モバP「デレットモンスター!」(455)

既存だったらスマソ。




モバP「デレモン、ゲットだぜ!」






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―――モバタウン―――

P「くっそ!遅刻だ遅刻!!」タッタッタ

P「まさか冒険の出発当日に寝坊するなんて俺はアホか!」タッタッタ

P「ああ、昨日調子に乗って徹夜でイベント走るんじゃなかった!!」タッタッタ

P「っとと、博士の研究所は……ここか!!」キキーッ

P「約束の時間より30分も過ぎてる……やべ、どうしよう」

P「と、とりあえず誤ったほうがいいよな?だよな?」

―――千川研究所―――

ちひろ「ようこそ、千川研究所へ!」ガチャ

P「すみません、新人プロデューサーのPです!」ペコリ

ちひろ「まぁ!貴方が今日出発する4人目の新人プロデューサーなのね!」

P「4人目、ということは他の3人は……?」

ちひろ「みんな、デレモンを連れて旅に出たわよ」

P「それじゃ俺が一番最後か……すみません!遅れて!」

ちひろ「いいのよ別に。あ……でも……」

P「どうかしましたか?」

ちひろ「……実のところ、新人プロデューサー向けのデレモンがもういないのよ」

P「……えっ!?」

ちひろ「さっきまで、ちびりん、ちびうづき、ちびみおの3人がいたんだけど……」

P「まさか、全部……」

ちひろ「そう。だから、今渡せるのはこの子一人なんだけど……」スッ

>>4 修正

×ちびりん、ちびうづき、ちびみお
○ぷちりん、ぷちうづき、ぷちみお

あまり変わらないかもしれませんが、一応、ぷちで統一したかったので。

P「俺から文句は言えません!その子を是非!!」

ちひろ「でも……うーん……」

P「お願いします!」

ちひろ「……わかったわ。それじゃあ、この子を託します」

P「ありがとうございます!」

ちひろ「早速、出してみたらどうかしら」

P「えっ、いいんですか?」

ちひろ「まぁ……私は構わないわ」

P「よーっし、じゃあ行けー!!」

ポーン カッ

ぷちみく「……にゃ?」

P「この子は?」

ちひろ「ぷちみく、ね」

―――――――――――
ぷちみく

ぷちねこデレモン

にゃあ にゃあ うっさい にゃあ

タイプ:ノーマル


ひっかく
しっぽをふる
―――――――――――

P「ぷちねこデレモン、ですか」

ちひろ「そうね。だけどこの子、気性が凄く荒いのよ」

P「ほう、どれくらいですか?」

ちひろ「そうね。今あなたの頭に噛み付こうとしてるわ」

P「はい?」

ぷちみく「にゃ!」ガブーッ

P「ぎゃあああああ!!」

ちひろ「気に入らない人はすぐ、噛み付いたり、引っ掻かれたりするのよ」

P「ちょ、痛い痛い!!」

ぷちみく「にゃ!にゃ!」ガブガブ

P「く、くそ!戻れ!!」ピューン!

ぷちみく「にゃ?!にゃ!!」ササッ

P「な。よ、避けた?!このこの!!」ピューン ピューン

ぷちみく「にゃっ、にゃ!」サササッ

ちひろ「デレットボールに入らない子なんて珍しいわね」

P「ああ、くそ!この!」ピューン

ぷちみく「にゃああああ!!」ガブッ

P「ぎゃああああ!!」

ちひろ「そうね。しばらくはボールから出して旅をしてみたらどうかしら?」

P「ぐっ、そ、そうします」

ぷちみく「にゃ、にゃ」ガブガブ

ちひろ「ふふふ、それじゃあ旅に……ああ、その前に、これ」

P「はい?なんですかこれ?」

ちひろ「デレットボール5個にデレモン図鑑よ」

P「本当に頂いていいんですか?!あの、何かにつけて金額を要求する千川博士から無料で物を頂けるなんて!!」

ちひろ「……」ニコッ

P「ありがたく頂戴いたします」

ぷちみく「」ガタガタガタ

ちひろ「それじゃあ、行ってらっしゃい。期待してるわ」

P「はい!行ってきます!」

ぷちみく「にゃ!」

―――1番道路―――

P「とは言ったものの……」

ぷちみく「にゃ」

P「お前、本当にボールに入らないつもりか」

ぷちみく「にゃ」コクリ

P「いや、入れよ」ピューン

ぷちみく「にゃっ!」サッ ガブッ

P「うぐおおおおおお!!」

ぷちみく「……」ガジガジ

P「なんなのお前?!俺のこと嫌いなの?!」

ぷちみく「」コクリ

P「いやそこで頷かれると困るんだけど……」

ぷちみく「にゃっ。にゃにゃっ」

P「次はなんだよ……」

ぷちみく「にゃっ!」ビッ

P「何を指差して……」

ぷちゆか「おす!」

P「野生のぷちゆかじゃないか!」

―――――――――――
ぷちゆか

ぷちからてデレモン

おすにゃん いうな!

タイプ:かくとう


からてチョップ
にらみつける
―――――――――――

P「いきなり相性悪いな……なぁ、ぷちみく。あいつはやめておいたほうが」

ぷちみく「にゃっ!」ピョイン

ぷちゆか「おすっ!?」

ぷちみく「にゃにゃっ!にゃにゃにゃ!!」

P「おいおい、マジかよ……」

やせいの ぷちゆかが あらわれた!▽

P「と、とりあえずぷちみく!ひっかく攻撃だ!!」

ぷちみく「にゃー」ツーン

ぷちみくは いうことを きかない!▽

P「おおい!!戦闘の時ぐらい言うこと聞けよ!!」

ぷちみく「にゃーにゃー」フリフリ

ぷちみくの しっぽをふる! ぷちゆかの ぼうぎょが さがった!▽

ぷちゆか「おす!」ビュンッ

ぷちゆかの からてチョップ!▽

P「げっ!よ、避けろ!ぷちみく!!」

ぷちみく「にゃ?」

ぷちゆか「おす!!」ドゴッ

ぷちみく「にゃああああ!!」

こうかは ばつぐんだ!!▽

ぷちみくは たおれた▽

P「お、おい大丈夫かぷちみく!!」

ぷちみく「にゃああ……」ピヨピヨ

ぷちゆか「おす!」ペコリ スタスタスタ

P「なんかやたら礼儀正しいなあいつ……」

P「ってそんな事より、ぷちみくを回復させないと!!」

ぷちみく「にゃああ……?」

P「っと、ごめんな!少しの間だけだ!」ギュゥ

ぷちみく「にゃ……」

P「くっそ、デレモンセンターは次の街にしかない……」

P「だ、だけど草むらが多くて真っ直ぐ抜けるのは得策じゃないな……」

P「ぷちみく!ごめんな、少し遠回りして次の街に行くから!!」

ぷちみく「にゃあ……」

P「ここからだと、デレモンの住んでいないショーコの森を抜けるのが一番近いか……」

P「早くしないと!!」タッタッタ

―――ショーコの森―――

ボッチーボッチーキノコノコー♪

P「……」タタタタタ

ボッチーボッチーホシショーコー♪

P「……ん?」ピタッ

ボッチーボッチーキノコノコー♪

P「な、なんだこの歌は」

ぷちみく「にゃ、にゃあ!」

P「ど、どうしたぷちみく!暴れるんじゃない!お前、怪我してるだろうが!」

ぷちみく「にゃあ!にゃあ!」ビッ

P「え?あっち?」

ボッチーボッチーホシショーコー♪

ぷちきのこ1「フ、フヒヒ……」

ぷちきのこ2「フヒ……」

ぷちきのこ3「フヒヒ……」

P「んなっ!?こ、ここはデレモンの生息地じゃないはずだぞ?!」

―――――――――――
ぷちきのこ

ぷちえのきデレモン

むれるのが にがて
へんなうたを よくうたっている

タイプ1:草


どくのこな
いやなおと
―――――――――――

P「全然ぼっちじゃねーじゃねーか!!」

ぷちきのこ4「フ、フヒ?」

ぷちきのこ5「フヒヒヒヒ……」

P「あっ、や、やば……!!」

ぷちみく「にゃ!にゃ!」ビシッ

P「あ、あっちに逃げるのか?!」

ぷちきのこ6「フヒヒヒヒ……」

P「というか、様子がおかしくないか……?」

ぷちきのこ7「フヒ、フヒヒ」

P「なんか、こう、目からハイライトが消えてるような……」

ぷちみく「! にゃ!!」

P「―――えっ?」

ぷちきのこ1「フヒヒヒヒ!!」

ぷちきのこの どくのこな!▽

P「ぷちみく!危ない!!」ドン!

ぷちみく「にゃっ!?」

P「げほっ、ごほっ!」

ぷちみく「にゃ、にゃにゃっ!」ペシペシ

P「ひ、人に技を打つデレモン、なん、て」

P「(……頭がくらくらする……!)」

ぷちみく「にゃっ、にゃっ!!」

P「だ、大丈夫だ……たぶん……」

ぷちきのこ2「フヒ、フヒ、ヒャッハアアアアアアアア!」

ぷちきのこの いやなおと こうげき!▽

P「っ!ぷちみく!耳塞げっ!!」ギュゥゥゥ

ぷちみく「にゃああ?!」

P「うっ、ぐっ、ぐううう……」キィーン

ぷちみく「にゃ、にゃ!!」

P「(これはヤバイかも……嫌な音で更に思考が鈍る……)」ドサッ

ぷちみく「にゃ、にゃああ……」ポロポロ

P「お、おい、なんで泣くんだよ……まだ俺は……死んでねぇぞ……」

ぷちみく「にゃっ、にゃあ!」ユサユサ

P「あ、あんま揺さぶらないで欲しいかなーって……」

ぷちきのこ3「フヒ、フヒヒヒ……」ヒョコヒョコ

ぷちきのこ4「フヒヒヒ……」ヒョコヒョコ

P「(な、なんでこいつら人を襲ってるんだ……?!)」

P「……ぷちみく」

ぷちみく「にゃ?」グスッ

P「お前は、逃げろ」

ぷちみく「にゃっ?!」

P「もうすぐあいつらに囲まれる、から、その前に……!」

ぷちみく「……にゃあああ!!」ガブッ

P「ぐおおおお!?」

ぷちみく「にゃっ、にゃあにゃ、にゃー!!」

P「……逃げろ……駄々こねてる場合じゃねぇよ……」

ぷちみく「―――にゃあ!」キッ

ぷちきのこ5「フ、フヒ?」ビクッ

P「お前、まさか」

ぷちみく「にゃあ!!」バッ

P「な、なに俺をかばってるんだよ!早く逃げろよ!!」

ぷちみく「にゃあ!にゃあ!!」

ぷちきのこ6「フヒヒヒヒ……!」バッ

P「―――避けろ!!」

ぷちきのこの どくのこな!▽

ぷちみく「にゃっ!」シュン!

しかし こうげきは はずれてしまった!▽

ぷちきのこ7「フ、フヒ?」

P「ど、どこいった……?」

ぷちみく「にゃあああああ!!」バッ

ぷちきのこ1「フヒッ?!」

P「木の上?!」

ぷちみく「にゃっ、にゃっ、にゃあああ!!」ザシュザシュザシュッ!

ぷちみくの みだれひっかき!5かい あたった!▽

ぷちきのこ1~4は たおれた!▽

ぷちきのこ5「フヒッ!?」

P「お、おお……!」

ぷちみく「……フーッ!」

ぷちきのこ6「フヒっ!」タッタッタッタ

P「す、凄いなお前……あれだけいたのを一気に……」

ぷちみく「にゃあ、にゃあ!」ユサユサ

P「はははっ……」

P「(ああ、でも、だいぶ、いしき、が)」

ぷちみく「にゃあああ!!」

―――ローカルシティ デレモンセンター―――

P「っは?!」バッ

清良「あら」

P「こ、ここは……?」

清良「おはようございます。お目覚めですか?」

P「あ……ジョーイさん……」

ぷちきよら「きょっ!」

清良「お体の調子は?」

P「俺は……なんともないです……」

P「あ!!それより、ぷちみくは!!」

ぷちみく「にゃあああ」バッ ギュゥ

P「わぷっ」

ぷちみく「にゃあ、にゃあ!」ポロポロ

P「ぷちみく……」

清良「その子が貴方が森で倒れていると教えてくれたんですよ」

P「ぷちみくが?」

清良「ええ、デレモンセンターに来て、ぷちきよらに話しかけてて」

ぷちきよら「きょっ!」

P「そっか……ありがとな」ナデナデ

ぷちみく「にゃあ……」ゴロゴロ

―――――――――――
ぷちきよら

ぷちナースデレモン

おちゅーしゃの じかんですよー

タイプ:ノーマル


てんしのキッス
どくどく
きゅうけつ
―――――――――――

清良「それより……何があったんです?」

P「いえ……実は」

―――事情説明中―――

清良「ショーコの森に……目のハイライトがない、デレモンですか」

P「はい」

清良「……わかりました。ジュンサーさんの方にも連絡回しておきますね」

P「ありがとうございます」

清良「それで、どうしますか?」

P「と、いうと?」

清良「いえ、すぐにここを出るのか、それとも大事をとって一日休んでから行くか」

P「……じゃあ一日休ませてもらってもいいですか?」

清良「はい♪わかりました」

ぷちきよら「きょっ!」

P「……ぷちみく」

ぷちみく「……」zzz

P「本当に、ありがとな」ナデナデ

ぷちみく「……にゃあ」zzz

―――翌日―――

P「それじゃ、行ってきます!」

ぷちみく「にゃっ!」

清良「はい。行ってらっしゃい」

ぷちきよら「きょっ!」

―――二番道路―――

P「……なぁ、ぷちみく」

ぷちみく「にゃ?」

P「お前、さっきから俺の肩の上に乗ってるな」

ぷちみく「にゃ」

P「気に入ったのか?」

ぷちみく「にゃ!」ペチペチ

P「そっか。じゃあいいや」

ぷちみく「にゃあ」スリスリ

P「ははっ、くすぐったいって」

P「……さて、次の街まで昨日より遠いぞ?」

ぷちみく「にゃ!」

P「準備はいいか?」

ぷちみく「にゃあ!!」

P「よし!それじゃ行くぜ!」タッ

ぷちみく「にゃっ!」

デレットモンスター。縮めてデレモン。

この世界にはデレモンと呼ばれる不思議な生き物達が住んでいる。

これは、新人プロデューサーPとぷちみくの新たな物語の、始まりに過ぎない―――


おわり

おまけもあるのでもうちょいお付き合いを。

―――一日前 千川研究所―――

凛「……」

ぷちりん「……りんっ」

卯月「わー!可愛いー!」

ぷちうづき「うず!」

未央「ぎゅーってしていいかな?ね!」

ぷちみお「みお!みお!」

凛「……博士」

ちひろ「なに?」

凛「この子達、すっごく私達に似てる気がするんだけど」

ちびりん「りんっ!」

ちひろ「きっと気のせいよ」ニコニコ

凛「(そもそもデレモンって一体なんなの……)」

未央「ギュー!」ギュゥゥ

ぷちみお「みお♪」

―――――――――――
ぷちりん

ぷちれいせいデレモン

あんたが わたしの ぷろでゅーさー?

タイプ:こおり


つららばり
にらみつける
―――――――――――
ぷちうづき

ぷちがんばりやデレモン

しまむらうづき がんばります!

タイプ:ノーマル


はたく
にらみつける
―――――――――――
ぷちみお

ぷちげんきデレモン

おまたせー! えへへー

タイプ:電気


でんきショック
にらみつける
―――――――――――

凛「それで……私達はこの子を引き取ればいいの?」

ちひろ「ええ、そうよ。みんなバランスよく、使いやすい子になっているわ」

凛「そっか」

卯月「凛ちゃん!」

凛「?」

卯月「私、この子でいいかな?!」キラキラ

ぷちうづき「うづ!うづ!」

凛「……自分と似てる子が戦うって、なんか嫌じゃない?」

未央「そーかなー?」ギュゥゥ

ぷちみお「み……お……」

凛「未央。苦しそうだからやめてあげて」

ちひろ「はいぷちりんちゃんにプレゼント」つイヌミミ

ちびりん「りん?」カポッ

卯月&未央『可愛いいいいいい!!』

凛「やめて!!」

ちひろ「そうそう、旅に出るなら……一つ、耳にした情報があるわ」

凛「どんなの?」

ちひろ「実は……最近、目にハイライトのないデレモンが人を襲ってるらしいのよ」

卯月「目にハイライトがないって……」

ちひろ「どうも、誰かに操られているらしいのね。だから、出会ったら注意して」

未央「了解しましたー!」

ぷちりん「……りんっ!」カポッ←イヌミミ気に入った

凛「ぷちりん、それちょっとこっちによこそっか」

―――研究所外―――

ちひろ「それじゃあ、準備はいい?」

未央「うん!ばっちりだよ!」

卯月「それにしてもP君遅いね……」

凛「寝坊でもしたのかもね」

ちひろ「P君には色々苦労させるから、それで勘弁してあげて」

凛「苦労させるって……何させるんですか」ギロッ

未央「ひゃー、P君のことになると、凛は怖い怖い。氷タイプだー!」

凛「茶化さないでよ……」

ちひろ「とりあえず行ってらっしゃい。くれぐれも、気をつけてね?」

凛「うん。わかってる」

凛「それじゃあ」

未央「千川博士ー!」

卯月「行ってきまーす!」

ちひろ「うん、行ってらっしゃい」ニコニコ


ちひろ「……さって」

晶葉「博士、例の実験の結果が出た」

ちひろ「どう?」

晶葉「ああ……かなり凶悪なのが生まれる可能性が高い」

ちひろ「そう……ふふふ、お金を貯めた甲斐があったわね……」

晶葉「……本当にデレモンを人の手で作るのか」

ちひろ「ええ……そのために私は頑張ってきたんだもの」

ちひろ「……さ、実験を再開させましょう?」


To be continue……

おわり、と書いたのはもう書き溜めがないため。
需要があるなら明日以降も更新を続ける予定……

とりあえずタケシ役が決まらないので今日はここまで。
ここまで読んでくださってありがとうございました!

こんばんは。
ロックな女の子のお話。

アニポケ要素が強くなっています。ご了承を。

―――ローカルの森―――

P「ぷちみく!みだれひっかきだ!!」

ぷちみく「にゃあ!」ザッシュ!

ぷちみくの みだれひっかき!3かいあたった!▽

ぷちりか「りかっ!?」

ぷちりかは たおれた!▽

―――――――――――
ぷちりか

ぷちいもうとデレモン

いけー!わたしの かぶとむし!

タイプ:虫


たいあたり
うそなき
―――――――――――

虫取り「くっそー!やられたかぁ!」

むしとりしょうねんに かった!▽

P「よくやったぞぷちみく!」ナデナデ

ぷちみく「にゃぁん♪」ゴロゴロ

虫取り「ほら、そこが出口だ」

P「おう、さんきゅ」

虫取り「ってかここらでは見ない、珍しいデレモンだな。……気をつけろよ?」

P「え?」

虫取り「なんでも最近、珍しいデレモンが奪われる事件が多発してるらしいんだ……」

虫取り「もっとも、その子はデレットボールに入ってないから奪われっこないだろうけど」

P「そうか。助言ありがとな!」タッタッタ

虫取り「プロ戦、頑張れよー!」

P「ぷちみく、だんだん勝てるようになってきたな」

ぷちみく「にゃ!」

P「この調子でプロダクションも突破できるといいんだが……」チラッ

ぷちみく「にゃ?」

―――――――――――

ひっかく
にらみつける
みだれひっかき
―――――――――――

P「こういうのって、最初のプロダクションは岩タイプとかなのが基本なんだよな……」

ぷちみく「にゃあ……」

P「ま、岩タイプじゃないことを願おう」

ぷちみく「にゃ!」

P「よし、森を抜けるぞ!」

――――ロッカーシティ――――

P「お、おおう……これはまた……」

ぷちみく「にゃあ……」

ワイワイガヤガヤ

P「CDショップに楽器屋さん、それと……博物館?」

P「なんか街の外観がミスマッチだなぁ……こう……中途半端、というか……」

P「まぁ、賑わっているみたいだけど」

ぷちみく「にゃ!」グイグイ

P「ん?CDショップに行きたいのか?」

ぷちみく「にゃ」コクリ

P「そっか。じゃあデレモンセンターで回復してからな」

ぷちみく「にゃあ!」

P「……ってか、ジョーイさんって姉妹か何かなのかな……んなワケないか」

――――CDショップ――――

P「へー。結構充実してるなぁ」

ぷちみく「にゃ!にゃ!」グイグイ

P「はいはい、こっちですね」スタスタ

ぷちみく「にゃっ!」ビシッ

P「……期待の新人アイドル、前川みく?」

P「ってかぷちみくにそっくりだな」

ぷちみく「にゃ」ドヤァ

P「なんでお前が誇らしげなんだよ」

卯月「……あっ!P君だ!」

P「お?卯月!」

未央「久しぶりー!」

P「未央もか。ということは」

凛「……遅いよ」

P「凛も。やっと追いつけたみたいだな」

未央「へっへっへー、でもあたし達、もうプロダクションを突破しちゃったんだよね~」

P「げっ、じゃあ追いつけてねぇじゃん」

卯月「P君もファイト!だよ」

P「おう」

ぷちみく「にゃ」

凛「……肩に乗ってるその子は?」

P「え?ああ、俺の最初の相棒だけど」

ぷちみく「にゃあ!」フンス

未央「何この子可愛いー!!」

卯月「触っていい?撫でていいかな?」

P「いや、気に入った相手以外には……」

ぷちみく「しゃー!!」

未央「うわっ」

P「まぁ、こんな感じだ」

凛「そもそも……なんでデレットボールに入ってないの?その子」

P「ボールに入れようとすると、避けられて噛み付かれる」

卯月「変な子だねー」

P「まぁいいや。じゃあ俺はお前らに追いつくためにそろそろプロダクション行くよ」

凛「気をつけなよ。相手、岩タイプ使ってくるから」

P「げっ、やっぱりか……」

未央「卯月、凄い苦労してたもんねー」

卯月「うん……えーっと、その子もノーマルタイプなの?」

P「ぷちみく、だな。コイツもノーマルタイプなんだよ……もってことは」

卯月「そうなの、私の相棒の子もノーマルタイプで」

P「なるほど……何か勝つコツとかはあるか?」

卯月「えっと、諦めないこと!だよ」

P「卯月らしいな」

卯月「えへへー」

P「ちなみに凛と未央の相棒は何タイプだったんだ?」

凛「私は氷タイプ」

未央「私は電気タイプー!」

P「そっか。だったら岩が抜群の凛も苦労したんじゃ?」

凛「一回目の攻撃で相手が凍ったの」

P「さ、さいですか……」

未央「プロリーダー、なんでも直しとか持ってなくて涙目だったね!」

P「かわいそうに……」

凛「わ、私だってやりたくてやったわけじゃないし」

P「わかってるよ。そんじゃ、アドバイスありがとな!行ってくる!」タタタタ

未央「うん!またどっかで会おうねー!」

卯月「ばいばーい!」

凛「……」

未央「で、しぶりん」

凛「な、何?」

未央「なんで一緒に行こう、くらい言えないかなー。このヘタレー」

凛「う、五月蝿い。だって……」

卯月「だって?」

凛「ま、まだ夜に襲われたときとかの心の準備……とかが///」

未央「……ダメだこりゃ」

卯月「ダメだねこれ」

――――ロッカープロ――――

P「たのもー!」

ぷちみく「にゃあ!」

???「だーかーらー!地面には電気が効かないんだって!」

???「うー……」

P「え、えーっと……」

???「ん?ああ、挑戦者かちょっと待ってな」

P「は、はぁ」

???「おいだりー!挑戦者だってよ!」

李衣菜「はーい……うう」

???「もっとしっかりしろよ」

李衣菜「だってぇ、なつきちぃ……」

夏樹「連続で三回も負けた事気にしてるのはわかってるが、挑戦者が来たらプロリーダーは迎え撃たなきゃいけないんだろ?」

李衣菜「わかってるよぉ」

P「え、えーっと……そちらの方」

夏樹「ん?ああ、あたしは木村夏樹だ。夏樹とでも呼んでくれ」

P「そうか。夏樹さん」

夏樹「夏樹でいい。さんはいらない。敬語もなしで」

P「……夏樹がプロリーダーじゃないのか?」

夏樹「違う違う。プロリーダーはコイツ」

李衣菜「わ、私、プロリーダーの多田李衣菜っていいます!」

P「李衣菜ちゃん、か」

李衣菜「ちょ!なんで私はちゃん付けなんですか!!」

P「へ?」

李衣菜「だったら私も李衣菜でいいです!ちゃんはいりません!敬語もなしで!」

P「お、おう……」

夏樹「あたしはコイツのサポートみたいなもんさ」

P「そうなのか」

夏樹「まだプロリーダーになったばかりのにわかだから、プロデューサー歴長いあたしが指導してやってるってこと」

李衣菜「にわかっていうなぁ!」

P「なるほど」

夏樹「そういうわけで、ほら、だりー」

李衣菜「ううう……あ、そうだ!!」

夏樹「ん?」

李衣菜「こ、このプロダクションに挑戦するには、なんか、こう、ロックな感じの物を持ってこないといけないんです!!」

P「は、はぁ」

夏樹「おいコラだりー!」

李衣菜「なつきちは静かにしてて!え、えー。なので、なにかロックな感じの物を持ってきてください」

P「ロックな感じのもの……ねぇ」

ぷちみく「にゃー?」

夏樹「(な、なぁ)」ボソボソ

P「(はい?)」

夏樹「(あんま気にしないでいいからな?あいつ、拗ねてるだけだから)」

P「(子供っぽいんだな)」

夏樹「(そうなんだよ……)」

夏樹「(だからまぁ、適当に時間潰してまた来てくれよ。機嫌、直しておくからさ)」

P「(おう、わかった)」

P「それじゃあ、また来るわ」

ぷちみく「にゃ!」

李衣菜「わ、私はロックって認めるまで何回もやり直しですからね!!」

P「はいはい……」

夏樹「そんじゃ、また後でな」

P「りょーかい」

――――ロッカーシティ―――――

P「時間潰せって言われたから、博物館来てみたけど……」

P「何?ウサミン星人の化石……?」

P「……いやいやいや」

ぷちみく「にゃ、にゃ」グイグイ

P「ん?次はどこに向かえって?」

ぷちみく「にゃ!」ビシッ

少年「うう、ぐすっ、えぐっ」

P「泣いてる子がいるな、それが?」

ぷちみく「……にゃあ」ガブッ

P「痛い痛い!!わ、わかった!は、話を聞いてみよう!」

ぷちみく「にゃあ」コクリ

P「え、えーっと。そこの君」

少年「な、何?」

P「一体どうしたんだい?泣いてるみたいだけど……」

少年「あのね、パパがね、ぷちめいこが欲しいのに、取ってきてくれないんだ!」

P「ぷちめいこか……」

―――――――――――
ぷちめいこ

ぷちぶらりたびデレモン

そうだ きょうといこう!

タイプ:地面


たいあたり
みやぶる
―――――――――――

P「……ふーむ」

ぷちみく「にゃ、にゃあ」

P「捕まえる、のか?」

少年「ほんとっ!?」

P「あ、いや……」

少年「あ……」シューン

ぷちみく「にゃあ!」ドシュッ!

P「爪!爪えええ!!」

少年「え?」

P「わ、わかった!捕まえてやるよ!」ドクドク

少年「本当?!」キラキラ

P「ああ、俺に任せろ」ドクドク

ぷちみく「にゃっ!」ドヤッ

少年「えっと、あの、頭……大丈夫?」

P「言い方がアレだけど大丈夫だ」

少年「じゃあ、僕、ここ待ってるね!」

P「おう、ちょっと待ってな!」

――――3番道路――――

ぷちめいこ「めい?」

P「見つけた!」

やせいの ぷちめいこが あらわれた!▽

P「ぷちみく!ひっかく攻撃!」

ぷちみく「にゃあ!」ザシュッ

ぷちめいこ「めいっ」

P「よし、大分削れたな」

やせいの ぷちめいこの たいあたり!▽

ぷちめいこ「めいっ!」ドン!

ぷちみく「にゃっ、にゃ」スタッ

P「ナイス着地。ダメージは全然ないみたいだな」

P「よし……初めてだから少し緊張するな」

P「行け!!デレットボール!!」ヒューン!

ぷちめいこ「めいっ!?」バシュゥゥゥン

カタカタ カタカタ カタカタ ポウン

ぷちめいこを つかまえた!▽

P「いよっし。やったなぷちみく!」ナデナデ

ぷちみく「にゃ!」

――――ロッカーシティ――――

P「……ん、少年と、誰かいるぞ?」

少年「く、来るったら来るんだ!約束したんだ!」

富豪「全く……そんな約束忘れているよ。それより、ほら、このプレゼントを」

少年「僕はそんな楽器より、ぷちめいこが欲しいんだ!一緒に色んなところに行ってみたいんだ!」

富豪「うーむ……」

P「あのー。すみません」

少年「あ!」

富豪「はい?」

P「よ。ほら、捕まえてきてやったぞ」スッ

少年「本当にもらっていいの!?」

P「おう、約束だからな」

ぷちみく「にゃあ!」

少年「ありがとう!!」

富豪「君か。うちの息子と約束をしたのは」

P「はい。すみません、勝手に」

富豪「いやいや!随分助かったよ!お礼……と言いたいところなんだが、生憎持ち合わせが……」

P「あ、いえいえいいですよ!コイツに言われてやったことなんで」

ぷちみく「にゃ!」ドヤァ

富豪「ほう、珍しいデレモンですな」

P「やっぱそうなんですか?」

富豪「少なくともこの辺では……ああ、そうだ。じゃあ息子へのプレゼントの予定だったコレを」スッ

P「え、あの、なんか高そうな箱に入れられてるんですけど……しかも結構大きい……」

富豪「売ればきっと、かなりの金額にはなりましょう。私からのお礼です。受け取ってください」

P「い、いいんですか?」

富豪「ええ、息子の笑顔が見れましたので」

少年「ね!早速、家で出してみていい?!」

富豪「ああ、庭でな」

少年「やーりぃ!」

富豪「それでは私はこの辺で。今回は本当にありがとうございました」

P「いえいえ、こちらこそ!」

P「……さて、これ、どうしよっか」

ぷちみく「にゃあ」チョイチョイ

P「とりあえず開けてみるか……よいしょ……」ガパッ

P「……こ、これは!」

――――ロッカープロ――――

P「たのもー!」

ぷちみく「にゃー!」

夏樹「げっ、ま、まだ、ちょっと早い」

李衣菜「おお!待ってましたよ!」

P「お望み通り、ロックな物、持ってきたぜ」

夏樹「は?あんたその箱……いやちょっと待て!」

P「ほら、受け取れ」

李衣菜「随分大きいですね……よいしょ」ガパッ

李衣菜「……こ、これって」

P「ああ、ギターだ」

夏樹「あんた、こんなのどこにあったんだ?!」

P「もらった」

夏樹「も、もらったって」

李衣菜「な、なんか随分、その、高そうなんですが」

P「俺が買ったわけじゃないし、別に心配しないでもいい。俺が持ってても宝の持ち腐れだからな」

夏樹「……これな、普通に買ったら300万近くするんだわ」

李衣菜「うぇえええ?!わ、私の給料の何ヶ月分……」

夏樹「あたしでも正直、お目にかかった事がないぐらいだよ……」

李衣菜「そ、そんなのを、本当に、私に?」カクカク

夏樹「膝震えてんぞ」

李衣菜「だ、だってぇ……」

P「いらないんなら売り払いに行くが」

李衣菜「欲しいです!是非とも!!」

夏樹「あたしが欲しいくらいだよ。いーなぁ……」

P「と、いうことは……バトルしてもらえるって事でOK?」

李衣菜「は、はい!不肖、多田李衣菜、勝負させていただきます!」

夏樹「物もらったからって手を抜くなよ」

李衣菜「当たり前だよなつきち!」

P「ぷちみく。卯月からの受け売りだが、絶対諦めるなよ!」

ぷちみく「にゃあ!」

李衣菜「じゃあこちらへ!バトル場は地下にありますので」

――――ロッカープロ 岩ステージ――――

ロッカープロリーダーの 多田李衣菜が 勝負をしかけてきた!▽

多田李衣菜は ぷちなつきを くりだした!▽

ぷちなつき「なっつ!」

―――――――――――
ぷちなつき

ぷちロックデレモン

ロックアイドル さいきょう!

タイプ1:電気


でんきショック
たいあたり
―――――――――――

夏樹「ってお前!また順番変えてなかったのかよ!!」

李衣菜「え、あっ!そ、そうだった!」

P「一番最初に電気タイプが来るとはな……岩タイプと聞いてただけにビックリだ……」

P「だがこっちとしては好都合!行け!ぷちみく!」

ぷちみく「にゃあ!」ピョン

李衣菜「ま、まぁいいです。もう一匹は貴方と相性のいい子ですから!」

夏樹「そんな事言ってさっきも卯月とかいう子に急所当てられて負けたんだろうが……」

李衣菜「そ、そうだっけ」メソラシ

P「……なぁ、攻撃していいのか?」

李衣菜「えっ」

P「ぷちみく!みだれひっかき!」

ぷちみく「にゃあああ!」ザシュザシュ!

李衣菜「う、うわっ!?よ、避けて!!」

ぷちみくの みだれひっかき!2かいあたった!▽

P「当たった回数が少なかったか……」

ぷちみく「にゃっ」スタッ

李衣菜「こ、今度はこっちの番ですよ!ぷちなつき!でんきショック!」

ぷちなつき「なっつー!!」バリバリバリ!

P「ぷちみく、そこの岩陰に隠れろ!!」

ぷちみく「にゃっ」ササッ

バリバリバリバリ!

李衣菜「ちょ!?ずるくないですかそれ!!」

夏樹「李衣菜。ジムの仕掛けをうまく使うのも作戦の一つだ」

李衣菜「う、うー!!」ナミダメ

P「(……なんだかいじめたくなってくる表情だな)」

P「ぷちみく!みだれひっかき!」

ぷちみく「にゃあ!」ササッ

李衣菜「げ、迎撃してやる!でんきショック「とみせかけて隣の岩陰に!」えっ!?」

ぷちなつき「なっつー!」バリバリ

李衣菜「わぁあ!!ダメダメ!!」

ぷちみく「にゃあっ」タタタタッ

P「今だ!隙だらけのぷちなつきにみだれひっかき!!」

ぷちみく「にゃあっ!」タンッ

ぷちなつき「なっつ!?」バリバリ

ぷちみく「にゃっ、にゃっ、にゃあ!」ザシュザシュザシュッ!

ぷちなつき「なっつー!!」

ぷちみくの みだれひっかき!3かいあたった!▽

あいての ぷちなつきは たおれた!▽

李衣菜「うー!!うー!!」ナミダメ

P「ははは、なるほど。これはまだにわかだな」

李衣菜「にわか言うなー!!」

夏樹「言われてもしかたねぇよだりー……」

P「そもそも途中で交換すりゃよかったじゃん」

李衣菜「あうっ」

夏樹「……さっき交換について教えたはずだったんだがなー……」

李衣菜「いいもんいいもん!まだ1匹いるもん!いけー!!」ポーン

ぷちりいな「りーな!」

―――――――――――
ぷちりいな

ぷちにわかデレモン

クールだもん!キュートでも パッションでも ないもん!

タイプ:岩


いわおとし
さわぐ
かたくなる
―――――――――――

李衣菜「にわか言うなっ!!」

P「えっ!?誰もそんな事言ってないけど?!」

夏樹「あー。気にしなくていいから」

P「(さて、相手は岩タイプ……対する俺はノーマル技しかない)」

P「(ちょっとずつ、ちょっとずつ、ダメージを与えていくのが得策か)」

P「(いや……相手が岩単体なら……)」

李衣菜「ぷちりいな!いわおとし!」

ぷちりいな「りーなっ!」ポイポイ

P「上からか!ぷちみく、駆け回って避けろ!!」

ぷちみく「にゃ!」タッタッタ

李衣菜「当たれ当たれ!!」

ぷちりいな「りーなっ!りーなっ!」ポイポイ

P「ぷちみく!Uターンだ!」

ぷちみく「にゃっ!?にゃにゃっ!」キキーッ タタタタ

P「落ちてる石を拾え!」

ぷちみく「にゃあ!」ヒョイッ

夏樹「……へぇ、面白い戦い方だな」

李衣菜「ま、まだまだー!」

ぷちりいな「りーなっ!」ポイポイ

P「3……2……1……」

ぷちみく「にゃあ!」

P「今だ!ぷちみく!ぷちりいなにその石を叩きつけろ!!」

ぷちみく「にゃあっ!」タタタタッ

ぷちりいな「りーなっ!?」

李衣菜「う、うわあっ!?」

ぷちみく「にゃあっ!」ガンッ!

ぷちみくの いわをたたきつけるこうげき!▽

ぷちりいな「……りー……なー……」

李衣菜「ぷちりいな!」

ぷちりいな「……」ピヨピヨ

P「勝負あった、か?」

李衣菜「ま、まだです!ぷちりいなは、ぷちりいなは!」

夏樹「だりー、やめとけ……」

ぷちりいな「う、う」グスッ

夏樹「―――っ!今すぐその子をボールに戻せ李衣菜!!」

李衣菜「え?」

ぷちりいな「びええええええええ!!」キーン

P「うわっ!?」

ぷちりいな「びえええええええ!!」キーン

ぷちみく「にゃあっ!?」ドゴッ

ぷちりいなの さわぐこうげき!▽

きゅうしょに あたった!▽

P「ぷ、ぷちみく!!」

ぷちりいな「びええええええええ!!」

P「な、なんだありゃ」

夏樹「あー……やっちまったか」

李衣菜「ど、どういうこと?」

夏樹「どうもこうもねぇよ……あいつ、泣いたら暴走するんだ」

P「ど、どうすれば止められる?」

夏樹「倒すか泣き止むのを待つ、だな……」

夏樹「うーん、泣き止むのを待つ頃には、あいつも回復してる。さっきまでバトルしてたのが水の泡だ」

夏樹「バッジを渡したいところだが、HPが残ってるんじゃなぁ……」

夏樹「前の三人は凍らせたり、なんだかんだでHPを中途半端に残すことがなかったんだ」

P「だから、こんな暴走もなかった?」

夏樹「そうだ。だけど倒すのはかなり無茶だ。あいつの周りにはさっきぷちみくが吹っ飛ばされたように衝撃波が出てる」

夏樹「あーなるとボールにも戻らないし……」

ぷちみく「にゃあ……」

夏樹「ぷちみくも今の一撃でだいぶ弱ってるみたいだしな」

P「……いや、倒そう」

夏樹「本気か?」

P「ぷちみく、行けるか?」

ぷちみく「にゃあ!」

李衣菜「ご、ごめんなさい。私のせいで」

P「気にすることはないさ。そもそも君のせいじゃない」

P「謝りたいんなら、このバトルが終わったあと、ここの名産品でも奢ってくれよ」ニコッ

李衣菜「は、はい……!」キュン

夏樹「(おや、だりーの様子が……?)」

P「さて、やるか……とは言っても……」

李衣菜「びええええええ!!」

P「近づけないんじゃな……」

ぷちみく「にゃ!にゃ!」ガシッ

P「ん?それは……いわおとしの時の石片?」

ぷちみく「にゃっ!」ブンッ

P「……なるほど、投げるのか!」

ぷちみく「にゃあ!」

P「よし、じゃああいつを狙って投げてみろ!」

ぷちみく「にゃ!」ビュンッ

ぷちりいな「びえええええええ!!」パキィン

P「……空中でバラバラになったんだが」

ぷちみく「にゃあ……」

P「物を投げるのも無理、か……」

http://i.imgur.com/X7KGVvV.jpg
ぷちみく

http://i.imgur.com/OQdntm9.jpg
ぷちゆか

http://i.imgur.com/gFYvqem.jpg
http://i.imgur.com/d7Kz1oX.jpg
ぷちきのこ

http://i.imgur.com/ISoKnwZ.jpg
http://i.imgur.com/7lpyHNK.jpg
柳清良(23)

夏樹「……なぁ、バッジはやるからよ。諦めてくれないか?」

P「え?」

夏樹「ちゃちゃっと誤魔化せばなんとかなりそうだしさ。李衣菜もそれでいいよな?」

李衣菜「うん……」

P「……いや、これはぷちみくにとって……最初の試練なんだよ」

ぷちみく「にゃ」

P「そもそも、ここで変なふうに勝っちまったら、あいつらに顔向けできないんでね!」

P「ぷちみく、俺はお前を信じるぞ。行けるか?」

ぷちみく「にゃあ」

夏樹「おい、何する」

P「ぷちみく!全速力で突っ込みながらひっかく攻撃!!」

ぷちみく「にゃあああああ!!」タタタタタ

バギィィィン!

ぷちみく「にゃあああ!!」ガガガガガガガ

ぷちりいな「びええええええ!!」ガガガガガガ

夏樹「衝撃波と競り合ってる……」

ぷちみく「にゃ、にゃあああ」グググググ

ぷちりいな「びええええええ!!」ガガガガガガ

李衣菜「で、でも押し負けてるよ!?」

P「……ぷちみく!お前なら行ける!貫けえええええええ!!」

ぷちみく「にゃあああああああ!!」キィーン!

ぷちりいな「びえええええ!!」ギギギギギギ

夏樹「つ、爪が光りだしたぞ!?」

ひっかくは メタルクローに しんかした!▽

李衣菜「技の、進化……初めて見た……」

ぷちみく「にゃあっ!!」ザグシュッ!

ぷちりいな「……りー、なぁ」ドサッ

ぷちみくの メタルクロー!▽

こうかは ばつぐんだ!ちびりいなは たおれた!▽

プロリーダーの 多田李衣菜に 勝利した!▽

P「よっしゃ!よくやったぞぷちみく!」ギュゥゥゥ

ぷちみく「にゃあ!」

李衣菜「……凄い、衝撃波ごと切り裂いて……」

夏樹「ああ、あたしもこんなヤツ初めて見たよ」

夏樹「もしかしたら……【持ってる】ヤツなのかもな」

李衣菜「うん……」

夏樹「ああもう、李衣菜。泣くなよ」

李衣菜「な、泣いてないもん」ポロポロ

夏樹「はいはい」ギュッ ポンポン

李衣菜「うえええ……また、負けちゃったよっ……!」ギュゥゥゥ

――――ロッカーシティ プロダクション前――――

李衣菜「それじゃあ、ロックバッジをお渡しします」

P「おう、ありがとな!」

ぷちみく「にゃあ!」

李衣菜「それと……これも」

P「これは?」

李衣菜「技マシンです。これを使えばいわおとしを簡単に覚えさせられます」

P「へぇ……ちなみにぷちみくは」

ぷちみく:おぼえられません

P「……ですよね」

ぷちみく「にゃ?」

李衣菜「あの、Pさんはこれからどこへ……?」

P「俺は世界中のプロダクションを回りながら旅するつもり」

李衣菜「そう、ですか……」

P「……どうした?」

李衣菜「あ、いえ、なんでもありません……」

李衣菜「それじゃあ……あの、お元気で!」

P「おう!またな!」

ぷちみく「にゃあ!」フリフリ

李衣菜「……はぁ……」

――――ロッカープロ――――

李衣菜「……はぁ」

夏樹「おい、だりー」

李衣菜「何ー?」

夏樹「お前、Pさんについて行きたかったとか思ってるだろ」

李衣菜「!? そ、そそそそ、そんな事ないよ!」ブンブン

夏樹「嘘つけ。慌てすぎだ」

李衣菜「あう……で、でも私、プロリーダーだし……」

夏樹「だから、諦めるのか?」

李衣菜「それに、Pさんに迷惑かかっちゃうかも……」

夏樹「あーあ。お前が行きたいって言うなら、あたしがプロリーダーの代理してやるのになー!」

李衣菜「な、なつきち?」

夏樹「本当に残念だったなー」

李衣菜「……あははっ、何それ」

夏樹「うっせ。で、行くのか?行かないのか?」

李衣菜「……行き、たい」

夏樹「そっか。じゃあプロはあたしに任せとけ。そもそもあたし、お前より強いしな」

李衣菜「そ、それは言わない約束!」

夏樹「はははは、すまんな」

李衣菜「もう……」

夏樹「ちゃんとたまには連絡入れろよ?」

李衣菜「うん」

夏樹「あ、あとコレはあたしからの餞別な」スッ

李衣菜「これ……ギターケース?」

夏樹「ああ。もらったアレ、持っていくんだろ?」ビッ

李衣菜「……ありがとなつきち!大好き!!」ギュゥゥゥ

夏樹「よせよ。まぁ、ここに帰ってくる頃には曲の一曲くらい、弾けるようになっとけよ?」

李衣菜「い、一曲くらい弾けるもん」

夏樹「へぇ、例えば?」

http://i.imgur.com/3IkQ2Sa.jpg
http://i.imgur.com/ZOLOSBb.jpg
渋谷凛(15)

http://i.imgur.com/g7Zf3mN.jpg
http://i.imgur.com/7ZmDWh6.jpg
ぷちりん

http://i.imgur.com/cjpGfUB.jpg
http://i.imgur.com/NCyBWMr.jpg
島村卯月(17)

http://i.imgur.com/hujwLTx.jpg
ぷちうづき

http://i.imgur.com/nyxGNT1.jpg
http://i.imgur.com/soK0G2u.jpg
本田未央(15)

http://i.imgur.com/GYOPeK4.jpg
ぷちみお

李衣菜「……ねこふんじゃった」

夏樹「逆に凄いな?!」

夏樹「そんなんじゃダメダメだ。あたしを唸らせるくらいのギターテク、世界回って習ってこいよ」

李衣菜「うん、わかった!期待しててね!」

夏樹「期待はしないで待ってる」

李衣菜「酷い!?」

夏樹「それじゃ……また会おうな!」

李衣菜「うん!暫くの間、元気でね!!」

――――おつきみ山前 デレモンセンター――――

P「いやー。ここにデレモンセンターがあってよかったよ」

ぷちみく「にゃあ!」

清良「ふふふ、皆さんそうおっしゃいます」

ぷちきよら「きょっ!」

P「(同一人物……なワケないよな……?)」

李衣菜「はっ、はっ、Pさん!」ウィーン

P「うぇ?!り、李衣菜お前!?ぷ、プロは?!」

李衣菜「なつきちに任せてきました!」

P「え?!な、何?忘れ物か何か?」

李衣菜「そ、そうじゃないんですけど……その」

李衣菜「わ、私を一緒に、旅に連れてってくれませんか?!」

P「……うえええ?!」

李衣菜「わ、私頑張りますから!りょ、料理くらいならできますよ!」

P「そうじゃなくて!どうして急に!?」

李衣菜「……私、Pさんと戦って思ったんです」

李衣菜「まだまだ、世界は私が思っている以上に大きいんだって!」

李衣菜「だから私、世界を回るPさんと一緒に、その大きな世界を見てみたいなって!」

清良「(あら、告白かしら今の……)」

P「……そっか」

P「いいのか?結構辛い旅になるぞ?」

李衣菜「はい」

P「野宿とかもあるかもだぞ?」

李衣菜「うっ、だ、大丈夫です」

P「そもそも……俺男で、お前女だぞ?」

李衣菜「はい、そうですね。えーっと、それが?」

P「(えええええ……)」

P「……わかった。じゃあ今日からよろしくな、李衣菜!」

李衣菜「はいっ!今日からよろしくお願いします!Pさん!」

To be continue……

おまけ「500円の例のアレ」


オヤジ「そこのお兄さん!」

P「はい?」

オヤジ「秘密のデレモンが、なんと今なら500円!買うかい?」

P「500円……ってかデレモンの売買は禁止されてるはずなんですが」

オヤジ「う、こ、細かいことはいいっ子なしよ!か、買うの?!買わないの?!」

P「(500円ならさっき李衣菜に勝ったからその賞金でなんとかなる)」

P「(この先のお月見山の攻略を考えた場合、もう一人くらい仲間が欲しいな……)」

P「よし、買います」チャリン

オヤジ「毎度ありぃ♪」

P「さて、買ったんだけど……」

ぷちみく「にゃ?」

P「今日からお前の仲間になる子だ。仲良くしてやれよ?」

ぷちみく「にゃ!」

P「よし、いっけー!」

ポーン カッ!

ぷちさちこ「ふふーん!」

P「ほう、なかなかカワイイ子だな」

ぷちみく「にゃあ」ガジガジ

P「痛い痛いなんで噛むんだ」

―――――――――――
ぷちさちこ

ぷちカワイイデレモン

ガボゴボガボゴボボ!

タイプ:水


いばる
―――――――――――

P「お、おう……(一瞬説明文がバグかと思ったぞ)」

ぷちさちこ「ふふーん!」ドヤァ

P「(タイプは凄く優秀なんだけど、技がなぁ……)」

P「(育てていったら別の技覚えるかな……)」

P「まぁいいや、とりあえずよろしく」サッ

ぷちさちこ「ふふーん!」

P「……」

ぷちさちこ「ふふーん!」

P「いや、あの、握手……」

ぷちさちこ「ふふーん!」ドヤァ

ぷちみく「にゃあ」ザシュッ

ぷちさちこ「ふぎゃー!」

P「……本当に大丈夫かなぁ、このパーティ……」

おまけ2 「一方その頃」


凛「―――はっ!!」

未央「どったの?」

凛「今、Pさんが女の子を新しく仲間に加えたような」

未央「いや、ないない」

凛「ちょっと戻る」タッ

未央「待って!もうすぐお月見山出口だから!!」


卯月「この子可愛い~♪」ナデナデ

ぷちなな「みみみん!」


おまけおわり

今更になって特製書いてないなぁ、と。
ちょっと特製考えてきまする……使わないかもしれないけど。

http://i.imgur.com/ozX8PMr.jpg
http://i.imgur.com/IRMTyti.jpg
池袋晶葉(14)

http://i.imgur.com/C0kZmjs.jpg
ぷちりか

http://i.imgur.com/8HJQyA2.jpg
http://i.imgur.com/cYKY8iJ.jpg
多田李衣菜(17)

http://i.imgur.com/jiQHGRn.jpg
http://i.imgur.com/TtwjZiX.jpg
木村夏樹(18)

http://i.imgur.com/PcEuSKT.jpg
http://i.imgur.com/bjIrBMk.png
ぷちなつき
ぷちりーな

http://i.imgur.com/ugHUtw5.jpg
http://i.imgur.com/WXS93in.jpg
ぷちさちこ

おっつおっつ
これはぷちが進化するんじゃなくて、技が進化するってことでええのん?

ぷちみく:するどいめ
ぷちゆか:ノーガード
ぷちきよら:てんのめぐみ
ぷちきのこ:ほうし
ぷちりん:アイスボディ
ぷちみお:でんきエンジン
ぷちうづき:じゅうなん
ぷちりか:カブトアーマー
ぷちめいこ:すながくれ
ぷちなつき:せいでんき
ぷちりいな:いしあたま
ぷちさちこ:すいすい

こんな感じで。芽衣子に似合う特性が思いつかなかった……

>>176 >>177 画像ありがとうございます!!

>>178 一応、ぷちから進化する予定はあります。技進化はアニポケではありそうだなと思いまして。

こんばんは。久しぶりの更新です。
今回はお月見山編となります。と、言っても名前は変えてありますので元の場所がわかりにくいかもしれませんが……

ちなみに小出しにする理由としてはそもそも、これは長編にしようとは思ってなかったからです。
一発ネタ程度だったので続きを全然用意していませんでした。

それでは、どうぞ。

―――デレモンセンター―――

P「よし、そろそろ行くか」

李衣菜「お手!」

ぷちみく「にゃ」プイッ

李衣菜「うー……」

P「何やってんだよお前……」

李衣菜「ぷちみくちゃんと仲良くしようと思ってたんですー」

P「こいつと仲良くなるのは至難の技だぞ?」

李衣菜「Pさんはどうやってこの子と仲良くなったんですか?」

P「んーと、ぷちみくを庇って野生のぷちきのこの毒の粉を食らったな」

李衣菜「大丈夫なんですかそれ?!」

P「大丈夫なワケないだろ。普通に意識を失った」

李衣菜「そ、それで?」

P「で、その時にぷちみくがジョーイさんを呼びに行ってくれてな」

李衣菜「なるほど……つまり、私もぷちみくちゃんを庇って毒の粉を……」

P「いや、やるなよ?」

李衣菜「えー」

P「えー、じゃないわ!お前は女の子なんだから、無茶なんかさせられるか!」

李衣菜「……そ、そうですか」カァ

P「そういう事だ。そんじゃ行くぞ」

李衣菜「はい……あ、そうだ。これから向かうのって、ウサミン山ですよね?」

P「ああ、そうだな」

李衣菜「それなら洞窟内の事は任せてください!私、何度もジャズシティまでは行き来してるんです」

P「それは……大丈夫なのか?」

李衣菜「酷くないですか!?」

P「いや、夏樹の方が頼りになりそうだし……」

李衣菜「もしかしてPさん私の事嫌いなんですか!?」

P「そもそもにわかだし……」

李衣菜「にわか言うな!……もういいです。Pさんなんて知りません!」

P「ごめんって。どうも李衣菜を見てるといじめたくなってな」

李衣菜「いじめたくなるって……小学生ですか」

P「なんというか……泣き顔の李衣菜を見てると、嗜虐心をそそられるんだよ」

李衣菜「ジュンサーさーん!!この人ですー!!」

P「待て!!冗談だ!!」

李衣菜「冗談に聞こえませんでしたけど……私はまだ許してなんかないんですからね!」

P「わかった。じゃあぷちみくと簡単に仲良くなれる方法を教えよう」

李衣菜「えっ?本当ですか?!」

P「ちょっと目をつぶってろよー」

李衣菜「は、はい……」

P「よっ」シュッ

ぷちみく「!」

李衣菜「ひゃっ、な、今何を頭にかけたんですか?!」

ぷちみく「にゃーん♪」ピョン ボフッ

李衣菜「わっ!?あ、頭の上に……」

ぷちみく「にゃ♪にゃ♪」ゴロゴロ

P「どうだ」

李衣菜「す、凄いですね……それで、何をかけたんですか?」

P「マタタビのエキスを薄めたものだ。一応、猫だし反応するかと思ったらやっぱり反応したな」

李衣菜「なるほど、マタタビ……」ソッ

ぷちみく「にゃ!」ペチッ

李衣菜「あう、撫でさせてはくれない……」

P「そんじゃそろそろ行こうか。道案内頼むぞ」

李衣菜「え?あ、はい!お任せください!」

P「(こいつチョロいな……)」

李衣菜「ふふっ、ぷちみくちゃん♪」

ぷちみく「にゃあ♪」

P「(でも可愛いな)」

―――ウサミン山―――

P「へー。中は結構明るいんだな」

李衣菜「ええ。少し遠くにあるアンキラトンネルやアミマミ島と比べると、全然明るいですね」

P「フラッシュを用意してなくて少し焦ったけど、あまり気にならないな」

李衣菜「まぁ、だから私も迷わないんですけどね……」ボソッ

P「ん?何か言ったか?」

李衣菜「いえいえ。それじゃあ先に進みましょう。あ、そうそう」

P「何かあるのか?」

李衣菜「このウサミン山、化石が沢山発掘される事で有名なんですよ」

P「そうなのか……ああ、だからロッカータウンに博物館があったんだな」

李衣菜「それで、観光客も沢山訪れていて……中には勝負を仕掛けてくるお客さんもいますから、注意してください」

P「へぇ。さも自分が仕掛けられた事があるような言い草だな」

李衣菜「ま、まぁ……何度もここを通ってますし……」

P「勝てたのか?」

李衣菜「……五分五分」

P「おいおいプロリーダーがそれでいいのかよ……」

李衣菜「い、いいんです!ここに来る人は結構強いんです!」

P「本当かなー」

李衣菜「信じてませんね!ま、負けても知りませんから!!」

―――数分後―――

ぷちゆか「おす……」ドサッ

山男「くっ、俺の負けだ……」

P「よーし。よくやったぞぷちみくー。苦手なタイプも何とかなってきたな」

ぷちみく「にゃ!」

李衣菜「……」

P「えーっと。今のが3人目か……出来るだけ連戦は避けたいんだけど……どうした李衣菜?」

李衣菜「いえ別に……」

P「そんで?次はどっちに進めばいい?」

李衣菜「えーっと、こっちです。あ、右にも梯子がありますけど、そっちは別の場所に出ちゃいますので」

山男「最近の子は強いんだねぇ……さっきも3人の女の子にやられちゃったよ」

P「え?それってもしかして……」

山男「一人くらいなら勝てるかなと思ったけど、3人とも強かったねぇ。特に黒髪の子が強かったよ」

P「黒髪……凛か!」

山男「その子達もそっちに行ったし、もしかしたら会うかもね」

P「ありがとうございます。多分、幼馴染だと思います」

山男「おやそうなのかい。それじゃあ頑張って追いつきな」

P「はい!」

李衣菜「……あの」

P「なんだ?」

李衣菜「その、Pさんって幼馴染がいたんですか?」

P「ああ。一緒に旅立つ予定だったんだけど、俺が遅刻しちゃって」

李衣菜「へぇ……」ジトッ

P「ロッカータウンで追いついたと思ったら、また先に行かれちゃってさ」

李衣菜「もしかして私が負けた3人……」

P「多分そうだと思うぞ。早く追いつけるといいなぁ」

李衣菜「……どうして、ですか?」

P「なんとなく負けるのが嫌なんだよな。あいつらには。ずっと昔から一緒だったし」

李衣菜「そう、ですか……」

李衣菜「(なんだろ……心の中、モヤモヤする……)」

P「そんじゃ、追いつくためにいっちょ急ぎますか!」

山男「ああ、ちょっと待ちな」

P「まだ何か?」

山男「最近ここに、よくわからないヤツらが侵入して、デレモンを乱獲しているらしいんだ」

P「乱獲、ですか?」

李衣菜「待ってください!デレモン乱獲は禁止されてるはずじゃ……」

山男「そうなんだが……すまない。俺も詳しくは知らないんだよ」

P「……」

山男「一応気をつけな。もしかしたら、あんた達も被害を被る可能性がある」

P「ありがとうございます。気をつけます」

李衣菜「デレモンの乱獲……」

P「李衣菜。行くぞ」

李衣菜「は、はいっ」

P「気にすんな。何かあったら俺が守ってやるから」

李衣菜「ふえっ!?あ、ありがと、ございます……」ボシュッ

李衣菜「(この人はホントにもう……)」

P「それに……もしそんな奴らにあったら、俺とぷちみくがボコボコにしてやる」

ぷちみく「にゃ!」

李衣菜「わ、私も!私も一緒に戦いますから!そんな人達許せません!」

P「ああ!もしもの時は頼りにしてる」

李衣菜「はいっ」

山男「(仲のいいカップルだねぇ……)」

―――ウサミン山 下層部―――

P「よっと。大分奥まで来たんじゃないか?」

李衣菜「そうですね。ジャズシティまではもう少しです」

P「あの山男さんの後、挑んでくる人はいなくなったな」

李衣菜「ここまで来る人はあまりいませんから。化石が取れるのは上層ですし」

P「なるほどな」

李衣菜「……あ!」

P「ん?」

李衣菜「見てください!ぷちななの群れです!」

ぷちなな1「みみみん!」

ぷちなな2「みみみん!」

ぷちなな3「うーさみん!」

―――――――――
ぷちなな

ぷちウサミンデレモン

うさみんぱわーで めるへんちぇーんじ!

タイプ:エスパー

特製:メルヘンボディー(メロメロボディー)


ねんりき
まるくなる
―――――――――

李衣菜「こんなに沢山集まってるのなんて初めて見ましたよ私!」

P「そんなに珍しいのか?」

李衣菜「はい!人前には滅多に出現しないんですけど……」

P「へぇ……」

ぷちなな4「みみみん!」

ぷちなな5「みみん?」

P「……なんか、癒されるな」

李衣菜「そうですねぇ……一匹捕まえちゃおうかなぁ……」

P「おいおい、仮にもお前岩タイプのプロリーダーなんだからさ……」

李衣菜「そうですけどぉ……」

P「ぷちりいなも拗ねるぞ?そんな事言ってたら」

李衣菜「ううー……」

バシュッ!!

P「ん?何の音だ?」

ぷちなな1「……みん?」バサァッ

ぷちなな2「みみみん!」バサァッ

ぷちなな3「みみん!?」バサアッ

ぷちなな4「みみー!!」タタタタタ

李衣菜「あ、網!?」

P「っ、どこから―――」

男「ひゃっはー!大量だぜ大量!!」

女「これでボスからも褒めてもらえるわね!」

P「お前らか!」

男「うわっ、なんだよ人いたのかよ」

女「げっ、しかも今の見られたんじゃない?」

李衣菜「デレモンの乱獲は禁止されています!今すぐその網を解きなさい!」

男「しかもロッカーのプロリーダーまで?!」

女「いや、こいつはにわかだから別にいいわ」

李衣菜「にわか言うなぁ!」

P「とにかくお前らか!この前からここでデレモンの乱獲をしてるっていうのは!」

男「けっ、そうだと言ったらどうする?」

李衣菜「私達が絶対に許しません!」

女「ははーん。正義の味方の登場ってワケかい。いいわ、相手してあげる」

男「泣いて帰っても知らねぇぜ!?」

P「上等だ。一緒に戦ってくれるか?李衣菜」

李衣菜「はい!もちろんです!!」

男「はっはぁ!行け!!Dきのこ!」

P「D!?」

Dきのこ「……クスクス」

―――――――――
Dきのこ

病みキノコデレモン

しょうさいデータ なし

タイプ1:毒
タイプ2:悪

特製:ほうし


毒ガス
Dアタック
―――――――――

女「行け!Dゆか!」

Dゆか「おす……おす……」

李衣菜「な、なんだか目が怖いです!!」

―――――――――
Dゆか

病みからてデレモン

しょうさいデータ なし

タイプ1:格闘
タイプ2:悪

特製:ノーガード


きあいだめ
Dアタック
―――――――――

P「な、なんだこれ……詳細データ無しって……」

李衣菜「そもそも見たことのない技を覚えてます……」

男「どうしたどうした!?D(デザート)デレモンに怖気づいたかぁ?!」

女「余計な事言わないでいいんだよ全く……」

P「Dデレモン?」

男「おっと、これ以上は言わない約束だな……というか、早くデレモンを出したほうがいいぜぇ?」

Dきのこ「クスクス……ヒャッハアアアア!!」ブワッ!!

李衣菜「えっ」

P「李衣菜危ないっ!!」ガバッ

李衣菜「きゃっ!?」ドサッ

P「大丈夫か?」

李衣菜「は、はい……」

P「今アイツ、トレーナーに向かって技を……」

男「だから準備した方がいいって言ったんだよ!さっさとしないとお前らが先に戦闘不能になっちまうぜぇ?!」

P「っ、なんてヤツだ……!行け、ぷちみく!!」

李衣菜「行け!ぷちりいな!」

ぷちみく「にゃっ!」

ぷちりいな「りーなっ!」

男「Dきのこ!ぷちりいなにDアタックだぁ!!」

Dきのこ「ヒャッハアアア!!」ダッ

P「李衣菜!避け―――」

女「Dゆか!同じくぷちりいなにDアタック!!」

Dゆか「おす……おすっ!!」ダッ

李衣菜「わっ、わっ!?み、右に避けて!!」

ぷちりいな「りーな!」

女「甘いってのぉ!!」

Dゆか「おっす!」ドゴォ

ぷちりいな「りーなぁっ!!」

Dゆかの Dアタック!▽

ぷちりいなに こうかはばつぐんだ!▽

P「おい!卑怯だぞ!!」

女「卑怯?なんとでも言えばいいさ!!ダブルバトルっていうのはこういうもんだからねぇ!」

P「ぷちりいなはまだ行けそうか?」

ぷちりいな「りーなっ!」

李衣菜「まだ大丈夫です……硬さにはそこそこ自身があるので……だけど……」

P「どうした?」

李衣菜「その……あの技、何か変です」

P「変?」

李衣菜「さっきから図鑑を見てたんですけど……あの『Dアタック』って技、いくら検索をかけてもタイプがないんです」

P「タイプがない、だと?」

李衣菜「それでいてぷちりいなに効果抜群なんて……あの技は何タイプの技なんでしょうか……?」

P「……考えても仕方ない。まずは戦うぞ!」

李衣菜「……はい!」

女「まだまだ行くわよ!今度はぷちみくにDアタック!!」

Dゆか「おっす……!」ダッ

P「ぷちみく!上に避けろ!!」

ぷちみく「にゃっ!」

李衣菜「今だ!ぷちりいな!Dゆかに岩落とし!」

ぷちりいな「りーなっ!!」ヒュンヒュン

Dゆか「おすっ」コンッコンッ

ぷちりいなの いわおとし!▽

Dゆかに こうかはいまひとつのようだ……▽

P「おおい!!タイプ相性くらいしっかり覚えておけよ!!」

李衣菜「ひいいごめんなさいい!!」

男「おいおい、漫才やってんじゃねぇんだぞ!Dきのこ毒ガスをまけぇ!!」

Dきのこ「ヒャッハアアアア!!」ブシャアア

P「なっ、俺達にまで?!」

李衣菜「い、息を止めてやり過ごしましょう!!」

女「今よ!ぷちみくにDアタック!!」

Dゆか「おっす!」ドゴォ

ぷちみく「にゃあああ!!」

Dゆかの Dアタック!▽

ぷちみくに こうかはばつぐんだ!▽

ぷちみくは たおれた!▽

P「―――ぷちみくっ!げほっ、ごほっ」

李衣菜「(い、息をしちゃダメですよ!)」

P「(わかってる、けど!!)」

女「あらぁ、この子も結構珍しい子じゃない?」ヒョイッ

ぷちみく「にゃああ……」ピヨピヨ

男「そうだな。ボスのところに連れて帰るか」

P「ま、待て!!」ダッ

女「まだやるの?全く、困った男ねぇ」

李衣菜「私もいますから!!」

男「仕方ねぇなぁ。ボコってお仕舞いにしてやるよ!」

P「(……だが、どうする?)」

P「(ぷちみくが取られた今、俺の手持ちにいるのは―――)」ボシュウウウン

ぷちさちこ「ふふーん!」

P「……あれ?」

李衣菜「今勝手にボールから……」

ぷちさちこ「ふふーん!」トコトコ

P「お、おいどこ行くんだよ」

ぷちさちこ「ふふーん!」

男「あん?なんだこいつ……」

女「でもこいつも結構珍しいわね」

Dきのこ「?」

Dゆか「おす?」

ぷちさちこ「ふふーん!」ドヤァ

Dきのこ「……」

Dゆか「……」

ぷちさちこ「ふふーん!!」ドドヤァ

Dきのこ「……」プルプル

Dゆか「……」プルプル

ぷちさちこ「ふふーん!!!」ドドドヤァ

Dきのこ「ヒャッハアアアアア!!」ドゴォガシャン!

Dゆか「おっすううううう!!」ドドドドド!

ぷちさちこの いばるこうげき!▽

DきのことDゆかのこうげきが ぐーんとあがった!▽

DきのことDゆかは こんらんした!▽

男「うわぁっ?!な、なんだ?!急に暴れだしたぞ?!」

女「ど、どうなってるのよこれ?!」

ぷちさちこ「ふふーん!」

Dきのこ「ヒャッハアアアアア!!」ダッ

Dゆか「おっすううううう!!」ダッ

男「あっこら!お前ら勝手に技を使うな!!」

ぷちさちこ「ふふーん!」ヒョイッ

Dゆか「おす?!」

Dきのこ「フヒ?!」

ドガシャァン!!

Dゆか「お……す……」

Dきのこ「ふ、フヒ……」

Dゆかの Dアタック!▽

Dきのこに こうかはばつぐんだ!▽

Dきのこの Dアタック!▽

Dゆかに こうかはばつぐんだ!▽

DきのことDゆかは倒れた!▽

男「おいいいいい!?」

女「ちょ、何よそれ!?」

ぷちさちこ「ふふーん!」ドヤァ

P「お、おう……」

李衣菜「えーっと……じゃあこれって……」

ぷちりいな「りーなっ」

男「や、やべぇ!逃げるぞ!!」

女「ちょ、こいつ等はどうするのよ!!」

男「知るか!!とにかく逃げねぇと何か知らねぇがそいつはヤバイ!!」

女「わ、わかったわよ!!」ポイッ

P「ぷちみく!」ダキッ

ぷちみく「にゃ♪」

P「よかった無事で……」

李衣菜「え、えと。Pさん、とりあえずこの子達の網を解いちゃいましょうか」

P「あ、ああ。そうだな……それにしても」

ぷちさちこ「?」

P「こいつ、意外と強いじゃないか……」

ぷちさちこ「ふふーん!」ドヤァ

―――数分後―――

ぷちなな1「みみみん!」

ぷちなな2「みみみん!」

ぷちなな3「うーさみん!」

李衣菜「解き終わりましたね」

P「ああ。よかった……」

ぷちみく「にゃ!」

ぷちさちこ「?」

ぷちみく「にゃ、にゃ」アクシュ

ぷちさちこ「ふ、ふふーん!」アクシュ

P「いつの間にか友情も芽生えたし」

李衣菜「それにしても……さっきのアレって」

P「ぷちさちこのいばる、だろうな」

李衣菜「でもでも、いばるって凄くリスクが高いですよね?」

P「そりゃ相手の攻撃も上げるからな。ただ、仲間割れを誘発するようなあの場では有効だったって事だろ」

李衣菜「ふーむ……技も使いよう、ですか」

P「そーゆーことだ」

李衣菜「それにしてもあの人達はなんだったんですかね?」

P「さぁ……ただ、DデレモンとDアタック……気になる言葉は沢山あったな」

李衣菜「ええ。後で調べてみましょう」

P「さてと、それじゃ行くか」

李衣菜「はい!」

ぷちみく「にゃ!」ポスッ

ぷちさちこ「ふふーん!」

P「あ、そうだ。こいつをしまっておかなくちゃな……戻れ。ぷちさちこ」ピューン

ぷちさちこ「ふふーん!」ササッ

P「……」

ぷちさちこ「……」

P「戻れっ!」ピューン

ぷちさちこ「ふふーん!」ササッ

P「戻れええええ!!」ピューンピューン

ぷちさちこ「ふふーん!!」ササササッ

―――数分後―――

P「……」

李衣菜「結局、リュックの中に落ち着いたんですね」

ぷちさちこ「ふふーん」カパッ

P「わかった。そこにいさせてやるから、頼むから勝手に物食ったりするなよ」

ぷちさちこ「ふふーん」コクッ

P「ならよし。そんじゃ、改めて先に進もうか」

李衣菜「はい!っととと」グイッ

P「どうした?」

李衣菜「何かに引っ張られた気がして……」

ぷちなな「みみみん!」

李衣菜「さっきのぷちなな?」

ぷちなな「みみみん!」ズイッ

李衣菜「これ……化石?」

ぷちなな「みみみん!」ズズイッ

李衣菜「私に?いいの?」

ぷちなな「みみみん!」コクッ

李衣菜「ホント!?ありがとう!!」

ぷちなな「うーさみん!」タタタッ

李衣菜「えへへ、なんか化石もらっちゃいました」

P「よかったじゃないか」

李衣菜「綺麗な化石ですね……キラキラしてます」

P「貴重なものかもしれないし、大事にしろよ?」

李衣菜「もちろんですよ!」

P「それじゃ出口まで一気に進むぞ!」タタッ

ぷちみく「にゃ!」

ぷちさちこ「ふふーん!」

李衣菜「わっ、私が道案内役ですよー!」

―――ある地下室にて―――

???「ダメですよぉ……いくらDデレモンでも人に向けて技を打つのはぁ……」

男「も、申し訳ありません!」

???「しかもその上作戦失敗するなんて……二人は減俸ですねぇ」

女「うっ、わ、わかりました」

???「それじゃあ今回はそれでいいわぁ。次はいい成果を期待してるわねぇ」

男「かしこまりましたボス!」

???「ボスなんて大層な物じゃないし。名前でいいわよぉ」

女「で、ではまゆ様……」

まゆ「……様も堅苦しいけど、まぁいいわぁ」

男「で、では私達はこれで!」ガチャッ バタン

まゆ「ええ、お疲れ様ぁ」

まゆ「……さてとぉ」

まゆ「Pさん、かぁ……ふふふ。面白そうな人ねぇ……」

???「あ、あの、入ってもいいですか……?」

まゆ「ええ、大丈夫よぉ」

???「失礼します……」

まゆ「あなたも幹部なんだから、そんなにかしこまらなくていいのよぉ?」

???「えっと……で、でも、幹部なったのは一番後ですから」

まゆ「礼儀正しいわねぇ……それで、要件は何かしら?」

???「その……新しいサンプルができた、という報告が来ました」

まゆ「わかったわぁ、すぐに行くと伝えておいてぇ」

???「はい。では……失礼します」

まゆ「あ、待って智絵里さん」

智絵里「は、はい。なんでしょうか?」

まゆ「彼、見つかったわよぉ」

智絵里「……本当、ですか?」

まゆ「ええ。その内会いに行こうかと思うのだけど、一緒に来るかしらぁ?」

智絵里「い、一緒に行きたいです!行かせてください!」

まゆ「そう。じゃあ後で詳細を伝えるわぁ」

智絵里「ありがとうございます。で、では私はこれで」ガチャ バタン

まゆ「ふふ、待っててねぇ……Pさん」

―――ドアの外―――

智絵理「……」

智絵理「待っててね、お兄ちゃん……」

智絵理「凛ちゃんや卯月ちゃんや未央ちゃんには……負けないから」

今日はこれにてお終い。
ちなみに

アンキラトンネル=イワヤマトンネル
アミマミ島=ふたご島

です。わかりにくくて申し訳ない。

それではここまで読んで下さった方々、ありがとうございました!

こんばんは。
残念ながら今回の更新では2番目のジムリーダーは出てきません。ご了承ください。

―――4番道路―――

李衣菜「つきましたよー!」

P「ふぅ、やっとか。結構時間かかったな」

李衣菜「そうですね……でも、真っ暗になる前にウサミン山を抜けられてよかったです」

ぷちみく「にゃあ」

ぷちさちこ「ふふーん」カパッ

P「後はこの道をまっすぐ行けば、ジャズシティにつくんだよな?」

李衣菜「はい。あ、でももし、ウサミン山でやり残した事があるなら、戻ったほうがいいですよ」

P「え?なんでだ?」

李衣菜「戻ってこられるのは大人の事情で相当後になるみたいですから」

P「大人の事情って?」

李衣菜「大人の事情です」

P「……まぁ、いいや」

格闘家A「……むむむ」

格闘家B「……むむむ」

P「ん?なんか人がいるな」

李衣菜「何か唸ってますね……嫌な予感が」

格闘家A「む?」

格闘家B「む?」

李衣菜「あ、こっち気づいた」

格闘家A「そこのお主ぃ!」ガシッ

P「お、俺?!」

李衣菜「(よかった……絡まれなくて)」

ぷちみく「にゃあ」ピョン

P「あ、おいぷちみく!さりげなく逃げるんじゃ―――」

格闘家A「唸る拳!その破壊力!メガトンパンチこそ最強の技だ!そうだな?!」

P「えっ、あっ、そ、そうで―――」

格闘家B「違うちがーう!!」ガシッ

P「うおおおっ!?」

格闘家B「激しい蹴り!その破壊力!メガトンキックこそ最強の技だ!そうだよな?!」

P「ええええ?!」

格闘家A「パンチこそ最強に決まっている!!」

格闘家B「キックこそ最強だ!!」

P「な、なにコレ」

李衣菜「……遠くに離れて見てよっか」コソコソ

ぷちみく「にゃあにゃあ」コクコク

格闘家A「わかった!!ならばお主にこの最強の技を授けよう!!」

格闘家B「そして使ってみて、どっちが強いか決めてくれぇ!!」

P「い、いや、でも俺、今手持ちは」

ぷちさちこ「ふふーん!」カパッ ピョン

格闘家A「おお、いるではないか!では早速」

ぷちさちこ:おぼえられません

格闘家A「……」

格闘家B「ふはは!だから言ったのだ!やはりキックこそが―――」

ぷちさちこ:おぼえられません

格闘家B「……」

ぷちさちこ「ふふーん!」ドヤッ

格闘家A「……別の人を探すとするか」スゴスゴ

格闘家B「……そうだな」スゴスゴ

P「な、なんかよくわからんけど助かった……」

ぷちさちこ「ふふーん!」ドヤァ

P「ぷちさちこのおかげだよ。ありがとな」ナデナデ

ぷちさちこ「っ!?む、むー」ペシッ

P「おっと、頭撫でられるの嫌だったか。ごめんな」

ぷちさちこ「むー」ヨジヨジ ゴソゴソ カチッ

P「バックに戻っちった……そんなに嫌だったのか。気を付けよう」

李衣菜「あ、終わりました?」

ぷちみく「にゃあ」ピョン

P「こっそり逃げやがって、この……」

李衣菜「あはは……あーゆー暑苦しそうな人、苦手なんですよね」

P「俺だって苦手だよ」

李衣菜「ま、まーまー!そんじゃ改めて、ジャズシティに向かいましょー!しゅっぱーつ!」

P「……はぁ」



ぷちさちこ「……」カパッ コソコソ

P「ところでジャズシティって―――」

ぷちさちこ「……」ジーッ

ぷちさちこ「……///」テレテレ

ぷちみく「にゃ?」

ぷちさちこ「!」バッ カチッ


―――ジャズシティ―――

P「水の街、ジャズシティか」

李衣菜「私としては苦手なんですけどね」

P「なんで?」

李衣菜「……だってここの人、みんな水タイプのデレモン使ってくるんですもん」

P「ああ……つーことは、プロリーダーも?」

李衣菜「そうですね。水タイプ使いです」

P「なるほどなぁ。と、なると未央は楽々突破してそうだな。逆に凛は厳しいかも」

李衣菜「……」ジトー

P「なんだ?」

李衣菜「いえ、別に……」

P「だけど、すっかり夕方になっちまったな」

李衣菜「一応、プロ行ってみます?」

P「そうしてみるか」

―――ジャズタウンプロ―――

男トレ「あー。すみません。今日はもう……」

P「まぁ、だろうと思った。わざわざありがとうな」

李衣菜「残念でしたね」

P「まぁいいさ。どっかで一泊することにしよう」

李衣菜「ですね」

P「ちなみに李衣菜はここのプロリーダーと知り合いだったりするのか?」

李衣菜「……交流戦で何回も負け越してますからね」

P「たまには岩タイプ以外も使えよ……」

すみません。夕食食ってきます。

―――ジャズタウンホテル―――

オーナー「いらっしゃいませ。何名様でしょうか?」

P「あー。えっと。2名。別々の部屋で」

李衣菜「え?一部屋じゃないんですか?」

P「ぶっ、な、何を言って」

李衣菜「だって一部屋の方が安くすみません?」

P「いやいや、少しは考えろよ!俺、男。お前、女!」

李衣菜「え?あ……す、すみません!つい、なつきちと一緒の感覚で……」

P「わかってもらえて何よりだよ……」

オーナー「クスクス。一部屋で?」

P「二 部 屋 で」

オーナー「かしこまりました。ではこちらがキーになります」

P「ありがとうございます……ほい、李衣菜」

李衣菜「あ、ありがとうございます」

P「幸いにもどっちも400番台で同じ階みたいだから、なんかあったら俺に言え」

李衣菜「あ、じゃあぷちみくちゃんと一緒に過ごしたいんですけど、いいですか?」

P「俺は構わないが……ぷちみくは?」

ぷちみく「にゃあ」ピョン ボフ

李衣菜「わっ」

P「大丈夫みたいだな。そんじゃぷちみくの事、頼んだぞ」

李衣菜「は、はいっ」

ぷちみく「にゃあ」

―――4階―――

P「そんじゃあ俺はこっちだから」

李衣菜「はい。では」

ぷちみく「にゃ!」

李衣菜「……うー。変な事言っちゃったな。オーナーさん、勘違いしてないかな」

ぷちみく「にゃあ」ポンポン

李衣菜「心配ないって?」

ぷちみく「にゃあ」コクッ

李衣菜「そっか……ありがとね、ぷちみくちゃん」

ぷちみく「にゃ」

李衣菜「じゃあ部屋に行こっか。私の部屋は407号室だから……」

???「406、406……」

李衣菜「407、407……こっちかな?」

???「406……あ、ここか」

李衣菜「407……ここだね」

???「え?」

李衣菜「あ」

卯月「り、李衣菜さん?」

李衣菜「あ、あの時のチャレンジャー、さん」

ぷちみく「にゃ?」

卯月「それにぷちみくちゃん?で、でも、ぷちみくちゃんって……あれ?」

未央「どしたのしまむー?」ガチャッ

凛「何かあった?」ヒョコッ

李衣菜「あっ」

未央「ん?」

凛「へ?」

ぷちみく「にゃあ」

全員『……え?』

―――403号室―――

P「よいしょっと」ドサッ

ぷちさちこ「ふふーん」ガパッ ピョン

P「あ、そっか。お前もいたんだっけ」

ぷちさちこ「むー」ペチペチ

P「ごめんごめん」

ぷちさちこ「ふふーん」キョロキョロ

P「なんか探してるのか?」

ぷちさちこ「!」トコトコ

P「えーっと、あっちにあるのは……」

ぷちさちこ「ふふーん」サッ

P「えんぴつ?」

ぷちさちこ「ふふーん」カキカキ

P「ノートみたいな物を取り出して書き始めたぞ……?」

ぷちさちこ「……むー」

P「悩んでるな」

ぷちさちこ「ふふーん!」サラサラ

P「一体何をやってるんだ?」チラッ

ぷちさちこ「!」サササッ

P「隠されたし……」

ぷちさちこ「むー!むー!」ペチペチペチ

P「はいはい、ごめんな」

ぷちさちこ「ふふーん」カキカキ

P「(気になるけど、暫くは様子を見よう)」

ドタドタドタドタ

P「……ん?」

凛「P!」ガチャッ

未央「P君!」ドタドタ

卯月「P君!」ドタドタ

李衣菜「あうう、Pさーん……」

P「えっ、何これは」

凛「ど、どういう事?なんで李衣菜さんと行動してるの?」

未央「なになにー?もしかしてもしかして?」

卯月「つ、付き合って……」

李衣菜「ま、まだ付き合ってません!」

未央「まだだってー!きゃー!」

李衣菜「そういう事じゃなくって!!」

P「一旦落ち着けお前ら……で、なんだって?」

凛「だから、どうして李衣菜さんと一緒に行動してるの?」

P「え?……なんでだろうな」

未央「何それー」

P「いや、なんか……俺の事を追っかけてきたから成り行きで」

卯月「そ、それは本当なんですか?李衣菜さん」

李衣菜「うん、ま、まぁね」

未央「じゃあ李衣菜さんの方が落とされちゃったのかー」

李衣菜「お、落とされって……」

凛「ら、ライバルが……」

卯月「り、凛ちゃんファイトっ」

P「で、他には?」

未央「はいはーい!二人はぶっちゃけ、付き合ってるのー?」

P「ない」

未央「うぉう、真顔で言い切ったよ」

P「いや、だってなぁ……あんま、そういう風に李衣菜を見たことないし」

李衣菜「」

ただりいなに こうかはばつぐんだ!

凛「だ、大丈夫ですか……?」

卯月「今の発言はちょっと……」

P「まぁ、流石に今日『一緒の部屋でいいじゃないですか』とか言いだしたのはびっくりしたけどな」

凛「」

しぶやりんに こうかはばつぐんだ!

未央「わー!次はしぶりんがダメージをー!」

李衣菜「わー!わー!そういう事言っちゃダメですー!」

卯月「な、なんか付き合ってないっていうのが嘘に思えてきたよ……」

P「とにかく俺と李衣菜は何もないぞ」

未央「うーん。嘘っぽい……Pは昔から嘘をつくのが得意だからねー」

卯月「どうしよっか……」

凛「こうなったら……ちょっと李衣菜さんを部屋に借りてくね!」グイッ

李衣菜「えっ、あっ」

未央「しぶりんアクティブー♪でも、あたしも気になるから借りてくねー」

卯月「わ、私も気になる!」

凛「それじゃまた!」ガチャッ

李衣菜「ちょ、助けてくださいよPさん!!」

P「さっき格闘家に絡まれた時の仕返しだ」

李衣菜「そんなー!」バタン

P「……やっと騒がしいのが去ったな」

ぷちさちこ「……むー」ジーッ

P「ん?」

ぷちさちこ「むー」プイッ

P「……気のせいか」

―――406号室―――

凛「で、李衣菜さん!」

李衣菜「は、はい」

凛「実際の所、どうなんですか?!Pと付き合ってるんですか!?」

卯月「り、凛ちゃんちょっと怖い……」

未央「まぁ、Pがかかってるからねー」

李衣菜「つ、付き合ってるわけ、ないじゃないですか」

凛「本当ですか?じゃあさっきの一緒の部屋がどうこうっていうのは」

李衣菜「いつも女友達とたまにここを使うので……その、同じ感覚で言っちゃったんです」

未央「あー。なんかわかるかも」

凛「それじゃ、本当に……?」

李衣菜「付き合ってないです……はい」

凛「そっか……よかった」

李衣菜「あの、もしかして凛さんってPさんの事……」

未央「うん。大大大大だーい好きだよね」

卯月「大大大大だーい好きですね」

凛「二人共っ!」

未央「だって本当の事じゃん」

卯月「ねー」

凛「そ、そうだけどっ」

李衣菜「あ、凛さんがPさんを大好きだっていうのは何となく分かったんです。そうじゃなくて、お二人はどうなのかなって」

未央「あたし?」

卯月「私かぁ……」

未央「あたしは……うーん。Pとは完全に幼馴染感覚だからなー。そういうのはない、かな」

卯月「私は……よくわからないです。好きっていう感覚が……」

李衣菜「じゃあ、Pさんを好きなのは凛さんだけなんですか?」

未央「そーなるかな」

卯月「そうだと思います」

凛「あの、早とちりしてごめんなさい」

李衣菜「い、いえいえ。大丈夫ですよ」

凛「よかった……まだ、Pに彼女はいないんだ」

李衣菜「(……なんでだろ。胸がチクチクする……)」

ぷちみく「にゃあ」ガジガジ

李衣菜「あ、ごめんね。ずっと放っておいて」

ぷちみく「にゃ」ガジガジ

凛「……痛くないんですか?」

李衣菜「甘噛みなんで、くすぐったいくらいです。Pさんにはいつも本気で噛み付いてるみたいですけど」

ぷちみく「にゃあ」

未央「と、いうか李衣菜さんにはぷちみくちゃん懐いてるねー」

卯月「私達が触ろうとしたら威嚇されたのに……」

李衣菜「そうなんですか?ああ、でも私も最初はそうでした……」

凛「何かしたんですか?」

李衣菜「あ、えっとちょっと待っててください……」ゴソゴソ

ぷちみく「!」

李衣菜「あったあった。これです」

凛「霧吹き……?」

李衣菜「あんまりかけるとダメみたいなんですけど……動かないでくださいね?」

未央「んー?」

李衣菜「えい」シュッ

ぷちみく「にゃあっ!」ピョン ボフッ

未央「わっ、こっち来てくれた!」

ぷちみく「にゃあにゃあ」スリスリ

卯月「か、可愛い……!」

凛「……(な、撫で撫でしたい……)」

未央「撫でてもいいのかな?これ」

李衣菜「私は撫でさせてくれなかったです」

未央「試してみよー。なでなでー」ナデナデ

ぷちみく「にゃあ♪」

李衣菜「あれっ、なんで?!」

卯月「わ、私も……なでなで」ナデナデ

ぷちみく「にゃ♪にゃ♪」

卯月「可愛いいいいい!!お持ち帰りしたい……」

李衣菜「い、今なら私も」ソーッ

ぷちみく「にゃ」ペシッ

李衣菜「あう……なんでぇ……」

凛「……」ドキドキ ソーッ

ぷちみく「にゃあ」ペシッ

凛「」ガーン

未央「んー?撫でてもいい相手と撫でちゃダメな相手がいるのかなー?」ナデナデ

卯月「そうみたいだねー」ナデナデ

ぷちみく「にゃ♪」

李衣菜「ぐぬぬ……」

凛「」

未央「うーん、このままぷちみくちゃんを愛でてたい……」

卯月「そうだ!じゃあ李衣菜さん、こっちの部屋に泊まっていきませんか?」

李衣菜「いいんですか?」

未央「あたしはいいよー。と、いうかPの話を聞きたいな」

卯月「私も大丈夫です」

凛「私も、まぁ……いいけど」

未央「じゃー決まりっ。それじゃ早速、李衣菜さん!Pとの冒険の軌跡をどうぞっ!」

李衣菜「ぼ、冒険の軌跡って……ただウサミン山抜けただけなんですけどね?それでいいなら」

卯月「ぜひぜひ!」

李衣菜「えーっと。まず始めに―――」

―――403号室―――

プルルルルル

P「ん?」

ぷちさちこ「?」

P「電話だ。誰からだろう。母さんかな?」

ぷちさちこ「ふふーん」

P「えーっと……えっ。ちょ、ごめんなぷちさちこ。静かにしててくれ」

ぷちさちこ「むー」

P「もしもし?」

『あ、もしもし……で、電話番号合ってるかな……』

P「ああ。合ってると思うぞ。智絵里」

『よ、よかったです。久しぶりです……お兄ちゃん』

P「どれくらいぶりだ?こうやって電話で話すの」

『た、多分、一ヶ月ぶりくらいだと思います』

P「そっか。それで、今日はどうしたんだ?」

『お兄ちゃんが、デレモントレーナーとして旅を始めたって、聞いて』

P「もう連絡行ったのか。母さん早すぎだろ……」

『それで、今どこら辺かなって思って』

P「今?今はジャズタウンにいるよ」

『それじゃあ、会えるのはもうちょっと先になりそう……だね』

P「だな。智絵里はどこ住みだっけ?」

『えと、バラードタウン……』

P「バラードかぁ。アンキラトンネルの先か……」

『暗いから、あんまり無理しちゃダメ、だよ?』

P「わかってるって」

『そっか……なんだか、お兄ちゃんの声聞いたら、安心した』

P「そう言ってくれて嬉しいよ」

『じゃあ……おやすみ、お兄ちゃん』

P「お休み、智絵里」ピッ

P「……話すのは一ヶ月ぶり、会うのは……もう1年ぶりくらいになるのかな?」

P「どんな感じになってるかな……グレてないかな……心配だ」

ぷちさちこ「……」ジーッ

P「どうした?」

ぷちさちこ「むー」プイッ

P「なんなんだ一体……」

―――――――――――

ぷちさちこ日記

○月×日

今日、Pさんに頭を撫でてもらった。

恥ずかしくって、すぐ手を払っちゃったけど、本当は嬉しかった。

また、撫でてくれるかな?

あと、Pさんは女性に囲まれてる事がわかった。

黒髪の子、にわかの子、普通な子、なんだか五月蝿い子、あと……電話の子。

……デレデレしてるPさんを見ると、少し、イライラする。

よくわからない。

―――――――――――

―――翌日 ゴールデンブリッジ―――

未央「うわー!本当に金色だー!」

卯月「凄い豪華だね……」

凛「そうだね」

李衣菜「うー……少し寝不足です」

P「……俺はプロに行きたいんだが」

未央「こんな朝から行ってもあっちも迷惑だと思うよー?」

凛「……たまにはこうやって、観光もいいと思う」

卯月「うんうん」

P「まぁ、いいけどさ」

李衣菜「眠いです……」

P「コーヒー飲むか?ブラックだけど」

李衣菜「私、ブラックは飲めないんですよぉ……」

P「子供だなぁ」グイッ

李衣菜「うげー……苦そう」

P「この苦味がいいんじゃないか」

李衣菜「ブラックは苦すぎるんですよー」

P「慣れればそうでもないって」

李衣菜「……今度、挑戦してみようかなぁ」

P「無理だけはすんなよ。俺だって飲めるようになるのに結構かかったし」

卯月「(ね、ね、未央ちゃん)」ボソボソ

未央「(なになにしまむー?)」ボソボソ

卯月「(見れば見るほど……)」ボソボソ

未央「(それはあたしも思った。でも、二人共否定してるからなぁ)」ボソボソ

凛「……ブラック、飲めるようになろう……うん」

李衣菜「そうそう。そう言えばこの先に、デレモンの研究をしてる人がいるみたいですね」

P「デレモンの研究?」

李衣菜「私もよくは知らないんですけど……ミス・アキハっていうらしいです」

P「どうして李衣菜がそんな事?」

李衣菜「ジャズに来るたびに耳にするんですもん。かなり有名な人みたいですよ」

P「へぇ。俺は聞いたことないけどな」

凛「あれ、ちひろ博士と仲がいいんじゃなかったっけ。アキハさんって」

P「そうなのか?」

未央「あたしは何度か見たことあるなー。ちっちゃい女の人だったよ」

卯月「私も……一回だけ」

P「女の研究員同士、波長が合うのかもな」

凛「それはあるかも」

未央「ね、もしかしたら珍しいデレモンとかいるかもだし、行ってみようよ!」

P「俺はいいけど……李衣菜は?」

李衣菜「私もついていきます」

P「そっか」

男「おっと、そこのお嬢さん達……」

P「ん?」

李衣菜「あれっ?」

男「あっ!あの時の!」

P「あっ!お前、なんでここにっ!?」

凛「……知り合い?」

李衣菜「この人、ぷちなな達を乱獲しようとしてたんです!」

女「どうしたのよぉ……って、げっ!?」

卯月「デレモンの乱獲って禁止されてる……よね?」

未央「つまり……悪い奴?」

男「くそっ!バレちまったら仕方ねぇ!ずらかるか―――」

女「ずらかる必要なんてないわよ」

男「ああ?」

女「ちょうどいいじゃない。この子の実験台になってもらえば」カチャッ

男「……ああ、なるほどな。そういう事なら」スッ

P「……やっぱこうなんのか」

李衣菜「今度は負けま―――」

凛「待って」

李衣菜「えっ?」

凛「私にやらせてくれませんか?」

李衣菜「凛さん……が?」

凛「簡単に言えば……腹が立ってるのは、李衣菜さんだけじゃないって事です」

未央「そうだそうだー!」

卯月「凛ちゃん!やっちゃってー!」

李衣菜「わ、わかりました……」

P「凛、いいのか?相手は何してくるか……」

凛「大丈夫。それに、何かあったらPが守ってくれるでしょ?」

P「……まぁな」

凛「逆に、Pを守るっていうのもアリかもね」クスクス

P「んな事させるかよ。俺が守ってやる」

凛「……もう、すぐそういう事言うんだから」

男「あーもー!!目の前でリア充すんな!!爆ぜろ!!!」

女「落ち着きなさいよ……もう」

男「ムカついた!やってやるぜ!行け!!Dなな!!」

Dなな「ウーサミン……ヘヘヘ……」

―――――――――
Dなな

病みウサミンデレモン

しょうさいデータ なし

タイプ1:エスパー
タイプ2:悪

特性:マイペース


ねんりき
Dウェーブ
―――――――――

李衣菜「あれって……ぷちなな……?」

D団女「行きなさい!Dりか!」

Dめいこ「メイ……メイ……」

―――――――――
Dめいこ

病みぶらりたびデレモン

しょうさいデータ なし

タイプ1:地面
タイプ2:悪

特性:すながくれ


守る
Dアタック
―――――――――

P「Dなながマイペースか……これじゃぷちさちこはちょっと辛いな……」

凛「行けっ、ぷちりん!」

ぷちりん「りんっ!」

―――――――――
ぷちりんの技

凍える風
粉雪
にらみつける
はたく
―――――――――

P「行け!ぷちみく!」

ぷちみく「にゃあ!」

男「はっ、またそいつかよ」

女「懲りないねぇ」

凛「……P、負けたの?」

P「運ゲーで勝った」

凛「何それ……」

P「だけど今回はぷちみくも手負いじゃないし……大丈夫だろ」

凛「あんまり無理させちゃダメだよ?」

P「わかってるって」

凛「それにしても……ふふっ、久しぶりだね」

P「何が?」

凛「Pとのタッグバトル。博士にデレモンを始めて借りた時以来だよね」

P「そういえば……そうだな」

凛「あれからどれくらい成長したのか……お互いの成果を見せ合おうよ」

P「望むところだ」

凛「足、引っ張らないでよ?」

P「こっちのセリフだよ」

男「あーもー!リア充死ねっ!」

女「うるさいな……とりあえず、始めようじゃないの」

P「凛、相手のDってついてる技は確実に避けさせろよ」

凛「どうして?」

P「タイプが全くわからん……岩、ノーマル、格闘、草に効果抜群らしい」

凛「何それ。そんなタイプ、存在しないはず」

P「俺もそう思うんだが……とにかく、当たったらヤバイ」

凛「わかった。注意するよ」

男「行け!Dなな!Dウェーブだっ!!」

Dなな「Dウェーブ!ピリピリーン!」ザザザァッ!

凛「早速か……ぷちりん!避けて!」

ぷちりん「りんっ!」ササッ

女「今よDめいこ!ぷちりんにDアタッ「みだれひっかきだっ!」なっ!?」

ぷちみく「にゃあっ!」ザシュザシュザシュッ!

Dめいこ「メイッ!?」

P「この前と一緒で一匹を集中的に狙うと思ってたよ!」

女「チッ……なら作戦Bだ!」

男「おうよ!Dなな!ねんりきで砂を巻き起こせっ!」

Dなな「ピリピリーン!」バサァッ

P「けほっ、目隠しか……どこから来るんだ……?」

凛「ねぇ、P、私が合図したら……」ゴニョゴニョ

P「……何か策があるのか?」

凛「まぁね」

P「なら、任せる」

凛「うん……3・2・1、今っ!」

P「ぷちみくっ!」

ぷちみく「にゃっ」

凛「ぷちりん!回転しながら粉雪っ!!」

ぷちりん「りんっ!!」グルングルン ビュオオオオオ!

Dなな「ミミン!?」パキィン

男「ちょ、そこで凍るのかよっ!?」

凛「見つけた!ぷちりん!そのままDななに凍える風っ!」

ぷちりん「りんっ!」ビュ……

Dめいこ「……」ニヤッ

ぷちりん「りんっ!?」

D団女「残念だったわねぇ!Dめいこは守るで無事よ!Dめいこ、ぷちりんの後ろからDアタック―――」

P「ぷちみく!メタルクロー!!」

ぷちみく「にゃあっ!!」ビュオオオオッ ガキィィィン!!

Dめいこ「メイッ?!」

ぷちみくの メタルクロー!

Dめいこは たおれた!

D団女「上からっ!?」

P「味方に当たったらたまったもんじゃないからな。ぷちみくはジャンプさせておいたのさ!」

凛「ナイスフォロー……ぷちりん!そのまま凍える風っ!!」

ぷちりん「りんっ!!」ビュオオオオ

Dなな「」カチーン

ぷちりんの こごえるかぜ!

Dななは たおれた!

男「Dななーっ!」

P「いよっし!俺らの勝ちだな!」

凛「うん、そうみたいだね」

男「ち、畜生!お前ら覚えてろよっ!」ダダダッ

女「デレモンが悪いのよ……!」ダダダダッ

P「また逃げたっ!追い―――」

凛「かけなくていいよ。写真撮ったから、これをジュンサーさんに渡そう」

P「……抜け目無いな」

凛「まぁね」

李衣菜「……」

未央「いやー。やっぱしぶりんとPはいいコンビだね」

卯月「うんうん。お互いがお互いをフォローし合ってるし」

李衣菜「(凛さん、凄いなぁ……それに比べて私は……)」

李衣菜「(Pさんの足を引っ張るだけで……)」

李衣菜「っ!?」ズキッ

未央「……あれ、李衣菜さん?胸押さえてどうしたの?」

李衣菜「っ?!な、なんでもないです。なんでも」

李衣菜「(何、今の……)」

P「悪も去った事だし、改めてアキハさんの家に行くか!」

凛「そうだね」

李衣菜「……」

P「おーい李衣菜!置いてくぞー!」

李衣菜「あっ、ま、待ってくださいよー!!」

李衣菜「(ううん、気のせい)」

李衣菜「(昨日あんな風に言われたから、意識しちゃってるだけ)」

李衣菜「(きっと……)

―――晶葉の家―――

未央「着いたー!ここみたいだよ」

P「……案外普通の家だな」

卯月「どんなの想像してたの?」

P「いや、こう、魔女の家?」

李衣菜「わからないでもないですけど……」

凛「とりあえず、ノックして晶葉博士がいるかどうか調べてみようよ」

P「だな。すみませーん」コンコン

シーン……

P「いないのかな?」

未央「せっかくここまで来たのにそりゃないよー」

凛「仕方ないよ。晶葉博士だってきっと忙しいだろうし―――」

「た、助けてくれー!!」

全員『?!』

卯月「い、今の声」

李衣菜「家の中から聞こえました!」

P「誰かいるんですかー!?」

「誰でもいい!鍵は空いてるから、誰か助けてくれー!!」

P「わ、わかりましたー!!急ぐぞ!!」

―――晶葉の書斎―――

ぷちあきは?「た、助けてくれー!」

P「こ、これが……!?」

李衣菜「晶葉博士……?!」

未央「いやいや、どう見てもデレモンだよ」

P「なんだ。小さいって聞いてたから」

李衣菜「早とちりしちゃいましたね」

ぷちあきは?「違うっ!私だ!晶葉だ!」

―――――――――
ぷちあきは

かがくデレモン

かがくの ちからって すげー!

タイプ1:鋼
タイプ2:電気

特性:磁力


電気ショック
金属音
―――――――――

凛「でも、見た目はどう見ても……」

卯月「デレモンだね……」

未央「ね、本当に博士?でも流石にこんなに小さくなかったよ?」

ぷちあきは?「実験に失敗して、デレモンと体がくっついてしまったんだ!」

未央「……前から思ってたんだけど、何の実験をどう失敗したらそうn」ムグムグ

凛「未央、メタ発言はダメ」

ぷちあきは?「とにかくだ!私はそこの装置に入る!私が入ったら、その赤いスイッチを押してくれ!わかったな?!」

P「は、はい」

ぷちあきは?「本当に頼んだぞ!?」ウィーン

李衣菜「あ、赤いボタン押せばいいんですよね。えいっ」ピッ

ガチャン ドゥムドゥム ベベベベベベ テテテテーン プシュウウウ

凛「……これで、成功?」

卯月「な、なんか凄い音がした上に、煙出てますけど……」

晶葉「けほけほっ、あー。成功だ。迷惑かけてすまなかったな」ウィーン

P「……これが本物?」

晶葉「本物とはなんだ本物とは……まぁ、確かに本物だが」

P「え、いや。だってどう見たって俺らよりも年下……」

晶葉「年下で悪かったな」

凛「晶葉博士は14歳だよ。12歳でデレモン学会で博士と呼ばれるほどの功績を残した研究者」

P「マジかよ」

晶葉「驚かれるのには慣れている……まぁいい。それよりもお礼をしないとな」

卯月「い、いいですよぉ。お礼なんて」

晶葉「曲がりなりにも、命を救ってもらったようなものだからな。ちゃんとお礼はするさ。何がいい?」

P「あ、じゃあ聞きたい事があるんです」

晶葉「なんだ?私に分かる事なら何でも答えよう」

P「D、ってなんですかね」

晶葉「D?アルファベットの4文字目に登場する―――」

P「あ、そうじゃなくて。すみません、これ見てもらえますか?」パカッ

晶葉「……D、ゆか」

P「はい。こんな風に、図鑑にも詳細データのないDと名のついたデレモンに何か心当たりはありますか?」

晶葉「……聞いたことがある。ちょっと待っていろ」スタスタ

P「わかりました」

―――数分後――ー

晶葉「わかったぞ。そいつはデザート(dessert)デレモンという」

李衣菜「……美味しいんですか?」

P「李衣菜、そういうボケはいいから」

李衣菜「(ぼ、ボケじゃないのに!)」

晶葉「dessert、病んだ、という意味だな。人に捨てられたり、虐待された事が原因で心の病気にかかってしまったデレモンの事だ」

P「心の、病気」

晶葉「ああ。そしてデザートデレモン……以下Dデレモンとするが、そいつらはデザート技と呼ばれる、特別な技を使う」

凛「それがもしかして、さっきの……」

晶葉「デザート技は普通の技あまり変わりはないが、一つだけ決定的に違う場所がある」

P「タイプ、ですか?」

晶葉「そうだ。デザート技には……タイプが、ない」

卯月「タイプがないって……どういう事、ですか?」

晶葉「いや、あるにはある。あるんだが……デレモン学上、それはタイプとは呼べない」

未央「どういう事ですか?」

晶葉「デザート技は、全ての、あらゆるデレモンに対して、効果抜群だからだ」

李衣菜「なっ、そんなの卑怯じゃないですか!」

晶葉「まぁな……だが、Dデレモンだってそう何回もデザート技を使えるわけじゃない」

P「と、いうと?」

晶葉「あくまで、心の病気にかかってしまった故の副産物のようなものだからな……使えば使うほど、そのデレモンの心は閉じていく」

李衣菜「ま、まさか、使い続けると死んじゃうとか……?」

晶葉「死にはしないよ……ただ、それと同じような状態にはなるだろうな」

卯月「……」

凛「あの」

晶葉「なんだ?」

凛「Dデレモンを、普通のデレモンに……病気を治すことは可能なんですか?」

晶葉「可能だ。だが……」

凛「だが?」

晶葉「治すにはそれなりの時間と……信頼関係が必要になる。Dデレモンと信頼関係を結べた者を……私は見た事がない」

凛「そんな……」

晶葉「残念だが、今の所手に負えないのが現状だ。君はそれをどこで見たんだ?」

P「変な男と女が持っているのを……」

晶葉「……ふむ。私からもDデレモンやその持ち主について調べてみよう。何かわかったら連絡する」スッ

P「これは?」

晶葉「私の連絡先だ。何か困ったことがあったら電話しろ」

卯月「ありがとうございます!」

晶葉「それと、書類を整理してたら見つけたこれも君達に」

未央「チケット……?って、サントアンヌ号の一日搭乗チケット!?」

凛「サントアンヌ号って、あの豪華客船の?」

晶葉「家族と一緒に是非来てもらいたいともらったのだが、生憎と私は研究が忙しくて行けないのでな。ちょうど5枚ある」

李衣菜「本当にもらっちゃっていいんですか?」

晶葉「構わない。どうせ無駄になるんだったら、使ってもらったほうがマシだ」

P「なら、ありがたく」

晶葉「ああ。……マズイ、そろそろ面会の時間だな。出かけなければ」

凛「お忙しい中、すみません」

晶葉「いや、構わない」

卯月「それじゃあ、行こっかP君」

P「そうだな」

晶葉「……Pといったか。帰る前に少しいいか?」

P「なんですか?」




晶葉「君は……人のようなデレモンは存在すると思うか?」



P「え……?」

晶葉「人のように意志を持ち、人のように感情を持ち、人のように言語を話し、そして人のように……生活する」

晶葉「そんなデレモンが、いると思うか?」

P「……俺は」

晶葉「……」

P「俺は、いると思います」

晶葉「理由を聞いてもいいか?」

P「ぷちみくやぷちさちこと過ごして……彼女達は、【生きて】いました」

P「意志を持ち、感情を持ち、鳴き声ですが話し、そして俺と一緒に、【生きて】いました」

P「だから、そのようなデレモンがいても不思議ではないかな、と」

晶葉「……なるほど。面白い意見を聞けた。ありがとう」

P「いやいや、俺なんて全然」

晶葉「謙遜する事なんてない。私にはない新鮮な意見だ」

未央「Pー?どうしたのー?」

P「あっ、すみません。みんなが呼んでるんで、それじゃあ」ガチャ

晶葉「ああ、またな」バタン

晶葉「……違うな」

晶葉「そうじゃない……私が本当に聞きたかったのは……聞きたかった事は……」




私達は人のようなデレモンを―――創る事は可能か?



なぁ、ちひろの伝承者達よ。



君達なら、この答えがわかるんじゃないか―――?



今日はここまで。
戦闘シーン難しいです(白目)。

それではありがとうございました。

壁|ω・`)忘れた頃にこんばんは

今回の更新はジャズタウン編完結までです

元ネタのアニメ版やゲーム版とは違った展開もあります、ご了承ください。

―――ジャズシティ プロダクション前―――

P「さってと!」

李衣菜「うう、本当に行くんですか?」

P「もちろん。ってかお前が戦うワケじゃないんだからさ」

李衣菜「私、あの人苦手なんですよぉ……」

凛「P、最後まで油断しちゃダメだよ」

P「おう」

未央「もしも負けたらまた追いてくからね?」

P「わかってるって」

卯月「P君、頑張って!」

P「ありがとな、卯月」

P「そんじゃ、行きますか。いざジャズプロダクションへ!」

―――ジャズプロダクション―――

P「うお……」

李衣菜「あ、凄く滑るので注意してくださいね?」

P「まさにプロダクション全体が巨大なプールだな……」

???「でしょ?あたしも気に入ってるんだ」バシャッ

P「へぇ……って?!」

李衣菜「……プールの中から挑戦者に話しかけるの、相変わらずですね、櫂さん」

櫂「久しぶり李衣菜。少しはタイプ相性覚えた?」

李衣菜「お、覚えましたし」

櫂「ふーん……で、もしかして彼氏とか?」

李衣菜「違いますっ!」

P「チャレンジャーとして来ました、Pといいます。よろしくお願いします」

櫂「チャレンジャーだったか。あれ?でもそれじゃあなんで李衣菜が一緒にいるの?」

P「さぁ……」

李衣菜「いや不思議そうな目を向けないでくださいよ!?」

櫂「まーいーや。とりあえず、このプロはそこのにわかプロリーダーとは違ってちゃんとトレーナーを配置してあるんだ」

李衣菜「にわかって言わないでくださいよ!」

P「トレーナー?」

櫂「ま、あたしと戦う前の力試しってやつ。まずはその子を倒してからあたしと勝負。わかった?」

P「はい。わかりました」

櫂「そんじゃちょっと待っててねー……おーい」バシャバシャ

P「流石水のプロリーダー……あっという間に泳いで向こう側まで……」

李衣菜「いや、それはあんま関係ないと思いますけど……」

P「だって李衣菜だって岩のように頭が固いじゃないか」

李衣菜「それどういう意味ですか!?」

櫂「連れてきたよ。まずはこの子から倒してね」

ネネ「は、はじめまして!ジャズプロダクショントレーナーの、栗原ネネっていいます。よろしくお願いします!」←スク水

P「……あの、一ついいですか?」

櫂「何?」

P「このプロは水着を強制でもしているんですか?」

櫂「そりゃプールだし」

P「……そうですか」

ネネ「あ、あの。恥ずかしいのであまり見ないでください……」

李衣菜「そうですよPさん。バトルに集中してくださいよ」ジトッ

P「わかってるよ」

櫂「あたしは審判をさせてもらうね」

李衣菜「わ、私は……」

櫂「李衣菜は観戦でもしてたら?どうせあたしに挑戦したって勝てないんだし」

李衣菜「……何も言い返せないのが辛いです」

櫂「それじゃバトルスタート!」

ネネ「行けっ、ぷちネネ!」

P「行け!ぷちみく!」

ネネ「ねっ!」

ぷちみく「にゃあ!」

―――――――――
ぷちネネ

ぷちおとひめデレモン

ひこぼしさまは どこでしょう いまだおさない すいさいのおとひめ

タイプ1:水

特性:ふゆう


みずでっぽう
コスモパワー
―――――――――

P「(明らかに地の利は向こう側にある……その地の利をどうやってひっくり返すかが鍵か)」

P「(水の中に引き摺り込まれないよう注意しなくちゃな)」

P「(同時に、相手に水の中に潜られた時はどうすればいいか……)」

ネネ「ぷちネネ!水の中に潜って!」

ぷちネネ「ねっ」ザバァッ

P「やっぱりか!ぷちみく!そこから一歩も動くなよ!」

ぷちみく「にゃ!」

櫂「……へぇ」

李衣菜「どうして追いかけないんですか?」

櫂「そりゃ水の中で追いかけっこなんてやっても勝てるワケないじゃん。相手は水タイプなんだし」

李衣菜「あ、そっか……」

櫂「さて、Pさんはどうするのかな……?」

P「(水の中に潜られた以上、うかつな攻撃は命取りになる……なら)」

P「ぷちみく、戻れ!」

ぷちみく「にゃっ」シュタッ

P「行け!ぷちさちこ!」

ぷちさちこ「ふふーん!」ピョン!

櫂「……一つ聞いていい?」

李衣菜「なんですか?」

櫂「なんでPさんはデレモンをボールに入れてないの?放任主義?」

李衣菜「えーっと、あの子達、ボールに入りたがらない珍しい子達なんですよ」

櫂「へぇ……」

P「ぷちさちこの技は……」

―――――――
いばる
―――――――

P「……相変わらずだな。だけど、水タイプだしきっと……」

P「ぷちさちこ!水に潜れっ!」

ぷちさちこ「むー」プイッ

ぷちさちこは めいれいを むしした!

P「えっ!?」

ぷちさちこ「むー」

P「……お前さ、まさかとは思うけど」

ぷちさちこ「ふふーん」

P「水タイプなのに泳げないのか?」

ぷちさちこ「ふふーん!」ドヤァ

P「ドヤ顔してんじゃねぇよ!ああもうどうすりゃいいんだよ!?」

ネネ「あ、あの……」

P「ん?」

ネネ「ぷちネネ、みずでっぽうです」

ぷちネネ「ねっ!」バシャッ!

ぷちさちこ「ガボゴボガボゴボボ!」

P「ぷちさちこー!!」

ぷちさちこ「ふ、ふふーん!」

ぷちネネの みずでっぽう!

ぷちさちこには こうかいまひとつのようだ!

P「こうかいまひとつなら大丈夫……大丈夫だよな?」

ぷちさちこ「ふふーん!」ドヤァ

ネネ「ぷちネネ!もう一回潜って!」

ぷちネネ「ねっ!」ザバッ

P「でもこれじゃ何回か耐えたとしてもぷちさちこは倒れちまうし……どうすれば……」

ぷちみく「にゃ」グイグイ

P「ん?なんだ?」

ぷちみく「にゃあ!」ビシッ

P「飛び込み台?飛び込み台が何か……」

P「……そうか!!」

ぷちみく「にゃ、にゃ」コクコク

P「ぷちさちこ!あの飛び込み台に登れ!」

ぷちさちこ「ふふーん」テクテク

P「ダッシュ!!」

ぷちさちこ「む、むー」タッタッタ ヨジヨジ

櫂「あんなところに登ってどうする気だろ。確かにプロの施設の一つだから使ってもいいけどさ」

李衣菜「あんな所に登ったら、相手の的になるだけじゃ」

櫂「相手の的?……ああ、なるほどね」

P「ぷちさちこ!そこに立ってろよ!」

ぷちさちこ「ふふーん!」

ネネ「ぷちネネ!みずでっぽう!」

ぷちネネ「ねっ!」バシャッ

P「今だぷちさちこ!いばる!!」

ぷちさちこ「ふふーん!」ドヤァ

ぷちネネ「ねっ……?ねっ!?」

ぷちさちこ「ガボゴボガボゴボボ!」バシャバシャ

P「ぷちさちこー!!」

ぷちネネ「ねっ!?ねっ!?」フラフラ

ぷちさちこの いばる!

ぷちネネは こんらんした!

ネネ「ぷ、ぷちネネ!?どうしたの!?」

櫂「やるねぇ、Pさん」

李衣菜「え、えーっと?」

櫂「飛び込み台の後ろや横は当たり前だけど、プールじゃない。つまり、後ろや横から攻撃する場合、ぷちネネは水から上がらなくちゃいけない」

櫂「だけど後ろから攻撃しない場合、あんな場所に立ってたら嫌でも目立つよね。前から攻撃するならどこからみずでっぽうを打っても、ぷちさちこのいばるが目に入っちゃうワケだ」

李衣菜「そんな打破方法が……」

P「よし、よく頑張ったなぷちさちこ!少し休んでいいぞ!」

ぷちさちこ「ふ、ふふーん!」スタッ

ぷちネネ「ねっ?!ねっ!?」バシャバシャッ!

ぷちネネは こんらんしている!

わけもわからず じぶんをこうげきした!

ネネ「ぷ、ぷちネネ!目を覚まして!」

P「行けぷちみく!みだれひっかき!」

ぷちみく「にゃあああっ!!」ザシュザシュザシュッ!!

ぷちネネ「ねーっ!?」

ぷちみくの みだれひっかき!

3かいあたった!

ぷちネネは たおれた!

P「いよっし!よくやったぞぷちみく!」

ぷちみく「にゃあ!」

ネネ「負けちゃいました……お疲れ様、ぷちネネ」

ぷちネネ「ねっ……」

櫂「やるねー!いやー、見ごたえあるバトルだったよ!」

P「この通り勝ちましたし、約束通り、勝負してもらいますよ!」

ぷちみく「にゃあっ!」

櫂「わかってるって!そんじゃ、ジャズタウンプロリーダー、西島櫂がお相手するよ!」

プロリーダーの 西島櫂が 勝負をしかけてきた!

櫂「行けっ、サマかい!」

サマかい「かいっ!」

―――――――――
サマかい

ゆかたデレモン

なぜスイマーなのに ゆかたをきているのかは えいえんのなぞ

タイプ1:水
タイプ2:格闘

特性:みずのベール


かわらわり
シェルブレード
アクアジェット
みずあそび
―――――――――

P「ぷち、じゃない……?!」

櫂「……Pさんは、デレモンの進化って知ってるかな」

P「まさか、これが?」

櫂「うん。このサマかいはぷちかいが進化した姿」

櫂「ぷちかいとの相違点と言えば衣装だけなんだけど―――」

櫂「強さや素早さは、ぷちとは比べ物にならないよ」

P「……」ゴクリ

櫂「それじゃ、始めよっか!」

P「……ぷちさちこ、行けるか」

ぷちさちこ「ふふーん」コクリ

P「頼むぞ!行け!ぷちさちこ!」

ぷちさちこ「ふふーん!」スタッ

ネネ「あ、えっと……バトルスタートです!」

櫂「サマかい!かわらわり!!」

サマかい「かいっ!」ダッ

P「ぷちさちこ!避けてもう一度飛び込み台の上に!」

ぷちさちこ「ふふーん!」ヒョイッ タタッ

櫂「させないよ!サマかい、そのまま水に飛び込めっ!」

サマかい「かい!」ザバッ

P「水に飛び込んだ所でいばるは―――」

櫂「飛び込み台の前に先回りしてかわらわりだっ!」

サマかい「……かいっ」バシャッ

ぷちさちこ「!?」

P「な、早っ」

サマかい「かい!!」ドゴォ

ぷちさちこ「フギャー!!」ヒュー ドサッ

サマかいの かわらわり!

ぷちさちこは たおれた!

P「だ、大丈夫か?!」

ぷちさちこ「む、むー……」ピヨピヨ

櫂「だから言ったのに。強さも、素早さも、ぷちとは比べ物にならないよって」

P「……まさか、これほどとは」

櫂「残りは一匹だね。さて、どうする?」

P「どうする、とは?」

櫂「ここでやめてデレモンを鍛え直すのもいいし、最後まで戦うのもいいし」

P「……当然、戦います。準備はいいか、ぷちみく?」

ぷちみく「にゃあ!」バッ

櫂「そうこなくっちゃ!」

ネネ「バトル、スタートです!」

櫂「サマかい!水に中に飛び込めっ!」

サマかい「かいっ」ザバッ

P「ぐ……ぷちみく、動くなよ」

ぷちみく「にゃあ」

P「(ぷちさちこが倒されちまった今、水に潜られた時の対処法はないに等しい)」

P「(ぷちみくを潜らせたところで、勝負は見えているし……さぁ、どうする)」

P「(今のぷちみくの技は……)」

―――――――――
メタルクロー
みだれひっかき
しっぽをふる
―――――――――

P「(ダメだ、水中に対応できるような技は生憎ない……)」

櫂「……来ないの?」

P「水中での勝負となったら、負けるのが目に見えているので」

櫂「ふーん……じゃあ、あたしの方から行くよ!」

櫂「サマかい!かわらわり!」

サマかい「かいっ!」ザバッ

P「ぷちみく!後ろだ!」

ぷちみく「にゃあっ!?」

サマかい「かい!」ブンッ

ぷちみく「にゃっ!」スカッ

P「今だ!ぷちみく、みだれひっかき!」

ぷちみく「にゃあああっ!!」ザシュザシュザシュッ

サマかい「かいっ?!」

櫂「サマかい!すぐ水の中に戻って!」

サマかい「か、かいっ」ザバッ

P「よし、何とかダメージは与えたな……」

櫂「トレーナーの声に真っ先に反応するなんて、信頼されてるんだね」

P「それほどでも」

櫂「……でも、次は避けられるかな?」

P「え……」

櫂「スペかい!アクアジェット!!」

サマかい「かいっ」バシャッ!!

みく「にゃ!?にゃ?!」キョロキョロ

李衣菜「す、水上を水しぶきをあげなから凄い速さで回ってる……?!」

P「ぷちみく!目で追うな!俺が指示する!」

ぷちみく「にゃっ」

櫂「サマかい!そのままぷちみくにタックル!」

サマかい「かいっ!」シャーッ

P「右だっ!」

ぷちみく「にゃっ」スカッ

櫂「まだまだ行くよ!!連続タックルだ!!」

サマかい「かいっ!かいっ!」

P「ひ、左!後ろ!」

ぷちみく「にゃっ、にゃっ!?」ヒョイヒョイ

櫂「避けっぱなしだけど、どこまで続くかな!」

P「右―――」

ぷちみく「にゃっ!」ピョン

サマかい「かいっ」バシャアッ キキーッ

P「しまっ、フェイントだと!?」

サマかい「かいっ」シャーッ

ぷちみく「にゃああっ!?」ドゴォ

櫂「そのままぷちみくを水の中へ引き摺り込んで!」

サマかい「かいっ!!」ググググッ

ぷちみく「にゃっ、にゃああああああ!」バシャーン

ネネ「水の中……サマかいの土俵に引きずり込まれましたね」

李衣菜「あ、諦めちゃダメです!頑張ってー!!」

ぷちみく「にゃ……」ゴボゴボ

櫂「これで終わりだよ!サマかい!水中のぷちみくにかわらわり!」

サマかい「かいっ!!」グオッ!

ぷちみく「……っ!」ゴボゴボ

P「ぷちみくー!!」



まだ。

まだ、みくは。

ご主人様に、恩を、返せてないのにゃ。

こんなみくを。

素直じゃなかったみくを信頼してくれた、ご主人様に。

だから、だから。

みくは―――負けない。


ドパァン……ザザァ……

櫂「……」

P「……っ」

櫂「勝負あり―――」

キィィィィィン!!

櫂「えっ!?」

P「これ、って!?」

ネネ「水の中が……光り始めて……」

李衣菜「……もしかして!」

サマかい「かいっ!?」ザバァッ ドゴォ!

櫂「サマかい!?だ、大丈夫!?」

P「……ぷち、みく?」

セクみく「にゃあっ!!」ピョン!

―――――――――
セクみく

おねだりデレモン

ドキドキ したでしょ?こねこじゃ ないのにゃ♪

タイプ1:ノーマル

特性:じゅうなん


みだれひっかき
きりさく
ほしがる
メタルクロー
―――――――――

李衣菜「ぷちみくちゃんが進化したんですよ!!」

セクみく「にゃにゃん♪」

P「確かに、衣装が変わってるな……」

櫂「この土壇場でデレモンを進化させるなんて……やるね」

P「……まだ、勝負は続きますよね?」

櫂「……っ!」ゾクッ

櫂「もちろん!まだ大丈夫だよね、サマかい!」

サマかい「かいっ!」

櫂「行くよ、もっかい水に潜って!」

サマかい「かいっ!」ザバッ

P「セクみく。聞いてくれ」

セクみく「にゃあ?」

P「俺はまだ、お前の力を十分に発揮する事はできないと思う」

セクみく「にゃ」

P「だから……お前の力を、俺に見せてくれ!」

セクみく「にゃあっ!!」コクッ シュバッ!

櫂「消えた?!」

李衣菜「あ、う、上です!上!」

ネネ「なんてジャンプ力……天井に届きそうです」

セクみく「にゃにゃにゃ……」クルッ

李衣菜「天井近くで反転して……天井に足をついた?」

セクみく「にゃっ!!」ダンッ

ネネ「っ、踏み込んでプールに急降下?!」

櫂「行くよ……サマかい!最大出力でシェルブレード!!」

サマかい「かいっ!」ジャキン

ネネ「櫂さん?!一体何を」

櫂「久しぶり、なんだ」

ネネ「え?」

櫂「背筋がぞくっとするくらい緊張感溢れる、熱いバトル」

櫂「あたしが相手をしてきた中で、Pさんは二人目なんだ。そんなバトルを感じさせてくれたのは」

櫂「……あたしはこのバトルで後悔したくない。だから、正々堂々一体一でぶつかってみたい。例え、それで負けたとしても」

ネネ「櫂さん……」

櫂「アクアジェットで更にスピードアップ!!」

サマかい「かいっ!!」グオッ

セクみく「ふーっ……!」ビュオオオオ

櫂「サマかい!セクみくを迎え撃てえええええ!!」

サマかい「かいっ!!」ザバァッ!

セクみく「にゃあああああっ!!」ザンッ!

ガキィィィィン!!

ズバァッ!!

P「んな……!?」

櫂「水が……」

李衣菜「縦に……」

ネネ「割れた……?!」

セクみく「……」

サマかい「……」

P「っ、結果は?!」

セクみく「……にゃあ」

サマかい「……かいっ」フラッ ドサッ

ネネ「え……あ、サマかい、戦闘不能!勝者、Pさん!」

李衣菜「やったあああ!!」

P「よくやってくれたぞ!セクみく!」ギュッ

セクみく「にゃあにゃあ♪」

櫂「……負けた、か」

ネネ「櫂さん……」

櫂「いいんだ。この結果にあたしは後悔してないからね」

櫂「さーて、Pさん!」

P「は、はい」

櫂「えー、ジャズプロダクションリーダーに勝利した証として、貴方にジャズバッチをお渡しします!」スッ

P「ありがとうございます!」

櫂「それと……まぁ、これはあたしからの餞別」

P「技マシンですね、中身は……」

櫂「アクアジェット、だよ。サマかいが使ってたでしょ?」

P「ああ、あの……」

櫂「心配しなくても、水辺じゃなくてもちゃんと使えるから」

P「それなら助かります」

櫂「楽しいバトルだった。またいつか、勝負してよ!次は負けないからさ!」

P「はい!」

―――ジャズタウン プロ前―――

P「ただいまー」ウィーン

卯月「お帰りP君。その様子だと……」

P「ああ、勝った!」

未央「さっすが、やるねー!」

凛「……ま、Pなら心配いらないか」

未央「とか言って一番心配してたのはしぶりんのくせにー」

凛「なっ、心配なんてしてないし」

卯月「ソワソワしてるの丸分かりだったよねー」

凛「卯月!」

P「ははは、ありがとな」

凛「私は、別に……」

P「これでやっと追いついたって感じだな」

未央「だね。でもPが詰まったらまた置いてくよ?」

P「次はむしろ俺がお前らを置いていくかもしれないぞ?」

未央「言ったなー?」

卯月「あれ?そういえば……李衣菜さんは?」

P「なんでもここのプロリーダーと少し話があるんだと」

卯月「プロリーダー同士、積もるお話もあるのかもしれないね」

P「俺は李衣菜を待つけど……お前らは?」

凛「……李衣菜さんとはせっかく仲が良くなれたし、私は待つよ」

未央「しぶりんに同じく!」

卯月「私も!」

P「そっか。なら何処かで時間潰しでも―――」

警察「えっと、そこの君達ちょっといいかな?」

P「はい?」

警察「俺、こういう者なんだけどさ」スッ

卯月「警察手帳……って事は」

P「さん?俺たちに何か用ですか?」

警察「いやー。最近、ジャズタウン内を怪しい男が彷徨いてるって聞いてね?」

凛「怪しい……」

未央「男……?」ジロッ

P「いやなんで俺を見るんだよ」

警察「そうじゃなくてさ、そういう怪しげな人影を見かけなかったかなって」

凛「……それなら、こういう人達を見かけました」スッ

警察「……これ、どこで撮ったんだい?」

P「ゴールデンブリッジです。俺たちに声をかけてきて……」

警察「そうなのか……この写真、もらってもいいかい?」

凛「はい、構いません。むしろお願いします」

警察「ありがとう。君達も気をつけるんだよ?どうも最近、デレモンの乱獲や強奪が多いみたいだから」

P「それは……嫌というほどわかってます」

警察「そっか。じゃあ俺はこれで―――」

ドガガガガガ!!

全員『?!』

未央「な、何だろう今の音」

卯月「工事なんて何処もやってなかったよね……?」

李衣菜「今の音、何かあったんですか?」ウィーン

凛「あ、李衣菜さん」

P「それが俺たちにもよくわからなくて……」

???「助けてくれー!!」

全員『!』

P「あの家からか!」ダッ

警察「えっ、ちょ、ちょっと!?」

―――民家―――

P「何かありましたか!?」

山男「た、助けてくれ……」

未央「うわっ!?家の壁に穴が空いてる!?」

卯月「家の中も荒れ放題だし……酷い……」

P「一体何があったんですかっ!?」グイッ

警察「君達少し待とうか……警官置いて事件の現場に走るとはいい度胸だね?」

P「げほっげほっ……いやぁ、勝手に体が動いてしまったといいますか」

山男「おお警察官さん!」

警察「何があったのか詳しく教えていただけますか?」

山男「家に突然変な男が押し入ってきて……俺のデレモンと技マシンを奪って行ったんだ。しかもそいつ、変なデレモンを使ってやがって……」

警察「なるほど」

山男「そいつはそこの穴を空けて逃げたよ。まだそう遠くには行ってないはず……」

警察「……そこの5人組。穴の向こうに行ったら公務執行妨害で逮捕するよ?」

未央「あはは……バレちゃった」

李衣菜「でも早く行かないと遠くに逃げられるんじゃ……」

警察「まぁ、それは心配いらないっしょ」

凛「どうしてですか?」

警察「街の外にさ、俺の上司がいるから」

―――ジャズタウン 郊外―――

男「はっ、はっ……よっしゃ、これでアイツ等に負けた名誉挽回をっ……」

早苗「はーい、そこの見るからに怪しげな男、ストップして」

男「げっ、ジュンサー……」

早苗「げっ、とは何よ。もしかして悪いことしてたのかなー?」

男「ナ、ナンデモナイデスヨー」

早苗「うわぁ……凄い嘘下手」

男「うるっせぇ!いいからそこをどきやがれ!!」

早苗「残念だけど、そういうワケには行かないんだ」

男「なら押し通るだけだ!行け、Dなな!」

Dなな「ヘヘ……」

早苗「全く……仕方ないわね。行きなさい、ぷちさなえ!」

ぷちさなえ「タイホッ!」

―――――――――――
ぷちさなえ

ぷちけいさつデレモン

いざかやで よいつぶれているすがたが ときたま はっけんされる

タイプ1:格闘

特性:ちからもち


ばかぢから
マッハパンチ
―――――――――――

男「はっ、格闘タイプなんていい餌だぜ!行けDなな!D―――」

早苗「ぷちさなえ!マッハパンチ!」

ぷちさなえ「タイホッ!!」ゴシャアッ

Dなな「ミミミンッ!?」ヒューン

男「吹っ飛んだ!?」

早苗「ちょーっと飛ばしすぎたかな?」

ぷちさなえ「タイホッ!」

Dなな「ヘ、ヘヘ……」ユラッ

早苗「ぷちさなえ、起き上がった所にばかぢから!」

男「よ、避けろDなな!」

Dなな「ミ、ミミミン……」フラフラ

男「くっそ!?さっきの戦闘のダメージが残ってやがったのか!!」

ぷちさなえ「タイーホッ!!」ドゴォッ!!

Dなな「ミミミーン!?」ビューン

ぷちさなえの ばかぢから!

Dななは たおれた!

男「うおおおおお!?どこまで飛んで行くんだよー!?」ダッ

早苗「っと、デレモンを追うのはいいんだけど……その前にごめんね」カシャン

男「えっ」

早苗「今、後輩から連絡が入ったわ。強盗・器物破損の疑いで逮捕♪」

男「く、くっそおおおおお!!」

警官「ちょうど終わったとこみたいだね」

卯月「今吹っ飛んでいったのって……」

警官「相手のデレモンじゃないかな。あーあ。回収するのは俺なのになぁ」

未央「すっご……」

警官「で、なんで君達は着いてきてるんだい?逮捕されたいの?」

P「えっと……それはー……」

凛「私達、ポップシティに向かっているのですが、こちらから行った方が遠回りにならずに済むと思いまして」

P「(凛ナイス!)」

警官「はー。本当は行けないんだけど……まぁいっか。次からは遠回りでもちゃんとした道を通るんだよ?」

凛「ありがとうございます」

早苗「あ、後輩君……って何その子達」

警官「実は事情聴取をしてる時に、偶然さっきの事件が起こりまして。そのまま着いてきちゃったみたいで」

早苗「もー、後輩君は仕方ないなぁ……」

P「あ、あの時の!」

男「げっ、また見つかった……」

警官「知り合い?」

凛「私達に声をかけてきた男の人です。ほら、写真の」

警官「……確かに写真の男に似てるね」

早苗「写真の男?」

警官「この子達が見たっていう変な男と女の写真ですよ」

李衣菜「あーっ!その人、デレモン達の乱獲もしてました!」

男「……やべぇ」

早苗「ふーん……聞くべきことが増えたみたいね?」ギリギリ

男「痛い痛いっ!」

早苗「とりあえず後輩君はいつも通り、相手のデレモンの回収よろしく。私はコイツを警察署まで連れて行くから」

警官「了解」

早苗「君達は……ジャズタウンに戻るも、ここから進んでポップシティに行くも好きにしなさい。今回は事件に立ち入った事、特別に見逃してあげるから」

凛「わかりました。ありがとうございます」

早苗「……ん?」

P「へ?」

早苗「ちょっと君、顔見せてもらっていい?」

P「お、俺ですか?!」

未央「やっぱりP……」

卯月「い、今なら間に合うよP君!自首しよう!」

凛「いや、もう遅いと思うけど……」

P「いや俺は何もやってねぇけど!?」

早苗「……うーん、気のせいだったみたい。気にしないで」

P「よかった……いや本当にやってないからそんな目で見るな!」

早苗「時間とらせてごめんね、それじゃ。ほら行くよー」ズリズリ

男「ひ、引き摺るなあああ!!」

未央「……行っちゃったね」

李衣菜「よかったですね、Pさん」

P「何が!?」

卯月「そ、それじゃあ気を取り直してポップシティに出発しよう!」

凛「うん、早く行かないとね。サントアンヌ号が泊まっている期間にも限りがあるみたいだし」

P「よし、そんじゃ出発だ!」

おまけ


早苗「……」

警官「どうしたんすか、先輩?」

早苗「あー……うん、ちょっとした事思い出してね?」

警官「何を思い出したんすか?」

早苗「あたしが警官になった理由」

警官「へぇ、どんな理由だったんですか?」

早苗「ちょっと近所に守ってやりたいヤツがいて……って、それより、何か収穫あった?」

警官「えーっとですね。なんでもデザート団とかいう組織に入ってるらしく……」

早苗「え……それ、本当?」

警官「はい。確かにそう言ってました」

早苗「……それが本当なら、そいつからもっと情報を聞き出さないとね」

警官「その、デザート団って何なんですか?」

早苗「デザート団っていうのは……数年前に、同じような犯罪を繰り返していた組織の名前よ」

警官「じゃあ数年前からずっと?」

早苗「そうじゃない。一度、一人の少年によって2年前に潰されたはずよ」

警官「じゃあ残党ですかね?」

早苗「そうだったらいいんだけどね……とにかく、引き続きお願い」

警官「わかりました」

早苗「……嫌な予感がするわね」

―――クラシックタウン 某所―――

研究員「た、大変ですちひろさん!」

ちひろ「どうしたの?」

研究員「被検体17014が……施設の外に逃げ出しました!」

ちひろ「な……今すぐ探し出しなさい!彼女は最も完成に近い被検体のハズよ!」

研究員「は、はいっ!」ダッ

ちひろ「……っ、ふふ、素晴らしいわね……」

ちひろ「【自分の意志を持って】逃げ出すなんて……やっぱりあの子は素晴らしいわ……!」

お疲れ様でした。今回の更新はこれで終わりになります。

注釈として、クラシックタウンはタマムシです。

それではここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。

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