美琴「とある幸福の上条当麻、始めるわよ!」上条「マジで!?」(999)


前スレ 禁書「とある幸福の上条当麻、はっじまるよー」上条「ウソつけ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1352383214/)



※ご注意

前スレの>>1を参照

加えて上琴要素が強いので拒否反応が出るかたは戻る推奨です




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1373729989


学園都市 某所――


アウ「第七学区駅前にて、左方のテッラと超電磁砲が交戦状態に入ったようだ」

禁書「単純な戦闘力は短髪に軍配があがるかも」

アウ「当然、しかし相手は神の右席の一角、開示されている情報など皆無だ。逆に超電磁砲は有名すぎるせいで手の内を読まれ易いだろう」

禁書「それでも短髪の有利は動かないよ。学園都市で戦う限り、フィールドの全てが短髪の味方をするからね」

アウ「間然、まるで戦った経験があるような口ぶりだが……」

禁書「あるよ、何度も何度も……その度にとうまが邪魔をして……ッ!」ドドドドドド

アウ「そ、騒然!? い、以前より頼まれていたオービット・ポータル社との交渉について報告が」ガクブル

禁書「レディリー=タングルロードは首を縦に振った?」

アウ「条件付きで」

禁書「全部飲むと伝えて。ただしアリサには決して手出ししないよう圧力をかけて欲しいんだよ」

アウ「……(徹底している……。そこまでする価値が、あの少女にあるというのか?)」

禁書「当然の疑問だよね」クスッ

アウ「!?」

禁書「フフ、怯えなくていいよ。アリサはね、とうまと同様に私を打倒しうる可能性の一つなんだよ」

アウ「唖然……君を倒し得ると?」

禁書「理論上はね。アリサの奇跡にとうまの実力が合わされば、私を傷つける事が可能になるんだよ」

アウ「なんと! ならば早急に排除するべきだ」

禁書「それこそ杞憂かも。とうまが本気で私と敵対するなんてあり得ないもん。それより根拠地を手に入れるよ」

アウ「では?」

禁書「あなたは手筈通りに動いて。私は敵を殲滅するんだよ」ニッコリ


アウ「……(学園都市に血の雨が降る……!)」ゾクッ


CASE 16 Dead on Arrival 中編


学園都市 第七学区 駅前――


テッラ「学園都市に到着早々、レベル5と遭遇戦とは幸先がいいですねー」

美琴「先行き不安の間違いじゃないかしら? 魔術師か何か知らないけど、レベル5を舐めんな!」

ビリビリッ!!

テッラ「優先する。――人体を上位に、電流を下位に」

美琴「ッ、無効化された!?」

テッラ「神の右席は人間が使うような普通の魔術を使えませんからねー。少しは楽しませていただきたいものですが」

美琴「神の右席……?」

テッラ「異教のサルに説明しても馬耳東風でしょう」

美琴「ああそう、なら軽く捻って借金返済の足しにさせてもらうわ!」

テッラ「…………」ヤレヤレ

美琴「な、なによ、その呆れ果てたって顔はーっ!」プンスカ

テッラ「いえ、見た目に違わぬチャラい小娘に失笑しただけです。その若さで借金を抱えるとは、学園都市の風紀はどうなってるんですかねー」


アリサ「美琴ちゃん、借金はよくないよ……」フルフル


美琴「ぐぬぬ、余計なお世話だっての!」ガァァ


テッラ「学園都市は歪だ。世界の歪みを正し、調和をもたらすのが我が使命。やはりあなたはここで死ぬ運命のようですねー」

美琴「好き勝手言ってんじゃないわよ!」

ビリビリッ!!

テッラ「無駄です」

美琴「……やっぱ電撃は効かないか」

テッラ「次はこちらの番ですねー。優先する――刃の動きを上位に、人体を下位に」

ヒュン!

美琴「くッ」ヒラリ


テッラ「上手く避けましたか。ですが何時まで続きますかねー」ブンッ

ガキンッ!!

テッラ「むっ」

美琴「清掃ロボって学園都市のいたるトコに居んのよね。金属製だし、あんたのショボイ武器じゃ壊せないみたいね」ニヤリ

テッラ「磁力で引き寄せて盾に……!」

美琴「盾だけじゃないわ」バチバチッ


アリサ「美琴ちゃんの周りにたくさんの清掃ロボが集まってきてる!?」


美琴「こうやってブン投げれば立派な凶器よ!」ビリッ

ビューン!!

テッラ「ッ、優先する。――人体を上位に、金属を下位に」ガキン!

美琴「こいつはおまけよ!!」

ビリビリッ!!

テッラ「優先す…ぐあああああッ!?!?」シビビビ


美琴「あれ? 電撃が効いた……?」ハテ?


テッラ「…………」プスプス


美琴「ま、いっか。木原さんに連絡して早いトコ引き取ってもらお。……なんかキモイし」

アリサ「美琴ちゃん!」

美琴「ケガはない?」

アリサ「それはこっちの台詞だよ! 美琴ちゃんこそ大丈夫?」

美琴「平気へーき。神の右席とか言ってたけど、全然見かけ倒しだったみたい」

アリサ「……私が目的だって」

美琴「その辺りも問い詰めなきゃね。だから一先ずは安心して」

アリサ「…………」

美琴「アリサさん?」ハテ?

アリサ「ううん、何でもない……。それより、守ってくれてありがとう」ニコッ

美琴「どーいたしまして」クスッ

アリサ「あはは……」カタカタ

美琴「……(震えてる……。ワケ分かんないのに狙われたんだし無理も無いか。だったら――)」


第七学区 グループアジト――


美琴「たっだいまー」

アリサ「お、おじゃまします」オズオズ


浜面「お、御坂がこんな時間に来るなんて珍しい……って、どちらさん?」

打ち止め「わぁーい、お姉さまだー♪ ってミサカはミサカは大はしゃぎ!」イエーイ


美琴「色々あったのよ。ともかく順を追って説明するわ。あと打ち止めはお休みの時間よ?」

打ち止め「ぶぅーぶぅー! ってミサカはミサカは融通の利かないお姉さまを野次ってみたりー」

美琴「ったく、しょうがないわねぇ」ヤレヤレ


◇ ◇ ◇ ◇


美琴「――それでアイツの病室で一緒になって、帰る途中に魔じゅ……変な格好の男に襲われたのよ」

アリサ「……ッ」

浜面「そりゃ災難だな。けど御坂が一緒だったのは不幸中の幸いだったな」

アリサ「はい……」

美琴「緊張しなくても大丈夫よ。ここはアイツや私の妹の家だから遠慮しないで?」

アリサ「う、うん……ええっ、当麻くんち!?」ガビーン

浜面「俺と打ち止めも住んでるけどな」

打ち止め「…………」ジー

アリサ「えっと……美琴ちゃんの妹ちゃん?」

打ち止め「うん、打ち止めだよ、ってミサカはミサカは自己紹介してみる」

アリサ「私は鳴護アリサだよ。よろしくね、打ち止めちゃん」ニコッ

打ち止め「うんっ!」


浜面「……(打ち止めの名前につっこまないなんて……こりゃ天然か)」


打ち止め「むっ、むむむ!」

アリサ「どうしたの?」

打ち止め「なんだか埃っぽいよ、ってミサカはミサカは指摘してみたり」

アリサ「え……あっ、ホントだ」

美琴「あー、ドタバタしちゃったから。お風呂沸いてる?」

浜面「とっくに沸かしてる。なのに打ち止めが入りたがらなくて困ってたんだ」ヤレヤレ

美琴「なら丁度よかった。打ち止め、アリサさんをお風呂に案内して?」

打ち止め「はぁーい! こっちだよ、ってミサカはミサカはお客さまの手を引き案内してみたりー♪」グイグイ

アリサ「わわっ、引っ張らないでーっ!?」


◇ ◇ ◇ ◇


美琴「やれやれ、小さな子供ってわけじゃないんだし、お風呂くらい一人で入れるようにならないとね」

浜面「ハハ、大将と御坂妹が甘やかすから当分無理かもな」ケラケラ

美琴「む……」

浜面「なんだぁ? まさか打ち止めに嫉妬してんのか?」

美琴「し、してないわよ!///」ガァァ

浜面「心配しなくても大将は御坂一筋だろ。つーか御坂が素直になりさえすれば…」

美琴「そそ、そんな事より妹はどーしたのよ!?///」ワタワタ

浜面「ん、ああ、御坂妹なら木原のオッサンとこ。なんかスゲー秘密兵器を調整中だってよ」


美琴「ひ、秘密へーき……?」

浜面「っと、ここからは真面目な話だ。鳴護を襲った男……魔術師だったろ?」

美琴「!?」

浜面「グループの総力をもって鳴護アリサを守り抜け。統括理事長直々のご用命だとよ」

美琴「どういうこと? 言い方は悪いけどアリサさんは無能力者よ?」

浜面「わかんねえ、ただこの命令の優先度はかなり高いみたいだ」

美琴「アリサさんには統括理事会……いいえ、学園都市にとって重要な何かがあるってことか」

浜面「パッと見た感じ、何処にでもいる普通の女の子っぽいのにな」

美琴「……襲撃者は神の右席と名乗ったわ。狙いはアリサさんだった」

浜面「神の右席、ねえ。組織の名前か、それとも個人の異名なのか判断がつかねえな」

美琴「感じる威圧感のわりに、呆気なく倒せたのよねぇ。運が良かったのかしら……?」

浜面「おいおい、御坂は第三位じゃねーか。相手が凄腕の魔術師だったとして、御坂より強いなんて事のほうが稀だろ」

美琴「それはそうだけど、う~ん……」

浜面「ま、大将なら何か知ってるかもな。魔術に精通してるみたいだし」

美琴「そうね。ところでアリサさんの事だけど」

浜面「しばらくはここで匿うべきだろうな。襲撃者が一人なんて楽観はあり得ねえ」

美琴「じゃあ私も泊らせてもらうわね」

浜面「そうしてもらえると助かる。正直、打ち止めだけでも持て余してたんだ」

美琴「任せて。あと確認だけど、アリサさんに護衛の件を話すの?」

浜面「……酷だと思うが話すさ。護衛対象に狙われてるっていう意識がなけりゃ仕事になんねーからな」

美琴「あっはは、すっかり警備員が板についてるし」ケラケラ

浜面「うっせ!」


浴室――


アリサ「はふぅ……いい湯だねー」

打ち止め「ほへぇー……ってミサカはミサカは完全に同意してみたりー」

アリサ「普段は一人で入ってるの?」

打ち止め「ううん、いつもはヒーローさんと一緒だよ、ってミサカはミサカは報告してみる」

アリサ「ヒーローさんって当麻くんのこと?」

打ち止め「そうだよ。あの人はミサカたちにとって、世界で一番頼りになるヒーローだよ、ってミサカはミサカは事実をそのまま伝えてみたり」

アリサ「ふふ、頼れるお兄さんなんだね」クスッ

打ち止め「違うよー、あの人はミサカのお父さんなのだー! ってミサカはミサカは大暴露!」デデン

アリサ「そっかー、お父さんなんだー…………え゛!?」

打ち止め「ミサカのお願いなら何でも叶えてくれて、とっても優しくて強くて…」

アリサ「ちょ、ちょっと待って! え、当麻くんがお父さん!?」

打ち止め「そうだよ?」ハテ?

アリサ「じゃ、じゃあお母さんは……?」

打ち止め「う~んとね……お姉さまかな? ってミサカはミサカはフィーリングで答えてみたり」

アリサ「美琴ちゃんが!? てゆーかお姉さまなのにお母さんって!?」アウアウ

打ち止め「ではでは肩まで浸かって100数えて上がりましょ、ってミサカはミサカはカウントスタート! いーち、にーい、さーん」

アリサ「付き合ってもいないのにお父さんお母さん!? ええっ、中学生の美琴ちゃんに何してるの当麻くーん!?」アウアウ


テッテレー


鳴護アリサは大混乱におちいった!!


第七学区 グループアジト――


アリサ「美琴ちゃん!」ガァァ


美琴「おー、妹のパジャマ、ぴったりみたいね」

アリサ「うん、着替えを貸してくれてありがとう……じゃなくて!」

美琴「もう遅いから、今日は泊っていって?」

アリサ「あ、終電過ぎてる!? 助かるよー……でもなくて!」

美琴「それと打ち止めをお風呂に入れてくれてありがとね」

アリサ「お礼なんていいよ。私も楽しかったし……うわーん! 私の話を聞いてーっ!!」

美琴「なーに?」ハテ?

アリサ「友達にこんな事言いたくないけど……み、美琴ちゃんは破廉恥だよ!」

美琴「は、はあーーっ!?」ガビーン

アリサ「ああでもなんだかインスピレーションが!? 美琴ちゃん、何か書くもの貸して!」

美琴「あ、うん」スッ

アリサ「美琴ちゃんと当麻くんの不潔ーーーっ!!!」カリカリカリカリ

美琴「ちょっ!?」


浜面「……そうか、病室であんな事こんな事いっぱいやっちまったのか。オメデトウ大将」


美琴「あ、あれはアイツがして欲しいっていうから……///」カァァ ※あーん的なアレ

浜面「あれねぇ……。まあなんだ、俺は二人を応援してっからよ」ニカッ ※あは~ん的なアレ

美琴「応援とかいらないから! そんな良い笑顔でサムズアップすんなーーっ!?///」テレテレ


アリサ「道ならぬ恋! 一夜の過ち! 授かったのは生命の息吹ーーっ!?」カリカリカリカリ


テッテレー


グループ内部で素晴らしき誤解が発生した!!


学園都市 とある研究所――


木原「ガキどもが良い仕事してくれるぜ」

テッラ「…………」

木原「お前さんは何処の何者だ? 何の目的で学園都市に侵入した?」

テッラ「…………」

木原「だんまりかよ。素直に喋ってくんねーかなぁ、面倒な薬なんざ使いたくねーんだわ」

テッラ「……以前、学園都市に捕らえられた同胞は無事なんですか?」

木原「あ? ……あー、あのシスター共と骨董品みてえな騎士サマたちか」

テッラ「…………」

木原「シスターたちなら生きてるよ。この施設の別の部屋で元気にしてるはずだ」

テッラ「…………」

木原「騎士サマたちはカミサマんとこに旅立ったぜ。あいつら非協力的っつーか、殺せ殺せうるさかったからよ」ニタァァ

テッラ「そう、ですか……」

木原「ま、そう深刻になる必要はねえ。こっちが望む情報を吐いてくれりゃあ悪いようにはしねえって」

テッラ「…………」

木原「本格的な尋問は明日からだ。今晩は精々休んでおくこった」スタスタスタ


ガチャ バタン


テッラ「……ここまでは予定どおりですねー。優先する――人肌を上位に、金属を下位に」カランカラン

テッラ「手錠など何の役にも立ちません。では戦力の現地調達に向かいますかねー」ニヤリ


とある研究所 アニェーゼの部屋――


ルチア「…………」プルプル


アンジェレネ「シスター・アニェーゼ見てください!」スッ

アニェーゼ「このハイソな箱は! ついに手に入れたんですか!?」

アンジェレネ「予約できないから朝一に並んで買ったんです。もうどれだけ苦労した事か!」

アニェーゼ「と、当然 私らの分も確保したんでしょうね!?」

アンジェレネ「それは……」

アニェーゼ「なっ、まさか自分の分だけッ!?」

アンジェレネ「なーんて冗談ですよー♪ みんなの分もちゃんと買ってきました」ニッコリ

アニェーゼ「あ、慌てさせないでくださいよ。取り乱しちまったじゃないですか」

アンジェレネ「冷蔵庫にしまってたんで良く冷えてます。ささ、みんなでいただきましょう」

シスターたち「「「「「はーい♪」」」」」


ルチア「あなたたち! 呑気に黒蜜堂のエクレアを食べている場合ですかッ!!」プンスカ


アンジェレネ「シスター・ルチアは何を怒ってるんですか?」ハテ?

アニェーゼ「さあ?」


ルチア「シスター・アニェーゼ! 指揮官である貴女まで腑抜けてどうするんです!!」


アニェーゼ「おおっ! パイ生地とカスタードクリームの間にナッツが! これは絶妙といっても過言じゃねーです!」モグモグ

アンジェレネ「ふおおーー!? 程良い甘さのチョコが、サクサクのパイ生地と合わさって感動の三重奏が!?」モグモグ

シスターたち「「「「「うまうま♪」」」」」モグモグ


ルチア「~~~~~~~ッッ!!!」


◇ ◇ ◇ ◇


テッラ「なるほど、懐柔工作を受けていましたか。ですがまだやり様はありそうですねー」


とある研究所 廊下――


ルチア「まったく誰もかれも堕落して……! 半月も経たずに科学に毒されるなんて情けない!」プンスカ


??「本当に嘆かわしいことですねー」


ルチア「誰ですか!」

テッラ「おっと、勘違いしないでください。私はあなたの味方ですよ」

ルチア「……緑のエリマキトカゲ」

テッラ「失敬な。私は左方のテッラ、神の右席に属する者です。ローマ正教徒の端くれなら噂に聞いたことくらいあるのでは?」

ルチア「…………」カチッ

テッラ「安心しなさい。あなた達が学園都市に囚われたと聞いて、こうして救出に赴いたわけです」

ルチア「……そうですか」

テッラ「まあ私にも所用があるので、あなた達の戦力を当てにしたい。つまり持ちつ持たれつですよ」

ルチア「所用?」

テッラ「ええ、あなたもご存じありませんか。『幻想殺し』と『禁書目録』……私はとりわけ幻想殺しに強い関心があるんですよ」

ルチア「……ッ」

テッラ「おや? 顔色が変わりましたねー。何か知っているのですか?」

ルチア「昨日、かみ…………幻想殺しが第七学区の病院に入院したそうですが」

テッラ「それは僥倖ですねー。存外簡単に会えそうです」

ルチア「……ところで、私たちはどのように動けばいいのでしょうか」

テッラ「なに、簡単な陽動ですよ」


ルチア「…………」ニヤリ


◇ ◇ ◇ ◇


第二十三学区 エンデュミオン傍の慰霊碑――


フィアンマ「テッラめ、面倒くさい真似を……。それにしてもエンデュミオンといったか……フン、目障りだな」

フィアンマ「忌々しいバベルの塔の模造とは。どれ、破壊して開戦の狼煙にしてやろう」


第七学区 グループアジト――


アリサ「えっ、私に護衛……?」


美琴「うん、私たちの上司が念のためにってね」

浜面「窮屈だろうが我慢してくれ」

美琴「警備は私たちが担当する事になったの。アリサさんには指一本触れさせないから安心して」


アリサ「う、うん……」


浜面「そんなに堅くならなくていいって。護衛っつっても基本、御坂と行動を共にして貰うだけだからさ」

美琴「そうそう、テキトーにしてれば大丈夫だから。さすがに学校とかはお休みしてもらうけどね」

浜面「テキトー言うな。大将が居ない分、御坂に頼る場面が増えるんだぞ」

美琴「これでも第三位の超電磁砲よ。大船に乗ったつもりで任せてよ」フフン


アリサ「ふふっ」クスッ


浜面「ん、どうしたんだ?」

美琴「浜面さんの顔を見て噴いちゃったのよ、きっと」

浜面「噴くほど愉快なツラじゃねーよ!! ……え、ないよね!?」


アリサ「あはは、違うよ。美琴ちゃんが当麻くんと同じ事を言うもんだから、つい」クスクス


美琴「た、たまたまよ!///」

浜面「その程度で動揺するなよ。大将が絡むとホント駄目っつーか、なんつーか」ヤレヤレ

美琴「そんなことな…」


ゴゴゴゴゴゴッッ!!!!


美琴「ッ、地震っ!?」

浜面「テーブルの下に隠れろ! 俺は打ち止めを見てくる!」

アリサ「うう……(なにか、何か嫌な予感がする……当麻くん、インデックスちゃん)」


とある研究所 管制室――


木原「第二十三学区と第七学区で謎の爆発が発生? おいおいおい、好き勝手暴れてやがんなぁ」

アレイ☆『彼らの狙いは陽動だろう。複数の地点で戦闘を発生させ、こちらの戦力を分散させる意図が見える』

木原「そのドタバタに乗じて鳴護アリサを確保する……。てこたぁ、後詰めが居るな」

アレイ☆『そうとも限らない。確かに鳴護アリサには希少価値がある、だが不安定で必ずしも有用とは言い難い』

木原「他の目的ねぇ」

アレイ☆『それが何であれ、彼らは学園都市に仕掛けてきたのだ。相応の返礼をせねばなるまい』

木原「二十三学区にはグループを差し向け、もう片方はこっちで処理っとくってことで」

アレイ☆『…………』

木原「何か問題でも?」

アレイ☆『問題ない、適当に対処するように(滞空回線でも白い悪魔の所在が掴めないのが気がかりだが……)』


◇ ◇ ◇ ◇


グループアジト――


浜面「さっきの地震の原因は第十三学区に現れた侵入者らしい」

美琴「ったく、やりたい放題ね」

浜面「木原さんから迎撃に出ろって命令が来てるんだが、御坂はどう思う?」

美琴「アリサさんを狙う連中……神の右席の仕業と考えるのが妥当じゃないかしら」

浜面「つーことは鳴護を一人にするのは危険だな」

美琴「現場には私が向かうわ。アリサさんの護衛は…」

浜面「任せてくれ、御坂妹と合流して迎撃できるよう態勢を整えておく。そっちも無理すんなよ」

美琴「りょーかい!」


アリサ「あの、美琴ちゃん」オズオズ


美琴「うん?」

アリサ「一人で行かないほうがいいと思う。嫌な予感がするの……」

美琴「多少の危険は承知の上よ。それに私には負けられない理由があるから」ニコッ

アリサ「うん……でも無茶はしないで」


浜面「……(嫌な予感ねえ。普段なら一笑に付すような与太話だが、鳴護の予感か……)」


第二十三学区 エンデュミオン――


エンデュミオン「」テッテレー ムキズ


フィアンマ「俺様の一撃で倒れんだと? まさか聖ピエトロ大聖堂以上の防御結界が敷かれているとも思えんが……誰だ?」


テッラ「私ですよ」ヌッ


フィアンマ「前触れ無く現れるな。夜中にお前の姿は、ちょっとしたホラーだぞ」

テッラ「酷いですねー。そちらこそ『聖なる右』を使うとは何事です?」

フィアンマ「なに、この不遜な建築物をなぎ倒してやろうと思ってな」

テッラ「その割に傷一つありませんねー」

フィアンマ「出力を絞り過ぎたかな?」

テッラ「私たちの術式は制御が極端に難しいですからねー。アックアのような安定性は望むべくもありませんよ」

フィアンマ「一緒にするな、何だあの無様な姿は。たかが小娘一人に遅れをとる馬鹿がいるか」

テッラ「そこを突かれると弱いですねー。適当に負けたふりをするつもりが、本当に瞬殺されるとは思いませんでした」ヤレヤレ

フィアンマ「『光の処刑』に頼り過ぎなんだよ。少しは俺様を見習い、他の術式も扱えるようにしておけ」

テッラ「では試してみましょうかねー」

フィアンマ「ん?」


テッラ「――我 久遠の絆断たんと欲すれば 言の葉は降魔の剣と化し汝を討つだろう」ゴゴゴゴゴ


フィアンマ「なっ、血迷ったかテッラ!?」

テッラ「ファイナルチェリオ!」


力ある言葉と共に空が裂け、そこから三十メートルはある巨大な魔槍が現出、そのまま猛然とフィアンマ目がけて落下する。


フィアンマ「くッ、舐めるなあああああああああああああ!!!」


魔槍が届く刹那、フィアンマの体からまばゆい光が解き放たれる。


光と大地の震動が収束したあと、そこには悠然と佇むテッラと、右肩辺りで歪な第三の腕というべき『聖なる右』を空中分解させているフィアンマがいた。


テッラ「咄嗟に相殺するとは。不完全ながら流石は『聖なる右』といったところですねー」

フィアンマ「貴様……!」

テッラ「ハハハ、その目……実にイイですねー。怒りと憎しみが程良くブレンドされてますよ」

フィアンマ「俺様に背いたんだ。覚悟は出来てるだろうな?」

テッラ「覚悟? フフフ、今、覚悟と言いましたか?」

フィアンマ「何がおかしい!」

テッラ「そりゃおかしいですねー。私の覚悟はとっくに決まっています」

フィアンマ「なんだと?」

テッラ「神上を目指す我々神の右席ですが、四人は多すぎるんですよ」

フィアンマ「…………」

テッラ「天は常に一つであるべきです。故に、邪魔なあなた方を粛清し私が唯一の存在になるのです」

フィアンマ「ハッ、分際を弁えろよ。『神の薬(ラファエル)』風情が俺様の『神の如き者(ミカエル)』に届くと本気で思っているのか?」

テッラ「ええ、思っていますとも。ここで貴方を下す、そして私は前後左右、中央のテッラとなり世界に調和をもたらします」ニッコリ

フィアンマ「大言壮語を吐くじゃないか。いいだろう、叩き潰してやる」


突然の謀反も意に介さず、フィアンマはテッラの処断を決めた。


宇宙エレベーター『エンデュミオン』を背景に、神の右席同士の戦いが始まる。

といったところで今回は終了
新スレの初投下なのに主人公の影すら見当たらんとはー

投下ー


天突く巨塔の麓で、炎の嵐が吹き荒れ、氷雪が瀑布の如く乱れ舞う。


テッラ「――汝、美の祝福賜わらば 我その至宝 紫苑の鎖に繋ぎ止めん」

フィアンマ「何故だ、『神の薬』は大地を司るはず。だというのに何故そのような高等氷雪系魔術を行使できる!?」

テッラ「さあ? 格の違いじゃないですかねー。――アブソリュートゼロ!」

フィアンマ「ちッ、――炎の嵐よ! 全てを飲み込めっ!!」


人間が持つ原罪を限りなく希釈し、天使の魔術を行使可能としたのが神の右席である。
強大な熾天使の力の一端を行使できる反面、人間用の魔術を一切使えなくなるデメリットを併せ持つ。

最高位である右方を司るフィアンマは、例外的に人間用の魔術も扱える。

だが左方のテッラはそうではない。正しくは、そのような隠し玉があるなどフィアンマは知らなかった。


テッラ「素晴らしい! 五行相克の理を超えて私の魔術を食い破るとは」

フィアンマ「フン、疑問は尽きんが遊びは終わりだ。これは絶対に防げん、貴様の戦力は既に把握しているのでな」

テッラ「相対した相手により適切な出力を導き出す『聖なる右』ですか。果たして私に通用しますかねー」

フィアンマ「ほざけ、俺様と敵対する愚を思い知れ!」


激昂するフィアンマの背後から光の奔流が迸る。
己以外は一切認めんとばかりに、周囲を眩い白一色へと染め上げながら破壊を撒き散らす。

その圧倒的暴力を振りかざすフィアンマの顔に、勝利を確信した笑みが浮かぶ。


フィアンマ「俗物が。俺様の道を阻もうなんて傲慢が許されると思…」


勝利宣言の途中、フィアンマの表情が凍りついた。

石畳がめくれ上がり、周囲に立ち込める土煙。その破壊の爪痕を踏みならしながら飄々とした声が聞こえてくる。


テッラ「こんなものですか? 『光を掲げる者』を斬り倒したと謳われる『聖なる右』の性能とやらは」


声の主は左方のテッラ。修道服に纏わりつく砂埃を払いながら、無傷の怪人が不敵にフィアンマを嘲笑していた。


CASE 17 Dead on Arrival 後編


第七学区 木原くんの研究室――


浜面「おっさん! すぐに迎撃の準備を……って居ないのかよ!?」

アリサ「…………」ソワソワ

浜面「肝心な時に使えねえな。仕方ない、こうなったら…」

アリサ「あ、あの!」

浜面「どうした?」

アリサ「やっぱり美琴ちゃんを助けに行かなきゃ!」

浜面「助けるっつっても、御坂は一人で軍隊を相手取るほどつえーし、仮に追い詰められたとして何か名案でもあるのか?」

アリサ「そんなのないけど……役に立たないかもしれないけど、でもっ! それでも何かするべきだと思う」

浜面「あのなぁ、誰も行かないとは言ってねぇだろ」

アリサ「……え」

浜面「能力だけが俺たちの全てじゃねえ。適材適所ってのが重要なんだよ。――なあ? 御坂妹」


御坂妹「同僚の言うとおりです、とミサカは新兵器を手に出撃準備の完了を報告します」

天井「浜面仕上、例のカスタム機はいつでも起動できる。完熟訓練も無しのぶっつけ本番であるが……いけるのか?」


浜面「大将ならこう言うだろうぜ。出来る出来ないは関係ねぇ。やるんだよ、ってな!」ニッ


第二十三学区――


夜の眠りについたビル群。その間を磁力でもって高速移動し、美琴は駆け抜ける。
その速さたるや車両の比ではなく、あっという間に第二十三学区に到着した。

そんな非凡な美琴をして、非常識としか言い様のない光景が繰り広げられていた。


美琴「なによ……あれ……」


緑の怪人が何事かを唱えるたびに、地は裂け、炎が奔り、水が舞い、風が刃となって踊る。

一方

赤い服の男が腕の一振りだけで、それら全ての超常現象をキャンセルしていく。


その現象の一つ一つが美琴の理解の範疇を逸脱していた。
かつて対峙した幻想猛獣のデュアルスキルに酷似している、だがレベルが違いすぎた。

大地の鳴動が、底の見えない地割れを引き起こし

荒れ狂う炎の渦が、街灯や石畳を蒸発させ

水の巨槌が、空を覆わんばかりに膨れ上がり

真空の刃が、空間ごと全てを斬り刻む


そして、その全てを理解不能な力で対処する赤い服の男。


美琴「馬鹿げてる……あの攻撃の一つ一つが最低でもレベル5級って……こ、こんなの私の能力でどうにか出来るわけない」


知らず歯を鳴らしながら後ずさる。しかし誰が臆病と謗れようか、美琴の眼前で展開されているのは神話の再現ともいえる程の戦いなのだ。

立ち竦む美琴の心情などお構いなしに、互角に見えた戦いの天秤が大きく傾く事になる。


フィアンマ「ハァ、ハァ、がはっ!?」ガクッ

テッラ「おやおや、もう限界ですかねー」

フィアンマ「な、何故だ……。『聖なる右』は正しく発動しているのに、何故 貴様は立っていられる……?」フラフラ

テッラ「フ、フフフ、ハハハハハッ!!」

フィアンマ「ッ!」ギリッ

テッラ「これは失礼。ですが、フフフ、あなたは自分の力がどの様なものか、まるで理解していないのですね」

フィアンマ「……どういう事だ」

テッラ「どんな相手も一撃で下す『聖なる右』とは即ち『神の如き者(ミカエル)』の力の顕現に他なりません」

フィアンマ「…………」

テッラ「一見無敵のようですが、実はそうじゃない。限界があるんですよ」

フィアンマ「それはそうだ。俺様が人間のカラダに収まっている限り、本来の性能を発揮できんのは自明だ」

テッラ「いいえ、仮にあなたが神上へ至ったとしても、私には絶対に届きません」

フィアンマ「貴様……」

テッラ「よもや『神の如き者』が至高の存在だと思っているんですかねー? だとすれば、残念ですがあなたはここまでです」ニッコリ

フィアンマ「至高……ッ、ま、まさか……テッラ、貴様!」ハッ

テッラ「そのまさかですよ。フフ、感謝してほしいですねー。今、あなたが生きているのは、私の慈悲なのですから」

フィアンマ「神上に至ったというのか。何時の間に……だが待て、そもそも至るための手段がない」ワナワナ

テッラ「おやおや、戦意喪失とは興醒めですねー。ダメダメです、今のあなたには殺す価値すらない」

フィアンマ「……俺様を見逃すのか。後悔しても知らんぞ」

テッラ「ええ、是非後悔させてください。負け犬に可能とは思えませんが、期待しないで待ってますよ」プークスクス

フィアンマ「フン……」


テッラ「フィアンマは素直に退きましたか。ここまでは計画どおり……さて、次は泥棒猫の始末ですねー」ギロリ


美琴「!?ッ」ビクッ

テッラ「フフフ、隠れていれば気付かれないと思っていましたか?」シュン!

美琴「くッ、この……!」

ビリビリッ!!

テッラ「んー? 今なにかしましたか?」

美琴「うそっ!? 確実に撃ち抜いた手応えがあったのに……」

テッラ「確かに命中しましたが、いかんせん威力不足ですねー。いい機会です、私がひとつ教えてあげましょう」

美琴「アンタに教えて貰うことなんて無いわよ!」

テッラ「遠慮はいりません。しっかり堪能しなさい、本物の電撃というものを」


テッラ「――天の風琴が奏で流れ落ちるその旋律 凄惨にして 蒼古なる雷」


朗々と詠唱するテッラの周囲に紫電が奔る。
ただの電気ではない、最強の電撃使い(エレクトロマスター)である美琴は恐怖と共に直感する。

美琴(ヤバイ……ッ! よく分かんないけど、あの魔術の発動を許せば……死ぬ!?)

結論が出た時には、既にコインを弾いていた。


美琴「させるかああああああああああああ!!!」


超電磁砲(レールガン)。一筋のオレンジが凶悪な威力でもって、テッラを射抜かんと発射された。

その破壊力は凄まじく、人間一人スクラップに変えて余りある。だがそれが届く前にテッラの魔術が完成した。

テッラの表情が醜く歪むのを美琴は見た。


テッラ「開け冥界の霊柩、すぐにこの雌猫を送呈してやろう。――ブルーティッシュボル、へぶッ!?!?」

魔術が発動する直前、誰が放ったのか、テッラの頭部に不可視の一撃が直撃した。

テッラ「な、何事……ぬ、ぬわあああーーーーーーーーーーーーーーーー!?!?!?」


大きく体勢を崩されたテッラは超電磁砲に撃ち抜かれ、ゴミのように吹き飛んでいった。


美琴「うっわー、派手に飛んでったわねぇ」


??「腑抜けている場合か。あれしきで倒れるような相手ではないだろう」スタッ


美琴「もしかして魔術を妨害してくれたのは……」

闇咲「そうだ。私は闇咲逢魔、上条当麻への義により助太刀する」

美琴「へ?」キョトン

闇咲「あの少年には返しきれない恩義があるのでな。……無駄話はここまでのようだ」


テッラ「不意打ちとはやってくれますねー。服が汚れたじゃありませんか」


美琴「ええっ、無傷!?」ガビーン

闇咲「直撃の寸前に防御結界を張ったのだろう。信じがたいレベルの使い手のようだ」


テッラ「残酷ですねー。私の不意を突けるだけ力量があるなら、この絶望的な戦力差を理解しているでしょうに」ニヤァ


闇咲「それがどうした」

美琴「そうよ! あんたがどれ程のものか知らないけどね、私はアリサさんを守るって決めたんだか…」

闇咲「敵わずとも娘ひとり連れて離脱する程度なら問題ない」ヒョイ

美琴「え、ちょっ、逃げんの!? てゆーか私担がれてる!?」ガビーン

闇咲「飛ぶぞ、舌をかまぬよう歯を食いしばれ。――風魔の弦」ビューン!!


テッラ「ふむ、これは予想外の展開ですねー」


美琴を肩に担いだ闇咲が、夜の第二十三学区を縦横無尽に疾駆する。

美琴「は、放して! 自力で逃げますから!!」

闇咲「…………」

美琴「ちょっと聞いてまひゃあ!?」


あまりの扱いに猛抗議する美琴の顔先数センチを、光の帯が文字通り光速で迸った。


闇咲「もう捕捉されたか。隠行魔術を使っているのだが、効果なしとは」

美琴「言ってる場合か!?」

闇咲「私は逃げに徹する。お前は攻撃なり防御なり好きに援護しろ」

美琴「ッ、言われなくても、ってぎゃあああ!?」


気を取り直して反撃を試みようと顔を上げた先に、緑の怪人がちびっ子号泣必死の面貌で迫って来ていた。


テッラ「人様の顔を見るなり悲鳴をあげるとは、失礼な小娘ですねー」


普段でさえ独創的な面構えだというのに、高速移動しているため、風圧で唇がめくれ剥き出しになった歯ぐき。
その状態でニヤけるものだから始末に負えない。


美琴「一遍鏡を見なさいよ! うわっ、キモっ、こわっ、夢に出るレベル!?」

闇咲「なるほど、精神攻撃とは考えたものだ」

美琴「あっちいけっ!! あっちいけーっ!!!」


恐怖のあまり半狂乱になりつつも、美琴は目につくものを手当たり次第磁力でテッラに投げ飛ばす。

しかし、その悉くをクネクネと避けるテッラ。不気味極まる。


美琴「もっと急いで! 追いつかれちゃう!?」

闇咲「すでに全速力だ。――風魔の弦」ビューン!


テッラ「フフフ……」ビュビューン!!


美琴「向こうも加速した!」ギャース

闇咲「ぬぅ……」


テッラ「追いつきましたよ。散々貶めてくれた礼をしませんとねー」ニッコリ

ガシッ

美琴「にょわっ!? 掴まれたーっ!?」


その瞬間ッ、恐慌状態にあった美琴の脳内を大切な人の声が電流の如く駆け廻ったッ!!


――右へ避けてください、とミサカはお姉さまに電波を送ってみます


美琴「ッ、右に避けて!!」

闇咲「承知っ! ――風魔の弦」

テッラ「無駄な足掻きを……むっ、な、なにィィィーーーー!?」ブチッ!!


闇咲が魔術で急制動をかけ、進路を右へきった次の瞬間、前方の彼方より飛来した何かが美琴を掴んでいたテッラの右腕を撃ち貫いた。


第二十三学区 上空――


学園都市の制空権を守るために開発された戦闘ヘリが、闇夜を縫うように飛翔する。


浜面「いやっほーぅ!! 騎兵隊のお出ましってかぁ!」

天井「普通に飛んでいる……。本当にヘリの操縦経験はないのか?」

浜面「あるわけねーだろ。こういうのはカンで何とかなるもんだ」フフン

天井「……有人機にカスタマイズしたこの『六枚羽』を、こうも容易く扱うとは。才能とは空恐ろしいのだ」ゴクリ

浜面「細かい制御は全部オートでやってくれるから楽勝だ。よし、御坂を発見! 前方距離2000!」

天井「追われているようだ」

浜面「御坂妹っ!! 御坂の撤退支援、いけるか!?」


御坂妹「何時でもいけます、とミサカは秘密兵器のお披露目に胸を高鳴らせます」ワクワク

アリサ「い、妹ちゃん? その物々しい機械は一体……」

御坂妹「妹達専用レールガン、通称『てんこ盛りミサカ』です。では少し離れてください、これよりミサカは狙撃体勢に移行します」ジャキ

アリサ「う、うん」

御坂妹「バレル展開、バイパスを背部ジェネレーターに直結、フルドライブ。出力70……80……90……イグニッション」ギュンギュンギュン

アリサ「…………」ドキドキ

御坂妹「ファイアリングロック解除、射線確保、照準補正…………邪魔です右へ避けてください、とミサカはお姉さまに電波を送ってみます」

アリサ「そんな適当でいいの!?」ガビーン

御坂妹「ふぁいあ」カチッ


ズオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!!!!!!


アリサ「きゃああーーー!! なにこれレーザービーム!?」ギャース

御坂妹「目標の右腕に直撃。第二射いきます。次弾装填、照準……」ガシャコン!

アリサ「無理だよ! 反動で揺れてる、めっちゃ揺れてるよぉーー!?」アウアウ


浜面「御坂が苦戦する相手だ。こっちも準備不足だし無理せず撤退するぞ!」

天井「慣性制御に難あり、か。しかし良いデータが取れた。これで一層研究が捗るというものだ」ホクホク

浜面「御坂妹はレールガンを仕舞って…」


御坂妹「追撃します、ふぁいあ」カチッ


ズオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!!!!!!


浜面アリサ「「反動で機体がああああああーーーーー!?!?」」ギャース


テッラ「う、腕がッ!? わたしの腕があああァァァーーーー!!!!」ブシャーー!


美琴「ひいィィ!?」

闇咲「勝機! ――衝打の弦」


ゴウッ!!


テッラ「ごッ、があああああああああああああああああああああああああッ!?!?」ズドーン!!



闇咲「……やったか?」

美琴「ぎゃあーー!! 千切れた腕が肩を掴んでるぅぅーーー!?」ギャース

闇咲「追い打ちをかけ確実に葬るか。それとも安全を優先し撤退するべきか」フム

美琴「取って!? ねぇ取ってよぉ!!」

闇咲「騒がしい娘だな。よく見てみろ、腕など何処にもありはしない」ヤレヤレ

美琴「ふぇ? ……あ、あれー?」


◇ ◇ ◇ ◇


第二十三学区 エンデュミオン内部――


レディリー「すごい……ローマ正教最強から無傷でエンデュミオンを守るなんて」

アウレオルス「必然、我が君にかかれば造作も無いこと」

レディリー「じゃ、じゃあ本当に私が望むものを与えてくれるというの?」

アウレオルス「当然、大いなる父の愛が無限なように、我が君の愛もまた無限。寸分の狂いなく願いは叶うだろう」

レディリー「あ……」

アウレオルス「不安など全て捨て、聖女インデックスを信じろ。それこそが、君が安息を得る唯一の道なのだから」

レディリー「ありがとう……ううっ、ほんとに……ありがとう」ポロポロ


第七学区 グループアジト――


美琴「たっだいまー、ってあれ?」


浜面「もうダメ……トイレに間に合わなオエーーーーーッ!!!」オロロロ

御坂妹「うぷっ!? ミ、ミサカは貰いゲロを必死に堪え、うぷぷっ!? も、もう限界がそこまで……」

アリサ「はい、洗面器。吐いちゃったほうが楽になるよ」


闇咲「……大惨事だな」

美琴「うぷっ!? わ、私までキモチ悪くなってきた……」


◇ ◇ ◇ ◇


浜面「いや参ったぜ。御坂妹が考えなしに二発もレールガンをぶっ放したもんだから、ヘリが揺れる揺れる」

アリサ「墜落するかと思ったよ……」

御坂妹「……お姉さまを助けたい一心だった、とミサカは小さな声で主張します」

浜面「にしたって一発で十分だったじゃねーか」

御坂妹「……反省してます」ションボリ


美琴「そんなに責めないでよ。この子もしっかり反省してるみたいだし」

御坂妹「お姉さま……」

美琴「アンタがあの魔術師を撃ち抜いたんでしょ? お陰で私は無事に帰ってこれた」ヨシヨシ

御坂妹「ミサカはお姉さまの……グループの仲間としてお役に立ちましたか? とミサカは問いかけます」

美琴「ええ、アンタが居てくれてホントに助かったわ」

御坂妹「ではご褒美を……31のトリプルで手を打ちます、とミサカは優しい姉にご褒美をねだります」シレッ

美琴「…………ガリガリ君で許して。今月もうピンチなの」

御坂妹「間をとってハーゲンダックで妥協します、とミサカは寛大な心を見せつけます」

美琴「どこが寛大よ! 私の懐事情を知ってて言ってんの!?」


闇咲「仲の良い双子だな」ウン

アリサ「だね」ホッコリ

浜面「確かに……てかオッサン誰?」ハテ?


テッテレー


グループは左方のテッラ?を撃退した!

浜面仕上は『六枚羽カスタム』を使用可能になった!!

御坂妹(9982号)は『てんこ盛りミサカ』へ換装可能になった!!※劇場版参照

ミコっちゃんはあんまし活躍できなかった!!


同日 深夜

第七学区――


ルチア「こちらアニェーゼ部隊のルチア、イントルーダーを所定の地区へ追い込みました」

木原『おう、ごくろーさん。あとはこっちで始末をつけっから今日はもう上がっていいぞ』

ルチア「承知しました」pi


アニェーゼ「報告は終わったようですね」

ルチア「はい、滞りなく」

アンジェレネ「ほ、ほんとに裏切っちゃいました……」オロオロ

アニェーゼ「そんなの今更ってなもんです。どの道、あのままローマ正教に居ても、遠くない未来に使い潰されてましたよ」

アンジェレネ「で、でも……」

ルチア「落ち着きなさいシスター・アンジェレネ」

アンジェレネ「シスター・ルチア……」

ルチア「任務を失敗した時点で、私たちは帰る場所を失いました。ですが神は我らを見捨てなかったではありませんか」

アニェーゼ「上条当麻ですか?」

アンジェレネ「あの人は神というか堕天使なんじゃ……」

ルチア「いいえ、あの方が堕天使なんて嘘です! ローマ正教の教えこそが誤りに違いありません!!」クワッ

アンジェレネ「部隊一の信仰心を持つシスター・ルチアはどこへ行ってしまったんでしょう……」ゲンナリ

アニェーゼ「どーでもいいです。衣食住を保証してくれて、学校にまで通わせてくれるってんですから学園都市様々ですよ」


◇ ◇ ◇ ◇


学園都市 外壁部――


木原「アイツらいい仕事するねえ。これじゃあ猟犬部隊はゴミ以下じゃねーか」

猟犬部隊A「……(酷い言われようだ)」

木原「幻想殺しが説得したいっつった時は半信半疑だったが、こんなに優秀ならあの皮かぶり野郎も引き抜くんだったなぁ」

猟犬部隊B「……(ああ、隊長が散々嬲りものにした挙句、アイテムとかいう小組織に売り渡された少年か)」

猟犬部隊C「隊長、嗅覚センサーに感あり。イントルーダー来ます!」


テッラ「まさか完全に異教のサル共に降っていたとは。忌々しい、実に忌々しいですねー」タッタッタ


木原「よお、さっきぶり」


テッラ「!」


木原「シスターの嬢ちゃんたちを捨て駒に、ゲリラ戦を仕掛けようって腹積もりだったんだろうが、まあ残念だったな」

テッラ「大人しく道を開けなさい。今はあなた達に構っている暇はありませんので」スタスタ

木原「そうしたいのは山々だけどなぁ。こっちもサラリーマンだからよ、給料分は働かねえといけないんだわ」

テッラ「金銭のために命を散らすとは、異教のサルは本当に愚かですねー」

木原「こいつムカつくわー。ただでさえ残業でイラついてんのに、ハァ……今すぐ殺してぇ」

テッラ「付き合いきれませんね。優先する、――刃の動きを上位に、人肌を下位に」ビュン!

ズバッッ!!

木原「うおっ!?」ヒラリ

猟犬部隊A「ぎゃあああああああああああ!!!」ブシューー!!!


猟犬部隊B「クソッ、黙ってやられるか!!」ジャキ!


タタタタタタタタタタタタタタッッ!!!!


テッラ「優先する。――人体を上位に、銃弾を下位に」


猟犬部隊B「銃が効かない!?」

木原「バーカ落ち着け。いいか、全員が異なる性質の武器で一斉攻撃しろ。ライフルに火炎放射機、ロケットランチャー、あとスタングレネードも持ってきてたよな」

猟犬部隊C「了解っ!!」


テッラ「……(なるほど、『光の処刑』の弱点を見切られていますねー。癪ですが大人しく撤退するべきですか)」


第七学区 とある病院――


トゥルルルル トゥルルルル


冥土帰し「こんな夜更けに何事だい?」ガチャ

看護師『先生、急患です!』

冥土帰し「わかった、すぐ行く。それで急患の容体は?」

看護師『10才程度の女の子で、すごい勢いで衰弱しているそうです』

冥土帰し「若すぎるな。あまり強い薬は使えないね」

看護師『間もなく救急車が到着しまッ…………先生』

冥土帰し「……DOAかい?」

看護師『はい……』

冥土帰し「まだ間に合うかもしれない、すぐに蘇生治療の準備を始めてくれ」


◇ ◇ ◇ ◇


第二十三学区 エンデュミオン内部――


禁書「フフフ、願いは叶う。信じる者は救われるんだよ」

アウ「兼ねてより頼まれていた、オービットポータル社との交渉は無事完了した」

禁書「これでエンデュミオンは私のモノになったんだね」

アウ「こちらがレディリー=タングルロード直筆の譲渡証明、及び権利書です」スッ

禁書「御苦労さ、痛ッ!」ズキッ

アウ「愕然!? 右腕に負傷が!」

禁書「少しばかりお遊びが過ぎただけかも。魔術で簡単な手当ては済んでるし、心配いらないよ」

アウ「毅然、化膿しないよう消毒と絆創膏を」スッ

禁書「イタタ、傷口にしみるんだよ。あとはバンソーコーを……って、この見覚えのあるカエル柄は何かな?」ドドドドドド

アウ「巷で人気のゲコ太絆創膏なのだが、騒然!? な、何故にお怒りなのか!?」オロオロ

禁書「私はそのカエルが大嫌いなんだよ!」ガァァ

アウ「ひぃ!?」

禁書「まったく仕方がないんだから」プンプン

アウ「そ、それより神の右席の二名が学園都市から離脱したようだ!」アセアセ

禁書「想定通りだね。フフフ……」ニッコリ


学園都市 近郊――


テッラ「やれやれ、酷い目に遭いました。早いところフィアンマと合流して善後策を練らねば」ボロボロ


フィアンマ「…………」


テッラ「おや? こんな場所に居るとは、探す手間が省けましたねー」スタスタ

フィアンマ「随分と酷い有様じゃないか」

テッラ「不覚をとりました。敵もさる者といった所でしょうかねー」

フィアンマ「ほう、お前ともあろう者が不覚をとるとはなあ」

テッラ「『光の処刑』はまだ未完成ですからねー。次は万全を期してリベンジと行きましょう」

フィアンマ「なに、万全を期す必要もあるまい。俺様の『聖なる右』とて未完成だがな、今の貴様なら労せず殺せそうだ」ニヤリ

テッラ「は?」ハテ?

フィアンマ「俺様をコケにした罪、死んで償え! テッラアアアッ!!!」


ドバアアアアアアアアア!!!


テッラ「ぐギッ!? あ……ごはッ!! が、ああ……な、何故私に聖なる右を……!?」

フィアンマ「認めよう、お前は俺様の敵になり得る男だ。ならばこそ、この場で確実に始末する!」


ズドンッッ!!!


テッラ「!?ッ」グチャリ


フィアンマ「フン、死んだか」

テッラ「」

フィアンマ「もはや鳴護アリサなどという建前はいらん。早急に『聖なる右』を完成させねばな」テクテク

























禁書「フフ、みぃーつけた」ニッコリ

テッラ「」


エピローグ


第七学区 とある病院――


美琴「――てことがあったのよ。アリサさんは無事だし、任務達成ってとこかな?」

上条「大変な一日だったな」

浜面「まったくだぜ。大将不在ってのが如何にヤバイか痛感したね」ウン

御坂妹「ですがミサカも同僚もパワーアップを果たしました、とミサカはドヤ顔で報告します」

美琴「全然気付かなかったけど、浜面さんがヘリコプターを操縦したんでしょ?」

上条「マジで!?」

浜面「マジマジ! こう……ギューーンって感じで飛ばして、バババババッ、って滞空してよ。マジかっこいいんだぜ!」ドヤァ

上条「戦闘ヘリって男の子だよなぁ」

浜面「わかるわかる」ウンウン

美琴「何言ってんだか……。ていうか浜面さん、免許持ってるの?」

御坂妹「正確には操縦士免許ですね、とミサカは補足説明します」

浜面「重要なのは免許じゃねえ、技術だ」キリッ

上条「オイオイ……」


美琴「あ、そういえば闇咲さんがアンタによろしくだって」

上条「そっか、来てくれたのか」

美琴「どういう関係?」

上条「夏休みにちょっとした縁がありまして。救援を頼んでたわけですよ」

浜面「気付いたら居なくなってたよな、あのオッサン」

上条「……(スカウトしたいけど、あの人には外に守るべき女性が居るもんな)」

美琴「って、いつまでも病室で話し込むのもアレよね。アンタの退院の手続きは終わったの?」

上条「…………」ズーン

美琴「あ、あれ?」

御坂妹「まだどこか痛みますか? とミサカは心配します」

上条「これ……」スッ

浜面「請求書か、なになに……治療費、食事代、ベッド代、個室代etc、しめて3000万!?」ガビーン

美琴「!?」

上条「昨日の今日で全快したから不思議に思ったんだ……。最先端医療の粋がどーとかで保険が効かないらしい」

浜面「労災はおりるだろ。……おりるよね?」

上条「木原さんに一発却下された……」フルフル

浜面「ど、どんまい大将」

上条「借金がまた増えるなんて、不幸だ……」ガックリ


美琴「」

御坂妹「お姉さま? ……気絶しています、とミサカは姉のほっぺを叩いて覚醒を促します」ペチペチ

美琴「……ハッ!?」

御坂妹「大丈夫ですか?」

美琴「下手に入院なんてしたらお小遣いがゼロになっちゃう……。ううっ、不幸よ……」ガックリ

御坂妹「そういうレベルじゃないだろ、とミサカはツッコミます」ビシッ!!

美琴「気にしない気にしない、あははー……って、そろそろ約束の時間ね」


上条「約束?」ハテ?


美琴「そ、約束。アンタも一緒に行くんだから、さっさと用意する!」


第二十三学区 エンデュミオン――


禁書「ねんがんのエンデュミオンをてにいれたんだよ!!」

アウ「歴然、これほど魔術的に優れた根拠地は滅多にないだろう」ウン

禁書「そして最高の人材もね。いでよ、インデックス四天王!」


アウ「側近中の側近にして稀代の錬金術師、アウレオルス=イザード、ここに」キリッ

ステイル「炎の魔術師ステイル=マグヌス。……はぁ、僕は何をしているんだろう」ゲンナリ

ローラ「才色兼備の最大主教、ローラ=スチュアート。ふふっ、なんだか楽しくなってきたりよ!」キラーン

テッラ「『神の薬』の顕現、左方のテッラです。この爪の青さが我が信仰心の証なんですねー」ウットリ


禁書「人も土地も全て揃った。ここから全てを始めるんだよ」

アウ「では!?」


禁書「十字教を食いものにしている浅ましい豚共から、正しい信仰を取り戻すッ!!!」クワッ!!


テッラ「おおっ、素晴らしい!!」

ステイル「はあ……」

ローラ「手始めに何処を攻めたるのかしらー?」


禁書「記念すべき第一侵攻目標はイギリス王室ッ!! さあ『熱狂的再征服(レコンキスタ)』を始めるんだよ!!」


アウ「承知! それでは早速…」

禁書「あ、もうこんな時間。私は約束があるから続きはまた今度ね」トテトテ


四天王「「「「…………」」」」


第七学区 とある路上――


突きぬけるような青空の下、夢を歌に託した少女の声が響く。

聖人候補でも、まして軌跡の少女でもない。等身大の女の子として感情のまま歌い上げる。

たくさんの人に自分の歌を届けたい。その純粋な願いを乗せた歌に、一人、また一人と観衆が引き寄せられていく。


アリサ(諦めなければ夢はきっと叶う。想いは届く、きっと届くよ)


不器用な想いを募らせる友達を代弁するように、鳴護アリサは歌い続ける。

たった一日の非日常。もしかしたら夢を諦めないといけない、その不安は計り知れなかった。

しかし幸いなことに、出会ったばかりの友人たちが、その不安を綺麗に吹き飛ばしてくれた。


アリサ(だから私は歌うよ。美琴ちゃんみたいに戦う力はないけれど、私の歌が誰かの助けになれるって信じてる)


ふと、視界にツンツン頭の少年と茶髪の少女が映る。


アリサ(来てくれたんだ……)


思わず笑みがこぼれそうになる。ツンツン頭の少年の笑顔に、真っ赤になって照れる茶髪の少女に、鬼の形相の白いシスターに…………に?


禁書「懲りずに浮気をするなんて……これは救済が必要かも」

上条「浮気じゃありませんー、真実の愛ですぅー」

美琴「な、なに言っちゃってんのよアンタはっ!!///」

禁書「むきぃぃーーー!! とうまああああああああああああ!!!」

上条「つーか治療費払えやインデックスうううううううううううううう!!!」



アリサ(………………歌に集中しよ)


こうして歌姫ではない、一人の女の子として鳴護アリサは日常を取り戻した。

といったところで今回は終了
白い悪魔の暗躍により、シャットアリサ進化フラグはへし折れ、テッラが大変なことにー

大覇星祭の前に暗部抗争編の仕込み回を投下ー


九月某日

第七学区 グループアジト――


上条「う~ん、どうしたもんかね」ムムム

美琴「アンタが深刻な顔で悩んでるなんて珍しいわね。何かあったの?」

上条「あったっつーか、気付けば溜まっていたっつーか……とにかくコレを見てくれ」スッ

美琴「なになに……アンチスキル特務支援課、支援要請一覧?」

上条「要は学園都市の住民からの依頼なんだよ」

美琴「どーいうこと? アンチスキルの仕事は、あくまで副業で対処療法的な活動でしょ」

上条「木原さんが言うには、メディアを使ったプロパガンダが予想以上の反響を呼んだんだとか」

美琴「まあ実際、百件近く事件を解決したもんね」

上条「そんなこんなで、いつの間にか特務支援課は学園都市を守るヒーロー的な存在に昇華してたらしい」

美琴「あー、最近妙に視線を感じると思ったら……」

上条「御坂は元から有名人だし、今回の件で拍車がかかっちまったのかもな」

美琴「うへー」ゲンナリ

上条「で、統括理事会としては特務支援課の人気を有効活用したい。そこで企画されたのが支援要請ってわけだ」

美琴「え、まさか……」

上条「そのまさか。学生や科学者、レベルや身分を問わず あらゆる厄介事が支援要請として俺たちに回されるんだとさ」ゲンナリ

美琴「うがー! 私らを過労死させるつもりかーっ!!!」

上条「しかしですねミコっちゃん、悪い事ばかりではないですことよ?」ニヤリ

美琴「は、なにがよ? あとミコっちゃん言うな」

上条「なんと! 支援要請を一件解決するごとに特別ボーナス2万円が支給されるのだッ!!」

美琴「うそっ!?」

上条「しかも木原さんのポケットマネーとは別口ッ!! これは稼ぐ他あるまいッ!!」キリッ

美琴「っしゃあーー!! 馬車馬のように働くわよーっ!!」



御坂妹「……あの人とお姉さまの生活向上のため頑張ります、とミサカは決意しました」ボソッ

浜面「うちのツートップは今日も極貧です……」ホロリ


数十分後


上条「んで、ちゃちゃっと仕分けした結果、緊急を要する案件は」


美琴「『ブラック組織に勤めてるんですが、もう僕は限界かもしれません……たすけて』えっと、エツァリって人からの依頼ね」

御坂妹「『猫ちゃンの捜索願い』依頼者は、とある高校の一年生、鈴科という方ですね、とミサカは読み上げます」


浜面「明らかに前者がヤバそうなんだが……」ゴクリ

上条「可哀想だよなぁ。ホワイト組織に勤めてる俺たちからすれば、余程過酷なんですかねえ」

浜面「……(大将、あんたが置かれてる状況は果てしなくブラックだぜ……!)」

美琴「両方とも何とかしてあげたいけど、夕方には大覇星祭の警備の打ち合わせがあるから、時間的に一件が限界よね」ウーン

御坂妹「なら四足歩行のアンチクショウを救助しましょう、とミサカは独断と偏見で提案します」

浜面「待てよ、そっちは半蔵たちに任せたほうが効率良くないか?」

御坂妹「一理あります。ですが考えてください、愛猫が行方不明になった依頼者の切なる心情を、とミサカは情に訴えます」

美琴「う、そう言われると……」

上条「スゲー重要案件な気がしてきた……」


浜面「いやいやいや! どう考えてもエツァリって野郎の方がピンチだろ!?」


上条「過労死とかされたら寝覚め悪いよな」ムムム

美琴「でもぶっちゃけさ、そんなに辛いなら辞めちゃえばいいんじゃない?」

御坂妹「その通りです。では早速 猫の捜索に向かいましょう、とミサカは早々に結論します」

浜面「……どんだけ猫が気になるんだよ」ゲンナリ

美琴「ここで考えても時間が勿体ないし、リーダーのアンタが決めなさいよ」


上条「そうだな、じゃあ――」


※シナリオ分岐


a.『ブラック組織に勤めてるんですが、もう僕は限界かもしれません……たすけて』ストーカー再びルート


b.『猫ちゃンの捜索願い』巡り合う虚弱と最弱、響き合う釘バットと金属バットルート



といったところで一旦中断!

お手数ですがお好みの方をレスってください。〆は本日いっぱいで、レスが多かったほうに分岐します

分岐はミコポイント取得と暗部抗争編の敵味方フラグに影響しますー


上条「じゃあ猫の捜索のほうで」


御坂妹「!」パァァ

美琴「わ、微妙に笑顔!?」

御坂妹「方針が決まった以上、あとは全力を尽くすだけ、とミサカはお姉さまの手を取り捜査に向かいます」ピューン!!

美琴「ちょ、引っ張らないでーー!?」ピューン!!


上条「よし、そんじゃ上条さんたちも行きますか」

浜面「なあ大将」

上条「ん?」

浜面「……御坂妹が猫を探したがったから、こっちを選んだろ?」ジトー

上条「…………」フイッ

浜面「あのなぁ、仕事に私情を挟むなよ」ヤレヤレ

上条「い、いいじゃねーか別に! 普段遊んでやれない分を取り戻そうとして何が悪い!?」

浜面「大将……それ完璧にワーカホリック親父のパターン入ってるぜ」

上条「俺は悪くねえ! 育児休暇をくれない木原さんが悪いんだぁぁーーーー!!!」ガァァ


◇ ◇ ◇ ◇


木原「ぶえっくしッ!!」

天井「汚いのだ!?」ギャース

木原「あークソっ、誰か噂してやがんなぁ」

天井「……碌でもない噂に違いない」ボソッ

木原「こんな時は無性に上条をこき使いたくなるねぇ。いっちょ不幸を加速させてやるか」ゲラゲラ

といったところで今回は終了
ご協力感謝です! 次回はbルート、とある幸福の一方通行SRに決定しましたー

お盆前に投下ー


第二十三学区 エンデュミオン――


禁書「…………」イライラ


アウ「依然、聖女インデックスの機嫌は優れないのか?」

ステイル「見てのとおりさ」

ローラ「ステイルがご機嫌取りすれば万事解決につき。ほら、早くしなさい!」

ステイル「……気が進みませんね」プイッ

テッラ「罰当たりな。我らが盟主にして、神の地上代行者であられる あのお方に対して敬意が足りませんねー」

ステイル「フン、馬鹿馬鹿しい」

ローラ「こら、ステイル!」

アウ「必然、この状態が続けば被害は我らに及ぶ。であれば、ここは協力し合うのが最善ではないか」

ステイル「……たしかにね」

テッラ「私に心当たりがあります。先日あのお方が楽しそうに語られていた『聖獣スフィンクス』の件で、心を痛めていると推察しますねー」

ローラ「……魔獣の類?」ゴクリ

アウ「実物の写真を持っている。これだ」スッ

ステイル「どんな凶悪なケモノなんだ……って、ただの猫じゃないか!?」ガビーン



禁書「スフィンクス……」ションボリ


CASE 18 とある超幸福の一方通行SR 前編


第七学区 とある学生寮前――


一方通行「はァ、はァ……スゲェ重いンですけどォ」フラフラ

オルソラ「今日はとても満足な買い物ができたのでございますよ」ニコニコ

一方通行「米に醤油に味噌にたまねぎ……そりゃ満足だろうよ」ゲンナリ

建宮「男が情けない事言うな。重たい物を持つのも甲斐性なのよな」

一方通行「うっせェ、俺は箸より重たいものなんざ、持ったことないンだっつの」

建宮「少しはカラダを鍛えろ。いざって時に役立たずじゃ悔やんでも悔やみきれんぞ」ヤレヤレ

一方通行「ハッ、なンですかそのいざって時ってのは? ンなもンそうそう起きるワケが…」


スフィンクス「ふぎゃあああーーーー!?」ジタバタ

アウレオルス「憮然、大人しく我が主の下へ帰るんだ。ええい、引っ掻くんじゃない!」スタコラサッサー


一方通行「…………」ドサッ

建宮「……おいおい起きちまったのよ」

オルソラ「お箸より重たい物を持つことでございますか?」ハテ?

建宮「相変わらずズレてるのよな。ともかく俺は誘拐犯を追う。お前らは部屋に戻って女教皇に事を伝えろ!」タッタッタ


一方通行「上等じゃねェか……誰にケンカ売ったのか思い知らせてやンぞくそったれ!!」ダダッ


数十分後

とある学生寮 一方通行さんち――


神裂「――それで? 息巻いて追跡した結果、無様にも取り逃がしたと」


一方通行「…………」ズーン

建宮「面目ない……」ズーン


五和「そ、そんなに落ちこまないでください。奪還する機会はきっとありますから」オロオロ

神裂「そうですね。誘拐する以上、何かしらの要求をしてくる可能性は十分あり得ます」

オルソラ「要求でございますか……」


ガチャ


土御門「おいーっす、スズやん! 捜索願いを出してきたぜい」


一方通行「……捜索願いだァ?」

土御門「最近評判の特務支援課ぜよ。あそこなら犯人が魔術師だとしても安心して任せられるにゃー」

神裂「魔術師ですか……なるほど、それなら建宮の追跡を逃れたのも頷ける」

建宮「かなりの使い手だったのよな」ウン

土御門「神裂ねーちんや天草式が表立って動くわけにもいかんだろ。ここはカミやんたちに任せるのが最善ですたい」

一方通行「悠長に待ってられるか! 今、この瞬間にもスフィンクスちゃンは……ッ」

オルソラ「今は耐える時でございますよ。待てば海路の日和ありとも言いますし」ヨシヨシ

土御門「……オルソラがことわざを使うと、違和感がハンパないにゃー」

五和「毎日熱心に教育番組を観てますもんね」クスッ

オルソラ「信じて待つのも ひとつの戦いでございましょう。それに」


ピンポーン


オルソラ「この街のヒーローは期待を裏切らないのでございますよ」ニコッ

五和「はーい、どちら様でしょうか?」パタパタパタ


ガチャ


上条「ここ元上条さんちじゃん! っと、突然すみません、アンチスキル特務支援課の者です。捜索願いを見て伺ったのですが」

美琴「詳しいお話を聞かせてください」


五和「はい。鈴科さーん、警備員の方がいらっしゃいました」

一方通行「ずいぶんと早いお出まし……ッ、オマエは」


美琴「ア、一方通行……!?」


チッチッチッチッチッチッチッチッチッ


一方通行「…………」

御坂妹「…………」

上条「…………」

美琴「…………」

浜面「……(なんでみんな無言なの!? え、猫探しじゃなかったのかよ!?)」


チッチッチッチッチッチッチッチッチッ


土御門「秒針の音がやけに煩く感じるにゃー」ヒソヒソ

神裂「何やら因縁浅からぬ間柄のようですね。空気が重い……」ヒソヒソ

建宮「五和、勝ったのよな」ニヤリ

五和「どこ見て言ってるんですか!?///」カァァ


オルソラ「淹れたてのコーヒーはいかがでございましょう?」


土御門「にゃー!? 空気を読まないオルソラが動いた……!」


浜面「いやー、このコーヒーオイシイナー」ゴクゴク

上条「うむ、焙煎したての良い豆を使ってる。味に深みがあるな」

御坂妹「上質な苦みと酸味が程良くマッチした逸品ですね、とミサカはコーヒーに舌鼓を打ちます」コクコク

一方通行「はン、人形に味を理解できンのか?」

美琴「アンタ……ッ!!」

一方通行「ああン? 何か文句でもあンのか、格下ァ」ギロッ

美琴「ッ!?」ビクッ

一方通行「チッ、一々ビビってンじゃ…」

バキッ!!

一方通行「ぐはッ!?」バターン!

御坂妹「すみません手が滑りました、とミサカはさり気なくグーで白モヤシを殴り飛ばします」シレッ


浜面「またかよ全然さり気なくねええええ!? ちょ、依頼者を殴るとか何してんのーーー!?」ガビーン

上条「はは、仕方ねえな」





建宮「痴情のもつれ!? 面白くなってきやがったのよな」ワクワク

五和「建宮さん、不謹慎ですよ!」

神裂「腰の入ったいいパンチでした。あれは痛い」

五和「ああっ、血が出てる!? 早く手当てをしないと……」アタフタ

オルソラ「ふふ、褒められると頑張った甲斐があるのでございます」ニコニコ

土御門「相変わらずテンポがズレてるにゃー」


一方通行「こ、この野郎……」ギリッ

御坂妹「ハエが止まっていました、とミサカは胡散臭い弁明をしてみます」ニヤリ

一方通行「ケンカ売ってンのか、この三下があああァァッ!!!」グオッ

御坂妹「おや、反対のほっぺにもハエが、とミサカは再度モヤシを張っ倒します」シッ

バチィィィン!!!

一方通行「ぶぎゅっ!?」バターン!


上条「おおう、痛そう」

浜面「静観してる場合じゃないだろ!」

上条「理由のない暴力ってわけじゃないし、ここは御坂妹の好きにさせていいんじゃないか?」

浜面「は?」

上条「んじゃ、ここは任せるわ。上条さんはミコっちゃんと一足先に猫を探しに出ますよっと」

浜面「ちょちょ、大将!?」オロオロ

上条「御坂、立てるか?」スッ

美琴「あ……うん」ギュッ


◇ ◇ ◇ ◇


数分後


浜面「――で、攫われた猫の情報を聞いて大将たちは出ていったんだが」チラッ


一方通行「いやああァァァッ!? もォやめてェェェッ!?」

御坂妹「このモヤシは調子に乗り過ぎた。お姉さまを怖がらせた報いはこのミサカが、とミサカは怨敵の腕を捻り上げます」ギリギリ

一方通行「折れるゥゥゥッ!?」ギャース

御坂妹「こちとら9981回も殺された経験があるんです。この程度で人の腕は折れません、とミサカは酷薄に言い捨てます」

浜面「落ち着け御坂妹おおおおおおおおお!?」ギャース

御坂妹「チッ」パッ

浜面「この子、今舌打ちしたよね!?」ガビーン

御坂妹「ええ、しました。……もう少しでへし折れたのに、とミサカは密かに悪態をつきます」プイッ

浜面「聞こえてるからな!?」


一方通行「ちくしょう……ちくしょう……」ウルウル


第七学区 とある公園――


上条「ほれ、ヤシの実サイダー」

美琴「……ありがと」

上条「びっくりしたよなー。いきなり御坂妹が暴れ出すなんてさ」

美琴「うん……」

上条「けどまぁ、あれは一方通行が悪いよ。御坂を怖がらせるなんて、御坂妹の逆鱗をヤスリがけするようなもんだし」

美琴「……え」

上条「気付かなかったのか?」

美琴「だ、だって……え、どうして? 実験のことで あの子が一方通行を恨んでるってのは理解できるわよ」

上条「…………」

美琴「でもそれは私にも当てはまるでしょ? ……私がDNAマップを渡したせいで、妹達は辛い目に遭ったんだから」

上条「…………」

美琴「なのに、なんであの子が私のために怒ってくれるの……? そんなのおかしいじゃない」

上条「はぁ、相変わらず難しく考えてるのな」ヤレヤレ

美琴「な、なによ! 人がまじめに…」

上条「好きだから、だろ?」

美琴「ッ!」

上条「御坂妹はお前の事が大好きなんだよ。だから怒ったんだ」

美琴「…………」

上条「御坂だって、あいつを人形呼ばわりされて怒ってたじゃねーか」

美琴「……あの子は人形なんかじゃない。食いしん坊で、私をからかってばかりで、生意気だけど……私の大切な妹だもん」

上条「なら御坂妹の気持ちも酌んでやれ。嫌いなヤツのために、本気で怒ったりするはずないだろ?」

美琴「わ、わかったわよ! ……ったく、説教臭いんだから」

上条「そう悪態をつきながらも、涙目で笑顔の美琴たん萌えー」プークスクス

美琴「泣いてないっ!!///」カァァ





佐天「ま、またいちゃついてる……!」ワナワナ


とある学生寮 一方通行さんち――


浜面「あの後も一方的な暴力は止まる所を知らず、御坂妹が満足したのは、鈴科少年がいい加減叩きのめされた後だった!!」

御坂妹「まずは満足、とミサカは額の汗を拭います」フゥ

浜面「お前なぁ……」

御坂妹「反省はしていますが後悔はしてません。一方通行、聞こえていますか? とミサカは問いかけます」


一方通行「な、なンだ……? まだ殴り足りないってのか……?」ボロボロ


御坂妹「いいえ、これ以上この行為を続けることに価値を見出せません、とミサカは結論します」

一方通行「このッ……人を散々…」

御坂妹「ええ、散々です。ろくな対抗手段を持たない格下を嬲るなんて本当に気分が悪い、とミサカは吐き捨てます」

一方通行「…………」

御坂妹「ミサカは強くなりたい。ですがこんな行為を続けても少しも強くなれない、とミサカは重ねて吐き捨てます」

一方通行「……そォだな」

御坂妹「あなたが9981回も繰り返して辿りつけなかった回答を、このミサカはただの一度で導き出しました」ドヤァ

一方通行「性格悪ィのな、オマエ……」

御坂妹「五体満足で勘弁してあげた心優しいミサカに対して酷い言い草ですね。訂正を求めます」

一方通行「…………」プイッ

御坂妹「まあいいでしょう。それより今は猫探しを優先するべきです、とミサカは任務に復帰します」キリッ


浜面「どの口が言ってんだか……」





建宮「これは勝ったのよな! おらっ、フルハウスだ!!」デン!

土御門「それで勝ったつもりか? フォーカードだにゃー」デデン!!

神裂「土御門も詰めが甘い。……ストレートフラッシュです!」デデーン!!!

オルソラ「ロイヤルストレートフラッシュでございます」ドーーン!!!!


建宮土御門神裂「「「なん……だと……」」」


五和「女教皇様までなに遊んでるんですか!?」ガビーン


第七学区 窓のないビル――


アレイ☆「いまさら元第一位に価値など無いのだが、これは……」




御坂妹『さらわれた猫の飼い主が白いシスター……とミサカは思いがけない情報に眉をひそめます』

一方通行『スフィンクスちゃンだ。あと俺はあのバケモノシスターを飼い主とは認めちゃいねェ』

御坂妹『フッ……フフ、フフフフ』ニヘラ

一方通行『!?』ゾクッ

御坂妹『これはチャンスです。ミサカをヒキガエルに変えようとした、あの人に大ケガを負わせた白い悪魔に報復する……フフフ』

一方通行『お、おい』

御坂妹『スフィンクスをさらった、いえ、回収した男はおそらく白い悪魔の一味、とミサカは推測します』

一方通行『オマエ、まさか……!』

御坂妹『スフィンクスに危害は加えません。しかし来たるべき時に備え、敵戦力を削る努力を怠るつもりはありません、とミサカは宣言します』

一方通行『……確かに避けては通れない問題か』

御坂妹『あなたは情報を提供してくれるだけで結構です、とミサカは役立たずなモヤシに釘を刺します』

一方通行『ハッ、レベル0もレベル2も誤差の範囲だっての。あンま調子に乗…』

御坂妹『ほう、先程ミサカにフルボッコにされたのを忘れましたか?』

一方通行『…………』

御坂妹『黙るなよ、とミサカはビビりなモヤシにため息をつきます』ハァ

一方通行『お、俺が弱くなった所で、別にオマエが強くなった訳じゃねェだろォがよ、あァ!?』ガクブル


浜面『この前、レールガンぶっ放してたからなぁ。攻撃力だけなら御坂より上なんじゃね?』


一方通行『え……』




アレイ☆「何とも頼もしいではないか。ならば私も協力を惜しまんよ」


第七学区 とある公園――


上条「んじゃ、まずは聞きこみから始めるか」

美琴「基本よね」ウン

上条「犯人が逃げた方角的に、ここを通った可能性は高いからな。誰か見かけてるはずだ」


佐天「みぃ~さぁ~かぁ~さぁ~ん」ヌッ


美琴「あ、佐天さん!」

佐天「あ、佐天さん、じゃないですよ! なに天下の往来で嬉し恥ずかしイチャコラしてるんですかっ!?」ガァァ

美琴「へ……あっ///」カァァ

佐天「ぐわああぁぁーー!! またまた乙女な反応をッ!!!」

美琴「べべべ、別にいちゃついてた訳じゃなくて、その……ね、ねぇ?///」チラッ


上条「いいえ、通行人にわたくし上条当麻とミコっちゃんの愛溢れるワンシーンを見せつけておりました」キリッ


佐天「それ見たことかっ!!」

美琴「ちょっ、違うんだってば! アンタも何煽ってんのよ!?」

佐天「くっそぉー! またマネーカード落ちてないかなー、なんて一人寂しく街を徘徊してるあたしへの当てつけですか!?」ギャース

美琴「…………」

佐天「あっ、ああーーっ!!! なんですかその呆れと憐れみの入り混じった視線は!!」プンスカ

美琴「佐天さん、いい加減自重しないとまたスキルアウトに絡まれるわよ」

佐天「ふっふーん、心配ご無用。あたしにはコレがあります!」ドヤッ


E:転輪する勝利の金属バット(エクスカリバット・ガラティーン)


美琴「こ、これは……!」

上条「何の変哲もない、ただの金属バットだな」ウン


佐天「んなっ! これのどこがTDN金属バットだっていうんですか!」

美琴「どこをどう見ても普通のバットに見えるけど」ウン

佐天「この子は御坂さんを救った事もあるんですよ! キャパシティダウンを叩き潰したスゴイバットなんだから!!」

上条「それはともかく、武器として携帯してるなら没収しなきゃいけないのですが……」

美琴「一応アンチスキルだもんね」


佐天「へっ!? や、やだなぁー、あたしはほら、こうやって公園で素振りをしようとね、あっははー」ササッ


美琴「さっきマネーカードを探してるって……」ジトー

上条「まさかネコババ……」ジトー


佐天「じょじょ冗談ですよー。それよりたまにありますよね、無性に野球をしたくなる瞬間が!」ブゥゥゥン!! ブゥゥゥン!!


上条「おお、中々鋭いスイングだな」

美琴「私は誤魔化されないわよ。友達として、一度佐天さんには厳しく…」


佐天「あ、あたしにやましい事なんてないですよ!? さっき見た白スーツを着た変人の方がよっぽど怪しいですって!!」アセアセ


美琴「あのねぇ…………ん? 白いスーツの変人……?」

上条「佐天さんだったよな? もしかして、その変人は子猫を連れてなかった?」


佐天「連れてました連れてました!」コクコク

美琴「お願い佐天さん! 変人を見た場所について詳しく教えて!」ズズイ

佐天「は、はい」


数分後


美琴「なるほど、人目につかない裏路地を選んでるってわけか」

上条「そして逃走したのは駅前の方向……」

美琴「別の学区へ逃げるつもりね。幸い時間はあまり経ってないし、今から駅前に向かえば先回り出来るかも!」

上条「だな」

美琴「ありがとう佐天さん。何とか猫を取り戻せそうよ」


佐天「いえいえ、礼には及びませんよ」ドヤッ


美琴「それじゃあ駅に急ぐわよ!」タッタッタ

上条「貴重な証言サンキューな。でも危ない事に首を突っ込むのは辞めたほうがいいぞ」メッ

佐天「はぁーい」

上条「まあ大丈夫だと思うけど、もし白い悪魔に出会ったら見なかった事にして逃げること。いいね?」

佐天「白い悪魔、ですか?」ハテ?

上条「この件に深く関わる危険人物だよ。見た目が真っ白だから一目で分かると思う」



美琴「こらーーっ!! 急がないと間に合わなくなるでしょ!!」



上条「おう! んじゃ気を付けるんだぞ」ビューン!!

佐天「はやっ!?」ガビーン



上条「よっと、しっかり掴まってろよ!」ヒョイ

美琴「ぎゃあ!? いいいきなり担ぐな、ってかまたこの流れかーー!!///」ビューン!!



佐天「行っちゃった……。攫われた猫探しかぁ……むふぅー♪」キラーン


第七学区 窓のないビル――


アレイ☆「今現在、第七学区に侵入した敵性魔術師は二名。緑の髪に白いスーツ姿の男、もう一人は赤髪の神父だ」

木原『便利なもんですなぁ、『滞空回線(アンダーライン)』ってのは』

アレイ☆「そうでもないさ、現に白い悪魔の捕捉は叶わないのだから」

木原『潜伏先さえ割れれば、上条を送り込めるんですがねえ』

アレイ☆「焦る事は無い。まずは奴の腹心を始末するべきだ」

木原『上条からの報告によると、どうやら緑髪の方を待ち伏せしてるようだ』

アレイ☆「では浜面仕上とシスターズの班に、赤髪の位置データを送るとしようか」

木原『あー、……報告する程でも無いんですがね、どうもそっちの班に一方通行が混じってるらしいんですが』

アレイ☆「捨て置けばいい。最早あれに利用価値はない」

木原『はあ』

アレイ☆「不満かね?」

木原『さあ、どうですかねぇ……』


◇ ◇ ◇ ◇


第七学区 路地裏――


浜面「木原のオッサンから送られてきた位置データによれば、この辺りのはずだ」

御坂妹「赤髪の神父、とミサカは油断なく周囲を警戒します」

一方通行「チッ、本当にスフィンクスちゃンを攫った野郎と関係あるンだろうな」

浜面「事仕事に関するオッサンの情報の確度は信頼できる。心配すんなって」

一方通行「……(木原ねェ……。ま、科学者の間じゃ割と聞く名前だ。あのクソ野郎とは限らないか)」

御坂妹「ッ、目標を発見しました、とミサカは同僚に注意を促します」


ステイル「…………」


第七学区 駅前付近 ビルの屋上――


上条「何とか先回り出来たみたいだな」キリッ

美琴「……///」モジモジ

上条「あとは例の魔術師が来るのを待つだけか」

美琴「……///」テレテレ

上条「発見次第、俺が突っ込むから御坂は避難命令を出してくれ」

美琴「う、うん……///」

上条「どうしたんだ? 借りてきた猫みたいに大人しいけど」ハテ?

美琴「そんなのアンタが……///」ゴニョゴニョ

上条「え、何だって?」

美琴「アンタが私をお姫さまだっこしてるからだああーーっ!!!///」

上条「えー、御坂が肩に担がれるのを嫌がったんじゃねーか」

美琴「だからって何でこうなるのよ! てか早く降ろしなさいよ!?///」ワタワタ

上条「却下」シレッ

美琴「な、なんで!?///」

上条「そんなの抱き心地が良いからに決まってんじゃん」

美琴「ばっ、馬鹿じゃないの!?///」ガビーン

上条「いくら言葉を重ねても、この熱い想いは伝わらねえ。だったら次はスキンシップ大作戦しかあるまいッ!!」デデン

美琴「時と場合を弁えなさいよ! 今は仕事中でしょ!?///」

上条「なんと! それはつまりオフの時ならウェルカムって事ですか!?」

美琴「ち、ちがっ…」

上条「よっしゃああーー!! っと、お墨付きを貰ったところで標的を発見したぞ!」キラーン

美琴「人の話を聞きなさいよ!!///」ガァァ


第七学区 駅前――


アウ「ここまでは順調。あとはモノレールに乗りさえすれば……」


上条「うおおりゃああああ!!! さっさと仕事を終わらせて御坂とイチャつくぜキィィーーーック!!!」ギューン!!

美琴「なにアホな台詞を叫んでるのよバカーーーーーっ!!!///」ギャース


アウ「愕然!? 一体どこからゲフウボアぁぁーーーー!?!?」グシャッ!!!


上条「よし、不意討ち成功!」

美琴「よし! じゃないわよ!? 避難命令も出してないのに…」

上条「手早く三下錬金術師を回収、一気に離脱するぞ!」ガシッ

美琴「無視すんな! って、へ……」

上条「これが本当の、蝶のように舞い! 蜂のように刺し! ゴキブリのように逃げるってなァ!!」カサカサカサ

美琴「例え悪すぎっ!! つーか何時までお姫様だっこしてるのよぉーーーー!!!///」

アウ「」ズサーーーッ!!



通行人A「何だったんだ、今の……?」ポカーン

通行人B「さ、さあ?」ポカーン


第七学区 グループアジト――


上条「ふぅ、作戦成功だな」

美琴「ア、アンタねぇ……」ヒクヒク

上条「いやー、御坂とイチャイチャできるかと思うと、つい本気を出してしまいましたよ」ニコニコ

美琴「……ホント、馬鹿じゃないの///」プイッ

上条「では件のスフィンクスを一方通行に返して、任務完了としますか」ゴソゴソ

アウ「」シーン

上条「お、懐に隠してやがったのか」ヒョイ


黄金猫『』テッテレー


上条「は?」

美琴「金の招き猫……?」


◇ ◇ ◇ ◇


第二十三学区 エンデュミオン――


ローラ「どうやら幻想殺しは、まんまと陽動にかかりたるようね♪」

アウ「当然、アウレオルス=ダミーの擬態を見破れる道理は無い」フフン

テッラ「問題は別行動をしている連中を、あの若造が振り切れるか否かですねー」

ローラ「心配は無用なりよ。ステイルは優秀な魔術師につき」

アウ「果然、役目を終えた以上、無に帰するがいい。――砕けよ」


第七学区 グループアジト――


上条「クソッ、こいつは陽動だ。本物のスフィンクスは何処かで別の運び手に渡されたんだ」

美琴「木原さんの情報にあった赤髪の神父ね。とにかく浜面さんたちに連絡しないと」

上条「それとこの錬金術師を木原さんに引き渡……なんだ、様子が」チラッ


アウ?「」ビクンビクンッ!!


美琴「ちょ、尋常じゃない痙攣してるんだけど!?」ガビーン

上条「蹴りどころが悪かったかなぁ」

美琴「そんな北斗神拳じゃあるまいし…」


テーレッテー♪


アウ?「ばぁー、びぃー、ぶぅー、べぇー、ぼぉーー!!!」ボンッ!!!


ビチャビチャッ!!!


美琴「…………」

上条「ば、爆発した!?」ガビーン

美琴「……きゅう」クテン

上条「しっかりしろ御坂!? えっ、これって上条さんのせい!?」オロオロ


ガチャ


打ち止め「たっだいまー、ってミサカはミサカはお帰りの挨拶をしてみたりー♪」テッテッテ



上条「ぎゃああああああ!!! グロ注意入って来ちゃダメーーーーーー!?」ギャース


第七学区 路地裏――


ステイル「フン、待ち伏せか」

スフィンクス「にゃあー!?」ジタバタ

ステイル「くッ、じっとしてるんだ!」


一方通行「スフィンクスちゃン!!」

浜面「こっちが本命だったのか。まずは猫の安全を…」

御坂妹「まずは威嚇射撃を、とミサカは赤髪ヤロウの足元に向け発砲します」ジャキ


タタタタタタタタタタタタッッ!!!


ステイル「いきなり発砲だと!?」ギョッ!?

スフィンクス「!」スタコラサッサー


浜面「何してんのーー!?」ガビーン

御坂妹「これが最善です。現にスフィンクスは自力で脱出を図った模様、とミサカは走り去る猫を指さします」

一方通行「ッ!」ダダッ

御坂妹「猫は飼い主に任せ、魔術師の制圧にかかります、とミサカは戦闘モードに移行しました」キリッ

浜面「……ハハ、相変わらず頼りになるこって」


ステイル「元々乗り気じゃなかったが、こうまでコケにされては引っ込みがつかないね」イラッ


浜面「こっちも魔術師と出会っちまったからには容赦しないぜ?」

御坂妹「白い悪魔に加担する以上、あなたはミサカの敵です、とミサカは銃を掃射し戦端を開きます」


学園都市 第五学区――


佐天「あちゃー、裏路地を歩いてたら第五学区に出ちゃったよ」

佐天「ハァ、やっぱ簡単に見つかったりしないよね。あの御坂さんでも苦労してたみたいだし」


スフィンクス「にゃあ」ヨチヨチ


佐天「なんて言ってる傍から猫ちゃん発見っ!!」

スフィンクス「にゃー?」ハテ?

佐天「おお、中々の美猫ちゃんだねぇ」ヒョイ

スフィンクス「なぅー」

佐天「ふむふむ、オスの三毛猫かぁ。……あれ? たしか三毛猫ってメスしかいないんじゃなかったっけ」ハテ?

スフィンクス「にゃあー」フルフル

佐天「もしかしてキミが御坂さんの探してる猫ちゃんなのかにゃー?」

スフィンクス「?」

佐天「あっはは、キミに聞いても分かんないよね」


一方通行「ぜェ、ぜェ……み、見つけた」タッタッタ


佐天「!?」ビクッ


佐天「だ、誰ですか!」


一方通行「そいつの飼い主だ。ハァ、ハァ……いいからさっさと寄越せ」ヨロヨロ


佐天「脱色したみたいな白髪……何年も引き籠ってたみたいな生白い肌……ウルトラ○ンみたいな白いシャツ……ハッ、まさか!」

一方通行「初対面の相手に、ずいぶン好き勝手言ってくれるじゃねェか。……ひとつも否定できないのが悲しいけどよ」

佐天「アンタが白い悪魔ね!」ビシッ

一方通行「はァ?」

佐天「こんな小さな猫ちゃんを誘拐するなんて最っ低!!」

一方通行「誤解すンな。俺は…」

佐天「騙されるもんか! 誤解だっていうなら、その手に持った物騒な得物は何!」


E:約束された勝利の釘バット(エクスカリバット)


一方通行「護身用の武器だ」ニタァァ

佐天「なんて禍々しい笑みなの……! 間違いない、この人が上条さんが教えてくれた白い悪魔だ!」ギュッ

一方通行「オイオイ、オマエだって人様のこと言えねェようなもン持ってるじゃねェか」


E:転輪する勝利の金属バット(エクスカリバット・ガラティーン)


佐天「護身用の武器です!」キリッ

一方通行「へェ……そいつを俺に向けるってこたァ、やる気かオマエ」

佐天「アンタみたいな人に、この子は渡さない!」

スフィンクス「にゃあ?」

一方通行「上等だクソガキィィ!! 俺の邪魔をするならスクラップ確定だァ!!」



微妙な誤解を孕んだまま、虚弱と最弱の戦い(笑)の火蓋が切られた。

といったところで今回は終了
一方さんを大人げないと思うなかれ。超電磁砲S第一話で佐天さんが発揮した腕力を考えると寧ろ……

投下ー


白と黒の男女が、互いに得物を構え、互いの出方を窺っている。

白の男、一方通行はスフィンクスを追って走ってきた為、肩で息をしており明らかに限界が近い。

黒の女、佐天涙子は元気溌剌であるが、生来の迂闊な性格と根拠のない自信が混ざりあった、所謂いかんフラグが立った状態だった。

そんな傍から見ればしょーもない二人が、片や譲れないモノのために、片や雰囲気的になんとなく、それなりの緊張感でもって激突した。


佐天「ふっふーん、そんなフラフラで あたしに敵うと思ったかーーっ!!」


自身の有利を悟った佐天が一息に一方通行へ詰め寄り、おもむろにドーンと突き飛ばす。


一方通行「うおっ!?」


堪らずたたらを踏み、無様に尻もちをつく一方通行。
その様を見るや否や、佐天は清々しい笑顔で告げる。

佐天「へーんだ、口だけヤロウ! 悔しかったらここまでおいでー!」


そしてくるりと背を向けた佐天は、スフィンクスを抱っこしたまま一目散に逃げ出した!


一方通行「は……?」


状況を把握出来ない一方通行の頭上にハテナマークが浮かぶこと数瞬、


一方通行「……ふざけた真似しやがって、あのクソガキがああああああああああああああああッ!!!!」


こうして高校生と中学生の仁義なき追いかけっこが始まった。


CASE 19 とある超幸福の一方通行SR 後編


学園都市 第五学区――


垣根「あー、クソッ、どうするかな」

心理定規「しっかりしてよ。あなた一応『スクール』のリーダーでしょ?」

垣根「分かってる、だからこうして頭を悩ませてるんだろうが」

心理定規「別に、私は現状維持で不満は無いわよ」

垣根「ふざけんな、こんな舐めた真似されてハイそうですかっていくか」イライラ

心理定規「学園都市 暫定第一位(笑)に昇格した事?」

垣根「テメェ……」ギロッ

心理定規「怒らないでよ。暫定(笑)とはいえ、一位は一位じゃない」

垣根「おこぼれで手に入れた最強の座に興味はねえ。それに統括理事長との直接交渉権が認められないんじゃ意味ないだろうが」イライラ

心理定規「『グループ』に接触してみる? あそこは統括理事長のお気に入りのようだし」

垣根「幻想殺しか……」

心理定規「元第一位を再起不能にした統括理事長の秘蔵っ子。あなた以上の人格破綻者でしょうけどね」クスッ

垣根「会ってみる価値はあるかもな…………ん?」


佐天「退いた退いたぁーーー!!!」ピューン!


垣根「うおっ!」ヒラリ


一方通行「邪魔だ、ホスト野郎っ!!!」タッタッタ


垣根「なんだとコラ」ムカッ

心理定規「今の元第一位じゃなかったかしら?」ハテ?

垣根「道理でムカつく訳だ。クソッ、待ちやがれ第一位っ!!!」タッタッタ


心理定規「汗かくの嫌だから、私は帰るわね」ヤレヤレ


第七学区 とあるコンビニ前――


麦野「シャケ弁もゲットしたことだし、ファミレスにでも入ろっか」ニコニコ


絹旗「麦野、超ご機嫌ですね」ヒソヒソ

フレンダ「そりゃコンビニ三軒もハシゴして、ようやくシャケ弁を買えたんだから当然よ」ヒソヒソ

海原「……三軒も駆けずり回ったのは自分なんですが」ヒソヒソ

絹旗「新入りなんですから、超当たり前です」ヒソヒソ

フレンダ「結局、暗部でも年功序列は重要って訳よ」ヒソヒソ

滝壺「……(あの時 助けてくれた人……また会えないかな)」ポケー

海原「だとしても、コンビニ弁当をファミレスに持ち込むのはどうなんです?」ヒソヒソ

絹旗「いいんじゃないですか? 私たちは超普通に注文しますから」ヒソヒソ


麦野「ほら、アンタたち、さっさと…」


佐天「退いて退いてーーーっ!!!」ピューン!


麦野「きゃっ!?」トサッ


一方通行「ぜェ、ぜェ……! ま、待ちやがれェェェッ!!!」タッタッタ グシャ!!


麦野「あ」


フレンダ「ひぃぃぃ!?」

絹旗「麦野のシャケ弁が超ぺちゃんこにーーっ!?」ガビーン

海原「せっかく買ってきたのに!?」ガーン

フレンダ「そういう問題じゃなくって! 確実に麦野、ぶちキレちゃう!?」


麦野「あのモヤシ野郎……ッ! オイ、海原ァッ!!」

海原「は、はいっ!!」

麦野「弔い合戦だ! シャケ弁の仇を討ちに行くぞっ!!」ムカムカ

海原「りょ、了解しました!!」ピューン!


絹旗「あーあ、行っちゃいましたね」

フレンダ「結局、厄介事は新入りに任せて、私らは関わらないのが正解って訳よ」ウン

滝壺「あ、北北東の方角から信号がきてる」ムーピピピ


第七学区 学舎の園――


食蜂「退屈ねぇ、何か面白い噂はないのぉー?」

縦ロール「面白いかどうか判断に迷いますが、御坂さんのご活躍が派閥の子たちの間でよく話題になりますわ」

食蜂「ああ、例のアレねぇ……」

縦ロール「なんでも意中の殿方を追ってアンチスキルに入ったとか」

食蜂「あの野蛮で女子力ゼロの御坂さんが? ……にわかには信じられないわぁ」

縦ロール「まあ噂の域を出ない話ですから」

食蜂「ふぅ~ん(少し前からあの人の傍をうろちょろしてたようだしぃ、ちょっと探りを入れてみようかしらぁ)」


佐天「あっはっはーー!! この佐天さんに追いつこうなんて100年早いわーーー!!!」ピューン!


食蜂「きゃあ!?」ドシン

縦ロール「じょ、女王!?」

食蜂「いったぁ~い! もうなんなのよぉ……。ちょっと待つんだゾ☆」スカッ

縦ロール「女王、一体何を……?」ハテ?

食蜂「あ、あれぇ? リモコンが……ない?」

縦ロール「先程転ばれた際に、落とされたのでは?」

食蜂「あっ! あんなところに」キョロキョロ


リモコン『』

一方通行「ハァッ、ハァッ……クソッ、目が霞んできやがった」タッタッタ バキッ!!!

リモコンだったもの『』チーン


食蜂「ま、まあ代えはいくらでもあるしぃ……ってあら?」

縦ロール「あの、バッグは重いからと寮に置いて……」オソルオソル

食蜂「……私が転ぶ原因になった子、確か御坂さんのお友達だったわよねぇ」プルプル

縦ロール「!?(女王が怒っている! 迫力は全然ありませんが!)」ガビーン


第七学区 とある公園――


美琴「ハァ……酷い目にあった。うぷっ、まだキモチワルイ」ヨロヨロ

上条「無理しなくていいから、今日はもう帰って休めよ」

美琴「そうはいかないわよ、途中で投げ出すなんて私らしくないし」

上条「ったく、分かったよ」ヤレヤレ

美琴「……よし! それじゃあの子たちの援護に向かうわよ!」

上条「この近くの裏路地で炎の魔術師と交戦中だったな。さっさと倒してスフィンクスを捕まえるのを手伝わないと」


佐天「あっ、御坂さん発見ーーっ!!」ピューン!

スフィンクス「にゃあ♪」


美琴「わ、どうしたのよ佐天さん、汗だくじゃない」

佐天「ふっふっふ、それはですねえ、この愛らしいニャンコを白い悪魔の凶手から守るために走り続けたからなのだ!!」ドヤッ

スフィンクス「にゃー」

美琴「ええっ!? し、白い悪魔から!?」ガビーン

上条「よく無事だったな……」

佐天「楽勝でしたよ。あの貧弱っぷりからして、今頃は音を上げて諦めたんじゃないですかね」


一方通行「だ……誰が諦めるかよ……ぜェ、ぜェ」フラフラ


上条「一方通行?」

佐天「フフン、このあたしに着いてこれたのは褒めたげる。白い悪魔と呼ばれるだけはあるって事か」

美琴「白い悪魔ってコイツのことを言ってたのね」


佐天「しかしその頑張りもここまでみたいね」

一方通行「ハァ、ハァ……クソが……」フラフラ

佐天「白い悪魔よ! なにゆえもがき生きるのか? 挫折こそわが喜び。諦めるものこそ美しい。さあ、わが金属バットの一撃で沈むがよい!」

一方通行「挫折、か……。俺はもう何の能力も無い……これから数え切れない挫折を味わうンだろう……ぜェ、ぜェ」フラフラ

佐天「…………」

一方通行「けどなァ、もう二度と諦める事だけは絶対にしねェ……。たとえ無様でみっともなかろォが、最期まで貫き通してやる……」ググッ!!

佐天「な、なんなのよ! あたしの方が圧倒的に有利な状況なのに、気圧されてる!?」ビクッ



上条「なあ御坂、これじゃ白い悪魔っつーか、白い勇者と黒い魔王じゃね?」

美琴「何やってんのよ佐天さん……」

上条「俺も大概だけど、御坂にもユニークな友達がいるんだな」ケラケラ

美琴「言わないで……」ゲンナリ



一方通行「オマエがどれ程の能力者だろォが俺は退かねェ……スフィンクスちゃンは返してもらう!!」ギンッ!!

佐天「な、なんて眼力!? このあたしが一歩も動けないなんて!?」オロオロ

一方通行「…………」ザッ ザッ

佐天「くッ!」

一方通行「…………」ザッ ザッ

佐天「ち、近寄らないでっ!」アウアウ

スフィンクス「にゃあ!? にゃあー!」ジタバタ

佐天「えっ」スルッ

スフィンクス「にゃあーっ」ヨチヨチ

一方通行「…………」ナデナデ

スフィンクス「にゃあ♪」スリスリ

佐天「え、えと……もしかしなくても、あたしが悪者でした?」


上琴「「うん」」


上条「俺たちが探してた小猫がスフィンクスで、その飼い主がアイツなんだよ」

佐天「いやー、それならそうと教えてくださいよー」アハハー

美琴「あ、あのねえ……」

佐天「まあまあ細かい事は気にしない! 終わり良ければ全てよしですよ! ねっ、上条さん」

上条「あー、まだ終わってないようなのですが……」チラッ

佐天「え」チラッ


垣根「テメェら……」ゴゴゴゴ

麦野「弁償しろなんてセコイことは言わないわ。代わりに命を貰うから」ゴゴゴゴ

海原「あれは上条当麻!! 性懲りも無く御坂さんと……ッ」ゴゴゴゴ


上条「随分と恨みを買ってるみたいですねぇ」

佐天「恨みなんて買った覚えないのに!? ていうかあのストーカーっぽい人は明らかに上条さんを恨んでますって!!」ギャース

美琴「ゲコ太の仇……ッ」ゴゴゴゴ

佐天「御坂さんまで!?」

美琴「私はあの時の魔術師をやる。アンタは他の二人をお願いできる?」

上条「仲良く話し合いって雰囲気じゃないし仕方ないか」ヤレヤレ

佐天「こ、こうなったらあたしも!」


麦野「へぇ、やる気なんだ」ニタァ

海原「待ってください!? 自分は御坂さんとは戦えません!」

垣根「一般人に手出しするのは主義じゃねえが、邪魔するってんなら まとめて叩き潰すだけだ」


上条「叩き潰す、ねえ? 実力の伴わない大言壮語は身を滅ぼしますよ」

垣根「ハッ、無知ってのは哀れだな。学園都市第二位に実力が伴わないだと? ……笑えねえ冗談だ」ムカッ

麦野「アンタが第二位? てっきりホスト崩れのチンピラかと思ったわ」クスッ

垣根「ああ?」イラッ

麦野「アンタらに用はないのよ。私はそこの白いのに…」チラッ


スフィンクス「にゃあー」

一方通行「腹へったのか?」

スフィンクス「にゃあ!」

一方通行「ンじゃ帰るとすっか」テクテク


麦野「…って ちょっと待て!!」ガァァ

垣根「テメェが帰ってどうすんだクソ一位!!」ガァァ


一方通行「あン?」ハテ?

垣根「そっちからケンカ売っといて、ハイさようならって舐めてんのか?」イライラ

麦野「こっちはシャケ弁を台無しにされたんだ。なのにわびの一つも無しか?」イライラ

一方通行「……そいつは悪かったな。スフィンクスちゃンを取り戻すのに夢中で悪気は無かったンだ、すまン」ペコリ

垣根「…………は?」

麦野「いや、まあ、悪気が無かったんなら仕方ないわね」ウン

垣根「オイオイ、そんなのありかよ!?」ガビーン

麦野「一応謝ってもらったわけだし、弁当はまた海原をパシらせればいい。私は気にしないわ」

垣根「チッ、これでつっかかったら俺が馬鹿みてぇじゃねえか」

一方通行「?」

垣根「行けよ、俺も気にしてない」

一方通行「ン」テクテク


佐天「あ、あるぇー?」ポカーン

上条「話し合いで解決しちゃいましたねえ」


海原「み、御坂さん? あちらは平和的に解決したようですよ」アセアセ

美琴「それは良かったわね」

海原「では自分たちも穏便に…」

美琴「行くと思う?」

海原「え、ええ」

美琴「私見たのよ。アンタが公園に入ってきた時、アイツに例の魔術を使おうとしたのをさ」ジトー

海原「え、ええっと……」オロオロ

美琴「全ッ然懲りてないみたいね」ゴゴゴゴ

海原「御坂さんは上条当麻に騙されてるんですっ!! あの男は危険なんだ!」

美琴「アイツが危険? ……たしかに危険かも、うん///」カァァ

海原「何故そこで赤くなるんですか!?」

美琴「きょ、今日だっていきなりお、おお、お姫様だっことかしてくるし!///」テレテレ

海原「なんて奴だ!? 嫌がる御坂さんに無理やりなんて……ッ!!」ギリッ

美琴「べべ、別に嫌ってわけじゃ……ないんだけど///」モジモジ

海原「御坂さん……?」

美琴「と、とにかく! 私たちの事でとやかく口出しされる覚えはないんだからっ!!///」ガァァ

海原「……そうですか」

美琴「分かったらさっさと…」

海原「ええ、分かりました。やはり上条当麻はここで死ぬべきだ!!」キラッ!

美琴「…ッ、しまっ!?」



上条「うおっ、まぶし!?」

佐天「どーしたんですか?」ハテ?


海原「……は?」

美琴「あれ? なんともないの……?」

海原「そんな馬鹿な!?」キラッ! キラッ! キラッ!


上条「やめっ! このっ! まぶしいっ!?」ギャース


海原「もう一度!」キラッ!

ガシッ

上条「まぶしいっつってんだろ!!」ガァァ

海原「何故バラバラに分解されない!? 右手以外に命中しているのに!」

上条「あー、そっか。お前の魔術は、金星の光を利用したものだったよな」

海原「だから何だと言うんです!」

上条「そりゃ効くわけねーよ。お前を殺すのに、ちょっとお前の力を貸してくれって言ってるようなモンだからなぁ」ヤレヤレ

海原「金星が力の源泉……ま、まさか」

上条「不思議に思わなかったか? 魔術の魔の字も知らなかった御坂が、正確にお前の狙撃地点を割り出して追跡したのを」ギロッ

海原「ひっ!?」ビクッ

上条「んー、上条さんに格下を嬲る趣味はないんですが」

海原「…………」ホッ

上条「敵を無意味に生かしておく程、青臭くもねえんだ。……で、オマエは誰の敵なんですかね?」ニッコリ

海原「じじ、自分はっ!?」ビクビク



垣根「ほっといていいのか?」

麦野「さあ? 海原から売ったケンカだし、私が口出しするのも面ど……無粋じゃない?」


同刻

第七学区 路地裏――


御坂妹「拙いですね、とミサカは珍しく同僚に弱音を吐いてみます」タッタッタ

浜面「弱音を吐く余裕があるならもっと速く走れ!!」タッタッタ

御坂妹「誤算です。大誤算です。炎使いは、ただ『炎使い』というだけで雑魚フラグのはずなのに……」タッタッタ


ステイル「路地裏のような閉鎖空間で僕に戦いを挑むとはね。――巨人に苦痛の贈り物を!!」ブンッ!



ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!!!



浜面「ぎゃあああああ!!! 半端ないデカさの炎が追って来る!?」ギャース

御坂妹「こんな日の当らないジメジメした根暗空間がホームグラウンドですか、とミサカは全力で逃走しつつ毒で反撃を試みます」タッタッタ

浜面「こんな時でも平常運転だなお前は!? そんな悪口が通用するわけねえだろ!!」タッタッタ


ステイル「じめじめ……根暗……」ズーン


浜面「効いてるーーー!?」ガビーン

御坂妹「こうかはばつぐんだ、とミサカは華麗なドリフト走行で路地裏から公園へ一気に駆け抜けます」ズサァァァ!!!


第七学区 とある公園――


浜面「な、なんとか開けた場所に出られたな」

御坂妹「あ」サササ

浜面「おい!? あの魔術師が人通りの多いトコに出る前に仕留め…」


御坂妹「あなたはここで何をしているのですか? とミサカは問いかけます」

上条「お、御坂妹」

美琴「仕事よ仕事、魔術師狩り」

佐天「うわー、上条さんて意外と容赦ないなー」ツンツン

海原「」チーン


浜面「あ、勝ったわ」


ステイル「ハァ、ハァ、や……やっと追い付いた」


垣根「また変なのが増えたな」

麦野「常盤台の子のそっくりさんに三下っぽいチンピラ、極めつけは赤くてデカくてバーコードな神父……確かにまともじゃないわね」ウン


上条「御坂妹たちが無事で一安心ですよ。スフィンクスも一方通行が連れ帰ったし、支援要請は完了だな」

浜面「呑気してる場合かよ! まだ魔術師が一人片付いてねえ!?」ギャース

御坂妹「そういえば、とミサカはジメジメ神父を見やります」チラッ


ステイル「……僕の炎で湿気を飛ばしてやろうか?」ワナワナ


上条「おお、ステイルじゃん! いつ学園都市に来たんだ?」

ステイル「あのねぇ……君があの子の面倒を見ないから、今僕が苦労しているんだぞ!!」ガァァ

上条「ふ~ん」

ステイル「大体あの子の力は何だ! アッという間にイギリス清教を掌握して、今度はイギリス王室に反旗を翻すだと!?」

上条「で、次は地理的にフランス、そして本命のバチカン、ロシアだろうなぁ」ウン

ステイル「彼女は本気で世界征服でも始めるつもりなのか!?」

上条「だから危険だって何遍も言ってんだろ。まあ、だからといって止められる人材も居ないんだけどなー」ケラケラ

ステイル「笑い事かッ!!」

上条「心配すんなって。学園都市は全力で死守するからさ」

ステイル「頼むから彼女を止めてくれ! このままだと取り返しのつかない事態になる!」

上条「無理だっつってんだろうが。仮に上条さんがフルパワーで殺しにかかっても、精々全治10年の手傷を負わせる程度だっつーの」

ステイル「十分だ! その間に打開策を考えるから人柱になってくれ!!」

上条「いや死ぬからね? その場合、上条さんは白い悪魔にぶち殺されちゃいますからね?」

ステイル「君の尊い犠牲は無駄にはしない」キリッ

上条「冗談じゃねえ」


美琴「知り合いみたいね」

御坂妹「敵じゃないのでしょうか? とミサカは混乱します」ハテ?

浜面「スゲー物騒な頼みをしてる時点で100%敵だろ……」ゲンナリ

佐天「……(よく見ると この人、あたしのパン……もとい初春を誑かした人だ! このヤロウ、どうしてくれようか……ん?)」チラッ



食蜂「ぜぇ、ぜぇ、も……もう限界よぉ……」パタリ

縦ロール「女王ぉぉーーーーっ!?!?」ギャース



一同「「「「「「「え……女王?」」」」」」とミサカは耳慣れぬ単語に戸惑います」ポカーン

美琴「げっ、食蜂操祈!?」


縦ロール「女王、お気を確かに! 深呼吸をして息を整えてください」アセアセ

食蜂「すぅー、はぁーー…………少し楽になったわぁ」

縦ロール「安心しましたわ」ホッ

食蜂「それより御坂さんのお友達は何処かしら? 公園に入って行くところまでは覚えてるんだけどぉ」キョロキョロ


佐天「ん?(目があった?)」ハテ?


食蜂「居たぁーー!!」ビシィィ!!


佐天「あ、あたし?」

食蜂「あなたがぶつかってきたせいで、とぉぉーーーッても不自由したんだからぁ!!」プンプン

佐天「ええっ!? あたし、何かしましたっけ?」

縦ロール「女王のリモコンを失う切欠を作りました」

佐天「じょ、女王……?」ピク

縦ロール「ええ、この御方こそ常盤台中学が誇るレベル5の第五位、常盤台の女王こと食蜂操祈様ですわ」フフン

佐天「ぶふーっ!!」

食蜂「!?」

佐天「アハハハハハハッ!!! 女王ッ、女王って……!!」ゲラゲラ

食蜂「なっ!///」カァァ


佐天「み、御坂さん! ひひっ、と、常盤台の女王って、なな、なんなんですかッ?」プククク

美琴「あー……」

浜面「くくっ、中二病なんだろ。で、でもブフッ、じょ、女王……ッ」プークスクス

御坂妹「残念な人なんですね、とミサカはぷくくっ」プークスクス

麦野「ないわー、流石に女王はないわー」プークスクス

垣根「クククッ、いくら中坊でも痛すぎ、つか常盤台は常識が通用しねえのな」ゲラゲラ

ステイル「どういう事だい?」ハテ?

上条「イギリス育ちのステイルにはピンとこないかもな。解り易く説明するとだな、中学生にもなって取巻きにクイーンとか呼ばせてる痛いヤツっていう…」


食蜂「わ、私が呼ばせてるわけじゃないしぃーーっ!?///」ギャース


美琴「でも派閥の子たちはみんな『女王』って呼んでるわよ?」

浜面「は、派閥っ!?」

佐天「まあ女子は基本、どこかのグループに入ってますからねえ。さすがに派閥ってのは大げさだけど」

麦野「まるで政略ゲームね」

垣根「そんな大層なもんかよ。猿山のボスが粋がってるようにしか見えねえ」

御坂妹「あなたはモンキーなのですか? とミサカは女王(痛)に尋ねます」


食蜂「違っ!? ッ、てゆーか野蛮なおサルさんは御坂さんのほう…」

縦ロール「何ですかあなた達はっ!! 女王に対する無礼は、わたくしが許しません!!」キリッ


御坂妹「すみません女王(笑)、とミサカは女王に謝罪します」ニヤニヤ

麦野「ごめんなさいね、女王?」ニヤニヤ

垣根「悪かったな、女王」ニヤニヤ

浜面「すまん、女王」ニヤニヤ

佐天「ソーリー女王」ニヤニヤ


食蜂「~~~~~~~~~ッ///」プルプル


縦ロール「分かればいいのです」ウン

食蜂「全然わかってないわよぉー! あなたたちバカにしてるでしょおー!?」プンプン


垣根「はあ? 被害妄想だろ女王」ニヤニヤ

御坂妹「自意識過剰です女王、とミサカは女王をたしなめます」ニヤニヤ

麦野「気にし過ぎよ女王」ニヤニヤ

浜面「まったくだぜ女王」ニヤニヤ

佐天「逆に尊敬ですよ女王。てかフツーに恥ずかしくないんですか女王?」ニヤニヤ

美琴「それは無いよ。だってコイツ、普段から女王って呼ばせて悦に入ってるもん」

ステイル「それはなんと言うか……キツイね」


食蜂「その態度がバカにしてるっていうのよぉ!! あと御坂さんは黙ってぇ!?」


美琴「…………」ニヤニヤ

麦野「…………」ニヤニヤ

浜面「…………」ニヤニヤ

垣根「…………」ニヤニヤ

御坂妹「……女王、とミサカは小さな声で囁きます」ボソッ

美琴麦野垣根浜面「「「「ぷふっ!?」」」」


食蜂「うわああーーん!!! バカぁーーーー!!!」タッタッタ

コケッ

食蜂「へぶっ!?」ビターン!!


美琴麦野垣根浜面「「「「こけたーーーっ!?」」」」ガビーン

縦ロール「ああっ、女王!?」


食蜂「~~~~~~ッ!? ――――ッッ!!!」ゴロゴロ

縦ロール「女王、お怪我はありませんか!?」アセアセ

食蜂「うう……痛ぁい……」メソメソ

縦ロール「膝を擦りむいてッ!? で、ですが絆創膏など持ち合わせてませんし、一体どうすれば」オロオロ

上条「ちょっといいか?」

食蜂「ッ!?」

上条「ふむ、軽い擦り傷だけど一応消毒しておいた方がいいな。ソックスを下ろすぞ?」

食蜂「え、ええ……」

上条「まずは傷口を水で洗い流して、清潔なガーゼでキレイに拭いてと。それから消毒液で……あ、少し沁みるからな」テキパキ

食蜂「痛ッ」

上条「あとは赤チンを塗って、最後に絆創膏を貼れば……よし、手当完了っと」

食蜂「…………」ポカーン

縦ロール「あ、あの!」

上条「ん?」ハテ?

縦ロール「迅速な処置をして頂き、何てお礼を言えばいいか……」オズオズ

上条「ああ、気にしなくていいよ。ただの応急処置だし、このくらい不幸が絶えない上条さんには出来て当然なんです」

縦ロール「まあ」

上条「食蜂、だよな。立てるか?」

食蜂「ひゃい!?///」カァァ

縦ロール「じょ、女王?」

食蜂「ななな、何でもないからぁ! どど動揺なんてしてないわよぉ!?///」アタフタ



浜面「さすが英国紳士ッ!! 行動にそつがねえぜ!」

御坂妹「あれだけのグッズを何処に携帯していたのでしょう? とミサカはお姉さまに疑問を、ひっ!?」ビクッ

美琴「…………」バチバチバチッ!!!

浜面「御坂漏れてる!! ヤバイ感じで電撃が漏れてるっ!?」ギャース

垣根「おおっと、下手に巻き込まれる前に退散すっか」バッサバッサ

浜面「は、羽根が生えて飛んでったーーーーー!?」ガビーン


浜面「ああもう! 何が何だか分からなくなってきやがった」

麦野「たしかにね。まあ私も用件は済んだから帰るわ」

浜面「お、おう」

麦野「おい海原ァ!! いつまで死んだふりしてるんだ。さっさと代えのシャケ弁を買いに行けっ!!」


海原「は、はいっ!!!」ムクッ、タッタッタ


麦野「それじゃあね」テクテク

御坂妹「はい、お疲れ様です、とミサカは社交辞令のあいさつを返しました」

浜面「……ていうか誰?」

御坂妹「さあ?」

浜面「ま、いっか。それより目下の問題は……」チラッ



美琴「ア・ン・タ・は~~~~~ッ!!」ドドドド

上条「へ?」

美琴「なにナチュラルに他の女を口説いてんのよド馬鹿ーーーーーーっ!!!」ビリビリッ!!

パキーン

上条「え?」ハテ?


美琴「しかもよりにもよって食蜂操祈だなんて……!!」

上条「…………」

美琴「胸かッ!! そんなに母性の塊が好きかこらーーーーっ!!!」ガァァ

上条「…………」

美琴「黙ってないで何とか言いなさいよ!」

上条「御坂さん、ひとつ聞いてもよろしいでせうか?」

美琴「なによ!」

上条「……ひょっとしてヤキモチ焼いてる?」

美琴「だったら何だっていうの……って、あ///」カァァ

上条「マジで!?」

美琴「ち、違っ……わなくないことなんてなくない///」ボソボソ

上条「ここに来てまさかの好感度急上昇!? ついにミコっちゃんフラグが立ちましたかっ!?」クワッ

美琴「バ、バカなこと言ってないで、さっさと次の仕事に行くわよ!///」

上条「次?」

美琴「夕方から大覇星祭の打ち合わせがあるって今朝話したじゃない!///」グイグイ

上条「おお、そうだった。んじゃ、後の報告は任せるなー」テクテク


御坂妹「了解、とミサカは生温かい目で二人を見送ります」ニヤニヤ

浜面「大将は歪みねえな」ウン

佐天「…………」プルプル

御坂妹「そういえば赤髪神父が見当たりません、とミサカは辺りを見渡しつつ同僚に報告します」キョロキョロ

浜面「逃げたんだろ。支援要請は完遂したし、とりあえず木原のオッサンに報告しようぜ」

佐天「うがーーーっ!!! 御坂さんはあたしに幸せを見せつけないと死ぬ病気か何かなのかああああああッ!!!」ガァァ

浜面御坂妹「「!?」」ビクッ


縦ロール「では私達も帰りましょう。……女王?」

食蜂「えへー、上条さんに優しく手当てされちゃったゾ☆///」ポワポワ

縦ロール「じょ、女王の表情が未だかつて無いほど緩んでいる!?」ガビーン



テッテレー


支援要請『猫ちゃンの捜索』を完遂した!

一方通行は佐天さんとの追いかけっこで、ちょっぴり体力が向上した!!

佐天さんはミコっちゃんに当てられて、ストレスが大上昇してしまった!!

食蜂さんは上条さんに駄フラグを立てられてしまった!?

第二位は第一位への興味を完全に失った!

偽海原は第四位のパワハラで胃痛を患ってしまった!!

上条さんはドサクサに紛れて、1ミコポイントを取得した!! ※累計 3ミコポイント


とある学生寮 一方通行さんち――


一方通行「帰ったぞ」

スフィンクス「にゃあー」


オルソラ「お帰りなさいませ。猫ちゃんは無事取り戻せたのでございますね」パァァ

土御門「ご苦労さんだにゃー」


一方通行「もォヘトヘトだ……」グッタリ

スフィンクス「なうー」

一方通行「悪ィけど、スフィンクスちゃンにご飯をやってくンねェか」


土御門「お安い御用ですたい。スフィンクス、カモーン!」

スフィンクス「にゃあ!」ヨチヨチ


◇ ◇ ◇ ◇


一方通行「今日はやけに部屋が広く感じる、つゥか天草式の連中はどォした?」

オルソラ「何でも調べたい事があるとか。それにしても凄い汗……」

一方通行「あちこち駆けずり回ったからなァ」

オルソラ「お風呂を沸かしてるので、汗を流してはいかがでございましょう?」

一方通行「だりィ」

オルソラ「でしたら、私がお背中を流すのでございますよ」ニコニコ

一方通行「ン、それなら入ってもいい」

オルソラ「では着替えを用意するので、先に入ってください」スタスタ

一方通行「はァ、めンどくせェ」


土御門「甘えた事抜かすんじゃねえッ!! 一々羨ましいぞクソ野郎がああああああああああ!!!」シッ!

ドスッ!!

一方通行「ごふっ!?」バターン

土御門「立てっ!! モテナイ野郎の怒りと憎しみは、こんなもんじゃねーぜよ!!」

一方通行「クソッ、また訳わかンねェキレ方しやがって……! 調子乗ってンじゃねェぞ三下があああああああああああッ!!!」ガァァ

土御門「ガチの殴り合いで勝てると思うなド素人が!!」キリッ



このあと、モテナイ男子の嫉妬パワーで鬼と化した土御門による一方的な制裁がありましたとさ



土御門「だが結局オルソラに手厚く介抱されてたんだにゃー!! スズやんの不潔ぅぅーー!!」

一方通行「またこのオチかよ……」ガクリ


第二十三学区 エンデュミオン――


禁書「ぐぬぬぬ……短髪め、とうまは私のものだというのに!」イライラ


ローラ「ステイル! 任務失敗とはどういう事!?」ヒソヒソ

ステイル「……上条当麻たちの激しい抵抗に遭い、奮戦むなしく撤退を余儀なくされました」ヒソヒソ

テッラ「それは災難でしたねー。単独では些か厳しかったでしょう」ウン

ローラ「…………」ジトー

アウ「依然、聖女インデックスのご機嫌が優れない。今は次善策を練るのが急務ではないか?」ヒソヒソ

ローラ「ハァ、それで何か考えがありけるの?」ヒソヒソ

アウ「もちろん…」


禁書「アウレオルス! テッラ!」


アウ「ハッ!」

テッラ「御用でしょうか、我が君」


禁書「ローマに不穏な動きがある。テッラは直ちに出向き、それを阻止して欲しいんだよ」

テッラ「はい。しかしバチカンの結界には、少しばかり手こずりそうですねー」

禁書「心配いらないよ、そんなものはこのインデックスが打ち砕いてあげる」クスッ

テッラ「おお、なんと頼もしい……!」

禁書「アウレオルスは私と一緒に、学園都市の力を削ぐ作戦に付き合ってもらうよ」

アウ「承知!」キリッ

禁書「レベル5の第五位、面倒な能力な上に許し難い罪を犯したんだよ。これはもう救済しかあり得ないかも」ニッコリ

アウ「……(相も変わらずブレない方針……ッ)」ブルブル

禁書「ローラとステイルはイギリス攻略の準備を進めるんだよ」


ローラ「ご随意に」ニコッ

ステイル「……(こんな暴挙を続けても彼女の為にならない。例え恨まれてでも僕は……)」グッ


禁書「苦労してフラグを回避してきたのに、自分から死に急ぐなんて愚かな女なんだよ、フフフ……」ニヤリ

といったところで今回は終了
一方さんルート→大覇星祭編 みさきち死亡フラグ待ったなしルートへ続きます

ちなみに前々回の選択肢で、偽海原とムーブポイントさん加入フラグは消滅しましたー


前回その後


美琴「たっは~、長引いたわねー、大覇星祭の打ち合わせ」

上条「世界中から人が来るからなぁ。警備が大規模になるのも仕方ねえよ」

美琴「アンタはいいわよね。公欠扱いで警備に専念するんでしょ」

御坂妹「お姉さまは違うのですか? とミサカは聞いてみます」ハテ?

浜面「御坂は学園都市の顔みたいなもんだからな。競技もこなせって事なんだろ?」

美琴「まあねー」

上条「御坂は常盤台のエースにして、最強無敵の電撃姫だもんな」


御坂妹「ぶっ!!」


美琴「ど、どうしたの!?」

御坂妹「常盤台のエースはともかく最強無敵の電撃姫……女王より酷い、とミ、ミサカはぷぷっ!!」プークスクス

美琴「んな!///」カァァ


上条「あー……」

浜面「……///」プルプル


美琴「わ、私が呼ばせてるわけじゃないわよ! こらそこっ! 笑うなーーーっ!!!///」ギャース


御坂妹「笑ってませんよ姫、とミサカは真顔で応対します」キリッ

浜面「余裕を持てよ。サイキョーでムテキなんだろ姫?」ニヤニヤ

上条「怒ってる御坂もカワイイなぁ」ホッコリ


美琴「アンタたちはーーーーっ!!!///」プンスカ



テッテレー


グループ内に、ミコっちゃんの中二臭い異名が知れ渡ってしまった!!

と、一レス分投下ミスったので追記ー

投下ー


九月十七日


バチカン 聖ピエトロ大聖堂――


教皇「かねてより進めていた学園都市攻略プラン、その実行に移ってもらう」


リドヴィア「お任せください。あの霊装を用いれば、無駄な血を流さず異教徒たちに布教出来ます」

ビアージオ「手ぬるい。異教のサルどもなど、住処ごと粉砕してやればよいのだ」

リドヴィア「武力による制裁など主はお認めになりません。滅ぼすのではなく、教え導く事こそ我が使命ですので」

ビアージオ「何を言うか。科学という毒に侵されたサルに、最早救いなどいらん!!」

リドヴィア「いいえ、大いなる父の愛は無限。短慮は慎むべきですので!」

ビアージオ「神の威光を示すためにも、女王艦隊で学園都市を粉砕するッ!! これは決定事項だ!!」ブルアアアアアアアアアアア!!!

リドヴィア「なんと野蛮な!? 使徒十字(クローチェディピエトロ)で改宗させるべきです!!」


教皇「やめないか! まず使徒十字で仕掛け、不発の場合は女王艦隊で粉砕する。そう決定したはずだ」


ビアージオ「はい……」ギリッ

リドヴィア「それが最善ですので」フフン


教皇「うむ、それでよい。右方のフィアンマが破れた以上、我らも本腰を入れねばならん」


テッラ「良くありませんねー。実に良くない」ヌッ


教皇「き、貴様は……ッ!」


テッラ「お久しぶり……と言うほど久しくもありませんか」


教皇「左方のテッラ!?」

ビアージオ「!?」ギョッ!?

リドヴィア「?」ハテ?

教皇「造反したうえでフィアンマに討たれたと聞いたが、生きていたのか」


テッラ「いいえ、キッチリ殺されましたよ。ですが愛により蘇ったんですねー」


教皇「馬鹿なっ! 死者蘇生など不可能なはず……」

ビアージオ「猊下危険です! 奴はローマ正教を裏切った背教者!!」

リドヴィア「まあ背教者!? それはいけません。すぐに悔い改め…」

ビアージオ「ええい、お前は黙ってろ! ――十字架は悪性の拒絶を示す」ポポイ


ドガガガガガガ!!!


ビアージオ「続けて――十字架はその重きをもって驕りを正す!!」キィィィン


ドンッ!!!


ビアージオ「ハァハァ、や、やったか……?」

教皇「馬鹿者っ!! あれしきでどうにかなる相手ではない! お前たちは下がるのだ!」

ヒュン!

ビアージオ「何を仰られます! 猊下こそ安全な場所へ避難…………え?」

ブシュウウウウウウウウウウウウッ!!!!

ビアージオ「ごぱっ!?」バターン


テッラ「まずは一人」ニタァァ


教皇「小麦粉の刃……光の処刑か!?」


テッラ「ようやく完成したので、こうして御覧にいれようと思いました。次は御身をもって斬れ味を確かめてもらいますかねー」

ヒュン!

教皇「くッ!」

リドヴィア「教皇猊下っ!!」ダッ


ズバアアアアアアアア!!!


リドヴィア「かはっ……!?」バターン

教皇「リドヴィア!!」


テッラ「これで二人。身を呈して教皇を守りましたか。ですが順番が変わっただけですねー」


リドヴィア「猊下……お逃げください。そしてどうか、ごほッ、……遍く世界に主の教えを……」ガクリ

教皇「傷は浅い! その使命は自身の手で全うするのだ!」

リドヴィア「…………」


テッラ「茶番は結構です。無益な殺生は控えよと仰せつかってますからねー」ヤレヤレ


教皇「くそッ!! 何の目的で主の教えに背いたのだ!」

テッラ「いけませんねー、仮にもローマ正教の長が そのような汚い言葉を吐くのは感心しません」

教皇「仰せつかったと言ったな? 誰が貴様を操っている!」

テッラ「たかが一宗派の教皇如きが知る必要はない。あの御方に比べれば、如何なる権威も無価値ですしねー」

教皇「……ッ(元より得体のしれない男だったが、これは最早別物だ。生かしておけばどんな災厄を招くか想像もつかんッ!!)」スッ

テッラ「ほう、抵抗しますか」


教皇「一から十二の使徒へ告ぐ。数に収まらぬ主に仰ぐ。満たされるべきは力、我はその意味を正しく知る者、その力をもって敵が倒れる事をただ願う」フォン


テッラ「これはこれは。まさかユダの印まで持ち出すとは」


教皇「……本来、裏切りすら受け入れるのが主の慈悲なのだ。安易な排除は教えに反する……だがっ!!」カッ!!


バォ!!!


テッラ「!」

教皇「貴様は危険すぎる。ローマ教皇、いや、マタイ=リース一個人としてこの場で貴様を討つ!!」

テッラ「グッ、お、おおおっ……!」

教皇「この術式に囚われた以上、もはや指一本動かせん。このまま永遠に封印させてもら…」

テッラ「なんて冗談ですよ」

パキーン!

教皇「なっ!?」


テッラ「伊達に教皇を名乗っていませんねー。以前の私ならば封印は成ったでしょう」

教皇「ば、馬鹿な……」ワナワナ

テッラ「ですが今の私には通用しません。あの御方の次に強く! 美しく! 完全な存在に生まれ変わりましたからねー!」クワッ

教皇「!」

テッラ「この爪の青さが我が信仰の証ィィィッ!!! そしてこれが完成した我が術式ーーーッ!!」パワフリャ!!

教皇「!?」


テッラ「優先する。――左方のテッラを上位に、世界を下位に」


教皇「な、何を……」

テッラ「ご存じの通り、『光の処刑』はモノの優先順位を操る術式です。たった今、意識下で世界を掌握したんですねー」

教皇「そんな真似が出来るはずがない! それは既に神の領いッ、~~~~~ッ!?」パクパク

テッラ「喋れないでしょう? 私がうるさいと感じたから貴方は喋れなくなった。つまりはそういう事なんですねー」

教皇「~~~~ッ(願った事を現実にするだと!?)」

テッラ「因果律を読み解き自在に操る、これが真の魔神の実力です」

教皇「ッ!!(こんなバケモノが存在したとはッ!! いかん、この事を知らせねば世界が――)」

テッラ「力はともかく貴方のカリスマ性は少々厄介だ。聖女インデックスが大望を果たすまで、何も考えないでもらえますか?」

教皇「…………」コクリ


テッラ「これで組織だった作戦は実行できないでしょう。しかしフィアンマを始め神の右席は全員留守ですか」

テッラ「まあ焦る必要も無い。『神の薬』と完全に同調した今の私なら、連中の始末など容易いですからねー」ニタァァ



テッテレー


よりパワフリャに生まれ変わった左方のテッラに、ローマ正教は半壊滅状態に追い込まれた!!

ビアージオは全治半年の病院送りになった!

リドヴィアは全治三週間の大ケガを負った!

マタイ=リースは考えるのをやめたッ!!!


九月十八日


学園都市 窓のないビル――


アレイ☆「まずい事になった。このままでは私……ひいては学園都市の存亡に関わる事態だ」

木原『そりゃオオゴトですなぁ』

アレイ☆「他人事ではないぞ。木原が妹達と超電磁砲を用いて『絶対能力進化(レベル6シフト)』を行おうとしている」

木原『はぁ……それで?』

アレイ☆「彼女らは上条当麻をこちら側に繋ぎとめる重要な楔だ。こんな暴挙を許せば…」

木原『今みたいに従順な番犬ではなくなるでしょうなぁ。ヤツにとって重要なのは、妹達を維持できる環境であって俺らじゃあない』

アレイ☆「問題の木原は『木原幻生』。すでに私のコントロールを離れ、独自に活動している」

木原『オイオイ、よりにもよって幻生かよ』

アレイ☆「どうやら大覇星祭を隠れ蓑に実験を行うようだ。手段は問わない、確実に始末しろ」

木原『滞空回線の使用は?』

アレイ☆「許可する」

木原『それじゃあ俺と上条で殺っときます。決行は大覇星祭の一日目。妹達の護衛には猟犬部隊を付けときますんで』

アレイ☆「ま、待て!」

木原『上条をこっち側でいさせるなら積極的に起用した方がいい。ことシスターズに関して、野郎は潜在的に学園都市の敵だ』

アレイ☆「しかし人を殺すのを善しとするだろうか? 木原幻生、その精神はバケモノだがカテゴリ的には人間だ」

木原『その点は心配ないと思いますがね』


◇ ◇ ◇ ◇


木原くんの研究室――


木原「……(あれが優しいのは言葉が通じる相手だけだっての。そこんとこの認識を間違えりゃ、俺もぶっ殺されるだろうな)」ククク

アニェーゼ「なにニヤケてんですか?」

木原「何でもねぇよ。んな事よりお前らはどうなんだ?」

アニェーゼ「学校生活を満喫してますよ。明日からは祭ですからね。みんな張り切るのも仕方ないってなもんです」ワクワク

木原「ケッ、テメエが一番張り切ってんじゃねぇのか?」ニヤニヤ

アニェーゼ「そんなことねーです!!///」カァァ


CASE 20 選択は計画的に……


九月十九日


第七学区 大覇星祭運営委員会テント――


浜面「暇だなぁ」グデー

御坂妹「暇です。退屈です、とミサカは不平を漏らします」

黄泉川「ハハ、大覇星祭は始まったばかりじゃん。すぐに忙しくなるから今のうちに英気を養っておけ」

御坂妹「望むところです、とミサカは培ってきたアンチスキル魂に火をつけます」メラメラ

黄泉川「頼りにしてるぞ」

浜面「無駄に士気が高いっつーかなんつーか……。あんまり大将に心配をかけんなよ」ヤレヤレ

御坂妹「大丈夫です。子供は親に心配をかけるのが仕事だ! とミサカはあの人から言質を取ってあります」

浜面「あー、大将ならそう言うだろうな」ウン

御坂妹「ですので、ミサカは全力で職務にぶち当たる覚悟です」ドヤッ

黄泉川「良い覚悟だ。特務支援課の成果は誰もが認める所だが、一層の活躍を期待してるじゃんよ」ウン

御坂妹「はい、とミサカは素直に返事をします」

浜面「……黄泉川に褒められるなんて、スゲー違和感だ」ボソッ


◇ ◇ ◇ ◇


木原くんの研究室――


上条「――極秘任務?」

木原「そうだ。この件は俺とお前の二人のみで当たる事になる」

上条「うわっ、いきなりキナ臭ぇー」


木原「任務の内容は至ってシンプル。木原幻生の捕獲もしくは殺害、そんだけだ」

上条「誰それ?」ハテ?

木原「木原幻生の大まかなプロフィールだ。見てみろ」スッ

上条「どれどれ…………………ッ!?」

木原「ヤツの研究履歴は一貫してレベル6に至るための布石だ。当然、それにあるように『絶対能力進化』にも一枚噛んでやがった」

上条「御託はいい。コイツは今何処に居る?」

木原「相当頭にキてやがんな。らしくないじゃねえか」ヘラヘラ

上条「世の中には煮ても焼いても食えないヤツってのがいる。難しく考えるのは後だ。まずは力でねじ伏せる……!」

木原「確かにそうだ。木原幻生ってのは、糞ばかりの科学者の中でも素晴らしく糞な部類だぜ」

上条「実際に会ってみれば分かるさ。殺すかどうかはその時決めればいいだろ」

木原「それでいい。ま、100%殺すと思うけどな」

上条「そうかよ」

木原「学園都市も一枚岩ってわけじゃねえ。理事長の命令を聞かず、しかも今回の狙いが妹達ってのが致命的だ」

上条「…………」ググッ

木原「お前の実力は信用しているが油断すんなよ。幻生は曲者揃いの木原の中でも一等イカレてるからなぁ」

上条「……了解」




天井「…………」シイタケ


◇ ◇ ◇ ◇


第七学区 学舎の園――


食蜂「…………」ピ

食蜂「……(野暮な介入はノーサンキューだけどぉ……上条さんなら心強いなんて、女は現金よねぇ///)」モジモジ



禁書「…………」ドドドドド


大覇星祭 競技エリア――


一方通行「だりィ」

土御門「いきなりヤル気ナッシングなご様子。イイ若者がこれではイカンぜよ!」

青ピ「せやかて昨日は徹夜で遊んだんや。ヤル気も起きんって」

一方通行「太陽が黄色いぜェ……」グッタリ

青ピ「せやなぁ……」グッタリ

土御門「せっかく活躍出来そうなイベントなんだから気合いを入れるにゃーっ!!!」ガァァ

青ピ「なんでそない元気なん?」

一方通行「どォせ義妹にいいトコ見せようって魂胆だろ」

土御門「!」ギクッ

青ピ「それ以外あり得へんね」ウン

土御門「いいだろ別に!! ようやく好き勝手出来るようになったんだ! 舞夏にカッコイイとこ見せたくて何が悪いっ!!」カッ!!

一方通行「マジになンなよシスコン軍曹」ヤレヤレ


吹寄「だがその意気は買うわ」


土御門「吹寄!」パァァ


吹寄「動機は不純だけど、土御門の体力は校内随一だものね」

土御門「任せろ! 棒ごと相手校を粉砕してやるにゃー!!」

吹寄「アンタたちも少しは見習って……って居ない?」キョロキョロ


◇ ◇ ◇ ◇


一方通行「付き合ってらンねェっての」

青ピ「熱血なんて僕らのガラやないしー。テキトーに済ませるのが吉や」

一方通行「大体俺は頭脳労働専門……」



小萌「言いがかりなのですよー! うちの学校の評価が悪かったのは、私たち先生の責任で、生徒さんたちに非はないのです!」プンプン

教師「フン、出来損ない共を庇うなんてナンセンスだ」

小萌「みんなは出来損ないなんかじゃありません! 生徒さんに成功も失敗もないのですー!!」

教師「でしたら純然たる結果で教えて差し上げる。お宅の劣等性を、うちの優秀な生徒が蹴散らしてね」ニヤリ

小萌「うう~~~~~」

教師「私も暇ではないので、これで失礼しますよ」


小萌「みんなは……劣等性なんかじゃ……ないのです」グッスン




一方通行「オイ」ムカッ

青ピ「マジになる理由が出来たなぁ……! けど勝てるやろうか?」ギリッ

一方通行「確か対戦相手はエリート校、それに対してうちは平均校。驕り、侮り、油断……そこから導き出される結論は」ブツブツ

青ピ「ス、スズやん?」

一方通行「俺たちは勝つ。俺が勝たせる」ニタァァ


第七学区 駅前――


刀夜「母さん母さん、あそこの巨大スクリーンに当麻の学校の競技が映ってるぞ!」

詩菜「あらあら、当麻さんは出場しているのかしら?」



一方通行『手筈通り三班に分かれろ。まず一番数の多い主力班が突撃。派手に暴れろ』

主力班『『『『『うおおおおおおおおおおおおおおッッ!!!!!!』』』』』

一方通行『次に工作班は煙幕の用意をしろ。タイミングは俺が計る。……操作は出来ないが読むことは出来るはずだ』

工作班『『『…………』』』

一方通行『視えた!! 五秒後に風が吹くぞ煙幕用意!! ……三、二、一、今だァッ!!!』

工作班『『『いっけーーーーっ!!!』』』

一方通行『ここからが本番だ。陽動と煙幕で敵の急所は丸裸。そこを遊撃班で突くッ!!』


青ピ『小萌せんせを泣かしたツケは重いんやでーーーっ!!!』

土御門『まずはその棒をぶっ倒してやるぜよ!!』

吹寄『能力強度の差が、戦力の決定的差でないことを……教えてあげる!!!』

青ピ『よっしゃああーー!! 倒したどーーーー!!!』

吹寄『やった……! 勝ったわ!!!』

土御門『オレの雄姿を見てたか!? 舞夏あああああああああああああああああ!!!』


一方通行『俺の予測はすでに予言だァ』



刀夜「…………」ポカーン

詩菜「当麻さんは映りませんでしたけど、とっても鮮やかに勝ちましたね」ニコニコ


刀夜「が、学園都市はエキセントリックだなぁ。ハ、ハハハ……」

詩菜「当麻さんは何処にいるのかしら?」

刀夜「ええっと、配布されてたプログラムによると、ッ、失礼」ドンッ

美鈴「きゃっ!? って、すみません」ペコリ

刀夜「いえこちらこそ」

美鈴「これだけ広いと迷いますよね。失礼ですけど常盤台中学ってどの辺かご存じですか?」

刀夜「常盤台……リストには載ってませんね。一般開放されてない学校なのでは?」

美鈴「うわっ、ホントですか!? ケータイも通じないし、あの子どこにいるのよーーっ!!」ギャース

刀夜「……(む、胸が当たって……ハッ!?)」ギクッ


詩菜「あらあら、またですか刀夜さん。偶然知り合った女性と良い雰囲気になるのは、これで何回目だったかしら?」ドドドド


刀夜「なってないなってない!?」ブンブン

詩菜「あらやだ数えるのも馬鹿らしいのかしら? こんなに私を怒らせて…」

刀夜「違うんだ母さん!」



上条「今日は借り物競走と二人三脚に玉入れ、あとバルーンハンターに出るんだっけ?」テクテク

美琴「そーだけど、アンタは運営委員会のテントに詰めてなくていいの?」テクテク

上条「上条さんは一人寂しく巡回任務ですよ」


美琴「そう拗ねなさんな。お昼くらい一緒に食べてあげるから」

上条「いいなそれ。……ん? 今日は大覇星祭。ハッ、もしや手作り弁当ですかっ!?」クワッ

美琴「え、違うけど」キョトン

上条「上条さんはミコっちゃんの手作り弁当が食べたい!」キリッ

美琴「ア、アンタがそこまで食べたいってんなら明日食べさせてあげるわよ。あとミコっちゃん言うな///」モジモジ

上条「よっしゃあーー!!」イヤッホゥ!!



刀夜「当麻……! 女の子に弁当を作ってもらうなんて羨ま…」

詩菜「裏山……なんですか?」ニッコォォ

刀夜「……ナンデモアリマセン」ギギギギ

美鈴「みつけたっ!! 美琴ちゃーーん、おーーいっ!!」ブンブン


美琴「うえっ!?」ビクッ

上条「父さん! 母さん!?」


瞬間ッ、上条当麻の脳内に過去の記憶が駆け廻ったッ!!!


◆◆◆◆


刀夜「何の相談も無しに結婚するなんて、水臭いぞ当麻」

上条「そ、そうだっけ?」

詩菜「母さんはてっきり――さんとするものだと思ってたわ」ハテ?



十年後――


刀夜「当麻、孫はまだかな?」

上条「え、えーっと……」

詩菜「いやだわ刀夜さん。当麻さんが困ってるじゃありませんか」メッ


二十年後――


詩菜「あまり遅いとリスクが高まるわ。当麻さん、お仕事の都合もあるでしょうけど、そろそろ考えてもいい頃合いじゃないかしら」

上条「ごめん、母さん……」

刀夜「そんな顔をするな。父さんも母さんも、何時だって当麻の味方だぞ」


三十年後――


上条「母さん……」

刀夜「母さんは最期まで当麻の心配をしていたよ。……当麻、お前は今、しあわせか?」

上条「……ああ」ポロポロ


四十年後――


刀夜「私もいよいよか……。ハハ、これで母さんに寂しい思いをさせずに済むかな」

上条「なに弱気になってんだ! 父さんはまだ…」

刀夜「当麻、父さんは幸せだったぞ。ただ一つ、心残りがあるとすれば……一目でも、孫を……見た、かっ……た……」

上条「父さあああああああああああああああんっ!!!!」ブワワ


◆◆◆◆


刀夜「やあ当麻、久しぶりだな」

詩菜「元気そうで母さん安心したわ。……当麻さん?」ハテ?

当麻「ごめん……父さん、母さん……。親不孝な息子でごめんなさい……」ポロポロ

刀夜「どうしたんだ当麻ーーっ!?」ガビーン


美鈴「どーしちゃったの彼?」ハテ?

美琴「さ、さあ?」


◇ ◇ ◇ ◇


打ち止め「おっ出っかけ♪ おっ出っかけ♪ ってミサカはミサカはぴょんぴょん飛び跳ねて全身で喜びをあらわしてみたりー」ピョンピョン

木原「緊張感のないガキだなぁ。今回はテメェらが狙われてるってのによ」ヤレヤレ

打ち止め「わぁー! 人がいっぱい、ってミサカはミサカは大興奮!」

木原「はぐれるからウロチョロすんなクソガキ」

打ち止め「あっ! あの人とお姉さま発見! ってミサカはミサカはキハラに報告してみる」

木原「何やってんだアイツら? ……ククッ、イイコト思いついた。おいクソガキ、ちょっと耳を貸せ」ニヤリ

打ち止め「なになに~? ってミサカはミサカは悪い顔のキハラを訝しんでみたり」ハテ?


刀夜「一体どうしたんだ。当麻は親不孝ものなんかじゃないぞ」

詩菜「ええ、私たちの自慢の息子ですよ」

上条「父さん、母さん……」

刀夜「せっかく久しぶりに会ったんだ。色々話を聞かせてくれないか?」

上条「そ、そうだな。それじゃあ…」


打ち止め「パパーっ!! ってミサカはミサカは抱きついてみたり~♪」テッテッテ

ギューッ

上条「おわっ!? ラ、打ち止め?」

打ち止め「えへー、パパ大好き♪ ってミサカはミサカは本能のまま甘えてみる」スリスリ

上条「ハハ、どうしたんだよ突然」ナデナデ


刀夜「…………」ポカーン

詩菜「あらあら、まあまあ」


美鈴「パパって……」ポカーン

美琴「あ、あはは……(ぎゃああーー!!! ちょ、なにやってんのよーーっ!?)」

美鈴「それにあの子、ちっちゃい頃の美琴ちゃんソックリ……」ジー

美琴「キノセイジャナイカナー、アハハー」ダラダラ


打ち止め「あっ! ママもいるー、ってミサカはミサカは今度はママに抱きついてみたりー♪」テッテッテ

ギューッ

美琴「ええーっ!?」

打ち止め「むふぅー♪ ママも大好きだよ、ってミサカはミサカはママを困らせてみる♪」スリスリ

美琴「ちょっ、えっ、なんなのこの状況!?」オロオロ


美鈴「そっかぁー、私ってば知らないうちにおばあちゃんになってたのかぁー」クラッ


美琴「ぎゃあー!? 案の定誤解されてるー!?」ガビーン


刀夜「…………」ゴシゴシ


上条「こうやってると仲よし親子に見えるのかねぇ」ホッコリ

打ち止め「うんっ!! きっと見えるよ、ってミサカはミサカは肯定してみたり」

美琴「時と場所を弁えなさいよ! 道行く人の視線が!? めっちゃ誤解されてるってばぁーー!?」ギャース


刀夜「と……当麻あああああああああああああああああッ!!!」ガァァ


上条「なに父さん?」ハテ?

刀夜「未成年なのに子供だと!? しかもこんなに大きな子供だなんて、小学生の頃に子作り!? 一体何を考えて…」

打ち止め「パパのおとーさん? じゃあミサカのおじいちゃん!?」パァァ

刀夜「えっ」

打ち止め「違うの……? ってミサカはミサカは不安を堪えて聞いてみる」オズオズ

刀夜「!!!」ズキュゥゥゥゥゥン!!!

上条「う~ん、それはどう…」

刀夜「違わないさ! 私がおじいちゃんだよ!」ギューッ

打ち止め「きゃあー♪」


詩菜「うふふ、お母さん似の可愛い子ですね」ニコニコ

美琴「いやいやオカシイですから!?」

美鈴「すでに生まれた命なら全力で愛してあげないとね。言いたい事は山ほどあるけど、ママは祝福する。おめでとう美琴ちゃん」ニコッ

美琴「なに鵜呑みにしてんのよ!? 年が合わないでしょーが!! 私は園児のころにママになったんかー!?」


この後、クソ上司の企みから端を発した誤解を解くのに、ミコっちゃんは多大な労力を支払ったという……


テッテレー


誤解を解くのに時間をロスしてしまった!!

しかしミコっちゃんは まんざらでもなかったようだ!!

上条夫妻&美鈴ママは、打ち止めにメロメロになってしまった!?


第七学区 とある病院――


打ち止め「ねぇねぇ、お姉さまたちを放ったらかしにしてよかったの? ってミサカはミサカは聞いてみたり」

木原「いいんじゃねーの? オマエの姉ちゃんと上条が仲良くなる手助けをしただけだからなぁ」ニヤニヤ

打ち止め「うん。でもキハラは悪い人だからイマイチ信用できない、ってミサカはミサカは疑いの眼差しを向けてみる」ジトー

木原「くくッ、ガキの割に冴えてるな」

打ち止め「もう! 悪いコトしたらダメ! ってミサカはミサカは自分を棚上げして怒ってみる!」プンスカ

木原「黙れクソガキ」

打ち止め「!」ピク

木原「どうにも様子がおかしい。ロビーからここまで、誰ともすれ違わねえってのは……」


ジャラジャラ


??「あっれぇー? まだ意識のある人間がいるってのはどーいうことカナ?」


木原「こういう訳だよな。ああっ、クソッ、当てが外れた。ここならクソガキ共を安全に匿えるハズだったんだがなぁ……」

打ち止め「ど、どうしたの? ってミサカはミサカは困惑してみたり」

木原「招かれざる客ってヤツだ。クソガキは下がってろ」

打ち止め「う、うん」テッテッテ


??「なになにー? あんたは逃げないわけー? ハハッ、ここは俺が食い止めるーって…」ゲラゲラ

ダンッ!!

木原「死ね」シッ

バキッ!!

??「ガッ!!」グラッ

木原「手間取らせやがって。邪魔すんじゃねぇよ」チャキ、バンッ!! バンッ!! バンッ!!

??「ちいッ」ブンッ


ビュオオオオオオオオッ!!!


木原「ヒュー、カッコイイねえ。風で銃弾を防ぎやがった」


??「やってくれるじゃないの。敵意もないのに殺しに来るなんて、あんたもマトモじゃないみたいねぇ」ニタァァ


木原「何でもいい、こっちは立て込んでんだ。だからまあ……死んでくれや」ダダッ!!


第七学区 競技エリア――


上条「父さんたちに会えたのは嬉しかったけど、結構時間をロスしちまったな」

上条「……(木原さんはもう先生のとこに打ち止めを預けてるはずだ。さっさと合流して仕事を終わらせねえと)」テクテク

禁書「今日もいい天気だね、とうま」ニッコリ

上条「……(今回は御坂を巻き込まないように細心の注意を払う。そして木原幻生を速攻で始末する……!!)」テクテク

禁書「ちょっと! 無視は酷いかも!」プンスカ

上条「ああはいそうですねー。今忙しいから、また今度な」シッシ

禁書「むうう、今度っていつ?」

上条「今度は今度だろ?」

禁書「それって絶対にこないよね!? とうまが私をあしらう時は、いっつもまた今度って言うんだよ!!」ガァァ

上条「わかってんなら聞くなよ」

禁書「どうしてそんなに反抗的なのかな!? せっかく耳寄りな情報を持ってきてあげたというのにっ!!」プンプン

上条「どうせ地球を逆回転させる術式を編み出したとかだろ? くっだらねえ」

禁書「違うもん! 罪人の処刑を行うんだよ!」

上条「はあ!?」

禁書「それと短髪のクローンが住んでる病院に、魔術師が侵入してるから忠告してあげようと…」

上条「なんだって!?」ガビーン

禁書「知ってると思うけれど、私はいずれ学園都市と敵対するんだよ。だから今日はその予行演習」

上条「予行演習……?」

禁書「とうまが病院に向かうなら、私にとって不都合な人間が一人死ぬ。逆に私を止めるなら、クローンは手遅れになるかも」

上条「テメェ……ッ!!」ギリッ

禁書「さあ、とうまはどっちを助ける? 大切な守るべき人? それとも誰とも知れない罪人?」

禁書「今まで何度も何かを選び、切り捨てて来たでしょう? ぬるま湯に慣れた今のとうまは弱いから、私が鍛え直してあげる」クスクス


上条「……(コイツ、俺を試してやがる! どうする? 冷徹になるべきか、それとも……)」


ルート分岐


a.上条「妹達の安全が最優先だ。残念だがインデックスは後回しにせざるを得ない」


b.上条「病院には木原さんが居るはずだ。なら俺はインデックスを止める! それが最善策のはずだ……!」


c.上条「この上条、容赦せんッ!!! 出し惜しみせず両方助けるに決まってんだろうが!!」※1ミコポイントを消費


といったところで今回は終了

ルート分岐発生につき、前レスのabcどれかを選んでレスってくださいませ

多数決でルートが確定します。〆切は今から二時間でー


上条「…………」

禁書「未熟だったあの頃とは違うでしょう? 躊躇うことは無いんだよ」

上条「そうだな」

禁書「与えられたリソースには限りがある。全部を守ろうなんてナンセンスだよ」

上条「倒すべき敵が複数いる状況で、全力を振り絞るなんて馬鹿のすることだよな」

禁書「やっと必要悪の教会時代のとうまに戻ってくれたんだね♪ 短髪なんかに誑かされた時は心配し…」

上条「だったら俺は馬鹿でいいッ!!」

禁書「!?」

上条「昔は背負うものなんてなかった。けど今は違うッ!!」

禁書「と、とうま……?」

上条「シスターズに手出しはさせねえ。関係ない一般人にも被害は出さねえ。……ついでにオマエの手もこれ以上汚させねえ」ドドドドド

禁書「まさか『竜王の顎(ドラゴンストライク)』の更に先の力を……ッ、こんなところで!?」

上条「覚悟しろインデックス」ギンッ!!

禁書「くッ!」ビクッ

上条「神様すら殺しきった力を今一度ッ! ――アクセスッ!!」


カッ!!!



◇ ◇ ◇ ◇


スクールのアジト――


垣根「ッ!?!?」ガタッ

心理定規「どうしたの?」

垣根「何だこの感覚……俺と同種の能力……? いや違う、コイツはもっと深度の深い……」ガクガク

心理定規「ちょ、震えてるわよ!?」

垣根「……オイ、窓の外を見てみろ」ガクガク

心理定規「えっ……何よ、アレ」ポカーン

垣根「六対十二翼の天使……だと……? クソッ、あんなバケモノが暴れたら学園都市なんざ一瞬で蒸発しちまうぞ!?」

てなわけでCルート、WA2的なノリでチートモードな上条さん無双ルートに決定ッ!

続きは次回ッ! ご協力感謝ですッ!!

投下ー


◆◆◆◆


イギリス とある孤児院――


孤児A「ねぇねぇ、最大主教さま」

禁書「なーに?」

孤児A「神様が死んじゃったってホント?」

禁書「そうだね、造物主である神は滅んだよ。私と神父さまの二人でやっつけちゃった」

孤児B「えーっ! それじゃご飯の前のお祈りは無駄ってことじゃん!」

禁書「ふふ、そんなことないよ。本当の神様は、みんなの心の中に居るんだから」

孤児A「こころの中?」ハテ?

禁書「うん、心の中。そこから何時だってみんなを見守ってくださってるんだよ」

孤児B「ふ~ん」

禁書「だから良い子にしてないと、罰が当たっちゃうから気をつけないとね」

孤児A「はぁーい」

孤児B「じゃあさじゃあさ! 最大主教さまと神父さまは、どっちが強いの?」ハテ?

禁書「んー、難しい質問だね」

孤児A「そんなの最大主教さまに決まってるよ。だって神父さまってば、いっつもお仕置きされてるもん」

孤児B「そういえば昨日も神父さま黒コゲになってた!」


上条「誰が黒コゲだって?」テクテク


孤児A「あ、神父さまだ!」

孤児B「今日も黒コゲになりに来たの?」

上条「なんでだよ!?」ガビーン


禁書「……(確かに私はとうまより強い。でもそれは、とうまが十字教の範疇に収まってるからなんだよ)」


孤児A「神父さまってよわよわだよねー」

上条「はぁーーッ!? イギリス清教の暗部を仕切る上条さんが弱いですと!?」

孤児B「えー、カミジョー神父は最大主教さまのヒモじゃないのー?」

上条「おいちょっと待て誰に聞いた聞き捨てなんねーぞでも最近そうじゃないかなんて思い始めてる上条さんだったり!?」ギャース


禁書「……(後先考えない本気のとうまと戦えば……ううん、そんな事はあり得ない。とうまが私と本気で敵対するなんてあり得ないよ)」


◆◆◆◆



禁書「あ……ああ……」


10万3000冊を統べる魔神は恐怖していた。
世界に存在する全ての戦力を凌駕する恐るべき魔神であり、老獪な統率者であるインデックスを震えあがらせる唯一の存在。

本気の上条当麻にインデックスは恐怖していた。


上条「――アクセスッ!!」


上条の咆哮と呼応するように、『幻想殺し』という檻に閉じ込められていた悪竜が目を覚まし、その右手から噴出する。


上条「十字教世界の楔を破棄――『竜王の顎(ドラゴンストライク)』から『光を掲げる者(ルシフェル)』へシフト」


十字教世界における悪の象徴たる右手のドラゴンは分解され、光り輝く六対十二翼が背中に再構築される。


上条「SYSTEMへ接続――操作範囲を太陽系・第三惑星に限定――掌握率98.998%」


人間には辿りつけない真理。絶対運命と称するべきアカシックレコードへの接続。文字通り神の領域を踏破する。


上条「求める結果から逆算――学園都市で調整中の妹達49名の死が確定。打ち止め及び木原数多が74%の確率で死亡」

上条「食蜂操祈の精神崩壊が確定――確定した事象を改変。数値入力、ゲマトリア変換――誤差修正」

上条「――エラー発生、食蜂操祈の運命の改変に失敗――再試行――失敗――保留、除外――改変成功率99.999999%」


望む結末への道筋を演算し終えた上条は、翼の一振りで一気に学園都市上空、成層圏まで舞い上がる。

十二枚の羽を広げると同時に複数の幾何学的な魔法陣を展開。それは幾重にも重なり合い、やがて積層型立体魔法陣を形成する。

そこから発生する破滅的な力の高まりは止まるところを知らず、上条の右手へと収束し

そして……







上条「封神八十七式 烈光流星乱舞――ガンマ・レイ――」








トリガーワードと共に、幾千の光条が地上に降り注いだ。


CASE 21 光を掲げる者


第七学区 とある病院――


??「ほらほらぁー!! さっきまでの威勢はどーしたの? 死ぬのが怖くなっちゃったカナー?」カンッ、キンッ


ドガガガガッ!!!


木原「クソッ、隙がねえ。もうちょいサンプルが集まれば法則を解析できそうなモンだがッ、あっぶねえ!?」ヒラリ

打ち止め「キハラ……」オズオズ

木原「そんな顔しなくても見捨てねえよ。上条と殺りあうより、あのイカレ女をぶっ殺すほうが楽だからなぁ」ニヤリ


??「あら? あんた上条当麻のお知り合い?」


木原「人様に物を尋ねる時は、まずテメェから名乗れってママに習わなかったかよクソ女」キン、ポイッ


コロコロ


??「『神の右席』の一人、前方のヴェント。地下に居た気色悪いヒトモドキ共は口を割らなかったのよねぇ。だから…」


ズガンッッ!!!!!


木原「ぎゃはははははは!!! 見たかよオイ、あのクソ女の足元で爆発しやがった!」

打ち止め「あわわ、容赦無さすぎ、ってミサカはミサカはキハラの蛮行に驚愕を隠せなかったり」ギャース

木原「褒めんな、照れるだろうが」ククッ

打ち止め「褒めてない! ってミサカはミサカは…」

木原「それより妹達の状態を確認しろ。たしかここに居るのは9983号から10032号までだったはずだ」

打ち止め「わ、わかった、ってミサカはミサカはネットワークを駆使して下位個体の安否を確認してみる!」


木原「にしても屋内で爆発物なんか使うもんじゃねぇな。煙たくて仕方ねえ」

打ち止め「あっ」

木原「どうした、死んでやがったか?」

打ち止め「死んでないもん!! ただネットワークから切断してるから意識がないのかも、ってミサカはミサカは危惧してみたり」

木原「気絶or死亡ってか。凄絶だねぇ」ケラケラ

打ち止め「縁起でもない!? ってミサカはミサカは猛抗議っ!!」プンスカ

木原「プリプリ怒んなって。姉ちゃんみたく情緒不安定になっちまうぞ」

打ち止め「うっ、それは少し困る、ってミサカはミサカは……ッ!?」

木原「おっと」グイッ


ドガッ!!!


ヴェント「ざぁ~んねん!! あと少し反応が遅れてれば、そこのチビガキをぐちゃぐちゃの肉塊に変えれたのにさー」ニタァァ


打ち止め「ッ!?」ビクッ

木原「あーあ、オマエ死んだわ」


ヴェント「はぁ?」


木原「もう手遅れ処置なしってヤツだ。普段なら全治一生の半殺しで済みそうなモンだが、今日は日が悪い……うん、どう考えても殺されるわ」ウン


ヴェント「もしかして時間稼ぎのつもり? ならお粗末にも程が…」


ジュッ


ヴェント「…………え」パタリ


木原「ほらな?」

打ち止め「えっ、えっ? 何がおきたの、ってミサカはミサカは大混乱!?」アウアウ

木原「超長距離から追尾性のあるレーザーみたいな能力で狙撃したんだろうぜ。まったく理解できねぇけどな」ヤレヤレ


大覇星祭 資材置き場――


プスプスプス


T:GDだったもの『『『『『『』』』』』』シーン

T:MTだったもの『』チーン


馬場「い、一体何が起きたっていうんだ」ポカーン

馬場「これじゃあ目的を果たせない……。いや、このT:MQ(タイプ・モスキート)があればまだ…」スッ


ジュッ


T:MQだったもの『『『『』』』』サラサラ


馬場「えっ」

馬場「僕が手に持っていたT:MQが消し炭に……」

馬場「…………」プルプル

馬場「う、うわああああああああああああああああああッ!?!?」ダダッ


第七学区 学舎の園――


ギュン! ギュン! ギュン!


禁書「むうーっ!! しつっこいんだよ!! ――我は紡ぐ 光輪の鎧ッ!!!」フォン!


パキーン!


禁書「学園都市の住人に強い害意があるモノだけをピンポイントに狙ってるの!? 敵に回すとこんなに厄介だなんて!」テッテッテ

ジュッ

幻生「うぎゃああああああああああッ!?!?」パタリ

禁書「ああっ!? いかにも悪そうな老人が焼かれたんだよ!?」ガビーン


上条「お前もまとめて焼き払うつもりだったんだが、流石にそう甘くはないか」バッサバッサ


禁書「追いつかれた!?」

上条「驚くことねえだろ。やろうと思えば世界の果てだろうが、月の裏側だろうがひとっ飛びなんだ」

禁書「とうま! その力はみだりに振るっていいモノではないんだよ!!」

上条「知ってるさ。世界の半分を敵に回すって言いたいんだろ?」

禁書「理解してるならなんで!」

上条「そんなの魔術サイド全部より、テメェ一人の方が脅威だからに決まってんだろーが」ゴゴゴゴゴ

禁書「妻である私に手を上げるの!? DVなんて許され…」

上条「おらあーーっ!!」ブオオオッ!!


ズバァァァーーー!!!


禁書「ぎゃあ!? は、羽根で薙ぎ払うなんて……!」

上条「チッ、無傷かよ」ボソッ

禁書「舌打ち!?」


上条「強すぎるってのも考えものだな。周りに配慮しながら戦うのも一苦労だ」

禁書「とうまのくせに生意気なんだよ!」ガァァ

上条「悪いコトはいわねえ、降参しろ。いくらお前でも、何の準備もなしに勝てると思ってないよな」

禁書「……そうだね、因果律に干渉できる今のとうまは無敵かも」ムムム

上条「けど食蜂には干渉できなかった。お前が関わってるんだろ、インデックス」

禁書「フンだ、知らないもん」

ガシッ

禁書「と、とうま?」

上条「質問は一回こっきりだ。食蜂は何処にいる?」ニッコリ

禁書「だから知らな…」

ミシミシミシ

禁書「イタイいたい痛いィィーーー!!! あ、頭を握りつぶさないでーー!?」ギャース

上条「喋りたくなったか? クックック、今日の上条さんは優しくないぞ」ニヤリ

禁書「ヒーローにあるまじき邪悪な笑みかも!?」

上条「シスターにあるまじき邪悪の化身が言うな。第一、今の俺はサラリーマンですー、学園都市の敵を駆逐する番犬なんですぅー」

禁書「世界を救った英雄の、『光を掲げる者』としての誇りはないの!?」ガビーン

上条「ハッ、プライドで借金が減るかよ」シレッ

禁書「すっかり飼い馴らされちゃって……! それもこれも全部短髪のせいなんだよ!!」

上条「お前と違って性根の優しい子だ。アイツらを守るためなら、地獄の底だろうが駆け抜けてやる!」キリッ

禁書「借金地獄でしょ!?」


上条「地獄の沙汰もカネ次第ってな。で、食蜂の居場所を教える気になった?」

禁書「タダで教えると思う? それなりの誠意を…」

メキメキメキ

禁書「軋んでる軋んでる痛いからやめてーーっ!?」ギャース

上条「遠慮すんな、誠意(暴力)が欲しいんだろ?」ニッコリ

禁書「わ、わかったんだよ! 教えるから放してぇぇーー!?」

上条「はいはい」パッ

禁書「うう~! 頭がズキズキするんだよ……」

上条「最初から素直に教えろよな。それで食蜂は…」


禁書「教えるわけないでしょ! ばーか、ばーか! とうまのバーカ!!」スタコラサッサー


上条「…………」イラッ


◇ ◇ ◇ ◇


常盤台中学 体育倉庫――


食蜂「むぐぐ、んんんーーー!!!」ジタバタ

アウ「間然、猿ぐつわを噛ませてもこの煩さとは。ええい、大人しくしていろ!」ギロッ

食蜂「うう……」ガクブル


食蜂「……(どーしてこんな場所に監禁されてるのよぉ……)」ガクブル

アウ「当然、聖女インデックスの不興を買ったからに決まっている」

食蜂「……(誰よそれ、……って、思考力を読まれてる!?)」

アウ「必然、我が『黄金練成(アルス=マグナ)』の前に不可能はない。君が能力を行使できぬのも その一端だ」ドヤッ

食蜂「……(知らないわよ変態っ! 女子中学生さらってイイ気になるなんてサイテーよぉ!!)」プンプン

アウ「生意気な小娘だ。フン、ひとついい事を教えてやろう」

食蜂「……(そんなの興味ないから早く解放してくれないかしらぁ)」

アウ「憮然、怖いもの知らずにも程がある。君の態度如何で余生がほんの少し伸びるチャンスだというのに」ヤレヤレ

食蜂「……(よ、余生って……)」

アウ「君は贄なのだよ。聖女インデックスを慰める栄誉を与えられた生贄だ」

食蜂「!?」ゾクッ

アウ「悠然、怯えることはない。ただ死を受け入れよ」

食蜂「……ッ(はァーーーッ? だ、誰が怯えてるっていうのぉ!? どーせすぐに助けが…)」

アウ「当然、助けなど来ない。この場は既に聖女インデックスの力で異空間化しているからな」

食蜂「ッ!!(わ、わけ分かんない!!)」

アウ「幻想殺しならばこの場に介入するのも可能だろう。しかしかの少年は超電磁砲の少女に執心しているではないか」

食蜂「!」


食蜂「……(御坂さんは関係ないでしょぉー!! 私のほうが女子力高いし!! てゆーか彼は関係ないしぃー!?)」アウアウ

アウ「傲慢に振る舞っていても、その内心は繊細な乙女ではないか。幻想殺しの少年が救ってくれると信じているとは」

食蜂「……(だ、黙りなさいよぉ///)」カァァ

アウ「憮然、そうなると万が一を考慮すべきか」ギロッ

食蜂「!?ッ」ビクッ

アウ「仮に助けが来たとしても手遅れな状態ならば問題無い」

食蜂「……(な、なにをするつもり!)」

アウ「当然、君の精神を完全に破壊する。二度と修復出来ぬよう、念入りに徹底的に」ニヤリ

食蜂「……ッ(人をモルモット程度にしか考えてない科学者と同じ目をしてる……。ま、まずいわねぇ)」

アウ「ハハハッ、存分に怯え恐怖せよ。その負の感情こそが彼女を慰めるのだからな!!」

食蜂「~~~~ッ!!!(たすけてぇ、上条さん……!!)」

アウ「漠然! 有りもしない希望を打ち砕いてくれる!」


ガラガラ


禁書「待つんだよっ!!!」ヘノヘノカッッッッッパ!!!


アウ「!?」


禁書「アウレオルス! すぐにその女から離れてっ!!」

アウ「ハッ、出過ぎた真似をして申し訳…」

禁書「そうじゃない! 早くその女への害意を捨てないと……ッ、き、来た!?」ゾクゾクッ

アウ「は? 何を慌てぶぎゅるごッ!?!?」バターン!


上条「おっと、やっぱこの状態だと手加減が難しいな」バッサバッサ


食蜂「!?」


それはまるで一枚の絵画のようであり、荘厳な叙事詩の再現だった。

薄暗い体育倉庫を眩く照らす、光り輝く天使の翼。夜の深さを閉じ込めたような漆黒の髪。

無駄のない引き締まったカラダは、ルネサンスの巨匠が作り上げた彫像を彷彿とさせる。


上条「空間の位相をずらしてたのか。道理で狙い撃てないわけだ」


凛とした声音に、透きとおった眼差し。


上条「無事か?」

食蜂「ぷはっ、か、上条さん!?」


食蜂を拘束していた戒めを解き、優しく抱き上げる。


上条「よく頑張ったな。もう大丈夫だ、これ以上 食蜂には指一本触れさせやしない」

食蜂「……///」


慈愛に満ちた優しい頬笑みを浮かべる上条。

熱病にかかったかのように顔を真っ赤に染めた食蜂が、コクリと小さく首を縦に振る。

その姿はさながら誠実な騎士と姫君のようだ。


禁書「とうま、裸でカッコつけても滑稽なだけかも」


上条「おわっ!? いつの間にやら素っ裸!?」

食蜂「上条さぁん……///」ポッ

上条「ぎゃあー!! 素っ裸でJCを抱っこだなんて、言い訳の余地なく変態じゃねーか!?」


禁書「能力の制御が甘々なんだよ。亜光速で動きまわれば洋服なんて一瞬で燃え尽きて当然かも」


色々と台無しだった。


禁書「パンツくらい穿いてよね、みっともない」


上条「くそッ!! せっかく本気モードになったってのに締まらねえ!?」

食蜂「……(上条さんの腕……とっても逞しい///)」モジモジ

上条「しょ、食蜂さん? 誤解しないで頂きたいのですが、当方にアナタ様を辱める変態的意図はございませんの事よ!?」アウアウ

食蜂「は、はい……///」テレテレ


禁書「――カイザード・アルザード・キ・スク・ハンセ・グロス・シルク 灰燼と化せ 冥界の賢者 七つの鍵を持て 開け地獄の門」ムカムカッ


上条「とと、とにかく何か着る物をッ、インデックス!?」

食蜂「お、お洋服なら私が! 助けていただいたお礼をさせてください……///」キュンキュン

上条「礼なんて要らないっつーか、今はそれどころじゃねえ!?」ギャース


禁書「大霊界で反省してっ!! 七鍵守護神(ハーロ・イーン)!!!」


ピカッッ!!!


上条「くッ、この前みたいにやれると思うなああああああああああッ!!!」



◇ ◇ ◇ ◇


第七学区 大覇星祭運営委員会テント――



ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!



黄泉川「な、なんだ!?」

浜面「地震っ!?」

御坂妹「ッ、あれを見てください、とミサカは学舎の園のある方角を指差します」

黄泉川「は……?」

浜面「光の柱が空に……ッ、行くぞ御坂妹!!」ダダッ

御坂妹「了解、とミサカは同僚に続きます」タッタッタ


黄泉川「アイツら……! オイっ!! 被害状況はどうなってる!!」

警備員「今問い合わせてます!」


学舎の園 常盤台中学跡地――


上条「フフン、さすがに余裕で防げた……ッ、ええーーっ!! 辺り一面更地になってるーー!?」ガビーン

食蜂「すっごぉーい……」ポカーン


ヒューールルルーー


禁書「ちょっとやり過ぎちゃったかも、てへっ♪」テヘペロ


上条「てへじゃねーよてへじゃ!? 常盤台がマルっと消滅してるじゃねーか!!」

食蜂「壮絶ねぇ……」ゴクリ


禁書「大覇星祭中で敷地内に人は居なかったんだよ。幸いだね」シレッ


上条「幸いじゃねぇんだよ!! 上条さんは経験則で知っている、今回の損害も俺の借金に上乗せするんだろチクショー!!!」

食蜂「常盤台は校舎の造りも一級品だけどぉ、それより問題なのは調度品でしょうね。絵画一点で10億とかざらだし」ウン

上条「やっべえ……!」


禁書「形あるモノ、いつか滅び去るんだよ」ウン

上条「滅ぼしたのはテメェだけどな!!」


浜面「アンチスキル特務支援課だ! この惨状を引き起こしたのはお前らかっ!!」タッタッタ

御坂妹「両手を上げてこちらの指示に従いなさい、とミサカは警告します」タッタッタ


上条「お巡りさん犯人はコイツです……って居ねえ!?」

食蜂「逃げたのかしらぁ?」ハテ?


浜面「てかよく見たら大将じゃん。てことは」

御坂妹「白い悪魔の仕業ですか、とミサカは忌々しげに呟きます」

浜面「……だろうな」

上条「後先考えずの全力だったのに逃がしちまったか。まあ一先ず危機は脱したんだ。良しとすっか」ウン

御坂妹「おや、あなたは女王、とミサカはほくそ笑みます」プークスクス

食蜂「もうその煽りはいいからぁー!?///」カァァ

浜面「しかもお姫様だっことか。つーか何で大将は素っ裸なんだよ……」ゲンナリ

上条「いやー、これには深い事情が…」


黄泉川「こちらは警備員じゃん!! そこの変態っ! 婦女暴行と猥褻物陳列罪の現行犯で逮捕する!!」


上条「ええっ!?」

食蜂「!」キュピーン


黄泉川「こんな事をして! 故郷の親御さんが泣いてるじゃん!!」


上条「両親学園都市に来てますから! ていうか俺も一応アンチスキルですから!?」


黄泉川「全裸の警備員なんて居てたまるか! 説得力に欠けるじゃんよ!!」

御坂妹「待ってください。彼の言うことは正し…」

黄泉川「御坂は離れてるんだ。奴の様な変態には格好の餌になる!」


上条「俺は変態じゃねえ!? 食蜂からも言ってやってくれ!」ギャース

食蜂「ええ、もちろんよぉ」ニコニコ


上条「ほら御覧になってこのフレンドリーな関係! どっからどう見ても…」

食蜂「仲良しカップルよねぇー♪」ニコニコ

上条「そう、仲良しカップル……じゃねーよ!!」

食蜂「そういう事にしておけば万事解決じゃない。嘘も方便力でしょおー?」ヒソヒソ

上条「いいや違うね! その嘘が更なる不幸を招く予感ビンビンだね!」

食蜂「じゃあ嘘をホントにすれば……///」

上条「上条さんは御坂一筋なんです! 例え逮捕されようが、そこだけは絶対に曲げられねえ!」キリッ

食蜂「へぇ……」ピキ

上条「分かったら俺の無実を証明してください」

食蜂「お巡りさぁーん、たぁーすけてぇー」ボーヨミ

上条「ちょっ!?」


黄泉川「いたいけな中学生を助けるじゃん! 総員、突撃ィィィッ!!!」ダダッ

警備員ABCDE「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」」」」」ダダッ


上条「ぎゃあああーー!!! 痛い痛い警棒で殴らないでっ!! てかマジで上条さん逮捕されちゃうの!?」ガビーン

黄泉川「貴様には弁護士を呼ぶ権利と黙秘権が与えられるじゃん」

上条「そんなの雇う金ありませんからーー!? つーかお前ら見てないで助けてぇぇーーー!!!」

黄泉川「話は詰め所で聞くじゃんよ」


浜面「あれ、これって不味くね?」

食蜂「私の好意力を無碍にするのが悪いんだゾ☆」キラッ

御坂妹「女王の証言が決め手になりましたか、とミサカは男性の立場の弱さを指摘します」

浜面「冷静だな……」


学園都市某所――


幻生「やれやれ、酷い目に会ったよ」

馬場「面倒をみるのはここまでだ。これ以上は付き合いきれない!」

幻生「それはメンバーの総意かね?」

馬場「ああそうだよ! こんなリスキーな仕事だなんて聞いてない! 当然の判断だろ!?」

幻生「リスキーだからこそリターンが見込めるのだよ」ニタニタ

馬場「クソッ、もう二度とアンタの依頼は受けないからな!」テクテク


木原「そりゃ賢明だ」シッ

ドゴッ!!

馬場「おごっ!?」ドサッ


幻生「ほっほ、お前がここに来たということは、僕もお終いかぁ」

木原「ま、そういうこった」

幻生「いやしかし、アレイスター君も人が悪いね。レベル6に至ったサンプルを一人占めしてたなんてさ」

木原「そんだけテメェに信用がないんだろ」

幻生「お互い探究者だからねぇ」

木原「ずいぶんと殊勝だな。抵抗しないのか?」

幻生「既に詰んでいるのに投了しないのは愚か者のする事さ。仮にこの場を凌いでも幻想殺しからは逃げきれんよ」

木原「まあな」

幻生「好奇心は尽きないが去り際は心得ている。さ、早いトコ始末をつけてくれ」

木原「おうよ」チャキ


バンッ!!


アンチスキル詰所――


黄泉川「ネタはあがってるんだ、さっさと吐いて楽になるじゃん」シイタケ

上条「だから俺は無実なんです!!」

黄泉川「状況証拠に食蜂の証言。無実なんて信じられないじゃんよ」シイタケ

上条「た、たしかに素っ裸でした。でもそれは…」

黄泉川「露出狂か?」シイタケ

上条「ちげーよ!?」ガビーン

黄泉川「落ち着け、誰にだって過ちはあるもんだ。大切なのは罪を認め償うことじゃん」シイタケ

上条「それ自分にも当てはめてっ!? これ誤認逮捕ですから!!」

黄泉川「仕方ない。そこまで言うなら信じてもいいじゃん」シイタケ

上条「マジで!?」

黄泉川「その代わり条件がある」シイタケ

上条「条件?」ハテ?

黄泉川「御坂美琴を捨てて、食蜂に乗り換えるじゃん///」シイタケ

上条「ぶっ!! な、何言ってんですか!?」

黄泉川「さあどうする///」シイタケ

上条「そして何で赤くなってんの!? つーか食蜂! オマエの仕業だろ!!」


食蜂「えへー///」ヒョコ


その日の夜


グループのアジト――


美琴「ええーっ!! アイツが逮捕されたですって!?」ガビーン

御坂妹「はい……、とミサカは不安を露わに肯定します」ズーン

浜面「木原のオッサンが裏から手を回してっから心配ないって」


ガチャ


上条「ただいまー」


御坂妹「あっ」パァァ

浜面「ほらな、心配なかったろ」

美琴「ええ……でも何でアンタが一緒なのかしら、食蜂!」ピキ


食蜂「本日付でグループに編入された食蜂操祈です☆ よろしくお願いしまぁーす」ニコッ

上条「なんでこんな事に……」ゲンナリ


美琴「ちょっと! これは一体どーいうこと!!」ガァァ


食蜂「やぁーん、御坂さんてば野蛮力凄すぎぃ~」ギューッ

上条「こらっ! 女の子が無闇に抱きつくんじゃありません!」メッ

食蜂「こんなコト、あなた以外にしないわよぉ///」


美琴「ほう」ピキピキ


上条「ああっ!? 御坂が誤解してるじゃねーか!」

食蜂「さっきも言ったけどぉ、誤解を真実にすればいいじゃなぁーい♪」

上条「ふざけんな!」

食蜂「もう、つれないわねぇ。あんな風に助けておいて、その態度は無責任だと思わない?」

上条「思いません!」

食蜂「まあいいわぁ、簡単に手に入らない方が燃えるしぃー♪」

上条「燃えなくていいから!? 上条さんは御坂が好きなんだあああああああああああああッ!!!」


美琴「馬鹿なコト叫んでないで、早く離れろーーーー!!!///」カァァ



浜面「何やってんだか」ヤレヤレ

御坂妹「無事に釈放されてよかった、とミサカは安堵に胸を撫で下ろします」ホッ


テッテレー


上条当麻は『光を掲げる者(ルシフェル)』へ変身可能になった!! ※以後一カ月経過するまで再使用不可

上条当麻はミサカ9983号~10031号、及び木原数多の運命を変えることに成功した!!

上条当麻は食蜂操祈の救出に成功した!!

上条当麻は1ミコポイントを消費した!! ※現在所持数=2ミコポイント


テレレレテッテッテー♪


白い悪魔打倒に必要な人材、心理掌握がパーティーインしました!!!


第二十三学区 エンデュミオン――


テッラ「幻想殺しとケンカした?」

ローラ「それでかように消沈しておるの?」チラッ



禁書「怒ることはあっても、本気の力を向けられたことはなかったのにぃ……」ションボリ



アウ「騒然っ!? なんとか彼女を慰める手立てはないのか!」ヒソヒソ

テッラ「難しいですねー。所詮コマにすぎない我らに、あの御方の悩みを取り去るのは些か……」ヒソヒソ

ローラ「ステイル! 今こそ英国紳士としての器量を発揮……ってステイルはいずこ?」ヒソヒソ

テッラ「そう言えば見当たりませんねー」ヒソヒソ

ローラ「こんな時に何処で油を売りたるのかしら」ヒソヒソ

アウ「唖然……このような書置きを見つけたのだが」スッ


書置き『探さないでください by ステイル=マグヌス』


ローラ「い、家出……?」

テッラ「思春期の情動は理解不能ですねー」ヤレヤレ



禁書「とうまのばかぁ……」メソメソ


テッテレー


インデックスは、上条当麻に本気で敵対されて激しく落ち込んだ!!

ステイル=マグヌスは、とある目的のため家出してしまった!!

といったところで今回は終了
最強の魔神がアレならば、最強の中の人はコレしかあるまいー

投下ー


学園都市 第七学区 とある学生寮 一方通行さンち――


ステイル「神裂、頼みがある」ズイッ

神裂「な、なんですか、突然訪ねてきて藪から棒に」

ステイル「あの子を救うために力を貸して欲しい」

神裂「話が見えないのですが……」

ステイル「どういう訳か彼女は10万3000冊を使いこなしている。そしてその力を背景に恐ろしい事を企んでいるんだ」

神裂「…………」ポチポチ

ステイル「今まで必要悪の教会を始め、イギリスは彼女を都合のいい様に利用してきた」

神裂「そうですね……」

ステイル「だから彼女の行動にも一応の正当性があるかもしれない。だけど僕は止めるべきだと思ってる」

神裂「…………」ポチポチ

ステイル「例え裏切り者の謗りを受けようと、彼女の過ちを正したいんだ」

神裂「はい……」

ステイル「頼む、神裂! 無理を承知でお願いする。僕に力を貸してくれ!!」ペコリ


神裂「ああっ!? 貧乏神をなすりつけましたね!!」

一方通行「ぎゃは!! ボケっとしてるオマエがマヌケなンだよ」ポチポチ

土御門「スズやんは容赦ないにゃー。ねーちんは初心者なんだから手加減してやらないと」ポチポチ

神裂「牛歩カード!?」ガビーン

建宮「土御門も酷いのよ。貧乏神に憑かれてるのに牛歩は鬼畜の所業よな」ケラケラ

神裂「くッ、寄ってたかって私をカモにするつもりですね。……いいでしょう、受けて立ちますっ!!」キリッ


ステイル「…………」

五和「あ、あの……元気を出してください!」アセアセ

オルソラ「お茶はいかがでございましょう? お口に合えばいいのでございますが」

ステイル「……ありがとう」ゲンナリ


九月二十五日


グループのアジト――


上条「うだー……」グッタリ

美琴「ほら、いつまでグッタリしてんのよ。しゃっきりしなさい!」メッ

上条「初日に無理し過ぎたからなぁ。いやはや、寄る年波には勝てんのう」

美琴「私と二つしか違わないでしょーが! まったく、もう」ヤレヤレ

上条「ミコっちゃんは元気ですねぇ。大覇星祭でも大活躍だったそうじゃん」

美琴「ふっふーん、長点上機に大差をつけて優勝したわよ」エッヘン

上条「偉い偉い」ナデナデ

美琴「こ、子供扱いすんな!! てゆーか頭撫でるなっ!!///」テレテレ


御坂妹「お疲れ様です、とミサカは大過なく大覇星祭の警備を終えた労いをします」

浜面「おう、御坂妹もお疲れ」

御坂妹「結局初日以降、白い悪魔に目立った動きはありませんでした」

浜面「大将にビビって縮こまってんじゃねえの? な、食蜂」チラッ


食蜂「痛い痛ぁーい! もっと優しくしてぇー!?」ビキビキ

打ち止め「大げさね、ってミサカはミサカは勢いよくシップを貼ってみたり」パシーン!

食蜂「ひぎぃぃッ!?」ギャース


浜面「…………」

美琴「情けないわねー。ちょろっと競技で引っ張り回しただけなのに筋肉痛?」

御坂妹「一般的なお嬢様とお姉さまを同等に考えるのは酷では? とミサカは野生児並の体力を持つ姉に苦言を呈します」

美琴「誰が野生児か!?」ガビーン

上条「大丈夫だよ、御坂。俺はワイルドな御坂を応援してる」キリッ

美琴「フォローになってないわよ!!」ガァァ


御坂妹「時に、明日から三日もお休みを頂いたわけですが、とミサカは話をぶった切ります」

打ち止め「どこか遊びに行きたーい! ってミサカはミサカは提案してみる!」

美琴「せっかくのお休みだもんね」ウン

御坂妹「美味しいもの食べ歩きツアー……とミサカは小さな声で主張してみます」ボソッ

打ち止め「えーっ、ミサカは遊園地に行きたい、ってミサカはミサカは駄々をこねてみたりー!」

御坂妹「いいえ、時代はグルメを求めています、とミサカは上位個体(クソガキ)の意見を却下します」

打ち止め「なんだとー!? ってミサカはミサカは下位個体の反逆に戦慄を隠せなかったり」

美琴「こらこら、ケンカしないの」メッ

御坂妹「ケンカなどしてません。美味しいものを食べ、心を豊かにする事の有用性を説いていた、とミサカは…」



上条「なになに、遊園地に行きたい?」

打ち止め「うん! ってミサカはミサカは9982号に先んじてあなたの懐柔を試みる!」

上条「もちろんいいとも。明日は第六学区の遊園地に行こうな」ニコニコ

打ち止め「わぁーい! やったぁー! ばんざーい!! ってミサカはミサカは全身で喜びを露わしてみたりー♪」キャッホウ♪



御坂妹「ミサカのグルメ……」ションボリ

美琴「あ、あはは……。元気出しなさいよ、遊園地のレストランだって捨てたモンじゃないわよ」

御坂妹「なるほど、テーマパークにありがちな不味いくせに無駄に高いレストランですね、とミサカは死中に活を見出します」

美琴「……さーて、お弁当の仕込みをしなくっちゃ」

御坂妹「却下です、とミサカは風情を介さない姉を羽交い絞めします」ガシッ

美琴「は、放せーーっ!! アンタと違って私に無駄遣いする余裕はないんだからー!?」ジタバタ


ギャア!! ギャア!!


食蜂「遊園地ねぇ……」

浜面「このあいだは有耶無耶になっちまったし初春も誘ってみるか」

食蜂「明日には筋肉痛引いてるかしらぁ……いたた」ビキビキ

浜面「そんなに酷いの?」

食蜂「酷いなんてものじゃないわよぉ……。私は運動が苦……こほん、私は人より少しだけ、ほんのすこぉーしだけ運動が得意じゃないのに御坂さんたら」


美琴「要は運痴なのよねー」


食蜂「は、はぁーーーーッ!?」ガビーン

浜面「おまっ、女の子がうんちとか言うなよ!? せめて『丸いもの』とか言葉を濁せよ!?」ガビーン

食蜂「そっちの意味じゃないわよ! 馬っ鹿じゃないのぉーー!?///」カァァ

浜面「他にどんな意味があるってんだ!? うんちはウンチだろーが!!」

食蜂「下品なワードを連呼しないでぇーーっ!?///」ギャース

浜面「ハッ、もしかして漏れそうなのか!?」

食蜂「なにが!?」

浜面「そりゃ話の流れからアレに決まってんだろ。その……丸いものだよ///」カァァ

食蜂「…………死んで?」ピ

浜面「はい、食蜂様」シイタケ


ダダダダダダダッ!!!


浜面「アイ・キャン・フラァァァーーーーーーーイッ!!!!」シイタケ

美琴「ちょっ、浜面さんがベランダから飛び降りようとしてるーー!?」ガビーン

上条「コンビニにでも行くのか?」ハテ?

御坂妹「ではついでにシュークリームを買ってきてください、とミサカはちゃっかりお願いします」

美琴「馬鹿言ってないでアンタたちも止めなさいよ!?」


こうして夜は更け……


第二十三学区 エンデュミオン――


アウ「整然、進撃の準備は整った!!」クワッ

ローラ「まったく、人使いが荒きことブラック企業の如しなのだから……」

テッラ「連合王国など何するものぞ。我が信仰心の前ではゴミ同然ですねー」


禁書「その意気やよし!!」


アウ「聖女インデックス! 我らが盟主にして神の地上代行者よ!」

テッラ「どうか我らにご命令を」


禁書「命令(オーダー)は見敵必殺(サーチ&デストロイ)!!! 目標、連合王国ッ!! 全力で粉砕するんだよ!!!」キリッ


アウ「ジーク・ハイル!!」

テッラ「ジーク・カイザー・インデックス!!」










ローラ「…………」ニッコリ



ある者は陰謀と野望渦巻く進撃を開始し……


第七学区 窓のないビル――


アレイ☆「かの魔神はイギリスを取るのか。ふふ、それもまた一興」

土御門「なんだ、慌てないのか?」

アレイ☆「どこに慌てる要素がある? 私は、学園都市は無敵の守護天使を得たのだ。恐れるモノなど有りはしない」

土御門「『光を掲げる者』か……。しかしアレは良くないモノじゃないのか?」

アレイ☆「天界の三分の一を率いて神に反逆した堕天使。『魔王(ルシファー)』であると言いたいのだろう?」

土御門「…………」

アレイ☆「心配はいらない。そのような風聞は十字教の欺瞞だよ」

土御門「欺瞞だと?」

アレイ☆「シュメールの戦女神イシュタルを、悪魔大公爵アスタロトと貶めて悦に入る馬鹿者どもの宗教だ。分からないか?」

土御門「なるほど……。唯一神を信奉する以上、都合の悪い存在は皆アクマか」

アレイ☆「そもそもルシフェルは地獄に叩き落とされたのではない、むしろ逆だと私は考えている」

土御門「逆?」

アレイ☆「彼は自ら望んで地獄に落ちたのだよ。知恵の実を食べ、楽園を追放されたか弱き人間を護るために」

土御門「この世界こそが地獄か。言い得て妙だな」

アレイ☆「だからこそ、暗部に堕ちても輝きを失わず妹達を護っているのだろう」

土御門「自分で堕としておいて抜け抜けと。まあ貴様の講釈は理解した、そしてここからはオレの提案だ」ニヤリ

アレイ☆「ほう、なんだね?」



またある者は保身と慢心に浸り、お節介焼きは暗躍する……


九月二十六日


第二十三学区 超音速旅客機内――


上条「は?」

美琴「え?」

浜面「なんで俺たち飛行機に乗ってんの?」

御坂妹「しかもこれは超音速旅客機、とミサカは不吉な予感に冷や汗をかきます」ヒヤリ

食蜂「てことは海外へ行くのかしらぁ?」ハテ?

浜面「遊園地に行くんじゃなかったのかよ」

初春「そ、そうですよ! 今日は遊園地でデ、デデデートだって聞いてたのに……///」モジモジ

佐天「ならんッ!! このあたしの目の黒いうちは、初春(パンツ)とデートなんて認めんぞおおおおッ!!!」クワッ!!

初春「ていうか何でついて来てるんですか佐天さん!?」ガビーン

佐天「何言ってんの? あたしと初春は一心同体、二人でワンセットでしょ」ウン

初春「抱き合わせ商法みたいに言わないでください!」


ピンポンパンポーン♪


木原『あー、これより当機は離陸するから速やかにベルトを締めるように。でなきゃ……死ぬぜ?』



一同「「「「「「「「え……」」」」」」」


浜面「ちょっと待て!? 死ぬってなんだよ!?」

上条「滅茶苦茶速いんだよコレ。たしか時速7000キロだっけ?」

初春「カタログスペックではもっと速度が出せるそうですけど、とても人が耐えられるGではないんだとか」

浜面「マジかよ……」

美琴「不安しかないわね……」

食蜂「ま、大丈夫でしょ。学園都市って科学力だけは信用できるわけだしぃ」

上条「でもコレ、スゲー胃にくるんだよ。エチケット袋はどこですかね」キョロキョロ

浜面「えっ、ゲロ吐くの前提!?」ガビーン


御坂妹「ミ、ミサカのお腹には朝食がたんまりと……」サァァ…

佐天「あたしもだ!?」

美琴「どどどどうしよう!?」オロオロ

食蜂「慌てなくてもぉ、女の子は粗相したりしないゾ☆」キラッ

美琴「アンタは朝食抜いてたでしょーが!!」

初春「……(浜面さんからのお誘いに緊張して、朝食どころじゃなかったのが幸いしました)」ホッ

美琴「降ろしてっ!! せめて普通の飛行機にしてよ!?」



木原『残念だがそれは認められねえ。諦めて逝ってこいや』



美琴「ぎゃああーーー!!! 人でなしーー!?」ガビーン


フライト中


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


美琴「うぎぎぎぎ……。き、きもちわるい……」ウプッ!?

浜面「あれ? 俺は割と平気なんだが」ケロッ

上条「右に同じく」ケロッ

御坂妹「くッ、凄まじいGです……ッ、とミサカは大気圏離脱ごっこに興じます」ケロッ

初春「もう少しです! もう少しで私たちは星の大海に……!!」ケロッ

美琴「ア、アンタらはバケモノか……食蜂、生きてる?」チラッ

食蜂「」グッタリ

美琴「し、白目むいてる……。佐天さんは…」

佐天「あ、あたし……頑張ったよね……? ねえ、初春……もうゴールしてもいいよね? …………うぶッ!?」

美琴「ぎゃあ!? 誰かエチケット袋ぉぉーー!!!」ギャース

佐天「…………」プクー

美琴「さ、佐天さん……? ハムスターみたいに頬が膨らんでるのは、ま、まさか……」ゾクッ

佐天「…………」ニッコリ

美琴「あ……」


◇ ◇ ◇ ◇


学園都市 第七学区 常盤台中学女子寮――


寮監「白井、今日も風紀委員の活動か?」

黒子「はい、大覇星祭が終わり空気が緩んでいますので」

寮監「そうか。あまり無理はしないようにな」

黒子「ええ……ッ!?」ゾクッ

寮監「どうした?」ハテ?

黒子「いえ……(今の悪寒は一体……。まさかお姉様の身になにか!?)」


学園都市 木原くんの研究室――


打ち止め「うう~~っ!!」

木原「何人か余計なのがくっ付いてたが、まあ誤差の範囲だな」ウン

打ち止め「どうしてミサカだけお留守番なの!? ってミサカはミサカは怒りを露わに訴えてみたり!!」プンスカ

木原「あー、留守番なんて偉いぞクソガキ。アメやるから黙ってろ」スッ

打ち止め「そんなモノで誤魔化されない! ってミサカはミサカは憤慨してみる!!」

木原「はいはい、そうですか、よかったねぇ」

打ち止め「もうっ!! まじめに聞いて! ってミサカはミサカは猛抗議っ!!」ポカポカ

木原「分かったから叩くな鬱陶しい。アイツらはドンパチしに外国に行ったんだ、そんでオマエはお荷物だから留守番になった」

打ち止め「え……」

木原「つっても上条たちには何も教えてないんだけどな」ニタァァ

打ち止め「あーっ!! また悪い顔してる、ってミサカはミサカは根性悪なキハラを非難してみたり!」

木原「若いうちの苦労は買ってでもしろってなァ」

打ち止め「キハラが押し売りしてるだけだよ!? ってミサカはミサカはツッコんでみる!」ビシッ

木原「アレでも学園都市の最精鋭だ。問題はねえ」

打ち止め「そうかもしれないけど! うう……ホントは遊園地で遊ぶはずだったのにぃぃ……ってミサカはミサカは項垂れてみる」ションボリ

木原「……そうだったのか」

打ち止め「うん……」

木原「そいつは悪かったな。お詫びといっちゃなんだが、代わりに俺が連れて行って…」

打ち止め「えっ、キハラが遊んでくれるの!?」パァァ

木原「…やるワケねえだろ!! 残念だったなクソガキィィ!! ギャハハハハハハハハ!!!」ゲラゲラ

打ち止め「うわああーーーーーーん!!! キハラがいじめるーっ!! ってミサカはミサカはあの人に言いつけてやると宣言してみたりぃぃ!!」グッスン

木原「ところがギッチョン、上条は二、三日は帰ってこねぇんだコレが!」

打ち止め「うう~~っ!! これで勝ったと思うなよー!! ってミサカはミサカは捨て台詞を残して走り去ってみたりー!!」テッテッテ



木原「……さてと、こっちも仕事にかかるか」


?????――


上条「ほら、着いたぞ御坂」

美琴「うう、酷い目にあった……」ゲッソリ

食蜂「なんなのこの飛行機。人が乗るものじゃないわよぉ……」ゲッソリ

佐天「いやー、とんだ旅行になっちゃいましたね」スッキリ

美琴「主に佐天さんのおかげでね……」ジトー

佐天「あ、あはは」

上条「と、ともかく少し休めるとこを探そう! みんなもそれでいいよな?」チラッ


御坂妹「超音速旅客機から降りたミサカたちを待ち受けていたのは」

初春「霧の都と揶揄されたロンドン!」ワクワク

浜面「おおっ、外国とか初めて来た!」ワクワク

御坂妹「イギリスといえばフィッシュ&チップスですか、とミサカは名物料理に期待を膨らませます」キラキラ

初春「どうなる事かと思いましたが、ヨーロッパ旅行できるなんて感激です!」

浜面「よっしゃー! 満喫するぜ!」

御坂妹「そうと決まれば即行動、とミサカはおもむろに駆けだします」タッタッタ

浜面「テンション上がってきたー!!」タッタッタ

初春「ま、待ってくださーい!」タッタッタ


上条「ちょ、お前ら勝手に行動すんな!?」ガビーン

佐天「まあまあ上条さん、そんなに目くじらを立てなくても大丈夫ですって」


数時間後


イギリス ロンドン市街――


上条「――なんて言ってる端からアイツら迷子になってるじゃねーか!?」ギャース

佐天「う~ん、困りましたね」

美琴「浜面さんがついてるし大丈夫よ」タブンネ

上条「ああ……心配だ。ただでさえ御坂妹はカラダが丈夫じゃないのに、生水を飲んだりしてないといいんだが……」オロオロ

食蜂「過保護ねぇ。海外といっても学園都市ほど治安が悪いわけじゃないでしょぉ?」


市民A「女王を探せーー!!!」

市民B「大勢はすでに決したらしい。聖女さま率いる『清教派』の勝利だ!!」

市民C「『王室派』と『騎士派』の残党を逃がすなーー!!!」

市民D「オールハイル・インデックス!!!」

市民E「我らが聖女インデックス様に勝利を捧げるんだ!!」


食蜂「…………」ポカーン

佐天「うわっ、そこら中で物騒なコト話してる!?」

美琴「ねえ、これって……」

上条「クーデターかよ!? アイツやりやがった……!!」


テッテレー


グループ一行+αは強引にイギリスへ出張させられたうえ、クーデターに巻き込まれてしまった!!


浜面「なあ、街の様子が変じゃないか?」

御坂妹「…………」

初春「なんだか街中の人が殺気立ってるというか、誰かを探してるような……」

浜面「ヤバそうだな……。大将たちと合流したほうが良さそうだ」

御坂妹「いいえ、ここは情報収集を優先するべきです、とミサカは主張します」

浜面「情報収集?」

御坂妹「この状況は普通ではありません。そしてミサカたちが今ここに居るのにも意図があるはず、とミサカは推測します」

初春「……ですね。こんな状況の中、入国なんて普通は出来ませんよ」

浜面「つまり木原のオッサン、いや、学園都市は何らかの意図があって俺たちを寄越したってワケか」

御坂妹「はい」

浜面「クソッ!! 俺らはともかく、初春たちを巻き込むなんて何考えてやがる!!」

初春「浜面さん……」

御坂妹「だからこそミサカたちは別口で動くのが最善なのです、とミサカは厄介事の避雷針なあの人を思い浮かべます」

浜面「なるほど、大将たちと合流するほうが危険って事か」

御坂妹「お花畑系風紀委員の友人だけならば、お姉様がフォローするでしょう、とミサカは冷静に分析します」

初春「お、お花畑ってなんですか!?」ガビーン

浜面「まあなんだ、初春は俺たちが守るから傍を離れるなよ」キリッ

初春「……は、はい///」カァァ

御坂妹「やれやれ、とミサカは天然たらしな同僚に辟易……ん?」チラッ


??「ハァ、ハァ……! 急がないと手遅れに……ウ、ウィリアム……」パタリ


といったところで今回は終了
今度はイギリスクーデター編。やったねヴィリアンちゃん、アックアが助けに来るよ!

 【このスレは無事に終了しました】

  よっこらしょ。
     ∧_∧  ミ _ ドスッ

     (    )┌─┴┴─┐
     /    つ. 終  了 |
    :/o   /´ .└─┬┬─┘
   (_(_) ;;、`;。;`| |

   
   【放置スレの撲滅にご協力ください】  
   
      これ以上書き込まれると

      過去ログ化の依頼が

      できなくなりますので

      書き込まないでください。


            SS速民一同
 【糞スレ撲滅にご協力ください】

>>315

ガンゴンバキン!! と、拳を振り落とす音が連続した。
上条当麻にしては珍しく、一撃では済まさなかった。

         _、、ィ,._                   _ _
   \\\ゞ´   ヾ                , ',___、 ヽ
   (⌒\Z ,w'レviゞ               {ィ|rwniト }

    \ ヽヽ(l. ゚ -゚ノ  文句はねぇよな?  ○i、゚ヮ゚|l_,○
     (mJ     ⌒\             .U__リ史.リ!_し  ハ,,ハ
      ノ ∩  / /              _,ノ八. ヾ、 O(゚ヮ゚,,O
     (  | .|∧_∧              ``''=''=ー'"´ `c_,,o)~
  /\丿 | (     ) ←>>315
 (___へ_ノ ゝ___ノ


投下ー……


学園都市 第七学区 一方通行さんち――


一方通行「…………」ナデナデ

スフィンクス「にゃあー♪」ゴロゴロ

一方通行「なンつゥかよォ……この部屋、こンなに広かったか?」

オルソラ「いいえ、大層手狭でございました」

一方通行「だよなァ」

オルソラ「足の踏み場もない程の人口密度でございました。ですが身を寄せ合い、支え合う日々は楽しかったのでございますよ」



書置き『成すべきを成す為、天草式の本懐を遂げるためお暇致します。受けた御恩は忘れません』



一方通行「ったく、勝手なヤツらだ」

オルソラ「きっとあなた様に迷惑をかけたくなかったのではないでしょうか?」

一方通行「今の今まで散々かけられたっての」

オルソラ「ふふっ」クスクス

一方通行「なに笑ってンだ」

オルソラ「大丈夫でございますよ」ニコニコ

一方通行「だから何が大丈夫なンだってンだ」

オルソラ「またすぐに賑やかになる、そんな予感がするのですよ」ニコニコ

一方通行「結構ですゥ」プイッ


ピンポンピンポンピンポン


青ピ「スズや~ん、遊びに来たでー」


一方通行「うっせェぞ!! 何遍もチャイム鳴らすンじゃねェ!!」ニタァ

オルソラ「まあまあ♪」クスクス


CASE 22 INDEX 許されざる聖職者 前編


イギリス ロンドン市街――


浜面「おいアンタ、大丈夫か!」

??「ハァ、ハァ、あ、あなたは……?」ボロボロ

浜面「俺たちは旅行者だ。アンタの方こそどうしたっていうんだ」

初春「酷い……傷だらけです」

??「旅行者……外国の方なのですね」

浜面「ああ、学園都市から来たんだ。それより傷の手当てをしないと…」

??「いけません……! 私に関われば貴方たちまで」


市民A「見つけたぞ! 第三王女だっ!!」

市民B「捕まえろ! 聖女様に引き渡すんだ!!」


??「!?ッ」ビクッ

浜面「御坂妹っ!!」

御坂妹「了解、とミサカは同僚の意図を汲み暴漢に威嚇射撃を行います」チャキ


タタタタタタタタタタタタタタッッ!!!!


市民A「ひいっ!?」

市民B「じゅ、銃だと!?」


浜面「人が集まる前にずらかるぞ! 走れっ!!」ヒョイ

??「あ……」カツガレ

初春「は、はい!!」


市民C「いたぞ! あそこだ!!」

市民D「敵は銃で武装しているが恐れるな!! 我らには聖女の加護がある!」

市民E「オールハイル・インデックス!!」


浜面「クソッ、どこに逃げても人が襲ってきやがる!!」タッタッタ

初春「ハァ、ハァ、このままじゃ……!」タッタッタ

御坂妹「弾にも限りがあります。ただ闇雲に走っても事態は好転しない、とミサカは打開策の必要性を説きます」タッタッタ

浜面「そうは言うけど地理は分かんねぇし、ッ、マンホール!!」

御坂妹「ッ!! フラッシュバンを使用します。目と耳を塞いでください」キンッ、ポイッ

初春「へ?」


ズガァァァァァァァン!!!!


市民CDE「「「~~~~~~ッ!?!?」」」


御坂妹「今のうちにマンホールを、とミサカは下水道への避難を促します」

浜面「待ってろ。ぐッ、ぐぬぬぬぬっ!!!」メリメリ

??「まあ、力持ちなんですね」

浜面「鍛えてますから、って言ってる場合か! 初春、遅れるなよ!!」

初春「ふぇぇ……耳が聞こえませーん!?」アウアウ


ロンドン市街 下水道――


御坂妹「とりあえず追手は巻いたようですね、とミサカは安堵の息を吐きます」ホッ

初春「街の人が襲ってくるなんて、一体何が起きてるんですか」

浜面「さあな、けど碌でもないコトだってのは分かるぜ」

初春「あの……あなたは何か知りませんか? あっ、私は初春飾利っていいます」


ヴィリアン「私はこの国の第三王女ヴィリアンと申します。危ないところを助けていただき感謝します」ニコッ


初春「い、いえっ!? 私は何もしてないっていうか、直接助けたのは浜面さんですし……って、あれ?」ワタワタ

浜面「第三王女……?」

御坂妹「それはつまりお姫様という事ですか? とミサカは信じ難い事実に混乱します」


ヴィリアン「はい」



◇ ◇ ◇ ◇



ロンドン市街 大通り――


騎士「――これは王政の打倒であり、神の地上代行者であるインデックス様に主権を捧げる聖戦なのです」シイタケ

食蜂「それで?」

騎士「まさに神速の進軍でした。複数の要所を内応をもって陥落させ、バッキンガム宮殿をも既に制圧しました」シイタケ

食蜂「へぇ」

騎士「『王室派』の王女と議員は粗方押さえ、『騎士派』の反抗的な軍人たちも拘束しました。あとは女王と騎士団長を捕らえるのみです」シイタケ

食蜂「その人たちはどこに居るの?」

騎士「ウィンザー城へ逃げ込んだそうです。まあ半日中には落とせるでしょう」シイタケ

食蜂「そ、ご苦労さまぁー」ピ


騎士「……?」ハテ?


食蜂「情報収集はこんなものかしらぁ。クーデター勃発って感じぃ?」

上条「電撃戦だな。一気に中枢を叩いたうえで、市民の統制まで行ってやがる」

佐天「とーせーって……。洗脳の間違いじゃないの?」

食蜂「脳を弄られた形跡はなかったわよぉ」

美琴「お得意の魔術で操ってるんでしょ。イギリス女王は善政家として有名だったし、明らかに不自然よ」

上条「…………」

美琴「とにかく、まずは逃亡中の女王を探さないと」

佐天「捕まったら酷い目にあわされるのが目に見えてますもんね」ウン

食蜂「えー、めんどくさぁーい。私たちには関係力ないわけだしぃ、ほっとけばいいじゃない」

美琴「だからって見捨てていい理由になんないでしょーが!!」ガァァ

佐天「そうですよ! こんな面白そう……じゃなくて、こんな無法を放置するなんて間違ってます!」

食蜂「暑苦しいわねぇ。大体私たちは学園都市の人間で、しかも治安維持組織の一員なのよぉ?」

上条「その行動は全て学園都市の利益を最優先としなければならない。外交問題なんて論外ってな」

美琴「なっ、アンタまで!?」

佐天「そんな大人の都合、納得できません!!」

食蜂「これだから御坂さんは。朝ドラヒロインみたいでキモチワルイわぁ」ヤレヤレ

美琴「……必要なら人間相手でも能力をぶつける覚悟くらいあんのよ?」ギロッ

食蜂「きゃぁー♪ 助けて上条さぁーん」

上条「はいはい、ケンカすんなって」

美琴「だって……!」

上条「さっきから木原さんに連絡取ろうとしてるんだけど繋がらないんだ。これはもう現場の判断で動くしかないよな」ニヤリ

佐天「じゃあ!」パァァ

上条「イギリス王族の亡命を受け入れておくのも学園都市の利益に適うだろ。ここで貸しを作るのは大きい」

食蜂「まぁそこが落とし所よねぇ」クスッ

上条「そうと決まれば速攻だ。御坂妹たちが巻き込まれる前にカタをつけるぞ!」

美琴「りょーかいっ!!」


ロンドン市街 下水道――


浜面「クーデター!?」

ヴィリアン「はい、突然『清教派』が政府に反旗を翻したのです。『騎士派』が応戦したのですが……」

浜面「ダメだったのか」

ヴィリアン「相手が悪かったとしか。まさか魔神を投入してくるなんて思いもよりませんでした」

御坂妹「魔神ですか、とミサカは白い悪魔を想起し身震いします」ブルッ

ヴィリアン「恐るべき力を持つ白き魔神。それは唐突に現れ、圧倒的な力で騎士たちを薙ぎ払い――」



◆◆◆◆



半日前

イギリス バッキンガム宮殿――


エリザベート「何事だ?」

騎士団長「陛下、宮殿に曲者の侵入を許してしまいました。これより応戦致しますので退避を」

エリザベート「曲者ならそこに居るが? ふむ、馴染みのある顔もあるな」

騎士団長「ッ!?」


禁書「フフフ、ごきげんよう、女王陛下」


禁書「せっかくの里帰りなのに、ずいぶんと手荒い歓迎を受けたんだよ」


騎士団長「……ここに来るまでに相当数の騎士を配備していたはずだが」


禁書「全てこのインデックスの軍門に降ったよ。今では私の忠実な尖兵として働いてくれている」クスッ

テッラ「多少手こずらされました。流石は王国騎士といったところですねー」

アウ「当然、我らの敵ではなかったがな」

ローラ「…………」


騎士団長「『清教派』の反乱か……! 一体何を考えている!!」

エリザード「よいよい、臣下に叛意を抱かせたのは主君の不徳。まあ当然の成り行きだろう」ニヤリ


禁書「潔いコトだね。その自信はカーテナの加護に裏打ちされているのかな?」


エリザード「いいや違う。政を執り、権力を振るえば歪みが生じる。貴様の存在こそ、この連合王国の闇そのものと言っても過言ではあるまい」

エリザード「そうであるなら いずれ背かれるのも自明というもの。覚悟はしていたよ」

騎士団長「陛下……!」

エリザード「キャーリサとてそうだろう? アレは同じ事を考えているに違いない」

騎士団長「!」ギクッ


禁書「確かに第二王女の果断さと行動力は厄介なんだよ。だからいち早く拘束させてもらったんだけど」

アウ「必然、第一王女の身柄もな。残るは貴女と第三王女のみ」


エリザード「鮮やかなものだ。しかし私とて連合王国を預かる身でな。この首、易々とやれんぞ」ニヤリ

騎士団長「カーテナ=セカンド!? 何戦おうとしてるんですか! 早くお逃げください!!」

エリザード「なに心配するな。カーテナがある限り、負けはしないさ」キリッ

騎士団長「ホラー映画の中盤あたりで犠牲になる、ショットガンを過信するオッサンみたいな発言は控えてくださいよ!?」ガビーン

エリザード「死亡フラグとか言うヤツか」ケラケラ


テッラ「ほう、この力の波動は『神の如き者(ミカエル)』ですか」

禁書「アウレオルス、例の霊装を」

アウ「ハッ、こちらに」スッ


騎士団長「深紅の剣……魔剣クラスの神秘を秘めているようだが」

エリザード「ッ!?」ゾクッ

騎士団長「女王陛下?」


禁書「フフフ、この剣の銘はクラレント。裏切りの騎士モードレッドがアーサー王に致命の一撃を与えた竜殺しの意味を持つ宝剣」

ローラ「その魔術的記号はペンドラゴンの系譜、つまりイギリス王室に流れる血にも有効でありけるのよ」

アウ「イギリス王室の人間を一太刀で死に至らしめる。単一の効果しか持たず使い辛い霊装ではあるが」

テッラ「連合王国を滅ぼすに相応しい霊装でしょう?」


騎士団長「……(厄介だが私なら対処は可能だ。この場での戦術的勝利に意味はない、無理にでも陛下には退いていただく!)」


禁書「そんな余裕、与えると思う?」シュン!

騎士団長「なっ……!! 私が知覚出来ずに抜かれただと!?」

禁書「国家の安寧のために私は何度も殺された。今度はあなたが礎になる番だよ」

エリザード「良い目をしている。ふっ、どうやら己が野心のみで立っているわけではないようだ」

禁書「当然なんだよ。上に立つ以上、自分の野心を満たしつつ周りの利益にも配慮する器量はあるよ」

エリザード「惜しむらくはその強引さよ。連合王国はいかなる暴力にも屈さん」

禁書「退かない姿勢は立派だけど、貴女では私に勝てないかも」チャキ


エリザード「ぬうっ、だからとて負ける訳にはいかん!!」ジャキン!


禁書「救済してあげる――『王政終焉#99(ドラゴンキラークラレント)』!!!」ズバァァァァァン!!!

エリザード「真っ向からねじ伏せてやろう。ぬあああああああああああああ!!!!」ギュアアアアアアン!!!



騎士団長「なんという力のせめぎ合いッ! これでは近寄れん……!!」





物陰


ヴィリアン「……!?」ガクブル


◆◆◆◆


ロンドン市街 下水道――


ヴィリアン「――私は物陰で震えていました。そしてただ逃げるしか出来なかった……」

御坂妹「嘆く必要はありません。逃亡こそ最善手だった、とミサカは励ましてみます」

初春「そ、そうですよ! 女王様たちもきっと無事です!」

ヴィリアン「…………」

浜面「酷なようだが嘆いてる暇はねえ。敵が白い悪魔だってんなら、ここもすぐに見つかっちまう」

御坂妹「空港に戻りましょう、とミサカは安全策を提案します」

浜面「そうだな、初春は御坂に連絡を!」

初春「はいっ!!」

浜面「姫さんはもう少しだけ辛抱してくれ。必ず安全なとこまで連れて行くからさ」


ヴィリアン「どうして……」


浜面「うん?」

ヴィリアン「どうして赤の他人の私にそこまでしてくれるのですか……?」

浜面「どうしてって言われても、なぁ?」

御坂妹「はい、困っている人を助けるのもミサカたちの仕事です」

初春「仕事とか関係ないですよ。助けたいから助けるんです」


ヴィリアン「家族にすら政争の具として扱われてきたのに……」

御坂妹「ミサカもあの人に救われる以前は、実験動物(モルモット)として扱われていました、とミサカは衝撃の告白をします」シレッ

初春「ええっ!?」ガビーン

浜面「俺も大将にスカウトされる前は、ゴミみたいな扱いをされてたぜ。実際ろくでなしだったけどよ」ウン

初春「なんでですか!?」ガビーン

浜面「まあ乗りかかった船だ。最後まで面倒みてやるさ」

ヴィリアン「で、ですが、これ以上私に関われば本当に取り返しのつか…」


浜面「紳士道大原則ひとーつ! 紳士は、か弱い女性を守り抜かねばならない!!」デデン


ヴィリアン「はい?」ハテ?

浜面「ここで見捨てちゃ男が廃るってな」ニッ

御坂妹「ええカッコしー」ボソッ

浜面「わかってるよ!? ガラじゃないコトくらい自覚してるっての!!///」カァァ

初春「そんなことありません!」

浜面「えっ」

初春「すごくカッコイイと思います!」

浜面「そ、そうか?///」テレテレ


御坂妹「要はその場の勢い、雰囲気的に助けるしかねえ、とミサカは同僚の行動原理にため息を吐かざるを得ません」ヤレヤレ

ヴィリアン「いいのでしょうか?」

御坂妹「いいですとも、とミサカは親指を立てて了承します」



テッラ「良くないですねー。王族を逃がすなんてとんでもない」



ヴィリアン「!?」


浜面「お前は二十三学区で戦った……!」

御坂妹「キモイ魔術師です。キモイ魔術師です、とミサカはトイソルジャーを手に戦闘モードへ移行します」ジャキ

初春「二回言った!?」ガビーン


テッラ「失礼なサル共ですねー。まあ今日の目的はそちらの第三王女をエスコートですからね、さっさと去りなさい」


浜面「お断りだ。殺されるのが分かってるのに、引き渡すわけねぇだろうが」

御坂妹「二人は空港へ向かってください、とミサカは撤退戦を開始します」

初春「わ、分かりました! ヴィリアンさん、こちらへ!」タッタッタ

ヴィリアン「はい!」タッタッタ


テッラ「無駄な足掻きを。優先する。――重力を上位に、人体を下位に」


ズンッッ!!!


ヴィリアン「かはッ!?」ズンッ

初春「か、体が……急に重く……!?」ズンッ

浜面「なんだこれ……!」ズンッ

御坂妹「おそらく重力操作か、それに類する魔術、とミサカは重圧を感じつつも反撃を試みます」カチッ


タタタタタタタタタタタタッ!!!!


テッラ「そんなオモチャでは、傷一つ付けられませんねー」ヒュン!


スパスパッ!!


御坂妹「!?ッ」

初春「なんですかアレ……。白い刃物みたいなのに銃弾が……」

浜面「倒すことは考えるな! アイツの狙いは姫さんだ、俺たちは足止めを…」

テッラ「不可能ですよ。優先順位の完全なる操作、つまり私は因果律の片鱗に手が届いたんです」ニタァァ

浜面「!」


テッラ「優先する。――左方のテッラを上位に、風を下位に、水を更に下位に」


ズガガガガガガガガッッ!!!!


浜面「ッ、がああああああああああああああ!!!」ビチャビチャ!!

御坂妹「下水が銃弾のように、とミサカは、くッ!?」ヒラリ


初春「浜面さん!?」

ヴィリアン「ひ、酷い……」


テッラ「重力へ干渉しつつ、風で水をも操作する。御覧の通り全ては私の意のままなんですねー」

浜面「は……反則だろ」ポタポタ

テッラ「結構な出血量だ。早く治療しなければ命に関わりますよ?」

浜面「生憎俺らの教官はスパルタなんだ。この程度で根を上げるほどヤワじゃねえッ!!!」グオッ

テッラ「無駄です」ガシッ

浜面「!?ッ」

テッラ「魔術師相手なら格闘戦でどうにかなるとでも考えました? 実に浅はかですねー」ググッ

浜面「う、腕があああッ!!!」メキメキ

テッラ「生憎と私は魔神の領域へ踏み入ったんです。死すら乗り越えてね」

浜面「……ッ、御坂妹!」

テッラ「そちらの小娘とは一度交戦済みなので手札は知れてます。どうせ芸のない電げ…」


御坂妹「はああーーーッ!!! とミサカは気合い全開でトイソルジャーをフルスイングします」ブゥゥゥン!!


ゴキンッ!!!


テッラ「きてはっ!?」グラッ

御坂妹「コイツはお釣りだ。取っときな、とミサカは首がおかしな方向へ曲がった魔術師にフラッシュバンを贈呈します」ハイ

テッラ「!?」ギョッ!?


ズガァァァァァァァン!!!!



シャンパンゴールドの髪の少女に手渡された閃光手榴弾が放つ轟音と閃光。
それが収まった時、既に第三王女一行はその場から逃げ去った後だった。


テッラ「これは一本取られましたねー。油断は禁物ということですか」


パンパン、と服についた埃を払うテッラ。言葉とは裏腹に喜色満面だ。

獲物を狙う狩人の愉悦。

強大な力を手にしたテッラは、己の力を振るいたい衝動に駆られていた。


テッラ「魔神の領域へ入門したばかりの私に、因果律を自在に操るのは不可能。なるほど、確かに『無限の可能性』としか表現できない」


無限の可能性

完全な存在である魔神が抱える唯一の弱点。全ての可能性を内包するが故に、勝敗をも五分五分で持たざるを得ない厄介な性質。


テッラ「しかし我が君はその弱点を完全に克服しておられる。全宇宙すら覆い尽くす彼女の威の前では、可能性すら有限なんですねー」


恍惚とした表情で主君を讃えるテッラ。マヌケにすら見える彼であるがそこは魔神の端くれ、この後の展開は完全に見通していた。



轟ッ!!!



薄暗い下水道を赤く照らす業火。

突如として現出した圧倒的火力は、左方のテッラを容赦なく飲み干し――――焼死体を作る前にあっさりと消失した。



テッラ「これはこれは、まさか貴方が来ていたとは驚きです」


炎の魔術による奇襲を受けて尚、まったく余裕を崩さないテッラの視線の先に赤い魔術師が不遜に佇んでいた。


??「なに、死体が歩いていたんでな。火葬してやろうかと思ったのだが、やはり属性的に土葬がお好みかい?」


かつての同僚に向ける言葉ではないな、と悪びれた様子も見せない赤い魔術師にテッラは肩をすくめる。


テッラ「丁度いい、先程の連中は小粒過ぎて加減が難しかったんですよ。その点、貴方は良い実験動物(モルモット)だ」

??「勘弁してほしいな。ゾンビや悪霊の類はロシアの殲滅白書の管轄だろうに」

テッラ「一度は私を殺したんです。少し付き合っても罰は当たらないと思いますがねー」

??「慢心は身を滅ぼすぞ? 以前ほど力が戻っていなさそうじゃないか」

テッラ「はて? 神の右席だった頃とは比べ物にならないテレズマを感じませんか?」


分からないという顔をするテッラの周囲に、無数の白いギロチンが展開する。


??「この期に及んで光の処刑とは。あまり俺様を舐めない方がいい」


微かな怒りを滲ませた赤い魔術師の背後に、蜃気楼の様に揺らめく不気味な腕が顕現する。


テッラ「フィアンマ、これは余裕というものです。魔神と魔術師の間に存在する絶対的な差を教えて差し上げましょうかねー」


フィアンマ「そいつは楽しみだなぁ。だが同じ相手に二度も遅れをとる俺様とは思わんことだ」



茶飲み友達と語らう様な気安さで、結果を操る魔術師と優先順位を操る魔神の戦いが始まった。

といったところで今回は終了

我、アイアンボトムサウンドにて敗北セリ。頑張って育てた金剛さんがあああああああああああああああ!?!?

     |    人      .( ( | |\
     | )  (;.__.;)      ) ) | | .|
     |_ (;;:::.:.__.;)  __(__| .\|     
     |―(;;(´・ω・`)  ――-\≒

    /∧(;∧_.: .:; _:_ :.) ∧ ∧ \  
   /(´・ω・`)      <    > \
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |
   |____.うんこ風呂._____|


新年一発目の投下ー



イギリス市街 下水道――


浜面「ハァ、ハァ、立ち止まるな走れっ!!」タッタッタ

初春「は、はいっ!!」タッタッタ

ヴィリアン「ハァ……ハァ……」タッタッタ

御坂妹「待ってください、お姫様がもう限界です、とミサカは制止の声をかけます」

ヴィリアン「わ、私のことは…」

浜面「見捨てねえっつっただろ。走れないならおぶってや…うぐっ!?」グラッ

初春「無茶ですよ!? 浜面さんだって酷いケガなんですから!」

御坂妹「では ここはミサカが、とミサカは腰を低くしおんぶの姿勢をとります」

ヴィリアン「その気持ちだけで十分です。私が残ればあの男も追っては来ないでしょう」

浜面「ごちゃごちゃうるせぇんだよ!!」ヒョイ

ヴィリアン「!」ヒメダッコ

浜面「……全員残って戦うか、全員で逃げのびるか。選択肢はこの二つだけだ」

ヴィリアン「…………」

浜面「諦めなけりゃ活路は開ける。今までだってそうだったし、今回も粘ってれば何とかなるさ」

ヴィリアン「あなたは……とても強いのですね」


御坂妹「超弱いですよ? グループ内序列において突き抜けた底辺と呼ばれてます、とミサカは訂正しました」シレッ


浜面「呼ばれた事ねーよ!? てかそんな風に見てたのお前!?」ガビーン

御坂妹「現実は残酷です」

浜面「クソがッ!! 今に見てろ! 努力してお前の上に行ってやるからな!!」ガァァ

初春「なに遊んでんですか!? 追いつかれちゃいま…」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!


初春「…すよ、って言ってる傍からスゴイ地震が!?」

御坂妹「地震ではありません。これは……」


??「バケモノ同士がドンパチ始めたのよな。で、お前さんらが第三王女御一行で間違いないか?」ヌッ


浜面「!」


CASE 23 INDEX 許されざる聖職者 中編


イギリス ウィンザー城前――


アウ「依然、『王室派』と『騎士派』の残党は徹底抗戦の構えを解く気配が無いようだ」

禁書「抵抗すると無駄死にするだけだって何故わからないのかな?」ヤレヤレ

アウ「しかし油断は禁物だ。楽に勝てるはずが撤退を許し、あまつさえ……」


クラレント『』ポッキリ


アウ「唖然、まさかへし折られるとは……」

禁書「レプリカとはいえ次元切断は脅威なんだよ。女王が振るうカーテナは、正しく連合王国の歴史の重みとイコールだからね」

アウ「だが相手も無傷ではなかったようだ」

ローラ「…………」

禁書「イギリス女王が心配?」

ローラ「……それなりの付き合いだもの」

禁書「うんうん、情というのは大切かも。友情、愛情、慕情、人間は情によって動く生き物なんだよ」クスクス

ローラ「ではせめて彼女の介錯は私の手で」

禁書「うん、いいよ」

ローラ「感謝の極み」キリッ


ウィンザー城内――


騎士団長「陛下」

エリザード「うむ、『清教派』の進攻を許すのも時間の問題だろう」

騎士団長「かくなる上は、残存戦力をまとめ一矢報いてみせましょう」

エリザード「ほう、逃げろと言わんのだな」

騎士団長「何処へ逃げると仰るんです? あれはそんな甘い存在ではない。矛を交えたからこそ理解出来ますよ」

エリザード「そうだ。あれの憎しみが私に向いているうちに、刺し違えてでも倒す」

騎士団長「ハッ、御供いたします」

エリザード「その意気やよし! なに案ずるな、カーテナの加護ある限り我らの勝利は揺るが…」

騎士団長「だから変なフラグを立てるなと何度言わせるんですか!?」ガビーン


ローラ「あらあら、ずいぶんと余裕がありけるのね」


騎士団長「貴様は最大主教……!」

エリザード「…………」

騎士団長「元より『騎士派』と『清教派』の折り合いは悪かったが、この有様は一体何だ! 最低限の国益すら配慮しないとは!!」


ローラ「配慮しているわ。私なりの方法でね」ニッコリ


騎士団長「なんだと?」

エリザード「例の霊装をバッキンガム宮殿から持ち出せたのか?」

騎士団長「陛下……?」


ローラ「手抜かりはなきことよ。フフ、舞台は整い役者も揃いしにつき」クスクス


ロンドン 下水道――


光の届かない薄暗い地下で、赤と緑、二人の男が天使の力を遺憾なく振るっている。

赤の魔術師、右方のフィアンマが『神の如き者(ミカエル)』の顕現である『聖なる右』で敵を屠らんと攻め立て

緑の魔神、左方のテッラはその猛攻を無数に展開した小麦のギロチンで相殺する。


フィアンマ「フン、やはり今の『聖なる右』では攻めきれんか」

テッラ「当然です。『神の薬(ラファエル)』と完全なる同期を果たした私に、未完成の術が通用する道理はありませんからねー」

フィアンマ「…………」

テッラ「もう理解したでしょう? フィアンマ、あなたでは私に敵わない」

フィアンマ「忌々しい事にな」

テッラ「あなたも聖女インデックスに恭順してはどうです?」

フィアンマ「イギリス清教の魔道図書館風情にか?」

テッラ「口を慎みなさい。彼女こそ我らの盟主にして、あらゆる魔道の秘儀を修める至高の存在です」

フィアンマ「仮にも元神の右席が小娘の走狗なんてな。笑えん冗談だ」

テッラ「あの御方が小娘? フ…フフフ、ハハハハハハハハハッ!!!」

フィアンマ「?」

テッラ「まあいいでしょう。もう少しだけ、あなた方の思惑に乗ってあげるとしますかねー」

フィアンマ「ほう」

テッラ「あなたの狙いは、私をあの御方から遠ざける事。本命は…ッ」


何かを察したテッラの眼前を赤い炎が掠める。


テッラ「どんな秘策があるのか知りませんが、聖女インデックスに挑むとは愚かな」

フィアンマ「この俺様が小細工を弄してるんだ。愚かなんて言葉では足りんほど、俺様自身が蒙昧だと自覚しているよ」


ロンドン市街――


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


上条「!」

食蜂「こんなところで地震?」

上条「いや……魔神級の魔術師が二人戦ってる。どうやら俺たち以外にも、この内乱に介入しようって物好きがいるみたいだ」

美琴「あの時の気色悪いヤツと同レベルが二人も!?」ガビーン

佐天「まあ誰が相手でも御坂さんの敵じゃないですって。超電磁砲なら一撃ですよ」

美琴「……だといいけどね」

食蜂「あれあれぇー? 野蛮力なら常盤台一の御坂さんらしくないゾ☆」

美琴「うっさい! アンタだってあの白いのの腰巾着に半べそかかされてたでしょーが!!」ガァァ

食蜂「は……ハァーーーっ!? お、憶測で物を言うのは止めてもらえないかしらぁ?///」カァァ

美琴「憶測じゃないわよ。ねえ?」

上条「うむ、しかと泣いておった」ウン

食蜂「なっ!?///」

美琴「あ、別にこの馬鹿が言いふらした訳じゃないわ。業務日報に書いてあったのよ。『泣きべそかいてた食蜂救出』ってね」プークスクス

食蜂「余計に性質が悪いわよぉぉーー!!///」ギャース


佐天「急がなくていいんですか?」

上条「慌てぬ事が肝要よ。身元がバレると面倒なので、まずは変装をしませんとね」スチャ


美琴「!」キュピーン


イギリス ウィンザー城内――


禁書「どうやら片付いたようだね」


ローラ「はい」


アウ「むっ、それにしては城内が荒れていないようだが」キョロキョロ

禁書「争うだけ無駄と相手も理解しただろうからね。名誉ある自裁ってところかな?」


ローラ「ふふっ……フフフ、自裁も善きものかしらね」


アウ「憮然、貴様 何が可笑しい?」イラッ

禁書「…………」


ローラ「心配いらないわ。殺しはしない、そうする必要が無きにしもあらずだから――ねぇ、ステイル?」クスクス

ステイル「殺させやしないさ。君も……君にも」ヌッ


アウ「何かと思えば貴様か、ステイル=マグヌス。その顔、よもや我らが盟主に反旗を翻す心算ではあるまいな?」

禁書「ッ、まさか……!」


ステイル「そのまさかさ! 最大主教っ!!」

ローラ「屈辱に耐えしこと幾星霜。イギリスを攻める、この機会をずっと待っていたのだからー!」

ステイル「能書きはいい! とっとと『自動書記』を起動しろ!!」ガァァ

ローラ「ど、怒鳴らなくても……あなたの暴挙もここまでよ、禁書目録?」スッ


禁書「」ガクリ

アウ「!?」


テッテレー


ローラ、ステイルが謀反を起こした!!

自動書記の遠隔制御霊装により、インデックスさんは行動不能に陥った?


イギリス市街 下水道――


フィアンマ「ほう」

テッラ「ッ、こ、これは一体……!?」

フィアンマ「お前も気付いたか。デカイ魔力反応が消失したな」

テッラ「聖女インデックスが……馬鹿な……あり得ない……」ワナワナ

フィアンマ「強大な兵器には万一に備えてセキュリティがある。飼い主に歯向かったんだ、当然の帰結だろう」

テッラ「…………」ブルブル

フィアンマ「どうした? さっきまでの余裕が見る影もないじゃないか」

テッラ「…………」

フィアンマ「さて俺様も本来の目的を果たすとしようか」

テッラ「……目的?」

フィアンマ「三派閥とも疲弊してる今なら労せず例の霊装を奪取できるからなぁ。それに急がんと貴重な魔道図書館を、あの男に殺されてしまう」スタスタ


テッラ「それはどうですかねー?」ドドドドドド


フィアンマ「!」ゾクリ


テッラ「あなたは本懐を果たせません。何故なら今日ここで――」ニタァァ



イギリス ウィンザー城内――


ステイル「ふぅ、何とか上手くいったようだね」

ローラ「ふっふーん、当然でありけるのよ。私自らが構築した…」

ステイル「能書きはいいと言ったはずですが?」ギロッ

ローラ「な、なんたる無礼な態度!?」ガビーン


神裂「ステイル、『王室派』と『騎士派』の方々の退避が完了しました。現在 天草式が空港まで護送中です」


ステイル「空港で学園都市の連中に相乗りさせてもらう手筈になってる。土御門の根回しだから問題ないだろう」

神裂「では我々も、あの子を連れて急ぎましょう」


アウ「騒然!? ステイル=マグヌス、貴様裏切るつもりかッ!!」ガァァ


ステイル「裏切るだって? 心外だね、僕は誰も裏切ってなどいない」


アウ「現に裏切っているではないか!」


ステイル「僕は元々必要悪の教会所属の魔術師だよ。――表返っただけだ!!」デデン


アウ「唖然! 詭弁だ!?」ガビーン


アウ「ええい、ではローラ=スチュアートは何故平然としている!」


ローラ「ヒキガエルの呪いの事を言っとるのかしら? それなら思考を複数に分割することで誤魔化して…」

ステイル「あ、爪が赤くなってますよ」

ローラ「ひィィーー!? うそうそ!?」アウアウ

神裂「ステイル、最大主教で遊んでる場合ですか。今は一刻を争うはずですよ!」

ローラ「術式の解析は完璧……へ?」

ステイル「いつまで遊んでるんです。僕らも彼女を連れて空港へ向かいますよ」シレッ

ローラ「…………」プルプル

神裂「上条当麻ならば、きっとあの子に巣食う邪神を討ち払ってくれるはず……!」※依然、勘違いは形を変え継続中な模様

ローラ「この……! 上司をおちょくるなんて、相応の覚悟は出来とろうかしらー!!」ガァァ


アウ「憤然っ!! ここから生きて逃げ果せると思っているのか!!」

??「それはこちらの台詞である」

アウ「なっ!?」

??「ぬんッ!!!」ブゥゥゥン!!!

ゴシャッ!!!

アウ/レオルス「」チーン


ステイル「誰だっ! こんなのは計画にないぞ!?」

神裂「この感じは聖人……ッ!」

ローラ「二人とも落ち着きなさい。まだ敵と決まったわけでは無きなのだから」


アックア「その通りだ。私はローマ正教、神の右席がひとり、後方のアックアである」


ステイル「馬鹿な! 英国の内乱にローマ正教が介入するつもりか!!」

ローラ「本当にね。これは教皇の差し金?」


アックア「いいや、これは私と右方のフィアンマの決定である。世界を乱す存在、禁書目録を破壊する」ギロッ


ステイル「…………殺す」ボッ!!

ローラ「ステイル!?」

神裂「異存はありません」チャキ

ローラ「神裂火織まで!?」


アックア「そこに転がっているバケモノを、貴様らに任せる気はないと言ったつもりなのだが」


ステイル「我が名が最強である理由をここに証明する(Fortis931)」

神裂「救われぬ者に救いの手を(Salvere000)」

ローラ「だから待てといっとろーにィィーー!!!」ギャース


アックア「その選択は愚かである。邪魔をするならまとめて粉砕するのみであるッ!!!」


青いゴルフウェアのような着衣のアックアが、身の丈の倍はありそうな巨大メイスを無造作に振るう。

しかし圧倒的な質量と速さが、それを必殺の一撃へと昇華させステイルたちへと襲いかかる。


神裂「ステイル!」

ステイル「くッ!」

ローラ「きゃああーーー!?」


その嵐の様な暴虐を、神裂は余裕をもって、ステイルは間一髪で、ローラは運よく避ける。


ローラ「ちょちょちょ、こちらは遠隔制御霊装の維持で手一杯であられるのだけどー!?」

神裂「ステイル! 足手まといが居ては話になりません!」

ステイル「役立た……最大主教は彼女を連れて避難してください!」

ローラ「無理っ!! 乙女の細腕で箸より重いものを持ちたるのは無理…」

ステイル「いいからやれよ。燃やされたいんですか!?」

ローラ「じょ、上司に向かってなんて無体な物言い!?」

神裂「ふざけてる場合ですか! この敵はそんな甘い相手ではありませんよ!?」


神裂の言葉は正鵠を射ていた。アホの子の漫才をしているうちに、アックアはインデックスを抱えようとしているローラの眼前まで迫っていた。


ステイル「ちぃっ! 聖人だか知らないが、彼女をやらせはしない! ――吸血殺しの紅十字!!!」

神裂「はあああッ!!!」


屋内戦では無類の強さを誇るステイルの魔術と、聖人たる神裂の七閃がアックアを横合いから殴りつける。



だが



アックア「ヌルいのである」


アックアは左手のメイスを一振りするだけで炎と鋼糸の連続攻撃をいなす。否、それだけに止まらず同時に右腕を振り上げ、目標であるインデックスをローラごと粉砕せんとしていた。














刹那、ステイルは守ると誓った大切な少女の死を幻視した


















しかし実際にステイルの網膜に飛び込んだのは、そんな無残な結末ではなく――


アックア「むっ、邪魔が入ったか」


ローラ「えっ、えっ……?」ヒョイ

ゲコ太仮面「しまった、反射的に助けちまった」



大切な少女と大切でない上司を、颯爽と死地より救い出し――



ステイル「…………」

神裂「カエルのお面? しかし、あの特徴的なツンツン頭はもしかして」

ステイル「すまない神裂。黙ってくれないかい」

神裂「ス、ステイル……? 表情が大変なことになっていますよ?」



ゲコ太仮面「ぎゃああー、失敗したーー!? 冷静に考えて、ここは筋肉ムキムキマッチョマンに加勢するべき場面じゃねーか!?」




無様に狼狽している、珍妙なお面を装着した この世で一番嫌いな少年だった。

といったところで今回は終了

原作がえらいことにににに……!? あれって主観時間だとジジ条さんなのでは……

投下ー



かつて世界の中心として栄華を極めたグレートブリテン、そのとある古城で御坂美琴は目撃した。


美琴「ゲ、ゲ、ゲ、ゲゲゲ……!?」


感動のあまり上手く言葉が出ない。というかゲしか言えてない。


美琴「わっ、わわわ、どどっ、どうしよう!?」

食蜂「御坂さん……?」

佐天「あー、嬉しいのは分かります。けど落ち着いて」

美琴「だだだだって!! ほらっ! あそこ、あそこにっ!!!」


必死に指し示す美琴の指先にあるもの――

それは理想の体現者だった。

困っている人があれば、何処からともなく颯爽と駆けつけるヒーロー。

フィクションの中でしか存在しないはずの、まさにご都合主義の塊が眼前で その雄姿を惜しげも無く晒している。


ゲコ太仮面「っと、今更慌てても後の祭りだよな。それよりケガはないか?」

ローラ「え、ええ」


アックア「接近に気付けなかった……? それにこの底知れぬ圧力は……」


ゲコ太仮面「躊躇いもなく、か弱き女性に手を上げようとするもの――――人、それを外道という」


アックア「何者だ貴様!」


ゲコ太仮面「外道に名乗る名前はないっ!!」



もう無理だった。御坂美琴の我慢の限界は、とうに振り切れ天元突破していた。



美琴「きゃあーー!!! ゲコ太キターーーーーーーーーーー!!!!」

佐天「いや、あれ上条さんですってば」


テレレレテッテッテー♪


御坂美琴は絶好調になった!!

倍率ドンで2ミコポイントを取得した!! ※現在所持数=4ミコポイント


CASE 24 INDEX 許されざる聖職者 後編


イギリス ウィンザー城内――


ゲコ太仮面「インデックスはいいとして、無抵抗の女性を殺害しようとは紳士の風上にも置けんヤツ!」ビシッ!

ローラ「その通りにつき! もっと言っても善きよ!」

ステイル「何を言っている! どうでもいいのは そっちの腐れ上司だろう!!」ガァァ

ローラ「本人がおりしなのに悪口を!?」


アックア「誤解があるようだが、こちらの標的は禁書目録ただ一人。庇いだてしないなら他の人間に手出しはしないのである」


ゲコ太仮面「多少腕に覚えがあるようだけど、甘く見るなよ」

ステイル「ああ、彼女には指一本、毛筋ほどの傷すら負わせはしな…」

ゲコ太仮面「テメエ一人で白い悪魔を殺せるとか慢心するにも程がある!!」デデン

ステイル「……え」

ゲコ太仮面「本気でインデックスを殺ろうってんなら、最低でも魔神級の魔術師一個師団は用意しろ!!」

ステイル「!?」ガビーン

ゲコ太仮面「その上で封印処理を施して、ロケットに括りつけて太陽にぶち込めばあるいは……いや、それでも安心できねえ!?」


アックア「…………」


ステイル「ふざけるなっ!! 上条当麻、君は彼女の味方だろう!?」

ゲコ太仮面「寝言は寝て言え!! てか俺はゲコ太仮面だ。上条当麻などではないッ!」キリッ

ステイル「そんなお粗末な変装で誤魔化せるか!!」

ゲコ太仮面「ハッ、体裁さえ取り繕えば何とでも言い訳は立つんだよ」

ステイル「うぐっ、なんだ……一瞬彼女の言動とダブって見えただと!?」


アックア「話が脱線しているのであるが……」


ゲコ太仮面「そうだった、そこで狸寝入りしてるバカにどうやってお仕置きするかを決めないとな」ウン

ローラ「え……」

ステイル「馬鹿な、彼女は遠隔制御霊装で昏睡状態のはずだ」

ゲコ太仮面「んな霊装(ガラクタ)が役に立つかよ」


禁書「…………」


ステイル「だが現に…」

ゲコ太仮面「効いたように擬態してるだけだ。理由はわかんねーけど、どうせしょうもないコト企んでるに違いない」


禁書「…………」ピク


ゲコ太仮面「コイツはいっつもそうなんだ。人の迷惑を考えず事態を無茶苦茶に引っ掻き回した挙句、後始末は全部俺に丸投げしやがる!」

ローラ「分かりける、大いに分かりける!」ウンウン

ゲコ太仮面「やれ世界平和だ、やれ神の意思だの 我がまま一杯甘やかされたクソガキ並のメンタリティだから性質が悪い」

ステイル「……(いかん、激しく同意しそうになった)」


禁書「…………」ピピク


ゲコ太仮面「人の忠告に耳を貸さねーし、説教しようもんなら逆ギレしやがる」

ローラ「ハァ、何時の間にこうなりてしまったのやら……」

ゲコ太仮面「もう俺の手に負えないんだよ。ステイル、お前が何とかしろよ」

ステイル「君、やっぱり上条当麻だろ」

ゲコ太仮面「知らんな」シレッ


禁書「ムキーーー!!! さっきから黙って聞いてれば好き放題言ってくれちゃって!!!」ガァァ


ステイルローラ「「あ」」

ゲコ太仮面「ほれ見たことか」


禁書「私のやってることは、ぜーーーっんぶとうまの為だと言うのに!!」プンスカ


ゲコ太仮面「ゲーコゲコゲコ、私は通りすがりのゲコ太仮面。苦情は本人に言ってくれ」

ステイル「コイツ……」

ローラ「……(えっ、嘘……遠隔制御霊装は正常に稼働たりしのに、ど、どうして!?)」アウアウ

ゲコ太仮面「ふむ、カーテナの反応を感じないな。てことは、ここに女王陛下はいらっしゃらないのか」

ステイル「心配いらない、すでに天草式が撤退させている。……いつまで呆けてるつもりだ神裂」

神裂「はっ!? あまりの展開に茫然としてました」


禁書「無視しないでほしいんだよ!!」


ゲコ太仮面「んじゃ後始末は任せるわ。あ、それと学園都市を攻めるってんなら遠慮なくぶっ潰すからな」

神裂「待ってください! 私もご一緒します」

ステイル「神裂っ!? まさか僕一人に押し付けるつもりなのか!」

神裂「い、いえ、その……私には天草式を巻き込んだ責任があるので」アセアセ

ローラ「私は!? 私も学園都市へ帰りたしなのだけど!?」アセアセ

ステイル「見苦しいぞ最大主教! 計画が失敗した以上、いい加減腹を括ってください!!」

ローラ「そ、そもそも禁書目録の管理人は上条当麻なりけるのではなくて!?」

ゲコ太仮面「はて? かみ……ゲコ太には分かりかねますな」


禁書「…………」プルプル


美琴「ゲコ太ゲコ太ゲコ太ぁぁーーーー!!!」

佐天「もう何がなにやら……」ゲンナリ

食蜂「……(何気に御坂さんより強そうな面子ばかりなのよねぇ。ここは――)」ピ


アックア「!」シイタケ


アックア「おおおォォォッ!!!」グオッ


禁書「…………」プルプル


ステイル「!」

ローラ「ああっ、なんてこと!? 油断したる隙に賊が禁書目録に!(これで倒されてお願い!)」

神裂「……(無駄ですね。通常の物理攻撃では彼女を害することは出来ません)」






禁書「いつまで寝てるのかな、――アウレオルス?」



アウ「御意に。――倒れ伏せ」キンッ



アックア「!?」バターン!!


ステイル「は……あの男は確かに死んだはず……」

ローラ「死人が蘇るなんて……!」

アウ「悠然、聖女の加護がある限り 我が魂は不滅。それより何時まで遊んでいるのだ――テッラ」



テッラ「思いの外フィアンマの抵抗が強かったんですよ」シュン!



ローラ「左方のテッラまで!?」

ステイル「最悪だ……これでは」

神裂「呆けている場合ですか! 作戦が失敗した以上、この場に止まる理由はありません!」

ステイル「わかっている! 上条当麻っ!! 僕たちで殿を…」


シーン


ステイル「…って、あのヤロウ逃げやがった!?」ガビーン

神裂「続きます!!」ダダッ!!

ステイル「切り替えが早い…ってオイ!? 聖人の本気に僕らが着いていけるわけないだろう!!」

ローラ「死にたくなし!? 死にたくなしーー!?」オロオロ


禁書「アウレオルス」

アウ「ハッ! ――聖女インデックスに叛意を持つ者よ、悉く跪け!!」キンッ


ステローラ「「かはっ!?」」バターン!!


テッラ「『光を掲げる者』は見逃しになるので?」

禁書「戦略目的は果たせたからね。……それにちゃんと助けに来てくれたもん。ふふっ、とうまはツンデレさんなんだから♪///」テレテレ

アウ「……(そのためだけに自らピンチを演出したというのか……。女というのは度し難い)」

禁書「あなたも学ばないね、アウレオルス?」ニッコリ

アウ「ひいっ、めめめ滅相も無い!?」ビクッ


テッテレー


インデックスに首輪の遠隔制御霊装は効いていなかった!!

イギリス女王、並びにイギリスの重鎮たちが学園都市へ亡命した!!


禁書「で、裏切り者たちの処分なんだけど」


ステローラ「「ッ!!」」ギクッ


禁書「仏の顔も三度までというからね。寛大な私は四度まで許してあげるんだよ」

テッラ「なんという慈悲!」

アウ「当然、それこそが彼女を聖女たらしめているのだ」ウン

テッラ「……首がずれてますよ?」

アウ「ぬぐっ……首から上が吹っ飛んだ状態からのリカバーは難しい」グググ

禁書「ステイルは今まで失態なしだからお咎め無しかも」


ステイル「いいのかい? 君が行動を改めない限り、僕は何度でも反逆するよ」


禁書「知ってるよ。あなたは何時だってその立場を選ぶからね」クスッ


ステイル「それはどういう…」

ローラ「ひィィッ!? 爪がっ、爪が赤く染まりたるは何故ーー!?」


禁書「ふふっ、一つ……あなたは私を都合のいい道具にして弄んだ」

禁書「二つ……あなたはとうまの記憶を失う原因を作った」

禁書「三つ……あなたはイギリス女王と結託して裏切る算段を立てていた」

禁書「四つ……あなたは実際に反逆し失敗した」


ローラ「あわわわ……」ガクブル


禁書「もう四本も指が折れちゃったんだよ。あと一本でヒキガエルだね♪」ニッコリ

アウ「……(お、恐ろしい……! まるで無邪気に虫の足をもいで遊ぶ子供のようだ!?)」ガクブル

テッラ「五本目は折らなくてもよろしいので?」

禁書「う~ん、どーしよっかな」


ローラ「許してたもれ!? 後生だからヒキガエルだけは堪忍してーー!?」イヤイヤ

ステイル「往生際が悪いってレベルじゃありませんね」ヤレヤレ

ローラ「ステイルからも陳情してあげたし!?」

ステイル「嫌ですよ」


禁書「あ」


ローラ「!?」ビクッ


禁書「五つ……あなたは何となく気に入らないから折っちゃおう」ニッコリ


ローラ「そんな理由でーー!?」ガビーン


禁書「あなたに明日は来ない」キリッ


ステイル「うわ、爪が紅ショウガみたいに深紅になってる」

ローラ「嫌ぁぁーーーー!!!」ギャース



禁書「でも私は功績を正しく評価する事も忘れないんだよ」


ローラ「……へ?」


禁書「あなたの下衆な企みがあったからこそ、とうまと巡り合えた。私はその功績を忘れていないかも」


ローラ「あ……ああっ!」

ステイル「ちっ、爪が青に戻ってしまうなんて」

ローラ「どうして舌打ちしたるの!?」

ステイル「自分の胸に聞いてみたらどうです?」

ローラ「ううっ、でも良かった……ヒキガエルにされずに済んで本当に良かった……」グッスン


禁書「フフフ、次は無いからね」


ローラ「うっうっ……!」コクコク

テッラ「おお……! 裏切り者にすら許しを与える慈悲深さ!!」

アウ「オールハイル・インデックス!! 慈悲の聖女、インデックス万歳!!」

ステイル「はぁ……なんだろうね、この虚脱感は」ゲンナリ


テッテレー


インデックスは何一つ失うことなくイギリス攻略を成功させた!! ※上条さんの好感度は除外する



九月二十七日


学園都市 第七学区 窓のないビル――


土御門「――かくして連合王国は滅亡しましたとさ」

アレイ☆「白い悪魔にとっては既定路線だろう。現に驚くほど混乱が起きていない」

土御門「アレは一体何者なんだ? カミやんによって首輪を破壊される以前と比べ、まるで別人のような豹変ぶりだそうだが」

アレイ☆「人格の変異など些細な問題だ。重要なのは、あのバケモノに不可能はないという一点に尽きる」

土御門「個人の気まぐれで世界滅亡もあるっていうのか。ふざけてるな」

アレイ☆「一般人に被害を出していない現状を鑑みれば、一定のモラルは持ち合わせているようだがね」

土御門「それどころかイギリスでは大歓声で迎えられたそうじゃないか」

アレイ☆「歴史を紐解けば真の英雄は、その存在感の大きさゆえ無条件に群衆を屈服させた事もある」

土御門「ものには限度があるだろう。これはカリスマなんてものじゃない、……まるで呪いだ」

アレイ☆「ふむ、だがそれは上条当麻にも当てはまるのではないかね?」

土御門「…………」

アレイ☆「彼らは恒星なのだよ。その圧倒的な輝きが人々を引き寄せ、そして魅了してやまない」

土御門「少なくとも、カミやんにその自覚はないと思うぞ」

アレイ☆「燦然と輝く太陽は、自身が輝く理由など知りはしない。彼もまた同じさ」

土御門「そうかもな……。ま、一高校生のオレは学生生活を満喫させてもらうぜよ」ニヤリ

アレイ☆「『グループ』に参加しないのか?」

土御門「必要な時、カミやんが冷徹になれるならオレはいらんだろ」

アレイ☆「単に義妹や友人たちと遊び呆けていたいだけかと思ったが、そうか、一応の理由もあったのか」

土御門「あ、当たり前だ」ギクッ



第七学区 とある病院 ヴィリアンの病室――



ヴィリアン「皆さまには、大変お世話になりました。ありがとうございます」ペコリ


御坂妹「いえ、善良な一ミサカとして当然の事をしたまでです、とミサカは無難に謙遜してみます」

浜面「そうだな。けどお前が言うと何か胡散臭いからやめれ」

御坂妹「胡散臭い同僚に言われたくありません。胡散臭い馬面のようなハマヅラ」シレッ

浜面「韻を踏むんじゃねえ!! てか俺の顔は馬面でもなけりゃ胡散臭くもねえよ!?」ガビーン

御坂妹「それはいいとして」

浜面「良くないからね!?」

御坂妹「お姫様は不自由していませんか? とミサカは不躾に尋ねてみます」


ヴィリアン「ええ、良くして頂いてます」ニコニコ


浜面「そりゃ良かった。にしてもお互い、何とか生き延びれたな」

御坂妹「まったくです。今回も最多出血賞を欲しいままとは、とミサカは無鉄砲な同僚に呆れを通り越して称賛の言葉を贈ります」パチパチパチ

浜面「なんだよその不名誉な賞!?」

御坂妹「野菜星人みたいにパワーアップすれば救いがあるのに、とミサカはため息を漏らします」ヤレヤレ

浜面「……オーケー、退院したら模擬戦な」

御坂妹「おや? 病院にとんぼ返りしたいのですか? とミサカは同僚にマゾっ気の疑いを持ちます」

浜面「上っ等だあああああああああッ!!! ギャフンと言わせてやるから覚悟しとけ!!」ガァァ

御坂妹「ぎゃふん」ニヘラ

浜面「こ、このヤロウ……ッ!!」


ヴィリアン「ふふっ、日本ではお二人のような関係を指して、ケンカするほど仲が良いというのでしょう?」


浜面御坂妹「「ねーよ!」とミサカは即座に否定します」


第七学区 とあるファミレス――


黒子「んまあ! わたくしを除け者にしてイギリス旅行ですって!?」

美琴「え、えと」

黒子「あんまりですの! まるでハネムーンに置いていかれた花嫁の心境ですのよお姉様ぁーー!?」キィィィ

初春「それをいうなら留守番を喰らった飼い犬の心境じゃないですかー?」モグモグ

黒子「……初春、相変わらず容赦がありませんのね」

佐天「まあ内乱に巻き込まれて、その日のうちに帰ってきたんですけどね」

美琴「木は……うちの腐れ上司が絡んでたから想定の範囲内よ」ウン

黒子「お、お姉様?」

美琴「ったく、仕事なら仕事って最初から言っとけっつーの。あの刺青中年め……いつか超電磁砲でぶっ飛ばしてやる」ムカムカ

佐天「とか言っちゃってー♪ 毎日カレシと一緒にいられて嬉しいくせにー♪」ニヤニヤ

美琴「なっ……!///」カァァ

黒子「か、かかかっ、彼氏ですっってぇぇーーー!?」

美琴「ちがっ、あ、アイツとはまだ……///」モジモジ

黒子「まだってなんですの!? 明確に否定してくださいまし!!」

佐天「いやー、時間の問題だと思いますよ? 上条さん凄く積極的だし、御坂さんもまんざらでもなさそうだし」ニヤニヤ

美琴「さ、佐天さん!///」

黒子「嫌ああああああああ!?!? おおおお姉様が汚らわしい類人猿の毒牙にぃぃぃぃぃッ!!!!」ガンッ!! ガンッ!!

美琴「わ、私のことはいいから! それより初春さんはどーなの!?///」アウアウ

初春「はえ!?///」カァァ

佐天「初春はダメッ!! あたしの許可なくカレシなんて認めませんからねっ!!!」ビシッ!!

初春「なな、何言ってんですか佐天さん!?///」アウアウ



ウエイトレス「……(うぜぇ、恋愛脳のクソガキ共が……!)」イライラ


木原くんの研究室――


木原「まあなんだ、イギリス遠征ごくろーさん」シレッ


上条「白々しい……」ジトー

食蜂「本当よねぇ。休日出張の成果がこんなマッチョ一人だなんて悪夢だわぁ」ヤレヤレ

アックア「…………」シイタケ

上条「って、なんで連れ帰ってんだよ!?」ガビーン

食蜂「こう見えて結構な戦力よぉ? 御坂さん程度なら軽く捻っちゃうくらい強いんだゾ☆」

上条「仲間を捻るな! しかもよく見たらコイツ後方のアックアじゃねーか!?」


木原「なんだそれ?」


上条「普通にレベル5より強い魔術師だよ。……つか食蜂の能力効くのかよ」ペタ

パキーン!

アックア「むっ、ここは……?」

食蜂「ああーーッ!! せっかくの洗脳力が!?」

アックア「洗脳だと?」

上条「悪く思わないでくれよ。白い悪魔から無事に逃げれただけ…」

食蜂「えいっ」ピ

アックア「…………」シイタケ

上条「お前なぁ、まさか洗脳したまま手駒にしようとか考えてないか?」


木原「お、いいなそれ」


上条「あんたも煽るんじゃねえ!?」


木原「そう怒るなって。いいコト教えてやるからよ」ニタァ


上条「表情が悪いコトだと物語ってる……」ゲンナリ

食蜂「何かしらぁ?」


木原「お前らが連れて来たイギリスの連中な、統括理事長が亡命を認めるってよ」


上条「あれ? 普通に朗報だと……?」

食蜂「当然といえば当然の流れだけど。学園都市側にデメリットは無いしぃ」

上条「そうじゃねえ。木原さんのいいコト=上条さんの借金上乗せの方程式ってのがあってだな」

食蜂「…………」

上条「でも上の了承を取れなかったから心配してたんだ。うん、よかったよかった」ウン


木原「だから独断専行のペナルティとして、連中の亡命政権の設立&維持費は全部上条が出すって事でまとめてやった。泣いて感謝しろ」ニタァァ


上条「ぶーーっ!?!?」

食蜂「うわぁ……」


木原「心配すんな、大した金額じゃねぇよ。宝くじの一等が10回当たれば払える程度だからよ」ニヤニヤ


上条「うう……上条さんに救いはないのですか……?」ガックリ


テッテレー


上条さんの借金が、またまた上乗せされてしまった!!

『女王の軍勢』に後方のアックアが強制的に加わった!! ※ただし幻想殺しで触れた瞬間裏切る


第七学区 とある学生寮 一方通行さんち――


一方通行「オイ……」

オルソラ「はい、なんでございましょう?」ニコニコ

一方通行「この部屋が存外に広いっつったのは、昨日だよな」

オルソラ「ええ」

一方通行「それが昨日の今日で――」



建宮「五和、醤油を取ってくれ」モグモグ

五和「お醤油お醤油は……あ、これですね。はい」スッ

建宮「サンキューなのよな」

神裂「やはり日本の食卓には、和食が一番合いますね」モグモグ

五和「女教皇さま、ご飯のおかわりはいかがですか?」

神裂「いただきましょう」

香焼「……あんな書置きしといて、次の日に戻ってくるのはどうなんすか?」

対馬「気にしたら負けよ」ウン



一方通行「ちったァ気にしやがれ!! うちは駆け込み寺じゃないンですがねェ!?」

オルソラ「えっ」ハテ?

一方通行「あン?」


建宮「表札のトコにしっかり書いてたのよ。『救われぬ者を救う家、魔術師も大歓迎』ってな」


一方通行「はァ!?」

オルソラ「お隣さまが書いたのでございますよ。あなた様の了承を得ていると仰ってましたが、御存じございませんでしたか?」ニコニコ

一方通行「あ、あの腐れシスコン野郎がァァァッ!!!」ガァァ

といったところで今回は終了
このペースだと暗部抗争編までに5ポイント溜まっちゃいますなー

投下ー


第七学区 とある大通り――


黄泉川『――銀行を襲った強盗の車両が第七学区駅前の大通りを逃走中じゃん。特務支援課、やれるか?』

浜面「今市民の避難誘導を終えたところだ。バリケードの構築には時間が…」

美琴「大丈夫よ、強盗の車を止めればいいんでしょ?」

浜面「そうだけど……み、御坂?」

美琴「危ないから浜面さんは下がって。お出ましみたいよ」バチバチッ



強盗「ひゃひゃひゃ!!! アンチスキルも大したことねえな……って、なんでガキが道路の真ん中につっ立ってやがるんだ?」



美琴「車両ナンバーは情報通り。警備員を撒ける程度はドラテクに自信あるんでしょうが――」

キーン

美琴「ここから先は進入禁止よ!!」ビリビリッ!!



強盗「あの制服……ッ! ま、まさか常盤台の超電磁うぎゃああああああああああああ!?!?」



ズドォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!



美琴「ま、こんなもんかな?」

浜面「す、すげえ……。コイン一枚で暴走車両を止めちまいやがった」ポカーン

美琴「それじゃあパパっと事後処理して、黄泉川先生に報告しますか」

浜面「お、おう!(俺にも御坂の超電磁砲みたいな必殺技があれば……!)」


CASE 25 とある浜面の超必殺技伝授(はおーしょーこーけんを使わざるを得ない)


十月三日


第二学区 アンチスキルの訓練所――


浜面「てなわけで大将! 俺に必殺技を伝授してくれ!!」

上条「唐突だな、てか必殺技?」ハテ?

浜面「イギリスの一件で痛感したんだ! 今のままじゃ魔術師に対抗できねえって」

上条「そんな事ないと思うけど。俺たちはチームで戦ってるんだし、浜面は十分役割をこなせてるじゃねーか」

浜面「確かにそうだけど……俺にだって男のプライドがあるんだよ!!」

上条「なるほど、強くなってモテたいと申すか」フム

浜面「ちげーよ!? 俺はただ御坂妹にギャフンと…」

上条「なんだと! 御坂妹と交際したいなら俺を倒してからにしてもらおうかッ!!!」ゴゴゴゴゴゴ

浜面「こわっ!?」ビクッ

上条「心配すんな。すぐに怖くなくなる、つーか何も感じなくしてやる」ニッコリ

浜面「だからこえーよ!? 俺に御坂妹をどうこうするつもりは無いから落ち着いてくれ!!」ギャース

上条「は……?」

浜面「さすがに御坂妹に手を出すほど無謀じゃ…」ホッ

上条「テメェ……うちの可愛い御坂妹に、女の子として魅力がないというのか!?」ガァァ

浜面「この親バカめんどくせぇぇーーーー!!!」


数分後


上条「なんだ、御坂妹を見返してやりたいから必殺技を会得したいわけか」

浜面「やっと分かってくれた……」ゲンナリ

上条「必殺技ねぇ……で、具体的にどういう技を学びたいんだ?」

浜面「え?」

上条「必殺ってのは、単純に相手より速く動いて、相手より速く攻撃を当てればいいだけの話だろ?」

浜面「いやまあ……そうなんだろうけど」

上条「んじゃ実践してみますか。あそこに訓練用のダミー人形があるだろ?」



ダミー『』



浜面「おう」

上条「では攻撃開始」シュン!!

浜面「へ……?」




上条「ドラララララララララララララッ!!!!」

ダミー『!?!?』ドガガガガガガガガガガガッッ!!!!!!

上条「ドラァーッ!!!!」

ダミー『』パラパラパラ




浜面「ダ、ダミー人形が一瞬で粉々に……」


上条「ふぅ、簡単だろ?」

浜面「どこが簡単なんだよ!? なんだよさっきの!」

上条「普通にタコ殴りにしただけですよ。でも大抵の相手は瞬殺できる」

浜面「事もなげに言うなよ!? あんな人外パワーは普通じゃ出ねえから!!」ギャース

上条「ハハハ、数年も魔術師主催のトンデモ大戦に巻き込まれ続ければ、フツーに出来るようになるって」

浜面「マジかよ!?」ガビーン

上条「えらくマジです」ウン

浜面「か、仮にそうだとしても、俺は今すぐ強くなりたいんだよ」

上条「わがままですなぁ。強さなんてのは、一朝一夕で手に入るもんじゃないんだけどな」

浜面「それでも大将なら何か知ってるんじゃないか? フィクション的な、こう……魔力とか気とか使うヤツをさ!」

上条「う~ん、確かに使えるけど」

浜面「!」

上条「まず意識をカラダの内側に集中させる。ちょうど下腹の丹田辺りに」

浜面「下腹の辺り……」

上条「腹式呼吸をすると感覚を掴み易いぞ」

浜面「すぅー、はぁー」

上条「そうしてると何となくカラダが熱くなってこないか?」

浜面「た、たしかに」

上条「そこから更に感覚を研ぎ澄ませて、丹田に溜まりつつある名状しがたい力の塊を認識するんだ」

浜面「いや力の塊っつっても、……ダメだ、さっぱり分かんねえ」

上条「そこが一番の難所だからな。で、次は力の塊を右腕に這わせる感じで移して」ドドドドドドド

浜面「なんだ!? 大将の右手からとてつもないプレッシャーを感じる!?」

上条「一気に解放すると!!」カッ!

浜面「一体どうなるってんだ!?」



竜王の顎『GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!』

上条「ことほど左様に竜が出る」ドヤァ



浜面「え……ええぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーー!?!?」ガビーン



上条「ふぅ、簡単だろ?」

浜面「ちょっと待てあり得ねーよ!? なに? 右手からドラゴン? とんだ万国ビックリ人間ショーだよ!?」

上条「失敬な。こんなの二万回くらい死線を越えれば、誰にだって出来るようになるっての」

浜面「アンタどんだけ修羅場潜ってんだ!?」ガビーン

上条「気にすんな。俺は気にしたら負けだと思ってる」ウン

浜面「……そういうもんかよ」ゲンナリ

上条「しかし困ったな。あとは超強力なレーザーで北半球をまるっと壊滅させる技とか、さっきのドラゴンで北半球をサクっと消滅させる技しかないぞ」

浜面「アンタ北半球に何か恨みでもあんのか!?」

上条「別に南半球もまとめてイケるけど?」

浜面「なお悪いわ!!」ガァァ

上条「やれやれ、近頃の若いモンは怒りっぽくて困るのう」

浜面「……人選間違えたかな」ガックリ


木原「そらそうよ。こういうのはクレバーで頭脳派な俺に聞くのが適任ってもんよ」ニタァ


浜面「もっとダメそうな人来ちゃったーー!?」ガビーン

上条「ふむ、ではお手並み拝見といこうかのぅ」


学園都市 第十三学区 あすなろ園――


アニェーゼ「寮監さん、掃除に洗濯ついでに買い出し完了しました」

アンジェレネ「日用雑貨だけでもスゴイ量でした……」グッタリ

ルチア「この程度で根を上げるなんて、だらしないですよシスター・アンジェレネ」


寮監「ふふっ、三人ともご苦労だったな。おやつにシュークリームを用意してあるから食べるといい」


アンジェレネ「シュークリーム!?」

ルチア「いただく前に、きちんと手洗いとうがいを……って、シスター・アンジェレネ!!」

アニェーゼ「冷蔵庫へ まっしぐらに駆けていきましたね」クスッ

ルチア「笑い事ではありません! ここには小さな子が大勢暮らしてるんですから、私たちが範を示さないといけないのに!」プンスカ

アニェーゼ「まあまあ、そう目くじらを立てなくてもいいでしょう」

ルチア「そうはいきません! 待ちなさい、シスター・アンジェレネ!」タッタッタ


寮監「今時珍しい生真面目な子だな」

アニェーゼ「確かにその通りなんですが、少しばかし融通が利かないってのが玉に瑕でして」

寮監「そんな事はない。彼女の厳しさは、ここの子供たちを見る上で欠かせない貴重な素養だろう」

アニェーゼ「置き去り(チャイルドエラー)でしたっけ……」

寮監「学園都市が抱える大きな闇だ。親が子を捨てるなど、あってはならんと言うのにな」

アニェーゼ「それが許されちまうのが世の中ってもんです。反吐が出ますがね」


寮監「君は……」

アニェーゼ「ここの子供らは恵まれてますよ。私の知る地獄って奴は、もっと惨めで孤独で救いようのないところでしたから」

寮監「…………」

アニェーゼ「日々の食糧や衣服、凍死しない寝床……そんなもんすら当たり前じゃなかった。度を越した貧困は人を荒ませるんです」

寮監「…………」

アニェーゼ「だから大丈夫ですよ。ここは地獄からは程遠い、寮監さんら大人が心を砕いてるうちは、ね」

寮監「そうか、だが君も勘違いしているようだ」

アニェーゼ「え?」

寮監「私からすれば、君たちも保護すべき子供という事さ」ギュッ

アニェーゼ「んなっ!?///」カァァ

寮監「ボランティアとして君らのことを上条君に紹介されたのだが、ふふっ、そういう事か」ナデナデ

アニェーゼ「ななな、なんで頭を撫でてんですか!?///」

寮監「遠慮はいらん。子供は子供らしく大人に甘えていいんだ」ナデナデ

アニェーゼ「私はもう大人なんですが!?///」

寮監「そう言ってるうちは子供だよ」ナデナデ

アニェーゼ「むぎゃああーーー!!! シスター・ルチア! シスター・アンジェレネ! 二人とも何とか言ってやってください!!///」



アンジェレネ「はむはむはむっ!!!」ムシャムシャ

ルチア「あっ、おいしい」パクパク

アンジェレネ「黒蜜堂のエクレアも最高でしたけど、このシュークリームも美味しいです!!」ムシャムシャ



アニェーゼ「……ダメだ、どう見ても一心不乱におやつを貪るクソガキです」ゲンナリ

寮監「おや? 君の分まで食べられてるようだが」

アニェーゼ「!?ッ、こらーーっ!!! 人様の分まで食い散らかすなんて、どういう了見してやがりますかーっ!!!」ガァァ


寮監「……(こうしてると年相応だな。やはり子供は子供らしくあるべきだ)」


第二十三学区 エンデュミオン――



禁書「フッフッフ、もう少しで完成するんだよ。とうまを救済するための大魔術が!!」デデン


ステイル「ああ……また胃痛の種が増えてしまうのか」ゲンナリ

ローラ「まだそうと決まったわけでは無きにしもあらずよ、ステイル」

ステイル「いいえ、僕にはわかるんですよ。彼女は碌でもない事件を引き起こそうとしているんだ……!」

ローラ「六でダメなら七にすれば善きじゃなくて?」

ステイル「ダメだ……緑の二人組は別件で留守。頼みの綱の腐れ元上司は脳まで腐っているときてる。僕がしっかりしないと……」

ローラ「人間諦めが肝心と言いけるでしょう? もう幻想殺しの少年に丸投げしたりなのよ」シレッ

ステイル「……心の折れた大人の理屈ですね」

ローラ「背かなければ栄達が約束されてるのだもの。考えようによってはチャンスではなかろうかしら?」

ステイル「知りませんよ……」


禁書「とうまには致命的なコンプレックスがあるからね。押してダメなら引いてみろ。要は、とうまを学園都市に居られないようにすれば万事解決かも」ニコニコ


ステイル「ハァ……その原因がキミだと知れたら元も子もないじゃないか」

ローラ「バレなければ問題なしよ」


禁書「そうなんだよ。どんな汚い手を使おうが、最終的にバレなければよかろうなんだよォォォォッ!!!」バァァァァン!!!


ステイル「さ、最低だ……!?」


第二学区 アンチスキルの訓練所――


木原「そんじゃ時間が勿体ねぇ事だし、手短に済ませるぜ」

浜面「おう!」

木原「今から教える技は、相手の防御を完全に無視して一撃の下に葬り去るって荒業だ」

浜面「す、すげぇ……! 一体どんな技なんだ」

木原「テメエのような馬鹿にも理解出来るほど理屈は至ってシンプルだ」

浜面「あ、ああ」ゴクリ

木原「よーく見てろよ。――――フンッ!!!」シッ!!!


ダミー『フカイナキバミ!?!?』ドガッ!! パラパラ……


浜面「ええーーっ!? ただ殴っただけなのに、ダミー人形が粉々になりやがった!?」

上条「ただのパンチじゃねえ。初撃がヒットした瞬間、間髪いれずに二撃目を打ちこんでた」

木原「見切ってやがったか」ニヤリ

浜面「どういう事だよ? 二撃目があったとしても、あんな風に粉々にはならねーだろ……」

木原「ちったぁ頭を使え。いいか、物体には抵抗力ってのがあってな、そのせいで普通に殴っても衝撃を分散緩和されちまうんだ」

浜面「そのくらい知ってるぜ」

木原「なら話は簡単だ。一撃目で対象の抵抗力を殺し、瞬時に二撃目を打ちこむことで完全に破壊する……簡単だろ?」

上条「楽勝ですな」ウン

浜面「なわけねーよ!? なんだよそのトンデモ理論!?」

木原「はあ? カラダから電撃だの火炎だのひり出しちまう方がトンデモだろうが。それに比べれば十分科学的だ」

浜面「なにその暴論」


木原「はぁー、ったく、アホのくせしやがって細かいコト気にしてんじゃねぇよ」ヤレヤレ

浜面「俺が悪いのかよ!?」ガビーン

上条「悪くないよ。けどさ、常識的な手段に頼ってるうちは非常識な連中に対抗できないんだよ」

浜面「そ、それは……」

上条「それに強すぎる力ってのは、時にソイツ自身を孤独にする。あまり拘るモンでもないと思うぞ」

浜面「孤独?」

上条「何でもかんでも一人で背負おうとする悪癖持ちを、二人ばかり知ってるんだ。……うち一人は上条さんの理解を超えてますが」ガクブル

木原「ま、心配いらねぇよ。そこのチンピラには異能の才能がまるでねえ。所詮は凡才凡骨の域を出る事はない」

浜面「凡才はともかく誰が凡骨だ!!」ガァァ

上条「ハハ、平凡なのが一番しあわせだと思うけどなぁ」



黄泉川「おっ、浜面じゃん。少し訓練に付き合わないか?」



浜面「へいへい……悪いな大将。ちょっと逝ってくるわ」

上条「おう」

木原「やだねぇ、スカしたツラして巨乳美人と個人レッスンかよ」ヒソヒソ

上条「胸の大きさに拘るとは、まだまだ青いのう」ヒソヒソ



浜面「うるせーよ!?」

黄泉川「お喋りはそこまでじゃん。ケガしたくなければ、訓練に集中しろ!!」

浜面「チッ、何時までも余裕かませると思うなよ。今日こそ一本取ってやる……!!」



上条「ほっほ、熱血ですなぁ」

木原「けっ、意気込みだけで強くなれたら世話ねえっての。……けどまぁ俺の研究のモルモットには最適か?」ニタァァ


テッテレー


木原数多生存ルートの特典により、浜面仕上パワーアップフラグが成立した!!


テロロン……


木原幻生死亡ルートの弊害により、御坂美琴超絶パワーアップフラグが成立しなかった……


イタリア 某所――



フィアンマ「うっ……ここは……俺様は一体……」


??「気がついたようだな」


フィアンマ「お前は……ぐっ……!?」


??「無理をしないほうがいい。君は生きているのが不思議なくらい重傷だったんだ。特に右腕は切断され酷い有様だった」


フィアンマ「……俺様の右腕が無い、だと? ……そうだ、俺様はテッラと戦い……成す術なく……」ワナワナ


??「右方のフィアンマほどの魔術師が一方的に敗北を喫するとは、やはりイギリス清教の白き魔神の実力は本物か」


フィアンマ「……何者だ?」


??「名乗るほどのものじゃないさ。口の悪い聖人曰く、魔神になり損ねた間抜けな魔術師らしい」

シルビア「ほう、誰の口が悪いだって?」

??「えっ、居たのかい!?」ギョッ!?

シルビア「居るに決まってるだろうこの没落貴族。テメエが犬猫感覚で拾ってきやがった死に損いの手当ては誰がしたんだ?」

??「い、いやぁ……ちょっと買い出しに行ってる間に手当てが済んでたから、てっきり小人さんの仕業かなぁ、と」

シルビア「…………」キリキリキリ

??「ね、ねぇ。キリキリと不吉な音を立てながら何を巻いているのかな?」オロオロ

シルビア「イギリス清教の聖人御用達の鋼糸さ。ちょいとボンクラを亀甲縛りにして吊るそうと思ってな」

??「ひぃひ!? それって俺のことじゃないですよね!?」ビクッ

シルビア「他に誰が居るっていうんだこのボンクラがァァァあああああああああああああああああ!!!」ヒュン!!


クルクルクル!!


??「ぎぃぃやああああああああああああ!!?? いともたやすく行われるえげつない行為ィィィーーーー!?」ギッシギッシ!!



フィアンマ「なんだコイツら」ポカーン

といったところで今回は終了
結局ボロボロな上条さんから数えるのも馬鹿らしいほど焼きそばパンを強奪してやりましたよ!

なおミコっちゃんもゲーセンコインを巻きあげられた模様

投下ー



◆◆◆◆


学園都市 第一学区 行政府――


秘書「理事長、上条神父からの連絡通り複数の侵入者を確認しました」

美琴「法皇級の魔術師で構成された暗殺部隊ね。迎撃は?」

秘書「マグヌス隊長が対魔術師部隊を展開中ですが……」

美琴「何人か抜けて来る可能性が高いか。最悪の場合、私が直接相手するしかないわね」

秘書「おやめ下さい! 理事長にもしもの事があれば学園都市はどうなるのです!」

美琴「心配いらないわ」

秘書「ですがっ! 学園都市の独立が認められているのは、貴女と上条神父の緊密な繋がりがあるからです。それを失えば……!」

美琴「あはは、当麻も私も偉くなったもんよね」クスクス

秘書「笑い事ですか!? 十字教の白い悪魔は理事長に明確な殺意を向けているのですよ!」

美琴「難儀なことね、まったく」

秘書「ともかく安全な場所へ避難を!」

美琴「だから心配いらないって言ってるでしょ。私には最強無敵のヒーローがついてるんだから」


バンッ!!


魔術師「聖女インデックス様のために、ミサカミコトに死を!!」


秘書「もうここまで!? ッ、お逃げください理事長っ!!!」


魔術師「逃がしはしない。我らが聖女様の安寧の為、その女には死んでもら…」

バキッ!!!

魔術師「たわばっ!?!?」バターン


秘書「え……?」

美琴「遅刻よち・こ・く。レディを待たせるなんて、らしくないわよジェントルマン?」ニコッ


上条「ハハ、カーテンコールには間に合ったろ?」


上条「それに上条さんにも都合がありまして…」

美琴「言い訳しないの!」ツンツン

上条「おぐはぁっ!? みみみ、御坂さん!? 後生ですから脇腹をつつくのやめてマジで痛いからぁぁああああああ!?」ギャース

美琴「カッコつけてやせ我慢するからよ。……また無茶したんでしょ」

上条「さ、流石にインデックスを振り切って学園都市に来るのは命懸けでしたよ……ハハハ……」ズキズキ

美琴「…………」

上条「そんな顔すんな。俺は必要悪の教会を預かる者として、当然の義務を果たしてるだけだ」

美琴「うん……」

上条「科学と魔術がまた戦争状態になるのだけは阻止しなくちゃいけない。だから御坂が気に病む必要はないんだよ」

美琴「分かってる。でも……理由はそれだけ?」

上条「おまっ、せっかく大人らしく建前で済ませようとしてるのに!?」

美琴「あはは、冗談よじょーだん♪」クスクス

上条「ハァ……ったく、からかうなよなぁ。御坂にせつない顔で責められると、上条さんはドキドキしますことよ」

美琴「いやー、私もまだまだ捨てたもんじゃないって事か」ケラケラ

上条「そうだよ、御坂は魅力的な女性――むっ、この邪気は!?」キュピーン


ジャラジャラ!!


上条「うおっ!? こ、虚空から妙ちきりんな鎖が……って、痛たたたたた縛られてるぅぅーーー!?!?」グルグル

美琴「当麻っ!!」

上条「クソっ、こんなの右手で……あ、あれー? 何気に幻想殺しの処理限界を超えてますよこの鎖!?」


禁書『高い神性を持つとうまに、その鎖は千切れないよ』


上条「そそそ、その声はインデックスさん!?」

美琴「ッ!!」ギリッ


禁書『天の鎖よ! 私の大切なとうまをイギリスまで連れ帰るんだよ!!』


ジャラジャラジャラ!!


上条「ひぎゃあああああ!!! イギリスから上条さんを一本釣りなんてあぎゃぎゃぎゃぎゃこれは濃密な死の予感がしますぞーーー!?」ピューーン!!


美琴「と、当麻ぁぁーーーー!?」ガビーン



◆◆◆◆


学園都市 グループのアジト――


上条「――やめてぇ……ノーバウンドで強制帰国だなんて普通死んじゃいますからぁ……ぐぅ……」ウーンウーン

美琴「もう、ソファーで寝ないでよね。寝るなら自分の部屋で寝ろっつーの」ファサ

上条「お許しください……俺はただ御坂を守りたかっただけなんですぅ……ぐぅ……」ウーンウーン

美琴「……ど、どんな夢見てるのよこのバカ///」カァァ

上条「だからどうか焼き土下座だけは……焼き土下座だけは……ぐぅ……」ウーンウーン

美琴「……///」モジモジ


浜面「居眠りしてる大将に毛布をかけに行っただけなのに、お前の姉ちゃんは何であんなに嬉しそうなんだ?」ヒソヒソ

御坂妹「大方嬉しい寝言でも飛び出したのしょう、とミサカは分析します」ヒソヒソ

食蜂「あり得ないしつまんなぁーい」ブーブー

打ち止め「ねぇねぇお腹空いた! ってミサカはミサカは晩御飯を要求してみたり!」ブーブー


美琴「ご、ごめんごめん! すぐに夕飯の支度するから!///」アセアセ


打ち止め「わぁーい♪ お姉様のごはんだー! ってミサカはミサカは小躍りして喜びを露わにしてみる」キャッホーウ

食蜂「御坂さぁーん、食後のスイーツもよろしくぅ☆」

浜面「俺はご飯とおかずを大盛りで」

御坂妹「カロリー控えめのヘルシーメニューでお願いします、とミサカは注文をつけてみます」


美琴「アンタら少しは手伝いなさいよ!?」ガビーン


CASE 26 とある物語の分水嶺


十月五日


学園都市 第二十三学区 エンデュミオン――


禁書「鏡よ鏡よ鏡さん。この世でとうまに一番ふさわしい女性はだぁーれ?」

鏡「御坂美琴です」


ガシャーン!!


禁書「次」

アウ「ハッ」スッ

禁書「鏡よ鏡よ鏡さん。この世でとうまに一番ふさわしい女性はだぁーれ?」

鏡Ⅱ「御坂美琴です」


ガシャーン!!


禁書「次」

アウ「只今」スッ

禁書「鏡よ鏡よ鏡Ⅲ。この世でとうまに一番ふさわしい女性はだぁーれ?」

鏡Ⅲ「御坂み…」

禁書「みさかぁ?」ギロッ!!

鏡Ⅲ「ご、ごほんっ!! イ、インデックス様です!」

禁書「そうでしょうそうでしょう♪ うん、私以外なんてあり得ないんだよ♪」ニコニコ

鏡Ⅲ「…………」ホッ



ステイル「あーあ、床が鏡の破片で滅茶苦茶じゃないか」ヤレヤレ

テッラ「実に可愛らしい乙女心ではないですか」

ローラ「ちりとりは何処にありけるかしらー?」ハテ?


禁書「今日はとても気分がいいから、とうまにも幸せをお裾わけしてくるんだよ」ニコニコ


ローラ「ふむん、暇を持て余すのも勿体なきだから、学園都市の学生を使うてひとつ実験をしようかしら?」

アウ「当然、聖女インデックスの忠実なる僕たる私はフランスの切り取りに参ろうか」

テッラ「ではこちらはドイツを攻略しておきますかねー」

ステイル「……暇つぶし感覚で世界征服が着実に進んでいくなんて」ズーン


テッテレー


『熱狂的再征服(レコンキスタ)』発動中につき、インデックス率いる神聖インデックス帝国によるヨーロッパ侵略が着実に進行した!!



◇ ◇ ◇ ◇



学園都市 グループアジト――


美琴「へぇー」ヨミヨミ

上条「何してるんですかミコっちゃん?」

美琴「ん、ちょろっと情報収集をね。あとミコっちゃん言うな」

上条「目ぼしいのはあった?」

美琴「グループ的に有用な情報は見当たんない。あ、ただ……」

上条「ただ?」

美琴「イギリスのクーデター政権が、神聖インデックス帝国を僭称してるって」

上条「ぶふぉっ!?!?」

美琴「ちょ、どうしたの!?」

上条「あ、あのバカタレは……!」


上条「なんつー頭の悪い国名つけてんだ……」

美琴「ま、まあ子供の考えることだし」

上条「見た目はな……本当に見た目だけは神聖っぽいんだよな」ゲンナリ


禁書「ふっふーん、もっと褒めていいんだよ」シュン!


美琴「わわっ!?」

上条「性懲りも無く現れやがって……。てか褒めてねーから」


禁書「もう! とうまの照れ屋さん♪」


上条「一ミリも照れてねぇ。目が腐ってんじゃないの? つーか老眼? 一遍眼科行って来い眼科」シッシ


禁書「素直じゃないんだから。好きな子にイジワルするなんて、とうまってばカワイイね♪」


上条「上条さんがイジワルしたいのはミコっちゃんです。断じてお前じゃねえ」

美琴「なにする気だアンタ!///」

上条「グへへ、嫌がる御坂を無理やりデートに連れ回したり。抵抗する御坂の頭をこれでもかと撫でまくってやる所存」キリッ

美琴「や、やめなさいよ! 絶対にやめなさいよ!!///」テレテレ

上条「最近上条さんは気付きました。御坂は押しに弱い! さあ行こう、冷静と情熱の間にッ!!」グイグイ

美琴「アホかーーっ!!///」ギャース


禁書「…………」プルプル


上条「よいではないか、よいではないかー♪」

美琴「し、仕事はどーすんのよ! 真面目に働かないと借金が減らないでしょ!?///」アウアウ

上条「うんうん、そういう真面目なトコも凄くイイ! 御坂さんマジ良妻賢母っ!!」

美琴「な、ななな、何言ってるのよバカっ!?///」


禁書「……ふっ、ふ、フフフ、ここっ、ここここんな程度じゃ、わわ、わたしのへへへ、へいじょーしんは揺らがないかももも」ガクガク


上条「平常心? 平邪心の間違いでは?」


禁書「いい加減怒るよ!? ……こほん、まあツンデレさんなとうまの本心なんて、この鏡にかかれば丸裸なんだよ」

鏡Ⅳ『』テッテレー


上条「そ、その鏡は……!」

美琴「え、何か特別な鏡なの?」ハテ?

上条「あれは真実の鏡といって、使用者の質問に正しい答えを教えてくれる霊装なんだ」


禁書「一国の王妃を狂わせた危険なアイテムでもあるけどね」ニッコリ

鏡Ⅳ『』キラン

禁書「フフフ、この鏡でもってとうまの本心を暴き、短髪に現実の厳しさを教えてあげるんだよ!」


美琴「へ……?」

上条「……(上条さんは御坂が好き! 上条さんは御坂が好き!! 上条さんは御坂が好き!!!)」


禁書「鏡よ鏡よ鏡さん。この世で一番とうまに相応しい女性はだぁーれ?」

鏡Ⅳ『御坂美琴です』シレッ

禁書「…………」


美琴「なっ……!?///」カァァ

上条「上条さんは御坂が好きィィィィィィィッ!!!!!!!!」

美琴「~~~~~~~~ッ!!!///」


禁書「か……鏡よ鏡よ鏡さん。この世で一番とうまが愛している女性はだぁーれ?」ギギギ

鏡Ⅳ「御坂美琴です」シレッ


上条「やったな御坂!」ヒャッホー!

美琴「う、うん…………じゃねーっつの!?///」アワワワ

上条「インデックスもたまには良いコトする……ってオイ!?」


ガシャーン!!


禁書「ムキーーっ!!! せっかく良い気分だったのが台無しなんだよ!!」プンスカ


上条「なんで人ンちで鏡を割るんですかーっ!?」ギャース

美琴「そ、掃除機をかけなくっちゃ!」アセアセ


禁書「短髪っ!!」


美琴「えっ、わ、わたし?」

禁書「少しばかりとうまの心を掴んでるからって、いい気にならないでよね!」ズズイ

美琴「えと、その、別にいい気になんてなってないけど……」

禁書「余裕? このインデックスに対して勝者の余裕を見せつけているつもり!?」

美琴「そ、そんなんじゃ…」

禁書「四半世紀すら生きていない小娘が、このインデックスに勝った気でいるなんて……!! もう許さないっ!!」ゴゴゴゴ


上条「もうも何も端から許すつもりないだろオマエ」


禁書「70万2170年前からとうまは私の婿なんだよ。これは決定事項なんだよ」

美琴「へ、へぇ……」イラッ

禁書「だというのに毎度毎度ダニのように湧き出て邪魔をするなんて、一体何様のつもりなのかな!」プンスカ

美琴「……邪魔してるのはどっちかしら?」ムカムカ

禁書「なに? 言いたい事があるならハッキリ言えば?」

美琴「じゃあハッキリ言わせてもらうけど、アンタの身勝手な振る舞いにアイツはうんざりしてる。そんな事も気付かないの?」

禁書「んなっ!? うんざりなんてしてないもんっ!!」ガァァ


上条「してますよ?」


美琴「ほら、本人が認めてるじゃない」

禁書「あなたが言わせてるんでしょ!! そうだよね、とうま!!」クンッ!!


上条「んなわけねー……おぎゃっ!?」メリッ!!


禁書「やっぱり……。首を縦にふったのが動かぬ証拠なんだよ」ウン

美琴「アンタが無理やりふらせたんでしょーが!! あり得ない角度から床に頭をめり込ませてたわよ!!」


禁書「何を言ってるのか分からないかも」シレッ


美琴「ちょっと大丈夫!?」

上条「ぷはっ……ハァハァ……し、死ぬかと思った」ボコッ

美琴「よかった、ケガはないみたい」ホッ


禁書「この程度でケガしてたら私の夫は務まらないんだよ」


美琴「アンタねえ……!」

上条「まあまあ怒らない怒らない。せっかくのカワイイお顔が台無しですよ」

美琴「だって!!」ギリッ

上条「誰であれ尋ねて来たならおもてなしせねば紳士の名折れ。コーヒーでいいか?」


禁書「紅茶がいいかも」


上条「はいはい、少々お待ちを」


◇ ◇ ◇ ◇


上条「お紅茶でございます」コトッ


禁書「ふふっ、とうまの淹れたお茶を飲むのも久しぶりだね」

美琴「あ、美味しい」コクコク

禁書「当然だよ。わ た し の と う ま が 淹 れ た ん だ も の」ゴックンゴックン


上条「…………」ニヤリ


美琴「あーあ、もっとゆっくり楽しみなさいよー」

禁書「余計なお世話なんだよ。とうま、おかわり……あ、あれ……?」パタリ

美琴「へ……ちょっ、どうしたの!?」


上条「クックック、薬が効いたようだな」

美琴「クスリ!?」ガビーン


禁書「むにゃむにゃ……まだまだ食べれるんだよ……」スヤスヤ


上条「象も一瞬でコロリってシロモノだ。それを通常の100倍の濃度で盛ってやった」

美琴「なにしてんのよ!? てかどっから用意した!?」

上条「これでも一応暗部組織のリーダーですからね。そういった秘密道具は木原さんから貰ってる」

美琴「あんの刺青中年……ッ!」

上条「それにしても敵地で出されたものを食うなんて、コイツも耄碌したもんだな」ニタァ

美琴「ま、まさか酷いコトするつもりじゃ……」

上条「敵の心配をするなんて、御坂は優しいなぁ」ナデナデ

美琴「誤魔化さないでっ!! ……木原さんに引き渡すの?」

上条「まさか。こんな危険物はさっさと捨てるに限ります」

ガシッ

禁書「うにゅ……?」プラーン


カラカラ


美琴「え、なんでベランダの窓を開けて……ってまさか!?」


上条「おらぁぁーーー!!! インデックスミサイル発射ああああああああああああああああ!!!!」ブンッ!!!


禁書「」ドビューーーーーン!!!


美琴「ぎゃあああ!? 白いのがスゴイ勢いで飛んでったーーー!?」ガビーン

上条「せめてもの情けだ。川を下って海へ還るがよい」

美琴「ここから川めがけて投げ飛ばしたというの!?」


テッテレー


インデックスさんは睡眠薬がぶ飲みのうえ、最寄りの川へ放流されました。

とある鏡の尊い犠牲により、上条当麻は1ミコポイントを取得した!! ※現在の取得ミコポイント=5


第七学区 河川敷――


土御門「にゃー、中々釣れないにゃー」

青ピ「……どうして僕ら、雁首そろえて河原で釣りしとるん?」

土御門「そりゃスズやんちの台所事情が火の車だからぜよ。オルソラの主婦力をもってしても出血大赤字だぜい!」

青ピ「スズやんハーレムの維持費かぁー。……ハーレムとかッ!!!」ガァァ

一方通行「もれなくむさい野郎共も付属するけどなァ。なンなら代わってやろうか?」


土御門青ピ「「お断りします」」キリッ


一方通行「チッ…………うおっ!?」グイグイ


バシャバシャ!!!


土御門「スズや~ん! デカイのがヒットしてるぜよ!」

青ピ「グイグイ来とるで!? これは大物の予感……!」

一方通行「スフィンクスちゃンの為ならえンやこらァってな!! フィィィィィィィィィィッシュ!!!」グオッ!!


ザパーーーン!!!


禁書「痛い痛い痛ぁーい!? 口の中に釣り針がががががッ!?!?」ピチピチピチ


一方通行「………………はァ?」ポカーン

土御門「ま、魔道図書館だと!?」ガビーン

青ピ「うっひょおおーー!! かわいい女の子を一本釣りやなんてスズやんサイコー!!!」ヒャッフー


数分後


禁書「ふぅ、酷い目にあったんだよ」


一方通行「お、おい! とンでもねェもン釣り上げちまったぞ……」ヒソヒソ

土御門「ヤツの恐ろしさが分かるのなら話が早い。下手に刺激しないようにやり過ごして……」ヒソヒソ

青ピ「つっちースズやん、銀髪シスターさんやで!!」ハァハァ

土御門「…………」

青ピ「しかもロリ! あざといわぁ~、でもそこがイイ!!」ハァハァ


禁書「うん? あなたたちは……よく見ると とうまのお友達じゃないのかな?」


土御門「人違い…」

青ピ「はいはーい! 僕らカミやんの友達やっとりまーす!」

一方通行「バカ野郎っ!! オマエは少し黙ってやがれ!!」シュッ

ペキッ!!

青ピ「?」

一方通行「~~~~~~~~ッッ!!!」ゴロゴロ

土御門「殴ったほうがダメージ受けてるぜよ」ヤレヤレ

禁書「少しは身体を鍛えたほうがいいんだよ。ところで まいかは元気かな?」

土御門「はい? 舞夏さん? オレの知り合いにそんな名前はいないにゃー」

禁書「ふぅーん、じゃあ私がメイドとして雇っても問題ないね」ニッコリ

土御門「き、貴様……ッ」


禁書「生活の向上は急務なんだよ。その点、まいかのご飯は美味しいからナイスアイデアかも」

土御門「……(どうする、油断している今なら……)」

禁書「止めておいた方がいいよ、陰陽師」ニッコリ

土御門「!」

禁書「枷のない貴方ならともかく、銃(ガラクタ)に頼らざるを得ない半端者が出る幕じゃないよ」クスクス

土御門「…………」



青ピ「あ、あの野郎……ッ!!」ギリッ

一方通行「堪えろ。オマエがキレるのも尤もだが、相手が悪すぎる」

青ピ「絶対に許さんぞ土御門元春ッ!! 銀髪ロリシスターを独占やと!? 僕らデルタフォースの絆も今日この日までや!!」プンスカ

一方通行「……時々、オマエを見てると自分が酷く矮小に思えて仕方ねェ」



美琴「まったく、何考えてんのよアンタは!」テクテク

上条「そうは申されましてもですね、あんな危険物は一刻も早く投げ捨てる必要が…」テクテク

美琴「その危険物がよそ様に迷惑かけてたらどうするの! ってほら早速一般学生を恫喝してるじゃない!?」ガビーン

上条「ん?」


土御門「か、カミやん!」

禁書「あ、とうまだ! うう~~、私を捨てるなんて許されないんだよ!!」ガァァ



青ピ「カミやんまで!? しかも銀髪ロリ美少女を捨てたやと!?」ガビーン

一方通行「いや、多分オマエが考えてるのとはニュアンスが違う」

青ピ「あんまりや! 友達が二人も裏切っとったなんてあんまりやないか!!」

一方通行「めンどくせェ」

青ピ「こうなったらナンパや! スズやん、僕らもカワイイ女の子をゲットするしかあらへん!!」グイグイ

一方通行「ナンパ……まァそれもいいかもな」ズルズル


上条「オイこらボンクラシスター、土御門から離れろ」

禁書「と、とうまが私に暴言を!? 短髪の毒の回りがこんなに早いなんて……!」ガビーン

上条「学園都市では好きにさせないって言ったよな」

禁書「これは由々しき事態かも。とうまを毒婦から助けなくっちゃ!」

上条「もう一度だけ忠告するぞ。これ以上学園都市を荒らすっていうのなら、俺のこの手でお前をぶちのめす!」キリッ

禁書「とうま! 私と一緒に来るんだよ!!」キリッ



美琴「ま、まるで会話が噛み合ってない。ていうか誰が毒婦よ!?」

土御門「超電磁砲! 避難するぞ、ここは危険だ!」

美琴「金髪グラサンアロハ……? ッ、スキルアウト!?」

土御門「にゃー!? オレは品行方正な学生ぜよ!!」ガァァ

美琴「うそつけー! そんなカッコーした学生がいるかー!!」ガァァ

土御門「人を見た目で判断するなって、ママに習わなかったのかにゃー!?」

美琴「一昔前のヤンキーみたいな見た目して、内面を知る以前の問題でしょーが!」


トゥルルル トゥルルル

禁書「む、とうまのケータイ?」

上条「はいはい、こちら上条」pi

木原『お勤めご苦労! 喜べ、久々の侵入者(イントルーダー)だ』

上条「場所は?」

木原『第十一学区の大型資材搬入路。現在アニェーゼ部隊と数人の妹達が交戦中だ』

上条「ッ、急行する!」pi


上条「御坂、侵入者だ。すぐに第十一学区に向かうぞ!」

美琴「りょーかいっ!!」

土御門「居合わせたのも何かの縁だ。オレも協力するぜい!」

上条「サンキュー! んじゃ魔術師退治に行きますか!」


禁書「とうま」


上条「……えっ、どうしたんだ珍しく真面目な顔して?」

美琴「……(真面目な顔?)」ハテ?

土御門「……(さっきまでとの違いが分からないんだが、カミやんにはその機微が読み取れるのか)」フム


禁書「侵入者と戦うなら気をつけて。相手はTDN魔術師じゃない……不完全だけど魔神の領域に片足を突っ込んでる」


上条「関係ねーよ。瞬殺出来なくても、しつこく殴ってれば そのうち動かなくなるだろ」タッタッタ

美琴「あ、待ちなさいよ!」タッタッタ

土御門「魔神級の魔術師か……。オレも覚悟を決める必要がありそうだ」タッタッタ








禁書「フフフ、もう存在しない宿敵を追い求める哀れなガラクタ、その名の由来通り精々無様に踊ってみせてよ。――オッレルス」ニッコリ




テッテレー


鳴護アリサ防衛戦で共闘していなかったため、今回のインデックスさん共闘選択肢は未発生になった!!


学園都市 第十一学区 大型資材搬入ゲート――



オッレルス「まいったな。こうもあっさり捕捉されるなんて」



アニェーゼ「侵入者なんていうから警戒してましたけど、随分とまあ貧相な野郎ですね」

アンジェレネ「ゆ、油断は禁物ですよ、シスター・アニェーゼ」

アニェーゼ「たった一人を相手に200人近く動員してるんです。これで負けたら逆立ちして第七学区を一周してやりますよ」

アンジェレネ「本当ですか!?」

アニェーゼ「女に二言はありません」フフン

ルチア「総員配置完了しました」

アニェーゼ「ご苦労さまです。それじゃあ仕事を片づけて、あすなろ園の子供たちに土産話として聞かせてやりましょう!」

ルチア「総員攻撃開始っ!!」



オッレルス「やれやれ、手荒い歓迎だ。だが交渉と戦争は似たようなものだし、趣味じゃないけど力を誇示させてもらおうか」ニヤリ



カッ!!!



アニェーゼ「なっ!?」




◇ ◇ ◇ ◇



木原くんの研究室――


木原「オイオイオイ」

天井「ば、馬鹿な……200名の妹達と魔術師の混成部隊が……たったの一撃で、ぜ、全滅だと……?」

木原「計器はどうなってる!? あの野郎は一体何をしやがった!!」

天井「あれは今まで採取した魔術のどれとも合致しないのだ。し、しかし……この力場の波形は……」ガクブル

木原「あ?」

天井「幻想殺しが戦闘中に放出しているモノに酷似しているのである!?」ギャース

木原「ハハッ、そいつはヤベーな」


学園都市 第十一学区 大型資材搬入ゲート――




アニェーゼ部隊&妹達「「「「「「「「「「きゅう……」」」」」」」」」」ピクピク




オッレルス「おおう……これは酷い。こんなのがシルビアにバレたらお仕置き確定じゃないか」

オッレルス「…………」キョロキョロ

オッレルス「うん、やってしまったものは仕方ない。過ぎた事を悔やむより、今は目的を果たさなければ!」



削板「すげぇな、こりゃ。なに食ったらこんな数の女の子をぶっ飛ばしておいて、平気なツラしてられるんだ?」



オッレルス「平気、というのは語弊がある。これが屈強な男達なら胸も痛まなかったろうからね」



削板「へぇ」



オッレルス「ほう、流石は学園都市第七位。大した殺気だが、生憎用事があるのは あの男の秘蔵っ子たる『幻想殺し(イマジンブレイカー)なんだ』」



削板「ホントすげぇ根性だお前。超能力者と知っていながら、眼中にないなんて並の根性で言える台詞じゃねえ」



オッレルス「井の中の蛙と張り合うほど無恥ではない。子供と根性比べなんて大人気ないじゃないか」



削板「根性に大人も子供も無いと思うんだが……まあ、いいか。売られたケンカだ……言い値で買ってやるッ!」


といったところで今回は終了

ミコポイントが規定値に達したので、近々インデックスさんが行った過去の悪事が上条さんにバレちゃうことになりましたー

投下ー


七月二十八日


ヨーロッパ 某所――



オティヌス「――ん、またか」


禁書「フフ、ごきげんよう。魔神オティヌス」


オティヌス「懲りないヤツだな。何度繰り返そうが、お前の望む世界などこの宇宙の何処にも存在しないというのに」


禁書「私を誰だと思っているの? 無ければ創ればいいんだよ」


オティヌス「無駄だ。いかに神に等しい力を振るおうが、上条当麻の芯を捻じ曲げることだけは叶わない」


禁書「ッ! それでも前回は、天寿を全うする直前まで順調だったんだよ!」


オティヌス「呆れるほど強烈な妄執だが、それでもお前の願いは叶わない」


禁書「…………」


オティヌス「しかしその妄執もこれまでのようだ。今回の上条当麻は、リセットされていないぞ?」


禁書「!」


オティヌス「これぞまさに愛の成せる業か。ただの人間にも関わらず、御坂美琴はお前を追い詰めたようだ」


禁書「まだなんだよ……まだ終わらないんだよっ!!」


オティヌス「さて、その妄執が我が愛しい理解者に届くかどうか、特等席で見物させてもらおう」ニヤリ


禁書「……わたしは貴女とは違う。傍観に囚われたりしない……最後に笑う勝者になってみせる!!」ゴゴゴゴゴ


オティヌス「フッ、また一段と魔力を上げたものだ。上条当麻も苦労するな」クスクス


禁書「暗黒よ 闇よ 負界の混沌より禁断の黒炎を呼び覚ませ パーラ・ノードイ・フォーモー・ブルール・ネーイ・ヴァセ・イーダーイー・エイター・ナール・アイドール・ヘーブン・ン・ヘイル・イアイアンンマ ダイオミ ギーザ オージ」



トール「ちーっす。経験値をつみに来ッ、な、なんだぁ!? この桁はずれな魔力の高まりはー!?」ギョッ!?



禁書「誰にも邪魔はさせない……! ――死黒核爆烈地獄(ブラゴザハース)!!!!」




その日、世界から一つの島が消失した。



十月五日


学園都市 第十一学区 大型資材搬入ゲート――



削板「すごいパーンチ!!!」


バオッ!!! と凡そ拳圧の範疇には収まらない暴力的な衝撃がオッレルスを襲う。

しかし、まともに食らえば最悪即死であろうそれを、オッレルスは風に靡く柳のように危なげなく受け流す。


オッレルス「義憤に駆られ向かって来るのか。そういうのは嫌いじゃないがね」

削板「素晴らしくねじれ曲がった根性だが、こいつは……強い根性だっ!!」

オッレルス「私には戦う理由があるからね。君の安っぽい正義感の及ぶところではない」

削板「わからねえな! 根性に安いも高いもないだろうが!!」


オッレルスの挑発に削板が乗る。音を置き去りにした速さでオッレルスの懐に踏み込む削板。

特に作戦があるわけではない。遠距離が駄目なら直接ぶん殴ればいい、そんな単純明快な思考だ。


削板「らァッ!!!」

オッレルス「おっと、危ないじゃないか」

削板「なっ!?」


第七位渾身の右ストレートが、優男にあっさりと受け止められる。


削板「指一本……だと? たったの指一本で、俺の根性を止められた……」

オッレルス「無自覚に振るっているのだから当然だろう。君がもう少し自分の能力を把握していたなら、こうはいかない」

削板「……はは、ははははっ!! お前ほんとにスゲー根性だな! 俺も負けてられねえっ!!!」

オッレルス「いや、ここは負けてもらう。本命を引き出す呼び水としてね」



CASE 27 DRAGON RISES 前編


学園都市 第七学区――


上条「魔術師と交戦していた部隊が全滅!?」タッタッタ

木原『幸い死人は出てないが、居合わせた第七位が魔術師相手に大暴れしてやがる』

上条「ッ、……奥の手を使えば一瞬で片がつくってのに」タッタッタ

木原『大覇星祭の時のアレか。あと半月近く経たねえと使えないんだろ?』

上条「ああ」タッタッタ

木原『だったら手持ちの札で何とかしろ。シスターの嬢ちゃんと妹達は猟犬部隊に回収させておくからよ』

上条「わかった。あとは俺がなんとかするから、警備員と風紀委員の締め出しを頼む」タッタッタ

木原『無駄な消耗を避けるってのは、俺も賛成だ。連中には避難誘導と封鎖に専念させておく』

上条「あと浜面と御坂妹は…」タッタッタ

木原『戦闘区域外で避難誘導させてるから直接戦闘には関わらねえよ。テメエは魔術師を始末することだけ考えろ』

上条「了解っ!」ギューン!!










土御門「はやっ!?」ガビーン

美琴「ハァハァ……ちょ、ちょっと! わたしを置いてくなぁー!!」ゼェゼェ



海原「御坂さん……」コソコソ

ローラ「あら、貴方はあの少女に懸想しておるのかしら?」

海原「ッ!?」


海原「だ、誰です!」

ローラ「私はただの通りすがり。怪しきものではなきけりよ」クスクス

海原「……(まったく気配を感じなかった……。ただ者じゃない)」

ローラ「まあ警戒するなとは言わなし。けれど少しくらい世間話に付き合っても罰は当たらないでしょう?」

海原「…………」

ローラ「ふふっ、つれない殿方ね。融通が利かないようでは、大切な情報を逃してしまう…………そう、例えばさっきの少女の危機であったり」

海原「!ッ、どういう事ですっ!!」

ローラ「さあ?」

海原「……何が目的ですか」

ローラ「人聞きの悪い。純粋な親切心につき、お節介自体が目的なのよ」

海原「……御坂さんの危機とは?」

ローラ「本当につまらない男。幻想殺しの少年に負けて当然かしらね」クスクス

海原「こ、この……!」

ローラ「来たる十月九日、学園都市の独立記念日なのだけれど――」

海原「それが一体なんだと…」


ローラ「――その日、御坂美琴が死ぬ」


海原「は、あ……?」



テッテレー


御坂美琴に死亡フラグが立ってしまった!!


第十一学区 大型資材搬入ゲート――


削板「ぐはっ!?」ドサッ

オッレルス「やれやれ、ようやく倒れてくれたか」

削板「ッ……まだだ! まだ……俺の根性は折れちゃいねえ!!」ググッ

オッレルス「ほう」

削板「それに感じないのか?」

オッレルス「何を?」

削板「向こうから馬鹿デカイ根性がやって来てる……圧倒的な根性がなっ!!」

オッレルス「え……?」

削板「性根のひん曲がったお前には理解できないだろうな。だが俺には分かる! ここへ向かってる根性は、デカくて、すごく良い根性だ!!」デデン

オッレルス「そ、そうか。……全然わからないんだけど」ボソッ

削板「だから俺も負けてられねえ! ここで倒れちゃ根性が廃る!!」

オッレルス「ジャパニーズ・精神論か。お、本当に誰かやって来たようだ」



一方通行「おい、こンな辺鄙な場所でナンパすンのか? つゥか数えるのも馬鹿らしいくらい女がぶっ倒れてるンだが」テクテク

青ピ「こ、これは……!?」

一方通行「あン?」ハテ?

青ピ「フラグゲットのチャンス! 片っ端から女の子たちを助けて、僕のハーレムを作れという天啓に違いあらへんっ!!」

一方通行「助けたとして、それでオマエに惚れるなンて妄想しすぎだろ。オマエがモテないのはキャラが濃すぎるせいじゃねェの?」

青ピ「!?」ガーン

一方通行「ハァ、面倒だが救急車呼ンどくか」pipi



オッレルス「……あの二人が例の根性とやらかい?」

削板「違う!」キッパリ


一方通行「にしても酷い有様だなァ」

青ピ「ハッ……! 呆けとる場合やない、救急車が到着するまで女の子たちを介抱せな!」

一方通行「セクハラで訴えられても知らねェぞ」

青ピ「善意を真っ向から否定された!?」ガビーン

一方通行「下心満載の善意なンざ、悪意より性質が悪いンだっつの」ヤレヤレ

青ピ「ええやん! フラグを立てたいとか少しくらい思うたかてええやんっ!!」

一方通行「死亡フラグをか?」

青ピ「えっ、死んでまうほど女の子に罵られるフラグ!? ハァハァ、できれば足蹴にされながら罵られたい! 浅ましい僕を罵ってぇぇ!!」hshs

一方通行「どォ転ンでも、オマエは幸せなのかよ」

青ピ「そうと分かれば介抱や! ってあれ……この子ら、カミやんと一緒に警備員してる子にそっくりや」


妹達&シスター「「「「う~ん……」」」」グッタリ


一方通行「……(よく見りゃコイツらシスターズじゃねェか!?)」

青ピ「まあええ! 下らん詮索する暇があったら、今は人助けせんとな!」イソイソ

一方通行「あ、あァ」

青ピ「ったく、女の子をこないな目に遭わすとか、どこのクソ野郎や」テキパキ

一方通行「……(そォだよな……なのに俺のやってきた事は……)」

青ピ「見つけたらしばいたるわ! ていうか死ねばいいのに!」プンスカ

一方通行「あァ……異論は無ェよ」



オッレルス「…………」※今更ながら絶賛罪悪感に苛まれ中

削板「おおっ! 青髪のほうは根性ありそうだな!」

オッレルス「仕方ないとはいえ、年端もいかない婦女子に暴行を加えてしまった……死にたい」ガックリ



削板「死にたい……だと?」ムカッ

オッレルス「いや、別に本気で言ってるわけじゃなくて言葉のあ…」

削板「男が言い訳するんじゃねえ! この根性なしがああああああああああああ!!!」ブォォォン!!!


ボグシャアアアアア!!!


オッレルス「げろっぱああっ!?!?」バターン!

削板「うおおおっ!!! 燃え上がれ俺の根性!! 超すごいパーンチ!!!」


グワァラゴワガキーーーン!!!


オッレルス「!!!」ドピューーーーーン!!!



削板「あ、勢い余って第七学区の方へぶっ飛ばしてしまった」

削板「うむむ、もっと文句を言ってやりたかったが……まあ、良し! 腹も減ったし帰るか」テクテク





猟犬部隊B「救急でーす」テキパキ

猟犬部隊C「緊急搬送するので、一般人は離れてくださーい」テキパキ

猟犬部隊A「久々に現場に出れたと思えば、どうして俺たちが救急隊の真似事をしてるんだ……?」

猟犬部隊B「ヒャッハー、救命だぁ!!」

猟犬部隊C「ヒャッハー、朝田を呼べぇー!!」

猟犬部隊A「……今は与えられた任務をこなそう。隊長の命令は絶対なんだ」ブツブツ


青ピ「救急車も来たし、これで一安心やね」ウン

一方通行「…………」


テッテレー


削板軍覇は、奇蹟的に魔術師オッレルスを撃退した!!

青髪ピアスは、人助けして清々しい気分になった!!

一方通行は、トラウマを刺激されて凹んでしまった!!


第七学区 とある通り――


美琴「ぜぇぜぇ……ア、アンタ……速すぎ……」ヘナヘナ

土御門「第十一学区まで全力疾走なんて、ハァハァ……狂気の沙汰ぜよ」フラフラ


上条「諦めんなよ、やれるやれる、どうしてそこで止めるんだ!」


土御門「よしんば辿りついたとして、とても戦闘なんて無理ですたい……」

美琴「足くらい用意しろってのよ、あの不良中年め……」

土御門「カミやんは元気そうだにゃー……」


上条「はぁ、最近の若いモンは情けないのう。上条さんの若いころは上空数千メートルからポイ捨てされたり、着の身着のままロシアを雪中行軍したもんじゃ」シミジミ


美琴「私と二つしか違わないでしょーが!」ガァァ

土御門「超高空からポイ捨て……それを実行したヤツは血も涙も無い外道だにゃー」

美琴「ふん、もうその程度じゃ驚いたりしないわよ」

土御門「……とてつもなく過酷な職場だな、ッ、避けろカミやん!!」


上条「へ?」


ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!!


オッレルス「いィィィやぁぁあああああああああああ!!!! 慣性無視して飛んでるぅぅぅーーー!?!?」

上条「ちょ、なんか人が降って……!?」


ドッゴーーーーーーーーン!!!!


上条オッレ「「…………」」プスプス



土御門「か、カミやーーーーん!?」ガビーン

美琴「ええーっ!? 空から人が降って来て、それにぶち当たるってどんな確率よ!?」ギャース


◇◇◇◇


????――


上条「おおおぉ……頭がズキズキする」ズキズキ

??「おお、上条当麻よ、死んでしまうとは情けない/return」

上条「えっ、上条さん死んじゃったの!?」

??「冗談よ/return」

上条「冗談かよ!? いてて、なんだよこのタンコブ! うわっ、ギャグみたいに盛り上がってるんですけどー!?」

??「気にしない気にしない、タンコブどころか臨死体験してるんだし/return」ケラケラ

上条「……なんですと?」

??「いやー、流石の私もびっくりしたわ/return。第七位がぶっ飛ばした魔神モドキがアンタに直撃、そのままあえなくご臨終/return」

上条「嘘だろ!?」ガビーン

??「嘘だよ/return」シレッ

上条「嘘なのかよ! ああでも良かった安心したー!!」

??「ま、それでもでっかいタンコブこさえて絶賛気絶中って感じ?/escape」

上条「そっか、俺気絶してんのか……って、あれ?」ハテ?

??「なぜ気絶してるのに、こうして会話できるのか?/escape。答えは簡単、私がアンタの脳に直接語りかけているからよ/return」

上条「えと、……御坂妹?」

??「ノンノン、私は検体番号9982号であって、検体番号9982号にあらず/return」

上条「?」

総体「私は二万と一人のミサカの集合無意識というべき総体?/escape。まあミサカネットそのものだと理解すればいいよ/escape」

上条「ほうほう」

総体「……まるで理解してないでしょ/return」ジトー

上条「そ、そんな事はないぞ! あれだろ、ほら! あの……スカイネット的な人類支配を目論む悪のネットワーク!」アセアセ

総体「人類支配とか興味ないっての/return。私はアンタとお姉様が幸せになってもらいたいだけ/return」

上条「!」


総体「んで、さしあたってアンタの記憶を正しておこうとアクセスしたわけ/return」

上条「なっ! 俺はボケてねえ!!」ガァァ

総体「はいはい、おじいちゃんはボケてません/return。だから私の質問に答えてくれる?/escape」

上条「うむ、よかろう」

総体「アンタは天寿を全うし、理由は分からないが意識が過去……つまり今この時代に遡行している/return」

上条「うむ」

総体「そして白い悪魔も同様の状態にあり、アンタは結婚を迫られ難儀している/return」

上条「うむ……ていうかなんで知ってんの!?」

総体「私は生も死も曖昧な情報体だからね/return。馬鹿にも分かる風に言えば、私もアンタと同様に未来の記憶を持ってるの/return」

上条「……まてよ? てことは、御坂妹たちも記憶を共有してるんじゃないのか?」

総体「してないよ/return。っと、それより優先すべきなのはアンタの改竄された記憶を復元する事なんだってば/return」

上条「だから俺はボケていないとあれ程…」

総体「はいはい、おじいちゃんはボケてないんだよね/return。次の質問いくよ/return」

上条「うむ」

総体「じゃあアンタが前回辿った歴史についての質問/return。高一の時の大覇星祭、一日目は何してた?/escape」

上条「ええっと、たしか御坂と何か約束をして……はて、なんじゃったかの?」

総体「大覇星祭で、勝った方が負けた方に何でも命令できるって約束でしょ/return。つーかオリアナ=トムソンと闘った記憶は忘却してんのかよ/return」

上条「ほっほ、懐かしいのう。あの頃は上条さんも若かった」


総体「懐かしんでるとこ悪いんだけど次の質問、大覇星祭二日目は何があった?/escape」

上条「二日目? 二日目は――」


ズキッ


上条「――うぐっ!?」

総体「その日はアンタにとって、とても大切な日だった/return」

上条「な、何を……」ズキズキ

総体「辛いだろうけど思い出して/return。アンタには思い出す義務がある/return」

上条「だ、大覇星祭の二日目……俺は、誰かに……」ズキズキ



――急に呼び出したりしてゴメン。今日はアンタに聞いてほしいことがあるの



上条「そうだ……誰かに呼び出されて……」ズキズキ

総体「それは誰?/escape」

上条「あれは……ッ、そうだよ……俺はあの日、御坂に呼ばれて……」ズキズキ



――突然なんだけどね、私はアンタ……ううん、私はあなたのことが



上条「告白されたんだ……!」

総体「はい、よく出来ました/return」



パリーン


といったところで今回は終了
次回は過去編、狂乱のインデックスさん無双回の幕開けぞー

投下ー


◆◆◆◆


幻想殺しの記憶 DIE☆ジェスト


大覇星祭 二日目


上条「よっ、待たせたか?」

美琴「ううん、私も今来たとこ。こっちこそ急に呼び出したりしてゴメン」

上条「気にすんなって。今日の競技は終わったし、特にすることも無かったし」

美琴「…………」ポケー

上条「どうしたんだ? ボーっとして」

美琴「あ、うん……なんでもないの」

上条「あれあれー? いつもの無駄に元気なビリビリはどうしたんですかね? もしかして昨日の勝負を無かった事にしてくださいとかですかぁ?」

美琴「ううん、真面目な話だから茶化さないで聞いて」

上条「お、おう」

美琴「今から言うことは嘘でも冗談でもない、私の本心だから」

上条「……わかった、真剣に聞くから話してくれ」キリッ

美琴「うん、……あのね、私はアンタ……ううん、私はあなたのことが好き。大好きなの」

上条「そうか、御坂は俺のことが好きなのか…………ゑ?」

美琴「大好き」

上条「ええーーっ!?///」カァァ

美琴「驚く気持ちは分かるけど信じて」ニコッ

上条「こ、これはもしかしなくても告白!? 上条さんともあろう不幸人間が愛の告白を受けている!?」オロオロ

美琴「ちょっと落ち着きなさいよ」

上条「これが落ち着いてられるかっ!! 美琴センセーは上条さんが好き!? あいべっくゆあぱーどぅん!?」ギャース

美琴「うん、大好き」ギューッ

上条「ぎゃわーー!? みみみ御坂さんッ!? そんな正面から抱きつかれると色んな場所に柔らかい感触がッ、良い匂いがッ!?///」

美琴「ねえ、私のこと嫌いじゃないなら彼女にしてよ」

上条「しますっ! しますから一旦離れてください理性がががががががが!?!?///」

美琴「やだ」ギューッ

上条「我がままおっしゃらないでぇぇーーー!!!///」


美琴「だって、ずっと我慢してたんだもん。ずっとこうしたかった」ギューッ

上条「はうっ!?///」ズキュゥゥゥン!!!

美琴「えへへ、アンタの……当麻のぬくもり好き♪」スリスリ

上条「おおっ落ち着け上条当麻! これはまやかし、モテたいという俺の願望が見せる幻に違いない! 感触とかすげぇリアルだけどもっ!!」

美琴「もう、現実逃避しないでよ」

上条「ハッ……! テメエ魔術師だな!!」

美琴「あはは、テンパる当麻もカワイイ♪」

上条「ホント誰だオマエ!? 俺のビリビリがこんなに素直カワイイはずがない!!」ギャース

美琴「えっ///」カァァ

上条「ど、どうしたってんだよ」

美琴「俺のビリビリ……俺のビリビリだなんて……えへー///」ニコニコ

上条「反応するとこそこなの!? いつもみたいにビリビリ撃ってこいよ!? つーか撃ってください切実に!!」

美琴「いーや♪」スリスリ

上条「あわわわ、い、いかん、いかんですぞー!? 約一カ月半にも及ぶ禁欲生活に御坂の胸が、あ、足が……刺激的すぎますーー!?」

美琴「なによー、私はもっと我慢してたんだから」

上条「なんというハレンチっ!! お、お父さんは許しませんぞー!?」

美琴「しーらない♪」ケラケラ

上条「くっそぉぉー!! もうどうなっても知らないからな!!!」プチン


必死の抵抗空しく上条防壁(理性)決壊ッ!!!


そして数時間後……


テレレレテッテッテー


上条当麻(童貞)は、御坂美琴(中学生)にメロメロな残念ヒーローになってしまった!!



その晩 上条さんち


上条「フゥーハハハハハハハ!!! 不幸を乗り越えて幾星霜、ついに我が世の春が来たあああ!!!」

禁書「ご機嫌だね、とうま」

上条「聞いてくれよインデックス! 上条さんに彼女ができましたー!」

禁書「え……」

上条「いやー、まさかあんなに御坂から好かれてたなんて思いもよりませんでしたよ」

禁書「短髪が行動を起こした? こんなの今まで一度も無かったというのに……」ワナワナ

上条「今までビリビリしてたのは、照れ隠しだったなんて可愛すぎるだろ」

禁書「とうま!」

上条「ん?」

禁書「短髪が彼女だなんて、私はぜーーーったい認めないんだよ!!」ガァァ

上条「な、なんでだよ」

禁書「それは私のほうが とうまに相応しいからに決まってるかも」

上条「ハッ」

禁書「鼻で笑った!?」ガビーン

上条「メシをたかったり、気に入らないとすぐ噛みつく様な破戒シスターさんが何言ってるんですかねぇ」プークスクス

禁書「ぐ、ぐぬぬ……!」

ピロリーン♪

上条「おっ、御坂からメールだ。……なになに、明日弁当を作ってくれるですと!?」

禁書「食べ物で釣るつもり!? なんて卑怯な……!」ギリッ

上条「いやっほーーう!!! こんなに幸せでいいのですかぁーー!!」

禁書「いいワケないんだよ! うがぁぁーーーー!!!」


ガブリ


上条「痛いっ!! ハーッハッハッハ、だがこの痛みこそ夢でない証拠! 幸せだーーー!!」

禁書「あぐあぐ」ガジガジ


罰ゲーム当日


美琴「あっ」


上条「悪い、待たせたか?」タッタッタ

美琴「一時間くらい待ったかな」

上条「本当にごめん! ってあれ? 今一時半……待ち合わせ一時だったよな?」

美琴「あはは、アンタとのデートが楽しみすぎて早く着いちゃった」

上条「…………」

美琴「何か言いなさいよ。……恥ずかしいじゃない///」テレテレ

上条「……感動だ」ウルウル

美琴「ええっ、ちょ、なんで泣いてるのよ!?」オロオロ

上条「福引で当たったイタリア旅行で同居人とその一味に散々振り回された挙句、即日大ケガで強制帰国するハメに」ウルウル

美琴「そ、それは大変だったわね」

上条「愛しい彼女との罰ゲームという名のデートだけが心の支えだったんです。それが……それがっ!!」ブワワ

美琴「うん……私もすごく楽しみにしてた///」モジモジ

上条「御坂も同じ気持ちだったなんて! 今ならアドリア海をバタフライで横断できる気がする!!」

美琴「もう、馬鹿なんだから///」クスクス

上条「こんなカワイイ彼女がいたら馬鹿にもなるってなもんですよ!」キリッ

美琴「お世辞はいいから行きましょ///」

上条「御坂さんマジクール、と言いたいところですが お顔が真っ赤ですことよ?」

美琴「うっさいわね! 嬉しかったのよ!!///」

上条「そ、それは良かったです、はい……///」カァァ


上条「――で、何を要求されるかと思えば」

美琴「ペア契約よん♪」ルンルン

上条「それはばっち来いなのですが、お前の真の目的はゲコ太ストラップだろ」ジトー

美琴「私とペア契約して、ゲコラーになってよ」

上条「ゲコ太ねえ」

美琴「な、なによ」

上条「……どこが良いのかサッパリだけど、御坂が好きなら別にいいか」ボソッ

美琴「子供っぽいとか思ってる? でもね、ゲコ太は幅広い層から絶大な支持を…」

上条「分かってるって。御坂が望むなら、今日から上条さんもゲコ太教に入信しますよ」

美琴「えっ、ほんとに!?」パァァ

上条「好きな物は共有したいじゃないですか。……恋人同士なんだからさ///」テレテレ

美琴「じゃあこの後はゲコ太ブルーレイBOXの上映会ね♪」

上条「ええっ!?」

美琴「あはは、冗談よじょーだん。せっかくのデートなんだもん、部屋に籠ってたら勿体ない」グイグイ

上条「ったく、何処へでも付き合うから引っ張るなよ」ニコニコ



その夜


一方通行「オイ、そこの病院の冥土帰しっつゥ医者にバッテリーの予備をもらって来い」

禁書「…………」

一方通行「聞いてンのか」

禁書「それには及ばないかも」

一方通行「はァ?」

禁書「あなたが探してる子の安全は保障されたんだよ」

一方通行「……どォいう事だ?」



――――



上条「無事か打ち止め!?」

打ち止め「う、うん、ってミサカはミサカはヒーローさんの蛮行に戦慄を隠せなかったり」


ヴェント「」チーン

猟犬部隊ABCDE「「「「「」」」」」チーン


上条「御坂の妹に手を出そうとしやがったんで、ついカッとなってやってしまった」シレッ

打ち止め「あの人じゃないんだから こんな容赦がないのはダメっ!! ってミサカはミサカは注意してみる!」プンプン

上条「いやー、人間死ぬ気でやれば何とかなるもんだな」


木原「どうにもなんねえよ? そのガキを回収するのは決定事項なんでな」


上条「回収?」


木原「俺も詳しくは知らないんだけどよ、上のイカレた連中は そのガキを使って実験したいんだろ」


上条「打ち止め、下がってろ」ユラァ

打ち止め「あわわわ……またヒーローさんの右手から、ってミサカはミサカはドラゴンの幻覚が見えたり!?」ガクブル

上条「御坂の世界を壊そうってんなら容赦しねえ。くたばりやがれクソ野郎がッ!!!」


木原「なんだコイツは!? アレイスターの野郎、こんなの聞いてねえぞ!!」



――――



アレイ☆「素晴らしい……! 一足飛びに幻想殺しが覚醒するとは! フフフ、御坂美琴を巻き込めば更なるプランの短縮も可能か?」



義母ピンチSOS


美鈴「どうしてこんな事を……」

浜面「悪く思うなよ、アンタを殺らなきゃ俺らがヤバイんだ」

美鈴「あっ、上条君!」

浜面「は? 何を…」


バキッ!!!


浜面「ごッ、があああああああああああああああああああ!?!?」グチャ!!!


上条「御坂さん無事ですか!?」

美鈴「え、ええ。私は平気だけど……さっきの子、死んでないわよね?」

上条「そんな事より何処か安全な場所へ避難しないと!」ヒョイ

美鈴「ちょ、上条君!?///」ヒメダッコ

上条「任せてください。御坂さんは、俺が必ず守ってみせる!」キリッ

美鈴「……美琴ちゃんのカレシは頼りになるのね///」キュン



浜面「ちくしょう……結局、俺は何もできな……」ガクリ



――――



海原「一方通行ごとスキルアウトを殲滅するなんて……。ま、まあやり過ぎ感は否めませんが、彼は約束を守っているようだ」ウン


アビニョンにて


上条「何が神の右席だ、C文書だ。下らねえ乱痴気騒ぎに巻き込みやがって……!」イライラ


テッラ「」チーン


土御門「か、カミやん? その……どうしてそんなに激おこなのかにゃー」オズオズ

上条「あ?」

五和「ひっ!?」ビクッ

土御門「空からポイ捨てしたのは謝るぜよ! だから許して下さいホントすみませんっしたぁぁーー!!!」

上条「頭を上げろよ土御門。別にお前に対して怒ってるわけじゃない」

五和「では、一体何にお怒りなんですかにゃー……」ビクビク

上条「最近ミコっちゃんとデートしてないんだよ」

土御門「……は?」

上条「どいつもコイツも好き勝手暴れたり学園都市を滅ぼそうとしやがって……ッ!!」

五和「あ、あの……」

上条「本当なら今日は御坂と久々のデートだったのに!! ふざけんじゃねーよ!!!」ガァァ

土御門「……(んな下らない理由で左方のテッラとC文書は粉砕されたのか……)」

上条「クソッ、もう二度と海外なんて行かねえ! 一刻も早く帰国して御坂を抱きしめたい!!」


学園都市の独立記念日


上条「――で、やっとの思いで帰ってきたら」


垣根「誰だテメエ」

初春「あなたは、御坂さんの……」ガクリ

打ち止め「あっ!」パァァ


上条「人がいない間に打ち止めを襲ってんじゃねえぞゴルァァァッ!!!」ピカーー!!


垣根「うおっ、まぶし……!」

打ち止め「ヒ、ヒーローさんの背中に羽がいっぱい!? ってミサカはミサカはトンデモ展開に仰天してみたり!」

垣根「六対十二翼だと!? 俺より多い……ッ」


上条「なんだこりゃ!? ドラゴンの次は天使の羽とか、言い逃れできないレベルの中二病じゃないですかーー!?」バッサバッサ



――――



アレイ☆「……どうしよう。アレ、エイワスでも勝てないんじゃ……?」プルプル



ゴルフウェアマッチョ襲来


上条「護衛?」ハテ?

五和「はい、神の右席の後方のアックアが上条さんを狙ってるんです」

上条「んー、護衛なんて要りません。上条さんなら大丈夫ですことよ」

五和「い、いえ、そういう訳には……」オロオロ

上条「護衛ってことは四六時中一緒にいるんだろ?」

五和「は、はい」

上条「困るんだよ。ミコっちゃんてば超ヤキモチ焼きだからさ」

禁書「フン、さっさと別れればいいのに」

上条「あ、お前居たの?」

禁書「ずっと一緒に居たんだよ!! セリフが無かっただけ!!」ガァァ

上条「そうだ! どうせならインデックスを預かってくれよ」

禁書「とうまー!?」ガビーン

上条「一週間……いや三日でいいんだ! その間の食費が浮けば、御坂に少しは彼氏らしい事をしてやれる!」

五和「えっ、えっ!?」オロオロ

禁書「ダメむり却下なんだよっ!!」

上条「たまには協力しろよ。お前の食費がかさむせいで、御坂にプレゼント一つ碌に贈れないなんてオカシイだろ!!」

禁書「むしろ私にプレゼントするべきかも!!」


アックア「そこまでである。通告通り、貴様の右手を貰い受けに…」


上条禁書「「うるさいっ!! 外野は黙ってろ!!!」」


バキッ!! ガブッ!! メッシャァァァァッ!!!


アックア「げふっ!? ごはあっ!? そ、その選択は愚かで、あ、ある……」フラフラ



上条「はあ? なに寝言ほざいてんですかね、この筋肉ダルマは」

禁書「分際を弁えてほしいかも」

五和「暴言吐いてる場合じゃありませんよ!? あの人が後方のアックアです!」オロオロ

上条「……誰だっけ?」

禁書「神の右席」

上条「ふーん、今度は青色かぁ。遠路はるばる悪いんだけど、この後ミコっちゃんとラブラブメールするから相手できないんだ」

禁書「またなの!? 毎晩毎晩うっとうしい!」

上条「心配すんな。今日からお前の面倒は五和が見てくれるから」

禁書「とうまは変わっちゃったんだよ! 短髪に誑かされたせいでっ!!」

上条「……本気で言ってんのオマエ。家事の一つも手伝わずに倦怠ライフを満喫していらっしゃるインデックスさん?」ジトー

禁書「ふえ?」ハテ?

上条「もういい……少しでも良心の呵責があるかと期待した俺がバカだった」ゲンナリ

五和「漫才してる場合じゃないですってばー!?」アウアウ


アックア「や、やはり幻想殺しは危険である……速やかに、み、右腕を切り落として……」ガクガク


上条「右腕を切り落とす……? ミコっちゃんを抱きしめるのに必要な大切な右腕を切り落とすって言ったのか?」ムカムカ

禁書「私のごはんを作る大切な腕なんだよ!」

上条「俺は普通に御坂と青春できれば満足なんだよ! なのに危険だ何だのテメエら魔術師が話をややこしくしてるだけじゃねえか!!!」ガァァ

禁書「インデックスとのせーしゅんの間違いかも!!」ガァァ

上条「つーか殺害予告してくるテメエの方が危険だろうが!! もうキレた、まずはその傲慢な幻想をぶち殺す!!」グオッ!!


アックア「!?」


五和「ああっ!? 後方のアックアが大変なことにー!?」ギャース


大惨事世界大戦が勃発


上条「でもそんなの関係ねえ。昨日起きたイギリスのクーデターも知ったこっちゃねえ」

美琴「戦争かぁ、物騒な話よね」ウン

上条「……ここ最近、上条さん周辺は騒乱状態です。御坂だけが心の支えと言っても過言じゃない」ドヨーン

美琴「ふふっ、アンタの支えになれてるなら嬉しいな」ニコッ

上条「その言葉だけで十年は戦えるっ!!」キリッ

美琴「といっても休息は必要よ。疲れてるならのんびり散歩でもして気分転換しましょ」

上条「いいのか? 久しぶりに一緒なのに」

美琴「うん、私はアンタと一緒ならどこでも楽しいんだ」ニコニコ

上条「そ、そっか///」カァァ

美琴「アンタは、当麻は違うの?」

上条「違いませんけど……面と向かっていうのはテレるといいますか、なんと言いますか……///」


Prrr Prrr


上条「ケータイ? こんな時に……もしもし?」pi

ステイル『大変だ上条当麻っ!! 右方のフィアンマに襲撃されて、あの子が昏睡状態に……!』

上条「はあ!? お前イギリスだろ!? 何でインデックスがそっちに居んの!? 今朝も無駄に上条さんちのエンゲル係数を上昇させてましたよ!?」

ステイル『彼女の首輪を遠隔操作する霊装を持ち去られたんだ! すまないが君はロシアへ渡った右方のフィアンマを追ってくれ!』

上条「わ、わかった」

ステイル『頼んだぞ。その間、彼女の安全は死守してみせる!』pi


上条「ごめん御坂、どうしても外せない急用ができちまった……」

美琴「私の事は気にしなくていいから。助けを求められたら即行動が上条当麻でしょう?」

上条「おう! …………あ」

美琴「どうしたの?」ハテ?

上条「ロシアには、どうやって行けばいいんでしょうか……?」


ベツレヘムの星にて


上条「何が目的かさっぱりだけど、まずはその幻想をぶち殺す!!」

バキッ!!

フィアンマ「ぐはっ!!」バターン

上条「ったく面倒かけやがって。インデックスは返してもらうぞ」

フィアンマ「は、ははっ……好きにすればいい。だがこのままだと世界の半分は海に沈む」ニヤリ

上条「へ……?」

フィアンマ「お前は頑張り過ぎたんだよ。既にベツレヘムの星の制御は俺様の手を離れている。このまま落下し海面にぶつかれば……」

上条「ッ、ついて来い!」



――――



上条「…………」バッサバッサ

フィアンマ「『光を掲げる者』か。しかし飛んで脱出したところで世界は…」

上条「お前は黙ってろ!」

ボコッ!!

フィアンマ「ぷぎゅる!? ベ、ベツレヘムの星にめり込んで……!?」

上条「こんな石ころ一つ、幻想殺しで押し返してやる!!」ガシッ

フィアンマ「無駄だ! これ程の質量を砕けば、その時発生する衝撃波でどの道 世界は破滅す……えっ、押し返す?」

上条「うおおおおッ!!!! 幻想殺しは伊達じゃない!!!」バッサバッサ

フィアンマ「いや押し返すって……うおっ、落下が止まった!?」

上条「うぎぎぎ……!!」バッサバッサ

フィアンマ「こいつ……『光を掲げる者』のくせに能力の使い方をまるで理解していない。こんな力技はナンセンスだ!」

上条「まだだ……!! 幻想殺しは――」



戦争終結の翌日、学園都市にて


上条「――てなわけで、無事インデックスを助けることが出来ましたよ」

美琴「そ、そう。浮遊大陸を宇宙まで押し返しちゃったんだ……」

上条「初めて全力を出したんだけど、割と不可能は無いっぽいです」エッヘン

美琴「でも無茶はダメよ。それだけの力だもの、カラダへの負担は計り知れないわ」

上条「まあその辺は、追々確認するとして……ハッ!!」

美琴「うん?」

上条「…………」キョロキョロ

美琴「どうしたの?」ハテ?

上条「警戒を……今日こそ誰にも邪魔されずデートするんだ」キョロキョロ

美琴「立て続けに横やりが入ったものね」ウン

上条「ごめんな御坂……。こんなんじゃ彼氏失格だよな」ズーン

美琴「そんな事ないわよ。誰一人失うことなく、みんなで笑っていられるってのがアンタの夢でしょ?」

上条「そう、だったな……」

美琴「だったら胸を張りなさい。アンタが戦うことで守られた笑顔はきっとあるんだから、ね?」

上条「み、御坂ぁ……ぐすっ……」ウルウル

美琴「例えどんな事があっても、私はアンタを信じてる。だから自分を卑下しないで」ニコッ

上条「あぁ……ささくれだった心が癒されていく。今、上条さんは猛烈に感動している……!!」

美琴「あはは、大げさね」クスクス



――――



アレイ☆「本当にどうしよう……プランを実行できるまでに上条当麻は成長、いや正確には手がつけられない程強くなってしまった」

エイワス「人間、諦めも肝心だと思うが?」

アレイ☆「メインプランは暢気に幼女と戯れるばかりで、一向に成長の兆しすら見えず……ッ、何者だ?」


禁書「私のプランも早急に修正を加える必要があるんだよ。だからあなたには退場してもらうよ」ニッコリ


アレイ☆「!?」ビクッ

エイワス「な、なるほど……これが生物の持つ恐怖という感情か。アレイスター、に、逃げてもいいかな?」ガクブル


◆◆◆◆


???――


総体「こうしてアンタとお姉様は、一時の平穏と幸せを手に入れましたとさ/return」

上条「ちょっと待てどこからつっこんでいいのか分からねえ!! ナニコレやさぐれ上条暴力派!?」ガビーン

総体「ショックだった?/escape」

上条「なんだよこの記憶! 御坂から告られるとか羨ましいぞチクショー!!」

総体「素直になったお姉様ってカワイイよね/return」

上条「くそっ! どうしてこんな大切な事を忘れてたんだよ俺は!」

総体「混乱してるとこ悪いんだけど、まだまだ序の口だったりすんのよねー/return」

上条「え……」

総体「ここからアンタは不幸街道まっしぐらになるわけだけど、心の準備はオーケー?/escape」

上条「ま、待って下さいもう少し記憶と感情の整理をさせてーー!?」

総体「心配しなさんな、怒りのあまり脳の血管がズタズタになる程度の記憶だからさ/return」ウン

上条「それ廃人ですから! カラダは鋼でも心はアルミですのことよー!?」

総体「上出来、ガラスより頑丈じゃん♪/return」

上条「ずいぶんと感情豊かなミサカさんですこと!」ギャース

総体「そんじゃ続き逝ってみよう/return」



◆◆◆◆


第三次世界大戦から一年後のクリスマス


学園都市 第七学区 上条さんち――


上条「ぐぬぬ……ダメだ、俺の力じゃまるで歯が立たない!」

美琴「頑張って、諦めたらそこで試合終了よ」

上条「み、美琴センセー! 上条さんはバスケ……もとい、デートがしたいです!」キリッ

美琴「はいはい、今日の分の宿題が終わったらね」

上条「まだ慌てるような時間じゃあない。冬休みは始まったばかりだろ?」

美琴「夏休みも同じこと言ってたわよね。その挙句、最後の三日地獄を見たのは誰だっけ?」ジトー

上条「……わたくしでございます」

美琴「過去の教訓に学ばないのは、ただの愚か者よ。当麻はバカだけど愚かじゃないでしょ?」

上条「うう、ミコっちゃんが厳しい……」メソメソ

美琴「それに……」

上条「御坂?」

美琴「私は上を目指す。あの子たちを理不尽から守るためには、偉くならないといけないのよ。だから……」

上条「わかってる、俺が半分背負ってやるよ。少しずつ味方を増やして、学園都市を変えてやろうぜ」

美琴「だから勉強しなさい! 何でも力任せで解決できるわけじゃないのよ!!」ガァァ

上条「ハッ、平方根で世界が平和になるかよ」

美琴「開き直んなっ!!」メッ

上条「上条さんに知性を求めるのは絶望的ですぞ。出来る事といったら『高町式交渉術(屈服させてからの対話)』だけだ」ウン

美琴「ア、アンタねえ……」

上条「御坂、考える。オレ、実行する。御坂、言葉で語る。オレ、こぶしで語る」

美琴「私の当麻がこんなに脳筋なはずが…………あったか。うん、アンタは昔っから思いを叫んで殴るだけだもんね」


上条「それって記憶喪失になる以前の俺?」

美琴「そんな限定的な話じゃなくて、アンタを上条当麻たらしめるアイデンティティの話」

上条「あいでんてぃ……あい、あいあんてぃ……あい……愛は地球を救うかもしれない!」キリッ

美琴「ふふっ、大きく出たわりに頼りないわね」クスクス

上条「上条さんの愛が救うのは御坂だけでいいんだよ。他はついでだついで」

美琴「そういう事にしておいてあげる」ニコニコ

上条「あ、ついでで思い出した。今晩インデックスが帰って来るんだった!」

美琴「……そっか」

上条「せっかくイギリスに帰郷してるってのに、何もクリスマスに戻らなくてもいいよなぁ」

美琴「ねえ、当麻」

上条「ん?」

美琴「……ううん、なんでもない」

上条「…………」ジー

美琴「当麻?」

上条「さっきは冗談めかして言ったけどさ、俺とお前の二人なら どんな困難だって乗り越えていけると信じてる」

美琴「うん……」

上条「だから俺にだけは遠慮しなくていい。抱えてる事があるなら打ち明けて欲しい」

美琴「…………」

上条「…………」

美琴「ハァ、全てが順調過ぎたから弱気になってたかな。そうよね、今の私たちが全てを出しきれば あの子にだって…」


ドクンッ!!!


上条「な、なんだこの感覚!?」

美琴「ッ、まさかこのタイミングで……!?」



第七学区 窓のないビル――




禁書「さあ、始めましょう。この世と常世の境界を曖昧にして、至高の頂から愚者を引きずり降ろそう」



カエル☆「ゲコッ!?」



禁書「さあ、始めましょう。神話の再現を。神を僭称する愚者と、人間を世界を愛した優しい天使の戦いを」



カエル☆「ゲコゲコ……!」



禁書「さあ、始めましょう。造物主との決別を。新しい時代の幕開けを」



カエル☆「ゲ、ゲロゲーロ」ガクブル



禁書「さあ、始めましょう。正しいあるべき世界を。久遠と続く絆を結び直そう」



カエル☆「…………」ガクブル



禁書「そして終わらせましょう。分際を弁えない泥棒猫の卑しい夢を」ニッコリ



といったところで今回は終了
長くなったのでインデックスさんのターンは次回にー

通常の倍の量を投下ー


◆◆◆◆


第七学区 一方通行さンち――


打ち止め「ジングルベール、ジングルベール、今日は楽しいクリスマス~♪ ってミサカはミサカは大はしゃぎ!」

一方通行「チッ、うるせェぞクソガキ」

打ち止め「だってだって今日はクリスマスだよ、ってミサカはミサカはテンションの低いあなたに抱きついてみたり! いえーい♪」

一方通行「何がクリスマスだ。無神論者には関係ないンだっつの」

打ち止め「そんなことない! ってミサカはミサカは暗にケーキを食べたりデートしたいと催促してみたり」

一方通行「…………」ジー

打ち止め「どうしたの? ってミサカはミサカはあなたに見つめられてドキドキするのだけど///」テレテレ

一方通行「十年早ェ、寝言は ちったァその残念な胸を膨らませてからにしろ」

打ち止め「!?」ガーン

一方通行「ただのクソガキに興味ありませン。この中に猫ちゃン、わンちゃン、うさちゃンがいたら俺の所に来い。以上だ」

打ち止め「毛むくじゃらに負けたー!? ってミサカはミサカは悲しみより驚愕が勝ってみたり!」

一方通行「オマエみたいにツルツルでモフれない……むくじゃら? に興味はねェ」

打ち止め「むくじゃらって何っ!?」ガビーン

一方通行「さァな」

打ち止め「もう、あなたはイジワルばかり! ってミサカはミサカは憤慨してみる!!」プンプン


禁書「界の支点、みーつけた」シュン!


打ち止め「ッ!!」ビクッ

一方通行「誰だオマエ」


禁書「まずは余計な感情を取り除くために、あなたには眠ってもらうんだよ」スッ


打ち止め「えっ……」クテン

一方通行「おいクソガキ……オイッ!!」

打ち止め「…………」

一方通行「ッ、クソ野郎! 打ち止めに何しやがった!!」


禁書「次は数値の入力だね」

一方通行「舐めてンじゃねェぞ、今すぐ打ち止めを…」

禁書「数値を打ち込むためのデバイス風情がやかましいんだよ」

ガシッ

一方通行「がッ!?」ゴキッ!!

禁書「ふぅーん、これが科学製の魔神というべき能力なんだ。アレイスターも良く考えたものだね」

一方通行「」

禁書「とりあえず展開中のミサカネットに特定の指向性を設定。その上に五行機関・虚数学区を現出、それらを基礎に疑似アストラル界を構築」

一方通行「」

禁書「あとは『御使堕し』の術式を改良したものをコンバートして、数値設定、入力」

一方通行「……オ、オマエ」ピク

禁書「あ、依り代を用意するのを忘れてた。……まあいっか、アクセラレータを神の器に定義」

一方通行「あの……ときの……シス…」

禁書「どの道あなたはアレイスターとの決戦で死ぬ運命だったし、悪く思わないで。――『神様堕し』コマンド実行」


ズンンッッッッッ!!!!!!


一方通行「あッ、ああアアァアあア亜唖亞アああァaaaAAaAaあああああああああああ!?!?」


禁書「さてと、次は――」



疑似アストラル界――


土御門「ここは何処だ!? 一体なにが起きた!?」

海原「自分たちはグループのセーフハウスに居たはず……」

結標「ちょっと、座標を観測できないわよ!?」

海原「ならば探査系の魔術で、ッ、ぐはっ!!」ゴポッ

土御門「!」

結標「敵性組織からの攻撃!? このワケ分かんない空間もソイツの仕業なの!?」オロオロ

土御門「うろたえるな! 海原が吐血したのは攻撃を受けたからじゃあない」

結標「えっ」

海原「……どうやらこの空間は魔術を拒絶する性質があるようです」

土御門「まるで能力者に転向した魔術師のよう……待てよ、……ま、まさかっ!!」

結標「何か分かったの?」

土御門「虚数学区だ! アレイスターめ、やはり生きていたのか!!」

結標「で、でも統括理事長は一年前から行方不明よ。仮に生きていたとして、こんな事をする意味はなんなのよ!」

海原「答えは明白です。世界をこの空間で覆ってしまえば、全ての魔術師は無力化されてしまう」

土御門「そうなればアレイスターの思うままだ。誰もヤツに逆らえん」

結標「そんな……」



天使A「aaaaーーーーー」バッサバッサ

天使B「fuuuuuuuuuuuuu」バッサバッサ



海原「なっ」

土御門「て、天使だと……!?」

結標「天使?」

土御門「なんてモノまで呼び込んでるんだ。アレイスターは世界を滅ぼすつもりなのか!?」


――――


黄泉川「一般生徒の避難を最優先にしろ! 風紀委員は避難誘導を、警備員は私に続けっ!! 前に出て戦うぞ!!」

鉄装「先輩っ! 本部とも他の部隊とも連絡がとれません!」

黄泉川「増援は期待できんか。だがあの天使どもが襲ってくる以上、私らのやる事に変わりないじゃん」

鉄装「無茶ですよ!? そこらじゅう天使だらけなのに、どう防衛戦を展開するっていうんですか!?」

黄泉川「無茶でもやるしかないだろう!!」


初春「みなさん焦らないでください!」

黒子「高学年の方は、なるべく低学年の方を連れ避難してください!」

佐天「避難って……右も左も分からないのに、何処へ避難しろっていうのよ……」

初春「逃げ回ってれば死にはしません!」キリッ


黄泉川「突然の事態にも絶望せず踏ん張っている子供たちが居る。なのに大人が真っ先に絶望してどうするじゃんよ!!」

鉄装「ッ、はいっ!!」

黄泉川「一分一秒でいい、子供たちを守るためバケモノを足止めするぞ!!」ジャキ!!

鉄装「了解っ!!」ジャキ!!


タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタッッッ!!!!!


天使C「raaaaaaaaaaaaaaa」

天使D「ruuuuuuuuuuuuuuu」


鉄装「全弾命中を確認、ですが……まったく効いていません!」ガクブル

黄泉川「バケモノめ……」ギリッ


天使D「URYYYYYYYYYYYYYY!!!!!!!」ギロッ


黄泉川「来るぞ、総員ライオットシールド構え!」

鉄装「うう、どうしてこんな事に……」


――――


垣根「おらああああああああッ!!!」

バオッ!!!

天使EFGHIJK「「「「「「「Gyaaaaaaaaa!?!?」」」」」」」グチャ!!


垣根「ハァハァ……粗方片付いたみたいだな」

心理定規「…………」

垣根「なに呆けてるんだ?」

心理定規「あ、あなたってこんな出鱈目な強さだったかしら……? 以前から飛び抜けて強かったのは知ってるけど」

垣根「幻想殺しとやりあった時に、ちょっとコツを掴んでな」

心理定規「……やりあったというより、一方的に瞬殺されてたような」ボソッ

垣根「死んでねえから負けてないんだよ!! いつか借りは返すつもりだしな」

心理定規「それよりこれからどうするの? 学園都市から変な空間に飛ばされたように感じるんだけれど」

垣根「いいや、ここは学園都市だ」

心理定規「は……?」

垣根「正確には学園都市の位相がズレてる感じか。ここだと俺の未現物質が常識みてえだし」

心理定規「……あなたのお仲間が大勢飛び回ってるものね」

垣根「…………」

心理定規「ちょ、ちょっとした軽口じゃない。そんなに怒らないでよ」

垣根「やべえな」

心理定規「えっ」チラッ



主天使A「シュワッチ!!」バッサバッサ

主天使B「ヘアッ!!」バッサバッサ

主天使C「ダアッ!!」バッサバッサ



心理定規「」ガクブル

垣根「ははっ、普通の天使とは格が違うってか。……けどな、この垣根帝督を、未現物質を舐めてるとケガじゃ済まないぜ?」


――――


麦野「ハッハァーー!!! パリイ、パリイ、パリイってかァ!!!」キィィィン


シュバババババババ!!!!


天使LNMOP「「「「「Kyuooaaaaaaaaaaaaa!?!?」」」」」ボンッ!!

浜面「どわあーーっ!?!? てめえ麦野っ!! 味方ごと殲滅しようとしてんじゃねえ!!!」ヒラリ


麦野「オラッ!! どうした羽虫野郎が!! 出て来いよ、もう打ち止めか!!」

浜面「落ち着け! 闇雲に戦っても仕方ねえだろ!?」

絹旗「私も浜面に超賛成します。このままだと超ジリ貧ですよ」

麦野「チッ、そうは言っても逃げ場もクソも無いじゃない。滝壺、何か掴めた?」

滝壺「ううん、ただこの場所そのものがAIM拡散力場で形成されてるみたい。学園都市であって、そうじゃない……まるで異空間化したような」フルフル

麦野「新種の能力者の仕業か……?」

浜面「第二位に襲撃されてるんじゃないのか? あのバケモノなら天使を作って操るくらいワケないだろ」

絹旗「ち、違うと思います。あ、あれを……」ガクブル



主天使A「デュワッ!!!」

ズブリ

垣根「かひゅ……っ!?」ゴポッ

主天使A「エンッ!!!」ポイッ

ドサッ

垣根「」チーン



浜面「……今やられたのって」ガクブル

絹旗「……ええ、超第二位でした」ガクブル

滝壺「むぎのまずいよ。あの天使から普通のより何百倍も強い波動を感じる」ガクブル

麦野「その情報、少し遅かったみたいね。アレは一匹だけじゃないらしい……」ガクブル


主天使B「シュワッチ!!」バッサバッサ

主天使C「ジョワッ!!」バッサバッサ

主天使D「ヘアッ!!」バッサバッサ


――――


上条「うおおおおーーーッ!!!」

バキッ!!

天使Q「auch!?」バターン!


上条「くそっ、なんだって天使がこんなに! これじゃキリがない!!」

美琴「おかしい……打ち止めの誘拐は当麻が未然に防いだのに、ミサカネットを利用した『神様堕し(ゴッドフォール)』が発動するなんて……」ブツブツ

上条「とにかく移動しよう。御坂、走れる…………御坂?」

美琴「ダメだ、戦力が全然足りない……でもこのままじゃ世界が滅びて…」ブツブツ

上条「美琴ッ!!!」

パチン!!

美琴「!?」

上条「しっかりしろ美琴っ!! 怖いのは分かるけど、飲まれたら死ぬぞ!!」

美琴「あ……」

上条「心配すんな、絶対にお前だけは守ってみせるから」

美琴「当麻……」

上条「俺たちの街で、こんなふざけた真似をしたヤツを見つけ出して ぶちのめす! ……簡単だろ?」ニッ

美琴「もう、アンタは単純なんだから」クスッ

上条「シンプルに行こうぜ。天使だって無限に湧いてるわけじゃない。なら片っ端から撃ち落としてやればいいだけだ」

美琴「どうやって……?」

上条「そりゃお前………………一匹一匹ゲンコロするとか?」

美琴「んな悠長にしてたら学園都市が全滅しちゃうでしょ。……この際仕方ないか。方法は私が教えるからアンタは指示に従って」

上条「おう!!」


美琴「まずは『光を掲げる者』の力を引き出して。アンタが教えてくれた天使っぽくなる変身!」

上条「むむむむ…………こうか?」ペカー

美琴「次は『SISTEM』に接続して。それから…」

上条「ちょっと待て! そんな意味不明なもんに接続出来ません事よ!?」

美琴「大丈夫、細かい操作と制御は私がやるから、アンタは慌てず心を落ち着けてなさい」

上条「あ、ああ」

美琴「……(フォーマットが違うだけで何度もやってきた事だもの。私ならやれる!)」

上条「…………」

美琴「SYSTEMへの接続――操作範囲を太陽系・第三惑星に限定――掌握率9.352%」

美琴「求める結果から逆算――疑似アストラル界に存在する天使群、天使375235体、大天使1846体、権天使798体、主天使8体が現界中。これらにより学園都市の崩壊が確定」

美琴「確定した事象を改変。数値入力、ゲマトリア変換――誤差修正」

上条「ッ、御坂っ!!」


主天使A「シュワッチ!!」バッサバッサ


美琴「雑魚はすっこんでなさい」スッ


バリバリバリバリバリッッ!!!!!!


主天使A「」プスプス


上条「…………」ポカーン

美琴「術式選択『封神八十七式烈光流星乱舞(ガンマ・レイ)』を展開――さあ、いつでもいけるわよ!」

上条「み、御坂さん?」

美琴「考えなくていいから感じなさい。頭に浮かんだトリガーワードを唱えれば、それだけで天使共を皆殺しにできるから」

上条「こわっ!? ……なんて言ってる場合じゃないか」


美琴「ごめんなさい、本当ならゆっくり説明するべきなんでしょうけど、今は…」

上条「いいって、俺は御坂を信じるよ」

美琴「少しは怪しむとかしないの? アンタ以上にアンタの能力に詳しいなんて、怪しさ炸裂でしょ」

上条「まあ普通はそうなんだけどさ、上条さん的にミコっちゃんだけは無条件に信じるって決めてるんです」

美琴「…………」

上条「それに今更だろ? 右手からドラゴンが出たり、背中から羽根が生えたりしておいて、そこに何でも知ってる彼女が追加された程度じゃインパクトに欠けるっての」

美琴「ふふっ、ほんとにアンタは……呆れるほど単純なんだから」

上条「っと、お喋りにかまけてる場合じゃなかった」

美琴「お膳立ては済んでる。あとはアンタが自分の意思でもって唱えるだけでいい」

上条「やってみる! ――封神八十七式烈光流星乱舞(ガンマ・レイ)!!!」スッ











カッ!!!!






――――


浜面「く、くそが……無茶苦茶しやがって……」フラフラ

滝壺「けほっ、けほっ……むぎのたちは……?」フラフラ

浜面「さあな、殺しても死ぬようなタマとは思わねえが……」

滝壺「そんなこと言ったら、むぎのに怒られるよ……ッ、はまづら逃げてっ!!」

浜面「はぁ? 一体どうし…」


主天使B「シュワッチ!!」バッサバッサ


浜面「なっ!?」

滝壺「はまづらの拳銃は天使に効かない。だから逃げて」

浜面「ば、馬鹿っ!! んな事いったらお前だって同じだろ!?」オロオロ

滝壺「大丈夫だよ、私は大能力者(レベル4)だから。はまづらを守ってみせる」キリッ

浜面「麦野が居ねえとまともに機能しない能力だろうが!! 守ってくれなくていいから一緒に逃げ…」


主天使B「ダアッ!!!」グオッ!!


浜面「…る暇もなく天使が殴りかかってきたぁぁーー!? もうダメだおしまいだああああああああああ!?!?」ギャース

滝壺「~~~~~~ッ!!!」




カッ!!!




主天使B「!?!?!?」ジュッ!!




浜面「思えば碌でもない人生だったなぁチクショー!! 暗部組織の下っ端で誰からもソンケーされないパシリ人生とか救いがねえ!?」

滝壺「…………?」

浜面「麦野は横暴で怖えし! 絹旗はムカつくし! 滝壺は電波ゆんゆんで理解不能だし! フレンダは粛清されちまうし!」

滝壺「生き、てる……?」

浜面「神様よぉ……アンタに慈悲ってもんがあるのなら、贅沢言いませんからまともな職場環境を…」

滝壺「はまづら五月蠅い」

浜面「ひっ!? …………あ、あれ、俺……いきてる?」


――――


上条「…………へ?」

美琴「よし、撃ち漏らしはないわね。ぶっつけ本番にしては上出来、上出来♪」

上条「空を埋め尽くすほど居た天使が、キレイさっぱり消滅してる……」ガクブル

美琴「なに驚いてんの? これでも一割以下しか能力を引き出せていないのに」

上条「ハ、ハハハ……なんというインフレっぷり。上条さんは何処へ向かってるんですかね……?」

美琴「気を抜くのは早いわよ。まだ本命が無傷で残ってる」

上条「まだ何かあんの!?」ガビーン

美琴「この現象は学園都市 統括理事長、アレイスター=クロウリーが開発した大魔術……『神様堕し』」

上条「……おい、まさか本命って」

美琴「神殺しを果たす為だけの術式だもん。露払いが終われば当然……」



Y・H・V・H「審判の時だ、我が息子らよ」ドドドドドドドドド



上条「ぎゃあああーーー!!! キモイッ、なんかすごいキモイ顔だけお化けが降ってきたーーー!?!?」ギャース

美琴「あれで造物主っていうんだから性質が悪いわよね」クスクス

上条「笑ってる場合かよ! 見た目はアレでも、相当にヤバイ相手だぞ!?」



Y・H・V・H「よもや自ら造りし土くれに反逆されるとは。……ん?」チラッ



上条「ひぃぃッ!! め、目が合ったーーーー!?」



Y・H・V・H「おお、汝は明けの明星たるルシフェルではないか」



上条「まさかの顔馴染み!? いやいやいや、上条さんに顔だけお化けの知り合いなんて居ませんのことよ!!」

美琴「そうそう、こいつは上条当麻であってアンタお気に入りの天使じゃないのよ」



Y・H・V・H「造物主を前にしてなんたる不遜。今からでも遅くはない、我を尊崇し頭を垂れるのだ」ドドドドドドド



美琴「ハッ、人を救わない神に用は無いわ」

上条「ミコっちゃん、どうしてそんなに不機嫌なのでせうか!?」アウアウ

美琴「私は神様なんて信じていないもの。私に信仰があるとしたら、それは自負と上条当麻だけよ!!」デデン

上条「!」

美琴「恐れる事なんて何もない。例え相手が神様だろうと、極限まで研鑽した私の電撃に撃ち抜けないものなんて無い!!」バチバチッ

上条「……ああ、そうだ! あんたに恨みはないけど、やるってんなら勝たせてもらう!!」



Y・H・V・H「呪われろ、愚かな土くれ共。地獄にて世界の終りの時まで、永遠の業火に焼かれるのだ!!!」クワッ



上条「くるかっ!?」

美琴「アンタは幻想殺しで防御に専念して! この空間ならAIM由来の攻撃の方が効果的だから」

上条「攻撃は御坂ってわけか。わかった! 御坂には指一本触れさせやしねえ!!」



――――


禁書「たったの二人で造物主相手によくやる。短髪は『神様堕し』の情報を掴んでいたようだし、とうまの能力を引き出した」


ステイル「インデックス!!」


禁書「すでに至っている? それとも私同様に記憶を…」


ステイル「この惨状を招いたのは君なのか!? 答えろ、インデックス!!」


禁書「…うるさいな、だったらどうだというの?」イラッ


ステイル「最大主教が君の動向を怪しんでいた矢先に失踪した。僕も神裂もまさかと思っていたが、違っていたなんて!」


禁書「それで私を尾行して学園都市まで来てたんだ。ここでは魔術が使えないのに、よく今まで生き残れたね」クスクス


ステイル「血路は神裂と天草式が開いてくれた。君は僕が止めてみせる!!」


禁書「――ルーベ・レー・ユーアー 肉よ腐れ死に蝕まれ水となれ」


ステイル「なっ、魔術詠唱だと!?」


禁書「あなたに魔術が使えなくても私は使えるんだよ。死なない程度に痛めつけてあげる、――廃酸溶解(アシッド・ドリッガー)!!!」



ズドドドドドドドッッ!!!!



ステイル「がッ、はっ!? ぐ、うう……魔女狩りの王(イノケンティウス)!!!」

魔女狩りの王『』ズモモモ



禁書「へえ、咄嗟にイノケンティウスを召喚して防ぐなんてすごいね。でも……」


ステイル「ごはっ!?」ゴポッ


禁書「代償が大きすぎかも。抵抗なんて止めて、あなたは造物主の最期を見届ければいいんだよ」ニッコリ


――――


美琴「はああああああああッ!!!!」ビリビリッ!!


ズガガガガガガッ!!!


Y・H・V・H「ぬうううう……! 土くれ風情が! 神の炎に焼かれて死ねッ、マハラギダイン!!!」コォォォ!!


パキーン!!


上条「させるかよ!!」

美琴「神様のくせに優雅さが足りない、わよっ!!」ビリビリッ!!


ズバァァァァァァァァン!!!


Y・H・V・H「があああああああああああああ!?!?」

上条「一気に押し込む! うおおおおおおおおおおおッ!!!」シッ!

バキッ!! メキッ!! ゴスッ!!

Y・H・V・H「ば、馬鹿な……造物主である我が、このように一方的に……ッ」

上条「何が造物主だ! 高いとこから見下してるんじゃねえ!!!」

バキッ!!

Y・H・V・H「認めん、このような結末は……」

上条「御坂っ!!」



美琴「裁きの光を下すにはあんたじゃ役不足よ。いっけぇぇーーーーーーーーーーーー!!!!」キーン



ドゴンッッ!!!!!



Y・H・V・H「お、おおお……ぉぉ……」サラサラサラ



上条「やったのか?」

美琴「神様といってもアレイスターの魔術で弱体化させられてたからね。楽勝だったでしょう?」

上条「楽勝て……かなり際どかったですよ」

美琴「ま、結果オーライってね」


一方通行「うっ……うう……」


上条「あれは一方通行? どうしてこんなトコに」ハテ?

美琴「多分 神の依り代にされたんでしょ。一応、絶対能力者(レベル6)に至れる器なわけだし」

上条「…………」ジー

美琴「ん、なに?」

上条「人のこと言えた義理じゃないんだけどさ、御坂さん何時の間に そんなに強くなられたのでせう?」

美琴「えっと、そ、それは……ッ、動かないで!!」スッ

上条「ちょ、何故に上条さんへコインをお向けになるのー!?」ギャース

美琴「少しでもおかしな真似をしたら、容赦なく撃ち抜くわよ」

上条「なんだ、上条さんの背後に生き残った天使でも居るんですかー?」チラッ



禁書「と、とうま……」ビクビク



上条「インデックス!?」

美琴「…………ッ」ギリッ


上条「御坂、インデックスは敵じゃない! コインを下ろせ」

美琴「…………」


禁書「そうなんだよ、私は…」


美琴「黙りなさい」

上条「御坂!」

美琴「アンタにとって信じ難いことだろうけど、そのシスターが今回の事件の黒幕よ」

上条「は……な、なに言ってるんだ?」


禁書「とうま騙されないで! そんなの短髪の言いがかりなんだよ!」


上条「そ、そうだぞ御坂。インデックスが黒幕なんて、あ、あり得ないだろ」

美琴「じゃあ何でどもるの? 今のアンタならシスターの潜在能力くらい簡単に推し量れるでしょう?」

上条「…………」

美琴「人畜無害っぽく擬態しても無駄よ。前回のような騙し討ちは通用しないと思いなさい」


禁書「やっぱり記憶を保持していたんだね。どうりで規定事項から逸脱した行動をとるわけなんだよ」


上条「お前ら、一体何を……」

美琴「ごめん、ちょっと説明してる余裕無さそう」バチバチッ

上条「え……」


禁書「――ジ・エーフ・キース 神霊の血と盟約と祭壇を背に我精霊に命ず 雷よ 落ちろ 轟雷(テスラ)!!!」


ズドォォォォォォォォン!!!!


美琴「電撃使い(エレクトロマスター)相手にカミナリ落とそうなんて百年早いっての!!!」ビリビリッ!!

上条「どわああーーー!? 問答無用で大魔術ぶっぱはやめてぇぇーー!?」


禁書「いい加減目障りなんだよ。死んでくれないかな?」イライラ


美琴「あら奇遇ね。あなたこそ死んでよ」ムカムカ

上条「ぎゃああーー!! なにこの圧倒的殺伐空間っ!?」ギャース

美琴「チッ、ミサカネットを掌握された状態じゃ流石に分が悪いか」

上条「ドードー、落ち着いてミコっちゃん! スマイルアゲイン! まずは穏便に話し合いで…」



禁書「――トゥイ・ステッド・イントゥホーム血の聖餐杯よ還らざる怨霊の罪で満ちよ 封獄死霊砲(フォ・ビ・ドゥーン)」



ウオオオオォォォォォォォォォォォォォン!!!!



上条「ひぃぃぃ!? なんじゃこりゃあー!! 幻想殺しの処理能力を軽く上回ってますぞー!?」グギギギギ

美琴「こんにゃろう! 御坂式ガトリング・レールガンを食らいなさい!!!」

上条「御坂ぁーー!!! それ過剰防衛すぎぃぃーー!?」



ドガガガガガガガガガガッッ!!!!



禁書「そんな子供騙しは通用しないかも。――爆流渦炎陣(マーシャル・ロウ)!!!」


ズバァァァァァァァァァァン!!!


上条「無数の超電磁砲が蒸発した!?」アウアウ

美琴「減らず口を! じゃあこれならどうかしら。あらゆる防御結界を無効化するレベル6の雷を味わえっ!!!」ビリッ!!!

上条「!」



ドンガラガッシャアァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!



美琴「はぁはぁ……て、手応えあったわよ」



上条「ぐあっ……な、なんつーバカ威力……」プスプス

禁書「とうま、大丈夫?」

上条「……なんとかな」



美琴「え……なんでアンタがそのシスターを庇うの……?」ポカーン



禁書「とうまは正しい決断をしたんだよ。品のない短髪を捨てて、インデックスを選んだだけだよ」ニッコリ

上条「勝手な解釈してんじゃねえ。俺は御坂に人殺しなんてして欲しくないから庇ったんだ」フラフラ

禁書「もう、そんなに照れなくっても…」

上条「お前は黙ってろッ!!!」

禁書「!?」ビクッ



美琴「と、当麻……?」オロオロ



上条「俺の知らない事をお前らは知っていて、お互い譲れないモノがあるから争ってるのは解る。だけど殺し合いなんてダメだ!」

禁書「で、でも!」

上条「今回の騒動でどれだけの人が死んだと思ってやがる!! どんな理屈を捏ねても許される事じゃねえ!!!」

禁書「私は悪くないもん!! むしろとうまがやり過ぎたせいで、死ぬはずだった人間が学園都市に溢れていたんだよ!!」

上条「なに、言ってんだ……?」

禁書「そういう人間は遠くない未来、死に追いつかれる! 不確定に周囲を巻き込むくらいだったら、ひと思いに間引いてやった方が…」

上条「ふざけんじゃねえッ!!!」

禁書「?」

上条「人を間引くだと……? テメエは神様にでもなったつもりかよ!! いいや、例え神様だろうがそんな権利、ありはしないんだ!!」

禁書「とうまこそ何を言ってるのかな?」ニッコリ

上条「!?ッ」ゾクッ

禁書「偶像神なんかと同列にしないで欲しいな。事実、この世界は私の思うままな箱庭なんだよ」


禁書「道徳や法で私を糾弾しようというなら無意味だよ」

上条「な、なんで……」

禁書「だってそれらは弱者が社会を維持するための方便だから。強者である私が従ってやる道理はないでしょう?」

上条「…………」

禁書「とうまだって本当は理解してるんじゃない? 非道な行為を繰り返す統括理事長が一度でも処断された? 世界大戦を引き起こした右方のフィアンマが裁かれた?」

上条「……フィアンマは魔術サイド全体から追われてるだろ」

禁書「そんなのただのポーズなんだよ。彼を裁けるだけの力量ある魔術師なんて、私ととうまを除けば既に存在しないよ」

上条「だから力のあるヤツは何しても許されるってのか!?」

禁書「うん、それが真理なんだよ」

上条「てめえ……ッ」

禁書「世界は私の意思の下に統制されるべきかも。そうすれば無駄な争いを、この地上から一掃できるんだよ」

上条「世界ってのは個人の意思でどうこうしていいモノじゃないだろ!!」

禁書「分かってないなー、とうまは」ヤレヤレ

上条「何がだよ!!」

禁書「私は行為の是非なんて聞いてない。ただ決定事項を伝えてるだけなんだよ」

上条「なっ」



美琴「理解したでしょ。このシスターは明確な意志を持って世界にケンカを吹っ掛けるつもりなのよ」



禁書「ケンカは同レベルでしか発生しない。私が行うのは一方的な蹂躙と支配なんだよ」

上条「どうしちまったんだよインデックス!? お前はそんな酷いヤツじゃ……」

禁書「とうま?」ハテ?

上条「…………いや、上条さんに対しては割と酷いヤツでした」ウン

禁書「男が細かい事を気にしたらダメなんだよ」

上条「そうだな……。でも今度のはオオゴトだ。力ずくでも止めさせる!!」

禁書「無駄だよ。私が何のために偶像神や天使を召喚したと思ってるのかな」


美琴「当麻を消耗させるためでしょうね」


禁書「ふふっ、このインデックスはネズミを狩るのにも全力を尽くすんだよ」


上条「それでも二対一だ! 楽に勝てると思うなよ!!」

美琴「熱くならないで。冷静さを欠いた状態で戦える相手じゃないわよ」

上条「冷静にインデックスと戦えるわけねえ! 勢いのまま押し切るしかないんだ!!」


禁書「さっきので戦力評価は完了したんだよ。短髪も理解してるでしょう? 決して私には勝てないと」


美琴「…………」ギリッ



――――



一方通行「ぐッ、く、くそったれが……俺はもう助からねェ……だがせめて、打ち止めだけは……ッ!!」ググッ



禁書「小手調べはお終いだよ。いでよ、唱える者共!!」パチン!


ヴェント「憎い……ッ、弟を殺した科学が憎い……ッ」

テッラ「異教の猿め……調和を乱すものに死を……」

アックア「う、うおおおおおおおおおおおおおッ!!!」



上条「インデックスのカラダに神の右席の顔が浮き上がった!?」

美琴「な、なによアレ……」ガクブル



禁書「こいつらは唱える者共。生きたまま私の糧となった哀れな魔術師のなれの果てなんだよ」



上条「どこまで堕ちれば気が済むんだよ、インデックス!!」



禁書「得意の説教じゃ私は倒せないよ? じゃあいくよ、――四重呪殺!!!」


ヴェント「ジ・エーフ・キース 神霊の血と盟約と祭壇を背に我精霊に命ず 雷よ 落ちろ ――轟雷(テスラ)!!!」

テッラ「バータ・フォー・テイルズ …… 囲え 死の荊棘 ヴェルカム・イン・タイ 盲死荊棘獄(ブラインド・ガーディアン)!!!」

アックア「ルーイ・エリ・グレ・スコルビリー 汝 黒き魂にて 我を清めたもう おお冥王よ 至高なる者の強き集いのうちに 我は死の凍嵐を身に纏いたり 今新たなる契りによる氷雪の力束ねん ――絶対零凍破(テスタメント)!!!」


禁書「暗黒よ 闇よ 負界の混沌より禁断の黒炎を呼び覚ませ  パーラ・ノードイ・フォーモー・ブルール・ネーイ・ヴァセ・イーダー・イー・エイター・ナール・アイドール・ヘーブン・ン・ヘイル・イアイアンンマ・ダイオミ・ギーザ・オージ 死黒核爆烈地獄(ブラゴザハース)!!!」




カッ!!!!




上条「ッ、出番だバカ竜!! 喰らいついて、喰らい尽くせっ!!!」ゴゴゴゴゴ

美琴「せめて雷撃の魔術だけでも相殺しないと……!!」ビリッ!!


――――


神裂「ステイル!? 無事ですか!」

ステイル「かん……ざき……?」

神裂「なんて酷い。魔術を行使したのですね」

ステイル「彼女を……インデックスを阻止しなければ……」

神裂「無粋を承知で言わせてもらえば、上条当麻に任せれば問題ない、と言いますか、もう彼一人でいいんじゃないでしょうか?」

ステイル「あ、あの男では無理だ……! 容赦なく力を振るう彼女に……上条当麻の甘さは命取りに……ごはあっ!?」ゴポッ

神裂「無理に喋ってはいけません!」

ステイル「な、なにより……彼のそばには超電磁砲の少女が……僕らと同じ悲しみを、彼に背負わせては……あまりに……」

神裂「……あの子が御坂美琴を殺すというのですか?」

ステイル「そうじゃない……彼女はもっと残酷な方法で……お、おそらくかつて彼女自身が落とされた地獄に……」

神裂「信じられない! 何があの子を駆り立てるんです!?」

ステイル「嫉妬……だろうね。人間なら誰しもが持つ悪徳だが……彼女のそれは……底が見えないほど暗く陰惨なようだ」ググッ

神裂「待ちなさい! あなたは動けるような状態では…」

ステイル「それがどうした……ッ!! 今、借りを返さなくて何時あの男に報いる!?」

神裂「…………」

ステイル「ああ、僕は上条当麻が大嫌いだ! インデックスの心を奪っていった……僕らの地獄を終わらせた上でね!」

神裂「はあ……。私たちが行っても足手まといになる公算が高そうですが、しかし、そうですね」ヤレヤレ

ステイル「待っていろ……今度は僕が君を悔しがらせてやる!!」



――――


禁書「意外と呆気なかったね」


上条「あッ、ぐうう……! み、御坂……無事か……?」プスプス

美琴「な、なんとか……ッ」プスプス


禁書「咄嗟に『竜王の顎』で相殺したんだろうけど、流石に全部は消しきれなかったようだね」


美琴「完全に遊ばれてる……。ここまで地力に差があったなんて」

上条「…………」

美琴「当麻……? そうよね、流石のアンタでも連戦だと息が続かなくて当然か……」ヨロヨロ


禁書「さてと、都合良くとうまは気絶しちゃったし、話を聞かせてもらおうかな」


美琴「……なに?」


禁書「どういう訳か、あなたは魔神の領域に至ってる。となればあなたも記憶を保持したまま繰り返していると疑うのだけれど」


美琴「答える義理は無いわね」


禁書「ま、答えたくないなら別にいいよ。少なくとも私に心を読ませないだけの実力があるのは把握したし」


美琴「当麻の記憶は消させないわよ……もう二度と、大切なものを奪われてたまるもんかっ!!!」


禁書「勘違いしないで。返してもらうだけだよ」クスクス


美琴「このド畜生……地獄に落ちろ!!」


禁書「アハハハハ、負け犬の遠吠えが心地良い! そうだ、いいコトを思いついたんだよ」



禁書「今度はあなたの記憶を消してあげる」


美琴「!?」


禁書「とうまとの記憶を、その浅ましい想いごと一切合財キレイさっぱりデリートしてやるんだよ」ニッコリ


美琴「や、やめてよ……」ガクブル


禁書「なんで今まで思いつかなかったんだろう。こっちの方がより残酷なのに、迂闊だったかも」


美琴「それだけは……アイツとの……と、当麻との思い出だけは盗らないでよ!!!」


禁書「良い! 実に良いっ!! これが見たかった!! あなたの絶望に塗れた醜態を見たかったんだよ!」ケラケラ


美琴「~~~~~ッ、悪魔めぇぇッ!!!」ギリッ


禁書「今あなたが言うべきなのは、別の言葉じゃないのかな?」


美琴「………………ます」


禁書「んん~~? なになに、今すぐ記憶を消して下さい?」


美琴「お、お願いだからそれだけは勘弁してください! 私が憎いなら殺したって構わない! だから……だから……!!」


禁書「うんうん、気持ちは痛いほど共感できるかも」ウン


美琴「じゃあ!?」パァァ


禁書「いい懇願なんだよ、感動的なんだよ、――――だが無意味なんだよ」ニッコリ


美琴「……え」



禁書「ハッハー! このインデックスの大好きな事のひとつは、みさかみことが一縷の希望を見出した時の表情を、絶望に塗り替えてやることなんだよ!」

美琴「あ、あぁぁ……」ブルブル

禁書「さあ、フィナーレだよ! とうまに色目を使ったことを、忘却の彼方で私に詫び続けるんだよぉぉーーー!!!」


神裂「テメエの血は何色だああああああああああああああああ!!!!」チャキ



ザンッッ!!!!



禁書「なっ、かお…ぬわああーーーーっ!?!?」ヒューーン



ズドーーーン!!



美琴「せ、聖人……!?」オロオロ

神裂「外道が、大概にしとけよ! ……がはあッ!?」キリッ

ステイル「なに全力で斬りかかってるんだ!? 彼女を止めに来たのに、ミンチにしてどうする!? しかも考え無しに魔術まで使うなんてバカか!?」ギャース

神裂「し、心配には及びません。か、刀の腹で打ちすえただけです」フラフラ

ステイル「自分のパワーを考えろよ人間核兵器!!」

神裂「ステイル、あなたは御坂美琴を。私は上条当麻を運びます」

ステイル「~~~~~~ッ!!! 言われなくても分かっている!!」



禁書「ふ……ふふっ……フフフ」ユラァ



ステ神裂美琴「「「!」」」ビクッ



禁書「せっかくの良い気分が台無しなんだよ。フフフ、このインデックスをここまでコケにした愚か者は初めてかも」ドドドドド



ステイル「は、はは……冗談キツイね、これは」ガクブル

神裂「ええ、これでは大人と子供……いいえ、恐竜と蟻です」ガクブル

美琴「す、少しでも勝てるかもなんて考えてた自分の甘さが嫌になるわね」ガクブル



禁書「怖がる必要は無いよ。私は慈悲深いからね、苦しまないように逝かせてあげる」ニッコリ

上条「やらせねーよ」

ガシッ

禁書「と、とうま……!?」ギョッ!?



美琴「!ッ、今なら…」



上条「ステイルッ!!! インデックスは俺が責任を持つ!! だから……美琴を頼む」



ステイル「君は……」

美琴「何言ってんのよ! 私は、あっ……」クテン

神裂「不作法を許してください。……ステイル」

ステイル「クソっ、分かっているさ!! 上条当麻っ! これは貸しだからな!!」



上条「ああ、必ず返すよ」

禁書「離してっ!! ここで短髪を処理しないと、禍根を残すことになるんだよ!」



上条「禍根、ね。そうだよな……お前が美琴に異様なまでの敵対心を剥き出しにしてたってのに、俺は何の対処もしなかった」

禁書「とうまは悪くないかも! 悪いのは全部…」

上条「ああ、俺だけが悪いんじゃない。つーかテメエが一番悪い!!」

禁書「ええっ!?」ガビーン

上条「この際だ、きっちりケジメをつけさせてもらう!」ゴゴゴゴゴ

禁書「こ、このテレズマの高まりは!? まさかとうま……!」

上条「ようやく能力の使い方が分かってきた。つっても枯渇寸前だから大したことは出来ないけどな」ゴゴゴゴゴ

禁書「落ち着いてとうま! こんな事しても誰も喜ばないんだよ!!」アセアセ

上条「はは、その慌てようなら一応効果はあるみたいだな」ニッ

禁書「わ、わかったから! 短髪には二度と手出ししないと約束する! だから早まらないでー!?」ギャース

上条「さあインデックス、俺と一緒に地獄に逝こうぜっ!!!」

禁書「!」




――――



ズゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!




神裂「この空間が軋むような力の波動は……!」

ステイル「彼だろうね……。しかしこれでも彼女を止めるには足りないだろう」

神裂「上条当麻の意思を無駄に出来ません。生き恥を晒してでも、御坂美琴を無事に帰さねば立つ瀬がありませんね」

ステイル「当然だ」

神裂「ならば一刻も早く、この空間から脱出する手立てを見つけましょう」




◆◆◆◆


???――



総体「――てな感じで、アンタたちは白い悪魔に完全敗北/return。死に損った上条ちゃんは記憶を改竄されちゃいましたとさ/return」

上条「……美琴たちはどうやって逃げのびたんだ?」

総体「第一位の最後っ屁ってやつ?/escape。死に際に疑似アストラル界を崩壊させて、最終信号を通常空間に帰還させたのだよ/return」

上条「一方通行はアレイスターとの決戦で戦死して……あれ?」

総体「前回以外はそうだね/return。前回だけが例外ってこと/return」

上条「前回……てことは、この世界は一定の期間をループしてるのか?」

総体「ご明察/return。二回目以降は ほぼ同様の過程を10030回ループしてる/return」

上条「どんだけだよ!?」ガビーン

総体「執念深いわよー、ホワイトデビルちゃんは♪/return」

上条「頭いてぇ……要するに前回、10031回目だけが異質だった。……大覇星祭二日目に美琴が俺に告ったからだ。本来は数年後に俺からのはずだった」

総体「大覇星祭二日目、その日がお姉様にとっての基点なんだ/return」

上条「改竄された記憶だと、その日は暴走した美琴を……ッ、そうか、そういう事か」

総体「理解したみたいね/return」

上条「ああ、――美琴は大覇星祭二日目に記憶を取り戻すんだな?」

総体「木原幻生の実験の過程でね/return。ミサカネットにバックアップしてあるお姉様の記憶データをダウンロードすんのよ/return」

上条「ずっと一人で戦ってたのか……いや、戦わせちまってたのか」

総体「気に病みなさんな/return。その甲斐あって、どうにか白い悪魔の攻略法までこぎつけたんだ/return」

上条「マジかよ!? あ、でも……」

総体「うん、今回のお姉さまは今見たクソッタレな記憶なんて一切知らないし、戦う術も碌に知らない無力な小娘だよ/return」

上条「そうか……」

総体「しっかし参ったなー/return。前回の試行は本命である今回の予行演習だったのにさー/return」

上条「えっ」

総体「あ、いっけね、これ以上は白い悪魔に感知される危険大だわ/return。じゃあね、話せて楽しかったよ、上条ちゃん♪/return」

上条「ちょ、おまっ、こんな中途半端に情報渡して…」



◇ ◇ ◇ ◇


第七学区 とある病院――


上条「…上条さんにどうしろってんですかーーー!?」ガバッ


美琴「あ、気がついた」パァァ

土御門「……普通ならミンチより酷い事になってるだろうに、数時間でお目覚めとはカミやんのカラダはファンタジーだにゃー」

美琴「気にしたら負けですよ」ウン


上条「ハァハァ、ダメだ……。久々に脳をフル回転させた反動か、頭痛が痛い!!」ズキズキ


土御門「このお馬鹿発言、いつものカミやんですたい」

美琴「知恵熱かしら……?」

オッレルス「何気に酷いね、君ら」


上条「あ、お前は上条さんに体当たりかましやがった落下系イケメン!?」


オッレルス「いやぁー、とんだ無礼を働いてしまって済まない」ペコリ


上条「いえいえ、なんのこれしき お気になさらず」


オッレルス「そうかい? まあそれはそうと、幻想殺しである上条当麻に聞きたい事があるんだが」


上条「ほう」


オッレルス「魔神オティヌスは何処に居る?」


上条「……誰それ?」ハテ?


といったところで今回は終了
覚醒フラグを回収したので、次回からジジ条さんのボンクラ具合が緩和されます。悪しからずー

投下ー


◆◆◆◆


イギリス とある魔術結社――


魔術師A「フハハハハ、時は満ちた! ついに我が最強の術式が完成したのだ!!」

魔術師B「おおっ!!」

魔術師C「これで忌々しい科学の総本山を叩ける! チンケな犯罪には飽き飽きしてたんだ」

魔術師D「しかしイギリス清教の聖女はともかく、必要悪の教会が黙っているでしょうか?」

魔術師E「ふんっ、必要悪の教会なにするものぞ! 我らが大望の前では蟷螂の斧 同然よ」


上条「じゃあお前らは藁の盾だな」ヌッ


魔術師A「何者だっ!!」


上条「イギリス清教第零聖堂区。お前らの言う蟷螂の斧の元締めだよ」


魔術師A「黒髪ツンツン頭の東洋人神父……。ま、まさか……コイツが必要悪の教会の……」

魔術師B「魔術師殺しの上条当麻か!」


上条「幻想殺しだっての。まあお前らを殺しに来たんだから間違いじゃないけどさ」


魔術師D「待ってください、ここに来るまで大勢の同志が居たはずです! どうやってここまで……」


上条「俺がここにいる以上、答えは一つだろ?」


魔術師E「来たるべき日に備えて鍛え上げた選りすぐりの精鋭だぞ!?」


上条「元気に息巻いてたなぁ。学園都市を潰すだの、御坂を殺すだの。上条さんの前でよくもまぁ吠えたもんだ」


魔術師A「せ、聖女に仕える人間が殺生など許されるのか!?」


上条「は? インデックスは関係ないだろうが。テメエら、俺を誰だと思ってやがる」


魔術師D「……必要悪の教会の処刑人。血塗れ神父……上条当麻に目を付けられた魔術師は例外なく抹殺される……ッ」ガクブル


上条「知ってるなら話が早い。さあ始めようか」ニッコリ


魔術師B「と、投降する! だから殺さないでく…」

上条「違うなぁ」スッ

ドスッ!!

魔術師B「がふッ!?!?」ゴポッ

上条「命乞いなんて許すわけねーだろ。強盗、殺人、強姦、極めつけにテロ未遂。テメエらが犯した悪事はとっくに知れてんだ」


魔術師E「くッ、若造がつけ上がるなァーー!! ――全ての力の源よ 輝き燃える赤き炎よ フレアアロー!!!」ボゥッ!!!


パキーン!


上条「なんだこのショボイ炎は。ステイルと比べればマッチ以下じゃねえか」

魔術師E「ば、馬鹿な……」ガクブル

上条「しかも戦意喪失? そうじゃないだろ」スッ

ドスッ!!

魔術師E「ぎッ、ごはあーーっ!!!」ドサッ

上条「投降も命乞いも却下だ。そろそろ理解しようぜ?」


魔術師A「ど、どうすればいいのだ!? 助かるなら何だってする! 学園都市へのテロ行為も中止する!」

魔術師C「仮にも聖職者なんだろ!? 犯罪者だからといって殺生が許されるものか!!」



上条「ハァ、なんも分かってねーな。このクソ虫どもがッッ!!!!」



魔術師ACD「「「ッ!?」」」ビクッ



上条「毒を、更なる猛毒でもって制するのが必要悪の教会だ。一般人に手を出し、俺が出張った時点で慈悲は無いと知れ」



魔術師A「い、命だけは! どうか命だけは……!!」



上条「テメエらに残された道はただひとつ! 力の限り運命に抗い、そして藁のように死ぬのだあああ!!!」クワッ



魔術師ACD「「「ぎゃああああーーーーーーーーーーーー!?!?」」」ギャース




◆◆◆◆


第七学区 とある病院――



オッレルス「オティヌスを知らない、と?」

上条「正確には面識が無い。が、情報としては知ってる。北欧神話由来の、それなりの力を持つ魔神だったっけ」

オッレルス「そ、それなり……」

上条「探して見つからないならインデックスに始末されてるかもな」ウン

オッレルス「始末って……ええっ!?」ガビーン

上条「脅威の火種を放置しておくほどアイツは甘くない。人間的にはアレでも、支配者としちゃ有能だからなぁ」

オッレルス「そんなバカな……」

上条「もしかして友人だったり?」

オッレルス「そんなカワイイ関係ではないさ。……しかし、そうだね。倒れたのなら喜ばしいことだ」

上条「それはそうと、侵入者の魔神級魔術師ってのはお宅ですか?」

オッレルス「えっ、えーっと……」アセアセ

上条「うちの可愛いミサカたちを、容赦なく叩きのめしたのはテメエかって聞いてんだよ」ドドドドド

オッレルス「は、はいっ!!」

上条「そっか。ならたっぷりお礼をしないとな」ニッコリ

オッレルス「誰か彼を止めてくれ! って誰もいない!?」ガビーン

上条「よりによってこんな時に来るなんてなぁ。運が悪かったんだよ……お前は!!」



◇ ◇ ◇ ◇


オッレ<アンギャアアアアアアアアアアアアア!!!!



美琴「と、止めなくていいのかな?」

土御門「捨て置け。それより聞いておかないと不味い事がある」

美琴「はぁ、なんですか?」ハテ?

土御門「カミやんの能力についてなんだが、能力を根本的に消去出来るってのは本当か?」

美琴「ええ、本当ですよ。実際第一位が無能力者……というのは語弊があるかな。とにかく能力を一切使えなくなりました」

土御門「……やはりカミやんの力は本物か」

美琴「怖い能力ですよねー。今までの努力が水の泡なんて、ううっ、想像しただけで悪夢だ」ガクブル

土御門「……(まあ純正の能力者はそうだろうな。だが、オレにとっては……)」


CASE 28 DRAGON RISES 後編


十月六日

第七学区 グループアジト――


上条「突然ですが、ここで緊急会議を開催します」デデン


美琴「へ?」

浜面「ホントに唐突だな……」

食蜂「ふぅん、それで議題は何かしらぁ?」


上条「議題は進路希望調査及び今後の指針。まあ何だかんだでグループも軌道に乗ってきたし、今後の運営方針を決める時期かな、と」


浜面「ど、どうしたんだ? 大将が滅茶苦茶マトモな事言い出したぞ」ヒソヒソ

食蜂「精神干渉の類はないみたいだけどぉ」ヒソヒソ

御坂妹「拾い食いでもしたのでしょうか? とミサカは推測します」ヒソヒソ

美琴「少しは自分たちのリーダーを信じてやりなさいよ! アイツも真面目に考える時だってあるわよ……きっと」ヒソヒソ


上条「お前ら……ごほんっ!! とにかく、漠然とでもいい。この先グループの活動を通じてどういう自分になりたいのか、それを今から配るプリントに記入してくれ」


美琴「ヤバイどうしよう? 宇宙人にキャトられたのかも!?」ヒソヒソ

浜面「借金返済しか頭にないのが大将だったろ!?」ヒソヒソ

御坂妹「やはり悪いものを拾い食いしたとしか……とミサカは沈痛な面持ちで唸ります」ヒソヒソ

食蜂「ストレスでおかしくなった可能性も……」ヒソヒソ

美琴「その可能性は否めない、ッ、な、なに!?」ビクッ



上条「……文句があるなら肉体言語で個人面談してもいいんですが?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ



浜面「あ、圧倒的プレッシャー!! 普段は穏やかな大将の背に、阿修羅の如き覇気が立ち昇っているッ!?」ギャース

美琴「解説しなくていいから浜面さんも書きなさいよ!?」カリカリカリ

食蜂「」ビクンビクン

御坂妹「……(恐怖のあまり白目を剥いて気絶している……! とミサカは余計な事を考えつつ素早くペンを走らせます)」カリカリカリ


一時間後


上条「みんな書き終えたか? そんじゃ浜面から順に発表してもらおうか」

浜面「ちょっ、発表すんの!?」

上条「当然だろ。全員の希望を突き合わせて、総合的に組織の運営方針を決定するんだ」

浜面「け、けどよ、グループの仕事は魔術師狩りだよな?」

上条「そりゃそうなんですがね、何時までも都合の良い駒に甘んじてるのは癪だろ」

浜面「…………」

上条「それに何の展望も見出せない環境は人を狂わせる。だからこそ夢や目標が必要なんだ」

浜面「大将は……その、具体的なビジョンがあるのか?」

上条「第一目標、学園都市の暗部を掌握。第二目標、統括理事会を掌握し学園都市の実権を握る。最終目標、白い悪魔の抹殺もしくは無害化」

浜面「…………え」

上条「うん?」ハテ?

浜面「お、おい……それってクーデターなんじゃ…」

上条「人聞きが悪いなァ。統括理事長にどっちが上位者なのか教育してやるだけだって。クックック、物理的にな」ニヤリ

浜面「ぎゃああーー!!! ご乱心ッ、なんか大将が覇道に目覚めてんですけどぉぉーー!?」ガビーン

上条「ハハハ、こーこーせーの無邪気な夢ですことよー」

浜面「どこがだっ!! あからさまに棒読みじゃねぇか!!」



御坂妹「なるほど、クソッタレな学園都市上層部に反逆ですか、とミサカはあの人の夢を全面肯定する決意を固めます」キリッ

食蜂「御坂さんは言うまでもないわよねぇ?」

美琴「まあ、うん……私も考えなかったワケじゃない」



浜面「なんでお前らそんなに乗り気なの!?」

上条「よろしい、ならば反逆だ」

浜面「しねーよ!! てか結論急ぎ過ぎだろ!?」


浜面「落ち着けよ大将。確かに木原のおっさんは信用ならねえが、学園都市そのものにケンカを売る必要ないだろ!?」

上条「仮定の話をしよう」

浜面「大将?」ハテ?

上条「白い悪魔は学園都市を征服、あるいは殲滅しようとしている。それに対抗できるのはグループの戦力だけ」

浜面「…………」

上条「なら白い悪魔にグループをぶつければいい、そう統括理事会は考えるだろう」

浜面「実際そうだしな」ウン

上条「問題はここからだ。仮にグループが勝利したらどうなると思う?」

浜面「そりゃ喜ぶだろ。俺たちは学園都市を救った英雄じゃねーか」

上条「本当にそうか?」

浜面「へ?」

上条「英雄といえば聞こえはいいが、本質は白い悪魔すら凌駕する怪物が生き残ったという結果にすぎない」

浜面「か、怪物って……」

上条「そんな怪物がいつ自分たちに牙を剥くか分かったもんじゃない。だから白い悪魔を倒した直後の消耗してる間に始末するべきだ」

浜面「…………」

上条「こうして学園都市を脅かす怪物たちはまとめて居なくなりましたとさ、めでたしめでたし」

浜面「……マジかよ」

上条「当たらずとも遠からずだろうよ。命が助かっても上条さんは研究所でモルモット生活が濃厚ですかねえ」


食蜂「ま、妥当な筋書きでしょ」クスクス

美琴「いや、全然笑えないんだけど」


上条「てな訳で、現体制への反逆は既定路線だ」

御坂妹「あなたとレベル5が二人、それに妹達の戦力があればあるいは、とミサカは不可能でないと判断します」

浜面「あの、俺は……?」

御坂妹「おっと失礼。浜面バリアーも有用でした、とミサカは同僚にサムズアップを送ります」

浜面「弾除けにする気かっ!!」ガァァ

上条「なになに、キャリアプラン・浜面仕上。グループでの経験を活かせる職場を希望。第一希望は警備員か……ふむ」

浜面「ちょ、なに読み上げてんの!?」

上条「つまり特務支援課の活動を重視して、ゆくゆくは正式な警備員になりたいってことか」


食蜂「へぇー、チンピラっぽいのに真面目ねぇ」ニヤニヤ

美琴「うん、ちょっと意外」


浜面「ほっとけ!」

御坂妹「おや、同僚もミサカと同じですか、とミサカは嬉しさを隠しつつ告げてみます」

浜面「えっ」

上条「ホントは危険な仕事から遠ざけたいんだけど、本人が希望するなら仕方ないか。悪いけど浜面も気にかけてやってくれ」

浜面「そりゃ構わないけどよ、マジでずっと警備員の仕事続けられんの、俺……?」

上条「能力は十分証明されてるし、木原さんと黄泉川先生辺りが推薦すれば問題ないと思う」ウン

浜面「…………」プルプル

御坂妹「どうしましたか? とミサカは生まれたての小鹿のように震える同僚を訝しみます」

浜面「よっしゃああーー!!! 人生裏街道まっしぐらだと思ってたのに、トンネルを抜けた先は真っ当な職場だなんて……ッ!!!」ブワワ


美琴「な、泣いたーー!?」ガビーン

食蜂「学園都市は才能が無い人に容赦ないもの。初めて報われたんじゃない?」



浜面「うっうっ、ありがとう大将。信じてついてきて本当によかった……」

上条「仲間の功に報いるのもリーダーの務めだよ。それにまだグループの役目は残ってるんだ、これからも頼りにさせてもらうからな」

浜面「任せてくれ! どんな過酷な任務だろうが絶対に達成して生き残ってみせるぜ!!」キリッ

御坂妹「またこの男は……とミサカは不用意に死亡フラグを立てる同僚に呆れます」ハァ

浜面「そんなモン立てる端からへし折ればいいだけだろ!」

御坂妹「フォローするほうの身にもなってください、とミサカは…」

浜面「テンション上がってきたぁぁっ!! よし、溜まってる支援要請を片っ端から片付けようぜ!」グイグイ

御坂妹「…ハァ、仕方ありません。有頂天な同僚のフォローに回ります、とミサカは……こら、引っ張るのをやめなさい」ズルズル


上条「白い悪魔に気をつけるんだぞー」フリフリ


美琴「ふふっ、何だかんだいって、あの子も楽しんでるじゃない」

食蜂「あの二人は綺麗な夢だけ見てればいいのよ」クスクス

美琴「はぁ?」

食蜂「上条さんは過保護なの。察しが悪いゾ☆」

美琴「…………」イラッ

食蜂「御坂さんてば融通が利かないしぃー。妹さん達と一緒に席を外してたほうがいいんじゃないかしらぁ」チラッ


上条「御坂みたいなのはハブって下手に動かれるより、手元でコントロールしたほうが安全だと上条さんは判断します」

食蜂「それもそっかぁ」ウン


美琴「あ、あんたらねえ……!」ムカッ



上条「さてと、ここに残った三人で基本方針を固めようか」

美琴「別にいいけど」

上条「ま、やる事は極めてシンプルだ。一遍の情け容赦も無く、学園都市に巣食う外道を外法をもって駆逐する」

食蜂「私は上条さんの方針に従うわぁ。食うか食われるかっていう認識も概ね理解できるし」

美琴「…………」

上条「御坂は不服か?」

美琴「そういう訳じゃないけど……」

上条「御坂妹と浜面の希望は微笑ましいもんだったが、御坂と食蜂はそうじゃねぇよな」

食蜂「まーねぇ」

美琴「……あんな狂った実験を平然と実行する連中だもん。学園都市を変えたい気持ちだってある。でも……」

食蜂「人殺しは嫌ですぅー、なんて都合の良い幻想抱えてるんでしょお?」クスクス

美琴「超えちゃいけない一線があるでしょーが!!」ガァァ

食蜂「目には目をって知ってるぅ?」

美琴「そんな考えで仮に勝ち残ったとしても、結局は同じ穴の狢じゃない!」

食蜂「う~ん、反論の余地が無いくらい正論ねぇ」クスクス

美琴「だったら……!」

食蜂「でも正論では現実は回らないわぁ。正しさだけで救えるほど学園都市の闇は浅くないの、あなたも理解してるでしょ」

美琴「くッ」


上条「こらこら、純情で真っすぐなミコっちゃんをイジメんな」


食蜂「はぁ~い」クスクス

美琴「…………へ」キョトン


上条「せっかく特務支援課の活動でクリーンなイメージを獲得したんだ。それは最大限利用すべきだろう」

食蜂「不本意だけどぉ、うちのチンピラ君や御坂さんは学園都市のヒーローだものね」

上条「大衆ってのは正義の味方が大好きです。そして正義の味方はすでに用意されている」

食蜂「あれれぇー? でもでも正義の味方だけじゃ物語を作れないゾー☆」

上条「だったら悪も用意すればいいんじゃないか?」

食蜂「わぁー、すっごぉーい! 上条さん冴えてるぅ!」

上条「まずは暗部を掌握して、統括理事会が行った悪事に関する情報を、証拠込みで回収しちゃうぞー」

食蜂「私の改竄力を使えば簡単っ☆」

上条「そして全ての罪を統括理事長におっ被せて、愛と!」

食蜂「勇気とぉ!」

上条「正義の名の下に処断してしまえばいいんだよ。クックック」ニッコリ

食蜂「やぁーん♪ 同じこと考えてたなんて、私たちの相性力バツグン♪」ニッコリ


美琴「え、えっと……統括理事長を、その、殺すんじゃなかったの?」


上条「簡単に殺してなんかやらないさ。骨の髄まで利用し尽くして、殺して下さいと懇願されるまでなァ」

食蜂「それでも死なせてなんかあーげない♪」

上条「統括理事長め、精々首を洗って待っているがいい」キリッ

食蜂「待っているがいい☆」キラッ


美琴「あ、あほかぁぁーーーーーー!!!」ギャース



テッテレー



上条当麻は、イギリス清教暗部時代(前回のループ)の経験をすべて取り戻した!

上条当麻は、全ての性能を十全に発揮可能になった! ※ただしヒーロー属性はさらに薄まる


第七学区 窓のないビル――



上条『統括理事長め、精々首を洗って待っているがいい』



アレイ☆「ひぃぃぃぃぃ!?!?」

木原「あーあ、あれはヤルと言ったらヤル目だわ」

アレイ☆「何故だ!? ここにきて何故私がやり玉に挙げられねばならんのだ!?」

木原「上条にも御坂にも、もちろん御坂妹も理事長を憎む理由は十分だからなぁ。因果応報ってヤツ?」ケラケラ

アレイ☆「笑い事かッ! 貴様も一蓮托生だろうに!!」


Prrr Prrr


木原「おう、上条か。分かってるって、俺はお前らの味方だ。可愛い部下の頼みは断れねーよ」pi

アレイ☆「き、貴様っ!! 自分だけ…」

木原「そうだな、確か『スクール』と『アイテム』に火種があったはずだ。それを利用すれば早い段階で行動に移せるぜ」

アレイ☆「自分だけ助かろうというのか!!」

木原「うっし、細かい段取りはこっちでやっとく。おう、お疲れさん」pi

アレイ☆「勝手は許さんぞ! かくなる上は…」


キィィィィィィン


木原「かくなる上は、なんですかね?」

アレイ☆「なっ!! 魔術が……発動しない、だと!?」

木原「上条たちが良質なサンプルを大量に用意してくれたんですよ。いやはや、魔術ってのは実に興味深い」

アレイ☆「ま、まさか……」

木原「ぎゃはははは!!! 王様気取りで引き籠ってるから足元をすくわれるんだよクソジジイ!!!」

アレイ☆「あり得ん……僅かな時で、魔術理論の根幹まで解析したというのか……」

木原「木原を舐めんなロートルが」

アレイ☆「野心に狂ったか。必ず後悔するぞ」グヌヌ

木原「後悔しないために上条についたんだ。沈む船に乗るバカが居るか、ボケ」ニタァァ



テッテレー


木原数多は、上条当麻と呼応してアレイスターを裏切った!

木原数多及び食蜂操祈生存ルートにつき、暗部抗争編においてグループは圧倒的アドバンテージを得た!


その日の夜


第七学区 とあるファミレス――


禁書「もぐもぐもぐ! んん~~、美味しいんだよ♪」ムシャムシャ

テッラ「ふむ、ファミレスも案外侮れませんねー」モグモグ

ローラ「ワインは水っぽいわね。味自体は悪くなしだけれど」コクコク

アウ「憮然、私のオーダーのみ遅れているとはどういう了見か!」イライラ

テッラ「大人しく待ちなさい。品がありませんよ」

ローラ「そこなウエイター。ワインのおかわりを持ちてらっしゃい」

禁書「私はハンバーグとドリアとチキンナゲット!」


??「…………」ゴゴゴゴゴ


アウ「憤然、そこのウエイター! 返事をせんか!」

禁書「お腹がぺこちゃんなんだよ! さっさとオーダーを通してほしいかも!」


??「オーダーを繰り返します。オーダーは錬金術師のハンバーグに最大主教のドリア、神の右席ナゲット、それに」ゴゴゴゴゴ


テッラ「あなた、何者です?」

ローラ「…………」

禁書「えっ、この懐かしいプレッシャーは とう…」

テッラ「ッ! いけません!!」ササッ


上条「禁書目録のワイン。以上でよろしいですかクソッタレ」グオッ


ゴキンッ!!!


テッラ「ぶべらっ!? ぐッ、ぬううう……!」フラフラ

禁書「と、とうま!?」


上条「へえ、一撃じゃ死なないか。並の聖人なら挽肉になる程度の威力があったのに」


テッラ「生憎ですが並ではない、という事ですねー」キリッ

禁書「いきなり襲ってくるなんて何を考えてるの!? つ、妻に暴力を振るうなんて許さ…」


上条「ぬんッ!!!」シッ!!


バキッ!!!!


テッラ「うごあッ!! お、おあああああァァッ!!!」ブンッ!!


メキョッ!!!


上条「おぐッ!? ……らあッ!!!」グオッ!!


メメタァァァ!!!!!


テッラ「げひゅッ!? ぬ、ぬぐぅぅ……ハァ、ハァ、なんという攻撃密度。やりますねー」ニタァァ


上条「お前もな。殴り返してきた奴は久しぶりだ」ニヤリ


テッラ「それはそれは、フフッ、フフフ」


上条「ハハッ、ハハハ」


上条テッラ「「ぎゃははははははははーーーーっ!!!!!」」



禁書「あわわわ……」ガクブル

アウ「愕然! 聖女インデックス、お気を確かに!」

ローラ「ワインはまだなのかしらー? もう、しかたなきねえ」ゴクゴク

アウ「飲んどる場合かっ!! しかもそれはテッラの分ではないか!?」


テッラ「ふぅ、楽しい余興はこれくらいにして、用件を伺いましょうかねー」

上条「おお、そうだった。悪いな、白いのを見たらつい殺したくなっちまった」


禁書「なんで!?」ガビーン


上条「宣戦布告だ。俺、上条当麻は、その全戦力でもって禁書目録を撃滅する」

テッラ「ほう」

上条「今日はその事を伝えに来た」ギロッ


禁書「に、睨むなんて生意気かも! 大体とうまは…」


上条「うっ」フラッ


禁書「とうま!? どうしたの!?」オロオロ

上条「し、沈まれ上条さんの右手ッ!! まだだ、ここはまだ恨みを晴らすステージじゃねえ!!」プルプル

禁書「ぎゃあ!! とうまが邪気眼にーー!?」

上条「耐えるんだ右手に宿る暗黒竜よ。この白い悪魔だけは徹底的に嬲って殺すと決めただろ、ついさっき」

禁書「そんな物騒なこと気軽に決めないでほしいかも!?」

上条「熟考に熟考を重ねて出した結論だぞ。七秒も頭を悩ませてしまった」

禁書「短っ!?」

上条「まあ冗談ですけどね」ニコッ

禁書「も、もうっ!! 真顔で言うからちょっと焦ったんだよ!」プンプン

上条「いやー、お前の顔を見てると つい意地悪したくなったんだよ」

禁書「まったく、とうまは子供なんだから。こ、好意は素直に表現してほしいかも///」テレテレ

上条「ではでは受け取ってもらえるかな? ミーのフィーリングをライトしたレターでごんす」スッ

禁書「ラ、ラブレター!? とうまが私に!?」

上条「ハハ、少し照れるな。俺が帰ったあとで、ゆっくり読んでくれ。おやすみ、インデックス」テクテク


禁書「おやすみなさい、とうま……///」ポケー


禁書「……///」ポケー

アウ「そ、騒然! 幻想殺しめ、一体どういうつもりかッ!!」

テッラ「まあまあ、良いではありませんか。敬愛する盟主インデックスの偉大さに、彼もようやく気付いたんですねー」

ローラ「それより店員が一人も居なしなのは何故?」ハテ?

テッラ「言われてみれば、客も我々以外は見当たりませんねー」

禁書「えへへ……とうまからラブレターなんて初めてなんだよ」ペリペリ
















手紙『ラブレターと思った? 残念! 不幸の手紙ちゃんでした!! この手紙を読んだ瞬間、お前は爆死しやがります』テテーン















禁書「え」


第七学区 裏路地――



ドカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!



木原「ターゲット爆破完了、ってな。ぎゃはははは!!!」

上条「あれで始末できたとは思わないが、開戦の狼煙には充分だろ」

木原「ファミレスの買取代、周辺の封鎖費用、爆薬その他諸々。高い狼煙だなぁオイ」

上条「えっ、まさか借金に上乗せされんの!?」ガビーン

木原「たりめーだろ」ヤレヤレ

上条「べべっ別にいいさ。けけけ、経費で落とせるくらい偉くなる、よ、予定だし!」ガクガク

木原「是非達成してもらいたいもんだ…………げっ」

上条「げ?」チラッ



禁書「とーうーまぁー……」ドドドドドドド



上条「チッ、案の定ピンピンしてやがったか。まあいいや、木原さん、この場は撤退…」

コツゼン

上条「…って、もう居ねえ!?」


禁書「フッ、フフフ……まさかラブはラブでも、殺し愛とは思わなかったんだよ」ドドドドドドド


上条「俺がお前にラブレターなんて書くわけねーだろ。このクレイジーサイコシスターが」ゴゴゴゴゴゴゴ


禁書「躊躇いもなくファミレスを爆破したとうまに言われたくないかも!!」プンスカ


上条「仕方ないな、わかったよ」


禁書「分かればいいんだよ。私の心は琵琶湖より広いから、今回は特別に許してあげ…」


上条「次はコンマ02秒躊躇ってから爆破してやるよ」シレッ


禁書「…る、ってそういう意味じゃないよ!? どうしてとうまは何の罪も無いインデックスを爆破したがるのかな!?」


上条「は?」キョトン

禁書「ダメだコイツ、何もわかってねえ、みたいな目で見ないでっ!!」

上条「ダメだコイツ、何もわかってねえ。マジでダメだコイツ、まるで何もわかっちゃいねえ」ヤレヤレ

禁書「二回言った!?」ガビーン

上条「ったく、さっきので死んどけよな。ホント空気の読めないヤツだ」

禁書「ひどっ!? とうまの方こそさっきからなんなの!? 何か私に恨みでもあるというの!?」

上条「…………」ギロッ

禁書「無言で睨まないで!?」

上条「…………」

禁書「え、えっと……あっ、流れ星!」


キラッ☆


上条「クソシスターに死を! 暴虐シスターに死を! クレイジーサイコシスターに凄絶な死をッ!!!」

禁書「なんて事願ってるの!?」ギャース

上条「なぁインデックス、逆鱗って知ってるか?」

禁書「し、知ってるよ。絶対に触れてはいけない竜のウロコなんだよ。それに触れるのは、竜の怒りに触れるのに等しい…」

上条「そうなんだよ、大抵の事は殴りあえば許せるんだけどさ、今回はダメだ」

禁書「と、とうま……?」


上条「何回も何回も、俺の『幸せ(みこと)』を踏みにじったろ………テメエ」ゴゴゴゴゴゴゴ


禁書「ッ、記憶が!」


上条「つーわけでリゾンベだ。上条さんの本気に恐怖するが良いッ!!!」ドンッ!!


禁書「それを言うならリベンジかも」


上条「つーわけでリベンジだ。上条さんの本気に恐怖するが良いッ!!!」ドドンッ!!!


禁書「言い直したー!?」ガビーン



テッテレー



上条当麻と禁書目録の関係が、修復不可能なまでにぶち壊れてしまった!!

禁書目録はメンタルにひびが入り、ちょっぴり弱体化した!!

といったところで今回は終了
上条さんの凄絶な復讐(笑)はここから始まるッ

投下ー



上条当麻は地上最強の生物である。

最強の天使と最強の悪魔の力、それらを基準点である幻想殺しを介して自在に振るう、文字通りの規格外だ。

幻想殺しでも消しきれない説明不能な力が全身を覆い、あらゆる外的要因に耐えうる不可視の鎧を形成する。

気合いさえ入れていれば、上条当麻は地球上の如何なる攻撃をも余裕で凌ぎきる。……凌ぎきるはずなのだが



禁書「燃えちゃえ」テロレロレロ


上条「おぎゃあああああ!!?? たんまっ! ちょろっとお待ちになってプリーーズ!?」


禁書「フフフ、威勢よく啖呵を切ったくせにもう泣きごと?」


上条「まだ口上の途中だったろ!? つーか熱いっ!! 死ぬほど熱いのでメラゾーマを止めてくださいお願いしまあちちちッ!?」


禁書「何を言っているのかな? これは私のメラなんだよ」


上条「メラっ!? 聖帝十字陵の如く天高く燃え盛りながら上条さんを炙ってるこの業火がメラですと!?」


禁書「そしてこれがインデックスのメラゾーマだよ」


上条「あらやだなんて美しい火の鳥ですこと!?」


禁書「反抗なんて許さないんだよ。焼き尽くしてっ! カイザーフェニックス!!!」テロレロレロ


上条「こ、これで勝ったと思うなよ? まだ『竜王の顎』をはじめ切り札を一つも切っていないというぎゃあああああああ!?!?」ピチューン





そこはヒーロー補正を失った主人公。天界魔界あらゆる世界を含めて尚 最強の座に君臨する魔神に敵う道理はなかった。


現実は無理ゲーである。



十月七日


第七学区 とある病院――


上条「痛い……ぽんぽん痛いよぉ……たっけてラッパのマークぅぅ……」ボロボロ

美琴「この短期間に、何回入退院を繰り返せば気が済むのよアンタは」

上条「白い悪魔にケンカを売ったら、あっさり返り討ちにされた挙句、今朝の入院食の牛乳が痛んでいた模様です……はい」

美琴「だ、大丈夫?」


冥土帰し「彼なら問題ないね? すでに粗方の火傷は完治しているし、腹痛の原因は寝冷えだろう」


上条「え、でも今朝飲んだ牛乳めちゃ酸っぱかったんですが……」

美琴「酸っぱい? それってもしかして」


冥土帰し「もしかしなくても飲むヨーグルトだね? 砂糖控え目の」


上条「は? ヨーグルトは飲みものじゃなくて食べ物だろ」

美琴「アンタ、まさか飲むヨーグルトを知らないんじゃ…」

上条「知識としては知ってますよ!? ですが上条さん的に言わせてもらえば、ヨーグルトは飲みものじゃねーんだよ!!」

美琴「…………」

上条「ぎゃあー!! 可哀想な子を見つけたみたいな目で見ないでーっ!?」

美琴「うん、なんかゴメンね。カレーは飲み物よね」ニッコリ

上条「違うし! カレーはご飯にかけるものであって、スープカレーとやらも俺は認知してませんのことよ!!」

美琴「うん、わかってるから」

上条「くっそー! これも全部貧乏が悪いんだああーーー!!!」


冥土帰し「もう退院していいよ? ちなみに僕は断然カレーうどん派だ」


上条「知らねーよ!! つーか人が腹下してる時にカレーの話題を振るの止めろよ!?」ギャース



第二十三学区 エンデュミオン――



禁書「まずいんだよ、緊急事態発生かも!!」

テッラ「昨日の件ですか」

禁書「まさか暗示が解けてるなんて……これじゃあとうまに嫌われちゃう!?」オロオロ


アウ「必然、嫌われるも何も、何故今まで嫌われていないと思ったのか」ボソッ


禁書「とうまは宇宙より広い心の持ち主だもん! ちょっとやそっとじゃ人を嫌ったりしないんだから!!」ガァァ

テッラ「しかし明確な殺意を示してきました。これは嫌われましたねー」

禁書「うぐっ」

アウ「『熱狂的再征服(レコンキスタ)』の効果も望めまい。アレイスター=クロウリーはかなり弱体化しているようだが」

テッラ「味方を狂信者化すると同時に、侵略地の戦力を弱体化させる超大規模魔術ですか」

アウ「その上、征服してしまえば現地人も狂信者化するという便利仕様だ」

禁書「……常時展開式だから消費魔力が膨大すぎるのがネックだけどね」

テッラ「まあ幻想殺しとその仲間に効果が及ばないのは仕方ありません。彼は無意識に因果律を操作してますからねー」

禁書「とうまが関わる事件で不思議と不幸になる人間が出ないのは、そのせいなんだよ」

アウ「当然、上条当麻が健在であるなら超電磁砲を害する事は不可能。嫌がらせ程度なら可能だろうが……」

テッラ「かといって彼を抹殺するわけにもいきません。痛し痒しですねー」ヤレヤレ


禁書「そのせいで何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も」ドドドドドド


アウテッラ「「!?」」


禁書「何度も何度も何度も何度も短髪の暗殺に失敗してる。仕掛けるたびにとうまが颯爽と邪魔をするんだよ」ドドドドドド


テッラ「……(いけませんねー。このままでは聖女インデックスがヤンデレとやらに……何か妙案はありませんか?)」

アウ「……(唖然、コイツ直接脳内に……!?)」


禁書「フ、フフフ、やっぱり短髪は不要なんだよ。クリーンでジャスティスな私の世界には」ニッコリ



CASE 29 終盤にありがちな、所謂一つのクッション回


第七学区 とある公園――


一方通行「ハァ、何やってンだ俺は。自分のしでかした罪から目を背けて、ぬるま湯みてェな幸せに浸るなンてよォ」ブツブツ


佐天「あ、白い悪魔……じゃなくて鈴科さん発見っ!」タッタッタ


一方通行「罪は贖罪をもって雪ぐしかないだろ。けど今の無力な俺に何が出来るってンだ……?」ブツブツ

佐天「こんちわっすー!」

一方通行「わからねェ、わからねェな……」ブツブツ

佐天「ちょ、無視しないでくださいよ!? てか虚ろな目で独り言ぶつぶつ呟いてる! こわっ!?」ギャース

一方通行「あァン?」

佐天「白昼堂々と公園でトリップ極めないでよ。友達じゃなかったら通報してるとこですよ!」

一方通行「……それもアリかもなァ。俺みたいな咎人は警備員に逮捕されてレッツ貢献がお似合いだ」ブツブツ

佐天「もう何ネガってんですか? そんなに貢献したいなら私に付き合ってください」

一方通行「?」

佐天「もう少ししたら駅前のスーパーで特売タイムなのよねー。いざ、食材を求めて戦場に赴きましょう!!」キリッ

一方通行「なっ、オマエ……オマエも贖罪を求めてるのか……?」

佐天「そりゃ求めまくりっすよ。日々を生き抜くために!」

一方通行「生き抜くのが贖罪……」

佐天「ほらほら! もたもたしてると特売が始まっちゃいますよ!!」グイグイ

一方通行「お、おォ」



第七学区 駅前のスーパー ――



佐天「とぉおうりゃああーーー!!! その豚肉もらったぁぁーー!!!」スパーン!!

客A「ぬおっ!? この小娘、やるッ!!」

佐天「卵お一人様一パック? だったらループ買いすればいいだけよ!!」キュピーン!!

客B「それは禁じ手!? いいえ、一度レジ精算した後に再び並び直せば合法! まさに上級主婦テクニック……ッ」

佐天「たまねぎ詰め放題は、詰める前に袋を拡張すれば……! おらーーーッ!!!」グググッ!!

客C「ひィィィ!? せこすぎて見てられない!」

佐天「プライドでおまんまが食えるかーー!! 佐天涙子、容赦せんッ!!」

上条「やるじゃない」

佐天「ッ、この人……デキる!!」

上条「フッ、褒めても何も出ませんよ。しかしいいのか? こんな病み上がりに気を取られて」

佐天「へ?」


美琴「はあああーーーッ!!!」スココココココ!!!!


佐天「な、なんて正確かつ隙のない詰め込み……!? まるでテトリスのようにたまねぎが袋に収まっていってる!!」

上条「それだけじゃあない。御坂は良質なたまねぎだけを選別して袋詰めしているんだ!」デデーン

佐天「バカなっ!? 御坂さんは主婦力もレベル5だというの!?」

上条「必要に迫られただけさ。悲しいけど、俺たち貧乏なのよね」


美琴「次はニンジンの詰め放題よ! 袋を拡張、ニンジンの侵入角を計算……よし、20本はいける!!」


佐天「くッ、ま、負けるもんかぁぁーー!!!」グオッ!!





一方通行「猫缶がコンビニの半額並、だと……!?」ワナワナ



第七学区 とある寮への帰り道――



佐天「へっへー、大漁大漁♪」ホクホク

一方通行「……一応聞いとくがよォ、オマエの言ってた贖罪ってのは」

佐天「この両手のエコバックからあふれ出る戦利品ですがなにか?」ハテ?

一方通行「なンでもねェ。あーぱー女に期待した俺の落ち度だ」

佐天「あーぱー?」

一方通行「オマエみたいな脳みそピンクちゃンの事だっつの」

佐天「あーなるほど……って酷い!?」ガビーン

一方通行「あ?」

佐天「あたし馬鹿じゃないもん! たしかに無能力者だけど馬鹿じゃないですもん!!」プンスカ

一方通行「オマエ、無能力者を馬鹿にすンな。失礼にも程があるぞ」

佐天「ピンポイントで馬鹿にされてた!?」

一方通行「佐天=馬鹿なのは疑いようが無ェ。けどよ、それが無能力者=馬鹿だっつゥ証明にはならねェだろうが。馬鹿かオマエ」

佐天「ひどいよひどいよ! 何回も馬鹿バカ言われたら、本当にバカかもしれないって思えてきちゃったじゃん!!」

一方通行「かもしれない? ……ハッ」

佐天「かっちーん! もう怒った。あなたはあたしを怒らせた!!」

一方通行「沸点低過ぎンだろ。カルシウム取ってるかァ?」

佐天「そういう鈴科さんこそハイター風呂にでも入ったんですかぁ! 驚きの白さで全女の子にケンカ売ってんですかぁー!?」

一方通行「ンだとコラッ!! 誰が漂白もやしだもう一遍言ってみやがれ!!」ガァァ

佐天「ばーか、ばーか! 鈴科さんのヘタレもやしっ子!!」

一方通行「もやしを馬鹿にすンじゃねェ!! 貧乏学生の主食だろォが!!」

佐天「万能食材ですよね! あたしも重宝してますとも!!」

一方通行「…………」

佐天「…………」

一方通行「なにやってンだ、俺」

佐天「美少女中学生と楽しいデート?」


一方通行「俺とオマエの間には、絶対に超えられない美意識の壁があるってのは理解した」

佐天「ふっふーん、女子中学生におしゃれで敵うと思わない事ですよ」

一方通行「どう解釈したらそうなるンだ?」

佐天「あははっ」

一方通行「なに笑い出してンだ。気味わりィ」

佐天「いえいえ、少しは元気になったなら特売に誘った甲斐があったかなって、ね♪」

一方通行「!」

佐天「どうだ! ただの馬鹿ではなかっただろう!」ドヤッ

一方通行「……そこで自画自賛しなけりゃな」

佐天「むしろ自画絶賛ですよ! いやぁ、涙子ちゃん良いコトした!」

一方通行「ったく、色々考えてたのがバカみてェだな」

佐天「『バカの考え休むに似たり』ってね。ンッン~、名言ですね、これは」

一方通行「難しく考えるより一歩一歩、できる事を積み重ねろってか」

佐天「そうですよ、あたし達は所詮ちっぽけな無能力者なんです。でもそれで良いじゃないですか」

一方通行「…………」

佐天「まず自分自身が幸せじゃないと始まんない。不幸な人は誰の力にもなれませんよ」

一方通行「しあわせ、か。だが俺にそンな資格は無ェ……」

佐天「■が無いなら▲でいいじゃない! 大体今日の鈴科さんってダウナーすぎですよ!」

一方通行「お、おゥ……?」

佐天「仕方ないなぁ。そんな不幸面なあなたに1涙を進呈しましょう!」

一方通行「……なンだそりゃ」

佐天「不幸な事があるたびに1涙が加算されます。ちなみに10,000涙集めると、位が上がって1笑になっちゃいます」

一方通行「他人の不幸で笑うなっ!!」

佐天「不幸も度が過ぎると笑うしかなくなりますもんねー」



一方通行「少し見直した俺がバカだった。やっぱオマエはアホだ、アホの子だ」

佐天「えっ///」カァァ

一方通行「どうして赤くなる? アホのうえマゾかよ、うわァ……」

佐天「だ、だって……バカとアホでお似合い的なニュアンスを感じたというか///」モジモジ

一方通行「……オマエのポジティブさを一摘まみでいいから分けて欲しいぜ」

佐天「い、いいですよ!」

一方通行「は?」

佐天「こうやって手を繋いで……元気をそーしんっ!!!」

一方通行「…………」

佐天「どうです!? 涙子ちゃんパワーをキャッチできました!?」

一方通行「いや、特に」

佐天「おっかしいなー、初春には送れたんだけど。ハッ、もしかして鈴科さんのネガティブオーラに打ち消されてる?」

一方通行「どうだろォなァ……」

佐天「くっそー、負けるもんかーー!! スパムみたく元気を送信してやんぜー!!」

一方通行「あ、10,000涙加算された」

佐天「ええっ、なんで!?」

一方通行「そりゃオマエ、アホが感染したら不幸だろ」

佐天「あたしは病原菌かッ!!」

一方通行「ククク、かもな」ニヤッ

佐天「あ……」

一方通行「特別に寮まで送ってやっから、さっさと帰ンぞ」テクテク


佐天「ま、待ってよ! ていうかツンデレた? 鈴科さんがツンデレたー!?」ガビーン


第七学区 とある学生寮 一方通行さンち――



オルソラ「おかえりなさいませ」ニコッ


一方通行「ン」


土御門「ご飯で毒殺にする? お風呂で溺死? それともベッドの上でセルフ・ふ・く・じょ・う・し?」ギロリ

建宮「さあ、選べ」ギロリ


一方通行「はァ?」


土御門「はーいはい! オレ見たんだにゃー。学校帰りに、スズやんが美少女中学生といちゃいちゃチュッチュしてましたーっ!!」

建宮「うらやま……げふん、けしからんのよな!」

五和「お世話になってる手前、心苦しいのですが……犯罪はちょっと」オズオズ


一方通行「おいこら金髪グラサン野郎、出鱈目ぬかしてンじゃねェ!」


土御門「出鱈目ではありませーん。これがスモーキングガン(決定的証拠)ぜよ!!」pi

建宮「ケータイ? ッ、こ、これは……!」

五和「鈴科さんが嬉々として女の子の手を握っています!」

土御門「んまあイヤらしい! スズやんの鬼畜ぅー!!」ゲラゲラ


一方通行「小学生かオマエら……」

オルソラ「…………」ジー

一方通行「なンだよ?」

オルソラ「ご飯になさいますか? お風呂になさいますか? そ、それとも……///」テレテレ

一方通行「ああ、うン。じゃあメシで」

オルソラ「はい! すぐに用意するのでございますよ」パァァ


テッテレー


一方通行さンちは今日も平和だった!!


学園都市 グループアジト――



美琴「…………」ムスー


浜面「おい、お前の姉ちゃんが不機嫌MAXなんだけど」ヒソヒソ

御坂妹「理由は明白でしょう、とミサカは視線で原因を指してみます」ヒソヒソ

浜面「やっぱアレか……」チラッ



上条「木原さん調べによると、早急に対処すべき暗部組織はこの三つで間違いなさそうだな」

食蜂「ん~、有象無象の小組織なんて私の改竄力だけで十分よぉ。だけど第二位はちょーっと厄介ねぇ」

上条「未現物質の垣根帝督ね。んじゃそれは上条さんが当たるって事で」

食蜂「よろしくぅ~☆」

上条「あとこれが外部と繋がってる連中をまとめたリスト」スッ

食蜂「小物ばっかねぇ。大した利用価値もないしぃ……私はノータッチって事で」

上条「てことは一括で猟犬部隊の始末リスト行きか。南無南無」

食蜂「まったく管理がなってないわぁ。命令系統が一元化されてないから、どこの組織もやりたい放題じゃない」ヤレヤレ

上条「正直、暗部としてまともに機能してない」

食蜂「殺す必要のない人材が殺されてたり、生かしてちゃ不味い人間が平然と生かされてる。どういう事かしらぁ?」

上条「金と資材の流れも不透明過ぎるぞ。これは裏全体を洗浄する必要がありますね」

食蜂「ふふっ、なんだか楽しくなってきたゾ☆」キラッ

上条「ククク、同感だ」ニッコリ




浜面「こわっ!? 大将がフォースのダークサイド化待ったなし!?」ギャース

御坂妹「しかも女王(笑)とすっかり意気投合した様子、とミサカはお姉様のご不満ポイントを指摘します」

美琴「べっ、別に不満なんて感じてないわよ!!」ガァァ

御坂妹「ツンデレ乙、とミサカは失笑を露わにしてみます」ニヘラ

美琴「ツンデレじゃないっ!!!」


浜面「落ち着けよ御坂。大将と食蜂のは、仕事上の親しさだろ?」

美琴「そ、そうかもしれないけど」

浜面「打ち合わせが終われば、すぐにでも構ってくるさ」

美琴「…………ない」ボソッ

浜面「え、何だって?」

美琴「そんなの分かんないわよ! だって……ッ!!」

浜面「だって?」

美琴「だって昨日から一回も好きだとか可愛いだとか言ってくれないんだもん!!」デデン

浜面「…………」

御坂妹「ここ、笑うとこ? とミサカは困惑を隠せません」

美琴「笑い事じゃねーっつの!! やっぱ胸かッ! 母性の塊がそんなに好きかこらーーーーッ!!!」

浜面「…………」ジー

美琴「どこ見てんのよ!」オレンジ!

浜面「…………」チラッ



食蜂「私の洗脳力にかかれば簡単よぉ」メロンエナジー!!

上条「ここからは俺たちのステージってな」ハナミチ・オン・ステージ!



浜面「勝てねえ……オレンジが強化型メロンに敵うはずがねえ。せめてレモンだったら……」

御坂妹「残念ですが当然。お姉様らしい最後と言えます、とミサカは残念な胸部装甲に落胆を禁じ得ません。一応、Bはあるのですが」スカスカ

美琴「誰が残念だっ!! ていうか勝手に終わらせるな!!」

浜面「ははっ、まあガンバレ」ニヤニヤ

美琴「ううぅ……こうなったら!」






美琴「ちょっとアンタ!!」




上条「うん? どったのミコっちゃん」ハテ?

食蜂「め、目が据わってるわよ?」




美琴「耳の穴かっぽじってよく聞きなさい! 少しは私にも――」







学園都市 某所――



神裂「これは……!」

ステイル「大規模な儀式魔術の布石だね。見た事のない術式だが、おそらく彼女か最大主教の仕業だろう」

神裂「解体しましょう。今なら発動を未然に防げるはずです」

ステイル「……どうだろうね。何かトラップが仕込まれていそうなものだが」

神裂「むっ、否定できません」

ステイル「まあ、それでもやるしかないか」

神裂「しかし魔術の詳細すら掴めていない。リスクが高い気もします」

ステイル「何であれ、術者に任意のタイミングで発動されるよりはマシだ。一応、土御門と上条当麻にも立ち会ってもらえば…」



ローラ「それには及ばなしなのだけれど」



神裂「ッ!? あなたは」

ステイル「ちっ、流石に見張られていたか」



ローラ「バレてしまっては仕様が無い。独立記念日まで温存しておきたるのが最善なれど、解体さるるのも業腹」



ステイル「ッ、魔術を強制起動するつもりか!」

神裂「ならば、布石諸共切り崩すまで!!」キンッ!!

ステイル「やむを得ない! ――吸血殺しの紅十字!!」ブオッ!!



ローラ「ふふん、左様な児戯でこの私に手向かうなんて愚かね。――赤い精霊たちよ、その怒れる火炎の力をもって悪を塵に還せ『終わる世界』」スッ




ズオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!!!!




ステイル「!?」

神裂「ち、近寄れない! なんですかこの馬鹿げた火力は!?」

ステイル「この業火の魔術は囮だ! 本命は大規模魔術の起動…」



ローラ「さあ踊れ雑念。このローラ=スチュアートが指揮の下、喜劇を演じよ大根役者ども! おーほっほっほ!!」スタコラサッサー



ステイル「あのボンクラ主教め! 魔術を起動するだけして逃げやがった!」ガビーン

神裂「腐っても実力は最上ですか。しかし、どういった効果の魔術なのか皆目見当がつきません」

ステイル「幸い僕らは防御できたからね。面倒だが事態の収拾を図る必要がありそうだ」


学園都市 グループアジト――




美琴「耳の穴かっぽじってよく聞きなさい! 少しは私にも構いなさいよ!! と処女は恥じらいを捨て抗議します」


食蜂「み、御坂さん?」

上条「女の子が処女とか叫んだらダメでしょ!? と童帝の分際で注意してみたり……って、なんじゃこりゃーー!?」

美琴「しょ、しょ、しょじょって、えっ、なにこれ!?///」

上条「どどどど童貞ちゃうわー!? と童帝は虚偽の申告をしてみたり。ぎゃあ、お口が反抗期にー!?」

美琴「どーなってんのよ! と処女は動揺を隠せません、いやああーーーー!!!///」

上条「はっ! まさか新手の魔術師の攻撃かっ!! と童帝は小賢しく事態を察知してみる。ぐわああーー!! 幻想殺し仕事しろ!!」

食蜂「大惨事ねぇ、と処女は他人事だと思い苦笑いしてみたりぃ。って私もぉぉーー!?///」



浜面「こいつぁ酷い有様だぜ。一体全体なにが起こってんだ?」

御坂妹「さあ? と処女は動揺を隠しクールに返答します。…………!?」

浜面「お前もか!」



上条「オーケー把握した! これは未経験者に自己申告させるだけの大魔術に違いねえ!! と童帝は経験則から割り出してみたり」

美琴「なんて残酷な魔術なの!? と処女は驚愕を露わにしてみます、って言うなああああああ!!!///」

食蜂「……///」

美琴「そ、そうか! 喋らなければ問題ないって、あ……と処女は己の迂闊さを呪います。もうやめてぇぇ!!!///」



浜面「何やってんだか」ヤレヤレ

御坂妹「同僚だけが普通に喋れてる件について、と処女は恨みがましく問題提起します」

浜面「あ」ギクッ



上条美琴食蜂「!?」



テッテレー



ローラ=スチュアートのしょーもない大規模魔術により、学園都市全域で大暴露大会が開催された!!

投下ー


学園都市 グループアジト――


浜面「アホみたいな現象だっつっても、魔術が絡んでるならグループが解決すべき事件だろう」



上条「オイ、浜面のヤツ……って童帝は……」ヒソヒソ

美琴「ええ、間違いなさそうね、と処女は……」ヒソヒソ

御坂妹「はっきり言って意外でした、と処女は……」ヒソヒソ

食蜂「私は興味ないけどぉ、って処女は……」ヒソヒソ



浜面「何事も初動が大事だと思うんだ。だから」



上条「で、肝心のお相手は誰だと思う? って童帝は……」ヒソヒソ

美琴「ま、まさか初春さんじゃないでしょうね!? と処女は……」ヒソヒソ

食蜂「えー、いくらなんでも中学一年生を毒牙にかけたりしないでしょ。……しないわよねぇ? と処女は……」ヒソヒソ

御坂妹「わかりません。あれだけ甲斐甲斐しくアプローチされれば、性欲に塗れた同僚など、と処女は……」ヒソヒソ

美琴「やだ……仲間内から性犯罪者が出るなんて、と処女は……」ヒソヒソ

上条「そうと決め付けるのは早計だろ。ここは慎重に内定を進め事実を詳らかにするべきだ、って童帝は……」ヒソヒソ



浜面「だから聞えよがしに中傷すんの止めてもらえませんかねえっ!?」ギャース



上条「あー、その、なんだ。遠まわしに聞くけどさぁ……初春と致してしまいましたの? って童帝は問いかけてみる」キリッ

美琴「ぶっ!?」

御坂妹「遠まわしどころか最短距離でショートカットです、と処女は律義にツッコミを入れてみます」



浜面「ねーよ! ねえ!? この前、半蔵たちと合コンした時に逆ナンされたんだよ!! しかも飲みつぶれて、当時の記憶が曖昧なんだ! 信じてくれ!!」



上条美琴食蜂「「「へ……? と童帝(処女)はあまりの衝撃に絶句します」」」

御坂妹「逆ナン……と処女はまさかの展開にうすら笑いを浮かべます」ププッ


CASE 30 王の帰還


十月八日


第三学区 個室サロン――


海原「…………」

麦野「…………」

滝壺「…………」

絹旗「…………」

フレンダ「あ、あのぅ……と処女は気まずい雰囲気を打開しようときり出した訳よ」

絹旗「そうですね。このまま超沈黙しても無意味です、と超処女は観念します」

海原「昨夜から学園都市は未曽有の大混乱にあるようです、と童貞は状況を報告します」

絹旗「相当数の学生が部屋に引きこもってるってニュースでやってました、と超処女はゲンナリします」

フレンダ「結局、口だけ弁慶が大半だった、と処女は分析する訳よ」

海原「まあ人口のほとんどが学生ですし、健全でいいじゃないですか、と童貞はさり気なく自己弁護してみます」

フレンダ「あはは、アイテムも麦野以外は経験ないもんね、と処女はリーダーにそんけーの眼差しを向けてみる訳よ」


麦野「…………」プイッ


海原「ちょ、憶測で語らないでくださいよ!? と童貞は声を荒げて抗議します」ギョッ!?

絹旗「憶測も何も超事実です。あんな口汚い麦野が未経験なはずありません、と超処女は論破します」ヤレヤレ



フレンダ「うんうん麦野は大人の女だもん。私らとは格が違うんだから! と処女は自分のことのように誇ってみる訳よ」

絹旗「超同意します。悔しいですが、麦野は美人でスタイル抜群ですから、と超処女は自身の敗北を認めます」ウン

海原「そうですか? 自分は御坂さんのほうが美人だと思いますが、と童貞は意見してみます」

フレンダ「はあ!?」

絹旗「常盤台の超電磁砲ですか。……この超ロリコン野郎、と超処女は変態を罵ります。私の半径二メートル以内に近寄らないでください」

海原「自分はロリコンじゃあないっ!! 自分は御坂さんが好きなだけの紳士ですよ!? と童貞は訂正します」

フレンダ「そもそも第三位なんて麦野の相手じゃないよ! だってアイツ貧相だったもん! って処女は怒りを露わにしてみる訳よ!」

海原「女性の魅力は胸だけではない! 一番重要なのは内面です!! と童貞の分際で女性を語ってみます!」キリッ

絹旗「あー、内面を考慮されたら麦野は弱いですね、と超処女はぶっちゃけます」

フレンダ「絹旗ひどいよ!? ねぇ麦野も何か言ってやって! と処女は大好きな麦野に話を振ってみる訳よ」


麦野「…………」


絹旗「どうしたんですか麦野? と超処女は不審に思ってみます」ハテ?

海原「あ、あの! 今は現状を打開する方策を練るべきでは? と童貞は露骨な話題転換を図ります」アセアセ

フレンダ「そんなの後回し! 麦野がガキっぽい超電磁砲なんか目じゃないって事を証明するほうが先決! って処女は熱弁してみる」

絹旗「どうですかね。風の噂によれば、超電磁砲には幻想殺しという恋人がいるそうですよ、と超処女は新情報を投下します」

海原「恋人ではありません! あれは上条当麻の一方的な片思いです! と童貞は認めたくない現実に全力で抗います」

フレンダ「ふふん、仮にそれが事実だとして、麦野なら恋人の1ダースや2ダースくらい簡単に作れるもん、と処女は麦野の魅力を語る訳よ」

絹旗「いや、それただのビッチじゃないですか、と超処女はツッコミます」


麦野「!」


海原「ビッチ……と童貞はリーダーをまじまじと見つめ納得しそうになります」

フレンダ「麦野見た目が派手だもんね。化粧も少し濃いめだし、って処女は思わず頷くわ訳よ」ウン

絹旗「まあ麦野は超ビッチな容姿に反して趣味は乙女ですけどね、と超処女はぬいぐるみを抱いて寝る癖のある秘密をうっかり漏らします」


麦野「……///」プルプル



海原「えっ、麦野さんがですか!? と童貞は驚愕します」

フレンダ「結局、そこがギャップ萌えな訳よ! と処女はコブシを握り宣言してみたり」

絹旗「あ、と超処女は己の失言に今更ながら気付きます」チラッ


麦野「お前らいい加減に……」ゴゴゴゴゴ


フレンダ「大体ね、麦野はあー見えてすごい寂しがり屋なのよ。バレバレなのに、本人は気付かれてないって思ってるのがまた萌える訳よ!」

海原「フレンダさん!? と童貞はリーダーの怒りを察知して悲鳴を上げます」

フレンダ「能力はブルドーザーみたく大雑把なくせに、麦野自身はガラスのように繊細な乙女とか!」

絹旗「そ、その辺にしておいたほうが……と処女は…」オロオロ

フレンダ「あ、待てよ? てことは経験豊富にみえて、実は麦野も処女って可能性も……! と処女は恐るべき事実に到達…」


麦野「フレンダああああああああああああ!!!! って処女は処女は怒りを爆発させてみたりィィィ!!!」グオッ!!!


絹旗「ぎゃあああ!! 麦野がキレたー!? と超処女は危険回避のため素早く退避します」

海原「こんな場所で『原子崩し』を使うつもりですか!? と童貞は死の恐怖に身震いします」ガクブル

フレンダ「あはは、結局麦野も処女で、私の仲間だった訳よ、と処女は……え、えと、何でそんなに怒ってるの?」


麦野「コロスコロスコロスコロス!!! ブチコロシ確定だフレンダァァーーーッ!!!!」フォン


パシュ!! パシュッ!! パシュッ!!!


フレンダ「ひぃぃぃっ!?!?」ギャース



滝壺「…………」ポケー

海原「滝壺さんもボーっとしてないで逃げましょう! ……滝壺さん? と童貞は妙に妖艶な同僚を訝しみます」

滝壺「合コンがんばった。大丈夫、わたしは大能力者(レベル4)だから、必ずはまづらをゲットしてみせる……///」ポッ

海原「!?」



テッテレー



麦野沈利の暴走により、『アイテム』は壊滅してしまった!!


学園都市 スクールアジト――



ゴーグル「ちーッス。あれ? 垣根さんはまだ来てないんスか」

心理定規「来てるわよ。ほら、あそこ」


垣根「…………」


ゴーグル「あー、ソファーで寝てたんスね」

心理定規「疲れてるのかしらね。外があの騒ぎでは、無理もないけど」

ゴーグル「あんなんで騒いでるのは、垣根さんの言う夢や希望なんてもんを信じてるガキだけっスよ」

心理定規「ふふっ、まあそうよね」

ゴーグル「つーか暗部(こっちがわ)に童貞なんて半端モノが居るわけないっスよね~」

心理定規「あはは、止めてよ。そんな希少動物居たら怖いでしょ」

ゴーグル「ですよねー」

心理定規「仮に居たとして、あっさりハニートラップにでも引っかかって明日には死んでるわ」クスクス

ゴーグル「言えてる言えてる」ケラケラ


垣根「…………」ムクッ


ゴーグル「あ、垣根さん起きたっスか」

心理定規「明日は創立記念日よ。例の計画はどうするの?」


垣根「…………」



心理定規「どうしたの? 黙り込んじゃって」ハテ?

ゴーグル「風邪っスか?」


垣根「…………」フルフル


ゴーグル「……なんか垣根さん、死んだ魚みたいな目ぇしてんスけど」

心理定規「ちょっとしっかりしてよ。リーダーがそのザマじゃ困るわ」

ゴーグル「そっスよ。……ん? そういえば外で垣根さんと同じ目をした連中に会ったような?」

心理定規「誰よ?」

ゴーグル「たしか……そうだ! どーてーどーてー騒いでたアホ共っス!!」

心理定規「はぁ?」

ゴーグル「まるで全てに絶望した敗北者の目っス。垣根さんマジ頼みますよ、童貞じゃあるまいし」


垣根「…………」ブワワッ


心理定規「血涙流してる……」

ゴーグル「えっ、ま、まさか垣根さん、童貞なんスか!?」


垣根「…………」コクリ


ゴーグル「ぶふぉっ!!」

心理定規「え、えーっと……」

ゴーグル「そのルックスでチェリー……! ホスト以外何者でもないのに童貞……っ!?」プークスクス


垣根「~~~~~~ッ」ダダッ!!


心理定規「ちょっ、どこ行くのよ!?」

ゴーグル「ハハッ、童貞が許されるのは小学生までっスよねー」

心理定規「あなたは少し黙りなさい!!」メッ



テッテレー


垣根帝督は、心に大きな傷を負ってしまった!!

ゴーグルの少年は、不可避なる死亡フラグを建立してしまった!!

心理定規の少女は、いたたまれない気持ちになった!!


第七学区 とある公園――


垣根「仕方ないだろうが……物心ついた頃から実験だの開発だの、挙句、暗部に堕ちて仕事三昧の日常……一体いつ女と遊ぶ暇があるってんだ」



えっ、ま、まさか垣根さん、童貞なんスか!?



垣根「ふ…ふざけるなよ……! 戦争だろうが……」



そのルックスでチェリー……! ホスト以外何者でもないのに童貞……っ!?



垣根「疑っているうちはまだしも、それを口にしたら……戦争だろうがっ……!」



ハハッ、童貞が許されるのは小学生までっスよねー



垣根「戦争じゃねえのかよっ……!! と童貞はかつて無い屈辱に絶望した」ポロポロ

上条「やれやれ、ここなら少しは落ち着けそうだ。隣、座っていい? と童帝はベンチに座る先客にことわりを入れます」

垣根「ッ!!」

上条「ハァ、まさかこんな手で潰しにくるとは思わなんだ、と童帝は遠い目で黄昏ます」

垣根「お、お前は……いや、あなた様は……!」ワナワナ

上条「ん?」

垣根「なんてこった……理解しちまった。下には下が居る……この御方に比べれば、俺はまだ全然マシじゃねえか!」

上条「なんですかね? その憐れみの籠った視線は」

垣根「あなたこそ俺たちの希望……童帝陛下っ!!」

上条「待てやコラ、と童帝は怒りを露わに立ち上がります」


テッテレー


垣根帝督は、人類史上最長の童貞記録保持者との邂逅により救済された!!


第二位が救済される少し前


第七学区 とある高校――


青ピ「あっれー? なんでみんな黙ってんの? と童貞は疑問を口にします」ハテ?


吹寄「……///」プイッ

姫神「……///」カァァ

小萌「……///」アウアウ

その他クラス一同「「「「「……///」」」」」


土御門「さっすが青髪ピアス! 童貞を暴露しても何ともないぜよ!」

青ピ「むしろ蔑んだ目で見つめられたり、女子に罵られる展開を熱烈に希望っ!!」hshs

土御門「この変態、歪みねえ」

青ピ「義妹に手を出す君に言われたないわー。なあスズやん、と童貞は心友に同意を求めます」

一方通行「まあな」ウン

土御門「うん?」

青ピ「あれ? と童貞は違和感を覚えます」

一方通行「童貞なンてのは、時期が来りゃ誰もが卒業するもンだ。誇ったり卑下したりする類の話じゃねェだろうが」ヤレヤレ

土御門「…………」

青ピ「えっ、そんな、ウソやろ……?」ワナワナ

一方通行「あン?」ハテ?

青ピ「スズやんは童貞やと思っとったのに……嘘やこんなことーーーッ!!!」ガァァ

一方通行「なに言ってンだコイツ」

青ピ「ついこの間一緒にナンパしてたのに、自分だけやなんてあんまりやーーー!! と童貞はまさかの心友の裏切りに動揺します」

一方通行「……俺が卒業したのは割と最近だからなァ」

青ピ「本当に裏切ったんですか!? と童貞はエセ関西弁を投げ捨てて問い詰めます」



上条「はよっすー。土御門、ちょっと聞きたい事があるんだけどいいか? と童帝は律義に登校し、シスコン陰陽師に協力を仰いでみる」



土御門「今回の騒動についてだろ? いいぜい、俺も今日は早退して…」

青ピ「あ、あああああああああッ!!!」ガタッ!!


青ピ「カミやん……! カミやあああああああん!!!」

上条「うおっ、なんだよいきなり!? と童帝は突然の事に驚いてみたり」

青ピ「わかるっ……! 僕にはハッキリと分かるで!! カミやんこそモテない野郎どもの救世主!」

上条「はあ?」

青ピ「何でか知らんが分かるんや! カミやんから滲み出る、何万回人生やり直そうが脱童貞できないオーラ!」

上条「おい」

青ピ「深淵よりなお深い所から湧き出とるかのような童貞臭! 魔法使い……いいや、カミやんの醸す貫禄はまさに王者! 童帝色の覇気を纏うとる!!」

上条「た、大概に…」ビキビキ

青ピ「同志童貞諸君っ! 王の帰還だ! この世で最も可哀想な童貞、そう、童帝陛下(かみじょうとうま)のご帰還や!」


男子一同「「「「「童帝陛下万歳っ!!」」」」」


上条「ふざっけんな!! どうして上条さんがテメエらに見下されねばならんのか!? と童帝は理不尽に異議をとなえてみたり!」


青ピ「えっ」

男子A「だって」

男子B「なあ?」


上条「なに当然の事に疑問もってんの? 的な流れやめろよ!? って童帝は涙目で訴えてみる。あと語尾どうした!」


男子B「お、普通に喋れる」

男子C「どうなってんだ?」

青ピ「ッ、童帝陛下や! 童帝陛下の圧倒的童貞力が僕らの童貞力を消し飛ばしとるに違いあらへん!!」

男子A「そういうことか……ッ!!」


上条「どういうことだよ!? 超理論すぎて理解できねえよ!? って童帝は大混乱に陥ってみる」


土御門「なるほどな。童帝であるカミやんが傍にいれば、並の童貞はこの悪質な魔術の対象外になるのか」フム

上条「酷過ぎる! まるで上条さんだけを社会的に抹殺するための術式だ!? って童帝は術者の非情さに慄いてみたり……!」ガクブル



土御門「まてよ? モテない男子の救世主たる童帝がいるなら、対の存在もいるはずぜよ」

上条「!」

土御門「乙女の中の乙女……悠久の時を経ようが、決して破れない膜の持ち主。さしずめ鋼鉄の処女(アイアンメイデン)といったところか」

上条「拷問器具だろそれ! 物騒すぎるわ! と童帝はツッコんでみる」

土御門「聞けカミやん。これは推論だが、今起きてる事態を収拾するには、童帝と鋼鉄の処女の邂逅が必要だ」

上条「何故に!?」

土御門「オレは観測できんが童貞共にはカミやんから溢れだす童貞力とやらが見えるらしい……ぷっ」

上条「笑うなっ! と童帝は憤慨してみたり!」

土御門「同様に鋼鉄の処女からも処女力が噴出しているんだろう。ここからが本題だ。その二つの残念パワーがぶつかり合えば、どうなると思う?」

上条「知らねえよ! って童帝は……残念パワーとか……ぐすっ」ホロリ

土御門「極大のマイナス同士のかけ合わせ。それは凄まじい相乗効果を生み、残念ビックバンともいえるエネルギー爆発を引き起こす」

上条「マイナスじゃねぇ……むしろ新品なのはプラスじゃねえか……」

土御門「その爆発が童貞術式(仮)を吹き飛ばすに違いない」

上条「ぐすっ、わかったよ。とにかく鋼鉄の処女を見つけ出せば、この魔術は終わるんだな? って童帝は半信半疑で問い直してみる」

土御門「おそらくな。……知らんけど」ウン

上条「いいぜ、だったら探してやるよ! って童帝は決意を新たにしてみたり」キリッ



男子A「DO・DO・DO・DO・童帝陛下、いざ出陣っ!!」

男子B「皆のモノー! 童帝陛下をお見送りせよ!」

青ピ「僕らの希望、童帝陛下に最敬礼っ!! カミやん、僕ぁ信じとるで~」※永遠に童帝でいてくれる的な意味で



上条「ち、ちくしょおおおーー!! お前らいつか見返してやるからなーー!! って童帝は号泣しながら駆け出してみたりぃぃーー!!」



第七学区 とある公園――


上条「――てなわけで、鋼鉄の処女を探してるんだ、と童帝は事情を告げ情報を求めてみる」

垣根「悪い、陛下の力になれそうな情報は持ってねえ」

上条「そっか。つーか陛下って呼ぶな、って童帝は苛立ちを募らせてみたり」

垣根「けどまあ心配すんな。この俺が協力してやるからよ」ニッコリ

上条「それは有り難いんですけどね。なんでそんな優しい目で上条さんを見るでせうか? って童帝は言い様のない不快感を覚えてみたり」

垣根「んな事より、陛下は例の処女について何か心当たりはないのか?」

上条「あー、うん。認めたくないけど、多分アイツなんだろうなぁ、って童帝はとあるボンクラシスターを思い浮かべてみる」

垣根「シスター?」

上条「銀髪碧眼の白いシスター、って童帝は標的の特徴を伝えてみる」

垣根「……たしかうちの下部組織からの報告に、そんな感じのシスターを第二十三学区で頻繁に目撃したってのがあったな」

上条「は? そこにはたしか宇宙開発や航空関連の施設しか……ッ、エンデュミオンか! と童帝は白い悪魔の本拠地を察してみたり」



◇ ◇ ◇ ◇



第七学区 学舎の園――


美琴『今日は臨時休校って……』

食蜂『明日は独立記念日だしぃ、実質二連休だゾ☆』

美琴『私らは休めないでしょーが。そもそもの原因を解決しなきゃいけない立場なんだし』

食蜂『大体の事情は把握済み。私の組織力と干渉力を使えば簡単だったわよぉ?』

美琴『……こんな時はアンタの能力が羨ましいわ』

食蜂『てゆーかぁ、メールで筆談してる女子中学生って結構マヌケよねぇ』

美琴『仕方ないでしょ! あんなはしたない語尾を晒すよりはマシよ!!』



食蜂『それで事件のあらましだけどぉ、やっぱり白い悪魔の一味が主犯みたい』

美琴『予想の範疇ね』

食蜂『で、その主犯とは別の魔術師が数人、事態の収拾を図ってる。具体的には赤髪の神父とポニーテールで長身の女性だって』

美琴『う~ん、何度か見た事あるかも』

食蜂『一応上条さんの知り合いっぽいけどぉ、まあ当てにしない方が無難でしょうね』

美琴『肝心の主犯は?』

食蜂『名前はローラ=スチュアート。地面にまで届く金髪でぇ、私ほどじゃないけどぉ、かなりの美人さん』

美琴『ふむふむ……ん』



ローラ「…………」ニッコリ



食蜂『ピンク色の変わった衣装。何より留意すべきなのは、少なく見積もっても超能力者級の実力者ってことかしらぁ』

美琴「…………」

食蜂『御坂さぁん?』

美琴「…………」クイッ



ローラ「お初にお目にかかりけるかしらー? 私が件のローラ=スチュアートなりしなのだけど」



食蜂「!」



ローラ「すぐに今生の別れになろうから、覚えてくれなくて結構よ」クスクス


といったところで今回は終了
あくまで上条さんの不幸を煽っていくスタイルだったりー

投下ー


第七学区 学舎の園――


食蜂「困ったわねぇ。私の強制力で一般人を避難させるから御坂さんは……と処女は視線で意図を伝えてみたりぃ」ピ

美琴「言われなくても! と処女は間髪いれずに電撃を敵へ撃ち放ちます」ビリビリッ!!


ローラ「まあ、はしたなし」ポイ


バチバチバチ!!


美琴「なっ!?」

食蜂「スプーンを投げて避雷針にした……! ってなんでスプーンを携帯してるのぉ? と処女は素朴な疑問を漏らしますぅ」


ローラ「ふうむ、大気中で理論光速を叩き出す雷撃、ねぇ。でも金属に引かれるという常識は遵守しておる……つまりは」ブツブツ


食蜂「やだ、怖ぁい。あのオバサンたら急に独り言を始めてるんだけど、と処女は思わず数歩引いてみたりぃ」

美琴「他人にケンカ売っておいて随分と余裕じゃない、と処女は怒りに身を震わせてみます」ブルブル


ローラ「フフン、実際に間近で見て確信したわ。あなた達では、私の相手にならなきにしもあらずよ」デデン


美琴「上等じゃない。その鼻っ柱、へし折ってや…」

食蜂「ッ、一端引くわよ! と処女は猪突猛進な御坂さんの腕を引き逃走を試みたりぃ」グイグイ

美琴「ちょ、食蜂!? と処女は…」

食蜂「あの女の自信は本物なの! 真実、私達を無力化する術を持ってる!! と処女はお馬鹿な御坂さんに説明してみる」


ローラ「私の精神を読み取ったか。まあ、それでも、あな遅しであるのよ?」クスッ


美琴食蜂「「!?」」ゾクッ



第二十三学区 エンデュミオン――


上条「ふむ、勢いで突入してみたけど、これは」

垣根「おい……ここは一体何なんだ? 魔術とやらに明るくない俺でも、ここが異常だと感じるぞ」

上条「完全に異界化してる。ここがインデックスの根拠地で間違いなさそうだ」

垣根「異界?」

上条「この世でない何処か。例えば――」シッ!!


天使A「gyaaaaaaaaaa!?」グシャッ!!


天使B「!?」バッサバッサ

天使C「raaaaaaaa!!!」バッサバッサ


上条「――こういうトンデモ生物が蔓延る天界っぽい場所とかな」

垣根「天使だと!?」

上条「下っ端を何匹叩こうがキリがねえ。一気に突破して中枢を潰す!」

垣根「ちっ、こうなったらトコトン付き合ってやる」

上条「……待て」

垣根「あ?」

上条「上条さん、普通にしゃべれてる!? 変な語尾が出てきませんのことよ!」

垣根「くだらねえ。先を急ぐぞ」

上条「おまっ、泣くほど凹んでたくせに、なんたる言い草!?」

垣根「のど元過ぎればなんとやらってな。どうやら俺の喉は特に短いらしい」ニヤリ

上条「ぎゃあー! それは小悪党が頻繁に立てる死亡フラグですぞー!?」ギャース



◇ ◇ ◇ ◇



アウ「整然、幻想殺し他一名の侵入を確認した」

禁書「とうまは例の組織を率いていないみたいだね。威力偵察かな?」

テッラ「どうですかねー。今しばらくはこの場所を突き止められないと踏んでいましたが、いやはや思うようにいきません」

アウ「憤然、あの女狐め……余計な真似を」

禁書「私に黙って動いたのは業腹だけど、とうまを孤立させるには悪くない一手かも」

テッラ「あなたも人が悪い。ご自身が開発なさった術式なのでは?」

禁書「想像に任せるよ」

テッラ「やれやれ、幻想殺しには同じ男として同情を禁じ得ませんねー」

禁書「フフ、まあ何にせよ、せっかく夫が逢いに来てくれたんだもん。丁重におもてなし……うん? この感じは」

アウ「?」ハテ?

禁書「二人にはとうまの相手を頼むんだよ。私はもうひと組のお客さんをもてなす事にするよ」ニッコリ


学園都市 某所 木原くんの研究室――


木原『たった今、上条とスクールの未現物質が敵の支配下にあるエンデュミオンに突入した』


浜面「…………」

御坂妹「…………」


木原『バックアップは不要だそうだ。ま、逆に足手まといになるのは明らかだからなぁ』


浜面「おっさん、あんた童て…」

御坂妹「しっ、と処女は同僚の口を押さえ失言を食い止めます。筆談してる段階で察してあげなさい」メッ


木原『で、こっからが本題だ。お前らを呼んだのは他でもねえ、御坂と食蜂の反応がロストしやがった』


御坂妹「!」

浜面「まてよ! アイツらは普通に登校してるはずだろ!?」


木原『常盤台は全面休校。二人仲良く下校してるとこまでは、滞空回線で把握済みだ。だが学舎の園から出る直前に消えたんだ』


浜面「魔術師の仕業か……!」

御坂妹「しかし、仮にも超能力者(レベル5)が二人もいて簡単に不覚を取るとは考えにくい、と処女は考えます」

浜面「まだ交戦中って事か?」

御坂妹「ええ、お姉様の事ですから……ッ、――あー、テステス/return。感度良好、うんうん、久々のリアルボディは最高だっぜ/return」

浜面「は……?」

御坂妹「ちぇー、やっぱ無茶な干渉はチケットの消費がマッハだね/return」

浜面「なんだ、雰囲気が……お前、御坂妹じゃないのか?」

御坂妹「んー、それは卵が先か鶏が先かって話になっちゃうなー/return。今はそんな哲学を論じてる場合じゃないと思うよん?/escape」

浜面「そうだった! 大将が敵地に突っ込んでる以上、俺らで御坂たちの援護に向かうぞ!」

御坂妹「おー!/return」



木原「……(電磁波とAIM拡散力場の数値に異常? まさか、コイツが例の量産計画に一位でなく三位が選ばれた理由かよ)」


CASE 31 ダークプリズン 前編


???――


美琴「うっ……ここは?」

食蜂「あのオバサンに何らかの方法で、学舎の園から強制転移されたみたいねぇ」

美琴「あ、フツーに喋れる!」

食蜂「てことは学園都市の外? それにしたって、この異様な雰囲気は……えっ」

美琴「どーしたのよ?」ハテ?

食蜂「すっごい絶景。ヤー・チャイカ、とでも言うべきかしらぁ」



地球『』デデン



美琴「ち、きゅう……?」

食蜂「ロシアの宇宙ステーション、いいえ、重力があるってことは宇宙エレベーターね」


ローラ「そう、ここはエンデュミオンの頂上。現代に蘇ったバベルの塔でありんすなのよ」


美琴「ッ、あんたは!」

食蜂「ずいぶんと辺鄙な場所に招待してくれたわねぇ。分散して各個撃破が目的?」


ローラ「まさか。それならこんな迂遠な方法はとらなし。今日は淑女の淑女による淑女の為のお茶会に招待したるのよ」クスクス


美琴食蜂「「はあ?」」ポカーン


ローラ「今なら禁書目録の注意は幻想殺しの少年にのみ向いておる。ここはひとつ、騙されたと思って世界を憂える乙女の話を聞いてたもれ」



エンデュミオン 中層――


垣根「はああーーーッ!!!」


バオッ!!!


天使X「gaaaaaaaaaaaaaaaaa!?!?」グチャ!!


上条「さあ来い、鈍牛!」


天使Y「ruuuuuuuu!!」バッサバッサ

天使Z「raaaaaaaa!!」バッサバッサ


上条「ぬーーん! 大乗○拳!!」グワッ


ボッ!!


天使YZ「「!?!?」」グシャッ!!


上条「芸のない物量責めか。この位階の天使じゃ足止めにもならないっつーの」

垣根「違いねえ。お前の能力に引きずられて、俺の『未現物質(ダークマター)』も進化してる」

上条「根っこの部分は似たような能力だからな。けど、次は簡単に勝たせてくれそうにないぞ」



アウ「当然、我らをそこらの雑魚と同じにされては困る」

テッラ「主から丁重にもてなせと仰せつかってますからねー。存分に力を振るわせてもらいましょうか」

アウ「必然、童貞などという半端者、軽く蹴散らしてくれる」ニヤリ


ブチッ!!!


垣根「……人がせっかく忘れていたってのに」ブルブル

上条「嗤ったな!! テメエ、いま上条さんを見下して嗤ったなああーーーー!!!」ガァァ


コンプレックスを刺激された二人のチェリーが、テッラとアウレオルスに踊りかかる。

その気迫たるや鬼神の如く、二人の魔術師は挽肉にされる運命しか残されていない。


が、しかし


アウ「童貞共よ、倒れ伏せ」


上条「がッ!?」

垣根「ぐっ……! な、なんだ、急にカラダが重く」

上条「ッ、『黄金練成(アルス=マグナ)』か!」


アウ「当然、錬金術の秘奥は何人にも破れん。盟主インデックス以外の誰にもな」


上条「ハッ、そいつはどうかな。お前を精神的に屈服させれば、この術式は崩壊するんだろ?」


アウ「判然、貴様が私を屈服だと? 童貞如きが粋がるなっ!!」


上条垣根「「ッ!?」」



そう、アウレオルスは完全に精神的優位を確立していたのだった。

負けるなど毛ほども思わないアウレオルス。この瞬間、彼は上条達を凌駕していた。



アウ「歴然、童貞など無価値! マンモーニは家に帰って、母親に甘えてるのがお似合いだ」

テッラ「ここは託児所ではないのですがねー」

アウ「繁殖行為すら行った事のない、生物として最下層に位置する貴様ら如きに負ける気などせんな」


屈辱……っ、圧倒的屈辱が上条と垣根を襲う。だが打開策は一切なし……!

現実は非情で残酷ある。


垣根「ちくしょう、ちくしょう……!」

上条「酷過ぎる……これが人間のすることかよ!?」


第七学区 学舎の園――


御坂妹「おおう、上条ちゃんの魂の慟哭を受信しちゃったぜ/return」

浜面「なんだって?」

御坂妹「ああ、気にしないでこっちの話/return。それよりお姉様の反応がロストしたのはここで間違いない?/escape」

浜面「木原のおっさんから貰ったデータを信じるならな」

御坂妹「ふーん…………お、転移魔術の痕跡発見!/return」

浜面「えっ、どこ?」キョロキョロ

御坂妹「ノンノン、視覚に頼っては物事の本質は見えないよ浜面少年/return。考えるんじゃない、感じるんだ/return」

浜面「そういうもんか? って、やっぱお前おかしいぞ!?」

御坂妹「何もおかしくないさ/return。これだけ因果が捻じれた世界でも、円環の理に囚われた君ほどはね/return」

浜面「は?」

御坂妹「げに恐るべきは滝壺っちの執念か/return。一度しか接点がないにも拘わらず、もう初春ちゃんを追いあげてるから困る/return」

浜面「滝壺って……合コン、深酒、天井の染み、哲学的体験……うっ、頭が」ガクブル

御坂妹「この世はヤンデレラで満ち満ちている/return。わけがわからないよ/return」ヤレヤレ

浜面「俺はお前の豹変の方がわけわかんねーよ!」ガァァ

御坂妹「なんて遊んでる間に逆探知成功♪/return。そんじゃ私たちも転移方陣で跳ぶよ/return」スッ


キィィィィン


浜面「うおっ、足元に魔法陣が!?」

御坂妹「ふっふっふ、ミサカたちにかかれば、この程度の魔術を再現するのは訳ないのだげふおっ!?」ポタポタ

浜面「ドヤ顔で吐血したーー!?」ガビーン


エンデュミオン 最上階――


美琴「――で、アンタの望みは白い悪魔の排除ってわけ?」

ローラ「そ、そうなのだけど。なんだかすごく端折られた気が……」

食蜂「オバサンの身の上話なんて誰も興味ないっていうかぁ、様式美?」

ローラ「おばッ、……こほん、この輝く美貌が見えなしなのかしらー?」シャラーン

食蜂「見た目は、ねぇ。若作りしてるみたいだけどぉ、実年齢は衝撃のひゃ…」ピ

ローラ「きゃああーー!!! いけなしっ!! 乙女の秘密を暴いてはいけなし!!!」ギャース

食蜂「年齢はどーでもいいとして、部下に背かれた哀れなオバサンの尻拭いを他人にさせるってどうなの?」

ローラ「よ、世の中ギブ&テイク! 貴女たちも禁書目録を排除したい、そして私はその手段を提示する用意がありけるのよ」

美琴「つまりアンタには、あのちびっ子シスターを倒す目算があるってことかしら」

ローラ「然り。幻想殺し……上条当麻を以てしても禁書目録に傷一つ負わせられない事実。不思議に思わないかしら?」

美琴「…………」

ローラ「カラクリは単純、『アストラルシフト』なる魔術を行使しておるから。攻撃が直撃する瞬間に、禁書目録は存在確率を変動させておりけるのよ」

食蜂「それってこの世界から一時的に消失してるって事ぉ?」

ローラ「並行世界に本体を避難させて、こちらに限りなく本物に近いホログラムを投影してる感じかしらね」

美琴「何そのインチキ……そんなのどうやって破れってのよ!」

ローラ「正攻法では不可能であられろうよ。無数に存在する並行世界から避難先を割り出すなんて魔神でも無理なればだから」

美琴「魔術ってのはトコトン出鱈目ね……。例えば発信器のような物を取り付けて、逆探知したり出来ないの?」

ローラ「科学は並行世界の観測なんて出来けるのかしら?」

食蜂「シミュレートは出来るけど、観測は無理ねぇ」

ローラ「そこで追跡魔術を仕込みしなのよ!! 避難先さえ捕捉すれば、あとは上条当麻がなんとかしたるに違いなし!」


美琴「そんな簡単にいくのかな。そもそも追跡魔術をどうやって仕込むつもりよ」

ローラ「上条当麻のキスに紛れて仕込む予定なりよ。さしもの禁書目録も、その瞬間は油断するはずだもの」ウン

美琴「へぇー、キスかぁ…………キキキキキスぅぅぅぅーー!!?///」

食蜂「はぁーーッ!? ついにボケちゃったのかしらこのオバサン!」

ローラ「ボケていなしっ!! 人様を勝手に認知症にしないで!?」ガビーン

食蜂「却下よ却下っ!! そんな作戦は認められないんだけどぉ!」プンスカ

美琴「そ、そうね。別にアイツが誰とキスしようがわわっ、私には関係ないけどね!///」

ローラ「恋心を囮にするは、古来より有効な策なのだけど」

食蜂「そんな思考力だから貴女はオバサンなのよ。女としてご臨終してるわぁ」ヤレヤレ

ローラ「ご、ご臨終!?」ガビーン

食蜂「女性は女を捨てた時、オバサンに成り下がるのよぉ?」

ローラ「捨ててなきにしもあらずよ!? 毎日のスキンケアを欠かしたことなどないもの!」

食蜂「見た目にだけ拘ってる所が哀れねぇ。女の魅力はもっと内面力にあると思わない?」


美琴「言ってる事はもっともだけど、アンタにだけは言われたくないわね」


食蜂「まあ短気で野蛮な御坂さんには無縁な話よねぇ。それに見た目も貧……スレンダーだしぃ」クスクス

美琴「おい待てやこら。何を言い直した!」ガァァ

食蜂「で、他に案はないのぉ?」

美琴「サラッと流してんじゃないわよー!」


ローラ「ハァ、これだから乳臭い小娘は。しかし、他の方法と言われても残るは最終手段しか……ッ、来た!?」ビクッ



禁書「コソコソ勝手に動いてると思えば、短髪と密会だなんて。フフフ、これはどういう事なのかな?」ニッコリ



ローラ「あと半刻は猶予があると踏んでいたのに、存外冷静なりしみたいね」


禁書「なるほど、童貞術式は とうまを誘き出す囮だったんだね」


食蜂「し、白い悪魔ぁ!?」

ローラ「敵の弱点を突くのは戦術の基本でしょう? 彼が絡むと貴女はポンコツに成り下がるもの」

美琴「い、いいの? 逆らったらヒキガエルにされる呪いが……」

ローラ「おーっほっほ! 私を誰だと思いたるのかしら。あの程度の呪いなんて、とうの昔に解呪したに決まっておろうでしょうに!」


禁書「ふぅん、伊達に最大主教の地位にいたわけじゃないってことか。あなたを少し見くびってたかも。……で?」


ローラ「えっ?」


禁書「次の一手を打ってくれないかな? それとも問答無用で消滅させて欲しい?」クスクス


美琴「こうなったら背に腹は代えられないわ。一時休戦して共闘しましょう!」

食蜂「それしかなさそうねぇ」

ローラ「え、えっと、その……」オロオロ

美琴「何か作戦があるのよね? 私たちに出来る事があるなら協力するから教えて」

ローラ「期待を裏切るようで申し訳なしなのだけど……万策尽き果てたり?」

食蜂「ちょ、うそでしょおー!?」ガビーン

ローラ「だ、だって時間も人手も足りなかったし! 他にも仕込みをしておきたるも、全部不発に終わったのだからー!」

美琴「胸を張って言うことかー!?」



禁書「じゃあチェックメイトだね。……楽には死なせてあげないんだよ」ニッコリ



美琴食蜂ローラ「「「ぎゃあああーーー!?!?」」」ギャース


















??「そこまでだよ!/return」

















禁書「ッ、だ、誰っ!」



御坂妹「どこの誰かと聞かれたら/return」

浜面「答えてやるのが世の情け」

御坂妹「学園都市の破壊を防ぐため/return」

浜面「学園都市の平和を守るため」

御坂妹「愛と真実の正義を貫く/return」

浜面「ラブリーチャーミーなヒーロー役」

御坂妹「ミサカ!!/return」

浜面「浜面!!」

御坂妹「ゲロ以下の暗部をのたうち回る特務支援課の二人には/return」

浜面「ブラックホール、黒い明日が待ってるぜ!」キリッ

御坂妹「フッ、決まったぜごぱあっ!?」ビチャビチャ

浜面「ぎゃあ! また吐血したーーー!!?」ガビーン



禁書「…………」ポカーン



美琴「なにやってんのよ、アンタたちはーー!!!」

食蜂「助けに来てくれたんじゃないかしらぁ?」

ローラ「血を吐いて今にも死してしまいそうなのだけれど……」



御坂妹「残念だけど、このミサカはもう限界だ/return」フラフラ

浜面「何しに突入したんだよ!?」

御坂妹「大切な物をお姉様に届けるためだよ/return」


美琴「た、大切なもの?」


御坂妹「魔王に立ち向かう勇者へ与えられる恩寵/return。RPGにおける勇者を最強たらしめる能力/return」



禁書「まさか……」



御坂妹「何度打ちのめされようと、ゾンビのように復活を果たす……それがセーブ機能っ!!/return」

美琴「は?」ハテ?

御坂妹「思い出してお姉様/return。あの忘れ得ぬ、大切な記憶と想いを!/return」


キィィィィィン!!!


美琴「ぎゃああーー!!! 割れる割れる頭が割れるぅぅーーー!?!?」ゴロゴロ

御坂妹「なうろーでぃんぐ! 只今データを書き出し中!!/return」ガリガリガリ

美琴「あばばばばば……!」ビクンビクン

御坂妹「よし、記憶のダウンロード完了/return。さあ、お姉様……あ、あれー?/escape」

美琴「」シーン……



食蜂「み、御坂さぁぁーーーん!?」ガビーン

浜面「ホントなにしてんだよお前ーーー!?」



テッテレー



御坂美琴は、10031回分の最適化された記憶と経験を継承した!!

といったところで今回は終了
えらく更新間隔があいてしまってすみませぬー

おのれニセモノ! 数ヶ月も遅れないよ! てなわけで投下ー


食蜂「ちょっと御坂さぁん!? 生きてるなら返事をしてぇ!?」ユッサユッサ


美琴「う、う~ん……」


浜面「よかった……! 息があるぞ」ホッ

御坂妹「心配いらないってば/return。ミサカネットワークにバックアップしておいた膨大な情報を脳に叩きこんだから、あまりの苦痛で失神しただけだって/return」

浜面「どこに心配いらない要素があるんだ!?」

御坂妹「ほらほら、ツッコミを入れてる余裕なんてないよ/return」

浜面「へ?」チラッ



禁書「とうまが大切にしてる子じゃないね。前回記憶を保持していた理由はあなた? だったら禍の火種は未然に消すべきなんだよ」ドドドドド



浜面「やばいっ!! なにがヤバイって、白い悪魔の迫力がヤバすぎて次の瞬間ぶち殺されるかもしれないと本気で思えるのがヤバイ!!」

食蜂「ひいっ!?」ビクゥ

ローラ「助けに来たのではないの!? まるで事態が好転してなきは気のせい!?」アウアウ

御坂妹「天は自ら助くる者を助く、ってね/return。運命を切り開きたいなら自分で戦わないと/return」

浜面「……アレと戦うのか?」

御坂妹「不利なのは承知の上/return。けど戦いようはいくらでもあるもんよ/return」ニヤリ



禁書「ハッタリなんて見苦しいかも。魔術行使の反動で、立っているのも辛いのは分かってるんだよ」



御坂妹「半死人だからって舐めんなよ?/escape。この世には、アンタの思いもよらない存在がいるってのを教えてやる!/return」



禁書「教えてくれなくて結構だよ。――死なない程度に焼き尽くして、『魔女狩りの王(イノケンティウス)』」ペラペラペラ!!!

イノケンティウス「GAAAAAAAAAAAAA!!!!」


ズオオオオオッッ!!!!


御坂妹「!」


浜面「み、御坂妹ォォーーー!?!?」ギャース


浜面「なんてこった! 炎の巨人が御坂妹に熱い抱擁をしたああああ!?」

食蜂「…………?」ハテ?

浜面「ともかく消火しねえと! 消火器はどこだ!?」キョロキョロ

ローラ「必要なきことよ。炎は彼女に届いていなし」

浜面「へ?」


キィィィィン!!!


イノケンティウス「!?」パシュウ


御坂妹「ハッハー!! 演出ご苦労ォォォッ!!! ……なンちゃって♪/return」


禁書「ルーンカードを破壊せずに『魔女狩りの王(イノケンティウス)』を破った……?」


御坂妹「アンタが魔術サイドのチートなら、ミサカは科学サイドのチートなンだ/return。マグヌスたいちょーの得意技なンざ、とっくに解析済み/return」フフン


禁書「へぇ、白い人と同じ能力を使えるんだ。なかなか楽しませてくれるね」


御坂妹「数万年に及ぶ代理演算の賜物よ/return」


禁書「だけど守りが強固なだけじゃ、私は倒せないんだよ」


御坂妹「何も能力や魔術だけがミサカの武器とは限らないんだなコレが/return。やーい、やーい、上条ちゃんに嫌われたボンクラシスター!/return」


禁書「なっ!!」


御坂妹「お人好しが服着て歩いてるようなあの人に嫌われるなんて馬鹿じゃないの~?/escape。あなたはアホでございますかぁ?/escape」


禁書「な、なななっ、なんですってぇぇぇッ!!!!!」ギリギリ



浜面「言葉の刃かよ!?」ガビーン

食蜂「でも効果は抜群みたいねぇ」


御坂妹「もうアンタと上条ちゃんが結ばれる可能性は無い/return。アカシックレコードにアクセスしたなら知ってるでしょう?/escape」


禁書「うるさいうるさいうるさーーいっ!!!」


御坂妹「いい加減 現実を見るぴょん/return。諦めを覚えるぴょん/return」


禁書「わ、私は最強の魔神インデックス! 不可能を可能にする女なんだよ!!」ガァァ


御坂妹「10031回も失敗してるけどね~、ぷっぷくぷぅ~♪/return」プークスクス


禁書「うがああああーーーー!?!?」




浜面「え、えげつねえ……」

食蜂「なんだかゾクゾクしちゃうわぁ」ドキドキ

ローラ「乙女にあるまじき醜き争い……」



禁書「口ばっかり達者で……! 文句があるならかかって来たらどうなの!?」


御坂妹「望むところだよ/return。ミサカ式戦闘術、一の型一番っ!!/return」ググッ


禁書「どんな攻撃でも私には届か…」


御坂妹「敵・前・逃・亡!!! お前みたいなアンポンタンと正面からやりあう訳ないだろー/return。きゃあー、馬鹿がうつる~/return」スタコラサッサー


禁書「…………コロス」プルプル



浜面「ちょ、逃げたー!?」

食蜂「御坂さん起きてぇ! 妹さんが殺されちゃう!?」ペチペチ

美琴「う~ん……」


CASE 32 ダークプリズン 中編



???――



美琴「う~、頭がズキズキする……」


総体「いやいや、これでも最適化が進んでマシになったんだよ?/escape。一回目の時なんか、白目剥いて泡吹いてたし/return」


美琴「白目!?」

総体「時間が惜しいから巻いてくよー/return。9982号の状態を考えると、そう長くは時間を稼げないから/return」

美琴「……ここはどこ? アンタは誰?」ハテ?

総体「ハァ、この前も上条ちゃんに説明したんだけどなぁ/return」

美琴「面倒くさがらないで説明してよ!?」ガビーン

総体「じゃあ時短verでご覧下さい/return」

美琴「なにを!?」オロオロ



◆◆◆◆



科学と魔術の騒乱が終息して10年、上条当麻と御坂美琴は とあるバーで逢瀬を楽しんでいた。


上条「浜面んとこ、今度で五人目だっけ?」

美琴「ん~、たしか六人目じゃなかったかしら。まあ何人目にせよ、無事に産まれて欲しいわね」

上条「そうだなぁ……」

美琴「どうかしたの?」

上条「ハハ、なんといいますか、その……少し羨ましくなりまして」

美琴「そ、そうなんだ」


上条「周りの連中も次々に結婚して子供を作ってさー、父さんや母さんも帰省のたびに、お前はまだかって聞いてくるし」

美琴「あー、私も」

上条「そうなると、こう……いつまでも独身貴族ってわけにもいかないと感じた次第です」

美琴「えっ! 結婚するの!?」

上条「相手が了承してくれればね」

美琴「そんなの困るっ!!」ガタッ

上条「こ、困るんですか!?」ガビーン

美琴「困るに決まってんでしょ! 私は、ずっと、ずっと、アンタだけを……!」

上条「俺だけを?」

美琴「……………………ナンデモアリマセン///」カァァ

上条「まあいいや、それで折り入って相談なんですが」

美琴「……(まさか女の子を紹介しろってんじゃ……さ、流石にないよね?)」

上条「御坂、お願いだから上条さんと一緒になってくれませんか?」

美琴「………………いまなんて?」

上条「俺と結婚してください」キリッ

美琴「えっ、あ、うん」

上条「本当か! いやー、良かった。断られたらどうしようかと思いましたよ」

美琴「……断るわけないわよ、バカ///」

上条「お互い仕事が忙しくて滅多に会えなかっただろ? 交際してるわけじゃないし、お手付きの可能性もあるかなってね」

美琴「で、でもどうして私なわけ? アンタの周りには他にも魅力的な人がたくさん居るじゃない」

上条「なんでだろうなぁ。結婚となると、不思議と御坂が思い浮かんだんだよ」

美琴「そ、そっか。そうなんだ///」テレテレ

上条「あの時の言葉がずっと心の中にあったからかもな。『同じ道を歩いてる』って、あれは本当に嬉しかったな」

美琴「……覚えててくれたんだ///」

上条「忘れるわけないだろ。だから、これからも同じ道を隣で歩いて欲しい」

美琴「うんっ!!」





そんなこんなでトントン拍子に結婚が決まり、両親への挨拶も終え、いよいよ迎えた結婚式当日





















禁書「カット」






美琴「ハァ、今日はアイツの結婚式か。行きたくないな……」

黒子「お姉様……」

美琴「でも行かなきゃだよね。せっかく新郎の友人として招待されたんだから」

黒子「ええ、あの殿方の晴れ舞台、お姉様が祝ってやらずに誰が祝うというんですの?」

美琴「あはは、そうよね。なんたって私はアイツの…」




――「御坂、お願いだから上条さんと一緒になってくれませんか?」




美琴「……わたし、は」ポロポロ

黒子「お、お姉様!?」

美琴「あれ? おかしいな……。そんなはずないのに……アイツはあの子を選んだはずなのに」

黒子「…………」

美琴「私おかしくなっちゃったのかな。有りもしないはずの記憶なのに、でも、こんなに鮮明に……」




――「なんでだろうなぁ。結婚となると、不思議と御坂が思い浮かんだんだよ」




美琴「ううん、こんなの嘘。素直に気持ちを伝えなかった私が見ていい夢じゃないわ」

黒子「……?(なんですの? この喉に小骨が刺さったような違和感は)」

美琴「しっかりしなさい御坂美琴! 自分に都合の良い幻想に縋るなんて、らしくないわよ!」




その日、上条当麻と禁書目録の女性のしあわせを、本心を隠して盛大に祝った。







それから数年の歳月が流れた。



禁書目録の女性は、イギリス清教の最大主教の座に君臨し


幻想殺しの男性は、ネセサリウスの元締めとして世界の暗部を駆け抜け


超電磁砲の女性は……







黒子「お姉様っ!! 鍵を開けてください!」ドンドンドン


美琴「いーやーだー! テレポートで入って来たら超電磁砲ぶっ放すからね!!」


黒子「失恋がショックだからって、何年も引き籠らないでくださいましー!!」ドンドンドン


美琴「失恋いうなぁ~~」メソメソ



御坂美琴は初恋を拗らせた挙句、絶賛引きこもり生活を送っていた。



黒子「もう十分悲しまれたでしょう!? いい加減、上条さんの事は忘れて…」


美琴「忘れられるような想いじゃないもん! 本当は私がアイツと一緒になるはずだったんだもん!!」


黒子「またそんな妄想を…」


美琴「妄想じゃないもん!! 間違ってるのは世界のほうだもん!!」


黒子「おいたわしやお姉様……。受け入れ難い現実から逃避するなんて」

ステイル「いいや、彼女の主張は正しい。妄想なんかじゃないさ」

黒子「あ、あなたは……」

ステイル「御坂美琴だな? 話があるからドアを開けてほしい」


美琴「?」



赤髪の神父、ステイル=マグヌスの語った内容に、御坂美琴は唖然の一言だった。



美琴「本当は私がアイツと結婚するはずだったのに、あのシスターが嫉妬に狂って世界を都合の良いように書き換えた……ですって?」

ステイル「完全にとはいかなかったようだがね。現に僕のように改竄前の記憶を思い出す人間は少数だが存在する」

美琴「ほらやっぱり妄想じゃなかったじゃない!」

黒子「俄かには信じられませんが、しかし……」

美琴「しかしもカカシもあるかっ!! 今すぐイギリスへ飛んで、アイツを取り戻してや…」

ステイル「止めた方がいい」

美琴「そう! 止めたほうが……って、なんでよ!?」

ステイル「返り討ちにあうのが関の山だからさ。科学サイドで真の魔神に対抗できる人材が居るのかい?」

美琴「ま、魔神って……一度世界を消したっていうあのオティヌスよね?」

ステイル「それ以上の存在だよ。『真の魔神』というのはね」

黒子「お姉様、不用意な行動は慎んでください。腐っても相手はイギリスの要人ですのよ」

ステイル「彼女は腐ってなどいないッ!!」ガタッ

黒子「人様の婚約者を奪うなんて腐りきっていますの!!」ガァァ

ステイル「そ、それは……魔がさしたというか、若気の至りだ! 彼女だけを責めるのは酷だろう!」

黒子「若気の至りでは済みませんの! お姉様がどれほど嘆き悲しんだ事か……!!」

ステイル「僕だって悲しんださ! 上条当麻が所帯を持つと聞いた時、ようやく僕の時代が来たと狂喜乱舞したというのに!」

黒子「なんて自分に正直な殿方ですの!?」ガビーン

ステイル「僕は彼女を止めたい。御坂美琴は上条当麻を取り戻したい。利害は一致しているはずだ」

黒子「むむむ……甚だ不本意ですが、お姉様の笑顔のために協力しますわ」

ステイル「白井黒子の名前は英国まで聞こえてくる。頼りにさせてもらうよ」


美琴「よしっ、じゃあ早速…」


黒子「お姉様は社会復帰が先決ですの。引きこもりなんて猫の手にも劣りますのよ?」ニッコリ


美琴「あ、はい……」


そこから永く果てしない苦闘の日々が始まった。




美琴「御坂、御坂美琴に清き一票をお願いします!」


ステイル「……まさか極東くんだりまで来て、選挙活動の手伝いをする羽目になるとはね」ゲンナリ

黒子「社会的地位と権力の確立は必須ですの。いいから黙ってポスターを貼りなさいな!」

ステイル「正攻法で統括理事になろうなんて馬鹿げてる……」




しかし、愛する人を取り戻すという目的に邁進する御坂美琴の努力はとどまる事を知らず




美琴「うおりゃああーー!! 限界を超えろ、私のパーソナルリアリティー!!!」カッ!!


木山「人は限界を超えたら死ぬのだがね。というか気合いで『自分だけの現実』は強化されない」

黒子「ですが地道な努力こそが、今のお姉様を形作ってるわけですし」

ステイル「科学だけでは限界を超えられない、か。だったら魔術理論を組み込んで、相反する力場を……」ブツブツ

黒子「マッドな発想はやめてくださいましー!?」

木山「なるほど危険な試みだ。では、記憶や経験を失っても平気なようにMNWへバックアップを……」ブツブツ

黒子「ああっ、こちらからも不穏な単語がちらほらと!?」




大好きな人と作る未来に想いを馳せながら




黒子「正直お二人なら引く手数多でしょうに。上条さんや例のシスターさんを諦めたほうが幸せになれるかもしれませんわよ?」

美琴「はあ?」

ステイル「何を言ってるんだ君は」ヤレヤレ

黒子「……一般論を申し上げている私が、何故珍奇な動物を見る様な視線に晒されていますの?」

ステイル「極上を知っていながらそこらのB級品で妥協しろと?」

美琴「ごめんね黒子。私もアイツじゃなきゃダメみたい」

黒子「あーはいはい、私が浅はかでございましたわ」ゲンナリ




御坂美琴は順調に、その能力と勢力を増していった。



そんなある日



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!



美琴「な、なに!?」

ステイル「この揺れ……この魔力反応はまさか!!」

黒子「何か心当たりがありますの!?」

ステイル「恐らく、あの子と上条当麻が……戦っている」

美琴「ええっ!?」

黒子「あの殿方の記憶は改竄されているのではなかったんですの!?」

ステイル「何かの拍子に戻ったのかもしれない。だがこのままでは……」

美琴「このままでは?」

ステイル「世界が終わる」

黒子「な、なんですってーーっ!?」



白井黒子の絶叫。そこで世界は一度目の終わりを迎えた。






そして始まる二回目の世界


美琴「あぶぶぶぶ……」ブクブク

幻生「おかしいな。ミサカネットから抽出した負の感情が強烈すぎたのか?」

美琴「うう……頭が割れそう……ここは?」

幻生「ひょ?」

美琴「あ、アンタは!!」ビリッ!!


バチンッ!!


幻生「ぎゃあああああああああ!?」シビビビビ!!


美琴「ったく、性懲りも無く私の前に現れるなんていい度胸ね、ってあれ? なんで常盤台の体操着、ていうか無い!?」


幻生「な…にが…かね……?」プスプス


美琴「母譲りの『ナイスバディー』がしぼんでるぅぅーーーー!?!?」ガビーン


幻生「……データによると君のカラダは一般的に貧相といえる程度だったはず…」


美琴「ねぇ、死体蹴りって知ってる?」ニッコリ


幻生「ま、待ちなさい! いたいけな老人に何を…」


美琴「うっさい!! 誰が貧相だこらーーーー!!!」ビリビリッ!!!


幻生「ギャン!?」シビビビビ!!


美琴「ふんっ、口は災いの元だと覚えておくことね」



御坂妹(10032)「お、お姉…さま……?」フラフラ


美琴「ちょ、大丈夫!? アンタ妹達のようだけど……え、まさかこの状況って」


美琴「木原幻生にウイルスを仕込まれたこの子……これって過去の出来事だよね」

御坂妹「ハァハァ……」グッタリ

美琴「ッ、考えてる場合か! ちょっと待ってなさい。すぐにカエル医者のところへ連れて行くから」


上条「御坂っ!!」


美琴「うえっ!? なな、なんでアンタがここに!?」

上条「遠目にこのビルの屋上がヤバイ感じだったから見に来たんだけど。何ともないのか?」

美琴「え、ええ。この子を利用しようとした科学者をやっつけただけだから」

上条「御坂妹を!? つーかグッタリしてるじゃねえか!」

美琴「……(アイツが……当麻がいる)」

上条「俺が背負うから病院へ……どうした御坂?」

美琴「あ、ううん、何でもない。アンタが来てくれて良かったと思っただけ」ポロポロ

上条「そうか、って号泣してるー!?」

美琴「ほ、ほんとに……なんでも……な、ないんだから……」ポロポロ

上条「よ、よぉーし! 上条さんが来たからにはもう安心だ! だからお願い泣きやんでーーー!?」オロオロ

美琴「うっ、うっ……」ポロポロ



こうして再会を果たした二人は、また同じ道を歩き出す。後ずさりまた一歩、変わらない想いと共に。




◆◆◆◆



???――


総体「てな感じで二回目が始まるんだけど/return」

美琴「結局、一回目と同じ結末を辿るのよね。……10030回も」

総体「まあねー/return。絶対的な戦力差がある以上、お姉様に出来るのは地道な自己研鑽しかなかった/return」

美琴「幸い記憶を継承できたからね。ホント、ミサカネット様々だわ」

総体「上条ちゃんが記憶を思い出して破局するたびに、シスターさんが世界を巻き戻してると気付いたのも大きいよ/return」

美琴「流石の白き魔神も、アンタのような存在は想定外だったんでしょ」

総体「ところで前回は散々だったねぇ/return」

美琴「フフン、あれは今回の為の布石よ。祈りも運命も神様も、私には必要ない」

総体「努力と経験と仲間を束ねてきたお姉様だもん/return。今回はきっと勝てるよ/return」

美琴「あったりまえよ!」

総体「そうそう、ステイルたいちょーからの餞別、『カバラプログラム』をお姉様の中にインストールしておいたから/return」

美琴「完成してたんだ……。うん、これがあればあの子と正面からやりあえる!」

総体「じゃあ早く起きてミサカを助けて早くーーー!!!/return」アセアセ

美琴「どういう事?」

総体「現在進行形で白い悪魔の追跡をうけてます! おーるゆーにーどいずきる!?/return」ギャース

美琴「そういう事は、もっと早く言いなさいよーー!?」ガビーン



◇ ◇ ◇ ◇


エンデュミオン 最上階――


美琴「こうしちゃいられない!」ガバッ

食蜂「み、御坂さん? そんないきなり起き上がって平気なの?」

美琴「心配してくれてありがと。でも急がないといけないから」ダダッ


浜面「あの御坂が……」ポカーン

食蜂「何の気負いも無く、私にお礼をいったぁ……」ポカーン


エンデュミオン 中層――



アウ「この無様な童貞どもが。分際を思い知ったか!!」

テッラ「『光を掲げる者』ともあろう人が、本当に無様ですねー」


垣根「クソがぁッ!!」

上条「手も足も出ねえ。何か切欠さえあれば……!」


アウ「必然、そのようなご都合主義は起こり得な…」

テッラ「アウレオルス! 上です!!」ハッ!?

アウ「…は?」



御坂妹「スーパー稲妻ぁぁ……キィィィィィィィィィィィック!!!!/return」ズギャァァァァァァン!!!



ドグシャッ!!!



アウ「ごっ、がああああああああああああああああああああああああ!?!?」グチャ

テッラ「ぐううう!! 凄まじい威力ですねー」


御坂妹「へへん、頭がお留守だぜげほあッ!?/return」オロロロロ


上条「御坂妹おおおおお!?」ガビーン

垣根「スゲェ……あのクソ野郎をミンチにしたかと思えば大量吐血してやがる」



上条「どんだけ無茶してんだよオマエ!?」

御坂妹「むう、このボディーはひ弱過ぎて困る/return」

上条「ああッ、お前はあの時の! テメエ、御坂妹のカラダ乗っ取って何してんだ!」

御坂妹「必要だったんだよ/return。欠けたピースを、お姉様に届けるにはね/return」

上条「欠けたピース……? お、お前まさか……」

御坂妹「しっかり受け止めてやんなよ?/escape。10032回目の正直ってヤツなんだからさ/return」

上条「ああ、わかってる。……つーかさ、俺の時は直接脳内に語りかけたよね?」

御坂妹「じゃあ後は任せた/return。そろそろチケットの有効時間も限界みたい/return」

上条「おまっ、無茶する必要ゼロだったんだな!?」

御坂妹「じゃあねバイバーイ/return。…………ハッ!? ミサカは一体何を……?」

上条「あのヤロウ、やりたい放題して帰りやがった!」

御坂妹「うぐっ、い、痛い、痛いです、とミサカは涙目で泣きごとを言います」グッスン

上条「ぎゃあ、泣かないで!? 痛いの痛いの飛んでけー!?」ヨシヨシ

御坂妹「一方通行にボコられた時の百倍痛い……とミサカはかつて無い激痛に失神寸前です」

上条「少しは加減しろよ悪のネットワーク!?」

御坂妹「うう、失神してもすぐさま激痛で覚醒してしまう、とミサカは地獄を訴えます……」メソメソ

上条「誰かーー!! 救急車かお医者様を呼んでーーー!?」



禁書「…………」←追いついたけど御坂妹が可哀想で手が出せない



垣根「何やってんだアイツら……」

テッラ「おおっ、敵にも関わらず傷ついた者に向ける慈悲っ! 盟主インデックスの器は計りしれませんねー」


禁書「と、とうま?」オズオズ


上条「今立て込んでるから後にしてくれ! すぐにカエル顔の先生のとこに連れてってやるからな!」

御坂妹「敵の大将を討ち取る絶好のチャンスを見逃すのですか……? とミサカは暗に戦えと訴えます」

上条「言うとる場合かーー!?」

御坂妹「あのシスターを撃滅できるなら、この痛みにも耐えてみせます、とミサカは決意表明しました」



美琴「いいえ、アンタは当麻と一緒に病院へ行くの」シュタッ



禁書「短髪……ッ」


御坂妹「お姉様……?」

上条「……やれるのか?」


美琴「勝てる気なんてしないわ。でも――負ける気はもっとしないわね」ニッ


上条「御坂妹、しっかり掴まれよ」ヒョイ

御坂妹「い、いけません。お姉様を置いていくのは認められない、とミサカは…」

上条「御坂は俺に嘘を吐かない。だからここを任せても大丈夫だ」

御坂妹「…………」

上条「垣根! 状況が変わった、離脱するぞ!」

垣根「あ、ああ」

うあ、寝落ちしてた



美琴「さて、これでサシの勝負ができそうね」



禁書「テッラ、下がって」

テッラ「ハッ」スゥゥ……



美琴「乗ってくるんだ?」



禁書「逃げる理由がないからね。多少強さが増しているみたいだけど、まだまだ私には遠く及ばないかも」



美琴「それはどうかしら? ――『カバラプログラム』セットアップ」



ドドドドドドドドドド



禁書「カバラって……ッ、この禍々しい気配は!」



美琴「ミサカネットワークを媒介にマハーカーラ、解放……オン・マケイシヴァラヤ・ソワカ」ゴゴゴゴゴゴゴ



禁書「そ、そんな馬鹿な! ただの人間風情が破壊神の力を制御するなんて!?」



美琴「目には目を、歯には歯を、魔神には魔神をってね」



禁書「短髪が私を打倒する可能性が生まれたというの!? そんな……そんな事あってはならないのに!」



美琴「これでアンタと同じ土俵に立った。やられた分は、やり返させてもらうわよ」


といったところで今回は終了
次回ミコっちゃん無双回。あとはインデックスさんの事情回と決戦回をやったらおしまいかなー?

そしたらほのぼのSS 月極図書館インデックスちゃんを書くんだ……

投下ー


◆◆◆◆



学園都市某所 とある研究所――



美琴「――ミサカネットワークにある代理演算のログと、一方通行のパーソナルリアリティをエミュレート」ブツブツ

ステイル「また不穏当な独り言を始めた……」

美琴「ベクトル変換を用いれば疑似的な重力操作も可能か……? けど根本的な出力不足をどうやって解消すれば」ブツブツ

ステイル「重力を制御したところでどうなる。あの子に通用するとは思えない」

美琴「鉄壁の防御を誇る相手の倒し方って知ってる?」

ステイル「……まず防御を崩す。それから…」

美琴「はい不正解。そんな悠長なことしてる間に、高火力な魔術で消されちゃうわ」

ステイル「まあ、そうだろうね」

美琴「だから美琴センセーは考えました。防御なんて破らなくていいと考えるの。防御ごと天に滅してしまえばいいさってね」ドヤッ

ステイル「天に滅するだって!? 君は彼女を殺すつもりか!?」ガビーン

美琴「平気よ、一回くらい殺したところで死にやしないわよ、あのシスターは」

ステイル「矛盾に満ちた言葉なのに絶大な説得力を感じる……!」

美琴「よし、ステイルさんの了解を得た事だしすぐにインドへ飛ぶわよ」

ステイル「嫌な予感しかしないが一応聞こう。……何を考えている理事長?」

美琴「ちょろっと破壊神をゲットしに、ね」ニッコリ

ステイル「色々と待て」

美琴「世界を破壊するってキャッチコピーに偽りが無ければ、チートシスターを一回殺す程度の出力は確保できるでしょ」

ステイル「君はバカか!? 仮に首尾よくいったところで、超能力者にシヴァ神を制御する術がない!」

美琴「えー、そこはステイルさんの担当でしょう?」

ステイル「えっ?」

美琴「新たなルーン文字を開発したみたいに、こう……ぱぱっと制御術式を作っちゃってよ」

ステイル「僕は便利な蒼いタヌキじゃないんだがね……」

美琴「なるほど、だったら赤から青に塗りかえれば完璧ね」スッ

ステイル「おい、その手に持った青色のスプレー缶は何だ? 大概にしとけよクソ理事長」

美琴「あはは、冗談よじょーだん。さ、時間が勿体ないから急ぎましょ」ケラケラ

ステイル「ハァ、我ながら度し難いが敢えて言おう。不幸だ……」ゲンナリ



◆◆◆◆


開戦の狼煙は、インデックスが放つ大魔術による飽和攻撃だった。

炎熱

氷雪

轟雷

風刃

純粋魔力

あらゆる属性魔術を間断なく美琴へ叩きつける。そのどれもが一撃必殺の威力を秘めていた。


禁書「あってはならない! 私を脅かすような存在なんてあってはいけないんだよっ!!!」


普段の涼しげな態度などかなぐり捨て、インデックスは自身の最も頼りとする術式を展開する。


禁書「最終章第0節! 神に仇なすモノへ絶対の死を!!!」


空間が軋み、割れ、そこから赤熱するドラゴンが顕現する。


禁書「聖ジョージの悪竜よ。その忌まわしき力で短髪を粉砕するんだよ!!」





ジュワッッ!!!





ドラゴンの咆哮と共に、全てを融解させる不快な爆音と圧倒的な閃光が辺りを包む。




禁書「あはっ、アハハハハハ!! やった……! ついに短髪を葬ってやった!!!」


閃光が収まったあとには、何も存在していないはず。インデックスは勝利を確信していた。


禁書「破壊神の力も、振るう前に殺されては意味がな…ッ!?」



瞬間、美琴へ放ったはずの『竜王の殺息』が、そっくりそのままインデックスへ返ってきた。



禁書「くうっ!!」


咄嗟に身を捻り直撃を避ける。


禁書「反射された……? いいえ、今の『竜王の殺息』には数百億種類の質を持たせていた。反射なんて不可能なんだよ!」




美琴「ちっ、直撃して蒸発すればよかったのに」




禁書「殺すつもりだったの!? 無益な殺生は許されないかも!!」




美琴「お前がいうな!!!」



CASE 33 ダークプリズン 後編



美琴「それにしても、流石の白き魔神も少しは肝を冷やしたみたいね」


禁書「ふ、ふん! ちょっと驚いただけ! 直撃しても問題ないんだよ!」


美琴「『アストラルシフト』だっけ」


禁書「とうまにだって破れない最強無敵の防御魔術だよ。残念だけど当然、短髪如きでは私を倒すなんて不可能かも」


美琴「じゃあ試してみよっか?」ニッコリ


禁書「ふぇ?」


美琴「ワームスマッシャー」


ズオオオオオオオオオオオ!!!!!


禁書「な、なにこれ!? そこらじゅうに黒い穴が開いた!?」


美琴「さっきあんたの魔術をはね返した技の応用よ。黒コゲになりなさいッ!!!」ビリビリッ!!


ズバアアアアアアアアン!!!!


禁書「ぎゃあ!!! 黒い穴から電撃ぎゃぎゃがやぎゃ!?!?」シビビビビ


美琴「あっはっは!! 踊れおどれー! 無様に醜く死のダンスを踊れー!!」


禁書「とうまー!? 短髪が邪悪な本性を露わにしてるんだよーーー!?」ギャース



美琴「邪悪?」ハテ?


禁書「ついに馬脚を見せたね! とうまの前では猫を被っていても私はマルっとお見通し…」


美琴「そりゃ邪悪でしょうよ。だってこれは私闘だもん」


禁書「……あれ?」


美琴「最愛の人を奪われた無様な女の仕返し。今更取り繕うつもりはないっつーの」


禁書「え、えっと」


美琴「私は聖人君子じゃない。ましてや正義のヒーローでもない」


禁書「うそなんだよ! じゃあなんで一度もとうまを取り戻しに来なかったの!?」


美琴「……まさか学園都市や妹達の安全のために泣き寝入りしてたとでも思ってる?」


禁書「えっ、だ、だって……」オロオロ


美琴「確かにそれもある。あるけど一番の理由はね」


禁書「り、理由は?」


美琴「クソむかつくアンタを、この世から確実に抹消する方法を模索し続けてたからよ!」デーン


禁書「胸を張っていうことではないかも!?」ガビーン


美琴「アンタが売った、私が買った。上条美琴、一世一代の大喧嘩よ」


禁書「くッ、とうまは渡さな……って誰がかみじょうなのかなっ!?」ギリッ


美琴「ヒーローとヒロインが幸せになってこそハッピーエンドでしょーが。悪い魔女は退治されるって相場は決まってんのよ」



禁書「この私が悪い魔女だというの!?」


美琴「それこそ今更でしょ。外道に堕ちたアンタにヒロインは荷が勝ち過ぎてる」


禁書「残忍で狡猾な素敵ヒロイン属性は、私にこそ相応しいというのに!!」


美琴「残念で迂闊な滑り台ヒロイン属性?」


禁書「サラッと改悪された!?」


美琴「長い時間をかけて高いとこまで登ったんだものね。私が背中を蹴っ飛ばしてあげるから、心置きなく滑り落ちなさい」ニッコリ


禁書「いやっ!! 絶対に滑り落ちたりしないんだよ!」


美琴「抵抗は無意味よ」


禁書「そっちこそ無駄な事はよすべきかも! 破壊神の力を上乗せした電撃でも、私に傷一つ負わせられなかったでしょう!」


美琴「電撃、ね。この世界には大きく分けて四つの力があるのは知ってる?」


禁書「へ?」ハテ?


美琴「『強い力』『弱い力』『電磁力』『重力』の四つ。電磁力が私の本領なんだけど、とある方法で疑似的に重力も使えちゃったりすんのよねー」


禁書「む、難しい科学用語で私を混乱させるつもり!?」


美琴「そう難しい理屈でもないわよ。重力は電磁力より遥かに脆弱なのよ。最弱の力といってもいい、……ただし、数の暴力が加わればその限りじゃない」


禁書「?」


美琴「臨界を超えた大質量から発生する重力崩壊は、特異点……つまりブラックホールを形成するのよ。こんな風に」



ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!



禁書「ふーん、全然わかんない。そんなちゃちな黒い玉で何が出来るというの?」


美琴「多数の特異点から生じるロシュ限界は、万物全てを原子の塵へ還す。時空すら蝕みながらね」


禁書「ろ、ろしゅ?」


美琴「これがアストラルシフト攻略の解よ。――ブラックホールクラスター、発射っ!!!」



グオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!



禁書「いいよ、試してあげる。ぶらっくほーるとやらが、私に届かない様をその目に焼き付け……えっ」



グゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!



美琴「フフフ、どうしたのかしら?」



禁書「な、なんなの!? 退避先の次元とこちら側の繋がりがbgydlupqlme!?」ジジジジジジ



美琴「言ったはずよ、ブラックホールは時空すら蝕むって」



禁書「そんなamktrdgこれじゃあypcxfes時空の迷子uxwnjz!?」ザサ、ザザザザザ



美琴「確かにアストラルシフトは無敵だけど、避難先の世界とこちらの世界の繋がりを局所的に寸断してしまえば……」



禁書「謀ったね短髪!! このような結末、私は認め――」プツン



美琴「かつてのオティヌスと同じ次元の迷子の出来上がり。これが完全勝利、命を奪うなんて三流のすることよ」ニッコリ



テッテレー



御坂美琴は、スマートにインデックスをやっつけた!!



とある並行世界――



禁書「ぐぅぅ……!! してやられたんだよ!」

禁書「だけどこのまま終わる私ではないかも。すぐに元の世界に帰還して…………ラインが切れてる。えっ、も、戻れない!?」

禁書「おお、おちっ、落ち着くんだよ! 冷静に、冷静になるんだよ。KOOLになれば大丈夫」





美琴「ねぇねぇ!」

上条「はいはい、今度はなんだ?」

美琴「昨日ね、美味しいって評判のケーキ屋さんを佐天さんに教えてもらったの」

禁書?「ケーキ!?」

上条「あー、そこへ連れてけと?」

美琴「うん!」

禁書?「とうま! これは天の思し召しかも。私は敬虔なシスターとして行かざるを得ないんだよ!」

上条「……えらく都合の良い思し召しだな」

美琴「だってケーキ食べたいもん。ねー」

禁書?「ねー」

上条「わかったわかりましたよ。でも夕飯前だから一個だけだからな」

禁書?「ええっ!? たったの一個なの!?」ガビーン

美琴「じゃあ半分こしましょ。それなら二種類楽しめるでしょう?」

禁書?「ナイスアイディアみこと!」パァァ






禁書「あ、あれは……この世界のわたし……?」プルプル


テッテレー


インデックスさんは、次元の迷子になり帰還不能になってしまった!


ところ変わって元の世界


学園都市 第七学区 とある病院――



冥土帰し「血管と筋組織に酷いダメージを負っていたが、もう大丈夫だね?」


上条「ありがとうございます。御坂妹、痛いとこは無いか?」

御坂妹「はい……とミサカは正直に頷きます」


冥土帰し「二日ほど入院して経過を見よう。じゃあお大事にね?」テクテク


上条「上条さんは入院グッズを取りに一旦帰りますかね」

御坂妹「待ってください。そんな事よりお姉様を、とミサカは…」

上条「心配性だなぁ、御坂妹は。さっきも言ったけど御坂なら平気だよ」




美琴「そうそう、少しは姉を信じなさいよね」




御坂妹「!」パァァ

上条「信じてますとも」ニッ




上条「ところで、インデックスは?」


美琴「倒したわ。今頃、無数にある並行世界のどこかを彷徨ってる」


上条「そっか」


美琴「長かった……本当に長かった」


上条「御坂……」


美琴「どんなに手を尽くしても全部終わったあとで、もう二度と同じ時間を過ごせないと思ってた」


上条「ごめんな、気付くのが遅すぎだよな」


美琴「ううん、いいの。アンタが私を信じてくれたように、私もアンタを信じてるから」


上条「ああ」


美琴「でも、今だけは……泣いても、いいよね……?」ポロポロ


上条「当たり前だろ。俺が傍に居るから、気が済むまで泣いていいんだ」


美琴「~~~~~~~ッ」タタッ


上条「さあミコっちゃん! 上条さんの胸に飛び込んでおいで!」




美琴「会いたかった……! 生きててくれて本当によかった……!」ギューッ

御坂妹「はい?」





上条「あ、あっれー?」スカッ





御坂妹「お姉様? とミサカは全力で抱きしめてくる姉に困惑します」

美琴「ごめんね、情けない姉でごめんね……! いつだって手遅れで、後悔しか出来なくてごめんね……!」ポロポロ

御坂妹「貧乏すぎて頭の具合が手遅れになりましたか? とミサカは脳に栄養が足りてなさげな姉を心配してみます」

美琴「うっうっ……」ポロポロ





上条「解せぬ……ここはようやく再会を果たした恋人同士の熱い抱擁の場面のはず!」ムムム



テッテレー



ミコっちゃんは、主観時間で10031回ぶりに御坂妹(9982号)と再会を果たした!

御坂妹は、姉の奇行に混乱した!

上条当麻は、ヒロインに華麗にスルーされた!!

ついでに童帝(上条当麻)と鋼鉄の処女(記憶を継承した御坂美琴)が出会った事で童貞術式は解除された!!



スクールのアジト――


垣根「やれやれ、制裁はこんなもんでいいか」



心理定規「」ピクピク

ゴーグル「」ピクピク



垣根「今日限りでスクールは解散だ。別の組織に移籍するもよし、足を洗うのもよし、お前らの好きにしろ」



ゴーグル「童貞を馬鹿にしてたら無職になっちまったッス……」ボロボロ

心理定規「あ、あなたはどうするの?」ボロボロ



垣根「さてな。上条のとこに行けば退屈せずに済みそうだが、どうしたもんか」ニヤリ




◇ ◇ ◇ ◇




第七学区 窓のないビル――


ローラ「なんとか白い悪魔の魔手から逃れられたり。生きてるって素晴らしきかなね!」

エリザード「それは重畳。しかし気が利かんのう。茶ぐらい出したらどうだ?」


アレイ☆「私の城に厄介者が転がり込んできた……これでは老人ホームではないか!」


エリザード「堅い事を言うな。世代交代を終えた老人同士、仲良くしようではないか」ケラケラ

ローラ「黒蜜堂のモンブランを所望するわ! はよう用意したもれなのよー!」


アレイ☆「不幸だ……」ゲンナリ



とある学生寮 一方通行さンち――


神裂「――そうですか、あの子が」

ステイル「顛末は上条当麻に聞いた。結局何も出来なかった。その機会すら与えられなかったというのは辛いね」

神裂「そう、ですね……」

ステイル「まあ心配は無用かもしれない。彼女の能力を考えれば、どこの世界でだって…………あ」

神裂「……碌な事をしないのは想像に難くありません」

ステイル「なんて事だ……! 使用済み核燃料を隣のうちにポイ捨てしたようなものじゃないか!?」ガビーン

神裂「あなたも十分酷いと思います」



土御門「いやぁ、それにしてもスズやんが非童貞だったとは驚きぜよ」

オルソラ「ッ!? そ、それは本当でございますか!」

土御門「んー? オレはてっきりオルソラがお相手だと…」

オルソラ「そのような破廉恥な行為はいたしておりません!///」カァァ


一方通行「ハァ? 毎日のようにしてただろォが」シレッ


オルソラ「一体なにを……そ、そんなはずございません!!///」

土御門「……なあスズやん。赤ちゃんはどこから来るか知ってるか?」


一方通行「男と女が同じベッドで寝たらコウノトリが運んで来るンだろ? ガキの頃、木原くンに習ってンだっつの。バカにしてンのかァ?」


オルソラ「……///」テレテレ

土御門「ぶふっ! く、くくく……スズやんは、今のままのスズやんでいてくれ」プルプル


一方通行「?」ハテ?



学園都市某所――



アウ「おおっ、なんという事だ!」

テッラ「まさか盟主インデックスが敗北を喫するとは思いもよりませんでしたねー」

アウ「憤然っ!! 悠長に構えとる場合か!」

テッラ「わかってますよ、すぐにでもお救いせねばなりませんねー」

アウ「手はあるのか?」

テッラ「ええ、有りますとも。思い出してください、盟主インデックスが取り込んだ『神の力』の存在を」

アウ「ッ、そうか! その手があったか!!」

テッラ「四属性は互いに干渉し合い、かつ不可分な存在です。幸い、私にも『神の薬』が宿っていますのでね」

アウ「ではすぐにでも…」

テッラ「まあ待ちなさい、まだその時ではない。確実に事を成すにはタイミングが重要なんですねー」

アウ「ぬぅ、仕方あるまい」

テッラ「盟主インデックスをご帰還させる術式は降誕祭に行います。万全を期すなら復活祭にあわせるべきなんですがねー」

アウ「唖然、そんなに長く待てるものか!」

テッラ「私も同じ思いですよ。では密やかに準備を進めますかねー」

アウ「毅然、今しばらくお待ちください。必ずや、我々がお助けします……!」キリッ



テッテレー



インデックスの愉快な仲間たちは健在だった!!

といったところで今回は終了
もうちょろっとだけ続くんじゃよー

投下でありんすー


白き魔神の脅威から解放された翌日、学園都市は変わらない日常を刻んでいた。


不良A「死ねおらァ!!」

ブンッ!

浜面「話を聞けって。何もパクろうってんじゃねぇよ。ただ他の人間に迷惑をだな…」ヒラリ

不良A「舐めてんじゃねえぞ!!」

ブンッ!

浜面「っと、危ないだろ」ヒラリ

不良A「クソッ、なんで当たらねーんだよ!」


不良B「どいてろ! 俺の能力で焼き払ってやる!」

不良C「あーあ、お前死んだぜ? なんたってコイツは強能力者(レベル3)の『発火能力(パイロキネシス)』だから…」

浜面「遅せえ」シッ

ドゴッ

不良B「かはッ!?」


不良A「は……?」


浜面「次っ!!」ガシッ

不良C「は、はなせ…」

ゴシャ

不良C「ガッ!?」


不良A「一瞬で二人も……お、お前、一体なんなんだよ!?」


浜面「ただの歯牙ない公務員だよ。さあ、警備員の詰所まで来て鬼軍曹の説教を受けてもらおうか」ニッ



◇ ◇ ◇ ◇



黄泉川「へくちッ!!!」

鉄装「風邪ですか先輩?」

黄泉川「風邪を引くほどヤワではないじゃんよ。どこぞの悪ガキが噂してるんだろ」ヤレヤレ


学園都市 第七学区 とあるファミレス――


浜面「これで三件目の支援要請完了っと。ったく、捕まえても捕まえてもキリがないな」

初春「お疲れさまです、浜面さん!」

浜面「おう、初春もお疲れさん」

初春「スゴイです! 強能力者までいたのに、たった一人で全員捕まえちゃうなんて!」

浜面「毎日鍛えてるからな。それと少し落ち着け」

初春「は、はい……///」



半蔵「なーにが鍛えてるだ。浜面の野郎、最近調子に乗り過ぎじゃね?」

駒場「……うむ」ポチポチ

半蔵「俺らも影に日向に協力してるってのに。……ん? それって忍としてどーよ?」

駒場「……中学生を誑かすのは感心せん」ポチポチ

半蔵「そうだそうだ! つかテメエ、この前の合コンでジャージの可愛い子をお持ち帰りしてたじゃねーか!」ガァァ

駒場「うらやま……けしからんな」ウン



浜面「人聞き悪いこと垂れ流してんじゃねえよ!? 俺が、あの女に、持ち帰られたんだ!」

初春「オモチカエリってなんですか?」ハテ?

浜面「お前は知らなくていいんだ。いつまでも純粋で優しい初春でいてくれ」キリッ

初春「は、浜面さんが望んでくれるなら……///」テレテレ



半蔵「うがあああ!? なんだあの雰囲気イケメンは!」

駒場「…………」ポチポチ

半蔵「って、さっきから誰とメールを……あ! いつぞやの金髪幼女だな!?」

駒場「知らんな……」ギクッ

半蔵「ちっくしょう、どいつもこいつも! 別に羨ましくないからな、このロリコン共め!」ケッ


学園都市 木原くんの研究室――


上条「近頃、急に肌寒くなってきたのぅ」

美琴「もう秋本番だもの。河川敷のコスモスが綺麗に咲いたそうよ」

上条「ふむ、今日は天気も穏やかだし、散歩がてらコスモス見物と洒落込もうか」

美琴「まあ、それは大層風雅なことね」ニコニコ


木原「どこのジジイとババアの会話だ。いきなり老けこんでんじゃねえよ」


美琴「品のある会話と言ってちょうだい。これだから風情を解さない科学者は」

上条「そういえば、なんで上条さんたちはここに居るんですかね?」

美琴「電撃使いの能力を応用したファイブオーバーを完成させるため。端的にいえば、浜面さん用の秘密兵器ってヤツ」


木原「使用者への負担を度外視した欠陥品だったんだがねぇ。おい第三位、どっから改良品の設計図を持ち出しやがった?」


美琴「それは企業秘密ってことで」ニッコリ


木原「ま、いいけどよ。カタログ通りの性能を発揮できれば、俺としても文句はねえよ」


上条「ふ~ん、新型の駆動鎧なのか。ぶっちゃけ強いの?」

美琴「コンセプトはワンマンアーミーだからね。鍛え抜かれた肉体の持ち主が使えば、法皇級魔術師が相手でも遅れはとらないわ」

上条「……過剰戦力じゃない?」

美琴「勝って兜の緒を締めよ、っていうでしょ。あれで終わるような相手とは思ってないもの」

上条「…………」

木原「ホラー映画でありがちなパターンかよ。倒したはずのバケモノがENDクレジットのあと……グワッってな」ニヤニヤ

上条「拝啓インデックス様。お願いですから遠い異世界で幸せを掴んで骨をうずめてください切実に!!」






ところかわって異世界




上条当麻の切なる願いとは裏腹に、最強の魔神は全力で帰還を求めていた





復刻版 とある異世界の上琴目録&番外幻想



CASE 01 魔神皇帝 vs 魔法少女


美琴「ねぇねぇ!」

上条「はいはい、今度はなんだ?」

美琴「インデックスが分裂しちゃってる!? いや、それともクローンか!?」アワワ

上条「え?」チラッ



ω禁書「さっきから見てれば何なのかな! どーして短髪なんかと慣れ合っているの!?」ギャアギャア

禁書「みことは大切な親友なんだよ! そーいうあなたこそ何者なの!?」ギャアギャア

ω禁書「フフン、私こそは魔術世界、いいえ、世界を統べる神聖インデックス帝国の初代皇帝、魔神インデックス様なんだよ」デデン

禁書「し、神聖!?」ガビーン

ω禁書「魔神でありながら皇帝、さながらマジンカイザーとでも言うべき至高の存在かも」

禁書「わたしの姿で恥ずかしいこと言わないでー!?///」ギャース

ω禁書「魔神ですらないあなたには解るまい。そう、私は全ての異世界同位体を凌駕した至高のインデックス! 魔神皇帝ωインデックスと呼ぶといいかも!」



美琴「お、おめがいんでっくす……」プルプル

上条「魔法少女の次は魔神皇帝だぁ? インデックスさん、あなた少しばかりアニメに毒され過ぎてやいませんかね」

美琴「ぶふぉ!?」



禁書「とうまー!? 古傷に塩を塗り込むのはやめてぇぇーーー!!!///」

Ω禁書「ほほう、流石腐っても私なんだよ。魔神より格は落ちるけど魔法少女とは侮れない」

禁書「~~~~~ッ///」カァァ



CASE 02 事の発端


美琴「ねぇねぇ」

上条「はいはい、今度はなんだ?」

美琴「結局、あっちの妙に尊大なインデックスは何なのかしら」



禁書「むぅ、ちゃんと実体があるし、ドッペルゲンガーでもなさそう」

ω禁書「一言でいえば、私はあなたの異世界同位体かも」

禁書「ッ! 並行世界の住人だと言うの!?」

ω禁書「そうだよ」

禁書「嘘なんだよっ!! そんなの魔神でもない限り干渉はおろか観測だって…………ま、まさか」

ω禁書「さっき言ったでしょう? 真の魔神たるこの私になら造作も無いことなんだよ」

禁書「な、何が目的なの? 並行世界への干渉がどれ程の弊害をもたらすか知らないとは言わせないよ!」

ω禁書「私にとっても今回の干渉は不本意なんだよ。……忌々しい短髪のせいでッ」ギロッ



美琴「すっごい睨まれてるんですけど……」

上条「お前ら仲良くしろよ。世界が違っても、二人が親友なのは変わらないだろ?」



ω禁書「そんなわけないんだよ! 短髪は不倶戴天の敵なんだよ!!」ガァァ

禁書「違うもん! みことは敵じゃないもん!!」ガァァ

ω禁書「ッ……私だって、最初からここまで敵視してなかった。そう、あの時まではね!」

禁書「あの時?」ハテ?

ω禁書「あれは一回目の時間で、とうまから短髪と結婚すると告げられた屈辱の日の出来事だった」



美琴「けっ、けこ、けこけこけここッ!?!?///」プシュー!

上条「ほう、結婚とな?」


CASE 03 その日


◆◆◆◆


禁書「とうまと会うのも久しぶりだね♪」

上条「お互い忙しいからなぁ。仕事は上手くいってるか?」

禁書「心配無用かも。ステイルと かおりが補佐してくれるからね」

上条「そっか、それなら安心だ」

禁書「とうまこそ大丈夫かな? 私がそばに居ないと、とうまは何も出来ないから心配なんだよ」

上条「何言ってやがりますか。上条さんが居ないとメシの一つも満足に作れないのはどこのシスターでしたっけ?」

禁書「私は食べる専門だからいいの!」

上条「フフン、俺だって今では食べる専門にクラスチェンジを果たしましたよ」

禁書「……その若さで養われてるの?」

上条「なんでそうなるんだよ!? 俺は御坂のヒモじゃねえ!!」

禁書「えっ」

上条「御坂と婚約したから同棲してるんだよ! 少し前にプロポーズしたばかりだけどな」

禁書「…………」

上条「だから上条さんはヒモではありませぬ。どうだ、まいったか」ドヤッ

禁書「お、おめでとう……とうま」

上条「サンキュー。近いうちに式を挙げるから、絶対に参加してくれよな」

禁書「当然なんだよ。友人代表のスピーチは、私以外に務まらないからね」

上条「ああ、頼むぜ。インデックスなら安心して任せられるよ」

禁書「うん……本当におめでとう、とうま」


CASE 04 独白


上条「なあ、本当に晩飯食っていかないのか? 御坂の飯はおいしいぞー」

禁書「ごめんね。せっかくだけど仕事に戻らなきゃだから」

上条「う~ん、仕事なら無理強いできないか」

禁書「また今度ごちそうになるね」

上条「あんまり無理すんなよ。この右手が必要なら遠慮せず頼ってくれ」

禁書「うん」



――――



禁書「とうまと短髪が結婚かぁ…………あーあ、振られる前に終わっちゃった」

禁書「でも短髪なら、……みことが相手なら仕方ないね。みことならとうまを任せられるんだよ」

禁書「…………」

禁書「そう、頭では理解してるんだよ。でもそれで納得できるほど単純な恋ではないんだよ……」

禁書「私にだってチャンスはあった……」

禁書「でも無数の可能性の中から、私自身が選び取った結果なのだから受け入れないと……」

禁書「…………」

禁書「私がとうまと結ばれる可能性……」

禁書「私は魔道図書館の全てを扱える魔神。みだりに力を使ってはいけないけれど……ちょっとだけ」

禁書「ちょっとだけなら、幸せな夢をみてもいい……よね?」


CASE 05 アカシックレコード


禁書「――『絶対運命(アカシックレコード)』への接続を確認」

禁書「えっと」


一方通行「オイ、こンなところで何してる」


禁書「ひゃあ!?」ビクッ

一方通行「あン? オマエは上条ンところの暴食シスターじゃねェか」

禁書「そういうアナタは白い人! アレイスター=クロウリーとの決戦で戦死したはずじゃ……」

一方通行「バッチリ死ンでる。けどよ、一遍世界を救った程度じゃ俺の罪は償いきれないらしい」

禁書「え、じゃあここは地獄!?」

一方通行「いや、ここは『絶対運命(アカシックレコード)』。俺はその管理人をやってンだ」

禁書「管理人って……ええっ!?」ガビーン

一方通行「面倒くせェ事この上ないぜ。しかも時給たったの255円とか馬鹿じゃねェの?」

禁書「ブラックすぎるかも!?」

一方通行「贖罪だから仕方ねェ。つかオマエ暇してンなら、エメマンと東スポ買って来いよ」

禁書「ナチュラルにパシらせようとしないで!?」

一方通行「使えねェなァ」

禁書「大体ここは精神世界でしょう!? お腹も喉も乾かないんだよ!」

一方通行「はいはい、ンで? オマエは何を知りたいンだ?」

禁書「えっ、ええと……それは……///」モジモジ

一方通行「なにモジモジしてやがる。糞が漏れそうなのか?」

禁書「女性になんてこと聞いてるの!? 私と とうまが結ばれる可能性を知りたいんだよ!!」ガァァ

一方通行「それならそうと早く言え。暴食シスターとヒーローが結ばれる可能性は、と……」

禁書「…………」ワクワク

一方通行「検索件数0」

禁書「え……?」


CASE 06 残念だが当然、略して残当


禁書「い、今なんて? あ、あはは、私の聞き間違いかな……」ヒクヒク

一方通行「現実逃避すンな。もう一度言うが、オマエと上条が結ばれる未来は用意されていませン」

禁書「あり得ないかも! とうまだって私の事を憎からず想ってるもん!」

一方通行「まァ、拾った野良犬に情が移るってのは、ありがちな話だろ」

禁書「誰が野良犬だというの!?」

一方通行「毎日餌を貰って、遊んでもらって、眠たくなったら寝る。小学生でも家事の手伝いくらいするってのによォ」ジトー

禁書「ぐぬぬ……」

一方通行「そンな畜生に恋愛感情を抱くと思うか?」

禁書「さ、最近はイギリスに帰ってまじめに働いてるもん!」

一方通行「大人になれば誰でも働くンだっつの。当然のことで威張るなアホ」

禁書「でも私にチャンスが無かった証明にもならないでしょう!?」

一方通行「ウサギとカメを知ってるかァ?」

禁書「知ってるよ! 舐めプした馬鹿なウサギを、不器用だけど一生懸命なカメが打ち負かすお話しなんだよ」

一方通行「ハァ……」ヤレヤレ

禁書「頑張るのが遅かったけど、真面目に働いてるカメな私を評価して欲しいんだよ」ドヤッ

一方通行「敵のウサギが勤勉で真面目だった場合はどうなる?」

禁書「…………あ」

一方通行「超電磁砲が、早い時期から上条の気持ちのベクトルを自分に向けようと必死だったのは周知の事実だったろ」

禁書「そ、それは……」

一方通行「十年近くも一途に想いを伝えてりゃ、あの鈍感野郎だって落ちるっての」

禁書「うっ」

一方通行「それを今更騒いだところでなァ。残念だが当然、クソガキらしい末路と言える」

禁書「ううう~~~~~!!!」

一方通行「ぎゃはッ!! オマエの怠慢を呪うがいいぴょン。魔術の奥義を尽くして無駄な足掻きをするンじゃねえぴょン」

禁書「今すぐそのムカつく口を閉じるんだよ!!!」

一方通行「ぷっぷくぷゥ~♪」ニヤニヤ

禁書「うがあああああ!!! もう怒った! 運命が私を否定するなら、そんなもの私が作り変えてやるんだよ!!!」


テッテレー


インデックスさんは、深い悲しみを背負ってしまった!

インデックスさんは、一切の自重と信仰を捨て去った!!

しかし暴食と怠け癖は一向に改善しなかったので意味がなかった!!!


◆◆◆◆


CASE 07 聖女(による)☆凌辱


ω禁書「――という事があって今の私があるんだよ」

禁書「極端すぎるよ……。まず簡単な家事を手伝うところから始めるべきかも」

ω禁書「人には向き不向きがあるでしょう?」

禁書「だからといって理不尽な振る舞いが許されるわけではないよ! そんなの神様だって許さないんだから!」

ω禁書「私をコケにした神など無価値。むしろ私こそが新世界の神に相応しいんだよ」ニッコリ


美琴「ねぇねぇ」

上条「はいはい、今度はなんだ?」

美琴「うちのインデックスは大丈夫よね? あんなアホの子になったりしないわよね……?」

上条「もちろんだ。うちのインデックスは、あんなに歪んだりしないし、俺たちがさせない」

美琴「うん、絶対にインデックスを孤独になんてさせやしないわ!」

上条「ああ!」


禁書「とうま、みこと……」ジーン

ω禁書「どーして私がボッチみたいな流れになってるのかな!?」

禁書「可哀想に……あなたは、とうまとみことの愛情が足りなかったから、こんな惨めな事になっちゃったんだね」グスッ

ω禁書「みじめ!?」ガビーン

禁書「今からでも遅くないんだよ。元の世界に戻って、みんなに謝ってやり直そう?」キラキラ

ω禁書「ぎゃあ! な、なんだこの神聖なオーラは!?」

禁書「みことは優しいから、心から謝ればきっと許してくれる。とうまとだってやり直せるよ」キラキラ

ω禁書「みるなっ!! そんな優しい目で私を見ないでほしいんだよ!?」

禁書「しあわせの形はひとつじゃない。あなたも本当は気付いてるはずだよ」キラキラ

ω禁書「う、うるさい……」

禁書「人の幸福を喜べないことが一番の不幸かも。それにさえ気付けば…」

ω禁書「うるさいうるさいうるさぁぁぁい!!」カッ

禁書「!」

ω禁書「大人しくしていれば賢しらにッ!! このインデックスを怒らせた以上、塵も残さず消し去ってあげるんだよ!!」


CASE 08 さすおに


美琴「ねぇねぇ!」

上条「ッ、わかってる!」



禁書「や、やめて」フルフル

ω禁書「今更命乞い? 私の異世界同位体なのに、そんな無様は認められな…」

ガシッ

上条「うちのインデックスに手ェ出すってんなら……容赦しねえぞ?」ギロッ

ω禁書「フン、『光を掲げる者』ですらない とうまなんて私の敵じゃないかも」

禁書「とうま! 障害沙汰はまずいんだよ!」アセアセ

ω禁書「……へ?」

上条「シスコン憲章23項3510節。妹の親友の安全を確保する時、あらゆる暴力行為は正当化される」ドドドドド

ω禁書「せ、世界の法則が乱れる!? なにこれ……こんなの知らないんだよ!?」

上条「打っていいのは、打たれる覚悟のあるヤツだけだ!!」グオッ


バキッ!!!


ω禁書「ぎゃああーー!?!? とうまがぶったぁぁぁぁッ!!!!!」ヒューーーン!!!



キラッ☆



禁書「ちょ、やり過ぎかも!? もう一人のインデックスがお星様になっちゃったんだよ!?」ガビーン

上条「いかん、ヒートアップし過ぎた。シャレにならない……」オロオロ

禁書「だから暴力はダメって言ったのにーー!!」プンスカ

美琴「さっすがお兄ちゃん!」

禁書「みことも煽らないで!?」


CASE 09 喫茶MISAKAへようこそ


番外個体「ん~、なにか面白いことが起きないもんかねぇ」


キラッ☆


番外個体「おや?」ハテ?



ω禁書「――ぅぁぁぁああああああああああああああああああ!!!!!」グチャッ!!!



番外個体「ぎゃは、なにこれ超ウケる。空から人が降ってきたんですけど」ゲラゲラ

ω禁書「うぐぐ……わ、笑い事ではないかも!」ヨロヨロ

番外個体「……ごめん、たしかに笑い事ではなかった」

ω禁書「分かればいいんだよ」ウン

番外個体「野郎どもの視線を欲しいままにしていた我儘ボデーが、こんな貧相な姿になってしまうなんて……」ホロリ

ω禁書「誰が貧相なのかな!」プンスカ

番外個体「今日はミサカが奢ってあげるから、たくさん食べて大きくなりなよ」グイグイ

ω禁書「わわっ、引っ張らないで!?」

番外個体「遠慮すんなって。パスタでもハンバーグでも好きな物頼んでいいから」

ω禁書「ッ! ……くんくん、凄く良いにおいが漂ってる」ハッ

番外個体「うちのメニューはどれも美味しいからね。ようこそ、喫茶MISAKAへ!」


カランカラン



CASE 10 流されて並行世界


上条「いらっしゃいませー」


ω禁書「ええっ、とうま青年ver!?」ガビーン


上条「……そういうインデックスさんは、昨日よりかなりミニマムになられたご様子」ムムム

番外個体「多分、敵にぶつかったんじゃないかな」

上条「なるほど、だったらスーパーなキノコパスタを食べさせよう」ウン

番外個体「オーダー入りまーす」



ω禁書「ま、まさかとうまのアッパーで次元の壁を突き抜けて、別の並行世界に飛ばされたというの……?」ワナワナ



御坂妹「へい、キノコスパ一丁あがり、とミサカはパパっとオーダーを完成させました」キリッ



番外個体「はい、ともかくお腹を満たして一息つきなよ」

ω禁書「へ? ……あ、うん」



◇ ◇ ◇ ◇



ω禁書「もぐもぐ……んん~~~♪ こんな美味しいパスタは初めてかも!」


上条「大きくなんないな」ヒソヒソ

番外個体「じゃあ第一位のロリコン願望が、シスターさんを縮めてしまったんじゃね?」ヒソヒソ

上条「まさか、……いや、そんなわけ……うん、無いと信じたい」ヒソヒソ


ω禁書「ちゃんと聞こえてるよ! 私は縮んだりしてないんだよ!」プンスカ


上条「ははっ、そうだよな」

番外個体「冗談はさておき、シスターさんどーしちゃったの?」

上条「一方通行ほど頼りにはならないだろうけど、事情を聞かせてくれないか?」


CASE 11 異世界説教タイム


ω禁書「――ってことがあったの」カクカクシカジカ


上条「次元の迷子か。そいつは難儀だなぁ」

番外個体「統括理事長に相談する? ミサカ的にイギリス清教のクソババアを頼るのだけはヤダよ」

上条「あー、上条さんもあの人に借りを作るのは避けたい」

番外個体「じゃあ決まり、アレイスターを頼ろう。シスターさんもそれでいいかな?」


ω禁書「元の世界に帰るのに協力してくれるの……?」


上条「ああ」

番外個体「帰りたいんだろー?」


ω禁書「そうだけど……で、でも!」

上条「自分の帝国まで築き上げた人間が遠慮すんじゃねえよ。御坂から俺を奪い取るんだろ?」

ω禁書「……怒らないの?」オズオズ

上条「怒らないし止めないよ」

ω禁書「……どうして?」

上条「ここで止めてもお前は救われない。インデックスを納得させる答えを、俺は持ち合わせていないからな」

ω禁書「…………」

上条「想いを貫けば、どうしたって誰かを傷つけるんだ。だったらトコトンまでやっちまえ」

ω禁書「その結果、短髪が………………みことが泣くことになっても?」

上条「今まで散々泣かせたんだろ。一回負けた程度で日和ってんじゃねーよ」ナデナデ

ω禁書「と、当然かも! この至高にして最強の魔神たるインデックスは誰にも遠慮なんてしないんだよ!///」

上条「おう、その意気だ」


番外個体「てんちょーがシスターさんを誑し込んでいる……ッ」ムカムカ


CASE 12 有能理事長


アレイ☆「ふむ、並行世界からの来訪者とは興味深い」

上条「元の世界に帰る手立てを探してるんだ。何か方法はありませんかね?」

アレイ☆「難しいな。今この瞬間にも世界は無数に枝分かれしている。魔神の力を以てしても、似て非なる世界を永遠とさまよう事になるだろう」

上条「そこをアンタのインチキマジックで何とかなんないか?」

アレイ☆「インチキ……ま、まあ確実性に欠けるが無いわけではない」


ω禁書「本当に!?」パァァ


アレイ☆「うむ、先程から気になっていたのだが、君の内側に『神の力(ガブリエル)』を感じる。それを利用したなら或いは戻れるかもしれない」

ω禁書「! そうか、四方を守護する四属性は互いに干渉しあう!」

アレイ☆「その干渉力に世界を超える程の力はあるまい。しかし、元の世界で残り三属性のいずれかが強大な力を行使したなら」

ω禁書「それを目印に元の世界へ帰れるかも!」

アレイ☆「あくまで可能性だがね。世界を覆う程の大規模魔術儀式を行う魔神クラスの、しかも三属性のいずれかを内包した術者が必要になる」

ω禁書「当てはあるから大丈夫なんだよ。問題はこの方法に気付いてくれるかどうかだけ」

アレイ☆「中々に分の悪い賭けだな」

上条「けど一筋の光明が見えた」

番外個体「あとは何時そのタイミングが訪れるか、だね」

上条「長丁場になるか……ならインデックスの生活環境を整えないとな」

番外個体「うちで下宿すればいいじゃん。ホテル住まいは勿体ないし」

ω禁書「ふっふーん、この魔神皇帝に相応しい住居なのかな?」

番外個体「態度デカ!?」

上条「ははっ、これでも社長だからな。皇帝陛下にもご満足いただけると思いますよ」

ω禁書「よきに計らうんだよ…………あれ? どうして貴女のお家に下宿するのに、とうまのお家の話になるの?」

上条「それはだな…」

番外個体「ミサカがてんちょーのフィアンセだからだよ。……いくらシスターさんでも手出し無用だぜ?」ニッコリ

ω禁書「あ、はい」ウン


アレイ☆「……(たしか彼のマンションには数人の妹達が同居しているはずだが……まあ私が心配する事でもないな)」



テッテレー



インデックスさんの帰還フラグが立った!!

上条さん青年verは、このあと滅茶苦茶搾り取られた!!(意味深

といったところで今回は終了
あと少し……あと少しで完走できるんだよ……

投下きてたーおつ!
番外幻想の方知らねえ、よければおしえてほしいっす

>>960
番外個体「てんちょてんちょー」
上条「はいはい」
だと思った、結構長くてひたすら番外個体が可愛い