ほむら「ちょっと記憶が混乱してるというか……」(190)

まどかマギカ本編終了後のSS

※オリキャラ多数
※不定期更新

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円環の理――巴マミがそう言っていた。
あれは紛れも無くまどかの願い。
新しい世界の概念、ルールそのものに成り果ててしまったあの子が、美樹さやかの元へ訪れて、また遠くへ連れ去っていく。
その過程に、鹿目まどかの存在を、私は確かに感じ取ることが出来た。

だけど私以外の誰も気付かない。覚えていない。
私が命をかけて救おうとした相手は、いまでは私以外の全ての人にとって、元々存在しないものと同じということになってしまった。

あの子は確かにここで生きていたのに。

私が魔法少女として存在する理由、私の命の対価は、この世界から永久に消え失せてしまった。

うなだれるマミ・杏子と別れ、私は自室に帰ってきた。

「いったいどうしたんだい? ほむら」

「お前は……」

キュゥべえ!
まどかを苦しめた全ての元凶。
許せない、よくも、よくも。

「よくも――」

「?」

無表情の顔。冷ややかな猜疑。

……あー。そうか。

この宇宙人も結局、一切の記憶を失くしてるんだ。
記憶も無ければ感情も無い。
となると、いくら怒りをぶつけても一人相撲にしかならないわね……。

「消えなさい。私は一人になりたいの。お前の顔なんて特に見たくない」

「そうは言っても、今の君は明らかに様子が変だ。
こんな状態で放っておくわけにはいかない。僕にも役目があるからね」

「…………」

「美樹さやかが消滅してから、急に君の様子がおかしくなった。確かに彼女は仲間だったけれど」

「聞こえなかったのかしら。消えなさい。さもないと」

「そういった言葉遣いも、奇妙だ。
少なくとも、仲間の死に動揺してるだけじゃない、そうだろう?
なにより――」

もういい、追い払おう。

……と思ったけど、武器が無い。
というか、盾が無い。

あれ? ええっと、それじゃ私さっきまで、どうやって戦ってたんだろ。
なんだか、記憶が……

「なにより今の君は、魔翌力も、因果も、まるで別人みたいじゃないか。
いったい君に、何が起きたって言うんだい?」

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