上条「SOS団?」キョン「CB?」刹那「黒の騎士団だと?」ルルーシュ「学園都市か…」(332)


蒸し暑い雑居ビルの一室から、男の声が響く。

???「…学園都市!?ここが?秋葉原ではなくてか!?」

???「秋葉原はブリタニア軍に制圧?何を言っている!?」

???「まさかっ……」
男は自分の携帯を開く。

【恒和203年】

これだけで、男に衝撃を与えるのは十分だった。

???「何故だ……」




???「世界線が………」

















???「変わっ……た…?」










SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1368600714

恒和01年
人類は、地球連邦の下一つに統制され、誰もが恒久の平和がもたらされたように思った。

だが…

恒和203年
すでに連邦政府は形骸と化していた。
宇宙からは、かつてコロニーに移住させられた人々が反乱を起こし、

サイド3のザビ家率いる
【ジオン公国軍】

ジオン・ダイクンの息子、キャスバル・レム・ダイクンの率いる
【ネオ・ジオン】

元連邦軍の反連邦組織
【エゥーゴ】

コーディネーター率いる
【ザフト軍】

などの軍勢が次々に地球連邦に宣戦を布告し、各軍の開発した、人型汎用兵器【モビルスーツ】で各地を攻撃していった。

一方地球では
欧米の技術大国
【神聖ブリタニア帝国】
と世界最大の宗教団体の一つ
【ローマ正教】が徒党を組み、
それぞれ人型汎用兵器【ナイトメア】と魔術を操り、
地球連邦政府に宣戦を布告し、加盟国である日本も占領していった。

さらに、これらに対抗するかのように
日本の特区【学園都市】は超能力開発を進め、モビルスーツやナイトメアとも互角に渡り合える超能力者の開発を進めていた。

だが、超能力者とは言えど生身の人間であり、日本各地に展開できるほどの人数でもなければ、レベルの高い能力者ばかりでもない。

学園都市自体は貴重な地域だと連邦軍も考え、地球連邦とブリタニア軍の条約により、占領は免れたものの
圧倒的物量差により、日本はブリタニア軍に占領された。
【エリア11】
それが、敗戦国日本に許された名前であった。

だが、この状況に地球連邦政府もただ指を加えて見ている訳もなく、
治安維持部隊として【アロウズ】、【ティターンズ】、【OZ】などを組織して、各地で反乱部隊の殲滅を行っていた。
だが、そのやり方は時には一般人を巻き込むことも構わない残虐非道なやり方であり、地球連邦政府の信頼はますます下がっていった。

そんな中、この戦争を終結させる為に現れた組織が二つ。
一つはイオリア・シュヘンベルクが組織した【ソレスタルビーイング】であり、その圧倒的な性能の4機のガンダムで各地の反乱軍、及び地球連邦軍構わず、戦いの火種になるものは全て殲滅していった。
彼らの目的は武力による戦争の根絶である。

もう一つは、突如現れた謎の革命者【ゼロ】によって率いられた
【黒の騎士団】
彼等は正義の名の下に、日本解放を目指し、各地で解放運動を起こしていった。

数ヶ月前、ついにブリタニア軍が俺達の町にも攻め込んできた。
町が火の海になっていく中、俺達SOS団は、突如現れた装甲車に拉致され、ここに連れて来られたのだ。

学園都市。
人口約230万人、そのうちの8割が学生であり、さらにそのうちの四割が能力者である街。
そして、日本。いや、エリア11で唯一自治の許されている特区である。

もちろん、ブリタニア軍から逃げられ、こんな最先端技術の詰まった街に来られたのは、神様に奇跡を感謝するべきところなのであろう。

だが、俺の家族はもちろん
谷口、国木田、鶴屋さんに佐々木など皆はどうしているのだろうか。

助け出されたのはSOS団だけ、北高はナイトメアの砲撃により全壊したという。

きっと助かっている可能性は低いであろう。

そんなこともあって、俺は素直にこの状況を喜ぶことができなかった。

だが、今日から転入先の学校の授業も始まる。
忘れられる訳もないが部屋でずっと塞ぎ込んでいても何も解決しない。
まずは学園都市についての情報もしりたいしな。

ただ残念なのは、ハルヒ、長門、朝比奈さん、古泉、全員と学校が別になってしまったことだ。

なんでもこの学園都市では能力のLEVELとやらで対応が変わるらしく、

長門はいきなり最大のLEVEL5判定を叩き出したらしく、正式には発表されてはいないが、学園都市一位並か、それ以上の可能性すらあるという。
まぁ当たり前だろう。
そんなこんなでエリート校のながもんだかながてんだかなんちゃら学園ってーのに編入されたらしい。

古泉は学園都市では何故か能力が使えるらしく、発火能力者というものに分類され、LEVEL4判定を受け、これまたながてんなんちゃら学園ってーのに編入された。

朝比奈さんは新能力と判断されて【時間移動】(タイムトラベラー)とかいうそのままのネーミングとLEVEL3判定をもらい、これまたながてんなんちゃら学園に消えていった。

だが、問題はハルヒだ。

ハルヒは俺達と同じく、検査を受けたにも関わらず、追加で学園都市上層部の研究にまわされてしまった。
本人も満更でもないらしく、
「ほらっ!あたしはやっぱり選ばれし人間なのよ!」
とか言いながら白衣の皆様とどこかへ行ってしまった。

心配ではあるが、まぁあいつのことだ、何が起きても大丈夫そうだがな。


そして、俺だ。

もちろん能力判定結果は言うまでもなくLEVEL0であった。
だが、白衣の人達の説明によると、俺の左手には妙な力があるらしく、どんな能力や魔術でも打ち消せるらしい。

……嘘だろうな。

おおかた、友人達の能力Levelが高いのに比べて俺のLevelは0という悲惨なものだったため、気を使ってくれたのであろう

もし、本当にそんな能力があったとしたら、俺もハルヒと同じように研究機関にまわされているだろうし、何より…
こんな普通な高校にはまわされないであろう……

色んな厨二アニメをごちゃ混ぜにして好き勝手にぐちゃぐちゃにして楽しいですかw?












妄想はノートにでも書いてろよ糞ガキ

下手したら北高よりも小さいんじゃないかというようなどこにでもありそうな高校。ここが俺の編入先の高校だ。
まぁ何事も見かけにはよらないって言うしな。
とりあえず職員室に来いって話だったよな…よしっ!
もしかしたら本当はすげえ学校かも知れんしな!






……すげえ

>>8

1だ。
ごちゃまぜにしすぎたのは俺も正直後悔してる。
ちょっとやってみたかったんだ。

だがあまり言いたくはないが言わせてもらう。
なんだかんだ何作かはまとめに載るレベルの物は書いてきたんだ。
ただ見てるだけの奴に文句はあまり言われたくはないな。


まぁ、厨二アニメが好きなのは事実だが。

目の前に現れたのは、どっかの元都知事に消されるんじゃねえかとまで思えるような、ロリっ子先生であった。

小萌「えっと…今日から転校して来たチョン…ちゃん?」

キョン「キョンです。ちなみに生まれも育ちも日本です。」

小萌「そうでしたっ!じゃあジョンちゃんのクラスはこっちなのですよ?」

キョン「あながち間違ってないのが怖いですよ。」

ガラッ

小萌「は?い子羊ちゃん達?!今日は転校生がいるのですよ?!!!」
オンナッ?オンナッ? ウォオオオマタパンクサッテヤガル…フコウダァァア ボクァラッカガタヒロインノミナラズ…etc ライバル…シュツゲン?

転校生特有のざわつきが起こる。
やれやれ…古泉も最初はこんな感じだったのだろうか。

小萌「じゃあ入っていいのですよ?!」

緊張しながらも足を踏み入れる。
すると…

ナンデエオトコカヨ…オトコジャネエカオトコ… アアァケサカッタバカリノザッシガコーラデミズビタシ…フコウダァアア ボクァオトコデモショタナライケマッセ! スコシ。カッコイイカモ

一気にざわつきが増したかと思うと、男だとわかったのであろう、これまた一気にざわつきが静まった。




キョン「あー○○です。前の学校ではキョンって呼ばれてました。よろしくお願いします。」

パチパチパチパチ ? ? イマ、ショタッテイッタカイナー?
イッテナイワヨバカシネッ!

まばらな拍手の後、ロリっ娘先生が席に案内してくれた。

小萌「えっと…上条ちゃんの隣が空いてるのでそこに座ってくださ?い!」

キョン「はいっ。」

席に着くとその上条ちゃんとやらが話しかけて来た。

上条「俺は上条当麻。よろしくな!キョン!」

キョン「あ…あぁ…よろしく頼む。」

見るからに幸せそうな顔だな。
こいつが不幸だとか言い出したらぶん殴りたくなりそうだ…

そんなことを考えていると、上条が右手を差し出して来た。
今時握手するなんてな…本当にこいつは無垢なんだろう。

こちらも右手を出して握手に応じる。
すると、上条は何かを確かめるかのように右手を見ると安心したかのような顔になり、「よろしくな!」ともう一回言って来た。


土御門「にゃ?よろしくにゃ?っ!チョン!」

キョン「よろ…だからキョンだ!いや…キョンも本名ではないが。」

青ピ「なんや、ツッコミ上手いやないかショタやん!」

キョン(無視)

青ピ「ちょ…チョンやん聞いてんのかいな!?軽いジョークやジャブやでジャブ!!!」

キョン(無視)

上条(転校初日で青髪の扱いを悟るとは…こいつ…できるっ!)

小萌「はーい!そこの子羊ちゃん達?!
それ以上喋りやがるとスケスケミルミルですよ?HR始めますからね?!」

スケスケミルミルってなんだ!?
服が濡れて透けて見える的なやつか!?
ロリって時点で危ないのに大丈夫かこれ!?

上条「あの?頭を抱えてるとこ悪いんですが、スケスケミルミルは別に児童ポルノ法に引っかかるようなものじゃないですよ?」

キョン「そ…そうなのか……」

青ピ「チョンやんもそう思ったんかいな!いやぁ?ボクも最初はそう思って期待したんやけどなぁ?!ボクら気が合いそうやなっ!」

キョン(無視)

なるほど…やはりこいつは谷口的存在だな。よし、把握した。


と、この3人とは仲良くできそうだなんて考えていると、ロリっ娘先生がとんでもないことを言い出した。

小萌「は?い!子羊ちゃん達?!MS希望用紙は持って来ましたか??」



は?





何故だ…棒引き[ー]のグニャグニャ版が?になる…

携帯からの波形[~]は避けるのが吉

>>20

アドバイスありがとう。
やっぱりもしもしはダメだな。
熱下がったらパソコンで書こう…

キョン「あの…MS希望用紙t…上条「あのー、MS希望用紙とはなんでせうか?」

小萌「まったく…上条ちゃん…用紙は全員に配ったのですよ!」

小萌「じゃあキョンキョンちゃんもいるのでもう一回説明するのですよー!」

小萌「まず、皆さんが知ってるとおり、学園都市周辺は神聖ブリタニア帝国に支配されますね。
彼等は能力はもちろん使えませんが、【ナイトメア・フレーム】という人型自在戦闘走行騎を操って戦闘します。
高位能力者はナイトメア相手にも生身で戦えますが、
大体の人はそうはいきませんよねー?
だから地球連邦政府の支援により、学園都市に住んでいる人全員に、それぞれの実力にあったMSが支給されることになったのです!
でもそこは学園都市ですから、【実力】とはつまりLEVELを意味するのです。
本来はLevelの低い子羊ちゃん達に良いMSを与えて戦えるようにするのが効率が良いのだとは思いますが、どうも統括理事会は高位能力者の生存を優先したみたいなのです。
ですから皆さんも頑張ってLevelを上げて、より良いMSを手に入れてくださいね!
ちなみにMSのランクはLevelと同じ6段階になっていてLevel5の子羊ちゃんはSランク、4はA、3はBとどんどん下がっていって、Level0の上条ちゃん達はEランクからしか選べなくなりますね…」

上条「不幸だ……」

青ピ「せんせぇ、やっぱりMSは連邦のやつだけなんかい?」

小萌「いえ、実はそうではないんです。
鹵獲したジオンやザフトのMSや、Level5用にはソレスタルビーイングから提供された秘密兵器もあるとか…」

ソレスタルビーイング!?

どうなってるんだ…学園都市はそんなところとも繋がってるのか!?

小萌「ちなみにランクE、つまり上条ちゃん達はランダムになってるのですよー!」

キョン「え…じゃあ……」

小萌「ぶっちゃけ用紙はいらないかもですねー!」

キョン「やれやれ…」

上条「不幸だ……」


そんなこんなでHRは終わり、俺と上条は嫌味で希望MSに【ソレスタルビーイングの秘密兵器】と書いてやった。

その後授業が始まったが、普通の授業と合わせて能力開発の授業が行われたのだが、転入時の検査で【永遠のLevel0】と太鼓判を押された俺にとってはどちらも聞く価値のないものであった。

それは上条にとっても同じのようで、完全に寝入っていた上条の机からシャーペンが転がり落ちてきた。

俺が左手で拾い、上条に差し出すと、上条は半ば寝ぼけながら「サンキュ…」と言い右手でシャーペンを受け取った…その時だった。

キュィィィン!!!キュィィィン!!!

二回何かが吸収されるような音がしたかと思うと、上条の目が一気に見開かれた。

上条「キョン…お前……」

キョン「な…なんだ?」

上条「いや…なんでもない。気にしないでくれ。」

そう言うと上条は再び眠りについた。
今度は俺の反対側を向いて。

授業が終わると小萌先生に呼び出された。

小萌「キョンシーちゃん。功労学生優先制度って知ってますか?」

キョン「いや…聞いたことないです。」

小萌「簡単に言えば、学園都市側から出される依頼をこなすことで、資金が貰えたりや能力開発カリキュラムが優先されることなのですよ。」

キョン「その依頼っていうのは…」

小萌「もちろん簡単な運搬や警備から戦闘まで、色々あります。」

キョン「戦闘!?学生がですか!?」

小萌「今や、学生【が】じゃなくて学生【だから】が基本なのですよ。
もう警備員や風紀委員だけでは間に合わなくなっているのです。」

キョン「そんなに深刻な…」

小萌「まぁ気が向いたらで良いので協力してもらえると嬉しいのです!」

キョン「わかりました。」

ガラッ

とは言ったものの俺には能力もなにもないしな…まぁ運搬ぐらいならやってみてもいいか…

上条「キョン、この後暇か?なんなら俺が学園都市を案内するぜ!」

土御門「上やんがまともにできるぜよ?
俺に任せた方がいいんじゃないかキョンやん。」

青ピ「ボ…吹寄「貴様らでまともな案内などできるわけないだろう!あたしに任せておけ!」

どうする…一気に三人に声をかけられたぞ…

【安価】

1.上条に着いていく

2.土御門に着いていく

3.吹寄に着いていく

4.長門のところへ行く

5.古泉のところへ行く

6.朝比奈さんのところへ行く

7.青ピに一回話しかけてあげて希望を与えた後にまた無視して精神的ダメージを与える。

>>35まででよろしくお願いします。

7→1→4で行こうと思います。

キョン「青髪よ。」

青ピ「!?なんやキョンやん!?ボクを選んでくれたのかいな!可愛い女の子のいるところならボクに任せてやぁ?!」クネクネ

キョン(無視)

吹寄「さすがに可哀想に見えてきたわ…」

キョン「じゃあ上条。案内頼んでもいいか?」

そう俺が言うと、上条は一瞬何故か真剣な顔をしたがすぐにいつものような表情に戻り、「おう、任せてくれ!」と言ってくれた。


ーーー第7学区、路地裏

キョン「おい、さっきからどんどん人気のないところに入っていってないか?」

まさかこいつホモじゃねえだろうな…
ガチホモ勢は俺じゃなく古泉のはずだ!

上条「ここら辺でいいか。」

キョン「だから何がだ…」

上条「キョン、確認するけど、お前はレベル0なんだよな?」

キョン「ああ。ちゃんと学園都市の太鼓判付きだ。」

上条「そうか、じゃあこれから言う話はお前にとって意味のわからない話かもしれないが、聞いてくれ。
俺の……」

上条が何かを言い始めた直後だった。

???「動かないで下さい」チャキッ
現れたのはラフな格好に帽子を深く被った少年だった。

キョン、上条「!?」

???「おとなしくついて来てくれれば悪いようにはしません。」

どうする…相手は拳銃を持っているようだしここは素直に従うのが得さk

上条「嫌だねっ!」

嘘だろおい…命知らずにも程があるだろ!?

そう言うと上条は俺の手を引き逃げ始めた。

上条「今までの上条さんの経験からして、最初から命を狙ってくるやつと何か目的があってくるやつじゃ全然違うのですよ。後者はそう簡単には殺しにはこないって訳で。」

とか言いながらも時間稼ぎにする気なのか、路地裏の壁に立てかけてある大量の鉄パイプをちょうど道を塞ぐように倒す。
こいつ…こんな状況に少しも驚いてねえ…それどころか完全に慣れてやがる。

???「こちらデルタ1。対象が逃走を始めました。プランBに移ります。うん、わかってるよ兄さん。殺しはしないよ。」

???「止まれ!!!」キュィィィン

そう少年が高い声で言うと、なにやら少年の目が赤く光った。

だが、それだけであった。

???「な…何で!?ギアスが効かない?」キュィィィンキュィィィンキュィィィンキュィィィンキュィィィン

なんだかずっとキュィィィンキュィィィンやってる。
よくわからんが逃げるチャンスなんだろう。

???「うん。わかったよ兄さんの想定内だったね。プランCに移行するよ。」

そう少年が言うと、前から後ろから
炎をメラメラやってる人や電気をビリビリやってる人や周りに木の葉を舞わせてる人など、いわゆる能力者が大量に出て来た。

何故か皆目が赤く虚ろだ。






???「殺さない程度に痛めつけて下さい。」

そう、少年が言うと、一斉に電撃、炎撃、風撃など様々な攻撃が襲いかかって来た。

上条「お前も魔術師なんだろ!?こっちは俺がなんとかする!!だからそっちは頼む!!」

キョン「何言ってやがる!!!俺はさっきも言った通り、ただのLEVEL0だっ!」
眼前まで迫る攻撃に対し、俺はとっさに左手を出した。

何を考えたというわけでもない。
反射というやつだろう。
だが、この行動が俺を救い、そして様々な思惑を生むことになった。

キュインキュィィン!!!

と、二つの音が左右で響いた。
すると、多種多様な攻撃は全て消失し、残ったのは少年の驚愕の声だけであった。

???「上条当麻が幻想殺しを使うことはしっている…でも何でもう一人まで…」


ーーーその頃、少年の無線相手

???「何!?幻想殺しが二人いただと!?厄介なことになりそうだな…」

ーーー再び路地裏

上条「・・・幻想殺し!?何でキョンが・・・・」

キョン「俺にもよくわからん!!!
ただ、研究者達には異能を打ち消せるだなんだわけのわからん事は言われたが」

上条「やっぱり幻想殺しだ…俺以外にもいたのか…」

キョン「だが、なんだその【アラジンフリーター】だっけか?恥かしくないのかそんな名前…」

上条「俺だって恥ずかしいわ!!!
でも俺が…いや正確には今の俺が着けたんじゃねえ!!!!!」


そうこう話してるうちに、少年と無線機の相手とも話がついたようだった。

???「うん、わかったよ兄さん。ファイナルプランだね。足を撃つよ。」

俺達にとってとてつもなく不幸な方向で

???「大丈夫。僕は兄さんの弟なんだから。」

何が大丈夫なんだ。俺達は少しも大丈夫じゃないぞ。

???「最終警告です。おとなしく投降して下さい。さもなくば…」

いつの間にやら、能力者達も拳銃やアサルトライフルなどの武器に持ち替え、こちらに構えている。

くっ…俺のよくわからん力も上条の力も異能の力にしか効かないらしい。
つまり銃などの物理的攻撃には効果がないんだろう。絶体絶命というやつじゃないのか……?

上条「ちくしょう…何か手はないのか…」

おとなしく従うしかないのか…
そう思った直後だった。

???「対象の無力化を申請。許可。対象を無力化する。」

聞き覚えのある声がしたと思うと、能力者達と少年が一斉にその場に倒れこんだ。
この声と圧倒的な能力は…





キョン「長門!!!」

上条「何ですか、この小萌先生と姫神を足して2で割ったかのような冷静ロリ貧乳娘はぁ!?」

長門「」ピキッ

キョン「あ…禁句踏んだわお前。」

上条「え…何がだ?俺はただクールで童顔で胸が小さいって言っただけだろ!?」

長門「」ピキピキ

上条「ああ!なるほどな!貧乳ってところか!いや、貧乳だって悪くないじゃないですか!いくら胸が小さくったって、貧乳は正義とも言うs…」

長門「」ブチッ

キョン「お前わざとやってるだろ…」

長門「情報結合の解除を開始する…シネ」

上条「今、明らかに本音が漏れて…」

キョン「ちょっと待て長門、話を聞いてくれ。」


ーーー3分後

キョン「だからな長門。こいつは良い奴なんだ。ちょっと鈍感でデリカシーのないところもあるが。」

長門「鈍感はあなたも同じ…///」

上条「リア充爆発しやがれ。」

と、そんな久しぶりの再開と軽い修羅場が終わったところで、少年の落とした無線機から声が聞こえて来た。

無線機「ロロ!!!どうした!?定時連絡がないぞ!!!!!
ちっ…やられたか……役に立たないボロ雑巾め。」ブチッ

ロロっていうのかあいつ…
にしてもひでえ扱いだな…おい。

上条「聞いたことある声だな…」

長門「それもそう。この街に住んでいる…この世界に住んでいるなら誰でも知っている。」

キョン「まさかっ!?」

長門「無線の相手は、ゼロ。黒の騎士団の総統。」

キョン、上条「嘘…だろ…」


長門「嘘ではない。あなた達は超能力、魔術を無効化できる、貴重な存在。
各陣営が目をつけるのも当然。」

キョン「だが、俺の能力はあのロロってやつも知らなかったみたいだぞ…」

長門「あなたの能力は最近明らかになったばかりだから。でも、黒の騎士団は知らなくても、知っている勢力はいる。
それに今回の件でさらにあなたの名前は広がる。油断はしない方がいい。」

俺はなんでもかんでも巻き込まれる呪いでもかかっているのだろうか…

上条「ところで…結局この長門さんとやらとキョンはどんな関係なんでせうか?」

長門「恋…キョン「前の学校の友人だ」

長門「」デスヨネー

上条「さっきの力はなんなんだ?」

キョン「ああ。こいつもLEVEL5の1人らしくてな…確か…なんだったか?」

長門「【情報改竄】(データオールター)。どんな情報でも改竄できる能力
。簡単に言えば、あなたの存在をなかった事にする事も可能。」

まぁ、本当は情報統合思念体によるものであって、長門自身の力ではないが。

上条「チートじゃねえか…」

長門「但し、時と場合によりできる状況とできない状況がある。」

長門が言っているのは思念体からの許可が出るか出ないかの問題の事であろう。

上条「なるほどな…」

会話が一段落すると、長門が口を開いた。

長門「私はこの後、彼に大事な話がある。できれば一度席を外して欲しい。」

上条「お…おお。わかった……ってああああああああああああああああああああああああああ!?」

いきなり上条が大声で叫び出した。
余程大事な事でもあったのだろうか。

上条「豚肉のタイムセールス…よしっ…全力で走れば…」

そう言いながらもすでに上条はスタートダッシュを切っていた。

上条「じゃあな?!路地裏で誰もいないからって変な事するんじゃねえぞ!!!」

キョン「しねえよ!!!」

長門「」チッ…

長門「ここで話すには長い話になる。私の寮に行く。」

キョン「おう、わかった。(舌打ちが…いや、長門に限ってそれはねえよな…)」

>>1です。

出して欲しいキャラなどがいたら、作品を問わずいつでも言って下さい。
できる限り出せるようにしたいと思います。

デカルトさんやていとくん…
二人とも良いキャラしてたのに原作では噛ませ扱いだったから、活躍して欲しい…

ひとまず乙したー

各作品のキャラがバランス良く出てくれればそれで良いです

強いて言うならイオリアとかアレイ☆とかの黒幕勢が見てみたいかなと

長門に案内された場所は、やはりとてつもなく豪華な建物であり、入口に守衛まで立っていた。
長門がよくわからないカードのようなものを取り出し、これまたよくわからん機械に通すと、扉が開いた。

長門「ついて来て。」

キョン「いや、これ俺が入ったらまずいんじゃないのか?」

長門「問題ない。現在あなたは私以外の視覚、聴覚などには感知されない」

つまり透明人間になったという訳なのだろうか…上条の言う通りやはりチートと呼んでも過言ではなさそうだ。

長門「ここ。入って。」

そう言って案内された部屋は、やはりドアからして高級感が滲み出ていた。
ドアを開けると……

あれ…?

俺はどこでもドアでも開いてしまったのか?
とでも思うような状景がそこには広がっていた。

間違いない。
長門のマンションだ。


だが長門のマンションもナイトメアにより破壊されたはず、もしさっきのドアがどこでもドア的な類の物だったとしても、繋がった先は空中のはずだ。

長門「空間移動をした訳ではない。この部屋の情報を改竄して、前と同じ部屋にしただけ。」

なるほどな…でも…

キョン「何でわざわざ豪華な部屋からこんな殺風景な部屋にしたんだ?」

そう言うと、長門はしばらく黙り込んだ後、口を開いた。

長門「実用性を考慮した。それと…」

長門「私にも【思い出】と言われるものがこの部屋にあったのだと思われる。
ここはあなたと初めて向かい合って話した場所であって…
もう一人の私……違う。
あの時の私があなたと朝倉涼子と食事をしたのもここ。
朝比奈みくるとあなたにカレーを振舞ったのもここ。
ここは、私にとって特別な場所だった。」

長門の口から出たのはとてもわかりやすくて、人間味溢れた言葉だった。
そうだよな。長門はもう昔の長門じゃないんだ。
そう思うと何故か嬉しくて、そして長門がとても愛おしく見えた。

キョン「そうか…」

沈黙が暫く続いた。

やばい…このまま長門と2人でいたら俺ははたして色々な意味で理性を保てるのだろうか……などと不純なことを考えていると長門が口を開いた。

長門「お茶…飲む?」

キョン「あ…ああ。頼む。」

お互い気まずい感じになりながらも、いつもと同じ位置に座る。

長門「おいしい?」

キョン「ああ。」

そういうと長門はまたお茶を入れようとした。
あのエンドレスグリーンティーは勘弁願いたいっ!

キョン「ああっ…大丈夫だ。それより本題を話してくれないか?」

長門「そう。私が話したいのはこの世界のこと、そして涼宮ハルヒのこと。」

この世界?
ハルヒ?
今さら何を話すことがあるというんだ…

>>44>>45

了解です。できる限り早めに出せるようにしたいと思います。

他の方も希望があったらどんどんどうぞ。


長門「まず第一に、この世界は私達の元々いた世界ではない。」

キョン「………は?」
思わず情けない声をあげてしまった。
まさかこれもまたハルヒによって改変された世界だっていうのか…

長門「数ヶ月前、この世界は創り出された。涼宮ハルヒの力の暴走
そしてその他の複雑な原因により、
本来交わることのないはずの大量の世界が交わり、一つの世界に収束した。それがこの世界…」

長門「G?tters;Gate」

キョン「ゲッター…ズ…ゲート?」

長門「私達が元の世界に戻るためには、様々な原因を断ち切らなければならない。涼宮ハルヒが望んでいることにも値する。」

キョン「具体的に何をすればいいんだ…」

長門「全ての争い…つまり…
? ? ? ? ? この戦争の終結。」

キョン「何…だと……」


あんま出すと大変かもしれんがぜひコーラサワーを

>>50

ご意見ありがとうございます。
あの不死身野郎は大好きなのでもちろんだそうと思ってます。

キョン「俺達で戦争を終わらせる!?
いくら長門がいるからってそれはさすがに無謀じゃないのか!?」

長門「何も私達だけではない。私達が協力するのは
【ソレスタルビーイング】、【黒の騎士団】、そして【学園都市】の三同盟戦力。」

キョン「何言ってるんだ!?あの三勢力が同盟だって?そんなことする訳ねえじゃねえか!」

長門「公式に発表はしていない。
でも、利害関係は一致している。
ソレスタルビーイングはこの混戦の中純粋に【数】が必要であり、
黒の騎士団と、学園都市は
【日本の解放】という点で黒の騎士団らと利害が一致している。」

キョン「本当に…それだけなのか…」

長門「おそらく、ソレスタルビーイングは純粋にこの戦いを終わらせようとしている。ただ…」

キョン「黒の騎士団と学園都市か。」

長門「そう。おそらく学園都市の統括理事会理事長、アレイスター=クロウリーはこの戦争ですらゲームとしか思っていない。
そして、黒の騎士団総統、ゼロは平和な世界を望んでいるものの、先ほどのようなやり方をすることにより信用はしきれない。」

キョン「じゃあ一体俺達は誰を信用すればいいんだ…」

長門「第一に信用できる勢力のリーダー的存在と、あなたはすでに接触している。」

キョン「ゼロか?接触したと言っても無線機越しの声を聞いただけだし、何よりさっき長門自身が信用はしきれないt…」

長門「上条当麻、通称上条勢力と言われる勢力のリーダー的存在。」

キョン「上条が…リーダー…!?」

そういや、アレハンドロとアウレオルスで黄金コンビを結成できるな

所でMSはどの年代の機体が出るんだ?
宇宙世紀(+ダブルオー)だけなのか、それとも番外編(ウイングとかGガンとか)も出てくるのか…

>>53
その手があったかwww
アレハンドロは死んだままにしておこうと思ってましたがいいですね、それ。
いやでもそしたらアウレオルスも記憶を取り戻さないと…また楽しくなりそうですw

ガンダムシリーズ、それ以外のアニメもそうですが、冒頭に出てこなかった作品もでてきます。

逆にキャラクターだけでなく、出して欲しい作品などもあったらどんどん言ってください。


長門「そう。上条勢力は正式な組織ではないが、上条当麻の一声で
学園都市側の能力者だけではなく学園都市と影で繋がっている、イギリス清教の面々も集まってくる。」

キョン「イギリス清教!?ローマ正教と並ぶ世界宗教までか!?」

長門「そう。上条当麻はあなたが思っている以上に重要な役割。
これからあなたも同じ立場になる。」

キョン「やれやれ…
じゃあ俺はとりあえず、上条達と積極的に接触すればいいんだな。」

長門「そう、彼らが困っていたら助けてあげて。さっき言った三勢力については私がもう少し調べておく。
他にも連邦正規軍の一部は私達の味方。覚えておいて。」

キョン「わかった。ありがとな、長門。」

長門「いい。そちらでも何かあったら連絡して。後、古泉一樹と朝比奈みくるとも会っておくべき。」

キョン「ああ、わかった。だがハルヒはまだ帰って来てないのか?」

長門「そう。涼宮ハルヒはまだ検査が続いている。今のところ心配な要素は見られない。」

キョン「そうか…色々ありがとな。長門!じゃあな。」ニコッ

長門「また。」

キョン「って…このまま帰ったら、俺はずっと透明人間なんじゃないだろうな!?」

長門「大丈夫。もう解除してある。ドアを開ければあなたの寮。」

キョン「本当に便利だな、おい……
って、てことは長門はいつでも俺の部屋に入って来れるってことだよな…」

長門「そう。実はも……///」ハッ

キョン「……///じゃ…じゃあな…」

長門「……///」

ガチャッ

ウオッ!マジデオレノリョウジャネエカッ!

バタンッ




















長門「……助けて。」













夜、人気のない倉庫群で二人の少女が交戦していた。

???「………」スッ

ショートカットの眼鏡を掛けた少女が手を振り下ろすと、どこからともなく現れた無数の氷柱のようなものが、もう1人のカチューシャを付けた少女に勢いよく襲いかかった。

???「それだけ?」

カチューシャ少女は何もしなかった。
いや、
する必要が無かったのである。

氷柱は少女の眼前に迫ると一気に何倍もの量になったかと思うと、眼鏡の少女の方に勢いを増して跳ね返った。

どうやら眼鏡の少女の方にはそれを完全に防ぐ術がないらしく、バリアのようなものを張ったが貫かれ、ダメージを負ったようだ。

眼鏡の少女「…助けて……」

カチューシャ少女「大丈夫よ。本体がいればいくらでも生き返れるわ。ねっ?

………有希」ニコッ

カチューシャを付けた少女が清々しいほどの笑みで告げる。

眼鏡の少女「嫌…嫌…嫌ぁぁぁあああああああああああああああああ!!!」

カチューシャ少女「そろそろ死んで。有希。」ニコッ

彼女がそう言うと、周囲にあるコンテナや重機などが一斉に眼鏡少女の上空に浮かんだ。

カチューシャ少女「3、2、1、」

眼鏡少女「最後に会いたかったな…」

そう眼鏡の少女が言うと、カチューシャを付けた少女は明らかに機嫌の悪い顔をすると。

「0。」

と告げた。

何十、何百トンにも及ぶ鉄の塊が
容赦無く少女に襲いかかった。






ドシャアアアアア

と大量の鉄の塊が地面を震わせた。

ただし、その下に眼鏡少女はいない。

???「へぇ…やっと戦えそうなのが来たじゃない。」

眼鏡少女を叩き潰す予定だったそれらは寸前であらぬ方向に飛んで行き、崩れ落ちていたのだ。

すると、暗闇から1人の男が現れた。
???「たっくよォ…俺を越えるなんて言うからよォ……期待して来たら、とんだ悪党だったとはなァ!!!」

???「あんたに言われたくはないわよ、一万人の妹達を虐殺した、学園都市第一位…いや今はもう二位、いや、三位、それ以下かしら……一方通行って言ったっけ?」

一方通行「チッ…そっちも調査済みかァ…噂の【幻想創造】(イマジンクリエイター)さんよォ!!!」

ハルヒ「私には涼宮ハルヒっていう偉大な名前があるの!!!あんたみたいに能力名で呼ばれる趣味はないわ!!!」

そう。
この少女の名は涼宮ハルヒ。
SOS団団長にして、
第二次絶対能力進化計画の被験者。
学園都市暫定第一位【幻想創造】である。

戦闘or不思議皆無な作品は出てくるこたぁねーだろww

AGE組出すなら火星勢をどんな扱いにするかだよなぁ
爺さんはともかくキオ単独なら上条勢力に引っ張れそうだな

>>62
あー、すまんすまん。
けいおんはハルヒや禁書系とクロスさせる奴が結構あるからな。
そこへガンダム系が絡むと鬱展開やらキャラの死亡描写は避けられないだろうから、神経質になっちゃうのよ。


一方通行「ハッ…結構なこった。悪党には名前なんか必要ねェよ…そうだろォォオ悪党ォオオオオオオ!!!」

そう叫び、飛んだ一方通行の背中からは風のベクトルを操作して作り出した翼が竜巻のように渦巻いていた。

ハルヒ「あんたと一緒に…するんじゃないわよぉおおおおおおおおお!!!」
そして、同じく飛んでいるハルヒの背中には翼などはなかった。
光、神々しいまでの光があった。
ただ、その光に柔らかな優しさはなく、何処か刺々しいような鋭い光だった。

一方通行「喰らいやがれェエエ!!!」

一方通行が強烈な一撃を放つ。
他人が見ればただの全力で殴ったストレートにしか見えないかもしれないが、
実際はベクトル操作により比べ物にならないぐらいの力を出し、尚且つ、一方通行自身の反動でさえも相手の方向にベクトルを変換しているため、反動によるダメージなどは一切ない。

そんな一般人が、いや、同じ高位能力者でもくらえばタダではすまない一撃に対し、またもやハルヒは何もしなかった。

その何をするわけでもないだけで、一方通行の攻撃は塞がれてしまったのだ。

一方通行「くっ…ここまでとはなァ…」

一旦距離をとった一方通行に対して今度はハルヒからの攻撃が始まる。

ハルヒ「私の力をナメるんじゃないわよ…こんなことだってできるんだからっ!」

そう言ってハルヒが右手を振り上げると、現れたのは……

一方通行「おィおィ…洒落んなってねェぞ……」

白髪に赤い目をして、背中には翼を生やした少年。

学園都市元第一位、【一方通行】


100人。



>>62>>63

たぶんけいおんは出さないと思います。

AGEかぁ…う?ん…どうするか…



一方通行「………」

ハルヒ「どうしたのよ!驚いて言葉も出ない!?無理もないわよね!!!自称最強が100人も出て来たんだから!」

一方通行「違げェよ…10000人対100人はどうなるのかと思ってなァ……」

ハルヒ「一万人…?そんな戦力あんたに……」

一方通行「お前らァ!出番だぜェ!」

???「チッ…あなたに協力する義理はありませんが計画のためなら仕方ないですね。とミサカはため息混じりに舌打ちをかましながら呟きます。」

一方通行「聞こえてんぞォ…」

ハルヒ「何かと思ったら妹達じゃない!そんな欠陥品1人で何ができるっていうのよ!!!」

ミサカ10032号「1人ではありません。とミサカはさっき言われたことも忘れているアルツハイマー女に簡潔に説明します。」

一方通行「よォく周り見てみろよォ」

ハルヒ「な…何よ…これ……」

ハルヒの周りに浮かんでいたのは無数の緑色の光であった。
そう、それは全てゴーグルの光。

ハルヒ「妹達…一万人……」

かつて絶対能力進化計画で量産され、一方通行に姉妹を虐殺されたLEVEL5御坂美琴のクローン。
【欠陥電気】(レディオノイズ)

一万人。

ミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハミサカハ

MSだけど宇宙世紀の機体出せるなら是非ジェガンをお願いします…。

F91ではアレな扱いだけどUCや逆シャアでは頑張ってたし…。

W勢とか見てみたい
あと無理を承知でヤムチャさん希望


その中には一方通行がよく聞き覚えのある声もあった。

ミサカモイルヨーッテミサカハミサカh

一方通行「誰だァ!!!こいつ連れて来やがったのはァ!!!愉快なオブジェにすんぞォ!!!!!」

打ち止め(ラストオーダー)、一方通行が保護している妹達の上位個体である。

???「私よ。その子、この近くで慌てふためいてたから…」

一方通行「てめェ…第三位かァ…」

美琴「元。ね。今は何位だか知ったこっちゃないし知ろうとも思わないけど。」

ハルヒ「学園都市第三位…超電磁砲……あんた…1番一方通行に協力するとは思えないけど…」

美琴「確かに私はこいつのやったことは許さない。でも今だけは計画を止めるってことで利害が一致しているわ。」
?
一方通行「………」

美琴「それにね。こいつは前に進もうとしている。この子の面倒をみたり、前に計画が再開されそうになった時にはそれだって未然に防いでくれた。
実際、今もこうやって戦ってくれている。
前を向いて…戦ってるこいつと…
何もしないで……ただ張りぼての強さを求めているだけのあんたとは違うのよ!!!!!」

ハルヒ「あたしの強さが張りぼて…?いいわ。見せてあげる!!!
行きなさい!百人の元第一位!!!」

ハルヒがそう言うと、偽一方通行は一斉に、先程の一方通行と同じように風の翼で飛び、襲いかかった。

一方通行「打ち止めァ!!!」

打ち止め「わかってる!ってミサカはミサカは叫んでみたりっ!!!

? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? 行くよっ!」

妹達「了解しました。とミサカは珍しく素直に返答します。」

そう9969人の妹達が言うと、偽一方通行100人は、翼を失いその場で落下した。

ハルヒが驚愕の顔で言う。
ハルヒ「な…何で!?あたしの能力に不備なんて…」

一方通行「ねェよ。無さすぎたんだよ、てめェの能力には。」

百人の偽一方通行が落下した理由。
それは妹達による妨害電波であった。
元々、一方通行本人も、首についているチョーカーに妹達から演算能力を受け取って能力を使用している。
その為、逆に妹達がそれを妨害する電波を流すことなど容易いことなのである。

一方通行が再びハルヒに接近した、
そして、同じように拳を振りかぶる。

一方通行「さァ…スクラップの時間だぜェ!!!」









妹達からの集中砲火と一方通行からの攻撃を受けながらもハルヒは動かない。

ハルヒ「同じ攻撃なんてっ…」

一方通行「言ってろォォ!!!」

ドゴォ!!!

一方通行は先程ど全く同じような攻撃を繰り出した。
にも関わらず。

ハルヒ「何でっ…バリアが薄く…」

???「どうやら…魔術への防御は完全じゃないようだにゃー」

ハルヒ「魔術師……ローマ正教!?」

土御門「違うにゃー」

一方通行「土御門ォ!余計な事言うんじゃねえ!!!」

土御門「へいへい…」

ハルヒ「でも…だから…どうしたっていうのよ!!!」
ハルヒがそう言うと、ハルヒの背後から無数の赤いレーザーのようなものが一方通行に向けて至近距離で放たれた。

一方通行「あァ?」

もちろん一方通行はそれを難なく跳ね返した。
だが、殆どのレーザーは誰もいない場所に着弾したものの、一撃だけは甘い方向に跳ね返り、美琴へと迫った。

美琴「こんなもの!!!」

威力を相殺させるべく、美琴も超電磁砲を放つ。
だが、

二つの光線がぶつかり合う。

押しているのはハルヒの放ったレーザーであった。

美琴(間接的な威力でもこんなに…甘く見過ぎたかも…
もう一発…でもそんな余裕は…)

刹那。
ハルヒの放ったレーザーが跡形も無く消し飛んだ。
どこからか放たれた別の力によって。

???「まったく…御坂さんが怪我でもしたらどうする気ですか…自分が許しませんよ…」

美琴「あんた…あの時のっ!?えっと……」

海原「名前すら覚えてもらえてないなんて悲しいですね。まぁ、あの名前は本当の名前じゃありませんがっ!」

ハルヒの光線を打ち消したのはトラウィスカルパンテクウトリの槍。
海原こと、アステカの魔術師エツァリが使う、金星の光を使った魔術である。

次に海原は今度はハルヒに向けて黒曜石のナイフを構え、トラウィスカルパンテクウトリの槍を繰り出した。

ハルヒ「くっ…また魔術師…今度のは古泉くんに似てるわね。」

海原「自分はあなたみたいな気の強い女性は嫌いじゃないんですがねっ!」

土御門「お前…義妹がいながら何て口を叩きやがるにゃーーー!!!」

海原「あなたは黙っていてください。てか血だらけじゃないですか!!!」

一方通行「結標ェ!!!」

結標「いちいち大声出さないでもらえる?」ヒュンッ

次の瞬間、美琴の頭上に小型のコンテナが現れた。

美琴「ちょっとなにこれ!?潰す気!?」

一方通行「超電磁砲だァ!できんだろォ!!!」

美琴が言い返しながらも超電磁砲を放つ。

美琴「っ…最初からわかってたわよ!!!」バチバチッ…ドゴォオオオオオ!!!!!

ハルヒ「何よ、この大きさ!?第三位の超電磁砲はコインじゃなかったの!?」

美琴「そんなのは全然全力なんて出してないわよ!!!」

超電磁砲によって弾き出されたコンテナがハルヒへと迫る。
だが、やはり寸前で光に包まれ、消えた。

美琴「これでもダメなの……」

土御門「いや、これでいーんだ。頼んだぜい兄やん!!!」

>>71

了解です。連邦正規軍の機体として出そうと思います。

スターク・ジェガンも核装備させれば何かと話が広げられそうなのでいいかもしれませんね。

>>72

W勢は出す予定です。

ヤムチャ…www

一発キャラとして考えときますw

黒歴史シリーズは流石にアウトかな…只の無双ゲー状態になりかねん…
同様の理由で劇場版ダブルオーの機体(特にOOクアンタ)も難しそうだ…

そうですね。

一応、パラレルワールド設定なので、生死が少し違う部分もあります。

明確に死亡シーンが描かれていないキャラが実は生きていたり…みたいな…

>>80
そこら辺については深くは言わないでおきますが、とりあえず誰かの無双になる可能性は少ないかと…


ーーー同時刻、高層ビルの屋上。
土御門の通話相手

男は右目に眼帯をして、どこか女たらしのような雰囲気が漂っていた。

???「おいおい、奴さん、化物じゃねえのか?本当にこんな作戦で大丈夫なのかよ?」

土御門「できる。とは言わないにゃー。ただ、やってみる価値はあると思うぜい。」

???「はいよ、その言葉だけで十分さ。
確認するが、この銃であの子が死ぬってことはねぇんだよな?」

男が覗き込んでいるのは、超大型のスナイパーライフル。

土御門「安心してくれ。あくまでもその銃が発射するのはアレに対する対策プログラムだ。涼宮ハルヒ自体にダメージは与えない。」

???「なら良いんだ。あの子自身に罪はないからな。」

土御門「ああ。だが狙いは確実に頼むぞ。アレは笑っちまう程に小さいからな。」

???「誰に言ってるんだ?その台詞。」

土御門「…そうだったな。その名の通り、狙い撃ってくれ。」

???「おいおい!決めゼリフを先に言うんじゃねえよ!!!」

彼の名はディラン・ニーディル

またの名を【ロックオン・ストラトス】

ディラン「ロックオン・ストラトス…その名の通り…狙い撃つぜ!!!!!」

ニール・ディランディじゃないのか…
まさかCBのメンバー全員名前とか経歴とかちょっぴり違う感じかな?

>>85

並び替えただけですが、本人は偽名のつもりです。

今更すんません。連邦が形骸化しているということはF91~Vの宇宙戦国時代のように酷い状況なんですかね?

いくら治安維持部隊としてアロウズやOZ、ティターンズが台頭していてもコロニーの連中は好き勝手してるみたいだし…。

宇宙世紀本編ではジオンの消滅で敵がいなくなってジェガンが長らく配備される腑抜けた状態が続いたらしいが…

PCからです。

>>93
それに近い状況ではありますね。宇宙世紀とは違い、コロニーなども桁違いなので
基本的には各地に連邦軍は展開していますが各勢力や反乱軍などに苦戦しており、信頼はされていません。
地球では【ブリタニア、ローマ正教同盟軍VS地球連邦軍】という2勢力の戦いが基本形であり
かろうじて宇宙に比べると統率がとれています。
ただし、戦闘を行っているのは独立治安維持部隊が主で、地球連邦上層部は地下でビクビク怯えています。
ですが連邦の全てが腐ってしまったというわけではなく、独立治安維持部隊とは別に水面下で各軍との戦闘を行っていたり、戦闘によって破壊された地域の復興に全力を尽くしていたり、など正しいことを行っている人々もいます。

なのでブリタニア軍や、ローマ正教、ザビ家などは地球連邦全体を敵視していますが、他の各勢力が敵視しているのは
あくまで【独立治安維持部隊】であり一部の地域では他勢力と連邦軍が共生している地域もあります。

サーシェスと木原希望


ハルヒの背後から出ている光は明らかに弱まっていた。
そこへ、高層ビルの屋上から一筋の光線がハルヒに向かい、一直線に突き抜けた。


ハルヒ「嫌…何か来るっ……」
ハルヒがまるで怯えた少女のように、自分の腕で頭を庇う。

光線は、直撃した。

ディラン「やったか!!!」

土御門「いや…どうやら厄介なことになったようだぜい。」


妹達の銃撃が止み、ハルヒの姿が徐々にはっきりと浮かび上がった。



ハルヒ「よくも…」

全員「!?」

ハルヒ「私に、【手】を使わせたわね・・・」

この時、その場にいた全員が思い出した。
今まで、これだけの攻撃を受けても、表情こそ変えたものの、ハルヒはどこも動かしてなかったということを。



勝てない。



誰もが思い知った。




涼宮ハルヒ、もはや、彼女に勝負などという概念は存在しないのだ。



ハルヒ「ひれ伏しなさい…一方通行…」



>>96
なんだか心の中をよまれた気分www


もちろん、この状況でハルヒに命令されようと、言う通りにする一方通行ではない。

だが、彼はその場に崩れ落ちることになった。

ドサッ…

という音と共に一方通行が地面に倒れこんだ。

美琴「一方通行!?」

ハルヒ「あんたバカじゃないの!さっきのあたしが作り出した100人のあんたが動かなくなった理由。妹達からの妨害電波かなにかでしょ?
あんたのその首の変な機械を動かなくする為の。
笑えるわ。自分から弱点晒してどーすんのよ!!!!!」

一方通行「………」

ハルヒ「まともに喋る事もできないのね…、見てて可哀想だから…
まとめて終わらせてあげるわ!」

ハルヒが両手を振り上げると、巨大な鉄槌のようなものが現れた。

海原「神の鉄槌ってやつですか…」

ハルヒ「そうよ。でもこんなのあたしにとっては一割の力も出していないわ。そんな一割にもみたない攻撃にあんた達は負けるの!!!」

その場にいる全員を巻き込む程の鉄槌が振り下ろされる。

美琴にも海原にも結標にも土御門にも妹達にも打ち止めにも遠く離れたロックオンにも、防ぐ術はなかった。

ドコンッ!!!

地割れと共に凄まじい音が響く。

ただし、それはハルヒの【神の鉄槌】によるものではない。
そう気づいた頃には全員は四方八方の空を飛んでいた。

一方通行が全員を逃がす為、吹き飛ばしたのだ。
きっと一人漏らさず着地点は遠く離れた川などの水辺であろう。

打ち止め「アクセラレータ!!!」
飛ばされながらも彼女は叫ぶ。
彼女だけではない。
その場にいた全ての者が彼の名を叫んでいる。

打ち止め「またあなたは1人d」

彼女はその言葉を最後まで言い切ることはできなかった。
彼女の目に最後に見えたのは、フラフラになりながらも立ち上がる一方通行。
その口元が微かに動いているのを彼女は見逃さなかった。

「ア…リ……ガ…ト……ナ…ァ…」

普段の彼なら絶対に口にしない言葉。
それだけに、その言葉の意味が彼女には痛いようにわかった。

打ち止め「アクセラレータァァァアアアアアアアアアア!!!!!」

少女の悲痛な叫びが、夜空に虚しく響いた。

ーーー翌日、とある高校の学生寮

テレビからは昨日の夜に起きたらしい不可思議な事件の報道が流れている。
なんでも、学園都市各地の川やプールなどの水辺に合計ざっと一万人の人間が空から落ちてきたらしい。
何故か名前は1人も公開されていないのだが。

もう少しそのニュースを見ていたかったが、なにぶん時間がない。
男子高校生の朝は早いんだ。

トウマオナカガスイタヨートーウマーオーキーテー
ウン…アアア!!!モウコンナジカンジャネエカ!?モウイカネエト!!!
ゴォオオハァンンン!!! ギャーァ!?フコウダァァアアアアア!!!

隣人がうるさいな…どっかで聞き覚えのある声なのだが……

そう思いながら外に出て、
今日は朝比奈さん辺りに会いに行くか…
古泉の野郎は最後でいいだろう。
なーんて思っていた矢先だった。

???「悪いインデックス!飯は適当に冷蔵庫の中の食べといてくれ!!!」

???「とーうーまーぁあああ!!!」

隣の部屋から出てきたのは上条だった。
どうりで聞き覚えのある声のはず………………だ?

俺の思考が停止した理由は二つ。

一つは上条を追って部屋から出てきたのは純白のシスターさんだったということ。
そしてもう一つは、そのシスターさんによって頭部に激しい衝撃を受けたことだ。

スレタイに出てないのが出ててカオスワロタ
これはエタる予感


頭が……痛い………

「……くんっ!」

ん…誰だ……?

「ョン…くんっ!!!」

幻聴か……

「ふぇぇ、キョンくんっ!!!起きて下しゃい!!!!!」

朝比奈さん!?
あぁ…ついに俺にもお迎えが来たのか…
朝比奈さんみたいな天使様なら最高だぜ………

「逆白雪姫ってことでキスで起こしてあげては?」

こ…古泉!?
てことはこれは現実なのか…
どっちにしろ邪魔だ古泉!消えろ!!!

「ふぇ!?そんなの無理でしゅ!キョンくんに悪いですよ!」

いえいえ、全然悪くないです朝比奈さん!!!むしろお願いしますっ!

「そう。朝比奈みくるが接吻をしたら彼が可哀想、ここは私がするべき。」

な…長門!?
いや…長門も嫌じゃないんだが…寧ろ嬉しい!!!
てかなんだよこのラブコメ展開!?

「な…長門さん!抜け駆けはずるいですよ!!!」

「あなたはさっき無理だといった。私は平気。だから私がする。」

「長門さんが良くてもキョンくんがダメでし!!!」

うおおおおお!!!
なんだこの展開!二人には悪いが俺の為に争ってくれてるのが超嬉しい!!!

「仕方がありませんね、ここは間をとって確実な方法をとりましょう。」

「ひえっ!?まさか古泉くんが!?」

おい…冗談だろ気持ち悪い……

「録画開始」

何してんの長門ぉ!?

「んふっ…」

ちょっと待ってくれマジで鼻息っぽいのを感じるんだが
鳥肌たってきた…くそっ…動け俺の体…
開け俺の目…燃えろ俺の小宇宙……唸れ!俺の左手!!!


キョン「うおりゃああああああああああああああああああああああああああああああああ幻想殺し!!!!!」ドコシャア!!!

古泉「そげぶっ!?」


そうして俺のセカンドキスは防がれた。
ファースト?
……思い出させんでくれ


とりあえず、長門が残念そうな顔をしてるのは触れないでおこう。








>>103
エタりはせん…エタりはせんぞぉおおおおおお!!!!!

スレタイに出てないの…どれですか?

俺が古泉にトドメを刺した後に長門から聞いた説明によると、
俺はあのシスターさんに襲撃を受けた後、しばらく意識を失っていたらしく保護者がいないため、急遽医者がSOS団メンバーを呼び出したらしい。

みくる「キョンくん…いつから意識が戻ってたんですか…?」

キョン「えっと…朝比奈さんが俺に呼び掛けてる辺りからです。」

みくる「…///忘れてください……///」

キョン「は…はい。」
すいません朝比奈さんっ!
俺はこの事を一生忘れないと思いますっ!!!

長門「私のは忘れなくていい。」

キョン「お…おう。」


そんなラブコメ的展開を俺が楽しんでいるのカエルみたいな顔をした医者らしき人が入ってきた。

冥土帰し「楽しそうなところすまないね。君達に謝りたいって二人がきてるんだけど入れてもいいかい?」

上条とあのシスターさんのことか…

キョン「はい。大丈夫です。」

冥土帰し「ほら、君達、入りなさい。」

やはり入ってきたのは例の二人で、
上条は何か見舞い品らしきものを持ち、シスターさんの方は申し訳なさそうな顔をしていた。


病室に入ってきた上条が最初にしたこと。それは…



土下座。




上条「キョンさん!すいませんでしたぁああああああ!!!」

キョン「おいおい!やめてくれ、恥ずかしい!!!」

みくる「ふぇ!?この人どうしたんですか!?」

上条「ふぇ!?この長門と相反するかのような巨乳さんは誰ですか!?」

キョン「地雷警報です。」

長門「消えて。」

長門が素早く上条の横に移動し、右足を横薙ぎに振り抜く。
上条はとっさに見舞い品を入れた紙袋を盾にする。
右手も添えてはあるが、物理攻撃に幻想殺しは通用しない。
無情にも上条は横に薙ぎ倒された。
そして、吹っ飛んだ上条を避けようとしたシスターさんもバランスを崩して倒れかけた。

キョン「うおっ!!!」ガシッ

ベットから乗り出しシスターさんを両手で支える。

インデックス「あ…ありがとう!」

すると、倒れ込んでいる上条がこちらを見てこの世の終わりのような顔をした。

上条「お…おい…インデックス…昨日確か、ステイルに新しい歩く教会もらってたよな……」

インデックス「うん、これだけど。」

上条「不幸…だ……」ガクッ


パァンッ!!!


純白のシスターさんの服がバラバラに弾けた。

キョン「あ…」

みくる「ふぇっ!?」

長門「……ユニーク。」

上条「………」

古泉「」




インデックス「ぇ…ぁ……/////」






病院に少女の叫び声が響き渡った。







インデックス「なるほど…つまり君も幻想殺しを持っているってことなんだね。」

シスターさんはシーツに包まりながら話しかけてきた。
そのシーツは後で俺が使うことになるのだが…言わんでおこう。

キョン「ああ…なんかすまんかった。」

インデックス「ううん。倒れそうになっちゃった私が悪いんだしね。
ムキになって破ったとーまとは訳が違うかも。」

上条「不公平だ……」

長門「私も謝罪する。ごめんなさい。」

上条「俺にh長門「氏ね。」

長門は相当怒っているようだ。
まぁ無理もない。
これは上条が悪いな。うん。

キョン「ところで、上条よ。結局このシスターさんは誰なんだ?」

上条「ああ、そいつはいそうrインデックス「私の名前はインデックス!よろしくね!!!」

上条「居候だ…」

キョン「大体把握した。俺はキョンだ。よろしくな。上条の彼女のえっと…インデックスさんよ。」

インデックス「え…///ぁ///」

長門「あのクズの彼女とは哀れみに値する。よろしく。」

インデックス「え…だから私は…/////」

みくる「えっと…上条さんと…その彼女のインデックスさんですね…よろしくお願いしましゅ!」

インデックス「とーまとは…その///…/////」アタフタ

古泉「」

インデックス「ご冥福をお祈りするかも…」

そんな感じで俺達がインデックスをからかっていると、急に隣のベットの閉め切られていたカーテンが開いて、ショートカットの女の子が姿を表した。

???「ちょっと!?さっきから聞いてれば誰が誰の彼女ですって!!?」

上条「げっ!?ビリビリ!?」

インデックス「短髪!?」

美琴「だ?か?ら?…ビリビリって言うなゴラァアアアアアア!!!!!」?

と、女の子が言うと、その体から電撃が発せられ、上条に襲いかかった。
どうやら、能力者らしい。
それもなかなかの。
そしてその「ビリビリ」というあだ名の意味を俺達は上条の身を持ってすぐさま理解した。

美琴「で、何であんたがここにいんのよ?」

上条「イ…イ…インデックスさんが……このキョン様に噛み付いて致しまして、お見舞いにいらしました所存でありませう……」

美琴「日本語めっちゃくちゃじゃないの…アンタ本当に日本人?」

インデックス「私の方が日本語上手いかも…」

美琴「それで、この人達は?」

キョン「ああ、俺はキョンだ。上条の同級生でLevelは0。よろしくな…えっと…」

美琴「御坂よ。」

キョン「よろしくな、御坂。」

上条「ちなみにそいつは俺と同じ力が使える。」

美琴「あんたの同じ力って…あの…」

上条「ああ。異能の力ならなんでも打ち消せる、幻想殺しだ。」

美琴「あんた以外にもいたなんて…」

上条「そのリアクション何回目だよ…」

美琴「それでそっちの…(胸でかっ!?」

みくる「あ…朝比奈みくるです。よ…よろしくお願いします。
の…能力は時間移動(タイムトラベラー)です…」

美琴「時間移動って、あの新発見された能力!?常盤台でも話題になってるわ…よろしく。」

みくる「と…常盤台の…御坂…さん…
もしかして超電磁砲のですかっ!?」

美琴「そうよ。あんまり自分からは言いたくないんだけどね…」

みくる「ふぇっ…す…すごいですよ?!憧れちゃいますぅ!!!」

美琴「そ…そう?///」

上条「おい、御坂、その方々は年上だぞ、敬語を使え敬語を。」

美琴「あんたも年上じゃない。まぁ、確かにそうよね…ごめんなさい。キョンさん、朝比奈さん。」

キョン、みくる「タメ口でいいぞ(ですよ。)」

上条「嘘だろ…」

キョン(妹で慣れてるしな)

みくる(涼宮さんで慣れてますし…)

美琴「ほら、私が正しいじゃない!」

いや、正しい訳でもないんだけどな。

ん…というか長門はどこいった?
さっきまで俺のすぐ隣で上条に睨みを利かせていたはずなのだが…

……ベッドの下でガサゴソ音がするが…まさかな…

そう思って俺がさらに身を乗り出してベッドの下を見ると…

そこには膝を抱えて丸くなっている長門がいた。

キョン「長門…何やってんだ?」

長門「ここにスモール閉鎖空間が出現しつつある。」

嘘つけ。

キョン「出て来いって、初対面の奴に変人に見られたくはないだろ?」

長門「」コクッ

キョン「じゃあ出て来い。」

長門「」フルフル

かわい……
いや、そうじゃなくて。
長門がここまで警戒する相手…
御坂か?
いや、でも長門は今、学園都市暫定二位だかなんだかだったはずだ。
御坂に負けるはずが…

なるほどな…そういう事か…

つまり、長門は御坂に目の敵にされたくないってことか。
まぁ、御坂は気が強そうだが、自分から喧嘩を売るほど小物なやつでもないだろう。

キョン「大丈夫だ。何かあっても俺がなんとかしてやる。」

長門「あなたになんとかさせても困る。」

っ…そりゃどういう意味だ…

美琴「さっきからベッドの下覗いて何やってるのよ…ゴキブリでもいるの………っ!?」

長門「!?」

どうやら御坂も長門を見つけたようだ。すごく驚いている。

御坂「あ…あんた……オリジナル…」

オリジナル…?なんのことだ?
そう長門に聞く暇もなしに長門は素早くベッドの下から飛び出し、病室の外へ逃亡していた。

キョン「おい、長門!!!」

重い身体を起こして長門を追う。
そして部屋から出ようとしたのだが…

ドンッ

突如長門の逃げた逆方向から病室に入ってきた人影によって、俺の進行方向は塞がれ、激突してしまった。

ディラン「おっと…悪いねぇ兄ちゃん。大丈夫かい?」
ぶつかったのは、ラフな格好をした、何やらニヒルな男性だった。
二枚目な顔立ちをしているが、片目に眼帯をしている。

キョン「いえ…こっちが走っていたのが悪いので………っ!長門!!!」

慌てて廊下に出て左右を見るが、すでに長門の姿はなかった。

ディラン「俺が病室に入る時に階段を降りる影が見えたがその子か?」

普通の人間ではそんな速さはあり得ない。
だが、長門のことだ。
すでに俺達には探し出せない場所に逃げ込んでいるのだろう。

ディラン「ところで…御坂美琴って女の子はこの病室にいるかい?」

美琴「え…あ…あたし?」

ディラン「昨日は大丈夫だったか?まぁ、あの一方通行のことだ。演算能力は桁外れだろうし間違っても地上に落下したやつなんていないだろうがな。」

美琴「!?あんた…何者…?」

ディラン「おいおい、そんな怖い顔しないでくれよ。せっかくの美人が台無しだぜ。
俺はディラン・ニーディル。
成層圏の向こう側まで狙い撃つ男だ。
一方通行とあんたの妹達の射撃コーチで、昨日最後にあいつを狙撃したのも俺だ。」

美琴「そうだったのね…あの時の…」

おいおい、なんか訳のわからん話が始まっちまったぞ…
まぁ、俺には関係なさそうだが…

上条「おい、御坂!!!」

上条が今までにないぐらいの風貌で御坂に話しかけた。

美琴「ななな…何よ……」

上条「さっきから聞いてりゃあ、お前らだけで話して、お前らだけで納得しやがって…
一方通行と妹達が関わってんだろ…
説明してもらおうじゃねえか。」

美琴「あ…あんたには関係ないわ…」

上条「関係ねえことあるか!!!妹達が危険に晒されてるんだろ!?
それにまず、お前が苦しんでるんだ!
俺に関係ねぇ訳がねえだろうが!!!」

美琴「あんたは!!!!!!」

先ほどの上条の声にも負けないぐらいの大声に、一気に場の空気が凍りついた。

美琴「あんたは…知ったらまた止めにいくでしょ!?いつもいつもいつもいつもいつも一人で背負い混んで!!!」

上条「当たり前だ!!!お前らが傷ついてるんだ。それを見過ごすことなんてできねぇ!!!俺1人でもなんとかしてやる!!!!!」

美琴「それでっ!!!」

上条「!?」

美琴「そうやって1人で背負い混んで!
一方通行は死んだのよ!!!!!」

死んだ……?
あの学園都市元一位が…

上条「……嘘………だろ…………」

美琴「本当よ…一方通行はあたし達を庇って……」

ディラン「もういい。後は俺が説明する。こいつには黙っていても無駄だろうよ。
あんたが例の幻想殺しだよな…?」

上条「ああ、そうだ。まぁ幻想殺しは俺1人じゃなかったらしいがな。」

ディラン「…?どういうことだ?」

上条「そこにいるキョンってやつも、俺と同じ幻想殺しが使える。」

嫌な予感はしたぜ…
なるべく巻込まないで欲しいんだが…

ディラン「そうか…アンタが…ちょうどいい、そっちの3人…いや1人は起きそうにねえなこりゃ…話を聞いてもらえないか?」

ここまで言われて、断れるだろうか?
答えはNOだ。少なくとも俺はな…



ディラン「まず、絶対能力進化計画って知ってるか?あぁもちろん御坂とえっと…」

上条「上条当麻だ。」

ディラン「上条は知ってるだろう。誰よりも…な。」

なんだそりゃ…俺達は全く知らんぞ。

ディラン「まぁ、普通は知らないのが当然だ。絶対能力進化計画ってーのは、まず、そこにいる御坂のクローンが作られたことから始まる。」

キョン「御坂のクローン!?」

ディラン「ああ。学園都市の研究者達はまず、Level5である御坂のDNAマップを彼女が幼少時の時に入手し、彼女の軍用量産クローンである【妹達】を作り出そうとした。それが、通称量産型能力者計画だ。」

キョン「んな、無茶苦茶な…」

ディラン「ああ。無茶苦茶だ。
だが、いざ妹達が出来上がってみると、彼女達の能力値は御坂美琴本人には到底及ばず、1%にも満たない、Level2.Level3だということがわかった。
それによって遺伝子操作・後天的教育問わず、クローン体から超能力者を発生させることは不可能と判断され、
すべての研究は即時停止、研究所は閉鎖し計画は凍結された。」

キョン「なんだ…驚いたぜ…」

>>116
しんどけ


ディラン「だが…
その後、絶対能力進化計画が始動。
学園都市第一位、一方通行をLevel6に進化させるためのプランを、当時の学園都市最大のスーパーコンピューター【樹形図の設計者】が叩き出した。
それが…
【20000通りの戦闘環境で量産能力者(妹達)を20000回殺害する】というものだった。」

キョン「嘘だろ…そんなの正気じゃねえ!!!」

ディラン「結局、その計画は半分ほどまでは順調に進んだ。」

順調に…?
てことは御坂の妹達は1万人近く一方通行に殺されてるってーのか…

ディラン「性格には9982回までは。
そこから御坂の妨害が入り、10032回目で、幻想殺し、つまり上条により一方通行が倒され、今度こそ実験は中断された。」

キョン「じゃあ…」

ディラン「そして、今回の事件だ。一方通行は更生し、能力も弱まって、もう絶対能力進化計画には加担しない。
だが、そこに一方通行をも上回る能力者が現れた。」

確か…一方通行の上にいる能力者っていったら…

学園都市暫定二位の長門と…

まさかっ!?

ディラン「それが、学園都市第一位、涼宮ハルヒだ。」

嘘だ…
俺は信じないぞ……

>>117
ありがとう。一瞬書くのやめようかと思いましたが、持ち直しました。

嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ

キョン「嘘だアアアアアアアアアアアアアアアアアァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

みくる「す…涼宮さんが……」

ディラン「やはりそうか…幻想殺しの話を聞いた時そうかとは思ったが、あんたらが…SOS団…だよな?」

キョン「ああ、そうだよ!!!その団長がハルヒだ!わがままでいっつも俺らを振り回して、俺は喫茶店でいっつもオゴらされて…だが一番に仲間のことを思ってて…本当は優しくて…人を殺すなんて絶対にしねえ!!!」

ディラン「ああ、きっとそうなんだろうな。
彼女が普通の精神状態なら…な。」

上条「どういう意味だ…」

ディラン「彼女は何者かに脳内に超小型のチップを埋め込まれ、それによって操られた暴走状態に陥っている。
よって計画に加担しているのは彼女自身の意思ではないんだ。」

こういってはなんだが、俺は少し安心してしまった。
ハルヒが自らの意思で実験に参加してるなんて言われたら、それこそ俺は完全に我を失っていたであろう。


皆さんありがとうございます。
続けます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そこで、ふと俺の頭に疑問が浮かんだ。それは
【今回の妹達は誰をベースに作られたのか】ということであった。

確か、御坂はDNAマップを提供したからたまたまクローンが作れたのであって、他のレベル5で研究機関にDNAマップを提供したやつなんていないだ………ろ……

そこで俺の思考が止まった。




いた。





しかも俺がよく知っている人物が。









…長門だ。



俺達は学園都市に編入する際に、全員精密検査や能力判定を受けた。

それと同時に、保護への見返りとして全員のDNAマップを提供したのだ。
学園都市の技術をよく知らなかった俺達にはその重要性などわからなかったが。

キョン「おい…まさかとは思うが…今回の妹達のベースって……」

ディラン「そうだ…学園都市暫定二位【情報改竄】だ。確か、名前は……
まさか!?」

キョン「そうだよ…さっきのが【情報改竄】、俺達の仲間、長門有希だ…
くそっ…あんたが来たから…っ!」

上条「落ち着けキョン!ディランのせいじゃない!!!」

わかっていた。どっちみちディランが来ようと来まいと、本気で逃げようとしていた長門には追いつかないということを、
そして、長門の不自然な行動に気づけなかった自分が一番悪いのだということを。


御坂「やっぱり…あの人がオリジナルだったのね…」

キョン「…何人だ………」

みくる「キョン君?」

キョン「今までに殺された長門のクローンは何人だって聞いてんだ…」

ディラン「本格的な実験が開始されたのは昨日。つまりまだ1人も、涼宮ハルヒには殺害されていない。」

良かった…ハルヒは殺していないのか…

ディラン「とはいえ、このままでは実験は止まらない。そこで相談だ。
幻想殺し、あんたの力を貸してもらえないか?」

美琴「ちょっと!こいつは関係な…」

上条の目が、美琴にそれ以上を語らせなかった。

美琴「わ…わかったわよ…その代わり私も一緒に戦うわよ!」

上条「ああ。頼む、今回ばかりは俺一人じゃ無理そうだしな。頼りにしてるぜ、御坂。」

美琴「べべべ…別にあんたの為じゃないからっ!死なれたら困るっていうか…って!困らない!全然困らないから///」

キョン「おい…戦うって…ハルヒをどうするつもりだ…」

ディラン「安心してくれ。彼女を操っている中枢を専用の妨害プログラムを撃ち出して破壊するだけだ。彼女自身にはダメージはない。」

キョン「そうか…なら俺も協力させてもらう。ハルヒも、長門と長門の妹達も全員助けたいんだ。」

みくる「私も…手伝います…っ!」

インデックス「色々初耳なのは、後でとーまに問いただすとして、今は協力させてもらうかも!」

ディラン「よし、じゃあ今から作戦会議を始める。」

ーーー同時刻 ?某ビルの隠し部屋

完全に壁に擬態されていたドアは爆破され、その残骸の上に1人の男が銃を構えていた。
ソレスタルビーイングのガンダムマイスターの1人、刹那・F・セイエイだ。

刹那「動くな!涼宮ハルヒ、貴様を拘束する!!!」

その銃口の先にいるのは彼女であった。

ハルヒ「何よ…ここなら絶対見つからないって言ってたくせに…まぁ、さすがはソレスタルビーイングってところね。」

ハルヒがどこか呆れたように淡々と述べる。

刹那「っ…何故それを!?」
刹那は思っていた。
ソレスタルビーイングの情報の機密性は高く、そうそう漏れるものではない。
それを予測できるということは、関係者、もしくは今までに戦った相手が関わっているのではないか、と。

???「やっぱり来たかぁ…クルジスの兄ちゃんよぉ!」

刹那の予想は的中した。
できるならば二度と聞きたくない声が、刹那の鼓膜を震わせ、同時に銃口をそちらへと向かわせる。

刹那「その声…アリー・アル・サーシェスか!?貴様が何故ここに!」

サーシェス「わかってねぇなぁ…俺は傭兵だ。何故どうしての問題じゃねぇ、いくついくらの問題なんだよ!」

アリー・アル・サーシェス、根っからの戦争屋であり、金さえ積まれればどこにでも付く。
刹那に洗脳をかけ、両親を殺害させたのも、初代ロックオン・ストラトスことニール・ディランディーを殺害したのもこの男だ。

刹那「くっ…貴様に信念はないのか!」

サーシェス「あるぜぇ!テメェには一生わかんねぇだろうがなぁ!!!」

そんなやり取りにあからさまに興味を示さずハルヒは言った。

ハルヒ「ここは任せていいわね。」

サーシェス「もちろんです。あいつはあなたが気にする程の価値もありません。任せて下さい。」

彼は戦争をビジネスとしている。
故に、雇い主とその仲間に対しては敬語を使用する。
だが、今回の場合は例外だ。
今回の雇い主と彼は、もはや金だけの関係ではなかった。

ハルヒ「頼んだわ。行くわよ、木原!」

木原数多「ヘぃへぃ…、おい、サーシェス!!!」

サーシェス「あぁ?」

木原数多「テメェのことだ、そのガキ相手におっ死んだりなんてしねぇたぁ思うが、殺られんじゃねぇぞ!
テメェは俺の貴重な研究材料なんだからなぁ!!!」

サーシェス「わぁってるよ…せいぜい酒でも用意して待ってるんだなぁ!」

木原数多「チッ…テメェは本当にムカつく野郎だぜ…」

サーシェス「テメェ程じゃねぇよ!」

お互いに毒づいてるようにしか見えないが、この会話はお互いの圧倒的な信頼を意味している。
性格の一致からか、はたまた声の類似からか、傭兵であるサーシェスと雇い主の木原の間には妙な友情が生まれていた。

立ち去ろうとするハルヒに刹那が銃口を構え直す。

刹那「待て!!!」

サーシェス「やめとけ。お前にどうこうできる相手じゃねぇ!」

刹那「くっ…」ガチッ

刹那がハルヒの足を目掛けて拳銃の引きがねを引く。
だが、それだけだ。
音もしなければ、火薬も弾丸も出ない。

刹那「何故だっ…!?」

サーシェス「だから言ったろ!元々戦える相手じゃねぇんだよ!お前はおとなしく、俺相手にせいぜい苦戦しやがれ!!!」

本来ならMS同士で戦うであろう二人の生身の戦闘が始まる。

この刹那は二期の刹那かな?

>>129
ヒント…

○サーシェス「クルジスの兄ちゃん」

×サーシェス「クルジスのガキ」

>>130
びっくりだわ

観てる頑張れ!

まず、先に動いたのは刹那だった。
サーシェスに拳銃を向け、引き鉄にそえた指先に力を込めた。

だが、次の瞬間。
その刹那の右手からは力が抜け、拳銃は床へと落下していた。

サーシェス「テメェには迷いがあんだよ!生身の敵を撃つ事への迷いがなぁ!その点、俺は迷わねぇ、戦場では一瞬の迷いが命取りだからなぁ!!!えぇ!?それはお前もよくわかってんじゃねぇのか?親殺しの兄ちゃんよぉ!!!」

そう、刹那より遅く、だが迷わず引き鉄を引いたサーシェスの拳銃から放たれた弾丸が、刹那の右肩を貫いていたのだ。

>>131
二期の場合はってことですよー

>>132
ありがとうございます!

刹那「くっ…」
刹那が撃たれた右肩に手を当て、顔を歪める。

サーシェス「おらよぉ!!!」
その間にも、サーシェスの持った銃の銃身が容赦なく刹那に振り下ろされる。

だが、刹那もソレスタルビーイングの一員であり、紛争経験者だ。
素早く、ダメージのない左手でサーシェスの右手をさばく。

サーシェス「ところがぎっちょん!甘ぇんだよ!!!」

サーシェスはそう言うと、右足を刹那の脚を払うように振り抜いた。
その一撃は刹那の足元を見ごとすくい、刹那はその場に倒れ込んでしまった。

模型誌でASTRAYが復活している事だし、叢雲劾を出してみてはどうだろう?
サーシェスとの傭兵同士の対決があってもいいかも。

サーシェス「テメェは頭が固ぇんだよ!敵が右腕を振り上げたら馬鹿正直に右腕だけにしか神経を集中させねぇ!!!だから予想外の攻撃には反応できねぇんだ!!!」

刹那「くっ…」

サーシェス「終わりだぁ…クルジスの兄ちゃん。案外呆気なかったなぁ!おい!」

サーシェスの銃口が刹那に向けられる。
彼の目には迷いなどない。



パァン!!!!!!



乾いた音が部屋に響いた。

サーシェス「テメェは頭が固ぇんだよ!敵が右腕を振り上げたら馬鹿正直に右腕だけにしか神経を集中させねぇ!!!だから予想外の攻撃には反応できねぇんだ!!!」

刹那「くっ…」

サーシェス「終わりだぁ…クルジスの兄ちゃん。案外呆気なかったなぁ!おい!」

サーシェスの銃口が刹那に向けられる。
彼の目には迷いなどない。



パァン!!!!!!



乾いた音が部屋に響いた。

連投ミスです。

ハルヒSSみたいに伏線ではありませんw

>>137
ご意見ありがとうございます!
検討させて貰います!

だが、それは、サーシェスの拳銃が刹那に弾丸を放った音ではない。
刹那の背中部で何かが破裂し、辺りに煙を撒き散らしたのだ。
緊急用にマイスターのパイロットスーツに備えられている煙幕装置である。

サーシェス「クソがっ…小賢しい真似しやがって…」

パァン!!パァン!!パァン!!
と、乾いた音が連続する。
今度は紛れもなく銃声であり、サーシェスが煙に向かって手当り次第に弾丸をばら撒いたのである。

だが、煙が晴れた頃には、すでにそこに刹那の姿はなかった。

サーシェス「チッ…逃げ足だけは無駄に速えなぁ!ソレスタルなんたらぁ!!!」

ここはソレスタルビーイングの多目的攻撃母艦プトレマイオス2艦内。
そのブリッジにはクルーが揃っており、巨大なスクリーンには、刹那からの通信映像が映し出されていた。

刹那『こちら刹那・F・セイエイ、対象に逃亡された上、負傷した。すまない、俺のミスだ。』

スメラギ「ちょっと、刹那、大丈夫?元々今回は偵察なんだから無理しないで良かったのに。」
そう、刹那に言ったのは艦長のスメラギ・李・ノリエガ。
はたからみたら、とても30代になど見えないような、グラマラスな体型と皺一つない肌をしている。

ティエリア「まったく…勝手な行動は謹んでもらおう。計画に支障をきたす恐れがある。」
冷淡な口調でそう言ったのは、ティエリア・アーデ。ガンダムマイスターの一人で、イノベイドにつき性別は決まっていない。それゆえ中性的な見た目だがそれとは裏腹にパワーを重視した機体に搭乗している。

刹那「すまない…くっ…」
ティエリアの言葉に対し、謝罪した刹那であったが、やはり痛みに顔を歪めている。

ティエリア「それと、刹那、君は大丈夫なのか?」

刹那「ふっ…、お前が俺の心配をするなんて珍しいな。」

ティエリア「勘違いするな。計画の遂行の為に君に死なれては困るだけだ。」

その冷淡な口調はティエリアをよく知らない者だったら完全に凹むような言い方だが、これは彼(彼女)なりの

ライル「ツンデレお疲れさん。」

てな訳である。
そして今、ティエリアをからかった男の名は、ライル・ディランディ。
ニール・ディランディの弟にして、二代目ロックオン・ストラトス。
その名の通り狙撃型の機体を駆る。

ティエリア「違う!僕は計画の合理性を…」

ライル「へいへい、素直じゃないねぇ?」

ティエリア「ーー貴様ッ!」

バンシニアタイスルッ!ウォッ!?アブネェナア…


二人が騒いでいる間にも、艦長であるスメラギは、冷静に刹那に尋ねていた。

スメラギ「で、刹那。その負傷は何が原因?涼宮ハルヒにやられたわけじゃないわよね…そうだったらそれくらいじゃ済まないもの。」

刹那「奴だ…」

刹那が呟く。

フェルト「誰なの…?」
そう聞いたのはピンクの髪をした大人しめなオペレーターのフェルト・グレイスだ。

刹那が忌々しそうに口を開く。

刹那「サーシェス…、アリー・アル・サーシェスにやられた…」

ライル「何だと!?」

ティエリア「何故奴が!?」

ブリッジの空気が変わる。
全員の表情が凍りついた。

アレルヤ「関わっていたのか…」

もう一度ブリッジの空気が凍りついた。

刹那「アレルヤ…」

アレルヤ「何だい?刹那。」

刹那「いたのか…」

ライル「おい、アレルヤ。来たなら一言言えよ。」

アレルヤ「え…僕は最初から」

ティエリア「背後から何を狙っていたんだ…」

アレルヤ「いや、ティエリアの方が後に…」

スメラギ「コソコソ来るなんて趣味悪いわよ!アレルヤ!」

アレルヤ「いや、だから一番最初に…」


不憫すぎわろた

エラいカオスだけどやってくれるって信じていいんだよね?

周りに色々言われ、髪の長い女性に頭を撫でられているのがアレルヤである。
フルネームはアレルヤ・電池・トランザム。
主にプトレマイオス2の動力源や、他のマイスターのGNタクシーとして活躍している。
マイスターの仲で唯一リア充であり、二重人格で【ハレルヤ】という気性の荒い人格を持つ。リア充爆発(ry
ちなみに何だかんだこいつが一番好き。

マリー「大丈夫よ、アレルヤ。私はアレルヤがいたのずっとわかってたから。」ナデナデ

アレルヤ「うぅ…マリー…」

頭を撫でている白髪ロングの女の方はマリー・パーファシー。
彼女もアレルヤと同じく人革連の超兵研究機関で生み出され、もう一人の人格であるソーマ・ピーリスとしてアロウズに所属していたが、アレルヤによって正気に戻された。
もちろんリア充。普段はおとなしいがソーマ・ピーリスの人格が出現するとアレルヤと同じく豹変する。
主な搭乗機はガンアーチャーで、アレルヤの上に乗る事がある。
いや、性的な意味ではなく。

スメラギ「まぁ、アレルヤは放っとくとして、何故、彼が涼宮ハルヒと一緒に?」

刹那「涼宮ハルヒの研究者の木原数多に雇われたらしい。」

スメラギ「木原数多って…あの一方通行を育て上げた…」

刹那「そうだ。公式にはその一方通行に殺害されたことになっていたが、どういう訳か生存していた。」



>>146

長門「信じて…」

やっぱり電池かよwww

じゃあ、ティエリアも自爆が趣味って書いた方が良かったんじゃね?
刹那の嫁さんがガンダムって事も


スメラギ「なるほどね…確かにあの二人なら気が合うのかもしれない。」

刹那「確かに仲は親密そうだったな。」

スメラギは【親密】とう言葉に何か違う情景を想像したらしく、一瞬顔を歪めた。

スメラギ「と…とりあえず刹那は一度帰投して。そっちには残り三人を送るわ。数も丁度だしね。」

刹那「俺はまだやれ…了解した。」
ここで素直に従うところが、刹那も成長したのであろう。

スメラギ「まず、サーシェスは…」

ティエリア「僕だ!僕が行く!!!ロックオンの為にもロックオンの為にもロックオンの為にもロックオンロックオンロックオンロックオンロックオンロックオンロックオンロックオンロックオンロックオン!!!計画のためにも!!!万死に万死に万死に万死に万死に万死に万死に万死に万死に万死に万死に万死に万死に万死に万死に万死に万死に万死に万死に万死に万死に万死に万死に万死に万死に万死に万死に値するッ!」

スメラギ「うん、ティエリアはとりあえず落ち着いてね。」

ライル「俺に行かせてくれ。兄さんの仇は俺が討つ。」

スメラギ「…わかったわ。でも今回の任務はあくまで偵察。わかってるわね?」

ライル「さぁ?てね」

スメラギ「…必要な場合は随時連絡するわ。」

ティエリア「僕は!僕はどうするんだ!」

スメラギ「ティエリアは木原をお願い。今のあなたじゃサーシェスを見つけた瞬間発砲しかねないわ。」

ティエリア「くっ…了解した。」

スメラギ「で、涼宮ハルヒは…誰か残ってたっけ?」

アレルヤ「僕がいますよ!!!」

スメラギ「冗談よ、アレルヤ。あなたにお願いするわ。他の二人にも増して気をつけてね。まぁいざとなったらあの【人格】さえ出せば逃げ切ることぐらいできるんだろうけど…」

アレルヤ「了解です。でもハレルヤには頼りません。」

マリー「気をつけてね…アレルヤ…」

アレルヤ「大丈夫だよ。マリー…この戦いが終わったら話したいことがあるんだ。」

マリー「アレルヤ、それはフラグになるからやめて…」

スメラギ「チッ…リア充が…、ではこれをもってミッションを発令します。
ミッション……開始!!!」

全員「了解!!!」







>>150
ここはアレルヤだけをいじるのが…
追い追いで他の人のことも紹介しますw

ーーー再び第7学区病院

ディラン「まず先に言っておく。俺の撃ち出す妨害プログラムは、普通の状態じゃ涼宮ハルヒには通用しない。」

キョン「じゃあどうしろって…」

ディラン「そこで、だ。上条とキョンの幻想殺しが必要になる。」

上条「なるほどな…俺達が触って能力を無効化してる間にディランが撃つって訳か…」

美琴「でも、あいつにそうそう近づけるとは思えないけど…」

上条「と、いうかそもそも上条さんはそのハルヒの能力を知らないのですが…」

ディラン「そうだったな…そこから説明する必要があるな。そこのお二人さんはだいたい知ってるか?」

キョン「予想だが…願望実現能力か?」

ディラン「その通りだ。彼女の【幻想創造】には常識もなにも通用しない。
彼女は何でも生み出せるし、彼女が死ねと願えばそいつは死ぬ。そして…」

キョン「あいつがこの世界に絶望すれば、この世界は滅亡する。」

上条「そんなの無敵じゃねえか…」

キョン「いや、ハルヒは俺が止めてみせる。絶対にだ。」

ディラン「後は、各陣営の援護を…」

上条、キョン「「いや、今回は俺達だけで行こう。」」

ディラン「!?」






忙しくて書き込めませんでした。
誰も待ってはいないと思いますが、少し書き溜めたのを投下します。

キョン「これ以上被害を出すわけにもいかんし、ハルヒは数でどうこうできる相手でもない。俺があいつを助け出す。」

美琴「その点には私も同感よ。これ以上あの娘達を戦わせたくはないわ。」

ディラン「…わかった。今回は
ここにいるメンバーだけで作戦を行おう。」

上条「だが、インデックスは連れていけない。こいつは科学への対抗はできないからな。」

インデックス「とーま!私も行くんだよ!勝手に決めないで欲しいかも!!!」

キョン「朝比奈さんも…」

みくる「わ…私は行きます!いざとなったら時間移動で逃げられますし、足でまといにはなりません!私も涼宮さんを助けたいんです!」

キョン「わかりました。でも、無理はしないで下さいね。」

インデックス「じゃあ私も!私も行くんだよ!!!」

上条「御坂…」

ビリビリッ!!!

インデックス「ふにゃっ!?」

美琴「ったく…私はスタンガンじゃないわよ。」


上条「悪いな、御坂。でも何も言わないのによくわかってくれたな。」

美琴「ソ…ソリャ?ワタシトアンタモナガイツキアイダシ…ア…アンタガヨカッタラソノ…ツキアッテアゲナイコトモナイシ…イヤッ!デモシカタナクヨシカタナク…///」

ディラン「それで次の実験だが、行われるのは今日の夕方。第19学区だ。」

上条「19学区!?あんな寂れた…いや…だからこそか…」

美琴「無視すんなやゴラァアア!!!」

上条「ごふぅ!?」


この後も作戦の説明は続き
沈黙や暗い空気が漂うと、上条と御坂がそれをかき消すかのようなやり取りをしてくれたが、俺と朝比奈さんは笑うことができなかった。

そして大体の説明が終わり、夕方が近づき俺達は第十九学区へ向かうこととなった。

俺と朝比奈さんと上条と御坂は最短直線距離で、ディランは遠くから狙撃するため、別ルートから回り込む。

そして、ちょうど第五学区に差し掛かった頃だった。
第五学区独特の落ち着いた雰囲気が、急に変わったかと思うと、次々と俺達の周りから人が消えていった。

キョン「お…おいどうなってんだこれ…明らかにおかしいだろ。」

上条「魔術的なものではないみたいだが…となると…」

そう上条が言い終わるか終わらないかぐらいに、散っていった人混みから十人ぐらいの集団が真っ直ぐに歩いて来た。

見たところ、全員が機動隊のような防具に身を包んでいる。

キョン「なんだありゃ…機動隊かなんかか?」

美琴「いや、学園都市の機動隊の役割を務めてるのはアンチスキルのはずよ。でも見たところ…アンチスキルではなさそうね。」

上条「となると…また【闇】の奴らか」

キョン「闇?」

美琴「学園都市の裏側、汚いところの人間ってことよ。
よっぽど実験を中止されたくないみたいね…それに…」

ガチャッ
という音が10人分重なった。

美琴「お優しいアンチスキルの教師達は、この街の生徒に銃口は向けないわ。」

まっとるがね?

こちらに向け、迷わず向けられたアサルトライフルの銃口を眺める。
おいおい…この街はこんな日常茶飯事的な感じで銃を取り出すのか…

みくる「ひぇぇ…う…撃たないで下さぁ?い…」

怯えている朝比奈さんの前に立つ。
いざとなったら朝比奈さんの盾にでもなる覚悟で。

木原数多「おィおィ!今回は随分人数が少ねぇんじゃねぇのか?10人もいらねぇなぁ…畜生!!!」

10人の特殊部隊のような集団の後ろから現れたのは、白衣を着込んだ男だった。
見るからにわかる。
こいつは何人も殺してきてる人間だ。

美琴「あんた達、何者?」

御坂が頭に電気を帯びながら険しい口調で尋ねる。

木原数多「そんなに怖ぇ顔すんなよ。御坂美琴ちゃんよぉ!おっと…それとも【常盤台の超電磁砲】の方が呼ばれなれてるか?」

美琴「すぐにわかるってことは、一般人じゃないわよね。」

木原数多「てめえらみてーな化物能力者よりはよっぽど一般人だと思うけどなぁ。」

美琴「あんたとは話が通じないようね…わかった。もう何も聞かないわ…その代わり…」

御坂の身体から電撃が放たれた。

美琴「ちょ?っと痛いかもねっ!」

電撃は広範囲に飛び、白衣の男と周りの部隊に襲いかかった。

>>1598ありがとうございます。
ペース遅いですが続けます。

>>158ありがとうございます。
ペース遅いですが続けます。

>>160

とんでもない未来のレスがあったんだな・・・

だが、

木原数多「ヒュゥー、なかなかじゃねぇか。」

白衣の男は無傷だった。
そして、周りの部隊の10人も、倒れることはなかった。

美琴「何で!?」

木原数多「だからよぉ、てめぇテレナと戦った時に言われなかったか?」

美琴「テレナ!?あのMARのテレスティーナのこと!?」

木原数多「おう、あの役立たずの女だよ。言われたはずだぜ?「テメェの能力はまるっと書庫に晒されてる」ってよぉ!!!」

美琴「っ…!?あんたもあの木原一族の一人ってこと…じゃあ私の電撃を防いだのは、能力じゃなくて科学技術のはず。なら…」

上条「お前らの装備、強化ゴムかなんかの素材で作られてんだろ?」


木原数多「チッ…、よくわかったなぁ。幻想殺し。やっぱ俺らとテメーは相性悪ぃみてぇだわ。
まぁ、それがわかったところでどうにかなるもんじゃねぇけどな!!!」

美琴「へぇ…ゴムね…でも知ってた?ゴムが耐えられるのって1億ボルトまでらしいわよ。つまり…」ビリビリッ

さっきまで晴れ渡っていた空が、急に薄暗くなり、怪しい雲が蠢き始めた。

美琴「その倍の10億ボルトなら防げないわよねっ!!!」

雨雲が一箇所に集中し、そこから雷が落ちる。

ドシャアア!!!
という音が響き、木原とその部下に直撃した。

美琴「一応、これでも加減はしといたわ。一億ボルトをギリ越えるぐらいだから死なないと思うわよ。」

木原数多「ああ。確かに誰も死んでねーみてぇだな。」

美琴「…!?なんで動けるの!?」

木原数多「テメェよぉ…学園都市の技術なめてんじゃねぇのか?
10億ボルトを防げる素材なんて、とっくに開発されてんだよ!」

美琴「っ……」

キョン「おい、それにしたっておかしいだろ。お前は見たところただの白衣にしか見えん!なんで電撃を防げてるんだ!」

木原数多「あぁ?液状ゴムで全身を覆って、部下に強力な小型避雷針を持たせてるからなぁ、一番楽な方法だ。」

上条「外道が…」

美琴「こうなったら…」

御坂が噂の超電磁砲を撃つつもりだったのだろう、コインをポケットから取り出すと…
すかさず、木原は筒のようなものを取り出した。
ゴツゴツした無機質なボディに大きく穴の空いたその先端。
正直俺はこんなものは映画やゲームの中でしか見ないと思っていた。
そう、ミサイルランチャーだ。

>>162
みくる「禁則事項です☆」

みくる「ひぇ…」

朝比奈さんが怯えているのにも構わず、木原は続ける。

木原数多「まとめてさっさと死んでくれや。」

ドシュウ!!!

という音と共に弾頭が発射される。


上条が「伏せろ!」と叫んだが、肝心の弾頭は俺達の遥か上の方向に発射されていた。


だが、安心したのも束の間。

10人の特殊部隊がアサルトライフルの引き金を引く。
銃口から閃光が走り、その直後に俺達の身体に無数の弾丸が直撃した。


だが、意識は飛ばず、呼吸も止まらなかった。
その代わり、全身がびっしょりと濡れており、頬からは水が滴っていた。

そして顔をあげた瞬間、追い討ちをかけるかのように頭上から大量の水が降り注いできた。
どうやらアサルトライフルの弾は水で、ロケットランチャーの弾頭にも大量の水入りだったようだ。

ビシャアァァ

キョン「うおっ!なんだってんだ!もしや毒でも入ってやがんのかこの水!?」

木原数多「そんな危ねえことしねぇよ。ただの水だ。ただの。ま、ちとイオンが多いけどな。」

キョン「はっ、じゃあ何になるってんだ。あいにく焚き火でもねぇし、水がかかったぐらいじゃ消えねぇぞ。」

木原数多「そりゃあてめえらはなんもなんねぇだろうよ。だがな…」クイッ

木原が顎で示した方を見ると、悔しそうな顔をした、びしょ濡れの御坂がいた。


上条「御坂…お前の能力……」

美琴「そうよ、ここまで濡れると使えない。」

キョン「やっぱ感電するのか?」

美琴「感電はしないわ。でも、イオンみたいな不純物が混ざってる水がかかると、それに邪魔されて電気が放出量されないの。もちろん、超電磁砲も大きな電流を流す必要があるし、不純物があるとジュール熱が発生して下手したら私自体が蒸発したり、プラズマ化しちゃうわ…」

木原数多「ま、超電磁砲が使い物にならなければ後はこっちのもんだ。
てめえら!持ち替えろ!!!」

一斉に10人がアサルトライフルを構え直す。どうやら違うアサルトライフルに変えたようだ。

木原数多「今度こそは本物の実弾だ。安心して死んでいいぜ!!!」

上条「くそっ…御坂!」

美琴「ちょっと!?」

キョン「朝比奈さん!」

みくる「キョン君!?」

上条は御坂の、俺は朝比奈さんの前に出る。
考えている事は同じようだ。
いや、俺や上条じゃなくてもきっと男なら同じことをしていただろう。
それに、俺には考えがあった。

キョン「朝比奈さん…俺達全員は無理でも、御坂だけなら運べますよね?」

みくる「キョ…キョン君!そんなのダメです!!!」

キョン「朝比奈さん、あなたが死んでしまったら俺はハルヒに顔向けできませんよ。
それに、単純な感情として俺は朝比奈さんに死んでもらいたくありません。こういう時くらい、カッコつけさせて下さいよ。」

みくる「キョン君…」

そうは言ったもののやはり死ぬのは恐い。
ハルヒは俺の手で止めたいし、長門に謝りたいこともある。
この世に未練は沢山あるのだ。
まだ、ハルヒの前に辿り着いてすらいないのにこんなところでやられたくはない。

くそっ…やっぱ都合の良いヒーローなんてもんは存在しないのか。
この状況に颯爽と現れて、敵をなぎ倒してくれるようなヒーローは。



木原数多「撃て。」





木原の一言で10人が一斉に引き金を引く。


ハルヒ…長門…すまん……




弾丸は無慈悲にも直撃し、身体が崩れ落ちた。






ただし、



2人ではなく10人がだ。

木ィィィィィィィ原クゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウゥゥゥン!!!!!!

「悪かったなァ!残念ながらヒーローじゃねェ。悪党だァ!!!」

男は俺達の前に颯爽と現れ、真っ白に染まった髪をかきながらそう言った。

上条、美琴「一方通行!!!」

木原「んだよ、クソガキ…お陀仏したんじゃねぇのか…」

一方通行…確か、暴走したハルヒに殺されたんじゃ…
どうりで、ハルヒに一方通行が殺されたって聞いても何故かピンと来なかった訳だ。

一方通行「おぉィ、三下ァ!寝てんじゃねぇぞ!!!てめェはヒーローなんだろうがァ!さっさと行って、クローン共を救ってきやがれ!!!」

美琴「ようするに…「ここは俺に任せて先に行け。」ってこと?」

上条「てか、一方通行!お前死んだんじゃなかったのか!」

一方通行「同時に話しかけんな気持ち悪ィ。今はつべこべ言ってる暇はねぇんだよ。さっさと行きやがれ!」

美琴「ここはあいつに従った方がいいわね…」

上条「…ありがとな。一方通行!恩に着るぜ!」

一方通行「お…おゥ…じゃあ来週辺りにラウンド1とk…ってもういねぇし!」

一方通行がモゴモゴと何か言っている間に、俺達は走り出していた。
第一位には感謝の気持ちでいっぱいだったが、それを口に出すことはできなかった。
なんというか、そんな暇もなかったというのもあるのだが、あの三人の妙な信頼感のある会話の中には入ってはいけないような気がしたのだ。
後で、あらためて会ったらお礼を行っておこう。
それよりも今はハルヒだ。
待ってろよ、ハルヒ…

必ず、お前は俺が助け出す。

>>170
第五位の方ですか?w

静まりかえった第五学区にドスの聞いた声が響く。

一方通行「木ィィィィィィィ原クゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウゥゥゥン!!!!!!久しぶりじゃねぇかァ!
また会えて嬉しいぜェ!!!」

木原数多「こっちは会いたかなかったよ、クソガキがァ…」

一方通行「今からでも遅くねぇ、引いたら許してやるよォ…」

木原数多「はっ…テメェの黒翼にはリベンジしてぇからなぁ…引くわけには行かねぇんだよ!!!」

一方通行「後悔すんなよォ…俺は昔の俺じゃねェ…」

木原数多「俺達クズはいつまで経ってもクズなんだよ!簡単に闇から抜け出せたと思ってんじゃねえぞ!!!」

一方通行「だったら…」

木原数多「あン?」

一方通行「てめェの闇も俺が無くしてやるよ、かかってきやがれ。」

一瞬、木原には一方通行の言っていることがわからなかった。
邪魔な者はねじ伏せ、打ち止めに手を出す者は皆殺しにしてきた彼が、自分を救うなどと言っていることがだ。

木原数多「…できるわけねェんだよ……木原に産まれた以上!俺は研究しか能がねぇんだ!テメエに何がわかりやがる!!!」

一方通行「わかんねェよ…だがてめェの研究ってーのは人を不幸にしねェと出来ねぇ研究しかねェのか!」

木原数多「…っ……せーんだよ…」

木原数多「うっせんだよてめえはァァ!!!この偽善者がァァァ!!!」

そう言うと同時に木原のポケットから甲高い音が響いた。
キャパシティダウン。
能力者の能力を弱める効果のある音波だ。

木原数多「オラオラァ!お得意の反射を使ってみろよ!!!」

木原のミサイルランチャーから弾頭が発射される。
もちろん今度のミサイルは対超電磁砲用の物ではない。正真正銘の実弾である。

一方通行は地面を蹴った。
その一撃でベクトル変換により一方通行の身体が弾丸のように木原に向かう。
ミサイルと入れ違いながら一方通行は木原に拳を振るった。

だが、


その拳は木原には届かない。
寸前で何かの壁に阻まれ、さらにその勢いで一方通行は後方に吹き飛ばされた。
一方通行はこの力を知っていた。
おそらく、地球上の誰よりも。

一方通行「てめェ…なんで俺の能力を持ってやがる…」

そう、木原が使った能力は、あらゆるベクトルを操る力。

【一方通行】






木原数多は一方通行に敗北した後、研究に研究を重ねた。
そして彼はついにある物を完成させた。
それが、FIVE_Over【Mt.accelerator】

木原数多「コイツはテメエのベクトル反射能力を完璧にコピーしてやがる。
しかもテメエと違って本物の能力じゃねぇからキャパシティダウンは通用しねぇ!テメエの負けだ。一方通行!!!」

木原がそう得意げに言ったが、当の一方通行はつまらなそうな表情をしていた。

一方通行「……」

木原数多「オイオイ、どうした!ビビっちまって声も出ねえか?そりゃそうだよなぁ!自分と全く同じ能力の相手となんて戦ったことねぇもんな!」

一方通行「いや、違ェよ。テメェを見てると、昔の俺を見てるみてェで哀れに見えてくんだ。」

木原数多「あァ?」

一方通行「だからよ…さっきも言っただろうが。俺はもう昔の俺じゃねェ。
守るための戦い。見せてやるよォ!!!」

その瞬間、一方通行のに二本の白翼が現れた。

木原数多「またそれかよ化物…だがなぁ、テメエのその翼には決定的な弱点があんだよ!言語能力や思考能力が産まれたての小僧みてぇに下がること……だ…?」

木原の語尾が濁った理由は一方通行の目にあった。
前回の黒翼が生えた際には、それこそ化物のように瞳孔が開ききっていた目が、今は通常時の一方通行独特の気だるそうな目をしている。

一方通行「だから言ったろゥが。昔の俺とは違うってなァァァ!!!」

一方通行の頭上に光の輪が浮かび上がる。
その外見は完全に天使のそれであった。

準備は整った。

元学園都市第一位の、守るための戦いが、今、始まる。


ティエリア・アーデは茫然としていた。
木原数多監視の命を受けて遂行していたものの、目の前で繰り広げられた人間同士とは思えない戦いに、正直、足が震えていた。

ティエリア「これが…学園都市……」

腕に装着された通信機に手を触れる。
それは彼(?)にとっては珍しく、撤退を進言するものだった。


テレビや雑誌などで女性アナウンサーがこれ見よがしにグルメ店を回るような、貧乏学生には腹立たしい番組などで紹介される料理店は大体、この学区に揃っていた。

第四学区。

そこを俺達は人混みをかき分けながら進んでいる。

だが、先程の第五学区でも学区内に入ってからこれぐらいのタイミングで刺客が襲ってきた気がする。
今回もそろそろ来るんじゃないかなんて思っていた矢先だった。

人混みの中から真っ直ぐにこちらに向けて歩んで来る影が見える。

だが…あいつは……



薄紫色の髪に、無造作に切られたショートカット。
無駄のない挙動に伸びた背筋。



長門だ。




キョン「長門!!!」
言いたいことは沢山あった。
だが、さいしょに出たのは彼女の名前。ただそれだけだった。

まるで宇宙から何年ぶりにでも再会したかのようなおぼつかない歩みで長門に歩み寄る。


ザシュゥウ!!!

巨大な氷柱のようなものが、俺の足下に突き刺さり、直後に飛散した。

「うおっ!」と声をあげ後ろに飛び退く。

キョン「な…長門?なんのつもりだ?」


長門「これ以上近付かないで。計画を中止される訳にはいかない。」

長門?
何を言ってるんだ?
俺はお前とお前のクローンと、そしてハルヒ自身を助け出すためにハルヒと戦おうとしてるんだぞ。

長門「情報統合思念体は第二絶対能力進化計画に、自律進化の可能性を見出す為の多大な価値を期待している。私の任務は涼宮ハルヒの観察、及び保護にある。よって、これ以上計画の邪魔をするなら例えあなたでも敵性と判断する。」

こいつは長門じゃない。
いや、正確には今の長門じゃない。
この目は昔の長門の目だ。

キョン「おい、長門!目を覚ませ!この計画はお前のクローンを2万人殺すなんていう馬鹿げた計画なんだぞ!」

上条「そうだ、長門!お前はそれで良いのかよ!!!」

長門「知っている。彼女達全員の記憶は私の擬似同位体として私の記憶と同期されている。」

キョン「!?」

美琴「ミサカネットワークと同じって訳ね…」

ということは長門は二万人分の苦しみや不安や恐怖を一人で抱えてたってわけか…?
いや、長門だけじゃない、他の長門の妹達一人一人も他の2万人分の苦しみを……


足を前に踏み出す。

長門「!?」

みくる「キョン君!?」

長門が手をかざした。

長門「来ないで。」

構わず歩みを進める。

長門「これが最終警告、止まらなければ命の保証はできない。」

構うもんか。
俺は知っている。長門に俺のことは撃てない。

長門「やめて…お願い……」

長門の右手を掴む。

【幻想殺し】この力がやっと自分の力なのだと自覚できた気がした。

長門「なんで…彼を攻撃。エラー。彼を…エラー。エラー。エラー。エラー。エラー。エラー。エラー。」

長門が涙を零しながら繰り返す。

キョン「エラーなんかじゃねえよ。それで良いんだ。長門。」

その言葉に反応するかのように、長門の体から力が抜けた。
もたれかかってきた長門を、強く抱き締める。

キョン「なぁ、長門。お前の一言で俺がどんなに力が湧くかわかるか?たまには俺も、お前の役にたちたいんだよ。」


長門「○○○…助けて……」

長門が呼んだのは俺の本名だった。
長門に頼ってもらえたのが嬉しくて、そして本名で呼んでもらえたことが嬉しかった。

キョン「任せろ、長門。お前もお前のクローンも、そしてハルヒも、全員俺が助け出してやる。」


長門「ありがとう…」


俺は長門を抱いた腕に、もう一度、力を込めた。



だが、その余韻に浸っている暇は与えられなかった。
上空から戦闘機の飛んでいるようなジェット音が聞こえてくる。
上を見上げてみると、確かに三機の青い機体が編隊を組んで飛んでいた。

だが、戦闘機にしては妙に機体に隙間がないか?
まるで何かを折りたたんだようなフォルムだ。
というより…

キョン「長門…あの戦闘機がこっちに向かって低空飛行してきてるように見えるのは俺の目の錯覚か?」

長門「違う、事実。でもあれは戦闘機じゃない。」

キョン「どういうことだ?戦闘機以外にあんなに…」

そこで気付く。
あるじゃねぇか、もっと危険なものがこの世界には。

長門「データ照合……該当データ…AEU-09Y812。
AEUイナクトカスタム。」

上条「AEU!?そんなのとっくに無くなって連邦に統一されたはずだろ!」

長門「正確にはAEUの機体ではない。あれはモラリアのPMCトラストで試作機が作られ、後に量産された物。」

美琴「PMCトラスト…聞いたことあるわ。戦争を利用して稼ぐ汚い奴らね。」

長門「必ずしも全ての民間軍事会社がそうだという訳ではない。
PMCトラストにはある男がいた。
それがPMCトラストの悪名を目立たせた原因でもある。」

キョン「どんな奴なんだ?」

長門「彼の名は…」

長門がそいつの名前をまさに口に出そうとした時だった。
例のMS三機が俺達の目の前まで迫り、空中変形し、MS形態になり降り立ったのだ。

それをスイッチに周りの一般人はあちらこちらへと散って行く。

美琴「空中変形!?確かああいう機体とかで空中変形できるのって、相当の乗り手じゃなきゃ無理なんじゃ…」

すると、イナクトから声が響いた。

傭兵A「そりゃあ俺達が腕利きってことか?嬉しいぜ、褒めてもらえて!」

長門「所属軍と部隊名の確認を求める。」
長門が言う。

傭兵B「アァ?軍も部隊もねぇよ。所属不明、unknownってやつさ、少なくとも公式上じゃそうなってる。
俺達はお前らを始末すれば金が貰える。それだけだ。」

そう告げた傭兵らしきパイロットの言葉を聞いて思った。
こいつらにとっては、感情や善悪なんてのは天秤にかける必要すらないものなのだろう。と。
だが、そうは思ってない奴がいた。

上条「…んだよ、それ……テメエらにも守りてぇと思うもんはあんだろ!!!だったらわかれよ!!!
その空中変形ってのは技量が無きゃできねぇもんなんだろ!
だったら!
何でその力を何かを守る為に使わねえんだ!!!
そんな金なんかで満足してんじゃねぇ!お前らにできる事はまだまだあんだろ!!!」

すると、今まで無言だった、真ん中のイナクトに乗っているパイロットが叫んだ。

女傭兵「アンタに何がわかるってーのよ!!!ぬくぬくとこの学園都市で暮らしているアンタにぃぃ!!!
いくわよ!!!」

女傭兵が声をかけると、両脇のイナクトが股間横部に付いた対人機銃で俺達目掛けて掃射した。
もちろん俺に防ぐ術はない。

俺には。


長門が何かを呟きながら手をかざすとその弾丸は全て粒子状になって消えた。

うわ…シャープの字体ミスってコテがさらけ出ちゃったので変えますね。

傭兵A「な…なんだそりゃ…」

そして続いて長門は手で円を描き、そのままてを振り下ろした。
すると、傭兵達の乗った二機のイナクトの、両腕、両足、そして頭部。全ての接続部が外れ、爆発することもなくバラバラに崩れ落ちた。

女傭兵「嘘…ありなの…?そんなの…く…くらえ!!!」
イナクトカスタムのブレイドライフルが長門に剣先とも銃口とも呼べる部分を向ける。

だが、そこから弾が発射されることはなかった。

イナクトカスタムのブレイドライフルを持った右手を光線のような物が貫通し、力を失ったイナクトカスタムはブレイドライフルをその場に落としたのだ。

【超電磁砲】
美琴が放ったそれであった。

美琴「次は、コクピットに撃ち込むわよ。」

上条「おい、御坂!お前濡れてて能力使えないんじゃ…」

美琴「あんだけ走らされりゃあ乾くわよ!」

女傭兵「くっ…」

イナクトカスタムの動きが止まり、コクピットが開いた。
出て来たのは悪人とは思えないような顔をした、美人な女性だった。
金髪のロングポニーテールの髪型をしている。
やばい、少しタイプかもしれん。


女傭兵「私はモラリアPMCトラスト所属、ケイト・マーカレットだ。投降す…」ドォオオオン

突如、後方から赤いビームがイナクトカスタムに突き刺さり、ケイトの言葉は遮られた。

上条「ケイトッ!!!」

コクピットから落下するケイトだが、長門が何かを呟くと、ケイトの周りに丸いバリア状の物が張られ、地上に安全に降ろされた。

キョン「くそっ…どこのどいつが…」

ビームの放たれた空を見る。
すると…

全身が赤く染められた機体。
それでさえ異質で威圧感を感じるが、なによりその内側から溢れ出るドス黒い何かに、全員の動きが止まった。


???「オイオイ…投降すんのが悪いとは言わねえぞ。俺達ゃ生きててナンボの守銭奴だからな。でもよぉ、所属をバラすなんて人様に迷惑がかかる真似をしちゃあいけねぇなあ?」

先程の木原と同じような声が、耳を揺さぶる。

キョン「くっ…誰だお前!!!」

そうは言ったものの、相手が答える前に、長門が答えてくれた。

長門「データ照合開始……終了。
該当機体データGNW-20000。
アルケーガンダム。
パイロットは……っ…!?」

長門の言葉が途切れた。

美琴「もしかして…アイツが例の…」

長門「そう、PMCトラストの悪名をとどろかせた男。アリー・アル・サーシェス…」

サーシェス「人聞きの悪ぃ事言うんじゃねえよ!野望なんかがない分、俺達はよっぽど正常だと思うけどなぁ!!!そう思わねぇかぁ?あぁ?イかれた能力者さんよぉ!!!」

腹立つ声で、腹立つ内容を叫びやがる…

上条「ふざけんな…今まで俺は色んな奴等と戦ってきた…。その誰もが、それぞれの目的や、正義があって戦っていた。
ただ、やり方が間違っていただけなんだ!
だがお前は、ただ金なんていうくだらねぇ欲求のために力を振るっている…俺はそれが一番許せねぇ!!!
なんでその力を別のところに使わねぇんだよ!!!!!」

『今まで色々なやつと戦ってきた』
やっぱりな…という感じだ。
最初に黒の騎士団のロロってやつに襲われた時もそうだし、なにより御坂や一方通行の上条への接し方でわかる。
あそこまでの並々ならぬ信頼はちょっとやそっとのトラブルに巻き込まれたぐらいじゃ生まれるものじゃない。
きっと上条は、様々な死線を乗り越えてここに立っているのだろう。
そしてこれからも…

だからこそ、その言葉は重く、心に響くものだった。
変な例えだが、俺が今、あのサーシェスってやつの立場だったら、今すぐにコクピットを降りていたかもしれない。

だが、奴は違う。

奴も奴で、上条とは違う形の芯があるのだろう。



しばらく沈黙が続いた後、サーシェスが口を開いた。

サーシェス「あァ?何か言ってたか?悪いなぁ、俺はキレイなねーちゃん以外の言葉は聞かねえようにしてるんだ。」

上条「・・・。」

こうかはばつぐんだ。
どうやら、上条にとってスルーされるのは貴重な体験なようで、今までの敵はなんやかんや話を聞いてくれていたのであろう、上条は俯き、黙り込んでしまった。

美琴「ちょ…ちょっとアンタ!しっかりしなさいよ!」

御坂が上条を慰めに入るが、上条は「そげぶ…しょげぶぅ…」とうわの空で何やら訳のわからんことを呟いている。

サーシェス「おいおい…彼女に慰められて、恥ずかしくねぇのかよ?」

そのサーシェスの『彼女』という単語だけに異常な反応を示した御坂は、顔を真っ赤にしながら
「ナッナニイッテンノヨ!!ワタシトコイツハカップルデモナンデモナイシ…ア…デモマワリカラシタラヤッパリソウミエチャウッテコトナノカナ?ドーシヨー///」
などとアワアワし始めてしまった。


しばらく沈黙が続いた後、サーシェスが口を開いた。

サーシェス「あァ?何か言ってたか?悪いなぁ、俺はキレイなねーちゃん以外の言葉は聞かねえようにしてるんだ。」

上条「・・・。」

こうかはばつぐんだ。
どうやら、上条にとってスルーされるのは貴重な体験なようで、今までの敵はなんやかんや話を聞いてくれていたのであろう、上条は俯き、黙り込んでしまった。

美琴「ちょ…ちょっとアンタ!しっかりしなさいよ!」

御坂が上条を慰めに入るが、上条は「そげぶ…しょげぶぅ…」とうわの空で何やら訳のわからんことを呟いている。

サーシェス「おいおい…彼女に慰められて、恥ずかしくねぇのかよ?」

そのサーシェスの『彼女』という単語だけに異常な反応を示した御坂は、顔を真っ赤にしながら
「ナッナニイッテンノヨ!!ワタシトコイツハカップルデモナンデモナイシ…ア…デモマワリカラシタラヤッパリソウミエチャウッテコトナノカナ?ドーシヨー///」
などとアワアワし始めてしまった。


サーシェス「たっく…マセガキが…。まぁとりあえず、仲良く死んでくれや!!行けよ、ファング!!!」

ファング?何のことだ?人の名前か?サーシェス以外にも増援が来てやがるってのか!?
そして、その直後、確かに増援に見えなくはない存在が、俺達の前に何体も現れた。

だが、人ではない。
その正体は白い移動砲台のような物で、まるでフォーメーションを組んでいるかのように、ランダムにそれぞれが入れ替わったりしている。

美琴「くっ…何よこいつら…」

長門や御坂がとっさに応戦しているが、何しろ数が多い。
このままでは防ぎきれなくなるのも時間の問題だろう。

そして、ついに。

俺の目の前にもそれがやってきた。



木原数多は焦っていた。
黒翼には弱点がある。
そして、それを利用した対処法も研究していた。
だが、「これ」は知らない。
自分の中の「木原」が警告しているのだ。
「こいつには近付くな。」と、「木原」とは真逆である存在。
例の幻想殺しであるかのような「ヒーロー」が今の一方通行からは溢れ出ていた。

だが、ここで背を向けて逃げる訳にもいかない。
何故なら彼は、「木原」だからだ。


脚部のベクトルを操作し、地面を蹴り上げる。
一方通行も翼の力を使い、突進する。

二つの拳が交錯した。

木原数多は一方通行の顔前で拳を引こうとした。
だが、その拳は一方通行の白翼に包まれてしまう。

木原数多「なんだってんだ!防御機能まであんのかよ!!そいつはよぉ!!!」



そして、一方通行の拳が木原数多に迫る。

勿論、木原数多はM’t.Accseraleterの能力を使用し、その攻撃を反射した。

そして、その結果。

グシャ!!!という原始的な音と共に、一方通行の拳が木原数多の顔面を確実にとらえた。

木原数多の体がノーバウンドでふっ飛び、レストランのショーウィンドウに直撃する。

木原数多「!?何だってんだ!M’tAccseraleterは正常に作動したはずだ!?」

その自らの言葉で木原数多は思い出した。
過去に一度だけあったはすだ。全ての攻撃をはね返す、一方通行の「反射」を打ち破った攻撃が…

割れたショーウィンドウの破片をベクトル操作で飛ばす。
一方通行の巨大な白翼それを叩き落とすでもなく、ただ包み込んでいく。

無駄だ。わかっている。

木原数多「クソ野郎がァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」

最後の足掻きで風のベクトルを操作し、背に即席の翼を作って上空へ飛ぶ。
だが、木原数多が飛ぶ速度の何倍もの速さで、一方通行は迫っていた。

一方通行「悪ィが…ここから先は一方通行だァ…!!!俺の最強は…ちっとばっか響くぜぇえええええ!!!」

グシヤァ!!!とまた原始的な音が響いた。
そう、一方通行が放ったのは、ベクトル操作を利用した拳。
ただし、通常の威力を増す為のベクトル操作ではなく、木原数多の体の直前でベクトルを逆反射させたものだ。


木原数多は目を覚ました。目の前にいるのは…
【宿敵】一方通行。

木原数多「殺せよ…できるもんならな。」
木原数多が呟く。

一方通行「もう、テメエは何百回分も殺した。」

木原数多「ハァ?何言ってやがる…っ!?」
こんな時まで冗談言ってやがんのか…と思った木原数多の思考はそこで停止した?
(・・・!?まさか・・・・・)

一方通行「あんまし、俺をナメんじゃァねェぞ、木原クン。今頃目つきの悪いクローンがテメエの研究機材を片っ端からぶっ壊してるだろうよ。勿論、テメエの脳味噌のバックアップデータもなァ…」

木原数多「!?クソがっ…」

そう、木原数多は自分の脳のバックアップデータを作り、死亡する度に妹達と同じような材料で、媒体を自動製造し、その媒体にデータをいれていたのだ。
不死身。と言っては少し意味が異なるかもしれないがその方法で、一方通行との黒翼戦も生き延びていたのだ。

一方通行「これで正真正銘、テメエの命は一つだけだ。せいぜい大事に生きるこったな。」

そう言って、一方通行は木原数多から離れていく。

木原数多「ぶざけてんじゃねぇぞ!さっさとトドメ刺しやがれクソガキ!」

一方通行は振り向かない。
翼は消え、杖をつき、怠そうな足取りで歩きつつも言う。

一方通行「一万人を殺した俺がやり直せたんだァ。テメエだって、まだ遅くねェんじゃねェのか?」

木原数多「ケッ…くだらねぇ。俺は「木原」だ。何度でも繰り返すぜ。」

だが、木原数多の「くだらねぇ。」という言葉にもはや勢いは無かった。

一方通行「くっだらねぇ…、だったら俺が何回でもテメエをぶちのめして止めてやる。ただ、それだけだ。」

そう言うと、一方通行は首のチョーカーに触れ、再び能力を使用し一瞬で木原数多の視界から消えた。

一方通行が消えた瓦礫の上で木原数多はフラフラと立ち上がり、壊れたMt'Accseraleterを投げ捨て、呟く。

木原数多「くだらねぇ…くだらねぇんだ。んな事はわかってんだよ…」

木原数多の脳内に、今までの記憶が巡っていた。
それは致命傷による走馬灯なんかではなく、木原数多自身が意識して呼び出した記憶である。

幼い頃から、「木原」として育てられた。いや、産まれた時から「木原」として成立していた木原数多には、娯楽なんてものは存在しなかった。

例えば、子育てをする際に、子供に玩具を折り紙しか与えなかったとしよう。
すると、子供は限られた折り紙という選択肢の中で、様々な工夫をし、楽しみを見出していくだろう。

その選択肢が、木原数多には「研究」しか与えられていなかっただけである。
その研究という選択肢しかない中で、木原数多は、楽しみを見出していく。
その結果が、非人道的な研究にいつのにか繋がっていただけだ。

最初から選択肢などない。
レールを引かれていない場所に電車は走れないのだ。


だが、今はどうだろうか?
【レールを自ら引く力】
それを木原数多はもう持っている。

試してみても良いんじゃないだろうか。

やり直してみても良いんじゃないだろうか。

産まれた時に
もう一度、もう一度戻って。


0からのレールをーーーーー!?



ドスッ!!!という音と共に
木原数多の思考はそこで途切れた。

木原数多の心臓を、確実にそれは貫いていた。
それは、能力による物でもない。
ただ、単純な、普遍的なサバイバルナイフである。

木原数多「ぐ…かはっ!?」

木原数多の体が崩れ、そのまま瓦礫の山を転がり落ちる。

???「よくも、長門さんを泣かせたわね……。」

彼女はナイフについた血を体ごとクルリと回り振り払う。

朝倉涼子。
長門有希と同じ、情報統合思念体のヒューマノイドインターフェイスである。

絶体絶命とはこういう事なんだろう。

長門も御坂も他のファングに気を取られ、こちらに火力を回すのは間に合わなそうだ。
さすがに二度も奇跡は起きないだろう。
そう、思ったその時だった。

一筋の閃光が、アルケーガンダムに迫った。
それをサーシェスは機体を捻り、最小限の損害で留めた。

が、ファングは撤退していく。
おそらく、最大の脅威に標的を変更したのだろう。

サーシェス「あァ?まだ邪魔しやがんのかテメエ等!!!」

現れたのは緑と白を基調にしたガンダムタイプのMSだった。

ライル「こちら、ソレスタルビーイング!!!ここは俺に任せてくれ!」

その機体から聞こえて来たのは聞き覚えのあるディランの声だった。

キョン「ディラン…ソレスタルビーイングだったのか!?」

ライル「ディラン?誰だ、そいつは?俺の名はロックオン・ストラトス。人違いじゃねぇのか?」

この飄々とした声、やはりディランだ。

美琴「あんた…その声でよく誤魔化そうと思えるわね…」


ライル「いや、だからな?俺はディランなんてやつも知らんし…うおっ!?」

サーシェス「余所見してんじゃねぇぞ、ソレスタルなんたらぁ!」

サーシェスの操るファングがディラン(?)の機体に向け、ビームを放つ。
だが、それをディラン(?)も的確に避けた。

長門「機体照合…GN-006、ケルディムガンダム。ソレスタルビーイングのガンダムマイスター4人の内の一人、ライル・ディランディが搭乗する狙撃戦や遠距離戦を主体とした機体。」

キョン「ん?ディラン…ディ…?おい、長門…もしかしてアレに乗ってるライルって奴に、兄弟かなんかいるのか?」

長門「量子演算システム、ヴェーダにアクセス……成功。ライル・ディランディのテータベースにアクセス…血縁関係をサーチ。」

そして、俺達から注意を逸らすかの用に、逆方向へとディラン(ロックオン?)の機体は牽制攻撃をしつつ撤退していく。
それを追って、サーシェスも俺達から離れて行った。

サーシェス「逃がすかよ、弟さんよ!!!」

キョン「弟…やっぱりな…」

長門「両親、妹共にアイルランドの自爆テロで死亡。
但し、兄のニール・ディランディは生存し、その後、ソレスタル・ビーイングでロックオン・ストラトスとして活動。その後、国連軍との戦闘により、正確にはアリー・アル・サーシェスに殺害されている。」

キョン「ど…どういう事だ?ロックオン・ストラトスってのはさっきの機体に乗ってる奴で、それはディランで…でも兄がいて…でもその人は死んでて…訳わからんぞもう…」

上条「それより今はハルヒの所に行くのが優先なんじゃねぇか?何はともあれ、サーシェスはロックオンが引きつけてくれたんだ!」

そうだ…これでとりあえず当面の敵はいなくなった…
後は十九学区に急がなくては…


第十九学区。再開発に失敗し、急速に寂れてしまった学区。街並みは旧世代なままで、今やスキルアウトと呼ばれる、不良達のの巣窟となっているらしい。

それだけに…

ビリビリッ!!!

スキルアウトA「ひでぶっ!」

長門「ーーーーー。」

スキルアウトB「あべしっ!」

本当に懲りないぐらいに絡んできた訳だが、レベル5二人の相手にはならないらしく、全員が気絶していった。

             _ノ(
                ,、-――ー-- 、___, て

              // /   __,ノノノ、  く  (
              /   / 、_,   从 | イヤア
              //l/ / o=,、  ''、!| l|ノ i |l
             イ | l|イ!   `' , l;;メ川l ,,
             !l川 ノ| " (`ヽ "川  "''ー- 、,, _     あー

            モミ   ノVl|ハト、_  `´ ノノノ       |   ̄`l
              モミ     ノノ  _ '´⌒ヽ ,-、       |    |  やっぱり○稚園児の
          / /  nノ´   ´     l´)_,ヽ    .|    |
           | l  l´ )     :r;:  Y  ノ  /    |    |   シマリはいいYO!!
.   ズッ        `/   ゙      | /  /●   |    |
.       ズッ  //     / ̄`ヽ   /     /    |
      __ / / '   /     ヽノ ///  /    /
   /´     ̄ ̄'    ´  l⌒l    ヽ    /_   /
  /      // lλ '     ヽ \   ヽー''"  _)  /
      ノー----/::::,'、_   _,ノ `ー`ヽ  ヽ―''"´  /
    /',  `''‐- |::ノ(| ゚。 ̄///    (   \ ヾ /

  /  /`)   '、:::: ''‐- 、,,     / `ヽ、つ_) l |

      /     u`" //  "'' ヽ/     / ノ ノ
        `'' - 、,, J   r‐、   ',     /
            "'' - /  /   ',   /   ズッ



そしてディランに指定された場所に着くと、そこには学園都市の外で使われるような旧式であろう車や、家電の山が廃棄されてあった。

美琴「全く…何年前の物よ、これ。」

上条「これと…これはまだ使えそうだな…おっ!これも!」

美琴「見てて見苦しいわよ…」

そんなやり取りの中、その一角で爆発が起こった。

キョン「ハルヒか!?」


廃棄物の山を乗り越え、転がり落ちるように音のした方向へ行くと、そこには信じ難い光景が広がっていた。

負傷している右腕を左手で抑えながら、それでも立ち上がろうとしている長門の妹達であろう少女と、
宙に浮き、その少女に追撃を加えようとしているであろう、ハルヒがいた。

キョン「おい、ハルヒ!!!お前何やってやがる!!!」

ハルヒ「!?……キョン………!?」

ハルヒの表情が明らかに変わる。
俺達が来るなんて事は完全に予想外だったようだ。

みくる「涼宮さん!やめて下さい!」

ハルヒ「みくるちゃんまで……!?」

ハルヒの表情がどんどん曇っていく。

長門「涼宮ハルヒ。これは私の個人的な感情。でも、聞いて。私はあなたに実験を止めて欲しいと思っている。」

ハルヒ「有希にも知られないって約束じゃなかったの…?何で……」

だが、ハルヒを止めるのも優先だが、今一番優先するべきなのは長門の妹達を助ける事だ。
あの出血じゃ長くは持たんかも知れない。

キョン「おい!大丈夫か!」
長門の妹に駆け寄る。
膝はガクガクと震え、眼鏡のレンズは割れていた。

ナガト00002号「あ…ありがとう。って、あなたは!?」

キョン「お…おい!大声出すな!傷口が開くだろうが!」

ナガト00002「は…はい。」

転校したばかりでまだ変わっていない制服のネクタイと、ベルトで止血をする。とりあえずはこれでなんとかなりそうだ。

上条「キョン!危ねえぞ!!!」

上条の声に反応し、咄嗟に振り向く。
すると、俺達の頭上をすり抜けるように、瓦礫の一つが飛んで来た。

ハルヒ「……ん………で……何でよ!何で私の邪魔をするの!キョン!あんたはSOS団の団員なの!!!団長の言う事は絶対なの!!!だから…」

ハルヒの口調が、昔のような横暴な口調に戻っている。
だが、それはハルヒの本心ではないのだろう。
声が震えてる上に、言葉は途中で詰まっていた。

キョン「ハルヒ…俺は、お前も、長門の妹達も、長門も、全員助けたい。
お前が操られているのは知ってる。
だから、そこで待ってろ。俺が全員残らず救ってやる!!!」

ハルヒ「な…何言ってるの…キョン…私は操られてなんかいないわよ!!!
レベル6に…絶対能力者にならないと、キョン!あんた達が死んじゃうのよ!?」

操られちゃいない?俺達が死ぬ…?くそっ…あいつら…こんな事までハルヒに吹き込みやがって…

上条「くそっ…嘘まで吹き込まれて操られてんのか…」

ハルヒ「嘘じゃない!!!一方通行の実験が中止された今!レベル6になれるのは私だけ…その犠牲になれるのも第二位の有希の量産品だけなの!!!
だから…私がレベル6にならないと…学園都市は…SOS団全員を殺すって…」


俺達が殺される…?学園都市に…?

嘘だろ…?

一方通行「汚ねぇこの街がやりそうな事だよなァ…おィ…」

背後からドスの聞いた声がする。
一方通行だ。

全員「一方通行!?」

一方通行「そいつが言ってる事は全部本当だァ。学園都市の暗部は実験が失敗したら、てめーらを殺そうとしてやがる。
まぁ、もっとも…そこの第二位はわかんねぇが、レベル4、レベル3、レベル0の3人は、殺されるだろうな。」

キョン「だったら…俺達が死ななけりゃいい話だろ!ハルヒ!俺達は死なない!何があってもお前の前から消えたりしない!!!」

ハルヒ「無理なの…そういう次元じゃないのよ!この街の闇は!研究に関わって痛いほどにわかったのよ!!!
お願いだからキョン!あんたはそのままでいて!平凡な人生を送っててよ!!!」

黙ってりゃ好き勝手に言いやがって…

キョン「朝比奈さん…長門の妹をよろしくお願いします。」

ハルヒ「いや…キョン…やめて…」


キョン「俺は平凡な人生なんてもんは、お前と出会った時からとうに諦めてるんだ…今更ごちゃごちゃ言うんじゃねえよ!!!
ハルヒ…お前にこの俺がすぐ死んじまうような奴に見えるなら…」

拳を握り締める。
強く…強くだ。

キョン「まずは、その幻想をぶち殺す!!!」


ハルヒ「わかったわ…悪く思わないでね…キョン。
殺したりなんかはしないから…少し休んでてね。」

ハルヒが手を振り下ろす。
それだけで、俺の意識は奪われた。

上条「キョン!」キュィンッ

意識が戻る、上条が俺に触れ、幻想殺しが効いたらしい。

上条「俺達も手伝うぜ。なぁ皆!」

上条が俺に手を貸しながら言う。

美琴「当たり前じゃない!」

一方通行「だっりぃなぁ…まぁやってやんよ。」

長門「私は元から、あなたに協力するつもりだった。」

みくる「長門さんの妹ちゃんは、私が守ります!!!」

???「遅ればせながら、僕も手伝わせてもらいますよ。」

キョン「一人声が多いがまぁいいか。などと思いつつ、俺は皆に純粋に感謝していた。それにしてもあの最後の気持ち悪い声はなんなんだ。」

古泉「声に出てますよ!ここって「古泉!?お前いつからいやがった!?」とかそういう展開なんじゃないんですか!!!」

キョン「おお、古泉いたのか。」

古泉「さっき病院で目覚めましたよ!!!誰かさんに本気で殴られましたからね!」

そんなやり取りをしてる間にも、ハルヒの追撃は続いていた。
ハルヒの周りからゴム弾が大量に発射される。
ハルヒの考えた非殺傷武器の象徴であったのだろう。
その攻撃を長門、御坂、その他ホモがそれぞれ迎撃していく。

ハルヒ「何で…?何で皆邪魔するのよ!私はSOS団の三人を…キョンに有希にみくるちゃんを!守らなきゃいけないのに!!!その為に!用意されたロボットがいくら壊れようと!仕方ないじゃない!!!」

古泉「え…僕は?僕の名前がなかったような…」

古泉黙れ。
ロボット…?
長門の妹達をロボットだって?
そんな風にしかハルヒは思ってないのか?いや…もしかしたら…

キョン「ハルヒ!長門の妹達はロボットなんかじゃないんだ!長門と感情がリンクされた…クローンとはいえ人間なんだ!!!」

ハルヒ「嘘…どういう事…?有希と感情がリンク…?人間…?私が殺そうとしていたのは…人…間?

嫌…

嫌ァァァアアアアアアアアアアア」

ハルヒの背から大量の光が降り注ぐ。
全てを焼き焦がしてしまいそうな程の光が。

一方通行「やべェな…怒りで我を失ってやがる…下手すりゃここで全員死ぬぞ…」

ハルヒが「死ね」と願えば全員死んでしまう。それだけに緊張感は最大まで高まっていた。

一方通行「そこの三下二人ィ!肩でも組んどけ!そうすりゃお互いに能力打ち消し合えんだろ!!!」

上条「よし、わかった!」

上条が肩を組んできた。
良い案だとは思うが、これでどうやって戦えというのだろうか。

一方通行「三下共ォ!一度だけのチャンスだァ!テメエらを俺の力であの女のいる空までぶっ飛ばす!!!そこで二人合わせてぶん殴りやがれ!!!」

一方通行が両手を振りかざす。

一方通行「オラァ!愉快に素敵に飛びやがれェェエエエ!!!」

ゴオッ!という音が背後から迫る。
そう認識した頃には、俺達は宙を舞っていた。

キョン「うおおおおおおお!?」

ハルヒの迎撃であろう様々な攻撃が、俺達に迫る。
が、その全てを長門に御坂、+ホモ野郎が迎撃してくれていた。

ハルヒの目の前にまで到達し、俺と上条は共に拳を振りかぶる。

キョン「お前がなんでも一人で背負い込もうっていうなら!
まずは…その幻想をっーー!?」

その瞬間、ふと肩からの重さが消えた。

キョン「上条!?お前何を!?」

上条「長門に聞いてたんだよ。ハルヒを止める一番確実な方法っていうのをな。悪く思うなよ、キョン!」

ドンッ!と前に押し出される。
そして、ハルヒの顔の目の前でバランスを崩した俺は…

「sleeping beauty」

上条の口がにんまりとしながら呟いていた。

やれやれ…

二回目かよ……。




目を覚ましたのは病院のベッドだった。
あの後の事はよく覚えていない…
確かハルヒと…っーーー!?


モゾモゾッ…


不可抗力だ。不可抗力なんだ…
くそっ…上条め…今度会ったらぶん殴ってやる…

モゾモゾモゾモゾッ…


さっきから何だ!
モゾモゾモゾモゾモゾモゾ!!!
どこのパンデモニウムさんだ!!!

「…ョン!?起きたっ!?起きたのね!!!」

どこから声がしたかと思うと、俺の寝ているベッドの横からだった。
赤い芋虫のような塊が、ピョンッと跳ね上がる。

どこかで見たことあるような光景だ…

ハルヒ「キョン…ごめん…ごめんね…?あたし…あたしね…」

キョン「良いんだハルヒ…お前はなにも悪くない…お前を利用した奴らが悪いんだ…」

ハルヒ「でも…あたし…キョンを殺しちゃいそうだった……。有希の妹達だって……」

キョン「妹達については、お前は正しい事を知らなかった。それに俺は…俺は死なない。なんかさ…俺にも力があるらしいんだ。幻想殺しとかいう、能力ならなんでも消せるってやつらしい。」

ハルヒ「クスッ…何よそれ…そんなのあるわけないじゃない…。」

キョン「嫌…だから本当なんだっ…

そう、俺が言いかけたところで、病室のドアが開き、いつものメンバーが入ってきた。

キョン「長門…朝比奈さん…上条…御坂…それに長門妹か!?」

古泉「僕もいるんですが。」

声が多かったような気がしたが気のせいだろう。

長門「皆、あなたを心配していた。良かった……///」

長門の頬が緩む。
「その」長門はみんなの前では出さないんじゃなかったのか?
まぁ、今くらいは良いか…

みくる「キョン君!心配したんですからね!!!あの…涼宮さんと…その…あの後から!気を失ってたんですから!」

やっぱりあれは夢ではないようだ…
俺はハルヒと…また…

だが、肝心のハルヒの表情はそのままだ…。
まだ責任とやらを感じているのであろう。

古泉「涼宮s…長門「涼宮ハルヒ。」

古泉「えっ!?僕の台詞…」

ハルヒ「ゆ…有希…ごめんなさい…みくるちゃんも有希の妹も…他のみんなも…」

古泉「また僕入ってないし…」

長門「あなたが実験に参加しなければ、妹達が生まれることはなかった。私自身も、途中まで実験に参加していた立場で、何かを言う資格もない。
ただ…
そんな理由も吹き飛ばして、何もかも気にしないで、全てに笑顔を振りまいていく、それがあなた…私達SOS団の団長のはず…だから……

胸を張って涼宮ハルヒ。

あなたの周りからは、誰もいなくなったりしないし、誰も死んだりもしない。」

ハルヒ「有希…」

ハルヒの潤んだ目から大粒の涙がこぼれていく、ポロポロと止まらないくらいに。

長門妹「これ…良かったら…」

ハルヒ「えっ…?」

長門妹から差し出されたのは、白いシンプルなデザインのハンカチだった。

ハルヒ「なんで…なんで…!?あたしはあなたを殺そうとしたのよ!?それなのに…なんで…」

長門妹「お…お姉様の言った通り、あなたが実験に参加しなければ、私達は生まれてなかった…それに…
戦ってる時のあなたは…今みたいに涙をこぼしそうな目をしてた。
お姉様達を殺されてしまう危機感もあったと思うし…ロボットと思い込まされてたとはいえ、お姉様の姿をしたを殺すのには抵抗があったんだと思う…

だから…こうやってあなたの涙を拭くことができて…


良かった。」

ハルヒ「ーーーっ!?」

ハルヒの涙は止まらない。
背負っていた責任や、その懺悔を流していくように…

上条「俺達は邪魔みたいだな…」

上条が微笑みながら御坂に言う。

美琴「そうね…」

御坂も軽く笑ってそれに返した。


だが…それを彼女は許さない。
仲間を救ってくれた…そんな存在を、彼女が簡単に手放すはずがないのだ。

ハルヒ「駄目よ…」

ハルヒ「あんた達も今からSOS団の団員なの!!!どこにも行かせないし、死んだりなんてできると思わないでよね!!!」

涙を流し終えて、真っ赤になった目でハルヒがいう。

上条「えええっ!?」


やれやれ…
それでこそハルヒ、お前だよ。

ハルヒの顔をじっと見つめる。


頬を赤らめたのは、俺だけが知っている。
それぐらいの報酬、良いんじゃないか?


ハルヒ「SOS団!活動再開よ!!!」


【第二次絶対能力進化計画編、キョンside ?????????????????????????????完 ???】

これで今回のキョンsideは終わりです。
ですが、今回の戦いはまだ完全には終わっていません。

実はそれが終わってもまだまだ続くように考えてたのですが、グダって来たのでやめようかとも考えています。
もう、誰も見てなさそうなので(笑)

構想はあります。
そこら辺のバランスもうまく考えてあります。
では書き続けようと思います。

シリアスに飽きたらこちらもどうぞ。
ギャグSSです。
http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs

ありがとうございます!

気がむいたらでいいから書いてほしいな。
面白いので読みたい

>>230
ありがとうございます。
続けて行こうと思います。


一人と二万人の少女が救われた。
だが、彼の戦いは終わっていなかった。

ニール・ディランディ
元、ソレスタルビーイングに所属していた先代ロックオン・ストラトスである。

国連軍との戦いで、アリー・アル・サーシェスに撃墜され、瀕死の重症を負ったが、学園都市宇宙開発部に救助され、半身を機械化しやがらも生き延びていたのだ。
学園都市内ではディラン・ニーディルとして名が通っている。

後、最近誰もレスしないので不安になってくるので、関係ない話でもしてもらえると励みになります(笑)

ライル・ディランディの怒りは頂点に達していた。
サーシェスと交戦状態に入ってからどれぐらいたっただろうか。
全ての攻撃をのらりくらりとかわされていた。

丁度今も、ビームピストルを連写したところをGNドライブをOFFにすることによって、自由落下し避けられた。

サーシェス「おらおら!どうしたぁ!」

サーシェスのバスターソードが振り降ろされる。
それを、ライルのケルディムは銃身で抑えるも…少しずつ断ち切られて行く。

ライル「くそっ…やっぱ俺じゃ勝てねぇのか…」

その時、一筋の黄色い光線がサーシェスの機体を貫いた。

ライル「ーーー!?」

光線の発射された方向を拡大する。

ライル「ザク?…スナイパータイプ…?いつの機体だよ…あんなのでまともに戦える訳…」



ニール「仇は取ったぜ…父さん…母さん…エイミー…」
ニールの目には大量の涙が浮かんでいた。
だが、その目に光はなかった。

アイルランドの自爆テロ…
その時から、復讐のためだけに生きてきた彼にとって、サーシェスを倒すことは生き甲斐でもあったのだ。

彼がこの旧型の機体を選んだのは訳がある。
一つは、根本的な構造から違い、古すぎることからアルケーガンダムのレーダーには反応しないこと。

もう一つは、一発を外したら逃げられない機動力だったことだ。

彼が最後にサーシェスに致命傷を負わせた時の攻撃と同じような状況までに自分を追い込まなければいけないと思ったからだ。

うなだれているニールの機体の元に、サーシェスと交戦していたであろうMSが近づいて来た。

ニール「おいおい…まさか手柄を横取りされて腹立ててるとかじゃねぇだろうな…!?ってありゃあ…」

彼はその機体に見覚えがあった。
いや、正確には完全に同じ機体という訳ではないのだが、その緑色のフォルムは明らかに見慣れたものだった。

そして、サーシェスに意識が集中し、ニールに見えていなかったもの。
そのMSの背中には緑色の光が輝いていた。

ニール「嘘…だろ?」

考えてみれば当然のことだ。
サーシェスが現れた以上。彼らが現れても不思議じゃない。

わずかな可能性にかけ、修理し、まだ持っていた「あの」通信機器を開く。






ハロ「ロックオン!ロックオン!ロックオン!ロックオン!ロックオン!」

ケルディムのコクピット内にハロの声が響く。

ライル「どうした?ハロ。俺ならここにいるじゃねえか。」

ハロ「チガウ!チガウ!『モウヒトリ』ロックオン!」

ライル「もう一人…!?まさか…」

ハロ「ツウシンカイシ!」

ハロの目がカッ!と光り、コクピットの中に簡易的なプロジェクターが完成する。

ニール『こちらはソレスタルビーイング元、ガンダムマイスター、ロックオン・ストラトスだ。そこのデュナメスに似た機体に乗ってるパイロット!応答してくれ。』

ライル「兄…さん……?」

ライル「兄さん!あんたは四年前の戦いで死んだ…サーシェスの野郎に殺されたはずじゃなかったのか!」
途中で詰まるようになりながらもライルが言った。

ニール「確かに俺は一度死んだも同然だ。だが、学園都市宇宙開発部。そこに偶然命を救われた。半身は義手、義脚になっちまったけどな。」

ニールは先に冷静さを取り戻したようで、口調がいつもの飄々とした口調に戻っていた。

ニール「で、ライル。お前は何でソレスタルビーイングにいるんだ。AEUの商社で働いてたはずじゃなかったのか。」

ライル「何でって…兄さんの敵討ちに決まってるじゃねぇか!!!」

ニール「何だと…?」

一瞬でニールの口調が先程までの真剣な口調に戻った。

ニール「敵討ちをして俺が喜ぶとでも思ったか!残ったお前だけには…平和な場所に居て欲しかった!」
ニールの、残った者への切実な願いだった。

ライル「兄さん…平和ってなんなんだよ。俺がAEUの商社で働いて、今頃地球連邦の商社で働くようになって…そんな間に違う場所ではアロウズが虐殺を繰り広げている。それは本当の平和なのか?」

それを聴いたニールの脳裏に、4年前の情景が浮かんだ。
サーシェスに撃墜され、目の前に浮かぶ地球に向かって放った言葉。

ニール「ライル…」

ライル「自分が平和だったらそれで良い。そんな考えだったら、兄さんもソレスタルビーイングに入ってないんじゃねぇのか!俺だって兄さんの弟だ。少しの信念ぐらいあるさ。」

ニール(どうやらライルは見ない間に成長していたようだ。それに比べて俺は…)


ニール「そうだ…そうだよな。この四年間で俺も腐っちまったのかもしれねぇ。」

ライル「だが、とりあえず、兄さんが生きてて良かった…刹那達も会ったら驚くだろ!」

そうは言われたものの、もう四年だ。
ニールには若干の不安もあった。
今頃自分が戻ったところで4機しかないマイスターの機体をどう回して行くのか…その前にガンダムに乗れるほどの実力が、まだ自分に残っているのか…

ニール「戻る場所あるのかねぇ…」

ライル「何言ってんだよ、あの娘なんて会ったら泣いちまうぞ…」

フェルト・グレイス。
ニールが愛し、そして置き去りにしてしまったソレスタルビーイングのクルーだ。

ニール「フェルトか…どんな風になってんだろうな…やっぱりおとなしいままか…」

ライル「おとなしい?そこまでか?」

ニール「そうか…あいつも変わったんだな。」

ケルディムの手が、ザクIスナイパータイプのコクピットへと伸びる。
ザクIスナイパータイプのコクピットが、旧世代ならではの鈍い音と排熱音をたてながら開いた。


ライル「おかえり、兄さん。」



ニール「おう、ただいま。」


ソレスタルビーイング伝説の狙撃手。


ニール・ディランディ



ここに、帰還。





ライル「ところで兄さん…」

ニール「何だ?」

ライル「墓とかの費用…結構かさんだんだが…」

ニール「す…すまん。」


アルケーガンダムはニールの学園都市特注スナイパーライフルにより、撃墜され、大破していた。

だが、それで死ぬ、『彼』ではない。

サーシェス「アァ?木原が死んだだァ?どういうこった!説明しやがれ!!!」

脱出ポッドの中のモニターに向かってサーシェスは叫んでいた。

死ぬはすがないのだ。
木原数多という人間は…何があっても死にそうにない人間だった。

サーシェス「誰だ…誰が木原を殺った…」

PMC兵士A「それが…木原様は亡くなる直前まで…学園都市第一位と戦闘中だったようで…」

学園都市第一位…その名前ぐらいはサーシェスも聞いたことがあった。

サーシェス「アクセラレータ…俺がこの手でぶっ殺してやる…」

木原数多と
アリー・アル・サーシェス
二人は互いに最大の理解者であった。

この世に生を受けた時から決められていた一本道。
それが【戦争】と【実験】であった。
ただ、それだけの違いだったからだ。


二人が最初に出会ったのは寂れたバーであった。

木原数多の行きつけであり、街の奥深くにあるため、そうそう人の入らない場所。
そこにやって来たのがアリー・アル・サーシェスであった。
彼が学園都市に来ていた理由は地球連邦軍からのMS輸送の為だったのだが、
彼が目立たぬ酒場を探していたところ、見つけたのがそこだった。

そこで二人は初めて顔を合わせる。

それだけで理解できた。


(あぁ…コイツは俺と同じだ。)

と。

それからというもの話が進むのは早かった、互いの職業の話をし合い、
過去の傷を慰め合い。

そしてそのうちに二人の話題は【旬の話】へと向かった。

それが、願望実現能力を持つといわれる涼宮ハルヒについてだった。


そこから彼らの計画は始まった。


そしてその計画は失敗に終わる。
イレギュラーであるもう一人の幻想殺しの存在と、進化し過ぎた一方通行。
そして、木原数多の死によって。


サーシェスにとって計画の失敗は正直どうでも良かった。
「面白そうだ。」
程度のものなのだから。

問題は木原数多の死だ。

人生最初で最後の最大の理解者であって、初めて「友人」と呼べる存在になるかもしれなかった相棒の死を前に


怪物は牙を剥く。



復讐。


彼が何度も、何人にも抱かせたであろう感情を抱いて。





一方通行は自宅(正確には居候先)のドアの前で硬直していた。
新たな幻想殺しが目を覚ましたというので、他の一行は病院へ向かったものの、彼だけは

「くだらねェ…」

と無視して来たのである。
けして照れ臭いからではない。

もう一度言う、けして照れ臭いからではない。

だが、戻って来たは良いものの、打ち止めは完全に彼が死んでいると思っている。
番外個体は事情を知っているが、きっと「面白そうだから」などという理由で真実を伝えていないだろう。

一方通行の指先が震える。

インターホンを押そうか押さまいか、その中間地点でプルプルしているのである。

だが、人間というのは不思議なもので、そういった時は自然と指が前へと動いているものなのだ。


ピンポーン♪

間の抜けた音が鳴り響く。


一方通行(押しちまったァァァァァ!!!!!)

後悔してももう遅い、足音は確実に一方通行の元へと近づいてくる。
重く、ゆっくりとした足音が。




一方通行(待てよ…おかしい…)


そう、重くゆっくりとした足音など存在しないはずなのだ。
ここに住んでいるのは一方通行を除き全員女。
黄泉川は警備員の仕事で出掛けているし、芳川はインターホンはおろか部屋からほとんど出ない。

番外個体も打ち止めもこんな大人の足音は出さない。


つまり…その四人以外の誰かが、扉の向こうにはいる…


一方通行「クソッタレが…」

渇いた舌打ちが響いた。



扉が…開く。





扉が開いて出てきた人物は…一方通行にとってあまりにも予想外な人物だった。

???「よぉ、一方通行ァ!」

ジャージの上に白衣を重ね着したアンバランスな姿。
金髪に左目のタトゥー



一方通行「木原…クン?」




一方通行「テメエ…懲りずにガキを…」

打ち止め「あ…一方通行ぁぁあ!!!」

一方通行に打ち止めがオリンピックの走り幅跳びかのような勢いで飛び込んで来た。

木原「安心しろ、もうこのガキをさらったりしねぇよ。」

一方通行「んじゃァなんで…」

番外個体「ミサカが呼んだんだよーん!」

一方通行「番外個体ォ…」

番外個体「人を殺す為だけに生み出されたミサカが、今こうやってここで暮らしてる。だったらさ、生まれてから人を殺した人がここにいようと問題ないんじゃないかな?」


なんかカオスすぎてよくわかんなくなってきたので、参加してる物語?でいいか?の題名教えて

一方通行「チッ…好きにしやがれクソッタレ…」

実際、一方通行も木原数多並に、もしかしたらそれ以上の命を殺めてきた人間だ。その一方通行が闇から抜け出す権利があって木原数多にはないというのはおかしいだろう。

木原「ま、昔みてえにテメエの能力の研究ぐらいはできっから任せとけ。おぅらガキィ!飯作ったから食うぞ!」

打ち止め「わーい!ってミサカはミサカは美味しそうな焼きそばの匂いにつられてみたり!」

木原に呼ばれ、喜んで駆けていく打ち止め。
どうやら例の一件では猟犬部隊の面々しか見ておらず、木原のことは憶えていないようだ。

>>252
今のところ
・ハルヒ
・とある
・ガンダムOO
・コードギアス
・後一つ???

です。

まだ少し不安を残しながらも見守る一方通行に番外個体が声をかける。

番外個体「実はさ…アイツ、本当は死んでたみたいなんだよねぇ?」

一方通行「あ?どういうこった。」

一方通行が首を傾げながら言った。


番外個体「ミサカがあなたの命令であいつの残りの肉体を作り出す装置を破壊してて、丁度最後の一機を破壊する寸前にその培養器から出てきたって訳。」

一方通行「つまり誰かが生身の状態の俺が倒した木原を殺したってことか…」

番外個体「ま、そうなるね?」

木原数多を憎んでいる人間などいくらでもいる。いくらでもいるのだが…

一方通行「木原クン、前の肉体が殺された時の記憶はあるか?」

木原数多「それがよぉ…気付かねぇうちに後ろから心臓を一突きされたみたいで殺ったやつの顔とかは見てねぇんだ。」

そう、そこが妙なのだ。
いくら一方通行との戦いで疲弊していたとはいえ、木原数多に気付かれず背後に迫れるというのは並大抵の実力ではできない。

一方通行(まだ厄介なのが残ってるかもしれねェな…)


一方通行の罪の償いに加え、木原数多もまた、これから罪を償わなければいけないのだろう。


最近忙しく、投下できずすいません。
一週間後辺りには元のペースに戻ります。

Gガンは元々出場予定です。

ハガレンもラインナップに加えておきます。

第七学区の歩道橋の上、御坂美琴はジュースを片手に金属製の柵へと寄りかかり、飛行船の電光掲示板を眺めていた。
彼女はその飛行船を嫌いになる出来事と好きなる出来事。どちらも体験していた。
それゆえ、その飛行船を見ると、複雑な気持ちになり、なんとなく感傷じみてしまう。

飛行船の電光掲示板には最新のニュースが流れる。
その内容が、彼女に飛行船へのトラウマを植え付けるものだった時もあったのだが…たいていは自分とはなんの関係もないニュースだ。

【極悪恐喝グループ、重傷で発見される】

やはり、彼女には関係のないニュースだ。
一般人が怪我をしようものなら哀れみも生まれるが、相手は巷で話題の極悪恐喝グループ。
正直、良い気味だとも少し思う。

だが、

その後に流れてきた文に、御坂美琴の思考が中断された。


【犯人は超能力者(レベル5)級の能力者と推測される】

Level5は7人しかいない。
そんなもの簡単に特定できる。
だが、誰だか特定されない理由がある。

隠しておくべき事実なのか。
いや、だとしたらまずニュースにしない。隠蔽工作などこの街の得意中の得意だ。
それともただ単に、学園都市側も予測できなかった事実なのか…あるいは…
その時、飛行船の電光掲示板の画面がスライドし、詳細情報が切り替わった。
【能力系統は、空力使いと、温度を操る能力者と見られる】

あり得ない。
レベル5にそんな能力者はいないのだ。
と、なると新たな可能性が浮かんでくる…
新しいレベル5が…

佐天「御坂さーん!」

そこで美琴の思考は中断される。
待ち合わせていた友人、佐天涙子、初春飾利、そしてルームメイトの白井黒子が到着したのだ。

黒子「まったく、お姉様、またぼーっとしていられて…」
黒子が心配50%呆れ50%のような顔で美琴に言った。

美琴「いや…実はね」

そう、言いかけて言葉を止める。

初春「どうしたんです?」

美琴「ううん、なんでもない!行こ行こっ!」

持ち込みたくなかった。
綺麗なこの友情に、この街の腐った話など持ち込みたくなかったのだ。
いずれ、佐天さん辺りが噂を聞きつけ話題にもあがるんだろう。
それまでは、私からは言わなくてもいいことだ。

そう思い、歩き始める。

飛行船の電光掲示板には、まだ先ほどのニュースが流れていた。


美琴には見えていない。






後ろで二人、ほくそ笑む姿が。





いつも見てますよー頑張ってください!


シュタゲのオカリンと刹那の絡みをはよ

佐天「そういえば、初春遅れるそうですよー」

黒子「まったく…どこに行ってるのやら…」

初春「えっ…私ここにいますよー!何言ってるんですかー!」

もちろん、初春飾利は存在している。
問題はその頭に例の【髪飾り】がないことだ。

美琴「初春さん、早く来れるといいわね…」

初春「だーからー!花がないからっていない扱いしないでください!」

このやり取りはもはや初春が髪飾りを付けて来ない時の定番のやり取りとなっているのだが…

美琴「嘘、嘘!でも本当に最近、初春さんアレ付けて来ないわねー」

初春「いやぁ…ちょっと…」

それもそうだ。初春飾利にとって髪飾りは一番の特徴。

それを見られてしまったからには、おちおち私生活で付けてなどいられない。



>>283
ありがとうございます。
その絡みはこちらでも考えてありますw

【能力者連続制裁事件】こう書いて、
アブノーマルジャッジメントと読むらしい。
「最近の若いのは何でも横文字にしたがるじゃんね…」
そう言って、黄泉川愛穂はため息をついた。
【能力者連続制裁事件】
その名の通り、犯罪を繰り返す能力者が片っ端から重傷で発見される事件だ。
一時期はスキルアウトの仕業かとも噂されたものだが、すぐにその推測は全否定される。
現場で見つかるのは毎回毎回能力の使用痕。
それもレベル5級だ。
黄泉川愛穂は自宅に学園都市第一位、
一方通行(今は三位になったのだったか…)を居候させているし、職業柄、レベル5全員の能力は把握している。

空力使いに温度を操る能力者。
そんなものはレベル5には存在しない。
空力使いは最高でもレベル4。
温度を操る能力者なんて…
黄泉川愛穂には1人しか心当たりがなかった。

そんな黄泉川にふいに声をかける人物が現れた。

???「警備員の方ですね?」

黄泉川が見るからに、まだ大学を卒業後したてなのではないだろうかと思うくらいに幼い、黒いスーツを着た女性だった。
だが、その目は鋭く、目の前の黄泉川ではなく、もっと遠くの邪悪なものを見つめているような目だった。

ここで一編限りで、新作品登場します。


朱「学園都市特別公安局刑事課一係の常守朱です。この事件の捜査権は只今よりこちらに移ります。」

黄泉川「公安局…なんじゃんそれ?」

朱「樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)の再構築と同時に外部から引き抜かれた、統括理事会直轄組織です」

黄泉川「それとこれとは何が関係あるじゃん!」

朱「あなたは…」

朱の目がさらに鋭くなる。

朱「あなたは、本気でこの事件がただの能力者の暴走だと思っているんですか?」

確かにそうだ。
この街で起こる事件はだいたい「裏」になにかが関わっている。
だが、警備員である黄泉川には「表」への介入しかできないことが殆どだ。

黄泉川「くっ…わ…わかったじゃん。」

統括理事会直轄の組織となっては、ただの治安維持組織にすぎない警備員の黄泉川には反対する権限はない。

黄泉川「その代わり、順次情報はこちらにも頼むじゃん。」

朱「了解しました。お任せ下さい。」

そう言うと、朱はわき目もふらずに現場脇に停めてある車に乗り込み去ってしまった。

捜査権が移ってしまった事も悔しいが、黄泉川には朱との会話のどこかが引っかかっていた。
事件の話に夢中になり、見落としてしまったとても重大な何か…


気付く。


樹形図の設計者の再構築


それが何を意味するかを、黄泉川は痛いほどにわかっていた。

携帯電話を取り出し、電話帳を開く。
幸い、【あ】行の一番最初にその名前はあった。


3回ほどコールすると、
不機嫌そうな声の【彼】が出た。




SEED系は出て来ますか?

見るからに若い奥様方とその子供達しかいない公園。
明らかに異質な二人がベンチに並んで座っていた。

一方通行「何で俺がァ…こんなトコに来なきゃいけないんですかァ…?」

浜面「正しくは、俺【達】な。」

一方通行「お前と一緒にカウントしないで下さいィー超変態浜面ァ」

浜面「ったく…何が悲しくて野郎と二人でベンチに座ってなきゃならねぇんだ…あ、もしかしてお前女?肌白いし」

一方通行「だいじょうぶはまづら、いっしゅんであのよにいけるから。」

浜面「何、滝壺風の口調で殺しにかかって来てんだよ!」

などと、他人が見たら仲良い友人同士にしか見えないDEADorALIVEの会話が繰り広げられている目の前を、二人の少女(と一匹?)が駆けずり回っている。

打ち止め「待て待てー!ってミサカはミサカは毛虫のついた棒を手にターゲットを追いかけてみたり!」

フレメア「大体、それって毒とかあるし!シャレにならないし!」

白垣根「大丈夫ですよ、いざとなったら私が三枚におろしますから。」

フレメア「大体、それはそれで一生脳裏に焼き付くってぇ?」

そんなシリアスとギャグがミスマッチしているところに、一人の怪しい白衣の男が声をかけて来た。


>>289

出る、予定ですよー!

木原数多「オラ、ガキ共!飲みモン買って来てやったぞ、感謝しやがれ!」

それは敵でも何でもなく、木原数多の姿だった。
まぁ、「元」敵ではあるのだが。

木原数多「一方通行、テメエはブラックでいいよな、アイスの。」コトッ
そう言って、木原数多は空いたベンチのスペースにアイスコーヒーを置いた。

一方通行「さっすがァ!木原クン!わかってンじゃン!」プシュッ

浜面(何こいつら、話じゃ敵同士だったって聞いたんだけど…)

木原数多「ガキ二人!テメエらオレンジジュースな!」ヒョイヒョイッ

今度はそう言って、ジュースを軽く放り投げた。炭酸じゃなかったのが幸いか。


打ち止め「わーい!ってミサカはミサカは飛びついてみたりー!」ピョーン

フレメア「大体、水分補給は必須な訳よ!」ピョーン

すぐさま少女二人は飛びついた。


浜面「え…あ…あの…俺……」

木原数多「あ?」

浜面(完全に無視かよ俺!助けてくれ一方通行!俺にも!俺にも水分を!)


一方通行「おイ、木原クン、こりゃおかしいんじゃねェのか?アァ?」

浜面(そうだ!ナイス一方通行!何気に優しいじゃねぇか!)

一方通行「ガキのジュースは100%って言っただろうがァ!20%って事ァ、残り80%は恐ろしい化学物質が入ってんだよォ!ガキが早死にしたらどうしてくれやがる!」

浜面(そっちぃぃぃいい!?てか過保護すぎだろオカンかてめえはぁぁあ!!!)

木原数多「ぁ?甘めぇんだよ一方通行ァ!あの缶をよく見てみろ!!!」

一方通行「缶なんか見てたってよ…ォ…」

木原数多「気づいたか?あ?」

一方通行「オレンジ果汁20%+野菜汁80%!?木原…テメエ!」

木原数多「果物だけじゃ甘ぇんだよ!これからは野菜の時代だぜ、一方通行ォ!!!」

一方通行「この俺が…負けたァ…」

浜面(こりゃ学園都市も終わりだわ)

木原数多「たっく…冗談だっつの。てめえの文も買ってきてやってるよお」

浜面は荒れた息を整え、ほっと息を吐いた。
それもそうだ。彼は朝早くにフレメアに叩き起こされ、ほとんど寝ぼけたまま公園に連れてこられているため、水分を少しも摂っていない。
だからといって子供達がキャッキャと遊んでいる水道に行き、水を飲むなんてことは論外だ、下手したら通報でもされかねない。

木原数多「ほらよ、てめえの分だ。」

そう言って投げつけられるピンク色の缶…確か浜面はこの缶を見たことがあった。
そう、これは…

ーーー気づいた時には遅く
浜面の構えた手に、缶が迫っていた。


浜面「あっぢいいいいい!!!」

イチゴおでん。
学園都市のゲテモノジュースの一つであり、ホットのくせに夏でも自販機に平然と並んでいる危険物である。

特にやることもない休日。
たまには家でボーッとテレビでも見ていようかと思った、至極平凡的な思考の俺なのだが…

そんなことを許す、『あいつ』では無かった。

ーー6時半

まだ絶賛夢の中の俺を叩き起こしたのは、目覚ましでも懐かしい妹のドロップキックでも無く、一本の電話だった。
眠い目を擦り、着信者名を見ると…
言うまでもなくあいつなのであった。

ハルヒ『今日9時に、学校近くの喫茶店集合ねっ!遅れたら死刑だから、オーバー!』

そう言って電話は切られた。
俺はまだ一言も喋っていないのだが…

するともう一度、やかましい音と共に携帯電話が振動する。
通話ボタンを押すと、これまた機関銃のような勢いで『あいつ』が喋った

ハルヒ『あ、ついでにキョン、
隣の上条も連れてきて!オーバー!』

だからまだ一言も…

「やれやれ…また被害者が増えるな…」
そう呟き、肩を落とす。

だがこの一連のやり取りが、なんとも懐かしく、頬を緩めてしまったのは、ここだけの秘密だ。

適当に服を見繕い、身仕度を整え、部屋を出る。
だが、そのままエレベーターに向かうのではなく、隣の部屋に向かいインターホンを押した。

そう、この間判明した事実なのだが、上条と俺は、部屋が隣である。


…反応がない。


もう一度押してみるか…



…やはり反応がない。



少し遠慮気味にドアに手をかけてみると…


開いた。



ドアが開いた瞬間、血生臭い臭いに思わず顔を背ける。


そこにいたのは、




頭から血を流し倒れている上条と…






純白の修道着を真っ赤に染めて、歯をむき出しにした…銀髪のシスターだった…


「オナガズィダァ"ァ"ァ"!!!!!」



まぁ、そんなこんなで無事(?)上条を連れて行くことに成功した訳なのだが…
そろそろ喫茶店に到着するだろうというところで、すでに俺の腕時計は8時半を示していた。

上条「待ち合わせって何時なんだ?」

上条が尋ねて来た。

「…9時だ。」

俺がそう答えると、上条はほっとした顔をして
上条「ふー、良かったですことよ。あやうく上条さんのせいでキョンが遅刻ーなんてなったら長門に殺されかねなそうだからな…」
と言った。

…はい、ここで勘の良い皆様はおわかりであろう。

確かに、俺は待ち合わせの30分前に無事、到着した。

まぁ、常人であったら
(後、30分なにして時間潰そう…)などという問題が発生する訳だが…
嬉しいことに俺にはそんな問題は発生しない!

何故なら…




どうせ、100%、全員揃っているからだ。


ハルヒ「ちょっと、キョン!遅いじゃない!罰金よ、罰金!!!」


ほらな…?
上条の
「え…?その腕時計壊れてる?」

という問いに、俺は黙って首を振ることしかできなかった。



上 長 キ
------------------
(机ェだァ)
------------------
み ハ 古



さあ、てな訳で喫茶店に入った訳だが…
ハルヒも鬼ではないらしく、
「仕方ないわね!さすがに今のあんたに奢れなんて言わないわ!」
と言って、なんとか免除してくれた。

だが、さすがに言ってしまったため、上条には俺が奢ることに…

し…たい…の…だが…

さっきから上条の耳元で長門が何やら呟いているのは気のせいだろうか。
しかもその口の動きに合わせて、上条の顔がどんどん歪んでいくのだが…

長門「ワカッテル?スコシデモカレニメイワクカケタラコロス。オゴッテモラオウナンテヒャクネンハヤイ。アナタナンテオヒヤダケデジュウブン。ミンナガオイシソウニシタヅツミヲウッテイルアイダ、アナタハブザマニユビヲクワエテミテイルノガダトウ。ワカッタ?」ブツブツ

上条「はい…はひ…」ブルブル

「ほどほどにしろ、長門っ」コツンッ

長門の頭を軽く叩く。

長門「痛い…///」

何故か顔を赤らめる長門だったが、とりあえずは上条への脅迫をやめてくれた。

「上条、いつもだったら全員分なんだ。遠慮しないで良いぞ。」

だが、さっき上条が受けたショックは大きいらしく、結局、飲み物を注文するだけだった。

…後で長門のいない所で何か奢ってやろう。


白井黒子は第七学区の街中を歩いていた。
もちろん、一人ではない。
お姉様こと御坂美琴と、初春飾利、佐天涙子と一緒だ。
この4人でいるのは黒子にとって最高に楽しい。楽しいのだが…

黒子(最近、お姉様との二人の時間が少なくなってしまいましたの…たまにはお姉様と二人でぐふ…ぐふふ…)

などと考えていたのであった。

美琴「黒子!」

不意に、その美琴に声をかけられる。
欲望が表情に出るのを抑え答える。

黒子「はい、お姉様!」

美琴「初春さんと…佐天さん…いなくなってない?」

黒子「え…?」

考え事に夢中で気づかなかった。
とはいえ、ついさっきまでは、一緒にいたはずだ。
第一、黒子が見ていなくても、美琴が気づかないはずがない。
黒子のように、テレポートが使えたり、高位の能力者ならまだしも、初春と佐天は低能力者と無能力者だ。

移動手段は、それこそ自分の足しかないはずだ。
ならばどうやって…

美琴「なんか最近…あの二人少し変なのよね…」

確かに黒子自身も、最近少し二人の様子が変なのは感じていた。
なんというか…、たまに怖さを感じるのだ…

美琴「もしかして…拐われたんじゃ…」

黒子「まさか…」

最悪のパターンだ。
だが、あり得なくもない。と、黒子は思った。
最近は無能力者や低能力者が高位能力者ならに襲われる事件が多発している。
(それに対抗するかのような、【能力者連続制裁事件】というのも起きているのだが)
それに、例えばだが、あの結標のような能力者なら簡単に誘拐などできるはずだ。

美琴「行くわよ!黒子!」

黒子「はい!お姉様!」

二人は走り出す。

大切な友達を助けるために。


空を飛ぶ飛行船には、
【高位能力者による誘拐犯罪が多発】
というニュースが流れていた。



喫茶店ではいつものように、くじ引きが行われた。
北高にいた頃は、メンバーが5人だったため、3対2というなんともアンバランスな、「あれ?これ組み合わせによっては気まずくね?」的な組み合わせになってた訳だが…
今回は上条が加わったため、3対3で丁度良い組み合わせとなった。

なったのだが…


上条「ごめんなさいごめんなさいっ!上条さんだって二人の邪魔をする気はないのですよーっ!」

長門「どこまであなたは私の邪魔をするの…」ゲシッゲシッ

組み合わせは、
俺、上条、長門組とハルヒ、朝比奈さん、古泉の野郎組…ってな訳で、長門の上条への攻撃は止まらないのだ。

実はクジ引きで上条と同じ組になったら、きちんとした飯を奢ってやろうと思っていたのだが…よりによって長門と上条が一緒になるとはな…

やれやれ…ここは一発、俺がビシッといってやるか…


「おい、長門よ…上条がお前の何を邪魔しているかはわからんが…そろそろやめてやってくれんかね…」

よしっ!勢いには欠けたが言えたぞ!


…で、長門さん…何でそんな目で俺を見るんですか?
って、上条も!?

上条「キョン…乙女心がわかってないn…」

ゴスッ!という音と共に、長門の蹴りが上条の首に直撃した。
ナイスだ、長門。
よくわからんがこいつにだけはさっきの台詞は言われたくない気がした。

上条が地面に倒れこみ、痙攣する。

すると、長門が俺のもとにゆっくりと歩いて来て、小さく口を動かした。

長門「ドンカン…///」


ーーッ!?



俺は、そのままスタスタ歩いていく長門の背中を小走りで追った。




少しすると、長門が立ち止まった。
後ろからふらふらと俺達を追ってくる上条に手を差し伸べるのかとでも思ったが、違うようだった。

代わりに、俺が上条に肩をかす。」

上条「サ…サンキュー…キョン…」

もしや、長門は気になる本でも見つけたのだろうかと思ったが、どうやらそうでもないようだ。

長門「今、路地に不審な車両が入っていった。」
長門が車がギリギリ通れるかどうかくらいの路地を指さす。

「怪しいったって…そう簡単に怪しいか
怪しくないかが区別できるものなのか?」
長門の目に疑いがあるわけではないが、一応尋ねておく。

長門「そう。本当に危険な組織などの場合は、周りから見て怪しいと思われるような事はしない。」

上条「つまり…、素人が手を出した犯罪ってことか…」

長門「その可能性が高い。行動の選択を求める。」

上条「そりゃ助けに行くに決まっt

長門「あなたには聞いていない。彼に聞いている。選択を…」

長門が俺の方を一点に見つめて尋ねる。

俺の答えは決まっていた。


だが…


「長門、お前はどうしたい?」


様々な事を乗り越えて来た、今の長門なら…


長門「あの車両の中に誘拐された人質などがいたとしたら、素人ではいつ手を出すかわからない。」

キョン「つまり…だ」




長門「助けるに決まっている」



「よし!それでこそだ!」


俺達は路地に駆け込んだ。





「…あれか?」

路地裏を進んで行くと、少し開けた空き地のような空間があり、そこに車は停まっていた。
真っ黒に染め上げられ、側面の窓ガラスは全てスモークガラスのバン。

確かに、『私怪しいです』と言っているような車だ。

上条「どうする?突っ込むか?」

上条がそう言った直後だった。
俺達に気付いたのか、バンは一気にアクセルを踏み込み、俺達のいる路地に突っ込んできた。

上条「やべぇ!?」

上条が叫ぶ。
そりゃそうだ。
この路地は車がギリギリ通れるぐらいの幅だ。
横に逃げるという選択肢などないし、俺達は車より速く走れる化物でもない。

ましてや、突っ込んでくる車に立ち向かおうにも、俺と上条の幻想殺しは、異能の力以外には効果はない。

だが、俺は慌てる事などなかった。
上条よ、忘れていないだろうか?

俺達には協力な味方がいるじゃないか。


長門が開いた手を静かにバンに向けて突き出した。

次の瞬間、

ゴシャアッ!という音と共に、
バンのボンネットはひしゃげ、動きは完全に停止していた。

遡ること、30分前。
佐天涙子と初春飾利は、対象を追跡していた。
高位能力者による誘拐事件。
誘拐されたのは、学園都市内の小学校に通う、小学2年生の少女二人だった。
誘拐現場に残った痕跡により、高位能力者による犯行だと、断定された。

警備員や風紀委員が血眼になって探しても見つからなかった犯人を、初春飾利はいとも簡単に見つけ出した。

二人は上空から対象を追う。

空力使い(エアロハンド)
それが佐天涙子の能力だ。
能力レベルは超能力者。
つまり、レベル5だ。

彼女程の空力使いになると、空気の流れを操る力を応用し、自身やその他を飛行させることができる。

初春「ふひぃ…やっぱり佐天さんの能力はすごいですねぇ…」
初春が空に浮いた状態で、羨ましげな口調で佐天に話しかける。

佐天「いやいやあ!初春こそ凄い能力じゃん!」

初春「いえいえ!大したことないですよ!」

バンが、少しスピードを緩めた時だった。

佐天「今だよ、初春!子ども達が怪我しないようにね!」

初春「了解ですっ!」

初春がバンに向けて手をかざした。
すると、急ブレーキをかけたわけでもなく、バンはその場で停止した。

初春「タイヤとその下の道路を同時に凍らせました!佐天さん!」

佐天「オッケー、初春!」

佐天が初春の手を掴み、その場で右足で空気を蹴る。
すると、二人は弾丸のようにバンへ飛んで行き、バンヘぶつかる直前に、柔らかいマットにでも包まれたようにゆっくりと着地した。

初春「佐天さん!私が行きます!」

初春がバンのドアを開け、風紀委員の腕章を見せる。

「驚かせやがって!風紀委員…しかも女じゃねぇか!」

誘拐犯の一人が、馬鹿にするような口調と共に、初春に拳を振り上げる。

だが、それだけだった。

いつまでたっても、その拳は振り下ろされない。

いや、振り下ろすことが『できない』のだ。

初春の手が、振り上げられた男の手に、軽く添えられている。

それだけだった。
いや、それだけで十分だったのだ。

誘拐犯A(手にっ…力が…)

彼の手からは力が完全に抜けていた。
それもそのはず、彼の右手の内部は、その一瞬で完全に凍らされていたからだ。

初春「今のうちですっ!逃げて下さい!」

初春が子供達の縄を解く。

「ありがとー!ジャッジメントのお姉さん!」

誘拐犯A「だっ…だずげ…」

子供達「べーっだ!」

当然、自分を誘拐した男を子供達が心配する訳も無く、バンには男達と、二人の少女だけが残された。

佐天「さて…ここじゃ目立っちゃいますし、どこか目立たない路地裏に移動して下さい。」

誘拐犯B「い…行くわけ…っ」

男の言葉はそれ以上続かなかった。

佐天「何なら、今ここで殺すこともできるんです。場所が変われば気分も変わるかもしれませんけど。」

誘拐犯B「わ…わかった!出す、出すよ!」

そうして、バンは再び動き出した。

物語は再び、現在へと戻る

上条「お…お前ら…」

上条が声をあげる

「知ってるのか?」
上条の知り合いだとすると…こりゃまたただの一般人ではなさそうだ。

上条「ああ。確か…御坂の友達の…、髪の長い方が佐天さんで、大覇星祭の時に色々…」

佐天「お久しぶりです、上条さん!いつか一緒にお茶でもしたいと思ってたんですけど…まさかこんなところで会うとは…えへへ…」

初春「もー!御坂さんにヤキモチやかれちゃいますよ!佐天さん!」

いや、ちょっと待って欲しい。
ついさっき、俺達はこの二人の少女にひき殺されかけたんだよな?
何故普通に会話が成立している?
こいつらの世界ではこれがデフォだとでも言うのか…

「上条の知り合いだってのはわかった。でも、だ。何故こんなところで怪しいバンを運転して、その上、俺達に突っ込んできたんだ?」

佐天「ごめんなさいっ!暗くてよく見えなくて、誘拐犯の仲間かと思っちゃったんです…」

上条「誘拐犯?」

初春「はい、小学二年生の女の子二人を誘拐した人達です。さっきの攻撃で、ひしゃげた運転席の中にいますよ?」

おいおい…まさか潰れたりしてないだろうな…

「長門、運転席の奴は…」

長門「問題ない。エアバックの衝撃で気絶しているだけ。」

だろうな…長門がそんなミスをする訳がない。

「そこの二人が、誘拐犯を退治したってのはわかった。たが、一般の生徒にそんな権限があるのか?」

上条「いやいや、初春さん…だっけか?花の髪飾りを付けてる娘の腕章があるだろ?あれが、【風紀委員】って言って、学生で構成された治安維持組織の一員だっていう印なんだ。」

「警察みたいなものか?」

初春「まぁ、そんなところですね!私達じゃ手に負えないほど危険な任務は、警備員って言って、教師達の治安維持組織が負うんですけど…って、この街の生徒なら嫌でも知ってるはずですけど…」

あぁ…そういやあのロリっ子先生がそんなことを言ってたような…

上条「こいつは、キョン。最近学園都市に来たんだ。元は…どこにいたんだっけか?」

「西宮だ。兵庫のな。」

上条「だ、そうだ!」

初春「なるほど…納得です!」

上条「ところで、その犯人達はどうするんだ?そのまま風紀委員の詰所に連れて行くのか?それとも警備員に引き渡したりするのか?」

そう、それだ。
俺も一番気になっていたところだ。
もし、警備員とやらを呼ぶのだったら、わざわざ運転なんてさせる必要はないからな。

佐天「どっちもしませんよ?」

上条「え?じゃあどうするんだ?」


佐天「そんなの…」


佐天「殺すに決まってるじゃないですか。」


「は…?」

一瞬、佐天さんとやらが何を言っているのかわからなかった。
だが、彼女の目を見て確信した。

冗談で言っている訳じゃない。
こいつは、本気で、当たり前のように…

上条「じ…冗談きついぜまったく…」

佐天「そうですね!冗談です!」

いや…冗談じゃない。

こいつは冗談なんか言ってないんだ。

佐天「殺しはしませんよ、ただ、二度と同じことができないぐらいの、恐怖と苦痛は味わってもらいます。
殺されないだけ良いじゃないですか。
人道的な解決ってやつだと思いますけど。」

上条「……ふざけんなよ!そいつらがどんなに悪人だろうと、そんな目に合って良い訳がねぇだろうが!!!」

佐天「じゃあ上条さんは、自分の大切な人を誘拐した人を、平気で許せますか?」

上条「それはっ…」

上条にも思い当たる節があったのだろうか、黙り込んでしまった。
俺だって、同じことを言われたら上条と同じような反応になっていただろう。
もしも、SOS団の誰かが誘拐なんてされたとして、そいつを捕まえたら、俺は殴らずにいられるだろうか。
いや、こう自問自答してる時点で、答えはNOなのだろう。
だが…

上条さんは(許す方の)前例があったよね…
ほら…あの一人称俺様の真っ赤でチートな人

>>325
徹底的に許さない前例もあったのでそれが上条さんには引っかかってるってことで(ねぼし回において


「だが、それは、正当な立場の人間に与えられるべき権利だ。
お前達は風紀委員って立場でこいつらを捕まえたんだろ!
だったらお前らにそいつを捕まえて然るべき所に突き出す権利はあるが、そいつを半殺しに…ましてや殺す権利なんてないんじゃねぇのか!」

佐天「だったら…」

俺の言ったことに微塵も動じる様子はなく、佐天が返した。

佐天「私達があの子達の知り合いだと言ったら?
姉妹だと言ったら?
それでもあなた達は止められるんですか?
あなた達が言う、正当な権利が与えられるべき人間を…
止められるんですか?」

「………」
俺は黙り込むしかなかった。
俺にも妹がいる。
同じ立場に俺と俺の妹を当てはめた時、周りの制止など聞くだろうか?

佐天「まぁ…そんなはずないですけど。」

矛盾してるのはわかってる。
わかってるんだ。
だからと言って…

上条「やるぞ…キョン…」

だからと言って…
目の前で殺されそうな人間を、助けない理由にはならない!

「ああ!長門も、頼むぞ!」

長門「任せて。」

上条「確かに…俺達は完璧なヒーローなんかじゃない。だけどな…それを理由に引き下がる程、腐っちゃいねぇ!」


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