない人と酒盃を交わしたりします
そして二次会が宅飲みになったり
ぱぱっと作れるツマミはそれなりに役立ちます

浜面「あれ、まだ起きてたのか」

麦野「おーっす、お疲れー。
   絹旗と黒夜は寝落ちか」

番外個体「まぁねぇ」

浜面「っていうか酒臭っ!
   うわ、これノンビンテージだけど安くても7000円ぐらいするワインだぞ」

番外個体「うーん、ワインってラッパ飲みするもんだったっけ?」

滝壺「ふわぁ……たまにはこれくらい。
   美味しんだもん、すいすい飲めちゃうし」

麦野「で、どうだった?」

番外個体「おーるおっけー。
     検体は全部回収、冷凍庫にしまってきた」

浜面「『検体』とか『しまってきた』とか、モノ扱いするなよ」

番外個体「死んでるんだから『モノ』じゃん。
     生きてたって『モノ』扱いされるんだぜ?」

滝壺「毒を吐くわーすとは応援できない」

麦野「まぁ、ひねくれてるわな」

番外個体「それがミサカの本質だからねぇ、変更はきかないのさ。
     で、このままベッドでいいの?
     シャワーとか浴びさせた方が良くない?」

麦野「うん、適当に放り投げておいて。
   絹旗の部屋はそっちだから」

浜面「じゃあ俺は黒夜を寝かせてくるか」

滝壺「……襲っちゃダメだよ?」

浜面「襲わんわ!
   俺はそこまで外道じゃない!」

麦野「……どーだか。
   さっさと置いてきな」

浜面「へいへい」

番外個体「女王様の仰せのままに」

滝壺「……怪我もなく、無事に終わってみたいだね」

麦野「まぁねぇ。
   それなりに払うもん払ったけどねぇ。
   ったく、奴らも図々しいな。『欲しかったら買い取れ』って……」

滝壺「私たちの首根っこ掴んでるって露骨に言ってきたよね。
   金額的にはそんなに大したものじゃなかったけど」

麦野「ムカつくわよね。
   自分たちの外道な実験の被害者たちの遺体を『要らないんだったら焼却する』だもの。
   ってか、絶対殺す」

滝壺「ダメだよ、麦野。
   もうコロシはダメ」

麦野「わかってるって、冗談よ冗談。
   でも舐められたままつぅわけにもいかないわよね。どうしてくれようかしら」

浜面「……なるほどね、そういうことか」

番外個体「思ったより黒いなぁ」

滝壺「あ、戻ってきたんだ」

麦野「まぁ……わかってはいたんだけどね」

番外個体「スイスイと進むわけだ。出てくる敵キャラが雑魚ばっかりなわけだ」

浜面「踊らされてただけかよ」

麦野「浜面、今は飲み込んでおいて。
   舐めた真似は百倍にして返しに行くから」

浜面「フザケやがって……」

滝壺「でも、逆に言えば向こうはこっちを切り捨てるつもりはないんだよ。
   形だけでも従順の姿勢を取れば放っておくって言ってるんだもの」

浜面「こっちに苦いもの飲み込ませておいてか?」

麦野「浜面。もう少し大人になれってぇの。
   こういう料理はね……冷えた頃が一番美味いんだ」

番外個体「~~!!
     う、うわぁ、なんてミサカ好みの素敵な目!
     おねーさん、ミサカ一生付いてっていい?」

滝壺「沸点低くて邪魔するもの全てなぎ倒しての一直線だったむぎのが復讐の熟成を語るなんて……」

麦野「滝壺、アンタ喧嘩売ってる?」

浜面「いや、事実だろ」

麦野「よし、殺す」

浜面「って、なんで俺にはいきなり原子崩し向けるの!?
   やめ、熱っ!
   焦げる! 溶けてなくなるっ!」

麦野「アルコール入ってるから精度低いかもねぇ暴発したらごめんねぇ」

番外個体「おお、ナイフ状にした原子崩しとやらで浜ちゃんのほっぺたをぺたぺたと」

滝壺「むぎの、はまづらが好きなのはよくわかったからその程度でやめておいて。
   私のはまづらなんだから」

浜面「ぶわっ!
   いきなり伸ばすなっ! 顔なくなるわっ!」

番外個体「アン○ンマーン、新しい顔よー」

麦野「あ、あ、滝壺っ!」

滝壺「うんうん、アルコールのせいだね。むぎのは悪くないよ、よしよし」

番外個体「ちぇ、浜ちゃんとミサカの渾身のギャグがスルーかよ」

浜面「ギャグで殺されてたまるか!
   大体新しい顔ってなんだよ!」

番外個体「よくはわからないけど今よりはイケメンになるんじゃないの?」

浜面「お、おまえらなぁ……」

滝壺「もうコントはいいよ。
   それよりも、この裏事情、絶対に話しちゃダメだよ?」

浜面「うぅ……滝壺までコント扱いかよ……」

番外個体「まぁ、ミサカは話さないよ?
     いくら悪意の塊とは言ってもミサカネットワークに存在しない悪意は集められないから」

滝壺「それならいいんだ。
   はまづら、いつまでも泣いてないの」

浜面「うぅ……滝壺が冷たい……」

麦野「……」

滝壺「むぎのもはまづらの慰め方とかポイントの上げ方とか考えないで。
   自分でやったことだしそんなポイントなんて私が潰すんだから」

番外個体「(実はアイテムって能力追跡が支配してるんじゃ……)」

滝壺「とにかく、ふたりとも飲む?
   ワインじゃなくともビールも日本酒も焼酎もあるよ?」

番外個体「じゃあ、ミサカはビールで」

浜面「俺はポン酒な。
   ……あと適当にツマミ作るわ」

麦野「ツマミ?
   別に台所立たなくったってここにあるじゃん」

浜面「いや、俺が食いたいやつをね。
   そんなに時間のかからないやつをさっくりとさ」

滝壺「何を作るの?」

浜面「鯖缶で簡単なやつをね」

麦野「―――鯖缶、か」

番外個体「? 鯖缶がどーかした?」

滝壺「なんでもないよ?
   でも、はまづら―――なんで?」

浜面「取り戻すって、そういうことかなーってさ。
   絹旗と黒夜見てて、思ったんだ」

麦野「ふん、好きにしな」

浜面「あいよ」

浜面「材料はこれだ。


   ①鯖缶          水煮・1缶
   ②玉ねぎ         1個

   ③マヨネーズ       適量
   ④七味唐辛子       適量
   ⑤醤油          適量

                                   」

浜面「調理方法は簡単。
   乱切りにして水にさらしておいた玉ねぎと鯖缶とを③~⑤で和えるだけ。
   コツは鯖缶の水を捨てないで一緒に和えることかな」

番外個体「うわ、これは料理じゃないな」

滝壺「うん……でも美味しいね、これ」

麦野「なるほど、水にさらして少し辛味を取った玉ねぎと鯖とをマヨネーズが繋いでるわけか。
   七味がアクセント、醤油で味を整えてるんだ」

番外個体「玉ねぎがシャキシャキしてるね。生だし、新玉ねぎなのかな?」

滝壺「生臭さが全然ないね」

麦野「そうね。でもワインには合わないかもね。どっちかっていうと日本酒向き?」

浜面「なるほど、ちょっと気が利かなかったか。
   じゃあ、もう一品、いくか」

浜面「材料はこれだ。


   ①鮭缶          水煮・1缶
   ②玉ねぎ         1個

   ③マヨネーズ       適量
   ④七味唐辛子       適量
   ⑤醤油          適量

                                   」

麦野「え、これって……」

番外個体「缶詰変えただけで一緒じゃん。
     え、手抜き?」

滝壺「作り方はおんなじなんだ。
   水にさらした玉ねぎと和えるだけ……」

浜面「じゃあ、食ってみろよ」

麦野「……同じ料理方法なのに、ちょっと違うね」

滝壺「食べ比べてみると、結構違うよ。
   それに、どっちもすごく合ってる」

番外個体「鯖を鮭に変えただけなんだけだし、マヨネーズで統一されてるのに別の料理だ」

浜面「組立は一緒なんだけどさ、変わるもんだろ」

麦野「ふぅん、なるほどねぇ」

番外個体「これをオーブンで焼いたらもっと違い出るんじゃない?」

滝壺「それやったら鯖の方は生臭さが出過ぎちゃうんじゃないかなぁ。
   っていうか、そんなのやらなくたって美味しいじゃない」

浜面「鯖って動きの速い魚で赤身、鮭は遠遊魚で白身。
   違いは出るけどどっちもいけるだろ?」

番外個体「あれ、鮭って白身? 赤い、ってかピンクじゃん」

麦野「それは餌にしているエビの色素。
   鮭は白身の魚だよ」

番外個体「へぇ。知らなかった」

浜面「あとはどっちも身が柔らかいんだ。
   だからこそ缶詰になるんだろうけど……」

麦野「まぁ、それはそうだろうけどさ。
   で、浜面。アンタはこの二種類の料理で何が言いたいわけ?」

浜面「……正直、自分でもよくわからん。
   わからないけど、今作って今食べてもらうべきなんじゃないかなって、そう思ったんだ」

麦野「あのふたりに感化されて感傷的になったってか?
   バカじゃないの?」

滝壺「はまづらはバカだよ。むぎの、知らなかったの?」

浜面「おい」

滝壺「そこに、勝てないの、わかってるんじゃなかったの?」

浜面「……」

麦野「ちっ」

滝壺「今ならお酒のせいってことで少し貸してあげてもいいよ?
   あげないけどね」

番外個体「……ミサカ、なんか場違いじゃね?」

浜面「まぁ、待て。アルコール入ってるからもう送っていけないし、ちょっと待て。
   っていうかこの状況で抜けられるとえらいことになりそうだからお願いだから帰らないで下さい」

番外個体「そっちの方が面白そうだけど……」

滝壺「意地っ張りのむぎのが素直になれるかどうかわからないけど、少し試してみたら?」

番外個体「っていうか、この間の麻雀大会でおねーさん三ヶ月は浜ちゃん自由にできるんじゃなかったっけ」

麦野「あ……すっかり忘れてた、そーだそーだ。
   私浜面90人分自由にできるんだった」

浜面「え、俺ひとりしかいないぞ?」

麦野「こう、毎日ひとりづつ使い潰す感じで徹底的に搾り取ってやりまくって。
   90日で十回づつすれば一回ぐらいヒットが」

滝壺「むぎの」

麦野「あん?」

滝壺「お酒のちからもあるけど、悪い冗談はよくないよ?
   私はそこまで認めてない」

浜面「~~~!」

番外個体「うわ、さっきのおねーさんとは別種のおっかない笑顔……
     侵食してくる黒い闇みたい」

滝壺「頭ナデナデされるぐらいなら許すよ?
   フレンダのこととか、溜まっていること全部話して慰めてもらえばいいんだ。
   でも、それ以上は私にヒットするまではダメ」

麦野「え?」

番外個体「え?」

浜面「って、待てやお前ら。なんでいきなりこっち向く!
   しかも能力バリバリ出して!
   いや、してないから! 何もしてないからまだ!」

以上です

最初はレアチーズケーキか坦々麺にしようかなぁ、と思ってたんですが話とうまく絡ませられず断念

四万十市で41度とか、ふざけてるんじゃないかというレベルで暑い夏です。
もう暑いではなく熱い。
食欲がない人も多いんじゃないでしょうか。

そういう時に朝食替わりにレアチーズケーキをおすすめします。
カロリー高いしさっぱりしてるし、食欲がなくても食べられますし。

フレメア「おじゃましまーす!」

打ち止め「おじゃまします! とミサカはミサカは元気に挨拶しながら突入……」

浜面「おう、らっしゃい。
   って、なに二人して固まってるんだ?」

絹旗「あ・あ・あ……」

黒夜「浜ちゃん浜ちゃん、絹旗ちゃんを膝枕して耳掃除してるからだよ」

浜面「は? それがどうした?」

絹旗「浜面! 超どきなさ……」

浜面「耳かき刺さってる状態で暴れるんじゃない!
   怪我したら大変だろうが!」

絹旗「ひっ!」

黒夜「(これは……面白い。
    耳かきしてもらうために窒素装甲解除してるから絹旗ちゃんちょっと弱気だ)」

フレメア「にゃあ、私、浜面に耳掃除してもらったことない……」

打ち止め「ミサカもあのひとにこんなことしてもらったことない。
     というかあのひとにそれを望むのは太陽が西から登るより難しいかも」

黒夜「ちなみに南半球では太陽は西から登るんだぜ」

打ち止め「……違うっ! 危うく騙されるところだったとミサカはミサカは一瞬の間をなんとか誤魔化したり」

フレメア「にゃあ、誤魔化してない。
     というか、そんなの常識の範疇」

絹旗「と、とにかく!
   浜面! 耳かきは中止です!」

浜面「まだ綺麗にはなってないんだけど」

絹旗「いいから中止!
   って、そこの二人も超気配なしで入ってくるんじゃありません!
   インターホン押すとか、ちゃんとしてください!」

打ち止め「インターホンは押したんだけどってミサカはミサカは」

フレメア「にゃあ、音がならなかった」

浜面「あれ、故障中か?
   しゃあねぇな、後で配線見ておくか」

絹旗「部屋の管理ぐらい超ちゃんとやってください!
   おかげでかかなくていい恥を……」

浜面「はじ?」

絹旗「超なんでもありません!」

黒夜「っていうか、私がサイボーグだから耳掃除できないのをプゲラって笑って耳掃除させてたの絹旗ちゃんじゃないの」

絹旗「そこ! 超脚色しない!」

浜面「耳の中のでっかいのが取れないってぎゃあぎゃあ騒いでたから取ってやっただけなんだけどな」

絹旗「ともかく!
   浜面、おかげで超助かりました。
   耳の中のゴロゴロが治りました」

浜面「へいへい。ところでフレメア、なんの袋持ってきたんだ?」

フレメア「今日学校でブルーベリーを摘んできたんだ。だからそのおすそ分け」

黒夜「へぇ。今は学校でブルーベリーなんか採るんだ」

絹旗「私たち小学校通ってませんでしたから、そこらあたりには超疎いですね」

浜面「いや、珍しい方だと思うぞ」

フレメア「でね。できればジャムにして学校の友達に配りたいんだ。
     だからジャムの作り方教えてもらいたいなって、きたの」

浜面「ジャムか。簡単だけど結構時間かかるぞ?」

フレメア「大丈夫。暇つぶし用に打ち止め連れてきたから」

打ち止め「なぬぅ! 珍しくおよばれしたと思ったらそんな腹黒い理由が!
     とっても傷ついた! 謝罪と賠償をとミサカはミサカは……」

フレメア「出来たての、ジャム」

打ち止め「のった! とミサカはミサカはフレメアの手にハイタッチ!」

浜面「ノリがいいなぁ」

絹旗「しかし、ジャムですか。
   どうやって作るんでしたっけ?」

浜面「基本的にはフルーツと同量の砂糖を鍋で焦がさないように小一時間煮込んでやるだけだな」

黒夜「うわ、カロリー高そう」

浜面「元々は保存食だからそういうのはあんまり考えてないんじゃないのか?」

絹旗「あれ、ジャムって保存食なんですか?」

浜面「例えば苺とか収穫できる時期、限られてるだろ?
   それを砂糖で煮込んでおけば基本的に一年中食べられるし煮詰まっているからカサが減って運搬や貯蔵もしやすい。
   あとはロシアみたいに冬が長くて厳しい場所ではコンスタントにビタミンが取れる食材として重宝されてるな」

黒夜「へぇ。甘いだけじゃないんだ」

浜面「っていっても昔は砂糖も高かっただろうからそれなりに高価だったろうけど……
   とにかく、そんなに難しい調理法じゃない。
   こだわったら色々すごいんだろうけどさ」

フレメア「そんなに難しいものはいらないよ。
     私が簡単に作れるのが知りたいんだ」

浜面「うーん、火の扱いがちょっとおっかないけど……まぁ、いいか!」

浜面「材料はこれだ。
   基本的に目分量でいいぞ。


   ①ブルーベリー      使う分だけ
   ②砂糖          ブルーベリーと同量

   ③レモン         1個
                                   」

浜面「まずはブルーベリーを丁寧に洗って水を切る」

フレメア「水をざばーってやってザルであげて……」

浜面「そんなもんでいい。
   で、それをだな。今回は量がそんなにないからフライパンでいいや。
   フライパンに敷き詰めて弱火にかける」

打ち止め「あれ?
     水とか入れないでそのままなのってミサカはミサカは疑問をぶつけてみる」

浜面「ブルーベリーから水分が出てくるし、余計な水はいらないんだ。
   で、そのまま上から砂糖をかけておいて」

黒夜「……すごい量だ。見ただけで胸焼けしそう」

絹旗「砂糖の山じゃないですか!
   ジャムってこんなに砂糖使うんですか!
   カロリー高いのは知ってましたが、超予想の範囲外です!」

浜面「こんなもんだよ。
   で、次にレモンを絞って、絞り汁をフライパンに加えておく」

フレメア「にゃあ、なんでレモン入れるの?」

浜面「こうしておくと変色しないんだよ。
   りんごみたいにすぐ酸化する果物なんかは特に必要だな。
   まぁ、気にならなきゃ入れなくてもいいけど少し酸味があったほうがジャムとしては美味いな」

フレメア「大体、それならば入れておく」

打ち止め「あ、レモン絞るのミサカやりたいってミサカはミサカは腕まくりしてみたり」

フレメア「これは、私の仕事。
     だけど部下に仕事を覚えさせるのも出来た女の勤めなので特別にやらせてあげる、にゃあ」

打ち止め「誰が部下かー! って反論しながらも楽しそうだからミサカは従ってみたり」

黒夜「……仲いいね」

絹旗「まぁ、子供ですからね」

フレメア「大体、幼児体型のノーブラシスターズに子供と言われても悔しくはない」

黒夜「オイコラ。
   絹旗ちゃんはともかく私はちゃんとしたブラ持ってるわ」

絹旗「そこ!
   誤解を招くような発言するんじゃない!
   私だって超可愛いブラ持ってますよ!」

打ち止め「ってことは何か!
     ミサカだけなのかブラしてないの!」

浜面「おーい、ブラ談義好きなのは知ってるが俺のいないところでやってくれ。
   あと屋内で電撃の背景とかしないでくれ、火事になる」

打ち止め「ごめんなさい、とミサカはミサカは素直に謝ってみたり」

浜面「はいはい。
   じゃあ、レモン汁入れて、煮詰まってきたらアク取りだな。
   表面に白い泡が浮かんできてるだろ?
   それをおたまでとって水を張ったボールに捨てるんだ」

フレメア「にゃあ。綺麗に取るの難しい。
     大体、どうしても青い部分入っちゃう」

浜面「少しぐらいは構わねぇよ。
   で、これを続けていって大体元の半分から三分の一ぐらいまで煮詰まれば完成だ。
   小一時間もあれば完成すると思うぜ?」

絹旗「結構かかりますね」

浜面「煮詰めるわけだからな。
   出来上がったら煮沸消毒しておいた瓶に詰めて保存する。
   まぁ、二週間ぐらいは持つかな」

黒夜「あれ、意外と保存期間短いね」

浜面「やっぱり日本は高温多湿な地域だから仕方ないんだ。
   ロシアみたいに寒くて乾燥してるところと一緒にはできないんじゃないかな」

絹旗「でも二週間もあれば十分かもしれませんね」

フレメア「浜面、とろみが出てきたよ!」

浜面「お、じゃあ少し味を見ておくか」

絹旗「ん、これは美味しいですね」

黒夜「熱いジャムなんてはじめてかもしれない」

打ち止め「少し酸味があってさっぱりしてるのもあってクドくないってミサカはミサカは感心してみたり」

フレメア「スーパーのジャムより美味しい!」

浜面「ま、こんなものかな。
   火を止めて少し冷ましてから瓶に保存しておこう」

フレメア「瓶はいっぱい買ってきたんだ」

浜面「ちっこい瓶だなぁ。
   でも20個もあったら金かかっただろ」

フレメア「私のお小遣いだと結構大きな出費だった。
     でも仕方のない出費かも、にゃあ」

絹旗「……包装用の袋とかレースのリボンとか……」

黒夜「こだわりがあるのか?」

打ち止め「すごく女の子らしいってミサカはミサカは屈辱的な敗北に身を震わせてみたり」

浜面「いいんじゃないの?
   食えりゃいい俺なんかと違ってこういうおしゃれなのはいかにも女の子らしいじゃないか」

フレメア「将来素敵なお嫁さんになるための女子力アップなんだ、にゃあ」

浜面「そいつは素敵だ。フレメアの旦那様になるやつも幸せだな」

絹旗「(……華麗にスルーしてる)」

黒夜「(というか、そういう発想そのものがないというか)」

打ち止め「ぷぷー。笑っちゃいけないんだけど面白すぎて堪えるのが大変ってミサカはミサカは肩を震わせてみたり」

フレメア「ぶち殺すぞ、この餓鬼!」

打ち止め「あー、浜面の前でそんな暴言吐いていいのかなぁってミサカはミサカは唇を釣り上げてみたり」

浜面「おいおい、喧嘩するな。
   とりあえず煮沸消毒しておいたからジャムが冷えたら詰めちまおう」

フレメア「あ、全部は詰めなくていいんだ。三分の一ぐらいはここで食べちゃおうって考えてるんだ」

絹旗「それは超ありがたい話ですね」

黒夜「じゃあ、パンに塗って食べるの?」

浜面「んー、ちょうどいいのがあるわ。
   待ってろよ……」

フレメア「冷蔵庫開けて、どうしたの?」

打ち止め「あ、これはレアチーズケーキってミサカはミサカは驚きと次の予想展開に胸をいっぱいにしてみたり」

浜面「昨日作っておいたんだ。
   これ単体でも美味いけどジャムと合わせても美味いんだよ」

絹旗「超ご都合展開ですね」

黒夜「浜ちゃん、絹旗ちゃんレアチーズケーキいらないってさ」

絹旗「超いりますよ!
   食べるに決まってるでしょう!」

黒夜「でもいつの間に作ってたんだか」

浜面「結構簡単だからな。
   材料をミキサーにぶち込んで型枠に流しておくだけだから実質的に五分もかからないで作れる」

フレメア「は、浜面の方が圧倒的に女子力高い……」

打ち止め「レアチーズケーキなんて普通作れないってミサカはミサカは驚嘆してみる」

浜面「いや、簡単なんだぞ。
   正直誰でも作れるから」

絹旗「超作れませんよ。何いやみったらしいこと言ってるんですか」

黒夜「まぁまぁ、そんなに簡単だったら今からでも作ってみてよ。
   どうせ、このレアチーズケーキ、食べちゃったら第四位と能力追跡の分、なくなっちゃうじゃん」

浜面「別にいいけどよ。
   ただ、料理としては簡単なんだが材料費がなぁ」

絹旗「超高いんですか」

浜面「高い。
   600円以上はする」

絹旗「600円で高いって、浜面は超馬鹿ですか」

黒夜「でもこれで5~6人前ってことを考えれば1人前100~120円計算だからそれほどでもなくね?」

浜面「600円あればそれなりに豪勢な夕飯作れることを考えるとなぁ。
   まぁ、いいや。とにかく作ってみようか」

浜面「材料はこれだ。
   あと型枠として20センチぐらいのパイ皿がいるな。


   ①クリームチーズ     200g(市販で200g単位で売ってる)
   ②生クリーム       200g(市販で200g単位で売ってる)
   ③砂糖          70g
   ④粉ゼラチン       5g
   ⑤レモン         1個
                                   」

フレメア「あれ、これもレモン使うんだ」

浜面「さっぱりするからな。
   で、クリームチーズと生クリームだけで600円いっちまうのがきついわな」

絹旗「それはもういいです。
   さっさと作りなさい」

浜面「へいへい。
   まぁ、材料を全部ミキサーにぶち込んで攪拌してやるだけなんだけどな。
   粉ゼラチンは一回お湯で溶かしておいて、レモンは絞り汁にして入れてやる。
   で、スイッチオンっと」

黒夜「はや!
   これで型枠入れたら終わりかよ」

浜面「まぁな。
   型枠がわりにタルトにつっこんでやってもいいけど。
   ちなみにこのままでも食べられるし味は変わらない、けど食わせんぞ。
   ミキサー掃除の時に余ったやつをスプーンでかき出して食うのは作った人間だけの特権だ」

黒夜「せこっ!」

浜面「600円以上もするものを無駄にできるか!
   まぁ、少しの量だが味見してみるか?」

黒夜「じゃあもらおうかな、っておい!」

絹旗「黒夜がいらないみたいなんで私がもらってあげますよ」

黒夜「ザケンナ! って食いやがった!」

絹旗「へぇ……確かにレアチーズケーキです。
   ふわふわしててやっこいですけど濃厚な割には超さっぱりしていて超美味しいですね」

浜面「パンに塗って食っても美味いんだ。
   せっかくだし小さいの焼いておくか」

フレメア「バケットを薄切りにしてトースターでチン?」

打ち止め「ジャムもあるし、ちょうどいいってミサカはミサカは楽しみを隠しきれない!」

浜面「あとは、紅茶かなぁ。
   個人的にはあったかい烏龍茶でもあうと思うんだけど」

絹旗「紅茶だったら麦野が持っている奴がありましたね。
   いしんでんしんがどうとかいうのが」

浜面「一芯二葉な。
   そこそこ高級な茶葉の摘み方だよ。
   まぁ、お茶の論議はスルーするとして……とりあえずテーブル片付けておいてくれ」

フレメア「ジャムは私が持っていくんだ、にゃあ」

浜面「あいよ。じゃあチーズケーキを……」

打ち止め「ミサカが! ミサカが持っていく!」

浜面「任せた。
   あとは俺が持って行くから」

浜面「よーし、フレメア作のブルーベリージャム、ご相伴と相成りますか」

絹旗「では、いただきます……」

黒夜「まずはバケットに塗ってっと」

打ち止め「んんっ、このパンとても硬いってミサカはミサカは必死で食いちぎろうとしたり」

絹旗「確かに硬いです。ですが、合いますね」

黒夜「元々水分少なめのバケットに甘さが先に来るようなジャム。
   そこに濃い目の紅茶を流し込むと一気にバランスが取れる」

フレメア「我ながら初めてにしてはいい出来」

浜面「うん、焦げもないから香りもいいな。
   ジャムって砂糖多いから結構焦げやすいんだよ。
   丁寧にかき混ぜ続けないといけないけど、フレメアはちゃんとやってたんだな」

フレメア「えへへ」

打ち止め「今度はレアチーズケーキを食べてみるってミサカはミサカはスプーンを天にかざしてみたり」

絹旗「うん、さっきと超同じ味ですね」

黒夜「結構さっぱりしてるね。
   チーズと生クリームで濃厚なんだけどレモンが効いてる」

フレメア「パンに塗ってみても、これはこれで美味しい」

打ち止め「でもこっちは柔らかいパンの方が美味しいかもってミサカはミサカは疑問を投げかけてみる」

浜面「デザート系のサンドイッチにするときはそっちのほうがいいだろうな。
   まぁ、あくまでも裏技的なもんだから」

黒夜「では、メインというか、この場合の最高系で」

絹旗「レアチーズケーキにブルーベリージャムの組み合わせだと……」

フレメア「うんっ! これはこれで」

打ち止め「まだ温かいジャムと冷たいケーキとの温度差も面白いってミサカはミサカは大発見!」

浜面「元々組み合わせとしては有名だろ?
   温度差云々っていうのは出来立てじゃないと味わえねぇけどよ」

フレメア「今だけ限定?」

黒夜「なるほど、別の意味で『レア』だね」

絹旗「しかし、クリームチーズと生クリームを固めたものに砂糖の塊乗せて食べてるわけですから
   カロリー超おっかないですね」

浜面「デザート系ってそんなものだろ。
   カロリー気にする割には女の子って甘いもの好きだよな」

フレメア「大体、美味しいんだから仕方ない」

打ち止め「ミサカは成長期だから何の問題もないのだ!」

浜面「うまく食えればいいのよ」

絹旗「ですね。
   いやはや、御馳走様でした」

黒夜「うん、満足満足」

フレメア「お粗末さまなのだ!」

浜面「うん、ごちそうさま。あ、洗い物は俺がやっておくからいいぜ。
   あとはお前ら適当に遊んでろよ」

絹旗「適当にと言われても……映画でも見ますか?」

黒夜「なんでそうなる。っていうか絹旗ちゃんの映画はつまらないから嫌。
   しかもめっちゃ感想求めてくるし、コミュ障オタクの典型例で嫌」

フレメア「ゲームやりたい! シューティングゲーム!」

黒夜「はいはい。ゾンビをバシバシ撃ち殺すゲームね。
   って、死んでるものを殺すって表現でいいんだろうか」

打ち止め「えー、気持ち悪いのはちょっと遠慮したいってミサカはミサカは愛玩動物のような目で見つめてみる」

黒夜「うーん、じゃあどうしようか」

絹旗「パーティゲームはどうです? 人生○ームみたいなすごろく対戦とか」

黒夜「アレは殺伐するぞー。でも嫌いじゃないからそれにすっか」

浜面「まぁ、仲良く遊んでろよな。
   洗い物が終わったら俺も混ざるからさ」

絹旗「はい、超わかりました。
   私と黒夜と浜面で1万づつ握って、浜面は3ターン休み、と。
   超了承しました」

浜面「おいっ!
   勝手に差し馬握らせるな!」

黒夜「まぁまぁ。
   勝てばいいんだよ、勝てば」

打ち止め「あ、そういえば、浜面。あのひとから伝言があったんだってミサカはミサカは袖を引っ張って注意を引いてみる」

浜面「へ、何?」

打ち止め「えっとね、『チャバタの分は働いておいた』ってだけ伝えておけって」

浜面「(……例の『暗闇の五月計画』関連の話か。
    別に頼んじゃいねぇし、麦野が手を汚すのが嫌だから放っておいたんだが、お人好しだな)」

打ち止め「浜面?
     何ぼーっとしてるのってミサカはミサカは小首を傾げてみたり」

浜面「いや、なんでもないよ。
   ありがとうって伝えておいてくれ。『俺が』そう言っていたことを、な」

打ち止め「?
     わかった。その通りに伝えておくねってミサカはミサカは元気に返答してみたり!」

以上です

イヌイットが生肉食ったりモンゴル人がお茶を飲んだりするのもビタミン摂取のため
つまりは生野菜が取れなかった代用品だったわけで、ジャムもその流れに入ってるわけです
ロシアンティーなんて紅茶+ジャムでビタミンとってた訳ですね

レアチーズケーキはビスケットを砕いて下に敷いてもいいです
けど、なくてもそれなりに平気かなぁ
大体固まるのに2時間もあれば十分ですがやはり4時間は冷蔵庫で冷やしておきたいですね

異常気象が異常ではなくなっている昨今
夏が9月まで続きそうで続きそうで

今回は坦々麺です
汗が止まらなくなります

絹旗「ふわぁぁぁ、超おはようございます」

浜面「おはようじゃねぇよ。もう10時だよ」

絹旗「はふぅ、超やかましいです。私は『おはよう』を言いましたよ?」

浜面「あいよ、おはよ。
   つうか顔洗って歯を磨いて来い。すごい寝癖だぞ」

絹旗「超やかましいです、と繰り返します。
   っていうか何やってるんですか」

浜面「ん?
   プラ板切ってるんだけど」

絹旗「それは見ればわかりますが。
   なんでそんなことやってるんですか」

浜面「今度の現場でさ、結構鍵がかかったままの扉があってさ。
   全部ぶっ壊すかどうか決めるのにとりあえず鍵開けようって思ってさ」

絹旗「浜面の超得意分野ですね。
   で、それとプラ板と何の関係が?」

浜面「んー。口で説明するのもわかりづらいな。
   どっかシリンダー錠あるところないかな」

絹旗「私の部屋超鍵かかりますよ?
   かけてませんけど」

浜面「っていうか、俺の部屋だけ鍵がないのなんで?
   滝壺の部屋も麦野の部屋も、黒夜の部屋だって鍵かかるじゃないか」

絹旗「女の子には見られたくないものが超いっぱいあるんです。
   野獣の浜面がいつ入ってくるかわからない状態だと安心できないじゃないですか」

浜面「じゃあ俺にも男の子の見られたくないものあってもよくね?」

絹旗「そんなものはないんですよ。まだ気づきませんか」

浜面「本当、俺の立ち位置って一番下だよなぁ。
   まぁいいや。とにかく絹旗の部屋の鍵で説明しようか」

絹旗「えー?
   浜面を私の部屋に入れるんですか?
   超気持ち悪い」

浜面「てめぇ、だったら洗濯物も掃除も全部自分でやれや」

絹旗「そうですよ。浜面の仕事だからしょうがなく入れてあげているんです。
   変なところクンカクンカとかしたら超ぶち殺しですからね」

浜面「寝癖でアホ毛の絹旗に言われてもなぁ……
   まぁ、いいや。とりあえずロックかけてくれ」

絹旗「はい、かけました。
   この場合部屋に入る必要があるんでしょうか?」

浜面「説明できないだろうが。
   扉開いたままでロックをかけてある状態、でいいな?」

絹旗「超不本意ですが、まぁロックがかかっていると考えましょう」

浜面「そこで取り出したりますのがこのプラ板」

絹旗「てっててれー。
   あれ、なんか赤いマーカーひいてありますね」

浜面「うん。でだな。
   これを鍵穴に突っ込んで少し左右に動かしてやる」

絹旗「そんなんじゃロック解除されませんよ。
   アホですか浜面」

浜面「いやいやいや。最後まで見ておけ。
   で、プラ板を取り出すだろ?
   赤いところ見てみろ」

絹旗「あ、なんか傷がついていて少し白くなってますね」

浜面「これでシリンダーの形がわかるんだよ。
   で、あとは棒ヤスリでさくっと削ってやって」

絹旗「はやっ! 手がはやっ!
   あっという間に削れました!」

浜面「最後に補強用のシリコンスプレーをかけてやって。
   で、鍵が出来上がりっと」

絹旗「マジですか!
   超貸してください!
   うおっ! マジだ、ロックが外れる!」

浜面「あとはこれを元にきちんと金属で削り出した鍵を作ればいいんだ」

絹旗「すごい!
   実質的に2分もかかってませんよ!?
   うわ、超おっかねー! いつ浜面に寝込み襲われて純潔奪われるかわかったもんじゃねー!!!」

浜面「オイコラ。
   んなことしねぇわ」

絹旗「超信用できません。大体その顔は超変態の顔です」

浜面「はぁ!? どこをどう見ても紳士の浜面仕上様を捕まえて何言ってやがる!」

絹旗「じゃあ変態紳士ですね超そうですね!」

黒夜「……」

浜面「なんじゃそりゃ!?
   どうしても俺を変態にしたいのか!?」

黒夜「おはよー」

絹旗「いつ襲われるかわかったものじゃない超ケダモノですよ!?
   変態じゃないですか!!」

浜面「だからしないって言ってるんだろ!
   もっと出るとこ出るようになってからモノ言いやがれ!」

黒夜「おーい」

絹旗「私はまだ超成長期ですよ!?
   もう麦野や滝壺さんが羨ましがるぐらいのナイスバディになっちゃうんですよ!?」

黒夜「ぼんばーらーんす」

浜面「どわあああ!!!!
   な、なんだっ!
   く、黒夜ぅ!?
   い、いきなりなんなんだよ!!??」

黒夜「ちっ、潰しそこねたか」

絹旗「あ、いたんですか黒夜」

黒夜「ふたりしてシカトこいてるんじゃねぇよ。
   絹旗ちゃんの部屋から仲良く出てきたら痴話喧嘩かよ、何やってたんだよ」

絹旗「へっ?」

浜面「……なんか勘違いしてませんか黒にゃん」

黒夜「誰が黒にゃんだ。
   っていうか、どう考えても寝起きのままの絹旗ちゃんと一緒に絹旗ちゃんの部屋から出てくる浜ちゃんって。
   めっちゃ怪しいんだけど。能力追跡に詳細報告していい?」

浜面「いや、表面の事象だけ追っていくとなんか勘違いされそうだけど。
   ちょっと鍵開けの講習をしてただけだから」

絹旗「白いプラ板で私の部屋の鍵が開くってことを見学してたんですよ」

黒夜「はぁ、浜ちゃんの白いので絹旗ちゃんの鍵が開いたのね。
   うん、よくわかった」

絹旗「超わかってないじゃないですか!?
   浜面がひどい目に会うのはいいですが私を超巻き込まないでください!」

黒夜「朝っぱらから騒がないでよ。
   騒々しいにも程がある、近所迷惑ってものを考えて欲しいね」

浜面「だったら部屋の中で能力使うなよ……
   それにもう10時だぞ、ご近所さんはもう出かけとるわい」

黒夜「もうそんな時間かぁ。
   一応7時には起きてるんだよ?
   そのあと頭が働かなくてぼーっとしてただけで」

浜面「そういうのはヨダレを拭いてから言おうな」

絹旗「ぷっ、女の子捨ててますね黒夜」

黒夜「んー、はいはい、っていうか、やっぱり眠いわ……
   もう一眠りしてこようかな」

浜面「なんだ、本気で眠そうだな」

黒夜「私さー、サイボーグってのもあって冷え性でさぁ。
   クーラー苦手なんだよねぇ。
   だからクーラーつけないんだけど連日の猛暑でなかなか寝付けないんだよ……」

浜面「温度調整すればいいだろ?」

黒夜「ん。でも寝たときちょうどよくても途中で寒すぎて起きちゃったりとかさ……」

絹旗「うーん、黒夜の部屋のエアコンはその程度の調整はできるはずなんですけど」

黒夜「それが合わないんだよねぇ」

浜面「サイボーグも大変なんだな」

黒夜「どうもピリッとしないんだよなぁ」

浜面「一回体温あげたほうがいいんじゃないか?
   熱い風呂入るとか」

黒夜「それもいいけど……なんか冷え性治るような料理って浜ちゃん作れないの?」

浜面「俺は医者じゃないぞ。
   けど、まぁ心当たりがないわけでもない」

絹旗「あるんですか。どれだけご都合主義ですか」

浜面「一発で基礎体温があがるってわけじゃないけどさ、まぁ体温は上昇すると思うぞ」

黒夜「辛いやつ?
   あんまり得意じゃないけどこの際なんでもいいや」

浜面「まぁ、辛いことは辛い。けど美味いぞ?
   生姜をいっぱい入れた坦々麺を作ってやる」

絹旗「うわぁ、朝から重いものを……」

浜面「だぁかぁらぁ、もう昼時なんだよ。
   一回シャワー浴びて歯を磨いてすっきりしてこい」


絹旗「……鍵が信用できなくなったこのタイミングで私にシャワーを浴びろと?」

黒夜「大丈夫だって。腹が減っているライオンだって岩にかじりついたりしないから」

絹旗「それ、どう言う意味ですか」

黒夜「別にぃ。まぁ絹旗ちゃんが使わないんだったら私がシャワー使ってくるよ」

絹旗「ちょっと待ちなさい!
   誰も使わないとは言ってないでしょうが!」

浜面「一緒に使えよ、ガキンチョ同士」

絹旗「誰がガキンチョですか!」

黒夜「うんうん、適当に漫才やってるあいだに入ってくるわー」

絹旗「ふぅ、超さっぱりしました」

黒夜「少しは眠気取れたかな」

浜面「おう、出来てるぞ」

絹旗「超はやっ!
   なんだかんだで十分ぐらいしか時間なかったはずですが」

黒夜「浜ちゃん手が早いなぁ。
   これじゃ解説とかツッコミとかできないじゃないか」

浜面「なんじゃそりゃ」

黒夜「とにかく、材料と料理方法を詳しく」

浜面「じゃあざっと。
   材料はこれだ。
   基本的に麺とスープに関しては前に紹介した高菜そばと同じ。
   3人前で考えてくれ。


   ①生麺          3人前
   ②中華だし        味○大さじ3

   ③芝麻醤         大さじ5~6
   ④生姜          大1個
   ⑤豚ひき肉        100g
   ⑥万能ねぎ        1本
   ⑦豆板醤         大さじ3
   ⑧ラー油         適量
                                   」

黒夜「ちーまーじゃん?」

浜面「練りゴマだよ。純度100%。材料見る限りだとな」

絹旗「それが味噌あつかいなんですか、中華では」

浜面「麺とスープはだいたいわかるだろうから具だけ説明するぞ?
   最初にひき肉を二つに分けておく」

絹旗「なんですかそれ。超意味あるんですか」

浜面「飾りに使うんだよ。少量だけ炒めておいて、最後に上からふりかけるの。
   まぁ、やんなくてもいいんだけど。
   あとはみじん切りにしたネギ、細切りにした生姜、大部分のひき肉を炒めて芝麻醤と豆板醤入れて」

黒夜「ふぅん、結構簡単そうじゃん」

浜面「ここで思いっきり生姜を入れておくのが浜面式だな。
   火を通した生姜はすごく身体を温めるからさ」

絹旗「そうなんですか?
   刺身醤油とかで超殺菌効果があるんじゃないですか?」

浜面「生だと殺菌効果あるんだけど、火を通すと変わるんだ。
   で、出来た具材をだな、麺、スープの上に乗せて、ひき肉をパラっと。
   最後にラー油でどんぶり一周してやれば完成、っと」

絹旗「それがこれですか。
   ちょっと伸びちゃいましたね。それでも超美味しそうですが」

浜面「とりあえず喰ってみろよ。
   汗が止まんなくなること請け合いだ」

黒夜「ではいただきます……」

絹旗「思ったより辛くない?
   あ、でも後口は辛いです!」

黒夜「ゴマの風味がかなり強いね。豆板醤っていうよりも練りゴマの味だ」

絹旗「生姜も効いてますねぇ。
   これは確かに汗が出てきます。超シャワー浴びたばかりだっていうのに」

黒夜「でも身体の内側からほっかほかだ。
   なんか、どうやっても芯に残ってた冷たい部分がなくなってくる」

浜面「それは良かった」

絹旗「ゴマでエネルギーついて、唐辛子で汗かいて、生姜で体温が保持されて……
   体力仕事するにはうってつけかもしれませんね」

浜面「元々が肉体労働者向けに作った料理らしいから、絹旗の分析が正しいんだろうな」

絹旗「ふぅ、超美味しかったです。御馳走様でした」

黒夜「うん、私も御馳走様でした」

浜面「お粗末さま。
   絹旗も目が覚めたかな」

絹旗「目は覚めてますよ。
   超覚めてます、けど汗だくだくです。
   もう一度シャワー浴びないと」

黒夜「後口は結構辛いなー。
   浜ちゃん麦茶、氷いれてー」

浜面「あいよ。
   ほれ、絹旗も」

絹旗「ありがとうございます。
   ふぅ、麦茶が超美味しいです」

黒夜「でも飲んだはしから汗になってる感じだ」

浜面「それがいいんだろ」

黒夜「だねー。
   うん、今晩はぐっすり眠れそうだ」

絹旗「冷え性ってそう簡単に治るものじゃあないと思いますけど」

黒夜「一時的にでも治れば随分と楽だよ。
   そういやさ、さっき何を喧嘩してたんだよ。
   頭ぼーっとしてたからよく覚えてないんだ」

浜面「いやさ、絹旗の部屋で鍵を開けるのを実演したらさ。
   俺のこと変態だ寝込み襲ってくるに決まってるとか言い出してさ」

黒夜「ふぅん、いつもどおりの自意識過剰娘か」

絹旗「なんですか、その言い草。
   鍵かけていてもいつでも浜面侵入してこれるんですよ?
   超怖くないですか?」

黒夜「そんな度胸が浜ちゃんにあるんだったら今頃能力追跡お腹おっきくなってるよ。
   つぅかさー。絹旗ちゃんがそれを言う資格はあんまりないと思うんだよねぇ」

絹旗「超何が言いたい」

黒夜「前、浜ちゃんの部屋に忍び込んでたよね」

絹旗「ほあっ!?」

浜面「おい待て、なんだそりゃ」

黒夜「浜ちゃんのベッドでゴソゴソしてたでしょ」

絹旗「あ、あれは音楽プレイヤーが見当たらなくなったから浜面が持っていったんじゃないかと超取り返しに行っただけで」

浜面「おいおい。俺がなんで絹旗のプレイヤー盗まなきゃならんのだ。
   それぐらい持ってるわ」

絹旗「っていうか、あれ私のと同じ機種で色まで同じじゃないですか!
   だからてっきり持っていったとばかり」

浜面「絹旗のはラメ入りのシールでデコってるじゃん。
   見た目全然違うぜ?」

黒夜「だぁかぁらぁ、浜ちゃん、絹旗ちゃんの言っていることは言い訳なの」

浜面「ん?
   じゃあ絹旗何しに俺の部屋に忍び込んだって言うんだよ」

黒夜「それはだねぇ……」

絹旗「わー! わー!
   黒夜! シャワー浴びましょう、シャワー!
   もう背中流してあげますよ特別に!
   だからこの場はもう解散! 解散!!!」

黒夜「首筋掴むなよ、もう……わかった、行くから。じゃね、浜ちゃん」

浜面「……???
   絹旗、俺のエロ本でも探そうとしていたのか?」

以上です

調味料が揃っていればかなり安く出来上がってしまう料理だったりします
辛さを押さえれば子供も喜びますし

ようやく暑さも一段落着いたかな、と思いきやまだ30度を超えているわけで
感覚が麻痺してきているのを痛感します

麺類が続きますが冷製スパの紹介です

絹旗「ふわぁぁぁ。超おはようございます」

麦野「早くねぇよ。もう12時回ってんぞ?」

滝壺「夜ふかしばっかりするきぬはたは応援できないな」

絹旗「あれ? 浜面はどこにいるんです?」

滝壺「朝5時から仕事行ってるよ、くろよる連れて」

麦野「第10学区の研究所跡の解体なんだとさ。
   権利関係がややこしくて何年も手が出なかった物件らしいんだが、それをやるらしい」

絹旗「第10学区って……しかも研究施設ですか?
   超怪しくないですか?」

麦野「問題ないだろ。解体ってことは見放されてるってことだ」

滝壺「表面上でも暗部がなくなったからややこしいところを持っていても利益にならないっていうのもあるかもね」

麦野「金のなる木を証拠隠滅ってか。
   それもあるのかもしれないな」

絹旗「なんか……ふたりとも超気が抜けてません?
   学園都市の研究施設なんて大義名分すらも掲げずにやりたいことを勝手にやるところなんですよ?」

滝壺「きぬはた。
   問題があるんだったら情報屋が情報を高値で買えって言ってくるよ」

麦野「喧嘩売ってくる連中に心当たりがないわけでもないけどさ。
   だとしたら動きがトロすぎる。
   ありえないね」

絹旗「そんな反射的な情報だけで判断して大丈夫なんですか?」

滝壺「きぬはたははまづらが心配なんだね」

絹旗「なっ!
   そんなんじゃなくってですね!
   何かしらあった時にあのバカに超巻き込まれたくないだけで」

麦野「はいはい。そうですね」

絹旗「超なんですか、その態度は!」

滝壺「きぬはた、顔が赤いよ」

麦野「わっかりやすいよねー。
   羨ましいぐらい」

滝壺「なんだかんだいってきぬはたははまづらが好きなんだよね?」

絹旗「そ、そんなこと……」

麦野「あれ?
   なんか黒夜が言うところには言いかけたぐらいまではいったとか」

絹旗「あのバカ!
   なんていうことを!」

麦野「正直に言うか、御開帳したときの写真ネットに流すか、どっちがいいかにゃーん?」

滝壺「あ、あの時の、写真撮ってたんだ。あとで私にもデータ頂戴」

絹旗「ふたりとも超鬼ですか! 鬼ですね! やーい鬼オニ!
   うわーん!!!」

麦野「昔の絹旗だったらシレっと嘘つけたんだろうけどね」

滝壺「今の絹旗は嘘つけなくなってるよね。
   大丈夫、素直な絹旗を私は応援している」

絹旗「なんなんですか、超なんだっていうんですか、もう」

麦野「正直に言うと浜面いないから絹旗からかって遊んでるだけなんだけどね」

滝壺「むぎのって好きな子には意地悪したがるタイプだよね」

麦野「そういうアンタも止める素振りぐらいしろよな」

滝壺「だって困っている絹旗可愛いんだもの」

絹旗「麦野はともかく滝壺さんもドSですよね。超隠れてますけど」

麦野「私が矢面立ってるところを後ろでいいとこどりする腹黒いところはあるよねー」

滝壺「……南南西から信号が来ている……」

麦野「コラ、逃げるな」

絹旗「大体、もしも、ですよ?
   私が浜面を好きだとしたら滝壺さん超困りませんか?」

滝壺「え、なんで?」

絹旗「なんでって……超可愛い私が本気で浜面にモーションかけたら寝取るのも超難しくないですよ?」

滝壺「大丈夫。
   きぬはたが相手だったらいつでも取り返せるから」

麦野「おお、言い切りおったわコヤツめ」

絹旗「超喧嘩売られましたね私。
   っていうか、いっつも不思議だったんですけど、なんで滝壺さん麦野を浜面から遠ざけないんですか?
   麦野超露骨に浜面狙ってるじゃないですか」

麦野「そりゃ、惚れちゃったんだからしゃーねーだろ」

絹旗「うわ、言い切りやがった」

滝壺「うん……はまづらはね、むぎのを殺せなかったんだ。
   ロシアでむぎのが体晶使って暴走したあと、本当に何もできない無防備なときに。
   むぎのを殺せる絶対のチャンスで、理性で考えればそれしかないはずなのに。
   はまづらは震えている小さな女の子を抱きしめちゃったんだよね。
   それ、見ちゃったから。
   だから、むぎのだけは特別なんだ」

麦野「……」

滝壺「正直ショックだったよ?
   はまづらの腕の中にいるのが私じゃなかったんだもの。
   でもすごく納得してた。
   ああ、はまづらしあげってこういう人なんだなって。
   こういう人を好きになっちゃったんだから、しょうがないかなって」

絹旗「超そんなことが。
   でも麦野だけが特別扱いってどーなんでしょう?」

麦野「あん? いっちょまえに不満かよ」

絹旗「というか。
   私が超はぶられてるような気がするのが嫌なんです。
   別に浜面がどうこうっていうんじゃあないんですよ?」

滝壺「きぬはたはもう少し大人になってからね」

麦野「なんだよそりゃ。余裕ってやつか?」

滝壺「チャンスぐらいはあってもいいんじゃないかな?
   そうなった時に全力で潰しにかかるかもしれないけど」

絹旗「私には滝壺さんの言っていることが超わかりません……」

滝壺「納得している部分もあるけど、嫉妬しているのも私だから。
   はまづらと付き合ってからわかったけど、私って結構嫉妬強いみたい」

麦野「滝壺は無感情っぽいところあったんだから、むしろいい傾向なんじゃないの?」

絹旗「いやいやいや。麦野に対しても嫉妬してくださいよ。それが超普通じゃないですか」

滝壺「嫉妬はあるよ?
   目の前でされちゃったら刺しちゃうかもしれない。
   でも知らないところでされても刺しちゃうかも」

絹旗「浜面が、ですよね?」

滝壺「うん」

絹旗「(滝壺さんってやっぱりメンヘラ系のヤンデレ系なんですね)」

麦野「絹旗、考えてることはわかるけどメンヘラなのは浜面以外全員だから」

絹旗「え、声に出してました私?」

滝壺「絹旗は考え事をするとき下唇が動くから読唇術である程度は読めちゃうんだよ。
   知らなかった?」

絹旗「超マジ!?
   うわ、超すいませんでした滝壺さん!」

麦野「滝壺、嘘言わないの。読唇術だけでそんなにはっきり読めるか。
   絹旗も表情に出すぎだっつぅの」

滝壺「麦野がはったり上手すぎるから便乗しちゃった」

絹旗「うぅ……超からかわれてます」

麦野「(あっさり流れ変えたね滝壺)」

滝壺「(自分でもうまく説明できないことを言葉にしたくはないから。
    でもきぬはたも暗部だったわりには騙されやすいかな)」

麦野「(まだ修正効く年齢ってことなんだろ。いい傾向だよ)」

絹旗「うぅ……ふおっ!」

麦野「お、いい感じでお腹がなった音がしたぞ」

滝壺「まるで漫画に描いたような鳴りっぷりだね。
   いいねきぬはた成長期だね。そんなきぬはたを応援している」

絹旗「超うるさいですふたりとも!
   いいじゃないですか、もうお昼なんですから!」

麦野「アンタにとっては朝じゃないのか?」

絹旗「朝だとしても朝食ぐらい食べますよ!」

滝壺「でも私もお腹すいたな。
   ファミレスでも行こうか」

絹旗「超嫌です。
   このメンバーだと私がドリンクバー係じゃないですか」

麦野「いいじゃん、それで」

絹旗「浜面の仕事を私が奪うわけにはいきません。
   決して麦野に顎で使われるのが嫌だというわけではないんです。嫌なんですけど」

麦野「いいじゃん。ファミレス寄って鮭弁食いに行こうぜ?」

絹旗「……以前から思ってましたが、ファミレスに飲食物の持ち込みは超お断りですよ?」

麦野「え、ダメだって言われたこと一度もないけど」

絹旗「あれだけ堂々としていたら指摘しづらくもなりますし、麦野超おっかないですし。
   自分からヤクザに絡む一般人はいませんって」

麦野「はっはっは。私をヤクザ呼ばわりとはいい度胸だ。
   自分がどんな弱みを握られているか忘れちゃったかにゃーん?」

滝壺「ダメだよむぎの。写真流しちゃったらきぬはた脅すネタにならないじゃない」

絹旗「ここは私に味方するところじゃないんですか滝壺さん!」

滝壺「冗談だよ、冗談。
   でもさ、むぎのも料理練習してるんだからファミレスじゃなくてもいいのかな」

麦野「え、そこで私に振るか?」

絹旗「麦野の料理って美味しいことは美味しいんですが、出来上がりまで異常に時間がかかりますよ?」

滝壺「本見ながら作ってるからね。
   むぎのならば全部暗記してもおかしくないんだけど」

麦野「なんていうかねー。料理を考えてから材料を揃えているウチはまだまだなんだよ。
   材料を見て料理が思いつくレベルには私はまだ達してないんだよね。
   暗記とかそういうんじゃなくってさ」

絹旗「レシピ本の通りに材料を揃えると買ったほうが安い晩のおかずになっちゃったりするってことですよね」

麦野「うん。単純に経験の差だとは思うけどね。
   と言うわけで冷蔵庫の中身を確認してなんか考えてみるかな」

麦野「……なんとかなるかな」

絹旗「食べるだけならどうにでもなりそうですね。
   ご飯炊いて、お肉焼いて、味噌もあるから具のない味噌汁作って」

麦野「それじゃあつまんないじゃん。
   きちんと料理らしい料理を作ってやろうじゃないの。本を見ないで」

滝壺「大丈夫、そんなむぎのを私は応援しているよ?」

麦野「材料はこれね。


   ①スパゲッティ      1人前100g×3
   ②大葉          10枚
   ③玉ねぎ         中1個
   ④アボガド        1個
   ⑤ミニトマト       9個
   ⑥スモークサーモン    12枚

   ⑦醤油          大さじ3
   ⑧にんにく        3かけ
   ⑨ケッパー        大さじ2
   ⑩水           適量
   ⑪オリーブオイル     大さじ3
   ⑫塩胡椒         適量
                                   」

絹旗「スパゲッティですか?」

麦野「うん。冷製パスタにしようと思うのよ。
   本当ならもっと細いカッペリーニとか使うんだけど、ないから普通のスパゲティね。
   じゃあさ、絹旗、茹でておいてくれる?
   普通の茹で時間より長めでね」

絹旗「超了解しました。
   と言っても火にかけた鍋をコンロの前で見つめているだけなんですけど」

麦野「じゃあ、スパゲティを茹でているあいだに。
   大葉をみじん切り、玉ねぎを1センチ角に切って水にさらしておいて。
   アボガドも切っておいてミニトマトは縦にスライスして」

滝壺「にんにくはすりおろしのチューブでも構わないの?」

麦野「全然構わないわよ。最初からそのつもりだから。
   で、ボールに醤油、にんにく、ケッパー、水、オリーブオイルを入れて攪拌してっと」

滝壺「なんかサラダオイル作ってるみたいだね」

麦野「実際そうなんじゃないの?
   野菜にかけてもいけそうな気はする。
   で、少しだけ味が濃いかなって程度に濃度を調整してから具を入れて適当に合わせておく」

絹旗「麦野。スパゲティが茹で上がりました」

麦野「ありがと。
   茹で上がったスパゲティはざるを使ってお湯を切ってからボールに入れて流水や氷水で冷たくしてっと」

絹旗「なんかそうめんみたいですね」

麦野「カッペリーニ使うと本当にそうめんみたいになるわよ?
   ほどよく冷えたらよく水を切ってから皿に盛り付けて、
   その上から具とソースをかけて、最後にスモークサーモンを飾り付けて出来上がり」

滝壺「へぇ、美味しそう」

麦野「コツとしては1枚だけ取っておいた大葉を最後の最後にパラパラっとふりかけるところかな。
   じゃあ、食べてみてちょうだいな」

絹旗「いただきます。
   どれどれ……」

滝壺「へぇ!
   ちゃんとスパゲティしてるね」

絹旗「和風ですねぇ。
   ケッパーがちょっとイタリアンな感じなんですが全体的な味付けはにんにく醤油なんで超和風です」

滝壺「大葉がいい風味してるよ」

麦野「好みの話になるけど、わさびを入れてもいいのかもね」

絹旗「あ、それ良さそうですね。
   早速入れてみましょう……ってぐはっ!」

麦野「おいおい、わさびの塊飲み込みやがったな。
   飯食ってる時に七孔噴血とかするんじゃねぇぞ」

滝壺「はい、きぬはた烏龍茶」

絹旗「超ありがとうございます……ちょっと今のはアレでしたが、わさびも合いますね」

麦野「味の組立が醤油だからね。合わないわけがないよね」

滝壺「うん、サーモンともよく合ってるよね」

麦野「私が作る料理に鮭が入らないわけないしねー」

絹旗「ですが、火を通してない鮭ですから口の中で解けにくいですよね」

滝壺「サーモンフレークでもいいのかもしれないね」

麦野「なるほど。それは改良点かもしれないね」

滝壺「スモークサーモンでも悪くはないんだけどね」

絹旗「うん、ごちそうさまでした。
   超美味しかったです」

滝壺「ごちそうさま。
   私、お腹いっぱい」

麦野「あいよ、お粗末さま。
   問題があるとすれば生にんにく使ってるから口臭を気にする人は食べられないってところかな。
   どっちかというと昼より夜向けなのかもね」

絹旗「それは超きちんと歯磨きすれば済むだけの話じゃないですか?」

滝壺「外で仕事しているときちんと歯磨きできる環境じゃないことも多いからね。
   だからお店では出せないメニューだよね」

麦野「イタリアンは元々にんにく多いけどね。
   生と火を通したのとだとやっぱり違うよね」

絹旗「そういえば冷たいパスタににんにく使うのってそんなにメジャーじゃないですよね」

滝壺「あるのかもしれないけど、私は知らないな」

麦野「にんにくって臭いが身体中に染み込むからさ、タイミングには気を使うよね」

滝壺「汗も血もにんにく臭くなるんだよね」

麦野「下品な話だけどシモの方もね」

絹旗「そう言われると超おっかない食べ物ですね」

滝壺「だからね、きぬはた」

絹旗「はい、なんでしょう」

滝壺「もしはまづらにちょっかいだそうって時はにんにくいっぱい食べさせてあげるね?」

絹旗「はいっ!?」

滝壺「体力漲って興奮して、そしてすごく体臭の濃いきぬはたが相手にされるか、ちょっと楽しみかもしれないね」

絹旗「ちょ、ちょっと待ってください!
   嫌ですよにんにく臭い初体験なんて!」

麦野「え、初めてはこのあいだ済ませただろ?
   ほら、このすりこぎで」

絹旗「超してません!
   私の初めては心の底から尊敬できる大好きな人にあげるって超決めてるんです!」

以上です

このスパゲティを作るときはよく水を切ってください
それでも100%は無理ですので少し濃い目に味付けしてください

あと作ったら早めに食べきってしまうこと
変色する可能性があります


サーモンよりもかつおのカルパッチョあたりが合うのかもしれませんけど、まぁそれはお好みで

個人的なことですが今週は色々と時間が押しています
月曜辺りに投下できるかな、と考えていたらもう木曜になってました
もう少し余裕が欲しいものです

今回は揚げ物について語るのとオイル煮の話です

黄泉川「これはお礼じゃん! 遠慮せずじゃんじゃん食べるじゃん」

浜面「いや、ありがたいんだが……」

黄泉川「いいじゃん、若いんだからそういうことを気にしちゃダメじゃん」

黒夜「うっせぇな、ひとりだけテンション上げてるんじゃねーよ」

黄泉川「……」

浜面「おい、黒夜。その態度はどうなんだ」

黒夜「つぅかさぁ。アンタにお礼とかされる筋合いないはずなんだけど」

黄泉川「でも、二人のおかげで赤ちゃんが無事に助かったんじゃん」

黒夜「『でも』に『でも』で返すけど。
   『でも』アンタは仕事でそこにいただけで、本来浜ちゃんに感謝すべきなのはあの赤ん坊の親だろうが」

浜面「おい、もういいって」

黒夜「車の中に赤ん坊放置して、パチンコ打って!
   それで車の鍵開けたら泥棒扱いか!?
   ざっけんじゃねぇ!
   肉食わせるんだったらあいつらの肉食わせろって言うんだ!」

浜面「黒夜!」

黒夜「親が子供をモノ扱いすんな!
   自分を都合よく着飾るためのアクセサリーか!?
   都合のいい時だけ取り出して! あとは車の中にしまいっぱなしかよ!」

浜面「おい! いい加減に……」

黒夜「アンタも警備員なら自分の子供を道具にしている連中をさっさと豚箱に叩き込め!
   注意で済ませてるンじゃねェ!
   子供は親を選べェねえのに、子供を捨てたりするような奴らを生かしておく価値なんて……」

浜面「落ち着けっ!」

黒夜「っ!」

浜面「もう、お前を捨てるやつはいない!
   大丈夫だから!」

黒夜「……おい、キモい顔近づけるな。いつまでも人の顔を両手で挟んでるんじゃねぇ」

浜面「黒夜……」

黒夜「大丈夫だよ、落ち着いた。
   店の中で騒いじゃあいけないな。
   ……ちょっとトイレ行ってくる。長いから勝手にはじめててよ」

黄泉川「……すまないな。複雑な事情がありそうじゃん」

浜面「あぁ。それなりにな。
   けどアイツに同情なんかするんじゃねぇよ、いくらアンタが女だとしても本気で殴るぞ」

黄泉川「怖い目をするようになったじゃん。
    わかった。もう何も言わないでおくじゃんよ」

浜面「感謝する」

黄泉川「感謝してるのはこっちのほうじゃん。
    本当、浜面の盗みのスキルがこういうところで役に立つなんて」

浜面「オイコラ」

黄泉川「いやいや、実際に感心してるんじゃんよ。
    関心でもある。
    お前のスキル、警備員に真面目に学びさせる必要があるかもしれないじゃん」

浜面「ああいう奴らが多いってことか?」

黄泉川「残念ながら、まったくいないってことにはならないんじゃん。
    幸いというか、車っていうのは学園都市外に出ることもあるから
    最新技術を導入されている一般車は少ないから壊すこともできるんだけども」

浜面「ガラスブチ破るよりスマートではある、か」

黄泉川「そういうことじゃん」

浜面「でもよぉ、電子錠ぐらい外せるだろ? 道具使えば」

黄泉川「道具をいつでも持ち歩いているとは限らないのが現実なんだよ。
    いざってときに選択肢が多い方が人生何かと役に立つじゃんよ」

浜面「そういうときこそハンマーでガラス割れよな」

黄泉川「そうもいかないんじゃん。
    緊急避難って案外成立要件が難しいんじゃん」

浜面「自分から牙折ってどうするんだよ、警備員だろ」

黄泉川「権力に裏付けされた暴力なんて常に自覚してないとあっという間に堕落するじゃん。
    個人が堕落する分にはまだ被害が少ないけれども組織が堕落するともうとんでもないことになるもんだよ」

浜面「(個人がおかしくなってもとんでもないことになるけどな)」

黄泉川「でも……実際問題、この街そのものの枠組みが相当おかしいというのは私も自覚してるじゃんよ……」

浜面「……」

黄泉川「そうだとしても、私は教師だから生徒には安心して規則正しい生活を送って欲しいし、
    それができるように精一杯努力するだけじゃん」

浜面「お題目としては立派だな」

黄泉川「浜面随分と辛口じゃん。
    さっきの子を泣かせそうにしたのは悪かったから機嫌直すじゃんよ~
    せっかく肉おごるんだからそれなりに幸福な顔して欲しいんじゃん」

浜面「っていってもカツ丼だけどな」

黄泉川「んだとぉ!
    カツ丼というのは世界に誇る日本の料理なんだぞ!」

浜面「真昼間から結構入ってるところを見れば味が良さそうなのは見当はつくけどさ」

黄泉川「本気でおすすめできるんじゃん。
    教職の薄給だとちょっと財布にダメージ来るけれども」

浜面「おごりになると人数分乗算だからなぁ。
   つぅか、経費でおちんのか」

黄泉川「流石にそれは無理じゃん。
    今回は立件しなかったし、
    立件しても浜面との関係から言うと厳しくなっちゃうじゃん」

浜面「俺との関係?」

黄泉川「浜面を私が何回か捕まえただろ?
    ということは、浜面とつるんで経費で落としてちょろまかしてるんじゃないか、って
    疑ってくる奴もいるんじゃん」

浜面「そんなせこいことする奴いるのかよ」

黄泉川「まぁ……いたことは、いたじゃん」

黒夜「はいよ、お待たせ……落ち着いたよ。
   って、まだカツ丼きてないのかよ。だべってただけかよ」

黄泉川「はっはっは。若い男と話をしてるとつい時間を忘れちゃうんじゃん」

黒夜「なんだよ、発情ババァかよ」

黄泉川「……さっきは悪かったから『ババァ』は取り消すじゃん」

浜面「『発情』はいいのかよ」

黄泉川「この年頃になると気にかかる言葉っていうのは色々と増えてくるんじゃん……
    きっと、わかるようになる日が来て、実感すると思うじゃん、くっくっく」

黒夜「まさに老婆心ってやつだな」

浜面「ぶほっ!
   やべぇ、黒夜切り返しうめぇ!」

黄泉川「ババァだけは止めてほしいんじゃん、切実なお願いじゃん」

黒夜「カウンターでヘッドロックしない。
   あと浜ちゃんもどうにかしろ。
   乳にうもれているようにしか見えないぞ」

浜面「ご、ぐほっ!
   い、息ができ……」

黒夜「本当にうもれてやがる……」

黄泉川「浜面の命が欲しかったらさっさとあやまるじゃんよ~」

浜面「てめぇ……それでも警備員か……」

黒夜「っていうか、鼻の下伸びてるし。
   あ、ちょっと待って。よし、撮影完了送信完了っと」

浜面「な、なにする……」

黄泉川「あれ?
    ちょっとまずったか?」

黒夜「帰るのが楽しみだねぇ」

浜面「ちょっと待て!
   これはセクハラだろ!
   俺はむりやりセクハラされただけで!」

黒夜「うん、頑張って『滝壺さん』に説明してね」

浜面「……くそう」

黄泉川「(……黒夜って子、すごく複雑そうに笑ってるじゃんよ。
     あー、浜面も結構罪作りじゃん)」

黄泉川「はっはっは、ちょっと悪かったじゃん。
    でもババアって言ったのが悪いんじゃん」

浜面「俺は言ってねぇ!」

黄泉川「女の子の支払いは男が持つものだろ?
    その子の支払いを浜面から取り立てただけじゃん」

浜面「女尊男卑反対!」

黒夜「浜ちゃんってさ……ジャージフェチなの?」

浜面「はい?」

黒夜「『滝壺さん』もこの警備員もジャージじゃん」

黄泉川「そうなんだ、浜面も変わったフェチズムの持ち主だなぁ」

浜面「滝壺のジャージはともかく黄泉川のジャージに興味はないわ。
   半蔵じゃあるまいし」

黄泉川「ひどいじゃん。人の身体弄んでおいて、あんまりじゃん」

浜面「逆だ逆!
   弄ばれたのは俺の方だ。
   つぅか、俺の好みは日常生活においてちょっと布地が少ない系を着ているシチュエーションであって……」

黒夜「あ、それ以上はいいよキモいから。
   っていうかやっとカツ丼が来た」

黄泉川「結構時間かかったじゃん
    混雑しているから仕方ないけど。とにかくさっさとガツガツ食うじゃん食うじゃん」

浜面「どれどれ……いただきます……」

黒夜「ふぅん、結構衣サクサクじゃん」

浜面「おお、なかなかいけてるな。肉がギュッと旨み圧縮されていていい感じだ」

黄泉川「だろ?
    ここのカツ丼は結構うまいんじゃん」

黒夜「浜ちゃんの作るのもまずくはないんだけど、味的にはこっちが上かな」

浜面「それは仕方ないかもなー。
   フライヤーで温度管理しているのならばともかく家庭で次から次へと揚げていくとどうしても温度がなー」

黄泉川「どういうことじゃんよ?」

浜面「揚げ物って具を投入すれば当然油の温度が下がるだろ?
   そうすると揚がるのに時間がかかるようになる。
   ゆっくり一品一品揚げていけば別なんだけど、基本的に一気に大量に揚げるわけだから味は落ちるよな。
   しかも油汚れて黒くなれば健康にも悪いし」

黒夜「そういえばさ、高い天麩羅屋だと一品づつ揚げているよね」

浜面「温度のこともあるんだろうけど、揚げ上がりの音も聞いているんだってさ。
   複数同時に揚げると音が混じってわからなくなるんだと」

黄泉川「なるほど、職人芸じゃん」

浜面「やっぱり本当は揚げ物って一品づつ揚げていくもんなんだろうけどさ。
   もしくはフライヤーで管理、かなぁ。
   美味いけど、家庭料理ではどうしてもプロには勝てないジャンルだよ」

黄泉川「でもそういうところこそ科学の力で対抗すべきなんだよな。
    でないもんかな、揚げ物の美味しい炊飯器」

浜面「なぜそこで炊飯器?
   炊飯器で揚げ物をする馬鹿がどこにいるって言うんだよ」

黄泉川「あっれぇ?
    もしかして私だけじゃん?」

浜面「マジかよ」

黒夜「浜ちゃん、炊飯器だと揚げ物ってできないもんかい?」

浜面「普通は無理だろ?
   臭いがついて離れねぇよ。
   オイル煮とかならなんとかなるかもしれないけど、アレは揚げ物の範疇に入るかどうか」

黄泉川「オイル煮って、オイルフォンデュのことか?」

浜面「フォンデュとはちょっと違うけれど、味的には似たようなもんかな」

黄泉川「蓋が外れるタイプの炊飯器ならできそうじゃんよ」

黒夜「……そこまでして炊飯器にこだわる必要なくね?
   っていうか、カツ丼食っている時にほかの飯の話題を熱く語ってどうする」

浜面「だな」

黄泉川「けど、あとで試してみるじゃんよ。
    レシピはネットで拾うか」

浜面「流石に店内で実演はできねぇが、レシピだけなら教えてやれるぞ?」

浜面「材料はこれだ。
   具材はなんでもいい。
   エビとかイカとかナスがオススメかな。
   基本的に次の材料のオイルで煮るだけだから。


   ①オリーブオイル     100cc
   ②にんにく        2かけら
   ③鷹の爪         2本

   ④お好みの食材      好きなだけ

                                   」

浜面「料理法としてはにんにくと種を取った鷹の爪を低温のオリーブオイルで炒めて香りを出す。
   あとはオリーブオイルを継ぎ足して、熱くなったところに食材をいれればいいだけだ。
   念の為に言っておくが炊飯器でやるとにんにく臭くて使えなくなるぞ」

黒夜「なんか、横で聞いているだけだと結構な手抜き料理だけど。
   っていうか、浜ちゃんの発言が経験談っぽい」

浜面「少なくともカツ丼の方が手間隙かかってるだろうさ。
   けど、実際どっちがおしゃれかなーって話になるとどうだろう?
   あと、経験したかどうかは想像に任せておく」

黄泉川「……なんでそこでこっちをみるじゃん?
    私がおしゃれじゃないって言っているのか?
    それとも炊飯器をダメにするのを期待しているのか?」

浜面「ジャージと警備員の制服しか見たことないな、と」

黄泉川「……私だって本当は着飾って遊びに行きたいじゃん。
    けれど、そういうのに誘われることがまったくないんじゃん。
    自分で選んだことだけど通常の授業やって警備員もやってると本当に時間がないんじゃん」

黒夜「それだけデカいもの持ってるのに?
   男がいくらでも声かけてきそうだけれど」

黄泉川「意外と武器にはならんもんじゃん。
    維持費がかかるだけで邪魔だったりするもんじゃん」

黒夜「……やっぱりアンタとは話が合いそうにないな。
   人の気に障ることばっかり言いやがって」

黄泉川「大丈夫じゃん、まだ中学生ぐらいじゃん?
    これからどんどんおっきくなるじゃんよ、経験談で言うと」

黒夜「そんな化物サイズになれるわけ無いだろうが!」

浜面「(……麦野より一回りはデカイこのサイズになったら黒夜前のめりにこけるだろうなぁ)」

このあいだテレビで鉄腕ダッシュを見ていたらオイル煮やっていて「スペインで食ったなぁ。懐かしいなぁ」と

で、作ってみたんですよ
美味かったです
エビを殻ごととか、ムール貝とか、どんどん突っ込んでいくとわけのわからないスペイン風のモノになりました

ジョジョASB買ったんですよ
いやっほう!


あとは推して知るべし

ジョジョといえばあれやらないわけには行かない
トニオさんのところのスパゲッティです
自分風にアレンジしてますけど

黒夜「あー、しっぱいしたー」

絹旗「いいじゃないですか、どうせ超失敗しかない人生なんですから」

黒夜「慰めてねーじゃんよー」

絹旗「超慰めてないですし」

黒夜「なんでかなー。なんであんなこと言っちまうかな切れちまうかなぁ。
   関係ないじゃないか、他人の赤ん坊なんて」

絹旗「超本気で言ってます?」

黒夜「……そう言われると反論できないのが正直なところなんだよなー。
   なんでかなー。私ってこんなに感傷的なキャラだったかなー」

絹旗「超毒が抜けたんでしょう。その分キャラも薄くなりましたが」

黒夜「そうかもしんない。背景Aに成り下がっちまったのかな」

絹旗「と言うよりもアレです。
   黒夜にまだ親に捨てられたトラウマなんてものが残っているとは超思いませんでした」

黒夜「やかましいわ。
   すっかり忘れたと思ってたんだけどさぁ。
   根っこが残ってたんだなぁ。
   でもそこを浜ちゃんに見られたのは大失敗だった。
   気を使ってくるのがめっちゃ予想できる」

絹旗「浜面は顔に似合わず気遣い出来るキャラですからね。
   下っ端キャラとして上の人間の顔色伺う毎日だから超しょうがないんですが」

黒夜「絹旗ちゃんは平気なのかい?」

絹旗「超問題ないです、と言いたいところですが。
   正直今でも夢に見たりはします。
   散々ぶっ殺してきておいてそんな可愛いキャラやってるのもおかしいとは思いますけど」

黒夜「いつも自分は可愛いって言ってるくせに」

絹旗「外見は学園都市で一番可愛いとは思ってますけど」

黒夜「自意識過剰すぎるわ」

絹旗「なにせ『最も可愛い』ですから」

黒夜「『最愛』ね……
   でも、誰かに愛してもらってるの?」

絹旗「……嫌なことをいいますね黒夜。
   そんなのに無縁の人生だっていうことはよく知ってるじゃないですか」

黒夜「悪い。今のは酷かった」

絹旗「そこですんなり謝りますか。
   超キャラが違うんですけど」

黒夜「だから落ち込んでるんだってば。
   あー、もう最悪だぁ……」

絹旗「こういう時こそ映画を見ましょう。
   今回は特別に黒夜の趣味に合わせてあげますから」

黒夜「えー?
   絹旗ちゃんと映画は嫌なんだけど」

絹旗「超何ですかその態度は」

黒夜「いや、確かに趣味には知らない時の絹旗ちゃんのおすすめは結構面白いんだよ?
   でもそのあとがさぁ。
   解説とか感想とかがくっそ長いんだもん」

絹旗「はぁぁ?
   せっかく時間使ってお金払って鑑賞したんだったら最後の最後まで味わうのが超当たり前じゃないですか」

黒夜「つまらなかったらすぐ観るのやめるくせに」

絹旗「つまらないものに時間使ってどうするんですか」

黒夜「絹旗ちゃんってさ、基本的にドライなくせに一度惚れるととことん惚れ込むよね」

絹旗「監督とか脚本で追っかけとかしますね。
   超続編でスタッフ総入れ替えとかでババひいたりするのも愉しんですが」

黒夜「いや、そうじゃなくってさ」

絹旗「なんですか」

黒夜「そういうフリしてトラウマ回避してるわけ?」

絹旗「……人の精神構造を解釈しようっていうのは超感心しませんね」

黒夜「映画が好きなのも自分を映画の登場人物に捉えて『感情移入ができる他人』として捉えてるから?」

絹旗「黒夜!」

黒夜「悪かった。
   本当に今の私はダメダメなんだ」

絹旗「自分がダメージ食らってるからといって人にあたらないでください」

黒夜「悪いってば。
   あー、本当にインウツだよ」

絹旗「ダメダメスイッチが超入っちゃったんですね」

黒夜「絹旗ちゃんってさ、基本的にドライなくせに一度惚れるととことん惚れ込むよね」

絹旗「監督とか脚本で追っかけとかしますね。
   超続編でスタッフ総入れ替えとかでババひいたりするのも愉しんですが」

黒夜「いや、そうじゃなくってさ」

絹旗「なんですか」

黒夜「そういうフリしてトラウマ回避してるわけ?」

絹旗「……人の精神構造を解釈しようっていうのは超感心しませんね」

黒夜「映画が好きなのも自分を映画の登場人物に捉えて『感情移入ができる他人』として捉えてるから?」

絹旗「黒夜!」

黒夜「悪かった。
   本当に今の私はダメダメなんだ」

絹旗「自分がダメージ食らってるからといって人にあたらないでください」

黒夜「悪いってば。
   あー、本当にインウツだよ」

絹旗「ダメダメスイッチが超入っちゃったんですね」

黒夜「前はどうやってこの状態から復活してたんだろう。本気で分からないよ」

絹旗「時間がすべてを解決させる、という言葉が超ありますが。
   三日もすればケロッと忘れられるんじゃあないでしょうか」

黒夜「そうかなぁ。じゃあ三日ぐらい寝て過ごすかな。それぐらいの間なら食べなくても平気だし」

絹旗「待てや。
   麦野も滝壺さんも浜面も出かけているというこの状況において飯食わないつもりですか」

黒夜「んー。いいじゃん。絹旗ちゃんだけ適当に外で食ってきなよ」

絹旗「それじゃ私が超ポッチじゃないですか!」

黒夜「いいじゃん、ポッチだし。友達いないんだし」

絹旗「超余計なお世話です!」

黒夜「私外に出たくないんだけど」

絹旗「じゃあ黒夜がご飯作ってください」

黒夜「はぁ? なんで私が。
   絹旗ちゃんご飯ぐらい炊けるでしょ。
   あとはインスタントの味噌汁とかレトルトのカレーか何かで」

絹旗「今更インスタントでひとり飯なんて超できませんよ」

黒夜「じゃあ出前取れば?」

絹旗「どっかの誰かにここの住所教えろって言うんですか!?
   どこまで危機意識ないんですか!」

黒夜「面倒だなぁ。
   わかった、作ってやるよもう」

黒夜「うーんと、ブッタネスカでいいか」

絹旗「ブッタネスカ?」

黒夜「娼婦風スパゲッティってやつ」

絹旗「ああ、某ジョジョで超有名な」

黒夜「全然『某』じゃねぇじゃねぇか。
   あれとはちょっと違うというか、もっと手を抜いたバージョン?」

絹旗「確か虫歯が超治るやつでしたよね」

黒夜「そりゃ作品内の話だ。
   実際そういうパスタがあれば私も歯医者なんか行かなくても済んだのに」

絹旗「というか。
   なんで歯をサイボーグ化しておかなかったんですか?」

黒夜「逆に言い返すけど、歯をサイボーグ化して何のメリットがあるんだよ」

絹旗「歯医者に行かなくて済むとか」

黒夜「それぐらいしかないだろうが。
   まぁいいや。さくっと作っちゃおうか!」

黒夜「材料はこんなのかな。
   

   ①スパゲッティ      1人前100g
   ②にんにく        1かけら
   ③鷹の爪         1本
   ④アンチョビ       2きれ
   ⑤トマトジュース     100%のものを100ccぐらい
   ⑥黒オリーブ       3~4個
   ⑦ケッパー        適量
   ⑧パルメザンチーズ    適量
   ⑨塩胡椒         適量
   ⑩オリーブオイル     少量
                                   」

絹旗「あれ、トマトジュース?」

黒夜「うん。
   ミニトマトとか使うのが本当なんだろうけどアレって結構面倒くさいじゃん。
   お湯につけて皮むいたりするのがさ」

絹旗「むかなきゃいいじゃないですか」

黒夜「トマトジュースの方が楽なんだよ。
   単価も安いしね」

絹旗「……浜面の言っていること超丸パクリじゃないんですか」

黒夜「まぁ、丸パクリだよ。
   浜ちゃんもケチくせーんだよな。
   いいじゃん、ミニトマトなんて300円ぐらいだろ?」

絹旗「トマトジュース100ccならなるほど、ミニトマトよりは安いですね」

黒夜「あとは自分で濃度を調整できるっていうのはあるね。
   煮詰めればそれだけ濃くなるから」

絹旗「なるほど」

黒夜「まずはスパゲッティを茹でている間に
   フライパンに潰したにんにく、種を取った鷹の爪、アンチョビを入れてオリーブオイル入れて、少し加熱する」

絹旗「あれですね。まずは低音の油で超香り出しですね」

黒夜「あとはトマトジュースを入れて、煮詰める。
   個人的には三分の二ぐらいまで煮詰まったところが味が濃くていいと思うな。
   そうしたら茹で上がったスパゲッティとお玉いっぱい分の茹で汁、あとは黒オリーブとケッパーを入れて、
   ドロリとなるまで煮詰めて出来上がり。
   塩胡椒して、で食べる時にパルメザンチーズを山盛りにする、っと」

絹旗「オイコラ」

黒夜「なんだい、絹旗ちゃん」

絹旗「超可愛い私の解説が全然ないじゃないですか。
   なにいきなり終わらせてくれちゃってるんですか」

黒夜「だって、簡単なんだもん。
   とにかく熱いうちに食っちまおうぜ?」

絹旗「超納得がいきませんが……
   ともかく、パルメザンチーズをたっぷりかけて、いただきます……」

黒夜「うん、なかなか」

絹旗「……超悔しいですが美味しいですよ、これ。
   ピリッと辛いトマトソースにチーズでコクをつけて……
   黒オリーブやケッパーの酸味もいい感じです……」

黒夜「簡単なんだけどねー。
   本当ならばミニトマトをヘラで潰しながら煮詰めるんだけど、だったらジュースでもいいんじゃないかって」

絹旗「浜面が言ってたんですか」

黒夜「見た目的にはミニトマトの方が粒も残っていいんだろうけど、味的にはこっちがいいかなって思う」

絹旗「食べ比べたわけではありませんが超反論できません。
   トマトの味も超濃いですし」

黒夜「薄めるときは白ワイン入れるといいらしい」

絹旗「濃度の調整が効くのはいいかもしれませんね。自分の好みの味になるわけですし」

黒夜「あとは、トマトはカリウム入ってるから高血圧にもいいらしいぞ」

絹旗「知ったことですか。高血圧なんて年じゃないですよ私」

黒夜「私も血圧はコントロールされてるから関係ないけど。
   まぁ、知ったかで『健康にいい料理』とこじつけてみただけさ」

絹旗「ともかくごちそうさまでした。
   正直、黒夜のことを舐めてました」

黒夜「はいはい、お粗末さま。
   っていうか、浜ちゃんに教えてもらったのをそのまんま出しただけだけどね」

絹旗「そのまんまをだすっていうのが超難しいんですけどね」

黒夜「いや、これは失敗のしようがない料理だろ?
   モロに焦がすとかでもなけりゃいくらでもリカバリー効くんだもの」

絹旗「繰り返しですが濃度のコントロールが効くというのが大きいですね。
   しかし、娼婦風って忙しすぎて適当に作ったら美味しかったって、アレですよね」

黒夜「そう書いてあったけどどうなんだろ?
   由縁なんてハッタリばっかりのような気もするし」

絹旗「ハッタリで『娼婦』なんて使わないと思いますけどね」

黒夜「さてと。
   じゃあ洗い物するから絹旗ちゃん皿返して」

絹旗「いいですよ。作ってもらったんだから洗い物は超私がやります」

黒夜「え? マジ?
   あのダメ人間絹旗最愛が自分から家事のお手伝いを?」

絹旗「喧嘩売っとるのかコラ」

黒夜「だって、優しい絹旗ちゃんって気持ち悪い」

絹旗「私だって常識は超わきまえているんですよ。
   常識がなかったら目立つじゃないですか。
   目立ったら何されるかわかったもんじゃないんですよ」

黒夜「いや目立つだろ。
   暗部で顔晒してればそれ相応に目立ってただろうに」

絹旗「それはそれ、これはこれです」

黒夜「(これが絹旗ちゃんの防御方法か。能力も『壁一枚隔ている』もんなぁ)」

絹旗「(すこしは元気になりましたかね。ヤレヤレだぜ、ですよ。
    下っ端を励ますのも上司の役目です。超面倒ですけれども)」

最初にこのスパゲッティ作った時は結構金が吹っ飛びました
アンチョビとか常備してませんでしたから
ですが一回材料が揃っちゃうとめちゃくちゃ簡単なんで助かってます
スパゲッティって手を抜きやすい料理だと思います

最近いろいろと忙しいです
そうなるとこった料理を作りたくなるのが辛い
手を抜ける時に手を抜くことこそが料理の上達法だと思ってはいるんですが

冥土帰し「頼まれていたものは用意できたんだけどね、個人的にこういうことはもうお腹いっぱいだね」

浜面「すまねぇな、先生」

冥土帰し「患者にとって必要なものだったらなんだって用意するのが僕の信条なんだけどね。
     流石に『冥土帰し』なんて大仰なあだ名を付けてもらっている身としては
     死亡診断書を書くのは嫌なものなんだね。
     しかも何十通も」

浜面「それがねぇと墓を作る許可が下りねぇんだよ」

冥土帰し「大きな声で言っていいことじゃあないけどね。
     暗部が解体されてからは横車を押せる人間も随分と限られてきてるんだね」

浜面「ひとりふたりなら麦野のツテやなんやらで通りそうなんだけどよ。
   流石にこの人数になるとさ。
   いや、本当に助かるわ、先生」

冥土帰し「さっきも言ったけれども、君も僕の患者なのだから
     君の必要とするものは用意するよ。それが僕の考える『医者』なのだからね」

浜面「いや、マジで助かる。
   頭下げて感謝になるんだったら焼けた鉄板の上でも土下座するわ」

冥土帰し「そうなるとまた僕が治療しなくちゃいけなくなるからやめるんだね」

浜面「ははは」

冥土帰し「しかし……やっぱり医者としては辛いんだね。
     今から言っても何にもならないのだけれども。
     これだけの数の子供が犠牲になったとなるとね」

浜面「過去に戻れるんだったら、俺もどうにかしたいよ」

冥土帰し「それでもね。
     僕は医者だからね。
     次の患者を救うことを考えなくちゃあいけない。
     情が薄いように見えるかもしれないけどね」

浜面「そんなことはないだろうさ、先生。
   やれることをやっている人間はそれだけで偉いよ」

冥土帰し「さて、じゃあ次の患者の事なんだが」

浜面「……」

冥土帰し「まずは滝壺理后さん。
     彼女の治療は結構長い時間を必要とするね。
     確かに『体晶』の毒は抜けたんだけれども、内臓や神経のダメージがなくなっている訳じゃあないんだね。
     でもきちんと通院してもらえれば日常生活は問題なく過ごせるね」

浜面「そっか。よかった」

冥土帰し「次に麦野沈利さん。
     彼女の場合はある意味で既に完治しているんだね。
     義手義眼、内臓のいくつかは人工物に変わってしまっているけれどもそれで健康に問題があるわけじゃあない。
     もちろん『生身』に戻すことは技術的に可能だけれども、そうなるとそれなりにお金と時間がかかる」

浜面「金ならば問題ないんじゃないかな。
   アイツ超能力者だし暗部で稼いでたし」

冥土帰し「結構驚く金額だよ?
     はっきり言えばオーダーメイドの最たるものだからね。
     技術料や設備料がそれなりにかかるんだ」

浜面「……足らなきゃ俺が稼ぐさ」

冥土帰し「かっこいいね。
     さて、これは黒夜海鳥さんにも言える。
     というか、彼女の場合ははっきり言えば時間がないね」

浜面「というと?」

冥土帰し「黒夜さんはまだ成長期なんだね。
     いくら学園都市の技術が優れているといっても義体は成長しないんだね。
     交換して行っても日々の肉体の成長に大きな影響を与えるね。
     極論で言えば背骨や骨盤が歪んでしまうよ」

浜面「なんてこった……」

冥土帰し「それに正直言って彼女に施されたのはかなり『稚拙』な技術だね。
     僕だったらもっとうまくやれた、というところばかりだ。
     生身に戻さないにせよ、一度僕が『診る』方がいいね」

浜面「それでうまくいくのかよ」

冥土帰し「以前に僕が治療させてもらったときは緊急だったから『原型』優先だったけれども。
     少なくとも三割はマシになるね。
     これは確信を持って言えるね」

浜面「いくらぐらいかかるんだ?」

冥土帰し「格安にしておくよ。国産車が一台買えるぐらいかな」

浜面「格安でその値段か。けど背に腹は代えられねぇか」

冥土帰し「ただ、まずは本人の意思確認からだね。
     どうやら彼女はサイボーグであることに相当のプライドを持っているようだからね」

浜面「スペックアップって言えば飛びつくかな?
   ともかく話してみるわ。ありがとな、先生」

冥土帰し「僕は僕の仕事をしただけなんだね」

浜面「いや、今回は随分と助かったよ。
   いろいろとやることもできたしな」

冥土帰し「しかしそれにしても……君も存外に胆力があるというか。
     こういった話を食事をしながらできるとはね」

浜面「忙しいからまともな時間が取れないといったのは先生の方だろう」

冥土帰し「それはそうなんだけどね。
     もう少しメニューを考えて欲しいというかね」

浜面「酢豚がなにか問題でも?」

冥土帰し「いや……正直午後にも手術を控えている時には選びたいメニューではなくてね」

浜面「医者なんてそういうのにはなれちまうのと違うのかよ」

冥土帰し「慣れては居るけれどもね。
     食事の時にわざわざ好んで近づきたくはないね」

浜面「そういうもんかね」

冥土帰し「女性は結構あっさりしているんだけどね、経験的に言うと。
     マウスを殺すときにしっぽ引っ張んて脊髄折るんだけど、最初はキャーキャー言ってても
     研修が終わる頃には作業感覚だからね」

浜面「うわ、えぐい話だな」

冥土帰し「悪い話と言うつもりはないよ?
     でもマウスが人間に置き換わることもある職業だからね、自粛しないとね」

浜面「でもそれは酢豚と関係ないような」

冥土帰し「関係ないんだけどね。
     でも弁当箱いっぱいに詰まった酢豚を見ているとね、なんとなくね」

浜面「酢豚って手間かかるからさ、どうしても少量は作りたくねぇんだよな。
   いっぺんにどばーって作っちまったもんで、みんな食いきれねぇでやんの」

冥土帰し「……気の毒に思うね。君じゃなくてね」

浜面「美味いんだけどなぁ」

冥土帰し「それは全く否定しないんだけどね。
     というか、君は料理をするんだね?」

浜面「まぁ、人並みにはなぁ」

冥土帰し「でもどうやって作ったんだい?」

浜面「んー?
   まぁ、説明してもいいけどよぉ。素直にクック○ゥとか使ったほうが失敗しないぜ?」

冥土帰し「君は僕を誰だと思っているのかね」

浜面「そのセリフをここで使ってどうする。
   まぁ、いいや。
   ざっと説明するか」

浜面「材料はこれだ。


   ①もやし酢        150cc
   ②トマトジュース     200cc
   ③豚肉          200g
   ④片栗粉         適量
   ⑤人参          1/2本
   ⑥玉ねぎ         大半分
   ⑦パプリカ        黄色と赤1/4づつ
   ⑧筍           茹でたもの50g

   ⑨塩           適量・の半分
   ⑩中華調味料       適量(スプーン大1程度)

                                   」

冥土帰し「もやし酢とはなんだい?
     聞きなれない言葉だね」

浜面「字面通りに『もやしを漬けた酢』だよ。
   なんかテレビで健康にいいとか減塩に効くとか言ってたんでさ」

冥土帰し「ふむ。減塩かね。
     僕も血圧は高いほうだからね」

浜面「あとトマトだな。カリウムにはナトリウムを放出させる作用がある」

冥土帰し「どちらも筋肉を動かすには必須のイオンなんだけどね。
     多すぎると健康に悪いのは確かだね」

浜面「……なんか、誰にも言ってなかったような気がするんだが今の会話どこかでしたような」

冥土帰し「変なところでデジャブを起こしているね。
     大抵そういうものは気のせいなんだがね」

浜面「とりあえずスルーしようか。
   まずは一口大に切った豚肉に片栗粉を塗して揚げる。
   少量の油をフライパンに敷いて、中火で焼くのがオススメだ。
   揚げる、じゃないけど油の量が少なくて済むからな」

冥土帰し「環境にも優しいしカロリーも少なくて済むわけだね」

浜面「……なんか今回ジジくさくないか?
   まぁ、いい。
   あとは一口大に切った野菜類を一度お湯に入れて沸騰させる。
   店で食う本格的なものだったら『油通し』をするんだろうけどご家庭じゃあ無理だからな。
   栄養が逃げ出さないぐらいに、でも人参に火が通るぐらいには茹でておく」

冥土帰し「なかなか難しいバランスだね」

浜面「正直、多少栄養が逃げたところで量を食えば栄養不足ってことにはならんと思うんだけどよ」

冥土帰し「それもまた正論だね。
     栄養学的にも正しいよ。クセがなくなって食べやすくなれば量を取りやすくなるしね」

浜面「で、ここまでが下準備。
   あとは大きめの鍋にもやし酢とトマトジュース、塩、中華調味料を入れて好みの濃度になるまで煮込んでやる。
   酢のすっぱい部分は大抵飛んじゃうから思ったよりも酸っぱくならないんだ」

冥土帰し「酢酸は分子量もそれほど大きくないし、水素結合している水分子よりも蒸発しやすいね」

浜面「化学的なことを言われてもわかんないよ。
   まぁ、とりあえず好みの味になったら野菜を入れてひと煮立ち。
   あとは豚肉を揚げる時に使った片栗粉の残りをお湯で溶いてから鍋に突っ込んでとろみつけて」

冥土帰し「おや、豚肉は?」

浜面「衣がしなびちゃうからさ、食べる寸前に混ぜたいところだな」

冥土帰し「ということはその弁当の酢豚は」

浜面「うん。すでにシナシナのびちゃびちゃ。
   でも味はいいんだ、味は」

冥土帰し「なるほどね。
     しかし、酢豚はコンビニの弁当にも入っていたりするものだけれどもね」

浜面「そういうのって大抵肉が『カリッ』とはしてねぇからな。
   まぁ贅沢も程々にしておかんとよ」

冥土帰し「ふむふむ……
     済まないが、君の酢豚を少し分けてくれないかね?」

浜面「アンタ、食事に酢豚はないとか言ってなかったか?」

冥土帰し「君子豹変す、なんだね。
     いいと思ったものは即取り入れる。
     でないと医者は患者を死なせてしまうこともあるんだね?」

浜面「そんな大仰な話でもないだろ。
   ま、いいや。食ってくれよ」

冥土帰し「ではありがたく。
     ふむ、なんというか普通の酢豚だね。
     野菜もしっかりしているし肉も普通だ」

浜面「普通で悪かったな。
   だけどよ、実は塩は半分に抑えてあるんだぜ?」

冥土帰し「……え?」

浜面「正確に測ったわけじゃあないけどさ。とにかく塩分は思いっきり少なくしてある」

冥土帰し「本当かい?
     結構しっかりとした味付けだよ?」

浜面「なんだったら計測してみろよ。そういう機械いくらでもあるだろう?」

冥土帰し「いや、そこまで言うのならば信用するけれども……
     正直信じられないね。
     人工甘味料は作れても人工塩分は作れないのが定説なんだよ、この学園都市でもね。
     けれどもこの味付けで塩分が半分だとするのならば病院食としても応用が効くんだね」

浜面「……なんか俺のこと持ち上げてね?
   テレビで見たのを応用しただけだぜ?」

冥土帰し「始まりはどうだっていいんだね?
     たとえ人を殺すために開発された技術でも医療に役立つのならば使う。
     それが医者という生き物なんだね」

浜面「その態度は立派だけどよ。
   まぁ、役に立つのならば使ってくれ。
   その代わりに医療費を多少抑えてくれると助かる」

冥土帰し「それはまた別の話なんだけどね。
     まぁ、でも……今回の死亡診断書についてはただにしておくんだね」

浜面「そいつはまた太っ腹なことで」

冥土帰し「どんな理由があっても、人の死を理由にしてお金は取りたくないんだね。
     これは医者としてではなく、ただ僕個人の我侭なんだけれども」

絹旗「へくちっ!」

黒夜「あー!
   また皿割りやがったこんちくしょう!
   もう手伝わなくていいからソファでお茶でも飲んでろこのやくたたず!」

絹旗「超ひどい言い草ですね。
   安物の皿を十枚や二十枚程度割ったところで」

黒夜「誰がそれを片付けると思ってるんだ!
   ゴミを増やすな、ゴミを」

絹旗「黒夜の分際で何を偉そうに」

黒夜「っていうか、本当にもうやめて。マジで迷惑だから。
   なんで皿洗うのに窒素使ってるんだよ。使い方間違ってるだろ」

絹旗「だって、汚れが超落ちないんですよ、力入れるじゃないですか超当然じゃないですか」

黒夜「当然じゃねぇ!
   大型四駆を粗大ゴミにする怪力で皿を洗うな!」

絹旗「ハマーのことですか。
   ちなみに私は初代が好きです」

黒夜「公道を走れるぎりぎりサイズのジープのことじゃないってば! 私も初代は好きだよ!
   ……っていうか、ハマーっていうと浜ちゃんっぽいな」

絹旗「浜面をボロ雑巾にする程度のことは超日常茶飯事ですが」

黒夜「そっちはプラナリア並みに再生するからどーでもいいけどさ。
   つぅか遅いな、三人とも。
   病院ってそんなに時間かかるところか?」

以上です

言い訳とか色々
ガッテンの言っていることは本気で役に立ちますね
前にハンバーグの焼き方とかも書きましたけど、そのままですし
もやし酢を使うと確かに塩分の消費量が半分でも味的に満足いくんですよ

……普通の味なんですけど

超電磁砲のアニメも終わったようですが.>>1の地域では来週が最終回です
一週遅いんですよね

今回はスジ肉です
昔は安い肉の代表だった・・・・・・らしいですが今は普通の肉とそんなにかわりません
でも独特のトロッとした食感と食べごたえは手間暇かけるだけの価値はあると思います

黒夜「嫌だって言ってるんだろ!」

浜面「でもさ、これは黒夜のためにもなることであって」

黒夜「私のためになるかどうかは自分で決めるって!」

浜面「黒夜が随分と手伝ってくれたから金はあるんだよ。
   少しは還元しないと俺の気がすまねぇ」

黒夜「知るかい。
   私は私のやりたいようにやっただけでその結果の責任なんか取りたくねぇっうの!」

絹旗「……ああ、お茶が美味しい」

フレメア「にゃあ、大体いきなりこの状況は何?」

打ち止め「遊びに来たらなんか大声で言い争っているってミサカはミサカは現状を分析してみたり」

フレメア「分析じゃなくてそのまんまだし。
     というかこのふたりが言い争いというのも珍しい」

打ち止め「なんというか、浜面って強く言われると結構自分から折れる性格っぽいって
     ミサカはミサカは人物観察してみる」

絹旗「浜面は一度ああなると超しぶといんですよ」

フレメア「あ、日向ぼっこしているおばあちゃんから復活した」

絹旗「誰がおばあちゃんですか、誰が!
   確かに超少しばかり現実逃避をしていましたが」

打ち止め「現実逃避するんだったら自分の部屋に戻っていればいいんじゃないかって
     ミサカはミサカはうんざりと提案してみる。
     というか、この状況だとくつろげない」

絹旗「黒夜が暴力に訴えたとき浜面が原型をとどめておくレベルで回収しなくちゃいけないんですよ。
   そうなったらこのマンション超崩壊していると思いますが」

フレメア「にゃあ、ということはここは超危険!?」

打ち止め「おおお、ミサカ一世一代のぴんち!?」

絹旗「昔の黒夜ならいざ知らず浜面に丸め込まれてしまった今の黒夜にそれが出来るとは超思えませんけど。
   一応、念の為に」

フレメア「そもそもなんで言い争っているの、にゃあ」

絹旗「なんでも浜面は黒夜に手術を受けさせたいんだそうですよ。
   今のサイボーグ体だと長期的に見ると超障害が出るとかで」

打ち止め「おお、ミサカたちは他人事とは思えない」

絹旗「でも黒夜はそれを嫌がっている、と。
   あれですねー。
   このあいだ見事に自分のトラウマを浜面に披露してしまって過敏反応を超起こしているんですよ」

フレメア「トラウマ?
     個人的なことだったら聞かなけど。
     でもああ見えて結構打たれ弱かったりするの?」

絹旗「聞かないでくれるのは超助かります。
   あんなナリでもひねくれていても黒夜にだって触れて欲しくない部分はあります。
   誰も彼も一緒だとは思いますが、そういうところは放ってほいて欲しいじゃないですか」

打ち止め「ミサカたちもそれなりに複雑な背景があったりするからとてもよくわかるって
     ミサカはミサカは腕を組んでうんうんとうなづいてみる」

フレメア「だからって何でもかんでも許されるとは思わない、にゃあ。
     おい、そこの黒いの!」

黒夜「あん?
   なんだ、いたのかよちっこいの」

フレメア「浜面の言ってることに逆らったらダメっ!
     浜面は自分のこと考えて言っているわけじゃないってわかってるんでしょ!」

打ち止め「お、おお?
     なんかキャラが違うぞってミサカはミサカは目を点にしてみたり」

絹旗「(大好きなお兄ちゃんが困っているから助け舟を出した、つもりですか。
    でも逆効果かもしれません。
    何分、超黒夜ですからね)」

黒夜「あんだぁ!?
   私は私の権利を正当に主張してるだけだ!
   部外者は黙ってろ!」

フレメア「本気でそんなこと言っているの?
     大体、甘え方がわからないだけじゃない!」

絹旗「(姉妹ですね。
    どこかしらフレンダに似ています。
    鯖缶について熱弁するときの顔にそっくりです)」

黒夜「そりゃアンタみたいなクソガキと一緒にされちゃ困るね。
   こちとらそれなりの修羅場くぐっているんだ」

フレメア「大体、それが何だって言うの。
     人の好意を素直に受け取れないのが大人の証拠だとでも言うつもり?」

浜面「やめろフレメア。
   確かに、黒夜にいきなり話を持ちかけた俺のやり方もよくなかったんだ」

絹旗「確かに浜面は超余計なお世話してますけどね。
   でもいいんじゃないですか、黒夜。
   そんなに意固地にならなくても」

黒夜「なんだよ、絹旗ちゃんまで」

絹旗「だって、軽量化でパワーアップしてメンテも良くなるんですよね?
   一体何が不満だって言うんですか。
   バージョンアップも超いいところじゃないですか」

黒夜「だぁかぁらぁ、やりたくなったのならば自分の意志と自分の金でやるって言ってるの!」

浜面「いや、だから黒夜が稼いでくれた金が……」

黒夜「別にそんなつもりで手伝ったわけじゃない!」

浜面「……」

絹旗「浜面。
   どうやらこのオタンコナスは自分が可愛そうだと思われてるんじゃないかなーって切れてるんですよ」

浜面「はい?」

絹旗「非常にアレな話ですが、黒夜にしては非常に珍しく『善意』で行動したわけですよ。
   見返りが欲しいとか、そういうのではなくて。
   で、それが『なんて可哀想な子だろう』と思われてるかもしれないタイミングで、
   『これまでの分返すぞ』と言われたもんだから怒ってるんですよ」

黒夜「勝手に決めつけんな、アホ」

絹旗「アホとはなんですか、アホとは。
   まぁ、そういうわけで『優しさ』とか『ぬくもり』みたいなものを信じられなくなってパニクってると」

黒夜「おいコラ」

フレメア「にゃあ、なるほど捨てられた子猫みたいなものなんだ」

打ち止め「信じちゃうと裏切られた時に怖い。
     だから担保を設定していたのに担保を返されちゃうと裏付けがなくなっちゃう、と。
     なるほどなるほど、ミサカも身内にコミュ障がいるからとても良くわかると大人の顔で納得してみる」

浜面「俺はそんなことこれっぽっちも考えちゃあいないんだが」

絹旗「浜面も善意から出た行動は無条件で受け入れられるべきとか、超考えているところありませんか?」

浜面「ワガママし放題のお前らと一緒にいるうちにそんな打算的な感覚は摩耗したわ」

絹旗「誰がワガママですか誰が」

フレメア「自覚があるんだったら直したほうがいいと思う、にゃあ」

打ち止め「その言葉は自分にも言っているんだねってミサカはミサカは大型ブーメランに直撃する小娘を哀れんでみる」

浜面「ともかく!
   じゃあ、これは俺のワガママだ。
   俺がすっきりした最高の気持ちになるために俺のいうことを聞け、黒夜」

黒夜「なんじゃそりゃ。
   なんで私がそんな理屈で動かなきゃならんのだ」

絹旗「黒夜。
   私は浜面の超上司だからともかく、黒夜は浜面に借りがあるはずです」

黒夜「ちっ……
   別に忘れちゃあいないけどよ」

絹旗「まだお墓は作れてないですけど……
   けど、浜面には随分と手伝ってもらいました」

浜面「いやいや、俺も善意の押し付けをしたくてやったわけじゃなくてだな。
   でもそれで黒夜が手術受けてくれるんなら構わないけど」

絹旗「じゃあ善意の押し付けで済ませてください。
   浜面がすっきりとアヘ顔になるために黒夜の身体を浜面好みに変えたいってことで」

浜面「おいコラ。
   それじゃまるで俺が変態じゃないか」

打ち止め「……残念だけどそういう雰囲気あるよね、浜面」

フレメア「私の浜面をそういう言い方してもらいたくない。
     大体、浜面のオーラにそういう部分があるのは否定できないけど……」

浜面「おいおい、酷すぎるぞ。
   俺が一体何をしたっていうんだ」

フレメア「浜面ぐらいの男の人がそういう発想まったくないのも問題とは思うけれども」

打ち止め「ミサカたちには大人すぎる『雰囲気』っていうのはちょっと怖いなって。
     ミサカはミサカは逆にあの人の雰囲気のなさは危ないんじゃないかと穿った見方をしてみる」

絹旗「浜面の結構欲望を漲らせているタイプですから。
   未だに覚えてますよ、私のケータイに転送されたバニーガール」

浜面「ふ、古い話を!」

フレメア「ところで、さっきから気になっていたんだ、大体」

打ち止め「お、ミサカも気になっていたんだって強引に話の流れを変える小娘を手助けしてみる」

フレメア「何に乗っかっているの、にゃあ」

絹旗「あ、これですか?
   さてなんでしょう。いいサイズなんで超腰掛けていたんですが。
   結構微妙にポカポカと暖かいのでミニスカートの私には丁度いいです」

浜面「それはだなぁ。
   寸胴鍋を新聞紙でくるんででかいビニール袋に入れて毛布をかけてその上から紐でぐるぐる巻きにしたやつだ」  

黒夜「なんだよそれ。
   一体なんなんだ」

浜面「うん、単純に熱した寸胴を保温してあるだけなんだけどな」

黒夜「いや、そう言う意味じゃなくってだね。中身をね」

浜面「中身はスジとゴボウを煮込んだやつだよ」

フレメア「すじ?」

浜面「スジ肉。
   スジを漢字で書くと『筋』だから漢字だと混乱するよな」

打ち止め「にゃあ、いきなり何を言っているのかだいたいわからないって
     ミサカはミサカはモノまねしながら小首をかしげてみたり」

絹旗「牛のアキレス健とかですね」

浜面「だな」

黒夜「へぇ、いつの間に煮込んでいたのやら」

浜面「ガンガン沸騰させてガンガン蓄熱させておいたやつを数時間保温状態で放っておいたわけなんだが……
   さて、柔らかくなってるかな?」

絹旗「せっかくのぽかぽかあったかい椅子が」

浜面「寸胴だっつうの。
   じゃあほどいて蓋を開けて……」

フレメア「にゃあ。これがスジ肉!?」

打ち止め「なんかとろりってしてる」

黒夜「へぇ。私スジ肉食べたことないんだよなぁ。見るのもはじめてかも」

絹旗「居酒屋とか焼肉屋に普通に置いてあるじゃないですか」

浜面「焼肉屋はともかくなんで居酒屋の内情を知っている。
   うん、柔らかくはなってる」

絹旗「あれ?
   でもなんか私の知っているスジ肉の煮込みとは超色が違いますよ?
   黒っていうよりも薄い茶色です。琥珀色とでも言うんですかね」

浜面「ああ、味付け塩をほんのちょっぴりだけだからさ。
   それ以外には調味料何も入れてないし」

絹旗「スジって普通は黒く煮込むものなんじゃないんですか?」

浜面「醤油とか使えばなぁ。
   元々スジからダシは出るし、ゴボウも旨み強いし、余計な味付けは邪魔だと思うんだよ」

フレメア「味はわからないけどすごくいい匂いがする」

打ち止め「うん、すっごくお腹がすいてくる匂いだってミサカはミサカは期待とヨダレが止まらない!」

浜面「あせんなあせんな。
   とにかくスジを切ってからだな」

黒夜「そういえば結構大きいね。20センチぐらいあるのもあるよ。
   到底盛り付けできないじゃん」

浜面「火を通す前のスジって硬すぎてさ、包丁入らないんだよ。
   だから完全に火が通って柔らかくなってから切るんだ」

絹旗「って、それハサミじゃないですか」

浜面「調理用のハサミな。
   菜箸でスジを持ち上げてチョキチョキって切ってっと」

黒夜「うわ、豪快というか乱暴というか」

絹旗「一気に食欲を失うような光景ですね」

浜面「焼肉でこういうのあるだろ?
   おんなじことじゃないのか?」

絹旗「私、正直あれも少し抵抗あるんですよね」

黒夜「ハサミは工作道具って印象が強いからねぇ」

フレメア「にゃあ、私の工作箱にも可愛いハサミが入っている!」

打ち止め「うう、ミサカはハサミを持っていないって少し愕然」

浜面「トコロ変われば品変わる、だし自分の印象をほかに押し付けるのもどうだろう?
   とにかく、俺はスジをまな板に出して包丁で切る手間はいらねぇと思ってる。
   下手するとスジが熱すぎて火傷するし」

絹旗「なんというか……超徹底的に料理する側の立場の発言ですよね」

黒夜「まぁ、本来ならば食べる人はそこを見ているわけでもないんだし。
   気づかなければおっけい……なのかなあ?」

打ち止め「あんまり神経質になっても仕方がないんじゃないかってミサカはミサカは大人の対応」

浜面「ともかく、切り終わって調理完了っと」

絹旗「なんかちょっと見た目グロイですし納得いかない部分もありますが超美味しそうなのは間違いありません」

黒夜「でも脂がすごいね」

フレメア「大体、テカテカすぎて怖いぐらい」

打ち止め「でもそんなことは関係ないのだってミサカはミサカはいただきます!」

絹旗「っ!
   こ、これは……」

黒夜「めちゃくちゃ濃厚だ!
   すごく脂っぽいけどそれ以上に肉の旨味がガツンと来て」

打ち止め「スジがトロって溶けて、ゴボウが歯ごたえ残ってて、すごくバランスがいいってミサカはミサカは大感激!」

フレメア「でもこれは口の周りがテカテカになっちゃう。
     正直浜面の前では食べにくいんだ、にゃあ」

浜面「まだ子供なんだからそういうことは気にすんなよ。
   ガンガン食え食え」

フレメア「にゃあ! 乙女ゴコロをわかってない!」

絹旗「確かにコテコテですが、味は最高ですね」

打ち止め「汁も残さず飲み干さないともったいないってミサカはミサカは心底ご満悦!」

フレメア「大体、グロス塗りすぎたみたいに唇テカテカで、これじゃお嫁に行けない」

黒夜「グロスなんて持ってるのかよ、背伸びしすぎだろう小学生」

浜面「食事の最中の化粧崩れなんてある意味仕方がないことというか。
   フレメアもそんなことを気にするんじゃない、まだ小さいんだから」

絹旗「超もっともな意見です。フレメアさんは年相応の楽しみを覚えたほうがいいかと。
   しかし……味は最高なんですが、だんだん重くなりますね、これ」

黒夜「脂びっしりだからなぁ」

浜面「別にそんなに大量に食うもんでもないし、女の子にはきついかな?
   一回冷やして脂を取り除いて、その脂でチャーハン作ると最高なんだよなぁ」

打ち止め「それも美味しそうだけど、ミサカはもうお腹いっぱい」

フレメア「これ、すっごく美味しいんだけどふた皿は食べられないよね」

浜面「そりゃそういうもんだからな」

絹旗「それを寸胴いっぱい作って……どうするんですか」

浜面「冷やしときゃそれなりに持つし、どうしても食いきれなかったら適当におすそわけでもするさ。
   少量だけ作っても面倒なだけな料理だからどうしたってめいいっぱい作っちまう」

黒夜「随分とまぁ行き当たりばったり」

浜面「でもたまに食いたくなるんだよ」

絹旗「脂が適当に抜けてくれていればそれこそ文句のつけようがないんですが」

打ち止め「シンプルだけど美味しいよ。
     確かにミサカには少し脂がきついけど」

浜面「結局は脂の問題だよな。でも脂が肉の旨味でもあるからさ。
   『にくづき』に『旨い』と書いて『脂』だからな」

絹旗「うーん、そう言う意味ではこれは三振の多いホームランバッターみたいなものですか。
   リスクを少なくすればメリットも少なくなると」

浜面「バランスだろ。量も含めてさ」

黒夜「まぁ、美味しいかったことは間違いない。
   少し物足りないかなってぐらいの量が丁度いいのかな」

フレメア「世の中そういうものなのかもしれない。
     愛情とかもちょっとだけ足りないぐらいがバランスいいのかも、にゃあ」

浜面「なるほどな。
   いくら美味くても食いすぎたら気持ち悪くなるもんな」

黒夜「だぁー!
   そんな顔するな!
   あー、もう、何で人のこと悪者にしてるんだよ!」

フレメア「実際、悪者だし。大体私に何をしようとしたか忘れたわけじゃないでしょ?
     私に謝罪する意味で浜面の言うことに従ってもいいんじゃないの、大体」

打ち止め「もう自分でもそれほど怒ってないことをカードにするという発想はちょっと卑怯だと
     ミサカはミサカは第三者なので嘴を突っ込まないよう努力してみる」

絹旗「全部言っちゃってるじゃないですか。相変わらず厄介な口調です。
   しかし、黒夜」

黒夜「なんだよ」

絹旗「浜面には裏表切り替えられるほどの頭はありません。
   基本的に超馬鹿ですから」

浜面「いきなり悪口かよ」

絹旗「黙ってろ。
   浜面は馬鹿ですから黒夜が浜面を裏切ることがあっても浜面が黒夜を裏切ることは超ありえません」

黒夜「……」

絹旗「もう少し素直になった方が可愛げがあると思いますよ?」

黒夜「わかったっ!
   わかったよっ!
   言うとおりにする!
   手術受けりゃいいんだろ、ったく!」

浜面「そっか。ありがとな」

黒夜「なんでそこで浜ちゃんがありがとうっていうかなぁ……」

絹旗「(先に『ありがとう』を言われて顔を赤くしてます。
    うん、実に面白いです。
    というか、素直な黒夜って結構可愛い部分あるんじゃないですかね。
    私の超100分の一ぐらいは)」

黒夜「私が、言えないじゃないか……」

浜面「何か言ったか、黒夜」

黒夜「なんでもない!」

打ち止め「そういうわけで、スジがすごく美味しかったってミサカはミサカは自慢してみる!」

番外個体「はぁ、スジ肉ねぇ。
     そんなに自慢するんだったらミサカネットワークで共有してみたら?」

打ち止め「おお、それはいいかもしれない!
     ミサカの教育が行き届いているおかげで末妹がとても良く育っている!」

番外個体「いや、それ関係ないし……
     あ、モヤシだ」

打ち止め「あ、あなた! おかえりーってミサカはミサカは飛びついてみたり」

一方通行「帰ってくるなりいきなりなンなンだ。
     クソガキも杖ついてる人間に抱きついてくるンじゃねェ」

打ち止め「今日ね、浜面のところでね!」

番外個体「なんでもスジのお肉がトロッとしてとても良かったんだって。
     でもとろとろのを口の中に入れすぎて気持ち悪くなりそうだったんだって」

打ち止め「ほぇ?」

番外個体「ミサカ、間違ったこと言ったかな?」

打ち止め「言ってないけど……でもなんか単語の選択とか並べ方がちょっと悪意的ってミサカはミサカは不審に思ってみる」

番外個体「(ちびっこさんの頭の中には『そーいう言い回し』は入ってないからなぁ)」

一方通行「……ちょっと出かけてくる」

打ち止め「あ、あなた!
     帰ってきたばっかりなのにどうしたのっ!」

番外個体「(ついでにミサカネットワークにも流しておいて……
      せっかくログイン許可出たんだから楽しまないとねぇ)」

一方通行「少しばかり話をつけなきゃならねェかもしれねェ。
     十中八九コイツの悪ふざけだろうが……可能性が1%でも残っている以上はなァ……」

番外個体「(おお、受けてる受けてる。盛り上がってきましたぞぉ)」

打ち止め「あれ? ミサカネットワークが急に重くなったって司令塔たるミサカは不具合を見つけてみたり!
     なんかいきなりアクセス数が増えてるっ!
     え、ミサカがロリコン被害にあった!?
     今から学園都市内の妹達で犯人を襲撃して市中引き回し獄門の上、遠島に処す!?
     獄門のあとに遠島して意味があるのってミサカはミサカは大混乱!?」

以上です
スジと一番合うのはゴボウです間違いなく
でもスジをお好み焼きに入れたりとかしても美味しいです
スジカレーもなかなか

たまには料理というよりも調理法の基本に立ち返って
包丁って昔存在した中国の方の人物だとか
wikiで調べてみたら魏の恵王の料理人・・・・・・って、あれですね孟子で出てきたんだ

浜面「……なんだったんだ、一体」

黒夜「クソモヤシがいきなり現れて浜ちゃんに喧嘩売り始めたと思ったら急に倒れて」

絹旗「倒れたと思ったらわらわら現れた常盤台の制服の女の子たちにリンチされて。
   手足縛られて連れ去られて。
   で、貴方たちがが噂の『妹達』なんですね」

御坂妹「そうです。と『御坂妹』という特別な呼称を戴いて頂いているこのミサカは妹達を代表して答えます」

黒夜「超電磁砲にそっくりだね」

御坂妹「クローンですから、とミサカは自身の構築条件を再提示します」

絹旗「クローンでもそっくりじゃないふたりと先に会ってますので。
   なんといいますか、超変な感覚です」

浜面「ところでさ……アイツ、打ち止めに手を出したって……流石にやばいだろう。
   本当だとしたらマジで引くわ」

黒夜「最近打ち止めちゃんが浜ちゃんになびいているから嫉妬したってか。
   うわぁ、私あんな変態に人生狂わされたのかよ」

絹旗「まぁ、『御坂妹』さんの話を聞く限りではそうらしんですが。
   やだなぁ、学園都市最強のロリコンなんて、超おっかないじゃないですか」

御坂妹「前々から怪しいと思っていました。
    一緒にお風呂に入っているときとか目をギラギラさせて欲情していたのでしょう。
    なんておぞましいとミサカは一見無表情に見えるけれど実は冷や汗流していることを説明します」

浜面「何かしらの間違いのような気もするけどな。
   アイツのキャラクター的に」

黒夜「事実と異なるとしてもどうせ最初っから評判なんて最低クラスなんだからどーでもいいんじゃね?」

浜面「濡れ衣をそのままにしておくのも酷いと思うぞ。
   でも学園都市最強なんだから勝手に自分でどうにかするんだろ。
   社会的に殺された状態からだろうと」

御坂妹「ぶっちゃけ、濡れ衣だろうとなんだろうと一度はボコっておきたかったのです、
    とミサカは腹の中をぶちまけます」

黒夜「まぁ……やられたことを考えればね」

絹旗「私も一発ぶん殴ってやればよかったですかね。きっと超すっきりしたことでしょう」

御坂妹「実験のことについてはあのクソモヤシにも何かしらの言い分はあるのでしょう。
    しかしミサカたちを自分の贖罪の対象として扱っていることに不快感を覚え始める個体も出てきているのも事実です。
    妹達はもはや実験動物ではなく、あの貧弱超能力者の都合のいい道具でもないのです。
    ですから上位個体の意思がどうあれ過半数以上の妹達がボイコットを判断したのならば
    一方通行の補助演算を打ち切ることも可能なのです、とミサカはご都合的に説明します」

浜面「え、ってことは過去のことは恨んでいないわけ?」

御坂妹「ほかの妹達はともかくこのミサカは別に恨んでいません。
    恨んでいいのは10031号までのミサカとお姉様だけだと思います。
    そのうち恨み出すようになるかもしれませんが、そのことよりうじうじとこっちに視線を送ってくる
    被害者意識の塊のアレが気持ち悪いというのが正直なところです、とミサカはうざいのが嫌いだと言い切ります」

浜面「なんというか……正直よく理解できない話だな」

御坂妹「ミサカは過去にとらわれず輝かしい未来を掴むのです、と思いっきり笑顔で言い切ります」

黒夜「表情変わってないじゃん」

絹旗「口調も超抑揚ないですし」

御坂妹「それもまたミサカの個性なのです。
    ところで、と強引に話を切り替えるためにミサカは安っぽく髪を染めたチンピラに語りかけます」

浜面「それ俺のことかよ。確かにチンピラだけどよ」

御坂妹「実はミサカはお小遣いが欲しいのです」

黒夜「はぁ。それが浜ちゃんと何の関係が」

絹旗「浜面が貧乏なのは理解できるでしょう。
   そりゃ最近はちょっとは稼いでいるみたいですがこの馬鹿の手術代でつぎ込んじゃいましたし」

浜面「やめろ絹旗。正しい金の使い方なんだから」

御坂妹「いえ、今日明日の話ではないのです。
    学園都市内の妹達は今ゲコ太病院でお世話になっています。
    その状況では流石にお小遣いをもらうわけにはいきません。
    しかしミサカも外見的には年頃の女の子。少しばかりおしゃれというものもしてみたいのです。
    なので、ミサカたちに理解があり、かつそれなりのお給料がいただけるアルバイト先を探しているのです。
    っていうか雇えよー、こんなに愛らしい娘が言ってるんだぜぇ、
    とミサカはシナを作って肩にもたれかかってみます」

浜面「……状況的にはそれなりに鼻の下が伸びてもおかしくないはずなんだが、
   ここまで本音が露骨だとちっとも嬉しくないな」

黒夜「番外個体の方がスタイルいいしね」

御坂妹「ちっ、お姉様のお子様体型のおかげで余計な恥をかきました。
    とミサカは小さな声で舌打ちます」

絹旗「脳天に超ブーメランが突き刺さっている台詞ですね」

御坂妹「もっとも、この中で一番スタイルがいいのはミサカですが、ぷっ」

黒夜「……浜ちゃん、ちょっと撫でてきていい?」

浜面「やめろって」

絹旗「こういう言葉が正しいかどうかわかりませんが、番外個体の姉であることが超伺えます」

御坂妹「外見的にも能力的にもあっちの方がミサカより姉っぽいのは認めます。
    しかしっ! ミサカは既にひとりのミサカっ!
    ゆえに他のミサカがどうあろうともお姉様よりも可愛らしい女の子になるのですっ!
    と、ミサカは結構楽勝なハードルなんじゃね、と思いながら高々と拳を突き上げます」

黒夜「口悪いなぁ」

絹旗「それも無表情ですし」

浜面「つまりはアレだ。
   おしゃれがしたい。そのためにはお小遣いがいる。
   だから俺に仕事を紹介しろ、とそう言っているわけだな?」

御坂妹「まとめるとそうなります。
    こう見えてもミサカは軍用クローンですのでそれなりの基礎知識は頭に入っています。
    とミサカはこぶりな胸を張って威張ってみます」

絹旗「あれ、軍用クローンと浜面が今やってる建設関係って何か関係ありましたっけ」

黒夜「軍隊って結構土木建設と技術が被るんだよ。
   穴掘ったりバリケード作ったり、速乾コンクリで速射砲撃つ足場作ったり、それなりにさ」

御坂妹「それに加えミサカは電磁能力者です。
    お姉様や規格外の妹ほどの出力はありませんがちょっとした工具類程度の充電は可能です」

浜面「インパクトとか高速カッターとかか。
   まぁ、電源があればそれなりに助かるけどよ。
   でも言っちゃあなんだが、男臭い場所だぞ。
   女の子はあんまり連れ込みたくないなぁ、奴らが暴れる」

黒夜「ちょっと待て。私は普通に連れて行くのにこの対応の違いはなんだ」

絹旗「女としての魅力の違いでしょう」

浜面「黒夜の場合は悪い意味で怖い女って噂が流れてるからさ。
   暗部の組織のひとつを率いていたって奴に手を出す奴はいねぇよ」

御坂妹「言い訳に目がきょどってますよ、とミサカは敢えて余計な一言を言ってみます。
    ぶっちゃけ、まだ子供過ぎて相手にされていないのでしょう」

黒夜「浜ちゃん、やっぱり撫でてきていい?」

浜面「やめろって。御坂妹だっけ? お前さんもいい加減にしておけ」

御坂妹「はい。スポンサーには逆らえません。偉きゃ黒でも白になるんですねとミサカは世知辛い世の中を嘆いてみます」

絹旗「じゃあ、白夜ですか。ビャクヤですか」

御坂妹「『サンズイ』つけたら『白液』ですね、とミサカは視線を合わせないようにして呟きます」

浜面「オイコラ」

御坂妹「流石に怒りの琴線に触れた音がしますのでミサカはそろそろ自重することを考えます。
    っていうか、自分が言われても怒らないくせにこの子のことを言われると怒るんですね」

黒夜「なっ……」

絹旗「あ、赤くなってる。超可愛くねー」

黒夜「ンだとコラァ」

御坂妹「ともかく。これはこのミサカだけの意見ではありません。
    学園都市内にいるミサカ5体、いえ5人の総意です。
    つまり、ミサカはミサカひとりだけを雇って欲しいのではなくミサカたち5人を雇っていただきたいのです」

浜面「5人……5人かぁ」

黒夜「正直に言うとそりゃいれば戦力にはなると思うけど。
   でも5人をずっと投入できるほど現場があるかっていうとまた話は別だよね」

絹旗「それに、正直まだ戦力としてどれほどカウントできるが不明でもありますよね」

浜面「でも電磁能力者5人は美味しいなぁ。
   大能力者ひとりより低能力者5人の方が使いやすい状況もないわけじゃないんだし」

黒夜「おい、私は戦力外か」

浜面「そんなこと言ってねぇよ。
   スゲェ助かってる。
   けどやっぱりひとりはひとりであってさ、複数の現場を同時にコントロールできないじゃん。
   それに、黒夜はしばらくは入院してもらうんだし」

黒夜「ちっ……」

絹旗「大丈夫ですよ黒夜。浜面のことだから超こまめにお見舞いに行きますって。
   私は行かないかもしれませんが」

御坂妹「つまり、きまりということですねひゃっほう」

浜面「うーん。とりあえず一日お試しでやってもらってからだな。
   どこまでできるのかわからないと人日として拾いにくい」

絹旗「というか、浜面も学校に行くって話どうなったんですか。
   全然行ってないじゃないですか、麦野超ぶちきれますよ」

浜面「あれ? 言ってなかった?
   俺、転校してさ、会社運営してると単位になる商業高校に入ったんだ」

絹旗「なんですか超聞いてませんよ」

黒夜「やっていることは工業系バリバリなのにね」

浜面「それに正確には会社じゃなくって個人事業主でさ、一応ロードサービスでも登録したんだ。
   ……待てよ?」

御坂妹「じっくり見つめないでください、いやん。とミサカは自分でやってて吐き気を催してきました。おぇー」

黒夜「無表情で言われてもなぁ」

浜面「バイクとか運転できる? レッカーは?」

御坂妹「はぁ、一応軍事的に必要な知識は頭の中に入ってますので多分できます」

浜面「じゃあ電子ロックの解除とかは」

御坂妹「正直、低能力者であるミサカには複雑な電子ロックは解除できません。
    補助の機械を使えばなんとか、というところでしょうかとミサカは少々不安げに答えます」

浜面「いいねぇ。
   ってことはアレだ。
   学園都市のあちらこちらにバイクで飛んでいってもらって鍵開けてきてもらえるんだな」

絹旗「あ、ロードサービスの方で雇うんですか?」

黒夜「なるほど。
   同じ現場に同じ顔がいっぱいいると流石に噂になるけれども学園都市中散らばってたらわからないか」

御坂妹「そこはあまり考慮していただかなくてもぶっちゃけ今までで十分噂になっています。
    とミサカはクローンならではの苦労を語ります」

黒夜「ふーん。じゃああんまり意味がない?」

浜面「そんなことはないぞ。
   ロードサービスって事故が起こらなきゃ基本的に暇だからさ。
   ふたつを組み合わせることで仕事の時間のロスを減らすことができる。
   ってことは5人って数字も遊びの人数じゃなくなるんだ」

黒夜「でも機材の方が高くつくじゃん」

浜面「だな。レッカーの方には手を出さないで鍵開け専門で行くかぁ」

御坂妹「おお、するする話が具体的に纏まっていきます。
    実は切れ者ですね顔に似合わず、とミサカは意外性を隠せません」

浜面「顔に似合わずっちゃあどういう意味だ」

絹旗「確かに浜面は顔はキモいですがそれなりに段取りとか優秀なんですよ」

黒夜「ちょろっと時間見つけては打ち合わせとかしてるもんね。
   10分かそこらで次の仕事を決めてるところとか、正直スゲーと思うわ」

浜面「なんだかんだで学園都市はビルの解体とか多いんだよ。
   すぐどっかで誰かが暴れてビルが壊されて、で、危険だから解体してって。
   一日に十件以上はあるしそれ以外もいっぱい案件はサイトに出てるんだ」

絹旗「それで全体が更地にならないんだから超景気がいいですね」

御坂妹「ミサカとしてはお小遣いになるのならばなんでも構いません。
    まだ労働というものをしたことがないので少しばかり楽しみでもあるのです」

浜面「ともかく、一度現場入ってみればいいさ」

黒夜「メットと安全靴と着替えとタオルと革手と……他に何かいるかい?」

浜面「いらないかな。メガネとかゲンノウとかはこっちで用意するさ」

御坂妹「おお、ガテン系ミサカが完成していきます。
    これでミサカの人気もうなぎのぼりです、仕事で汗を流して休日に可愛いお洋服を着るのです
    とミサカは取らぬ狸の皮算用をしてみます」

黒夜「じゃあ、代金は立て替えておくから三日ぐらいで相殺して」

御坂妹「え?」

黒夜「え、じゃねぇよ。
   メットとかだってただじゃねぇんだよ。5人分あればそれなりに金かかるんだよ」

御坂妹「でもそういうものは社員には配布されるのが雇用時の条件というものではと
    ミサカはミサカは思っていたのと違う方向に進む話にあわあわ慌ててみたり」

黒夜「社員じゃねーだろうが。
   言っとくけどな、現場じゃあ私の指示に従ってもらうかんな。
   浜ちゃんには打ち合わせだなんだって仕事あるんだから」

御坂妹「え、え?」

絹旗「……さっきからかわれたの超忘れてませんね黒夜」

黒夜「私の入院中の戦力としてはいるんだったらそれまでに使えるレベルにしないと意味ないだろ。
   つぅか、絹旗ちゃんが入ればそれなりにコマとして使えるのに」

絹旗「なんで私が部下の浜面の指示に従わなくちゃいけないんですか。
   ま、まぁ?
   どーしてもって頭下げてくるのならば超考えてやってもいいんですけど」

浜面「それだったら麦野に頼むわ」

絹旗「!!??」

浜面「めんどくさがりだけど頼んだ仕事はきっちりこなしてくれるからな。
   あれで妙に神経質なところなくしてくれれば監督としちゃあ最高なのに」

黒夜「っていうかねー。
   結局私と浜ちゃんと第四位は大小多寡の差はあれ組織を率いていた経験っつうもんがあるのよ。
   段取りとか進捗とか、なってみないと分かんないんだわ」

御坂妹「どうやら誰にしっぽを振って誰に噛み付くべきかミサカは見当違いをしていたようです。
    ですがミサカにはこの美貌と愛嬌がある! とミサカは挽回を誓います」

絹旗「浜面なんか数時間じゃないですか、それが一体どういう……」

黒夜「数時間じゃないよ。ここのところずっとやってるつぅの。
   絹旗ちゃんが真昼間にぐーすか寝てるうちにさ」

浜面「やめろって。俺は俺のためにやっているだけで絹旗を責めるために汗流してるんじゃねぇ」

黒夜「あいよ。
   まったく、浜ちゃん絹旗ちゃんには本気で甘いんだから」

御坂妹「……なるほど、ミサカにも大体の関係がつかめました。
    と、ミサカは第三者の立場がこんなに面白いものだということを理解しました」

絹旗「超なんなんですか、まったく……
   話を変えますか、すっかりいい時間になってしまいましたね」

浜面「おお、もう外も暗いな。
   滝壺と麦野がそろそろ帰ってくるから晩飯でも作るか」

絹旗「あれ?
   まだスジ肉がいっぱい残ってますよ」

浜面「あれだけだと寂しいだろ。
   さっきスーパーで買い物をしてきたらイワシが安かったからトロ買いしてきたんだ。
   刺身と焼きとあとはハンバーグにでもして、サラダもつければ丁度いいんじゃないかな」

御坂妹「ほほう。ではこのミサカもお手伝いしましょう」

浜面「いやいや、お客さんに台所立たせるわけにはいかないだろ」

黒夜「じゃあ私が手伝うよ」

絹旗「……ここで私が手を上げると『どーぞどーぞ』となるわけですね」

浜面「別にいいけどよ。っていうか絹旗魚さばけないだろ」

黒夜「絹旗ちゃんはパックの切り身が海の中泳いでいるって思い込んでるレベルだから」

絹旗「ええ、確かに私は魚をさばいたことは超ありません!
   しかし、だからといってできないという理屈は超なりたちません!
   何事もそつなくこなせるオールラウンダーの私にならばきっとできる!」

浜面「まぁ……4、5匹さばけばできるようになるかもしれないな。
   じゃあ、ちょっとやってみるか?」

浜面「まずは魚をさばくときの基本から。
   ウロコをとってみよう。
   包丁を持って刃を立ててしっぽから頭の方にひっかいてやる」

絹旗「じょりじょりっと。
   へぇ、簡単にウロコが取れますね」

浜面「背の方も腹の方も全部とるんだぞ?
   忘れやすいのが頬のあたりだ。
   頭を落としてもちょっと残ってたりするからな」

絹旗「超完成しました!」

黒夜「まだ終わってねぇよ。
   次は内臓をとるんだ。
   最初に包丁の先端を魚の肛門に突っ込む」

絹旗「え?
   調理中に聞いてはいけない単語が出てきましたが」

黒夜「いいんだよ。
   肛門から頭にかけて少しづつ切り裂いて、エラの先あたりまで開いていく。
   で、そうしたら流水に晒しながら内臓を引っ張って取り除く。
   親指を入れてエラの部分もとっておくのを忘れないように」

絹旗「うぇー。超真っ赤です。
   ドロッとして気持ち悪い……」

黒夜「だから流水にかけるんだって。
   で、終わったらヒレも切り落としておこう」

絹旗「これで超終わりですね!」

御坂妹「基本はこれで終わりですが、