雪乃「ひ、比企ヶ谷君どういうつもりかしら…?」八幡「…………」(267)



やはり俺の青春ラブコメ~の“八幡×多数”のSSです


登場人物
雪乃・結衣・陽乃・沙希・あーし・小町



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1373915397

「キスという行動概念について」


キスとは悪であり、罪である。
キスとは一見、愛情や親愛を示す行動として神聖化されている。
しかしそれは欲に塗れた堕落者によるプロパガンダであり、精神汚染なのだ。
例を挙げよう。白雪姫は王子のキスで毒リンゴの呪いから目を覚まし、沈没する船の中で貧乏男と令嬢はキスをして今生最期の別れをかみ締める。
しかしこれは間違いであり、よく考えてみて欲しい。
例えば、現代日本の千葉の路上で棺に眠る美少女と七人の小人が居たとしよう。
小人から事の顛末を聞いた一人の青年が美少女にキスをすればどうなるだろうか?
答えは簡単だ。捕まる。
なぜならば、もし美少女が昏睡状態ならこの行為、それは刑法が制定する『心神喪失又は抗拒不能』の後者に当たり準強姦罪(刑法178条2項)が成立する。
成立すれば、五年以上の有期刑期又は無期懲役に処せられる。


例えば、豪華客船の中で出会った貧乏男と令嬢がキスをしたとしよう。
二人は運命の出会い(笑)によりお互いの身体を弄り合って行為を果たすが、これは法的に見ればどうだろうか?
答えは簡単だ。捕まる。
なぜならば、二人が事に及んでいた場所は客船の遊戯スペースであり、極めて公共性が高いと言え、公然猥褻罪(刑法174条)が成立する。
成立すれば、六月以下の懲役、三十万円以下の罰金、拘留、科料に処せられる。
これは軽犯罪に類されてはいるが立派な罪であり、罪は平等であることを鑑みるに、白雪姫の件と同様に極めて悪質な犯罪行為であるといえる。
また歴史・学問的視点から見てみよう。『進化論』を提唱したチャールズ・ダーウィンは1872年に著した『ヒトと動物の感情の表現』の中で、キスは本能的な行為ではなく学習による行動である、と結論付けている。
つまりキスとは人間の本能的行動ではなく、快楽を求めての行為であると言えよう。


最後に衛生的視点から見てみよう。病院ではよく母親や父親が嬰児に愛情表現としてキスしている。
しかしこれは大変危険な行為である。
産まれたばかりの嬰児の咥内に虫歯菌というのは存在しない。しかし人間は虫歯菌によって虫歯になる。ではなぜか?
答えは簡単だ。移されるからである。
両親の口には虫歯菌が存在しており、それがキスという行為によって移るのだ。
つまり親はそのキスという愛情表現によって我が子を虫歯と言う病気の危機に晒していることになる。
上記によって出される結論はキス<接吻>という行為は、法律的・歴史的・学問的・衛生的など全ての観点から見て悪であり罪である。
またキスを薔薇色などと褒め称える若者たちは悪や罪を推奨し、それに准じない者たちを灰色と言ってあざ笑う。
万引きや集団暴行などの罪科を「若気の至り」と呼ぶ彼らが、最も精を出す求愛活動こそ七つの罪をも超越した最悪の罪であるということは言うまでもない。
彼らは悪だ。
ということは、逆説的に灰色の人生を送り、キスをしていない者の方が正しく人間らしく生きているということだ。
結論を言おう。




バカップル爆発しろ。

ゆっくり書きます
戸塚押し多すぎてワロタ

あまりにもリクが多いので、今から出す問題を解けた人にヒロイン一人分のオマケを書きます
(葉山や材木座でもいいし、出てきたヒロインをもう一パターンでもいいよ!)

Q.1 SS中、八幡はヒロイン'sにキスをしますが、なぜでしょうか?
Q.2 SS中、ヒロイン's六人の中には一人仲間ハズレがいます、だれでしょうか?理由付きで
Q.3 リクエストはだれ?希望のシチュエーションはある?

答えはいつでもどうぞ
SS中に『※』のマークが出たら回答編なので、受付終了

二問とも正解でお願いします
正解者が回答編までに出ても受付は終了しません

あとリクは先着二名で、回答は一日一回でお願いします





   ☆   ☆   ☆


八幡「うっす」

雪乃「こんにちは、ヒキガエル君。梅雨が明けたからもう部室には現れないのかと思ったわ」

梅雨も明けてテストも終わり、一週間後に訪れる学生のオアシス『夏休み』を待つばかりのそんなある日。

奉仕部の部室では例によって完璧超人(ただし体力・胸無し)雪ノ下雪乃が口撃してくる。

八幡「おいこら。人の昔のあだ名を呼ぶばかりか、人のことを勝手に両生類に格下げすんなよ」

雪乃「あら国語力だけが取り柄なのにそれすらも失ってしまったのかしら?」

八幡「それはどういう意味だよ」

雪乃「言葉にするのが難しいわね…」




そう言って小首を傾げる雪ノ下は腹立たしいことに様になっている。

八幡「なんだよ。散々人のことバカにしておいてど忘れかよ」

雪乃「いえ、言うことは決まっているのだけれど、言葉に出来ないというのは歯痒いものね」

八幡「お前が何を言っているのかさっぱりわからん」

雪乃「つまり日本語でなら、『格下げというのは格上又は同格の者が使える言葉なのよ』と言いたいのだけれど…」

八幡「とりあえずお前が俺にケンカを売ってきたってことはわかった」

相変わらず舌好調なユキペディアさんは鈴のような声でそんなことを言いやがった。この女マジありえねぇ…。

雪乃「人が話している時に口を開かないでくれないかしら」







八幡「へーへー。それで偉大な雪ノ下雪乃さんは何が言いたいんでしょうか」

雪乃「つまり両生類…カエルに意思を伝える時はなんと言えばいいのかということよ。げろげーろ?」

そう言ってカエルの鳴き真似をする雪ノ下は悔しいことに可愛かった。

八幡「よーし。つまりお前は俺とケンカがしたいんだな?」

雪乃「いい、ヒキガエル君?争いと言うものは同じレベルの者同士でしか起きないの」

八幡「あーそうかよ。なら格上の雪ノ下さんは俺をどうするつもりなんだよ」

雪乃「そうね…。敢えて言うなら『殲滅』もしくは『駆逐』かしらね?」

さらっと恐ろしいことを言った雪ノ下は今日一番の笑顔を見せた。





八幡「さらっと怖いこと言うなよ。あとその笑顔止めろ」

雪乃「さて。比企ヶ谷君が殲滅対象ということも分かったことだし、そろそろ部活を始めたいのだけれど。由比ヶ浜さんはどうして来ないのかしら?」

八幡「由比ヶ浜なら今日は日直だから遅れてくるぞ」

雪乃「そういうことは始めに言いなさい。“ホウレンソウ”は常識でしょ」

八幡「はいはいそーですか。そりゃーわるぅござんしたね」

雪乃「全く…。比企ヶ谷君はもう一度再来世からやり直したほうがいいわね」

八幡「おい、来世はどうなったんだよ」

雪乃「あなたの赤錆のようなその性根が今生だけで浄化されるはずないでしょう」






八幡「俺の性根どれだけ腐ってるんだよ…」

雪乃「あら、聞きたいのなら教えてあげましょうか?」

八幡「だからその笑顔を止めろって」

雪乃「作り笑いが許されないのであれば、悲鳴を上げるか正当防衛するしかないのだけれどそれでもいいかしら?」

八幡「悲鳴だ、正当防衛だって俺はジェイソンかよ」

雪乃「年に数回しか姿を現さないだけチェーンソーを持った殺人鬼の方が幾分かマシね」

八幡「そーですか…」

雪乃「あら?あなたのせいで貴重な読書の時間が削れてしまったわ」





八幡「はいはい。どうぞ、ご自由に本をお読みになってください」

雪乃「えぇ。くれぐれも話しかけないでね。……」

八幡「へーへー。…………」

痛いほどの釘を刺した雪ノ下は白磁のような指で文庫本のページを捲りだした。

雪乃「………………」ペラッ

八幡「………………」

雪乃「………………」ペラッ

八幡「………………」

雪乃「………………」ペラッ





八幡「………………」チラッ

雪乃「………………」ペラッ

八幡「………………」

雪乃「………………」ペラッ

八幡「………………」

雪乃「………………」ペラッ

八幡「………………」チラッ

雪乃「………………」

八幡「………………」パタン

雪乃「ふぅ。やはり三島由紀夫の『金閣寺』は言葉が綺麗だわ…」






八幡「…………」スッ

雪乃「あら、どうしたの?頭でもおかしくなったのかしら。比企ヶ谷君?」

八幡「…………」スタスタスタ

雪乃「な、何かしら……」

八幡「…………」ジー

雪乃「ひ、比企ヶ谷君何か言いなさい……」

八幡「…………」サッ

雪乃「……ひっ」

八幡「…………」チュ

雪乃「…………………………え?」






八幡「…………」スタスタスタ

雪乃「………………」

八幡「…………」スッ

雪乃「………………」

八幡「………………」ペラッ

雪乃「………………」ジー

八幡「………………」ペラッ

雪乃「……ひ、比企ヶ谷君?」






八幡「…あ?どうした?」

雪乃「い、今のはどういうこと…なのかし、ら?」

八幡「何が?」

雪乃「………………」

八幡「おい、黙るなよ」

雪乃(童帝の比企ヶ谷君がき…き…あんなことをして平然としていられるかしら…?いえ…でも……)

八幡「呼んでおいて黙り込むとか新手の苛めかよ」

雪乃(さっきのことが現実であれ白昼夢であれ、今の私にはとても処理しきれそうにない…)





八幡「おーい、八幡さんグレちゃうぞー?」

雪乃「比企ヶ谷君、用事を思い出したから今日は帰ることにするわ」

八幡「大丈夫か?」

雪乃「えぇ、時間さえあれば終わる用だから気にしないで。悪いのだけれど由比ヶ浜さんに伝えておいて貰えるかしら?」

八幡「おう、わかった」

雪乃「由比ヶ浜さんによろしくね」

八幡「へいへい。………………あ、雪ノ下」

雪乃「な、なにかしら…比企ヶ谷君」







八幡「………………」

雪乃「よ、用がないのなら帰る…」

八幡「その…気をつけて帰れよ……」

雪乃「っ!えぇ…そうね。……その、ありがとう」

そう言って雪ノ下は部室から出て行った

八幡「ゆ、雪ノ下が素直に礼を言った…だと……」





雪乃(きょ、今日のアレは何だったのかしら……。あの比企ヶ谷君があんな風にき…き……接吻することが出来るのかしら…?いえ、でも彼は瞳がドロドロに腐っているというだけで、顔立ち自体は整っている分類だし、文系ではそれなりの有名大学を狙えるだけの学力は備わっているのよね?ならいくら中学時代に女子から嫌われていても、極少人数…二人…いえ、一人くらいは彼に好意を抱いていた女子がいてもおかしく…はないのかしら?)

雪乃(ならばその一人と恋仲になっていたとしてもおかしくはない…のよ…ね?いえ…でも!彼は小町さんが“あの比企ヶ谷君に比べて凄くいい娘”という評価を得るほど敬遠される存在だったはず…。ということは彼に恋人がいたと言う可能性は低い…。ということは比企ヶ谷君もき…キスは初めてだったという可能性が……。けれどふぁ…ふぁ、ファーストキスをあんな風に気軽にできるものなの……?)

雪乃「い、家に帰ったらすぐ…に調べてみないと…ね」



後日、頬を赤らめた女生徒がスキップをしながら、学校を徘徊するという噂が流れた


今日は終わりです

一章毎に更新していきます
たぶん二週間くらいかな?

なんかおかしい所とかあったら指摘お願いします

比企ヶ谷→比企谷

>>52
素で間違えていましたorz
指摘ありがとうございます

   


☆   ☆   ☆


同日


雪ノ下が用事とやらで部室を立ち去ってから四半刻が過ぎた。

九十九里浜から差し込む光は紅くなり、教室に降り注がれている。

机にはさっきまで読んでいた夏目漱石の『こゝろ』と千葉人の血とも言えるMAXコーヒーが並んでいる。ちなみに肉は落花生な。

ところで『こゝろ』って漫画化もしくはドラマ化したとき『K』の墓ってどうなるんだろうな。

まさか墓石に『K』って彫るわけにもいかないだろうし……。

クーラーの効いた教室の窓からは蟻のように黒く点々と動く運動部の汗水垂らしす姿を見下すことが出来る。

なんかああいういかにも青春してます!っていう奴らを見てるとなんていうか、こう言いたくなるよな。

八幡「『バルス!』」







結衣「うわっ。ヒッキーがなんか黄昏てると思ったら、なんか変な呪文叫んでるし!」ガラッ

八幡「ん?…なんだただのビッチか」

結衣「ビッチ言うなし!それにあたしはしょ…ってヒッキー何言わせるつもり!?この変態!」

八幡「はいはいビッチビッチ」

結衣「だからビッチって言うな!キモい!ヒッキーマジでキモい!…あれ、そう言えばゆきのんは?」

八幡「ああ、雪ノ下ならなんか用事があるとかで三十分くらい前に帰ったぞ」

結衣「ふーん、そうなんだ。今日の部活はどうするの?てかヒッキーは帰らないの?」

八幡「由比ヶ浜さんはそういうこと言っちゃうわけだ。ふーん……?」






結衣「え!?それってどういう意味……ってかその腐った目止めてよ!ヒッキー!」

そう言ってジト目で見れば由比ヶ浜はおどおどと慌てだす。

八幡「お前が部室でマヌケ面晒したら可哀相だと思って待っててやったのに、その言い草かよ」

結衣「あ…ありがと…ってそれってメールか電話で教えてくれてもよかったよね!?」

八幡「バカ。女にメールなんて軟派な真似できるかよ。比企谷君は硬派なんだよ」

結衣「別に硬派とかナンパとか全然関係ないじゃん!こんなのとも…クラスメイトなら普通じゃん!」

八幡「あーやだやだ。これだからビッチは…」ハァ…

結衣「だ・か・ら!ビッチ言うなし!ヒッキーってなんですぐにあたしのことビッチっていうのかな!?」

八幡「なんでってそりゃ、だってお前って“キラキラ”“ふわふわ”“あまあま”って感じだからだろ」






結衣「そ、それって……」

結衣(キラキラとかふわふわって褒めてくれてるんだよ、ね…?)

八幡「でさぁ……」

結衣「な、なに!?」

八幡「だからさ、今日の部活どうする?お前が帰るなら俺も部室に鍵閉めて帰るけど」

結衣(優美子たち、今日はカラオケに言ってたよね…。今からだったら十分間に合うけど…)

結衣「もしかしたら誰か来るかもしれないし、待ってようよヒッキー!」

八幡「はいよ。じゃあ俺は本でも読んでるから…」

結衣「ちょっと待った!せっかく珍しいシチュなんだから、普段はしないことしようよ!」






八幡「と言ってもなぁ…。こんな何もない部室じゃやることなんてないだろ…」

結衣「ほら、おしゃべりとかあるじゃん!あたし、ヒッキーの好きなものとか知らないしさ!」

八幡「八面倒くせぇ…。あ、今の八幡的にポイント高いか?」

結衣「うん。ヒッキー超キモい!」

八幡「そんな力強く罵倒すんなよ。死にたくなるだろうが…」

最近由比ヶ浜さんの罵倒が雪ノ下染みてきてんだよなぁ。特に躊躇いのなさとか。

結衣「というわけで、ヒッキーこのプロフィール書いてよ!」

そう言って由比ヶ浜が差し出したのは、偏差値三〇くらいのプロフィールカードだった。






八幡「と言ってもなぁ…。こんな何もない部室じゃやることなんてないだろ…」

結衣「ほら、おしゃべりとかあるじゃん!あたし、ヒッキーの好きなものとか知らないしさ!」

八幡「八面倒くせぇ…。あ、今の八幡的にポイント高いか?」

結衣「うん。ヒッキー超キモい!」

八幡「そんな力強く罵倒すんなよ。死にたくなるだろうが…」

最近由比ヶ浜さんの罵倒が雪ノ下染みてきてんだよなぁ。特に躊躇いのなさとか。

結衣「というわけで、ヒッキーこのプロフィール書いてよ!」

そう言って由比ヶ浜が差し出したのは、偏差値三〇くらいのプロフィールカードだった。

八幡「ほらよ」





『プロフィール』


 名前:比企谷八幡


 年齢:15才 


 誕生日:秘密 


 職業:秘密 


 休日の過ごし方:秘密 


 特技:秘密 


 信条:秘密


 自分の性格:秘密
 






 家族:親・小町


 オススメの本:こゝろ


 オススメの音楽:秘密


 好きなタイプ:戸塚


 可愛いと思うクラスメイトは?:戸塚


 気になるクラスメイトは?:戸塚


 少し苦手なクラスメイトは?:葉山


 得意料理:TKG


 デートに行くなら?:大本山法華経寺・京成バラ園・清水公園・幕張メッセ・矢切の渡し・犬吠崎灯台・野島崎灯台・城山公園・館山市立博物館・千葉ポートタワー・きみさらずタワー・伊能忠敬旧宅・明治百年記念展望塔(行くなら一人で)


 最後にこのカードをくれた人に一言:このカード偏差値三○くらいだよな



出かけてきます

乙、

純粋に疑問なんだけど
八幡って、高2じゃなかったっけ?
15歳なの?

>>71
そこにガハマさんが気付くかどうか試してるんだよ、きっと

(八面倒くさいってどんなんだろう、七面倒はわかるけど)

七面倒に「比企谷くんって面倒くさいよね」って言われたトラウマを足して八面倒くさい。

法華経寺は正中山法華経寺な
by市川市民

>>74, >>76, >>77
なんかもう本当にごめんなさい
軽い気持ちで書いたので掘り下げないでください
ホントごめんなさい

>>78, すみません
正しくは(寺格)大本山 (山号)正中山 (名称)法華経寺 でした
梨おいしいよね、あとカワウソのパイプ詰りかわいかった、あとぼっち畑好き

>>71,>>73
すみません、これは本当に思い違いでした

他にもミスありそうなので書いた分見直してきます

すみません
読み直してきます

ネタでいじってるだけで、ほんとは期待してるから頑張って。

>>85
二巻まで読んでしまったじゃん……
豆腐メンタルなんで、もすこし優しく弄ってください
おねがいします

寝落ちしそうなので、続きは明日更新します




結衣「何このプロフィール!?ほとんど秘密って書いてあるし!他に分かることってさいちゃんが好きってことくらいじゃん!」

八幡「す、好きとかはっきり言われると照れるだろうが…」

結衣「照れるトコそこなんだ!?なんかデートコースだけガチだし!しかも“一人で”っておかしいし!」

八幡「お前、生粋の千葉っ子である俺舐めんなよ。千葉の名所なら暗唱できるわ」

結衣「キモい!これはホントにキモいから止めたほうがいいって!マジキモいからヒッキー!あとあたし偏差値三〇以上あったから!」

八幡「言いすぎだろ。どう考えてもオーバーキルだろ、ジェノサイドすんなよ」

八幡「ちょっと待て……“あった”?そう言えば梅雨前に受けた模試の結果今日帰ってきたよな。何点だったんだ?」

結衣「え!?…い、いやぁ……あ、あたしたちのクラスはまだ帰って…」





八幡「お前と俺、クラス一緒だろうが。ふーん…?由比ヶ浜、結果の見せ合いっこしようぜ」ニヤリ

結衣「ひ、ヒッキーが悪い顔してる!」

八幡「はいはい。で、結果見せてくれよ」

結衣「…いや、ほんと…あの…許してくだ…さい……」ウルウル

八幡「ふーん…。ところで話は変わるけど、このこと雪ノ下は知ってるのか」

結衣「…………えっと……あは…は…?」

八幡「『由比ヶ浜さん、あなたはどうして私が教えていてこんな成績なのかしら……。勉強と言うのは親や教師のためではなく、自分自身のためにするのよ。そのことを理解している?…そう、していてこの成績なの。それなら…』」

結衣「ゆきのんのマネはやめてぇぇぇ!ごめんなさい…あの、ホントに…ごめんなさい……。これでも頑張った結果なんです……」





八幡「『いい、由比ヶ浜さん?努力と言うのは結果が実ってこそ意味があるの。“頑張ったことに意味がある”というのは結果を出せなかった負け犬の遠吠えよ。それともこれからは“イヌヶ浜”さんと呼ぼうかしら、イヌヶ浜さん?』」

結衣「ごめんなさい……ううぅ…ゆきのん嫌いにならないでぇ……」

八幡「というわけで今日は由比ヶ浜の勉強会だな」

結衣「勉強かぁ…」

八幡「あれだけ精神的ダメージ食らってまだ嫌がるって、どれだけ勉強嫌いなんだよ」

結衣「だって教科書開いたら頭痛がするんだもん……」

八幡「俺は完全文系だから、理系は雪ノ下に教えてもらえよ」

結衣「うーん……でも…」





八幡「………………」チラ

結衣「えっと、ここは……」

八幡「………………」ペラッ

結衣「うーん…ここはこうして……」

八幡「………………」チラ

結衣「……辞書どこにやったのかなぁ…」

八幡「………………」ジー

結衣「……うーん……うんと…えっと……」チラッ

八幡「………………」サッ






結衣「ねぇ、ヒッキー。ここの英文なんだけどさ…」クイクイ

八幡「…………」ジー

結衣「ひ…ヒッキーなに……?」

八幡「…………」パタン

結衣「な、なにか言ってよ…ヒッキー」

八幡「…………」ガシッ

結衣「なんで頭抑えるの!?ヒッキー!?ねぇ!?」

八幡「…………」チュ

結衣「んっ……………………へ?」






結衣「んんっ!?んんっ!…んっ………ふぅん……あっ……やぁ…っ」バタバタ

八幡「…………」

結衣「ひっき………だめぇ…っ……ふぁっ……んんん………やっ……」サッ

八幡「…………」グイッ

結衣「ふんっ…あぁ……っ…やらぁ……ひっ…き……やめ……っ」トロン

八幡「…………」

結衣「あぅ……っ……んふ……あんっ………じゅるっ……ふぅ……ふあっ…」

八幡「…………」







結衣「……くちゅっ……ふっ……あぁ…んっ…ひ…きぃ…しゅ…きぃ…じゅる…」

八幡「…………」

結衣「ちゅ……やっ…ふぅ……っちゅ……くちゅ…じゅるる……んん…ひっ…き…」ビクン

八幡「…………」

結衣「ふぅ…ふぅ………はぁ……っ………ねぇ…ひっきぃ……」ギュ

八幡「…………」チュ

結衣「ん………ひっきぃ…………」







キーンコーンカーンコーン




八幡「………………」

結衣「………………」ハァハァ

八幡「……そろそろ帰るか由比ヶ浜」

結衣「………………」ボー

八幡「…………由比ヶ浜…?」

結衣「…………ひっ…」

平塚「比企谷、由比ヶ浜。まだ残っていたのか…。君たちが最終下校時間まで残っているのは珍しいな」

八幡「えぇ、まぁ……」





平塚「おい、比企谷。由比ヶ浜の優しさに託けて良からぬ事をしてないだろうな…?」

八幡「先生俺のリスクリターン計算力を信じてくださいよ。なぁ、由比ヶ浜?」

結衣「……ひ……ひ………ひ…」

八幡「“ひひひ”?」


結衣「ヒッキーの変態ぃいいいいいいいいいいい!」ダダダダダッ


八幡「!?」

平塚「!?」

八幡「ちょ…由比ヶ浜……!?」

平塚「…………比企谷。どうやら私はこれから君に聞かなければいけないことがあるようだ……」ポキポキ

八幡「おいおい……マジかよ……」







結衣「……はぁ……はぁ…………はぁ………………はぁ……ふぅ………」

結衣「………ヒッキーのバカ……」

結衣「………………」

結衣「………………」

結衣「………………」

結衣「…………えへへ………」

結衣「……まったく…ヒッキーはすこぶるサイテーだなぁ…」ニヘラッ

結衣「これって付き合うってことでいいんだよね…?」

結衣「………………」キョロキョロ



結衣「…………はちまん、大好きだよ……」ボソッ



結衣「………なんちゃって……」


結衣「これってスゴくはずかしいかも……」

  



結衣編おわり

次は陽乃編です

戸塚なんだけど、リク以外で出すつもりなかったんだけど
小ネタとして出したほうがいい?
もしそうなら戸塚ネタだけ今日上げる




   ☆   ☆   ☆  



 
翌日、雪ノ下と由比ヶ浜は学校を休んだ。

イケメン葉山たちのグループはメールが来ただの文面がおかしいだの騒いでいた。

孤高のお一人様である俺にとって、クラスメイトが休もうとも日常に変化はない。

クラスメイト一人が休んだ結果、その日の関係に歪みが生じると言うのは決定的な弱点ではないだろうか。

つまりクラスメイトの出欠にかかわらず、同じような学園生活を過ごすことの出来るボッチこそ至高の存在と言える。言えないか。

彩加「ねぇ八幡っ。さっきから一人で何言ってるの?」

八幡「……俺の籍に入らないか?」








彩加「え?席に入る…?」

八幡「…わるい…なんでもないから忘れてくれ」

彩加「……うん。それでさ、八幡」

八幡「ん?毎朝一緒に歯磨きでもするか?」

彩加「さっきから八幡何言ってるの?」

八幡「わるいわるい…。最近眠りが浅くてな。それでどうかしたか?」

彩加「ららぽに新しくケーキ屋さんが出来たから…その…一緒に行かない?」

八幡(か、かわえええええええええ。なんだこの生き物可愛すぎるだろ……)

八幡「あーわるい。実は雪ノ下にノートのコピー頼まれてるんだ」







彩加「そっかぁ……雪ノ下さん今日お休みだもんね」

八幡「誘ってくれたのに悪いな…」

彩加「ううん、仕方ないよ。でも今度は絶対一緒に行こうね!」

八幡「おう…」

彩加「じゃあ…はいっ」つ指

八幡「…………舐めればいいのか?」ジー

彩加「ち、違うよ!指なんか舐めたら汚いよ!」

八幡「別に戸塚の指なら汚くないけどなぁ」

彩加「僕が恥ずかしいのっ!ってそうじゃなくて指切り!」

八幡「え?俺指を切られるほど悪いことしたっけ?」




八幡は受けと思ってた





彩加「そんなことしないよ!ケーキ屋さんに行くって約束しようよ!」

八幡「あぁ…そういう意味か。指きりなんてしたことないから辞書から意味が抜けていたぜ」

彩加「それともさっき言ったのウソだったの…?」ウルッ

八幡「そんなことない!おっけー指切りするか」つ指

彩加「うん!…………うそついたら、針千本のーますっ……指きったっ!えへへ……」

八幡「じゃあ今度行くか」



キーンコーンカーンコーン



彩加「あ、帰りのSHR始まっちゃう…。じゃあ戻るね。八幡約束だよ!」バイバイ

八幡「おう…また今度な…」

八幡「そろそろ帰るか」




  

続きは翌日以降に書きます

籍って入れるもんだろ?
籍にはいるっておかしくね?

今はお互いに新しい戸籍ができるが、戦前だと嫁を貰う場合は男性側の戸籍に妻として入るらしい

なので小町と離れたくない八幡は戸塚と一緒になるのではなく、戸塚が籍に入ることで両手に花がいいというニュアンスでの発言に違いない

>>130
>>131さんが言ったとおりです
今は“籍に入る”って言わないんですね…
まぁ、それ以前に戸塚は男の子なんですけどorz

>>127
個人的には彩×八、八×隼、結×雪です





八幡「全く…なんで俺が雪ノ下のお使いなんてしないといけないんだよ」

クーラーのガンガン効いたコンビニで俺は一人愚痴を零していた。

事の始まりは雪ノ下からのメールだった。

そのメールには欠席した授業のノートを写させて欲しい、という旨が懇切丁寧な言葉遣いで書かれていた。

普段の俺ならば華麗にスルーしていただろう。というか俺の個人情報ってどうなってんだよ……

だが普段から雪ノ下から壮絶な口撃を受ける俺は普段とのギャップに撃墜され、今こうしてノートを一枚一枚コピーしていた。捕虜に人権はないんだよな

あれだよ、あれ。普段は典型的なガキ大将なのに、映画版だと人情味溢れた好少年になるあれだ。

ボッチはみんな、頼られたりしないのに優しくお願い(押し付け)されたらつい張り切っちゃうんだよ。





八幡「あー。俺も四次元ポケットもった青タヌキ型ロボットほしいなぁ……」

陽乃「あれ?もしかして比企谷くんじゃない?」

八幡「……いや、もうマジで欲しいなー」

俺は一人黙々とコピーを繰り返す。

至高のボッチである俺が声を掛けられることはない。

話しかけてくるのは『貴方は神を信じますか』っておばさんか白人くらいだから無視で大丈夫。

陽乃「無視するなんて感じ悪いよ、比企谷くん」

にしてもああいう連中はなんで俺に何度も何度も声を掛けてくるんだろうな。






あれか?俺の目が腐ってるから声を掛けてくるのか?

目が腐っていたらほいほい着いて行くとでも思ってるのか?

陽乃「…ふーん…無視とかしちゃうわけだ…ふーん……」

横から強化外骨格の外れる音と周りの空気が冷たくなったのを感じた。

あーこれやばいやつだ。千葉村での葉山に対する雪ノ下みないな感じだ。

まぁ今横に居るのも雪ノ下なんだけどな。

陽乃「………はむっ……ふぅー」

八幡「うわああああああああああっ!ひ、他人の耳噛むとかあんたは吸血鬼か!」






陽乃「あはっ☆やっと比企谷くんがこっち向いてくれたね。こんな美少女に声を掛けられて無視するなんて酷い子だなぁ」

八幡「美“少女”…?」

陽乃「ふーん…比企谷くんはそういうこと言っちゃうんだぁ…。そういう悪い子にはこうだっ」

八幡「なんなんです…っていたたたたっ!マジで痛いから!マジで止めて下さい!だから痛いっててて」

瞳にいじめっ子の気を宿した陽乃さんは俺の頬に指を削岩機のようにグリグリと突き刺してくる。

文面で見れば可愛らしいこの攻撃も現実ではそう甘くない。

つやつやと光る爪が頬に突き立てられ、ドリルのように回転する。

傍から見れば微笑ましいじゃれ合いに見えるが、その痛みは平塚先生の鉄拳並みに痛い。





陽乃「まったく。女の子に優しく出来ない男の子に雪乃ちゃんは任せられないぞっ」

左手を腰に当て、右指を差し向けてくる様は[ピー]に出てくるお隣のお姉さんそのものだった。

でもなぁ…いくら外見が良くても、外見はモビルスーツなんだよなぁ……。

と、そんなことを考えていると延髄まで凍りつきそうな笑顔が視界に映る。

陽乃「あれ?もういいのかな?」

八幡「え、えぇ……もう大丈夫です……」

雪女の笑顔で般若の顔を隠した陽乃さんは今日二番目の笑顔を見せた。

って雪女も般若も妖怪じゃねぇか……。






陽乃「それで比企谷くんはどうしてこんなところに居るのかな?」

八幡「えぇ…まぁ…あれです、所用ですよ所用」

素直にいって良かったのかもしれないが、二人の関係性を考慮して敢えて有耶無耶にすることにした。

陽乃「ふーん……。別に雪乃ちゃんに頼まれたって言ってもいいのに」

八幡「なんで知ってるんだよ…」

陽乃「だってそのメール送ったのわたしだからねー。あ、アドレスはちゃんと雪乃ちゃんのだから安心してね?」

八幡「雪ノ下のやつメールも打てないほど具合悪いんすか?」

陽乃「まぁコンタクトを取れない感じかなぁ」





八幡「そんなに具合悪いのに授業気にするとか雪ノ下過ぎるだろ」

陽乃「あははっ。それで比企谷くん、コピーは終わったかな?」

八幡「ええ、まぁ…。じゃあこれ雪ノ下に渡してやってください」

陽乃「えー。わたしのこと邪険に扱う比企谷くんなのにいやだなー」

八幡「いや、どうせ俺がここでコピーするってわかってたんでしょ。さっさと仕事してくださいよ」

陽乃「流石比企谷くん。そこまで分かってるなら、もう少しわたしに付き合ってくれてもいいんじゃないかな?」

八幡「雪ノ下の看病とかあるでしょ。こんなところで油を売ったらダメだろ」

陽乃「ふーん…そんなこと言っちゃうんだ……」






八幡「…いくら睨んだって無理なものは無理ですよ」

陽乃「ノートのコピー届けてあげないっ」

八幡「そうですか…まぁ、ポストに投函すればいいだけだからいいですけど」

陽乃「……管理人さんに『目の腐ったストーカーが来るかも』って言っておこうかなぁ」

八幡「…………三十分だけですよ」

陽乃「流石比企谷くんっ。近くに行きつけの喫茶店があるからそこでお茶しよっか」

八幡「あー俺金ないんで……」

陽乃「あはは、そのくらいわたしが出すよ。誘ったのわたしだしね。ほら、いこっ」








私が生まれて初めて手を握った女性の手


それは陽乃さんの柔らかな左手 私はまだ子供でした


その左手はひんやりしてクリーミーで


こんな素晴らしい温もりを感じる事が出来る私は


きっと特別な存在なんだと感じました


今では私はおじいさん


孫に感じて欲しいのはもちろん彼女の温もり


なぜなら 


彼もまた 



特別な存在だからです





お風呂入るので区切ります

メ欄おかしいぞsagaaになってる


>>155 コテハンみたいなものなので気にしないでください


【悲報】俺将、猫パンチを喰らい本日の登板をボイコット。なお次の登板は未定の模様。

というわけで不貞寝します。ネイル蹴るとかやっぱネコ科ってダメだわ







八幡「はっ!」

陽乃「マヌケな顔してどうしたのかな?」

八幡「…いえ、なんでもないです」

陽乃「変な比企谷くん。あ…それだと普通になっちゃうね」

八幡「さらっとdisるの止めてもらえませんかね?」

なんなのこの姉妹。

俺をdisるときだけ妙に生き生きとしてんだけど。こえぇよ、あとこわい

陽乃「最近の雪乃ちゃんはどうかな?」






八幡「さぁ…。今頃喫茶店でお茶してる姉を思って袖を濡らしてるんじゃないですか」

陽乃「ごめんね、蜻蛉日記とか蝉丸には詳しくなくて」

うわっ。ここで蜻蛉日記や能が出てくるあたり雪ノ下の姉って感じだよなぁ。

八幡「だいたい俺とあいつはクラスが違うのでなんとも言えないです」

陽乃「それもそっか♪」

何がツボに入ったのかはわからないが、陽乃さんはヘンテコな名前のコーヒーを笑顔で口にする。

八幡「それで俺に何か用があるんですよね?」

陽乃「え?別にないよ?ただ本当に比企谷くんとお茶したな、って思ったから誘っただけ」






八幡「ふーん。左様で」

陽乃「~~~♪~~~~♪」

八幡「……俺の顔見て面白いですか?」

陽乃「うん♪比企谷くん面白い顔してるよね♪」

これってあれか。『比企谷くんって見たら笑っちゃう顔してるよねー★』って意味か?

八幡「俺なんかより(クソ)イケメンの顔でも眺めてたらどうですか?雪ノ下さんならより取り見取りでしょ」

陽乃「それって隼人のこと言ってるのかな?でも隼人は弟って感じだからね」

隼人って誰だ?俺にファーストネーム呼ぶほど仲の良い奴いないぞ…。





陽乃「あ、隼人って君のクラスの葉山隼人くんね」

そう言われてあぁ、そう言えばそんな名前だったなと思い返す。

八幡「ふーん…そうですか……」

八幡「葉山以外にもイケメンならいるでしょ。なんで俺なんですか」

それは純粋な疑問だった。

わざとらしい一呼吸を置いて陽乃さんは口を開く。

陽乃「…静ちゃんと似たような理由かな?」

先生と似た理由ってなんだ…?






口を開こうとした矢先、陽乃さんは立ち上がった。

陽乃「あっ。そろそろ三十分だね。今日はありがとね、比企谷くん」

そう言ってポーチを肩にかけて伝票に手を伸ばす。

陽乃「えっ…比企谷くん?」

彼女が驚いたのは俺が伝票を手にしたからだろう。

八幡「俺は主夫になるつもりであって、ヒモに成り下がるつもりはないです。だからここで奢ってもらう理由もありません」



そう。俺は志高い専業主夫になるつもりなのだ。





ヒモではない。

つまり敵の施しを受けるつもりは毛頭ない。

伝票をひげを生やしたマスターに手渡す。

そして俺はある事実に驚愕する。

コーヒー二杯で一五〇〇円とかどうなんってんだよ!

なんなんだよ、キャラメルマキアートって!

陽乃「これだから比企谷くんは……」


この時財布と格闘していた俺は、陽乃さんがどんな顔をしていたのか知らない。






ヒモではない。

つまり敵の施しを受けるつもりは毛頭ない。

伝票をひげを生やしたマスターに手渡す。

そして俺はある事実に驚愕する。

コーヒー二杯で一五〇〇円とかどうなんってんだよ!

なんなんだよ、キャラメルマキアートって!

陽乃「これだから比企谷くんは……」


この時財布と格闘していた俺は陽乃さんの顔を知らない。






   ☆   ☆   ☆   



陽乃「ごちそうさまでした。今度はわたしがご馳走するね?」

八幡「いやホントもう勘弁してください」

キャラメルマキアートの強襲を受けた財布の命は風前の灯だった。

もう少しで夏休みなのに一〇〇円でどうやって生きていけばいいんだよ。

遊びに誘われたらどうすればいいんだよ!

あ。誘ってくれる奴がいなかった。てへっ。

自己完結した俺は自分が公園を歩いていることに気付く。

八幡「俺、なんで公園にいるんですか?」







陽乃「陽乃とデート、いやだった……?」

目尻に涙を溜めた陽乃さんは吹けば散る花のように可憐な表情で覗き込んでくる。

八幡「いや、ウソ泣きとかされても俺、だまされませんから」

陽乃「なーんだ。バレてたか」

そう言った陽乃さんはいつも通りの人懐っこい笑顔を浮かべる。

女ってこえええええええええええええええ!

一秒前までラストで主人公を健気に待つヒロインみたいな顔だったくせに、一瞬で本性現しやがった!

これなら常に笑顔で罵倒してくる雪ノ下のほうが百倍可愛げあるっての。






陽乃「ねぇねぇ比企谷くん」チョイチョイ

八幡「なんですか…?」

陽乃「この公園って有名なデートスポットなんだって♪」ニコッ

そう言われて周りを見れば確かに男女の二人組みが多い気がする。

陽乃「わたしたちってどういう風に見えるかな?」ジー

八幡「さぁ?せいぜい優秀な姉と不出来な弟ってところじゃないですか」

陽乃「比企谷くんはかわいくないなぁ…」ブスー

八幡「いや俺、可愛さとか求めてないんで」







陽乃「ふーん…そんなこと言っちゃう比企谷くんはこうだっ」ギュッ

八幡「…………」ジー

陽乃「比企谷くん…?」

八幡「…………」サッ

陽乃「きゃっ……!」クルッ

八幡「…………がふっ」ドサッ

陽乃「ひ、比企谷くん…?」ツンツン

八幡「………………」







陽乃「あちゃー。伸びちゃったかぁ」

陽乃「女の子にいきなり迫ってきちゃダメでって言っても聞こえてないか」

八幡「………………」

陽乃「ごめんね、比企谷くん」サスサス

八幡「………………」

陽乃「よいしょっと……」

八幡「………………」

陽乃「わたしの膝枕なんて超レアなんだぞ」ナデナデ





八幡「………………」

陽乃「………………」

八幡「………………」

陽乃「……キス…わたしとしたかったのかな…?」ボソッ

八幡「………………」

陽乃「………………」ジー

八幡「………………」

陽乃「………………」キョロキョロ






八幡「………………」

陽乃「………………」チュッ

八幡「んっ…………」

陽乃「…少ししょっぱいや……健闘賞はおでこなんだからね…?」ペロッ

八幡「………………」

陽乃「頑張れ、男の子」

八幡「………………」

陽乃「よいしょっと……」






八幡「ふがっ…………」ゴロン

陽乃「ふふ。……さて、そろそろ戻らないと雪野ちゃんたちお腹すかせてるかな?」

八幡「………………」

陽乃「ばいばい比企谷くん」

八幡「………………」

陽乃「ふふっ。さーてもう一仕事がんばりますか」クスッ

陽乃さんがそう言ったときの表情を俺は知らない



はるのん編終わりです
次はさきさき編になります

ただ昨日言ったように猫パンチ受けて爪がひび割れたので更新は遅くなります

ビッチさんやペディアさんみたいなの期待してた人ごめんね
これが精一杯のデレでした
はるのんマジラスボス

筆休めがてら淫ペディアさん書いてるので見つけたらよろしく

            /-─ニヽ}  _____
            /¨ア´. . . . . }´. . . . . . . . . . . . .
         . . . . . . . . . . . . ..ノ. /. . . . . . . . . . . . 、. . . 、

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         {.乂.、 __,.ノ. . ..イ. . . . . . /. . . . . ノ. . . . . . . . . . . .
        {´. . . . . . . . イ. ′. . . . .,′. . . / |. . . . . . .|.. . . . .

         〉ー─. . "/. ..Ⅳ. . . . . ./. . . . /   .. .. ... .. ..|^ . . . ..
          /. . /. . . . ,′ Ⅳ. . . . . ., |./. . .'.,__| /.. . .. ..′ 、. . ..}
.        /. . /}. . . ..,. . . . ′. . . . .ハ{ '.. .{   }/. . . . ./、 }. . ハ
      /. . .,' |. . . .∧x¬. }. . . . .|    ∨  ノ |.. . ../ 丶 |. . ト..}
       {∧. |,ノ. . . ,'. {  |∧. . .Ⅳ斗=ミx   ノ/ '   /|. . | リ
        \{. . . .,. ..ヘ  |′\ |  、、、    ´  xr=ミ /. . . .′
         /. . . .|. .\\   `          、、 `/. . i . ′
          /ノ|. . ..|. . . .\ー 、           ,    ′ノ}./
       /´ 、. .|. . . . |. \..ト し   {⌒  __     ,. /´ノ′ はい、わかったわかった!
          \.{ 、 . |.!. . . ..|    丶   У   ノ. {     この話はもうやめよう
            \\|j\.ト }   ` .、     イト、..|
          ─弌 ̄ ̄`riト、| .ト、  >-<ハ. / \〉
         /     \\ { ' ∨ | ,    |/  V  r─‐         、  、
      /          {ヽ.'   Vi! |     { ̄ヽ¨'く´^     `ヽ    / | ./' / 7
      ,′         ∧ ',  ゙, V ト、_    〉 ゙, |      ゙,   , ' /  /
      |            ∧ }  ,   | 丶 ` __ '"´}  ∨     ( ヽ  / / / / /)
      |             | ゙     {  У ノ__,ノ /   |    、∨/   ′// '′
      |             |      ` '  /\__,.イ     \   | '′       /
      |             |         ,′ \       丶 |       ,′

筆乗らなくて今別のはまちSS書いてます

URL張ればいいの?

結衣「ゆきのんってヒッキーのことどう思ってるの?」完結
結衣「ゆきのんってヒッキーのことどう思ってるの?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1374755911/)


雪乃「いいでしょう。ならば戦争をしましょう」蜜柑
雪乃「いいでしょう。ならば戦争をしましょう」 - SSまとめ速報
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試験あるのでしばらくストップします
>>209
かわいい(確信)

あんまり溜まってないので随時投下します




   ☆   ☆   ☆   



八幡「まったく、いくら人が居眠りしたからって放置は酷くないか……?」

芝生の上で居眠りしてしまった俺は学校へと向かっていた。

というのも財布を学校に忘れたという旨のメールが平塚先生から送られてきたからだ。

どうせ数百円しか入っていないのだから翌日でも良かったのだが、変に真面目な平塚先生の一言によって取りに戻ることになった。

影は長くなってきたと言うのに、オーブントースター顔負けの熱線が照り付ける。

肌にへばりつくインナーが煩わしくて無意識に歩を進める足は速くなり、気付けば我らが母校にたどり着いた。

まぁ我らなんて複数形を使える友達なんていないんだけどな。








職員室の席は空が多く、平塚先生の席も例外なく空席だった。

まぁ、この学校で平塚先生の居場所と言えばこの席かもう一箇所しか思い浮かばない。

案の定平塚先生は小さく仕切られた席でタバコを吸っていた。

平塚「おぉ、比企谷!やっと来たか!」

オレンジ色の空を眺めながらタバコを吸う姿はまさに大人の女性、という雰囲気を醸し出している。

平塚「全く…財布を落とすとはいくらなんでも気が緩みすぎじゃないか比企谷?」

八幡「俺は別に明日でも良かったんですけどね」

平塚「まぁそう言うな。せっかく拾ってくれたんだから感謝くらいしておけ」







八幡「へいへい…。それで俺の財布を拾ってくれた心優しい方はどいつですか?」

平塚「こらこら。いくら君の性根が腐っているからといって財布を拾った人間にまで嫌味を言うな」

八幡「生憎、人に優しくされたことがないんでどう反応すればいいのかわからないんですよ」

平塚「全く君は……。まぁ拾った人間は秘密にしておこう。君が心を入れ替えたときにでも言うことにしよう」

八幡「はいはい。じゃあ俺もう帰っていいですか?妹がお腹を空かせて待ってるんで」

平塚「そうか…。そんなシス…妹想いの比企谷にはこれをやろう」つドロップ

八幡「あんまり教育者がそういうのをネタにするのは良くないと思うんですけど」

平塚「アレが駄目、コレが駄目、と何でもかんでも禁止していては息が詰まるだろう」







平塚「すぐに禁止すると言うのは大人の怠慢だよ。自重・自制するように教育するのが教師だ」

この人普段がアレだから忘れ気味になるけど、教師っていう人種では割と理解があるんだよなぁ…」

平塚「こら普通に漏れてるぞ比企谷。そ、そんなに褒めるな///」

八幡「」

平塚「というわけで教室からプリントを持ってきてくれ比企谷」

八幡「いや意味がわからないです」

平塚「いいか、根暗の。この世は等価交換で成り立っているのだ。有益な情報にはそれ相応の対価が必要なのだよ」

八幡「誰が根暗の錬金術師ですか…。先生本当に少年漫画好きですね。まぁいいですよ、取ってくればいいんでしょ」







平塚「おー比企谷愛してるぞ」

八幡「そういうセリフは彼氏の一人でも作ってから言ってください」

平塚「」orz



配分ミスったorz
起きてから続き書きます
次からさきさき登場かな

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年02月06日 (金) 09:55:41   ID: 3cN2jCuO

さきさきは?(´;ω;`)

2 :  SS好きの774さん   2018年06月01日 (金) 20:48:32   ID: GyDc2ZZx

完結タグ、、

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